JP6883809B2 - 乳化物製造装置用の洗浄剤及び洗浄方法 - Google Patents

乳化物製造装置用の洗浄剤及び洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、乳化物製造装置用の洗浄剤及び洗浄方法に関し、特にシリコーン油に対して優れた洗浄能を有する乳化物製造装置用の洗浄剤及び洗浄方法に関する。
従来より、化粧品に代表される乳化物を製造するために、例えば混合槽内に撹拌羽根が設置された乳化物製造装置が用いられている。このようにして混合槽内に設置された撹拌羽根を回転させる等して、液体を流動させて、均一に混合や伝熱をして乳化物を製造する。
このようにして乳化物を製造した後の乳化物製造装置は、コンタミネーションの防止や装置の保全の観点から、その内壁や撹拌羽根を洗浄して、それらの表面に付着して残存した乳化物やその構成成分を洗浄して除去する必要がある。
具体的には、混合槽内に洗浄剤を含む洗浄液を充填し、その洗浄液を撹拌羽根によって撹拌させて洗浄する、いわゆる「溜め洗い」が行われている。この「溜め洗い」に用いる洗浄剤としては、洗浄対象である乳化物の性状等により適宜選択する必要があり、例えばセバシン酸ジイソプロピル等の油性洗浄除去剤とプロピレングリコール等の水性洗浄除去剤を共存させた洗浄剤が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−182894公報
しかしながら、以上のような洗浄剤では、「溜め洗い」をしても洗浄効果が十分ではないことがある。実際に、特許文献1では混合槽内に洗浄剤を噴射して、物理力を加えて洗浄することが記載されている。「溜め洗い」をしても洗浄効果が十分でなく、洗浄剤の噴射もできない場合には、直接拭き取って洗浄を行っていた。
特に、「溜め洗い」を行う場合において、乳化物製造装置を用いて製造する乳化物の一つである化粧品には、生理的に不活性で、無色・無臭であり、特性の向上が見られるシリコーン油が含有されるが、このシリコーン油に対して優れた洗浄能を有する洗浄剤は、これまで見出されていなかった。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、乳化物製造装置に付着した、シリコーン油等の各種物質を効率よく洗浄除去できる新規の洗浄剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、以上の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた。その結果、ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなる複合粒子を含み、その油剤として、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つその混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下であるものを用いて乳化物製造装置用の洗浄剤を構成することにより、そのような洗浄剤が、乳化物製造装置に付着した、シリコーン油等の各種物質を効率よく洗浄除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
(1)ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなる複合粒子を含み、前記油剤は、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つ該混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下である、乳化物製造装置用の洗浄剤。
(2)水をさらに含み、前記複合粒子が該水に分散している、(1)に記載の洗浄剤。
(3)有機酸をさらに含む、(1)又は(2)に記載の洗浄剤。
(4)重合禁止剤をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の洗浄剤。
(5)非イオン性界面活性剤をさらに含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の洗浄剤。
(6)乳化物製造装置の混合槽に、請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤を添加し撹拌する洗浄工程を含む、乳化物製造装置の洗浄方法。
(7)前記洗浄工程の前に、前記乳化物製造装置の混合槽に、有機酸、重合禁止剤及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される1種以上を添加する前処理工程をさらに含む、(6)に記載の洗浄方法。
本発明によれば、乳化物製造装置に付着した、シリコーン油等の各種物質を効率よく洗浄除去できる新規の洗浄剤を提供することができる。
本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤による洗浄メカニズムを説明するための模式図である。 実施例の洗浄評価における評価基準を示す写真図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態について何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪乳化物製造装置用の洗浄剤≫
本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなる複合粒子を含む。そして、この油剤は、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つその混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下である。
