JP6877830B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

この発明は、眼科装置に関する。
眼科装置には、被検眼の画像を得るための眼科撮影装置と、被検眼の特性を測定するための眼科測定装置とが含まれる。
眼科撮影装置の例として、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography、OCT)を用いて断層像を得る光干渉断層計、眼底を写真撮影する眼底カメラ、共焦点光学系を用いたレーザー走査により眼底の画像を得る走査型レーザー検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、SLO)、スリット光を用いて角膜の光切片を切り取ることにより画像を得るスリットランプなどがある。
また、眼科測定装置の例として、被検眼の屈折特性を測定する眼屈折検査装置(レフラクトメータ、ケラトメータ)、眼圧計、角膜の特性(角膜厚、細胞分布等)を得るスペキュラーマイクロスコープ、ハルトマン−シャックセンサを用いて被検眼の収差情報を得るウェーブフロントアナライザなどがある。
これら装置を用いた眼科検査においては、検査の精度や確度の観点から、被検眼のデータを取得するためのデータ取得部を備えた装置光学系と被検眼との位置合わせが極めて重要である。この位置合わせにはアライメントやトラッキングがある。アライメントには、被検眼の軸に対して装置光学系の光軸を一致させる動作(XYアライメント)と、被検眼と装置光学系との間の距離を合わせる動作(Zアライメント)とが含まれる。トラッキングは、被検眼の動きを検出して装置光学系の位置を被検眼に追従させるものである。
ところで、被検眼には、固視をさせたときに不随意的な眼球運動である固視微動が生じることが知られている。被検眼によっては、不随意的に固視微動より大きな動きを伴う眼球運動である眼球振盪(眼振)などが生じる場合があることも知られている。このような固視が不安定な被検眼に対して装置光学系が眼球運動に追従する感度を下げて装置光学系と被検眼との位置合わせの精度の低下を抑制する手法が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、アライメント指標が投影されている被検眼の眼底像からアライメント指標像の位置を検出し、被検眼の大きな動き量が検出された場合以降の検出結果の平均に基づいてアライメント量を求める手法が開示されている。
特開2015−134084号公報
しかしながら、従来の手法では、被検眼が大きく動くたびにアライメント指標像の位置の検出結果がクリアされるため、アライメントが完了するまでの時間が長くなったり、アライメント精度の向上を抑制したりするという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検眼のデータを取得するための装置光学系と被検眼との間の位置合わせを好適に行うための新たな技術を提供することにある。
実施形態に係る眼科装置の第1態様は、被検眼に対して移動可能であり、前記被検眼のデータを取得するためのデータ取得部と、前記被検眼を繰り返し撮影する撮影部と、前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた撮影画像に基づいて前記被検眼の特徴位置を特定する特定部と、前記撮影部により得られた2以上の前記撮影画像について前記特定部により特定された2以上の前記特徴位置の分布の統計値を算出する算出部と、前記算出部により算出された前記統計値に基づいて前記被検眼に対する前記データ取得部の移動目標位置を決定する決定部と、を含む。前記算出部は、前記データ取得部の移動後に特定された直近の特徴位置の数が所定の数未満のとき、当該直近の特徴位置に基づいて前記統計値を算出し、前記データ取得部の移動後に特定された直近の特徴位置の数が所定の数以上のとき、直近の前記所定の数の特徴位置に基づいて前記統計値を算出する。
また、実施形態に係る眼科装置の第2態様は、第1態様において、前記データ取得部の移動量に基づいて、前記特定部により特定された前記特徴位置を補正する補正部を含み、前記算出部は、前記補正部により補正された前記2以上の特徴位置の分布の統計値を算出してもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第3態様は、第1態様又は第2態様において、前記決定部は、前記算出部により新たな統計値が算出されたとき、前記新たな統計値を用いて前記被検眼に対する前記データ取得部の新たな移動目標位置を決定してもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、被検者の顔を支持する支持部と、前記データ取得部と前記支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部と、前記移動目標位置に基づいて前記駆動部を制御することで、前記データ取得部と前記支持部とを相対移動させる制御部と、を含んでもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第5態様は、第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、操作部と、被検者の顔を支持する支持部と、前記データ取得部と前記支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部と、前記撮影部により得られた前記被検眼の画像に前記移動目標位置を表す画像を表示手段に重畳表示させ、前記操作部に対する操作内容に応じて前記駆動部を制御して前記データ取得部と前記支持部とを相対移動させる制御部と、を含んでもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第6態様は、第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、前記特定部は、前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、前記算出部は、前記特定部により特定された複数の特徴位置の移動平均を求め、前記決定部は、前記移動平均に基づいて前記移動目標位置を決定してもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第7態様は、第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、前記特定部は、前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、前記算出部は、前記特定部により特定された前記複数の撮影画像における複数の特徴位置の最頻値を求め、前記決定部は、前記最頻値に基づいて前記移動目標位置を決定してもよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第8態様は、第1態様〜第7態様のいずれかにおいて、前記特徴位置は、前記被検眼の瞳孔の中心、角膜の中心、又は角膜頂点に相当する位置であってよい。
