JP6882688B2 - クラック検知システム及びクラック検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物のクラックを検知する技術に関する。
構造物のクラックを検知するために構造物を建設した現場に行き、目視や機器を用いて点検する方法がある(非特許文献1)。しかし、この方法では人が現場に行くコストがかかるとともに、構造物を常時検知することは不可能である。構造物のクラックを常時検知するために、非特許文献2のようにセンサを構造物に貼り付けて監視する方法がある。しかし、非特許文献2では、市販されているあらかじめ形状の決まったセンサを用いているため、種々の構造物の様々な形状に対して適用することが難しい。
そこで、図7に示すようなセンサ用のトランスデューサ40を構造物5に塗る、または柔らかいフィルム状のトランスデューサ40を構造物5に貼り、クラックの有無によるトランスデューサの電気特性の変化を検出するセンサが考えられている。このセンサは、構造物の形状に合わせてトランスデューサ40を形成できるため、種々の構造物の様々な形状に対して適用できる。
図8のように、このトランスデューサ40を伝導体41−絶縁体42−伝導体43の3層構造にした場合、上部の伝導体41にセンサ端末1の一方の端子Aを接続し、他方の端子Bを構造物5と接触している下部の伝導体Bに接続して、端子間のインピーダンスの周波数特性を測定し、このインピーダンスの周波数特性の変化によりクラックを検知できる(特願2017−240606)。
クラックのない構造物上に塗布した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサを伝送線としてモデル化すると、図9のように伝送線Lの一方の端子対ABにセンサ端末の端子Aと端子Bを接続し、伝送線Lの他方の端子対CDが開放された回路モデルで表される。この時の端子対ABからみたインピーダンスZtは、式(A−1)で表される。
Figure 0006882688
式(A−1)で、Zoは伝送線の特性インピーダンス、γは伝播定数(複素数)、Ltは伝送線の長さを表す。ここで、αを減衰定数(実数)、βを位相定数(実数)、jを(−1)0.5として、γ=α+jβとすると、式(A−1)は式(A−2)のように展開できる。
Figure 0006882688
伝送線の単位長あたりのインダクタンスをLo、容量をCo、円周率をπ、周波数をω/2πとすると、β=ω(LoCo)0.5の関係が分布定数回路の理論で知られている。式(A−2)において、分母と分子に含まれるβLt=ω(LoCo)0.5Ltを変数とする三角関数により、インピーダンスは周期的にピークとなる周波数特性となる。
インピーダンスがピークとなる周期が伝送線の長さLtに関係するのは、端子対CDが電磁波の反射点となって端子対ABと端子対CDの間で定在波がたつためである。構造物にクラックが生じた時では、クラックが電磁波の反射点となり定在波のたつ周波数が変わるため、インピーダンスがピークとなる周波数が変化する。
検知対象である構造物が屋外に設置された場合、雨滴等によりトランスデューサの端に水が付着することがある。また、構造物が屋内にある場合でも結露などによりトランスデューサの端に水が付着することがある。この場合、トランスデューサは、図10のように伝送線Lの端子対CDに水の付着による寄生容量Cpが接続された回路モデルで表される。この時の端子対ABからみたインピーダンスは、γ=α+jβを用いて式(A−3)で表される。
Figure 0006882688
式(A−3)において分母と分子に含まれる三角関数の変数はβLt+ωCpZoとなり、インピーダンスがピークとなる定在波のたつ周波数は寄生容量Cpにも依存する。式(A−2)で表される寄生容量Cpがないときの定在波のたつ周波数と比較して、寄生容量Cpがあるときの定在波のたつ周波数は変化する。また、絶縁体の誘電率の温度・湿度等での変化や経年での変化でも定在波のたつ周波数は変化する。
"コンクリート構造物のクラック検知ツール、KK CRACK SENSOR"、倉敷紡績株式会社、[online]、[平成30年4月26日検索]、<URL:http://www.kurabo.co.jp/division/chem/san05/index.html> 原田、外2名、「PVDFフィルムセンサによるひび割れ検知に関する研究」、構造工学論文集、Vol.59A(2013年3月)、土木学会、p.47-p.45
