まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
第1実施形態の遊技機は、所定条件の成立を契機に当り抽選を行う抽選手段と、BGM及び効果音が記憶された記憶手段と、遊技中に前記BGMを再生する第1再生手段と、所定の演出の開始に伴い、前記効果音を再生する第2再生手段と、前記第1再生手段により再生される前記BGMの設定音量、及び前記第2再生手段により再生される前記効果音の設定音量を制御する音量制御手段と、を備え、前記所定の演出は、前記BGMの設定音量を現在値から所定の目標値に遷移させるまでの第1遷移時間を有する第1演出と、当該第1演出よりも実行の優先度が高く、当該BGMの設定音量を当該現在値から所定の目標値に遷移させるまでの第2遷移時間を有する第2演出とを含み、前記音量制御手段は、前記所定の演出を実行する場合に前記効果音を所定の設定音量に制御するとともに、前記BGMの設定音量を現在値から所定の目標値に遷移させるフェード処理を行うように制御し、前記第1演出に基づく前記フェード処理を実行する場合には、前記第1遷移時間に基づいて所定単位時間毎の前記BGMの設定音量を算出するための第1算出処理の実行を開始し、当該第1算出処理を当該所定単位時間毎に繰り返し実行して前記BGMの設定音量を前記目標値に向けて変化させ、前記第1演出に基づく前記フェード処理を実行中に、前記第2演出に基づく前記フェード処理を実行する場合には、前記第1算出処理を中止し、新たに前記第2遷移時間に基づいて所定単位時間毎の前記BGMの設定音量を算出するための第2算出処理の実行を開始することを特徴とする。
この遊技機には、第1演出と、第1演出よりも実行の優先度が高い第2演出とがある。音量制御手段は、例えば、第1演出の実行を開始する場合に、効果音を所定の音量に制御し、BGMは現在値から第1演出の目標値に遷移させる(フェード処理)ので、各演出の実行時に効果音が遊技者に聞こえ易くなる。
音量制御手段は、第1演出に基づくフェード処理を実行する場合に第1算出処理の実行を開始し、所定単位時間毎に前記第1算出処理を繰り返し実行する。これにより、BGMの設定音量は、徐々に目標値に近づくようになる。
また、音量制御手段は、第1演出に基づくフェード処理の実行中に優先度の高い第2演出に基づくフェード処理を実行する場合には、第1算出処理の実行を中止し、第2算出処理の実行を開始する。これにより、第2演出の効果音を遊技者に聞こえ易くすることができる。
第1実施形態の遊技機において、前記第1算出処理は、前記BGMの設定音量を前記所定単位時間毎に現在値から目標値を減算又は加算して、前記第1遷移時間で除算する処理を行い、前記第2算出処理は、前記BGMの設定音量を前記所定単位時間毎に現在値から目標値を減算又は加算して、前記第2遷移時間で除算する処理を行うことが好ましい。
この構成によれば、第1算出処理、第2算出処理は、BGMの設定音量を所定単位時間毎に算出して、それぞれ第1遷移時間、第2遷移時間で除算する。これにより、BGMを遷移時間で正確に目標値に遷移させることができる。
第2実施形態の遊技機は、所定条件の成立を契機に当り抽選を行う抽選手段と、BGM及び効果音が記憶された記憶手段と、遊技中に前記BGMを再生する第1再生手段と、所定の演出の開始に伴い、前記効果音を再生する第2再生手段と、前記第1再生手段により再生される前記BGMの設定音量、及び前記第2再生手段により再生される前記効果音の設定音量を制御する音量制御手段と、を備え、前記音量制御手段は、前記所定の演出を実行する場合に前記効果音を所定の設定音量に制御するとともに、前記BGMの設定音量を現在値から所定の目標値に遷移させるフェード処理を行うように制御し、前記所定の演出に基づく前記フェード処理を実行する場合には、前記所定の遷移時間に基づいて所定単位時間毎の前記BGMの設定音量を算出するための算出処理の実行を開始し、当該算出処理を当該所定単位時間毎に繰り返し実行して前記BGMの設定音量を前記目標値に向けて変化させ、前記所定の演出に基づく前記フェード処理の実行中に、当該所定の演出よりも実行の優先度が高いエラー又は警告に関する特定報知を実行する場合には、前記所定単位時間毎の前記算出処理は継続して実行するが、前記算出処理の結果とは異なる特定値を前記BGMの設定音量として設定することを特徴とする。
この遊技機は、所定の演出を有しており、音量制御手段は、当該演出の実行を開始する場合に、効果音を所定の音量に制御し、BGMは現在値から所定の目標値に遷移させる(フェード処理)ので、各演出の実行時に効果音が遊技者に聞こえ易くなる。。
音量制御手段は、所定の演出に基づくフェード処理を実行する場合に算出処理の実行を開始し、所定単位時間毎に前記算出処理を繰り返し実行する。これにより、BGMの設定音量は、徐々に目標値に近づくようになる。
また、前記演出の実行中にエラー等の特定報知を実行する場合がある。この特定報知は前記演出よりも実行の優先度が高いため、音量制御手段は、算出処理は継続するが、BGMの設定音量を特定値に設定する。これにより、特定報知を確実に行うことができる。
第2実施形態の遊技機において、前記音量制御手段は、前記所定の演出に基づく前記フェード処理の実行中に、前記特定報知の実行が終了した場合には、前記BGMの設定音量を前記特定値から前記算出処理の結果求められた算出値に変更して設定することが好ましい。
この構成によれば、エラー等が解除されて前記特定報知の実行が終了した場合には、音声制御手段は、BGMの設定音量を前記特定値から前記算出処理で求めた算出値に変更する。これにより、エラー等が生じていなければ、算出処理により制御していた設定音量に戻るため、極めて自然な音声制御を行うことができる。
次に、図1を参照して、本発明の実施形態のパチンコ遊技機1の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3及び前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
図示していないが、前扉5を開放すると、パチンコ遊技機1の大当り確率を設定する設定キーが設けられている。遊技店の店員は、設定キーをオンして所定の操作ボタンを操作することにより、パチンコ遊技機1の設定値(6段階)を選択、決定することができる。
また、前扉5には、スピーカ7が2つ設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は、前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる操作ボタン13が設けられている。操作ボタン13は、操作有効期間に遊技者がボタンを操作(押下げ)することにより、演出態様を変化させることができる。また、遊技画面から各種設定を行うメニュー画面に切替える際にも操作ボタン13を用いる。
操作ボタン13は、カバー内部で回転軸を中心として、それぞれ形状が異なる3つのボタンが回転可能に設けられている。通常時には、第1態様のボタンが上を向く第1ボタン位置にセットされている。そして、演出に応じてボタンをモータで回転させて、第2態様のボタンが上を向く第2ボタン位置、第3態様のボタンが上を向く第3ボタン位置に切替わる。
さらに、上貯留皿11の表面部分には、方向キー部14が設けられている。方向キー部14は、メニュー画面からいずれかの設定項目を選択するとき、又は遊技中に音量や楽曲(BGM)を選択するときに用いられる。
また、前扉5には、手の形を模した装飾部(枠役物)である手ギミック15が設けられている。手ギミック15はモータとタッチセンサとが内蔵され、大当りの事前予告演出や後述する設定値示唆演出として、遊技者が触れたとき振動する。
図2は、パチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から遊技球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホールにある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、透明の演出制御基板ケースに収納された演出制御基板25と、透明の液晶制御基板ケースに収納された液晶制御基板26とが設けられている。
液晶制御基板26の下方には、透明な主制御基板ケースに収納された主制御基板24が設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検出信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RWMクリアスイッチ27が設けられている。RWMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36による演出を制御する。
主制御基板24の下方には、透明な電源基板ケースに収納された電源基板28と、透明な払出制御基板ケースに収められた払出制御基板29とが設けられている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、パチンコ遊技機1の遊技盤4について説明する。
図3に示すように、遊技盤4は略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、盤面装飾LED35が設けられている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光パターンを変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置されている。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
また、液晶表示装置36の右側には、普通図柄用始動ゲート40が配置されている。普通図柄用始動ゲート40は、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40を通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
液晶表示装置36の上側には手の形状をした装飾物(盤役物)である可動体37a,37bが配置されている。可動体37a,37bは、遊技における演出や大当り期待度に応じて、個別的又は同時に動作する。パチンコ遊技機1には、可動体37a,37b以外にも複数の可動体が設けられているが、図面上省略している。
液晶表示装置36の下方には、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38a及び第2特別図柄始動口38bが配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示が行われる。さらに、液晶表示装置36でも特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは前側に倒れる開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞可能な状態となる。この開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に所定回数、所定期間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
第1特別図柄始動口38aの右側には、大入賞装置39が配置されている。大入賞装置39には、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。詳細は後述するが、大入賞装置39は、特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りにより発生する特別遊技で所定期間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39の内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a,38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個の7セグメントLED(右)は、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40への入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球が払い出される。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a,44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a,44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243とを備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RWMクリアスイッチ27、第1始動入賞口センサ38c、第2始動入賞口センサ38d、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51及び振動センサ52が接続され、各センサの検出信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検出するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検出するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検出するセンサである。