また、実施形態に係る眼科装置の第9態様は、第1態様〜第8態様のいずれかにおいて、前記撮影部により得られた撮影画像に、前記決定部により決定された前記移動目標位置を表す画像を重畳させて表示手段に表示させる手段を含んでよい。
なお、上記した複数の態様に係る構成を任意に組み合わせることが可能である。
本発明によれば、被検眼のデータを取得するための装置光学系と被検眼との間の位置合わせを好適に行うための新たな技術を提供することが可能である。
実施形態に係る眼科装置の構成の一例を表す概略ブロック図である。 実施形態に係る眼科装置の構成の一例を表す概略ブロック図である。 実施形態に係る眼科装置が実行する処理を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置が実行する処理を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を表すフローチャートである。 実施形態に係る眼科装置の動作例を表すフローチャートである。 実施形態に係る眼科装置が実行する処理を説明するための概略図である。
この発明に係る眼科装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
この発明に係る眼科装置は被検眼の光学的な検査に用いられる。実施形態に係る眼科装置は、任意の眼科測定装置、任意の眼科撮影装置、又は眼科測定装置と眼科撮影装置とを組み合わせた任意の複合機であってよい。眼科測定装置としては、レフラクトメータ、ケラトメータ、視機能検査装置、眼圧計などがある。眼科撮影装置の例としては、OCT装置、眼底カメラ、SLOなどがある。
以下では、装置光学系の光軸方向をZ方向(前後方向)とし、装置光学系の光軸に直交する水平方向をX方向(左右方向)とし、装置光学系の光軸に直交する垂直方向をY方向(上下方向)とする。
<構成>
図1及び図2に、実施形態に係る眼科装置の構成例に示す。実施形態に係る眼科装置1は、被検眼Eのデータを取得する機能、つまり被検眼Eを撮影する機能及び/又は被検眼Eの特性を測定する機能を備える。
眼科装置1は、プロセッサ10と、光学ユニット20と、顔支持部70と、第1駆動機構80Aと、第2駆動機構80Bと、ユーザインターフェイス(UI)部90とを含む。なお、第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの一方のみが設けられた構成であってもよい。
光学ユニット20(装置光学系)には、測定光学系30と、前眼部カメラ60とが設けられている。測定光学系30は、対物レンズ40を含む。前眼部カメラ60は、測定光学系30の光軸外の互いに異なる位置に2台以上設けられている。
(プロセッサ10)
プロセッサ10は、各種の情報処理を実行する。本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。
プロセッサ10は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサ10に含まれていてよい。また、記憶回路や記憶装置の少なくとも一部がプロセッサ10の外部に設けられていてよい。プロセッサ10により実行可能な処理については後述する。プロセッサ10は、制御部11と、記憶部12と、データ処理部13とを含む。
(制御部11)
制御部11は、眼科装置1の各部の制御を実行する。特に、制御部11は、光学ユニット20、第1駆動機構80A、及び第2駆動機構80Bを制御する。マニュアルアライメントの場合、制御部11は、ユーザによるユーザインターフェイス部90に対する操作を受け、第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御することで、光学ユニット20と被検眼Eとを相対移動させる。オートアライメントの場合、制御部11は、光学ユニット20と被検眼Eとの相対位置に基づいて第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御することで、光学ユニット20と被検眼Eとを相対移動させる。測定光学系30と前眼部カメラ60との相対位置を検出可能である場合、制御部11は、測定光学系30と被検眼Eとを相対移動させることが可能である。制御部11により実行可能な制御については後述する。
(記憶部12)
記憶部12は、各種のデータを記憶する。記憶部12に記憶されるデータとしては、測定光学系30により取得されたデータ(測定データ、撮影データ等)や、被検者及び被検眼に関する情報などがある。記憶部12には、眼科装置1を動作させるための各種のコンピュータプログラムやデータが記憶されていてよい。記憶部12には、後述の処理において使用・参照される各種のデータが記憶される。記憶部12は、前述の記憶回路や記憶装置を含む。
(データ処理部13)
データ処理部13は各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部13は、前眼部カメラ60により取得された画像を解析する。データ処理部13には、解析部131が設けられている。図2に示すように、解析部131は、特徴位置特定部1311と、補正部1312と、統計値算出部1313と、決定部1314とを含む。これらの動作については後述する。
(光学ユニット20)
光学ユニット20には、図1に示す構成に加え、被検眼Eを正面から撮影するための光学系(観察光学系、撮影光学系等)やアライメント光学系が設けられてもよい。また、測定光学系30のフォーカシングを行うための構成などが設けられていてもよい。更に、光学ユニット20は、被検眼Eの前眼部Eaを照明するための光源(前眼部照明光源)を備えてもよい。
(測定光学系30)
