JP2017063406A - 導波管、スロットアンテナ及びホーンアンテナ - Google Patents

導波管、スロットアンテナ及びホーンアンテナ Download PDF

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Abstract

【課題】V字型の配列を持つアンテナアレーに、単一の導波管で給電することを可能とする。【解決手段】導波管であって、少なくとも3個の部分矩形導波管と、部分矩形導波管を隣接する他の部分矩形導波管と接続する、張り出し壁及び後退壁と、を備え、部分矩形導波管の各々は第2の方向に伸びる筒型を有し、部分矩形導波管の第2の方向における横断面は矩形状であり、部分矩形導波管の各々は第2の方向に並び、部分矩形導波管の各々の内部空間は互いに接続し、第1の方向及び第2の方向の両方に対して垂直な方向の一方を第3の方向と呼ぶとき、張り出し壁は、部分矩形導波管の第3の方向において対向する一対の側面の内の何れか一方から他方に向かって広がり、後退壁は、一対の側面の内の他方から一方とは逆側に向かって広がる。挟まれて配置される部分矩形導波管の内の少なくとも一つは、第2の方向における内部空間の長さが所定の値を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の走行方向を監視するミリ波を用いた車載レーダ装置において、特にDBF(Digital Beam Forming;デジタルビームフォーミング)レーダに用いられる導波管、スロットアンテナ及びホーンアンテナに関する。
DBFレーダは、走査方向に所定の間隔(一般には等間隔)で並べられた複数の受信アンテナから成る受信アンテナアレーを備え、各受信アンテナからの受信信号をデジタルデータに変換し演算処理により各受信信号に位相を与えて合成することによって等価的に走査ビームを生成するものである。駆動部品や可動機構を要さず高速・高精度で走査を行うことができるため、車載ミリ波レーダでも広く用いられている。但し、DBFレーダではグレーティングローブによる誤検知を排除する方策が必要である。
特許文献1は、送信アンテナが上下対称に順次ずらしてV字型に配列されたパッチアンテナを開示する。このV字型配列によるヌル特性を用いることでサイドローブが低減される。しかし、パッチアンテナにマイクロストリップラインで給電する場合、ミリ波の周波数帯域では誘電損失が大きい。導波管で給電する場合は損失は小さいが、V字型に配列したアンテナアレーに導波管で給電する方法はこれまで知られていなかった。
特開2012-147105
本発明は、少なくとも一部にV字型の配列を持つアンテナアレーに単一の導波管で給電する構造を有する、導波管、スロットアンテナ及びホーンアンテナを提供する事を課題とする。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本願の第一発明は、第1の方向に振動する電界を有する電磁波を該第1の方向に垂直な第2の方向に伝送するために用いられる導波管であって、少なくとも3個の部分矩形導波管と、前記部分矩形導波管を隣接する他の前記部分矩形導波管と接続する、張り出し壁及び後退壁と、を備え、前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に伸びる筒型を有し、前記部分矩形導波管の前記第2の方向における横断面は矩形状であり、前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に並び、前記部分矩形導波管の各々の内部空間は互いに接続し、前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して垂直な方向の一方を第3の方向と呼ぶとき、前記張り出し壁は、前記部分矩形導波管の前記第3の方向において対向する一対の側面の内の何れか一方から他方に向かって広がり、前記後退壁は、前記一対の側面の内の前記他方から前記一方に向かって広がり、前記部分矩形導波管の内、前記第2の方向において他の2つの前記部分矩形導波管に挟まれて配置される前記部分矩形導波管の内の少なくとも一つは、前記第2の方向における内部空間の長さは所定の範囲に収まり、前記所定の範囲は、(λg−λg/8)/(2n+M)以上、(λg+λg/8)/(2n+M)以下(λgは前記導波管の管内波長、nは2以上の自然数、Mは0を含まない自然数)である、導波管に関する。
