<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA,B」の2種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりC,D」の2種類は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、および「大当たりB」になると、いずれもラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりC」、および「大当たりD」になると、いずれもラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15ラウンド大当たり)となる。更に、上記各大当たりが終了した後は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後に普通図柄の当たり確率がアップする。加えて、大当たり遊技中に特定条件を満たした場合(球が後述する確変スイッチ65e3を通過した場合)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。特別図柄の高確率状態が付与された場合には、その特別図柄の高確率状態、および普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が50回終了するまで継続する。一方、特別図柄の高確率状態が付与されなかった(大当たり遊技において確変スイッチ65e3を球が通過しなかった)場合は、普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで継続する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合は、その大当たりが終了してから特別図柄の変動が50回終了するまで「特別図柄の高確率状態」となるが、特別図柄の確変期間は50回に限られず、任意に定めてもよい。また、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態を継続させてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、大当たりとなり、その大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「普通図柄の時短状態」は、大当たり終了後から特別図柄の変動表示が100回終了するまで継続される。特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から、50回分、または100回分の特別図柄の変動表示が終了するまで継続される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Dに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図8を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図9参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(図7参照)が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図8は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64に対して正面視右下側には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第2入球口640は、図2に示した通り、右側に開閉可能な電動役物640aが設けられており、電動役物640aが開状態となった場合は右方向から流下した球が入球可能となる。従って、第2入球口640へと球を入球させるには、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下させる(所謂、右打ちを行う)必要がある。
第2入球口640の正面視右上には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。即ち、通常時は特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たりとなることにより開放され、特定入賞口65aへと球が入球可能となる。
また、可変入賞装置65の内部には、球が通過可能な複数の流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)が設けられている。可変入賞装置65の内部へと流入した遊技球は、いずれかの流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路65e2には、球が通過することで大当たり後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される確変スイッチ65e3が設けられている。この特別排出流路65e2は、大当たりの1ラウンド目においてのみ通過可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと球が入球可能となる(開閉扉65f1が開放される)期間と、球が特別排出通路65e2を流下可能となる期間とを、遊技状態、および大当たり種別に応じて異ならせる構成としている。
より具体的には、大当たりの1ラウンド目における開閉扉65f1の開閉動作と、大当たり開始後の可変入賞装置65内の流路の切り替わりとについて、大当たり種別によらず同一の動作パターンが設定されるように構成している(図7参照)。一方で、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させる構成としている。これにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間とをずらしたり、一致させたりすることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において球が特別排出流路65e2へと流下するか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができるので、大当たり中の遊技が単調となってしまう事を防止(抑制)することができる。
ここで、図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、右第1入球口631側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも0.2秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たりが開始してからの経過時間に対応付けて作動タイミングと作動時間が設定されている。詳細については図7を参照して後述するが、本実施形態では、大当たり開始後0.5秒〜0.7秒の範囲と、3.5秒〜5.5秒の範囲で切替部材65hが作動し、確変スイッチ65e3へと続く流路が通過可能な状態になる。
次に、図6(b)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、1の大当たりにおける流路ソレノイド65kの動作と、開閉板65f1の開閉動作との対応関係について説明する。上述した通り、本実施形態では、大当たりが開始されてから、大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)を、大当たりとなった時点における遊技状態、および大当たり種別に応じて可変させることにより、特定入賞口65aが開放状態となる期間と、特別排出流路65e2を流下可能となる期間との対応関係を可変させている。本実施形態では、オープニング期間として、2種類のパターン(オープニングA、オープニングB)が設けられている。
図7は、流路ソレノイド65kの動作の計時変化と、オープニングA,Bが設定された場合における、特定入賞口65aの開閉タイミングとの計時変化を模式的に示した図である。図7の上段に示した通り、流路ソレノイド65kは、大当たり開始前はオフ状態に保たれている。即ち、大当たり開始前は、通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態(図6(b)参照)となる。このオフ状態は、大当たりが開始した(オープニング期間になった)後も0.5秒間継続する。そして、大当たりの開始から0.5秒が経過すると、流路ソレノイドが0.2秒間だけオン状態に設定される。即ち、特別排出流路65e2へ球が流下可能な状態(図6(a)参照)となる。
0.2秒間のオン状態の期間が終了すると、再度、流路ソレノイド65kがオフ状態に設定される。このオフ状態の期間は大当たりの開始から3.5秒経過するまで(オフ状態に設定されてから2.8秒間が経過するまで)継続する。そして、オフ状態となる期間が経過すると、再度、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態に設定され(即ち、特別排出流路65e2が通過可能となり)、以降は大当たりが終了するまでオフ状態に保たれる。
また、図7の中段に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりが開始すると、0.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始される。即ち、閉鎖されていた開閉板65f1が開放される。開閉板65f1が開放されることにより、可変入賞装置65の内部へと球が入球可能となる。なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンドは球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、1ラウンドが開始されてから1秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。1秒以内に10個の球を特定入賞口65aへと入球させることは困難なので、基本的に大当たりの1ラウンド目では、開閉版65f1が1秒間開放される。1ラウンドが終了すると、開閉版65f1が閉鎖されると共にインターバル期間が設定される。そして、以降は開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。なお、大当たりの2ラウンド目以降は、球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、ラウンドが開始されてから30秒間が経過するまで開閉版65f1が開放状態に設定される。
図7に示した通り、オープニングAが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの0.2秒間のオン期間の始期とが一致する。しかしながら、特定入賞口65aへと入球した球が特別排出流路65e2の入り口へと到達するまでにはタイムラグが生じるため、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される0.2秒間に、球を特別排出流路65e2へと進行させることは困難となる。よって、オープニングAが設定された場合には、大当たり中に球を確変スイッチ65e3に到達させることができないので、大当たり後は基本的に特別図柄の低確率状態が設定される。なお、オープニングAが開始された場合にも、1ラウンドの開始と同時に球を特定入賞口65aへと入球させ、且つ、球が最短距離を流下した場合には、切替部材65hの誘導片65h2によって特別排出流路65e2の入り口が塞がれる前に特別排出流路65e2へと球を流下させることができる。よって、オープニングAが設定された場合でも、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
また、図7の下段に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりが開始すると、3.5秒間のオープニング期間を経て、大当たりの1ラウンドが開始され、開閉板65f1が開放される。この開放状態は、オープニングAが設定された場合と同様に、1秒間継続し、1秒が経過すると、開閉板65f1が閉鎖されてインターバル期間が設定される。そして、以降はオープニングAが設定される大当たりと同様に、開閉板65f1が開放されるラウンド期間と、インターバル期間とが繰り返される。
図7に示した通り、オープニングBが設定された場合には、大当たりの1ラウンドの開始タイミングと、流路ソレノイド65kの2秒間のオン期間の始期とが一致する。即ち、特定入賞口65aへと入球した球のほとんどを、特別排出流路65e2へと流下させることができる。よって、オープニングBが設定された場合には、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過可能となるため、1ラウンド目に球を可変入賞装置65へ向けて打ち出しさえすれば、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
このように、本実施形態では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さを異ならせている。なお、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図9を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図10参照)が設けられている。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図24参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図24参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(a)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「1〜10」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図12(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/400」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図12(b)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA〜D)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図13(a)〜(d)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図13(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図13(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図13(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図13(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図13(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図13(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図13(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図13(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図12(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図12(c)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図12(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は1個あり、その当たりは「0」である。この乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0」であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×3回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「1秒間×3回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図9に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図32参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図31参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
次に、ROM202、及びRAM203の具体的な内容について、図11〜図15を参照して説明する。図11は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、およびオープニング選択テーブル202eが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「1〜10」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図12(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図12(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図12(b)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりA」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりB」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。よって、通常状態において大当たりBになると、大当たり後に確変状態へと移行させることが困難となるため、通常状態で大当たりAとなった場合に比較して遊技者に不利となる。
また、図12(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC」は当選時の遊技状態に拘わらず、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となる)大当たり種別である。第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される大当たりよりもラウンド数が多い上に、当選時の遊技状態とは無関係に1ラウンド目に確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となるので、大当たりCは遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、「大当たりC」と同様にラウンド数が15ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりD」は、当選時が通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であれば、オープニングAが設定され(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過困難となり)、当選時が通常状態以外であれば、オープニングBが設定される(即ち、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過可能となる)大当たり種別である。この「大当たりD」は、通常状態以外の状態で当選すると、「大当たりC」と同様にラウンド数が多い上、大当たりの1ラウンド目で球が確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるため、遊技者にとって有利となる。一方、通常状態で当選すると、確変スイッチ65e3を球が通過困難となるため、通常状態では、「大当たりA」や「大当たりC」に比較して遊技者に不利となる。
なお、通常状態で「大当たりD」となった場合にオープニングAが設定される構成としているのは、通常状態において第2入球口640を狙って球を打ち出す(右打ちする)変則的な遊技方法を抑制するためである。仮に、第2特別図柄の抽選で「大当たりD」となった場合に、通常状態でもオープニングBが設定されるように構成すると(即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、遊技状態に関係なく確変スイッチ65e3を容易に通過可能となるように構成すると)、50%の割合で大当たりBが決定される(確変状態に移行し難いオープニングAが設定される)第1特別図柄の抽選よりも、大当たりとなった場合に確実にオープニングBが設定される第2特別図柄の抽選を実行させた方が有利と考える遊技者が現れる可能性がある。そこで、本実施形態では、通常状態で第2特別図柄の抽選を実行させるメリットを低減すべく、通常状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合には、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に50%の割合で確変状態に移行し難いオープニングAが設定される構成としている。このように構成することで、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させることにより、確変状態の突入率を向上させようとする変則的な遊技方法を成り立たなくすることができる。
なお、本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図12(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0」が規定されている(図12(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図12(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図13(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
オープニング選択テーブル202eは、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。このオープニング選択テーブル202eの詳細について、図14を参照して説明する。
図14は、オープニング選択テーブル202eの規定内容を示した図である。図14に示した通り、オープニング選択テーブル202eには、大当たり種別に対応するオープニング種別が、大当たりに当選した時点の遊技状態毎に規定されている。具体的には、大当たりAとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。即ち、大当たりAになると、当選時の遊技状態に拘わらず、このオープニング選択テーブルから確変状態へと移行し易くなるオープニングBが読み出されて設定されるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりBとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。よって、時短状態や確変状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し易くなるオープニングBが設定されるが、通常状態で大当たりBとなった場合には、確変状態へと移行し難くなるオープニングAが設定される。よって、通常状態で大当たりBになると遊技者にとって不利になる。
大当たりCとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりAと同様に、通常状態、時短状態、および確変状態に対してそれぞれオープニングBが対応付けて規定されている。また、大当たりDとなった場合に決定されるオープニング種別としては、大当たりBと同様に、通常状態に対してオープニングAが、時短状態、および確変状態に対してオープニングBが、それぞれ対応付けて規定されている。
このように、本実施形態では、オープニング選択テーブル202eを用いることで、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいてオープニング種別を切り替える構成としている。より具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過困難となる一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に確変スイッチ65e3を通過容易となるように構成している。よって、通常状態では、大当たり種別に応じて特別図柄の確変状態へと移行し易くなるか、移行し難くなるかが変わるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たりの1ラウンド目で確変スイッチ65e3を通過容易となる。従って、通常状態以外の状態において大当たりとなった場合には、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行することもほぼ確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
次に、RAM203の詳細について、図15を参照して説明する。図15は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図15に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、大当たりフラグ203s、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS207参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS208、図27のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図27のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図25のS210参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図29のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図29のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図29のS603:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態では、普通図柄の時短状態となる。よって、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変カウンタ203gは、初期値が0に設定されており、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時に50が設定される(図35のS1202参照)。また、特別図柄変動処理(図25参照)において変動時間が経過したと判別される毎に、値が1ずつ減算される(図25のS220参照)。また、確変カウンタ203gは、大当たり遊技が開始される場合に値が0にリセット設定される(図33のS1005参照)。
この確変カウンタ203gは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図26のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図26、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図26、S213)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変カウンタ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図28のS508,S514,S519)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変カウンタ203gの値、および時短中カウンタ203rの値が参照され、いずれかのカウンタ値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rの値が共に0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも参照される(図28のS514,S519参照)。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図36のS1312)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たりの終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図36のS1311)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図36のS1303)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図37のS1411参照)。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本実施形態では、大当たりの開始から0.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが0.2秒間オンに設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した場合に、流路ソレノイド65kが2秒間オンに設定される(図7参照)。動作カウンタ203kには、大当たりの開始から0.5秒が経過した時点で、0.2秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりの開始から3.5秒が経過した時点で、2秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図36、S1014)のS1309の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図37のS1405参照)。残球タイマ203nは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図37のS1407)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、オープニングAが設定された大当たりの1ラウンド目が終了した後も、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、流路ソレノイド65kが2秒間オン状態となる期間を見計らって球を特別排出流路65e2へと流下させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態で、不正に球を特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203qは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図37のS1411)。
時短中カウンタ203rは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変状態が設定されない場合には、時短回数が100回の時短状態に移行する。
大当たりフラグ203sは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203sの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203sは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図33のS1006参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図35のS1205参照)。特別図柄変動処理(図25参照)では、この大当たりフラグ203sが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図25のS201参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図9に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放する開閉板65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図30参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図16(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図16(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図16(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、確変状態フラグ223eと、時短状態フラグ223fと、演出用カウンタ223gと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とからなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図40のS1708参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1702参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図42のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図40のS1705参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図42のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
確変状態フラグ223eは、遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223eは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この確変状態フラグ223eに基づいて遊技状態が確変状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
時短状態フラグ223fは、遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態フラグ223fは、主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて更新される(図40のS1710参照)。本実施形態では、この時短状態フラグ223fに基づいて遊技状態が時短状態であるか否かを判別し、判別した遊技状態に応じた演出(例えば、背面種別の変更等)を行う。
演出用カウンタ223gは、各種演出(背面種別等)を選択する場合に参照されるカウンタである。この演出用カウンタ223gは、例えば、「0〜199」の範囲で繰り返し更新されるループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図39参照)の中で1ずつ更新される。図示については省略したが、音声ランプ制御装置113のROM222には、この演出用カウンタ223gの値毎に、決定される演出態様が対応付けて規定された演出選択テーブルが設けられている。演出用カウンタ223gを用いることで、各種演出をランダムに選択して実行することができる。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図39のS1615参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図38参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図38の1508:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図38のS1509参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図40参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図17を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図30参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図17を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図17は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要するというNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図45(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図43のS2003,S2004参照)。
ここで、図18を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図18は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図18(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図18(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図18(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図18(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図18(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図18(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図17に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図19を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図19は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図19(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図19(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図20は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図19に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル222bに基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図20に示すように、時間の経過とともに、図20の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図20(a)に示す背面画像が表示される。この図20(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図20(b)に示す背面画像が表示される。図20(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図20(c)に示す背面画像が表示される。図20(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図20(a)に示す背面画像に戻って、再び図20(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図19(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図19(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図20(a)を含み、図20(b)を除く図20(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図20(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図20(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図20(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図20(a)〜(b)の画像を表示させている間に図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図20(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図20(b)〜(c)および図20(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図17参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図6参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図21を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図21は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図21の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図27参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図22を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図22は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図22のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図22のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図22の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図18(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図43参照)の中でオンに設定される(図43のS2005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図54(b)のS3605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図45(b)のS2301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図54(a)のS3501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図54(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図55参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図45(b)のS2303参照)の中で、ポインタ更新処理(図51のS3205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図23を参照して、描画リストの詳細について説明する。図23は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図23に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図51のS3207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図43のS2002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図55参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図55のS3713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図55のS3714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図56のS3802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図45(b)のS2306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図52(a)のS3001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図55のS3709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図55のS3710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図50(a)のS3002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図51参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2705、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図51参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図51のS3214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図47(a)のS2505、図48(a)のS2705、図48(b)のS2805、図49のS2905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図24〜図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図25〜図27を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図28および図29を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図25は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中でないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S210)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S212)。S212の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S205)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S206)。
S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S206:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S206の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S206:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S207)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S208)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S208の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S212の処理と同一の手法によりシフトして(S209)、処理をS213へと移行する。S212、またはS209の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図26を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S215)、本処理を終了する。
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、図26を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Dのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S218)、S223の処理へと移行する。S218の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図32参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1003)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、確変カウンタ203gの値が1以上であるかを判定し(S219)、確変カウンタ203gの値が1以上であれば(S219:Yes)、確変カウンタ203gの値を1減算して(S220)、S221の処理へ移行する。一方、確変カウンタ203gの値が0であれば(S219:No)、S220の処理をスキップして、S221の処理へ移行する。S221の処理では、時短中カウンタ203rの値が1以上であるかを判定し(S221)、時短中カウンタ203rの値が1以上であれば(S221:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算して(S222)、S223の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203rの値が0であれば(S221:No)、S222の処理をスキップして、S223の処理へ移行する。S223の処理では、停止コマンドを設定し(S223)、その後、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、S220の処理により減算された確変カウンタ203gの値が0となった場合や、S222の処理により減算された時短中カウンタ203rの値が0となった場合には、遊技状態が変更されたことを音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図24参照)の特別図柄変動処理(図25参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変カウンタ203gの値を読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変カウンタ203gの値が1以上ならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変カウンタ203gの値が0であれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)に格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「1〜10」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図12(a)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(8ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりB(8ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりC(15ラウンド大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりD(15ラウンド大当たり)であると判定する(図12(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図32参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図27は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図28は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態が確変状態、または時短状態の場合に、普通図柄の時短状態が設定される。よって、S508の処理では、RAM203の確変カウンタ203gの値が1以上であるか、または時短中カウンタ203rの値が1以上であれば普通図柄の時短状態であると判定し、どちらのカウンタの値も0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されて、第2特定入賞口650aに入賞させようとした球が、第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するためである。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
S508の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「1〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図12(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数、および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を3回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、普通図柄の時短状態ではない場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S519)、普通図柄の時短状態である(即ち、確変カウンタ203gの値が1以上であるか、時短中カウンタ203rの値が1以上である)と判定した場合は(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値が共に0である)と判定した場合は(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×3回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図29は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図24参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が普通入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図32のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。
S814の処理が終了した後は、処理をS810へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S810の処理が終了した後は、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図32を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図24参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図24参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図25参照)や始動入賞処理(図27参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図33参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に特定入賞口(大開放口)65aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図33を参照して後述する。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS525の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図28参照)におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図26参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS520の処理またはS521の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図28参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図28参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図30のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図31のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図33は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図32参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図25参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニング選択テーブル202e(図14参照)から、今回の大当たり種別と、現在の遊技状態とに応じたオープニング種別を決定する(S1002)。そして、決定したオープニング種別を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1003)。なお、上述した通り、オープニング種別としてオープニングAが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し難くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され難くなる。一方、オープニングBが設定された場合には、特別排出流路65e2へと球が流下し易くなるので、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定され易くなる。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。S1003の処理後は、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作パターンを(図7参照)の開始を設定する(S1004)。次いで、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値を0にリセットし(S1005)、大当たりフラグ203sをオンに設定して(S1006)、本処理を終了する。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングではないと判定された場合は(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1007)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1007の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1007:No)、本処理を終了する。
一方、S1007の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1007:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1008)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1008:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口(大開放口)65aの動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1009)、本処理を終了する。なお、この大当たり動作設定処理(S1009)の詳細については、図34を参照して後述する。
一方、S1008の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1008:No)エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1010)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりの全てのラウンド)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1010:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1011)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判定した場合には(S1010:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1012)。即ち、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する。S1012の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1012:No)、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1014)。尚、この入賞処理(S1014)の詳細については、図36を参照して後述する。入賞処理(S1014)の終了後は、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1015)、本処理を終了する。この異常処理(S1015)の詳細については、図37を参照して後述する。
一方、S1012の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S1012:Yes)、次いで、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1013)、本処理を終了する。尚、この大当たり終了処理(S1013)の詳細については、図35を参照して後述する。
次に、図34のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1009)の詳細について説明する。図34は、この大当たり動作設定処理(S1009)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1009)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた大開放口(第1大開放口65a、第2大開放口650a)の動作、および振分回転体661の動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図34参照)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込むと共に(S1101)、大開放口65aの開放を設定して(S1102)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図34参照)を実行することにより、大当たり種別に応じた開放パターンを正確に設定することができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1013)の詳細について説明する。図35は、この大当たり終了処理(S1013)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1013)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1013)では、まず、確変設定フラグ203hがオンであるかを判別する(S1201)。S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203gの値に50を設定することで大当たり後に50回の確変状態を設定し(S1202)、S1204の処理へ移行する。一方、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオフであれば(S1201:No)、時短中カウンタ203rの値に100を設定し(S1203)、S1204の処理へ移行する。
S1204の処理では、S1202、またはS1203の処理で更新後の確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの各値から、大当たり終了後の遊技状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定する(S1204)。次いで、大当たりフラグ203sおよび確変設定フラグ203hを共にオフに設定して(S1205)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図35参照)を実行することにより、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1014)の詳細について説明する。図36は、この入賞処理(S1014)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1014)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1014)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口(大開放口)65aの開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。S1301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1301:Yes)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出したかを判別し(S1302)、特定入賞口(大開放口)65aに対する入賞を検出していれば(S1302:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して更新し(S1303)、S1304の処理へ移行する。これに対し、S1302の処理において、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出していなければ(S1302:No)、S1303の処理をスキップし、S1304の処理へ移行する。
S1304の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるかを判別し(S1304)、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であれば(S1304:Yes)、S1306の処理へ移行する。一方、S1304の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が9以下であると判別した場合は(S1304:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S1305)、ラウンド時間が経過していれば(S1305:Yes)、S1306の処理へと移行する。
S1306の処理では、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖を設定し(S1306)、残球タイマフラグ203mをオンに設定して(S1307)、S1308の処理へ移行する。また、S1304の処理において入賞個数カウンタの値が9以下と判別され(S1304)、且つ、S1305の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S1305:No)、S1306、およびS1307の処理をスキップして、処理をS1308へと移行する。
S1308の処理では、動作カウンタ203kの値が1以上の値であるかを判定し(S1308)、動作カウンタ203kの値が1以上であれば(S1308:Yes)、動作カウンタ203kの値から1を減算して(S1309)、S1310の処理へ移行する。
一方、S1308の処理において動作カウンタ203kの値が0であると判定した場合は(S1308:No)、次いで、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S1316)。S1316の処理において、確変有効フラグ203oがオフであれば(S1316:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203oがオンであれば(S1316:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算し(S1317)、次いで、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では1.2秒)であるかを判別する(S1318)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値でなければ(S1318:No)、S1310の処理へ移行し、確変スイッチ65e3を監視して確変設定フラグ203hを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、確変スイッチ65e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203pの値が上限値であれば(S1318:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定し(S1319)、確変有効タイマ203pの値をリセットして(S1320)、本処理を終了する。
また、S1310の処理では、球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別し(S1310)、球が確変スイッチe3を通過していなければ(S1310:No)、S1313の処理へ移行する。一方、球が確変スイッチ65e3を通過していれば(S1310:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算し(S1311)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1312)、S1313処理へ移行する。
S1313の処理では、動作カウンタ203kの値が0か否かを判別し(S1313)、動作カウンタ203kの値が0でないと判別した場合は(S1313:No)、そのまま本処理を終了する。一方、動作カウンタ203kの値が0であれば(S1313:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定し(S1314)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S1315)、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1015)を説明する。図37は、この異常処理(S1015)を示すフローチャートである。この異常処理(S1015)は、大当たり制御処理(図33参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1015)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1401)、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、球が球排出口スイッチ65e4(図6(b)参照)を通過したかを判別する(S1402)。
S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合は(S1402:Yes)、排出個数カウンタ203qの値に1を加算し(S1403)、S1404の処理へ移行する。一方、S1402の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過していなければ(S1402:No)、S1403の処理をスキップしS1404の処理へ移行する。
S1404の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるかを判別する(S1404)。残球タイマフラグ203mがオフであると判別した場合は(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであれば(S1404:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203nの値に1を加算して更新する(S1405)。次に、残球タイマ203nの値が上限値(本実施形態では3秒)であるかを判別し(S1406)、残球タイマ203nの値が上限値でなければ(S1406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203nの値が上限値(3秒)であると判別した場合は(S1406:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203iの値と、排出個数カウンタ203qの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)と一致しているかを判別する(S1407)。
S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1407:No)、エラーコマンドを設定し(S1408)、S1409の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、特別排出流路65e2が閉鎖されている期間に、不正に球を特別排出流路65e2へと入球させて確変スイッチ54e3を通過させる不正を抑制できる。
一方、S1407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1407:Yes)、S1408の処理をスキップし、S1409の処理へと移行する。S1409の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1409)、次いで、残球タイマ203nの値をリセットする(S1410)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iの値をそれぞれリセットし(S1411)、本処理を終了する。
この異常処理(図37参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口(大開放口)65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図38〜図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図38は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1501)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1616の電源断処理(図39参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1502)。図39を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図39のS1613参照)、S1616の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1616の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1502:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1503)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1503:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1503:No)、S1508へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1503:Yes)、S1504へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1503:No)、S1508の処理へと移行する。
S1502の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1502:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1504の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1504)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1505)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1505の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1505:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S1506)、処理をS1508へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S1505の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1505:No)、RAM223の異常を報知して(S1507)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1508の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1508)。電源断フラグ223yはS1616の電源断処理の実行時にオンされる(図39のS1615参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1616の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S1616の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1508:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1509)、RAM223の初期値の設定を行う(S1510)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S1510の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図31参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容に応じて確変状態フラグ223e、時短状態フラグ223fを更新する(S1511)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S1511の処理後は、割込み許可を設定して(S1512)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1508の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1508:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1509をスキップして、S1510〜S1512の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S1509のクリア処理をスキップするのは、S1504からS1506の処理を経由してS1508の処理へ至った場合には、S1504の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1601の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1601)、1m秒以上経過していなければ(S1601:No)、S1602〜S1610の処理を行わずにS1611の処理へ移行する。S1601の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1602〜S1610が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1611のコマンド判定処理や、S1612の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1611の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1612の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1601の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1601:Yes)、まず、S1602〜S1612の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1602)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1608の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1603)、その後電源投入報知処理を実行する(S1604)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1605の処理へ移行する。
S1605の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1606)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1607)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1607の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1608)、その後音編集・出力処理を実行する(S1609)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1609の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1610)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1608のランプ編集処理が実行される。なお、S1609の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1610の処理が終了すると、S1611の処理へ移行する。S1611の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1611)。このコマンド判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1612)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図42を参照して後述する。
S1612の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1613)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1613の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1613:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1615)、電源断処理を実行する(S1616)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1617)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1613の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1613:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1614)、RAM223が破壊されていなければ(S1614:No)、S1601の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1614:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図40を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1611)について説明する。図40は、このコマンド判定処理(S1611)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1611)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1701)。S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S1701:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1702)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1703)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S1701の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S1701:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1704)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1704:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1705)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1706)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図42参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S1704の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1704:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1707)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1707:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1708)。また、S1708の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1708の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1708の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1708の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1707の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1707:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1709)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S1709:Yes)、受信したコマンドに応じて確変状態フラグ223e、回転位置格納エリア223fの各値を更新する(S1710)。即ち、状態コマンドに含まれる遊技状態(確変状態であるか否か)に応じた情報に基づき、確変状態が通知された場合には、確変状態フラグ223eをオンに設定し、時短状態が通知された場合には、時短状態フラグ223fをオンに設定し、通常状態が通知された場合には、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fをオフに設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S1709の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S1709:No)、次いで、大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S1711)。そして、大当たり関連コマンドを受信したと判定した場合には(S1711:Yes)、大当たり関連コマンドを判別し、対応する制御を実行するための大当たり関連処理を実行して(S1712)、本処理を終了する。
一方、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判定した場合には(S1711:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1713)、本処理を終了する。S1713の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S1712)について説明する。図41は、この大当たり関連処理(S1712)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S1801)、オープニングコマンドを受信していれば(S1801:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する(S1802)。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。S1802の処理が終了すると、本大当たり関連処理(図41参照)を終了する。
一方、S1801の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1803)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1803:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1804)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S1805)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S1805の処理後は、本処理を終了する。
一方、S1803の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1803:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1806)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1806:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1807)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1806の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1806:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1612)について説明する。図42は、この変動表示設定処理(S1612)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1612)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図39参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、S1901の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1703の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S1905)、処理をS1906へと移行する。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。次に、S1908の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S1909)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図43〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図43を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図43は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図44を参照して、ブート処理(S2001)について説明する。図44は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2102)。これにより、MPU231は、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図43のS2001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図43のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図50に示すブート処理では、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2101及びS2102の処理を含めて複数回繰り返した後、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2101及びS2102の処理を行わずに、S2103〜S2105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図43の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図54(a)のS3502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図45(b)参照)において、図18に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図18(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2005の処理の後、割込み許可を設定し(S2006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2006の処理によって割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図45(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図45(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図45(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図45(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図23参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図45(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図18に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2302)を実行し、次いで、表示設定処理(S2303)を実行する。
コマンド判定処理(S2302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図46〜図50を参照して後述する。
表示設定処理(S2303)では、コマンド判定処理(S2302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づいて、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図51〜図53を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2304)。このタスク処理では、表示設定処理(S2303)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図54および図55を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2306)。この描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図56を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2307)。そして、V割込処理を終了する。S2307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図18に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2304の処理へ移行する。
次いで、図46〜図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2302)の詳細について説明する。まず、図46は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図46に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2401)、未処理の新規コマンドがなければ(S2401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2405)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2405)の詳細について説明する。図47(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。
次いで、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2503)、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定し(S2505)、本処理を終了する。
この変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図46の説明に戻る。S2404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S2406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2407)、S2601の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2407)の詳細について説明する。図47(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図45(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2603によって設定された停止図柄判別フラグからS2602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図46に戻り、説明を続ける。S2406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2409)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2409)の詳細について説明する。図48(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻り、説明を続ける。S2408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2411)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図48(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2411)の詳細について説明する。図48(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2802)。
そして、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図46に戻って説明を続ける。S2410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2413)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図49を参照して、エンディングコマンド処理(S2413)の詳細について説明する。図49は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。
次いで、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S2905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図46の説明に戻る。S2412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2414)、背面画像変更コマンドがあれば(S2414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2415)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2415)の詳細について説明する。図50(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定することで、背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3503)に通知する。そして、背面画像判別フラグ233xを構成する各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応するビットをオンすると共に、その他の背面種別に対応するビットをオフに設定して(S3002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S3002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xの各ビットから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B〜Eである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、本実施形態では、変動表示を実行する際に背面種別を変更するか否かの抽選(判別)を行う構成としている。変動表示は最低7秒間の変動時間が設定されるため、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3202の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図46の説明に戻る。S2414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2416)、エラーコマンドがあれば(S2416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2417)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図50(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2417)の詳細について説明する。図50(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3302に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図46の説明に戻る。S2416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2418)、S2401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、再びS2402〜S2418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2402〜S2418の処理が繰り返し実行され、S2401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図18に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である。変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)および停止種別コマンド処理(図47(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される変動パターンコマンド処理(図47(a)参照)では、S2501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図51〜図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2303)の詳細について説明する。図51は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図51に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3201:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3202〜S3204の処理をスキップし、S3205の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3202)、S3203〜S3204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3204)。
ここで、図52を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図52は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3301)。
タスク処理(S2304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。警告画像設定処理(S3204)の後、又は、S3203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3203:No)、次いで、S3205の処理へ移行する。
S3205の処理では、ポインタ更新処理を実行する(S3205)。ここで、図53を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図53は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3402)。その結果、End情報であれば(S3402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3403)、デモ用表示データテーブルであれば(S3403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図51に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3206)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグ233zがオンであるか否かを確認する(S3209)。
その結果、確定表示フラグ233zがオフであれば(S3209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ233zをオンに設定した後(S3214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3209の処理において、確定表示フラグ233zがオンであれば(S3209:Yes)、デモ表示フラグ233yがオンであるか否かを判別する(S3216)。そして、デモ表示フラグ233yがオフであれば(S3216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3217)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3218)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグ233yをオンに設定して(S3221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3216の処理において、デモ表示フラグ233yがオンであれば(S3216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図45(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図18(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図54及び図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である転送設定処理(S2305)の詳細について説明する。まず、図54(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図54(b)を参照して後述する。
一方、S3501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていることを意味する。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図55を参照して後述する。
次いで、図54(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3502)について説明する。図54(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3601)、転送指示を送信していれば(S3601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3602)。このS3602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3602:Yes)、S3603の処理へ移行する。また、S3601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3601:No)、S3603の処理へ移行する。
S3603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3604)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3605)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図45(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図45(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図45(b)のS2309参照)ではなく、コマンド判定処理(図46〜図50参照)および表示設定処理(図51〜図53参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図55参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図54(a)のS3501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である通常画像転送設定処理(S3503)について説明する。図55は、この通常画像転送設定処理(S3503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2303)のポインタ更新処理(S3205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3702)、転送データ情報であれば(S3702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3704)、S3705の処理へ移行する。
また、S3702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3702:No)、S3703及びS3704の処理をスキップして、S3705の処理へ移行する。S3705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3705)、転送指示を設定していれば(S3705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3706)。
このS3706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合は(S3706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合は(S3706:Yes)、S3707の処理へ移行する。また、S3705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3705:No)、S3707の処理へ移行する。
S3707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3707)、転送開始フラグがオンであれば(S3707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3708)、S3703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3709)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態のビットに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3711)。更に、オン状態にあるビットに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3712)、S3713の処理へ移行する。
S3709の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグ233wのビットが背面Aに対応するビットである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3711の処理では、オン状態にあるビットが背面Aに対応するビットであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3713)。このS3713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2306)の詳細について説明する。図56は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示から、図23に示す描画リストを生成する(S3801)。即ち、S3801の処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図45(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、オープニングの種別を複数(2種類)設けておき、設定されるオープニングの種別に応じて確変状態への移行し易さ(1の大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせている。より具体的には、確変状態が付与され難い(特別排出流路65e2への入球率が低い)オープニングAと、そのオープニングAよりも確変状態が付与され易い(特別排出流路65e2への入球率が高い)オープニングBとを設定可能に構成している。そして、オープニングの種別は、大当たりの種別や大当たりとなった時点の遊技状態に基づいて選択する構成としている。より具体的には、通常状態で大当たりB、または大当たりDとなった場合にオープニングAが設定され、大当たりA、または大当たりCとなった場合には、オープニングBが設定されるように構成している。即ち、通常状態で大当たりB、または大当たりDになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が低くなる(確変スイッチ65e3を球が通過困難となる)一方で、大当たりA、または大当たりCになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)ように構成している。よって、通常状態では、特別排出流路65e2への入球率が高い大当たりAや、大当たりCとなることを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。
一方、通常状態以外(確変状態、または時短状態)では、全ての大当たり種別でオープニングBが設定されるように構成されている。即ち、通常状態以外の状態で大当たりになると、大当たり中に特別排出流路65e2への入球率が高くなる(確変スイッチ65e3を通過容易となる)。よって、確変状態、または時短状態が終了するよりも前に大当たりとなることを期待して各遊技状態における遊技を行わせることができる。従って、限られた特別図柄の抽選回数(確変回数、または時短回数)の中で大当たりに当選する必要があるという緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。また、期待通り、限られた抽選回数内で大当たりとなった場合には、確実にオープニングBが設定されるので、大当たりとなった時点で、確変状態への移行がほぼ確定するという安心感を抱かせることができる。
ここで、通常状態と、通常状態以外の状態とで特別図柄の確変状態への突入率を可変させる方法として、オープニング期間でなく、1ラウンド目における開閉板65f1の開放パターンを大当たり種別に応じて異ならせる方法も考えられる。より具体的には、例えば、大当たりのオープニング期間を0.5秒に固定しておき、1ラウンドにおける開閉板65f1の開放期間を大当たり種別に応じて異ならせることで、確変スイッチ65e3を球が通過し易くなる大当たり種別と、確変スイッチ65e3を通過し難くなる大当たり種別とを設けておく。そして、通常状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択される構成とし、通常状態以外の状態で実行され易い第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変スイッチ65e3を通過し難い開閉パターンが設定される大当たり種別が選択されない構成とする方法も考えられる。しかしながら、このように構成した場合、通常状態以外の状態(第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)で、遊技者が球の打ち出し方向を誤る等により第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、且つ、大当たりとなってしまった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターンが設定されてしまう虞がある。よって、この場合は遊技者に不満感を抱かせてしまう場合がある。
また、開閉板65f1の開閉パターンを、遊技状態(通常状態であるか否か)によって異ならせる方法も考えられるが、大当たり種別と開閉パターンとが1対1対応でないと、遊技規則から外れてしまう可能性があり、ホールに設置できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じてオープニング期間を選択する構成により、遊技者に有利な状態(確変状態、および時短状態)において大当たりになると、必ず1ラウンド目に確変スイッチ65e3を通過し易い状態としている。このように構成することで、遊技者に有利な状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合でも、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目に流路ソレノイド65kをオン状態に設定し、特別排出流路65e2へと球を流下可能な状態となるように構成していたが、当別排出流路65e2へ入球可能となるラウンド数は1ラウンド目に限られるものではなく、任意に定めてもよい。なお、1ラウンド目以外のラウンドで、オープニングA,Bを用いて特別排出流路65e2への入球率を可変させる方法としては、例えば、入球可能となるラウンドまでの各ラウンドにおける開閉板65f1の開放時間を一定とすればよい。即ち、上記第1実施形態の1ラウンドと同様に、例えば、各ラウンドの終了条件を「ラウンド開始から規定時間として2秒経過、或いは、球が規定個数として10個入球するまで」と規定しておけばよい。つまり、規定個数(10個)の球を入球させることが現実的に困難な規定時間(2秒)を設定しておくことにより、規定時間が経過するまで確実に各ラウンドが継続するように構成しておいてもよい。そして、各ラウンドの規定時間と、インターバル期間とを加味して、流路ソレノイド65kの駆動タイミングを規定しておいてもよい。このように構成することで、確変状態へと移行するか否かを、より後のラウンドで決定することができる。よって、大当たり遊技において、確変状態へと移行するか否かの期待感を、遊技者に対してより長く抱かせることができる。
本実施形態では、通常状態で「大当たりC」となった場合にオープニングBが設定される構成としていたが、通常状態では「大当たりC」となった場合にもオープニングAが設定されるように構成してもよい。これにより、通常状態でも第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止力をより高めることができる。
本実施形態では、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることがほぼ不可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングAと、確変スイッチ65e3に対して球を容易に通過させることが可能な期間に1ラウンド目を開始させるオープニングBとの2種類を設ける構成としていたが、オープニング種別は2種類に限定されるものではない。例えば、1ラウンド目の期間が、流路ソレノイド65kがオン状態に設定される2秒間のうち、一部と重複するオープニング種別を設ける構成としてもよい。
本実施形態では、第1入球口64と第2入球口640との2種類の入球口を設ける構成としたが、入球口は第1入球口64のみとしてもよい。即ち、第1特別図柄の抽選のみを実行可能に構成してもよい。このように構成しても、確変状態で大当たりA,BともにオープニングBが設定されるので、確変状態で当選した大当たりの1ラウンド目で、確変入球口への入球を容易とすることができる。このように構成することで、第2入球口640を削除することができるので、部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、図57〜図72を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じてオープニング種別を決定することで、遊技状態毎に特別図柄の高確率状態が付与される割合(大当たりにおける特別排出流路65e2への入球率)を異ならせる構成としていた。より具体的には、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が50%で付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが50%の割合で決定される)構成とし、通常状態以外の状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態が100%付与される(特別排出流路65e2への入球率が高くなるオープニングBが100%決定される)構成としていた。これにより、通常状態以外の状態で、遊技者が誤って第1入球口64へと球を入球させてしまい、且つ、大当たりになってしまったとしても、確変状態が付与される割合を第2特別図柄と同一に保つことができていた。
これに対して第2実施形態では、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態と、決定されるオープニング種別との対応関係を更に多様化させることに加え、時短状態の種別も異ならせている。そして、通常状態で当選した大当たりで、確変スイッチ65e3に対して球を通過させることができれば、当該大当たりに加え、次の大当たりでも特別図柄の高確率状態が付与される(即ち、大当たりが比較的短時間の間に3回連続する)という斬新な遊技性を実現している。
より具体的には、大当たり等を契機として、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態)を行き来するように構成している。このうち、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、特別図柄の高確率状態が設定されるので、短い間隔で再度大当たりとなる可能性が高く、遊技者にとって有利な状態となる。一方、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)とは、大当たり確率が低くなるので遊技者にとって不利となる。
なお、有利な2種類の遊技状態(潜確状態、確変状態)のうち、潜確状態の方が遊技者にとってより有利となる。即ち、詳細については後述するが、潜確状態で大当たりになると、その大当たり後は基本的に、潜確状態が再度設定されるか、確変状態が設定される。よって、どちらの場合でも、大当たり確率が高い有利な状態が設定される。また、確変状態へと移行する割合よりも、潜確状態が再度設定される(潜確状態をループ)する割合の方が高くなっている。一方、確変状態で大当たりになると、潜確状態、確変状態に加え、時短状態へと移行する場合がある。また、他の2つの遊技状態に比較して、時短状態へと移行する割合が高くなる。よって、潜確状態で大当たりとなった後に設定される遊技状態は基本的に遊技者に有利な状態となるが、確変状態で大当たりとなった場合は、遊技者にとって不利な時短状態が設定される割合が高い。従って、潜確状態の方が、より有利な状態となる。このように、本第2実施形態では、有利度合いの異なる複数(2種類)の遊技状態を設ける構成とすることで、状態移行を多様化し、遊技者の興趣向上を図っている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13に対して、特別図柄の抽選結果が外れの一部(小当たり)となった場合に球が入球可能となる小当たり用入賞装置650が設けられている点、主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図57を参照して、本第2実施形態における遊技盤13について説明する。図57に示した通り、本第2実施形態の遊技盤13において、第1入球口64の正面視左下に、小当たり用入賞装置650が配設されている。この小当たり用入賞装置650の略中央部分には、球が小当たり用入賞装置650の内部へと入球可能な、横長矩形状の小当たり用入賞口650aが設けられている。球が小当たり用入賞装置650に球が入球すると、10個の賞球が払い出される。また、小当たり用入賞口650aは、通常時には閉鎖されており、特別図柄の抽選結果が外れの一態様である「小当たり」となった場合に開放される。この小当たりは、本第2実施形態において遊技状態の一つとして設けられている潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)において、外れとなった場合に選択され易くなる。なお、小当たりは外れの一態様であるため、その前後で遊技状態は変化しない。
詳細については後述するが、本第2実施形態の潜確状態は、特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり種別に関係なく、必ずオープニングBが設定される(確変スイッチ65e3を球が容易に通過可能となる)最も有利な状態である。しかしながら、普通図柄の低確率状態であるので、第2入球口640へと球を入球させることが困難となる。よって、潜確状態では、第1特別図柄の抽選を行わせるために第1入球口64を狙って遊技を行う(左打ちを行う)必要がある。つまり、遊技者にとって最も不利な通常状態と同一の遊技方法で遊技を行う必要がある。この状況下で、仮に、大当たりとなるまでを通常状態と同一の制御とした場合、有利な潜確状態へと移行したにも拘わらず、大当たりとなるまでに持ち球がどんどん減ってしまうことになる。これに対して本第2実施形態では、潜確状態で特別図柄の抽選が実行されると、小当たりになり易く構成している。つまり、小当たり用入賞口650aが開放され易くなるので、左打ちし、第1入球口64へと入球しなかった球が、小当たり用入賞口650aへと入球し易くなる。よって、その入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに潜確状態中の遊技を実行させることができる。なお、小当たり用入賞口650aは、特別図柄の抽選で小当たりとなる毎に、所定期間(例えば、2秒経過するまで、或いは、球が10個入球するまで)開放される。
次に、図58、および図59を参照して、本実施形態における第3図柄表示装置81において実行される表示演出の一例として、発射方向報知演出について説明する。この発射方向報知演出は、遊技者が球を打ち出すべき方向を報知するための演出である。
ここで、本実施形態では、遊技状態に応じて、遊技者が球を打ち出すべき方向(特別図柄の抽選を行わせるために狙うべき入球口)が異なっている。具体的には、普通図柄の低確率状態に設定される通常状態、および潜確状態では、普通図柄の当たり確率が時短状態よりも低くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が短くなり、普通図柄の変動時間が長くなる。よって、第2入球口640を狙って球を打ち出したとしても、第2入球口640へと球を入球させることがほとんどできなくなる。このため、通常状態や潜確状態では、左打ちを行うことによって第1入球口64へと球を入球させ、第1特別図柄の抽選を実行させた方が、右打ちを行うよりも遊技者にとって有利となる(持ち球の消費量を少なく抑え、効率的に遊技を行うことができる)。
一方で、確変状態や時短状態では、普通図柄の当たり確率が普通図柄の低確率状態よりも高くなると共に、当たりとなった場合の開放期間が長くなり、普通図柄の変動時間が短くなる。よって、第2入球口640へと球が入球し易くなるので、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことにより、持ち球を減らさずに第2特別図柄の抽選を実行させることができる。従って、確変状態や時短状態では、右打ちを行う方が、左打ちよりも遊技者に有利となる。
本第2第実施形態では、この遊技者にとって有利となる球の発射方向を、発射方向報知演出によって報知可能に構成されている。この発射方向報知演出を実行することで、遊技者に対して効率的に遊技を行わせるための発射方向を容易に理解させることができると共に、現在の遊技状態を遊技者に報知することができる。即ち、左打ちが示唆された場合は、遊技状態が通常状態、または潜確状態であり、右打ちが示唆された場合は、遊技状態が確変状態、または時短状態である。よって、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かと、発射方向報知演出の内容とに応じて、遊技者が現在の遊技状態を容易に把握することができる。なお、本実施形態では、発射方向報知演出を大当たりの終了後、即座に実行するのでなく、特定条件が成立するまで(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過するまで)発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成としている。このように構成することで、少なくとも特定条件が成立するまでの間、遊技者は現在の遊技状態を特定することができなくなるため、有利な状態が設定されていることに対する期待感を持続的に抱かせることができる。
図58(a)は、大当たりが終了してから発射方向報知演出を開始するまでの間(大当たり後、左右のスルーゲート67に球が1個も入球していない状態)に第3図柄表示装置81に表示される表示態様の一例(回避演出)を示した図である。この回避演出、および上述した発射方向報知演出は、基本的に大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過した場合に、その大当たりの終了後に実行される。
図58(a)に示した通り、大当たりが開始されてから、最初にスルーゲート67を球が通過するまでの期間(回避期間)における表示態様として、小領域Ds2に表示された少年のキャラクタ710の右側に、吹き出し714が表示される。この吹き出し714は、小領域Ds2から小領域Ds3にかけて表示され、その内部に「スルーゲートを狙え!!」との文字が表示される。これにより、遊技者に対して遊技盤13の左右に設けられたスルーゲート67のどちらかを狙って球を発射させることができる。なお、「最初にスルーゲート67を球が通過するまで」という条件を設定しているのは、普通図柄の当たりとなり、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されるまで、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じないからである。より詳述すると、普通図柄の高確率状態(時短状態)での右打ちが左打ちに比べて有利なのは、普通図柄の抽選で当たりになることで第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へと球を入球させ易くなるからである。つまり、スルーゲート67が左右にそれぞれ設けられている本実施形態のパチンコ機10では、右打ちでも左打ちでも普通図柄の抽選を平等に行わせることができるため、スルーゲート67へと球が入球して普通図柄の当たりとなるまでは、右打ちと左打ちとで有利度合いに差が生じ無い。よって、有利度合いに差が生じない期間では、発射方向報知演出の実行を回避する(遅延させる)構成とすることにより、最も有利な潜確状態へと移行することに対する遊技者の期待感をより長く持続させることができる。
次に、図58(b)を参照して、大当たり後に潜確状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。発射方向報知演出は、上述した通り、回避期間が終了した(大当たり後、左右どちらかのスルーゲート67を最初に球が通過したことを検出した)場合に実行される。図58(b)に示した通り、潜確状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確突入!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。これにより、最も有利な潜確状態へと移行したことを、遊技者に容易に認識させることができる。また、左打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
次に、図59(a)を参照して、大当たり後に確変状態が付与された場合に実行される発射方向報知演出の表示態様について説明する。図59(a)に示した通り、確変状態において、大当たり後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過すると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「右打ちしてね」との文字に可変する。また、吹き出し714の形状が、横長略楕円形状となる。これにより、潜確状態よりは不利な確変状態へと移行したことを、遊技者に認識させることができる。また、右打ちを実行することで効率よく遊技を行うことができると、遊技者に容易に認識させることができる。
なお、上述した通り、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、普通図柄の変動時間が3秒間となる。このため、仮に左打ちによりスルーゲート67を通過させて、図59(a)に示す発射方向報知演出が実行され、且つ、普通図柄の当たりになっていたとしても、3秒間の普通図柄の変動中に、右打ちを行うことで、電動役物640aが開放されるタイミングに合わせて球を第2入球口640へと到達させることができる。よって、遊技者に損をさせることなく、潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり中に球がスルーゲート67を通過することにより実行された普通図柄の変動が、大当たり終了後に渡って実行され続けたり、大当たり中に保留された普通図柄の保留球が大当たり後に消化されることを防止(抑制)するために、普通図柄の低確率状態における普通図柄の変動時間を、普通図柄の高確率状態中よりも短く(例えば、0.5秒)構成している。このように構成することで、大当たり中にスルーゲート67を通過したとしても、即座に変動が終了するので、普通図柄の保留球を貯めることを困難とすることができる。よって、大当たり終了時には、普通図柄の保留球が0個で、且つ、変動停止状態となる可能性を高くすることができる。
仮に、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは保留されていた場合、第2入球口640が開放されるにも拘らず回避期間を設定してしまうと遊技者が損をしてしまう。よって、遊技者に不満感を抱かせてしまう虞がある。これに対して本実施形態では、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くし(例えば、0.5秒)、大当たり終了時に普通図柄の保留球が存在する可能性を低くしている。これにより、回避期間を設定したとしても(大当たり後、最初にスルーゲート67への入球を検出するまで発射方向報知演出を実行しなくても)、遊技者に対して不満感を抱かせ難くできる。よって、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
なお、普通図柄の低確率状態における変動時間を短くすることに加えて、大当たりのエンディング期間において、球の打ち出しを停止するように遊技者に示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了時に当たりの普通図柄の変動が実行中、若しくは普通図柄の変動が保留されているという状況を発生し難くできるので、発射方向報知演出をより効果的に実行することができる。
次に、図59(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10で実行される演出の一態様である、潜確復帰演出について説明する。この潜確復帰演出は、確変状態から潜確状態へと、大当たりを経由せずに移行した場合に実行される演出である。ここで、確変状態から大当たりを経由せずに潜確状態へと移行する場合とは、確変状態において設定された時短回数が終了した場合である。具体的には、本実施形態で確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態が次に大当たりとなるまで継続する一方で、普通図柄の高確率状態は50回で終了する。このため、確変状態が設定された後、特別図柄の抽選が50回終了するまでの間に大当たりとならなかった場合には、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)に移行する。潜確復帰演出は、この確変状態から潜確状態への移行時に実行される演出である。
図59(b)に示した通り、潜確復帰演出が実行されると、第3図柄表示装置81の小領域Ds2からDs3に掛けて表示されている吹き出し714の内部の文字が、「潜確復帰!!左打ち!!」との文字に可変する。また、少年のキャラクタ710の瞳が燃え上がっているかのような表示態様に設定される。この表示態様により、最も有利な潜確状態へと復帰することができたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。
更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図60〜図64を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図60(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110のROM202の内容について説明する。図60(a)は、ROM202の構成を示すブロック図である。
図60(a)に示した通り、本第2実施形態におけるROM202は、第1実施形態における主制御装置110のROM202の構成に加え、小当たり乱数テーブル202fと、時短種別選択テーブル202gとが設けられている。また、第1当たり種別選択テーブル202b、およびオープニング選択テーブル202eの内容が変更されている。その他の構成については第1実施形態におけるROM202と同一なので、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて、図60(b)を参照して説明する。図60(b)は、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態と同様に、当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されている。
図60(b)に示した通り、本実施形態では、「大当たりE」〜「大当たりL」の8種類の大当たり種別が設けられている。このうち、「大当たりE〜H」は、第1特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が8ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別は、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。また、「大当たりI〜L」は、第2特別図柄の抽選で決定され得る大当たり種別であり、ラウンド数が15ラウンドの大当たりである。これらの各大当たり種別も、遊技状態と、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
図60(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりE」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりE」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。なお、遊技状態に応じて決定されるオープニング種別や、付与される時短回数については、後述する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりF」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりF」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりG」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりG」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりH」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりH」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりH」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
これに対し、第2特別図柄の大当たりにおいて、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりI」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりI」となるカウンタ値が25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりI」となる確率(割合)は1/4(25/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜74」の範囲には、「大当たりJ」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりJ」となるカウンタ値が50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりJ」となる確率(割合)は1/2(50/100)である。
更に、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜89」の範囲には、「大当たりK」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりK」となるカウンタ値が15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりK」となる確率(割合)は3/20(15/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりL」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりL」となるカウンタ値が10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、「大当たりL」となる確率(割合)は1/10(10/100)である。
詳細については、図65等を参照して後述するが、本実施形態では、これらの8種類の大当たり種別を用いて、決定されるオープニング種別と、大当たり後に設定される時短状態の種別との組み合わせが、それぞれ異なって構成されている。これにより、遊技状態の行き来のパターンを多様化させている。
次に、図61を参照して、本第2実施形態におけるオープニング選択テーブル202eについて説明する。このオープニング選択テーブル202eは、第1実施形態と同様に、大当たりとなった場合に、大当たり種別、及び大当たりに当選した時点の遊技状態に応じたオープニング種別を決定するために用いられるデータテーブルである。
図61に示した通り、大当たりEとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりEになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりFとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、確変状態で大当たりFになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、大当たりGとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態、および潜確状態に対してオープニングBが対応付けて規定され、確変状態に対してオープニングAが対応付けて規定されている。よって、確変状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりGになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
更に、大当たりHとなった場合に決定されるオープニング種別として、通常状態、時短状態に対してオープニングAが対応付けて規定され、潜確状態、確変状態に対してオープニングBが対応付けて規定されている。よって、通常状態や時短状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され難くなるため、遊技者に不利となる。一方で、潜確状態や確変状態で大当たりHになると、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
なお、図61に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、大当たり種別と、大当たりに当選した時点における遊技状態とに応じて、設定されるオープニングの種別を異ならせることで、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。
次に、図62を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された小当たり乱数テーブル202fの詳細について説明する。この小当たり乱数テーブル202fは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に、小当たりか否かを判定するためのデータテーブルであり、遊技状態毎に、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が規定されている。より具体的には、図62に示した通り、潜確状態において小当たりとなるカウンタ値(乱数値)として「0,11〜399」が対応付けられている。第1当たり乱数カウンタC1が取り得る400のカウンタ値のうち、小当たりとなるカウンタ値が390個なので、潜確状態で特別図柄の抽選が実行された場合に、小当たりとなる確率は39/40(390/400)である。このため、潜確状態では、特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たりとなり、小当たり用入賞口650aへと球が入球容易となる。よって、左打ちを行う必要がある潜確状態において、小当たり用入賞口650aへの入球により付与される賞球により、持ち球を減らさずに遊技を行わせることができる。よって、大当たり種別によらずにオープニングBが設定される最も有利な遊技状態である潜確状態において、持ち球を気にせずに遊技を楽しませることができる。よって、遊技者の潜確状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。これに対し、通常状態、時短状態、および確変状態では、小当たりとなるカウンタ値(乱数値)が存在しない。よって、特別図柄の抽選が行われても、小当たりとなることはない。
次に、図63を参照して、本第2実施形態におけるROM202に新たに追加された時短種別選択テーブル202gの詳細について説明する。この時短種別選択テーブル202gは、図63は、この時短種別選択テーブル202gの規定内容を示した図である。この時短種別選択テーブル202gは、大当たり種別、および大当たりとなった時点における遊技状態に応じた時短回数を選択するために用いられる。
図63に示した通り、大当たりEとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、潜確状態、および確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりEになると、時短状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりEになると、その潜確状態よりも有利度合いが低い確変状態に移行する。一方、確変状態で大当たりEになると、確変状態をループする。また、通常状態に対しては、時短回数が規定されていない(即ち、時短回数0回が設定される)。上述した通り、通常状態で大当たりEになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態で大当たりEになると、通常状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりFとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、確変状態に対して50回が対応付けて規定されている。上述した通り、確変状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、確変状態で大当たりFになると、有利な確変状態から、不利な時短状態へと移行してしまう。よって、確変状態で大当たりFになると、遊技者にとって不利となる。また、通常状態、時短状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態、時短状態、および潜確状態で大当たりFになると、遊技者に最も有利な潜確状態へと移行する。