測定光学系30は、被検眼Eの特性を測定するための構成を備える。測定光学系30は、眼科装置1が提供する機能(測定機能、撮影機能等)に応じた構成を備える。例えば、測定光学系30には、光源、光学素子(光学部材、光学デバイス)、アクチュエータ、機構、回路、表示デバイス、受光素子、イメージセンサなどが設けられる。測定光学系30の構成は従来の眼科装置のそれと同様であってよい。測定光学系30の少なくとも一部は、光路の外部に配置されてもよい。例えば、角膜曲率を測定するためのケラトメータ機能が設けられている場合、リング状光束又は同心円状光束を角膜に投影するための光源(ケラトリング光源)が被検眼Eの直前位置に配置される。例えば、被検眼Eの断層像や眼内距離を取得するための光干渉断層計の機能が設けられている場合、干渉光学系の焦点位置を変更するために対物レンズ40と被検眼Eとの間に挿脱可能な前置レンズが設けられる。
測定光学系30は、検査に付随する機能を提供するための構成を備えていてよい。例えば、被検眼Eを固視させるための視標(固視標)を被検眼Eの眼底に投影するための固視光学系が設けられていてよい。
(前眼部カメラ60)
前眼部カメラ60は、被検眼Eの前眼部Eaを撮影する。前眼部カメラ60は、前述したように、測定光学系30の光軸外において互いに異なる位置に2台以上設けられている。各前眼部カメラ60は、例えば、所定のフレームレートで動画撮影を行うビデオカメラである。2以上の前眼部カメラ60は、前眼部を異なる方向から実質的に同時に撮影する。
本実施形態では、図3及び図4に示すように、2台の前眼部カメラ60A及び60Bが設けられている。なお、図3は被検眼Eと前眼部カメラ60A及び60Bとの間の位置関係を示す上面図である。+Y方向は鉛直上方を示し、+Z方向は測定光学系30の光軸方向であって測定光学系30から被検眼Eに向かう方向を示す。図4は被検眼Eと前眼部カメラ60A及び60Bとの間の位置関係を示す側面図である。前眼部カメラ60A及び60Bはそれぞれ、測定光学系30の光路から外れた位置に設けられている。以下、2台の前眼部カメラ60A及び60Bをまとめて符号60で表すことがある。
前眼部カメラの個数は2以上の任意の個数であってよいが、異なる2方向から実質的に同時に前眼部を撮影可能な構成であればよい。また、1つの前眼部カメラが測定光学系30と同軸に配置されていてもよい。
「実質的に同時」とは、2以上の前眼部カメラによる撮影において、眼球運動を無視できる程度の撮影タイミングのズレを許容することを示す。それにより、被検眼Eが同じ位置(向き)にあるときの画像を2以上の前眼部カメラによって取得することができる。
また、2以上の前眼部カメラによる撮影は動画撮影でも静止画撮影でもよいが、本実施形態では動画撮影を行う場合について特に詳しく説明する。動画撮影の場合、撮影開始タイミングを合わせるよう制御したり、フレームレートや各フレームの撮影タイミングを制御したりすることにより、上記した実質的に同時の前眼部撮影を実現することができる。一方、静止画撮影の場合、撮影タイミングを合わせるよう制御することにより、これを実現することができる。
本実施形態では、光学ユニット20と被検眼Eとの位置合わせ(アライメント)に、2以上の前眼部カメラ60により実質的に同時に得られる2以上の撮影画像が用いられる。アライメントには、測定光学系30の光軸方向(Z方向)におけるZアライメントと、Z方向に直交するX方向(水平方向)及びY方向(鉛直方向)におけるXYアライメントとがある。
本実施形態では、前眼部カメラ60により得られた2以上の撮影画像それぞれについて被検眼Eの特徴部位に相当する特徴位置を特定し、前眼部カメラ60の位置と特定された2以上の撮影画像中の特徴位置とに基づいて被検眼Eの特徴部位の3次元位置が求められる。特徴部位として、例えば瞳孔又は角膜の中心(又は重心)、又は角膜頂点などがある。マニュアルアライメントの場合、所定のアライメント基準位置に対する被検眼Eの特徴部位に相当する位置の変位がキャンセルされるようにユーザがユーザインターフェイス部90に対して操作することにより測定光学系30(光学ユニット20)と被検眼Eとを相対移動させる。オートアライメントの場合、アライメント基準位置に対する被検眼Eの特徴部位に相当する位置の変位がキャンセルされるように制御部11が測定光学系30と被検眼Eとを3次元的に相対移動させる。アライメント基準位置は、測定光学系30の光軸が被検眼Eの軸に略一致し、かつ、被検眼Eに対する測定光学系30の距離が所定の作動距離になる位置である。ここで、作動距離とは、対物レンズ40のワーキングディスタンスとも呼ばれる既定値であり、測定光学系30を用いた検査時における被検眼Eと測定光学系30との間の距離を意味する。
以下の実施形態では、被検眼Eのデータを取得するための測定光学系30と被検眼Eとの間の距離は、測定光学系30を収容する光学ユニット20と被検眼Eとの間の距離又は対物レンズ40と被検眼Eとの間の距離と同一視できるものとする。
(顔支持部70)
顔支持部70は、被検者の顔を支持するための部材を含む。例えば、顔支持部70は、被検者の額が当接される額当てと、被検者の顎が載置される顎受けとを含む。なお、顔支持部70は、額当て及び顎受けのいずれか一方のみを備えてもよく、これら以外の部材を備えてもよい。
(第1駆動機構80A、第2駆動機構80B)
第1駆動機構80Aは、制御部11による制御を受けて光学ユニット20を移動する。第1駆動機構80Aは、光学ユニット20を3次元的に移動可能である。第1駆動機構80Aは、例えば、従来と同様に、光学ユニット20をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。第1駆動機構80Aは、X方向、Y方向及びZ方向に移動させるための機構を駆動する複数のステッピングモータ等(駆動手段)を含む。例えば、制御部11は、ステッピングモータに対して所定のパルス数の駆動信号を供給することで、当該パルス数に対応した移動量だけ光学ユニット20を移動させることができる。また、第1駆動機構80Aは、光学ユニット20の光軸を含む平面(水平面、垂直面等)内にて光学ユニット20を回動させる回動機構を含んでもよい。