このように、構造物にクラックが生じた場合だけでなく、トランスデューサの端に水等の誘電体が付着した場合や誘電体の温度・湿度や経年による変化でも定在波のたつ周波数が変化する。このため、トランスデューサの端に水等の誘電体が付着した場合および誘電体の温度・湿度や経年による変化の場合と、クラックが生じた場合と、を見分ける必要があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、構造物にクラックが生じた場合とそれ以外の場合とを区別し、誤検知のないクラック検知システム及びクラック検知方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に係るクラック検知システムは、構造物に設置した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサに生じたクラックにより、前記構造物のクラックを検知するクラック検知システムにおいて、前記トランスデューサの2つの伝導体間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、前記構造物にクラックの存在を検知するクラック検知処理部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係るクラック検知システムは、請求項1に記載のクラック検知システムにおいて、前記クラック検知処理部は、初期スキャン状態において、所定の周波数範囲でインピーダンスの周波数特性を取得し、取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の差のヒストグラムを周期性のデータとしてインピーダンス周期性データ記憶部に記憶するとともに、定常的に監視する特定の周波数を所定の方法で決定して当該特定の周波数と当該特定の周波数におけるインピーダンスのピーク値のデータを監視周波数記憶部に記憶し、定常監視状態において、前記監視周波数記憶部に記憶した特定の周波数に基づいて前記インピーダンス測定部から出力する交流信号の周波数を決定して出力送信データを生成し、前記インピーダンス測定部に送信した後、前記インピーダンス測定部から送信されるインピーダンスデータを受信し、前記インピーダンスデータに含まれるインピーダンスの大きさが所定のしきい値以下の場合、クラック検知スキャン状態に遷移し、当該インピーダンスの大きさが所定のしきい値以下でない場合、定常監視状態の処理を継続し、クラック検知スキャン状態において、所定の周波数範囲でインピーダンスの周波数特性を取得し、ピーク周期性算出状態において、前記クラック検知スキャン状態で取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の差のヒストグラムを生成して、前記インピーダンス周期性データ記憶部に記憶されている周期性のデータと比較し、ピークになる周波数の差の度数の分散が大きい場合、前記構造物にクラックの存在を判定してクラック検出判定状態に遷移し、ピークになる周波数の差の度数の分散が小さい場合、前記定常監視状態に遷移し、クラック検出判定状態において、少なくともクラックが存在することを表す情報を含むデータを生成して送信する、ことを特徴とする。
請求項3に係るクラック検知システムは、請求項1又は2に記載のクラック検知システムにおいて、前記インピーダンス測定部は、前記クラック検知処理部からの周波数を指定するデータに基づき周波数を決定して交流信号を前記トランスデューサへ出力する周波数可変信号源と、前記トランスデューサに印加されている交流電圧から、前記周波数可変信号源の基準信号に基づき同相成分と直交成分を抽出して直交振幅信号を出力する直交復調部と、前記直交振幅信号からインピーダンスを算出して、少なくともインピーダンスのデータを含むインピーダンスデータを生成し、前記クラック検知処理部に送信するインピーダンス算出部と、を備えることを特徴とする。
請求項4に係るクラック検知システムは、請求項1乃至3のいずれかに記載のクラック検知システムにおいて、前記異なる周期性のデータは、前記トランスデューサの両端からトランスデューサ内のクラックまでのそれぞれ長さの差に関するデータであることを特徴とする。
請求項5に係るクラック検知システムは、請求項1乃至4のいずれかに記載のクラック検知システムにおいて、前記クラック検知処理部は、前記インピーダンスの周波数特性において、インピーダンスのピーク周波数が初期に測定したピーク周波数と異なり、かつ、各ピーク周波数の周波数差がそれぞれ一定の場合、前記構造物にクラックが存在せず、前記トランスデューサの2つの伝導体間に付着物の存在を検知することを特徴とする。
請求項6に係るクラック検知方法は、構造物に設置した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサに生じたクラックにより、前記構造物のクラックを検知するクラック検知方法において、インピーダンス測定部が、前記トランスデューサの2つの伝導体間のインピーダンスを測定し、クラック検知処理部が、前記インピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、前記構造物にクラックの存在を検知する、ことを特徴とする。
本発明によれば、構造物にクラックが生じた場合とそれ以外の場合(クラックが生じない場合、トランスデューサの端に水等の誘電体が付着した場合、および誘電体の温度・湿度や経年による変化の場合)とを区別し、誤検知のないクラック検知システム及びクラック検知方法を提供できる。
