特許文献2に記載の現像カートリッジは、カップリング、検知ギアおよびICチップが、現像カートリッジの筐体の一方の第1側面に位置する。この場合、第1側面に多くの部材が配置されるため、第1側面が大きくなる。すなわち、現像カートリッジが大型化する。一方、現像カートリッジの第1側面に対応する画像形成装置の内面には、カップリングへ駆動力を送る駆動部材、検知ギアを検知するアクチュエータ、および、ICチップから情報を読み取る接点部が設けられる。このため、第1側面に対応する画像形成装置の内面が複雑な構成となり、画像形成装置が大型化してしまう可能性がある。
本発明の目的は、画像形成装置を小型化するために、現像カートリッジにおいて、カップリング、検知ギアおよび記憶媒体の電気的接触面を、現像カートリッジに適切に配置する構造を提供することである。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、現像剤を収容可能な筐体であって、第1方向に延びる筐体と、前記第1方向において、前記筐体の一方に位置するカップリングであって、前記第1方向に延びる第1軸について回転可能なカップリングと、前記第1方向において前記筐体の他方に位置する検知ギアであって、前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な検知ギアと、電気的接触面を有する記憶媒体であって、前記電気的接触面が前記第1方向における前記筐体の一方に位置する記憶媒体と、を備えることを特徴とする現像カートリッジである。
本願の第2発明は、第1発明の現像カートリッジであって、前記記憶媒体は、前記第1方向において前記筐体の一方に位置することを特徴とする。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記カップリングの回転に従って回転可能であることを特徴とする。
本願の第4発明は、第3発明の現像カートリッジであって、前記第1方向に延びる第1シャフトであって、前記カップリングの回転に従って回転可能な第1シャフトをさらに有し、前記検知ギアは、第1シャフトの回転に従って回転可能であることを特徴とする。
本願の第5発明は、第4発明の現像カートリッジであって、前記第1シャフトを含むアジテータであって、前記カップリングの回転に従って、前記第1シャフトと共に回転可能なアジテータをさらに備え、前記検知ギアは、前記アジテータの回転に従って回転可能であることを特徴とする。
本願の第6発明は、第5発明の現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記第1方向と垂直に交わる第2方向において、前記第1シャフトの一方に位置し、前記カップリングは、第2方向において、前記第1シャフトの一方に位置することを特徴とする。
本願の第7発明は、第5発明または第6発明の現像カートリッジであって、前記カップリングは、前記カップリングと共に回転可能なカップリングギアを含み、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第1アジテータギアであって、前記第1方向において前記筐体の一方に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能な第1アジテータギアをさらに含み、前記カップリングギアと前記第1アジテータギアとが噛み合うことを特徴とする。
本願の第8発明は、第5発明または第6発明の現像カートリッジであって、前記第1方向において前記筐体の一方に位置する第1アイドルギアをさらに備え、前記カップリングは、前記カップリングと共に回転可能であり、前記第1アイドルギアと噛み合うカップリングギアを含み、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第1アジテータギアであって、前記第1方向において前記筐体の一方に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能であり、前記第1アイドルギアと噛み合う第1アジテータギアをさらに含むことを特徴とする。
本願の第9発明は、第5発明から第8発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第2アジテータギアであって、前記第1方向において前記筐体の他方に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能な第2アジテータギアをさらに含み、前記第2アジテータギアと前記検知ギアとが噛み合うことを特徴とする。
本願の第10発明は、第5発明から第8発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記第1方向において前記筐体の他方に位置し、前記検知ギアと噛み合う第2アイドルギアをさらに備え、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第2アジテータギアであって、前記第1方向において前記筐体の他方に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能であり、前記第2アイドルギアと噛み合う、第2アジテータギアをさらに含むことを特徴とする。
本願の第11発明は、第1発明から第10発明のいずれかに記載の現像カートリッジであって、前記第1方向に延びる回転軸について回転可能な現像ローラであって、前記第1方向に延びるローラシャフトを有する現像ローラと、前記ローラシャフトと電気的に接続された電極とをさらに備え、前記電極は、前記第1方向において前記筐体の他方に位置することを特徴とする。
本願の第12発明は、第11発明の現像カートリッジであって、前記電極は、前記第1方向に延びるギアシャフトを含み、前記検知ギアは、前記ギアシャフトについて回転可能であり、前記検知ギアは、前記ギアシャフトの周面の一部を覆うことを特徴とする。
本願の第13発明は、第1発明から第12発明のいずれかに記載の現像カートリッジであって、前記検知ギアの一部を覆うギアカバーであって、前記第1方向において前記筐体の他方に位置するギアカバーをさらに備えることを特徴とする。
本願の第14発明は、第1発明から第6発明のいずれかに記載の現像カートリッジであって、前記筐体は、前記第1方向において前記筐体の一方側に位置する第1外表面と、前記第1方向において前記筐体の他方側に位置する第2外表面と、を有し、前記電気的接触面は、前記第1外表面に位置することを特徴とする。
