本実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態においては、医療用診療装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な三次元スキャナについて説明する。三次元スキャナは、口腔内の歯の三次元形状を取得するための口腔内スキャナである。本実施の形態に係る三次元スキャナは、口腔内スキャナに限定されるものではなく、同様の構成を有する他の三次元スキャナにも適用可能であり、たとえば、口腔内以外に人の耳の内部を撮像することで外耳内の三次元形状を取得するスキャナにも適用可能である。また、医療用診療装置は、スキャナに限らず、カプセル内視鏡と称される胃および腸などを撮影するカプセル型の小型内視鏡にも適用可能である。
本実施の形態に係る医療用診療装置は、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、内科、外科、および獣医科など、あらゆる医科の診療にも適用可能である。なお、診療には、診断および治療が含まれる。
[三次元スキャナの構成]
図1は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100の構成を示す模式図である。三次元スキャナ100は、「医療用診療装置」の一実施形態に対応する。図1に示すように、三次元スキャナ100は、ハンドピース70と、制御部40と、表示部50と、電源45とを備える。ハンドピース70は、手持ち式の部材であり、プローブ10と、接続部20と、光学計測部30とを含む。
プローブ10は、口腔内に差し込まれ、歯などの対象物99にパターンを有する光(以下、単にパターンともいう)を投影する。プローブ10は、パターンが投影された対象物99からの反射光を光学計測部30に導く。プローブ10は、接続部20の先端部外周を覆って当該接続部20に着脱可能に装着されている。このため、術者は、感染対策として、生体に接触する可能性のあるプローブ10のみを光学計測部30から取り外して滅菌処理(たとえば、高温高湿環境でのオートクレープ処理)を施すことが可能である。
接続部20は、光学計測部30の一部であって当該光学計測部30から突出しており、プローブ10の根元と嵌合可能な形状を有する。接続部20は、プローブ10で採光した光を光学計測部30へ導くためのレンズ系や、カバーガラス、光学フィルタ、および位相差板(1/4波長板)などの光学部品を含んでいる。
光学計測部30は、プローブ10を介して対象物99にパターンを投影し、投影したパターンを撮像する。なお、本実施の形態に係る光学計測部30は、以下で説明されるように、合焦法の原理を用いて三次元形状を取得する構成であるが、合焦法、三角法、または共焦点法などの原理を用いて三次元形状を取得する構成であってもよい。つまり、光学計測部30は、投影パターンや光学センサの焦点の位置を変化させる構成を含み、光学的な手法を用いて三次元形状を取得する構成であればいずれの原理を用いた構成であってもよい。
制御部40は、光学計測部30の動作を制御するとともに、光学計測部30で撮像した画像を処理して三次元形状を取得する。図示は省略するが、制御部40は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)と、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)と、周辺機器との間で信号の整合性を保つための入出力インターフェイスとを含む。また、制御部40は、取得した三次元形状を表示部50に出力することも可能であり、光学計測部30の設定などの情報を図示しない入力装置などで入力することも可能である。
なお、撮像した画像を処理して三次元形状を取得するための演算の少なくとも一部は、制御部40のCPUによってソフトウェアとして実現されてもよいし、当該CPUとは別に処理を行うハードウェアとして実現されてもよい。当該CPUやハードウェアなどの処理部のうちの少なくとも一部は、光学計測部30の内部に組み込まれてもよい。図1では三次元スキャナ100の各構成要素(30,40,45,50)がケーブル(図中の太線)によって配線されているように描かれているが、これらの配線のうちの一部または全部が無線通信によって接続されてもよい。制御部40が片手で持ち上げられるほど十分に小型かつ軽量であれば、制御部40は、ハンドピース70の内部に設けられてもよい。
表示部50は、制御部40で得られた対象物99の三次元形状の計測結果を表示する。表示部50は、光学計測部30の設定情報、患者情報、スキャナの起動状態、取扱説明書、およびヘルプ画面など、その他の情報も表示可能である。表示部50には、たとえば据え置き式の液晶ディスプレイや、ヘッドマウント式やメガネ式のウェアラブルディスプレイなどが適用できる。また、表示部50は複数あってもよく、三次元形状の計測結果やその他の情報が、複数の表示部50上に同時表示あるいは分割表示されてもよい。
電源45は、光学計測部30および制御部40に電力を供給する。電源45は、図1に示すように制御部40の外部に設けられてもよいが、制御部40の内部またはハンドピース70の内部に設けられてもよい。また、電源45は、制御部40、光学計測部30、および表示部50のそれぞれに個別に給電できるように複数設けられてもよい。
[ハンドピースの構成]
図2(A)は、本実施の形態に係るハンドピース70の構成を示す模式図である。図2(B)は本実施の形態に係るハンドピース70のX−Z断面を示す模式図である。なお、図2に示すハンドピース70内の各部材は、図1に示す光学計測部30に収納されている。
図2に示すように、ハンドピース70は、ハウジング77の内部に、投影光発生部75と、レンズ81と、光学センサ71と、プリズム72とを含む。ハンドピース70は、これら以外に、対象物99に向けて光を反射させる反射板などを含んでもよい。レンズ81は、「第1物体」の一実施形態に対応する。なお、以下で説明する実施形態においては、説明の便宜上、レンズ81が往復直線運動する方向を表す仮想直線をLで示し、直線Lに平行な軸をX軸、直線Lに垂直であって図2における紙面の上向きの軸をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに垂直な軸をY軸と称する。
投影光発生部75は、光源となるレーザー素子やLED(Light Emitting Diode)などである。投影光発生部75からの光は、当該投影光発生部75の前方に配置される投影パターンを発生させる投影パーターンスクリーン(図示は省略する)を経由してプリズム72およびレンズ81を通過し、プローブ10に設けられた反射部66を介して対象物99に照射され、当該対象物99で反射される。対象物99で反射された光は、反射部66を介して再びレンズ81を通過してプリズム72内に進入する。プリズム72は、対象物99からの光の進行方向を、光学センサ71が位置する方向(この例では、Z軸方向)に変化させる。プリズム72によって進行方向が変化した光は、光学センサ71によって検出される。なお、図2に示す例においては、投影光発生部75からの光と対象物99で反射してプリズム72に導かれる光とが別々に示されているが、これは分かり易く説明するためのものであり、実際には両者の光が同軸上に導かれるようにハンドピース70が構成されている。
合焦法の技術を用いて三次元形状を取得する場合、レンズ81と対象物99との間に設けられたパターン生成素子(図示せず)を通過した光が対象物99に投影される。レンズ81が同一直線(たとえば、図示上の直線L)上を往復直線運動すると、投影パターンの焦点位置が変化する。光学センサ71は、その変化ごとで対象物99からの光を検出する。上述した制御部40は、レンズ81の位置と、そのときの光学センサ71による検出結果とに基づいて、対象物99の形状情報を演算する。
