JP6874766B2 - 波源方向推定装置、波源方向推定システム、波源方向推定方法および波源方向推定プログラム - Google Patents

波源方向推定装置、波源方向推定システム、波源方向推定方法および波源方向推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、波源方向推定装置、波源方向推定システム、波源方向推定方法および波源方向推定プログラムに関する。
上記技術分野において、非特許文献1には、2つ以上のマイクロフォンの受音信号を用いて複数の相互相関関数を求めてから音源(音波の発生源、発生場所)の方向を推定する技術が記載されている。具体的には、全てのマイクロフォンの組み合わせに対して、受音信号間の相互相関関数をそれぞれ求め、各組み合わせに対応する相互相関関数を総和して一つの相互相関関数を計算する。そして、総和により得られた相互相関関数が最大値を与える時間差を音波の到来時間差として算出することで、音波の到来方向を推定する。
2001年、「マイクロホン・アレイズ」、第8章、シュプリンガー、ベルリン ハイデルベルグ ニューヨーク(CH.5, MICROPHONE ARRAYS, SPRINGER, BERLIN HEIDELBERG NEW YORK, 2001.) 古井、「新音響・音声工学」、近代科学社、2006年
しかしながら、上記文献に記載の技術では、周囲のノイズレベルが高い環境の場合には、波源の方向を高精度に推定することができなかった。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る波源方向推定装置は、
波源で発生した信号を入力信号として取得する複数の入力信号取得手段と、
前記入力信号取得手段で取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
を備えた。
上記目的を達成するため、本発明に係る波源方向推定システムは、
波源で発生した信号を入力信号として取得する複数の入力信号取得手段と、
複数の前記入力信号取得手段で取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
前記推定方向情報を表示する表示手段と、
を備えた。
上記目的を達成するため、本発明に係る波源方向推定方法は、
波源で発生した信号を入力信号として取得する入力信号取得ステップと、
前記入力信号取得ステップで取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算ステップと、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出ステップと、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算ステップと、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成ステップと、
を含む。
上記目的を達成するため、本発明に係る波源方向推定プログラムは、
波源で発生した信号を入力信号として取得する入力信号取得ステップと、
前記入力信号取得ステップで取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算ステップと、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出ステップと、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算ステップと、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成ステップと、
をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、周囲のノイズレベルが高い環境の場合であっても、波源の方向を高精度に推定することができる。
本発明の第1実施形態に係る波源方向推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る波源方向推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る波源方向推定装置の備える計算法選択テーブルの構成の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る波源方向推定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る波源方向推定装置の処理手順を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る波源方向推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る波源方向推定装置の処理手順を説明するフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムの表示部で可視化した画像の一例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムの表示部で可視化した画像の他の例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムにおいて低域成分を除去した相互相関関数および包絡関数の表示例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムにおいて一定間隔で離散化された相互相関関数の表示例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムにおいて離散化された包絡関数の表示例を示す図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下の説明中における「音声信号」とは、音声その他の音響に従って生ずる直接的の電気的変化であって、音声その他の音響を伝送するためのものをいい、音声に限定されない。
