JP6884014B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
従って、通信フレームに生成された同期用のプリアンブルパタンを使用してマスタモデムとスレーブモデムとが通信媒体を介して相互に同期通信する通信回線が複数回線併設される通信システムに、特許文献1の通信システムを適用した場合、通信媒体、マスタモデム、スレーブモデムの設置後の設置環境に依存する制約によっては、各回線間で信号干渉が生じて誤同期が行われ通信異常が生じないように対策を講じておく方が好ましい。
例えば、通信媒体としてメタリックペア線で構成された集合ケーブルを使用した複数回線の通信システムの場合、各回線の通信媒体が道路の路側鉄道の線路脇など限られた狭い領域に敷設され、また、他の通信システムの通信回線と隣接して敷設される場合がある。このような環境下では、近隣の複数の回線で同時に通信が行われた場合、各通信回線のケーブル間で信号の漏れが発生し信号間干渉の可能性がある。つまり、相対距離が短く併走した(併設された)ケーブル間では、通信信号の電力の大きさにも依存するけれども静電結合、電磁誘導、等により信号間干渉を発生し、「マスタモデムが、想定しないスレーブモデムに接続される」という誤同期(誤接続)が発生する可能性がある。
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図12に基づいて説明する。
図1は、集合ケーブルとモデム接続構成例を示す。
図1は、1:1接続構成のモデムが5対接続されている5回線の通信システム構成の例を示す。隣接の距離の近いモデム通信間は干渉量が大きく、離れるに従い干渉量は小さくなる。ケーブル間で相互干渉量は異なり、干渉量の大きいモデム間では、異なるケーブルのスレーブに誤同期・誤接続する可能性が生じる。
スレーブモデム1(S1)の受信部は、同期引き込み部21、復調するためのS/N(信
号/ノイズ)を計算するS/N推定部22、復調部23、プリアンブルパタン設定部24、S/N値から干渉量を判定する干渉レベル判定部25、およびプリアンブルパタン相関値計算部26を有している。
なお、図7の例では、ケーブル1の通信フレームのプリアンブルパタンをプリアンブルパタンA、ケーブル2の通信フレームのプリアンブルパタンをプリアンブルパタンB、ケーブル3の通信フレームのプリアンブルパタンをプリアンブルパタンC、ケーブル4の通信
フレームのプリアンブルパタンをプリアンブルパタンD、ケーブル5の通信フレームのプ
リアンブルパタンをプリアンブルパタンE、として示してある。また、図7において、AB
は前記プリアンブルパタンAと前記プリアンブルパタンBとの相関値、BCは前記プリアンブルパタンBと前記プリアンブルパタンCとの相関値、CDは前記プリアンブルパタンCと前記
プリアンブルパタンDとの相関値、DEは前記プリアンブルパタンDと前記プリアンブルパタンEとの相関値、EAは前記プリアンブルパタンEと前記プリアンブルパタンAとの相関値、
をそれぞれ例示してある。
相関量(相関値の大きさ)(図7の相関値(相対値))が小さければ誤同期確立は低減する。
プリアンブルパタン相関値は、図6に相関値計算の例を示してあるように、搬送波(キャリア)数によっても、プリアンブルパタン長によっても変化し、モデムが受信する伝送路の周波数特性により変動するキャリア数に従って最適なプリアンブルパタンを選定することが、誤同期を防止する有効な手段である。
信で、最適なプリアンブルパタンを選定するために、モデム間(ケーブル間)で誤同期測定と干渉レベル測定を行う。誤同期測定と干渉レベルが高い順に、相関値の低いプリアンブルパタンを、受信側のスレーブモデム内のプリアンブルパタン設定部24で設定する。図8に示すように集合ケーブル内の複数のペアのモデム間で組合せ的に誤同期測定と干渉レベル測定とを行うことにより、現状のプリアンブルパタンと現状の干渉レベルでの誤同期の状態がわかり、現在のプリアンブルパタンを、現在のプリアンブルパタンとは異なる最適なプリアンブルパタンに、受信側のスレーブモデム内で、切り替え等により選定あるいは設定することで、誤同期を回避できる。なお、現在のプリアンブルパタンを、現在のプリアンブルパタンとは異なる最適なプリアンブルパタンへの変更は、送信側のマスタモデム内で行う構成とすることも可能である。
これらの手順での同期確立の確認を、他の通信回線CL2,CL3,CL4,CL5の各々を主体として、順に実施し、全通信回線CL1,CL2,CL3,CL4,CL5の各々について個別に同期・接続を確認する。
誤同期かどうか確認のみでは、確実な同期性能を推定できないため、干渉レベルの測定が必要になる。この結果の例を図11に示す。