本発明によれば、少なくとも一部にV字型の配列を持つアンテナアレーに、単一の導波管で給電することが可能になる。
図1(a)は、第1の実施形態の水平変位導波管(laterally shifting waveguide)の斜視図である。 図1(b)は、第1の実施形態の水平変位導波管をZ方向から見た図である。 図2(a)は、第2の実施形態の水平変位導波管の斜視図である。 図2(b)は、第2の実施形態の水平変位導波管をZ方向から見た図である。 図2(c)は、第2の実施形態の水平変位導波管の電波の進行方向を示す図である。 図3(a)は、放射器が接続された第2の実施形態の水平変位導波管の斜視図である。 図3(b)は、放射器が接続された第2の実施形態の水平変位導波管をZ方向から見た図である。 図3(c)は、スロットが接続された第2の実施形態の水平変位導波管の斜視図である。 図4は、放射器が接続された第2の実施形態の水平変位導波管の電波の進行方向を示す図である。 図5(a)は、本発明の変形例である水平変位導波管の斜視図である。 図5(b)は、本発明の変形例である水平変位導波管の部分斜視図である。 図6(a)は、本発明の水平変位導波管の反射振幅比を示すグラフである。 図6(b)は、本発明の水平変位導波管の反射波位相遷移および通過波位相遷移を示すグラフである。 図7(a)は、放射器(スロット、ホーン)の反射振幅比を示すグラフである。 図7(b)は、放射器(スロット、ホーン)の反射波位相遷移および通過波位相遷移を示すグラフである。 図8は、本発明の部分矩形導波管の配置例を示す図である。 図9(a)は、本発明の変形例である水平変位導波管の部分斜視図である。 図9(b)は、本発明の変形例である水平変位導波管をX方向から見た図である。 図9(c)は、本発明の変形例である水平変位導波管をZ方向から見た図である。 図10は、本発明の水平変位導波管を使用したアンテナアレーをZ方向から見た図である。 図11は、本発明の水平変位導波管を使用したアンテナ装置の変形例をZ方向から見た図である。
図1(a)、図1(b)に本発明の第1の実施形態の水平変位導波管を示す。水平変位導波管(導波管)100は、第1の方向(Z方向)に振動する電界を有する電磁波を第1の方向に垂直な第2の方向(Y方向)に伝送する。直線状に延びる導波管100が、管軸に垂直な変位面2で区分された形態を有する。区分された各部位を、それぞれ、部分矩形導波管10、及び部分矩形導波管11と呼ぶ。部分矩形導波管10及び11は、管軸を平行に保ちつつ、Y方向及びZ方向に対して垂直な第3の方向(X方向)に、管軸の位置がずれた状態で接続している。
部分矩形導波管10,11の内部空間は、第2の方向に伸びる筒型を有しており、第2の方向における横断面は矩形状である。それぞれの部分矩形導波管10,11のX方向における幅は等しい。部分矩形導波管10,11のX方向における位置は、部分矩形導波管10,11の幅より小さな大きさであるSだけ異なる。
部分矩形導波管10,11は、変位面2を境界にしてSの横ずれを伴って接続する。部分矩形導波管10,11に共通の部分以外は導体壁で塞がれる。共通部分以外の部分を塞ぐ導体壁は、段面である張り出し壁90及び後退壁91が含まれる。張り出し壁90及び後退壁91は、部分矩形導波管10と部分矩形導波管11とを接続する。張り出し壁90は、部分矩形導波管11のX方向において対向する側面の内−X方向側の側面の−Y方向側の端から+X方向に広がり、部分矩形導波管10の−X方向側の側面の+Y方向側の端に接続する。対して後退壁91は、部分矩形導波管11のX方向において対向する側面の内+X方向側の側面の−Y方向側の端から+X方向に広がり、部分矩形導波管10の+X方向側の側面の+Y方向側の端に接続する。このような導波管構造を本明細書では水平変位導波管と呼ぶ。水平変位導波管を用いれば、導波管の幅方向(X方向)において異なる位置にあるアンテナに、給電することが可能である。但し、変位面において電波の反射が発生する。この反射を打ち消して反射整合の状況を実現する為には、別途構造上の工夫を加える必要がある。
ミリ波帯の周波数帯の電波を使用する小型アンテナでは、金属平板に矩形の溝を彫りこみ、金属プレートをかぶせて中空の導波管を成す製法が多く用いられる。図1(b)はこのような製法を想定した導波管溝の平面図で、白抜き部分が導波管内部である。
