JP6873661B2 - 新規な遷移金属錯体 - Google Patents

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本発明は、エーテル化合物の工業的製造に適した触媒として使用できる新規な遷移金属錯体に関する。
従来、エーテル化合物は医薬品、農薬、界面活性剤、ポリマー材料等幅広い分野に用いられている。エーテル化合物の製造方法としては、例えば、アルコール化合物をハロゲン化アルキルによりアルキル化する方法が広く知られている(非特許文献1)。しかしながら、この方法はアルコール化合物をナトリウム等のアルカリ金属と反応させてアルカリ金属アルコラートとし、次いでハロゲン化アルキルを反応させる。この反応においては、等量の無機塩が副生成物として排出される。また、ハロゲン化アルキルは一般に毒性が高い。このように非特許文献1に記載の方法を工業的に実施するには課題が残っている。
一方、遷移金属触媒によるハロゲン化アルキルを必要としないエーテル化合物の製造例が報告されている(非特許文献2、3)。非特許文献2では、ルテニウム錯体を触媒として使用し、アルコール化合物を反応させてエーテル化合物を製造している。しかしながら、触媒として使用しているルテニウム錯体は酸素に不安定であり、酸素濃度を極めて低く保つことが出来る特殊な設備内での取扱いが必要であること、配位子として毒性の高いカルボニル配位子やアルキルホスフィン配位子を用いていることから工業的に実施するには課題がある。非特許文献3では、含窒素複素環カルベン配位子を有するイリジウム錯体を用いてエーテル合成の検討がなされているが、前記イリジウム錯体と共に添加剤として感光性の高いトリフルオロメタンスルホン酸銀を用いているため、反応を行う際には遮光する必要があり、工業的な実施には課題がある。また、本発明者らが非特許文献3を参考に、含窒素複素環カルベン配位子を有するイリジウム錯体とトリフルオロメタンスルホン酸銀をあらかじめ反応させて得られたイリジウム錯体を使用してエーテル化合物の製造を試みたが、非常に低収率であった(後述の比較例参照)。
J.March,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure,6th ed.,Wiley,New York,2007,pp.529−531. ACS Catal.2014,4,3881−3885. Chem.Eur.J.2008,14,11474−11479.
本発明は、簡便かつ安全で、工業的なエーテル化合物の製造に適した触媒として使用できる新規な遷移金属錯体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、毒性の高いカルボニル配位子やアルキルホスフィン配位子を含まず、空気下で安定な含窒素複素環カルベン配位子を有する遷移金属錯体を見出した。さらに、当該遷移金属錯体の存在下に種々のアルコール化合物を反応させることで、多量の副生成物を生じることなくエーテル化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]に関するものである。
[1] 一般式(1)又は(2)で表される遷移金属錯体。
一般式(1):
Figure 0006873661
一般式(2):
Figure 0006873661
[一般式(1)及び(2)中、Arは、置換基を有してもよい芳香族化合物又は置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、Mは、ルテニウム、ロジウム又はイリジウム、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。RとR、RとR、若しくは隣接するR〜Rは互いに結合して、環を形成してもよい。Lは、スルホキシド配位子、アミド配位子、含窒素芳香環配位子、アミン配位子、エーテル配位子、ニトリル配位子及びアコ配位子からなる群から選択される配位子を示す。破線は、実線と共に、単結合又は二重結合を形成していることを示す。Yはトリフルオロメタンスルホン酸イオン以外のアニオンを示す。]
[2] Arが1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基である[1]に記載の遷移金属錯体。
[3] Mがイリジウムである[1]又は[2]に記載の遷移金属錯体。
[4] Yが一般式(3):
SO (3)
(一般式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
で表されるスルホン酸イオン、一般式(4):
Figure 0006873661
(一般式(4)中、R、R10は互いに同じ若しくは異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基又はフッ素原子を示し、RとR10は互いに結合して、環を形成していてもよい。)
で表されるビス(スルホニル)イミドイオン又は一般式(5):
(R11SO (5)
(一般式(5)中、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
で表されるトリス(スルホニル)メチドイオンである[1]〜[3]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
[5] Yが一般式(4)で表されるビス(スルホニル)イミドイオンである[1]〜[4]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
[6] Lがアコ配位子である[1]〜[5]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
[7] Rがヒドロキシ基である[1]〜[6]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
[8] R〜Rが水素原子である[1]〜[7]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
[9] Rが炭素数1〜6のアルキル基である[1]〜[8]のいずれかに記載の遷移金属錯体。
本発明によれば、簡便かつ安全で、工業的なエーテル化合物の製造に適した触媒として使用できる新規な遷移金属化合物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
一般式(1)又は(2)で表される遷移金属錯体(以下、遷移金属錯体(A)という。)について説明する。
一般式(1)及び(2)中、Arは、置換基を有してもよい芳香環化合物又は置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基を示す。好ましくは置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基である。
置換基を有してもよい芳香環化合物の具体例としては、これに限定するものではないが、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、1,3,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、ナフタレン、アントラセン等が挙げられ、好ましくはp−シメン、1,3,5−トリメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼンである。
置換基を有してもよいシクロペンタジエニル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロペンタジエニル基(Cp)、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、1,2−及び1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3−及び1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp)、1,2,3,4,5−ペンタフェニルシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタジエニル基(Cp)、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp)であり、特に好ましくは1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp)である。
一般式(1)及び(2)中、Mはルテニウム、ロジウム又はイリジウムであり、好ましくはイリジウムである。
一般式(1)及び(2)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。R〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、好ましくは水素原子である。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。また、RとR、RとR、若しくは隣接するR〜Rは互いに結合して、環を形成してもよい。環を形成する場合、二重結合を有する環を形成していてもよい。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のヘテロシクリル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアシル基が挙げられ、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基、特に好ましくは置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である。
〜Rにおいて炭素数1〜20の炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、これに限定するものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、エチニル基、2−プロピニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ジメチルアミノ基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
〜Rにおいて炭素数1〜20の炭化水素基が置換基を有する場合、置換基の数に特に限定されないが、例えば1〜5個、好ましくは1〜3個でありその位置は、置換が可能な位置であれば特に限定されない。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、ベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−アンスリルメチル基、2−アンスリルメチル基、9−アンスリルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等が挙げられる。好ましくは、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基である。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数1〜20のヘテロシクリル基の具体例としては、これに限定するものではないが、フリル基、チエニル基、ピロリニル基、ピリジル基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基、4−モルホリニル基等が挙げられる。好ましくは、フリル基、チエニル基である。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、これに限定するものではないが、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基が挙げられる。好ましくは、ビニル基、アリル基、3−ブテニルである。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、これに限定するものではないが、エチニル基、2−プロピニル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、6−ヘプチニル基、7−オクチニル基、8−ノニニル基、9−デシニル基が挙げられる。好ましくは、エチニル基、2−プロピニル基である。
〜Rにおいて置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアシル基の具体例としては、これに限定するものではないが、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。好ましくは、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基である。