また、以下の実施形態に係る波源方向推定装置の推定対象は、空気や水の振動波である音波の発生源に限定されない。地震や地滑りなどの土や固体を媒質とする振動波の発生源にも適用できる。その場合、振動波を電気信号に変換する装置には、マイクロフォンではなく振動センサが用いられる。さらに、気体・液体・固体の振動波だけでなく、電波を用いて方向を推定する場合にも以下の実施形態に係る波源方向推定装置を適用できる。その場合、電波を電気信号に変換する装置にはアンテナが用いられる。以下の実施形態においては、波源は音源と仮定して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての波源方向推定装置100について、図1を用いて説明する。波源方向推定装置100は、取得した信号に基づいて、波源位置の方向を推定する装置である。
図1に示すように、波源方向推定装置100は、入力信号取得部101と、相互相関関数計算部102と、包絡関数抽出部103と、統合包絡関数計算部104と、推定方向情報生成部105とを含む。
複数の入力信号取得部101は、波源で発生した信号を入力信号として取得する。相互相関関数計算部102は、複数の入力信号取得部101で取得した入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する。包絡関数抽出部103は、計算した相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する。統合包絡関数計算部104は、抽出した包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する。推定方向情報生成部105は、計算した統合包絡関数に基づいて、波源の推定方向情報を生成する。
本実施形態によれば、周囲のノイズレベルが高い環境の場合であっても、波源の方向を高精度に推定することができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る波源方向推定装置について、図2乃至図5を用いて説明する。
<前提技術>
上記非特許文献1および非特許文献2に記載の技術では、屋外などの周囲騒音レベルが高い環境において、遠方に存在する音源の方向を高精度に推定することが困難であった。例えば、推定対象の音源(目標音源)が、マイクロフォンから遠く離れた場所に存在する場合、目標音源から放射される音の音量は、マイクロフォンに到達する時点で大幅に小さくなる。このため、目標音源の音が周囲環境雑音に埋もれて、目標音源の方向推定精度が低下することがあった。
<本実施形態の技術>
図2は、本実施形態に係る波源方向推定装置200の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態の波源方向推定装置200は、例えば、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコン、パッシブソーナーなどといった装置の一部として機能する。また、不審ドローン検知、悲鳴検知、車両事故検知などの声や音に基づいて異常を検知する異常音検知装置にも搭載される。しかし、本実施形態に係る波源方向推定装置200の適用例はこれらに限定されるものではなく、受信音から目標音源の方向推定を要求されるあらゆる波源方向推定装置に適用可能である。
波源方向推定装置200は、相互相関関数計算部201と、包絡関数抽出部202と、統合包絡関数計算部203と、推定方向情報生成部204と、相対遅延時間計算部206とを備える。
入力端子201〜20Mには、目標音源の音と集音装置であるマイクロフォン(以下、マイク)の周囲で生じる様々な雑音が混在した音とがデジタル信号(サンプル値系列)として入力される。入力端子201〜20Mに入力された音信号を本実施形態では入力信号と呼ぶ。そして、時刻tにおける入力端子20a(ただし、a=m1,・・・,mM)の入力信号をxa(t)と表す。
入力端子に入力される音は、集音装置であるマイクで集音される。入力端子は複数存在するので、目標音源の音を集音する場合には、端子数と同じM個のマイクが同時に使用される。本実施形態では、入力端子とマイクとは一対一に対応しており、a番目のマイクが集音した音は、a番目の入力端子に供給されると仮定する。したがって、a番目の入力端子に供給された入力信号のことを「a番目のマイクの入力信号」とも呼ぶ。
波源方向推定装置200への入力音を集音するM個のマイクは、様々なレイアウトで配置される。最も基本的な配置は、一直線上に一列に並ぶ配置である。また、平面上に円状や格子状に配置する場合や、不規則な間隔でランダムに配置することもある。その他には、正多面体の頂点や球体上に配置することもある。入力端子に供給される入力信号は、このように配置されたマイクで集音された音であると仮定する。
波源方向推定装置200は、目標音源の音が複数のマイクに到達する時間差を利用して音源の方向を推定する。このため、マイク間隔も重要な情報となるので、波源方向推定装置200には、入力信号だけでなく、マイク位置情報も供給される。
入力端子がM個存在する場合、相互相関関数計算部201には、M種類の入力信号xa(t)が入力される。ただし、aは入力端子番号である。相互相関関数計算部201は、入力端子から供給された入力信号から、適当な長さの波形を、一定の周期でずらしながら切り出す。こうして切り出した信号区間をフレーム、切り出した波形の長さをフレーム長、フレームをずらす周期をフレーム周期と呼ぶ。そして、相互相関関数計算部201は、切り出された信号の相互相関関数を計算する。このような切り出しは、全ての入力信号を対象に実施される。n番目のフレームの時刻をtnとすると、入力端子m1の入力信号xm1(t)と、入力端子m2の入力信号xm2(t)との相互相関関数ym1m2(τ,n)は、次の式で計算される。
Figure 0006874766
