JP6871560B2 - 光集積回路、および光集積回路の制御方法 - Google Patents

光集積回路、および光集積回路の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、光集積回路、および光集積回路の制御方法に関する。
同一基板上に複数の光素子を集積した光集積回路では、反射戻り光があると特性が劣化することがある。特に半導体レーザに反射戻り光が入ると、レーザ発振が不安定になり、相対強度雑音が増加することが知られている。
一般的に、光通信用光送信器等においては、反射戻り光を除去するために光アイソレータを用いている。しかしながら、通常、光アイソレータは、バルクの偏光子やファラデー回転子等を組み合わせた構成を有している。そのため、半導体レーザを同一基板上に集積した光集積回路においては、同一基板内の反射点からの反射戻り光がレーザに戻らないようにするために、光アイソレータを用いることは困難である。
更に近年、シリコン基板上に半導体レーザ、光変調器、受光器等を配置し、それらの光素子間をシリコン光導波路で光学的に接続した光集積回路、いわゆる、シリコンフォトニクスを用いて光送信器を構成する研究開発が盛んになってきている。ここで用いられるシリコン光導波路は、光集積回路に多く用いてきたガラス光導波路に比べて光の閉じ込め効果が極めて高いため、光集積回路を小型化できる利点がある。一方で、シリコン光導波路には、意図せずに形成されてしまった実効屈折率やモードフィールドの不連続点等による光の反射源によって反射戻り光が発生しやすいという課題がある。
この課題を改善する手段として、特許文献1および2は、半導体レーザが出力する光を分岐器で等分岐し、反射戻り光が分岐器で結合する際に位相を反転させることで、半導体レーザへの反射戻り光を低減する構成が開示されている。
国際公開第2014/156885号 国際公開第2013/133099号
F. Morichetti, et al., "Non-Invasive On-Chip Light Observation by Contactless Waveguide Conductivity Monitoring,"IEEE J. Select. Topics Quant. Elect. Vol. 20, No.4, 8201710, 2014
上述した特許文献1の方法では、反射戻り光を最小にするためには、分岐器の分岐比を等分岐とし、分岐器の出力側に接続された2本の導波路における反射率の絶対値を等しくすることが望ましいと記載されている。しかしながら、この場合、等分岐された光の一方のみを送信器出力として利用する場合には、必然的に光出力に約3dBの損失が生じるという課題がある。また、等分岐した両方の光を送信器出力として用いる場合でも、単一のシングルモード導波路と結合させる場合には、同様に本質的に光出力に約3dBの損失が生じる。等分岐した両方の光をマルチモード導波路と結合させる場合には、約3dBの損失が生じない可能性はあるが、2つのモード間の干渉によって、マルチモード導波路への結合およびマルチモード導波路内での伝送状態が不安定になる可能性が高い。
また、特許文献2に開示されている構成も特許文献1と同様であり、原理的に約3dB以上の光損失を生じてしまう課題がある。
本発明の目的は、上記した課題の少なくとも一部を改善し、特に、3dB以上の光電力の原理損失を生じず、安定した光出力が得られる反射戻り光低減構造を有する光集積回路、および光集積回路の制御方法を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る光集積回路は、入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、を含み、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量との間の光位相差が、実質的にπの奇数倍に設定されており、前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比が、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定されている。
本発明の他の実施形態に係る光集積回路の制御方法は、入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、前記第1及び前記第2出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、を含む光集積回路の制御方法であって、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量との間の光位相差を、実質的にπの奇数倍に設定する工程と、前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比を、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定する工程と、を含む。
本発明の実施形態によれば、3dB以上の光電力の原理損失を生じることなく、安定した光出力を得ることができる光集積回路、及び光集積回路の制御方法が得られる。
本発明の第1の実施形態における光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。 本発明の第2の実施形態における光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。 本発明の第2の実施形態において最適な状態を得るための手順を示した工程フロー図である。 本発明の第3の実施形態における光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。 本発明の第3の実施形態において最適な状態を得るための手順を示した工程フロー図である。 本発明の第4の実施形態における光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。 本発明の第5の実施形態における光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。 本発明の実施形態で光分岐器として用いることができる方向性結合器の回路構造を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態で光分岐器として用いることができるマルチモード干渉型結合器の回路構造を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態で光分岐器として用いることができるマッハツェンダ干渉計の回路構造を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態で光反射器として用いることができるマッハツェンダ干渉計型ループミラーの回路構造を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態で用いることができる別の光反射器の回路構造を示す模式的な平面図である。 本発明の光分岐部の原理を説明するためのブロック図である。 本発明の光集積回路の原理を説明するためのブロック図である。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の原理について説明する。図13および図14は、それぞれ、本発明に係る光分岐部及び当該光分岐部を含む光集積回路の原理を説明するためのブロック図である。
[光分岐部]
本発明の原理に係る光分岐部1は、第1の入力ポート11と、第1の出力ポート13と、第2の出力ポート14とを少なくとも備える。
第1の入力ポート11には、外部から入力光51が入射する。光分岐部1は、第1の入力ポート11からの入力光51を所定に比に分割して、第1及び第2の出力ポート13及び14に出射、出力する機能を有する。
ここでは、第1の出力ポート13は、光分岐部1が分割した入力光51の一部、第1の出力光53として出射する。また、第1の出力ポート13は、第1の出力光53が図示しない外部で反射したことで生じる第1の反射光58を受ける。
第2の出力ポート14は、光分岐部1が分割した入力光51の残りを、第2の出力光54として出力する。また、第2の出力ポート14は、第2の出力光54が図示しない外部で反射したことで生じる第2の反射光59を受ける。
第1の出力ポート13が第1の反射光58を受け、第2の出力ポート14が第2の反射光59を受けると、第1の入力ポート11は、第1の反射光58と第2の反射光59とに応じた第1の反射戻り光56を出力する。