一般式(1)及び(2)中、Lは、スルホキシド配位子、アミド配位子、含窒素芳香環配位子、アミン配位子、エーテル配位子、ニトリル配位子及びアコ配位子からなる群から選択される配位子を示す。取扱いが簡便という点で、アコ配位子が特に好ましい。
スルホキシド配位子としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシドが挙げられる。
アミド配位子としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)が挙げられる。
含窒素芳香環配位子としては、例えば、ピリジン、ピコリン、クロロピリジン、メトキシピリジン、2,6−ルチジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジンが、挙げられる。
アミン配位子としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジンが挙げられる。
エーテル配位子としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、アニソール、ジフェニルエーテル、1,4−ジオキサンが挙げられる。
ニトリル配位子としては、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)中、破線は、実線と共に、単結合又は二重結合を形成していることを示す。
有機金属錯体(A)のカチオンの具体例としては、以下に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の具体例中、Ar、R及びLは前記に同じであり、Meはメチル基を示す。
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661


Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
一般式(1)及び(2)中、Yはトリフルオロメタンスルホン酸イオン以外のアニオンを示す。好ましくは、一般式(3):
SO (3)
(一般式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
で表されるスルホン酸イオン(以下、スルホン酸イオン(3)という。)、一般式(4):
Figure 0006873661
(一般式(4)中、R、R10は互いに同じ若しくは異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基又はフッ素原子を示し、RとR10は互いに結合して、環を形成していてもよい。)
で表されるビス(スルホニル)イミドイオン(以下、ビス(スルホニル)イミドイオン(4)という。)又は一般式(5):
(R11SO (5)
(一般式(5)中、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
で表されるトリス(スルホニル)メチドイオン(以下、トリス(スルホニル)メチドイオン(5)という。)であり、特に好ましくは一般式(4)で表されるビス(スルホニル)イミドイオンである。
一般式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。好ましくは、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基として好ましくは炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基、より好ましくは炭素数2〜6のパーフルオロアルキル基である。炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基の具体例としては、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられ、好ましくはペンタフルオロエチル基である。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のパーフルオロアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、ペンタフルオロフェニル基、1−ヘプタフルオロナフチル基、2−ヘプタフルオロナフチル基、ノナフルオロアントラセニル基、ノナフルオロピレニル基、ヘプタフルオロ−4−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−3−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−2−メチルフェニル基、ノナフルオロエチルフェニル基、ノナフルオロジメチルフェニル基等が挙げられ、好ましくは、ペンタフルオロフェニル基である。
スルホン酸イオン(3)の具体例としては、これに限定するものではないが、メタンスルホナート(CHSO )、エタンスルホナート(CSO )、ペンタフルオロエタンスルホナート(CSO )、ヘプタフルオロプロパンスルホナート(CSO )、ノナフルオロブタンスルホナート(CSO )、ウンデカフルオロペンタンスルホナート(C11SO )、トリデカフルオロヘキサンスルホナート(C13SO )、ペンタデカフルオロヘプタンスルホナート(C15SO )、ヘプタデカフルオロオクタンスルホナート(C17SO )、ベンゼンスルホナート(CSO )、p−トルエンスルホナート(CHSO )、ドデシルベンゼンスルホナート(C1829SO )、ペンタフルオロベンゼンスルホナート(CSO )、フルオロスルホナート(FSO )等が挙げられる。好ましくは、ペンタフルオロエタンスルホナート、ヘプタフルオロプロパンスルホナート、ノナフルオロブタンスルホナート、p−トルエンスルホナートである。
一般式(4)中、R、R10は互いに同じ若しくは異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基又はフッ素原子であり、好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基である。RとR10は互いに結合して、環を形成していてもよい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基として好ましくは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基である。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のパーフルオロアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、ペンタフルオロフェニル基、1−ヘプタフルオロナフチル基、2−ヘプタフルオロナフチル基、ノナフルオロアントラセニル基、ノナフルオロピレニル基、ヘプタフルオロ−4−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−3−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−2−メチルフェニル基、ノナフルオロエチルフェニル基、ノナフルオロジメチルフェニル基等が挙げられ、好ましくは、ペンタフルオロフェニル基である。
ビス(スルホニル)イミドイオン(4)の具体例としては、これに限定するものではないが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデート((CFSO)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミデート((CSO)、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミデート((CSO)、ビス(ノナフルオルブタンスルホニル)イミデート((CSO)、ビス(ウンデカフルオルペンタンスルホニル)イミデート((C11SO)、ビス(トリデカフルオルヘキサンスルホニル)イミデート((C13SO)、ビス(ペンタデカフルオルヘプタンスルホニル)イミデート((C15SO)、ビス(ヘプタデカフルオルオクタンスルホニル)イミデート((C17SO)、ノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミデート((CFSO)(CSO)N)、ビス(フルオロスルホニル)イミデート((FSO)等が挙げられる。好ましくは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデート、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミデート、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミデート、ビス(ノナフルオルブタンスルホニル)イミデートであり、特に好ましくはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデートである。
とR10が互いに結合して、環を形成している場合、ビス(スルホニル)イミドイオン(4)の具体例としては、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミデート(CF(CFSO)、1,1,2,2−ブタフルオロエタン−1,2−ジスルホンイミデート((CFSO)等が挙げられる。
一般式(5)中、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。好ましくは炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基、より好ましくは炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基として好ましくは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であり、より好ましくはトリフルオロメチル基である。
炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、メシチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のパーフルオロアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、ペンタフルオロフェニル基、1−ヘプタフルオロナフチル基、2−ヘプタフルオロナフチル基、ノナフルオロアントラセニル基、ノナフルオロピレニル基、ヘプタフルオロ−4−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−3−メチルフェニル基、ヘプタフルオロ−2−メチルフェニル基、ノナフルオロエチルフェニル基、ノナフルオロジメチルフェニル基等が挙げられ、好ましくは、ペンタフルオロフェニル基である。
トリス(スルホニル)メチドイオン(5)の具体例としては、これに限定するものではないが、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド((CFSO)、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホニル)メチド((CSO)等が挙げられる。
以下に、遷移金属錯体(A)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。本具体例中、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンをTFSI、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基をCp、メチル基をMeと略記する。
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
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本発明において、遷移金属錯体(A)は、種々の方法で製造することが出来る。その代表的な方法としては、下記反応式1に示す工程1及び2により製造できる。
反応式1:
Figure 0006873661
(上記反応式1中、Ar、R〜R、L及びYは前記に同じである。)
・工程1
一般式(10)で表されるピリジン化合物(以下、ピリジン化合物(10)という。)と酸化銀(AgO)とを反応(反応a)させ、次いで、反応式1中、一般式(11)で表される遷移金属ハロゲン化物(以下、遷移金属ハロゲン化物(11)という。)と反応(反応b)させることで、一般式(12)で表される遷移金属錯体を得る工程。
