<写真シール作成装置の外観構成>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済みの画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、利用者の携帯端末上で画像を閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信したりすることで、利用者に画像を提供する。
写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高校生や女子大学生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業を行うことによって、撮影によって得られた撮影画像に対して、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1においては、ゲームをスムーズに進行させるために、ゲームの機能の説明や作業場所の移動に関する音声案内が利用者に向けて出力される。
また、写真シール作成装置1においては、利用者の気分を盛り上げるためのBGM(Back Ground Music)が出力される。BGMは、ゲームの進行中に再生される音楽であり、流行の曲や写真シール作成装置1の世界観(外装、内装等)に合った曲などが使われる。
すなわち、音声案内のデータとBGMのデータが写真シール作成装置1に用意されている。音声案内のデータを格納した音声案内ファイル、BGMのデータを格納したBGMファイルのファイル形式は、mp3、AAC、WMA、WAV等である。写真シール作成装置1は、ゲームの進行状況に応じてそれらのファイルを再生し、音声案内とBGMを出力する。
音声案内のデータとBGMのデータがそれぞれ別のファイルに格納されているため、写真シール作成装置1は、それらのファイルを再生し、音声案内の音量とBGMの音量をそれぞれ調整することができる。後述するように、写真シール作成装置1は、音声案内の音量とBGMの音量をゲームの進行中に変更し、例えば、音声案内を出力するタイミングでは音声案内の音量を相対的に上げることで利用者が音声案内を確実に聞くことができるようにする。
図1および図2に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。
撮影ユニット11は、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、事前選択処理が終わった場合、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41B(図2)により構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置されるものとする。なお、事前選択部20は、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよいし、側面パネル41A,41Bの両方に設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
なお、背面パネル51の撮影空間側の面には、例えば緑色のクロマキー用のシートが貼り付けられる。写真シール作成装置1は、クロマキー用のシートを背景として撮影することで、撮影処理や編集処理においてクロマキー合成を行う。これにより、利用者が所望する背景画像がシートの部分に合成される。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット24は、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cが、組み合わせられて構成される。3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
また、後述するが、編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、利用者の人数の選択、写りの選択などを事前選択作業として行う。事前選択作業で選択された写りに応じたパラメータを用いた画像処理が撮影画像に対して施される。各写りに対しては、撮影して得られた画像に施す画像処理の内容を規定するパラメータが設定されている。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。そして利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了したときに編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、撮影に関するコースの選択などを行わせる事前選択処理に用いられる画面が表示される。
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の音声案内、BGMを出力する。また、スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91およびタッチパネルモニタ92から構成される。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ92には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
カメラユニット81の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ82が設置される。上ストロボ82は、正面上方から利用者の顔および上半身に光を照射する。
カメラユニット81の左方には、平面の発光面を利用者に向けた左ストロボ83が設置される。左ストロボ83は、正面左方から利用者の顔および上半身に光を照射する。カメラユニット81の右方には、平面の発光面を利用者に向けた右ストロボ84が設置される。右ストロボ84は、正面右方から利用者の顔および上半身に光を照射する。
また、カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボ85が設けられる。
なお、図示はしないが、正面パネル42の例えば天井付近には、スピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影処理の音声案内、BGMを出力する。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には、背面上ストロボ101が設置される。背面上ストロボ101は、背面上方から利用者に光を照射する。
図中、背面パネル51の左方には、背面左ストロボ102が設置される。背面左ストロボ102は、背面右方から利用者を照射する。図中、背面パネル51の右方には、背面右ストロボ103が設置される。背面右ストロボ103は、背面左方から利用者を照射する。
また、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、クロマキーシート121が貼り付けられる。クロマキーシート121の色は、例えば緑色とされる。
なお、図示はしないが、側面パネル52A,52Bの撮影空間A1側の面にも、クロマキーシート121と同様に、クロマキーシートが貼り付けられる。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットとディスプレイから構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
編集ユニット12にもスピーカが設けられる。そのスピーカは、編集処理の音声案内、BGMを出力する。
図8は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口141が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口141から排出される。
<シール紙の例>
図9は、以上のような外観構成を有する写真シール作成装置1により作成されるシール紙の例を示す図である。
図9に示す横長のシール紙には、5枚の編集画像である編集画像161−1乃至161−5が横に並べて印刷されている。
編集画像161−1乃至161−5のうち、編集画像161−1乃至161−3は、アップ画像に対して編集が施されることによって生成された画像であり、編集画像161−4と編集画像161−5は、全身画像に対して編集が施されることによって生成された画像である。
アップ画像は、顔部分を中心として、利用者の略胸から上の範囲が大きく写る画像である。一方、全身画像は、利用者の全身が写る画像である。アップ画像の撮影と全身画像の撮影は、それぞれカメラ91の画角を変えて行われる。