図示された光分岐部1は、第1の反射戻り光56が原理的に最小になるように、第1及び第2の出力光53及び54の光電力比が、第1の反射光58と第2の反射光59の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定されている。
[光集積回路]
図14は、光分岐部1を含む光集積回路2である。
本発明の原理に係る光集積回路2は、図13で説明した光分岐部1と、当該光分岐器1の第1及び第2の出力ポート13及び14の外部にそれぞれに接続された第1の光反射部3と第2の光反射部4と、を備える。
第1の光反射部3は、第1の出力ポート13が出力した第1の出力光53の一部を反射し、第1の反射光58として第1の出力ポート13に入力する。
第2の光反射部4は、第2の出力ポート14が出力した第2の出力光54の少なくとも一部を反射して、第2の反射光59として第2の出力ポート14に入力する。
本発明の原理に係る光集積回路2は、第1の出力ポート13に入力する第1の反射光58と、第2の出力ポート14に入力する第2の反射光59との光位相差が、実質的にπの奇数倍に設定されている。
図13を参照して説明したように、第1の出力ポート13が第1の反射光58を受け、第2の出力ポート14が第2の反射光59を受けると、第1の入力ポート11は第1の反射光58と第2の反射光59とに応じた第1の反射戻り光56を出力する。
図14に示された光集積回路2は、例えば、光の発生源である半導体レーザが光分岐部1の入力ポートに接続され、この状態で第1の反射戻り光56を受けると、レーザの発振が不安定となり、動作も不安定となる。
本発明の原理に係る光集積回路2は、第1の反射戻り光56が原理的に最小になるように、第1の入力ポート11に入射した入力光51が第1の出力ポート13、第1の光反射部3、第1の出力ポート13、第1の入力ポート11の順に往復する際の光位相変化量と、第1の入力ポート11に入射した入力光51が第2の出力ポート14、第2の光反射部4、第2の出力ポート14、第1の入力ポート11の順に往復する際の光位相変化量との間の光位相差が、実質的にπの奇数倍に設定されている。さらに、光集積回路2は、第1の出力光53と第2の出力光54の光電力比が、第1の反射光58と第2の反射光59の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定された光分岐部1を備えている。そのため、半導体レーザを含む光集積回路2は、安定して動作することができる。
本発明の実施形態において、光分岐部1は、後述するように、予め光電力比を設定された光分岐器を用いることができる。また、光分岐部1は、光電力比を調整できる機能を有していてもよい。第1の光反射部3は、例えば、光導波路内に形成された光の反射源であってもよいし、回析格子型の結合器であってもよい。第2の光反射部4は、ループミラー等で構成することができる。
本発明の原理に係る光集積回路2は、第1の入力ポート11に入射した入力光51が第1の出力ポート13、第1の光反射部3、第1の出力ポート13、第1の入力ポート11の順に往復する際の光位相変化量と、第1の入力ポート11に入射した入力光51が第2の出力ポート14、第2の光反射部4、第2の出力ポート14、第1の入力ポート11の順に往復する際の光位相変化量との間の光位相差、および第1及び第2の出力ポートに入出射する光電力比を上記のように設定することにより、3dB以上の原理損失を生じることなく、安定した光出力を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に関して、図1を参照して以下に説明する。なお、図1は、本実施形態の光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。
本実施形態に係る第1の光集積回路101は、第1の光分岐器10、光反射点23、第1の光反射器34、第1の光導波路41,第2の光導波路42,第3の光導波路43、及び半導体レーザ61を備えている。図示された第1の光集積回路101は同一の基板上に形成されているものとする。ただし、半導体レーザ61は同一基板上に形成されていることに限定されない。
光分岐器10は、少なくとも、1つの第1の入力ポート11と、第1の出力ポート13,および第2の出力ポート14を備える。
第1の光分岐器10は、半導体レーザ61から第1の入力ポート11に入力した入力光51を第1の出力ポート13,および第2の出力ポート14に分割して出力する機能を有する。この時、第1の出力ポート13は、第1の出力光53を出力する。第2の出力ポート14は、第2の出力光54を出力する。
光反射点23は、第1の光分岐器10の一方の第1の出力ポート13に第2の光導波路42を介して光学的に接続されている。光反射点23は、第1の光分岐器10の一方の第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53の一部を反射し、第1の反射光58として第1の出力ポート13に入力する。
第1の光反射器34は、第1の光分岐器10の第2の出力ポート14に第3の光導波路43を介して光学的に接続されており、第1の光分岐器10の第2の出力ポート14が出力する第2の出力光54の一部、または全部を反射する機能を有する。即ち、第1の光反射器34は、第2の出力光54を反射し、第2の反射光59として第2の出力ポート14に入力する。
半導体レーザ61は、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11に第1の光導波路41を介して光学的に接続されている。半導体レーザ61は、第1の入力ポート11に入力光51を入力する。
この第1の光集積回路101は、光送信器の一部を構成するものとする。光送信器は、第1の光分岐器10の第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53の光電力から、光反射点23が反射した第1の反射光58の光電力を除いた分の光電力値の光を出力すると想定する。
なお、本発明の説明において特にことわりのない場合、光反射点23は、実効屈折率やモードフィールドの不連続等によって光経路内に意図せずに形成された光の反射源である。一方、第1の光反射器34は、光反射点23によって生じる第1の反射戻り光56を低減するために意図的に設置した光の反射構造、またはループバック構造である。ただし、本発明は、光反射点23が、実効屈折率やモードフィールドの不連続等によって意図せずに形成された光の反射源であることに限定されない。
次に、第1の反射戻り光56を低減するための条件について説明する。
第1の光分岐器10の第1の入力ポート11に入力した入力光51が、第1の入力ポート11→第1の出力ポート13→光反射点23→第1の出力ポート13→第1の入力ポート11の順に伝搬する経路を第1の光経路とする。
また、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11に入力した入力光51が、第1の入力ポート11→第2の出力ポート14→第1の光反射器34→第2の出力ポート14→第1の入力ポート11の順に伝搬する経路を第2の光経路とする。
第1の光集積回路101は、第1の反射戻り光56を低減するために、第1の光経路と第2の光経路との間の光の位相差が概ねπの奇数倍に設定されている(以下、この条件を「光位相差条件」と呼ぶ)。
また、第1の光経路において第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53の光電力値と、第2の光経路において第2の出力ポート14が出力する第2の出力光54の光電力値の比が、第1の光経路において第1の出力ポート13に入力する第1の反射光58の光電力値と、第2の光経路において第2の出力ポート14に入力する第2の反射光59の光電力値の比の逆数と概ね等しくなるように設定されている(以下、この条件を「光電力比条件」と呼ぶ)。
以下、上記のように設定することで第1の光分岐器10の第1の入力ポート11が出力する第1の反射戻り光56を低減できる理由について説明する。
半導体レーザ61が第1の光分岐器10の第1の入力ポート11に光電力値が「1」の入力光51を入力したときの各パラメータを以下のように設定する。
第1の入力ポート11から第1の出力ポート13への光電力透過率を1−t、第1の入力ポート11から第2の出力ポート14への光電力透過率をt、光反射点23の光電界反射率をr、第1の光反射器34の光電界反射率をsr、第1の光経路と第2の光経路の間の光の位相差をφとする。ここで、sは、光反射点23と、第1の光反射器34の光電界反射率の比である。この時、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11が出力する第1の反射戻り光56の光電力値P56は、式(1)のように表すことができる。
