1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50は、パチンコ遊技機1の外郭を形成するものであり、図示しない外枠及び内枠と、外枠及び内枠の前面側に配されている前枠(前扉部)51とを備えている。前枠51は、外枠及び内枠に対して回動自在になっている。前枠51の中央部には、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように、透明のガラス板(窓部)55が取付けられている。
前枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(遊技球打込手段)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63及びセレクトボタン(図示省略)が設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前枠51には、装飾用の枠ランプ66及び音を出力するスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図15参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(図6参照)にて表示される第1特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。なお本形態では、後述の第2特別図柄表示器41b(図6参照)にて表示される第2特別図柄の可変表示の結果に対応して、変動演出を実行しないようになっている。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。なお本形態では、後述する第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像については表示しないようになっている。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。上述したように第2特別図柄の可変表示に同期した変動演出や、第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像の表示を行わない理由については、後述する。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技盤2の上部には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が配されている。盤可動体15は初期状態において、図2に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図15参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口や、第1入球口、第1固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や第1固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(第1識別図柄)の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図14参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。この第1大入賞口30は、後述する大当たり遊技の実行中に開放して、小当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、大当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
また図3(A),(B)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する第1大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図14参照)とを備えている。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、後述する第2大入賞装置36には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図2に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の右斜め上方には、第2始動口(入球口や、第2入球口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄(第2識別図柄)の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図14参照)により駆動される。
図4(A)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が後方に退避した退避状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になっている。すなわち開閉部材23が退避状態にある(電チュー22が開放している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、第2始動口21へ入球する。なお電チュー22において、第2始動口21の下流には、第2始動口21への遊技球の入球を検知する第2始動口センサ21aが配されている。
一方図4(B)に示すように、第2始動口21は、開閉部材23が前方に進出した進出状態であるときには、遊技球が入球不可能になっている。すなわち開閉部材23が進出状態にある(電チュー22が閉鎖している)とき、第2始動口21の上方に到達した遊技球は、開閉部材23の左方へ転動して、後述する第1大入賞口30、第3始動口25、第2大入賞口35へ向かう。
こうして電チュー22では、開閉部材23が開状態(退避状態)にあるときにのみ、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(進出状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。よって、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材23を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また図2に示すように、遊技領域3における電チュー22(開閉部材23)の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
ここで本形態では、ゲート28への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選が実行された場合、そのゲート28の通過から電チュー22の開放までの時間は、極めて短く設定されている(非時短状態で0.084秒、時短状態で0.08秒、図12参照)。そして、電チュー22(第2始動口センサ21a)の真上にゲート28が配されていて、ゲート28を通過した遊技球は、ゲート28を通過してから0.084秒よりも僅かに大きい時間(例えば0.1秒)で第2始動口21(開閉部材23)に到達するようになっている。なおゲート28を通過した遊技球は、100%の確率で第2始動口21に到達するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)で第2始動口21に到達する。こうして本形態では、ゲート28への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選が実行されて、電チュー22が開放すれば、ゲート28を通過した遊技球がそのまま電チュー22(第2始動口21)に入球し得るように構成されている。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方で、左右方向の中央には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開放状態と閉鎖状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図14参照)により駆動される。
そのため図5(A)に示すように、第2大入賞口35は、開閉部材37が前方に傾動した開放状態(開状態)であるときには、遊技球が入球可能になる。一方図5(B)に示すように、第2大入賞口35は、開閉部材37が遊技盤2の起立した前面と同一平面を形成する閉鎖状態(閉状態)であるときには、遊技球が入球不可能になる。この第2大入賞口35は、後述する小当たり遊技の実行中に開放して、大当たり遊技の実行中に開放することはない。つまり、小当たり遊技における専用のアタッカーになっている。
ここで本形態では、遊技領域3における第2大入賞口35の右方に、遊技球の入球し易さが常に変わらない第3始動口(入球口、第2固定入球口ともいう)25を備える第3始動入賞装置(第3入球手段や第2固定入球手段ともいう)26が設けられている。第3始動口25への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口20や第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第1大入賞口30(第1大入賞装置31)と、第3始動口25と、第2大入賞口35と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、第3始動口25、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
こうして本形態では、第1流路R1と第2流路R2との合流部分G1に、第2大入賞口35が配されている。そのため、左打ち又は右打ちの何れであっても、小当たり遊技の実行により第2大入賞口35が開放すれば、遊技球を第2大入賞口35へ入賞させることが可能である。第2大入賞口35を合流部分G1に配置した理由については、後述する。
また本形態では、左打ちで第1始動口20への入球により、第1特別図柄の抽選を実行できるだけでなく、右打ちで第3始動口25への入球により、第1特別図柄の抽選を実行することが可能である。そして、左打ちで100球の遊技球を第1流路R1にて流下するように打込んだ場合に、第1始動口20へ入球する遊技球の数が約5球(所謂スタート「5」)になるように、第1始動口20が配されている。これに対して、右打ちで100球の遊技球を第2流路R2にて流下するように打込んだ場合に、第3始動口25へ入球する遊技球の数が約25球(所謂スタート「25」)になるように、第3始動口25が配されている。
また本形態では、右打ちで第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が、ほぼ必ずゲート28を通過するようにゲート28を配している。上記したほぼ必ずゲート28を通過するとは、第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が100%の確率でゲート28を通過するわけではなく、100%に近い確率(例えば90%以上)でゲート28を通過するという意味である。よって右打ちされた遊技球が、高い確率でゲート28を通過して、その通過を契機として普通図柄抽選が実行されるという条件を満たせば、高い確率でゲート28を通過後にそのまま電チュー22へ入球し得ることになる。なお本形態では、普通図柄抽選が実行されれば、通常確率状態又は時短状態のいずれであっても、非常に高い確率で当たりと判定されるように設定されている(図10(D)参照)。また通常遊技状態にて右打ちで100球の遊技球を第2流路R2にて流下するように打込んだ場合に、電チューへ入球する遊技球の数が約5球(所謂スタート「5」)になるように、開閉部材23の開放パターンX(図13参照)、普通図柄の当選確率(図10(D)参照)、電チュー22の配置等が設定されている。
また図2に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1識別図柄表示手段)41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2識別図柄表示手段)41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bが含まれている。但し、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器は設けられていない。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20又は第3始動口25への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放パターンと小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄(ハズレ停止態様の特別図柄)を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図14参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20又は第3始動口25への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(第1判定情報記憶手段、図14参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(第2判定情報記憶手段、図14参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。電チュー22(第2始動口21)の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たり(普通当たり)である場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した態様(普通当たり停止態様)である普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した態様である普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過を契機として、図9(B)に示普通図柄乱数及び普図変動パターン乱数(通過用情報)を取得する。そして、普通図柄乱数(当たり乱数)の判定を行い、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行し得るようになっている。但し普図保留記憶部が設けられていないため、普通図柄乱数等の乱数値を普図保留として記憶することはない。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合には、普通図柄抽選を行わないようになっている。なお、普図保留をRAM84(図14参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図14及び図15に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図14及び図15に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図14に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。第3始動口センサ25aは、第3始動口25内に設けられて、第3始動口25に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第1大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第1大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、および特図保留表示器43が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。
本形態では、第1始動口20への入賞による賞球数は3球であり、第2始動口21への入賞による賞球数は1球であり、第3始動口25への入賞による賞球数は3球である。また、第1大入賞口30への入賞による賞球数は8球であり、第2大入賞口35への入賞による賞球数は3球である。
また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図15に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン(図示省略)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図14及び図15は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図14及び図15に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図14又は図15に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図14又は図15に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。但し本形態では、特別図柄抽選の結果が「大当たり」又は「小当たり」の何れかであり、「ハズレ」になることがない。この点については後に詳述する。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別(大当たりの種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また特別図柄抽選にて小当たりに当選すると、所定の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
大当たり(大当たり図柄)には、図7に示すように複数の種別がある。本形態では、大きく分けて2つの種別がある。Vロング大当たり(特定大当たり)と、Vショート大当たり(通常大当たり)である。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な通過開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な非通過開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32を作動させる大当たりである。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
そして、大当たりの種別と当選時の遊技状態に応じて、大当たり遊技後の遊技状態が後述する時短状態又は非時短状態に制御される。よって、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御される場合であっても時短状態に制御されることがあり、高確率状態に制御される場合であっても非時短状態に制御されることがある。なお、時短状態に制御されたときに時短回数が100回又は50回に設定されることがある。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
ここで本パチンコ遊技機1の遊技状態は、大きく分けて4つの遊技状態からなる。通常確率状態且つ非時短状態(以下「低確非時短状態」と呼ぶ)と、高確率状態且つ時短状態(以下「高確時短状態」と呼ぶ)と、高確率状態且つ非時短状態(以下「高確非時短状態(特定遊技状態)」と呼ぶ)と、通常確率状態且つ時短状態(以下「低確時短状態」呼ぶ)とがある。なお初期設定では、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には、6種類ある。具体的には、「特別Vロング16R大当たり」、「通常Vロング16R大当たり」、「特別Vロング4R大当たり」、「通常Vロング4R大当たり」、「Vロング2R大当たり」、「Vショート5R大当たり」がある。
図8に示すように、「特別Vロング16R大当たり」又は「通常Vロング16R大当たり」は、16R(ラウンド)大当たりであり、1Rは第1大入賞口30を最大24.0秒にわたって開放し、2Rから16Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。1Rでは、第1大入賞口30の開放時間が24.0秒と十分長いため、第1大入賞口30内の特定領域39への通過が容易に可能である。なお本形態では、1R以外のラウンドではV入賞できないように、振分部材71(図3参照)の作動が制御されている。
図7に示すように、低確非時短状態又は高確時短状態で「特別Vロング16R大当たり」に当選して、特定領域39へ遊技球が通過した場合(V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、特定領域39へ遊技球が通過しなかった場合(非V入賞の場合)には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、且つ時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。
一方、高確非時短状態又は低確時短状態で「特別Vロング16R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「特別Vロング16R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄1」が停止表示される。
また、低確非時短状態又は高確時短状態で「通常Vロング16R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ実質的に次の大当たり遊技の開始まで継続する(例えば時短回数が10000回に設定される)時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。
一方、高確非時短状態又は低確時短状態で「通常Vロング16R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「通常Vロング16R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄2」が停止表示される。
また図8に示すように、「特別Vロング4R大当たり」又は「通常Vロング4R大当たり」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rは第1大入賞口30を最大24.0秒にわたって開放し、2Rから4Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。1Rでは、第1大入賞口30の開放時間が24.0秒と十分長いため、第1大入賞口30内の特定領域39への通過が容易に可能である。
また図7に示すように、低確非時短状態又は高確時短状態で「特別Vロング4R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態、且つ時短回数が100回に設定される時短状態に制御される。
一方、高確非時短状態又は低確時短状態で「特別Vロング4R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「特別Vロング4R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄3」が停止表示される。
また、低確非時短状態又は高確時短状態で「通常Vロング4R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ実質的に次の大当たり遊技の開始まで継続する(例えば時短回数が10000回に設定される)時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。
一方、高確非時短状態又は低確時短状態で「通常Vロング4R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「通常Vロング4R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄4」が停止表示される。
また図8に示すように、「Vロング2R大当たり」は、2R(ラウンド)大当たりであり、1Rは第1大入賞口30を最大24.0秒にわたって開放し、2Rは第1大入賞口30を最大0.08秒にわたって開放する大当たりである。1Rでは、第1大入賞口30の開放時間が24.0秒と十分長いため、第1大入賞口30内の特定領域39への通過が容易に可能である。しかしながら2Rでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短いため賞球が見込めず、実質的なラウンド数は1Rになる。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。
また図7に示すように、何れの遊技状態であっても「Vロング2R大当たり」に当選して、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。なお「Vロング2R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄5」が停止表示される。
また図8に示すように、「Vショート5R大当たり」は、5R(ラウンド)大当たりであり、1Rは第1大入賞口30を最大0.08秒にわたって開放し、2Rから5Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大25.0秒にわたって開放する大当たりである。1Rでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短いため賞球が見込めないと共に、第1大入賞口30内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっている。つまり、この大当たりの総ラウンド数は5Rであるものの、実質的なラウンド数は4Rである。なおVショート5R大当たりにおける1Rでは、第1大入賞口30の開放時間が短いことだけでなく、第1大入賞口30の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図3(B)参照)から第1状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
また図7に示すように、低確非時短状態又は高確時短状態で「Vショート5R大当たり」に当選して、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が低確非時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。
一方、高確非時短状態又は低確時短状態で「Vショート5R大当たり」に当選して、非V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態(低確率状態)、且つ時短回数が50回に設定される時短状態に制御される。但し、イレギュラーな場合として、V入賞の場合には、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態、且つ実質的に次の大当たり遊技の開始まで継続する(例えば時短回数が10000回に設定される)時短状態に制御される。なお「Vショート5R大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_大当たり図柄6」が停止表示される。
以上、第1特別図柄の抽選で当選可能な大当たりの種別について説明したが、続いて、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別について説明する。特図2の抽選で当選可能な大当たりには、3種類ある。具体的には、「Vショート16R大当たり」、「Vショート4R大当たり」、「Vショート5R大当たり」がある。つまり、特図2の抽選で当選した大当たりは、何れであっても大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難なVショート大当たりになる。そして後述するように、大当たり遊技中に賞球が見込めない実質0R大当たりになる。
図8に示すように、Vショート16R大当たり、Vショート4R大当たり、Vショート5Rの何れであっても、各ラウンドにおける第1大入賞口30の開放時間が最大で0.08秒しかない。従って、第1大入賞口30の開放時間が極めて短いため、賞球が見込めないと共に、第1大入賞口30内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっている。
なお図7に示すように、低確非時短状態にて特図2の抽選で大当たり(Vショート16R大当たり、Vショート4R大当たり、又はVショート5R)に当選した場合、非V入賞では大当たり遊技後に低確非時短状態に制御される。一方、イレギュラーによりV入賞すると大当たり遊技後に高確非時短状態に制御されることになる。そして高確時短状態、高確非時短状態、又は低確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選した場合、非V入賞では大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短回数が50回に設定される時短状態に制御される。一方、イレギュラーによりV入賞すれば大当たり遊技後に高確率状態且つ実質的に次の大当たり遊技の開始まで継続する時短状態に制御されることになる。
特図2の抽選で、「Vショート16R大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄1」が停止表示され、「Vショート4R大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄2」が停止表示され、「Vショート5R大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_大当たり図柄3」が停止表示される。
こうして本形態では、特図2の抽選で大当たりに当選しても、大当たり遊技で遊技者に全く特典が付与されないようになっている。つまり、特図2の抽選が特図1の抽選よりも遊技者にとって非常に不利になるように設定している。よって図2に示すように、右遊技領域3Bに、特図2の抽選の契機となる電チュー22と、特図1の抽選の契機となる第3始動口25とが配されているが、右打ちされた遊技球が電チュー22に入球しない方が遊技者にとって好ましい状況を作り出している。
特図1の抽選における各大当たりの振分率、及び特図2の抽選における各大当たりの振分率は、図7に示す通りである。本形態では、特図1の抽選における各大当たりの振分率に特徴があり、この点については後に詳しく説明する。
また本形態では、図8に示すように、特図1の抽選又は特図2の抽選の何れであっても、小当たりに当選し得る。小当たりに当選した場合の開放パターンは、図8に示す通りである。即ち、特図1の抽選又は特図2の抽選の何れで小当たりに当選しても、先ず0.004秒だけオープニングが実行される。次に、第2大入賞口35が0.1秒だけ1回開放して、ラウンドインターバルとして0.3秒だけ閉鎖する。つまり、合計0.4秒間の小当たり開放遊技が実行される。最後に0.004秒だけエンディングが実行される。
こうして、特図1の抽選又は特図2の抽選で小当たりに当選した場合、小当たり遊技の実行時間(オープニングの開始からエンディングの終了までの時間)を、合計0.408秒という非常に短い時間にしている。これにより遊技者には、小当たり遊技の実行をできるだけ意識させないようすることが可能である。つまり、後述するように本形態のパチンコ遊技機1は、特別図柄抽選で小当たりの当選が頻繁に生じるものである(図10(A)参照)。そのため遊技者には、頻繁に生じる小当たり当選(小当たり遊技)の煩わしさを、できるだけ感じさせ難くしている。なお特図1の抽選で小当たりに当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_小当たり図柄」が停止表示され、特図2の抽選で小当たりに当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_小当たり図柄」が停止表示される。
ここで本パチンコ遊技機1では、図10(A)に示すように、大当たり又は小当たりであるかの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。図10(B)に示すように、当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「特図変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、特別図柄抽選の結果が大当たりでない場合(本形態では小当たりである場合)、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、特図変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む特図変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)と普図変動パターン乱数がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普通図柄の変動時間を含む普図変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースを早くして、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くすることが可能となる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では図12に示すように、普通図柄の変動時間は、普通図柄の抽選の結果が当たり又はハズレの何れであっても、非時短状態では84msであるのに対して、時短状態では80msである。なお普通図柄の停止時間は、普通図柄の抽選の結果が当たりである場合に8msに設定され、ハズレである場合に500msに設定される。
さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。具体的には図13に示すように、非時短状態では、電チュー22が600msだけ1回開放した後、30000msだけ閉鎖する補助遊技が行われる。これに対して時短状態では、電チュー22が620msだけ1回開放した後、29500msだけ閉鎖する補助遊技が行われる場合と、電チュー22が5800msだけ1回開放した後、100msだけ閉鎖する補助遊技が行われる場合とがある。本形態の時短状態では、上述したように2種類の補助遊技が行われる場合(開放パターンA,B)があるが、この理由については後に説明する。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が開放され易くなり、第2始動口21へ遊技球が入球し易くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「入球容易状態」といい、作動していない状態を「非入球容易状態」という。なお、入球容易状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、入球容易状態を電サポ制御状態や高ベース状態ともいう。これに対して、非入球容易状態を非電サポ制御状態や低ベース状態ともいう。
入球容易状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また本形態での時短状態では、電チュー22の開放回数が非時短状態と同じ1回であり(図13参照)、電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。しかしながら、入球容易状態において電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。また、入球容易状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
ところで本形態では、図13に示すように、時短状態でも2種類の開放パターンの一方が設定されることになる。即ち、開放パターンA(第1開放パターン)又は開放パターンB(第2開放パターン)が設定される。ここで入球容易状態のうち、開放パターンAに設定されることになる入球容易状態を「入球容易状態A(第1入球容易状態)」と呼び、開放パターンBに設定されることになる入球容易状態を「入球容易状態B(第2入球容易状態)」と呼ぶことにする。
図13に示すように、開放パターンAでの開放時間(620ms)は、非時短状態での開放パターンXの開放時間(600ms)に比べて、僅かに長いだけである。そして、開放パターンAでの閉鎖時間(29500ms)は、非時短状態での開放パターンXの閉鎖時間(30000ms)に比べて、僅かに短いだけである。よって入球容易状態Aは、非入球容易状態よりも極僅かだけ電チュー22に入球し易い状態であり、実質的に非入球容易状態と変わらない状態といえる。つまり、開放パターンAは、第2流路R2を流下する遊技球が電チュー22よりも第3始動口25の方へ入球し易い開放パターンといえる。従って、入球容易状態Aであるときに右打ちで第2流路R2に向けて遊技球を打込んでも、電チュー22に入球し難い。しかしながら本形態では、図2に示すように、第2流路R2上で電チュー22の下方に、第3始動口25が配されている。従って入球容易状態Aでは、電チュー22に入球しなかった遊技球を第3始動口25へ入球させて、特図1の抽選を行うことが可能である。
一方、開放パターンBでの開放時間(5800ms)は、非時短状態での開放パターンXの開放時間(600ms)に比べて、十分長くなっている。そして、開放パターンBでの閉鎖時間(100ms)は、非時短状態での開放パターンXの閉鎖時間(30000ms)に比べて、非常に短くなっている。よって入球容易状態Bは、非入球容易状態よりも遊技球が頻繁に電チュー22に入球し易い状態といえる。つまり、開放パターンBは、第2流路R2を流下する遊技球が第3始動口25よりも電チュー22に入球し易い開放パターンといえる。しかしながら本形態では、上述したように仮に特図2の抽選で大当たりに当選しても、大当たり遊技で遊技者に付与される特典が全く無い。そして、電チュー22(第2始動口21)への入球による賞球数は1球だけである。そのため右打ちで電チュー22に遊技球を頻繁に入球させても、遊技者にとって全くメリットがない。従って入球容易状態Bでは、左打ちで遊技球を第1流路R1に向けて打込んで、第1始動口20への入球を狙うように遊技させることになる。
大当たり遊技後に時短状態に制御される場合に、入球容易状態A又は入球容易状態Bのどちらに制御されるのかは、大当たりの種類と当選時の遊技状態に基づく(図7参照)。具体的には、低確非時短状態(通常遊技状態)又は高確時短状態にて、特別Vロング16R大当たり又は通常Vロング16R大当たりに当選した場合には、V入賞により、入球容易状態A(高確時短A状態)に制御される。これに対して、低確非時短状態又は高確時短状態にて、特別Vロング4R大当たり又は通常Vロング4R大当たりに当選した場合には、V入賞により、入球容易状態B(高確時短B状態)に制御される。
なお特図1の抽選でVショート5R大当たりに当選して、大当たり遊技後に時短状態に制御される場合には、入球容易状態Aに制御されることになる。また特図2の抽選で大当たり(Vショート16R大当たり、Vショート4R大当たり、Vショート5R大当たり)に当選して、大当たり遊技後に時短状態に制御される場合には、入球容易状態Aに制御されることになる。
本形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態に制御される。高確率状態に制御された場合、実質的に次の大当たり遊技の開始まで(つまり次回の大当たりの当選まで)、高確率状態が継続することになる。
また本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後に時短状態に制御された場合、実質的に次の大当たり遊技の開始まで時短状態が継続する場合と、時短回数(100回又は50回)が消化されるまで時短状態が継続する場合とがある。よって、例えば時短回数が100回に設定される高確時短A状態に制御されたあと、100回の特別図柄の可変表示が実行されると、時短状態から非時短状態へ制御されることになる。この場合、高確率状態は残るため、高確非時短状態に移行することになる。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ非入球容易状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
5.遊技の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機1の遊技の流れについて、図16に基づいて説明する。図16に示すように本形態では、低確非時短状態(通常遊技状態)と、高確時短A状態と、高確時短B状態と、低確時短A状態と、高確非時短状態との間を推移しながら遊技を行うことになる。そして、低確非時短状態⇒低確時短A状態⇒高確時短B状態⇒高確時短A状態⇒高確非時短状態の順に、遊技者にとって有利になる(特典が多く付与され易い)ように設定している。つまり、高確時短状態よりも高確非時短状態の方が遊技者に有利になるように設定している点に特徴がある。なお図16では、高確非時短状態へ移行する場合を、斜線付きの矢印で示している。以下、遊技状態毎に詳細に説明する。
低確非時短状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。図7に示すように、低確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率でVロング16R大当たり(特別Vロング16R大当たり又は通常Vロング16R大当たり)になる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に高確時短A状態に移行させることが可能である。また、30%の確率でVロング4R大当たり(特別Vロング4R大当たり又は通常Vロング4R大当たり)になる。この場合、V入賞させることができるが、大当たり遊技後に高確時短B状態に移行することになる。そして、15%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に再び低確非時短状態に制御されることになる。
高確時短A状態(高確第1入球容易状態)では、上述したように第3始動口25へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。このとき入球容易状態Aは実質的に非入球容易状態であるため、電チュー22が開放され難くて、電チュー22への入賞による賞球をほぼ獲得することができない。しかしながら本形態では、第2流路R2上で第3始動口25がスタート「25」になるように配されている(図2参照)。そのため、第3始動口25への入賞による賞球を多く獲得することが可能である。つまり、高確時短A状態では、遊技球が電チュー22に入球し難いものの、第3始動口25への入球によって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高くしつつ、特図1の抽選で大当たりを狙うことが可能である。
図7に示すように、高確時短A状態(高確時短状態)にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率でVロング16R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に再び高確時短A状態に移行させることが可能である。従って高確時短A状態では、50%の確率(第1振分率)で高確率状態(つまり高確時短A状態)をループさせる遊技性だと思わせることが可能である。また、30%の確率でVロング4R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるが、大当たり遊技後に高確時短B状態に移行することになる。そして、15%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に低確非時短状態に制御されることになる。
高確時短B状態(高確第2入球容易状態)では、上述したように電チュー22が開放され易くなるものの、右打ちによる電チュー22への入賞が遊技者にとって全くメリットがない。そのため、高確率状態であっても第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。そして、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。なお高確時短B状態では、後述するように遊技者に高確率状態を意識させないような演出を行うことになる。つまり、高確時短B状態に制御されているときには、所謂潜伏確変状態のように見せることになる。
図7に示すように、高確時短B状態(高確時短状態)にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率でVロング16R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるため、大当たり遊技後に高確時短A状態に移行させることが可能である。また、30%の確率でVロング4R大当たりになる。この場合、V入賞させることができるが、大当たり遊技後に再び高確時短B状態に移行することになる。そして、15%の確率でVショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に低確非時短状態に制御されることになる。
高確非時短状態(高確非入球容易状態)では、非入球容易状態であるため、電チュー22が開放され難くて、右打ちしても電チュー22への入賞による賞球をほぼ獲得することができない。しかしながら本形態では、第2流路R2上で第3始動口25がスタート「25」になるように配されている(図2参照)。そのため、第3始動口25への入賞による賞球を多く獲得することが可能である。つまり高確非時短状態では、高確時短A状態と同様に、第3始動口25へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。こうして、第3始動口25への入賞によって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高くしつつ、特図1の抽選で大当たりを狙うことが可能である。
図7に示すように、高確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、合計85%の確率でVロング大当たり(特別Vロング16R大当たり、通常Vロング16R大当たり、特別Vロング4R大当たり、通常Vロング4R大当たり、Vロング2R大当たり)になる。この場合、各Vロング大当たりの当選に基づく大当たり遊技中にV入賞させれば、大当たり遊技後に再び高確非時短状態に制御されるように設定している。つまり、85%の確率で、高確非時短状態をループさせることが可能である。よって、一旦高確非時短状態に制御されれば、高確時短A状態に制御される場合よりも高い確率で、高確率状態(つまり高確非時短状態)をループさせることが可能である。言い換えると、高確非時短状態に制御されてからの所定時間あたりのベースの期待値が、高確時短状態に制御されてから所定時間あたりのベースの期待値よりも高く設定されている。このようにして、高確非時短状態を遊技者にとって最も有利な遊技状態にしている。なお高確非時短状態に制御されていても、特図1の抽選で当選した大当たりのうち15%の確率で、Vショート5R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるため、大当たり遊技後に低確時短A状態に制御されることになる。
低確時短A状態では、入球容易状態Aであるため、実質的には非入球容易状態であるかのように電チュー22が開放され難い。従って、電チュー22への入賞による賞球をほぼ獲得することができない。しかしながら本形態では、第2流路R2上で第3始動口25がスタート「25」になるように配されている(図2参照)。そのため、高確時短A状態や高確非時短状態と同様に、第3始動口25へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。こうして、第3始動口25への入賞によって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高くしつつ、特図1の抽選で大当たりを狙うことが可能である。但し低確時短A状態では、図7に示すように、高確非時短状態でのVショート5R大当たりの当選を契機として移行したときに、時短回数が50回に設定される。従って、特別図柄の変動表示が50回実行されるまでの間に、特図1の抽選で大当たりを狙うことになる。
図7に示すように、低確時短A状態(低確時短状態)にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、合計85%の確率でVロング大当たり(特別Vロング16R大当たり、通常Vロング16R大当たり、特別Vロング4R大当たり、通常Vロング4R大当たり、Vロング2R大当たり)になる。この場合、各Vロング大当たりの当選に基づく大当たり遊技中にV入賞させれば、大当たり遊技後に高確非時短状態に制御される。つまり、85%の確率で高確非時短状態へ引き戻すことが可能である。また15%の確率でVショート15R大当たりになる。この場合、V入賞させることが実質的に不可能であるが、大当たり遊技後に再び時短回数が50回に設定される低確時短A状態に制御される。こうして低確時短A状態では、50回の時短回数が消化されるまでに大当たりに当選しないと、低確非時短状態(通常遊技状態)に移行することになる。
ところで本形態では、最も有利な遊技状態である高確非時短状態への移行契機を複数用意している。先ず第1に、低確非時短状態又は高確時短状態にて、特別Vロング16R大当たりへの当選を契機とする場合である。この場合、V入賞して大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される高確時短A状態に制御される。このとき右打ちで第2流路R2を流下する遊技球が第3始動口25や電チュー22に入球して、特別図柄の変動表示が100回実行されると、時短状態から非時短状態に移行する。つまり、100回の時短回数の消化により、高確時短A状態から高確非時短状態に移行させることが可能である。従って、時短回数が消化されるほど、遊技者にとって有利な遊技状態に近づくという斬新なゲーム性を提供することが可能である。なお通常Vロング16R大当たりに当選して、大当たり遊技後に高確時短A状態に制御されても、時短状態が次の大当たり遊技の開始まで継続することになるため、高確非時短状態に移行することができない。本形態では、特別Vロング16R大当たりの振分率(10%)を、通常Vロング16R大当たりの振分率(40%)よりも低く設定していて(図7参照)、Vロング16R大当たりの中で希少価値が高くなるようにしている。
第2に、低確非時短状態又は高確時短状態にて、特別Vロング4R大当たりへの当選を契機とする場合である。この場合、V入賞して大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される高確時短B状態に制御される。このとき左打ちで第1流路R1を流下する遊技球が第1始動口20に入球して、100回の時短回数の消化により、高確非時短状態に移行させることが可能である。従ってこの場合でも、時短回数が消化されるほど、遊技者にとって有利な遊技状態に近づくという斬新なゲーム性を提供することが可能である。なお通常Vロング4R大当たりに当選して、大当たり遊技後に高確時短B状態に制御されても、時短状態が次の大当たり遊技の開始まで継続することになるため、高確非時短状態に移行することができない。本形態では、特別Vロング4R大当たりの振分率(10%)を、通常Vロング4R大当たりの振分率(20%)よりも低く設定していて(図7参照)、Vロング4R大当たりの中でも希少価値が高くなるようにしている。
第3に、低確非時短状態又は高確時短状態にて、Vロング2R大当たりに当選する場合である。この場合、V入賞すれば大当たり遊技後に、高確非時短状態に移行させることが可能である。従って、上述したように時短回数の消化を契機としないため、遊技者には、いきなり最も有利な高確非時短状態へ移行するという高揚感を与えることが可能である。本形態では、Vロング2R大当たりの振分率(5%)を、特図1の抽選で当選するどの大当たりの振分率よりも、低く設定している。これにより、Vロング2R大当たりのプレミア感を高くして、遊技者にVロング2R大当たりを引き当てたことによる達成感を与えることが可能である。
以上説明したように本パチンコ遊技機1では、高確率状態の中でも、高確時短A状態と高確時短B状態と高確非時短状態という3つの状態を作り出している。そして、高確非時短状態に制御されているときの大当たり当選で再び高確非時短状態に移行するループ率(85%)が、高確時短A状態に制御されているときの大当たり当選で再び高確時短A状態に移行するループ率(50%)よりも、高くなるように設定している(図7参照)。その結果、一般的に高確時短A状態が最も有利な遊技状態であると考えている遊技者に対して、更に有利な遊技状態(高確非時短状態)が生じ得ると思わせることが可能である。つまり、高確時短A状態よりも高確率状態へのループ率が上昇する遊技状態があるように見せる斬新な遊技性を提供することが可能である。
なお本形態では、何れの遊技状態であっても、基本的に特図1の抽選が行われるように遊技を行い、特図2の抽選がほとんど行われないように遊技を行う。これは、特図2の抽選を特図1の抽選に比べて、遊技者にとって非常に不利になるように設定しているためである(図7参照)。但し、右打ちしたときに電チュー22に全く入球しないわけではないため、特図2の抽選は僅かに行われることになる。特図2の抽選の意味については、後に詳述する。
6.演出の流れの説明
次に、本パチンコ遊技機1の演出の流れについて、主に図17及び図18に基づいて説明する。本形態では各遊技状態に対応して演出モードが設定される。演出モードは、画像表示装置7における演出の態様である。演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では図16及び図17に示すように、低確非時短状態に対応する昼モードと、高確時短A状態に対応する夜モードと、高確時短B状態に対応する潜確昼モードと、高確非時短状態に対応する宇宙モードと、低確時短A状態に対応する街モードとがある。なお図17では、宇宙モードへ移行する場合を、斜線付きの矢印で示している。
昼モードに設定されているときには、図18(A)に示すように、表示画面7aに昼を示す昼背景画像H1が表示される。そのため、昼背景画像H1を見た遊技者に対して、低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モード、宇宙モード、又は街モードから昼モードに切替わった場合には、図18(A)に示すように、表示画面7aの左上部に左打ちを促すための左打ち画像Laが所定時間だけ表示される。この左打ち画像Laの表示により、遊技者は左打ちをすべき状況を把握して、第1始動口20への入賞を狙うことになる。
夜モードに設定されているときには、図18(B)に示すように、表示画面7aに夜を示す夜背景画像H2が表示される。そのため、夜背景画像H2を見た遊技者に対して、比較的有利な遊技状態(高確時短A状態)に制御されていると認識させることが可能である。また夜モードの設定中には、図18(B)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ちを促すための右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口25への入賞を狙うことが可能である。
潜確昼モードに設定されているときには、昼モードに設定されている場合と同様、図18(A)に示すように、表示画面7aに昼背景画像H1が表示される。なお、昼背景画像H1以外(例えば登場するキャラクタ、演出図柄等)の演出態様も、昼モードの設定中と同じになるようにしている。従って、昼背景画像H1等を見た遊技者に対して、低確非時短状態又は高確時短B状態のどちらに制御されているのかを判別不能にすることが可能である。即ち、高確時短B状態に制御されているかもしれないという期待感を遊技者に持たせながら遊技させることが可能である。また夜モード、宇宙モード、又は街モードから潜確昼モードに切替わった場合には、表示画面7aの左上部に左打ち画像Laが所定時間だけ表示される。この左打ち画像Laの表示により、遊技者は左打ちをすべき状況を把握して、第1始動口20への入賞を狙うことになる。
宇宙モードに設定されているときには、図18(C)に示すように、表示画面7aに宇宙を示す宇宙背景画像H3が表示される。そのため、宇宙背景画像H3を見た遊技者に対して、最も有利な遊技状態(高確非時短状態)に制御されていると認識させることが可能である。また宇宙モードの設定中には、図18(C)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口25への入賞を狙うことが可能である。
街モードに設定されているときには、図18(D)に示すように、表示画面7aに街を示す街背景画像H4が表示される。そのため、街背景画像H4を見た遊技者に対して、最も有利な遊技状態(高確非時短状態)が終了したものの、未だ比較的有利な遊技状態(低確時短A状態)に制御されていると認識させることが可能である。また街モードの設定中には、図18(D)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raが表示され続ける。この右打ち画像Raの表示により、遊技者は右打ちすべき状況を把握して、第3始動口25への入賞を狙うことが可能である。
続いて、本形態の演出フローを図17に基づいて説明する。図17に示すように、昼モード又は潜確昼モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したこととする。この場合、大当たり遊技に伴う大当たり演出中に、バトル演出が実行される。バトル演出では、バトル突入演出を経て、バトル勝利演出又はバトル敗北演出の何れかが実行される。本形態ではバトル突入演出は、主人公キャラと敵キャラとが戦い始めるバトル突入画像B1(図65(C)参照)を表示画面7aに表示する演出である。バトル勝利演出は、主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル勝利画像B2(図65(D)参照)を表示画面7aに表示する演出である。一方バトル敗北演出は、主人公キャラが敵キャラに敗北するバトル敗北画像B3(図65(H)参照)を表示画面7aに表示する演出である。
昼モードに設定されているときに(低確非時短状態にて)特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率でVロング16R大当たり(特別Vロング16R大当たり,通常Vロング16R大当たり)になる。従ってこの場合には、バトル勝利演出を実行する。その後に高確時短A状態に移行すれば、夜モードに切替える。これに対して、30%の確率でVロング4R大当たり(特別Vロング4R大当たり,通常Vロング4R大当たり)になり、15%の確率でVショート5R大当たりになる。これらの場合には、バトル敗北演出を実行する。つまり合計45%の確率で、バトル敗北演出を実行する。但しVショート5R大当たりであれば、大当たり遊技後に低確非時短状態になるため昼モードに設定し、Vロング4R大当たりであれば、大当たり遊技後に高確時短B状態になるため潜確昼モードに設定する。
夜モードに設定されているときには、高確時短A状態であるため、次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が続くことになる。このとき特図1の抽選で大当たりに当選すると、上述した昼モードに設定されている場合と同様、50%の確率でVロング16R大当たりになる。従ってこの場合には、バトル勝利演出を実行し、その後に再び高確時短A状態の移行に伴って、再び夜モードに設定する。このようにして遊技者には、夜モード(高確率状態に対応する演出モード)が50%でループする(確変継続率が50%である)かのように思わせることが可能である。これに対して、上述した昼モードに設定されている場合と同様、合計45%の確率でバトル敗北演出を実行し、大当たり遊技後に昼モード又は潜確昼モードに設定する。
ところで本形態では、時短回数が100回に設定される高確非時短A状態に移行して、夜モードに切替わる場合がある。つまり、低確非時短状態又は高確時短状態にて特別Vロング16R大当たりに当選し、バトル勝利演出を経て、夜モードに設定される場合がある。この場合、図66(D)に示すように、表示画面7aにて夜背景画像H2が表示されると共に、宇宙モード移行示唆演出が実行される。宇宙モード移行示唆演出は、遊技者にとって最も有利な宇宙モードへの移行を示唆する演出であり、本形態では表示画面7aに「100回変動で宇宙モードへ移行!」を示す示唆画像U1を表示する演出である。この宇宙モード移行示唆演出により、遊技者には特別図柄の変動表示があと100回実行されると、宇宙モードに移行するのを把握させることが可能である。
その後、特別図柄の変動表示が100回実行されれば、高確非時短状態の移行に伴って、夜モードから宇宙モードに切替わる。このとき図67(C)に示すように、表示画面7aにて宇宙背景画像H3が表示されると共に、宇宙モード移行演出が実行される。宇宙モード移行演出は、宇宙モードに移行したことを示す演出であり、本形態では表示画面7aに「宇宙モード突入!!」を示す文字画像U2を表示する演出である。この宇宙モード移行演出により、遊技者には宇宙モードに移行したことへの高揚感を与えることが可能である。
また本形態では、時短回数が100回に設定される高確時短B状態に移行して、潜伏昼モードに切替わる場合がある。つまり、低確非時短状態又は高確時短状態にて特別Vロング4R大当たりに当選し、バトル敗北演出を経て、潜確昼モードに設定される場合がある。この場合、図68(D)に示すように、表示画面7aにて昼背景画像H1が表示されると共に、宇宙モード移行示唆演出が実行される。これにより、バトル敗北演出を見て落胆している遊技者に対して、宇宙モードへ移行できることへの復活演出と思わせることが可能である。
その後、特別図柄の変動表示が100回実行されれば、高確非時短状態の移行に伴って、潜確昼モードから宇宙モードに切替わる。このとき図68(G)に示すように、表示画面7aにて宇宙背景画像H3が表示されると共に、宇宙モード移行演出が実行される。このようにして本形態では、バトル敗北演出が実行されても、その後に100回の時短回数の消化により宇宙モードに移行する場合があって、遊技者にバリエーションに富んだ宇宙モードの移行を提供することが可能である。
更に本形態では、上述した宇宙モード移行示唆演出(図66(D),図68(D)参照)を経ないでも、宇宙モードに設定され得る。即ち、昼モード(又は潜確昼モード)又は夜モードに設定されているときに、特図1の抽選でVロング2R大当たりに当選する場合がある。この場合、大当たり遊技に伴う大当たり演出中に、バトル突入演出を経て、覚醒演出が実行される。覚醒演出は、いきなり宇宙モードに移行するのを示唆する演出であり、本形態では図69(C)に示すように表示画面7aにて主人公キャラの覚醒を示す覚醒画像K1を表示する演出である。覚醒演出を経て大当たり演出が終了すると、高確非時短状態の移行に伴って、宇宙モードに切替わる。このとき図69(D)に示すように、表示画面7aにて宇宙背景画像H3が表示されると共に、宇宙モード移行演出が実行される。このようにして本形態ではバトル演出中に、突然覚醒演出の実行で宇宙モードへ移行できることを遊技者に期待させることが可能である。
こうして宇宙モードに設定されているときには、高確非時短状態であるため、次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が続くことになる。このとき特図1の抽選で大当たりに当選すると、合計85%の確率でVロング大当たり(Vロング16R大当たり、Vロング4R大当たり、Vロング2R大当たり)になる。従ってこの場合には、バトル勝利演出を実行し、その後に再び高確非時短状態の移行に伴って、再び宇宙モードに設定する。言い換えると、高確時短A状態で特図1の抽選で大当たりに当選した場合と異なり、バトル敗北演出の実行契機となるVロング4R大当たりや、覚醒演出の実行契機となるVロング2R大当たりであっても、バトル勝利演出を実行して、宇宙モードに移行する。このようにして遊技者には、宇宙モード(高確率状態)が85%でループする(確変継続率が85%である)ように思わせることが可能である。つまり宇宙モードでは、夜モードよりも確変継続率が上昇したように見せることが可能である。これに対して、15%の確率でVショート5R大当たりになれば、バトル敗北演出を実行し、その後に低確時短A状態の移行に伴って、街モードに設定する。
街モードに設定されているときには、50回の時短回数が消化されるまで時短状態が続くことになる。このとき特図1の抽選で大当たりに当選すると、合計85%の確率でVロング大当たりになる。従ってこの場合には、バトル勝利演出を実行し、その後に高確非時短状態の移行に伴って、宇宙モードに設定する。これに対して、15%の確率でVショート5R大当たりになれば、バトル敗北演出を実行し、その後に再び低確時短A状態の移行に伴って、再び街モードに設定する。なお50回の時短回数が消化されれば、低確非時短状態の移行に伴って、昼モードに設定する。このときには図18(A)に示すように、表示画面7aに昼背景画像H1を表示すると共に、左打ち画像Laを表示する。これにより、遊技者には右打ちから左打ちに切替えることを把握させることが可能である。
7.特別図柄の変動表示中に大当たり判定処理を実行する場合
次に、本パチンコ遊技機1において、一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理を実行する場合について、図19及び図20に基づいて説明する。本パチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示を実行可能であり、第2特別図柄の変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示を実行可能である。つまり、所謂特図1と特図2の同時変動を実行し得るものである。
そして上述したように、特図1の抽選(特図1大当たり判定処理)では、大当たりと判定される場合を除いて、必ず小当たりと判定される(図10(A)参照)。つまり、特図1の抽選が実行されれば、ほぼ小当たりに当選することになる。一方、特図2の抽選(特図2大当たり判定処理)でも、大当たりと判定される場合を除いて、必ず小当たりと判定される(図10(A)参照)。つまり、特図2の抽選が実行されれば、ほぼ小当たりに当選することになる。