図1は、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤による洗浄メカニズムを説明するための模式図である。以下、この図1を用いて本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤による洗浄メカニズムを説明するが、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤による乳化物製造装置の洗浄は、この説明の機構に何ら限定を受けるものではない。
複合粒子は、ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなるものであり、ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子がその複合粒子の表面に露出している。そのため、複合粒子の表面は、ベシクル又は重縮合ポリマーに起因する親水性によって水中に容易に分散し得る。
洗浄剤は、被除去成分(乳化物製造装置に残存した乳化物やその構成成分等の除去する対象の成分)に対する洗浄能を有する複合粒子が水に分散されてなるものである。そして、このような洗浄液が、乳化物製造装置が有する混合槽(反応容器)中に添加され、混合槽の内壁や撹拌羽根等の固体表面と接触した状態とされる(図1(a))。被除去成分は、混合槽内の撹拌羽根によるせん断力等の物理力によってその一部が分離して除去されることもあるが、撹拌羽根による物理力はそれほど大きいものではないため、撹拌のみでは多くの被除去成分が固体表面に残存する(図1(b))。次いで、このようにして固体表面に残存した被除去成分の表面に、複合粒子が付着する(図1(c))。ここで、複合粒子中の油剤が、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つその混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下であると、被除去成分と相溶性が高いことに起因して、油剤が被除去成分と一体化し(図1(d))、その一体化した油剤と被除去成分の混合物の周囲を、ベシクル又は重縮合ポリマー粒子が囲もうとする(図1(e))。そして、このようにして、ベシクル又は重縮合ポリマー粒子が囲んだ油剤と被除去成分の混合物では、表面積を低下させるために、その内部に凝集力が働き、油剤と被除去成分の混合物が略球状になろうとする(図1(f))。このようにして略球状となった油剤と被除去成分の混合物に、撹拌羽根による力が加わると、油剤と被除去成分の混合物の一部が剥離されて(図1(g))、さらに小さくなった油剤と被除去成分の混合物も付着力が低下して剥離される(図1(h))。なお、油剤と被除去成分の混合物の大きさや種類等によっては、一度に全て剥離されることもある。剥離された油剤と被除去成分の混合物は、ベシクル又は重縮合ポリマー粒子によって水中で安定化され、撹拌槽の内壁や撹拌羽根等の固体表面に再付着せずに、排水によって簡単に除去できるようになる。
ここで、乳化物製造装置の溜め洗いによる洗浄では、その内部を洗浄するために、洗浄箇所を擦る等により、直接物理力を印加することができないため、その作業を困難にしていた。これに対し、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、上述のような洗浄メカニズムを経由することにより、被洗浄成分に物理力を印加して効率的な洗浄を行うことができる。
また、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、油剤が、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つその混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下であるものを用いる。これを言い換えれば、洗浄剤の構成成分として、被除去成分と相溶性のあるもの、すなわち被除去成分と化学的又は物理的に類似する成分を用いることを意味している。このような成分を用いることは、洗浄対象である乳化物製造装置のさらなる汚染に繋がる可能性もあると考えられた。しかしながら、驚くべきことに、洗浄対象である乳化物製造装置のさらなる汚染には繋がらず、寧ろ高い洗浄効果を有するものである。
具体的に、散乱強度は、質量比1:1で油剤とストレートシリコーン油(5000cSt)とを混合し、ボルテックスミキサーを用いて1分間撹拌して得た混合物について、大塚電子株式会社製 ゼータ電位・粒径測定システムELSZを用いて、25℃で、フィルター100%、積算回数50回の条件にて測定した光量平均値をいう。
なお、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤の洗浄対象である乳化物製造装置は、乳化物を混合、撹拌して製造する装置であれば特に限定されるものではなく、例えばホモミキサー、ホモジナイザー、アンカーミキサー、パドルミキサー、プロペラミキサー等であってよい。
以下、乳化物製造装置用の洗浄剤の各構成成分について詳細に説明する。
<複合粒子>
複合粒子は、ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなるものである。すなわち、例えば特許3855203号に示される、いわゆる「三相乳化」された粒子であり、三相乳化による乳化物のO/Wエマルションの油相(O,内相)を構成する粒子である。
このような複合粒子は乾燥させることにより、粉末状として構成することができ、また、この粉末を水に添加することで、分散液やペーストとして構成することもできる。このような性状としては、洗浄に際し、複合粒子が水と接触してその水に分散可能な状態であれば特に限定されない。