レンズ81は、第1駆動部80によって駆動し、往復直線運動する。レンズ81が直線Lの方向(X軸方向)に往復直線運動すると、レンズ81の質量分だけハンドピース70の重心位置が移動することになり当該ハンドピース70を保持するユーザの手に振動として伝わる。その振動を打ち消すために、ハンドピース70は、ハウジング77の内部において、カウンタウェイト91をさらに設ける。カウンタウェイト91は、第2駆動部90によって駆動し、レンズ81と相対する方向に往復直線運動する。カウンタウェイト91は、「第2物体」の一実施形態に対応する。
カウンタウェイト91は、対象物99とレンズ81との間の光路、およびレンズ81と光学センサ71との間の光路を遮らないように、X軸方向における投影光発生部75の背面側に設けられている。
具体的には、図2(B)に示すように、ハンドピース70は、ハウジング77内において、当該ハンドピース70の前方に位置する第1収容部501と、当該ハンドピース70の後方に位置する第2収容部502とが設けられている。第1収容部501には、レンズ81が収容され、第2収容部502には、カウンタウェイト91が収容される。さらに、ハンドピース70は、第1収容部501と第2収容部502との間において、第1収容部501によって保持されたレンズ81と第2収容部502によって保持されたカウンタウェイト91とを連結する連結収容部500が設けられている。連結収容部500には、上述した光学センサ71、プリズム72、および投影光発生部75が収容されている。
図3は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81とカウンタウェイト91との位置関係を説明するための模式図である。なお、図3に示す例では、ハウジング77が省略されている。図3に示すように、レンズ81は、直線Lに平行なリニアガイド60によって、直線Lの方向に往復直線運動するように支持されている。なお、リニアガイド60は、「第1リニアガイド」の一実施形態に対応する。
さらに、レンズ81は、第1駆動部80の磁気回路構成85に接続されている。第1駆動部80は、磁気回路構成85によって、レンズ81を直線Lの方向に往復直線運動させるリニアモータを構成する。
カウンタウェイト91は、レンズ81の直線運動方向の直線L上に設けられかつ当該レンズ81と同じ質量を有する錘である。カウンタウェイト91は、直線Lに平行なリニアガイド65によって、直線Lの方向に往復直線運動するように支持されている。本実施の形態においては、リニアガイド60とリニアガイド65とは異なる部材である。なお、リニアガイド65は、「第2リニアガイド」の一実施形態に対応する。
さらに、カウンタウェイト91は、第2駆動部90の磁気回路構成95に接続されている。第2駆動部90は、磁気回路構成95によって、カウンタウェイト91を直線Lの方向に往復直線運動させるリニアモータを構成する。
なお、磁気回路構成85および磁気回路構成95の具体的な構成は、図4〜図6に示す磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bを例にして後述する。なお、以下では、第1駆動部80および第2駆動部90をまとめて単に「駆動部」ともいう。第1駆動部80および第2駆動部90のそれぞれは、制御部40によって制御される。なお、本実施の形態においては、第1駆動部80および第2駆動部90が共通の制御部40によってそれぞれ制御されるが、第1駆動部80および第2駆動部90が互いに異なる制御部によってそれぞれ制御されてもよい。
第1駆動部80によって、レンズ81が光軸となる直線Lの方向に往復直線運動すると、第2駆動部90によって、カウンタウェイト91は、レンズ81と相対する方向にレンズ81と同じ距離だけ往復直線運動する。たとえば、レンズ81が対象物99に近づく方向に直線L上を10mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99から遠ざかる方向に直線L上を10mm移動する。また、レンズ81が対象物99から遠ざかる方向に直線L上を15mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99に近づく方向に直線L上を15mm移動する。
このように、レンズ81と相対する方向に当該レンズ81と同じ距離だけカウンタウェイト91が往復直線運動することで、レンズ81の往復直線運動に起因するハンドピース70の重心の偏りを相殺することができる。これにより、カウンタウェイト91によって、レンズ81の往復直線運動による振動を打ち消すことができる。
[駆動部の構成]
図4は、本実施の形態に係る駆動部のY−Z断面を示す模式図である。図5は、本実施の形態に係る駆動部のX−Z断面を示す模式図である。図6(A)は、本実施の形態に係る駆動部においてレンズ81が一方向に直線運動した場合の駆動部のX−Z断面を示す模式図である。図6(B)は本実施の形態に係る駆動部においてレンズ81が他方向に直線運動した場合の駆動部のX−Z断面を示す模式図である。なお、図4〜図6に示す例では、駆動部のうち、第1駆動部80の構成を説明するが、第2駆動部90の構成も第1駆動部80と同様である。すなわち、第2駆動部90の場合、図4〜図6に示す例において、レンズ81がカウンタウェイト91に置き換えられるが、その他の構成は第1駆動部80と同様である。
図4〜図6に示すように、第1駆動部80は、中央部に略円形のレンズ81を設けることができるように、レンズ81の周辺に当該レンズ81を往復直線運動させるための各部材が配置されており、直線運動方向である直線Lに沿って長尺状の中空形状を有する。このように、第1駆動部80の中央部に略円形のレンズ81を設けるような構成であるため、第1駆動部80の中央部に光を通すことができる。
具体的には、図4に示すように、第1駆動部80においては、レンズ81の外周部に、レール57aおよびブロック56aで構成されるリニアガイド60aと、レール57bおよびブロック56bで構成されるリニアガイド60bとが設けられている。このように、複数のリニアガイド60a,60bが、レンズ81の外周側で互いに異なる位置に配置されている。
より具体的には、複数のリニアガイド60a,60bは、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る光軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。たとえば、図4において、直線Lを回転軸として、複数のリニアガイド60a,60bのそれぞれを180度回転させた場合、リニアガイド60aがリニアガイド60bの位置に、リニアガイド60bがリニアガイド60aの位置に配置されることになる。なお、図示は省略するが、複数のリニアガイド65についても同様の位置に配置されている。つまり、複数のリニアガイド65は、カウンタウェイト91の直線運動方向と平行でかつカウンタウェイト91の中心を通る軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。
リニアガイド60aのブロック56aは、レンズ81を支持するとともにレール57aに嵌合しており、レール57aに沿って直線方向に移動することで、レンズ81を往復直線運動させる。リニアガイド60bのブロック56bは、ブロック56aとは異なる位置でレンズ81を支持するとともにレール57bに嵌合しており、レール57bに沿って直線方向に移動することで、レンズ81を往復直線運動させる。なお、リニアガイド60a,60bは、図3を参照しながら説明したリニアガイド60(第1リニアガイド)に対応する。
ブロック56aおよびブロック56bには、それぞれレール57aおよびレール57bの接続面との間において、グリスなどの粘性を有する潤滑剤が塗布されてもよいし、ボールやローラなどの転がり軸受が設けられてもよい。この場合、グリスなどの粘性を有する潤滑剤は、「ダンパ」の一実施形態に対応する。
