本実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態においては、医療用診療装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な三次元スキャナについて説明する。三次元スキャナは、口腔内の歯の三次元形状を取得するための口腔内スキャナである。本実施の形態に係る三次元スキャナは、口腔内スキャナに限定されるものではなく、同様の構成を有する他の三次元スキャナにも適用可能であり、たとえば、口腔内以外に人の耳の内部を撮像することで外耳内の三次元形状を取得するためスキャナにも適用可能である。なお、本実施の形態に係る三次元スキャナで例示される医療用診療装置は、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、および獣医科など、あらゆる医科の診療にも適用可能である。また、診療には、診断および治療が含まれる。
[三次元スキャナの構成]
図1は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100の構成を示す模式図である。三次元スキャナ100は、「医療用診療装置」の一実施形態に対応する。図1に示すように、三次元スキャナ100は、ハンドピース70と、制御部40と、表示部50と、電源45とを備える。ハンドピース70は、手持ち式の部材であり、プローブ10と、接続部20と、光学計測部30とを含む。
プローブ10は、口腔内に差し込まれ、歯などの対象物99にパターンを有する光(以下、単にパターンともいう)を投影する。プローブ10は、パターンが投影された対象物99からの反射光を光学計測部30に導く。プローブ10は、光学計測部30に対して着脱可能である。このため、術者は、感染対策として、生体に接触する可能性のあるプローブ10のみを光学計測部30から取り外して滅菌処理(たとえば、高温高湿環境での処理)を施すことが可能である。仮に、三次元スキャナの装置全部を滅菌処理した場合、光学部品や電子部品などが多く含まれるため装置の寿命が短くなる虞があるが、上述したようにプローブ10のみを取り外して滅菌処理した場合には、装置の寿命が短くなることを極力防止することができる。
接続部20は、光学計測部30の一部であって当該光学計測部30から突出しており、プローブ10の根元と嵌合可能な形状を有する。接続部20は、プローブ10で採光した光を光学計測部30へ導くためのレンズ系や、カバーガラス、光学フィルタ、および位相差板(1/4波長板)などの光学部品を含んでいる。
光学計測部30は、プローブ10を介して対象物99にパターンを投影し、投影したパターンを撮像する。なお、本実施の形態に係る光学計測部30は、以下で説明されるように、合焦法の原理を用いて三次元形状を取得する構成であるが、共焦点法などの原理を用いて三次元形状を取得する構成であってもよい。つまり、光学計測部30は、投影パターンや光学センサの焦点の位置を変化させる構成を含み、光学的な手法を用いて三次元形状を取得する構成であればいずれの原理を用いた構成であってもよい。
制御部40は、光学計測部30の動作を制御するとともに、光学計測部30で撮像した画像を処理して三次元形状を取得する。図示は省略するが、制御部40は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)と、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)と、周辺機器との間で信号の整合性を保つための入出力インターフェイスとを含む。また、制御部40は、取得した三次元形状を表示部50に出力することも可能であり、光学計測部30の設定などの情報を図示しない入力装置などで入力することも可能である。
なお、撮像した画像を処理して三次元形状を取得するための演算の少なくとも一部は、制御部40のCPUによってソフトウェアとして実現されてもよいし、当該CPUとは別に処理を行うハードウェアとして実現されてもよい。当該CPUやハードウェアなどの処理部のうちの少なくとも一部は、光学計測部30の内部に組み込まれてもよい。図1では三次元スキャナ100の各構成要素(30,40,45,50)がケーブル(図中の太線)によって配線されているように描かれているが、これらの配線のうちの一部または全部が無線通信によって接続されてもよい。制御部40が片手で持ち上げられるほど十分に小型かつ軽量であれば、制御部40は、ハンドピース70の内部に設けられてもよい。
表示部50は、制御部40で得られた対象物99の三次元形状の計測結果を表示する。表示部50は、光学計測部30の設定情報、患者情報、スキャナの起動状態、取扱説明書、およびヘルプ画面など、その他の情報も表示可能である。表示部50には、たとえば据え置き式の液晶ディスプレイや、ヘッドマウント式やメガネ式のウェアラブルディスプレイなどが適用できる。また、表示部50は複数あってもよく、三次元形状の計測結果やその他の情報が、複数の表示部50上に同時表示あるいは分割表示されてもよい。
電源45は、光学計測部30および制御部40に電力を供給する。電源45は、図1に示すように制御部40の外部に設けられてもよいが、制御部40の内部またはハンドピース70の内部に設けられてもよい。また、電源45は、制御部40、光学計測部30、および表示部50のそれぞれに個別に給電できるように複数設けられてもよい。