具体的に、複合粒子は、油相(内相)を、例えば特許3855203号に示される方法にしたがい、後述するベシクルや重縮合ポリマーを用いて乳化させて、複合粒子の水分散液として得ることができる。なお、ベシクルの製造にあたって、両親媒性物質を添加する水にイソプロパノールを混合しておくことにより、ベシクルの粒子径を小さくすることができる。ただし、イソプロパノールの混合は必須ではなく、水のみによりベシクルを形成することができる。
エマルション粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、35μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。ただし、エマルション粒子の平均粒子径は35μm超であってもよい。また、エマルション粒子の平均粒子径としては、例えば50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。なお、本発明において「平均粒子径」とは、分散液(エマルション粒子の場合には、O/W型エマルション)について粒度分布測定装置FPAR(大塚電子(株)社製)を用いて動的光散乱法により測定し、Contin解析により求めた個数分布の値の値を3回測定して平均した値である。
(ベシクル、重縮合ポリマー粒子)
ベシクル及び/又は重縮合ポリマー粒子は、油相及び水相の界面、並びに機能性成分相及び水相の界面に介在し、ファンデルワールス力を介して乳化状態を構成することから、水相、油相及び機能性物質の化学組成や表面状態等にかかわらず、良好な乳化物を構成することができる。
ベシクルを形成する両親媒性物質としては、特に限定されないが、下記の一般式1で表されるポリオキシエチレン硬化ひまし油の誘導体が挙げられる。
一般式1
Figure 0006883809
式中、エチレンオキシドの平均付加モル数であるEは、3〜200である。
両親媒性物質としては、リン脂質やリン脂質誘導体等、特に疎水基と親水基とがエステル結合したものを採用してもよい。
リン脂質としては、下記の一般式2で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPC(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長14のDMPC(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)、炭素鎖長16のDPPC(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−choline)に例示される、グリセリンやスフィンゴシンを中心骨格として脂肪酸が結合し、構造中にリン酸部位とコリン部位を持つ脂質を採用可能である。
一般式2
Figure 0006883809
また、下記の一般式3で示される構成のうち、炭素鎖長12のDLPG(1,2−Dilauroyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長14のDMPG(1,2−Dimyristoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩、炭素鎖長16のDPPG(1,2−Dipalmitoyl−sn−glycero−3−phospho−rac−1−glycerol)のNa塩又はNH塩を採用してもよい。
一般式3
Figure 0006883809
更に、リン脂質として卵黄レシチン又は大豆レシチン等のレシチンを採用してもよい。
両親媒性物質としては、脂肪酸エステルを用いてもよい。脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリンと炭素−炭素結合が飽和不飽和結合を問わず、直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸のエステルであり、具体的には、モノミリスチン酸ポリグリセリル、ジミリスチン酸ポリグリセリル、トリミリスチン酸ポリグリセリル、モノパルミチン酸ポリグリセリル、ジパルミチン酸ポリグリセリル、トリパルミチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、ジモノオレイン酸ポリグリセリル、トリモノオレイン酸ポリグリセリル等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
一方、水酸基を有する重縮合ポリマーは、天然高分子、合成高分子又は半合成高分子のいずれであってもよく、乳化剤の用途に応じて適宜選択されてよい。ただし、安全性に優れ、一般的に安価である点で、天然高分子が好ましく、乳化機能に優れる点で以下に述べる糖ポリマーがより好ましい。なお、粒子とは、重縮合ポリマーが単粒子化したもの、又はその単粒子同士が連なったもののいずれも包含する一方、単粒子化される前の凝集体(網目構造を有する)は包含しない。
具体的に、重縮合ポリマーは、セルロース、デンプン等のグルコシド構造を有するポリマーである。例えば、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素として微生物が産生するもの、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、フコイダン、クインシードガム、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、カードラン、ジェランガム、フコゲル、カゼイン、ゼラチン、デンプン、コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、シロキクラゲ多糖体等の天然高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、セルロース結晶体、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子が挙げられる。
