JP6372094B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、液晶ディスプレイ等の表示装置に複数の図柄を変動表示させる演出(変動パターン演出)を行い、その変動演出後の停止図柄が予め定められた組合せであった場合に当たりとなるものがある
特開2005−334273号公報
しかしながら、さらに遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示可能な表示手段と、所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な第1遊技状態設定する第1遊技状態設定手段と、その第1遊技状態設定手段により前記第1遊技状態設定されたことに基づいて前記表示手段に前記識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記第1遊技状態の間に複数回成立し得る予め定められた特定の設定条件が成立する毎に、少なくとも1の前記識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示実行期間を定する実行期間設定手段と、その実行期間設定手段により設定された前記動的表示実行期間応じて、当該設定された動的表示実行期間の間に実行される記識別情報の動的表示における動的表示態様を特定する態様特定手段と、を備え、前記実行期間設定手段は、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において予め定められた特定の識別情報が表示され易い第1実行期間と、その第1実行期間よりも、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において前記特定の識別情報が表示され難い第2実行期間と、を少なくとも含む複数の前記動的表示実行期間の中から、前記特定の設定条件の成立に基づいて1の前記動的表示実行期間を設定するものであり、前記第1実行期間は、前記第2実行期間よりも長い期間で構成されている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記表示手段は、遊技者に視認可能な位置に設けられているものである。
本発明の遊技機によれば、識別情報を表示可能な表示手段と、所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な第1遊技状態設定する第1遊技状態設定手段と、その第1遊技状態設定手段により前記第1遊技状態設定されたことに基づいて前記表示手段に前記識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記第1遊技状態の間に複数回成立し得る予め定められた特定の設定条件が成立する毎に、少なくとも1の前記識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示実行期間を定する実行期間設定手段と、その実行期間設定手段により設定された前記動的表示実行期間応じて、当該設定された動的表示実行期間の間に実行される記識別情報の動的表示における動的表示態様を特定する態様特定手段と、を備え、前記実行期間設定手段は、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において予め定められた特定の識別情報が表示され易い第1実行期間と、その第1実行期間よりも、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において前記特定の識別情報が表示され難い第2実行期間と、を少なくとも含む複数の前記動的表示実行期間の中から、前記特定の設定条件の成立に基づいて1の前記動的表示実行期間を設定するものであり、前記第1実行期間は、前記第2実行期間よりも長い期間で構成されている。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、遊技結果設定テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、状態設定テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり終了時クリアテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 各種設定値格納エリアの内容を模式的に示した模式図である。 レジスタの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、擬似変動選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、最終変動用選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 擬似変動選択テーブルに規定された各テーブルと各変動期間の選択回数とを模式的に示した図である。 (a)は、15回目の擬似変動の開始タイミングが大当たりの6ラウンド中である場合において擬似変動の進行状況と大当たりの進行状況とを模式的に示した図であり、(b)は、15回目の擬似変動の開始タイミングが大当たりの7ラウンド中である場合において擬似変動の進行状況と大当たりの進行状況とを模式的に示した図である。 15回目の擬似変動の開始タイミングが大当たりの8ラウンド中である場合において擬似変動の進行状況と大当たりの進行状況とを模式的に示した図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Cを説明する説明図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される変動パターン演出が外れとなる場合を説明する説明図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される変動パターン演出が当たりとなる場合を説明する説明図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される報知演出を説明する説明図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される報知演出を説明する説明図の続きである。 (a),(b)は、大当たり中に実行される押しボタン演出を説明する説明図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される押しボタン演出を説明する説明図の続きである。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり判定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される遊技結果設定取得処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるはずれ時設定処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるゼロ設定処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される擬似変動設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるブロック設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される最終変動処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される押しボタン演出処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される擬似変動コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変動コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における主制御装置内のROMの構成を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のROMに設けられた当否判定用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第2実施形態における主制御装置内のROMに設けられた連続予告乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、最短期間テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、変動パターン結合テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される変動パターン演出に割り当てられた期間を結合して、新たに演出を設定する場合の期間の変化を説明するための図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される連続予告演出における1回目の予告を説明するための図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される連続予告演出における2回目の予告を説明するための図である。 (a),(b)は、大当たり中に実行される連続予告演出における3回目の予告を説明するための図である。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される擬似変動設定処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告演出設定処理を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が8回(8ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」、「大当たりF」の6種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」、「大当たりF」の6種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」、「大当たりF」になるといずれも、ラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8R大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。しかしながら、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」、「大当たりE」、「大当たりF」では、上述した付加価値に加えて更に付与される大当たり終了後の付加価値がそれぞれ相違する。具体的には、「大当たりA」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が10回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「大当たりC」、及び、「大当たりD」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が50回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「大当たりE」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が70回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップし、「大当たりF」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(8R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて特別図柄の確変期間を示す。例えば、特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変期間となる場合は、特別図柄の確変期間が100回であると記載する。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(10回、20回、50回、70回、100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、所定回数が20回であれば、普通図柄の時短期間が20回であると記載する。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
また、本実施形態では、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が10回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりC」、及び、「大当たりD」になると、これらの大当たりの終了後から特別図柄の抽選が50回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、大当たり種別が「大当たりE」になると、その「大当たりE」終了後から特別図柄の抽選が70回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりF」になると、その「大当たりF」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるが、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が20回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が40回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりC」になると、その「大当たりC」終了後から特別図柄の抽選が60回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりD」になると、その「大当たりD」終了後から特別図柄の抽選が80回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりE」になると、その「大当たりE」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりF」になると、その「大当たりF」終了後から特別図柄の抽選が120回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。その後、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、どの種別の大当たりになっても、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでに、新たに特別図柄の大当たりにならないと「特別図柄の低確率状態」に戻る。
なお、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の高確率状態」に移行した後、20回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。よって、この場合は、新たな大当たりの前に行われた20回の特別図柄の抽選と、新たな大当たりの後に行われる100回の特別図柄の抽選との少なくとも120回の抽選が終了するまで、「特別図柄の高確率状態」が継続されることになる。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(例えば、10回、20回、50回、70回、100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。この所定回数は、上述したように、特別図柄の大当たり種別によって定められており、大当たり種別が「大当たりA」であれば、所定回数は10回となり、「大当たりB」であれば、所定回数は20回となり、「大当たりC」、及び、「大当たりD」であれば、所定回数は50回となり、「大当たりE」であれば、所定回数は70回となり、「大当たりF」であれば、所定回数は100回となる。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、その新たな大当たり種別に対応する回数分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりA」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、5回目の特別図柄の抽選で「大当たりC」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりC」終了後から特別図柄の抽選が50回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別に応じて、大当たり終了後に設定される時短期間が異なるように構成されている。また、普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口67を通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第1入球口64へ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、普通図柄の時短期間が長いほど、遊技者に対して特別図柄の大当たりになるという期待感を強く持たせることができる。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、または、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、または、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、この普通図柄の時短期間を、大当たり(特別遊技状態)中に後述の第3図柄表示装置81に表示する図柄変動演出(変動パターン演出)の結果に基づいて段階的に報知する構成としている。具体的には、大当たり(特別遊技状態)中に15回の変動パターン演出を行い(図20(a)参照)、変動パターン演出によって同一の図柄が揃う度に、時短回数のカウント(図21(a)の「total」と表示された部分の回数)が上乗せされていくように構成されている(図21(a),(b)参照)。1回図柄が揃った場合に上乗せされる回数は、基本的に10回である。