ただし、τはラグサンプル、Tはフレーム長を表す。
相互相関関数計算部201は、入力信号の全ての組み合わせに対して相互相関関数を計算する。したがって、入力端子がM個存在する場合、相互相関関数の種類数はM(M−1)/2になる。例えば入力端子が8個の場合、28種類の相互相関関数を計算する。計算量を削減する目的で、一部の組み合わせだけに対して相互相関関数を求めることも可能であるが、音源方向の推定精度が低下する。
包絡関数抽出部202は、相互相関関数計算部201から供給された相互相関関数の包絡(包絡関数)を抽出する。包絡の抽出は、全ての相互相関関数に対して独立に実施される。
包絡とは、相互相関関数を波形と捉えた場合に、その波形から高周波数成分が除去されたものである。つまり、関数値の急激な時間変化が除去された、緩やかな形状を有する関数を「相関関数の包絡」と定義する。したがって、定数倍や単純な線形変換では、包絡を得ることはできない。
最も単純な包絡抽出方法としては、相互相関関数の絶対値をラグサンプル軸方向に移動平均する方法が挙げられる。しかし移動平均では、相関関数のピークと非ピークとの差が大幅に小さくなるので、相関関数のピーク位置に基づいて方向推定を行う本実施形態の方法では有効性は低くなる。したがって、ピークと非ピークとの差は小さくならずに、関数の形状変化が緩やかになることが、包絡の抽出では望ましい。
以上の条件を考慮して、本実施形態では、包絡の抽出にヒルベルト変換を用いた例を説明する。まず、相互相関関数ym1m2(τ,n)のフーリエ変換を計算する。求めたフーリエ変換をYm1m2(k,n)(ただし、kは周波数ビン番号、k=0,1,・・・,K−1)とすると、以下の写像変換を行う。
Figure 0006874766
そして、写像関数Zm1m2(k,n)の逆フーリエ変換の複素数の絶対値を取って得られた関数zm1m2(τ,n)が、相互相関関数ym1m2(τ,n)の包絡関数となる。
他には、非特許文献2に記載されているケプストラム変換や、線型予測分析を用いた方法でも包絡を抽出できる。これらの方法は、音声信号処理の分野において、音声信号のパワースペクトルからスペクトルの包絡成分を抽出する際に用いられている。ヒルベルト変換と比較すると、計算量は多くなるものの、包絡を高精度に抽出することが可能である。
相対遅延時間計算部206は、入力されたマイク位置情報と音源探索対象方向とから、2つのマイクペア間の相対遅延時間を求める。相対遅延時間とは、マイク間隔と音源方向とに基づいて一意に定まる音波の到達時間差のことである。音速をcと仮定し、ある2つのマイクの間隔をd、音源方向、つまり音の到来方向をθとした場合、音波の到達時間差である相対遅延時間τは次の式で計算される。
Figure 0006874766
相対遅延時間計算部206では、全ての方向とマイクペアに対して、上記のτを計算する。
音源探索方向が1軸である場合、例えば垂直方向を無視して水平方向だけを対象とする場合は、方向パラメータは一次元である。一方、2軸である場合、つまり水平方向と垂直方向との両方の角度を用いて音源方向を推定する場合、方向パラメータは二次元となる。本実施形態では、方向パラメータが2次元の場合について説明する。また、水平方向の角度を方位角、垂直方向の角度を仰角と呼ぶこととする。
音源方向推定では、探索範囲にある全ての方向に対して、包絡関数を統合したものである統合包絡関数を計算する。そこで、相対遅延時間計算部206では、各マイクペアに対して、全ての方向に対応する相対遅延時間を計算する。例えば、水平方向の探索範囲が10度刻みで0度から90度まで、つまり0度、10度、20度、・・・90度であり、垂直方向の探索範囲が10度刻みで0度から60度まで、つまり0度、10度、20度、・・・60度である場合を考える。この場合、相対遅延時間計算部206は、ある特定のマイクペアに対して70種類の相対遅延時間を計算する。これを全てのマイクペアに対して計算するので、マイク数がM個の場合、相対遅延時間は合計で70・M(M−1)/2種類計算される。
相対遅延時間計算部206に入力されるマイク位置情報は、相対遅延時間の計算に用いるマイク間隔を得るために必要となる。したがって、マイク位置情報は、全てのマイクペアに対するマイク間隔(相対的な位置関係)の場合もあれば、マイク位置座標(絶対的な位置関係)の場合もある。本実施形態では、マイクが3次元空間上に配置されていると仮定し、マイク位置情報が3次元座標である場合について説明する。
相対遅延時間の計算方法は次の通りである。まず、三次元空間におけるマイク位置座標p 、音源方向を表す単位ベクトルである信号伝搬ベクトルu(θ、Φ)をそれぞれ次のように定義する。
Figure 0006874766
ただし、θは方位角、Φは仰角を表す。また、Aは、行列Aの転置行列を表す。このとき、マイクm1とマイクm2との組み合わせに対する相対遅延時間τm1m2(θ、Φ)は、次のように与えられる。
Figure 0006874766
ただし、cは音速である。式(5)で得られる相対遅延時間は実数なので、統合包絡関数計算部203には整数化した相対遅延時間τm1m2(θ、Φ)が供給される。
統合包絡関数計算部203は、相対遅延時間計算部206から供給された相対遅延時間を用いて、包絡関数抽出部202から供給された包絡関数を統合して、一つの統合包絡関数を算出する。統合包絡関数は、複数の包絡関数を混合したり、重ね合わせることにより生成される。相対遅延時間計算部206から供給された、方位角θと仰角Φとに対する相対遅延時間τm1m2(θ、Φ)に基づいて、全てのマイクペアに対する包絡関数hm1m2(τ、n)を重ね合わせて、方位角θと仰角Φとに対する統合包絡関数求める。包絡関数抽出部202から供給された包絡関数を zm1m2(τ、n)とすると、統合包絡関数 Hn(τ、n)は次式で計算される。
Figure 0006874766
すなわち、和による重ね合わせ、つまり各包絡関数の総和を統合包絡関数とする。また、総和では無く総乗を用いてもよい。その場合、統合包絡関数は次のように計算される。