ベシクル及び重縮合ポリマー粒子の総量としては、特に限定されないが、乳化物製造装置用の洗浄剤の総量に対し、0.001質量%以上であることが好ましく、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましく、0.01質量%以上であることが特に好ましい。一方で、ベシクル及び重縮合ポリマーの総量としては、乳化物製造装置用の洗浄剤の総量に対し、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下であってよい。
ベシクル及び/又は重縮合ポリマー粒子の平均粒子径は、エマルション形成前では8nm〜800nm程度であるが、O/W型エマルション構造においては8nm〜500nm程度である。なお、重縮合ポリマー粒子及びベシクルは、一方のみが含まれても、双方が含まれてもよい。双方が含まれる場合には、例えば、別々に乳化したエマルションを混合してよい。
また、ベシクル及び/又は重縮合ポリマー粒子は、例えば特許3855203号に示される方法により得ることができる。
(油剤)
油剤は、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物(以下、「混合物」について特に構成成分を示さない場合、当該油剤とストレートシリコーン油とを質量比1:1で混合して得られる混合物をいう。)が二層分離せず、且つその混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下である。
このような油剤は、ストレートシリコーン油と二層分離せず、また、混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下である。言い換えれば、このような油剤はストレートシリコーン油と均一な混合物を生じ得るものであるから、ストレートシリコーン油に対して高い相溶性を有するものである。上述したとおり、このような油剤は、本来、ストレートシリコーン油と化学的性質又は物理的性質が類似することから、汚染に繋がるとも考えられたが、意外なことに、このような油剤を用いることにより、高い洗浄能力を有することが分かった。
このような油剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シクロペンタシロキサン(混合物の25℃における散乱強度:1500〜2000cps程度)、1−ドデセン(混合物の25℃における散乱強度:1700〜2300cps程度)、ミリスチン酸イソプロピル(混合物の25℃における散乱強度:2000〜4000cps程度)等が挙げられる。なお、油剤は、単一成分のものに限られず、上述した性質を有する限りにおいて、混合物であってもよい。油剤の含有量としては、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、65質量%以上であることがさらに好ましい。また、油剤の含有量としては、例えば90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下であってよい。
油剤は以上の成分以外に、例えば、防腐剤、粘度調整用の良溶媒等の成分を含むことができる。
<水>
必須の構成要素ではないが、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、上述したとおり、水をさらに含み、複合粒子がその水に分散している状態として構成することもできる。このように、複合粒子を水に分散して、分散液状とすることにより、洗浄剤のハンドリング性を高めることができる。
水の含有量としては、特に限定されず、乳化物製造装置用の洗浄剤に対し、例えば0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、水の含有量としては、例えば99.99質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることがさらに好ましい。
<有機酸>
必須の構成要素ではないが、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、有機酸をさらに含むことができる。このように、乳化物製造装置用の洗浄剤に有機酸を含有させることにより、特定の種類(例えば、アミノポリエーテル変性シリコーン油、高重合型ジメチコノール、アミドアルキル・ポリエーテル変性シリコーン油)の被除去成分に対する除去洗浄能をより高めることができる。なお、有機酸は、上述した水の含有、非含有に関わらず用いることができる。有機酸が、シュテルン層で被洗浄成分(例えば変性シリコーン油)と有機酸のイオンがイオン対を形成することにより、拡散電気二重層が縮退し、束縛水の量が減少するので、変性シリコーン油と複合粒子間における立体障害が小さくなり、上述した洗浄剤の洗浄機構が働きやすくなる。
有機酸としては、特に限定されないが、例えばスルホン酸、カルボン酸等が挙げられる。スルホン酸としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、酪酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
有機酸の含有量としては、特に限定されず、乳化物製造装置用の洗浄剤に対し、例えば0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、有機酸の含有量としては、例えば70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
