JP6870025B2 - 補聴器の作動方法および補聴器 - Google Patents

補聴器の作動方法および補聴器 Download PDF

Info

Publication number
JP6870025B2
JP6870025B2 JP2019088979A JP2019088979A JP6870025B2 JP 6870025 B2 JP6870025 B2 JP 6870025B2 JP 2019088979 A JP2019088979 A JP 2019088979A JP 2019088979 A JP2019088979 A JP 2019088979A JP 6870025 B2 JP6870025 B2 JP 6870025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
input signal
compression
instance
directional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019088979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019198073A (ja
Inventor
ベスト セバスティアン
ベスト セバスティアン
ピルグリム トーマス
ピルグリム トーマス
リューケン クリストフ
リューケン クリストフ
Original Assignee
シバントス ピーティーイー リミテッド
シバントス ピーティーイー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シバントス ピーティーイー リミテッド, シバントス ピーティーイー リミテッド filed Critical シバントス ピーティーイー リミテッド
Publication of JP2019198073A publication Critical patent/JP2019198073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6870025B2 publication Critical patent/JP6870025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/50Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics
    • H04R25/505Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics using digital signal processing
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/35Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception using translation techniques
    • H04R25/356Amplitude, e.g. amplitude shift or compression
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/40Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/40Arrangements for obtaining a desired directivity characteristic
    • H04R25/407Circuits for combining signals of a plurality of transducers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/50Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2225/00Details of deaf aids covered by H04R25/00, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2225/41Detection or adaptation of hearing aid parameters or programs to listening situation, e.g. pub, forest
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2225/00Details of deaf aids covered by H04R25/00, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2225/43Signal processing in hearing aids to enhance the speech intelligibility
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2225/00Details of deaf aids covered by H04R25/00, not provided for in any of its subgroups
    • H04R2225/55Communication between hearing aids and external devices via a network for data exchange

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)

Description

本発明は補聴器を作動させるための方法および補聴器に関する。
補聴器は一般的な実施形態では、マイクロホンと信号処理部とレシーバを備えている。このレシーバはスピーカとも呼ばれる。補聴器は例えば聴覚障害のある利用者の補聴の役目と、難聴を補償する役目をする。マイクロホンは周囲の音響信号から入力信号を発生する。この入力信号は信号処理部に供給される。信号処理部は入力信号を変形し、それによって変形された入力信号である出力信号を発生する。難聴を補償するために、入力信号は例えば所定の増幅係数によって増幅される。出力信号は最後にレシーバによって出力される。このレシーバ内で、出力信号は音響信号に変換される。入力信号と出力信号は電気信号であり、従ってそれぞれ短く信号とも呼ばれる。これに対して、周囲の音響信号と、レシーバから出力される音響信号は音響的な信号である。
補聴器は一般的に、単耳型または両耳型であり、単耳型の場合頭の一方の側に装着され、両耳型の場合頭の異なる側に装着される2つの単一機器を備えている。補聴器は種類に応じて、耳上、耳の中または耳の後ろに装着されるかあるいはこれらを組合せて装着される。補聴器の慣用の種類は例えばBTE補聴器、RIC補聴器およびITE補聴器である。これらは特に構造と装着方法が異なっている。