主制御基板24には、特別図柄表示装置43a及び普通図柄表示装置43bが接続されている。図柄表示装置43a,43bでは、現在、図柄が変動中であるかの表示、抽選処理の結果が表示される。
また、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12c及び前扉開放センサ20が接続されているため、これらのセンサが異常を検出すると、検出信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253とを備えている。演出制御基板側CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8及び盤面装飾LED35が接続されている。演出制御基板25は、スピーカ7の効果音や各LED等の発光動作を制御し、演出効果を高めている。
また、演出制御基板25には、操作ボタン13、方向キー部14及び手ギミック15が接続されている。演出制御基板25は、操作ボタン13の有効期間に、操作ボタン13に対して内蔵ランプを点灯させる信号を送信する。そして、有効期間に遊技者が操作ボタン13を押下することで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示された演出等が変化する。
方向キー部14は、上方向キー、右方向キー、下方向キー及び左方向キーで構成されている(図1参照)。方向キー部14についても、操作された場合に、その検知信号が演出制御基板25に送信される。
さらに、演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266とを備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5を参照して、パチンコ遊技機1の大当り種別と、特別遊技(大当り遊技)の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば「1」〜「8」の装飾図柄のうち、確変図柄(例えば、「3」と「7」の装飾図柄)による大当りと、非確変図柄(例えば、「3」、「7」以外の装飾図柄)による大当りの2種類がある。各図柄は3列(左列、中央列、右列)で変動表示され、3列で同じ図柄が揃う(例えば、「777」)と大当りとなる。変動表示する3列の図柄は、左列、右列、中央列の順で停止し、左右列が同じ図柄で揃って停止し、中央列の図柄が変動表示している状態がリーチ変動となる。
パチンコ遊技機1では、通常遊技状態、時短状態及び確率変動(ST遊技)状態のいずれかの遊技状態で遊技が行われる。通常遊技状態は、低確率(例えば、大当り確率が1/330)で大当り抽選(当否判定)が行われる。
時短状態は、通常遊技状態と大当り確率が同じであるが、図柄の変動表示の時間を短縮した遊技状態であり、通常遊技状態より普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放され(電チューサポート有りの状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、確率変動状態は、通常遊技状態及び時短状態よりも高確率(例えば、大当り確率が1/33.1)の大当り抽選が行われ、電チューサポート有りの状態である。
確変図柄当りによる特別遊技は、全16ラウンドで構成され、非確変図柄当りによる特別遊技は、これより少ない全10ラウンドで構成される。確変図柄当りの場合、特別遊技の終了後に遊技状態が確率変動状態に移行する。確率変動状態は、100回の遊技が行われると終了する。
次に、非確変図柄当りについて、確変図柄当りと異なる部分を中心に説明する。非確変図柄当りによる特別遊技は全10ラウンドで構成され、その終了後には、遊技状態が時短状態となる。時短状態は、50回の遊技が行われると終了する。
次に、パチンコ遊技機1が備える各種フラグについて説明する。まず、普電開放延長状態フラグは、普通電動役物が開放延長される状態(電チューサポート有りの状態)に移行する場合に成立するフラグである。また、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグは、それぞれ普通図柄の時短状態、確率変動状態に移行する場合に成立するフラグである。さらに、特図時短移行状態フラグは、特別図柄(装飾図柄)が時短状態に移行する場合に成立するフラグである。
図5に示すように、確変図柄当り、非確変図柄当りの何れの特別遊技の終了後にも、上述の普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ及び特図時短移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
確変図柄当りの場合は、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。ここで、特図確率変動移行状態フラグは、特別図柄が確率変動状態に移行する場合に成立するフラグである。一方、非確変図柄当りの場合は、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
なお、非確変図柄当りの場合でも、電チューサポート有り状態となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、確変図柄、非確変図柄に関わらず、「5AH」がセットされる。
また、確変図柄当りの場合は、特別図柄の時短回数をカウントする特図時短回数カウンタ、及び特別図柄の確率変動回数をカウントする特図確率変動回数カウンタに「100」がセットされ、非確変図柄当りの場合は、特図時短回数カウンタに「50」がセットされ、特図確率変動回数カウンタに「0」がセットされる。ここで、「100」、「50」とは、それぞれ100回、50回の遊技を意味し、「0」は、特図確率変動での遊技が0回、すなわち、行われないことを意味する。
特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、確変図柄当りの場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「75」をセットすると、特別遊技の終了後、75回の確率変動状態に移行する。
次に、図6A〜図6Cを参照して、パチンコ遊技機1の演出時の音声制御について説明する。
まず、図6Aを参照して、図柄変動中にステップアップ演出の第1段階SU1(ガセパターン、確定パターン)が実行された場合の音声制御について説明する。ここで、ステップアップ演出とは、1回の図柄変動の中で行われる段階的に発展する演出であり、発展するほど大当りの期待度が高まる(演出例は後述する)。
(1−1)ステップアップ演出(第1段階ガセパターン)
初めに、図6A(上側)に、図柄変動中にステップアップ演出の第1段階SU1(ガセパターン)が実行された場合のタイミングチャートを示す。図柄変動が開始して0F〜10F(30Fで1秒)は、ステップアップ演出の第1段階SU1のフェードイン(図中の「FI」)段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に低下する(フェード処理1)。これは、0Fから開始するステップアップ演出の出現音(効果音)(図中の「SE」)を優先し、遊技者が出現音を聞き取り易い状態とするためである。
BGMの音量は、フェードイン段階の終了時(10F)までに目標値(例えば、vol.40)に到達すればよく、終了時以前(例えば、8Fの時点)に目標値に到達してもよい。ここで、図中の矢印の長さはデータ長であり、実際の音声出力音よりも長くなっている。実際の音声出力は、フェードアウト(図中の「FO」)段階となる前のタイミングで終了となる。ただし、これに限られず、データ長の長さと実際の音声出力の長さ略同一となるようにしてもよい。
図示するように、ステップアップ演出の第1段階SU1は、15F〜55Fの期間継続する。そして、この期間、BGMの音量は、通常時よりも低い目標値に維持される。
60F〜70Fはステップアップ演出の第1段階SU1のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。今回のステップアップ演出はガセパターン(「第1演出」)であるため、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。
フェードアウト段階の終了時までにBGMの音量が最大値に到達すればよく、終了時以前(例えば、65Fの時点)に最大値に到達してもよい。このように、ステップアップ演出の実行時には、その出現音が聞こえるようにBGMの音量が調整されるため、ステップアップ演出(第1段階SU1)の興趣を高めることができる。
(1−2)ステップアップ演出(第1段階確定パターン)
次に、図6A(下側)に、図柄変動中にステップアップ演出の第1段階SU1(確定パターン)が実行された場合のタイミングチャートを示す。図柄変動が開始して0F〜10Fは、ステップアップ演出のフェードイン段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に低下する(フェード処理1)。
フェードイン段階の終了時までにBGMの音量が目標値(例えば、vol.40)に到達すればよいが、ガセパターンの場合とフェードイン時間が同一、すなわち、共通のフェード処理を行うことが好ましい。明らかにフェードイン時間を異ならせる(例えば、1秒以上)と、遊技者によってはガセパターンと確定パターンとの判別が可能となり、興趣が低下するためである。
図示するように、今回、15F〜70Fがステップアップ演出の第1段階SU1であり、BGMの音量が通常時よりも低い目標値に維持される。この期間では、ステップアップ演出の出現音が優先されるためである。
今回のステップアップ演出は確定パターン(「第2演出」)であり、75F目以降(75F〜165F)でステップアップ演出の予告演出(画像、映像)が実行される。また、予告演出の開始に伴い、「SU確定音」(75F〜110F)、第1段階SU1のセリフ予告である「SU1キャラボイス」(75F〜160F、図中の「CV」)といった音声演出も実行される。
図示するように、この時点ではBGMの音量は目標値に保持されているため、「SU確定音」、「SU1キャラボイス」についても、遊技者が聞き取り易い状態である。なお、「SU確定音」は、以下で説明する「第2段階確定パターン」、「第3段階確定パターン」で共通の効果音である。全ての「SU確定音」が共通でなく、一部が共通であってもよい。
170F〜180Fはステップアップ演出の第1段階SU1のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。また、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。なお、通常時の音量への復帰は、ガセパターンのフェード(アウト)時間と略同一にする必要はなく、異なるフェードパターンを採用するようにしてもよい。
次に、図6Bを参照して、図柄変動中にステップアップ演出の第2段階SU2(ガセパターン、確定パターン)が実行された場合の音声制御について説明する。
(2−1)ステップアップ演出(第2段階ガセパターン)
初めに、図6B(上側)に、図柄変動中にステップアップ演出の第1段階SU1及び第2段階SU2(ガセパターン)が実行された場合のタイミングチャートを示す。
図柄変動が開始して0F〜10Fは、ステップアップ演出SU1のフェードイン段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に低下する(フェード処理1)。
図示するように、15F〜70Fがステップアップ演出の第1段階SU1であり、BGMの音量が通常時よりも低い目標値(例えば、vol.40)に維持される。この期間では、ステップアップ演出の出現音が優先されるためである。
その後、75F目以降(75F〜115F)、ステップアップ演出の第2段階SU2が実行される。また、第2段階SU2の開始に伴い、ステップアップ演出の出現音が実行される。
120F〜130Fはステップアップ演出の第2段階SU2のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。今回のステップアップ演出はガセパターン(「第1演出」)であり、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。なお、フェード処理は、第1段階のステップアップ演出と第2段階のステップアップ演出との間でも共通である。
(2−2)ステップアップ演出(第2段階確定パターン)
次に、図6B(下側)に、図柄変動中にステップアップ演出の第2段階SU2(確定)が実行された場合のタイミングチャートを示す。図柄変動が開始して0F〜10Fは、ステップアップ演出のフェードイン段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に低下する(フェード処理1)。
