[第1実施形態]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12(以下、払出数表示部とも称する)、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。本実施の形態では、入賞ラインLNが左下から右斜め上に上がるように形成されている。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
また、図2の各リールの図柄配列については、右リール2Rにおいてチェリー図柄が5コマ以内に必ず配置されている。また、中リール2Cにおいてスイカ図柄が5コマ以内に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コマ以内であるので、後述するチェリーリプ当選時には、必ず右リール2Rにチェリー図柄を導出することが可能であり、スイカ当選時には、必ず中リール2Cにスイカ図柄を導出することが可能である。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5は、ボーナスの種類、ボーナスの図柄組合せ、及びボーナスに関連する技術事項について説明するための図である。入賞役の名称欄には、有利な状態への移行を伴う入賞役であるボーナスの名称を示し、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、BBが作動することが示されている。また、備考欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が441枚以上となったゲームにおいて終了する。
図6および図7は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、及び再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。図6および図7の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として、再遊技役の名称リプ1〜リプ16が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役(再遊技役)が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、メダルを用いることなく次のゲームの賭数を自動で設定する(メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる)再遊技が付与されることが示されている。また、備考欄には、各リプレイ1〜16のその他の呼び方が示されている。たとえば、リプ1は、図柄の停止時にリールの中段にリプレイが揃うことから中段リプレイと称される。また、備考欄には、遊技状態を移行させる契機となるリプレイについて、移行先の遊技状態(RT1〜RT3)が示されている。なお、以下では、リプレイのことを単に“リプ”と称することもある。
図8、図9は、小役の種類、小役の図柄組合せ、及び小役に関連する技術事項について説明するための図である。図8、図9の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として小役の種類が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、入賞時に払出されるメダルの枚数が示されている。図10は、出目の種類、出目の図柄組合せ、及び出目に関連する技術事項について説明するための図である。図10の出目は、後述する9枚ベル左1〜8、9枚ベル中1〜8、9枚ベル右1〜8のいずれかに当選しているときであって、当選している9枚ベルの種類に応じた操作手順で操作せずに当選している入賞役を取りこぼしたときにのみ導出される特定の出目である。このような特定の出目は、メダルが払出されない。また、図8の備考欄には、入賞役のその他の呼び方と対応する指標図柄等が示されている。指標図柄とは、入賞を発生させる図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止したときに、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄をいう。たとえば、ベル1、ベル2、AT1〜AT32の指標図柄は「ベル」であり、スイカの指標図柄は「スイカ」である。本実施の形態では、後述する抽選対象役に当選したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(以下、入賞示唆演出とも称する)を実行する。
また、入賞役のうちスイカについては、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、右下がりベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、右下がりスイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下がりスイカに当選・入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。
図11は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図11の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。具体的には、通常(遊技の大半)は、RT1で制御される。そして、RT1において準備リプ(リプ4)に入賞したときは、RT1よりも再遊技役の当選確率が高いRT2へ移行する。さらに、RT2において突入リプ(リプ5)に入賞したときは、RT2よりも再遊技役の当選確率の高いRT3へ移行する。また、RT2において、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)したときにはRT1へ移行する。また、RT3において、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)したときにはRT1へ移行する。RT2やRT3は、再遊技役の当選確率がRT1よりも高く遊技者にとって有利な遊技状態である。
BB1〜BB5のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1〜BB5のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT0へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図12参照)。ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率でベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12および図13は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選した抽選対象役を当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、入賞役の組合せ欄には、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示している。たとえば、図12に示すリーチ目リプは、RT0〜RT3のいずれの状態においても抽選対象となるがRT4では抽選されない。また、RT4では、はずれ、通リプ、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプ以外のリプレイは、当選しないように設定されている。その代わりに中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプの当選確率は、他のRT状態よりRT4の状態となっているときの方が高く設定されている。
また、図12によりリプレイについてさらに具体的に説明すると、たとえば、RT1の遊技状態において、抽選対象役毎に、リプ4を入賞させる操作手順(以下、正解手順ともいう)が異なるように定められている。たとえば、準備リプ1については、左リール2Lを第1停止したときにリプ4を入賞させ、左リール2L以外を第1停止させたときにはリプ4以外のリプ(リプ1)を入賞させるように設定されている。RT1の遊技状態において、準備リプ1〜6のいずれかに当選し操作手順に正解すると、リプ4が入賞し遊技状態がRT1より有利なRT2へ移行する。また、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプは、操作タイミングと操作手順とにより導出される入賞役の種類(リプレイの種類)が決定する。具体的な内容については、後述する。
また、図13に示すように、RT4以外の遊技状態では、ボーナスが他の入賞役と同時当選することがある。たとえば、BB1は、BB1のみが単独当選する場合と、BB1とリーチ目リプ、BB1と中段チェリーリプ、BB1と強チェリーリプ、BB1と弱チェリーリプ、BB1とチャンス1、BB1とチャンス2、および、BB1とスイカとのうちいずれかの組合せで当選する場合とがある。また、ボーナス中においては、たとえば、共通ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率で当選するように定められている。共通ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で共通ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、ボーナスと同時当選する入賞役の割合は、リーチ目>中段チェリーリプ>強チェリーリプ>弱チェリーリプ>スイカ>チャンス1>チャンス2となっている。そして、ボーナスに単独当選する割合は、同時当選する割合よりも低く設定されてある。よって、遊技者は、何らかの抽選対象役に当選されることが示唆される後述する告知演出(入賞示唆演出)が実行された場合には、ボーナス当選に期待を持つことができる。
また、9枚ベル左1〜8,9枚ベル中1〜8,9枚ベル右1〜8は、抽選対象役毎に、取りこぼしのないベル1またはベル2を入賞させる操作手順(正解手順)が異なるように定められている。たとえば、9枚ベル中1では、中リール2Cを第1停止させたときには、確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベル(上段ベル、AT1,AT12,AT23,AT30)を入賞させ、引き込み不可能な場合に中取りこぼしの出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、図12および図13に示す抽選対象役については、内部抽選において当該抽選対象役に当選する当選確率にかかわる判定値数が定められている。たとえば、共通ベルは、RT0〜RT4のいずれの状態においても判定値数としてたとえば「360」が定められており、360/65536で当選する。抽選対象役のうち、ボーナスや小役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、いずれのRTであっても当選確率が同じとなるように定められている。一方、抽選対象役のうち、再遊技役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、RTの種類に応じて当選確率が異なるように定められている。
ここで、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2,RT3などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム、擬似ボーナスともいう。)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定のAT抽選対象役(本実施形態では、図12,図13に示す、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、BB1〜BB5、共通ベル)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、RAM41cの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することを乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、共通ベルの順となり、共通ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1〜BB5と同時当選していないとき(たとえば、強チェリーリプ当選時)よりも、BB1〜BB5と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリーリプ当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンド、AT抽選時コマンドにより、突入リプに内部当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。この場合には、たとえば、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、RAM41cの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT3に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT2において突入リプに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT3に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、チャンス1、チャンス2、スイカ。)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、RAM41cの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
また、サブ制御部91は、いずれかの抽選対象役に当選したときおよびいずれかの入賞役の入賞が発生したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(入賞示唆演出)を実行する。たとえば、図8に示すように、右下ベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄は、ベルである。また、スイカについては、無効ラインLM4に揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、スイカに含まれる右下スイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下スイカに入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。また、チェリーリプに当選しているときは、チェリーに当選したことを示す告知演出(入賞示唆演出)が実行される。たとえば、チェリーリプに当選したとき(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれかに当選したとき)には、チェリー図柄に対応するキャラクタ画像が表示される。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、などを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順ともいう)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、AT中もしくは後述する準備期間中にナビ対象役に当選したときに送信される。たとえば、AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信される。一方、非AT中においては、このような押し順コマンドが送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには押し順コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せゲーム数を報知する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図11を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0においてベル当選時における操作手順(操作順序、操作タイミング)によっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出される(図10参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、準備リプに入賞することにより、RT2に移行する。準備リプに入賞するためには、図11および図12で示したように、準備リプ1〜6の何れかに当選しかつ準備リプを入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図12で示したように、RT2では、維持リプ1〜3に当選する可能性があり、維持リプ1〜3のいずれかに当選しているときには、当選している維持リプの種類に応じて定められた所定の押し順(所定の操作手順。たとえば、維持リプ1当選時は左第1停止、維持リプ2当選時は中第1停止、維持リプ3当選時は右第1停止)で停止操作したときにリプ1が入賞してRT2を維持できる一方、所定の押し順以外の押し順で停止操作したときには転落リプレイ(リプ2,リプ3)が入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT2で9枚ベル左1〜8、9枚ベル中1〜8、9枚ベル右1〜8のいずれかに当選しているときには、操作手順によってRT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図12で示したように、RT2では、突入リプに当選する可能性があり、このときに、所定の押し順で停止操作すると突入リプ(リプ5)が入賞してRT3に制御される可能性がある。しかし、RT3に制御された場合でも、ベル当選時の押し順や操作タイミングによっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
また、AT抽選が実行されたときにおいて、該AT抽選の終了後に、所定ゲーム数(1ゲームも含む)に亘って前兆演出が実行され、該前兆演出の終了後にATに制御される。ここで、前兆演出とは、バトル演出などである。前兆演出が終了すると共に、該AT抽選の結果を報知するための結果演出が実行される。たとえば、AT抽選の結果がAT当選である場合には、結果演出として勝利演出(たとえば、WIN!といった文字を表示する演出)が実行される。また、AT抽選の結果がAT非当選である場合には、結果演出として敗北演出(たとえば、LOSE!といった文字を表示する演出)が実行される。勝利演出が実行されたときには、ATに制御され、敗北演出が実行されたときには、ATには制御されない。また、ATは、準備ATと、本ATとに分けられる。準備ATは、ATに制御され、かつRT1またはRT2に制御されている状態をいう。本ATは、ATに制御され、かつ、RT3に制御されている状態であり、ART(AT+RT3)ともいう。以下では、本ATを単に「AT」ともいう。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、準備リプ1〜6の何れかに当選したときに、準備リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、準備リプの入賞によりRT2に移行させることができる。RT2では、維持リプ1〜3の何れかに当選したときに、通常リプレイ(通リプ)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT2を維持することができる。また、RT2では、ベル(9枚ベル)当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。さらに、RT2では、突入リプ1〜6の何れかに当選したときに、突入リプ(リプ5)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ(リプ5)入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、ベル当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。なお、RT3のベル当選時において、操作手順を誤るなどしてベルこぼし停止となったときには、RT1に転落する。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT3+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT3で突入リプ1〜6のいずれかに当選し、突入リプ(リプ5)が入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT3への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT3中は、非AT中であるため、ベル当選時に、タイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT3中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1〜BB5に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1〜BB5に当選したときには、図11で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1〜BB5に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT0へ移行される。
[メダルセレクタ29について]