[ハンドピースの構成]
図2は、本実施の形態に係るハンドピース70の構成を示す模式図である。なお、図2に示すハンドピース70内の各部材は、図1に示す光学計測部30に収納されている。図2に示すように、ハンドピース70は、筐体77の内部に、光源71と、レンズ81と、光学センサ75とを含む。ハンドピース70は、これら以外に、光源71から対象物99への光と、対象物99から光学センサ75への光とを分離するビームスプリッタ、および対象物99に向けて光を反射させる反射板などを含んでもよい。レンズ81は、「第1物体」の一実施形態に対応する。なお、以下で説明する実施形態においては、説明の便宜上、レンズ81が直線運動する方向を表す仮想直線をLで示し、直線Lに平行な軸をX軸、直線Lに垂直であって図2における紙面の上向きの軸をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに垂直な軸をY軸と称する。
光源71から出力された光は、レンズ81を通って対象物99に照射され、対象物99で反射される。対象物99で反射された光は、再びレンズ81を通って光学センサ75で検出される。合焦法の技術を用いて三次元形状を取得する場合、レンズ81と対象物99との間に設けられたパターン生成素子(図示せず)を通過した光が対象物99に投影される。レンズ81が同一直線(たとえば、図示上の直線L)上を直線運動すると、投影パターンの焦点位置が変化する。光学センサ75は、その変化毎で対象物99からの光を検出する。上述した制御部40は、レンズ81の位置と、そのときの光学センサ75による検出結果とに基づいて、対象物99の形状情報を演算する。
レンズ81が直線Lの方向(X軸方向)に直線運動すると、レンズ81の質量分だけハンドピース70の重心位置が移動することになり当該ハンドピース70を保持するユーザの手に振動として伝わる。その振動を打ち消すために、ハンドピース70は、筐体77の内部において、カウンタウェイト91をさらに設ける。カウンタウェイト91は、「第2物体」の一実施形態に対応する。カウンタウェイト91は、対象物99とレンズ81との間の光路、およびレンズ81と光学センサ75との間の光路を遮らないように、X軸方向における光学センサ75の背面側に設けられている。
図3は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81とカウンタウェイト91との位置関係を説明するための模式図である。図3に示すように、レンズ81は、直線Lに平行な支持部60によって、直線Lの方向に直線運動するように支持されている。図示は省略するが、支持部60は、筐体77によって固定されている。さらに、レンズ81は、第1駆動部80の磁気回路構成85に接続されている。第1駆動部80は、磁気回路構成85によって、レンズ81を直線Lの方向に直線運動させるリニアモータを構成する。
カウンタウェイト91は、レンズ81の直線運動方向の直線L上に設けられかつ当該レンズ81と同じ質量を有する錘である。カウンタウェイト91は、直線Lに平行な支持部65によって、直線Lの方向に直線運動するように支持されている。本実施の形態においては、支持部65は、支持部60と別の部材である。さらに、カウンタウェイト91は、第2駆動部90の磁気回路構成95に接続されている。第2駆動部90は、磁気回路構成95によって、カウンタウェイト91を直線Lの方向に直線運動させるリニアモータを構成する。なお、磁気回路構成85および磁気回路構成95の具体的な構成は、図4〜図6に示す磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bを例にして後述する。なお、以下では、第1駆動部80および第2駆動部90をまとめて単に「駆動部」ともいう。
第1駆動部80および第2駆動部90のそれぞれは、制御部40によって制御される。なお、本実施の形態においては、第1駆動部80および第2駆動部90が共通の制御部40によってそれぞれ制御されるが、第1駆動部80および第2駆動部90が互いに異なる制御部によってそれぞれ制御されてもよい。
第1駆動部80によって、レンズ81が直線Lの方向に直線運動すると、第2駆動部90によって、カウンタウェイト91は、レンズ81と相対する方向にレンズ81と同じ距離だけ直線運動する。たとえば、レンズ81が対象物99に近づく方向に直線L上を10mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99から遠ざかる方向に直線L上を10mm移動する。また、レンズ81が対象物99から遠ざかる方向に直線L上を15mm移動すると、カウンタウェイト91は、対象物99に近づく方向に直線L上を15mm移動する。
このように、レンズ81と相対する方向に当該レンズ81と同じ距離だけカウンタウェイト91が直線運動することで、レンズ81の直線運動に起因するハンドピース70の重心の偏りを相殺することができる。これにより、カウンタウェイト91によって、レンズ81の直線運動による振動を打ち消すことができる。
[駆動部の構成]
