JP6874476B2 - 導波管およびアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、導波管およびアンテナに関する。
従来、ミリ波帯の電波の送信または受信を行うためのアンテナとして、伝搬損失を低く抑えることのできる導波管スロットアレイアンテナが用いられることがある。たとえば、非特許文献1(榊原久二男、外3名、”自動車レーダ用ミリ波帯導波管スロットアレイアンテナ”、「R&D Review of Toyota CRDL」、Vol.36 No.3、2001年9月、p.35−40)には、導波管スロットアレイアンテナを用いた自動車用のレーダが開示されている。
すなわち、非特許文献1に記載されている自動車用のレーダは、送信アンテナから電波等のレーダ波を送信し、当該レーダ波の検知対象物での反射波を、ある間隔で水平方向に並べられた複数のスロットアンテナにより受信する。そして、受信波の位相差に基づいて、検知対象物の位置を検知する。
榊原久二男、外3名、"自動車レーダ用ミリ波帯導波管スロットアレイアンテナ"、「R&D Review of Toyota CRDL」、Vol.36 No.3、2001年9月、p.35−40
非特許文献1に記載の技術を超えて、複数のアンテナ素子を備える優れたアンテナを実現可能な技術が求められている。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、優れたアンテナを実現可能な導波管、およびこれを備えたアンテナを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる導波管は、第1端部と、複数の第2端部と、前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを備え、前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
(11)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるアンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子へ電波を伝搬させるか、または前記アンテナ素子からの電波を伝搬させるための導波管とを備え、前記導波管は、第1端部と、複数の第2端部と、前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを含み、前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
本発明によれば、優れたアンテナを実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスロットアレイアンテナの構成の一例を示す図である。 図2は、図1に示すスロットアレイアンテナの詳細な構成を示す分解図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係るスロットアンテナにおける金属板10dに形成された貫通孔の形状を示す図である。 図4は、導波管の比較例1の構成を示す図である。 図5は、導波管の比較例2の構成を示す図である。 図6は、導波管の比較例3の構成を示す図である。 図7は、導波管の比較例4の構成を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管の構成を示す図である。 図9は、図8に示す屈曲部における角部の面取り部分における長さC1と、屈曲部を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図10は、図8に示す屈曲部における角部の面取り部分における長さC1と、屈曲部を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管に設けられた突出部の構成を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管に設けられた突出部の変形例の構成を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る導波管の構成を示す図である。 図14は、図13に示す屈曲部におけるR面の曲率半径と、屈曲部を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図15は、図13に示す屈曲部におけるR面の曲率半径と、屈曲部を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図16は、本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る導波管の構成を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係る導波管の構成を示す図である。 図18は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波のVSWRとの関係を得るためのシミュレーション条件を示す図である。 図19は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図20は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図21は、本発明の第2の実施の形態の変形例1に係る導波管を示す図である。 図22は、本発明の第2の実施の形態の変形例2に係る導波管を示す図である。 図23は、本発明の第2の実施の形態の変形例3に係る導波管の構成を示す図である。 図24は、本発明の第2の実施の形態の変形例4に係る導波管の構成を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る導波管は、第1端部と、複数の第2端部と、前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを備え、前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
このように、導波管の内壁を調整して複数の経路の電波の位相差を調整する構成により、たとえば、導波管の形状を複雑化したり、導波管のサイズを大きくしたりすることなく、導波管において、所望の位相差の電波を送信するか、または所望の位相差の電波を合成することができる。したがって、優れたアンテナを実現することができる。
(2)好ましくは、前記導波管は、平板状であり、前記管部は、分岐部分における複数の屈曲部を含み、前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか2つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が互いに異なる。
このような構成により、簡単な方法で電波の位相差を調整することができる。
(3)より好ましくは、前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか2つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、各々の内壁のうちの外側の形状が互いに異なる。
たとえば、導波管の内壁を加工する場合、内側の内壁の形状を加工するよりも、外側の内壁の形状を加工する方が、電波の分配比等の変化が大きくなることを抑えて、電波の位相を変化させることができるため、設計作業が容易である。上記のような構成により、各々の内壁の形状が互いに異なる2つの屈曲部を容易に設計することができる。
(4)より好ましくは、前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか1つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、内壁の角部がC面取りまたはR面取りされた形状を有している。
たとえば、2つの屈曲部間で、面取り部分の深さを異ならせることにより、各々の内壁の形状が互いに異なる2つの屈曲部を容易に形成することができる。
また、内壁の角部をC面に形成する場合、R面に形成する場合と比較して、たとえば加工後の寸法の検査を容易に行うことができるので、加工作業を容易に行うことができる。また、内壁の角部をR面に形成する場合、複数の導波管同士の間隔が狭い場合であっても、角部の加工作業を容易に行うことができる。
(5)より好ましくは、C面取りまたはR面取りされた形状を有する前記屈曲部を経由する、前記第1端部および前記第2端部間の電波の経路、に含まれる分岐の数が多いほど、前記屈曲部は、深く面取りされた形状を有する。