次にメダルセレクタ29について説明する。メダルセレクタ29は、メダル投入部4から投入されたメダルなどの媒体の流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30と、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルなどの媒体を検出する投入メダルセンサ106a〜106cを有する。また、メダルセレクタ29は、流路切替ソレノイド30の状態にかかわらず、正規のメダルと直径や厚みの異なる不正メダルをメダル払出口9から返却するように流路(たとえば、後述する投入流路301)が構成されている。
メダル投入が可能な場合(メダル投入が許容されている場合)には、流路切替ソレノイド30は励磁されており、この状態において流下するメダルは取込側流路302(図14(a)参照)を流下して投入メダルセンサ106a〜106c(図14(a)参照)により検出された後、ホッパータンク34a内に貯留されるようになっている。メダル投入が不可能な場合(メダル投入が非許容の場合)には、流路切替ソレノイド30の励磁が解除されて流路が排出側流路303(図15(a)参照)に切替わってメダル払出口9から返却される。
投入メダルセンサ106a〜106cは、投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知などを行うためのセンサである。
図14(a)及び図15(a)は、本実施例のスロットマシン1に設けられたメダルセレクタ29の構造を示す断面図であり、図15(b)は、図15(a)のA−A断面図であり、図14(b)は、図14(a)のB−B断面図である。
メダルセレクタ29には、図15(a)に示すように、メダル投入部4から投入されたメダルが流下する投入流路301及び投入流路301を流下したメダルをホッパータンク34aへ案内する取込側流路302が形成されている。また、図15(a)(b)に示すように、投入流路301の下方には、流路切替ソレノイド30の励磁により軸304aを支点として揺動する流路切替板304及び投入流路301から落下したメダルをメダル払出口9に案内する排出側流路303が設けられている。
流路切替板304は、流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態において、図15(a)(b)に示すように、その上端部304bがメダルセレクタ本体に設けられた凹部305内に収容された状態とされ、投入流路301と排出側流路303と、が連通した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは排出側流路303に落下してメダル払出口9より排出される。また、流路切替板304は、流路切替ソレノイド30が励磁された状態において、図14(a)(b)に示すように、流路切替板304の上部が軸304aを支点として図中左方向(矢印方向)に揺動することで、流路切替板304の上端部304bが凹部305より突出した状態となるため、投入流路301を流下するメダルは流路切替板304の上端部304bに沿って取込側流路302内に流下し、ホッパータンク34aに案内される。
また、取込側流路302には、図14(a)に示すように、取込側流路302を流下するメダルの通過を検出する投入メダルセンサ106a〜106c(以下投入メダルセンサ106aをセンサ1、投入メダルセンサ106bをセンサ2、投入メダルセンサ106cをセンサ3と呼ぶ場合もある)が設けられている。これらのうちセンサ1、センサ3は、取込側流路302の上部に沿った位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置され、センサ2は、取込側流路302の下部位置、すなわち取込側流路302を流下する円盤状のメダルの下端部の通過を検出可能な位置に配置されている。更に、センサ2は、図15(a)の点線Bおよび点線Cに示すように、センサ1及びセンサ3の間に配置されている。センサ1〜3は、取込側流路302を正常に流下するメダルが、センサ1、センサ2、センサ3の順番で検出される位置に配置されている。つまり、3つのセンサのうちセンサ1が最上流に設けられたセンサであり、センサ3が最下流に設けられたセンサである。
尚、本実施例では、媒体を検出するためのセンサとして従来公知のフォトセンサを用いるが、メダルの通過を検出できるものであれば、その他の検出手段、例えば、近接センサや反射センサ等を用いても良い。
図16(a)〜(h)は、取込側流路302を正常に流下するメダル、すなわち正常な方向(図中右方向)に流下するメダルの流下状況を示す図である。
取込側流路302を正常に流下するメダルは、図16(a)〜(h)に示すように、図中右側に向かって流下するため、センサ1、センサ2、センサ3の順番でその通過が検出される。詳しくは、まず、センサ1〜3のいずれにも検出されない状態(図16(a)参照)から、上流側上端のセンサ1によりメダルの上端が検出され(図16(b)参照)、次いで、取込側流路302の下端のセンサ2によりメダルの下端が検出され(図16(c)参照)、次いで、取込側流路302の下流側上端のセンサ3によりメダルの上端が検出される(図16(d)参照)。
センサ1〜3のすべてによりメダルが検出された後は、まず、センサ1による検出が終了し(図16(e)参照)、次に、センサ2による検出が終了した後(図16(f)参照)、センサ3による検出が終了する(図16(g)、(h)参照)。
取込側流路302を正常に流下するメダルのセンサ1〜3による検出状態の遷移は、常に図17に示すタイミングチャートのようになる。
具体的には、いずれのセンサにも検出されない状態a−b(センサ1:off、センサ2:off、センサ3:off)、センサ1が検出される状態b−c(センサ1:on、センサ2:off、センサ3:off)、センサ1、センサ2が検出される状態c−d(センサ1:on、センサ2:on、センサ3:off)、センサ1〜3の全てが検出される状態d−e(センサ1:on、センサ2:on、センサ3:on)、センサ2、センサ3が検出される状態e−f(センサ1:off、センサ2:on、センサ3:on)、センサ3が検出される状態f−g(センサ1:off、センサ2:off、センサ3:on)、いずれのセンサにも検出されない状態g−h(センサ1:off、センサ2:off、センサ3:off)の順番でセンサ1〜3の検出状態が遷移する。
このように本実施例では、センサ1〜3による検出状態の遷移が常に同一パターンの状態遷移となるため、センサ1〜3による検出状態の遷移が異なった状態遷移となることによりメダル投入に関連した不正を検出できる。
例えば、本実施例のメダルセレクタ29では、センサ1、センサ3が、取込側流路302を流下するメダルの上端部の通過を、各々上流側と下流側にて検出可能な位置に配置されているため、図18(a)に示すように、流下方向が異なる場合、すなわち一度投入されたメダルを外部から牽引して再度使用する不正行為、いわゆる逆流(逆戻し)が行われた場合には、図18(b)に示すように、センサ3、センサ2、センサ1の順番で検出される。すなわちセンサ1よりも下流側に設けられたセンサ3の方が先に検出状態となるため、投入メダルの逆流検知を行うことができる。
また、メダルセレクタ29内のメダル詰りが発生したときや、正規のメダルと異なる異物が投入されたときにも、同様に、センサ1〜3の状態遷移が図17に示す状態遷移の所定範囲内に収まらない可能性が高くなるため、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知や、メダルセレクタ29内の異物検知も行うことができる。たとえば、センサ1〜センサ3の少なくともいずれかのセンサによる検知時間が、正規のメダルが流下するときの検知時間の所定範囲を超えているときには、メダル詰りである旨のメダル詰り検知を行うことができる。また、センサ1が検出された後、センサ2が検出されずにセンサ3が検出されたときや、センサ1が検出されずにセンサ2が検出されたときなどにおいては、検出された媒体が正規のメダルではないため、異物である旨の異物検知を行うことができる。
[ゲーム制御処理]
図19を用いてゲーム制御処理を説明する。メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理(Sd1)が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(Sd2)が行われる。内部抽選処理が終了すると、リール回転処理(Sd3)が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズを実行するためのフリーズ処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(Sd4)が行われる。入賞判定処理が終了すると、払出処理(Sd5)が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。
払出処理が終了すると、ゲーム終了時処理(Sd6)が行われる。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定するなどの処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ゲーム終了時処理]
図20は、メイン制御部が実行するゲーム終了時処理(Sd6)の制御内容を示すフローチャートである。S250において、該ゲーム終了時処理が実行されているゲームが、AT終了ゲームであるか否かが判断される。ここで、AT終了ゲームとは、AT期間が終了するゲームであり、次のゲームから非ATに制御されるゲームである。
S250において、AT終了ゲームではないと判定された場合には、S252に移行する。一方、S250において、AT終了ゲームであると判定された場合には、S256に移行する。S252では、ATかつRT2に制御されているか否かが判断される。S252において、YESと判定された場合には、S300に移行する。一方、S252において、NOと判断された場合には、ゲーム終了時処理を終了する。
S300において、突入リプが入賞したか否かが判断される。ここで、この突入リプが入賞することにより、RT2(準備AT)からRT3(本ATであり、つまりART)に制御される。S300においてYESと判断された場合には、S305に移行する。S305においては、AT開始フリーズコマンドが、サブ制御部91に対して送信される。ここで、AT開始フリーズコマンドとは、AT開始時のフリーズが開始されたこと、および該フリーズの期間を特定可能なコマンドである。フリーズとは、遊技を進行させる操作を受付けない(または遅延させる)状態である。通常遊技を進行させる操作とは、ベット操作(MAXBETスイッチ6への操作)、レバーオン操作(スタートスイッチ7への操作)、リール停止操作である。つまり、フリーズ中は、遊技者によりいかなる操作が行われても、遊技は進行しない(たとえば、ベット操作がされても、賭数は設定されず、スタートスイッチ7が操作されても、リールは停止した状態が維持されリールは回転しない)。
サブ制御部91は、AT開始フリーズコマンドを受信することにより、AT開始フリーズが開始されたこと、および該フリーズの期間を特定することができる。サブ制御部91は、AT開始フリーズコマンドを受信すると、開始演出を実行する。開始演出は、AT(AT+RT3)への制御が開始されることを報知するための演出である。本実施形態の開始演出は、図33(C)に示すように、液晶表示器51に「AT開始!」といった文字を表示する演出である。また、開始演出では、スピーカ53,54から所定の音(たとえば、ファンファーレ音)が出力される。
S305の処理終了後、S306において、フリーズを実行する。S306の処理終了後、S308に移行する。S308では、メイン制御部41は、RAM41cに投入不可フラグを設定する。ここで、投入不可フラグは、メダルの投入を許容しない(メダルの投入を不可能とする)ことを特定可能なフラグである。投入不可フラグが設定されると、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる処理が行われる。これにより、遊技者に対して、メダル投入が不可能である旨を報知できる。また、S308では、流路切替ソレノイド30の励磁が解除される。
一方、S256においては、AT終了フリーズコマンドがサブ制御部91に対して送信される。
ここで、AT終了フリーズコマンドとは、AT終了時のフリーズが開始されたこと、および該フリーズの期間を特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、AT終了フリーズコマンドを受信することにより、AT終了時のフリーズが開始されたこと、および該フリーズの期間を特定することができる。サブ制御部91は、AT終了フリーズコマンドを受信すると、終了演出を実行する。終了演出は、ATが終了したことを報知する演出である。本実施形態の終了演出は、図35(C)に示すように、液晶表示器51に「AT中で付与されたメダル枚数」を表示する演出である。また、「AT終了!」といった文字を表示するようにしてもよい。また、終了演出では、スピーカ53,54から所定の音(たとえば、エンディング音)が出力される。S256の処理が終了すると、S306に移行する。
[BET処理]
図21〜図24は、メイン制御部が実行するBET処理(図19のSd1)の制御内容を示すフローチャートである。BET処理では、まず、RAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では上限数と同じ。いずれの遊技状態においても3。)をRAM41cに設定し(S11)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグ(前回のゲームでリプレイが導出されたことにより設定されるフラグ)が設定されているか否かに基づいて今から開始されるゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
S12において今から開始されるゲームがリプレイゲームであると判定された場合には(S12のYES)、S13に移行する。S13では、フリーズ中であるか否かが判断される。ここで、このフリーズとは、たとえば、図20のS306で開始されたフリーズである。S13において、フリーズ中ではないと判断された場合には、S14の処理に移行する。また、S13においてフリーズ中であると判断された場合には、S13Aに移行する。
S13Aでは、S13でYESと判断されたフリーズの開始から10秒間経過したか否かが判断される。S13Aでは10秒間経過するまで待機される(S13AでNO)。S13Aにおいて、10秒間経過した判定された場合には、S13Bに移行し、該フリーズは終了する。S13Bの処理終了後、S14に移行する。
S14において、BETカウンタの値を1加算し、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S15)、BETカウンタの値が規定数でなければS14に戻る。BETカウンタの値が規定数となりリプレイ入賞による賭数の設定が完了すると、S16へ移行する。
S16では、メダルの投入が非許容となっているか否かが判断される。ここで、「メダルの投入が非許容」とは、投入不可フラグが設定されており、かつ流路切替ソレノイド30がオフになっていることをいう。たとえば、S16において、YESと判定されたときには、S17に移行する。S16において、NOと判定されたときには、S19に移行する。S16でYESと判定されるときというのは、たとえば、ゲーム終了時処理で、S308の処理が実行されたときをいう。S17においては、投入不可フラグがクリアされるとともに、流路切替ソレノイド30が励磁される。これにより、メダルの投入が許容される。S17の処理終了後、S19に移行する。
S19では、RAM41cの所定領域において格納されるクレジット(遊技用価値)の値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する。S19において上限値であると判定されたときには、S20に移行する。S20においては、投入不可フラグが設定される。S20の処理が終了すると、S21Aに移行する。また、S19において、NOと判定されたときには、S21に移行する。
S21においては、投入待ち前の設定を行ってS21Aに進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに投入不可フラグが設定されている場合は当該投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受付けてクレジット加算されることになる。メイン制御部41は、S21において投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。
S21Aでは、最も上流側に配置されている投入メダルセンサ106a(センサ1)によりメダルが検出されたか否かが判断される。S21Aにおいて、投入メダルセンサ106aによりメダルが検出されたと判断された場合には(S21AのYES)、S21Bに進む。S21Bでは、最終メダル判定処理を実行する。
図24は、最終メダル判定処理のフローチャートを示したものである。S100では、「53−(BETカウンタの値+クレジットカウンタの値)」を演算し、該演算結果が1であるか否かが判断される。なお、BETカウンタの値およびクレジットカウンタの値は、S21Aで検出されたメダルによりBETカウンタまたはクレジットカウンタが更新される前の値である。これは、S100の処理は、S21Aで検出されたメダルが、投入メダルセンサ106aで検出されたが、投入メダルセンサ106bおよび投入メダルセンサ106cのいずれでも検出されていないタイミングで実行されるからである。
「53−(BETカウンタの値+クレジットカウンタの値)」の演算結果が1であると判断されたときには(S100のYES)、S102において、最終メダルフラグがRAM41cに設定され、最終メダル判定処理を終了する。一方、該演算結果が1ではないと判断されたときには(S100のNO)、S102の処理を実行することなく、最終メダル判定処理を終了する。
S100の「53」は、クレジットカウンタの上限値(=50)と、BETカウンタの上限値(=3、規定数ともいう)との合計値(以下、「合計上限値」という。)である。また、S102の最終メダルフラグとは、S21Aにおいて、投入メダルセンサ106aで検出されたメダルが最終のメダルであること、つまり、投入メダルセンサ106aで検出されたメダルによりクレジットカウンタまたはBETカウンタが更新されると、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の合計値が合計上限値(53)に到達することを特定可能なフラグである。換言すれば、最終メダルフラグは、メダルが投入メダルセンサ106aにより検知されたとき(S21AのYES)の状況が、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値との合計値が52である状況をいう。S21Bの処理が終了すると、S21Cに進む。
S21Cにおいて、最終メダルフラグがRAM41cに格納されているか否かが判断される。S21Cにおいて、最終メダルフラグが格納されていると判断されると(S21CのYES)、S21Dに進む。S21Dでは、投入不可フラグが設定される。また、S21Dでは、S21Bで設定された最終メダルフラグは消去される。また、S21AにおいてNOと判定されたとき、およびS21CにおいてNOと判定されたときには、S22へ進む。
S22では、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。S22においてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S23)、S25に進み、メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S24)、S30に進む。
S30では、投入メダルセンサ106a〜106cによる検出結果が適正な検出結果となり、投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。投入メダルセンサ106a〜106cによる検出結果が適正な検出結果となる場合というのは、投入メダルセンサ106a〜106cの状態遷移が図17に示すようになったときである。S30において投入メダルの通過が検出されていなければ、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば、投入メダルフラグをクリア(S31)して、S33に進む。
S33においてRAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定し、BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1加算し(S35)、S21Aに戻る。
S33においてBETカウンタの値が規定数であれば、S40においてRAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する。S41においては、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かが判定される。クレジットカウンタの値が50でなければ、S21Aに戻り、クレジットカウンタの値が50であれば、S42において投入不可フラグをRAM41cに設定しS21Aに戻る。
S45では、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
S45においてスタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば、S46に進み、立上りエッジをクリアする。また、S47では、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する。
S47においてBETカウンタの値が規定数でなければ、S21Aに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、S48において、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS21において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から払出されることになる。S49の後、BET処理を終了する。