アップ画像と全身画像は縦横比が異なる。例えば、アップ画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は1:1.2であり、全身画像の横方向の長さと縦方向の長さの比は3:4である。図9の例においては、アップ画像と全身画像が、横方向の長さを同じ長さとして印刷されている。なお、実際には、利用者の背景には、所定の色や柄の画像である背景画像が合成され、前景には、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像が合成される。
シール紙の縁の余白には、機種名(LOVERY)と撮影日の他に、メールアドレス、IDなどが印刷される。余白領域に印刷されたメールアドレスとIDは、写真シール作成装置1からサーバに送信された、おまけ画像を含む画像を携帯端末で閲覧するときに利用される。
図10は、編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P1が編集によって生成される画像である。編集画像P1は、背景画像P11、撮影画像P12、前景画像P13の各レイヤの画像から構成される。
図10の例において、背景画像P11は、レンガを重ねた壁面の柄の画像である。前景画像P13は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、撮影画像P12の中央下方の位置にペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、撮影画像P12の左上の位置にスタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
このように、編集画像P1は、クロマキー処理によって抽出した撮影画像P12の被写体の領域を背景画像P11に重ね、その上に前景画像P13を重ねることによって生成される。ペン画像やスタンプ画像を背景画像P11上に入力し、被写体の背景に表示させるようにすることも可能とされる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図11は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図11において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、事前選択部208、撮影部209、編集部210A,210B、および印刷部211の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
事前選択部208は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択部208は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部221から構成される。
タッチパネルモニタ71は、制御部201による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
撮影部209は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部209は、照明装置231、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ232から構成される。
照明装置231は、撮影空間A1内の各ストロボであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、制御部201によるシャッター制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
編集部210Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部210Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ241から構成される。編集部210Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部210Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部210A,210Bを特に区別しない場合には、単に、編集部210という。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部211は、印刷待ち空間A3にいる利用者に、印刷済みのシール紙を提供する印刷処理を実現する。印刷部211は、プリンタ251を含むように構成される。プリンタ251にはシール紙ユニット252が装着される。
プリンタ251は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、編集画像をシール紙ユニット252に収納されているシール紙261に印刷し、シール紙排出口141に排出する。
<制御部の構成>
図12は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図12に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、事前選択処理部301、撮影処理部302、編集処理部303、および印刷処理部304から構成される。
事前選択処理部301は、事前選択部208の各部を制御することで、事前選択処理を行う。撮影処理部302は、撮影部209の各部を制御することで、撮影処理を行う。編集処理部303は、編集部210の各部を制御することで、編集処理を行う。印刷処理部304は、印刷部211のプリンタ251を制御することで、印刷処理を行う。
<事前選択処理部の構成例>
図13は、事前選択処理部301の機能構成例を示すブロック図である。
事前選択処理部301は、表示制御部311、入力受付部312、およびBGM/音声案内出力部313から構成される。
表示制御部311は、タッチパネルモニタ71の表示を制御する。例えば、表示制御部311は、撮影空間A1において行われる撮影に関するコースの選択のための画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。表示制御部311は、タッチパネルモニタ71に表示させている画面の表示を、入力受付部312から供給される情報に応じて切り替える。入力受付部312からは、利用者の操作の内容を表す情報が供給されてくる。
入力受付部312は、タッチパネルモニタ71に対する、利用者の操作入力を受け付ける。具体的には、入力受付部312は、タッチパネルモニタ71に表示された選択画面に対する選択の操作入力を受け付ける。入力受付部312は、利用者の操作の内容を表す情報を表示制御部311とBGM/音声案内出力部313に出力する。
BGM/音声案内出力部313は、事前選択処理時における、BGMの出力と各種の音声案内の出力を制御する。BGM/音声案内出力部313は、BGMファイルと音声案内ファイルを再生し、BGMファイルを再生して得られたBGMの音量と、音声案内ファイルを再生して得られた音声案内の音量とをそれぞれ調整してスピーカ72から出力させる。
図14は、BGM/音声案内出力部313の構成例を示すブロック図である。
BGM/音声案内出力部313は、出力制御部321、BGMファイル再生部322、音声案内ファイル再生部323、音量調整部324、音量調整部325、および合成部326から構成される。
出力制御部321は、BGMファイル再生部322、音声案内ファイル再生部323、音量調整部324、および音量調整部325の各部の動作を制御する。
BGMファイル再生部322は、BGMファイルを記憶部202から読み出して取得し、再生する。BGMファイル再生部322は、BGMファイルを再生して得られたBGMの信号を音量調整部324に出力する。
音声案内ファイル再生部323は、音声案内ファイルを記憶部202から読み出して取得し、再生する。音声案内ファイル再生部323は、音声案内ファイルを再生して得られた音声案内の信号を音量調整部325に出力する。
音量調整部324は、BGMの信号がBGMファイル再生部322から供給された場合、BGMの音量を出力制御部321による制御に従って調整する。音量調整部324は、音量の調整後のBGMの信号を合成部326に出力する。
音量調整部325は、音声案内の信号が音声案内ファイル再生部323から供給された場合、音声案内の音量を出力制御部321による制御に従って調整する。音量調整部325は、音量の調整後の音声案内の信号を合成部326に出力する。音量調整部324と音量調整部325により、BGMと音声案内のそれぞれの音量を調整する調整部が構成される。