第2駆動機構80Bは、制御部11による制御を受けて顔支持部70を移動する。第2駆動機構80Bは、顔支持部70を3次元的に移動可能である。第2駆動機構80Bは、例えば、顔支持部70をX方向に移動させるための機構と、Y方向に移動させるための機構と、Z方向に移動させるための機構とを含む。第2駆動機構80Bは、第1駆動機構80Aと同様に、X方向、Y方向及びZ方向に移動させるための機構を駆動する複数のステッピングモータ等(駆動手段)を含む。例えば、制御部11は、ステッピングモータに対して所定のパルス数の駆動信号を供給することで、当該パルス数に対応した移動量だけ顔支持部70を移動させることができる。また、第2駆動機構80Bは、顔支持部70(又はそれに含まれる部材)の向きを変更するための回動機構を含んでもよい。顔支持部70に複数の部材が設けられている場合、第2駆動機構80Bは、これら部材を個別に移動するよう構成されてよい。例えば、第2駆動機構80Bは、額当てと顎受けとを個別に移動するよう構成されてよい。被検者の顔の大きさの違いに起因した検査時における被検眼Eの変位を最小限に抑えるために、顎受けのみY方向に移動可能であってよい。なお、前述したように、一般に、第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方が設けられる。
(ユーザインターフェイス部90)
ユーザインターフェイス部90は、情報の表示、情報の入力、操作指示の入力など、眼科装置1とそのユーザとの間で情報をやりとりするための機能を提供する。ユーザインターフェイス部90は、出力機能と入力機能とを提供する。出力機能を提供する構成の例として、フラットパネルディスプレイ等の表示装置や、音声出力装置や、印刷出力装置や、記録媒体への書き込みを行うデータライタなどがある。入力機能を提供する構成の例として、操作レバー、ボタン、キー、ポインティングデバイス、マイクロフォン、データライタなどがある。ユーザインターフェイス部90は、タッチパネルディスプレイのような出力機能と入力機能とが一体化されたデバイスを含んでよい。また、ユーザインターフェイス部90は、情報の入出力を行うためのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を含んでよい。
(データ処理部13)
データ処理部13は、取得された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。例えば、データ処理部13は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。前述のように、データ処理部13には、解析部131が設けられている。
(解析部)
解析部131は、2以上の前眼部カメラ60により実質的に同時に得られた2以上の撮影画像を解析することで、被検眼Eの特徴部位に相当する特徴位置を求める。この実施形態では、解析部131は、被検眼Eの瞳孔の中心に相当する特徴位置を求める。この実施形態では、求められた複数の特徴位置の統計値に基づいて光学ユニット20の移動目標位置が決定され、決定された移動目標位置に基づいて第1駆動機構80A等の制御が行われる。このような移動目標位置の決定処理を実行するための構成の一例として、解析部131には、特徴位置特定部1311と、補正部1312と、統計値算出部1313と、決定部1314とが設けられている。
(特徴位置特定部)
特徴位置特定部1311は、前眼部カメラ60により得られた各撮影画像を解析することで、前眼部Eaの所定の特徴部位に相当する当該撮影画像中の位置(特徴位置と呼ぶ)を特定する。所定の特徴部位としては、例えば被検眼Eの瞳孔の中心、角膜の中心、又は角膜頂点が用いられる。以下、被検眼Eの瞳孔の中心を特定する処理の具体例を説明する。
まず、特徴位置特定部1311は、撮影画像の画素値(輝度値など)の分布に基づいて、被検眼Eの瞳孔に相当する画像領域(瞳孔領域)を特定する。一般に瞳孔は他の部位よりも低い輝度で描画されるので、低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定することができる。このとき、瞳孔の形状を考慮して瞳孔領域を特定するようにしてもよい。つまり、略円形かつ低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定するように構成することができる。
次に、特徴位置特定部1311は、特定された瞳孔領域の中心位置を特定する。上記のように瞳孔は略円形であるので、瞳孔領域の輪郭を特定し、この輪郭(の近似円または近似楕円)の中心位置を特定し、これを瞳孔中心とすることができる。また、瞳孔領域の重心を求め、この重心位置を瞳孔中心としてもよい。
なお、他の特徴部位に対応する特徴位置を特定する場合であっても、上記と同様に撮影画像の画素値の分布に基づいて当該特徴位置を特定することが可能である。
特徴位置特定部1311は、2以上の前眼部カメラ60(又は測定光学系30に含まれる撮影光学系)により逐次に得られた撮影画像に対し特徴位置を逐次に特定することが可能である。また、特徴位置特定部1311は、2以上の前眼部カメラ60により逐次に得られた撮影画像に対し1以上の任意の数のフレームおきに特徴位置を特定してもよい。
また、特徴位置特定部1311は、2以上の前眼部カメラ60の位置と、特徴位置特定部1311により特定された2以上の撮影画像中の特徴部位に相当する2以上の位置とに基づいて特徴部位の3次元位置を特定することが可能である。この処理について図3及び図4を参照しつつ説明する。
図3は、被検眼Eと前眼部カメラ60A及び60Bとの間の位置関係を示す上面図である。図4は、被検眼Eと前眼部カメラ60A及び60Bとの間の位置関係を示す側面図である。図3及び図4において、2つの前眼部カメラ60A及び60Bの間の距離(基線長)を「B」で表し、2つの前眼部カメラ60A及び60Bの基線と、被検眼Eの特徴部位Pとの間の距離(撮影距離)を「H」で表す。また、各前眼部カメラ60A及び60Bと、その画面平面との間の距離(画面距離)を「f」で表す。
このような配置状態において、前眼部カメラ60A及び60Bによる撮影画像の分解能は次式で表される。ここで、Δpは画素分解能を表す。
XY方向の分解能(平面分解能):ΔXY=H×Δp/f
Z方向の分解能(奥行き分解能):ΔZ=H×H×Δp/(B×f)
特徴位置特定部1311は、2つの前眼部カメラ60A及び60Bの位置(既知である)と、2つの撮影画像において特徴部位Pに相当する位置とに対して、図3及び図4に示す配置関係を考慮した公知の三角法を適用することにより、特徴部位Pの3次元位置を特徴位置として算出することが可能である。
なお、特徴位置特定部1311の解析対象となる撮影画像は、事前に歪曲収差が補正されたものであってよい。この場合、記憶部12は、各前眼部カメラ60について、それに搭載された光学系の影響により撮影画像に発生する歪曲収差に関する情報をあらかじめ記憶する。撮影画像は、記憶部12に記憶された当該情報に基づいて歪曲収差が補正される。
(補正部)
