本発明の一実施形態に係る三脚1及びクイックシュー10を、図1乃至図10を用いて説明する。図1は、三脚1に固定された撮影機材8及び三脚1の要部の構成を示す斜視図である。図2は、撮影機材8及びクイックシュー10が三脚1の雲台3から取り外された状態を示す斜視図である。図3は、クイックシュー10及び携帯端末9の構成を示す斜視図である。図4は、クイックシュー10の構成を示す斜視図である。図5は、クイックシュー10の構成を示す側面図である。図6は、クイックシュー10の構成を示す断面図である。図7は、クイックシュー10の構成を示す斜視図である。図8は、クイックシュー10の構成を示す斜視図である。図9は、クイックシュー10の構成を示す断面図である。図10は、クイックシュー10の構成を示す断面図である。
図1に示すように、三脚1は、例えば、三脚本体2と、雲台3と、クイックシュー10と、を備える。
三脚本体2は、複数例えば3本の脚4と、三脚用基部5と、を備えている。脚4は、例えば伸縮可能に構成されている。複数の脚4は、例えば等間隔に離間して三脚用基部5に設けられる。複数の脚4の端部は、三脚用基部5に対する開度を調整可能に、三脚用基部5に連結されている。三脚用基部5は、雲台3が設けられる。
雲台3は、例えば、クイックシュー10が固定可能な雲台本体6と、レバー7と、を備えている。雲台本体6は、例えば、三脚用基部5に対する姿勢を調整可能に一軸回りに回転可能に三脚用基部5に支持される。ここで、一軸とは、例えば、脚4を下方としたときに、上下方向に対して直交する方向、具体的には、複数の脚4が同じ長さ及び同じ開度にされて水平面に載置されたときに水平方向に平行な軸である。
図2に示すように、雲台本体6は、例えば、クイックシュー10の後述する被固定部31が嵌る凹状に形成される。具体例として、雲台本体6は、例えば、主面が開口し、角錐台状に窪む形状である。また、雲台本体6は、ゲート6aを有する。ゲート6aは、例えば、雲台本体6の主面に直交する回転軸回りに回転可能に構成される。雲台本体6は、ゲート6aを開くことで、主面の開口から雲台本体6内に被固定部31を着脱可能となる。
レバー7は、雲台本体6に設けられる。レバー7は、三脚用基部5に対する雲台本体6の姿勢を調整するときに使用者により操作される操作部である。
図1乃至図6に示すように、クイックシュー10は、本体20と、本体20に設けられる可動部40と、を備えている。クイックシュー10は、雲台本体6に固定される。クイックシュー10は、撮影機材8及び携帯端末9を選択的に固定できる。
クイックシュー10は、可動部40を変位させることで、本体20に対する2つの姿勢により、撮影機材8を固定可能な状態、及び、携帯端末9を固定可能な状態に切り替えることができる。クイックシュー10は、撮影機材8を固定可能な状態にあるときに、本体20及び可動部40の外観形状が、従前のクイックシューの外観形状と同様の形状、例えば、矩形板状、矩形柱状、矩形錐台状等に形成される。
ここで、撮影機材8は、写真及び動画の少なくとも一方を撮影可能な装置であって、本体20に設けられる固定部材32に固定される被固定部を有する装置である。撮影機材8は、例えば、カメラやビデオカメラ等であり、被固定部としてのネジ穴を有する。また、回転防止や位置決めの為に、撮影機材8は、ビデオピンが挿入される穴を有していても良い。
また、携帯端末9は、写真及び動画の少なくとも一方を撮影可能な装置であって、固定部材32に固定される被固定部を有さない装置である。携帯端末9は、例えば、タブレット、スマートフォンである。
本体20は、撮影機材8及び携帯端末9を配置する主面20aを有する。また、本体20は、可動部40が配置される領域であって、可動部40が配置されることでクイックシュー10の外形状を従来のクイックシューと同様の外形状とする配置部28を有する。具体例として、図4乃至図8に示すように、本体20は、例えば、基部21と、第1滑り止め部材30と、被固定部31と、固定部材32と、回転防止部材33と、を備えている。
図7に示すように、基部21は、例えば、一方向に長く、長手方向で一端側の幅が他端側よりも広い矩形板状に形成される。基部21は、基部本体22と、第1凸部23と、一対の第2凸部24と、を備える。また、図6に示すように、基部21は、固定部材32を配置する第1孔25と、回転防止部材33を配置する第2孔26と、を有する。