屈曲部の内壁の角部が深く面取りされた形状を有するほど、当該屈曲部を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、第1端部および第2端部間の電波の経路に含まれる分岐の数が多いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
(6)より好ましくは、C面取りまたはR面取りされた形状を有する前記屈曲部を経由する、前記第1端部および前記第2端部間の電波の経路が長いほど、前記屈曲部は、深く面取りされた形状を有する。
屈曲部の内壁の角部が深く面取りされた形状を有するほど、当該屈曲部を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、第1端部および第2端部間の電波の経路が長いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
(7)好ましくは、前記管部は、異なる前記第2端部にそれぞれ接続される複数の直線部を有し、前記複数の直線部のうちの少なくともいずれか2つの前記直線部は、各々の内部空間の少なくとも一部の幅が異なる。
このような構成により、簡単な方法で電波の位相差を調整することができる。
(8)より好ましくは、前記直線部は、自己を経由する前記第1端部および前記第2端部間の距離が長いほど、内部空間の幅が狭く形成されている。
導波管の内部空間の幅が狭いほど、当該導波管を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、第1端部および第2端部間の電波の経路が長いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
(9)より好ましくは、前記複数の直線部のうちの少なくともいずれか1つは、幅広部または幅狭部を有し、前記幅広部または前記幅狭部の長手方向における長さは、前記導波管における管内波長の0.3倍から0.8倍である。
直線部を通過する電波の一部は、直線部における幅広部または幅狭部の第1端および第2端において反射する。上記のように、幅広部または幅狭部の長手方向における長さが、導波管を伝搬する電波の管内波長の0.3倍から0.8倍である場合、第1端における反射および第2端における反射が互いに打ち消し合うことができる。これにより、直線部を通過する電波の良好なVSWR特性を得ることができる。なお、幅広部または幅狭部の長手方向における長さが、導波管を伝搬する電波の管内波長の丁度0.5倍である場合には、第1端における反射および第2端における反射が互いに理想的に打ち消し合うことができるため、最良のVSWR特性を得ることができる。
(10)好ましくは、前記管部は、自己の内壁において設けられた突出部を含む。
このような構成により、管部を通過する電波の良好なVSWR特性を得ることができる。
(11)本発明の実施の形態に係るアンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子へ電波を伝搬させるか、または前記アンテナ素子からの電波を伝搬させるための導波管とを備え、前記導波管は、第1端部と、複数の第2端部と、前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを含み、前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
このように、導波管の内壁を調整して複数の経路の電波の位相差を調整する構成により、たとえば、導波管の形状を複雑化したり、導波管のサイズを大きくしたりすることなく、導波管において、所望の位相差の電波を送信するか、または所望の位相差の電波を合成することができる。したがって、優れたアンテナを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[スロットアレイアンテナの構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスロットアレイアンテナの構成の一例を示す図である。
図1を参照して、スロットアレイアンテナ300は、平板状であり、1または複数の送信用アンテナ100aと、1または複数の受信用アンテナ100bとを備える。図1では、スロットアレイアンテナ300は、一例として、1つの送信用アンテナ100aと、4つの受信用アンテナ100bとを備える。
送信用アンテナ100aは、1または複数のスロットアンテナ20を含む。また、受信用アンテナ100bは、1または複数のスロットアンテナ20を含む。
図1では、送信用アンテナ100aは、一例として、3つのスロットアンテナ20を含む。また、図1では、各受信用アンテナ100bは、一例として、スロットアンテナ20を1つずつ含む。送信用アンテナ100aにおける3つのスロットアンテナ20は、たとえば、スロットアレイアンテナ300の短手方向において、所定の間隔で並べられている。以下、スロットアンテナ20の並ぶ方向を、「水平方向」と称する。
スロットアンテナ20は、たとえば、スロットアレイアンテナ300の長手方向において並ぶ複数のスロット素子(アンテナ素子)12と、後述する導波管とを有する。以下、スロット素子12の並ぶ方向を、「垂直方向」と称する。
このように、複数のスロット素子12が垂直方向において並ぶ構成により、垂直方向におけるビーム幅を絞り、利得を向上させることができる。また、上述のとおり、送信用アンテナ100aにおける3つのスロットアンテナ20が水平方向において並ぶ構成により、水平方向におけるビーム幅を絞り、利得を向上させることができる。
図2は、図1に示すスロットアレイアンテナの詳細な構成を示す分解図である。
図2を参照して、スロットアレイアンテナ300は、たとえば、5つの金属板10a,10b,10c,10d,10eがこの順番で積み重なることにより形成されている。
金属板10aには、スロット素子12として、複数の貫通孔が形成されている。また、金属板10b,10dには、導波管11の内部空間を規定する複数の貫通孔が形成されている。また、金属板10c,10eには、導波管11へ電波を伝搬するための接続部13として、複数の貫通孔が形成されている。これら5つの金属板10aから10eは、たとえば拡散接合されることにより一体化される。
また、金属板10aから10eの各々は、たとえば、同じ形状の薄い金属板を重ね合わせて一体化されることにより、製作される。
[導波管の構成]
(概略構成)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るスロットアンテナにおける金属板10dに形成された貫通孔の形状を示す図である。
ここで、金属板10dに形成された貫通孔を、図2に示す金属板10cおよび金属板10eにて挟むことにより、導波管11が形成される。この導波管11を伝搬する電波の伝搬方向に垂直な平面における、導波管11の断面は長方形である。そして、導波管11における、当該長方形の長辺を含む面がE面であり、当該長方形の短辺を含む面がH面である。
ここでは、一例として、金属板10dに形成された貫通孔の幅が、金属板10dの厚さよりも大きいとする。すなわち、金属板10dに形成された貫通孔の幅が導波管11の断面の長辺に相当し、金属板10dの厚さが導波管11の断面の短辺に相当する。このため、図3に示す貫通孔の形状は、導波管11のE面の形状に相当する。
なお、金属板10dに形成された貫通孔の幅が、金属板10dの厚さよりも小さい場合、図3に示す貫通孔の形状は、導波管11のH面の形状に相当する。
図3を参照して、導波管11は、たとえば、1つの第1端部21と、3つの第2端部22a,22b,22cと、第1端部21に接続され、かつ分岐して3つの第2端部22a,22b,22cにそれぞれ接続される管部23とを有する。
管部23は、第1分岐部24と、第2分岐部25とを有する。第1分岐部24は、3つの第1分岐端部31,32a,32bを有する。第2分岐部25は、3つの第2分岐端部33,34a,34bを有する。
管部23は、さらに、第1端部21と第1分岐端部31とを接続する第1管部26と、第2分岐端部34aと第2端部22aとを接続する第2管部(直線部)27と、第2分岐端部34bと第2端部22bとを接続する第3管部(直線部)28と、第1分岐端部32bと第2端部22cとを接続する第4管部(直線部)29とを有する。
第1分岐部24には凸部35が形成されており、水平方向における凸部35の位置が調整されることにより、たとえば、第1分岐端部32aおよび第1分岐端部32bから2:1の分配比で電波が出力される。
そして、第1分岐端部32aから出力された電波は、たとえば、第2分岐端部34aおよび第2分岐端部34bから1:1の分配比で出力される。これにより、第2端部22a,22b,22cから同じ強度の電波が出力される。
[課題の説明]
ここで、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3を比較すると、経路K1および経路K2の方が、経路K3よりも、多くの分岐を経由するため、距離が長い。
