JP6870891B2 - 筋ジストロフィー患者の治療のためのオリゴヌクレオチド - Google Patents

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発明の分野
本発明は、ヒト遺伝学の分野、より具体的にはmRNA前駆体の2つ以上のエクソンのスキッピングを好ましくは誘導できる単一オリゴヌクレオチドを設計するための方法に関する。本発明は、前記オリゴヌクレオチド、前記オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物、及び本明細書において特定されている前記オリゴヌクレオチドの使用をさらに提供する。
発明の背景
オリゴヌクレオチドは筋ジストロフィーのような遺伝性障害を治療するための医学において現れている。筋ジストロフィー(MD)とは、骨格筋の進行性衰弱及び変性によって特徴付けられる遺伝性疾患を指す。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及びベッカー型筋ジストロフィー(BMD)が筋ジストロフィーの最も一般的な小児型であり、本発明を例示するために本明細書に使用される。DMDは12歳の前に車椅子のサポートに依存することとなる重度の致死性の神経筋障害であり、DMD患者は多くの場合、呼吸又は心不全に起因して30歳の前に死ぬ。
DMDは、DMD遺伝子の変異、主にフレームシフト欠失又は1つ若しくは複数のエクソンの複製、小ヌクレオチド挿入若しくは欠失によって、又は典型的に機能的ジストロフィンの不在をもたらすナンセンス点突然変異によって引き起こされる。この10年の間、DMD転写物の破壊されたリーディングフレームを修復するためにスプライシングの特別に誘導された修飾がデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のための有望な治療として現れている(van Ommen G.J.ら、Yokota T.ら、van Deutekomら、Goemans N.M.ら)。変異に隣接するか又は変異を含有し、そのスプライシングシグナルを妨げる特異的エクソンを標的とする配列特異的アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を使用して、そのエクソンのスキッピングがDMD mRNA前駆体のプロセシングの間に誘導され得る。得られる切断された転写物にもかかわらず、オープンリーディングフレームは修復され、典型的に軽度のベッカー型筋ジストロフィー患者において見出されるものと類似するタンパク質が導入される。AON誘導性エクソンスキッピングは変異特性を与えるので、DMD患者及び特定の重度のBMD患者のための治療的アプローチを個人向けにする可能性がある。ほとんどの変異はDMD遺伝子におけるエクソン45〜55周辺に集まっているので、その領域における1つの特定のエクソンのスキッピングは様々な変異を有する患者の亜集団のための治療であり得る。エクソン51のスキッピングは、エクソン45〜50、48〜50、50又は52の欠失を有する患者を含む、患者の最大の亜集団(約13%)に影響を与える。いくつかの変異に関して、1つより多いエクソンのスキッピングは、オープンリーディングフレームを修復するのに必要とされる。例えば、DMD遺伝子においてエクソン46〜エクソン50の欠失を有するDMD患者の場合、エクソン45及び51の両方のスキッピングのみが矯正手段となる。これらの患者を治療するために、2つのオリゴヌクレオチド(一方はエクソン45を標的とし、他方はエクソン51を標的とする)の投与が必要とされる。カクテル又はウイルスにより送達された遺伝子構築物のいずれかにおいて、AONの組み合わせを使用することによって2つ又は複数の連続エクソンをスキッピングする実行可能性が広範囲に研究されている(Aartsma−Rus A.ら,2004;Beroud C.ら;Van Vliet L.ら;Yokota T.ら;Goyenvalle A.ら)。マルチエクソンスキッピングが患者の混合した亜集団に適用可能であり、比較的軽度の表現型と関連していることが知られている欠失の模倣を可能にし、DMD遺伝子におけるホットスポット欠失領域の外側で稀な変異を扱う手段を提供する。しかしながら、複数のオリゴヌクレオチドを含む薬物の開発についての欠点は、薬物規制機関が、異なる配列のオリゴヌクレオチドを異なる薬物と考える場合があり、各々が安全な製造、毒性試験及び臨床試験の証明を必要とすることである。したがって、DMD患者の混合した亜集団の治療を促進するために少なくとも2つのエクソンのスキッピングを誘導できる単一分子化合物についての必要性が存在する。
発明の説明
本発明は単一オリゴヌクレオチドを設計するための方法であって、前記オリゴヌクレオチドは同じmRNA前駆体内の第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する、方法を提供する。前記方法によって得ることが可能なオリゴヌクレオチドは、前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングを好ましくは誘導できる。さらなるエクソンのスキッピングも好ましくは誘導され、前記さらなるエクソンは、好ましくは前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置する。前記エクソンがスキップされる、得られる前記mRNA前駆体の転写物は、インフレームである。
オリゴヌクレオチド:
第1の態様において、本発明は、同じmRNA前駆体内の第1のエクソンの領域及び第2のエクソンに領域に結合できるオリゴヌクレオチドであって、前記第2のエクソンの前記領域が前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する、オリゴヌクレオチドに関する。
このオリゴヌクレオチドは、前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを好ましくは誘導でき、より好ましくはさらなるエクソンのスキッピングが誘導され、前記さらなるエクソンは、好ましくは前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置し、得られる転写物はインフレームである。
エクソンスキッピングは真核細胞内で生じる天然のスプライシングプロセスを妨げる。高等真核生物において、細胞のDNAにおけるタンパク質についての遺伝情報はイントロン配列によって互いから分離されるエクソンにおいてコードされる。これらのイントロンは、いくつかの場合、非常に長い。真核生物の転写機序はエクソン及びイントロンの両方を含有するmRNA前駆体を生成するのに対して、スプライシング機序は、多くの場合、mRNA前駆体の進行中の産生の間既に、スプライシングと呼ばれるプロセスの間、mRNA前駆体に存在するイントロンを除去しエクソンを結合することによってタンパク質についての実際のコードmRNAを生成している。
mRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域及び同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合できる本発明のオリゴヌクレオチドは、mRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域への結合に適し、同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域への結合に適したオリゴヌクレオチドと解釈される。本発明のこのようなオリゴヌクレオチドは、好ましくは、細胞内で、mRNA前駆体とともに使用される場合又はmRNA前駆体と組み合わせて使用される場合、そのオリゴヌクレオチドの結合特性(すなわち結合できる)によって特徴付けられる。この文脈内で、「できる(capable of)」は「可能である(able to)」に置き換えられてもよい。それ故、当業者は、第1のエクソンの領域に結合でき、同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合でき、ヌクレオチド配列によって定義されるオリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドを構造的に定義すること、つまり前記オリゴヌクレオチドが、前記第1のエクソンの前記領域の配列と逆相補的であり、また、同じmRNA前駆体の前記第2のエクソンの前記領域の配列と逆相補的であるような配列を有することを理解するであろう。本発明のオリゴヌクレオチドに必要とされる前記第1のエクソンの前記領域及び/又は前記第2のエクソンの前記領域との逆相補性の程度は100%未満であってもよい。本明細書でさらに扱われる場合、ある程度の量のミスマッチ又は1つ若しくは2つのギャップが許容され得る。本発明のオリゴヌクレオチドが結合できる、前記第2のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する第1のエクソンの領域のヌクレオチド配列(又は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する第2のエクソンの領域のヌクレオチド配列)は、後述の本発明の方法を用いて設計され得る。好ましいmRNA前駆体はジストロフィンmRNA前駆体である。
ジストロフィンmRNA前駆体の第1のエクソン及び第2のエクソンの好ましい組み合わせ並びに前記第1のジストロフィンエクソン及び第2のジストロフィンエクソンの好ましい領域は表2に定義されている。本発明のオリゴヌクレオチドは、前記ジストロフィンmRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを好ましくは誘導でき、さらなるエクソンのスキッピングがより好ましくは誘導され、前記さらなるエクソンは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に好ましくは位置し、得られるジストロフィン転写物はインフレームであり、好ましくは表1に記載のものである。
転写物が、タンパク質の産生を可能にするオープンリーディングフレームを有する場合、その転写物はインフレームである。mRNAのインフレーム状態は、当業者に知られている配列及び/又はRT−PCR分析によって評価され得る。インフレーム転写物の翻訳に由来する、得られるタンパク質は、当業者に知られている、前記タンパク質と交差反応する抗体を使用して、免疫蛍光及び/又はウェスタンブロット分析によって分析され得る。本発明全体にわたって、得られるインフレーム転写物がRT−PCR及び/又は配列分析によって同定される場合、又は前記インフレーム転写物から得られるタンパク質が、転写物の同一性に応じて、関連したインビトロ又はインビボ系において、免疫蛍光及び/又はウェスタンブロット分析によって同定される場合、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドは機能的といわれ得る。転写物がジストロフィン転写物である場合、関連する系は、以下に説明されるように、健康なドナー又はDMD患者の筋細胞又は筋管又は筋線維又は筋原線維であり得る。
一実施形態において、第2のエクソンの領域(第1のエクソンの領域と同じmRNA前駆体内に存在する)は、上記第1のエクソンの領域と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%の同一性を有する(第1のジストロフィンエクソン及び第2のジストロフィンエクソンの好ましい領域は表2に記載されている)。同一性は、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの全体の長さにわたって又は本明細書におけるジストロフィンエクソンについて例示されている13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200若しくはそれら以上のヌクレオチドの領域にわたって評価され得る。本明細書に記載の第1のエクソン及び第2のエクソンが1つの単一mRNA前駆体の2つの異なるエクソン又は同じmRNA前駆体内の2つの異なるエクソンであることは当業者にとって自明である。本明細書に記載の第1のエクソンは本明細書に記載の同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの上流(すなわち5’)に位置してもよく、或いは前記第2のエクソンは前記第1のエクソンの上流であってもよい。
前記第1のエクソンは前記第2のエクソンから上流に位置することが好ましい。本発明のオリゴヌクレオチドは第一次的に第1のエクソンの領域に結合できるように設計され得、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンの領域の同一性を考慮して、前記オリゴヌクレオチドは第二次的に前記第2のエクソンの前記領域にも結合できるように設計され得ることは当業者にとって自明である。逆の設計も可能である。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチドは第一次的に第2のエクソンの領域に結合できるように設計され得、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンの領域の同一性を考慮して、前記オリゴヌクレオチドは第二次的に前記第1のエクソンの前記領域にも結合できるように設計され得る。
前記第1のエクソンの領域と前記第2のエクソンの領域との間の同一性は前記第1のエクソンの領域全体にわたって評価され得、その領域は、本発明のオリゴヌクレオチドが結合できるその領域の部分より短くてもよく、長くてもよく、又は等しい長さであってもよい。本発明において、第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域は同一性領域(identity region)としても特定され得る。第2のエクソンの領域との同一性を定義する第1のエクソンの領域は、本発明のオリゴヌクレオチドが結合できるその領域の部分と同じ長さであるか又はより長いことが好ましい。本発明のオリゴヌクレオチドは、第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの配列同一性を評価するために使用される前記領域のより小さな部分又は部分的に重複している部分に結合できることが理解されなければならない。したがって、第1のエクソン及び第2のエクソンの領域に結合できるオリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンの前記領域の一部に結合できることは理解される。前記部分は前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの前記領域と同じ長さであってもよい。前記部分は前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの前記領域より短くてもよいか又は長くてもよい。前記部分は前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの前記領域内に含まれてもよい。前記部分は前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの前記領域と重複してもよい。この重複は前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの領域の5’及び/又は3’側における1、2、3、4、5又はそれ以上のヌクレオチドであってもよい。オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの領域より長いか又は短い少なくとも1、2、3、4、5又はそれ以上のヌクレオチドであってもよく、前記第1の領域及び/又は第2の領域の5’又は3’側であってもよい。
第1のエクソンと第2のエクソンとの間の同一性を計算するために使用される、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、又は最大で90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200又はそれ以上のヌクレオチドである領域は、領域全体にわたる同一性が少なくとも50%である限り、連続したストレッチ(stretch)であってもよく、1、2、3、4又はそれ以上のギャップで中断されてもよい。
第1のエクソンの領域と第2のエクソンの領域との間の同一性は当業者に公知の任意のプログラムを用いて評価され得る。前記同一性は以下のように評価されることが好ましい:デフォルト設定(マトリクス:EDNAFULL;ギャップ_ペナルティ:16;伸長_ペナルティ:4)を使用したオンラインツールEMBOSS Matcherを使用した第1のエクソンと第2のエクソンとの間の最適ペアワイズアラインメント。
本明細書において、オリゴヌクレオチドは、好ましくは、同じmRNA前駆体内の第1のエクソン及び第2のエクソンの領域又は領域の一部に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的であるオリゴマーを指す。
本明細書で同定されている(つまり、同じmRNA前駆体内の第1のエクソンの領域及び別のエクソン(すなわち第2のエクソン)の領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する)、オリゴヌクレオチドはまた、好ましくは、前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも80%逆相補的であり、前記第2のエクソンの前記領域と少なくとも45%逆相補的である。前記オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも85%、90%、95%又は100%逆相補的であり、前記第2のエクソンの前記領域と少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%逆相補的であることがより好ましい。逆相補性は、必ずではないが好ましくは、オリゴヌクレオチドの長さ全体にわたって評価される。
本発明に包含されるオリゴヌクレオチドは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチドを含んでもよい。本発明に包含されるオリゴヌクレオチドは、多くても40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10ヌクレオチドを含んでもよい。本発明のオリゴヌクレオチドの長さは、前記オリゴヌクレオチドに存在する任意の修飾に関係なく、前記オリゴヌクレオチドに包含されるヌクレオチドの総数によって規定される。以下にさらに説明されているように、ヌクレオチドは特定の化学修飾を含有してもよいが、そのような修飾されたヌクレオチドは依然として本発明の文脈におけるヌクレオチドと考えられる。オリゴヌクレオチドの化学的性質に依存して、オリゴヌクレオチドの最適な長さは異なってもよい。例えば、2’−O−メチルホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの長さは15〜30までであってもよい。このオリゴヌクレオチドが本明細書に例示されているようにさらに修飾される場合、最適な長さは14、13又はさらに短く短縮されてもよい。
好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、低下した合成効率、収率、純度又は拡張性、低下したバイオアベイラビリティ及び/又は細胞取り込み及び輸送、低下した安全性、の可能性を制限するために、並びに物品のコストを制限するために、30ヌクレオチドより長くない。より好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは15〜25ヌクレオチドである。本発明に包含されるオリゴヌクレオチドは、20、21、22、23、24又は25ヌクレオチドからなることが最も好ましい。本発明のオリゴヌクレオチドの長さは、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも100nMがインビトロで関連する細胞培養物をトランスフェクトするために使用される場合、オリゴヌクレオチドの機能性又は活性が、第1のエクソン及び第2のエクソン(及び間にある任意のエクソン)のスキッピングの少なくとも5%を誘導することによって、又はインフレーム転写物の少なくとも5%が形成されることを促進することによって定義されるようであることが好ましい。前記転写物の存在の評価は本明細書で既に説明されている。関連する細胞培養物は、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンを含むmRNA前駆体がmRNA転写物に転写され、スプライスされる、細胞培養物である。mRNA前駆体がジストロフィンmRNA前駆体である場合、関連する細胞培養物は(分化した)筋細胞を含む。この場合、前記オリゴヌクレオチドの少なくとも250nMが使用される場合、インフレーム転写物の少なくとも20%が形成される。
第1のエクソンの領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、又は最大で90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、又はそれ以上のヌクレオチドであってもよい。第1のエクソンの領域はまた、前記エクソンの長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%であるように定義されてもよい。第1のエクソンの領域は同一性領域と呼ばれ得る。
第2のエクソンの領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80又は最大で90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200若しくはそれ以上のヌクレオチドであってもよい。第2のエクソンの領域は、前記エクソンの長さの少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%であるように定義されてもよい。第2のエクソンの領域は同一性領域と呼ばれ得る。
一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドはmRNA前駆体由来のエクソンU+1(第1のエクソン)の領域に結合でき、同じmRNA前駆体内の別のエクソンD−1(第2のエクソン)の領域は前記(U+1)エクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、前記オリゴヌクレオチドは、(例えば好ましくは表1に記載のDMDのための)エクソンU及びDが一緒にスプライスされるインフレーム転写物を得るための、前記mRNA前駆体の前記U+1及び前記D−1エクソン(及び前記第1のエクソンと前記第2のエクソンの間に好ましくは位置するさらなるエクソン)のスキッピングのためである。また、本発明のオリゴヌクレオチドは化合物として本明細書に記載されている。本発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(すなわちAON)である。オリゴヌクレオチドは、好ましくは、前記mRNA前駆体の前記2つのエクソン(すなわち前記第1の(U+1)エクソン及び前記第2の(D−1)エクソン)のスキッピングのためであり、得られる転写物(UがDに直接スプライスされる)は、(例えば好ましくは表1に記載のDMDのための)インフレームである。前記オリゴヌクレオチドは1つの単一mRNA前駆体において前記2つのエクソンのスキッピングを含むということができる。任意選択で、さらなるエクソンのスキッピングが誘導され、前記さらなるエクソンは、好ましくは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置し、得られる転写物はインフレームである。
オリゴヌクレオチドは、前記mRNA前駆体内の、前記2つのエクソン(すなわち前記第1のエクソン及び前記第2のエクソン)及び前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングのためであることがより好ましく、それは前記ストレッチ内の任意の変異を除去するため、及びより短いがタンパク質産生を可能にする修復されたオープンリーディングフレームを有する転写物を得るためである。
いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、前記2つのエクソンの間の少なくとも50%の配列同一性又は類似性に起因して、本発明の単一オリゴヌクレオチドは、両方のエクソン、及び好ましくは、インフレームであるより短い転写物を得るために間にあるエクソンのストレッチ全体に結合でき、それらのスキッピングを誘導できると考えられる。したがって、前記2つのエクソンはmRNA前駆体に隣接してもよく、又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50個のエクソンによって分離されてもよい。前記第1のエクソンと前記第2のエクソンの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含する領域はまた、(複数の)エクソンのストレッチ又はマルチエクソンストレッチと呼ばれてもよい。好ましくは、このマルチエクソンストレッチの第1のエクソンは本明細書で上記に同定されている第1のエクソンであり、このマルチエクソンストレッチの最後のエクソンは本明細書で上記に同定されている第2のエクソンである。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、前記2つのエクソンのスキッピング又は(複数の)エクソンのストレッチのスキッピング又は前記マルチエクソンストレッチのスキッピングを誘導できるオリゴヌクレオチドと同定されてもよい。好ましい実施形態において、第1のエクソン及び第2のエクソンの両方のスキッピングは本発明の1つの単一オリゴヌクレオチドを使用することによって誘導される。好ましい実施形態において、1つの単一オリゴヌクレオチドを使用した1超、2超、3超、4超、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、13超、14超、15超、16超、17超のエクソン、18超、19超、20超、21超、22超、23超、24超、25超、26超、27超、28超、29超、30超、31超、32超、33超、34超、35超、36超、37超、38超、39超、40超、41超、42超、43超、44超、45超、46超、47超、48超、49超、50超のエクソンのスキッピングが実施され、したがって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50超のエクソンのこのスキッピングは、2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドの混合物若しくはカクテルを使用せずに、又は1つ若しくは複数のリンカーで連結され得る2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを使用せずに、又は2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを転写する遺伝子構築物を使用せずに実施される。したがって、一実施形態において、本発明が1つの単一オリゴヌクレオチドを包含し、2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを含まないという条件で、前記単一オリゴヌクレオチドは前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンに結合でき、本明細書に例示されている単一mRNA前駆体内の少なくとも前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングを誘導できる。この文脈において、当業者は、「単一」という用語はエクソンスキッピングを誘導するために必要とされる分子の数を指していないことを理解する。単一とは、オリゴヌクレオチドの配列を指す:本発明は1つの単一オリゴヌクレオチド配列及びその使用を包含し、2つ以上の異なるオリゴヌクレオチド配列を含まず、前記単一オリゴヌクレオチド配列は、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンに結合でき、本明細書に例示されている単一mRNA前駆体内の少なくとも前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングを誘導できる。これは、遺伝子における異なるエクソンが少なくとも50%の配列同一性を有する領域を含むという条件で、前記遺伝子における(稀な)変異によって引き起こされる疾患を治療するために1つの単一オリゴヌクレオチドのみを用いた1より多いエクソンのスキッピングを可能にする最初の発明である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書で下記に定義されているRNA調節活性に基づいた療法の一部として好ましくは使用される。第1のエクソン及び第2のエクソンが存在する転写物の同一性に依存して、所与の疾患を予防、治療又は遅延するためのオリゴヌクレオチドを設計できる。
両方のエクソンに結合できる単一オリゴヌクレオチドを用いた単一mRNA前駆体内の2つのエクソンの標的化により、標的化されたエクソンを欠くmRNA、及びさらに、間にあるエクソンのストレッチ全体が得られることが示されている。本明細書に定義されているこのような単一オリゴヌクレオチドの利点は、このマルチエクソンストレッチ内の異なる変異によって引き起こされる欠陥が治療され得ることである。2つ以上のエクソンのスキッピングを誘導するために2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを使用することを選択する場合、例えば、各々のオリゴヌクレオチドがその独自のPKプロファイルを有し得ること及びそれにより、それらのオリゴヌクレオチドの各々が同じ細胞内に同様に存在する条件を見つけなければならないことを考慮するべきである。したがって、上記で同定されている2つの異なるエクソンに結合できるただ1つの単一オリゴヌクレオチドを使用する別の利点は、産生、毒性、用量の発見及び臨床試験を、1つの単一化合物の直接的な産生及び試験に低減させることができるので、それらが極めて容易になることである。
本発明のオリゴヌクレオチドの以下のさらなる特徴が定義される。
本発明の好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンに結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、逆相補的であり、及び/又は少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソン内の少なくとも1つのスプライシング制御配列の機能を阻害でき、及び/又は少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの構造に影響を与え、