<重合禁止剤>
必須の構成要素ではないが、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、重合禁止剤をさらに含むことができる。このように、乳化物製造装置用の洗浄剤に重合禁止剤を含有させることにより、重合によりゲル化を生じる特定の種類の被除去成分(例えばアミノ・グリコール変性シリコーン油)に対する除去洗浄能をより高めることができる。なお、重合禁止剤は、上述した水の含有、非含有に関わらず用いることができる。
重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば4−メトキシフェノール、ヒドロキノン等が挙げられる。
重合禁止剤の含有量としては、特に限定されず、乳化物製造装置用の洗浄剤に対し、例えば0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、重合禁止剤の含有量としては、例えば60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
<非イオン性界面活性剤>
必須の構成要素ではないが、本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、非イオン性界面活性剤をさらに含むことができる。このように、乳化物製造装置用の洗浄剤に非イオン性界面活性剤を含有させて、汚染油の表面物性を改質することにより、特定の種類の被除去成分(例えばアミノ・グリコール変性シリコーン油等)に対する除去洗浄能をより高めることができる。なお、非イオン性界面活性剤は、上述した水の含有、非含有に関わらず用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、2−ヘプタデシル-N-ヒドロキシエチル−N−カルボキシラートメチルイミダゾリニウムクロライド−2−ヘプタデシル−N,N−ビスヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の含有量としては、特に限定されず、乳化物製造装置用の洗浄剤に対し、例えば0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましく、1質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、非イオン性界面活性剤の含有量としては、例えば70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る乳化物製造装置用の洗浄剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、他の成分を含むことができる。具体的には、防腐剤、増粘剤、無機塩、酸・アルカリ等が挙げられる。
≪乳化物製造装置の洗浄方法≫
本実施形態に係る乳化物製造装置の洗浄方法は、少なくとも、乳化物製造装置の混合槽に、上述した乳化物製造装置用の洗浄剤を添加して撹拌する洗浄工程を含む。また、必須の構成要素ではないが、乳化物製造装置の混合槽に、水を充填する準備工程、有機酸、重合禁止剤、非イオン性界面活性剤等(以下、洗浄補助剤と呼ぶ。)を、水が充填された混合槽に添加する洗浄補助剤添加工程や、乳化物製造装置用の洗浄剤を添加して一定時間浸漬・静置させる静置工程を、洗浄工程の前に設けることができる。なお、洗浄補助剤添加工程と静置工程の順序は特に限定されない。また、洗浄工程の後に、乳化物製造装置の混合槽や撹拌羽根を水で洗い流す、すすぎ工程を設けてもよい。
<準備工程>
準備工程は、乳化物製造装置の混合槽に、水を充填する工程である。
添加する水の量としては、特に限定されないが、少なくとも乳化物の製造の際の液面よりも高くすることが好ましい。また、混合の際に液が飛散した部分が水に浸るようにすることが好ましい。
なお、準備工程は必須の態様ではなく、乳化物製造装置用の洗浄剤を分散させた水(洗浄液)を、直接、乳化物製造装置の混合槽に添加してもよい。
<洗浄補助剤添加工程>
洗浄補助剤添加工程は、洗浄補助剤を、水が充填された混合槽に添加する工程である。
洗浄補助剤は、乳化物製造装置用の洗浄剤と混合して、一剤として用いることもできるが、洗浄補助剤と、洗浄剤を分けてこの順に添加しても同様の洗浄効率をより高める効果が得られる。
洗浄補助剤の添加量としては特に限定されないが、洗浄補助剤の濃度が0.1g/L以上となるように添加することが好ましく、1g/L以上となるように添加することがより好ましく、10g/L以上となるように添加することがさらに好ましく、20g/L以上となるように添加することが特に好ましく、50g/L以上となるように添加することが最も好ましい。一方で、洗浄補助剤の添加量としては、その濃度が200g/L以下となるように添加することが好ましく、150g/L以下となるように添加することがより好ましく、100g/L以下となるように添加することがさらに好ましい。
洗浄補助剤の添加後、薬さじを用いて人為的に水を撹拌したり、撹拌羽根を用いて自動で水を撹拌したりして、洗浄補助剤を水中に均一に溶解又は分散させることが好ましい。撹拌の時間としては、特に限定されないが、例えば10秒〜1時間程度であってよい。
<静置工程>
静置工程は、乳化物製造装置用の洗浄剤を添加して一定時間浸漬・静置させる工程である。
洗浄剤の添加量としては特に限定されないが、複合粒子の濃度が0.1g/L以上となるように添加することが好ましく、1g/L以上となるように添加することがより好ましく、10g/L以上となるように添加することがさらに好ましく、20g/L以上となるように添加することが特に好ましく、50g/L以上となるように添加することが最も好ましい。一方で、洗浄剤の添加量としては、その濃度が200g/L以下となるように添加することが好ましく、150g/L以下となるように添加することがより好ましく、100g/L以下となるように添加することがさらに好ましい。
