JP6883755B2 - ストーマ装具用潤滑消臭組成物及びストーマ装具キット - Google Patents

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Description

本発明は、一般にはストーマ装具用潤滑消臭組成物及びストーマ装具キットに関し、より詳細にはストーマ装具のパウチの内面に塗布して使用されるストーマ装具用潤滑消臭組成物及びストーマ装具キットに関する。
人工肛門・人工膀胱は、様々な病気や障害などが原因で、腹壁に造られた便や尿の排泄口のことである。このような人工肛門・人工膀胱は、総称してストーマと呼ばれている。ストーマは、肛門や尿道口のように括約筋がないため、排泄を自己の意思により制御することができない。そのため、このようなストーマを持っている人(オストメイト)は、ストーマ装具をストーマに装着して、排泄の管理を行っている。
一般にストーマ装具は、面板とパウチとで構成されている。面板は、ストーマに装着される部材である。パウチは、面板に接合され、ストーマからの排泄を受ける袋であり、開閉自在な排出口が設けられている。そして、オストメイトは、次のようにして排泄の管理を行っている。すなわち、パウチ内に排泄物がある程度溜まった後に、トイレなどにおいてパウチの排出口から排泄物を排出するようにしている。
一般に排泄物はパウチの内面に粘着しやすいので、これを避けるために潤滑剤が用いられている。このような潤滑剤として、例えば、特許文献1では、排泄物収容装具用パウチのための潤滑性組成物が開示されている。また特許文献2では、オストミーパウチ用潤滑消臭剤が開示されている。
特開2006−280843号公報 特表2007−525251号公報
潤滑性能については、従来の潤滑剤でもある程度の成果をあげているが、なお改良の余地がある。さらに排泄物からの臭気は、オストメイトの心的負担となっているため、一層の消臭効果も求められている。
本発明の目的は、ストーマ装具のパウチ内において排泄物を移動させやすくすることができるとともに、排泄物の匂いを軽減することができるストーマ装具用潤滑消臭組成物及びストーマ装具キットを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、潤滑剤と、消臭剤と、を含有し、前記潤滑剤は、エーテル化度が0.6以上0.9未満の範囲内であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、界面活性剤と、を含み、前記消臭剤は、有機酸の金属塩を含む。
本発明の一態様に係るストーマ装具キットは、前記ストーマ装具用潤滑消臭組成物と、ストーマ装具と、を備える。
本発明によれば、ストーマ装具のパウチ内において排泄物を移動させやすくすることができるとともに、排泄物の匂いを軽減することができる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係るストーマ装具であって、排出口を閉じた状態を示す一部破断した正面図である。図1Bは、同上のストーマ装具であって、排出口を開いた状態を示す一部破断した正面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[概要]
本実施形態に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、潤滑剤と、消臭剤と、を含有する。潤滑剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、界面活性剤と、を含む。消臭剤は、有機酸の金属塩を含む。
この構成によれば、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び界面活性剤の潤滑機能によって、ストーマ装具1のパウチ3内において排泄物を移動させやすくすることができるとともに、有機酸の金属塩の消臭機能によって、排泄物の匂いを軽減することができる。
[詳細]
(ストーマ装具用潤滑消臭組成物)
ストーマ装具用潤滑消臭組成物(以下「潤滑消臭組成物」ともいう。)は、潤滑剤と、消臭剤と、を含有する。潤滑消臭組成物は、防腐剤を更に含有することが好ましい。潤滑消臭組成物は、潤滑剤及び消臭剤の機能が阻害されない範囲内で、その他の成分を含有してもよい。以下、潤滑消臭組成物の構成成分について詳述する。
<潤滑剤>
潤滑剤は、潤滑消臭組成物に潤滑機能を付与する。潤滑消臭組成物に排泄物が接触した場合、この両者の摩擦が潤滑剤によって低減される。その結果、排泄物が移動しやすくなる。
潤滑剤は、潤滑消臭組成物にチクソ性を付与するものであることが好ましい。この場合、潤滑消臭組成物をストーマ装具1のパウチ3に入れて、パウチ3を揉み解したり、パウチ3の内面30同士を擦り合せたりするようにすると、潤滑消臭組成物は低粘度となってパウチ3の内面30全体に塗り広げられる。そのまま放置すると潤滑消臭組成物は高粘度となって塗布された箇所にとどまり、ストーマ装具1をストーマに装着したときでも、潤滑消臭組成物が下方に垂れ落ちるのを抑制することができる。