さらに、図5に示すように、レンズ81の中心部における光路を遮らないように当該レンズ81の外周を取り囲むようにして、レンズ81の外周に沿ってバネ55aおよびバネ55bが設けられている。バネ55aおよびバネ55bは、「弾性部材」の一実施形態に対応する。バネ55aおよびバネ55bには、コイルバネなどが適用される。なお、弾性部材には、バネに限らず、ゴムなど、力を加えたときに変形する一方で力を除いたときには元に戻るものであればいずれの部材が適用されてもよい。
バネ55aおよびバネ55bは、それぞれ、その一端が当該レンズ81に当接し、その他端はハウジング77内で固定されている。さらに、バネ55aおよびバネ55bは、X方向の変形が許容され、Y-Z方向に変形し難くなるようにハウジング77内で保持されている。このように配置されたバネ55aおよびバネ55bによって、レンズ81に対して直線運動方向に弾性力が与えられる。バネ55aおよびバネ55bのそれぞれの直径は、レンズ81を2つのバネによって挟み込んで固定できるように、レンズ81の直径と略同じであってもよい。
バネ55aおよびバネ55bの外側(レンズ81の中心からZ方向に離れる側)には、レンズ81を直線Lの方向に往復直線運動させるための磁気回路構成85aが設けられている。磁気回路構成85aは、N極およびS極からなる磁石53aと、磁石53aの外側(レンズ81の中心からZ方向に離れる側)に配置されたコイル52aとを含む。
磁石53aは、直線Lの方向に運動可能な可動子であり、磁石53aが直線Lに沿ってX方向に往復直線運動することで、レンズ81も直線Lに沿ってX方向に往復直線運動可能である。コイル52aは、固定子である。
コイル52aのさらに外側(レンズ81の中心からZ方向に離れる側)には、ヨーク51aが設けられている。ヨーク51aは、コイル52aと同様に固定子である。
レンズ81を介して磁気回路構成85aの反対側には、レンズ81を直線Lの方向に往復直線運動させるための磁気回路構成85bが設けられている。磁気回路構成85bは、N極およびS極からなる磁石53bと、磁石53bの外側(レンズ81の中心からZ方向に離れる側)に配置されたコイル52bとを含む。
磁石53bは、直線Lの方向に運動可能な可動子であり、磁石53bが直線Lに沿ってX方向に往復直線運動することで、レンズ81も直線Lに沿ってX方向に往復直線運動可能である。コイル52bは、固定子である。
コイル52bのさらに外側には、ヨーク51bが設けられている。ヨーク51bは、コイル52bと同様に固定子である。さらに、固定子であるヨーク51aおよびヨーク51bは、ハンドピース70のハウジング77に適宜固定されている。
このような構成を有する第1駆動部80においては、磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bによってレンズ81に直線Lの方向に力が与えられることで、レンズ81が往復直線運動する。
たとえば、磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bにおいて、図5に示すような位置関係でN極およびS極からなる磁石53aおよび磁石53bを配置すると、点線で示すような矢印方向の磁界が生じる。この場合において、図5に示すような電流(Y軸に沿って紙面の手前から奥に向かう方向の電流を「×」、Y軸に沿って紙面の奥から手前に向かう方向の電流を「・」で示す)をコイル52aおよびコイル52bのそれぞれに流すと、フレミングの左手の法則に従って、実線の矢印で示すようにX軸方向に電磁力(F)が生じる。このようにして生じた電磁力(F)が可動子である磁石53aおよび磁石53bに作用されると、磁石53aおよび磁石53bが電磁力(F)と反対の方向に動く。以下、バネ55a,55b、磁石53a,53b、レンズ81、コイル52a,52b、およびグリスなどの粘性を有する潤滑剤を含むダンパなど、装置内での物体の運動に関わる構成を、「運動系」と称する。
レンズ81は、レンズ81の慣性力、電磁力(F)、バネ55a,55bの弾性力、およびダンパの粘性力といった運動系の応答により直線Lの方向に振動することになる。図6(A),(B)に示すように、制御部40は、この振動を利用してレンズ81を直線Lの方向に往復直線運動させる。つまり、制御部40は、運動系の固有振動数に合わせて一定周期で第1駆動部80を制御して磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bに電流を流すことで、運動系による共振現象を利用してレンズ81を直線Lの方向に往復直線運動させることができる。
このように、第1駆動部80は、運動系の固有振動数に合わせてコイル52aおよびコイル52bに電流を流すことで、レンズ81を直線Lの方向に往復駆動させる共振駆動モータとして機能させることができる。ここで、モータにカムなどの機構部品を接続した機械的構成によってレンズ81を往復直線運動させるような場合、レンズ81を移動させている間、常にモータを駆動し続けなければならない。一方、本実施の形態のように運動系の共振現象を利用すれば、一定周期に磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bに電流を流すだけでレンズ81を往復直線運動させることができる。したがって、本実施の形態のような磁気回路構成を用いると、消費電力を抑えることができ、効率がよい。さらに、カム機構の場合、カム機構による接触音が発生したり、カム機構部の劣化によりカム面から接触粉が発生したりすることもあるが、本実施の形態のように運動系の共振現象を利用すれば、これらも解消することができる。
前述したように、第1駆動部80によって、レンズ81が直線Lの方向に往復直線運動すると、第2駆動部90によって、カウンタウェイト91は、レンズ81と相対する方向にレンズ81と同じ距離だけ往復直線運動する。レンズ81は、直線L上を往復直線運動するのに対して、カウンタウェイト91は重心の偏りを相殺するためにレンズ81の直線運動方向と相対する方向に直線L上を往復直線運動する。これにより、ユーザがハンドピース70を手に持って使用しても振動を感じない。
たとえば、図7(A)は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81およびカウンタウェイト91が互いに遠ざかる方向に直線運動した場合の両者の位置関係を説明するための図である。図7(A)に示すように、制御部40は、レンズ81を対象物99に近づく方向に移動させた場合、カウンタウェイト91を対象物99から遠ざかる方向に移動させる。また、図7(B)は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81およびカウンタウェイト91が互いに近づく方向に直線運動した場合の両者の位置関係を説明するための図である。図7(B)に示すように、制御部40は、レンズ81を対象物99から遠ざかる方向に移動させた場合、カウンタウェイト91を対象物99に近づく方向に移動させる。
このように、三次元スキャナ100においては、レンズ81を往復直線運動させる第1駆動部80と、カウンタウェイト91を往復直線運動させる第2駆動部90とを、制御部40がそれぞれ独立して制御することによって、レンズ81によって対象物99に対する投影パターンの焦点位置を変化させつつ、カウンタウェイト91によってレンズ81の往復直線運動による振動を打ち消すことができる。
また、図4および図5に示すように、第1駆動部80においては、略円形のレンズ81を中心として、直線Lの方向と垂直な方向から、磁気回路構成85aの各部材と磁気回路構成85bの各部材とが対称的な位置に設けられている。さらに、略円形のレンズ81を中心として、直線Lの方向と垂直な方向から、リニアガイド60aとリニアガイド60bとが対称的な位置でレンズ81を挟み込むように配置されている。