洗浄剤の添加後、薬さじを用いて人為的に水を撹拌して、洗浄剤を水中に均一に溶解又は分散させることが好ましい。撹拌の時間としては、特に限定されないが、例えば10秒〜1時間程度であってよい。
<洗浄工程>
洗浄工程は、乳化物製造装置の混合槽に、上述した乳化物製造装置用の洗浄剤を添加して撹拌する工程である。
洗浄工程における撹拌の時間としては、特に限定されないが、例えば10秒以上であることが好ましく、1分以上であることがより好ましく、5分以上であることがさらに好ましい。また、撹拌の時間としては、2時間以下であることが好ましく、1時間以下であることがより好ましく、50分以下であることがさらに好ましく、40分以下であることが特に好ましい。
洗浄工程における撹拌の回転数としては、特に限定されないが、例えば100rpm以上であることが好ましく、500rpm以上であることがより好ましく、1000rpm以上であることがさらに好ましく、2000rpm以上であることが特に好ましい。また、撹拌の回転数としては、高いほど好ましいが、例えば100000rpm以下であってよい。また、撹拌の回転数としては、ホモミキサーを用いる場合には、20000rpm以下、17000rpm以下、15000rpm以下であってよい。
<すすぎ工程>
すすぎ工程は、乳化物製造装置の混合槽や撹拌羽根を水で洗い流す工程である。
すすぎ工程では、例えば水を連続的に噴射するか、混合槽に水を溜めて撹拌する等して、その表面に残った被除去成分や、洗浄剤を洗い流すことができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試薬>
本実施例において用いた試薬は、以下のとおりである。
(洗浄剤試料)
・ポリオキシエチレン硬化ひまし油:HCO−30(日光ケミカルズ)
・ジステアリン酸デカグリセリン:2S10G 3−SV(日光ケミカルズ)
・ジラウロイルグルタミン酸リシンNa:ペリセア L−30(旭化成ファインケム)
・ジステアリルジモニウムクロリド:NIKKOL CA−3475V(日光ケミカルズ)
・シクロペンタシロキサン:SH 245 Fluid(東レ・ダウコーニング),混合物の散乱強度1685±229cps
・1−ドデセン:リニアレン12(出光興産),混合物の散乱強度2073±309cps
・ミリスチン酸イソプロピル:IPM−EX(日光ケミカルズ),混合物の散乱強度3167±953cps
・流動パラフィン:ハイコール K−350,混合物の散乱強度85869±334661cps
・4−メトキシフェノール(MEHQ):東京化成工業(株)
・乳酸:ムサシノ乳酸90(武蔵野化学研究所)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:ネオペレックスGS(花王)
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル:アデカトール LB−93(ADEKA)
(モデル被除去成分)
・ストレート型シリコーン油(500cSt):KF−96−500cs(信越化学工業)
・ストレート型シリコーン油(5000cSt):KF−96−5000cs(信越化学工業)
・アミノ変性シリコーン油:KF−8008(信越化学工業)
・アミノポリエーテル変性シリコーン油:SILSTYLE 104(東レ・ダウコーニング)
・高重合型ジメチコノール:1501 Fluid(東レ・ダウコーニング)
・アミドアルキル・ポリエーテル変性シリコーン油:OP−8496 Conditioning Agent(東レ・ダウコーニング)
・アミノ・グリコール変性シリコーン油:JP−8500 Conditioning Agent(東レ・ダウコーニング)
・アミノフェニル変性シリコーン油:2−2078 Fluid(東レ・ダウコーニング)
・フェニル変性シリコーン油:SH 556 Fluid(東レ・ダウコーニング)
<試料の調製>
(実施例1〜3)
ポリオキシエチレン硬化ひまし油を、精製水とイソプロパノール(キシダ化学)に溶解させて得られた原料溶液を得た。得られた原料溶液と精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサー(みづほ工業株式会社製,PVQ−3UNII(Photo 7)、以下の全ての試料において同じ装置を用いた。)を用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、ベシクルの分散液を得た。次に、このベシクルの分散液と油剤を混合して、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数2000rpm、掻取ミキサー回転数50rpmとし、−0.03MPaの減圧下で、15分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(実施例4)
ミリスチン酸デカグリセリルと精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、ベシクルの分散液を得た。次に、このベシクルの分散液と油剤を混合して、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数2000rpm、掻取ミキサー回転数50rpmとし、−0.03MPaの減圧下で、15分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(実施例5)