図4は、本実施の形態に係る駆動部のY−Z断面を示す模式図である。図5は、本実施の形態に係る駆動部のX−Z断面を示す模式図である。図6(A)は、本実施の形態に係る駆動部においてレンズ81が一方向に直線運動した場合の駆動部のX−Z断面を示す模式図である。図6(B)は本実施の形態に係る駆動部においてレンズ81が他方向に直線運動した場合の駆動部のX−Z断面を示す模式図である。なお、図4〜図6に示す例では、駆動部のうち、第1駆動部80の構成を説明するが、第2駆動部90の構成も第1駆動部80と同様である。すなわち、第2駆動部90の場合、図4〜図6に示す例において、レンズ81がカウンタウェイト91に置き換えられるが、その他の構成は第1駆動部80と同様である。
図4〜図6に示すように、第1駆動部80は、中央部に略円形のレンズ81を設けることができるように、レンズ81の周辺に当該レンズ81を直線運動させるための各部材が配置されており、直線運動方向である直線Lに沿って長尺状の中空形状を有する。このように、第1駆動部80の中央部に略円形のレンズ81を設けるような構成であるため、第1駆動部80の中央部に光を通すことができる。
具体的には、図4に示すように、第1駆動部80においては、レンズ81の外周部に、固定支持部57aおよび可動支持部56aで構成される支持部と、固定支持部57bおよび可動支持部56bで構成される支持部とが設けられている。可動支持部56aおよび可動支持部56bは、それぞれ固定支持部57aおよび固定支持部57bに沿ってレンズ81を直線運動させる。なお、固定支持部57aおよび可動支持部56aで構成される支持部と、固定支持部57bおよび可動支持部56bで構成される支持部とは、図3を参照しながら説明した支持部60に対応する。
具体的には、可動支持部56aおよび可動支持部56bは、レンズ81の外周部に固定されている。また、可動支持部56aと可動支持部56bとは、レンズ81の中心に対して対称的な位置に配置されている。なお、図4では、レンズ81の中心を通るように直線Lが示されている。可動支持部56aおよび可動支持部56bは、直線Lの方向に直線運動するようにレール状の固定支持部57aおよび固定支持部57bにそれぞれ嵌合している。固定支持部57aおよび固定支持部57bは、可動支持部56aおよび可動支持部56bとそれぞれ嵌合した状態で所謂リニアガイドの役割を担い、可動支持部56aおよび可動支持部56bは、それぞれ固定支持部57aおよび固定支持部57bに沿ってレンズ81とともに直線運動可能である。
可動支持部56aおよび可動支持部56bには、それぞれ固定支持部57aおよび固定支持部57bの接続面との間において、グリスなどの粘性を有する潤滑剤が塗布されてもよいし、ボールやローラなどの転がり軸受が設けられてもよい。この場合、グリスなどの粘性を有する潤滑剤は、「ダンパ」の一実施形態に対応する。
さらに、図4および図5に示すように、レンズ81の外周部付近には、長尺状の複数のバネ55a〜55dが設けられている。バネ55a〜55dは、レンズ81の中心に対して、支持部60の位置から概ね90度ずれた位置に、直線Lに沿うようにX軸方向に設けられている。バネ55a〜55dは、「弾性部材」の一実施形態に対応する。バネ55a〜55dには、コイルバネなどが適用される。なお、弾性部材には、バネに限らず、ゴムなど、力を加えたときに変形する一方で力を除いたときには元に戻るものであればいずれの部材が適用されてもよい。
バネ55aおよびバネ55bとバネ55cおよびバネ55dとは、レンズ81の中心に対して対称的な位置に設けられている。バネ55aおよびバネ55bは、直線Lの方向と垂直な方向から、レンズ81の中心に向かって当該レンズ81を挟み込むようにその一端が当該レンズ81に当接し、その他端は図示しない筐体に当接する。さらに、バネ55aおよびバネ55bは、X方向の変形が許容され、Y-Z方向に変形しないように筐体内で保持されている。バネ55cおよびバネ55dは、直線Lの方向と垂直な方向から、レンズ81を挟み込むようにその一端が当該レンズ81に当接し、その他端は図示しない筐体に当接する。さらに、バネ55cおよびバネ55dは、X方向の変形が許容され、Y-Z方向に変形しないように筐体内で保持されている。このように配置された複数のバネ55a〜55dによって、レンズ81に対して直線運動方向に弾性力が与えられる。
バネ55aおよびバネ55bの外側(レンズ81の中心から離れる方向)には、レンズ81を直線Lの方向に直線運動させるための磁気回路構成85aが設けられている。磁気回路構成85aは、N極およびS極からなる磁石53aと、磁石53aの外側に配置されたコイル52aとを含む。
磁石53aは、直線Lの方向に運動可能な可動子であり、磁石53aが直線Lに沿って直線運動することで、レンズ81も直線Lに沿って直線運動可能である。コイル52aは、固定子である。
コイル52aのさらに外側には、ヨーク51aが設けられている。ヨーク51aは、コイル52aと同様に固定子である。
同様に、バネ55cおよびバネ55dの外側には、レンズ81を直線Lの方向に直線運動させるための磁気回路構成85bが設けられている。磁気回路構成85bは、N極およびS極からなる磁石53bと、磁石53bの外側に配置されたコイル52bとを含む。
磁石53bは、直線Lの方向に運動可能な可動子であり、磁石53bが直線Lに沿って直線運動することで、レンズ81も直線Lに沿って直線運動可能である。コイル52bは、固定子である。
コイル52bのさらに外側には、ヨーク51bが設けられている。ヨーク51bは、コイル52bと同様に固定子である。