ここで本形態では、図19に示す点に特徴がある。即ち図19に示すように、一方の特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合を想定する。この場合、一方の特別図柄について、小当たりの当選に基づく変動表示(以下「小当たり変動表示」と呼ぶ)が開始される。そして、一方の特別図柄の小当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されることとする。このとき、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されないようにすることが可能である。即ち、一方の特別図柄の小当たり変動表示中には、他方の特別図柄の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。例えば、特図1の小当たり変動表示中に特図2の抽選が実行されても、特図2で大当たりと判定されることはない。但し、一方の特別図柄の小当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されるとき、その大当たり判定処理で小当たりであるかの判定は行われるようになっている(本形態では必ず小当たりになる)。
そして、一方の特別図柄の小当たり変動表示が終了すれば、停止時間(確定時間)を経て、小当たり遊技が開始される。この小当たり遊技の開始タイミングで、他方の特別図柄の変動表示がなされていることとする。この場合、小当たり遊技の実行時間(本形態では408ms、図8参照)だけ、他方の特別図柄の変動表示を延長するようにしている。例えば、特図1の小当たり当選に基づく小当たり遊技の開始タイミングで、特図2の変動表示が実行されていることとする。この場合、特図2の変動時間の計測を、小当たり遊技の実行開始とともに一時的に中断して、小当たり遊技の実行終了とともに再開する。従って小当たり遊技の実行開始では、後述するように特図の変動表示を強制的に終了させないようにしている。
また本形態において、図20に示すように、一方の特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合を想定する。この場合、一方の特別図柄について、大当たりの当選に基づく変動表示(以下「大当たり変動表示」と呼ぶ)が開始される。そして、一方の特別図柄の大当たり変動表示中に、他方の特別図柄の大当たり判定処理が実行されることとする。このとき、その大当たり判定処理では、大当たりと判定されることはない。更に小当たりと判定されることもない。従ってハズレと判定されるようにしている。例えば、特図1の大当たり変動表示中に特図2の大当たり判定処理が実行されると、特図2で必ずハズレと判定されることになる。
そして、一方の特別図柄の大当たり変動が終了すれば、停止時間を経て、大当たり遊技が開始される。この大当たり遊技の開始タイミングで、他方の特別図柄の変動表示がなされていることとする。この場合、他方の特別図柄は、大当たり遊技の開始タイミングで強制的に変動表示を終了して、ハズレ図柄で停止表示するようになっている。例えば、特図1の大当たり当選に基づく大当たり遊技の開始タイミングで、特図2の変動表示が実行中であっても、特図2がハズレ図柄で強制的に停止表示することになる。このようにして本形態では、第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36の両方が同時に作動する場合が生じないようにすることが可能である。
次に、高確時短A状態で右打ちした場合について、図21に示すタイミングチャートに基づいて説明する。図21に示す例では、大当たり遊技後に高確時短A状態に移行した状況を示している。ここで高確時短A状態に移行する前の大当たり遊技の実行中では、低確非時短状態に制御されているものの、第1大入賞口30へ遊技球を入賞させるべく、右打ちを行っている。このとき本形態では非時短状態であっても、右打ちされた遊技球のゲート28への通過を契機として、普通図柄の抽選で当たりと判定され易くなっている(図10(D)参照)。従って、大当たり遊技の実行中に、右打ちされた遊技球が電チュー22に入球して、第2特図保留が4個まで貯まり易い。また第2流路R2上には、第3始動口25も配されている。従って、その大当たり遊技の実行中に、右打ちされた遊技球が第3始動口25に入球して、第1特図保留が4個まで貯まり易い。
従って図21に示す例では、第1特図保留及び第2特図保留がそれぞれ4個貯まっている状態で、高確時短A状態に移行した場合を想定して説明する。図21に示すように、大当たり遊技が終了すると、第1特図保留と第2特図保留により、特図1の抽選と特図2の抽選とが同時に行われることになる。このとき本形態では、特図1の大当たり判定処理を、特図2の大当たり判定処理よりも優先して実行するようにしている。即ち本形態では、後述する図25で示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、第1特別動作処理(S106)を第2特別動作処理(S107)よりも先に実行するため、先ず特図1の大当たり判定処理が行われる。この特図1の大当たり判定処理で、小当たりに当選したこととする。これにより、特図1の小当たり変動表示が、特図2の変動表示よりも先に開始される。
そのため、図21に示すように、特図1の小当たり変動表示中に、4個の第2特図保留に基づく大当たり判定処理が実行されても、大当たりと判定されない。即ち、特図1の小当たり変動表示を先に開始することで、特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。なお時短状態において特図2の変動時間は100msという極めて短い時間に設定しているため(図11参照)、4個の特図2保留は短時間で消化される。そして本形態では、特図1の抽選では大当たりと判定される場合を除いて、必ず小当たりと判定される(図10(A)参照)。つまり、特図1の抽選で小当たりと判定される確率を最大限にまで高めている。
よって、特図1の小当たり変動表示を絶え間なく行うことが可能となる。従って、右打ちされた遊技球が電チュー22に入球して、特図2の大当たり判定処理が実行されることがあっても、絶え間ない特図1の小当たり変動表示に基づいて、特図2の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。このようにして高確時短A状態では、有利な特図1の抽選のみで大当たりと判定されるようにして、不利な特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。
そして高確時短A状態において、1回の補助遊技における電チュー22の開放時間は620ms(図13参照)であるため、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されることを考慮すると、1回の補助遊技につきほぼ1球しか電チュー22に入球しない。そして、1回の補助遊技における電チュー22の閉鎖時間は29500ms(図13参照)という十分長い時間であるため、次の補助遊技がすぐには開始されない。こうして電チュー22への入球頻度を、第3始動口25への入球頻度に比べて十分低くなるようにしている。従って高確時短A状態では、特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされてしまう事態をほぼ生じないようにすることが可能である。
図21に示す例では、高確時短A状態について説明したが、高確非時短状態についても実質的に同様である。即ち、Vロング2R大当たりの当選に基づく大当たり遊技後に、高確非時短状態に移行する場合には、予め第1特図保留が1個以上貯まっている状況が想定される。また高確時短状態で100回の時短回数を消化して、高確非時短状態に移行する場合でも、予め特図1保留が1個以上貯まっている状況があり得る。従って、特図1の小当たり変動表示を、特図2の小当たり変動表示よりも先に開始して、図21に示すように、特図1の小当たり変動表示に基づいて、特図2の大当たり判定をキャンセルすることが可能である。よって、高確非時短状態でも、高確時短A状態と同様、有利な特図1の抽選のみで大当たりと判定されるようにすることが可能であり、不利な特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。
また高確非時短状態でも、1回の補助遊技における電チュー22の開放時間は600ms(図13参照)であるため、1回の補助遊技につきほぼ1球しか電チュー22に入球しない。そして、1回の補助遊技における電チュー22の閉鎖時間は30000ms(図13参照)という十分長い時間であるため、次の補助遊技がすぐには開始されない。こうして電チュー22への入球頻度を、第3始動口25への入球頻度に比べて十分低くなるようにしている。従って高確非時短状態でも、特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされてしまう事態をほぼ生じないようにすることが可能である。
なお、仮に高確率状態への制御が特別図柄の変動表示の回数(所謂ST回数)で制限されるパチンコ遊技機であれば、特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされてしまうと、遊技者の受ける不利益は大きい。しかしながら、本パチンコ遊技機1は、高確率状態への制御が次の大当たり遊技の開始まで続くものであるため、高確非時短状態や高確時短A状態にて、万一特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の大当たり判定がキャンセルされても、遊技者の受ける不利益はほとんど生じないようになっている。
続いて、高確時短B状態で仮に右打ちした場合について、図22に示すタイミングチャートに基づいて説明する。なお図22に示す例では、第1特図保留及び第2特図保留がそれぞれ4個貯まっている状態で、高確時短B状態に移行した場合を想定して説明する。図22に示すように、大当たり遊技が終了すると、上述したように特図1の小当たり変動表示が、特図2の変動表示よりも先に開始されることになる。しかしながら高確時短B状態では、1回の補助遊技における電チュー22の開放時間は5800ms(図13参照)であるため、1回の補助遊技につき4球以上の遊技球が電チュー22に入球し得る。そして、1回の補助遊技における電チュー22の閉鎖時間は100ms(図13参照)という極めて短い時間であり、次の補助遊技がすぐに開始され得る。
こうして高確時短B状態では、遊技球が電チュー22に頻繁に入球するため、特図2保留が常に貯まっている状態が維持される。そして本形態では、特図2の抽選では大当たりと判定される場合を除いて、必ず小当たりと判定される(図10(A)参照)。つまり、特図2の抽選で小当たりと判定される確率を最大限にまで高めている。そのため、特図2の小当たり変動表示が、絶え間なく続くことになる。従って、図22に示すように、特図1の小当たり変動表示が、特図2の小当たり当選に基づく小当たり遊技により、頻繁に延長される。その結果、特図1の大当たり判定処理がなかなか実行されなくなってしまう。つまり高確時短B状態では、仮に右打ちをしても、第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選で大当たりの当選を狙うことがほぼ不可能である。従って、第3始動口25への入球を狙うよりも、第1始動口20への入球を狙う方が有利になっていて、遊技者に左打ちを行わせることにしている。
以上本形態では、各遊技状態において基本的に特図1の抽選のみで遊技を行うことになる。即ち、通常遊技状態では左打ちで、第1始動口20への入球に基づく特図1の抽選で大当たりの当選を狙う。また高確時短A状態(特典遊技状態)では、電チュー22の開放パターンを第2始動口21よりも第3始動口25へ入球し易い開放パターンA(図13参照)に設定する。そのため、右打ちで第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選で大当たりの当選を狙う。このとき遊技球が多少電チュー22に入球しても、特図1の小当たり変動表示により、特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。
一方、高確時短B状態では、電チュー22の開放パターンを第3始動口25よりも第2始動口21への入球し易い開放パターンB(図13参照)に設定する。このとき仮に右打ちしても、特図2の小当たり変動表示により、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。更に、仮に特図2の抽選で大当たりに当選しても、大当たり遊技で遊技者に付与される特典が全く無いように設定している(図7参照)。従って、高確時短B状態では左打ちで第1始動口20への入球に基づく特図1の抽選で大当たりの当選を狙う。
そして、高確非時短状態では、電チュー22の開放パターンを第2始動口21よりも第3始動口25へ入球し易い開放パターンX(図13参照)に設定する。そのため、右打ちで第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選で大当たりの当選を狙う。このとき遊技球が多少電チュー22に入球しても、特図1の小当たり変動表示により、特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。
このようにして本形態では、各遊技状態での電チュー22の開放パターンを工夫すると共に、一方の特図の変動表示により他方の特図の抽選で大当たりと判定されないようにすることで、どの遊技状態であっても特図1の抽選で大当たりの当選を狙うという極めて特殊な遊技性(ゲーム性)を実現している。
8.通常遊技状態での右打ち対策
本形態では、高確非時短状態にて右打ちで特図1の抽選を行わせるべく、第2流路R2に第3始動口25を比較的入球し易いように(スタート「25」になるように)配している。しかしながら、第3始動口25を配したことで、遊技者が通常遊技状態(低確非時状態)から右打ちを行って、第3始動口25への入球を狙うおそれがある。つまり通常遊技状態で遊技者が左打ちを行わず、意図しない遊技が行われるおそれがある。そこで以下のように、通常遊技状態での右打ち対策を行っている。
上述したように本形態では、右打ちで第2流路R2に向かって打込まれた遊技球が、ほぼ必ずゲート28を通過するように、ゲート28を配している。そして通常遊技状態にて普通図柄の抽選が実行されれば、ほぼ当たりになる(図10(D)参照)。更に、ゲート28を通過した遊技球は、その通過に基づく普通図柄の抽選で当たりと判定されると、電チュー22にそのまま入球し得るように、ゲート28と電チュー22とが上下に配置され、且つ電チュー22の開放パターンX(図13参照)と普通図柄の変動時間(84ms)及び停止時間(8ms、図12参照)が設定されている。加えて、第3始動口25よりも上方に電チュー22が配されている。よって、通常遊技状態で右打ちされた遊技球を第3始動口25よりも上方にて電チュー22に入球させることが可能であり、第3始動口25への入球を妨げることが可能である。特に本形態では、右打ちされた最初の遊技球を、ほぼ必ずゲート28を通過させてそのまま(90%以上の確率で)電チュー22に入球させることが可能である。
ここで図23は、通常遊技状態で仮に右打ちした場合のタイミングチャートである。図23に示すように、右打ちされた最初の遊技球は第3始動口25に入球する前に、電チュー22に入球し得る。そして上述したように、特図2の抽選では大当たりと判定される場合を除いて、必ず小当たりと判定される(図10(A)参照)。これにより、特図2の小当たり変動表示を、特図1の小当たり変動表示よりも先に開始させることが可能である。従って、電チュー22に入球した後、そのまま右打ちを続けて第3始動口25に入球しても、特図2の小当たり変動表示に基づいて、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。
特に通常遊技状態で特図2の小当たり当選に基づく変動時間(小当たり変動時間)は、30000msという十分に長い時間である(図11参照)。これに対して、特図1の抽選ではほとんど小当たりノーマルリーチハズレや小当たりリーチ無しハズレと判定される場合が多く、特図1の変動時間は30000msよりも短い時間に設定され易い。従って、図23に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、複数回にわたる特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。つまり、特図2の小当たり変動表示を比較的長い間実行することで、第3始動口25への入球を無効化し易くすることが可能である。
このようにして通常遊技状態では、第2流路R2に入球し易い第3始動口25が配されていも、右打ちされた最初の遊技球がほぼ電チュー22に入球し、且つ特図2の小当たり変動表示を比較的長い間実行することで、第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選を無効化することが可能である。そして仮に特図2の抽選で大当たりに当選しても、大当たり遊技で遊技者に特典(賞球やV入賞)が付与されることはない(図8参照)。以上により通常遊技状態にて、右打ちにより第2流路R2に向けて遊技球を打込むという意図しない遊技が行われるのを回避することが可能である。
9.第2大入賞口の配置
本形態では、図2に示すように、小当たり遊技の実行で開放する第2大入賞口35を、第1流路R1と第2流路R2との合流部分G1に配している。即ち、第2大入賞口35が開放していれば、左打ちで第1流路R1を流下する遊技球、又は右打ちで第2流路R2を流下する遊技球が、当該第2大入賞口35に入賞できるように配されている。これは以下の理由に基づく。
先ず、通常遊技状態(第1遊技状態)又は高確時短B状態では、左打ちで第1流路R1に向けて遊技球を打込み、第1始動口20への入球を狙うことになる。この場合、特図1の抽選では、ほぼ小当たりに当選する(図10(A)参照)。これにより、小当たり遊技が頻繁に実行されて、合流部分G1に配されている第2大入賞口(特別入賞口)35が頻繁に開放する。このとき、第1流路R1を流下している遊技球は、開放した第2大入賞口35に入賞し得る。即ち、左打ちを継続したまま、小当たり遊技で開放した第2大入賞口35に遊技球を入賞させることが可能である。そのため、遊技者に右打ちを行わせるための右打ち報知を行う必要がない。こうして通常遊技状態又は高確時短B状態で頻繁に小当たりに当選するものの、小当たり遊技の度に右打ち報知を行うのを防ぐことが可能である。
一方、高確時短A状態又は高確非時短状態(第2遊技状態)では、右打ちで第2流路R2に向けて遊技球を打込み、第3始動口25への入球を狙うことになる。この場合も、特図1の抽選では、ほぼ小当たりに当選する。これにより、小当たり遊技が頻繁に実行されて、合流部分G1に配されている第2大入賞口35が頻繁に開放する。ところで、高確非時短状態に制御されているとき、非入球容易状態であるため、電チュー22に遊技球が入球し難い(図13参照)。また上述したように高確時短A状態に制御されているときも、実質的に非入球容易状態であるため、電チュー22に遊技球が入球し難い。従って、第3始動口25への入球だけでは、従来の電サポ制御状態のように発射球数に対する賞球数の割合であるベースを確保できないとも考えられる。
そこで本形態では、小当たり遊技で合流部分G1に配されている第2大入賞口35が開放することで、第2流路R2を流下している遊技球が、第2大入賞口35に入賞し得る。特に、特図1の抽選で小当たりに当選する確率を最大限にまで高めているため(図10(A)参照)、小当たり遊技が頻繁に実行される。そのため、第2流路R2を流下する遊技球を、第2大入賞口35に頻繁に入賞させることが可能である。こうして高確時短A状態又は高確非時短状態では、右打ちで電チュー22に遊技球が入球し難くても、第2大入賞口35への入賞でベースを高くしながら遊技することが可能である。
以上本形態では、小当たり遊技で開放する第2大入賞口35を第1流路R1と第2流路R2との合流部分G1に配置することで、左打ちを行う遊技状態(通常遊技状態、高確時短B状態)では、小当たりに当選しても右打ち報知を行わなくて済み、右打ちを行う遊技状態(高確時短A状態、高確非時短状態)では、小当たり当選に基づく小当たり遊技で、ベースを調整(高く)することが可能である。但し本形態のように頻繁に小当たりに当選する仕様にすると、遊技者が頻繁に生じる小当たり遊技に対して、煩わしさを感じるおそれがある。
そこで本形態では、第2大入賞口35を、小当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にしていて、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を、大当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にしている。そして図2に示すように、第2大入賞口35の入口の大きさを、第1大入賞口30の入口の大きさよりも小さくして、第2大入賞口35を第1大入賞口30よりも目立ち難くしている。更に小当たり遊技の実行時間を、408msという極めて短い時間に設定している。こうして遊技中の遊技者には、2つの大入賞口のうち大当たり遊技で開放する第1大入賞口30の方へ意識を向かわせて、小当たり遊技で開放される第2大入賞口35を気付き難くしている。その結果、遊技者に対してできるだけ小当たりの当選(小当たり遊技)を意識させないことが可能である。なお第2大入賞口35の入口の大きさは、55mmを超える大きさで且つ135mmを超えない大きさに設定される。
なお本形態では、小当たり遊技で合流部分G1に配されている第2大入賞口35が開放することで、左打ちを行う遊技状態(通常遊技状態又は高確時短B状態)であっても、第1流路R1を流下している遊技球が、第2大入賞口35に入賞し得る。従って、右打ちを行う高確時短A状態や高確非時短状態だけでなく、左打ちを行う通常遊技状態や高確時短B状態でも、第2大入賞口35への入賞でベースを高くしながら遊技することが可能である。
10.減算演出の説明
本形態では、特別Vロング16R大当たり又は特別Vロング4R大当たりの当選を契機として、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される高確時短状態(高確時短A状態又は高確時短B状態)に制御され得る。この場合、特図1の変動表示が実行された回数と、特図2の変動表示が実行された回数との合計回数(合計変動回数)が100回に達すると、高確非時短状態に移行することになる。なお以下では、時短回数が100回に設定される高確時短状態から、高確非時短状態に移行するまでの期間を、「制限時短状態期間」と呼ぶことにする。
制限時短状態期間では、遊技者に特別図柄(特図1又は特図2)の変動表示が残り何回実行されると、高確非時短状態に移行するのかを報知することが好ましい。そこで本形態では、特別図柄の変動表示を契機として、減算演出を実行することにしている。減算演出は、高確非時短状態に移行するまでの特別図柄の変動表示の回数(変動回数)を示唆する演出であり、本形態では「残り何回(例えば99回、図66(E)参照)」を示す回数画像T1を表示画面7aに表示する演出である。なお減算演出とは、後述する通常減算演出、特別減算演出、全減算演出とを含む演出の総称である。
ここで本形態では、特図1の変動表示が1回実行される度に、回数画像T1で示す回数を「1」だけ減算して表示する通常減算演出を実行する。つまり、特図2の変動表示が実行されても、通常減算演出を実行しない。これは以下の理由に基づく。上述したように本形態では、特図2の抽選が実行されても、遊技者に付与される特典が全く無いように設定している(図7参照)。そしてどの遊技状態であっても、基本的には特図1の抽選で大当たりの当選を狙う遊技性(ゲーム性)である。従って本形態では、特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しない。つまり遊技者には、特図1の変動表示及び停止表示に同期した変動演出のみが実行しているように見せることにしている。
しかしながらこの場合、制限時短状態期間において、電チュー22の入球によって特図2の変動表示が実行されてしまうと、回数画像T1が、高確非時短状態に移行するまでの残りの変動回数を正確に示さなくなる。即ち、制限時短状態期間での合計変動回数と、回数画像T1を示すためにカウントされた回数(100回−回数画像T1で示す回数、以下「演出変動回数」と呼ぶ)との間に、差が生じてしまう。
そこで本形態では、制限時短状態期間での合計変動回数と演出変動回数との間に差(差分変動回数)が生じた場合に、特別減算演出を実行し得る。特別減算演出は、回数画像T1で示す回数に対して、1から差分変動回数までの何れかの減算値を減算して表示する演出である。本形態の特別減算演出では、図66(H)に示すように、回数画像T1で示す回数を「減算値」だけ減算して表示すると共に、「−(減算値)回だ!」を示す減算値画像T2を表示する。
従って、特別減算演出を見た遊技者に対して、減算値が示す回数分だけ、高確非時短状態に移行するまでの残りの変動回数(時短回数)が急に減ったと思わせることが可能である。つまり、高確時短状態から高確非時短状態への移行に急に近づくような印象を与えることが可能である。特に本形態では、高確時短状態よりも高確非時短状態の方が遊技者にとって有利な状態である。そのため、制限時短状態期間では、時短回数が消化されるほど(即ち大当たりに当選しないでハマるほど)、有利な高確非時短状態に近づくという特殊なゲーム性になる。よって、制限時短状態期間で、時短回数が急に減ったと認識した遊技者に対して、強い驚きを与えると共に高揚感を与えることが可能である。
ところで本形態では、制限時短状態期間で合計変動回数が100回に達したにも拘わらず、回数画像T1で示す回数が「残り0回」を示していない場合が生じ得る。つまり、高確非時短状態へ移行するタイミングで、時短回数が消化されたことを示す回数画像T1になっていない場合があり得る。そこで本形態では、このような場合が生じたとき、全減算演出を実行することにしている。全減算演出は、合計変動回数が100回に達したときに、未だ回数画像T1が示していた残り全ての回数を減算して表示する演出である。本形態の全減算演出では、図67(B)に示すように、「残り全ての変動消化だ!!」を示す全減算画像T3を表示すると共に、「残り0回」を示す回数画像T1を表示画面7aに表示する演出である。こうして、高確非時短状態へ移行するときに、時短回数が消化されたことを示す回数画像T1になっていないという演出の矛盾を回避することが可能である。つまり遊技者が、高確非時短状態への移行タイミングを正しく把握できなくなるのを回避することが可能である。
11.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図24〜図51に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図24に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1だけ加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図25に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理を実行する(S101)。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第3始動口センサ25a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図14参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図24の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図保留球数に基づいて特図保留表示器43をその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図24参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図26に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS204に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄の変動表示中又は電チュー22の作動中(補助遊技の実行中)であるか否かを判定する(S202)。判定結果がYESであれば(S202でYES)、本パチンコ遊技機1は普図保留が生じないものであるため、ステップS203をパスして、ステップS204に進む。一方、判定結果がNOであれば、普図関係乱数取得処理を行う(S203)。普図関係乱数取得処理(S203)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B)参照)、及び普図変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−J1)を取得し、それら取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
ステップS204では、第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ20a又は第3始動口センサ25aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S204)。第1始動口20又は第3始動口25の何れにも遊技球が入賞していない場合には(S204でNO)ステップS208に進むが、第1始動口20又は第3始動口25に遊技球が入賞した場合には(S204でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第1上限数)に達しているか否かを判定する(S205)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S205でYES)、ステップS208に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S205でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S206)。
続いて特図1関係乱数取得処理を行う(S207)。特図1関係乱数取得処理(S207)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S208)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合には(S208でNO)本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S208でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(第2上限数)に達しているか否かを判定する(S209)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S209でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S209でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S210)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行う(S211)。特図2関係乱数取得処理(S211)では、特図1関係乱数取得処理(S207)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図27に示す普通動作処理を行う(S105)。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普図関係乱数(図26のステップS203で取得する乱数値)がRAM84の所定の記憶領域に格納されているか否かを判定する(S304)。普図関係乱数がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普図関係乱数があれば、当たり判定処理を行う(S305)。当たり判定処理(S305)では、格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、時短状態中であれば、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。これに対して、非時短状態中であれば、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当たり判定値が「1」〜「65534」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S307)。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図12に示す普図変動パターン判定テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、当たり判定の結果が「当たり」又は「ハズレ」の何れでも、普通図柄の変動時間が80msとなる普図変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、当たり判定の結果が「当たり」又は「ハズレ」の何れでも、普通図柄の変動時間が84msとなる普図変動パターンを選択する。なお、当たり判定の結果が「当たり」であれば、普通図柄の停止時間が8msとなる普図変動パターンが選択され、「ハズレ」であれば、普通図柄の停止時間が500msとなる普図変動パターンが選択される。なお、格納されている普図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて、普図変動パターンを更に詳細に選択するようにしても良い。