補正部1312は、光学ユニット20の移動量に基づいて、特徴位置特定部1311により特定された特徴位置を補正する。この移動量は、例えば、制御部11による第1駆動機構80A又は第2駆動機構80Bに対する制御内容を表す情報から特定される。また、この移動量は、図示しない光学ユニット20の位置を検出するセンサーの検出結果を用いて光学ユニット20の移動量が特定されてもよい。
(統計値算出部)
統計値算出部1313は、前眼部カメラ60により実質的に同時に得られた2以上の撮影画像について、特徴位置特定部1311により特定されたタイミングの異なる2以上の特徴位置の分布の統計値を算出する。統計値算出部1313は、特徴位置特定部1311により特定された2以上の特徴位置に対して補正部1312により補正された2以上の特徴位置の分布の統計値を算出することが可能である。統計値には、移動平均や最頻値などがある。移動平均は、少なくとも直近の4つの特徴位置から算出されてよい。最頻値は、3以上の特徴位置から算出されてよい。以下の実施形態では、統計値算出部1313は、直近の4つの特徴位置から移動平均を算出するものとする。
(決定部)
決定部1314は、統計値算出部1313により算出された移動平均(統計値)に基づいて被検眼Eに対する光学ユニット20の移動目標位置を決定する。決定部1314は、統計値算出部1313により新たな移動平均が算出されたとき、当該新たな移動平均を用いて被検眼Eに対する光学ユニット20の新たな移動目標位置を決定することが可能である。
光学ユニット20が停止している状態で前眼部カメラ60により画像が取得される毎に各画像における被検眼の位置が移動している場合、各画像における特徴位置の座標値を平均化することにより、光学ユニット20を基準とする座標系における特徴位置の移動平均(平均座標位置)を得ることができる。これに対して、アライメントにより光学ユニット20が移動されると、その移動前後で座標系が異なるため特徴位置の相対座標を直接的に比較(例えば、平均化)することができなくなる。従って、光学ユニット20の移動後は既定の回数分(例えば、4回分)の座標値が得られるまで平均座標位置が得られなくなる。
決定部1314は、光学ユニット20の移動前後であっても次のように移動目標位置(移動目標平均位置)を決定することが可能である。
撮影タイミングT=tn(nは4以上の整数)において、特徴位置の座標が(x,y,z)であり、被検眼Eに対して光学ユニット20がX方向、Y方向及びZ方向にそれぞれmxn、myn、mznだけ移動した場合、決定部1314は、式(1)〜式(3)に示すように移動目標位置の座標(Axn,Ayn,Azn)を決定する。
Figure 0006877830
例えば、撮影タイミングT=t1〜t5(t1<t2<・・・<t5)では、決定部1314は、次のように移動目標位置を決定する。なお、撮影タイミングT=t1〜t3の間では、被検眼Eに対する光学ユニット20の移動量がゼロであるものとし、移動目標位置(Ax1,Ay1,Az1)、(Ax2,Ay2,Az2)、(Ax3,Ay3,Az3)は式(4)〜式(6)のように決定される。
Figure 0006877830
次に、撮影タイミングT=t3からT=t4の間に例えばZ方向にmz4だけ移動した場合、撮影タイミングT=t4では、決定部1314は、式(7)に示すように移動目標位置を決定する。
Figure 0006877830
続いて、撮影タイミングT=t4からT=t5の間に例えばX方向にmx4だけ移動し、Y方向にmy4だけ移動した場合、撮影タイミングT=t5では、決定部1314は、式(8)に示すように移動目標位置を決定する。
Figure 0006877830
その後、決定部1314は、各撮影タイミングにおいて新たな統計値が算出されるごとに、式(1)〜式(3)と同様に光学ユニット20の移動量を逐次に加味しつつ、光学ユニット20の移動目標位置を決定する。
決定部1314により決定された移動目標位置は、制御部11に送られる。制御部11は、決定された移動目標位置に基づいて、測定光学系30の光軸のX方向及びY方向の位置が移動目標位置のX方向及びY方向の位置と一致し、かつ、Z方向の距離が所定の作動距離になるように第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御する。ここで、作動距離とは、ワーキングディスタンスとも呼ばれる既定値であり、検査用光学系を用いた検査時における被検眼Eと測定光学系30との間の距離を意味する。
以上のように機能するデータ処理部13は、例えば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
光学ユニット20(測定光学系30)は、実施形態に係る「データ取得部」の一例である。前眼部カメラ60(60A、60B)は、実施形態に係る「撮影部」の一例である。特徴位置特定部1311は、実施形態に係る「特定部」の一例である。統計値算出部1313は、実施形態に係る「算出部」の一例である。顔支持部70は、実施形態に係る「支持部」の一例である。第1駆動機構80A、第2駆動機構80Bは、実施形態に係る「駆動部」の一例である。ユーザインターフェイス部90は、実施形態に係る「操作部」の一例である。ユーザインターフェイス部90は、実施形態に係る「表示手段」の一例である。
[動作]
眼科装置1の動作について説明する。
〔第1動作例〕
図5及び図6に、眼科装置1の第1動作例のフロー図を示す。
(S1)
ユーザによりユーザインターフェイス部90に対して測定開始の指示操作が行われると、眼科装置1はオートアライメントを開始する。オートアライメントの開始指示は、制御部11により自動で行われてもよい。
(S2)
オートアライメントの開始指示がなされると、制御部11は前眼部カメラ60A及び60Bによる前眼部Eaの撮影をそれぞれ開始させる。この撮影は、前眼部Eaを撮影対象とする動画撮影である。各前眼部カメラ60A及び60Bは所定のフレームレートで動画撮影を行う。ここで、前眼部カメラ60A及び60Bによる撮影タイミングが制御部11によって同期されていてもよい。各前眼部カメラ60A及び60Bは、取得されたフレームをリアルタイムで順次に制御部11に送る。制御部11は、双方の前眼部カメラ60A及び60Bにより得られたフレームを、撮影タイミングに応じて対応付ける。つまり、制御部11は、双方の前眼部カメラ60A及び60Bにより実質的に同時に取得されたフレーム同士を対応付ける。この対応付けは、例えば、上記の同期制御に基づいて、または、前眼部カメラ60A及び60Bからのフレームの入力タイミングに基づいて実行される。制御部11は、対応付けられた一対のフレームを解析部131に送る。
(S3)