図6に、本発明の第1の実施形態である水平変位導波管の応答特性を示す。図6(a)の実線51は、部分矩形導波管の水平方向のずれ量Sと反射振幅比(入力電界に対する反射電界の大きさの比)の関係を示す。ずれ量Sは、自由空間波長λで規格化されている。図6(b)は入力波に対する位相変化と、規格化されたずれ量Sとの関係を示す。点線52は反射波の位相の遷移、破線53は通過波の位相の遷移である。部分矩形導波管の寸法は長辺をWa、短辺をWbとして、通常λ/2>Wa>λ、Wb<λ/2の範囲から選択される。ここでは設計周波数は76.5GHz、λ=3.92mmに対してWa=3.78mmとしている。また計算上はWb=1mmを選んでいるが、これらの応答特性はWbによっては変化しない。反射波には約90°の位相の遷移が生じるが、通過波の位相は入力波とほぼ同位相で、水平変位導波管を経ても伝送位相の変化は小さい。
図2(a)、図2(b)に、本発明の第2の実施形態の水平変位導波管101を示す。図2(a)は2箇所に変位面を有するので、2段の水平変位導波管と称する。図2(b)は平面図である。第1の実施形態の水平変位導波管100の第2の方向に、部分矩形導波管12が追加された構成を有する。変位面も21と22の2つを備える。また、2つの張り出し壁901、902、及び2つの後退壁911,912を備える。
部分矩形導波管10と部分矩形導波管11、及び、部分矩形導波管11と部分矩形導波管12との間のずれ量は各々S1、S2である。部分矩形導波管11の第2の方向における内部空間の長さである軸方向長さはLである。この例では、各部分矩形導波管のX方向における幅である長辺寸法Waは各部分矩形導波管10,11,12について同一である。しかし、Waは設計に応じて各部分矩形導波管に対して異ならせてもよい。2段の水平変位導波管101では、単体で反射整合を実現できる。
以下に反射整合の数式を示す。図2(c)は水平変位導波管101の電波の流れを模式的に表す。図2(c)で、実線矢印は電波の内の進行波を、破線は反射波を表す。変位面21,22においては導波管幅方向に不連続があるため、それぞれ反射波Γ、Γが生じる。以降では反射波を以下の数式で表す。
Figure 2017063406
ここで、Γは複素反射係数、γは反射振幅比、ψは反射波の位相の遷移、ρは伝搬路長
による位相差を示し、適宜部位等を表わす添え字で識別する。
厳密には多重反射の影響や、変位面で反射せずに通過する通過波の位相の遷移も考慮する必要があるが、近似としてこれらを省く。また反射波の位相の遷移は、ほぼ90°(π/2)に等しいとする。部分矩形導波管11の中点Cでの位相を基準として、変位面21,22における反射波Γ、Γは以下の式で表される。
Figure 2017063406
Figure 2017063406
ここで、導波管の管内波長をλgとし、kg=2π/λgである。斜字jは虚数単位を表わす。この系全体の反射係数、即ち部分矩形導波管10への反射係数をΓとすると、Γは次の式で表現される。
Figure 2017063406
数式4より、Γ=0となるのはγ=γかつcos(kg・L)がゼロになる時である。
γ及びγは、何れも後退壁911、及び912の幅に比例する。従ってγ=γとなる為には、S1=S2である必要がある。cos(kg・L)はL=λg/4、あるいはその奇数倍でゼロになる。よって、これら二つが反射整合の実現に必要な条件である。
更に多段の水平変位導波管でも反射整合が実現可能である。水平変位接続の数に応じてn箇所の場合はn段と称する。部分矩形導波管11〜1(n−1)の軸方向長さが全て同じ(=L)で、各水平変位接続箇所21〜2nのずれ量も全て同じ(=S)である場合、各後退壁における反射振幅比をγsとするとき、系全体の反射係数は以下で表される:
Figure 2017063406
このΓは、L=λg/(2n)で0となり、反射整合が実現される。すなわち、2個以上である水平変位接続がn個設けられている時、反射整合が実現されるLの条件は、L=λg/(2n+M)(Mは0を含む自然数)である。但し、Lはλg/(2n+M)と厳密に一致している必要はない。(λg+λg/8)/(2n+M)以下であり、かつ(λg−λg/8)/(2n+M)以上の所定の範囲に収まっていれば、反射整合の効果は得られる。