すなわち、経路K1,K2をそれぞれ通過した電波と、経路K3を通過した電波とは、互いに位相が異なる。このため、経路K1,K2,K3をそれぞれ通過した電波、すなわち第2端部22a,22b,22cからそれぞれ出力される電波の位相を同位相にする場合など、所望の位相差を得るためには、経路K1,K2,K3の長さを調整することが考えられる。
経路K1,K2,K3の長さを調整するための構成として、たとえば、図4から図7に示す構成が考えられる。以下、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11の比較例として、図4から図7に示す導波管について説明する。
(比較例1)
図4は、導波管の比較例1の構成を示す図である。
図4を参照して、たとえば、比較例1に係る導波管11Aのように、第4管部29を、第2管部27および第3管部28よりも長くすることにより、第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3を長くして位相を遅らせる構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、第2端部22a,22b,22cの位置が垂直方向においてずれるため、各スロット素子12の列の垂直方向における位置がずれる。このため、電波の所望の指向性を得ることが難しい。
(比較例2)
図5は、導波管の比較例2の構成を示す図である。
図5を参照して、たとえば、比較例2に係る導波管11Bのように、第4管部29を屈曲させることにより、第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3を長くして位相を遅らせる構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、および第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2の長さが同じであり、経路K1を通過した電波および経路K2を通過した電波は同位相となるため、得ることのできる位相差の自由度が少ない。
(比較例3)
図6は、導波管の比較例3の構成を示す図である。
図6を参照して、たとえば、比較例3に係る導波管11Cのように、第4管部29に加えて、さらに、第2管部27および第3管部28を屈曲させることにより、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3の長さの関係を任意に調整可能とする構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、導波管11の形状の複雑化および大型化という問題がある。
(比較例4)
図7は、導波管の比較例4の構成を示す図である。
図7を参照して、たとえば、比較例4に係る導波管11Dのように、第1分岐端部31および第2分岐端部33の水平方向における位置を調整することにより、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3の長さの関係を任意に調整可能とする構成が考えられる。
しかしながら、たとえば、第1分岐部24および第2分岐部25の水平方向における長さを長くして、水平方向における第1分岐端部31および第2分岐端部33の位置を調整する場合、第2端部22a,22b,22cの互いの間隔が大きくなる。
ここで、第2端部22a,22b,22cの互いの間隔は、経路K1,K2,K3の通
過後の電波が合成された際におけるグレーティングローブの発生を抑えるため、電波の真空波長λ0よりも小さいことが好ましい。
すなわち、第1分岐部24および第2分岐部25の水平方向における長さを長くして、第1分岐端部31および第2分岐端部33の水平方向における位置を調整する構成では、第2端部22a,22b,22cの互いの間隔が大きくなり、グレーティングローブが発生する可能性がある。また、このような構成では、導波管11のサイズが大きくなるという問題がある。
また、第1分岐端部31および第2分岐端部33の水平方向における位置を調整する構成では、第1分岐部24および第2分岐部25の各々における分配部分の形状が変化するため、電波の分配比の調整が複雑になる場合がある。
また、導波管11の幅、すなわち導波管11の主表面Sの法線方向に沿った断面の長辺の長さを変更すると、導波管11を伝搬する電波の波長が変化するという特性がある。このことを利用して、第2端部22a,22b,22cの各々において所望の位相が得られるように、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3のうちの少なくともいずれか1つにおける導波管11全体の幅を調整するという方法が考えられる。
しかしながら、図4に示すように、第2端部22a,22b,22cには、同じ構成の3つのアンテナがそれぞれ接続され、第2端部22a,22b,22cと各アンテナとの接続条件を同一にする必要がある。すなわち、上記のような方法では、導波管11の各経路K1,K2,K3のインピーダンスが変わり、第2端部22a,22b,22cと各アンテナとの接続条件に差が生じる。
また、導波管11の各経路K1,K2,K3のインピーダンスが変わることにより、分配部分における分配比が乱れたり、反射波が発生してVSWR特性が劣化したりするという問題も起こりうる。
このため、導波管11の第2端部22a,22b,22cにおける各々の断面寸法は一致している必要があり、上記のような方法を採用することは困難である。
上記のような比較例1から比較例4に対して、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11は以下のように構成されている。
[導波管の詳細な構成]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管の構成を示す図である。
(第2端部の間隔)
図8を参照して、導波管11は、第2端部22aおよび第2端部22bの各々の中央同士の間隔P1、および第2端部22bおよび第2端部22cの各々の中央同士の間隔P2が、いずれも、電波の真空波長λ0の略0.86倍の長さになるように形成されている。具体的には、使用される電波の周波数が76.5GHzである場合、真空波長λ0は略3.93mmであり、導波管11は、間隔P1および間隔P2の長さが略3.38mm(=3.93mm×0.86)になるように形成されている。
(第1分岐部)
第1分岐部24は、第1分岐端部31,32a,32bに加えて、さらに、第1分岐端部31と第1分岐端部32aとを接続する屈曲部41と、第1分岐端部31と第1分岐端部32bとを接続する屈曲部42とを有する。屈曲部41,42は、図2に示す導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が互いに異なるように構成されている。
たとえば、屈曲部41,42は、導波管11の主表面Sの法線方向に沿って導波管11を平面視した場合において、水平方向における第1分岐部24の中央を通り、かつ垂直方向に延びる線を対象軸として、各々の内壁の形状が互いに異なるように構成されている。
なお、上述のとおり、導波管11は、図2に示すように、貫通孔が形成された複数の金属板10c,10d,10eが積み重なることにより形成されている。このため、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面における内壁の形状は、たとえば、金属板10dに形成された貫通孔の形状に相当する。
たとえば、屈曲部41,42は、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、内壁のうちの外側の角部43a,44aが面取り加工された形状を有する。
より詳細には、屈曲部41の内壁のうちの外側の角部43a、および屈曲部42の内壁のうちの外側の角部44aが、それぞれ、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において直線状であるC面を有する。そして、角部43aのC面の形状と角部44aのC面の形状とは、非対称である。
具体的には、角部43aは、等辺の長さがC1である二等辺三角形でC面取りされた形状を有する。また、角部44aは、等辺の長さがC2である二等辺三角形でC面取りされた形状を有する。なお、長さC1,C2が大きいほど、角部43a,44aは深く面取りされた形状を有する。
そして、角部43a,44aは、長さC1と長さC2とが異なる長さとなるように形成されている。