Figure 0006874766
この他にも、包絡関数を個別に定数倍してから総和を求める重み付け和や、包絡関数の指数や対数を求めてから総和や総乗を計算する方法も同様に用いることが可能である。
そして、推定方向情報生成部204は、算出された統合包絡関数を推定方向情報として出力する。各方向(方位角と仰角との組み合わせ)に対して関数値が定まるので、基本的に関数値が高ければ、その方向に音源が存在する可能性が高いと判断できる。
このような推定方向情報は、様々な形で利用される。例えば、関数が複数のピークを有する場合には、各ピークを到来方向とする音源が複数存在すると考えられる。したがって、各音源の方向を同時に推定できるだけでなく、音源数の推定にも用いることが可能である。
また、関数のピークと非ピークとの差分に基づき、音源の存在可能性を判定することも可能である。もし、ピークと非ピークとの差分が大きければ音源の存在可能性が高いと判定できる。同時に、推定方向の信頼性も高いと判断できる。もし、音源数が1つと事前に仮定できる場合には、関数値が最大となる方向を推定方向情報として出力してもよい。この場合、推定方向情報は、統合包絡関数では無く、方向そのものとなる。
図3は、本実施形態に係る波源方向推定装置200の備える計算法選択テーブルの構成の一例を示す図である。計算法選択テーブル301は、計算対象311に関連付けて計算法312を記憶する。例えば、包絡関数抽出法が計算対象の場合、ヒルベルト変換やケプストラム変換、線型予測分析などの計算法があり、波源方向推定装置200は、計算法選択テーブル301を参照して計算法を選択してもよい。
図4は、本実施形態に係る波源方向推定装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)410は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図2の波源方向推定装置200の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)420は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。また、通信制御部430は、ネットワークを介してその他の装置などと通信する。なお、CPU410は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、通信制御部430は、CPU410とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)440の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM440とストレージ450との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、入出力インタフェース460は、CPU410とは独立したCPUを有して、RAM440の領域に入出力データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。したがって、CPU410は、RAM440にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU410は、処理結果をRAM440に準備し、後の送信あるいは転送は通信制御部430やDMAC、あるいは入出力インタフェース460に任せる。
RAM440は、CPU410が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM440には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。入力信号データ441は、マイクなどの集音装置で集音した音信号データや入力信号取得装置などに入力され、取得された信号データなどである。
相互相関関数データ442は、相互相関関数計算部201で計算した相互相関関数に関するデータである。包絡関数データ443は、包絡関数抽出部202で抽出した包絡関数に関するデータである。統合包絡関数データ444は、統合包絡関数計算部203で計算した統合包絡関数に関するデータである。推定方向情報データ445は、推定方向情報生成部204で生成した推定方向情報に関するデータである。計算法446は、例えば、包絡関数の抽出法に関するデータであり、図3に示した計算法選択テーブル301から展開されたデータである。
入出力データ447は、入出力インタフェース460を介して入出力されるデータである。送受信データ448は、通信制御部430を介して送受信されるデータである。また、RAM440は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域449を有する。
ストレージ450には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ450は、計算法選択テーブル301を格納する。計算法選択テーブル301は、図3に示した、計算対象と計算法との関係を管理するテーブルである。
ストレージ450は、さらに、入力信号取得モジュール451と、相互相関関数計算モジュール452と、包絡関数抽出モジュール453と、統合包絡関数計算モジュール454とを格納する。また、ストレージ450は、推定方向情報生成モジュール455と、相対遅延時間計算モジュール456とを格納する。
入力信号取得モジュール451は、入力信号を取得するモジュールである。相互相関関数計算モジュール452は、入力信号に基づいて相互相関関数を計算するモジュールである。包絡関数抽出モジュール453は、相互相関関数に基づいて包絡関数を抽出するモジュールである。統合包絡関数計算モジュール454は、包絡関数を統合して統合包絡関数を計算するモジュールである。推定方向情報生成モジュール455は、統合包絡関数に基づいて波源の推定方向情報を生成するモジュールである。相対遅延時間計算モジュール456は、相対遅延時間を計算するモジュールである。これらのモジュール451〜456は、CPU410によりRAM440のアプリケーション実行領域449に読み出され、実行される。制御プログラム457は、波源方向推定装置200の全体を制御するためのプログラムである。