また、図63に示した通り、大当たりGとなった場合に付与される時短回数(時短種別)として、時短状態、および確変状態に対して100回が対応付けて規定されている。上述した通り、時短状態、および確変状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。即ち、時短状態で大当たりGになると、時短状態をループし、有利な確変状態で大当たりGになると、不利な時短状態へと移行してしまう。また、通常状態、および潜確状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。一方、潜確状態で大当たりGになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態で大当たりGになると、潜確状態をループする。
また、図63に示した通り、大当たりHとなった場合に付与される時短回数として、時短状態に対して20回が対応付けられて規定されている。上述した通り、時短状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態となる。よって、時短状態で大当たりHになると、時短状態をループする。一方、通常状態、潜確状態、および確変状態に対しては、時短回数が規定されていない。上述した通り、通常状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され難いオープニングAが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、通常状態をループする。また、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、特別図柄の高確率状態が付与され易いオープニングBが設定されるので、大当たり後の状態が特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態となる。即ち、潜確状態、および確変状態で大当たりHになると、最も有利な潜確状態が設定される。
なお、図63に示した通り、第2特別図柄の抽選で決定される「大当たりI〜L」に関しては、それぞれ「大当たりE〜H」と同一の対応関係が規定されている。ここでは、その詳細な説明については省略する。
このように、本実施形態では、大当たり後に付与される時短回数を、大当たり種別と、大当たり当選時点における遊技状態とに応じて異ならせる構成としている。これにより、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせている。よって、遊技状態に応じて遊技者に異なる大当たり種別を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図64を参照して、本第2実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の内容について説明する。図64は、第2実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図64に示した通り、本題2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加え、当選時状態格納エリア203tと、初回入球フラグ203sとが追加されている。また、第1実施形態における確変カウンタ203gに代えて、確変フラグ203uが設けられている。
当選時状態格納エリア203tは、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じた情報を格納しておくための記憶領域である。本第2実施形態では、大当たりの開始時に確変状態か否かを示す確変フラグ203uや、残りの時短回数を示す時短中カウンタ203rがリセットされる。このため、大当たり終了時(時短回数を新たに設定する際)に大当たりに当選した時点の状態を確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値から特定することができない。そこで、本実施形態では、大当たり当選時に、当選時状態格納エリア203tに対して確変フラグ203uや時短中カウンタ203rの値を格納してから、これらをリセットする構成としている(図66のS232参照)。そして、大当たり終了時には、当選時状態格納エリア203tの情報に基づいて、大当たり当選時の遊技状態を判別し、時短種別選択テーブル202gから時短回数を選択する構成としている(図69のS1212参照)。このように構成することで、大当たり当選時点における遊技状態から、時短回数を正確に設定することができる。
確変フラグ203uは、特別図柄の高確率状態であるか否かを示すフラグである。本実施形態では、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりが終了してから、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態が継続する構成としている。即ち、第1実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定された場合に、その確変回数が50回に限られていたが、本第2実施形態では、確変回数が不定となる。そこで、第1実施形態の確変カウンタ203gに代えて、確変カウンタ203uを設ける構成とし、確変フラグ203uがオンであれば特別図柄の高確率状態、オフであれば特別図柄の低確率状態を示す構成とした。この確変フラグ203uは、大当たり終了時に確変設定フラグ203hがオンであれば、オンに設定される(図69のS1211参照)。また、大当たりの開始時にオフに設定される。
初回入球フラグ203sは、大当たり終了後に設定される回避期間(スルーゲート67への最初の入球が済んでいない状態)であるかを示すフラグである。この初回入球フラグ203sがオンの状態で、スルーゲート67への入球を検出した場合に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドが設定される(図68のS612参照)。音声ランプ制御装置113では、この初回入球コマンドを受信し、且つ、特別図柄の高確率状態であった場合に、発射示唆演出(図58(a)、図59(b)参照)を実行する。この初回入球フラグ203sは、大当たり終了時にオンに設定され(図69のS1214参照)、初回入球コマンドを設定した後でオフに設定される(図68のS613参照)。
次に、図65を参照して、本第2実施形態における遊技状態の推移について説明する。上述した通り、本第2実施形態では、大当たりの終了を契機として、または、時短回数の終了を契機として、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態のうちいずれかの状態が設定される。通常状態、および時短状態は、大当たりとなる確率が低いため、遊技者にとって不利となる。このうち、時短状態では、第2入球口640へと球が入球しやすくなり、右打ちを行うことで効率よく遊技を行うことができるので、時短状態の方が通常状態よりも有利となる。一方、潜確状態、および確変状態は、大当たりとなる確率が高く、短い期間で連続して大当たりとなる可能性が高いため、遊技者にとって有利となる。このうち、潜確状態では、大当たり種別によらずオープニングBが設定されるので、大当たりの一部でオープニングAが設定される確変状態よりも遊技者にとって有利となる。即ち、潜確状態が最も有利な遊技状態となる。
まず、図65の左上に示した通常状態における遊技状態の移行方法について説明する。この通常状態は、パチンコ機10の初期設定を行った場合に設定される遊技状態であり、基本的に最も長く滞在する遊技状態である。図65の左上に示した通り、通常状態では、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりFになると、オープニングBが設定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。一方、特別図柄の抽選で決定され得る他の大当たり種別(大当たりE〜H)となった場合には、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、時短期間が付与されないので(図63参照)、大当たり後は基本的に再度、通常状態が設定される。なお、大当たりFとなった場合でも、1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、通常状態が設定される。逆に、大当たりE〜Hとなった場合でも、確変スイッチ65e3を通過した場合は、大当たり後に潜確状態へと移行する。
次に、図65の中断に示した潜確状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の中断に示した通り、潜確状態でも、通常状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態が設定される可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりEになると、オープニングBが設定され(図61参照)、50回の時短期間が付与されるので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に確変状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない状態に転落(ランクダウン)してしまう。一方で、他の大当たり種別(大当たりF,G,H)になると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に再度、潜確状態が設定される。即ち、遊技者にとって最も有利な潜確状態をループする。このように、潜確状態は、大当たりとなった場合に必ずオープニングBが設定される上に、75%の割合で同一の状態をループするので、極めて有利な状態である。なお、大当たりEの1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により、球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、大当たり後に時短状態へと移行する。同様に、大当たりF,G,Hの1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった場合には、遊技者にとって最も不利な通常状態へと転落してしまう。
次に、図65の下段に示した確変状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の下段に示した通り、確変状態では、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。具体的には、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に65%の割合で決定される大当たりJ,Kになると、球を特別排出流路65e2へと流下させることが困難なオープニングAが決定され(図61参照)、大当たり種別に応じて50回、または100回の時短期間が付与さるので(図63参照)、大当たり後には基本的に時短状態へと移行する。
一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりLになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されないので(図63参照)、球が大当たり中に確変スイッチ65e3を通過することで、大当たり後に潜確状態が設定される。即ち、有利度合いが少ない確変状態から、最も有利な潜確状態に復帰させることができる。また、確変状態において、設定された50回の時短期間を経過させることができれば(特別図柄の抽選で50回連続して外れとなれば)、大当たりLとなった場合と同様に、潜確状態へと復帰させることができる。潜確状態へと復帰させることができれば、次の大当たりで必ずオープニングBが設定されるため、実質的に大当たり回数を少なくとも1回分上乗せしたことを意味する。よって、確変状態から潜確状態へと復帰するルートを設けておくことにより、潜確状態から確変状態へと転落してしまったとしても、再度の潜確状態への復帰を期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の確変状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりIになると、オープニングBが設定されると共に(図61参照)、50回の時短期間が付与される(図63参照)。よって、確変状態で大当たりIになると、基本的に確変状態をループする。
このように、確変状態では、大当たり確率が通常状態や時短状態よりも高くなる点で有利であるが、大当たりとなった場合に高確率(65%)で大当たり確率が低い時短状態へと移行してしまう。このため、確変状態では、大当たりとなることよりも、時短期間が終了して潜確状態へと復帰することを期待して遊技を行わせることができる。即ち、特別図柄の抽選で連続して外れとなることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、確変状態で大当たりJ,Kになった場合に、最も不利な通常状態へ移行させるのでなく、時短状態へと移行させることができるので、潜確状態、および確変状態のループが終了した後も、少なくとも時短期間が終了するまで遊技を続行しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図65の上部右側に示した時短状態における遊技状態の移行方法について説明する。図65の上部右側に示した通り、時短状態では、確変状態と同様に、大当たりを契機として他の遊技状態へと移行するだけでなく、大当たり以外の契機(時短回数が終了した場合)でも他の遊技状態へと移行する。
具体的には、第2特別図柄の抽選で決定される大当たりとなった場合に50%の割合で決定される大当たりJになると、オープニングBが設定されるが(図61参照)、時短期間は付与されない(図63参照)。よって、時短状態において大当たりJになると、基本的に最も有利な潜確状態へと移行する。また、時短状態において、時短期間が終了した場合は、通常状態へと移行する。
一方で、時短状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりI,K,Lになると、オープニングAが設定されると共に(図61参照)、大当たり種別に応じて20回、50回、または100回の時短期間が設定される(図63参照)。よって、時短状態中に当選した大当たりI,K,Lの終了後は、基本的に時短状態をループする。
このように、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に通常状態へと移行することが無いので、時短状態をループした場合には、その時短状態として設定された時短期間が終了するまでは少なくとも遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、大当たり後に潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
このように、本第2実施形態では、オープニングBが設定される割合を、遊技状態に応じて可変させることにより、遊技状態に応じて特別図柄の高確率状態が付与される割合を可変させている。これにより、大当たり終了後に、基本的に100%の割合で特別図柄の高確率状態が付与される潜確状態を設けることが可能となっている。これにより、通常状態での大当たりFとなることで潜確状態へと移行した場合は、その大当たりFと、その大当たりF後に移行する潜確状態での大当たりEと、その大当たりE後に移行する確変状態での大当たりJ、またはKとの合計3回の大当たりが保障されることになる。よって、一旦潜確状態となることにより、遊技者に対して少なくとも3回分の大当たりの賞球が保障されたことによる安心感、および満足感を抱かせることができる。
また、潜確状態は、大当たりとなった場合に同じ状態を高確率(75%)でループするため、通常状態から潜確状態へと移行させることができれば、大当たりと、大当たり確率が高い潜確状態とが繰り返されやすくなる。よって、より多量な賞球の獲得を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、潜確状態において大当たりEになることにより、確変状態に転落してしまったとしても、その確変状態で外れを50回連続させることができれば、潜確状態へ復帰させることができる。よって、確変状態では外れが連続することを期待させることができるので、斬新な遊戯性を提供することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図66〜図70を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図66は、第1実施形態の特別図柄変動処理(図25参照)に代えて実行される特別図柄変動処理2(S111)を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)と同様に、第1図柄表示装置37の表示態様や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第2実施形態における変動開始処理2(S111)のうち、S201〜S218、およびS221〜S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図25参照)のS201〜S218、およびS221〜S223の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における特別図柄変動処理2(図66参照)では、S216の処理が終了すると、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりか否かを判定し、小当たりであれば小当たりの開始させるための小当たり判定処理を実行して(S231)、処理をS217へと移行する。この小当たり判定処理(S231)の詳細については、図67を参照して後述する。また、S217の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりと判定された場合には(S217:Yes)、確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの値を当選時状態格納エリア203tに格納し(S232)、処理をS218へと移行する。この当選時状態格納エリア203tに格納された値を大当たり終了時まで保持しておくことにより、大当たりに当選した時点における遊技状態を正確に判別して、適切な時短期間を設定することができる。
次に、図67を参照して、上述した小当たり判定処理(S231)の詳細について説明する。この小当たり判定処理では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判定する(S241)。S241の処理において、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S241:Yes)、小当たりの開始を設定する(S242)。即ち、小当たり用入賞口650aの開放を設定することにより、小当たり用入賞装置650に対して球が入球可能となるように設定する。S242の処理後は、本処理を終了して特別図柄変動処理2(図66参照)へと戻る。一方、S241の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判定した場合は(S241:No)、S242の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この小当たり判定処理(図67参照)を実行することで、潜確状態において頻繁に小当たり用入賞口650aを開放状態に設定することができる。よって、最も有利な潜確状態で、球持ちを良くすることができるので、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図68を参照して、スルーゲート通過処理2(S112)について説明する。このスルーゲート通過処理2(S112)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、スルーゲート通過処理(図29参照)と同様に、スルーゲート67への球の通過を検出し、対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)のうち、S601〜S605の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図29参照)のS601〜S605の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S112)では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別した場合に(S601:Yes)、初回入球フラグ203vがオンであるかを判別する(S611)。即ち、大当たり終了後に設定される回避期間であるかを判別して、初回入球フラグ203vがオンであれば(回避期間であれば)、初回入球コマンドを設定し(S612)、初回入球フラグ203vをオフに設定して(S613)、処理をS602へと移行する。一方、S611の処理において、初回入球フラグ203vがオフであると判別した場合は(S611:No)、S612、およびS613の各処理をスキップして、処理をS602へと移行する。
S612の処理により設定された初回入球コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、初回入球コマンドを受信すると、特別図柄の時短状態であることを条件に、発射方向報知演出の実行を設定する。大当たりの終了後、スルーゲート67を最初に球が通過するまで発射方向報知演出の実行を回避する構成とすることで、大当たり後に設定された遊技状態が潜確状態であるか、確変状態であるかを遊技者にわかり難くすることができる。よって、有利な潜確状態が設定されていることをより長く期待させることができる。
次に、図69を参照して、大当たり終了処理2(S1021)について説明する。この大当たり終了処理2(S1021)は、第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理(図35参照)と同様に、確変スイッチ65e3の通過状況に応じて、大当たり後の遊技状態を設定するための処理である。
この第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)のうち、S1201、およびS1205の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図35参照)のS1201、およびS1205の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における大当たり終了処理2(S1021)では、S1201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合に(S1201:Yes)、次いで、確変フラグ203uをオンに設定して(S1211)、処理をS1212へと移行する。一方、S1201の処理で確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1201:No)、S1211の処理をスキップし、処理をS1212へと移行する。
S1212の処理では、時短種別選択テーブル202gから、当選時状態格納エリア203tに格納されているデータにより特定される遊技状態に対応する時短回数を読み出して、その読み出した値を時短中カウンタ203rに設定する(S1212)。次いで、S1211、およびS1212の各処理で更新された確変フラグ203u、および時短中カウンタ203rの各値に基づいて状態コマンドを設定する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。
また、本第2実施形態における大当たり終了処理2(図69参照)では、S1205の処理が終了すると、初回入球フラグ203vをオンに設定して(S1214)、本処理を終了する。これにより、大当たり終了後に回避期間を設定することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図70〜図72を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図70は、第1実施形態のコマンド判定処理(図40参照)に代えて実行されるコマンド判定処理2(S1621)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理2(S1621)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1621)のうち、S1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図40参照)のS1701〜S1709、およびS1711〜S1713の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1709の処理において、主制御装置110から状態コマンドを受信したと判別した場合に(S1709:Yes)、状態コマンドの内容に応じた制御を行うための状態コマンド処理を実行して(S1721)、本処理を終了する。この状態コマンド処理の詳細については、図71を参照して後述する。更に、本第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図70参照)では、S1711の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S1711:No)、次いで、初回入球コマンドを受信したかを判別し(S1722)、初回入球コマンドを受信していれば(S1722:Yes)、現在の遊技状態に応じた演出を設定するための初回入球処理を実行し(S1723)、本処理を終了する。この初回入球処理(S1723)の詳細については、図72を参照して後述する。
次に、図71を参照して、上述した状態コマンド処理(S1721)の詳細について説明する。この状態コマンド処理が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出して(S3901)、確変状態フラグ223eがオンであるかを判別する(S3902)。S3902の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3902:Yes)、次いで、時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S3903)。そして、時短状態フラグ223fもオンであると判別した場合は(S3903:Yes)、今回の状態コマンドにより通知された遊技状態が潜確状態であるかを判別する(S3904)。
S3904の処理において、通知された遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(S3904:Yes)、確変状態から潜確状態へと復帰したことを意味するので、潜確復帰演出(図59(b)参照)を設定することにより、遊技者に対して潜確状態へと復帰したことを報知して(S3905)、処理をS3906へと移行する。これにより、遊技者に対して、有利な確変状態から、更に有利な潜確状態へと移行したことを容易に認識させることができるので、遊技者を喜ばせることができる。
これに対し、S3902の処理において確変状態フラグ223eがオフであると判別した場合や(S3902:No)、S3903の処理において時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合や(S3903:No)、S3904の処理において潜確状態以外の遊技状態が通知されたと判別した場合は(S3904:No)、確変状態から潜確状態へと復帰した場合ではないので、S3905の処理をスキップして、処理をS3906へと移行する。
S3906の処理では、主制御装置110から通知された状態コマンドに応じて確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fの値を更新して、本処理を終了する。
次に、図72を参照して、上述した初回入球処理(S1723)の詳細について説明する。この初回入球処理(S1723)が実行されると、まず、確変状態フラグ223e、および時短状態フラグ223fを読み出す(S4001)。次いで、読み出した確変状態フラグ223eの値がオンであるかを判別し(S4002)、オフであれば(S4002:No)、発射方向報知演出を実行するタイミングではないので、そのまま本処理を終了してコマンド判定処理2(図70参照)に戻る。
一方、S4002の処理において、確変状態フラグ223eがオンであると判別した場合は(S4002:Yes)、次いで、S4001の処理で読み出した時短状態フラグ223fがオンであるかを判別する(S4003)。S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオンであると判別した場合は(S4003:Yes)、現在の遊技状態が確変状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、右打ちを報知する態様の演出(図59(a)参照)を実行するために、表示用右打ち演出コマンドを設定して(S4004)、本処理を終了する。ここで設定された表示用右打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用右打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において右打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図59(a)参照)を開始する。
これに対し、S4003の処理において、時短状態フラグ223fがオフであると判別した場合は(S4003:No)、現在の遊技状態が潜確状態で回避期間が終了したことを意味するので、発射方向報知演出のうち、左打ちを報知する態様の演出(図58(b)参照)を実行するために、表示用左打ち演出コマンドを設定して(S4005)、本処理を終了する。ここで設定された表示用左打ち演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図39参照)のコマンド出力処理(S1602)において、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用左打ち演出コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において左打ちを報知する態様の発射方向報知演出(図58(b)参照)を開始する。
このように、初回入球処理(S1723)を実行することにより、回避期間の終了時に遊技者が効率よく遊技を行うことができる適切な発射方向を報知することができる。よって、遊技者に対して効率よく遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技者にとって有利な2種類の遊技状態(確変状態、潜確状態)を含む4種類の遊技状態を設ける構成としている。そして、最も有利な潜確状態では、大当たりのみを契機として他の遊技状態へと移行可能に構成している上、移行先が基本的に確変状態となるように構成としている。このように構成することで、潜確状態へと移行させることができれば、その潜確状態を含め、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定されることになるので、短い期間で複数回の大当たりが連続させることができる。よって、短期間に多量の賞球を獲得させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態で大当たりとなった場合に再度、潜確状態が設定される場合や、確変状態で大当たりとなった場合に再度、確変状態が設定される場合を設ける構成としている。即ち、潜確状態となった場合に、大当たりが連続する回数は、遊技者の運次第で可変される構成としている。このように構成することで、特別図柄の高確率状態と大当たりとがどれだけ繰り返されるのかを予想し難くできるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第2実施形態では、潜確状態から、有利度の低い確変状態へと移行してしまった場合でも、大当たりの一部(大当たりI)、および時短期間が経過した場合に、潜確状態へと復帰することが可能に構成している。潜確状態へと復帰させることができれば、再度、少なくとも2回連続で大当たり後に特別図柄の高確率状態が設定される有利な状態になるので、遊技者を喜ばせることができる。更に、本第2実施形態では、大当たり後に潜確状態、および確変状態へと移行した場合に、いずれの遊技状態へと移行したのかを分かり難くするために、遊技状態(球の発射方向)を報知する演出(発射方向報知演出)の実行を大当たりの終了時よりも遅延させる構成としている。より具体的には、大当たりが終了した後、最初にスルーゲート67を通過するまで、発射方向報知演出の実行を回避し、最初にスルーゲート67を球が通過したと検出された場合に、遊技状態に応じた態様の発射方向報知演出を実行する構成としている。このように構成することで、潜確状態であるか、確変状態であるかを、より長く不明確にすることができるので、潜確状態へと移行していることをより長く期待して遊技を行わせることができる。
また、確変状態においてオープニングAが設定される(即ち、不利な)大当たり種別(大当たりJ,K)となった場合に、その大当たり後に時短期間が付与される構成としている。即ち、特別図柄の高確率状態(潜確状態、確変状態)のループが終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落させないように構成している。このように構成することで、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。加えて、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に通常状態まで転落することがない構成としている。つまり、時短状態で大当たりになった場合には、基本的に時短状態をループするか、潜確状態へと移行する構成としている。よって、時短状態をループした場合には、少なくとも時短期間が終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、潜確状態へと移行した場合には、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
なお、本第2実施形態では、潜確状態において特別図柄の抽選により小当たりとなる確率が高くし、頻繁に小当たりとなる構成としていた。これにより、潜確状態における球持ちを良くし、潜確状態における遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態ではラウンド数の多い大当たり種別が決定され易く構成してもよい。具体的には、例えば、潜確状態で実行され易い第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、15ラウンド大当たりが決定され易くなる一方で、確変状態で実行され易い第2特別図柄の抽選では、8ラウンド大当たりが決定され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、潜確状態では、左打ちにより持ち球が減り易くなるものの、大当たりとなる確率が高い上に、大当たりとなれば賞球をより多く獲得できるようになるので、球持ちの悪さを加味しても遊技者にとって有利とすることができる。更に、第1特別図柄の抽選で15ラウンドを選択され易く構成することで、確変状態においてあえて左打ちを行う遊技方法を遊技者に選択させることができる。即ち、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、電動役物640aの開放時間が長くなる確変状態において、右打ちを行うことで持ち球を減らさずに8ラウンドの大当たりを狙う安定性の高い遊技性と、左打ちを行うことで、球持ちは悪くなるが当たれば15ラウンドとなり易いギャンブル性の高い(少ない抽選回数で当たれば利益が大きいが、外れが連続し続けると損をする可能性がある)遊技性とを遊技者に選択させることができる。これにより、各遊技者の趣向に合わせた遊技を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり後に設定された特別図柄の高確率状態が、次に大当たりとなるまで継続する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、確変回数を100回に限る構成としてもよい。このように構成することで、有利な潜確状態や確変状態でも緊張感を持って遊技を行わせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。また、本第2実施形態では、普通図柄の時短期間として、20回,50回、および100回のいずれかが設定される構成としているが、これに限られず、時短期間は任意に定めてもよい。また、次の大当たりとなるまで時短期間が継続する構成としてもよい。具体的には、例えば、確変状態が設定される場合には、次の大当たりまで特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態が共に継続する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、スルーゲート67に対する最初の入球を検出したことを契機として、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して初回入球コマンドを出力する構成としていた。そして、初回入球コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合に、遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としていたが、これに限られない。例えば、主制御装置110側で遊技状態まで判別して、発射方向報知演出を実行するタイミングの場合(大当たり後最初にスルーゲート67の通過を検出し、且つ、遊技状態が潜確状態、または確変状態の場合)にのみ初回入球コマンドを出力する構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。また、初回入球コマンドの出力頻度を低減することができる。一方、主制御装置110では、スルーゲート67を球が通過する毎に音声ランプ制御装置113に対してコマンドを出力する構成とし、音声ランプ制御装置113側で、初回の通過であるか否かや、現在の遊技状態を判別して、発射方向報知演出を実行するか否か判定する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110側では初回か否かの判別を実行する必要が無くなるので、初回入球フラグ203vの削減によりRAM203の容量を削減できると共に、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態では、大当たり後に潜確状態、または確変状態が設定された場合には、最初にスルーゲート67を球が通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としていたが、発射方向報知演出の実行条件はこれに限られない。例えば、普通図柄の当たりとなった場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよいし、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、これらを複合して、普通図柄の当たりとなるか、スルーゲート67を球が所定回数(例えば、3回)通過するかのうち、いずれかが発生した場合に発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、大当たり後、所定期間(例えば、10秒間)が経過してから遊技状態に応じた発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。更に、例えば、回避期間を設けない代わりに、発射方向報知演出の態様として、大当たり後、所定期間(例えば、10秒)は、発射すべき方向を遊技者が認識困難となる態様で実行してもよい。ここで、遊技者が視認困難な態様とは、例えば、発射方向を示す文字が最初は微細な文字で表示され、時間の経過とともに文字が拡大されていく態様等が挙げられる。これらの構成とした場合も、上記第2実施形態と同様に、潜確状態か確変状態かを分かり難くすることができるので、遊技者の潜確状態に対する期待感をより長く持続させることができる。
本第2実施形態では、発射方向報知演出の実行が回避される(遅延される)回避期間中の演出として、スルーゲート67を狙うことを報知する態様の演出を実行する構成としたが、回避期間中の演出態様はこれに限られるものではない。例えば、回避期間中は、遊技状態に関係なく左打ちでスルーゲート67を狙うように報知してもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。
本第2実施形態では、有利な遊技状態として潜確状態と確変状態とを設け、潜確状態を最も有利な状態に設定しているが、これに限られるものではない。例えば、確変状態が最も有利となるように構成してもよい。具体的には、確変状態では全ての大当たり種別でオープニングBが設定される構成にすると共に、例えば、75%の割合で時短期間が付与されるように構成する(即ち、確変状態がループし易くなるように構成する)。より具体的には、例えば、確変状態で大当たりJ,K,L(振り分け75%)となった場合にオープニングBが設定されると共に時短期間が付与され、大当たりI(振り分け25%)となった場合にオープニングBが設定されるが時短期間が付与されない(潜確状態に移行する)ように構成する。一方、潜確状態では、過半数の大当たり種別で(例えば、65%の割合で)オープニングAが設定されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF,G(振り分け65%)ではオープニングAが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、時短状態に転落する)ように構成し、大当たりE(振り分け25%)では、オープニングBが設定されると共に時短期間が付与さない(即ち、潜確状態をループする)ように構成し、大当たりH(振り分け10%)ではオープニングBが設定されると共に時短期間が付与される(即ち、確変状態へ復帰する)ように構成してもよい。このように構成することで、上記第2実施形態とは逆に、確変状態を最も有利な遊技状態とすることができる。また、この場合において、潜確状態、または確変状態へと移行した後の回避期間では、左打ちを報知する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、回避期間中に右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され難くなってしまうことを防止(抑制)することができる。また、上述した通り、遊技状態として確変状態が設定された場合に、回避期間中に左打ちを行ったとしても、普通図柄の当たりとなるまでは右打ちと左打ちとで有利度合いに差が出ない。よって、回避期間中に左打ちを報知する態様の演出を実行することで、遊技状態が潜確状態、確変状態のどちらであっても、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。更に、スルーゲート67への入球を契機として右打ちが報知された場合には、最も有利な確変状態へと移行していた(またはループした)ことを意味するので、一旦、左打ちを報知して潜確状態に移行した(またはループした)かと思わせておくことにより、遊技者の確変状態へと移行した(またはループした)ことに対する喜びを増幅させることができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初にスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出によって潜確状態、および確変状態のうちどちらの遊技状態へと移行したのかを遊技者に対して報知する構成としているが、遊技状態の報知タイミングはこれに限られるものではない。例えば、確変スイッチ65e3を通過した時点で、当選時状態格納エリア203tに格納された値から大当たり終了時に設定される遊技状態を予測して、報知する構成としてもよい。これにより、早期に遊技者に対して遊技状態を知らせることができる。また、例えば、大当たりの所定ラウンド(例えば、8ラウンド目)や、大当たりのエンディング演出の実行中に、大当たり後の遊技状態を報知する構成としてもよい。
本第2実施形態では、大当たり終了後、最初に左右どちらかのスルーゲート67を球が通過したことに基づいて、発射方向報知演出を実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられたスルーゲート67を大当たり終了後、最初に通過したことに基づいて発射方向報知演出を実行する構成としてもよい。そして、回避期間中は、左側のスルーゲート67を狙うように示唆する態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態の場合には、回避期間中も第1入球口64へと入球し易い左打ちを遊技者に行わせることができるので、効率よく遊技を行わせることができる。また、大当たり終了後の遊技状態が確変状態の場合でも、左側のスルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選が当たりだった場合に、発射報知演出を確認してから右打ちを行っても電動役物640aが開放されるまでに十分に球を第2入球口640へと入球させることができる長さの変動時間が設定されるので、遊技者に損をさせずに遊技させることができる。この場合において、大当たりのエンディング期間に、左打ちに戻すことを示唆する態様のエンディング演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間まで特定入賞口65aへと球を打ち出してしまうことを防止し、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができる。よって、遊技者がより損をし難くできる。更に、左側のスルーゲート67への球の通過のみを契機に発射方向報知演出を実行する場合は、大当たりの最終ラウンドで特定入賞口65aでなく小当たり用入賞口650aが開放される構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドで、遊技盤13の左側に設けられた小当たり用入賞口650aへと球を入球(入賞)させるために遊技者に左打ちを行わせることができる。よって、回避期間に突入する前から左打ちを行わせることができるので、遊技者がより損をし難い構成とすることができる。なお、スルーゲート67ではなく、発射方向報知演出の実行契機となる専用の入球口(演出用入球口)を遊技盤13の左側の流路に設ける構成としてもよい。このように構成した場合にも、左側のスルーゲート67への通過を契機として発射報知演出を実行するのと同一の効果を奏することができる。
本第2実施形態では、潜確状態を最も有利な状態としているが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態よりも、時短状態の方が有利になるように構成してもよい。より具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態での大当たり確率と、低確率状態での大当たり確率との差が少なくなるように構成する(例えば、低確率時は1/50、高確率時は1/49)。そして、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、獲得できる賞球数が少ない大当たり種別が決定される割合を高くし(例えば、ラウンド数が1ラウンドの「大当たりα」、「大当たりβ」を決定可能に構成し)、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、賞球数を多く獲得できる大当たり種別が決定される割合が高くなるように(例えば、ラウンド数が15ラウンドの「大当たりγ」、「大当たりδ」を決定可能に)構成する。そして、左打ちで遊技を行う通常状態で「大当たりα」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、賞球を多く獲得できる大当たり種別が決定され易い(第2特別図柄の抽選が実行され易い)時短状態に移行し易くなるように構成する。一方で、通常状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間が付与されないように構成する。即ち、賞球が少ない大当たり種別が決定され易い(第1特別図柄の抽選が実行され易い)潜確状態に移行し易くなるように構成する。また、右打ちで遊技を行う時短状態では、「大当たりγ」になった場合にはオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態が設定され易くなるように構成する。これにより、時短状態で大当たりとなった場合には、基本的に右打ち遊技を行う時短状態か確変状態が設定されるので、遊技者にとって最も有利となる。また、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、右打ちで遊技を行う比較的有利な確変状態をループ易くなるように構成する。一方、確変状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定されるが、時短期間は付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な潜確状態が設定され易くなるように構成する。これにより、確変状態は、第2特別図柄の抽選が実行され易い点で有利なものの、大当たり後に不利な潜確状態へと移行する可能性があるため時短状態に比較すると有利度を低くすることができる。また、左打ちで遊技を行う潜確状態で「大当たりα」になった場合はオープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が付与されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態へと移行できるように構成する。一方、潜確状態で「大当たりβ」になった場合はオープニングAが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、左打ちで遊技を行う不利な通常状態が設定され易くなるように構成する。このように、大当たり種別と、遊技状態との組み合わせと、オープニング種別との対応関係、および時短期間の対応関係を変更することにより、時短状態を最も有利とすることができる。よって、一般的には有利とされる確変状態や潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、遊技者に不利な通常状態や潜確状態では、オープニングBが設定される大当たりとなった場合に時短期間が付与されないように構成しているので、オープニングBが設定される大当たりの1ラウンド目で故意に球を打ち出さないことで時短状態へと移行させることを狙う変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。より詳述すると、仮にオープニングBが設定される大当たりで時短期間を付与する構成とすると、故意に確変スイッチ65e3を通過しないような打ち方をすることで大当たり後に時短期間のみが設定され、労せずに最も有利な時短状態が設定されてしまう。つまり、不利な状態で大当たりになった場合に変則的な遊技方法を行うと、確実に時短状態に設定されてしまうという不具合が生じる。これに対して、オープニングBが設定される場合には時短期間を付与しない構成とすることで、1ラウンド目に変則的な遊技方法を行っても通常状態が設定されるだけなので、変則的な遊技方法を実行するメリットを無くすことができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、時短状態を最も有利な遊技状態とする場合において、確変状態を設けない構成としてもよい。即ち、通常状態や潜確状態における遊技状態の移行方法はそのままとしておき、時短状態で大当たりになると基本的に時短状態をループするか、潜確状態に移行するように構成してもよい。より具体的には、時短状態で「大当たりγ」となった場合に、オープニングAが設定され、且つ、100回の時短期間が設定されるように構成する。即ち、最も有利な時短状態をループし易くなるように構成する。一方で、時短状態で「大当たりδ」になった場合はオープニングBが設定され、時短期間が付与されないように構成する。即ち、不利な潜確状態へと移行し易くなるように構成する。このように構成することで、時短状態で「大当たりδ」になった場合に、遊技者が故意に1ラウンド目で球を打ち出さなかったとしても、有利な状態に移行することが無い(時短期間が付与されないため通常状態に移行する)ので、故意に1ラウンド目に球を打ち出さない変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。即ち、通常状態、潜確状態、および時短状態の全ての遊技状態で変則的な遊技方法を抑制することができる。また、時短状態の方が潜確状態よりも有利になるので、一般的には有利とされる潜確状態へと移行するよりも、時短状態へと移行することで遊技者を喜ばせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
本第2実施形態では、大当たり終了後に潜確状態、または確変状態が設定された場合に必ず回避期間を設定する構成としているが、これに限られるものではなく、抽選により回避期間を設定するかを決定してもよい。即ち、大当たり終了後、即座に発射方向報知演出を実行する場合と、回避期間が経過してから発射方向報知演出を実行する場合とを設ける構成としてもよい。この場合において、確変状態が設定された場合よりも、潜確状態が設定された場合に回避期間が設定される確率が高くなる構成としてもよい。このように構成することで、回避期間が設定された時点で、より有利な潜確状態に対する期待感を高めることができる。
<第2実施形態の変形例について>
次に、図73を参照して、上記第2実施形態の変形例について説明する。上述した第2実施形態では、通常状態、時短状態、潜確状態、および確変状態の4つの遊技状態を行き来する構成としていた。
これに対して第2実施形態の変形例では、通常状態、時短状態、および確変状態の3つの遊技状態を行き来する構成としている。そして、確変状態では、大当たりとなった場合にループするか、通常状態に比較して有利な時短状態が設定される。また、時短状態で大当たりになると、通常状態に比較して有利な時短状態をループするか、本変形例において最も有利な確変状態へと復帰する構成としている。このように構成することで、確変状態や時短状態では、大当たりになっても基本的に最も不利な通常状態へ移行することが無くなるので、安心して遊技を行わせることができる。
図73は、第2実施形態の変形例における遊技状態の移行方法を示した図である。図73に示した通り、通常状態では、第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合(および第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、通常状態で大当たりFとなった場合(および大当たりJとなった場合)には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりF(または大当たりJ)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、時短状態でも、第2特別図柄の抽選で大当たりJとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりFとなった場合)に、潜確状態に代えて確変状態へと移行することを除き、遊技状態の移行方法は上記第2実施形態と同一である。即ち、時短状態で大当たりJ(および大当たりFとなった場合)となった場合には、基本的に次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。なお、大当たりJ(または大当たりF)となり、オープニングBが設定されたにも拘らず確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が付与されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
また、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりJ,K,Lとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりF,G,Hとなった場合)に最も有利な確変状態をループするように変更されている。即ち、確変状態で大当たりJ,K,Lとなった場合(および大当たりF,G,Hとなった場合)には、いずれもオープニングBが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりJ,K,L(および大当たりF,G,H)のいずれかとなり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、100回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
加えて、確変状態では、第2特別図柄の抽選で大当たりIとなった場合(および第1特別図柄の抽選で大当たりEとなった場合)に、時短状態へと移行する構成としている。即ち、確変状態で大当たりIとなった場合(および大当たりEとなった場合)は、オープニングAが設定されるようにオープニング選択テーブル202eが変更されている。また、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を通過した場合には、次の大当たりまで継続する普通図柄の高確率状態が設定され、大当たりI(または大当たりE)となり、確変スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、50回の時短期間が設定されるように時短種別選択テーブル202gが変更されている。
このように、図73に示した遊技状態の移行方法とすること、通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の状態のうち、確変状態を最も有利な状態とすることができる。そして、確変状態で大当たりとなった場合には、基本的に確変状態をループするか、時短状態へと移行するように構成できる。これにより、確変状態で不利な大当たり(大当たりI)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
加えて、本変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に、確変状態へと復帰するか、時短状態がループする構成としている。このように構成することで、時短状態で不利な大当たり(大当たりI,K,L)となった場合に、最も不利な通常状態まで転落してしまうことを抑制できるので、確変状態が終了した時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうこと(所謂即ヤメ)を防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
以上説明した通り、本第2実施形態の変形例では確変状態や時短状態で不利な大当たり種別となった場合に、時短状態に移行する構成としている。ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特典遊技が付与されるものがある。かかる特典遊技には、特典遊技のみが付与される(特典遊技後の付加価値が付与されない)第1特典遊技と、特典遊技後の付加価値として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられているものがある。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で第1特典遊技が決定されてしまうと、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、通常遊技状態が設定された時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して本第2実施形態の変形例では、有利な確変状態が終了した場合に、最も不利な通常状態まで転落することを防止し、通常状態よりも比較的有利な時短状態が設定され易くなる構成としているので、有利な確変状態が終了した場合にも、時短状態が終了するまでは遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、遊技状態に応じて有利な大当たり種別を異ならせる構成としていたが、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別を固定してもよい。より具体的には、例えば、大当たりF、および大当たりJを有利な大当たり種別とし、他の大当たり種別を不利な大当たり種別としてもよい。そして、通常状態や時短状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態(変形例の場合は確変状態)に移行する構成とし、他の大当たり種別となることで同じ状態をループする構成としてもよい。また、潜確状態では、大当たりF,Jとなることで潜確状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで確変状態に移行する構成としてもよい。更に、確変状態では、大当たりF,Jとなることで確変状態をループする構成とし、他の大当たり種別となることで時短状態へ移行する構成としてもよい。このように構成することで、有利な大当たり種別、不利な大当たり種別が分かり易い遊技機を提供することができる。
上記第2実施形態、および第2実施形態の変形例では、時短状態で大当たりとなった場合に有利な遊技状態(潜確状態、または確変状態)へと移行するか、時短状態をループする構成としていたが、時短状態で大当たりとなった場合に設定される遊技状態はこれに限られるものではない。例えば、時短状態で大当たりとなった場合には、必ずオープニングBが設定されるように構成してもよい。即ち、時短期間が経過するよりも前に大当たりに当選させることで、必ず有利な遊技状態へと復帰させることができる構成としてもよい。このように構成することで、時短期間が経過するよりも前に大当たりとなることをより強く期待させることができるので、時短状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設ける構成とし、大当たり中に特別排出流路65e2の下流に設けられた確変スイッチ65e3を通過した場合に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される構成としているが、これに限られるものではない。例えば、大当たり後に特別図柄の高確率状態が付与されるか否かを、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて決定するように構成してもよい。即ち、オープニング選択テーブル202eに代えて、大当たり種別、および遊技状態に応じた遊技状態を規定したデータテーブルを設ける構成とし、このデータテーブルを大当たり終了時に参照して、大当たり後の遊技状態を設定する構成としてもよい。このように構成することで、第1実施形態や第2実施形態と同一の効果を奏することができると共に、可変入賞装置65の内部機構を簡素化することができる。
上記各実施形態では、大当たり種別や遊技状態によらず流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kに対して同一の動作を設定する構成としていたが、大当たり種別や遊技状態に応じてオープニング期間を可変させるのに代えて、または加えて、流路ソレノイド65kの動作を大当たり種別や遊技状態に応じて可変させる構成としてもよい。このように構成することで、上記各実施形態と同一の効果を奏する上、設計の自由度を高めることができる。
上記各実施形態では、確変スイッチ65e3を通過し続ける限り、制限なく特別図柄の高確率状態が連続する構成としていたが、連続回数には制限を設けてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定された回数をカウントしておき、連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、次の大当たりで確変スイッチ65e3の通過が無効となる(確変スイッチ65e3を通過しても203hがオンにならないか、または確変設定フラグ203hがオンでも確変カウンタ203gまたは確変フラグ203uが更新されない)ように構成してもよい。また、大当たりになっても流路ソレノイド65kが可変しない(即ち、大当たり中に特別排出流路65e2が開放されない)特別な遊技状態を設ける構成とし、特別図柄の高確率状態の連続回数が特定回数(例えば、5回)となった場合には、流路ソレノイド65kが動作しない遊技状態に移行させる構成としてもよい。このように構成することで、特別図柄の高確率状態が過剰に連続し過ぎてしまうことを防止(抑制)できるので、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止(抑制)することができる。
上述した各実施形態では、大当たり等を契機として、4つの遊技状態(通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態)を行き来するように構成し、4つの遊技状態のうち、潜確状態が遊技者にとってより最も有利となるように、潜確状態において大当たりに当選した場合には、他の遊技状態が設定されている場合に大当たりに当選した場合よりも、大当たり終了後に設定される遊技状態として遊技者に有利な遊技状態が設定され易くなるように構成していた。
なお、潜確状態を遊技者に最も有利な遊技状態とするという技術思想を具現化するために、上述した各実施形態に記載した構成、つまり、大当たり後に設定される遊技状態の移行割合を異ならせる構成以外を用いても良く、例えば、潜確状態が設定されている場合における遊技において遊技者に付与される特典(例えば、賞球等)が最も多くなるように構成しても良い。
<第3実施形態>
次に、図74から図149を参照し、第3実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。詳細は後述するが、本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成し(所謂、同時変動方式を採用している)、さらに、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選を遊技者に有利とするために、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが小当たりに当選し易く構成している。加えて、遊技状態として潜確状態が設定されている場合における第2特別図柄の変動時間が、他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように構成し、潜確状態中が最も遊技者に有利となるように構成している。このように構成することで、大当たり等を契機として移行可能な複数の遊技状態(通常状態、潜確状態、確変状態)のうち、潜確状態が遊技者にとってより最も有利となるようすることができる。
まず、図74を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10について説明をする。図74はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図74に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口1640、可変入賞装置65、第1スルーゲート670、第2スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口1640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図74を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図75参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図74の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図74の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図74の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図75参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第3実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口1640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が第2入球口1640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64、第2入球口1640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本第3実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口1640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口1640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口1640に付随する電動役物1640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物1640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物1640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口1640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口1640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口1640に付随する電動役物1640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物1640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口1640に付随する電動役物1640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物1640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口1640に付随する電動役物1640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物1640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口1640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート670および第2スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、後述する回転体昇降ユニット300,中央遊動ユニット400および左右回転ユニット500が動作されると、それらの相対変位部材450や従動部材560の少なくとも一部がセンターフレーム86の開口部内に張り出し、開口部を介して視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図75参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本第3実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図75参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート670および第2スルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート670および第2スルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本第3実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口1640に付随された電動役物1640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口1640の電動役物1640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口1640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物1640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口1640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物1640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート670は、可変表示装置ユニット80の左側の領域において遊技盤に組み付けられ、第2スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート670および第2スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート670および第2スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート670および第2スルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本第3実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート670および第2スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図75参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、第2入球口1640が配設されている。第2入球口1640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図75参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入球口64は、球が入賞(入球)すると3個の球が賞球として払い出される入賞口となっており、第2入球口1640は、球が入賞(入球)すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つになっている。なお、本第3実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口1640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異ならせたが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口1640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と同一の数(例えば、共に5個)として構成してもよい。
また、第2入球口1640には電動役物1640aが付随されている。この電動役物1640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物1640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口1640へと入賞しにくい状態となっている。一方、第2スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物1640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口1640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物1640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、電動役物1640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入球口1640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口1640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口1640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口1640にあるような電動役物1640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口1640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口1640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2スルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口1640に付随する電動役物1640aが開放状態となりやすく、第2入球口1640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口1640へ向けて、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2スルーゲート67を通過させて電動役物1640aを開放状態にすると共に、第2入球口1640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本第3実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第2入球口1640の上側には可変入賞装置65が配設されており、その右側には、閉鎖状態となることで可変入賞装置65の内部へと球が入球することを妨げる開閉板65f1が設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口1640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている開閉板65f1が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が5個入賞するまで)開放される。
この開閉板65f1は、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その開閉板65f1が所定時間開放される。この開閉板65f1の開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、可変入賞装置65の入り口部分(特定入賞口65a)への入球を妨げる開閉板65f1と、その開閉板の下辺を軸として右方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。開閉板65f1は、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が可変入賞装置65内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、可変入賞装置65は1つに限られるものではなく、複数(例えば3つ)配置しても良い。また、配置位置も第2入球口1640の上方に限られず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、第1入球口64の下方に配設される。
尚、本実施形態では、遊技盤13にアウト口を1つ(アウト口66)しか設けていないが、複数のアウト口を設けるように構成しても良く、例えば、遊技盤13の右側領域(例えば、第2入球口1640の右側)に第2アウト口66aを設けても良い。このように構成することで、図示しない球排出路へ球を案内するために遊技盤13を流下した球を一箇所(アウト口66)に向けて流下させるための構成(流路)を設ける必要が無くなるため、遊技盤13の遊技領域を有効に用いることができる。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
次に、図75を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図75は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM2020と、そのROM2020内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM2030と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM2030は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM2030は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM2030に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM2030に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM2030に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM2030への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM2030に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、可変入賞装置65の開閉板65fの下辺を軸として右方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM2030と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM2220と、ワークメモリ等として使用されるRAM2230とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第3実施形態>
次いで、上述した第3実施形態におけるパチンコ機10について、図76〜図149を参照して説明する。本第3実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)の3つの遊技状態を設けている。そして、潜確状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。より具体的には、潜確状態において、第2入球口1640へと球が入球したことに基づいて実行される変動表示の変動時間を、他の遊技状態よりも短くする(600秒→0.5秒)構成としている。また、普通図柄の通常状態(低確率状態)と普通図柄の時短状態(高確率状態)とで、普通図柄の当たり確率がほぼ同等(231/240→232/240)となるように構成し、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物1640aの開放期間を共通(1秒間×2回)としている。これにより、普通図柄の通常状態が設定される潜確状態では、第1入球口64を狙って球を打ち出す(所謂、左打ちを行う)よりも、第2入球口1640を狙って球を打ち出す(所謂、右打ちを行う)ことで、特別図柄の抽選をより効率良く実行させることができるようになる。以降、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選のことを、第1特別図柄の抽選と称し、第2入球口1640へと球が入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となる。具体的には、第2特別図柄の抽選では、外れの一部で特定入賞口65aが所定期間(1.648秒×1回、0.06秒×6回、または0.06秒×8回)開放される。このため、第2特別図柄の抽選で大当たりにならなくても、球を特定入賞口65aへと入球させて賞球を獲得する機会が多く与えられるので、第1特別図柄の抽選よりも有利となる。以降、説明の簡略化のため、特定入賞口65aが開放される外れ抽選結果のことを「小当たり」と称する。
第2特別図柄の抽選で大当たりに加え、小当たりとなった場合にも特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い潜確状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、潜確状態となることを期待して遊技を行わせることができる。なお、詳細については後述するが、通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため、大当たりや小当たりになって特定入賞口65aが開放される頻度が潜確状態に比較して大幅に低下する。よって、通常状態や確変状態では、右打ちを行ったとしても、賞球よりも遊技に用いる球の方が多くなる。よって、通常状態や確変状態では、左打ちを行った方が有利となる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
まず、図76〜図78を参照して、本実施形態における可変入賞装置65の詳細について説明する。図76は、本実施形態におけるパチンコ機10のセンターフレーム86の正面図である。図76に示した通り、センターフレーム86の右側には、第2スルーゲート67が配設され、その第2スルーゲート67の左下側には、可変入賞装置65が配設されている。これらの第2スルーゲート67、および可変入賞装置65に対しては、遊技者が右打ちを行った場合に球が到達する可能性がある。なお、図76では、可変入賞装置65の構造の理解を容易にするために可変入賞装置65に対して正面視手前側に設けられていたカバー体のうち、外周部分以外を削除して図示している(図76のCLXXIX部)。
ここで、図77(a),(b)を参照して、可変入賞装置65の構成について詳細に説明する。図77は、図76におけるCLXXIX部の拡大図である。図77(a),(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aの下方には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサで構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、その下流側に設けられた通常排出流路65e1、または特別排出流路65e2のいずれかに振り分けられる。
なお、図77(a),(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、開閉板65f1により遊技球が入球可能な開放状態と、入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が開閉板65f1によって覆われ、開閉板65f1の右側を球が流下可能に構成される。また、開放状態では、開閉板65f1は、正面視右側に向けて傾倒することにより特定入賞口65aの開口が開放されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の正面視右側の流路を流下して、第2入球口1640側へと誘導されるように構成されている。よって、最も有利な潜確状態では、第2入球口1640へと遊技球を入球させて第2特別図柄の抽選を行わせることと、小当たりや大当たりとなった場合に特定入賞口65aへと球を入球させて賞球を獲得することとを、単に右打ちを行い続けることにより実現できる。従って、潜確状態において、遊技者がより楽に遊技を行うことができる。
次に、図77(a)、(b)を参照し、開閉板65f1が開放され、特定入賞口65aに入賞した遊技球が、後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
まず、図77(a)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図77(a)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、切替部材65hが正面視左側(球が流下する流路側)に突出した状態となっていることにより特別排出流路65e2の入り口の開口面を塞いでいる状態を示す図である。
開閉板65f1が開放されると、特定入賞口65aへと入球した遊技球は検出口65a1を流下する。そして、検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの上面に誘導され、その切替部材65hによって特別排出流路65e2を流下することが阻害された結果、通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。この排出確認スイッチ65e4により、通常排出流路65e1からアウト球としてパチンコ機10の外部へと排出されたアウト球の個数を正確に検出することができる。
次に、図77(b)を参照して、特別排出流路65e2へと遊技球が誘導される場合について説明する。図77(b)は、流路ソレノイド65kが作動し、切替部材65hが正面視右方に没入することにより、特別排出流路65e2の入り口の開口面が開放されている状態を示す図である。
図77(b)に示すように、検出口65a1を通過した遊技球は、外周壁に沿って流下し、特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2へと誘導された遊技球は、その特別排出流路65e2に設けられ、遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたV通過スイッチ65e3により検出されて、アウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを、V通過スイッチ65e3により検出されたアウト球と、排出確認スイッチ65e4により検出されたアウト球との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記したV通過スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり後の遊技状態が特別図柄の確変状態(確変状態、または潜確状態)に設定される。即ち、V通過スイッチ65e3は、特別図柄の確変状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を特別図柄の低確率状態か確変状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hにより閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最長でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たりが開始してからの経過時間に対応付けて作動タイミングと作動時間が設定されている。詳細については図78を参照して後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目が開始されてから4秒間の間、切替部材65hが作動し、V通過スイッチ65e3へと続く特別排出流路65e2を遊技球が通過可能な状態になる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が検出口65a1により検出されたことに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出口65a1により検出された後の遊技球を利用して、V通過スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、特別図柄の確変状態を付与するか否かの抽選も実行できる。よって、特別図柄の確変状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図78を参照して、1の大当たりにおける流路ソレノイド65kの動作と、開閉板65f1の開閉動作との対応関係について説明する。本実施形態では、大当たりの1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンを、大当たり種別に応じて可変させることにより、特別排出流路65e2に対する球の流下し易さを可変させる構成としている。本第3実施形態では、開閉板65f1の開閉パターンとして2種類のパターン(特定入賞口65aへと入球困難なパターン、および入球容易なパターン)が設けられている。
図78は、流路ソレノイド65kの動作の計時変化と、大当たり種別毎の開閉板65f1の開閉タイミングとの計時変化を模式的に示した図である。図78(a)に示した通り、流路ソレノイド65kは、大当たりの1ラウンドが開始される前はオフ状態に保たれている。即ち、1ラウンドの開始前は、通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態(図77(a)参照)となる。このオフ状態は、1ラウンドが開始するまで継続する。そして、1ラウンド目が開始されると、流路ソレノイド65kが4秒間だけオン状態に設定される。即ち、特別排出流路65e2へ球が流下可能な状態(図77(a)参照)となる。4秒間のオン状態の期間が終了すると、再度、流路ソレノイド65kがオフ状態に設定され(通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態に設定され)、以降は大当たりが終了するまでオフ状態に保たれる。
また、図78(b)に示した通り、大当たりCになった場合には、1ラウンドが開始すると、閉鎖されていた開閉板65f1が開放される。開閉板65f1が開放されることにより、可変入賞装置65の内部へと球が入球可能となる。この開放状態は0.2秒間のみ継続する。開閉板65f1が開放されてから0.2秒が経過して以降は、1ラウンド開始からの経過時間が2.9秒となるまで開閉板65f1が閉鎖状態に保たれる。そして、1ラウンド開始から2.9秒経過時点で再度、開閉板65f1が開放状態に設定される。この開放状態は0.1秒間のみ継続し、以降は1ラウンドが終了し、5秒間のインターバル期間を経て2ラウンドが開始されるまで開閉板65f1が閉鎖状態に保たれる。なお、本実施形態における1ラウンドは、球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、1ラウンドが開始されてから3秒間が経過することにより終了する。0.2秒間の開放期間、および0.1秒間の開放期間中に球を特定入賞口65aへと入球させることは非常に困難であるので、大当たりCになった場合には、基本的に、特別排出流路65e2へと球を流下させることができずに大当たりが終了する。即ち、大当たり中に球をV通過スイッチ65e3に通過させることができないため、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与されない。よって、大当たりCになると、他の大当たり種別に比較して大当たり後の遊技状態が遊技者にとって不利となる。なお、確率は低いが、開閉板65f1が開放される0.2秒、または0.1秒間の間に球を特定入賞口65aへと入球し、球がV通過スイッチ65e3を通過した場合には、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。よって、大当たり種別が大当たりCであった場合にも、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。
また、図78(c)に示した通り、大当たりA,B,D〜Gのいずれかとなった場合には、大当たりの1ラウンド目が開始されてから3秒間、開閉板65f1が開放される。即ち、1ラウンド目において球を特定入賞口65aへと入球させることが容易な開閉パターンが設定される。よって、大当たりCに比較して長い3秒間の開放期間の間に球を特定入賞口65aへと入球させることにより、容易にV通過スイッチ65e3を通過させることができる。よって、大当たりA,B,E〜Gとなった場合には、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が容易に通過可能となるため、1ラウンド目に球を可変入賞装置65へ向けて打ち出しさえすれば、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
なお、流路ソレノイド65kのオン期間が、開閉板65f1の開放期間よりも1秒間長くなっているのは、特定入賞口65aへと入球してから特別排出流路65e2へと球が到達するまでに、最大で1秒間を要するためである。即ち、大当たりの1ラウンド目の終了間際に特定入賞口65aへと入球した球が、最大の流下時間で流下したとしても、その球がV通過スイッチ65e3を通過可能に構成するためである。これにより、大当たりの1ラウンド目に球が特定入賞口65aへと入球した場合に、入球タイミングに関係なく、大当たり後に特別図柄の確変状態を付与することができる。
このように、本実施形態では、大当たり種別に応じて確変状態への移行し易さを異ならせている。これにより、確変状態へと移行させ易い開閉パターンが設定されることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図79を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態の移行について説明する。図79は、本実施形態におけるパチンコ機10に設定されている3種類の遊技状態について、1の遊技状態から他の遊技状態への移行方法を模式的に示した模式図である。
まず、通常状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、通常状態では、右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。左打ちを行った場合、第1入球口64へと入球し易くなるためである。なお、上述した通り、第1入球口64へと球が入球することに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、小当たりが抽選されないため、大当たりにならない限り持ち球が延々と減り続ける不利な状態となる。この通常状態では、大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選で当選し得る大当たり種別としては、大当たりA〜Dの4種類が設けられている。これらの大当たり種別の詳細については、図90(a)を参照して後述する。
図79の左側に示した通り、通常遊技状態ST1(通常状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に32%の割合で決定される大当たりAになると、大当たり終了後に、図79の中央に示した確変遊技状態ST2(確変状態)へと移行する。また、通常遊技状態ST1(通常状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に合計58%の割合で決定される大当たりB,Dの何れかになると、大当たり終了後に、図79の右側に示した潜伏確変遊技状態ST3(潜確状態)へと移行する。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりCになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
上述した通り、潜確状態では、第2特別図柄の変動時間が短くなり、右打ちを行った場合の遊技効率が高くなるため、遊技者にとって有利となる。一方で、通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動時間が長くなるため、右打ちを行った場合の遊技効率が極端に低下し、潜確状態に比較して不利な遊技状態となる。よって、通常状態では、有利な潜確状態に移行する契機となる大当たりB,Dとなることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、通常状態では左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行うのが通常であるが、遊技者が故意に右打ちを行って球が第2入球口1640へと入球したり、左打ちを行った球の一部が第2入球口1640へと入球した結果、第2特別図柄の抽選で大当たりになる可能性もある。この場合には、全ての大当たり種別(大当たりE〜G)で共通して、大当たり終了後に確変遊技状態ST2(確変状態)へと移行する。通常状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、58%の割合(大当たりB,D)で有利な潜確状態へと移行する可能性がある一方で、通常状態で第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、有利な潜確状態へと移行する可能性が0となる。よって、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。
また、上述した通り、大当たりA,B,D〜Gになった場合でも、大当たり中に球を打ち出さなかった等により大当たり中に球をV通過スイッチ65e3に通過させることができなかった場合には、大当たり終了後の遊技状態が最も不利な通常状態に設定される(通常状態をループする)。一方、最も不利な大当たりCになった場合でも、大当たり中に球がV通過スイッチ65e3を通過すれば、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される。
次に、確変状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、確変状態では、通常状態と同様に右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。なお、確変状態では、通常状態に比較して特別図柄の大当たり確率がアップするため、通常状態に比較すると有利となるが、潜確状態に比べると不利になる。確変遊技状態ST2(確変状態)では、大当たりとなるか、確変状態となってから規定回数(120回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れとなった場合に他の遊技状態へと移行する。
具体的には、図79の中央部分に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりCになると、大当たりの終了後に、図79の左側に示した通常遊技状態ST1(通常状態)へと移行する。一方、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に合計58%の割合で決定される大当たりB,Dの何れかになると、大当たり終了後に、図79の右側に示した潜伏確変遊技状態ST3(潜確状態)へと移行する。これらに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に32%の割合で決定される大当たりAになると、大当たりの終了後に再度、確変状態が設定される(確変状態をループする)。また、確変状態において規定回数(120回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れになると、その規定回数の経過後に通常遊技状態ST1(通常状態)へと移行する。
なお、確変状態では、通常状態と同様に左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行うのが通常であるが、第2入球口1640へと球が入球して第2特別図柄の抽選により大当たりとなる可能性もある。この場合には、全ての大当たり種別(大当たりE〜G)で共通して、大当たり終了後に確変遊技状態ST2(確変状態)をループする。確変状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、通常状態と同様に58%の割合(大当たりB,D)で有利な潜確状態へと移行する可能性がある一方で、確変状態で第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、有利な潜確状態へと移行する可能性が0となる。よって、確変状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。
次に、潜確状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り潜確状態では、通常状態や確変状態と異なり、第2特別図柄の変動時間が短くなるので、右打ちで遊技を行うことにより第2特別図柄の抽選を効率よく行わせることができる。よって、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利となる。潜伏確変遊技状態ST3(潜確状態)では、主として潜確状態となってから規定回数(120回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れとなった場合に他の遊技状態へと移行する。
具体的には、図79の右側に示した通り、潜確状態が設定されてから規定回数(120回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れになると、その規定回数の経過後に通常遊技状態ST1(通常状態)へと移行する。一方で、右打ちで遊技を行う(第2特別図柄の抽選が実行され易い)潜確状態において第2特別図柄の抽選が実行されて大当たりになると、大当たり後は基本的に(大当たり中に特定入賞口65aを狙って球を打ち出していれば)、大当たり終了後に再度、潜伏確変遊技状態ST3(潜確状態)が設定される。このため、潜確状態では、120回連続して外れとなるよりも前に大当たりに当選し続けることで、有利な潜確状態と、賞球を多量に獲得し得る大当たりとが繰り返されるので、遊技者にとって極めて有利な遊技状態となる。なお、詳細については後述するが、潜確状態(特別図柄の高確率状態)で特別図柄の抽選が実行された場合に、大当たりに当選する確率は1/80である。1/80の大当たり抽選で120回連続して外れとなる確率は約22%(79/80の120乗)なので、潜確状態において120回以内に大当たりとなる割合は約78%である。従って、一旦、潜確状態になると、大当たりと潜確状態とが約78%でループする極めて有利な状態となる。
なお、潜確状態では右打ちで遊技を行うのが通常であるため、基本的に第1入球口64へと球が入球して第1特別図柄の抽選が実行されることはないが、遊技者が打ち出し方向を誤った場合や、通常状態において第1特別図柄の保留球が残ったまま潜確状態へと移行した場合等には、潜確状態であっても第1特別図柄の抽選が実行される可能性がある。この場合に大当たりになると、他の遊技状態へと移行する可能性がある。具体的には、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりC(振り分け10%)になると、その大当たり後に通常状態に移行する。一方、第1特別図柄の抽選で大当たりA,B,Dになった場合は、大当たり後も潜確状態が再度設定される。
なお、通常状態や確変状態とは異なり、大当たりAの終了後にも潜確状態が設定されるのは、潜確状態へと移行する前に貯まっていた第1特別図柄の保留球によって、潜確状態移行後に第1特別図柄の抽選が実行されて大当たりとなった場合に、不利な確変状態へと移行してしまう可能性を低減するためである。潜確状態へと移行した直後に、保留されていた第1特別図柄の抽選が行われて大当たりになり、確変状態に移行してしまうと、潜確状態の恩恵を受けることなく不利な状態に転落してしまうため、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。これに対して本第3実施形態では、有利な潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり後に潜確状態をループする割合が通常状態や確変状態よりも高くなるように設定している。これにより、有利な潜確状態に移行してから即座に第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、高い割合(90%)で再度潜確状態が設定される。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)できる。
次に、図80〜図87を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明を行う。図80は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図80(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図80(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「1」から「9」の数字を付した9種類の主図柄で構成されている。各主図柄は、各種の動物を模した後方図柄の上に「1」から「9」の数字を付して構成されている。具体的には、例えば、象を模した後方図柄に対して「1」の数字が付され、ライオンを模した後方図柄に対して「2」の数字が付されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図80(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の約3/4が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の約1/4が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、上、中、下の3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列L1〜L3毎に周期性をもって左右方向へとスクロールして変動表示が行われる。特に、上図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び下図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列L1〜L3毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの左側の縦のライン、中段の縦のライン、右側の縦のラインがそれぞれ有効ラインV1〜V3として設定されている。加えて、主表示領域Dmにおける右下がりの斜めのライン、および右上がりの斜めのラインがそれぞれ有効ラインV4,V5として設定されている。毎回の遊技に際して、上図柄列L1→下図柄列L3→中図柄列L2の順に、有効ラインV1〜V5上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインV1〜V5上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口1640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(客待ちデモ画面)が表示される(図84参照)。遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口1640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口1640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられている。この副表示領域Dsは、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。本実施形態では、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第1特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合に、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。この副表示領域Dsに表示される保留図柄の数によって、遊技者に対して現在変動表示が保留されている保留球数を明確に認識させることができる。なお、本第3実施形態では、第1特別図柄の変動表示のみが保留可能に構成されており、第2特別図柄の変動表示は保留記憶しない構成としている。このため、副表示領域Dsには、第1特別図柄の保留球数に応じた数の保留図柄のみが表示される。
次に、図80(b)を参照して、第3図柄表示装置81に対して実際に表示される表示内容の一例について説明する。実際の表示画面では、図80(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄および副図柄が合計9個表示される。また、表示領域Dmの右側および左側には、主図柄および副図柄の一部が3個ずつ表示される。これらは、通常状態、および確変状態における第1特別図柄の抽選結果を示している。更に、主表示領域Dmの上部中央部分には、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を表示させるための小領域Dm1が表示される。この小領域Dm1では、「1」〜「9」のいずれかの数字のみで構成された簡素な態様の3つの第3図柄の変動表示が実行される。この小領域Dm1においても、同一の数字で構成される3つの第3図柄が停止表示されることにより、大当たりが開始される。なお、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄に比べて簡素な態様で表示させているのは、通常状態や確変状態において基本的に第1特別図柄の抽選が実行され、第2特別図柄の抽選はほとんど実行される機会が無いためである。よって、主として実行される第1特別図柄の変動表示をより大きな表示領域に表示させる構成とすることで、遊技結果をより明確に表示させている。なお、以降の説明では、各遊技状態において主として実行される特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第1特別図柄の変動表示が該当)のことを主変動と称し、各遊技状態において正規の遊技方法を行った場合にほとんど実行されない特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動表示が該当)のことを副変動と称す。
副表示領域Dsにおける小領域Ds1においては、鳥の顔を模した保留図柄が、第1図柄の保留球数と同じ個数だけ表示される。この保留図柄は、それぞれに対応する保留球に基づく変動表示の開始時に、小領域Ds1における右方に表示された家屋の内部へと入っていく演出が実行される。これにより、保留球に対応する変動表示が開始されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、小領域Ds1では、時として保留図柄が特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口1640への入球を保留可能に構成してもよい。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図81(a),(b)を参照して、本実施形態における第3図柄の変動表示演出(変動パターン演出)について説明する。図81(a)は、変動表示演出において、上、中、下の全ての図柄列が変動中の場合における表示内容の一例を示した図である。各図柄列が変動中の場合には、各図柄列が画面の右側から左側に向けてスクロール表示(変動表示)される。変動表示が実行されることにより、特別図柄の抽選が新たに実行されたことを遊技者に対して容易に認識させることができる。よって、変動表示演出の終了後に大当たりの停止図柄となること(同一の数字が付された主図柄が有効ラインV1〜V5の何れかに揃うこと)を期待して遊技を行わせることができる。
図81(b)は、第3図柄の変動表示演出において、大当たりの停止図柄が停止表示される可能性が高いことを遊技者に示唆するリーチ演出が発生した場合における表示内容の一例を示した図である。
ここで、リーチとは、変動表示において上図柄列L1、および下図柄列L3が停止表示され、中図柄列L2のみが変動表示されている状態で、且つ、いずれかの有効ラインV1〜V5上に同一の数字が付された主図柄が停止表示された状態を示し、同一の数字が付された主図柄が有効ラインL1上に揃うチャンスであることを示唆する態様である。図81(b)に示した例では、有効ラインV4上に「1」の数字が付された主図柄が2つ停止表示されており、且つ、有効ラインV5上に「2」の数字が付された主図柄が2つ停止表示されている状態を示している。この場合には、中図柄列L2の中段に「1」、または「2」の数字が付された主図柄が停止表示されることにより大当たりの停止図柄となるので、遊技者に対して大当たりとなることを期待させることができる。
上図柄L1と、下図柄列L3とが停止表示され、リーチが発生すると、図81(b)に示した通り、変動中の中図柄列L2の上側に「リーチ!」という文字が表示される。この文字が表示されることにより、遊技者に対してリーチの発生をより確実に認識させることができる。よって、リーチの発生した変動演出の終了時に大当たりの停止図柄が停止表示されることを期待させることができる。
次に、図82、および図83を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10で実行されるリーチ演出の一種である特殊リーチ演出について説明する。この特殊リーチ演出は、一旦全ての図柄列L1〜L3が外れに対応する停止図柄の組み合わせで停止表示されたかのような演出(仮停止演出)が実行された後で、図柄列L1〜L3とは異なる図柄列が新たに表示され、その新たに表示された図柄列と、停止表示された図柄列L1〜L3のうち一部(2つ)の図柄列とでリーチが発生する特殊な態様のリーチ演出である。この特殊リーチ演出は、リーチ演出の一部で選択され、通常のリーチ演出よりも大当たりとなる期待度が高くなる(特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択され難くなる)ように設定されている。
図82(a)に示した通り、特殊リーチ演出が実行されると、まず、各図柄列がリーチを伴わずに外れの停止図柄で停止表示(仮停止)される。この場合の外れの停止図柄は、上図柄列L1の更に上側にもう1つの図柄列が存在する場合に、上図柄列L1と中図柄列L2とでリーチとなる組み合わせの停止図柄が停止表示される。図82(a)の例では、上図柄列L1の中段と、中図柄列L2の左側とに「1」の数字が付された主図柄が表示されている。つまり、仮に上図柄列L1よりも更に上側に図柄列が存在した場合に、その図柄列の右側に「1」の図柄が付された主図柄が停止表示すると、同一の数字である「1」が付された主図柄が一直線上に揃う並び順で停止表示される。なお、特殊リーチ演出における仮停止の態様としては、上図柄列L1の左側と、中図柄列L2の中段とで右上がりに同一の数字が付された主図柄が並ぶ態様以外にも複数の態様が設けられている。例えば、上図柄列L1と中図柄列L2とで、左側、中段、および右側のいずれかに同じ数字が付された主図柄が縦方向に並ぶ態様や、上図柄列L1の中段と、中図柄列L2の右側とに同一の数字が付された主図柄が右上がりに並ぶ態様も設けられている。
特殊リーチ演出において、各図柄列L1〜L3の第3図柄が仮停止された後は、図82(b)に示した通り、上図柄列L1、および中図柄列L2に表示された各第3図柄のうち、主図柄が上方向を見上げる態様に変化する。態様が変化することにより、今回の変動表示演出が終了していないことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
各主図柄が上方向を見上げる態様に変更された後は、図83(a)に示した通り、各主図柄の見上げる方向(上方向)に向かって画面のアングル(カメラアングル)をシフトさせる演出が実行される。この画面のアングルをシフトさせる演出が行われると、シフトした先に変動中の新たな図柄列L4が表示される(新たな図柄列L4がフレームインする)。これに伴って、下図柄列L4は画面からフレームアウトする。
そして、図83(b)に示したように、新たな図柄列L4が出現(フレームイン)したことで、その新たな図柄列L4と、上図柄列L1の中段に表示された「1」の数字が付された主図柄と、中図柄列L2の左側に表示された「1」の数字が付された主図柄とによってリーチ状態を構成する。これに伴って、リーチが掛かっている主図柄(「1」の数字が付された主図柄)がオーラを纏った態様に変更され、新たな図柄列L4の上側に「リーチ!」という文字が表示される。これにより、仮に新たな図柄列L4の変動停止時に、右側に「1」の数字が付された主図柄が停止表示されれば、新たな有効ラインV6上に同一の数字が付された主図柄が3つ揃う(大当たりの停止図柄となる)ので、大当たりとなるチャンスであることを遊技者に対して明確に示唆することができる。
このように、本第3実施形態では、リーチ演出の一種として、第3図柄が一旦外れの組み合わせで停止表示された後で、新たな図柄列が表示されてリーチが発生する特殊リーチが設けられている。これにより、外れの組み合わせで停止表示された場合にも、特殊リーチ演出に発展することを期待して停止図柄の組み合わせを確認させることができる。即ち、特殊リーチ演出に発展し得る停止図柄の組み合わせ(仮に新たな図柄列L4が表示された場合にリーチとなる組み合わせ)となっているかに着目して停止図柄の組み合わせを確認させることができる。よって、変動表示において外れの組み合わせで停止表示される毎に、特殊リーチ演出への発展を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第3実施形態では、特殊リーチ演出が実行された場合に、新たな図柄列L4が上図柄列L1の上側に表示される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、下図柄列L3の下側に新たな図柄列L4が表示される構成とし、中図柄列L2と、下図柄列L3と、新たな図柄列L4とでリーチを形成する構成としてもよい。また、例えば、各図柄列の間に新たな図柄列L4が表示される構成としてもよい。即ち、上図柄列L1と、中図柄列L2との間に新たな図柄列L4が出現し、上図柄列L1と、中図柄列L2と、新たな図柄列L4とでリーチを形成する構成としてもよい。また、本第3実施形態では、新たな図柄列L4が表示される場合に下図柄列L3を消去することで、第3図柄表示装置81に表示される図柄列の数を変更すること無く、表示される図柄列の種別を変更する構成としているため、特殊リーチ演出中に表示される各図柄の大きさと特殊リーチ演出前に表示される各図柄の大きさを統一することができるようにしているが、これに限ること無く、第3図柄表示装置81に表示される図柄列の数が増えるように新たな図柄列L4を表示してもよい。
次に、図84を参照して、本第3実施形態におけるデモ演出(客待ちデモ画面)について説明する。図84(a)は、通常状態や確変状態において、第1特別図柄の変動表示の結果が外れとなった状態を示した図である。第1特別図柄の保留が存在しない場合(保留球数が0の場合)には、第1入球口64へと球が入球しない限り、変動停止時の第3図柄の組み合わせが30秒間に渡って表示され続ける。そして、30秒間が経過すると、図84(b)に示した客待ちデモ画面に切り替わる。図84(b)の例では、客待ちデモ画面として、山に対して日が沈んでいくムービーが表示される。このムービーでは、時間の経過とともに表示内容が変化し、例えば、経過時間に応じて、図84(c)に示したように3羽の鳥が山の手前を通過する表示内容となる。この客待ちデモ画面に切り替わることにより、遊技を行っていない遊技者は、空き台であるか否かを容易に判別することができる。なお、客待ちデモ画面に切り替わった場合には、第1特別図柄の停止図柄が第3図柄表示装置81の表示画面の左上に簡略化して(数字のみで)表示される。
また、図84(c)に示した通り、通常状態や確変状態では、客待ちデモ画面が表示されている状態で第2特別図柄の抽選結果に対応する第3図柄の変動表示(副変動)が開始された場合や、第1特別図柄の抽選結果に対応する第3図柄が停止表示され、副変動のみが実行されている状態で30秒間が経過した場合にも、客待ちデモ画面が表示されるように構成している。上述した通り、通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動時間を極端に長く(600秒)設定することで、右打ちよりも左打ちを行った方が、遊技効率がよくなる構成としている。このため、通常状態や確変状態において遊技者が誤って右打ちしてしまい、第2特別図柄の変動表示(副変動)が開始された後、すぐに遊技者が遊技を辞めてしまった場合には、約600秒間、副変動が実行され続けることになる。この状況下において、仮に副変動の実行中には客待ちデモ画面を表示させない仕様にすると、最大で約600秒間の間、誰も遊技していないにも拘らず、第3図柄表示装置81の表示内容が遊技中であるかのような内容となってしまう虞がある。よって、副変動が終了するまで、他の遊技者がパチンコ機10で遊技を開始することをためらってしまう場合があり、パチンコ機10の稼働率が低下してしまう可能性がある。
これに対して本第3実施形態では、主変動が終了してから30秒間が経過した後は、副変動が実行中であるか否かに拘わらず、客待ちデモ画面に切り替える構成としている。そして、この客待ちデモ画面は、副変動が実行中であるか否かに拘わらず、次に第1特別図柄の抽選が実行されるまで(主変動が開始されるまで)表示させ続ける構成としている。このように構成することで、遊技者が第2入球口1640へと球を入球させ、600秒間の変動表示が開始されてから、すぐに遊技を辞めてしまったとしても、約30秒後には客待ちデモ画面を表示させることができる。よって、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができるので、パチンコ機10で遊技を開始させることができる。従って、パチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを防止(抑制)することができる。なお、本第3実施形態では、図84(b)に示す通り、第1特別図柄および第2特別図柄が停止表示されている場合のデモ表示画面において、第1特別図柄に対応する停止図柄と第2特別図柄に対応する停止図柄とを略同一の大きさで表示しているが、例えば、主変動となる側の特別図柄の大きさを副変動となる側の特別図柄の大きさよりも大きく表示するようにしてもよい。また、図84(b)に示す表示画面では、左上に第1特別図柄を停止表示し、中央上に第2特別図柄を停止表示させているが、例えば、その遊技状態において主変動となる側の特別図柄が表示画面の左上に停止表示し、副変動となる側の特別図柄を表示画面の中央上に停止表示するように構成してもよい。これにより、遊技状態に関わらず、表示画面の特定箇所を確認するだけで、主変動の変動状況を容易に把握することができる。
次に、図85を参照して、潜確状態における表示態様について説明する。上述した通り、本第3実施形態では、潜確状態を最も有利な状態としている。この潜確状態では、主表示領域Dm1において、通常の変動表示とは異なる態様の演出(ウサギを模したキャラクタ811が疾走する演出)が行われる。
図85(a)に示した通り、潜確状態では、主表示領域Dmの中央部分にウサギを模したキャラクタ811が表示される。そして、第1特別図柄の抽選結果に対応する変動表示(潜確状態における副変動)が第3図柄表示装置81の画面上部中央に表示されると共に、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動表示(潜確状態における主変動)が画面右上に表示される。なお、上述した通り、潜確状態では、右打ちにより第2入球口1640を狙って遊技を行うのが正規の遊技方法なので、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動表示(主変動)の方が第1特別図柄の抽選結果に対応する変動表示(副変動)よりも大きな表示領域で表示される。つまり、遊技状態が通常状態から潜確状態へと移行することに基づいて主変動となる特別図柄が第1特別図柄から第2特別図柄へと変更され、副変動となる特別図柄が第2特別図柄から第1特別図柄へと変更されたとしても、副変動が表示される領域が第3図柄表示装置81の画面上部中央から変更されないように構成している。これにより、副変動に関する表示(変動表示またはデモ表示)を実行するデータの少なくとも一部を共有して使用することができる。
また、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動表示(主変動)を表示する領域の下側には、「右打」という文字が表示される。この文字を表示しておくことで、遊技者に対して右打ちが正規の遊技方法であることを容易に認識させることができる。
更に、主表示領域Dmの左上に表示される残回数表示領域D1には、潜確状態の残り回数の目安(通常状態へと移行するまでの抽選回数の目安)が表示される。図85(a)の例では、「残り40回」と表示され、40回連続で特別図柄の抽選が外れとなった場合に、通常状態へと移行してしまう可能性があることを遊技者に示唆している。この残回数表示領域D1に表示される残り回数は、他の遊技状態(通常状態、または確変状態)から潜確状態へと最初に移行した場合に、潜確状態の継続回数である120回が表示され、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選結果を示す変動表示が開始されるのに連動して値が1ずつ減算表示される。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになっても、残回数表示領域D1に表示された残り回数をリセットせずに、大当たりとなる前の回数を大当たり終了後も表示させ続ける(即ち、大当たりになると、表示される回数と実際の残り回数とがずれる)構成としている。表示されている指示(「右打」の文字)に従って遊技者が右打ちをし続けていれば、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に球をV通過スイッチ65e3に通過させることができるので、その大当たり終了後に新たに120回の潜確状態が設定される。よって、潜確状態中に大当たりになると、残回数表示領域D1に表示される残り回数よりも、実際に潜確状態が継続する回数の方が多くなる。詳細については後述するが、この表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数との差分は、表示上の残り回数が0回になった場合に表示上の残り回数に追加(上乗せ)される(図87参照)。これにより、表示上の残り回数が0に近づいても、表示上の残り回数が0回になった場合に回数が追加されることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選では小当たりに当選し易くなるので、開閉板65f1が開放状態に可動(可変)したとしても、大当たりに当選したことで可動したのか、小当たりに当選して可動したのかを遊技者が判別し難くなる。加えて、本実施形態では、大当たりになった場合も、小当たりになった場合も、第3図柄表示装置81の表示態様が同様となるように構成している。具体的には、大当たりや小当たりになっても、その大当たりまたは小当たりの間、キャラクタ811が疾走する表示態様のままにしておくことで、第3図柄表示装置81の見た目から大当たりとなったのか小当たりとなったのかを判別することが困難となるように構成している。よって、潜確状態において、表示上の残り回数と、実際の残り回数とに差分が生じているのか否かを遊技者に認識され難くすることができるので、表示上の残り回数が0回になった場合に残り回数が上乗せして表示されるのか否かを予測し難くすることができる。従って、表示上の残り回数が0回となった場合に、残り回数が上乗せして表示されることをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上述した通り、可変入賞装置65と、第2入球口1640とは、共に右打ちを行うことにより球が入球し易い位置に配設されているので、大当たりおよび小当たり中の表示態様を、第3図柄の変動中や第3図柄の停止表示中と同様の表示態様にしたとしても、遊技者が大当たりまたは小当たりの賞球を獲得し逃すことを防止(抑制)できる。よって、遊技者に損をさせずに、表示上の残り回数が0回になった場合に、回数が上乗せして表示されることをより強く期待させることができる。
図85(b)は、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動表示が終了してから30秒以内の場合における第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示した図である。この場合は、第2特別図柄の抽選結果に対応する図柄が停止表示されている点以外、変動中と同一の表示態様(ウサギを模したキャラクタ811が疾走する表示態様)が表示される。ここで、本第3実施形態では、第2特別図柄の変動表示を保留する機能を有さない上に、潜確状態では第2特別図柄の変動時間が極端に短くなる(0.5秒となる)ため、変動停止状態となる頻度が極めて高くなる。この状況下において図柄の変動中と、変動停止中とで表示態様を異ならせる(切り替える)構成にしてしまうと、表示態様が頻繁に切り替わってしまい、遊技者を混乱させてしまう虞がある。また、表示態様を切り替える頻度が高くなれば、パチンコ機10の処理負荷も増大してしまう虞がある。
そこで、本第3実施形態では、図柄の変動表示中と、停止表示中とで、主表示領域Dmの表示態様を共通化している。これにより、表示態様が頻繁に切り替わることを抑制できるので、遊技者が混乱してしまうことを防止(抑制)することができる。また、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
また、潜確状態において変動停止状態のまま30秒が経過した場合は、ウサギを模したキャラクタ811が立ち止まる表示態様(潜確用デモ表示)に切り替わる。表示態様が切り替わることで、変動停止状態が長く(30秒以上)続いていることを容易に認識させることができる。また、潜確状態において変動停止状態となってから30秒が経過した場合に、客待ちデモ画面(図84(b)参照)とは異なる画面(潜確用デモ表示)を表示させることにより、現在の遊技状態が潜確状態中であることを容易に認識させることができる。よって、例えば、潜確状態で遊技中の遊技者が休憩等により一時的にパチンコ機10から離れた場合に、他の遊技者がパチンコ機10で遊技を開始してしまうトラブルを防止(抑制)することができる。潜確状態は、本パチンコ機10において最も有利な状態であり、潜確状態中に遊技を辞めるとは考え難いため、遊技を行っていた遊技者が一時的に離席しているに過ぎないと他の遊技者に認識させることができるからである。
更に、本第3実施形態における潜確状態では、第2特別図柄の変動時間が極めて短くなるため、客待ちデモ画面(図85(b)参照)を表示させてしまうと、その後に第2入球口1640へと球が入球した場合に、画面の切り替え処理に時間が掛かってしまった場合に、入球に伴う演出を表示させる前に変動時間が終了してしまう虞がある。よって、球が第2入球口1640へと入球したにも拘らず、演出が実行されないことに対して遊技者が不信感を抱いてしまう虞がある。これに対して本実施形態では、潜確状態において客待ちデモ画面(図85(b)参照)に代えて、変動中と同じキャラクタ811が表示され続ける潜確用デモ表示(図85(c)参照)を行う構成としているので、第2入球口1640への入球を検出した場合に、スムーズに表示態様(演出態様)の切り替えを行うことができる。よって、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図86(a)を参照して、潜確状態が終了した場合に表示される潜確状態終了画面について説明する。図86(a)は、この潜確状態終了画面を示した図である。この潜確状態終了画面は、潜確状態の残りの抽選回数が0回になった場合に表示される。
図86(a)に示した通り、潜確状態終了画面が表示されると、ウサギを模したキャラクタ811が地面に倒れ込む態様に切り替わると共に、キャラクタ811の上側に、「終了 左打ちに戻してね!」という文字が表示された表示領域812が表示される。これにより、有利な潜確状態が終了してしまったことを遊技者に対して容易に認識させることができる。また、キャラクタ811の右側には、「左打ちに戻して」という文字が表示される。この表示により、遊技者に対してより確実に左打ちに戻させることができる。なお、この潜確状態終了画面は、第1入球口64への入球を検出し、変動表示が開始されるか、または、潜確状態が終了してから第1特別図柄が変動停止状態のままで30秒間が経過するまで表示され続ける。そして、これらの2つの条件のうち、何れかが成立した場合に、潜確状態中に獲得した賞球や、潜確状態が継続したトータルの回数を示すリザルト画面が表示される。このリザルト画面の詳細について、図86(b)を参照して説明する。
図86(b)は、潜確状態が終了後に表示されるリザルト画面の一例を示した図である。図86(b)に示した通り、潜確状態が終了してから、最初に第1入球口64への入球を検出して第1特別図柄の変動表示が開始されると、その変動時間を用いて潜確状態の結果を示すリザルト画面が表示される。具体的には、図86(b)に示した通り、潜確状態が継続した回数(潜確状態中に実行された特別図柄の抽選回数)として「456GAME」という文字が表示され、その継続回数を示す文字の下方に、潜確状態中に払い出されたトータルの賞球数を示す「10030ポイント獲得!」という文字が表示される。これらの文字を表示させることにより、遊技者に対して潜確状態がどれだけの回数継続し、どれだけの量の賞球を獲得できたのかを明確に理解させることができる。よって、終了した潜確状態に対して疑問を抱くことなく、遊技者に通常状態における遊技を行わせることができる。また、毎回の潜確状態の終了後にリザルト画面を表示させることにより、遊技者に対して、次回の潜確状態でより良い結果となることを目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、潜確状態の結果(リザルト)を潜確状態中に表示させるのでなく、潜確状態が終了した後、最初に実行される第1特別図柄の変動時間中に表示させる構成としているのは、潜確状態中の第2特別図柄の変動時間が極めて短いためである。よって、仮に潜確状態において最後に実行される変動表示中に潜確状態の結果(リザルト)を表示させる構成にしてしまうと、極めて短い時間のみしか結果を表示させることができなくなってしまう。これに対して本第3実施形態では、潜確状態の終了後、最初に実行された第1特別図柄の変動表示中に潜確状態の結果(リザルト)を表示させる構成としているので、潜確状態の結果を十分長い時間表示させることができる。なお、詳細については後述するが、本第3実施形態では、潜確状態の結果をより確実に遊技者に対して確認させるために、潜確状態が終了してから2回の特別図柄の抽選に渡って、第1特別図柄の抽選結果とは関係なく固定の変動時間(12秒)が設定されるように構成している。このように構成することで、毎回のリザルト表示を固定の変動時間内で行うことができるので、より確実に遊技者にリザルト表示を確認させることができる。
なお、潜確状態が終了してから30秒が経過しても、第1入球口64への入球が検出されなかった(第1特別図柄の変動表示が開始されなかった)場合には、客待ちデモ画面に代えて、リザルト表示が行われる。この場合のリザルト表示は、その後、最初に第1入球口64への入球が検出されて実行される第1特別図柄の変動表示が終了するまで表示され続ける。これにより、潜確状態が終了した直後に休憩等によりパチンコ機10を離れた遊技者に対しても、潜確状態の結果を確実に確認させることができる。
なお、本第3実施形態では、第1特別図柄の変動表示が開始されるまでリザルトが表示されないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態が終了した直後に潜確状態のリザルトを表示させる構成としてもよい。そして、その表示を、最初の第1特別図柄の変動表示が終了するまで継続させる構成としてもよい。潜確状態が終了した後、即座にリザルトを表示させる構成とすることにより、終了した潜確状態の結果を遊技者が即座に知ることができる。よって、遊技者が左打ちに戻してから第1入球口64へと球が入球するまでに時間を要したとしても、潜確状態の結果が表示されずに遊技者にストレスを与えてしまうことを防止(抑制)することができる。
また、潜確状態が終了した直後に潜確状態のリザルトを表示させる場合には、潜確状態が終了してからの期間を計測する計測手段を設け、その計測手段により所定期間(例えば、12秒)が経過するまでの間リザルトを表示させる構成としてもよい。この場合、所定期間が経過するまでに第1特別図柄の変動が開始される場合はその変動が終了するまでリザルトを継続して表示させ、所定期間経過後に第1特別図柄の変動が開始される場合はその変動においてリザルト表示ではない通常表示を実行するように構成してもよい。
さらに、潜確状態のリザルトを表示させる第1特別図柄の変動が当たりに当選している場合は、リザルトの表示態様を変更させるとよい。例えば、図86(b)に表示される通常のリザルト表示画面に当たりに当選していることを示唆する示唆表示として「10030ポイント以上獲得!!」と表示するとよい。このように、潜確状態のリザルト内容を用いて特別図柄の当否判定結果を表示することにより、潜確状態のリザルト表示と特別図柄の当否判定結果とを違和感無く遊技者に報知することができる。また、潜確状態のリザルト表示が実行されている期間中に大当たりに当選し、再度潜確状態へと移行する場合は、前回の潜確状態におけるリザルト内容を引き継いで更新されるように構成するとよい。これにより、潜確状態におけるリザルト表示が実行されている期間において、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、潜確状態中の演出として、1回の特別図柄変動または複数回の特別図柄変動の期間を用いて、潜確状態終了後に表示される潜確状態のリザルトの表示画面と同様の表示画面が表示される演出(疑似終了演出)を用いても良い。これにより遊技者に意外性のある演出を提供することができるとともに、実際に潜確状態が終了し、潜確状態のリザルト表示が実行された場合においても、遊技者に潜確状態が継続すること期待させることができるようになる。
次に、図87を参照して、潜確状態中に実行される演出の一種である復活演出について説明する。この復活演出は、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される潜確状態の残りの抽選回数が0回になった場合に表示される可能性がある演出である。より具体的には、実際の潜確状態の残り回数が1以上の状態において、表示上の残りの抽選回数が0となった場合に、実際の残り回数を表示上の残り回数に上乗せして表示させる演出である。
この復活演出が実行されると、まず、潜確状態終了画面(図86(a)参照)が表示された場合と同様に、残回数表示領域D1に表示された残り回数が0回になると共に、ウサギを模したキャラクタ811が地面に倒れ込む演出が実行される。そして、図87に示した通り、一旦地面に倒れ込んだキャラクタ811が、立ち上がると共に、キャラクタ811の周囲に「復活」という文字が表示される。この態様の演出を実行することにより、遊技者に対して有利な潜確状態が継続することを認識させることができるので、遊技者を喜ばせることができる。また、キャラクタ811が立ち上がる演出が行われるのにあわせて、実際の残りの潜確状態の回数が残回数表示領域D1に上乗せして表示される。図87では、実際の残りの潜確状態の回数が10回残っていたために、残回数表示領域D1の表示が「残り10回」という内容に更新された場合を例示している。
このように、本第3実施形態では、潜確状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりになり、潜確状態の残り回数(実際の残り回数)が120回に更新された場合に、残回数表示領域D1に表示される残り回数(表示上の残り回数)をリセットせずに、大当たり前の表示内容を引き継ぐ構成としている。そして、実際の残り回数と表示上の残り回数とに差分が生じた状態で、表示上の残り回数が0回となった場合には、実際の残り回数との差分を上乗せして報知する復活演出を実行する構成としている。このように構成することで、表示上の残り回数が0回に近づいた場合にも、復活演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、潜確状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、復活演出において潜確状態の実際の残り回数と、表示上の残り回数との差分を上乗せして表示する構成としているが、これに限られるものではない。最初に実行される復活演出では、差分よりも少なめの値を上乗せして表示する構成とし、一度復活演出が実行された場合には必ず複数回の復活演出が実行される構成としてもよい。これにより、1の潜確状態において復活演出が最初に実行されると、その復活演出で上乗せされた残り回数が終了しても、更に復活演出が実行されることが確定するので、次に復活演出が行われるまで安心して遊技を行わせることができる。また、復活演出が何回行われるのかを楽しみに遊技を行わせることができる。また、この復活演出が実行される場合には、潜確状態が終了した場合に表示されるリザルト表示を実行し、その後、復活演出を実行するように構成するとよい。これにより、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図88〜図99を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、パチンコ機10に設けられた主制御装置110(図75参照)の詳細について説明する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM2030には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図88参照)が設けられている。
ここで、図88を参照して、主制御装置110のRAM2030内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図100参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図119参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM2030の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM2030には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア2030aと第2入球口1640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄実行エリア2030bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64には、保留球が最大4個まで設けられている。このため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア2030aに格納され、第2入球口1640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄実行エリア2030bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア2030a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。また、第2特別図柄実行エリア2030bに格納された各カウンタ値は、そのまま第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理に用いられる。
一方、第1特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第1特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64に入賞し、且つ、第1入球口64の保留球数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに記憶される。また、第1入球口64に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。また、第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第2特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第2入球口1640に入賞した場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64に対して4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。また、本実施形態では、第2入球口1640に対する入球(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示)が保留されない構成としていたが、第1入球口64と同様に保留記憶が可能に構成してもよい。
図88を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜479)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜479の値を取り得るカウンタの場合は479)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜479の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜479の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図100参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図119参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口1640に入賞したタイミングでRAM2030の第1特別図柄保留球格納エリア2030aまたは第2特別図柄実行エリア2030bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM2020に格納される第1当たり乱数テーブル2020a(図90(a)参照)に規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル2020aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM2020に格納される小当たり乱数テーブル2020b(図90(b)参照)に規定されている。
ここで、図90(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル2020aについて説明する。第1当たり乱数テーブル2020aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図90(a)に示した通り、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,8」のいずれかであるかが判別されて、「7,8」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜5」の範囲内であるか判別されて、「0〜5」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。
次に、図90(b)を参照して、小当たり乱数テーブル2020bについて説明する。小当たり乱数テーブル2020bは、特別図柄の抽選において、小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図90(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選では、小当たりとなる乱数値が規定されていない。即ち、第1特別図柄の抽選では小当たりにならない。一方、第2特別図柄の抽選では、遊技状態に関係なく、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「212〜432」の範囲内であるかが判別されて、「212〜432」の範囲内であれば、小当たりであると判別される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア2030bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の小当たり時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア2030bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜479の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は2個あり、その乱数値である「7,8」は、前述したように第1当たり乱数テーブル2020aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「0〜5」は、前述したように第1当たり乱数テーブル2020aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が6なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。
更に、上述した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は221個あり、その乱数値である「212〜432」は、小当たり乱数テーブル2020bに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が221なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「221/480」(約46%)である。
図88に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と大当たり種別選択テーブル2020d(図91(a)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図91(a)を参照して後述する。
小当たり種別カウンタC5は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、この小当たり種別カウンタの値と小当たり種別選択テーブル2020e(図91(b)参照)とに基づいて、小当たり種別(小当たりA〜C)が選択されることとなる。具体的には、図91(b)を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図119参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル2020f(図92〜図94参照)は、主制御装置110のROM2020内に設けられている。