図6乃至図9に示すように、基部本体22は、例えば、一方向に長い矩形板状に形成される。基部本体22は、幅方向で中央側に第1凸部23が一体に形成される。また、基部本体22は、幅方向の両端部に一対の第2凸部24が一体に形成される。また、基部本体22は、他方の主面に、被固定部31が一体に形成されるか、又は、一体に固定される。基部本体22の例えば中央には、基部本体22及び第1凸部23を貫通する第1孔25が形成されている。
第1凸部23は、基部本体22の厚さ方向の一方側から、厚さ方向に突出する矩形柱状に形成される。第1凸部23は、例えば、基部本体22の幅方向中央で基部本体22の長手方向で一端から他端まで延びる。即ち、第1凸部23の長手方向の寸法は、基部本体22の長手方向の寸法と同じ寸法に設定され、そして、第1凸部23の幅方向の寸法は、基部本体22の幅方向の寸法よりも小さく設定される。また、第1凸部23の厚さは、基部本体22の厚さよりも大きく設定される。これにより、第1凸部23が設けられた基部本体22は、幅方向で、第1凸部23から突出する。
また、図7に示すように、第1凸部23の長手方向で一端側の先端面には、係合部27が形成されている。ここで、一端側は、基部本体22の幅が狭い側である。係合部27は、第1凸部23の長手方向に突出する突状に形成される。
係合部27は、例えば、可動部40の後述する被係合部45が乗り越えることが可能に形成されている。例えば、可動部40の後述するアーム41の、第2の姿勢側から第1の姿勢への回転方向で被係合部45が当接する面27a、及び、第1の姿勢から第2の姿勢側への回転方向で被係合部45が当接する面27bは、例えば、アーム41の回転方向に対して傾斜する面に形成されている。
図4に示すように、第2凸部24は、基部本体22の幅方向の端部に一体に形成される。第2凸部24は、例えば、基部本体22及び第1凸部23の厚さの和と同じか、又は、同程度の厚さに設定される。第2凸部24は、一方向に長い矩形柱状又は略矩形柱状に形成される。第2凸部24の長手方向は、基部本体22及び第1凸部23の長手方向に沿って、基部本体22に配置される。また、第2凸部24の下面は、例えば、基部本体22の下面と面一に設定される。即ち、第2凸部24は、第1凸部23と同方向に突出する。また、第2凸部24の長手方向の一端は、基部本体22の長手方向の中央側に配置され、そして、長手方向の他端は、基部本体22の長手方向の端部から、該長手方向に突出する。一対の第2凸部24の他端は、例えば、可動部40を回転可能に支持する。例えば、第2凸部24は、可動部40の後述する軸部47を軸支する開口24bを他端に有する。
第1孔25は、基部本体22及び第1凸部23を貫通する貫通孔である。第1孔25は、例えば、基部本体22及び第1凸部23の幅方向及び長手方向で中央に形成されている。第1孔25の、第1凸部23の基部本体22とは反対側の主面である上面側の縁部の一部は、径方向内側に突出する凸部25aに形成されている。
第2孔26は、例えば、第1凸部23の上面に形成される窪みである。第2孔26は、第1孔25に対して、第1凸部23の長手方向で一方側に配置されている。第2孔26は、例えば、円柱状の窪みである。
図6に示すように、第1滑り止め部材30は、第1凸部23の上面に設けられる。第1滑り止め部材30は、第1凸部23の上面の略全域に形成されている。第1滑り止め部材30は、基部21よりも摩擦係数が高い材料例えば樹脂やコルクで形成されている。
第1滑り止め部材30の上面は、本体20の主面20aを構成する。第1滑り止め部材30の上面は、平面状である。第1滑り止め部材30の上面は、第2凸部24の上面と同じ位置か、又は、第2凸部24の上面よりも高い位置に設定される。具体例として、第1滑り止め部材30の上面は、第2凸部24の上面24aよりも高く形成されるとともに、第1滑り止め部材30の長手方向で中央よりも一端側の領域は、他の領域に比較して低く設定される。
また、第1滑り止め部材30は、例えば、第1孔25内の上部に収容される第1部分35、及び、第2孔26内の上部に収容される第2部分36を有している。第1部分35は、第1滑り止め部材30の下面に突状に一体に形成されている。第1部分35は、第1孔25の凸部25aとともに、固定部材32の一部を配置可能な孔を構成する。第2部分36は、第1滑り止め部材30の下面に突状に一体に形成されている。第2部分36は、例えば、円筒状に形成されている。