ジラウロイルグルタミン酸リシンNaと精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、ベシクルの分散液を得た。次に、このベシクルの分散液と油剤を混合して、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数2000rpm、掻取ミキサー回転数50rpmとし、−0.03MPaの減圧下で、15分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(実施例6)
ジステアリルジモニウムクロリドと精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、ベシクルの分散液を得た。次に、このベシクルの分散液と油剤を混合して、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数2000rpm、掻取ミキサー回転数50rpmとし、−0.03MPaの減圧下で、15分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(比較例1)
水と油剤を混合して、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数2000rpm、掻取ミキサー回転数50rpmとし、−0.03MPaの減圧下で、15分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(比較例2)
ポリオキシエチレン硬化ひまし油を、精製水とイソプロパノールに溶解させて得られた原料溶液を得た。得られた原料溶液と精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(比較例3)
ミリスチン酸デカグリセリルと精製水とを混合した後、高粘度ホモミキサーを用いて、回転数8000rpmで3分間撹拌し、洗浄剤試料を得た。
(比較例4)
油剤として、流動パラフィンを用いたこと以外、実施例1〜3と同様にして洗浄剤試料を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜4の洗浄剤試料の各成分の組成を、以下の表1に示す。
Figure 0006883809
<洗浄性試験>
容積3Lの混合槽を有する高粘度ホモミキサーについて、各種の油7.5gと水道水1.5kgとを混合したものに、撹拌羽根を浸漬させ、これをモデル被除去成分とした。
モデル被除去成分に対して、以下(A)〜(C)の処理を施した。
(A)洗浄補助剤添加工程
モデル被除去成分物中の水に、洗浄補助剤を添加した後、以下の(A1)又は(A2)の操作により撹拌した。
(A1)薬さじを用いて、手で撹拌した。
(A2)高粘度ホモミキサーの機能により、回転数8000rpm、掻取ミキサー回転数50rpm、−0.03MPaの減圧条件下で、10分間撹拌した。
(A3)撹拌せず、すぐに(B)工程に移ったものとする。
(B)静置工程
モデル被除去成分中の水に、実施例1〜6及び比較例1〜4の洗浄剤試料を添加した後、薬さじを用いて、手で撹拌し、0〜180分間静置した。なお、「0分」とは、撹拌後間を置かずすぐに(C)洗浄工程に移ったものとする。
(C)洗浄工程
モデル被除去成分中の水に対し、高粘度ホモミキサーの機能により、回転数8000rpm、掻取ミキサー回転数50rpm、−0.03MPaの減圧条件下で、5〜15分間撹拌した。
得られた撹拌羽根の表面を目視にて確認し、以下の評価基準で評価した。図2は、洗浄評価における評価基準を示す写真図である。
◎:汚染モデル油の残存がない場合(図2(a)参照)
〇:汚染モデル油が薄膜として確認された場合(図2(b)参照)
△:汚染モデル油が油滴として確認された場合(図2(c)参照)
×:汚染モデル油が滴状よりも多い状態で確認された場合(図2(d)参照)
以下の表2及び3に評価結果を示す。
Figure 0006883809
Figure 0006883809
表2及び3の結果より、実施例1〜6の洗浄剤試料を用いたものは、各種シリコーン油に対して洗浄能が高かったが、一方で、比較例1〜4の洗浄剤試料を用いたものは、各種シリコーン油に対して洗浄能が低かった。

Claims (7)

  1. ベシクル、又は水酸基を有する重縮合ポリマー粒子が、油剤を囲んでなる複合粒子を含み、
    前記油剤は、質量比1:1でストレートシリコーン油と混合して得られる混合物が二層分離せず、且つ該混合物の25℃における散乱強度が5000cps以下である、
    乳化物製造装置用の洗浄剤。
  2. 水をさらに含み、前記複合粒子が該水に分散している、
    請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 有機酸をさらに含む、
    請求項1又は2に記載の洗浄剤。
  4. 重合禁止剤をさらに含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄剤。
  5. 非イオン性界面活性剤をさらに含む、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄剤。
  6. 乳化物製造装置の混合槽に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄剤を添加し撹拌する洗浄工程を含む、
    乳化物製造装置の洗浄方法。
  7. 前記洗浄工程の前に、前記乳化物製造装置の混合槽に、有機酸、重合禁止剤及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される1種以上を添加する前処理工程をさらに含む、
    請求項6に記載の洗浄方法。
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