合成部326は、音量調整部324により音量が調整されたBGMと音量調整部325により音量が調整された音声案内を合成し、BGMと音声案内をスピーカ72から出力させる。
このように、写真シール作成装置1においてはBGMの音量と音声案内の音量をそれぞれ調整することが可能とされる。
後述する撮影処理部302のBGM/音声案内出力部344と編集処理部303のBGM/音声案内出力部354も、図14の構成と同様の構成を有する。以下、適宜、図14のBGM/音声案内出力部313の構成を、撮影処理部302のBGM/音声案内出力部344および編集処理部303のBGM/音声案内出力部354の構成として引用して説明する。
<撮影処理部の構成例>
図15は、撮影処理部302の機能構成例を示すブロック図である。
撮影処理部302は、表示制御部341、入力受付部342、撮影制御部343、およびBGM/音声案内出力部344から構成される。
表示制御部341は、タッチパネルモニタ92の表示を制御する。例えば、表示制御部341は、タッチパネルモニタ92に、カメラ91に取り込まれた動画像をライブビュー表示させたり、撮影結果である撮影画像を表示させたりする。
入力受付部342は、タッチパネルモニタ92に対する、利用者の操作入力を受け付ける。入力受付部342は、利用者の操作の内容を表す情報を表示制御部341、撮影制御部343、およびBGM/音声案内出力部344に出力する。
撮影制御部343は、カメラ91を制御し、利用者を被写体として撮影する。撮影制御部343は、ライブビューを表示するとき、カメラ91を制御して動画像を撮影させ、表示制御部341に出力する。また、撮影制御部343は、撮影画像の撮影タイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像を撮影画像として取得する。撮影画像のデータは表示制御部341にも供給され、撮影結果の表示に用いられる。
BGM/音声案内出力部344は、撮影処理時における、BGMの出力と各種の音声案内の出力を制御する。BGM/音声案内出力部344は、BGMファイルと音声案内ファイルを再生し、BGMファイルを再生して得られたBGMの音量と、音声案内ファイルを再生して得られた音声案内の音量とをそれぞれ調整してスピーカ232から出力させる。
<編集処理部の構成例>
図16は、編集処理部303の機能構成例を示すブロック図である。
編集処理部303は、表示制御部351、入力受付部352、画像処理部353、BGM/音声案内出力部354、および通信制御部355から構成される。
表示制御部351は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部351は、撮影画像に対して編集を施すための編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
入力受付部352は、タブレット内蔵モニタ131に対する、タッチペン132A,132Bを用いた利用者の操作入力を受け付ける。例えば、入力受付部312は、編集画面に対する入力を受け付ける。入力受付部352は、利用者の操作の内容を表す情報を各部に出力する。
画像処理部353は、編集画面に対する利用者の操作に応じて撮影画像に編集を施し、編集画像を生成する。画像処理部353による編集結果を表す情報は表示制御部351に供給され、編集画面に表示される。
BGM/音声案内出力部354は、編集処理時における、BGMの出力と各種の音声案内の出力を制御する。BGM/音声案内出力部354は、BGMファイルと音声案内ファイルを再生し、BGMファイルを再生して得られたBGMの音量と、音声案内ファイルを再生して得られた音声案内の音量とをそれぞれ調整してスピーカ241から出力させる。
通信制御部355は、通信部203を制御し、インターネットなどのネットワークを介した通信に関する処理を行う。例えば、通信制御部355は、通信部203を制御することで、撮影処理において得られた撮影画像や、編集処理において得られた編集画像を、外部のサーバへ送信する。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図17のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
ステップS1において、事前選択処理部301は、BGMと音声案内の音量を調整し、事前選択処理を行う。具体的には、事前選択処理部301は、BGMの出力と、「コインを投入してね」などの、ゲームを開始するための硬貨の投入を促す音声案内の出力を開始する。BGMの出力は事前選択処理が終了するまで続けられる。また、硬貨の投入を促す音声案内の出力は、硬貨が投入されるまで繰り返される。
事前選択処理部301は、硬貨が投入された場合、各種の画面をタッチパネルモニタ71に表示させ、人数の選択、写りの選択などの、各種の撮影条件の選択を利用者に行わせる。硬貨が投入された後も同様に、事前選択処理部301は、BGMと音声案内の音量をそれぞれ調整し、それらの出力を続ける。全ての撮影条件の選択が終了したとき、事前選択処理部301は、撮影空間A1への移動を案内する。事前選択処理は以上のようにして行われる。
図18は、事前選択処理時のBGMと音声案内の音量の調整例を示す図である。
図18の横軸は時間を表し、縦軸は音量を表す。音量は例えばdB(デシベル)で表される。実線はBGMの音量を表し、破線は音声案内の音量を表す。
事前選択処理においては、例えば、以下のような音声案内が各時刻のタイミングで出力される。「:(コロン)」の左側は出力タイミングを表し、右側は出力される音声案内を表す。
時刻t0:硬貨の投入を促す音声案内「コインを投入してね」
時刻t1〜t2:撮影条件の選択を促す音声案内「人数を選択してね」、「写りを選択してね」、「明るさを選択してね」等
時刻t3:撮影空間A1への移動に関する音声案内1「もうすぐ撮影ブースに移動できるよ」
時刻t4:撮影空間A1への移動に関する音声案内2「撮影ブースに移動してね」
図18に示すように、時刻t0において、BGM/音声案内出力部313の出力制御部321は、BGMの音量として音量V1を設定し、音声案内の音量として、BGMの音量を超える音量V2を設定する。音量V1でのBGMの出力は事前選択処理が終了する時刻t5まで続けられ、音量V2での音声案内の出力はゲームが開始される時刻t1まで続けられる。
時刻t0において、BGM/音声案内出力部313のBGMファイル再生部322は、予め用意されたBGMファイルを取得して再生する。音量調整部324は、BGMの音量を音量V1に調整し、音量調整後のBGMの信号を合成部326に出力する。合成部326は、音量調整後のBGMの信号と、適宜、音量調整部325から供給される音量調整後の音声案内の信号とを合成し、スピーカ72から出力させる。
一方、時刻t0において、音声案内ファイル再生部323は、硬貨の投入を促す音声案内(「コインを投入してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。硬貨の投入を促す音声案内には、硬貨の投入口の位置を説明する音声案内も含まれる。
音量調整部325は、硬貨の投入を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ72から出力させる。硬貨の投入を促す音声案内の出力は硬貨が投入されるまで繰り返される。
このように、時刻t0から時刻t1までの期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t0から時刻t1までの期間に出力される音声案内はゲームの開始に関わる案内であり、写真シール作成装置1の使い方が分からない利用者にとっては重要である。硬貨の投入口の説明などを含めた音声案内をBGMより大きな音量で出力することにより、使い方を利用者に確実に伝えることができ、写真シール作成装置1の利用をスムーズに開始させることができる。
仮に、時刻t0から時刻t1までの期間において音声案内の音量をBGMの音量より小さくした場合、写真シール作成装置1を使おうとしている利用者に使い方を伝えることができず、その利用者が写真シール作成装置1の利用を諦めてしまう可能性があるが、そのようなことを防ぐことができる。
硬貨が投入され、ゲームを開始する時刻t1において、出力制御部321は、音声案内の音量を下げ、音声案内の音量として、BGMの音量以下の音量を設定する。図18の例においては、BGMの音量と同じ音量V1が音声案内の音量として設定されている。音量V1での音声案内の出力は、全ての撮影条件の選択が終了する時刻t2まで続けられる。
音声案内ファイル再生部323は、撮影条件の選択タイミングに合わせて、それぞれの撮影条件の選択を促す音声案内の音声案内ファイルを順に取得して再生する。撮影条件の選択を促す音声案内には、撮影条件の説明も含まれる。