次いで遊技制御用マイコン81は、RAM84の所定の記憶領域に格納している普図関係乱数をクリアする(S308)。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普図変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S309)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S310)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S311)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンドをセットするとともに(S312)、普通図柄の停止時間をセットして(S313)、本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて図28に示すように、ステップS313でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S314)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S314でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S315)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S315でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S315でYES))、時短AフラグがONであるか否かを判定する。
時短Aフラグは、時短A状態(時短状態且つ入球容易状態A)であることを示すフラグである。時短AフラグがONであれば(S316でYES)、時短A状態開放パターン(開放パターンA(図13参照))、詳細には図13の電チュー開放TBL2をセットする(S317)。時短AフラグがONでなければ(S316でNO)、続いて時短BフラグがONであるか否かを判定する(S318)。時短Bフラグは、時短B状態(時短状態且つ入球容易状態B)であることを示すフラグである。時短BフラグがONであれば(S318でYES)、時短B状態開放パターン(開放パターンB)、詳細には図13の電チュー開放TBL3をセットする(S319)。時短BフラグがONでなければ(S318でNO)、非時短状態であるため、非時短状態開放パターン(開放パターンX)、詳細には図13の電チュー開放TBL1をセットする(S320)。そして、セットした電チュー22の開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S321)。
また、上述のステップS301(図27参照)にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間(補助遊技の開始から終了までの時間)が経過したか否かを判定し(S322)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S322でYES)、電チューの作動を終了させる(S323)。
[第1特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図29に示す第1特別動作処理を行う(S106)。第1特別動作処理(S106)は、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図29に示すように、第1特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41(主に第1特別図柄表示器41a)および大入賞装置(第1大入賞装置31,第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第1特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1001)。第2特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第2特別動作ステータスが「5」であれば(S1001でYES)、後述するように特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第2特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1001でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図1の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第2特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1001でNO)、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1003)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、後述する第1特別図柄変動中処理を行い(S1005)、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、後述する第1特別図柄確定処理を行い(S1007)、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006でNO、S1008でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1009)、「第1特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1002,S1004,S1006,S1008で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1010)。
[第2特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、第1特別動作処理(S106)に次いで、図30に示す第2特別動作処理を行う(S107)。第2特別動作処理(S107)は、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理である。図30に示すように、第2特別動作処理(S107)では、特別図柄表示器41(主に第2特別図柄表示器41b)および大入賞装置(第1大入賞装置31,第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお第2特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第1特別動作ステータス」が「4」又は「5」であるか否かを判定する(S1101)。第1特別動作ステータスが「4」であれば(S1001でYES)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中を意味する。また第1特別動作ステータスが「5」であれば(S1101でYES)、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行中を意味する。第1特別動作ステータスが「4」又は「5」であれば(S1101でYES)、直ちに処理を終える。つまり、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中には、特図2の抽選に基づく大当たり遊技又は小当たり遊技の発生に関する処理を行わないことになる。
これに対して、第1特別動作ステータスが「4」又は「5」の何れでもなくて(S1101でNO)、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、後述する第1特別図柄待機処理を行い(S1103)、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、後述する第2特別図柄変動中処理を行い(S1105)、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、後述する第2特別図柄確定処理を行い(S1107)、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106でNO、S1108でYES)、大当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理1を行い(S1109)、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108で全てNO)、小当たり遊技を行うべく、後述する特別電動役物処理2を行う(S1110)。
[第1特別図柄待機処理]図31に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口20又は第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口20又は第3始動口25への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1202)及び特図1変動パターン選択処理(S1203)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1204)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1205)。このようにして、第1特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理を実行する(S1206)。特図1変動開始処理(S1206)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図1変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図1の変動時間)を、特図1変動時間タイマにセットするとともに、第1特別図柄表示器41a上で第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1206)でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(S1202)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1203)でセットされた特図変動パターンの情報(特図1の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図1大当たり判定処理]図32に示すように、特図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部85aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1302)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図1且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1303)。第2大当たりフラグは、後述する特図2の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図36のステップS1606参照)。第2大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1305)及び小当たりの当否判定(S1309)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1312)、処理を終える。このようにするのは、本形態では特図1の処理と特図2の処理とを並行して行っているところ、特図2の抽選で大当たりと判定されている状況にも拘わらず、特図1の抽選でも重複して大当たりと判定されないようにするためである。具体的には図20に示すように、特図2の大当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1303で第2大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、続いて第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。第2小当たりフラグは、後述する特図2の抽選において小当たりと判定されたことを示すフラグである(図36のステップS1610参照)。この第2小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1305)。これに対して、第2小当たりフラグがONであれば(S1304でYES)、ステップ1305の大当たりの当否判定をパスして、ステップS1309に進む。こうして、特図2の抽選で小当たりと判定されている状況では、特図1の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。具体的には図19に示すように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1大当たり判定処理(S1202)が実行されても、大当たりと判定されないことを意味している。
ステップS1305の大当たりの当否判定においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1305でYES)、第1大当たりフラグをONする(S1306)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1307)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1308)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1305でNO)、ステップS1309に進む。
ステップS1309の小当たりの当否判定においては、ステップS1302でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1309でYES)、第1小当たりフラグをONする(S1310)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(17H)をセットして(S1311)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1309でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1312)、処理を終える。なお本形態では、特図1の抽選の結果が、大当たりを除いて必ず小当たりになるように設定されているため(図10(A)参照)、ステップS1309でNOと判定されることがない。
[特図1変動パターン選択処理]次に図33および図34に基づいて特図1変動パターン選択処理(S1203)について説明する。図33に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(上述した時短Aフラグ又は時短BフラグがONか否か)を判定する(S1401)。
時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1403)。
またステップS1402において、第1大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、第1小当たりフラグがONか否かを判定する(S1404)。ONであれば(S1404でYES)、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1405)。つまり本形態では、頻繁に生じる特図1の小当たり変動表示中に、変動演出でリーチを実行し得る。図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも小当たり変動表示中の変動演出でリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1405でYES)、即ち、リーチ有りの場合には、非時短状態中小当たりリーチ有りテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ小当たり且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1406)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1405でNO)、即ち、リーチ無しの場合には、非時短状態中小当たりリーチ無しテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つ小当たり且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1407)。この小当たり且つリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1404において、第1小当たりフラグがONでなければ(S1404でNO)、非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1408)。
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図34に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1408と同様の流れで処理(S1409〜S1415)を行う。すなわち、第1大当たりフラグがONであれば(S1409でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1410)。
また第1小当たりフラグがONであり(S1411でYES)、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1412でYES)、時短状態中小当たりリーチ有りテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1413)。また第1小当たりフラグがONであり(S1411でYES)、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1412でNO)、時短状態中小当たりリーチ無しテーブル(図11の特図1且つ時短状態且つ小当たり且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1414)。また第1小当たりフラグがONでなければ(S1411でNO)、時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1415)。
ここで、時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。つまり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
なお本形態では、図11に示すように、非時短状態での第1特別図柄の変動時間と時短状態での第1特別図柄の変動時間とは、ほとんど同じになるように設定している。つまり遊技者には、第1特別図柄の変動時間の長さの違いによって、非時短状態と時短状態とをほぼ判別できないようにしている。これは、高確時短B状態を遊技者に高確率状態であることを把握させない状態(所謂潜伏確変状態)にしていて、第1特別図柄の変動時間の長さで高確時短B状態を判別できないようにするためである。このことから、時短状態で短縮変動の機能を働かせないようにしても良い。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図33に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1416)、本処理を終える。ステップS1416でセットした特図変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)におけるステップS1206でセットされる特図1変動開始コマンドに含められる。
ここで図11に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図11の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチには、弱SPリーチと強SPリーチがある(図11の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記のSPリーチは、互いに大当たり期待度が異なっている。具体的には、弱SPリーチよりも強SPリーチの方が大当たり期待度が高くなっている。つまり本パチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ、弱SPリーチ、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなるように各種の特図変動パターンの振分率が設定されている。
[第2特別図柄待機処理]図35に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がない場合には、本処理を終える。一方、特図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1502)及び特図2変動パターン選択処理(S1503)を行う。
その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1504)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1505)。このようにして、第2特図保留は保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理を実行する(S1506)。特図2変動開始処理(S1506)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、特図2変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、上記の特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンに応じた変動時間(特図2の変動時間)を、特図2変動時間タイマにセットするとともに、第2特別図柄表示器41b上で第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1506)でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2大当たり判定処理(S1502)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1503)でセットされた特図変動パターンの情報(特図2の変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。
[特図2大当たり判定処理]図36に示すように、特図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部85bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1602)。すなわち、通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ非高確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち特図2且つ高確率状態用のテーブルをセットする。
次いで、第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。第1大当たりフラグは、上述した特図1の抽選において大当たりと判定されたことを示すフラグである(図32のステップS1306参照)。第1大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、後述する大当たりの当否判定(S1605)及び小当たりの当否判定(S1609)を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1612)、処理を終える。これにより図20に示すように、特図1の大当たり変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、ハズレと判定されることを意味している。
ステップS1603で第1大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて第1小当たりフラグがONか否かを判定する(S1604)。第1小当たりフラグは、上述した特図1の抽選において小当たりと判定されたことを示すフラグである(図32のステップS1310参照)。この第1小当たりフラグがONでなければ(S1604でNO)、大当たりの当否判定を行う(S1605)。これに対して、第1小当たりフラグがONであれば(S1604でYES)、ステップ1605の大当たりの当否判定をパスして、ステップS1609に進む。こうして、特図1の抽選で小当たりと判定されている状況では、特図2の抽選で大当たりと判定されないようにすることが可能である。具体的には図19に示すように、特図1の小当たり変動表示中に、特図2大当たり判定処理(S1502)が実行されても、大当たりと判定されないことを意味している。
ステップS1605の大当たりの当否判定においては、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて大当たりか否かを判定する。大当たりの当否判定の結果が「大当たり」であれば(S1605でYES)、第2大当たりフラグをONする(S1606)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1607)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をセットして(S1608)、処理を終える。一方、「大当たり」でなければ(S1605でNO)、ステップS1609に進む。
ステップS1609の小当たりの当否判定においては、ステップS1602でセットした大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて小当たりか否かを判定する。小当たりの当否判定の結果が「小当たり」であれば(S1609でYES)、第2小当たりフラグをONする(S1610)。そして、小当たりに応じた特図停止図柄データ(24H)をセットして(S1611)、処理を終える。一方、「小当たり」でなければ(S1609でNO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1612)、処理を終える。なお本形態では、特図2の抽選の結果が、大当たりを除いて必ず小当たりになるように設定されているため(図10(A)参照)、ステップS1609でNOと判定されることがない。
[特図2変動パターン選択処理]次に図37および図38に基づいて特図2変動パターン選択処理(S1503)について説明する。図37に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1503)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(上述した時短Aフラグ又は時短BフラグがONか否か)を判定する(S1701)。
時短状態でなければ(S1701でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて第2大当たりフラグがONか否かを判定する(S1702)。ONであれば(S1702でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1703)。
またステップS1702において、第2大当たりフラグがONでなければ(S1702でNO)、第2小当たりフラグがONか否かを判定する(S1704)。ONであれば(S1704でYES) 、非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1705)。なお本形態では、特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しないため、特図2の変動表示中にリーチを実行することはない。
一方、第2小当たりフラグがONでなければ(S1704でNO)、非時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ非時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1706)。本形態において、非時短状態にて選択される特図2の変動パターンの変動時間は、図11に示すように30000msという比較的長い時間に設定される。これは図23に示すように、通常遊技状態にて特図2の小当たり変動表示を比較的長い間実行することで、特図1の抽選で大当たりと判定されない期間を長くして、右打ちされないようにするためである。
またステップS1701において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1701でYES)には、図38に示すように、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1702〜S1706と同様の流れで処理(S1707〜S1711)を行う。すなわち、第2大当たりフラグがONであれば(S1707でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1708)。
また第2小当たりフラグがONであれば(S1709でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11の特図2且つ時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1710)。また第2小当たりフラグがONでなければ(S1709でNO)、時短状態中ハズレテーブル(図11に示す特図変動パターン判定テーブルのうち特図2且つ時短状態且つハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1711)。
ここで本形態において、時短状態にて選択される特図2の変動パターンの変動時間は、図11に示すように100msという極めて短い時間に設定される。これにより高確時短A状態では、右打ちされた遊技球が多少電チュー22に入球しても、特図2の小当たり変動表示は極めて短い時間しか実行されない。従って、高確時短A状態で特図2の小当たり変動表示により、特図1の抽選が無効化されてしまうのを生じ難くすることが可能である。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図37に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1712)、本処理を終える。ステップS1712でセットした特図変動パターンの情報は、第2特別図柄待機処理(S1103)におけるステップS1506でセットされる特図2変動開始コマンドに含められる。
[第1特別図柄変動中処理]図39に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、特図1変動時間タイマにセットされている値(特図1の変動時間)を減算する(S1801)。そして特図1の変動時間が経過したか、即ち特図1変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1802)。「0」でなければ(S1802でNO)、第1特別図柄表示器41aで第1特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1802でYES)、特図1変動停止コマンドをセットするとともに(S1803)、第1特別動作ステータスを「3」にセットする(S1804)。そして、第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)で停止させて(S1805)、この処理を終える。