矩形導波管では長辺幅がλ/2以下では遮断状態となり伝送できない。このため変位面2において両導波管が接する部分の横幅(Wa−S)はλ/2より大きい必要がある。よって、ずれ量Sについて以下の式が導かれる。
Figure 2017063406
なお、2段で反射整合を実現できない場合はn>3の構成が有用である。但し整合の原理は2段構成と同じである。よって、以下は2段水平変位導波管を用いたアンテナの反射整合について述べる。
図3(c)は、スロットアンテナを示す。スロットアンテナは、水平変位導波管102と、部分矩形導波管12のZ方向の壁面を貫通する孔である矩形のスロット3と、を有する。なお、少なくとも遮断波長の電波を伝達することができる形状であれば、スロット3は必ずしも矩形でなくても良い。
図3(a)は、ホーンアンテナを示す。ホーンアンテナは、水平変位導波管102と、水平変位導波管102に接続される矩形ホーン4を有する。水平変位導波管102は、部分矩形導波管12のZ方向の壁面を貫通する孔である矩形のスロット3を有する。スロット3はX方向に伸びる長辺を有する矩形の形状を有する。また、スロット3は、矩形ホーン4の基部に開口し、矩形ホーン4の長辺とスロット3の長辺は同じ方向に伸びる。部分矩形導波管10、11、12はX方向に変位しつつ接続される。この構成を一単位として、図示しない他の複数のホーンアンテナがY方向に並ぶ。なお、少なくとも遮断波長の電波を伝達することができる形状であれば、スロット3は必ずしも矩形でなくても良い。
図3(b)は矩形ホーンを省いた平面図で、Y方向において隣接する2つのスロット及び3つの部分矩形導波管を併せて示している。部分矩形導波管10には隣接する部分矩形導波管11が接続する。これは、図1(a)における部分矩形導波管11、10の組み合わせに相当する。部分矩形導波管11には、さらに部分矩形導波管12が接続される。なお、部分矩形導波管10にもスロット3が設けられている。部分矩形導波管11の軸方向長さをL、部分矩形導波管11の中点Cからスロット3の中点までの軸方向の長さをDとする。なお、ここで、軸方向の長さという言葉は、Y方向の長さという言葉と同じ意味で用いている。
また、矩形ホーン4は、スロット3の短辺から矩形ホーン4の基部まで矩形ホーン4の軸から離れる方向に拡がる平面部40を有する。すなわち、ホーンアンテナは、平面部40を有する。この例では、平面部40は、矩形ホーン4の軸に対して垂直である。平面部40は、高次モードであるTE30モードの電界を発生させる。TE30モードの電界と基本モードであるTE10モードの電界とが足しあわされることで、所定の方位についてアンテナの利得を増やすことができる。
図4において、矢印を用いて、電波の内の進行波及び反射波を模式的に示す。部分矩形導波管10側から入力された電波は部分矩形導波管11を経て部分矩形導波管12に伝送され、電力の一部はスロット3において結合して分岐し、矩形ホーン4から放射される。残りの電力は次の矩形ホーンに導かれ、同様に繰り返してアンテナの全矩形ホーンから電波が放射される。この際、変位面21、22からの反射波Γ、Γ、及び矩形ホーン/スロットからの反射波Γが生じる。この系において、水平変位導波管による反射波を相殺波として用いることで整合が得られる。
以下に整合設計の例を数式により導く。図7は放射器(スロットおよび矩形ホーン)の応答特性の計算例を示す。直線状に延びる部分矩形導波管の長辺面にスロットを介してホーンが結合された場合について、図7(a)の鎖線70は放射振幅比(入力電界に対する放射電界の大きさの比)、実線71は反射振幅比である。部分矩形導波管の長辺寸法Waは同じで短辺寸法Wbによる変化を示す。横軸はWb/λで規格化している。この例では、概ねWb/λが概ね0.2以下の範囲では短辺寸法が小さいほど放射振幅比は大きくなる。図7(b)は入力波に対する位相変化を示す。実線72は反射波の位相遷移、破線73は通過波の位相遷移である。図6(b)の実線52と比較して、水平変位導波管の反射波は約90°の位相遷移を持つが、放射器による反射波は特にWb/λが0.2以下では入力波とほぼ同相である。従って、近似として位相の遷移は、ψ=π/2、ψ=0と置く。水平変位導波管による反射波の合成をΓとし、数式4からΓをΓに置換えて得られる。なお、2段水平変位導波管単独での整合の場合はS1=S2が必要条件であるが、整合素子として用いる場合はその制約はない。但しここでは、式を簡単にするため、S1=S2の場合を示す。これによってのΓは下記通り表記できる。