センサ端末の構成を示す図である。 クラックが生じたトランスデューサの上面図である。 図2の回路モデルを示す図である。 周波数可変信号源の具体例を示す図である。 インピーダンスの周波数特性の例を示す図である。 インピーダンス測定部の第2の構成例を示す図である。 構造物に対するトランスデューサの設置例を示す図である。 センサ端末を含むシステム全体の構成例を示す図である。 トランスデューサの回路モデルを示す図である。 端部に付着物が付着したトランスデューサの回路モデルを示す図である。
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。
<センサ端末1の構成>
図1に、本発明にかかる一実施形態のセンサ端末1を示す。センサ端末1は、クラック検知処理部10と、インピーダンス測定部20と、通信部30と、を備える。センサ端末1は、構造物に設置した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造を備える矩形形状のトランスデューサに生じたクラックにより、その構造物のクラックを検知するクラック検知システムとして機能する。
<クラック検知処理部10の構成及び機能>
クラック検知処理部10は、図1に示すように、初期スキャン状態S1と、定常監視状態S2と、クラック検知スキャン状態S3と、ピーク周期性算出状態S4と、クラック検出判定状態S5と、のうちいずれかの状態を状態遷移可能に持ち、インピーダンス周期性データ記憶部11と、監視周波数記憶部12と、を備える。
クラック検知処理部10は、インピーダンス測定部20で測定されたトランスデューサのインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、構造物にクラックの存在を検知する機能を備える。
クラック検知処理部10は、インピーダンス測定部20で測定されたトランスデューサのインピーダンスの周波数特性において、インピーダンスのピーク周波数が初期に測定したピーク周波数と異なり、かつ、各ピーク周波数の周波数差がそれぞれ一定の場合、構造物にクラックが存在せず、トランスデューサの2つの伝導体間に付着物の存在を検知する機能を備える。
クラック検知処理部10は、インピーダンス測定部20で測定されたトランスデューサのインピーダンスの周波数特性において、インピーダンスのピーク周波数が初期に測定したピーク周波数と異なる場合、トランスデューサの絶縁体が温度湿度により変化し又は経年変化したことを検知する機能を備える。
<インピーダンス測定部20の構成及び機能>
インピーダンス測定部20は、図1及び図8に示したように、伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサ40の上部の伝導体41と、構造物5に接している下部の伝導体43と、にそれぞれ接続するための端子Aおよび端子Bを備える。
インピーダンス測定部20は、定常監視状態S2では、クラック検知処理部10で指定した特定の周波数のインピーダンスを測定し、初期スキャン状態S1およびクラック検知スキャン状態S3では、クラック検知処理部10で指定した所定の周波数範囲のインピーダンスを測定する機能を備える。
インピーダンス測定部20は、伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサのインピーダンスの周波数特性を測定するために、図1に示すように、周波数可変信号源21と、直交復調部22と、インピーダンス算出部23と、を備える。
周波数可変信号源21は、クラック検知処理部10からの周波数を指定するデータに基づき周波数を決定し、交流信号をトランスデューサへ出力する機能を備える。
直交復調部22は、トランスデューサに印加されている交流電圧から、周波数可変信号源21の基準信号に基づき同相成分と直交成分を抽出して直交振幅信号を出力する機能を備える。
インピーダンス算出部23は、直交振幅信号からインピーダンスを算出して、少なくともインピーダンスのデータを含むインピーダンスデータを生成し、クラック検知処理部10に送信する機能を備える。
<通信部30の機能>
通信部30は、クラック検知処理部10の検知結果などの送信データを外部に送信するとともに、外部からクラック検知処理部10で受信すべき受信データを受信する機能を有する。外部とは、例えば図8に示したように、通信ネットワーク6を介して接続された監視サーバ7である。
<クラック検知処理部10の機能詳細>
クラック検知処理部10は、初期スキャン状態S1では、はじめに所定の周波数範囲でトランスデューサのインピーダンスを取得する。取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性のデータ(インピーダンスがピークになる周波数の差のヒストグラムを周期性のデータとする)を生成し、インピーダンス周期性データ記憶部11に記憶するとともに、定常監視状態S2で監視する特定の周波数を所定の方法で決定し、特定の周波数とその周波数におけるインピーダンスのピーク値のデータを監視周波数記憶部12に記憶する。この所定の決定法は、インピーダンスがピークになる周波数の中で最小の周波数にする方法でもよいし、N番目の周波数にする方法でもよい。