本願の第15発明は、第14発明の現像カートリッジであって、前記記憶媒体は前記第1外表面に位置することを特徴とする。
本願の第16発明は、第14発明または第15発明の現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記第2外表面に位置することを特徴とする。
本願の第17発明は、第16発明の現像カートリッジであって、前記第2外表面に位置する第2シャフトであって、前記第2軸に沿って前記第1方向に延びる第2シャフトをさらに備え、前記検知ギアは、前記第2シャフトについて回転可能であることを特徴とする。
本願の第18発明は、第17発明の現像カートリッジであって、前記第2シャフトは、前記筐体の前記第2外表面から延びることを特徴とする。
本願の第19発明は、第17発明の現像カートリッジであって、前記筐体は、前記第2外表面を貫通する貫通孔と、前記貫通孔に取り付けられたキャップと、をさらに備え、前記第2シャフトは、前記キャップから延びることを特徴とする。
本願の第20発明は、第17発明から第19発明のいずれかに記載の現像カートリッジであって、前記第1方向に延びる回転軸について回転可能な現像ローラであって、前記第1方向に延びるローラシャフトを有する現像ローラと、前記ローラシャフトと電気的に接続された電極とをさらに備え、前記電極は、前記第1方向において前記筐体の他方に位置することを特徴とする。
本願の第21発明は、第20発明の現像カートリッジであって、前記電極は、前記第1方向に延びるギアシャフトを含み、前記ギアシャフトは、前記第2シャフトであり、前記検知ギアは、前記ギアシャフトについて回転可能であり、前記検知ギアは、前記ギアシャフトの周面の一部を覆うことを特徴とする。
本願の第22発明は、第16発明から第21発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記検知ギアの一部を覆うギアカバーであって、前記第2外表面に位置するギアカバーをさらに備えることを特徴とする。
本願の第23発明は、第14発明から第22発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記カップリングは、前記第1外表面に位置することを特徴とする。
本願の第24発明は、第23発明の現像カートリッジであって、前記カップリングは、前記カップリングと共に回転可能なカップリングギアを含み、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第1アジテータギアであって、前記第1外表面に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能な第1アジテータギアをさらに含み、前記カップリングギアと前記第1アジテータギアとが噛み合うことを特徴とする。
本願の第25発明は、第23発明の現像カートリッジであって、前記第1外表面に位置する第1アイドルギアをさらに備え、前記カップリングは、前記カップリングと共に回転可能であり、前記第1アイドルギアと噛み合うカップリングギアを含み、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第1アジテータギアであって、前記第1外表面に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能であり、前記第1アイドルギアと噛み合う第1アジテータギアをさらに含むことを特徴とする。
本願の第26発明は、第23発明から第25発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記アジテータは、前記第1シャフトに装着される第2アジテータギアであって、前記第2外表面に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能な第2アジテータギアをさらに含み、前記第2アジテータギアと前記検知ギアとが噛み合うことを特徴とする。
本願の第27発明は、第23発明から第25発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記第2外表面に位置し、前記検知ギアと噛み合う第2アイドルギアをさらに備え、前記アジテータは、前記第1シャフトに固定される第2アジテータギアであって、前記第2外表面に位置し、前記第1シャフトとともに回転可能であり、前記第2アイドルギアと噛み合う、第2アジテータギアをさらに含むことを特徴とする。
本願の第28発明は、第24発明または第25発明の現像カートリッジであって、前記第1シャフトは、前記第1方向における第1端部と、前記第1方向において前記第1端部と離れた第2端部と、を含み、前記第1端部は、前記第1外表面を貫通し、前記第1アジテータギアは、前記第1端部に装着されることを特徴とする。
本願の第29発明は、第26発明または第27発明の現像カートリッジであって、前記第1シャフトは、前記第1方向における第1端部と、前記第1方向において前記第1端部と離れた第2端部と、を含み、前記第2端部は、前記第1外表面を貫通し、前記第2アジテータギアは、前記第2端部に装着されることを特徴とする。
本願の第30発明は、第1発明から第29発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記カップリングは、駆動力を受けるための凹部または凸部を有することを特徴とする。
本願の第31発明は、第1発明から第30発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記現像カートリッジの仕様に関する情報を表す形状を有することを特徴とする。
本願の第32発明は、第31発明の現像カートリッジであって、前記仕様は、前記現像カートリッジを用いて印刷可能なページ数であることを特徴とする。
本願の第33発明は、第1発明から第30発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記現像カートリッジが未使用状態であることを示す第1位置から、前記現像カートリッジが使用済み状態であることを示す第2位置へ回転可能であることを特徴とする。