このように、三次元スキャナ100においては、運動対象であるレンズ81を挟み込むようにして、第1駆動部80の各構成が対称的に配置されるとともに、リニアガイド60aおよびリニアガイド60bも対称的に配置されている。
ここで、仮に、片方のリニアガイド60aのみでレンズ81を支持して直線Lの方向に往復直線運動させた場合、レール57aとブロック56aとの嵌合部を支点に力のモーメントが発生する。レンズ81に当該力のモーメントが発生することで、レール57aに対してブロック56aに傾きが生じて、レンズ81の移動がガタつくことになる。断面積を大きくするなどすれば、1本のレール57aであっても十分な剛性を得ることができるが、手持ち式の小型のハンドピース70の場合、断面積の大きいレール57aを設けることは設計上困難である。たとえば、本実施形態に係るハンドピース70が2mm角のレール57aを採用する場合、十分な剛性を得ることができない。このため、2mm角のレール57aを有するリニアガイド60aのみでレンズ81を往復直線運動させるとなると、上述した理由からレンズ81の移動がガタつく。
上述した点について、直線L上を往復直線運動するレンズ81は、往路と復路とで支点に発生する力のモーメントの方向が異なる。そこで、レンズ81の中心に対して対称的にリニアガイド60aおよびリニアガイド60bを設けることで、レール57aとブロック56aとの嵌合部およびレール57bとブロック56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントを互いに打ち消し合わせることができる。なお、カウンタウェイト91を往復直線運動させるようにカウンタウェイト91を案内するリニアガイドにおいても同様のことが言える。
また、複数のリニアガイド60a,60bによってレンズ81を往復直線運動させる構成であっても、第1駆動部80の各部材やリニアガイド60a,60bが対称的に配置されていなければ、レール57aとブロック56aとの嵌合部およびレール57bとブロック56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントが互いに打ち消し合わずに、振動が除去しきれない虞がある。特に、ハンドピース70は、手持ち式であり、頻繁に傾けられて使用される。このため、ハンドピース70の傾き方向によって、レール57aとブロック56aとの嵌合部およびレール57bとブロック56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントが互いに打ち消し合わずに、残留振動が生じる。その点、本実施の形態のように、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る軸を回転軸として各部材が回転対称となる位置に配置されることで、レール57aとブロック56aとの嵌合部およびレール57bとブロック56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントを互いに打ち消し合わせ、残留振動を極力抑えることができる。
ハンドピース70においては、運動対象であるレンズ81を直線Lの方向と垂直な方向から挟み込むようにして、第1駆動部80の各部材とリニアガイド60a,60bとが配置されているため、モータにカムなどの機構部品を接続した機械的構成によってレンズ81を往復直線運動させるような場合に比べて、ハンドピース70全体の小型化を図ることができる。さらに、上述したように、第1駆動部80の各構成、リニアガイド60a,60bによって中空になった場所にレンズ81を配置することができるため、ハンドピース70の中心部にパターンを有する光を通すことができる。
上述したように、本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、レンズ81を往復直線運動させる複数のリニアガイド60a,60bを、レンズ81の外周側で互いに異なる位置に配置することによって、残留振動を極力抑えるように構成されている。残留振動をより抑えるためには、複数のリニアガイド60a,60bを極力平行に保ちながらレンズ81を支持することが要求されるが、複数のリニアガイド60a,60bを極力平行に保ちながらハンドピース70を組み立てる際には、どうしても部品の製造上のバラツキなどにより組立上の誤差が生じ得る。組立上の誤差が生じてしまうと、物体を正確に往復直線運動させることが難しくなる。なお、上述したことは、レンズ81とリニアガイド60(リニアガイド60a,60b)との間の組立に限らず、カウンタウェイト91とリニアガイド65との間の組立においても同様のことが言える。
そこで、本実施の形態に係る三次元スキャナ100では、レンズ81とリニアガイド60との間の組立、およびカウンタウェイト91とリニアガイド65との間の組立について、工夫がなされている。このような工夫について、以下、図8〜図12を参照しながら、レンズ81とリニアガイド60との間の組立を例示しながら説明する。なお、図8〜図12においては、上述した例と同様に、レンズ81およびカウンタウェイト91の直線運動方向である直線Lに平行な軸をX軸、直線Lに垂直であって紙面の上向きの軸をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに垂直な軸をY軸と称する。また、図8〜図12に示す例では、レンズ81とリニアガイド60との間の組立について説明するが、カウンタウェイト91とリニアガイド65との間の組立についても同様である。
図8は、本実施の形態に係るハンドピース70の内部構造を示す模式図である。図8に示すように、ハンドピース70は、ハンドピース70の前方に位置する第1ブロック801と、当該ハンドピース70の後方に位置する第2ブロック802と、第1ブロック801と第2ブロック802との間に位置する連結部800とを備える。
ハンドピース70の内部においては、レンズ81が内周側に配置され、当該レンズ81の外周側に第1駆動部80が円筒状に配置されており、これらレンズ81と第1駆動部80とをひとまとめにして第1ブロック801が構成される。つまり、第1ブロック801は、円筒状の形状を有し、その内部に設けられた第1駆動部80における各構成のさらに内部の空間でレンズ81を保持する。第1ブロック801は、ハンドピース70のハウジング77の前方に位置する第1収容部501に収容される。
ハンドピース70の内部においては、カウンタウェイト91が内周側に配置され、当該カウンタウェイト91の外周側に第2駆動部90が円筒状に配置されており、これらカウンタウェイト91と第2駆動部90とをひとまとめにして第2ブロック802が構成される。つまり、第2ブロック802は、円筒状の形状を有し、その内部に設けられた第2駆動部90における各構成のさらに内部の空間でカウンタウェイト91を保持する。第2ブロック802は、ハンドピース70のハウジング77の後方に位置する第2収容部502に収容される。
連結部800は、第1ブロック801と第2ブロック802とを連結する。連結部800は、往復直線運動するための各構成が運動可能な状態で一体としてハンドピース70の内部に固定保持されている。具体的には、連結部800は、第1収容部501によって保持されたレンズ81と第2収容部502によって保持されたカウンタウェイト91とを、往復直線運動するための各構成が運動可能な状態で一体に連結している。さらに、連結部800は、その内部に設けられた空間において、前述した投影光発生部75、レンズ81、光学センサ71、およびプリズム72などを保持する。連結部800は、第1収容部501と第2収容部502との間に位置する連結収容部500に収容される。