変動パターン選択テーブル2020fには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図92〜94参照)。この変動パターン選択テーブル2020fには、遊技状態に応じた複数の変動パターン選択テーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターン選択テーブルが設定されている。各変動パターン選択テーブルの詳細については、図92〜図94を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図100参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM2030の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM2020に格納される第2当たり乱数テーブル2020c(図90(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル2020cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル2020cの詳細について、図90(c)を参照して説明する。
図90(c)は、第2当たり乱数テーブル2020cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル2020cにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は231個あり、その範囲は「0〜230」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が231個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「231/240」となる。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は232個あり、その範囲は「0〜231」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が232個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「232/240」となる。このように、本実施形態では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで1つしか異ならないため、当たり確率はほぼ同等となっている。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口1640に付随する電動役物1640aの開放時間も同等となっている。このため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、第2入球口1640への入球し易さが同等となる。しかしながら、本実施形態におけるパチンコ機10では、上述した通り、通常状態、および確変状態における第2特別図柄の変動時間が、潜確状態における変動時間に対して極端に長く(600秒に)なる。これにより、通常状態や確変状態において、潜確状態よりも第2特別図柄の抽選が実行され難くなるので、通常状態や確変状態では、遊技者に対して第1入球口64を狙って遊技を行わせることができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、普通図柄の低確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜230」の範囲内であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口1640が「1秒間×2回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜231」の範囲であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口1640が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
普図変動種別カウンタCS2は、0〜198の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67を遊技球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動パターンを選択するための普図変動パターンテーブル2020g(図95参照)は、主制御装置110のROM2020に規定されている。この普図変動パターンテーブル2020gの詳細については、図95を参照して後述する。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図100参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図119参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM2030には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図89〜図95を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM2020の内容について説明する。図89は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM2020の内容を模式的に示した模式図である。ROM2020には、既に上述した第1当たり乱数テーブル2020aと、小当たり乱数テーブル2020bと、第2当たり乱数テーブル2020cとに加え、大当たり種別選択テーブル2020dと、小当たり種別選択テーブル2020eと、変動パターン選択テーブル2020fと、普図変動パターンテーブル2020gとが少なくとも設けられている。
まず、図91(a)を参照し、大当たり種別選択テーブル2020dの詳細について説明する。大当たり種別選択テーブル2020d(図91(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル2020dとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図91(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜31」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は32個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は32%(32/100)である。
なお、「大当たりA」になった場合に、普通図柄の時短状態が付与されるか否かは、「大当たりA」に当選した時点の遊技状態、および大当たり中にV通過スイッチ65e3を通過したか否かによって異なる。具体的には、図91(a)に示した通り、通常状態、および確変状態で「大当たりA」になり、且つ、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過していれば、大当たり終了時に120回の時短回数が設定される。一方、それ以外の場合(大当たり中にV通過スイッチe3を通過しなかった場合、または潜確状態で大当たりになり、大当たり中にV通過スイッチ65e3を通過した場合)には、時短回数が設定されない(0回に設定される)。よって、通常状態や確変状態で「大当たりA」になると、多くの場合、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過することにより、120回の確変回数、および120回の時短回数が設定され、大当たり後の遊技状態が確変状態となる。一方、潜確状態で「大当たりA」になると、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過することにより、120回の確変回数(および0回の時短回数)が設定され、大当たり後の遊技状態が潜確状態となる。これらに対し、大当たり中に遊技者が球を打ち出さなかった等により、V通過スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、大当たり後の遊技状態として遊技者に最も不利な通常状態が設定される。
「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になるが、通常状態や確変状態では、基本的に大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定される(有利な潜確状態が付与されない)ので、大当たり後の遊技状態の面では遊技者に不利となる。一方、潜確状態で「大当たりA」になると、基本的に大当たり終了後も潜確状態をループするので、潜確状態では遊技者にとって最も有利な大当たり種別の一種である。
第1当たり種別カウンタC2の値が「32〜80」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、ラウンド数が7ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。また、「大当たりB」の終了後は、時短状態が付与されない(時短回数が0回に設定される)。よって、「大当たりB」の終了後は、基本的に潜確状態(確変回数120回、時短回数0回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は48個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は48%(48/100)である。
「大当たりB」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利になるが、大当たり中に可変入賞装置65に向けて球を打ち出していれば(右打ちを行っていれば)、遊技状態に関係なく遊技者に有利な潜確状態へと移行するので、遊技状態の面では有利となる。なお、大当たり中に球を打ち出さなかった等により大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、当選時の遊技状態に関係なく大当たり後の遊技状態が通常状態に設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「81〜90」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が7ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過困難な開閉パターン(図78(b)参照)が設定される。また、「大当たりC」の終了後は、時短状態が付与されない(時短回数が0回に設定される)。よって、「大当たりC」の終了後は、基本的に通常状態(確変回数、時短回数として共に0回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は10%(10/100)である。
「大当たりC」は、ラウンド数が最も少ない上に、当選時の遊技状態に関係なく、大当たり終了後は基本的に最も不利な通常状態が設定されるので、遊技者にとって最も不利な大当たり種別である。なお、可能性は低いが、特定入賞口65aが開放される短時間の間に球を特定入賞口65aへと入賞させることができれば、球がV通過スイッチ65e3を通過する。この場合には、大当たり後に最も有利な潜確状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が15ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。また、「大当たりD」の終了後は、時短状態が付与されない(時短回数が0回に設定される)。よって、「大当たりD」の終了後は、基本的に潜確状態(確変回数120回、時短回数0回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。
「大当たりD」は、ラウンド数が最も多い上に、当選時の遊技状態に関係なく、大当たり終了後は基本的に最も有利な潜確状態が設定されるので、遊技者にとって最も有利な大当たり種別の一つである。なお、大当たり中に球を打ち出さなかった等により大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、当選時の遊技状態に関係なく大当たり後の遊技状態が通常状態に設定される。
一方、第2特別図柄の抽選による大当たりの種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が7ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。また、時短回数は、「大当たりA」と同一の条件で設定される。つまり、通常状態、または確変状態で「大当たりE」となり、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合は、120回の時短回数が設定されて、大当たり後の遊技状態が確変状態となる。また、潜確状態で「大当たりE」に当選し、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合は、時短回数が0回に設定されるので、大当たり後の遊技状態が潜確状態となる(潜確状態をループする)。また、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、当選時の遊技状態によらず時短回数が0回に設定されるので、大当たり後の遊技状態が通常状態となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は80個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は80%(80/100)である。
この「大当たりE」は、6種類の大当たり種別の中でラウンド数が最も少ないので、賞球数の面では不利となる。一方、第2特別図柄の抽選は基本的に潜確状態で行われ、潜確状態で「大当たりE」になると、基本的に大当たり後も潜確状態をループするので、大当たり後の遊技状態としては遊技者に有利となる。
なお、通常状態や確変状態で「大当たりE」になり、V通過スイッチ65e3を球が通過した場合に確変状態に移行させる構成としているのは、通常状態や確変状態でも常時右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制するためである。即ち、仮に通常状態や確変状態で「大当たりE」になった場合にも、大当たり後に潜確状態が設定される構成とすると、有利な潜確状態へと移行することを期待して通常状態や確変状態でも第2特別図柄の抽選を実行させる(右打ちを行う)変則的な遊技方法が遊技者により行われる可能性がある。そこで、本実施形態では、通常状態や確変状態で第2特別図柄の大当たり(大当たりE〜G)となり、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合に、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定されるように構成している。これにより、通常状態や確変状態で第2特別図柄の抽選を行うメリットを無くすことができるので、常時右打ちを行う変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜95」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている。この「大当たりF」は、ラウンド数が15ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。また、時短回数は、「大当たりA」や「大当たりE」と同一の条件で設定される。即ち、通常状態や確変状態で「大当たりF」に当選し、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合は、120回の時短回数が設定される。一方、それ以外の場合には時短回数が設定されない(0回に設定される)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は15個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は15%(15/100)である。
この「大当たりF」は、ラウンド数は多いものの、1ラウンド目以外の各ラウンドにおける開閉板65f1の開閉パターンが他の大当たり種別とは異なっている。より具体的には、「大当たりF」の2〜15ラウンドでは、それぞれ最大0.06秒のみ開閉板65f1が開放される開閉パターン(特殊開閉パターン)が設定される。0.06秒間の間に球を特定入賞口65aへと入賞させるのは困難なので、「大当たりF」の2〜15ラウンドでは賞球を獲得することが困難になる。このように、「大当たりF」となった場合に、特殊開閉パターンを設定しているのは、潜確状態において開閉板65f1が開放された場合に、小当たりであるか、「大当たりF」であるかを曖昧とするためである。詳細については後述するが、本実施形態の小当たりは、開閉板65f1が比較的長い時間(1.648秒)、1回のみ開放される小当たりAと、短時間(0.06秒)の開放動作を複数回繰り返す小当たりB,Cとが設けられている。よって、「大当たりF」となった場合に特殊開閉パターンを設定することにより、小当たりAになった後に小当たりBや小当たりCになった場合と、開閉板65f1の動作を類似させることができる。これにより、潜確状態中に「大当たりF」となって、120回の潜確状態が再設定されたのか、小当たりに連続して当選し、回数が減算されたのかを識別することが困難にできる。よって、表示上の残りの潜確状態の回数が実際の残り回数と一致しているのか否か(表示上の残り回数が0回になったら潜確状態が終了してしまうのか否か)を見た目から判別し難くできるので、表示上の残り回数が0回に近づいた場合に、復活演出(図87参照)が行われて表示上の残り回数が上乗せ表示されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の潜確状態中における遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「95〜99」の範囲には、「大当たりG」が対応付けられて規定されている。この「大当たりG」は、ラウンド数が15ラウンドであり、開閉板65f1の開閉パターンとして、大当たりの1ラウンド目にV通過スイッチ65e3を通過可能(容易)な開閉パターン(図78(c)参照)が設定される。また、時短回数は、「大当たりA」,「大当たりE」,「大当たりF」と同一の条件で設定される。即ち、通常状態や確変状態で「大当たりG」に当選し、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合は、120回の時短回数が設定される。一方、それ以外の場合には時短回数が設定されない(0回に設定される)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」が決定される割合は5%(5/100)である。
この「大当たりG」は、6種類の大当たり種別の中でラウンド数が最も多いので、賞球数の面で有利となる。また、第2特別図柄の抽選は基本的に潜確状態で行われ、潜確状態で「大当たりG」になると、基本的に大当たり後も潜確状態をループするので、大当たり後の遊技状態としても遊技者に有利となる。
このように、本実施形態では、通常状態や確変状態において左打ちを行い、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、58%の割合(大当たりB,D)で有利な潜確状態へと移行するように構成されている。そして、潜確状態で右打ちを行い、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100%の割合(大当たりE〜G)で有利な潜確状態をループする構成としている。よって、一旦潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口1640へと入賞させることにより、第2特別図柄の抽選が実行され易く、大当たり確率が高い状態と、第2特別図柄の大当たりとが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、潜確状態へと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図91(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル2020eの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル2020eは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択テーブル2020eには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図91(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜93」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に可変入賞装置65の開閉板65f1が1.648秒間×1回のみ、開放状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が94個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」が決定される割合は94%(94/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「94〜98」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に開閉板65f1が0.06秒間×6回開放状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」が決定される割合は5%(5/100)である。
更に、小当たり種別カウンタC5の値「99」には、「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりC」は、小当たり遊技中に開閉板65f1が0.06秒×8回開放状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりC」となる乱数値が1個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりC」となる割合は1%(1/100)である。
このように、本実施形態では、特別図柄の抽選で小当たりとなることを契機として、開閉板65f1が開閉動作を1または複数回行う小当たり遊技が実行される。これにより、潜確状態において、開閉板65f1が開閉動作を行った場合に、その開閉動作が大当たりに当選したことによるものであるか、小当たりに当選したものであるかを判別し難くすることができる。よって、潜確状態中に実行された第2特別図柄の抽選で一度も大当たりになっていなくても、表示上の潜確状態の残り回数が0に近づいた場合に、復活演出が行われることを期待させることができる。なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選が行われた場合に小当たりとなる割合が約46%である。このため、潜確状態として設定される120回の特別図柄の抽選において、小当たりに55回前後当選する。よって、潜確状態中に頻繁に開閉板65f1が開閉されるので、遊技者に対して大当たりか小当たりかを判別され難くできる。
次に、図92〜図94を参照して、変動パターン選択テーブル2020fの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル2020fは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図92に示した通り、変動パターン選択テーブル2020fは、通常状態において変動パターン(変動時間)を決定するための通常用テーブルA2020f1、および通常用テーブルB2020f2と、確変状態において変動パターンを決定するための確変用テーブル2020f3と、潜確状態において変動パターンを決定するための潜確用テーブル2020f4とが少なくとも含まれる。これらのテーブルの具体的な内容について、図93、および図94を参照して説明する。なお、図93、および図94に図示した各テーブルにおいて、変動時間をミリ秒単位で表記しているが、以下の説明では理解を容易にするために、変動時間を秒単位で表記する。
まず、図93を参照して、通常用テーブルA2020f1について説明する。この通常用テーブルAは、遊技状態が通常状態であり、且つ、潜伏確変状態の終了直後2回以外の特別図柄の抽選が実行された場合に参照されるテーブルである。図93は、この通常用テーブルA2020f1の内容を模式的に示した模式図である。図93に示した通り、通常用テーブルA2020f1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に当たりノーマルリーチ(20秒)が対応付けられ、「51〜100」の範囲に当たりスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「101〜150」の範囲に当たりスーパーリーチB(30秒)が対応付けられ、「151〜198」の範囲に当たりスーパーリーチC(30秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で外れとなり、この通常用テーブルA2020f1が参照された場合には、保留球数に応じて変動種別カウンタCS1の値と、選択される変動パターンとの対応関係が可変する。具体的には、図93に示した通り、保留球数が0個または1個の範囲内の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられ、「71〜150」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「151〜170」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「171〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。
これに対して、保留球数が2個または3個の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に短外れ(8秒)の変動パターンが対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「71〜150」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられ、「151〜170」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「171〜185」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「185〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。なお、この通常用テーブルA2020f1を参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する処理(Y210のY307参照)は、第1特別図柄の保留球を減算する処理(図102のY303参照)よりも後段で実行される。よって、保留球が4個の状態で通常用テーブルA2020fが参照されることはない。
このように、保留球数が少ない(0個、または1個)場合には、保留球数が多い(2個、または3個)場合に比べて長い変動時間の変動パターンが選択され易くなる。このように構成することで、保留球数が少ない場合には、保留球を貯める時間を確保して、変動表示が途切れ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に飽きてしまうことを防止(抑制)することができる。一方、保留球数が多い場合には、変動時間が短くなることで保留が貯まり難くなるので、保留球数が上限値(4個)になった状態で更に第1入球口64へと球が入球してしまうことを防止(抑制)できる。よって、遊技者に損をしたと感じさせ難くすることができる。
これに対して、第2特別図柄の抽選が実行され、通常用テーブルA2020f1が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として600秒(10分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動A(600秒)が対応付けられている。これにより、通常状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回600秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図94(a)を参照して、通常用テーブルB2020f2の詳細について説明する。この通常用テーブルB2020f2は、遊技状態が通常状態で、且つ、潜確状態が終了した後、特別図柄の抽選回数が2回以内の場合にのみ参照されるテーブルである。
図94(a)に示した通り、この通常用テーブルB2020f2が参照されると、第1特別図柄の抽選結果や保留球数とは関係なく、同一の変動時間が設定される。具体的には、第1特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して当たりST後変動(12秒)が対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れST後変動(12秒)が対応付けられている。このため、潜確状態が終了してから1回目、または2回目の特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選だった場合は、抽選結果によらずに12秒の変動時間が設定される。なお、この12秒間の間に、上述した潜確状態のリザルト表示(図86(b)参照)を行う構成としている。固定の変動時間を選択する構成とすることにより、リザルト表示を行うのに十分な時間を確保することができる。よって、遊技者に対して潜確状態の結果を十分に確認させることができる。
また、図94(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選に対しては、通常用テーブルA2020f1と同様に、抽選結果によらず600秒の変動時間が設定される。内容は図93を参照して上述した通常用テーブルA2020f1と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
なお、潜確終了後、1回目の特別図柄の抽選だけでなく、2回目の特別図柄の抽選が第1特別図柄の抽選だった場合にも12秒の変動時間を設定する構成としているのは、潜確状態が終了してから左打ちに戻すまでの間に第2入球口1640へと球が入球し、第2特別図柄の抽選が先に実行される可能性があるためである。本実施形態のように、潜確終了後2回目の特別図柄の抽選でも12秒の変動時間を設定する構成としておけば、第2特別図柄の変動表示が先に開始されてしまった場合でも、その後に第1特別図柄の抽選が実行されることにより12秒間の変動時間を設定することができるので、先に実行されたのが第1特別図柄の抽選であるか否かに拘わらず、毎回の潜確状態の終了後に同じ時間だけリザルト表示を行うことができる。また、潜確状態において、第1特別図柄の抽選が実行されずに2回連続で第2特別図柄の抽選が実行される場合も考えられる。しかしながら、上述した通り、潜確状態が終了してから第1特別図柄の変動停止状態が30秒以上継続した場合(即ち、主変動が30秒間開始されなかった場合)にはリザルト表示が行われる構成としている。よって、この場合にも十分長い時間、リザルト表示を行うことができる。
なお、潜確状態の結果(リザルト)を潜確状態中に表示させるのでなく、潜確状態が終了した後、最初に実行される第1特別図柄の変動時間中に表示させる構成としているのは、潜確状態中の第2特別図柄の変動時間が極めて短いためである。よって、仮に潜確状態において最後に実行される変動表示中に潜確状態の結果(リザルト)を表示させる構成にしてしまうと、極めて短い時間のみしか結果を表示させることができなくなってしまう。これに対して本第3実施形態では、潜確状態の終了後、最初に実行された第1特別図柄の変動表示中に潜確状態の結果(リザルト)を表示させる構成としているので、潜確状態の結果を十分長い時間表示させることができる。なお、詳細については後述するが、本第3実施形態では、潜確状態の結果をより確実に遊技者に対して確認させるために、潜確状態が終了してから2回の特別図柄の抽選に渡って、第1特別図柄の抽選結果とは関係なく固定の変動時間(12秒)が設定されるように構成している。このように構成することで、毎回のリザルト表示を固定の変動時間内で行うことができるので、より確実に遊技者にリザルト表示を確認させることができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果とは関係なく固定の変動時間(12秒)が設定されるように構成しているが、実行されるリザルト表示の表示内容を、第1特別図柄の抽選結果に基づいて設定してもよく、例えば、第1特別図柄の抽選結果が当たりの場合は、リザルト表示の表示内容に加えて当たりを示唆する表示を実行してもよい。加えて、第1特別図柄の変動に基づいてリザルト表示が実行されている第1特別図柄の変動と同時に(並行して)変動が実行される第2特別図柄の抽選結果が当たりの場合も、第1特別図柄の変動に基づいて実行されるリザルト表示の表示内容に加えて、当たりを示唆する表示を実行してもよい。このように構成することで、潜確状態の遊技結果と特別図柄の抽選結果とを遊技者に分かり易く表示することができる。
また、本実施形態では潜確状態が終了してから第1特別図柄の変動が2回連続で実行された場合には、1回目の変動のみリザルト表示が実行されるように構成されており、2回目の変動では特別図柄の抽選結果に基づいた変動表示が実行される。これにより、潜確状態の遊技結果を過剰に表示してしまい、特別図柄の抽選結果に基づく変動表示が実行されなくなる事態を抑制することができる。
また、確変用テーブル2020f3については、通常用テーブルA2020f1とほぼ同様の構成であるため、簡単に説明するが、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、通常用テーブルA2020f1と同一の選択比率で各変動パターン(当たりノーマルリーチ、当たりスーパーリーチA〜C)が選択される。また、第2特別図柄の抽選が実行された場合にも、通常状態と同様に、抽選結果に拘わらず600秒の変動時間が設定される。一方、第1特別図柄の抽選で外れになった場合には、通常状態に比較して短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されている。これは、確変状態では大当たり確率がアップするため、外れにも拘らず長い変動時間の変動パターンが頻発すると、遊技者に対して不快感を抱かせてしまう虞があるためである。よって、本第3実施形態では、確変状態中に第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成し、長い変動時間の変動パターンが選択された場合に大当たりとなることをより強く遊技者に期待させる構成としている。
次に、図94(b)を参照して、潜確用テーブル2020f4の詳細について説明を行う。この潜確用テーブル2020f4は、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に対応する変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。
図94(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して当たりミドル変動(60秒)が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れ超ショート変動A(0.5秒)が対応付けて規定されている。
また、図94(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して当たり超ショート変動(0.5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄の小当たりには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して小当たり超ショート変動(0.5秒)が対応付けて規定され、第2特別図柄の外れには、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して外れ超ショート変動(0.5秒)が対応付けて規定されている。即ち、潜確状態で第2特別図柄の抽選が実行されると、抽選結果に拘わらず、0.5秒の変動時間が設定される。
潜確状態では、基本的に第2特別図柄の抽選が行われるので、変動時間はほぼ0.5秒となる。よって、有利な潜確状態において、右打ちを行うことで効率よく(スピーディーに)遊技を行わせることができる。また、潜確状態で第1特別図柄の抽選が外れになった場合にも、変動時間として0.5秒が選択されるので、例えば、第1特別図柄の保留が1又は複数存在する状態で潜確状態に突入した場合に、第1特別図柄の保留球を迅速に消化させることができる。よって、遊技者に対して潜確状態における主変動である第2特別図柄の変動表示に集中して遊技を行わせることができる。
なお、潜確状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、比較的長い変動時間(60秒)を設定しているのは、潜確状態で第1特別図柄の大当たりになると、潜確状態が終了してしまう可能性があるためである。具体的には、潜確状態において大当たりCになると、開閉板65f1に対してV通過スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターン(図78(b)参照)が設定されるため、基本的に大当たり終了後の遊技状態が通常状態となる。このような事態が生じると、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に比較的長い変動時間を設定することで、第1特別図柄の大当たり変動中に右打ちを行うことで、第2特別図柄の抽選を複数回実行できるように構成している。上述した通り、第2特別図柄の抽選では、約2回に1回(約46%で)小当たりに当選するので、第1特別図柄の大当たり変動が終了するよりも前に、第2特別図柄の小当たり変動を高確率で終了させることができる。上述した通り、本実施形態では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時並行して実行可能な同時変動方式を採用している。加えて、同時変動中に一方の特別図柄の変動表示が大当たり又は小当たりの停止図柄で確定表示された場合には、他方の特別図柄の変動表示は、残りの変動時間や変動開始時の抽選結果に関係なく、外れの停止図柄で強制停止される。よって、第1特別図柄の大当たり変動中であっても、先に第2特別図柄の小当たり変動により小当たりの停止図柄が確定表示されることで、第1特別図柄の大当たりを破棄することができる。これにより、潜確状態が終了してしまう可能性がある第1特別図柄の大当たりが開始されることを高確率で防止(抑制)できるので、遊技者に対してより確実に潜確状態を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、潜確状態に対応して設定される第2特別図柄の変動時間として0.5秒が選択されるように構成しているが、少ない確率(例えば「1/199」)で長変動時間(例えば、12秒)が選択されるように構成してもよい。さらに、長変動時間が選択された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に上述した潜確状態の遊技結果(実際には、潜確状態遊技中の遊技結果)を示すリザルト表示が表示されるようにするとよい。これにより、潜確状態中に潜確状態が終了したと思わせる演出を実行することができ、遊技者に意外性のある演出を提供することが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
次に、図95を参照して、普図変動パターンテーブル2020gの詳細について説明する。上述した通り、普図変動パターンテーブル2020gは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。図95に示した通り、この普図変動パターンテーブル2020gには、普通図柄の抽選が実行された時点の遊技状態毎に、普図変動種別カウンタCS2の値の範囲と、変動パターン(変動時間)とが対応付けて規定されている。
より具体的には、図95に示した通り、遊技状態が通常状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が3秒の変動パターンが対応付けられている。また、遊技状態が確変状態の場合にも同様に、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が3秒の変動パターンが対応付けられている。
これに対して遊技状態が潜確状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の値が「0〜190」の範囲に変動時間が3秒の変動パターンが対応付けられ、普図変動種別カウンタCS2の値が「191〜198」の範囲には変動時間が1秒の変動パターンが対応付けられている。潜確状態において普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の変動時間をバラつかせることにより、普通図柄の抽選が実行されてから電動役物1640aが開放されるまでの時間を予測し難くすることができる。よって、第1スルーゲート670、又は第2スルーゲート67へと1球ずつ球を打ち出し、何れかのスルーゲートを球が通過した場合に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物1640aが開放されるタイミングを予測して球を打ち出す変則的な遊技方法を抑制し、潜確状態中に連続して右打ちを行わせることができる。
なお、本第3実施形態では、潜確状態の場合にのみ複数の変動パターンのバリエーションを設ける構成としたが、これに限られるものではない。通常状態や確変状態でも、普通図柄の変動パターン(変動時間)にバリエーションを持たせてもよい。
また、本実施形態では、潜確状態において普通図柄の抽選が実行された場合に、変動時間として1秒または3秒の2種類のうち何れかを設定する構成としているが、変動時間は2種類に限られず、より多くの変動時間を選択可能に構成してもよい。変動時間にバリエーションを持たせる程、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の変動時間を遊技状態と取得した普図変動種別カウンタCS2の値とに基づいて設定する構成としているが、それ以外にも、普通図柄の保留球数に基づいて変動時間を変更する構成や、特別図柄の抽選回数に基づいて変動時間を変更する構成や、上述した各種構成を組み合わせた方法で普通図柄の変動時間を設定する構成を用いても良い。具体的には、遊技状態が潜確状態に移行してから特別図柄の抽選が所定回数(例えば50回)実行されるまでは、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以降(51回〜120回まで)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。また、遊技状態が潜確状態に移行してから偶数回数目の特別図柄の抽選が実行されている間は、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以外(奇数回数目)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように、特別図柄の抽選が実行される回数に基づいて普通図柄の変動時間を変更するように構成することで、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。なお、この場合、特別図柄の抽選が実行されていない状態では普通図柄の変動時間が長くなる(特別図柄の抽選が実行されている場合に比べて長くなる)ように構成したり、特別図柄の抽選を保留記憶している数が少ないほど普通図柄の変動時間が長くなるように構成したりするとよい。
また、普通図柄の保留球数に基づいて普通図柄の変動時間を設定する場合には、普通図柄の保留球数が多い程、長い変動時間が選択され易くなるように構成するとよい。このように構成することで、普通図柄の保留球数が貯まりにくい調整がされているパチンコ機10と普通図柄の保留球数が貯まりやすい調整がされているパチンコ機10とで、単位時間当たりの普通図柄抽選回数の均一化を図ることができる。
次に、RAM2030の詳細について、図96を参照して説明する。図96は、主制御装置110のRAM2030の構成を示すブロック図である。図96に示した通り、RAM2030は、第1特別図柄保留球格納エリア2030a、第2特別図柄実行エリア2030b、普通図柄保留球格納エリア2030c、第1特別図柄保留球数カウンタ2030d、普通図柄保留球数カウンタ2030e、V入賞フラグ2030f、時短カウンタ2030g、入賞カウンタ2030h、特図1待受フラグ2030i、特図2待受フラグ2030j、確変カウンタ2030k、大当たりフラグ2030m、当選時状態格納エリア2030n、小当たりフラグ2030o、特図2変動停止フラグ2030p、先読み保留記憶エリア2030r、特図1変動タイマ2030s、特図2変動タイマ2030t、大当たり中フラグ2030u、小当たり中フラグ2030v、その他メモリエリア2030zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア2030aは、1つの実行エリア(第1特別図柄実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタの値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア2030aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄実行エリア2030bは、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの第1特別図柄実行エリアと同様に、特別図柄の抽選を実行するための判定値(カウンタ値)が格納される。この第2特別図柄実行エリア2030bには、第2入球口1640への始動入賞が検出されたタイミングで取得される各カウンタ値が記憶される。
普通図柄保留球格納エリア2030cは、第1特別図柄保留球格納エリア2030aと同様に、1つの実行エリア(普通図柄保留球実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67のいずれかを通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア2030aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア2030cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ2030dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄の変動表示(第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ2030dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図114のY1504参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図102のY303参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図102のY304、図114のY1505参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ2030eは、第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、初期値がゼロに設定されており、球が第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図116のY1704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ2030eは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図115のY1605参照)。
球が第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア2030cに記憶される(図116のY1705参照)。一方、球が第1スルーゲート670、または第2スルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ2030eの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア2030cには新たに何も記憶されない(図116のY1703:No参照)。
V入賞フラグ2030fは、大当たり遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中にV通過スイッチ65e3(図77(b)参照)を球が通過したか否かにより決定される。ここで、このV通過スイッチ65e3を球が通過するとV入賞フラグ2030fがオンに設定される(図123のY2410参照)。一方、このV入賞フラグ2030fは、大当たりの終了時にオフに設定される(図122のY2307参照)。なお、このV入賞フラグ2030fは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時にV入賞フラグ2030fがオンに設定されている場合には、V通過スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、V入賞フラグ2030fを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前にV通過スイッチ65e3を通過しているかの判別は、例えば、V通過スイッチ65e3を通過した球数を計測する通過カウンタを設け、その通過カウンタの値が0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、V入賞フラグ2030fのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
時短カウンタ2030gは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短カウンタ2030gは、通常状態、または確変状態において大当たりA,E〜Gのいずれかに当選し、大当たり遊技終了時にV入賞フラグ2030fがオンである場合に、120が設定される。また、時短カウンタ2030gは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の開始を設定した直後に実行される遊技状態更新処理の中で1ずつ減算される(図105のY607参照)。普通図柄の抽選を行う場合に、この時短カウンタ2030gの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態と判別され、高確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される(図115のY1610参照)。一方、時短カウンタ2030gの値が0であれば、普通図柄の通常状態と判別され、低確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される(図115のY1611参照)。
入賞カウンタ2030hは、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aへと入賞(入球)した球の個数をカウントするカウンタである。この入賞カウンタ2030hの値が上限値である5となった場合に、ラウンドの終了条件が成立したと判定されてラウンドが終了される(図123のY2406参照)。なお、大当たりの各ラウンドにおいて、入賞カウンタ2030hの値が5に満たない場合でも、ラウンド毎に設定されたラウンド期間に達した場合はラウンドが終了される。この入賞カウンタ2030hは、大当たりのラウンド有効期間中に特定入賞口65aに対する入球を検出する毎に値が1加算される。また、各ラウンドの終了時に値が0にリセットされる。
特図1待受フラグ2030iは、第1特別図柄が変動停止状態であるか否かを示すフラグである。この特図1待受フラグ2030iがオンであれば、第1特別図柄が変動停止状態であることを示し、オフであれば第1特別図柄が変動中であるか、または第1特別図柄の保留球に基づく変動表示を開始する直前の状態であることを意味する。この特図1待受フラグ2030iは、第1特別図柄が変動中でなく、且つ、保留球数が0の場合にオンに設定される(図102のY311参照)。一方、第1特別図柄の変動開始が設定されるとオフに設定される(図102のY309参照)。
特図2待受フラグ2030jは、第2特別図柄が変動停止状態であるか否かを示すフラグである。この特図1待受フラグ2030jがオンであれば、第2特別図柄が変動停止状態であることを示し、オフであれば第2特別図柄が変動中であることを意味する。この特図2待受フラグ2030jは、第2特別図柄が変動中でなく、第2入球口1640に対する始動入賞も検出されていない場合にオンに設定される(図107のY809参照)。一方、第2特別図柄の変動開始が設定されるとオフに設定される(図107のY807参照)。
確変カウンタ2030kは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタである。この確変カウンタ2030kの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ2030kの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。
確変カウンタ2030kは、初期値が0に設定されており、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時に120が設定される(図122のY2304参照)。また、第1特別図柄の変動表示、または第2特別図柄の変動表示の開始を設定した直後に実行される遊技状態更新処理(図105参照)において、値が1ずつ減算される(図105のY602参照)。また、確変カウンタ2030kは、大当たり遊技が開始される場合に値が0にリセット設定される(図106のY708、図112のY1309参照)。この確変カウンタ2030kは、第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)、および第2特別図柄大当たり判定処理(図108参照)において、特別図柄の確変状態であるか否かを判別するために参照される(図103のY402、図108のY902参照)。
大当たりフラグ2030mは、第1入球口64または第2入球口1640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図103のY406、図108のY906参照)。この大当たりフラグ2030mは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図106のY708、図112のY1309参照)。なお、この大当たりフラグ2030mには、2ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットに第1特別図柄、下位ビットに第2特別図柄に対応する情報が格納される。より具体的には、大当たりフラグ2030mが「10B」であれば、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、その抽選結果を示す変動表示中であることを示す。一方、大当たりフラグ2030mが「01B」であれば、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、その抽選結果を示す変動表示中であることを示す。これに対し、大当たりフラグ2030mが「00B」であれば、大当たり変動が実行されていないことを示す。
この大当たりフラグ2030mがオンの状態で、オンに対応する特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、他方の特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図106のY705、図112のY1306参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
当選時状態格納エリア2030nは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短カウンタ2030g、確変カウンタ2030kの値が共に0であれば)、この当選時状態格納エリア2030nに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短カウンタ2030g、確変カウンタ2030kの値が共に1以上であれば)、この当選時状態格納エリア2030nに、確変状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が潜確状態であれば(時短カウンタ2030gの値が0で、確変カウンタ2030kの値が1以上であれば)、この当選時状態格納エリア2030nに、潜確状態を示す情報として「02H」が格納される。
この当選時状態格納エリア2030nに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の時短遊技を設定する際に参照される(図122のY2301参照)。上述した通り、大当たりA,E〜Gになり、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過した場合は、当選時の遊技状態が潜確状態であるか否かによって大当たり後の遊技状態を異ならせている。本実施形態では、この当選時状態格納エリア2030nに大当たり当選時の遊技状態に応じた情報を格納しておき、大当たり終了時に参照することで、大当たり種別、および大当たり当選時の遊技状態に応じた適切な遊技状態を設定することができる。
小当たりフラグ2030oは、第2入球口1640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図109のY1002参照)。この小当たりフラグ2030oは、小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図113のY1405参照)。この小当たりフラグ2030oがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、他方の特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図113のY1403参照)。これにより、第2特別図柄の小当たりを実行中に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、小当たり中に大当たりが開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
特図2変動停止フラグ2030pは、第1特別図柄の変動が大当たりの停止図柄で停止表示(確定表示)されてから、大当たりを開始させるまでの間の期間であることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ2030pがオンに設定されている場合には、第2入球口1640に対して新たな入球があった場合にも、第2特別図柄の変動表示の実行が回避される(図107のY801:Yes参照)。この特図2変動停止フラグ2030pは、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる場合にオンに設定され(図106のY703参照)、第2特別図柄の変動表示を実行するための処理を回避した場合にオフに設定される(図107のY811)。
先読み保留記憶エリア2030rは、本来の特別図柄の抽選が行われるタイミングよりも前に、特別図柄の抽選結果を予測した場合に、その予測結果を記憶しておくための記憶領域である。本実施形態のパチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、各カウンタ値が取得された直後に、本来の特別図柄の抽選とは別に、その取得された各カウンタ値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、「先読み」と称する。先読み保留記憶エリア2030rには、第1入球口64に対する始動入賞に基づいて各カウンタ値が取得されたタイミングで、そのカウンタ値に基づく先読み結果(特別図柄の抽選の当否判定結果、大当たりの場合の大当たり種別、および変動パターン)が格納される。また、この先読み保留記憶エリア2030rには、保留球数と同数(即ち、最大4個)の先読み結果を記憶しておくことができる。
特図1変動タイマ(特図1変動時間タイマ)2030s、および特図2変動タイマ(特図2変動時間タイマ)2030tは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動タイマ(特図1変動時間タイマ)2030s、および特図2変動タイマ(特図2変動時間タイマ)2030tの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(図106のY701、図112のY1301参照)。
大当たり中フラグ2030uは、大当たり中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ2030uがオンであれば、パチンコ機10が大当たり中であることを示し、オフであれば、大当たり中ではないことを示す。この大当たり中フラグ2030uは、大当たりの開始を設定した場合にオンに設定される(図106のY709、図112のY1310参照)。一方、大当たりの終了時に実行される大当たり終了処理の中でオフに設定される(図122のY2307参照)。
小当たり中フラグ2030vは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ2030vがオンであれば、パチンコ機10が小当たり中であることを示し、オフであれば、小当たり中ではないことを示す。この小当たり中フラグ2030vは、小当たりの開始を設定した場合にオンに設定される(図113のY1406参照)。一方、小当たりの終了時にオフに設定される(図124のY2512参照)。
その他メモリエリア2030zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、本第3実施形態のパチンコ機10には、様々なフラグやカウンタ等が設けられている。ROM2020に設けられた各種テーブルと、RAM2030に設けられたフラグやカウンタ等とに基づいて、パチンコ機10の基本的な機能や、図79に示した斬新な状態移行を実現することができる。
次に、図97、および図98を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図97(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM2220の内容を模式的に示した模式図である。図97(a)に示した通り、ROM2220は、変動パターン選択テーブル2220aと、画面表示選択テーブル2220bとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル2220aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から、第3図柄表示装置81に表示させる詳細な変動表示の内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。なお、上述した特殊リーチ演出の態様(図82、図83参照)も、この変動パターン選択テーブル2220aに規定されており、変動パターンコマンドが示す変動内容が当たりスーパーリーチA、または外れスーパーリーチAだった場合の一部で選択される。
画面表示選択テーブル2220bは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動停止状態となってから30秒が経過した場合における表示内容を規定したテーブルである。上述した通り、本実施形態では、同時変動方式を採用しており、一方の特別図柄が変動停止状態であっても、他方の特別図柄が変動中という状況が頻繁に発生する。また、遊技状態に応じて、第1特別図柄の変動表示が主変動となったり、第2特別図柄の変動表示が主変動となったりし、遊技者に対して注目させるべき特別図柄が切り替わる。この画面表示選択テーブル2220bは、各遊技状態において主図柄の変動表示を適切に表示させつつ、主変動が停止している状態において、遊技状態に対応するデモ表示を設定するために参照される。この画面表示選択テーブル2220bの詳細について、図98を参照して説明する。
図98は、画面表示選択テーブル2220bの規定内容を示した図である。図98に示した通り、この画面表示選択テーブル2220bは、遊技状態と、特図1待機フラグ2230sの状態と、特図2待機フラグ2230tの状態との組み合わせに対応付けて、第3図柄表示装置81に表示させるべき表示内容(画面表示種別)が規定されている。なお、特図1待機フラグ2230s、および特図2待機フラグ2230tは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄が変動停止状態となってから所定時間(30秒間)が経過したか否かを示すフラグである。各フラグは、オンの場合に所定時間が経過したことを示し、オフであれば、対応する特別図柄の抽選結果に基づく変動表示中であるか、或いは、変動停止状態となってから所定時間(30秒間)以内であることを示す。
図98に示した通り、遊技状態が通常状態、または確変状態の場合には、特図1待機フラグ2230sがオフ、特図2待機フラグ2230tがオンの組み合わせに対して、表示内容(画面表示種別)として通常表示が規定されている。この通常表示は、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄と、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄とが通常状態における通常の態様(図80(b)参照)で表示される表示内容である。通常状態では、第1特別図柄の抽選結果に基づく変動表示が主変動であるため、通常表示に設定しておくことで、主変動を確実に表示させることができる。
通常状態、または確変状態において、特図1待機フラグ2230sがオン、特図2待機フラグ2230tがオフの組み合わせに対しては、デモ表示が対応付けられている。このデモ表示が決定されると、客待ちデモ画面(図84(b),(c)参照)が設定される。主変動である第1特別図柄の変動が終了してから30秒間が経過した後は、副変動が実行中であるか否かに拘わらず、デモ表示(客待ちデモ画面)に切り替える構成とすることで、遊技者が第2入球口1640へと球を入球させ、600秒間の変動表示が開始されてから、すぐに遊技を辞めてしまったとしても、所定時間(30秒)経過後には客待ちデモ画面を表示させることができる。よって、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができるので、パチンコ機10で遊技を開始させることができる。従って、パチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを防止(抑制)することができる。
通常状態、または確変状態において、特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tが共にオフの組み合わせに対しても、デモ表示が対応付けられている。よって、この場合にも客待ちデモ画面(図84(b),(c)参照)が設定される。これにより、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができる。
一方、遊技状態が潜確状態の場合には、特図1待機フラグ2230sがオフ、特図2待機フラグ2230tがオンの組み合わせに対して、特殊表示が対応付けられている。この特殊表示は、上述した潜確用デモ表示(図85(c)参照)を意味し、変動中と同じキャラクタ811が表示され続ける特殊な態様のデモ表示が設定される。これにより、その後に第2入球口1640への入球を検出した場合に、スムーズに表示態様(演出態様)の切り替えを行うことができる。なお、特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tが共にオンとなる組み合わせの場合にも、特殊表示が設定される。即ち、潜確状態における副変動に相当する第1特別図柄の状況に関係なく、主変動に相当する第2特別図柄が変動停止状態となってから30秒以上経過していれば、特殊表示が設定される。
潜確状態において、特図1待機フラグ2230sがオン、特図2待機フラグ2230tがオフの組み合わせに対して、通常表示が対応付けられている。よって、潜確状態では、第1特別図柄が変動停止状態になってから30秒以上経過していても、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動表示または停止表示が通常通り表示され続ける。
次に、図97を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM2230について説明する。図97は、RAM2230の内容を示したブロック図である。RAM2230には、コマンド記憶領域2230aと、入賞情報格納エリア2230bと、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cと、特図1変動開始フラグ2230dと、特図2変動開始フラグ2230eと、特図1停止種別選択フラグ2230fと、特図2停止種別選択フラグ2230gと、演出カウンタ2230hと、状態設定エリア2230iと、サブ特図1待受フラグ2230jと、特図1待受カウンタ2230kと、サブ特図2待受フラグ2230mと、特図2待受カウンタ2230nと、残確変回数エリア2230oと、演出確変回数エリア2230pと、残時短回数エリア2230qと、特図1待機フラグ2230sと、特図2待機フラグ2230tと、その他メモリエリア2230zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域2230aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図130参照)が実行されると、コマンド記憶領域2230aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア2230bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア2230bに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ2230cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM2030に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cに格納する(図130のY4310参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ2230cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図1変動開始フラグ2230d、および特図2変動開始フラグ2230eは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、および第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図130のY4304,Y4307参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図135のY4702,Y4706参照)。特図1変動開始フラグ2230d、および特図2変動開始フラグ2230eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM2230に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図128参照)のコマンド出力処理(Y4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
特図1停止種別選択フラグ2230f、および特図2停止種別選択フラグ2230gは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の停止種別コマンド、および第2特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図131のY4401参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図135のY4710参照)。特図1停止種別選択フラグ2230f、または特図2停止種別選択フラグ2230gがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
演出カウンタ2230hは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ2230hは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図128参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
状態設定エリア2230iは、パチンコ機10の遊技状態に応じた情報が格納される記憶領域である。この状態設定エリア2230iには、主制御装置110から出力される状態コマンドを受信する毎に、その状態コマンドにより示されるパチンコ機10の状態に対応した情報に更新される(図127のY4011、図132のY4506参照)。より具体的には、状態設定エリア2230iは、2ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットから順に、特別図柄の確変状態であるか否か、普通図柄の時短状態であるか否かを示す値が格納される。例えば、状態設定エリア2230iの値が「11B」であれば、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態(即ち、確変状態)であることを意味し、「10B」であれば、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態(即ち、潜確状態)であることを意味する。一方、「00H」であれば、通常状態であることを意味する。
主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて、状態設定エリア2230iを更新していくことにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
サブ特図1待受フラグ2230j、およびサブ特図2待受フラグ2230mは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄が変動停止状態であるか否かを示すフラグである。これらのフラグがオンであれば、対応する特別図柄が変動停止状態であることを意味し、オフであれば変動中であることを意味する。これらは、主制御装置110の特図1待受フラグ2030i、特図2待受フラグ2030jの状態に同期して更新される。
特図1待受カウンタ2230k、および特図2待受カウンタ2230nは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄が変動停止状態となってからの経過時間をカウントするためのカウンタである。この特図1待受カウンタ2230k、および特図2待受カウンタ2230nのうち、現在の遊技状態において主変動となる特別図柄に対応するカウント値が30秒に対応する値となった場合に、遊技状態に応じたデモ演出が設定される(図129のY4211参照)。
残確変回数エリア2230o、および残時短回数エリア2230qは、それぞれ特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態の残り回数を格納する記憶領域である。この残確変回数エリア2230o、残時短回数エリア2230qは、それぞれ主制御装置110において確変カウンタ2030k、時短カウンタ2030gの値が更新される毎に出力される残確変回数コマンド、残時短回数コマンドにより通知された回数に更新される(図134のY4652,Y4662参照)。これにより、主制御装置110の確変カウンタ2030k、時短カウンタ2030gの値に同期して、残確変回数エリア2230o、残時短回数エリア2230qに格納される値を更新することができるので、音声ランプ制御装置113の把握する残りの確変回数、および時短回数を、主制御装置110により更新される実際の確変回数、および時短回数と一致させることができる。
演出確変回数エリア2230pは、潜確状態において第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される潜確状態の残り回数の目安を格納するための記憶領域である。この演出確変回数エリア2230pには、他の遊技状態から潜確状態へと移行した場合に120が設定される(図132のY4505参照)。また、潜確状態において特別図柄の変動が実行される毎に値が1ずつ減算される(図134のY4657参照)。
特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動停止状態が30秒以上継続しているか否かを示すフラグであり、オンであれば対応する特別図柄の変動停止状態が30秒以上継続していることを示す。一方、オフであれば、対応する特別図柄が変動中であるか、または、変動停止状態となってから3秒以内であることを示す。これらの特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tは、それぞれ特図1待受カウンタ2230k、特図2待受カウンタ2230nのカウント値が30秒に対応する値となった場合にオンに設定される(図129のY4204,Y4208参照)。
待機設定済フラグ2230uは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動停止状態となってから30秒が経過したことに伴い、画面表示選択テーブル2220b(図98参照)を参照してデモ演出(図84(b),(c)、図85(c)参照)等の画面表示を設定したか否かを示すフラグである。この待機設定済フラグ2230uは、客待演出処理(図129参照)の中で、画面表示選択テーブル2220bを参照して画面表示を新たに設定した場合にオンに設定される(図129のY4212参照)。また、新たに特図1待機フラグ2230s、または特図2待機フラグ2230tがオンに設定された場合や(図129のY4204,Y4208参照)、特図1待機フラグ2230s、または特図2待機フラグ2230tが新たにオフに設定された場合に、この待機設定済フラグ2230uがオフに設定される。
電源断フラグ2230yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ2230yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図128のY4115参照)。その後、RAM2230は揮発性メモリであるため、RAM2230の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図127参照)において、電源断フラグ2230yがオンである場合は(図127のY4008:Yes参照)、電源断フラグ2230yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM2230の情報は全て消えておらず、RAM2230の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM2230の作業領域の情報をクリアする(図127のY4009参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア2230zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図99を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図99は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア2340a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア2340a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア2340a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア2340a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図136のY6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図136のY6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図23参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図138(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口1640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図136のY6003,Y6004参照)。
背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口1640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図18(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図136参照)の中でオンに設定される(図136のY6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図147(b)のY7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図138(b)のY6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図138(b)のY6308参照)および簡易表示設定処理(図138(b)のY6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図139〜図143参照)および表示設定処理(図144〜図146参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図147(a)のY7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図147(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図148参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図23参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図138(b)のY6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図144のY7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図23参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図138(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図144のY7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図136のY6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図148参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図148のY7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図148のY7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図149のY7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図138(b)のY6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図143(a)のY7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図148のY7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図148のY7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図143(a)のY7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図144参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図144のY7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図140(a)のY6505、図141(a)のY6705、図141(b)のY6805、図142のY6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図144参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図144のY7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図140(a)のY6505、図141(a)のY6705、図141(b)のY6805、図142のY6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図100〜図126のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図100は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(Y101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(Y102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM2030の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では232)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM2030の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(Y103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、479,99,232,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4,C5の更新値を、RAM2030の対応するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(Y104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(Y105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図101〜図114を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理と、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴う処理を行う普通図柄変動処理を実行する(Y106)。尚、普通図柄変動処理(Y106)の詳細については、図115を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(Y108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(Y109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図101を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(Y104)を説明する。図101は、この特別図柄変動処理(Y104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図101、Y104)は、第1入球口64、および第2入球口1640への入球に基づいて取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図101、Y104)について説明する。
特別図柄変動処理(図101、Y104)では、まず、大当たり遊技中であるか否か(大当たり中フラグ2030uがオンであるか否か)を判定し(Y201)、大当たり中である(大当たり中フラグ2030uがオンである)と判定した場合には(Y201:Yes)、特別図柄の抽選や変動表示の停止等を設定する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。一方、大当たり中でない(大当たり中フラグ2030uがオフである)と判定した場合には(Y201:No)、小当たり遊技中であるか否か(小当たり中フラグ2030vがオンであるか否か)を判定する(Y202)。Y202の処理において、小当たり中である(小当たり中フラグ2030vがオンである)と判定された場合には(Y202:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり中でない(小当たり中フラグ2030vがオフである)と判定した場合には(Y202:No)、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(Y203)。第1特別図柄の変動表示中であると判定した場合には(Y203:Yes)、第1特別図柄変動停止処理(Y205)では、変動表示中の第1特別図柄の変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す停止図柄を停止表示するための第1特別図柄変動停止処理を実行し(Y205)、処理をY206へと移行する。なお、この第1特別図柄変動停止処理(Y205)では、第1特別図柄の大当たりに対応する停止図柄を停止表示させる場合に、あわせて第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で強制的に停止表示する処理が実行される。この第1特別図柄変動停止処理(Y205)の詳細については、図106を参照して後述する。
一方、Y203の処理において、第1特別図柄が変動表示中でないと判定した場合には(Y203:No)、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに少なくとも1の保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていることを条件に、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理を実行するための第1特別図柄変動開始処理を実行し(Y204)、処理をY206へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(Y204)の詳細については、図102〜図105を参照して後述する。
第1特別図柄変動開始処理(Y204)、または第1特別図柄変動停止処理(Y205)が実行された後に実行されるY206の処理では、第2特別図柄が変動表示中であるか否か判定し(Y206)、第2特別図柄の変動表示中であれば(Y206:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(Y208)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理(Y208)は、第1特別図柄変動停止処理(Y205)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄の停止表示を設定するための処理である。この第2特別図柄変動停止処理(Y208)の詳細については、図112および図113を参照して後述する。
一方、Y206の処理において、第2特別図柄が変動表示中でないと判定した場合には(Y206:No)、第2入球口1640への新たな始動入賞を検出したことを条件に、第2特別図柄の抽選を実行して新たな変動表示の開始を設定するための第2特別図柄変動開始処理を実行し(Y207)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(Y207)の詳細については、図107〜図111を参照して後述する。
次に、図102を参照して、特別図柄変動処理(図101、Y104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(Y204)について説明する。図102は、この第1特別図柄変動開始処理(Y204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図102、Y204)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)を取得し(Y301)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y302)。Y302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)を1減算して(Y303)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y304)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM2030に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値を抽出し、抽出した値をRAM2230の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y304の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア2030aのデータを一つ前のデータにシフトする(Y305)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y305の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(Y306)。この第1特別図柄大当たり判定処理(図103、Y306)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
Y306の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図104、Y307)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(Y308)。この遊技状態更新処理(図105、Y308)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(確変カウンタ2030k、時短カウンタ2030g)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。Y308の処理が終了すると、特図1待受フラグ2030iをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y309)、本処理を終了する。
一方、Y302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)が0であると判別した場合は(Y302:No)、特図1待受フラグ2030iがオンであるか否か判別し(Y310)、オンであると判別した場合は(Y310:Yes)、本処理を終了する。Y310の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y310:No)、特図1待受フラグ2030iをオンに設定し(Y311)、オンを示す特図1待機コマンドを設定(Y312)した後、本処理を終了する。
次に、図103を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図102、Y204)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(Y306)について説明する。図103は、この第1特別図柄大当たり判定処理(Y306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図103、Y306)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(Y401)。次いで、確変カウンタ2030kの値が1以上であるか否かを判別する(Y402)。即ち、高確率状態(特別図柄の確変状態)であるか否かを判別する。確変カウンタ2030kの値が1以上である(即ち、特別図柄の確変状態である)と判別した場合には(Y402:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル2020aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(Y403)。一方、Y402の処理において、確変カウンタ2030kが0である(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(Y402:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル2020aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(Y404)。
そして、Y403またはY404で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(Y405)、抽選結果が大当たりであれば(Y405:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ2030mをオンに設定し(Y406)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(Y407)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y408)、現在の遊技状態に応じた値を当選時状態格納エリア2030nに格納して(Y409)、本処理を終了する。
一方、Y405の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(Y405:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(Y410)、その後、本処理を終了する。
次に、図104を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図102、Y204)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)について説明する。図104はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図104、Y307)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図103、Y306)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第1特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ2030mは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)におけるY406の処理でオンに設定されるものである。
Y501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y501:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)におけるY401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル2020d(図91(a)参照)より大当たり種別を決定し(Y502)、Y503の処理へ移行する。
一方、Y501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、第1特別図柄に対する大当たりフラグ2030mがオフである)と判別した場合には(Y501:No)、Y502の処理をスキップして、Y503の処理へ移行する。
Y503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア2030aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図92〜94参照)を読み出して(Y504)、Y505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、確変カウンタ2030kの値と、時短カウンタ2030gの値とに基づいて判別される。Y505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(Y506)。
Y506の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y507)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(Y508)、本処理を終了する。
次に、図105を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図102参照)の一処理である遊技状態更新処理(Y308)について説明する。図105は、この遊技状態更新処理(Y308)を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理(図105参照)が開始されると、まず、確変カウンタ2030kの値が0より大きいか否かを判別する(Y601)。確変カウンタ2030kの値が0であると判別した場合には(Y601:No)、Y602〜Y605の処理をスキップし、Y606の処理へ移行する。一方、確変カウンタ2030kの値が0より大きいと判別した場合には(Y601:Yes)、確変カウンタの値を1減算して(Y602)、確変カウンタの値を示す残確変回数コマンドを設定する(Y603)。
ここで設定された残確変回数コマンドは、RAM2030に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、残確変回数コマンドを受信すると、その残確変回数コマンドから確変カウンタ2030kの値を抽出し、抽出した値をRAM2230の残確変回数エリア2230oに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、残確変回数エリア2230oの値を更新するので、主制御装置110の確変カウンタ2030kの値と同期させながら、その値を更新することができる。これにより、潜確状態であるか否かを音声ランプ制御装置113側で正確に把握して、対応する演出を実行することができる。
Y603の処理が終了すると、減算後の確変カウンタ2030kの値が0であるか否かを判別し(Y604)、減算後の値が0でないと判別した場合には(Y604:No)、Y605の処理をスキップし、Y606の処理へ移行する。一方、確変カウンタ2030kの値が0であると判別した場合には(Y604:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、Y606の処理へ移行する。
Y606の処理では、時短カウンタ2030gの値が0より大きいか否かを判別し(Y606)、時短カウンタ2030gの値が0の場合は(Y606:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y606の処理において、時短カウンタ2030gが0より大きいと判別した場合は(Y606:Yes)、時短カウンタ2030gの値を1減算し(Y607)、時短カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定(Y608)した後、本処理を終了する。
ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM2030に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、残時短回数コマンドを受信すると、その残時短回数コマンドから時短カウンタ2030gの値を抽出し、抽出した値をRAM2230の残時短回数エリア2230qに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、残時短回数エリア2230qの値を更新するので、主制御装置110の時短カウンタ2030gの値と同期させながら、その値を更新することができる。
次に、図106を参照して、特別図柄変動処理(図101、Y104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(Y205)について説明する。図106はこの第1特別図柄変動停止処理(Y205)を示すフローそうチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図106、Y205)では、まず、第1特別図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判別し(Y701)、終了タイミングであると判別した場合には(Y701:Yes)、第1特別図柄(特図1)に対して、大当たりフラグ2030mがオンに設定されているか判別する(Y702)。第1特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオンに設定されていると判別した場合には(Y702:Yes)、特図2変動停止フラグ2030pをオンに設定し(Y703)、特図2変動停止フラグ2030pがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(Y704)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(Y705)。
Y705の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(Y706)、大当たりフラグ2030m、確変カウンタ2030k、および時短カウンタ2030gをリセットする(Y707)。次いで、大当たり中フラグ2030uをオンに設定し(Y708)、Y709の処理へ移行する。
一方、Y702の処理において、第1特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオフに設定されていれば(Y702:No)、Y703〜Y708の処理をスキップし、Y709の処理へ移行する。
Y709の処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(Y709)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(Y710)、本処理を終了する。
一方、Y701の処理において、実行中の第1特別図柄の変動表示の終了タイミングでないと判別した場合には(Y701:No)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(Y711)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄停止処理(Y205)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y701:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(Y703〜Y710)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(Y702:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(Y703,Y704)が実行される。
なお、本第3実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。また、本実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)にて当選時状態格納エリア2030nに格納された遊技状態に基づいて、Y706の処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)にて当選時状態格納エリア2030nに格納された遊技状態に基づいて、Y706の処理にて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。
次に、図107を参照して、特別図柄変動処理(図101、Y104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(Y207)について説明する。図107はこの第2特別図柄変動開始処理(Y207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図107、Y207)では、まず、特図2変動停止フラグ2030pがオンに設定されているかを判別する(Y801)。特図2変動停止フラグ2030pがオンに設定されていると判別した場合には(Y801:Yes)、特図2変動停止フラグ2030pをオフに設定し、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ2030pは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ2030pがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。このため、Y801の処理で特図2変動停止フラグ2030pがオンの場合は、変動開始を設定するY802〜Y810の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。
一方、Y801の処理において、特図2変動停止フラグ2030pがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(Y801:No)、第2入球口1640に対する入賞を検出したか否かを判定する(Y802)。第2入球口1640への入賞を検出していれば(Y802:Yes)、次に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を取得して第2特別図柄実行エリア2030bに格納し(Y803)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(Y804)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図108を参照して後述する。
Y804の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびY803の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(Y805)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y805)の詳細については、図110を参照して後述する。Y805の処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図105参照)を実行し(Y806)、特図2待受フラグ2030jをオフに設定すると共に、オフを示す特図2待機コマンドを設定して(Y807)、本処理を終了する。
一方、Y801の処理において、第2入球口1640に対する入賞を検出していないと判別した場合は(Y801:No)、特図2待受フラグ2030jがオンであるか否かを判別し(Y808)、オンであれば(Y808:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、Y808の処理において、特図2待受フラグ2030jがオフであると判別した場合は、特図2待受フラグ2030jをオンに設定し(Y809)、第2特別図柄が変動停止状態となったことを音声ランプ制御装置113に通知するための特図2待機コマンドを設定して(Y810)、本処理を終了する。
次に、図108を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図107、Y207)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(Y804)について説明する。図108はこの第2特別図柄大当たり判定処理(Y804)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(図108、Y804)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)との相違点について中心に説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(Y804)が実行されると、第2特別図柄実行エリア2030bに格納された各カウンタ値を取得する(Y901)。そして、取得した各カウンタ値と、確変カウンタ2030kの値とに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのY902〜Y904の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を第2特別図柄実行エリア2030bから取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)と同一の制御が実行される。
Y903、またはY904の処理が終了すると、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(Y905)、大当たりであると判別した場合は(Y905:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのY906〜Y909の処理を実行し、本処理を終了する。これらのY906〜Y909の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのY406〜Y409の各処理と同様の処理が実行される。
一方、Y905の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(Y905:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(Y910)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理の詳細について、図109を参照して説明する。図109は、この特図2外れ変動処理(Y909)を示すフローチャートである。
特図2外れ変動処理(Y909)では、まず、図108のY903、またはY904の処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判定し(Y1001)、抽選結果が小当たりであれば(Y1001:Yes)、小当たりフラグ2030oをオンに設定して(Y1002)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(Y1003)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(Y1004)、本処理を終了する。
一方、Y1001の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(Y1001:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(Y1005)、その後、本処理を終了する。
次に、図110を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図107、Y805)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(Y805)について説明する。図110はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(Y805)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図104、Y307)では、まず、第2特別図柄実行エリア2030bから、変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y1101)。次いで、第1特別図柄大当たり判定処理(図108、Y804)において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y1102)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第2特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオンであるか否かで判別される。この大当たりフラグ2030mは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図108参照)におけるY906の処理でオンに設定されるものである。
Y1102の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y1102:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図93および図94参照)を読み出す(Y1103)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図108参照)におけるY901の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル2020d(図91(a)参照)より大当たり種別を決定する(Y1105)。
Y1105の処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y1105)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(Y1106)。そして、Y1108の処理へ移行する。
一方、Y1102の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(Y1102:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(Y1107)を実行し、Y1108の処理へ移行する。
Y1108の処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(Y1108)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(Y1109)、その後、本処理を終了する。
次に、図111を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(Y1107)について説明する。図111は、特図2外れ変動パターン選択処理(Y1107)の内容を示したフローチャートである。
特図2外れ変動パターン選択処理(図111、Y1107)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(Y1201)。ここでは、小当たりフラグ2030oがオンに設定されているか判別する(Y1201)。小当たりフラグ2030oがオンであると判別した場合には(Y1201:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(Y1202)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値と小当たり種別選択テーブル2020e(図90(b)参照)に基づいて、小当たり種別を選択する(Y1203)。
次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図93および図94参照)を読み出し(Y1204)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(Y1205)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(Y1206)、本処理を終了する。
一方、Y1201の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(Y1201:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図93および図94参照)を読み出し(Y1207)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(Y1208)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(Y1209)、本処理を終了する。
次に、図112を参照して、特別図柄変動処理(図101、Y104)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(Y208)について説明する。図112はこの第2特別図柄変動停止処理(Y208)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(Y208)では、まず、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(Y1301)。Y1301の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(Y1301:Yes)、第2特別図柄(特図2)に対して、大当たりフラグ2030mがオンに設定されているか判別する(Y1303)。第2特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオンに設定されていると判別した場合には(Y1303:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y1305)、Y1306の処理へ移行する。
次に、Y1306以降の処理は、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図106、Y205)のY705以降の処理に対して、次の点で相違する。Y705およびY711の処理に対応するY1306およびY1312の処理で、第1特別図柄が第2特別図柄に変更される点と、Y710の処理に対応するY1311の処理で、特図1確定コマンドが特図2確定コマンドに変更される点とでそれぞれ相違する。その他の点は同一であるので、詳細な説明は省略する。
一方、Y1301の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y1301:No)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(Y1302)、本処理を終了する。また、Y1303の処理において、第2特別図柄に対して大当たりフラグ2030mがオフに設定されていれば(Y1303:No)、特図2外れ停止処理を実行し(Y1304)、本処理を終了する。
次に、図113を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図112、Y208)の一処理である特図2外れ停止処理(Y1304)について説明する。図113はこの特図2外れ停止処理(Y1304)を示すフローチャートである。
特図2外れ停止処理(図113、Y1304)では、まず、小当たりフラグ2030oがオンに設定されているか判別する(Y1401)。小当たりフラグ2030oがオンに設定されていると判別した場合には(Y1401:Yes)、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y1402)。次いで、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示する(Y1403)。
Y1403の処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(Y1404)。その後、小当たりフラグ2030oをオフに設定し(Y1405)、小当たり中フラグ2030vをオンに設定する(Y1406)。
Y1406の処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(Y1407)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y1408)、本処理を終了する。
一方、Y1401の処理において、小当たりフラグ2030oがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(Y1401:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(Y1409)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y1410)、本処理を終了する。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示とされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図114を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図100)の一処理である始動入賞処理(Y105)を説明する。図114は、この始動入賞処理(Y105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図114、Y105)は、第1始動口(第1入球口)64に遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口64に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア2030aに格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図114、Y105)について説明する。
始動入賞処理(図114、Y105)では、まず、球が第1始動口である第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(Y1101)。ここでは、第1入球口64への入賞を検出する。球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(Y1501:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)が取得される(Y1502)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(Y1503)。これは、第1始動口64に対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(Y1503:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(N1)に1加算される(Y1504)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(Y1505)。各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM2030の第1特別図柄保留球格納エリア2030aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(Y1506)。
次に、格納した各カウンタ値に基づいて、第1特別図柄の当否判定結果、決定される当たり種別、および、変動パターンを予測する(Y1507)。そして、予測した第1特別図柄の当否判定結果、当たり種別、および、変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(Y1508)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口(第1入球口)64に遊技球が入賞して、新たに保留記憶されると、その保留記憶された情報に基づいて、当否判定結果が変動開始前に判別されて音声ランプ制御装置113に対して通知される。これにより、保留記憶されている当否判定結果に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆する演出を実行できる。
次に、図115を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(Y106)について説明する。図115は、この普通図柄変動処理(Y106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(Y106)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、電動役物1640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図115、Y106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(Y1601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置(図示せず)において当たりを示す表示がなされてから電動役物1640aの開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(Y1601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(Y1601:No)、第2図柄表示装置の普通図柄が変動表示中であるか判別される(Y1602)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(Y1602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(Y1618)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部(図示せず)において変動表示が開始される前に、後述する、Y1617の処理によって予め設定された時間である。
Y1011の処理において、変動時間が経過していなければ(Y1618:No)、本処理を終了する。一方、Y1618の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(Y1618:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(Y1619)。Y1619の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、Y1613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置(図示せず)には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、Y1615の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置(図示せず)には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。Y1619の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、Y1613の処理、Y1615の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(Y1620)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(Y1620:Yes)、電動役物1640aの開閉制御開始が設定される(Y1621)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(Y1620:No)、本処理を終了する。
一方、Y1602の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(Y1602:No)、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(Y1603)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(Y1604)、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が0であると判別した場合には(Y1604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が0でないと判別した場合には(Y1604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)を1減算する(Y1605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア2030cに格納されたデータをシフトする(Y1606)。Y1606の処理では、普通図柄保留球格納エリア2030cの普通図柄保留第1〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留第1エリア→実行エリア、普通図柄保留第2エリア→普通図柄保留第1エリア、普通図柄保留第3エリア→普通図柄保留第2エリア、普通図柄保留第4エリア→普通図柄保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア2030cに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(Y1607)。
次に、遊技状態が時短状態中であるか判別される(Y1608)。より具体的には、時短カウンタ2030gの値が1以上である場合に、時短状態であると判別する。Y1608の処理において、時短状態中ではないと判別した場合には(Y1608:No)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図90(c)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果を取得する(Y1611)。一方、Y1608の処理において、時短遊技中であると判別した場合には(Y1608:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別する(Y1609)。Y1609の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(Y1609:Yes)、Y1611の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(Y1609:No)、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図90(c)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(Y1610)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別し(Y1612)、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(Y1612:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(Y1615)、Y1616の処理へ移行する。一方、Y1612の処理において、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別した場合には(Y1612:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定する(Y1613)。
次いで、電動役物1640aの開放期間を1秒間、開放回数を2回に設定する(Y1614)。そして、Y1614またはY1615の処理を実行した後に実行するY1616の処理では、普図変動パターンテーブル2020g(図95参照)を読み出し(Y1616)、読み出した普図変動パターンテーブル2020gから普図変動種別カウンタCS2の値に対応する変動時間を設定して(Y1617)、本処理を終了する。
次に、図116のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(Y107)を説明する。図116は、このスルーゲート通過処理(Y107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(Y107)は、タイマ割込処理(図100参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図116、Y107)では、まず、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(Y1701)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別されると(Y1701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(Y1702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(Y1703)。
遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(Y1701:No)、或いは、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が4未満でなければ(Y1703:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(Y1701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)が4未満であれば(Y1703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値(M)を1加算する(Y1704)。
Y1704の処理を終えると、上述したタイマ割込処理(図100参照)のY103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM2030の普通図柄保留球格納エリア2030cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納すし(Y1705)、本処理を終了する。尚、Y1705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ2030eの値を参照し、その値が1であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄に基づく抽選よりも第2特別図柄に基づく抽選のほうが遊技者に有利となるよう設定されている。よって、普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりとなることで提供される第2入球口1640に球が入球可能な状態は、通常の遊技状態に比べ有利な遊技状態となる。
このような遊技状態が提供されるタイミングを普図の事前判定結果に基づいて示すことにより、遊技者は通常の遊技状態よりも有利な遊技状態を見逃すことなく遊技を行うことができる。なお、このような普図の事前判定結果を用いて演出を行う場合は普図の当否判定結果に基づく演出だけではなく、普図が当たりと判定された場合における電動役物1640aが開放動作されるタイミングを示唆する演出を行うと良い。このようにすることで、通常の遊技状態は遊技盤13の左側の遊技領域を狙った遊技を行い、第2入球口1640(電動役物1640aが付随する入球口)が遊技盤13の右側に配設されていたとしても、電動役物1640aが開放動作を行う前に、遊技盤13の右側を狙う遊技(所謂、右打ち)に切り替えることが可能となり、通常の遊技状態であっても第2入球口1640への球が入球する可能性を高めることができるという効果がある。
図117は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM2030に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM2030に記憶し(Y1801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図118を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図118は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図118)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(Y1901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(Y1902)。そして、RAM2030のアクセスを許可する(Y1903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(Y1904)、オンされていれば(Y1904:Yes)、処理をY1910へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(Y1904:No)、更にRAM2030に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(Y1905)、記憶されていなければ(Y1905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をY1910へ移行する。
RAM2030に電源断の発生情報が記憶されていれば(Y1905:Yes)、RAM判定値を算出し(Y1906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(Y1907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をY1910へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM2030の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM2030の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
Y1910の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(Y1910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM2030の初期化処理(Y1911、Y1912)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM2030の初期化処理(Y1911、Y1912)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM2030の初期化処理(Y1911、Y1912)を実行する。RAMの初期化処理(Y1911、Y1912)では、RAM2030の使用領域を0クリアし(Y1911)、その後、RAM2030の初期値を設定する(Y1912)。RAM2030の初期化処理の実行後は、Y1913の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(Y1904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(Y1905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(Y1907:Yes)、RAM2030にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(Y1908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(Y1909)、Y1910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(Y1913)。その後、確変カウンタ2030kおよび時短カウンタ2030gの各値を読み出し(Y1914)、読み出したカウンタ値に基づき、状態コマンドを設定する(Y1915)。Y1915の処理が終了すると、割込みを許可し(Y1916)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図119を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(Y2000)について説明する。図119は、このメイン処理(Y2000)を示すフローチャートである。このメイン処理(Y2000)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図119、Y2000)においては、まず、タイマ割込処理(図100参照)の中でRAM2230に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(Y2001)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(Y2002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM2030のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(Y2003)を実行する。大当たり制御処理が実行される(Y2004)。この大当たり制御処理(Y2004)については、図120を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における可変入賞装置65の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(Y2004)が実行された後には、小当たり制御処理(Y2005)が実行される。この小当たり制御処理については、図124を参照して後述する。その後、電動役物開閉処理が実行される(Y2006)。この電動役物開閉処理(Y2006)では、電動役物1640aの開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(Y2007)。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(Y2008)。簡単に説明すると、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄(普通図柄)の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄(普通図柄)の抽選が実施され、第2図柄(普通図柄)の当たり状態になると、電動役物1640aが所定時間開放される。
その後は、RAM2030に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(Y2009)、RAM2030に電源断の発生情報が記憶されていなければ(Y2009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(Y2010)、既に所定時間(4ms)が経過していれば(Y2010:Yes)、処理をY2001へ移行し、上述したY2001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(Y2010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(Y2011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(Y2011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479、232)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM2030のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、Y2002の処理と同一の方法によって実行する(Y2012)。
ここで、Y2001〜Y2008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、Y2009の処理において、RAM2030に電源断の発生情報が記憶されていれば(Y2009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図117のNMI割込処理が実行されたということなので、Y2013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(Y2013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(Y2014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(Y2015)、RAM2030のアクセスを禁止して(Y2016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM2030のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、Y2009の処理は、Y2001〜Y2008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるY2011とY2012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をY2001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をY2001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図118、Y1901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、Y2001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図120のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(Y2004)を説明する。図120は、この大当たり制御処理(Y2004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(Y2004)は、メイン割込処理(図119参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図120、Y2004)では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(Y2101)。大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(Y2101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y2101の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(Y2101:Yes)、大当たりシナリオを更新し(Y2102)、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(Y2103)。より具体的には、Y2102の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、Y2103の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
Y2103の処理において、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであると判別された場合は(Y2103:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(Y2104)、本処理を終了する。一方、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングないと判別した場合は(Y2103:No)、次いで、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(Y2105)。
Y2105の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(Y2105:Yes)、大当たり動作設定処理を実行し(Y2106)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(Y2106)の詳細については、図121を参照して後述する。