本願の第34発明は、第1発明から第33発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記検知ギアは、複数の歯を含み、前記複数の歯は、前記検知ギアの周囲の一部に配置されることを特徴とする。
本願の第35発明は、第1発明から第34発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記検知ギアは、前記第1方向に延びる突起を含むことを特徴とする。
本願の第36発明は、第35発明の現像カートリッジであって、前記検知ギアは、複数の前記突起を含むことを特徴とする。
本願の第37発明は、第1発明から第36発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記記憶媒体は、前記現像カートリッジに関する情報を記憶することを特徴とする。
本願の第38発明は、第1発明から第37発明のいずれかの現像カートリッジであって、前記記憶媒体は、前記第1方向において前記筐体の一方に位置し、前記記憶媒体は、前記電気的接触面を有する事を特徴とする。
本願の第1発明〜第38発明によれば、現像カートリッジにおいて、カップリングと、記憶媒体の電気的接触面とが、第1方向における筐体の一方に位置し、検知ギアが第1方向における筐体の他方に位置するため、カップリング、検知ギアおよび記憶媒体の電気的接触面を効率よく配置できる。
また、本願の第2発明によれば、さらに、記憶媒体が、第1方向における筐体の一方に位置するため、カップリング、検知ギア、記憶媒体の電気的接触面、および、記憶媒体を効率よく配置できる。
また、本願の第20発明によれば、さらに、電極が、第1方向において筐体の他方に位置するため、カップリング、検知ギア、記憶媒体の電気的接触面、および電極を効率よく配置できる。さらに、電気的接触面が、第1方向における筐体の一方に位置し、電極が、第1方向における筐体の他方に位置するため、電極と、電気的接触面との電気的な干渉を低減することができる。
また、本願の第21発明によれば、検知ギアが、電極が含むギアシャフトについて回転可能である。電極の一部を、検知ギアが回転可能なギアシャフトとして用いることができるため、第1方向における筐体の他方に、検知ギアと電極とを効率的に配置できる。
また、本願の第38発明によれば、記憶媒体は、電気的接触面を有するため、第1方向における筐体の一方に、記憶媒体と電気的接触面とを効率的に配置できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態では、現像ローラの回転軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、第1方向に直交する方向であって、アジテータ20のアジテータシャフト21と現像ローラ30のローラシャフト32とを結ぶ直線と平行な方向を「第2方向」と称する。
<1.現像カートリッジの全体構成>
図1〜図5は、本発明の一例となる現像カートリッジ1の斜視図である。図6は、各ギアの位置関係を示す現像カートリッジ1の概略図である。この現像カートリッジ1は、電子写真方式の画像形成装置(例えば、レーザプリンタやLEDプリンタ)に用いられ、現像剤(例えば、トナー)を感光ドラムへ供給するユニットである。図1に示すように、本実施形態の現像カートリッジ1は、画像形成装置が有するドロアユニット90に対して装着される。
本実施形態では、1つのドロアユニット90に、4つの現像カートリッジ1が装着される。4つの現像カートリッジは、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容可能である。現像剤は、例えば、トナーである。ドロアユニット90は、4つのカートリッジ保持部91を有する。カートリッジ保持部91には、感光ドラムがそれぞれ設けられる。
画像形成装置からドロアユニット90を引き出して、ドロアユニット90の4つのカートリッジ保持部91に、それぞれ現像カートリッジ1を装着できる。また、画像形成装置からドロアユニット90を引き出して、ドロアユニット90からから現像カートリッジ1を取り出すことができる。
図2〜図5に示すように、本実施形態の現像カートリッジ1は、ケーシング10、アジテータ20、現像ローラ30、第1ギア部40、第2ギア部50、およびICチップアセンブリ60を有する。
ケーシング10は、電子写真印刷用の現像剤(例えば、トナー)を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と、第2外表面12とを有する。第1外表面11は、第1方向におけるケーシング10の一方側の外表面である。第2外表面12は、第1方向におけるケーシング10の他方側の外表面である。第1外表面と第2外表面とは、第1方向において、離れている。第1外表面11には、第1ギア部40およびICチップアセンブリ60が位置する。第2外表面12には、第2ギア部50が位置する。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で、第1方向に延びる。ケーシング10の内部には、トナーを収容するトナー室13が、設けられている。なお、第1方向は、ケーシング10および現像ローラ30の延伸方向である。
アジテータ20は、第1方向に延びる撹拌装置である。アジテータ20は、アジテータシャフト21と撹拌羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、第1方向に延びる回転軸81に沿って延びる。アジテータシャフト21は、第1方向に沿って延びる柱状である。なお、アジテータシャフト21は、「第1シャフト」を構成する。撹拌羽根22は、アジテータシャフト21から径方向外側へ向けて拡がる。撹拌羽根22は、ケーシング10のトナー室13内に配置される。
図4に示すように、アジテータシャフト21は、第1端部211と、第2端部(図示省略)とを有する。第1端部211は、第1方向においてアジテータシャフト21の一方側の端部である。第1端部211は、ケーシング10の第1外表面11を貫通する。第1端部211には、後述する第1アジテータギア44が装着される。具体的には、第1アジテータギア44は、第1端部211に対して相対的に移動不可能に固定される。また、第1アジテータギア44は、第1外表面11に位置する。