図9〜図11は、本実施の形態に係るハンドピース70が備える第1ブロック801の内部構造を示す模式図である。図9〜図11に示すように、第1ブロック801は、ヨーク51a、コイル52a、および磁石53aを含む磁気回路構成85aを収容して保持する。また、第1ブロック801は、レンズ81の外周を取り囲むようにして、レンズ81を固定する固定部190が収容されている。固定部190によって固定されたレンズ81の一端には、バネ55aが当接し、レンズ81の他端には、バネ55bが当接している。
レンズ81は、固定部190とともに、支持部180および保持部160を介してリニアガイド60bによって往復直線運動可能に支持されている。具体的には、レンズ81を固定する固定部190の一部には、支持部180がネジ止めされている。レール57b上を移動するブロック56bの一部には、保持部160がネジ止めされている。支持部180と、保持部160とは嵌合している。
支持部180と、保持部160との間の嵌合について、図12を参照しながら具体的に説明する。図12(A)は、支持部180と保持部160との間の嵌合について説明するための模式図である。図12(B)は、支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。図12(C)は、支持部180と保持部160との間の遊びについて説明するための模式図である。
図12(A)に示すように、支持部180は、支持部本体181と、支持部本体181に形成されたネジ穴182およびネジ穴183と、支持部本体181からY軸方向に外部(保持部160側)に突出する凸部184とを有する。支持部180は、ネジ穴182およびネジ穴183を介して、固定部190にネジ止めされている。保持部160は、保持部本体161と、保持部本体161に形成されたネジ穴162およびネジ穴163と、保持部本体161の内部に形成された凹部164とを有する。保持部160は、ネジ穴162およびネジ穴163を介して、ブロック56bにネジ止めされている。
図12(B)および図12(C)に示すように、凸部184は、X−Z断面が円形または略円形であって、Y−Z断面がY方向に細長い長方形の形状を有する部材である。これに対して、凹部164は、X−Z断面が円形または略円形であって、Y−Z断面がY方向に細長い長方形の形状を有する空間である。凸部184は、凹部164に嵌合するようになっている。このように、凸部184は、円柱の形状を有し、凹部164は、円柱の形状を有する凸部184に嵌合する形状を有する。凸部184と凹部164との間においては、グリスなどの粘性を有する潤滑剤が塗布されている。
このように、レンズ81側にネジ止めされた支持部180と、リニアガイド60b側にネジ止めされた保持部160とが嵌合することで、レンズ81を含む上述した運動系が、レール57bに沿って往復直線運動することができる。
図12(A)に示すように、支持部本体181の少なくとも一部の面は、保持部本体161の少なくとも一部の面に当接しており、両者で接触部195を構成する。具体的には、支持部本体181と保持部本体161とは、X−Y平面上で接触部195において接触している。
このように、支持部本体181と保持部本体161とがX−Y平面上で接触することで、支持部180および保持部160とともにレンズ81が往復直線運動することに起因するY軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。たとえば、レンズ81の往復直線運動によって支持部180がY軸まわりに回転しようとした場合でも、支持部180の下面が保持部160に当接することで、レンズ81が回転してしまうことを極力防止することができる。
凹部164は、凸部184よりも、X−Z断面における円の半径、およびY−Z断面におけるY方向の長さが大きい。具体的には、図12(B)に示すように、凹部164のX−Z断面における円の半径164Rは、凸部184のX−Z断面における円の半径184Rよりも大きい。また、図12(C)においては、凸部184が凹部164に完全に嵌合している状態が示されているが、凹部164のY−Z断面におけるY方向の長さ164Lは、凸部184のY−Z断面におけるY方向の長さ184Lよりも大きい。このため、凸部184と凹部164とが、遊びをもって嵌合するようになっている。たとえば、凸部184が凹部164に嵌合した状態では、X−Z断面においては、凹部164の半径164Rと凸部184の半径184Rとの差D1がクリアランスとして存在し、Y−Z断面においては、凹部164のY方向の長さ164Lと凸部184のY方向の長さ184Lとの差D2がクリアランスとして存在する。
このため、製造上のバラツキなどにより、凸部184の半径184Rや凹部164の半径164Rに一定以上のバラツキが生じたとしても、差D1の範囲内のバラツキであれば、組立上の誤差を吸収することができる。また、製造上のバラツキなどにより、凸部184のY方向の長さ184Lや凹部164のY方向の長さ164Lに一定以上のバラツキが生じたとしても、差D2の範囲内のバラツキであれば、組立上の誤差を吸収することができる。
さらに、凹部164の半径164Rと凸部184の半径184Rとの差D1よりも、凹部164のY方向の長さ164Lと凸部184のY方向の長さ184Lとの差D2の方が大きくなるように、凸部184と凹部164とにおける遊びが設けられている。このため、凸部184が凹部164に嵌合した状態において、凸部184は、X方向やZ方向よりも、Y方向の方がより動き易くなっている。
このように、レンズ81とリニアガイド60bとの間において、レンズ81側に設けられた支持部180と、リニアガイド60b側に設けられた保持部160とが、遊びをもって嵌合する。これにより、レンズ81とリニアガイド60bとの間の嵌合において適度なクリアランスを設けることができ、組立上の誤差を吸収することができる。その結果、三次元スキャナ100の組立上の誤差の影響をレンズ81の往復直線運動に対して極力生じさせないようにすることができる。
支持部180が保持部160に嵌合した状態において、凸部184は、X方向やZ方向よりも、Y方向の方がより動き易くなっている。これにより、レンズ81がX軸方向へ往復直線運動した場合でも、X軸方向およびZ軸方向に対しては保持部160によって支持部180をある程度拘束しつつ、Y軸方向に対しては遊びに余裕をもたせることで組立上の誤差を吸収することができる。
凸部184は、X−Z断面が円形または略円形であって、Y−Z断面がY方向に細長い円柱の形状を有する部材であり、凹部164は、円柱の形状を有する凸部184に嵌合する形状を有する。このように、支持部180と保持部160との間の嵌合は、X−Z断面が円形または略円形である円柱状の形状を有する凸部184および凹部164によってなされるため、レンズ81がX軸方向へ往復直線運動した場合でも、凸部184が凹部164の内部で引っ掛かり難く、Y軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。
なお、図8〜図12においては、レンズ81とリニアガイド60bとの関係において、支持部180と保持部160との間の嵌合について説明したが、レンズ81を介してリニアガイド60bの反対側に位置するリニアガイド60aとレンズ81との関係においても、同様のことが言える。つまり、レンズ81とリニアガイド60aとの間において、レンズ81側に設けられた支持部(図示は省略する)と、リニアガイド60a側に設けられた保持部(図示は省略する)とが、遊びをもって嵌合する。そして、支持部が保持部に嵌合した状態において、凸部(図示は省略する)は、X方向やZ方向よりも、Y方向の方がより動き易くなっている。また、凸部(図示は省略する)は、X−Z断面が円形または略円形であって、Y−Z断面がY方向に細長い円柱の形状を有する部材であり、凹部(図示は省略する)は、円柱の形状を有する凸部に嵌合する形状を有する。