S50においては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S50において1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば、図23のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
S66においては、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S66においてBETカウンタの値が規定数であればS21Aに戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ、S67においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S67においてクレジットカウンタの値が0であればS21Aに戻る。S67においてクレジットカウンタの値が0でなければ、S69において、クレジットカウンタの値を1減算し、S70においては、BETカウンタの値を1加算してS21Aに戻る。また、S66でYESと判定された場合、およびS67でYESと判定された場合には、S21Aに戻る。
S51においては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立上り示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S51においてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば、図23のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
S76においては、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S76において、BETカウンタの値が規定数でなければ、S77においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S77においてクレジットカウンタの値が0でなければ、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
また、S76でYESと判定された場合、およびS77でYESと判定された場合には、S21Aに戻る。
S52においては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S52において精算スイッチ10の操作が検出されていなければS21Aに戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、S53に進み、立上りエッジをクリアする。S54においては、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する。
S54においてリプレイゲームであると判定されなかったときには、S56においてBETカウンタの値が0か否かを判定し、BETカウンタの値が0でなければS57に進む。S57では、賭数清算処理が実行される。賭数精算処理では、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力され、BETカウンタのカウンタ値に対応する数のメダルを排出するための制御が行なわれる。また、排出されたメダルが払出センサ35によって検出される毎に、賭数カウンタのカウンタ値を1減算する制御と、これに応じて、1〜3BETLED14〜16のうち、点灯しているLEDを、3BETLED16、2BETLED15、1BETLED14の順に消灯させる制御とが行なわれる。また、演出制御基板90に対して、メダルの排出毎にスピーカ53、54からメダル払出音を出力させるためのコマンドが送信される。
これに対し、S54においてリプレイゲームであると判定されたときや、S56においてBETカウンタの値が0であると判定されたときには、S59において、クレジット精算処理が実行される。クレジット精算処理では、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力され、クレジットカウンタのカウンタ値に対応する数のメダルを排出するための制御が行なわれる。また、排出されたメダルが払出センサ35によって検出される毎に、クレジットカウンタのカウンタ値を1減算する制御と、これに応じて、クレジット表示器11に表示されているクレジット数を更新する制御とが行なわれる。また、演出制御基板90に対して、メダルの排出毎にスピーカ53、54からメダル払出音を出力させるためのコマンドが送信される。S57における賭数精算処理の後、およびS58におけるクレジット精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS21Aに戻る。
なお、図21〜図24の例では、リプレイゲームでは、S19の処理およびS41の処理が、メダルの投入を許可するか否かを決定するメダル投入許可処理に該当し、リプレイゲームではないゲームでは、S41の処理がメダル投入許可処理に該当する。
また、クレジットカウンタは、メダルが投入されることを含む更新条件が成立したときに、クレジットを更新することになる。
[デモ状態関連処理]
次に、サブ制御部91により実行されるデモ状態関連処理を説明する。図25は、デモ状態関連処理のフローチャート図を説明するための図である。デモ状態関連処理は、タイマ割込み処理により実行される。タイマ割込み処理は、所定時間(たとえば、0.56ms)ごとに実行される処理である。
S400において、所定演出が実行中であるか否かが判断される。ここで、所定演出は、開始演出および終了演出のうちのいずれとも異なる演出である。たとえば、所定演出は、演出用スイッチ56の操作を遊技者に要求するボタン演出などを含む。所定演出が実行中であると判定されたときには(S400のYES)、S402に移行する。S402において、精算コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、精算コマンドとは、メイン制御部41からサブ制御部91に対して送信されるコマンドであって、クレジット精算処理および賭数精算処理の双方が完了した(つまり、クレジットコマンドおよびBETコマンドがいずれも0になった)ことを特定可能なコマンドである。
S404において、S402でYESと判定された精算コマンドを受信したゲームでリプレイ入賞しているか否かが判断される。S404でNOと判定されたときには、精算コマンドを受信したタイミングから所定時間(たとえば、10秒間)経過したか否かが判断される。S406においては、所定時間経過するまで待機される(S406のNO)。また、S406において、精算コマンドを受信したタイミングから所定時間経過したと判定されたときには、S408に移行する。S408では、デモンストレーション状態(以下、「デモ状態」という。)に移行させる。
デモ状態とは、サブ制御部91により、デモンストレーション画面(以下、「デモ画面」という。)が表示される状態である。デモ画面は、スロットマシンが遊技されている画面を含むようにしてもよい。また、デモ画面は、スロットマシン1の演出で登場するキャラクタやストーリーの内容、実行される演出を説明する画面を含むようにしてもよい。また、デモ画面は、他のスロットマシンの宣伝画面、スロットマシン1のメーカの宣伝画面を含むようにしてもよい。また、デモ状態は、BET操作がされる、またはメダルが投入されることにより終了する。
また、S400でNOと判定されたとき、S402でNOと判定されたとき、S404でYESと判定されたときには、デモ状態関連処理は終了する。このように、精算処理が完了したとしても(S402のYES)、該精算処理が完了したゲームにおいてリプレイが入賞したとき(つまり、クレジット消費することなく、次のゲームを開始させることができるとき)には、所定時間経過しても、デモ状態には移行させない。
[小役当選時のリール制御について]
図26〜図30は、小役当選時のリール制御について説明するための図である。本実施の形態では、チェリーリプ(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプ)やスイカ等の抽選対象役に当選したときに、告知演出(入賞示唆演出)が実行される。告知演出(入賞示唆演出)が実行されることにより、いずれの抽選対象役に当選したかを示唆することが可能となる。これらの演出が実行されているにも関わらず、告知演出(入賞示唆演出)で表示されるキャラクタ画像(たとえば、チェリーを示す図柄やスイカを示す図柄)が入賞ライン上ではなく、無効ライン上の表示結果を示すものである場合、無効ライン上の表示結果を遊技の結果であると誤認させてしまう虞がある。
本実施の形態では、このような告知演出(入賞示唆演出)で表示される画像に対する遊技者の誤認を防止するために、入賞ラインLN上に実際に表示される図柄との関係において、以下のようなリール制御を実行している。図26は、強チェリーリプまたは弱チェリーリプに当選したときのリール制御を示している。図26では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。左、中、右の停止順で停止操作する場合は、左リール2Lにおいて図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内(枠の上段の位置)に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。このような位置でストップスイッチを押せば、チェリーやスイカの取りこぼしを抑えることができる。強チェリーリプに当選した場合には、チェリーのキャラクタ画像を液晶表示器51の表示領域51aに表示する告知演出(入賞示唆演出)が実行される。
図26(a)〜(c)は、目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図26(d)〜(f)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し成功となるタイミング、目押し失敗となるタイミングについて、図2を用いて具体的に説明する。たとえば、強チェリーリプ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図2の2番のチェリー図柄を左リール2Lの下段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。2番のチェリー図柄から4コマ先にある図柄までが引き込み可能な範囲であるため、18番のブランク図柄、19番のリプレイ図柄、20番のベル図柄、1番のスイカ図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合および、2番のチェリー図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄を左リール2Lの下段の位置に停止させることが可能となる。このような場合が目押し成功となるタイミングである。また、3番の赤7図柄〜17番のバー図柄を左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄は、左リール2Lの下段の位置に停止させることが不可能となる。このような場合が目押し失敗となるタイミングである。
強チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図26(a)に示すように左リール2Lの下段にチェリー図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Cを停止させる。目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図26(b)に示すように中リールの中段にチェリー図柄が停止する。また、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、強チェリーリプ当選時は、図26(c)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図26(c)に示すように、入賞ラインLN上には、チェリー図柄が3つ停止し、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図26(d)に示すように左リール2Lの下段にリプレイ図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図26(e)に示すように中リールの中段にリプレイ図柄が停止する。しかし、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、目押し失敗のタイミングであるか否かに関わらず、強チェリーリプ当選時に右リール2Rには、図26(f)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図26(f)に示すように、入賞ラインLN上には、リプレイ−リプレイ−チェリーとなる図柄組合せで図柄が停止し、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ当選時のリプ16の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
なお、左リール2Lについては目押しが成功し、中リール2Cは目押しが失敗した場合には、チェリー−リプレイ−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。また、左リール2Lについては目押しが失敗し、中リール2Cは目押しが成功した場合には、リプレイ−チェリー−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。いずれにしても入賞ラインLN上(右リール2Rの上段)には、チェリー図柄が表示されることとなる。
サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図26(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図26(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、目押し成功となるタイミングでも、目押し失敗となるタイミングでも入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が遊技の結果ではないという誤認を防止することができる。
また、図26(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図26(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
また、図26(c),(f)に示すように、目押しを成功し全てのリールにチェリー図柄が導出された場合であっても、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合であっても、強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
また、図26(g)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにチェリー図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリー図柄が導出されない。その代わり、右リールにおいては、無効ラインLM4上(右リール2R下段)にチェリー図柄が導出される。よって、チェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出が実行され、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リール2Rにおけるチェリー図柄の位置により、強チェリーリプ当選であるのか弱チェリーリプ当選であるのかを確認することができる。なお、図26(g)は、弱チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、図26(h)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rに、チェリー図柄が導出される。この入賞ラインLN上の図柄組合せ(リプレイ−リプレイ−チェリー)は、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合の入賞ラインLN上の図柄組合せと同じである。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果の誤認を防止することができる。なお、図26(f)と図26(h)とは同じ表示結果が導出されることから、チェリーリプ当選したことは判断できるが、チェリーリプの強弱までは、判断できない。
なお、弱チェリーリプ当選時に、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図27は、中段チェリーリプに当選したときを示している。図27では、中、左、右の停止順で停止操作が実行されている。中リール2Cを第1停止する際には、図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。
中段チェリーリプ当選時に中リール2Cを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図27(a)に示すように、中リール2Cの中段に赤7図柄が停止する。さらに、左リール2Lを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図27(b)に示すように、左リール2Lの中段にチェリー図柄が停止する。さらに、右リール2Rを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図27(c)に示すように、右リール2Rの上段にチェリー図柄が停止するとともに右リール2Rの下段に赤7図柄が停止する。なお、図27(c)は、中段チェリー入賞とともにBB5が同時当選している場合の図柄組合せである。このように、右リール2Rのチェリー図柄の配列のみではなく、中リール2Cの赤7図柄によってもチェリーリプ当選を示唆することができ、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
なお、左リール2Lおよび中リール2Cのいずれも目押し失敗となるタイミングでストップスイッチを操作したときは、左リール2Lおよび中リール2Cには、入賞ラインLN上にリプレイ図柄が導出され、右リール2Rの上段にチェリー図柄が導出される。つまり、図26(f)や図26(h)と同じ制御が実行される。このように、弱チェリーリプ、強チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれに当選していても目押し失敗となるタイミングで実行されたときの制御を共通化することができる。また、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図28は、スイカに当選したときを示している。図28では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。図28(a)〜(c)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し失敗となるタイミングについて、図2を用いて具体的に説明する。たとえば、スイカ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図2の1番のスイカ図柄、6番のスイカ図柄、11番のスイカ図柄を左リール2Lの上段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。そして、12番のベル図柄〜16番のバー図柄までを左リール2Lの上段に停止させるタイミングで停止させたときが、目押し失敗となるタイミングである。
スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図28(a)に示すように左リール2Lの上段にBAR図柄が停止する。なお、BAR図柄は、スイカを構成する図柄として使用される図柄である。次いで、中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、目押しのタイミングに関わらず、スイカ当選時に中リール2Cには、図28(b)に示すように中段に必ずスイカ図柄が停止する。また、スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Rが停止操作された場合には、図28(c)に示すように右リール2Rの下段にブランク図柄a(ブラa)が停止する。
中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、図28に示すように、スイカ当選時には、中リール2Cにおいて必ずスイカ図柄が中段に表示されるようにリール制御を実行することができる。このようにすれば、入賞ライン上にスイカ図柄が表示されることで、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、スイカ当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図29は、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、あるいは中段チェリーリプに当選したときを示している。図29では、右、中、左の停止順で停止操作が実行されている。図29(a)に示すようにリールが回転しているときから右リール2Rを第1停止させる。図29(b)に示すように、右リール2Rを第1停止させた場合、チェリーリプに当選したときには、入賞ライン上にある右リール2Rの上段に必ずチェリー図柄が出現する。よって、第1停止の段階でチェリーリプ当選を示唆することができる。しかし、この時点では、左リール2Lと中リール2Cとには、どのような図柄が停止されるかが不明であるので、チェリーリプが強、弱、中段のいずれであるかまでは分からない。