第2端部は、第1方向においてアジテータシャフト21の他方側の端部である。第2端部は、ケーシング10の第2外表面12を貫通する。図5に示すように、第2端部には、後述する第2アジテータギア51が装着される。具体的には、第2アジテータギア51は、第2端部に対して相対的に移動不可能に固定される。また、第2アジテータギア51は、第2外表面12に位置する。
上記構成により、アジテータシャフト21および撹拌羽根22は、第1アジテータギア44および第2アジテータギア51とともに回転する。アジテータ20が回転すると、撹拌羽根22が回転し、トナー室13内のトナーが撹拌される。
現像ローラ30は、第1方向に延びる回転軸82を中心として回転可能なローラである。本実施形態の現像ローラ30は、ローラ本体31とローラシャフト32とを有する。ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。ローラシャフト32は、ローラ本体31を第1方向に貫通する略円柱状の部材である。ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。ローラ本体31は、ローラシャフト32に対して、相対回転不能に固定される。したがって、ローラシャフト22が回転すると、ローラシャフト22と共にローラ本体21も回転する。
なお、ローラシャフト22は、ローラ本体21を軸方向に貫通していなくてもよい。例えば、一対のローラシャフト22が、ローラ本体21の軸方向の両端から、軸方向にそれぞれ延びていてもよい。
第1方向におけるローラシャフト32の一方側の端部は、後述する現像ギア42に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ギア42が回転すると、ローラシャフト32も回転し、ローラシャフト32とともにローラ本体31も回転する。
ここで、第1方向の同じ位置において、アジテータシャフト21とローラシャフト32とを結ぶ直線と平行な方向を、第2方向とする。ローラシャフト32は、第2方向において、アジテータシャフト21の一方に位置する。また、アジテータシャフト21は、第2方向において、ローラシャフト32の他方に位置する。なお、第2方向は、第1方向と直交する方向である。
ケーシング10は、開口部14を有する。開口部14は、トナー室13と外部とを連通する。開口部14は、トナー室13と外部とを連通する。開口部14は、第2方向におけるケーシング10の一方側の端部に位置する。現像ローラ30は、開口部14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、第2方向において、ケーシング10の一方側の端部付近に位置する。
画像形成装置の稼働時には、現像カートリッジ1では、ケーシング10内のトナー室13から、図示を省略した供給ローラを介して、現像ローラ30の外周面に、トナーが供給される。その際、供給ローラと現像ローラ30との間において、トナーは摩擦帯電される。一方、現像ローラ30のローラシャフト32には、画像形成装置から供給された電力により、バイアス電圧がかけられる。このため、ローラシャフト32とトナーとの間の静電気力によって、ローラ本体31の外周面に、トナーが引き付けられる。
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、ローラ本体31の外周面のトナーを一定の厚みにする。その後、ローラ本体31の外周面のトナーは、ドロアユニット90に設けられた感光ドラムへ供給される。このとき、トナーは、感光ドラムの外周面に形成された静電潜像に応じて、ローラ本体31から感光ドラムへ移動する。これにより、感光ドラムの外周面において、静電潜像が可視像化される。
第1ギア部40は、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。すなわち、第1ギア部40は、第1外表面11に位置する。図4は、第1ギア部40が分解された状態の現像カートリッジ1の斜視図である。図4に示すように、第1ギア部40は、カップリング41、現像ギア42、アイドルギア43、第1アジテータギア44、および第1ギアカバー45を有する。このため、カップリング41、現像ギア42、アイドルギア43および第1アジテータギア44は、第1外表面11に位置する。なお、図4では、各ギアの複数のギア歯の図示が省略されている。
カップリング41は、画像形成装置から供給される駆動力を、最初に受ける部位である。カップリング41は、第1方向に延びる回転軸83周りに回転することが可能である。なお、カップリング41の回転中心となる回転軸83は、「第1軸」を構成する。カップリング41は、カップリング部411とカップリングギア412とを有する。カップリング部411およびカップリングギア412は、例えば、一体の樹脂により形成される。
カップリング部411には、第1方向に凹む締結穴413が設けられている。締結穴413は、画像形成装置から駆動力を受けるための凹部である。なお、カップリング部411は、締結穴413に代えて、画像形成装置から駆動力を受けるための凸部を有していてもよい。また、カップリングギア412の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。
現像カートリッジ1が装着されたドロアユニット90が、画像形成装置内に収納されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング部411の締結穴413に挿入される。これにより、駆動シャフトとカップリング部411とが、相対回転不能に連結される。したがって、駆動シャフトが回転すると、カップリング部411が回転し、カップリング部411とともにカップリングギア412も回転する。
現像ギア42は、現像ローラ30を回転させるためのギアである。現像ギア42は、第1方向に延びる回転軸82周りに回転することが可能である。現像ギア42の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。カップリングギア412の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯と、現像ギア42の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、現像ギア42は、第1方向において、現像ローラ30のローラシャフト32の一方側の端部に、相対回転不能に固定されている。このため、カップリングギア412が回転すると、現像ギア42が回転し、現像ギア42とともに現像ローラ30も回転する。