なお、屈曲部41,42は、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、外側の角部43a,44aの代わりに、内側の角部43b,44bが互いに異なる形状に形成されてもよい。この場合、たとえば、内側の角部43b,44bが、それぞれ、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において直線状であるC面を有する。そして、角部43bのC面の形状と角部44bのC面の形状とは、非対称である。
また、屈曲部41,42は、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、外側の角部43a,44aが互いに異なる形状に形成され、かつ内側の角部43b,44bが互いに異なる形状に形成されてもよい。この場合、上記と同様に、たとえば、角部43aのC面の形状と角部44aのC面の形状とは非対称であり、角部43bのC面の形状と角部44bのC面の形状とは非対称である。
(面取り部分における長さC1,C2とVSWRの関係)
ここで、屈曲部41,42の面取り部分における長さC1,C2と、屈曲部41,42を通過する電波のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)との関係について説明する。
図9は、図8に示す屈曲部41における角部43aの面取り部分における長さC1と、屈曲部41を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図9に示すグラフの、縦軸はVSWRを示し、横軸は屈曲部41の面取り部分における長さC1を示す。図9は、屈曲部41を通過する電波の周波数を76.5GHzとした場合における、シミュレーション結果を示している。
なお、屈曲部42における角部44aの面取り部分における長さC2と、屈曲部42を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果は、図9に示すグラフと同様である。
図9に示すグラフの横軸は、長さC1が1.66mmである場合を基準としている。たとえば、横軸の「1.00」は、長さC1が1.66mmであることを示し、横軸の「0.80」は、深さC1が1.33mmであることを示し、横軸の「1.20」は、長さC1が1.99mmであることを示す。
図9に示すように、横軸が略「0.80」から「1.20」である場合、すなわち長さC1が略1.33mmから1.99mmである場合、VSWRは1.5以下となる。一方、横軸が略「0.80」未満である場合、または横軸が略「1.20」を超える場合、すなわち長さC1が略1.33mm未満である場合、または長さC1が略1.99mmを超える場合、VSWRは1.5を超える。
このため、屈曲部41の面取り部分における長さC1は、1.33mmから1.99mmであることが好ましい。また、屈曲部42についても同様に、屈曲部42の面取り部分における長さC2は、1.33mmから1.99mmであることが好ましい。
(面取り部分における長さC1,C2と位相変化量の関係)
次に、屈曲部41,42の面取り部分における長さC1,C2と、屈曲部41,42の通過後の電波の位相変化量との関係について説明する。
図10は、図8に示す屈曲部41における角部43aの面取り部分における長さC1と、屈曲部41を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図10に示すグラフの、縦軸は位相変化量[度]を示し、横軸は屈曲部41の面取り部分における長さC1を示す。図10は、屈曲部41を通過する電波の周波数を76.5GHzとした場合における、シミュレーション結果を示している。
なお、屈曲部42における角部44aの面取り部分における長さC2と、屈曲部42を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果は、図10に示すグラフと同様である。
図10に示すグラフの横軸は、図9と同様に、屈曲部41の面取り部分における長さC1が1.66mmである場合を基準としている。また、図10に示すグラフの縦軸は、屈曲部41の面取り部分における長さC1が1.66mmである場合の位相を基準としている。
図10に示すように、屈曲部41の面取り部分における長さC1が長くなるほど、屈曲部41の通過後の電波の位相が早くなる。
再び図8を参照して、上述のとおり、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、および第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2は、第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3よりも長い。
このため、たとえば、経路K1,K2,K3をそれぞれ通過した電波を同位相にする場合、導波管11の内壁は、経路K1,K2を通過した電波の位相が、経路K3を通過した電波の位相よりも早くなるように形成される。すなわち、導波管11は、屈曲部41の面取り部分における長さC1が、屈曲部42の面取り部分における長さC2よりも長くなるように形成される。
具体的には、上述のとおり、長さC1および長さC2は、いずれも1.33mmから1.99mmであることが好ましいため、導波管11は、たとえば、長さC1が1.88mmであり、長さC2が1.46mmであるように形成される。
なお、第1分岐部24は、上記のような構成に限定されず、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、屈曲部41および屈曲部42の内壁の形状が互いに異なるように形成されていればよい。たとえば、第1分岐部24は、屈曲部41および屈曲部42のいずれか一方のみがC面取りされた形状を有してもよい。
(第1管部)
図8に示すように、導波管11における第1管部26には、たとえば、内壁に2つの突出部61a,61bが設けられている。突出部61a,61bは、たとえば誘導性アイリスであり、屈曲部41,42を通過する電波のVSWRを調整する。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管に設けられた突出部の構成を示す図である。図11は、スロットアレイアンテナ300における金属板10c,10d,10eの一部分の断面を示している。
図11を参照して、導波管11の内壁のうちの垂直方向に平行な面を有する2つの内壁を内壁62a,62bとすると、突出部61aは、内壁62aから導波管11の内部へ向けて突出しており、突出部61bは、内壁62bから導波管11の内部へ向けて突出している。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管に設けられた突出部の変形例の構成を示す図である。図12は、図11と同様に、スロットアレイアンテナ300における金属板10c,10d,10eの一部分の断面を示している。
図12を参照して、たとえば、導波管11には、突出部61a,61bの代わりに、たとえば、導波管11の内壁のうちの水平方向に平行な面を有する内壁64aまたは内壁64bから導波管11の内部へ向けて突出した1または複数の突出部63が設けられてもよい。図12では、一例として、1つの突出部63が設けられた場合を示している。
なお、第1管部26は、突出部61a,61bまたは突出部63のような誘導性アイリスが設けられない構成であってもよい。
(第2分岐部)
再び図8を参照して、第2分岐部25は、3つの第2分岐端部33,34a,34bに加えて、さらに、第2分岐端部33と第2分岐端部34aとを接続する屈曲部36と、第2分岐端部33と第2分岐端部34bとを接続する屈曲部37とを有する。屈曲部36,37とは、たとえば、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が対称であるように形成されている。
具体的には、屈曲部36の内壁のうちの外側の角部45、および屈曲部37の内壁のうちの外側の角部46には、それぞれ、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において曲線状であるR面が形成されている。角部45のR面および角部46のR面の各々の曲率半径R11,R12は、同じ大きさである。
なお、第2端部22aを通過した電波と、第2端部22bを通過した電波との位相差をゼロ以外の所望の値にする場合、たとえば、導波管11は、角部45のR面および角部46のR面が互いに異なる曲率半径を有するように形成される。
上述した例では、屈曲部41,42が互いに非対称な形状を有する。しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11は、屈曲部41,42が互いに異なる形状となるように形成されていればよく、たとえば、屈曲部41が1つの角部を有し、屈曲部42が複数の角部を有するように形成されてもよい。
[変形例1]