補聴器の場合基本的には、ビームフォーマを使用することができる。これは指向聴取を実現するためである。すなわち、所定の方向からの音響信号を他の音響信号と比べて有利に扱い、強く増幅するため、すなわち強調するためである。そのために、指向性マイクロホンが使用される。このマイクロホンは一般的に、少なくとも2個のマイクロホンからなるマイクロホンアレーである。指向性マイクロホンは補聴器内に収納され、周囲の異なる2つの位置の音響信号を感知する。これにより、複数の入力信号が発生し、この入力信号はその後信号処理部で適切に組合せられて、指向作用を達成する。すなわちビームフォーマを所定の方向に配向し、この方向からの音響信号を強調する。これにより、例えば利用者の正面範囲の話し手がその他の範囲と比べて増幅され、それによって言葉の理解が改善される。
関連する音源が一つしかない周囲環境よりも要求の多い周囲環境でのビームフォーマの使用には問題がある。関連する音響信号と特に情報が可能性として複数の方向から利用者に達し得る周囲環境では、このような関連する音響信号は事情によっては抑制される。なぜなら、ビームフォーマが既に他の音源に配向されているからである。正面範囲に話し手がいる上記例では、利用者の背後範囲が正面範囲と比べて強く抑制されるので、背後範囲の音源は利用者には感知しにくいかまたは感知することができない。
この背景をふまえて、本発明の課題は、補聴器において、所定の方向からの音響信号の強調を改善し、それによって特に言葉の理解を改善することと、その際他の方向からの潜在的に関連する音響信号をさらに感知することができるようにするために、潜在的に関連する他の音響信号の抑制をできるだけ小さくすることである。そのために、補聴器を作動させるための方法と、相応する補聴器が提供される。
この課題は本発明に従い、請求項1の特徴を有する方法と、請求項11の特徴を有する補聴器によって解決される。有利な実施形態、発展形態および変形は従属請求項の対象である。その際、方法に関連する説明は同様に補聴器についても当てはまり、その逆も言える。
方法は補聴器を作動させるために役立つ。作動時に、補聴器は特に一人の利用者に装着される。補聴器は先ず最初に、周囲の音響信号から入力信号を発生する。そのために、補聴器は少なくとも1個のマイクロホンを備えている。このマイクロホンは音響信号を感知し、周囲信号に変換する。補聴器はさらに、信号処理部を備えている。この信号処理部は、入力信号を変形し、それによって出力信号を発生するように形成されている。補聴器はさらに、出力信号を出力するめに、すなわち出力信号を利用者に出力される音響信号に変換するために、レシーバを備えている。特に、補聴器の各々のレシーバについて、出力信号が1つだけ発生させられる。すなわち、単耳型補聴器の場合には、1つだけの出力信号が発生させられる。両耳型補聴器の場合には、2つの出力信号、すなわち利用者の頭の各側について1つの出力信号が発生させられる。入力信号は特に、利用者の所定の聴覚プロファイルを考慮して変形させられる。有利な実施形態では、補聴器は聴覚障害のある利用者の補聴のための補聴器であり、聴覚プロファイルは聴覚障害に基づいて普通の聴力を持つ人の聴覚プロファイルと相違している。そこで、聴覚障害が少なくとも部分的に、好ましくは完全に補償されるように、入力信号が変形される。そのために通常は、入力信号が増幅される。特に、その都度の出力信号が利用者のそれぞれの耳の聴覚プロファイルに適合させられる。
入力信号を変形するために、信号処理部は自動利得制御部(略してAGC、すなわちautomatic gain control)を備えている。この自動利得制御部は圧縮規準で作動可能な圧縮器を備えている。利用者の周囲は複数の方向に分割されている。この方向のうちの一つが、方向決定ユニットによって関連する方向として選定される。この関連する方向が他の方向と比べて強調されるので、関連する方向からの音響信号は、他の音響信号と比べて強く増幅されることによって強調される。そのために、圧縮器が圧縮規準で作動することにより、入力信号は方向に依存して変形される。この圧縮規準が関連する方向に依存して設定されるので、関連する方向からの音響信号は他の方向からの音響信号と比べて強調される。すなわち、入力信号を選択的に変形し、この音源を利用者にはっきりと再生するために、関連する音源がどの方向にあるかという情報が利用される。その際先ず最初に、所定の方向の音源が選択および適切に増幅されないで、圧縮規準が関連する方向の音源に適合され、それによってこの音源、ひいては所属方向が選択的に強調されることによって、指向作用が自動的に生じる。これは両耳型補聴器の場合には両側で好ましくは同じように行われる。
関連する方向は利用者によってその重要性に従って選択される。特に、所定の種類の音源、例えば話し手がそこに存在するときあるいは音源、例えば群衆内の話し手が同じ方向の他の音源に対して大きな音量、すなわち高いレベルを有するときに、1つの方向が重要である。関連する方向を決定するためおよび特に選択するために、方向決定ユニットが役立つ。そのために、適切な実施形態では、方向決定ユニットによって入力信号が分析され、利用者にとって関連する音源がどの方向にあるかをこの入力信号に基づいて決定する。それによって、この方向が関連する方向として選択される。有利な実施形態では、周囲の音源を所定の種類に割り当てるために、補聴器と特に方向決定ユニットは分類器を備えている。それによって、所定の種類の音源がある方向が関連する方向として選択される。
基本的には、上記の作用をビームフォーマによって同様ではないがある程度は実現することができる。このビームフォーマは複数の入力信号の適切な組合せによって所定の方向を他の方向よりも増幅し、他の方向を抑制する。それによって、冒頭で既に述べた欠点が生じる。適切な実施形態では、ビームフォーマが所定の状況でのみ接続され、そのため周囲の妨害騒音レベルに依存して作動する、すなわち有効信号と比較して周囲の妨害騒音がどの位の強さであるかに依存して作動することにより、上記欠点が少なくとも一時的に回避される。これは信号対雑音比、略してSNR(signal to noise ratio)によって表される。高いSNRの場合には、ビームフォーマが作動停止すると合目的であり、それによって予想されない方向からの音響信号、特に背後範囲から、すなわち後方からの音響信号が故意に抑制される。これは、高いSNRの場合には、言葉の理解を高めるためにビームフォーマが不要であり、従ってこのビームフォーマの利用をあきらめることが合目的であるという考察に基づいている。それに対して低いSNRの場合には、ビームフォーマが作動し、利用者にとって重要である音源、例えば利用者の正面範囲の、すなわち前の話し手に向けられる。ビームフォーマは、小さなSNRにかかわらず、高い言葉理解力を達成するために利用される。この場合、ビームフォーマが特別な状況でのみ、すなわち必要に応じて作動させられることが重要である。しかし、これは、ビームフォーマが作動している場合には、上述のように、他の方向からの音響信号を犠牲にして行われる。この音響信号は妨害騒音と共にもしできるなら意図しないで抑制される。