目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、強チェリーリプ当選時は、図29(c)に示すように、入賞ライン上にチェリー図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、弱チェリーリプ当選時は、図29(d)に示すように、入賞ライン上にリプレイ−チェリー−チェリーとなる図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、中段チェリーリプ当選時は、図29(e)に示すように、無効ラインLM2上(左リール2Lの中段)にチェリー図柄が導出される。なお、図29(e)は、ボーナスと中段チェリーリプとが同時当選しているときを示している。中段チェリーリプ当選単独の場合は、右下がりに赤7図柄が揃うことはない。
このように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示される表示結果がチェリー当選であることを示唆することができる。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に表示されることが第1停止の時点で示唆されることになる。よって、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図30は、スイカに当選したときを示している。図30では、中、右、左の停止順で停止操作が実行されている。図30(a)に示すようにリールが回転しているときから中リール2Cを第1停止させる。図30(b)に示すように、中リール2Cを第1停止させた場合、スイカに当選しているときには、入賞ライン上にある中リール2Cの中段に必ずスイカ図柄が出現する。よって、第1停止の段階でスイカ当選を示唆することができる。
このように、スイカ当選時に中リール2Cが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の中リール2Cにスイカ図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび右リール2Rの操作前に入賞ライン上に表示される表示結果の誤認を防止することができる。
[各種報知部の報知態様について]
本実施の形態のスロットマシン1には、遊技に関する各種の情報を報知する複数の報知部が設けられている。各種報知部は、小役入賞時に報知態様を変化させる。図31は、各種報知部の報知態様を説明するための図である。スロットマシン1の報知部としては、図31(a)に示すような、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16(以下、BET表示部と称する)がある。また、スロットマシン1の報知部としては、図31(b)に示すような、メダルの払出枚数を表示する払出数表示部(遊技補助表示器)12がある。また、スロットマシン1の報知部としては、図31(c)に示すような、小役が入賞しときにリールLED55を点灯させ、小役が入賞したことを報知する透視窓3に対応する透過領域51b(以下、入賞表示部と称する)がある。
図31(a)〜(c)は、遊技(ゲーム)がされた結果、小役入賞として中段ベルの入賞が発生したときの各種報知部の報知状態を示している。また、図31(d)〜(f)は、各種の条件の成立により、初期状態となったときの各種報知部の報知状態を示している。たとえば、中段ベルの入賞が発生した際には、図8に示すように9枚のメダルの払出しがある。中段ベルの入賞が発生した場合には、図31(a)に示すように、BET表示部が点灯状態に維持される。また、中段ベルの入賞が発生した場合には、図31(b)に示すように、払出数表示部12が9枚を示す値で表示される。払出数表示部12は、セグメント表示により表示される。また、中段ベルの入賞が発生した場合には、図31(c)に示すように、中段ベルが入賞したことがリールLED55の点灯により示される。リール2L〜2Rの中段に示されるベル図柄(図8に示す指標図柄)に対応する部分が発光することが、入賞表示部により確認できる。
また、図31(a)〜(c)のように、中段ベルの小役入賞が発生してからBET操作されることなく所定時間として30秒が経過すると、各種報知部は、図31(d)〜(f)のような初期状態へと表示態様が変化する。たとえば、BET表示部は、図31(a)の状態から30秒が経過すると、図31(d)に示すLEDの消灯状態へとBET表示部の表示態様が変化する。また、払出数表示部12は、図31(b)に示す「09」の表示から図31(e)に示す「00」の状態へと変化する。また、入賞表示部は、図31(c)に示すリールLED55の点灯状態から図31(f)に示すリールLED55の消灯状態へと変化する。
ここで、30秒の経過時間は、遊技制御基板40側に設けた小役の払出しによる表示が実行されてから計時が開始されるタイマ(図示省略)により、計時されるようにすればよい。また、リールLED55の点灯時間に関しては、メイン制御部41からサブ制御部91に送信されるタイマの計時に関する情報に基づいて消灯の制御が実行されるようにすればよい。なお、小役入賞時の計時の開始時点は、3つのリール2L、2C、2Rが停止した時点からでもよく、メダルの払出しが完了した時点からでもよい。
ここで、所定時間として示した30秒は、特定モードへの移行時間と同じ時間である。特定モードとは、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するモードのことである。デモ演出では、たとえば、液晶表示器51の表示領域51aにスロットマシン1の演出で登場するキャラクタやストーリーの内容、実行される演出を説明する映像等が流れる。特定モードとしてのデモ演出を解除するには、メダルを投入したり、BET操作があればよい。
なお、特定モードでは、所定時間として30秒経過することにより節電モードに移行するようにしてもよい。節電モードとは、遊技者が遊技をしていないときのスロットマシン1における消費電力を抑えるために、光量や音量を遊技中よりも減少させるモードのことである。たとえば、節電モードでは、液晶表示器51の表示領域51aの光量が減少されるとともに、音量が無しに設定される。また、表示領域51aには、現在節電モードであることを示す「節電モード」の文字が表示される。特定モードとしての節電モードを解除するには、メダルを投入したり、BET操作があればよい。
このように、前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となる。よって、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となることを計時するためのタイマとを共通化することができる。また、前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとしてもよい。このようにすれば、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとなることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、設定変更状態となることにより、各種報知部の表示状態が図31(a)〜(c)で示す表示状態から図31(d)〜(f)で示す初期状態の表示状態へと変化する。設定変更状態とは、リセット/設定スイッチ38により設定値を変更できる状態である。筐体1aの内部には、電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100には、電源投入時(起動時)に設定変更状態に切り替えるために、店員が設定キーを挿入する鍵穴が設けられている。店員が所有する設定キーを鍵穴に挿入したまま右に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がON状態になる。設定キースイッチ37がON状態となった状態が設定変更状態である。一方、設定キーを鍵穴に挿入したまま左に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がOFF状態になる。
設定キースイッチ37は、前面扉1bを解錠して開放しなければ操作できないため、ドアキーを所有する店員以外の者は、外部から設定キースイッチ37を操作不可能である。さらに、設定キースイッチ37は、設定キーを鍵穴に挿入しなければ操作できないため、設定キーを所有する店員以外の者は、設定キースイッチ37を操作不可能である。
また、電源ボックス100には、設定変更状態において内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。ここで、設定値とは、内部抽選における当選確率を特定する値である。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も遊技者にとっての有利度合いが高く(メダル払出率が高く)、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度合いは低くなる(メダル払出率が低くなる)。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ここで、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が設定値表示器24に表示されることで設定値を確認可能な状態のことを設定確認状態という。
小役入賞時の図31(a)〜(c)に示す各種報知部の表示状態は、設定変更状態となることにより、初期状態としての図31(d)〜(f)の表示状態へと変化する。
また、精算スイッチ10を押すことにより、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる精算操作があった場合、図31(a)〜(c)に示す各種報知部の表示状態が、図31(d)〜(f)の初期状態の表示状態へと変化する。また、MAXBETスイッチ6操作などにより賭数を設定するBET操作により、BET表示部は、図31(a)の点灯状態から図31(d)の消灯状態となった後、すぐに図31(a)の点灯状態となる。また、払出数表示部12および入賞表示部は、BET操作により、図31(b),(c)のような表示状態から図31(e),(f)のような初期状態となる。
また、スロットマシン1は、バックアップ電源を有している。よって、突然の電断(たとえば、停電)が発生した場合であっても、バックアップ電源がメイン制御部41およびサブ制御部91に供給されることにより、所定期間、バックアップ領域に記憶されている情報を保持できる。メイン制御部41およびサブ制御部91は、電断から復帰したときには、バックアップ領域に退避された情報およびフラグに基づいて、電断前の図31(a)〜(c)に各種報知部の表示状態から、電源再投入による電断復帰後に、再度図31(a)〜図31(c)の状態へと制御する。そして、各種報知部は、電断から復帰する電断復帰処理が終了してゲームを開始するためのゲーム処理が開始されてから30秒の時間経過により、図31(d)〜(f)の表示状態となる。また、リールの回転中に電断が発生した場合には、復帰後にリールを初期位置に戻し、各種報知部は、電断から復帰する電断復帰処理が終了してゲームを開始するためのゲーム処理が開始されてから30秒の時間経過により、図31(d)〜(f)の表示状態となる。
ここで、設定値が前日のホール(遊技場)の閉店から変更されていたか否かを翌日の営業開始時に知るために従来実行されていた仕込みについて説明する。仕込みとは、前日の閉店時に払出しのある役を入賞させ、払出数表示部12に「1」以上の数が表示された状態(図31(b)の状態)で遊技を終了する行為である。このような行為により、翌日の営業開始時にその値が維持されていれば(図31(b)の状態)、設定変更が行われておらず、表示内容が「0」となっていれば(図31(e)の状態)設定変更が行われたことが判明する。また、BET表示部や入賞表示部が翌日の営業開始時に点灯状態が維持されていれば、設定変更されていないことが容易に理解されてしまっていた。
このような仕込みの対策として、ホールの店員は、払出数表示部12の表示を「0」にするために閉店後に複数回ゲームを実行しなければならなかった。また、精算操作やBET操作により、払出数表示部12の表示を「0」にできるような場合であっても、閉店後に精算操作やBET操作を実行しなければならず、手間が掛かっていた。
本実施の形態では、このようなホールの店員の作業負担を減らしつつ、仕込みを防止するために、小役入賞が発生し、払出数表示部12にメダルの払出し枚数が表示された状態から30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示を初期状態である「0」へと変化する制御を実行している。また、BET操作部や入賞表示部についても同様に、小役入賞から30秒が経過することにより点灯状態から初期状態の消灯状態へ変化するように制御している。
[払出数表示部の表示パターンについて]
図32は、払出数表示部(遊技補助表示器)12の表示パターンを説明するための図である。払出数表示部12の表示パターンとして、図32のようなパターンにより表示することができる。図32の表において、左側のリプレイ入賞時等の欄は、スロットマシン1における状態を示している。また、払出数表示部12の表示パターンであるA〜Cのパターンにおいて、「初期」は、払出数表示部12の表示の初期状態(たとえば、図31(e))を示しており、「維持」は、払出数表示部12の表示が維持される状態(たとえば、図31(b))を示している。払出数表示部12は、スロットマシン1の状態において、表中の「○」で示される「初期」または「維持」の状態に制御される。表中の「×」は、制御されない状態を示している。また、表中の「−」は、BET操作からレバー操作への一連のゲームを開始する操作においてBET操作時に払出数表示部12が初期状態へと変化したので、レバー操作時には、初期状態であることが示されている。なお、初期状態として払出数表示部12に「0」表示される場合を示したが、初期状態は、0以外の記号で示すようにしてもよいし、0と記号との組合せ(たとえば、「0.」)でもよいし、表示が消灯されるようにしてもよい。
図32に示すように、A〜Cパターンのいずれのパターンでも、再遊技役としてのリプレイ入賞時には、払出数表示部12が初期状態となる。また、精算操作時には、AパターンおよびBパターンは、払出数表示部12が初期状態となるが、Cパターンでは、払出数表示部12の表示が維持される。また、BET操作からレバー操作にかけての一連の操作において、Aパターンでは、BET操作時には、払出数表示部12の表示が維持されるが、レバー操作時に払出数表示部12が初期状態となる。また、BパターンおよびCパターンでは、BET操作時に払出数表示部12が初期状態となり、レバー操作時には、初期状態のままである。
また、遊技を停止してから30秒が経過するとAパターンでは、払出数表示部12が初期状態となり、BパターンおよびCパターンでは、払出数表示部12の表示が維持される。また、設定変更状態後(デフォルト後)には、A〜Cパターンのいずれのパターンでも、払出数表示部12が初期状態(デフォルト状態)となる。また、電断復帰後には、A〜Cパターンのいずれのパターンでも払出数表示部12の表示が電断前の状態で維持される。なお、払出数表示部12の表示状態は、A〜Cのパターンに限らず、各状態で初期状態または表示が維持される状態のいずれかになるものの組合せであればよい。
[ATが開始されるとき]
次に、図33を用いて、ATが開始されるときについて説明する。図33(ア)は、リールおよび演出画面(液晶表示器51に表示される画面)を示し、図33(イ)は、制御内容を示す。また、リールおよび演出画面を示している画面については、上部が演出画面を示し、下部がリールを示す。
図33は、AT中でありかつRT2中に突入リプが当選した場合を説明する。図33(A)に示すように、サブ制御部91は、当選した突入リプに対応した操作手順(図33の例では、中第1停止)を報知(表示)するナビ演出を実行する。このナビ演出で報知された操作手順通りに操作されると、突入リプが入賞することによりRT3に制御される。
また、図33(B)のリールでの記載である「赤7、リプ、リプ」は、入賞ラインLN上に「赤7、リプ、リプ」が揃ったこと、つまり突入リプ(リプ5)が入賞したことを示している。図33(C)に示すように、突入リプなどの表示結果が導出されたタイミングで、ナビ演出から開始演出に切替る。また、ナビ演出から開始演出に切替るとともにS306のフリーズも実行される。また、開始演出の実行時間も、フリーズの実行時間と同一であり、本実施形態では、10秒間とする。
また、図33(イ)に示すように、AT中であり、かつRT2であるときに(図20のS252のYES)、突入リプが入賞したときには(図20のS300のYES)、フリーズが開始されるとともに(S306)、メダル投入が非許容となる(S308)。メダル投入が非許容になるとは、投入不可フラグが設定されるとともに、流路切替ソレノイドが解除(off)されることである。また、フリーズが開始されると、精算操作も非許容となる。ここで、精算操作が非許容とされるとは、遊技者により精算操作がされても、精算処理(図22のS57、およびS59)が実行されないことである。
また、フリーズの実行期間は、10秒間である(図21のS13A参照)。10秒間のフリーズが終了すると、自動BET処理(図21のS14、S15の処理)が実行される。この自動BET処理中も、メダル投入および精算操作は非許容とされる。自動BET処理が終了すると(S15のYES)、メダル投入および精算操作は許容される。メダル投入が許容されるとは、投入不可フラグがクリアされるとともに、流路切替ソレノイドが励磁(on)されることである。また、精算操作が許容とされるとは、遊技者により精算操作がされたときに、精算処理(図22のS57、およびS59)が実行されることである。
その後、遊技者によりレバーオン操作されると、図33(D)に示すように、ATが開始される。図33(D)の例では、AT中は、サブ制御部91によりAT中演出が実行される。ここで、AT中演出とは、液晶表示器51の左上の領域にATの残りゲーム数を報知するとともに、押し順役が当選したゲームでは、該押し順役に対応する操作手順を報知する演出である。また、AT中演出は、開始演出の終了後に実行される演出である。
[開始演出中に電断が発生したとき]
次に、図34を用いて、開始演出中に電断が発生したときについて説明する。フリーズ(開始演出)が開始されたときから7秒経過時に(タイミングT1)、電断が発生したとする。その後、該電断から復帰したとき(電源が投入されたとき)には(タイミングT2では)、サブ制御部91によりAT中演出が実行された状態(ATに制御されている状態)で復帰する。また、この電断から復帰したときには、メイン制御部41は、残りのフリーズ(3秒間のフリーズ)を実行する。該残りのフリーズが終了すると、自動BET処理を実行する。残りのフリーズおよび自動BET中では、メダル投入および精算操作がともに非許容とされる。また、自動BETが終了したときに(タイミングT3において)、メダル投入および精算操作が許容される。なお、変形例として、タイミングT2において、残りのフリーズを実行せずに、自動BET処理を実行するようにしてもよい。
また、タイミングT3以降に、レバーオン操作されたときに、リールは回転する。
[ATが終了されるとき]
次に、図35を用いて、AT(ART)が終了されるときについて説明する。図35(ア)は、リールおよび演出画面(液晶表示器51に表示される画面)を示し、図35(イ)は、制御内容を示す。
図35は、ARTの最終ゲームに、RT3で当選し得るリプレイ(図12に示すBAR揃いリプなど)が当選した場合を説明する。図35(A)に示すように、サブ制御部91は、AT中演出として、リプレイが当選したときには、当選したリプレイに対応する操作手順(正解手順)を報知する。図35(A)の例では、右第1停止であるとする。この報知を視認した遊技者は、報知された操作手順通りに操作すると、図35(B)に示すように、たとえば、リプ5を入賞させることができる。また、図35(A)では、ATの最終ゲームであることから、AT中演出により、AT残りゲーム数が0ゲームである旨が報知されている。また、図35(B)のリールでの記載である「リプ、リプ、リプ」は、リプ5が入賞したことを示している。図35(C)に示すように、リプ5などの表示結果が導出されると、「右第1停止!」といった文字を表示するAT中演出から終了演出に切替る。
また、図35(イ)に示すように、AT終了ゲームで(図20のS250のYES)ではフリーズが開始されるとともに(S306)、メダル投入が非許容となる(S308)。また、AT終了ゲームが終了したときには、このAT終了ゲームでの表示結果に関わらず、フリーズが実行される。
また、フリーズの実行期間は、10秒間である(図21のS13A参照)。10秒間のフリーズが終了すると、AT終了ゲームでリプレイが入賞したときには、自動BET処理(図21のS14、S15の処理)が実行される。この自動BET処理中も、メダル投入は非許容とされる。自動BET処理が終了すると(S15のYES)、メダル投入は許容される。メダル投入が許容されるとは、投入不可フラグがクリアされるとともに、流路切替ソレノイドが励磁(on)されることである。
その後、遊技者によりレバーオン操作されると、図35(D)に示すように、非ATに制御される。図35(D)の例では、非AT中は、サブ制御部91により通常演出が実行される。ここで、通常演出とは、非AT中に実行される演出である。図35(D)の例では、通常演出中は、太陽の背景画像が表示される。通常演出は、終了演出の終了後に実行される演出である。
[終了演出中に電断が発生したとき]
次に、図36を用いて、終了演出中に電断が発生したときについて説明する。フリーズ(終了演出)が終了されたときから7秒経過時に(タイミングT1)、電断が発生したとする。その後、該電断から復帰したとき(電源が投入されたとき)には(タイミングT2では)、サブ制御部91により通常演出が実行された状態(非ATに制御されている状態)で復帰する。また、この電断から復帰したときには、メイン制御部41は、残りのフリーズ(3秒間のフリーズ)を実行する。該残りのフリーズが終了すると、AT終了ゲームでリプレイが入賞したときには、自動BET処理を実行する。残りのフリーズおよび自動BET中では、メダル投入および精算操作がともに非許容とされる。また、自動BETが終了したときに(タイミングT3において)、メダル投入および精算操作が許容される。なお、変形例として、タイミングT2において、AT終了ゲームでリプレイが入賞したときには、残りのフリーズを実行せずに、自動BET処理を実行するようにしてもよい。
また、タイミングT3以降に、レバーオン操作されたときに、リールは回転する。