・工程2
工程1で得られた一般式(12)で表される遷移金属錯体(以下、遷移金属錯体(12)という。)に、一般式(13)で表される銀塩(以下、銀塩(13)という。)を反応させて、一般式(1)で表される遷移金属錯体を得る工程。
上記製造法に加え、一般式(1)で表される遷移金属錯体を得るために、必要に応じて保護及び脱保護を行うことができ、一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Fifth Edition,John Wiley & Sons,Inc.)を参考にしてもよい。また必要に応じて官能基変換を行うこともでき、一般に用いられる方法(Comprehensive Organic Transformations,John Wiley & Sons,Inc.)を参考にしてもよい。
また、一般式(2)で表される遷移金属錯体は、一般式(1)において、Rがヒドロキシル基である遷移金属錯体の平衡反応によって生じる。
以下、各工程について説明する。
[工程1−反応a]
一般式(10)中、R〜R及び破線で表される結合は、前記と同じである。Xa−はハロゲンイオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンを示し、好ましくはヨウ素イオンである。
ピリジン化合物(10)としては、例えば、以下の構造が挙げられる。下記式中、R〜R、破線で表される結合及びXa−は、前記と同じである。
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
Figure 0006873661
工程1−反応aにおいて、酸化銀(AgO)は、市販品を使用することができる。酸化銀(AgO)の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ピリジン化合物(10)1molに対して、一般に0.1〜2mol、好ましくは0.4〜0.6mol、より好ましくは0.45〜0.55molである。
工程1−反応aの反応は通常、溶媒の存在下で実施され、その溶媒としては、本反応に影響を与えない溶媒であれば特に限定されない。用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒、水等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素溶媒が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルムがより好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。これらのうち、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、ハロゲン化炭化水素溶媒が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルムがより好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ピリジン化合物(10)1molに対して、一般に0〜100L、好ましくは0〜20Lである。
工程1−反応aの反応は、遮光下で反応を行うのが好ましい。遮光方法については、蛍光灯又は太陽等の光が反応器内の反応混合物に照射されなければ特に限定されない。又、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
反応圧力は、特に制限はなく、常圧で反応を実施してもよいし、加圧下で反応を行ってもよい。
反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜80℃であり、より好ましくは20〜50℃である。
ピリジン化合物(10)、酸化銀(AgO)、溶媒の混合順序は特に限定されず、例えば反応器にピリジン化合物(10)及び溶媒を仕込み、撹拌下に酸化銀(AgO)を投入する方法が挙げられる。
反応終了後は、蒸留、濾過、遠心分離等の公知の精製及び単離操作を行ってから工程1−反応bに使用してもよく、精製及び単離工程を経ずに反応後の混合物をそのまま工程1−反応bに使用してもよい(ワンポット合成)。
[工程1−反応b]
一般式(11)中、Ar、及びMは、前記に同じである。Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。遷移金属ハロゲン化物(11)の具体例としては、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ジクロリド(ダイマー)([CpIrCl)、ジヨード(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)(ダイマー)([CpIrl)、ベンゼンルテニウム(II)ジクロリド(ダイマー)、(ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム(II)ジクロリド(ダイマー)、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)(ダイマー)、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(III)ジクロリド(ダイマー)([CpRhCl)等が挙げられる。これらの試薬は、市販品を使用することができる。
遷移金属ハロゲン化物(11)の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ピリジン化合物(10)1molに対して、一般に0.1〜2mol、好ましくは0.4〜0.6mol、より好ましくは0.45〜0.55molである。
工程1−反応bの反応は、通常、溶媒の存在下で実施され、溶媒を用いる場合、その溶媒としては、本反応に影響を与えない溶媒であれば特に限定されない。用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒、水等が挙げられ、ハロゲン化炭化水素溶媒が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルムがより好ましく、ジクロロメタンが特に好ましい。これらのうち、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前述したワンポット合成の方法を採る場合には、工程1−反応aの溶媒をそのまま工程1−反応bの溶媒として使用できる。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ピリジン化合物(10)で表される化合物1molに対して、一般に0.1〜100L、好ましくは5〜20Lである。
工程1−反応bの反応は、遮光下で反応を行うのが好ましい。遮光方法については、蛍光灯又は太陽等の光が反応器内の反応混合物に照射されなければ特に限定されない。
工程1−反応bの反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
反応圧力は、特に制限はなく、常圧で反応を実施してもよいし、加圧下で反応を行ってもよい。
反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜80℃であり、より好ましくは20〜50℃である。
原料の混合順序は特に限定されず、例えば工程1−反応aで得られた反応混合物に、撹拌下、遷移金属ハロゲン化物(11)を投入する方法が挙げられる(ワンポット反応)。
反応終了後、蒸留、濾過、遠心分離等の公知の精製及び単離操作を経て、目的とする遷移金属錯体(12)を取り出すことができる。
一般式(12)中、R〜R、M、Ar及び破線で表される結合は、前記と同じである。Xb−はハロゲンイオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンであり、好ましくは塩素イオンである。
一般式(13)中、Yは前記と同じである。銀塩(13)の具体例としては、メタンスルホン酸銀、エタンスルホン酸銀、ペンタフルオロエタンスルホン酸銀、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸銀、ノナフルオロブタンスルホン酸銀、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸銀、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸銀、ペンタデカフルオロヘプタンスルホン酸銀、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸銀、ベンゼンスルホン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、ドデシルベンゼンスルホン酸銀、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸銀、フルオロスルホン酸銀等のスルホン酸銀、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド銀、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド銀、ビス(ノナフルオルブタンスルホニル)イミド銀、ビス(ウンデカフルオルペンタンスルホニル)イミド銀、ビス(トリデカフルオルヘキサンスルホニル)イミド銀、ビス(ペンタデカフルオルヘプタンスルホニル)イミド銀、ビス(ヘプタデカフルオルオクタンスルホニル)イミド銀、ノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミデート、ビス(フルオロスルホニル)イミド銀等のビス(スルホニル)イミド銀、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド銀、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホニル)メチド銀等のトリス(スルホニル)メチド銀等が挙げられる。好ましくは、ペンタフルオロエタンスルホン酸銀、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸銀、ノナフルオロブタンスルホン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド銀、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド銀、ビス(ノナフルオルブタンスルホニル)イミド銀、特に好ましくはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀である。
銀塩(13)の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、遷移金属錯体(12)1molに対して、一般に0.1〜4mol、好ましくは1.8〜2.2mol、より好ましくは1.9〜2.1molである。
工程2の反応は通常、溶媒の存在下で実施され、その溶媒としては、本反応に影響を与えない溶媒であれば特に限定されない。用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン等ハロゲン化炭化水素溶媒、水等が挙げられ、水が好ましい。溶媒は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒を使用する場合、溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、遷移金属錯体(12)1molに対して、一般に0.1〜100L、好ましくは10〜50Lである。
工程2の反応は、遮光下で反応を行うのが好ましい。遮光方法については、蛍光灯又は太陽等の光が反応器内の反応混合物に照射されなければ特に限定されない。また、工程2の反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。
反応圧力は、特に制限はなく、常圧で反応を実施してもよいし、加圧下で反応を行ってもよい。
反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜80℃であり、より好ましくは20〜50℃である。
遷移金属錯体(12)、銀塩(13)、溶媒の混合順序は特に限定されず、例えば反応器に遷移金属錯体(12)及び溶媒を仕込み、撹拌下に銀塩(13)を投入する方法が挙げられる。