ビームフォーマの場合に上述のように原理的に生じる、関連する方向とは異なる方向からの音響信号の強力な抑制は、本例では回避される。従って、所定の方向の強調の改善、正確に言うとこの方向からの1つまたは複数の音響信号の強調の改善は、ビームフォーマの指向作用を利用しないで、自動利得制御、略してAGCを利用する。AGCの特徴は特に、出力信号を利用者の聴覚プロファイル、特に聴覚障害にできるだけ最適に適合させるように発生するために、レベルに依存した入力信号の変形を行うことにある。AGCは特に、補聴器の信号処理の一部である。レベルに依存した変形のため、AGCは一般的に圧縮器を備えている。この圧縮器は入力信号の増幅を、そのレベル、すなわち入力レベルに依存してかつ所定の圧縮規準と関連して制御する。圧縮規準は、所定の入力レベルの際に入力信号のためにどのような増幅係数が使用されるかを示している。圧縮規準は1つまたは複数の圧縮パラメータ、好ましくは入力レベルの1つまたは複数の所定のレベル範囲についての1つまたは複数の屈曲点、1つまたは複数の圧縮比、作用時間(アタックとも呼ばれる)、停止時間(レリースとも呼ばれる)またはこれらの組合せによってパラメータ化されている。その際、屈曲点は異なる圧縮比を有する2つのレベル範囲の間の移行部を示している。
AGCの圧縮器が方向に依存してその都度適切な圧縮規準によって作動させられるので、異なる方向からの音響信号は異なるように圧縮される。その限りでは、ここで提案した思想はビームフォーマの代替を示しているがしかし、ビームフォーマと組み合わせて有利に使用することができる。本例では、使用者の周囲が複数の方向に分割され、関連する方向からの音響信号、すなわち利用者にとって関連する音響信号が強調されるように、圧縮器が調節される。音源がどの方向にあるかに応じて、適切な圧縮規準が選択されて調節される。これにより、先ず最初に従来の強い指向作用が合目的に省略され、その代わりに入力信号の変形の有利な段階的な適合が行われる。
適切な圧縮規準の選択によって、方向の一つが選択的に強調される。これは好ましくは、この方向とは異なる方向において同時に抑制を生じないで、この方向において言葉理解を選択的に高めるために行われる。その限りにおいては、特別な圧縮規準によって関連する音源の強調が所定の方向で行われるように、圧縮器を用いておよび一般的にはAGCを用いて指向作用が発生させられる。その際、強調は特に適切な圧縮規準の選択によって実現される。この圧縮規準が強調すべき音源に合わせられているので、他の音源は強調すべき音源に比べて目立たなくなるがしかし、完全に抑制されることはない。それによって、ビームフォーマと比べて弱い指向作用が達成され、全体としてある方向におけるできるだけ強い強調と、他の方向におけるできるだけ弱い抑制との間の妥協が見いだされる。例えば正面範囲を強調する場合、利用者は背後範囲からの音響信号を感知することができる。
ここでの重要な思想は、所定の方向からの音源を強調するための方向に依存した圧縮である。換言すると、圧縮器のパラメータ化が方向に依存して行われる。それによって、圧縮器を用いておよび一般的にはAGCを用いて、段階的な指向作用が達成されると有利である。すなわち、AGCを用いて、所定の方向の1つまたは複数の音源が強調される。さらに、複数の方向において同時に指向作用を達成することができるので、強調される方向にのみビームフォーマを通常のごとく制限することが行われないので有利である。
方向決定ユニットがビームフォーマを備えている実施形態がきわめて有利である。この方向決定ユニットは関連する方向を決定するために用いられる。これは、ビームフォーマが特に指向性信号を発生するように設計され、それによって周囲を複数の方向に分割するのに特に適しているという考えに基づいている。そのために、入力信号がビームフォーマに供給され、そして各方向について指向性入力信号が発生するように、各方向について処理される。この指向性入力信号は1つの方向からの音響信号だけからまたは少なくとも大部分がこの音響信号から生じる。従って、すべての指向性入力信号が1つの方向に割り当てられる。指向性入力信号はその都度利用者にとって関連する音源の存在を調べる。これは例えば分類器によってあるいは指向性入力信号の信号規準、例えばそのレベルまたはそのSNRに基づいて簡単に調べられる。関連する音源に含まれる指向性入力信号の方向が、関連する方向として選定される。この音源が強調され、その結果関連する方向が強調されるように、圧縮規準が設定される。すなわち、ビームフォーマが先ず最初に周囲を異なる方向に分割し、関連する方向を決定する働きをすると有利である。しかし、ビームフォーマは出力信号を発生する働きはしない。この出力信号は指向性入力信号の組合せによって同様に指向している。この機能は圧縮器の特別な制御から生じる。
ビームフォーマは特に複数のマイクロホンによって発生した複数の入力信号から、指向性入力信号を発生する。このマイクロホンはそれぞれ、周囲の音響信号をそれぞれ入力信号に変換する。マイクロホンは補聴器の異なる位置に配置され、これによりマイクロホンアレーを形成している。そのため、幾つかの入力信号をまとめて、マイクロホンアレーから発生する1つの入力信号として見なすことができる。1つの指向性入力信号を発生するために、幾つかのマイクロホンの入力信号がビームフォーマによって互いに適切に組合せられる。有利な実施形態では、マイクロホンアレーが2個のマイクロホンを有し、ビームフォーマが4つの方向前、後ろ、左および右について4つの指向性入力信号を発生する。しかし、異なる実施形態も考えられるし、同様に適している。
ビームフォーマから発生する指向性入力信号は基本的には、出力信号を発生するためには用いられない。適切な実施形態では、指向性入力信号は関連する方向を求める働きだけをし、AGCと特に圧縮器が入力信号に作用する。有利な変形では、特に1つの入力信号の代わりに、複数の指向性入力信号がAGCに供給され、そして方向に依存する圧縮を実現するために、AGCによって互いに別々に処理される。この場合、AGCと特に圧縮器は入力信号の個々の部分に、すなわち方向に応じて分割された入力信号を示す指向性入力信号に別々におよび互いに独立して作用する。別々に処理された指向性入力信号は最後に混ぜ合わされて出力信号を形成する。次に、両思想の有利な実施形態を詳細に示す。その幾つかの実施形態または部分は基本的には互いに組合せ可能である。特別な実施形態に関する説明は他の実施形態についても同様に当てはまる。
特に簡単で有利な実施形態では、圧縮規準が少なくとも1つの圧縮パラメータによって、特に上述のように定められ、そして圧縮パラメータを関連する方向に依存して変更することにより、圧縮規準が関連する方向に依存して設定される。第1変形では、少なくとも2つの不連続の値の間でのみ切換えられる。第2変形では、圧縮パラメータが連続的に変更される、すなわち連続的に設定される。この実施形態では、圧縮器のためのその都度適切なパラメータ化が方向に依存して選択および設定され、そして相応して入力信号の圧縮が制御される。
他の有利な実施形態では、圧縮器が複数のインスタンスを備え、このインスタンスは異なるインスタンス規準で作動させられる。このインスタンス規準はそれ自体、上述のように圧縮規準である。それぞれのインスタンス規準は所定の種類の音響信号を強調するように、例えば話しまたは音響、例えば音楽を強調するように形成されている。これに関連して、インスタンスは圧縮インスタンスとも呼ばれる。入力信号はその都度複数のインスタンスに供給される。このインスタンスは変形された多数の入力信号を発生し、この入力信号は続いて組合せられて出力信号を形成する。その際基本的には、すべてのインスタンスのために同じ入力信号が使用されるので、圧縮器は全部の入力信号に作用する。出力信号内における変形された入力信号の割合が関連する方向に依存して調節されるので、圧縮規準がインスタンス規準の混合として設定されることが重要である。すなわち、入力信号の異なる形が方向に依存して混合される、すなわち関連する方向に応じて一方または他方のインスタンスが出力信号に対して多少影響を及ぼす。混合、集合または組合せが、出力信号を発生するミキサによって行われると合目的である。