図13は、本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る導波管の構成を示す図である。
図13を参照して、導波管11における屈曲部41,42の外側の角部47,48は、C面の代わりに、R面に形成されてもよい。
(R面の曲率半径R21,R22とVSWRの関係)
ここで、屈曲部41,42のR面の曲率半径R21,R22と、屈曲部41,42を通過する電波のVSWRとの関係について説明する。
図14は、図13に示す屈曲部41におけるR面の曲率半径R21と、屈曲部41を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図14に示すグラフの、縦軸はVSWRを示し、横軸は屈曲部41におけるR面の曲率半径R21を示す。図14は、屈曲部41を通過する電波の周波数を76.5GHzとした場合における、シミュレーション結果を示している。
なお、屈曲部42におけるR面の曲率半径R22と、屈曲部42を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果は、図14に示すグラフと同様である。
図14に示すグラフの横軸は、曲率半径R21が3.2mmである場合を基準としている。たとえば、横軸の「1.00」は、曲率半径R21が3.2mmであることを示し、横軸の「0.70」は、曲率半径R21が2.24mmであることを示し、横軸の「1.20」は、曲率半径R21が3.84mmであることを示す。
図14に示すように、横軸が略「0.70」から略「1.20」である場合、すなわち曲率半径R21が略2.24mmから略3.84mmである場合、VSWRは1.5以下となる。一方、横軸が略「0.70」未満である場合、または横軸が略「1.20」を超える場合、すなわち曲率半径R21が略2.24mm未満である場合、または曲率半径R21が略3.84mmを超える場合、VSWRは1.5を超える。
このため、屈曲部41におけるR面の曲率半径R21は、2.24mmから3.84mmであることが好ましい。また、屈曲部42についても同様に、屈曲部42におけるR面の曲率半径R22は、2.24mmから3.84mmであることが好ましい。
(R面の曲率半径R21,R22と位相変化量の関係)
次に、屈曲部41,42のR面の曲率半径R21,R22と、屈曲部41,42の通過後の電波の位相変化量との関係について説明する。
図15は、図13に示す屈曲部41におけるR面の曲率半径R21と、屈曲部41を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図15に示すグラフの、縦軸は位相変化量[度]を示し、横軸は屈曲部41におけるR面の曲率半径R21を示す。図15は、屈曲部41を通過する電波の周波数を76.5GHzとした場合における、シミュレーション結果を示している。
なお、屈曲部42におけるR面の曲率半径R22と、屈曲部42を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果は、図15に示すグラフと同様である。
図15に示すグラフの横軸は、図14と同様に、曲率半径R21が3.2mmである場合を基準としている。また、図15に示すグラフの縦軸は、曲率半径R21が3.2mmである場合の位相を基準としている。
図15に示すように、屈曲部41におけるR面の曲率半径R21が大きくなるほど、屈曲部41の通過後の電波の位相が早くなる。
このため、たとえば、図13に示す第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3をそれぞれ通過した電波を同位相にする場合、導波管11は、屈曲部41が屈曲部42よりも深くR面取りされた形状を有するように形成される。すなわち、導波管11は、角部47のR面の曲率半径R21が、角部48のR面の曲率半径R22よりも大きい値となるように形成される。
具体的には、上述のとおり、曲率半径R21,R22は、いずれも2.24mmから3.84mmであることが好ましいため、導波管11は、たとえば、曲率半径R21が3.2mmであり、曲率半径R22が2.4mmであるように形成される。
なお、導波管11は、屈曲部41,42の一方にC面が形成され、他方にR面が形成されてもよい。
[変形例2]
図16は、本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る導波管の構成を示す図である。
図16を参照して、導波管11は、3つの第2端部22a,22b,22cを有する代わりに、2つの第2端部22d,22eを有する構成であってもよい。この場合、導波管11における管部23は、分岐部50を有する。
分岐部50は、3つの分岐端部51,52a,52bと、分岐端部51と分岐端部52aとを接続する屈曲部53と、分岐端部51と分岐端部52bとを接続する屈曲部54とを有する。
そして、たとえば、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、屈曲部53,54の各々の内壁が異なる形状に形成される。これにより、第1端部21から第2端部22dまでの電波の経路K4を通過した電波と、第1端部21から第2端部22eまでの電波の経路K5を通過した電波とを、所望の位相差にすることができる。
具体的には、たとえば、屈曲部53の外側の角部55は、曲率半径R31が2.4mmであるR面に形成され、屈曲部54の外側の角部56は、曲率半径R32が3.2mmであるR面に形成される。これにより、経路K4を通過した電波の位相を、経路K5を通過した電波の位相よりも遅らせることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11は、E面における屈曲部41,42が互いに異なる形状に形成されることにより、第1端部21において所望の位相差の電波が合成される。しかしながら、このような構成に限定されず、導波管11は、たとえば、H面において複数の屈曲部を有する場合、H面におけるこれら複数の屈曲部が互いに異なる形状に形成されることにより、第1端部21において所望の位相差の電波が合成されるように構成されてもよい。
ところで、従来、ミリ波帯の電波の送信または受信を行うためのアンテナとして、伝搬損失を低く抑えることのできる導波管スロットアレイアンテナが用いられることがある。たとえば、非特許文献1には、導波管スロットアレイアンテナを用いた自動車用のレーダが開示されている。
そして、非特許文献1に記載の技術を超えて、複数のアンテナ素子を備える優れたアンテナを実現可能な技術が求められている。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11は、第1端部21と、複数の第2端部22a,22b,22cと、第1端部21に接続され、かつ分岐して第2端部22a,22b,22cに接続される管部23とを備える。また、管部23の内壁は、第2端部22a,22b,22cにおいて所望の位相差の電波が送信されるか、または第1端部21において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
このように、導波管11の内壁を調整して複数の経路の電波の位相差を調整する構成により、たとえば、導波管11の形状を複雑化したり、導波管11のサイズを大きくしたりすることなく、導波管11において、所望の位相差の電波を送信するか、または所望の位相差の電波を合成することができる。したがって、優れたアンテナ100a,100bを実現することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11は、平板状である。また、管部23は、分岐部分における屈曲部41,42を含み、屈曲部41,42は、自己の導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が互いに異なる。
このような構成により、簡単な方法で電波の位相差を調整することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11における屈曲部41,42は、自己の導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、各々の内壁のうちの外側の形状が互いに異なる。
たとえば、導波管11の内壁を加工する場合、内側の内壁の形状を加工するよりも、外側の内壁の形状を加工する方が、電波の分配比等の変化が大きくなることを抑えて、電波の位相を変化させることができるため、設計作業が容易である。上記のような構成により、各々の内壁の形状が互いに異なる2つの屈曲部41,42を容易に設計することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11では、屈曲部41,42は、自己の導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、内壁の角部43a,44aがC面取りまたはR面取りされた形状を有している。
