以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<三次元造形システム>
(全体構成)
まず、三次元造形システムについて説明する。
本発明の実施の形態に係る三次元造形システムは、シート積層型の三次元造形法で三次元造形物を作製する。シート積層型の三次元造形法では、立体モデルの三次元データを複数面でスライスして複数のスライスデータを生成し、複数のスライスデータに基づいて紙等のシート状の記録媒体上に一連のスライス画像を形成する。そして、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体を加工して積層する等、複数の記録媒体に対し三次元造形用の後処理を行う。なお、スライスデータの生成については後述する。ここで「一連の」とは、三次元データから生成された「複数のスライスデータ」に対応するという意味である。
図1(A)及び図1(B)は本実施の形態に係る三次元造形システムの構成の一例を示す概略図である。図2は本実施の形態に係る三次元造形システムの構成の他の一例を示す概略図である。図1(A)に示すように、本実施の形態に係る三次元造形システムは、情報処理装置10、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置14を備えている。また、図1(B)に示すように、情報処理装置10、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置14の各々は、互いに通信回線18を介して通信可能に接続されている。以下では、三次元造形用後処理装置14を「後処理装置14」と略称する。
画像形成装置12は、ラスタ画像データに基づいて記録媒体50上に画像を形成する。ラスタ画像データは「画像形成情報」の一例である。本実施の形態では、画像形成装置12は三次元造形専用の装置ではない。二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合は、画像形成装置12は通常の画像形成装置として機能する。したがって、情報処理装置10は、二次元画像データに基づく画像形成か、三次元データに基づく三次元造形か、に応じて異なる情報処理を行う。
画像形成装置12は、例えば、電子写真方式により記録媒体上に画像を形成する装置である。電子写真方式の画像形成装置12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置等を含んで構成される。帯電装置は、感光体ドラムを帯電させる。露光装置は、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光する。現像装置は、露光により感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーによって現像する。転写装置は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像を定着する。なお、画像形成装置12をインクジェット記録装置としてもよい。この場合、画像形成装置12は、画像に応じてインク滴を記録媒体上に吐出するインクジェット記録ヘッド等を含んで構成される。
情報処理装置10は、三次元データに基づく三次元造形が指示された場合には、三次元データから複数のスライスデータを生成する。次に、一連のラスタ画像を形成するために、複数のスライスデータから一連のラスタ画像データを生成する。そして、一連のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。また、二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合には、二次元画像データからラスタ画像データを生成して、二次元画像のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。
また、情報処理装置10は、三次元データに基づく三次元造形が指示された場合には、複数のスライスデータから一連の制御データをさらに生成する。一連の制御データは、後処理装置14に三次元造形用の後処理を行わせるためのデータである。後述する通り、制御データは、記録媒体から積層部品を切り出す「切り出し線」を特定する制御データと、記録媒体に糊を塗布する「糊付け領域」を特定する制御データとを含む。
後処理装置14は、一連のスライス画像が形成された記録媒体50に対し三次元造形用の後処理を行う。図1(A)に示すように、後処理装置14は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有しない配置(オフライン、ニアライン)としてもよい。また、図2に示すように、後処理装置14は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有する配置(インライン)としてもよい。
搬送路を共有しない配置の場合は、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体50は、スライス画像の形成順に積層され、スタッカ等の収容機構16に蓄積される。積層された複数の記録媒体50の束は、収容機構16から取り出され、まとめて後処理装置14に引き渡される。一方、搬送路を共有する配置の場合は、スライス画像が形成された記録媒体50が、1枚ずつ後処理装置14に搬送される。
(シート積層型の三次元造形)
次に、シート積層型の三次元造形の各工程について説明する。
図3(A)はシート積層型の三次元造形の画像形成工程を示す模式図である。図3(B)はシート積層型の三次元造形の後処理工程を示す模式図である。