Figure 2017063406
放射器からの反射波は、以下の式で表現される。
Figure 2017063406
先ずΓとΓの等振幅条件について、Γの大きさはLによって可変であり、以下の式を用いてLを選定する。
Figure 2017063406
なお、ここでγhは、放射器における反射振幅比である。
左辺は、L<λg/4の場合は正値、λg/4<L<λg/2の場合は負値になる。
放射器からの反射波において整合が得られるためには、L<λg/4の場合は、以下の式が満足される必要がある。
Figure 2017063406
ここでmは奇数である。
水平変位導波管が放射器の上下方向間隔λg内に収容できる条件は、以下の式で表される。
D=λg/8、または5λg/8
また、λg/4<L<λg/2の場合は同様に、次の式が成り立つ。
Figure 2017063406
この場合は、D=3λg/8となる。
図8に、部分矩形導波管をZ方向から見通した場合の、平面配置の例を示す。
複数の部分矩形導波管(10,11,12,11‘、12’・・・)がY方向に並びつつ、水平変位導波管104が全体として−X方向に向けて広がるV字型を成している。この形状は、部分矩形導波管が少なくとも3つあれば構成可能である。
以上、2段水平変位導波管を用いることで反射整合に有効であることを述べてきたが、上記は所定の条件における近似解析である。一般的な設計手法としては、3次元シミュレータ等を用いる直接解析が適している。これによって、各々の反射振幅比や位相遷移などを個別に解析する必要もなく、多重反射の影響なども全て包含して正確な設計寸法を得ることができる。また横方向のずれだけでなく、部分矩形導波管の短辺Wbの寸法(溝の深さ)を変えるような構造も選択可能である。
例えば、進行波アレーアンテナでは、電波が放射素子を経る毎に給電路内の電力が減ってゆくので、給電端側から終端に進むに従って順次放射振幅比を増すように設計するのが一般的である。そのためにはスロットやホーンの寸法を変える方法も有り得るが、放射指向特性が逐一異なってくるため設計が煩雑になる。これに対して部分矩形導波管の短辺寸法を変える方法が有用である。図7(a)の鎖線70に示されるように、この例ではWb/λが0.2以下では短辺寸法が小さいほど放射振幅比は増すので、この範囲で短辺寸法を順次狭めてゆくことにより調節できる。構造としては、図5(a)に示すように水平変位導波管103には横方向のずれに加え短辺Wbの寸法の違いを持たせることが考えられる。短辺Wbの寸法の不連続による反射成分も加わるため反射振幅比は一般には増加するが、上述した整合実現の原理は全く同等に適用できる。また数式9において、2γ<γであると等振幅の条件は得られないこともありうるが、図5(b)のように例えば部分矩形導波管11の短辺Wbの寸法を変えてγを大きくするような手法も考えられる。
図9は、本発明の水平変位導波管の変形例を示す。図9(a)は、水平変位導波管105の部分斜視図であり、図9(b)は、水平変位導波管105をX方向から見た図である。図9(c)は、水平変位導波管105をZ方向から見た図である。部分矩形導波管10および11の短辺寸法をWb0、部分矩形導波管12および13の短辺寸法をWb1、部分矩形導波管14および15の短辺寸法をWb2とすると、Wb0>Wb1>Wb2である。図9(a)および図9(b)のように、給電端側から終端に進むにつれて、部分矩形導波管の短辺寸法が小さくなるように変化させ、階段状に部分矩形導波管を配置する。
部分矩形導波管はさらに10”、11”、12”、13”、14”、15”が−Y方向に接続される。部分矩形導波管10と部分矩形導波管10”の間には、給電用孔6が配置される。図9(c)のように全体として−X方向に向けて広がるV字型を成している。部分矩形導波管10”および11”の短辺寸法がWb0、部分矩形導波管12”および13”の短辺寸法がWb1、部分矩形導波管14”および15”の短辺寸法がWb2である時、Wb0>Wb1>Wb2である。部分矩形導波管10”、11”、12”、13”、14”、15”も給電端側から終端に進むにつれて、部分矩形導波管の短辺寸法が小さくなるように変化させる。