[曲選択画面]
また、AT中の遊技を盛り上げるために、AT中には、サブ制御部91は、曲を出力する。本実施形態では、開始演出が終了したときに、AT中に出力される曲を選択可能な曲選択画面が所定確率(たとえば、15%)で表示される。曲選択画面では、選択可能な曲の曲名が複数表示される。このような曲選択画面が表示されたときには、遊技者は、曲を選択し、決定することができる。また、サブ制御部91は、RAM91cに記憶されている選択肢に応じた制御を特定可能なデータに基づいて、制御を実行する。ここでは、選択肢は、曲であることから、RAM91cに記憶されている曲データに基づいて、曲を出力する。また、たとえば、曲選択画面が表示されたときにおいて、遊技者により決定された曲に関するデータがRAM91cに記憶される。たとえば、曲データが、曲Aに関するデータである場合には、サブ制御部91は、曲Aデータに基づいて、曲Aを出力する。また、曲データが、曲Bに関するデータである場合には、サブ制御部91は、曲Bデータに基づいて、曲Bを出力する。曲データが、曲Cに関するデータである場合には、サブ制御部91は、曲Cデータに基づいて、曲Cを出力する。
図37は、開始演出が終了したときにおいて、曲選択画面が表示された場合を示したものである。なお、図37(A)、(B)、(イ)の記載は、それぞれ、図33(B)、(C)、(イ)の記載と同一である。
図37(C)に示すように、曲選択画面が表示されたとする。図37(C)の曲選択画面では、選択肢として、曲A、曲Bおよび曲Cが表示される。遊技者は、曲選択画面が表示されたときには、左ストップスイッチの操作によりカーソルを動かす。曲選択画面が表示されたときには、カーソルは、最上部に表示されている曲Aに合わせられている。その後、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは1つの下の選択肢である曲Bに合わせられる。さらに、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは1つの下の選択肢である曲Cに合わせられる。さらに、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは最上部の選択肢である曲Aに合わせられる。
このように、曲選択画面が表示されているときは、選択肢(曲)の選択操作を受付可能な状態であるといえる。また、曲選択画面が表示されたときには、曲A〜曲Cのうちの予め定められた曲(デフォルトの曲)の曲データがRAM91cに記憶される(図37(C)の括弧書き参照)。本実施形態では、予め定められた曲は、曲Aであるとする。
図37(D)は、遊技者が、左ストップスイッチを操作することにより、カーソルが曲Cに合わせられている(曲Cが選択されている)ことを示す図である。曲選択画面が表示されているときにおいて、演出用スイッチ56が操作されたときには、該カーソルが合わせられている(選択されている)選択肢(曲)が決定される。
図37(E)は、曲が決定されたことを示す図である。図37(E)に示すように、カーソルの枠線が太くなることにより、曲が決定された旨を報知する。また、曲が決定されたときには、決定されたことを示す効果音がスピーカ53、54から出力される。
図37(E)の画面が表示された後、レバーオン操作されたときには、ATに制御され、AT中演出が実行され、およびリールが回転する。図37(F)は、AT中演出の演出画面を示したものである。図37の例では、AT残りゲーム数の他に、決定された曲名(曲C)が表示されている。
[曲選択画面表示中に電断が発生した場合]
次に、図38を用いて、曲選択画面の表示中に電断が発生した場合を説明する。図38(C)に示すように、曲選択画面が表示されたときには、図37(C)でも説明したように、曲AデータがRAM91cに記憶される。その後、図38(D)に示すように、曲選択画面が表示されているとき(遊技者が曲を選択しているとき)に電断が発生したとする。図38(D)では、曲Cが選択されているときに電断が発生したとする。
その後、該電断から復帰したとする。この場合には、ATに制御された状態(AT中演出が実行された状態)で復帰する。ここで、曲の出力については、サブ制御部91は、RAM91cに格納されている曲データに基づいて、該AT中演出において曲を出力するとともに、該曲データに対応する曲名が表示される。ここでは、RAM91cに記憶されている曲データは曲Aについてのデータであることから(図39(C)参照)、AT中演出では、曲Aが出力されるとともに、曲Aの曲名が表示される。このように、曲選択画面が表示されているときに、電断が発生し、該電断から復帰したときには、いずれの曲が選択されているにも関わらず、予め定められた曲(本実施形態では、曲A)が決定された状態で復帰する。
[曲が決定された後に、電断が発生した場合]
次に、図39を用いて、曲が決定された後に、電断が発生した場合を説明する。図39(C)に示すように、曲選択画面が表示されたときには、図37(C)でも説明したように、曲AデータがRAM91cに記憶される。その後、図39(D)に示すように、遊技者が曲を選択しており、図39(E)に示すように、曲Cに決定されたとする。この場合には、RAM91cに記憶されていたデータ(たとえば、曲Aデータ)は消去され、曲Cデータが記憶される。換言すると、曲Aデータから曲Cデータに更新される。曲Cが決定された後に電断が発生したとする。本実施形態では、ATに制御されたときから、3ゲーム消化したとき、つまり、AT残りゲーム数が47であるときに、電断が発生したとする。
その後、該電断から復帰したとする。この場合には、ATに制御された状態(AT中演出が実行された状態)で復帰する。ここで、曲の出力については、サブ制御部91は、RAM91cに格納されている曲データに基づいて、該AT中演出において曲を出力するとともに、該曲データに対応する曲名が表示される。ここでは、RAM91cに記憶されている曲データは曲Cについてのデータであることから(図39(E)参照)、AT中演出では、曲Cが出力されるとともに、曲Cの曲名が表示される。
[告知態様選択画面]
また、AT中において、上乗せ抽選が実行される場合があり、この上乗せ抽選の結果を告知(報知)する上乗せ抽選結果演出を実行する。本実施形態では、開始演出が終了したときに、AT中に出力される告知態様を選択可能な告知態様選択画面が所定確率(たとえば、15%)で表示される。告知態様選択画面では、選択可能な告知態様の告知態様名が複数表示される。このような告知態様選択画面が表示されたときには、遊技者は、告知態様を選択することができる。
本実施形態では、上乗せ抽選結果演出の告知態様として、チャンス告知と、完全告知と、後告知とがある。ここで、チャンス告知とは、所定期間に亘って前兆演出(たとえば、バトル演出)が実行され、該前兆演出が終了するとともに、上乗せ抽選の結果を告知する結果演出が実行される告知態様である。所定期間とは、所定時間としてもよく、所定ゲーム数(1以上のゲーム数)の間としてもよい。チャンス告知は、上乗せ抽選が当選したか否かに関わらず用いられる。上乗せ抽選で当選したときには、上乗せ抽選で当選した旨を告知する結果演出が実行される。該結果演出とは、たとえば、「上乗せ当選!おめでとう」といった文字を表示する演出である。一方、上乗せ抽選で当選しなかったときには(非当選のときには)、上乗せ抽選で非当選した旨を告知する結果演出が実行される。該結果演出とは、たとえば、「上乗せ当選ならず!残念!」といった文字を表示する演出である。チャンス告知は、前兆演出において、緊張感を抱かせる告知態様であるといえる。
完全告知とは、上乗せ当選したときに、前兆演出および結果演出を実行し、上乗せ非当選のときには、該前兆演出および結果演出のいずれも実行しない告知態様である。完全告知とは、上乗せ当選したときのみに用いられる態様であることから、遊技者に安心感を抱かせる告知態様であるといえる。
後告知とは、前兆演出を実行せずに、結果演出のみを実行する告知態様である。後告知は、上乗せ当選したときおよび上乗せ非当選したときの双方で用いられる態様であるとしてもよい。また、後告知は、上乗せ当選したときで用いられ、上乗せ非当選したときには用いられない態様としてもよい。また、後告知は、表示結果が導出されたタイミング(3つのリールが停止したタイミング)で実行するようにしてもよく、他のタイミングで実行するようにしてもよい。また、後告知は、前兆演出を実行しないことから、遊技者に意外感を抱かせることができる告知態様であるといえる。
また、サブ制御部91は、RAM91cに記憶されている選択肢に応じた制御を特定可能なデータに基づいて、制御を実行する。ここでは、選択肢は、告知態様であることから、RAM91cに記憶されている告知態様データに基づいた告知態様で上乗せ抽選の結果を告知する。たとえば、RAM91cに記憶されている告知態様データが、チャンス告知に関するデータ(チャンス告知データ)である場合には、サブ制御部91は、チャンス告知データに基づいて(チャンス告知の態様で)、上乗せ抽選結果演出を実行する。また、RAM91cに記憶されている告知態様データが、完全告知に関するデータ(完全告知データ)である場合には、サブ制御部91は、完全告知データに基づいて(完全告知の態様で)、上乗せ抽選結果演出を実行する。RAM91cに記憶されている告知態様データが、後告知に関するデータ(後告知データ)である場合には、サブ制御部91は、後告知データに基づいて、上乗せ抽選結果演出を実行する。
図40は、開始演出が終了したときにおいて、告知態様選択画面が表示された場合を示したものである。なお、図40(A)、(B)、(イ)の記載は、それぞれ、図33(B)、(C)、(イ)の記載と同一である。
図40(C)に示すように、告知態様選択画面が表示されたとする。図40(C)の告知態様選択画面では、選択肢として、チャンス告知と、完全告知と、後告知とが表示される。遊技者は、告知態様選択画面が表示されたときには、左ストップスイッチの操作によりカーソルを動かす。告知態様選択画面が表示されたときには、カーソルは、最上部に表示されているチャンス告知に合わせられている。その後、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは1つの下の選択肢である完全告知に合わせられる。さらに、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは1つの下の選択肢である後告知に合わせられる。さらに、左ストップスイッチが操作されたときには、カーソルは最上部の選択肢であるチャンス告知に合わせられる。
このように、告知態様選択画面が表示されているときは、選択肢(告知態様)の選択操作を受付可能な状態であるといえる。また、告知態様選択画面が表示されたときには、チャンス告知〜後告知のうちの予め定められた告知態様(デフォルトの告知態様)の告知態様データがRAM91cに記憶される(図40(C)の括弧書き参照)。本実施形態では、予め定められた告知態様は、チャンス告知であるとする。
図40(D)は、遊技者が、左ストップスイッチを操作することにより、カーソルが後告知に合わせられている(後告知が選択されている)ことを示す図である。告知態様選択画面が表示されているときにおいて、演出用スイッチ56が操作されたときには、該カーソルが合わせられている選択されている選択肢(告知態様)に決定される。
図40(E)は、告知態様が決定されたことを示す図である。図40(E)に示すように、カーソルの枠線が太くなることにより、告知態様が決定された旨を報知する。また、告知態様が決定されたときには、決定されたことを示す効果音がスピーカ53、54から出力される。
図40(E)の画面が表示された後、レバーオン操作されたときには、ATに制御され、AT中演出が実行され、およびリールが回転する。図40(F)は、AT中演出の演出画面を示したものである。図40の例では、AT残りゲーム数の他に、決定された告知態様名(後告知)が表示されている。この告知態様は表示しないようにしてもよい。
[告知態様選択画面表示中に電断が発生した場合]
次に、図41を用いて、告知態様選択画面の表示中に電断が発生した場合を説明する。図41(C)に示すように、告知態様選択画面が表示されたときには、図40(C)でも説明したように、チャンス告知データがRAM91cに記憶される。その後、図41(D)に示すように、告知態様選択画面が表示されているとき(遊技者が告知態様を選択しているとき)に電断が発生したとする。図41(D)では、後告知が選択されているときに電断が発生したとする。
その後、該電断から復帰したとする。この場合には、ATに制御された状態(AT中演出が実行された状態)で復帰する。ここで、告知態様については、サブ制御部91は、RAM91cに格納されている告知態様データに基づいて、告知態様が決定されるとともに、該告知態様データに対応する告知態様名が表示される。ここでは、RAM91cに記憶されている告知態様データはチャンス告知についてのデータであることから(図42(C)参照)、チャンス告知が決定されるとともに、チャンス告知の告知態様名が表示される。該AT中においては、チャンス告知の態様で、上乗せ抽選結果演出が実行される。このように、告知態様選択画面が表示されているときに、電断が発生し、該電断から復帰したときには、いずれの告知態様が選択されているにも関わらず、予め定められた告知態様(本実施形態では、チャンス告知)が決定された状態で復帰する。
[告知態様が決定された後に、電断が発生した場合]
次に、図42を用いて、告知態様が決定された後に、電断が発生した場合を説明する。図42(C)に示すように、告知態様選択画面が表示されたときには、図40(C)でも説明したように、チャンス告知データがRAM91cに記憶される。その後、図42(D)に示すように、遊技者が告知態様を選択しており、図42(E)に示すように、後告知に決定されたとする。この場合には、RAM91cに記憶されていたデータ(たとえば、チャンス告知データ)は消去され、後告知データが記憶される。換言すると、チャンス告知データから後告知データに更新される。後告知が決定された後に電断が発生したとする。本実施形態では、ATに制御されたときから、3ゲーム消化したとき、つまり、AT残りゲーム数が47であるときに、電断が発生したとする。
その後、該電断から復帰したとする。この場合には、ATに制御された状態(AT中演出が実行された状態)で復帰する。ここで、告知態様については、サブ制御部91は、RAM91cに格納されている告知態様データに基づいた告知態様が決定されるとともに、該告知態様データに対応する告知態様名が表示される。ここでは、RAM91cに記憶されている告知態様データは後告知についてのデータであることから(図42(E)参照)、後告知が決定されるとともに、後告知の告知態様名が表示される。
[その他の選択画面]
前述の選択画面(曲選択画面、および告知態様選択画面)については、遊技者が、遊技者の意思により、選択肢を選択し、決定するものであるとして説明した。しかしながら、選択画面を表示するものの、遊技者ではなく、サブ制御部91が選択肢を決定するようにしてもよい。図43は、このような選択画面の一例を示したものである。
図43の選択画面では、PUSHボタン(演出用スイッチ56を模倣したボタン)の画像と、「連打で壊せ」といった文字と、曲名が表示されたブロックを模倣したブロック画像と、こぶし画像(手をグーにした画像)が表示される。図43のブロック画像として、曲Aのブロック、曲Bのブロック、曲Cのブロック、および曲Dのブロックが存在する。
このような選択画面が表示されたときにおいて、演出用スイッチ56の操作を受付ける受付期間に制御する。該受付期間中に、演出用スイッチ56が1回操作されると、こぶしが1回、ブロックを殴打する動画が表示される。ブロックは、所定回数殴打されると、破壊される。また、殴打される対象のブロックは、1番手前に表示される。図43の例では、曲Aのブロックが手前に表示されている。
演出用スイッチ56が連打されたときにおいて、ブロックが破壊されたときには、該破壊されたブロックは消滅すると共に、1つ奥に表示されているブロックが手前に表示される。たとえば、曲Aのブロックが破壊されたときには、曲Aのブロックは消滅し、曲Bのブロックが手前に表示される。サブ制御部91が決定した所定タイミングにおいて、受付期間を終了させるとともに、最も手前に表示されているブロックに記載された曲に決定される。また、遊技者により演出用スイッチが操作されない場合でも、こぶしがブロックを殴打する動画が表示される。
サブ制御部91は、たとえば、選択画面を表示するときに、乱数抽選により曲A〜曲Dのうちから曲を決定する。その後、選択画面において、決定した曲のブロックが最も手前に位置するような動画を表示する。このような構成によれば、遊技者の意思に関わらず、サブ制御部91が決定した選択肢に応じた制御(ここでは、曲の出力)を実行可能である。また、遊技者は、自分が操作した(連打した)ことに基づいて、曲が決定されたと認識させることができる。
また、図43では、選択肢が曲である場合を例示したが、他の選択肢(たとえば、告知態様)としてもよい。この場合についても、同様に、遊技者の意思に関わらず、サブ制御部91が決定した選択肢に応じた制御を実行可能である。
また、本実施形態では、遊技者が曲を選択・決定可能な曲選択画面が表示される第1の場合、スロットマシンが曲を決定する曲選択画面が表示される第2の場合、遊技者が告知態様を選択・決定可能な告知態様選択画面が表示される第3の場合、スロットマシンが告知態様を決定する告知態様選択画面が表示される第4の場合、遊技者が曲を選択・決定可能な曲選択画面、および遊技者が告知態様を選択・決定可能な告知態様選択画面の双方が表示される第5の場合、スロットマシンが曲を決定する曲選択画面、およびスロットマシンが告知態様を決定する告知態様選択画面が表示される第6の場合、曲選択画面および告知態様選択画面のいずれも表示されない第7の場合がある。
また、乱数抽選により、第1〜第7の場合のうちのいずれかに決定する。第1の場合となる確率、第2の場合となる確率、第3の場合となる確率、第4の場合となる確率、第5の場合となる確率、第6の場合となる確率となる確率は、それぞれ15%であり、第7の場合となる確率は、10%である。また、第5の場合および第6の場合のように、曲選択画面と告知態様選択画面の2つの選択画面が表示されることが決定されたときには、いずれを先に表示するのかは乱数抽選により決定される。
[選択肢増加条件]
また、本実施形態では、選択肢増加条件が成立したときには、選択画面での選択肢が増加される。ここで、選択肢増加条件とは如何なる条件としてもよい。たとえば、選択肢増加条件は、所定役の当選回数が所定回数に到達することにより成立する条件を含むようにしてもよい。また、選択肢増加条件は、所定役の入賞回数が所定回数に到達することにより成立する条件を含むようにしてもよい。選択肢増加条件は、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立する条件を含むようにしてもよい。また、選択肢を増加させる増加制御は、選択画面が表示されているときに実行するようにしてもよい。また、増加制御は、選択画面が表示されていないときに実行するようにしてもよい。
図44は、選択肢増加条件が成立したときを説明するための図である。また、図44は、選択画面が表示されているときに、増加制御が実行される例を示す図である。図44(A)の例では、増加制御前は、選択肢として、曲A、曲B、および曲Cが表示されている。また、選択されている曲(カーソルが合わせられている曲)は、曲Bである。
図44(B)は、増加制御が実行された後を示す図である。図44(B)では、増加制御により曲Dの選択肢が増加されている場合が示されている。また、選択されている曲は、増加制御が実行される前は、曲Bであったが、増加制御が実行された後は、曲Cとなる。また、図44は、曲選択画面を例示しているが、告知態様の選択肢においても、選択肢増加条件が成立したときには、該選択肢が増加するようにしてもよい。
このような構成によれば、選択肢増加条件が成立したときには、選択肢が増加することから、遊技者が選択可能な選択肢が増加することにより遊技の興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図26(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図26(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図26(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図26(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図29(b)に示すように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図26(c),(f)に示すように、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合にも強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
(5) 前述した実施の形態においては、図31に示すように、小役入賞が発生し、払出数表示部12にメダルの払出し枚数が表示された状態から30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示を初期状態である「0」へと変化する制御を実行している。BET表示部、入賞表示部についても同様に、小役入賞から30秒が経過することにより点灯状態を初期状態の消灯状態へ変化するように制御している。このようにすれば、ホールの店員の作業負担を減らしつつ、仕込みを防止することができる。
(6) 前述した実施の形態においては、図31(b),(e)に示すように、払出数表示部12においてメダルの払出し枚数に関する情報が報知される。このようにすれば、遊技者が容易に仕込みを実行可能な払出数表示部12に対して仕込みに対する対策を実行することができる。