まず、図3(A)に示すように、スライス画像のラスタ画像データを生成する。詳細は後述するが、情報処理装置10は、立体モデルMの三次元データから複数のスライスデータを生成する。スライスデータは、立体モデルをスライス面でスライスして得られる断面画像を表す。本実施の形態では、1番からT番までのT個のスライス面に応じて、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。1番からT番までのT個のスライスデータの各々は、1番からT番までのT個のスライス画像を形成するために、YMCKのラスタ画像データに変換される。
次に、図3(A)に示すように、スライス画像を記録媒体に形成する。画像形成装置12は、一連のラスタ画像データに基づいて、記録媒体50上に一連のスライス画像を形成する。一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体501〜50Tは、スライス画像の形成順に積層される。「n番」を1番からT番までの番号とすると、n番のスライス画像はn番の記録媒体50nに形成される。
図示した例では、1番からT番までのT個のスライス画像は、T番から1番まで降順に形成される。T番のスライス画像を形成した記録媒体50Tを最下層として、複数の記録媒体501〜50TはT番から1番まで降順に積層される。複数の記録媒体501〜50Tを降順に積層しておくことで、続く後処理工程では、複数の記録媒体501〜50Tは、1番からT番まで昇順に供給される。即ち、後処理装置14で後処理を行う順序とは「逆」の順序で、T個のスライス画像を記録媒体50に形成する。
次に、図3(B)に示すように、スライス画像が形成された記録媒体50に対し後処理を行う。本実施の形態では、後処理装置14は、糊付け処理を行う糊付け部20、切り出し処理を行う切り出し部22、及び圧着処理を行う圧着部24を備えている。糊付け部20、切り出し部22、及び圧着部24の各々は、記録媒体50を搬送する搬送路26に沿って記載した順序で配置されている。後処理装置14は、一連のスライス画像に応じた一連の制御データを、情報処理装置10から取得する。
ここで、スライス画像について説明する。
図4(A)から(C)はスライス画像が記録媒体に形成された様子の一例を示す模式図である。図4(A)に示すように、記録媒体50上のスライス画像Mnは、積層されて三次元造形物となる積層部品52と不要部分53とで構成される。積層部品52の周辺部には、設定された幅の着色領域56が設けられる。図4(B)に示すように、積層部品52の外周線が、記録媒体50から積層部品52を切り出すための切り出し線54である。
図4(C)に示すように、糊付け領域58は、例えば、着色領域56よりも内側の領域等、積層部品52の外周線(切り出し線54)よりも内側に設定される。なお、不要部分53も含め記録媒体50の全面に糊付けしてもよいが、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、全面に糊付けする場合に比べて、除去対象D(図3(B)参照)を取り除く作業が容易になる。また、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、糊付け後の圧着処理の際に糊が積層部品52からはみ出さない。
なお、着色領域56の幅の設定や、糊付け領域58の積層部品52の外周線からの後退幅の設定は、例えば、情報処理装置10の表示部34に設定画面を表示して、操作部32により利用者からの設定を受け付けるなど、利用者が三次元造形を指示する際に行ってもよい。また、予め定めた初期設定を採用してもよい。
制御データは、切り出し線54を特定する制御データと、糊付け領域58を特定する制御データとを含む。例えば、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。また、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。
糊付け部20には、複数の記録媒体50の束から、記録媒体50が1枚ずつ供給される。糊付け部20は、糊付け領域58を特定する制御データに基づいて、記録媒体50の糊付け領域58に糊を塗布する。糊付け部20は、例えば、糊を吐出する糊吐出ヘッドを備えていてもよい。糊吐出ヘッドは、積層方向(z方向)及び記録媒体50の面内方向(x方向、y方向)に移動する。糊吐出ヘッドが糊を吐出しながら糊付け領域58を走査することで、記録媒体50の糊付け領域58に糊が塗布される。糊付け処理を終えた記録媒体50は、切り出し部22に供給される。
切り出し部22は、切り出し線54を特定する制御データに基づいて、切り出し線54に沿って記録媒体50に切り込みを入れる。切り出し部22は、例えば、刃先を有するカッタとしてもよい。カッタの刃先は、積層方向(z方向)及び記録媒体50の面内方向(x方向、y方向)に移動する。カッタの刃先を、記録媒体50に押し当てながら、面内方向に移動させることで、記録媒体50に切り込みが入れられる。
カッタの刃先の積層方向の位置を調節することで、切り込みの深さが決められる。切り込みの深さは、裏面に到達しない深さとしてもよい。積層部品が記録媒体50から切り離されていないので、搬送過程での積層部品52の欠落が回避される。
カッタは、記録媒体50に対し切り出し線54に沿って切り込みを入れる機能を備えていればよく、刃先を押し当てる力学的カッタには限定されない。例えば、超音波を照射して切り込みを入れる超音波カッタや、レーザ光を照射して切り込みを入れるレーザカッタを用いてもよい。