このような構成を有する第1駆動部80においては、磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bによってレンズ81に直線Lの方向に力が与えられることで、レンズ81が直線運動する。
たとえば、磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bにおいて、図5に示すような位置関係でN極およびS極からなる磁石53aおよび磁石53bを配置すると、点線で示すような矢印方向の磁界が生じる。この場合において、図5に示すような電流(Y軸に沿って紙面の手前から奥に向かう方向の電流を「×」、Y軸に沿って紙面の奥から手前に向かう方向の電流を「・」で示す)をコイル52aおよびコイル52bのそれぞれに流すと、フレミングの左手の法則に従って、実線の矢印で示すようにX軸方向に電磁力(F)が生じる。このようにして生じた電磁力(F)が可動子である磁石53aおよび磁石53bに作用されると、磁石53aおよび磁石53bが電磁力(F)と反対の方向に動く。以下、バネ55a〜バネ55d、磁石53a,53b、レンズ81、コイル52a,52b、およびグリスなどの粘性を有する潤滑剤を含むダンパなど、装置内での物体の運動に関わる構成を、「運動系」と称する。
レンズ81は、レンズ81の慣性力、電磁力(F)、バネ55a〜55dの弾性力、およびダンパの粘性力といった運動系の応答により直線Lの方向に振動することになる。図6(A),(B)に示すように、制御部40は、この振動を利用してレンズ81を直線Lの方向に直線運動させる。つまり、制御部40は、運動系の固有振動数に合わせて一定周期で第1駆動部80を制御して磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bに電流を流すことで、運動系による共振現象を利用してレンズ81を直線Lの方向に直線運動させることができる。
このように、第1駆動部80は、運動系の固有振動数に合わせてコイル52aおよびコイル52bに電流を流すことで、レンズ81を直線Lの方向に往復駆動させる共振駆動モータとして機能させることができる。ここで、モータにカムなどの機構部品を接続した機械的構成によってレンズ81を直線運動させるような場合、レンズ81を移動させている間、常にモータを駆動し続けなければならない。一方、本実施の形態のように運動系の共振現象を利用すれば、一定周期に磁気回路構成85aおよび磁気回路構成85bに電流を流すだけでレンズ81を直線運動させることができる。したがって、本実施の形態のような磁気回路構成を用いると、消費電力を抑えることができ、効率がよい。
前述したように、第1駆動部80によって、レンズ81が直線Lの方向に直線運動すると、第2駆動部90によって、カウンタウェイト91は、レンズ81と相対する方向にレンズ81と同じ距離だけ直線運動する。
たとえば、図7(A)は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81およびカウンタウェイト91が互いに遠ざかる方向に直線運動した場合の両者の位置関係を説明するための図である。図7(A)に示すように、制御部40は、レンズ81を対象物99に近づく方向に移動させた場合、カウンタウェイト91を対象物99から遠ざかる方向に移動させる。また、図7(B)は、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においてレンズ81およびカウンタウェイト91が互いに近づく方向に直線運動した場合の両者の位置関係を説明するための図である。図7(B)に示すように、制御部40は、レンズ81を対象物99から遠ざかる方向に移動させた場合、カウンタウェイト91を対象物99に近づく方向に移動させる。
このように、三次元スキャナ100においては、レンズ81を直線運動させる第1駆動部80と、カウンタウェイト91を直線運動させる第2駆動部90とを、制御部40がそれぞれ独立して制御することによって、レンズ81によって対象物99に対する投影パターンの焦点位置を変化させつつ、カウンタウェイト91によってレンズ81の直線運動による振動を打ち消すことができる。
また、図4および図5に示すように、第1駆動部80においては、略円形のレンズ81を中心として、直線Lの方向と垂直な方向から、バネ55aとバネ55cとが対称的な位置でレンズ81を挟み込むように配置されている。また、略円形のレンズ81を中心として、直線Lの方向と垂直な方向から、バネ55bとバネ55dとが対称的な位置でレンズ81を挟み込むように配置されている。また、略円形のレンズ81を中心として、直線Lの方向と垂直な方向から、磁気回路構成85aの各部材と磁気回路構成85bの各部材とが対称的な位置に設けられている。
さらに、略円形のレンズ81を中心として、バネ55a〜55dの位置から90度ずれた位置において、直線Lの方向と垂直な方向から、可動支持部56aと可動支持部56bとが対称的な位置でレンズ81を挟み込むように配置されている。また、略円形のレンズ81を中心として、バネ55a〜55dの位置から90度ずれた位置において、直線Lの方向と垂直な方向から、固定支持部57aと固定支持部57bとが対称的な位置でレンズ81を挟み込むように配置されている。