具体的には、潤滑剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、界面活性剤と、を含む。
まずカルボキシメチルセルロースナトリウムについて説明する。カルボキシメチルセルロースナトリウムは、セルロース系水溶性高分子の1つであり、増粘機能を有している。つまり、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、潤滑消臭組成物に潤滑機能に加えて、チクソ性を付与し得る。
カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、0.6以上0.9未満の範囲内であることが好ましく、0.6〜0.8の範囲内であることがより好ましい。ここで、エーテル化度は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの1つのグルコースに存在する3つの水酸基が平均どの程度カルボキシメチル基で置換されているかを表す。エーテル化度が高いと粘性が高くなり、エーテル化度が低いと粘性が低くなる。つまり、エーテル化度は、粘性の高低を表す指標となる。エーテル化度の理論上の最大値は3であるため、0.6〜0.8は比較的エーテル化度が低く、このようなエーテル化度のカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液はチクソトロピックな性質を発現する。
そして、カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度が上記の範囲内であることにより、潤滑消臭組成物の粘性は極端に高くなったり低くなったりせずにチクソ性が発現しやすくなる。つまり、潤滑消臭組成物はチクソトロピックな性質を持つようになる。このような潤滑消臭組成物をパウチ3の内面30に塗布した場合、潤滑消臭組成物はパウチ3の内面30から流れ落ちることなく、内面30にとどまることになる。その結果、排泄が行われたときには、排泄物はパウチ3の内面30に直接触れることなく、潤滑消臭組成物に触れることにより、排泄物の移動(落下)を早めることに繋がる。またパウチ3内の排泄物をトイレ等で処理する場合においても、排泄物は直接パウチ3の内面30と触れているわけではないので、パウチ3の排出口32を開いたときには速やかな排出が可能となる。
潤滑消臭組成物の全質量に対して、カルボキシメチルセルロースナトリウムの含有量は0.5〜3.0質量%の範囲内であることが好ましく、1.0〜2.0質量%の範囲内であることがより好ましい。
次に界面活性剤について説明する。界面活性剤は、非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)を含み、さらに両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。これは、次の3つの場合を意味している。すなわち、1つ目は、(1)界面活性剤が、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含み、陰イオン界面活性剤を含まない場合である。2つ目は、(2)界面活性剤が、非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤を含み、両性界面活性剤を含まない場合である。3つ目は、(3)界面活性剤が、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤を全て含む場合である。これらの3つの場合の中では、潤滑消臭組成物の粘度調整がしやすいという点で、(3)の場合よりも(1)及び(2)の場合が好ましい。
次に非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤について順に説明する。
非イオン界面活性剤は、水に溶けてもイオン化しない親水基をもつ界面活性剤である。非イオン界面活性剤は、水の硬度や電解質の影響を受けにくいので、他の全ての界面活性剤と併用することができる。
非イオン界面活性剤は、分子内の主要な結合の仕方により、エーテル型、エステル型、エステル・エーテル型及びその他に分類されるが、本実施形態ではいずれも使用可能である。エーテル型の非イオン界面活性剤の一例として、ポリオキシエチレントリデシルエーテルが挙げられる。
非イオン界面活性剤は、ストーマ装具1のパウチ3内面に対する潤滑消臭組成物の濡れ性(親和性)を高めることができる。これにより潤滑消臭組成物をパウチ3の内面全体に容易に塗り広げることができる。つまり潤滑消臭組成物の展延性を高めることができる。その結果、潤滑消臭組成物の潤滑機能の向上に繋がり、排泄物を容易に移動させることができる。