アイドルギア43は、カップリングギア412の回転を第1アジテータギア44に伝達するためギアである。なお、アイドルギア43は、「第1アイドルギア」を構成する。アイドルギア43は、第1方向に延びる回転軸84周りに回転することが可能である。アイドルギア43は、第1方向に配列された大径ギア部431および小径ギア部432(図6参照)を有する。小径ギア部432は、第1方向において、大径ギア部431の他方に位置する。すなわち、小径ギア部432は、大径ギア部431とケーシング10の第1外表面11との間に位置する。このため、大径ギア部431は、小径ギア部432よりも第1外表面11から離れて位置する。小径ギア部432の径は、大径ギア部431の径よりも小さい。言い換えれば、小径ギア部432の歯先円の径は、大径ギア部431の歯先円の径よりも小さい。大径ギア部431および小径ギア部432は、例えば、一体の樹脂により形成される。
大径ギア部431および小径ギア部432の外周部には、それぞれ、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。小径ギア部432のギア歯の数は、大径ギア部431のギア歯の数よりも少ない。カップリングギア412の複数のギア歯の少なくとも一部のギア歯と、大径ギア部431の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、小径ギア部432の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯と、第1アジテータギア44の複数のギア歯の少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。カップリングギア412が回転すると、大径ギア部431が回転し、大径ギア部431とともに小径ギア部432も回転する。そして、小径ギア部432の回転に伴い、第1アジテータギア44も回転する。
第1アジテータギア44は、トナー室13内のアジテータ20を回転させるためのギアである。第1アジテータギア44は、第1方向に延びる回転軸81周りに回転することが可能である。第1アジテータギア44の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。上記の通り、小径ギア部432の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯と、第1アジテータギア44の複数のギア歯のうち少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、第1アジテータギア44は、アジテータシャフト21の上記の第2端部に、相対回転不能に固定されている。このため、カップリング41からアイドルギア43を介して第1アジテータギア44に動力が伝達されると、第1アジテータギア44が回転し、第1アジテータギア44とともにアジテータ20も回転する。すなわち、アジテータシャフト21を含むアジテータ20は、カップリング41と連動して回転する。
なお、この現像カートリッジ1では、カップリングギア412と第1アジテータギア44との間にアイドルギア43が配置されているが、アイドルギア43を省略し、カップリングギア412と第1アジテータギア44とが直接噛み合う構成であってもよい。
第1ギアカバー45は、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。具体的には、第1ギアカバー45は、第1外表面11に位置する。第1ギアカバー45は、第1外表面11に、例えばねじ止めで、固定される。カップリングギア412、現像ギア42、アイドルギア43、および第1アジテータギア44は、第1外表面11と第1ギアカバー45との間に収容される。カップリング部411の締結穴413は、図2に示すように、第1ギアカバー45の外部に露出する。本実施形態の第1ギアカバー45は、後述するICチップアセンブリ60のホルダ62を保持するホルダカバーを兼ねている。第1ギアカバー45のホルダカバーとしての構造については、後述する。
第2ギア部50は、第1方向において、ケーシング10の他方に位置する。すなわち、第2ギア部50は、第2外表面12に位置する。図5は、第2ギア部50が分解された状態の現像カートリッジ1の斜視図である。図5に示すように、第2ギア部50は、第2アジテータギア51、検知ギア52、導電部材53、および第2ギアカバー54を有する。このため、第2アジテータギア51、検知ギア52および導電部材53は、第2外表面12に位置する。なお、図5では、第2アジテータギア51のギア歯の図示が省略されている。
第2アジテータギア51は、アジテータシャフト21の回転を検知ギア52に伝達するためのギアである。第2アジテータギア51は、第1方向に延びる回転軸81周りに回転することが可能である。第2アジテータギア51の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。第2アジテータギア51のギア歯と、検知ギア52のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、第2アジテータギア51は、アジテータシャフト21の上記の第1端部に、相対回転不能に固定されている。このため、アジテータシャフト21が回転すると、第2アジテータギア51も回転する。
検知ギア52は、画像形成装置に対して現像カートリッジ1の情報を伝達するためのギアである。現像カートリッジ1の情報には、例えば、現像カートリッジ1が、新品(未使用)の現像カートリッジであるか、または、使用済みの現像カートリッジであるかの情報が含まれる。また、現像カートリッジ1の情報には、例えば、現像カートリッジ1の仕様が含まれる。現像カートリッジ1の仕様には、例えば、現像カートリッジ1に収容された現像剤によって印刷可能な枚数(イールド枚数)が含まれる。