入出力インタフェース460は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース460には、表示部461、操作部462、が接続される。また、入出力インタフェース460には、さらに、記憶媒体464が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ463や、音声入力部であるマイク、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、図4に示したRAM440やストレージ450には、波源方向推定装置200が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
図5は、本実施形態に係る波源方向推定装置200の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図4のCPU410がRAM440を使用して実行し、図2の波源方向推定装置200の機能構成部を実現する。
ステップS501において、波源方向推定装置200は、入力信号を取得する。ステップS503において、波源方向推定装置200は、取得した入力信号に基づいて相互相関関数を計算する。ステップS505において、波源方向推定装置200は、計算した相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する。ステップS507において、波源方向推定装置200は、相対遅延時間を計算する。ステップS509において、波源方向推定装置200は、計算した相対遅延時間を用いて統合包絡関数を計算する。ステップS511において、計算した統合包絡関数に基づいて、方向推定情報を生成する。
本実施形態によれば、入力信号に含まれる目標音の到来方向、すなわち目標物体が存在する方向を推定する。環境雑音レベルが高い環境において、目標物が発する音を手掛かりに、目標物が存在する方向を推定する場合に有効である。環境雑音の例としては、繁華街や街頭、街道沿い、人や自動車が多く集まる場所が挙げられる。また、目標物の例としては、人間や動物、自動車、航空機、船舶、水上バイク、ドローン(小型無人機)が挙げられる。
例えば、屋外のテーマパークや展示会場などに接近する不審な自動車・船舶・ドローンなどを検知し、それらの方向を推定することで、不審者や不審物を効率的に取り締ることが可能である。また、音源方向推定を複数箇所で実施することで、目標音源の位置を特定できる。これにより、環境雑音レベルが高い環境でも、銃声や自動車の衝突音の発生箇所などを正確に特定することが可能となる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る波源方向推定装置について、図6および図7を用いて説明する。図6は、本実施形態に係る波源方向推定装置600の構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る波源方向推定装置600は、上記第2実施形態と比べると、変換部601、雑音抑圧部602、クロススペクトル計算部603および包絡関数抽出部604を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
変換部601は、入力端子201〜20Mから供給された入力信号を変換し、雑音抑圧部602へ供給する。変換は、入力信号を複数の周波数成分に分解する目的で実施される。ここでは、代表的なフーリエ変換を用いた場合について説明する。
第2実施形態の相互相関関数計算部201と同様に、変換部601にはM種類の入力信号xm(t)が入力される。ただし、mは入力端子番号である。変換部601は、入力端子から供給された入力信号から、適当な長さの波形を一定の周期でずらしながら切り出す。そして、フーリエ変換を用いて切り出された信号を周波数領域信号に変換する。nをフレーム番号とし、切り出した入力信号xm(t,n)(t=0,1,・・・,T−1)とすると、xm(t,n)のフーリエ変換Xm(k,n)は次のように計算される。
Figure 0006874766
ただし、jは虚数単位、expは指数関数を表す。
雑音抑圧部602は、変換部601から供給された変換信号に基づいて、入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、雑音抑圧信号としてクロススペクトル計算部603へ供給する。
雑音成分が低周波数帯域に存在していることが事前に判明している場合には、低周波数の信号成分をゼロにする方法が有効である。入力信号のサンプリングレートをFsとすると、Xm(k,n)の周波数Bヘルツ以下の信号成分が抑圧された雑音抑圧信号Ym(k,n)は次の式で計算される。
Figure 0006874766
もし、特定の周波数帯域に雑音が存在する場合には、その周波数帯域の信号成分を同様の方法で抑圧すればよい。
この他には、入力信号に目的音源の音が含まれていない時間帯に、入力信号の平均パワースペクトルを求め、その平均パワースペクトルに基づいて雑音成分を抑圧する方法がある。このような雑音抑圧方法には、スペクトル減算法、ウィーナーフィルタ法、MMSE
STSA法(Minimum Mean-Square-Error Short-Time Spectral Amplitude Estimator)などが知られている。マイク設置場所に定常的に存在する環境雑音を抑圧する場合に有効である。