本形態では、図19で説明したように、特図1の小当たり変動表示中に、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第2特別動作ステータスが「5」になることで、図29に示すステップS1001でYESと判定されることになる。これにより、第1特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第1特別図柄変動中処理(S1005)が実行されない。つまり、図39に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図2の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第2特別動作ステータスが「1」になる(図50のステップS2912参照)。その結果、第1特別図柄変動中処理(S1005)が再開され、図39に示すステップS1801で、特図1変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図1の小当たり変動表示中に特図2の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図1の小当たり変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第2特別図柄変動中処理]図40に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、特図2変動時間タイマにセットされている値(特図2の変動時間)を減算する(S1901)。そして特図2の変動時間が経過したか、即ち特図2変動時間タイマにセットされている値が「0」になったか否かを判定する(S1902)。「0」でなければ(S1902でNO)、第2特別図柄表示器41bで第2特別図柄が変動表示し続けることになり、本処理を終える。一方、「0」であれば(S1902でYES)、特図2変動停止コマンドをセットするとともに(S1903)、第2特別動作ステータスを「3」にセットする(S1904)。そして、第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)で停止させて(S1905)、この処理を終える。
本形態では、図19で説明したように、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選に基づく小当たり遊技が実行される場合がある。この場合、第1特別動作ステータスが「5」になることで、図30に示すステップS1101でYESと判定されることになる。これにより、第2特別動作ステータスは「2」であるにも拘わらず、第2特別図柄変動中処理(S1105)が実行されない。つまり、図40に示すステップS1901で、特図2変動時間タイマの値が減算されないことになる。その後、特図1の抽選に基づく小当たり遊技が終了すると、第1特別動作ステータスが「1」になる(図50のステップS2912参照)。その結果、第2特別図柄変動中処理(S1105)が再開され、図40に示すステップS1901で、特図2変動時間タイマの値が減算される。このようにして、特図2の小当たり変動表示中に特図1の抽選に基づく小当たり遊技が実行されると、特図2の小当たり変動表示は継続されるものの、その小当たり遊技の実行時間だけ延長することになる。
[第1特別図柄確定処理]図41に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2101)。経過していなければ(S2101でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2101でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S2102)。
次に、第1大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2103)。第1大当たりフラグがONであれば(S2103でYES)、第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S2104)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図2強制停止処理を行うとともに(S2105)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S2106)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2107)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2108)。
ステップS2108に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2109)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2103において第1大当たりフラグがONでなければ(S2103でNO)、第1小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2110)。第1小当たりフラグがONであれば(S2110でYES)、第1特別動作ステータスを「5」にセットする(S2111)。そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2112)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2113)、本処理を終える。
また、第1大当たりフラグ及び第1小当たりフラグが共にONでなければ(S2103及びS2110で共にNO)、特図1の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2114)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図42に示すように、遊技状態管理処理(S2102)ではまず、高確率状態中を示す確変フラグがONか否か判定する(S2201)。ONであれば(S2201でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2202)、確変カウンタの値が「0」か否か判定する(S2203)。「0」であれば(S2203でYES)、確変フラグをOFFする(S2204)。ステップS2201又はS2203の判定結果がNOであれば、ステップS2205に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「10000」にセットされるようになっている。
続いて、時短状態中を示す時短Aフラグ又は時短BフラグがONか否か判定する(S2205)。何れかがONであれば(S2205でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2206)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2207)。「0」であれば(S2207でYES)、時短Aフラグ及び時短BフラグをOFFする(S2208)。これにより時短状態から非時短状態に移行することになる。ステップS2205又はS2207の判定結果がNOであれば、ステップS2209に進む。なお本パチンコ遊技機1では後述するように、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「50」又は「100」或いは「10000」にセットされるようになっている。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報、セットした確変カウンタの値や時短カウンタの値の情報等を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2209)、本処理を終える。
[特図2強制停止処理]特図2強制停止処理(S2105)は、図20で説明したように、特図2の変動表示中に、特図1の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図2の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図43に示すように、特図2強制停止処理(S2105)ではまず、第2特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2301)。「2」でなければ(S2301でNO)、特図2の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図2変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2302)。続いて、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第2特別図柄表示器41bには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2304)を行うとともに、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2305)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2304)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[遊技状態リセット処理]図44に示すように、遊技状態リセット処理(S2106)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2401)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2402)。また、時短AフラグがONか否かを判定し(S2403)、ONであれば時短AフラグをOFFする(S2404)。また、時短BフラグがONか否かを判定し(S2405)、ONであれば時短BフラグをOFFする(S2406)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態、低確非時短状態)に制御される。
[第2特別図柄確定処理]図45に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2501)。経過していなければ(S2501でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2501でYES)、遊技状態管理処理を行う(S2502)。遊技状態管理処理(S2502)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
次に、第2大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2503)。第2大当たりフラグがONであれば(S2503でYES)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2504)。そして、遊技制御用マイコン81は、後述の特図1強制停止処理を行うとともに(S2505)、遊技状態リセット処理を行う(S2506)。遊技状態リセット処理(S2506)は、図44に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S2507)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2508)。
ステップS2508に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットして(S2509)、本処理を終える。なおこのときに、大当たり遊技中の第1大入賞口30の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。
一方、ステップS2503において第2大当たりフラグがONでなければ(S2503でNO)、第2小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2510)。第2小当たりフラグがONであれば(S2510でYES)、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2511)。そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2512)。続いて、小当たり当選に基づく開放パターン(図8参照)をセットして(S2513)、本処理を終える。
また、第2大当たりフラグ及び第2小当たりフラグが共にONでなければ(S2503及びS2510で共にNO)、特図2の抽選に基づく大当たり遊技及び小当たり遊技を開始しないため、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2514)、本処理を終える。
[特図1強制停止処理]特図1強制停止処理(S2505)は、図20で説明したように、特図1の変動表示中に、特図2の抽選に基づく大当たり遊技を開始する場合に、特図1の変動表示を強制的に終了させるための処理である。図46に示すように、特図1強制停止処理(S2505)ではまず、第1特別動作ステータスが「2」であるか否かを判定する(S2601)。「2」でなければ(S2601でNO)、特図1の変動表示中でないため、本処理を終える。これに対して「2」であれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン81は、特図1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2602)。続いて、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2603)。これにより、第1特別図柄表示器41aには、ハズレ図柄が停止表示される。そして遊技状態管理処理(S2604)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2605)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2604)は、図42に基づいて既に説明した通りであるため、説明を省略する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1009)と、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行のための特別電動役物処理1(S1109)とをまとめて説明する。図47に示すように、特別電動役物処理1(S1009又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2701)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2701でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2702)。開放中でなければ(S2702でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2703)。
ステップS2703の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2703の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2704)。Vロング大当たりでなければ(S2704でNO)、ステップS2707に進むが、Vロング大当たりであれば(S2704でYES)、特定領域39への通過が可能な1R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2705)。1R目を開始するタイミングでなければ(S2705でNO)、そのままステップS2707に進む。これに対して、1R目を開始するタイミングであれば(S2705でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2706)。
V有効期間設定処理(S2706)では、Vロング大当たりの1R目における第1大入賞口30の開放中及び第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図51)参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第1大入賞口30の閉塞後の数秒間を含めているのは、第1大入賞口30の閉塞直前に第1大入賞口30へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図48及び図49参照))。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2707では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30)を開放させる。なお、振分部材71は、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第1ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材32が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第1ラウンドにおいて、第1大入賞口30に入賞することがほぼできないように開閉部材32が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第1大入賞口30に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材32の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2708では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2708)では、ステップS2707での第1大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の第1大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2708では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理1(S1009又はS1109)のステップS2702において、第1大入賞口30の開放中であれば、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2709)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2709でNO)、処理を終える。
これに対して、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(S2709でYES)には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2710)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2711)。終了していなければ(S2711でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2711でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2712)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2713)。「0」でなければ(S2713でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2713でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2714)、大当たりのエンディングを開始する(S2715)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2716)。
またステップS2701において大当たり終了フラグがONであれば、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2717)、エンディング時間が経過していなければ(S2717でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2717でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2718)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2719)。続いて、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1大当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2大当たりフラグをOFFする(S2720)。その後、特図1の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2720)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図30に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく大当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「4」にセットされている間は、図29に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[遊技状態設定処理]遊技状態設定処理(S2719)は、上述した各種の大当たり(図7参照)の当選に基づく大当たり遊技の終了後に、遊技状態を高確時短A状態、高確時短B状態、高確非時短状態、低確時短A状態、又は低確非時短状態(通常遊技状態)に制御するための処理である。図48に示すように、遊技状態設定処理(S2719)ではまず、特図1の抽選で大当たりに当選したか否か、つまり第1大当たりフラグがONか否かを判定する(S2801)。
特図1の抽選で大当たりに当選していれば(S2801でYES)、次に、当選時の遊技状態が低確非時短状態又は高確時短状態であるか否かを判定する。低確非時短状態又は高確時短状態であれば(S2802でYES)、続いて、今回当選した大当たりの種類が特別Vロング16R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する(S2803)。特別Vロング16R大当たりであれば(S2803でYES)、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2804)。ONであれば(S2804でYES)、確変フラグをONするとともに(S2805)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2806)。なお確変カウンタに「10000」がセットされると、実質的に次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が続くことを意味する。そして、VフラグをOFFし(S2807)、時短AフラグをONするとともに(S2808)、時短カウンタに「100」をセットする(S2809)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、時短回数が100回に設定される高確時短A状態になる。この高確時短A状態は、時短回数である100回が消化されること、又は次回の大当たり遊技が開始されることの何れかの条件が成立すると終了する。これに対して、ステップS2804でNOと判定されると、ステップS2805〜S2807までの処理をパスして、ステップS2808及びS2809の処理を行う。これにより、V入賞しないイレギュラーな場合には、時短回数が100回に設定される低確時短A状態になる。
またステップS2803で特別Vロング16R大当たりでなければ、次に通常Vロング16R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する(S2810)。通常Vロング16R大当たりであれば(S2810でYES)、VフラグがONであるかを判定する(S2811)。ONであれば(S2811でYES)、確変フラグをONするとともに(S2812)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2813)。そして、VフラグをOFFし(S2814)、時短AフラグをONするとともに(S2815)、時短カウンタに「10000」をセットする(S2816)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短A状態が次の大当たり遊技の開始まで実質的に続く高確時短A状態になる。これに対して、ステップS2811でNOと判定されると、ステップS2812〜S2816までの処理をパスする。これにより、V入賞しないイレギュラーな場合には、低確非時短状態になる。
またステップS2810で通常Vロング16R大当たりでなければ、次に特別Vロング4R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する(S2817)。特別Vロング4R大当たりであれば(S2817でYES)、VフラグがONであるかを判定する(S2818)。ONであれば(S2818でYES)、確変フラグをONするとともに(S2819)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2820)。そして、VフラグをOFFし(S2821)、時短BフラグをONするとともに(S2822)、時短カウンタに「100」をセットする(S2823)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、時短回数が100回に設定される高確時短B状態になる。この高確時短B状態は、時短回数である100回が消化されること、又は次回の大当たり遊技が開始されることの何れかの条件が成立すると終了する。これに対して、ステップS2818でNOと判定されると、ステップS2819〜S2821までの処理をパスして、ステップS2822及びS2823の処理を行う。これにより、V入賞しないイレギュラーな場合には、時短回数が100回に設定される低確時短B状態になる。なお時短B状態に制御されているとき左打ちで第1始動口20の入賞を狙うため、遊技者にとって低確時短B状態は通常遊技状態とほぼ同様の遊技状態となる。
またステップS2817で特別Vロング4R大当たりでなければ、次に通常Vロング4R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する(S2824)。通常Vロング4R大当たりであれば(S2824でYES)、VフラグがONであるかを判定する(S2825)。ONであれば(S2825でYES)、確変フラグをONするとともに(S2826)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2827)。そして、VフラグをOFFし(S2828)、時短BフラグをONするとともに(S2829)、時短カウンタに「10000」をセットする(S2830)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短B状態が次の大当たり遊技の開始まで続く高確時短B状態になる。これに対して、ステップS2825でNOと判定されると、ステップS2826〜S2830までの処理をパスする。これにより、V入賞しないイレギュラーな場合には、低確非時短状態になる。
またステップS2824で通常Vロング4R大当たりでなければ、Vロング2R大当たり又はVショート5R大当たりのどちらかになる。この場合図49に示すように、ステップS2831で、VフラグがONか否かを判定する。ONであれば(S2831でYES)、確変フラグをONするとともに(S2832)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2833)。そして、VフラグをOFFする(S2834)。これにより、Vロング2R大当たりに当選し且つV有効期間中にV入賞すれば、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、遊技者にとって最も有利な高確非時短状態になる。これに対して、ステップS2831でNOと判定されると、ステップS2832〜S2834までの処理をパスする。これにより、Vショート5RであればV入賞することがほぼ不可能であるため、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確非時短状態になる。
また図48に示すステップS2802で、当選時の遊技状態が低確非時短状態又は高確時短状態の何れでもない場合には、高確非時短状態又は低確時短状態であり、図49に示すステップS2835に進む。図49に示すようにステップS2835では、今回当選した大当たりの種類がVショート5R大当たり(図7参照)であるか否かを判定する(S2835)。Vショート5R大当たりでなければ、特別Vロング16R大当たり、通常Vロング16R大当たり、特別Vロング4R大当たり、通常Vロング4R大当たり、又はVロング2R大当たりであり、ステップS2836に進む。ステップS2836では、VフラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2836でYES)、確変フラグをONするとともに(S2837)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2838)。そして、VフラグをOFFする(S2839)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態になり、以後も特図1の抽選で大当たりに当選する限り、85%の継続率で高確非時短状態をループさせることが可能である。これに対して、ステップS2836でNOと判定されると、ステップS2837〜S2839までの処理をパスする。これにより、V入賞しないイレギュラーな場合には、低確非時短状態になる。
またステップS2835でVショート5R大当たりであれば、ステップS2840でVフラグがONであるか否かを判定する。ONでなければ(S2840でNO)、時短AフラグをONにするとともに(S2846)、時短カウンタに「50」をセットする(S2847)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、時短回数が50回に設定される低確時短A状態になる。この低確時短A状態は実質的に、時短回数である50回が消化されること、又は次回の大当たりに当選することの何れかの条件が成立すると終了する。これに対して、ステップS2840でVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2841)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2842)。そして、VフラグをOFFし(S2843)、時短AフラグをONするとともに(S2844)、時短カウンタに「10000」をセットする(S2845)。これにより、V入賞するというイレギュラーな場合には、高確率状態且つ時短A状態が次の大当たり遊技の開始まで続く高確時短A状態になる。
また図48に示すステップS2801で、特図1の抽選で大当たりに当選していない場合には、特図2の抽選で大当たりに当選していることになり、図49に示すステップS2848に進む。図49に示すようにステップS2848では、当選時の遊技状態が低確非時短状態であるか否かを判定する。低確非時短状態であれば(S2848でYES)、続いて、VフラグがONであるか否かを判定する(S2849)。ONでなければ(S2849でNO)、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確非時短状態になる。これに対して、ステップS2849でVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2850)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2842)。そして、VフラグをOFFする(S2843)。これにより、V入賞するというイレギュラーな場合には、高確非時短状態になる。
またステップS2848で、当選時の遊技状態が低確非時短状態でない場合には、高確時短状態又は高確非時短状態或いは低確時短状態であり、ステップS2853に進む。ステップS2853では、VフラグがONであるか否かを判定する。ONでなければ(S2853でNO)、時短AフラグをONにするとともに(S2859)、時短カウンタに「50」をセットする(S2860)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、時短回数が50回に設定される低確時短A状態になる。これに対してステップS2853でVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2854)、確変カウンタに「10000」をセットする(S2855)。そして、VフラグをOFFして(S2856)、時短AフラグをONにするとともに(S2857)、時短カウンタに「10000」をセットする(S2858)。これにより、V入賞するというイレギュラーな場合には、高確率状態且つ時短A状態が共に次の大当たり遊技の開始まで続く高確時短A状態になる。