反応終了後、蒸留、濾過、遠心分離等の公知の精製及び単離工程を経て、目的とする一般式(1)で表される遷移金属錯体を取り出すことができる。
本発明の遷移金属錯体(A)はエーテル化触媒組成物として使用できる。エーテル化触媒組成物は遷移金属錯体(A)を有効成分として含有していればよく、遷移金属錯体(A)単独であってもよいが、2種以上組み合わせて使用することもできる。当該エーテル化触媒組成物の存在下、2分子以上のアルコール化合物(以下、アルコール化合物(B)という。)同士を反応させることで、エーテル化合物(以下、エーテル化合物(C))を製造することが出来る。
より好適には、下記反応式2に示すように、エーテル化触媒組成物存在下、一般式(6)で表されるアルコール化合物と一般式(7)で表されるアルコール化合物を反応させることで、一般式(8)で表されるエーテル化合物を製造できる。
反応式2:
Figure 0006873661
[一般式(6)中、R12は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R13は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R12とR13が互いに結合して環を形成していてもよい。一般式(7)中、R14は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R15は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R14とR15が互いに結合して環を形成していてもよい。一般式(8)中、R12〜R15は、前記に同じである。]
エーテル化合物(C)を製造するための原料であるアルコール化合物(B)について説明する。
アルコール化合物(B)はヒドロキシ基を有している有機化合物であれば特に限定されないが、好ましくは第1級アルコール化合物、第2級アルコール化合物であり、より好ましくは一般式(6)又は(7)で表されるアルコール化合物である。
一般式(6)中、R12は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R13は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R12とR13が互いに結合して環を形成していてもよい。R12、R13において、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアリール基が挙げられる。
一般式(7)中、R14は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R15は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R14とR15が互いに結合して環を形成していてもよい。R14、R15において、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
12〜R15において炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の複素環基が置換基を有する場合、置換基としては、これに限定するものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、エチニル基、2−プロピニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−フルオルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、ベンジル基、トリフルオロメチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ジメチルアミノ基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
12〜R15において炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の複素環基が置換基を有する場合、置換基の数に特に限定されないが、例えば1〜5個、好ましくは1〜3個でありその位置は、置換が可能な位置であれば特に限定されない。
12〜R15において、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基である。置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基の具体的例としては、これに限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、n−ヘプチル基、3−ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、n−ヘプチル基、3−ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ヘキシル基、n−ヘプチル基、3−ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
12〜R15において置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基の具体例としては、これに限定するものではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基であり、より好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
12〜R15において置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、単環式アリール基であっても2以上の多環式アリール基であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、これに限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
12〜R15において置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基の具体例としては、これに限定するものではないが、フリル基、チエニル基、ピロリニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピラダジニル基、トリアジニル基、テトラジニル基、イミダゾイル基、オキサゾイル基、チアゾイル基、ベンゾフリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基等が挙げられる。好ましくは、フリル基、チエニル基、ピロリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基であり、より好ましくはフリル基、チエニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基であり、さらに好ましくはフリル基、チエニル基である。
アルコール化合物(B)としては、具体的には、これに限定するものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、2−メトキシ−1−エタノール、シクロペンタンメタノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−クロロベンジルアルコール、1−フェニルエチルアルコール、2−ナフタレンメタノール、2−(ヒドロキシメチル)フラン、2−(ヒドロキシメチル)チオフェン、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
アルコール化合物(B)は2分子以上を使用し、それぞれ同一であっても異なっていていもよい。2分子以上のアルコール化合物(B)同士が同一である場合には対称のエーテル化合物(C)が製造でき、2分子以上のアルコール化合物(B)同士が異なる場合は、非対称のエーテル化合物(C)が製造できる。また、エーテル化合物(8)を製造する場合、一般式(6)及び(7)で表されるアルコール化合物が同一である場合には、得られるエーテル化合物(8)は対称のエーテル化合物(8)が、一般式(6)で表されるアルコール化合物と(7)で表されるアルコール化合物が異なる場合には、非対称のエーテル化合物(8)を製造できる。
エーテル化合物(C)として好ましくは、一般式(8)で表されるエーテル化合物である。一般式(8)中、R12〜R15は、前記に同じである。
エーテル化合物(C)としては、具体的には、これに限定するものではないが、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)エーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(シクロペンチルメチル)エーテル、ビス(シクロヘキシルメチル)エーテル、ジベンジルエーテル、ビス(4−メトキシベンジル)エーテル、ビス(4−クロロベンジル)エーテル、ビス(1−フェニルエチル)エーテル、ビス(2−ナフタレンメチル)エーテル、ビス(2−フリルメチル)エーテル、ビス(2−チエニルメチル)エーテル、ジシクロペンチルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、
エチルメチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、イソプロピルメチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、イソプロピルプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ブチルイソプロピルエーテル、メチルペンチルエーテル、エチルペンチルエーテル、ペンチルプロピルエーテル、イソプロピルペンチルエーテル、ブチルペンチルエーテル、ヘキシルメチルエーテル、エチルヘキシルエーテル、ヘキシルプロピルエーテル、ヘキシルイソプロピルエーテル、ブチルヘキシルエーテル、ヘキシルペンチルエーテル、ヘプチルメチルエーテル、エチルヘプチルエーテル、ヘプチルプロピルエーテル、ヘプチルイソプロピルエーテル、ブチルヘプチルエーテル、ヘプチルペンチルエーテル、ヘプチルヘキシルエーテル、オクチルメチルエーテル、エチルオクチルエーテル、オクチルプロピルエーテル、イソプロピルオクチルエーテル、ブチルオクチルエーテル、オクチルペンチルエーテル、ヘキシルオクチルエーテル、ヘプチルオクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)メチルエーテル、(2−エチルヘキシル)エチルエーテル、(2−エチルヘキシル)プロピルエーテル、(2−エチルヘキシル)イソプロピルエーテル、ブチル(2−エチルヘキシル)エーテル、(2−エチルヘキシル)ペンチルエーテル、(2−エチルヘキシル)ヘキシルエーテル、(2−エチルヘキシル)ヘプチルエーテル、(2−エチルヘキシル)オクチルエーテル、メチルノニルエーテル、エチルノニルエーテル、ノニルプロピルエーテル、イソプロピルノニルエーテル、ブチルノニルエーテル、ノニルペンチルエーテル、ヘキシルノニルエーテル、ヘプチルノニルエーテル、ノニルオクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)ノニルエーテル、デシルメチルエーテル、デシルエチルエーテル、デシルプロピルエーテル、デシルイソプロピルエーテル、ブチルデシルエーテル、デシルペンチルエーテル、デシルヘキシルエーテル、デシルヘプチルエーテル、デシルオクチルエーテル、デシル(2−エチルヘキシル)エーテル、デシルノニルエーテル、メチルウンデシルエーテル、エチルウンデシルエーテル、プロピルウンデシルエーテル、イソプロピルウンデシルエーテル、ブチルウンデシルエーテル、ペンチルウンデシルエーテル、ヘキシルウンデシルエーテル、ヘプチルウンデシルエーテル、オクチルウンデシルエーテル、(2−エチルヘキシル)ウンデシルエーテル、ノニルウンデシルエーテル、デシルウンデシルエーテル、