クラック検知処理部10は、定常監視状態S2では、監視周波数記憶部12の特定の周波数のデータに基づいてインピーダンス測定部20の周波数可変信号源21から出力する交流信号の周波数を決定して出力送信データを生成し、周波数可変信号源21に送信する。この後、インピーダンス測定部20のインピーダンス算出部23からインピーダンスデータを受信する。受信したインピーダンスデータに含まれるインピーダンスの大きさが所定のしきい値以下の場合は、クラック検知スキャン状態S3に遷移する。インピーダンスの大きさが所定のしきい値以下でない場合は、定常監視状態S2を継続する。定常監視状態S2は、所定の時間間隔で起動して上述の動作後停止することを繰り返す間欠動作で実施する。
クラック検知処理部10は、クラック検知スキャン状態S3では、所定の周波数範囲でインピーダンスの周波数特性のデータを取得する。
クラック検知処理部10は、ピーク周期性算出状態S4では、クラック検知スキャン状態S3で取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性のデータを生成する。クラック検知スキャン状態S3で生成したインピーダンスがピークになる周波数の周期性のデータとインピーダンス周期性データ記憶部11に記憶しているインピーダンスがピークになる周波数の周期性のデータとを比較し、クラック検知スキャン状態S3で生成したインピーダンスがピークになる周波数の周期性に異なる周期性が生じている場合には、クラックが存在すると判定してクラック検出判定状態S5に遷移する。クラック検知スキャン状態S3で生成したインピーダンスがピークになる周波数の周期性に異なる周期性が生じていない場合には、クラックが無いと判定して定常監視状態S2に遷移する。
クラック検知処理部10は、クラック検出判定状態S5では、少なくともクラックが存在することを表す情報を含むデータを生成して外部へ送信する。
<クラック検知の原理>
クラックを検知する動作の原理を説明する。図2にクラックがある場合のトランスデューサ40の模式図(上面図)を示し、図3にクラックがある場合のトランスデューサ40の回路モデルを示す。図2の模式図は、図7に示したトランスデューサ40を手前から見た表面図であり、構造物5に生じたクラックにより、上部の伝導体の左端からLt1で右端からLt2の箇所に間隙がδlのクラックCKが生じている状態を示している。図3の回路モデルにおいて、Ccはクラックの間隙の部分に存在する浮遊容量を表し、L1とC1図2においてつながっている部分を伝送線とみなした場合の単位長さあたりのインダクタンスと容量を表している。長さLt1とLt2の伝送線の特性インピーダンスをZo(実数)、伝播定数をγ(複素数)としている。
端子AとB間の電位差をVab、端子2と2’間の電位差をV2、端子3と3’間の電位差をV3、端子CとD間の電位差をVcdとする。また、端子Aにおいて伝送線に沿って部分に流れる電流をIab、端子2において伝送線部分の電流をI2、端子3において伝送線部分の電流をI3、端子Cにおいて伝送線に沿って流れる電流をIcdとする。分布定数回路の理論に従い、端子Bには逆方向にIabが流れ、同様に端子2’には逆方向にI2、端子3’には逆方向にI3、端子Dには逆方向にIcdが流れるとする。本回路モデルでは、式(1)−式(10)の回路方程式が成立する。
Figure 0006882688
ここで、K1とK2は長さLt1の伝送線の境界条件によって決定される定数であり、K3とK4は長さLt2の伝送線の境界条件によって決定される定数である。また、上式でeは自然対数の底(ネイピア数)を表す。
端子CDが開放であることからIcd=0となり、式(10)からK3とK4の関係は式(11)となる。
Figure 0006882688
式(11)を式(8)に代入すると式(12)が得られる。
Figure 0006882688
同様に式(11)を式(9)に代入すると式(13)が得られる。
Figure 0006882688
式(13)で式(12)を割ると、V3とI3の関係式は式(14)のようになる。
Figure 0006882688
式(6)からV2はV3とI3を用いて式(15)で表される。
Figure 0006882688
式(7)からI2はV3とI3を用いて式(16)で表される。
Figure 0006882688
ここで、式(17)から式(19)のパラメータを用いると、式(15)と式(16)はそれぞれ式(20)と式(21)のように表される。
Figure 0006882688
式(3)と式(4)からK1とK2は式(22)と式(23)で表される。
Figure 0006882688
ここで、Lp=L1+L2、Ln=−L1+L2とすると、L1=(Lp−Ln)/2、L2=(Lp+Ln)/2となり、式(22)と式(23)はそれぞれ式(24)と式(25)で表される。
Figure 0006882688
式(14)、式(24)、式(23)を式(1)に代入すると、Vabに関して式(26)が得られる。
Figure 0006882688
ここで、式(27)、式(28)などのパラメータを導入すると、式(26)は式(29)のように展開できる。