この実施形態の特有の利点は、個々のインスタンスがそれぞれ不変のインスタンス規準で作動可能であり、好ましくは作動させられ、それにもかかわらず全部を変更可能な圧縮規準が存在することである。入力信号が個々のインスタンスによって平行して異なるように処理されるので、変形された入力信号の割合を適切に選択して調節することにより、圧縮器の圧縮規準全体が設定される。第1変形では、不連続の2つの割合の間で切換えられる。それに対して、第2変形では、割合が連続的に変化させられる。割合を調節または変更するために、例えば入力信号のレベルがそれぞれのインスタンスの前で変更されるかあるいはその代わりにまたはそれに加えて、変形されたそれぞれの入力信号のレベルがそれぞれのインスタンスの後で変更される。
前述の実施形態の利点は特に、インスタンスが予め定められたインスタンス規準で、すなわち不変のインスタンス規準で作動可能であり、好ましくは作動させられ、それによって作動中、それぞれのインスタンス規準がそれ自体変更されないことにある。すなわち、インスタンスはいろいろな種類の音響信号のための決定されたインスタンスである。しかし、同様に適切である変形では、個々のインスタンスを調節することができる。すなわち、インスタンスは変更可能なパラメータ化を有する。このパラメータ化は作動中変更され、それによってインスタンスは上述のように静的ではなく、動的である。
他の有利な実施形態では、入力信号が指向性の、すなわち方向に依存する複数の入力信号を有する。この入力信号はそれぞれ複数の方向の一つに割り当てられている。圧縮器は各指向性入力信号のために1つのインスタンスを有する。このインスタンスはそれぞれのインスタンス規準によって作動させられる。これに関連して、インスタンスは方向インスタンスとも呼ばれ、インスタンス規準は方向規準とも呼ばれる。インスタンス規準は上述のようにそれ自体圧縮規準である。それぞれのインスタンスには、指向性入力信号の1つが供給され、それによって圧縮規準がインスタンス規準の混合として設定される。原理的には、複数の圧縮インスタンスを有する上述の実施形態に関する説明は、複数の方向インスタンスを有する実施形態にも当てはまり、違いは、全部の入力信号が個々の方向インスタンスに供給されないで、処理されその後変形される入力信号が個々の方向インスタンスに供給されることにある。これにより、それぞれの方向インスタンスを用いて、入力信号の所定の方向成分だけの変形が行われ、それによって個々の方向が互いに独立して最適な方法でAGCによって処理される。
複数のインスタンス、特に方向インスタンスを有する上記の実施形態の特有の利点は特に、すべての方向において、そこに存在する特有の状況に別々に応答することができ、好ましくは応答することにある。そのために、有利な発展形態では、各々の方向に関して、それぞれの指向性入力信号のためのそれぞれのインスタンス規準が音響信号の種類に依存して、割り当てられた方向、すなわち付属の方向に設定される。換言すると、それぞれの方向に関して、所定の種類の音響信号、例えば言葉または音楽を送信する音源がそこに存在するかどうかが決定される。さらに、例えば分類器によって種類も決定される。音響信号の種類に依存して、インスタンスのために、相応するインスタンス規準が設定される。
異なる圧縮規準、すなわち正確に言うとインスタンス規準を使用可能であることに関連して、いろいろな方向に分割することにより、方向が互いに独立して処理可能であり、必要に応じて合目的に変形されると有利である。指向性入力信号は好ましくはビームフォーマによって発生させられる。ビームフォーマは、所定の方向からの音響信号を強調するので、指向性入力信号を発生するのに適している点で優れている。そのために、ビームフォーマは特に、この方向の各々に付属する指向性入力信号を発生するために、複数の方向のすべてに適用される。慣用のビームフォーマの場合、方向に依存する入力信号が1つだけ使用され、変形後出力信号として出力される。これに対して、本願の場合、異なる方向の複数の指向性入力信号がそれぞれAGCによって変形されるので、結果的に方向に依存する圧縮された入力信号が発生させられる。この入力信号は出力信号にまとめられて最後に出力される。
有利な実施形態では、複数の方向インスタンスを有する実施形態と、複数の圧縮インスタンスを有する実施形態が互いに組合せられる。例えば、それぞれの方向インスタンスが複数の圧縮インスタンスからなるように組合せられ、それによって個々の指向性入力信号が例えば異なる不変のインスタンス規準によって変形され、続いて変形された異なる指向性入力信号が混ぜ合わされて出力信号を形成する。
圧縮器の複数のインスタンスによる選択された表現に対する均等表現は、複数のAGCインスタンスを有するAGCを用いることができる。このAGCはそれぞれ相応して形成された1つまたは複数の圧縮器を備えている。この異なる表現は均等物と見なされ、精々特に具体的な回路技術的変換が異なるがしかし、特に問題である達成される機能性は異なっていない。
圧縮規準、特にセットされるインスタンス規準は好ましくはある量の圧縮規準から選択される。この圧縮規準は、言葉構成要素を強調するための言葉規準と、補聴器の利用者の聴覚プロファイルにのみ適合させるための音響規準を含んでいる。それによって、できるだけ良好に言葉を理解するように設計された言葉規準と、周囲からの音響信号をできるだけ自然に再生するように設計された音響規準との間で、必要に応じて切換えが行われる。言葉規準を使用する場合、圧縮によって言葉が強調される。それに対して、音響規準の場合には、周囲自体は強調されず、特に個々の音源または音響信号の個々の種類は特別考慮されない。それによって、きわめて忠実な音響再生が達成され、この音響再生は特に音響信号としての音楽の場合に有利である。
言葉規準を選択するための方法によって、周囲における言葉の存在のきわめて重要なケースが考慮される。このような言葉、すなわち話し手の音響信号を利用者に最大限理解させるために、言葉の理解を改善する圧縮規準がセットされる。この場合、他の音響信号または騒音の忠実な再生は重要ではなく、利用者にとって言葉の認識が優先される。これとは逆に合目的に、言葉のない周囲では、音響的な周囲のできるだけ忠実な再生が望まれる。すなわち、できるだけ良好な音の品質を達成すべきである。これは音規準の選択の可能性によって実現される。できるだけ良好な音の品質とは特に、利用者の聴覚障害ができるだけ最適に補償されること、すなわち最大限の難聴補償を実施することであると理解される。これは音楽の場合きわめて重要である。この音楽は言葉の理解を改善するための圧縮規準によって、事情によっては強く歪む。同じことが周囲の他の音響信号についても当てはまる。この他の音響信号は時として、利用者がもはや認識できないほどおよびもはや割り当てできないほど強く歪む。