第1滑り止め部材30は、第3孔30a及び第4孔30bが形成されている。第3孔30aは、第1滑り止め部材30の中央に形成されている。第3孔30aは、第1滑り止め部材30を貫通し、第1孔25に連通する孔である。第3孔30aは、例えば第1部分35に形成されている。第4孔30bは、第1滑り止め部材30を貫通するとともに、第2孔26に連通する孔である。第4孔30bは、第2孔26の開口よりも小径に形成される。第4孔30bは、第2部分36に形成されている。
配置部28は、クイックシュー10が撮影機材8を固定可能な状態であるときに可動部40を配置可能に構成される。配置部28は、例えば、主面20aに対するくぼみや、本体20の周囲の領域により構成される。
本実施形態の例においては、配置部28は、第1領域28a、溝28b、窪み28c、及び、第2の領域28dである。第1領域28aは、2つの第2凸部24の基部本体22から突出する一端部間の領域である。溝28bは、第1凸部23及び第2凸部24の間の溝である。窪み28cは、溝28bに連続する窪みであって、第1凸部23の長手方向で一端部の側方の窪みである。第2の領域28dは、本体20の周囲であって、一方の第2凸部24の長手方向で一端から基部本体22及び第1凸部23の側方を通り他方の第2凸部24までの領域である。
図4乃至図6に示すように、被固定部31は、例えば基部本体22の下面に形成されている。被固定部31は、雲台本体6内に嵌る形状、例えば、角錐台筒状に形成される。図6に示すように、被固定部31に、第1孔25と連通する凹部31aが形成されている。
固定部材32は、撮影機材8が固定可能に構成される。固定部材32は、第1孔25、第3孔30a、及び凹部31aに回転可能に支持される、一端部が主面20aから上方に突出する棒状に形成される。例えば、固定部材32の軸方向で中途部32cは、軸方向で中途部32cに連続する部位に比較して小径に形成される。固定部材32は、中途部32cが第1孔25の凸部25aと対向配置され、中途部32cに連続する部位が凸部25aに第1孔25の軸方向で係合することで、第1孔25、第3孔30a及び凹部31aからの抜け止めがなされる。一端部32aは、撮影機材8のネジ穴に螺合するねじに形成される。固定部材32の、凹部31aに配置される他端部32bに、使用者が操作可能な操作部32dが形成されている。ここで、操作とは、固定部材32を回転する操作である。
回転防止部材33は、撮影機材8の回転防止や位置決めを可能に構成される。回転防止部材33は、第2孔26及び第4孔30bに配置される、例えば、ビデオピンである。回転防止部材33は、例えば、ピン部材33aと、付勢部材33bと、を備える。ピン部材33aは、一端部が主面20aから突出する位置及び一端部が主面20aと面一となる位置の間で移動可能に配置される。ピン部材33aの他端の縁には、第4孔30bの縁に当接することでピン部材33aの抜け止めをする例えばフランジ状のストッパが形成されている。付勢部材33bは、第2孔26の底面、及び、ピン部材33aの間に設けられている。付勢部材33bは、ピン部材33aを、主面20aから突出する方向に付勢する。
可動部40は、伸縮可能であって縮む方向に付勢されるアーム41と、アーム41の一端側に設けられる当接部50と、被係合部45と、を備えている。可動部40は、主面20aとともに当接部50で携帯端末9を挟持する。
アーム41は、本体20に対して、第1の姿勢及び第2の姿勢にできる。第1の姿勢は、配置部28の第1領域28a、溝28b及び窪み28cに配置され、長手方向が基部21の長手方向に沿う姿勢である。第1の姿勢では、アーム41は、主面20aに沿う。第2の姿勢は、主面20aに対して起立する姿勢である。アーム41は、例えば基部21に回転可能に支持されている。
アーム41の、第1の姿勢にあるときに主面20a側となる面は、第1の姿勢にあるときに主面20aと面一または主面20aよりも低くなる面に形成される。アーム41は、例えば、2つの伸縮可能で縮む方向に付勢されるアーム部材42と、連結部43と、ストッパ44と、を備えている。
2つのアーム部材42の一端部は、第1領域28aに配置されており、第2凸部24の長手方向で一端部に回転可能に支持されている。例えばアーム部材42の一端部には、軸部47が一体に形成または一体に固定されており、軸部47が第2凸部24の開口24bに軸支されている。アーム部材42は、第1の姿勢にあるときに溝28b及び窪み28cに配置される。