たとえば、2つの屈曲部41,42間で、面取り部分の深さを異ならせることにより、各々の内壁の形状が互いに異なる2つの屈曲部41,42を容易に形成することができる。
また、内壁の角部43a,44aにC面に形成する場合、R面に形成する場合と比較して、たとえば加工後の寸法の検査を容易に行うことができるので、加工作業を容易に行うことができる。また、内壁の角部43a,44aにR面に形成する場合、第2端部22a,22b,22cの互いの間隔が小さい場合であっても、角部43a,44aの加工作業を容易に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11における屈曲部41,42は、自己を経由する電波の経路に含まれる分岐の数が多いほど、深く面取りされた形状を有する。
屈曲部41,42の内壁の角部43a,44aが深く面取りされた形状を有するほど、屈曲部41,42を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、電波の経路に含まれる分岐の数が多いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11における屈曲部41,42は、自己を経由する電波の経路が長いほど、深く面取りされた形状を有する。
屈曲部41,42の内壁の角部43a,44aが深く面取りされた形状を有するほど、屈曲部41,42を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、電波の経路が長いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11における管部23は、自己の内壁において設けられた突出部61a,61bを含む。
このような構成により、管部23を通過する電波の良好なVSWR特性を得ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ100a,100bは、スロット素子12と、スロット素子12へ電波を伝搬させるか、またはスロット素子12からの電波を伝搬させるための導波管11とを備える。また、導波管11は、第1端部21と、複数の第2端部22a,22b,22cと、第1端部21に接続され、かつ分岐して各第2端部22a,22b,22cに接続される管部23とを含む。また、管部23の内壁は、各第2端部22a,22b,22cにおいて所望の位相差の電波が送信されるか、または第1端部21において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている。
このように、導波管11の内壁を調整して複数の経路K1,K2,K3の電波の位相差を調整する構成により、たとえば、導波管11の形状を複雑化したり、導波管11のサイズを大きくしたりすることなく、導波管11において、所望の位相差の電波を送信するか、または所望の位相差の電波を合成することができる。したがって、優れたアンテナ100a,100bを実現することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
上述した本発明の第1の実施の形態では、図8に示すように、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、屈曲部41,42の各々の内壁を互いに異なる形状に形成する構成により、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2、および第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3をそれぞれ通過した電波の位相差を、所望の値にすることができる。
これに対して、本発明の第2の実施の形態では、屈曲部41,42の各々の内壁を互いに異なる形状に形成する代わりに、第2管部27、第3管部28および第4管部29の各々の内部空間の幅、すなわち導波管11の主表面Sに沿った方向の断面における幅を調整する。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る導波管の構成を示す図である。
図17を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る導波管11では、第2管部27の一部、および第3管部28の一部が、導波管11における他の部分と比較して、内部空間の幅が異なる大きさに形成されている。以下、より詳細な構成について説明する。
[導波管の内部空間の幅とVSWRとの関係]
ここで、導波管11の内部空間の幅と、導波管11を通過する電波のVSWRとの関係について説明する。
図18は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波のVSWRとの関係を得るためのシミュレーション条件を示す図である。
図18を参照して、ここでは、導波管を通過する電波の周波数を76.5GHzとする。また、図18の(b)に示すように、導波管の内部空間の幅W0が、導波管規格の「WR−10」に従う寸法、すなわち2.54mmである場合を基準として、図18の(a)に示すように導波管の一部の幅Wを2.54mmよりも広くしたり、図18の(c)に示すように導波管の一部の幅Wを2.54mmよりも狭くしたりする。
また、導波管のうち、幅を広くする部分(以下、「幅広部」と称する。)または幅を狭くする部分(以下、「幅狭部」と称する。)の垂直方向における長さを「L」とすると、長さLが長いほど、図18の(b)に示す場合と比較した場合における、電波の位相変化量は大きくなる。
ここで、導波管を通過する電波の一部は、幅広部または幅狭部の第1端T21および第2端T22において反射する。このとき、幅広部または幅狭部の長さLが、導波管における管内波長λgの1/2程度である場合、第1端T21における反射および第2端T22における反射が互いに打ち消し合う。これにより、良好なVSWR特性を得ることができる。
なお、管内波長λgは、導波管の内部空間を伝搬する電波の波長、導波管の形状およびサイズ、ならびに電波の伝搬モードに基づいて定まる波長である。
このため、ここでは、シミュレーション条件として、幅広部の長さLを、導波管の内部空間の幅を2.54mmとした場合における管内波長λgの1/2としている。
また、ここでは、シミュレーション条件として、導波管の第1端T11から幅広部または幅狭部の第1端T21までの長さ、および、幅広部または幅狭部の第2端T22から導波管の第2端T12までの長さを、導波管の内部空間の幅を2.54mmとした場合における管内波長λgと同じ長さとしている。以下、このようなシミュレーション条件によって得られたシミュレーション結果について説明する。
図19は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波のVSWRとの関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図19に示すグラフの、縦軸はVSWRを示し、横軸は導波管における幅広部または幅狭部の幅を示す。
図19に示すグラフの横軸は、幅広部および幅狭部が設けられておらず、導波管全体の幅が2.54mmである場合を基準としている。具体的には、横軸の「1.00」は、幅広部および幅狭部が設けられていない、すなわち導波管11の一部の幅Wが、幅W0=2.54mmと同一であることを示し、横軸の「0.84」は、幅狭部が設けられ、当該幅狭部の幅が2.21mmであることを示す。
図19に示すように、横軸が略「0.84」以上である場合、すなわち導波管における幅広部または幅狭部の幅が略2.2mm以上である場合、VSWRは2以下となる。一方、横軸が略「0.84」未満である場合、すなわち導波管における幅広部または幅狭部の幅が略2.2mm未満である場合、VSWRは2を超える。このため、導波管における幅広部または幅狭部の幅は2.2mm以上であることが好ましい。
[導波管の内部空間の幅と位相変化量の関係]
次に、導波管の内部空間の幅と、当該導波管を通過する電波の位相変化量との関係について説明する。
図20は、導波管の内部空間の幅と、導波管を通過する電波の位相変化量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図20に示すグラフの、縦軸は位相変化量[度]を示し、横軸は導波管における幅広部または幅狭部の幅を示す。図20は、図18に示すシミュレーション条件において得られたシミュレーション結果を示している。
図20に示すグラフの縦軸は、導波管11の内部空間の幅が2.54mmである場合の位相を基準としている。