一方、Y2105の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(Y2105:No)、次に、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(Y2107)。ここで、本実施形態では、特定入賞口65aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、5個)入賞した場合、または、特定入賞口65aの開放期間が所定時間経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。特定入賞口65aのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(Y2107:Yes)、Y2108の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し(第1特定入賞口65aの開閉板65f1が閉状態となるようソレノイドをオフに設定し)、本処理を終了する。なお、上述したY2105〜Y2107までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、Y2107の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(Y2107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別し(Y2109)、エンディング演出の開始タイミングであれば(Y2109:Yes)、大当たり用エンディングコマンドを設定し(Y2110)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM2030に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、Y2109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(Y2109:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(Y2111)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。Y2111の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(Y2111:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(Y2112)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(Y2112)の詳細については、図122を参照して後述する。
一方、大当たりの終了タイミングでなければ(Y2111:No)、第1入賞処理を実行し(Y2113)、本処理を終了する。この第1入賞処理(Y2113)の詳細については、図123を参照して後述する。
次に、図121を参照して、大当たり制御処理(図120、Y2004)内の一処理である大当たり動作設定処理(Y2106)について説明する。図121は、この大当たり動作設定処理(Y2106)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(図121、Y2106)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(Y2201)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65k(図77参照)の開放動作をY2201で読み込んだデータに基づいて設定する(Y2202)その後、特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1(図77参照))の開放動作をY2201の処理で読み込んだデータにより設定し(Y2203)、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技の場合には、確変ソレノイド65kの動作は設定されず、開閉板65f1の開放動作のみが設定される。小当たりでは、2ラウンドで構成され、各ラウンドで、1秒間、開閉板65f1が開放動作される。
次に、図122を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図120、Y2004)内の一処理である大当たり終了処理(Y2112)について説明する。この大当たり終了処理(Y2112)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図122は、この大当たり終了処理(Y2112)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了処理(図122、Y2112)では、まず、当選時状態格納エリア2030nに基づいて、当選時の遊技状態を特定する(Y2301)。次いで、V入賞フラグ2030fはオンであるか判別する(Y2302)。Y2302の処理において、V入賞フラグ2030fがオンであると判別された場合は(Y2302:Yes)、今回の大当たり中に球がV通過スイッチ65e3を通過したことを意味するので、確変カウンタ2030kの値を120に設定する(Y2303)。
そして、当選時の遊技状態が潜確状態でないかを判別する(Y2304)。Y2304の処理において、当選時の遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(Y2304:No)、今回の大当たり種別が大当たりB〜Dであるかを判別する(Y2305)。大当たりB〜Dでなければ(Y2305:No)、時短カウンタ2030gの値に120を設定し(Y2306)、Y2307の処理へ移行する。
一方、Y2302の処理において、V入賞フラグ2030fがオフである(即ち、オンでない)と判別された場合(Y2303:No)、または、Y2304の処理において、当選時の遊技状態が潜確状態であると判別した場合(Y2304:Yes)、または、Y2305の処理において、大当たりB〜Dである場合は(Y2305:Yes)、Y2307の処理へ移行する。これにより、当選時の遊技状態が潜確状態でない場合、および、大当たり中に遊技球がV通過スイッチ65e3を通過しなかった場合は、大当たり後の遊技状態が通常状態に設定される。また、遊技球がV通過スイッチ65e3を通過し、当たり種別が大当たりB〜Dである場合は、大当たり後に120回の確変状態が設定される。一方、遊技球がV通過スイッチ65e3を通過し、当たり種別が大当たりAである場合は、大当たり後に120回の確変状態および100回の時短状態が設定される。
Y2307の処理では、大当たり中フラグ2030u、およびV入賞フラグ2030fを共にオフに設定し、当選時状態格納エリア2030nをクリアする(Y2307)。その後、設定した遊技状態に応じた状態コマンドを設定し(Y2308)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、V入賞フラグ2030fがオンであるか判別されて、オンであれば、確変カウンタ2030kの値に確変状態が設定される特別図柄変動回数に対応する値(120)が設定される。よって、大当たり遊技の終了時に、V通過スイッチ65e3を遊技球が通過しているかを判別して高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)を設定できる。よって、大当たり遊技が終了するまで、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、大当たり遊技中にV通過スイッチ65e3に遊技球が通過させることができれば、高確率遊技状態(潜伏確変遊技状態ST2または確変遊技状態ST3)が大当たり遊技後に付与されるので、大当たり遊技中にもV通過スイッチ65e3に遊技球が通過するか否かに関心を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、大当たり終了処理(図122参照)においてV入賞フラグ2030fがオンに設定されていないと判別した場合に(図122のY2303:No)、確変カウンタ2030k及び時短カウンタ2030gに値を設定しない、即ち、大当たり遊技後に通常遊技状態ST1が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、V入賞フラグ2030fがオンに設定されていないと判別した場合に(図122のY2303:No)、時短カウンタ2030gに所定値(例えば、50)を設定するように構成しても良い。これにより、大当たり遊技中にV通過スイッチ65e3に遊技球が通過しなかった場合にも、遊技者に所定の(V通過スイッチ65e3に遊技球が通過した場合よりも少ない)特典を付与することが可能となる。
さらに、大当たり終了処理(図122参照)においてV入賞フラグ2030fがオンに設定されていないと判別した場合(図122のY2303:No)に、今回当選した大当たりの種別を判別し、今回当選した大当たりの種別がV通過スイッチ65e3に遊技球が通過可能となるように開閉板65f1の開閉パターンが設定される大当たり種別(図91(a)参照)であると判別した場合のみ時短カウンタ2030gに所定値(例えば、50)を設定するように構成しても良い。このように構成することで、当選した大当たり種別と、大当たり遊技中の遊技内容(V通過スイッチ65e3への遊技球の通過の有無)に対応して複数の異なる特典(大当たり終了後に設定される遊技状態の有利度合い)を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図123を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1入賞処理(Y2113)の詳細について説明する。図123は、この第1入賞処理(Y2113)を示すフローチャートである。この第1入賞処理(Y2113)は、大当たり制御処理(図120参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この第1入賞処理(図123、Y2113)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(Y2401)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口(大開放口)65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(5秒)が終了するまでの期間である。Y2401の処理において、ラウンド有効期間でなければ(Y2401:No)、入賞カウンタ2030hをリセットし(Y2402)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y2401の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(Y2401:Yes)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出したかを判別し(Y2403)、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出していなければ(Y2403:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y2403の処理において、特定入賞口(大開放口)65aに対する入賞を検出していれば(Y2403:Yes)、入賞カウンタ2030hの値に1を加算して更新する(Y2404)。そして、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以上であるかを判別し(Y2405)、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以下であれば(Y2405:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以上であれば(Y2405:Yes)、特定入賞口(大開放口)65a(に付随する開閉板65f1)の閉鎖を設定する(Y2406)。次いで、大当たりシナリオをラウンドの終了に更新し(Y2407)、V入賞フラグ2030fがオンであるかを判別する(Y2408)。V入賞フラグ2030fがオンである場合は(Y2408:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、V入賞フラグ2030fがオフである(即ち、オンでない)場合は(Y2408:No)、V通過スイッチ65e3がオンであるかを判別する(Y2409)。Y2409の処理において、V通過スイッチ65e3がオフである(即ち、オンでない)場合は(Y2409:No)、そのまま本処理を終了する。
Y2409の処理において、V通過スイッチ65e3がオンである場合は(Y2409:Yes)、V入賞フラグをオンに設定する。そして、V入賞コマンドを設定し、本処理を終了する。
次に、図124を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図119参照)内の一処理である小当たり制御処理(Y2005)について説明する。図124は、この小当たり制御処理(Y2005)の内容を示したフローチャートである。
小当たり制御処理(図124、Y2005)では、まず、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(Y2501)。具体的には、特図2外れ停止処理(図113参照)のY1404の処理が実行され、小当たりシナリオが設定されているかを判別する。Y2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(Y2501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(Y2501:Yes)、小当たりシナリオを更新し(Y2502)、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(Y2503)。より具体的には、Y2502の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、Y2503の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
Y2503の処理において、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであると判別した場合は(Y2503:Yes)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(Y2504)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングでないと判別した場合は(Y2503:No)、次いで、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであるかを判別する(Y2505)。
Y2505の処理において、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであると判別した場合は(Y2505:Yes)、小当たり動作設定処理を実行し(Y2506)、本処理を終了する。なお、小当たり動作設定処理(Y2506)の詳細については、図125を参照して後述する。一方、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングでないと判別した場合は(Y2505:No)、次いで、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(Y2507)。ここで、本実施形態では、特定入賞口65aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、5個)入賞した場合、または、特定入賞口65aの開放期間が所定時間経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
Y2507の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(Y2507:Yes)、Y2508の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し(第1特定入賞口65aの開閉板65f1が閉状態となるようソレノイドをオフに設定し)、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(Y2507:No)、エンディング演出の開始のタイミングであるかを判別する(Y2509)。
Y2509の処理において、エンディング演出の開始のタイミングであると判別した場合は(Y2509:Yes)、小当たり用エンディングコマンドを設定し(Y2510)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM2030に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、Y2509の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(Y2509:No)、小当たりの終了タイミングであるかを判別する(Y2511)。ここで、小当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。
Y2511の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(Y2511:Yes)、小当たり中フラグ2030vをオフに設定し(Y2512)、本処理を終了する。一方、小当たりの終了タイミングでなければ(Y2511:No)、第2入賞処理を実行し(Y2513)、本処理を終了する。この第2入賞処理(Y2513)の詳細については、図126を参照して後述する。
次に、図125を参照して、小当たり制御処理(図124、Y2005)内の一処理である小当たり動作設定処理(Y2506)について説明する。図125は、この小当たり動作設定処理(Y2506)の内容を示したフローチャートである。小当たり動作設定処理(図125、Y2506)では、まず、開始する小当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(Y2601)。特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1(図77参照))の開放動作をY2601の処理で読み込んだデータにより設定し(Y2602)、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
次に、図126を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2入賞処理(Y2513)の詳細について説明する。図126は、この第2入賞処理(Y2513)を示すフローチャートである。この第2入賞処理(Y2513)は、小当たり制御処理(図124参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この第2入賞処理(図126、Y2513)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(Y2701)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(5秒)が終了するまでの期間である。Y2701の処理において、ラウンド有効期間でなければ(Y2701:No)、入賞カウンタ2030hをリセットし(Y2702)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y2701の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(Y2701:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(Y2703)、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(Y2703:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y2703の処理において、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(Y2703:Yes)、入賞カウンタ2030hの値に1を加算して更新する(Y2704)。そして、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以上であるかを判別し(Y2705)、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以下であれば(Y2705:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、入賞カウンタ2030hの値が上限値(本実施形態では、5)以上であれば(Y2705:Yes)、特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1)の閉鎖を設定する(Y2706)。次いで、小当たりシナリオをラウンドの終了に更新し(Y2707)、本処理を終了する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図127から図135を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図127を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図127は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(Y4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、Y4116の電源断処理(図128参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(Y4002)。図128を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図128、Y4113参照)、Y4116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、Y4116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(Y4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってY4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM2230のデータが破壊されているか否かを確認する(Y4003)。
RAM2230のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM2230の特定の領域には、Y4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM2230のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM2230のデータ破壊を確認することができる。RAM2230のデータ破壊が確認されれば(Y4003:Yes)、Y2004へ移行して、RAM2230の初期化を開始する。一方、RAM2230のデータ破壊が確認されなければ(Y4003:No)、Y4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM2230の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM2230の記憶は喪失するから)、RAM2230のデータ破壊と判断され(Y4003:Yes)、Y4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってY4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM2230の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM2230のデータは正常と判断されて(Y4003:No)、Y4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(Y4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、Y4116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM2230の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をY4004へ移行して、RAM2230の初期化を開始する。
Y4004の処理では、RAM2230の全範囲の記憶領域をチェックする(Y4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM2230の読み書きチェックにより、RAM2230のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM2230のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(Y4005:Yes)、RAM2230の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(Y4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM2230にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM2230のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(Y4005:No)、RAM2230の異常を報知して(Y4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM2230の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM2230の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
Y4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(Y4008)。電源断フラグはY4116の電源断処理の実行時にオンされる(図128、Y4115参照)。つまり、電源断フラグは、Y4116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でY4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってY4116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(Y4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(Y4009)、RAM2230の初期値を設定した後(Y4010)、状態コマンドに基づいて状態設定エリアを更新する(Y4011)。次いで、割込み許可を設定して(Y4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM2230の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でY4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにY4004からY4006の処理を経由してY4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(Y4008:No)、RAM2230の作業領域のクリア処理であるY4009をスキップして、処理をY4010へ移行し、RAM2230の初期値を設定する(Y4010)。
なお、Y4009のクリア処理をスキップするのは、Y4004からY4006の処理を経由してY4008の処理へ至った場合には、Y4004の処理によって、既にRAM2230のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM2230の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図128を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図128は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回Y4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(Y4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(Y4101:No)、Y4102〜Y4110の処理を行わずにY4111の処理へ移行する。Y4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、Y4102〜Y4110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、Y4111のコマンド判定処理やY4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。Y4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、Y4111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
Y4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(Y4101:Yes)、まず、Y4103〜Y4112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(Y4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するY4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(Y4103)、その後電源投入報知処理を実行する(Y4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにY4105の処理へ移行する。
Y4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(Y4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(Y4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(Y4108)、その後音編集・出力処理を実行する(Y4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
Y4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(Y4110)。この後、Y4111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてY4108のランプ編集処理が実行される。なお、Y4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
その後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(Y4111)が実行され、Y4112の処理へ移行する。このコマンド判定処理(Y4111)の詳細については、図130を参照して後述する。
Y4112の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図135を参照して後述する。
Y4112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(Y4113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。Y4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(Y4113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(Y4115)、電源断処理を実行する(Y4116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(Y4117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、Y4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(Y4113:No)、RAM2230に記憶されるキーワードに基づき、RAM2230が破壊されているか否かが判別され(Y4114)、RAM2230が破壊されていなければ(Y4114:No)、Y4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM2230が破壊されていれば(Y4114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM2230が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図129を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される客待演出処理(Y4105)について説明する。図129は、客待演出処理(Y4105)を示したフローチャートである。この客待演出処理(Y4105)は、主制御装置110から出力される特図1待機コマンドまたは特図2待機コマンドを受信した場合にオンに設定されるサブ特図1待受フラグ2230j、サブ特図2待受フラグ2230mの設定状況に基づいて、待機表示画面を設定する処理を実行するものである。以下、客待演出処理(Y4105)の詳細を説明する。
客待演出処理(図129、Y4105)では、まず、サブ特図1待受フラグ2230jがオンに設定されているか否かを判別する(Y4201)。サブ特図1待受フラグ2230jがオンに設定されていると判別した場合には(Y4201:Yes)、特図1待受カウンタ2230kの値を更新する(Y4202)。そして、特図1待受カウンタ2230kの値が上限値であるか否かを判別する(Y4203)。ここで、本実施形態では特図1待受カウンタ2230kの上限値として30秒に対応する値(30000)が設定されている。つまり、特図1の変動が停止してから30秒経過した場合に(特図1待受カウンタ2230kの値が上限値に到達した場合に)特図1待機フラグがオンに設定されるよう構成されている。
特図1待受カウンタ2230kの値が上限値未満である場合は(Y4203:No)、Y4205の処理へ移行する。
一方、Y4203の処理において、特図1待受カウンタ2230kの値が上限値である場合は(Y4203:Yes)、特図1待機フラグ2230sをオンに設定し、サブ特図1待受フラグ2230j、および、待機設定済フラグ2230uをオフに設定し(Y4204)、Y4205の処理へ移行する。Y4204の処理において待機設定済フラグ2230uをオフに設定することにより、例えば、後述する特図2待機フラグ2230tがオンに設定されたことに基づいて表示用待機表示コマンドが設定されている状態で、特図1待機フラグ2230sがオンに設定された場合に、再度待機表示種別を決定することができるようになる。よって、各特図(特図1、特図2)の変動状況(待機状況)に応じた待機表示を適切に実行することができる。
また、Y4201の処理において、サブ特図1待受フラグ2230jがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(Y4201:No)、Y4202〜Y4204の処理をスキップし、Y4205の処理へ移行する。
Y4205の処理では、サブ特図2待受フラグ2230mがオンに設定されているか否かを判別する(Y4205)。サブ特図2待受フラグ2230mがオンに設定されていると判別した場合には(Y4205:Yes)、特図2待受カウンタ2230nの値を更新する(Y4206)。そして、特図2待受カウンタ2230nの値が上限値(30000)であるか否かを判別する(Y4207)。特図2待受カウンタ2230nの値が上限値未満である場合は(Y4207:No)、Y4209の処理へ移行する。
一方、Y4207の処理において、特図2待受カウンタ2230nの値が上限値である場合は(Y4207:Yes)、特図2待機フラグ2230tをオンに設定し、サブ特図2待受フラグ2230m、および、待機設定済フラグ2230uをオフに設定して(Y4208)、Y4209の処理へ移行する。Y4208の処理において待機設定済フラグ2230uをオフに設定することにより、例えば、特図1待機フラグ2230sがオンに設定されたことに基づいて表示用待機表示コマンドが設定されている状態で、特図2待機フラグ2230tがオンに設定された場合に、再度待機表示種別を決定することができるようになる。よって、各特図(特図1、特図2)の変動状況(待機状況)に応じた待機表示を適切に実行することができる。
また、Y4205の処理において、サブ特図2待受フラグ2230mがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(Y4205:No)、Y4206、および、Y4207の処理をスキップし、Y4209の処理へ移行する。
Y4209の処理では、待機設定済フラグ2230uがオンに設定されているか否かを判別する(Y4209)。待機設定済フラグ2230uがオンに設定されていると判別した場合には(Y4209:Yes)、待機表示種別を設定するためのY4211〜Y4214の処理をスキップして本処理を終了する。つまり、待機設定済フラグ2230uがオンに設定されている状態は、既に待機表示種別が設定されている状態から各特図の変動状況(待機フラグの設定状況)が変更されていない状態である。よって、そのような状態であると判別された場合に待機表示種別を設定するための処理を実行しないように構成することで待機表示種別を設定するための処理の負荷を軽減することができる。
なお、詳細は図133を参照して後述するが、本実施形態では待機フラグ(特図1待機フラグ2230sまたは特図2待機フラグ2230t)がオンに設定されている状態で新たな特図変動が開始されたことを示すコマンド(オフを示す特図待機コマンド)を受信した場合にも、待機設定済フラグ2230uをオフに設定する処理が実行される。よって、特図1または特図2の変動状況(待機フラグの設定状況)が変更される度に必ず待機表示種別を再設定することができるため、各特図(特図1、特図2)の変動状況(待機状況)に応じた待機表示をより適切に実行することができる。
一方、待機設定済フラグ2230uがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(Y4209:No)、特図1待機フラグ2230sまたは特図2待機フラグ2230tがオンに設定されているか否かを判別する(Y4210)。
Y4210の処理において、特図1待機フラグ2230sまたは特図2待機フラグ2230tがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(Y4210:No)、本処理を終了する。一方、特図1待機フラグ2230sまたは特図2待機フラグ2230tがオンに設定されていると判別した場合には(Y4210:Yes)、状態設定エリア2230iに設定されている遊技状態を読み出す(Y4211)。そして、読み出した遊技状態と、特図1待機フラグ2230sおよび特図2待機フラグ2230tの設定状況に基づいて、画面表示選択テーブル2220b(図98参照)より待機表示種別を決定する(Y4212)。
次いで、決定した待機表示種別に基づいて、表示制御装置114に対して待機表示種別を通知するための表示用待機表示コマンドを設定する(Y4213)。その後、待機設定済フラグ2230uをオンに設定し(Y4214)、本処理を終了する。
次に、図130を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(Y4111)について説明する。図130は、このコマンド判定処理(Y4111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(Y4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図128参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(Y4111)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(Y4111)では、まず、RAM2230に設けられたコマンド記憶領域2230aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(Y4301)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(Y4301:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行し(Y4302)、本処理を終了する。この停止種別コマンド受信処理の詳細については図131を参照して後述する。
一方、Y4301の処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(Y4301:No)、特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(Y4303)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
Y4303の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(Y4303:Yes)、RAM2230に設けられた特図1変動開始フラグ2230dをオンに設定し(Y4304)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(Y4305)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM2230のその他メモリエリア2230zに、第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図135参照)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始と、その第1特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(Y4303:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(Y4306)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
Y4306の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(Y4306:Yes)、RAM2230に設けられた特図2変動開始フラグ2230eをオンに設定し(Y4307)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(Y4308)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM2230のその他メモリエリア2230zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図135参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
Y4306の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(Y4306:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(Y4309)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(Y4309:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値(即ち、第1特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM2230に設けられた第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を更新して(Y4310)、本処理を終了する。なお、本実施形態では第2特別図柄(特図2)の抽選を保留記憶する構成を有していないため、Y4310の処理では第1特別図柄(特図1)保留球数カウンタ2230cの値を更新する処理のみが実行される。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、Y4310の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ2230cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値に合わせることができる。
また、Y4309の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4309:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(Y4311)。Y4311の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(Y4311:Yes)、受信した入賞情報コマンドの情報(特別図柄の抽選の当否、当たり種別、および、変動パターン)を対応する入賞情報格納エリア2230bに設定し(Y4312)、本処理を終了する。
一方、Y4311の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4311:No)、状態コマンドを受信したか判別する(Y4313)。状態コマンドを受信していると判別した場合には(Y4313:Yes)、状態コマンド処理(Y4314)を実行する。この状態コマンド処理(Y4314)の詳細については、図132を参照して説明するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)を状態設定エリア2230iに設定する処理が実行される。
Y4313の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(Y4313:No)、主制御装置110より特図1待機コマンド、または特図2待機コマンドを受信したか判別する(Y4315)。Y4315の処理において、特図1待機コマンド、または特図2待機コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(Y4315:Yes)、客待コマンド処理(Y4316)を実行する。この客待コマンド処理(Y4316)の詳細については、図133を参照して説明するが、主制御装置110から出力される特図1待機コマンド、または特図2待機コマンドに基づいて、特図1待機フラグ2230sまたは特図2待機フラグ2230tを設定するための処理が実行される。
Y4315の処理において、特図1待機コマンドも、特図2待機コマンドも受信していないと判別した場合は(Y4315:No)、主制御装置110より残確変回数コマンド、または残時短回数コマンドを受信したか判別する(Y4317)。Y4315の処理において、残確変回数コマンド、または残時短回数コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(Y4317:Yes)、残回数更新処理(Y4318)を実行する。この残回数更新処理(Y4318)の詳細については、図134を参照して説明するが、主制御装置110から出力される残確変回数コマンドまたは残時短回数コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に表示するための演出表示の内容を設定する処理が実行される。
Y4317の処理において、残確変回数コマンドも、残時短回数コマンドも受信していないと判別した場合は(Y4317:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(Y4319)、本処理を終了する。Y4319の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM2230に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図131を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止種別コマンド受信処理(Y4302)について説明する。図131は、この停止種別コマンド受信処理(Y4302)を示したフローチャートである。この停止種別コマンド受信処理(Y4302)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図130参照)の中で実行される。以下、停止種別コマンド受信処理(Y4302)の詳細を説明する。
停止種別コマンド受信処理(図131、Y4302)では、まず、受信したコマンドに対応して、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ2230fをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ2230gをオンに設定する。(Y4401)。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりG、小当たりA〜小当たりC,外れ、リーチ外れ等)を抽出し(Y4402)、本処理を終了する。
Y4402において抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM2230のその他メモリエリア2230zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。これにより、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に変動を開始したとしても停止種別をそれぞれ管理することが可能となり、適切な変動表示を実行することができる。
次に、図132を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(Y4314)について説明する。図132は、この状態コマンド処理(Y4314)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(Y4314)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図130参照)の中で実行される。以下、状態コマンド処理(Y4314)の詳細を説明する。
状態コマンド処理(図132、Y4314)では、まず、RAM2230に設けられた状態設定エリア2230iの値から、状態コマンドを受信する前の遊技状態を判別する(Y4501)。即ち、どの遊技状態で状態コマンドを受信したのかを判別する。次いで、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であるかを判別する(Y4502)。状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(Y4502:No)、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドであるか判別する(Y4503)。Y4503の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドである場合は(Y4503:Yes)、潜確状態の突入を報知する潜確報知演出を設定する(Y4504)。そして、演出確変回数エリア2230pに120を設定し(Y4505)、Y4506の処理へ移行する。
一方、4502の処理において、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であると判別した場合(Y4502:Yes)、または、Y4503の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドでない場合は(Y4503:No)、Y4506の処理へ移行する。
Y4506の処理では、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を、状態設定エリア2230iに格納して(Y4506)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本実施形態における状態コマンド処理(Y4314)は、状態設定エリア2230iに設定されている遊技状態と主制御装置110から出力された状態コマンドが示す遊技状態とに基づいて、潜確状態以外の遊技状態から潜確状態へと移行したことを判別し、潜確状態以外の遊技状態から潜確状態へと移行した場合に、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1(図85(a)参照)に初期値として「120」を制御する処理が実行される。一方、潜確状態中に大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に再度潜確状態が設定される場合は、Y4502の処理において、状態設定エリア2230iに潜確状態が設定されていると判別され(Y4502:Yes)、Y4504,Y4505の処理をスキップするため、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1(図85(a)参照)に表示されている演出確変回数が加算(再設定)されることがない。これにより、潜確状態中に大当たりに当選し、実際の確変回数が再設定(120回に設定)されたとしても、演出確変回数の表示は大当たりに当選する前に表示されていた値が引き続き表示されることになる。よって、実際の確変回数の残り(残確変回数)と第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1(図85(a)参照)に表示されている演出確変回数の残り(演出残確変回数)とを異ならせることができ、遊技者に対して、潜確状態が終了するタイミングを分かり難くさせることができる。
なお、上述した状態コマンド処理(図132のY4314)では、新たに潜確状態へ突入した場合に、実際の確変回数(120回)と同一の回数(120回)が第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示されるよう構成しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、実際の確変回数よりも少ない回数が残回数表示領域D1に表示されるようにしてもよい。
次に、図133を参照して、待機コマンド処理(Y4316)について説明する。図133は、この待機コマンド処理(Y4316)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(Y4314)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図130参照)の中で実行されるものであり、主制御装置110から出力された各待機コマンド(特図1待機コマンド、特図2待機コマンド)に基づいて、特図1待機フラグ2230sおよび特図2待機フラグ2230tをオンに設定したりオフに設定したりする処理が実行される。この特図1待機フラグ2230sおよび特図2待機フラグ2230tの設定状況は、上述した客待演出処理(図129のY4105参照)にて参照される。
待機コマンド処理(Y4316)が実行されると、まず、特図1待機コマンドを受信したか判別する(Y4601)。Y4601の処理において、特図1待機コマンドを受信したと判別した場合は(Y4601:Yes)、サブ特図1待受フラグ2230jをオンに設定し(Y4602)、本処理を終了する。
一方、Y4601の処理において、特図1待機コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4601:No)、特図1待受フラグ2030iのオフを示す特図1待機コマンドを受信したか判別する(Y4603)。Y4603の処理において、特図1待受フラグ2030iのオフを示す特図1待機コマンドを受信したと判別した場合は(Y4603:Yes)、サブ特図1待受フラグ2230jをオフに設定し(Y4604)、特図1待受カウンタ2230kをリセットする(Y4605)。その後、特図1待機フラグ2230sはオンに設定されているかを判別する(Y4606)。
Y4606の処理において、特図1待機フラグ2230sはオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合は(Y4606:No)、本処理を終了する。一方、Y4606の処理において、特図1待機フラグ2230sはオンに設定されていると判別した場合は(Y4606:Yes)、特図1待機フラグ2230s、および、待機設定済フラグ2230uをオフに設定し(Y4607)、本処理を終了する。
即ち、特図1待機フラグ2230sがオンに設定されている状態(特図1が変動することなく30秒以上経過している状態)において、特図1待受フラグ2030iがオフに設定されたこと(特図1の変動が実行されたこと)を示す特図1待機コマンドを受信した場合には、特図1待機フラグ2230sをオフに設定するとともに、待機設定済フラグ2230uをオフに設定するため、客待演出処理(図129のY4105参照)において、特図1待機フラグ2230sがオフに設定された場合に対応する待機表示種別が設定されることになる。よって、各特図の変動状況(待機フラグの設定状況)に応じた待機表示種別を適切に設定することができる。
一方、Y4603の処理において、特図1待受フラグ2030iのオフを示す特図1待機コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4603:No)、特図2待機コマンドを受信したか判別する(Y4608)。Y4608の処理において、特図2待機コマンドを受信したと判別した場合は(Y4608:Yes)、サブ特図2待受フラグ2230mをオンに設定し(Y4609)、本処理を終了する。
一方、Y4608の処理において、特図2待機コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4608:No)、特図2待受フラグ2030jのオフを示す特図2待機コマンドを受信したか判別する(Y4610)。Y4610の処理において、特図2待受フラグ2030jのオフを示す特図2待機コマンドを受信したと判別した場合は(Y4610:Yes)、サブ特図2待受フラグ2230mをオフに設定し(Y4611)、特図2待受カウンタ2230nをリセットする(Y4612)。その後、特図2待機フラグ2230tはオンに設定されているかを判別する(Y4613)。
Y4613の処理において、特図2待機フラグ2230tはオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合は(Y4613:No)、本処理を終了する。一方、Y4613の処理において、特図2待機フラグ2230tはオンに設定されていると判別した場合は(Y4613:Yes)、特図1待機フラグ2230s、および、待機設定済フラグ2230uをオフに設定し(Y4614)、本処理を終了する。
即ち、特図2待機フラグ2230tがオンに設定されている状態(特図2が変動することなく30秒以上経過している状態)において、特図2待受フラグ2030jがオフに設定されたこと(特図2の変動が実行されたこと)を示す特図2待機コマンドを受信した場合には、特図2待機フラグ2230tをオフに設定するとともに、待機設定済フラグ2230uをオフに設定するため、客待演出処理(図129のY4105参照)において、特図2待機フラグ2230tがオフに設定された場合に対応する待機表示種別が設定されることになる。よって、各特図の変動状況(待機フラグの設定状況)に応じた待機表示種別を適切に設定することができる。
一方、Y4610の処理において、特図2待受フラグ2030jのオフを示す特図2待機コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4610:No)、本処理を終了する。
次に、図134を参照して、残回数更新処理(Y4318)について説明する。図134は、この残回数更新処理(Y4318)の内容を示したフローチャートである。この残回数更新処理(Y4318)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図130参照)の中で実行されるものであって、主制御装置110から残確変回数コマンドまたは残時短回数コマンドを受信したことに基づいて。残確変回数エリア2230o、演出確変回数エリア2230p、残時短回数エリア2230qに設定される内容を更新する処理が実行される。
残回数更新処理(Y4318)では、まず、主制御装置110より残確変回数コマンドを受信したか判別する(Y4651)。Y4651の処理において、残確変回数コマンドを受信したと判別した場合は(Y4651:Yes)、受信したコマンドに対応する値を残確変回数エリア2230oに格納する(Y4652)。次いで、状態設定エリア2230iに、潜確状態を示すデータが格納されているか判別する(Y4653)。
つまり、Y4653の処理では、現在設定されている遊技状態が潜確状態または確変状態の何れであるかを判別し、潜確状態であると判別した場合には後述する潜確状態専用の演出表示を実行するための処理が実行されることになる。一方、確変状態であると判別した場合は、本実施形態のパチンコ機10は確変状態と通常状態とで同様の演出表示が実行されるため、専用の演出表示を実行することなく本処理を終了する。
Y4653の処理において、状態設定エリア2230iに潜確状態を示すデータが格納(設定)されていると判別した場合は(Y4653:Yes)、主制御装置110より通知された(受信した)残確変回数は0回であるか判別する(Y4654)。Y4654の処理において、主制御装置110より通知された(受信した)残確変回数が0回と判別した場合は(Y4654:Yes)、第3図柄表示装置81に表示する潜確状態の終了演出を設定する(Y4657)。そして、状態設定エリア2230iに通常状態を示すデータを上書きし、Y4661の処理へ移行する。
一方、Y4654の処理において、主制御装置110より通知された(受信した)残確変回数が1回以上である(即ち、0回でない)と判別した場合は(Y4654:No)、演出確変回数エリア2230pに格納された表示回数を1減算する(Y4657)。そして、減算後の演出確変回数は0回であるか判別する(Y4658)。Y4658の処理において、減算後の演出確変回数が0回であると判別した場合は(Y4658:Yes)、残確変回数エリア2230oの回数を演出確変回数エリア2230pに設定する(Y4659)。その後、演出確変回数エリア2230pに設定した回数を通知する復活演出を設定し(Y4660)、Y4661の処理へ移行する。
即ち、残確変回数エリアに格納(設定)されている実際の残確変回数(実質残確変回数)が1以上である状態で、演出確変回数(演出残確変回数)が0となった場合には、遊技者に対して潜確状態が継続することを報知するために、演出残確変回数の値を実質残確変回数の値に更新し、その値が第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される演出(復活演出)が実行される。
このような演出を実行することにより、遊技者に対して潜確状態が終了するタイミングを分かり難くすることができるとともに、潜確状態が終了したと思わせた後に再度演出残確変回数を増加させるため、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
なお、本実施形態では、この復活演出が実行されるタイミングを演出確変回数(演出残確変回数)が0となった場合としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、演出確変回数(演出残確変回数)が所定回数以下(例えば、5)であることを条件に、復活演出を実行するか否かの抽選を行い、その抽選結果に基づいて復活演出が実行されるように構成してもよい。これにより、遊技者に対してどのタイミング(特図変動)で復活演出が発生するのかを予測させながら遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、復活演出を特図変動に基づいて実行するのではなく、例えば小当たり遊技のエンディング期間を用いて実行するようにしてもよい。この場合、演出確変回数(演出残確変回数)が0(又は、潜確状態が継続することが確定していないことを示す表示態様が表示されている状態)となっていることを条件に、復活演出を実行することが望ましい。このように構成することで、潜確状態における特図変動時間として復活演出が実行可能な長変動時間を設定する必要がなくなり、潜確状態の遊技をスムーズに提供することができる。
また、潜確状態のうち終盤(例えば、実質残確変回数が10回以下)、にのみ特図変動時間として復活演出が実行可能な長変動時間が設定されるように構成してもよい。これにより、復活演出が実行可能となる表示状態(演出確変回数(演出残確変回数)が0(又は、潜確状態が継続することが確定していないことを示す表示態様が表示されている状態))が実行されにくい、潜確状態の序盤において、復活演出が実行可能な長変動時間を設定する必要がなくなり、潜確状態の遊技をスムーズに提供することができる。
次に、図135を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(Y4112)について説明する。図135は、この変動表示設定処理(Y4112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図135、Y4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図128参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図135、Y4112)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりG)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図135、Y4112)では、まず、RAM2230に設けられた特図1変動開始フラグ2230dがオンに設定されているか判別する(Y4701)。そして、特図1変動開始フラグ2230dがオフであると判別した場合には(Y4701:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、Y4705の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ2230dがオンであると判別した場合には(Y4701:Yes)、特図1変動開始フラグ2230dをオフに設定する(Y4702)。
次に、Y4703の処理では、コマンド判定処理(図130、Y4111)のY4303の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM2230のその他メモリエリア2230zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成する(Y4703)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
Y4703の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM2230に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納し、メイン処理(図128参照)のコマンド出力処理(Y4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、入賞情報格納エリア2230bのうち、第1特別図柄に対応するデータをシフトする(Y4704)。
次に、RAM2230に設けられた特図2変動開始フラグ2230eがオンに設定されているか判別する(Y4705)。そして、特図2変動開始フラグ2230eがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y4705:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、Y4709の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ2230eがオンであると判別した場合には(Y4705:Yes)、特図2変動開始フラグ2230eをオフに設定する(Y4706)。コマンド判定処理(図130、Y4111)のY4306の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM2230のその他メモリエリア2230zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する(Y4707)。
Y4707の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM2230に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図128参照)のコマンド出力処理(Y4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。そして、入賞情報格納エリア2230bのうち、第2特別図柄に対応するデータをシフトする(Y4708)。
次に、特図1停止種別選択フラグ2230fまたは特図2停止種別選択フラグ2230gがオンに設定されているか判別する(Y4709)。特図1停止種別選択フラグ2230f及び特図2停止種別選択フラグ2230gがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y4709:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ2230fまたは特図2停止種別選択フラグ2230gがオンであると判別した場合には(Y2709:Yes)、特図1停止種別選択フラグ2230fがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ2230fをオフに設定し、特図2停止種別選択フラグ2230gがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ2230gをオフに設定する(Y4710)。
コマンド判定処理(図130、Y4111)のY4301の処理において、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別を設定し(Y4711)、本処理を終了する。抽出した停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図1停止種別コマンドを設定する。また、抽出した停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図2停止種別コマンドを設定する。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
<第3実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図136から図149を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図136を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図136は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(Y6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図137を参照して、ブート処理(Y6001)について説明する。図137は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(Y6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(Y6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(Y6102)。これにより、MPU231は、Y6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、Y6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
Y6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(Y6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(Y6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図136のY6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図136のY6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(Y6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(Y6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図137に示すブート処理では、Y6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、Y6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、Y6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、Y6103〜Y6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、Y6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、Y6101及びY6102の処理を含めて複数回繰り返した後、Y6103〜Y6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、Y6101及びY6102の処理を行わずに、Y6103〜Y6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図136の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(Y6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(Y6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。Y6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(Y6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
Y6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(Y6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図147(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図147(a)のY7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図138(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図138(b)のY6308参照)および簡易表示設定処理(図138(b)のY6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
Y6005の処理の後、割込許可を設定し(Y6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、Y6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図138(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図138(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(Y6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図138(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図138(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図138(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(Y6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(Y6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(Y6302)を実行し、次いで、表示設定処理(Y6303)を実行する。
コマンド判定処理(Y6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図139〜図143を参照して後述する。
表示設定処理(Y6303)では、コマンド判定処理(Y6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図144〜図146を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(Y6304)。このタスク処理では、表示設定処理(Y6303)もしくは簡易表示設定処理(Y6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(Y6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図147および図148を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(Y6306)。この描画処理では、タスク処理(Y6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(Y6305)により設定された転送指示とから、図23に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(Y6306)。なお、描画処理の詳細については、図149を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(Y6307)。そして、V割込処理を終了する。Y6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、Y6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(Y6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(Y6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(Y6309)を実行して、Y6304の処理へ移行する。
次いで、図139〜図143を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(Y6302)の詳細について説明する。まず、図139は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図139に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(Y6401)、未処理の新規コマンドがなければ(Y6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(Y6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(Y6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(Y6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(Y6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(Y6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(Y6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(Y6405)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図140(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(Y6405)の詳細について説明する。図140(a)は、変動パターンコマンド処理(Y6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(Y6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。Y6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、Y6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(Y6502)。そして、Y6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y6503)、ポインタ233fを0に初期化する(Y6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(Y6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、Y6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、Y6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、Y6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、Y6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図139の説明に戻る。Y6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(Y6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(Y6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(Y6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(Y6407)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図140(b)を参照して、停止種別コマンド処理(Y6407)の詳細について説明する。図140(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(Y6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(Y6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図138(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(Y6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、Y6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(Y6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、Y6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(Y6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、Y6603によって設定された停止図柄判別フラグからY6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。Y6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がY6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図139に戻り、説明を続ける。Y6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(Y6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(Y6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(Y6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(Y6409)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図141(a)を参照して、オープニングコマンド処理(Y6409)の詳細について説明する。図141(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(Y6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(Y6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(Y6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図139に戻り、説明を続ける。Y6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(Y6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(Y6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(Y6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(Y6411)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図141(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(Y6411)の詳細について説明する。図141(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y6802)。
そして、Y6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y6803)、ポインタ233fを0に初期化する(Y6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図139に戻って説明を続ける。Y6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(Y6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(Y6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(Y6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(Y6413)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図142を参照して、エンディングコマンド処理(Y6413)の詳細について説明する。図142は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y6902)。
次いで、Y6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y6903)、ポインタ233fを0に初期化する(Y6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図139に戻り、説明を続ける。Y6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(Y6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(Y6414)、背面画像変更コマンドがあれば(Y6414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(Y6415)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図143を参照して、背面画像変更コマンド処理(Y6415)の詳細について説明する。図143は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(Y7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(Y7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(Y7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、Y7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、Y7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、Y7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。Y7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図139の説明に戻る。Y6414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(Y6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(Y6416)、エラーコマンドがあれば(Y6416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(Y6417)、Y6401の処理へ戻る。
ここで、図143(b)を参照して、エラーコマンド処理(Y6417)の詳細について説明する。図143(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(Y7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(Y7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、Y7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、Y7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、Y7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図139の説明に戻る。Y6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(Y6416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(Y6418)、Y6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるY6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(Y6401:Yes)、再びY6402〜Y6418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、Y6401〜Y6418の処理が繰り返し実行され、Y6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図138(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(Y6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図140(a)参照)および停止種別コマンド処理(図140(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図140(a)参照)では、Y6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、Y6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図144〜図146を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(Y6303)の詳細について説明する。図144は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図144に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(Y7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(Y7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、Y7202〜Y7204の処理をスキップし、Y7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(Y7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(Y7202)、Y7203〜Y7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
Y7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(Y7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(Y7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(Y7204)。
ここで、図145を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図145は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(Y7301)。
タスク処理(Y6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、Y7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(Y7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図144の説明に戻る。警告画像設定処理(Y7204)の後、又は、Y7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(Y7203:No)、次いで、Y7205の処理へ移行する。
Y7205では、ポインタ更新処理を実行する(Y7205)。ここで、図146を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図146は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(Y7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
Y7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(Y7402)。その結果、End情報であれば(Y7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(Y7403)、デモ用表示データテーブルであれば(Y7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(Y7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、Y7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(Y7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(Y7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、Y7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(Y7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図144に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(Y7206)。タスク処理(Y6304)では、先に展開された警告画像などと共に、Y7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(Y7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(Y7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(Y7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(Y7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(Y7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(Y7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(Y7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(Y7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(Y7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(Y7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、Y7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(Y6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、Y7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、Y7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(Y7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(Y7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(Y7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(Y7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(Y7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(Y7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(Y7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
Y7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(Y7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図138(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(Y6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図147及び図148を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(Y6305)の詳細について説明する。まず、図147(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(Y7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(Y7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(Y7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図147(b)を参照して後述する。
一方、Y7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(Y7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(Y7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図148を参照して後述する。
次いで、図147(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(Y6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(Y7502)について説明する。図147(b)は、この常駐画像転送設定処理(Y7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(Y7601)、転送指示を送信していれば(Y7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(Y7602)。このY7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、Y7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(Y7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(Y7602:Yes)、Y7603の処理へ移行する。また、Y7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(Y7601:No)、Y7603の処理へ移行する。
Y7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(Y7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(Y7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(Y7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
Y7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(Y7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(Y7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図138(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図138(b)のY6308参照)および簡易表示設定処理(図138(b)のY6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図139〜図143参照)および表示設定処理(図144〜図146参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図148参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図147(a)のY7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図148を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(Y6305)の一処理である通常画像転送設定処理(Y7503)について説明する。図148は、この通常画像転送設定処理(Y7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(Y6303)のポインタ更新処理(Y7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(Y7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(Y7702)、転送データ情報であれば(Y7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(Y7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(Y7704)、Y7705の処理へ移行する。
また、Y7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(Y7702:No)、Y7703及びY7704の処理をスキップして、Y7705の処理へ移行する。Y7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(Y7705)、転送指示を設定していれば(Y7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(Y7706)。
このY7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、Y7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(Y7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(Y7706:Yes)、Y7707の処理へ移行する。また、Y7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(Y7705:No)、Y7707の処理へ移行する。
Y7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(Y7707)、転送開始フラグがオンであれば(Y7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(Y7708)、Y7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、Y7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(Y7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(Y7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(Y7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(Y7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(Y7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(Y7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(Y7712)、Y7713の処理へ移行する。
Y7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(Y7713)。このY7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、Y7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(Y7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、Y7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(Y7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(Y7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
Y7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(Y7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図149を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(Y6306)の詳細について説明する。図149は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(Y6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(Y6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図23)を生成する(Y7801)。即ち、Y7801の処理では、タスク処理(Y6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(Y6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(Y7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、Y7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(Y7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図138(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態、確変状態、および潜確状態の3つの遊技状態を、大当たり等を契機に行き来する構成としている。そして、潜確状態を最も有利な遊技状態に設定している。具体的には、第1特別図柄の抽選に比較して、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる割合を高くした上で(0%→約46%)、潜確状態では、他の遊技状態に比べて第2特別図柄の抽選が実行され易くなる構成としている。これにより、潜確状態では、第2特別図柄の抽選を行わせれば高確率で小当たりとなる上に、大当たりとなる確率もアップするので、特定入賞口65aへと球を入賞させて賞球を獲得する機会を他の遊技状態よりも多くすることができる。よって、潜確状態へと移行させることを期待して遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態では、遊技状態に応じて抽選が実行され易い特別図柄の種別を切り替える(主変動と副変動とを切り替える)構成としている。具体的には、通常状態や確変状態では第1特別図柄の変動表示を主変動とし、潜確状態では第2特別図柄の変動表示を主変動としている。そして、各遊技状態において、主変動が停止してからの経過時間が所定時間(30秒)以上となった場合には、例え副変動の実行中であっても、遊技状態に応じたデモ表示(客待ちデモ画面、潜確用デモ表示)を表示させる構成としている。ここで、パチンコ機等の遊技機において、変動停止状態となってから一定時間が経過した場合に、遊技者が遊技を行っていないと判別して、デモ表示を行うものがある。かかる従来型の遊技機では、デモ表示の有無により、遊技を行っているか否かを容易に認識させることができるので、空き台を探している遊技者に対してデモ表示が行われている遊技機で遊技を開始させることができる。これにより、遊技機の稼働率向上を図ることができる。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、複数の図柄が同時に変動する仕様の遊技機に適用した場合に、一部の図柄が変動停止状態になったとしても、他の図柄が変動している限り、デモ表示を実行することができなかった。よって、空き台を探す遊技者が、表示内容から空き台であるか否かを判別することが困難となってしまう場合があった。
これに対して本第3実施形態では、通常状態や確変状態において、主変動の状況のみに応じて(副変動の状況に関係なく)客待ちデモ画面を表示させるか否か判別する構成としている。これにより、遊技者が第2入球口1640へと球を入球させ、600秒間の変動表示が開始されてから、すぐに遊技を辞めてしまったとしても、所定時間(30秒)経過後には客待ちデモ画面を表示させることができる。よって、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができるので、パチンコ機10で遊技を開始させることができる。従って、パチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを防止(抑制)できる。
また、本実施形態では、潜確状態において主変動が停止状態となってから30秒以上が経過した場合に、変動中と同じキャラクタ811が表示され続ける特殊な態様のデモ表示(特殊表示)が設定される構成としている。即ち、通常表示中とデモ表示中とで、同系統の表示内容となる構成としている。これにより、その後に第2入球口1640への入球を検出した場合に、スムーズに表示態様(演出態様)の切り替えを行うことができるので、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
また、本第3実施形態では、リーチ演出の一種として、第3図柄が一旦外れの組み合わせで停止表示された後で、新たな図柄列が表示されてリーチが発生する特殊リーチが設けられている。ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数の図柄を変動表示させ、各図柄が予め定めた組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる遊技機では、1の図柄が変動中、他の図柄が停止表示されている状態において、停止表示されている図柄が予め定めた組み合わせの一部を構成するリーチ状態を発生させ、当たりとなることを遊技者に期待させることにより興趣向上を図っている。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、リーチ状態が発生しなかった場合に、全ての図柄が停止表示されなくても、その時点で当たり状態となる可能性が無くなってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を損ねてしまう虞があった。これに対して本実施形態では、第3図柄が一旦外れの組み合わせで停止表示された後で、新たな図柄列がフレームインしてリーチ演出に発展する特殊リーチ演出を設ける構成としている。これにより、一旦外れの組み合わせで第3図柄が停止表示されたとしても、特殊リーチ演出に発展することを期待させることができる。即ち、特殊リーチ演出に発展し得る停止図柄の組み合わせ(仮に新たな図柄列L4が表示された場合にリーチとなる組み合わせ)となっているかに着目して停止図柄の組み合わせを確認させることができる。よって、変動表示において外れの組み合わせで停止表示される毎に、特殊リーチ演出への発展を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第3実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を同時並行して実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるかに関係なく、1の変動表示が実行されている状態では、他の変動表示を実行不可能に構成してもよい。そして、保留球が存在する場合には、始動入賞が時間的に古い保留球から順番に変動表示を実行する構成としてもよい。このように構成することで、制御を単純にすることができるので、処理負荷を軽減することができる。
本第3実施形態では、潜確状態を最も有利な状態に設定していたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態を最も有利な状態に設定してもよい。即ち、確変状態では、第2入球口1640へと球が入球し易くなるように構成し、通常状態や潜確状態では第2入球口1640よりも第1入球口64へと球が入球し易くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、通常状態や潜確状態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンとして変動時間が600秒の変動パターンが選択されるように構成し、確変状態では、変動時間が極めて短い(0.5秒の)変動パターンが選択されるように構成してもよい。即ち、上記第3実施形態における確変用テーブル2020f3と、潜確用テーブル2020f4との規定内容を入れ替えてもよい。また、確変状態で第2特別図柄の大当たり(大当たりE〜F)となり、大当たり中に球がV通過スイッチ65e3を通過した場合は、時短回数120回を設定し、通常状態や潜確状態では、時短回数0回を設定する構成としてもよい。これにより、確変状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たり後の遊技状態が再度確変状態に設定され易くなる(確変状態をループし易くなる)ので、確変状態の優位性を高めることができる。
また、潜確状態や確変状態でなく、通常状態を最も有利な状態に設定してもよい。具体的には、例えば、上記第3実施形態における通常用テーブルA2020f1と、潜確用テーブル2020f4との規定内容を入れ替えると共に、通常状態における大当たりでは通常状態をループし易い(V通過スイッチ65e3を球が通過し難い)大当たり種別に当選し易くなるように構成し、潜確状態や確変状態では、V通過スイッチ65e3を球が通過し易い開閉パターンの大当たり種別に当選し易くなるように構成してもよい。
本第3実施形態では、開閉板65f1に対して設定する開閉パターンのうち、V通過スイッチ65e3を球が通過し難いパターンとして、1ラウンドの開始後0.2秒間、開閉板65f1が開状態に設定される開閉パターンを設ける構成としていたが、開放状態となる期間をより短くし、球が特定入賞口65aへと入球することを確実に防止する構成としてもよい。
本第3実施形態では、特殊リーチ演出が実行され、各図柄列L1〜L3が仮停止された場合に、上図柄列L1と中図柄列L2に仮停止された全ての主図柄が新たな図柄列L4の方向を向く構成としているが、これに限られるものではない。例えば、新たな図柄列L4が出現(フレームイン)することによりリーチがかかる主図柄(図83(a)の例では、「1」の数字が付された主図柄)のみが新たな図柄列L4の方向を見上げるように構成してもよい。また、例えば、リーチが掛かる主図柄以外の主図柄のうち、新たな図柄列L4を見上げる態様の主図柄の個数によって大当たりとなる期待度を示唆する構成としてもよい。即ち、新たな図柄列L4の方向を見上げる主図柄の数が多いほど、特殊リーチ演出において大当たりとなる期待度が高くなるように構成してもよい。この場合において、全ての主図柄が新たな図柄列L4を見上げた場合には、大当たりが確定する(例えば、当たりスーパーリーチの場合にのみ選択される)構成としてもよい。このように構成することにより、変動していた図柄が外れの組み合わせで停止表示された場合に、各主図柄の態様により注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第3実施形態では、特殊リーチ演出が実行された場合に、上図柄列L1と中図柄列L2に仮停止された全ての主図柄が新たな図柄列L4の方向を向く構成としているが、これに限られるものではない。主図柄だけでなく、保留図柄も新たな図柄列L4の方向を向く構成としてもよい。この場合において、新たな図柄列L4の方向を向く保留図柄の個数によって、特殊リーチ演出で大当たりとなる期待度を示唆する構成としてもよい。即ち、新たな図柄列L4の方向を向く保留図柄の数が多いほど、大当たりとなる期待度が高くなる構成としてもよい。また、保留図柄の個数で特殊リーチ演出における大当たりの期待度を示唆することに代えて、保留図柄に対応する保留球が大当たりとなる期待度を示唆する構成としてもよい。例えば、入賞情報格納エリア2230bに格納された入賞情報から、各保留球の変動パターンを先読みし、保留球の中にスーパーリーチ演出に発展する変動パターン(外れスーパーリーチ、または当たりスーパーリーチ)の保留球が含まれていると判別した場合には、そのスーパーリーチ演出に発展する保留球に対応する保留図柄が、特殊リーチ演出における仮停止時に、新たな図柄列L4の方向を向く演出を実行する構成としてもよい。これにより、特殊スーパーリーチ演出における仮停止時において、保留図柄にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第3実施形態では、特殊リーチ演出が実行された場合に表示される新たな図柄列L4が、各図柄列L1〜L3と並行にスクロール表示される構成としているが、新たな図柄列L4は、必ずしも各図柄列L1〜L3と並行にスクロール表示させる必要はない。例えば、新たな図柄列L4を、各図柄列L1〜L3の右側、または左側に表示させ、縦方向(各図柄列L1〜L3に対して垂直方向)にスクロール表示させる構成としてもよい。これにより、特殊リーチ演出が選択された場合における演出の自由度をより高めることができる。また、新たな図柄列は1つに限られず、特殊リーチ演出が実行された場合には複数の図柄列を新たに表示させる構成としてもよい。複数の図柄列を表示させる構成とすることで、特殊リーチへと発展し得る仮停止時の主図柄の組み合わせを増加させることができる。よって、外れに対応する停止図柄で停止した場合に、特殊リーチへと発展する可能性がある停止図柄となる可能性を高めることができるので、遊技者に対して特殊リーチ演出への発展をより高い頻度で期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第3実施形態では、潜確状態が終了してから基本的に第1特別図柄の変動表示が開始されるまで潜確状態の結果を示すリザルト表示(図86(b)参照)が行われないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態が終了した直後に潜確状態のリザルト表示を行う構成としてもよい。そして、その表示を、最初の第1特別図柄の変動表示が終了するまで継続させる構成としてもよい。潜確状態が終了した後、即座にリザルトを表示させる構成とすることにより、終了した潜確状態の結果を遊技者が即座に知ることができる。よって、遊技者が左打ちに戻してから第1入球口64へと球が入球するまでに時間を要したとしても、潜確状態の結果が表示されずに遊技者にストレスを与えてしまうことを防止(抑制)することができる。
本第3実施形態では、潜確状態が終了した後、2回の特別図柄の抽選に渡り、第1特別図柄の変動時間を12秒固定としたが、12秒に限られるものではなく、リザルト表示が十分に遊技者に確認可能な範囲で任意(例えば、10秒や20秒)に定めてもよい。
本第3実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりまたは小当たりの停止表示がされる場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄のどちらか一方で大当たりまたは小当たりに当選した場合に、その大当たりまたは小当たりの停止表示がされるまでの間、他方の特別図柄が大当たりまたは小当たりに当選することの無い強制抽選を実行させ、抽選結果が必ず外れとなるように構成してもよい。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に大当たりまたは小当たりに当選する事態を抑制することができる。なお、この場合、強制抽選が実行された回数に基づいて残確変回数や残時短回数が減算されないように構成するとよい。これにより、遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。
<第4実施形態>
次に、図150から図181を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、左打ちにより球が入球し易い第1入球口64と、右打ちにより球が入球し易い第2入球口1640とを設ける構成とし、左打ち遊技が実行される通常状態および確変状態では、第1入球口64への球の入球に基づく第1特別図柄(以下、特図1と称す)の抽選が主に実行される遊技(特図1実質変動遊技)が、右打ち遊技が実行される潜確状態では、第2入球口1640への球の入球に基づく第2特別図柄(以下、特図2と称す)の抽選が主に実行される遊技(特図2実質変動遊技)が実行されるように構成していた。そして、右打ち遊技が実行される潜確状態において、第2入球口1640へと球が入球したことに基づいて実行される特図2の抽選に、可変入賞装置65が所定期間(例えば、約1.65秒)開放状態となる小当たりが設定されており(抽選確率は約1/2)、小当たりによる出玉獲得が期待できるように構成されていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、右打ちにより特図1の抽選、および特図2の抽選の両方が実行可能となるように構成し、潜確状態における各特図の変動時間を特図1の変動時間よりも特図2の変動時間を短く設定することで、潜確状態で特図1よりも特図2の抽選が実行され易くなるよう構成している。加えて、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において付与される時短回数を、特別図柄の高確率状態が設定される回数(例えば、120回)よりも短い回数(例えば、100回)に設定し、確変状態において特図の抽選回数(特図の変動回数)が100回を超えた場合に、確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。
さらに、確変状態における第2特別図柄の変動時間に長変動(180秒)と短変動(3秒)を設定しており、確変状態から潜確状態へと移行するタイミングにおける第2特別図柄の変動状況に応じて潜確状態における小当たりの発生度合いを異ならせるように構成している。具体的には、第2特別図柄が長変動(180秒)を開始して直ぐのタイミングで潜確状態へ移行した場合、次に第2特別図柄が変動を開始するまで第1特別図柄による変動が実行されるため、潜確状態中における第2特別図柄の抽選回数が少なくなり、結果として小当たりの発生度合いを低下させることができる。一方、第2特別図柄が短変動(3秒)中、または、長変動(180秒)の終了タイミング付近で潜確状態へ移行した場合には、潜確状態への移行後すぐに第2特別図柄の変動が開始されるため、結果として小当たりの発生度合いを高めることができる。加えて、詳細は後述するが、右打ちにより球が発射される領域(右打ち領域)には、球を右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に入球させる機構が設けられており、片方の入球口(例えば、第2入球口1640b)にのみ球を入球させることが出来ないように(困難となるように)構成している。
このように構成することで、上述した第3実施形態と同様に遊技者に最も有利となる遊技状態である潜確状態への移行契機を増加させ、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。さらに、確変状態から潜確状態へと移行した場合の有利度合い(小当たり発生度合い)を状態移行のタイミングによって異ならせることができるため、遊技者により複雑な遊技性を提供することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、入球することで第1特別図柄の抽選を実行する右第1入球口64bと、入球することで第2特別図柄の抽選を実行する第2入球口1640bとに交互に球が入球する構成を右打ち領域に設けたため、遊技者に有利となる第2特別図柄の抽選のみが実行されることを抑制することが可能となり、遊技者に対して過度に有利な状態を付与してしまうことを抑制することができる。
さらに、第3実施形態では第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に抽選を実行(変動を実行)するように構成し、何れか一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)となり、その当たりの抽選結果を示す図柄が停止表示されるタイミングで(当たりが確定するタイミングで)、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の変動が外れ図柄で強制停止されるように構成されていた。
これに対して、第4実施形態におけるパチンコ機10では、何れか一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)となり、その当たりの抽選結果を示す図柄が停止表示されるタイミングで(当たりが確定するタイミングで)、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の変動に対する変動時間の計測(カウント)を中断し、一方の特別図柄の抽選結果に基づく当たり遊技が終了したタイミング(特別図柄の変動が可能となるタイミング)で、中断されていた他方の特別図柄の変動に対する変動時間の計測(カウント)を再開するように構成している。
これにより、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に抽選を実行(変動を実行)する場合において、各特別図柄の抽選結果を確実に遊技者に提供することが可能となり、遊技者が遊技に対して不満を感じさせないようにすることができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13において、可変入賞装置65の配置位置を右打ち領域から左打ちされた球および右打ちされた球が入球可能な領域である中央下方領域へと移動した点、第2入球口1640に代えて振り分けユニット660を設けた点、第2入球口1640への球の入球を規制する電動役物1640aに代えて振り分けユニット660への球の入球を規制する電動役物660fを設けた点、主制御装置110に設けられたROM2020の内容が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたRAM2030の内容が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM2220の内容が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2230の内容が一部変更となっている点、および、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図150を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図150は、第4実施形態における盤面13の正面図である。図150に示した通り、第4実施形態では、第3実施形態において可変入賞装置65が配設されていた位置(可変表示装置ユニット80の右方(右打ち領域))に振り分けユニット660が配設されている点、その振り分けユニット660の上方に電動役物660fを配設した点、第3実施形態において右打ち領域下流側(盤面13の右下側)に配設された第2入球口1640を削除した点、可変入賞装置65を盤面の中央領域下方(第1入球口64の下方)に配設した点で相違している。詳細については後述するが、この振り分けユニット660は、その上部に設けられた通過口を介して球が入球可能に構成されている。振り分けユニット660の内部には、球が入球することで第1特別図柄の抽選が実行される右第1入球口64bと、球が入球することで第2特別図柄の抽選が実行される第2入球口1640bとが設けられており、通過口を介して振り分けユニット660の内部へと入球した球は、これらのいずれかの入球口へと振り分けられる。よって、右打ちにより振り分けユニット660を狙って球を打ち出すことにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを実行させることができる。
さらに、振り分けユニット660の上方には振り分けユニット660の上部に設けられた通過口へ球が流入することを許容する許容位置と規制する規制位置とに可変可能な電動役物660fが配設されている。この電動役物660fは、上述した第3実施形態の電動役物640aと同じくスルーゲート67を球が通過したことに基づいて実行される普通図柄の抽選の結果が当たりとなった場合に所定期間(1秒間×2回)許容位置に可変するように制御される。これにより、通常状態において左打ちを実行する遊技(以下、左打ち遊技と称す)により第1入球口64を狙うほうが右打ちを実行する遊技(以下、右打ち遊技と称す)により右第1入球口64bを狙うよりも、効率よく第1特別図柄を変動させることができるように構成している。
ここで、図151を参照して、振り分けユニット660の構成について説明する。図151(a),(b)は、振り分けユニット660の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
図151(a),(b)に示した通り、振り分けユニット660の上部には、球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を球が通過したことを検知可能な透過型の入球センサ660aが配置されている。通過口の下方には、球を右第1入球口64b、または第2入球口1640bへと振り分けるための振分部材900が設けられている。振分部材900の正面視左下方向には、右第1入球口64bが配設され、振分部材900の正面視右下方向には、第2入球口1640bが配設されている。通過口を通過した球は、振分部材900によって、右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に振り分けられる。
振分部材900は、収容部900aまたは900cにより、振り分けユニット660へと入球した球を受け止めることが可能に構成されている。収容部900aで球を受けた場合には、球の重さによって、振分部材900全体が、正面視反時計回りに回転する。これにより、収容部900aが、左下方向へと下る向きに傾斜した状態(図151(b)参照)となり、振分部材900に対して正面視左下方向に配設されている右第1入球口64bへ向かって球が落下する(右第1入球口64bに球が誘導される)。
ここで、振分部材900は、正面視時計周り、および反時計回りにそれぞれ約15度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900cとの境界壁には磁石900bが設けられている。一方、振り分けユニット660の背面側に設けられるベース体には、振分部材900が時計回りにも反時計回りにも回動していない状態(収容部900aおよび収容部900cを構成する底面が水平となる状態)において、磁石900bが配置される位置の背面側(通過口の中央線上)の位置に、ベース側磁石901が配置されている。
振分部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性となるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部が振分部材900側に向くように配置されて固定されている。磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振分部材900に固定されている。振分部材900が回動し、収容部900aと収容部900cの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振分部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発し、振分部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振分部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)になると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振分部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900cとのどちらかが、振り分けユニット660に入球してくる球を受ける側(振り分けユニット660の通過口側)を向くようになる。よって、振り分けユニット660に入球した球を確実に右第1入球口64bと第2入球口1640bとに振り分けることができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが球を受けて左に約30度回転して、球を右第1入球口64bへ誘導した後に、振分部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、球を右第1入球口64bへ誘導した後には、収容部900cが上方を向いた状態となり、次に振り分けユニット660に入球した球を、収容部900cが受け、受けた球の重さにより振分部材900が時計回りに約30度回転して、収容部900cが、正面視右下方向に傾斜する向きに傾いた状態となるので、球が収容部900cから落下して、第2入球口1640bへと入球する(球が第2入球口1640bに誘導される)。このように、振分部材900は、振り分けユニット660に入球する球を右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に誘導することができるので、右第1入球口64bと第2入球口1640bとに球を均等に振り分けて入賞させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時並行して実行させることができる。
なお、振分部材900と右第1入球口64bとの間には収容部900aに収容された球を右第1入球口64bに誘導させるための誘導板900z1が設けられて、振分部材900と第2入球口1640bとの間には収容部900aに収容された球を第2入球口1640bに誘導させるための誘導板900Z2が設けられている。これにより、振分部材900により振分けられた球を円滑に各入球口へと誘導させることができる。
さらに、各誘導板900z1,900z2の上端側(振分部材900側)には、振分部材900の回動範囲を規制する規制部材(図示しない)が設けられており、振分部材900と規制部材とが当接することで回動範囲を規制している。これにより、収容部900aに収容された球の自重により振分部材900が過剰に回転(図151(b)に示す状態よりもさらに反時計方向に回転)することを抑制することができるため、振分部材900により振分けられた球を円滑に各入球口へと誘導させることができる。
<第4実施形態の遊技説明>
つぎに、図152から図159を参照して、本第4実施形態における遊技の内容について説明をする。第4実施形態では、上述した第3実施形態に対して各遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)への移行割合を変更した点と、確変状態において付与される時短回数を変更した点と、確変状態および潜確状態における各特別図柄の変動時間を変更した点と、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動している場合において、一方の特別図柄が当たり図柄で停止表示されたタイミング(当たりが確定したタイミング)にて他方の特別図柄の変動に対する変動時間の計測を中断(仮停止)し、一方の特別図柄の抽選結果に基づく当たり遊技終了後に、中断した変動時間の計測を再開する構成を用いた点で相違する。
まず、図152を参照して、本第4実施形態における遊技状態移行の流れについて説明をする。図152は第4実施形態における遊技状態移行の流れを模式的に示した模式図である。図152に示す通り、本第4実施形態のパチンコ機10は、上述した第3実施形態のパチンコ機10と同様に3つの遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)を移行するように構成されている。
上述した3つの遊技状態のうち、通常状態(通常遊技状態)では、各特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動パターン(変動時間)が上述した第3実施形態と同様に設定されている。よって、通常状態は第1特別図柄(特図1)の抽選がメインに行われる遊技状態となる(実質特図1変動)。また、本実施形態では第1特別図柄(特図1)の抽選結果に小当たりが設定されていないため、小当たり遊技が実行されることがない。
次に、確変状態(確変遊技状態)では、上述した第3実施形態に対して第2特別図柄の変動時間が短く設定されており、盤面13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側の領域)を狙う遊技(以下、右打ち遊技と称す)が実行され、振り分けユニット660へ球を流入させて第1特別図柄と第2特別図柄の両方を同時に変動させる遊技が実行される。第2特別図柄の変動時間についての詳細は図162を参照して後述するが、本実施形態では確変状態における第2特別図柄(特図2)の変動時間として第1特別図柄(特図1)の変動時間よりも短い短時間変動(3秒)と、特図1の変動時間よりも長い長時間変動(180秒)が設定されており、選択される変動時間に応じて確変状態において実行される抽選(変動)の割合が異なるように設定されている。
さらに、本実施形態では、確変状態中の時短回数として確変状態が設定される回数(120回)よりも少ない回数(100回)が設定されるように構成されている。よって、確変状態において、特別図柄の大当たりに当選することなく特別図柄の変動が100回を超えた場合に、遊技状態が確変状態から潜確状態(20回)へと移行するように構成されている。これにより、例えば、通常状態にて当選した大当たり遊技の終了後に、遊技者に最も有利となる潜確状態では無く確変状態へと移行した場合であっても、特別図柄の大当たりを経由することなく潜確状態へと移行することが可能となるため、遊技者に対して期待感を継続して持たせることができる。
なお、上述したように本実施形態では確変状態中における第2特別図柄の変動時間として、短時間変動(3秒)と長時間変動(180秒)が設定されているため、確変状態中に特別図柄の変動回数が100回を超え、遊技状態が確変状態から潜確状態(20回)へと移行した場合の第2特別図柄の変動状況によって、潜確状態(20回)中に小当たりに当選する回数に差を持たせることができる。具体的には、例えば、第2特別図柄の長時間変動(180秒)が開始することで時短状態が終了し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行する場合、第2特別図柄の次変動が実行されるタイミングが180秒後になる。一方、第1特別図柄の変動時間は、確変状態で10秒(図162(a)参照)、潜確状態で5秒(図162(b)参照)に設定されているため、第2特別図柄の次変動が実行されるまでの180秒が経過するまでに、第1特別図柄が20回変動可能に設定されている。
さらに、本実施形態では右打ち遊技が実行された場合に球が振り分けユニット660へ流入し、右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に入球するように構成されているため、第2特別図柄のみ変動させ続けることが不可能(困難)である。よって、潜確状態(20回)中に実行される各特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数により差を設け易くすることができる。
潜確状態(潜確遊技状態)では、上述した第3実施形態に対して、第1特別図柄の変動時間が短く設定されており、第1特別図柄の抽選(変動)と第2特別図柄の抽選(変動)が共に実行されるように構成されている(特図1特図2実質変動)。それ以外の要素は上述した第3実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では遊技者に最も有利な遊技状態である潜確状態へと特別図柄の大当たりに当選することなく移行する契機を設けたため、遊技者の遊技意欲を継続して高めることができるという効果がある。さらに、特別図柄の大当たりに当選することなく潜確状態へと移行した場合には、その移行タイミングと第2特別図柄の変動状況によって潜確状態における有利度合いを異ならせることが可能であるため、遊技者に対して多彩な遊技性を提供することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、潜確状態において、抽選結果に小当たりが設定されている第2特別図柄の変動(抽選)と抽選結果に小当たりが設定されていない第1特別図柄の変動(抽選)とが実行される構成であるため、過度に小当たり遊技が発生する事態を抑制することができるという効果がある。
加えて、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態、潜確状態)において第1特別図柄の変動(抽選)と第2特別図柄の変動(抽選)との変動割合が、各特別図柄の変動に設定される変動時間によって異なるように設定している。よって、同一の遊技状態であっても、設定される各特別図柄の変動時間によって有利度合いが異なるため、遊技者に有利な第2特別図柄の変動が多く実行されることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果に小当たりを設定していないが、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となるように構成されていればよく、例えば、第2特別図柄の小当たり当選確率よりも低い当選確率で小当たりが当選するように第1特別図柄の抽選結果を設定してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで小当たり当選確率を同一に設定し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技として第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選したほうが、小当たり遊技中に可変入賞装置65へ球を入球し易い小当たり遊技を提供するようにしてもよい。この場合、可変入賞装置65の開放期間や開放パターンが異なる小当たり遊技を複数設定しておき、第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選した場合のほうが可変入賞装置65の開放期間を長くしたり、球が入球しやすい開放パターンが選択されたりするように構成するとよい。
次に、図153を参照して、本第4実施形態のパチンコ機10において特図1と特図2とが同時に変動している状態において、いずれか一方(特図2)が当たり(大当たり又は小当たり)となった場合の各特図変動と演出表示(第3図柄表示装置81で表示される演出表示)の流れについて説明をする。図153は各特図変動の流れの一例を示したタイミングチャートであり、第3図柄表示装置81にて特図1の変動に基づく演出表示(第3図柄を用いた演出表示)が実行される確変状態において、特図1の変動(10秒)と特図2の変動(3秒)とが同時に実行され、そのうち、特図2が小当たりに当選していた場合の流れを示している。
ここで、本第4実施形態のパチンコ機10のように特図1と特図2とが同時に変動(抽選)可能な遊技機では、第3図柄表示装置81にて各特図の変動に対応した演出表示が実行されるものがある。本実施形態では、各特図(特図1または特図2)のうち、何れか一方の特図変動に対応した変動表示(主変動)と、他方の特図変動に対応した変動表示(副変動)とが第3図柄表示装置81にて実行される(図80参照)。
この主変動と副変動とは、遊技状態に応じて対応する特図変動が切り替わるように構成されており、例えば、通常状態では実質変動である特図1に対応した変動表示が主変動となり、特図2に対応した変動表示が副変動となるように設定されている。このように、特図1変動と特図2変動のうち、設定されている遊技状態にて実質的に実行される特図変動を主変動として変動表示させることで、遊技者は第3図柄表示装置81に表示されるに遊技の結果を分かりやすく表示することができる。
なお、本第4実施形態では、遊技状態に応じて各特図(特図1または特図2)の変動表示を主変動と副変動とに切り替えて設定する例を示したが、これに限ること無く、特図1変動に対応する変動表示と特図2変動に対応する変動表示とがランダムに主変動と副変動とに切り替わるように構成にしてもよいし、所定の法則(例えば、交互)に切り替わる構成にしてもよい。また、遊技者が選択可能な構成にしてもよい。このような構成であっても、第3図柄表示装置81にて実行される主変動に対応しない側の特図変動にて当たりに当選した場合には同様の課題が発生するものである。
図153に戻り説明を続ける。まず、特図1および特図2の変動が同時に開始されるとともに、特図1の変動開始タイミングに合わせて特図1演出表示(10秒)が第3図柄表示装置81で実行される。そして、各特図の変動が開始されてから3秒後(特図2の変動時間経過後)に、特図2が小当たりに当選したことを示す図柄で停止表示され、特図1の変動に対する変動時間の計測が中断される。なお、詳細は図167を参照して後述するが、特図1の変動に対する変動時間の計測が中断されている期間(図153の中断期間)中は、変動時間の計測が中断されるが第1図柄表示装置37では特図1の変動が継続して実行されるように構成されている。このように構成することで、小当たり遊技が実行された場合に特図1の変動が強制停止されていないことを遊技者に報知することができる。
一方、本第4実施形態では、上述した第3実施形態の変動表示設定処理(図135のY4112参照)と同一の処理が実行されるように構成されているため、第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)は特図変動が中断(特図変動時間の計測が中断)されたとしても予め定められた期間(特図変動の変動時間に対応する8秒間)継続して実行されるように構成している。これにより、特図変動が中断(特図変動時間の計測が中断)された場合に、その特図変動の中断に合わせて第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が中断してしまい、遊技者に違和感を与える事態を抑制することができる。
ここで、上述したように特図変動が中断(特図変動時間の計測が中断)された場合において、第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)を継続して実行する場合には、中断した特図変動が再開され、その再開された特図変動が終了するタイミングと第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が終了するタイミングとに所定期間(特図変動の中断期間)分の誤差が生じてしまうという問題があった。
本第4実施形態のパチンコ機10では、上述した第3実施形態のパチンコ機10と同様に、変動表示設定処理(図135のY412参照)により設定された変動パターン(第3図柄の変動表示または演出表示)の実行が終了してから主制御装置110から出力される図柄確定コマンドを受信するまでの間、第3図柄表示装置81にて表示される第3図柄を完全に停止表示させずに、各図柄を若干揺動させる揺れ演出が実行されるように構成している。よって、上述した特図変動が終了するタイミングと第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が終了するタイミングとに生じる所定期間(特図変動の中断期間)分の誤差期間の間、第3図柄表示装置81にて第3図柄に対して揺れ演出が継続されてしまい、パチンコ機10に不具合が発生したと思わせることで遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第4実施形態では、上述した誤差期間を利用して追加演出を実行可能に構成することで、上述した問題を解決している。つまり、本第4実施形態のパチンコ機10は、図153に示した通り、第3図柄表示装置81にて実行される特図1演出表示として8秒間の通常演出が終了したタイミングで、小当たり遊技状態が終了していない場合は、小当たり遊技状態が終了するまでの期間(1秒間)の間、第3図柄表示装置81にて特図1に対応する第3図柄を揺動させる揺れ演出が実行され、その後、小当たり遊技状態が終了し、特図1変動が再開された時点で再開後の特図1変動期間に対応した追加演出が実行されるように構成している。このように構成することで、中断した特図変動が再開され、その再開された特図変動が終了するタイミングと第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が終了するタイミングとに生じる誤差期間(図153では6秒間)の間、第3図柄が継続して揺動表示されてしまう事態を抑制することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、本第4実施形態では、上述した誤差期間の長さを算出し、その誤差期間に応じて実行される追加演出の内容を異ならせるように構成している。これにより、遊技者に対してより好適な演出表示を実行することができる。
次に、図154から図156を参照して、第3図柄表示装置81にて実行される追加演出の内容について説明をする。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では追加演出を実行する期間の長さに基づいて実行される追加演出の種別を異ならせるように構成している。これにより、副変動の抽選結果に関わらず継続して主変動に対応する演出表示を実行した場合に発生する残余期間にて実行される演出表示(追加演出表示)に対しても遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
図154(a)は、残余期間にて追加演出を実行しない場合における表示画面を示す模式図である。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では残余期間が所定期間未満(2秒未満)である一部の場合には、追加演出が実行されないように構成している。これは、残余期間が追加演出の内容を遊技者が把握困難なほど短期間の場合に追加演出を実行してしまうと、逆に遊技者に違和感を与えてしまうことになるため、意図的に追加演出が実行されないようにしているものである。この場合、図154(a)に示す通り、主制御装置110からの停止コマンドを受信するまでの間(図153の地点D〜地点E参照)、主変動に対応する演出が終了した状態で揺れ停止表示される。
次に、図154(b)は、残余期間中に追加演出の種別として追加演出Aが実行される場合における表示画面を示す模式図である。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では残余期間が所定期間未満(2秒未満)である一部の場合に、追加演出Aが実行されるように構成している。図154(b)に示す通り、この追加演出Aでは、主変動に対応する演出が終了した状態において各図柄に付して表示される数字(識別情報)が「?」に変更された状態で揺れ停止表示される。これにより、遊技者に対して残余期間が経過するまでの間に主変動の結果が把握されることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、各図柄に付される数字のみを隠す表示態様を用いているが、例えば、各図柄のキャラクタ(「動物」等)も隠す表示態様を用いても良い。このようにすることで、遊技者に対して残余期間が経過するまでの間に主変動の結果が把握されることをより抑制することができる。また、この追加演出Aは、実行された主変動に対応する演出の一部の表示態様(図柄の表示態様)を変更しただけの演出であるため、残余期間が短い場合に実行されたとしても遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