なお、切り出し部22は、切り込みを入れる代わりに、切り出し線54に沿って記録媒体50に複数の穿孔を形成してもよい。複数の穿孔を形成する場合は、積層部品が記録媒体50と繋がっているので、搬送過程での積層部品52の欠落が更に回避される。
切り出し処理を終えた記録媒体50は、圧着部24に供給される。圧着部24は、供給された記録媒体50を順次積層する。このとき、複数の記録媒体501〜50Tは1番からT番まで昇順に積層される。そして、圧着部24は、積層された複数の記録媒体50の束に対し積層方向に沿って圧力を付加して、複数の記録媒体50を圧着する。圧着により、糊付けされた複数の記録媒体501〜50Tの各々は、上下の記録媒体50と糊付け領域58で接着される。
切り出し処理を終えた記録媒体50は、積層されて三次元造形物Pとなる積層部品52と不要部分53とで構成されるが、不要部分53を除去せずに一体として積層する。記録媒体50の不要部分53は、積層部品52が積層された三次元造形物Pを支える支持部材となる。圧着部24での圧着処理が終了した後に、記録媒体50の積層部品52が積層された除去対象Dを除去して、三次元造形物Pを分離する。
ここで「制御データ」の一例について説明する。
図5(A)及び(B)は切り出し線を特定する制御データの一例を示す模式図である。図6(A)及び(B)は糊付け領域を特定する制御データの一例を示す模式図である。後述するとおり、スライスデータは、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データを含む。交差領域は、積層部品52の外周線に沿って存在する。したがって、図5(A)に示すように、点A0の座標(x0、y0)など、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。
図示した例では、星型の積層部品52は11個の頂点A0からA10までを有している。例えば、点A0を始点とする場合は、A0→A1→A2→A3→A4→A5→A6→A7→A8→A9→A10の順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
また、図5(B)に示すように、複数の穿孔を形成する場合は、切り出し線54の経路に在る穿孔点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。例えば、点A0を始点とする場合は、A0→A1→A2→A3→A4・・・など、穿孔の形成順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
図6(A)に示すように、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。糊付け領域58は、積層部品52よりもひとまわり小さく、積層部品52の外周線の内側に設定される。積層部品52の画像を縮小して、糊付け領域58を特定してもよい。この場合、積層部品52の画像の重心と糊付け領域58の重心とを合わせるように、糊付け領域58を配置する。糊付け領域58の各点の座標データは、積層部品52の外周線からの後退幅、及び切り出し線54の経路に在る点の座標データから求められる。
また、図6(B)に示すように、糊付け領域58の全体にわたって糊付けを行う必要はない。糊付け領域58を部分的に間引いて、糊付け領域58の一部に糊付けを行ってもよい。また、糊付け領域58の全体にわたって糊の濃度が一定である必要はない。糊の濃度を変更してもよい場合は、糊付け領域58の周辺部の糊の濃度を、糊付け領域58の中央部の糊の濃度より濃くしてもよい。
切り出し線54を特定する制御データの原点、及び糊付け領域58を特定する制御データの原点は、スライス画像を形成する際の画像形成位置の原点と揃えられる。後処理装置14が画像読み取り機能を備えている場合には、画像形成装置12で記録媒体50上にスライス画像と共に「制御データの原点」の位置を表すマーク画像を形成し、後処理装置14でマーク画像を読み取って「制御データの原点」の位置情報を取得してもよい。
なお、制御データの形式は、座標データには限定されない。例えば、2値のラスタ画像データなど、切り出し線54や糊付け領域58が図形やイメージとして表現される画像データとしてもよい。2値のラスタ画像データである場合、図4(B)に示す例では、切り出し線54の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。図4(C)に示す例では、糊付け領域58の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。例えば、糊付け部20の糊吐出ヘッドは、画素値「1」の場合に、記録媒体50上に糊を吐出する。また、画素値「0」の場合には、記録媒体50上に糊を吐出しない。
<情報処理装置>
次に、情報処理装置について説明する。
図7は本発明の実施の形態に係る情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。図7に示すように、情報処理装置10は、情報処理部30、利用者の操作を受け付ける操作部32、利用者に情報を表示する表示部34、外部装置31との通信を行う通信部36、及び外部記憶装置等の記憶部38を備えている。操作部32、表示部34、通信部36、及び記憶部38は、情報処理部30の入出力インターフェース(I/O)30Eに接続されている。
情報処理部30は、CPU(Central Processing Unit)30A、ROM(Read Only Memory)30B、RAM(Random Access Memory)30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eを備える。そして、CPU30A、ROM30B、RAM30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eがバス30Fを介して互いに接続されている。CPU30Aは、ROM30Bからプログラムを読み出し、RAM30Cをワークエリアとしてプログラムを実行する。