解析部131は、各フレームを解析する。すなわち、特徴位置特定部1311は、各フレームを解析してS2において取得された前眼部像中の前眼部Eaの瞳孔に相当する瞳孔領域を特定するための処理を実行する。
(S4)
制御部11は、特徴位置特定部1311により特徴領域が検出されたか否かを判定する。例えば、制御部11は、フレーム内の輝度差が小さいため特徴位置特定部1311により瞳孔領域の検出が不可能であると判断されるとき、特徴位置特定部1311により特徴領域が検出されなかったと判定する。S3において、前眼部カメラ60A及び60Bにより取得された一対のフレームのうち少なくとも1つにおいて瞳孔領域が検出されなかったとき(S4:N)、眼科装置1の動作はS5に移行する。S3において、前眼部カメラ60A及び60Bにより取得された双方のフレームにおいて瞳孔領域が検出されたとき(S4:Y)、眼科装置1の動作はS6に移行する。
(S5)
S3において、前眼部カメラ60A及び60Bにより取得された一対のフレームのうち少なくとも1つにおいて瞳孔領域が検出されなかったとき(S4:N)、眼科装置1では、マニュアルアライメントが行われる。制御部11は、S2において取得された前眼部像において瞳孔領域が検出されなかったことを示す情報をユーザインターフェイス部90に表示させる。また、制御部11は、第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御することにより、前眼部カメラ60により前眼部Eaの瞳孔を撮影できるように光学ユニット20と被検眼Eとを相対移動させる。
続いて、制御部11は、ユーザインターフェイス部90に対するユーザの操作内容に対応して第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御することにより光学ユニット20と被検眼Eとを相対的に移動させる。この場合、ユーザは、表示された観察画像を参照しつつユーザインターフェイス部90を用いてマニュアルアライメントを実行する。ユーザは、観察画像内に瞳孔の像が映りこむようにユーザインターフェイス部90に対して操作することにより光学ユニット20を被検眼Eに対し相対移動させる。その後、眼科装置1の動作はS1に移行する。
(S6)
S3において、前眼部カメラ60A及び60Bにより取得された双方のフレームにおいて瞳孔領域が検出されたとき(S4:Y)、制御部11は、瞳孔領域における瞳孔中心を特徴位置特定部1311に特定させる。
(S7)
制御部11は、前回の瞳孔中心の特定時における光学ユニット20の位置から当該光学ユニット20が移動されたか否かを判定する。制御部11は、第1駆動機構80A又は第2駆動機構80Bに対する制御内容から光学ユニット20が移動されたか否かを判定することができる。また、制御部11は、図示しない光学ユニット20の位置を検出するセンサーの検出結果を用いて光学ユニット20が移動されたか否かを判定するようにしてもよい。
光学ユニット20が移動されたと判定されたとき(S7:Y)、眼科装置1の動作はS8に移行する。光学ユニット20が移動されていないと判定されたとき(S7:N)、眼科装置1の動作はS9に移行する。
(S8)
S7において光学ユニット20が移動されたと判定されたとき(S7:Y)、制御部11は、前回の瞳孔中心の特定時における光学ユニット20の位置からの当該光学ユニット20の移動量に基づいて、式(1)〜式(3)に示すように、S6において特定された瞳孔中心の位置を補正部1312に補正させる。
(S9)
S8に続いて、又はS7において光学ユニット20が移動されなかったと判定されたとき(S7:N)、制御部11は、新たに前眼部像を取得するか否かを判定する。例えば、直近の4回分の特徴位置の特定結果が得られていないとき、制御部11は、新たに前眼部像を取得すると判定する。既に、直近の4回分の特徴位置の特定結果が得られているとき、制御部11は、新たに前眼部像を取得しないと判定する。
新たに前眼部像を取得すると判定されたとき(S9:Y)、眼科装置1の動作はS2に移行する。新たに前眼部像を取得しないと判定されたとき(S9:N)、眼科装置1の動作はS10に移行する。
(S10)
S9において新たに前眼部像を取得しないと判定されたとき(S9:N)、制御部11は、直近の4つの瞳孔中心の位置に基づいて、式(1)〜式(3)に示すように瞳孔中心の位置の移動平均(統計値)を統計値算出部1313に算出させる。
なお、直近の瞳孔中心の位置の数が1〜3個である場合、統計値算出部1313は、式(4)〜式(6)に示すように瞳孔中心の位置の移動平均を算出することが可能である。
(S11)
制御部11は、S10において算出された移動平均が所定のアライメント基準位置を基準としたアライメント完了範囲内にあるか否かを判定する。S10において算出された移動平均がアライメント完了範囲内にあると判定されたとき(S11:Y)、眼科装置1の動作はS12に移行する。S10において算出された移動平均が所定のアライメント完了範囲内にないと判定されたとき(S11:N)、眼科装置1の動作はS13に移行する。
(S12)
S11において、算出された移動平均がアライメント完了範囲内にあると判定されたとき(S11:Y)、制御部11は、測定光学系30を制御することにより被検眼Eの特性の測定データを取得する。以上で、眼科装置1の動作は終了である(エンド)。
(S13)
S11において、算出された移動平均がアライメント完了範囲内にないと判定されたとき(S11:N)、制御部11は、S10において算出された瞳孔中心の位置の移動平均を移動目標位置として決定部1314に決定させる。
なお、直近の瞳孔中心の位置の数が1〜3個である場合、決定部1314は、式(4)〜式(6)に示すように統計値算出部1313により算出された瞳孔中心の位置の移動平均を移動目標位置として決定することが可能である。
(S14)
制御部11は、S13において決定された移動目標位置に基づいて第1駆動機構80Aを制御することにより、光学ユニット20と被検眼Eとを相対移動させる。
(S15)
続いて、制御部11は、光学ユニット20の移動量を記憶部12に保存する。眼科装置1の動作はS2に移行する。
〔第2動作例〕
マニュアルアライメントを行う場合に、前眼部カメラ60により得られた前眼部像に、決定部1314により決定された移動目標位置を表す画像を重畳させてユーザインターフェイス部90に表示させることが可能である。
図7に、実施形態に係る第2動作例において表示される画像の一例を示す。