2つのアーム部材42の軸部47側の一端部及び連結部43は、基部21の長手方向の端部に当接することで、アーム部材42が第1の姿勢から第2の姿勢に向かって回転するときに、第2の姿勢を越えて回転することを防止する。アーム部材42の一端部、連結部43及び基部21は、ストッパ46を構成する。
アーム部材42は、図7乃至図9に示すように、例えば、筒部材42aと、シャフト42bと、付勢部材42cと、を備えている。
筒部材42aの一端部は、第2凸部24に軸部47により支持されている。アーム41が第1の姿勢において、筒部材42aの上面(主面20a)側となる面は、例えば、第2凸部24の上面24aと面一となる。
シャフト42bは、筒部材42a内に軸方向に移動可能に配置されている。シャフト42bの、筒部材42a内に配置される端部には、径方向外側に突出する座42dが設けられている。付勢部材42cは、シャフト42bを、筒部材42a内に引き込む方向に付勢可能に、筒部材42a及びシャフト42bに設けられている。付勢部材42cは、例えば、筒部材42aの内部空間の開口側端面、及び、シャフト42bの座42d間に設けられている。付勢部材42cは、例えば、コイルばねである。
連結部43は、2つのアーム部材42に設けられ、2つのアーム部材42を連結する。連結部43は、例えば、2つのアーム部材42の第1領域28a内に配置される一端部に一体に形成される。連結部43の、第1の姿勢にあるときに主面20a側となる面は、例えば筒部材42aと面一に形成される。
ストッパ44は、アーム部材42に当接することで、アーム部材42がストッパ44に当接した状態の長さから縮むことを防止可能に構成される。ストッパ44は、例えば、一方向に長い形状に形成されており、2つのシャフト42bの端部に亘って設けられる。ストッパ44は、筒部材42aの端面に当接する。ストッパ44は、第1の姿勢にあるときに、第2の領域28dで、基部本体22及び第1凸部23に対して、第1凸部23の長手方向で側方に配置される。また、ストッパ44は、当接部50が回転可能に支持される。例えば、ストッパ44の長手方向で両端には、当接部50を回転可能に支持する回転軸44aが設けられている。
当接部50は、アーム41の例えば軸部47側とは反対側の一端側に設けられている。当接部50は、例えば、アーム41にアーム41の長手方向に直交する回転軸回りに回転可能に設けられている。当接部50は、アーム41が最小長さで第1の姿勢にあるときに、第2の領域28dで、基部本体22及び第1凸部23の幅方向で側方に配置可能に構成される。当接部50は、例えば、2つの当接部本体51と、2つの第2滑り止め部材52と、ストッパ53と、を備えている。また、当接部50の、アーム41が第1の姿勢にあるときの主面20a側となる面は、主面20aと面一、または、主面20aより低い面に形成されている。
当接部本体51は、一方向に長い形状に形成されている。当接部本体51は、例えば、ストッパ44に回転可能に支持される。例えば、当接部本体51の一端部には、ストッパ44の回転軸44aを軸支する開口54が形成されている。当接部本体51の一方の回転方向で先端側に、例えばくぼみ51aが形成されている。くぼみ51aは、当接部本体51の長手方向で一端側から他端側まで延びている。当接部本体51は、アーム41が最小長さで第1の姿勢にあるときにアーム部材42に沿う姿勢にある状態において、第2の領域28dで、基部本体22及び第1凸部23の幅方向で側方に配置される。
当接部本体51の長手方向の長さは、アーム41が最小長さで第1の姿勢にあるときに、第2凸部24と当接する長さ、または、第2凸部24と間に小さな隙間を有する長さである。当接部本体51の幅方向で外方の側面は、アーム41が最小長さで第1の姿勢にあり、当接部本体51がアーム部材42に沿う姿勢であるときに、基部本体22及び第2凸部24と連続する面に形成される。
第2滑り止め部材52は、当接部本体51の例えばくぼみ51aに設けられている。第2滑り止め部材52は、当接部本体51の摩擦係数より大きい摩擦係数を有する材料例えば樹脂やコルクから形成されている。
ストッパ53は、当接部本体51に設けられている。ストッパ53は、アーム41に対する当接部本体51の回転の角度範囲を、第3の姿勢及び第4の姿勢の間の角度範囲に設定する。第3の姿勢は、当接部本体51がアーム部材42に沿う姿勢である。第4の姿勢は、当接部本体51の長手方向がアーム部材42の長手方向に交差する姿勢であって、アーム41が第1の姿勢にあるときに、第2滑り止め部材52が主面20aに対向する姿勢である。第4の姿勢は、例えば、当接部本体51の長手方向がアーム部材42の長手方向に直交する姿勢である。