操作部32は、マウス、キーボード等により利用者からの操作を受け付ける。表示部34は、ディスプレイ等により各種画面を利用者に表示する。通信部36は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置31と通信を行う。例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ等の外部装置と通信を行うためのインターフェースとして機能する。記憶部38は、ハードディスク等の記憶装置を備えている。
図8は本発明の実施の形態に係る情報処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、情報処理装置10は、ファイル形式変換部40、ラスタ処理部42、三次元データ処理部44、着色評価部48、及び補正処理部49を備えている。ファイル形式変換部40は、ページ記述言語で記述されたデータ(以下、「PDLデータ」という。)が取得された場合に、取得されたPDLデータを中間データに変換する。
ラスタ処理部42は、ファイル形式変換部40で得られた中間データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。また、ラスタ処理部42は、後述する画像データ生成部46で得られたスライス画像データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。
三次元データ処理部44は、取得された三次元データを処理してスライス画像データと制御データとを生成する。具体的には、三次元データ処理部44は、スライス処理部45、画像データ生成部46、及び制御データ生成部47を備えている。スライス処理部45は、取得された三次元データからスライスデータを生成する。
画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータからスライス画像データを生成する。制御データ生成部47は、スライス処理部45で得られたスライスデータから制御データを生成する。
着色評価部48は、ラスタ処理部42で得られたラスタ画像データと記録媒体の設定情報とから着色度合いを取得して、取得された着色度合いを評価する。補正処理部49は、着色評価部48で得られた評価結果に基づいて、ラスタ処理部42から取得されたラスタ画像データを補正する。着色評価部48は「取得手段」の一例であり、補正処理部49は「補正手段」の一例である。
(二次元データ処理)
二次元画像に対する「二次元データ処理」について説明する。
二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合には、二次元画像データはPDLデータとして取得されている。PDLデータは、ファイル形式変換部40により中間データに変換されて、ラスタ処理部42に出力される。中間データは、ラスタ処理部42によりラスタ処理されて、二次元画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
ここで「中間データ」とは、ページの画像を構成する画像要素である各オブジェクト(例えば、文字フォント、グラフィックス図形、画像データ)を、ラスタ走査の走査線ごとに区切った区間データである。区間データは、オブジェクトが1つの走査線上に占める区間を表すデータである。区間データは、例えばその区間の両端の座標の組で表される。また、区間データは、その区間内の各画素の画素値を規定する情報を含む。PDLデータを中間データに変換して転送することで、情報処理装置10内でのデータ転送速度が向上する。
(三次元データ処理)
三次元データに対する「三次元データ処理」について説明する。
三次元データに基づく三次元造形が指示された場合には、立体モデルの三次元データが取得される。スライス処理部45は、三次元データからスライスデータを生成する。生成されたスライスデータは、画像データ生成部46及び制御データ生成部47の各々に出力される。ここで「三次元データ」及び「スライスデータ」について詳細に説明する。
立体モデルMの三次元データとしては、例えば、OBJフォーマットの三次元データ(以下、「OBJデータ」という。)が用いられる。OBJデータでは、立体モデルMは三角形のポリゴンの集合として表現される。なお、三次元データは、STLフォーマット等の他のフォーマットでもよい。STLフォーマットは色情報を備えていないので、STLフォーマットを用いる場合は、色情報を付加する。
以下では、三次元データがOBJデータである場合について説明する。OBJデータは、形状データを取り扱うOBJファイルと、色情報を取り扱うMTLファイルとを含む。OBJファイルには、各ポリゴンについて、ポリゴン固有の面番号及び三角形のポリゴンの各頂点の座標データ等が対応付けられて定義されている。MTLファイルには、各ポリゴンに色情報が対応付けられて定義されている。
立体モデルMが三次元造形物Pとして接地される接地面(XY平面)と平行なスライス面を設定する。例えば、最初は、立体モデルの最下層にスライス面を設定する。このスライス面を、積層方向(Z軸方向)に沿って予め定めた積層ピッチ(距離)pでシフトさせながら、スライス面がシフトする毎にスライスデータを生成する。