制御部11は、前眼部カメラ60により得られた前眼部像に移動目標位置を表す画像が重畳された表示画像IMGをユーザインターフェイス部90に表示させる。前眼部像には、被検眼Eの虹彩に相当する虹彩領域PCと瞳孔に相当する瞳孔領域PUが描出される。移動目標位置を表す画像PAは、上記のように複数の特徴位置の統計値(移動平均、最頻値など)に基づいて特定された位置に描出される。画像IMGには、測定光学系30の光軸に相当する位置にアライメント基準位置を表す矩形画像TGが描出される。
制御部11は、ユーザインターフェイス部90に対するユーザの操作内容に応じて第1駆動機構80A及び第2駆動機構80Bの少なくとも一方を制御することにより光学ユニット20と被検眼Eとを相対移動させる。例えば、制御部11は、図7に示す矩形画像TGの中心に対する移動目標位置を表す画像PAのずれ量が所定の閾値以下であるとき、マニュアルアライメントが完了したと判定する。
以上説明したように、実施形態によれば、前眼部カメラにより被検眼の前眼部を繰り返し撮影し、得られた撮影画像それぞれから瞳孔中心の位置を特定し、特定された複数の瞳孔中心の位置の移動平均に基づいてアライメントを行うようにしたので、被検眼Eの動きに対して光学ユニット20(測定光学系30)の移動目標位置の動きを抑制することが可能になる。それにより、固視微動や眼振などの眼球運動が生じる被検眼Eに対して光学ユニット20の位置合わせを適正に行うことが可能になる。
なお、上記の実施形態では、複数の瞳孔中心の位置の移動平均に基づいてアライメントを行う場合について説明したが、所定期間内で得られた3以上の瞳孔中心の位置の最頻値に基づいてアライメントを行ってもよい。すなわち、実施形態に係る眼科装置は、前眼部カメラ60により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、特定された複数の特徴位置の最頻値に基づいて移動目標位置を決定してもよい。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置の作用及び効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置(1)は、データ取得部(光学ユニット20、測定光学系30)と、撮影部(前眼部カメラ60(60A、60B))と、特定部(特徴位置特定部1311)と、算出部(統計値算出部1313)と、決定部(1314)とを含む。データ取得部は、被検眼(E)のデータを取得するために用いられる。撮影部は、被検眼を繰り返し撮影する。特定部は、撮影部により得られた撮影画像(前眼部像)に基づいて被検眼の特徴位置を特定する。算出部は、撮影部により得られた2以上の撮影画像について特定部により特定された2以上の特徴位置の分布の統計値を算出する。決定部は、算出部により算出された統計値に基づいて被検眼に対するデータ取得部の移動目標位置を決定する。
このような構成によれば、繰り返し行われた撮影により得られた2以上の撮影画像から特定された2以上の特徴位置の統計値に基づいて被検眼に対するデータ取得部の移動目標位置を決定するようにしたので、被検眼の動きに対してデータ取得部の移動目標位置の動きを抑制することが可能になる。それにより、被検眼に対してデータ取得部を相対移動させる場合、固視微動や眼振などの眼球運動が生じる被検眼に対してデータ取得部の位置合わせを適正に行うことが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、データ取得部の移動量に基づいて、特定部により特定された特徴位置を補正する補正部(1312)を含み、算出部は、補正部により補正された2以上の特徴位置の分布の統計値を算出してもよい。
このような構成によれば、データ取得部の移動量を反映した移動目標位置を決定するため、被検眼に対してデータ取得部を移動している間であっても被検眼の動きに対して移動目標位置の動きを抑制することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、決定部は、算出部により新たな統計値が算出されたとき、新たな統計値を用いて被検眼に対するデータ取得部の新たな移動目標位置を決定してもよい。
このような構成によれば、従来技術に比べてアライメントが完了するまでの時間を短縮したり、アライメント精度をより一層向上させたりすることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、被検者の顔を支持する支持部(顔支持部70)と、データ取得部と支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部(第1駆動機構80A、第2駆動機構80B)と、移動目標位置に基づいて駆動部を制御することで、データ取得部と支持部とを相対移動させる制御部(11)と、を含んでもよい。
このような構成によれば、固視不良等が生じている被検眼に対して自動で位置合わせを行うことが可能な眼科装置を提供することができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、撮影部は、被検眼を異なる方向から撮影する2以上の撮影装置(前眼部カメラ60)を含み、特定部は、2以上の撮影画像における被検眼の特徴部位に相当する2以上の位置に基づいて特徴位置を特定してもよい。
このような構成によれば、2以上の撮影装置により得られた2以上の撮影画像から特定された特徴位置に基づいて移動目標位置を決定するようにしたので、被検眼とデータ取得部との間の距離が長い場合でも、固視不良等が生じる被検眼に対して移動目標位置の動きを抑制することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、操作部(ユーザインターフェイス部90)と、被検者の顔を支持する支持部(顔支持部70)と、データ取得部と支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部(第1駆動機構80A、第2駆動機構80B)と、撮影部により得られた被検眼の画像に移動目標位置を表す画像を表示手段(ユーザインターフェイス部90)に重畳表示させ、操作部を用いた操作に応じて駆動部を制御してデータ取得部と支持部とを相対移動させる制御部(11)と、を含んでもよい。
このような構成によれば、固視不良等が生じている被検眼に対して手動で位置合わせを行うことが可能な眼科装置を提供することができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、上記の構成において、撮影部は、被検眼を異なる方向から撮影する2以上の撮影装置(前眼部カメラ60)を含み、特定部は、2以上の撮影画像における被検眼の特徴部位に相当する2以上の位置に基づいて特徴位置を特定してもよい。