時刻t1から時刻t2までの期間においては、撮影条件の選択として、例えば、利用者の人数の選択、写りの選択、撮影画像の明るさの選択、撮影画角(例えば、アップ画像と全身画像の撮影枚数)の選択、撮影時に流すBGMの選択、利用者の名前の選択(入力)、撮影ポーズの選択が順に行われる。ある撮影条件の選択を促す音声案内が出力されたことに応じて利用者により撮影条件が選択された後、次の撮影条件の選択を促す音声案内が出力される。
音量調整部325は、撮影条件の選択を促す音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ72から出力させる。
一方、表示制御部311は、撮影条件の選択タイミングに合わせて、撮影条件の選択に用いられる選択画面をタッチパネルモニタ71に順次表示させる。利用者は、音声案内を聞き、順次切り替わる選択画面を操作して各撮影条件の選択を行う。
このように、時刻t1から時刻t2までの期間においては、BGM以下の音量で音声案内が出力される(音声案内≦BGM)。
時刻t1から時刻t2までの期間に行われる各種の撮影条件の選択は、硬貨の投入後にタッチパネルモニタ71に順次表示される選択画面を用いて行われる作業であり、利用者が戸惑うことも少ないものと考えられる。音声案内があまり重要ではない期間の音声案内の音量を下げ、BGMの音量を相対的に上げることにより、撮影条件の選択作業に集中させることができる。また、利用者は、BGMを聞いて気分を高めた状態で撮影条件の選択を進めることができる。
タッチパネルモニタ71に表示される選択画面に従って作業を行えばよいため、音声案内が聞こえなくても操作に戸惑うことが少ないものと考えられる。より気分を上げた状態で撮影条件の選択を進めることができるようにすることを優先し、図19に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間のBGMの音量を、音量V2として設定するようにしてもよい。大きな音量でBGMを流すことにより、写真シール作成装置1の存在感を周囲にいる人にアピールすることも可能になる。
全ての撮影条件の選択が終了した時刻t2において、出力制御部321は、音声案内の音量を上げ、音声案内の音量として、BGMの音量を超える音量V2を設定する。音量V2での音声案内の出力は、事前選択時処理が終わる時刻t5まで続けられる。
時刻t3において、音声案内ファイル再生部323は、撮影空間A1への移動に関する音声案内1として、現在の状態が撮影空間A1への移動待ちの状態であることを通知する音声案内(「もうすぐ撮影ブースに移動できるよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、撮影空間A1への移動待ちの状態であることを通知する音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ72から出力させる。
時刻t4において、音声案内ファイル再生部323は、撮影空間A1への移動に関する音声案内2として、撮影空間A1への移動を促す音声案内(「撮影ブースに移動してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、撮影空間A1への移動を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ72から出力させる。
また、表示制御部311は、撮影空間A1への移動に関する音声案内2の出力に合わせて、撮影空間A1への移動を案内する画面をタッチパネルモニタ71に表示させる。
このように、時刻t2以降の期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t2以降に出力される音声案内は撮影空間A1への移動に関するものであり、これを利用者が聞き逃すことによって撮影空間A1への移動が遅れた場合、利用者が気付かないうちに撮影処理が始まってしまうことがある。撮影空間A1への移動に関する音声案内の音量を相対的に上げることにより、撮影空間A1への移動のタイミングを利用者に確実に伝えることができ、そのような不都合が起こってしまうのを防ぐことができる。
店舗側としても、撮影空間A1への移動が遅れた利用者の対応を行う必要がなく、利用者の要望に応じてゲームのやり直し作業などを行う場合に比べて写真シール作成装置1の稼働率を向上させることが可能になる。
実際には、さらに多くの音声案内が事前選択処理の最中に出力される。他の処理の最中にも後述する音声案内以外の音声案内が出力される。
図17の説明に戻り、ステップS2において、撮影処理部302は、BGMと音声案内の音量を調整し、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部302は、カメラ91を制御して撮影空間A1にいる利用者が映る動画像を撮影し、ライブビュー画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
図20は、ライブビュー画面の例を示す図である。
図20のライブビュー表示画面112の略中央には画像表示領域361が形成される。画像表示領域361には、カメラ91により取り込まれた利用者の動画像がリアルタイムで表示される。図20の例においては、2人の利用者の胸から上の範囲が映る動画像が画像表示領域361に表示されている。図20の状態は、アップ画像の撮影前の状態である。
利用者は、画像表示領域361に映っている自分の姿を見て、立ち位置(カメラ91との距離)を調整したり、表情やポーズを作ったりする。
画像表示領域361の下には、画像表示領域362−1乃至362−5が横に並べて形成される。画像表示領域362−1乃至362−5には、それぞれ、各回の撮影により得られた静止画像である撮影画像が、撮影直後から表示される。
利用者は、画像表示領域362−1乃至362−5に表示される撮影画像を見て、撮影結果を確認することができる。
図20に示すようなライブビュー画面を表示した後、撮影処理部302は、所定のタイミングで静止画の撮影を行い、撮影画像を生成する。静止画の撮影は、5回などの所定の回数だけ繰り返される。全ての撮影が終了したとき、撮影処理部302は、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。撮影処理は以上のようにして行われる。
図21は、撮影処理時のBGMと音声案内の音量の調整例を示す図である。
撮影処理においては、例えば、以下のような音声案内が各時刻のタイミングで出力される。
時刻t20:立ち位置の調整を促す音声案内「所定の位置に立って撮影してね」
時刻t21:撮影がもうすぐ開始されることを通知する音声案内「今から撮影するよ」
時刻t22:撮影前のカウントダウンの音声案内「撮影 3,2,1 カシャ」
時刻t23:撮影結果の確認を促す音声案内「こんな風にとれたよ」
時刻t24:編集空間への移動を促す音声案内「右側(左側)の落書きブースへ移動してね」
図21に示すように、時刻t20において、BGM/音声案内出力部344の出力制御部321(図14)は、BGMの音量として音量V1を設定し、音声案内の音量として、BGMの音量を超える音量V2を設定する。音量V1でのBGMの出力は撮影処理が終了する時刻t25まで続けられ、音量V2での音声案内の出力は、撮影が開始される時刻t22まで続けられる。
時刻t20において、BGMファイル再生部322は、予め用意されたBGMファイルを取得して再生する。例えば、事前選択処理時のBGMと異なるBGMが再生される。音量調整部324は、BGMの音量を音量V1に調整し、音量調整後のBGMの信号を合成部326に出力する。合成部326は、音量調整後のBGMの信号と、適宜、音量調整部325から供給される音量調整後の音声案内の信号とを合成し、スピーカ232から出力させる。
図21に示す音量V1,V2は、それぞれ、図18を参照して説明した音量V1,V2と同じ音量であってもよいし、異なる音量であってもよい。後述する図22においても同様である。
一方、時刻t20において、音声案内ファイル再生部323は、立ち位置の調整を促す音声案内(「所定の位置に立って撮影してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、立ち位置の調整を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ232から出力させる。
表示制御部341は、時刻t20においてライブビュー画面の表示を開始する。利用者は、音声案内を聞き、ライブビュー画面に映る自分の姿を見て立ち位置を調整する。