最下層のスライス面の番号を「1」とし、スライス面がシフトする毎に番号を「1」増やす。図3(A)に示した例では、1番からT番までのT個のスライス面がある。スライスデータは、立体モデルをスライス面でスライスして得られる断面画像を表す。具体的には、スライスデータは、スライス面の番号、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データ、及びスライス面と交差するポリゴンに設定された色情報により、立体モデルMの断面画像を表す。T個のスライス面に応じて、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。
画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータから、スライス画像データを生成する。スライスデータは、例えばJPEG等のファイル形式のスライス画像データに変換される。なお、スライス画像データを生成する際に、スライス画像に着色領域を付加してもよい。生成されたスライス画像データは、ラスタ処理部42に出力される。ラスタ処理部42は、画像データ生成部46で得られたスライス画像データをラスタ処理して、ラスタ画像データを生成する。生成されたスライス画像のラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
また、画像データ生成部46は、中間データを生成する構成としてもよい。この場合は、画像データ生成部46は、スライス処理部45で得られたスライスデータからPDLデータを生成し、PDLデータをファイル形式変換部40に出力する。PDLデータは、ファイル形式変換部40により中間データに変換されて、ラスタ処理部42に出力される。中間データは、ラスタ処理部42によりラスタ処理されて、スライス画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
画像形成装置12は、ラスタ画像データを取得し、ラスタ画像データに基づいて記録媒体上にスライス画像を形成する。一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体は、スライス画像の形成順に積層され、スタッカ等の収容機構に蓄積される。
制御データ生成部47は、スライス処理部45で得られたスライスデータから、制御データを生成する。生成された制御データは、後処理装置14に出力される。後処理装置14は、制御データを取得し、スライス画像が形成された記録媒体に対し後処理を実行する。一連のスライス画像が形成され、スライス画像の形成順に積層された複数の記録媒体の束が、後処理装置14にセットされる。後処理装置14は、記録媒体束の積層方向の上側から順に記録媒体を1枚ずつ取り出して後処理を行う。
なお、情報処理装置10で生成された一連の制御データを、図示しない記憶手段に格納してもよい。記憶手段は、情報処理装置10に設けられてもよく、後処理装置14に設けられてもよい。この場合、一連の制御データは、図示しない記憶手段から読み出されて使用される。
例えば、一連の制御データを格納する記憶手段を、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型の記録媒体としてもよい。この場合は、情報処理装置10で生成された一連の制御データは、コンピュータ読み取り可能な可搬型の記録媒体に格納される。格納された一連の制御データは、情報処理装置10または後処理装置14に設けられたドライブ等のデータ読み取り機構により、コンピュータ読み取り可能な可搬型の記録媒体から読み出されて使用される。
<記録媒体の断面の着色度合い>
次に、記録媒体の断面の着色度合いについて説明する。
上記の通り、記録媒体50上のスライス画像Mnの切り出し線54に沿って、積層部品52を切り出すと、記録媒体50の断面が三次元造形物Pの表面に露出する。露出する断面は、着色領域56の外側の端部の断面であり、着色剤が浸み込んでいる。これら着色領域56の端部の断面が露出することにより、三次元造形物Pの表面が着色される。
図9(A)及び(B)、図10(A)及び(B)は着色剤が浸透する様子を示す模式図である。図9(A)に示すように、記録媒体50にスライス画像Mnを形成する際には、記録媒体50の着色領域56に着色剤70が付与される。着色領域56は、記録媒体50の表面(おもて面)50Aに在る。
図9(B)に示すように、付与された着色剤70が記録媒体50内に浸透して、被着色部分72が形成される。記録媒体50の厚さを「d」とし、被着色部分72の厚さを「x1」とすると、着色剤70の記録媒体50に対する浸透率は「100x1/d」で表される。被着色部分72の厚さは、着色剤70が浸透する表面50Aからの浸透深さを表す。
図10(A)に示すように、単位面積当たりの着色剤70量を増やすと、被着色部分72の厚さも増加する。このときの被着色部分72の厚さを「x2」とすると、浸透率は「100x2/d」で表される。(100x2/d)>(100x1/d)である。被着色部分72の厚さは、概ね、単位面積当たりの着色剤70量に比例して増加する。
普通紙、コート紙、アート紙など、記録媒体50の種類によって着色剤70の浸透率は変化する。着色剤70の浸透経路となる孔が多い記録媒体50ほど、着色剤70の浸透率は大きくなる。例えば、表面がコートされ孔が塞がれたコート紙に比べると、表面がコートされていない普通紙の方が着色剤70の浸透率が大きい。また、トレーシング・ペーパ等、薄い記録媒体50ほど、着色剤70の浸透率は大きくなる。
本実施の形態では、記録媒体50の断面の着色剤による着色度合いを管理する。記録媒体50の断面の「着色度合い」は、記録媒体50の断面での発色性を予測するための指標である。また、着色度合いは、上記の浸透率(100x/d)をxやdとは異なるパラメータから計算により求めるものである。着色度合いが予め定めた閾値以上になるように管理することで、記録媒体50の断面での発色性が担保される。