ストッパ53は、例えば、一方向に長い形状に形成されており、ストッパ53の長手方向の両端が2つの当接部本体51の回転軸側の一端部に例えば一体に形成されている。ストッパ53は、当接部本体51が第3の姿勢及び第4の姿勢のそれぞれにあるときに、ストッパ44に当接することで、当接部本体51が第3の姿勢を超えて回転すること、及び、第4の姿勢を越えて回転することを防止する。
被係合部45は、例えば、アーム41のストッパ44に設けられている。被係合部45は、例えば、ストッパ44の、アーム41が第1の姿勢にあるときの第1凸部23に面する部位に一体に形成されている。被係合部45は、例えばストッパ44から突出する突状に形成されている。被係合部45は、第1の姿勢にあるアーム41が第2の姿勢側に回転するときに、回転方向で係合部27に当接することで、アーム41の回転を防止可能に構成される。
被係合部45は、例えば、係合部27に当接した状態で回転方向に所定の力で押圧されると、係合部27を乗り越えることが可能に形成される。例えば、被係合部45の、アーム41の第2の姿勢側から第1の姿勢への回転方向で面27aに当接する面45aは、回転方向に傾斜する傾斜面に形成されている。アーム41の第1の姿勢から第2の姿勢側への回転方向で面27bに当接する面45bは、回転方向に傾斜する傾斜面に形成されている。
次に、撮影機材8をクイックシュー10に固定する作業の一例を説明する。
ここで、クイックシュー10の第1状態P1及び第2状態P2を規定する。第1状態P1は、アーム41が最小長さで第1の姿勢であり、当接部50が第3の姿勢である状態である。第1状態P1では、本体20及び可動部40の外観形状は、矩形板状に構成される。第1状態P1は、撮影機材8を固定可能な状態である。第2状態P2は、アーム41が最小長さで第2の姿勢であり、当接部50が第4の姿勢である状態である。第2状態P2は、携帯端末9を取付可能な状態である。
撮影機材8の固定作業の一例として、クイックシュー10が第2状態P2にある状態から作業を開始する例を説明する。使用者は、まず、クイックシュー10を第1状態P1にする為に、例えば、当接部本体51を回転して第3の姿勢にし、アーム41を第1の姿勢側に回転する。回転により、アーム部材42の一部が溝28b及び窪み28cに配置され、ストッパ44の一部及び当接部50の一部が第2の領域28dに配置される。使用者は、被係合部45が係合部27に当接すると、アーム41を回転方向に押し込む。被係合部45が係合部27を乗り越えることで、アーム部材42が基部本体22の上面に当接する。これにより、アーム41が第1の姿勢となり、アーム41及び当接部50が配置部28に配置されることで、クイックシュー10が第1状態P1となる。
または、使用者は、例えば当接部本体51を回転して第3の姿勢にし、アーム41を、被係合部45が係合部27に当接しない位置まで伸長させた状態で、基部本体22の上面に当接するまで回転することで、アーム41を第1の姿勢にする。そして、使用者は、アーム41を第1の姿勢にすると、例えばアーム部材42を伸長させた力をゆるめることでアーム部材42を付勢部材42cにより縮ませて最小長さにする。これにより、クイックシュー10が第1状態P1となる。なお、クイックシュー10が第1状態P1にある場合は、第2状態P2から第1状態P1にする作業を省略できる。
使用者は、クイックシュー10を第1状態P1にすると、ピン部材33aを撮影機材8の穴に挿入してクイックシュー10に対する撮影機材8の回転防止をするとともに、固定部材32の操作部32dを操作して一端部32aを撮影機材8のねじ穴に螺合させることで、撮影機材8をクイックシュー10に固定する。撮影機材8が、ピン部材33aが挿入される穴を有さない構成である場合は、ピン部材33aは、撮影機材8によって基部21内に押し込まれる。
次に、携帯端末9をクイックシュー10に取り付ける取付作業の一例を説明する。携帯端末9の取付作業の一例として、クイックシュー10が第1状態P1にある状態から作業を開始する例を説明する。