(2−メトキシエチル)メチルエーテル、エチル(2−メトキシエチル)エーテル、(2−メトキシエチル)プロピルエーテル、イソプロピル(2−メトキシエチル)エーテル、ブチル(2−メトキシエチル)エーテル、(2−メトキシエチル)ペンチルエーテル、ヘキシル(2−メトキシエチル)エーテル、ヘプチル(2−メトキシエチル)エーテル、(2−メトキシエチル)オクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)(2−メトキシエチル)エーテル、(2−メトキシエチル)ノニルエーテル、デシル(2−メトキシエチル)エーテル、(2−メトキシエチル)ウンデシルエーテル、(シクロペンチルメチル)メチルエーテル、(シクロペンチルメチル)エチルエーテル、(シクロペンチルメチル)プロピルエーテル、(シクロペンチルメチル)イソプロピルエーテル、ブチル(シクロペンチルメチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)ペンチルエーテル、(シクロペンチルメチル)ヘキシルエーテル、(シクロペンチルメチル)ヘプチルエーテル、(シクロペンチルメチル)オクチルエーテル、(シクロペンチルメチル)(2−エチルヘキシル)エーテル、(シクロペンチルメチル)ノニルエーテル、(シクロペンチルメチル)デシルエーテル、(シクロペンチルメチル)ウンデシルエーテル、(シクロペンチルメチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)メチルエーテル、(シクロヘキシルメチル)エチルエーテル、(シクロヘキシルメチル)プロピルエーテル、(シクロヘキシルメチル)イソプロピルエーテル、ブチル(シクロヘキシルメチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)ペンチルエーテル、(シクロヘキシルメチル)ヘキシルエーテル、(シクロヘキシルメチル)ヘプチルエーテル、(シクロヘキシルメチル)オクチルエーテル、(シクロヘキシルメチル)(2−エチルヘキシル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)ノニルエーテル、(シクロヘキシルメチル)デシルエーテル、(シクロヘキシルメチル)ウンデシルエーテル、(シクロヘキシルメチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(シクロペンチルメチル)エーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルプロピルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルブチルエーテル、ベンジルペンチルエーテル、ベンジルヘキシルエーテル、ベンジルヘプチルエーテル、ベンジルオクチルエーテル、ベンジル(2−エチルヘキシル)エーテル、ベンジルノニルエーテル、ベンジルデシルエーテル、ベンジルウンデシルエーテル、ベンジル(2−メトキシエチル)エーテル、ベンジル(シクロペンチルメチル)エーテル、ベンジル(シクロヘキシル)エーテル、(4−メトキシベンジル)メチルエーテル、エチル(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−メトキシベンジル)プロピルエーテル、イソプロピル(4−メトキシベンジル)エーテル、ブチル(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−メトキシベンジル)ペンチルエーテル、ヘキシル(4−メトキシベンジル)エーテル、ヘプチル(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−メトキシベンジル)オクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−メトキシベンジル)ノニルエーテル、デシル(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−メトキシベンジル)ウンデシルエーテル、(4−メトキシベンジル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(4−メトキシベンジル)エーテル、ベンジル(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)メチルエーテル、エチル(4−クロロベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)プロピルエーテル、(4−クロロベンジル)イソプロピルエーテル、ブチル(4−クロロベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)ペンチルエーテル、(4−クロロベンジル)ヘキシルエーテル、(4−クロロベンジル)ヘプチルエーテル、(4−クロロベンジル)オクチルエーテル、(4−クロロベンジル)(2−エチルヘキシル)エーテル、(4−クロロベンジル)ノニルエーテル、(4−クロロベンジル)デシルエーテル、(4−クロロベンジル)ウンデシルエーテル、(4−クロロベンジル)(2−メトキシエチル)エーテル、(4−クロロベンジル)(シクロペンチルメチル)エーテル、(4−クロロベンジル)(シクロヘキシルメチル)エーテル、ベンジル(4−クロロベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(1−フェニルエチル)メチルエーテル、エチル(1−フェニルエチル)エーテル、(1−フェニルエチル)プロピルエーテル、イソプロピル(1−フェニルエチル)エーテル、ブチル(1−フェニルエチル)エーテル、ペンチル(1−フェニルエチル)、ヘキシル(1−フェニルエチル)エーテル、ヘプチル(1−フェニルエチル)エーテル、(1−フェニルエチル)オクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)(1−フェニルエチル)エーテル、ノニル(1−フェニルエチル)エーテル、デシル(1−フェニルエチル)エーテル、(1−フェニルエチル)ウンデシルエーテル、(2−メトキシエチル)(1−フェニルエチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)(1−フェニルエチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(1−フェニルエチル)エーテル、ベンジル(1−フェニルエチル)エーテル、(4−メトキシベンジル)(1−フェニルエチル)エーテル、(4−クロロベンジル)(1−フェニルエチル)エーテル、メチル(2−ナフタレンメチル)エーテル、エチル(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)プロピルエーテル、イソプロピル(2−ナフタレンメチエーテル)エーテル、ブチル(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)ペンチルエーテル、ヘキシル(2−ナフタレンメチル)エーテル、ヘプチル(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)オクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)ノニルエーテル、デシル(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)ウンデシルエーテル、(2−メトキシエチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、ベンジル(2−ナフタレンメチル)エーテル、(4−メトキシベンジル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(4−クロロベンジル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(1−フェニルエチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(2−フリルメチル)メチルエーテル、エチル(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)プロピルエーテル、(2−フリルメチル)イソプロピルエーテル、ブチル(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)ペンチルエーテル、(2−フリルメチル)ヘキシルエーテル、(2−フリルメチル)ヘプチルエーテル、(2−フリルメチル)オクチルエーテル、(2−エチルヘキシル)(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)ノニルエーテル、デシル(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)ウンデシルエーテル、(2−フリルメチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)(2−フリルメチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(2−フリルメチル)エーテル、ベンジル(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)(2−フリルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)(1−フェニルエチル)エーテル、(2−フリルメチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、メチル(2−チエニルメチル)エーテル、エチル(2−チエニルメチル)エーテル、プロピル(2−チエニルメチル)エーテル、イソプロピル(2−チエニルメチル)エーテル、ブチル(2−チエニルメチル)エーテル、ペンチル(2−チエニルメチル)エーテル、ヘキシル(2−チエニルメチル)エーテル、ヘプチル(2−チエニルメチル)エーテル、オクチル(2−チエニルメチル)エーテル、(2−エチルヘキシル)(2−チエニルメチル)エーテル、ノニル(2−チエニルメチル)エーテル、デシル(2−チエニルメチル)エーテル、(2−チエニルメチル)ウンデシルエーテル、(2−メトキシエチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(シクロペンチルメチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(2−チエニルメチル)エーテル、ベンジル(2−チエニルメチル)エーテル、(4−メトキシベンジル)(2−チエニルメチル)エーテル、(4−クロロベンジル)(2−チエニルメチル)エーテル、(1−フェニルエチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(2−ナフタレンメチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(2−フリルメチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(シクロペンチル)メチルエーテル、(シクロペンチル)エチルエーテル、(シクロペンチル)、(シクロペンチル)プロピルエーテル、(シクロペンチル)イソプロピルエーテル、ブチル(シクロペンチル)エーテル、(シクロペンチル)ペンチルエーテル、(シクロペンチル)ヘキシルエーテル、(シクロペンチル)ヘプチルエーテル、(シクロペンチル)オクチルエーテル、(シクロペンチル)(2−エチルヘキシル)エーテル、(シクロペンチル)ノニルエーテル、(シクロペンチル)デシルエーテル、(シクロペンチル)ウンデシルエーテル、(シクロペンチル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロペンチル)(シクロペンチルメチル)エーテル、(シクロヘキシルメチル)(シクロペンチル)エーテル、ベンジル(シクロペンチル)エーテル、(シクロペンチル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)(シクロペンチル)エーテル、(シクロペンチル)(1−フェニルエチル)エーテル、(シクロペンチル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(シクロペンチル)(2−フリルメチル)エーテル、(シクロペンチル)(2−チエニルメチル)エーテル、(シクロヘキシル)メチルエーテル、(シクロヘキシル)エチルエーテル、(シクロヘキシル)プロピルエーテル、(シクロヘキシル)イソプロピルエーテル、(シクロヘキシル)ブチルエーテル、(シクロヘキシル)ペンチルエーテル、(シクロヘキシル)ヘキシルエーテル、(シクロヘキシル)ヘプチルエーテル、(シクロヘキシル)オクチルエーテル、(シクロヘキシル)(2−エチルヘキシル)エーテル、(シクロヘキシル)ノニルエーテル、(シクロヘキシル)デシルエーテル、(シクロヘキシル)ウンデシルエーテル、(シクロヘキシル)(2−メトキシエチル)エーテル、(シクロヘキシル)(シクロペンチルメチル)エーテル、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルメチル)エーテル、ベンジル(シクロヘキシル)エーテル、(シクロヘキシル)(4−メトキシベンジル)エーテル、(4−クロロベンジル)(シクロヘキシル)エーテル、(シクロヘキシル)(1−フェニルエチル)エーテル、(シクロヘキシル)(2−ナフタレンメチル)エーテル、(シクロヘキシル)(2−フリルメチル)エーテル、(シクロヘキシル)(2−チエニルメチル)エーテル、(シクロヘキシル)(シクロペンチル)エーテル等が挙げられる。