「着色度合い」は、例えば、着色領域に付与される単位面積当たりの着色剤量「X」と、記録媒体の種類に応じた着色剤の浸透率「A」との積「XA」と定義される。単位面積当たりの着色剤量Xは、ラスタ画像データから取得される。記録媒体の種類に応じた着色剤の浸透率Aは、利用者により設定された記録媒体の設定情報から取得される。以下では、記録媒体の種類に応じた着色剤の浸透率Aを「記録媒体の浸透率A」という。
なお、糊(以下、「接着材料」という。)による浸透係数αを更に乗じて、「着色度合い」を、単位面積当たりの着色剤量X、記録媒体の浸透率A、及び浸透係数αの積「XAα」と定義してもよい。接着材料による影響が加味される。浸透係数αは、例えば1.1倍等、被着色部分72の積層方向への拡大倍率を表すものである。
後処理工程では、糊付けされた複数の記録媒体50の各々は、上下の記録媒体50と接着される(図3(B))。糊付けに使用される接着材料の影響により、着色領域56に付与された着色剤70は更に深くまで浸透し、記録媒体50の被着色部分72が積層方向に拡大する。
図11(A)は三次元造形物Pの一例であり、図11(B)は図11(A)に示す領域Aの画像を二値化処理して得られた積層断面の画像である。三次元造形物Pの表面に在る領域Aを撮像し、撮像された画像を拡大して二値化処理し、図11(B)に示す積層断面の二値画像を取得した。積層された複数の記録媒体を、記録媒体毎に一点鎖線で区切っている。各記録媒体の厚さはdである。
着色剤70の記録媒体50に対する浸透率「100x/d」を種々変更して、複数の積層断面の二値画像を取得した。複数の積層断面の二値画像は、オン画素の全画素に対する比率が異なる。オン画素の全画素に対する比率が60%以上の場合に、比率60%未満の場合に比べて、記録媒体50の断面で良好な発色性が得られることを目視で確認した。オン画素の全画素に対する比率が高いほど、記録媒体50の断面での発色性も高くなる。
上記の通り、「着色度合い」は、上記の浸透率(100x/d)を計算により求めるものである。また、浸透率「100x/d」は、オン画素の全画素に対する比率とほぼ等しい。したがって、「着色度合い」について閾値を「60%以上」と設定して、着色度合いが60%以上になるように管理することで、記録媒体50の断面での発色性が担保される。
<情報処理プログラム>
次に、情報処理プログラムについて説明する。
図12は本発明の実施の形態に係る「情報処理プログラム」の処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。また、情報処理プログラムは、利用者から画像形成指示または三次元造形の指示があったときに実行が開始される。
なお、本実施の形態では、情報処理プログラムが、情報処理装置10のROM30Bに予め記憶されている形態について説明するが、この形態に限定されるものではない。例えば、情報処理プログラムが、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、USBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型の記録媒体に格納されて提供される形態、または、ネットワークを介して提供される形態としてもよい。
まず、ステップS100で、指示に係るデータが三次元データか否かを判断する。三次元データに基づく三次元造形が指示された場合には、ステップS102に進む。そして、ステップS102で、上記の「三次元データ処理」を実行する。一方、二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合には、ステップS104に進む。そして、ステップS104で、上記の「二次元データ処理」を実行する。
次に、ステップS106で、次の処理があるか否かを判断する。「三次元データ処理」または「二次元データ処理」の実行中に、次の画像形成指示または次の三次元造形の指示を受けた場合は、次の処理があるのでステップS100に戻り、ステップS100からステップS106までの手順を繰り返す。ステップS106で次の処理が無い場合は、「情報処理プログラム」のルーチンを終了する。
(三次元データ処理)
次に、図12のステップS102に対応する「三次元データ処理」について詳しく説明する。図13は本発明の実施の形態に係る「三次元データ処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。「三次元データ処理」を実行するプログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されており、情報処理装置10のCPU30Aにより読み出されて実行される。
図13に示すように、情報処理装置10は、ステップS200で三次元データを取得すると、ステップS202で三次元データから一連のスライスデータを生成する。そして、続くステップS204で一連のスライスデータから一連のスライス画像データを生成し、ステップS206で一連のスライス画像データからラスタ画像データを生成する。生成されたラスタ画像データは、RAM等の記憶手段に一旦記憶される。
次に、ステップS208で、得られたラスタ画像データと記録媒体の設定情報とに基づいて、記録媒体の断面の着色度合いを頁毎に求める「着色評価処理」を実行する。次に、ステップS210で、記録媒体の断面の着色度合いが閾値未満か否かを頁毎に判断する。着色度合いが閾値未満の補正対象頁については、ステップS212に進む。「着色評価処理」の詳細については後述する。