このように、時刻t20から時刻t21までの期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t20から時刻t21までの期間に出力される音声案内は立ち位置の調整に関わる案内であり、立ち位置を意識しないで撮影が行われてしまうと、撮影画像に写る被写体の大きさのバランスが悪くなり、画像としての完成度が落ちてしまうことがある。立ち位置の調整を促す音声案内をBGMより大きな音量で出力することにより、立ち位置を調整する必要があるという意識を利用者に持たせることができ、完成度の高い撮影画像を生成することができる。
立ち位置の調整後の時刻t21において、音声案内ファイル再生部323は、撮影がもうすぐ開始されることを通知する音声案内(「今から撮影するよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、撮影がもうすぐ開始されることを通知する音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ232から出力させる。利用者は、音声案内を聞き、表情やポーズを作って撮影に備える。
このように、時刻t21から時刻t22までの期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t21から時刻t22までの期間に出力される音声案内はもうすぐ撮影が始まることを通知し、ポーズや表情を利用者に準備させるための案内であり、これを聞き逃すと、写りのよくない撮影画像が撮影されてしまうことがある。このような音声案内をBGMより大きな音量で出力することにより、不意打ち的に撮影が始まるのを防ぐことができ、写りのよい撮影画像を生成することができる。
1回目の撮影が開始される時刻t22において、出力制御部321は、音声案内の音量を下げ、音声案内の音量として、BGMの音量以下の音量を設定する。図21の例においては、BGMの音量と同じ音量V1が音声案内の音量として設定されている。音量V1での音声案内の出力は、全ての撮影が終わる時刻t24まで続けられる。
音声案内ファイル再生部323は、撮影のタイミングに合わせて、撮影前のカウントダウンの音声案内(「撮影 3,2,1 カシャ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。撮影前のカウントダウンの音声案内には、シャッターの疑似音も含まれる。
音量調整部325は、撮影前のカウントダウンの音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ232から出力させる。
撮影制御部343は、1回目の撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像を表示制御部341に出力する。表示制御部341は、1回目の撮影結果をライブビュー画面に表示させる。
1回目の撮影直後の時刻t23において、音声案内ファイル再生部323は、撮影結果が得られたことを通知する音声案内(「こんな風にとれたよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ232から出力させる。利用者は、ライブビュー画面に表示された撮影画像を見て、撮影結果を確認する。
全ての撮影が終わる時刻t24までの間、以上のような、撮影前のカウントダウンの音声案内の出力と、撮影結果が得られたことを通知する音声案内の出力が繰り返される。
このように、複数回の撮影が繰り返される時刻t22から時刻t24までの期間においては、BGM以下の音量で音声案内が出力される(音声案内≦BGM)。
撮影中、利用者は、表情やポーズを作ることに集中して撮影を楽しむことになるため、音声案内をあまり意識しないものと考えられる。音声案内があまり重要ではない期間の音声案内の音量を下げ、BGMの音量を相対的に上げることにより、表情やポーズを作ることに集中させることができる。また、利用者は、BGMを聞いて気分を上げた状態で撮影を楽しむことができる。
なお、撮影の最中であっても、利用者に特に伝える必要がある情報がある場合、BGMより大きな音量の音声案内によってそれを伝えるようにしてもよい。例えば、撮影制御部343が顔検出機能を有しており、カメラ91により撮影された動画像に利用者の顔が映っていない場合に、それを音声案内によって警告するようになっている場合、その音声案内は、BGMより大きな音量で出力される。
全ての撮影が終了した時刻t24において、出力制御部321は、音声案内の音量を上げ、音声案内の音量として音量V2を設定する。音量V2での音声案内の出力は、撮影処理が終わる時刻t25まで続けられる。
時刻t24において、音声案内ファイル再生部323は、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を促す音声案内(「右側(左側)の落書きブースへ移動してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ232から出力させる。
表示制御部341は、音声案内の出力に合わせて、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
このように、時刻t24以降の期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t24以降に出力される音声案内は編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動に関するものであり、これを利用者が聞き逃すことによって編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動が遅れた場合、利用者が気付かないうちに編集処理が始まってしまうことがある。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動に関する音声案内の音量を相対的に上げることにより、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動のタイミングを利用者に確実に伝えることができ、そのような不都合が起こってしまうのを防ぐことができる。
また、撮影を始めようとする別の利用者のグループが撮影空間A1の外で待機している場合、そのグループに撮影空間A1を早々に譲る意味でも、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動に関する音声案内を大きな音量で出力することは重要になる。
図17の説明に戻り、ステップS3において、編集処理部303は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部210を制御し、BGMと音声案内の音量を調整して編集処理を行う。
具体的には、編集処理部303は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示し、編集画面に対する利用者の操作に応じて撮影画像に編集を施して編集画像を生成する。例えば、編集画面には、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側に立つ利用者用の領域と右側に立つ利用者用の領域が形成される。
左側の利用者用の領域と右側の利用者用の領域のそれぞれの領域には、5枚の撮影画像を縮小したサムネイル画像の表示領域、サムネイル画像を用いて選択された編集対象の撮影画像の表示領域、編集に用いる編集ツール(合成用画像)の選択に用いられる複数のボタンの表示領域などが配置される。例えば2人の利用者は、左右の領域を用いて撮影画像の編集を同時に行うことができる。
編集処理部303は、撮影画像の編集が終了した場合、利用者の携帯端末に送信する画像を選択するのに用いられる選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。携帯端末に画像を送信することは、例えば、編集終了後に表示される画面において、携帯端末に画像を送信することを利用者が明示的に指示した場合に行われる。
ステップS4において、印刷処理部304は、プリンタ251を制御することで、印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部304は、編集処理により得られた編集画像をプリンタ251に出力してシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
印刷が終了した場合、ステップS5において、印刷処理部304は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口141に排出し、一連の処理を終了させる。
図22は、編集処理以降のBGMと音声案内の音量の調整例を示す図である。