図示するように、15F〜70Fでステップアップ演出の第1段階SU1が実行され、75F目以降(75F〜130F)でステップアップ演出の第2段階SU2が実行される。この期間では、BGMの音量が通常時よりも低い目標値(例えば、vol.40)に維持され、ステップアップ演出の出現音が優先される。
今回のステップアップ演出は確定パターン(「第2演出」)であり、135F目以降(135F〜240F)、ステップアップ演出の予告演出が実行される。また、予告演出の開始に伴い、「SU確定音」(135F〜170F)、「第2段階SU2キャラボイス」(135F〜240F)といった音声演出が実行される。なお、ステップアップ演出の予告演出は、第1停止図柄(例えば、左図柄)の停止後まで継続する。
245F目以降(245F〜255F)はステップアップ演出の第2段階SU2のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。また、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。
次に、図6Cを参照して、図柄変動中にステップアップ演出の第3段階SU3(ガセパターン、確定パターン)が実行された場合の音声制御について説明する。
(3−1)ステップアップ演出(第3段階ガセパターン)
初めに、図6C(上側)に、図柄変動中にステップアップ演出の第1段階SU1、第2段階SU2及び第3段階SU3(ガセ)が実行された場合のタイミングチャートを示す。
図柄変動が開始して0F〜10Fは、ステップアップ演出SU1のフェードイン段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に低下する(フェード処理1)。
図示するように、10F〜70Fがステップアップ演出の第1段階SU1の演出であり、BGMの音量が通常時よりも低い目標値(例えば、vol.40)に維持される。この期間では、ステップアップ演出の出現音が優先されるためである。
その後、75F目以降(75F〜130F)、ステップアップ演出の第2段階SU2が実行される。また、第2段階SU2の開始に伴い、ステップアップ演出の出現音が実行される。
その後、135F目以降(135F〜180F)、ステップアップ演出の第3段階SU3が実行される。また、第3段階SU3の開始に伴い、ステップアップ演出の出現音が実行される。
185F以降(185F〜195F)はステップアップ演出の第3段階SU3のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。今回のステップアップ演出はガセパターン(「第1演出」)であり、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。なお、ここでのフェード処理も、第1段階のステップアップ演出及び第2段階のステップアップ演出におけるフェード処理と共通である。
(3−2)ステップアップ演出(第3段階確定パターン)
次に、図6C(下方)に、図柄変動中にステップアップ演出の第3段階SU3(確定)が実行された場合のタイミングチャートを示す。図柄変動が開始して0F〜10Fは、ステップアップ演出のフェードイン段階であり、通常時に最大値(vol.100)に設定されていたBGMの音量が徐々に減少する(フェード処理1)。
図示するように、10F〜70Fでステップアップ演出の第1段階SU1が実行され、75F目以降(75F〜130F)でステップアップ演出の第2段階SU2が実行され、135F目以降(135F〜195F)でステップアップ演出の第3段階SU3が実行される。この期間では、BGMの音量が通常時よりも低い目標値(例えば、vol.40)に維持され、ステップアップ演出の出現音が優先される。
今回のステップアップ演出は確定パターン(「第2演出」)であり、200F目以降(200F〜305F)、ステップアップ演出の予告演出が実行される。また、予告演出の開始に伴い、「SU確定音」(200F〜235F)、「SU3キャラボイス」(200F〜305F)といった音声演出も実行される。
ステップアップ演出の予告演出は、第2停止図柄(例えば、左図柄及び右図柄)の停止後まで継続する。また、第1停止図柄、第2停止図柄の停止態様によっては、295F目以降でリーチ変動となる。リーチ変動に移行した後には、リーチ変動用のBGMに切り替わるが、これまでのBGMの音量を引き継ぐように制御することが好ましい。ただし、リーチ変動用のBGMに切替える際には、切替えのタイミングから最大値で再生するようにしてもよい。
310F目以降(310F〜320F)はステップアップ演出の第3段階SU3のフェードアウト段階であり、目標値に設定されていたBGMの音量が徐々に上昇する。今回のステップアップ演出は確定パターンであり、ステップアップ演出の終了と共に通常時の音量(vol.100)に戻るよう制御される(フェード処理2)。
ステップアップ演出の第3段階SU3のみ(非リーチ状態とリーチ状態とを跨ぐSU予告に関しては)フェードアウトの音声制御を異ならせてもよい。特に、リーチ変動に移行した場合には、遊技者がリーチ変動時のBGMを聞き易くなるように、ステップアップ演出の第1段階SU1、第2段階SU2のフェードアウト段階よりも短時間で最大値に戻るよう制御することが好ましい(破線の立ち上がり)。
ここで、図7を参照して、ステップアップ演出(第3段階確定パターン)の実行例を説明する。
図7(a)は、図柄変動の開始のタイミングであり、3つの装飾図柄58が変動中の様子を示している。画面下方の保留表示57は、現在の保留数が2個であることを示しており、演出物として蝶70が出現している。また、スピーカ7によるBGMの音量(BGMマーク7’で示す)は、最大値の「5」となっている。
その後、図7(b)の画面に切替わる。図7(b)は、ステップアップ演出の第1段階SU1のフェードインの実行タイミングを示している。また、ここからBGMの音量が低下し始め(現在、5段階の「4」)、その後の1秒に満たない期間で目標値まで音量が低下する。
ステップアップ演出の第1段階SU1は、表示画面をガラスと見立て、「バリィ!」という出現音(SE)と共にガラスにヒビが入る(ガラス表示73)演出(非確定情報1)である。このとき、BGMの音量は僅かに小さくなっているため、出現音が遊技者に聞こえ易い状態となる。なお、これ以降、保留表示57、装飾図柄58、蝶70及び背景画像はガラスの背面側となるため、薄く表示している。
また、ガラスの背面側に位置する画像に重ねて、視認性防止画像(透過性を有する黒色画像)を表示するようにしてもよい。この場合、ガラスの背面側の画像に視認性防止画像を重ねて、さらにガラス画像を重ねて表示することが望ましい。
その後、図7(c)の画面に切替わる。図7(c)は、ステップアップ演出の第2段階SU2の実行タイミングを示している。ステップアップ演出の第2段階SU2としては、「バリバリ!」という出現音(SE)と共にガラスのヒビ割れがさらに大きくなる(ガラス表示74)演出(非確定情報2)である。また、この時点では、BGMの音量が目標値(5段階の「2」)となっているため、これ以降、出現音等が遊技者によく聞こえる状態となる。
その後、図7(d)の画面に切替わる。図7(d)は、ステップアップ演出の第3段階SU3の実行タイミングを示している。ステップアップ演出の第3段階SU3は、「パリーン!」という出現音(SE)と共にガラスが割れる(ガラス表示75)演出(非確定情報3)である。なお、この時点では、BGMの音量は目標値(「2」)を維持している。
その後、図7(e)の画面に切替わる。図7(e)は、ステップアップ演出の第3段階SU3後の予告演出の実行タイミングを示している。この予告演出は、「シャキーン!」という出現音(SE)と共に両手の画像76が出現する演出(確定情報)である。また、出現音と同時に「フォフォ!」というキャラボイス(CV)も出力される。
このとき、ガラスが割れることで保留表示57、装飾図柄58、蝶70及び背景画像は通常の表示に戻り、装飾図柄58は左図柄から1つずつ停止する。なお、この時点でも、BGMの音量は目標値(5段階の「2」)を維持している。
その後、図7(f)の画面に切替わる。図7(f)は、ステップアップ演出の第3段階SU3後の予告演出のフェードアウトの実行タイミングを示している。ここで、図7(a)のような図柄変動の画面に戻るが、装飾図柄58はリーチ変動に移行する。そして、この時点からBGMの音量が上昇し始め(現在、5段階の「3」)、その後の1秒に満たない期間で最大値に到達する。
なお、正確には、装飾図柄58のリーチ変動移行直後(図6Cの「右図柄停止」のタイミング)では、ステップアップ演出の第3段階SU3の演出(両手の画像76)が継続している。そして、その後の所定のタイミングで第3段階SU3の演出が終了し、図7(f)の画面となる。
通常、ステップアップ演出のガセパターンであったり、第1段階SU1(図6A参照)や第2段階SU2(図6B参照)が確定して予告演出に発展したりしても、リーチ変動に移行しない。しかし、第3段階SU3(図6C参照)が確定して予告演出に発展すると、リーチ変動に移行し、さらにSPリーチに発展することがある。
以上では、第1段階から第3段階までのステップアップ演出を説明したが、4段階以上のステップアップ演出としてもよい。例えば、全5段階のステップアップ演出であれば、第4段階以上の確定でリーチ変動に移行するようにすることができる。
上述のステップアップ演出の出現音、確定音、キャラボイスは例示であり、演出内容に応じて適宜変更可能である。また、ステップアップ演出は、液晶表示装置36で行われる表示演出に限られない。例えば、枠装飾LED8を構成する複数のランプが徐々に点灯する演出でもよいし、出現音(効果音)が徐々に変化する演出であってもよい。効果音は、「リン」、「リンリン」、「リリリーン」のように徐々に変化する電話の呼び鈴が挙げられる。また、ステップアップ演出の段階が進むにつれて、出現音が大きくなる変化であってもよい。
次に、図8A〜図8Cを参照して、パチンコ遊技機1のリーチ演出時の音声制御について説明する。
まず、図8Aに、第1の予告演出であるカットイン緑演出(「第1予告演出」)の例を示す。ここで、カットイン演出とは、リーチ演出の当落結果報知前に比較的短時間、出現する画像であり、大当りの期待度を示唆する演出である(演出例は後述する)。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、大当りの期待度を色彩で示唆するが、「緑」、「赤」、「デンジャー柄」の順で大当り期待度が高くなる。なお、「緑」よりも大当り期待度が低い「白」や「青」、「デンジャー柄」よりも大当り期待度が高い「金」や「レインボー柄」があってもよい。
なお、登場するキャラクタの種類で大当り信頼度を示唆してもよい。例えば、格闘コンテンツの遊技機であれば、弱い敵キャラクタがカットインすれば大当り期待度が高く、強いキャラクタがカットインすれば大当り期待度が低いといったようにすることができる。
図示するように、液晶表示装置36で実行される「画像」については、図柄変動が開始して、0F〜10Fがフェードイン段階、15F〜120Fがカットイン演出段階、125F〜135Fがフェードアウト段階となっている。カットイン演出としては、緑色の衣装のキャラクタが出現したり、キャラクタが緑色の物(カエル、野菜等)と共に出現したりする。また、画面中に表示される文字が緑色であってもよい。
そして、フェードイン開始時から「カットイン緑の出現音」と「カットイン緑のキャラボイス」(「演出音」)が出力される。なお、図中の矢印の長さはデータ長であり、実際の出力音よりも長くなっている。ここでも、実際の音声出力は、フェードアウト段階となる前のタイミングで終了となる。ただし、これに限られず、データ長の長さと実際の音声出力の長さ略同一となるようにしてもよい。
BGMの音量は、フェードイン段階の開始から一気に目標値(例えば、vol.40)まで低下させ(フェード処理1)、所定期間、その音量を維持する。これにより、遊技者は、「カットイン緑の出現音」や「カットイン緑のキャラボイス」を聞き易くなる。その後、フェードアウト段階の終了時である135Fに向けて徐々に音量が最大値(vol.100)に戻る(フェード処理2)。フェード処理1については、一気に目標値まで低下させるパターン以外に、徐々に目標値に到達するパターンがあってもよい。
次に、図8Bに、第2の予告演出であるカットイン赤演出の例を示す。図示するように、液晶表示装置36で実行される「画像」については、図柄変動が開始して、0F〜10Fがフェードイン段階、15F〜120Fがカットイン演出段階、125F〜135Fがフェードアウト段階となっている。カットイン演出としては、赤色の衣装のキャラクタが出現したり、キャラクタが赤色の物(イチゴ、トマト等)と共に出現したりする。
そして、フェードイン開始時から「カットイン赤の出現音」と「カットイン赤のキャラボイス」(「演出音」)が出力される。なお、「カットイン赤の出現音」、「カットイン赤のキャラボイス」は、それぞれ「カットイン緑の出現音」、「カットイン緑のキャラボイス」よりも尺が長い。
「カットイン赤の出現音」は「カットイン緑の出現音」と同じ効果音であってもよいが、「カットイン赤のキャラボイス」は「カットイン緑のキャラボイス」と異なるセリフであることが好ましい。カットイン赤演出の方が大当り期待度の高い演出であることから、例えば、セリフや単語で大当りを示唆するようにしてもよい。