ステップS212では、補正対象頁のラスタ画像データを補正する「補正処理」を実行する。ラスタ画像データの補正処理では、補正対象頁の着色領域の各画素の濃度値を増加させる。着色度合いが閾値以上の補正対象頁については、「補正処理」を行わずにステップS214に進む。「補正処理」の詳細については後述する。
次に、ステップS214で一連のスライス画像の全頁分のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。着色度合いが閾値未満で「補正処理」が実行された場合は、補正後のラスタ画像データが出力され、着色度合いが閾値以上で「補正処理」が実行されていない場合は、補正前のラスタ画像データが出力される。
次に、ステップS216で一連のスライスデータから一連の制御データを生成し、生成された一連の制御データを後処理装置14に出力して、ルーチンを終了する。なお、一連の制御データは、「着色評価処理」の実行前またはラスタ画像データの生成前に、予め生成して記憶しておいてもよい。対応するスライス画像のラスタ画像データが補正されても、制御データは補正されない。
(着色評価処理)
ここで「着色評価処理」について説明する。
図14は「着色評価処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。上記の通り、「着色評価処理」では、記録媒体の断面の着色度合いを頁毎に求める。
まず、ステップS300で、格納された記録媒体50を供給する供給部を選択・設定する設定画面を表示して、利用者からの選択及び設定を受け付ける。図15は供給部を選択・設定する選択画面の一例を示す模式図である。図15に示すように、設定画面80は、給紙部を選択・設定する設定部82、設定を確定するボタン84、及び設定を取り消すボタン86を含む。
設定部82には、複数の供給部が選択肢として一覧表示される。図示した例では、供給部の選択肢として、自動、トレイ1、トレイ2、トレイ3、及び手差しが表示されている。また、複数の供給部と共に、利用者により各供給部に設定された設定情報が表示される。設定情報とは、各々の供給部に格納される記録媒体の種類、色、サイズに関する情報である。例えば、トレイ1には、普通紙/白色/A4たてという情報が併せて表示されている。なお、自動とは、供給部が自動的に選択される場合をいう。
図示した例では、設定を確定するボタン84として「OK」ボタンが表示され、設定を取り消すボタン86として「キャンセル」ボタンが表示されている。利用者は、設定部82に一覧表示された複数の供給部の中から1つの供給部を選択し、ボタン84により設定を確定させる。供給部の選択・設定により、記録媒体に関する情報(種類、色、サイズ)も設定される。
図14の説明に戻る。続くステップS302で、供給部の設定情報から記録媒体の浸透率Aを取得する。記録媒体の種類と記録媒体の浸透率Aとは互いに関連付けられて、表やグラフの形式でメモリ30Dに予め記憶されている。したがって、設定された供給部から記録媒体の種類が特定され、特定された記録媒体の種類から記録媒体の浸透率Aが取得される。例えば、トレイ1が選択されると、普通紙の浸透率Aが取得される。
次に、ステップS304で、1頁分のラスタ画像データから着色領域に付与される単位面積当たりの着色剤量Xを取得する。ラスタ画像データは、画像をマトリクス状に配列された複数の画素の集合として表すデータである。各画素の形状は、矩形状でも円形状でもよい。複数の画素の各々について濃度値が設定される。各画素の濃度値は、例えば、0から255までの256階調で表現してもよい。0に近いほど濃度は低い。
ここでは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーによりスライス画像を形成する場合について説明する。この場合は、スライス画像データからYMCK各色のラスタ画像データが生成される。スライス画像の着色領域がトナーにより着色される(図4参照)。ラスタ画像データの各画素の濃度値は、各画素を形成するトナー量に変換される。
Y色の濃度値はY色トナーのトナー量に変換され、M色の濃度値はM色トナーのトナー量に変換され、C色の濃度値はC色トナーのトナー量に変換され、K色の濃度値はK色トナーのトナー量に変換される。各画素の面積を単位面積とすれば、Y色トナーのトナー量、M色トナーのトナー量、C色トナーのトナー量、及びK色トナーのトナー量の合算値が、着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xとなる。
次に、ステップS306で、着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xと、記録媒体の浸透率Aとを乗算して、記録媒体の着色度合いXAを取得する。続くステップS308で、次の頁があるか否かを判断する。次の頁が無い場合はルーチンを終了する。一方、次の頁がある場合は、ステップS304に戻って次頁のラスタ画像データから単位面積当たりの着色剤量Xを取得して、次頁の着色度合いの取得処理を開始する。
(補正処理)
ここで「補正処理」について説明する。
図16は「補正処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。上記の通り、「補正処理」では、着色度合いが閾値未満で補正対象となった補正対象頁のラスタ画像データを補正する。
まず、ステップS400で、着色領域の各画素の濃度値を一段階上げる。例えば、注目画素の濃度値に着目する。補正前は、Y色の濃度値が100、M色の濃度値が150、C色の濃度値が200、K色の濃度値が250であるとする。本実施の形態では、色味が変化しないように、YMCK各色の濃度値を同じ倍率で増加させる。補正により注目画素の濃度値を1.02倍まで高くする場合には、Y色の濃度値は102、M色の濃度値は153、C色の濃度値は204、K色の濃度値は255に変更される。