Figure 0006871560
したがって、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11が出力する第1の反射戻り光56の光電力値P56は、cosφ=1の時に最大となる。つまり、光位相差φは、式(2)のように表すことができる。
Figure 0006871560
したがって、光電力値P56の最大値は、式(3)の通りである。
Figure 0006871560
また、光電力値P56は、式(1)において、cosφ=−1の時に最小となる。この時、光位相差φは、式(4)のように表すことができる。
Figure 0006871560
したがって、光電力P56の最小値は、式(5)の通りである。
Figure 0006871560
更に、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11が出力する第1の反射戻り光56の光電力値P56は、式(5)を参照すると、式(6)を満たす時、原理的にはゼロとなる。
Figure 0006871560
式(6)の第1式が光位相差条件を表していることは明らかである。次に、式(6)の第2式が光電力比条件を表していることを説明する。
光電力比条件に用いられるそれぞれの光電力値は、上述したパラメータから求めることができる。
すなわち、第1の光経路において第1の光分岐器10の第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53の光電力値は1−t、第1の光分岐器10の第1の出力ポート13に入力する第1の反射光58の光電力値は(1−t)r、第2の光経路において第1の光分岐器10の第2の出力ポート14が出力する第2の出力光54の光電力値はt、第1の光分岐器10の第2の出力ポート14に入力する第2の反射光59の光電力値はt(sr)である。よって、光電力比条件は、1−t:t=t(sr):(1−t)rとなる。したがって、光電力比条件は、式(7)のように表すことができる。
Figure 0006871560
式(7)を光反射点23と第1の光反射器34の光電界反射率の比sについて解くと、式(8)を得ることができる。
Figure 0006871560
式(6)の第2式と式(8)を比較すると、結果が一致している。
従って、式(6)の第2式は光電力比条件を表している。式(6)の第1式および第2式でそれぞれ表される光位相差条件、および光電力比条件が同時に成り立つように、第1の光経路と第2の光経路の間の光位相差φを設定し、かつ第1の光分岐器10の分岐比t、または第1の光反射器34の光反射点23に対する相対的な光電界反射率の比sを設定する。このように設定することで、第1の光集積回路101は、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11が出力する第1の反射戻り光56の光電力値を最小にすることができる。その結果、半導体レーザ61に入力する第1の反射戻り光56の光電力値を最小にすることができるので、第1の反射戻り光56による半導体レーザ61の不安定化や相対強度雑音の劣化を抑制することができる。
次に、第1の光集積回路101を光送信器の一部として考えた場合における光送信器の光電力値P101について説明する。前述の通り、光送信器が出力する光の光電力値P101は、第1の光分岐器10の第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53の光電力値から、光反射点23による第1の反射光58の光電力値を除いた分の光電力値である。光電力P101は、第1の出力光53の光電力値が1−t、第1の反射光58の光電力値が(1−t)rであるから、式(9)のように表すことができる。
Figure 0006871560
したがって、光位相差条件、および光電力比条件を満たすときの光電力値P101は、式(8)を式(9)に代入すると、式(10)のように表すことができる。
Figure 0006871560
ここで、光反射点23の光電界反射率rは、制御出来ないが通常は1に比べて十分に小さい量であるため、(1−r)≒1とみなすことができる。また、第1の光反射器34の光電界反射率srと光反射点23の光電界反射率rの比であるsを大きくすることで、1+s≒sとみなすことができる。その結果、第1の光集積回路101の光送信器が出力する光の光電力値P101は、ほぼ1に近づく。したがって、第1の光集積回路101は、特許文献1および2で課題となっていた3dB以上の原理損失を生じることなく反射戻り光を低減することができる。
なお、第1の光反射器34の光電界反射率srは、第2の光経路に光増幅器を用いない限り、1を超えることは無い。そのため、第1の光集積回路101の光送信器が出力する光の光電力値P101は、sr=1として式(10)に代入すると、式(11)のような不等式で表すことができる。
Figure 0006871560
式(11)の等号が成り立つのは、sr=1のときである。よって、第1の光集積回路101の光送信器が出力する光の光電力P101を大きくするためには、第1の光反射器34の光電界反射率srを1、すなわち全反射にすることが最も好ましい。
このような第1の光集積回路101は、小型化・集積化・低コスト化等の観点から、半導体材料を微細加工して形成することが望ましく、特にシリコン(Si)基板上に配置された光素子間をシリコン光導波路で光学的に接続したシリコン光集積回路が好適である。また、前述の通り光経路内に意図しない反射点が形成されやすいシリコン光導波路においては、本発明は特に有用である。しかしながら、本発明の思想は、化合物半導体、ガラス、ポリマー、誘電体結晶等の他の材料で構成される光集積回路でも有効である。
次に、第1の実施形態に好適な、各構成要素の具体的な態様について説明する。
第1の光分岐器10のより具体的な構成としては、例えば図8に平面構造を模式的に示す方向性結合器210を用いることができる。図示された方向性結合器210は、第1の分岐器内光導波路211と第2の分岐器内光導波路212を有している。また、図9に平面構造を模式的に示すマルチモード干渉結合器220を用いることができる。図示されたマルチモード干渉結合器220は、第3、第4、第5、及び第6の分岐器内光導波路221〜224と、マルチモード領域225を有している。更に、図10に平面構造を模式的に示すマッハツェンダ干渉計230を用いることができる。図示されたマッハツェンダ干渉計230は、第7の分岐器内光導波路231と、第8の分岐器内光導波路232と、第1の干渉計内光位相シフタ233と、を有している。特に、マッハツェンダ干渉計230は第1の干渉計内光位相シフタ233を内蔵することで光分岐比を容易に調整することができるため好適である。
図1に戻ると、光反射点23は、前述の通り、実効屈折率やモードフィールドの不連続等によって光経路内に意図せずに形成されてしまった光の反射源であり、その位置、および光電界反射率rを制御することは出来ないものと想定する。また、通常、光反射点23の位置、および光電界反射率rを特定することも困難であるから、式(6)で示される光位相差条件、および光電力比条件を満足するように設定するためには工夫が必要である。光位相差条件、および光電力条件の制御方法については後述する。
前述の通り、第1の光集積回路101の光送信器が出力する光の光電力値P101は、第1の光反射器34の光電界反射率が1に近いほど大きくできるので、第1の光反射器34の具体的な構成としては、ほぼ全反射状態を容易に実現できるループミラーが好適である。特に、図11に示すような、第9の分岐器内光導波路241と、第2の干渉計内光位相シフタ243を有するマッハツェンダ干渉計型ループミラー240が好ましく用いることができる。マッハツェンダ干渉計型ループミラー240は、第2の干渉計内位相シフタ243を内蔵することで容易に光電界反射率を調整できるので好適である。
図1において、第1の光導波路41,第2の光導波路42,第3の光導波路43としてシリコン光導波路を用いる場合、半導体レーザ61としては、光通信用に用いられる波長が1.3μm帯、または1.5μm帯の化合物半導体レーザが好適である。これは、シリコンは波長1.1μm以上の光に対して透明であるためである。