BGMの音声制御(フェードインからフェードアウトまでの一連のフェードパターン)はカットイン緑演出と同じであり、フェードイン段階の開始から一気に目標値(例えば、vol.40)まで低下させ(フェード処理1)、所定期間、その音量を維持する。これにより、遊技者は、「カットイン赤の出現音」や「カットイン赤のキャラボイス」を聞き易くなる。その後、フェードアウト段階の終了時である135Fに向けて徐々に音量が最大値(vol.100)に戻る(フェード処理2)。
次に、図8Cに、第3の予告演出であるカットインデンジャー演出(「第2予告演出」)の例を示す。ここで、デンジャー(柄)とは、黄色と黒色のストライプに赤文字で「DANGER」と表示された遊技者の注目を引く模様であり、大当り期待度が極めて高い(約90%)図柄変動で出現する予告演出である。
図示するように、液晶表示装置36で実行される「画像」については、図柄の変動が開始して、0F〜10Fがフェードイン段階、15F〜120Fがカットイン演出段階、125F〜135Fがフェードアウト段階となっている。カットイン演出としては、「デンジャー柄」の衣装のキャラクタが出現したり、キャラクタが「デンジャー柄」の物と共に出現したりする。
そして、フェードイン開始時から「カットインデンジャーの出現音」、「カットインデンジャーのキャラボイス」及び「デンジャー出現音」(「演出音」)が出力される。なお、「カットインデンジャーの出現音」、「カットインデンジャーのキャラボイス」は、それぞれ「カットイン赤の出現音」、「カットイン赤のキャラボイス」よりも尺が長い。
「デンジャー出現音」(図中の「DS」)は、画面中にデンジャー柄が出現するときに併せて出力される効果音であり、「カットインデンジャーの出現音」とは異なるものである。
BGMの音声制御(フェードパターン)はカットイン緑演出、カットイン赤演出と同じであり、フェードイン段階の開始から一気に目標値(例えば、vol.40)まで低下させ(フェード処理1)、所定期間、その音量を維持する。これにより、遊技者は、「カットインデンジャーの出現音」、「カットインデンジャーのキャラボイス」、「デンジャー出現音」を聞き易くなる。その後、フェードアウト段階の終了時である135Fに向けて徐々に音量が最大値(vol.100)に戻る(フェード処理2)。
なお、共通のフェードパターンを使用する場合には、それぞれのカットイン演出(緑、赤及びデンジャー)に対して同じフェードパターンのデータを3つ用意しているのではなく、1つのフェードパターンのデータを記憶しておき、それを共通で使用するデータ構成としている。
ここで、図9A、図9Bを参照して、カットイン演出の例について説明する。
まず、図9Aに、図8Aで説明したカットイン緑演出の実行例を示す。図9A(a)は、左右の装飾図柄58が停止して、リーチ変動に移行したタイミングを示している。画面下方の保留表示57は、現在の保留数が2個であることを意味し、演出物として蝶70が出現している。また、スピーカ7によるBGMの音量(BGMマーク7’で示す)は、最大値の「5」となっている。
その後、図9A(b)の画面に切替わる。図9A(b)は、カットイン緑演出のフェードイン段階の様子であって、画面中央にウィンドウ77が出現する。図面で色彩は示せないが、ウィンドウ77の背景は緑色である。
このとき、BGMの音量が目標値(5段階の「2」)まで一気に低下する。これにより、「ジャーン!」という出現音(SE)と、キャラクタによる「とっても気になる!」というキャラクタボイス(CV)が遊技者によく聞こえる状態となる。
その後、図9A(c)の画面に切替わる。図9A(c)は、カットイン緑演出のフェードアウト段階の様子を示している。ここでは、図9A(a)のようなリーチ変動中の画面に戻り、画面中央のウィンドウ77が消える。画面中央には、新たに操作ボタンマーク13’が出現し、遊技者に操作ボタン13の操作を促す。なお、このボタン演出は、リーチ変動後半の当落を決定する演出である。また、この時点からBGMの音量が上昇し始め(現在、5段階の「3」)、その後の1秒に満たない期間で最大値(「5」)に到達する。
ウィンドウ77の出現後、操作ボタンマーク13’の出現前にBGMの音量が上昇し始める、又は最大値に到達するようにしてもよい。また、操作ボタンマーク13’の出現に限られず、カットイン緑演出の後に実行される所定の演出(操作ボタンマーク以外の画像表示、又は次の演出に関する発光演出や音声演出)の開始前にBGMを最大値に戻す制御としてもよい。
以上のように、カットイン緑演出では、画面中に緑色を含むウィンドウ77が出現して、大当りを示唆するキャラボイス(CV)等と併せて実行される。今回、カットイン緑演出のウィンドウ77が消えた後、遊技者が操作ボタン13の操作することで、当落結果が決定する例を示したが、これに限られない。例えば、遊技者が操作ボタン13の操作することで、ウィンドウ77が出現する演出としてもよい。
なお、図8Bで説明したカットイン赤演出では、画面中に赤色を含むウィンドウが出現する。カットイン赤演出は、カットイン緑演出よりも大当り期待度が高い予告演出として設定されているため、例えば、カットイン赤演出のキャラクタは、「アツい、アツい!」等のキャラボイスを発声するようにしてもよい。
次に、図9Bに、図8Cで説明したカットインデンジャー演出の実行例を示す。図9B(a)は、左右の装飾図柄58が停止し、リーチ変動に移行したタイミングを示している。画面下方の保留表示57は、現在の保留数が2個であることを意味し、演出物として蝶70が出現している。また、スピーカ7によるBGMの音量は、最大値の「5」となっている。
その後、図9B(b)の画面に切替わる。図9B(b)は、カットインデンジャー演出のフェードイン段階の様子であって、画面中央にウィンドウ78が出現する。図示するように、ウィンドウ78の背景はデンジャー柄となっている。
このとき、BGMの音量が目標値(5段階の「2」)まで一気に低下する。これにより、「ピコーン!」という出現音(SE)と、キャラクタによる「げっ、激アツ!」というキャラクタボイス(CV)と、デンジャー柄が出現したとき出力される「ドドドォン!」というデンジャー音(DS)が遊技者によく聞こえる状態となる。
その後、図9B(c)の画面に切替わる。図9B(c)は、カットインデンジャー演出のフェードアウト段階の様子を示している。ここでは、図9B(a)のようなリーチ変動中の画面に戻り、画面中央のウィンドウ78が消える。画面中央には、新たに操作ボタンマーク13”が出現し、遊技者に操作ボタン13の操作を促す。なお、操作ボタンマーク13”は、操作ボタン13の内部が回転して、大当り期待度が高い態様となったことを意味する表示である。
また、この時点からBGMの音量が上昇し始め(現在、5段階の「3」)、その後の1秒に満たない期間で最大値(「5」)に到達する。ここでも、ウィンドウ78の出現後、操作ボタンマーク13”の出現前にBGMの音量が上昇し始める、又は最大値に到達するようにしてもよい。また、操作ボタンマーク13”の出現に限られず、カットインデンジャー演出の後に実行される所定の演出の開始前にBGMを最大値に戻す制御としてもよい。
以上のように、カットインデンジャー演出では、画面中にデンジャー柄を含むウィンドウ78が出現して、大当りを示唆するキャラボイス(CV)、デンジャー出現音(DS)等と併せて実行される。
ウィンドウ78は、その背景がデンジャー柄となっている場合に限られない。例えば、ウィンドウ78内のキャラクタがデンジャー柄の衣装を着ている画像や、ウィンドウ78の枠がデンジャー柄であってもよい。カットイン赤演出、カットイン緑演出についても同様である。
また、カットイン演出は、上述したような画面の一部を覆うウィンドウでもよいし、画面の全部を覆う表示であってもよい。また、出現音、キャラボイス、デンジャー音も例示であって、演出内容に応じて適宜変更可能である。
次に、図10A、図10Bを参照して、遊技中に予告演出が重複して発生した場合の音声制御について説明する。なお、以下で説明する予告演出Bは予告演出Aよりも強く、実行の優先順位が高いものとする。
図10Aに示すように、1F目(例えば、図柄変動中)から予告演出A(本発明の「第1演出」)のフェードイン段階が開始する。このとき、予告演出Aのフェードイン情報に基づいて音声制御が行われる。予告演出Aのシナリオには、移行させる音量の目標値と、目標値に到達するまでの時間を意味する遷移時間が含まれる。
図示するように、予告演出Aのフェードイン情報は、目標値が50(vol.50)、遷移が15F(本発明の「第1遷移時間」)であり、15Fの期間でBGMがvol.100からvol.50まで低下する(フェード処理1)。この場合、1F毎(所定単位時間毎であればよい)に音量の減算量の算出が繰り返し行われる。特に、同時期に予告演出Aよりも優先順位の高い予告演出が実行されない限り、当初のシナリオに基づいて音声制御が行われる。なお、フェード計算の詳細は後述する。
予告演出Aよりも優先順位の高い予告演出が実行されない場合、16F目以降(16F〜299F)で予告演出Aが実行される。また、300F目以降(300F〜310F)で、予告演出Aのフェードアウト段階に移行する。ここでは、予告演出Aのフェードアウト情報(目標値100、遷移10F)に基づいて音声制御が行われ、BGMの音量が指定の遷移時間でvol.100に戻る(フェード処理2)。この場合、10Fの期間でBGMがvol.100に戻るように、1F毎に音量の加算量の算出が繰り返し行われる。
今回、7F目から予告演出B(本発明の「第2演出」)のフェードイン段階が開始する。また、予告演出Bにもフェードイン情報(目標値0、遷移10F)があり、このフェードイン情報に基づいて音声制御が行われる。そして、予告演出Bは予告演出Aよりも実行の優先順位が高いため、7F目以降は予告演出Bのフェードイン情報に基づいて音声制御に切り替わる。
予告演出Bのフェードイン段階は7F〜16Fであり、10Fの期間でBGMの音量がvol.0まで低下する(フェード処理1)。この場合、10F(本発明の「第2遷移時間」)の期間内に、1F毎に音量の減算量の算出が繰り返し行われる。図示するように、1F〜6Fの期間でBGMの音量は緩やかに低下しているが、7F目以降は急速にvol.0に接近する。このように、フェードイン情報が異なる場合は、フェード情報の再計算が行われる。
17F目以降(17F〜301F)で予告演出Bが実行されるが、vol.0(無音)の演出となる。また、302F目以降(302F〜316F)は、予告演出Bのフェードアウト段階に移行する。ここでも、予告演出Aに優先し、予告演出Bのフェーアウト情報(目標値100、遷移15F)に基づいて音声制御が行われ、BGMの音量が指定された遷移時間でvol.100に戻る(フェード処理2)。この場合、15Fの期間でBGMがvol.100に戻るように、1F毎に音量の加算量の算出が繰り返し行われる。
以上は、予告演出A及び予告演出Bが共にBGMの音量を低下すさせる演出であったが、これに限られない。例えば、予告演出Aは音量を低下させる演出、予告演出Bは音量を上昇させる演出であった場合、低下していた音量を予告演出Bの開始後、引き上げていく音声制御となる。
次に、図10Bに、複数の予告演出(予告演出A、予告演出B)が同時期に発生した場合の実行例を示す。今回、予告演出Aをステップアップ演出、予告演出Bを後述するブラックアウト演出とする。
図10B(a)は図柄変動画面を示しており、3つの装飾図柄58の変動中である。画面下方の保留表示57は、現在の保留数が2個であることを意味し、演出物として蝶70が出現している。また、スピーカ7によるBGMの音量(BGMマーク7’で示す)は、最大値の「5」となっている。
その後、図10B(b)の画面に切替わる。図10B(b)は、ステップアップ演出(第1段階SU1)のフェードインの実行タイミングを示している。この時点からBGMの音量が低下し始め(現在、5段階の「4」)、その後の1秒に満たない期間で音量が目標値まで低下する。
ステップアップ演出の第1段階SU1は、「ドーン!」という出現音(SE)と共に手のひら79が出現する演出である。このとき、BGMの音量は僅かに低下しているため、出現音が遊技者に聞こえ易い状態となる。なお、このステップアップ演出では、ステップアップする度、手のひら79の前面により大きな手のひらが次々と重なっていく。
その後、図10B(c)の画面に切替わる。図10B(c)は、ブラックアウト演出のフェードインの実行タイミングを示している。ここで、ブラックアウト演出とは、画面が突然消えて真っ暗になる演出である(装飾図柄58’は画面隅に移動)。
ブラックアウト演出のBGMの目標値は無音(vol.0)であり、遷移時間はステップアップ演出よりも短い(10F)。このため、急激にBGMの音量が低下する(現在、5段階の「1」)。なお、ブラックアウト演出のフェードイン時には、「プツッ!」というテレビがオフするような出現音が出力される。
その後、図10B(d)の画面に切替わる。図10B(d)は、ブラックアウト演出の実行中の様子を示している。ここでは、BGMの音量が0(×印)となっているため、無音で他の効果音もない静寂状態となる。
その後、図10B(e)の画面に切替わる。図10B(e)は、ブラックアウト演出のフェードアウトの実行タイミングを示している。この時点からBGMの音量が上昇し始める(現在、5段階の「2」)。
図10Aによれば、ブラックアウト演出のフェードアウトとステップアップ演出のフェードアウトは時期が一部重複するが、優先順位の高いブラックアウト演出のフェードアウト情報に基づいて、フェード情報が計算される。