図155(a)は、残余期間中に追加演出の種別として追加演出Bが実行される場合における表示画面を示す模式図である。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では残余期間が所定期間(2秒〜6秒)である一部の場合に、追加演出Bが実行されるように構成している。図155(a)に示す通り、この追加演出Bは、主表示領域Dmには図154(a)と同一の表示が実行され、副表示領域Dsには遊技者に対して変動が実行されていることを報知するためのテロップが小領域Ds5に表示される。これにより、主変動が揺れ停止表示されている状態が継続している状態であっても遊技者に対して変動中であることを容易に把握させることができる。
なお、本実施形態では追加演出Bとして、主表示領域Dmの表示を図154(a)と同一の表示、つまり、主表示領域Dmの表示に対して演出が追加されないように構成し、追加演出を実行する際の制御負荷を軽減させているが、これに限ること無く例えば、追加演出Bとして、主表示領域Dmの表示を図154(b)と同一の表示を実行するようにしてもよい。これにより、第3図柄表示装置81の全領域を用いて追加演出を実行することが可能となり、遊技者に追加演出が実行されていることを容易に把握させることができるという効果がある。
次に、図155(b)は、残余期間中に追加演出の種別として追加演出Cが実行される場合における表示画面を示す模式図である。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では残余期間が所定期間(2秒〜6秒)である一部の場合に、追加演出Cが実行されるように構成している。図155(b)に示す通り、この追加演出Cは、主表示領域Dmの正面視右上部の小領域Dm5に主変動表示が縮小表示され、主表示領域Dmの中央部では、パチンコ機10の遊技説明が表示される。このように、主変動演出が終了した後の残余期間中に主変動の抽選結果を示唆する情報とは異なる情報を遊技者に提供する構成とすることで、遊技者に対して違和感を与えること無く主変動の残余期間を消化することができる。また、副表示領域Dsでは、図155(a)と同様に、小領域Ds5にて遊技者に対して変動が実行されていることを報知するためのテロップが表示される。これにより、遊技者に対して変動中であることを容易に把握させることができる。
図156は、残余期間中に追加演出の種別として追加演出Dが実行される場合における表示画面を示す模式図である。詳細は図165を参照して後述するが、本実施形態では残余期間が所定期間以上(6秒以上)である場合に、追加演出Dが実行されるように構成している。図156に示す通り、この追加演出Dは、図155(b)に示す追加演出Cと同様に、主表示領域Dmの正面視右上部の小領域Dm5に主変動表示が縮小表示され、主表示領域Dmの中央部では、主変動演出が再度表示(リプレイ表示)される。このように、追加演出が実行される期間(残余期間)が所定期間以上(6秒以上)ある場合には、追加演出専用の演出(リプレイ表示演出)を遊技者に違和感を与えること無く実行することができるため、残余期間を用いた演出効果を高めることができる。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、各特図(特図1、特図2)の変動が同時に実行される構成において、何れか一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示された場合に、他方の特図の変動時間の計測を停止し、当たり遊技が終了した後に、特図の変動時間の計測を再開するように構成しているため、上述した第3実施形態のように、特図の変動を強制停止させることなく遊技を実行することが可能となり、遊技者が遊技内容に対して違和感を覚えることを抑制することができる。
さらに、第3図柄表示装置81にて実行される特図変動に対応する変動表示(例えば、主変動)は、特図の変動時間の計測が停止される場合であっても、予め設定されている期間(特図の変動時間に対応した期間)継続して実行されるため、一方の特図の抽選結果により、他方の特図変動に対応する変動表示が途切れてしまうことを抑制することができる。これにより、例えば、他方の特図変動に対応する変動表示として、ストーリー性のある演出が実行されている場合に、一方の特図変動にて当たりに当選し当たり遊技が開始された場合であっても、他方の特図変動に対応するストーリー性のある演出を途切らせる事無く実行することが可能となる。よって、遊技の演出効果を高めることができるという効果がある。
さらに、他方の特図の変動時間の計測が停止された場合には、他方の特図の変動が完了するまでの期間と、第3図柄表示装置81にて実行される他方の特図変動に対応する変動表示が完了する期間とが相違することになるが、その相違する期間(余り期間)を用いて追加演出を実行するように構成しているため、遊技者に対して特図の変動期間と特図変動に対応する変動表示の期間とが相違することにより違和感を与えることを抑制することができる。
また、本第4実施形態では、特図の変動期間と特図変動に対応する変動表示の期間とが相違した場合に実行される追加演出を、その相違する期間(余り期間)の長さに応じて変更するように構成しているため、遊技者に違和感を与えることをより抑制することができる。
具体的には、余り期間が所定期間未満(例えば2秒未満)の場合は、実行される追加演出に対して遊技者が違和感を与えないように、意図的に追加演出が実行されないようにしたり、特図変動に対応する変動表示が終了したことを示す表示内容の一部のみを変更した追加演出(短期間追加演出)が実行されるように構成している。これにより、遊技者に対して追加演出を提供することが困難な余り期間が生じた場合であっても遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。なお、本第4実施形態では、特図変動に対応する変動表示が終了したことを示す表示内容の一部のみを変更した追加演出として、特図変動に対応する変動表示のうち、特図の抽選結果を示す表示態様が変更される追加演出が実行されるように構成している。これにより、特図の変動期間が終了する前に、特図変動に対応する変動表示によって特図変動の抽選結果を遊技者が把握してしまう事態を抑制することができる。
また、余り期間が所定期間(例えば、2秒から〜6秒)の場合は、追加演出の実行されている期間(特図変動の変動表示は終了したが、特図の変動が完了していない期間)は、新たな特図変動が実行されないため、遊技者がパチンコ機10の故障を疑う可能性がある。よって、本実施形態では、余り期間が所定期間である場合は、第3図柄表示装置81にて特図が変動していることを遊技者に報知するための表示(「変動中表示))が為される。これにより、新たな特図変動が実行されない状態が正常な状態であることを遊技者に容易に把握させることができる。なお、本第4実施形態では、余り期間が所定期間である場合に実行される追加演出が開始されると同時に上述した「変動中表示」が表示されるように構成しているが、例えば、追加演出が実行されてから所定期間(例えば、2秒)経過後に「変動中表示」が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、追加演出が実行された直後(例えば、開始から2秒間)は、上述した短期間追加演出と同様の演出を実行することになるため、追加演出の実行期間を遊技者に把握されることを抑制することができる。
また、本第4実施形態では所定期間(2秒〜6秒)の余り期間が設定される場合に、特図の抽選結果とは関係の無い情報(例えば、遊技内容を説明する情報等)を第3図柄表示装置81に表示する追加演出も実行されるように構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81上の表示にて新たな特図変動が開始されない期間を有効に利用して遊技者に遊技に関する情報を報知することができる。さらに、特図の抽選結果とは関係の無い情報を表示することにより、余り期間が生じたことにより遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。なお、本第4実施形態では、特図の抽選結果とは関係の無い情報として、遊技内容を説明する情報を表示するように構成しているが、それ以外の情報を表示するようにしてもよく、例えば、過去の遊技履歴を表示したり、遊技自体に関係のない情報(占いやゲーム等)を表示したりしてもよい。
加えて、本第4実施形態では、同時に変動が実行される特図1変動と特図2変動のうち、遊技者が抽選結果をより期待する特図変動を主変動、それ以外を副変動と設定し、遊技者が主変動の内容を容易に把握できるように、第3図柄表示装置81にて副変動が実行される領域よりも主変動が実行される領域が大きくなるように構成している。これにより、遊技者は主変動の変動内容を容易に把握することができる。
さらに、本第4実施形態では、遊技状態に応じて遊技者が抽選結果に期待する特図(実質変動対象となる特図)が切り替わるように構成されているが、実質変動対象となる特図が主変動として実行されるため、遊技者に対して遊技内容を分かりやすく表示(報知)することができる。
次に、図157を参照して、本第4実施形態における遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行する際の各特図(特図1または特図2)の変動の流れについて説明をする。図157(a)は、潜確状態終了後1回転目(前回の大当たり終了後121回転目)の特図変動が特図2である場合の流れを示すタイミングチャートであり、図157(b)は、潜確状態終了後1回転目(前回の大当たり終了後121回転目)の特図変動が特図1である場合の流れを示すタイミングチャートである。
図157(a)および(b)に示すように、特図1と特図2とが同時に変動可能なパチンコ機10において、遊技者が有利となる有利状態(潜確状態)が所定回数(例えば120回)に限定されて設定される場合には、有利状態中に特図変動(特図1変動または特図2変動)が実行される際に有利状態が設定される回数(即ち、確変回数)が減算されていく。この場合、有利状態の終了後1回転目(図157の変動回数「121」)に実行される特図変動が特図1変動になる場合(図157(b)参照)と、特図2変動になる場合(図157(a)参照)とが発生する。
さらに、本第4実施形態のパチンコ機10では、潜確状態中の遊技を効率良く消化(実行)するために、潜確状態中の特図変動時間として短時間の変動時間が設定されており(図162(b)参照)、潜確状態が終了した場合に表示される遊技結果(図86(b)参照)を、潜確状態終了後に実行される特図変動中に表示するように構成している。具体的には、潜確状態から通常状態へと移行した後に最初に実行される特図1変動(通常状態における主変動)の変動時間が遊技結果(図86(b)を遊技者に把握させるのに十分な時間(本実施形態では12秒)となるようにしている。
しかし、上述したように、本第4実施形態のパチンコ機10では、潜確状態から通常状態へと移行した後に最初に実行される特図1変動が潜確状態終了後1回転目の特図変動になるのか2回転目の特図変動になるのかが潜確状態中の遊技状況によって可変するため、潜確状態終了後1回転目の特図変動時間を12秒に設定するだけでは潜確状態の遊技結果を遊技者に把握させることができないという問題があった。
そこで、本第4実施形態では、潜確状態終了後の2回転分の変動時間を遊技結果(図86(b)を遊技者に把握させるのに十分な時間(本実施形態では12秒)に設定し、何れかの特図変動において特図1の変動が実行された場合に、その変動時間を用いて遊技結果を報知するように構成している。これにより、遊技者に確実に潜確状態の遊技結果を報知することができる。
つまり、図157(a)に示した場合では、潜確状態終了後2回転目(変動回数「122」)の特図変動が特図1変動となり、その変動時間を用いて遊技結果が報知され、図157(b)に示した場合では、潜確状態終了後1回転目(変動回数「121」)の特図変動が特図1変動となり、その変動時間を用いて遊技結果が報知される。
なお、図157(a)に示した場合において、潜確状態から通常状態へと移行してから、通常状態で主変動となる特図1変動が開始されるまでの期間を用いて遊技結果を報知する構成としてもよい。
次に、図158および図159を参照して、特図1待機フラグ2230sおよび特図2待機フラグ2230tの設定状況に基づいて設定される画面表示内容について説明をする。図158(a)は、デモ表示Aの内容を模式的に示す模式図であり、図158(b)は、デモ表示Bの内容を模式的に示す模式図であり、図159(a)は、特殊表示Aの内容を模式的に示す模式図であり、図159(b)は、特殊表示Bの内容を模式的に示す模式図である。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図160から図163を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられたROM2020、およびRAM2030の構成について説明する。本第4実施形態のROM2020では、上述した第3実施形態のROM2020の構成に対し、大当たり種別選択テーブル2020dの内容が一部変更されている点、変動パターン選択テーブル2020fの内容が一部変更されている点で相違する。
まず、図160(a)を参照して、本第4実施形態における大当たり種別選択テーブル2020dの内容について説明をする。図160(a)は大当たり種別選択テーブル2020dの内容を模式的に示した模式図である。
本第4実施形態で用いられる大当たり種別選択テーブル2020dは、上述した第3実施形態で用いられる大当たり種別選択テーブル2020d(図91参照)に対して、各大当たり種別が規定される第1当たり種別カウンタC2の値を変更した点と、図柄種別が特図2である場合に選択される大当たり種別である大当たりGに代えて大当たりHを規定した点と、一部の大当たり種別でV入賞した場合に付与される時短回数を120回に代えて100回に規定した点とで相違する。それ以外は上述した第3実施形態と同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
図160(a)に示す通り、図柄種別が特図1であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の場合には、大当たり種別として大当たりAが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「30〜79」の場合には、大当たり種別として大当たりBが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜89」の場合には、大当たり種別として大当たりCが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の場合には、大当たり種別として大当たりDが選択される。
また、図柄種別が特図2であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜44」の場合には、大当たり種別として大当たりEが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「45〜49」の場合には、大当たり種別として大当たりFが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の場合には、大当たり種別として大当たりHが選択される。
ここで、本第4実施形態の大当たり種別選択テーブル2020dに規定される大当たり種別である大当たりHについて説明をする。この大当たりHは2ラウンド(R)の大当たり遊技が実行される大当たりであり、大当たり遊技中に実行される可変入賞装置65の開放パターンとして小当たり遊技と同一の開放パターンが設定されるものである。これにより、可変入賞装置65の開放パターンが同一の大当たり遊技と小当たり遊技とを実行することが可能となり、可変入賞装置65の開放パターンを把握することで当たり遊技の種別(大当たり遊技または小当たり遊技)を識別することを困難にすることができる。
よって、例えば、潜確状態中に当たり遊技が実行された場合に、その当たり遊技が実質残確変回数の値を初期値(120回)に再設定する当たり遊技(即ち、大当たり遊技H)であるか、実質残確変回数の値を変更することが無い当たり遊技(即ち、小当たり遊技)であるかを遊技者に対して識別し難くすることができるため、遊技者に対して有利な遊技状態である潜確状態が継続する期間を把握し難くし、潜確状態が継続する期間を予測させながら遊技を行わせることができる。
また、本第4実施形態では、確変状態(高確・時短有状態)に移行した場合に設定される時短回数を、確変状態が継続する回数(120回)よりも少ない100回としているため、確変状態において大当たりに当選することなく特図変動が100回を超えた場合に、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行する。このように構成することで、遊技者にとって有利な遊技状態である潜確状態へと移行する移行契機として、特図で大当たりに当選する契機以外の契機を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図160(b)を参照して、本第4実施形態の変動パターン選択テーブル2020fの内容について説明する。図160(b)は、変動パターン選択テーブル2020fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図160(b)に示す通り、本第4実施形態では、上述した第3実施形態の変動パターン選択テーブル2020f(図92参照)に対して、通常用テーブルA2020f1が参照される期間を、潜確状態終了後3回転目以降に代えて潜確状態終了後9回転目以降とした点と、通常用テーブルB2020f2に代えて通常用テーブルBb2020fb2を設けた点と、確変用テーブル2020f3に代えて確変用テーブル2020fb3を設けた点と、潜確用テーブル2020f4に代えて潜確用テーブルb2020fb4を設けた点と、潜確状態終了後3回転目〜8回転目の期間で参照される通常用テーブルCb2020fb5を設けた点とで相違する。
ここで、本第4実施形態の特徴的な遊技性(上述した第3実施形態とは異なる遊技性)に対して設定される特徴的な変動パターンについて説明をする。本第4実施形態は上述したように、特図2の抽選を最大で4つ保留記憶させることが可能に構成されている。よって、例えば、潜確状態中に右打ち遊技を実行し、特図2の抽選を4つ保留記憶させている状態で遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行した場合には、保留記憶されている特図2の抽選を遊技状態として通常状態が設定されている状態で実行することになる。
また、本第4実施形態においても上述した第3実施形態と同様に通常状態において特図2の抽選が頻繁に実行されてしまうことを抑制するために通常状態では変動時間が長い変動パターン(例えば、変動時間が10分の変動パターン)が選択されるように設定されていることから、潜確状態中に保留記憶された特図2の抽選が通常状態で実行されてしまうという問題があった。
そこで、本第4実施形態では潜確状態中に保留記憶された特図2の抽選が通常状態中に実行されたとしても長い変動時間の特図変動が実行されることを抑制するために、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行してからの所定期間(特図抽選が8回実行されるまでの期間)は、特図2の抽選に対する変動時間が短くなるように設定している。これにより、遊技者が適正な遊技を実行しているにも関わらず、特図2が長時間変動してしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第4実施形態では上述したように一方の特図が当たり(大当たりまたは小当たり)を示す図柄で停止した場合に、その当たりに基づく当たり遊技が終了するまでの間(当たり遊技が終了し、特図変動が実行可能となるまでの間)、他方の特図変動を一旦停止する(特図変動時間の減算を一旦停止する)構成であるため、特図2の長時間変動が実行されてしまうと、特図1の抽選で大当たりに当選し遊技状態が通常状態から潜確状態へと移行した場合であっても、長時間変動が終了するまでの期間は特図2の抽選が実行されず、遊技者に有利な遊技状態を提供することができなくなる虞があった。
このような問題に対しても、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行してからの所定期間(特図抽選が8回実行されるまでの期間)は、通常状態におけるそれ以降の期間(特図抽選が8回実行された後の期間)に対して短い変動時間の変動パターンが選択されるように構成することで、上述した問題を解決することができる。
ここで、図161(a)を参照して、通常用テーブルBb2020fb2について説明をする。図161(a)は、通常用テーブルBb2020fb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この通常用テーブルBb2020fb2は、上述した第3実施形態の通常用テーブルB2020f2に対して、一部の変動パターンに規定される変動時間が変更されている点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、その詳細な説明を省略する。
上述した第3実施形態との相違点を具体的に説明すると、通常用テーブルBb2020fb2では、図柄種別が特図2の場合に選択される何れの変動パターンでも「12000ミリ秒(12秒)」の変動時間が規定されている。つまり、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行してから特図抽選が2回実行されるまでは、図柄種別および当否判定結果に関わらず、「12000ミリ秒(12秒)」の変動時間が設定されることになる。
このように構成することで、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行してからの2変動のうち、何れかを特図1の変動とすることができる。よって、例えば、特図1の変動に対応させて潜確状態中の遊技結果を報知する場合に、遊技結果を報知する期間を確実に確保することができるという効果がある。
なお、本第4実施形態では、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行してからの所定期間(特図変動が2回実行されるまでの期間)のみ参照される通常用テーブルBb2020fb2において、図柄種別や当否判定結果に関わらず全て同一の変動時間(12秒)が設定されるように規定しているが、全ての変動時間を同一に設定する必要はなく、それ以外の変動時間を設定するように構成してもよい。この場合、特図2の変動時間を特図1の変動時間よりも長く設定するとよい(例えば、15秒)。これにより、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行した後に実行される特図1の変動中に、大当たりに当選した特図2の変動が停止表示され大当たり遊技が開始されてしまう事態を抑制することができ、特図1の変動に対応して実行される演出表示を所定期間(12秒間)表示させやすくすることができる。
なお、本第4実施形態では、特図1と特図2とが同時に変動可能なパチンコ機10において、特図1の変動に対応して実行される演出表示(例えば、潜確状態中の遊技結果を示す結果表示)を所定期間(例えば12秒)実行させるために、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行した後の特図変動2回分の期間において、各特図(特図1または特図2)の変動時間が所定期間(例えば12秒)となるように構成することで、特図1と特図2との変動が開始されるタイミングに関わらず特図1を12秒間変動させることができるようにし、特図1の変動に対応して12秒間の所定の演出表示(例えば、潜確状態中の遊技結果を示す結果表示)が実行されるようにしているが、例えば、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行した後に、連続して特図1が変動する場合には、最初の特図1変動に対応させて所定の演出表示(例えば、潜確状態中の遊技結果を示す結果表示)を実行し、2回目の特図1変動は対応する抽選結果を遊技者に示唆する通常の演出表示が実行されるようにするとよい。
次に、図161(b)を参照して、通常用テーブルCb2020fb5について説明をする。この図161(b)は、通常用テーブルCb2020fb5の内容を模式的に示す模式図である。この通常用テーブルCb2020fb5は、潜確状態が終了してから3回転目〜8回転目までの変動パターンを選択する際に参照されるテーブルである。
この通常用テーブルCb2020fb5は、上述した通常用テーブルBb2020fb2に対して、図柄種別が特図2の場合に選択される変動パターンに対して設定される変動時間が短くなるように設定されている。具体的には、図柄種別が特図2の場合に選択される変動時間が当否判定結果に関わらず0.5秒(500ミリ秒)となるように設定されている。このように構成することで、潜確状態中において保留記憶された特図2の抽選を遊技状態が通常状態へと移行してからの所定期間内(特図変動8回転以内)で全て消化させることが可能となる。これにより、適正な遊技を実行しているにも関わらず遊技状態が移行した場合に長時間変動が実行されてしまい遊技者のモチベーションを低下させてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、潜確状態中に保留記憶された特図2の抽選が長時間変動(約10分)で実行されてしまうことを防止するために、特図1の最大保留記憶数(4個)と特図2の最大保留記憶数(4個)とを合算した8個分の特図抽選が実行される期間中に特殊変動パターンが選択されるように構成しているが、潜確状態中に保留記憶された特図2の抽選が長時間変動(約10分)で実行されてしまうことを防止できればよく、例えば、通常用テーブルBb2020fb2に規定される特図1に対応する最短変動時間を、通常用テーブルBb2020fb2に規定される特図2に対応する最長変動時間よりも4倍以上長くなるように構成することで、通常用テーブルBb2020fb2を参照して変動パターンが設定された特図1の変動(抽選)が終了するまでに、保留記憶されている特図2の抽選が全て実行されるようにしてもよい。このようにすることで、より短期間で保留記憶された特図2の抽選を消化することができる。
また、遊技状態が潜確状態から通常状態に移行してから特図2の保留記憶された抽選が全て消化(抽選が実行)されるまでの期間を潜確状態の結果を表示する特殊演出期間にし、第3図柄表示装置81にて専用の演出を実行するようにしてもよい。これにより、例えば潜確状態中に抽選結果が大当たりである特図2の抽選が保留記憶され、その抽選が通常状態で実行されたとしても、特殊演出期間中に大当たりが停止表示されることになるため、演出効果を高めることが可能となる。
さらに、特殊演出期間が終了した後に(特図2の保留記憶が全て消化された後に)、通常状態の演出表示が実行されるように構成することで、通常状態の演出表示が実行されている間に特図2の抽選が実行(変動が実行)されないようにするとよい。これにより、通常状態の演出表示が第3図柄表示装置81にて実行されている最中に特図2が変動表示されている状態を、適正な遊技を実行していない状態とホール店員が容易に判別することができる。よって、ホール店員が遊技者に対して適切な対応を行うことができる。
次に、図162(a)を参照して、本第4実施形態における確変用テーブルb2020fb3の内容について説明をする。図162(a)は、確変用テーブルb2020fb3の内容を模式的に示した模式図である。この確変用テーブルb2020fb3は、遊技状態が確変状態の場合に参照されるテーブルである。
図162(a)に示した通り、本実施形態のパチンコ機10では確変状態における特図1の変動時間として、保留球数と当否判定結果とに関わらず同一の変動時間が設定されるよう構成している。具体的には、特図1の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合には、当たり確変変動(変動時間10秒)が規定されており、特図1の当否判定結果が外れの場合には、外れ確変変動(変動時間10秒)が規定されている。
また、特図2の変動時間としては、特図1の変動時間よりも長いロング変動と、特図1の変動時間よりも短いショート変動とが各当否判定結果に対して設定されるよう構成している。具体的には、特図2の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜159」の範囲に当たり確変ロング変動(変動時間180秒(3分))が対応付けられ、「160〜198」の範囲に当たり確変ショート変動(変動時間3秒)が対応付けられている。
特図2の当否判定結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜159」の範囲に小当たり確変ロング変動(変動時間180秒(3分))が対応付けられ、「160〜198」の範囲に小当たり確変ショート変動(変動時間3秒)が対応付けられている。さらに、特図2の当否判定結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜159」の範囲に外れ確変ロング変動(変動時間180秒(3分))が対応付けられ、「160〜198」の範囲に外れ確変ショート変動(変動時間3秒)が対応付けられている。
ここで、本第4実施形態における確変状態における遊技内容と上述した各特図(特図1または特図2)に設定される変動時間との関係について説明する。本第4実施形態は、図152を参照して上述したように、高確率状態(120回)のうち、最初の100回に対して時短が付与される確変状態が設定され、高確率状態において大当たりに当選することなく特図抽選回数が100回を超えると時短が付与されない潜確状態が設定されるように構成されている。
さらに、本第4実施形態では右打ち領域に振り分けユニット660が設けられており、右打ち遊技を実行することで、右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に球が入球するように構成されている(図150参照)。そして、本第4実施形態のパチンコ機10では、上述したように確変状態中に特図1および特図2の抽選が共に実行可能となるよう変動時間が設定されているため、上述した第3実施形態とは異なり、確変状態中に右打ち遊技が実行可能となる。
即ち、本第4実施形態では、確変状態中に右打ち遊技を実行し、右第1入球口64bと第2入球口1640bとに交互に球を入球させる遊技が実行され、特図1と特図2との抽選が設定される変動時間に基づいて実行されるため、例えば、特図2の変動パターンとして変動時間が3秒の変動パターンが連続して設定されることで、特図1よりも特図2に基づく抽選(変動)を多く実行することが可能となり、一方、特図2の変動パターンとして変動時間が3分の変動パターンが設定されることで、特図2よりも特図1に基づく抽選(変動)が多く実行されることになる。
このように、設定される変動時間によって、遊技者にとって有利な特図変動(特図2の変動)が実行される割合を異ならせることで、遊技者に対して緊張感を持たせた遊技を実行することが可能となる。なお、本実施形態は、特図1の変動時間を1種類(10秒)、特図2の変動時間を2種類(3秒、3分)で構成しているが、遊技者にとって有利となる特図変動(特図2の変動)の最短変動時間を、遊技者にとって不利となる特図変動(特図1の変動)の最短変動時間よりも短くし、且つ、遊技者にとって有利となる特図変動(特図2の変動)の最長変動時間を、遊技者にとって不利となる特図変動(特図1の変動)の最長変動時間よりも長くなるように構成されていればよく、各特図(特図1および特図2)に対して複数種類の変動時間が設定されるように構成してもよい。
さらに、遊技者に不利となる側の特図変動(特図1の変動)の変動時間として、低い確率で(例えば、変動種別カウンタCS1の値として「1」の範囲のみで)、遊技者に有利となる側の特図変動(特図2の変動)の最長変動時間よりも長い変動時間(例えば、5分)が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に有利となる特図変動(特図2の変動)が多く実行される確変状態を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第4実施形態では、保留球数の関わらず確変状態における各特図の変動時間が設定されるように構成しているが、保留球数に応じて変動時間が異なるように構成してもよく、例えば、遊技者に有利となる特図2の変動時間を保留球数が少なくなるほど長くするようにしてもよい。これにより、特図2の抽選を多く実行させるために、常に保留球数が上限となるように継続して遊技(右打ち遊技)を実行させることが可能となる。
加えて、保留記憶されている特図の抽選に対応する変動種別カウンタCS1の値を判別し、保留記憶されている状態でその変動種別カウンタCS1の値に対応する変動時間を示唆する報知(先読み変動時間報知)を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、特定の変動種別カウンタCS1の値(例えば、「10〜30」)に対応する変動パターンとして、保留球数が少ない場合(例えば、保留球数が0または1の場合)には長時間の変動時間(例えば、3分)が選択され、保留球数が多い場合(例えば、保留球数が2以上の場合)には短時間の変動時間(例えば、3秒)が設定されるように構成し、変動種別カウンタCS1の値が「0〜30」に対応する変動パターンが保留記憶されたことを、先読み変動時間報知にて遊技者に報知するようにしてもよい。これにより、遊技者は特図2が長時間変動することを防止するために、より積極的に遊技(右打ち遊技)を実行させることができる。
以上、説明をした内容は、遊技者に有利な特図変動(特図2変動)に対して実行するものであるが、同様の技術思想を遊技者に不利となる特図変動(特図1変動)に対して実行するように構成してもよい。また、保留記憶数に応じて変動時間を変更する場合に参照される保留記憶数は、特図1および特図2の保留記憶数を合算した値を参照してもよいし、変動が実行される図柄種別(特図1または特図2)に対応する保留記憶数のみを参照するようにしてもよい。
また、確変状態において、大当たりに当選することなく、特図1の抽選回数(変動回数)と特図2の抽選回数(変動回数)とを合計した特図抽選回数(特図変動回数)が100回を超えることで、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行される。この、遊技状態が潜確状態へと移行するタイミングにおける特図2の変動状況に応じて潜確状態における有利性を異ならせることができる。
次に、図162(b)を参照して、潜確用テーブルb2020fb4の内容について説明をする。図162(b)は、潜確用テーブルb2020fb4の内容を模式的に示した模式図である。この潜確用テーブルb2020fb4は、上述した第3実施形態の潜確用テーブル2020f4に対して、特図1の変動時間が短く設定されている点と、特図2の変動時間を保留球数によって変更する点と、特図2の変動時間を変更した点とで相違している。
具体的には、特図1の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合には、当たりショート変動(変動時間5秒)が規定されており、特図1の当否判定結果が外れの場合には、外れショート変動(変動時間5秒)が規定されている。
また、特図2の変動時間としては、特図2の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合には、保留球数が1であって変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲に当たりショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられ、保留球数が0,2,3であって「0〜198」の範囲に当たりショート変動B(変動時間5秒)が対応付けられている。また、特図2の当否判定結果が小当たりの場合には、保留球数が1であって変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲に小当たりショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられ、保留球数が0,2,3であって「0〜198」の範囲に小当たりショート変動B(変動時間5秒)が対応付けられている。さらに、特図2の当否判定結果が外れの場合には、保留球数に関わらず、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲に外れショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられている。
このように、潜確状態中に参照される潜確用テーブルb2020fb4において、当否判定結果が小当たりである場合の特図2の変動時間を複数種類設定することにより、小当たりが実行されるタイミングを狙って球を発射する遊技(所謂、止め打ち)を抑制することができる。
さらに、保留球数が多い(保留球数2,3)場合に保留球数が少ない(保留球数1)場合よりも設定される変動時間が長くなるように構成している。これは、保留球数が多い状態は右第1入球口64bおよび第2入球口1640bに球が多く入球している状態であるため、各入球口に球が入球することにより遊技者に対して十分な賞球を払い出している状態である。一方、保留球数が少ない(保留球数1)状態は右第1入球口64bおよび第2入球口1640bに入球する球が少ない状態であるため、遊技者に対して十分な賞球が払い出されていない状態である。
よって、保留球数が多い(保留球数2,3)場合に保留球数が少ない(保留球数1)場合よりも設定される変動時間が長くなるように構成することにより、各入球口に球が入球することにより払い出される賞球数と小当たり遊技により払い出される賞球数とを合計した総賞球数の均一化を図ることができる。これにより、パチンコ機10に対して遊技者に不利な調整(各入球口に球が入球し難いような調整)が為されたとしても、小当たりによる賞球を獲得しやすくすることができるため、遊技者のモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、特図2の保留球数が0の場合に、保留球数が多い(保留球数2,3)の場合と同一の変動時間が設定されるように構成している。これは、遊技者が間隔を空けて球を発射し、短い変動時間を狙う遊技を抑制するためのものである。これにより、悪質な遊技を実行する遊技者に対しては小当たりによる賞球が獲得しにくい遊技を提供することができる。
さらに、本実施形態では、右打ち遊技を実行することで、遊技者に有利な特図2の抽選が実行される第2入球口1640bと不利な特図1の抽選が実行される右第1入球口64bに対して交互に球が入球するように構成しているため、短い変動時間が設定される特図2の抽選のみを意図的に狙う遊技が実行されることをより抑制することができる。
なお、本第4実施形態では、特図2の変動時間として、保留球数に応じて2種類の変動時間を設定可能に構成しているが、これ限ること無く複数種類の変動時間が、様々な条件で設定されるように構成してもよい。例えば、各保留球数に対してそれぞれ異なる変動時間を設定してもよいし、同一の保留球数であっても異なる変動時間が設定されるように変動種別カウンタCS1の範囲を区分けして変動時間を設定してもよい。また、小当たり遊技終了後に実行される所定回数の特図抽選のみ異なる変動時間が設定されるようにしてもよい。例えば、小当たり遊技終了後、特図の抽選が3回実行されるまでは、小当たりに当選した場合に設定される変動時間が長くなるように構成するとよい。これにより、小当たりに当選する抽選が偏った場合に過剰な賞球が払い出されることを抑制することができる。
あるいは、小当たり遊技終了後の所定期間(例えば、特図の抽選が3回実行されるまでの期間)のみ、特図2の保留球数が所定数以上(例えば2以上)の場合に短い変動時間(例えば、0.5秒)が設定されるようにするとよい、このように構成することで、遊技者に対して継続して遊技を実行させることができる。さらに、この場合に設定される変動時間を、大当たり遊技におけるラウンド間インターバルの時間と同一にするとよい。これにより、連続して小当たりに当選した場合において、大当たりに当選したかのように可変入賞装置65を可変させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、潜確状態中の小当たり遊技が実行される頻度を特図2の保留球数に基づいて設定可能に構成することで、潜確状態中に払い出される賞球数(各入球口への入球に基づく賞球数と小当たり遊技に基づく賞球数)の均一化を図っているが、それ以外の構成として、普図抽選の保留記憶数に基づいて普図抽選の変動時間を設定するように構成してもよい。例えば、普図抽選の保留記憶数が多い場合は、振り分けユニット660に球が入球しやすいため(各入球口に球が入球しやすいため)、普図抽選の変動時間を長くなるように設定し、普図抽選の保留記憶数が少ない場合は、多い場合に比べて普図抽選の変動時間が短くなるように設定するとよい。これにより、振り分けユニット660への球の入球度合いに対して均一化を図ることができ、結果、潜確状態中に払い出される賞球数(各入球口への入球に基づく賞球数と小当たり遊技に基づく賞球数)の均一化を図ることができる。
次に、図163を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられたRAM2030の詳細について説明する。図163は、本第4実施形態におけるRAM2030の構成を示すブロック図である。
図163に示した通り、本第4実施形態におけるRAM2030は、第3実施形態におけるRAM2030の構成(図96参照)に対して、第2特別図柄実行エリア2030b、特図2変動停止フラグ2030pが削除されると共に、第2特別図柄保留球数カウンタ2030ba、第2特別図柄保留球格納エリア2030bb、特図1仮停止フラグ2030bc、特図2仮停止フラグ2030bdが追加されている。
第2特別図柄保留球数カウンタ2030baは、第2入球口1640bへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ2030baは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される。この第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ2030dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
第2特別図柄保留球格納エリア2030bbは、第1特別図柄保留球格納エリア2030aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア2030bbには、第2入球口1640bへの入球(始動入賞)に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア2030aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
特図1仮停止フラグ2030bcは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ2030bcは、抽選結果が大当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図173のY1332)、特別図柄変動処理2(図167参照)において参照される(図167のY232)。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される(図167のY233)。つまり、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図169参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図169のY2801:Yes)、オフに設定される(図169のY2803)。なお、詳細な説明および図示は省略するが、この特図1仮停止フラグ2030bcは、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が小当たりである場合にも大当たりである場合と同一の処理が実行されオンに設定される。
特図2仮停止フラグ2030bdは、特図2の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図2仮停止フラグ2030bdは、抽選結果が大当たりである第1特別図柄(特図1)の変動を停止する際にオンに設定され(図170のY732)、特別図柄変動処理2(図167参照)において参照される(図167のY232)。なお、本処理において参照される内容については、上述した特図1仮停止フラグ2030bcと同一であるため、その説明を省略する。そして、第2特別図柄変動実行中処理(図172参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図172のY2901:Yes)、オフに設定される(図172のY2903)。
次に、図164(a)を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM2220の詳細について説明する。図164(a)は、本第4実施形態におけるROM2220の構成を示すブロック図である。
図164(a)に示した通り、本第4実施形態におけるROM2220は、第3実施形態におけるROM2220の構成(図97(a)参照)に対して、画面表示選択2テーブル2220bの内容を一部変更した点と、追加演出選択テーブル2220baを追加した点で相違している。
ここで、図164(b)を参照して、本実施形態における画面表示選択2テーブル2220bについて説明をする。図164(b)は、画面表示選択2テーブル2220bの内容を模式的に示した模式図である。この画面表示選択2テーブル2220bは、上述した第3実施形態の画面表示選択テーブル2220bに対して、遊技状態が通常状態と確変状態とで異なる画面表示種別が選択されるように構成した点と、第3図柄表示装置81に表示させるべき表示内容(画面表示種別)を変更した点とで相違する。それ以外の要素については同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
図164(b)に示した通り、遊技状態が通常状態の場合には、特図1待機フラグ2230sがオフ、特図2待機フラグ2230tがオンの組み合わせに対して、表示内容(画面表示種別)として通常表示が規定されている。この通常表示は、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄と、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄とが通常状態における通常の態様(図80(b)参照)で表示される表示内容である。通常状態では、第1特別図柄の抽選結果に基づく変動表示が主変動であるため、通常表示に設定しておくことで、主変動を確実に表示させることができる。
通常状態において、特図1待機フラグ2230sがオン、特図2待機フラグ2230tがオフの組み合わせに対しては、デモ表示Aが対応付けられている。このデモ表示Aが決定されると、デモ表示A画面(図158(a)参照)が設定される。主変動である特図1の変動が終了してから30秒間が経過した後は、副変動が実行中であるか否かに拘わらず、デモ表示A画面(客待ちデモ画面)に切り替える構成とすることで、遊技者が第2入球口1640bへと球を入球させ、長時間の変動表示が開始されてから、すぐに遊技を辞めてしまったとしても、所定時間(30秒)経過後には客待ちデモ画面を表示させることができる。よって、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができるので、パチンコ機10で遊技を開始させることができる。従って、パチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを防止(抑制)することができる。さらに、このデモ表示A画面では、実際には特図2が変動表示されているため、遊技者に対して空き台であることを容易に理解させるために副表示領域Dsの小領域Ds5に「遊技可能です」の文字が表示される。これにより、遊技者はより安心して遊技を開始することができる。
通常状態において、特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tが共にオフの組み合わせに対しては、デモ表示B(図158(b)参照)が対応付けられている。これにより、客待ちデモ画面を確認した他の遊技者に対して、パチンコ機10が空き台であることを容易に理解させることができる。
次に、確変状態において、特図1待機フラグ2230sがオン、特図2待機フラグ2230tがオフの組み合わせ、又は、特図1待機フラグ2230sがオフ、特図2待機フラグ2230tがオンの組み合わせに対しては、それぞれ通常表示が対応付けられている。本実施形態におけるパチンコ機10では確変状態において特図1および特図2が共に変動可能な遊技が実行されるため、何れか一方の特図に対して特図待機フラグ(特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230t)がオフに設定されている状態で客待ちデモ画面が表示されることが無い。これにより、遊技者に対して、分かりやすい遊技を提供することができる。
このように、特図1および特図2のそれぞれに対して特図変動中であるか(特図の変動が停止してから所定期間経過したかどうか)を判別し、そのそれぞれの判別結果、および現在設定されている遊技状態に基づいて画面表示種別を設定することで、本第4実施形態のように遊技状態に応じて遊技者が抽選結果を期待する図柄種別(特図1、特図2)を変更する遊技性(遊技状態に応じて実質的に変動する図柄種別(特図1、特図2)を変更する遊技性)を有するパチンコ機10に対して、現在の遊技状態において遊技者が期待する図柄種別(特図1、特図2)の変動(主変動)が実行されているか否かを容易に報知することができる。
確変状態において、特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tが共にオフの組み合わせに対しては、特殊表示A(図159(a)参照)が対応付けられている。これにより、客待ちデモ画面を確認した遊技者に対して、現在の遊技状況を示唆することができる。
潜確状態では、特図1待機フラグ2230sがオフ、特図2待機フラグ2230tがオン、あるいは、特図1待機フラグ2230s、特図2待機フラグ2230tが共にオンの組み合わせに対して、表示内容(画面表示種別)として特殊表示B(図159(b))が規定されている。この特殊表示Bは、潜確状態において実質変動となる特図2が変動していない(特図2待機フラグがオンに設定されている)状態で表示されるものである。
次に、図165を参照して、本実施形態における追加演出選択テーブル2220baについて説明をする。図165は、追加演出選択テーブル2220baの内容を模式的に示した模式図である。この追加演出選択テーブル2220baは、特図1仮停止フラグ2030bcまたは特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定され、特図の変動時間の更新(減算)が停止された場合に生じる追加演出期間(図153参照)にて実行される追加演出の種別(追加演出種別)を選択する際に参照されるテーブルであって、追加演出を実行可能な期間(残変動時間)の長さと、取得した演出カウンタ2230hの値とに基づいて追加演出種別が選択される。
具体的には、残変動時間(追加演出を実行可能な期間)が2秒未満の場合(期間A)であって、取得した演出カウンタ2230hの値が「0〜99」の場合には追加演出種別として「なし」が選択され(図154(a)参照)、「100〜198」の場合には追加演出種別として「追加演出A」が選択される(図154(b)参照)。
残変動時間(追加演出を実行可能な期間)が2秒〜15秒の場合(期間B)であって、取得した演出カウンタ2230hの値が「0〜99」の場合には追加演出種別として「追加演出B」が選択され(図155(a)参照)、「100〜198」の場合には追加演出種別として「追加演出C」が選択される(図155(b)参照)。
残変動時間(追加演出を実行可能な期間)が15秒以上の場合(期間C)であって、取得した演出カウンタ2230hの値が「0〜99」の場合には追加演出種別として「追加演出C」が選択され(図155(b)参照)、「100〜198」の場合には追加演出種別として「追加演出D」が選択される(図156参照)。
以上、説明をしたように、本実施形態では追加演出を実行可能な期間(残変動時間)の長さに基づいて実行される追加演出が選択されるように構成しているため、例えば、残変動時間が短い場合(追加演出により実行される演出内容を遊技者が把握困難な時間の場合)には、通常演出の一部を変更した追加演出(例えば、追加演出A)を実行し、残変動時間中に実行される演出に対して遊技者に違和感を与えないようにし、残変動時間が長い場合(追加演出により実行される演出の内容を遊技者が十分に把握可能な時間の場合)には、通常演出とは異なる内容の追加演出(例えば、追加演出D)を実行し、演出効果を高めることができる。
次に図166を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2230の詳細について説明する。図166は、本第4実施形態におけるRAM2230の構成を示すブロック図である。
図166に示した通り、本第4実施形態におけるRAM2230は、第3実施形態におけるRAM2230の構成(図97(b)参照)に対して、第2特別図柄保留球数カウンタ2230ba、残変動時間情報格納エリア2230bb、追加演出情報格納エリア2230bcが追加されている。
第2特別図柄保留球数カウンタ2230baは、主制御装置110から出力される第2特別図柄に関する保留球数コマンドに基づいて更新されるカウンタであって、第3実施形態にて上述した第1特別図柄保留球数カウンタ2230cに対して、カウンタの更新対象を第1特別図柄保留球数カウンタ2030dに代えて第2特別図柄保留球数カウンタ2030baとした点のみが相違し、その他の要素については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
残変動時間情報格納エリア2230bbは、主制御装置110から特図1又は特図2仮停止コマンドを受信した場合において算出される現在設定されている変動パターンの残期間(残変動時間)に関する情報を格納するためのエリアであって、格納された情報は変動再開後に実行される追加演出を選択する際に参照される。
この残変動時間情報格納エリア2230bbは仮停止関連処理(図178参照)において、特図1仮停止コマンドまたは特図2仮停止コマンドを受信した場合に(図178のY4901:Yes)、変動パターンの残変動期間を算出し(図178のY4903)、その残変動期間の長さに基づいて残変動期間情報が設定される(図178のY4907〜Y4908参照)。そして、変動再開処理(図179参照)において、特図1変動再開コマンド又は特図2変動再開コマンドを受信し(図179のY5001:Yes)、変動パターンが実行中ではないと判別された場合に(図179のY5002:No)、追加演出種別を決定するために用いられ(図179のY5003)、その後、設定された残変動期間情報がクリアされる(図179のY5009)。
追加演出情報格納エリア2230bcは、決定された追加演出種別を格納するためのエリアであって、格納された追加演出種別に基づいて追加演出が実行される。この追加演出情報格納エリア2230bcは、変動再開処理(図179参照)において、決定された追加演出種別が設定され(図179のY5005,Y5006)、表示用追加演出コマンドを設定する際に読み出され(図179のY5007)、その後クリアされる(図179のY5009)。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図167〜図175を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第4実施形態における主制御装置110の制御処理は、上述した第3実施形態における主制御装置110の制御処理に対して、特別図柄変動処理(図101参照)に代えて特別図柄変動処理2(図167参照)、遊技状態更新処理(図105参照)に代えて遊技状態更新処理2(図168参照)、始動入賞処理(図114参照)に代えて始動入賞処理2(図174参照)、大当たり終了処理(図122参照)に代えて大当たり終了処理2(図175)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したように、本第4実施形態では、上述した第3実施形態に対して、特別図柄(以下、特図と称す)である第1特別図柄(以下、特図1と称す)に加え、第2特別図柄(以下、特図2と称す)の抽選も保留記憶可能に構成している点と、特図1と特図2とが同時に変動を実行している場合において、何れか一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示された場合に、他方の特図の変動時間の減算を中断し、一方の特図の当たりに基づく当たり遊技終了後に再度変動時間の減算を再開するように構成している点で大きく相違している。
なお、特図2の抽選を保留記憶可能に構成した点および、それに基づく制御処理については、上述した第3実施形態に記載した特図1の抽選を保留記憶する構成および制御処理と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図167を参照して、本第4実施形態における特別図柄変動処理2(Y104)の内容について説明をする。図167は特別図柄変動処理2(Y104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理2(Y104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し、(Y231)。大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ2030bcまたは特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されているかを判別する(Y232)。このY232の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。Y232の処理において、特図1仮停止フラグ2030bcまたは特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されていると判別した場合は(Y232:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y233)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、Y231の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:No)、特図1変動タイマ(特図1変動時間タイマ)2030sの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(Y234)、特図1変動タイマ(特図1変動時間タイマ)2030sの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y234:No)、上述した第3実施形態の第1特別図柄変動開始処理(Y204)と同一の処理を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するY238に移行する。
Y234の処理において、特図1変動タイマ(特図1変動時間タイマ)2030sの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y234:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理(Y235)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図169を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理(Y235)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図1変動タイマ2030sが0であるか)を判別し(Y236)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(Y236:Yes)、第1特別図柄変動停止処理2(Y237)を実行し、その後、Y238へ移行する。一方、Y236の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(Y236:No)、Y237の処理をスキップしてY238へ移行する。
Y238〜Y242の処理では、特図1に対して実行したY234〜Y237と同一の処理が実行される。Y238の処理が実行されると、まず、特図2変動タイマ2030tの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(Y238)、特図2変動タイマ2030tの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y238:No)、第2特別図柄変動開始処理2(Y239)を実行し、その後、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理2(Y239)は上述した第2特別図柄変動開始処理2(図107のY217参照)に対して、保留記憶数の減算処理が追加されたものであって、詳細は図171を参照して後述する。
一方、Y238の処理において、特図2変動タイマ2030tの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y238:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理(Y240)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図172を参照してその詳細な説明を後述する。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図2変動タイマ2030tが0であるか)を判別し(Y241)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(Y241:Yes)、第2特別図柄変動停止処理2(Y242)を実行し、本処理を終了する。一方、Y241の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(Y241:No)、Y242の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図168を参照して、遊技状態更新処理2(Y307)の内容について説明をする。図168は、遊技状態更新処理2(Y307)の内容を示すフローチャートである。この遊技状態更新処理2(Y307)は、上述した第3実施形態の遊技状態更新処理(図105参照)に対して、時短カウンタ2030gの値が0であって、確変カウンタ2030kの値が0ではない場合に潜確状態を示す状態コマンドを設定する構成を追加している点で相違している。これは、本第4実施形態では、確変状態が設定される回数(120回)よりも確変状態で設定される時短回数(100回)が少なくなるように構成されており、確変状態で特図抽選(変動)の回数が100回を越えることにより、大当たりに当選することなく遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行可能に構成しているためである。
遊技状態更新処理2(Y307)が実行されると、まず、上述した遊技状態更新処理(図105参照)のY601〜Y608と同一の処理が実行され、Y608の処理を終えると、次に、時短カウンタ2030gの値が0であるかを判別し(Y631)、0であると判別した場合には(Y631:Yes)、次いで確変カウンタ2030kの値が0であるかを判別する(Y632)。ここで、確変カウンタ2030kの値が0ではない(1以上)と判別した場合は(Y632:No)、時短遊技が付与されていない確変状態(即ち、潜確状態)であるため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(Y633)、本処理を終了する。
一方、Y631の処理において、時短カウンタ2030gの値が0ではないと判別した場合(Y631:No)、あるいは、Y632の処理において、確変カウンタ2030kの値が0であると判別した場合(Y632:Yes)は、Y633の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図169を参照して、特別図柄変動処理2(図167のY104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(Y235)の内容について説明をする。図169は、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(Y235)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されているかを判別する(Y2801)。ここで、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図1仮停止フラグ2030bcは、特図1が変動中において、特図2が当たり(大当たり、又は小当り)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ2030uがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理2(図167)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、Y231の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図169に戻り説明を続ける。Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されていると判別した場合は(Y2801:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(Y2802)、特図1仮停止フラグ2030bcをオフに設定し(Y2803)、Y2804へ移行する。一方、Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2801:No)、Y2802,Y2803の処理をスキップしてY2804の処理へ移行する。
Y2804の処理では特図1変動時間タイマ(特図1変動タイマ)2030sを1減算して更新し(Y2804)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y2805)、本処理を終了する。
次に、図170を参照して、特別図柄変動処理2(図167のY104参照)において実行される第1特別図柄変動停止処理2(Y237)の内容について説明をする。図170は、第1特別図柄変動停止処理2(Y237)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理2(Y237)は、特図1の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第3実施形態の第1特別図柄変動停止処理(図106)に対して、特図1の抽選結果が大当たりであった場合において、特図2の変動を強制停止する構成に代えて特図2の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成を設けた点で相違している。
第1特別図柄変動停止処理2(Y237)が実行されると、まず、第1特別図柄(特図1)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y731)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y731:No)、上述した第3実施形態の第1特別図柄変動停止処理(図106)のY709およびY710と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、Y731の処理において、大当たりであると判別した場合は(Y731:Yes)、次に、特図2仮停止フラグ2030bdをオンに設定し(Y732)、特図2仮停止フラグ2030bdをオンに設定したことを示す特図2仮停止コマンドを設定する(Y733)。そして、上述した第3実施形態の第1特別図柄変動停止処理(図106)のY706およびY708と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図171を参照して、特別図柄変動処理2(図167のY104参照)において実行される第2特別図柄変動開始処理2(Y239)の内容について説明をする。図171は、第2特別図柄変動開始処理2(Y239)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理2(Y239)では、特図2の変動を開始するための処理が実行される。
第2特別図柄変動開始処理2(Y239)では、まず、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されているかを判別し(Y831)、オンに設定されていると判別した場合には(Y831:Yes)、つまり、第1特別図柄変動停止処理2(図170のY237)において特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定される処理と同一処理内で第2特別図柄変動開始処理2(図171のY239)が実行された場合は、第2特別図柄変動開始処理2(図171のY239)にて実行される各種処理を全てスキップして本処理を終了する。これにより、特図1が当たりを示す図柄で停止表示されるタイミングと同時に(同一処理内に)特図2の変動が開始されてしまうことを抑制することができる。
Y831の処理において、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y831:No)、次に、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)を取得し(Y832)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)が0より大きい値であるか判別する(Y833)。Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)が0より大きいと判別した場合には(Y833:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)を1減算して(Y834)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y835)。
ここで設定された保留球数コマンドは、上述した第3実施形態と同様にメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値を抽出し、抽出した値をRAM2230の第2特別図柄保留球数カウンタ2230baに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第2特別図柄保留球数カウンタ2230baの値を更新するので、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y835の処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア2030bbのデータを一つ前のデータにシフトする(Y836)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y836の処理が終了すると、次いで、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図107のY207参照)のY804〜Y807と同一の処理を実行し、本処理を終了する。また、Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)が0であると判別した場合にも(Y833:No)、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動開始処理(図107のY207参照)のY808〜Y810と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図172を参照して、特別図柄変動処理2(図167のY104参照)において実行される第2特別図柄変動実行中処理(Y240)の内容について説明をする。図172は、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(Y240)では、特図2の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されると、まず、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されているかを判別する(Y2901)。ここで、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図2仮停止フラグ2030bdは、特図2が変動中において、特図1が当たり(大当たり)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ2030uがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理2(図167)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されることがない。そして、大当たり遊技が終了し、Y231の処理において大当たり中では無いと判別されることで、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されることになる。このように構成することで、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行される状態が、大当たり遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図172に戻り説明を続ける。Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されていると判別した場合は(Y2901:Yes)、次に、特図2変動再開コマンドを設定し(Y2902)、特図2仮停止フラグ2030bdをオフに設定し(Y2903)、Y2904へ移行する。一方、Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2901:No)、Y2902,Y2903の処理をスキップしてY2904の処理へ移行する。
Y2904の処理では特図2変動時間タイマ(特図2変動タイマ)2030tを1減算して更新し(Y2904)、第1図柄表示装置の表示を更新し(Y2905)、本処理を終了する。
次に、図173を参照して、第2特別図柄変動停止処理2(Y242)の内容について説明をする。図173は、第2特別図柄変動停止処理2(Y242)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理2(Y242)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動停止処理(図112参照)に対して、特図2の抽選結果が大当たりであった場合において、特図1の変動を強制停止する構成に代えて特図1の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成を設けた点と、特図2の抽選結果が小当たりの場合に実行される処理を追加した点で相違している。
第2特別図柄変動停止処理2(Y242)が実行されると、まず、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y1331)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y1331:No)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるかを判別する(Y1334)。Y1334の処理において、小当たりではないと判別した場合は(Y1334:No)、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動停止処理(図112)のY1310およびY1311と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、Y1334の処理において、小当たりであると判別した場合は(Y1334:Yes)、次に、小当たり停止処理を実行する(Y1335)。この小当たり停止処理では、上述した第3実施形態の特図2外れ停止処理(図113のY1304参照)のY1402〜Y1406と同一の処理が実行される。この小当たり停止処理(Y1335)を終えると、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動停止処理(図112)のY1310およびY1311と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
Y1331の処理において、大当たりであると判別した場合には(Y1331:Yes)、特図1仮停止フラグ2030bcをオンに設定し(Y1332)、特図1仮停止フラグ2030bcをオンに設定したことを示す特図1仮停止コマンドを設定する(Y1333)。そして、上述した第3実施形態の第2特別図柄変動停止処理(図112)のY1307〜1311と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図174を参照して、始動入賞処理2(Y105)の内容について説明をする。図174は始動入賞処理2(Y105)の内容を示すフローチャートである。この始動入賞処理2(Y105)は、上述した第3実施形態の始動入賞処理(図114参照)に対して、第2入球口1640bに球が入賞(入球)した場合における処理を変更した点で相違している。具体的には、本第4実施形態は特図2の抽選を保留記憶可能な構成としているため、第2入球口1640bに球が入賞(入球)した場合において、第2特別図柄保留球数カウンタ2030baの値(N2)を加算する処理を実行する。
なお、第2入球口1640bに球が入球した場合における処理については、上述した第3実施形態の始動入賞処理(図114参照)にて球が第1入球口へ入賞(入球)した場合に実行される処理に対して、処理の対象を特図1から特図2に変更した点でのみ相違するものであるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図175を参照して、大当たり終了処理2(Y2112)の内容について説明をする。図175は、大当たり終了処理2(Y2112)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理2(Y2112)は上述した第3実施形態の大当たり終了処理(図122参照)に対して、時短カウンタ2030gに設定される値を120から100に変更した点でのみ相違し、その他の処理は同一であるため、その詳細な説明を省略する。これにより、本第4実施形態では、遊技状態が確変状態となる場合に設定される時短回数(100回)が、確変状態が設定される回数(120回)よりも少なくなるため、確変状態において特図の抽選(変動)が100回を越えることにより、遊技状態を潜確状態へと移行させることが可能となる。
このように構成することで、遊技者に有利となる遊技状態(潜確状態)へと移行する契機を、大当たり種別が大当たりB或いは大当たりDである大当たりに当選した場合(即ち、大当たり終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選した場合)と、大当たり種別が大当たりAである大当たりに当選し(即ち、大当たり終了後に確変状態が設定される大当たりに当選し)、且つ、確変状態中の大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が規定回数(例えば、100回)実行された場合と、複数(2つ)設けることができる。よって、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)へと移行する期待感を高めることができる。
さらに、上述した2つの移行条件が成立するタイミングを異ならせている。即ち、上述した前者の移行条件は大当たり終了後に成立し得るもので、後者の移行条件は大当たり終了後に特別図柄の抽選が規定回数(例えば、100回)実行された場合に成立し得るものであるため、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)へと移行するタイミングを複数設定することができる。よって、遊技者に対して、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が設定される期待感を継続して持たせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、大当たり終了処理において設定し得る確変カウンタ2030kの値、及び、時短カウンタ2030gの値が1種類の構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、当選した大当たり種別に対応させて、確変カウンタ2030kの値、及び、時短カウンタ2030gの値を異ならせて設定するように構成してもよい。このように構成することで、確変カウンタ2030kに設定される値、即ち、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態が設定される回数(特別図柄の抽選回数)と、時短カウンタ2030gに設定される値、即ち、大当たり終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態))が設定される回数(特別図柄の抽選回数)と、を複数設定することができるため、大当たり終了後に確変状態が設定される回数(特別図柄の抽選回数)や、潜確状態に移行するまでの回数(特別図柄の抽選回数)や、潜確状態が設定される回数(特別図柄の抽選回数)を複数設けることができる。
よって、大当たり終了後に確変状態が設定された場合に、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選を何回実行したら潜確状態へ移行するのかを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができ、確変状態が設定されている状態で遊技者に対して継続して潜確状態への移行期待感を持たせることができる。
加えて、上述したように、大当たり種別に対応させて、確変カウンタ2030kの値や時短カウンタ2030gの値を複数設定可能に構成した場合には、確変状態中に、特別図柄の高確率状態が設定される期間や、普通図柄の高確率状態が設定される回数を遊技者に示唆する示唆報知手段を設けると良い。このように構成することで、示唆報知手段により報知される示唆内容を把握することで、遊技者に潜確状態へ移行するタイミングを予測させることができ、潜確状態への移行期態度を高めることができる。
なお、上述した示唆報知手段が報知する示唆内容としては、潜確状態へ移行するまでの(移行条件が成立するまでの)特別図柄の抽選回数を示す値を報知しても良いし、潜確状態へ移行するまでの(移行条件が成立するまでの)特別図柄の抽選回数に対応して表示態様(例えば、色、形状、大きさ)が可変する可変態様を報知しても良い。また、潜確状態へ移行するまでの(移行条件が成立するまでの)特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、3回)に到達したかを判別する判別手段を設け、特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、3回)に到達したと判別した場合に上述した示唆報知を行うように構成しても良い。
さらに、確変状態中に移行条件が成立し潜確状態に移行した場合において、潜確状態が設定される期間(潜確状態中に実行される特別図柄の抽選回数)を遊技者に示唆する潜確期間示唆報知手段を設けると良い。また、この構成を大当たり種別に対応させて、確変カウンタ2030kの値や時短カウンタ2030gの値を複数設定可能とする構成に用いることで、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が継続して設定される期間を遊技者に予測させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
加えて、潜確状態へ移行するまでの(移行条件が成立するまでの)特別図柄の抽選回数と、潜確状態が設定される期間(潜確状態中に実行される特別図柄の抽選回数)とを複合的に判別し、その判別結果に基づいて大当たり終了後に設定される遊技状態の有利度合いを遊技者に報知可能に構成しても良い。このように構成することで、大当たり終了後に設定される遊技状態を複数設けた場合において、遊技者に有利度合いを分かり易く報知することができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図176から図179を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第4実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第3実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、コマンド判定処理(図130参照)に代えてコマンド判定処理2(図176のY4111)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。具体的には、主制御装置110にて実行される制御内容を第3実施形態から変更したことにより出力される各種コマンドを受信した場合に実行される処理が追加されている。
ここで、図176を参照して、コマンド判定処理2(Y4111)の内容について説明をする。図176は、コマンド判定処理2(Y4111)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理2(Y4111)は、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130)に対して、残確変回数コマンド又は残時短回数コマンドを受信した場合に実行される処理と、仮停止関連のコマンドを受信した場合に実行される処理とが追加されている。
コマンド判定処理2(Y4111)が実行されると、まず、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130)のY4301〜Y4317と同一の処理を実行する。そして、Y4317の処理において、残確変回数コマンド又は残時短回数コマンドを受信したと判別した場合は(Y4317:Yes)、次に、残回数更新処理2(Y4318)を実行する。
ここで、図177を参照して、残回数更新処理2(Y4318)の内容について説明をする。図177は残回数更新処理2(Y4318)の内容を示すフローチャートである。この残回数更新処理2(Y4318)が実行されると、上述した第3実施形態の残回数更新処理(図134参照)のY4651,Y4652と同一の処理を実行し、Y4652の処理を終えると、上述した第3実施形態の残回数更新処理(図134参照)のY4661,Y4662と同一の処理を実行する。即ち、主制御装置110から出力される残確変回数コマンド又は残時短回数コマンドの値に対応した情報へと残確変回数エリア2230oおよび演出確変回数エリア2230pの情報を更新する処理のみが実行される。なお、本第4実施形態においても、上述した第3実施形態と同様の残回数更新処理(図134参照)を実行してもよい。
図176に戻り説明を続ける。Y4317の処理において、残確変回数コマンド又は残時短回数コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4317:No)、次に、仮停止関連コマンドを受信したかを判別する(Y4331)。ここで、仮停止関連コマンドとしては、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定された場合に出力される特図1仮停止コマンドと、特図2仮停止フラグ2030bdがオンに設定された場合に出力される特図2仮停止コマンドと、特図1仮停止フラグ2030bcがオフに設定された場合に出力される特図1変動再開コマンドと、特図2仮停止フラグ2030bdがオフに設定された場合に出力される特図2変動再開コマンドがある。
Y4331の処理において、仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合は(Y4331:Yes)、次に、仮停止関連処理を実行し(Y4332)、本処理を終了する。一方、Y4331の処理において、仮停止関連コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4331:No)、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)のY4319と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図178を参照して、仮停止関連処理(Y4332)の内容について説明をする。図178は、仮停止関連処理(Y4332)の内容を示すフローチャートである。この仮停止関連処理(Y4332)では、特図1仮停止コマンドまたは特図2仮停止コマンドを受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドまたは特図2変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理とが実行される。
仮停止関連処理(Y4332)が実行されると、まず、特図1仮停止コマンド又は特図2仮停止コマンドを受信したかを判別し(Y4901)、受信していないと判別した場合は(Y4901:No)、Y4902へ移行し変動再開処理を実行する。一方、Y4901の処理において、特図1仮停止コマンド又は特図2仮停止コマンドを受信したと判別した場合は(Y4901:Yes)、現在設定されている変動パターンの残変動期間を算出する(Y4903)。そして、Y4903の処理で算出した残変動期間が2秒より少ないかを判別し(Y4904)、2秒よりも少ないと判別した場合は(Y4904:Yes)、残変動時間情報格納エリア2230bbに残変動期間が短いことを示す期間Aを設定し(Y4905)、Y4902の処理へ移行する。
一方、Y4904の処理において、残変動期間が2秒よりも少なくない(2秒以上)と判別した場合は(Y4904:No)、次に、残変動期間が15秒よりも少ないかを判別し(Y4906)、15秒よりも少ないと判別した場合は(Y4906:Yes)、残変動時間情報格納エリア2230bbに通常の残変動期間であることを示す期間Bを設定し(Y4907)、Y4902の処理へ移行する。
Y4906の処理において、残変動期間が15秒よりも少なくない(15秒以上)と判別した場合は(Y4906:No)、残変動時間情報格納エリア2230bbに残変動期間が長いことを示す期間Cを設定し(Y4908)、Y4902の処理へ移行する。このように、特図変動が再開した場合に実行される変動時間(残変動期間)を、特図変動を中断した(特図変動時間の減算を中断した)タイミングで算出し、その期間に対応する情報を設定しておくことにより、特図変動を再開するタイミングで遅滞なく、且つ、残変動期間に適した演出(追加演出)を実行することができる。
次に、図179を参照して、変動再開処理(Y4902)の内容について説明をする。図179は、変動再開処理(Y4902)の内容を示すフローチャートである。この変動再開処理(Y4902)は、特図1変動再開コマンド又は特図2変動再開コマンドを受信した場合に、実行される追加演出を設定する処理を実行するものである。
変動再開処理(Y4902)が実行されるとまず、特図1変動再開コマンド又は特図2変動再開コマンドを受信したかを判別し(Y5001)、受信していないと判別した場合は(Y5001:No)、本処理を終了する。一方、Y5001の処理において、特図1変動再開コマンド又は特図2変動再開コマンドを受信したと判別した場合は(Y5001)、次に、現在が変動演出実行中であるかを判別する(Y5002)。このY5002の処理は、特図変動の実行に合わせて当該特図変動の変動時間分(例えば30秒)実行される変動演出が、特図変動を中断(特図変動時間の減算を中断)し、当たり遊技終了後に特図変動が再開された場合において完了していない状態であるかを判別するものである。
Y5002の処理において、変動演出が実行中であると判別した場合には(Y5002:Yes)、追加演出情報格納エリアに追加演出Aを設定し(Y5006)、Y5007へ移行する。一方、Y5002の処理において、変動演出が実行中ではないと判別した場合には(Y5002:No)、次に、残変動時間情報格納エリア2230bbに格納されている残変動時間情報を読み出し(Y5003)、読み出した残変動時間情報と演出カウンタ2230hとに基づいて追加演出選択テーブル2220baより追加演出種別を決定し(Y5004)、決定された追加演出種別を追加演出情報格納エリア2230bcに設定(格納)する(Y5005)。
そして、Y5005、或いはY5006の処理を終えると、追加演出情報格納エリア2230bcに格納(設定)されている追加演出種別を読み出し(Y5007)、読み出した追加演出種別に対応する表示用追加演出コマンドを設定し(Y5008)、残変動時間情報格納エリア2230bbおよび追加演出情報格納エリア2230bcに設定されている情報をクリアし(Y5009)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように本第4実施形態では特図変動が中断された場合において、通常演出(特図変動が開始された場合に実行される演出表示)が終了してから、特図変動が再開されるまでの期間で第3図柄を揺動表示する揺れ演出を実行し、特図変動が再開された場合に、再開後の特図変動期間(残変動期間)に対応した追加演出を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、通常演出が実行される通常演出期間を判別する演出期間判別手段を設け、その演出期間判別手段により通常演出期間が終了したと判別された場合に、追加演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、通常演出と追加演出とを連続して実行することができるため、より遊技者に好適な演出表示を提供することができる。また、この場合、追加演出が実行される追加演出期間の終了タイミングと、再開後の特図変動期間とに誤差が生じる場合があるが、その誤差期間中は追加演出を継続して実行してもよいし、第3図柄を揺動表示させる揺れ演出を実行してもよい。さらに、誤差期間の長さを判別する誤差期間判別手段を設け、誤差期間判別手段により誤差期間が所定期間(例えば5秒)以上であると判別された場合に、再度、追加演出が実行されるように構成してもよい。
また、上述した第4実施形態では、一方の特図変動(例えば、特図2)が当たりを示す図柄で停止表示したことにより、他方の特図変動(例えば、特図1)が中断(特図変動時間の減算を中断)される場合であって、他方の特図変動が再開される時点で既に他方の特図変動に対応する通常演出が終了している場合について説明をしたが(図153参照)、例えば、他方の特図変動が再開される時点で、他方の特図変動に対応する通常演出が終了していない場合について図180を参照して説明をする。
図180は各特図変動の流れの一例を示したタイミングチャートであり、第3図柄表示装置81にて特図1の変動に基づく演出表示(第3図柄を用いた演出表示)が実行される確変状態において、特図1の変動(10秒)と特図2の変動(3秒)とが同時に実行され、そのうち、特図2が小当たりに当選していた場合の流れを示している。
図180に示した一例では、特図1変動が再開される時点において、第3図柄表示装置81にて実行される通常演出(通常演出期間10秒)が完了していない場合を示している。このような場合では、特図1変動が再開されるタイミングで追加演出を実行してしまうと、通常演出が完了する前に追加演出が実行されることになり、遊技者に違和感を与える演出が実行されてしまうという問題が発生してしまう。このような問題を解決するために、図180に示した一例では、特図1変動が再開されるタイミングで追加演出を実行するのではなく、通常演出が完了した後に追加演出が実行されるように構成している。このように、追加演出が実行されるタイミングを特図1変動再開タイミングではなく、通常演出終了タイミングとすることで、通常演出と追加演出とを違和感無く実行することができ、遊技者の遊技意欲が低下する事態を抑制することができる。
この場合、特図1変動が中断された場合に再開後の変動時間(残変動期間)を判別する残期間判別手段と、特図1変動が中断されている期間を判別する中断期間判別手段と、特図1変動が再開されたことを判別する再開判別手段と、再開判別手段により、特図1変動が再開されるタイミングであると判別した場合に、通常演出が実行中であるか否かを判別する演出状況判別手段と、を設け、演出状況判別手段により、通常演出が実行されていない(既に、終了している)と判別された場合は、残期間判別手段により判別された残期間に対応した追加演出を実行する追加演出実行手段と、通常演出が実行されていると判別された場合は、演出状況判別手段により通常演出が終了したと判別されるまで追加演出の実行を待機させる追加演出実行待機手段と、を設けると良い。このように構成することで、特図1変動が再開されるタイミングと特図1変動の通常演出の終了タイミングとに基づいて、追加演出を実行するタイミング(特図1変動再開時或いは通常演出終了時)として適正なタイミングを設定することができ、遊技者に違和感を与えない演出を提供することができる。
また、本第4実施形態では遊技盤13の右打ち領域に振り分けユニット660を設けることで、右打ち遊技時に特図1変動と特図2変動とが実行されるように構成しているが、同様に右打ち遊技時に特図1変動と特図2変動とが実行される遊技盤13の盤面構成として、それ以外の構成を用いてもよく、例えば図181に示すような構成を用いても良い。
ここで、図181を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の盤面構成の別例について説明をする。図181は、本第4実施形態の別例におけるパチンコ機10の盤面構成を模式的に示した模式図である。本第4実施形態の別例では、上述した第4実施形態のパチンコ機10の盤面構成(図150参照)に対して、振り分けユニット660に代えて、第2入球口1640および第2入球口に付随する電動役物1640aを設けた点、可変入賞装置65を遊技盤中央下部の領域から右打ち領域の下部へと移動した点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成に対しては同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図181に示した通り、本別例のパチンコ機10では、右打ち遊技により発射された球が入球可能となるように、第1入球口64又は第2入球口1640が設けられている。このように構成することで、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態または潜確状態)において、特図1変動と特図2変動とが実行されることになる。また、上述した第4実施形態の振り分けユニット660のように特図1の抽選(変動)が実行される入球口(右第1入球口64b)と特図2の抽選(変動)が実行される入球口(第2入球口1640b)とに交互に球が入球するように振り分ける機構が設けていないため、第1入球口64又は第2入球口1640へと球が入球する割合をランダムにすることができる。上述したように第4実施形態では、特図1の抽選と特図2の抽選とで遊技者に対する有利度合いを異ならせているため、本別例では、右打ち遊技により発射された球が第1入球口64に入球するのか第2入球口1640に入球するのかを遊技者に注視させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、右打ち遊技にて発射された球が第1入球口64または第2入球口1640に向けて流下(転動)する球の割合を、例えば遊技盤13に植設された釘を調整することで変更することができるため、右打ち遊技中に実行される特図変動における特図1変動と特図2変動との割合を容易に調整することができる。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、確変状態として特別図柄の高確率状態が設定される回数(120回)よりも、時短状態が設定される回数(100)が少なくなるように構成しているため、遊技者に有利となる潜確状態への移行契機を増加させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、潜確状態において、特図1に基づく抽選と特図2に基づく抽選とを実行可能に構成したため、潜確状態において遊技者に過剰に有利となる状態を抑制することができる。
本第4実施形態では、何れか一方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)となり、その当たりの抽選結果を示す図柄が停止表示されるタイミングで(当たりが確定するタイミングで)、他方の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の変動に対する変動時間の計測(カウント)を中断し、一方の特別図柄の抽選結果に基づく当たり遊技が終了したタイミング(特別図柄の変動が可能となるタイミング)で、中断されていた他方の特別図柄の変動に対する変動時間の計測(カウント)を再開するように構成している。
ここで、特図変動が中断(特図変動時間の計測が中断)された場合において、第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)を継続して実行する場合には、中断した特図変動が再開され、その再開された特図変動が終了するタイミングと第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が終了するタイミングとに所定期間(特図変動の中断期間)分の誤差が生じてしまうという問題があった。
これに対して、本第4実施形態では、その再開された特図変動が終了するタイミングと第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示(又は演出表示)が終了するタイミングとに所定期間(特図変動の中断期間)分の誤差が生じた場合に、その誤差期間を用いて追加演出(特定演出)を実行可能に構成している。これにより、遊技者に違和感を与えることのない演出を実行することができる。
<第5実施形態>
次に、図182から図196を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本実施形態では、上述した第3実施形態に対して潜確状態中に第3図柄表示装置81で実行される演出表示の内容を異ならせている点で相違する。具体的には、第3図柄表示装置81の主領域Dmの残回数表示領域D1にて表示される演出残回数の表示制御を変更した点と、潜確中に当たり(大当たりまたは小当たり)に当選した際に実行される演出表示を追加した点と、上述した2点の内容に対応するようにその他演出表示を変更した点とで相違する。
上述した第3実施形態では、潜確状態に突入した(潜確状態が設定された)場合に、内部的に設定される確変回数(120回)と同一の回数を残回数表示領域D1に表示し、特図変動が実行される毎に内部的に設定される確変回数の残回数(以下、実質残確変回数と称す)と、残回数表示領域D1に表示される演出表示用の残回数(以下、演出残確変回数と称す)とを更新(減算)する構成としていた。加えて、潜確状態中において、実質残確変回数が再度設定される大当たりまたは実質残確変回数が設定されない小当たりのいずれに当選したのかを遊技者に容易に把握させないようにするために、潜確状態中に当たり(大当たりまたは小当たり)に当選した場合、演出残確変回数を初期値(120回)に戻す演出と戻さない演出とを実行できるように構成し、実質残確変回数と演出残確変回数とを相違させ、遊技者に最後まで期待感を抱かせるよう構成していた。そして、実質残確変回数と演出残確変回数とが相違している状態で演出残確変回数が「0」となった場合(例えば、演出残確変回数が「0」で実質残確変回数が「10」の場合)は、復活演出(図87参照)が実行され、実質残確変回数に対応した回数(「10回」)が残回数表示領域D1に表示される構成とした。これにより、残回数表示領域D1に表示される回数表示が「0」になる場合であっても、遊技者に対して潜確状態が継続することを期待させることを可能としていた。
これに対して、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、潜確状態に突入した(潜確状態が設定された)場合に、内部的に設定される確変回数(120回)よりも少ない回数(例えば「100回」)を残回数表示領域D1に表示するように構成している。これにより、潜確状態が設定された時点で実質残確変回数と演出残確変回数とを相違させる(実質残確変回数よりも演出残確変回数を少なく表示する)ことが可能となるため、潜確状態中において、演出残確変回数を上乗せする演出を実行しやすくすることができる。なお、本実施形態では上述した第3実施形態と同様に各特図(特図1及び特図2)の変動が実行される毎に(実質残確変回数が減算される毎に)、残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を減算するように構成しているが、例えば、潜確状態において遊技者に有利ではない側の特図(特図1)の変動が実行された場合には演出残確変回数を減算しないように構成してもよい。この場合、本実施形態のように潜確状態を開始するタイミング(潜確状態が設定されるタイミング)で残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を実質残確変回数よりも少なく表示することにより、遊技者に有利ではない側の特図(特図1)の変動に対して演出残確変回数を減算しなくても、実質残確変回数よりも演出残確変回数が多くなる事態が発生することを抑制することができる。
加えて、本第5実施形態では、特図の抽選結果として実質残確変回数が初期値(120回)に設定される大当たりに当選した場合の大当たり遊技および特図の抽選結果として実質残確変回数が初期値(120回)に設定されることが無い小当たりに当選した場合の小当たり遊技中に演出残確変回数を所定回数(例えば、5回〜40回)上乗せする上乗せ演出を実行するように構成している。これにより、潜確状態中に当たり遊技(可変入賞装置65が開閉動作する遊技)が実行される場合に、実質確変回数が初期値(120回)に再設定されたか否か(潜確状態中に特図大当たりに当選したか否か)を遊技者が容易に把握してしまうことをより抑制することができる。
また、本第5実施形態では、潜確状態を開始するタイミング(潜確状態が設定されるタイミング)および潜確状態中に特図大当たりに当選した場合に発生する実質確変回数と演出残確変回数との差を埋めるために、潜確状態中の特図変動演出として残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を上乗せする上乗せ演出を実行するように構成している。これにより、潜確状態中の様々なタイミングで演出残確変回数を上乗せすることができるため、潜確状態中に実質確変回数が初期値(120回)に再設定されたか否か(潜確状態中に特図大当たりに当選したか否か)を遊技者が容易に把握してしまうことをより抑制することができる。
さらに、本第5実施形態では、各タイミング(特図変動タイミング、当たり遊技実行中タイミング)において実行される上乗せ演出にて表示される上乗せ回数(残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数に加算される回数)の値が、実質確変回数と演出残確変回数との差分に基づいて変更されるように構成している(図182参照)。これにより、上乗せ演出により演出残確変回数が大きく加算された場合は、遊技者に対して潜確状態中に実質確変回数が初期(120回)となる特図大当たりに当選したのではと思わせることが可能となるとともに、実質確変回数と演出残確変回数とが大きく乖離した状態で演出残確変回数が「0回」となることを抑制することができる。
また、上述した第3実施形態では、潜確状態中に当たり(大当たりまたは小当たり)に当選したこと自体を遊技者に把握させないように、潜確状態中に当たり遊技(例えば、大当たり遊技のうち出玉の少ない大当たり遊技や小当たり遊技)が実行されたとしても第3図柄表示装置81にて当たり遊技を示す演出表示を実行しないように構成し、潜確状態中のどのタイミングで実質確変回数を初期値(120回)に設定する大当たりに当選したのかを識別困難にする構成としていた。
これに対して、本第5実施形態では、潜確状態中に当たり(例えば、大当たり遊技のうち出玉の少ない大当たり遊技や小当たり遊技)に当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)中に実行される当たり中演出として可変入賞装置65へ球が入賞したことに基づく表示を第3図柄表示装置81で実行する構成としている(図185参照)。これにより、潜確状態中に当たり遊技が実行されることを遊技者が容易に把握可能とすることができる。そして、この当たり遊技中に実行される当たり中演出として、詳細は後述するが、第3図柄表示装置81に表示される表示態様(例えば、可変入賞装置65に球が入球した場合に払い出される賞球数を表示する表示態様)が第3図柄表示装置81に表示される割合を大当たり遊技が実行されている場合と小当たり遊技が実行されている場合とで異ならせるように構成している。これにより、小当たり遊技よりも1回の当たり遊技で可変入賞装置65に入賞する球数が多い大当たりに当選した場合であっても、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を小当たり遊技に対応する当たり中演出と同様にすることが可能となる。よって、潜確状態中に当たり遊技が実行されることを遊技者に分かりやすく報知(表示)をしながら、その当たり遊技が大当たり遊技なのか小当たり遊技なのかを遊技者に分かり難く報知(表示)することができ、遊技者が最後まで期待を持ちながら潜確状態を遊技することができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM2220の内容が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2230の内容が一部変更となっている点、および、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図182を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10が潜確状態中に設定される実質残確変回数と第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数の推移について説明をする。図182は、第5実施形態における潜確状態中の流れを示すタイミングチャートである。
図182に示す通り、遊技状態が通常状態の場合に大当たりBまたは大当たりDに当選した大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技の終了タイミング(エンディング中)で実質残確変回数に「120回」が設定され、第3図柄表示装置81には、潜確状態に移行する旨の表示と、残回数表示領域D1に演出残確変回数として「100回」が表示される(図183参照)。
そして、潜確状態での遊技が開始されると、特図変動が実行される度に実質残確変回数および演出残確変回数が「1回」減算される。本実施形態では第3実施形態と同様に特図変動が開始されるタイミングで実質残確変回数および演出残確変回数が減算されるため、潜確状態における1回目の特図変動が実行されている間は残回数表示領域D1に演出残確変回数として「99回」が表示される。
その後、特図変動(抽選)を実行し、潜確状態における14回目の特図変動(演出残確変回数として「86回目」が表示される特図変動)にて小当たりに当選すると、実質残確変回数は「106回」を維持したまま小当たり遊技が開始される。この小当たり遊技中に第3図柄表示装置81にて演出表示として上乗せ演出A(演出残確変回数の値を「5回」加算(上乗せ)する演出))が実行される場合には、残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値が「86回目」から「91回目」へと加算表示される(図183(b)参照)。このように、実質残確変回数が変更されない(再設定されない)当たりに当選した場合(小当たりに当選した場合)に実行される当たり遊技(小当たり遊技)中に、演出残確変回数の値を加算する演出(上乗せ演出)を実行することにより、遊技者に対して今回の当たり遊技によって、実質残確変回数が再設定されたのではと期待させることができる。
そして、小当たり遊技が終了すると、潜確状態における特図変動(実質残確変回数「105回」と演出残確変回数「90」とが対応する特図変動)が引き続き開始される。次に、実質残確変回数が「30回」となる特図変動(演出残確変回数が「15回」となる特図変動)にて大当たりに当選した場合には、大当たり遊技が開始されるタイミングで実質残確変回数が「0回」に設定される。なお、残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数は「0回」に設定されることなく、「15回」を示す内容が継続して表示されるように構成されている。この大当たり遊技の終了後に再度潜確状態に移行する場合には、大当たり遊技が終了するタイミングにて実質残確変回数として「120回」が再設定される。加えて、大当たり遊技中には小当たり遊技と同様に第3図柄表示装置81の演出表示として上乗せ演出が実行されるように構成されており、上乗せ演出C(演出残確変回数の値を「20回」加算(上乗せ)する演出)が実行される場合には、残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値が「15回」から「35回」へと加算表示される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では当たりの種別(大当たりまたは小当たり)に関わらず、実質残確変回数と演出残確変回数との差分値および取得した演出カウンタ2230fの値に基づいて上乗せ演出にて表示される上乗せ回数(加算回数)を決定するように構成している。よって、当たり遊技中に実行される上乗せ演出の内容により今回の当たり遊技が小当たり遊技であったのか大当たり遊技であったのかを遊技者が把握してしまうことを抑制することができる。
次に、大当たり遊技が終了すると、潜確状態における特図変動(実質残確変回数「119」)が開始される。この特図変動中に上乗せ演出Dが実行され、残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値が「34回」から「74回」へと加算表示される。このように、本第5実施形態では潜確状態における特図変動中にも残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値を上乗せ(加算)する演出が実行されるため、遊技者に実質残確変回数を予測させることを困難にし、潜確状態がいつまで継続するのかを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、特図変動中にも上乗せ演出を実行可能とすることにより、潜確状態中は当たり遊技中にも特図変動中にも残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値を加算(上乗せ)することが可能となる。よって、上乗せ演出を実行する回数を増加させることができるため、実質残確変回数と演出残確変回数との値が大きく乖離した場合(差分値が大きい場合)であっても、遊技者に違和感を与えることなくその値を収束させやすくすることができる。さらに、本第5実施形態では、実質残確変回数と演出残確変回数との値の差分値に基づいて上乗せ演出にて表示される上乗せ回数(加算回数)を決定するように構成しており、実質残確変回数と演出残確変回数との値の差分値が多いほど多くの演出残確変回数が上乗せ(加算)されるように構成しているため、遊技者に違和感を与えることなくその値をより収束させやすくすることができる。
そして、上乗せ演出Dが実行され残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値が「74回」となった次の変動にて再度上乗せ演出(上乗せ演出B)が実行され、実質残確変回数が「118回」で演出残確変回数が「83回」となる。その後、当たりに当選することなく演出残確変回数が「1回」となる変動が終了すると、最終演出表示として残回数表示領域D1に演出残確変回数「???」が、実質残確変回数が「0回」になるまで継続して表示される。このように構成することで、実質残確変回数と演出残確変回数とが最終的に一致しない場合であっても遊技者に違和感を与えることなく潜確状態の遊技を実行することができる。
なお、本第5実施形態では最終演出表示にて残回数表示領域D1に「???」を表示する構成を用いているが、上述した第3実施形態のように、演出残確変回数の値が「0回」となる場合に実質残確変回数の値を残回数表示領域D1に表示するようにしてもよい(図182の例では「35回」と表示)。また、演出残確変回数の値が「0回」となる場合における実質残確変回数の値に基づいて上乗せ演出を強制的に実行するようにしてもよい。このように構成することで、遊技者に対して安心して潜確状態を遊技させることが可能となる。
次に、図183および図184を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態が潜確状態となる場合に関する第3図柄表示装置81にて表示される表示内容について説明する。なお、上述した第3実施形態と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図183(a)を参照して、遊技状態が潜確状態へと移行する場合の大当たり終了画面について説明をする。図183(a)は大当たり終了画面の一例を模式的に示す模式図である。図183(a)に示す通り、大当たり終了後に遊技状態が潜確状態へと移行することが確定した場合(大当たり遊技中にV入賞することで潜確状態へ移行する大当たりにおいてV入賞した場合)、大当たり終了画面の左上領域に残回数表示領域D1が設けられ、演出残確変回数として「100回」が表示される(図182の地点A参照)。そして、主表示領域Dmの中央部では潜確状態へと移行する旨を報知する「RUSH突入」の文字と、潜確状態中の表示に用いられるウサギを模したキャラクタ811が潜確状態へ移行することを祝福する表示態様で表示される。これにより、遊技者に対して大当たり遊技終了後に遊技状態が潜確状態へと移行することを容易に把握させることができる。
なお、本第5実施形態では、大当たり終了画面にて上述した表示を実行しているが、大当たり終了後に遊技状態が潜確状態へと移行することが確定した場合に上述した表示を実行するように構成してもよい。また、本第5実施形態で用いるパチンコ機10のように大当たり遊技中にV入賞することで大当たり遊技終了後に確変状態が付与される構成ではなく、大当たりに当選した場合の大当たり種別によって大当たり遊技終了後に確変状態が付与される構成を用いても良い。
次に、図183(b)を参照して、潜確状態中における当たり遊技中(小当たり遊技中)の表示画面について説明をする。図183(b)は当たり遊技中の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。図183(b)に示す通り、潜確状態中は小当たり遊技や大当たり遊技が実行される場合も特図変動中と同様にキャラクタ811が画面左方向から右方向へ向けて移動する演出が継続して実行される。そして、上乗せ演出が実行されるとキャラクタ811が「宝箱」の横を走り抜けると同時に「宝箱」が開き、中から残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値を上乗せ(加算)する値に対応する表示態様が表示され(図183(b)では「5回」)、演出残確変回数の値が「5回」上乗せされて「95回」の表示がされる(図182の地点B参照)。また、主表示領域の下側に設けられた表示領域D4では今回の追加演出で上乗せされた演出残確変回数の値(「5回」)が文字で表示される。
このように、本第5実施形態では潜確状態中に実行される上乗せ演出を、潜確状態中にて常時実行される演出(キャラクタ811を移動する演出)の一部を用いて実行しているため、遊技者に対して違和感を与えることなく演出残確変回数の値(「5回」)を上乗せ(加算)することができるという効果がある。
図184(a)は、潜確状態の特図変動中に上乗せ演出D(図182の地点D参照)が実行された場合に表示される内容を模式的に示した模式図である。図184(a)に示す通り、特図変動中はキャラクタ811が画面左方向から右方向へ向けて移動する演出が実行される。そして、上乗せ演出が実行されるとキャラクタ811が「宝箱」の横を走り抜けると同時に「宝箱」が開き、中から残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値を上乗せ(加算)する値に対応する表示態様が表示され(図184(a)では「40回」)、演出残確変回数の値が「40回」上乗せされて「74回」の表示がされる(図182の地点D参照)。また、主表示領域の下側に設けられた表示領域D4では今回の追加演出で上乗せされた演出残確変回数の値(「40回」)が文字で表示される。
以上、図183(b)および図184(a)で説明をしたように、潜確状態中では当たり遊技中および特図変動中に残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数の値を上乗せ(加算)する上乗せ演出が実行される。そして、当たり遊技中に実行される上乗せ演出と特図変動中に実行される上乗せ演出とが同一の演出態様で実行されるため、実行される上乗せ演出によって現在が当たり遊技中であるのか特図変動中であるのかを遊技者が把握することを抑制することができる。
また、上乗せ演出によって上乗せ(加算)される演出残確変回数の値に応じて、その値の表示形態を異ならせているため(図183(b)の「+5」の表示形態と図184(a)の「+40」の表示形態参照)、遊技者に対して上乗せ演出の効果を視覚的に報知することができる。なお、上乗せ演出によって上乗せ(加算)される演出残確変回数の値を示唆する演出表示を実行してもよく、例えば、上乗せ演出によって上乗せ(加算)される演出残確変回数の値が格納されている「宝箱」の表示形態を上乗せされる値に応じて変化させてもよい。
次に、図184(b)を参照して、潜確状態中に実行される最終演出について説明をする。図184(b)は、潜確状態中の最終演出の内容を模式的に示す模式図である。この最終演出は、実質残確変回数の値が「0回」よりも多い状態で、残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数の値が「0回」となる場合に実行される演出であって、残りの実質残確変回数が消化されるまで演出残確変回数の値として「???」を表示する演出である。これにより、実質残確変回数と演出残確変回数との値が相違したとしても遊技者に違和感を与えることなく潜確状態中の演出を実行することができる。
また、最終演出が実行されている間は第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて潜確状態が終了することを示唆する演出としてキャラクタ811が岩813に追われる演出が実行される。これにより、遊技者に対して潜確状態が終了してしまう可能性を視覚的に示唆することができ、遊技者に対して分かりやすい演出を提供することができる。さらに、表示領域D4には潜確状態が終了することを示唆する文字として「ピンチ」が表示される。
次に、図185を参照して、本第5実施形態のパチンコ機10における潜確状態当たり遊技中の表示内容について説明をする。図185は潜確状態中における当たり演出の内容を模式的に示した模式図である。図185に示す通り、潜確状態中に当たり遊技が実行され、可変入賞装置65に球が入賞した場合には、球が可変入賞装置65に球が入賞したことを示す入賞表示態様815が表示される。この入賞表示態様815は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの右下側(図185の815c参照)から中央上部を通過して(図185の815b参照)左側へと移動し、拡大された状態で停止表示される(図185の815a参照)。入賞表示態様815には可変入賞装置65に球が入賞した場合に払い出される賞球数に対応した値(本実施形態では「15」)が表示されており、遊技者に対して可変入賞装置65に球が入賞したことおよびその入賞によって払い出される賞球数を遊技者に報知可能に構成している。
また、一回の当たり遊技において複数の球が可変入賞装置65に入賞し、入賞表示態様815が複数回実行される場合には、一回の当たり遊技が終了するまでの間、複数の入賞表示態様815が第3図柄表示装置81に表示されるように構成されている。なお、入賞表示態様815の表示方法としてそれ以外の構成を用いてもよく、例えば、入賞表示態様815を第3図柄表示装置81に停止表示させることなく表示をしてもよい。
さらに、本実施形態では、当たり遊技中に可変入賞装置65に入賞した全ての球に対応して入賞表示態様815の表示が実行されるのではなく、当たり遊技の種別(大当たり遊技または小当たり遊技)および当たり遊技中の入賞個数情報に基づいて入賞表示態様815の表示を実行するか否かを判別し、入賞表示態様815を表示すると判別した場合に入賞表示態様815の表示を実行するように構成している。このように構成することにより、当たり遊技の種別によって可変入賞装置65への球の入賞のし易さを異ならせた場合であっても(可変入賞装置65が開放される期間を異ならせた場合であっても)、第3図柄表示装置81に表示される入賞表示態様815の個数を調整することが可能となるため、第3図柄表示装置81に表示される入賞表示態様815の個数によって遊技者が当たり遊技の種別(大当たり遊技または小当たり遊技)を把握することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、入賞表示態様として可変入賞装置65に球が入賞した場合に払い出される賞球数に対応した値(本実施形態では「15」)を表示するように構成しているが、例えば、可変入賞装置65に球が入賞した場合に払い出される賞球数に対応した値を複数に分割(例えば、「10」と「5」)して表示するように構成してもよい。これにより、入賞表示態様815が表示される回数を可変入賞装置65に球が入賞した数に対して複数パターン設定することが可能となる。また、入賞した際に払い出される賞球数が異なる可変入賞装置を有している場合であっても、払い出される賞球数に対応した値を分割表示することにより、遊技者が当たり遊技の種別(大当たり遊技または小当たり遊技)を把握することを抑制することができる。また、当たり種別によって、入賞表示態様815が第3図柄表示装置81に表示されるまでの期間を異ならせても良い。具体的には、多くの入賞が期待できる当たり種別(例えば、15R当たり)の場合には、それよりも少ない入賞となる当たり種別(例えば、7R当たり)よりも、入賞表示態様815が第3図柄表示装置81に表示されるまでの期間が長くなるように設定するとよい。これにより、第3図柄表示装置81に表示される入賞表示態様815がによって、万が一、当たり種別が判別される場合であっても、判別されるまでの期間を伸ばすことができる。なお、この場合であっても、最初に入賞した遊技球に対しては同じタイミングで入賞表示態様815を表示するとよい。
<第5実施形態における電気的構成について>
次に、図186を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113に設けられたROM2220、およびRAM2230の構成について説明する。図186(a)は、本第5実施形態におけるパチンコ機10のROM2220の構成を示したブロック図である。
図186(a)に示した通り、第5実施形態におけるROM2220には、第3実施形態におけるROM2220の構成に対して、上乗せ演出テーブル2220caと、入賞演出テーブル2220cbとが追加されている点で相違する。
まず、図187(a)を参照して、本第5実施形態における上乗せ演出テーブル2220caの詳細について説明する。図187(a)は本実施形態における上乗せ演出テーブル2220caの内容を模式的に示した模式図である。この上乗せ演出テーブル2220caは、潜確状態中に実行される上乗せ演出の種別を決定する際に参照されるテーブルであって、実質残確変と演出残確変回数との差を示す差分値と取得した演出カウンタ2230fの値とに基づいて上乗せ演出の種別が選択される。この上乗せ演出は、潜確状態中に第3図柄表示領域の残回数表示領域D1にて表示される演出残確変回数の値を上乗せ(加算)する演出であり、上乗せ演出の種別毎に異なる値(上乗せ(加算)する値)が設定されている。
この上乗せ演出テーブル2220caは、潜確状態中の特図2変動設定処理(図191参照)において、演出残確変回数の値が実質残確変回数の値よりも少ないと判別された場合(図191のY5103:Yes)、および、潜確状態中に当たり用エンディングコマンドを受信した場合(図193のY5207:Yes)に参照される。
図187(a)に示す通り、本実施形態における上乗せ演出テーブル2220caは、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値に応じて選択される上乗せ演出種別が異なるように設定されている。具体的には、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が「1〜40」であって、演出カウンタ2230fの値が「0〜99」の場合は上乗せ演出が実行されず、演出カウンタ2230fの値が「100〜179」の場合は上乗せ演出として上乗せ演出A(加算回数+5)が設定される。また、演出カウンタ2230fの値が「180〜198」の場合は上乗せ演出として、上乗せ演出B(加算回数+5回)が設定される。
実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が「41〜80」であって、演出カウンタ2230fの値が「0〜49」の場合は、上乗せ演出が実行されず、演出カウンタ2230fの値が「50〜149」の場合は上乗せ演出として上乗せ演出A(加算回数+5)が設定される。また、演出カウンタ2230fの値が「150〜198」の場合は上乗せ演出として、上乗せ演出B(加算回数+5回)が設定される。
さらに、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が「81以上」であって、演出カウンタ2230fの値が「0〜99」の場合は上乗せ演出として上乗せ演出C(加算回数+20)が設定される。また、演出カウンタ2230fの値が「100〜198」の場合は上乗せ演出として、上乗せ演出D(加算回数+40回)が設定される。
以上、説明をしたように、本実施形態では実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値を算出し、算出された差分値に基づいて上乗せ演出の種別を選択しているため、潜確状態の演出残確変回数の表示状況に適した上乗せ演出を実行することが可能となる。また、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が大きいほど上乗せ演出が実行されやすく設定しているため、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値とが大きく乖離した場合(差分値が大きくなった場合)に、その差を収束しやすくすることができる。よって、演出残確変回数の値が「0」にも関わらず実質残確変回数の値が多く残ってしまうことで潜確状態の演出表示に遊技者が違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が大きいほど1回の上乗せ演出において上乗せ(加算)される値が大きくなるように設定している。これにより、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値とが大きく乖離した場合(差分値が大きくなった場合)に、その差を収束しやすくすることができる。よって、演出残確変回数の値が「0」にも関わらず実質残確変回数の値が多く残ってしまうことで潜確状態の演出表示に対して遊技者が違和感を持ってしまうことを抑制することができる。
次に、図187(b)を参照して、入賞演出テーブル2220cbについて説明する。図187(b)は、入賞演出テーブル2220cbの内容を模式的に示した模式図である。この入賞演出テーブル2220cbは、潜確状態中に実行される当たり遊技において可変入賞装置65に球が入賞した場合に入賞表示態様の表示(入賞演出)を実行するか否かを決定する際に参照されるテーブルであって、特図の当否判定結果(当たり種別)とその当たり遊技において入賞した球数と演出カウンタ2230fの値に基づいて、入賞演出の有無が決定される。この入賞演出とは、図185に示した入賞表示態様815を第3図柄表示装置81に表示する演出のことである。
具体的には、当否判定結果が大当たりA〜Eおよび大当たりG(即ち、出玉が期待できる大当たり)で、入賞球数が1または2個目の入賞であれば、演出カウンタ2230fの値に関わらず(取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜198」の場合)、入賞演出「あり」が選択され入賞演出が実行される(入賞表示態様815の表示が実行される)。つまり、当たり遊技が実行されてから1および2個目の入賞球に対しては必ず入賞表示態様815が第3図柄表示装置81に表示されることになる。これにより、遊技者に対して当たり遊技が実行されていることを容易に把握させることが可能となる。
入賞球数が3個目の入賞であれば、取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜4」の場合、入賞演出「なし」が選択され、取得した演出カウンタ2230fの値が「5〜198」の場合、入賞演出「あり」が選択される。つまり、約97.5%の確率で入賞演出が実行され、2.5%の確率で入賞演出が実行されないよう設定されている。
入賞球数が4個目の入賞であれば、取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜119」の場合、入賞演出「なし」が選択され、取得した演出カウンタ2230fの値が「120〜198」の場合、入賞演出「あり」が選択される。つまり、約40%の確率で入賞演出が実行され、約60%の確率で入賞演出が実行されないよう設定されている。
入賞球数が5個目の入賞であれば、取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜189」の場合、入賞演出「なし」が選択され、取得した演出カウンタ2230fの値が「5〜198」の場合、入賞演出「あり」が選択される。つまり、約5%の確率で入賞演出が実行され、約95%の確率で入賞演出が実行されないよう設定されている。入賞球数が6個目以上の入賞であれば、取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜194」の場合、入賞演出「なし」が選択され、取得した演出カウンタ2230fの値が「195〜198」の場合、入賞演出「あり」が選択される。つまり、約2.5%の確率で入賞演出が実行され、約97.5%の確率で入賞演出が実行されないよう設定されている。
次に、当否判定結果が大当たりF(即ち、出玉が期待できない大当たり)の場合は、入賞球数に関わらず(入賞球数が1個目以上)、さらに演出カウンタ2230fの値にも関わらず(取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜198」の場合)、入賞演出が実行される。つまり、可変入賞装置65に球が入賞したことに基づいて必ず入賞表示態様815の表示が実行される。また、当否判定結果が小当たりの場合も上述した大当たりFと同様に入賞球数に関わらず(入賞球数が1個目以上)、さらに演出カウンタ2230fの値にも関わらず(取得した演出カウンタ2230fの値が「0〜198」の場合)、入賞演出が実行される。つまり、可変入賞装置65に球が入賞したことに基づいて必ず入賞表示態様815の表示が実行される。
以上、説明をしたように、本実施形態では、潜確状態中に当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)が実行されたことを、可変入賞装置65への球の入賞に基づく入賞演出によって遊技者に報知可能にしている。これにより、潜確状態中に当たり遊技が発生したことを遊技者に容易に把握させることが可能となる。
さらに、当たり遊技の種別によって可変入賞装置65への球の入賞に基づく入賞演出の発生度合いを異ならせているため、各当たり遊技に適した入賞演出を実行することが可能となる。
また、本実施形態では、潜確中に実行される当たり遊技が、遊技終了後に実質残確変回数の値を初期値(120回)に設定可能な大当たり遊技であるか、実質残確変回数の値が変更されない小当たり遊技であるかを、遊技者が容易に識別してしまうことを抑制するために、小当たり遊技よりも可変入賞装置65へ球が入賞しやすい大当たり遊技(大当たりA〜E、およびG)では、可変入賞装置65への入賞数が多くなるほど入賞演出が実行され難くなるように設定している。これにより、実際に可変入賞装置65に多くの球が入賞したとしても(小当たり遊技にて入賞する球数よりも多くの球が入賞したとしても)、入賞演出が実行される回数を抑制することができるため、第3図柄表示装置81にて実行される入賞演出の回数により遊技者が当たり遊技の種別を識別してしまうことを抑制することができる。
なお、潜確状態中に獲得した球数の累積値(潜確状態が継続している間に実行される各当たり遊技にて払い出された賞球数の累積値)を第3図柄表示装置81にて表示する構成を用いても良い。このような構成を用いた場合は、入賞演出の有無に関わらず、賞球数を累積表示するようにしてもよいし、入賞演出が実行された回数に対応して賞球数の累積値を加算するように構成してもよい。この場合、入賞演出が実行されなかった入賞球の数だけ実際の累積値と表示上の累積値とが相違することになるため、その累積値の相違分を記憶する手段を設け、例えば、小当たり遊技が実行された場合に可変入賞装置65への球の入賞に基づくこと無く入賞演出を実行し、累積値の相違分を収束させる仮入賞演出を実行可能にするとよい。これにより、入賞演出の表示態様と、賞球数の累積表示態様とを違和感無く表示することができる。また、仮入賞演出を実行することにより、小当たり遊技中に実際に可変入賞装置65に入賞した球数以上の入賞表示態様815を表示することが可能となるため、第3図柄表示装置81にて実行される入賞演出の回数(入賞表示態様815の表示回数)により遊技者が当たり遊技の種別を識別してしまうことをより抑制することができる。
図186(b)に戻り、本第5実施形態におけるパチンコ機10のRAM2230の内容について説明をする。図186(b)は、本第5実施形態におけるパチンコ機10のRAM2230の構成を示したブロック図である。
図186(b)に示した通り、第5実施形態におけるRAM2230には、第3実施形態におけるRAM2230の構成に対して、残確変回数表示中フラグ2230ca、上乗せ演出フラグ2230cb、上乗せ演出種別格納エリア2230ccが追加されている。
残確変回数表示中フラグ2230caは、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1(図183(a)参照)に演出残確変回数が表示される期間を示すためのフラグであって、オンに設定されている場合に演出残確変回数が表示されるものである。この残確変回数表示中フラグ2230caは、当たり関連コマンド処理(図193参照)にて当たり用エンディングコマンドを受信したと判別し、(図193のY5207:Yes)、次いで、今回の当たりが当たり遊技終了後に遊技状態を潜確状態へと移行させる当たりであると判別し(図193のY5209:Yes)、さらに、残確変回数表示中フラグ2230caがオンに設定されていないと判別した場合に(図193のY5210:Yes)、オンに設定し(図193のY5213)、同じく、当たり関連コマンド処理(図193参照)において、今回の当たり遊技が上乗せ演出を実行可能な当たり遊技であるかを判別する際に参照される(図193のY5210)。そして、状態コマンド処理3(図192参照)において、遊技状態が潜確状態から通常状態への移行を示す状態コマンドを受信した場合に(図192のY4531:Yes)、オフに設定される(図192のY4532)。
上乗せ演出フラグ2230cbは、第3図柄表示装置81にて特図変動に基づく上乗せ演出が実行される状態であることを示すためのフラグであって、オンに設定されている状態で変動表示設定処理2(図195参照)が実行された場合に、変動表示設定処理2(図195参照)にて実行される特図2変動開始処理(図196のY4737)にて上乗せ演出が設定される(図196のY4813)。この上乗せ演出フラグ2230cbは、特図2変動設定処理(図191参照)にて上乗せ演出が選択された場合に(図191のY5106:Yes)、オンに設定され(図191のY5108)、特図2変動開始処理(図196参照)において参照され(図196のY4809)、オンに設定されていると判別された場合に(図196のY4809:Yes)、オフに設定され(図196のY4810)、上乗せ演出が設定される。
上乗せ演出種別格納エリア2230ccは、上乗せ演出テーブル2220caを参照して選択された上乗せ種別を設定しておく領域であり、設定された上乗せ種別に対応する上乗せ演出が特図2変動開始処理(図196参照)にて実行されるように構成している。この上乗せ演出種別格納エリア2230ccは、特図2変動設定処理(図191参照)において選択された上乗せ演出の種別が設定され(図191のY5107)、特図2変動開始処理(図196参照)にて上乗せ演出フラグ2230cbがオンに設定されていると判別した場合に(図196のY4809:Yes)、設定されている上乗せ演出の種別に基づく上乗せ演出が設定される(図196のY4812)。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図188および図189を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第5実施形態における主制御装置110の制御処理は、上述した第3実施形態における主制御装置110の制御処理に対して、大当たり制御処理(図120参照)において実行される第1入賞処理(図123参照)に代えて第1入賞処理2(図188参照)、小当たり制御処理(図124参照)において実行される第2入賞処理(図126参照)に代えて第2入賞処理2(図189参照)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図188を参照して、第1入賞処理2(Y2113)について説明をする。図188は、第1入賞処理2(Y2113)を示すフローチャートである。この第1入賞処理2(図188のY2113)は、上述した第3実施形態における第1入賞処理(図123参照)と同様に、パチンコ機10において大当たり遊技中に可変入賞装置65(特定入賞口65a)へ入賞した球に基づく処理が実行される。
第1入賞処理2(Y2113)が実行されると、上述した第3実施形態の第1入賞処理(図123参照)のY2401〜Y2404と同一の処理が実行される。そして、Y2404の処理を終えると、当たり入賞コマンドを設定し(Y2431)、次いで、上述した第1入賞処理(図123参照)のY2405〜Y2411と同一の処理が実行され、本処理を終了する。この第1入賞処理2(Y2113)において、当たり入賞コマンドを設定することで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと大当たり遊技中に可変入賞装置65(特定入賞口65a)に入賞した球に関する情報を出力することができる。
この当たり入賞コマンドには、大当たり遊技における1回のラウンド中に入賞した球数に関する情報が付与されており、音声ランプ制御装置113では、当たり入賞コマンドを受信した場合に、後述する当たり入賞コマンド処理(図194参照)が実行され、当たり遊技中の入賞演出(図185参照)を実行するか否かが判別される。
次に、図189を参照して、第2入賞処理2(Y2513)について説明する。図189は、第2入賞処理2(Y2513)を示すフローチャートである。この第2入賞処理2(Y2513)は、上述した第3実施形態における第2入賞処理(図126参照)と同様に、パチンコ機10において小当たり遊技中に可変入賞装置65(特定入賞口65a)へ入賞した球に基づく処理が実行される。
第2入賞処理(Y2513)が実行されると、上述した第2入賞処理(図126参照)のY2701〜Y2704と同一の処理が実行される。そして、Y2704の処理を終えると、当たり入賞コマンドを設定し(Y2731)、次いで、上述した第2入賞処理(図126参照)のY2705〜Y2711と同一の処理が実行され、本処理を終了する。この第2入賞処理2(Y2513)において、当たり入賞コマンドを設定することで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと小当たり遊技中に可変入賞装置65(特定入賞口65a)に入賞した球に関する情報を出力することができる。
この当たり入賞コマンドには、小当たり遊技中に入賞した球数に関する情報が付与されており、音声ランプ制御装置113では、当たり入賞コマンドを受信した場合に、後述する当たり入賞コマンド処理(図194参照)が実行され、当たり遊技中の入賞演出(図185参照)を実行するか否かが判別される。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図190から図196を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第5実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第3実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、コマンド判定処理(図130参照)に代えてコマンド判定処理3(図190のY4111)、変動表示設定処理(図135参照)に代えて変動表示設定処理2(図195のY4112)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。
まず、図190を参照して、コマンド判定処理3(Y4111)について説明をする。図190はコマンド判定処理3(Y4111)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理3は上述した第3実施形態におけるコマンド判定処理(図130参照)と同様に、主制御装置110から出力された各種コマンドを受信した場合に各種処理が実行される処理である。
コマンド判定処理3(Y4111)は、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130)に対して、特図2変動パターンコマンドを受信した場合に(図190のY4306:Yes)、特図2変動設定処理(図191のY4351)が実行される点と、状態コマンドを受信した場合に(図190のY4313:Yes)、状態コマンド処理(図132参照)に代えて状態コマンド処理3(図192参照)が実行される点と、当たり関連のコマンドを受信したことを判別する処理(図190のY4352)と、当たり関連のコマンドを受信した場合に(図190のY4352:Yes)、当たり関連コマンド処理(図193参照)が実行される点で相違し、その他の処理は同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(Y4111)が実行されると、まず、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)と同様にY4301〜Y4306の処理が実行される。そして、Y4306の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(Y4306:Yes)、特図2変動設定処理が実行される(Y4351)。
ここで、図191を参照して、特図2変動設定処理(Y4351)について説明をする。図191は、特図2変動設定処理(Y4351)の内容を示すフローチャートである。この特図2変動設定処理(Y4351)では、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)と同様に特図2変動開始フラグ2230eをオンに設定する処理(Y5101)、および受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する処理(Y5102)を実行するとともに、上乗せ演出(図184(a)参照)を実行するか否かを判別する処理(Y5103〜Y5108)が実行される。
まず、特図2変動設定処理(Y4351)が実行されると、特図2変動開始フラグ2230eがオンに設定され(Y5101)、次に、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(Y5102)。なお、上述したY5101の処理は、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)のY4307の処理と同一であり、Y5102の処理は、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)のY4308の処理と同一であるため、その詳細な内容の説明を省略する。
次いで、残確変回数エリア2230oに設定されている残確変回数(以下、実質残確変回数と称す)と演出確変回数エリアに設定されている残確変回数(以下、演出残確変回数と称す)とが比較判別される(Y5103)。Y5103の処理において、演出残確変回数の値が実質残確変回数の値よりも少ないと判別された場合、即ち、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数の値が、実際に設定されている残確変回数(主制御装置110の遊技状態更新処理(図105参照)において更新される残確変回数)よりも少なく、上乗せ演出を実行可能な状態であると判別された場合は(Y5103:Yes)、演出カウンタ2230hの値を取得し(Y5104)、次いで、上乗せ演出テーブル2220caを参照し、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値とY5104の処理にて取得した演出カウンタ2230hの値とに基づいて上乗せ演出種別を選択する(Y5105)。
一方、Y5103の処理において、演出残確変回数の値が、実質残確変回数の値よりも少なくない(同一または多い)と判別された場合、即ち、上乗せ演出によって演出残確変回数の値を加算することが出来ないと判別された場合は(Y5103:No)、そのまま本処理を設定する。
Y5105の処理を終えると、次に、上乗せ演出が選択されたかが判別される(Y5106)。Y5106の処理において、上乗せ演出なしが選択されたばあい、即ち、Y5105の処理において、実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が「1〜40」であって、取得した演出カウンタ2230hの値が「0〜99」の場合、および実質残確変回数の値と演出残確変回数の値との差分値が「41〜80」であって、取得した演出カウンタ2230hの値が「0〜49」の場合には(Y5106:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y5106の処理において、上乗せ演出を選択したと判別された場合は(Y5106:Yes)、選択された上乗せ演出の種別を上乗せ演出種別格納エリア2230ccに設定し(Y5107)、上乗せ演出フラグ2230cbをオンに設定し(Y5108)、本処理を終了する。
図190に戻り、説明を続ける。Y4306の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(Y4306)、次に、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)のY4309〜Y4318と同一の処理を実行する。そして、Y4317の処理において、残確変回数コマンドまたは残時短回数コマンドを受信していないと判別された場合には(Y4317:No)、当たり関連のコマンドを受信したかが判別される(Y4352)。
Y4352の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別された場合には(Y4352:No)、上述した第3実施形態のコマンド判定処理(図130参照)同様にその他のコマンドに応じた各種処理が実行され(Y4319)、本処理を終了する。
一方、当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合は(Y4352:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行し(Y4353)する。この当たり関連コマンド処理(Y4353)は、主制御装置110から出力される当たりに関連する各コマンドが出力された場合に実行される処理であり、具体的には、当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)が開始される場合に出力されるオープニングコマンド、大当たり遊技にて新たなラウンド遊技が開始される場合に出力されるラウンド開始コマンド、当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)が実行されている間の特定入賞口65aへの球の入賞に基づいて出力される当たり入賞コマンド、当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)においてエンディング期間が開始される場合に出力されるエンディングコマンド、その他当たりに関するコマンド(V入賞コマンド等)が主制御装置110から出力された(を受信した)と判別した場合に実行される。
ここで、図193を参照して、当たり関連コマンド処理(Y4353)について説明をする。図193は、当たり関連コマンド処理(Y4353)の内容を示すフローチャートである。
当たり関連コマンド処理(Y4353)が実行されると、まず、オープニングコマンドを受信したか否かが判別され(Y5201)、オープニングコマンドを受信したと判別された場合は(Y5201:Yes)、次に、表示用オープニングコマンドを設定する(Y5202)。一方、Y5201の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(Y5201:No)、次にラウンド開始コマンドを受信したかが判別される(Y5203)。