図20に示すように、導波管における幅広部または幅狭部の幅が広くなるほど、導波管の通過後の電波の位相は遅くなる。
また、上述のとおり、導波管における幅広部または幅狭部の幅は2.2mm以上であることが好ましいため、電波の位相変化量は50度以下、具体的には「+50度」から「−50度」であることが好ましい。このため、導波管における幅広部または幅狭部の幅は、2.2mmから3.65mmであることが好ましい。
また、導波管における幅広部または幅狭部の幅が変わることに伴い、管内波長λgが変わる。このため、幅広部または幅狭部の幅が2.2mmから3.65mmであるとすると管内波長λgが略8.6mmから略4.6mmと変わるため、導波管における幅広部または幅狭部の長さLである2.54mmは、管内波長λgの0.3倍から0.8倍となる。すなわち、導波管における幅広部または幅狭部の長さLは、管内波長λgの0.3倍から0.8倍であることが好ましい。より好ましくは、導波管における幅広部または幅狭部の長さLは、管内波長λgの0.35倍から0.7倍である。
再び図17を参照して、第1端部21から第2端部22aまでの電波の経路K1、および第1端部21から第2端部22bまでの電波の経路K2は、多くの分岐を経由するため、第1端部21から第2端部22cまでの電波の経路K3よりも長い。
このため、たとえば、経路K1,K2,K3をそれぞれ通過した電波を同位相にする場合、導波管11の内壁は、経路K1,K2を通過した電波の位相が、経路K3を通過した電波の位相よりも早くなるように形成される。
すなわち、導波管11の内壁は、第2管部27の内部空間の一部の幅、および第3管部28の内部空間の一部の幅が、第4管部29の内部空間の幅よりも狭くなるように形成される。たとえば、導波管11の内壁は、第2管部27の一部に幅狭部71が設けられ、第3管部28の一部に幅狭部72が設けられる。
また、上述のとおり、導波管11の内部空間の幅は、2.21mm以上であることが好ましい。
このため、導波管11の内壁は、たとえば、幅狭部71の内部空間の幅を幅W1、および幅狭部72の内部空間の幅W2が2.4mmであり、第2管部27における幅狭部71以外の部分、第3管部28における幅狭部72以外の部分、および第4管部29の内部空間の幅W0が、いずれも2.54mmであるように形成される。
また、導波管11の内壁は、幅狭部71,72の長さL1,L2が管内波長λgの略1/2であるように形成される。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る導波管11は、E面における幅が調整されることにより、第1端部21において所望の位相差の電波が合成される。これに対して、導波管11のH面における幅を変更したとしても、第1端部21における電波の位相は変わらない。このため、第1端部21において所望の位相差の電波が合成されるように導波管11の幅を調整する場合は、導波管11のE面における幅を調整する。
[変形例1]
図21は、本発明の第2の実施の形態の変形例1に係る導波管を示す図である。
図21を参照して、導波管11は、第2管部27の一部分の幅、および第3管部28の一部分の幅が狭く形成される代わりに、第4管部29の一部分の幅が広く形成されてもよい。
たとえば、第4管部29の一部分である幅広部73の内部空間の幅を幅W3とすると、導波管11は、幅W3が3mmであり、第2管部27、第3管部28、および第4管部29における幅広部73以外の部分の内部空間の幅W0が2.54mmであるように形成される。
また、導波管11は、たとえば、幅広部73の垂直方向における長さL3が、管内波長λgの略1/2であるように形成される。
[変形例2]
図22は、本発明の第2の実施の形態の変形例2に係る導波管を示す図である。
図22を参照して、たとえば、第2管部27、第3管部28および第4管部29の各々の内部空間の幅が互いに異なる大きさに形成される構成により、経路K1,K2,K3をそれぞれ通過した電波の位相差を所望の値にすることができる。
具体的には、導波管11は、第2管部27における幅狭部71の内部空間の幅W1が2.3mmであり、第4管部29における幅広部73の内部空間の幅W3が3mmであるように形成される。また、導波管11は、第2管部27における幅狭部71以外の部分、第3管部28、および第4管部29における幅広部73以外の部分の内部空間の幅W0が、いずれも2.54mmであるように形成される。
これにより、経路K1を通過した電波、経路K2を通過した電波、経路K3を通過した電波の順で位相を早くすることができる。
なお、図22に示す幅狭部71および幅広部73の垂直方向における長さは、いずれも、図21に示す幅広部73と同様に、たとえば、管内波長λgの略1/2であるように形成される。
[変形例3]
図23は、本発明の第2の実施の形態の変形例3に係る導波管の構成を示す図である。
図23を参照して、導波管11は、3つの第2端部22a,22b,22cを有する代わりに、2つの第2端部22d,22eを有する構成であってもよい。この場合、導波管11における管部23は、分岐部50を有し、分岐部50は、分岐端部51と、2つの分岐端部52a,52bとを有する。
また、管部23は、さらに、第1管部26と、分岐端部52aと第2端部22dとを接続する第2管部(直線部)38と、分岐端部52bと第2端部22eとを接続する第3管部(直線部)39とを有する。
そして、導波管11は、たとえば、第2管部38における幅狭部74の内部空間の幅W11が2.3mmであり、第3管部39における幅広部75の内部空間の幅W12が3mmであるように形成される。また、導波管11は、第2管部38における幅狭部74以外の部分、および第3管部39における幅広部75以外の部分の内部空間の幅W0が、いずれも2.54mmであるように形成される。
このような構成により、第1端部21から第2端部22dまでの電波の経路K4を通過した電波の位相を、第1端部21から第2端部22eまでの電波の経路K5を通過した電波の位相よりも早くすることができる。
なお、図23に示す幅狭部74および幅広部75の垂直方向における長さは、いずれも、図21に示す幅広部73と同様に、たとえば、管内波長λgの略1/2であるように形成される。
[変形例4]
図24は、本発明の第2の実施の形態の変形例4に係る導波管の構成を示す図である。
図24を参照して、導波管11は、3つの第2端部22a,22b,22cを有する代わりに、4つの第2端部22f,22g,22h,22iを有する構成であってもよい。この場合、導波管11における管部23は、第1管部26と、分岐部81とを有する。分岐部81は、分岐端部91,92a,92b,92c,92dを有する。
また、管部23は、さらに、分岐端部92aと第2端部22fとを接続する第2管部(直線部)82と、第3管部(直線部)83と、第4管部(直線部)84と、第5管部(直線部)85とを有する。
分岐部81には、たとえば、3つの凸部93a,93b,93cが形成されている。そして、これら3つの凸部93a,93b,93cの水平方向における位置がそれぞれ調整されることにより、たとえば、1:1:1:1の分配比で、第2管部82、第3管部83、第4管部84および第5管部85へそれぞれ電波が分配される。
また、たとえば、導波管11は、第3管部83における幅広部76の内部空間の幅W21が3mmであり、第4管部84における幅広部77の内部空間の幅W22が3mmであるように形成される。また、導波管11は、第2管部82、第3管部83における幅広部76以外の部分、第4管部84における幅広部77以外の部分、および第5管部85の内部空間の幅W0が、いずれも2.54mmであるように形成される。
このような構成により、第1端部21から第2端部22fまでの電波の経路K6を通過した電波、第1端部21から第2端部22gまでの電波の経路K7を通過した電波、第1端部21から第2端部22hまでの電波の経路K8を通過した電波、および第1端部21から第2端部22iまでの電波の経路K9を通過した電波を同位相にすることができる。
なお、図24に示す幅広部76,77の垂直方向における長さは、いずれも、図21に示す幅広部73と同様に、たとえば、管内波長λgの略1/2であるように形成される。
また、図8に示す第1の実施の形態に係る導波管11、および図17に示す第2の実施の形態に係る導波管11は、いずれも、受信用アンテナに使用されてもよい。この場合、たとえば、図1に示すスロット素子12からの電波が、第2端部22a,22b,22cへそれぞれ入力されて導波管11の内部空間を伝搬し、1つの第1端部21から出力される。
そして、たとえば、図8に示すように、導波管11の主表面Sに沿った方向の断面において、屈曲部41,42の各々の内壁が互いに異なる形状に形成されることにより、第1端部21において所望の位相差の電波が合成される。
また、たとえば、図17に示すように、第2管部27、第3管部28および第4管部29の内部空間の幅を調整することにより、第1端部21において所望の位相差の電波が合成される。