編集処理以降(編集処理を含む)においては、例えば、以下のような音声案内が各時刻のタイミングで出力される。
時刻t30:写りコースの選択を促す音声案内「写りコースの選択だよ」
時刻t31:背景画像の選択を促す音声案内「背景画像の選択だよ」
時刻t32:編集(落書き)を促す音声案内「落書だよ」
時刻t33:携帯端末に送信する画像の選択を促す音声案内「携帯に送信する画像を選択してね」
時刻t34:印刷中であることを通知する音声案内「印刷中だよ。ちょっと待っててね」
時刻t35:印刷待ち空間への移動を促す音声案内「シール出口にシールが出ているよ。シール出口に移動してね」
図22に示すように、時刻t30において、BGM/音声案内出力部354の出力制御部321(図14)は、BGMの音量として音量V1を設定し、音声案内の音量として、BGMの音量を超える音量V2を設定する。音量V1でのBGMの出力は編集処理が終了する時刻t36まで続けられ、音量V2での音声案内の出力は、編集が開始される時刻t32まで続けられる。
時刻t30において、BGMファイル再生部322は、予め用意されたBGMファイルを取得して再生する。例えば、事前選択処理、撮影処理時のBGMと異なるBGMが再生される。音量調整部324は、BGMの音量を音量V1に調整し、音量調整後のBGMの信号を合成部326に出力する。合成部326は、音量調整後のBGMの信号と、適宜、音量調整部325から供給される音量調整後の音声案内の信号とを合成し、スピーカ241から出力させる。
一方、時刻t30において、音声案内ファイル再生部323は、写りコースの選択を促す音声案内(「写りコースの選択だよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、写りコースの選択を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
表示制御部351は、時刻t30において写りコースの選択画面の表示を開始する。利用者は、音声案内を聞き、選択画面の表示を操作して写りコースを選択する。ここでいう写りは、例えば、撮影画像に写る利用者の顔のパーツのバランスである。画像処理部353は、利用者により選択された写りコースに応じたパラメータを用いた画像処理を施すことによって、それぞれの撮影画像に写る利用者の顔のパーツ(目、鼻等の)の大きさ、位置を調整する。画像処理が施された撮影画像が、編集の対象として用いられる。
写りコースの選択が終了した時刻t31において、音声案内ファイル再生部323は、背景画像の選択を促す音声案内(「背景画像の選択だよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、背景画像の選択を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
表示制御部351は、時刻t31において背景画像の選択画面の表示を開始する。利用者は、音声案内を聞き、選択画面の表示を操作して背景画像を選択する。画像処理部353は、利用者により選択された背景画像をそれぞれの撮影画像に写る利用者の背景に合成する。背景画像が合成された撮影画像が、編集の対象として用いられる。
このように、時刻t30から時刻t32までの期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
時刻t30から時刻t32までの期間に出力される音声案内は画像の写りに関わる案内であり、適当な選択が行われてしまうと、画像としての完成度が落ちてしまうことがある。写りコースと背景画像の選択を促す音声案内をBGMより大きな音量で出力することにより、慎重に選択する必要があるという意識を利用者に持たせることができ、完成度の高い撮影画像を生成することができる。
なお、写りコースと背景画像の選択時、利用者が何も選択しないまま制限時間が経過した場合、タイムアウトとなり、所定の項目が自動的に選択される。音声案内が聞こえなかったとしても所定の項目が自動的に選択されるだけで利用者にとって弊害は小さいといえる。従って、写りコースの選択を促す音声案内、背景画像の選択を促す音声案内については、BGM以下の音量で出力されるようにしてもよい(音声案内≦BGM)。
編集が開始される時刻t32において、出力制御部321は、音声案内の音量を下げ、音声案内の音量として、BGMの音量以下の音量を設定する。図22の例においては、BGMの音量と同じ音量V1が音声案内の音量として設定されている。音量V1での音声案内の出力は、シール紙への印刷が終わる時刻t35まで続けられる。
音声案内ファイル再生部323は、編集を促す音声案内(「落書きだよ」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、編集を促す音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
一方、時刻t32において、表示制御部351は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。画像処理部353は、編集画面に対する利用者の操作に応じて、撮影画像に対して画像処理を施し、編集画像を生成する。
編集が終了した時刻t33において、音声案内ファイル再生部323は、携帯端末に送信する画像の選択を促す音声案内(「携帯に送信する画像を選択してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、携帯端末に送信する画像の選択を促す音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
一方、時刻t33において、表示制御部351は、携帯端末に送信する画像の選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。タブレット内蔵モニタ131には、撮影画像や、編集によって得られた編集画像が表示される。利用者は、選択画面に表示された画像の中から好みの画像を選択する。利用者により選択された画像は、通信制御部355によりサーバに送信され、サーバを介して利用者の携帯端末に提供される。
このように、編集と携帯端末に送信する画像の選択が行われる時刻t32から時刻t34までの期間においては、BGM以下の音量で音声案内が出力される(音声案内≦BGM)。
編集中、利用者は、様々な編集ツールを用いて編集自体を楽しむため、音声案内をあまり意識しないものと考えられる。また、携帯端末に画像を送信することは、上述したように利用者の明示的な指示があった場合に行われるため、タブレット内蔵モニタ131に表示される選択画面において何を行うべきなのかを利用者は知っているものと考えられる。このように音声案内があまり重要ではない期間の音声案内の音量を下げ、BGMの音量を相対的に上げることにより、BGMを聞いて気分を上げた状態でそれらの作業を楽しませることができる。
時刻t34において、音声案内ファイル再生部323は、印刷中であることを通知する音声案内(「印刷中だよ。ちょっと待っててね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、印刷中であることを通知する音声案内の音量を音量V1に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
一方、時刻t34において、印刷処理部304は、上述したように印刷処理を行い、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口141に排出する(ステップS4,5)。
このように、印刷が終わるのを待つ時刻t34から時刻t35までの期間においては、BGM以下の音量で音声案内が出力される(音声案内≦BGM)。印刷中であることを通知する音声案内は、ゲームの進行状況を通知するためのものであり、利用者に対して作業を求めたり、注意を喚起したりする必要のないものである。
シール紙の排出が終了した時刻t35において、出力制御部321は、音声案内の音量を上げ、音声案内の音量として音量V2を設定する。音量V2での音声案内の出力は、写真シール作成装置1が提供する一連の処理が終わる時刻t36まで続けられる。
時刻t35において、音声案内ファイル再生部323は、印刷待ち空間A3への移動を促す音声案内(「シール出口にシールが出ているよ。シール出口に移動してね」)の音声案内ファイルを取得して再生する。音量調整部325は、印刷待ち空間A3への移動を促す音声案内の音量を音量V2に調整し、音量調整後の音声案内の信号を合成部326に供給してスピーカ241から出力させる。
表示制御部351は、音声案内の出力に合わせて、印刷待ち空間A3への移動を案内する画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