そして、図48ステップS2861では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(確変フラグのON又はOFF、時短AフラグのON又はOFF、時短BフラグのON又はOFF、確変カウンタの値、時短カウンタの値の情報)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。こうして遊技状態設定処理(S2719)を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、小当たり遊技の実行のための処理である。以下では、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1010)と、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行のための特別電動役物処理2(S1110)とをまとめて説明する。図50に示すように、特別電動役物処理2(S1010又はS1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2901)。小当たり終了フラグは、実行中の小当たり遊技において大入賞装置(第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2901でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2902)。開放中でなければ(S2902でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2903)。本形態では開放前インターバル時間(OP時間)は「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。
ステップS2903の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2903の判定結果がYESであれば、所定の開放パターン(図8の小当たりの欄参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2904)。
ステップS2902において第2大入賞口35の開放中であれば(S2902でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では3個)に達しているか否かを判定する(S2905)。規定入賞個数に達していなければ(S2905でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(本形態では0.1秒)が経過したか否か)を判定する(S2906)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2906でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2905でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2906でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2907)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2908)処理を終える。なお本形態の小当たり遊技では、第2大入賞口35が0.1秒という短時間しか開放されない。
またステップS2901において小当たり終了フラグがONであれば(S2901でYES)、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバル時間)が経過したか否かを判定し(S2909)、閉鎖後インターバル時間が経過していなければ(S2909でNO)処理を終える。本形態では閉鎖後インターバル時間(ED時間)は、「0.004秒」であり(図8参照)、極めて短い時間に設定している。なおED時間を、第2大入賞装置36内へ入賞した遊技球が当該第2大入賞装置36外へ排出されるのを確認可能な時間(1000ms程度の短時間)としても良い。
一方、閉鎖後インターバル時間が経過していれば(S2909でYES)、小当たり終了フラグをOFFする(S2910)。そして、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第1小当たりフラグをOFFし、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第2小当たりフラグをOFFする(S2911)。また、特図1の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の終了であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2912)、本処理を終える。こうして特図1の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第1特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図30に示す第2特別動作処理(S107)における各処理S1103,S1105,S1107,S1109,S1110が実行されない。また、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の実行で、第2特別動作ステータスが「5」にセットされている間は、図29に示す第1特別動作処理(S106)における各処理S1003,S1005,S1007,S1009,S1010が実行されないことになる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、第1特別動作処理(S106)及び第2特別動作処理(S107)に次いで、特定領域センサ検出処理を行う(S108)。特定領域センサ検出処理(S108)では、図51に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3001)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図3(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS3001にて検知がなければ(S3001でNO)、本処理を終えるが、検知があれば(S3001でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S3002)。V有効期間中でなければ(S3002でNO)、本処理を終える。一方、V有効期間中であれば(S3002でYES)、VフラグをONして(S3003)、本処理を終える。
本形態では、VフラグをONすることに伴って、V通過の報知を行わせるためのV通過コマンドをRAM84の出力バッファにセットしない。つまりサブ制御基板90にV通過コマンドを送信して、V通過の報知を行わせるようになっていない。これは、大当たり遊技の実行中に仮にV入賞に基づいて必ずV通過の報知を行ってしまうと、高確時短B状態に移行したときに所謂潜伏確変状態であることを遊技者が判別可能になってしまうからである。但し、例えば高確時短A状態に移行し得るVロング16R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中に、V入賞した場合にはV通過の報知を行い、高確時短B状態に移行し得るVロング4R大当たりに基づく大当たり遊技の実行中に、V入賞した場合にはV通過の報知を行わないようにしても良い。こうしてV通過の報知の実行の有無は、適宜変更可能である。
12.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図52〜図63に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図52に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図53に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)処理を終え、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図54に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図15参照)やセレクトボタン検出スイッチ64a(図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体駆動モータ15aの駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図55に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図56に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド,特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンド(特図1変動停止コマンド,特図2変動停止コマンド)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するラウンド遊技演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4412)。エンディング演出選択処理(S4412)では、大当たり遊技のエンディング時に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。エンディング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにてエンディング演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4413)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]モードステータス設定処理(S4402)は、遊技状態への変更に伴って、演出モードの設定を変更するための処理である。演出制御用マイコン91は、低確非時短状態に制御されているときに昼モード(図18(A)参照)に設定する場合には、モードステータスに「1」をセットする。また高確時短A状態に制御されているときに夜モード(図18(B)参照)に設定する場合には、モードステータスに「2」をセットする。また高確時短B状態に制御されているときに潜確昼モードに設定する場合には、モードステータスに「3」をセットする。また高確非時短状態に制御されているときに宇宙モード(図18(C)参照)に設定する場合には、モードステータスに「4」をセットする。また低確時短A状態に制御されているときに街モード(図18(D)参照)に設定する場合には、モードステータスに「5」をセットするようになっている。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
図57に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、現在設定されているモードステータスを参照する(S4501)。続いて、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進む。一方、変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、本処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確非時短状態の情報であるか否かを判定する。低確非時短状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4505)、左打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4506)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(A)に示すように、表示画面7aの左上部に左打ち画像Laを所定時間だけ表示する。
そしてステップS4506に続き、昼モードの設定に基づく背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4520)。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(A)に示すように、表示画面7aに昼背景画像H1を表示する。こうして遊技者には、昼背景画像H1の表示により、演出モードが昼モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして左打ち画像Laの表示により、左打ちで第1始動口20への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4504でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短A状態の情報であるか否かを判定する(S4507)。高確時短A状態の情報であれば(S4507でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4508)、右打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4509)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(B)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raを表示し続ける。
そしてステップS4509に続き、後述する減算演出設定処理を行った後(S4510)、夜モードの設定に基づく背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4520)。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(B)に示すように、表示画面7aに夜背景画像H2を表示する。こうして遊技者には、夜背景画像H2の表示により、演出モードが夜モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして右打ち画像Raの表示により、右打ちで第3始動口25への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4507でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確時短B状態の情報であるか否かを判定する(S4511)。高確時短B状態の情報であれば(S4511でYES)、モードステータスに「3」をセットして(S4512)、左打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4513)。これにより、左打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(A)に示すように、表示画面7aの左上部に左打ち画像Laを所定時間だけ表示する。
そしてステップS4513に続き、後述する減算演出設定処理を行った後(S4514)、潜確昼モードの設定に基づく背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4520)。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(A)に示すように、表示画面7aに昼背景画像H1を表示する。こうして内部的には高確時短B状態であっても、遊技者には昼背景画像H1を見せることで、表示画面7a上では高確時短B状態であるか否かを判別不可能にしている。そして、左打ち画像Laの表示により、左打ちで第1始動口20への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4511でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、高確非時短状態の情報であるか否かを判定する(S4515)。高確非時短状態の情報であれば(S4515でYES)、モードステータスに「4」をセットして(S4516)、右打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4517)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(C)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raを表示し続ける。
そしてステップS4517に続き、宇宙モードの設定に基づく背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4520)。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(C)に示すように、表示画面7aに宇宙背景画像H3を表示する。こうして遊技者には、宇宙背景画像H3の表示により、演出モードが宇宙モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして右打ち画像Raの表示により、右打ちで第3始動口25への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
ステップS4515でNOと判定された場合、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確時短A状態の情報であることになる。この場合、ステップS4518に進み、モードステータスに「5」をセットする。そして、右打ち表示コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4519)。これにより、右打ち表示コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(D)に示すように、表示画面7aの右上部に右打ち画像Raを表示し続ける。
そしてステップS4513に続き、街モードの設定に基づく背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4520)。これにより、その背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図18(D)に示すように、表示画面7aに街背景画像H4を表示する。こうして遊技者には、街背景画像H4の表示により、演出モードが街モードに設定されているのを把握させることが可能である。そして右打ち画像Raの表示により、右打ちで第3始動口25への入球を狙う状況を把握させることが可能である。
[減算演出設定処理]図57で示すステップS4510の減算演出設定処理と、ステップS4515の減算演出設定処理とは同じ処理であるため、まとめて説明する。減算演出設定処理(S4510又はS4514)は、上述した減算演出(図66等参照)を開始するための設定を行う処理である。図58に示すように、減算演出設定処理(S4510又はS4514)ではまず、演出制御用マイコン91は、特別Vロング16R大当たり又は特別Vロング4R大当たりの当選に基づく大当たり遊技後であるか否かを判定する(S4610)。ステップS4610の判定結果がNO、即ち特別Vロング以外の大当たりの当選に基づく大当たり遊技後であれば、減算演出を実行しないため、本処理を終える。
一方、ステップS4610の判定結果がYESであれば、減算演出の実行を示す減算演出フラグをONにする(S4611)。そして、宇宙モード移行カウンタに「100」をセットする(S4612)。宇宙モード移行カウンタは、宇宙モードに移行するまでの残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのものである。次に、減算演出カウンタに「100」をセットする(S4613)。減算演出カウンタは、減算演出により表示画面7aで回数画像T1が示す回数(例えば図66(E)に示す残り99回)をカウントするためのものである。
続いて、減算演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4614)、本処理を終える。これにより、減算演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、図66(D)に示すように、減算演出の開始を示す宇宙モード移行示唆演出が実行される。本形態の宇宙モード移行示唆演出では、表示画面7aにて「100回変動で宇宙モードへ移行!」の示唆画像U1が表示される。この示唆画像U1の表示により、特別図柄の変動表示があと100回実行されると、最も有利な宇宙モードへの移行できることを遊技者に把握させることが可能である。
[変動演出開始処理]図59に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4701)。変動開始コマンドには、特図1大当たり判定処理(図32参照)や特図2大当たり判定処理(図36参照)でセットされた特図停止図柄データの情報や、特図1変動パターン選択処理(図33参照)や特図2変動パターン選択処理(図37参照)でセットされた特図変動パターンの情報、現在の遊技状態を指定する情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、受信した変動開始コマンドが特図1の変動開始を示すもの(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S4702)。特図1の変動開始を示すものでなければ(S4702でNO)、即ち特図2の変動開始を示すものであれば、本形態では特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しないため、ステップS4703〜S4707までの処理をパスして、ステップS4708に進む。ここで特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しないとは、特図1の変動表示及び停止表示に同期した変動演出と同じような演出態様で変動演出を実行しないという意味である。従って、特図2の変動表示及び停止表示に同期して、演出図柄8L,8C,8Rよりも小さい小図柄や第4図柄等を遊技者が把握し難い位置(表示画面7aの中央よりも目立ち難い位置)で変動表示及び停止表示させても良い。本形態では、何れの遊技状態であっても特図1の抽選で大当たりの当選を狙う遊技性であるため、基本的に遊技者には特図2の変動表示及び停止表示を把握させる必要がない。従って、特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しないようにしていて、且つ第2特図保留の記憶数に応じた演出保留画像の表示を行わないようにしている。
ステップS4702において、特図1の変動開始を示すものであれば、続いて、モードステータスの値を参照する(S4703)。そして、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4704)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4705)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、演出モードの種類(モードステータスの各値)および特図変動パターンの種類(図11のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、SPリーチの種類の詳細等を含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、演出ボタン演出(SW演出)の有無、演出ボタン演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4706)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、リーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
予告演出の例としては、大当たり当選に対する期待度(以下「当選期待度」という)が高いことを示す金色の枠でのセリフ予告、当選期待度が中程度であることを示す緑色の枠でのセリフ予告、当選期待度がこれらよりも低いことを示す青色の枠でのセリフ予告等が挙げられる。つまり、予告演出とは、演出図柄8L,8C,8Rによる最終的な当落報知よりも前に当選期待度を遊技者に対して示す演出である。
ステップS4706に続いて演出制御用マイコン91は、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出とを開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4707)。そしてステップS4708では、後述する減算演出処理を行って、本処理を終える。ステップS4707でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、表示画面7aにて特図1の変動表示に同期した変動演出が開始される。
[減算演出処理]図60に示すように、減算演出処理(S4708)ではまず、演出制御用マイコン91は、減算演出フラグがONであるか否かを判定する(S4801)。減算演出フラグがONでなければ(S4801でNO)、減算演出を実行しないため、本処理を終える。一方、減算演出フラグがONであれば(S4801でYES)、宇宙モード移行カウンタの値を「1」だけ減算する。つまり演出制御用マイコン91は、特図1の変動表示の開始又は特図2の変動表示の開始の何れであっても、宇宙モード移行カウンタの値を「1」だけ減算して、高確非時短状態へ移行するまでの特図の変動回数を正確に把握している。続いて、変動開始コマンドが特図1の変動開始を示すもの(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S4803)。
特図1の変動開始を示すものであれば(S4803でYES)、減算演出カウンタの値を「1」だけ減算する(S4804)。そして、減算演出カウンタの値の情報を含む通常減算演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4805)、本処理を終える。通常減算演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、減算演出カウンタの値に対応した通常減算演出を実行する。具体的に通常減算演出では、減算演出カウンタの値に対応する回数を示す回数画像T1(図66(E)参照)が表示される。よって、特図1の変動表示に同期した変動演出が1回実行される度に、図66(E)から図66(F)に示すように、回数画像T1が示す回数が「1」だけ減算して表示される。この通常減算演出により、遊技者には、特別図柄の抽選が1回実行されたことを意識させると共に、宇宙モードへ移行するまでの特図の変動回数を意識させることが可能である。
これに対してステップS4803にて、変動開始コマンドが特図2の変動開始を示すもの(特図2変動開始コマンド)であれば、ステップS4804及びS4805の処理を実行することなく、ステップS4806に進む。こうして、通常減算演出は、特図2の変動表示が実行されても開始されない。従って、回数画像T1が示す回数は、宇宙モードへ移行するまでの特図の変動回数を正確に示していないことになる。この場合には、減算演出カウンタの値を減算しないため、減算演出カウンタの値と宇宙モード移行カウンタの値とがずれてくる。そこで、上述した特別減算演出(図66(H)参照)で示す減算値を抽選するための減算値抽選処理を実行する(S4806)。
ここで図64は、減算値を決定するための減算値決定乱数テーブルを示している。図64に示すように、左側に差分カウンタの値が「1」から「100」まで示されている。差分カウンタの値とは、備考1で示すように、減算演出カウンタの値から宇宙モード移行カウンタの値を減算した値である。つまり、合計変動回数(特図1の変動表示が実行された回数と特図2の変動表示が実行された回数との合計回数)と、演出変動回数(回数画像T1を示すためにカウントされた回数)とのずれを示す値である。
ステップS4806の減算値抽選処理では、減算値決定乱数を取得する。減算値決定乱数の値は、備考2で示すように、「0」〜「99」までの何れかの値である。そして、取得した減算値決定乱数と、差分カウンタの値と、図64に示す減算値決定乱数テーブルとを用いて、減算値の決定の有無と、減算値が決定された場合の具体的な値とを決定する。例えば、差分カウンタの値が「10」であり、減算値決定乱数の値が「50」であれば、減算値が決定され、且つ減算値は「10」と決定されるようになっている。
ステップS4806の減算値抽選処理により、減算値が決定された場合には(S4807でYES)、減算演出カウンタに対して、決定された減算値を減算する(S4808)。そして、演算値及び減算演出カウンタの値の情報を含む特別減算演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4809)、本処理を終える。特別減算演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は特別減算演出を実行する。具体的に特別減算演出では、決定した減算値に対応して「−(減算値)回だ!」を示す減算値画像T2(図66(H)参照)が表示されるとともに、減算演出カウンタの値に対応する回数を示す回数画像T1(図66(H)参照)が表示される。この特別減算演出により、遊技者には、通常減算演出とは異なるタイミング(予期しないタイミング)で、宇宙モードへ移行するまでの特図の変動回数が1回以上減ったと認識させることが可能であり、宇宙モードへ移行するまでのカウントダウンが急に早まった印象を与えることが可能である。
図64に示す本形態の減算値決定乱数テーブルでは、差分カウンタの値が大きいほど、減算値が決定され易くなり、且つ減算値が大きくなり易いように、減算値決定乱数範囲が設定されている。つまり、合計変動回数と特図1だけの変動表示が実行された回数との差が大きくなるほど、特別減算演出が実行された場合に示される減算値が大きくなり易い。よって、特別減算演出がなかなか実行されなかった後では、特別減算演出で示される減算値を大きくすることが可能であり、遊技者には宇宙モードへの移行が突如近づく印象を与えることが可能である。なお本形態では、減算値を1から差分カウンタの値までの何れかの値になるように抽選で決定している。つまり、減算値は様々な値として決定され得る。従って、特別減算演出で示す減算値が単調になるのを回避することが可能である。
ステップS4806の減算値抽選処理により、減算値が決定されない場合には(S4807でNO)、特別減算演出を実行しないため、本処理を終える。
[変動演出終了処理]図61に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S4901)。次に、いま変動を停止しようとしている特別図柄の変動表示の結果が大当たりか否かを判定する(S4902)。大当たりであれば(S4902でYES)、減算演出を実行しないため、減算演出フラグをOFFする(S4903)。そして、宇宙モード移行カウンタの値を「0」にリセットすると共に(S4904)、減算演出カウンタの値を「0」にリセットして(S4905)、ステップS4912に進む。
これに対して、ステップS4902で大当たりではないと判定すれば、続いて、宇宙モード移行カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4906)。つまり、時短回数が100回に設定される高確時短A状態又は高確時短B状態に移行してから、特図の変動表示が100回実行されたタイミングであるか否かを判定する。「0」でなければ(S4906でNO)、宇宙モードへ移行するタイミングではないため、ステップS4912に進む。
一方、「0」であれば(S4906でYES)、次に、減算演出カウンタの値が「0」より大きいか否かを判定する。「0」より大きければ(S4907でYES)、宇宙モードに移行するタイミングにも拘わらず、回数画像T1(図67(A)参照)で示す回数が「残り0回」を示していないことになる。従ってこの場合には、ステップS4908に進み、全減算演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。全減算演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は全減算演出を実行する。具体的に全減算演出では、「残り全ての変動消化だ!!」を示す全減算画像T3(図67(B)参照)が表示されると共に、「残り0回」を示す回数画像T1(図67(B)参照)が表示される。この全減算演出により、遊技者には、宇宙モードへ移行するまでの残りの特図の変動回数がいきなり全て消化されたと認識させることが可能であり、宇宙モードへの移行が急に達成されたことへの高揚感を与えることが可能である。
ステップS4908に続いて、減算演出カウンタの値を「0」にリセットし(S4909)、ステップS4910に進む。ステップS4910では、宇宙モード移行演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。宇宙モード移行演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は宇宙モード移行演出を実行する。具体的に宇宙モード移行演出では、「宇宙モード突入!!」を示す文字画像U2(図67(C)参照)が表示される。この宇宙モード移行演出により、遊技者には、宇宙モードに移行したことを確実に把握させることが可能である。ステップS4910の後、減算演出フラグをOFFして(S4911)、ステップS4912に進む。