前記オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンにおけるセリン−アルギニン(SR)タンパク質についての結合部位に対して、結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である配列を含み、及び/又は
前記オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンにおけるエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)、及び/又はエクソンスプライシングサイレンサー(ESS)に対して、結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である。
第1のmRNA前駆体エクソンの領域及び/又は第2のmRNA前駆体エクソンの領域に対して結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのスプライシング制御配列を特異的に阻害でき、及び/又は前記mRNA前駆体内の少なくとも前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの構造に影響を与えることができることがより好ましい。このようなスプライシング制御配列及び/又は構造に干渉することは、このような要素がエクソン内に位置するという点で利点を有する。本明細書に定義されているこのようなオリゴヌクレオチドを用意することによって、スプライシング機構から、少なくとも前記第1のエクソン及び第2のエクソン、並びに好ましくは間にあるエクソンのストレッチ全体を効果的にマスクすることが可能となる。それ故、これらのエクソンを認識するスプライシング機構の機能停止は、最終的なmRNAからこれらのエクソンのスキッピング又は排除を導く。この実施形態はコード配列のみに焦点を当てている。これは、より特異的でありそれ故確実である方法を可能にすると考えられる。mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの前記領域に対する前記オリゴヌクレオチドの逆相補性は、好ましくは、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%である。
したがって、本発明は、
対象における疾患を予防、遅延、改善及び/又は治療するための医薬としての使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドは第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、
前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンは前記対象における同じmRNA前駆体内にあり、
前記結合の結果、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピング、及び好ましくは、前記第1のエクソンで開始し、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含するマルチエクソンストレッチのスキッピング、及び多くても前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを生じ、
機能的又は半機能的タンパク質の産生を可能にするインフレーム転写物が得られる、
アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
本明細書で説明されているように、前記オリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを誘導できることが好ましい。
本明細書で説明されているように、前記オリゴヌクレオチドの前記結合は、前記mRNA前駆体内で、前記第1のエクソン及び第2のエクソンの前記領域における少なくとも1つのスプライシング制御配列、及び/又は前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンの二次構造、及び/又は少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンを包含する二次構造に、干渉することができることがより好ましい。好ましいスプライシング制御配列は本明細書で下記に提示されている。
したがって、1つの好ましい実施形態は、mRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域及び/又は同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合できる本発明のオリゴヌクレオチドであって、同じmRNA前駆体内の前記第2のエクソンの前記領域は、(例えば好ましくは表2のようなDMDのための)前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、前記オリゴヌクレオチドは前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを誘導でき、その結果、(例えば好ましくは表1又は6のようなDMDのための)インフレームである転写物を生じる、オリゴヌクレオチドに関する。前記オリゴヌクレオチドは機能的又は半機能的タンパク質を前記個体に提供し、前記オリゴヌクレオチドはさらに以下を含む:
第1のmRNA前駆体エクソン及び/又は第2のmRNA前駆体エクソンの領域に対して結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である配列であって、第1のmRNA前駆体エクソン及び/又は第2のmRNA前駆体エクソンの別の部分にハイブリダイズする配列(閉じた構造)、及び/又は
前記第1のmRNA前駆体エクソン及び/又は第2のmRNA前駆体エクソンの領域に対して結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的であり、前記mRNA前駆体においてハイブリダイズしない配列(開いた構造)。
この実施形態に関して、参照が国際公開第2004/083446号の特許出願に対してなされる。RNA分子は、同じRNA内の逆相補的又は部分的に逆相補的なストレッチの塩基対合に大部分起因して、強力な二次構造を示す。RNAにおける構造はRNAの機能においてある役割を果たすと長い間考えられていた。理論によって束縛されないが、エクソンのRNAの二次構造はスプライシングプロセスを構造化する際にある役割を果たすと考えられる。その構造により、エクソンはmRNAに含まれることを必要とする一部として認識される。一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも前記第1のエクソン及び恐らくまた前記第2のエクソン並びに場合によりまた間のエクソンのストレッチの構造に干渉することができ、したがって、スプライシング機構から前記エクソンをマスクすることによって、前記第1のエクソン及び恐らくまた前記第2のエクソン並びに場合によりまた間のエクソンのストレッチのスプライシングを妨げることができ、それにより、前記エクソンのスキッピングを生じる。理論によって束縛されないが、開いた構造との重複はオリゴヌクレオチドの侵入効率を改善する(つまり、オリゴヌクレオチドが構造に入ることができる効率を増加させる)が、閉じた構造との重複は、エクソンのRNAの二次構造に干渉する効率を後で増加させると考えられる。閉じた構造及び開いた構造の両方に対する部分的な逆相補性の長さは極度に制限されないことが見出される。本発明者らはいずれの構造においても可変長の逆相補性を有するオリゴヌクレオチドで高い効率を観察した。逆相補性という用語は、生理的条件下で核酸の別のストレッチにハイブリダイズできる核酸のストレッチを指すために本明細書で使用される。ハイブリダイゼーション条件は本明細書で下記に定義されている。それ故、逆相補性の領域における塩基のすべてが反対鎖における塩基と対合できることを必ずしも必要とするとは限らない。例えば、オリゴヌクレオチドを設計する場合、例えば、逆相補鎖における塩基と塩基対合しない1つ又は複数の残基を組み込んでもよい。細胞内の環境下で、ヌクレオチドのストレッチが依然として逆相補的部分にハイブリダイズできる場合、ミスマッチがある程度許容されてもよい。本発明の文脈において、一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、第1のエクソンの領域及び/又は前記第2のエクソンの領域と少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%逆相補的であるため、前記オリゴヌクレオチドにおけるミスマッチの存在は好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、本明細書で上記に同定されている前記第1のエクソンの領域及び前記第2のエクソンの領域に結合できるため、前記オリゴヌクレオチドにおけるミスマッチの存在は本発明の好ましい特性である。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドにおけるミスマッチの存在を許容する他の利点は本明細書に定義されており、イノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はヌクレオチドであってゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチド、の存在によって提供されているものと同様であり、CpGの存在を回避し、潜在的な多量体化又は凝集を回避するか又は減少させ、四重構造を回避し、改善されたRNA結合動態及び/又は熱力学特性を有するオリゴヌクレオチドを設計することを可能にする。
前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの間の同一性の領域に対するオリゴヌクレオチドの逆相補性は45%〜65%、50%〜75%であることが好ましいが、65%〜100%又は70%〜90%又は75%〜85%又は80%〜95%であることがより好ましい。一般に、このことは、20ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドにおいて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のミスマッチを許容する。したがって、40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドにおいて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、21又は22個のミスマッチを有してもよい。14個未満のミスマッチが40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに存在することが好ましい。ミスマッチの数は、本発明のオリゴヌクレオチドが依然として前記第1のエクソンの領域及び前記第2のエクソンの領域に結合でき、ハイブリダイズでき、標的化でき、それにより少なくとも前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングを誘導でき、本明細書に例示されているインフレーム転写物の産生を誘導できるような数である。インフレーム転写物の産生は、本明細書の上記で説明されている関連する細胞培養物をインビトロでトランスフェクトするために少なくとも100nMの前記オリゴヌクレオチドを使用して少なくとも5%の効率で得られることが好ましい。
本発明は、第1のエクソンの領域とのミスマッチを1つも有さず、本明細書に定義されている第2のエクソンの対応する領域との1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、21又は22個のミスマッチを有することができるオリゴヌクレオチドを包含することに注目されなければならない。しかしながら、本発明はまた、第2のエクソンの領域とのミスマッチを1つも有さず、本明細書に定義されている第1のエクソンの対応する領域との1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、21又は22個のミスマッチを有することができるオリゴヌクレオチドも包含する。最後に、本発明は、第1のエクソンの領域との1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、21又は22個のミスマッチを有することができ、本明細書に定義されている第2のエクソンの対応する領域との22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個のミスマッチを有することができるオリゴヌクレオチドを包含する。ここで再び、本発明のオリゴヌクレオチドにおけるミスマッチの数は、前記オリゴヌクレオチドが依然として、本明細書に説明されている前記第1のエクソンの領域及び前記第2のエクソンの領域に結合でき、ハイブリダイズでき、標的化できるような数であると理解される。
本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書に同定されている第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域のアラインメントにおけるギャップを好ましくは交差しない。アラインメントは、本明細書で上記に説明されているオンラインツールEMBOSS Matcherを用いて好ましくは実施される。しかしながら、特定の場合、本発明のオリゴヌクレオチドは本明細書で上述のように、ギャップを交差することを必要としてもよい。前記ギャップは、好ましくは、ただ1つのギャップである。前記ギャップは、好ましくは、3未満のヌクレオチド、最も好ましくは、1ヌクレオチドのみにわたる。ギャップの数及び長さは、本発明のオリゴヌクレオチドが依然として、前記第1のエクソンの領域及び前記第2のエクソンの領域に結合でき、ハイブリダイズでき、標的化でき、それにより少なくとも前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングを誘導でき、本明細書に説明されているインフレーム転写物の産生を誘導できるような数及び長さである。
構造(すなわち開いた構造及び閉じた構造)が、エクソンが存在するmRNA前駆体の文脈において最適に分析される。このような構造は実際のRNAにおいて分析され得る。しかしながら、現在、構造モデリングプログラムを使用してかなり十分にRNA分子の二次構造を(最低のエネルギーコストで)予測することが可能である。好適なプログラムの非限定的な例はMfoldウェブサーバである(Zuker,M)。
当業者は、好適な再現性で、有力なエクソンの構造、所与のヌクレオチド配列を予測できる。前記エクソン及び隣接するイントロン配列の両方を用いてこのようなモデリングプログラムを実現する場合、最適な予測が得られる。典型的に、mRNA前駆体全体の構造をモデル化することは必ずしも必要ではない。
本発明のオリゴヌクレオチドのアニーリングは、標的RNA(すなわち少なくとも第1のエクソン及び/又は第2のエクソンを包含する領域)の局所フォールディング又は3D構造若しくは配座に影響を与え得る。異なる配座の結果、スプライシング機序によって認識される構造の破壊を生じる場合がある。しかしながら、潜在的(隠蔽)スプライスアクセプター及び/又はドナー配列が第1の標的エクソン及び/又は第2の標的エクソン内に存在する場合、時折、異なる(ネオ)エクソンを定義する、つまり異なる5’末端、異なる3’末端又は両方を有する新たな構造が生成される。この種類の活性は、標的エクソンがmRNAから排除される場合、本発明の範囲内である。mRNAにおいて前記第1の標的エクソン及び/又は第2の標的エクソンの部分を含有する新たなエクソンの存在は、標的エクソン自体が排除されるという事実を変えない。ネオエクソンの包含はごくまれに発生する副作用と見られ得る。エクソンスキッピングが、変異の結果として破壊される転写物のオープンリーディングフレーム(の部分)を修復するために使用される場合、2つの可能性が存在する。一方は、ネオエクソンがリーディングフレームの修復において機能するが、他方の場合、リーディングフレームは修復されない。複数のエクソンスキッピングによってオープンリーディングフレームを修復するためにオリゴヌクレオチドを選択する場合、これらの条件下で、ネオエクソンがあるかどうかにかかわらず、所与の転写物のオープンリーディングフレームを修復するエクソンスキッピングを実際にもたらすオリゴヌクレオチドのみが選択されることは明らかである。
さらに別の好ましい実施形態において、mRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域及び同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合できる本発明のオリゴヌクレオチドが提供され、前記第2のエクソンの前記領域は、前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し(ジストロフィンエクソンのための好ましい領域は表2又は表6に同定されている)、前記オリゴヌクレオチドは前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを誘導でき、その結果、(好ましくは表1又は表6のようなDMDのための)インフレームである転写物を生じる。前記オリゴヌクレオチドは前記個体に機能的又は半機能的タンパク質を提供し、前記オリゴヌクレオチドは、mRNA前駆体のエクソンのRNAにおけるセリン−アルギニン(SR)タンパク質についての1つ若しくは複数の結合部位に対して結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、逆相補的であり、及び/又はそれらの機能を阻害できる配列をさらに含む。
国際公開第2006/112705号の特許出願において、本発明者らは、エクソンスキッピングを誘導する際のエクソン内部のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)の有効性と、前記AONの標的mRNA前駆体部位における推定SR結合部位の存在との間の相関関係の存在を開示した。したがって、一実施形態において、本明細書に定義されている前記オリゴヌクレオチドを生成することは、前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンのRNAにおけるSRタンパク質についての1つ又は複数の(推定)結合部位を決定すること、並びに前記RNAに対して結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的であり、前記(推定)結合部位と少なくとも部分的に重複する対応するオリゴヌクレオチドを産生することを含む。「少なくとも部分的に重複する」という用語は、SR結合部位の単一ヌクレオチド及び1つ若しくは複数の前記結合部位の複数のヌクレオチドのみの重複並びに1つ若しくは複数の前記結合部位の完全な重複を含むこととして本明細書で定義されている。この実施形態は、第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの二次構造から、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの別の部分にハイブリダイズする領域(閉じた構造)並びに前記構造においてハイブリダイズしない領域(開いた構造)を決定するステップ、並びに続いて、1つ又は複数の前記(推定)結合部位と少なくとも部分的に重複し、前記閉じた構造の少なくとも一部と重複し、前記開いた構造の少なくとも一部と重複し、第1のエクソン及び第2のエクソンの両方に対して結合し、標的化し、ハイブリダイズし、及び/又は逆相補的であるオリゴヌクレオチドを生成するステップを好ましくはさらに含む。このように、本発明者らは、mRNA前駆体からmRNAにおける、前記第1のエクソン及び第2のエクソン、並びに該当する場合、間にあるエクソンのストレッチ全体の包含を妨げることができるオリゴヌクレオチドを得る機会を増加させる。いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、現在、SRタンパク質結合部位を対象とするオリゴヌクレオチドの使用により、前記結合部位に対するSRタンパク質の結合の(少なくとも部分的な)損傷が生じ、破壊又は損傷したスプライシングが生じると考えられている。
本発明のオリゴヌクレオチドが結合できる、同じmRNA前駆体内の第1のエクソンの領域及び/又は第2のエクソンの領域は、開いた構造/閉じた構造及び/又はSRタンパク質結合部位を含むことが好ましく、前記開いた構造/閉じた構造並びに前記SRタンパク質結合部位は部分的に重複することがより好ましく、前記開いた構造/閉じた構造はSRタンパク質結合部位と完全に重複するか、又はSRタンパク質結合部位は開いた構造/閉じた構造と完全に重複することがさらに好ましい。これにより、エクソン包含のさらに改良された破壊を可能にする。
コンセンサススプライス部位配列以外に、多くの(すべてではないが)エクソンは、スプライセオソームによって真のスプライス部位の認識を容易にするためにエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)配列などのスプライシング制御配列を含有する(Cartegni Lら,2002及びCartegni Lら,2003)。SRタンパク質と呼ばれるスプライシング因子のサブグループはこれらのESEに結合でき、(弱く定義された)スプライス部位に対してU1及びU2AFなどの他のスプライシング因子を動員できる。4つの最も豊富なSRタンパク質(SF2/ASF、SC35、SRp40及びSRp55)の結合部位は詳細に分析されている(Cartegni Lら,2002及びCartegni Lら,2003)。オリゴヌクレオチドの有効性と、前記オリゴヌクレオチドによって結合され、ハイブリダイズされ、及び/又は標的化される第1のエクソンの一部におけるSF2/ASF、SC35、SRp40及びSRp55結合部位の存在/不在との間に相関関係が存在する。好ましい実施形態において、本発明は、それ故、SRタンパク質についての結合部位に対して結合し、ハイブリダイズし、標的化し、及び/又は逆相補的であるオリゴヌクレオチドを提供する。前記SRタンパク質はSF2/ASF又はSC35、SRp40又はSRp55であることが好ましい。一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、第1のエクソンにおけるSF2/ASF、SC35、SRp40又はSRp55タンパク質についての結合部位及び第2のエクソンにおける異なるSF2/ASF、SC35、SRp40又はSRp55タンパク質についての結合部位に対して結合し、ハイブリダイズし、標的化し、及び/又は逆相補的である。より好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、第1のエクソンにおけるSF2/ASF、SC35、SRp40又はSRp55タンパク質についての結合部位並びに第2のエクソンにおける同様のSF2/ASF、SC35、SRp40又はSRp55タンパク質についての対応する結合部位に対して結合し、ハイブリダイズし、標的化し、及び/又は逆相補的である。
一実施形態において、患者は、転写物における前記エクソンの正確なスプライシングに必要とされる第1のエクソン及び/又は第2のエクソンに存在する制御RNA配列に結合でき、標的化できるオリゴヌクレオチドを使用することによって、機能的又は半機能的タンパク質を提供される。いくつかのcis−作用RNA配列は転写物におけるエクソンの正確なスプライシングを必要とする。特に、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)などの補足要素は、構成的及び代替的エクソンの特異的及び効果的なスプライシングを制御することが確認されている。前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンにおける補足要素の1つに結合する又は結合できるオリゴヌクレオチドを含む化合物を使用することにより、エクソンがスキップされるようにそれらの制御機能は壊される。それ故、1つの好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドはmRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域及び同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、前記オリゴヌクレオチドは前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを誘導でき、前記第1のエクソンの前記領域及び/又は前記第2のエクソンの前記領域はエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)及び/又はスプライシングエンハンサー配列(SES)を含み、及び/又は前記オリゴヌクレオチドは、前記エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)及び/又はスプライシングエンハンサー配列(SES)に結合でき、標的化でき、阻害でき、及び/又は逆相補的である。
本発明のオリゴヌクレオチドの以下の好ましい化学的性質が開示される。
オリゴヌクレオチドは天然核酸と同様の基本的なハイブリダイゼーション特性を有するオリゴマーとして一般に知られている。ハイブリダイゼーションは本発明の説明の終わりの定義に割り当てられた部分において定義されている。本明細書において、オリゴヌクレオチド及びオリゴマーという用語は交換可能に使用される。異なる種類のヌクレオチドが本発明の前記オリゴヌクレオチドを生成するために使用されてもよい。オリゴヌクレオチドは、天然のリボヌクレオチド系又はデオキシリボヌクレオチド系オリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間結合及び/又は少なくとも1つの糖修飾及び/又は少なくとも1つの塩基修飾を含んでもよい。
「修飾されたヌクレオシド間結合」は、RNA及びDNAにおいて天然に存在するようなホスホジエステルの修飾された型の存在を示す。本発明と適合するヌクレオシド間結合修飾の例は、ホスホロチオエート(PS)、キラルに純粋なホスホロチオエート、ホスホロジチオエート(PS2)、ホスホノ酢酸(PACE)、ホスホノアセトアミド(PACA)、チオホスホノ酢酸、チオホスホノアセトアミド、ホスホロチオエートプロドラッグ、H−ホスホネート、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、リン酸メチル、メチルホスホロチオエート、リン酸エチル、エチルホスホロチオエート、ボラノリン酸、ボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスフェート、メチルボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスホネート、メチルボラノホスホノチオエート及びそれらの誘導体である。別の修飾には、ホスホラミダイト、ホスホロアミデート、N3’→P5’ホスホラミデート、ホスホロジアミデート、ホスホロチオアミデート、ホスホロチオジアミデート、スルファミン酸、ジメチレンスルホキシド、スルホン酸、メチレンイミノ(MMI)、オキサリル及びチオアセトアミド核酸(TANA)及びそれらの誘導体が含まれる。その長さに応じて、本発明のオリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38又は39個の骨格修飾を含んでもよい。また、前記オリゴヌクレオチドに1つより多い異なる骨格修飾を導入することも本発明に包含される。
また、天然に存在するヌクレオシド間結合と比較して、互いに結合するヌクレオシドの原子に関して異なり得るヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドも本発明に包含される。これに関して、本発明のオリゴヌクレオチドは、3’−3’、5’−5’、2’−3’、2’−5’、2’−2’結合モノマーと解釈される少なくとも1つのヌクレオシド間結合を含んでもよい。位置番号付けは他の化学的性質と異なってもよいが、その考えは本発明の範囲内にある。
一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つのホスホロチオエート修飾を含む。より好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは完全に修飾されたホスホロチオエートである。
「糖修飾」は、二環式糖、テトラヒドロピラン、モルホリン、2’−修飾糖、3’−修飾糖、4’−修飾糖、5’−修飾糖及び4’−置換糖などのRNA及びDNAにおいて天然に存在するようなリボシル部分(すなわちフラノシル部分)の修飾型の存在を示す。好適な糖修飾の例には、限定されないが、2’−O−アルキル又は2’−O−(置換)アルキルなどの2’−O−修飾RNAヌクレオチド残基、例えば2’−O−メチル、2’−O−(2−シアノエチル)、2’−O−(2−メトキシ)エチル(2’−MOE)、2’−O−(2−チオメチル)エチル、2’−O−ブチリル、2’−O−プロパルギル、2’−O−アリル、2’−O−(2−アミノ)プロピル、2’−O−(2−(ジメチルアミノ)プロピル)、2’−O−(3−アミノ)プロピル、2’−O−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)、2’−O−(2−アミノ)エチル、2’−O−(3−グアニジノ)プロピル(その全体が本明細書に参照により組み込まれている、特許出願の国際公開第2013/061295号,University of the Witwatersrandに記載されている)、2’−O−(2−(ジメチルアミノ)エチル)、2’−O−(ハロアルキル)メチル(Arai K.ら)、例えば2’−O−(2−クロロエトキシ)メチル(MCEM)、2’−O−(2,2−ジクロロエトキシ)メチル(DCEM)、2’−O−アルコキシカルボニル、例えば2’−O−[2−(メトキシカルボニル)エチル](MOCE)、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル](MCE)、2’−O−[2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エチル](DMCE)、2’−O−[メチルアミノカルボニル]メチル、2’−アジド、2’−アミノ及び2’−置換アミノ、2’−ハロ、例えば2’−F、FANA(2’−Fアラビノシル核酸)、カルバ糖及びアザ糖修飾、3’−O−アルキル、例えば3’−O−メチル、3’−O−ブチリル、3’−O−プロパルギル、2’,3’−ジデオキシ及びそれらの誘導体が含まれる。