その後、図10B(f)の画面に切替わる。ここで、図10B(a)のような図柄変動画面に戻るが、装飾図柄58はリーチ変動に移行する。また、BGMの音量は最大値(vol.100)に戻り、その後、リーチ変動時の演出等が行われる。この際、BGMをリーチ変動用のBGMとし、最大値に戻すようにすることが望ましい。
一旦、非リーチ時のBGMで最大値に戻した後に、リーチ変動用のBGMを再生するようにしてもよい。また、一旦、無音状態で図柄変動画面に戻した後に、リーチ時のBGMを最大値で再生するようにしてもよい。
予告演出は、上述したステップアップ予告、ブラックアウト予告の他、カットイン演出、セリフ予告、背景チェンジ予告等があり、いかなる組み合わせにも実行の優先順位がある。そして、複数の予告演出が同時期に発生した場合には、優先順位の高い予告演出のフェードイン情報、フェードアウト情報に基づいて音声制御が行われる。なお、図10Aの予告演出A、予告演出Bは、上述の何れの予告演出の組み合せとしてもよい。
次に、図11A、図11Bを参照して、予告演出の実行中にエラーが発生した場合の音声制御について説明する。なお、エラーの報知は、通常、何れの予告演出よりも優先順位が高く、優先して実行される。
図11Aに示すように、1F目(例えば、図柄変動中)から予告演出Aのフェードイン段階が開始する。このとき、予告演出Aのフェードイン情報に基づいて音声制御が行われる。
図示するように、予告演出Aのフェードイン情報は、目標値が50(vol.50)、遷移時間が15Fであり、15Fの期間でBGMがvol.100からvol.50まで低下するよう制御される(フェード処理1)。特に、同時期に予告演出Aよりも優先順位の高い予告演出やエラーの発生がない限り、当初のシナリオに基づいて音声制御が実行される。
16F目以降(16F〜299F)では、予告演出Aが実行される。また、300F目以降(300F〜310F)で、予告演出Aのフェードアウト段階に移行する。ここでは、予告演出Aのフェーアウト情報に基づいて音声制御が行われ、BGMの音量が指定された遷移時間でvol.100まで復帰する(フェード処理2)。
今回、7F目にエラーが発生する。エラーの報知は予告演出Aよりも優先順位が高いため、優先してエラー表示と音声による報知(本発明の「特定報知」)が行われる。そこで、7F以降はエラー報知用の音声制御に切り替わる。
エラー報知を行う際、一気にBGMを無音(vol.0)(本発明の「特定値」)とする。図示するように、1F〜6Fの期間でBGMの音量は徐々に低下しており、7F目以降も内部的には音量の低下が継続して行われる。しかし、エラー発生時には、実ボリュームを0に設定するため、7F目以降、BGMがない状態となる。
7F目以降(7F〜304F)はエラー報知として、エラー警告音やエラー内容の出力が行われる。そして、304目でエラーが解除されると、予告演出Aに基づく音量(本発明の「算出値」)の音声制御に戻る。
300F目以降は、予告演出Aのフェードアウト段階であるため、予告演出Aのフェードアウト情報(目標値100、遷移10F)に基づいて音声制御が行われる。この期間にエラーが解除されると実ボリュームを現ボリュームに戻すため、予告演出Aの実行が継続していた場合のように、指定された遷移時間でvol.100に戻る(フェード処理2)。
次に、図11Bを参照して、予告演出Aの実行中にエラーが発生した場合の実行例を説明する。なお、予告演出Aを上述のステップアップ演出(第2段階SU2)、エラーを前扉開放エラー演出とする。
図11B(a)は、図柄変動画面を示しており、3つの装飾図柄58の変動中である。画面下方の保留表示57は、現在の保留数が2個であることを意味し、演出物として蝶70が出現している。また、スピーカ7によるBGMの音量(BGMマーク7’で示す)は、最大値の「5」となっている。
その後、図11B(b)の画面に切替わる。図11B(b)は、ステップアップ演出の第1段階SU1のフェードインの実行タイミングを示している。この時点からBGMの音量が低下し始め(現在、5段階の「4」)、その後の1秒に満たない期間で目標値まで低下する。また、このとき、BGMの音量は僅かに低下しているため、出現音が遊技者に聞こえ易い状態となる。
その後、図11B(c)の画面に切替わる。図11B(c)は、パチンコ遊技機1の前扉5が開放されるエラーが発生し、エラー報知が開始したタイミングを示している。エラー報知は、あらゆる予告演出よりも優先度が高いため、即座にBGMの音量が0となり、BGMがなくなる。
そして、エラー報知(ER)として、「扉が開いています」の音声が出力される。このとき、BGMの音量が0となっているため、遊技者はエラー報知が非常によく聞こえる。なお、エラー報知と併せて、警告音(ブザー音)を出力してもよい。
その後、図11B(d)の画面に切替わる。図11B(d)は、エラー報知中の画面(本発明の「特定報知」)を示している。ここでは、BGMがなく、エラー報知が継続している状態である。また、表示画面にもエラーの内容を報知するウィンドウ81が出現する。
その後、図11B(e)の画面に切替わる。図11B(e)は、前扉開放エラーが解除されたタイミングを示している。また、この時点からBGMの音量が上昇し始める(現在、5段階の「2」)。そして、ステップアップ演出の第2段階SU2が実行される。通常、第2段階SU2にも出現音(「ドドーン!」等)があるが、エラーが解除される直前に本演出が実行された場合は、エラー報知や警告音によってかき消されてしまう。
その後、図11B(f)の画面に切替わる。ここで、図11B(a)のような図柄変動画面に戻り、左の装飾図柄58が停止する。BGMの音量は最大値(vol.100)に到達し、その後、図柄変動時の演出等が行われる。なお、ステップアップ演出の第2段階SU2以降に発展しなかった場合、リーチ変動には移行せず、はずれの態様で3つの装飾図柄58が停止することが多い。
エラーは、上述の前扉開放エラーの他、振動エラー、電波エラー、磁気エラー、RWMクリア等があり、いかなるエラーであっても予告演出よりも優先して実行される。音声制御はもちろんのこと、画面表示についてもエラーの報知画面が最前面に表示される。
エラー報知中は、変動中の装飾図柄58は一時停止することなく、変動を継続する。しかし、実行予定の予告演出が中断されたり、エラーの報知画面の背後に隠れて視認できなくなったりすることは生じ得る。
次に、図12を参照して、上述のフェードイン情報、フェードアウト情報に基づいてカットイン演出等を実行させるためのフェード計算について説明する。ここでは、複数の予告演出(予告演出X、予告演出Y)が同時期に発生した場合を例に説明する。なお、これまで音量をvol.0〜100で表現したが、制御上は16進数での管理のため、以下では最小値が0(16進数で0x00)、最大値が128(16進数で0x80)とする。
まず、図12(a)に示すように、予告演出X(本発明の「第1演出」)のフェードイン情報は、目標値が32(16進数で0x20)、遷移時間(本発明の「第1遷移時間」)が15F(0.5秒)である。また、図12(b)に示すように、予告演出Y(本発明の「第2演出」)のフェードイン情報は、目標値が0(16進数で0x00)、遷移時間(本発明の「第2遷移時間」)が10F(0.3秒)である。
予告演出Xのフェードインが開始する0Fにおいて、BGMの音量は現在値(初期値)の128であり、15Fの期間で目標値の32に到達する。従って、1Fを単位時間とした場合、各フレーム(F)での音量の低下は、以下の(式1)で計算することができる(本発明の「第1算出処理」)。
|現在値‐目標値|/遷移時間=低下率 ・・・(式1)
具体的には、図12(c)の点(X0)で、(128−32)/15=6.4(≒6)となるので、1F経過後の点(X1)での音量は、128−6=122のように計算される。
また、続けて(式1)による計算をする際、残りの遷移時間が14Fとなることに注意して、(122−32)/14=6.42(≒6)から、1F経過後の点(X2)での音量は、122−6=116と計算される。このようなフェード計算を繰り返すことにより、特に、優先順位の高い演出等の発生がなければ、点(X15)、すなわち、15Fの期間で目標値の音量に到達することになる。
一方、7F目から予告演出Xよりも実行の優先順位が高い予告演出Yが実行された場合を考えると、この先、(式1)を用いて予告演出Yの各フレームでの音量の低下(低下率)を計算し(本発明の「第2算出処理」)、目標値(0)まで音量を低下させる。
7F目において、BGMの音量は92(16進数で0x5C)にまで低下している。従って、図12(c)の点(Y0)で、(92−0)/10=9.2(≒9)となるので、1F経過後の点(Y1)での音量は、92−9=83と計算される。
このようなフェード計算を単位時間毎に繰り返すことにより、点(Y10)、すなわち、10Fの期間で目標値の音量に到達することになる。予告演出Yは予告演出Xよりも遷移時間が短いため、予告演出Yのフェードインが開始する7F目以降、BGMの音量は急激に低下する。
上述の例は、予告演出Xのフェードインの処理であるため、(式1)の左辺から単位時間の低下率を算出して、低下率に基づいて現在値から音量を減算していく処理であった。一方、フェードアウトの処理の場合、(式1)の左辺により単位時間の増加率が求められる。従って、増加率に基づいて現在地から音量を加算していく処理となる。
次に、図13を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御基板24は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御基板24は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御基板24は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が第1、第2特別図柄始動口38a,38bや一般入賞口42に入賞したかを定期的に確認する処理である。主制御基板24は、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cのオンを検知すると、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、払出制御基板29に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する(更に、払出制御基板29は、遊技球払出装置19に向けて制御信号を送信する)。遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した後に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。賞球管理処理の後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御基板24は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が普通図柄用始動ゲート40を通過したかを定期的に確認する処理である。主制御基板24は、普通図柄用始動ゲート40の内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートのオンを検知すると、球検知信号を主制御基板24に送信する。
主制御基板24は、上記信号を受信すると、普通図柄の乱数値を取得する。この抽選した乱数値は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記乱数値の当否抽選を行う。
また、主制御基板24は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又ははずれの態様を表示して停止する。普通図柄の変動停止後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御基板24は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御基板24は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御基板24は、上記所定時間が経過した場合、又は所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。開閉部材の閉鎖後、ステップS50に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS30)にて、普通図柄がはずれ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御基板24は、何もせず普通電動役物管理処理を終了する。
ステップS50では、主制御基板24は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38c,38dが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38c,38dは、球検出信号を主制御基板24に送信し、主制御基板24は、球検出信号を受けて、例えば、600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得し(特別図柄の抽選)、この取得した乱数値に対する演出態様を決定する。