次に、ステップS402で、補正後のラスタ画像データと記録媒体の設定情報とに基づいて、記録媒体の断面の着色度合いを再度評価する。補正後のラスタ画像データから着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xを取得し、取得された単位面積当たりの着色剤量Xと記録媒体の浸透率Aとを乗算して、記録媒体の着色度合いXAを取得する。補正後のラスタ画像データでは、着色領域の各画素の濃度値が補正前より高くなる。このため、着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xが増加して、記録媒体の着色度合いXAが補正前よりも高くなる。
ここで、スライス画像のラスタ画像データから三次元造形物Pを予測するシミュレーションを実施して、シミュレーション結果を三次元造形物Pの予測像として、利用者に表示してもよい。補正後のラスタ画像データを用いると、補正前のラスタ画像データを用いる場合に比べて、三次元造形物Pの予測像表面の発色性が向上する。
次に、ステップS404で、記録媒体の断面の着色度合いが閾値未満か否かを判断する。着色度合いが閾値以上となった場合はステップS410に進む。ステップS410で、着色領域の各画素の濃度値を、補正後の濃度値に確定してルーチンを終了する。一方、着色度合いが閾値未満の場合はステップS406に進む。ステップS406で、着色領域の各画素の濃度値を更に上げるか否かを判断する。
着色領域の各画素の濃度値を更に上げる場合は、ステップS400に戻って着色領域の各画素の濃度値をもう一段階上げて、記録媒体の断面の着色度合いを再度評価する。一方、着色領域の各画素の濃度値を上げない場合は、ステップS408に進む。
例えば、前記の例では、Y色の濃度値は102、M色の濃度値は153、C色の濃度値は204、K色の濃度値は255に変更されている。K色の濃度値が最大階調であるため、着色領域の各画素の濃度値はこれ以上上げられない。
次に、ステップS408で、記録媒体の両面に着色領域を形成するために、両面に着色領域を形成する指示を生成すると共に、裏面用のラスタ画像データを追加で生成して、ルーチンを終了する。なお、画像形成装置12は、記録媒体の両面に画像を形成する機能を備えるものとする。
図17は裏面用のラスタ画像データの一例を示す模式図である。図17に示すように、裏面用のラスタ画像データでは、例えば、スライス画像M2が表面50Aに形成された記録媒体502(図3(A)参照)の裏面50Bに画像を形成する場合は、裏面50Bの斜線を付した領域を着色領域とする。裏面50Bの着色領域は、表面50Aに形成されたスライス画像M2の着色領域に対応する。記録媒体502を透視した場合には、裏面50Bの着色領域が、表面50Aに形成されたスライス画像M2の着色領域に重なる。これにより、記録媒体502の面内方向の同じ位置の表裏両側が着色剤で着色される。
上記の「補正処理」では、着色領域の各画素の濃度値を一段階上げる例について説明したが、着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xが増加するようにラスタ画像データが補正されればよく、例示した補正方法には限定されない。例えば、上記の例では、K色トナーをYMC3色トナーで置き換えることによっても、着色領域の単位面積当たりの着色剤量Xが増加する。この場合、YMCK各色のラスタ画像データからK色のラスタ画像データが削除され、YMC各色のラスタ画像データの着色領域の各画素の濃度値が変更される。また、着色領域の一部の画素の濃度値を上げるようにしてもよい。
また、上記の「補正処理」では、着色領域の各画素の濃度値を上げない場合に、裏面への画像形成を行うようにしたが、この組合せや順序には限定されない。記録媒体の断面の着色度合いが閾値未満の場合に、着色領域の各画素の濃度値を上げる補正及び裏面への画像形成を行う補正の少なくとも一方を行うようにしてもよい。また、着色領域の各画素の濃度値を上げる前に、裏面への画像形成をするようにしてもよい。
また、上記の「補正処理」では、記録媒体の設定情報の変更は受け付けないものとしたが、供給部を選択・設定する設定画面を表示して、利用者からの設定変更を受け付けてもよい。より高い浸透率Aを有する記録媒体に変更することで、記録媒体50の断面の着色度合いも高くなる。
<変形例>
なお、上記各実施の形態で説明した情報処理装置、画像形成装置、及びプログラムの構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において変更してもよいことは言うまでもない。
例えば、図4(A)に示す例では、積層部品52の外周線より内側に着色領域56を設ける例について説明したが、積層部品52の外周線を跨ぐように、外周線の内側と外側とに着色領域56を設けてもよい。この場合は、切り出し位置がずれても、記録媒体の断面での発色性が担保される。
図18は着色領域の拡大方法を説明するための模式図である。図18に示すように、円筒形の立体モデルMに対し、立体モデルMの輪郭形状を拡大した拡大モデルMexを設定し、各々の重心Gが一致するように重ね合わせる。そして、拡大モデルMexの色データを有するテクスチャZexをモデルの重心Gの方向に投影する。投影先は記録媒体50である。
これにより、積層部品52の外周線を跨ぐように、外周線の内側と外側とに着色領域56が設定される。拡大モデルMexのテクスチャZexを投影して得られる着色領域56は、立体モデルMのテクスチャZを投影して得られる着色領域56より広い。