なお、図1では、半導体レーザ61は、第1の光導波路41を介して第1の光分岐器10の第1の入力ポート11に直接接続されているが、半導体レーザ61と第1の光分岐器10の間に図示しない光変調器や、図示しない第1の光電力計等の他の光素子が接続されていてもよい。さらに、半導体レーザ61が出力する入力光51を検出できる位置に、半導体レーザ61の相対強度雑音を測定する図示しない相対強度雑音測定器が光学的に接続されていてもよい。
第1の光導波路41,第2の光導波路42,第3の光導波路43のより具体的な構成例としては、Silicon-on-Insulator(SOI)基板上に形成されたシリコンをコア、二酸化シリコン(SiO)をクラッドとし、シリコンコアの断面は厚さ200nm程度、幅400nm程度のシングルモード導波路が好適である。また、直線導波路部分には伝搬損失を低減するために幅3μm程度のマルチモード導波路を用いてもよい。
次に、光位相差条件の具体的数値例を示す。半導体レーザ61が出力する光の波長をλ、第1の光経路、および第2の光経路の間の光路長差をΔ(nL)とすると、光位差相条件は、式(12)で表すことができる。
Figure 0006871560
式(12)から、光路長差Δ(nL)は、式(13)のように表すことができる。
Figure 0006871560
ここで、nは第2の光導波路42、および第3の光導波路43の実効屈折率である。光路長差Δ(nL)は、半導体レーザ61が出力する入力光51の波長λを1.3μmとすると、0.65μmの奇数倍になるように設定すればよい。ただし、式(13)は、波長依存性を持ち、その感度は2m+1の絶対値が大きくなるほど大きくなる。従って、波長依存性を小さくするためには、2m+1の絶対値が小さいほど好ましく、m=0、またはm=−1が最も好ましい。
次に、光電力比条件の具体的数値例を示す。例えば、光反射点23の光電界反射率rが0.1(電力反射率が−20dB)、第1の光反射器34の光電界反射率srが1、すなわち、s=10とする。式(8)から、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11から第1の出力ポート13への光電力透過率1−tと、第1の光分岐器10の第1の入力ポート11から第2の出力ポート14への光電力透過率tの比は、概ね(1−t)/t=s=10である。すなわち、第1の光分岐器10の第1の出力ポート13と、第2の出力ポート14の光出力電力比を10:1に設定すればよい。
このときt=0.09となるから、第1の光分岐器10の第1の出力ポート13が出力する第1の出力光53を第1の光集積回路101の出力光として用いることを想定すると、この例の場合、半導体レーザ61の順方向の損失は1−t=0.91(0.41dB)となる。したがって、本実施形態は、特許文献1、および2で課題となっていた3dBの原理損失に比べて大幅に損失を低減できる効果がある。当然ながら、光反射点23の光電界反射率rが0.1より更に小さい場合は、順方向の損失を更に低減できる。
なお、第1の光経路、および第2の光経路内に共通の光損失または光増幅要素が含まれている場合でも、光電力透過率の比をとることで、その共通光損失等は相殺されるので、上記の関係はそのまま成立する。
また、第1の光経路と第2の光経路の間に光損失、または光増幅率の相違がある場合には、それらの比を光反射点23と第1の光反射器34の光電界反射率の比sに含めて考えればよい。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について、図2を参照して以下に説明する。なお、図2は、本実施形態の光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。
本実施形態の第2の実施形態に係る第2の光集積回路102は、第1の実施形態の第1の光集積回路101における1入力2出力の第1の光分岐器10を、分岐比tが調整可能な2入力2出力の第2の光分岐器70に置き換えている。また、第2の光集積回路102は、第1の光位相シフタ84と、第2の光電力計92を、更に備える。
第2の光分岐器70は、第2の入力ポート71と、第3の入力ポート72との2つの入力ポートと、第3の出力ポート73と、第4の出力ポート74との2つの出力ポートを有する。
第2の入力ポート71には、第1の光導波路41を介して半導体レーザ61が接続されている。
第2の光分岐器70の半導体レーザ61が接続されていない方の第3の入力ポート72には、第4の光導波路44を介して第2の光電力計92が光学的に接続されている。また、第1の光集積回路101の場合と同様に、第2の光分岐器70の第2の入力ポート71に入力した入力光51が、第2の入力ポート71→第3の出力ポート73→光反射点23→第3の出力ポート73→第2の入力ポート71の順に伝搬する光経路を第1の光経路とする。
同様に、第2の入力ポート71→第4の出力ポート74→第1の光反射器34→第4の出力ポート74→第2の入力ポート71の順に伝搬する光経路を第2の光経路とする。
第1の光位相シフタ84は、第2の光分岐器70の第4の出力ポート74と第1の光反射器34の間に位置している。また、第1の光位相シフタ84は、第1の光経路と第2の光経路の間の位相差を調整することができる。
第2の光電力計92は、第4の光導波路44を介して、第3の入力ポート72に接続されている。第2の光電力計92は、第2の反射戻り光57の光電力値を測定する。
次に、第2の光集積回路102を光送信器の一部として考えた場合における光送信器の光電力値について説明する。光送信器は、第3の出力ポート73が出力する第1の出力光53の光電力値から、光反射点23が反射する第1の反射光58の光電力値を除いた分の光電力値の光を出力すると想定する。
本実施形態によれば、第2の光分岐器70の第3の入力ポート72が出力する第2の反射戻り光57の光電力値を第2の光電力計92で測定しながら第2の光分岐器70の分岐比t、および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を調整することができる。そのため、第2の光集積回路102は、第1の実施形態の第1の光集積回路101に比べてより容易に光位相差条件、および光電力比条件を満足させることができる。
次に、第2の実施形態に好適な、各構成要素の具体的な態様について説明する。
第2の光分岐器70のより具体的な構成としては、図10に平面構造を示すマッハツェンダ干渉計230が好適である。
第1の光位相シフタ84のより具体的な構成としては、光導波路の屈折率を変化させる方法によって、温度を変化させることができる局所ヒーターを有し熱光学効果を利用したものがある。また、別の構成として、キャリア密度を変化させることができるショットキー、PN、PIN(P-Intrinsic-N)、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)等の接合部を有しキャリアプラズマ効果を利用したものがある。さらに、別の構成として、電界を変化させることができる電極を有し、ポッケルス効果、カー効果、シュタルク効果またはフランツ‐ケルディッシュ効果を利用したもの等がある。
熱光学効果を用いた光位相シフタは、他の効果を用いた光位相シフタに比べて応答速度が遅いという特徴がある。しかしながら、第1の光位相シフタ84には、通常、それほど高速な応答は必要ないことに加え、第1の光導波路41〜第4の光導波路44としてシリコン光導波路を用いる場合、以下の点で熱光学効果を用いた光位相シフタが好適である。
その理由は、第1には、キャリアプラズマ効果を用いた場合には屈折率の変化と同時に損失の変化が生じる課題があるのに対して、熱光学効果を用いた場合には損失変化が生じない点で好適である。第2には、ポッケルス効果、カー効果、シュタルク効果またはフランツ‐ケルディッシュ効果を用いた場合には屈折率の変化が小さく、光位相シフタが大型化する。それに対して、熱光学効果を用いた場合、より大きな屈折率変化を得ることができるため小型化しやすい点で好適であること等がある。
また、第1の光位相シフタ84と第1の光反射器34とを一体化し、微小アクチュエータ等で反射ミラーの位置を機械的に変化させる構成にしてもよい。
第2の光電力計92のより具体的な構成としては、ゲルマニウム(Ge)受光器が好適である。
次に、第2の光集積回路102の動作原理と制御方法について説明する。
第2の光分岐器70の第2の入力ポート71に光電力値が「1」の入力光51を入力したときの各パラメータを、以下のように設定する。
第2の入力ポート71から第3の出力ポート73への光電力透過率を1−t、第2の入力ポート11から第4の出力ポート74への光電力透過率をt、光反射点23の光電界反射率をr、第1の光反射器34の光電界反射率をsr、第1の光経路と第2の光経路の間の光の位相差をφとする。