図10は、水平変位導波管105を使用したアンテナ装置200である。図10(a)は、アンテナ装置200をZ方向から見た図である。アンテナ装置200は、電波を送信する送信部8と、電波を受信する受信部7とを有する。送信部は一つの送信アンテナアレー80からなり、送信アンテナアレー80は導波管として図9(c)の水平変位導波管105を使用し、14個の送信用ホーンを有する。ここで、水平変位導波管105は、送信用ホーンの裏面に配置されているため図10には図示されない。送信アンテナアレー80は、全体として−X方向に向けて広がるV字型をなしている。
なお、14個の送信用ホーンの内、Y方向における両端の送信用ホーン801を除く12個の送信用ホーン802は、Y方向に等間隔に配置される。Y方向における両端の送信用ホーン801と、隣接する送信用ホーン802とのY方向における隔たりB1は、内側の12個の送信用ホーン間の配置間隔B2よりも小さい。また、両端の送信用ホーン801のY方向の大きさC1は、内側の12個の送信用ホーン802のY方向の大きさC2よりも小さい。
図10(b)は、アンテナ装置200を−Y方向から見た図である。図10(c)は、図10(a)における符号A−Aでの断面図である。図10(b)および図10(c)において、導波管の記載は省略している。送信アンテナアレー80を構成する個々の送信ホーン802は、個々の受信用ホーン71よりもX方向における幅が大きい。このため、図10(b)、図10(c)からも分かるように、送信アンテナアレー80は、受信部7よりもZ方向の高さ寸法が大きい。また、各送信用ホーンおよび各受信用ホーンは、その基部に平面部40を持つ。
受信部7は、送信アンテナアレー80が描くV字型のVの字が広がる側に配置される。受信部7は、5つの受信アンテナサブアレー70a、70b、70c、70d、70eからなるアンテナアレーである。それぞれの受信アンテナサブアレーは、部分矩形導波管および14個の受信用ホーン71を有する。部分矩形導波管は、受信用ホーン71の裏側に配置されているため図示されない。受信アンテナサブアレーはそれぞれY方向に向かって延びており、受信用ホーン71もY方向に等間隔に配置される。また、5つの受信アンテナサブアレーもX方向に等間隔に配置される。5つの受信アンテナサブアレーは、少なくとも3種類の異なるY方向位置に配置される。より具体的には、5つの受信アンテナサブアレーは、中央の受信アンテナサブアレー70cを基準とすると、受信アンテナサブアレー70cに隣接する受信アンテナサブアレー70bおよび受信アンテナサブアレー70dは−Y方向に3.15mmだけ移動した位置に配置される。また、受信アンテナサブアレー70bおよび受信アンテナサブアレー70dに対して、受信部7のX方向に置ける外側に位置する受信アンテナサブアレー70aおよび受信アンテナサブアレー70eは中央の受信アンテナサブアレー70cに対して−Y方向に1.35mmだけ移動した位置に配置される。
なお、5つの受信アンテナサブアレー70a、70b、70c、70d、70eのそれぞれが有する14個の受信用ホーンの内、Y方向における両端の受信用ホーン701を除く12個の受信用ホーン702は、Y方向に等間隔に配置される。Y方向における両端の受信用ホーン701と、隣接する受信用ホーン702とのY方向における隔たりD1は、内側の12個の受信用ホーン間の配置間隔D2よりも小さい。また、両端の受信用ホーン701のY方向の大きさE1は、内側の12個の受信用ホーン702のY方向の大きさE2よりも小さい。
図11は、水平変位導波管105を使用したアンテナ装置の変形例である。アンテナ装置201は、受信部7が、送信アンテナアレー80が描くV字型のVの字が狭くなる側に配置される点が、アンテナ装置200とは異なる。その他の寸法関係は、アンテナ装置200と同一である。
1 給電導波管
2、21、22 変位面
3 矩形スロット
4 矩形ホーン
5 整合素子
6 給電用孔
10、11、12 部分矩形導波管
40 平面部
90、901、902 張り出し部
91、911、912 後退部
100、101、102、103、104、105 水平変位導波管
200、201 アンテナ装置
7 受信部
8 送信部
70a、70b、70c、70d、70e 受信アンテナサブアレー
80 送信アンテナアレー
71 受信用ホーン
81 送信用ホーン