両性界面活性剤は、水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を示し、酸性領域では陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)の性質を示す界面活性剤である。両性界面活性剤は、ベタイン型、アミノ酸型などに分類されるが、本実施形態ではいずれも使用可能である。ベタイン型の両性界面活性剤の一例として、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが挙げられる。
陰イオン界面活性剤は、水に溶けたとき、疎水基のついている部分がマイナス(負)イオンに電離する界面活性剤である。
両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤は、潤滑消臭組成物に起泡性を付与することができる。つまり、潤滑消臭組成物が泡立ちやすくなる。潤滑消臭組成物をストーマ装具1のパウチ3に入れて、パウチ3を揉み解すようにすると、潤滑消臭組成物は泡立ちながらパウチ3の内面全体に塗り広げられる。そのため、排泄物は泡に遮られてパウチ3の内面に直接触れにくくなる。その結果、パウチ3内における排泄物の移動の抵抗が低減される。
潤滑消臭組成物の全質量に対して、界面活性剤の含有量は0.1〜5.0質量%の範囲内であることが好ましい。
<消臭剤>
消臭剤は、潤滑消臭組成物に消臭機能を付与する。消臭剤によって排泄物の匂いを軽減することができる。
具体的には、消臭剤は、有機酸の金属塩を含む。排泄物の匂いの成分を、有機酸の金属塩と化学反応させ、無臭の成分とすることができる。つまり、有機酸の金属塩は、化学的消臭法による消臭機能を潤滑消臭組成物に付与することができる。ここで、有機酸の具体例として、グルコン酸、乳酸が挙げられる。金属塩の具体例として、銅塩、鉄塩、亜鉛塩が挙げられる。排泄物の匂いの成分は、硫化水素、メチルメルカプタンなどである。このような排泄物の匂いを有機酸の金属塩によって軽減することができる。
より具体的には、有機酸の金属塩は、グルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることが好ましい。これらの化合物は、硫化水素及びメチルメルカプタンの消臭効果に特に優れている。このような優れた消臭効果は、ストーマ装具1を装着しているときに排泄物の匂いがパウチ3の外へ漏れるのを抑制するのに役立つ。これは、オストメイトの心的負担となっていた周囲への匂いの漏れに関する気遣いを低減することに繋がる。上記に列挙した化合物の中でも特にグルコン酸銅の消臭効果が大きい。
潤滑消臭組成物の全質量に対して、有機酸の金属塩の含有量は0.05〜5.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.25〜0.5質量%の範囲内であることがより好ましい。
<防腐剤>
防腐剤は、潤滑消臭組成物に防腐機能を付与する。防腐剤は、微生物の侵入・発育・増殖を抑えて、腐敗・発酵を抑制する、静菌作用を目的として使用される薬剤である。防腐剤が潤滑消臭組成物に含有されていると、不快臭の更なる発生を抑制することができる。防腐剤の具体例として、ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、ソルビン酸カリウム、ポリリジンが挙げられる。これらの中では、静菌作用の強さの点で、ブロノポールが好ましい。
潤滑消臭組成物の全質量に対して、防腐剤の含有量は0.01〜5.0質量%の範囲内であることが好ましい。
<その他の成分>
潤滑消臭組成物は、濃度調整のために、精製水、イオン交換水の少なくともいずれかを含有してもよい。精製水は、逆浸透膜(RO膜)などで水道水を処理し、有機物及びイオン成分をほとんど除去した水である。イオン交換水は、イオン交換樹脂で精製水を処理し、微量のイオン成分を除去した水である。
潤滑消臭組成物は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールの少なくともいずれかを含有してもよい。これらは潤滑剤に含まれる。ポリエチレングリコールの平均分子量は特に限定されないが例えば約200〜6000である。
潤滑消臭組成物は、陽イオン界面活性剤を含有してもよい。陽イオン界面活性剤は、水に溶けたとき、疎水基のついている部分がプラス(正)イオンに電離する界面活性剤である。陽イオン界面活性剤は、アミン塩型、第4級アンモニウム塩型に分類されるが、本実施形態ではいずれも使用可能である。特に陽イオン界面活性剤を両性界面活性剤と併用すると、起泡性を向上させることができる。
潤滑消臭組成物は、高級脂肪酸のアルカリ塩(石鹸)を含有してもよい。高級脂肪酸の具体例として、オレイン酸が挙げられる。