(7) 前述した実施の形態においては、図31に示すように、払出数表示部12に払出し枚数が表示された状態で、スロットマシン1の電源が切られ、再度電源が投入された場合には、30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示態様が「0」を表示した状態に制御される。このようにすれば、閉店時に時間経過を待つことなく開店時の電源投入動作により、払出数表示部12の報知状態を「0」を表示した状態に制御することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となる。よって、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとしてもよい。このようにすれば、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとなることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、図31(b),(e)に示すように、払出数表示部12に払出し枚数を表示した状態で30秒が経過すると、払出数表示部12に「0」を表示した状態に制御される。このようにすれば、30秒が経過することを待つことで、店員の操作なしに払出数表示部12の表示状態を設定変更状態の終了後の表示態様の同一の状態とすることができる。
(11) また、AT中+RT2において(図20のS252のYES)、突入リプが入賞したときには(図20のS300のYES)、フリーズ(AT開始時のフリーズ)が実行される(S300でYESと判定された後のS306)。このフリーズ中に、開始演出を実行可能である(図33(C)参照)。したがって、開始演出に注目を集めることができる。また、フリーズ中には、メダルの投入が許容されないことから(S308、図33(イ))、フリーズ中に実行されている開始演出中にメダルを極力投入させないようにすることができる。したがって、開始演出に対して注目を集めることができる。また、フリーズが終了した以降では、メダルの投入が許容されることから、遊技者の利便性を向上させることができる。
(12) また、突入リプが入賞したときに、AT開始時のフリーズが実行された場合において、該フリーズの終了後に、該突入リプに基づく自動BET処理が実行される(図33(イ)参照)。また、自動BET中もメダル投入が非許容とされている。したがって、自動BET処理よりも先に、メダルの投入に基づいてクレジットが更新されることを防止できる。よって、遊技者に違和感を抱かせることなく、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、この違和感とは、自動BET処理よりも先に、メダルの投入に基づいてクレジットが更新されることに対する違和感である。また、クレジットカウンタおよびBETカウンタがともに0であるときにおいて、メダルが投入されると、クレジットカウンタよりもBETカウンタが優先して更新される(以下、「優先更新制御」という)。仮に、突入リプなどのリプレイが入賞したときにおいて、自動BET処理よりも先に、クレジット更新されると、この優先更新制御とは異なる制御が実行されることになり、処理が煩雑になってしまう。本実施形態のように、突入リプなどのリプレイが入賞したときにも、優先更新制御が実行されることから、処理の煩雑化を防止できる。
(13) また、メイン制御部41が、AT抽選を実行することにより、ATを開始させるか否かを決定する。また、メイン制御部41は、突入リプが入賞したときにおいて、ATに制御させることが決定されているときには、AT開始時のフリーズを実行し(図33、図20のS252のYES、S306)、ATに制御されないことが決定されたときには(AT当選していないときなど)、このフリーズを実行しない(図20のS252のNOのときには、S306に移行しない)。したがって、メイン制御部41が、ATを開始させるか否かを決定するとともに、該ATの開始の有無に応じてフリーズを実行することから、ATの開始とフリーズとにおいてリンクをとることができる。したがって、たとえば、ATが開始されるのにもかかわらず、フリーズが実行されないといった不合理が生じることを防止できる。
(14) また、図33(イ)に示すように、AT開始時のフリーズ中には、精算操作は許容されていない(精算操作がされたとしても精算処理は実行されない)。したがって、フリーズ中に実行されている開始演出中に精算操作を遊技者に極力させないようにすることができる。したがって、開始演出に対して注目を集めることができる。
(15) また、AT開始時のフリーズ後の自動BET中に精算処理が実行可能であるとすると、メイン制御部41は、自動BET処理と、精算処理との双方を実行する必要があり、処理の複雑化を招くとともに、メイン制御部41の処理負担が増大する。これに対し、本実施形態では、図33(イ)に示すように、AT開始時のフリーズ後の自動BET中にも、精算操作がされたとしても精算制御は実行されない。したがって、処理の複雑化を招くこと、およびメイン制御部41の処理負担が増大することを防止できる。
(16) また、AT開始時のフリーズ中は、メダルの投入は非許容とされていることから(図33(イ)参照)、該フリーズ中にメダルが投入されても、メダル払出口9から返却される。このように、該フリーズは、メダルが投入されても終了せずに、所定時間の経過に基づいて(本実施形態では、フリーズが開始されたときから10秒間経過したときに)、終了する。したがって、たとえば、フリーズおよび開始演出の実行中にメダルが投入されても、フリーズおよび開始演出は終了することがないことから、開始演出に対して注目を集めることができる。
(17) また、AT終了ゲームにおいてはフリーズが実行される(S250でYESと判定された後のS306)。このフリーズ中に、終了演出を実行可能である(図35(C)参照)。したがって、終了演出に注目を集めることができる。また、フリーズ中には、メダルの投入が許容されないことから(S308、図33(イ))、フリーズ中に実行されている終了演出中にメダルを極力投入させないようにすることができる。したがって、終了演出に対して注目を集めることができる。また、フリーズが終了した以降では、メダルの投入が許容されることから、遊技者の利便性を向上させることができる。
(18) また、AT終了ゲームにおいてリプレイが入賞したときには、AT終了時のフリーズの終了後に、該リプレイに基づく自動BET処理が実行される(図35(イ)参照)。また、自動BET中もメダル投入が非許容とされている。したがって、自動BET処理よりも先に、メダルの投入に基づいてクレジットが更新されることを防止できる。よって、遊技者に違和感を抱かせることなく、遊技者の利便性を向上させることができる。
(19) また、メイン制御部41が、AT残りゲーム数に基づいて、ATを終了させるか否かを決定する。具体的には、メイン制御部41は、AT残りゲーム数が0に到達したときにATを終了させる旨を決定する。また、メイン制御部41は、AT終了ゲームにおいてリプレイが入賞したときには、AT終了時のフリーズを実行し(図35、図20のS250のYES、S306)、ATを終了させないことが決定されたときには、このフリーズを実行しない(図20のS252のNOのときには、S306に移行しない)。したがって、メイン制御部41が、ATを終了させるか否かを決定するとともに、該ATの終了の有無に応じてフリーズを実行することから、ATの終了とフリーズとにおいてリンクをとることができる。したがって、たとえば、ATが終了されるのにもかかわらず、フリーズが実行されないといった不合理が生じることを防止できる。
(20) また、図35(イ)に示すように、AT終了時のフリーズ中には、精算操作がされたとしても精算処理は実行されない。したがって、フリーズ中に実行されている終了演出中に精算操作を遊技者に極力させないようにすることができる。したがって、終了演出に対して注目を集めることができる。
(21) また、AT終了時のフリーズ後の自動BET中に精算処理が実行可能であるとすると、メイン制御部41は、自動BET処理と、精算処理との双方を実行する必要があり、処理の複雑化を招くとともに、メイン制御部41の処理負担が増大する。これに対し、本実施形態では、図35(イ)に示すように、AT終了時のフリーズ後の自動BET中にも、精算操作がされたとしても精算制御は実行されない。したがって、処理の複雑化を招くこと、およびメイン制御部41の処理負担が増大することを防止できる。
(22) また、AT終了時のフリーズ中は、メダルの投入は非許容とされていることから(図35(イ)参照)、該フリーズ中にメダルが投入されても、メダル払出口9から返却される。このように、該フリーズは、メダルが投入されても終了せずに、所定時間の経過に基づいて(本実施形態では、フリーズが終了されたときから10秒間経過したとき)、終了する。したがって、たとえば、フリーズおよび終了演出の実行中にメダルが投入されても、フリーズおよび終了演出は終了することがないことから、終了演出に対して注目を集めることができる。
(23) また、リプレイが入賞した後であっても、遊技者によりメダルが投入されると、クレジットカウンタを1加算させることができる(図21のS12でYESと判定された後のS40)。したがって、遊技者の利便性を向上させることができる。また、図21のS21A〜S21D、およびS22〜S24の処理を実行することにより、以下のような処理が実行される。メダルが投入メダルセンサ106aにより検知されたとき(S21AのYES)の状況が、S100での演算式が1であるという所定状況であるか否かが判断される(S21B)。メダルが投入メダルセンサ106aにより検知されたとき(S21AのYES)の状況が、このような所定状況であるときには(S100でYES)、S24の処理が実行されることにより、図15の状態となる。つまり、所定状況であるときに、メダルが投入メダルセンサ106aにより検知されたときには、投入流路301と排出側流路303とが連通する。以下では、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値との合計値が“N”である場合において、投入されたメダルを「N+1枚目のメダル」という。たとえば、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値との合計値が“11”である場合において、投入されたメダルは、「12枚目のメダル」である。また、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値との合計値が“52”である場合、つまり、所定状況である場合において、投入されたメダルは、「53枚目のメダル」である。
たとえば、所定状況であるときにメダル(53枚目のメダル)が投入されたときにおいて、投入メダルセンサ106aが、53枚目のメダルを検知したタイミングで、流路切替ソレノイド30がオフされることにより、投入流路301と排出側流路303とが連通する。また、該53枚目のメダルが、他の全ての投入メダルセンサ106b、106cにより検知されたときには(図22のS30のYES)、BETカウンタまたはクレジットカウンタが1加算される(図22のS35またはS40)。その後、次のメダル(つまり、54枚目のメダル)が投入されたときには、図15に示すように、該54枚目のメダルは、メダル払出口9へ排出(返却)される。
このような構成によれば、54枚目のメダルが、取込側流路302を流下するにもかかわらずBETカウンタおよびクレジットカウンタのうちのいずれも加算されず、かつ返却されない(排出側流路303を流下しない)といった事象(いわゆる飲み込み現象)が発生することを防止できる。また、本実施形態では、リプレイゲームではないときのみではなく、リプレイゲームであるときにもこのような制御を行うことができる。したがって、リプレイが入賞しているか否かに関わらず、該飲み込み現象の発生を防止させることができる。
(24) また、S21Bの最終メダル判定処理は図24に示すように、リプレイゲームであるか否かに関わらず、同様の処理(S100、S102)が実行される。したがって、最終メダル判定処理の処理負担を軽減できる。
(25) 図21のS12のYES→S14→S15に示すように、リプレイゲームである場合(前回のゲームでリプレイが入賞した場合)には(S12のYES)、BETカウンタが規定数(3)になるまで、該BETカウンタを自動更新する(S14、S15)。一方、図21のS12のNO→・・・S51のYESに示すように、リプレイゲームでない場合(前回のゲームでリプレイが入賞していない場合)において、MAXBETスイッチ6が操作されたときには、BETカウンタが規定数“3”になるまで、該BETカウンタを更新する(S76、S78)。したがって、リプレイゲームである場合と、リプレイゲームでなくかつMAXBETスイッチ6が操作された場合とで、BETカウンタが規定数“3”になるまで、該BETカウンタを更新する処理を共通化することができる。よって、BET処理の負担を軽減できる。
(26) 本実施形態では、メダルが投入されたときには、まず、BETカウンタが規定数であるか否かを判断(S33)→該BETカウンタが規定数であると判断すると(S33のYES)、クレジットカウンタを1加算する。したがって、BETカウンタが規定数に到達していないときに、メダル投入されたときには、遊技者により賭け操作(1枚BETスイッチまたはMAXBETスイッチへの操作)がされなくても、BETカウンタを増加更新させることができる。したがって、遊技者によるBET操作をさせる手間を極力省くことができる。
また、リプレイゲームではないときには、メダル投入許可処理として、まず、BETカウンタが規定数であるか否かを判断し(S33)、その後、クレジットカウンタが50であるか否かを判断し(S41)、クレジットカウンタが50であるときには投入不可フラグを設定する。したがって、カウンタの値を確認する順番を、メダルが投入されたときと、リプレイゲームではないときのメダルの投入許可処理とで、共通化できるので、処理負担を軽減できる。
また、リプレイゲームであるときには、メダルの投入許可を実行する処理として、BETカウンタの値を参照せずに、クレジットカウンタの値のみを参照して実行する(S12、S19の処理参照)。これは、リプレイゲームである場合には、BETカウンタは規定数になるまで自動更新されることにより、BETカウンタの値は規定数であることは明確であることから、BETカウンタの値を参照する必要がないからである。これにより、リプレイゲームである場合には、として、BETカウンタの値という無駄な情報を用いずともメダル投入許可処理を実行できる。
(27) また、開始演出の実行中に、電断が発生したときにおいて、該電断から復帰するときに、開始演出が実行された状態で復帰すると、同じ開始演出が実行されることにより、遊技者にストレス(違和感)を感じさせる虞がある。これに対し、本実施形態では、開始演出の実行中に、電断が発生したときにおいて(図34のタイミングT1)、該電断から復帰するときに、開始演出の次に実行されるAT中演出が実行された状態で復帰する(タイミングT2)。したがって、このようなストレスを遊技者に感じさせないようにすることができる。
(28) また、終了演出の実行中に、電断が発生したときにおいて、該電断から復帰するときに、終了演出が実行された状態で復帰すると、同じ終了演出が実行されることにより、遊技者にストレス(違和感)を感じさせる虞がある。これに対し、本実施形態では、終了演出の実行中に、電断が発生したときにおいて(図34のタイミングT1)、該電断から復帰するときに、終了演出の次に実行されるAT中演出が実行された状態で復帰する(タイミングT2)。したがって、このようなストレスを遊技者に感じさせないようにすることができる。
(29) また、図37に示すように、曲選択画面が表示されたときにおいて、遊技者が曲を選択し、かつ決定することにより、該決定された曲がAT中に出力される。また、曲選択画面の表示中に電断が発生したときにおいて、該電断から復帰する際に、該電断発生時に選択されていた選択肢が選択された状態(たとえば、図37(D)に示す状態)で復帰させる所定復帰制御を実行することが考えられる。しかし、このような所定復帰制御の場合には、電断が発生したときに、曲選択画面が表示されていたこと、および該曲選択画面で選択されていた選択肢をRAM91cに格納する(バックアップ処理を行う)必要がある。したがって、電断発生時の処理が増大するとともに、RAM91cの容量を多大に用いることになる。
これに対し、本実施形態では、曲選択画面が表示されたときに曲AデータをRAM91cに記憶する(図37(C)、図38(C))。該曲選択画面表示中に電断が発生したときには、選択されていた選択肢などをRAM91cに格納する必要がなく、電断から復帰したときには、該RAM91cに記憶されていた曲Aデータに基づいて、曲Aが出力されており、かつ次の演出であるAT中演出が実行された状態で復帰する(図38(F)参照)。つまり、電断が発生したときに表示されていた曲選択画面でいずれの曲が選択されているにも関わらず、予め定められた曲(本実施形態では、曲A)が決定された状態で復帰する。したがって、電断発生時の処理の増大化を軽減できるとともに、RAM91cの用いられる容量も削減できる。
また、図44に示すように、選択肢増加条件が成立したときには、選択肢が増加する。所定復帰制御の場合であると、電断が発生したときには、増加後の選択肢をもRAM91cに格納する必要がある。したがって、電断発生時の処理が増大するとともに、RAM91cの容量を多大に用いることになる。本実施形態では、このような選択肢が増加したとしても、電断発生時には、増加後の選択肢をRAM91cに格納する必要がないことから、電断発生時の処理の増大化を軽減できるとともに、RAM91cの用いられる容量も削減できる。また、電断復帰したときにおいて、曲選択画面の表示状態で復帰するのではなく、曲選択画面の表示の次の状態であるAT中演出が実行されている状態で復帰することから、遊技者にストレスを感じさせないようにすることができる。
(30) また、図40に示すように、告知態様選択画面が表示されたときにおいて、遊技者が告知態様を選択し、かつ決定することにより、AT中に実行される上乗せ抽選結果演出の告知態様が決定される。また、告知態様選択画面の表示中に電断が発生したときにおいて、該電断から復帰する際に、該電断発生時に選択されていた選択肢が選択された状態(たとえば、図40(D)に示す状態)で復帰させる所定復帰制御を実行することが考えられる。しかし、このような所定復帰制御の場合には、電断が発生したときに、告知態様選択画面が表示されていたこと、および該告知態様選択画面で選択されていた選択肢をRAM91cに格納する(バックアップ処理を行う)必要がある。したがって、電断発生時の処理が増大するとともに、RAM91cの容量を多大に用いることになる。
これに対し、本実施形態では、告知態様選択画面が表示されたときにチャンス告知データをRAM91cに記憶する(図40(C)、図41(C))。該告知態様選択画面表示中に電断が発生したときには、選択されていた選択肢などをRAM91cに格納する必要がなく、電断から復帰したときには、該RAM91cに記憶されていたチャンス告知データに基づいて、チャンス告知が決定されており、かつ次の演出であるAT中演出が実行された状態で復帰する(図41(F)参照)。つまり、電断が発生したときに表示されていた告知態様選択画面でいずれの告知態様が選択されているにも関わらず、予め定められた告知態様(本実施形態では、チャンス告知)が決定された状態で復帰する。したがって、電断発生時の処理の増大化を軽減できるとともに、RAM91cの用いられる容量も削減できる。また、電断復帰したときにおいて、告知態様選択画面の表示状態で復帰するのではなく、告知態様選択画面の表示の次の状態であるAT中演出が実行されている状態で復帰することから、遊技者にストレスを感じさせないようにすることができる。
(31) 以下では、曲選択画面および告知態様選択画面をまとめて選択画面という。選択画面が表示されたときには、所定の選択肢に関するデータがRAM91cに記憶される。たとえば、曲選択画面が表示されるときには、電断復帰時に用いられる曲AデータがRAM91cに記憶される。告知態様選択画面が表示されるときには、電断復帰時に用いられるチャンス告知データがRAM91cに記憶される。したがって、電断が発生したときには、選択されていた選択肢を記憶させる必要はないことから、電断発生時の処理の増大化を軽減できる。
(32) また、選択画面表示中に選択肢が決定された場合において、RAM91cに記憶されていた選択肢に関するデータは消去され、該決定された選択肢に関するデータが記憶される。たとえば、曲選択画面については、曲Cが決定されたときには、曲Aデータから、決定された曲Cデータに書き換えられる(図37、図39参照)。また、告知態様選択画面については、後告知が決定されたときには、チャンス告知データから後告知データに書き換えられる(図40、図42参照)。したがって、電断から復帰したときには、決定された選択肢に応じた制御を適切に実行することができる。
(33) また、選択肢が決定された後に、電断が発生し、該電断から復帰したときには、書き換えられた後のデータに基づいて、該決定された選択肢に応じた制御を実行する。たとえば、図39に示すように、曲Cが決定された後に、電断が発生したときにおいて、電断から復帰したときには、決定された曲Cが出力されている状態で復帰する。また、図42に示すように、後告知が決定された後に、電断が発生したときにおいて、電断から復帰したときには、後告知が決定された状態で復帰する。したがって、遊技者の意思により、決定された選択肢に応じた制御が実行されることから、遊技者の決定操作と実行される処理とで整合をとることができる。よって、遊技者に不満を抱かせないようにすることができる。
(34) また、図37〜図42に示した選択画面はいずれも、選択肢を遊技者が選択可能であり、かつ決定可能な画面である。したがって、遊技者による選択状況に応じた選択肢を、電断発生時に記憶させないようにすることができる。
(35) また、図43に示した選択画面は、選択肢をスロットマシンが選択可能であり、かつ決定可能な画面である。したがって、スロットマシンによる選択状況に応じた選択肢を、電断発生時に記憶させないようにすることができる。
(36) また、仮に、精算処理が終了しているにも関わらず、リプレイ入賞したときに、デモ画面を表示すると、該デモ画面を見た遊技者は遊技を止めてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、図25に示すように、開始演出および終了演出のいずれとも異なる所定演出の実行中において(S400のYES)、精算処理が完了したとしても(S402のYES)、リプレイ入賞している場合には(S404のYES)、デモ画面を表示せず、リプレイ入賞していない場合に(S404のNO)、所定時間経過したときに、デモ画面を表示する。したがって、リプレイ入賞したにも関わらず、遊技者は遊技を止めてしまうというような事象が生じることを防止できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のスロットマシンについて説明する。第1実施形態と第2実施形態とを比較すると、第1実施形態の最終メダル判定処理は図24の処理である一方、第2実施形態の最終メダル判定処理は図45の処理である点で両実施形態は異なる。その他の点は、第1実施形態とおよび第2実施形態ともに同様である。