同様に、第2物体であるカウンタウェイト91とリニアガイド65との関係においても、同様のことが言える。たとえば、図8に示すように、カウンタウェイト91と複数のリニアガイド65のそれぞれとの間において、カウンタウェイト91側に設けられた複数の支持部185と、複数のリニアガイド65側のそれぞれに設けられた保持部165とが、遊びをもって嵌合する。そして、支持部185が保持部165に嵌合した状態において、凸部(図示は省略する)は、X方向やZ方向よりも、Y方向の方がより動き易くなっている。また、凸部(図示は省略する)は、X−Z断面が円形または略円形であって、Y−Z断面がY方向に細長い円柱の形状を有する部材であり、凹部(図示は省略する)は、円柱の形状を有する凸部に嵌合する形状を有する。
[主な構成]
次に、本実施の形態に係る三次元スキャナ100の主な構成を説明する。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、レンズ81と、レンズ81を駆動する第1駆動部80と、第1駆動部80によって駆動されたレンズ81が直線運動するように当該レンズ81を案内する複数のリニアガイド60とを備え、複数のリニアガイド60は、レンズ81の外周側で互いに異なる位置に配置されており、レンズ81と複数のリニアガイド60のそれぞれとの間において、レンズ81側に設けられた複数の支持部180と、複数のリニアガイド60側のそれぞれに設けられた保持部160とが、遊びをもって嵌合する。
これにより、本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、レンズ81と複数のリニアガイド60のそれぞれとの間の嵌合において適度なクリアランスを設けることができ、組立上の誤差を吸収することができる。その結果、三次元スキャナ100の組立上の誤差の影響をレンズ81の直線運動に対して極力生じさせないようにすることができる。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、レンズ81と同じ質量を有するカウンタウェイト91と、カウンタウェイト91を駆動する第2駆動部90と、第2駆動部90によって駆動されたカウンタウェイト91が直線運動するように当該カウンタウェイト91を案内する複数のリニアガイド65と、レンズ81とカウンタウェイト91とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ往復直線運動するように第1駆動部80および第2駆動部90それぞれを制御する制御部40とをさらに備え、複数のリニアガイド65は、カウンタウェイト91の外周側で互いに異なる位置に配置されており、カウンタウェイト91と複数のリニアガイド65のそれぞれとの間において、カウンタウェイト91側に設けられた複数の支持部185と、複数のリニアガイド65側のそれぞれに設けられた保持部165とが、遊びをもって嵌合する。
これにより、本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、カウンタウェイト91と複数のリニアガイド65のそれぞれとの間の嵌合において適度なクリアランスを設けることができ、組立上の誤差を吸収することができる。その結果、三次元スキャナ100の組立上の誤差の影響をカウンタウェイト91の直線運動に対して極力生じさせないようにすることができる。
レンズ81とカウンタウェイト91とが同軸上で直線運動するように配置され、複数のリニアガイド60は、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る軸を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置され、複数のリニアガイド65は、カウンタウェイト91の直線運動方向と平行でかつカウンタウェイト91の中心を通る軸を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。
これにより、レンズ81の直線運動によって複数のリニアガイド60のそれぞれに掛かる力のモーメントを互いに打ち消し合わせることができる。また、カウンタウェイト91の直線運動によって複数のリニアガイド65のそれぞれに掛かる力のモーメントを互いに打ち消し合わせることができる。
支持部180と保持部160とにおける遊びは、レンズ81の直線運動方向に垂直なY軸方向に設けられている。また、支持部188と保持部165とにおける遊びは、カウンタウェイト91の直線運動方向に垂直なY軸方向に設けられている。
これにより、レンズ81およびカウンタウェイト91がX軸方向へ直線運動した場合でも、Y軸方向に対しては遊びを設けることで組立上の誤差を吸収することができる。
支持部180と保持部160とにおける遊びは、レンズ81の直線運動方向であるX軸方向よりも当該X軸方向に垂直なY軸方向の方が大きい。また、支持部185と保持部165とにおける遊びは、カウンタウェイト91の直線運動方向であるX軸方向よりも当該X軸方向に垂直なY軸方向の方が大きい。
これにより、レンズ81がX軸方向へ直線運動した場合でも、X軸方向およびZ軸方向に対しては保持部160によって支持部180をある程度拘束しつつ、Y軸方向に対しては遊びに余裕をもたせることで組立上の誤差を吸収することができる。また、カウンタウェイト91がX軸方向へ直線運動した場合でも、X軸方向およびZ軸方向に対しては保持部165によって支持部185をある程度拘束しつつ、Y軸方向に対しては遊びに余裕をもたせることで組立上の誤差を吸収することができる。
支持部180の凸部184は、リニアガイド60側に向けて外部に突出した円柱の形状を有し、保持部160の凹部164は、円柱の形状を有する凸部184に嵌合する形状を有する。同様に、支持部185の凸部(図示は省略する)は、リニアガイド60側に向けて外部に突出した円柱の形状を有し、保持部165の凹部(図示は省略する)は、円柱の形状を有する凸部に嵌合する形状を有する。
これにより、レンズ81がX軸方向へ直線運動した場合でも、支持部180の凸部184が保持部160の凹部164の内部で引っ掛かり難く、Y軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。また、カウンタウェイト91がX軸方向へ直線運動した場合でも、支持部185の凸部が保持部165の凹部の内部で引っ掛かり難く、Y軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。さらに、支持部180の凸部184や支持部185の凸部について、そのX−Z断面が円形または略円形であるため、組立時にX−Z平面上で傾いて凸部と凹部とが嵌合しても、容易に是正することができる。
支持部180の少なくとも一部の面は、保持部160の少なくとも一部の面に当接している。また、支持部185の少なくとも一部の面は、保持部165の少なくとも一部の面に当接している。
これにより、支持部180および保持部160とともにレンズ81が直線運動することによってY軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。また、支持部185および保持部165とともにカウンタウェイト91が直線運動することによってY軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。
ハウジング77内において、レンズ81は、リニアガイド60によって直線運動可能に第1ブロック801の内部で固定されて保持され、ハウジング77内において、カウンタウェイト91は、リニアガイド65によって直線運動可能に第2ブロック802の内部で固定されて保持される。