クロススペクトル計算部603は、雑音抑圧部602から供給された雑音抑圧信号に基づいて、クロススペクトルを計算し、包絡関数抽出部604へ伝達する。クロススペクトル計算部603は、全てのマイクペアに対して2つの雑音抑圧信号の積を計算する。入力端子m1の雑音抑圧信号Ym1(k,n)と、入力端子m2の雑音抑圧信号Ym2(k,n)とのクロススペクトルPm1m2(k,n)は、次の式で計算される。
Figure 0006874766
ただし、Xバーは、Xの複素共役を表す。クロススペクトル計算部603は、入力信号の全ての組み合わせに対してクロススペクトルを計算する。したがって、入力端子がM個存在する場合、クロススペクトルの種類数はM(M−1)/2になる。
クロススペクトルは相互相関関数のフーリエ変換であるので、クロススペクトルも広義の相互相関関数と言える。したがって、ここでクロススペクトルを逆フーリエ変換により相互相関関数に変換すれば、包絡関数抽出部604の代わりに、第2実施形態に記載した包絡関数抽出部202を用いることが可能である。本実施形態では、クロススペクトルの状態で包絡を抽出する例について説明する。
包絡関数抽出部604は、クロススペクトル計算部603から供給されたクロススペクトルに基づいて、相互相関関数の包絡を抽出し、包絡関数として統合包絡関数計算部203へ伝達する。包絡の抽出は、全てのクロススペクトルに対して独立に実施される。第2実施形態と同様に、本実施形態でもヒルベルト変換を用いた例を説明する。はじめに、以下の写像変換を行う。
Figure 0006874766
そして、写像関数Zm1m2(k,n)の逆フーリエ変換の複素数の絶対値を取って得られた関数zm1m2(τ,n)が、包絡関数となる。本実施形態では、相互相関関数のフーリエ変換であるクロススペクトルに対してヒルベルト変換を適用している。このため、第2実施形態のようにヒルベルト変換を行う前のフーリエ変換が不要である。他には、第2実施形態と同様にケプストラム変換や、線型予測分析を用いた方法でも包絡を抽出できる。これらの方法は、ヒルベルト変換と比較して計算量が多くなるものの、包絡を高精度に抽出することが可能である。
以上の構成により、波源方向推定装置600は、入力信号に含まれる雑音成分の抑圧により目標音を強調してから、目標音の到来方向、すなわち目標物体が存在する方向を推定する。
図7は、本実施形態に係る波源方向推定装置600の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図4のCPU410がRAM440を使用して実行し、図6の波源方向推定装置600の機能構成部を実現する。なお、図5と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS701において、波源方向推定装置600の変換部601は、入力信号を変換して、変換した入力信号(変換信号)を雑音抑圧部602へ供給する。ステップS703において、波源方向推定装置600の雑音抑圧部602は、供給された変換信号に基づいて、入力信号に含まれる雑音成分を抑圧して、雑音抑圧信号を生成する。ステップS705において、波源方向推定装置600のクロススペクトル計算部603は、雑音抑圧信号に基づいて、クロススペクトルを計算し、包絡関数抽出部604へ供給する。ステップS707において、波源方向推定装置600の包絡関数抽出部604は、供給されたクロススペクトルに基づいて、相互相関関数の包絡を抽出し、包絡関数として統合包絡関数計算部203へ供給する。
本実施形態によれば、特定の周波数帯域に高いレベルのパワーを有する雑音成分が存在する環境において、目標音源の方向を推定する場合に有効である。例えば、自動車走行雑音のパワーは低域に集中していることから、低域を除去することで、高速道路や街道沿いなどの自動車の走行雑音レベルが高い環境で、高精度に音源方向推定を行うことが可能である。
また、目標音のレベルが環境雑音よりも高い帯域が事前に判明している場合にも有効である。例えば、バイクやヘリコプター、ドローンは人間の声や自動車走行音と比べると、高周波数帯域のパワーが大きい。このため、バイクやヘリコプターなどの方向を推定したい場合にも、低域成分を除去し、目標音が支配的な高域成分を強調することで、音源方向推定の推定精度が向上する。
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係る波源方向推定システムについて、図8乃至図12を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る波源方向推定システム800の構成を説明するための図である。本実施形態に係る波源方向推定システム800は、上記第2実施形態に係る波源方向推定装置または第3実施形態に係る波源方向推定装置を用いている。したがって、第2実施形態および第3実施形態と同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る波源方向推定システム800は、マイク801〜80M、AD変換部801および表示部802を有する。なお、本実施形態では、波源方向推定装置200の代わりに波源方向推定装置600を用いることが可能である。また、波源が音源であるという仮定で説明するため、マイクを用いた例を説明するが、音源以外の場合には、その波源から放射される波動を受信して電気信号に変換できる各種センサが、マイクの代わりに用いられる。
マイク801〜80Mは、推定対象である目標物体から生じる音を含めた装置周辺の音を電気信号に変換し、AD変換部801へ伝達する。音が伝わる媒質が空気媒質である場合、音は空気の振動としてマイクに到達する。マイクは、到達した空気の振動を電気信号に変換する。
AD変換部801は、マイク801〜80Mから供給された音の電気信号をデジタル信号に変換し、入力端子201〜20Mに伝達する。