図45について説明する。S200において、次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かが判断される。S200においてYESと判断されると、S202に進み、S200においてNOと判断されると、S206に進む。
S202では、「50−クレジットカウンタの値」を演算し、該演算結果が1であるか否かが判断される。該演算結果が1であると判断されたときには(S202のYES)、S204において、最終メダルフラグがメイン制御部41のRAMに設定され、最終メダル判定処理を終了する。一方、該演算結果が1ではないと判断されたときには(S202のNO)、S204の処理を実行することなく、最終メダル判定処理を終了する。
S206では、「53−(BETカウンタの値+クレジットカウンタの値)」を演算し、該演算結果が1であるか否かが判断される。該演算結果が1であると判断されたときには(S206のYES)、S204において、最終メダルフラグがメイン制御部41のRAMに設定され、最終メダル判定処理を終了する。一方、該演算結果が1ではないと判断されたときには(S206のNO)、S204の処理を実行することなく、最終メダル判定処理を終了する。なお、S206の処理は、図24のS100の処理と同一である。
第2実施形態のスロットマシンによれば、第1実施形態の[本実施形態により得られる主な効果]の(1)、(3)〜(28)の効果の他に以下の効果を奏する。第2実施形態のスロットマシンによれば、図21のS21Bの判断処理においては、リプレイゲームであるときには、S202に示すように、BETカウンタの値を用いずにクレジットカウンタの値のみを用いた式である「50−クレジットカウンタの値」が演算され、該演算結果が1であるときには、最終メダルフラグがセットされる。今から開始されるゲームがリプレイゲームであるときには、BETカウンタの値が3になるまで自動更新される(図21のS14、S15参照)。したがって、今から開始されるゲームがリプレイゲームであるときには、BETカウンタの値が3であることは明白であることから、BETカウンタの値という無駄なデータを用いずとも、S21Aで検知されたメダルが最終メダルであるか否か(所定状況であるか否か)を判定することができる。
一方、リプレイゲームではないときには、S206に示すように、クレジットカウンタの値のみではなくBETカウンタをも用いた式である「50−(クレジットカウンタの値+BETカウンタの値)」が演算され、該演算結果が1であるときには、最終メダルフラグがセットされる。リプレイゲームでないときには、遊技者により賭け操作(1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6)が行われることにより、BETカウンタは更新される。つまり、BETカウンタの値は、遊技者の操作に依存することから、クレジットカウンタの値のみではなく、BETカウンタの値をも用いて、所定状況であるか否かを判定することができる。したがって、正確に、所定状況であるか否かを判定することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、前述した第1実施形態または第2実施形態に係るスロットマシン1で説明した選択画面(図37〜図44)で説明した技術的思想をパチンコ遊技機に適用したものである。本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技媒体(遊技玉)の始動領域の通過により可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始を許容する可変表示の開始条件の成立に基づいて複数種類の識別情報の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示部を備え、該可変表示部に導出表示された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、可変入賞装置が開放状態となるラウンド遊技を所定回数実行する有利状態(以下、「大当り状態」ともいう。)に制御するものであればよい。
また、本実施形態では、可変表示を開始するときに、大当り状態に制御するか否かを決定する大当り抽選を実行する。
また、本実施形態では、複数回、大当り状態に制御することが可能である。たとえば、1回目の大当り状態に制御し、該1回目の大当り状態が終了した後に2回目の大当たり状態に制御することができる。また、1回目の大当たり状態中に、2回目の大当り状態に制御するか否かを告知する大当り演出を実行することができる。
このようなパチンコ遊技機に対して、たとえば、図37〜図44で説明した選択画面の技術的思想を適用可能である。たとえば、図37などで説明した曲選択画面は、大当り状態に制御されるときに表示され得る画面であり、該曲選択画面で決定された曲は、大当り状態中に出力される。また、図40などで説明した告知態様選択画面は、大当り状態に制御されるときに表示され得る画面であり、該告知態様曲選択画面で決定された告知態様で、大当り演出が実行される。
このような構成によれば、たとえば、第1実施形態で説明した選択画面での効果と同様の効果を奏することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[選択画面について]
(1) 本実施形態では、選択画面に表示される選択肢として、曲および告知態様を例示した。しかしながら、選択肢は他の選択肢としてもよい。たとえば、選択肢は、演出態様、演出の実行頻度、音量、光量などのうちの少なくとも1つとしてもよい。
たとえば、選択肢を演出態様とした場合には、演出態様選択画面の複数の選択肢として、演出態様A、演出態様B、および演出態様Cが表示される。演出態様Aは、キャラAが表示される演出態様であり、演出態様Bは、キャラBが表示される演出態様であり、演出態様Cは、キャラCが表示される演出態様としてもよい。
また、選択肢を演出の実行頻度とした場合には、実行頻度選択画面の複数の選択肢として、実行頻度高、実行頻度中、および実行頻度低が表示される。この場合には、所定演出の実行可能条件が成立したときには、該所定演出を実行するか否かの演出抽選(乱数抽選)を実行する。実行頻度高が決定されたときには、該演出抽選での演出実行決定確率が100%に設定される。実行頻度中が決定されたときには、該演出抽選での演出実行決定確率が50%に設定される。実行頻度低が決定されたときには、該演出抽選での演出実行決定確率が10%に設定される。
また、選択肢を音量とした場合には、音量選択画面の複数の選択肢として、大音量、中量、および低音量が表示される。大音量は、スピーカ53、54から出力される音の音量が大きくなる選択肢である。中音量は、スピーカ53、54から出力される音の音量が中程度となる選択肢である。小音量は、スピーカ53、54から出力される音の音量が小さくなる選択肢である。
また、選択肢を光量とした場合には、光量選択画面の複数の選択肢として、大光量、中量、および低光量が表示される。大光量は、スロットマシンや遊技機が備える複数の発光手段のうちの少なくとも1つで発光される光量が大きくなる選択肢である。中光量は、該光量が中程度となる選択肢である。小光量は、該光量が小さくなる選択肢である。
このように他の選択肢が表示された選択画面であっても、第1実施形態〜第3実施形態で説明した同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、告知態様選択画面により決定された告知態様で告知される所定情報は、上乗せ抽選の結果であるとして説明した。しかしながら、所定情報は如何なる情報であってもよい。たとえば、所定情報は、遊技者にとって有利な情報であってもよい。たとえば、所定情報は、ボーナス当選したか否かを特定可能な情報としてもよい。また、所定情報は、AT初当たり抽選で当選したか否かを特定可能な情報としてもよい。
(2) 本実施形態では、選択画面が表示されるタイミングは、ATに制御されるときであるとして説明した。しかしながら、選択画面が表示されるタイミングは、他のタイミングとしてもよい。たとえば、ボーナス状態に移行するときに、選択画面が表示されるようにしてもよい。また、選択画面は、スロットマシン1主体で表示するものではなく、遊技者の所定操作により表示するものであってもよい。
(3) 本実施形態では、告知態様は、AT上乗せの結果の告知の態様であるとして説明した。しかしながら、告知態様は他の情報を告知する態様としてもよい。たとえば、告知態様は、ボーナス当選したか否かを告知する態様としてもよい。
[開始演出および終了演出について]
(1) 本実施形態では、ATが開始されるときには、フリーズとともに開始演出を実行可能であるとして説明した。また、ATが終了するときには、フリーズとともに、終了演出を実行可能であるとして説明した。しかしながら、開始演出および終了演出のうちの少なくとも一方は実行しないようにしてもよい。たとえば、開始演出が実行されない場合において、ATが開始されるときには、ATが開始されることを示唆するフリーズが実行される。また、終了演出が実行されない場合において、ATが終了されるときには、ATが終了されることを示唆するフリーズが実行される。
(2) 本実施形態では、開始演出で開始が報知される特定状態、および終了演出で終了が報知される特定状態は共に、ART(AT+RT3であり、いわゆる擬似ボーナス)であるとして説明した。しかしながら、開始演出で開始が報知される特定状態、および終了演出で終了が報知される特定状態のうち少なくとも一方は、ボーナス状態であるとしてもよい。たとえば、本実施形態では、ボーナス状態は、BB1〜BB5(図5参照)のいずれかが入賞することにより制御される状態である。開始演出で開始が報知される特定状態をボーナス状態とした場合には、ボーナス状態が開始されるときに、曲選択画面および告知態様選択画面のうち少なくとも1つの画面が表示される。
また、特定状態は、遊技者にとって有利な状態であれば、如何なる状態であってもよい。有利状態は、たとえば、リプレイの当選確率が向上するリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)などであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、特定状態は、有利な状態に限られず、所定状態と有利度合いが変化しない状態としてもよく、所定状態よりも有利度合いが下がる状態としてもよい。
[メダル投入の許容について]
(1) 本実施形態では、メダル投入の許容とは、メダルが投入されたときには、該メダルがホッパータンク34a内に貯留されることであり、メダル投入の非許容とは、メダルが投入されたときには、メダル払出口9から返却されることであるとして説明した。メダル投入の許容・非許容については、このような制御に限られない。たとえば、メダル投入部4に阻害部材(たとえば、シャッター)を設け、メダル投入が非許容されるときには、阻害部材がメダル投入部4を閉塞し、メダル投入が許容されるときには、阻害部材がメダル投入部4を開放するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、自動BET中は、メダル投入は許容されないとして説明した(図33(イ)など参照)。しかしながら、自動BET中であるときにはメダル投入は許容されるようにしてもよい。このような構成によれば、遊技者の利便性を向上させることができる。
[フリーズについて]
以下では、ATに開始されるときに実行されるフリーズ、ATが終了するときに実行されるフリーズをまとめて特定フリーズという。本実施形態では、メダルの投入を許容する許容制御を、特定フリーズ中には実行せずに、特定フリーズが終了した以降に実行するという特定制御について説明した。しかしながら、特定制御が実行されるフリーズは、特定フリーズの他に、他のフリーズ(特定フリーズとは異なる契機で実行されるフリーズ)を含ませるようにしてもよい。たとえば、特定制御が実行されるフリーズは、スロットマシンで実行可能なフリーズの全てとしてもよい。このような構成によれば、特定フリーズに関わらず如何なるフリーズが実行されるときであっても、特定制御を実行することから、制御の統一化を図ることができ、メイン制御部41の処理負担を軽減できる。
また、他のフリーズが実行された場合には、特定制御を実行しないようにしてもよい。つまり、他のフリーズの実行中にも該他のフリーズが終了したときにもメダルの投入が許容される。したがって、遊技者の利便性を向上させることができる。
[選択肢のデータを記憶するタイミングについて]
本実施形態では、図37(C)などに示すように、選択画面が表示されたときに、予め定められた選択肢のデータを記憶するとして説明した。しかしながら、該予め定められた選択肢のデータが記憶されるタイミングを、選択画面が表示されたときではなく、電断が発生したときとしてもよい。このような構成によれば、選択画面の表示制御での処理負担を軽減できる。
[メダルセレクタについて]
(1) 本実施形態のメダルセレクタでは、投入メダルセンサ106a〜106c、取込側流路302、排出側流路303の位置はそれぞれ図14、図15に示すようなものであるとして説明した。しかしながら、「53枚目のメダルは取込側流路302を流下し、54枚目のメダルは排出側流路303を流下する構成A」であれば、投入メダルセンサ106a〜106c、取込側流路302、排出側流路303の位置はどのような位置にあってもよい。
たとえば、投入メダルセンサ106a〜106c、取込側流路302、排出側流路303の位置は、図46に示す位置であってもよい。図14と図46とを比較すると、図46では、投入メダルセンサ106aは、投入流路301に配置されているが、図14では、投入メダルセンサ106aは、取込側流路302に配置されている。図14のような構成の場合には、図21に示すように、「投入不可フラグを設定するタイミング(S21D)」を「投入メダルセンサ106aがメダルを検知したタイミング」とした。図14のような構成の場合には、「投入不可フラグを設定するタイミング(S21D)」は、「投入メダルセンサ106aがメダルを検知したタイミングから所定時間Tを経過したタイミング」となる。
ここで、所定時間Tは予め計測された時間である。一般的に、流路切替ソレノイド30がonになっている状態で、投入メダルセンサ106aがメダルを検知したタイミングから、該メダルが投入流路301にギリギリ到達するタイミングまでの時間は、常に同じである(もしくは、ほぼ同じである)。そこで、流路切替ソレノイド30がonになっている状態で、投入メダルセンサ106aがメダルを検知したタイミングから、投入流路301にギリギリ到達するタイミングまでの時間を計測し、該計測した時間を所定時間Tとする。
図46の構成であれば、53枚目のメダルが、投入メダルセンサ106aで検知されたタイミングから、所定時間Tが経過したタイミングで、流路切替ソレノイド30がoffにされる。よって、53枚目のメダルは、投入流路301に流下する。一方、54枚目メダルについては、排出側流路303に流下する。
このように、図46のような構造であっても、構成Aとすることができる。また、このような構成Aを担保できれば、メダルセレクタは他の構造であってもよい。
(2) 本実施形態では、投入メダルセンサは、3つ(投入メダルセンサ106a〜106c)であるとして説明した。しかしながら、投入メダルセンサは3つに限らず、構成Aを担保できれば他の数であってもよい。たとえば、1個、2個、および4個以上のいずれであってもよい。
(3) 本実施形態において、投入不可フラグを設定する契機は、「最も上流に配置されている投入メダルセンサ106aによりメダルを検知したこと」として説明した(図21のS21A参照)。しかしながら、「投入不可フラグを設定する契機」は、「最も上流に配置されている投入メダルセンサ106aによりメダルを検知したこと」に限らず、構成Aが担保されていれば、「他の投入メダルセンサによりメダルを検知したこと」としてもよい。他の投入メダルセンサとは、たとえば、最も下流に配置されている投入メダルセンサ106cよりも上流に配置されている投入メダルセンサ106bとしてもよい。また、他の投入メダルセンサとは、たとえば、最も下流に配置されている投入メダルセンサ106cとしてもよい。また、他の投入メダルセンサとは複数のメダルセンサとしてもよい。複数のメダルセンサとは、たとえば、投入メダルセンサ106aおよび投入メダルセンサ106bである。
また、他の変形例として、所定のメダルセンサと、該所定のメダルセンサよりも上流側に配置されている特定のメダルセンサ(最上遊技のメダルセンサでもよい)とを備えている場合において、「投入不可フラグを設定するタイミング」は、特定のメダルセンサが53枚目のメダルを検知したときから、所定の特定メダルセンサが該53枚目のメダルを検知するときまでの期間のうち、所定のタイミングとしてもよい。
[BET処理について]
(1) 本実施形態のBET処理において実行されるメダル投入許可処理として、リプレイゲームであるときにはS19に示すように、BETカウンタの値を用いずに、クレジットカウンタの値のみを用いて、メダルの投入許可処理を実行するとして説明した。一方、リプレイゲームではないときには、図22のS33、S41に示すように、BETカウンタの値と、クレジットカウンタの値とを用いて、メダルの投入許可処理を実行するとして説明した。このように、本実施形態では、リプレイゲームであるか否かに応じて、用いるカウンタの値を異ならせていた。
しかしながら、リプレイゲームであるか否かに関わらず、用いるカウンタを同一にしてもよい。たとえば、リプレイゲームであるか否かに関わらず、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方を用いるようにしてもよい。具体的には、S19の処理が、S33およびS41の処理に代替される。このような代替により、リプレイゲームであるか否かに関わらず、図22のS33およびS41の処理が実行される。このような構成によれば、リプレイゲームであるか否かに関わらず、メダル投入許可処理を共通化できることから、メダルの投入許可処理の負担を軽減できる。
(2) 図22のS33、S35、S40、S41、S42の処理では、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判断する第1判断処理(S33)を実行し、該第1判断処理においてYESと判断されたときに、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判断する第2判断処理(S41)を実行するとして説明した。しかしながら、第1判断処理と第2判断処理の順番を逆にしてもよい。具体的には、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判断する第2判断処理を先に実行し、該第2判断処理によりクレジットカウンタの値が50であると判断されたときに、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判断する第1判断処理(S33)を実行するようにしてもよい。このような構成であっても、適切なメダルの投入許可処理を実行することができる。
(3) 図47は、BET処理のうちの主にBETカウンタの更新処理(賭数設定処理)を抜粋したフローチャートである。BETカウンタの更新処理は図47のように実行してもよい。なお、S500の処理はS12と対応し、S502、S504、S506、S508の処理は、S14、S15に対応し、S510の処理は、S51の処理に対応する。
本実施形態では、図21のS15に示すように、BETカウンタの値を用いて、BETカウンタが規定数に到達したか否かを判断していた。本変形例では、BETカウンタの値ではなく、BETフラグを用いてBETカウンタが規定数に到達したか否かを判断する。
S500において、次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する。S500でYESと判定された場合には、S502に進む。S502においては、BETフラグをメイン制御部41のRAMに格納する。ここで、BETフラグとは、BETカウンタに格納される値(つまり、“3”からBETカウンタの値を減算した値)を特定可能なフラグである。S502においては、初期値として「3」を特定可能なBETフラグが格納される。次に、S504において、BETカウンタの値を1加算する。その後のS506において、BETフラグから特定される数値を1減算するように、BETフラグを更新する。その後のS508において、BETフラグから特定される数値が0であるか否かが判断される。S508においてNOと判定された場合には、S504に戻り、S508において、YESと判定された場合には、S509においてBETフラグを消去する。S509の処理終了後、BETカウンタ更新処理を終了する。S508においてYESと判定されるということは、BETカウンタが規定数に到達したということである。また、S508においてNOと判定されるということは、BETカウンタが未だ規定数に到達していないということである。
一方、S500において、次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームではないと判定された場合には、S510において、MAXBETスイッチへの操作が検出されたか否かが判断される。S510においてYESと判定された場合には、S512でクレジットカウンタの値が3以上であるか否かが判断される。S512においてYESと判定された場合には、S514に進む。S514においては、クレジットカウンタの値を3減少させ、S502に進む。
一方、S512およびS514においてNOと判定された場合には、賭数設定処理を終了する。
このようなBETカウンタ更新処理を実行することにより、リプレイゲームであるか否かに関わらず、S502〜S509の処理を順番、内容ともに共通化できることから、さらにBET処理での処理負担を軽減できる。