このように、三次元スキャナ100においては、運動対象であるレンズ81を挟み込むようにして、第1駆動部80の各構成が上下左右対称に配置されるとともに、可動支持部56a,56bおよび固定支持部57a,57bも上下左右対称に配置されている。仮に、片方の可動支持部56aおよび固定支持部57aのみでレンズ81を支持して直線Lの方向に直線運動させた場合、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部を支点に力のモーメントが発生する。レンズ81に当該力のモーメントが発生することで、固定支持部57aに対して可動支持部56aに傾きが生じて、レンズ81の移動がガタつくことになる。直線L上を往復運動するレンズ81は、往路と復路とで支点に発生する力のモーメントの方向が異なる。そこで、レンズ81の中心に対して対称的に可動支持部56a,56bおよび固定支持部57a,57bを設けることで、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部および固定支持部57bと可動支持部56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントを互いに打ち消し合わせることができる。なお、カウンタウェイト91においても同様である。
第1駆動部80の各部材や可動支持部56a,56bおよび固定支持部57a,57bが上下左右対称に配置されていない場合、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部および固定支持部57bと可動支持部56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントが互いに打ち消し合わずに、振動が除去しきれない虞がある。特に、ハンドピース70は、手持ち式であり、頻繁に傾けられて使用される。このため、ハンドピース70の傾き方向によって、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部および固定支持部57bと可動支持部56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントが互いに打ち消し合わずに、残留振動が生じる。その点、本実施の形態のように、各部材を上下左右対称に配置することで、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部および固定支持部57bと可動支持部56bとの嵌合部のそれぞれに掛かる力のモーメントが互いに打ち消し合わせ、残留振動を極力抑えることができる。
また、ハンドピース70においては、運動対象であるレンズ81を直線Lの方向と垂直な方向から挟み込むようにして、第1駆動部80の各部材が配置されるとともに、可動支持部56a,56bおよび固定支持部57a,57bも配置されているため、モータにカムなどの機構部品を接続した機械的構成によってレンズ81を直線運動させるような場合に比べて、ハンドピース70全体の小型化を図ることができる。さらに、上述したように、第1駆動部80の各構成、可動支持部56a,56b、および固定支持部57a,57bによって中空になった場所にレンズ81を配置することができるため、ハンドピース70の中心部にパターンを有する光を通すことができる。
[主な構成]
次に、本実施の形態に係る三次元スキャナ100の主な構成を説明する。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、筐体77と、レンズ81と、レンズ81を直線運動させる第1駆動部80と、レンズ81の直線運動方向の直線L上に設けられかつ当該レンズ81と同じ質量を有するカウンタウェイト91と、カウンタウェイト91を直線運動させる第2駆動部90と、レンズ81およびカウンタウェイト91が直線運動するように支持する支持部60,65と、第1駆動部80および第2駆動部90を制御する制御部40とを備え、制御部40は、レンズ81とカウンタウェイト91とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ直線運動するように第1駆動部80および第2駆動部90をそれぞれ制御する。
このように、本実施の形態に係る三次元スキャナ100においては、レンズ81およびカウンタウェイト91をそれぞれの駆動部で独立して直線運動させることができる。このため、同一のモータで並進ステージによってレンズ81およびカウンタウェイト91をともに直線運動させるような構成に比べて、長時間駆動し続けたとしても機械的な摩耗が生じにくい。したがって、レンズ81およびカウンタウェイト91の直線運動を実現する装置の長寿命化を実現することができる。
また、上述したように、レンズ81およびカウンタウェイト91をそれぞれの駆動部で独立して直線運動させるような構成を採用したことで、上述した磁気回路構成をレンズ81およびカウンタウェイト91のそれぞれの駆動部に採用することができる。すなわち、本実施の形態において、第1駆動部80は、磁石53a,53b、およびコイル52a,52bを含む磁気回路構成85を有し、レンズ81は、磁気回路構成85によって直線運動方向の力(電磁力(F))が与えられることで直線運動する。同様に、第2駆動部90は、磁石およびコイル(いずれも図示は省略する)を含む磁気回路構成95を有し、カウンタウェイト91は、磁気回路構成95によって直線運動方向の力(電磁力(F))が与えられることで直線運動する。