主制御基板24は、特別図柄表示装置43aに演出コマンドを送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又ははずれの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS60に進む。
最後に、ステップS60では、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により大入賞装置39(以下、特別電動役物とも称する)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、所定ラウンド数の特別遊技が遊技者に付与される。特別図柄管理処理(ステップS50)にて、特別図柄がはずれ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図14を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図13:ステップS50)では、主制御基板24は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中及び確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、始動口チェック処理1を行う(ステップS51)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞の有無を判断する。第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞があった場合には、主制御基板側CPU241は、第1始動入賞口センサ38cから送られる球検出信号に基づいて、600個の乱数値の中から1個の乱数値を取得する。
ROM242には、演出情報テーブルが格納されている。主制御基板側CPU241は、取得した乱数値に対応した演出態様を、演出情報テーブルから読み込む。また、主制御基板側CPU241は、乱数値に基づいて大当り判定フラグを取得して、ワークエリアへ格納する処理も行う。
特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1特別図柄始動口38aに入賞すると、主制御基板側CPU241は、乱数値(抽選結果)、演出態様を含む演出コマンドを、RAM243の保留記憶エリアに記憶する。また、主制御基板側CPU241は、演出コマンドを演出制御基板25に送信し、演出制御基板25は演出コマンドを受信した後、解析し、液晶コマンドとして液晶制御CPU261に送信する。液晶制御CPU261は、この液晶コマンドを保留情報として液晶制御RAM263に記憶する。液晶制御RAM263に記憶される保留情報は、例えば最大4個である。その後、ステップS52に進む。
ステップS52では、主制御基板24は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判断し、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS53に進む。
次に、主制御基板24は、条件装置作動フラグがONであるか否かを判定する(ステップS53)。ここで、条件装置とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の図柄の組合せが表示され、又は遊技球(役物連続作動装置が作動している時にその入口が開き、又は拡大した大入賞口に入賞したものを除く。)が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。条件装置作動フラグがオンである場合には(ステップS53で「YES」)、ステップS58に進む。
一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には(ステップS53で「NO」)、ステップS54に進む。すなわち、ステップS54〜S57は、大当りが発生していない通常遊技状態の場合の処理となる。
ステップS53の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS54)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であるので、ステップS55に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であるので、ステップS56に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であるので、ステップS57に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理について説明する。
まず、図15A、図15Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理(ステップS55)について説明する。
まず、図15Aにおいて、主制御基板24は、特図保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS71)。特図の保留球数が0である場合には(ステップS71で「YES」)、ステップS72に進む。一方、特図の保留球数が0でない場合には(ステップS71で「NO」)、ステップS76に進む(図15B参照)。
ステップS72では、第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞の有無を判定する。ステップS72の判定が「YES」である場合には、乱数値を取得し、ステップS81に進む(図15B参照)。
ステップS72の判定が「NO」である場合には、主制御基板24は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS73)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図14:ステップS57)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には(ステップS73で「YES」)、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には(ステップS73で「NO」)、ステップS74に進む。
ステップS74では、主制御基板24は、客待ちデモコマンドを送信する。「客待ちデモコマンド」は、特図の保留球数が0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される。その後、ステップS75に進む。
ステップS75では、主制御基板24は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報や始動口入賞が発生しない限り、ステップS73の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS71の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図の保留球数を1減算する(図15B:ステップS76)。その後、ステップS77に進む。
ステップS77では、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて保留減算コマンドを送信する。これにより、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS78に進む。
ステップS78では、主制御基板24は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS79に進む。
ステップS79では、主制御基板24は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、取得した乱数値に基づいた特図の当り判定処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。
本実施形態では、通常遊技状態及び時短状態と、確率変動状態とで大当り確率が異なるため、「大当り」となる乱数値の数が異なる。なお、乱数値の数や、「大当り」、「リーチ」となる乱数値等は、適宜変更可能である。その後、ステップS80に進む。
ステップS80では、主制御基板24は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS81に進む。
ステップS81では、主制御基板24は、特図の変動中フラグをONにセットする。その後、ステップS82に進む。
ステップS82では、主制御基板24は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御基板24は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、演出制御基板25に向けて送信する。その後、ステップS83に進む。
最後に、主制御基板24は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS83)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図14:ステップS54)にて、後述する特別図柄変動中処理(図14:ステップS56)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図14に戻り、その後、後述するステップS58に進む。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理(ステップS56)について簡単に説明する。主制御基板24は、特別図柄動作ステータス判定(図14:ステップS54)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御基板24は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特別図柄動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図14:ステップS54)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図14:ステップS57)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。
次に、図16A、図16Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理(ステップS57)について説明する。
まず、図16Aにおいて、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS91)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、ステップS92に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、特別図柄確認時間中処理を終了する(図16B参照)。
ステップS91の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS92)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図14:ステップS55)に分岐するようになる。その後、ステップS93に進む。
次に、主制御基板24は、大当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS93)。大当りフラグがオンである場合には、ステップS94に進む。一方、大当りフラグがオンしていない場合には、ステップS95に進む。
ステップS93の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS94)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH(ON)」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS93の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS95)。特図時短回数カウンタは、時短状態の回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常遊技状態では、0が設定されている。
特図時短回数カウンタが0である場合には、ステップS99に進む(図16B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、ステップS96に進む。
ステップS95の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS96)。以下のステップS96〜S98は、時短回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS97)。特図時短回数カウンタが0である場合には、ステップS98に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、ステップS99に進む(図16B参照)。