このように、時刻t35以降の期間においては、BGMより大きな音量で音声案内が出力される(音声案内>BGM)。
これにより、印刷待ち空間A3への移動のタイミングを利用者に確実に伝えることが可能になる。編集を始めようとする別の利用者のグループが撮影空間A1で待機している場合、そのグループに編集空間を早々に譲る意味でも、印刷待ち空間A3への移動に関する音声案内を大きな音量で出力することは重要になる。
なお、編集画面に表示されたボタン等を用いて、利用者自身がBGMの音量を調整することができるようにしてもよい。編集時に利用者により調整された音量のBGMを流してゲームが進行する場合、BGM/音声案内出力部354の出力制御部321は、音声案内を出力するタイミングで、音声案内の音量を大きくするか、BGMの音量を小さくする。
以上のように、写真シール作成装置1の一連の写真シール作成ゲーム処理においては、作業場所の移動を促す音声案内などの、特に利用者に伝える必要がある音声案内が、BGMと比べて相対的に大きな音量で出力される。
これにより、必要な音声案内をより確実に利用者に伝えることができ、作業をスムーズに進行させることができる。写真シール作成装置1の管理者側は、スムーズに作業を進めさせることで、写真シール作成装置1の稼働率を向上させることができる。
<変形例>
1.音量調整の変形例1
図23は、音量調整のタイミングチャートの例を示す図である。
以上においては、事前選択処理、撮影処理、編集処理の各処理の期間内にBGMの音量と音声案内の音量の大小関係を変更するものとしたが、1つの処理が行われている間は、その関係が変わらないようにしてもよい。
図23の時刻t50,t51,t52は、それぞれ、事前選択処理の開始時刻(図18の時刻t0)、撮影処理の開始時刻(図21の時刻t20)、編集処理の開始時刻(図22の時刻t30)に相当する。
時刻t53は、印刷待ち空間A3において利用者に作業を行わせるようになっている場合において、その作業を行わせるための処理の開始時刻に相当する。シール紙排出口141(図8)の上方にタッチパネルモニタが設けられている場合、利用者にメールアドレスを登録させる処理などを事後選択処理として行うことが可能である。
図23の例においては、事前選択処理が開始される時刻t50から事前選択処理が終了する時刻t51(撮影処理の開始時刻)までの間、常時、BGM/音声案内出力部313の出力制御部321は、音声案内の音量がBGMの音量より大きくなるように設定する。
また、撮影処理が開始される時刻t51から撮影処理が終了する時刻t52(編集処理の開始時刻)までの間、常時、BGM/音声案内出力部344の出力制御部321は、音声案内の音量がBGMの音量以下となるように設定する。
編集処理が開始される時刻t52から編集処理が終了する時刻t53(事後選択処理の開始時刻)までの間、常時、BGM/音声案内出力部354の出力制御部321は、音声案内の音量がBGMの音量以下となるように設定する。
事後選択処理が開始される時刻t53から一連の処理が終了する時刻t54までの間、常時、事後選択処理を行う処理部のBGM/音声案内出力部は、音声案内の音量がBGMの音量以下となるように設定する。
ここで、時刻t50から時刻t51までの期間、時刻t51から時刻t52までの期間、時刻t52から時刻t53までの期間、時刻t53から時刻t54までの期間の各期間のBGMの音量は、同じ音量であってもよいし、それぞれ異なる音量であってもよい。各期間のBGMの音量が同じ音量である場合、時刻t50から時刻t51までの期間の音声案内が、最も大きい音量で出力されることになる。
このように、事前選択処理の期間のみ、音声案内の音量がBGMの音量より大きくなるようにしてもよい。事前選択空間A0は、撮影空間A1や編集空間A2−1,A2−2とは異なり、板状のパネルやカーテンなどで覆われていない空間である。事前選択空間A0やその周りは、写真シール作成装置1の周りに設置されている他の遊戯装置のBGMや、写真シール作成装置1が設置されている遊戯施設自体が流すBGMなどが直接聞こえてくるため、音声案内が特に聞きづらい場所であるといえる。
そのような音声案内が聞きづらい場所にいる利用者に向けた音声案内をBGMより大きな音量で出力することにより、ゲームの開始に関する案内や撮影空間A1への移動を促す案内などをより確実に利用者に伝えることができる。
2.音量調整の変形例2
写真シール作成装置1と同じ写真シール作成装置が複数近接して設置されている場合について説明する。
ある写真シール作成装置のみが稼働し、当該写真シール作成装置の周囲で他の写真シール作成装置が稼働していない場合、当該写真シール作成装置の事前選択処理時の音声案内を、BGM以下の音量(音声案内≦BGM)としてもよい。BGMを超える音量(音声案内>BGM)としなくても、音声案内が聞こえることが想定されるためである。
周囲にある他の写真シール作成装置が稼働しているか否かは、例えば、当該写真シール作成装置に設けられたマイクロフォンにより集音された音を解析し、写真シール作成装置が出力する音(BGM、音声案内)の解析結果に基づいて判定される。シャッター音などの写真シール作成装置に特有の音が検出された場合、周囲にある他の写真シール作成装置が稼働していると判定される。
単に、当該写真シール作成装置に設けられたマイクロフォンにより集音された音の音量が閾値以下である場合には、BGM以下の音量で音声案内が出力されるようにしてもよい。
管理サーバが各写真シール作成装置の設置場所と稼働状況を管理している場合、管理サーバから送信されてくる制御コマンドに応じて、BGMと音声案内の音量が調整されるようにしてもよい。
この場合、各写真シール作成装置は、インターネットなどのネットワークを介して、自身の稼働状況を表す情報を管理サーバに送信する。管理サーバは、予め決められた所定のエリア内において、ある写真シール作成装置のみが稼働している場合、BGM以下の音量で音声案内を出力することを表す制御コマンドを稼働中の写真シール作成装置に送信する。管理サーバから送信されてきた制御コマンドを受信した写真シール作成装置は、制御コマンドに従って音量を調整し、音声案内を出力する。
当該写真シール作成装置の周囲で他の写真シール作成装置が稼働していない場合において、撮影空間A1で撮影処理が行われているとき、または、編集空間A2−1,A2−2で編集処理が行われているとき、当該写真シール作成装置の事前選択処理時の音声案内は、BGMを超える音量(音声案内>BGM)で出力されるようにしてもよい。撮影処理や編集処理におけるBGMの音量が大きく、事前選択処理時の音声案内が聞こえづらくなるのを防ぐためである。
事前選択空間A0から撮影空間A1への移動に関する案内を出力する時だけ、当該写真シール作成装置の他の空間(撮影空間A1、編集空間A2−1,A2−2)のBGMを消音にしたり、音量を小さく変更するようにしてもよい。また、事前選択空間A0から撮影空間A1への移動に関する案内を、他の音声案内より大きな音量で出力するようにしてもよい。
3.音量調整の変形例3
当該写真シール作成装置の周囲で他の写真シール作成装置が稼働している場合、当該写真シール作成装置の事前選択処理時の音声案内は、BGMを超える音量(音声案内>BGM)で出力される。この場合、当該写真シール作成装置の撮影空間A1で撮影処理が行われているか、編集空間A2−1,A2−2で編集処理が行われているかに関わらず、BGMを超える音量で音声案内が出力される。
当該写真シール作成装置が事前選択空間A0から撮影空間A1への移動に関する案内を出力する時だけ、他の写真シール作成装置のBGMを消音にしたり、音量を小さく変更するようにしてもよい。
この場合、上述した管理サーバは、各写真シール作成装置の稼働状況だけでなく、ゲームの進行状況をも、各写真シール作成装置から送信されてくる情報に基づいて管理する。管理サーバは、ある写真シール作成装置が事前選択空間A0から撮影空間A1への移動に関する案内を出力するタイミングになったとき、BGMの音量以上の音量で音声案内を出力することを指示する制御コマンドを、移動に関する音声案内を出力するタイミングになった写真シール作成装置に対して送信するとともに、周囲に設置されている他の写真シール作成装置に対して、BGMを消音にしたり、音量を小さくすることを指示する制御コマンドを送信する。
4.音量調整の変形例4
クリスマス、正月、ハロウィーン等のイベントがある特別な期間に、通常時とは異なるBGMが出力されるようになっている場合、BGMを、常に、音声案内より大きな音量で出力するようにしてもよい。
イベントに合わせたBGMを再生することにより、季節感を演出することができ、利用者にゲームをより楽しませることができる。
5.音量調整の変形例5
音声案内の内容に応じて音量を変更するようにしてもよい。