別の糖修飾には、例えばロックド核酸(LNA)、xylo−LNA、α−L−LNA、β−D−LNA、cEt(2’−O,4’−C拘束(constrained)エチル)LNA、cMOEt(2’−O,4’−C拘束メトキシエチル)LNA、エチレン架橋核酸(ENA)、BNANC[N−Me](その全体が参照として本明細書に組み込まれているChem.Commun.2007,3765−3767 Kazuyuki Miyashitaらに記載されている)、特許出願の国際公開第2013/036868号(その全体が参照により本明細書に組み込まれている;Marina Biotech)に記載されているCRNに見出されるものなどの「架橋された」又は「二環式」核酸(BNA)修飾糖部分;その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2013/0130378(Alnylam Pharmaceuticals)に記載されているものなどのアンロックド核酸(UNA)又は他の非環式ヌクレオチド;5’−メチル置換BNA(その全体が参照により組み込まれている米国特許出願13/530,218に記載されている);シクロヘキセニル核酸(CeNA)、アルトリオール(altriol)核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ素化HNA(F−HNA)、ピラノシル−RNA(p−RNA)、3’−デオキシピラノシル−DNA(p−DNA);モルホリノ(PMO)、カチオンモルホリノ(PMOPlus)、PMO−Xなどの他の修飾糖部分;トリシクロDNA;トリシクロ−PS−DNA;及びそれらの誘導体が含まれる。BNA誘導体は、例えば、その全体が参照により組み込まれている国際公開第2011/097641号に記載されている。PMO−Xの例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている国際公開第2011150408号に記載されている。その長さに応じて、本発明のオリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個の糖修飾を含んでもよい。また、1つより多い異なる糖修飾を前記オリゴヌクレオチドに組み込むことも本発明に包含される。
一実施形態において、本発明に係るオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、2’−F、モルホリノ、架橋ヌクレオチド又はBNAから選択される少なくとも1つの糖修飾を含むか、又はオリゴヌクレオチドは、架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシヌクレオチド(BNA/DNAミックスマー(mixmer))の両方を含む。2’−フルオロ(2−‘F)ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、インターロイキンエンハンサー−結合因子2及び3(ILF2/3)を動員でき、それにより標的化mRNA前駆体内のエクソンスキッピングを誘導できることが示されている(Rigo Fら,国際公開第2011/097614号)。
別の実施形態において、本明細書に定義されているオリゴヌクレオチドはLNA又はその誘導体を含むか又はからなる。本発明に係るオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、モルホリノ、架橋核酸(BNA)、又はBNA/DNAミックスマーから選択される糖修飾によりその全長にわたって修飾されることがより好ましい。より好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは完全に2’−O−メチル修飾されている。
好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの糖修飾及び少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む。このような修飾には、ペプチド−塩基核酸(PNA)、ボロン−クラスター修飾PNA、ピロリジン系オキシ−ペプチド核酸(POPNA)、グリコール系又はグリセロール系核酸(GNA)、トレオース系核酸(TNA)、非環式トレオニノール系核酸(aTNA)、モルホリノ系オリゴヌクレオチド(PMO、PPMO、PMO−X)、カチオンモルホリノ系オリゴマー(PMOPlus、PMO−X)、組み込まれた塩基及び骨格を有するオリゴヌクレオチド(ONIB)、ピロリジン−アミドオリゴヌクレオチド(POM)並びにそれらの誘導体が含まれる。好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸骨格及び/又はモルホリノホスホロジアミデート骨格又はそれらの誘導体を含む。より好ましい実施形態において、本発明に係るオリゴヌクレオチドは修飾された2’−O−メチルホスホロチオエートであり、すなわち少なくとも1つの2’−O−メチルホスホロチオエート修飾を含み、本発明に係るオリゴヌクレオチドは完全に修飾された2’−O−メチルホスホロチオエートであることが好ましい。2’−O−メチルホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチド又は完全に2’−O−メチルホスホロチオエート修飾されたオリゴヌクレオチドはRNAオリゴヌクレオチドであることが好ましい。
本明細書において、「塩基修飾」又は「修飾塩基」という用語は、RNA及び/又はDNA中に天然に存在する塩基(すなわちピリミジン又はプリン塩基)の修飾又はデノボ合成塩基を指す。このようなデノボ合成塩基は既存の塩基との比較によって「修飾された」と特定され得る。
上記の修飾に加えて、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下に記載される異なる種類の核酸ヌクレオチド残基又はヌクレオチドなどのさらなる修飾を含んでもよい。異なる種類の核酸ヌクレオチド残基は本発明のオリゴヌクレオチドを生成するために使用されてもよい。前記オリゴヌクレオチドは、RNA又はDNA系オリゴヌクレオチドと比較して少なくとも1つの骨格及び/又は糖修飾及び/又は少なくとも1つの塩基修飾を有してもよい。
オリゴヌクレオチドは、天然塩基のプリン(アデニン、グアニン)又はピリミジン(シトシン、チミン、ウラシル)及び/又は以下に定義されている修飾塩基を含んでもよい。本発明において、ウラシルはチミンに置き換えられてもよい。
塩基修飾には、天然のプリン及びピリミジン塩基(例えばアデニン、ウラシル、グアニン、シトシン及びチミン)の修飾型、例えばヒポキサンチン、オロチン酸、アグマチジン、リシジン、疑似ウラシル(pseudouracil)、疑似チミン(pseudothymine)、N1−メチル疑似ウラシル、2−チオピリミジン(例えば2−チオウラシル、2−チオチミン)、2,6−ジアミノプリン、G−クランプ(clamp)及びその誘導体、5−置換ピリミジン(例えば5−ハロウラシル、5−メチルウラシル、5−メチルシトシン、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、5−アミノメチルウラシル、5−ヒドロキシメチルウラシル、5−アミノメチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT(Super T)、5−オクチルピリミジン、5−チオフェンピリミジン、5−オクチン−1−イルピリミジン、5−エチニルピリミジン、5−(ピリジルアミド)、5−イソブチル、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2013/0131141号(RXi)に記載されている5−フェニル;7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、7−アザ−2,6−ジアミノプリン、8−アザ−7−デアザグアニン、8−アザ−7−デアザアデニン、8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、スーパーG(Super G)、スーパーA(Super A)及びN4−エチルシトシン又はそれらの誘導体;N2−シクロペンチルグアニン(cPent−G)、N2−シクロペンチル−2−アミノプリン(cPent−AP)及びN2−プロピル−2−アミノプリン(Pr−AP)又はそれらの誘導体;並びに2,6−ジフルオロトルエンのような変性若しくはユニバーサル塩基又は脱塩基部位のような不在塩基(例えば1−デオキシリボース、1,2−ジデオキシリボース、1−デオキシ−2−O−メチルリボース;又は環酸素が窒素で置き換えられているピロリジン誘導体(アザリボース(azaribose)))が含まれる。スーパーA、スーパーG及びスーパーTの誘導体の例は、全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,683,173号(Epoch Biosciences)に見出され得る。cPent−G、cPent−AP及びPr−APは、siRNAに組み込まれる場合、免疫活性化作用を減少させることが示されており(Peacock Hら)、類似の特徴が疑似ウラシル及びN1−メチル疑似ウラシルについて示された(全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2013/0123481号,modeRNA Therapeutics)。「チミン」及び「5−メチルウラシル」は本明細書全体を通じて交換され得る。同様に、「2,6−ジアミノプリン」は「2−アミノアデニン」と同一であり、これらの用語は本明細書全体を通じて交換され得る。
好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの5−メチルシトシン及び/又は少なくとも1つの5−メチルウラシル及び/又は少なくとも1つの2,6−ジアミノプリン塩基を含み、これにより、前記オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基の少なくとも1つが、メチル基(すなわち5−メチルシトシン)、でのピリミジン環の5位におけるプロトンの置換によって修飾されていること及び/又は前記オリゴヌクレオチドのウラシル核酸塩基の少なくとも1つが、メチル基(すなわち5−メチルウラシル)でのピリミジン環の5位におけるプロトンの置換によって修飾されていること、及び/又は前記オリゴヌクレオチドのアデニン核酸塩基の少なくとも1つが、アミノ基(すなわち2,6−ジアミノプリン)での2位におけるプロトンの置換によって修飾されていることがそれぞれ理解される。本明細書において、「ピリミジン環の5位におけるメチル基でのプロトンの置換」という表現は、「5−メチルピリミジンでのピリミジンの置換」という表現に置き換えられてもよく、ピリミジンはウラシルのみ、シトシンのみ又はその両方を指している。同様に、本明細書において、「アデニンの2位におけるアミノ基でのプロトンの置換」という表現は、「2,6−ジアミノプリンでのアデニンの置換」という表現に置き換えられてもよい。前記オリゴヌクレオチドが1、2、3、4、5、6、7、8、9個又はそれ以上のシトシン、ウラシル及び/又はアデニンを含む場合、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9個又はそれ以上のシトシン、ウラシル及び/又はアデニンのそれぞれはこのように修飾されてもよい。好ましい実施形態において、すべてのシトシン、すべてのウラシル及び/又はすべてのアデニンはこのように修飾されるか、又は5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンのそれぞれに置き換えられる。
本発明のオリゴヌクレオチドにおける5−メチルシトシン、5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンの存在は、前記オリゴヌクレオチドのパラメータの少なくとも1つに対するプラスの効果又は少なくとも1つのパラメータの改善を有することが発見された。この文脈において、パラメータには、以下に説明しているように、前記オリゴヌクレオチドの結合親和性及び/又は動態、サイレンシング活性、生体内安定性、(組織内)分布、細胞取り込み及び/又は細胞輸送及び/又は免疫原性が含まれ得る。
上述のようないくつかの修飾はTm値を増加させることが知られており、それにより特定のヌクレオチドの、その標的mRNAにおけるその相対物に対する結合を増強するので、これらの修飾は、本発明の文脈において第1のエクソン及び第2のエクソンの両方の領域との本発明のオリゴヌクレオチドの結合を促進するために調査され得る。本発明のオリゴヌクレオチドの配列は第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの所与の領域に対して100%逆相補的でなくてもよいので、架橋ヌクレオチド又はBNA(LNAなど)又は5−メチルピリミジン及び/又は2,6−ジアミノプリンから選択される塩基修飾などのTmを増加させる修飾が、好ましくは、前記エクソンの前記第1の領域及び/又は前記第2の領域に対して逆相補的であるヌクレオチド位置において実施され得る。
結合親和性及び/又は結合若しくはハイブリダイゼーション動態はAONの熱力学特性に依存する。それらは、前記オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm;例えば、基本Tm及び隣接モデルを使用して、一本鎖RNAについてオリゴヌクレオチド特性計算器(http://www.unc.edu/〜cail/biotool/oligo/index.html又はhttp://eu.idtdna.com/analyzer/Applications/OligoAnalyzer/)を用いて算出した)、及び/又は(RNA構造バージョン4.5又はRNA mfoldバージョン3.5を使用した)オリゴヌクレオチド標的エクソン複合体の自由エネルギーによって少なくとも部分的に決定される。Tmが増加する場合、エクソンスキッピング活性は典型的に増加するが、Tmが非常に高い場合、AONはあまり配列特異的ではなくなると予想される。許容されるTm及び自由エネルギーはオリゴヌクレオチドの配列に依存する。したがって、これらのパラメータの各々について好ましい範囲を与えることは困難である。
本発明のオリゴヌクレオチドの活性は、好ましくは、以下のように定義される:
第1のエクソン及び/又は第2のエクソンに存在する変異及び/又は前記第1のエクソンにおいて開始し、前記第2のエクソンにおいて終了するストレッチ内に存在する変異に関連する疾患の1つ若しくは複数の症状を軽減すること、好ましくはDMD若しくはBMDの1つ若しくは複数の症状を軽減すること、及び/又は
患者由来の細胞、好ましくは患者由来の筋細胞の1つ若しくは複数の特徴を軽減すること、及び/又は
前記個体に機能的若しくは半機能的タンパク質、好ましくは機能的若しくは半機能的ジストロフィンタンパク質を提供すること、及び/又は
前記個体における異常タンパク質の産生を少なくとも部分的に減少させること、好ましくは前記個体における異常ジストロフィンタンパク質の産生を少なくとも部分的に減少させること。これらの特徴及びそれらを評価するためのアッセイの各々は本明細書で下記に定義されている。
本発明の好ましいオリゴヌクレオチドである、5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリン塩基を含むオリゴヌクレオチドは、5−メチルシトシンを1つも有さない、5−メチルウラシルを1つも有さない、及び2,6−ジアミノプリン塩基を1つも有さないオリゴヌクレオチドの対応する活性と比較して、増加した活性を示すと予想される。活性に関するこの相違は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%であり得る。生体内分布及び生体内安定性は、好ましくは、出典Yuら,2002の有効なハイブリダイゼーションライゲーションアッセイによって少なくとも部分的に決定される。一実施形態において、血漿又は均質化組織試料が特異的捕捉オリゴヌクレオチドプローブとインキュベートされる。分離後、DIG標識化オリゴヌクレオチドが複合体とライゲーションされ、続いて抗DIG抗体連結ペルオキシダーゼを使用して検出が行われる。非コンパートメント薬物動態分析が、WINNONLINソフトウェアパッケージ(モデル200、バージョン5.2、Pharsight、Mountainview、CA)を用いて実施される。血漿1ml当たり又は組織1mg当たりのAONのレベル(ug)は、曲線下面積(AUC)、ピーク濃度(Cmax)、時間対ピーク濃度(Tmax)、終末相半減期及び吸収遅延時間(tlag)を評価するために経時的にモニターされる。このような好ましいアッセイは実験部分に開示されている。オリゴヌクレオチドは、TLR9及びTLR7を含む、Toll様受容体(TLR)を活性化することによって先天性免疫反応を刺激できる(Krieg A.M.ら,1995)。TLR9の活性化は、典型的に、TLR9媒介性サイトカイン放出により先天性免疫系を活性化する細菌DNAを模倣することによって、オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)に存在する非メチル化CG配列の存在に起因して生じる。しかしながら、2’−O−メチル修飾はこのような起こり得る効果を著しく減少させることができる。TLR7はRNAにおけるウラシルリピートを認識することが記載されている(Diebold S.S.ら,2006)。
TLR9及びTLR7の活性化の結果、先天性免疫(マクロファージ、樹状細胞(DC)及びNK細胞)を含む一連の同調的免疫反応が生じる(Krieg A.M.ら,1995;Krieg A.M.ら,2000)。IP−10、TNFα、IL−6、MCP−1及びIFNαなどのいくつかのケモカイン及びサイトカイン(Wagner H.ら,1999;Popovic P.J.ら,2006)はこのプロセスに関与している。炎症性サイトカインは、T及びB細胞などの血液由来のさらなる防御細胞を引きつける。これらのサイトカインのレベルはインビトロ試験によって調べられ得る。手短に述べると、ヒト全血は高濃度のオリゴヌクレオチドとインキュベートされ、その後、サイトカインのレベルが標準的な市販のELISAキットによって決定される。免疫原性の低下は、好ましくは、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル又は2,6−ジアミノプリンを有さない対応するオリゴヌクレオチドで処理した細胞と比較して少なくとも1つの5−メチルシトシン及び/又は5−メチルウラシル及び/又は2,6−ジアミノプリンを含むオリゴヌクレオチドで処理した細胞のアッセイにおける対応するサイトカインの濃度と比較して、上述のサイトカインの少なくとも1つの濃度の検出可能な減少に対応する。
したがって、本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、5−メチルシトシンを有さない、5−メチルウラシルを有さない、及び2,6−ジアミノプリンを有さない、対応するオリゴヌクレオチドと比較して、許容可能な若しくは減少した免疫原性及び/又は良好な生体内分布及び/又は許容可能な若しくは改善された、RNA結合動態及び/又は熱力学特性などの、改善されたパラメータを有する。これらのパラメータの各々は当業者に公知のアッセイを用いて評価され得る。
本発明の好ましいオリゴヌクレオチドはRNA分子又は修飾RNA分子を含むか又はからなる。好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは一本鎖である。しかしながら、一本鎖オリゴヌクレオチドは内部二本鎖構造を形成できる可能性があることを当業者は理解するであろう。しかしながら、このオリゴヌクレオチドは依然として、本発明の文脈において一本鎖オリゴヌクレオチドと命名される。一本鎖オリゴヌクレオチドは二本鎖siRNAオリゴヌクレオチドと比較していくつかの利点を有する:(i)その合成は二本の相補的siRNA鎖より容易であると予想される;(ii)細胞内の取り込み、良好な(生理学的)安定性を増強し、起こり得る一般的な悪影響を減少させることが可能な広範囲の化学修飾が存在する;(iii)siRNAは非特異的効果(標的外の遺伝子を含む)についてのより高い可能性及び過剰の薬理学(例えば治療スケジュール又は用量による有効性及び選択性のコントロール可能性が低い)を有する、並びに(iv)siRNAは核において作用する可能性が低く、イントロンに向けられることができない。
別の実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは脱塩基部位又は脱塩基モノマーを含む。本明細書において、このようなモノマーは脱塩基部位又は脱塩基モノマーと呼ばれ得る。脱塩基モノマーは、核酸塩基を含む対応するヌクレオチド残基と比較して、核酸塩基を欠くヌクレオチド残基又は構成要素である。本発明内で、脱塩基モノマーはそれ故、核酸塩基を欠くが、オリゴヌクレオチドの構成要素部分である。このような脱塩基モノマーはオリゴヌクレオチドの遊離末端に存在又は連結又は結合又はコンジュゲートできる。
より好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは1〜10個又はそれ以上の脱塩基モノマーを含む。したがって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の脱塩基モノマーは本発明のオリゴヌクレオチドに存在してもよい。
脱塩基モノマーは、当業者に知られていて想定可能ないかなるタイプのものであってもよい。その非限定的な例を以下に示す。
Figure 0006870891
本明細書において、R及びRは独立して、H、オリゴヌクレオチド又は他の脱塩基部位であり、但し、R及びRの両方がHであるわけではなく、R及びRの両方がオリゴヌクレオチドであるわけではない。脱塩基モノマーは、先に特定されているオリゴヌクレオチドの末端のいずれか又は両方に結合していてもよい。1つ又は2つの脱塩基部位又は脱塩基モノマーに結合したオリゴヌクレオチドは10未満のヌクレオチドを含み得ることに留意されるべきである。これに関して、本発明に係るオリゴヌクレオチドは、1つ又は両方の末端において1つ又は複数の脱塩基部位又は脱塩基モノマーを任意選択で含む少なくとも10ヌクレオチドを含み得る。本発明に包含される脱塩基部位の他の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2013/013378号(Alnylam Pharmaceuticals)に記載されている。
その長さに応じて、本発明のオリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40個の塩基修飾を含んでもよい。また、1個より多い異なる塩基修飾を前記オリゴヌクレオチドに組み込むことも本発明に包含される。
したがって、一実施形態において、本発明に係るオリゴヌクレオチドは以下を含む。
(a)2−チオウラシル、2−チオチミン、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル、チミン、2,6−ジアミノプリンから選択される少なくとも1つの塩基修飾、及び/又は
(b)少なくとも1つの糖修飾であって、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、2’−O−デオキシ(DNA)、2’−F、モルホリノ、架橋ヌクレオチド又はBNAから選択され、或いは前記オリゴヌクレオチドが架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシ修飾ヌクレオチド(BNA/DNAミックスマー)の両方を含む、糖修飾、及び/又は
(c)ホスホロチオエート又はホスホロジアミデートから選択される少なくとも1つの骨格修飾。
別の実施形態において、本発明に係るオリゴヌクレオチドは以下を含む。
(a)5−メチルピリミジン及び2,6−ジアミノプリンから選択される少なくとも1つの塩基修飾、及び/又は
(b)2’−O−メチルである、少なくとも1つの糖修飾、及び/又は
(c)ホスホロチオエートである、少なくとも1つの骨格修飾。
一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、天然のリボヌクレオチド系又はデオキシリボヌクレオチド系オリゴヌクレオチドと比較して少なくとも1つの修飾、より好ましくは、
(a)少なくとも1つの塩基修飾であって、2−チオウラシル、2−チオチミン、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル、チミン、2,6−ジアミノプリンから好ましくは選択され、5−メチルピリミジン及び2,6−ジアミノプリンからより好ましくは選択される塩基修飾、及び/又は
(b)少なくとも1つの糖修飾であって、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、2’−O−デオキシ(DNA)、2’−F、モルホリノ、架橋ヌクレオチド若しくはBNAから好ましくは選択され、或いは前記オリゴヌクレオチドが架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシ修飾ヌクレオチド(BNA/DNAミックスマー)の両方を含み、より好ましくは糖修飾が2’−O−メチルである、糖修飾、及び/又は
(c)少なくとも1つの骨格修飾であって、ホスホロチオエート又はホスホロジアミデートから好ましくは選択され、より好ましくはホスホロチオエートである骨格修飾
を含む。
したがって、本発明のこの実施形態に係るオリゴヌクレオチドは、塩基修飾(a)を含み、糖修飾(b)を含まず、骨格修飾(c)を含まない。本発明のこの態様に係る別の好ましいオリゴヌクレオチドは、糖修飾(b)を含み、塩基修飾(a)を含まず、骨格修飾(c)を含まない。本発明のこの態様に係る別の好ましいオリゴヌクレオチドは、骨格修飾(c)を含み、塩基修飾(a)を含まず、糖修飾(b)を含まない。また、上述の修飾のいずれも有さないオリゴヌクレオチドが本発明に含まれ、同様に2つ、つまり上記に定義されている(a)及び(b)、(a)及び(c)、及び/又は(b)及び(c)、或いは修飾(a)、(b)及び(c)の3つすべてを含むオリゴヌクレオチドも本発明に含まれる。
好ましい実施形態において、本発明に係るオリゴヌクレオチドは、(a)塩基修飾の1つ及び/又は(b)糖修飾の1つ及び/又は(c)骨格修飾の1つから選択される、同じ修飾の1つ又は複数で、その長さ全体にわたって修飾される。
核酸模倣技術の出現により、必ずしも核酸自体と同じ量ではない、同種のもので類似、好ましくは同じハイブリダイゼーション特性を有する分子を生成することが可能になっている。このような機能的等価物ももちろんまた、本発明における使用に適している。
別の好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、イノシン、ヒポキサンチン、ユニバーサル塩基、変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオシド若しくはヌクレオチド又はそれらの機能的等価物を含む。本発明のオリゴヌクレオチドにおけるイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドの使用は以下に説明されているように非常に魅力的である。例えばイノシンは、3つの塩基:ウラシル、アデニン及びシトシンと対合できる公知の修飾塩基である。イノシンは、ヒポキサンチンがβ[ベータ]−N9−グリコシド結合を介してリボース環(リボフラノースとしても知られている)に結合する場合に形成されるヌクレオシドである。イノシン(I)は一般にtRNAにおいて見出され、ゆらぎ塩基対における遺伝子コードの適切な翻訳に必須である。ゆらぎ塩基対は、GとUとの間、又は一方におけるIと他方におけるU、A若しくはCとの間に存在できる。これらはRNA二次構造の形成の基本である。その熱力学的安定性はワトソン−クリック塩基対のものに匹敵する。遺伝子コードは、アンチコドンの第1の塩基における修飾塩基対を使用することによって、トリプレットコドン(64)についてのアミノ酸の数(20)の相違を補う。
本発明のオリゴヌクレオチドにおけるイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第1の利点は、mRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域に結合でき、同じmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域に結合できるオリゴヌクレオチドを設計できることであり、前記第2のエクソン由来の前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する。つまり、本発明のオリゴヌクレオチドにおけるイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドの存在により、前記mRNA前駆体の第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域への前記オリゴヌクレオチドの結合が可能となる。
本発明のオリゴヌクレオチドにおけるイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第2の利点は、多型がオリゴヌクレオチドのアニーリング効果を破壊することを気にせずに、一塩基変異多型(SNP)を補うオリゴヌクレオチドを設計できることである。したがって、本発明において、このような塩基の使用により、本発明のオリゴヌクレオチドによって標的とされるmRNA前駆体ストレッチ内にSNPを有する個体に使用できるオリゴヌクレオチドを設計できる。
本発明のオリゴヌクレオチドにおけるイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第3の利点は、本明細書に記載の第1のmRNA前駆体エクソンの一部に相補的であるようにオリゴヌクレオチドを設計する場合、前記オリゴヌクレオチドがCpGを通常含有することである。オリゴヌクレオチドにおけるCpGの存在は通常、前記オリゴヌクレオチドの増加した免疫原性に関連する(Dorn A.及びKippenberger S.)。この増加した免疫原性は、筋繊維の崩壊を誘導し得るので望ましくない。前記オリゴヌクレオチドにおける1つ、2つ又はそれ以上のCpGにおいてグアニンをイノシンに置き換えることにより、免疫原性の減少した及び/又は許容されるレベルでオリゴヌクレオチドが得られると予想される。免疫原性は、動物の筋生検におけるCD4及び/又はCD8細胞の存在及び/又は炎症性の単核球(mononucleocyte)浸潤を評価することによって前記動物モデルにおいて評価され得る。免疫原性は、本発明のオリゴヌクレオチドで治療された動物又はヒトの血液においても、当業者に公知の標準的なイムノアッセイを使用して中和抗体の存在及び/又は前記オリゴヌクレオチドを認識する抗体の存在を検出することによって評価され得る。免疫原性の増強は、好ましくは、治療前の動物又は少なくとも1つのイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを有する対応するヌクレオチドで治療された動物の対応する筋生検中の各細胞型の量との比較によるこれらの細胞型の少なくとも1つの検出可能な増強に対応する。あるいは、免疫原性の増強は、標準的なイムノアッセイを使用して、中和抗体又は前記オリゴヌクレオチドを認識する抗体が存在すること、又はそれらの量が増加していることを検出することによって評価され得る。免疫原性の減少は、好ましくは、治療前の動物又はイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを有さない対応するオリゴヌクレオチドで治療された動物の対応する筋生検中の対応する細胞型の量との比較によるこれらの細胞型の少なくとも1つの検出可能な減少に対応する。あるいは、免疫原性の減少は、標準的なイムノアッセイを使用して、前記化合物及び/又は中和抗体が存在しないこと、又はそれらの量が減少していることによって評価され得る。
本発明のオリゴヌクレオチドにおいてイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第4の利点は、オリゴヌクレオチドの潜在的な多量体化又は凝集を回避又は減少することである。例えば、G−カルテットモチーフを含むオリゴヌクレオチドは、4つの一本鎖オリゴヌクレオチドのフーグスティーン塩基対合によって形成される四重鎖、多量体又は凝集物を形成する傾向を有することが知られており(Cheng A.J.及びVan Dyke M.W.)、これは当然、望ましくない:結果として、オリゴヌクレオチドの効率は減少すると予想される。多量体化又は凝集は、好ましくは、当業者に公知の標準的なポリアクリルアミド(polyacrylamid)非変性ゲル電気泳動法によって評価される。好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドの総数の20%未満又は15%、10%、7%、5%若しくはそれ未満が、上述のアッセイを用いて評価される、多量体を形成する能力又は凝集する能力を有する。
したがって、本発明のオリゴヌクレオチドにおいてイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第5の利点は、抗血栓活性(Macaya R.F.ら)並びにマクロファージスカベンジャー受容体への結合及びマクロファージスカベンジャー受容体の阻害(Suzuki K.ら)に関連している四重構造を回避することである。
本発明のオリゴヌクレオチドにおいてイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチドを使用する第6の利点は、RNA結合動態及び/又は熱力学的特性が改善されたオリゴヌクレオチドの設計を可能にすることである。RNA結合動態及び/又は熱力学的特性は、オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm;基本的なTm及び最近接モデルを使用して、一本鎖RNAに対してオリゴヌクレオチド特性計算器(http://www.unc.edu/〜cail/biotool/oligo/index.html)を用いて計算される)、及び/又は(RNA構造バージョン4.5を使用した)AON−標的エクソン複合体の自由エネルギーによって少なくとも部分的に決定される。Tmが高すぎる場合、オリゴヌクレオチドは、それほど特異的でないと予想される。許容されるTm及び自由エネルギーはオリゴヌクレオチドの配列に依存する。したがって、これらのパラメータの各々に対して好ましい範囲を与えることは困難である。許容されるTmは35〜85℃の範囲であり得、許容される自由エネルギーは15〜45kcal/molの範囲であり得る。
その長さに応じて、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個のイノシン(ヒポキサンチン)及び/又はユニバーサル塩基及び/又は変性塩基及び/又はゆらぎ塩基対を形成できる塩基を含有するヌクレオチド又はそれらの機能的等価物を含み得る。
RNA/RNA二本鎖は非常に安定しているので、本発明の前記オリゴヌクレオチドはRNAを含むことが好ましい。RNAオリゴヌクレオチドは、さらなる特性、例えばエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ及びRNaseHに対する耐性、さらなるハイブリダイゼーション強度、増加した安定性(例えば体液中)、増加した又は低下した柔軟性、減少した毒性、増加した細胞内輸送、組織特異性などをRNAに与える修飾を含むことが好ましい。好ましい修飾は上述の通りである。
したがって、一実施形態は少なくとも1つの修飾を含むオリゴヌクレオチドを提供する。好ましい修飾オリゴヌクレオチドは完全に修飾された2’−O−メチルである。本発明の一実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートオリゴヌクレオチド修飾及び架橋核酸修飾(上記に例示されているBNA)を含むハイブリッドオリゴヌクレオチドを含むか又はからなる。本発明の別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、2’−O−メトキシエチルホスホロチオエート修飾及び架橋核酸(上記に例示されているBNA)を含むハイブリッドオリゴヌクレオチドを含むか又はからなる。本発明の別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、架橋核酸(上記に例示されているBNA)修飾及びオリゴデオキシリボヌクレオチド修飾を含むハイブリッドオリゴヌクレオチドを含むか又はからなる。この特定の組み合わせは、架橋核酸のみからなる等価物と比較して、より良い配列特異性を含み、2’−O−メチルホスホロチオエートオリゴ(デオキシ)リボヌクレオチド修飾からなるオリゴヌクレオチドと比較して改善された効果を含む。
本発明に記載されている化合物は、好ましくは、イオン性基を有してもよい。イオン性基は塩基又は酸であってもよく、帯電されていてもよく又は中性であってもよい。イオン性基は、反対の電荷を有する適切な対イオンとのイオン対として存在してもよい。陽イオン性の対イオンの例は、ナトリウム、カリウム、セシウム、トリス、リチウム、カルシウム、マグネシウム、トリアルキルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムである。陰イオン性の対イオンの例は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、乳酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ジクロロ酢酸塩及びクエン酸塩である。対イオンの例は記載されている(例えばKumar L(その全体は参照により本明細書に組み込まれている))。二価又は三価対イオン、特にCa2の適用の例は、その全体が参照により組み込まれている米国特許出願公開第2012046348(Replicor)において、選択されたオリゴヌクレオチドにプラスの特性を付加することとして記載されている。好ましい二価又は三価対イオンは、以下の記載又は群:カルシウム、マグネシウム、コバルト、鉄、マンガン、バリウム、ニッケル、銅及び亜鉛から選択される。好ましい二価対イオンはカルシウムである。したがって、本発明のオリゴヌクレオチド及び上述の任意の他の対イオン、好ましくはカルシウムを含む組成物を調製し、得て、使用することは本発明に包含される。前記オリゴヌクレオチド及び前記対イオン、好ましくはカルシウムを含む前記組成物を調製するためのこのような方法は以下の通りであり得る:本発明のオリゴヌクレオチドは、薬学的に許容される水性賦形剤に溶解でき、前記対イオンを含む溶液を溶解したオリゴヌクレオチドに徐々に加え、それによりオリゴヌクレオチドキレート錯体は溶解したままになる。
したがって、好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、このような対イオン、好ましくはCa2+を含む組成物と接触して、本明細書に記載されているこのような対イオンによって連結された2つ以上の同一のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドキレート錯体を形成する。したがって、対イオン、好ましくはカルシウムによって連結された2つ以上の同一のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドキレート錯体を含む組成物は本発明に包含される。
オリゴヌクレオチドを設計するための方法:
したがって、本発明のさらなる態様において、オリゴヌクレオチドを設計するための方法であって、上述のオリゴヌクレオチドをもたらす方法が提供される。
この方法は以下のステップを含む。
(a)同じmRNA前駆体内の第1のエクソン及び第2のエクソンのインフレームの組み合わせを同定するステップであって、前記第2のエクソンの領域は前記第1のエクソンの領域と少なくとも50%の同一性を有する、ステップ、
(b)前記第1のエクソンの前記領域及び前記第2のエクソンの前記領域に結合できるオリゴヌクレオチドを設計するステップ、並びに
(c)前記結合の結果、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピング、好ましくは、前記第1のエクソンで開始し、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含するマルチエクソンストレッチのスキッピング、及び多くても前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを生じるステップ。
このような方法のステップb)において、前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは、その結合が、前記mRNA内の前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの前記領域における少なくとも1つのスプライシング制御配列に干渉するように設計される。
代替として、又はスプライシング制御配列の干渉と組み合わせて、前記オリゴヌクレオチドの結合は、好ましくは、前記mRNA前駆体内に少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンを包含する二次構造に干渉する。
本発明によって得ることが可能なオリゴヌクレオチドは、前記mRNA前駆体の前記第1のエクソン及び第2のエクソンのスキッピングを誘導できる。追加のエクソンのスキッピングが誘導されることが好ましく、前記追加のエクソンは、好ましくは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置し、得られるmRNA転写物はインフレームである。オリゴヌクレオチドは、好ましくは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを誘導できる。一実施形態において、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンの前記領域はスプライシング制御要素を含み、それにより前記オリゴヌクレオチドの結合は、前記第1のエクソン及び第2のエクソンの前記領域における少なくとも1つのスプライシング制御配列に干渉することができる。また、前記オリゴヌクレオチドの結合が、前記mRNA前駆体内の少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンを包含する二次構造に干渉することも包含される。好ましいスプライシング制御配列は、セリン−アルギニン(SR)タンパク質についての結合部位、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)、及び/又はエクソンスプライシングサイレンサー(ESS)を含む。
この方法の各々の特徴は既に本明細書に記載されているか、又は当業者に知られている。
好ましいオリゴヌクレオチド:
本発明のオリゴヌクレオチドは、医薬としての使用のためであることが好ましく、前記化合物はRNA調節療法における使用のためであることがより好ましい。前記RNA調節により、破壊された転写リーディングフレームの修正及び/又は望ましい若しくは予測されるタンパク質の発現の修復が導かれることがより好ましい。したがって、本発明の方法及び本発明のオリゴヌクレオチドは、原則として、異常転写物及び/又はコードタンパク質の不在及び/又は異常タンパク質の存在を導く、フレーム破壊変異の存在に関連する任意の疾患に適用され得る。好ましい実施形態において、本発明の方法及び本発明のオリゴヌクレオチドは、反復配列及びそれにより比較的高い配列同一性(つまり、本明細書に定義されている第2のエクソンの領域と第1のエクソンの領域との間で少なくとも50%、60%、70%、80%の配列同一性)を有する領域を有する疾患関連遺伝子に適用される。非限定的な例は、スペクトリン様リピート(本明細書に記載されているデュシェンヌ型筋ジストロフィーに関与するDMD遺伝子として)、Kelch様リピート(家族性高カリウム性高血圧に関与するKLHL3遺伝子(Louis−Dit−Picard Hら)、慢性リンパ球性白血病に関与するKLHL6遺伝子(Puente XSら)、網膜色素変性に関与するKLHL7遺伝子(Friedman JSら)、シェーグレン症候群に関与するKLHL7/12遺伝子(Uchida Kら)、末梢性ミオパシーに関与するKLHL9遺伝子(Cirak Sら)、巨大軸索神経病(Bomont Pら)に関与するKLHL16若しくはGAN遺伝子、いくつかの癌に関与するKLHL19若しくはKEAP1遺伝子(Dhanoa BSら)、前骨髄球性白血病に関与するKLHL20遺伝子(Dhanoa BSら)又は脳腫瘍に関与するKLHL37若しくはENC1遺伝子(Dhanoa BSら)など)、FGF様リピート、EGF様リピート(CADASILに関与するNOTCH3遺伝子(Chabriat Hら)、癌又は代謝性骨疾患に関与するSCUBE遺伝子、精神神経障害及び特発性全般てんかんに関与するニューレキシン−1(NRXN1)遺伝子(Moller RSら)、Del−1遺伝子、アテローム性動脈硬化症及び冠動脈疾患に関与するテネイシン−C(TNC)遺伝子(Mollie Aら)、THBS3遺伝子若しくはマルファン症候群に関与するフィブリリン(FBN1)遺伝子(Rantamaki Tら)など)、アンキリン様リピート(拡張型心筋症に関与するANKRD1遺伝子(Dubosq−Bidot Lら)、ANKRD2遺伝子、KBG症候群に関与するANKRD11遺伝子(Sirmaci Aら)、血小板減少症(Noris Pら)若しくは糖尿病(Raciti GAら)に関与するANKRD26遺伝子、多発性硬化症に関与するANKRD55遺伝子(Alloza Iら)又は遠位脊髄性筋萎縮症に関与するTRPV4遺伝子(Fiorillo Cら)など)、HEAT様リピート(ハンチントン病に関与するhtt遺伝子など)、アネキシン様リピート、ロイシンリッチリピート(特発性反復流産に関与するNLRP2及びNLRP7遺伝子(Huang JYら)、パーキンソン病に関与するLRRK2遺伝子(Abeliovich Aら)、アルツハイマー病若しくは髄膜炎に関与するNLRP3遺伝子(Heneka MTら)、腎不全に関与するNALP3遺伝子(Knauf Fら)又は尿顔症候群(urofacial syndrome)に関与するLRIG2遺伝子(Stuart HMら)など)又はセリンプロテアーゼ阻害剤ドメイン(Andrade M.A.らに記載されている、ネザートン症候群(Netherton syndrome)に関与するSPINK5遺伝子(Hovnanian Aら)などを有する遺伝子である。
本発明において、好ましいmRNA前駆体又は転写物はジストロフィンmRNA前駆体又は転写物である。この好ましいmRNA前駆体又は転写物は、好ましくはヒトのmRNA前駆体又は転写物である。ジストロフィンmRNA前駆体に存在する変異の存在に関連する疾患は、変異に応じてDMD又はBMDである。本発明の文脈において使用されるジストロフィンmRNA前駆体由来の第1のエクソン及び第2のエクソンの好ましい組み合わせ及び領域は表2に記載されている。
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、細胞内、器官内、組織内及び/又は患者内、好ましくはBMD若しくはDMD患者内又は前記患者由来の細胞、器官、組織内でエクソン−スキッピングを誘導するために使用される。エクソン−スキッピングの結果、スキップされたエクソンを含有せず、それにより、前記エクソンがアミノ酸をコードする場合、変化し、内部で切断されているが、部分的から大部分の機能的なジストロフィン産物の発現を導き得る成熟mRNAが生じる。エクソンスキッピングについての技術は、現在、AON又は遺伝子構築物を転写するAONの使用に向けられている。最近では、エクソンスキッピング技術は、遺伝的筋ジストロフィーに対処するために調べられている。有望な結果が、最近、mdxマウス及びDMD患者由来の細胞内のジストロフィンmRNA前駆体のリーディングフレームの修復を目的としているAONにより誘導されるスキッピング療法について本発明者ら及び他者によって報告されている(Heemskerk Hら;Cirak S.ら;Goemansら)。特異的エクソンの標的化スキッピングによって、重度のDMD表現型(機能的ジストロフィンを欠く)は軽度のBMD表現型(機能的又は半機能的ジストロフィンを発現する)に変換される。エクソンのスキッピングは、好ましくは、エクソン内部配列を標的化するAONの結合によって誘導される。
以下に、本発明を、第1のエクソン及び第2のエクソンが存在する、変異ジストロフィンmRNA前駆体によって例示する。本明細書において、ジストロフィンmRNA前駆体は、好ましくは、ジストロフィンタンパク質をコードするDMD遺伝子のmRNA前駆体を意味する。変異ジストロフィンmRNA前駆体は、(低下したレベルの)異常タンパク質(BMD)又は機能的ジストロフィンの不在(DMD)をもたらす、罹患していないヒトの野生型DMD mRNA前駆体と比較して変異を有するBMD又はDMD患者のmRNA前駆体に対応する。ジストロフィンmRNA前駆体はまた、DMD mRNA前駆体と命名される。ジストロフィン遺伝子はDMD遺伝子とも命名され得る。ジストロフィン及びDMDは本明細書全体を通じて交換可能に使用できる。
患者は、好ましくは、後述のDMD若しくはBMDを有する患者又は彼(若しくは彼女)の遺伝的背景に起因してDMD若しくはBMDを発症しやすい患者を意味すると意図される。DMD患者の場合、使用される化合物は、好ましくは、前記患者のDMD遺伝子に存在するような変異を正し、したがって、好ましくは、BMD患者由来のジストロフィンタンパク質のように見えるジストロフィンタンパク質を創製する。前記タンパク質は、好ましくは後述の機能的又は半機能的ジストロフィンである。BMD患者の場合、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、前記タンパク質のBMD遺伝子に存在するような変異を修正し、好ましくは、前記BMD患者に最初に存在したジストロフィンより機能的であるジストロフィンを創製する。
本明細書において、機能的ジストロフィンは、好ましくは、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質に対応する野生型ジストロフィンである。機能的ジストロフィンは、好ましくは、そのN末端部分(N末端における最初の240アミノ酸)、システイン−リッチドメイン(アミノ酸3361から3685まで)及びC末端ドメイン(C末端における最後の325アミノ酸)に作用結合ドメインを有するジストロフィンであり、これらのドメインの各々は当業者に公知の野生型ジストロフィンに存在する。本明細書に示されているアミノ酸は配列番号1によって表されている野生型ジストロフィンのアミノ酸に対応する。つまり、機能的又は半機能的ジストロフィンは、少なくともある程度まで野生型ジストロフィンの活性を示すジストロフィンである。「少なくともある程度まで」は、好ましくは、対応する野生型機能的ジストロフィンの活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%を意味する。この文脈において、機能的ジストロフィンの活性は、好ましくは、アクチンに結合し、ジストロフィン関連糖タンパク質複合体(DGC)又は(DAGC)と相互作用する(Ehmsen Jら)。アクチン及びDGC複合体へのジストロフィンの結合は、当業者に公知である、全タンパク質抽出物を使用する免疫共沈降又はジストロフィーである疑いのある筋肉の生検由来の断面の免疫蛍光分析のいずれかによって視覚化され得る。
DMDを患っている個体は典型的に、完全なタンパク質の合成を防ぐ(例えば、早まった停止はC末端の合成を防ぐ)ジストロフィンをコードする遺伝子において変異を有する。BMDにおいて、ジストロフィン遺伝子はまた、変異を含むが、この変異はオープンリーディングフレームを破壊せず、C末端が合成される。結果として、必ずしも類似の量の活性ではないが、野生型タンパク質と同種のもので類似の活性を有する(半)機能的又は機能的ジストロフィンタンパク質が生成される。BMD個体のゲノムは典型的に、N末端部分(N末端における第1の240アミノ酸)、システイン−リッチドメイン(アミノ酸3361から3685まで)及びC末端ドメイン(C末端における最後の325アミノ酸)を含むジストロフィンタンパク質をコードするが、ほとんどの場合、その中心の棒状ドメインは野生型ジストロフィンのものより短くなり得る(Monaco A.P.ら)。DMDを治療するためのエクソンスキッピングは典型的に、変異に隣接する又は変異を含有するエクソンをスキップすることによってmRNA前駆体内の早まった停止を迂回することを対象とする。これにより、オープンリーディングフレームの矯正、及び、C末端を含むものの、内部で切断されたジストロフィンタンパク質の合成が可能となる。好ましい実施形態において、DMDを有し、本発明のオリゴヌクレオチドで治療される個体は、野生型ジストロフィンの類似の活性を少なくともある程度まで示すジストロフィンを合成する。前記個体がDMD患者であるか又はDMD患者である疑いがある場合、(半)機能的ジストロフィンはBMDを有する個体のジストロフィンであることがより好ましい:典型的に前記ジストロフィンはアクチン及びDGC又はDAGCの両方と相互作用できる(Ehmsen J.ら;Monaco A.P.ら)。
野生型ジストロフィンの中心の棒状ドメインは24個のスペクトリン様リピートを含む(Ehmsen J.ら)。多くの場合、BMD様タンパク質における中心の棒状ドメインは野生型ジストロフィンのものより短い(Monaco A.P.ら)。例えば、本明細書に提供されているジストロフィンの中心の棒状ドメインは、それがアクチン及びDGCに結合できる限り、5〜23個、10〜22個又は12〜18個のスペクトリン様リピートを含んでもよい。
本発明の化合物を使用した、個体におけるDMD又はBMDの1つ又は複数の症状の軽減は以下のアッセイのいずれかによって評価され得る:歩行喪失時間の延長、筋肉強度の改善、重りを持ち上げる能力の改善、床から立ち上がるのにかかる時間の改善、9メートル歩行時間の改善、4階を上るのにかかる時間の改善、足の機能の悪性度の改善、肺機能の改善、心臓機能の改善、生活の質の改善。これらのアッセイの各々は当業者に公知である。一例として、Manzurら(Manzur A.Y.ら)の公報はこれらのアッセイの各々の広範囲の説明を与えている。これらのアッセイの各々について、アッセイにおいて測定されたパラメータの検出可能な改善又は延長が見られるとすぐに、好ましくは、DMD又はBMDの1つ又は複数の症状が、本発明の化合物を使用した個体において軽減していることを意味する。検出可能な改善又は延長は、好ましくは、Hodgettsら(Hodgetts S.ら)に記載されているように統計的に有意な改善又は延長である。あるいは、DMD又はBMDの1つ又は複数の症状の軽減は、筋繊維の機能、完全性及び/又は生存率の改善を測定することによって評価され得る。好ましい方法において、DMD若しくはBMD患者の1つ若しくは複数の症状が軽減され、及び/又はDMD若しくはBMD患者由来の1つ若しくは複数の筋細胞の1つ若しくは複数の特性が改善される。このような症状又は特性は、細胞、組織レベルにて又は患者自身で評価されてもよい。
DMD又はBMD患者由来の筋細胞の1つ又は複数の特性の軽減は、その患者由来の筋原細胞又は筋細胞に対する以下のアッセイのいずれかによって評価され得る:筋細胞による低下したカルシウム取り込み、減少したコラーゲン合成、変化した形態、変化した脂質生合成、減少した酸化的ストレス及び/又は改善した筋繊維の機能、完全性及び/又は生存率。これらのパラメータは、通常、筋生検の断面の免疫蛍光及び/又は組織化学的分析を用いて評価される。
筋繊維の機能、完全性及び/又は生存率の改善は以下のアッセイの少なくとも1つを用いて評価され得る:血液中のクレアチンキナーゼの検出可能な減少、ジストロフィーである疑いがある筋肉の生検断面における筋繊維の壊死の検出可能な減少及び/又はジストロフィーである疑いがある筋肉の生検断面における筋繊維の直径の均一性の検出可能な増加。これらのアッセイの各々は当業者に知られている。
クレアチンキナーゼは、Hodgettsら(Hodgetts S.ら)に記載されているように血液中で検出され得る。クレアチンキナーゼの検出可能な減少は、治療前の同じDMD又はBMD患者におけるクレアチンキナーゼの濃度と比較して、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の減少を意味し得る。
筋繊維の壊死の検出可能な減少は、好ましくは、筋生検において評価され、より好ましくは、生検断面を使用してHodgettsら(Hodgetts S.ら)に記載されているように評価される。壊死の検出可能な減少は、壊死が生検断面を用いて特定されている領域の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の減少であり得る。減少は、治療前の同じDMD又はBMD患者において評価された壊死との比較によって測定される。
筋繊維の直径の均一性の検出可能な増加は、好ましくは、筋生検断面において評価され、より好ましくは、Hodgettsら(Hodgetts S.ら)に記載されているように評価される。増加は、治療前の同じDMD又はBMD患者における筋繊維の直径の均一性との比較によって測定される。
本発明のオリゴヌクレオチドは、前記個体に(より高いレベルの)機能的及び/又は(半)機能的ジストロフィンタンパク質(DMD及びBMDの両方)を提供し、前記個体において異常なジストロフィンタンパク質の産生を少なくとも部分的に減少させることができることが好ましい。この文脈において、「一つの」機能的及び/又は「一つの」半機能的ジストロフィンは、機能的及び/又は半機能的ジストロフィンのいくつかの形態が生成され得ることを意味し得る。これは、第1のエクソンと第2のエクソンとの間の少なくとも50%の同一性の領域が、他の第1のエクソンと第2のエクソンとの間の少なくとも50%の同一性の1つ又は複数の他の領域と重複する場合、及び前記オリゴヌクレオチドが前記重複している部分に結合でき、それによりエクソンのいくつかの異なるストレッチがスキップされ、いくつかの異なるインフレーム転写物が産生される場合に予想され得る。この状況は実施例4に例示され、本発明に係る1つの単一のオリゴヌクレオチド(PS816,配列番号1679)が、第1のエクソンとしてエクソン10をすべて共有するいくつかのインフレーム転写物の産生を誘導でき、第2のエクソンは13、14、15、18、20、27、30、31、32、35、42、44、47、48又は55であってもよい。
より高いレベルとは、本発明のオリゴヌクレオチドでの治療の開始前の患者における機能的及び/又は(半)機能的ジストロフィンタンパク質の対応するレベルと比較して、機能的及び/又は(半)機能的ジストロフィンタンパク質レベルの増加を指す。前記機能的及び/又は(半)機能的ジストロフィンタンパク質のレベルは、好ましくは、免疫蛍光又はウェスタンブロット分析(タンパク質)を用いて評価される。
異常なジストロフィンmRNA又は異常なジストロフィンタンパク質の産生を減少させることとは、好ましくは、初期量の異常なジストロフィンmRNA又は異常なジストロフィンタンパク質の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%又はそれ未満が、RT PCR(mRNA)又は免疫蛍光又はウェスタンブロット分析(タンパク質)によってまだ検出可能であることを意味する。異常なジストロフィンmRNA又はタンパク質とはまた、本明細書において、ほとんど機能的でない(本明細書で上に定義されている野生型の機能的ジストロフィンタンパク質と比較して)又は非機能的ジストロフィンmRNA又はタンパク質を指す。非機能的ジストロフィンタンパク質は、好ましくは、アクチン及び/又はDGCタンパク質複合体のメンバーに結合できないジストロフィンタンパク質である。非機能的ジストロフィンタンパク質又はジストロフィンmRNAは、典型的に、タンパク質のインタクトなC末端を有するジストロフィンタンパク質を有さないか、又はコードしない。好ましい実施形態において、エクソンスキッピング(RNA調節又はスプライススイッチングとも呼ばれる)技術が適用される。
機能的及び/又は半機能的ジストロフィンmRNA及び/又はタンパク質の産生を増加させることとは、好ましくは、このような機能的及び/又は半機能的ジストロフィンmRNA及び/又はタンパク質が検出可能であるか、又は治療の開始において検出可能な前記mRNA及び/又はタンパク質の検出可能な量と比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくはそれ以上増加させること意味する。前記検出は、RT−PCR(mRNA)又は免疫蛍光又はウェスタンブロット分析(タンパク質)を用いて実施され得る。
別の実施形態において、本発明の化合物は前記個体に機能的又は半機能的ジストロフィンタンパク質を提供する。この機能的又は半機能的ジストロフィンタンパク質又はmRNAは、本明細書の上記に説明されている異常なジストロフィンタンパク質又はmRNAとして検出され得る。
前記2つのエクソン(前記第1のエクソン及び前記第2のエクソン)の標的化された共スキッピング(co−skipping)によって、さらなるエクソンのスキッピングが誘導でき、前記さらなるエクソンは、好ましくは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置し、得られたジストロフィン転写物は、(好ましくは表1又は6に記載の)インフレームであり、DMD又は重度のBMD表現型は軽度のBMD又はさらに無症候表現型に変換される。前記2つのエクソンの共スキッピングは、好ましくは、ジストロフィンmRNA前駆体由来の第1のエクソンの領域とのオリゴヌクレオチドの結合によって、及びジストロフィンmRNA前駆体内の第2のエクソンの領域とのオリゴヌクレオチドの結合によって誘導され、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有する。前記第1のジストロフィンエクソン及び前記第2のジストロフィンエクソン並びにそれらの中の同一性領域は表2又は6に記載されているものであることが好ましい。前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは、非エクソン配列との重複を示さない。前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは、少なくともそれらがイントロンに存在する限り、スプライス部位と重複しない。前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは、隣接するイントロンと逆相補的である配列を含有しないエクソン内部配列に向けられる。エクソンスキッピング技術は、DMD mRNA前駆体から産生されたmRNAにおける、前記2つのエクソンの不在が、好ましくはさらなるエクソンの、より好ましくは前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置するエクソンの不在が、より(半)機能的な、短いけれども、ジストロフィンタンパク質の(より高い)発現についてのコドン領域を生成するように適用されることが好ましい。この文脈(典型的にBMD患者)において、前記2つのエクソン、好ましくは、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置するさらなるエクソン、の包含を阻害することとは、好ましくは以下を意味する。