エーテル化合物(C)の製造方法において、エーテル化触媒組成物の使用量は特に限定されないが、通常、アルコール化合物(B)1molに対して遷移金属錯体(A)の金属元素(一般式(1)及び一般式(2)中においてMで表されるルテニウム、ロジウム又はイリジウム)基準で0.001〜50mol%以上であり、好ましくは0.01〜10mol%程度、より好ましくは0.1〜2mol%程度となる量である。
また、エーテル化合物(C)の製造方法において、遷移金属錯体(A)の他に、さらに一般式(9):
・N(ZSO (9)
(式中、Mはアルカリ金属原子であり、Zはフッ素原子又は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を示す。Zは互いに結合して、環を形成していてもよい。)
で表されるアルカリ金属化合物(以下、アルカリ金属化合物(9)という。)存在下で反応させることが出来、エーテル化合物(C)の収率向上の面から、アルカリ金属化合物(9)存在下で反応させることが好ましい。
一般式(9)中、Mはアルカリ金属原子であり、好ましくは、Li、Na、K、であり、特に好ましくはLiである。Zはフッ素原子又は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基であり、好ましくはフッ素原子、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基より好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。また、Zは互いに結合して、環を形成していてもよい。
アルカリ金属化合物(9)の具体例としては、これに限定するものではないが、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド((FSONLi)、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド((FSONNa)、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド((FSONK)等のビス(フルオロスルホニル)イミド塩、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONLi)、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONNa)、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONK)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NLi)、ナトリウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NNa)、カリウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NK)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドリチウム(CF(CFSONLi)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドナトリウム(CF(CFSONNa)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドカリウム(CF(CFSONK)等のビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド塩等が挙げられ、好ましくはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONLi)、ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONNa)、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONK)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONLi)、ナトリウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONNa)、カリウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド((CSONK)、リチウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NLi)、ナトリウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NNa)、カリウムノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミド((CFSO)(CSO)NK)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドリチウム(CF(CFSONLi)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドナトリウム(CF(CFSONNa)、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミドカリウム(CF(CFSONK)である。
本発明において、アルカリ金属化合物(9)の使用量は特に限定されないが、通常、アルコール化合物(B)1molに対して0.001〜100mol%であり、好ましくは0.01〜50mol%、より好ましくは0.1〜30molとなる量である。
エーテル化合物(C)の製造方法は、溶媒の存在下又は無溶媒下で実施され、通常、溶媒の存在下で反応が実施される。溶媒としては、本発明に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒等が挙げられる。これらは、2種類以上混合して使用してもよい。このうち、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましく、経済性の観点から特にトルエンが好ましい。
エーテル化合物の製造方法においては、その反応において、目的とするエーテル化合物と共に、等モル量の水が副生する。系中に水が多量に存在すると、エーテル化合物が加水分解される。この水の影響を低減させる方法としては、1)溶媒によって高希釈条件として反応させる方法、若しくは2)反応中に副生する水を反応系内から排出しながら反応させる方法が挙げられる。
1)溶媒によって高希釈条件として反応させる場合、アルコール化合物(B)に対し、大過剰量の上記溶媒を使用する。このとき、溶媒の使用量としては、アルコール化合物(B)1molに対し通常、10L以上、好ましくは10〜100L、より好ましくは10〜50Lである。
2)反応中に副生する水を反応系内から排出しながら実施する方法としては、例えば、脱水剤の存在下、反応を行うことにより水を除去する方法、共沸脱水等により水を除去する方法が挙げられる。これらの方法の中では、ディーンスターク装置等を備えた反応装置を用い、共沸脱水により水を除去する方法が好ましい。かかる水を除去する方法は、高希釈条件下に比べ、使用する溶媒量を削減することができる。
2)反応中に副生する水を反応系内から排出しながら反応させる場合、溶媒の使用量は、反応条件等によって適宜調節すればよく、特に限定されないが、例えばアルコール化合物(B)1molに対し10L未満、好ましくは0.01〜9L、より好ましくは0.1〜1.0Lである。
エーテル化合物の製造方法に係る反応は、不活性ガス雰囲気下、空気下、若しくは水素雰囲気下のいずれでも実施することができるが、副生成物の抑制、収率の向上等の点から、水素雰囲気下で行うことが好ましい。
反応圧力は、特に制限はなく、常圧で反応を実施してもよいし、加圧下で反応を行ってもよい。
反応温度は、特に限定されず任意の温度で実施することができ、例えば20〜200℃の範囲で反応を実施することが好ましい。より好ましくは100〜180℃であり、さらに好ましくは130〜160℃である。
エーテル化合物の製造方法は、密閉容器中で行ってもよい。その容器としては、特に制限はなく、ステンレス製密閉容器、耐圧使用のガラス製密閉容器等が挙げられる。
反応終了後、得られた反応混合物を、当業者に公知の方法に従い、濾過、遠心分離等の後処理操作、並びに所望によりシリカゲルカラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の精製操作を行うことにより、エーテル化合物(C)を取り出すことができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。下記の実施例中、得られたエーテル化合物の収率は、GCのビフェニルを基準とする内部標準定量法、若しくはH−NMRのフェナントレンを基準とする内部標準定量法によって算出した。
ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略記する。)分析の測定条件は、以下の通りである。
装置 : 株式会社島津製作所製ガスクロマトグラフィー(GC−2010)
カラム : Agilent Technologies社製
(長さ60m、内径0.25mm、膜圧1.00μm)
キャリアガス : ヘリウム
線速度 : 28.5cm/秒
スプリット比 : 1:100
カラム温度 : 50℃ → 10℃/分 → 300℃(10分ホールド)
検出方法 : FID(水素炎イオン検出器)
分析合計時間 : 35分
検出器温度 : 300℃
注入口温度 : 250℃
注入量 : 1.0μL
H−NMR分析は、ブルカー株式会社製核磁気共鳴装置AV400を使用し、溶媒にCDCl、CDOD又はDOを使用して400MHzで分析した
実施例中、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド((CFSONLi)をLiTFSI、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンをTFSI、トリフルオロメタンスルホナートイオンをOTf、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸をHTFSI、トリフルオロメタンスルホン酸をTfOHと略記する。
ピリジン化合物10a、イリジウム錯体12a、イリジウム錯体1a、イリジウム錯体1bは、下記反応式のように合成した。
Figure 0006873661
[製造例1]2−ベンジルオキシ−6−(1−イミダゾリル)ピリジンの合成
窒素置換した3ッ口フラスコに2−ブロモ−6−ベンジルオキシピリジン(4.52g,17.1mmol)、イミダゾール(1.30g,19.1mmol)、ヨウ化銅(0.33g,1.7mmol)、L−プロリン(0.39g,3.4mmol)、炭酸カリウム(3.51g,25.4mmol)、ジメチルスルホキシド(30mL)を加えた後、95℃で4時間反応させた(深青緑色懸濁液)。20℃まで冷却した後、水(90mL)を加え固体を溶解させ、酢酸エチル(90mL×3回)で抽出した。微量の固体が含まれる有機層を濾過した後、得られた濾液から溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した後に溶媒を留去し、2−ベンジルオキシ−6−(1−イミダゾリル)ピリジンを黄色オイルとして得た(3.53g,14.0mmol,収率81.9%)。以下に2−ベンジルオキシ−6−(1−イミダゾリル)ピリジンのH−NMRデータを示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ=8.30(s,1H,aromatic),7.69(t,J=8.0Hz,1H,aromatic),7.57(s,1H,aromatic),7.47(m,2H,aromatic),7.31−7.41(m,3H,aromatic),7.18(s,1H,aromatic),6.91(d,J=7.6Hz,1H,aromatic),6.74(d,J=8.4Hz,1H,aromatic),5.43(s,2H,CH).