方向に依存する圧縮のきわめて有利な点は特に次のような問題が回避されることにある。すなわち、言葉や他の音響信号、特に音楽が存在する周囲において、所定の状況、例えば言葉または音のために設計された個々の圧縮規準が最適ではないという問題が回避されることにある。きわめて有利な実施形態では、方向に依存する圧縮の枠内で、周囲が複数の方向に分割され、それぞれの方向の音響信号がその都度最適な圧縮規準、すなわちそれぞれの音響信号に合った圧縮規準によって変形される。周囲全体を分析し、周囲全体にとって同じ圧縮を行う代わりに、相応する考察が複数の方向の各々について別々に行われる。
周囲の中で指向性音響信号が認識されるときにのみ、入力信号が方向に依存して変形されると合目的であり、そうでないと入力信号は方向に依存しないで変形される、すなわちすべての方向が同じように変形される。換言すると、補聴器は基本動作を有し、この基本動作では圧縮の設定によって方向が特別強調されない。それによって基本的には、一つの方向も関連する方向ではなく、関連する方向が選定されない、すなわち決定が失敗に終わる可能性がある。それぞれの方向において関連する音源または関連する音響信号が決定されないかまたは設定不可能である場合のために、すなわち関連する音響信号が存在しない場合のために、好ましくはこの方向については基本規準が圧縮規準として使用される。基本動作では、すべての方向のために基本規準が使用される。基本規準が、周囲全体のすべての音響信号のきわめて忠実な再生を補償する上記の音規準であると有利である。特別な音響信号がある方向に存在しないと、音響信号の種類として特に種類「背景」が生じる。
適切な実施形態では、複数の方向がその都度関連する方向として選定される。これは特に、方向に依存する特別な圧縮によって可能になる。これに対して、ビームフォーマ単独によって、通常は1つの方向だけを強調することができる。しかし、本願では、複数の方向が同時に関連する方向として選定される。これにより例えば、周囲の複数の話し手が利用者のために強調されると有利である。その代わりにまたはそれに加えて、突然発生する警報信号またはアラーム信号は、他の関連する音響信号を抑制せずに強調される。
異なる方向は好ましくは、利用者から出発して周囲を複数のセクタに分割することによって生じる領域である。補聴器の利用者は周囲において中心を形成する。この中心から出発して、周囲は複数のセクタ、すなわち角度区間に分割されている。すなわち、各領域はセクタに相当し、セクタは利用者の周りに周方向に並んでいる。きわめて合目的な実施形態では、周囲が4つの方向に、すなわち前、後ろ、左および右に分割される。この方向の記載は利用者の視線方向に関連している、すなわち「前」は前側範囲を示し、「後ろ」は背後範囲を示し、「左」と「右」は左側の側方範囲または右側の側方範囲を示す。4つの方向はそれぞれ、特に90°の角度区間を含んでいる。それによって、周囲は4つの四分円に分割されている。基本的には、2つだけの領域、例えば前と後ろ、すなわち前側範囲と背後範囲に分割してもよい。変形では、領域への分割は平面内でなく、空間内で行われる。この場合、合目的な実施形態では、付加的な領域が上方に形成されている。同様に、下方の付加的な領域も有利である。
本発明による補聴器は上述の方法を実施するように形成されている。補聴器は特に、方法を実施するように形成された信号処理部を備えている。補聴器は単耳型または両耳型として形成され、それぞれ耳内または耳上に装着される1個または2個の単一機器を備えている。補聴器は特に、聴覚障害のある利用者の補聴の働きをする。補聴器は少なくとも1個のマイクロホンと、少なくとも1個のレシーバを備えている。正確に言うと、補聴器の各単一機器は少なくとも1個、好ましくは複数のマイクロホンと、1個のレシーバを備えている。各単一機器は固有のケーシングを備えている。このケーシング内には、所属のマイクロホンが収納されている。補聴器の種類に応じて、レシーバはケーシングに収納されているかまたはリード線を介してケーシングに接続されている。各単一機器はさらに、イヤーピースを備えている。このイヤーピースは、レシーバが出力信号から発生する音響信号を利用者に出力するために、特に利用者の耳に挿入可能である。補聴器がエネルギ供給のために電池を備えていると合目的である。この場合、各単一機器が、特にケーシング内に収納された固有の電池を備えていると有利である。
次に、図に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明する。上記の普遍的な実施は、次に示す特別な実施の形態に適用される。図にはそれぞれ概略的に示してある。
補聴器を示す図である。 補聴器のブロック図である。 他の補聴器のブロック図である。 圧縮規準を示す図である。 複数の方向への周囲の分割を示す図である。 複数のインスタンスを有する圧縮器を示す図である。 複数のインスタンスを有する圧縮器を示す図である。
図1は補聴器2の実施の形態を示す。補聴器2は信号処理部4を有する。補聴器2は単耳型または両耳型として形成されている。すなわち、それぞれ耳に装着される1個または2個の単一機器を備えている。図1には単一機器が1個だけ示してある。補聴器2はここでは聴覚障害のある利用者Nの補聴のために役立つ。補聴器2は少なくとも1個のマイクロホン7と、少なくとも1個のレシーバ6を備えている。図1に例示的に示した単一機器は2個のマイクロホン7と、1個のレシーバ6を備えている。このレシーバがケーシング8の外側に配置されているので、図示した補聴器2はいわゆるRIC機器である。
信号処理部4は方向に依存して圧縮するように形成されている。2つの実施の形態が図2と図3に示してある。これらの図はそれぞれ補聴器2のブロック図である。信号処理部4は一般的に自動利得制御部10、略してAGCを備えている。この自動利得制御部はさらに、圧縮器12を備えている。信号処理部4はさらに、方向決定ユニット14を備えている。この方向決定ユニットによって圧縮器12が制御される。そのために、方向決定ユニット14は関連する方向Rを決定する。この関連する方向に依存して圧縮器12が制御される。
信号処理部4には、マイクロホン7によって発生する入力信号Eが供給される。入力信号EはAGC10に供給される。このAGCは入力信号Eを変形し、出力信号Aとしてレシーバ6に出力するために転送する。本例では、入力信号Eはさらに、関連する方向Rを求めるために、すなわち方向決定のために使用され、そのために方向決定ユニット14に供給される。方向決定の結果として、圧縮器12が調節される。圧縮器12の作用は圧縮規準Kによって定められている。この圧縮規準は関連する方向Rにおいて関連する音源を強調するために、この方向に依存して変更される。
圧縮規準Kが図4に例示されている。ここでは、入力レベルEP、すなわち入力信号Eのレベルの関数として、増幅Gが示してある。図示した圧縮規準Kは屈曲点16を有する。この屈曲点は異なる圧縮比を有する2つのレベル範囲を定めている。下側のレベル範囲では、一定の増幅が行われ、上側のレベル範囲では入力レベルの上昇につれて増幅が低下する。圧縮規準は、例えば圧縮器12の変更された作用を生じるために屈曲点16を移動させることにより、関連する方向Rに依存して変更させられる。