表示部802は、波源方向推定装置200(600)から供給された推定方向情報を画像などの可視化データに変換し、ディスプレイなどの表示装置に表示する。最も基本的な可視化方法は、球体などの3次元の立体に投影する方法である。その際、相関値をヒートマップと呼ばれる色の濃淡などで表現する。立体では無く、円などの2次元平面に投影する方法も有効である。球体だと表示されたときに裏側が見づらいという問題がある。正面や上から投影した平面上に表示すれば、死角が無くなり一覧性が向上する。相関値は、色の濃淡ではなく、等高線で表現してもよい。相関値の時間変化を把握しやすくする上では、横軸を方向、縦軸を時間にした二次元平面にプロットした方法も有効である。その際、仰角と方位角は別々にプロットしたほうがよい。
図9Aは、本実施形態に係る波源方向推定システム800の表示部で可視化した画像の一例を示す図であり、波源方向推定装置200(600)から供給された推定方向情報から得られたものである。図9Bは、本実施形態に係る波源方向推定システム800の表示部で可視化した画像の他の例を示す図であり、包絡関数ではなく、相互相関関数を統合して得た推定方向情報を画像化したものである。
これらは、本実施形態の特徴である包絡抽出の効果を確認する目的で、同一の入力信号から同一のフレーム時刻に取得した。例の作成には、正面方向から接近するドローン(小型無人機)の飛翔音を用いた。多面体の各頂点に配置された複数のマイクを用いて飛翔音を集音した。
図9Aは、色が黒いほど相関値が高いことを表し、図9Bでは色が白いほど相関値が高くなっている。方位角の範囲は0から180度である。また、仰角の範囲は0から90度で、中心に近いほど仰角が大きくなる。したがって、半球体上にプロットした3次元データを上から平面上に投影した画像となっている。図9Aと図9Bとを比較すると、図9Aの図は、目標音源の方向が明確であるのに対して、図9Bの図は、同等の白さの箇所が複数あるため、目標音源の存在とその方向が不明確であることが分かる。
図10は、本実施形態に係る波源方向推定システムにおいて低域成分を除去した相互相関関数および包絡関数の表示例を示す図である。本実施形態の特徴である包絡の抽出は、目標音が高い周波数帯域に強いパワーを有する場合に有効である。このことは、第3実施形態のように低域成分の除去により、高域成分を強調した音の場合でも同様である。これを図10を用いて説明する。
図10に示す通り、高周波数成分のみが存在する音の相互相関関数は、低域成分の欠落が原因で、相関関数のピーク幅が狭くなる。もし包絡抽出を行わず、ピーク幅が狭い状態で相関関数を重ね合わせると、雑音などの影響によりピーク位置が僅かにずれるだけで、重ね合わせによるピークの強調が困難になる。場合によっては、複数のピークが出現し、目標音源のピークが強調されなくなる。
ピーク位置のずれは、雑音だけでなく音速のゆらぎにも影響を受ける。式(3)に示す通り、重ね合わせの基準となる相対遅延時間は、音速の影響を受けるためである。音速は、空気などの媒質の温度に応じて変化する。このため、音源からマイクまでの空気の温度が一様ではない実環境では、音速に揺らぎが生じ、相対遅延時間のずれがもたらされる。
また、ピーク位置のずれは、推定範囲の解像度、つまり方位角と仰角との角度間隔にも影響を受ける。第2実施形態では10度刻みに探索する方法を説明したが、これを20度、30度と大きくすると、式(5)から明らかなように相対遅延時間の時間間隔が粗くなる。
図11は、本実施形態に係る波源方向推定システムにおいて一定間隔で離散化された相互相関関数の表示例を示す図である。推定範囲の解像度低下がピーク位置のずれをもたらす例について、図11を用いて説明する。破線は、離散化前の相互相関関数を表す。このように離散化の間隔が大きいと、相関関数のピーク位置は、本来とは大きく異なる位置に一致することがある。このずれは離散化の間隔が小さくなるにつれて発生しにくくなるが、相関関数の重ね合わせに要する計算量が大幅に増大する。
図12は、本実施形態に係る波源方向推定システムにおいて離散化された包絡関数の表示例を示す図である。図12に示すように、包絡関数を離散化するのであれば、図11と同じ離散化の間隔であってもピーク位置の大幅なずれを回避できる。
本実施形態によれば、推定方向情報を画像などの可視化データとして表示するので、ユーザが波源の方向推定情報を視覚的に把握することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
波源で発生した信号を入力信号として取得する複数の入力信号取得手段と、
前記入力信号取得手段で取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
を備えた波源方向推定装置。
(付記2)
前記相互相関関数計算手段は、前記入力信号を変換して周波数領域信号を得る変換手段を備え、
前記周波数領域信号に基づいて、相互相関関数を計算する付記1に記載の波源方向推定装置。
(付記3)
前記相互相関関数計算手段は、前記周波数領域信号に基づいて、前記入力信号に含まれる雑音を抑圧して強調信号を得る雑音抑圧手段をさらに備え、
前記強調信号に基づいて、相互相関関数を計算する付記2に記載の波源方向推定装置。
(付記4)
前記雑音抑圧手段は、所定の周波数帯域の雑音を抑圧する付記3に記載の波源方向推定装置。
(付記5)
前記入力信号取得手段の位置情報に基づいて、前記入力信号の相対遅延時間を計算する相対遅延時間計算手段をさらに備え、
前記統合包絡関数計算手段は、前記相対遅延時間を用いて、統合包絡関数を計算する付記1乃至4のいずれか1項に記載の波源方向推定装置。
(付記6)
波源で発生した信号を入力信号として取得する複数の入力信号取得手段と、
複数の前記入力信号取得手段で取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
前記推定方向情報を表示する表示手段と、
を備えた波源方向推定システム。
(付記7)
波源で発生した信号を入力信号として取得する入力信号取得ステップと、