[製造例2]化合物10aの合成
窒素置換した3ッ口フラスコに2−ベンジルオキシ−6−(1−イミダゾリル)ピリジン(3.48g,13.8mmol)、酢酸エチル(39mL)を加えた。次いでヨウ化メチル(19.71g,139mmol)を加えた後、20℃で18時間反応させた(白色懸濁液)。反応混合物を濾過して得られた固体を洗浄(トルエン11.5mL×3回)し、白色固体を得た。白色固体を真空乾燥させることにより化合物10aを得た(5.02g,12.8mmol,収率92.8%)。以下に化合物10aのH−NMRデータを示す。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ=11.03(s,1H,aromatic),8.06(s,1H,aromatic),7.86(t,J=8.4Hz,1H,aromatic),7.75(d,J=7.6Hz,1H,aromatic),7.61(s,1H,aromatic),7.47(m,2H,aromatic),7.31−7.40(m,3H,aromatic),6.94(d,J=8.4Hz,1H,aromatic),5.46(s,2H,CH),4.30(s,3H,CH).
[製造例3]イリジウム錯体12aの合成
窒素置換した3ッ口フラスコに化合物10a(1.00g,2.54mmol)、ジクロロメタン(26mL)を加えた。酸化銀(289mg,1.25mmol)を加え、アルミホイル遮光下、20℃で4時間反応させた(白色懸濁液)。得られた反応液に(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ジクロリド(ダイマー)(1.00g,1.26mmol)を加え、遮光下、20℃で5時間反応させた。黄色懸濁液を真空引きにて溶媒留去し、茶黄色固体を得た。窒素置換した3ッ口フラスコに得られた茶黄色固体、3N塩酸(30mL)を加え、100℃で26時間反応させた(オレンジ色懸濁液)。70℃まで冷却した後、熱濾過、洗浄(水8mL)し、オレンジ色溶液を得た。真空引きにて溶媒留去し、黄オレンジ色固体を得た。黄オレンジ色固体を細かく粉砕し、そこにクロロホルム(25mL)を加え、20℃で3時間攪拌した。懸濁液を濾過して得られた固体を洗浄(クロロホルム1mL)し、真空乾燥させ黄色固体を得た。次いで、メタノール(50mL)を加え黄色固体を溶解させ、一部の不溶性固体をシリンジフィルターで除去することで黄色透明溶液を得た。そこにジエチルエーテル(165mL)を20℃で滴下(1時間)後、0℃で2時間保持した。得られた黄色懸濁液を濾過した後に、得られた固体を洗浄(メタノール:ジエチルエーテル=3:1,3mL)して、真空乾燥させることによりイリジウム錯体12aを黄色固体として得た(498mg,0.868mmol,収率34.2%)。以下にイリジウム錯体12aのH−NMRデータを示す。
H−NMR(400MHz,CDOD) δ=8.01(br,1H,aromatic),7.75(t,J=8.0Hz,1H,aromatic),7.52(br,1H,aromatic),7.13(d,J=7.6Hz,1H,aromatic),6.65(d,J=8.4Hz,1H,aromatic),4.02(s,3H,CH),1.85(s,15H,Cp).
[製造例4]イリジウム錯体1aの合成
30mLのナスフラスコにイリジウム錯体12a(100mg,0.174mmol)、水(8mL)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド銀(135mg,0.348mmol)を加え、遮光下、20℃で4時間反応させた。得られた黄色懸濁液に水(80mL)を加え、セライトろ過後、ろ液を減圧乾燥することで、黄色固体であるイリジウム錯体1aを得た(180mg,0.167mmol,収率96.0%)。得られたイリジウム錯体1aは空気中においても分解が認められず安定であった。以下にイリジウム錯体1aのH−NMRデータを示す。
H−NMR(400MHz,DO) δ=7.90(t,J=8.0Hz,1H,aromatic),7.86(d,J=2.4Hz,1H,aromatic),7.45(d,J=2.4Hz,1H,aromatic),7.21(d,J=7.6Hz,1H,aromatic),6.86(d,J=8.4Hz,1H,aromatic),4.07(s,3H,CH),1.68(s,15H,Cp).
イリジウム錯体15は、下記反応式のように合成した。
Figure 0006873661
[製造例5]イリジウム錯体15の合成
窒素置換したナスフラスコに、既報製造方法(J.Organomet.Chem.2008,693,3363−3368)に従って合成したイリジウム錯体14(100mg,0.202mmol)、ジクロロメタン(12.5mL)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(105mg,0.409mmol)を加えた。遮光下、20℃で14時間反応させた。黄色懸濁液をセライト濾過、洗浄(ジクロロメタン2mL)し、黄色溶液を得た。得られた黄色溶液を真空引きにて溶媒留去し、イリジウム錯体5を得た(138mg,0.182mmol,収率90.0%)。以下にイリジウム錯体15のH−NMRデータを示す。
H−NMR(400MHz,DO) δ=7.31(s,2H,aromatic),3.76(s,6H,CH),1.62(s,15H,Cp).