検知ギア52は、第1方向に延びる回転軸85周りに回転することが可能である。なお、検知ギア52の回転中心となる回転軸85は、「第2軸」を構成する。検知ギア52は、複数のギア歯521を有する。複数のギア歯521は、検知ギア52の周囲の一部に配置される。すなわち、検知ギア52は、その外周部の一部に複数のギア歯521が配置され、他の一部はギア歯521を有しない、欠け歯ギアである。
現像カートリッジ1が未使用の場合、検知ギア52のギア歯は、第2アジテータギア51と噛み合う。この場合、検知ギア52は、アジテータシャフト21を含むアジテータ20と連動して回転する。このため、カップリング41に駆動力が入力されると、カップリング41、アイドルギア43、第1アジテータギア44、アジテータ20、第2アジテータギア51を介して駆動力が伝達し、検知ギア52が回転する。すなわち、検知ギア52は、カップリング41と連動して回転可能である。
画像形成装置の使用時には、現像カートリッジ1をドロアユニット90に装着して、ドロアユニット90を画像形成装置内に収納して使用を開始する。未使用の現像カートリッジ1をドロアユニット90に装着して、ドロアユニット90を画像形成装置内に収容した後、カップリング41に駆動力が入力されると、検知ギア52が回転する。その後、検知ギア52が一定角度以上回転すると、第2アジテータギア51と検知ギア52との噛み合いが外れ、検知ギア52は回転を停止する。
現像カートリッジ1が未使用の場合、検知ギア52は、現像カートリッジ1が未使用状態であることを示す第1位置に位置する。検知ギア52が第1位置に位置する場合、検知ギア52のギア歯は、第2アジテータギア51と噛み合う。現像カートリッジ1の使用が開始されると、検知ギア52は、第1位置から第2位置へと回転する。これにより、現像カートリッジ1の使用開始後には、検知ギア52は、現像カートリッジ1が使用済み状態であることを示す第2位置に位置する。検知ギア52が第2位置に位置する場合、検知ギア52のギア歯は、第2アジテータギア51と噛み合わない。このように、検知ギア52は、未使用時と、使用開始後とにおいて状態が変化する。
また、検知ギア52は、第1方向へ移動可能な可動ギアであってもよい。可動ギアは、欠け歯ギアでなくてもよい。すなわち、可動ギアは、その外周面に、円周状に複数のギア歯を有していてもよい。この場合、可動ギアが回転すると、可動ギアが第1方向に向かって動くことにより、可動ギアと第2アジテータギア51との噛み合いが外れる。なお、可動ギアは、第2外表面12から第1方向に離れる方向に動いてもよい。また、可動ギアは、第2外表面12から第1方向に近づく方向に動いてもよい。
このため、使用済みの現像カートリッジ1がドロアユニット90に装着されて、ドロアユニット90が画像形成装置内に収容された場合には、検知ギア52と、第2アジテータギア51との噛み合いが外れているため、検知ギア52は回転しない。
なお、第2アジテータギア51と検知ギア52との間に、他のギアが介在してもよい。例えば、第2ギア部50は、第2アジテータギア51および検知ギア52の双方と噛み合う第2アイドルギアを、有していてもよい。第2アイドルギアは、第2外表面12に位置する。そして、第2アジテータギア51の回転が、第2アイドルギアを介して、検知ギア52に伝達されてもよい。
導電部材53は、導電性の部材である。導電部材53の材料には、導体である金属または導電性の樹脂が用いられる。導電部材53は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。導電部材53は、第1方向に突出したギアシャフト531を有する。ギアシャフト531は、第2外表面12に位置する。また、ギアシャフト531は、第2外表面12から回転軸85に沿って第1方向に延びる。なお、回転軸85は、「第2軸」を構成する。また、ギアシャフト531は、「第2シャフト」を構成する。検知ギア52は、ギアシャフト531に支持されつつ、ギアシャフト531を中心として回転する。また、導電部材53は、軸受部532を有する。軸受部532は、現像ローラ30のローラシャフト32に接触する。なお、導電部材53の一部がローラシャフト32に接触してもよい。また、導電部材53にローラシャフト32が挿入されて、ローラシャフト32が導電部材53に接触してもよい。
ドロアユニット90は、ギアシャフト531に接触する導電性のレバー(図示省略)を有する。ギアシャフト531にレバーが接触すると、導電部材53およびローラシャフト32が、レバーと電気的に導通する。画像形成装置の駆動時には、レバーからギアシャフト531へと供給される電力により、ローラシャフト32が所定のバイアス電圧に維持される。すなわち、ギアシャフト531を含む導電部材53は、ローラシャフト32にバイアス電圧を供給するための電極の役割を果たす。
第2ギアカバー54は、第1方向において、ケーシング10の他方に位置する。具体的には、第2ギアカバー54は、第2外表面12に位置する。第2ギアカバー54は、第2外表面12に、例えばねじ止めで、固定される。第2アジテータギア51、検知ギア52の少なくとも一部、および導電部材53は、第2外表面12と第2ギアカバー54との間に収容される。このため、第2ギアカバー54は、検知ギア52の少なくとも一部を覆う。また、第2ギアカバー54は、開口541を有する。検知ギア52の一部分およびギアシャフト531の一部分は、開口541を介して露出する。上記のレバーは、開口541を介して、検知ギア52またはギアシャフト531に接触する。
検知ギア52は、突起522を有する。検知ギア52は、ギアシャフト531の外周面を部分的に覆う。突起522は、第1方向において、複数のギア歯521よりも他方に位置する。また、突起522は、第1方向に延びる。突起522は、第1方向に見て、回転軸85を中心とした円弧状の部位を有する。突起522は、ギアシャフト531の周面の一部を覆う。突起522は、検知ギア52と共に回転可能である。
未使用の現像カートリッジ1では、ギアシャフト531の一部が開口541に露出する。すなわち、ドロアユニット90のレバーがギアシャフト531と接触する。画像形成装置の使用を開始し、カップリング41に駆動力が入力されると、検知ギア52が回転する。そうすると、検知ギア52の回転に伴いレバーとギアシャフト531との間に突起522が挿入される。これにより、レバーとギアシャフト531とが非接触となる。その後、さらに検知ギア52が回転すると、再びレバーとギアシャフト531が接触する。検知ギア52が一定角度以上回転すると、検知ギア52は回転を停止する。このため、レバーとギアシャフト531との接触が維持される。