利用者Nの周囲は、複数の方向、例えば図5に示すように4つの方向「前」V、「後ろ」H、「左」Lおよび「右」Sに分割されている。この方向のうちの1つが方向決定ユニット14によって関連する方向Rとして選択され、他の方向に対して強調される。そのために、入力信号Eは方向に依存して変形される。これは、圧縮器12が、関連する方向Rに依存して設定される圧縮規準Kによって作動することにより行われる。すなわち、関連する音源がどの方向にあるかという情報が利用される。それによって、入力信号Eが選択的に変形され、この音源が利用者Nに明確に示される。
その際、関連する方向Rは使用者Nにとってのその重要性に従って選択される。特に、所定の種類の音源、例えば話し手が存在するときあるいは音源が同じ方向の他の音源に対してより大きな音量、すなわちより高いレベルを有するとき、例えば群衆の中の話し手がより大きな音量を有するときに、1つの方向が重要である。関連する方向Rを求めるために、方向決定ユニット14によって入力信号Eが分析され、それに基づいて利用者Nに関連する音源がどの方向にあるかを決定する。それによって、この方向が関連する方向として選択される。例えば、周囲の音源を所定の種類に割り当てるために、補聴器2は図示していない分類器を備えている。それによって、所定の種類の音源が存在する方向が、関連する方向Rとして選択される。
図2において、個々のマイクロホン7から入力信号Eが発生させられ、圧縮器12と方向決定ユニット14に供給される。方向決定ユニット14は入力信号Eに基づいて関連する方向Rを決定し、そして関連する方向Rに依存して圧縮規準Kを変更することにより、圧縮器12を制御する。それによって、方向に依存して、変形された入力信号Emodが発生させられる。この変形された入力信号は出力信号Aとしてレシーバ6を経て出力される。
図3において、方向決定ユニット14はビームフォーマを備えている。このビームフォーマは複数のマイクロホン7の入力信号Eから複数の指向性入力信号Egerを発生する。すなわち、入力信号Eは複数の指向性入力信号Egerに分かれる。その際、各指向性入力信号Egerが1つの方向に割り当てられる、すなわちこの1つの方向からの音響信号からのみまたは少なくとも主としてこの音響信号から発生させられる。そして、指向性入力信号は圧縮器12に供給され、そこで別々に変形されるので、変形された複数の入力信号Emodが発生させられる。この変形された複数の入力信号は続いて出力信号Aにまとめられる。
これに適した圧縮器12の実施形態が図6に示してある。図示した圧縮器12は複数のインスタンス18を備えている。各インスタンスには指向性入力信号Egerの一つが供給される。これらのインスタンス18はそれゆえ方向インスタンスとも呼ばれる。さらに各インスタンス18は固有のインスタンス規準によって作動される。固有のインスタンス規準は関連する方向Rに依存して設定される。それによってすなわち各指向性入力信号Egerは別々に変形され、各方向のために1つの固有の圧縮規準が、すなわちそれぞれのインスタンス規準が利用される。そのため各々の方向の音響信号は他の方向の音響信号とは独立して最適に圧縮される。変形された入力信号Emodはミキサ20で混ぜ合わされて形成される。その際、出力信号Aにおける特に変形された入力信号Emodの割合は、圧縮規準K全体が最適になるように適切に設定される。
図7は圧縮器12を示している。圧縮器12は複数のインスタンス18を備えている。各インスタンスには完全な入力信号Eが供給される。図6では、異なる信号、すなわち指向性入力信号Egerが1つずつ各インスタンス18に供給されるのに対して、図7では同じ信号、ここでは入力信号Eが各インスタンス18に供給される。個々のインスタンス18が異なるインスタンス規準で作動するので、入力信号Eは各インスタンス18で異なるように変形され、異なるように変形された入力信号Emodを生じる。この入力信号はその後ミキサ20で組合せられて出力信号を形成する。この場合、個々のインスタンス18は圧縮インスタンスと呼ばれる。これに対して、図6の複数のまたはすべてのインスタンス18は必要に応じて同じインスタンス規準で作動させられる。図7の異なるインスタンス規準はここでは異なる音源および異なる状況のために形成され、例えばインスタンス規準の一方は言葉を強調するために言葉規準であり、インスタンス規準の他方は音響規準である。この音響規準はできるだけ事実に忠実で、利用者Nの聴覚障害に適合した周囲の音響信号の再生を実現する。
図6と図7の実施形態で図示していない変形では、図6の個々の各インスタンス18の代わりに、図7のように複数のインスタンス18にそれぞれ指向性入力信号Egerが供給されるように組合せられている。それによって、例えば個々の方向に関して異なるインスタンス規準の混合が実現される。図6と図7の特定のケースでは、圧縮器12は8個のインスタンスを備えている。すなわち、各方向に関して言葉規準を有するインスタンスと音響規準を有するインスタンスを備えている。
2 補聴器
4 信号処理部
6 レシーバ
7 マイクロホン
8 ケーシング
10 自動利得制御部、AGC
12 圧縮器
14 方向決定ユニット
16 屈曲点
18 インスタンス
20 ミキサ
A 出力信号
E 入力信号
Eger 指向性入力信号
Emod 変形された入力信号
EP 入力レベル
G 増幅
H 後ろ
K 圧縮規準
L 左
N 利用者
R 関連する方向
S 右
V 前

Claims (10)

  1. 補聴器(2)が周囲の音響信号から入力信号(E)を発生し、
    前記補聴器(2)が信号処理部(4)を備え、この信号処理部が、前記入力信号(E)を変形して出力信号(A)を発生するように形成され、
    前記信号処理部(4)が前記入力信号(E)を変形するために自動利得制御部(10)を備え、この自動利得制御部が圧縮規準(K)で作動させることできる圧縮器(12)を備え、
    周囲が複数の方向(V、H、L、S)に分割され、この方向のうちの1つが方向決定ユニット(14)によって関連する方向(R)として選択され、
    前記圧縮器(12)を圧縮規準(K)で作動させることにより、前記入力信号(E)が方向に依存して変形させられ、この圧縮規準が関連する方向(R)に依存して設定され、それによって前記関連する方向(R)からの音響信号が他の方向からの音響信号に比べて強調されることを特徴とする補聴器(2)を作動させるための方法であって、さらに、
    前記圧縮器(12)が異なるインスタンス規準で作動させられる複数のインスタンス(18)を備え、
    それぞれのインスタンス規準が所定の種類の音響信号を強調するように形成され、
    前記入力信号(E)がそれぞれ複数の前記インスタンス(18)に供給され、このインスタンスが変形された多数の入力信号(Emod)を発生し、この変形された入力信号が続いて一緒に組合せられて出力信号(A)を形成し、
    前記出力信号(A)における変形された入力信号(Emod)の相互の割合が関連する方向(R)に依存して設定され、それによって圧縮規準(K)がインスタンス規準の混合として設定されることを特徴とする方法
  2. 補聴器(2)が周囲の音響信号から入力信号(E)を発生し、
    前記補聴器(2)が信号処理部(4)を備え、この信号処理部が、前記入力信号(E)を変形して出力信号(A)を発生するように形成され、