これにより、カムなどの機構部品を用いてレンズ81またはカウンタウェイト91の直線運動方向へと力の向きを変えるような構成に比べて、機械的摩耗の影響を少なくすることができ、さらに、三次元スキャナ100全体の小型化および軽量化を図ることができる。また、機構部品を採用するよりも、磁気回路のみによる装置構成を採用した方が、耐久性に優れ、メンテナンスも容易である。
第1駆動部80は、レンズ81の直線運動方向に弾性力を与えるバネ55a〜55dを含む。同様に、第2駆動部90は、カウンタウェイト91の直線運動方向に弾性力を与えるバネ(図示は省略する)を含む。
これにより、レンズ81の慣性力、バネ55a〜55dの弾性力、およびダンパの粘性力からなる運動系の応答による共振現象を利用して、レンズ81またはカウンタウェイト91を振動させるため、消費電力を抑えることができ、効率がよい。
第1駆動部80は、可動支持部56aおよび可動支持部56bのそれぞれと固定支持部57aおよび固定支持部57bのそれぞれとの接続面において、グリスなどの粘性を有する潤滑剤からなるダンパを含む。同様に、第2駆動部90は、前述のダンパ(図示は省略する)を含む。
これにより、第1駆動部80を含む運動系と第2駆動部90を含む運動系に対して外部から加わる重力や、操作者による振動などを減衰させることができる。
第1駆動部80は、固定支持部57aと可動支持部56aとの嵌合部および固定支持部57bと可動支持部56bとの嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に部材が配置されている。同様に、第2駆動部90は、固定支持部と可動支持部との嵌合部(図示は省略する)に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に部材が配置されている。
これにより、レンズ81の支持部60またはカウンタウェイト91の支持部65に力のモーメントが極力掛からないため、残留振動を極力抑えることができる。
第1駆動部80は、直線Lの方向と垂直な方向からレンズ81を挟み込む位置に部材が配置されている。同様に、第2駆動部90は、直線Lの方向と垂直な方向からカウンタウェイト91を挟み込む位置に部材が配置されている。
これにより、ハンドピース70全体の小型化を図ることができ、さらに、レンズ81の中心部にパターンを有する光を通すことができる。
レンズ81を支持する支持部65は、カウンタウェイト91を支持する支持部60とは別の部材である。
これにより、設計の自由度が向上するため、ハンドピース70のような限られたスペースの中であっても適切に部材を配置することができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(物体について)
本実施の形態においては、第1物体としてレンズ81を適用し、第2物体としてカウンタウェイト91を適用したが、第2物体は、第1物体と同じ質量を有するレンズであってもよい。つまり、ハンドピースは、ともに同じ質量を有する2つのレンズが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ直線運動するように構成されてもよく、レンズがカウンタウェイトの機能を有していてもよい。
たとえば、図8は、変形例に係るハンドピース170内の光学系の構成を説明するための模式図である。図8に示すように、ハンドピース170においては、対象物99とレンズ81との間に第2物体であるレンズ92が配置されている。このとき、第2物体をカウンタウェイトとしてもよく、その場合には、カウンタウェイトを中空形状にすることで、光路を遮ることがない。
なお、本実施の形態においては、図3に示すように、レンズが直線運動方向に沿った直線Lに対して垂直に設けられていたが、直線Lに対して斜めに設けられてもよい。
(駆動部の各部材の配置場所について)
本実施の形態においては、図4〜図6に示すように、バネ55aとバネ55bとが直線Lの方向からレンズ81の上部を挟み込むように配置され、バネ55cとバネ55dとが直線Lの方向からレンズ81の下部を挟み込むように配置されていたが、バネの数およびその配置場所はこれに限らない。
たとえば、図9は、変形例に係る駆動部180のY−Z断面を示す模式図である。図9に示すように、レンズ81の中心部における光路を遮らないように当該レンズ81の外周を取り囲むようにして、レンズ81の外周にバネ155が配置されてもよい。図示は省略するが、駆動部180の縦断面においては、2つのバネが直線Lの方向からレンズ81を挟み込むようにして配置されている。バネ155の直径は、レンズ81を2つのバネによって挟み込んで固定できるように、レンズ81の直径と略同じであればよい。
また、図10は、変形例に係る駆動部280のY−Z断面を示す模式図である。図10に示すように、レンズ81の四隅に4つのバネ255a〜255dが配置されてもよい。図示は省略するが、駆動部280の縦断面においては、レンズ81の各隅において、2つのバネ(合計で8つのバネを使用)が直線Lの方向からレンズ81を挟み込むようにして配置されている。さらに、これらのバネは、固定支持部と可動支持部との嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合うように、対称的な位置に配置されることが好ましい。