元の異常な(ほとんど機能的でない)ジストロフィンmRNAのレベルが、RT−PCRによって評価して少なくとも5%減少すること、又は対応する異常なジストロフィンタンパク質レベルが、抗ジストロフィン抗体を使用した免疫蛍光若しくはウェスタンブロット分析によって評価して少なくとも2%減少すること、及び/又は
半機能的若しくは機能的ジストロフィンタンパク質をコードするインフレーム転写物が検出可能であるか、又はそのレベルが、RT−PCR(mRNAレベル)によって評価して少なくとも5%、若しくは抗ジストロフィン抗体(タンパク質レベル)を使用した免疫蛍光若しくはウェスタンブロットによって評価して少なくとも2%増加すること。
異常な、ほとんど機能的でない又は非機能的ジストロフィンタンパク質の減少は、好ましくは、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくは100%であり、好ましくは、より機能的又は半機能的なジストロフィン転写物又はタンパク質の検出又は増加した産生と一致又は類似している。この文脈(典型的にDMD患者)において、前記2つのエクソン、好ましくは前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に位置するさらなるエクソンの包含を阻害することは、好ましくは、(より高いレベルの)より機能的又は(半)機能的なジストロフィンタンパク質又はmRNAが前記個体に提供されることを意味する。
一旦、DMD患者が(より高いレベルの)(より)機能的又は半機能的なジストロフィンタンパク質を与えられると、DMDの原因が少なくとも部分的に軽減される。それ故、次に、DMDの症状が十分に低下することが予期される。本発明は、ストレッチの外側エクソンの両方に向けられた(又は結合できるか若しくはハイブリダイズできるか若しくは逆相補的であるか若しくは標的化できる)単一のオリゴヌクレオチドを使用する場合、少なくとも2つのジストロフィンエクソンのストレッチ全体の、前記エクソンを含むmRNA前駆体からのスキッピングが誘導又は増強されるという洞察をさらに提供する。好ましい実施形態における本明細書全体にわたって、したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、前記第1のエクソンの前記領域に少なくとも80%逆相補的であり、本明細書に定義されている前記第2のエクソンの前記領域に少なくとも45%逆相補的であり、前記第1のエクソン及び第2のエクソンはスキップされるエクソンストレッチの外側エクソンに対応する。
前記オリゴヌクレオチドは、前記第1の前記領域に少なくとも85%、90%、95%又は100%逆相補的であり、前記第2のエクソンの前記領域に少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%逆相補的であることがより好ましい。増強したスキッピング頻度はまた、DMD又はBMD個体の筋細胞において産生される、より(半)機能的なジストロフィンタンパク質のレベルを増加させる。
使用されることが好ましい本発明に係るオリゴヌクレオチドは、好ましくは、第1のジストロフィンエクソンの領域に逆相補的であるか又は結合できるか又はハイブリダイズできるか又は標的化でき、前記領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、又はそれ以上のヌクレオチドを有し、好ましくは、第2のジストロフィンエクソンの領域に逆相補的であるか又は結合できるか又はハイブリダイズできるか又は標的化でき、前記領域は、少なくとも13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、又はそれ以上のヌクレオチドを有し、同じmRNA前駆体内の前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性である。
本発明において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含んでもよいか又はからなってもよい。オリゴヌクレオチドの機能的等価物は、1つ又は複数のヌクレオチドが置換されており、前記機能的等価物の活性が少なくともある程度まで保持される、本明細書に定義されているオリゴヌクレオチドを好ましくは意味する。オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含む前記化合物の活性は、機能的又は半機能的ジストロフィンタンパク質を提供することが好ましい。したがって、オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含む前記化合物の前記活性は、好ましくは、機能的又は半機能的ジストロフィンタンパク質の量を定量することによって評価される。機能的又は半機能的ジストロフィンは、本明細書において好ましくは、アクチン及びDGCタンパク質複合体のメンバーに結合でき、筋繊維膜構造及び柔軟性をサポートできるジストロフィンであると定義される。機能的オリゴヌクレオチド又は等価物を含む化合物の前記活性の評価は、好ましくは、RT−PCR(RNAレベルでエクソンスキッピングを検出するため)及び/又は免疫蛍光若しくはウェスタンブロット分析(タンパク質発現及び局在を検出するため)を含む。前記活性は、その活性が、機能的等価物が由来するオリゴヌクレオチドを含む前記化合物の、対応する活性の少なくとも50%又は少なくとも60%又は少なくとも70%又は少なくとも80%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又はそれ以上を表す場合、好ましくは少なくともある程度まで保持される。本明細書全体にわたって、オリゴヌクレオチドという用語が使用される場合、その用語は、本明細書に定義されているその機能的等価物に置き換えられてもよい。
したがって、オリゴヌクレオチド又はその機能的等価物の使用は、
第1のジストロフィンエクソンの領域に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的であり、
第2のジストロフィンエクソンの領域に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である、
配列を含むか又はからなり、
ジストロフィンmRNA前駆体内の前記第2のエクソンの前記領域は、前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、
DMD又はBMDの1つ又は複数の症状を軽減すること、及び/又は
患者由来の筋細胞の1つ又は複数の特性を軽減すること、及び/又は
前記個体に機能的若しくは半機能的ジストロフィンタンパク質を提供すること、及び/又は
前記個体における異常なジストロフィンタンパク質の産生を少なくとも部分的に減少させること
によるDMD治療結果を示す。
これらの特徴の各々は既に本明細書に定義されている。
オリゴヌクレオチドは、第1のDMD又はジストロフィンエクソンの領域に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である配列を含むか又はからなり、同じmRNA前駆体内の第2のDMD又はジストロフィンの領域は、前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性であることが好ましい。前記第1のエクソン及び第2のエクソンは、好ましくは、エクソン8〜60を含むエクソンの群から選択され、エクソンのストレッチは、第1のエクソンで開始し、最後のエクソンとして第2のエクソンを含み、スキップされる場合、インフレーム転写物を生じる。ジストロフィンmRNAにおける好ましいインフレームエクソンの組み合わせは表1、2又は6に与えられる。
いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、第1のジストロフィンエクソン及び第2のジストロフィンエクソンの同一性は以下の態様の1つ又は複数によって決定され得る。一実施形態において、第1のエクソンと第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のイントロンは非常に大きいわけではない。この文脈において、ジストロフィン遺伝子における非常に大きいイントロンは、70、80、90、100、200kb又はそれ以上;例えば、イントロン1(約83kb)、イントロン2(約170kb)、イントロン7(約110kb)、イントロン43(約70kb)、イントロン44(約248kb)、イントロン55(約119kb)又はイントロン60(約96kb)であり得る。さらなる実施形態に加えて、それらのイントロンは既に、切断されたジストロフィンタンパク質を発現するBMD患者の一例であり得、前記第1のエクソンから前記第2のエクソンまでのこの第1、この第2及びエクソンストレッチは欠失される。別の基準(criteron)は、特定の関連する変異を有するDMD(及び/又はBMD)患者の組み合わされた亜集団についてのスキップされたエクソンの比較的大きな適用性であり得る。
好ましい実施形態において、DMDエクソンのインフレームストレッチはスキップされ(より好ましくは1つの転写物内で完全にスキップされる)、外側エクソンは以下のような第1のエクソン及び第2のエクソンによって定義される。
第1のエクソンはエクソン8であり、第2のエクソンはエクソン19である(約7%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン9であり、第2のエクソンはエクソン22である(約11%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン9であり、第2のエクソンはエクソン30である(約14%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン18である(約5%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン30である(約13%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン42である(約16%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン47である(約29%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン57である(約72%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン10であり、第2のエクソンはエクソン60である(約72%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン11であり、第2のエクソンはエクソン23である(約8%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン13であり、第2のエクソンはエクソン30である(約10%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン23であり、第2のエクソンはエクソン42である(約7%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン34であり、第2のエクソンはエクソン53である(約42%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン40であり、第2のエクソンはエクソン53である(約38%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン44であり、第2のエクソンはエクソン56である(約40%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン45であり、第2のエクソンはエクソン51である(約17%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン45であり、第2のエクソンはエクソン53である(約28%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン45であり、第2のエクソンはエクソン55である(約33%のDMD患者に適用可能);
第1のエクソンはエクソン45であり、第2のエクソンはエクソン60である(約37%のDMD患者に適用可能);或いは
第1のエクソンはエクソン56であり、第2のエクソンはエクソン60である(約2%のDMD患者に適用可能)。
したがって、一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは以下のジストロフィンエクソンのスキッピングを含む:エクソン8から19、エクソン9から22、エクソン9から30、エクソン10から18、エクソン10から30、エクソン10から42、エクソン10から47、エクソン10から57、エクソン10から60、エクソン11から23、エクソン13から30、エクソン23から42、エクソン34から53、エクソン40から53、エクソン44から56、エクソン45から51、エクソン45から53、エクソン45から55、エクソン45から60、又はエクソン56から60。
本発明のオリゴヌクレオチドは、逆相補的部分が本発明の前記オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%又はさらに好ましくは少なくとも95%又はさらに好ましくは98%及び最も好ましくは最大100%であるように、ジストロフィンmRNA前駆体の第1のエクソンの領域に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、及び/又は逆相補的である、配列を含むか又はからなることが好ましい。この文脈において、第1のエクソンは、好ましくは、本明細書に定義されているジストロフィンmRNA前駆体のエクソン8、9、10、11、13、23、34、40、44、45又は56である。前記オリゴヌクレオチドはさらなる隣接配列を含んでもよい。より好ましい実施形態において、前記オリゴヌクレオチドの前記逆相補的部分の長さは、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチドである。いくつかの種類の隣接配列が使用されてもよい。隣接配列は、前記オリゴヌクレオチドに対するタンパク質の結合を変更するため、又は前記オリゴヌクレオチドの熱力学特性を変更するため、より好ましくは標的RNA結合親和性を変更するために使用されることが好ましい。別の好ましい実施形態において、さらなる隣接配列は前記エクソンに存在しないジストロフィンmRNA前駆体の配列に逆相補的である。
好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ジストロフィンmRNA前駆体に存在する少なくとも第1のジストロフィンエクソンの領域及び第2のジストロフィンエクソンの領域に結合でき、標的化でき、ハイブリダイズでき、逆相補的である、配列を含むか又はからなり、前記第1のエクソン及び第2のエクソンは、エクソン8(配列番号2)、9(配列番号3)、10(配列番号4)、11(配列番号1761)、13(配列番号1762)、18(配列番号5)、19(配列番号6)、22(配列番号7)、23(配列番号8)、30(配列番号9)、34(配列番号1763)、40(配列番号1764)、42(配列番号11)、44(配列番号1765)、45(配列番号12)、47(配列番号10)、51(配列番号1760)、53(配列番号13)、55(配列番号14)、56(配列番号15)、57(配列番号1744)、又は60(配列番号16)、の群から選択され、前記領域は少なくとも10ヌクレオチドを有する。しかしながら、前記領域はまた、少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、又はそれ以上のヌクレオチドを有してもよい。上述の好ましいエクソンについて、当業者はまた、当分野において公知の技術を使用して第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域を同定できる。オンラインツールEMBOSS Matcherが上述のように使用されることがより好ましい。本発明のオリゴヌクレオチドが好ましくは結合し、及び/又は少なくとも部分的に逆相補的である、第1のジストロフィンエクソン及び第2のジストロフィンエクソンの好ましい同一性の領域は表2に提供されていることがさらに好ましい。ここで、逆相補的とは、好ましくは、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%である。本発明に使用される好ましいオリゴヌクレオチド配列は、好ましくは、表2からの前記第1のエクソンと第2のエクソンとの間の同一性の領域に結合でき、ハイブリダイズでき、標的化でき、及び/又は逆相補的であり、少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチド、より好ましくは40ヌクレオチド未満又はより好ましくは30ヌクレオチド未満、さらに好ましくは25ヌクレオチド未満及び最も好ましくは20から25ヌクレオチドの長さを有する。ここで、逆相補的とは、好ましくは、少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%である。
一実施形態において、好ましいオリゴヌクレオチドは、第1のジストロフィンエクソン及び第2のジストロフィンエクソンが表1、2又は6に記載されたものであり、前記オリゴヌクレオチドが、表2又は6に記載され、配列番号17から1670、1742、1743又は1766から1777に定義されている対応する第1のエクソン及び第2のエクソンの領域に結合できるようなものである。
好ましいオリゴヌクレオチドは表3に開示されたものであり、配列番号1671〜1741を含むか又はからなる。他の好ましいオリゴヌクレオチドは、表6に開示されている配列番号1778〜1891を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1671〜1741又は1778〜1891を含み、表3又は6に与えられているそれらの配列番号の配列よりも1、2、3、4若しくは5多いヌクレオチド又は1、2、3、4若しくは5少ないヌクレオチドを有する。これらのさらなるヌクレオチドは所与の配列番号の配列の5’又は3’側に存在し得る。これらの欠損ヌクレオチドは、所与の配列番号の配列の5’側又は3’側に存在するヌクレオチドであり得る。これらのオリゴヌクレオチドの各々は、上述の化学物質又はそれらの組み合わせのいずれかを有してもよい。本明細書において配列番号により識別されているオリゴヌクレオチドの各々において、UはTに置き換えられてもよい。
より好ましいオリゴヌクレオチドは以下に示される。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン8であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン19である場合、エクソン8の好ましい領域は配列番号17を含むか又はからなり、エクソン19の好ましい領域は配列番号18を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1722若しくは1723からなるか又は配列番号1722若しくは1723を含み、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン13である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号101を含むか又はからなり、エクソン13の好ましい領域は配列番号102を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン14である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号103を含むか又はからなり、エクソン14の好ましい領域は配列番号104を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン15である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号105を含むか又はからなり、エクソン15の好ましい領域は配列番号106を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン18である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号109を含むか又はからなり、エクソン18の好ましい領域は配列番号110を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは以下を含む:
配列番号1679〜1681、1778、1812、1813、1884〜1886、1890若しくは1891のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1814に定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1815〜1819のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1820、1824のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1826、1782、1832のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1821、1825、1780のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1822のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1823、1781、1829、1830、1831のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、
配列番号1887のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1888若しくは1889のいずれか1つに定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1827に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1828に定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン18である場合、エクソン10の別の好ましい領域は配列番号1766を含むか又はからなり、エクソン18の別の好ましい領域は配列番号1767を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号1783、1833、1834、1835のいずれか1つに定義され、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン18である場合、エクソン10の別の好ましい領域は配列番号1768を含むか又はからなり、エクソン18の別の好ましい領域は配列番号1769を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号1673若しくは1674のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン20である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号111を含むか又はからなり、エクソン20の好ましい領域は配列番号112を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン27である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号121を含むか又はからなり、エクソン27の好ましい領域は配列番号122を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン30である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号127を含むか又はからなり、エクソン30の好ましい領域は配列番号128を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1679〜1681、1812、1813、1884〜1886、1890若しくは1891のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1814に定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1675若しくは1676に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1677若しくは1678に定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1784、1836のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1786、1838のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1780のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1785、1837のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン30である場合、エクソン10の別の好ましい領域は配列番号1772を含むか又はからなり、エクソン30の別の好ましい領域は配列番号1773を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1688、1689、1839、1840、1841、1842、1843若しくは1844のいずれか1つに定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1845、1846、1847、1848のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1849、1850のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1787、1851のいずれか1つに定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン31である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号129を含むか又はからなり、エクソン31の好ましい領域は配列番号130を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン32である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号131を含むか又はからなり、エクソン32の好ましい領域は配列番号132を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン35である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号137を含むか又はからなり、エクソン35の好ましい領域は配列番号138を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン42である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号151を含むか又はからなり、エクソン42の好ましい領域は配列番号152を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン44である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号153を含むか又はからなり、エクソン44の好ましい領域は配列番号154を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン47である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号157を含むか又はからなり、エクソン47の好ましい領域は配列番号158を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン48である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号159を含むか又はからなり、エクソン48の好ましい領域は配列番号160を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン55である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号167を含むか又はからなり、エクソン55の好ましい領域は配列番号168を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン57である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号169を含むか又はからなり、エクソン57の好ましい領域は配列番号170を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン10であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン60である場合、エクソン10の好ましい領域は配列番号173を含むか又はからなり、エクソン60の好ましい領域は配列番号174を含むか又はからなる。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1673からなるか又は配列番号1673を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1675からなるか又は配列番号1675を含み、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1677からなるか又は配列番号1677を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1679からなるか又は配列番号1679を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1679の塩基配列を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。任意選択で、配列番号1679のUの1、2、3、4、5、6、7はTに置き換えられる/置き換えられている。好ましい実施形態において、配列番号1679のすべてのUはTに置き換えられている。配列番号1679を含む好ましいオリゴヌクレオチドは上述のいずれかの化学的性質:塩基修飾及び/又は糖修飾及び/又は骨格修飾を含む。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1681からなるか又は配列番号1681を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1684からなるか又は配列番号1684を含み、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1685からなるか又は配列番号1685を含み、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1686からなるか又は配列番号1686を含み、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1688からなるか又は配列番号1688を含み、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1688の塩基配列を含み、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。任意選択で、配列番号1688のUの1、2、3、4、5、6はTに置き換えられる/置き換えられている。好ましい実施形態において、配列番号1688のすべてのUはTに置き換えられている。配列番号1688を含む好ましいオリゴヌクレオチドは本明細書で上記に定義されているいずれかの化学的性質:塩基修飾及び/又は糖修飾及び/又は骨格修飾を含む。