事前選択処理時に出力される撮影空間A1への移動を促す案内などの作業場所の移動に関する音声案内は、BGMを超える音量(音声案内>BGM)で出力される。作業場所の移動に関する音声案内を利用者が聞き逃すと上述したような問題があるためである。
一方、そのような問題が生じることがない、選択を促す音声案内などは、BGM以下の音量(音声案内≦BGM)で出力される。
6.音量調整の変形例6
それぞれの音声案内には、種類が予め設定されている。音声案内の種類に応じて音量を変更するようにしてもよい。
図24は、音声案内の種類の例を示す図である。
写真シール作成装置1が出力する音声案内には、ループ音声案内、タッチ音声案内、および画面表示時音声案内の3種類の音声案内がある。上述した各音声案内は、いずれかの種類の音声案内である。
ループ音声案内は、ゲーム開始条件やタッチ等の操作を促す音声案内である。ループ音声案内は、1回の出力が終わってから例えば10秒間隔で繰り返し再生され、出力される。例えば、事前選択処理時の音声案内として説明した、硬貨の投入を促す音声案内「コインを投入してね」がループ音声案内となる。
タッチ音声案内は、利用者のタッチ操作を検出した際に再生する音声案内である。タッチ音声案内は、利用者のタッチ操作を検出する毎に1回再生され、出力される。例えば、撮影条件の選択時にタッチパネルモニタ71に表示されたボタンに対して利用者が押下する操作を行った場合にタッチ音声案内が出力される。
画面表示時音声案内は、画面表示が遷移した際に再生する音声案内である。画面表示時音声案内は、画面の表示開始時に1回再生され、出力される。例えば、撮影条件の選択画面の表示タイミングに合わせて出力される、撮影条件の選択を促す音声案内「人数を選択してね」や、移動を案内する画面の表示タイミングに合わせて出力される、撮影空間A1への移動に関する音声案内2「撮影ブースに移動してね」などが画面表示時音声案内となる。
出力制御部321は、出力する音声案内の種類に応じて、音声案内の音量を調整する。例えば、出力制御部321は、ループ音声案内やタッチ音声案内を出力するとき、それらの音量として、BGM以下の音量(音声案内≦BGM)を設定する。また、出力制御部321は、画面表示時音声案内の出力時、画面表示時音声案内の音量としてBGMの音量を超える音量(音声案内>BGM)を設定する。
7.音量の設定1
音声案内の音量とBGMの音量を写真シール作成装置1の管理者がそれぞれ設定することができるようにしてもよい。
図25は、設定画面の例を示す図である。
図25に示す設定画面は、写真シール作成装置1の管理者が、例えば写真シール作成装置1の利用者がいないときに所定の位置に設けられたボタンを押したときにタブレット内蔵モニタ131に表示される。設定画面には、BGMの音量を大中小のうちのいずれかの音量に設定するときに操作される3つのボタンと、音声案内の音量を大中小のうちのいずれかの音量に設定するときに操作される3つのボタンが表示される。
ボタン操作だけでなく、設定画面に表示されるスライドバーの操作やツマミの操作などにより音声案内の音量とBGMの音量をそれぞれ設定することができるようにしてもよい。音量を表す数値を直接入力することができるようにしてもよい。
このような表示を用いて音声案内の音量とBGMの音量を設定する場合、音声案内の音量として、BGMの音量を超える範囲の音量のみを設定することが可能とされる。例えば、BGMの音量として小の音量が設定された場合、音声案内の音量として、中の音量と大の音量のいずれかを設定することが可能とされる。また、BGMの音量として中の音量が設定された場合、音声案内の音量として大の音量を設定することが可能とされる。すなわち、BGMの音量を基準として、音声案内の音量が調整される。
BGMの音量を設定することに応じて、BGMの音量を超える範囲の音量が音声案内の音量として自動的に設定されるようにしてもよい。
このような調整を、図25に示すような設定画面ではなく、写真シール作成装置1の所定の位置に設けられたボタン、つまみなどの物理的な機構を用いて行うことができるようにしてもよい。
8.音量の設定2
図26は、他の設定画面の例を示す図である。
図26の設定画面を用いて、作業場所の空間毎に音量を設定することができるようにしてもよい。図26の設定画面も、図25の設定画面と同様に管理者が所定の操作を行ったときにタブレット内蔵モニタ131に表示される。
図26の設定画面からは、事前選択処理時、撮影処理時、編集処理時、事後選択処理時のそれぞれのBGMの音量を大中小の中から選択するようになっている。この場合、図26の設定画面を用いて設定された音量を超える範囲の音量が、各処理時における音声案内の音量として管理者の操作によらずに自動的に設定される。すなわち、BGMの音量を基準として、音声案内の音量が調整される。
例えば、事前選択処理時と事後選択処理時のBGMの音量については管理者が設定することが必須とされる。事前選択処理時と事後選択処理時の音声案内の音量は、管理者により設定されたBGMの音量を超える音量になるように自動的に設定される。
反対に、撮影処理時と編集処理時の音声案内の音量を管理者が設定するようにしてもよい。この場合、事前選択処理時と事後選択処理時のBGMの音量は、音声案内の音量以下となるように自動的に設定される。全ての処理時のBGMの音量を一括で設定することができるようにしてもよい。
管理者により設定された音量は、例えば、写真シール作成装置1が再起動したタイミング、または、設定後にゲームを開始したタイミングで有効となる。
9.時間の設定
音量の設定が有効になる時間帯を管理者が設定することができるようにしてもよい。例えば、管理者は、曜日、時間帯を設定することが可能とされる。
平日の午前中は集客率の高い店舗以外では閑散としていることが多い。そのような閑散としている時間帯は、他の遊戯装置が稼働していないために、写真シール作成装置1の音量を小さくしても利用者が音声案内を聞きづらいといったことは少ない。
閑散している時間帯として管理者により設定された時間帯以外の時間帯の音声案内の音量として、BGMの音量を超える音量が設定されるようにしてもよい。
10.再生速度
音声案内の再生速度を可変にしてもよい。この場合、上述したような、BGMより大きな音量で出力する音声案内については遅い再生速度が設定され、BGM以下の音量で出力する音声案内については通常の再生速度が設定される。
このように、音声案内の内容に応じて再生速度を変えることによっても、必要な通知をより確実に利用者に伝えることが可能になる。
11.再生回数
音声案内の再生回数を可変にしてもよい。この場合、上述したような、BGMより大きな音量で出力する音声案内については複数回の再生回数が設定され、BGM以下の音量で出力する音声案内については1回だけ再生される。
このように、音声案内の内容に応じて再生回数を変えることによっても、必要な通知をより確実に利用者に伝えることが可能になる。
12.ハードウエアの変形例
BGMを出力するBGM用のスピーカと音声案内を出力する音声案内用のスピーカとを各空間に設けるようにしてもよい。この場合、図14の合成部326は不要になる。音量調整部324により音量が調整されたBGMはBGM用のスピーカから出力され、音量調整部325により音量が調整された音声案内は音声案内用のスピーカから出力される。
BGM用のスピーカから出力されるBGMの音量を調整するのに用いられるつまみと、音声案内用のスピーカから出力される音声案内の音量を調整するのに用いられるつまみがそれぞれ設けられるようにしてもよい。
13.画面表示
上述したように、移動を促す音声案内の出力時、各空間のモニタには、移動に関する案内画面が音声案内に合わせて表示される。この案内画面を点滅表示させるようにしてもよい。これにより、音声案内によらずに、作業場所を移動する必要があることを利用者に確実に伝えることが可能になる。
また、案内画面の文字を大きくしたり、動的なアニメーションを表示したりして利用者に注目させるようにしてもよい。
14.その他
以上においては、音声案内の音量として、音量V1と音量V2の2段階の音量が設定されるものとしたが、さらに多くの種類の音量うちの所定の音量が設定されるようにしてもよい。これにより、音声案内の音量を細かく調整することが可能になる。音量V1から音量V2に、または音量V2から音量V1に、段階的に切り替わるものとしたが、音量を上げる場合には徐々に音量を上げるようにフェードインさせ、音量を下げる場合には徐々に音量を下げるようにフェードアウトさせてBGMと音声案内の音量を調整するようにしてもよい。
また、BGMの音量が一定であるものとしたが、BGMの音量がゲームの進行中に変わるようにしてもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。