[実施例1a−1]錯体1aを用いたジオクチルエーテルの合成(水素添加有)
30mLのステンレス製密閉容器に、錯体1a(13.0mg,1.2×10−5mol)(2.0mol%)、1−オクタノール(78mg,0.60mmol)、トルエン(10.8mL)を加え、水素置換後、160℃で20時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルが収率90%で生成していることを確認した。その結果を表1に示す。
Figure 0006873661
[実施例1a−2]イリジウム錯体1aを用いたジオクチルエーテルの合成(ディーンスターク装置を利用した水抜き条件下)
ディーンスターク装置を装着した30mLのガラス試験管に、イリジウム錯体1a(24.5mg,2.27×10−5mol)(0.1mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルが収率90%で生成していることを確認した。その結果を表3に示す。
[比較例1]イリジウム錯体12aを用いたジオクチルエーテルの合成
ディーンスターク装置を装着した30mLガラス試験管に、イリジウム錯体12a(13.0mg,2.27×10−5mol)(0.1mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルの生成を確認することはできなかった。その結果を表3に示す。
[比較例2]イリジウム錯体15を用いたジオクチルエーテルの合成
ディーンスターク装置を装着した30mLのガラス試験管に、イリジウム錯体15(17.2mg, 2.27×10−5mol)(0.1mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルの収率は、1.0%以下であった。生成物の収率は、ビフェニルを内部標準に用いるGC分析の結果から算出した。その結果を表3に示す。
[比較例3]LiTFSIを用いたジオクチルエーテルの合成
ディーンスターク装置を装着した30mLのガラス試験管に、LiTFSI(13.0mg, 4.5×10−5mol)(0.2mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析を行ったが、ジオクチルエーテルの生成を確認することはできなかった。その結果を表3に示す。
[比較例4]トルフルオロメタンスルホン酸を用いたジオクチルエーテルの合成
ディーンスターク装置を装着した30mLのガラス試験管に、トリフルオロメタンスルホン酸(6.8mg,4.5×10−5mol)(0.2mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルの収率は1.0%以下であった。生成物の収率は、ビフェニルを内部標準に用いるGC分析の結果から算出した。その結果を表3に示す。
[比較例5]ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸を用いたジオクチルエーテルの合成
ディーンスターク装置を装着した30mLのガラス試験管に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸(12.7mg,4.5×10−5mol)(0.2mol%)、1−オクタノール(2.95g,22.7mmol)、トルエン(6.8mL)を加え、窒素置換後、130℃で4時間撹拌した。反応液を冷却後、GC分析により定量したところ、ジオクチルエーテルの収率は1.0%以下であった。生成物の収率は、ビフェニルを内部標準に用いるGC分析の結果から算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0006873661

Claims (18)

  1. 一般式(1)又は(2)で表される遷移金属錯体。
    一般式(1):
    Figure 0006873661
    一般式(2):
    Figure 0006873661
    [一般式(1)及び(2)中、Arは、置換基を有してもよい芳香族化合物又は置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、Mは、ルテニウム、ロジウム又はイリジウム、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。RとR、RとR、若しくは隣接するR〜Rは互いに結合して、環を形成してもよい。Lは、スルホキシド配位子、アミド配位子、含窒素芳香環配位子、アミン配位子、エーテル配位子、ニトリル配位子及びアコ配位子からなる群から選択される配位子を示す。破線は、実線と共に、単結合又は二重結合を形成していることを示す。Yはトリフルオロメタンスルホン酸イオン以外のアニオンを示す。但し、M がルテニウムである場合、Y は一般式(3):
    SO (3)
    (一般式(3)中、R は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
    で表されるスルホン酸イオン、一般式(4):
    Figure 0006873661
    (一般式(4)中、R 、R 10 は互いに同じ若しくは異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基又はフッ素原子を示し、R とR 10 は互いに結合して、環を形成していてもよい。)
    で表されるビス(スルホニル)イミドイオン又は一般式(5):
    (R 11 SO (5)
    (一般式(5)中、R 11 は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
    で表されるトリス(スルホニル)メチドイオンである。
  2. Arが1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル基である請求項1に記載の遷移金属錯体。
  3. がイリジウムである請求項1又は2に記載の遷移金属錯体。
  4. が一般式(3):
    SO (3)
    (一般式(3)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
    で表されるスルホン酸イオン、一般式(4):
    Figure 0006873661
    (一般式(4)中、R、R10は互いに同じ若しくは異なっていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のパーフルオロアリール基又はフッ素原子を示し、RとR10は互いに結合して、環を形成していてもよい。)
    で表されるビス(スルホニル)イミドイオン又は一般式(5):
    (R11SO (5)
    (一般式(5)中、R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数6〜20のパーフルオロアリール基である。)
    で表されるトリス(スルホニル)メチドイオンである請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  5. が一般式(4)で表されるビス(スルホニル)イミドイオンである請求項1〜4のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  6. Lがアコ配位子である請求項1〜5のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  7. がヒドロキシ基である請求項1〜6のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  8. 〜Rが水素原子である請求項1〜7のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  9. が炭素数1〜6のアルキル基である請求項1〜8のいずれかに記載の遷移金属錯体。
  10. 一般式(1)又は(2)で表される遷移金属錯体を含有するエーテル化触媒組成物。
    一般式(1):
    Figure 0006873661
    一般式(2):
    Figure 0006873661
    [一般式(1)及び(2)中、Arは、置換基を有してもよい芳香族化合物又は置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、M は、ルテニウム、ロジウム又はイリジウム、R は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、R 〜R は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基、メルカプト基、カルボキシル基、カルバモイル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示す。R とR 、R とR 、若しくは隣接するR 〜R は互いに結合して、環を形成してもよい。Lは、スルホキシド配位子、アミド配位子、含窒素芳香環配位子、アミン配位子、エーテル配位子、ニトリル配位子及びアコ配位子からなる群から選択される配位子を示す。破線は、実線と共に、単結合又は二重結合を形成していることを示す。Y はトリフルオロメタンスルホン酸イオン以外のアニオンを示す。]
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の遷移金属錯体を含有するエーテル化触媒組成物。
  12. 請求項10又は11に記載のエーテル化触媒組成物存在下、2分子以上のアルコール化合物同士を反応させるエーテル化合物の製造方法であって、前記反応の際に、副生する水を反応系外に排出しながら反応を行う、エーテル化合物の製造方法。
  13. 請求項10又は11に記載のエーテル化触媒組成物存在下、一般式(6):
    Figure 0006873661
    [一般式(6)中、R12は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R13は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R12とR13が互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表されるアルコール化合物と、一般式(7):
    Figure 0006873661
    [一般式(7)中、R14は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R15は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R14とR15が互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表されるアルコール化合物を反応させる一般式(8):
    Figure 0006873661
    [一般式(8)中、R12〜R15は、前記に同じ。]
    で表されるエーテル化合物の製造方法であって、前記反応の際に、副生する水を反応系外に排出しながら反応を行うエーテル化合物の製造方法。
  14. 水素雰囲気下で反応を行う請求項12又は13に記載のエーテル化合物の製造方法。
  15. 請求項10又は11に記載のエーテル化触媒組成物存在下、2分子以上のアルコール化合物同士を反応させるエーテル化合物の製造方法であって、前記反応の際に、水素雰囲気下で反応を行う、エーテル化合物の製造方法。
  16. 請求項10又は11に記載のエーテル化触媒組成物存在下、一般式(6):
    Figure 0006873661
    [一般式(6)中、R 12 は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R 13 は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R 12 とR 13 が互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表されるアルコール化合物と、一般式(7):
    Figure 0006873661
    [一般式(7)中、R 14 は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基、R 15 は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の複素環基であって、R 14 とR 15 が互いに結合して環を形成していてもよい。]
    で表されるアルコール化合物を反応させる一般式(8):
    Figure 0006873661
    [一般式(8)中、R 12 〜R 15 は、前記に同じ。]
    で表されるエーテル化合物の製造方法であって、前記反応の際に、水素雰囲気下で反応を行う、エーテル化合物の製造方法。
  17. さらに一般式(9):
    ・N(ZSO (9)
    [一般式(9)中、MはLi、Na、K、であり、Zはフッ素原子又は炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を示す。Zは互いに結合して、環を形成していてもよい。]
    で表されるアルカリ金属化合物存在下で反応させる請求項12〜16のいずれかに記載のエーテル化合物の製造方法。
  18. 芳香族炭化水素溶媒存在下で反応を行う請求項12〜17のいずれかに記載のエーテル化合物の製造方法。
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