このように、検知ギア52の回転に伴って、レバーとギアシャフト531との接触状態が、検知ギア52の形状に応じて変化する。画像形成装置は、その接触状態の変化を認識することによって、装着された現像カートリッジ1が新品であるか否か、および現像カートリッジ1の仕様を識別する。すなわち、この検知ギア52は、現像カートリッジ1の現像剤に関する情報を表す形状を有する。
なお、この現像カートリッジ1では、検知ギア52が1つの突起522を有していたが、本発明はこの限りではない。検知ギア52は、突起522に代えて、第1方向に延びる複数の突起を有していてもよい。また、突起522の周方向の位置や長さは、本実施形態と異なってもよい。検知ギア52の形状は、現像カートリッジ1の印刷可能枚数等の仕様に応じて、相違させることができる。具体的には、突起522の数、複数の突起522の周方向の間隔、各突起522の周方向の長さ、各突起522の径方向の長さ、などを、仕様ごとに相違させることができる。このように、突起522の数や周方向の位置について、バリエーションを設けることによって、現像カートリッジ1の種々の仕様を、画像形成装置に対して示すことが可能となる。
また、この現像カートリッジ1では、突起522を用いてレバーとギアシャフト531との接触状態を変化させていたが、本発明はこの限りではない。例えば、レバーとギアシャフト531との接触状態を、検知ギア52の回転に連動して動く他の部材を介して変化させてもよい。具体的には、検知ギア52と、突起522とが別体であってもよい。この場合、検知ギア52が回転すると共に、突起522が回転する。
例えば、検知ギア52がカムを有し、当該カムが突起522に接触してもよい。この場合、検知ギア52の回転と共にカムが回転し、カムが回転することで突起522に接触して、突起522が動く。突起522は、第2外表面12または第2ギアカバー54に設けられたシャフトに対して、回転可能に取り付けられていてもよい。また、突起522が有するシャフトが、第2外表面12または第2ギアカバー54が有する孔に挿入され、突起522が回転可能に保持されてもよい。
なお、検知ギア52はさらに他の情報を表す形状を有していてもよい。例えば、検知ギア52は、現像カートリッジ1に収容される現像剤の色を表す形状を有していてもよい。
ICチップアセンブリ60は、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。すなわち、ICチップアセンブリ60は、ケーシング10の第1外表面11の外側に配置される。図2〜図5に示すように、ICチップアセンブリ60は、ICチップ61と、ホルダ62とを有する。ICチップ61は、記憶媒体である。ICチップ61には、現像カートリッジ1に関する種々の情報が記録されている。ホルダ62は、ICチップ61を保持する部材である。ホルダ62は、第1ギアカバー45に保持される。
図5に示すように、ICチップ61は、電気的接触面611を有する。電気的接触面611は、導体である金属からなる。電気的接触面611は、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。また、電気的接触面611は、第1外表面11に位置する。
ドロアユニット90は、電気コネクタを有する。電気コネクタは、例えば金属製である。現像カートリッジ1がドロアユニット90に装着されると、ドロアユニット90の電気コネクタが、電気的接触面611に接触する。これにより、画像形成装置は、ICチップ61からの情報の読み出しおよびICチップ61への情報の書き込みの少なくとも一方を行うことが可能となる。ドロアユニット90が有する電気コネクタは、例えば、金属製である。この現像カートリッジ1では、ICチップ61の本体と、ICチップ61の電気的接触面611との双方が、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。
ホルダ62の少なくとも一部は、第1ギアカバー45に覆われる。ホルダ62は、3つのボス621a,621b,621cを有する。2つのボス621a,621bは、ホルダ62のケーシング10と向かい合う面と反対側の面から第1ギアカバー45へ向けて、第1方向に延びる。2つのボス621a,621bは、第2方向に並ぶ。ボス621cは、ホルダ62のケーシング10と向かい合う面からケーシング10へ向けて、第1方向に延びる。一方、図2および図4に示すように、第1ギアカバー45は、2つの貫通孔451a,451bを有する。2つの貫通孔451a,451bは、第2方向に並ぶ。各貫通孔451a,451bは、第1ギアカバー45を第1方向に貫通する。また、ケーシング10は、凹部15を有する。凹部15は、ケーシング10の第1外表面11において、第1方向に凹む。
ボス621aは、貫通孔451aに挿入される。ボス621bは、貫通孔451bに挿入される。ボス621cは、凹部15に挿入される。貫通孔451aの大きさ(内寸)は、対応するボス621aの大きさ(外寸)よりも大きい。また、貫通孔451bの大きさ(内寸)は、対応するボス621bの大きさ(外寸)よりも大きい。また、凹部15の大きさ(内寸)は、ボス621cの大きさ(外寸)よりも大きい。このため、ホルダ62は、ケーシング10および第1ギアカバー45に対して、第1方向に直交する方向への若干の相対移動が可能である。また、ホルダ62は、第1ギアカバー45と、第1外表面11との間を第1方向に移動可能であってもよい。
なお、ホルダ62に設けられるボスの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、第1ギアカバー45に設けられる貫通孔の数も、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、ボス621a,621b,621cのそれぞれの形状は、円柱であってもよいし、角柱であってもよい。
また、この現像カートリッジ1では、ボス621a,621bがそれぞれ貫通孔451a,451bに挿入されたが、本発明はこの限りではない。第1ギアカバー45は、貫通孔451a,451bに代えて、2つの凹部を有していてもよい。当該2つの凹部には、それぞれ、ボス621a,621bを挿入可能である。