ステップS4912では、いま変動を停止しようとしている特別図柄が特図1であるか否かを判定する(S4912)。特図1であれば(S4912でYES)、実行中の変動演出(特図1の変動表示に同期した変動演出)を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4913)、本処理を終える。変動演出終了コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、変動演出を終了させる。これにより、表示画面7aに変動表示(例えば上下に揺れるように表示)されていた演出図柄8L,8C,8Rは、確定的に停止表示されることとなる(揺れることなく止まって表示されることとなる)。一方、いま変動を停止しようとしている特別図柄が特図2であれば(S4912でNO)、特図2の変動表示に同期した変動演出は実行されていないため、本処理を終える。
[オープニング演出選択処理]図62に示すように、オープニング演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5001)。なお本形態では、オープニングコマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、解析したオープニングコマンドが示す特図停止図柄データが特図1を示すデータであるか否かを判定する(S5002)。特図1を示すデータであれば(S5002でYES)、オープニング演出パターンとしてバトル突入演出パターンを選択して(S5003)、ステップS5005に進む。これに対して、特図2を示すデータであれば(S5002でNO)、特図2用オープニング演出パターンを選択して(S5004)、ステップS5005に進む。
ステップS5005では、ステップS5003又はS5004で選択したオープニング演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。バトル突入演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、オープニング演出としてバトル突入演出を実行する。具体的にバトル突入演出では、図65(C)に示すように、バトル突入画像B1が表示される。このバトル突入演出により、その後のバトル勝利演出又はバトル敗北演出に至るまでの過程を盛り上げることが可能である。なお特図2用オープニング演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像を表示する。
[ラウンド演出選択処理]図63に示すように、ラウンド演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5101)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドに、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図7参照)に関する情報が含まれている。次に、解析したラウンド指定コマンドが示す特図停止図柄データが特図1を示すデータであるか否かを判定する(S5102)。特図1を示すデータであれば(S5102でYES)、更に詳細にラウンド演出パターンを選択するため、ステップS5103に進む。これに対して、特図2を示すデータであれば(S5102でNO)、特図2用ラウンド演出パターンを選択して(S5111)、ステップS5112に進む。
ステップS5103では、解析したラウンド指定コマンドが示す大当たり種別がVロング16R大当たり(特別Vロング16R大当たり又は通常Vロング16R大当たり)であるか否かを判定する。Vロング16R大当たりであれば(S5103でYES)、ラウンド演出パターンとしてバトル勝利演出パターンを選択して(S5104)、ステップS5112に進む。
またステップS5103でVロング16R大当たりでないと判定すれば、続いてVロング4R大当たり(特別Vロング4R大当たり又は通常Vロング4R大当たり)であるか否かを判定する(S5105)。Vロング4R大当たりであれば(S5105でYES)、次に当選時の遊技状態が高確非時短状態又は低確時短状態であるか否かを判定する(S5106)。高確非時短状態又は低確時短状態であれば(S5106でYES)、バトル勝利演出パターンを選択して(S5104)、ステップS5112に進む。これに対して、高確非時短状態又は低確時短状態の何れでもない(S5106でNO)、即ち当選時の遊技状態が低確非時短状態又は高確時短状態であれば、ラウンド演出パターンとしてバトル敗北演出パターンを選択して(S5107)、ステップS5112に進む。
またステップS5105でVロング4R大当たりでないと判定すれば、続いてVロング2R大当たりであるか否かを判定する(S5108)。Vロング2R大当たりであれば(S5108でYES)、次に当選時の遊技状態が低確非時短状態又は高確時短状態であるか否かを判定する(S5109)。低確非時短状態又は高確時短状態であれば(S5109でYES)、ラウンド演出パターンとして覚醒演出パターンを選択して(S5110)、ステップS5112に進む。これに対して、低確非時短状態又は高確時短状態の何れでもない(S5109でNO)、即ち当選時の遊技状態が高確非時短状態又は低確時短状態であれば、バトル勝利演出パターンを選択して(S5104)、ステップS5112に進む。
またステップS5108でVロング2R大当たりでないと判定すれば、解析したラウンド指定コマンドが示す大当たり種別がVショート5R大当たりであることになり、バトル敗北演出パターンを選択して(S5107)、ステップS5112に進む。
ステップS5112では、ステップS5104,S5107,S5110,S5111で選択したラウンド演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。バトル勝利演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出としてバトル勝利演出を実行する。具体的にバトル勝利演出では、図65(D)に示すように、バトル勝利画像B2が表示される。
またバトル敗北演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ラウンド演出としてバトル敗北演出を実行する。具体的にバトル敗北演出では、図65(H)に示すように、バトル敗北画像B3が表示される。また覚醒演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ランド演出として覚醒演出を実行する。具体的に覚醒演出では、図69(C)に示すように、覚醒画像K1が表示される。なお特図2用ラウンド演出パターンの選択に基づくラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のラウンド演出画像を表示する。
こうして本形態では、低確非時短状態又は高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率でVロング16R大当たりになる(図7参照)。この場合には、ラウンド演出としてバトル勝利演出が実行され、大当たり遊技後に高確時短A状態に対応した夜モードに設定される。このようにして、低確非時短状態又は高確時短状態で大当たりに当選すれば、図17に示すように、50%の確率でバトル勝利演出が実行されて、50%で高確率状態がループするように見せることが可能である。
これに対して、低確非時短状態又は高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、30%の確率でVロング4R大当たりになり(図7参照)、15%の確率でVショート大当たりになる(図7参照)。これらの場合には、ラウンド演出としてバトル敗北演出が実行され、大当たり遊技後に高確時短B状態に対応した潜確昼モード、又は低確非時短状態に対応した昼モードに設定される。このようにして、低確非時短状態又は高確時短状態で大当たりに当選すれば、図17に示すように、合計45%の確率でバトル敗北演出が実行されて、高確率状態に移行しなかったように見せることが可能である。なおVロング4R大当たりに基づく大当たり遊技と、Vショート大当たりに基づく大当たり遊技とでは、共に実質4Rであり、且つ第1大入賞口30の開放パターンを似せている(図8参照)。そのため第1大入賞口30の開放態様によって、上記した各大当たり遊技を見分け難くしている。
また、高確非時短状態又は低確時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、合計85%の確率で、Vロング大当たり(特別Vロング16R大当たり、通常Vロング16R大当たり、特別Vロング4R大当たり、通常Vロング4R大当たり、Vロング2R大当たり)になる(図7参照)。この場合には、ラウンド演出としてバトル勝利演出が実行され、大当たり遊技後に高確非時短状態に対応した宇宙モードに設定される。このようにして、高確非時短状態(又は低確時短状態)で大当たりに当選すれば、図17に示すように、85%の確率でバトル勝利演出が実行されて、85%で高確率状態がループするように見せることが可能である。つまり高確非時短状態では、高確時短A状態よりも確変継続率が上昇したように見せて、従来において最も有利だと思われていた高確時短状態よりも更に有利な遊技状態を作り出していると思わせることが可能である。
また、低確非時短状態又は高確時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると、5%の確率で、Vロング2R大当たりになる(図7参照)。この場合には、ラウンド演出として覚醒演出が実行されて、大当たり遊技後に高確非時短状態に対応した宇宙モードに設定される。このようにして、ラウンド演出で覚醒演出を見た遊技者には、大当たり遊技後にいきなり最も有利な高確非時短状態に移行するのを把握させることが可能であり、高揚感を与えることが可能である。
13.演出例
<演出例1>
次に本形態の演出例1について、図65に基づいて説明する。先ず図65(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、特図1の変動表示に同期した変動演出(以下「特図1変動演出」と呼ぶ)が実行されて、図65(B)に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選したこととする。このとき大当たりの種別は、通常Vロング16R大当たりであったこととする。この場合、図65(C)に示すバトル突入演出を経て、図65(D)に示すように、バトル勝利演出が実行される。そして図65(E)に示すように、大当たり遊技後に夜モードに設定されると、遊技者に高確時短状態に移行したのを把握させることが可能である。
ここで本形態の高確率状態は、次の大当たり遊技の開始まで続くため、右打ちしていればいずれ、図65(F)に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選する。このとき、大当たりの種別は通常Vロング4R大当たりであったこととする。この場合、図65(G)に示すバトル突入演出を経て、図65(H)に示すように、バトル敗北演出が実行される。そして図65(I)に示すように、大当たり遊技後に潜確昼モードに設定されることになるが、昼背景画像H1を見る遊技者には、昼モード又は潜確昼モードのどちらに設定されているのか分からない。こうして本形態では、バトル敗北演出が実行されても潜伏昼モードに設定していることがあるため、昼背景画像H1を見た遊技者には高確率状態に制御されているかもしれないと期待させつつ遊技させることが可能である。
<演出例2>
次に本形態の演出例2について、図66及び図67に基づいて説明する。先ず図66(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したことする。このとき大当たりの種別は、特別Vロング16R大当たりであったこととする。この場合、図66(B)に示すバトル突入演出を経て、図66(C)に示すように、バトル勝利演出が実行される。そして図66(D)に示すように、大当たり遊技後に夜モードに設定されると共に、宇宙モード移行示唆演出が実行される。これにより遊技者に、特図の変動表示があと100回実行されれば、有利な宇宙モードに移行できることを把握させることが可能である。その後、特図1変動演出が実行されれば、図66(E)に示すように「残り99回」を示す回数画像T1が表示され、再び特図1変動演出が実行されれば、図66(F)に示すように「残り98回」を示す回数画像T1が表示される。こうして遊技者には、宇宙モードに移行するまでのカウントダウンが実行されている印象を与えることにより、高確非時短状態に移行するまでの演出を分かり易く示すことが可能である。
その後、宇宙モードに移行してから特図1変動演出が50回実行されると、図66(G)に示すように「残り50回」を示す回数画像T1が表示される。このとき電チュー22に遊技球が入球して、特図2の変動表示が開始されたこととする。この場合、差分カウンタの値が「10」になり、図60の減算値抽選処理(S4806)で減算値が「10」に決定されたこととする(図64参照)。これにより、図66(H)に示すように、特別減算演出が実行され、宇宙モードに移行するまでの残りの特図1の変動回数(時短回数)が、抽選によっていきなり10回も減ったと思わせることが可能である。その結果、高確非時短状態に急に近づく演出として斬新な印象を与えることが可能である。
続いて、特図1変動演出が実行されれば、図66(I)に示すように「残り39回」を示す回数画像T1が表示される。その後、特図1変動演出が34回実行されると、図66(J)に示すように「残り5回」を示す回数画像T1が表示される。このとき、宇宙モードに移行してから合計変動回数(特図1の変動表示の回数と特図2の変動表示の回数の合計回数)が100回に達したこととする。この場合、図67(A)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが停止表示して、高確非時短状態の移行に伴って宇宙モードに設定されるタイミングになるが、「残り5回」を示す回数画像T1が示されていることになる。従ってこのときには、図67(B)に示すように、全減算演出が実行される。これにより、夜モードから宇宙モード(高確時短A状態から高確非時短状態)に移行するタイミングで、時短回数が100回消化されたことを正しく示していない状況が生じるのを回避することが可能である。
こうして、図67(C)に示す宇宙モード移行演出を経て、図67(D)に示すように、宇宙モードで特図1変動演出が実行されることになる。そして右打ちしていればいずれ、図67(E)に示すように、特図1の抽選で大当たりに当選する。このとき、大当たりの種別は通常Vロング4R大当たりであったこととする。この場合、上述した演出例1の場合(図65(F)〜(H)参照)と異なり、高確非時短状態で通常Vロング4R大当たりに当選した場合であるため、図67(F)に示すバトル突入演出を経て、図67(G)に示すように、バトル勝利演出が実行される。そして図67(H)に示すように、大当たり遊技後に再び宇宙モードに設定される。よって本形態では、一旦宇宙モードに設定されれば、非常に高い確率(85%)でバトル勝利演出が実行されて、非常に高い確率(85%)で宇宙モードをループさせることが可能である。
なお高確時短A状態にて時短回数が100回消化される前に、大当たりに当選した場合には、高確時短状態での大当たりの当選になる。この場合、Vロング2R大当たりを除き大当たり遊技後に高確非時短状態に移行しないことになる。従って遊技者にとっては、時短回数が消化される前に高確時短状態で大当たりに当選するよりも、時短回数の消化により高確非時短状態に移行する方が好ましい。よって、宇宙モード移行演出が実行されてから宇宙モードに設定されるまでの間では、遊技者は変動演出で大当たりに当選しないことを期待するという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
以上、演出例1と演出例2との比較から分かるように、時短状態が次の大当たり遊技の開始まで続くことになる通常Vロング大当たり(通常Vロング16R大当たり又は通常Vロング4R大当たり)よりも、時短回数が100回に設定される特別Vロング大当たり(特別Vロング16R大当たり又は特別Vロング4R大当たり)の方が、高確非時短状態に移行できるという点で、遊技者にとって好ましい。つまり従来では、時短状態が次の大当たり遊技の開始まで続くことになる大当たりの方が、時短回数が所定回数に設定される大当たりよりも好ましいパチンコ遊技機が一般的である。よって本形態では、時短回数が所定回数に設定される大当たり(特別Vロング大当たり)の方を狙うという従来とは逆のパチンコ遊技機1になっている。
そして本パチンコ遊技機1では、時短回数が100回に設定される高確時短状態に制御されたあと、図66及び図67で説明したように、時短回数が消化されるほど、遊技者にとって最も有利な遊技状態(高確非時短状)に近づいていく。そのため、徐々に期待感を上昇させていく遊技性である。これに対して、従来の一般的なパチンコ遊技機では、時短回数が消化されるほど、遊技者にとって不利な非電サポ制御状態に近づいていく。従って、徐々に焦燥感を上昇させていく遊技性である。よって本パチンコ遊技機1では、従来の一般的なパチンコ遊技機とは逆の遊技興趣を提供することが可能である。
<演出例3>
次に本形態の演出例3について、図68に基づいて説明する。先ず図68(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したことする。このとき大当たりの種別は、特別Vロング4R大当たりであったこととする。この場合、図68(B)に示すバトル突入演出を経て、図68(C)に示すように、バトル敗北演出が実行される。この場合図68(D)に示すように、大当たり遊技後に昼背景画像H1が表示されるものの、宇宙モード移行示唆演出が実行される。これにより、バトル敗北演出を見て落胆している遊技者に対して、特図の変動表示があと100回実行されれば、有利な宇宙モードに移行できるのを把握させることが可能である。
そして、特図1変動演出が実行されれば、図68(E)に示すように「残り99回」を示す回数画像T1が表示され、その後に合計変動回数が100回に達すると、図68(F)に示すように「残り0回」を示す回数画像T1が表示される。こうして、図68(G)に示す宇宙モード移行演出を経て、図68(H)に示すように、宇宙モードで特図1変動演出が実行されることになる。このようにして、バトル敗北演出が実行されても、その後に100回の時短回数の消化で有利な宇宙モードに移行し得るようにしている。
なおこの演出例3の場合であっても、上述した演出例2の場合のように、時短回数が消化される前に高確時短状態で大当たりに当選するよりも、時短回数の消化により高確非時短状態に移行する方が遊技者にとって有利になる。よって、宇宙モード移行演出が実行されてから宇宙モードに設定されるまでの間、遊技者は変動演出で大当たりに当選しないことを期待するという斬新なゲーム性を提供することが可能である。
<演出例4>
次に本形態の演出例4について、図69に基づいて説明する。先ず図69(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したことする。このとき大当たりの種別は、Vロング2R大当たりであったこととする。この場合、図68(B)に示すバトル突入演出を経て、図68(C)に示すように、覚醒演出が実行される。その後、図69(D)に示す宇宙モード移行演出を経て、図69(E)に示すように、宇宙モードで特図1変動演出が実行されることになる。こうして上述した演出例2や演出例3のように100回の時短回数を消化しないでも、覚醒演出を経て大当たり遊技後にいきなり最も有利な宇宙モードを獲得することが可能である。よって遊技者には、ラウンド演出において、覚醒演出が実行されるのを最も期待させることが可能である。なお覚醒演出が実行されるタイミングは、1R目であって(図8参照)、バトル勝利演出で主人公キャラが敵キャラに勝利するタイミング、又はバトル敗北演出で主人公キャラが敵キャラに敗北するタイミングよりも前になるように設定されている。
14.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確率状態且つ時短状態且つ入球容易状態であっても、図16に示すように、高確時短A状態と高確時短B状態とがある。ここで、高確時短B状態は、高確時短A状態よりも電チュー22に遊技球が入球し易いため、特図2の抽選が実行され易い状態といえる。しかしながら、仮に特図2の抽選で大当たりに当選すると、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態になる。よって、高確時短B状態は、遊技者にとって不利な状態である。一方、高確時短A状態では、第3始動口25への入球に基づいて特図1の抽選で大当たりに当選すると、50%の確率(第1振分率)で大当たり遊技後に再び高確時短A状態に制御される。従って、高確時短A状態であれば、50%の確率で高確率状態をループさせているように見せることが可能である。
これらに対して、高確非時短状態では、第3始動口25への入球に基づいて特図1の抽選で大当たりに当選すると、85%の確率(第2振分率)で大当たり遊技後に再び高確非時短状態に制御される。従って、高確非時短状態は、高確時短A状態よりも高確率状態へのループ率が高いように見せる極めて有利な状態である。以上要するに、高確率状態の中でも、高確時短A状態と高確時短B状態と高確非時短状態という3つの状態を作ることにより、高確率状態へのループ率が変化するように見せる斬新な遊技性を提供することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確非時短状態では、右打ちで第2流路R2に向けて遊技球を打込むものの、電チュー22へ遊技球が入球し難いため、電チュー22への入球による賞球をほぼ獲得することができない。しかしながら、第2流路R2上に配されている第3始動口25は、第1流路R1上に配されている第1始動口20よりも遊技球が入球し易くなっている。そのため、高確非時短状態では、第2流路R2に打込まれた遊技球を第3始動口25へ頻繁に入球させることにより、第3始動口25への入球による賞球を多く獲得することが可能である。よって、高確非時短状態において、打込球数(発射球数)に対する賞球数の割合であるベースが低くなるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短B状態では、第3始動口25よりも電チュー22に入球し易くなる。そのため仮に右打ちをすると、特図2の抽選が頻繁に実行されてしまい、遊技者にとって不利な状態になっている。一方、高確時短A状態では、電チュー22よりも第3始動口25に入球し易くなる。そのため右打ちすると、特図1の抽選が頻繁に実行されて、遊技者にとって有利な状態になっている。こうして、高確時短状態であっても、開放パターン(図13の開放パターンAと開放パターンB)を異ならせることにより、有利な状態と不利な状態とを作り出すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短A状態又は高確非時短状態において、第2流路R2に向けて打込まれた遊技球は、電チュー22よりも第3始動口25に入球し易い。このとき、特図1の抽選で小当たりに当選すれば、図19に示すように、特図1の小当たり変動表示中に、電チュー22への入球に基づく特図2の抽選で大当たり当選になることがない。よって、高確時短A状態又は高確非時短状態において、電チュー22への入球に基づいて大当たり当選となるのを生じ難くして、第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選で大当たり当選を獲得し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短A状態又は高確非時短状態において、第3始動口25への入球に基づく特図1の抽選が行われれば、大当たり当選を除いて必ず小当たり当選になる(図10(A)参照)。そのため、特図1の小当たり変動表示が頻繁に行われる。従って、電チュー22に遊技球が多少入球しても、特図2の抽選で大当たり当選にならないようにして、実質的に電チュー22への入球を無効化することが可能である。その結果、高確時短A状態又は高確非時短状態では、特図1の抽選のみで大当たり当選を狙う状況を作り出すことが可能である。
15.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図70〜図74に基づいて第2形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、最も有利な遊技状態である高確非時短状態への移行契機として、主に第1の場合と第2の場合と第3の場合とがあった。つまり図16に示すように、低確非時短状態又は高確時短状態にて特別Vロング16R大当たりに当選して、大当たり遊技後に高確時短A状態で100回の時短回数を消化する第1の場合があった。また、低確非時短状態又は高確時短状態にて特別Vロング4R大当たりに当選して、大当たり遊技後に高確時短B状態で100回の時短回数を消化する第2の場合があった。また、低確非時短状態又は高確時短状態にてVロング2R大当たりに当選する第3の場合があった。
これに対して第2形態では、上記した第1〜第3の場合に加えて、時短状態(高確時短状態)への制御の連続回数が所定の制限回数(本形態では5回)に至ると、時短リミッタ機能が作動して、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態になるという第4の場合がある。つまり第2形態では、高確時短状態に移行することが予定される大当たり(特別Vロング16R大当たり、通常Vロング16R大当たり、特別Vロング4R大当たり、通常Vロング4R大当たりの何れか(図7参照)、以下「高確時短大当たり」という)に連続して5回当選すると、大当たり遊技後に高確非時短状態に移行し得ることになる。なお高確時短大当たりは、通常確率状態又は高確時短状態での大当たり当選を契機として、大当たり遊技後に高確時短状態に移行し得る大当たりのことである。以下、時短リミッタ機能の追加について、上記第1形態のフローチャートと異なる点を中心に説明する。
[遊技状態設定処理]図70に示す第2形態の遊技状態設定処理(S2719)では、図48に示す第1形態の遊技状態設定処理(S2719)に比べて、ステップS2861の処理の前に時短リミッタ設定処理(S2870)が新たに設けられている。即ち、第2形態の遊技状態設定処理(S2719)では、遊技制御用マイコン81は、各種の大当たり(図7参照)の当選に基づいて大当たり遊技後の遊技状態への制御(確変フラグのON又はOFF、時短AフラグのON又はOFF、時短BフラグのON又はOFF)を一旦決めた後、時短リミッタ設定処理(S2870)を行うようになっている。
[時短リミッタ設定処理]図71に示すように、時短リミッタ設定処理(S2870)ではまず、遊技制御用マイコン81は、時短Aフラグ又は時短Bフラグの何れかがONであるか否かを判定する(S6001)。つまり、大当たり遊技後の遊技状態を時短状態に制御しようとする状況か否かを判定する。ONでなければ(S6001でNO)、時短リミッタ機能を作動させる状況でないため、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にリセットして(S6007)、本処理を終える。ここで時短リミッタ作動カウンタは、時短状態(高確時短状態)への制御の連続回数をカウントするためのものである。なお時短状態への制御の連続回数とは、実際に時短状態に制御された連続回数という意味ではなく、遊技制御用マイコン81が大当たり遊技後に制御的(内部的)に時短状態へ制御しようとした(時短Aフラグ又は時短BフラグをONした)連続回数を意味する。
ステップS6001にて、時短Aフラグ又は時短Bフラグの何れかがONであれば、続いて、時短リミッタ作動カウンタの値を「1」だけ増加させる(S6002)。そして、時短リミッタ作動カウンタの値の情報を含む時短連続回数コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S6003)、ステップS6004に進む。時短連続回数コマンドがサブ制御基板90に送信された場合の演出については、後述する。
ステップS6004では、時短リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では5回)に至っているか否かを判定する。制限回数でなければ(S6004でNO)、時短リミッタ機能を作動させる状況でないため、本処理を終える。一方、制限回数であれば(S6004でYES)、時短リミッタ機能を作動させるべく、時短Aフラグ及び時短Bフラグの何れもOFFにする(S6005)。このようにして、時短状態(高確時短状態)への制御の連続回数が5回に至ると、非時短状態(高確非時短状態)に移行させることが可能である。その後、時短リミッタ作動カウンタの値を「0」にリセットして(S6006)、本処理を終える。
なお第2形態では、上述したように、時短リミッタ作動カウンタの値の情報を含む時短連続回数コマンドをサブ制御基板90に送信するようにした。しなしながら、時短リミッタ作動カウンタの値を遊技状態指定コマンドに含まれるようにして、遊技状態指定コマンドの送信によって、時短リミッタ作動カウンタの値を演出制御用マイコン91に知らせても良い。この場合には、主制御基板80が時短連続回数コマンドを送信しないで済むことになる。
[受信コマンド解析処理]図72に示す第2形態の受信コマンド解析処理(S4301)では、図56に示す第1形態の受信コマンド解析処理(S4301)に比べて、ステップS4416の処理とステップS4417の処理が新たに設けられている。即ち、第2形態の受信コマンド解析処理(S4301)では、演出制御用マイコン91は、ステップS4416に進むと、時短連続回数コマンドを受信したか否かを判定する。受信していれば(S4416でYES)、後述する時短連続回数報知演出処理を行う(S4417)。
[時短連続回数報知演出処理]図73に示すように、時短連続回数報知演出処理(S4417)ではまず、演出制御用マイコン91は、時短連続回数コマンドを解析する(S6101)。続いて、時短連続回数コマンドの解析に基づき、時短リミッタ作動カウンタの値が制限回数(本形態では5回)に至っているか否かを判定する。制限回数でなければ(S6102でNO)、時短リミッタ作動カウンタの値の情報を含む時短連続回数報知演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6103)、本処理を終える。時短連続回数報知演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、時短連続回数報知演出を実行する。
具体的に時短連続回数報知演出では、例えば図74(C)に示すように「時短状態1(時短リミッタ作動カウンタの値)回目、宇宙モードまで残り4(5−時短リミッタ作動カウンタの値)回」を示す報知画像Z1が表示画面7aに表示される。この時短連続回数報知演出により、あとどのくらい高確時短大当たりに当選すれば高確非時短状態に移行するのかを把握させることが可能である。
また図73に示すステップS6102で、時短リミッタ作動カウンタの値が制限回数に至っていれば、時短リミッタ作動演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6104)、本処理を終える。時短リミッタ作動演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、時短リミッタ作動演出を実行する。
具体的に時短リミッタ作動演出では、図74(H)に示すように「時短状態5(制限回数)回目、宇宙モードまで残り0回」を示す報知画像Z1(図74(H)参照)が表示画面7aに表示されると共に、「時短状態解除」を示す解除示唆画像Z2(図74(H)参照)が表示画面7aに表示される。この時短リミッタ作動演出により、遊技者に時短リミッタ機能が作動したことを把握させることが可能である。
<演出例5>
次に第2形態の演出例5について、図74に基づいて説明する。先ず図74(A)に示すように、昼モードに設定されているときに、特図1の抽選で大当たりに当選したこととする。このとき大当たりの種別は、通常Vロング16R大当たりであったこととする。この場合、図74(B)に示すバトル勝利演出を経て、大当たり遊技後に高確時短A状態に制御されると共に、図74(C)に示すように夜モードに設定される。このとき、時短連続回数報知演出が実行される。つまり高確時短状態への制御が初めてであるため、図74(C)に示すように「時短状態1回目、宇宙モードまで残り4回」を示す報知画像Z1が表示される。これにより、高確時短状態への制御があと4回続くと、宇宙モードへ移行できることを把握させることが可能である。
その後、図74(D)に示すように、特図1の抽選で通常Vロング16R大当たりに当選して、夜モードにて通常Vロング16R大当たりの当選が3回連続したこととする。これにより図74(E)に示すように、大当たり遊技後に「時短状態4回目、宇宙モードまで残り1回」を示す報知画像Z1が表示されたこととする。そして、図74(F)に示すように再び特図1の抽選で通常Vロング16R大当たりに当選すると、図74(B)に示すバトル勝利演出を経て、図74(H)に示すように大当たり遊技後に時短リミッタ作動演出が実行される。
具体的に、「時短状態5回目、宇宙モードまで残り0回」を示す報知画像Z1と、解除示唆画像Z2が表示される。これにより遊技者は、高確時短大当たりに当選したものの、時短リミッタ機能の作動により宇宙モードに移行できるのを把握することが可能である。その後、図74(I)に示す宇宙モード移行演出を経て、図74(J)に示すように、宇宙モードで特図1変動演出が実行されることになる。