Figure 0006882688
式(14)、式(24)、式(23)を式(2)に代入すると、Iabに関して以下の式が得られる。
Figure 0006882688
ここで、式(27)と式(28)を用いて展開すると、Iabの表式は式(30)のようになる。
Figure 0006882688
端子ABからみたインピーダンスZab=Vab/Iabは、式(29)と式(30)から式(31)で表される。
Figure 0006882688
式(A−2)と式(A−3)の式展開の場合と同様に、αを減衰定数(実数)、βを位相定数(実数)、jを(−1)0.5として、γ=α+jβとすると、Zabの分子は式(32)のように展開できる。
Figure 0006882688
Zabの分母は式(33)のように展開できる。
Figure 0006882688
クラックが入った場合では、伝送線のインピーダンスZabの式の分母と分子に含まれる三角関数の変数は、{β(Lt1+Lt2)+θz}とβ(Lt1−Lt2)の2種となる。一方、クラックが入っておらず伝送線の端の付着物(寄生容量Cp)がない場合では、インピーダンスの式に含まれる三角関数の変数は式(A−2)よりβLtの1種であり、クラックが入っておらず伝送線の端の付着物(寄生容量Cp)がある場合のインピーダンスの式に含まれる三角関数の変数は式(A−3)より(βLt+ωCpZo)の1種である。この考察からクラックの有無によりインピーダンスの式に含まれる三角関数の変数の数が変化することが分かる。ここでLtは伝送線の長さを表し、Lt=Lt1+Lt2+δlの関係がある。
次に、インピーダンスのピークの周期性を考察する。クラックが無い場合でのインピーダンスのピークの周期は、β=ω(LoCo)0.5の関係とインピーダンスの式に含まれる三角関数の変数から考えて、寄生容量Cpが無い場合で(LoCo)0.5Lt、寄生容量Cpがある場合で(Lo Co)0.5Lt+CpZoと周波数に依存せず一定である。
これに対し、クラックがある場合において、2種の変数のうちβ(Lt1−Lt2)の成分に関しては、インピーダンスがピークとなる周期が(LoCo)0.5(Lt1−Lt2)となる。{β(Lt1+Lt2)+θz}の成分に関しては、以下のように考察できる。
以下の式(34)で表されるパラメータθzは、Lp=L1+L2、式(17)、式(18)を用いて式(35)のように表される。
Figure 0006882688
構造物に生じたクラックがまだ初期段階でクラックの間隙δlが非常に短い場合には、式(36)の近似が成立する。
Figure 0006882688
さらに、周波数ω/2πが低い領域では、式(36)は式(37)となり、θzは周波数に正比例する。
Figure 0006882688
従って、構造物に生じたクラックがまだ初期段階でクラックの間隙δlが非常に短く周波数が低い領域における{β(Lt1+Lt2)+θz}の成分の周期は、{(LoCo)0.5(Lt1+Lt2)+(L1+Cl Zo)δl/(2Zo)}となる。
このため、クラックが生じた場合ではインピーダンスの周波数依存性に2種の周期性が生じる。2種の周期性のうち{(LoCo)0.5(Lt1+Lt2)+(L1+Cl Zo)δl/(2Zo)}は、伝送線の長さに依存しており、クラックが無い場合の(LoCo)0.5Ltや(Lo Co)0.5Lt+CoZoと伝送線の長さに依存するという意味において似ている。これに対しクラックがある場合の他方の周期性である(LoCo)0.5(Lt1−Lt2)は、伝送線の端からクラックまでの長さの差に依存し、クラックが無い場合の周期性とは異なる特性を持つ。
センサ端末1においては、クラックが生じていない場合と区別するため上記の特性を利用し、取得したトランスデューサのインピーダンスの周波数特性の複数のピーク値に伝送線の長さから予想できる周期性とは異なる周期性が見られるときクラックが生じたと判定する。
<クラック検知の処理動作>
(初期スキャン状態S1)
センサ端末1とトランスデューサ40を監視対象の構造物に設置した後、センサ端末1を起動すると、センサ端末1は初期スキャン状態S1となり、所定の周波数範囲でトランスデューサ40のインピーダンスの周波数特性を取得する。
図1の実施形態において、クラック検知処理部10は、インピーダンスの周波数特性取得時のはじめに、少なくとも周波数の設定値を含む出力信号データをインピーダンス測定部20の周波数可変信号源21に送信して、所定の周波数範囲の一端の周波数の電気信号を周波数可変信号源21から端子Aを介してトランスデューサに出力する。ここで使用する電気信号は、電流でもよいし、図4に示す周波数可変信号源21の具体例のように電圧Vsを所定の抵抗Rsを介して端子Aへ出力する電気信号でもよい。
インピーダンス測定部20は、端子Aと端子Bの間の電圧を直交復調部22で観測し、基準信号に基づいて同相成分と直交成分の振幅に分離した直交振幅信号をインピーダンス算出部23に出力する。インピーダンス算出部23では、入力された直交振幅信号に基づいてインピーダンスデータを生成し、クラック検知処理部10に送信する。