さらに、上述した例においては、レンズ81を挟みこむようにX軸方向における当該レンズ81の両側に少なくとも1つのバネが設けられていたが、レンズ81を挟むことなくX軸方向における当該レンズ81の片側のみに少なくとも1つのバネが設けられてもよい。
また、本実施の形態においては、図4に示すように、2つの可動支持部56aおよび可動支持部56bとそのそれぞれに嵌合する2つの固定支持部57aおよび固定支持部57bが設けられていたが、可動支持部や固定支持部の数およびその配置場所はこれに限らない。
たとえば、図11は、変形例に係る駆動部380のY−Z断面を示す模式図である。図11に示すように、可動支持部56aおよび固定支持部57aの組、可動支持部56bおよび固定支持部57bの組に加えて、可動支持部56cおよび固定支持部57cの組が設けられてもよい。それに伴い、可動支持部56aおよび固定支持部57aの組と可動支持部56bおよび固定支持部57bの組との間には、コイル52aを含む磁気回路構成85aとヨーク51aとが配置され、可動支持部56bおよび固定支持部57bの組と可動支持部56cおよび固定支持部57cの組との間には、コイル52bを含む磁気回路構成85bとヨーク51bとが配置され、可動支持部56cおよび固定支持部57cの組と可動支持部56aおよび固定支持部57aの組との間には、コイル52cを含む磁気回路構成85cとヨーク51cとが配置されている。さらに、これらの可動支持部および固定支持部の組は、固定支持部と可動支持部との嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合うように、対称的な位置に配置されることが好ましい。
なお、上述した例は一例であり、バネの数およびその配置場所、さらに、可動支持部および固定支持部の数およびその配置場所は、ハンドピース内のスペースを考慮して適宜組み合わせて設計可能である。
(支持部について)
本実施の形態においては、図3に示すように、レンズ81を支持する支持部65と、カウンタウェイト91を支持する支持部60とが別の部材であった。しかし、これに限らず、第1物体を支持する支持部と、第2物体を支持する支持部とは、共通の部材であってもよい。
たとえば、図12は、変形例に係る三次元スキャナ200に適用される支持部160を説明するための模式図である。図12に示すように、支持部160は、レンズ81とカウンタウェイト91とで共通の部材で構成されている。このようにすれば、部材点数を抑えることができる。
(駆動部について)
本実施の形態においては、図3〜図6に示すように、駆動部は、磁石、コイル、およびヨークを含む磁気回路構成によって、レンズ81およびカウンタウェイト91に直線Lの方向に力を与えるものであったが、駆動部は、このような磁気回路構成とは異なる構成によって、レンズ81およびカウンタウェイト91に直線Lの方向に力を与えるものであってもよい。
たとえば、図13は、変形例に係る三次元スキャナ300に適用される駆動部を説明するための模式図である。図13に示すように、第1駆動部480は、機械的構成によって、レンズ81を直線運動させてもよい。具体的には、第1駆動部480は、モータなどの回転部185と、カムなどの運動変換部186とを含み、回転部185によって生じた回転力を運動変換部186を介してレンズ81に与えることで、レンズ81を直線Lの方向に直線運動させてもよい。
同様に、第2駆動部490は、機械的構成によって、カウンタウェイト91を直線運動させてもよい。具体的には、第2駆動部490は、モータなどの回転部195と、カムなどの運動変換部196とを含み、回転部195によって生じた回転力を運動変換部196を介してカウンタウェイト91に与えることで、カウンタウェイト91を直線Lの方向に直線運動させてもよい。
このような機械的構成によって、物体を直線運動させる場合であっても、三次元スキャナ300は、第1物体および第2物体のそれぞれの運動を独立して制御するように構成されていればよい。
なお、第1物体を直線運動させる第1駆動部および第2物体を直線運動させる第2駆動部の両方が磁気回路構成を採用する場合や、またはその両方が機械的構成を採用する場合に限らず、第1駆動部および第2駆動部のうちの一方が磁気回路構成を採用するとともに他方が機械的構成を採用してもよい。
本実施の形態においては、図4〜図6に示すように、駆動部は、運動系の応答による共振現象を利用してレンズ81およびカウンタウェイト91を一定周期で直線Lの方向に直線運動させるものであったが、必ずしもバネを採用する必要はない。バネを用いない場合、物体を直進運動させるときには磁気回路構成に電流を流し続け、物体を停止させるときには磁気回路構成の電流を停止すればよい。
第1駆動部および第2駆動部の両方が運動系の応答による共振現象を利用する場合、その両方が運動系の応答による共振現象を利用しない場合、または第1駆動部および第2駆動部のうちの一方が運動系の応答による共振現象を利用する場合のいずれであってもよい。