また、図47の処理を図21〜図23に適用した場合には、図21のS12はS500に代替され、S14、S15は、S502〜S509の処理に代替され、図22のS51はS510に代替され、S76〜S79の処理が、S512、S514、S502〜S509の処理に代替される。また、図47の処理を図21〜図23に適用した場合には、S510においてNOと判定された場合には、S52に進み、S512においてNOと判定された場合には、S21Aに進む。また、リプレイゲームであるときにおいて、S509の処理が終了すると、S19に進み、リプレイゲームでないときにおいて、S509の処理が終了すると、S21Aに進む。
次に更なる変形例について説明する。図47の例では、リプレイゲームであるか否かに関わらず、BETフラグを用いる(S502)として説明した。しかしながら、BETカウンタの値が規定数に到達したか否かの判断処理において、リプレイゲームであるときにはBETフラグを用いて、リプレイゲームでないゲームにおいてMAXBETスイッチが操作されたときには、BETカウンタの値を用いるようにしてもよい。なお、BETカウンタの値が規定数に到達したか否かの判断処理について、逆に、リプレイゲームであるときには、BETカウンタの値を用いて、リプレイゲームでないゲームにおいてMAXBETスイッチが操作されたときには、BETフラグの値を用いるようにしてもよい。
リプレイゲームであるか否かに応じて、BETフラグを用いるか否かを使い分けることにより、メイン制御部41およびサブ制御部91は、リプレイゲームであるときと、リプレイゲームでないゲームにおいてMAXBETスイッチが操作されたときとで、異なる処理を実行することが可能となる。
以下に異なる処理の一例について説明する。たとえば、リプレイゲームでないゲームにおいてMAXBETスイッチが操作されることにより、BETカウンタの値を1枚ずつ自動更新する際には、サブ制御部91は、1枚ずつ自動更新の効果音(たとえば、ドゥン)を出力する。一方、リプレイが入賞したことにより、BETカウンタの値を自動更新する際には、効果音を出力しない。これにより、MAXBETスイッチが操作されて、BETカウンタの値が自動更新されることを遊技者に体感させることができる。なお、MAXBETスイッチが操作されたときには、3回の効果音(たとえば、ドゥン、ドゥン、ドゥン)が出力される。
このように、メイン制御部41およびサブ制御部91は、BETカウンタが更新されたのは、リプレイが入賞したことによるものなのか、MAXBETスイッチが操作されたことによるものなのかを特定する必要がある。そこで、メイン制御部41のRAM内のBETフラグの有無により、BETカウンタが更新されたのは、リプレイが入賞したことによるものなのか、MAXBETスイッチが操作されたことによるものなのかを特定できる。
なお、メイン制御部41は、BETフラグが格納されていない状態において(リプレイゲームではない場合において)、BETカウンタが1加算される毎に、BETカウンタが1加算されたことを特定可能なBETカウンタ加算コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、BETカウンタ加算コマンドを受信することにより、効果音を出力する。
一方、メイン制御部41は、BETフラグが格納されている状態において(リプレイゲームである場合において)、BETカウンタが1加算されてもBETカウンタ加算コマンドをサブ制御部91に対して送信しない。これにより、サブ制御部91に効果音を出力させないようにすることができる。
なお、本変形例において、BETフラグではなく、BETカウンタの値を用いてBETカウンタの更新処理を実行するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、BETカウンタの値を用いてBETカウンタの値が規定数に到達したか否かを判断したが、BETフラグを用いて該判断を行うようにしてもよい。また、リプレイゲームであるか否かに応じて、BETフラグを用いるか否かを使い分けてもよい。
(4) 本実施形態では、図21に示すように、投入メダルセンサ106aがメダルを検出したか否かの判断処理(S21A)の後に、最終メダル判定処理(S21B)の処理を実行するとして説明した。しかしながら、S21Aの処理とS21Bの処理との実行順序を逆にしてもよい。具体的には、S21の処理の後、まず、最終メダル判定処理(S21B)を実行し、その後に、投入メダルセンサ106aがメダルを検出したか否かの判断処理(S21A)を実行するようにしてもよい。該S21Aの処理においてYESと判断されたときには、S21Cの処理に進む。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏する。
(5) 図24のS100に示すように、「BETカウンタの値+クレジットカウンタの値」を減算する値Xは「53」であるとして説明した。しかしながら、Xは他の値であってもよい。たとえば、Xは「52」であってもよい。この場合には、S100では、52−(BETカウンタの値+クレジットカウンタの値)を演算し、該演算結果が「0」であれば、該S100ではYESと判断され、該演算結果が「0」でなければ該S100ではNOと判断される。
また、図45のS202に示すように、「クレジットカウンタの値」を減算する値Yは「50」であるとして説明した。しかしながら、Yは他の値であってもよい。たとえば、Yは「49」であってもよい。この場合には、S202では、49−クレジットカウンタの値を演算し、該演算結果が「0」であれば、該S202ではYESと判断され、該演算結果が「0」でなければ該S202ではNOと判断される。
また、図45のS206に示すように、「BETカウンタの値+クレジットカウンタの値」を減算する値Zは「53」であるとして説明した。しかしながら、Zは他の値であってもよい。たとえば、Zは「52」であってもよい。この場合には、S206では、52−(BETカウンタの値+クレジットカウンタの値)を演算し、該演算結果が「0」であれば、該S206ではYESと判断され、該演算結果が「0」でなければ該S206ではNOと判断される。
(6) また、図22のS41、S42の処理を実行しないようにしてもよい。理由は、S100でYESと判定された場合には、必ず、S33でYESと判定され、かつS41でYESと判定されるからである。また、S100でNOと判定された場合には、S41まで進んだとしても、該S41で必ず、S41でNOと判定されるからである。この変形例によれば、S41、S42の処理を削減できる。
[リール配列について]
前述した実施の形態では、図2に示すように、右リール2Rにおいてチェリー図柄が引き込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されていた。よって、チェリーリプ当選時は、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずチェリー図柄を導出させることが可能であった。しかしながら、右リール2Rに加え、左リール2Lまたは中リール2Cのうち少なくともいずれか一方のリールにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすることで、様々な制御に対応することができる。
たとえば、中リール2Cと右リール2Rとにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすれば、強チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−チェリー−チェリーの図柄組合せを導出させることができる。このようにすれば、チェリーリプ当選をより明確に示すことができる。また、弱チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−リプレイ−チェリーの図柄組合せを導出させることで、強チェリーリプを取りこぼしたことを示すことができる。また、たとえば、無効ラインLM4にリプレイ図柄が揃いそうな場合に、中リール2C中段にチェリー図柄を導出させることで、チェリーリプ入賞していることを分かりやすくすることができる。このように、図柄配列を変更することで、様々な導出表示に対応させることができ、臨機応変に機械にあった制御を実行することができる。
[告知演出(入賞示唆演出)について]
前述した実施の形態では、告知演出(入賞示唆演出)として、キャラクタ画像を用いた演出を実行することを説明した。しかし、告知演出(入賞示唆演出)は、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御を行い、その点灯色によって示されるようにしてもよい。また、告知演出(入賞示唆演出)は、スタートスイッチ7の操作時に実行されるものではなく、1ゲームにおけるどのタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、全てのリールが停止後にチェリーリプに当選したことをLEDを赤色に発光させることで示唆するようにしてもよい。
[押し順について]
前述した実施の形態では、図26に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれかのタイミングにより、同じ抽選対象役が当選したときであっても、導出される図柄組合せが異なっていた。しかしながら、同じ抽選対象役が当選したときに、押し順(操作手順)により導出される図柄組合せが異なるようにしてもよい。
たとえば、強チェリーリプ当選時の図柄組合せとしてリプレイ−リプレイ−チェリーとチェリー−チェリー−チェリーとを入賞役として設定する。そして、押し順として左第1停止を正解手順として、中および右第1停止を不正解手順とする。このような場合において、強チェリーリプ当選時に左第1停止が実行された場合には、チェリー−チェリー−チェリーを優先的に引込み、中または右第1停止が実行された場合には、リプレイ−リプレイ−チェリーを優先的に引込むようにしてもよい。なお、全てのリールにおいてチェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置すれば、正解手順で操作された場合に、必ずチェリー−チェリー−チェリーを導出させることができる。また、左リール2Lのチェリー図柄の位置においてチェリーリプ入賞が確定するとともに、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれの入賞役であるかが確定するようにしてもよい。
また、図柄の変動表示を特定の押し順で停止させる操作であって、かつ、当該操作が特定のタイミングで操作されたときにのみ正解手順となる表示結果が導出されるようにしてもよい。
[払出し枚数について]
前述した実施の形態では、図26に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれのタイミングであっても、入賞が発生することを示した。しかし、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が異なるようにしてもよい。たとえば、目押し成功となるタイミングで図柄が導出された場合には、目押し失敗となるタイミングで図柄が導出された場合よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、押し順についても正解手順では不正解手順よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が同じになるようにしてもよい。
[所定入賞について]
前述した実施の形態では、所定入賞として、チェリーリプなどの再遊技役を例示したが、これに限らず、メダルの付与を伴う小役であってもよい。この場合、所定入賞としての小役は、前述した実施の形態において示したチェリーリプやスイカと同じ図柄組合せで構成されるものであってもよい。このような場合、タイミングや押し順に関わらず、複数の可変表示部のうちの特定可変表示部である右リール2Rの表示結果として入賞ラインLN上の識別情報が特定識別情報(チェリー図柄)となる表示結果を導出するようにしてもよい。たとえば、所定入賞としての小役であるチェリーに当選したときに、チェリーの入賞示唆演出を実行する。そして、目押し成功となるタイミングで左リール2Lが停止された場合には、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出し、3枚のメダルを払出せばよい。また、目押し失敗となるタイミングで左リール2Lが停止された場合(左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合)には、メダルの払出しが無いようにすればよい。しかしながら、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合であっても、右リール2Rの入賞ラインLN上にはタイミングに関係なくチェリー図柄を停止させることができる(例えば、リプレイ−リプレイ−チェリーが入賞ラインLNに揃う)ので、チェリー当選の入賞示唆演出と表示結果との誤認が生じることを防止することができる。なお、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合に比べ少なからずメダルの払出しがあるようにしてもよい。また、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合であっても、同じ枚数のメダルの払出しがあるようにしてもよい。
[所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報について]
前述した実施の形態では、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報として、チェリーリプを発生させる図柄組合せのうちの右リールの図柄である例について説明した。しかし、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は、所定入賞の発生に関わらない図柄であってもよい。すなわち、所定入賞は、一部のリールに特定識別情報が停止することにより、他のリールに停止した識別情報に関わらず発生するものであってもよく、この場合に所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は他のリールに停止する図柄であってもよい。より具体的に、たとえば、所定入賞は、チェリー−ANY−ANYと、リプ−ANY−ANYとのいずれでも入賞が発生するものであってもよい。この場合でも、当該所定入賞に当選している場合には、右リール2Rのチェリー図柄を必ず入賞ラインLN上に引き込むようなリール制御を行うようにして、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
[所定ラインについて]
前述した実施の形態では、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、所定ラインとしての入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リールのみ入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示されていた。しかし、所定ラインは、入賞ラインではなく無効ラインであってもよい。そして、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示されるようにしてもよい。
[リール停止タイミングについて]
前述した実施の形態では、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合に、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されていた。しかし、右リール2Rが最初に停止されない場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されるようにしてもよい。たとえば、第1停止で目押しを失敗し、右リール2Rが第2停止された場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄を導出するようにしてもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当選示唆演出については、前述した実施の形態で説明したように、サブ制御部91により決定されるように構成してもよい。
[赤7図柄について]
前述した実施の形態では、いずれかのチェリーリプ当選時は、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が停止する場合を説明した。しかし、チェリーリプ当選時に、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が導出させなくてもよい。たとえば、中段チェリーリプ当選時の図27(c)において有効ライン上にチェリー図柄が停止しない場合(右リールの上段にチェリー図柄が導出されない場合)を設けてもよい。このような場合、赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。よって、赤7図柄が入賞ラインLN上に停止した場合には、チェリー図柄が導出されていない場合であっても、チェリーリプ当選時にチェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出(たとえば、赤色のキャラクタ画像や赤色のLEDでの報知)を実行することができる。このように、入賞ラインLN上に関連する図柄(色が共通する図柄)があることで、入賞示唆演出を実行しても遊技者の誤認を防止することができる。
[RT3での状態について]
前述した実施の形態では、RT3中においては、さらに維持リプ1〜3を抽選対象役として読み出して内部抽選されるようにしてもよい。これにより、たとえば非ATであるにもかかわらずRT3に制御された場合などにおいて、維持リプ1〜3に当選したときに操作手順によって転落リプに入賞させてRT1へ転落させやすくすることができる。
[報知部について]
前述した実施の形態では、報知部としてBET表示部、払出数表示部12、入賞表示部を示した。しかしながら、報知部は、スロットマシン1における別の部分で示されるようにしてもよい。たとえば、演出効果LED52を用いて、その点灯色により小役入賞を報知し、所定時間経過により、当該点灯が消去されるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態をいずれか1つの報知部のみに適用するようにしてもよい。たとえば、報知部として払出数表示部12のみにおいて、前述した実施の形態を適用するようにしてもよい。
[初期状態について]
前述した実施の形態では、報知部の初期状態として、表示が「0」を示す表示ものや、点灯が消去されるものを示した。しかしながら、報知部の表示状態の初期状態は、「0」を示すものではなく、通常状態では表示されない表示でもよい。また、完全に消灯させるのではなく、表示の輝度を低下させ、薄暗く表示するものでもよい。
[電断について]
前述した実施の形態では、スロットマシン1に電断が発生した場合、電断復帰後に電断が発生する前の報知部の表示態様で表示され、30秒の経過で表示態様が初期状態となる場合を示した。しかし、電断が発生する前の時間をカウントし、カウントしたタイマ値と電断復帰後のタイマ値を合計した値が30秒となったことに基づいて、報知部の表示態様が初期状態となるようにしてもよい。
[特定モードについて]
前述した実施の形態では、特定モードに移行する時間と、小役入賞時から報知部の表示態様が初期状態となる時間とが同じであった。しかし、これらの2つの期間は、同じでなくてもよい。
[設定確認状態について]
前述した実施の形態では、リセット/設定スイッチ38により設定値を変更できる状態である設定変更状態となったときに、各種報知部の表示状態が初期状態に変化する場合を示した。しかし、設定変更状態後の設定値を確認可能な設定確認状態となったときに、各種報知部の表示状態を初期状態に変化させるようにしてもよい。
[はずれについて]
前述した実施の形態では、はずれとなった場合に以下のような制御を実行してもよい。はずれの場合には、図31のうち払出数表示部12および入賞表示部は初期状態のままであるが、BET操作部は、点灯表示状態が維持されるようにしてもよい。そして、はずれとなってから30秒経過によりBET操作部の表示態様が消灯されるようにしてもよい。なお、BET操作部が点灯状態であるときに、電断発生時は、復帰後に点灯状態が維持され、設定変更状態後、精算操作後、BET操作後は、消灯状態となるようにすればよい。
[再遊技役について]
前述した実施の形態では、再遊技役に入賞した場合に以下のような制御を実行してもよい。たとえば、再遊技役であるリプレイ入賞が発生した場合には、払出数表示部12は初期状態のままであるが、BET操作部は、一旦消灯した後、すぐに点灯状態に制御される。また、入賞表示部は点灯状態に制御される。このような状態のとき、30秒経過により入賞表示部を消灯状態とするようにしてもよい。なお、BET操作部は30秒経過の際にも点灯状態に制御するのが好ましい。また、設定変更状態では、BET操作部および入賞表示部を初期状態に制御すればよい。また、リプレイ入賞時は、BET操作および精算操作は受付けないように制御されるようにすればよい。なお、リプレイ入賞時に、BET操作および精算操作を受付けることができるように制御してもよい。また、リプレイ入賞時に電断が発生した場合には、電断前の点灯状態が維持されるようにすればよい。なお、リプレイ入賞時に電断が発生した場合には、消灯状態で復帰するようにしてもよい。このような場合には、遊技者がメダルを投入した際(1枚検知した際)またはBET操作を実行した際に1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16のLEDを点灯状態に制御するようにしてもよい。このようにすれば、閉店時にリプレイ入賞をさせて遊技を終了したとしても、開店時には消灯状態に制御されるので、仕込みを防止することができる。
[特典について]
特定として、第1実施形態では、AT状態への制御を例示し、第2実施形態では、大当り状態への制御を例示した。しかしながら、たとえば、特典として、第1実施形態では、ボーナス状態への制御などとしてもよい。また、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。