第2の光分岐器70の第2の入力ポート71が出力する第1の反射戻り光56の光電力値P56は、式(14)で表すことができる。第2の光分岐器70の第3の入力ポート72が出力する第2の反射戻り光57の光電力値P57は、式(15)で表すことができる。
Figure 0006871560
Figure 0006871560
式(14)は、式(1)と同じなので説明は省略するが、第1の実施形態と同様に式(6)の条件を満たすとき、第2の光分岐器70の第2の入力ポート71が出力する第1の反射戻り光56の光電力値P56は最小となる。
第2の光分岐器70の第3の入力ポート72が出力する第2の反射戻り光57の光電力値P57は、式(15)から、光位相差φの変化に対しては光電力透過率tによらず、φ=2mπ(mは整数)で最小値をとり、φ=(2m+1)π(mは整数)で最大値をとる。したがって、第1の光位相シフタ84は、第2の反射戻り光57の光電力値P57を第2の光電力計92で測定しながら第1の光位相シフタ84の位相シフト量を調整し、第2の反射戻り光57の光電力値P57を最大にすることで光位相差条件(式(6)の第1式)を満たすように光位相差φを設定することができる。
一方、第2の反射戻り光57の光電力値P57は、式(15)から、分岐比tの変化に対しては光位相差φによらず、t=0.5で最大値をとることが計算できる。したがって、第2の光分岐器70は、第2の光電力計92が測定した第2の反射戻り光57の光電力値P57に基づいて第2の光分岐器70の分岐比tを調整して、第2の反射戻り光57の光電力値P57を最大にしてもt=0.5の条件を得るだけである。すなわち、この方法では、第2の光分岐器70は、光電力比条件(式(6)の第2式)を満たすことはできない。第1の反射戻り光56が最小となるときの第2の反射戻り光57の光電力値P57は、式(15)に式(6)を代入することで得ることができる。その値は、式(16)で表すことができる。
Figure 0006871560
しかしながら、光反射点23の光電界反射率r、および第1の光反射器34の光電界反射率srを実測することは困難であるから、式(16)を満たすように第2の光分岐器70の分岐比t、および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を調整するには工夫が必要である。
図3は、本実施形態において、半導体レーザ61への第1の反射戻り光56が最小となる最適な状態に第2の光分岐器70の分岐比t、および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を設定する手順を示した工程フロー図である。以下、図3を参照してその制御方法を説明する。
まず、第2の光分岐器70は、分岐比tを調整して第2の光電力計92の光電力値を最大化する(工程301)。すなわち、第2の光分岐器70は、分岐比tを調整して第2の光電力計92の光電力値を最大化することで、第2の光電力計92の光電力値(第2の反射戻り光57の光電力値)は、式(15)の分岐比tの変化に対する最大値をとる。すなわち、光電力値P57は、式(15)にt=0.5を代入した式(17)で表すことができる。
Figure 0006871560
なお、工程301は必須では無いが、第2の反射戻り光57の光電力値を最大化することで、この後の工程で光電力値の測定精度を改善できる点で実施することが好ましい。
次に、第2の光分岐器70の分岐比tは固定したまま、第1の光位相シフタ84は、位相シフト量を調整し、第2の光電力計92の光電力値を最小化する。そして、第2の光電力計92は、そのときの第2の光電力計92の光電力値である光電力値Pminを記録する(工程302)。この記録は、別途用意されたメモリ等に格納することによって記録しても良い。第1の光位相シフタ84が位相シフト量を調整して第2の光電力計92の光電力値を最小化すると、第2の光電力計92の光電力値は式(17)の光位相差φの変化に対する最小値をとる。すなわち、光電力値Pminは、式(17)にφ=2mπ(mは整数)を代入した、式(18)で表すことができる。第2の光電力計92は、光電力値Pminとして、式(18)の値を記録する。
Figure 0006871560
次に、第1の光位相シフタ84は、第2の光分岐器70の分岐比tは固定したまま、位相シフト量を調整して第2の光電力計92の光電力値を最大化する。そして、第2の光電力計92は、そのときの第2の光電力計92の光電力値である光電力値Pmaxを記録する(工程303)。第1の光位相シフタ84が位相シフト量を調整して第2の光電力計92の光電力値を最大化すると、第2の光電力計92の光電力値は式(17)の光位相差φの変化に対する最大値をとる。すなわち、光電力値Pmaxは、式(17)にφ=(2m+1)π(mは整数)を代入した、式(19)で表すことができる。第2の光電力計92は、光電力値Pmaxとして、式(19)の値を記録する。
Figure 0006871560
次に、第2の光分岐器70は、第1の光位相シフタ84の位相シフト量を固定したまま、分岐比tを調整して第2の光電力計92の光電力値を(Pmax−Pmin)に設定する(工程304)。すなわち、第2の光分岐器70が分岐比tを調整して第2の光電力計92の光電力値を(Pmax−Pmin)に設定すると、式(18)、および式(19)から(Pmax−Pmin)は式(20)で表すことができる。
Figure 0006871560
式(20)は式(16)と一致するので、第1の反射戻り光56が最小となる最適な状態に第2の光分岐器70の分岐比t、および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を同時に設定できたことになる。
本制御方法によれば、光反射点23の位置や光電界反射率、第1の光反射器34の位置や光電界反射率、第2の光分岐器70の分岐比t等が不明であっても、工程301〜304を順番に実施するだけで、第1の反射戻り光56が最小となる最適な状態を実現することができる。
[第3の実施形態]
次に本発明の第3の実施形態に関して図4を参照して以下に説明する。なお、図4は本実施形態の光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。
本実施形態の第3の光集積回路103は、第2の実施形態の第2の光集積回路102の第2の光導波路42、および第3の光導波路43上に第3の光電力計93、および第4の光電力計94を更に配置した構成となっている。
第3の光電力計93は、第2の光分岐器70と、光反射点23との間に位置している。第3の光電力計93は、第2の光導波路42を介して、第2の光分岐器70の第3の出力ポート73と光学的に接続されている。また、第3の光電力計93は、第2の光分岐器70の第3の出力ポート73が出力する第1の出力光53の光電力値を測定する。以下では、第3の光電力計93が測定した第1の出力光53の光電力値を、第3の光電力計93の光電力値と呼ぶことがある。
第4の光電力計94は、第2の光分岐器70と、第1の光位相シフタ84との間に位置している。第4の光電力計94は、第3の光導波路43を介して、第2の光分岐器70の第4の出力ポート74と光学的に接続されている。また、第4の光電力計94は、第2の光分岐器70の第4の出力ポート74が出力する第2の出力光54の光電力値を測定する。以下では、第4の光電力計94が測定した第2の出力光54の光電力値を、第4の光電力計94の光電力値と呼ぶことがある。
次に、第3の光集積回路103を光送信器の一部として考えた場合における光送信器の光電力値について説明する。光送信器は、第2の光分岐器70の第3の出力ポート73が出力する第1の出力光53の光電力から、光反射点23が反射する第1の反射光58の光電力を除いた分の光電力値の光を出力すると想定する。
本実施形態によれば、第3の光電力計93、および第4の光電力計94の光電力値を用いて第2の光分岐器70の分岐比tを計算することができる。また、本実施形態は、第3の入力ポート72が出力する第2の反射戻り光57の光電力値を第2の光電力計92で測定しながら第1の光反射器34の光電界反射率および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を調整する。このような構成により、第3の光集積回路103は、第1の実施形態の第1の光集積回路101に比べてより容易に光位相差条件および光電力比条件を満足させることができる特徴がある。
次に、第3の実施形態に好適な、各構成要素の具体的な態様について説明する。