本実施の形態においては、図4〜図6に示すように、駆動部は、支持部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に、磁気回路構成の各部材や支持部が配置されていた。つまり、駆動部は、直線Lの方向と垂直な方向から物体を挟み込む位置に部材が配置されていたが、これらの部材は、必ずしも固定支持部と可動支持部との嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に配置されなくてもよい。第1駆動部および第2駆動部の両方が固定支持部と可動支持部との嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に各部材が配置されている場合、その両方が各モーメントを打ち消し合う位置に各部材が配置されていない場合、または第1駆動部および第2駆動部のうちの一方が固定支持部と可動支持部との嵌合部に掛かる各モーメントを打ち消し合う位置に各部材が配置されている場合のいずれであってもよい。特に、物体がカウンタウェイトの場合、中心部に光を通す必要がないため、直線Lの方向と垂直な方向からカウンタウェイトを挟み込む位置に部材を配置する必要はない。つまり、第1駆動部および第2駆動部の少なくともいずれか一方が、直線運動方向と垂直な方向から物体を挟み込む位置に部材が配置されてもよい。
(他の用途への適用例)
本実施の形態においては、医療用診療装置の1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な三次元スキャナについて説明したが、医療用診療装置は他の用途にも適用可能である。たとえば、医療用診療装置としては、切削工具(たとえば、スケーラ―チップ、根幹治療用ファイルなど)を用いて対象物を切ったり削り取ったりして希望の形に近づけていくような切削装置が適用されてもよい。
図14は、変形例に係る医療用診療装置である切削装置370の構成を示す模式図である。図14に示すように、切削装置370は、筐体375と、切削工具381と、切削工具381を直線運動させる第1駆動部580と、切削工具381の直線運動方向の直線上に設けられかつ切削工具381と同じ質量を有するカウンタウェイト391と、カウンタウェイト391を直線運動させる第2駆動部590と、切削工具381が直線運動するように支持する支持部360と、カウンタウェイト391が直線運動するように支持する支持部365と、第1駆動部580および第2駆動部590を制御する制御部340とを備えている。制御部340は、切削工具381とカウンタウェイト391とが相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ直線運動するように第1駆動部580および第2駆動部590をそれぞれ制御する。
このように、切削装置370においては、切削工具381を直線運動させる第1駆動部580と、カウンタウェイト391を直線運動させる第2駆動部590とを、制御部340がそれぞれ独立して制御することによって、切削工具381によって物体(たとえば、歯)を切ったり削り取ったりしつつ、カウンタウェイト391によって切削工具381の直線運動による残留振動を極力抑えることができる。
なお、図14に示す切削装置370においては、制御部340が筐体375内に収納されているが、図1に示す三次元スキャナ100のように、制御部340が筐体375の外に配置されるとともに、配線によって第1駆動部580および第2駆動部590と接続されてもよい。
また、医療用診療装置としては、口腔内や外耳内、または胃や腸などの消化器を撮影する医療用のカメラが適用されてもよい。この場合、第1物体としてはカメラのレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
また、医療用診療装置としては、顕微鏡が適用されてもよい。この場合、第1物体としては顕微鏡内のレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
さらに、医療用診療装置としては、レーザー光線を用いて図などの対象物を指し示すレーザーポインタや歯を切削するレーザー装置が適用されてもよい。この場合、第1物体としてはレンズが適用され、第2物体としてはカウンタウェイトが適用されてもよい。
このように、互いに同じ質量を有する2つの物体を相対する方向にそれぞれ同じ距離だけ直線運動させる装置であれば、いずれの装置においても本実施の形態および変形例に係る医療用診療装置を適用することができる。
(その他の変形例)
本実施の形態に係る光源71は、単一の光源(たとえば、LEDやレーザー素子など)に限らず、複数の光源が集合するように構成されてもよい。たとえば、光源71は、複数のLEDやレーザー素子が基板に並べられるように構成されてもよい。なお、三次元スキャナ100は、光源71からの光や対象物99からの反射光が、光ファイバなどのライトガイドによって光学センサ75や対象物99に導かれるように構成されてもよい。
本実施の形態に係る三次元スキャナ100の撮像の対象は、口腔内の歯や歯肉に限られず、外耳道などの生体組織、建築物の壁の隙間、配管の内部、および空洞を有する工業製品などであってもよく、本実施の形態に係る三次元スキャナ100は、狭くて死角が生じやすい空間内を計測または観察する用途などに広く適用可能である。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。