Y5203の処理において、ラウンド開始コマンドを受信したと判別された場合は(Y5203)、表示用ラウンドコマンドを設定し(Y5204)、本処理を終了する。一方、Y5203の処理において、ラウンド開始コマンドを受信していないと判別された場合は(Y5203:No)、次いで、当たり入賞コマンドを受信したかが判別される(Y5205)。この当たり入賞コマンドは、主制御装置110において実行される第1入賞処理2(図188のY2113参照)および第2入賞処理2(図189のY2513参照)にて設定されるコマンドであって、大当たり遊技または小当たり遊技中に可変入賞装置65(特定入賞口65a)に球が入球したことに基づいて出力されるコマンドである。なお、この当たり入賞コマンドには、入賞した球数に関する情報や実行されている当たり遊技の種別(大当たり種別や小当たり種別)と特定可能な情報が含まれているものである。
ここで、当たり入賞コマンド処理(Y5206)について、図194を参照して説明をする。図194は、当たり入賞コマンド処理(Y5206)の内容を示すフローチャートである。
この当たり入賞コマンド処理(Y5206)の処理が実行されると、まず、状態設定エリアに基づいて当選時の遊技状態を特定し(Y5301)、次いで、当選時の遊技状態が潜確状態であるかを判別する(Y5302)。潜確状態では無いと判別すると(Y5302:No)、入賞演出を選択し(Y5305)、Y5306の処理へ移行する。一方、Y5302の処理において、潜確状態であると判別されると(Y5302:Yes)、潜確状態中の当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)にて実行される入賞演出を選択する際に用いられる演出カウンタ2230hの値を取得し(Y5303)、取得した演出カウンタ2230hの値と、入賞演出テーブル2220cbとに基づいて入賞演出を選択する(Y5304)。
Y5304の処理あるいはY5305の処理を終えると、次に、入賞演出が選択されたかを判別し(Y5306)、入賞演出が選択されたと判別した場合は(Y5306:Yes)、選択された入賞演出を示す表示用入賞演出コマンドを設定し(Y5307)、本処理を終了する。一方、Y5306の処理において、入賞演出が選択されていないと判別された場合は(Y5306:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図195を参照して、変動表示設定処理2(Y4112)について説明をする。図195は、変動表示設定処理2(Y4112)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理2(Y4112)は、上述した第3実施形態の変動表示設定処理(図135参照)に対して、演出残確変回数の表示内容を更新する処理と、上乗せ演出フラグ2230cbがオンに設定されている場合において上乗せ演出を実行する処理とが追加されている。なお、それ以外の同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、変動表示設定処理2(Y4112)では、第3実施形態の変動表示設定処理(図135)のY4701〜Y4704と同一の処理が実行され、Y4704の処理を終えると、状態設定エリア2230iに設定されている情報に基づいて。現在が潜確状態中であるかが判別される(Y4731)。
Y4731の処理において、現在が潜確状態ではないと判別された場合は(Y4731:No)、潜確状態中に第3図柄表示装置81に表示される演出残確変回数を更新する処理(Y4732〜Y4736)をスキップしてY4705へ移行する。一方、現在の遊技状態が潜確状態であると判別された場合は(Y4731:Yes)、次に、演出確変回数エリア2230pに設定されている演出残確変回数を1減算し(Y4732)、減算された演出残確変回数の値が0よりも大きいかを判別する(Y4733)。Y4733の処理において、演出残確変回数の値が0よりも大きいと判別した場合、つまり、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1(図183(a)参照)に「1回」以上の演出残確変回数が表示されている場合は(Y4733:Yes)、演出確変回数エリア2230pに設定されている演出残確変回数の値に基づいて、表示用残確変回数コマンドを設定する(Y4734)。
一方、Y4733の処理において、演出残確変回数の値が0よりも大きくない(0である)と判別された場合は(Y4733:No)、次に、残確変回数エリア2230oに設定されている実質残確変回数の値が0よりも大きいかを判別する(Y4735)。即ち、演出残確変回数の値が0であるが、実質残確変回数の値が0ではない(1以上)であるか否かを判別する。
Y4735の処理において、実質残確変回数の値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y4735:No)、上述したY4734の処理へと移行し、演出残確変回数の値に基づいて、表示用残確変回数コマンド(即ち、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に「0回」を示すためのコマンド)を設定する(Y4734)。そして、Y4705の処理へ移行する。
一方、Y4735の処理において、実質残確変回数の値が0よりも大きいと判別した場合は(Y4735:Yes)、演出残確変回数「???」を示す表示用残確変回数コマンドを設定し(Y4736)、Y4705の処理へ移行する。このようにすることで、実質残確変回数の値が0では無い状況において、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数が「0回」となる場合には「0回」の表示に代えて「???」を表示することができる(図184(b)参照)。よって、演出残確変回数として「0回」が表示された後にも潜確状態が継続してしまう事態を抑制することができる。また、演出残確変回数を「???」とすることにより、遊技者に対して潜確状態がいつまで継続するのかを予測させながら遊技を行わせることができ、演出効果を高めることができる。
Y4701の処理において、特図1変動開始フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合(Y4701:No)、Y4731の処理において潜確状態では無いと判別された場合(Y4731:No)、および、Y4734の処理あるいはY4736の処理を終えると、次いで、上述した第3実施形態の変動表示設定処理(図135参照)のY4705と同一の処理が実行される。
Y4705の処理において、特図2変動開始フラグ2230eがオンに設定されていると判別した場合には(Y4705:Yes)、次に、特図2変動開始処理を実行する(Y4737)。この特図2変動開始処理(Y4737)については、図196を参照してその詳細な内容を後述する。
一方、特図2変動開始フラグ2230eがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合には(Y4705:No)、特図2変動開始処理(Y4737)をスキップしてY4709の処理へと移行し、上述した第3実施形態の変動表示設定処理(図135参照)のY4709〜Y4711と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、潜確状態に突入した(潜確状態が設定された)場合に、内部的に設定される確変回数(120回)よりも少ない回数(例えば「100回」)を残回数表示領域D1に表示するように構成している。これにより、潜確状態が設定された時点で実質残確変回数と演出残確変回数とを相違させる(実質残確変回数よりも演出残確変回数を少なく表示する)ことが可能となるため、潜確状態中において、演出残確変回数を上乗せする演出を実行しやすくすることができる。なお、本第5実施形態では上述した第3実施形態と同様に各特図(特図1及び特図2)の変動が実行される毎に(実質残確変回数が減算される毎に)、残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を減算するように構成しているが、例えば、潜確状態において遊技者に有利ではない側の特図(特図1)の変動が実行された場合には演出残確変回数を減算しないように構成してもよい。この場合、本実施形態のように潜確状態を開始するタイミング(潜確状態が設定されるタイミング)で残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を実質残確変回数よりも少なく表示することにより、遊技者に有利ではない側の特図(特図1)の変動に対して演出残確変回数を減算しなくても、実質残確変回数よりも演出残確変回数が多くなる事態が発生することを抑制することができる。
加えて、本第5実施形態では、特図の抽選結果として実質残確変回数が初期値(120回)に設定される大当たりに当選した場合の大当たり遊技および特図の抽選結果として実質残確変回数が初期値(120回)に設定されることが無い小当たりに当選した場合の小当たり遊技中に演出残確変回数を所定回数(例えば、5回〜40回)上乗せする上乗せ演出を実行するように構成している。これにより、潜確状態中に当たり遊技(可変入賞装置65が開閉動作する遊技)が実行される場合に、実質確変回数が初期値(120回)に再設定されたか否か(潜確状態中に特図大当たりに当選したか否か)を遊技者が容易に把握してしまうことをより抑制することができる。
また、本第5実施形態では、潜確状態を開始するタイミング(潜確状態が設定されるタイミング)および潜確状態中に特図大当たりに当選した場合に発生する実質確変回数と演出残確変回数との差を埋めるために、潜確状態中の特図変動演出として残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数を上乗せする上乗せ演出を実行するように構成している。これにより、潜確状態中の様々なタイミングで演出残確変回数を上乗せすることができるため、潜確状態中に実質確変回数が初期値(120回)に再設定されたか否か(潜確状態中に特図大当たりに当選したか否か)を遊技者が容易に把握してしまうことをより抑制することができる。
さらに、本第5実施形態では、各タイミング(特図変動タイミング、当たり遊技実行中タイミング)において実行される上乗せ演出にて表示される上乗せ回数(残回数表示領域D1に表示される演出残確変回数に加算される回数)の値が、実質確変回数と演出残確変回数との差分に基づいて変更されるように構成している(図182参照)。これにより、上乗せ演出により演出残確変回数が大きく加算された場合は、遊技者に対して潜確状態中に実質確変回数が初期(120回)となる特図大当たりに当選したのではと思わせることが可能となるとともに、実質確変回数と演出残確変回数とが大きく乖離した状態で演出残確変回数が「0回」となることを抑制することができる。
本第5実施形態では、潜確状態中に当たり(例えば、大当たり遊技のうち出玉の少ない大当たり遊技や小当たり遊技)に当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)中に実行される当たり中演出として可変入賞装置65へ球が入賞したことに基づく表示を第3図柄表示装置81で実行する構成としている(図185参照)。これにより、潜確状態中に当たり遊技が実行されることを遊技者が容易に把握可能とすることができる。そして、この当たり遊技中に実行される当たり中演出として、第3図柄表示装置81に表示される表示態様(例えば、可変入賞装置65に球が入球した場合に払い出される賞球数を表示する表示態様)が第3図柄表示装置81に表示される割合を大当たり遊技が実行されている場合と小当たり遊技が実行されている場合とで異ならせるように構成している。これにより、小当たり遊技よりも1回の当たり遊技で可変入賞装置65に入賞する球数が多い大当たりに当選した場合であっても、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を小当たり遊技に対応する当たり中演出と同様にすることが可能となる。よって、潜確状態中に当たり遊技が実行されることを遊技者に分かりやすく報知(表示)をしながら、その当たり遊技が大当たり遊技なのか小当たり遊技なのかを遊技者に分かり難く報知(表示)することができ、遊技者が最後まで期待を持ちながら潜確状態を遊技することができる。
<第6実施形態>
次に、図197〜図217を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、潜確状態中に大当たりになり、新たに120回の潜確状態が設定された(確変カウンタ2030kの値が120に上書きされた)場合に、表示上の潜確状態の残り回数は大当たりとなる前の回数を引き続き表示させる構成としていた。そして、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数とに差分が生じた状態で、表示上の残り回数が0回になった場合には、実際の残り回数を上乗せして表示させる復活演出を実行する構成としていた。即ち、表示上の残り回数が上乗せ表示されるタイミングを、残り回数が0回となったタイミングに限る構成としていた。
これに対して本第6実施形態では、実際の潜確状態の残り回数と、表示上の残り回数とに差分が生じている場合において、表示上の残り回数に上乗せ表示する契機を複数設ける構成とした。より具体的には、差分が生じている状態において、変動開始時に上乗せ演出を実行するか否かの抽選を行い、抽選に当選した場合には、表示上の残り回数が上乗せされる可能性があることを示唆する上乗せ演出を実行する構成とした。この上乗せ演出では、枠ボタン22の操作タイミングに応じて上乗せ表示される回数を可変させる構成としている。これにより、遊技者の上乗せ演出に対する参加意欲の向上を図っている。以降、枠ボタン22の操作(押下)によって表示上の残り回数を上乗せする上乗せ演出のことを、押下上乗せ演出と称する。
また、本第6実施形態では、表示上の残り回数が0回になり、且つ、実際の残り回数が0でない(1以上である)場合に、残り回数の目安を表示させない(非表示にする)非表示態様を設定する構成としている。これにより、潜確状態がいつ終了するかを遊技者が判別し難くすることができるので、潜確状態において緊張感のある遊技性を提供することができる。更に、非表示態様が設定されている場合において、実際の潜確状態の残り回数(確変カウンタ2030kの値)が所定回数(5回)以内の状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合(即ち、潜確状態が終了する直前で潜確状態の残り回数が120回に更新された場合)には、通常の上乗せ演出とは異なる態様の特殊な上乗せ演出(特殊上乗せ演出)を実行する構成としている。これにより、特殊上乗せ演出を確認した遊技者に対して、実際の残り回数が0になる直前で大当たりに当選し、潜確状態が新たに設定されたことを認識させることができるので、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。
また、本第6実施形態では、上乗せ演出以外にも、枠ボタン22の操作によって演出態様が可変する演出が設けられている。具体的には、通常状態や確変状態において、保留図柄の態様を枠ボタン22の操作内容に応じて変化させる保留予告演出が設けられている。この保留予告演出では、予告演出を実行する保留図柄の範囲を遊技者の枠ボタン22に対する操作(遊技者の選択)に基づいて決定し、遊技者が選択した範囲の保留球に対する先読み結果に基づいて、保留図柄を用いた予告演出を実行する構成としている。これにより、選択した範囲に対する予告演出として期待度の高い演出が実行された場合には、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。また、選択した範囲に対する予告演出として、期待度の低い演出が実行された場合であっても、選択範囲とは異なる保留球を選択していれば、期待度の高い予告演出が実行されたかも知れないと遊技者に思わせることができる。よって、選択範囲外の保留図柄に対応する保留球に対して、大当たりを期待させることができるという斬新な演出を提供することができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2220およびRAM2230の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図197〜図202を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10において実行される特徴的な各種演出の表示態様について説明する。図197、および図198は、本第6実施形態において保留予告演出が実行された場合の表示態様を示した図であり、図199、および図200は、本第6実施形態において押下上乗せ演出が実行された場合の表示態様を示した図であり、図201、および図202は、潜確状態において残り回数が非表示となる非表示態様が設定された場合の表示態様を示した図である。
図197(a)は、本実施形態における保留予告演出が開始された場合における第3図柄表示装置81の表示内容を示した図である。図197(a)に示した通り、保留予告演出が開始されると、副表示領域Ds1の左上側に、「誰に餌をあげるかPUSHで決めてね」という文字が表示された表示領域Ds1aが形成される。この文字により、遊技者に対して枠ボタン22の押下を促すことができる。また、保留図柄Dh1〜Dh4の下側に、保留図柄の数よりも少ない個数の骨付き肉が載せられたトレーDs1bが表示される。図197(a)の例では、保留球が4個に対して、骨付き肉が3個の場合を例示している。このトレーDs1bは、左右方向へ往復する態様で表示される。
そして、遊技者が表示領域Ds1aに表示された文字に従って枠ボタン22を押下した場合には、その押下したタイミングでトレーDs1bの往復動作が停止される。図197(b)では、保留図柄Dh2〜Dh4の下方にトレーDs1bが配置されたタイミングで枠ボタン22が押下された場合を例示している。この場合、保留図柄Dh2〜Dh4の下方でトレーDs1bが停止されると共に、停止されたトレーDs1bの上方に表示された保留図柄Dh2〜Dh4の態様として、笑顔で喜んでいる態様に変更される。これにより、態様が変更された保留図柄Dh2〜Dh4が、今回の保留予告の対象となったことを遊技者に対して認識させることができる。
なお、表示領域Ds1aが形成されている間に遊技者が枠ボタン22を押下しなかった場合には、表示領域Ds1aの表示時間(例えば、2秒間)経過時点でトレーDs1bの往復動作が停止される。
次いで、図197(c)に示した通り、遊技者の操作によって選択された(トレーが下側に停止された)範囲の保留図柄により、トレーに載せられた骨付き肉を食べる演出が実行され、各保留図柄が骨付き肉を食べきった後で、骨付き肉を食べた保留図柄の一部又は全部が卵を産む演出が実行される。図197(c)では、保留図柄Dh2、および保留図柄Dh4が、それぞれ卵Dh2a,Dh4aを産む態様が例示されている。卵を産んだ保留図柄は、期待度の高い保留球に基づく保留図柄であることを遊技者に示唆するために表示される。より具体的には、選択範囲の保留図柄が示す保留球の中に、リーチが発生する保留球が含まれている場合には、その保留球に対応する保留図柄が骨付き肉を完食した後で卵を産む演出が実行される。なお、選択範囲にリーチが発生する保留球に対応する保留図柄が含まれていない場合には、卵を産む演出が実行されることはない。これにより、リーチ演出が発生することを、保留球に基づく第1特別図柄の抽選が実行されるよりも前に遊技者に察知させることができるので、リーチ演出を楽しみに遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、保留予告演出は、リーチ演出が発生する保留球が存在する場合の方が実行を決定され易くなるように構成されている。よって、骨付き肉を食べる演出の後に卵を産む演出が実行されなかった場合には、遊技者が枠ボタン22の操作によって選択した保留図柄の範囲外の保留図柄に、リーチ演出が発生する保留球に対応する保留図柄が含まれている可能性が高くなる。よって、遊技者が選択した範囲内の保留図柄により卵を産む演出が実行されれば、その卵を産んだ保留図柄に対応する保留球に対して大当たりを期待させることができる上に、卵を産む演出が実行されなかった場合には、遊技者が選択した範囲外の保留図柄に対応する保留球に対して大当たりを期待させることができるという斬新な演出を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
保留図柄が卵を産む演出の実行後は、図198(a)に示した通り、表示領域Ds1aの内部に、枠ボタン22の連打を促す画像が表示される。この画像により、枠ボタン22を連打することで演出が発展することを遊技者に認識させることができるので、遊技者に対して枠ボタン22を連続して押下させることができる。よって、遊技者の保留予告演出に対する参加意欲を向上させることができる。
遊技者が表示領域Ds1aに表示された画像の指示に従って枠ボタン22を連打し、演出発生時に定められた規定の連打回数に到達すると、保留図柄Dh1〜Dh4の右側に表示された家屋Ds1cの内部に卵が移動する演出が実行される。なお、卵は保留された順序が古い保留図柄から順に移動する。図198(b)は、保留図柄Dh2の上部に表示された卵Dh2aのみが家屋Ds1cの内部に移動する場合を例示している。家屋Ds1cへの移動は、保留球に基づく変動表示においてスーパーリーチに発展する可能性があることを示唆している。スーパーリーチは、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択され易く、外れの場合に選択され難いので、大当たりとなる期待度が高くなる。よって、遊技者に対して、枠ボタン22をより真剣に連打させることができる。なお、家屋Ds1cに移動しただけではスーパーリーチが発生するか否かが未確定であり、図198(c)に示したように、卵Dh2aが割れて、中から「スーパーリーチ確定」という文字が発生した場合に、スーパーリーチが確定する。
このように、本第6実施形態では、保留予告演出が実行された場合に、予告を発生させる保留図柄の範囲を遊技者の選択によって決定する構成としている。これにより、保留予告演出の内容に応じて、遊技者が選択した範囲内の保留球に期待感を抱かせたり、遊技者の選択範囲外の保留球に期待感を抱かせることができる。よって、これまでにない斬新な保留予告演出を提供することができる。
なお、本第6実施形態では、枠ボタン22の連打により家屋Ds1cへと卵の図柄が移動するか否かを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、家屋Ds1cへと移動する演出を省略し、連打によって卵が割れればスーパーリーチが確定するという態様の演出を実行してもよい。つまり、遊技者による1回の連打で、スーパーリーチに発展するのか否かを全ての卵図柄に対して一括して報知する構成としてもよい。このように構成することで、より判り易い演出とすることができる。
次に、図199、および図200を参照して、潜確状態中に実行される押下上乗せ演出について説明する。この押下上乗せ演出は、枠ボタン22の押下(操作)を行うことで表示上の潜確状態の残り回数が上乗せされる可能性があることを示す演出である。この押下上乗せ演出には、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に上乗せされる回数が比較的少ない(または0回となる)通常態様と、上乗せされる回数が比較的多い特別態様とが設けられている。特別態様は、表示上の残りの潜確状態の回数と、実際の残りの潜確状態の回数との差分が30以上となっている場合や、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に選択され易い態様である。一方、通常態様は、表示上の残り回数と、実際の残り回数との差分が30未満の場合に選択され易くなる態様である。
まず、通常態様について、図199、および図200(a)を参照して説明する。図199(a)は、通常態様の押下上乗せ演出の実行開始時における第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示した図である。図199(a)に示した通り、押下上乗せ演出が開始されると、主表示領域Dmの中央付近に「push」という文字が記載されたボタンD2が表示されると共に、その上側に「上乗せチャンス」という文字が表示される。更に、ボタンD2の下方には、横長略長方形形状の表示領域D3が表示されると共に、表示領域D3の下方に、「タイミングを合わせてボタンを押せ!!」という文字が表示された表示領域D4が表示される。表示領域D3は、「?」の文字が付された小領域D3b,D3fと、「チャンス!」の文字が付された小領域D3c,D3eと、「激アツ!!!」の文字が付された小領域D3dと、各小領域上を正面視左側から右側に向かってスクロールするスクロールバーD3aとで構成されている。これらの表示内容により、タイミング良く枠ボタン22を操作することにより表示上の確変回数が増加する可能性があることを遊技者に対して容易に認識させることができる。なお、上乗せ回数は、小領域D3d上にスクロールバーD3aが配置されたタイミングで枠ボタン22を押下した場合に最も多くなり、小領域D3b,D3f上にスクロールバーD3aが配置されたタイミングで枠ボタン22を押下した場合に最も少なくなる。
図199(b)は、小領域D3d上にスクロールバーD3aが配置されたタイミングで枠ボタン22を押下した場合の表示内容を示した図である。図199(b)に示した通り、「激アツ!!!」という文字が付された小領域D3d上にスクロールバーD3aが配置されたタイミングで遊技者が枠ボタン22を操作(押下)すると、「+5」という文字が表示された上乗せ回数表示領域D5が表示されると共に、その上乗せ回数表示領域D5の上側に、「GET」という文字が表示される。また、残回数表示領域D1に表示された残り回数に5回が上乗せ表示される。更に、表示領域D4に対して、「上乗せ5回GET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して今回の押下上乗せ演出において上乗せされた表示上の残り回数を容易に理解させることができる。なお、スクロールバーD3aを押下するタイミングと、上乗せされる表示上の残り回数との対応関係は、音声ランプ制御装置113のROM2220に規定されている。
図200(a)は、上乗せされる期待度が低い「?」の文字が付された小領域D3f上にスクロールバーD3aが配置されたタイミングで遊技者が枠ボタン22を押下した場合の表示内容を示した図である。この場合は、図200(a)に示した通り、ボタンD2が真二つに割れると共に、ボタンD2の上方に「残念・・・」という文字が表示される。また、表示領域D4に対して、「上乗せ失敗・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して枠ボタン22の操作タイミングが悪かったことを容易に認識させることができる。よって、次に押下上乗せ演出が実行された場合には、より良いタイミングで枠ボタン22を押下しようと思わせることができるので、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図200(b)を参照して、特別態様の押下上乗せ演出について説明する。特別態様の押下上乗せ演出が実行されると、主表示領域Dmの画面中央付近に、通常態様で表示されるよりも巨大なボタンD2が表示されると共に、ボタンD2の上側に、「超上乗せチャンス」という文字が表示される。これにより、見た目から明らかに通常態様とは異なる特別な演出が開始されたことを遊技者に対して理解させることができる。
また、表示領域D3の各小領域D3b〜D3hには、スクロールバーD3aが配置されたタイミングで枠ボタン22が押下された場合に上乗せ表示される回数(5回〜30回)が表示される態様に設定されると共に、表示領域D4に対して、「己の力で上乗せ回数を決めるんだ!!」という文字が表示される。これらにより、遊技者に対して、自己が枠ボタン22を操作したタイミングが上乗せ回数を左右すること(所謂、出来レースではないこと)を遊技者に対して認識させることができる。よって、遊技者に対してより積極的に枠ボタン22を押下させることができるので、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図201、および図202を参照して、潜確状態中の非表示態様について説明する。この非表示態様は、上述した通り、表示上の潜確状態の残り回数が0回になった場合に設定される可能性があり、潜確状態がいつ終了するかを不明確にして遊技者に緊張感を与えるための演出である。
図201(a)に示すように、残回数表示領域D1に表示された潜確状態の残り回数が0回になると、第3実施形態と同様に、ウサギを模したキャラクタ811が地面に倒れ込む態様に設定される。また、本実施形態では、キャラクタ811の上部に表示された表示領域812に「終了・・・?」という文字が表示される。即ち、潜確状態が終了するか否かがまだわからないかのような表示内容に設定される。
そして、実際の潜確状態の残り回数が0回になっていなかった場合には、図201(b)に示した非表示態様に移行する。具体的には、図201(b)に示した通り、ウサギを模したキャラクタ811の背後から岩石813が迫ってくる態様の演出が実行されると共に、主表示領域Dmの下方に、「ピンチ!!」という文字が複数表示された表示領域が出現する。更に、残回数表示領域D1の内部に、残りの潜確状態の回数の目安に代えて、「???」という文字が表示される。これらの表示により、潜確状態は未だ終了していないものの、いつ終了するのかわからない状態になったということを認識させることができる。よって、潜確状態の終了が近いのかもしれないという不安感から、遊技に対して緊張感を持って臨ませることができる。
図202(a)は、非表示態様において、実際の潜確状態の残り回数が0回になり、潜確状態が終了した場合の表示内容を示した図である。図202(a)に示した通り、非表示態様が設定されている状態で潜確状態が終了すると(確変カウンタ2030kの値が0になると)、キャラクタ811が岩石813によって押し潰される演出が行われる。押し潰されたキャラクタ811の上方の表示領域812に、「終了!!」という文字が表示される。これらの表示により、潜確状態が終了したことを遊技者に対して明確に理解させることができる。
また、図202(b)は、非表示態様に設定され、且つ、潜確状態の残り回数が5回以内の状態で大当たりとなった場合の表示態様(ピンチ脱出演出)を示した図である。潜確状態の終了間際で第2特別図柄の大当たりになると、基本的に大当たり後に120回の潜確状態が設定されるため、遊技者にとって有利となる。この場合には、図202(b)に示した通り、キャラクタ811が、背後から迫ってきた岩石813を飛び越える演出が実行される。また、岩石813の左側に「ピンチ脱出!!」という文字が表示されると共に、残回数表示領域D1の表示が、「残り100回」に更新される。このピンチ脱出演出は、潜確状態の終了間際(潜確状態が残り5回以内)で大当たりとなった場合にしか行われないため、このピンチ脱出演出を確認した遊技者に対して、潜確状態が終了する間際で大当たりとなり、新たに潜確状態が付与されたことを認識させることができる。従って、遊技者に対し、タイミング良く大当たりとなったことを喜ばせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図203〜図207を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図203(a)は、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のROM2220の構成を示したブロック図である。図203(a)に示した通り、本第6実施形態におけるROM2220には、第3実施形態におけるROM2220の構成に加えて、上乗せ演出選択テーブル2220daと、押下期間テーブル2220dbと、保留予告判定テーブル2220dcとが設けられている。
上乗せ演出選択テーブル2220daは、潜確状態において押下上乗せ演出を実行するか否か、および実行する押下上乗せ演出の態様(通常態様、特別態様のいずれか)を決定するために参照されるデータテーブルである。この上乗せ演出選択テーブル2220daの詳細について、図204、および図205を参照して説明する。
図204(a)は、上乗せ演出選択テーブル2220daの構成を示すブロック図である。図204(a)に示した通り、上乗せ演出選択テーブル2220daは、特別図柄の抽選結果が小当たりとなり、且つ、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加度が通常(過去5回以内の上乗せ演出で遊技者が枠ボタン22を操作している)場合に参照される参加度通常用テーブル2220da1と、特別図柄の抽選結果が小当たりとなり、且つ、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加度が低い(過去5回以上に渡る上乗せ演出で遊技者が枠ボタン22を操作していない)場合に参照される参加度低用テーブル2220da2と、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に参照される大当たり用テーブル2220da3とが設けられている。
まず、参加度通常用テーブル2220da1の詳細について、図204(b)を参照して説明する。図204(b)は、参加度通常用テーブル2220da1の規定内容を示した図である。図204(b)に示した通り、参加度通常用テーブル2220da1は、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態との残り回数との差分毎に、演出カウンタ2230hの値の範囲と、押下上乗せ演出の種別(態様)とが対応付けて規定されている。
図204(b)に示した通り、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態との残り回数との差分が5回〜29回の範囲内の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜95」の範囲に対して「上乗せ演出無し」が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ2230hの値が「96〜99」の範囲には、「通常態様」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の抽選で小当たりとなり、参加度通常用テーブル2220da1が参照された場合には、96%(96/100)の割合で「上乗せ演出無し」が選択されるので、押下上乗せ演出が実行されない。また、4%(4/100)の割合で通常態様の押下上乗せ演出が実行される。なお、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態との残り回数との差分が5回〜29回の範囲内において特別態様を選択しないのは、表示上の残り回数と実際の残り回数との差分を上回る上乗せ表示が行われてしまうことを防止するためである。
また、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数との差分が30回以上の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜90」の範囲に対して「上乗せ演出無し」が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ2230hの値が「91〜97」の範囲には、「通常態様」が対応付けて規定され、演出カウンタ2230hの値が「98,99」の範囲には、「特別態様」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の抽選で小当たりとなり、参加度通常用テーブル2220da1が参照された場合には、91%(91/100)の割合で「上乗せ演出無し」が選択されるので、押下上乗せ演出が実行されない。また、7%(7/100)の割合で通常態様の押下上乗せ演出が実行され、2%(2/100)の割合で特別態様の押下上乗せ演出が実行される。
このように、表示上の残り回数と実際の残り回数との差分が多ければ(30以上であれば)、押下上乗せ演出の発生確率が上昇する構成としているので、差分が多くなりすぎることを防止することができる。
次に、図205(a)を参照して、参加度低用テーブル2220da2の詳細について説明する。図205(a)は、この参加度低用テーブル2220da2の規定内容を示した図である。図205(a)に示した通り、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態との残り回数との差分が5回〜29回の範囲内の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜90」の範囲に対して「上乗せ演出無し」が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ2230hの値が「91〜99」の範囲には、「通常態様」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の抽選で小当たりとなり、参加度通常用テーブル2220da1が参照された場合には、91%(91/100)の割合で「上乗せ演出無し」が選択されるので、押下上乗せ演出が実行されない。また、9%(9/100)の割合で通常態様の押下上乗せ演出が実行される。即ち、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加度が低い場合には、押下上乗せ演出の頻度をアップ(4%→9%)させている。これにより、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。
また、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数との差分が30回以上の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜80」の範囲に対して「上乗せ演出無し」が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ2230hの値が「81〜94」の範囲には、「通常態様」が対応付けて規定され、演出カウンタ2230hの値が「95〜99」の範囲には、「特別態様」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の抽選で小当たりとなり、参加度通常用テーブル2220da1が参照された場合には、81%(81/100)の割合で「上乗せ演出無し」が選択されるので、押下上乗せ演出が実行されない。また、14%(14/100)の割合で通常態様の押下上乗せ演出が実行され、5%(5/100)の割合で特別態様の押下上乗せ演出が実行される。即ち、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数との差分が30回以上の場合にも、押下上乗せ演出の頻度をアップ(9%→19%)させている。これにより、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図205(b)を参照して、大当たり用テーブル2220da3について説明する。この大当たり用テーブル2220da3は、上述した通り、潜確状態中に特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に参照されるテーブルである。図205(b)に示した通り、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態との残り回数との差分が5回〜29回の範囲内の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜99」の範囲に対して「通常態様」が対応付けて規定されている。即ち、必ず通常態様の押下上乗せ演出が実行される。
また、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数との差分が30回以上の場合、演出カウンタ2230hの値が「0〜49」の範囲に対して「通常態様」が対応付けて規定され、演出カウンタ2230hの値が「50〜99」の範囲には、「特別態様」が対応付けて規定されている。つまり、必ず通常態様、または特別態様の押下上乗せ演出が実行される。このように、潜確状態において、表示上の残り回数と実際の残り回数との差分が5以上の状態で大当たりになった場合は、必ず押下上乗せ演出が実行される構成としている。このように構成することで、押下上乗せ演出が発生した場合に、大当たりとなったことを期待させることができる。特に、特別態様の上乗せ演出は、参加度通常用テーブル2220da1や参加度低用テーブル2220da2に比較して大幅に選択率がアップする。よって、特別態様の押下上乗せ演出が発生した場合に、より強く大当たりとなったことを期待させることができる。よって、押下上乗せ演出の態様に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、表示上の残り回数と、実際の残り回数との差分が5以上の状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合に必ず押下上乗せ演出が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、押下上乗せ演出が設定される割合を下げて、80%の割合で押下上乗せ演出が設定される構成としてもよい。このように構成することで、表示上の残り回数と、実際の残り回数とに差分を生じさせ易くできるので、押下上乗せ演出をより効果的に実行することができる。
図203に戻って説明を続ける。押下期間テーブル2220dbは、押下上乗せ演出の実行中において、枠ボタン22を押下したタイミングに応じた上乗せ表示回数を規定したデータテーブルである。この押下期間テーブル2220dbの詳細について、図205(c)、図206を参照して説明する。
まず、図205(c)は、押下期間テーブル2220dbの構成を示したブロック図である。図205(c)に示した通り、押下期間テーブル2220dbには通常態様の押下上乗せ演出が設定された場合に参照される通常用テーブル2220db1と、特別態様の押下上乗せ演出が設定された場合に参照される特別用テーブル2220db2とが含まれている。押下上乗せ演出の実行が決定されると、決定された押下上乗せ演出に対応するテーブルが読み出されて、後述するRAM2230の押下期間格納エリア2230daに格納される。押下上乗せ演出の実行中に枠ボタン22の押下を検出した場合は、この押下期間格納エリア2230daに格納されたテーブルが参照されて、上乗せ回数が決定される。
まず、図206(a)を参照して、通常用テーブル2220db1の詳細について説明する。図206(a)は、通常用テーブル2220db1の規定内容を示した図である。図206(a)に示した通り、通常用テーブル2220db1には、押下上乗せ演出が開始されてからの経過時間に対応付けて、残回数表示領域D1に上乗せされる回数(上乗せ値)が規定されている。なお、演出が開始されてからの経過時間は、RAM2230の押下期間タイマ2230dbによりカウントされる。
図206(a)に示した通り、経過時間が0〜699ミリ秒の範囲には、上乗せ値として「0」が対応付けられている。なお、この間(押下上乗せ演出開始から0〜699ミリ秒の範囲)における第3図柄表示装置81の表示態様は、スクロールバーD3aが、「?」の文字が付された小領域D3b上を移動する態様となる。また、経過時間が700ミリ秒〜999ミリ秒の範囲には、上乗せ値として「3」が対応付けられている。なお、この間(押下上乗せ演出開始から700〜999ミリ秒の範囲)における第3図柄表示装置81の表示態様は、スクロールバーD3aが、「チャンス!」の文字が付された小領域D3c上を移動する態様となる。また、経過時間が1000ミリ秒〜1499ミリ秒の範囲には、上乗せ値として「5」が対応付けられている。なお、この間(押下上乗せ演出開始から1000〜1499ミリ秒の範囲)における第3図柄表示装置81の表示態様は、スクロールバーD3aが、「激アツ!!!」の文字が付された小領域D3d上を移動する態様となる。
以下同様に、経過時間が1500〜1799ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3eに重なる期間)には、上乗せ値として「2」が対応付けられ、経過時間が1800〜2500ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3fに重なる期間)には、上乗せ値として「0」が対応付けられている。
このように、通常用テーブル2220db1には、通常態様の押下上乗せ演出の演出態様(スクロールバーD3aの位置の計時変化)に応じた経過時間と、上乗せ値との対応関係が規定されている。これにより、遊技者が枠ボタン22を押下した時点における表示態様(スクロールバーD3aの位置)に応じた回数を上乗せ表示させることができる。
次に、図206(b)を参照して、特別用テーブル2220db2の詳細について説明する。図206(b)は、特別用テーブル2220db2の規定内容を示した図である。
図206(b)に示した通り、経過時間が0〜799ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3bに重なる期間)には、上乗せ値として「5」が対応付けられ、経過時間が800〜999ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3cに重なる期間)には、上乗せ値として「10」が対応付けられ、経過時間が1000〜1099ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3dに重なる期間)には、上乗せ値として「20」が対応付けられ、経過時間が1100〜1299ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3eに重なる期間)には、上乗せ値として「10」が対応付けられ、経過時間が1300〜1999ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3fに重なる期間)には、上乗せ値として「5」が対応付けられ、経過時間が2000〜2049ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3gに重なる期間)には、上乗せ値として「30」が対応付けられ、経過時間が2050〜2500ミリ秒の範囲(スクロールバーD3aが小領域D3hに重なる期間)には、上乗せ値として「5」が対応付けられている。
この特別用テーブル2220db2により、枠ボタン22を押下したタイミングでスクロールバーD3aが通過中の小領域に表示された上乗せ回数を正確に残回数表示領域D1に上乗せ表示させることができる。
図203(a)に戻って説明を続ける。保留予告判定テーブル2220dcは、保留予告演出を実行するか否かを判別するために参照されるテーブルである。上述した通り、保留予告演出は、遊技状態が通常状態、または確変状態において第1特別図柄の保留球が増加した場合に実行される可能性があり、保留球の中に期待度の高い抽選結果が存在することを示唆するために実行される演出である。この保留予告判定テーブル2220dcの詳細について、図207を参照して説明する。
図207は、保留予告判定テーブル2220dcの規定内容を示した図である。図207に示した通り、保留予告判定テーブル2220dcは、保留球の中にリーチ演出が発生する保留球が存在する場合に参照されるリーチ有り時用テーブルと、保留球の中にリーチ演出が発生する保留球が存在しない場合に参照されるリーチ無し時用テーブルとで構成されている。各テーブルには、保留球数毎に、保留予告演出の実行が決定される演出カウンタ2230hの値が対応付けられている。
図207に示した通り、リーチ有り時用テーブルにおいて、保留球数が0〜2の範囲には演出カウンタ2230hの値が規定されていない。即ち、保留球数が2以下の場合には保留予告演出が設定されない。一方、保留球数が3個の場合には、演出カウンタ2230hの値の範囲として「0〜9」が対応付けられ、保留球数が4個の場合には、演出カウンタ2230hの値の範囲として「0〜15」が対応付けられている。即ち、保留球数が多いほど、保留予告演出が実行され易くなるように構成している。よって、遊技者に対して保留球をより多く貯めようとして積極的に球を発射させることができるので、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
また、図207に示した通り、リーチ無し時用テーブルでも、保留球数が0〜2の範囲には演出カウンタ2230hの値が規定されていない。一方、保留球数が3個の場合に歯、演出カウンタ2230hの値として「0」が対応付けられ、保留球数が4個の場合には、演出カウンタ2230hの値の範囲として「0,1」が対応付けられている。即ち、リーチ無し時用テーブルには、リーチ有り時用テーブルに比べて保留予告演出の実行が決定される乱数値(カウンタ値)が少ない。よって、保留球の中にリーチ演出が行われる保留球が存在する方が、保留予告演出が実行され易くなるので、保留予告演出が開始された段階で、遊技者に対してリーチ演出に発展することを強く期待させることができる。
次に、図203(b)を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2230の構成について説明する。図203(b)は、RAM2230の構成を示したブロック図である。本第6実施形態におけるRAM2230は、第3実施形態におけるRAM2230の構成に対して、押下期間格納エリア2230daと、押下期間タイマ2230dbと、連打カウンタ2230dcとが追加されている点で相違している。
押下期間格納エリア2230daは、押下上乗せ演出の実行が決定された場合に、決定された押下上乗せ演出の種別に対応する押下期間を格納しておくための記憶領域である。即ち、押下上乗せ演出の開始が決定された場合に、押下期間テーブル2220dbから読み出したテーブル(通常用テーブル2220db1、または特別用テーブル2220db2)が格納される(図213のY4392参照)。押下上乗せ演出の実行中に枠ボタン22の押下を検出した場合は、この押下期間格納エリア2230daに格納されたテーブルと、後述する押下期間タイマ2230dbのタイマ値とに基づいて、上乗せ値が決定され、残回数表示領域D1に表示された残り回数が更新される。
押下期間タイマ2230dbは、押下上乗せ演出が開始してからの経過時間を計時するタイマである。この押下期間タイマ2230dbのタイマ値と、押下期間格納エリア2230daに格納されたテーブルとに基づいて、押下上乗せ演出における上乗せ値が決定される。
連打カウンタ2230dcは、保留予告演出において枠ボタン22の連打を促す演出(図198(a)参照)が発生した場合に、演出毎に予め定められている上限値が設定され、演出中に遊技者が枠ボタン22を操作する毎に値が1ずつ減算されるカウンタである(図210のY5703参照)。枠ボタン22の連打を促す演出の実行中に、この連打カウンタ2230dcの値が0になると、演出が次の段階に発展する(卵図柄が家屋Ds1cの内部に移動する)。
押下済フラグ2230ddは、1の押下上乗せ演出において、遊技者により枠ボタン22の操作(押下)が実行済みであるか否かを示すフラグである。この押下済フラグ2230ddがオンであれば、1の押下上乗せ演出において、枠ボタン22の操作(押下)を検出済みであることを意味し、オフであれば、枠ボタン22の操作(押下)が未検出であることを意味する。押下上乗せ演出の実行中に枠ボタン22の操作(押下)を検出した場合には、この押下済フラグ2230ddが参照され、状態がオフの場合にのみ、押下期間格納エリア2230daに格納された押下期間に対応する上乗せ値が読み出され、残回数表示領域D1に対して上乗せ表示される(図209のY5605参照)。即ち、1の上乗せ演出において遊技者が枠ボタン22の操作(押下)を複数回行ったとしても、最初の操作(押下)に対する上乗せのみを実行する構成としている。また、この押下済フラグ2230ddがオフの状態で押下上乗せ演出が終了した場合には、後述する参加度カウンタ2230dfの値に1が加算される。即ち、遊技者が押下上乗せ演出に参加(枠ボタン22を押下)しなかった回数が参加度カウンタ2230dfによりカウントされる。本実施形態では、この参加度カウンタ2230dfのカウント値に応じて、押下上乗せ演出の実行頻度を可変させる構成としている。
保留予告中フラグ2230deは、保留予告演出(図197、図198参照)の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば保留予告演出の実行中を、オフであれば保留予告演出の実行中でないことを示す。この保留予告中フラグ2230deは、保留予告演出の実行が決定された場合にオンに設定され(図214のY5808参照)、保留予告演出の終了時にオフに設定される(図217のY5835参照)。この保留予告中フラグ2230deがオンの間は、新たな保留予告演出が実行されることが回避される。これにより、保留予告が重複して実行され、遊技者を混乱させてしまうことを防止(抑制)することができる。
参加度カウンタ2230dfは、押下上乗せ演出に対する遊技者の参加度合を示すカウンタである。この参加度カウンタ2230dfは、押下上乗せ演出が、枠ボタン22の操作を検出せずに終了した場合にその値が1ずつ加算され(図208のY5509参照)、押下上乗せ演出中に枠ボタン22の操作を検出した場合に、値が0にリセットされる(図209のY5609参照)。即ち、参加度カウンタ2230dfの値は、遊技者が押下上乗せ演出において枠ボタン22を押下しなかった(参加しなかった)連続回数をカウントしている。本実施形態では、この参加度カウンタ2230dfのカウント値に応じて押下上乗せ演出の実行頻度を可変させる構成としている。即ち、参加度カウンタ2230dfのカウント値が5より大きければ(遊技者が6回以上連続で押下上乗せ演出に参加していなければ)、押下上乗せ演出の決定割合をアップさせる構成としている。これにより、遊技者に対してより枠ボタン22の操作(押下)を促す機会をアップさせることができるので、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。
非表示設定フラグ2230dgは、潜確状態中の表示態様として非表示態様(図201(b)参照)が設定されているか否かを示すフラグである。この非表示設定フラグ2230dgがオンであれば、非表示態様が設定されていることを示し、オフであれば、非表示態様が設定されていないことを示す。この非表示設定フラグ2230dgは、非表示態様が設定された場合にオンに設定され(図216のY5896参照)、上乗せ演出(押下上乗せ演出、特殊上乗せ演出)が設定された場合や(図213のY4395、図215のY5860参照)、非表示態様中に潜確状態が終了した場合に(図215のY5858参照)オフに設定される。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図208〜図217を参照して、第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図208を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図128参照)の中で実行される枠ボタン入力監視・演出処理(Y4107)について説明する。図208は、この枠ボタン入力監視・演出処理(Y4107)を示したフローチャートである。
この枠ボタン入力監視・演出処理(図208参照)が開始されると、まず、枠ボタン22の押下を検出したか否か判別し(Y5501)、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(Y5501:Yes)、次いで、押下上乗せ演出の実行中であるか否かを判別する(Y5502)。
Y5502の処理において、押下上乗せ演出の実行中であると判別した場合は(Y5502:Yes)、押下上乗せ演出において枠ボタン22の操作タイミングに対応する上乗せ値を残回数表示領域D1に対して上乗せ表示させるための上乗せ演出中押下処理を実行して(Y5503)、本処理を終了する。この上乗せ演出中押下処理(Y5503)の詳細については、図209を参照して後述する。
一方、Y5502の処理において、押下上乗せ演出の実行中でないと判別した場合は(Y5502:No)、次いで、保留予告演出の実行中であるか否かを判別する(Y5504)。Y5504の処理において、保留予告演出中であると判別した場合は(Y5504:Yes)、保留予告演出における枠ボタン22の操作に対応する演出を実行するための保留予告中押下処理を実行して(Y5505)、本処理を終了する。この保留予告中押下処理(Y5505)の詳細については、図210を参照して後述する。また、Y5504の処理において、保留予告演出の実行中でないと判別した場合は(Y5504:No)、その他の押下タイミングに応じた処理を実行して(Y5506)、本処理を終了する。なお、その他の押下タイミングとは、例えば、背面画像を変更可能なタイミング等である。本第6実施形態では、上述した通り、複数の背面画像が規定されており、変動停止状態において遊技者が枠ボタン22を操作する毎に背面種別が切り替わる構成としている。これにより、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
また、Y5501の処理において、枠ボタン22の押下を検出していないと判別した場合は(Y5501:No)、次に、押下上乗せ演出の終了タイミングであるか否かを判別し(Y5507)、押下上乗せ演出の終了タイミングであると判別した場合は(Y5507:Yes)、次いで、押下済フラグ2230ddがオンであるか否かを判別する(Y5508)。そして、押下済フラグ2230ddがオフであると判別した場合は(Y5508:No)、遊技者が押下上乗せ演出において枠ボタン22の操作(押下)を行わずに押下上乗せ演出が終了した(遊技者が今回の押下上乗せ演出に参加していない)ことを意味するので、参加度カウンタ2230dfの値に1を加算して更新し(Y5509)、本処理を終了する。一方、Y5507の処理において、押下上乗せ演出の終了タイミングでないと判別した場合や(Y5507:No)、Y5508の処理において、押下済フラグ2230ddがオンであると判別した場合は(Y5508:Yes)、Y5509の処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する。
これらのY5507〜Y5509の処理を実行することにより、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加度合を複数の上乗せ演出に渡って蓄積することができる。よって、遊技者の参加度合に応じて適切に押下上乗せ演出を設定することができる。
次いで、図209を参照して、上乗せ演出中押下処理(Y5503)の詳細について説明を行う。この上乗せ演出中押下処理(Y5503)は、上述した通り、枠ボタン22の操作タイミングに対応する上乗せ値を残回数表示領域D1に対して上乗せ表示させるための処理である。
この上乗せ演出中押下処理(Y5503)が開始されると、まず、押下済フラグ2230ddがオンであるか否かを判別し(Y5601)、オンであると判別した場合は(Y5601:Yes)、既に押下上乗せ演出において上乗せ値を残回数表示領域D1に表示済みであり、新たな上乗せを実行する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、Y5601の処理において、押下済フラグ2230ddがオフであると判別した場合は(Y5601:Yes)、次いで、押下期間格納エリアに設定されている押下期間を読み出して(Y5602)、その読み出した押下期間のうち、押下期間タイマ2230dbの値に対応する上乗せ値を読み出す(Y5603)。次いで、読み出した上乗せ値が0であるかを判別し(Y5604)、0でなければ(Y5604:No)、読み出した上乗せ値を残回数表示領域D1に上乗せ表示する演出を設定する(Y5605)。
Y5605の処理後は、Y5603の処理で読み出した上乗せ値を演出確変回数エリア2230pに格納された回数に加算して更新し(Y5606)、処理をY5608へと移行する。一方、Y5604の処理において、読み出した上乗せ値が0であると判別した場合は(Y5604:Yes)、上乗せに失敗したことを報知する上乗せ失敗演出(図200(a)参照)を設定し(Y5607)、処理をY5608へと移行する。
Y5606、またはY5607の処理が終了した後で実行されるY5608の処理では、押下済みフラグ2230ddをオンに設定して(Y5608)、参加度カウンタ2230dfの値を0にリセットし(Y5609)、本処理を終了する。この上乗せ演出中押下処理(図209参照)を実行することで、押下上乗せ演出が発生した場合に、スクロールバーD3aが表示される位置に応じた回数の上乗せ値を残回数表示領域D1に表示された回数に上乗せして表示させることができる。よって、違和感のない演出を提供することができる。
次に、図210を参照して、保留予告中押下処理(Y5505)の詳細について説明する。この保留予告中押下処理(Y5505)は、上述した通り、保留予告演出における枠ボタン22の操作に対応する演出を実行するための処理である。この保留予告中押下処理(Y5505)では、まず、保留予告演出における押下期間(図197(a)参照)であるかを判別し(Y5701)、押下期間でなければ(Y5701:No)、次いで、連打期間(図198(a)参照)であるか否かを判別する(Y5702)。
Y5702の処理において、連打期間でないと判別した場合は(Y5702:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y5702の処理において、連打期間中であると判別した場合は(Y5702:Yes)、連打カウンタ2230dcの値を1減算することで更新し(Y5703)、更新後のカウンタ値が0であるかを判別する(Y5704)。そして、更新後のカウンタ値が0になったと判別した場合は(Y5704:Yes)、卵図柄が家屋Ds1cへと移動する発展演出(図198(b)参照)を設定して(Y5705)、本処理を終了する。一方、Y5704の処理において、更新後の連打カウンタ2230dcの値が1以上であると判別した場合は(Y5704:No)、Y5705の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
また、Y5701の処理において、現在が押下期間であると判別した場合は(Y5701)、まず、枠ボタン22の押下タイミングにおいて、第3図柄表示装置81において指定されている(トレーDs1bが直下に表示されている)保留図柄に対応する入賞情報を、入賞情報格納エリア2230bから読み出す(Y5706)。次いで、枠ボタン22の押下により指定された範囲内の入賞情報に、リーチ演出が発生する入賞情報が含まれているか否かを判別する(Y5707)。なお、リーチ演出とは、外れノーマルリーチ、外れスーパーリーチA,B、当たりノーマルリーチ、当たりスーパーリーチA〜Cの何れかを指す。
Y5707の処理において、指定された範囲内にリーチ演出が発生する入賞情報が含まれていると判別した場合には(Y5707:Yes)、次いで、リーチが発生する入賞情報に対応する保留図柄に対して卵図柄を表示させる(保留図柄が卵を産む)演出を設定する(Y5708)。そして、枠ボタン22の連打を促す連打演出を実行するための連打期間を設定し(Y5709)、連打カウンタ2230dcの値に対応する値を設定して(Y5710)、本処理を終了する。
Y5707の処理において、指定された範囲内にリーチ演出が発生する入賞情報が含まれていないと判別した場合には(Y5707:No)、保留予告演出の終了を示すために保留予告中フラグ2230deをオフに設定して(Y5711)、本処理を終了する。
この保留予告中押下処理(図210参照)を実行することにより、保留予告演出中に枠ボタン22の押下を検出した場合に、押下タイミングに応じた適切な演出態様を設定することができる。また、上述した通り、本実施形態では、保留予告演出を実行する保留図柄の範囲を遊技者の操作によって選択可能に構成している。これにより、選択範囲内の保留図柄に対して予告(卵図柄の表示)が行われなかった場合には、遊技者の選択範囲外の保留図柄の中に期待度の高い保留図柄があることを期待させることができる。よって、保留予告演出が発生しなかった場合にも、保留球に対して大当たりを期待させることができるという斬新な演出を提供することができる。
次に、図211を参照して、第3実施形態におけるコマンド判定処理(図130参照)に代えて実行されるコマンド判定処理4の詳細について説明する。この第6実施形態におけるコマンド判定処理4(図211参照)のうち、Y4301〜Y4306,Y4309〜Y4311,Y4313〜Y4315、およびY4319の各処理では、それぞれ第3実施形態におけるコマンド判定処理(図130参照)のY4301〜Y4306,Y4309〜Y4311〜Y4315、およびY4319の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第6実施形態におけるコマンド判定処理4(図211参照)では、Y4306の処理において特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合に(Y4303:Yes)、第2特別図柄の変動開始を設定するための特図2変動開始処理4を実行して(Y4361)、本処理を終了する。この特図2変動開始処理4(Y4361)の詳細については、図212を参照して後述する。また、本第6実施形態におけるコマンド判定処理4(図211参照)では、Y4311の処理において入賞コマンドを受信したと判別した場合に(Y4311:Yes)、その入賞コマンドにより通知された入賞情報に基づいて保留予告の実行判別を行う保留予告設定処理を実行して(Y4362)、本処理を終了する。この保留予告設定処理(Y4362)の詳細については、図214を参照して後述する。
また、Y4315の処理において、特図1待機コマンド、又は特図2待機コマンドのいずれも受信していないと判別した場合は(Y4315:No)、残確変回数コマンドを受信したかを判別し(Y4363)、残確変回数コマンドを受信していれば(Y4363)、残確変回数コマンドにより通知された回数に応じた処理を実行するための残確変回数コマンド処理を実行して(Y4364)、本処理を終了する。この残確変回数コマンド処理(Y4364)の詳細については、図215を参照して後述する。
更に、Y4363の処理において、残確変回数コマンドを受信していないと判別した場合は(Y4363:No)、次いで、特図1確定コマンド、または特図2確定コマンドのうち少なくとも一方を受信したか否かを判別し(Y4364)、特図1確定コマンド、または特図2確定コマンドの少なくとも一方を受信していれば(Y4364:Yes)、コマンドに応じた特別図柄に対応する第3図柄の確定表示を設定するための確定コマンド処理を実行して(Y4364)、本処理を終了する。この確定コマンド処理の詳細については、図217を参照して後述する。
次に、図212を参照して、特図2変動開始処理4(Y4361)の詳細について説明する。図212は、特図2変動開始処理4の詳細を示したフローチャートである。この特図2変動開始処理4(図212参照)が開始されると、まず、特図2変動開始フラグ2230eをオンに設定し(Y4371)、次いで、受信した特図2変動パターンコマンドにより通知された変動パターンを抽出する(Y4372)。
Y4372の処理が終了すると、次いで、現在の遊技状態が潜確状態であるかを判別し(Y4373)、潜確状態であれば(Y4373:Yes)、押下上乗せ演出を設定するか否かの判別を行うための上乗せ演出設定処理(Y4374)を実行して(Y4374)、処理をY4376へと移行する。一方、Y4373の処理において、現在の遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(Y4373:No)、Y4372の処理で抽出した変動パターンに対応する表示態様を変動パターン選択テーブル2220aから特定して、処理をY4376へと移行する。Y4376の処理では、変動パターン選択した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを設定して(Y4376)、本処理を終了する。
次に、図213を参照して、上乗せ演出設定処理(Y4374)の詳細について説明する。この押下上乗せ演出設定処理(Y4374)は、上述した通り、潜確状態中の押下上乗せ演出の実行を判別するための処理である。
上乗せ演出設定処理(図213参照)が開始されると、まず、今回の第2特別図柄の抽選が小当たりの停止種別となる抽選結果であったかを判別し(Y4381)、小当たりの停止種別でないと判別した場合は(Y4381:No)、次に、特図2変動パターンコマンドを受信した時点が、非表示態様(図201(b)参照)の設定中、且つ、残りの確変回数が5以下であるかを判別する(Y4382)。Y4382の処理において、非表示態様の設定中でないか、または、残りの確変回数が6以上であれば(Y4382:No)、処理をY4391へと移行する。
一方、Y4382の処理において、非表示態様が設定され、且つ、残りの確変回数が5以下であると判別した場合は(Y4382:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の抽選が大当たりE〜Gの停止種別となる抽選結果であったかを判別し(Y4383)、大当たりE〜Gのいずれでもないと判別した場合は(Y4383:No)、処理をY4391へと移行する。これに対し、Y4383の処理において、大当たりE〜Gの何れかであると判別した場合は(Y4383:Yes)、押下上乗せ演出の設定を判別するためのテーブルとして、上乗せ演出選択テーブル2220daから大当たり用テーブル2220da3を読み出す(Y4384)。次いで、大当たり後に付与される潜確回数である120と、演出確変回数エリア2230pに格納された回数との差分を算出し(Y4385)、処理をY4391へと移行する。
また、Y4381の処理において、今回の停止種別が小当たりであると判別した場合は(Y4381:Yes)、次いで、参加度カウンタ2230dfの値が5よりも大きいか否かを判別し(Y4386)、参加度カウンタ2230dfの値が5よりも大きければ(Y4386:Yes)、押下上乗せ演出の設定を判別するためのテーブルとして、上乗せ演出選択テーブル2220daから参加度通常用テーブル2220da1を読み出す(Y4387)。次いで、残確変回数エリア2230oに格納された実際の潜確状態の残り回数と、演出確変回数エリア2230pに格納された表示上の潜確状態の残り回数との差分を算出して、処理をY4391へと移行する。
一方、Y4386の処理において、参加度カウンタ2230dfの値が5未満であると判別した場合は(Y4386:No)、上乗せ演出選択テーブル2220daから参加度低用テーブル2220da2を読み出す(Y4387)。次いで、残確変回数エリア2230oに格納された実際の潜確状態の残り回数と、演出確変回数エリア2230pに格納された表示上の潜確状態の残り回数との差分を算出して、処理をY4391へと移行する。
Y4385,Y4388、およびY4391のいずれかが終了した後に実行されるY4391の処理では、Y4385,Y4388、およびY4391のいずれかの処理で算出した差分と、Y4384,Y4387、およびY4388のいずれかの処理で読み出したテーブルとに基づいて、押下上乗せ演出の態様(上乗せ演出無し、通常態様、および特別態様のいずれか)を特定し(Y4391)、処理をY4392へと移行する。
Y4392の処理では、押下上乗せ演出の実行が決定されたか否かを判別し(Y4392)、押下上乗せ演出の実行が決定された場合には(Y4392:Yes)、今回決定した押下上乗せ演出の態様に対応する押下期間を押下期間テーブル2220db(図206(a),(b)参照)から読み出して、押下期間格納エリア2230daに設定する(Y4393)。ここで設定された押下期間は、今回実行が決定された押下上乗せ演出の実行中に枠ボタン22に対する遊技者の操作(押下)を検出した場合に参照され、操作(押下)タイミングに対応する上乗せ値が残回数表示領域D1に対して上乗せ表示される。これにより、表示上の残りの潜確状態の回数が上乗せされることを期待して、積極的に遊技者に枠ボタン22を操作(押下)させることができるので、遊技者の押下上乗せ演出に対する参加意欲を向上させることができる。Y4393の処理後は、非表示設定フラグ2230dgをオフに設定して(Y4394)、本処理を終了する。
一方、Y4392の処理において、押下上乗せ演出の実行が決定されていないと判別した場合は(Y4392:No)、変動パターンコマンドから抽出した変動パターンに対応する演出態様を変動パターン選択テーブル2220aから特定し(Y4395)、本処理を終了する。この上乗せ演出設定処理を実行することにより、遊技者の過去の押下上乗せ演出に対する参加状況や、第2特別図柄の抽選結果等に応じて適切な態様の押下上乗せ演出を選択することができる。
なお、本実施形態では、潜確状態において、第2特別図柄の抽選結果が小当たり、または大当たりE〜Gの場合にのみ押下上乗せ演出を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選結果が外れの場合でも押下上乗せ演出を設定可能に構成してもよい。これにより、演出の自由度を高めることができる。
次に、図214のフローチャートを参照して、保留予告設定処理(Y4362)の詳細について説明する。この保留予告設定処理(Y4362)は、上述した通り、入賞コマンドにより通知された入賞情報に基づいて保留予告の実行判別を行うための処理である。この保留予告設定処理(Y4362)が実行されると、まず、遊技状態が潜確状態であるか否かを判別し(Y5801)、潜確状態中であると判別した場合は(Y5801)、保留予告演出を設定するためのY5802〜Y5809の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。なお、潜確状態で保留予告演出を実行しないのは、潜確状態における主変動が、保留記憶することが不可能な2特別図柄の変動表示だからである。このため、潜確状態では、第1特別図柄の保留球が0となる場合がほとんどであり、保留予告を実行するか否かの判別を実行する必要が無い。よって、保留予告の実行判別自体をスキップすることにより、潜確状態における音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。
一方、Y5801の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではない(通常状態、または確変状態である)と判別した場合は(Y5801:No)、次いで、保留予告中フラグ2230deがオンであるか否か(既に保留予告演出が実行中であるか否か)を判別し(Y5802)、保留予告中フラグ2230deがオンである(既に保留予告演出の実行中である)と判別した場合は(Y5802:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、Y5802の処理において保留予告中フラグ2230deがオフであると判別した場合は(Y5802:No)、次いで、第1特別図柄の入賞情報を入賞情報格納エリア2230bから読み出して(Y5803)、読み出した入賞情報の中にリーチ演出が発生する変動パターンに対応する入賞情報が含まれるか否かを判別する(Y5804)。
Y5804の処理において、リーチ演出が発生する変動パターンに対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(Y5804:Yes)、保留予告演出の実行を判別するためのテーブルとして、リーチ有り時用テーブルを保留予告判定テーブル2220dc(図207参照)から読み出して保留予告の実行を判別し、処理をY5807へと移行する。一方、Y5804の処理において、リーチ演出が発生する変動パターンに対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(Y5804:No)、保留予告演出の実行を判別するためのテーブルとして、リーチ無し時用テーブルを保留予告判定テーブル2220dcから読み出して保留予告の実行を判別し、処理をY5807へと移行する。
Y5805、またはY5806の処理後に実行されるY5807の処理では、Y5805、またはY5806の処理において保留予告演出の実行が決定されたか否かを判別し(Y5807)、保留予告演出の実行が決定されたと判別した場合は(Y5807:Yes)、保留予告中フラグ2230deをオンに設定する(Y5808)。次いで、枠ボタン22の押下を促す演出(図197(a)参照)を設定して(Y5809)、本処理を終了する。
この保留予告設定処理を実行することにより、保留球数や各保留球の内容に応じて適切な割合で保留予告演出を設定することができる。
次に、図215を参照して、残確変回数コマンド処理(Y4364)の詳細について説明を行う。この残確変回数コマンド処理(Y4364)は、上述した通り、残確変回数コマンドにより通知された確変回数に応じた制御を実行するための処理である。この残確変回数コマンド処理(Y4364)が開始されると、まず、残確変回数コマンドにより通知された残確変回数を残確変回数エリア2230oに格納し(Y5851)、次いで、現在の遊技状態が潜確状態であるかを判別する(Y5852)。
Y5852の処理において、遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(Y5852:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y5852の処理において、遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(Y5852:Yes)、次いで、非表示設定フラグ2230dgがオンであるか否か(非表示態様が設定されているか否か)を判別し(Y5853)、非表示設定フラグ2230dgがオフであれば(Y5853)、非表示態様を設定するか否かの判別等を実行するための非表示設定処理を実行して(Y5861)、本処理を終了する。この非表示設定処理(Y5861)の詳細については、図216を参照して後述する。
一方、Y5853の処理において、非表示設定フラグ2230dgがオンであると判別した場合は(Y5854)、非表示態様(図201(b)参照)が設定されている場合であるので、まず、Y5851の処理で残確変回数エリア2230oに格納された残確変回数が5以下であるか否かを判別する(Y5854)。Y5854の処理において、残確変回数が6以上であると判別した場合は(Y5854:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残確変回数が5以下であると判別した場合は(Y5854:Yes)、次いで、今回の抽選結果が大当たりE〜Gの何れかであるか否かを判別し(Y5855)、大当たりE〜Gのいずれでもないと判別した場合は(Y5855:No)、次に、残確変回数が0であるか否か(残確変回数エリア2230oに格納された回数が0回であるか否か)を判別する(Y5856)。
Y5856の処理において、残確変回数が0でないと判別した場合は(Y5856:No)、引き続き非表示態様を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、Y5856の処理において、残確変回数が0であると判別した場合は(Y5856:Yes)、非表示態様が設定された潜確状態が終了したことを意味するので、非表示態様の終了演出(図202(a)参照)を設定し、非表示設定フラグ2230dgをオフに設定して(Y5858)、本処理を終了する。これに対して、Y5855の処理において、今回の抽選結果が大当たりE〜Gの何れかであると判別した場合は(Y5855:Yes)、大当たり後に120回の潜確状態が設定されるので、まず、特殊上乗せ演出(図202(b)参照)の実行を設定し(Y5859)、次に、演出確変回数エリア2230pに対して100回を上書きし、非表示設定フラグ2230dgをオフに設定して(Y5860)、本処理を終了する。
このように、本第6実施形態では、非表示態様が設定されている場合において、実際の潜確状態の残り回数(確変カウンタ2030kの値)が所定回数(5回)以内の状態で第2特別図柄の大当たりとなった場合(即ち、潜確状態が終了する直前で潜確状態の残り回数が120回に更新された場合)には、通常の押下上乗せ演出とは異なる態様の特殊な上乗せ演出(特殊上乗せ演出)を実行する構成としている。これにより、特殊上乗せ演出を確認した遊技者に対して、実際の残り回数が0になる直前で大当たりに当選し、潜確状態が新たに設定されたことを認識させることができるので、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。
次に、図216を参照して、非表示設定処理(Y5861)の詳細について説明する。この非表示設定処理(Y5861)は、上述した通り、非表示態様を設定するか否かの判別等を実行するための処理である。図216に示した通り、非表示設定処理が実行されると、まず、演出確変回数エリア2230pに格納された残り回数が0回であるか否かを判別し(Y5891)、1以上であると判別した場合は(Y5891:No)、演出確変回数エリア2230pに格納された残り回数を1減算し(Y5892)、減算後の演出確変回数エリア2230pの格納値に応じて残回数表示領域D1に表示される表示回数を更新し(Y5893)、本処理を終了する。
一方、Y5891の処理において、演出確変回数エリア2230pに格納されている残回数が0回であると判別した場合は(Y5891:Yes)、残確変回数エリア2230oに格納されている実際の残り回数が0回であるか否かを判別し(Y5894)、実際の残り回数が0回でなければ(Y58994:No)、非表示態様(図201(b)参照)を設定し(Y5895)、非表示設定フラグ2230dgをオンに設定して(Y5896)、本処理を終了する。非表示態様を設定することにより、潜確状態がいつ終了するか判らない状態とすることができるので、遊技者に対して残りの潜確状態の遊技に緊張感を持たせることができる。
一方、Y5894の処理において、残確変回数エリア2230oに格納された実際の潜確状態の残り回数が0回であると判別した場合は(Y5894:Yes)、潜確状態の終了タイミングで表示上の残り回数も0回に更新されたことを意味するので、通常の終了演出(図86(a)参照)を設定して(Y5897)、本処理を終了する。
このように、本第6実施形態における非表示設定処理では、表示上の残り回数が0回になった時点で潜確状態が終了しなければ、非表示態様を設定する構成としている。これにより、潜確状態がいつまで続くか判らない状態を形成することができる。よって、非表示態様が設定されている間において、緊張感を持って遊技を行わせることができる。
次に、図217を参照して、確定コマンド処理(Y4366)の詳細について説明を行う。この確定コマンド処理(Y4366)は、上述した通り、第3図柄の確定表示を設定するための処理である。この確定コマンド処理(図217参照)が開始されると、まず、受信したのが特図1確定コマンドであるか否かを判別し(Y5831)、特図1確定コマンドであると判別した場合は(Y5831:Yes)、第1特別図柄の確定表示を設定する(Y5832)。次いで、保留予告中フラグ2230deがオンであるか否かを判別し(Y5833)、オンであると判別した場合には(Y5833:Yes)、今回確定表示を設定した変動表示中に保留予告演出が終了したか否かを判別する(Y5834)。Y5834の処理において、保留予告演出が終了したと判別した場合は(Y5834:Yes)、保留予告中フラグ2230deをオフに設定して(Y5835)、本処理を終了する。
一方、Y5833の処理において、保留予告中フラグ2230deがオフであると判別した場合や(Y5833:No)、Y5834の処理において、保留予告演出が継続中であると判別した場合には(Y5834:No)、そのまま本処理を終了する。また、Y5831の処理において、受信した確定コマンドが特図2確定コマンドであると判別した場合は(Y5831:No)、第2特別図柄の確定表示を設定して(Y5836)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第6実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態、又は確変状態における興趣演出として、保留予告演出を実行可能に構成している。この保留予告演出では、予告を実行する保留図柄を遊技者の枠ボタン22に対する操作により選択可能に構成している。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、保留されている変動表示の期待度を示す保留予告演出を実行可能な遊技機が知られている。かかる従来型の遊技機では、保留図柄の色や形状を変化させることにより、その保留図柄に対応する変動表示で大当たりとなる期待度を示唆することにより、変動表示が開始されるよりも前に、遊技者の期待感を高めることを可能としていた。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、保留予告演出が発生した場合に、その保留予告の対象外の保留図柄に対して、遊技者が期待感を抱くことが困難となる虞があった。保留内において期待度の高い保留球に対応する保留図柄に対して保留予告演出を設定するのが通常だったためである。
これに対して本第6実施形態では、保留予告演出を実行する保留図柄の範囲を指定可能に構成している。また、大当たりとなる期待度が高い保留球が含まれている方が、保留予告演出を実行する割合が高くなるように構成している。これにより、指定した範囲の保留図柄に保留予告演出が設定されなかった場合や、期待度の低い態様の保留予告演出が実行された場合において、遊技者が指定した範囲外の保留図柄に対応する保留球に対して大当たりとなる期待を抱かせることができる。よって、選択範囲に期待度の高い保留予告演出が発生した場合には、保留予告が発生した保留図柄に対応する保留球に対して大当たりとなる期待感を抱かせ、保留予告が発生しないか、期待度の低い保留予告が発生した場合には、選択範囲外の保留球に対して期待感を抱かせることができるという斬新な演出を提供することができる。
また、本第6実施形態では、潜確状態において実行される押下上乗せ演出の一種として、遊技者が枠ボタン22を押下したタイミングに応じて残回数表示領域D1に表示される潜確状態の残り回数を上乗せする演出が設けられている。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作可能な操作ボタン等の操作手段を有し、興趣演出の一種として、操作手段に対する操作を遊技者に促す操作演出を実行可能なものがある。この従来型の遊技機では、操作演出において操作ボタンを操作することにより、通常とは異なる特別な演出を発生させたり、当たりを報知する等して、遊技者の興趣向上を図っていた。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、操作演出を、予め定められた当たり抽選の結果を報知する演出の一環として実行しているため、枠ボタンに対する遊技者の操作結果が演出の結果(当たりが報知されるか否か)とは無関係となっていた。このため、遊技者の操作演出に対する参加意欲を向上させることが困難であるという問題があった。
これに対して本第6実施形態では、潜確状態の実際の残り回数と、表示上の残り回数とに差分が生じる場合を設けている。そして、押下上乗せ演出が実行された場合には、表示上の残り回数が実際の残り回数を上回らない範囲で、遊技者が枠ボタン22を押下したタイミングに応じて異なる上乗せ値を上乗せ表示する構成としている。これにより、遊技者の操作タイミングによって表示上の残りの上乗せ回数が可変されるので、遊技者をより積極的に上乗せ演出に参加させる(枠ボタン22を、タイミングを計って押下させる)ことができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
更に、本第6実施形態では、潜確状態において、残りの潜確状態の回数が非表示となる非表示態様に設定される場合を設ける構成とした上で、実際の潜確状態の残り回数が所定回数(5回)以内で第2特別図柄の大当たりとなった(潜確状態が新たに120回設定される)場合に、通常の上乗せ演出とは異なる態様の特殊上乗せ演出を実行可能に構成している。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たり等の所定の契機に基づいて、通常状態よりも有利な有利状態を、所定の抽選回数に渡って設定するものがある。かかる従来型の遊技機では、有利状態に移行した場合に、その有利状態がいつまで継続するのかが判り難い態様の演出を実行することにより、有利状態がより長く続くことに対する期待感を抱かせ、興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利状態において当たり等の所定の契機となり、有利状態が再設定(上書き)された場合に、有利状態のどの段階で有利状態が再設定されたのかが不明となってしまう可能性があり、遊技者に対して不快感を抱かせてしまう虞があった。
これに対して本第6実施形態では、残りの潜確回数が5回以内で大当たりとなった場合にのみ実行される特殊上乗せ演出を設けているので、その特殊上乗せ演出を確認した遊技者に対して、潜確状態の終了間際に潜確状態が上乗せされたことを明確に認識させることができる。よって、タイミング良く大当たりに当選したことを認識した遊技者対して、より大きな喜びを抱かせることができる。また、大当たりとなった時点における潜確状態の残り回数が明確になるので、遊技者に対して不快感を抱かせてしまうことを抑制できる。
なお、本第6実施形態では、非表示態様が設定されている状態でのみ、特殊上乗せ演出が実行される構成としていたが、これに限られるものではない。残回数表示領域D1に残り回数が表示されている場合でも、実際の潜確状態の残り回数(残確変回数エリア2230oに格納された値)が5回以内の場合には、通常とは異なる特殊上乗せ演出を実行する構成としてもよい。上述した通り、本第6実施形態では、表示上の潜確状態の残り回数と、実際の潜確状態の残り回数とに差分が生じる場合がある。つまり、表示上の残り回数が5回以内になっていたとしても、実際の残り回数が5回以内であるか否かを遊技者が判別することが困難となっている。よって、表示上の残り回数が5回以内の状況下で大当たりとなり、表示上の残り回数が上乗せされたとしても、実際の残り回数も5回以内(即ち、潜確状態の終了間際)であったのか、実際の残り回数は十分に残っていたのかが不明となり、遊技者に対して不快感を抱かせてしまう虞がある。これに対して、実際の残り回数が5回以内であれば、非表示態様が設定されているか否かによらずに特殊上乗せ演出を実行する構成とすることにより、潜確状態の終了間際に大当たりに当選した場合に、その旨を確実に遊技者に認識させることができる。よって、遊技者に対して不快感を抱かせてしまうことをより確実に防止(抑制)することができる。なお、非表示態様が設定されているか否かに応じて、特殊上乗せ演出の演出態様を異ならせる構成としてもよい。即ち、非表示態様が設定されていない場合には、例えば、疾走するキャラクタ811が巨大化して、残回数表示領域D1に表示された残り回数に100回が上乗せされる演出を実行してもよい。非表示態様が設定されているか否かに応じて異なる特殊上乗せ演出を実行することにより、各表示態様においてより自然な流れの演出を実行することができる。また、演出態様を多様化することができる。
本第6実施形態では、保留予告演出における枠ボタン22の連打を促す演出により、家屋Ds1cへと卵の図柄が移動するか否かを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、家屋Ds1cへと移動する演出を省略し、連打によって卵が割れればスーパーリーチが確定するという態様の演出を実行してもよい。つまり、遊技者による1回の連打で、スーパーリーチに発展するのか否かを全ての卵図柄に対して一括して報知する構成としてもよい。このように構成することで、より判り易い演出とすることができる。
本第6実施形態では、保留予告演出が発生し、遊技者が枠ボタン22を操作(押下)しなかった場合には、自動的に保留予告を行う保留図柄の範囲が決定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留予告演出の発生から所定期間内(例えば、2秒以内)に遊技者が枠ボタン22を操作(押下)しなかった場合には、保留予告演出自体を終了する構成としてもよい。このように構成することで、保留予告演出を見たくない(純粋に変動表示を楽しみたい)遊技者のニーズに応えることができる。即ち、保留予告演出によって大当たりの期待度が示唆されると、期待度の低い保留球に対応する変動表示を楽しめなくなってしまう虞がある。よって、保留予告演出を実行する保留図柄の範囲だけでなく、保留予告演出自体を行うか否かについても、遊技者が選択可能に構成することにより、各保留図柄に対応する変動表示において、期待感を抱かせることができる。よって、遊技者毎のニーズに幅広く応えることができる。
本第6実施形態では、保留図柄が卵を産むか否か、およびその卵が割れるか否かによって各保留図柄の期待度を示唆する構成としていたが、保留予告演出の態様は、これに限られるものではない。保留図柄が、対応する保留球の期待度に応じた異なる態様に可変するものであればよく、例えば、遊技者が選択した範囲の保留図柄の色を、期待度に応じて可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、白色→青色→黄色→緑色→赤色→虹色の順に期待度がアップする構成としておく。そして、遊技者が保留予告演出を行わせる保留図柄を選択した場合に、選択範囲の保留図柄を白色に変化させる。そして、枠ボタン22を遊技者が連打すると、各保留図柄の色が変化する構成としてもよい。この場合において、保留図柄毎に、連打回数に応じて色がどこまで変化するかを、保留予告の開始時、または保留図柄を遊技者が選択した際に予め定めておけばよい。具体的には、例えば、短外れ、外れノーマルリーチ、当たりスーパーリーチAの変動パターンとなる保留球に対応する保留図柄が選択された場合に、短外れに対応する保留図柄は白から他の色に変化しないように設定し、外れノーマルリーチに対応する保留図柄は連打回数に応じて最大で黄色まで変化する(白色→青色→黄色の順に変化する)ように設定し、当たりスーパーリーチAに対応する保留図柄は連打回数に応じて最大で虹色まで変化する(白色→青色→黄色→緑色→赤色→虹色の順に変化する)ように設定してもよい。このように構成することで、各保留図柄がどの色まで変化するかを楽しみにして、遊技者に対して積極的に連打を行わせることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
<第3実施形態の第1変形例>
次に、図218〜図223を参照して、第3実施形態の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、潜確状態において、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、第2特別図柄の抽選結果に関係なく同一(0.5秒)の変動時間が設定される構成としていた。これにより、潜確状態における遊技の効率化を図る構成としていた。
これに対して本第1変形例では、潜確状態の残りの回数に応じて第2特別図柄の変動時間を異ならせる構成としている。そして、潜確状態の前半では、比較的短い変動時間が設定され易くなり、後半では比較的長い変動時間が設定され易くなる構成としている。これにより、潜確状態の前半では小当たり又は大当たりとなる間隔が短くなり、比較的短時間で賞球を増加させることが可能となる一方で、潜確状態の後半では、小当たり又は大当たりとなる間隔を長くして、賞球の増加幅を比較的緩やかにすることができる。よって、賞球の増え方に波を付けることができるので、出球にメリハリをつけることができる。従って、潜確状態における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
この第3実施形態の第1変形例が、上記第3実施形態と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたRAM2020およびRAM2030の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態の第1変形例における電気的構成について>
まず、図218〜図220を参照して、第3実施形態の第1変形例における電気的構成について説明する。図218(a)は、第3実施形態の第1変形例における主制御装置110のROM2020の構成を示したブロック図である。図218(a)に示した通り、本第1変形例における主制御装置110のROM2020には、第3実施形態におけるROM2020の構成(図89参照)に対して、変動パターンシナリオテーブル2020eaが追加されている点で相違している。また、本変形例では、変動パターン選択テーブル2020fの内容が一部変更となっている。
まず、図218(b)を参照して、本第1変形例における変動パターン選択テーブル2020fについて説明する。図218(b)は、本第1変形例における変動パターン選択テーブル2020fの構成を示した図である。図218(b)に示した通り、本第1変形例における変動パターン選択テーブル2020fは、第3実施形態における変動パターン選択テーブル2020f(図92参照)に設けられていた潜確用テーブル2020f4に代えて、潜確(前半)用テーブル2020f4aと、潜確(後半)用テーブル2020f4bとが設けられている。
潜確(前半)用テーブル2020f4aは、潜確状態の前半(1〜50回目の特別図柄の抽選が実行された場合)に、変動パターンを選択するために参照されるテーブルであり、潜確(後半)用テーブル2020f4bは、潜確状態の後半(51〜120回目の特別図柄の抽選が実行された場合)に参照されるテーブルである。この潜確(後半)用テーブル2020f4bの詳細について、図219(a)を参照して説明する。なお、潜確(前半)用テーブル2020f4aの規定内容は、第3実施形態における潜確用テーブル2020f4(図94(b)参照)と同一であり、第2特別図柄の抽選結果とは関係なく0.5秒の変動時間が選択される。このため、その詳細な説明については省略する。
図219(b)は、潜確(後半)用テーブル2020f4bの規定内容を示した図である。このうち、第1特別図柄の抽選に対する規定内容については、潜確(前半)用テーブル2020f4a(および第3実施形態における潜確用テーブル2020f4)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。また、第2特別図柄の抽選に対しては、抽選結果によらず変動時間が2秒の変動時間が選択される。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)で当たりショート変動(2秒)が選択され、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)で小当たりショート変動(2秒)が選択され、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合は、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)で外れショート変動(2秒)が選択される。
このように、潜確(後半)用テーブル2020f4bが参照された場合に、潜確(前半)用テーブル2020f4aが参照された場合よりも変動時間が長くなる(0.5秒→2秒)構成とすることにより、潜確状態の後半(51回〜120回)において、小当たり又は大当たりとなる間隔を長くすることができる。よって、潜確状態の前半では、持ち球が増加し易くなり、後半では持ち球の増加が緩やかになるので、持ち球の増え方に波を付けることができ、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図219(b)を参照して、変動パターンシナリオテーブル2020eaの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル2020eaは、大当たり終了後における特別図柄の抽選回数と、変動パターンを選択するためのテーブルとが対応付けて規定されたテーブルである。変動パターンを選択する際には、この変動パターンシナリオテーブル2020eaから、変動パターンを選択するためのテーブルが特定される。
図219(b)に示した通り、大当たり後の遊技状態として通常状態が設定された場合には、通常状態が設定された大当たりが終了してからの特別図柄の抽選回数によらず、変動パターン選択テーブルとして通常用テーブルA2020f1が対応付けられている。このため、大当たり後に通常状態が設定された場合には、必ず通常用テーブルA2020f1が参照されて変動パターンが決定される。
また、図219(b)に示した通り、大当たり後の遊技状態として確変状態が設定された場合には、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が1〜120の範囲に対して、確変用テーブル2020f3が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が121以降に対しては、通常用テーブルA2020f1が対応付けて規定されている。よって、特別図柄の抽選回数が120回以下の場合には、変動パターン選択テーブルを選択するためのテーブルとして確変用テーブル2020f3が参照され、121回以降の場合には、通常用テーブルA2020f1が参照される。
また、図219(b)に示した通り、大当たり後の遊技状態として潜確状態が設定された場合には、大当たり終了後の抽選回数が1〜50の範囲に対して、潜確(前半)用テーブル2020f4aが対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が51〜120の範囲に対して、潜確(後半)用テーブル2020f4bが対応付けて規定され、121,122の範囲に対して、通常用テーブルB2020f2が対応付けて規定され、123以降に対して、通常用テーブルA2020f1が対応付けて規定されている。
これにより、潜確状態の前半では、短い変動時間が決定され易い潜確(前半)用テーブル2020f4aを参照して変動パターンを決定することができるので、小当たりまたは大当たりの間隔を短くすることができる。よって、潜確状態の前半において賞球の増加速度を向上させることができる。一方、潜確状態の後半においては、長い変動時間が決定され難い潜確(後半)用テーブル2020f4bを参照して変動パターンを決定することができるので、小当たりまたは大当たりの間隔が長くなる。よって、潜確状態の後半では賞球の増加速度を緩やかにすることができるので、賞球の増加具合を可変させることができる。よって、潜確状態中における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
また、潜確状態が終了した後、2回の特別図柄の抽選では、通常用テーブルB2020f2を参照して変動パターンを選択することができるので、第3実施形態と同様に、潜確状態のリザルト表示を行うための十分な演出時間を確保することができる。更に、特別図柄の抽選回数が123回を超えた場合には、通常用テーブルA2020f1が参照される。
次に、図220を参照して、本第1変形例における主制御装置110のRAM2030の構成について説明する。図220は、RAM2030の構成を示したブロック図である。図220に示した通り、本第1変形例におけるRAM2030は、第3実施形態におけるRAM2030の構成(図96参照)に対して、シナリオ格納エリア2030eaと、抽選回数カウンタ2030ebとが追加されている点で相違する。
シナリオ格納エリア2030eaは、変動パターンシナリオテーブル2020eaに規定された各シナリオのうち、大当たり後の遊技状態に対応するシナリオを格納しておくための記憶領域である。このシナリオ格納エリア2030eaには、大当たりの終了時に大当たり後の遊技状態に対応する変動パターンシナリオが格納される(図223のY2351参照)。変動開始時には、このシナリオ格納エリア2030eaに格納されたシナリオを参照して、変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルが決定される。
抽選回数カウンタ2030ebは、大当たりが終了してから実行された特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。シナリオ格納エリア2030eaから変動パターン選択テーブルを選択する場合には、この抽選回数カウンタ2030ebの値により特別図柄の抽選回数が判別されて変動パターン選択テーブルが選択される。
<第3実施形態の第1変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図221〜図223を参照して、第3実施形態の第1変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図221を参照して、第3実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図104参照)に代えて本第1変形例で実行される第1特別図柄変動パターン選択処理5(図221参照)について説明する。
本第1変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理5(図221参照)のうち、Y501〜Y503、およびY505〜Y508の各処理では、それぞれ第3実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図104参照)のY501〜Y503、およびY505〜Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理5(図221参照)では、Y503の処理が終了すると、次いで、シナリオ格納エリア2030eaから、抽選回数カウンタ2030ebの値に対応する変動パターン選択テーブルを読み出して(Y551)、処理をY505へと移行する。ここで読み出された変動パターン選択テーブルを用いて、Y505の処理により変動パターンが選択される。なお、図示については省略したが、第2特別図柄変動パターン選択処理でも、変動パターン選択テーブルを読み出す際にはこのY551と同一の処理が実行されてテーブルが決定される。
次に、図222を参照して、第3実施形態における遊技状態更新処理(図105参照)に代えて本第1変形例で実行される遊技状態更新処理5(図222参照)について説明する。この第3実施形態の第1変形例における遊技状態更新処理5(図222参照)のうち、Y601〜Y608の各処理では、それぞれ第3実施形態における遊技状態更新処理(図105参照)のY601〜Y608の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第1変形例における遊技状態更新処理5(図222参照)では、Y608の処理後に、抽選回数カウンタ2030ebの値に1を加算することで更新し(Y651)、本処理を終了する。遊技状態更新処理5(図222参照)において、毎回抽選回数カウンタ2030ebの値を更新することにより、抽選回数カウンタ2030ebの値を、常に大当たり後に実行された特別図柄の抽選回数と一致させることができる。
次に、図223を参照して、第3実施形態における大当たり終了処理(図122参照)に代えて本第1変形例で実行される大当たり終了処理5(図223参照)について説明する。この大当たり終了処理5(図223参照)のうち、Y2301〜Y2308の各処理では、それぞれ第3実施形態の大当たり制御処理(図122参照)におけるY2301〜Y2308の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第1変形例における大当たり制御処理5(図223参照)では、Y2308の処理が終了すると、次いで、Y2302〜Y2306の処理で設定した遊技状態に対応する変動パターンシナリオを変動パターンシナリオテーブル2020eaから読み出して、シナリオ格納エリア2030eaに設定する(Y2351)。次いで、抽選回数カウンタ2030ebの値を0にリセットして(Y2352)、本処理を終了する。この大当たり終了処理5(図223参照)により、大当たり終了後の遊技状態に応じた適切な変動パターンシナリオを設定することができる。
以上説明した通り、第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、潜確状態の前半(大当たり後の抽選回数が1〜50回)であるか、後半(大当たり後の抽選回数が51〜120回)であるかに応じて変動パターンを選択するために参照される変動パターン選択テーブルを切り替える構成としている。そして、潜確状態の前半よりも、潜確状態の後半の方が、変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように構成している。これにより、潜確状態の前半と後半とで、小当たり又は大当たりとなる間隔を異ならせ、前半の方が短い間隔で小当たり又は大当たりとなる可能性を高めることができる。即ち、潜確状態の前半では、賞球の増加速度を高め、後半では、賞球の増加速度を比較的緩やかにすることができる。よって、賞球の増加速度を可変させることができるので、賞球の増え方に波を付けることができる。よって、潜確状態中における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)できる。また、潜確状態の前半の方が賞球の増加速度が速くなるので、潜確状態の前半に対する遊技者の期待感を高めることができる。よって、潜確状態の前半(後半に突入する前)に大当たりに当選させ、再度潜確状態の前半における遊技を行いたいと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第1変形例では、潜確状態の前半において第2特別図柄の抽選が実行された場合に必ず0.5秒の変動時間が設定され、潜確状態の後半において第2特別図柄の抽選が実行された場合に必ず2秒の変動時間が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態の前半でも、所定の割合(例えば、20%の割合)で2秒の変動時間が設定される構成としてもよい。同様に、潜確状態の公判でも、所定の割合(例えば、20%の割合)で0.5秒の変動時間が設定される構成としてもよい。これにより、変動時間から潜確状態の前半であるか後半であるかを判別し難くできるので、2秒の変動時間が設定された場合にも、前半であることを期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した
<第3実施形態の第2変形例>
次に、図224および図225を参照して、第3実施形態の第2変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、画面表示選択テーブル2220b(図98参照)を参照して、第1特別図柄と第2特別図柄の変動状況(各待機フラグの設定状況)に基づいて第3図柄表示装置81に表示させるべき表示内容(画面表示種別)を設定するように構成しており、通常状態では、副変動である第2特別図柄の変動状況(特図2待機フラグ2230tの設定状況)に関わらず、主変動である第1特別図柄の変動が停止してから所定期間が経過したことを示す特図1待機フラグ2230sがオンに設定されている場合にのみデモ表示を実行することで、主変動を確実に表示させる構成としていた。
ここで、上述した第3実施形態では、通常状態中、即ち左打ちが実行される状態においては、副変動である第2特別図柄の抽選結果を示す図柄が小領域Dm1に停止表示され続けるものであった。これは、第2特別図柄の抽選が実行される第2入球口1640が右打ち領域に設けられているためである。
上述したように、小領域Dm1に第2特別図柄の抽選結果を示す図柄が停止したまま表示されてしまうと、第1特別図柄の抽選が実行される第1入球口64に球が入球した際に、変動が開始されない小領域Dm1に表示される図柄を見てパチンコ機10が故障しているのではと違和感を与えてしまう虞があった。
これに対して本第2変形例では、通常状態中に副変動である第2特別図柄の変動が停止してから所定期間が経過したことを示す特図2待機フラグ2230tがオンに設定された場合に小領域Dm1にて副変動用デモ表示(特図2デモ表示)を実行するように構成した。これにより、同時変動が実行されるパチンコ機10において、副変動側の特別図柄(第2特別図柄)の抽選結果を示す図柄が停止したまま表示され続ける事態を抑制することが可能となり、遊技者が遊技の内容に違和感を覚えてしまうことを抑制することができる。
この第3実施形態の第2変形例が、上記第3実施形態と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM2220の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、本第2変形例により表示される副変動用デモ表示(第2特別図柄用デモ表示)の内容について、図224を参照して説明をする。図224は、通常状態(又は、確変状態)において、小領域Dm1にて表示される副変動用デモ表示(第2特別図柄用デモ表示)の一例を示した図である。
図224に示した通り、通常状態(又は、確変状態)において、第1特別図柄が変動している状態であって、第2特別図柄が所定期間(本変形例では30秒)変動していない状態では、小領域Dm1にて第2特別図柄の抽選結果を示す停止表示(図80参照)に代えて、副変動用デモ表示として第1特別図柄が変動していることを示す「遊技中」の文字が表示される。このように、副変動用デモ表示として小領域Dm1に第2特別図柄の抽選結果を示す図柄以外の表示を実行することで、遊技を実行しているにも関わらず(左打ち遊技を実行し第1入球口64に球を入球しているにも関わらず)、変動が実行されない図柄(第2特別図柄)が継続して表示されることにより、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
さらに、副変動用デモ表示(第2特別図柄用デモ表示)の内容を、第1特別図柄の変動状況(特図1待機フラグ2230sの設定状況)に基づいて設定可能に構成しており、図224に示した通り、第1特別図柄が変動中である場合は(特図1待機フラグ2230sがオフに設定されている場合は)、主変動である第1特別図柄が変動している旨が表示される内容としているため、遊技者に分かりやすい表示態様を提供することができる。
<第3実施形態の第2変形例における電気的構成について>
図225を参照して、第3実施形態の第2変形例における電気的構成について説明する。図225は、第3実施形態の第2変形例における画面表示選択3テーブル2220bの構成を示したブロック図である。図225に示した通り、本第2変形例における画面表示選択3テーブル2220bは、第3実施形態における画面表示選択テーブル2220b(図98参照)に対して、遊技状態が通常状態または確変状態であって、特図1待機フラグ2230sがオフに設定され、且つ、特図2待機フラグ2230tがオンに設定されている状態に対応して規定される画面表示種別を変更している点で相違している。それ以外の構成については、上述した第3実施形態の構成と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図225に示した通り、遊技状態が通常状態または確変状態であって、特図1待機フラグ2230sがオフに設定され、且つ、特図2待機フラグ2230tがオンに設定されている状態には画面表示種別として「特図2デモ表示」が対応して規定されている。この「特図2デモ表示」は、第3図柄表示装置81の小領域Dmを第2特別図柄のデモ表示領域として「遊技中」の表示(図224参照)が実行される画面表示種別である。
以上、説明をしたように、本第2変形例では、2種類の特別図柄の変動が同時に実行されるパチンコ機10において、2種類の特別図柄のうち一方の特別図柄(遊技者にとって有利となる特別図柄)が第3図柄表示装置81の大半を用いた主変動として変動表示され、他方の特別図柄(遊技者にとって主変動よりも不利な特別図柄)が第3図柄表示装置81の一部’(主変動の変動表示が実行される表示領域よりも小さい領域)を用いた副変動として変動表示される構成を用いた場合に、副変動の変動表示が実行される領域(副変動表示領域)にて副変動に対応するデモ表示を実行可能な構成としているため、副変動の抽選結果を示す図柄が長期間(30秒以上)停止表示される事態を防ぐことが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄表示装置81に表示される主変動に対応する変動表示(演出表示)に遊技者を注視させることができ。遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
さらに、副変動(第2特別図柄)に対して実行されるデモ表示の内容を主変動(第1特別図柄)の変動状況に基づいて設定することで、副変動(第2特別図柄)が表示される領域(副変動表示領域)を用いて主変動(第1特別図柄)の変動状況を遊技者に報知することが可能となる。よって、副変動領域にてデモ表示が実行される状態においては第3図柄表示装置81の全て(殆ど)を用いて主変動に関する表示を実行することができ、遊技者に分かりやすい演出を提供することができる。
なお、本第2変形例では、副変動である第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄に代えて第2特別図柄用デモ表示を実行する構成であるが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄を縮小表示し、副変動表示領域の空きスペースにて第2特別図柄用デモ表示を実行するようにしてもよいし、副変動表示領域とは異なる領域にて第2特別図柄用デモ表示を実行する構成を用いても良い。
また、本第2変形例では第1特別図柄が主変動となり第2特別図柄が副変動となる通常状態または確変状態における第2特別図柄用デモ表示(副変動デモ表示)の構成について説明をしたが、例えば、第2特別図柄が主変動となり第1特別図柄が副変動となる潜確状態でも同様の構成を用いると良い。この場合、第3図柄表示領域81の小領域Dm1を第1特別図柄の変動表示領域に設定し、遊技状態に関わらず小領域Dm1を副変動表示領域とすることにより、副変動用デモ表示の表示データや表示制御を共通化することが可能となり、第3図柄表示装置81上の表示制御の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<第6実施形態の第1変形例>
次に、図226〜図242を参照して、上述した第6実施形態における第1変形例について説明をする。上述した第6実施形態では、実際の潜確状態の残り回数と、表示上の残り回数とに差分が生じている場合において、表示上の残り回数を上乗せ表示する構成として特別図柄の変動演出に合わせて実行される押下上乗せ演出と、表示上の残り回数が0となり、且つ、実際の残り回数が0でない(1以上である)場合に非表示態様(図201(b)参照)を設定し、その非表示態様が設定されている場合において、実際の潜確状態の残り回数が所定回数(5回)以内の状態で大当たりとなった場合に実行される特殊上乗せ演出とを有する構成とし、潜確状態中における様々なタイミングで表示上の残り回数を上乗せさせる演出を実行するものであった。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技者が有利となる特定遊技状態(潜確状態)が所定回数(120回)実行されるものであって、主制御装置110にて更新管理される実際の残り回数と、第3図柄表示装置81に表示される表示上の残り回数とに差分を持たせ、遊技者に対して特定遊技状態がいつまで継続するのかを分かり難くさせるものがある。このような遊技機では、表示上の残り回数を上乗せさせる演出を実行し実際の残り回数と、表示上の残り回数との差分を収束させることで、遊技者に対して違和感なく特定遊技状態を遊技させるように構成されている。
この場合、表示上の残り回数を上乗せさせる演出としては、上述した第6実施形態に記載したように特別図柄の変動に基づいて実行される上乗せ演出(押下上乗せ演出)と、表示上の残り回数が所定回数以内となったことに基づいて実行される上乗せ演出(特殊上乗せ演出)とが考えられる。このように様々な上乗せ演出を実行することで、特定遊技状態(潜確状態)が実行される残り回数をより分かり難くすることが可能となり、遊技者に対して緊張感を持たせた状態を継続させて遊技を行わせることができ、さらに、上乗せ演出により多くの回数が上乗せされた場合には安心感を付与することができる。
しかしながら、実際の残り回数と表示上の残り回数との差分を収束させるための演出(上乗せ演出)は遊技者により好みが分かれるものであり、様々なパターンの上乗せ演出を実行することで、遊技者のモチベーションが低下してしまう虞があった。具体的には、表示上の残回数が少なくなるまで実際の残り回数が分からない状態を継続させ、表示上の残回数が少なくなった場合に実際の残り回数を上乗せする演出を好む遊技者に対して、表示上の残回数が少なくなる前に上乗せ演出が行われてしまうと、表示上の残回数と実際の残回数との差分が上乗せ演出により上乗せされた回数分少なくなることから、表示上の残回数が少なくなった場合に実際の残り回数を上乗せする演出において上乗せされる回数が減ってしまい、遊技者の演出に対するモチベーションが低下してしまうという虞があった。
これに対して、本第1変形例では、潜確状態中に実行される上乗せ演出として、毎変動上乗せ演出に期待できる演出態様(上乗せチャンスモード)と、表示上の残り回数が所定数以下となった場合に上乗せ演出が実行される演出態様(後告知モード)とを遊技者が選択可能に構成しているため、遊技者が所望する上乗せ演出の態様を任意に設定することができる。よって、遊技者の演出に対するモチベーションが低下してしまう事態を抑制することができる。
さらに、上述したように上乗せ演出の演出態様を選択可能な遊技機では、例えば、特別図柄の変動が実行される毎に上乗せ演出を実行可能な第1演出態様が設定され、且つ表示上の残り回数として3回が表示されている状態で、表示上の残り回数が所定回数(例えば5回転)となった場合に上乗せ演出が実行される第2演出態様を選択してしまうと、上乗せ演出が実行されるタイミングを逃してしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本変形例では、実際の残り回数として120回が再設定される大当たり遊技中に、上乗せ演出の演出態様を選択可能とし、さらに、演出態様として表示上の残り回数が所定回数(例えば5回転)となった場合に上乗せ演出が実行される第2演出態様が選択されたことに基づいてその大当たり演出中に表示上の残り回数を100回に設定するよう構成している。
これにより、上乗せ演出の演出態様を遊技者が任意に選択可能な遊技機において、どのタイミングでどの演出態様が選択されたとしても選択された演出態様に対応した演出を実行することができる。
この第6実施形態の第1変形例が、上記第6実施形態と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM2220およびRAM2230の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される一部処理の内容が変更となっている点、表示制御装置114のMPU231によって実行される一部処理の内容が変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第6実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
ここで、本第1変形例により実行される演出表示の内容について、図226〜図229を参照して説明をする。本第1変形例では、第3図柄表示装置81にて実行される演出表示として、横方向に移動する図柄変動表示が停止(仮停止)後(リーチハズレ後)、一部の図柄が縦方向に移動する変動パターン(スクロール変化演出)が設定されている(図226および図227参照)。さらに、潜確状態中に大当たりGに当選した場合に、その大当たり遊技中に異なる上乗せ演出態様が実行される複数の演出モードが選択可能に構成されている(図228および図229参照)。
まず、図226および図227を参照して、スクロール変化演出の内容について説明をする。図226(a)は、スクロール変化演出のうち、図柄が横方向に移動するリーチ(第1リーチ態様)が外れで停止(仮停止)した状態を示す模式図であり、図226(b)は、第1リーチ態様が外れ停止(仮停止)後、一部の図柄が縦方向に移動することを示唆する示唆態様で表示されている状態を示す模式図であり、図227(a)は、図柄が縦方向に移動するリーチ(第2リーチ態様)が実行される状態を示す模式図であり、図227(b)は、第2リーチ態様が当たり図柄で停止した状態を示す模式図である。なお、図柄が横方向に移動するリーチ(第1リーチ態様)については上述した第6実施形態と同一の内容であるため、その詳細な説明を省略する。
図226(a)に示した通り、本第1変形例では第3図柄表示装置81の表示領域が左表示領域Dz1と右表示領域Dz2とで分割して制御可能に構成されており、通常の図柄変動表示(横方向への図柄変動表示)中は、左表示領域Dz1および右表示領域Dz2の表示制御を一括して実行することで、第3図柄表示装置81の全表示領域に対して変動表示が実行され、通常とは異なる特殊図柄変動表示(縦方向への図柄変動表示)が実行される場合には、縦方向への図柄変動対象となる領域(左表示領域Dz1と右表示領域Dz2)の表示データのみを更新する制御が実行されるように構成されている。これにより、図柄の変動表示に適した領域の表示データを更新するだけで適正な図柄表示演出を実行することができるため、図柄変動処理に関する制御の処理負荷を軽減することができる。
この図226(a)は、図柄列L1および図柄列L3がまず停止表示され(第1リーチ態様)が実行され、その結果、特別図柄の抽選結果が当たりである場合に停止表示される図柄の組み合わせ(同一の数字を示す図柄が直線状に停止表示される図柄の組み合わせ)に対して、1コマずれた(プラス方向に1コマずれた)態様で図柄列L2が停止表示されている。
その後、左表示領域Dz1内に停止表示されている各図柄(図柄列L1は「ライオン」を模した図柄、図柄列L2は副図柄、図柄列L3は「ヘビ」を模した図柄)のうち、キャラクタを模した図柄が縦方向(下方向)への変動を示唆するアクションを示す移動方向示唆態様で表示され、且つ、左表示領域Dz1に縦方向(下方向)の図柄列が表示される。具体的には、左表示領域Dz1に表示される図柄列L1の上側に副図柄を表示し、左表示領域Dz1に表示される図柄列L3の下側に副図柄を表示することで、左表示領域Dz1内に縦方向の図柄列(上から、副図柄、「ライオン」を模した図柄、副図柄、「ヘビ」を模した図柄、副図柄の順で表示される図柄列)が表示される(図226(b)参照)。
これにより、左表示領域Dz1に表示される各図柄が縦方向に変動することを示唆することができ、遊技者に期待感を持たせる演出を実行することができる。さらに、本第1変形例では左表示領域Dz1内の表示内容を変更(即ち、左表示領域Dz1内に停止表示されている各図柄の表示態様の変更表示、および、左表示領域Dz1内に新たな図柄を追加し縦方向の図柄列を追加表示)する処理を実行するだけで、今後、縦方向に図柄が変動するリーチ(第2リーチ態様)が実行されることを示唆する構成としているため、図柄変動処理に関する制御の処理負荷を軽減することができる。
なお、本第1変形例の構成を用いること無く、右側表示領域Dz2に停止表示(仮停止表示)されている図柄の表示態様を変更して第2リーチ態様が実行されることを示唆する構成を用いても良い。これにより、第3図柄表示装置81の全体を用いた示唆演出を実行することが可能となるため、遊技者に分かりやすい報知をすることができる。
そして、第2リーチ態様(図柄が縦方向に変動するリーチ)が実行されると、図227(a)に示す通り、左表示領域Dz1内に形成される図柄列L5が縦方向(下方向)に変動し、第2リーチ態様として、有効ラインV5または有効ラインV6に「1」の数字が付された主図柄(ゾウを模した主図柄)が停止表示されることで大当たりを示す停止図柄となる特殊ダブルリーチ態様が実行される。このように、通常の横方向のリーチ態様(第1リーチ態様)と縦方向のリーチ態様(第2リーチ態様)とを組み合わせることにより、単一方向の図柄列(L1〜L3)の変動表示よりも複雑な図柄変動表示を容易に実行することができる。さらに、図227(a)に示す通り、特定の主図柄(「1」の数字が付された主図柄)が大当たりを示す停止位置を複数箇所設定することが可能となり、大当たりの期待感を高める演出を実行することができる。
そして、第2リーチ態様の実行が終了し、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、有効ラインV5,V6の何れかに「1」の数字が付された主図柄(ゾウを模した主図柄)が一列に停止表示される(図227(b)参照)。その後、大当たり遊技が実行される。
なお、上述した表示例では、第1リーチ態様が停止(仮停止)した状態(図226(a)参照)から、第2リーチ態様が停止(仮停止)する状態までの間、左表示領域Dz1以外の領域の表示データを変更しない例を示したが、右表示領域Dz2内に停止表示される各図柄(主図柄および副図柄)に対応する表示データの更新が行われないようにし、それ以外の表示データ(例えば、右表示領域Dz2内に表示される「リーチ」の表示等)の更新は実行されるように構成してもよい。これにより、図226(a)に示す特殊ダブルリーチ態様が実行された場合に、「リーチ」の表示を、通常のリーチ態様よりも大当たりの期待度が高いことを示す「マルチリーチ」の表示に更新することが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、現在の図柄変動状況を示す表示領域(図226(a)で「リーチ」を表示している領域)を、左表示領域Dz1内に設け、図柄変動状況に応じて表示する内容を適宜変更するように構成してもよい。これにより、第3図柄表示装置81の表示領域のうち特定の表示領域(左表示領域Dz1)のみの表示データを更新する処理を実行するだけで、第2リーチ態様を実行するとともに、図柄変動状況に応じた表示を実行することができるため、図柄変動処理に関する制御の処理負荷を軽減することができるとともに、大当たりの期待感を高める演出を実行することができる。
次に、図228および図229を参照して、本第6実施形態の第1変形例における潜確状態中に実行される上乗せ演出を選択する上乗せモード選択演出の内容について説明をする。この上乗せモード選択演出は、潜確状態中における実際の残り回数(残確変回数エリア2230oの値)と表示上の残り回数(演出確変回数エリア2230pに格納されている値)との差分を収束するために表示上の残り回数を上乗せ(加算)する上乗せ演出の演出態様(上乗せモード)を選択するための演出であって、特別図柄の変動が開始される度に上乗せ演出を実行するか否かが判別される演出態様(上乗せチャンスモード)と、表示上の残り回数が所定回数となった場合に上乗せ演出が実行される演出態様(後告知モード)と、から遊技者が任意の演出態様(上乗せモード)を選択可能な演出である。
これにより、遊技者は自分の好みに適した上乗せ演出が実行される演出態様を選択することが可能となり、意図しない上乗せ演出が実行されてしまいモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
まず、図228(a)を参照して、本第1変形例における上乗せモード選択演出の表示内容を説明する。図228(a)は上乗せモード選択演出の表示内容の一例を示す模式図である。図228(a)に示した通り、本第1変形例では、上乗せモード選択演出が潜確状態中において大当たりGに当選した場合に実行される大当たり遊技中に実行される。
上乗せモード選択演出が実行されると、第3図柄表示領域81の主表示領域Dmの残回数表示領域D1には、大当たりGに当選した際の表示上の残り回数(演出残確変回数)が継続して表示される。これにより、大当たり遊技中であっても表示上の残り回数を容易に確認することができる。なお、主制御装置110では大当たり遊技が実行される場合に確変カウンタ2030kの値をクリア(0に設定)しているが、音声ランプ制御装置113の演出確変回数エリア2230pにて表示上の残り回数(演出残確変回数)を記憶(設定)することで、大当たり遊技中であっても表示上の残り回数を継続して表示することができるように構成している。
そして、主表示領域Dmの中央領域には、枠ボタン22を操作(押下)することを促す「push」という文字が記載されたボタンD6aが表示されると共に、その両側に「上乗せチャンスモード」と記載された第1被選択表示D6bと、「後告知モード」と記載された第2被選択表示D6cとが表示され、第1被選択表示D6bを選択する第1選択位置と、第2被選択表示D6cを選択する第2選択位置との間を所定間隔で移動する選択表示D6dが表示される。表示領域D4には、上乗せモード選択演出の内容を説明する表示がテロップ表示されており、図228(a)では「好きなモードをボタンで選んでね」の記載が表示されている。また、副表示領域Dsの左側には、大当たりに当選した状態において選択されていた上乗せ演出モード(上乗せモード)が表示されており、遊技者がどの上乗せ演出モードを選択していたのかを容易に把握できるようにしている。
この上乗せモード選択演出中に、選択表示D6dが所望する上乗せモードを指定している状態で枠ボタン22を操作(押下)することで指定されている上乗せモードが設定される。
そして、図228(a)において、上乗せチャンスモード(第1被選択表示D6b)を選択した場合には図228(b)に示した通り、潜確状態が継続することを報知する「RUSH継続」の文字が表示されるとともに、潜確状態が継続することを祝福する表示態様のキャラクタ811が表示される。また、この場合は、上乗せモード選択演出において上乗せ演出モードを変更していないため(大当たり当選時「上乗せチャンスモード」→上乗せモード選択演出後「上乗せチャンスモード」であるため)、残回数表示領域D1には大当たり当選時と同じ「残り3回」が継続して表示される。これにより、大当たり当選時の状況(表示上の残り回数)と同じ状況(表示上の残り回数)で潜確状態を再開することができるため、遊技者に違和感を与えることなく潜確状態中の遊技を実行することができる。
また、図228(b)に示した通り、副表示領域Dsの右側には上乗せモード選択演出にて選択した上乗せモードが表示される。これにより、副表示領域Dsの表示内容を見ることで、大当たり時の上乗せモードと上乗せモード選択演出後の上乗せモードとの両方を容易に把握することができる。
一方、図228(a)において、後告知モード(第2被選択表示D6c)を選択した場合には図229に示した通り、残回数表示領域D1が100回を示すように「+97」の上乗せ表示が実行される。それ以外に図228(b)にて説明した内容と同一の内容が表示される。なお、同一の箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。このように、大当たり当選時の上乗せモードと上乗せモード選択演出にて選択した上乗せモードが異なる場合には、残回数表示領域D1が100回となるようにすることで、新たに実行される上乗せモードにて違和感なく円滑に上乗せ演出を実行することが可能となり、演出効果を高めることができる。
具体的には、図228(a)に示すように、残回数表示領域D1が「3回」を示している状態で大当たりGに基づく大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技中の上乗せモード選択演出にて上乗せモードを上乗せチャンスモードから後告知モードへと変更した場合において、残回数表示領域D1に表示される回数を「3回」のままにしておくと、後告知モードにおいて上乗せ演出が実行される機会(残回数表示領域D1に表示される回数が「5回」以内)を失う虞があり、好適な演出を遊技者に提供することができないという不具合があった。しかし、本第1変形例のように、上乗せモードを変更した場合には残回数表示領域D1に表示される回数が100回となるようにすることで、後告知モードにおいて上乗せ演出が実行される機会(残回数表示領域D1に表示される回数が「5回」以内)を確実に確保することができる。
なお、本第1変形例では、大当たり遊技における7ラウンド目にて大当たり遊技終了後に潜確状態が付与されるか否かが決定されるよう構成しているため(7ラウンド目に球がV通過スイッチ65e3(図77参照)を通過した場合に潜確状態が付与されるよう構成しているため)、上述した上乗せ演出モード選択演出は大当たり遊技中の8ラウンド目以降に実行されるように構成されている。これにより、実際の残り回数が120回に再設定されることが確定した状態で上乗せモードを選択する演出を実行することができるため、大当たり中にV通過スイッチ65e3を球が通過せず、大当たり終了後に潜確状態が付与されない場合には上乗せ演出モード選択演出を実行することなく大当たり遊技を終了させることができる。
<第6実施形態の第1変形例における電気的構成>
次に、図230および図231を参照して、本第6実施形態の第1変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図230は、本第6実施形態の第1変形例における主制御装置110のROM2020に設けられた第2通常用テーブルA2020ff1の内容を模式的に示した模式図である。図230に示した通り、この第2通常用テーブルA2020ff1は、上述した第6実施形態に用いられる通常用テーブル2020f1(図93参照)に対して、規定されている変動パターンの一部が変更されている点で相違している。その他の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、第2通常用テーブルA2020ff1に規定されている変動パターンのうち、通常用テーブルA2020f1から変更された変動パターンについて説明をする。本第6実施形態の第1変形例では、特別図柄の変動パターンとしてスクロール変化演出(図226および図227参照)が実行されるように構成している。具体的には、第1特別図柄の抽選が大当たりとなった場合であって、変動種別カウンタCS1の値が「101〜150」の範囲に当たりスーパーリーチD(30秒)が対応付けられ、「151〜198」の範囲に当たりスーパーリーチE(30秒)が対応付けられている。
さらに、第1特別図柄の抽選が外れで、保留球数が0個または1個の場合であって、変動種別カウンタCS1の値が「71〜150」の範囲に外れノーマルリーチB(20秒)が対応付けられ、「171〜198」の範囲に外れスーパーリーチC(30秒)が対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選が外れで、保留球数が2個または3個の場合であって、変動種別カウンタCS1の値が「131〜170」の範囲に外れノーマルリーチB(20秒)対応付けられ、「186〜198」の範囲に外れスーパーリーチC(30秒)が対応付けられている。
変動パターンとして当たりスーパーリーチD(30秒)が設定されると、最初の17秒間は第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第1リーチ態様)(図81(b)参照)が実行され、第1リーチ態様が外れを示す態様(図柄列L2がプラス1コマずれた態様)が停止表示(仮停止表示)される(図226(a)参照)。その後、スクロール変化演出を示唆する示唆演出が示唆演出期間である3秒間実行され(図226(b))、示唆演出期間を過ぎると第3図柄が縦方向に移動するリーチ演出(第2リーチ態様)が10秒間実行される(図227(a)参照)。そして、当たりを示す組み合わせで第3図柄が停止表示される(図227(b)参照)。
変動パターンとして当たりスーパーリーチE(30秒)が設定されると、最初の17秒間は第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第1リーチ態様)(図81(b)参照)が実行され、第1リーチ態様が外れを示す態様(図柄列L2がプラス1コマずれた態様)が停止表示(仮停止表示)される(図226(a)参照)。その後、スクロール変化演出を示唆する示唆演出が示唆演出期間である3秒間実行され(図226(b))、示唆演出期間を過ぎると第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第3リーチ態様)が10秒間実行される。そして、当たりを示す組み合わせで第3図柄が停止表示される。
変動パターンとして外れノーマルリーチB(20秒)が設定されると、最初の17秒間は第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第1リーチ態様)(図81(b)参照)が実行され、第1リーチ態様が外れを示す態様(図柄列L2がプラス1コマずれた態様)が停止表示(仮停止表示)される(図226(a)参照)。その後、スクロール変化演出を示唆する示唆演出が示唆演出期間である3秒間実行された後(図226(b))、第3図柄が外れを示す組み合わせで停止表示される。
変動パターンとして外れスーパーリーチC(30秒)が設定されると、最初の17秒間は第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第1リーチ態様)(図81(b)参照)が実行され、第1リーチ態様が外れを示す態様(図柄列L2がプラス1コマずれた態様)が停止表示(仮停止表示)される(図226(a)参照)。その後、スクロール変化演出を示唆する示唆演出が示唆演出期間である3秒間実行され(図226(b))、示唆演出期間を過ぎると第3図柄が横方向に移動するリーチ演出(第3リーチ態様)が10秒間実行される。そして、外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示される。
以上、説明をしたように、本第6実施形態の第1変形例では、スクロール変化演出として、30秒間の変動時間のうち、最初の20秒間で第1リーチ態様(17秒)と示唆演出(3秒)が実行され、残りの10秒で第2リーチ態様(10秒)が実行されるように構成している。これにより、示唆演出終了後にそのまま第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される変動時間20秒の外れ変動(外れノーマルリーチB)や、残り10秒で第2リーチ態様とは異なる第3リーチ態様(10秒)が実行される変動(当たりスーパーリーチE、外れスーパーリーチC)と組み合わせることで、図柄変動中の様々なタイミングで遊技者に当たりへの期待を持たせる演出を実行することができる。
具体的には、示唆演出が実行されている間は、仮停止されている第3図柄が再始動することを期待しながら遊技を行わせることができる。また、本第1変形例では第3図柄が再始動する方向によって当たり期待度が異なるように構成しているため、第3図柄がどの方向に再始動するかも合わせて期待しながら遊技を行わせることができる。なお、この示唆演出実行中には、図226(b)に示す通り、第3図柄表示装置81にて第3図柄が再始動するか否か、或いは第3図柄が再始動する方向を示唆する演出(示唆演出)が実行されるため、遊技者は示唆演出として実行される演出の内容を確認することで、第3図柄が再始動するか否か、或いは、第3図柄が再始動する方向を予測しながら遊技を行うことができる。
なお、図226(b)では、第3図柄の表示形態が移動方向(下方向)を示唆する表示形態(移動方向示唆表示形態)に変更する示唆演出が実行されているが、それ以外の示唆演出としては、例えば、第3図柄が横方向(左方向)へと再始動することを示唆するために、第3図柄の表示形態をキャラクタが左側(進行方向)を向く表示形態(第2移動方向示唆表示形態)や、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄が第3図柄の再始動方向を示唆する表示形態へと変化する示唆演出や、第3図柄表示装置81に表示されるその他の表示形態を用いて、第3図柄の再始動方向を示唆する示唆演出がある。
さらに、第3図柄の再始動方向を示唆するのでは無く、単に第3図柄が再始動することを示唆する示唆演出を実行するように構成してもよい。この場合、示唆演出期間中に、まず第3図柄が再始動することを示唆する示唆演出(再始動示唆演出)を実行し、その後、再始動した際の第3図柄の移動方向を示唆する示唆演出(再始動方向示唆演出)を実行するように構成するとよい。これにより、遊技者に対して当たりの期待度を段階的に報知することができ、遊技者に対して演出を継続して注視させることができる。
また、本第1変形例では、第3図柄が再始動する場合、縦方向(下方向)への変動或いは横方向(左方向)への変動が実行されるように構成しているが、第3図柄が再始動する方向をそれ以外にも設けてもよく、例えば、縦方向への再始動として上述した下方向以外に上方向へと再始動する変動パターンを設けてもよい。この場合、第3図柄が縦方向(上方向、下方向)に再始動する変動パターンの当たり期待度が異なるように設定し、示唆演出として、第3図柄が縦方向に再始動することを示唆する示唆演出と、第3図柄が上方向に再始動することを示唆する示唆演出と、第3図柄が下方向に再始動することを示唆する示唆演出とを設けることで、遊技者に対して当たり期待度を段階的に報知することができる。
次に、図231を参照して、本第6実施形態の第1変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。図231(a)は、本第1変形例の音声ランプ制御装置113のROM2220の構成を示したブロック図である。図231(a)に示した通り、本第1変形例におけるROM2220には、第3実施形態におけるROM2220の構成に加えて、上乗せモード選択テーブル2220faが設けられている。
この上乗せモード選択テーブル2220faは、潜確状態中に遊技者が選択可能な上乗せモード(上乗せチャンスモード、後告知モード)にて実行される各上乗せ演出の内容が記憶されており、上乗せモード演出選択処理にて選択された上乗せモード演出に対応した演出が読み出され、実行される。
図231(b)は、本第1変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成を模式的に示した模式図である。本第1変形例では、上述した第6実施形態に対して押下済aフラグ2230fa、押下済bフラグ2230fb、スクロール変化フラグ2230fc、モード変更フラグ2230fd、モード上乗せフラグ2230fd、上乗せモード設定エリア2230feを追加している。
押下済aフラグ2230faは、枠ボタン22の操作(押下)が有効に判別される期間(操作有効期間)のうち、リーチ中に設定される期間(リーチ中押下期間)に枠ボタン22が操作されたことを示すためのフラグであって、リーチ中押下期間中に枠ボタン22が操作(押下)されたことに基づいてオンに設定されるものである。この押下済aフラグ2230faは、枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)のリーチ中押下処理(図233のY5332参照)が実行されるとオンに設定され(図233のY8002参照)、押下終了時処理(図235のY5537参照)において参照され(図235のY8201)、その後、オフに設定される(図235のY8204)。
押下済bフラグ2230fbは、枠ボタン22の操作(押下)が有効に判別される期間(操作有効期間)のうち、大当たり遊技中に設定される期間(大当たり中押下期間)に枠ボタン22が操作されたことを示すためのフラグであって、大当たり中押下期間中に枠ボタン22が操作(押下)されたことに基づいてオンに設定されるものである。この押下済bフラグ2230fbは、枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)の大当たり中押下処理(図234のY5334参照)が実行されるとオンに設定され(図234のY8102参照)、押下終了時処理(図235のY5537参照)において参照され(図235のY8207)、その後、オフに設定される(図235のY8212)。
スクロール変化フラグ2230fcは、第3図柄の変動方向が途中で切り替わるスクロール変化演出(図226、227参照)においてスクロールを変化させる条件が成立した場合にオンに設定されるフラグである。このスクロール変化フラグ2230fcは、第3図柄の変動方向を途中で切替可能な変動パターン(当たりスーパーリーチD)のリーチ中押下期間(示唆演出期間)中に枠ボタン22が操作(押下)された場合に、スクロール変化演出においてスクロールを変化させる条件が成立したと判別しオンに設定される(図233のY8005参照)。そして、押下終了時処理(図235のY5537参照)において参照され(図235のY8202)、オンと判別した場合に(図235のY8202:Yes参照)、オフに設定される(図235のY8203参照)。この押下終了時処理(図235のY5537参照)では、スクロール変化フラグ2230fcの設定状況に応じて、表示制御装置114に対して出力する表示用コマンドを異ならせることでスクロール変化演出を実行可能に構成している。
モード変更フラグ2230fdは、大当たり遊技中に実行される上乗せモード選択演出において現在設定されている上乗せモードが変更されたことを示すフラグであって、上乗せモード選択演出によって上乗せモードを変更した場合にオンに設定されるものである。このモード変更フラグ2230fdは、大当たり中押下処理(図234のY5534参照)において、モード変更がされたと判別した場合に(図234のY8104:Yes)、オンに設定され(図234のY8105)、押下終了時処理(図235のY5537参照)において参照され(図235のY8208)、オンに設定されていると判別した場合に(図235のY8208:Yes)、オフに設定される(図235のY8209)。この押下終了時処理(図235のY5537)では、モード変更フラグ2230fdの設定状況に応じて演出確変回数エリア2230pの値を可変するように構成しており、モード変更フラグ2230fdがオンに設定されている場合には、演出確変回数エリア2230pの値に100を設定する(図235のY8210)。これにより、上乗せモード選択演出によって上乗せモードを変更した場合には、演出確変回数エリア2230pの値が100に設定された状態、即ち、第3図柄表示装置81の残回数表示領域D1に表示される表示上の残り回数(演出残確変回数)が100に設定された状態から潜確状態の遊技を実行することが可能となり、変更後の上乗せモードで実行される上乗せ演出を好適に提供することができる。
上乗せモード設定エリア2230feは、少なくとも、現在設定されている上乗せモードと前回設定されていた上乗せモードを設定(記憶)する領域であって、押下終了時処理(図235のY5537処理)において、選択された上乗せモードが設定される(図235のY8211)。なお、この上乗せモード設定エリア2230feには電源投入時に実行される立ち上げ処理(図127参照)の初期設定(図127のY4001)にて上乗せチャンス演出モードが設定されていることを示す情報が設定されるように構成されており、遊技者が上乗せモードを選択していない状態では潜確状態中の上乗せチャンスモードが実行されるように構成されている。この上乗せモード設定エリア2230feに設定(記憶)されている情報(現在設定されている上乗せモード)は特図2変動開始処理6(図236のY4361参照)において参照され(図236のY4391参照)、且つ、残回数コマンド処理6(図237のY4364参照)において参照され(図237のY5871参照)、現在設定されている上乗せモードに対応する上乗せ演出が実行されるように構成している。
<第6実施形態の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図232〜図237を参照して、第6実施形態の第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図232を参照して、音声ランプ制御装置113の枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)について説明する。図232は、この枠ボタン入力監視・演出処理2(Y4107)を示したフローチャートである。
この枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)が開始されると、まず、枠ボタン22の押下を検出したか否か判別し(Y5501)、枠ボタン22の押下を検出したと判別した場合は(Y5501:Yes)、次いで、リーチ中押下期間中であるかを判別する(Y5531)。
Y5531の処理において、リーチ中押下期間中であると判別した場合は(Y5531:Yes)、リーチ中に第3図柄の変動方向(スクロール方向)を変更させるためのリーチ中押下処理を実行して(Y5532)、本処理を終了する。このリーチ中押下処理(Y5532)の詳細については、図233を参照して後述する。
一方、Y5531の処理において、リーチ中押下期間中でないと判別した場合は(Y5531:No)、次いで、大当たり中押下期間であるかを判別する(Y5533)。Y5533の処理において、大当たり押下期間中であると判別した場合は(Y5533:Yes)、実行される上乗せ演出の種別が異なる複数の上乗せモードから一の上乗せモードを選択するための大当たり中押下処理を実行して(Y5534)、本処理を終了する。この大当たり中押下処理(Y5534)の詳細については、図234を参照して後述する。
また、Y5533の処理において、大当たり中押下期間でないと判別した場合は(Y5533:No)、その他の押下タイミングに応じた処理を実行して(Y5535)、本処理を終了する。なお、その他の押下タイミングとは、上述した第6実施形態のY5507の処理に加えて、上述した第6実施形態の枠ボタン入力監視・演出処理(図208のY4107)にて実行される上乗せ演出中押下処理(図208のY5503)や、保留予告中押下処理(図208のY5505)が実行される。
Y5501の処理において、枠ボタン22の操作(押下)を検出しない場合は(Y5501:No)、次いで、押下期間の終了タイミングであるかを判別し(Y5536)、押下期間の終了タイミングであると判別した場合には(Y5536:Yes)、押下終了時処理(図235参照)を実行して(Y5537)、本処理を終了する。一方、Y5501の処理において、枠ボタン22が操作(押下)していないと判別した場合には、押下終了時処理(図235参照)をスキップして本処理を終了する。
次に、図233を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)において実行されるリーチ中押下処理(Y5532)の内容について説明をする。図233はリーチ中押下処理(Y5532)の内容を示したフローチャートである。このリーチ中押下処理(Y5532)は、リーチ中押下期間に枠ボタン22が操作(押下)された場合の処理を実行するものである。具体的には、スクロール変化演出(図226、335参照)にて第3図柄の変動方向(スクロール方向)を変化させる条件が成立したかを判別する処理が実行される。
リーチ中押下処理(Y5532)が実行されると、まず、押下済aフラグ2230faがオンに設定されているかを判別し(Y8001)、オンに設定されていないと判別した場合は(Y8001:No)、押下済aフラグ2230faをオンに設定し(Y8002)、次いで、表示用リーチ中押下コマンドを設定する(Y8003)。この表示用リーチ中押下コマンドが設定されることで、リーチ中押下期間内に枠ボタン22が押下されたことを示す押下済み表示態様が第3図柄表示装置81に報知(表示される)。なお、この押下済み表示態様は、リーチ中押下期間(示唆演出期間)中継続して表示されるものであって、図示はしないが、スクロール変化演出において第3図柄が再始動するか否かの期待度、或いは、再始動する方向を示唆する態様で表示される。
Y8003の処理を終えると、次に、実行されている変動パターンが当たりスーパーリーチD(図230参照)であるか(即ち、スクロール変化演出に対応する変動パターンであるか)を判別する(Y8004)。Y8004の処理において、変動パターンが当たりスーパーリーチDであると判別した場合は(Y8004:Yes)、スクロール変化フラグ2230fcをオンに設定し(Y8005)、本処理を終了する。一方、変動パターンが当たりスーパーリーチDでは無いと判別した場合は(Y8004:No)、そのまま本処理を終了する。