初期スキャン状態S1にあるクラック検知処理部10では、インピーダンスデータを受信した後、自身で送信した出力信号データの周波数の設定値と紐付けてインピーダンスデータを記憶する。この後、所定の周波数範囲の他端に向かって順次周波数を変えてインピーダンスデータを取得し、周波数に対するインピーダンスデータのデータ列を形成する。
クラック検知処理部10は、形成した周波数に対するインピーダンスデータのデータ列に基づいて算出したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスの周期性を取得する。周期性の取得方法は、フーリエ級数展開、離散フーリエ変換であってもよいし、インピーダンスのピーク値の周波数の間隔から算出してもよい。取得した周期性をインピーダンス周期性データ記憶部11に記憶する。
(定常監視状態S2)
次に、初期スキャン状態S1において得られたインピーダンスの周波数依存性の複数のピーク値から、定常監視状態S2で監視する特定の周波数を決定する。本実施形態では、定常監視状態S2においても所定の周波数をスキャンすると測定時間が長くなり消費電力が大きくなるため、特定の周波数のみを監視する。インピーダンスの周波数特性の周期性が変化すれば、インピーダンスがピークとなる周波数も変化する。このため、初期スキャン状態でインピーダンスがピーク値であった特定の周波数でのインピーダンスを定常監視状態S2で監視すれば、インピーダンスの周波数特性の周期性の変化の有無が監視できる。
特定の周波数の決定法は、インピーダンスがピークになる周波数の中で最小の周波数にする方法でもよいし、N番目の周波数にする方法でもよい。クラック検知処理部10は、決定した特定の周波数とその周波数におけるインピーダンスのピーク値を監視周波数記憶部12に記憶する。
定常監視状態S2では、クラック検知処理部10は、監視周波数記憶部12に記憶されている特性の周波数を設定する出力信号データを周波数可変信号源21に出力し、周波数可変信号源21から特定の周波数の電気信号を端子Aを介してトランスデューサに出力する。直交復調部22とインピーダンス算出部23の動作は初期スキャン状態S1と同様のため説明を割愛する。
定常監視状態S2にあるクラック検知処理部10において、インピーダンスデータを受信した場合、受信したインピーダンスデータに基づいて算出されるインピーダンスの大きさと監視周波数記憶部12に記憶されている監視周波数でのインピーダンスのピーク値との差異が所定の量を超えた場合では、クラック検知スキャン状態S3に遷移する。これに対し、所定の量を超えなかった場合では、一定期間休止した後、定常監視状態S2の動作を実行する。
(クラック検知スキャン状態S3及びピーク周期性算出状態S4)
クラック検知スキャン状態S3では、クラック検知処理部10は、はじめに所定の周波数範囲のインピーダンスの周波数特性を取得する。インピーダンスの周波数特性の取得方法は初期スキャン状態S1と同一のため説明を割愛する。
次に、ピーク周期性算出状態S4に遷移し、ピーク周期性算出状態S4では、クラック検知処理部10は、取得したインピーダンスの周波数特性から周期性を算出し、インピーダンス周期性データ記憶部11に記憶されている周期性以外にも周期性がある場合、クラックが生じたと判断してクラック検出判定状態S5に遷移する。取得したインピーダンスの周波数特性から算出した周期性がインピーダンス周期性データ記憶部11に記憶されている周期性と異なる周期性が認められない場合、定常監視状態S2に遷移する。
インピーダンスの周波数特性の周期性の算出方法は、フーリエ級数展開、離散フーリエ変換であってもよいし、インピーダンスのピーク値の周波数の間隔から算出してもよい。例としてインピーダンスのピーク値の周波数の間隔から算出する方法を説明する。図5にインピーダンスの周波数特性の例を示す。図5(a)は伝送線内にクラックと伝送線の端に付着物が無い場合のインピーダンスの周波数特性を示し、図5(b)にクラックが無く伝送線の端に付着物がある(Cpがある)場合を示す。また、図5(c)にはクラックがある場合を示す。図中の丸はインピーダンスのピークの位置を示す。
本周期性の算出方法では、はじめにインピーダンスの周波数特性からピークとなる周波数を求め、次にピーク間の周波数差を求める。図5(a)の伝送線にクラックと付着物が無い場合では、インピーダンスのピーク間の周波数差は周波数が変わっても一定である。また、図5(b)のクラックが無く端に付着物がある場合では図5(a)とピークの周波数は異なるがピーク間の周波数差は周波数が変わっても一定である。これらに対し、図5(c)のクラックがある場合では、ピーク間の周波数差は変化している。この特性の差異を利用して、ピーク間の周波数差に対するヒストグラムから、特定のピーク間の周波数差の度数が高い場合にはクラックが無いと判断し、ピーク間の周波数差の度数の分散が広い場合にはクラックがあると判断することで見分けられる。
(クラック検出判定状態S5)
クラック検出判定状態S5では、クラック検知処理部10は、少なくともクラックを検知したことを含むデータを生成し送信データとして通信部30に送信する。その後、通信部30は、図7に示すように、送信データを通信ネットワーク6を介して監視サーバ7へ送信する。