プリアンブルパタンの同期性能を上げるためには、図12に例示のようにプリアンブルパタンの領域を長くする(ビット列のビット数を増加する)ことも1つである。また図4や図5のパタン自体の生成回路の変更によっても実現できる。
本実施の形態2は、実施の形態1に、プリアンブルパタンを用いた同期方式で、最適なプリアンブルパタンを選定し切り替える回路方式において、複数のモデムのペア間の同期時間を任意にずらし、同時に同期確立するタイミングを回避する機能を追加した事例であり、実施の形態1と同じ構成、機能については説明を割愛し、実施の形態1と異なる点だけについて説明する。
本実施の形態3は、実施の形態1に、プリアンブルパタンを用いた同期方式で、最適なプリアンブルパタンを選定し切り替える回路方式において、干渉レベルの値の判定による通信情報の搬送波(キャリア)の送信電力制御を行うことにより干渉レベルを低減し、誤同期を回避する機能を追加した事例であり、実施の形態1と同じ構成、機能については説明を割愛し、実施の形態1と異なる点だけについて説明する。
する。もし、受信側でS/Nが充足していなければ接続不可となるため、その場合は送信電
力の低減は行わない。
本実施の形態4は、実施の形態3に、プリアンブルパタンを用いた同期方式で、最適なプリアンブルパタンを選定し切り替える回路方式において、干渉レベルの値の判定による送信電力制御を行うことにより干渉レベルを低減し、誤同期を回避する方式に加え、更に、周波数領域での周波数チャネル(どの周波数キャリアを使うか)を選定する機能を追加して干渉を回避することで誤同期を回避できるようにしたものであり、実施の形態1および3と同じ構成、機能については説明を割愛し、実施の形態1および3と異なる点だけについて説明する。
本実施の形態4は、実施の形態1に、プリアンブルパタンを用いた同期方式で、最適なプリアンブルパタンを選定し切り替える回路方式において、符号化方式制御部16を設け、干渉レベルが高い場合、符号化率を下げる(例えば、256QAMから16QAM等)ことにより誤同期を回避する機能を追加した事例であり、実施の形態1と同じ構成、機能については説明を割愛し、実施の形態1と異なる点だけについて説明する。
高い場合、符号化率を下げる(例えば、256QAMから16QAM等)ことでより誤同期を回避できるようにしたものである。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、組み合わせ、変形、省略することができる。
なお、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
CL1,CL2,CL3,CL4,CL5 通信回線、
CM1,CM2,CM3,CM4,CM5 通信媒体(ケーブル)、
M1,M2,M3,M4,M5 マスタモデム、
S1,S2,S3,S4,S5 スレーブモデム、
11 符号部、 12 プリアンブルパタン生成・設定部、
121 プリアンブルパタン設定部、 13 送信電力調整部、
14 送信電力制御部、 15 周波数チャンネル選定部、
16 符号化方式制御部、 17 変調部、
21 同期引き込み部、 22 S/N推定部、
23 復調部、 24 プリアンブルパタン設定部、
25 干渉レベル判定部、
26 プリアンブルパタン相関値計算部、
27 同期引き込み時間ランダム設定部、 28 復調化方式制御部
Claims (4)
- 互いに通信媒体を介して接続され相互に通信を行うマスタモデムおよびスレーブモデムを備え、前記通信の通信フレームに生成された同期用のプリアンブルパタンを使用して前記マスタモデムと前記スレーブモデムとが相互に同期通信する通信回線が複数回線併設され少なくとも2つの前記通信回線で同じ時間に通信が行われる通信システムであって、誤同期測定の結果と干渉レベル測定の結果とに基づいて、前記通信フレームの現在の同期用プリアンブルパタンを異なる同期用プリアンブルパタンに設定することを特徴とする通信システム。
- 請求項1に記載の通信システムにおいて、複数の前記通信媒体の信号干渉レベルの測定結果に基づいて前記通信の搬送波の送信電力を制御することを特徴とする通信システム。
- 請求項2に記載の通信システムにおいて、前記信号干渉レベルの測定結果に基づいて前記搬送波の周波数チャネルを選定することを特徴とする通信システム。
- 請求項2または請求項3に記載の通信システムにおいて、前記信号干渉レベルの測定結果に基づいて前記マスタモデムの変調部での符号化率を制御することを特徴とする通信システム。
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