配列番号1673、1675、1677、1679、1681、1684、1685、1686及び1688によって表されるオリゴヌクレオチドの各々について、第1のジストロフィンエクソンはエクソン10である。しかしながら、第2のジストロフィンエクソンはエクソン13、14、15、18、20、27、30、31、32、35、42、44、47、48、55、57又は60である。このことは、これらのオリゴヌクレオチドのいずれかを使用することにより、インフレーム転写物のいくつかの形成が起こり得、各々が、切断されてはいるものの(半)機能的ジストロフィンタンパク質の産生を導くことを意味する。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン11であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン23である場合、エクソン23の好ましい領域は配列番号191を含むか又はからなり、エクソン23の好ましい領域は配列番号192を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1794、1861、1795、1862のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1796、1863、1797、1864のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1798、1865、1799、1866のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン13であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン30である場合、エクソン13の好ましい領域は配列番号285を含むか又はからなり、エクソン30の好ましい領域は配列番号286を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1808、1867、1809、1868、1810、1869、1858、1873のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、
配列番号1811、1870、1859、1874のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1856、1871、1860、1875のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1857、1872のいずれか1つに定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン23であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン42である場合、エクソン23の好ましい領域は配列番号776を含むか又はからなり、エクソン42の好ましい領域は配列番号777を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1698〜1703を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン34であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン53である場合、エクソン34の好ましい領域は配列番号1294を含むか又はからなり、エクソン53の好ましい領域は配列番号1295を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1800、1876、1801、1877のいずれか1つに定義され、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1802、1878、1803、1879のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン40であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン53である場合、エクソン40の好ましい領域は配列番号1477を含むか又はからなり、エクソン53の好ましい領域は配列番号1478を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、
配列番号1804、1880のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
配列番号1805、1881のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン44であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン56である場合、エクソン44の好ましい領域は配列番号1577を含むか又はからなり、エクソン56の好ましい領域は配列番号1558を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号1806、1882、1807、1883のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン45であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン51である場合、エクソン45の好ましい領域は配列番号1567を含むか又はからなり、エクソン51の好ましい領域は配列番号1568を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1730〜1731を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン45であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン53である場合、エクソン45の好ましい領域は配列番号1569を含むか又はからなり、エクソン53の好ましい領域は配列番号1570を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1732〜1737を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン45であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン55である場合、エクソン45の好ましい領域は配列番号1571を含むか又はからなり、エクソン55の好ましい領域は配列番号1572を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1704〜1719、1788、1852、1789、1853を含むか又はからなる。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1706からなるか又は配列番号1706を含み、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。配列番号1706を含み、25ヌクレオチドの長さを有する好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1706からなる。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1707からなるか又は配列番号1707を含み、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。配列番号1707を含み、25ヌクレオチドの長さを有する好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1706からなる。
好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1713からなるか又は配列番号1713を含み、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。配列番号1713を含み、25ヌクレオチドの長さを有する好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1710からなる。
好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号1788、1852、1789、1853のいずれか1つに定義されている塩基配列を含み、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン45であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン55である場合、エクソン45の別の好ましい領域は配列番号1774を含むか又はからなり、エクソン55の別の好ましい領域は配列番号1775を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは、配列番号1790、1854、1792、1855のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列を含む。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン45であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン60である場合、エクソン45の好ましい領域は配列番号1577を含むか又はからなり、エクソン60の好ましい領域は配列番号1578を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1738〜1741を含むか又はからなる。
第1のジストロフィンエクソンがエクソン56であり、第2のジストロフィンエクソンがエクソン60である場合、エクソン56の好ましい領域は配列番号1742を含むか又はからなり、エクソン60の好ましい領域は配列番号1743を含むか又はからなる。好ましいオリゴヌクレオチドは配列番号1720〜1721を含むか又はからなる。
より好ましいオリゴヌクレオチドは以下を含む。
(a)配列番号1673若しくは1674に定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(b)配列番号1675若しくは1676に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(c)配列番号1677若しくは1678に定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(d)配列番号1679〜1681のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(e)配列番号1684〜1686のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(f)配列番号1688若しくは1689に定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(g)配列番号1704〜1706のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、
(h)配列番号1707〜1709のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(i)配列番号1710、1713〜1717のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列。
さらに好ましいオリゴヌクレオチドは以下を含む。
(a)配列番号1679〜1681、1778、1812、1813、1884〜1886、1890若しくは1891のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有するか、又は配列番号1814に定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(b)配列番号1688、1689又は1839〜1844に定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(c)配列番号1673又は1674に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(d)配列番号1675又は1676に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(e)配列番号1677又は1678に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(f)配列番号1684〜1686のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(g)配列番号1704〜1706のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(h)配列番号1707〜1709のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(i)配列番号1710、1713〜1717のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(j)配列番号1815〜1819のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(k)配列番号1820、1824のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(l)配列番号1826、1782、1832のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(m)配列番号1821、1825、1780のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(n)配列番号1822のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(o)配列番号1823、1781、1829、1830、1831のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(p)配列番号1783、1833、1834、1835のいずれか1つに定義され、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(q)配列番号1887のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(r)配列番号1888又は1889のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(s)配列番号1827に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(t)配列番号1828に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(u)配列番号1784、1836のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(v)配列番号1786、1838のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(w)配列番号1780のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(x)配列番号1785、1837のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(y)配列番号1845、1846、1847、1848のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(z)配列番号1849、1850のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(a1)配列番号1787、1851のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(b1)配列番号1788、1852、1789、1853のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(c1)配列番号1790、1854、1792、1855のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(d1)配列番号1794、1861、1795、1862のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(e1)配列番号1796、1863、1797、1864のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(f1)配列番号1798、1865、1799、1866のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(g1)配列番号1808、1867、1809、1868、1810、1869、1858、1873のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(h1)配列番号1811、1870、1859、1874のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(i1)配列番号1856、1871、1860、1875のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(j1)配列番号1857、1872のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(k1)配列番号1800、1876、1801、1877のいずれか1つに定義され、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(l1)配列番号1802、1878、1803、1879のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(m1)配列番号1804、1880のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(n1)配列番号1805、1881のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(o1)配列番号1806、1882、1807、1883のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列。
配列番号によって定義されている配列を含むか又はからなる本発明に係るオリゴヌクレオチドは、配列番号によって定義されている塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを包含することを意味する。また、配列番号によって定義されている塩基配列に対して修飾骨格(すなわち修飾糖部分及び/又は修飾ヌクレオシド間結合)を有するオリゴヌクレオチドは本発明に包含される。本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの配列番号における各々の塩基UはTで修飾されてもよいか又は置き換えられてもよい。
組成物:
さらなる態様において、「オリゴヌクレオチド」という標題のセクションに記載されているオリゴヌクレオチドを含む組成物が提供される。この組成物は、好ましくは、上記のオリゴヌクレオチドを含むか又はからなる。好ましい組成物は上記の1つの単一オリゴヌクレオチドを含む。したがって、少なくとも前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピングは、1つの単一オリゴヌクレオチドを使用し、異なるオリゴヌクレオチドのカクテルを使用せずに得られることは明らかである。
好ましい実施形態において、前記組成物は医薬としての使用のためである。したがって、前記組成物は医薬組成物である。医薬組成物は、通常、薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含む。好ましい実施形態において、本発明の組成物は本明細書に定義されている化合物を含み、薬学的に許容される製剤、充填剤、防腐剤、可溶化剤、担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント及び/又は溶剤を任意選択でさらに含む。このような薬学的に許容される担体、充填剤、防腐剤、可溶化剤、希釈剤、塩、アジュバント、溶剤及び/又は賦形剤は、例えばRemingtonに見出される。本発明に記載されている化合物は少なくとも1つのイオン性基を有する。イオン性基は塩基又は酸であってもよく、帯電されていてもよく又は中性であってもよい。イオン性基は、反対の電荷を有する適切な対イオンとのイオン対として存在してもよい。陽イオン性の対イオンの例は、ナトリウム、カリウム、セシウム、トリス、リチウム、カルシウム、マグネシウム、トリアルキルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムである。陰イオン性の対イオンの例は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、乳酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ジクロロ酢酸塩及びクエン酸塩である。対イオンの例は記載されている(Kumar L.(その全体は参照により本明細書に組み込まれている))。したがって、好ましい実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、このようなイオン性基、好ましくはCa2+を含む組成物と接触して、本明細書に既に定義されているこのような多価陽イオンによって連結された2つ以上の同一のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドキレート錯体を形成する。
医薬組成物は、前記化合物の安定性、溶解度、吸収性、バイオアベイラビリティ、薬物動態及び細胞取り込みを増強することをさらに補助するように、特に、複合体、ナノ粒子、微小粒子、ナノチューブ、ナノゲル、ヒドロゲル、ポロキサマー又はプルロニック、ポリマーソーム(polymersome)、コロイド、マイクロバブル、ベシクル、ミセル、リポプレックス及び/又はリポソームを形成できる賦形剤又はコンジュゲートを含む製剤にさらに製剤化されてもよい。ナノ粒子の例には、ポリマーナノ粒子、金ナノ粒子、磁性ナノ粒子、シリカナノ粒子、脂質ナノ粒子、糖粒子、タンパク質ナノ粒子及びペプチドナノ粒子が含まれる。
好ましい組成物は、前記組成物及び/又は前記オリゴヌクレオチドの筋肉及び/又は細胞内への標的化及び/又は送達を増強するのをさらに補助し得る少なくとも1つの賦形剤を含む。細胞は筋細胞であってもよい。
別の好ましい組成物は第2のタイプの賦形剤として分類される少なくとも1つの賦形剤を含んでもよい。第2のタイプの賦形剤は、例えば筋組織又は筋細胞といった、組織及び/又は細胞への、及び/又は組織及び/又は細胞内への、本発明の組成物及び/又はオリゴヌクレオチドの標的化及び/又は送達を増強するために、本明細書に記載されているコンジュゲート基を含み得又は含有し得る。両方のタイプの賦形剤は本明細書に記載されている1つの単一組成物内に一緒に組み合わされてもよい。好ましいコンジュゲート基は定義のパートに開示されている。
当業者は、本発明における使用のための化合物を製剤化し、送達するために、上記又は他の代替の賦形剤及び送達系の1つ又は複数を選択でき、組み合わせることができ、及び/又は適合させることができる。
本発明のこのような医薬組成物は、設定時間にて有効濃度で、動物、好ましくは哺乳動物に投与され得る。より好ましい哺乳動物はヒトである。本発明に従う使用のための本明細書に定義されている化合物又は組成物は、個体の細胞、組織及び/又は器官へのインビボでの直接投与に好適であり得、前記個体はBMD又はDMDに罹患しているか、又はそれらを発症するリスクがあることが好ましく、インビボ、エキソビボ又はインビトロで直接投与され得る。投与は、全身及び/又は非経口経路、例えば、静脈内、皮下、脳室内、髄腔内、筋肉内、鼻腔内、腸内、硝子体内、脳内、硬膜外又は経口経路を介してであってもよい。このような本発明の医薬組成物は、経口送達のための乳剤、懸濁剤、丸剤、錠剤、カプセル剤若しくは軟質ゲル剤の形態で、又は気道及び肺に送達するためのエアゾール剤若しくは乾燥粉末剤の形態でカプセル化され得ることが好ましい。
一実施形態において、本発明の化合物は前記疾患の治療に使用されることが既に知られている別の化合物と一緒に使用されてもよい。このような他の化合物は、疾患の進行を減速させるため、例えば異常行動又は動作を低下させるため、筋組織炎症を低下させるため、筋繊維の機能、完全性及び/又は生存を改善するため、及び/又は心臓機能を改善、増加若しくは修復するために使用され得る。例は、限定されないが、ステロイド、好ましくは(糖質)コルチコステロイド、ACE阻害剤(好ましくはペリンドプリル)、アンジオテンシンII 1型受容体遮断薬(好ましくはロサルタン)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNFα)阻害剤、TGFβ阻害剤(好ましくはデコリン)、ヒト組換えビグリカン、mIGF−1源、ミオスタチン阻害剤、マンノース−6−リン酸、抗酸化剤、イオンチャネル阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤(好ましくはシルデナフィル又はタダラフィルなどのPDE5阻害剤)、L−アルギニン、ドーパミン遮断薬、アマンタジン、テトラベナジン及び/又はコエンザイムQ10である。この組み合わせた使用は逐次使用であってもよい:各成分は異なる組成物で投与される。あるいは、各化合物は単一組成物中で一緒に使用されてもよい。
使用:
さらなる態様において、医薬として若しくは療法の一部としての使用のための本明細書に記載の組成物若しくは化合物の使用、又は化合物がその活性を細胞内に与える適用が提供される。
好ましい実施形態において、本発明の化合物又は組成物は医薬としての使用のためであり、その医薬は、本明細書に定義されている疾患、好ましくはDMD又はBMDを予防、遅延、改善及び/又は治療するためである。
疾患を予防、遅延、改善及び/又は治療するための方法:
さらなる態様において、本明細書に定義されている疾患、好ましくはDMD又はBMDを予防、遅延、改善及び/又は治療するための方法が提供される。前記疾患は、個体において、前記個体の細胞、組織又は器官において予防、治療、遅延又は改善され得る。方法は、本発明のオリゴヌクレオチド又は組成物を、それを必要とする前記個体又は対象に投与するステップを含む。
本発明に係る方法は、本明細書に定義されているオリゴヌクレオチド又は組成物が、個体、好ましくは、BMD又はDMDに罹患しているか又はこのような疾患を発症するリスクのある個体のインビボでの細胞、組織及び/又は器官への投与に好適であり得、インビボ、エキソビボ又はインビトロで投与され得る。必要とする個体又は対象は、好ましくは、哺乳動物、より好ましくはヒトである。
一実施形態において、本発明の方法において、オリゴヌクレオチド又は組成物の濃度は0.01nMから1μMの範囲である。使用される濃度は0.02から400nM、0.05から400nM又は0.1から400nMであることがより好ましく、0.1から200nMであることがさらに好ましい。
本発明に係るオリゴヌクレオチド又は組成物の用量範囲は、好ましくは、厳格なプロトコル要件が存在する臨床試験(インビボでの使用)における漸増用量研究に基づいて設計される。本明細書に定義されているオリゴヌクレオチドは、0.01から200mg/kg又は0.05から100mg/kg又は0.1から50mg/kg又は0.1から20mg/kg、好ましくは0.5から10mg/kgの範囲である用量で使用され得る。
上記に与えられているオリゴヌクレオチド又は組成物の濃度又は用量の範囲は、インビトロ又はエキソビボでの使用のための好ましい濃度又は用量である。当業者は、使用されるオリゴヌクレオチドの同一性に応じて、治療される標的細胞、遺伝子標的及びその発現レベル、使用される媒体並びにトランスフェクション及びインキュベーション条件、使用される前記オリゴヌクレオチドの濃度又は用量をさらに変化させてもよく、さらに最適化することを必要とする場合があることを理解するであろう。
定義:
当分野において公知の「配列同一性」は、配列を比較することによって決定される場合、2つ以上の核酸(ポリヌクレオチド又はヌクレオチド)配列間の関係である。当分野において、「同一性」又は「類似性」は、このような配列の鎖間の一致によって決定される場合、核酸配列間の配列関連性の程度を示す。「同一性」は本明細書において「類似性」に置き換えられてもよい。同一性は、本明細書に記載されている全配列番号を比較することによって決定されることが好ましい。しかしながら、配列の一部も使用され得る。ここで、配列の一部は、所与の配列又は配列番号の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%を意味し得る。
「同一性」及び「類似性」は、これらに限定されないが、Computational Molecular Biology、Lesk,A.M.編、Oxford University Press、New York、1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects、Smith、D.W.編、Academic Press、New York、1993;Computer Analysis of Sequence Data、Part I、Griffin,A.M.、及びGriffin,H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994;Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heine、G.,Academic Press、1987;並びにSequence Analysis Primer Gribskov,M.及びDevereux,J.編、M Stockton Press、New York、1991;並びにCarillo, H.、及びLipman,D.、SIAM J. Applied Math., 48:1073 (1988)に記載されているものを含む公知の方法によって容易に計算され得る。
同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最大の一致を与えるために設計される。同一性及び類似性を決定するための方法は、公表されているコンピュータプログラムにおいて成文化されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するための好ましいコンピュータプログラム法には、例えばGCGプログラムパッケージ(Devereux,J.ら,Nucleic Acids Research 12 (1):387(1984))、BestFit及びFASTA(Altschul,S.F.ら,J.Mol.Biol.215:403−410(1990)が含まれる。データベース類似性検索のために使用され得るプログラムのBLAST2.0ファミリーには、例えば、ヌクレオチドデータベース配列に対するヌクレオチドクエリー配列についてのBLASTNが含まれる。BLAST2.0ファミリープログラムは、NCBI及び他の発信元(BLAST Manual,Altschul,S.ら,NCBI NLM NIH Bethesda,MD 20894;Altschul,S.ら,J.Mol.Biol.215:403−410(1990))から公表されている。周知のSmith Watermanアルゴリズムもまた、同一性を決定するために使用されてもよい。
核酸比較のための好ましいパラメータには以下が含まれる:アルゴリズム:Needleman及びWunsch、J.Mol.Biol.48:443−453(1970);比較マトリクス:マッチ=+10、ミスマッチ=0;ギャップペナルティ:50;ギャップ長さペナルティ:3。Gapプログラムとして、ウィスコンシン州、マディソンにあるGenetics Computer Group製のGapプログラムが利用可能である。上記に与えられているのは核酸比較についてのデフォルトパラメータである。
配列類似性及び同一性を決定するための別の好ましい方法はアルゴリズムNeedleman−Wunsch(Needleman,S.B.及びWunsch,C.D.(1970) J.Mol.Biol.48、443−453、Kruskal,J.B.(1983) An overview of sequence comparison In D. Sankoff及びJ.B.Kruskal編、Time warps,string edits and macromolecules:the theory and practice of sequence comparison、pp.1−44 Addison Wesley)を使用することによる。
配列類似性及び同一性を決定するための別の好ましい方法は、EMBOSS Matcher及びWaterman−Eggertアルゴリズム(2つの配列の局所アラインメント;[Schoniger及びWaterman、Bulletin of Mathematical Biology 1992、Vol.54(4)、pp.521−536;Vingron及びWaterman、J.Mol.Biol. 1994;235(1)、p1−12.])を使用することによる。以下のウェブサイトを使用することができる:http://www.ebi.ac.uk/Tools/emboss/align/index.html又はhttp://emboss.bioinformatics.nl/cgi−bin/emboss/matcher。このアルゴリズムに使用されるパラメータの定義は以下のウェブサイトに見出される:http://emboss.sourceforge.net/docs/themes/AlignFormats.html#id。デフォルト設定(マトリクス:EDNAFULL、ギャップ_ペナルティ:16、伸長_ペナルティ:4)が使用されることが好ましい。Emboss Matcherは2つの配列間で最適な局所アラインメントを提供するが、代替のアラインメントが同様に提供される。表2は、2つの異なるエクソン、好ましくは、オリゴヌクレオチド設計のために使用される、好ましくは、ジストロフィンエクソンの間の最適な局所アラインメントを開示している。しかしながら、代替のアラインメント及びそれによる2つのエクソンの間の代替の同一性領域も、オリゴヌクレオチド設計(これも本発明の一部である。)のために同定及び使用され得る。
本明細書全体にわたって、「結合する」、「標的化する」、「ハイブリダイズする」という用語は、本明細書に記載されているmRNA前駆体の領域に逆相補的であるオリゴヌクレオチドの文脈で使用される場合、交換可能に使用され得る。同様に、「結合できる」、「標的化できる」及び「ハイブリダイズできる」という表現は、オリゴヌクレオチドが、標的配列に結合でき、標的化でき、又はハイブリダイズできる、特定の配列を有することを示すために交換可能に使用され得る。標的配列が本明細書に定義されているか又は当分野において知られている場合はいつでも、当業者は、逆相補的の概念を使用して、前記オリゴヌクレオチドのすべての可能な構造を構築できる。これに関して、本発明のオリゴヌクレオチドと、第1のエクソン及び/又は第2のエクソンにおける標的配列との間の限定された数の配列のミスマッチ又はギャップは、結合が影響されない限り、上記で説明されているように、許容可能であることは理解されるであろう。したがって、特定の標的配列に結合できるオリゴヌクレオチドは標的配列に逆相補的であるオリゴヌクレオチドと考慮され得る。本発明の文脈において、「ハイブリダイズする」又は「ハイブリダイズできる」は、細胞、好ましくは特に断らない限りヒト細胞内で、生理的条件下で使用される。
本明細書において、「ハイブリダイゼーション」とは、相補的オリゴヌクレオチド化合物(例えば、アンチセンス化合物及びその標的核酸)の対合を指す。特定の機序によって限定されないが、対合の最も一般的な機序は、相補的ヌクレオシド若しくはヌクレオチド塩基(核酸塩基)の間の、ワトソン−クリック、フーグスティーン又は反転したフーグスティーン水素結合であり得る、水素結合を含む。例えば、天然塩基アデニンは、水素結合の形成により対合する、天然核酸塩基チミン、5−メチルウラシル及びウラシルに相補的な核酸塩基である。天然塩基グアニンは、天然塩基シトシン及び5−メチルシトシンに相補的な核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは可変状況下で起こり得る。
同様に、「逆相補的」は、互いにハイブリダイズできるが、配列の一方が3’から5’に方向付けられ、他方が逆方向、つまり5’から3’に方向付けられる、2つのヌクレオチド配列を特定するために使用される。したがって、第1のヌクレオチド配列におけるヌクレオシドAは、第2のヌクレオチド配列におけるヌクレオシドAと、それらのそれぞれの核酸塩基を介して対合でき、第1のヌクレオチド配列において上述のヌクレオシドAから5’位に位置するヌクレオシドBは、第2のヌクレオチド配列において上述のヌクレオシドAから3’位に位置するヌクレオシドBと対合できる。本発明の文脈において、第1のヌクレオチド配列は、典型的に、本発明のオリゴヌクレオチドであり、第2のヌクレオチド配列部分は、mRNA前駆体、好ましくはジストロフィンmRNA前駆体由来のエクソンである。オリゴヌクレオチドが、前記第1のエクソン及び/又は第2のエクソンの前記領域と少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100%逆相補的である場合、前記オリゴヌクレオチドは、好ましくは、エクソン(第1のエクソン及び/又は第2のエクソン)の領域に逆相補的であるといわれる。逆相補的は少なくとも80%、85%、90%、95%又は100%であることが好ましい。
本発明において、賦形剤には、ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン(PPI)、デキストラン誘導体、ブチルシアノアクリレート(PBCA)、ヘキシルシアノアクリレート(PHCA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレシン、カダベリン)、キトサン、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(エステルアミン)、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、コロミン酸及びこれらの誘導体)、デンドリマー(例えば、ポリ(アミドアミン))、脂質{例えば、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、ジオレオイルジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)]、リゾ−ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1−ステアロイル−2−リゾ−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(S−リゾPC)]、スフィンゴミエリン、2−{3−[ビス−(3−アミノ−プロピル)−アミノ]−プロピルアミノ}−N−ジテトラセジルカルバモイルメチルアセトアミド(RPR209120)、ホスホグリセロール誘導体[例えば、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DPPG−Na)、ホスファチジン酸(phosphaticid acid)誘導体[1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジン酸、ナトリウム塩(DSPA)、ホスファチジルエタノールアミン誘導体[例えば、ジオレオイル−−ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPhyPE)]、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTAP)、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTMA)、1,3−ジ−オレオイルオキシ−2−(6−カルボキシ−スペルミル)−プロピルアミド(DOSPER)、(1,2−ジミリスチオルキシプロピル(dimyristyolxypropyl)−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、(N1−コレステリルオキシカルボニル−3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン(CDAN)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロール−3−ホスホコリン(POPC)、(b−L−アルギニル−2,3−L−ジアミノプロピオン酸−N−パルミチル−N−オレリル−アミドトリヒドロクロリド(AtuFECT01)、N,N−ジメチル−3−アミノプロパン誘導体[例えば、1,2−ジステアロイル−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DSDMA)、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DoDMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−3−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−DMA)、ホスファチジルセリン誘導体[1,2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−L−セリン、ナトリウム塩(DOPS)]、コレステロール}、タンパク質(例えば、アルブミン、ゼラチン、アテロコラーゲン(atellocollagen))及びペプチド(例えば、プロタミン、PepFect、NickFect、ポリアルギニン、ポリリシン、CADY、MPG)が含まれる。
本発明において、コンジュゲート基は、標的部分、安定性増強部分、取り込み増強部分、溶解度増強部分、薬物動態増強部分、薬力学増強部分、活性増強部分、レポーター分子及び薬物からなる群から選択され、これらの部分は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、ポリマー、エチレングリコール誘導体、ビタミン、脂質、ポリフルオロアルキル部分、ステロイド、コレステロール、蛍光部分及び放射活性物質で標識した部分であってもよい。コンジュゲート基は任意選択で保護され得、また、本発明のオリゴヌクレオチドに直接又は二価若しくは多価リンカーを介して結合していてもよい。
コンジュゲート基には、標的化、取り込み、溶解度、活性、薬力学、薬物動態を増強し、毒性を減少する部分が含まれる。このような基の例には、ペプチド(例えば、グルタミン、ポリアルギニン、RXRペプチド(例えば、Antimicrob.Agents Chemother.2009、53、525を参照のこと)、ポリオルニチン、TAT、TP10、pAntp、ポリリシン、NLS、ペネトラチン、MSP、ASSLNIA、MPG、CADY、Pep−1、Pip、SAP、SAP(E)、トランスポータン、ブフォリンII、ポリミキシンB、ヒスタチン、CPP5、NickFect、PepFect)、ビボ−ポーター(vivo−porter)、タンパク質(例えば、抗体、アビジン、Ig、トランスフェリン、アルブミン)、炭水化物(例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、マルトース、マルトリオース、リボース、トレハロース、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、ラクトース、スクロース、フコース、アラビノース、タロース、シアル酸、ヒアルロン酸、ノイラミジニック酸(neuramidinic acid)、ラムノース、キノボース、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、キシロース、リキソース、フルクトース、マンノース−6−ホスフェート、2−デオキシリボース、グルカール、セルロビオース(cellulobiose)、キトビオース、キトトリオース)、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリ乳酸、ポリ(アミドアミン))、エチレングリコール誘導体(例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール)、水溶性ビタミン(例えば、ビタミンB、B1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12、C)、脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、D2、D3、E、K1、K2、K3)、脂質(例えば、パルミチル、ミリスチル、オレイル、ステアリル、バチル、グリセロリン脂質、グリセロ脂質、スフィンゴ脂質、セラミド、セレブロシド、スフィンゴシン、ステロール、プレノール、エルシル、アラキドニル、リノレイル、リノレニル、アラキジル、ブチリル、サペイニル(sapeinyl)、エライジル(elaidyl)、ラウリル、ベヘニル、ノニル、デシル、ウンデシル、オクチル、ヘプチル、ヘキシル、ペンチル、DOPE、DOTAP、テルフェニル(terpenyl)、ジテルペノイド、トリテルペルノイド(triterpernoid)、ポリフルオロアルキル部分(例えば、ペルフルオロ[1H,1H,2H,2H]−アルキル)、特異的タンパク質に対する親和性を有する分子量<1500Daの承認された薬物(例えば、イブプロフェンなどのNSAID(多くは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,656,730号に記載されている))、抗うつ剤、抗ウイルス剤、抗生物質、アルキル化剤、抗アメーバ剤、鎮痛剤、アンドロゲン、ACE阻害剤、食欲抑性剤、制酸剤、駆虫剤、抗血管形成剤、抗アドレナリン作動薬、抗狭心剤、抗コリン剤、抗凝固剤、抗けいれん剤、抗糖尿病剤、止瀉薬、抗利尿剤、解毒剤、抗真菌剤、制吐剤、抗げんうん剤、抗痛風剤、抗性腺刺激剤(antigonadotropics)、抗ヒスタミン剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗マラリア剤(antimalrials)、抗片頭痛剤、抗腫瘍剤、抗精神病剤、抗リウマチ剤、抗甲状腺剤、抗毒素、鎮咳剤、抗不安剤、避妊剤、CNS刺激剤、キレート剤、心血管剤、充血除去剤、皮膚病剤、利尿剤、去痰剤、診断剤、胃腸薬、麻酔剤、グルココルチコイド、抗不整脈剤(antiarrhytmics)、免疫賦活剤、免疫抑制剤、下剤、抗ハンセン病剤(leprostatics)、代謝剤、呼吸器剤、粘液溶解剤、筋弛緩剤、栄養補助剤、血管拡張剤、血栓溶解剤、子宮収縮剤、昇圧剤)、分子量<2000Daの天然化合物(例えば、抗生物質、エイコサノイド、アルカロイド、フラボノイド、テルペノイド、酵素補因子、ポリケチド)、ステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ラノステロール、コール酸、エストラン、アンドロスタン、プレグナン、コラン、コレスタン、エルゴステロール、コレステロール、コルチゾール、コルチゾン、デフラザコート)、五環トリテルペノイド(例えば、18β−グリシルレチン酸、ウルソール酸、アミリン、カルベノロキソン(carbenoloxone)、エノキソロン、アセトキソロン、ベツリン酸、アジア酸、エリトロジオール、オレアノール酸)、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン、カダベリン)、蛍光部分(例えば、FAM、カルボキシフルオレセイン、FITC、TAMRA、JOE、HEX、TET、ローダミン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、CW800、BODIPY、AlexaFluors、Dabcyl、DNP)、レポーター分子(例えば、アクリジン、ビオチン、ジゴキシゲニン、(放射性)同位体で標識された部分(例えば、H、13C、14C、15N、18O、18F、32P、35S、57Co、99mTc、123I、125I、131I、153Gd))及びそれらの組み合わせが含まれる。このようなコンジュゲート基は、本発明の化合物に直接又はリンカーを介して接続されてもよい。このリンカーは、二価(1:1コンジュゲートを生じる)又は1つより多いコンジュゲート基を有するオリゴマーを生じる多価であってもよい。直接又はリンカーを介してのいずれかで、本発明に係るオリゴマーにこのようなコンジュゲート基をカップリングするための手順は当分野において公知である。また、例えば、J.Am.Chem.Soc.2008,130,12192(その全体が参照により本明細書に組み込まれている;Hurstら)に記載されているように、このような構築物が球形核酸(SNA)と呼ばれる範囲で、本発明のオリゴヌクレオチドが共有結合されるナノ粒子の使用も本発明の文脈内にある。
本明細書において、「含む(to comprise)」という動詞及びその活用は、その用語の後の事項が含まれることを意味するためにその非限定的な意味で使用されるが、詳細に述べられていない事項が排除されるわけではない。さらに、「からなる(to consist)」という動詞は、「から本質的になる(to consit essentially of)」に置き換えられてもよく、本明細書に定義されているオリゴヌクレオチド又は組成物は、具体的に記載されているもの以外のさらなる成分を含んでもよく、前記さらなる成分は本発明の固有の特性を変化させないことを意味する。さらに、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による要素への言及は、1つ及び1つのみの要素であると文脈が明確に必要としない限り、1つより多い要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
数値(約10)に関して使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、その値が、その値の10より1%多い又は少ない所与の値であり得ることを好ましくは意味する。
本明細書に記載されている各々の実施形態は、特に断らない限り一緒に組み合わされてもよい。本明細書に引用されているすべての特許及び参考文献はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は例示目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
[表1〜3]
表1:
エクソンU+1(第1のエクソン)からD−1(第2のエクソン)まで及び間にある任意のエクソンが転写物から除去される場合、エクソンU(上流)がエクソンD(下流)とともに連続的なオープンリーディングフレームを有するDMD遺伝子転写物における可能なエクソン組み合わせのリスト。
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表2:
エクソン領域のリスト。デフォルト設定(マトリクス:EDNAFULL;ギャップ_ペナルティ:16;伸長_ペナルティ:4)(http://www.ebi.ac.uk/tools/psa/emboss_matcher/nucleotide.html)を使用したEMBOSS Matcherによって最適なペアワイズアラインメントとして同定される、2つの異なるジストロフィンエクソンの間で(部分的に)高い配列同一性又は類似性(少なくとも50%)を有する配列ストレッチ。これらのエクソン及び好ましくは間にある任意のエクソンのスキッピングは、(例えば表1の)インフレームDMD転写物を生じる。
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表3:
本発明に係るオリゴヌクレオチドの好ましい塩基配列のリスト。これらの塩基配列を含むオリゴヌクレオチドは、(例えば表2に記載の)2つの異なるDMDエクソンにおける高い類似性の領域(>50%の同一性を有する配列ストレッチ)に結合でき、これらの2つのエクソン及び間にある任意のエクソンのスキッピングを誘導してインフレームDMD転写物を生成することができる。
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* D=2,6−ジアミノプリン;=5−メチルシトシン;X=C又は5−メチルシトシン;Y=U又は5−メチルウラシル;Z=A又は2,6−ジアミノプリン
表6:
最も好ましい及び/又はさらなるエクソン組み合わせ、最も好ましい及び/又はさらなるエクソン同一性領域、及び最も好ましい及び/又はさらなるオリゴヌクレオチドを、それらの塩基配列、化学修飾及び配列番号(sequence identification number)とともに示したリスト。リスト中、=LNA;=5−メチルシトシン;=5−メチルウラシル;D=2,6−ジアミノプリン;X=C又は5−メチルシトシン;Y=U又は5−メチルウラシル;Z=A又は2,6−ジアミノプリン;<>はすべて2’−フルオロヌクレオチド(例えば配列番号1844)。
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[実施例1〜5]
材料及び方法:
オリゴヌクレオチドの設計は、EMBOSS Matcherによって同定され、表2に開示されている2つの異なるDMDエクソンにおける特異的で高い類似性の配列ストレッチに対する逆相補性に主として基づいて行った。考慮されるさらなる配列パラメータは、前記配列ストレッチにおける部分的に開いた/閉じた二次RNA構造(RNA構造バージョン4.5又はRNA mfoldバージョン3.5(Zuker,M.)によって推測される)の存在及び/又は前記配列ストレッチにおける推定SR−タンパク質結合部位(ESE−ファインダーソフトウェア(Cartegni Lら,2002及びCartegni Lら,2003)によって推測される)の存在であった。すべてのAONは、Prosensa Therapeutics B.V.(Leiden,Netherlands)によって合成したか、又は商業的供給源(ChemGenes,US)から得、2’−O−メチルRNA及び全長ホスホロチオエート(PS)骨格を含有する。すべてのオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルホスホロチオエートRNAであり、標準的なホスホラミダイトプロトコルにより、OP−10合成器(GE/AKTA Oligopilot)を使用して10μmolスケールで合成した。オリゴヌクレオチドを、2つのステップの順序(DIEA、続いて濃NHOH処理)で開裂し、脱保護し、HPLCによって精製し、水に溶解し、過剰なNaClを交換イオンに加えた。蒸発後、化合物を水に再溶解し、FPLCによって脱塩し、凍結乾燥した。質量分析により、すべての化合物の同一性を確認し、純度(UPLCによって測定した)はすべての化合物について許容可能(>80%)であると見出した。本明細書に記載されているインビトロ実験について、AONの50μMの作用溶液をリン酸緩衝生理食塩水(pH7.0)中で調製した。
組織培養、トランスフェクション及びRT−PCR分析:
分化したヒトの健康な対照筋細胞(筋管)を、非GLP標準的作動手順に係る、400nMの標準的なAON濃度にて6−ウェルプレート中でトランスフェクトした。トランスフェクションのために、ポリエチレンイミン(ExGen500;Fermentas Netherlands)を使用した(2μl/μgAON,0.15M NaCl中)。上述のトランスフェクション手順を、以前に報告されている材料及び方法(Aartsma−Rus A.ら,2003)から適合した。トランスフェクションの24時間後、RNAを単離し、RT−PCRによって分析した。手短に述べると、cDNAを生成するために、ランダムヘキサマー混合物(1.6μg/μl,Roche Netherlands)を、投入量500〜1000ngのRNAで逆転写酵素(RT)反応において使用した。続いて、PCR分析は、各試料について3μlのcDNAで行われ、DMD遺伝子特異的プライマーを使用した第1のPCR及びネステッドPCRを含んだ(表4及び5を参照のこと)。RNA単離及びRT−PCR分析を、以前に報告されている材料及び方法(Aartsma−Rus A.ら,2002及びAartsma−Rus A.ら,2003)から適合した非GLP標準作動手順に従って実施した。RT−PCR産物をゲル電気泳動(2%アガロースゲル)によって分析した。得られたRT−PCR断片を、DNA Lab−on−a−Chip分析(Agilent Technologies USA;DNA 7500 LabChips)により定量した。「Agilent 2100 Bioanalyzer」ソフトウェア及びExcel2007によってデータを処理した。より小さな転写物(予測される複数のエクソンスキッピングを含有する)対転写物の総量の比を評価し(パーセントでスキッピング効率を表す)、トランスフェクトされていない細胞におけるものと直接比較した。PCR断片もまた、配列検証(サンガーシークエンシング,BaseClear,Netherlands)のためにアガロースゲルから単離した(QIAクイックゲル抽出キット,Qiagen Netherlands)。
表4:
標的エクソンのスキッピングの検出のために使用したPCRプライマーセット
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表5:
プライマー配列
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結果:
実施例1:
異なる部位においてAONを用いたエクソン10及び18において高い類似性を有する配列ストレッチの標的化。
エクソン10(配列番号109)及び18(配列番号110)における高い類似性(63%)の配列ストレッチに基づいて、一連のAONを設計し、エクソン10(PS814,配列番号1675;PS815,配列番号1677;PS816,配列番号1679)又はエクソン18(PS811,配列番号1673)のいずれかに100%逆相補的である前記配列ストレッチにわたって分散させた。健康なヒト対照筋管培養物中でのトランスフェクション後、RT−PCR分析により、すべての4つのAONが、エクソン10〜18のスキッピング(配列分析によって確認)を誘導できることが実証された(図1)。PS811及びPS816は、両方のエクソンで最も高い逆相補性パーセントを有し(図1B)、70%及び66%のそれぞれのエクソン10〜18のスキッピング効率を有して最も効果的であった(図1C)。PS814は最も効果が低く、このことは、その位置及び/又はより短い長さ(25ヌクレオチドに対して21)に固有であり得、そしてそれによるより低い結合親和性又は安定性であり得る。エクソン10〜18のスキッピングは未処理の細胞(NT)において観察されなかった。これらの結果は、高度に再現可能(20/20の異なるトランスフェクションにおけるPS816によるエクソン10〜18のスキッピング)であり、エクソン10〜18までのマルチエクソンストレッチのスキッピングは、高い配列類似性(63%)を有する領域におけるエクソン10及び18の両方に結合でき、これらのエクソン及び間にあるすべてのエクソンのスキッピングを誘導できる単一AONを使用することによって実施可能であることを実証している。さらなる複数のエクソンスキッピング断片はこの転写物領域において得られるが、エクソン9が19に直接スプライスされた得られた転写物(インフレーム転写物)はすべての実験において最も豊富であった。