潤滑消臭組成物は、pH調整のために、pH調整剤を含有してもよい。pH調整剤の具体例として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムが挙げられる。これらの化合物の少なくともいずれかを精製水などに溶解させて水溶液とし、この水溶液をpH調整剤として使用してもよい。
潤滑消臭組成物は、着色料を含有してもよい。着色料が含有されていると、潤滑消臭組成物がストーマ装具1のパウチ3の内面全体に均一に塗布されているか、塗り残しがないか、容易に視認することができる。この場合、外部から視認しやすくするため、パウチ3は透明又は半透明であることが好ましい。着色料の具体例として、青色一号が挙げられる。
以上説明した構成成分を配合することによって、潤滑消臭組成物を調製することができる。
(ストーマ装具キット)
本実施形態に係るストーマ装具キットは、ストーマ装具用潤滑消臭組成物と、ストーマ装具1と、を備える。このように、ストーマ器具1に潤滑消臭組成物が付属しているので、オストメイトにとって排泄物の処理が簡便となる。潤滑消臭組成物については上述のとおりであるので、以下ではストーマ装具1について説明する。
<ストーマ装具>
図1A及び図1Bに示すように、ストーマ装具1は、面板2と、パウチ3と、を備えている。
面板2は、ストーマに装着される部材である。面板2は、ストーマ孔20を有している。このストーマ孔20にストーマが挿入される。ストーマ孔20の周囲は皮膚保護剤21で形成されている。皮膚保護剤21で面板2がストーマの周囲の皮膚に粘着される。
パウチ3は、面板2に接合される袋部材である。パウチ3は、排泄物の匂いの原因となる気体(例えば硫化水素及びメチルメルカプタンなど)の透過性の低い材質で形成されていることが好ましい。パウチ3は、透明又は半透明でもよい。
パウチ3は、上部に開口部31を有している。面板2とパウチ3とを接合したとき、ストーマ孔20と開口部31とが連通する。ストーマ孔20に挿入されたストーマから排泄された排泄物は、開口部31を通ってパウチ3の内部に溜まる。
パウチ3は、下部に排出口32を有している。図1Aに示すように、排出口32を含む部分を上方に折り重ねて排出口32を閉じた状態とすることができる。この状態から排出口32を含む部分を下方に引き伸ばして、図1Bに示すように排出口32を開いた状態とすることができる。排出口閉鎖具(不図示)を用いて排出口32を開閉するようにしてもよい。パウチ3内に溜まった排泄物は、図1Bに示す状態として排出口32から外部に排出させることができる。
ストーマ装具1は、単品系構造でも二品系構造でもよい。単品系構造は、面板2とパウチ3とが一体化したものである。二品系構造は、面板2とパウチ3とが各々独立した部材で、必要に応じて両者を接合又は分離することができるものである。
<使用方法>
潤滑消臭組成物の使用方法について説明する。
まずストーマ装具1を装着する前に、潤滑消臭組成物をパウチ3内に入れる。パウチ3の排出口32は閉じておく。
ストーマ装具1が単品系構造の場合は、潤滑消臭組成物をストーマ孔20からパウチ3内に入れる。ストーマ装具1が二品系構造の場合は、面板2とパウチ3とを分離した状態で潤滑消臭組成物を開口部31からパウチ3内に入れてもよいし、面板2とパウチ3とを接合した状態で潤滑消臭組成物をストーマ孔20からパウチ3内に入れてもよい。
次にストーマ孔20又は開口部31から潤滑消臭組成物が漏れないように気を付けながら、両手などでパウチ3全体を揉み解して、パウチ3の内面30全体に潤滑消臭組成物を塗り広げる。
この場合、潤滑消臭組成物がチクソ性を発現するものであると、パウチ3を揉み解す際に潤滑消臭組成物は低粘度となるので、この潤滑消臭組成物をパウチ3の内面全体に容易に塗り広げることができる。そしてそのまま放置すると、潤滑消臭組成物は高粘度となるので、塗布された箇所にとどまり、ストーマ装具1を装着したときでも、潤滑消臭組成物が下方に垂れ落ちるのを抑えて、パウチ3の内面30が排泄物に対してむき出しになるのを抑制することができる。
さらにパウチ3を揉み解す場合、潤滑消臭組成物に着色料が含有されていると、潤滑消臭組成物がパウチ3の内面30全体に均一に塗布されているか、塗り残しがないか、容易に視認することができる。
その後、ストーマ装具1をストーマに装着する。ストーマから排泄された排泄物は、パウチ3内に溜まる。このときパウチ3の内面30全体は潤滑消臭組成物で覆われているので、排泄物がパウチ3の内面30に直接触れることを抑制することができる。つまり排泄物がパウチ3の内面30にこびりつくことを抑制することができる。
そして、潤滑消臭組成物の潤滑機能によって、排泄物をパウチ3の底部に速やかに移動させることができる。さらに潤滑消臭組成物の消臭機能によって、硫化水素及びメチルメルカプタンなどの不快臭を低減することができる。特にストーマ装具1を装着しているときに不快臭が外へ漏れるのを抑制するのに役立つ。これは、オストメイトの心的負担となっていた周囲への匂いの漏れに関する気遣いを低減することに繋がる。