このような構成によれば、被検眼とデータ取得部との間の距離が長い場合でも、固視不良等が生じている被検眼に対して手動で位置合わせを行うことが可能な眼科装置を提供することができる。
また、実施形態に係る眼科装置では、特定部は、撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、算出部は、特定部により特定された複数の特徴位置の移動平均を求め、決定部は、移動平均に基づいて移動目標位置を決定してもよい。
このような構成によれば、固視微動や眼振などの眼球運動が生じる被検眼に対してデータ取得部の位置合わせを適正に行うことが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、特定部は、撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、算出部は、特定部により特定された複数の特徴位置の最頻値を求め、決定部は、最頻値に基づいて移動目標位置を決定してもよい。
このような構成によれば、固視微動や眼振などの眼球運動が生じる被検眼に対してデータ取得部の位置合わせを適正に行うことが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、特徴位置は、被検眼の瞳孔の中心、角膜の中心、又は角膜頂点に相当する位置であってよい。
このような構成によれば、簡素な処理で特徴位置を特定し、固視微動や眼振などの眼球運動が生じる被検眼に対してデータ取得部の位置合わせを適正に行うことが可能になる。
上記の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、例えば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
1 眼科装置
10 プロセッサ
11 制御部
12 記憶部
13 データ処理部
20 光学ユニット
30 測定光学系
40 対物レンズ
60 前眼部カメラ
70 顔支持部
80A 第1駆動機構
80B 第2駆動機構
90 ユーザインターフェイス部
131 解析部
1311 特徴位置特定部
1312 補正部
1313 統計値算出部
1314 決定部
E 被検眼
Ea 前眼部

Claims (9)

  1. 被検眼に対して移動可能であり、前記被検眼のデータを取得するためのデータ取得部と、
    前記被検眼を繰り返し撮影する撮影部と、
    前記撮影部により得られた撮影画像に基づいて前記被検眼の特徴位置を特定する特定部と、
    前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた2以上の前記撮影画像について前記特定部により特定された2以上の前記特徴位置の分布の統計値を算出する算出部と、
    前記算出部により算出された前記統計値に基づいて前記被検眼に対する前記データ取得部の移動目標位置を決定する決定部と、
    を含み、
    前記算出部は、前記データ取得部の移動後に特定された直近の特徴位置の数が所定の数未満のとき、当該直近の特徴位置に基づいて前記統計値を算出し、前記データ取得部の移動後に特定された直近の特徴位置の数が所定の数以上のとき、直近の前記所定の数の特徴位置に基づいて前記統計値を算出する、眼科装置。
  2. 前記データ取得部の移動量に基づいて、前記特定部により特定された前記特徴位置を補正する補正部を含み、
    前記算出部は、前記補正部により補正された前記2以上の特徴位置の分布の統計値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記決定部は、前記算出部により新たな統計値が算出されたとき、前記新たな統計値を用いて前記被検眼に対する前記データ取得部の新たな移動目標位置を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  4. 被検者の顔を支持する支持部と、
    前記データ取得部と前記支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部と、
    前記移動目標位置に基づいて前記駆動部を制御することで、前記データ取得部と前記支持部とを相対移動させる制御部と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 操作部と、
    被検者の顔を支持する支持部と、
    前記データ取得部と前記支持部とを相対的に、かつ、3次元的に移動する駆動部と、
    前記撮影部により得られた前記被検眼の画像に前記移動目標位置を表す画像を表示手段に重畳表示させ、前記操作部に対する操作内容に応じて前記駆動部を制御して前記データ取得部と前記支持部とを相対移動させる制御部と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  6. 前記特定部は、前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、
    前記算出部は、前記特定部により特定された複数の特徴位置の移動平均を求め、
    前記決定部は、前記移動平均に基づいて前記移動目標位置を決定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 前記特定部は、前記撮影部により互いに異なる撮影タイミングで得られた複数の撮影画像それぞれの特徴位置を特定し、
    前記算出部は、前記特定部により特定された前記複数の撮影画像における複数の特徴位置の最頻値を求め、
    前記決定部は、前記最頻値に基づいて前記移動目標位置を決定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  8. 前記特徴位置は、前記被検眼の瞳孔の中心、角膜の中心、又は角膜頂点に相当する位置である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の眼科装置。
  9. 前記撮影部により得られた撮影画像に、前記決定部により決定された前記移動目標位置を表す画像を重畳させて表示手段に表示させる手段を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の眼科装置。
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