前記入力信号取得ステップで取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算ステップと、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出ステップと、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算ステップと、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成ステップと、
を含む波源方向推定方法。
(付記8)
波源で発生した信号を入力信号として取得する入力信号取得ステップと、
前記入力信号取得ステップで取得した前記入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算ステップと、
計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出ステップと、
抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算ステップと、
計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成ステップと、
をコンピュータに実行させる波源方向推定プログラム。
この出願は、2016年6月15日に出願された日本出願特願2016−118455を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (7)

  1. 波源で発生した信号に対応する複数の入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
    計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
    前記入力信号に対応する複数のマイクロフォン、複数の振動センサ又は複数のアンテナの位置情報に基づいて、前記入力信号の相対遅延時間を計算する相対遅延時間計算手段と、
    計算した前記相対遅延時間を用いて、抽出した前記包絡関数の総和若しくは総乗又は抽出した前記包絡関数を用いて求めた値の総和若しくは総乗を計算することにより、抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
    計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
    を備えた波源方向推定装置。
  2. 前記相互相関関数計算手段は、前記入力信号を変換して周波数領域信号を得る変換手段を備え、
    前記周波数領域信号に基づいて、前記相互相関関数を計算する請求項1に記載の波源方向推定装置。
  3. 前記相互相関関数計算手段は、前記周波数領域信号に基づいて、前記入力信号に含まれる雑音を抑圧して強調信号を得る雑音抑圧手段をさらに備え、
    前記強調信号に基づいて、前記相互相関関数を計算する請求項2に記載の波源方向推定装置。
  4. 前記雑音抑圧手段は、所定の周波数帯域の雑音を抑圧する請求項3に記載の波源方向推定装置。
  5. 波源で発生した信号に対応する複数の入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算手段と、
    計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出手段と、
    前記入力信号に対応する複数のマイクロフォン、複数の振動センサ又は複数のアンテナの位置情報に基づいて、前記入力信号の相対遅延時間を計算する相対遅延時間計算手段と、
    計算した前記相対遅延時間を用いて、抽出した前記包絡関数の総和若しくは総乗又は抽出した前記包絡関数を用いて求めた値の総和若しくは総乗を計算することにより、抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算手段と、
    計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成手段と、
    前記推定方向情報を表示する表示手段と、
    を備えた波源方向推定システム。
  6. 波源で発生した信号に対応する複数の入力信号に基づいて、相互相関関数を計算し、
    計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出し、
    前記入力信号に対応する複数のマイクロフォン、複数の振動センサ又は複数のアンテナの位置情報に基づいて、前記入力信号の相対遅延時間を計算し、
    計算した前記相対遅延時間を用いて、抽出した前記包絡関数の総和若しくは総乗又は抽出した前記包絡関数を用いて求めた値の総和若しくは総乗を計算することにより、抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算し、
    計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する
    波源方向推定方法。
  7. 波源で発生した信号に対応する複数の入力信号に基づいて、相互相関関数を計算する相互相関関数計算ステップと、
    計算した前記相互相関関数に基づいて、包絡関数を抽出する包絡関数抽出ステップと、
    前記入力信号に対応する複数のマイクロフォン、複数の振動センサ又は複数のアンテナの位置情報に基づいて、前記入力信号の相対遅延時間を計算する相対遅延時間計算ステップと、
    計算した前記相対遅延時間を用いて、抽出した前記包絡関数の総和若しくは総乗又は抽出した前記包絡関数を用いて求めた値の総和若しくは総乗を計算することにより、抽出した前記包絡関数を統合して統合包絡関数を計算する統合包絡関数計算ステップと、
    計算した前記統合包絡関数に基づいて、前記波源の推定方向情報を生成する推定方向情報生成ステップと、
    をコンピュータに実行させる波源方向推定プログラム。
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