また、Y8001の処理において押下済aフラグ2230faがオンに設定されていると判別した場合(Y8001:Yes)は、リーチ中押下期間内に既に枠ボタン22が操作されている状態(2回目以降の枠ボタン操作を実行した状態)であるため、全ての処理をスキップして本処理を終了する。なお、本第6実施形態の第1変形例では、リーチ中押下期間内の最初に枠ボタン22が操作(押下)された時点でリーチ中押下処理(Y5532)が実行されるように構成しているが、例えば、枠ボタン22を所定回数操作(押下)した場合にリーチ中押下処理(Y5532)が実行されたり、枠ボタン22を操作(押下)する度に抽選が実行され、その抽選結果が当たりとなった場合にリーチ中押下処理(Y5532)が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、実行される演出の内容を複雑にすることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図234を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)において実行される大当たり中押下処理(Y5534)の内容について説明をする。図234は大当たり中押下処理(Y5534)の内容を示したフローチャートである。この大当たり中押下処理(Y5534)は、大当たり中押下期間(上乗せモード選択演出期間)に枠ボタン22が操作(押下)された場合の処理を実行するものである。具体的には、上乗せモード選択演出(図228参照)にて枠ボタン22を操作(押下)した内容に基づいて、大当たり終了後に実行される潜確状態中の上乗せモードを設定するための処理が実行される。
大当たり中押下処理(Y5534)が実行されると、まず、押下済bフラグ2230fbがオンに設定されているかを判別し(Y8101)、オンに設定されていないと判別した場合は(Y8101:No)、押下済bフラグ2230fbをオンに設定し(Y8102)、次いで、表示用大当たり中押下コマンドを設定する(Y8103)。この表示用大当たり中押下コマンドが設定されることで、大当たり中押下期間内に枠ボタン22が押下されたことを示す押下済み表示態様が第3図柄表示装置81に報知(表示される)。なお、この押下済み表示態様は、図示はしないが、図228(a)に示すボタンD6aが押下された態様で表示され、選択表示D6dが選択した上乗せモードを指定した位置で停止表示され、指定された側の被選択表示(D6bまたはD6c)が選択されたことを示す態様で表示されるものである。
Y8103の処理を終えると、次に、上乗せモードが変更されたか否かを判別する(Y8104)。ここでは、大当たり遊技が実行される前に設定されていた上乗せモードを上乗せモード設定エリア2230feから読み出し、今回の上乗せモード選択演出において選択された上乗せモードと比較をすることで、上乗せモードの変更がされたかが判別される。Y8104の処理において、上乗せモードが変更されたと判別した場合は(Y8104:Yes)、モード変更フラグ2230fdをオンに設定し(Y8105)、本処理を終了する。一方、上乗せモードが変更されていないと判別した場合は(Y8104:No)、そのまま本処理を終了する。
また、Y8101の処理において押下済bフラグ2230fbがオンに設定されていると判別した場合(Y8101:Yes)は、大当たり中押下期間内に既に枠ボタン22が操作されている状態(2回目以降の枠ボタン操作を実行した状態)であるため、全ての処理をスキップして本処理を終了する。なお、本第6実施形態の第1変形例では、大当たり中押下期間内の最初に枠ボタン22が操作(押下)された時点で大当たり中押下処理(Y5532)が実行され、上乗せモードが決定されるように構成しているが、例えば、大当たり中押下期間内であれば、上乗せモードを再度設定可能に構成してもよい。
次に、図235を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理2(図232参照)において実行される押下終了時処理(Y5537)の内容について説明をする。図235は押下終了時処理(Y5537)の内容を示したフローチャートである。この押下終了時処理(Y5537)では、枠ボタン22の操作を有効に判別する押下期間(リーチ中押下期間、大当たり中押下期間)が終了したタイミングで実行される処理であって、各押下期間中に設定されたフラグの状況に基づいて、押下期間終了後に実行される演出内容を設定するための処理が実行される。
押下終了時処理(Y5537)が実行されると、まず、押下済aフラグ2230faがオンに設定されているかを判別する(Y8201)。ここで、押下済aフラグ2230faがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合には(Y8201:No)、リーチ中押下期間内に枠ボタン22が操作(押下)されなかった場合であるため、リーチ中押下期間内の枠ボタン操作に基づく処理(Y8202〜Y8205)をスキップしてY8207の処理へ移行する。
一方、Y8201の処理において、押下済aフラグ2230faがオンに設定されていると判別した場合は(Y8201:Yes)、次に、スクロール変化フラグ2230fcがオンに設定されているかを判別し(Y8202)、オンに設定されていると判別した場合は(Y8202:Yes)、スクロール変化フラグ2230fcをオフに設定し(Y8203)、表示用スクロール変化コマンドを設定し(Y8204)、Y8206の処理へ移行する。
Y8202の処理において、スクロール変化フラグ2230fcがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は、表示用スクロール非変化コマンドを設定し(Y8205)、Y8206の処理へ移行する。Y8206の処理では、押下済aフラグ2230faをオフに設定する(Y8206)。
Y8206の処理を終えると、次に、押下済bフラグ2230fbがオンに設定されているかを判別する(Y8207)。ここで、押下済bフラグ2230fbがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合には(Y8207:No)、大当たり中押下期間内に枠ボタン22が操作(押下)されなかった場合であるため、大当たり中押下期間内の枠ボタン操作に基づく処理(Y8208〜Y8212)をスキップして本処理を終了する。つまり、大当たり中押下期間(上乗せモード選択演出中)に枠ボタン22が操作されなかった場合は、演出確変回数エリア2230pの値と、上乗せモード設定エリア2230feの設定内容とが変更されることなく、大当たり当選時の状態(上乗せモードおよび残回数表示領域D1に表示される残り回数)を継続した態様で大当たり遊技終了後の潜確状態が実行される。よって、潜確状態中の上乗せモードを変更したくないために、上乗せモード選択演出中に遊技者が意図的に枠ボタン22を操作(押下)しなかった場合において、大当たり遊技終了後に上乗せモードおよび残回数表示領域D1に表示される残り回数が変更されてしまうことを抑制することができる。
一方、Y8207の処理において、押下済bフラグ2230fbがオンに設定されていると判別した場合は(Y8207:Yes)、次いで、モード変更フラグ2230fdがオンに設定されているかを判別し(Y8208)、オンに設定されていると判別した場合は(Y8208:Yes)、モード変更フラグ2230fdをオフに設定し(Y8209)、演出確変回数エリアの値に100を設定し(Y8210)、選択された上乗せモードを上乗せモード設定エリア2230feに設定する(Y8211)。そして、押下済bフラグ2230fbをオフに設定して本処理を終了する。
一方、Y8208の処理において、モード変更フラグ2230fdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y8208:No)、Y8209,Y8210の処理をスキップしてY8211の処理へ移行する。このように、上乗せモード選択演出中に上乗せモードを変更した場合は、演出確変回数エリア2230pの値を100に設定することで、大当たり遊技終了後に実行される潜確状態において変更後の上乗せモードを用いた上乗せ演出を好適に実行させることができる。また、上乗せモード選択演出中に上乗せモードが変更されないように上乗せモードを選択した場合には(Y8208参照)、演出確変回数エリア2230pの値を設定する処理(Y8210)がスキップされるため、潜確状態中の上乗せモードを変更したくないために、上乗せモード選択演出中に遊技者が意図的に現在設定されている上乗せモードと同じ上乗せモードを選択した場合において、大当たり遊技終了後に上乗せモードおよび残回数表示領域D1に表示される残り回数が変更されてしまうことを抑制することができる。
次に、図236を参照して、特図2変動開始処理6(Y4361)の詳細について説明をする。図236は、特図2変動開始処理6の内容を示したフローチャートである。この特図2変動開始処理6(Y4361)は、上述した第6実施形態の特図2変動開始処理4(図212参照)に対して、現在設定されている上乗せモードの種別に基づいて上乗せ演出処理を実行するか否かを判別する処理が追加されている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
特図2変動開始処理6(Y4361)が実行されると、まず、上述した第6実施形態の特図2変動開始処理4(図212参照)のY4371〜Y4373,Y4375と同一の処理が実行され、Y4373の処理において、遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(Y4373:Yes)、次に、現在設定されている上乗せモードが上乗せチャンスモードであるかを判別する(Y4391)。このY4391の処理では、上乗せモード設定エリア2230feに設定されている情報(上乗せモード情報)を読み出し、その上乗せモード情報に基づいて判別が実行される。
Y4391の処理において、現在設定されている上乗せモードが上乗せチャンスモードであると判別した場合は(Y4391:Yes)、上述した第6実施形態の特図2変動開始処理4(図212参照)のY4374,Y4376と同一の処理を実行し、本処理を終了する。一方、現在設定されている上乗せモードが上乗せチャンスモードではない(後告知モードである)と判別した場合には(Y4391:No)、Y4374の処理をスキップして本処理を終了する。
このように構成することで、特図2変動開始処理6(Y4361)が実行される場合において(第2特別図柄の変動が実行される場合において)、現在設定されている上乗せモードが上乗せチャンスモードの場合は上乗せ演出設定処理を実行し、毎変動上乗せ演出に期待が持てる上乗せモードを提供可能とし、現在設定されている上乗せモードが後告知モードの場合は上乗せ演出設定処理を実行せず、実際の残り回数と表示上の残り回数との差分を収束させないようにすることで、後告知(表示上の残り回数が所定数となった場合に実行される上乗せ演出)時に表示される上乗せ回数を大きくすることができる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
次に、図237を参照して、残確変回数コマンド処理6(Y4364)の詳細について説明をする。図237は、残確変回数コマンド処理6(Y4364)の内容を示したフローチャートである。この残確変回数コマンド処理6(Y4364)は、上述した第6実施形態の残確変回数コマンド処理(図215参照)に対して、現在設定されている上乗せモードの種別に基づいて上乗せ演出に関連する処理を実行するか否かを判別する処理が追加されている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
残確変回数コマンド処理6(Y4364)が実行されると、まず、上述した第6実施形態の残確変回数コマンド処理(図215参照)のY5851,Y5852と同一の処理を実行し、Y5851の処理において、遊技状態が潜確状態であると判別した場合は(Y5852:Yes)、次に、現在設定されている上乗せモードが後告知モードであるかを判別する(Y5871)。このY5871の処理では、上乗せモード設定エリア2230feに設定されている情報(上乗せモード情報)を読み出し、その上乗せモード情報に基づいて判別が実行される。
Y5871の処理において、後告知モードが設定されていると判別した場合は(Y5871:Yes)、上述した第6実施形態の残確変回数コマンド処理(図215参照)のY5853〜Y5861と同一の処理を実行し、本処理を終了する。一方、Y5871の処理において、後告知モードが設定されていない(上乗せチャンスモードが設定されている)と判別した場合は(Y5871:No)、Y5853〜Y5861の処理をスキップして本処理を終了する。
このように構成することで、残確変回数コマンド処理6(Y4364)が実行される場合において(第2特別図柄の変動が実行される場合において)、現在設定されている上乗せモードが上乗せチャンスモードの場合は上乗せ演出設定処理を実行し、毎変動上乗せ演出に期待が持てる上乗せモードを提供可能とし、現在設定されている上乗せモードが後告知モードの場合は上乗せ演出設定処理を実行せず、実際の残り回数と表示上の残り回数との差分を収束させないようにすることで、後告知(表示上の残り回数が所定数となった場合に実行される上乗せ演出)時に表示される上乗せ回数を大きくすることができる。よって、遊技者の所望する演出の演出効果を高めることができる。
<第6実施形態の第1変形例における表示制御装置により実行される制御処理について>
次に、図238から図242を参照して、本第6実施形態の第1変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される各制御処理について説明する。本変形例では、上述した第6実施形態に対し、コマンド判定処理6(図238参照)において、押下関連コマンド処理を追加した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図238のフローチャートを参照して、本変形例における表示制御装置114内のMPU221により実行されるコマンド判定処理6について説明する。コマンド判定処理6では、上述した第3実施形態におけるコマンド判定処理(図139参照)と同様に、Y6401〜Y6417の処理を実行する。
そして、Y6416の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別された場合(Y6416:No)、次いで、表示用押下関連コマンドを受信したか否かを判別する(Y6431)。
Y6431の処理において、表示用押下関連コマンドを受信したと判別された場合は(Y6431:Yes)、押下関連コマンド処理を実行して(Y6432)、Y6401の処理へ戻る。押下関連コマンド処理(Y6432)の詳細については、図239から図242を参照して後述する。
一方、Y6431の処理において、押下関連コマンドを受信していないと判別された場合は(Y6431:No)、次いで、第3実施形態と同様にその他のコマンド処理を実行して(Y6418)、Y6401の処理へ戻る。
次に、図239から図242を参照して、押下関連コマンド処理(Y6432)の詳細について説明する。押下関連コマンド処理(Y6432)は、押下関連の演出を表示(実行)するための各種コマンドに対応した処理を行うための処理である。
押下関連コマンド処理(Y6432)では、まず、表示用リーチ中押下コマンドを受信したか否かを判別する(Y8301)。Y8301の処理において、表示用リーチ中押下コマンドを受信したと判別された場合には(Y8301:Yes)、リーチ中押下コマンド処理を実行して(Y8302)、Y8303の処理へ移行する。
ここで、図240を参照して、リーチ中押下コマンド処理(Y8302)の詳細について説明する。図240は、リーチ中押下コマンド処理を示すフローチャートである。このリーチ中押下コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用リーチ中押下コマンドに対応する処理を実行するものである。
リーチ中押下コマンド処理では、まず、表示用リーチ中押下コマンドによって示されるタイミング種別に対応したリーチ中押下表示データテーブルを決定し、その決定した押下表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y8401)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y8402)。
そして、Y8401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたリーチ中押下表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y8403)、ポインタ233fを0に初期化する(Y8404)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y8405)、リーチ中押下コマンド処理を終了し、押下関連コマンド処理に戻る。
図239に戻り、説明を続ける。Y8301の処理において、表示用リーチ中押下コマンドを受信していないと判別された場合には(Y8301:No)、次いで、表示用スクロール変化コマンドを受信したか否かを判別する(Y8303)。
Y8303の処理において、表示用スクロール変化コマンドを受信したと判別された場合には(Y8303:Yes)、スクロール変化コマンド処理を実行して(Y8304)、Y8305の処理へ移行する。
ここで、図241を参照して、スクロール変化コマンド処理(Y8304)の詳細について説明する。図241は、スクロール変化コマンド処理を示すフローチャートである。このスクロール変化コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用スクロール変化コマンドに対応する処理を実行するものである。
スクロール変化コマンド処理では、まず、表示領域Dm1に表示されている表示内容と当否関連情報に基づいて、縦スクロール用の図柄配列を設定し、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y8501)。次いで、表示領域Dm1の表示内容に対応した縦スクロール演出表示データテーブルを決定し、その決定した縦スクロール演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y8502)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y8503)。
そして、Y8502の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された縦スクロール演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y8506)、ポインタ233fを0に初期化する(Y8507)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y8508)、スクロール変化コマンド処理を終了し、押下関連コマンド処理に戻る。
図239に戻り、説明を続ける。Y8303の処理において、表示用スクロール変化コマンドを受信していないと判別された場合には(Y8303:No)、次いで、表示用スクロール非変化コマンドを受信したか否かを判別する(Y8305)。
Y8305の処理において、表示用スクロール非変化コマンドを受信したと判別された場合には(Y8305:Yes)、スクロール非変化コマンド処理を実行して(Y8306)、Y8307の処理へ移行する。
ここで、図242(a)を参照して、スクロール非変化コマンド処理(Y8306)の詳細について説明する。図242(a)は、スクロール非変化コマンド処理を示すフローチャートである。このスクロール非変化コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用オート押下開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
スクロール非変化コマンド処理では、まず、表示用スクロール非変化コマンドによって示されるタイミング種別に対応したスクロール非変化表示データテーブルを決定し、その決定したオート押下開始表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y8601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y8602)。
そして、Y8601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたスクロール非変化表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y8603)、ポインタ233fを0に初期化する(Y8604)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y8605)、スクロール非変化コマンド処理を終了し、押下関連コマンド処理に戻る。
図239に戻り、説明を続ける。Y8305の処理において、表示用スクロール非変化コマンドを受信していないと判別された場合には(Y8305:No)、次いで、表示用大当たり中押下コマンドを受信したか否かを判別する(Y8307)。
Y8307の処理において、表示用大当たり中押下コマンドを受信したと判別された場合には(Y8307:Yes)、大当たり中押下コマンド処理を実行して(Y8308)、本処理を終了する。
ここで、図242(b)を参照して、大当たり中押下コマンド処理(Y8308)の詳細について説明する。図242(b)は、大当たり中押下コマンド処理を示すフローチャートである。この大当たり中押下コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用大当たり中押下コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり中押下コマンド処理では、まず、表示用大当たり中押下コマンドによって示されるタイミング種別に対応した大当たり中押下表示データテーブルを決定し、その決定した大当たり中押下表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(Y8701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(Y8702)。
そして、Y8701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された大当たり中押下表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(Y8703)、ポインタ233fを0に初期化する(Y8704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(Y8705)、大当たり中押下コマンド処理を終了し、押下関連コマンド処理に戻る。
図239に戻り、説明を続ける。Y8307の処理において、表示用大当たり中押下コマンドを受信していないと判別された場合には(Y8307:No)、本処理を終了する。
<第6実施形態の第1変形例における別例>
次に、図243〜図246を参照して、上述した第6実施形態の第1変形例における別例について説明をする。本別例では、上述した第6実施形態の第1変形例において実行されるスクロール変化演出(図226、図227参照)に、上述した第3実施形態において実行される特殊リーチ演出(図82、図83参照)を組み合わせた複合リーチ演出を実行可能に構成している。これにより、複雑なリーチ演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
本別例は上述した各実施形態に対して、表示制御装置114のキャラクタROM234に設定されるキャラクタ記憶エリア2340a2の内容を一部変更した点と、表示制御装置114のMPU231にて実行される一部処理を変更した点で相違する。それ以外の構成については、上述した各実施形態に用いられる各構成および各種制御処理と同一である。同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図243(a)を参照して、本別例に用いられる第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図243(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面(表示領域)を模式的に示した模式図である。図243(a)に示した通り、本別例は上述した各実施形態に対して、左右方向へとスクロールして変動表示される図柄列L4が図柄列L1の上側に追加され、左右方向へとスクロールして変動表示される図柄列L8が図柄列L3の下側に追加されている点で相違している。
さらに、本別例では第3図柄表示装置81のうち図柄が変動表示される主表示領域Dmが、左右方向へとスクロールして変動表示される5つ(5列)の図柄列(L1〜L4、およびL8)のうち、同時に表示領域内に表示可能な図柄列が3つ(3列)となるように構成されており、主表示領域Dmが表示する表示領域を上下方向に切替えることにより、左右方向へとスクロールして変動表示される5つ(5列)の図柄列(L1〜L4、およびL8)のうち、主表示領域Dmに表示される図柄列を変更可能に構成されている。
そして、主表示領域Dmが表示可能な表示領域よりも広い領域である変動領域Dz3に対して、5つ(5列)の図柄列(L1〜L4、およびL8)の変動制御を実行し、そのうち、主表示領域Dmに表示される図柄列に対して表示制御が実行されるように構成している。これにより、主表示領域Dmmに表示される図柄列を変更する場合には、予め実行されている変動制御内容に基づいて表示制御を実行するだけで変更後の図柄列を表示することができるため、遊技者に対して遅滞なく図柄列の変動表示を実行することができる。
加えて、本別例では、スクロール変化演出が実行される場合に用いられる上下方向(縦方向)へのスクロール表示に対応した図柄列L5〜L7が予め設定されている点で相違している。つまり、スクロール変化演出が実行される場合には、第1リーチ態様にて停止表示(仮停止表示)される図柄の組み合わせパターンを予め設定しておき、その図柄の組み合わせパターンに対応した表示態様から第2リーチ態様が実行されるように第2リーチ態様に対応した図柄列が設定されている。
具体的には、スクロール変化演出が実行される場合は、第1リーチ態様として第3図柄がプラス1コマ外れで停止(仮停止)表示されるように表示制御され、その第1リーチ態様の停止(仮停止)表示状態において、リーチの組み合わせを示す図柄(リーチ図柄)と、プラス1コマ外れで停止(仮停止)表示される図柄(外れ図柄)とが表示されていない上下方向の表示領域を上下方向(縦方向)へと変動表示する第2リーチ態様が実行される。このように、第1リーチ態様の停止(仮停止)表示パターンを所定パターン(リーチプラス1コマ外れ停止(仮停止)表示パターン)に設定することで、第2リーチ態様が実行される場合の初期図柄配列をパターン化することが可能となる。
そして、本別例では、第2リーチ態様に対応する図柄配列として、図柄配列L5〜L7の夫々に対して第1リーチ態様の停止(仮停止)表示パターンに対応した図柄配列が予め記憶されており、第1リーチ態様の停止(仮停止)表示パターンに対応して第2リーチ態様を実行可能に構成している。これにより、第1リーチ態様で停止(仮停止)された第3図柄の一部を用いて第2リーチ態様を実行する際に遅滞なく演出を実行することができる。
次に図243(b)〜図244(b)を参照して、本第6実施形態の第1変形例の別例における複合リーチ演出の内容について説明をする。図243(b)は、複合リーチ演出がのうち左右方向への図柄変動が実行されている状態の一例を示す模式図であり、図244(a)は、複合リーチ演出のうち主表示領域Dmに表示される領域が変更された状態の一例を示す模式図であり、図244(b)は、複合リーチ演出のうち上下方向への図柄変動が実行されている状態の一例を示す模式図である。この複合リーチ演出は、図柄列L1〜L3を用いた左右方向への図柄変動(通常図柄変動)を10秒実行し(図243(b)参照)、その後、主表示領域Dmに表示領域される図柄列を上方向または下方向に変更したリーチ演出(第1リーチ態様)を10秒実行し(図244(a)参照)、さらに、図柄の変動方向(スクロール方向)を左右方向から上下方向へと変化させたリーチ演出(第2リーチ態様)を10秒実行する(図244(b)参照)合計30秒の演出で構成されている。
具体的には、図243(b)に示した通り、通常図柄変動が実行され、主表示領域Dmに表示される図柄列L1〜L3にて外れを示す組み合わせで第3図柄が停止(仮停止)表示される。この時点では、主表示領域Dmに表示されない図柄列(L4,L8)の変動制御(変動時間の進行(経過時間)に合わせて変動データを更新)が実行されている。つまり、複合リーチ演出が実行された場合には、まず、左右方向への図柄変動に対応する全ての図柄列(L1〜L4,L8)に対して変動制御の実行を開始し、そのうち、主表示領域Dmに表示される図柄列(L1〜L3)に対しては、10秒間の変動制御および表示制御が実行され、主表示領域Dm外に設定される図柄列(L4,L8)に対しては、20秒間(第1リーチ態様(図244(a)参照)が停止(仮停止)されるまでの期間)の変動制御が実行される。このように、主表示領域Dmに表示されない図柄列に対してもリーチ演出の経過時間に同期させて変動制御を実行することで、主表示領域Dmに表示される図柄列を変更し、新たな図柄列(例えば、図柄列L4またはL8)を表示する場合に遅滞なく表示をすることができる。
図243(b)に示す一例では、数字の1を付した第3図柄(「ゾウ」を模したキャラクタを付した第3図柄)が図柄列L1の中央位置と、図柄列L2の右側位置に停止(仮停止)された外れ表示態様(第1仮停止態様)で一旦仮停止表示される。なお、変動時間が10秒の外れ変動パターンが実行される場合には、図243(b)に示す外れ表示態様で第3図柄が停止表示され、図柄変動が終了する。
そして、第3図柄が第1仮停止態様で停止(仮停止)表示された状態で主表示領域Dmに表示される図柄列が変更されることを示唆する示唆演出(例えば、図82(b)に示すような、第3図柄に付されたキャラクタの表示形態を変化させ、表示領域が変化することを示唆する演出や、第3図柄表示装置81に表示領域が変化することを示唆する表示を実行する演出)が実行され、その後、主表示領域Dmに表示される図柄列が変更される(図244(a)参照)。
図244(a)に示した一例では、主表示領域Dmに図柄列L1,L2,L4が表示されるように表示領域を上側に移動しており(上側移動領域)、第1仮停止態様(図243(b)参照)で主表示領域Dm内に表示されていた図柄列L3が主表示領域Dm外に移動している。これにより、外れを示す停止(仮停止)表示態様であった第1仮停止態様から、数字の1を付した第3図柄(「ゾウ」を模したキャラクタを付した第3図柄)が図柄列L1の中央位置と、図柄列L2の右側位置に停止(仮停止)されたリーチ表示態様(第1リーチ態様)で表示されることになる。これにより、主表示領域Dmが表示する表示領域(図柄列)を変更する処理を実行することで、遊技者に対して一旦外れと思わせた停止表示態様(第1仮停止態様)から、当たりを期待することができるリーチ表示態様(第1リーチ態様)へと変化させることができるため、外れを示す第3図柄が停止表示された後でも当たりに対する期待感を継続して持たせることができ遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。
なお、本別例では、第1仮停止態様の第3図柄(図243(b)に表示される各第3図柄)が、主表示領域Dmが表示する表示領域を上側に移動させることでリーチ演出(第1リーチ態様)を実行可能な組み合わせで停止(仮停止)表示されているため、主表示領域Dmの表示領域を上側に移動させているが、主表示領域Dmが表示する表示領域を下側に移動させることでリーチ演出(第1リーチ態様)を実行可能な組み合わせで第3図柄が停止(仮停止)表示される場合には、主表示領域Dmの表示領域を下側に移動させる処理が実行される。このように、主表示領域Dmの表示領域を異なる2方向(上側または下側)へと移動可能に構成することにより、第1仮停止態様で停止(仮停止)表示可能な第3図柄の組み合わせを増やすことができる。
つまり、主表示領域Dmの表示領域を1方向にのみ移動可能に構成した場合には、移動後の表示領域でリーチ演出(第1リーチ態様)を実行させるために、移動前の主表示領域Dmの上側と中央に表示される図柄列で同一の第3図柄を列状に表示させる必要があったが、主表示領域Dmの表示領域を異なる2方向(上側または下側)へと移動可能な構成を用いた場合には、移動前の主表示領域Dmの上側と中央に表示される図柄列または移動前の主表示領域Dmの下側と中央に表示される図柄列の何れかに同一の第3図柄を列状で表示させることで、移動後の表示領域でリーチ演出(第1リーチ態様)を実行可能となるため、第1仮停止態様で停止(仮停止)表示可能な第3図柄の組み合わせを増やすことができ、遊技者に対して、図柄変動が第1リーチ態様に発展するか否か、即ち、今後実行される図柄変動演出を容易に予測されないようにすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
そして、図244(a)に示すリーチ演出(第1リーチ態様)において、図柄列L4の右側位置にリーチ演出の当たりの対象となる第3図柄(数字の1を付した第3図柄(「ゾウ」を模したキャラクタを付した第3図柄))が停止(仮停止)表示されると、即ち、主表示領域Dmに表示される図柄列のうち、上図柄列(図柄列L4)と下図柄列(図柄列L2)の右側位置、および中図柄列(図柄列L1)に同一の第3図柄(図244(b)では数字の1を付した第3図柄)が停止(仮停止)表示(第2仮停止表示態様で停止(仮停止)表示)されると、図244(b)に示すように、図柄列L1,L2,L4の左側位置に停止(仮停止)表示された図柄が図柄列L5として上下方向に変動表示される。
これにより、上述した第6実施形態の第1変形例にて説明した第2リーチ態様(図227(a)参照と同一のリーチ演出が実行される。なお第2リーチ態様の内容については上述した第6実施形態の第1変形例と同一であるため、その説明を省略する。
以上、説明をしたように、本第6実施形態の第1変形例の別例では、複合リーチ演出として、通常の図柄変動を第1仮停止表示態様で一旦仮停止表示した後に、新たな図柄配列が表示されるように表示領域を変更し、第1リーチ態様を実行可能にし、その第1リーチ態様を第2仮停止表示態様で一旦仮停止表示した後に、図柄変動の方向を変更させた第2リーチ態様を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して演出効果の高いリーチ演出を実行することができる。
また、複合リーチ演出中に複数回仮停止表示態様で仮停止するように構成しているため、仮停止させるタイミングを外れ変動パターンの停止表示タイミングと合わせることで、外れ変動パターンが実行される場合と複合リーチ演出が仮停止表示される場合とで同様の演出を実行することが可能となり(少なくとも一部の表示データを流用することができ)、演出に用いられる表示データ量を削減することができるとともに、外れ変動パターンが実行される場合であっても、遊技者に複合リーチ演出が実行されていると思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図245を参照して、本第6実施形態の第1変形例の別例における電気的構成について説明をする。本別例では上述した各実施形態のいずれかに用いられる電気的構成に対して、表示制御装置114のキャラクタROM234に設定されるキャラクタ記憶エリア2340a2の内容を一部変更している点で相違しており、それ以外の要素については同一である。同一の要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図245(a)を参照して、本第6実施形態の第1変形例の別例におけるキャラクタ記憶エリア2340a2の内容について説明をする。図245(a)はキャラクタ記憶エリア2340a2の内容を模式的に示した模式図である。図245(a)に示した通り、キャラクタ記憶エリア2340a2には、第3図柄表示装置81の表示領域を指定するコマンド(音声ランプ制御装置113から出力される変動パターンコマンドに含まれる表示領域変更情報)に対応した表示領域が記憶されている表示領域記憶エリア2340a2aと、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される図柄変動表示を実行する際に用いられる図柄配列を記憶する図柄配列用記憶エリア2340a2bと、その他第3図柄表示装置81に表示するための表示データが記憶されているその他記憶エリア2340a2cが規定されている。
ここで、図245(b)を参照して、表示領域記憶エリア2340a2aの内容について説明をする。図245(b)は、表示領域記憶エリア2340a2aの内容を模式的に示す模式図である。この表示領域記憶エリア2340a2aには、表示領域種別として、図柄配列L1〜L3が主表示領域Dmに表示される表示領域1(基準領域)と、図柄配列L1,L2,L4が主表示領域Dmに表示される表示領域2(上移動領域)と、図柄配列L2,L3,L8が主表示領域Dmに表示される表示領域3(下移動領域)とが設定されており、第3図柄表示装置81の表示領域を指定するコマンド(音声ランプ制御装置113から出力される変動パターンコマンドに含まれる表示領域変更情報)に基づいて主表示領域Dmに表示される表示領域が設定される。
なお、詳細な説明は省略するが、音声ランプ制御装置113から出力される変動パターンコマンドには、図柄配列L1〜L4,L8の全てに対して図柄変動を実行するための情報が含まれており、表示制御装置114は図柄配列L1〜L4,L8の全てに対して表示内容が更新されるよう処理を実行するように構成している。具体的には、表示制御装置114のMPU231で実行される変動パターンコマンド処理(図140参照)を、受信した表示用変動パターンコマンドに基づいて、図柄配列L1〜L4,L8の全て対して実行する。そして、描画処理(図149参照)において、現在設定されている表示領域に対応する図柄列に対して描画リストを作成し、その描画リストと描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信するように構成している。これにより、図柄配列L1〜L4,L8の全ての表示情報を時間データに対応させて更新し、且つ、表示対象となる図柄列のみ表示処理が実行されるようにすることができる。この場合、表示領域記憶エリア2340a2aに記憶されている表示領域種別のうち、現在設定されている表示領域種別を判別するためのフラグ(記憶領域)を設け、そのフラグを参照して判別を実行するとよい。
次に、図245(c)を参照して、図柄配列用記憶エリア2340a2bの内容について説明をする。図245(c)は、図柄配列用記憶エリア2340a2bの内容を模式的にしめした模式図である。この図柄配列用記憶エリア2340a2bには、通常変動が実行される際に用いられる通常図柄配列(横スクロール用)と、第2リーチ態様が実行される場合に用いられる縦スクロール用の図柄配列が記憶されている。縦スクロール用の図柄配列には、図柄列L5(図243(a)参照)に対応する図柄配列(縦スクロール用1)と、図柄列L6(図243(a)参照)に対応する図柄配列(縦スクロール用2)と、図柄列L7(図243(a)参照)に対応する図柄配列(縦スクロール用3)とが記憶されており、夫々に対して、第2リーチ態様が実行される場合に停止表示されている第3図柄に対応した図柄配列が記憶されている。
具体的には、縦スクロール用1(図柄列L5)の図柄配列として、第2リーチ態様が実行される際に数字の1を付した第3図柄がリーチ外れ表示態様で停止(仮停止)表示されている場合(図226参照)に設定される「図柄配列1」〜第2リーチ態様が実行される際に数字の9を付した第3図柄がリーチ外れ表示態様で停止(仮停止)表示されている場合に設定される「図柄配列9」までの9種類が設定されている。なお、本別例では第2リーチ態様が実行される際に停止(仮停止)表示される第3図柄の表示態様(第1仮停止態様)が所定の停止態様となるように設定しているため、この図柄配列用記憶エリア2340a2bに記憶される縦スクロール用の図柄配列種別を少なくすることができる。
縦スクロール用1(図柄列L5)に対応して記憶されている図柄配列1〜9と同様に、縦スクロール用2(図柄列L6)および縦スクロール用3(図柄列L7)に対しても夫々9種類の図柄配列が設定されている。なお、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの中央位置に停止(仮停止)表示される第3図柄を上下方向に変動表示(縦スクロール表示)する場合は、第1仮停止態様として2種類の第3図柄がリーチ状態(所謂、ダブルリーチ状態)となった状態で外れを示す組み合わせで第3図柄が停止(仮停止)表示する場合である。
このように、第2リーチ態様(第3図柄の変動方向(スクロール方向)を変更した後に実行されるリーチ態様)にて用いられる図柄配列を予め記憶しておくことで、第2リーチ態様を遅滞なく実行することができる。また、第1仮停止態様で停止(仮停止)表示される第3図柄の組み合わせを予め定めておくことにより、第2リーチ態様を実行する際に用いられる図柄配列の種類を削減することができる。
<第6実施形態の第1変形例の別例における表示制御装置により実行される制御処理について>
次に、図246を参照して、本第6実施形態の第1変形例の別例について実行されるポインタ更新処理2について説明をする。このポインタ更新処理2は上述したポインタ更新処理(図146のY7205)に対して、主表示領域Dmに表示される表示領域を変更する場合の処理が追加された点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図246は、ポインタ更新処理2(Y7205)の内容を示すフローチャートである。ポインタ更新処理2(Y7205)が実行されると、まず、上述したポインタ更新処理(図146参照)のY7401と同一の処理を実行し、次に、表示領域が変更されるタイミングであるかを判別する(Y7431)。Y7431の処理において、表示領域が変更されるタイミングであると判別した場合には(Y7431:Yes)、次いで、コマンドに対応する表示領域を、表示領域記憶エリア2340a2aを参照して設定し(Y7432)、決定した表示領域データを表示データテーブルバッファに上書きする(Y7433)。そして、Y7402へ移行する。
一方、Y7431の処理において、表示領域が変動されるタイミングでは無いと判別された場合は、Y7432およびY7433の処理をスキップしてY7402へ移行する。Y7402〜Y7406では、上述したポインタ更新処理(図146参照)のY7402〜Y7406と同一の処理が実行され、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第6実施形態の第1変形例の別例では、複合リーチ演出として、通常の図柄変動を第1仮停止表示態様で一旦仮停止表示した後に、新たな図柄配列が表示されるように表示領域を変更し、第1リーチ態様を実行可能にし、その第1リーチ態様を第2仮停止表示態様で一旦仮停止表示した後に、図柄変動の方向を変更させた第2リーチ態様を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して演出効果の高いリーチ演出を実行することができる。なお、本別例では、図柄列の変動方向として左右方向と上下方向の2種類を設定しているが、それ以外の方向へ図柄列を変動させるように構成してもよい。
また、複合リーチ演出中に複数回仮停止表示態様で仮停止するように構成しているため、仮停止させるタイミングを外れ変動パターンの停止表示タイミングと合わせることで、外れ変動パターンが実行される場合と複合リーチ演出が仮停止表示される場合とで同様の演出を実行することが可能となり(少なくとも一部の表示データを流用することができ)、演出に用いられる表示データ量を削減することができるとともに、外れ変動パターンが実行される場合であっても、遊技者に複合リーチ演出が実行されていると思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、第1リーチ態様を実行する際に用いられる図柄列用データと、第2リーチ態様を実行する際に用いられる図柄列用データとを異ならせて記憶設定しているため、各図柄列用データを組み合わせることにより、多彩な演出を実行することができる。また、第1リーチ態様が停止(仮停止)される際に表示される図柄の組み合わせと、第2リーチ態様にて用いられる図柄列に設定される図柄の組み合わせとが一致するように、第1リーチ態様の停止(仮停止)表示態様を設定しているため、第1リーチ態様から第2リーチ態様へと演出態様を切替える際に遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、第1リーチ態様で実行される各図柄列(L1〜L4,L8)の表示制御が実行されている状態で、第2リーチ態様で実行される各図柄列(L5〜L7)の表示制御を予め実行するようにしてもよい。この場合、第1リーチ態様の表示が実行されるレイヤと第2リーチ態様の表示が実行されるレイヤとを別に設け、第1リーチ態様が実行されている状態では第2リーチ態様の表示を遊技者が視認できないように制御し、第2リーチ態様が実行されるタイミングで、各レイヤの表示制御を切り替えて、第2リーチ態様を遊技者が視認可能となるようにしてもよい。
以上説明をした各実施形態では、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に実行される遊技機を用いた場合について説明をしたが、例えば、第3図柄表示装置81に特別図柄(特図1または特図2)と普通図柄との変動を同時に表示する構成とし、上述した各実施形態に記載した技術を適用してもよい。この場合、普通図柄の抽選の結果、当たりとなった場合に実行される特典を特別図柄が当たりとなった場合に実行される特典と同程度の特典にすることで、より効果を奏することができる。
<第7実施形態>
次に、図247〜図255を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。なお、本第7実施形態では、上述した第4実施形態と同一の遊技盤13(図150参照)を用いているため、遊技盤13の各要素については上述した第4実施形態と同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。上述した第4実施形態では、遊技者にとって最も有利となる潜確状態へと移行する条件として、特定の大当たり(例えば、大当たりB,D(図152参照))に当選した場合(第1移行条件)と、特定の大当たり以外の所定の大当たり(例えば、大当たりA(図152参照))に当選し、その大当たり後に大当たりに当選すること無く特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば100回)を超えた場合(第2移行条件)と、を設け、遊技者にとって最も有利となる遊技状態(潜確状態)へと移行する契機が複数となるように構成していた。また、上述した複数の移行条件が、異なるタイミング(大当たりに当選し遊技状態が設定されるタイミングと、遊技状態が設定されてから特別図柄の抽選が所定回数実行されたタイミング)で成立するようにし、遊技者に対して潜確状態へ移行する期待感を継続して持たせることができるように構成していた。
しかしながら、上述した第4実施形態では第1移行条件或いは第2移行条件の何れが成立した場合においても、同一の潜確状態に移行するように構成しているため、潜確状態中に実行可能な特別図柄の抽選回数以外に有利不利の差を設けることができないという問題があった。
これに対して本第7実施形態では、第1移行条件が成立した場合に設定される潜確状態と、第2移行条件が成立した場合に設定される潜確状態とで、特別図柄の変動パターン(変動時間)が異なるように構成し、遊技者にとって有利となる遊技状態(潜確状態)として、第1潜確状態(第2移行条件が成立した場合に設定される潜確状態)と、第1潜確状態よりもさらに遊技者に有利となる第2潜確状態(第1移行条件が成立した場合に設定される潜確状態)とを設定可能にしている。
このように構成することで、遊技者に対して、遊技状態が潜確状態に移行するか否かだけではなく、潜確状態への移行契機まで注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
まず、図247を参照して、本第7実施形態における遊技状態移行の流れについて説明をする。図247は第7実施形態における遊技状態移行の流れを模式的に示した模式図である。図247に示す通り、本第7実施形態のパチンコ機10は、上述した第4実施形態のパチンコ機10と同様に3つの遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)を移行するように構成されている。
本第7実施形態では、上述した第4実施形態に対して、各大当たり種別の選択割合を異ならせた点(第1相違点)と、大当たりDに当選して潜確状態へ移行した場合(第1移行条件が成立した場合)と、確変状態において特別図柄の抽選回数が規定回数(100回)を超えたことにより潜確状態へ移行した場合(第2移行条件が成立した場合)と、で異なる潜確状態が設定される点(第2相違点)と、が相違し、遊技状態移行の流れについて、それ以外の要素は上述した第4実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
上述した第1相違点について詳細な説明は図249(a)を参照して後述するが、本第7実施形態では、上述した第4実施形態に対して、大当たり後に遊技者に不利な遊技状態である通常状態が設定される割合と、確変状態において大当たり後に再度確変状態が設定される割合とを高くなるように設定し、大当たり後に遊技者に有利な遊技状態である潜確状態が設定される割合が低くなるように設定している。
上述した第2相違点について詳細な説明は図249(b)及び図250を参照して後述するが、本第7実施形態では、第2移行条件が成立した場合に設定される潜確状態(第1潜確状態)として、第1移行条件が成立した場合に設定される潜確状態(第2潜確状態)とを設け、各潜確状態において設定される変動パターン(変動時間)を異ならせることにより、第1潜確状態よりも第2潜確状態の方が潜確状態中に多くの小当たりに当選するよう構成している。
さらに、第2潜確状態においては、第1特別図柄の抽選結果が遊技者に不利となる大当たり(大当たりC)である場合に設定される変動パターンの変動時間を第1潜確状態において設定される変動パターンの変動時間よりも長くなるように構成することで、第2潜確状態中に大当たりCに当選してしまう事態が発生することを抑制するように構成している。
以上、説明をしたように、本第7実施形態では遊技者に最も有利な遊技状態である潜確状態へと移行する契機として、特別図柄の大当たりに当選することなく移行する契機を設けたため、遊技者の遊技意欲を継続して高めることができるという効果がある。さらに、特別図柄の大当たりに当選することなく潜確状態へと移行した場合には、その移行タイミングと第2特別図柄の変動状況によって潜確状態における有利度合いを異ならせることが可能であるため、遊技者に対して多彩な遊技性を提供することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
加えて、潜確状態へと移行する契機に応じて潜確状態中の有利度合いを異ならせているため、遊技者に対して、潜確状態へと移行したか否かの遊技結果だけではなく、潜確状態への移行契機にも注目させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、潜確状態において、抽選結果に小当たりが設定されている第2特別図柄の変動(抽選)と抽選結果に小当たりが設定されていない第1特別図柄の変動(抽選)とが実行される構成であるため、過度に小当たり遊技が発生する事態を抑制することができるという効果がある。
加えて、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態、潜確状態)において第1特別図柄の変動(抽選)と第2特別図柄の変動(抽選)との変動割合が、各特別図柄の変動に設定される変動時間によって異なるように設定している。よって、同一の遊技状態であっても、設定される各特別図柄の変動時間によって有利度合いが異なるため、遊技者に有利な第2特別図柄の変動が多く実行されることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果に小当たりを設定していないが、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となるように構成されていればよく、例えば、第2特別図柄の小当たり当選確率よりも低い当選確率で小当たりが当選するように第1特別図柄の抽選結果を設定してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで小当たり当選確率を同一に設定し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技として第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選したほうが、小当たり遊技中に可変入賞装置65へ球を入球し易い小当たり遊技を提供するようにしてもよい。この場合、可変入賞装置65の開放期間や開放パターンが異なる小当たり遊技を複数設定しておき、第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選した場合のほうが可変入賞装置65の開放期間を長くしたり、球が入球しやすい開放パターンが選択されたりするように構成するとよい。
上述したように、第1特別図柄においても小当たりに当選するように構成した場合には、通常状態中の遊技においても小当たりに当選することになる。この場合、小当たり遊技が実行される(実行している)ことを遊技者に示すための右打ち報知を実行すると共に、小当たり遊技終了後の所定期間(例えば、5秒)が経過するまでは、通常状態における右打ち遊技を検知した場合であっても異常報知を行わないように構成すると良い。具体的には、現在設定されている遊技状態を判別する遊技状態判別手段と、特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別する抽選結果判別手段と、所定条件(通常状態中に右打ち遊技を検知)が成立した場合に異常報知を行う異常報知手段を設け、遊技状態判別手段により通常状態(左打ち遊技が行われる遊技状態)が設定されていると判別し、抽選結果判別手段により抽選結果が小当たりであると判別した場合には、通常状態中に右打ち遊技を検知した場合であっても異常報知手段による異常報知を行わないようにし、さらに、特別図柄の抽選結果が小当たりであることを示す識別情報(第1図柄)が変動中の期間や、小当たり遊技が終了してから所定期間(例えば、5秒)を計測する計測手段を設け、その計測手段により所定期間を計測している間も異常報知手段による異常報知を行わないように構成すると良い。これにより、左打ち遊技が行われる遊技状態(通常状態)中に、短期間だけ右打ち遊技を行わせる小当たり遊技に当選したことにより行われる右打ち遊技が、小当たり遊技が開始される前や小当たり遊技が終了した後に行われたとしても異常報知が行われないため、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
また、遊技者に対して右打ち遊技を案内するための右打ち報知態様として、大当たり中や確変状態、潜確状態中に設定される第1右打ち報知態様と、通常状態における小当たり当選に基づいて設定される第2右打ち報知態様と、を設け、第1右打ち報知態様のほうが第2右打ち報知態様よりも遊技者に気付かれ易い報知態様(強調報知態様)となるように構成すると良い。これにより、右打ち遊技を行うことによって遊技者に付与される特典の大小と、右打ち報知態様とを関連付けることができ、遊技者に分かり易い遊技を行うことができる。
この場合、具体的には、第1右打ち報知態様として第3図柄表示装置81に表示される表示態様を、第2右打ち報知態様として第3図柄表示装置81に表示される表示態様に強調表示態様を加えた表示態様とすると良い。これにより、複数の報知態様における強調具合を遊技者が容易に把握することができる。なお、右打ち遊技を案内するための報知態様を、大当たり中と、確変状態中と、潜確状態中と、でそれぞれ異ならせても良い。また、右打ち遊技を遊技者に案内するための報知態様であれば良く、表示態様以外にも、ランプ表示装置227による発光態様や、音声出力装置226による音声出力態様を用いても良いし、それらを組み合わせた合成報知態様を用いても良い。
<第7実施形態における電気的構成について>
次に、図248から図251を参照して、本第7実施形態における主制御装置110に設けられたROM2020、およびRAM2030の構成について説明する。まず、図248(a)参照して本第7実施形態における主制御装置110に設けられたROM2020の内容について説明する。図248(a)は、本第7実施形態における主制御装置110に設けられたROM2020に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図248(a)に示した通り、本第7実施形態のROM2020では、上述した第4実施形態のROM2020の構成に対し、大当たり種別選択テーブル2020dの内容が一部変更されている点、変動パターン選択テーブル2020fの内容が一部変更されている点、変動パターンシナリオテーブル2020hを追加した点で相違する。
まず、図249(a)を参照して、本第7実施形態における大当たり種別選択テーブル2020dの内容について説明をする。図249(a)は大当たり種別選択テーブル2020dの内容を模式的に示した模式図である。
本第7実施形態で用いられる大当たり種別選択テーブル2020dは、上述した第4実施形態で用いられる大当たり種別選択テーブル2020d(図160(a)参照)に対して、各大当たり種別が規定される第1当たり種別カウンタC2の値を変更した点と、図柄種別が特図1である場合に選択される大当たり種別である大当たりBにおける時短回数の付与内容を変更した点とで相違する。それ以外は上述した第4実施形態と同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
図249(a)に示す通り、図柄種別が特図1であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の場合には、大当たり種別として大当たりAが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「30〜69」の場合には、大当たり種別として大当たりBが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜89」の場合には、大当たり種別として大当たりCが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の場合には、大当たり種別として大当たりDが選択される。
さらに、本第7実施形態では、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における時短回数の付与条件が、大当たりAが選択された場合と同一となるように構成している。このように構成することで、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり終了後に遊技者に最も有利となる潜確状態が設定される大当たり種別を大当たりD(選択割合10%)のみとし、上述した第4実施形態に対して通常状態から潜確状態(第2潜確状態)へと移行する割合が低くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に最も有利となる第2潜確状態により遊技者に過剰に特典(賞球)を付与してしまうことを抑制することができる。
また、図柄種別が特図2であって、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜44」の場合には、大当たり種別として大当たりEが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「45〜49」の場合には、大当たり種別として大当たりFが選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の場合には、大当たり種別として大当たりHが選択される。
ここで、本第7実施形態の大当たり種別選択テーブル2020dに規定される大当たり種別である大当たりHについて説明をする。この大当たりHは2ラウンド(R)の大当たり遊技が実行される大当たりであり、大当たり遊技中に実行される可変入賞装置65の開放パターンとして小当たり遊技と同一の開放パターンが設定されるものである。これにより、可変入賞装置65の開放パターンが同一の大当たり遊技と小当たり遊技とを実行することが可能となり、可変入賞装置65の開放パターンを把握することで当たり遊技の種別(大当たり遊技または小当たり遊技)を識別することを困難にすることができる。
よって、例えば、潜確状態中に当たり遊技が実行された場合に、その当たり遊技が実質残確変回数の値を初期値(120回)に再設定する当たり遊技(即ち、大当たり遊技H)であるか、実質残確変回数の値を変更することが無い当たり遊技(即ち、小当たり遊技)であるかを遊技者に対して識別し難くすることができるため、遊技者に対して有利な遊技状態である潜確状態が継続する期間を把握し難くし、潜確状態が継続する期間を予測させながら遊技を行わせることができる。
また、本第7実施形態では、確変状態(高確・時短有状態)に移行した場合に設定される時短回数を、確変状態が継続する回数(120回)よりも少ない100回としているため、確変状態において大当たりに当選することなく特図変動が100回を超えた場合に、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行する。このように構成することで、遊技者にとって有利な遊技状態である潜確状態へと移行する移行契機として、特図で大当たりに当選する契機以外の契機を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本第7実施形態では、確変状態(高確・時短有状態)に移行した場合に設定される時短回数を、確変状態が継続する回数(120回)よりも少ない100回としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、大当たり種別として大当たりX,Y,Zを設け、それぞれの大当たり種別に対して異なる時短回数(例えば、1回、20回、40回)を規定しても良い。このように構成することで、確変状態に移行した場合において、潜確状態への移行タイミングを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技者に対して潜確状態へ移行する期待感を継続して持たせることができる。
さらに、この場合は、大当たり中に実行される大当たり遊技内容(例えば、ラウンド数)が同一であり、且つ、時短回数が異なる大当たり種別を設けるように構成することで、より潜確状態への移行タイミングを遊技者に分かり難くすることができる。一方、確変状態中において、潜確状態へ移行するまでの特別図柄変動回数(抽選回数)を遊技者に示唆するための残回数示唆報知を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して潜確状態に移行するまでの期間を容易に把握させることができるため、潜確状態への期待感を高めさせることができる。この残回数示唆報知としては、潜確状態へ移行するまでの特別図柄変動回数(抽選回数)を直接数値で報知する残回数報知態様を用いても良いし、一連の物語を継続して表示し、その物語が完結するまでの期間を用いて潜確状態に移行するまでの期間を示唆させる期間示唆態様を用いても良い。
加えて、遊技中にミニゲーム(例えば、遊技者に枠ボタン22を操作させることにより結果が可変する遊技)を実行し、その結果に基づいて、残回数示唆報知を実行したり、残回数示唆報知の報知態様を可変したりするように構成しても良い。また、残回数示唆報知を行わない構成であれば、例えば、確変状態中に大当たりに当選した場合に、潜確状態に移行するまでの残回数を報知するように構成しても良い。
また、確変状態の最後に実行される特別図柄変動(抽選)や、潜確状態の最初に実行される特別図柄変動(抽選)に対応する保留図柄の表示態様を可変させるように構成しても良い。この場合、可変させる表示態様としては、対応する特別図柄変動(抽選)の当たり期待度を示唆するために用いる表示態様を用いても良いし、専用の表示態様を用いても良い。
次に、図248(b)を参照して、本第7実施形態の変動パターン選択テーブル2020fの内容について説明する。図248(b)は、変動パターン選択テーブル2020fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図248(b)に示す通り、本第7実施形態では、上述した第4実施形態の変動パターン選択テーブル2020f(図160(b)参照)に対して、潜確用テーブルb2020fb4に代えて潜確用テーブルCa2020fc2と、潜確用テーブルCb2020fc3とを設けた点で相違する。
ここで、本第7実施形態にて設けられた各変動パターンテーブルについて図250を参照して説明をする。図250(a)は、潜確用テーブルCa2020fc2に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図250(b)は、潜確用テーブルCb2020fc3に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
潜確用テーブルCa2020fc2は、第1潜確状態が設定されている期間中に参照される変動パターンテーブルであって、図250(a)に示した通り、図柄種別と、当否判定結果と、保留球数とに対応して1秒(1000ミリ秒)〜5秒(5000ミリ秒)の変動時間である変動パターンが規定されている。なお、潜確用テーブルCa2020fc2に規定されている内容は、上述した第4実施形態の潜確用テーブルb2020fb4に規定されている内容と同一であり(図162(b)参照)、その詳細な説明を省略する。
潜確用テーブルCb2020fc3は、第2潜確状態が設定されている期間中に参照される変動パターンテーブルであって、図250(b)に示した通り、図柄種別と、当否判定結果と、保留球数とに対応して0.5秒(500ミリ秒)〜7秒(7000ミリ秒)の変動時間である変動パターンが規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、当否判定結果が当たり1(大当たり種別が大当たりC)の場合には、当たり変動(変動時間7秒)が規定されており、当否判定結果が当たり2(大当たり種別が大当たりA,B,D)の場合には、当たりショート変動(変動時間0.5秒)が規定されており、特図1の当否判定結果が外れの場合には、外れショート変動(変動時間7秒)が規定されている。
また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、且つ、当否判定結果が当たり(大当たり)であって、保留球数が0,1の場合には変動種別カウンタCS1の値に関わらず当たりショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられ、保留球数が2,3の場合には変動種別カウンタCS1の値に関わらず当たりショート変動B(変動時間0.7秒)が規定されている。また、当否判定結果が小当たりであって、保留球数が0,1の場合には変動種別カウンタCS1の値に関わらず当たりショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられ、保留球数が2,3の場合には変動種別カウンタCS1の値に関わらず当たりショート変動B(変動時間0.7秒)が規定されている。さらに、当否判定結果が外れの場合には、保留球数、及び、変動種別カウンタCS1の値に関わらず外れショート変動A(変動時間1秒)が対応付けられている。
ここで、本第7実施形態の特徴的な遊技性(上述した第4実施形態とは異なる遊技性)に対して設定される特徴的な変動パターンについて説明をする。上述したように、本第7実施形態では、潜確状態として第1潜確状態と、第1潜確状態よりも遊技者に有利な第2潜確状態と、を設定可能に構成している。具体的には、上述したように、潜確用テーブルCa2020fc2よりも潜確用テーブルCb2020fc3に規定される特図2の変動パターンの変動時間が短くなるように構成している。
このように構成することで、第2潜確状態において小当たりに当選し得る特図2(特図1よりも遊技者に有利な抽選を実行する特図2)の抽選回数を第1潜確状態よりも増加させることができるため、遊技者により有利な遊技状態とすることができる。
さらに、第2潜確状態中に参照される潜確用テーブルCb2020fc3では、第1特別図柄(特図1)の抽選で遊技者に不利となる大当たり種別である大当たりCに当選した場合には、変動時間が7秒の変動パターン(当たり変動)が選択されるように構成している。この7秒の変動時間は、第2特別図柄(特図2)の抽選に基づいて設定される各変動パターンに規定されている変動時間(0.7秒〜1秒)よりも長いため、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりCに当選した場合には、その特図1変動中に特図2を複数回変動させることが可能となる。
そして、本第7実施形態では、上述した第3実施形態と同様に潜確状態における特図2の抽選が、1/80が大当たり(図90(a)参照)、221/480が小当たり(図90(b)参照)となるように規定されているため、特図2の抽選が2〜3回実行される毎に大当たり又は小当たりに当選するように設定されている。また、本第7実施形態では、上述した第3実施形態と同様に、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示されるように構成している。また、潜確状態中に特図2の抽選で大当たりに当選した場合は、上述した第3実施形態と同様に、全て大当たり後に再度潜確状態が設定されるように構成している(図160(a)参照)。
以上のように構成された本第7実施形態によれば、第2潜確状態が設定されている場合には、例え第1特別図柄の抽選によって遊技者に不利となる大当たり(大当たり種別が大当たりC)に当選したとしても、その抽選結果を示す特別図柄(第1特別図柄)が停止表示される前に、抽選結果が大当たり又は小当たりである特別図柄(第2特別図柄)を停止表示することができる。よって、第2潜確状態が設定されている場合において、特別図柄の大当たり当選に基づいて遊技状態が不利な状態へと移行してしまうことを防止することができ、第2潜確状態をより遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
また、第2潜確状態が設定されている状態において、右打ち遊技を継続しない場合には、第1特別図柄の抽選によって遊技者に不利となる大当たり(大当たり種別が大当たりC)に当選した特別図柄が変動している状態で、第2特別図柄が継続して複数回抽選されることなく第1特別図柄が停止表示される事態が発生する虞があるため、遊技者に対して右打ち遊技を積極的に促すことができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに格納されている入賞情報に対応する抽選結果を先読みし、その先読み結果に大当たりCに当選した入賞情報があると判別した場合に、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して右打ち遊技を継続して実行させる必要がある状態か否かを容易に把握させることができる。
さらに、本第7実施形態では、上述した第4実施形態と同一の遊技盤13(図150参照)を用いており、小当たり遊技中も右打ち遊技が行われるため、小当たり遊技中に第1特別図柄および第2特別図柄の保留球を獲得することができる。よって、小当たり終了後に特別図柄の抽選(変動)が実行されない事態を抑制することができる。
変動パターンシナリオテーブル2020hは、変動パターンを設定する際に参照されるデータテーブルであって、大当たり後に設定される遊技状態に対応付けて複数の変動パターンシナリオ(シナリオ1〜シナリオ3)が規定されている。変動パターンシナリオには、特別図柄の抽選(変動回数)回数に対応付けて変動パターンを選択する際に参照する変動パターンテーブルが規定されており、実際に変動パターンを選択する際には設定された変動パターンシナリオのうち、今回の特別図柄の抽選(変動回数)に対応した変動パターンテーブルを用いて選択するように構成している。
このように変動パターンシナリオを設けることにより、一つの変動パターンテーブルを継続して参照する期間や、参照する変動パターンテーブルを切り替えるタイミングを予め把握することができる。なお、本実施形態では主制御装置110のROMに変動パターンシナリオテーブル2020hを設け、設定された変動パターンシナリオをシナリオ格納エリア2030gaに格納し、シナリオ格納エリア2030gaに格納された変動パターンシナリオを用いて、変動パターンを選択するように構成しているが、例えば、変動パターンシナリオテーブル2020hと同一の構成を音声ランプ制御装置113のROM222に設け、さらに、変動パターンシナリオの設定情報(シナリオコマンド)を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で一つの変動パターンテーブルを継続して参照する期間や、参照する変動パターンテーブルを切り替えるタイミングを把握可能に構成しても良い。
このように構成することで、今後実行し得る変動パターン(変動時間)を把握することが可能となるため、例えば、複数変動を跨いで実行する演出(例えば、連続演出)の実行中に変動パターンシナリオが切り替わり、連続演出の演出態様と実際に設定される変動パターン(変動時間)とに差が生じるという不具合を抑制することができる。この場合、具体的には、継続して同一の変動パターンシナリオを参照する期間(例えば、確変状態期間)の残期間(特別図柄の抽選(変動回数))が所定期間(例えば、特別図柄の抽選(変動回数)が残り3回)であると判別した場合には、特別図柄変動3回分以上に跨がって実行される連続演出が新たに設定されないように構成すれば良い。
また、現在設定されている変動パターンと、次に設定される変動パターンとを判別し、その判別結果に対応した連続演出を実行可能に構成しても良い。具体的には、現在設定されている変動パターンテーブル(例えば、特別図柄の抽選結果が外れの場合は必ず2秒の変動時間が規定された変動パターンを選択する変動パターンテーブル)を参照して変動パターンを選択する残回数が2回で、その後、次に設定される変動パターンテーブル(例えば、特別図柄の抽選結果が外れの場合は必ず5秒の変動時間が規定されている変動パターンが選択され、特別図柄の抽選結果が当たりの場合は必ず30秒の変動時間が規定されている変動パターンが選択される変動パターンテーブル)を参照して変動パターンを選択する場合では、先読み情報による特別図柄の当否判定結果と、変動パターンシナリオの設定情報とに基づいて、9秒間の連続演出を設定することができる。
次に、図249(b)を参照して、変動パターンシナリオテーブル2020hについて説明をする。図249(b)は、変動パターンシナリオテーブル2020hに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本第7実施形態では、変動パターン選択テーブル2020fが有する複数の変動パターンテーブルから実際に参照される変動パターンテーブルが遊技状態や大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によってシナリオによって規定されている。
具体的には、大当たり後に遊技状態が確変状態になる場合に設定される変動パターンシナリオ(シナリオ種別がシナリオ1)には、大当たり終了後からの特別図柄の抽選(変動)回数が「1〜100」の期間、即ち、遊技状態として確変状態が設定されている期間は、確変用テーブル2020fb3が規定され、「101〜120」の期間、即ち、遊技状態として潜確状態が設定されている期間は、潜確用テーブルCa2020fc2が規定され、「121〜122」の期間は、通常用テーブルBb2020fb2が規定され、「123〜128」の期間は、通常用テーブルCb2020fb5が規定され、「129〜」の期間は、通常用テーブルA2020f1が規定されている。なお、ここに規定される各変動パターンテーブルのうち、確変用テーブル2020fb3、通常用テーブルBb2020fb2、通常用テーブルCb2020fb5、通常用テーブルA2020f1の内容については、上述した第3実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
そして、変動パターンシナリオとしてシナリオ1が設定されている状態で遊技状態が潜確状態に移行した場合に設定される潜確用テーブルCa2020fc2は、図250(a)を参照して上述した通り、潜確状態中に参照され得る複数の変動パターンテーブルのうち、遊技者に不利となる変動パターンテーブルである。よって、シナリオ1が設定された場合には潜確状態として第1潜確状態が設定される。
次に、大当たり後に遊技状態が潜確状態になる場合に設定される変動パターンシナリオ(シナリオ種別がシナリオ2)には、大当たり終了後からの特別図柄の抽選(変動)回数が「1〜120」の期間、即ち、遊技状態として潜確状態が設定されている期間は、潜確用テーブルCb2020fc3が規定され、「121〜122」の期間は、通常用テーブルBb2020fb2が規定され、「123〜128」の期間は、通常用テーブルCb2020fb5が規定され、「129〜」の期間は、通常用テーブルA2020f1が規定されている。
変動パターンシナリオとしてシナリオ2が設定されている状態で遊技状態が潜確状態に移行した場合に設定される潜確用テーブルCb2020fc3は、図250(b)を参照して上述した通り、潜確状態中に参照され得る複数の変動パターンテーブルのうち、遊技者に有利となる変動パターンテーブルである。よって、シナリオ2が設定された場合には潜確状態として第2潜確状態が設定される。
このように、同一の遊技状態(潜確状態)が設定される場合であっても、特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する際に参照される変動パターンテーブルを、大当たり後に設定される遊技状態によって、即ち、潜確状態に移行するまでの移行契機によって異ならせることにより、同一の遊技状態(潜確状態)に、有利な遊技状態(第2潜確状態)と、それよりも不利な遊技状態(第1潜確状態)と、を設けることができる。
なお、本実施形態では、同一の遊技状態において、その遊技状態に移行するまでの移行契機に基づいて有利度合いを可変させるために、特別図柄の変動パターン(変動時間)を異ならせる構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、遊技状態の移行契機に基づいて、特別図柄の抽選確率を可変させたり、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(遊技者に特典を付与可能な抽選結果(例えば、小当たり、大当たり))である場合に実行される特典遊技において、その特典遊技中に球が入賞可能な入賞装置(例えば、可変入賞装置65)の閉鎖期間や開放期間を可変させたり、特典遊技中に球が入賞可能な入賞装置を複数設け、特典遊技中に開放させる入賞装置を異ならせたりするように構成しても良い。
大当たり後に遊技状態が通常状態になる場合に設定される変動パターンシナリオ(シナリオ種別がシナリオ3)には、大当たり終了後からの特別図柄の抽選(変動)回数が「1〜」の期間は、通常用テーブルA2020f1が規定されている。
次に、本第7実施形態の主制御装置110のRAM2030の詳細について、図251を参照して説明する。図251は、主制御装置110のRAM2030の構成を示すブロック図である。図251に示した通り、本第7実施形態のRAM2030は、上述した第3実施形態のRAM2030に対してシナリオ格納エリア2030gaを追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。なお、同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
シナリオ格納エリア2030gaは、変動パターンシナリオテーブル2020hを用いて選択された変動パターンシナリオを一時的に格納するための領域である。このシナリオ格納エリア2030gaには、大当たり終了処理(図255参照)において選択された変動パターンシナリオが格納され(図255のY2353)、第1特別図柄変動パターン選択処理(図252参照)、或いは、第2特別図柄変動パターン選択処理(図253、図254参照)において、格納された変動パターンシナリオを読み出し(図252のY551、図253のY1151、図254のY1251,Y1253)、読み出した変動パターンシナリオに基づいて変動パターンテーブルを選択する(図252のY552、図253のY1152、図254のY1252,Y1254)。
なお、詳細な説明を省略するが、このシナリオ格納エリア2030gaに格納された変動パターンシナリオは特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合にクリアされる。また、RAM消去スイッチを操作し、主制御装置110のRAM2030の内容を初期化(リセット)した場合には、立ち上げ処理(図118参照)にて実行されるRAMの初期設定(図118のY1912)において、シナリオ種別としてシナリオ3が設定される。
<第7実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図252〜図255のフローチャートを参照して、本第7実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第7実施形態における主制御装置110の制御処理は、上述した第3実施形態における主制御装置110の制御処理に対して、特第1別図柄変動パターン選択処理(図252参照)、第2特別図柄変動パターン選択処理(図253参照)、特図2外れ変動パターン選択処理(図254参照)、大当たり終了処理(図255参照)の内容を部分的に変更した点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したように、本第7実施形態では、上述した第3実施形態に対して、変動パターンシナリオを参照して変動パターンを選択する点で相違している。そして、大当たり終了後に設定される遊技状態に応じて異なる変動パターンシナリオが選択されるように構成している。このように構成することで、潜確状態が設定されている状態において異なる変動パターンシナリオを設定することができる。具体的には、大当たり終了後に潜確状態が設定される大当たりに当選した場合と、大当たり終了後に確変状態が設定され、その確変状態中に大当たりに当選することなく、特別図柄の抽選回数(変動回数)が所定回数(例えば、100回)に到達し、遊技状態が潜確状態へと移行した場合とで、異なる変動パターンシナリオを選択するように構成し、潜確状態中に参照される変動パターンテーブルを異ならせることができる。
そして、潜確状態中に参照される変動パターンテーブル(潜確用テーブルCa2020fc2、潜確用テーブルCb2020fc3)に規定されている各変動パターンの変動時間が相違するように構成しているため、潜確状態中に遊技者に有利となる抽選を行う第2特別図柄の抽選(変動)の実行具合を異ならせることが出来る。また、潜確用テーブルCb2020fc3では、特別図柄の大当たりのうち、他の大当たりよりも遊技者に不利となる大当たり(大当たりC)に当選した場合に選択される変動パターンに規定されている変動時間が他の変動パターンよりも長くなるようにしているため、遊技者に不利となる抽選結果に基づく遊技が実行されるまでに、それ以外の遊技を複数回実行させることができる。
まず、図252を参照して、本第7実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)の内容について説明をする。図252は、本第7実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理の内容を示したフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理(Y307)が実行されると、Y501〜Y503、およびY505〜Y508の各処理では、それぞれ第3実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図104参照)のY501〜Y503、およびY505〜Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理では、Y503の処理が終了すると、次いで、シナリオ格納エリア2030gaから、格納されている変動パターンシナリオを読み出して(Y551)、読み出した変動パターンシナリオと遊技状態とに対応する変動パターンテーブルを選択し(Y552)、Y505へと移行する。ここで読み出された変動パターン選択テーブルを用いて、Y505の処理により変動パターンが選択される。
次に、図253を参照して、本第7実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(Y805)の内容について説明をする。図253は、本第7実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理の内容を示したフローチャートである。第2特別図柄変動パターン選択処理(Y805)が実行されると、Y1101〜Y1104、およびY1105〜Y1109の各処理では、それぞれ第3実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図110参照)のY1101〜Y1104、およびY1105〜Y1109の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理では、Y1104の処理が終了すると、次いで、シナリオ格納エリア2030gaから、格納されている変動パターンシナリオを読み出して(Y1151)、読み出した変動パターンシナリオと遊技状態とに対応する変動パターンテーブルを選択し(Y1152)、Y1105へと移行する。ここで読み出された変動パターン選択テーブルを用いて、Y1105の処理により変動パターンが選択される。
図254は、本第7実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図253参照)の中で実行される特図2外れ変動パターン選択処理(図253のY1107)の内容を示したフローチャートである。特図2外れ変動パターン選択処理が実行されると、Y1201〜Y1203、Y1205〜Y1206、およびY1208〜Y1209の各処理では、それぞれ第3実施形態における特図2外れ変動パターン選択処理(図111参照)のY1201〜Y1203、Y1205〜Y1206、およびY1208〜Y1209の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における特図2外れ変動パターン選択処理では、Y1203の処理が終了すると、次いで、シナリオ格納エリア2030gaから、格納されている変動パターンシナリオを読み出して(Y1251)、読み出した変動パターンシナリオと遊技状態とに対応する変動パターンテーブルを選択し(Y1252)、Y1205へと移行する。ここで読み出された変動パターン選択テーブルを用いて、Y1205の処理により変動パターンが選択される。
また、Y1201の処理において、特図2抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合に(Y1201:No)、シナリオ格納エリア2030gaから、格納されている変動パターンシナリオを読み出して(Y1253)、読み出した変動パターンシナリオと遊技状態とに対応する変動パターンテーブルを選択し(Y1254)、Y1208へと移行する。ここで読み出された変動パターン選択テーブルを用いて、Y1208の処理により変動パターンが選択される。
以上説明をしたように、本第7実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターンを選択する際に、シナリオ格納エリア2030gaに格納されている変動パターンシナリオを読み出し、その読み出した変動パターンシナリオと現在の遊技状態(或いは、特別図柄の抽選回数(変動回数))とに基づいて変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択するように構成している。
次に、図255を参照して本第7実施形態における大当たり終了処理(Y2112)の内容について説明をする。図255は、本第7実施形態における大当たり終了処理(Y2112)の内容を示したフローチャートである。本第7実施形態における大当たり終了処理は、上述した第3実施形態における大当たり終了処理(図122参照)に対して、時短カウンタ2030gに値を設定する大当たり種別を異ならせた点と、変動パターンシナリオを選択する処理を追加した点と、で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
大当たり終了処理(Y2112)が実行されると、まず上述した第3実施形態と同様にY2301〜Y2304の処理を実行し、Y2304の処理において潜確状態では無いと判別した場合に(Y2304:No)、今回の大当たりの大当たり種別が大当たりDであるかを判別する(Y2350)。ここで、大当たりDでは無いと判別した場合は(Y2350:No)、次に、時短カウンタ2030gの値に100を設定し(Y2351)、Y2307の処理へ移行する。
一方、Y2350の処理において、今回の大当たり種別が大当たりDであると判別した場合は(Y2350:Yes)、Y2351の処理をスキップしてY2307の処理へ移行する。そして、上述した第3実施形態と同様にY2307〜Y2308の処理を実行し、その後、変動パターンシナリオテーブル2020hよりY2301の処理で特定した遊技状態に応じた変動パターンシナリオを選択し(Y2352)、選択した変動パターンシナリオをシナリオ格納エリア2030gaに格納し(Y2353)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第7実施形態では、遊技者にとって最も有利となる潜確状態へと移行する条件として、特定の大当たり(例えば、大当たりD(図247参照))に当選した場合(第1移行条件)と、特定の大当たり以外の所定の大当たり(例えば、大当たりA(図152参照))に当選し、その大当たり後に大当たりに当選すること無く特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば100回)を超えた場合(確変状態において特別図柄の抽選回数が規定回数(100回)を超えた場合)(第2移行条件)と、を設け、遊技者にとって最も有利となる遊技状態(潜確状態)へと移行する契機が複数となるように構成していた。また、上述した複数の移行条件が、異なるタイミング(大当たりに当選し遊技状態が設定されるタイミングと、遊技状態が設定されてから特別図柄の抽選が所定回数実行されたタイミング)で成立するようにし、遊技者に対して潜確状態へ移行する期待感を継続して持たせることができるように構成し、さらに、第1移行条件が成立した場合に設定される潜確状態と、第2移行条件が成立した場合に設定される潜確状態とで、異なる変動パターン(変動時間)が選択されるように構成し、遊技者にとって最も有利となる遊技状態(潜確状態)を、第1潜確状態(第2移行条件が成立した場合に設定される潜確状態)と、第1潜確状態よりもさらに遊技者に有利となる第2潜確状態(第1移行条件が成立した場合に設定される潜確状態)とを設定可能にしている。
このように構成することで、遊技者に対して、遊技状態が潜確状態に移行するか否かだけではなく、潜確状態への移行契機まで注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第7実施形態では遊技者に最も有利な遊技状態である潜確状態へと特別図柄の大当たりに当選することなく移行する契機を設けたため、遊技者の遊技意欲を継続して高めることができるという効果がある。さらに、特別図柄の大当たりに当選することなく潜確状態へと移行した場合には、その移行タイミングと第2特別図柄の変動状況によって潜確状態における有利度合いを異ならせることが可能であるため、遊技者に対して多彩な遊技性を提供することができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
加えて、潜確状態へと移行する契機に応じて潜確状態中の有利度合いを異ならせているため、遊技者に対して、潜確状態へと移行したか否かの遊技結果だけではなく、潜確状態への移行契機にも注目させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、潜確状態において、抽選結果に小当たりが設定されている第2特別図柄の変動(抽選)と抽選結果に小当たりが設定されていない第1特別図柄の変動(抽選)とが実行される構成であるため、過度に小当たり遊技が発生する事態を抑制することができるという効果がある。
加えて、右打ち遊技が実行される遊技状態(確変状態、潜確状態)において第1特別図柄の変動(抽選)と第2特別図柄の変動(抽選)との変動割合が、各特別図柄の変動に設定される変動時間によって異なるように設定している。よって、同一の遊技状態であっても、設定される各特別図柄の変動時間によって有利度合いが異なるため、遊技者に有利な第2特別図柄の変動が多く実行されることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選結果に小当たりを設定していないが、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となるように構成されていればよく、例えば、第2特別図柄の小当たり当選確率よりも低い当選確率で小当たりが当選するように第1特別図柄の抽選結果を設定してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで小当たり当選確率を同一に設定し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技として第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選したほうが、小当たり遊技中に可変入賞装置65へ球を入球し易い小当たり遊技を提供するようにしてもよい。この場合、可変入賞装置65の開放期間や開放パターンが異なる小当たり遊技を複数設定しておき、第1特別図柄で小当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄で小当たりに当選した場合のほうが可変入賞装置65の開放期間を長くしたり、球が入球しやすい開放パターンが選択されたりするように構成するとよい。
上述したように、第1特別図柄においても小当たりに当選するように構成した場合には、通常状態中の遊技においても小当たりに当選することになる。この場合、小当たり遊技が実行される(実行している)ことを遊技者に示すための右打ち報知を実行すると共に、小当たり遊技終了後の所定期間(例えば、5秒)が経過するまでは、通常状態における右打ち遊技を検知した場合であっても異常報知を行わないように構成すると良い。
また、遊技者に対して右打ち遊技を案内するための右打ち報知態様として、大当たり中や確変状態、潜確状態中に設定される第1右打ち報知態様と、通常状態における小当たり当選に基づいて設定される第2右打ち報知態様と、を設け、第1右打ち報知態様のほうが第2右打ち報知態様よりも遊技者に気付かれ易い報知態様(強調報知態様)となるように構成すると良い。これにより、右打ち遊技を行うことによって遊技者に付与される特典の大小と、右打ち報知態様とを関連付けることができ、遊技者に分かり易い遊技を行うことができる。
この場合、具体的には、第1右打ち報知態様として第3図柄表示装置81に表示される表示態様を、第2右打ち報知態様として第3図柄表示装置81に表示される表示態様に強調表示態様を加えた表示態様とすると良い。これにより、複数の報知態様における強調具合を遊技者が容易に把握することができる。なお、右打ち遊技を案内するための報知態様を、大当たり中と、確変状態中と、潜確状態中と、でそれぞれ異ならせても良い。また、右打ち遊技を遊技者に案内するための報知態様であれば良く、表示態様以外にも、ランプ表示装置227による発光態様や、音声出力装置226による音声出力態様を用いても良いし、それらを組み合わせた合成報知態様を用いても良い。
さらに、本第7実施形態では、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における時短回数の付与条件が、大当たりAが選択された場合と同一となるように構成している。このように構成することで、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり終了後に遊技者に最も有利となる潜確状態が設定される大当たり種別を大当たりD(選択割合10%)のみとし、上述した第4実施形態に対して通常状態から潜確状態(第2潜確状態)へと移行する割合が低くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に最も有利となる第2潜確状態により遊技者に過剰に特典(賞球)を付与してしまうことを抑制することができる。
本第7実施形態では、確変状態(高確・時短有状態)に移行した場合に設定される時短回数を、確変状態が継続する回数(120回)よりも少ない100回としているため、確変状態において大当たりに当選することなく特図変動が100回を超えた場合に、遊技状態を確変状態から潜確状態へと移行する。このように構成することで、遊技者にとって有利な遊技状態である潜確状態へと移行する移行契機として、特図で大当たりに当選する契機以外の契機を設定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本第7実施形態では、確変状態(高確・時短有状態)に移行した場合に設定される時短回数を、確変状態が継続する回数(120回)よりも少ない100回としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、大当たり種別として大当たりX,Y,Zを設け、それぞれの大当たり種別に対して異なる時短回数(例えば、1回、20回、40回)を規定しても良い。このように構成することで、確変状態に移行した場合において、潜確状態への移行タイミングを遊技者に分かり難くすることができるため、遊技者に対して潜確状態へ移行する期待感を継続して持たせることができる。
さらに、この場合は、大当たり中に実行される大当たり遊技内容(例えば、ラウンド数)が同一であり、且つ、時短回数が異なる大当たり種別を設けるように構成することで、より潜確状態への移行タイミングを遊技者に分かり難くすることができる。一方、確変状態中において、潜確状態へ移行するまでの特別図柄変動回数(抽選回数)を遊技者に示唆するための残回数示唆報知を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して潜確状態に移行するまでの期間を容易に把握させることができるため、潜確状態への期待感を高めさせることができる。この残回数示唆報知としては、潜確状態へ移行するまでの特別図柄変動回数(抽選回数)を直接数値で報知する残回数報知態様を用いても良いし、一連の物語を継続して表示し、その物語が完結するまでの期間を用いて潜確状態に移行するまでの期間を示唆させる期間示唆態様を用いても良い。
加えて、遊技中にミニゲーム(例えば、遊技者に枠ボタン22を操作させることにより結果が可変する遊技)を実行し、その結果に基づいて、残回数示唆報知を実行したり、残回数示唆報知の報知態様を可変したりするように構成しても良い。また、残回数示唆報知を行わない構成であれば、例えば、確変状態中に大当たりに当選した場合に、潜確状態に移行するまでの残回数を報知するように構成しても良い。
また、確変状態の最後に実行される特別図柄変動(抽選)や、潜確状態の最初に実行される特別図柄変動(抽選)に対応する保留図柄の表示態様を可変させるように構成しても良い。この場合、可変させる表示態様としては、対応する特別図柄変動(抽選)の当たり期待度を示唆するために用いる表示態様を用いても良いし、専用の表示態様を用いても良い。
以上のように構成された本第7実施形態によれば、第2潜確状態が設定されている場合には、例え第1特別図柄の抽選によって遊技者に不利となる大当たり(大当たり種別が大当たりC)に当選したとしても、その抽選結果を示す特別図柄(第1特別図柄)が停止表示される前に、抽選結果が大当たり又は小当たりである特別図柄(第2特別図柄)を停止表示することができる。よって、第2潜確状態が設定されている場合において、特別図柄の大当たり当選に基づいて遊技状態が不利な状態へと移行してしまうことを防止することができ、第2潜確状態をより遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
また、第2潜確状態が設定されている状態において、右打ち遊技を継続しない場合には、第1特別図柄の抽選によって遊技者に不利となる大当たり(大当たり種別が大当たりC)に当選した特別図柄が変動している状態で、第2特別図柄が継続して複数回抽選されることなく第1特別図柄が停止表示される事態が発生する虞があるため、遊技者に対して右打ち遊技を積極的に促すことができ、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、第1特別図柄保留球格納エリア2030aに格納されている入賞情報に対応する抽選結果を先読みし、その先読み結果に大当たりCに当選した入賞情報があると判別した場合に、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して右打ち遊技を継続して実行させる必要がある状態か否かを容易に把握させることができる。
さらに、本第7実施形態では、上述した第4実施形態と同一の遊技盤13(図150参照)を用いており、小当たり遊技中も右打ち遊技が行われるため、小当たり遊技中に第1特別図柄および第2特別図柄の保留球を獲得することができる。よって、小当たり終了後に特別図柄の抽選(変動)が実行されない事態を抑制することができる。
なお、本第7実施形態では、潜確用テーブルCa2020fc2(図250(a)参照)、潜確用テーブルCb2020fc3(図250(b)参照)共に、特別図柄の当否判定結果に対応して1つの変動パターンが規定されている構成を用いたが、特別図柄の当否判定結果に対して、取得した変動種別カウンタCS1の範囲に応じて異なる変動時間の変動パターンを複数規定しても良い。このように構成することで、特別図柄の当否判定結果に加え、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて設定される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。この場合、具体的には、潜確用テーブルCa2020fc2において、図柄種別が特図1であって当否判定結果が外れの場合、即ち、小当たり抽選を行わない遊技者にとって不利となる特別図柄において当否判定結果が外れの場合に選択される変動パターンとして、変動時間が0.5秒の変動パターン(他の変動パターンよりも変動時間が短い変動パターン)と、変動時間が30秒の変動パターン(他の変動パターンよりも変動時間が長い変動パターン)と、が選択されるように構成すると良い。これにより、遊技者にとって不利となる特別図柄の変動に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
本第7実施形態では、第1特別図柄の抽選を実行するための契機となる入球口と、第2特別図柄の抽選を実行するための契機となる入球口とに交互に球を振り分ける振り分けユニット660を設け、且つ、遊技者に不利となる第1特別図柄のみ入賞情報を保留可能な構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選を継続して実行するためには第1特別図柄の抽選も実行されることになるため、遊技者に対して過剰に特典が付与されることを抑制しているが、右打ち遊技を行うことで、第1特別図柄の抽選を実行するための契機となる入球口と、第2特別図柄の抽選を実行するための契機となる入球口とにそれぞれ球を入球可能な構成であれば良い。また、上述した第4実施形態のように第2特別図柄に対しても入賞情報を保留可能な構成を設けても良い。
本第7実施形態では、第2特別図柄の変動パターンとして、最短で0.5秒の変動時間を設定しているが、上述した振り分けユニット660により規制される第2入球口へ球の入球間隔(0.7秒)よりも長い変動時間を設定するように構成すると良い。これにより、継続して右打ち遊技を行っている遊技者に対して、第2特別図柄の変動表示が途切れてしまう事態が発生することを抑制することができる。
上述した第3実施形態から第7実施形態では、潜確状態中に小当たり遊技を頻発させるように構成することで、潜確状態を遊技者に有利な遊技状態としているが、それ以外の手法を用いて遊技者に有利な遊技状態を構成しても良く、例えば、普通図柄の抽選結果が当たりに当選した場合に開放動作される電動役物640a付随した入球口(第2入球口640)を設け、潜確状態中の特別図柄の変動時間を他の遊技状態が設定されている場合よりも長く設定し、1回の特別図柄変動中に電動役物640aが開放される回数を増加させることで遊技者に特典を付与するように構成しても良い。
また、小当たり遊技中において可変入賞装置65が閉鎖している期間(オープニング期間、エンディング期間等)を、潜確状態中に小当たりに当選した場合は他の遊技状態中に当選した場合よりも短く設定しても良い。
さらに、上述した第7実施形態では、大当たり終了後に潜確状態に移行する大当たり(大当たりC)に当選した場合に設定される第2潜確状態が、確変状態中に大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が規定回数(100回)に到達した場合に設定される第1潜確状態よりも遊技者に有利となるように構成しているが、遊技者に有利な遊技状態において、その有利度合いを異ならせるように遊技状態を細分化するように構成されていれば良く、例えば、大当たり終了後に潜確状態に移行する大当たり(大当たりC)に当選した場合に設定される第2潜確状態よりも、確変状態中に大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が規定回数(100回)に到達した場合に設定される第1潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成しても良い。
上述した第7実施形態では、第1潜確状態が設定される条件として、確変状態中に大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が規定回数(100回)に到達した場合を示したが、それ以外にも例えば、確変状態が設定されている状態において実行される特別図柄の抽選に対応して、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)から普通図柄の低確率状態(電サポ無し状態)へと移行させる移行抽選を実行する移行抽選手段を設け、その移行抽選手段に当選した場合に第1潜確状態が設定されるように構成しても良い。
上述した第7実施形態では、潜確状態が設定され得る期間(最大で120回)を予め設定している構成を用いているが、それ以外に例えば、特別図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄の抽選に対応して、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させる転落抽選を実行する転落抽選手段を設け、その転落抽選手段に当選するまで潜確状態が設定され得る期間を継続するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が継続する期間を遊技者に把握され難くすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、潜確状態中における遊技者に有利となる遊技状態(第2潜確状態)が設定される期間を、上述した転落抽選に当選することなく特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、150回)を超えた場合に設定するように構成しても良い。これにより、転落抽選に当選しない状態を継続させることで、特別図柄の高確率状態で多くの抽選を受けることができるとともに、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2潜確状態)への移行期待度を高めさせることができ、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した各実施形態では特別図柄の抽選において小当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず、常に一定の確率としているが、遊技状態に応じて小当たりに当選する確率を異ならせても良い。
上述した第3実施形態から第7実施形態では第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して抽選(変動)可能な構成を用いており、遊技状態が通常状態である場合に、第2特別図柄の抽選(変動)が行われ難くするために、通常状態における第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間より長くなるように構成しているが、例えば、通常状態における第2特別図柄の変動時間として、大当たりに当選した場合のみ第1特別図柄の変動時間として選択され得る変動時間、或いは、それよりも短い変動時間が選択されるように構成しても良い。このように構成することで、通常状態中に誤って右打ち遊技を行ってしまい変動が開始された第2特別図柄が長時間経過後(例えば、10分後)に大当たりを示す図柄(第3図柄)で停止し、大当たり遊技が開始されてしまう事態を防ぐことが出来る。
また、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりに当選し、ロング変動後に小当たり遊技が開始される場合は、その小当たり遊技が開始されるタイミングで遊技が行われているか否かを判別し(デモ待機中であるかを判別し)、遊技が行われていない(デモ待機中である)と判別した場合は、通常の小当たり遊技表示とは異なる待機中小当たり表示態様を表示するように構成すると良い。このように構成することで、第2特別図柄のロング変動中に遊技者が遊技を止めてしまい遊技されていない状態(デモ表示状態)で小当たり遊技が開始されたとしても、通常とは異なる待機中小当たり表示態様を表示するため、違和感を抑制することができる。
なお、待機中小当たり表示態様としては、通常の小当たり遊技中に表示される表示態様よりも小当たり遊技が行われていることを強調しない表示態様が望ましい、これにより、遊技場にいる客に対して小当たり遊技が行われていることを気付かれ難くすることができ、小当たり遊技中のみ遊技を行う遊技者に対して遊技を行わせ難くすることができる。
上述した第3実施形態から第7実施形態において用いた各構成(各種テーブルの内容や、主制御装置110の制御フローの各要素、音声ランプ制御装置113の制御フローの各要素、表示制御装置114の制御フローの各要素)は適宜組み合わせても良く、例えば、第3実施形態に用いた構成に対して第2特別図柄の保留球を格納するエリアを設けても良いし(第4実施形態参照)、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、他方の特別図柄の変動を一時的に(大当たりが終了するまで)停止させ、大当たり終了後に一時的に停止させた他方の特別図柄の変動を再開させる構成(第4実施形態参照)を用いても良い。
さらに、上述した第3実施形態から第7実施形態にて説明した第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して抽選(変動)可能な構成(同時変動構成)において、一方の特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(例えば、大当たり)であると判別した場合(例えば、第1特別図柄変動開始処理(図102参照)中に実行される第1特別図柄大当たり判定処理(図103参照)において、大当たりであると判別した場合(図103のY405参照))に、他方の特別図柄が新たに変動を開始する場合に大当たりに当選することが無いように制限判定を実行する制限判定手段を設けても良い。これにより、大当たりに当選したにもかかわらず、その当選結果が破棄されてしまう事態を抑制することが出来るため、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを先読みし、事前に(大当たり当選に対応する特別図柄の変動が開始される前に)大当たりに当選していたことを示唆する示唆演出を実行している場合の不具合を抑制することができる。
上述した各実施形態では、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)が設定される期間を所定期間(例えば、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選回数(変動回数)を合算した回数が所定回数(100回)に到達するまでの期間)として設定する構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)が、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が100回に到達するまでの期間(第1期間)、或いは、第1特別図柄の変動回数が所定回数(30回)に到達するまでの期間(第2期間)の何れかの期間に到達するまでの間設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技状態として確変状態が設定されている場合において、遊技者に有利となる遊技状態(潜確状態)へいち早く移行させるためにどのように遊技を行えばよいか(例えば、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64への入球を狙う遊技、或いは、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640への入球を狙う遊技の何れを行えばよいか)を、遊技者が予測しながら遊技を行わせることができるため、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができるという効果がある。
また、この場合、上述した各実施形態のように確変状態において、球が入球し易くなる入球口(例えば、第2入球口640)と、遊技状態が可変した場合であっても球の入球のし易さが可変しない入球口(例えば、第1入球口64)とを設け、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)の終了条件として、遊技状態が可変した場合であっても球の入球のし易さが可変しない入球口を抽選契機とする特別図柄(第1特別図柄)単体の抽選回数(変動回数)が所定回数(例えば、30回)に到達したと判別した場合に条件が成立する終了条件を設けると良い。
このように構成することで、確変状態中において、いち早く潜確状態へと移行させるために球が入球し難い入球口を狙う遊技(第1遊技)を行うか、確変状態中に球が入球し易くなる入球口を狙う遊技(第2遊技)を行い、確変状態中を有利に遊技するかを遊技者が選択することになる。よって、遊技者を意欲的に遊技に参加させることができるという効果がある。
上述したような構成を用いる場合には、確変状態が設定されている場合に、第3図柄表示装置81に潜確状態へ移行するための条件、即ち、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)の終了条件を表示する終了条件表示手段と、終了条件表示手段により表示される終了条件に対して現在の遊技状況がどれくらい進行しているかを表示する進行状況表示手段と、を設けると良い。このように構成することで、確変状態中に行う遊技内容を遊技者が選択する際の目安を提供することができる。
上述した終了条件表示手段により表示される終了条件や、進行状況表示手段により表示される進行状況は、具体的な値(各特別図柄の変動(抽選回数))を示す表示態様でも良いし、終了条件や進行状況を示唆する示唆態様でも良い。また、確変状態中に遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)に対する遊技者の操作内容や、特別図柄、普通図柄の抽選内容に基づいて終了条件表示手段により表示される終了条件や、進行状況表示手段により表示される進行状況の表示態様を、遊技者が把握し易い表示態様へと可変させる表示態様可変手段を設けると良い。
さらに、上述したように確変状態において第1特別図柄の抽選(変動)回数と第2特別図柄の抽選(変動)回数とのそれぞれに基づいて、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)の終了条件が成立するように構成する場合には、確変状態中における第1特別図柄の変動パターン(変動時間)と第2特別図柄の変動パターン(変動時間)とに大きな差を設けないように構成すると良い。これにより、遊技者が選択した遊技(第1遊技、第2遊技)に対応して各特別図柄を変動させることが可能となるため、遊技者に不満感を与えることを抑制することができるという効果がある。
また、上述した例以外として、変動回数以外の要素を普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)の終了条件として設定しても良く、例えば、特別図柄の抽選で小当たりに当選した回数や、小当たり遊技が実行される場合に作動するV入賞装置650の作動回数が所定回数(例えば、1回)に到達したことを終了条件として用いても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
さらに、上述した例に加えて、特別図柄の高確率状態の終了条件として、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)させる転落抽選を実行する転落抽選手段を設け、その転落抽選手段に当選した場合に特別図柄の高確率状態の終了条件が成立するようにする構成を設けると良い。これにより、遊技者に有利な遊技状態(潜確状態)が開始される期間と、終了する期間とを、それぞれ遊技内容に対応させて可変させることができるため、遊技の興趣をより向上させることができる。また、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)の終了条件の少なくとも一部を、当選した大当たり種別に応じて異ならせるように構成しても良い。これにより、潜確状態が設定され得る期間をより複雑に設定することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
上述した各実施形態では、確変状態が設定された場合に第3図柄表示装置81にて実行される演出の表示態様と、潜確状態が設定された場合に第3図柄表示装置81にて実行される演出の表示態様とを異ならせている構成を説明したが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、確変状態が設定されている状態において、潜確状態が設定された場合に実行される演出の表示態様を第3図柄表示装置81に表示するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態が設定されている状態にも関わらず、潜確状態が設定されていると遊技者に思わせることができ、遊技意欲を高めることができる。なお、このような構成を用いる場合は、確変状態中においても第2特別図柄の抽選(変動)が適宜実行されるように変動パターンを設定すると良く、例えば、第2特別図柄の抽選結果が小当たりや外れの場合には、潜確状態中に設定される変動パターンよりも若干長い変動期間、或いは、同等の変動期間が設定されるように構成すると良い。これにより、第2特別図柄の変動時間に基づいて、現在設定されている遊技状態を遊技者が容易に把握してしまう事態を抑制することができる。
また、確変状態が設定されている状態において、潜確状態が設定された場合に実行される演出の表示態様を第3図柄表示装置81に表示する構成を、上述した普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)を終了させる終了条件を複数設けた構成と組み合わせると尚良い。つまり、普通図柄の高確率状態(電サポ有り状態)を終了させる終了条件を複数設けた構成により、遊技者に対して確変状態から潜確状態へと移行するタイミングを把握させ難くすると共に、確変状態が設定されている状態において、潜確状態が設定された場合に実行される演出の表示態様を第3図柄表示装置81に表示する構成により、確変状態の遊技が実行されているか潜確状態の遊技が実行されているかを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
上述した第3実施形態の第1変形例(図218参照)では、遊技者に有利となる遊技状態(潜確状態)が継続されて設定される期間について、その期間を第1有利期間と、その第1有利期間よりもより有利となる第2有利期間とに設定可能な構成として、潜確状態の前半と後半とで異なる変動パターンテーブルを参照するように構成し、潜確状態の前半の方が遊技者に有利な有利期間(第2有利期間)となるように構成していたが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、潜確状態の後半の方が遊技者に有利な有利期間(第2有利期間)となるように構成しても良い。また、第1有利期間と第2有利期間とが交互に切り替わるように参照する変動パターンテーブルを切り替える構成を用いても良い。
また、上述した第3実施形態の第1変形例の構成に上述した第4実施形態の遊技盤13の盤面構成を用い、潜確状態中に右打ち遊技を行うことで第1特別図柄の抽選契機となる入球口(第1入球口64)と第2特別図柄の抽選契機となる入球口(第2入球口640)とに交互に球を入球可能な振分ユニット660を設け、第1有利期間と第2有利期間とを定期的(例えば、特別図柄の抽選(変動)1回毎)に切り替えるように構成すると良い。
このように構成することで、例えば、潜確状態が設定された場合に、最初に入球する入球口が何れの入球口であるかによって、潜確状態の有利状態を大きく可変させることができ、より複雑な遊技を実行することができる。なお、この場合は、潜確状態が設定されてから実行される特別図柄の抽選(変動)1回目が第1有利期間となる変動シナリオ(第1変動シナリオ)と、2回目が第1有利期間となる変動シナリオ(第2変動シナリオ)とを設け、当選した大当たり種別に基づいて実行する変動シナリオを異ならせるように構成すると良い。これにより、潜確状態がより有利となるように予め振分ユニット660の振分態様が調整されることを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(同じ当たり種別でも遊技状態に応じてV入賞率可変させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を遊技者に有利な有利遊技状態に設定する遊技状態設定手段と前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、前記複数の可変パターンから前記第1可変制御手段により可変される1の可変パターンを決定する決定手段とを備え前記第1可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となるものであり前記第2可変パターンは、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記第1可変パターンよりも前記特定領域に入球困難となるものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、通常よりも始動入賞し易くなる時短状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機では、当たりとなった時点における遊技状態に応じて、時短状態が付与されるか否かや、時短状態が付与される場合の時短期間等を可変させることにより、大当たり後の状態を多様化し、遊技者の興趣向上を図っているものがある(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、時短期間に多様性を持たせたとしても、当たりとなる抽選確率は当たりの種別に応じて固定されているので、遊技者の興趣を十分に向上させることが困難であった。
これに対して遊技機A1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンに対して特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間が少なくとも異なる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンのいずれかで、可変制御手段により第1可変手段が可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに第2可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な有利遊技状態に設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、複数の可変パターンから第1可変制御手段により可変される1の可変パターンが決定手段により決定される。第1可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となるように構成され、第2可変パターンは、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が第1可変パターンよりも特定領域に入球困難となるように構成されている。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い第1可変パターンが設定される割合を可変させることができるので、有利遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において前記有利遊技状態には、前記決定手段により前記第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも前記第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、有利遊技状態には、決定手段により第1可変パターンが決定され易い第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態よりも第1可変パターンが決定され難い第2有利遊技状態とが少なくとも含まれるので、特定領域へと遊技球が入球した場合に、第1有利遊技状態が決定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において前記第1有利遊技状態は、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別によらず前記決定手段により前記第1可変パターンが決定されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1有利遊技状態では、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別によらず決定手段によって第1可変パターンが決定されるので、第1有利遊技状態になると、次の特典遊技後に有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態となった場合に遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、前記特典遊技を実行した後の遊技状態を前記有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定するものであり前記遊技状態設定手段は、前記不利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が前記第2有利遊技状態を設定する割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球しなかった場合に、特典遊技を実行した後の遊技状態が遊技状態設定手段により有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態に設定される。不利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特定遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が、第2有利遊技状態が設定される割合よりも高く構成されている。
これにより、不利遊技状態において特典遊技が実行された場合に、第1有利遊技状態を期待させることができる。よって、不利遊技状態において遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態よりも、前記第1有利遊技状態で前記特定の判別結果となったことに基づく前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記第1有利遊技状態を設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4の何れかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態よりも、第1有利遊技状態で特定の判別結果となったことに基づく特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、遊技状態設定手段により第1有利遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、一旦第1有利遊技状態になると、複数の特典遊技に渡って連続して特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1有利遊技状態が設定され易くなる。よって、第1有利遊技状態に対する期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A2からA5のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第2有利遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に前記第1有利遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかが奏する効果に加え、第2有利遊技状態が設定されている場合に、特典遊技の終了とは異なる特定条件が成立した場合に遊技状態設定手段によって第1有利遊技状態が設定されるので、第2有利遊技状態において、特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球判別手段とその入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに可変可能な第3可変手段とその第3可変手段の可変態様として、前記第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも前記第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで少なくとも制御可能な制御手段と、を備え前記第1有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第2可変態様で制御されるものであり前記第2有利遊技状態は、前記第3可変手段が前記制御手段により前記第1可変態様で制御されるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球判別手段に対して遊技球が入球可能な第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難な第2可変位置とに第3可変手段が可変される。第3可変手段の可変態様として、第1可変位置に可変され易い第1可変態様と、その第1可変態様よりも第1可変位置に可変され難い第2可変態様とで制御手段により少なくとも制御される。第1有利遊技状態では、第3可変手段が第2可変態様で制御され、第2有利遊技状態では、第3可変手段が第1可変態様で制御される。
これにより、第1有利遊技状態よりも有利度合いが低い第2有利遊技状態で、判別手段による判別が実行され易くなるので、第2有利遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(確変からサポ抜けで有利な潜確へ移行させる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記判別手段により前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、前記第2確率が設定される第3遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更可能な遊技状態変更手段とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、当たりとなる抽選確率が高くなる確変状態が付与されるものがある。更に、かかる従来型の遊技機の中には、確変状態の抽選回数に所定の上限回数を定めておき、所定の上限回数の抽選に渡ってとなるまでに当たりとならなかった場合には、当たりとなる抽選確率を通常確率に戻すと共に、確変状態とは別の遊技者に有利な状態(特別状態)に移行させるものがある。この特別状態で当たりになると、確変状態で当たりとなるよりも遊技者に付与される遊技価値が多くなるため、当たりとなる前に確変状態が終了した場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、確変状態が終了した後に設定される特別状態において、当たりとなる抽選確率が通常確率となるので、比較的多くの抽選回数に渡って外れとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞があった。
これに対して遊技機B1では、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、判別手段により特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも有利であり、且つ、第2確率が設定される第3遊技状態とが遊技状態設定手段により少なくとも設定可能となる。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態が遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、特典遊技にならなくても、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第3遊技状態に変更することができるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の前記特典遊技に渡って前記第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態を設定する連続状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定された場合に、当該特典遊技を含む少なくとも所定回数の特典遊技に渡って第2確率が設定される遊技状態が設定され易くなる連続状態が連続状態設定手段によって設定されるので、連続状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で前記特典遊技が実行されるよりも、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態に設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されるよりも、第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に、その特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定される割合が高く構成されているので、第2遊技状態では、特典遊技が実行されるよりも前に遊技状態変更手段によって第3遊技状態が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技が終了した場合に、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とのいずれかを設定可能なものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技が終了した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態と、第3遊技状態とのいずれかが設定されるので、特典遊技が終了した後は、第2確率が設定される。よって、第2確率が設定される遊技状態が連続して設定されるので、第3遊技状態となることで遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて遊技球が入球することで前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと所定期間可変させる可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第2位置に可変され易いものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球困難となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球容易となる第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて第1位置から第2位置へと可変手段が所定期間、可変制御手段により可変される。第2遊技状態は、第3遊技状態よりも可変制御手段により第2位置に可変され易くなる。
これにより、第2遊技状態において判別手段による判別を実行され易くできるので、第2遊技状態において効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数を計数する計数手段を備え前記遊技状態変更手段は、前記計数手段により計数された前記外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態を前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に変更するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態が設定されたことに基づいて、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が連続した回数が計数手段により計数される。計数手段により計数された外れ判別結果の連続回数が特定回数になったことに基づいて遊技状態変更手段により遊技状態が第2遊技状態から第3遊技状態に変更される。
これにより、第2遊技状態では、特定の判別結果となることよりも、外れ判別結果が連続することを期待して遊技を行わせることができるので、斬新な遊技性の遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第2遊技状態または前記第3遊技状態のいずれかに設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別から1の種別が種別決定手段によって決定される。入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変する。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段によって少なくとも決定可能に構成されている。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へと入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第2遊技状態または第3遊技状態のいずれかに設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第2確率が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B7において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されているので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B8において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴C群>(有利な打ち出し方向を分かり難くする演出)
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たしたかを判別する条件判別手段とその条件判別手段により前記所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。この従来型の遊技機の中には、当たりの少なくとも一部で、始動入賞が発生し易くなる時短状態が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機には、遊技盤に複数の始動入賞口が設けられ、時短状態となることにより一部の始動入賞口へと遊技球が入賞し易くなるものもある。この遊技機では、時短状態か否かに応じて、何れの始動入賞口を狙って遊技を行うべきかを示唆する演出(示唆演出)を実行する構成とすることで、より分かりやすい遊技を提供している(例えば、特開2006−230825号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、当たり後に時短状態へと移行した場合、即座に示唆演出が実行されるので、時短状態となったか否かの期待感を最長でも大当たり終了時点までしか維持させることができないという問題点があった。
これに対して遊技機C1では、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球によって所定条件を満たさしたかが条件判別手段によって判別され、その条件判別手段によって所定条件を満たしたと判別されたことに基づいて、遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても所定条件が成立するまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも所定条件が成立するまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1において前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、特定条件の成立に基づいて前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記特定条件が成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比較して遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変され、その可変手段が、特定条件の成立に基づいて可変制御手段により第2位置から第1位置へと可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも特定条件が成立し易く構成されている。
これにより、第2遊技状態では、可変手段が第1位置へと可変されている間に遊技球を第2入球口へと入球させようとして発射手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C2において遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段と、を備え前記特定条件は、前記所定判別手段により所定の判別結果となった場合に成立するものであり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が、前記通過手段を特定回数通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行される。所定判別手段により所定の判別結果となった場合に特定条件が成立する。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が、通過手段を特定回数通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させるために遊技者に通過手段を狙って球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において前記通過手段として、前記第1経路に配置された第1通過手段と、前記第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、通過手段として、第1経路に配置された第1通過手段と、第2経路に配置された第2通過手段とが少なくとも設けられているので、所定条件の成立前においては、遊技者の好みの経路へと遊技球を発射して所定条件の成立を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C4において前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であり前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記第1通過手段を通過した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が、第2遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に第1通過手段を通過した場合に所定条件が成立する。
これにより、有利な第1遊技状態において判別手段による判別が実行され易い第1経路が特定演出により示唆されることを期待して第1経路へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて少なくとも前記第2遊技状態において、前記特定条件が成立してから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの期間は、前記発射手段により前記第2経路へと発射された遊技球が前記第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長いものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも第2遊技状態において、特定条件が成立してから可変手段が第1位置へと可変されるまでの期間は、発射手段により第2経路へと発射された遊技球が第2入球手段へと到達するまでに要する期間よりも長く構成されているので、設定された遊技状態が第2遊技状態だった場合に、通過手段を通過したことに基づいて所定条件が成立し、且つ、特定演出により第2経路が示唆されたとしても、可変手段が第1位置へと可変される前に第2入球手段へと遊技球を到達させることができる。よって、第2遊技状態において判別手段による判別の機会を最大限活かすことができるという効果がある。
遊技機C2において前記第1経路に設けられ、前記第1入球手段とは異なる所定入球手段を備え前記所定条件は、前記遊技状態設定手段により前記遊技状態が設定されてから前記発射手段により発射された遊技球が最初に前記所定入球手段に入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段とは異なる所定入球手段が第1経路に設けられている。そして、遊技状態設定手段により遊技状態が設定されてから発射手段により発射された遊技球が最初に所定入球手段に入球した場合に所定条件が成立する。
これにより、所定条件を成立させようとして所定入球手段を狙って球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と前記第1入球手段、または前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了を契機に、前記第2経路よりも前記第1経路へと遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、前記第1経路よりも前記第2経路に遊技球を打ち出した場合に前記判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間を計時する計時手段とその計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として前記判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出を実行する演出実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域へ発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には遊技球が入球可能な第1入球手段が配置されており、第2経路には遊技球が入球可能な第2入球手段が配置されている。第1入球手段、または第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技の終了を契機に、第2経路よりも第1経路へと遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第1遊技状態と、第1経路よりも第2経路に遊技球を打ち出した場合に判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定されてからの経過時間が計時手段によってけ計時され、その計時手段により特定の経過時間となったことに基づいて遊技球を発射する経路として判別手段による判別が実行され易くなる経路を示唆する態様の特定演出が演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技状態が設定されても特定の経過時間となるまで特定演出が実行されないので、より有利な遊技状態が設定されていることに対する期待感を、少なくとも特定の経過時間となるまで持続させることができるという効果がある。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と遊技球が入球可能な可変入球手段とその可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段と前記可変入球手段へと入球した遊技球が、前記可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第2可変手段と前記判別手段により前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1可変手段と前記第2可変手段とを所定の可変パターンで可変させる可変制御手段とその可変制御手段により可変される前記所定の可変パターンとして、前記第1可変手段が前記開放位置に可変されている期間に前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとを少なくとも決定可能な決定手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行中に遊技球が前記特定領域へ入球した場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態のいずれかに設定し、前記特定領域へ遊技球が入球しなかった場合に、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態を設定するものであり前記決定手段は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と、前記種別決定手段によって決定された前記特典遊技の種別とに基づいて、1の可変パターンを決定するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、予め定めた複数の種別の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段により決定される。可変入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに第1可変手段が可変される。可変入球手段へと入球した遊技球が、可変入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定領域への入球が困難となる第2可変位置とに第2可変手段が可変される。判別手段により特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変手段と第2可変手段とが可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変制御手段により可変される所定の可変パターンとして、第1可変手段が開放位置に可変されている期間に入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域に入球することが困難になる第2可変パターンとが決定手段により少なくとも決定される。特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球した場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態または第2遊技状態のいずれかに設定される。一方、特典遊技の実行中に遊技球が特定領域へ入球しなかった場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段により第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態が設定される。特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて、決定手段により1の可変パターンが決定される。