ステップS97の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS98)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS99に進む(図16B参照)。
次に、図16Bにおいて、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS99)。本実施形態の確率変動状態は、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動状態の残り回数がカウントされる。
特図確変回数カウンタが0である場合には(ステップS99で「YES」)、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には(ステップS99で「NO」)、ステップS100に進む。
ステップS99の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS100)。以下のステップS100〜S102は、確変回数の減算に関する処理となる。
次に、主制御基板24は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS101)。特図確変回数カウンタが0である場合には、ステップS102に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、特別図柄確認時間中処理を終了する。
ステップS101の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS102)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。特別図柄確認時間中処理の終了後には、図14のステップS58に進む。
最後に、主制御基板24は、特別図柄表示データを更新する(ステップS58)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図17を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図13:ステップS60)において、主制御基板24は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御基板24は、条件装置作動フラグがONであるか否かを判定する(ステップS61)。条件装置作動フラグがオンの場合には、ステップS62に進む。一方、条件装置作動フラグがオンでない場合には、この処理を終了する。すなわち、ステップS62以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS61の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS62)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であるので、ステップS63に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であるので、ステップS64に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であるので、ステップS65に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であるので、ステップS66に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であるので、ステップS67に進む。
ステップS63〜S67の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御基板24は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図18を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理(ステップS63)について説明する。
まず、主制御基板24は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS111)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグをオンとし、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図21参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図17:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図17:ステップS64)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS112に進む。
ステップS112では、主制御基板24は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号をRAM243に、大当り開始インターバル時間を特別図柄役物作動タイマに、それぞれ格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図19参照)。その後、ステップS113に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS113)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り開始インターバルコマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図19を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理(ステップS64)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS121)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か、又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、ステップS122に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS121の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS122)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS123に進む。
ステップS123では、主制御基板24は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄当りに当選した場合には、16の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS124に進む。
ステップS124では、主制御基板24は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特別電動役物動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図17:ステップS62)では、特別電動役物作動中処理(図17:ステップS65)に進むようになる。その後、ステップS125に進む。
最後に、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS125)。この大入賞口開閉動作設定処理では、主制御基板24は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する。ここでいうソレノイドは、大入賞装置39の開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図20を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理(ステップS65)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(ステップS131)。大入賞口の大入賞口センサ39cにより入賞が検出される。大入賞口への入賞があった場合には(ステップS131で「YES」)、ステップS132に進む。一方、入賞がなかった場合には(ステップS131で「NO」)、ステップS135に進む。
ステップS131の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、入賞数を1加算する(ステップS132)。すなわち、大入賞口センサ39cが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS133に進む。
次に、主制御基板24は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS133)。最大入賞数に達した場合には、ステップS134に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、ステップS135に進む。なお、最大入賞数を大当り種別により異ならせてもよい。
ステップS133の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS134)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(ステップS136で「YES」)。その後、ステップS135に進む。
ステップS135では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図19のステップS125で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS136に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS136)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、ステップS137に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS136の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS137)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS138に進む。
ステップS138では、主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図17:ステップS62)では、特別電動役物作動継続判定処理(図17:ステップS66)に進むようになる。主制御基板24は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS139)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを1980msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
次に、図21を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理(ステップS66)について説明する。
まず、主制御基板24は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS141)。大入賞口入賞数チェック処理の詳細は、図20のステップS131〜S134で説明した処理と同じであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS142に進む。
ステップS142では、主制御基板24は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図19のステップS125で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS143に進む。
次に、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS143)。ここでは、残存球排出時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、ステップS144に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
ステップS143の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS144)。本実施形態では、最大の第16ラウンド(確変図柄当り)又は第10ラウンド(非確変図柄当り)に達した場合に、ステップS148に進む。一方、第15ラウンド(確変図柄当り)又は第9ラウンド(非確変図柄当り)までは、ステップS145に進む。