その後、ある程度排泄物が溜まったところで、トイレなどで、パウチ3の排出口32を開いて、排泄物を便器に流す。潤滑消臭組成物の潤滑機能によって、排出口32を開くと速やかに排泄物を排出することができる。このように、排泄物の処理は簡便で短時間で済ませることができるので、オストメイトの負担軽減に繋がる。
[まとめ]
以上説明したように、第1の態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、潤滑剤と、消臭剤と、を含有する。潤滑剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、界面活性剤と、を含む。消臭剤は、有機酸の金属塩を含む。
この構成によれば、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び界面活性剤の潤滑機能によって、ストーマ装具1のパウチ3内において排泄物を移動させやすくすることができるとともに、有機酸の金属塩の消臭機能によって、排泄物の匂いを軽減することができる。
第2の態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、第1の態様において、カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、0.6以上0.9未満の範囲内である。
この構成によれば、潤滑消臭組成物をストーマ装具1のパウチ3に入れて、パウチ3を揉み解したり、パウチ3の内面30同士を擦り合せたりするようにすると、潤滑消臭組成物は低粘度となってパウチ3の内面30全体に塗り広げられる。そのまま放置すると潤滑消臭組成物は高粘度となって塗布された箇所にとどまり、ストーマ装具1をストーマに装着したときでも、潤滑消臭組成物が下方に垂れ落ちるのを抑制することができる。
第3の態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、第1又は2の態様において、前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤を含み、さらに両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤のいずれか一方又は両方を含む。
この構成によれば、非イオン界面活性剤は、ストーマ装具1のパウチ3内面に対する潤滑消臭組成物の濡れ性(親和性)を高めることができる。その結果、潤滑消臭組成物の潤滑機能の向上に繋がり、排泄物を容易に移動させることができる。両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤は、潤滑消臭組成物に起泡性を付与することができる。その結果、パウチ3内における排泄物の移動の抵抗が低減される。
第4の態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、第1〜3のいずれかの態様において、前記有機酸の金属塩は、グルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の化合物である。
この構成によれば、ストーマ装具1を装着しているときに排泄物の匂いがパウチ3の外へ漏れるのを抑制することができる。これは、オストメイトの心的負担となっていた周囲への匂いの漏れに関する気遣いを低減することに繋がる。
第5の態様に係るストーマ装具用潤滑消臭組成物は、第1〜4のいずれかの態様において、防腐剤を更に含有する。
この構成によれば、不快臭の更なる発生を抑制することができる。
第6の態様に係るストーマ装具キットは、第1〜5のいずれかの態様のストーマ装具用潤滑消臭組成物と、ストーマ装具と、を備える。
この構成によれば、ストーマ器具1に潤滑消臭組成物が付属しているので、オストメイトにとって排泄物の処理が簡便となる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
[潤滑消臭組成物の調製]
表2に示す成分及び配合比で実施例1〜5及び比較例1、2の潤滑消臭組成物を調製した。
[潤滑性能試験]
(落下試験)
一端に開口部を有するポリエチレン製の袋を用意した。この袋の外形寸法は150mm×250mmであり、厚さは0.03mmである。この袋に潤滑消臭組成物を入れて袋全体を揉み解した。開口部を上にして袋を静置した。20mLの味噌を注射器の筒を利用して開口部から袋の内部に注入した。注入してから味噌が袋の最下部に到達するまでの落下時間を計測した。
評価レベルを以下に示す。
[◎]:10分以内に落下したもの
「○」:10分を超えて20分以内に落下したもの
「×」:落下に20分を超える時間が掛かったもの
(排出試験)