第1の光反射器34の具体的な構成としては、第1の実施形態と同様に、図11に示すような、第9の分岐器内光導波路241を含み、第2の干渉計内位相シフタ243を内蔵したマッハツェンダ干渉計型ループミラー240が、光損失が小さく光電界反射率を容易に調整できる点で好適である。また、光電界反射率を調整できる光反射器の別の例としては、図12に示すような光電界反射率が固定のループミラー250と、第10の干渉計内光導波路251と、光減衰器または光増幅器252とを組み合わせた構成でもよい。
第3の光電力計93、および第4の光電力計94の具体的な構成としては、光の損失や反射が小さいものが好ましく、このような光電力計としては非特許文献1に開示されているContact Less Integrated Photonic Probe (CLIPP)が好適である。
次に、第3の光集積回路103の動作原理と制御方法を図5を参照して説明する。図5は本実施形態において、半導体レーザ61への第1の反射戻り光56が最小となる最適な状態に設定するために、第1の光反射器34の光電界反射率sr、および第1の光位相シフタ84の位相シフト量を設定する手順を示した工程フロー図である。
各素子の光電力透過率、および光電界反射率等の表示を第2の実施形態と同様とすると、第2の光分岐器70の第3の入力ポート72が出力する第2の反射戻り光57の光電力値P57は、式(15)で表すことができる。したがって、光電力値P57は、分岐比tによらず、式(21)のとき、最小値をとる。
Figure 0006871560
したがって、まず、第1の光位相シフタ84は、位相シフト量を調整して、第2の光電力計92の光電力値を最小化する(工程501)。
次に、第1の光反射器34は、光電界反射率を調整して第2の光電力計92の光電力値を最小化する(工程502)。工程501、および502を行うことによって、式(21)の状態を得ることができる。なお、工程501と502は順番が逆でも良いし、第2の光電力計92の光電力値が最小になるまで繰り返してもよい。
次に、第3の光電力計93は、第2の光電力計92の光電力値が最小となった時の、第3の光電力計93の光電力値Pを記録する。第4の光電力計94は、第2の光電力計92の光電力値が最小となった時の、第4の光電力計94の光電力値Pを記録する(工程503)。
次に、第1の光反射器34の光電界反射率を固定したまま、第1の光位相シフタ84は、位相シフト量を調整して第2の光電力計92の光電力値を最大化する。そして、第2の光電力計92は、その時の光電力値(Pmax’)を記録する(工程504)。具体的には、第2の光電力計92の光電力値(Pmax’)は、式(15)に式(22)を代入した式(23)で表すことができる。
Figure 0006871560
Figure 0006871560
式(8),式(16),式(23)から、第1の反射戻り光56が最小となるときの第2の反射戻り光57の光電力値は、式(24)で与えられる。
Figure 0006871560
次に、第1の光反射器34は、光電界反射率を調整して第2の光電力計92の光電力値をPmax’/(4t)に設定する(工程505)。第1の光反射器34は、工程504で第2の光電力計92が光電力値(Pmax’)を記録すれば、あとは第2の光分岐器70の分岐比tが分かれば、工程505を行うことで、第1の反射戻り光56が最小となるように光電界反射率rを設定できる。
分岐比tは、工程503において、第3の光電力計93、および第4の光電力計94を用いて第2の光分岐器70の第1の出力光53、および第2の出力光54の光電力を測定できれば計算できる。しかしながら、CLIPPを第3の光電力計93、および第4の光電力計94に用いた場合、CLIPPは光の進行方向を区別することが出来ないので、第3の光電力計93の光電力の測定値は、第2の光分岐器70からの第1の出力光53の光電力値と、光反射点23からの第1の反射光58の光電力値の和となる。同様に、第4の光電力計94の光電力の測定値は、第2の光分岐器70からの第2の出力光54の光電力値と第1の光反射器34からの第2の反射光59の光電力値の和となる。したがって、第3の光電力計93の光電力値(P)、および第4の光電力計94の光電力値(P)は、それぞれ、式(25)、式(26)で表すことができる。
Figure 0006871560
Figure 0006871560
第2の光分岐器70の分岐比tは、s=1の場合に限っては、式(25)、および式(26)から、式(27)で表すことができる。
Figure 0006871560
前述の通り、工程501および502を実行した後は、第1の光反射器34の光電界反射率を調整して第2の光電力計92の光電力値を最小化しているため、s=1が実現されている。そのため、工程503に示すように第3の光電力計93は、光電力値(P)を記録し、および第4の光電力計94は、光電力値(P)を記録しておく。これにより、第2の光分岐器70は、式(27)を用いて第1の反射光58、および第2の反射光59の影響を受けずに分岐比tを計算することができる。なお、工程503と504は順番が逆でも良い。
[第4の実施形態]
次に本発明の第4の実施形態に関して図6を参照して以下に説明する。なお、図6は本実施形態の光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。
本実施形態の第4の光集積回路104は、第2の実施形態の第2の光集積回路102の光反射点23、および第1の光反射器34が、それぞれ第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39で構成されている。第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39は、それぞれが基板の外に出力する光の偏光が互いに直交し、単一の外部光導波路に結合するように配置されている。
次に、第4の光集積回路104を光送信器の一部として考えた場合における光送信器の光電力値について説明する。本実施形態では、第1の回析格子型結合器28は、第2の光分岐器70の第3の出力ポート73が出力する第1の出力光53から第1の回折格子型結合器28による第1の反射光58を除いた分の光電力の光を送信器の出力として出力すると想定する。同様に、第2の回析格子型結合器39が、第2の光分岐器70の第4の出力ポート74が出力する第2の出力光54から、第2の回折格子型結合器39による第2の反射光59を除いた分の光電力の光を光送信器の出力として出力すると想定する。
本実施形態によれば、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39が基板の外に出力する光は、互いに偏光が直交している。したがって、第1の回析格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39がそれぞれ出力する光は、外部光導波路がシングルモード光導波路であるか、マルチモード光導波路であるかに関わらず、互いに干渉することなく外部光導波路に結合することができる。すなわち、第4の光集積回路104は、特許文献1および2で課題となっていた3dB 以上の原理的な光損失やマルチモード導波路への結合およびマルチモード導波路内での伝送における不安定等が生じない特徴がある。
また、第4の光集積回路104は、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39の光電界反射率が異なっていても、第2の実施形態と同様に第2の光分岐器70の分岐比tを制御することで、半導体レーザ61への第1の反射戻り光56を最小にすることができる。
さらに、第4の光集積回路104は、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39に類似の構造を用いることにより、両者の反射特性の波長依存性や温度依存性を一致させ、より広い波長範囲、および温度範囲で反射低減が可能となる特徴がある。
より具体的には、第4の光集積回路104では、図6に示すように、半導体レーザ61が第1の光導波路41に入力する第1の光の偏光66を、TE(Transverse Electric)-likeモード、すなわち図6においてy軸と平行な方向とする。第5の光導波路48から第1の回析格子型結合器28に入力する第2の光の偏光68は、x軸と平行な方向とする。第6の光導波路49から第2の回析格子型結合器39に入力する第3の光の偏光69は、y軸と平行な方向とする。