使用者は、クイックシュー10を第1状態P1から第2状態P2にする為に、まず、係合部27及び被係合部45の係合を解除する。使用者は、例えば、アーム41の回転方向で被係合部45が係合部27に当接しない長さにアーム部材42を伸長させて回転させることで、係合を解除する。係合が解除されると、例えばアーム部材42を伸長させた力をゆるめることでアーム部材42を付勢部材42cにより縮ませて最小長さにしてもよい。または、使用者は、被係合部45を係合部27に押圧させて係合部27を乗り越えさせることで、係合部27及び被係合部45の係合を解除する。
使用者は、被係合部45及び係合部27の係合が解除されると、アーム41を基部21に当接するまで回転することでアーム41を第2の姿勢にするとともに、当接部本体51をストッパ53がストッパ44に当接するまで回転させることで第4の姿勢にする。これにより、クイックシュー10が第2状態P2となる。
使用者は、第2状態P2となると、アーム部材42を伸長させて、第1滑り止め部材30から第2滑り止め部材52までの距離を、携帯端末9の高さ寸法より長くして、主面20aに携帯端末9を載置する。次に、使用者は、アーム部材42を縮めさせて第2滑り止め部材52を携帯端末9に当接させる。第1滑り止め部材30及び第2滑り止め部材52が携帯端末9に当接し、アーム部材42が縮む方向に付勢されることで、携帯端末9が挟持される。これにより、携帯端末9をクイックシュー10に取り付ける作業が完了する。
このように構成されるクイックシュー10によれば、撮影機材8及び携帯端末9を選択的に固定できるので、1つのクイックシュー10によって、撮影機材8及び携帯端末9を三脚1に取り付けることが可能となる。この為、例えば外出先で撮影機材8及び携帯端末9を三脚1に固定する使用をする場合にクイックシュー10を持ち運べばよいので、荷物を少なくできる。
さらに、基部21は、配置部28を有することで、第1状態P1にあるクイックシュー10の外観形状を、撮影機材8を雲台3に固定できる従前のクイックシューの外観形状と同様の形状にできる。この為、撮影機材8を三脚1に固定する際のクイックシュー10を、従前のクイックシューと同様に取り扱うことが可能となる。
さらに、アーム41は、基部21に回転可能に支持されるので、可動部40を、第1状態P1及び第2状態P2の間で、簡単に変形することが可能である。
さらに、基部21に係合部27が形成され、可動部40に被係合部45が形成されることで、クイックシュー10を撮影機材8から取り外した状態で、第1状態P1にあるクイックシュー10のアーム41が意図せずに回転することを防止できる。この為、クイックシュー10を例えば鞄に入れて持ち運ぶ際に、アーム41が鞄内で回転して鞄内の他のものと干渉することで破損するといった不具合の発生を防止できる。
さらに、本体20及び当接部50が滑り止め部材30、52を有するので、携帯端末9が、本体20及び当接部50に対して滑ることを防止できる。この為、携帯端末9を本体20及び当接部50に挟持させたのち、携帯端末9の姿勢が変化することを防止できる。
上述したように本発明の一実施形態に係るクイックシュー10及び三脚1によれば、撮影機材8及び携帯端末9を選択的に固定できる。
なお、上述の例では、被係合部45がアーム41に設けられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、被係合部45は、当接部50に設けられてもよい。例えば、図11に示すように、被係合部45は、当接部本体51の長手方向の先端面に形成され、係合部27は、例えば、第2凸部24の長手方向の先端面に形成されてもよい。係合部27及び被係合部45は、互いに係合する形状であればよく、一方が凸状、他方が凹状に形成されてもよい。図11に示す例では、例えば、係合部27がくぼみに形成され、被係合部45が凸状に形成されている。
また、上述の例では、固定部材32は、基部21の厚み方向で位置が固定される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、固定部材32は、本体20の主面20aから突出する位置、及び、主面20aと面一となる位置の間で移動可能に構成されてもよい。
また、上述の例では、アーム41は、基部21に回転可能に支持される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、アーム41は、本体20に対して着脱可能に構成され、第1状態P1のときの姿勢、及び、第2状態P2のときの姿勢で本体20に固定できる構成であってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。