<効果>
上述の動作により、本実施形態のセンサ端末を用いれば、インピーダンス測定部20で測定したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、構造物にクラックの存在を検知するので、クラックが生じた場合と、それ以外の場合(クラックがない場合およびトランスデューサの端に水等の誘電体が付着した場合)と、を見分けることができる。
なお、上述の説明では、クラックが無い場合でトランスデューサの端に付着物してインピーダンスのピーク値が変化する場合と比較したが、トランスデューサの絶縁体の誘電率が温度により変化する場合でもインピーダンスのピーク値は変化する。この場合、式(A−2)の伝播定数や特性インピーダンスが変化することと等価のため、インピーダンスの周波数特性の周期性にクラックが生じた場合のように2種の周期性は生じない。従って、本実施形態では、誘電体の温度・湿度や経年による変化の場合とクラックが生じた場合も見分けることができる。
<変形例1>
上記のクラック検知処理部10では、ピーク周期性算出状態S4において取得したインピーダンスの周波数特性から算出した周期性が、インピーダンス周期性データ記憶部11に記憶されている周期性と異なる周期性が認められない場合、定常監視状態S2に遷移した。定常状態での間欠動作の周期が、トランスデューサの端に付着した水等の誘電体がなくなる時間間隔や温度・湿度の変化の時間より十分長い場合はこの方法でもよい。
しかし、間欠周期が、付着した水等の誘電体がなくなる時間間隔や温度・湿度の変化の時間と同等もしくは短い場合、定常監視状態S2で監視する特定の周波数でのインピーダンス値は低いままであることが予想される。
このため、ピーク周期性算出状態S4において取得したインピーダンスの周波数特性から算出した周期性が、インピーダンス周期性データ記憶部11に記憶されている周期性と異なる周期性が認められない場合、定常監視状態S2で監視する特定の周波数を再度決定し、特定の周波数とその周波数におけるインピーダンスのピーク値を監視周波数記憶部12に記憶してから定常監視状態S2に遷移してもよい。
<変形例2>
図6にインピーダンス測定部20の第2の構成例を示す。本構成例では、クラック検知処理部10が初期スキャン状態S1やクラック検知スキャン状態S3の場合、パルス信号を出力してトランスデューサからの応答信号を取得した後、フーリエ変換等でインピーダンスの周波数特性を取得する。定常監視状態S2では、特定の周波数の電気信号をトランスデューサに出力しその周波数でのインピーダンスを取得する。
具体的には、クラック検知処理部10が初期スキャン状態S1やクラック検知スキャン状態S3の場合、クラック検知処理部10から出力される出力信号データを受信したパルス信号・周波数可変信号切替信号源24からパルス信号がトランスデューサに出力される。また、受信した出力信号データに基づいてパルス信号・周波数可変信号切替信号源24から直接取得・直交復調切替部25とインピーダンス算出部23へパルス信号を使用したことを示す設定信号が出力される。直接取得・直交復調切替部25では、設定信号によって直接取得に切替え、トランスデューサのパルス信号に対する応答をインピーダンス算出部23に出力する。インピーダンス算出部23では、パルス信号を使用したことを示す設定信号が入力されると、トランスデューサのパルス信号に対する応答を取得し、フーリエ変換等によりインピーダンスの周波数特性を算出する。この後、インピーダンス算出部23は、算出したインピーダンスの周波数特性をインピーダンスデータとしてクラック検知処理部10に送信する。
一方、クラック検知処理部10が定常監視状態S2の場合、特定の周波数を示すデータを含む出力信号データを受信したパルス信号・周波数可変信号切替信号源24は、特定の周波数に周波数を設定して電気信号をトランスデューサに出力する。また、受信した出力信号データに基づいてパルス信号・周波数可変信号切替信号源24から直接取得・直交復調切替部25とインピーダンス算出部23へ周波数可変信号を使用したことを示す設定信号が出力される。直接取得・直交復調切替部25では、設定信号によって直交復調に切替え、基準信号に基づいて同相成分と直交成分の振幅に分離した直交振幅信号をインピーダンス算出部23に出力する。インピーダンス算出部23は、入力された直交振幅信号に基づいてインピーダンスデータを生成し、クラック検知処理部10に送信する。
<その他>
本発明のクラック検知処理部10は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
1…センサ端末(クラック検知システム)
10…クラック検知処理部
11…インピーダンス周期性データ記憶部
12…監視周波数記憶部
20…インピーダンス測定部
21…周波数可変信号源
22…直交復調部
23…インピーダンス算出部
24…パルス信号・周波数可変信号切替信号源
25…直接取得・直交復調切替部
30…通信部
40…トランスデューサ
41…伝導体(上層側)
42…絶縁体