落下試験に引き続き、味噌が袋の最下部に到達した後、袋の最下部をはさみで切り取った。切り取ってから袋内の全ての味噌が排出されるまでの排出時間を計測した。
評価レベルを以下に示す。
「◎」:60秒以内に排出したもの
「○」:60秒を超えて120秒以内に排出したもの
「×」:排出に120秒を超える時間が掛かったもの
[消臭性能試験]
ガス検知管法により、消臭性能試験を行った。具体的には、試験は25℃、65%RHの恒温恒湿室において、静置法により行った。臭気物質として、メチルメルカプタン及び硫化水素を選定し、その初期ガス濃度は、ガス検知管で検知可能な範囲で設定した。試料である潤滑消臭組成物(5g)を試験容器の内面に均一に塗布した。試験容器は、ポリプロピレン製で、蓋が開閉可能な容積約500mLの円筒型プラスチック容器である。試験容器の内径は約95mm、高さは70mmである。
試験の手順は、まず、上記のように5gの試料を試験容器の内面に均一に塗布したものと、試料を塗布していない空の試験容器とを用意した。次に、設定した初期ガス濃度になるよう、臭気物質を各々の試験容器に注入した。臭気物質を注入した時点を試験開始とし、試験時間を30分として、臭気物質濃度をガス検知管で測定した。
試験条件は、表1に示すとおりである。
Figure 0006883755
消臭率は、以下の計算式に基づいて求めた。
Figure 0006883755
評価レベルを以下に示す。
「◎」:消臭率が90%以上であるもの
「○」:消臭率が50%以上90%未満であるもの
「×」:消臭率が50%未満であるもの
[防腐性能試験]
潤滑消臭組成物の濃度が1/20、1/50、1/100となるように、潤滑消臭組成物を培地で希釈した。培地の調製は、日本製薬株式会社製の乳糖ブイヨン培地「ダイゴ」(18g)を精製水1Lに加えてよく振り混ぜた後、加温溶解して行った。
次に大腸菌を増殖させた培地を50μL分注した。
そして、40℃の恒温槽で24時間ごとに外観観察した。大腸菌が増菌した場合は培地の黄変とガスの産出が確認された。
評価レベルを以下に示す。なお、静菌する場合は、培地の黄変、ガスの産出のいずれも観察されない場合である。また増菌する場合は、培地の黄変、ガスの産出の少なくともいずれかが観察される場合である。
「◎」:濃度が1/100で静菌するもの
「○」:濃度が1/50で静菌し、濃度が1/100で増菌するもの
「×」:濃度が1/20で静菌し、濃度が1/50で増菌するもの
Figure 0006883755
実施例1〜5と比較例1との対比から、カルボキシメチルセルロースナトリウムが潤滑性能の向上に寄与していることが分かる。
また実施例1〜5と比較例2との対比から、有機酸の金属塩(グルコン酸銅)が消臭性能の向上に寄与していることが分かる。
このように、実施例1〜5は、比較例1、2に比べて、潤滑性能及び消臭性能の両方の性能に優れていることが確認された。
また実施例1〜3と実施例4、5との対比から、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度を下げると、潤滑性能が高くなることが分かる。
また実施例1〜3と実施例4、5との対比から、非イオン界面活性剤のみを使用するよりも、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤を併用する方が、潤滑性能が高くなることが分かる。
また実施例1〜3と実施例4、5との対比から、ソルビン酸カリウムの代わりにブロノポールを使用すると、防腐性能が高くなることが分かる。
1 ストーマ装具

Claims (5)

  1. 潤滑剤と、消臭剤と、を含有し、
    前記潤滑剤は、エーテル化度が0.6以上0.9未満の範囲内であるカルボキシメチルセルロースナトリウムと、界面活性剤と、を含み、
    前記消臭剤は、有機酸の金属塩を含む
    ストーマ装具用潤滑消臭組成物。
  2. 前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤を含み、さらに両性界面活性剤及び陰イオン界面活性剤のいずれか一方又は両方を含む
    請求項1に記載のストーマ装具用潤滑消臭組成物。
  3. 前記有機酸の金属塩は、グルコン酸銅、グルコン酸鉄、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の化合物である
    請求項1又は2に記載のストーマ装具用潤滑消臭組成物。
  4. 防腐剤を更に含有する
    請求項1〜のいずれか1項に記載のストーマ装具用潤滑消臭組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のストーマ装具用潤滑消臭組成物と、ストーマ装具と、を備える
    ストーマ装具キット。
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