    前記信号処理部(4)が前記入力信号(E)を変形するために自動利得制御部(10)を備え、この自動利得制御部が圧縮規準(K)で作動させることできる圧縮器(12)を備え、
    周囲が複数の方向(V、H、L、S)に分割され、この方向のうちの1つが方向決定ユニット(14)によって関連する方向(R)として選択され、
    前記圧縮器(12)を圧縮規準(K)で作動させることにより、前記入力信号(E)が方向に依存して変形させられ、この圧縮規準が関連する方向(R)に依存して設定され、それによって前記関連する方向(R)からの音響信号が他の方向からの音響信号に比べて強調されることを特徴とする補聴器(2)を作動させるための方法であって、さらに、
    前記入力信号(E)が、それぞれ複数の方向(V、H、L、S)の一つに割り当てられた複数の指向性入力信号(Eger)を有し、
    前記圧縮器(12)が各指向性入力信号(Eger)のために、インスタンス(18)を備え、このインスタンスがそれぞれインスタンス規準で作動させられ、
    それぞれのインスタンス(18)に指向性入力信号(Eger)の1つが供給され、それによって圧縮規準(K)がインスタンス規準の混合として設定されることを特徴とする方法
  3. 前記方向決定ユニット(14)がビームフォーマを備え、このビームフォーマによって周囲が複数の方向(V、H、L、S)に分割され、前記ビームフォーマが前記関連する方向(R)を決定するために使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記圧縮規準(K)が少なくとも1つの圧縮パラメータによって定められ、
    前記関連する方向(R)に依存して前記圧縮パラメータを変更することにより、前記圧縮規準(K)が前記関連する方向(R)に依存して設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 各方向(V、H、L、S)について、それぞれの前記指向性入力信号(Eger)のためのそれぞれのインスタンス規準が音響信号の種類に依存して、割り当てられた方向(V、H、L、S)で設定されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記圧縮規準(K)、特に設定されるインスタンス規準が、多数の圧縮規準(K)から選択され、この圧縮規準が言葉成分を強調するための言葉規準と、前記補聴器(2)の利用者(N)の聴覚プロファイルに適合させるための音響規準を含んでいることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 周囲において指向性音響信号が認識されるときにのみ、前記入力信号(E)が方向に依存して変形させられ、そうでないときは前記入力信号(E)が方向に依存しないで変形させられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 複数の方向(V、H、L、S)がそれぞれ関連する方向(R)として選択されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 周囲が4つの方向(V、H、L、S)、すなわち前(V)、後ろ(H)、左(L)および右(S)に正確に分割されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実施するように形成された補聴器(2)。
JP2019088979A 2018-05-11 2019-05-09 補聴器の作動方法および補聴器 Active JP6870025B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102018207346.5 2018-05-11
DE102018207346.5A DE102018207346B4 (de) 2018-05-11 2018-05-11 Verfahren zum Betrieb eines Hörgeräts sowie Hörgerät

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019198073A JP2019198073A (ja) 2019-11-14
JP6870025B2 true JP6870025B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=66102418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019088979A Active JP6870025B2 (ja) 2018-05-11 2019-05-09 補聴器の作動方法および補聴器

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10856089B2 (ja)
EP (1) EP3567874B1 (ja)
JP (1) JP6870025B2 (ja)
CN (1) CN110475194B (ja)
DE (1) DE102018207346B4 (ja)
DK (1) DK3567874T3 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4040806A3 (en) * 2021-01-18 2022-12-21 Oticon A/s A hearing device comprising a noise reduction system
CN113660593A (zh) * 2021-08-21 2021-11-16 武汉左点科技有限公司 一种消除头影效应的助听方法及装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4712866A (en) 1986-07-24 1987-12-15 Andrew Corporation Indium-clad fiber-optic polarizer
EP1118248B1 (de) 1998-09-29 2005-03-23 Siemens Audiologische Technik GmbH Hörgerät und verfahren zum verarbeiten von mikrofonsignalen in einem hörgerät
US20030007657A1 (en) * 2001-07-09 2003-01-09 Topholm & Westermann Aps Hearing aid with sudden sound alert
CA2354858A1 (en) * 2001-08-08 2003-02-08 Dspfactory Ltd. Subband directional audio signal processing using an oversampled filterbank
US7630507B2 (en) * 2002-01-28 2009-12-08 Gn Resound A/S Binaural compression system