実施例2:
異なる長さのAONを用いたエクソン10及び18において高い類似性を有する配列ストレッチの標的化。
エクソン10(配列番号109)及び18(配列番号110)における高い類似性の配列ストレッチ内で、本発明者らは、最も効果的な最小の長さを特定するために、異なる長さを有するAONの効果を評価した。健康なヒト対照筋細胞(すなわち分化した筋管)におけるPS816(25−mer,配列番号1679)、PS1059(21−mer,配列番号1684)又はPS1050(15−mer,配列番号1682)のトランスフェクション後、RT−PCR分析により、すべての3つのAONが、エクソン10〜18のスキッピング(配列分析によって確認)を誘導できることを実証した(図2A、B)。PS816及びPS1059は最も効果的であった(それぞれ68%及び79%)。より短いPS1050はあまり効果的ではなかった(25%)。エクソン10から18のスキッピングは未処理の細胞(NT)において観察されなかった。これらの結果により、エクソン10〜18のマルチエクソンストレッチのスキッピングが、15、21及び25ヌクレオチドのAONを使用することによって実施可能であることが示される。より長いAONも同様に作用すると予測される。21−mer PS1059が最も効果的であり、最も短い候補である。15−mer PS1050が最も効果が低く、このことは、エクソン18に対するその低い逆相補性(47%,図2B)及び/又は標的RNAに対する低い結合親和性又は安定性に固有であり得る。15−merの生物活性を改善するために、塩基修飾が15−merのTm及びそれにより結合親和性又は二本鎖の安定性を向上させるのに必要とされ得る。この実験において最も豊富に得られた転写物は、再び、エクソン9が19に直接スプライスされたものであった(インフレーム転写物)。
実施例3:
修飾塩基化学的性質を有するAONを用いたエクソン10及び18において高い類似性を有する配列ストレッチの標的化。
選択されたAON化学的性質の特定の特性は、AONの標的転写物への送達に少なくとも部分的に影響を与える:投与経路、生物学的安定性、生体内分布、組織内分布並びに細胞取り込み及び輸送。さらに、オリゴヌクレオチド化学的性質のさらなる最適化は、結合親和性及び安定性を向上させ、活性を向上させ、安全性を改善し、及び/又は長さを短くするか又は合成を改善するか及び/又は精製法によって物品のコストを低下させるために想定される。エクソン10(配列番号109)及び18(配列番号110)における高い類似性の配列ストレッチ内で、本発明者らは、異なる修飾塩基(5−置換ピリミジン及び2,6−ジアミノプリンなど)を有する2’−O−メチルRNA AONの効果を評価した。健康なヒト対照筋細胞(すなわち分化した筋管)におけるPS816(通常の2’−O−メチルRNA AON;配列番号1679)、PS1168(PS816だが、すべてのAが2,6−ジアミノプリンに置き換えられている;配列番号1681)、PS1059(通常の2’−O−メチルホスホロチオエートRNA AON;配列番号1684)、PS1138(PS1059だが、すべてのCが5−メチルシトシンに置き換えられている;配列番号1685)又はPS1170(PS1059だが、すべてのAが2,6−ジアミノプリンに置き換えられている;配列番号1686)(図3B)のトランスフェクション後、RT−PCR分析により、すべての5つのAONが、エクソン10〜18のスキッピング(配列分析によって確認)を誘導できることを実証した(図3)。PS816は最も効果的であった(88%)。これらの特定の配列における塩基修飾は生物活性をさらに改善しなかったが、それらの塩基修飾は、生体内分布、安定性及び/又は安全性に対して、よりプラスの効果を有し得るので、効果の低い化合物も依然として臨床開発に好適である。これらの結果により、エクソン10〜18のマルチエクソンストレッチのスキッピングが、修飾塩基を有するAONを使用することによって実施可能であることが示される。この実験において最も豊富に得られた転写物は、再び、エクソン9が19に直接スプライスされたものであった(インフレーム転写物)。
実施例4:
PS816は他のインフレームマルチエクソンストレッチのスキッピングを誘導する。
エクソン10(配列番号109)及び18(配列番号110)における高い類似性の配列ストレッチはまた、エクソン30(配列番号128)、31(配列番号130)、32(配列番号132)、42(配列番号152)、47(配列番号158)、48(配列番号160)、57(配列番号170)、及び60(配列番号174)において(部分的に)存在する(図4A、B、表2)。本発明者らは、ここで、400nMのPS816(配列番号1679)のトランスフェクション後、異なるマルチエクソンストレッチスキッピングの検出に焦点を当てた。本発明者らは、その目的のために異なるプライマーセット(表4及び5)を使用した。実際にRT−PCR分析を用いて、本発明者らは、複数の実験においてインフレームエクソン10〜30、エクソン10〜42、エクソン10〜47、エクソン10〜57及び/又はエクソン10〜60のスキッピング(配列分析によって確認)を観察し、これらは未処理の細胞では観察されなかった。一例として、図4Cは、PS816により誘導されたエクソン10〜18、エクソン10〜30及びエクソン10〜47のスキッピングを示す。さらなるマルチエクソンスキッピング事象(インフレーム又はアウトオブフレームのいずれか)にもかかわらず、エクソン9が19に直接スプライスされた得られた転写物(インフレーム転写物)は最も再現可能であり、すべての実験において最も豊富にあるように見えた。これらの結果により、複数のエクソンスキッピングが、2つの異なるエクソン間で高い類似性である配列ストレッチに結合でき、インフレームDMD転写物を生成するためにこれらのエクソン及び間にあるすべてのエクソンのスキッピングを誘導できる単一AONを使用してDMD遺伝子にわたって誘導され得ることが確認される。
実施例5:
修飾塩基化学的性質を有するAONを用いたエクソン45及び55において高い類似性を有する配列ストレッチの標的化。
エクソン45(配列番号1571)及び55(配列番号1572)における高い類似性(80)%の配列ストレッチに基づいて、一連のAONを設計し、エクソン45(PS1185,配列番号1706;PS1186,配列番号1707)に100%逆相補的であるか又はエクソン55(1つのミスマッチを有する)(PS1188,配列番号1713)に96%逆相補的のいずれかである前記配列ストレッチにわたって分散させた(図5A)。すべての3つのAONにおいて、Asは2,6−ジアミノプリンに置き換えられた。健康なヒト対照筋管培養物中でのトランスフェクション後、RT−PCR分析により、PS1185、PS1186及びPS1188がエクソン45〜55のスキッピング(配列分析によって確認)を誘導できることが実証された(図5B)。エクソン45〜55のスキッピングは未処理の細胞(NT)において観察されなかった。これらの結果は、エクソン45〜55の別のマルチエクソンストレッチのスキッピングが、高い配列類似性(80%)を有する領域におけるエクソン45及び55の両方に結合でき、これらのエクソン及び間にあるすべてのエクソンのスキッピングを誘導できる単一AONを使用することによって実施可能であることを実証している。エクソン44が56に直接スプライスされた得られた転写物はインフレームであり、複数の実験において観察された。エクソン10〜18のスキッピング実験(実施例3)に関して、本発明者らは、ここで再び、修飾塩基を有するAONが効果的に適用され得ることを示す。さらに、PS1188を用いて得られた結果は、AONが、標的エクソンの1つに100%逆相補的であることを必要としないが、いずれかの標的エクソンに対して100%逆相補的が存在しないハイブリッド構造としても設計され得ることを示す。
図1(Fig.1):A)エクソン10及びエクソン18において高い類似性(63%)である配列ストレッチにおけるPS811(配列番号1673)、PS814(配列番号1675)、PS815(配列番号1677)及びPS816(配列番号1679)の局在性。B)AON特性及び効率。エクソン10又はエクソン18のどちらかに対する各AONの逆相補性(rev.comp.)(%)を示す。C)RT−PCR分析。健康なヒトの筋細胞(すなわち分化した筋管)において、4つすべてのAONはエクソン10〜エクソン18のマルチエクソンストレッチのスキッピングを誘導するのに効果的であった。PS811及びPS816が最も効果的であった。図の左側のボックスはPCR増幅した転写物の含有量を表す(M:DNAサイズマーカー;NT:未処理の細胞)。 図2(Fig.2):A)RT−PCR分析。健康なヒト筋細胞(すなわち分化した筋管)において、異なる長さを有するが、エクソン10及びエクソン18において高い類似性(63%)である配列ストレッチ内に同じコア標的配列を有するAONを試験した。PS816(配列番号1679)(25−mer)及びPS1059(配列番号1684)(21−mer)が最も効果的であった(それぞれ68%及び79%のエクソン10〜18のスキッピング)。15−mer PS1050(配列番号1682)はほとんど効果がなかった。図の左側のボックスはPCR増幅した転写物の含有量を表す(M:DNAサイズマーカー;NT:未処理の細胞)。B)AON特性及び効率。エクソン10又はエクソン18のいずれかに対する各AONの逆相補性(rev.comp.)(%)を示す。 図3(Fig.3):A)RT−PCR分析。健康なヒト筋細胞(すなわち分化した筋管)において、異なる塩基化学的性質を有するAONを試験した。PS816(通常の2’−O−メチルホスホロチオエートRNA AON;配列番号1679)、PS1168(PS816だが、すべてのAが2,6−ジアミノプリンに置き換えられている;配列番号1681)、PS1059(通常の2’−O−メチルホスホロチオエートRNA AON;配列番号1684)、PS1138(PS1059だが、すべてのCが5−メチルシトシンに置き換えられている;配列番号1685)又はPS1170(PS1059だが、すべてのAが2,6−ジアミノプリンに置き換えられている;配列番号1686)。エクソン10〜18のスキッピングを試験したすべてのAONについて観察した。PS816が最も効果的であった(88%)。これらの特定の配列において、塩基修飾は生物活性をさらに改善しなかった。図の左側のボックスはPCR増幅した転写物を示す(M:DNAサイズマーカー;NT:未処理の細胞)。B)AON特性及び効率。 図4(Fig.4):A)PS816についての複数の標的として、エクソン10、18、30及び47における高い類似性の配列ストレッチ。配列番号の番号はEMBOSS全長エクソンアラインメント(表2のような)を参照している。灰色のフォントにおいて、配列部分は、EMBOSSアラインメントに含まれていなかったが、PS816に対して高い逆相補性を有する部分に隣接している。B)エクソンアラインメント及びPS816逆相補性(rev.comp.)パーセントの概要。C)RT−PCR分析。複数のエクソンストレッチスキッピングはPS816によって誘導され得、ここでは、エクソン10〜18、エクソン10〜30及びエクソン10〜47のスキッピングとして同定している。得られた転写物はインフレームである。これらは未処理の細胞(NT)において検出されなかった。図の左側及び右側におけるボックスはPCR増幅した転写物の含有量を表す(M:DNAサイズマーカー)。 図5(Fig.5):A)エクソン45及びエクソン55において高い類似性(80%)である配列ストレッチにおけるPS1185(配列番号1706)、PS1186(配列番号1707)及びPS1188(配列番号1713)の局在性。表はAON特性をまとめている。エクソン45又はエクソン55のいずれかに対する各AONの逆相補性(rev.comp.)(%)を示す。B)RT−PCR分析。健康なヒト筋細胞(すなわち分化した筋管)において、3つすべてのAONはエクソン45〜エクソン55のマルチエクソンストレッチのスキッピングを誘導するのに効果的であった。図の左側のボックスはPCR増幅した転写物の含有量を表す(M:DNAサイズマーカー;NT:未処理の細胞)。
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本発明の好ましい実施形態は以下のとおりである。
[1]
対象における疾患を予防、遅延、改善及び/又は治療するための医薬としての使用のためのアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、
前記オリゴヌクレオチドは第1のエクソンの領域及び第2のエクソンの領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、
前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンは前記対象における同じmRNA前駆体内にあり、
前記結合の結果、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピング、好ましくは、前記第1のエクソンで開始し、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含するマルチエクソンストレッチのスキッピング、及び多くても前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを生じ、
機能的又は半機能的タンパク質の産生を可能にするインフレーム転写物が得られる、
アンチセンスオリゴヌクレオチド。
[2]
前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを誘導できる、[1]に記載のオリゴヌクレオチド。
[3]
前記結合は、前記mRNA前駆体内で、前記第1のエクソン及び第2のエクソンの前記領域における少なくとも1つのスプライシング制御配列、及び/又は少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンを包含する二次構造に干渉することができる、[1]又は[2]に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
[4]
前記スプライシング制御配列は、セリン−アルギニン(SR)タンパク質についての結合部位、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)、及び/又はエクソンスプライシングサイレンサー(ESS)を含む、[3]に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
[5]
10〜40ヌクレオチドを含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
[6]
天然のリボヌクレオチド系又はデオキシリボヌクレオチド系オリゴヌクレオチドと比較して少なくとも1つの修飾を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドであって、より好ましくは、
(a)少なくとも1つの塩基修飾であって、2−チオウラシル、2−チオチミン、5−メチルシトシン、5−メチルウラシル、チミン、2,6−ジアミノプリンから好ましくは選択され、5−メチルピリミジン及び2,6−ジアミノプリンからより好ましくは選択される塩基修飾、及び/又は
(b)少なくとも1つの糖修飾であって、2’−O−メチル、2’−O−(2−メトキシ)エチル、2’−O−デオキシ(DNA)、2’−F、モルホリノ、架橋ヌクレオチド又はBNAから好ましくは選択され、或いは前記オリゴヌクレオチドが架橋ヌクレオチド及び2’−デオキシ修飾ヌクレオチド(BNA/DNAミックスマー)の両方を含み、より好ましくは糖修飾が2’−O−メチルである、糖修飾、及び/又は
(c)少なくとも1つの骨格修飾であって、ホスホロチオエート又はホスホロジアミデートから好ましくは選択され、より好ましくはホスホロチオエートである骨格修飾
を含むオリゴヌクレオチド。
[7]
[1]〜[6]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドであって、
前記オリゴヌクレオチドは1つ又は複数のコンジュゲート基を含み、
前記コンジュゲート基は、任意選択で保護され、ペプチド、タンパク質、炭水化物、薬物、標的部分、取り込み増強部分、溶解度増強部分、薬力学増強部分、薬物動態増強部分、ポリマー、エチレングリコール誘導体、ビタミン、脂質、ポリフルオロアルキル部分、ステロイド、コレステロール、蛍光部分、レポーター分子、放射活性物質標識部分及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、直接又は二価若しくは多価リンカーを介して末端又は内部残基に結合する、
オリゴヌクレオチド。
[8]
前記第1のエクソン及び第2のエクソンは、ジストロフィンエクソン10、18、30、8、9、11、13、19、22、23、34、40、42、44、45、47、51、53、55、56、57又は60から選択され、前記疾患はDMD又はBMDである、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
[9]
ジストロフィンエクソン10〜18、エクソン10〜30、エクソン10〜42、エクソン10〜47、エクソン10〜57、エクソン10〜60、エクソン8〜19、エクソン9〜22、エクソン9〜30、エクソン11〜23、エクソン13〜30、エクソン23〜42、エクソン34〜53、エクソン40〜53、エクソン44〜56、エクソン45〜51、エクソン45〜53、エクソン45〜55、エクソン45〜60及び/又はエクソン56〜60のスキッピングを誘導できる、[8]に記載のオリゴヌクレオチド。
[10]
配列番号1679、1688、1671〜1678、1680〜1687、1689〜1741若しくは1788〜1891のいずれか1つに定義される塩基配列であって、前記塩基配列に存在するヌクレオチドの数によって規定される長さか、或いは前記塩基配列において定義されているより1、2、3、4若しくは5ヌクレオチド長い、又は、1、2、3、4若しくは5ヌクレオチド短い長さを有する塩基配列を含む、[8]又は[9]に記載のオリゴヌクレオチド。
[11]
[10]に記載のオリゴヌクレオチドであって、
(a)配列番号1679〜1681、1778、1812、1813、1884〜1886、1890若しくは1891のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有するか、又は配列番号1814に定義され、26、27、28、29若しくは30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(b)配列番号1688、1689又は1839〜1844に定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(c)配列番号1673又は1674に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(d)配列番号1675又は1676に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(e)配列番号1677又は1678に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(f)配列番号1684〜1686のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(g)配列番号1704〜1706のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(h)配列番号1707〜1709のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(i)配列番号1710、1713〜1717のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(j)配列番号1815〜1819のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(k)配列番号1820、1824のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(l)配列番号1826、1780、1782、1832のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(m)配列番号1821、1825のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(n)配列番号1822のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(o)配列番号1823、1781、1829、1830、1831のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(p)配列番号1783、1833、1834、1835のいずれか1つに定義され、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(q)配列番号1887のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(r)配列番号1888又は1889のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(s)配列番号1827に定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(t)配列番号1828に定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(u)配列番号1784、1836のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(v)配列番号1786、1838のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(w)配列番号1780のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(x)配列番号1785、1837のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(y)配列番号1845、1846、1847、1848のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(z)配列番号1849、1850のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(a1)配列番号1787、1851のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(b1)配列番号1788、1852、1789、1853のいずれか1つに定義され、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(c1)配列番号1790、1854、1792、1855のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(d1)配列番号1794、1861、1795、1862のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(e1)配列番号1796、1863、1797、1864のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(f1)配列番号1798、1865、1799、1866のいずれか1つに定義され、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(g1)配列番号1808、1867、1809、1868、1810、1869、1858、1873のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(h1)配列番号1811、1870、1859、1874のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(i1)配列番号1856、1871、1860、1875のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(j1)配列番号1857、1872のいずれか1つに定義され、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(k1)配列番号1800、1876、1801、1877のいずれか1つに定義され、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(l1)配列番号1802、1878、1803、1879のいずれか1つに定義され、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(m1)配列番号1804、1880のいずれか1つに定義され、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(n1)配列番号1805、1881のいずれか1つに定義され、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列、又は
(o1)配列番号1806、1882、1807、1883のいずれか1つに定義され、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチドの長さを有する塩基配列
を含むオリゴヌクレオチド。
[12]
[1]〜[11]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント及び/又は溶媒を任意選択でさらに含む組成物。
[13]
対イオン、好ましくはカルシウムによって連結された[1]〜[11]のいずれか一項に記載の2つ以上の同一のオリゴヌクレオチドを含む、[12]に記載の組成物。
[14]
個体における疾患、好ましくはBMD又はDMDを予防、遅延、改善及び/又は治療するための方法であって、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド又は[14若しくは13に記載の組成物を前記個体に投与するステップを含む方法。
[15]
疾患、好ましくはBMD又はDMDを予防、遅延、改善及び/又は治療するための、[1]〜[11]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド又は[12]若しくは[13]に記載の組成物の使用。
[16]
[1]〜[11]のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドを設計するための方法であって、
(a)同じmRNA前駆体内の第1のエクソン及び第2のエクソンのインフレームの組み合わせを同定するステップであって、前記第2のエクソンの領域が前記第1のエクソンの領域と少なくとも50%の同一性を有する、ステップ、
(b)前記第1のエクソンの前記領域及び前記第2のエクソンの前記領域に結合できるオリゴヌクレオチドを設計するステップ、及び
(c)前記結合の結果、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピング、好ましくは、前記第1のエクソンで開始し、前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含するマルチエクソンストレッチのスキッピング、及び多くても前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間にあるエクソンのストレッチ全体のスキッピングを生じるステップ
を含む方法。

Claims (6)

  1. 対象におけるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)又はベッカー型筋ジストロフィー(BMD)を予防、遅延、改善及び/又は治療するための医薬としての使用のための、配列番号1673、1677、1679、1681、1682、1684、1685、1686、1706、1707及び1713のうちいずれか1つの塩基配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、
    前記オリゴヌクレオチドは15〜40ヌクレオチドを含み、前記オリゴヌクレオチドは、第1のエクソン内の領域及び第2のエクソン内の領域に結合でき、前記第2のエクソンの前記領域は前記第1のエクソンの前記領域と少なくとも50%の同一性を有し、
    前記第1のエクソン及び第2のエクソンは前記対象の同じジストロフィンmRNA前駆体内にあり、前記オリゴヌクレオチドの前記結合は、前記第1及び第2のエクソンの前記領域中の少なくとも1つのスプライシング制御配列に、及び/又は前記mRNA前駆体中の少なくとも前記第1のエクソン及び/又は前記第2のエクソンを包含する二次構造に干渉することができ、前記スプライシング制御配列は、エクソンスプライシングエンハンサー(ESE)、エクソン認識配列(ERS)、及び/又はセリン−アルギニン(SR)タンパク質の結合部位を含み、及び/又は
    前記オリゴヌクレオチドの前記結合はエクソンスキッピングを生じさせ、前記エクソンスキッピングは、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソンのスキッピング、前記第1のエクソン及び前記第2のエクソン並びに前記第1のエクソンと前記第2のエクソンとの間に存在する1つ又は複数のエクソンを包含するマルチエクソンストレッチのスキッピング又は前記第1のエクソンから前記第2のエクソンまでのエクソンのストレッチ全体のスキッピングであり、少なくとも部分的に機能的なタンパク質の産生を可能にするインフレーム転写物が得られる、
    オリゴヌクレオチド。
  2. 請求項1に記載のオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドは非エクソン配列に結合できない、オリゴヌクレオチド。
  3. 請求項1又は2に記載のオリゴヌクレオチドであって、
    前記塩基配列に存在するヌクレオチドの数によって規定される長さ又はそれより1、2、3、4若しくは5ヌクレオチド長い長さを有するオリゴヌクレオチド。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント及び/又は溶媒をさらに含む組成物。
  5. 請求項に記載の組成物であって、対イオンによって連結された、請求項1〜のいずれか一項に定義されている2つ以上の同一のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
  6. 個体におけるBMD又はDMDを予防、遅延、改善及び/又は治療するための、請求項又はに記載の組成物。
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