これにより、特定の判別結果となった時点の遊技状態と、種別決定手段によって決定された特典遊技の種別とに基づいて特定領域へと入球し易い可変パターンの設定され易さを異ならせることができるので、特典遊技の終了後に第1遊技状態、または第2遊技状態が設定される割合を遊技状態に応じて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9において前記決定手段は、前記第2遊技状態で前記特定の判別結果になるよりも、前記第1遊技状態で前記特定の判別結果となった場合に前記第1可変パターンが決定され易いものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、第2遊技状態で特定の判別結果になるよりも、第1遊技状態で特定の判別結果となった場合に決定手段により第1可変パターンが決定され易く構成されているので、第1遊技状態で判別が実行され易くなる第1経路が特定演出により示唆されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C9またはC10において前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記特典遊技が開始されてから前記第1可変手段が前記開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なるものであることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9またはC10のいずれかが奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、特典遊技が開始されてから第1可変手段が開放位置に可変するまでの期間が少なくとも異なって構成されるので、第1可変手段が開放位置に可変されるまでの期間により可変パターンを予測させることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C11において、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとは、前記第2可変手段の動作が同一であることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、第1可変パターンと第2可変パターンとは、第2可変手段の動作が同一であるので、第2可変手段の制御として1通りの可変制御のみを規定しておけばよく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴D群>(確変中や引き戻し時短中に非Vで時短付与)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と特定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも判別手段による判別が実行され易くなる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも前記入球手段への入球が困難となる閉鎖位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて所定の可変パターンで可変させる第1可変制御手段と前記入球手段へと入球した遊技球が、前記入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変可能な第2可変制御手段とその第2可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて予め定めた特定の可変パターンで可変させる第2可変制御手段と前記第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、前記特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから1の可変パターンを決定する決定手段と前記特典遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球した場合に、前記特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典を付与する特典付与手段と、を備え前記遊技状態設定手段は、前記特典付与手段によって前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定可能なものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、盤面に設けられた入球口の内部に球が入球可能な特定領域が設けられており、その特定領域へと球が入球した場合に、遊技者に有利な特定の特典が付与される割合が高くなるものがある。かかる特定の特典として、遊技状態が通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態に設定される第2特典遊技が設けられている。また、有利遊技状態では、内部に特定領域が設けられた入球口へと球を入球させ易くなるので、一旦有利遊技状態へと移行させることができれば、特典遊技と有利遊技状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利な状態を形成している。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、有利遊技状態で特定の特典を付与するか否かの抽選に漏れた場合には、最も不利な通常遊技状態まで転落してしまうため、抽選に漏れた時点で遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に損ねてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機D1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その開放位置よりも入球手段への入球が困難となる開放位置とに第1可変手段が可変され、その第1可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第1可変制御手段により所定の可変パターンで可変される。入球手段へと入球した遊技球が、入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも特定領域への入球が困難となる第2位置とに可変手段が可変され、その第2可変手段が、判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第2可変制御手段により予め定めた特定の可変パターンで可変される。第1可変制御手段により可変される可変パターンとして、特定領域へと遊技球が入球可能となる第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも特定領域への入球が困難となる第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンから、決定手段により1の可変パターンが決定される。特典遊技の実行中に特定領域へと遊技球が入球した場合に、特定領域へと入球しなかった場合よりも高い割合で遊技者に有利な特定の特典が特典付与手段によって付与される。特典付与手段によって特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定可能に構成されている。
これにより、特定の特典が付与されなかった場合に第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定されるので、特定の特典が付与されなかった場合に遊技者の遊技に対するモチベーションを損ねてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1において前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第1遊技状態を設定し、前記第2遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される。一方、第2遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定される。
これにより、遊技者にとって有利な第2遊技状態では、特定の特典が付与されなくても第2遊技状態が設定されるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において前記第1遊技状態と、第2遊技状態とは、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定されるものであり前記遊技状態設定手段は、前記特定の判別結果となる確率が前記第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態を設定可能なものであり前記特典付与手段は、前記特定の特典として前記遊技状態設定手段に前記第3遊技状態を設定させるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、第2遊技状態とは、特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される。特定の判別結果となる確率が第1確率よりも高い第2確率に設定される第3遊技状態も遊技状態設定手段により設定可能に構成されている。特定の特典として遊技状態設定手段に第3遊技状態を設定させるように特典付与手段が構成されている。
これにより、特定の特典が付与された場合に、特定の判別結果となり易くなるので、遊技者にとって有利となる。よって、特定の特典に対する遊技者の期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D3において前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態で実行された前記特典遊技で前記特典付与手段により前記特定の特典が付与されなかった場合に前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第3遊技状態で実行された特典遊技で特典付与手段により特定の特典が付与されなかった場合に、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定されるので、第3遊技状態から不利な第1遊技状態に設定されることを抑制できる。よって、第3遊技状態において特定の特典が付与されなかったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて遊技球が入球することに基づいて前記判別手段による判別が実行される入球手段とその入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに可変可能な第3可変手段と遊技球が通過可能な通過手段とその通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別を実行する所定判別手段とその所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変手段を前記第2可変位置から前記第1可変位置へと可変させる第3可変制御手段とを備え前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の判別結果となる確率が高いものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも入球が困難となる第2可変位置とに第3可変手段が可変される。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定判別手段により所定の判別が実行され、所定判別手段による判別で所定の判別結果となったことに基づいて、第3可変手段が第23可変制御手段によって第2可変位置から第1可変位置へ可変される。第2遊技状態は、第1遊技状態よりも所定の判別結果となる確率が高く構成されている。
これにより、第2遊技状態では所定の判別が実行され易くなるので、遊技者により効率よく遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴E群>(有利状態で100%確変)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に対して遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づき、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と前記特典遊技の実行中に遊技球が入球可能となる可変入球手段と、を有した遊技機において前記可変入球手段の内部に配置され、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な特定入球領域と1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球しなかった場合に、第1遊技状態を設定し、1の前記特典遊技の実行中に前記特定入球領域に遊技球が入球した場合に、前記第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と1の前記特典遊技での前記特定入球領域に対する遊技球の入球率として、第1入球率と、その第1入球率よりも入球率が高い第2入球率とを少なくとも設定可能な入球率設定手段と、を備え前記入球率設定手段は、前記第2遊技状態で前記特典遊技が実行された場合に、前記第1遊技状態で前記特典遊技が実行された場合よりも、前記第2入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選により当たりとなった場合に、球が入球可能な開放状態に設定される特定入賞口が設けられ、その特定入賞口へと球が入球することで特典が付与されるものがある。また、かかる従来型の遊技機の中には、特定入賞口の内部に、球が入球することで確率変動状態が付与される特定の入球領域が設けられているものがある。また、特定の入球領域への入球し易さは、当たりの種別に応じて異ならせている(例えば、特開2012−245172号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の入球領域への入球し易さが、当たり種別に応じて固定となっているため、当たり種別が分かった時点で確率変動状態へと移行する期待度が分かってしまう場合があり、確率変動状態に対する期待度を持続させることが困難となってしまう虞があった。
これに対して遊技機E1によれば、遊技者に有利な第2遊技状態で特典遊技が実行された場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態が継続している間は、特定入球領域へと遊技球が入球することを持続的に期待させることができるという効果がある。
遊技機E1において前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段とが少なくとも設けられており前記入球率設定手段は、前記第2入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合、および前記第2遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第2入球率を設定する割合が高くなり、前記第1遊技状態で前記第1入球手段への入球に基づいて前記特定の判別結果となった場合に前記第1入球率を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2遊技状態では入球手段の種別に関係なく特定の判別結果となった場合に第2入球率を設定する割合が高くなるので、第2遊技状態では、遊技球が入球する入球手段を気にせずに遊技を行わせることができる。よって、第2遊技状態において遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において前記可変入球手段へと遊技球が入球し易い第1可変位置と、その第1可変位置に比較して遊技球が入球し難い第2可変位置とに可変可能な第1可変手段とその第1可変手段を、前記特典遊技の実行中に、予め定められた第1可変パターンに従って可変させる第1可変制御手段と前記特定入球領域の上流に設けられ、前記可変入球手段へ入球した遊技球が前記特定入球領域へと入球し易くなる第1可変状態と、その第1可変状態に比較して遊技球が前記特定入球領域へと入球し難くなる第2可変状態とに可変可能な第2可変手段とその第2可変手段を、前記特典遊技が開始されたことに基づいて予め定められた第2可変パターンに従って可変させる第2可変制御手段と前記特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間として、前記第1可変パターンに従って可変される前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変パターンに従って可変される前記第2可変手段が第1可変状態になる期間とが重複し難くなる第1期間と、その第1期間よりも、前記第1可変手段が前記第1可変位置になる期間と、前記第2可変手段が前記第1可変状態になる期間とが重複し易くなる第2期間とを設定可能な期間設定手段とを備え前記入球率設定手段は、前記第1入球率として前記期間設定手段により前記第1期間が設定されるように制御し、前記第2入球率として前記期間設定手段により前記第2期間が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、特典遊技の実行が開始されてから前記第1可変制御手段による制御が開始されるまでの期間のみを変更することで入球率を可変させることができるので、複雑な可変パターンを設定する必要がなく、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴F群>(ATタイプで特図1が待機中のデモ制御)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出を第1演出期間で実行する第1演出実行手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得された前記第2情報に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出を第2演出期間で実行する第2演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1演出の実行が終了し、前記第1取得手段により前記第1情報が取得されていない場合に、第1計時を開始する第1計時手段と、前記第2演出の実行が終了し、前記第2取得手段により前記第2情報が取得されていない場合に、第2計時を開始する第2計時手段と、前記第1計時が第1設定値となったことに基づいて、第1報知態様の実行を開始し、前記第2計時が第2設定値となったことに基づいて、第2報知態様の実行を開始する報知実行手段と、前記第2取得条件が成立した場合に実行中の前記第1報知態様を、終了させる第1期間と、継続させる第2期間とを切り替えて設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。(例えば、特開2006−000392号公報)。このような遊技機では、図柄変動中(遊技中)では無い場合に、特定の画面(デモ画面)を表示するように構成されており、遊技者が空き台を容易に見つけ出すことを可能としている。
また、上述した従来型の遊技機の中には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。このような遊技機には、第1図柄と第2図柄との変動期間を異ならせ、一方の図柄の変動期間として長期間の変動期間(例えば、10分)が実行されるよう構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機において、両方の図柄の変動表示が終了した場合に特定の画面(デモ画面)を表示するように構成してしまうと、長期間の変動期間が実行された直後に遊技者が遊技を終了した場合に、次の遊技者がその遊技機で遊技を実行し難い状態(でも画面)が継続するため、遊技の稼働が低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機F1によれば、第1取得条件の成立に基づいて、第1取得手段により取得された第1情報に基づいて第1判定手段によって第1判定が実行され、その第1判定の結果に基づいて第1演出実行手段により第1演出が第1演出期間実行される。また、第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2取得手段により取得された第2情報に基づいて第2判定手段によって第2判定が実行され、その第2判定の結果に基づいて第2演出実行手段により第2演出が第2演出期間実行される。そして、第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行されるものであって、第1演出の実行が終了し、第1取得手段により第1情報が取得されていない場合に、第1計時手段により第1計時が開始され、第2演出の実行が終了し、第2取得手段により第2情報が取得されていない場合に、第2計時手段により第2計時が開始される。報知実行手段により、第1計時が第1設定値となったことに基づいて、第1報知態様の実行が開始され、第2計時が第2設定値となったことに基づいて、第2報知態様の実行が開始される。加えて、第2取得条件が成立した場合に実行中の第1報知態様を、終了させる第1期間と、継続させる第2期間とが設定手段により切り替えて設定される。
これにより、第2演出が実行されている状態であっても、第1演出が実行されていないことを示す第1報知態様を継続させることが可能となる。よって、遊技者に対して遊技機の状況を容易に把握させることができ、遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。さらに、設定手段により、第2演出が実行される場合に、第1演出が実行されていないことを示す第1報知態様を終了させる第1期間と継続させる第2期間とを切替えることができるため、遊技状態に応じた適切な演出を実行することができる。よって、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1の構成は、例えば、第1演出と第2演出とが同時に実行可能に構成された遊技機であって、遊技状態に応じて第2演出を実質的に実行させない期間と、第2演出を実質的に実行させる期間とを有する遊技機に用いると良い。この場合、第2演出を実質的に実行させない期間中は、第2取得条件が成立したとしても、実行中の第1報知態様を継続させるようにし、第2演出を実質的に実行させる期間中は、第2取得条件が成立した場合に、実行中の第1報知態様を終了させることができる。
遊技機F1において、前記第1判定が実行され易くする第1遊技状態と前記第2判定が実行され易くする第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定が実行され易くする第1遊技状態と第2判定が実行され易くする第2遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。
これにより、遊技状態設定手段により設定される遊技状態に応じて、第1期間または第2期間を設定することが可能になる。よって、遊技状態に応じた適切な演出を実行することができる。よって、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F2において、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている場合には、前記第2期間を設定するものであり、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合には、前記第1期間を設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段によって、遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定されている場合は第2期間が設定され、第2遊技状態が設定されている場合は第1期間が設定される。
これにより、第1判定が実行されやすい遊技状態では、第2取得条件が成立したとしても、実行中の第1報知態様を継続させるようにし、第2判定が実行されやすい遊技状態では、第2取得条件が成立した場合に、実行中の第1報知態様を終了させることができる。よって、遊技状態に応じた適切な演出を提供することが可能となり、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1からF3の何れかにおいて、前記報知実行手段は、前記第2取得条件が成立したことに基づいて実行中の前記第2報知態様を終了させるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3の奏する効果に加え、第2取得条件が成立したことに基づいて実行中の第2報知態様が報知実行手段によって終了されるので、第2演出の実行状態に応じた演出を実行することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記報知実行手段は、前記第1演出が実行されている場合にも、前記第1演出を妨げることを抑制して前記第2報知態様を実行するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知実行手段により、第1演出が実行されている間にも、前記第1演出を妨げることを抑制して第2報知態様が実行される。
これにより、これにより、第1演出が実行されている間に第2演出が実行されていないことを、第1演出を妨げることを抑制して報知することができる。よって、遊技者に対して遊技状況が分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記第1演出実行手段と前記第2演出実行手段とは、前記第1演出と前記第2演出とを同時に実行することが可能なものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、第1演出実行手段と第2演出実行手段とにより、第1演出と第2演出とが同時に実行可能に構成されるため、同時に実行される第1演出と第2演出の状況を分かり易く遊技者に報知することができるという効果がある。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記報知実行手段は、前記第1報知態様と前記第2報知態様とをそれぞれ同時に実行することが可能なものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、報知実行手段により、第1報知態様と第2報知態様とをそれぞれ同時に実行するよう構成されているため、第1演出と第2演出の状況を分かり易く遊技者に報知することができるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記報知実行手段は、前記第1演出が実行されている場合において、前記第2報知態様として前記第2演出の結果を示す情報以外の所定情報を報知する所定報知態様を実行するものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出が実行されている場合において、第2報知態様として第2演出の結果を示す情報以外の所定情報を報知する所定報知態様が報知実行手段により実行される。
これにより、第1演出が実行されている場合に、以前に実行された第2演出の結果を示す情報が報知されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が第1演出の結果と第2演出の結果とを混同してしまうことを抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1からF8のいずれかにおいて、前記報知実行手段は、前記第1演出が実行されている場合において、前記第2報知態様として前記第1演出が実行されていることを示す第1演出実行中報知態様を実行するものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F1からF8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出が実行されている場合において、第2報知態様として第1演出が実行されていることを示す第1演出実行中報知態様が報知実行手段により実行される。
これにより、遊技者に対して実行中の演出を容易に理解させることが可能となり、遊技状況を分かり易く提供することができるという効果がある。
さらに、遊技機F6の構成を用いた場合によれば、同時に実行可能な第1演出と第2演出のうち、実際に実行している第1演出に関する情報を、第2報知態様として表示することができるため、遊技状況を遊技者に対してより分かり易く提供することができるという効果がある。
遊技機F1からF9のいずれかにおいて、前記報知実行手段により実行される前記第1報知態様または前記第2報知態様のうち何れか一方を表示する第1表示領域と、他方を表示する第2表示領域とを少なくとも有した表示手段と、その表示手段の前記第1表示領域と、前記第2表示領域とに表示内容を制御する表示制御手段とを有し、前記表示制御手段は、前記設定手段により第1期間が設定される場合に、前記第1表示領域に前記第1報知態様を表示し、前記第2期間が設定される場合に、前記第1表示領域に前記第2報知態様を表示するように前記表示手段の表示内容を制御することを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F1からF10の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知実行手段により実行される第1報知態様または第2報知態様のうち何れか一方が表示される第1表示領域と、他方が表示される第2表示領域とを表示手段が有し、設定手段により第1期間が設定される場合に、第1表示領域に第1報知態様が表示され、第2期間が設定される場合に、第1表示領域に第2報知態様が表示されるように表示手段の表示内容が表示制御手段により制御される。
これにより、第1表示領域に表示される報知態様を遊技状態に応じて変更することができる。よって、遊技状態に応じた分かりやすい報知態様表示を実行することが可能となり、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができるという効果がある。
<特徴G群>(遊技状態が可変される場合のデモ制御)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出を第1演出期間で実行する第1演出実行手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得された前記第2情報に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出を第2演出期間で実行する第2演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立した場合に、前記第1演出と前記第2演出とが所定回数実行されるまで遊技者に有利となる有利状態を設定する有利状態設定手段と、その有利状態設定手段により前記有利状態が設定された場合に、前記第1判定より前記第2判定が実行され易くし、前記有利状態が終了した場合に、前記第2判定より前記第1判定が実行され易くする可変制御手段と、前記第1演出が予め定められた第1期間実行されない場合に、第1設定を設定し、前記第2演出が予め定められた第2期間実行されない場合に、第2設定を設定する設定手段と、前記有利状態が設定されている場合に前記第1設定が設定されたことに基づいて、第1表示設定を表示手段に設定し、前記有利状態が設定されている場合に前記第2設定が設定されたことに基づいて、第2表示設定を表示手段に設定する表示設定手段と、を有し、前記表示設定手段は、前記第2表示設定がされている状態で前記有利状態が終了した場合には、前記第2表示設定とは異なる特定の表示設定を設定するものであることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。(例えば、特開2006−000392号公報)。このような遊技機では、図柄変動中(遊技中)では無い場合に、特定の画面(デモ画面)を表示するように構成されており、遊技者が空き台を容易に見つけ出すことを可能としている。
また、上述した従来型の遊技機の中には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。さらに、遊技状態に応じて第1図柄が変動表示され易い遊技状態と第2図柄が変動表示され易い遊技状態とを設定し、遊技の興趣の向上を図るよう構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機において、一方の図柄の変動表示が終了していることを示す特定の画面(デモ画面)が表示されている状態で遊技状態が移行してしまうと、遊技者が表示内容を把握することが困難となるという問題があった。
例えば、所定の遊技状態において、変動表示され易い図柄に対する表示領域を変動表示され難い図柄に対する表示領域よりも大きく設定している場合には、遊技状態が移行することにより、表示される内容が大きく異なってしまい、遊技者に分かり難い遊技を提供することとなるという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機G1によれば、第1取得条件の成立に基づいて、第1取得手段により第1情報が取得され、その第1情報に基づいて第1判定手段により第1判定が実行され、その第1判定の結果に基づいた第1演出が第1演出実行手段により第1演出期間で実行される。また、第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2取得手段により第2情報が取得され、その第2情報に基づいて第2判定手段により第2判定が実行され、その第2判定の結果に基づいた第2演出が第2演出実行手段により第2演出期間で実行される。第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、特典遊技実行手段により遊技者に有利となる特典遊技が実行される。そして、特定条件が成立した場合に、第1演出と第2演出とが所定回数実行されるまで遊技者に有利となる有利状態が有利状態設定手段により設定される。その有利状態が設定された場合に、可変制御手段により、第1判定より第2判定が実行され易くされ、有利状態が終了した場合に、第2判定より第1判定が実行され易くされる。設定手段により、第1演出が予め定められた第1期間実行されない場合に、第1設定が設定され、第2演出が予め定められた第2期間実行されない場合に、第2設定を設定される。さらに、表示設定手段により、有利状態が設定されている場合に第1設定が設定されたことに基づいて、第1表示設定が表示手段に設定され、有利状態が設定されている場合に第2設定が設定されたことに基づいて、第2表示設定が表示手段に設定される。加えて、第2表示設定がされている状態で有利状態が終了した場合に、表示設定手段により第2表示設定とは異なる特定の表示設定が設定される。
これにより、第2表示設定がされている状態で有利状態が終了した場合に、表示設定手段により第2表示設定とは異なる特定の表示設定が設定されるため、第2表示設定がされている状態であっても、有利状態が終了したことを遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1において、前記第1表示設定は、所定の第1表示態様が前記表示手段に表示されるように設定されるものであり、前記第2表示設定は、所定の第2表示態様が前記表示手段に表示されるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1表示設定が設定されることにより、所定の第1表示態様が表示手段に表示され、第2表示設定が設定されることにより、所定の第2表示態様が前記表示手段に表示される。
これにより、第1判定手段による第1判定および第2判定手段による第2判定の実行状況を遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記第2表示設定が実行されている期間に、前記第2演出が実行される場合には、前記第2表示設定が維持された状態で前記第2演出に対応する演出態様が前記表示手段に表示されるものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2表示設定が実行されている期間に、第2演出が実行される場合には、第2表示設定が維持された状態で第2演出に対応する演出態様が表示手段に表示される。
これにより、第2表示設定が実行されている期間に第2演出が実行された場合に、遊技者に違和感を与えることなく第2演出を実行することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、遊技機G3の構成を、例えば、第2演出が実行される第2演出期間が短く設定される遊技機に設けると良い。この場合、第2表示設定が実行されている期間に第2演出が実行された場合に、短い第2演出期間が設定されている第2演出を遊技者に分かり易く実行することができる。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記第2表示設定は、前記有利状態が設定されている期間であることを示唆する示唆表示態様を前記表示手段に表示する設定が実行されるものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2表示設定が設定されることにより、有利状態が設定されている期間であることを示唆する示唆表示態様が表示手段に表示される。
これにより、第2演出が実行されていない期間を利用して、遊技状態に関する情報を遊技者に表示することが可能となる。よって、第2演出が実行されていない期間を有効活用して遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記有利状態が設定されている場合に、特定条件の成立を前記第1演出と前記第2演出との実行に基づく情報により判別する判別手段と、その判別手段により特定条件の成立が判別された場合には、前記第2表示設定の設定を規制する規制手段と、有するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態が設定されている場合に、判別手段により特定条件の成立を第1演出と第2演出との実行に基づく情報により判別され、特定条件の成立が判別された場合に、規制手段により第2表示設定の設定が規制される。
これにより、第2表示設定が設定されないことで、遊技者に対して特定条件が成立していることを報知することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記第2判定が実行される場合に、前記第2演出期間を複数の第2演出期間より決定する第2演出期間決定手段と、前記有利状態以外の1の通常遊技状態が設定されている場合に、前記第2演出期間決定手段により決定される前記第2演出期間として前記有利状態が設定されている場合よりも長い期間が選択される確率を高く設定する確率可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判定が実行される場合に、第2演出期間決定手段により第2演出期間が複数の第2演出期間より決定される。そして、確率可変手段により、有利状態以外の1の通常遊技状態が設定されている場合に、第2演出期間決定手段により決定される第2演出期間として有利状態が設定されている場合よりも長い期間が選択される確率が高く設定される。
これにより、有利状態が設定された場合に、有利状態以外の1の通常遊技状態が設定されている場合よりも第2判定を多く実行することが可能となる。よって、第2判定が多く実行される有利状態を目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記第1演出と前記第2演出とは同時に実行可能なものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、第1演出と第2演出とが同時に実行されるため、効率よく遊技を実行させることができる。
<特徴H群>(ATタイプにおいて、リザルト演出の確保)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出を第1演出期間で実行する第1演出実行手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出を第2演出期間で実行する第2演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、複数の遊技状態より前記第1演出と前記第2演出が所定回数実行されるまで遊技者に有利となる有利遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記有利遊技状態が設定された場合に、前記第2演出期間を短く設定され易くする第2演出期間設定手段と、前記有利遊技状態が終了した場合に、前記第1演出と前記第2演出とが実行された回数が所定回数実行されるまで、前記第1演出期間として特定の第1演出期間を設定する第1演出期間決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。このように遊技機には、当たりとなる抽選確率を高めたり、抽選が実行され易くしたりすることで、遊技者に有利となる有利状態が設定され、その有利状態が継続している期間中に発生した当たり回数や獲得した賞球数をといった遊技結果表示を表示画面に表示するものがある(例えば、特開2010−35664号公報)。このような遊技機では、有利状態が終了した後に遊技結果表示が表示画面に表示されるものであった。
また、上述した従来型の遊技機の中には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。
かかる従来型の遊技機においては、両方の図柄が同時に変動するように構成されているため、有利状態終了後に最初に実行される図柄が第1図柄なのか第2図柄なのかが遊技状況に応じて異なってしまうことがある。このような遊技機において、有利状態終了後の最初の変動時間のみを遊技結果表示可能な変動期間として設定してしまうと、有利状態終了後の最初に変動される図柄によっては、遊技結果表示を十分な期間表示することができなくってしまい、遊技者のモチベーションが低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機H1によれば、第1取得条件の成立に基づいて、第1取得手段により取得された第1情報に基づいて第1判定手段によって第1判定が実行され、その第1判定の結果に基づいて第1演出実行手段により第1演出が第1演出期間実行される。また、第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2取得手段により取得された第2情報に基づいて第2判定手段によって第2判定が実行され、その第2判定の結果に基づいて第2演出実行手段により第2演出が第2演出期間実行される。そして、第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行されるものであって、複数の遊技状態より前記第1演出と前記第2演出が所定回数実行されるまで遊技者に有利となる有利遊技状態が遊技状態設定手段により設定可能に構成され、その遊技状態設定手段により有利遊技状態が設定された場合に、第2演出期間設定手段により第2演出期間を短く設定され易くし、有利遊技状態が終了した場合に、第1演出と第2演出とが実行された回数が所定回数実行されるまで、第1演出期間として特定の第1演出期間が第1演出期間決定手段により決定される。
これにより、有利遊技状態が終了した場合に第1演出期間として特定の期間を設定することが可能となるため、有利遊技状態が終了した場合に実行される演出の内容を遊技者に把握させることができ、演出の内容が把握できないことによる遊技者のモチベーションが低下する事態を抑制することができるという効果がある。
なお、有利遊技状態が終了した場合に実行される演出として、有利遊技状態中の遊技結果を示す演出(例えば、有利遊技状態中に実行した大当たり回数や総賞球数)を実行するとよい。この場合、有利遊技状態中の遊技結果を有利遊技状態終了後に遊技者が容易に把握させることができるという効果がある。
また、遊技機H1のように、有利遊技状態終了後に実行される第1演出期間を特定の第1演出期間とすることで、特定の第1演出期間を用いて実行される第1演出を有利遊技状態終了後に実行することができる。これにより、例えば、有利遊技状態の最後(終盤)に実行される第1演出期間を第1演出期間とする必要が無くなるため、遊技者に対して有利遊技状態をスムーズに実行させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記所定回数は、2回以上であることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、所定回数が2回以上にされるため、第1演出と第2演出とが同時に実行される場合であっても、第1演出を特定の第1演出期間を用いて実行することができ、有利遊技状態が終了した場合に実行される演出の内容を遊技者に把握させることができ、演出の内容が把握できないことによる遊技者のモチベーションが低下する事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記第1演出期間決定手段は、前記有利遊技状態とは異なる遊技状態が設定されている場合に、前記特定の第1演出期間よりも短い短縮第1演出期間を選択する割合が高いものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利遊技状態とは異なる遊技状態が設定されている場合に、第1演出期間決定手段により、特定の第1演出期間よりも短い短縮第1演出期間を選択する割合が高くされる。
これにより、有利遊技状態が終了した後の所定回数に対して設定される特定の第1演出期間のみ他の第1演出期間よりも長い期間を設定することが可能となるため、第1演出が実行される第1演出期間を全体的に長く設定することにより、遊技の進行が遅くなり、遊技者のモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記第1判定で前記特定の第1判定結果と判定される確率と前記第2判定で前記特定の第2判定結果と判定される確率は同じに設定されており、前記第2判定手段は、前記第2判定で前記特定の第2判定結果と判定されなかった場合に、前記特定の第2判定結果とは異なる特殊第2判定結果が所定の確率で判定するものであり、前記特典遊技実行手段は、前記特殊第2判定結果に基づいた前記第2演出が実行された場合に、前記特典遊技以下の特典が付与される特殊特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定で特定の第1判定結果と判定される確率と第2判定で前記特定の第2判定結果と判定される確率は同じに設定され、第2判定で特定の第2判定結果と判定されなかった場合に、第2判定手段により特定の第2判定結果とは異なる特殊第2判定結果が所定の確率で判定される。そして、特殊第2判定結果に基づいた第2演出が実行された場合に、特典遊技実行手段により特典遊技以下の特典が付与される特殊特典遊技が実行される。
これにより、第1演出が実行される第1判定よりも、第2演出が実行される第2判定のほうが遊技者に有利とすることができる。よって、第2演出が実行される第2演出期間が短く設定され易い有利遊技状態を確実に遊技者に有利な状態とすることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、遊技機H4によれば、第2判定手段の判定結果が特殊第2判定結果となったことに基づいて特殊特典遊技を実行することで、遊技者に有利な有利遊技状態を構成しているが、第2演出期間が短く設定される遊技状態が遊技者に有利な有利遊技状態となるように構成されていればよく、例えば、第1判定手段の判定結果に基づいて第2判定手段よりも低い確率で特殊特典遊技が実行されるように構成してもよいし、第1判定手段の判定結果に基づいて実行される特殊特典遊技(第1特殊特典遊技)が第2判定手段の判定結果に基づいて実行される特殊特典遊技(第2特殊特典遊技)より価値の低い特典遊技となるように構成してもよい。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記有利遊技状態が設定された場合に、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易い状態と、前記有利遊技状態が終了した場合に前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易い状態とを可変させる可変制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利遊技状態が設定された場合に、第1判定よりも第2判定が実行され易い状態と、有利遊技状態が終了した場合に第2判定よりも第1判定が実行され易い状態とが可変制御手段により可変される。
これにより、有利遊技状態を、有利遊技状態以外の遊技状態と比して第2判定が実行され易くすることができる。よって、有利遊技状態をより遊技者に有利な遊技状態にすることができ、有利遊技状態を目指す遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、遊技機H4の可変制御手段としては、例えば、第1演出期間と第2演出期間との演出期間の長さを可変させる構成や、第2取得条件の成立のし易さを可変させる構成が考えられる。
遊技機H5において、前記可変制御手段は、前記第1演出期間と前記第2演出期間との演出期間の長さを可変するように選択割合を可変して設定するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により第1演出期間と第2演出期間との演出期間の長さを可変するように選択割合が可変して設定される。
これにより、第1判定と第2判定との実行のし易さを容易に可変させることができるという効果がある。
<特徴J群>(ATタイプで、一方で小当りした場合にも他方の変動演出を継続して、小当たり後に帳尻を合わせる変動演出を実行する)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、その第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出を第1演出期間で実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の前記第1演出期間を複数の演出期間より決定する第1演出期間決定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、その第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出を第2演出期間で実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の前記第2演出期間を複数の演出期間より決定する第2演出期間決定手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、実行されている前記第1演出の前記第1演出期間または前記第2演出の前記第2演出期間の計時を仮停止する仮停止手段と、前記特典遊技の終了に基づいて、前記仮停止手段による仮停止を解除する解除手段と、前記仮停止手段により計時が仮停止されている場合にも、前記第1演出実行手段または前記第2演出実行手段に前記第1演出または前記第2演出を実行させる継続手段と、前記第1演出または前記第2演出が終了した場合にも、前記第1演出期間または前記第2演出期間の残期間がある場合に、その残期間で特定演出を実行する特定演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が所定期間実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が所定期間実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。このような遊技機には、第1図柄と第2図柄のうち、一方の図柄が当たりに当選したことを示す態様で停止表示された場合に、変動表示中である他方の図柄の変動期間の計測を中断し、当たり遊技が終了した場合に、中断していた変動期間の計測を再開するように構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機において、変動表示中に変動期間の計測が中断された図柄に基づく変動表示を変動期間の計測が中断されたことに基づいて停止してしまうと、遊技者が期待をしながら見ていた変動表示が急に停止され、遊技の興趣を損ねる原因となってしまうという問題があった。また、変動期間の計測が中断された場合であっても、変動表示を継続して表示してしまうと、変動期間の終了タイミングと変動表示の終了タイミングとに誤差(即ち、中断期間分の誤差)が生じてしまい、遊技者に違和感を与える演出が実行され、遊技の興趣を損ねる原因となってしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機J1によれば、第1取得条件の成立に基づいて、第1取得手段により取得された第1情報に基づいて第1判定手段によって第1判定が実行され、その第1判定の結果に基づいて第1演出実行手段により第1演出が第1演出期間決定手段によって複数の演出期間より決定された第1演出期間実行される。また、第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて、第2取得手段により取得された第2情報に基づいて第2判定手段によって第2判定が実行され、その第2判定の結果に基づいて第2演出実行手段により第2演出が第2演出期間決定手段によって複数の演出期間より決定された第2演出期間実行される。そして、第1判定の結果が特定の第1判定結果であることに基づいた特定の第1演出または第2判定の結果が特定の第2判定結果であることに基づいた特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行されるものであって、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される場合に、実行されている第1演出の第1演出期間または第2演出の第2演出期間の計時が仮停止手段により仮停止され、特典遊技の終了に基づいて、仮停止手段による仮停止が解除手段により解除される。その仮停止手段により計時が仮停止されている場合にも、継続手段によって、第1演出実行手段または第2演出実行手段に第1演出または第2演出を実行させ、第1演出または第2演出が終了した場合にも、第1演出期間または第2演出期間の残期間がある場合に、特定演出実行手段により、その残期間で特定演出が実行される。
これにより、仮停止手段により実行されている第1演出の第1演出期間または第2演出の第2演出期間の計時が仮停止される場合であっても、継続して第1演出または第2演出を実行することができる。よって、遊技者が期待をしながら見ていた演出を継続して実行することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
さらに、第1演出または第2演出が終了した場合にも、第1演出期間または第2演出期間の残期間がある場合に、特定演出実行手段により、その残期間で特定演出が実行されるため、第1演出または第2演出が終了するタイミングと第1演出期間または第2演出期間が終了するタイミングに誤差が生じたとしても、遊技者に違和感を与えてしまう事態を抑制することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記第1演出は前記第1演出期間決定手段により決定される複数の前記第1演出期間に対応した演出期間で予め設定されているものであり、前記第2演出は前記第2演出期間決定手段により決定される複数の前記第2演出期間に対応した演出期間で予め設定されているものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出は第1演出期間決定手段により決定される複数の第1演出期間に対応した演出期間で予め設定され、第2演出は第2演出期間決定手段により決定される複数の第2演出期間に対応した演出期間で予め設定される。
これにより、第1演出が実行される演出期間と第2演出が実行される演出期間とを予め定めておき、第1演出または第2演出が終了するタイミングと第1演出期間または第2演出期間が終了するタイミングに誤差が生じた場合に特定演出を実行することが可能となる。よって、仮停止手段による計時の仮停止に関わらず第1演出または第2演出が実行される期間を予め設定することができるため、演出期間を設定する処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機J1またはJ2において、前記第1演出と前記第2演出とはそれぞれの前記第1演出期間または前記第2演出期間が経過するまでの所定期間で前記第1判定または前記第2判定の結果を示す確定演出態様が設定されているものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1またはJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出と第2演出には、それぞれの第1演出期間または第2演出期間が経過するまでの所定期間で第1判定または第2判定の結果を示す確定演出態様が設定される。
これにより、仮停止手段による計時の仮停止が実行されない場合であっても、第1演出または第2演出が実行されることにより、第1判定または第2判定の結果を示すことができる。よって、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
遊技機J3において、前記特定演出は、前記確定演出態様の少なくとも一部で構成されているものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、特定演出が確定演出態様の少なくとも一部で構成されているため、第1演出または第2演出が終了した後に特定演出が実行されたとしても、遊技者に違和感を与えることなく演出を実行することができるという効果がある。
遊技機J1からJ4のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記第1判定手段により前記特定の第1判定結果とは異なる特別の第1判定結果と判別されたことに基づいて実行される特別の第1演出が実行された場合または前記第2判定手段により前記特定の第2判定結果とは異なる特別の第2判定結果と判別されたことに基づいて実行される特別の第2演出が実行された場合に前記特典遊技以上に遊技者に有利となる特別遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J1からJ4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段により特定の第1判定結果とは異なる特別の第1判定結果と判別されたことに基づいて実行される特別の第1演出が実行された場合または第2判定手段により特定の第2判定結果とは異なる特別の第2判定結果と判別されたことに基づいて実行される特別の第2演出が実行された場合に、特典遊技実行手段によって、特典遊技以上に遊技者に有利となる特別遊技が実行される。
これにより、第1判定手段が実行される遊技と第2判定手段が実行される遊技との両方に対して遊技者が期待を持ちながら遊技を実行することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、前記特典遊技が実行されている期間に、前記第1演出または前記第2演出が終了する場合には、前記特定演出とは異なる特殊演出を少なくとも前記残期間で実行するものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J1からJ5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段によって、特典遊技が実行されている期間に、第1演出または第2演出が終了する場合には、特定演出とは異なる特殊演出が少なくとも残期間で実行される。
これにより、第1演出または第2演出が終了した場合に、第1演出期間または第2演出期間の残期間よりも長い期間の残期間が発生した場合に特定演出とは異なる特殊演出を実行することができる。よって、特定演出だけでは不十分な程誤差が生じた場合であっても遊技者に違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
なお、遊技機J6に用いられる特殊演出としては、第1演出または第2演出が終了してから、第1演出期間または第2演出期間が終了するまでの期間を用いて特定演出とは異なる演出を実行する構成でもよいし、第1演出または第2演出が終了してから、第1演出期間または第2演出期間が終了するまでの期間のうち、第1演出または第2演出が終了してから、特典遊技が終了するまでの期間で新たな演出を実行し、特典遊技が終了してから、第1演出期間または第2演出期間が終了するまでの期間で特定演出を実行する構成でもよい。この場合、後者の構成の方が、演出データの容量を軽減することができるという効果がある。
遊技機J1からJ6のいずれかにおいて、前記第1演出または前記第2演出が終了してから、前記第1演出期間または前記第2演出期間が終了するまでの残期間の長さを判別する残期間判別手段と、その残期間判別手段による判別の結果に基づいて前記特定演出の演出態様を決定する特定演出態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J1からJ6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出または第2演出が終了してから、第1演出期間または第2演出期間が終了するまでの残期間の長さが残期間判別手段により判別され、判別の結果に基づいて特定演出の演出態様が特定演出態様決定手段により決定される。
これにより、残期間の長さに基づいて特定演出の演出態様を決定することができるため、遊技者に好適な演出を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、残期間の長さに基づいて決定される特定演出としては、例えば、残期間中に実行される特定演出の内容を遊技者が把握困難な程、短い残期間であると判別された場合は、第1演出または第2演出の全部または一部を用いた演出態様を特定演出の演出態様とする。これにより、あたかも第1演出または第2演出が延長されているかのように特定演出を実行することが可能となり、遊技者に違和感を与えること無く特定演出を実行することができる。この場合、第1演出または第2演出が延長していることを報知する態様を含めて特定演出を実行するとよい。これにより、特定演出の内容を把握できない遊技者に対しては、第1演出または第2演出が延長されているかのように特定演出を実行し、特定演出の内容を把握可能な遊技者に対しては第1演出または第2演出の演出態様を延長していることを報知することで、遊技機の不具合により第1演出または第2演出が終了しない状態と誤解を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、残期間中に実行される特定演出の内容を遊技者が十分に把握可能な程、長い残期間であると判別された場合は、特定演出において、第1演出または第2演出が示す情報(判定手段の判定結果を示す情報)以外の情報を表示可能な演出態様とするとよい。これにより、残期間を用いて、遊技者に新たな情報を提供することができ、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機J7において、前記特典演出態様決定手段は、前記残期間判別手段により、前記残期間が所定期間よりも少ないと判別された場合に、前記特定演出の演出態様として前記確定演出態様の少なくとも一部で構成されている特定演出態様を決定するものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、残期間判別手段により、残期間が所定期間よりも短いと判別された場合に、特定演出の演出態様として確定演出態様の少なくとも一部で構成されている特定演出態様が特典演出態様決定手段によって決定される。
これにより、第1演出または第2演出が延長されているかのように特定演出を実行することが可能となり、遊技者に違和感を与えること無く特定演出を実行することができる。
遊技機J7またはJ8において、前記特典演出態様決定手段は、前記残期間判別手段により、前記残期間が所定期間よりも長いと判別された場合に、前記特定演出の演出態様として前記第1演出または前記第2演出に含まれる情報とは異なる情報を含む特定演出態様を決定するものであることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J7またはJ8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、残期間判別手段により、残期間が所定期間よりも長いと判別された場合に、特定演出の演出態様として第1演出または第2演出に含まれる情報とは異なる情報を含む特定演出態様が特典演出態様決定手段によって決定される。
これにより、残期間を用いて、遊技者に新たな情報を提供することができ、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴K群>(ST回数表示制御)
所定条件が成立することにより、遊技者に有利な特定遊技を特定回数実行可能な特定遊技実行手段と、その特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行された遊技回数を更新する回数更新手段と、前記特定回数の残回数を判別する残回数判別手段と、その残回数判別手段により判別された前記残回数以下の回数を報知する回数報知手段と、その回数報知手段により報知される前記回数を増加させる特典報知を所定の規則に基づいて実行可能な特典報知実行手段と、前記所定の規則を切替可能な規則切替手段を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。このように遊技機には、当たりとなる抽選確率を高めたり、抽選が実行され易くしたりすることで、遊技者に有利となる特定遊技が特定回数実行可能に構成され、その特定遊技が実行される残回数を表示画面に表示するものがある(例えば、特開2015−6562号公報)。
かかる従来型の遊技機においては、特定遊技が実行される残回数が表示画面に表示されるため、有利状態が設定される残回数が少なくなってきた場合に、遊技者のモチベーションが低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機K1によれば、所定条件が成立することにより、特定遊技実行手段により遊技者に有利な特定遊技が特定回数実行され、その特定遊技実行手段により特定遊技が実行された遊技回数が回数更新手段により更新される。特定回数の残回数が残回数判別手段により判別され、その残回数判別手段により判別された残回数以下の回数が回数報知手段により報知される。その回数報知手段により報知される回数を増加させる特典報知が所定の規則に基づいて特典報知実行手段により実行され、その所定の規則が規則切替手段により切り替えられる。
これにより、特定遊技が実行される残回数以下の回数を報知することが可能となる。よって、報知されている回数が少なくなったとしても、特定遊技が継続して実行されることを期待しながら遊技を行わせることができ、遊技者のモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、回数報知手段により報知される回数を増加させる特典報知を実行することで、遊技者に対して特定遊技が実行されることが確定している回数を増加させることができる。これにより遊技者は適度な安心感を継続して持ちながら遊技を実行することができる。
また、特典報知が実行される規則を切替えることができるため、回数報知手段により報知される回数を様々なパターンで増加させることが可能となる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機K1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記規則切替手段は、前記操作手段への操作に基づいて前記所定の規則を切替えるものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段への操作に基づいて規則切替手段により所定の規則が切替わる。
よって、遊技者が自分の好みに合わせて所定の規則を切替えることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1またはK2において、前記規則切替手段は、前記遊技回数が更新される毎に、前記特典報知を実行するか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて前記特典報知を実行する第1規則と、前記回数報知手段により報知される回数が所定回数以下となったことに基づいて、前記特典報知を実行するか決定する第2規則と、に切替可能に構成されているものであること特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1またはK2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規則切替手段によって、遊技回数が更新される毎に、特典報知を実行するか否かの判定を実行し、その判定結果に基づいて特典報知が実行される第1規則と、回数報知手段により報知される回数が所定回数以下となったことに基づいて、特典報知を実行するかが決定される第2規則と、に切替可能に構成される。
これにより、趣向の異なる規則で特典報知を実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記特典報知実行手段は、前記規則切替手段により前記所定の規則が切り替えられる場合に、前記残回数が所定回数以上であれば、前記特典報知を実行するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典報知実行手段によって、規則切替手段により所定の規則が切り替えられる場合に、残回数が所定回数以上であれば、特典報知が実行される。
これにより、所定の規則が切り替えられるタイミングにおいて特典報知を実行することができる。よって、規則切替手段によって所定の規則が切り替えられることを期待しながら遊技を行わせることが可能となり、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機K4において、前記特典報知実行手段は、予め設定された上限回数のうち、前記残回数の範囲内で可能な回数を増加させることを示す前記特典報知を実行するものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め設定された上限回数のうち、残回数の範囲内で可能な回数を増加させることを示す前記特典報知が特典報知実行手段により実行される。
これにより、特典報知の態様を複雑化させることが可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴L群>(アタッカ入賞時演出を抽選で決定)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果であることに基づいて、異なる複数の特典遊技のうち、1の特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも入球し易い第2状態へと所定条件が成立するまで可変する可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて実行条件の成立を判別する条件判別手段と、その条件判別手段により実行条件が成立したと判別された場合に演出を実行可能な演出実行手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別に基づいて、前記実行条件が成立する割合を可変して設定する割合可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。このように遊技機において、当たり遊技が実行された場合に特定入賞口が開放され、その特定入賞口に遊技球が入賞したことを報知するものがある(例えば、特開2014−138735号公報)。また、特定入賞口の開放パターンが異なる複数の当たり遊技を設定し、実行される当たり遊技によって、特定入賞口で入賞可能な遊技球数を異ならせるように構成しているものもあり、遊技者に対してどの当たり遊技が実行されているのかを分かり難くすることで、遊技者に遊技を予測させることで遊技の興趣を向上させているものもある。
かかる従来型の遊技機においては、特定入賞口に遊技球が入賞する毎に報知が実行されるため、遊技者に対して当たり遊技が実行されていることを容易に把握させることができるものであったが、特定入賞口に遊技球が入賞する毎に報知が実行されてしまうため、特定入賞口に遊技球が入賞する毎に実行される報知内容を把握するだけで、実行されている当たり遊技の種類を遊技者が容易に把握することができてしまうという問題があった。
さらに、実行される当たり遊技の種類によって、当たり遊技終了後の遊技状態を遊技者に有利な状態へと移行させる遊技機においては、実行される当たり遊技の種類を分かり難くさせることで遊技の興趣を向上させているが、このような遊技機を用いた場合において、特定入賞口に遊技球が入賞する毎に報知を実行してしまうと、当たり遊技終了後に移行する遊技状態に期待をしながら当たり遊技を行わせることができなくなり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機L1によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別結果が特定の判別結果であることに基づいて、異なる複数の特典遊技のうち、1の特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により特典遊技が実行された場合に、可変入球手段により、遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも入球し易い第2状態へと所定条件が成立するまで可変される。可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて実行条件の成立が条件判別手段により判別され、その条件判別手段により実行条件が成立したと判別された場合に演出実行手段により演出が実行される。そして、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別に基づいて、実行条件が成立する割合が割合可変手段により可変して設定される。
これにより、特典遊技の種別に基づいて、可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて演出が実行される割合を可変することができる。よって、演出実行手段により実行される演出によって、遊技者が特典遊技の種別を把握してしまい、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機L1において、前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、予め定められた所定数の遊技球を賞球として遊技者に払い出す払出手段を有し、前記演出は、前記払出手段により払い出される前記賞球の数に基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、払出手段により予め定められた所定数の遊技球が賞球として遊技者に払い出され、その払出手段により払い出される賞球の数に基づいて演出が設定される。
これにより、演出実行手段によって演出が実行されることで、遊技者に対して特典遊技が実行されていることを容易に把握させることが可能となる。よって、遊技者に有利となる特典遊技が実行されたことに気付かない事態が発生することを抑制し、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
遊技機L1またはL2において、前記特典遊技実行手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球し易い第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技球の入球が困難となる第2特典遊技と、を少なくとも実行可能であり、前記割合可変手段は、前記第1特典遊技が実行される場合には、前記第2特典遊技が実行される場合よりも前記割合を低く設定するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、特典遊技実行手段により、入球手段に遊技球が入球し易い第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技球の入球が困難となる第2特典遊技との少なくともいずれかが実行される。そして、割合可変手段により、第1特典遊技が実行される場合には、第2特典遊技が実行される場合よりも実行条件の成立する割合が低く設定される。
これにより、入球手段への入球のし易さが異なる第1特典遊技と第2特典遊技とが実行される場合に、演出実行手段による実行される演出の実行回数を近似させることが可能となる。よって、演出実行手段により実行される演出によって、遊技者が特典遊技の種別を把握してしまい、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
ここで、遊技機L2の構成を用いる場合には、特典遊技実行手段の種別に関わらず、入球手段へ最初に入球した遊技球に対しては、必ず(高確率で)演出実行手段による演出が実行されるようにするとよい。これにより、特典遊技が実行されたことを遊技者に容易に把握させることができ、さらに、実行されている特典遊技の種別を遊技者に容易に把握されない演出を提供することができる。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、前記演出は、演出態様の少なくとも一つとして表示態様を表示手段に表示するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかの奏する効果に加え、演出態様の少なくとも一つとして表示態様が表示手段に表示されるため、遊技者は表示手段に表示される内容に基づいて特典遊技が実行されたことを遊技者に容易に把握することができるという効果がある。
遊技機L3またはL4において、前記第1特典遊技は、前記第2状態に前記可変入球手段が可変されてから前記所定条件が成立するまでの期間が前記第2特典遊技よりも長く設定されているものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L3またはL4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技により、第2状態に可変入球手段が可変されてから所定条件が成立するまでの期間が第2特典遊技よりも長く設定される。
これにより、第1特典遊技を第2特典遊技よりも入球し易い特典遊技として確実に実行することができるという効果がある。
遊技機L3またはL5において、前記第1特典遊技は、前記第2状態に可変される回数が前記第2特典遊技よりも多く設定されているものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L3またはL4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技により、第2状態に可変される回数が第2特典遊技よりも多く設定される。
これにより、第1特典遊技を第2特典遊技よりも入球し易い特典遊技として確実に実行することができるという効果がある。
請求項L1からL6のいずれかにおいて、前記可変入球手段に遊技球が入球した個数に基づいて、前記実行条件が成立する割合を可変して設定する第2割合可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L1からL6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2割合可変手段により、可変入球手段に遊技球が入球した個数に基づいて、実行条件が成立する割合が可変して設定される。
これにより、可変入球手段に遊技球が入球した個数に基づいて演出が実行される割合を変更することが可能となる。よって、より複雑に演出の実行割合を設定することが可能となる。
遊技機L7において、前記特典遊技実行手段は、前記入球手段に遊技球が入球し易い第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技球の入球が困難となる第2特典遊技と、を少なくとも実行可能であり、前記第2割合可変手段は、前記可変手段に遊技球が入球した個数が増加するほど、実行条件が成立し難くするものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により、入球手段に遊技球が入球し易い第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技球の入球が困難となる第2特典遊技との少なくともいずれかが実行される。そして、第2割合可変手段により、可変手段に遊技球が入球した個数が増加するほど、実行条件が成立し難くされる。
これにより、第1特典遊技が実行された場合と第2特典遊技が実行された場合とで、演出実行手段により実行される演出の回数を近似させることが可能となる。よって、演出実行手段により実行される演出によって、遊技者が特典遊技の種別を把握してしまい、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機L2からL8のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記演出として前記払出手段により払い出される前記賞球の数を複数に分割した数を示す分割表示態様を、前記払出手段により払い出される前記賞球の数に対応するように設定するものであることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L2からL8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段によって、演出として払出手段により払い出される賞球の数を複数に分割した数を示す分割表示態様が、払出手段により払い出される賞球の数に対応するように設定される。
これにより、1回の演出で複数の分割表示態様を表示することが可能となる。よって、演出実行手段により実行される演出によって、遊技者が特典遊技の種別を把握してしまい、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、賞球数が異なる特典遊技を有する遊技機であっても、分割表示態様を用いて演出を実行することで、同様の効果を奏することができるという効果がある。
<特徴M群>(PUSH演出で上乗せ回数を可変)
遊技者に有利となる特典情報を決定する特典情報決定手段と、その特典情報決定手段により決定された前記特典情報を記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記特典情報のうち少なくとも一部に対応する遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、その特典付与手段により前記特典が付与された場合に、その特典を前記記憶手段に記憶されている特典情報に対応する特典から減らした特典情報に更新する特典情報更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記特典情報よりも少ない特典情報に基づいた識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示する前記特典情報を前記記憶手段に記憶されている前記特典情報を上限に決定する決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作された場合に、その操作タイミングに対応する前記特典情報を可変させて設定する設定手段と、その設定手段により設定される前記特典情報を特定条件に基づいて可変させる可変設定手段と、前記操作手段が操作されたことに基づいて前記設定手段により設定されている前記特典情報を取得して、前記表示手段に表示されている前記識別情報に対応する前記特典情報を更新して対応する識別情報に更新する表示更新手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技者が操作可能な操作ボタン等の操作手段を有し、興趣演出の一種として、操作手段に対する操作を遊技者に促す操作演出を実行可能なものがある(例えば、特開2006−263523号公報)。この従来型の遊技機では、操作演出において操作ボタンを操作することにより、通常とは異なる特別な演出を発生させたり、当たりを報知する等して、遊技者の興趣向上を図っていた。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、操作演出を、予め定められた当たり抽選の結果を報知する演出の一環として実行しているため、枠ボタンに対する遊技者の操作結果が演出の結果(当たりが報知されるか否か)とは無関係となっていた。このため、遊技者の操作演出に対する参加意欲を向上させることが困難であるという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機M1によれば、遊技者に有利となる特典情報が特典情報決定手段により決定される。その特典情報決定手段により決定された特典情報が記憶手段に記憶され、その記憶された特典情報のうち少なくとも一部に対応する遊技者に有利となる特典が特典付与手段により付与される。その特典付与手段により特典が付与された場合に、特典情報更新手段により、その特典が記憶手段に記憶されている特典情報に対応する特典から減らした特典情報に更新される。記憶手段に記憶されている特典情報よりも少ない特典情報に基づいた識別情報が表示手段に表示される。その表示手段に表示する特典情報が決定手段により記憶手段に記憶されている特典情報を上限に決定される。遊技者により操作手段が操作された場合に、その操作タイミングに対応する特典情報が設定手段により可変されて設定される。その設定手段により設定される特典情報が可変設定手段により特定条件に基づいて可変される。操作手段が操作されたことに基づいて設定手段により設定されている特典情報が取得され、表示手段に表示されている識別情報に対応する特典情報が表示更新手段により対応する識別情報に更新される。
これにより、操作手段が操作されたことに基づいて特典情報を更新することが可能となる。よって、遊技者の操作演出に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機M1において、判定条件の成立に基づいて、判定を実行する判定手段と、その判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判定手段により前記特定の判定結果と判定される確率を高くする高確率状態を所定回数、前記判定手段による判定が実行されるまで、前記判定が実行される毎に、前記特典として継続設定するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定条件の成立に基づいて、判定手段により判定が実行される。その判定手段による判定結果が特定の判定結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。そして、判定手段により特定の判定結果と判定される確率を高くする高確率状態が、特典付与手段により、所定回数、判定手段に判定が実行されるまで、判定が実行される毎に、特典として継続設定される。
これにより、判定手段により特定の判定結果と判定される確率を高くする高確率状態が、所定回数、判定手段に判定が実行されるまで、特典が継続設定されるため、高確率状態が設定されていることを遊技者が容易に把握することができる。よって、遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M2において、前記識別情報は、前記高確率状態が継続されることを確定して報知する回数を示す情報であることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、識別情報により、高確率状態が継続されることを確定して報知する回数が示される。
これにより、高確率状態が継続されることが確定している回数を遊技者が容易に把握することができる。よって、遊技者に安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M1からM3のいずれかにおいて、前記操作手段を操作するタイミングを示唆する示唆表示態様を前記表示手段に表示する示唆表示制御手段と、その示唆表示制御手段に表示される前記示唆表示態様を前記設定手段に設定される前記特典情報のタイミングに基づいて決定する示唆表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M1からM3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段を操作するタイミングを示唆する示唆表示態様が示唆表示制御手段により表示手段に表示される。その示唆表示制御手段に表示される示唆表示態様が示唆表示態様決定手段により設定手段に設定される特典情報のタイミングに基づいて決定される。
これにより、表示手段に表示される示唆表示態様に基づいて操作手段を操作することで、特典情報が付与されるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機M4において、前記示唆表示態様は、時間経過に基づいて可変して表示される可変表示態様と、その可変表示態様により前記設定手段に設定されている前記特典情報を判別可能な判別態様とが少なくとも表示されるものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆表示態様として、可変表示態様が時間経過に基づいて可変して表示され、その可変表示態様により設定手段に設定されている特典情報を判別可能な判別態様が表示されるものである。
これにより、可変表示態様として表示される表示内容によって付与される特典情報を判別することができるため、遊技者に対して操作手段を操作させるタイミングを狙わせることが可能となる。よって、遊技者を対して意欲的に遊技させることができるという効果がある。
<特徴N群>(小当たり発生頻度を抑える)
判別条件が成立することに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、前記判別条件の成立を複数記憶可能な判別条件記憶手段と、前記判別手段により前記判別が実行される頻度を抑制する抑制手段と、を有し、前記抑制手段は、前記判別条件記憶手段に記憶された前記判別条件の数が所定数未満の場合よりも前記所定数以上の場合に前記判別が実行される頻度を抑制しやすくするものであることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて、所定数の遊技球を払い出し、且つ、図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。このような遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて実行される抽選を複数回、保留記憶可能に構成されているものがある(例えば、特開2010−35664号公報)。
かかる従来型の遊技機においては、始動入賞口への遊技球の入賞頻度が多い場合に、払い出される遊技球が始動入賞口への遊技球の入賞頻度が少ない場合に比べて多くの遊技球が払い出され、且つ、多くの抽選が実行されることになり、始動入賞口への遊技球の入賞頻度によって、遊技者が受ける恩恵が大きく異なってしまため、始動入賞口への遊技球の入賞頻度が少ない遊技機の稼働が低下してしまうという問題があった。また、始動入賞口への遊技球の入賞頻度が適正か否かを遊技者が把握するには、多くの遊技を実行する必要があり、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供することができないという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機N1によれば、判別条件が成立することに基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果となったことに基づいて、特典付与手段により遊技者に特典が付与される。判別条件の成立が判別条件記憶手段により複数記憶される。判別手段により判別が実行される頻度が抑制手段により抑制される。加えて、抑制手段により、判別条件記憶手段に記憶された判別条件の数が所定数未満の場合よりも所定数以上の場合に判別が実行される頻度が抑制されやすくなる。
これにより、判別条件記憶手段に記憶された判別条件の数が所定数未満の場合よりも所定数以上の場合に判別が実行される頻度を抑制することが可能となる。よって、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機N1において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報が表示される表示手段と、その表示手段において前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を有し、前記抑制手段は、前記動的表示期間設定手段により長い動的表示期間を設定することにより前記判別が実行される頻度を抑制するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報が表示手段に表示され、その表示手段において識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示における動的表示期間が動的表示期間設定手段により設定される。その動的表示期間設定手段により長い動的表示期間が設定されることにより、抑制手段により判別の実行される頻度が抑制される。
これにより、長い動的表示期間が設定されることにより、判別が実行される頻度を抑制するため、確実に判別が実行される頻度を抑制することができ、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供する精度を高めることができるという効果がある。
遊技機N2において、第2判別条件が成立することに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段による判別の結果を示す第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段において前記第2識別情報の動的表示を実行する第2動的表示実行手段と、その第2動的表示実行手段により実行される前記第2識別情報の動的表示における第2動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、前記第2判別手段による前記判別の結果が特定の第2判別結果となったことに基づいて、遊技者に第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を有し、前記特典付与手段により前記特典が付与されることにより、前記第2判別条件が成立しやすくなるものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別条件が成立することに基づいて第2判別手段により判別が実行され、その第2判別手段による判別の結果を示す第2識別情報が第2表示手段に表示される。その第2表示手段において第2識別情報の動的表示が第2動的表示実行手段により実行され、その第2動的表示実行手段により実行される第2識別情報の動的表示における第2動的表示期間が第2動的表示期間設定手段により設定される。第2判別手段による判別の結果が特定の第2判別結果となったことに基づいて、第2特典付与手段により遊技者に第2の特典が付与される。そして、特典付与手段により特典が付与されることにより、第2判別条件が成立しやすくなる。
これにより、抑制手段により第2判別条件を成立しやすくする特典が付与されることを抑制することができる。よって、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機N2において、第2判別条件が成立することに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段による判別の結果を示す第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段において前記第2識別情報の動的表示を実行する第2動的表示実行手段と、その第2動的表示実行手段により実行される前記第2識別情報の動的表示における第2動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、前記第2判別手段による前記判別の結果が特定の第2判別結果となったことに基づいて、遊技者に第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を有し、前記第2特典付与手段により前記第2特典が付与されることにより、前記判別条件が成立しやすくなるものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別条件が成立することに基づいて第2判別手段により判別が実行され、その第2判別手段による判別の結果を示す第2識別情報が第2表示手段に表示される。その第2表示手段において第2識別情報の動的表示が第2動的表示実行手段により実行され、その第2動的表示実行手段により実行される第2識別情報の動的表示における第2動的表示期間が第2動的表示期間設定手段により設定される。第2判別手段による判別の結果が特定の第2判別結果となったことに基づいて、第2特典付与手段により遊技者に第2の特典が付与される。そして、第2特典付与手段により第2の特典が付与されることにより、判別条件が成立しやすくなる。
これにより、抑制手段により判別条件を成立しやすくする第2の特典が付与されることを抑制することができる。よって、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記判別手段による判別の結果が前記特定の判別結果である場合に前記判別が実行される頻度を抑制しやすくするものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の結果が特定の判別結果である場合に、抑制手段により、判別が実行される頻度が抑制されやすくなる。
これにより、特典付与手段により特典が付与される場合において、判別が実行される頻度を抑制することが可能となる。よって、短期間で多くの特典が付与されてしまう事態が発生することを抑制することができるという効果がある。
遊技機N2からN5のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記判別条件記憶手段に記憶された前記判別条件の数が前記所定数未満の第1所定数よりも、前記第1所定数未満の第2所定数の場合に、前記判別が実行される頻度を抑制しやすくするものであることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N2からN4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件記憶手段に記憶された判別条件の数が所定数未満の第1所定数よりも、第1所定数未満の第2所定数の場合に、抑制手段により判別が実行される頻度が抑制されやすくなる。
これにより、判別条件記憶手段に記憶された判別条件の数が所定数未満の場合であって、第1所定数よりも、第1所定数未満の第2所定数の場合に、判別が実行される頻度が抑制されやすくなるため、判別条件の記憶数が少ない状態を継続して意図的に遊技を行う場合に、判別が実行される頻度を抑制することができ、遊技を実行する遊技者に公平な遊技機を提供することができるという効果がある。
<特徴O群>(保留予告の範囲を可変させる)
取得条件の成立に基づいて情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報を、予め定めた上限数まで記憶可能な情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、判別条件の成立を契機に判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記判別条件が成立するよりも前に事前判別を実行可能な事前判別手段と、前記情報記憶手段に前記情報が記憶されている個数を1の前記情報毎に対応する識別図柄を表示手段に表示する識別図柄表示制御手段と、前記判別手段に判別される前の前記情報に対して、前記事前判別手段による事前判別の結果に基づいて前記識別図柄を可変させる可変手段と、前記識別図柄表示制御手段に表示されている複数の前記識別図柄のうち、前記可変手段により可変される前記識別図柄の組み合わせを決定する決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて、図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。さらに、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて実行される抽選を複数回、保留記憶可能に構成し、その保留記憶数に対応した保留図柄を表示するとともに、表示されている保留図柄を用いて対応する抽選に関する情報を事前に報知可能な保留予告演出を実行可能に構成しているものがある(例えば、特開2009−297071号公報)。
かかる従来型の遊技機では、保留図柄の色や形状を変化させることにより、その保留図柄に対応する変動表示で大当たりとなる期待度を示唆することにより、変動表示が開始されるよりも前に、遊技者の期待感を高めることを可能としていた。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、保留予告演出が発生した場合に、その保留予告の対象外の保留図柄に対して、遊技者が期待感を抱くことが困難となり、遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機O1によれば、取得条件の成立に基づいて情報取得手段により情報が取得され、その情報取得手段により取得された情報が、情報記憶手段により予め定めた上限数まで記憶される。その情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、判別条件の成立を契機に判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。そして、情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、判別条件が成立するよりも前に事前判別手段により事前判別が実行される。情報記憶手段に情報が記憶されている個数を1の情報毎に対応する識別図柄が識別図柄表示制御手段により表示手段に表示される。判別手段に判別される前の情報に対して、事前判別手段による事前判別の結果に基づいて可変手段により識別図柄が可変される。識別図柄表示制御手段に表示されている複数の識別図柄のうち、可変手段により可変される識別図柄の組み合わせが決定手段により決定される。
これにより、識別図柄表示制御手段に表示されている複数の識別図柄のうち、可変手段により可変される識別図柄の組み合わせを決定することが可能となる。よって、表示手段に表示される全ての識別図柄に対して可変手段が実行されることを抑制することがでるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
遊技機O1において、前記可変手段は、前記表示されている前記識別図柄に対応する前記情報の前記判別条件が成立するまでの期間で所定条件が成立した場合に、前記識別図柄に対応する前記情報に対する前記事前判別の結果に基づいた情報が表示される態様に可変するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により、表示されている識別図柄に対応する情報の判定条件が成立するまでの期間で所定条件が成立した場合に、その識別図柄に対応する情報に対する事前判別の結果に基づいた情報が表示される態様に可変される。
これにより、遊技者に対して識別図柄の可変内容を注視させることが可能となる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機O1またはO2において、前記可変手段により可変された前記識別図柄を利用して、その識別図柄に対応する特定の表示態様を前記表示手段に特定期間の間表示させる特定表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O1またはO2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により可変された識別図柄を利用して、その識別図柄に対応する特定の表示態様が特定表示制御手段により表示手段に特定期間の間表示される。
これにより、可変手段により可変された識別図柄を利用した特定の演出態様を実行することが可能となり、遊技者に有利な演出を実行することができるという効果がある。
遊技機O1からO3のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、前記可変手段により前記識別図柄が可変された場合に、前記操作手段の操作に基づいて、特定演出の設定を実行する特定演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O1からO3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により識別図柄が可変された場合に、遊技者による操作手段の操作に基づいて、特定演出実行手段により特定演出の設定が実行される。
これにより、可変手段により可変された識別図柄を用いて特定の演出態様を特定期間の間、実行させることができるという効果がある。
遊技機O4において、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別された場合に、前記特定の判別結果以外であると判別された場合よりも前記可変手段により可変される前記識別図柄の数を多く設定する可変数設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前判別手段により特定の判別結果と判別された場合に、特定の判別結果以外であると判別された場合よりも可変手段により可変される識別図柄の数が可変数設定手段により多く設定される。
これにより、遊技状態に応じて識別図柄が表示される頻度を変更することができるという効果があり、演出効果を高めることができる。
<特徴P群>(STの残り回数が所定以下で大当たりとなった場合に特定演出を実行)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記判別手段による判別の実行回数が多くなる程成立し易い特定条件が成立したか否かを判別する特定条件判別手段と、その特定条件判別手段によって前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、遊技状態を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に変更する遊技状態変更手段と、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特定条件の成立し易さを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、前記示唆演出により示唆される前記特定条件の成立し易さと、実際の前記特定条件の成立し易さとを比較する比較手段と、その比較手段による比較結果が特定の比較結果となっている場合に、所定条件の成立に基づいて前記特定の比較結果に対応する特定演出を実行する特定演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて図柄を変動表示させ、その変動表示終了後に遊技者に抽選の結果を報知するものがある。このように遊技機には、当たりとなる抽選確率を高めたり、抽選が実行され易くしたりすることで、遊技者に有利となる特定遊技が特定回数実行可能に構成され、その特定遊技が実行される回数を遊技者に報知しないものがある(例えば、特開2015−6562号公報)。
かかる従来型の遊技機においては、特定遊技が実行される回数を遊技者に報知しないため、特定遊技の実行中に当たりに当選した場合に、特定遊技の残回数を把握することができず、遊技結果に対する満足感を遊技者に十分に提供することができないという問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機P1によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別が特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。その遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、判別手段による判別の実行回数が多くなる程成立し易い特定条件が成立したか否かが特定条件判別手段により判別される。その特定条件判別手段によって特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、遊技状態が第2遊技状態から第1遊技状態に遊技状態変更手段により変更される。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、特定条件の成立し易さを示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により実行される。示唆演出により示唆される特定条件の成立し易さと、実際の特定条件の成立し易さとが比較手段により比較され、その比較手段による比較結果が特定の比較結果となっている場合に、所定条件の成立に基づいて特定の比較結果に対応する特定演出が特定演出実行手段により実行される。
これにより、示唆演出により示唆される特定条件の成立し易さと、実際の特定条件の成立し易さとが特定の比較結果となっている場合に、所定条件の成立に基づいて特定の比較結果に対応する特定演出が特定演出実行手段により実行される。よって、特定演出が実行されることにより、現在の第2遊技状態の状況を遊技者に把握させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、判別手段の判別結果が特定の判別結果となった場合に所定条件が成立するように構成することで、特典遊技が実行される場合における第2遊技状態の状況を遊技者が把握できるようになる。よって、第2遊技状態の終了間際に特典遊技が実行された場合に、遊技者に満足感を与えることができるという効果がある。
遊技機P1において、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定される場合に、前記特定条件が成立することとなる前記判別手段による所定の実行回数を設定する特定条件設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定される場合に、特定条件が成立することとなる判別手段による所定の実行回数が特定条件設定手段により設定される。
これにより、特定条件を判別手段の実行回数に基づいて設定することができるため、第2遊技状態が設定される回数を予め設定することができる。よって、遊技者に対して第2遊技状態が設定される残回数を意識させながら遊技を行わせることができ、遊技に対するモチベーションを高めることができるという効果がある。
遊技機P1またはP2において、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されている場合に、演出条件の成立に基づいて、実行されている前記示唆演出を前記実際の特定演出の成立し易さに近づけた示唆演出に可変させる可変演出手段を有するものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1またはP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出実行手段により示唆演出が実行されている場合に、演出条件の成立に基づいて、可変演出手段により、実行されている示唆演出が実際の特定演出の成立し易さに近づけた示唆演出に可変される。
これにより、第2遊技状態が設定されていることを示す回数を増加させることができ、遊技者が安心して遊技を実行させることができるという効果がある。
遊技機P3において、前記示唆演出は、前記特定条件が成立するまでの前記判別手段により残り判別回数を示唆する演出であり、前記可変演出手段は、前記残り判別回数に近い判別回数を示す示唆演出に可変するものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出により特定条件が成立するまでの判別手段により残り判別回数が示唆され、可変演出手段により残り判別回数に近い判別回数を示す示唆演出に可変される。
これにより、残り判別回数に近い判別回数を示唆することができるため、遊技者に緊張感を持たせることができるという効果がある。
遊技機P1からP4のいずれかにおいて、前記特定の比較結果以外である場合に、前記特典遊技が実行された場合には、前記特定演出とは異なる演出を実行する手段を有するものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P1からP4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の比較結果以外である場合に、特典遊技が実行された場合には、特定演出とは異なる演出が実行される。
これにより、特定演出とは異なる演出が実行されることで、特定の比較結果以外である場合に、第2特典遊技が実行されたことを遊技者が把握することができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴Q群>(仮停止後、新たな図柄列を使ってリーチを形成)
識別情報を表示する表示手段と、予め定められた順序で並ぶ複数の識別情報で構成された複数の識別情報列の動的表示を前記表示手段で実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段による前記識別情報列の動的表示で予め定めた識別情報の組み合わせが停止表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定条件が成立している場合に、前記識別情報列の動的表示で前記予め定めた識別情報の組み合わせとは異なる識別情報の組み合わせが停止表示されたことに基づいて、その停止表示された識別情報の組み合わせの少なくとも一部を停止表示させたまま、新たな識別情報列を動的表示させる識別情報列表示手段と、その識別情報列表示手段により前記新たな識別情報列が表示されたことに基づき、前記停止表示された識別情報の組み合わせの少なくとも一部と、前記新たな識別情報列とを用いて前記予め定めた識別情報の組み合わせが停止表示された場合に、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技を実行させる実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数の図柄を変動表示させ、各図柄が予め定めた組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利な当たり状態が付与されるものがある(例えば、特開平10−265号公報)。かかる遊技機では、1の図柄が変動中、他の図柄が停止表示されている状態において、停止表示されている図柄が予め定めた組み合わせの一部を構成するリーチ状態を発生させ、当たりとなることを遊技者に期待させることにより興趣向上を図っている。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、リーチ状態が発生しなかった場合に、全ての図柄が停止表示されなくても、その時点で当たり状態となる可能性が無くなってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を損ねてしまう問題があった。上記例示した問題点等を解決することを目的とする。
遊技機Q1によれば、動的表示実行手段により予め定められた順序で並ぶ複数の識別情報で構成された複数の識別情報列の動的表示が表示手段で実行される。その動的表示実行手段による識別情報列の動的表示で予め定めた識別情報の組み合わせが停止表示されたことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。そして、所定条件が成立している場合に、識別情報列の動的表示で予め定めた識別情報の組み合わせとは異なる識別情報の組み合わせが停止表示されたことに基づいて、その停止表示された識別情報の組み合わせの少なくとも一部を停止表示させたまま、新たな識別情報列が識別情報列表示手段により動的表示される。その識別情報列表示手段により新たな識別情報列が表示されたことに基づき、停止表示された識別情報の組み合わせの少なくとも一部と、新たな識別情報列とを用いて予め定めた識別情報の組み合わせが停止表示された場合に、実行手段により特典遊技実行手段による特典遊技が実行される。
これにより、一度停止表示された識別情報の組み合わせの少なくとも一部を停止表示させたまま、新たな識別情報列が識別情報列表示手段により動的表示されため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、前記識別情報列表示手段は、前記複数の識別情報列で表示される前記複数の識別情報で組み合わせた特別識別図柄列を前記動的表示実行手段により動的表示される方向とは異なる方向に動的表示させるものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報列表示手段により、複数の識別情報列で表示される複数の識別情報で組み合わせた特別識別図柄列が、動的表示実行手段により動的表示される方向とは異なる方向に動的表示される。
これにより、図柄列の動的表示方向を異なる方向に変更することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q2において、前記識別情報列表示手段は、前記動的表示実行手段により動的表示される前記識別図柄列の方向と直交する方向に前記特別識別図柄列を動的表示させるものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報列表示手段により、動的表示実行手段により動的表示される識別図柄列の方向と直交する方向に特別識別図柄列が動的表示される。
これにより、動的表示される方向が変更したことを遊技者に容易に気付かせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機Q1において、前記識別情報列表示手段は、前記動的表示実行手段に動的表示された前記識別情報列とは異なる新たな識別情報列を動的表示するものであり、前記識別情報列表示手段により前記新たな識別情報列が表示される場合には、前記動的表示実行手段により動的表示された前記複数の識別情報列のうち、少なくとも一つを非表示に設定する非表示設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報列表示手段により、動的表示実行手段に動的表示された識別情報列とは異なる新たな識別情報列が動的表示され、識別情報列表示手段により新たな識別情報列が表示される場合には、非表示設定手段により、動的表示実行手段により動的表示された複数の識別情報列のうち、少なくとも一つが非表示に設定される。
これにより、識別情報列を表示する領域を変えること無く、新たな識別情報列を動的表示させることが可能となる。よって、動的表示の制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機Q1またはQ4において、前記識別情報列表示手段により動的表示される前記新たな識別情報列を表示する為の表示データと前記動的表示実行手段に動的表示される前記識別情報列を表示する為の表示データとは、同一契機に設定されるものであり、前記表示手段の表示領域に設定される領域として、前記設定されている表示データのうち、表示する表示データを決定する決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q1またはQ4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報列表示手段により動的表示される新たな識別情報列を表示する為の表示データと動的表示実行手段に動的表示される識別情報列を表示する為の表示データとが、同一契機に設定され、表示手段の表示領域に設定される領域として、設定されている表示データのうち、表示する表示データが決定手段により決定される。
これにより、動的表示の制御負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴R群>(移行契機で有利状態の有利度合いを可変)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる所定の判別結果となった場合に前記特典遊技とは異なる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、前記特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を少なくとも設定可能な第1遊技状態設定手段と、その第1遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立した場合に、前記特典遊技状態の終了を契機としないで遊技状態を前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと可変させて設定可能な第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定された場合に第1有利状態を設定し、前記第2遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定された場合に前記第1有利状態とは異なる第2有利状態を設定する有利状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の特典として、当たりとなる抽選確率が高くなる確変状態が付与されるものがある。更に、かかる従来型の遊技機の中には、確変状態の抽選回数に所定の上限回数を定めておき、所定の上限回数の抽選に渡ってとなるまでに当たりとならなかった場合には、当たりとなる抽選確率を通常確率に戻すと共に、確変状態とは別の遊技者に有利な状態(特別状態)に移行させるものがある。この特別状態で当たりになると、確変状態で当たりとなるよりも遊技者に付与される遊技価値が多くなるため、当たりとなる前に確変状態が終了した場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる(例えば、特開2011−130988号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、確変状態が終了した後に設定される特別状態において、当たりとなる抽選確率が通常確率となるので、比較的多くの抽選回数に渡って外れとなってしまう可能性が高くなる。よって、遊技者の興趣を十分に向上させることができない虞があった。
これに対して、遊技機R1では、第1遊技状態設定手段或いは第2遊技状態設定手段によって第2遊技状態を設定可能に構成し、第1遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定された場合と、第2遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定された場合とで、異なる有利状態が設定される。
これにより、特典遊技にならなくても、第2遊技状態に移行することができ、さらに、第2遊技状態への移行契機によって第2遊技状態中の有利具合を異ならせることができるので、第2遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1において、前記判別手段による判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させた後に停止表示する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示期間として設定可能な複数の動的表示期間を有する動的表示期間群を複数記憶している動的表示期間群記憶手段と、を有し、前記有利状態設定手段は、前記動的表示期間群記憶手段に記憶されている第1動的表示期間群を用いて前記動的表示期間を設定する前記第1有利状態と、前記第1動的表示期間群とは異なる第2動的表示期間群を用いて前記動的表示期間を設定する前記第2有利状態と、を設定するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示する動的表示期間として設定可能な複数の動的表示期間を有する動的表示期間群が動的表示期間群記憶手段に複数記憶され、有利状態設定手段により第1有利状態と第2有利状態とで異なる動的表示期間群を用いて動的表示期間が設定される。
これにより、第1有利状態と第2有利状態とで、異なる動的表示期間を設定することができ、ひいては、小特典遊技が実行される間隔を調整することができ、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。よって、動的表示手段により実行される動的表示の期間に対しても遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
遊技機R2において、前記第1動的表示期間群は、前記第2動的表示期間群よりも長い動的表示期間が設定され易いものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示期間群には、第2動的表示期間群よりも長い動的表示期間が設定され易く構成される。これにより、第1動的表示期間群を用いる第1有利状態よりも第2動的表示期間群を用いる第2有利状態のほうが、小特典遊技が実行される間隔を短くし易くすることができ、遊技者に有利な有利状態とすることができる。
遊技機R2またはR3において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記判別手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2判別を実行するものであり、前記動的表示実行手段は、前記第1判別の結果に対応した第1識別情報を示すための第1動的表示と、前記第2判別の結果に対応した第2識別情報を示すための第2動的表示とをそれぞれ同時に表示可能なものであり、前記小特典遊技実行手段は、前記第2判別の判別結果が前記所定の判別結果である場合に、前記小特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R2またはR3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別の判別結果を示すための第1動的表示と、第2判別の判別結果を示すための第2動的表示とが同時に表示される。第2判別の判別結果が所定の判別結果である場合に、小特典遊技実行手段により小特典遊技が実行される。
これより、第1動的表示の動的表示期間と、第2動的表示の動的表示期間とを異ならせることで、第1判別の実行回数と第2判別の実行回数とに差を持たせることができる。よって、遊技者に対して有利となる第2判別の実行回数に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機R4において、前記第2有利状態は、前記第2判別の判別結果が前記所定の判別結果であることを示すための前記第2動的表示として前記第1有利状態よりも短い動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別の判別結果が所定の判別結果である場合の動的表示期間として、第2有利状態が設定されている状態のほうが第1有利状態を設定している状態よりも短い動的表示期間が設定される。よって、第1有利状態よりも第2有利状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるので、遊技の興趣を向上することができる。
遊技機R4またはR5において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態も設定可能なものであり、前記第2有利状態は、前記第1判別の判別結果が前記特定の判別結果のうち、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第3遊技状態が設定される判別結果であることを示すための前記第1動的表示として前記第1有利状態よりも長い動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R4またはR5の奏する効果に加え、次の項かを奏する。即ち、第2有利状態では第1判別手段の判別結果が、特定の判別結果のうち第3遊技状態が設定される判別結果である場合に第1有利状態よりも第1動的表示の動的表示期間が長く設定される。よって、第2有利状態が設定されている状態では第1有利状態が設定されている場合よりも、第1判別の判別結果によって第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第2遊技状態をより長く遊技することができ、遊技の興趣を向上することができる。
遊技機R4からR6のいずれかにおいて、前記第1動的表示と前記第2動的表示とが同時に実行されている場合において、先に前記第2動的表示が終了し、前記特定の判別結果を示すための第2識別情報が表示された場合に、前記第1動的表示の実行を強制的に終了させる終了手段を有することを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R4からR6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示と第2動的表示とが同時に実行される場合において、特定の判別結果を示すための動作2動的表示が終了し、第2識別情報が表示された場合に、終了手段により実行中の第1動的表示が強制的に終了される。よって、遊技者に対して特典遊技に集中して遊技を行わせることができる。
遊技機R7において、前記終了手段により前記第1動的表示の実行を強制的に終了させる場合に、前記第1判別の判別結果とは異なる判別結果を示す第1識別情報を表示させる識別情報可変手段を有することを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了手段により第1動的表示の実行を強制的に終了させる場合に、識別情報可変手段により第1判別の判別結果とは異なる判別結果を示す第1識別情報が表示されるため、第1動的表示が強制的に終了されたことを遊技者に違和感無く報知することができ、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機R8において、前記識別情報可変手段は、前記第1動的表示に対応する第1識別情報として、前記特定の判別結果とは異なる判別結果を示すための識別情報表示させるものであることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R9によれば、遊技機R8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報可変手段により、第1動的表示に対応する第1識別情報として、特定の判別結果とは異なる判別結果を示すための識別情報が表示される。よって、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機R7からR9のいずれかにおいて、前記第2有利状態は、前記第2判別の判別結果が前記特定の判別結果であることを示すための前記第2動的表示として、前記第1有利状態よりも短い動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機R10。
遊技機R10によれば、遊技機R7からR9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別の判別結果が特定の判別結果であることを示すための第2動的表示として、第2有利状態のほうが第1有利状態よりも短い動的表示期間が表示される。よって、第1有利状態よりも第2有利状態のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
<特徴S群>(小当たりRUSHに複数の有利度合いを設定)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出と、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出とを、それぞれ同時に実行可能な演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であること示すための特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であること示すための特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記第2判定の結果が、前記特定の第2判定結果とは異なる所定の第2判定結果であることを示すための所定の第2演出が実行された場合に、前記特典遊技とは異なる遊技者に有利となる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、少なくとも、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なり前記第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定された場合に、第1有利状態と、その第1有利状態よりも更に有利となる第2有利状態との何れかを少なくとも設定可能な有利状態設定手段と、を備えたことを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。さらに、遊技状態に応じて第1図柄が変動表示され易い遊技状態と第2図柄が変動表示され易い遊技状態とを設定し、遊技の興趣の向上を図るよう構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機では、第1図柄が変動表示され易い遊技状態と、第2図柄が変動され易い遊技状態とを設定することができ、遊技者に様々な遊技を提供することができるものであったが、一方の遊技状態、例えば、第2図柄が変動され易い遊技状態における遊技者への有利度合いを可変させることができないため、遊技が単調となり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
これに対して、遊技機S1によれば小特典遊技が実行され易い第2遊技状態、即ち、第2判定が実行され易い遊技状態が設定された場合に、その第2遊技状態の有利状態が有利状態設定手段により第1有利状態或いは第2有利状態の何れかに設定される。
よって、第2遊技状態中の有利状態を可変させることができ、第2遊技状態が設定された場合に、何れの有利状態が設定されるかを期待しながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1において、前記演出実行手段により実行される前記第1演出の演出期間である第1演出期間と、前記第2演出の演出期間である第2演出期間と、を設定可能な演出期間設定手段を有し、前記演出期間設定手段は、前記第2遊技状態中に前記第2演出期間として前記第1演出期間よりも短い演出期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判定の結果に基づいた第2演出が実行される期間を、第1判定の結果に基づいた第1演出が実行される期間よりも短くすることができるため、第1判定よりも第2判定を実行させやすくすることができる。これにより、第2判定が実行されることにより実行され得る小特典遊技が実行され易くなるため、第2遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるという効果がある。
遊技機S1またはS2において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が終了したことを契機に前記第1遊技状態と前記第2遊技状態との何れかを設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態で、所定の移行条件が成立した場合に前記第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1またはS2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利となる第2遊技状態が、特典遊技が終了したことを契機に第1遊技状態設定手段により設定され、第2遊技状態設定手段により、第1遊技状態が設定されている状態で、所定の移行条件が成立した場合に設定される。
よって、遊技者に有利な第2遊技状態を様々なタイミングで設定することができるため、遊技者に対して継続して第2遊技状態への移行を期待させることができるという効果がある。
遊技機S3において、前記有利状態設定手段は、前記第1遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定された場合に、前記第2有利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定された場合に、第2有利状態が設定される。
よって、特典遊技が終了した後に、第2有利状態の第2遊技状態が設定されるため、遊技者に有利な遊技を連続して提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S2からS4のいずれかにおいて、前記演出期間設定手段により設定される前記演出期間として設定可能な複数の演出期間を有する演出期間群を複数記憶している演出期間群記憶手段と、を有し、前記有利状態設定手段は、前記演出期間群記憶手段に記憶されている第1演出期間群を用いて前記動的表示期間を設定する前記第1有利状態と、前記第1演出期間群とは異なる第2演出期間群を用いて前記演出期間を設定する前記第2有利状態と、を設定するものであることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S2からS4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出期間として設定可能な複数の演出期間を有する演出期間群が演出期間群記憶手段に複数記憶され、有利状態設定手段により第1有利状態と第2有利状態とで異なる演出期間群を用いて演出期間が設定される。
これにより、第1有利状態と第2有利状態とで、異なる演出期間を設定することができ、ひいては、小特典遊技が実行される間隔を調整することができ、遊技者の有利度合いを異ならせることができる。よって、演出実行手段により実行される演出の期間に対しても遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
<特徴T群>(小当たりRUSHの期間中に有利不利を切り替える)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出と、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出とを、それぞれ同時に実行可能な演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であること示すための特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であること示すための特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記第2判定の結果が、前記特定の第2判定結果とは異なる所定の第2判定結果であることを示すための所定の第2演出が実行された場合に、前記特典遊技とは異なる遊技者に有利となる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、少なくとも、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なり前記第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定される第2遊技状態期間を、第1有利期間と、その第1有利期間よりも更に有利となる第2有利期間とに可変設定可能な有利期間設定手段と、を備えたことを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。さらに、遊技状態に応じて第1図柄が変動表示され易い遊技状態と第2図柄が変動表示され易い遊技状態とを設定し、遊技の興趣の向上を図るよう構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機では、第1図柄が変動表示され易い遊技状態と、第2図柄が変動され易い遊技状態とを設定することができ、遊技者に様々な遊技を提供することができるものであったが、一方の遊技状態、例えば、第2図柄が変動され易い遊技状態における遊技者への有利度合いを可変させることができないため、遊技が単調となり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
これに対して、遊技機T1によれば小特典遊技が実行され易い第2遊技状態、即ち、第2判定が実行され易い遊技状態が設定される期間中の有利度合いが有利期間設定手段により可変される。
よって、第2遊技状態期間中の有利状態を可変させることができ、第2遊技状態が設定された後にも、より有利な有利状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1において、前記演出実行手段により実行される前記第1演出の演出期間である第1演出期間と、前記第2演出の演出期間である第2演出期間と、を設定可能な演出期間設定手段を有し、前記演出期間設定手段は、前記第2遊技状態中に前記第2演出期間として前記第1演出期間よりも短い演出期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、第2判定の結果に基づいた第2演出が実行される第2演出期間を、第1判定の結果に基づいた第1演出が実行される期間よりも短くすることができるため、第1判定よりも第2判定を実行させやすくすることができる。これにより、第2判定が実行されることにより実行され得る小特典遊技が実行され易くなるため、第2遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるという効果がある。
遊技機T2において、前記演出期間設定手段により設定される前記演出期間として設定可能な複数の演出期間を有する演出期間群を複数記憶している演出期間群記憶手段と、を有し、前記演出期間群記憶手段に記憶されている複数の前記演出期間群に対して参照する順序を規定した順序規定手段を有するものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、順序規定手段により参照される演出期間群が規定される。よって、第2遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることができるという効果がある。
遊技機T3において、前記順序規定手段は、少なくとも、前記第1演出期間を設定可能な第1演出期間群と、前記第2演出期間を設定可能な第2演出期間群とを参照する順序を規定するものであることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、順序規定手段により、第1演出期間と第2演出期間が設定される順序が規定される。よって、第2遊技状態の有利状態を適正に管理することができるという効果がある。
<特徴U群>(小当たりRUSHが実行される期間を不定にする)
第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出と、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出とを、それぞれ同時に実行可能な演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であること示すための特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であること示すための特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記第2判定の結果が、前記特定の第2判定結果とは異なる所定の第2判定結果であることを示すための所定の第2演出が実行された場合に、前記特典遊技とは異なる遊技者に有利となる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、少なくとも、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なり前記第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態で所定の移行条件が成立したかを判別する移行条件判別手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記移行条件判別手段が前記所定の移行条件が成立したと判別した場合に、前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第1図柄と第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて変動表示が実行される第2図柄とを有し、夫々の図柄を同時に変動可能としたものがある(例えば、特開2005−319221号公報)。さらに、遊技状態に応じて第1図柄が変動表示され易い遊技状態と第2図柄が変動表示され易い遊技状態とを設定し、遊技の興趣の向上を図るよう構成しているものがある。
かかる従来型の遊技機では、第1図柄が変動表示され易い遊技状態と、第2図柄が変動され易い遊技状態とを設定することができ、遊技者に様々な遊技を提供することができるものであったが、一方の遊技状態、例えば、第2図柄が変動され易い遊技状態における遊技者への有利度合いを可変させることができないため、遊技が単調となり、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
これに対して、遊技機T1によれば第1遊技状態が設定されている状態で移行条件判別手段により所定の移行条件が成立したかが判別される。そして、所定の移行条件が成立した場合に、遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定される。
よって、所定の移行条件が成立した場合に第1遊技状態から第2遊技状態へと遊技状態を可変させることができるため、第2遊技状態が設定されることに対する期待感を遊技者に継続して持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1において、前記所定の移行条件として、第1移行条件と、その第1移行条件とは異なる第2移行条件とを設定可能な移行条件設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、移行条件設定手段により、所定の移行条件として第1移行条件と第2移行条件とが設定される。よって、複数の移行条件のうち何れかの移行条件が成立した場合に第2遊技状態が設定されるため、第2遊技状態が設定されることに対する期待感を遊技者に継続して持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T2において、前記第1遊技状態の終了条件を設定する終了条件設定手段を有し、前記終了条件設定手段により設定された前記終了条件を前記第1移行条件とするものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、第1遊技状態の終了条件が成立した場合に第1移行条件が成立するため、第1遊技状態から第2遊技状態への移行をスムーズに実行することができ、遊技者に違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機T3において、前記第1判定手段による前記第1判定、或いは、前記第2判定手段による前記第2判定が実行される場合に、前記第1遊技状態を終了させるかを判別する終了判別手段を有し、前記終了条件設定手段は、前記終了判別手段により前記第1遊技状態を終了させると判別することを前記終了条件として設定するものであることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段による第1判定、或いは、第2判定手段による第2判定が実行される場合に、終了判別手段により第1遊技状態を終了させるかが判別される。そして、終了条件設定手段により、終了判別手段により第1遊技状態を終了させると判別することが終了条件として設定される。
これにより、第1遊技状態が終了するか否かが終了判別手段の判別結果に基づいて決定するため、遊技者に対して第2遊技状態が設定されるタイミングを予測させ難くすることができ、第2遊技状態が設定されることに対する期待感を遊技者に継続して持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T2からT4のいずれかにおいて、前記移行条件設定手段により設定される前記第2移行条件は、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記第1判定が実行される実行回数と前記第2判定が実行される実行回数とを合算した合算回数が所定回数に到達した場合、又は、前記第1判定が実行される実行回数と前記第2判定が実行される実行回数のうち1の実行回数が前記所定回数より少ない特定回数に到達した場合の何れかで成立するものであることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T2からT4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定の実行回数と、第2判定の実行回数とに基づく複数の成立条件を有するため、遊技者に対して、第2移行条件を成立させるための遊技を選択させることが可能となり、意欲的に遊技に参加させることができるという効果がある。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が特定の抽選結果となった場合に、遊技者に有利な当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態として、遊技者に付与される特典が異なる複数の種別が設けられているものがある。これにより、当たり状態となった場合に、より多くの特典が付与される種別を期待させることで遊技者の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−320110号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たりの種別に応じて付与される特典が定められているため、特典の少ない当たり種別となった場合には、遊技者のモチベーションを低下させてしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を十分に向上させることができない虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出と、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出とを、それぞれ同時に実行可能な演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であること示すための特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であること示すための特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記第2判定の結果が、前記特定の第2判定結果とは異なる所定の第2判定結果であることを示すための所定の第2演出が実行された場合に、前記特典遊技とは異なる遊技者に有利となる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、少なくとも、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なり前記第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記第2遊技状態が設定される第2遊技状態期間を、第1有利期間と、その第1有利期間よりも更に有利となる第2有利期間とに可変設定可能な有利期間設定手段を備えるものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記演出実行手段により実行される前記第1演出の演出期間である第1演出期間と、前記第2演出の演出期間である第2演出期間と、を設定可能な演出期間設定手段を有し、前記演出期間設定手段は、前記第2遊技状態中に前記第2演出期間として前記第1演出期間よりも短い演出期間を設定し易いものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記演出期間設定手段により設定される前記演出期間として設定可能な複数の演出期間を有する演出期間群を複数記憶している演出期間群記憶手段を有し、前記演出期間群記憶手段に記憶されている複数の前記演出期間群に対して参照する順序を規定した順序規定手段を有するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記順序規定手段は、少なくとも、前記第1演出期間を設定可能な第1演出期間群と、前記第2演出期間を設定可能な第2演出期間群とを参照する順序を規定するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1取得条件の成立に基づいて、第1情報を取得する第1取得手段と、その第1取得手段により取得された前記第1情報に基づいて第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1取得条件とは異なる第2取得条件の成立に基づいて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第1判定手段による第1判定の結果に基づいた第1演出と、前記第2判定手段による第2判定の結果に基づいた第2演出とを、それぞれ同時に実行可能な演出実行手段と、前記第1判定の結果が特定の第1判定結果であること示すための特定の第1演出または前記第2判定の結果が特定の第2判定結果であること示すための特定の第2演出が実行された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記第2判定の結果が、前記特定の第2判定結果とは異なる所定の第2判定結果であることを示すための所定の第2演出が実行された場合に、前記特典遊技とは異なる遊技者に有利となる小特典遊技を実行する小特典遊技実行手段と、少なくとも、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なり前記第1遊技状態よりも前記小特典遊技が実行され易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記第2遊技状態が設定される第2遊技状態期間を、第1有利期間と、その第1有利期間よりも更に有利となる第2有利期間とに可変設定可能な有利期間設定手段を備えるものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出実行手段により実行される前記第1演出の演出期間である第1演出期間と、前記第2演出の演出期間である第2演出期間と、を設定可能な演出期間設定手段を有し、前記演出期間設定手段は、前記第2遊技状態中に前記第2演出期間として前記第1演出期間よりも短い演出期間を設定し易いものである。
よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記演出期間設定手段により設定される前記演出期間として設定可能な複数の演出期間を有する演出期間群を複数記憶している演出期間群記憶手段を有し、前記演出期間群記憶手段に記憶されている複数の前記演出期間群に対して参照する順序を規定した順序規定手段を有するものである。
よって、適正な遊技を提供することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記順序規定手段は、少なくとも、前記第1演出期間を設定可能な第1演出期間群と、前記第2演出期間を設定可能な第2演出期間群とを参照する順序を規定するものである。
よって、適正な遊技を提供することができるという効果がある。