これにより、レンズ81およびカウンタウェイト91のそれぞれが、第1ブロック801および第2ブロック802のそれぞれに保持されるため、1つのブロック内にレンズ81およびカウンタウェイト91が保持されるよりも、故障対応などのメンテナンスが容易になる。
ハウジング77内において、第1ブロック801によって保持されたレンズ81と、第2ブロック802によって保持されたカウンタウェイト91とを連結する連結部800が設けられ、連結部800にはプリズム72が配置され、ハウジング77内の投影光発生部75からの光は、レンズ81を通過し、連結部800内のプリズム72を介して光学センサ71によって検出される。
これにより、レンズ81、カウンタウェイト91、およびプリズム72などの光学部材が、それぞれ異なる部材によって保持されるため、故障対応などのメンテナンスが容易になり、各部材をコンパクトにすることができる。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、ハウジング77と、レンズ81と、レンズ81を直線運動させる第1駆動部80と、レンズ81の直線運動方向の直線L上に設けられかつ当該レンズ81と同じ質量を有するカウンタウェイト91と、カウンタウェイト91を直線運動させる第2駆動部90と、レンズ81およびカウンタウェイト91が直線運動するように支持するリニアガイド60,65と、第1駆動部80および第2駆動部90を制御する制御部40とを備え、制御部40は、レンズ81とカウンタウェイト91とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ直線運動するように第1駆動部80および第2駆動部90をそれぞれ制御する。
これにより、レンズ81およびカウンタウェイト91をそれぞれの駆動部で独立して直線運動させることができるため、同一のモータで並進ステージによってレンズ81およびカウンタウェイト91をともに直線運動させるような構成に比べて、長時間駆動し続けたとしても機械的な摩耗が生じにくい。したがって、レンズ81およびカウンタウェイト91の直線運動を実現する装置の長寿命化を実現することができる。
また、上述したように、レンズ81およびカウンタウェイト91をそれぞれの駆動部で独立して直線運動させるような構成を採用したことで、上述した磁気回路構成をレンズ81およびカウンタウェイト91のそれぞれの駆動部に採用することができる。すなわち、本実施の形態において、第1駆動部80は、磁石53a,53b、およびコイル52a,52bを含む磁気回路構成85を有し、レンズ81は、磁気回路構成85によって直線運動方向の力(電磁力(F))が与えられることで直線運動する。同様に、第2駆動部90は、磁石およびコイル(いずれも図示は省略する)を含む磁気回路構成95を有し、カウンタウェイト91は、磁気回路構成95によって直線運動方向の力(電磁力(F))が与えられることで直線運動する。
これにより、カムなどの機構部品を用いてレンズ81またはカウンタウェイト91の直線運動方向へと力の向きを変えるような構成に比べて、機械的摩耗の影響を少なくすることができ、さらに、三次元スキャナ100全体の小型化および軽量化を図ることができる。また、機構部品を採用するよりも、磁気回路のみによる装置構成を採用した方が、耐久性に優れ、メンテナンスも容易である。
第1駆動部80は、レンズ81の直線運動方向に弾性力を与えるバネ55aを含む。同様に、第2駆動部90は、カウンタウェイト91の直線運動方向に弾性力を与えるバネ(図示は省略する)を含む。
これにより、レンズ81の慣性力、バネ55aの弾性力、およびダンパの粘性力からなる運動系の応答による共振現象を利用して、レンズ81またはカウンタウェイト91を振動させるため、消費電力を抑えることができ、効率がよい。
第1駆動部80は、ブロック56aおよびブロック56bのそれぞれとレール57aおよびレール57bのそれぞれとの接続面において、グリスなどの粘性を有する潤滑剤からなるダンパを含む。同様に、第2駆動部90においても、当該接続面においてダンパ(図示は省略する)を含む。
これにより、第1駆動部80を含む運動系と第2駆動部90を含む運動系に対して外部から加わる重力や、操作者による振動などを減衰させることができる。
第1駆動部80は、レール57aとブロック56aとの嵌合部およびレール57bとブロック56bとの嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に部材が配置されている。同様に、第2駆動部90は、レールとブロックとの嵌合部(図示は省略する)に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に部材が配置されている。より具体的には、複数のリニアガイド60a,60bは、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。また、複数のリニアガイド65は、カウンタウェイト91の直線運動方向と平行でかつカウンタウェイト91の中心を通る軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されている。
これにより、リニアガイド60およびリニアガイド65のそれぞれに力のモーメントが極力掛からないため、残留振動を極力抑えることができる。
第1駆動部80は、直線Lの方向と垂直な方向からレンズ81を挟み込む位置に部材が配置されている。同様に、第2駆動部90は、直線Lの方向と垂直な方向からカウンタウェイト91を挟み込む位置に部材が配置されている。
これにより、ハンドピース70全体の小型化を図ることができ、さらに、レンズ81の中心部にパターンを有する光を通すことができる。
レンズ81が直線運動するように当該レンズ81を案内するリニアガイド60とカウンタウェイト91が直線運動するように当該カウンタウェイト91を案内するリニアガイド65とは、異なる部材で構成される。
これにより、設計の自由度が向上するため、ハンドピース70のような限られたスペースの中であっても適切に部材を配置することができる。また、故障対応などのメンテナンスが容易になる。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(物体について)
本実施の形態においては、第1物体としてレンズ81を適用し、第2物体としてカウンタウェイト91を適用したが、第2物体は、第1物体と同じ質量を有するレンズであってもよい。つまり、ハンドピースは、ともに同じ質量を有する2つのレンズが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ往復直線運動するように構成されてもよく、レンズがカウンタウェイトの機能を有していてもよい。
(駆動部の各部材の配置場所について)
本実施の形態においては、図4に示すように、レンズ81に対して2つのリニアガイド60a,60bが挟み込むようにして設けられていたが、リニアガイドの数およびその配置場所はこれに限らない。
たとえば、図13は、変形例に係る駆動部380のY−Z断面を示す模式図である。図13に示すように、2つのリニアガイド60a,60bに加えて、ブロック56cおよびレール57cを含むリニアガイド60cが設けられてもよい。それに伴い、リニアガイド60aとリニアガイド60bとの間には、コイル52aを含む磁気回路構成85aとヨーク51aとが配置され、リニアガイド60bとリニアガイド60cとの間には、コイル52bを含む磁気回路構成85bとヨーク51bとが配置され、リニアガイド60cとリニアガイド60aとの間には、コイル52cを含む磁気回路構成85cとヨーク51cとが配置されている。さらに、これらのリニアガイド60a,60b,60cは、各リニアガイドに掛かるモーメントを打ち消し合うように、レンズ81の直線運動方向と平行でかつレンズ81の中心を通る軸(直線L)を回転軸として、それぞれが回転対称となる位置で互いに平行に配置されてもよい。