第4の光集積回路104は、第1の回折格子型結合器28に接続される第5の光導波路48と、第2の回折格子型結合器39に接続される第6の光導波路49が互いに直交するように配置する。第5の光導波路48と、第6の光導波路49とを、このように配置することで、第4の光集積回路104において、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39内を伝搬する光の進行方向を互いに直交させることができる。さらに、第5の光導波路48と、第6の光導波路49とが、互いに直交しているため、第1の回折格子型結合器28が出力する第2の光の偏光68と、第2の回折格子型結合器39が出力する第3の光の偏光69を直交させることができる。
なお、外部光導波路への結合効率の改善および反射戻り光の低減を行うためには、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39に適宜チャープ、アポダイズ、2次元レンズ構造等を適用すると、より好適である。第4の実施形態においては、半導体レーザ61への第1の反射戻り光56を最小にするための調整方法については、第2または第3の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
次に本発明の第5の実施形態に関して図7を参照して以下に説明する。なお、図7は本実施形態の光集積回路の回路構造を示す模式的なブロック図である。
本実施形態の第5の光集積回路105は、第4の実施形態の第4の光集積回路104において、半導体レーザ61と第2の光分岐器70の間に光変調器65を設置している。更に、第5の光集積回路105は、第2の光反射器134、第3の光分岐器170、第2の光位相シフタ184、第5の光電力計192を備えている。
第4の実施形態の第4の光集積回路104では、第1の回折格子型結合器28および第2の回析格子型結合器39からの反射光58および59が半導体レーザ61に入力する反射戻り光51となる比率を最小にする手段を提供しているが、本実施形態の第5の光集積回路105ではそれに加えて光変調器65からの第3の反射光158が半導体レーザ61に入力する第3の反射戻り光156となる比率を最小にする手段を提供している。そのため、本実施形態は、第3の反射戻り光156の光電力を低減するために、半導体レーザ61と光変調器65の間に、第2の実施形態で示した第2の光集積回路102から半導体レーザ61を除いた構成を設置した構成となっている。
すなわち、第5の光集積回路105における第3の光分岐器170、光変調器65、第2の光反射器134、第2の光位相シフタ184、第5の光電力計192は、それぞれ第2の光集積回路102における第2の光分岐器70、光反射点23、第1の光反射器34、第1の光位相シフタ84、第2の光電力計92と同様に機能する。
次に、第5の光集積回路105を光送信器の一部として考えた場合における光送信器の光電力値について説明する。光送信器は、第1の回折格子型結合器28、および第2の回析格子型結合器39が光を出力すると想定する。
本実施形態によれば、第1の回折格子型結合器28が出力する第1の反射光58だけでなく、光変調器65からの第3の反射光158も低減することができる。
以上、本発明の第1の実施形態〜第5の実施形態によれば、本発明を用いることで、光集積回路内で反射の発生が想定される箇所ごとに反射の種類に応じた反射戻り光低減構造を設置することで、個別に様々な反射戻り光を低減することができる。
上記の各実施形態の一部、または全部は、以下の付記のようにも記載されうる。なお、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、
前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、
を含み、
前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第1の光経路の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第2の光経路の光位相変化量との間の光位相差が、実質的にπの奇数倍に設定されており、
前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比が、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定されていることを特徴とする光集積回路。
[付記2]
前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方に、前記第1の反射光と、前記第2の反射光との光位相差を調整できる光位相調整部を更に含むことを特徴とする付記1に記載の光集積回路。
[付記3]
前記光位相調整部は、前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方の一部の温度、キャリア密度、電界、応力、およびひずみの少なくとも1つを調整することを特徴とする付記2に記載の光集積回路。
[付記4]
前記光分岐部は、前記第1及び第2の出力光の光電力比を調整する手段を含むことを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の光集積回路。
[付記5]
前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方に、前記第1及び前記第2の出力光の光電力の比を調整することができる光電力調整部を更に含むことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の光集積回路。
[付記6]
前記光電力調整部は、光減衰器、または光増幅器であることを特徴とする付記5に記載の光集積回路。
[付記7]
前記第1及び第2の光反射部の少なくとも一方は、反射率を調整する機能を有することを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の光集積回路。
[付記8]
前記第1及び前記第2の光反射部は、いずれも回析格子型結合器であり、前記回析格子型結合器は、それぞれが出力する光の偏光が互いに直交し、かつ単一の外部の光導波路に結合するように配置されていることを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載の光集積回路。
[付記9]
前記第1の入力ポートに、前記第1の入力ポートが出力する反射戻り光の光電力を測定する第1の光電力計が光学的に接続されていることを特徴とする付記1〜8のいずれかに記載の光集積回路。
[付記10]
前記光分岐部は、少なくとも第2の入力ポートを更に備え、
前記第2の入力ポートに前記第2の入力ポートが出力する反射戻り光の光電力を測定する第2の光電力計が光学的に接続されていることを特徴とする付記1〜9のいずれかに記載の光集積回路。
[付記11]
前記第1及び前記第2の出力ポートに、それぞれ光電力を測定する第3及び第4の光電力計が光学的に接続されていることを特徴とする付記10に記載の光集積回路。
[付記12]
前記第1の入力ポートに半導体レーザが接続されていることを特徴とする付記1〜11のいずれかに記載の光集積回路。
[付記13]
前記半導体レーザの出力光を検出できる位置に、相対強度雑音測定器を備えることを特徴とする付記12に記載の光集積回路。
[付記14]
少なくとも前記光分岐部、前記第1の光反射部、前記第2の光反射部が同一基板上に集積されていることを特徴とする付記1〜13のいずれかに記載の光集積回路。
[付記15]
更に前記半導体レーザも前記同一基板上に集積されていることを特徴とする付記14に記載の光集積回路。
[付記16]
入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、前記第1及び前記第2出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、を含む光集積回路の制御方法であって、
前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する際の光位相変化量との間の光位相差を、実質的にπの奇数倍に設定する工程と、
前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比を、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定する工程と、を含むことを特徴とする光集積回路の制御方法。
[付記17]
前記第1の光経路内、および前記第2の光経路内の少なくとも一方の一部の温度、キャリア密度、電界、応力、およびひずみの少なくとも1つを調整する、ことを特徴とする付記16に記載の光集積回路の制御方法。