US7305100B2 (en) * 2003-02-14 2007-12-04 Gn Resound A/S Dynamic compression in a hearing aid
DE10327889B3 (de) * 2003-06-20 2004-09-16 Siemens Audiologische Technik Gmbh Verfahren zum Betrieb eines Hörhilfegerätes sowie Hörhilfegerät mit einem Mikrofonsystem, bei dem unterschiedliche Richtcharakteristiken einstellbar sind und Programmiergerät dafür
US7212643B2 (en) * 2004-02-10 2007-05-01 Phonak Ag Real-ear zoom hearing device
KR20110050500A (ko) * 2008-09-10 2011-05-13 비덱스 에이/에스 보청기에서의 사운드 처리 방법 및 보청기
CN102549661B (zh) * 2009-10-21 2013-10-09 松下电器产业株式会社 音响处理装置、音响处理方法及助听器
DE102010041740A1 (de) * 2010-09-30 2012-04-05 Siemens Medical Instruments Pte. Ltd. Verfahren zur Signalverarbeitung in einem Hörhilfegerät sowie Hörhilfegerät
CN106851512B (zh) * 2010-10-14 2020-11-10 索诺瓦公司 调整听力设备的方法及根据所述方法可操作的听力设备
EP2544462B1 (en) * 2011-07-04 2018-11-14 GN Hearing A/S Wireless binaural compressor
EP2544463B1 (en) * 2011-07-04 2018-04-25 GN Hearing A/S Binaural compressor preserving directional cues
DE102015210652B4 (de) * 2015-06-10 2019-08-08 Sivantos Pte. Ltd. Verfahren zur Verbesserung eines Aufnahmesignals in einem Hörsystem

Also Published As

Publication number Publication date
DE102018207346A1 (de) 2019-11-14
US10856089B2 (en) 2020-12-01
CN110475194B (zh) 2021-05-18
EP3567874A1 (de) 2019-11-13
JP2019198073A (ja) 2019-11-14
US20190349692A1 (en) 2019-11-14
EP3567874B1 (de) 2022-06-01
DK3567874T3 (da) 2022-08-29
DE102018207346B4 (de) 2019-11-21
CN110475194A (zh) 2019-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105848078B (zh) 双耳听力系统
US6912289B2 (en) Hearing aid and processes for adaptively processing signals therein
US8532307B2 (en) Method and system for providing binaural hearing assistance
CA2538021C (en) A method for controlling the directionality of the sound receiving characteristic of a hearing aid and a signal processing apparatus for a hearing aid
KR101689339B1 (ko) 이어폰 구조체 및 그 작동 방법
JP6643818B2 (ja) 両耳用補聴システムにおける無指向性感知
US11457319B2 (en) Hearing device incorporating dynamic microphone attenuation during streaming
JP2011512768A (ja) オーディオ装置及びその動作方法
US9866976B2 (en) Hearing aid system with an aligned auditory perception
US10536785B2 (en) Hearing device and method with intelligent steering
US8600087B2 (en) Hearing apparatus and method for reducing an interference noise for a hearing apparatus
US9398379B2 (en) Method of controlling a directional characteristic, and hearing system
JP6870025B2 (ja) 補聴器の作動方法および補聴器
US11438707B2 (en) Method for operating a hearing aid system, and hearing aid system
JP5130298B2 (ja) 補聴器の動作方法、および補聴器
US10848879B2 (en) Method for improving the spatial hearing perception of a binaural hearing aid
WO2007131815A1 (en) Hearing device and method for operating a hearing device
US20230080855A1 (en) Method for operating a hearing device, and hearing device
US11996812B2 (en) Method of operating an ear level audio system and an ear level audio system
US20220345101A1 (en) A method of operating an ear level audio system and an ear level audio system
WO2023169755A1 (en) Method for operating a hearing aid
CN114667742A (zh) 用于运行听力系统的方法以及听力系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6870025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250