JP6878152B2 - Co2化学回収装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
図1に、本発明の一実施形態のCO2化学吸収装置の系統図を示す。本実施形態では、CO2吸収液(以下、単に吸収液という。)として、アルカノールアミン等の少なくとも一種類以上のアミンの水溶液を吸収液として用いる。一般に、燃焼排ガスには、酸性ガス(SOx、NOx、HCl等)が含まれており、そのままCO2の吸収塔に導入すると、吸収液中のアミンが酸性ガスと反応して熱安定性塩となり不活性化する。そこで、従来と同様に、本実施形態のCO2化学吸収装置の前段に、図1に示すように、湿式FGD(Flue-gas desulfurization)装置30が設けられている。なお、図示していないが、脱硫装置も設けられている。湿式FGD装置30には、図示していない石炭燃焼ボイラから排出される燃焼排ガス(以下、単に排ガスという。)1が送風機22により供給される。湿式FGD装置30では、脱硫液31をポンプ34により循環して排ガス1中の主としてSOxを除去し、ミストを除去するデミスタ29を通して排ガス32を吸収塔7の下部に供給する。
なお、従来、デミスタは慣性衝突でミストを液滴化し回収する装置であるため、硫酸ミストのようなフューム状のミストの影響は評価できないと考えられてきたが、吸収塔7を経由してきた排ガス中の硫酸ミストはアミン蒸気及び水蒸気を吸収し、アミン水溶液のミストとして、粗粒化することが知られている(例えば、特許文献2)。そこで、本発明者等は吸収塔7から排出されるミストは、吸収液の分裂で生じるデミスタで回収可能なものが大半であると推測して実験した。その結果、デミスタの回収液の流量を計測することにより、排ガス中のミストの流量を把握できることを確認した。排ガス中のアミン水溶液のミストの流量が把握できれば、吸収液中の消泡剤の濃度を調整することにより、例えばアミン水溶液のミストを低減でき、最終的にアミン飛散量を抑制できることになる。
そこで、排ガス中のミスト流量と吸収液中の消泡剤の濃度との関係データを、予め実施条件を模擬した小型装置で収集しておく。そして、運転中の排ガス中のミスト流量の計測値を低減するのに有効な吸収液中の消泡剤の濃度を関係データに基づいて求める。求めた消泡剤の濃度を設定値として、吸収液に添加する消泡剤の量を調整すれば、最終的にアミン飛散量を抑制できる。なお、上記の関係データは、実装置の試運転時に実測して決定するようにしてもよい。
図3に、本発明の他の実施形態のCO2化学吸収装置の系統図を示す。本実施形態が図1の実施形態1と相違する点は、水洗搭40からのミスト状洗浄水の飛散を抑制することにある。つまり、CO2化学吸収装置の水洗搭40からのミスト状洗浄水の飛散抑制は、実施形態1の吸収塔7からのアミンの飛散抑制と同様の手法が有効である。
(実施例1)
図1の実施形態1のCO2化学吸収装置を用い、前段の湿式FGD装置30により排ガス32中のSO2濃度を1ppmv未満まで脱硫した石炭燃焼の排ガス(CO2濃度:12容量%、wet)32を試験に用いた。排ガス32は、吸収塔7に供給され、リーン吸収液10と充填層11内で接触し、リッチ吸収液となって底部タンク25に回収される。底部タンク25のリッチ吸収液9は熱交換器3で加熱された後、再生塔8に送給される。再生塔8に送給されたリッチ吸収液9はリボイラ21からの加熱蒸気でさらに加熱され、CO2を分離・放出後、リーン吸収液10として再生されて底部タンク26に回収される。
比較のため、図5に示す従来技術に基づくCO2化学吸収装置を用いて、実施例1と同じ条件で試験を行った。図5の比較例1の装置は、図1の装置から排ガス16に同伴するミスト状吸収液を回収するためのコレクタ41aと、送液ポンプ46d及び関連配管を除いた以外は実施例1と同じである。実施例1と同様に消泡剤を加えていないMEA水溶液を用いて、予め、空気を排ガス32として送風し、充填層11の差圧計37の指示値が最低値に収斂するように消泡剤を添加した。その結果、吸収液中の消泡剤濃度が10mg/L以上で差圧計37の指示値が最低値に収斂した。
図3の実施形態2のCO2化学吸収装置を用い、実施例1と同様の試験をした。実施形態2は、実施形態1の装置の水洗塔40ガス最下流側に設けたデミスタ44bで捕集されたミストをコレクタ41dで回収する。実施例1のミスト状吸収液の場合と同様、コレクタ41dの液高さを一定にするように、回収した洗浄水をポンプ41dで洗浄水の循環液タンク45bに送るようにした。
7 吸収塔
8 再生塔
9 吸収液(リッチ吸収液)