[付記18]
前記光電力比を設定する工程では、前記第1及び第2の出力光の光電力比を調整することを特徴とする付記16または17に記載の光集積回路の制御方法。
[付記19]
前記第1及び前記第2の光反射部の光電界反射率の少なくとも一方を調整する工程を含むことを特徴とする付記16〜18のいずれかに記載の光集積回路の制御方法。
[付記20]
前記光分岐部は、少なくとも第2の入力ポートを更に備え、
前記第2の入力ポートに前記第2の入力ポートが出力する反射戻り光の光電力を測定する工程を含む、付記16〜19のいずれかに記載の光集積回路の制御方法。
[付記21]
付記11に記載の光集積回路の制御方法であって、
前記光電力比を調整して前記第2の光電力計の光電力値を最大にする工程と、
前記光位相差を調整して前記第2の光電力計の光電力値を最小にし、その光電力値Pminを記録する工程と、
前記光位相差を調整して前記第2の光電力計の光電力値を最大にし、その光電力値Pmaxを記録する工程と、
前記光電力比を調整して前記第2の光電力計の光電力値をPmax−Pminに設定する工程と、を含むことを特徴とする光集積回路の制御方法。
[付記22]
付記12に記載の光集積回路の制御方法であって、
前記光位相差を調整して、前記第2の光電力計の光電力値を最小にする工程と、
前記光電力比を調整して、前記第2の光電力計の光電力値を最小にする工程と、
前記光位相差を調整して、前記第2の光電力計の光電力を最大にし、その時の前記第2の光電力計の光電力値Pmaxと、前記第3の光電力計の光電力値Pと、前記第4の光電力計の光電力値Pを記録する工程と、
前記光電力比を調整して前記第2の光電力計の光電力値をPmax(1+P/P/4に設定する工程と、を含むことを特徴とする光集積回路の制御方法。
1・・・光分岐部
2・・・光集積回路
3・・・第1の光反射部
4・・・第2の光反射部
10・・・第1の光分岐器
11・・・第1の入力ポート
13・・・第1の出力ポート
14・・・第2の出力ポート
23・・・光反射点
28・・・第1の回析格子型結合器
34・・・第1の光反射器
39・・・第2の回折格子型結合器
41・・・第1の光導波路
42・・・第2の光導波路
43・・・第3の光導波路
44・・・第4の光導波路
48・・・第5の光導波路
49・・・第6の光導波路
51・・・入力光
53・・・第1の出力光
54・・・第2の出力光
56・・・第1の反射戻り光
57・・・第2の反射戻り光
58・・・第1の反射光
59・・・第2の反射光
61・・・半導体レーザ
65・・・光変調器
66・・・第1の光の偏光
68・・・第2の光の偏光
69・・・第3の光の偏光
70・・・第2の光分岐器
71・・・第2の入力ポート
72・・・第3の入力ポート
73・・・第3の出力ポート
74・・・第4の出力ポート
84・・・第1の光位相シフタ
92・・・第2の光電力計
93・・・第3の光電力計
94・・・第4の光電力計
101・・・第1の光集積回路
102・・・第2の光集積回路
103・・・第3の光集積回路
104・・・第4の光集積回路
105・・・第5の光集積回路
134・・・第2の光反射器
156・・・第3の反射戻り光
158・・・第3の反射光
170・・・第3の光分岐器
184・・・第2の光位相シフタ
192・・・第5の光電力計
210・・・方向性結合器
211・・・第1の分岐器内光導波路
212・・・第2の分岐器内光導波路
220・・・マルチモード干渉結合器
221・・・第3の分岐器内光導波路
222・・・第4の分岐器内光導波路
223・・・第5の分岐器内光導波路
224・・・第6の分岐器内光導波路
225・・・マルチモード領域
230・・・マッハツェンダ干渉計
231・・・第7の分岐器内光導波路
232・・・第8の分岐器内光導波路
233・・・第1の干渉計内光位相シフタ
240・・・マッハツェンダ干渉計型ループミラー
241・・・第9の分岐器内光導波路
243・・・第2の干渉計内光位相シフタ
250・・・ループミラー
251・・・第10の干渉計内光導波路
252・・・光減衰器または光増幅器

Claims (10)

  1. 入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、
    前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、
    を含み、
    前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第1の光経路の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第2の光経路の光位相変化量との間の光位相差が、実質的にπの奇数倍に設定されており、
    前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比が、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定されていることを特徴とする光集積回路。
  2. 前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方に、前記第1の反射光と、前記第2の反射光との光位相差を調整できる光位相調整部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光集積回路。
  3. 前記光位相調整部は、前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方の一部の温度、キャリア密度、電界、応力、およびひずみの少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項2に記載の光集積回路。
  4. 前記光分岐部は、前記第1及び第2の出力光の光電力比を調整する手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光集積回路。
  5. 前記第1及び前記第2の光経路内の少なくとも一方に、前記第1及び前記第2の出力光の光電力の比を調整することができる光電力調整部を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光集積回路。
  6. 前記光電力調整部は、光減衰器、または光増幅器であることを特徴とする請求項5に記載の光集積回路。
  7. 前記第1及び第2の光反射部の少なくとも一方は、光電界反射率を調整する機能を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光集積回路。
  8. 入力光を受ける第1の入力ポートと、前記入力光を分割して、第1及び第2の出力光としてそれぞれ出力する第1及び第2の出力ポートとを少なくとも備えた等分岐比以外の分岐比を持つ光分岐部と、前記第1及び前記第2出力ポートにそれぞれ接続され前記第1及び第2の出力光をそれぞれ第1及び第2の反射光として反射する第1及び第2の光反射部と、を含む光集積回路の制御方法であって、
    前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第1の出力ポート、前記第1の光反射部、前記第1の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第1の光経路の光位相変化量と、前記第1の入力ポートに入射した前記入力光が前記第2の出力ポート、前記第2の光反射部、前記第2の出力ポート、前記第1の入力ポートの順に往復する第2の光経路の光位相変化量との間の光位相差を、実質的にπの奇数倍に設定する工程と、
    前記第1及び前記第2の出力ポートがそれぞれ出力する前記第1及び前記第2の出力光の光電力比を、前記第1及び前記第2の出力ポートにそれぞれ入射する前記第1及び前記第2の反射光の光電力比の逆数に実質的に等しくなるように設定する工程と、を含むことを特徴とする光集積回路の制御方法。
  9. 前記第1の光経路内、および前記第2の光経路内の少なくとも一方の一部の温度、キャリア密度、電界、応力、およびひずみの少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項8に記載の光集積回路の制御方法。
  10. 前記光電力比を設定する工程では、前記第1及び第2の出力光の光電力比を調整することを特徴とする請求項8または9に記載の光集積回路の制御方法。
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