また、第1の実施の形態に係る導波管11、および第2の実施の形態に係る導波管11は、いずれも、アンテナ以外の物に用いられてもよい。
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る導波管11における管部23は、第2端部22a,22b,22cにそれぞれ接続される第2管部27、第3管部28および第4管部29を有する。また、第2管部27、第3管部28および第4管部29のうちの少なくともいずれか2つは、各々の内部空間の少なくとも一部の幅が異なる。
このような構成により、簡単な方法で電波の位相差を調整することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る導波管11における第2管部27、第3管部28および第4管部29は、自己を経由する電波の経路が長いほど、内部空間の幅が狭く形成されている。
導波管11の内部空間の幅が狭いほど、導波管11を通過した電波の位相は早くなる。このため、上記のように、電波の経路が長いほど、電波の位相を早める構成により、電波の位相調整を適切に行うことができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る導波管11における第2管部27、第3管部28および第4管部29のうちの少なくともいずれか1つは、幅広部または幅狭部を有する。また、幅広部または幅狭部の長手方向における長さは、導波管11における管内波長λgの0.3倍から0.8倍である。
幅広部または幅狭部を通過する電波の一部は、幅広部または幅狭部の第1端および第2端において反射する。上記のように、幅広部または幅狭部の長手方向における長さが、導波管11を伝搬する電波の管内波長λgの0.3倍から0.8倍である場合、第1端における反射および第2端における反射が互いに打ち消し合うことができる。これにより、幅広部または幅狭部を通過する電波の良好なVSWR特性を得ることができる。なお、幅広部または幅狭部の長手方向における長さが、導波管11を伝搬する電波の管内波長λgの丁度0.5倍である場合には、第1端における反射および第2端における反射が互いに理想的に打ち消し合うことができるため、最良のVSWR特性を得ることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る導波管11の構造の一部または全部と、第2の実施の形態に係る導波管11の構造の一部または全部とを適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
第1端部と、
複数の第2端部と、
前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを備える導波管であって、
前記導波管は、貫通孔が形成された複数の金属板が積み重なることにより形成され、
前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように、前記管部の内壁の形状またはサイズが設定され、
前記管部の分岐部分において、電波の分配比を調整するための凸部が形成されている、導波管。
[付記2]
アンテナ素子と、
前記アンテナ素子へ電波を伝搬させるか、または前記アンテナ素子からの電波を伝搬させるための導波管とを備え、
前記導波管は、
第1端部と、
複数の第2端部と、
前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを含み、
前記導波管は、貫通孔が形成された複数の金属板が積み重なることにより形成され、
前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように、前記管部の内壁の形状またはサイズが設定され、
前記管部の分岐部分において、電波の分配比を調整するための凸部が形成されている、アンテナ。
10a〜10e 金属板
11 導波管
12 スロット素子(アンテナ素子)
13 接続部
20 スロットアンテナ
21 第1端部
22a〜22i 第2端部
23 管部
24 第1分岐部
25 第2分岐部
26 第1管部
27,38,82 第2管部(直線部)
28,39,83 第3管部(直線部)
29,84 第4管部(直線部)
31,32a,32b 第1分岐端部
33,34a,34b 第2分岐端部
35,93a,93b,93c 凸部
36,37,41,42,53,54 屈曲部
43a,44a,45,46,47,48,55,56 角部
50,81 分岐部
51,52a,52b,91,92a〜92d 分岐端部
61a,61b,63 突出部
62a,62b,64a,64b 内壁
71,72,74 幅狭部
71a 第1端
71b 第2端
73,75 幅広部
85 第5管部
100a 送信用アンテナ
100b 受信用アンテナ
300 スロットアレイアンテナ

Claims (10)

  1. 第1端部と、
    複数の第2端部と、
    前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを備え、
    前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成されている導波管であって、
    前記導波管は、平板状であり、
    前記管部は、分岐部分における複数の屈曲部を含み、
    前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか2つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が互いに異なる、導波管。
  2. 前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか2つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、各々の内壁のうちの外側の形状が互いに異なる、請求項に記載の導波管。
  3. 前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか1つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、内壁の角部がC面取りまたはR面取りされた形状を有している、請求項または請求項に記載の導波管。
  4. C面取りまたはR面取りされた形状を有する前記屈曲部を経由する、前記第1端部および前記第2端部間の電波の経路、に含まれる分岐の数が多いほど、前記屈曲部は、深く面取りされた形状を有する、請求項に記載の導波管。
  5. C面取りまたはR面取りされた形状を有する前記屈曲部を経由する、前記第1端部および前記第2端部間の電波の経路が長いほど、前記屈曲部は、深く面取りされた形状を有する、請求項に記載の導波管。
  6. 前記管部は、異なる前記第2端部にそれぞれ接続される複数の直線部を有し、
    前記複数の直線部のうちの少なくともいずれか2つの前記直線部は、各々の内部空間の少なくとも一部の幅が異なる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の導波管。
  7. 前記直線部は、自己を経由する前記第1端部および前記第2端部間の距離が長いほど、内部空間の幅が狭く形成されている、請求項に記載の導波管。
  8. 前記複数の直線部のうちの少なくともいずれか1つは、幅広部または幅狭部を有し、
    前記幅広部または前記幅狭部の長手方向における長さは、前記導波管における管内波長の0.3倍から0.8倍である、請求項または請求項に記載の導波管。
  9. 前記管部は、自己の内壁において設けられた突出部を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の導波管。
  10. アンテナ素子と、
    前記アンテナ素子へ電波を伝搬させるか、または前記アンテナ素子からの電波を伝搬させるための導波管とを備え、
    前記導波管は、
    第1端部と、
    複数の第2端部と、
    前記第1端部に接続され、かつ分岐して各前記第2端部に接続される管部とを含み、
    前記管部の内壁は、前記各第2端部において所望の位相差の電波が送信されるか、または前記第1端部において所望の位相差の電波が合成されるように形成され
    前記導波管は、平板状であり、
    前記管部は、分岐部分における複数の屈曲部を含み、
    前記複数の屈曲部のうちの少なくともいずれか2つの前記屈曲部は、自己の前記導波管の主表面に沿った方向の断面において、各々の内壁の形状が互いに異なる、アンテナ。
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