画像形成装置を小型化するためには、現像カートリッジ1の第1方向への投影面積を小さくする必要がある。すなわち、画像形成装置を小型化するためには、第1外表面11および第2外表面12を小さくする必要がある。一方、カップリング41、電気的接触面611および検知ギア52は、それぞれ画像形成装置の本体と接続する部位である。このため、カップリング41、電気的接触面611および検知ギア52は、第1方向に重ねて配置できない。
図6に示すように、この現像カートリッジ1では、検知ギア52が、第1方向において、ケーシング10の他方に位置する。また、カップリング41およびICチップ61の電気的接触面611が、第1方向において、ケーシング10の一方に位置する。このように、カップリング41、電気的接触面611および検知ギア52を、第1外表面11と第2外表面12とに分けて配置することにより、第1外表面11および第2外表面12を小さくできる。したがって、現像カートリッジ1および画像形成装置を小型化できる。
また、本実施形態では、カップリング41が、第2方向において、アジテータシャフト21の第1方向の一方側の端部よりも一方に位置する。また、検知ギア52が、第2方向において、アジテータシャフト21の第1方向の他方側の端部よりも一方に位置する。このように、カップリング41と検知ギア52とが、アジテータシャフト21に対して第2方向の同じ側に配置される。これにより、現像カートリッジ1の第2方向の長さを短くできる。したがって、現像カートリッジ1および画像形成装置を、第2方向に小型化できる。
特に、本実施形態では、検知ギア52が導電部材53に支持される構造であるため、検知ギア52と導電部材53とが第1外表面11および第2外表面12のうち、同じ外表面に配置される必要がある。一方、電極である導電部材53には、高圧の電圧バイアスがかかる。このため、導電部材53とICチップ61の電気的接触面611との距離が短いと、ICチップ61が高周波雑音の影響を受ける虞がある。
しかしながら、この現像カートリッジでは、検知ギア52および導電部材53が、電気的接触面611が配置される第1外表面11とは第1方向の反対側の第2外表面12に位置する。したがって、導電部材53と、電気的接触面611との電気的な干渉を低減することができる。さらに、導電部材53と、ICチップ61との電気的な干渉を低減することができる。例えば、導電部材53への高圧チャージに起因する、ICチップ61における高周波雑音の発生を抑制できる。
なお、本実施形態では、電気的接触面611を有するICチップ61全体が、検知ギア52および導電部材53と第1方向の反対側の第1外表面11に位置する。しかしながら、ICチップ61のうち、少なくとも電気的接触面611のみが第1外表面11に位置し、ICチップ61の本体は、例えばケーシング10の他の面に位置してもよい。その場合であっても、導電部材53と、電気的接触面611との電気的な干渉を低減することができる。また、導電部材53と、ICチップ61との電気的な干渉を低減することができる。例えば、導電部材53への高圧チャージに起因する、ICチップ61における高周波雑音の発生を抑制できる。
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
図7は、一変形例の現像カートリッジ1Aおよびドラムカートリッジ70Aの斜視図である。この現像カートリッジ1Aは、現像ローラ30Aと、カップリング41Aと、検知ギア52Aと、ICチップ61Aとを有する。図7の例では、現像カートリッジ1Aが、ドロアユニットではなく、ドラムカートリッジ70Aに対して装着される。ドラムカートリッジ70Aは、1つの現像カートリッジ1Aを保持する1つの現像カートリッジ保持部71Aを有する。現像カートリッジ保持部71Aには、感光ドラム72Aが設けられている。現像カートリッジ1Aがドラムカートリッジ70Aに装着されると、現像カートリッジ1Aの現像ローラ30Aが、感光ドラム72Aに接触する。
図8は、現像カートリッジ1Aを保持したドラムカートリッジ70Aが、画像形成装置100Aに装着される様子を示した図である。図8のように、現像カートリッジ1Aを保持したドラムカートリッジ70Aは、画像形成装置100Aに設けられたドラムカートリッジ保持部101Aに対して、装着される。
このように、ドラムカートリッジ70Aに装着されるタイプの現像カートリッジ1Aにも、上記の実施形態の現像カートリッジと同等の構造を採用可能である。具体的には、図7に示すように、この現像カートリッジ1Aにおいても、カップリング41AおよびICチップ61Aの電気的接触面611Aが、第1方向において、ケーシング10Aの一方に位置する。また、検知ギア52Aが、第1方向において、ケーシング10Aの他方に位置する。このように、カップリング41A、電気的接触面611Aおよび検知ギア52Aを、第1方向の一方と他方とに分けて配置することにより、現像カートリッジ1Aの第1方向の端面を小さくできる。したがって、現像カートリッジ1Aおよび画像形成装置100Aを小型化できる。
上記の実施形態では、第1シャフトであるギアシャフト531が、第2外表面12から第1方向の他方側へ延びていた。しかしながら、ギアシャフト531は、第2外表面12と直接接していなくてもよい。例えば、ケーシング10が、第2外表面12を貫通する貫通孔と、貫通孔に取り付けられたキャップとをさらに有しており、ギアシャフトが当該キャップから第1方向の他方側へ延びてもよい。この場合、例えば、キャップが検知ギア53へ向けて第1方向に突出するギアシャフトを有する。検知ギア53は、当該ギアシャフトに支持されつつ、ギアシャフト531を中心として回転する。
また、上記の実施形態では、第1ギア部40および第2ギア部50内の複数のギアが、互いに、ギア歯の噛み合いによって係合していた。しかしながら、第1ギア部40および第2ギア部50内の複数のギアは、摩擦力により互いに係合していてもよい。例えば、互いに係合する2つのギアの外周部に、複数のギア歯の代わりに、摩擦部材(例えばゴム)が設けられてもよい。
また、上記の実施形態の現像カートリッジ1は、画像形成装置が有するドロアユニットに対して装着されるものであった。しかしながら、本発明の現像カートリッジは、ドロアユニットを有さない画像形成装置の本体に対して装着されるものであってもよい。
また、現像カートリッジの細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。