なお、上述した例は一例であり、バネの数およびその配置場所、さらに、リニアガイドの数およびその配置場所は、ハンドピース内のスペースを考慮して適宜組み合わせて設計可能である。
(リニアガイドについて)
本実施の形態においては、図3に示すように、レンズ81を直線運動方向に案内するリニアガイド60と、カウンタウェイト91を直線運動方向に案内するリニアガイド65とが別の部材であった。しかし、これに限らず、レンズ81を直線運動方向に案内するリニアガイドと、カウンタウェイト91を直線運動方向に案内するリニアガイドとが、共通の部材であってもよい。
たとえば、図14は、変形例に係る三次元スキャナ200に適用されるリニアガイド260を説明するための模式図である。図14に示すように、リニアガイド260は、レンズ81とカウンタウェイト91とで共通の部材で構成されている。このようにすれば、部材点数を抑えることができる。
(支持部および保持部について)
本実施の形態においては、支持部180に含まれる凸部184がリニアガイド60側に向けて外部に突出した円柱の形状を有し、保持部160に含まれる凹部164が円柱の形状を有する凸部184に嵌合する形状を有していたが、凸部184および凹部164はその他の形状を有していてもよい。たとえば、凸部184は、リニアガイド60側に向けて外部に突出した球の形状を有し、凹部164は、球の形状を有する凸部184に嵌合する形状を有してもよい。
このように構成した場合でも、支持部180と保持部160との間の嵌合は、X−Z断面が円形または略円形である球の形状を有する凸部184および凹部164によってなされるため、レンズ81がX軸方向へ往復直線運動しても、凸部184が凹部164の内部で引っ掛かり難く、Y軸まわりに生じ得る力のモーメントを極力抑えることができる。
なお、支持部180の凸部184、および保持部160の凹部164を球の形状とした場合、上述した図12(B),(C)に示した差D1と差D2とがほぼ同じになる。この場合、上述した図12(B),(C)に示した例よりも、Y軸方向に対する遊びに余裕をもたせることができないため、ベストモードとしては、図12(B),(C)に示した例のように、凸部184および凹部164を円柱の形状として、差D1よりも差D2の方が大きくなるように遊びを設ける方が好ましい。また、支持部180の凸部184、および保持部160の凹部164を四角柱や三角柱のような角柱にしてもよい。しかし、この場合、レンズ81がX軸方向へ往復直線運動した場合に、凸部184が凹部164の内部で引っ掛かり易くなるため、ベストモードとしては、図12(B),(C)に示した例のように、凸部184および凹部164を円柱の形状として、X−Z断面を円形または略円形にして引っ掛かりを無くす方が好ましい。
なお、レンズ81側に限らずカウンタウェイト91側においても同様に、支持部185の凸部は、リニアガイド65側に向けて外部に突出した球の形状を有し、保持部165の凹部は、球の形状を有する凸部に嵌合する形状を有してもよい。また、凸部および凹部は、球に限らず、角柱であってもよい。
(他の用途への適用例)
本実施の形態においては、医療用診療装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な三次元スキャナについて説明したが、医療用診療装置は他の用途にも適用可能である。たとえば、医療用診療装置としては、切削工具(たとえば、スケーラ―チップ、根管治療用ファイルなど)を用いて対象物を切ったり削り取ったりして希望の形に近づけていくような切削装置が適用されてもよい。
図15は、変形例に係る医療用診療装置である切削装置370の構成を示す模式図である。図15に示すように、切削装置370は、筐体375と、切削工具385と、切削工具385を保持する切削保持部381と、切削保持部381を往復直線運動させる第1駆動部580と、切削保持部381の直線運動方向の直線上に設けられかつ切削保持部381と同じ質量を有するカウンタウェイト391と、カウンタウェイト391を往復直線運動させる第2駆動部590と、切削保持部381が往復直線運動するように切削保持部381を案内するリニアガイド360と、カウンタウェイト391が往復直線運動するようにカウンタウェイト391を案内するリニアガイド365と、第1駆動部580および第2駆動部590を制御する制御部340とを備えている。なお、カウンタウェイト391は、切削保持部381に切削工具385を加えた質量と同じ質量を有していてもよい。制御部340は、切削保持部381とカウンタウェイト391とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ往復直線運動するように第1駆動部580および第2駆動部590をそれぞれ制御する。
このように、切削装置370においては、切削保持部381を往復直線運動させる第1駆動部580と、カウンタウェイト391を往復直線運動させる第2駆動部590とを、制御部340がそれぞれ独立して制御することによって、切削保持部381によって保持された切削工具385で物体(たとえば、歯)を切ったり削り取ったりしつつ、カウンタウェイト391によって切削保持部381の往復直線運動による残留振動を極力抑えることができる。
なお、図15に示す切削装置370においては、制御部340が筐体375内に収納されているが、図1に示す三次元スキャナ100のように、制御部340が筐体375の外に配置されるとともに、配線によって第1駆動部580および第2駆動部590と接続されてもよい。
また、医療用診療装置としては、口腔内や外耳内、または胃や腸などの消化器を撮影する医療用のカメラが適用されてもよい。この場合、第1物体としてはカメラのレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
また、医療用診療装置としては、顕微鏡が適用されてもよい。この場合、第1物体としては顕微鏡内のレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
さらに、医療用診療装置としては、レーザー光線を用いて図などの対象物を指し示すレーザーポインタや歯を切削するレーザー装置が適用されてもよい。この場合、第1物体としてはレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
このように、互いに同じ質量を有する2つの物体を相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ往復直線運動させる装置であれば、いずれの装置においても本実施の形態および変形例に係る医療用診療装置を適用することができる。
(その他の変形例)
本実施の形態に係る投影光発生部75は、単一の投影光発生部(たとえば、LEDやレーザー素子など)に限らず、複数の入光部が集合するように構成されてもよい。たとえば、投影光発生部75は、複数のLEDやレーザー素子が基板に並べられるように構成されてもよい。なお、三次元スキャナ100は、投影光発生部75からの光や対象物99からの反射光が、光ファイバなどのライトガイドによって光学センサ71や対象物99に導かれるように構成されてもよい。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100の撮像の対象は、口腔内の歯や歯肉に限られず、外耳道などの生体組織、建築物の壁の隙間、配管の内部、および空洞を有する工業製品などであってもよく、本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、狭くて死角が生じやすい空間内を計測または観察する用途などに広く適用可能である。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。