43…伝導体(下層側)
5…構造物(クラック検知対象)
6…通信ネットワーク
7…監視サーバ

Claims (6)

  1. 構造物に設置した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサに生じたクラックにより、前記構造物のクラックを検知するクラック検知システムにおいて、
    前記トランスデューサの2つの伝導体間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
    前記インピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、前記構造物にクラックの存在を検知するクラック検知処理部と、
    を備えることを特徴とするクラック検知システム。
  2. 前記クラック検知処理部は、
    初期スキャン状態において、所定の周波数範囲でインピーダンスの周波数特性を取得し、取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の差のヒストグラムを周期性のデータとしてインピーダンス周期性データ記憶部に記憶するとともに、定常的に監視する特定の周波数を所定の方法で決定して当該特定の周波数と当該特定の周波数におけるインピーダンスのピーク値のデータを監視周波数記憶部に記憶し、
    定常監視状態において、前記監視周波数記憶部に記憶した特定の周波数に基づいて前記インピーダンス測定部から出力する交流信号の周波数を決定して出力送信データを生成し、前記インピーダンス測定部に送信した後、前記インピーダンス測定部から送信されるインピーダンスデータを受信し、前記インピーダンスデータに含まれるインピーダンスの大きさが所定のしきい値以下の場合、クラック検知スキャン状態に遷移し、当該インピーダンスの大きさが所定のしきい値以下でない場合、定常監視状態の処理を継続し、
    クラック検知スキャン状態において、所定の周波数範囲でインピーダンスの周波数特性を取得し、
    ピーク周期性算出状態において、前記クラック検知スキャン状態で取得したインピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の差のヒストグラムを生成して、前記インピーダンス周期性データ記憶部に記憶されている周期性のデータと比較し、ピークになる周波数の差の度数の分散が大きい場合、前記構造物にクラックの存在を判定してクラック検出判定状態に遷移し、ピークになる周波数の差の度数の分散が小さい場合、前記定常監視状態に遷移し、
    クラック検出判定状態において、少なくともクラックが存在することを表す情報を含むデータを生成して送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラック検知システム。
  3. 前記インピーダンス測定部は、
    前記クラック検知処理部からの周波数を指定するデータに基づき周波数を決定して交流信号を前記トランスデューサへ出力する周波数可変信号源と、
    前記トランスデューサに印加されている交流電圧から、前記周波数可変信号源の基準信号に基づき同相成分と直交成分を抽出して直交振幅信号を出力する直交復調部と、
    前記直交振幅信号からインピーダンスを算出して、少なくともインピーダンスのデータを含むインピーダンスデータを生成し、前記クラック検知処理部に送信するインピーダンス算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラック検知システム。
  4. 前記異なる周期性のデータは、
    前記トランスデューサの両端からトランスデューサ内のクラックまでのそれぞれ長さの差に関するデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクラック検知システム。
  5. 前記クラック検知処理部は、
    前記インピーダンスの周波数特性において、インピーダンスのピーク周波数が初期に測定したピーク周波数と異なり、かつ、各ピーク周波数の周波数差がそれぞれ一定の場合、前記構造物にクラックが存在せず、前記トランスデューサの2つの伝導体間に付着物の存在を検知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のクラック検知システム。
  6. 構造物に設置した伝導体−絶縁体−伝導体の3層構造のトランスデューサに生じたクラックにより、前記構造物のクラックを検知するクラック検知方法において、
    インピーダンス測定部が、前記トランスデューサの2つの伝導体間のインピーダンスを測定し、
    クラック検知処理部が、前記インピーダンスの周波数特性からインピーダンスがピークになる周波数の周期性に関する周期性のデータを算出し、初期に測定した周期性のデータと異なる周期性のデータを含む場合、前記構造物にクラックの存在を検知する、
    ことを特徴とするクラック検知方法。
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