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本願の第一発明は、第1の方向に振動する電界を有する電磁波を該第1の方向に垂直な第2の方向に伝送するために用いられる導波管であって、少なくとも3個の部分矩形導波管と、前記部分矩形導波管を隣接する他の前記部分矩形導波管と接続する、張り出し壁及び後退壁と、を備え、前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に伸びる筒型を有し、前記部分矩形導波管の前記第2の方向における横断面は矩形状であり、前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に並び、前記部分矩形導波管の各々の内部空間は互いに接続し、前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して垂直な方向の一方を第3の方向と呼ぶとき、前記張り出し壁は、前記部分矩形導波管の前記第3の方向において対向する一対の側面の内の何れか一方から他方に向かって広がり、前記後退壁は、前記一対の側面の内の前記他方から前記一方とは逆側に向かって広がり、前記部分矩形導波管の内、前記第2の方向において他の2つの前記部分矩形導波管に挟まれて配置される前記部分矩形導波管の内の少なくとも一つは、前記第2の方向における内部空間の長さは所定の範囲に収まり、前記所定の範囲は、(λg−λg/8)/(2n+M)以上、(λg+λg/8)/(2n+M)以下(λgは前記導波管の管内波長、nは2以上の自然数、Mは0を含まない自然数)である、導波管に関する。

Claims (5)

  1. 第1の方向に振動する電界を有する電磁波を該第1の方向に垂直な第2の方向に伝送するために用いられる導波管であって、
    少なくとも3個の部分矩形導波管と、
    前記部分矩形導波管を隣接する他の前記部分矩形導波管と接続する、張り出し壁及び後退壁と、
    を備え、
    前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に伸びる筒型を有し、
    前記部分矩形導波管の前記第2の方向における横断面は矩形状であり、
    前記部分矩形導波管の各々は前記第2の方向に並び、
    前記部分矩形導波管の各々の内部空間は互いに接続し、
    前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に対して垂直な方向の一方を第3の方向と呼ぶとき、
    前記張り出し壁は、前記部分矩形導波管の前記第3の方向において対向する一対の側面の内の何れか一方から他方に向かって広がり、前記後退壁は、前記一対の側面の内の前記他方から前記一方に向かって広がり、
    前記部分矩形導波管の内、前記第2の方向において他の2つの前記部分矩形導波管に挟まれて配置される前記部分矩形導波管の内の少なくとも一つは、前記第2の方向における内部空間の長さは所定の範囲に収まり、前記所定の範囲は、(λg−λg/8)/(2n+M)以上、(λg+λg/8)/(2n+M)以下(λgは前記導波管の管内波長、nは2以上の自然数、Mは0を含まない自然数)である、
    導波管。
  2. 前記導波管が全体としては、前記第3の方向の逆方向に向けて広がるV字型を成している、
    請求項1の導波管。
  3. 請求項1または2の導波管を有し、
    前記部分矩形導波管の内少なくとも1つは、前記第1の方向の壁面を貫通する孔である矩形スロットを有する、
    スロットアンテナ。
  4. 請求項1または2の導波管と、
    前記導波管に接続された複数の矩形ホーンと、
    を有し、
    前記部分矩形導波管の内少なくとも1つは、前記第1の方向の壁面を貫通する孔である矩形スロットを有し、
    前記スロットの各々は、前記複数の矩形ホーンの各々の基部に開口し、
    前記矩形ホーンの長辺と前記矩形スロットの長辺は同じ方向に伸びる、
    ホーンアンテナ。
  5. 前記矩形スロットの短辺から前記矩形ホーンの基部まで前記矩形ホーンの軸から離れる方向に拡がる平面部を有し、
    前記平面部は前記矩形ホーンの軸に対して垂直である、
    請求項4のホーンアンテナ。
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