10 吸収液(リーン吸収液)
11 充填層
14a、14b ポンプ
17 吸収液供給口
27、32 排ガス
36 消泡剤
40 水洗搭
41a〜41d コレクタ
42a〜42c 充填層
44a,44b デミスタ
45a,45b 循環液タンク
46a〜46e ポンプ
50 洗浄水槽
51 液混合槽
Claims (8)
- 一種類以上のアミンを含む炭酸ガス用の吸収液に燃焼排ガスを接触させて炭酸ガスを吸収する吸収塔と、前記吸収塔から排出される排ガスを循環洗浄水で洗浄する水洗搭と、前記水洗搭から排出される排ガス中に同伴するアミン飛散量を抑制する制御装置とを備えてなるCO2化学吸収装置において、
前記水洗搭は、前記吸収塔から排出される排ガスに洗浄水を気液接触させる充填層と、該充填層から流下する洗浄水を回収するコレクタと、該コレクタに回収した洗浄水を前記充填層に散布する洗浄水循環系とをそれぞれ有する二段以上の水洗部と、該水洗搭のガス最下流側の水洗部の循環洗浄水に清浄な洗浄水を補給するとともに、ガス下流側の水洗部の循環洗浄水の一部を当該水洗部のガス上流側の水洗部に順次補給する洗浄水補給系と、少なくともガス最上流側の水洗部のガス入口側に設けられた第1デミスタと、ガス最下流側の水洗部のガス出口側に設けられた第2デミスタと、前記第1デミスタの落下液滴を回収するコレクタと、該コレクタの回収液を前記吸収塔の下部タンクへ供給する送液ポンプを備えてなり、
前記制御装置は、前記第1デミスタの落下液滴を回収するコレクタの回収液の流量を計測し、この計測値に基づいて前記吸収液に添加する消泡剤の添加量を調整することを特徴とするCO2化学吸収装置。 - 前記制御装置は、前記第1デミスタの落下液滴を回収するコレクタに回収した前記回収液の流量は、該コレクタ内の水位を一定に制御したときの前記送液ポンプの吐出流量に基づいて計測することを特徴とする請求項1に記載のCO2化学吸収装置。
- 前記制御装置は、前記計測した前記回収液の流量と予め取得した前記回収液中の消泡剤の濃度との関係に基づいて、前記消泡剤の添加量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のCO2化学吸収装置。
- 前記制御装置は、前記回収液の流量と前記水洗搭から排出される排ガス流量とに基づいて、前記消泡剤の添加量を調整することを特徴とする請求項1に記載のCO2化学吸収装置。
- さらに、前記吸収塔でCO2を吸収した吸収液を加熱して炭酸ガスを分離して排出する再生塔と、該再生塔で再生した吸収液を前記吸収塔に戻す戻し配管を備え、
前記制御装置は、前記再生塔から前記吸収塔に戻される吸収液に前記消泡剤を添加することを特徴とする請求項1に記載のCO2化学吸収装置。 - さらに、前記ガス最下流側のデミスタの落下液滴を回収するガス最下流側のコレクタを備え、
前記制御装置は、前記ガス最下流側のコレクタにより回収される回収液の流量に応じて、前記ガス最下流側の水洗部の充填層に循環する洗浄水に添加する消泡剤の添加量を調整することを特徴とする請求項1に記載のCO2化学吸収装置。 - 前記消泡剤は、シリコーンオイルを成分とするエマルジョン型、親水性オイル型、又は自己乳化型の消泡剤であることを特徴とする請求項1に記載のCO2化学吸収装置。
- 一種類以上のアミンを含む炭酸ガス用の吸収液に燃焼排ガスを接触させて炭酸ガスを吸収する吸収塔と、前記吸収塔から排出される排ガスを循環洗浄水で洗浄する水洗搭とを備え、
前記水洗搭は、前記吸収塔から排出される排ガスに洗浄水を気液接触させる充填層と、該充填層から流下する洗浄水を回収するコレクタと、該コレクタに回収した洗浄水を前記充填層に散布する洗浄水循環系とをそれぞれ有する二段以上の水洗部を備え、
前記水洗搭のガス最下流側の水洗部の循環洗浄水に清浄な洗浄水を補給するとともに、前記ガス最下流側の水洗部の循環洗浄水の一部を当該水洗部のガス上流側の水洗部の循環洗浄水へ補給する洗浄水補給系と、少なくともガス最上流側の水洗部のガス入口側に設けられた第1デミスタとガス最下流側の水洗部のガス出口側に設けられた第2デミスタと、前記第1デミスタの落下液滴を回収するコレクタと、該コレクタの回収液を前記吸収塔の下部タンクへ供給する送液ポンプを有してなるCO2化学吸収装置の制御方法であって、
少なくとも前記第1デミスタの落下液滴を回収するコレクタに回収した回収液の流量を計測し、この計測値に基づいて前記吸収液に添加する消泡剤の添加量を調整することを特徴とするCO2化学吸収装置の制御方法。
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