こうして遊技者は、100回の時短回数の消化やVロング2R大当たりに当選しないでも、高確時短大当たりに連続して5回当選して、時短リミッタ機能を作動させれば、高確非時短状態を獲得することが可能である。特に本形態のパチンコ遊技機1では、高確時短状態よりも高確非時短状態の方が遊技者にとって有利な遊技状態になっている。従って、遊技者には時短リミッタ機能の作動を期待させながら遊技を行わせることが可能であり、従来にない斬新な遊技性を提供することが可能である。
なお演出例5では、連続して5回当選した大当たりが、全て通常Vロング16R大当たりである場合について説明したが、通常Vロング16R大当たりでない高確時短大当たりに当選した場合があっても、時短リミッタ機能を作動させることは可能である。つまり通常Vロング4R、特別Vロング16R大当たり、又は特別Vロング4R大当たりに当選した場合があっても良い。例えば特別Vロング16R大当たりに当選した場合、大当たり遊技後に時短回数が100回に設定される高確時短A状態になるが、100回の時短回数が消化される前に高確時短大当たりに当選してしまったとする。この場合、高確非時短状態に移行できずに遊技者にとって不利な結果となる。しかしながら、残り3回連続して高確時短大当たりに当選すれば、時短リミッタ機能を作動させて、高確非時短状態に移行することが可能である。このようにして第2形態では、高確非時短状態への移行契機を増やすことで、遊技興趣を高めることが可能である。
以上詳細に説明したように第2形態のパチンコ遊技機1によれば、高確時短大当たりの当選に基づいて、高確時短状態への制御の連続回数が5回に至る場合、時短リミッタ機能の作動により、大当たり遊技後の遊技状態が高確非時短状態に制御される。つまり従来の高確リミッタ機能が作動する場合のように、高確率状態が通常確率状態に制御されるわけではない。従って、時短リミッタ機能が作動しても、高確率状態は残るため、遊技者には意外性がある遊技性を提供することが可能である。特に時短リミッタ機能が作動すると、高確時短状態よりも更に有利な高確非時短状態に移行できるため、高確非時短状態に移行すると不利になるという従来の遊技性とは逆の遊技性を提供することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、高確率状態に制御されているとき、次の大当たり遊技の開始まで高確率状態が維持される。従って、一旦高確時短状態に制御されれば、次回の大当たりの当選まで高確率状態が確保されていることになり、時短リミッタ機能が作動し易い遊技性にすることが可能である。即ち、高確時短状態で所定の上限回数にわたって特別図柄が変動表示されると低確非時短状態(通常遊技状態)に制御されてしまう遊技機(所謂ST機)ではないため、時短リミッタ機能がなかなか作動しなくてほぼ無意味になるのを回避することが可能である。
<その他の変形例>
上記各形態では、高確非時短状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技後に再び高確非時短状態に制御され得る確率(ループ率85%)を、高確時短A状態にて特図1の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技後に再び高確時短A状態に制御され得る確率(ループ率50%)よりも、高くなるように設定した。しかしながら、各ループ率は上記した数値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。なお各ループ率を変更する場合、図7に示す各大当たり図柄の振分率を変更すれば良い。また大当たり(大当たり図柄)の種類は、図7に示す種類に限られるものではなく適宜変更可能であり、例えばVロング2R大当たりや特別Vロング4R大当たりがないようにしても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態でのループ率を、高確時短状態(高確時短A状態)でのループ率よりも高くなるように設定することで、高確非時短状態で大当たりに当選した場合に、高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、遊技者に付与される特典が多くなり易いパチンコ遊技機1とした。つまり高確非時短状態を高確時短状態よりも有利な遊技状態になるように構成した。しかしながら、ループ率を変える方法以外で、高確非時短状態で大当たりに当選した場合に、高確時短状態で大当たりに当選した場合よりも、遊技者に付与される特典が多くなり易いように設定しても良い。例えば高確非時短状態での大当たり当選に基づく大当たり遊技の賞球数が、高確時短状態での大当たり当選に基づく大当たり遊技の賞球数よりも多くなり易いように設定しても良い。また、高確非時短状態にて一方の特図の抽選で大当たりに当選した場合のVロング(V入賞可能な)大当たりの振分率が、高確時短状態にて他方の特図の抽選で大当たりに当選した場合のVロング大当たりの振分率よりも、高くなるように設定しても良い。
また上記各形態では、高確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選に基づく大当たり遊技後に、必ず(100%の振分率で)通常確率状態に制御され得るように設定した。しかしながら必ず通常確率状態に制御されるように振分けなくても良く、通常確率状態に制御され易いように(100%未満且つ50%以上の振分率に)しても良い。但し高確時短状態にて特図2の抽選で大当たりに当選した場合には、特図1の抽選で大当たりに当選した場合よりも遊技者に不利になるように設定すると良い。
また上記各形態では、第1始動口20が第1流路R1上にスタートが「5」(左打ちされた100球の遊技球のうち5球程度が入球可能)になるように配されていて、第3始動口25が第2流路R2上にスタートが「25」(右打ちされた100球の遊技球のうち25球程度が入球可能)になるように配した。しかしながら、高確時短A状態又は高確非時短状態で右打ちしたときのベースが、低確非時短状態で左打ちしたときのベースよりも高くなれば、第1始動口20に関するスタートや第3始動口25に関するスタートは、適宜変更可能である。
また上記各形態では、時短状態での電チュー22の開放パターンに開放パターンAと開放パターンBとを設定し、電チュー22への入球し易さが大きく異なる入球容易状態Aと入球容易状態Bとを作り出した。これにより高確率状態の中でも、高確時短A状態と高確時短B状態とを作り出した。しかしながら、入球容易状態Aと入球容易状態Bとを作り出さずに、1つの高確時短状態だけがあるようにしても良い。この場合、高確時短状態では右打ちを行って、特図1の抽選で大当たりに当選すれば85%の確率で再び高確時短状態を獲得し得るものの、特図2の抽選で大当たりに当選すれば通常確率状態に落ちてしまうというゲーム性にしても良い。
また上記各形態では、高確時短B状態において、右打ちにより第1始動口20への入球を狙わせて、特図1の抽選が実行されるようにした。しかしながら、高確時短B状態において、右打ちにより電チュー22(第2始動口21)や第3始動口25への入球を狙わせて、特図2の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技後に通常確率状態に落ちるような遊技性にしても良い。
また上記各形態では、左打ち(第1流路R1への遊技球の打込み)を行う通常遊技状態(第1遊技状態)で小当たり遊技の実行により右打ち報知を行わないようにすると共に、右打ち(第2流路R2への遊技球の打込み)を行う高確非時短状態(第2遊技状態)でベースを高くするために、第1流路R1と第2流路R2との合流部分G1に第2大入賞口35を配した(図2参照)。しかしながら、左打ちを行う第1遊技状態と右打ちを行う第2遊技状態との関係は、適宜変更可能である。例えば左打ちを行う第1遊技状態を高確非時短状態(所謂潜伏確変状態)としたり、右打ちを行う第2遊技状態を入球容易状態(高確時短状態や低確時短状態等)としても良い。
また上記各形態では、小当たり遊技で開放する第2大入賞口35を、遊技領域3の下側で左右方向の中央に配置した(図2参照)。しかしながら、左打ちで第1流路R1を流下する遊技球が到達し得ると共に、右打ちで第2流路R2を流下する遊技球が到達し得るように配置されていれば、第2大入賞口35の位置は適宜変更可能である。
また上記各形態では、第2大入賞口(特別入賞口)35を、小当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にして、第1大入賞口30を、大当たり遊技でのみ開放する専用の大入賞口にした。しかしながら、小当たり遊技で開放する特別入賞口は、大当たり遊技で開放することが有るようにしても良い。また小当たり遊技で開放する特別入賞口は、特定領域39のようなV通過領域を備える大入賞装置側の大入賞口であっても良い。
また上記各形態では、高確非時短状態(特定遊技状態)に制御されているときに特図1の抽選が大当たり当選である場合には、特図2の抽選が大当たり当選である場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技を実行し易いように設定した(図7参照)。そして高確非時短状態(特定遊技状態)で遊技球が電チュー22に入球しても、特図1の抽選で大当たりの当選を獲得し易い状況を作り出した。しかしながら、上述した設定及び状況を作り出すための特定遊技状態は、高確非時短状態に限られるものではなく、低確非時短状態(通常遊技状態)、高確時短状態、低確時短状態等、その他の遊技状態であっても良い。
また上記各形態では、特図1の小当たり変動表示中に、特図2の抽選(特図2大当たり判定処理)を行うと、当該特図2の抽選の結果を大当たり当選にならないように(図36のステップS1605をパス)し、且つ特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選(特図1大当たり判定処理)を行うと、当該特図1の抽選の結果を大当たり当選にならないように(図32のステップS1305をパス)した(図19参照)。しかしながら、特図1の小当たり変動表示中に、特図2の抽選を行うと大当たりであるかの判定を行うようにしても良い。又は、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選を行うと大当たりであるかの判定を行うようにしても良い。また通常の同時変動のパチンコ遊技機のように、特図1の小当たり変動表示中に、特図2の抽選を行うと大当たりであるかの判定を行い、特図2の小当たり変動表示中に、特図1の抽選を行うと大当たりであるかの判定を行うようにしても良い。
また上記各形態では、特図1の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行するものの、特図2の変動表示及び停止表示の同期した変動演出を実行しないようにした。しかしながら、特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行するようにしても良い。また例えば時短回数が100回に設定される高確時短状態の間(制限時短状態期間)では、特図2の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行するものの、特図1の変動表示及び停止表示に同期した変動演出を実行しないようにしても良い。この場合には、電チュー22への入球に基づいて通常減算演出(図66(E)参照)を実行し、第3始動口25への入球に基づいて特別減算演出(図66(H)参照)や全減算演出(図67(B)参照)を実行するようにしても良い。なお特図1又は特図2の何れの変動表示及び停止表示であっても変動演出を実行するようにしても良い。
また上記各形態では、時短回数が100回に設定される高確時短状態の間(制限時短状態期間)だけ、特別減算演出(図66(H)参照)や全減算演出(図67(B)参照)が実行され得るようにした。しかしながら、特別減算演出(図66(H)参照)や全減算演出(図67(B)参照)が実行され得る期間は、時短回数が設定される高確時短状態に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば特定期間を、時短回数が設定される低確時短状態や、或る特定の時間帯(例えば午前中)等であっても良い。
また上記各形態では、時短回数が100回に設定される高確時短状態に移行してから高確非時短状態に移行するまでの間、回数画像T1が示す回数(残り何回)を減算表示した。しかしながら、回数画像T1が示す回数を加算表示(カウントアップ表示)して、100回に達すると高確非時短状態への移行を示すようにしても良い。この場合には、ステップS4806の処理で加算値抽選処理を行い、加算値が決定されたら、ステップS4809の処理で特別加算演出コマンドをセットする。これにより表示画面7aにて、回数画像が示す回数を加算値だけ増加させて表示すれば良い。
また上記各形態では、図64に示す減算値決定乱数テーブルを用いて、特別減算演出により回数画像T1が示す回数を減算するための減算値を抽選で決定した。つまり、特別減算演出が実行されるための所定条件の成立を、図64に示す減算値決定乱数テーブルを用いて減算値が決定されることとした。しかしながら所定条件の成立は、適宜変更可能であり、例えば差分カウンタの値が「5」になると、減算値を「5」に決定して、回数画像T1が示す回数が「5」だけ減算されるように特別減算演出を実行しても良い。
また上記各形態では、時短回数(100回)が設定される高確時短状態に移行してから、高確時短状態よりも有利な高確非時短状態に移行するまでの間に、特別減算演出を実行し得るようにした。しかしながら、時短回数が設定される高確時短状態から、当該高確非時短状態よりも不利な高確非時短状態に移行するまで間に、特別減算演出を実行し得るようにしても良い。またST回数が設定される高確時短状態から、当該高確時短状態よりも不利な通常遊技状態に移行するまでの間に、特別減算演出を実行し得るようにしても良い。
また上記第2形態では、時短状態(高確時短状態)への制御の連続回数が5回(所定の制限回数)に至ると、時短リミッタ機能が作動して、大当たり遊技後の遊技状態を非時短状態(高確非時短状態)に制御した。しかしながら、時短リミッタ機能が作動するまでの時短状態への制御の連続回数は、5回に限られるものではなく、2回以上であれば適宜変更可能である。なお所定の制限回数を変更する場合には、ステップS6004の判定処理において制限回数の値を5回以外に変更すれば良い。
また上記第2形態では、高確率状態に制御可能なパチンコ遊技機1において、時短リミッタ機能の作動により、高確時短状態への制御から高確非時短状態への制御に切替えるようにした。しかしながら、高確率状態に制御することがないパチンコ遊技機(例えばいわゆる1種2種混合機)において、時短リミッタの作動により、時短状態への制御から非時短状態への制御に切替えるようにしても良い。
また上記各形態では、特図1の抽選の結果が特図2の抽選の結果よりも、遊技者に有利になるように設定した。しかしながら、特図2の抽選の結果が特図1の抽選の結果よりも、遊技者に有利になるように設定しても良い。つまり、上記各形態における第1特別図柄と第2特別図柄との関係を逆にして実行しても良い。
また上記各形態では、特図1の抽選(第1当たり判定)の結果は、小当たり当選又は大当たり当選のいずれかであり、ハズレを全く含まない構成であったが、実質的にハズレを含まない構成であっても良い。ここで実質的にハズレを含まない構成とは、ハズレの確率が例えば1/2000以下であるなど、ハズレとなることがほとんどない構成である。又は、特図1の抽選の結果は、小当たり当選又は大当たり当選の他に、ハズレを含む構成としても良い。なお特図1の抽選の結果がハズレ(小当たりを除く)となる確率が高くなるほど、特図1の小当たり変動表示によって特図2の抽選による大当たり判定をキャンセルし難くなる。従って、この場合には、特図1の変動時間が長くなり易いように設定するか、特図2の変動時間が短くなり易いように設定することで、特図1の小当たり変動表示によって特図2の抽選による大当たり判定をキャンセルし易くすることが可能である。
また上記各形態では、特図2の抽選(第2当たり判定)の結果は、小当たり当選又は大当たり当選のいずれかであり、ハズレを全く含まない構成であったが、実質的にハズレを含まない構成であっても良い。ここで実質的にハズレを含まない構成とは、ハズレの確率が例えば1/2000以下であるなど、ハズレとなることがほとんどない構成である。又は、特図2の抽選の結果は、小当たり当選又は大当たり当選の他に、ハズレを含む構成としても良い。なお特図2の抽選の結果がハズレ(小当たりを除く)となる確率が高くなるほど、特図2の小当たり変動表示によって特図1の抽選による大当たり判定をキャンセルし難くなる。従って、この場合には、特図2の変動時間が長くなり易いように設定するか、特図1の変動時間が短くなり易いように設定することで、特図2の小当たり変動表示によって特図1の抽選による大当たり判定をキャンセルし易くすることが可能である。
また上記各形態では、図13に示すように、通常遊技状態での電チュー22の開放パターンXを、仮に右打ちしたときに電チュー22に入球し得る開放パターンにした。しかしながら、例えば電チュー22に入球不可能な開放パターンにしても良く、適宜変更可能である。また、入球容易状態Aでの電チュー22の開放パターンAを、右打ちしたときに電チュー22よりも第3始動口25に入球し易い開放パターンにした。しかしながら、例えば電チュー22と第3始動口25に同程度に入球可能な開放パターンにしても良く、適宜変更可能である。また、入球容易状態Bでの電チュー22の開放パターンBを、仮に右打ちしたときに第3始動口25よりも電チュー22に入球し易い開放パターンにした。しかしながら、例えば電チュー22と第3始動口25に同程度に入球可能な開放パターンにしても良く、適宜変更可能である。なお開放パターンを変える場合には、図13に示す開放時間、閉鎖時間、開放回数等を適宜変えれば良い。
また上記各形態では、図11に示すように、非時短状態での第1特別図柄の変動時間と時短状態での第1特別図柄の変動時間とが、ほとんど同じになるように設定した。しかしながら、時短状態での第1特別図柄の変動時間を、非時短状態での第1特別図柄の変動時間よりも明らかに短くなるように設定しても良い。また図13に示す変動時間の値はあくまで一例であって、適宜変更可能である。例えば、非時短状態での第2特別図柄の変動時間は、常に30000msである必要はなく、30000msよりも短くしても良い。また時短状態での第2特別図柄の変動時間は、常に100msである必要はなく、100msよりも長くしても良い。
また上記各形態では、時短回数(時短状態の上限実行回数)として、特図1の変動と特図2の変動との合計変動回数をカウントする構成としたが、特図1の変動回数だけをカウントする構成や、特図2の変動回数だけをカウントする構成としてもよい。なお時短回数は100回又は50回に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記各形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の総開放時間を0.1秒とした。しかしながら、少なくとも1球の入賞が可能な時間であれば、適宜変更可能である。但し意図しない量の賞球がなされないように、特別入賞口の総開放時間を1.8秒以下としておくことが望ましい。
また上記各形態では、大当たり遊技後の遊技状態は、当たりの種類(大当たり図柄の種類)と当選時の遊技状態との組合せに基づいて決定したが、当たりの種類だけに基づいて決定するようにしても良い。
また上記各形態では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口25への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、高確率状態への制御が所定の上限回数にわたって特別図柄の変動表示が実行されると終了するいわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。
また上記各形態では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行でき、且つ、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行できるように構成した。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成した。しかしながら一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、一方の特図の変動表示を他方の特図の変動表示に優先して実行するように構成しても良い。或いは、一方の特図の変動表示中には他方の特図の変動表示を実行できないようにして、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合せて実施することは勿論可能である。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下〈A〉〜〈E〉の発明が示されている。以下の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<A>
遊技球が流下可能な遊技領域(3)に配されていて遊技球の入球し易さが変わらない固定入球口(第1始動口20,第3始動口25)と、
前記遊技領域に配されていて遊技球の入球し易さが変化可能な可変入球口(第2始動口21)と、前記可変入球口へ遊技球が入球可能な開状態(退避状態)と前記可変入球口へ入球不可能又は前記開状態よりも入球困難な閉状態(進出状態)とをとる開閉部材(23)と、を有する可変入球手段(電チュー22)と、
前記固定入球口への入球に基づいて判定情報(大当たり乱数等の各種乱数の値)を取得する第1判定情報取得手段(ステップS207を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記可変入球口への入球に基づいて判定情報を取得する第2判定情報取得手段(ステップS211を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて少なくとも大当たりであるかの第1当たり判定(特図1大当たり判定処理)を行い、前記第2判定情報取得手段により取得された判定情報に基づいて少なくとも大当たりであるかの第2当たり判定(特図2大当たり判定処理)を行う当たり判定手段(ステップS1202,S1502を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記第1当たり判定が行われるとその判定結果を示す第1識別図柄(第1特別図柄)を変動表示したあと停止表示する第1識別図柄表示手段(第1特別図柄表示器41a)と、
前記第2当たり判定が行われるとその判定結果を示す第2識別図柄(第2特別図柄)を変動表示したあと停止表示する第2識別図柄表示手段(第2特別図柄表示器41b)と、
前記第1識別図柄表示手段又は前記第2識別図柄表示手段により大当たり当選を示す大当たり停止態様にて前記第1識別図柄又は前記第2識別図柄が停止表示されたあと、遊技者に有利な大当たり遊技を行う大当たり遊技実行手段(ステップS1009,S1109を実行する遊技制御用マイコン81)と、
通常確率状態又は前記通常確率状態よりも前記当たり判定手段により大当たり当選であると判定される確率が高い高確率状態に制御可能であると共に、
前記可変入球口へ遊技球が入球不可能或いは入球困難な非入球容易状態、又は前記非入球容易状態よりも前記可変入球口へ遊技球が入球し易い入球容易状態に制御可能な遊技状態制御手段(ステップS2719を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記入球容易状態には、第1入球容易状態(入球容易状態A)と前記第1入球容易状態よりも前記可変入球口へ遊技球が入球し易い第2入球容易状態(入球容易状態B)とが少なくともあり、
前記高確率状態且つ前記第2入球容易状態(以下「高確第2入球容易状態(高確時短B状態)」という)で前記第2当たり判定が大当たり当選である場合に、当該大当たり当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が前記通常確率状態に制御され易いように設定され、
前記高確率状態且つ前記第1入球容易状態(以下「高確第1入球容易状態(高確時短A状態)」という)で第1当たり判定が大当たり当選である場合に、所定の第1振分率(50%)で、当該大当たり当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が再び前記高確第1入球容易状態に制御され得るように設定され、
前記高確率状態且つ前記非入球容易状態(以下「高確非入球容易状態(高確非時短状態)」という)で前記第1当たり判定が大当たり当選である場合に、前記第1振分率よりも高い第2振分率(85%)で、当該大当たり当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が再び前記高確非入球容易状態に制御され得るように設定されている(図7参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態且つ入球容易状態であっても、高確第1入球容易状態と高確第2入球容易状態とがある。ここで、高確第2入球容易状態は、高確第1入球容易状態よりも可変入球口へ遊技球が入球し易いため、第2当たり判定が実行され易い状態といえる。しかしながら、仮に第2当たり判定にて大当たりに当選すると、大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態に制御され易い。よって、高確第2入球容易状態は遊技者にとって不利な状態である。
一方、高確第1入球容易状態では、固定入球口への入球に基づく第1当たり判定にて大当たりに当選すると、第1振分率で大当たり遊技後に再び高確第1入球容易状態に制御される。従って、高確第1入球容易状態であれば、第1振分率で高確率状態をループさせているように見せることが可能である。
これらに対して、高確非入球容易状態では、固定入球口への入球に基づく第1当たり判定にて大当たりに当選すると、第1振分率よりも高い第2振分率で大当たり遊技後に再び高確非入球容易状態に制御される。従って、高確非入球容易状態は、高確第1入球容易状態よりも高確率状態へのループ率が高いように見せる最も有利な状態である。
以上要するに、高確率状態の中でも、高確第1入球容易状態と高確第2入球容易状態と高確非入球容易状態という3つの状態を作ることにより、高確率状態へのループ率が変化するように見せる斬新な遊技性を提供することが可能である。
<B>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記遊技領域には、第1流路(R1)と前記第1流路と異なる第2流路(R2)が設けられていて、
前記第1流路又は前記第2流路のいずれかに向けて遊技球を打込むことが可能な遊技球打込手段(ハンドル60)が設けられていて、
前記固定入球口には、前記第1流路上に配されている第1固定入球口(第1始動口20)と、前記第2流路上に配されている第2固定入球口(第3始動口25)とがあり、
前記可変入球口は、前記第2流路に配されていて、
前記第1固定入球口と前記第2固定入球口とは、
所定数(100球)の遊技球が前記第2流路に打込まれたときに前記第2固定入球口に入球する遊技球の数(25球)が、前記所定数の遊技球が前記第1流路に打込まれたときに前記第1固定入球口に入球する遊技球の数(5球)よりも多くなるように配されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、高確非入球容易状態では、第2流路に向けて遊技球を打込むものの、可変入球口へ遊技球が入球し難いため、可変入球口への入球による賞球をほぼ獲得することができない。しかしながら、第2流路上に配されている第2固定入球口は、第1流路上に配されている第1固定入球口よりも遊技球が入球し易くなっている。そのため、高確非入球容易状態では、第2流路に打込まれた遊技球を第2固定入球口へ頻繁に入球させることにより、第2固定入球口への入球による賞球を多く獲得することが可能である。よって、高確非入球容易状態において、打込球数(発射球数)に対する賞球数の割合であるベースが低くなるのを回避することが可能である。
<C>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記第2流路には、通過領域(ゲート28)が配されていて、
前記通過領域への遊技球の通過に基づいて通過用情報(普通図柄乱数等の各種乱数の値)を取得する通過用情報取得手段(ステップS203を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記通過用情報取得手段により取得された通過用情報に基づいて普通当たりであるかの普通当たり判定(当たり判定処理)を行う普通当たり判定手段(ステップS305を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記普通当たり判定が行われるとその判定結果を示す普通図柄を変動表示したあと停止表示する普通図柄表示手段(普通図柄表示器42)と、
前記普通当たり判定の結果が普通当たり当選である場合に、前記開閉部材の開放パターン(図13参照)を設定する開放パターン設定手段(ステップS317,S319,S320を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記普通図柄表示手段により普通当たり当選を示す普通当たり停止態様にて前記普通図柄が停止表示されたあと、前記開放パターン設定手段により設定された開放パターンにて前記開閉部材を前記閉状態から前記開状態にする補助遊技を行う補助遊技実行手段(ステップS321を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記開放パターン設定手段は、
前記第1入球容易状態に制御されているときの前記開放パターンを、遊技球が前記可変入球口よりも前記第2固定入球口に入球し易くなる第1開放パターン(開放パターンA)に設定する一方、
前記第2入球容易状態に制御されているときの前記開放パターンを、遊技球が前記第2固定入球口よりも前記可変入球口に入球し易くなる第2開放パターン(開放パターンB)に設定するものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、高確第2入球容易状態であれば、第2固定入球口よりも可変入球口に入球し易くなる。そのため、第2当たり判定が実行され易い状態になり、遊技者にとって不利な状態になる。一方、高確第1入球容易状態であれば、可変入球口よりも第2固定入球口に入球し易くなる。そのため、第1当たり判定が実行され易い状態になり、遊技者にとって有利な状態になる。こうして、高確率状態且つ入球容易状態であっても、開放パターンを異ならせることにより、有利な状態と不利な状態という大きく異なる状態を作り出すことが可能である。
<D>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記第1識別図柄表示手段は、前記第2識別図柄の変動表示中であっても前記第1識別図柄の変動表示を実行可能なものであり、
前記第2識別図柄表示手段は、前記第1識別図柄の変動表示中であっても前記第2識別図柄の変動表示を実行可能なものであり、
前記第1当たり判定には、小当たりであるかの判定が含まれていて(図10(A)参照)、
少なくとも前記第1識別図柄表示手段により小当たり当選を示す小当たり停止態様にて前記第1識別図柄が停止表示されたあと、前記遊技領域に配された特別入賞口(第2大入賞口35)を所定の開放態様にて開放する小当たり遊技を行う小当たり遊技実行手段(S1010を実行する遊技制御用マイコン81)を備え、
前記当たり判定手段は、
前記第1当たり判定の結果が小当たり当選であることに基づく前記第1識別図柄の変動表示中に前記第2当たり判定を行うと、当該第2当たり判定の結果を大当たり当選にしないものである(ステップS1605の処理をパスする、図19参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、高確第1入球容易状態又は高確非入球容易状態において、第2流路に向けて打込まれた遊技球は、可変入球口よりも第2固定入球口に入球し易い。このとき、第1当たり判定で小当たりに当選すれば、小当たり当選に基づく第1識別図柄の変動表示中(第1識別図柄の小当たり変動表示中)に、可変入球口への入球に基づく第2当たり判定で大当たり当選になることがない。よって高確第1入球容易状態又は高確非入球容易状態において、可変入球口への入球に基づいて大当たり当選となるのを生じ難くして、第2固定入球口への入球に基づく第1当たり判定で大当たり当選を獲得し易くすることが可能である。
<E>上記構成の遊技機を次のように構成してもよい。
前記当たり判定手段は、前記高確率状態に制御されているときの前記第1当たり判定の結果を、大当たり当選又は小当たり当選のいずれかに実質的にするものである(図10(A)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、高確第1入球容易状態又は高確非入球容易状態において、第2固定入球口への入球に基づく第1当たり判定が行われれば、大当たり当選を除いて必ず小当たり当選になる。そのため、小当たり当選に基づく第1識別図柄の変動表示が頻繁に行われる。従って、可変入球口へ遊技球が多少入球しても、第2当たり判定でほぼ大当たり当選にならないようにして、実質的に可変入球口への入球を無効化することが可能である。その結果、高確第1入球容易状態又は高確非入球容易状態では、第1当たり判定のみで大当たり当選を狙う状況を作り出すことが可能である。