ステップS144の判定が「NO」である場合、主制御基板24は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS145)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS146に進む。
ステップS146では、主制御基板24は、ラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。特別図柄役物動作タイマは、特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図19参照)。その後、ステップS147に進む。
ステップS147では、主制御基板24は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」のいずれかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図17:ステップS62)では、特別電動役物作動開始処理(図17:ステップS64)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS144の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、終了時の各種設定を行う(ステップS148)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図17:ステップS62)では、大当り終了処理(図22:ステップS67)に進むようになる。その後、ステップS149進む。
ステップS149では、主制御基板24は、終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(図22参照)。その後、ステップS150に進む。
最後に、主制御基板24は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS150)。具体的には、主制御基板24は、演出制御基板25に向けて「大当り終了インターバルコマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図22を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理(ステップS67)について説明する。
まず、主制御基板24は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS151)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、ステップS152に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、大当り終了処理を終了する。
ステップS151の判定が「YES」である場合、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS152)。具体的には、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を全てクリアする。その後、ステップS153に進む。
ステップS153では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定2を行う。設定の詳細は、図5で説明した通りである。その後、ステップS154に進む。
ステップS154では、主制御基板24は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図17:ステップS62)では、大当り開始処理(図17:ステップS63)に進むようになる。その後、ステップS155進む。
最後に、主制御基板24は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS155)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御基板24が行う処理について説明した。
以下では、図23を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、演出制御基板25の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、演出制御基板25は、初期化処理を行う(ステップS201)。これは、主に、演出制御基板25の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS202に進む。
次に、演出制御基板25は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS202)。メインループとは、後述するステップS204〜S209までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS202に進んだとき更新周期の16msが経過すると(ステップS202で「YES」)、ステップS204に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS203に進む。
ステップS202の判定が「NO」である場合、演出制御基板25は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS203)。その後、更新周期となるまでステップS202、S203の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図21参照)が実行されるが、演出制御基板25は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS202の判定が「YES」である場合、演出制御基板25は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS204)。上述の通り、ステップS204〜S209はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS205に進む。
ステップS205では、演出制御基板25は、受信コマンド解析処理を行う。これは、演出制御基板25が受信、記憶した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理(図18参照)の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」を受信した場合には、演出制御基板25は、開始インターバルを設定する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、演出制御基板25は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS207に進む。
ステップS207では、演出制御基板25は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS208に進む。
ステップS208では、演出制御基板25は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動体、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS209に進む。
最後に、演出制御基板25は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS209)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS202に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図24を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(図23参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
まず、演出制御基板25は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS211)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS212に進む。
ステップS212では、演出制御基板25は、出力処理を行う。具体的には、可動体、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS213に進む。
ステップS213では、演出制御基板25は、操作ボタン入力状態更新処理を行う。演出制御基板25は、操作ボタン13の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS214に進む。
ステップS214では、演出制御基板25は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS215に進む。
ステップS215では、演出制御基板25は、液晶制御コマンド送信処理を行う。その後、ステップS216に進む。
ステップS216では、演出制御基板25は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動体、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS217に進む。
ステップS217では、演出制御基板25は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS218に進む。
最後に、演出制御基板25は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS218)。これは、メインループ処理(図23:ステップS204〜S209)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、実施形態のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記説明は、本発明の実施形態の一部であり、これ以外にも種々な実施形態が考えられる。例えば、図10Aでは、2つの予告演出が同時期に発生した場合を説明したが、3つ以上の予告演出が同時期に発生する場合も生じ得る。このような場合も、実行の優先順位が高い予告演出のシナリオに基づいてフェード計算が行われる。
ステップアップ演出として、ガラスが徐々に割れる演出や手のひらが重なっていく演出を説明したが、「3」、「2」、「1」のように数字をカウントダウンする演出や、「大」、「当」、「り」のように有意の文字列が順次現れる演出であってもよい。また、可動体が液晶表示装置の前面に徐々に進出したり、動作や回転が早くなったりする演出も広義のステップアップ演出といえる。
カットイン演出として、所定の色彩を含むウィンドウ(画像)が出現する演出を示したが、これに限られない。例えば、主人公のキャラクタが格闘、対戦するコンテンツであれば、強さの異なる敵キャラクタや仲間キャラクタが一瞬登場する演出でもよい。また、「激熱」や「好機」等の文字列による演出でもよい。
また、上記実施形態では、遊技機の一例として遊技媒体として遊技球を用いる弾球遊技機(ぱちんこ遊技機)を例示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技球が遊技機内部を循環可能に封入された封入式遊技機や、遊技媒体として遊技メダルを用いる回胴式遊技機(パチスロ機)、アレンジボール遊技機や雀球遊技機(何れも「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に細則が示されている)等にも適用可能である。
例えば、回胴式遊技機の場合、始動操作(レバーオン)を契機に当選役の抽選を行う。このため、カットイン演出が遊技者の始動操作のタイミングで行われることがある。
これを本発明に適用すると、始動操作のタイミングでカットイン演出のフェードイン情報に基づいて、BGMの音声制御をすることになる。回胴式遊技機のカットイン演出も所定のセリフや予告音を伴うことが多いため、例えば、BGMの音量を一気に低下させる制御を行うことで、遊技者は効果音が良く聞こえる状態となる。
また、回胴式遊技機では、遊技者の始動操作を行うと、全ての回胴(リール)のバックライトが消灯する全照灯演出や、液晶表示装置がブラックアウトし、回胴も非動作状態となるフリーズ演出が知られている。バックライトの消灯やフラッシュの組み合せで特定役の当選報知、入賞報知(祝福)を行う場合、BGMは無音でよい。また、フリーズ演出も所定時間は無音状態とするので、BGMの音量を一気に0とする本発明の音声制御を適用することができる。
フリーズ演出と他の予告演出(ステップアップ演出、カットイン演出等)が同時期に行われる場合もあり得る。フリーズ演出は、通常、大当り確定演出として用いられる実行の優先順位が高い演出であるため、他の演出に優先して、フェード計算を行うことができる。
以上、回胴式遊技機を例に挙げて説明した部分で、本実施形態(パチンコ遊技機の実施形態)に記載されていなかった部分についても、当然パチンコ遊技機にも適用可能であることは言うまでもない。