また、この時短回数のカウントは、各種大当たりに対応付けられた時短回数を上限値として設定する。例えば、「大当たりC」であれば、total回数(時短回数のカウント値)が50回となるまでカウント値を上乗せしていく。また、total回数(時短回数のカウント値)が50回となった時点で変動演出が15回に達していない場合には、以降の変動演出は全て停止図柄が外れとなる態様(即ち、同一図柄が揃わない態様、図20(b)参照)で実行される。これにより、大当たり種別に応じた時短回数を遊技者に対して正確に報知することができる。
また、1〜14回目の変動演出において上乗せされた時短回数の合計値(「total」と表示された部分の回数)が、大当たり種別毎に対応付けられた時短回数に満たない場合は、15回目の変動演出、または、15回目の変動演出の終了後に行われる後述の押しボタン演出において、残りの時短回数が上乗せされるように構成されている。例えば、「大当たりF」において、14回目の変動演出の終了時点で時短回数のカウント値が50回と表示されている場合、大当たりFに対応付けられた時短回数である100回に対して50回分の時短回数が不足しているので、15回目の変動演出において、図柄が揃って50回の上乗せが報知される。そして、それまでの合計回数である50回と、15回目の変動演出において報知された50回とを合算し、時短回数のカウント値を合計100回として遊技者に報知する。これにより、遊技者に対して、大当たり種別に応じた時短回数を正確に報知することができる。また、遊技者に対して、大当たり中の最後の変動演出である15回目の変動演出まで期待感を持って遊技させることができるので、大当たり中の遊技が単に出球を得るための作業となることを抑制することができる。よって、遊技者に対して、大当たり中の遊技をより楽しませることができる。
また、15回の変動演出を実行し、15回の変動演出で上乗せされた時短回数の合計値を報知する演出まで行っても、大当たりのラウンドが1ラウンド以上残ると判断した場合は、押しボタン演出が実行される。即ち、15回目の変動演出を外れの態様で実行し、変動演出の終了後に、「total50回」と表示した後で(図22(a)参照)、遊技者に対して枠ボタン22を連続して押下するように促す表示を行い(図24(b)参照)、その後に時短回数50回の上乗せを報知する(図25(a)参照)。これにより、1ラウンド以上のラウンドが残った状態で15回分の変動演出が終了してしまったとしても、押しボタン演出を行うことで遊技者を遊技に参加させることができるので、変動演出の終了後に遊技者が退屈してしまうことを抑制することができる。また、押しボタン演出を行うことで、遊技者に対して時短回数が上乗せされる可能性があることを認識させることができるので、大当たり遊技を最後まで楽しませることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、1〜14回目の変動演出で同一図柄が揃った場合に、加算される時短回数を10回に固定しているが、これに限られるものではない。例えば、「5回」や、「20回」を上乗せ回数として選択可能に構成してもよい。これにより、各変動演出において、遊技者に対して、図柄が揃った後に報知される時短回数の上乗せ回数にも注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、大当たりF)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。また、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示(変動演出)が行われる。更に、第3図柄表示装置81では、上述の通り、大当たり終了後に移行する時短期間を大当たり中に報知するために、大当たり中に15回の変動演出が実行される。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
具体的には、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」〜「大当たりF」であれば、いずれかの番号(即ち、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれか)が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりF」であれば、これらに「7」を加えた番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。これにより、大当たりに当選したとしても、揃った主図柄に付された番号によっては大当たり種別を判別することができないので、遊技者に対して、大当たり中に行われる変動演出対して期待感を持たせて遊技を行わせることができる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3は、それぞれ周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりする等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(8ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、8回(8ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は、上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、ROM202やRAM203から各種データを読み出したり、RAM203に各種データを書き込んだりする場合に、読み出し、および書き込みに必要なデータを一時的に記憶させるためのレジスタ210と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図6〜図8を参照して説明する。図6(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、遊技結果設定テーブル202e、状態設定テーブル202f、大当たり終了時クリアテーブル202gが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aの詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述する。
第1当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細については、第1当たり種別カウンタC2の説明と共に後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図6(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。なお、この第2当たり乱数テーブル202cの詳細については、第2当たり乱数カウンタC4の説明と共に後述する。
変動パターン選択テーブル202d(図7(a)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の大当たりの判定結果や遊技状態等に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルや、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルが規定されている。また、大当たり時の変動パターンを選択するためのテーブルには、3種類存在し(当たり時用選択テーブル202d1〜202d3)、大当たり種別毎に選択されるテーブルを異ならせている。具体的には、「大当たりA」、「大当たりB」、または、「大当たりC」に当選した場合は、当たり時用選択テーブル202d1から変動パターンの態様を選択し、「大当たりD」、または、「大当たりE」に当選した場合は、当たり時用選択テーブル202d2から変動パターンの態様を選択し、「大当たりF」に当選した場合は、当たり時用選択テーブル202d3から変動パターンの態様を選択する。これらのテーブルでは、それぞれ選択されやすい変動パターン、および選択されにくい変動パターンを異ならせている。これにより、実行される変動パターンの態様を確認することで、大当たり種別を予測することができるので、遊技者に対して、変動後の停止図柄だけでなく、変動パターンの態様にも注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルも複数存在し(時短状態1用選択テーブル202d4、時短状態2用選択テーブル202d5、当たり後用選択テーブル202d6)、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、遊技状態に応じていずれかのテーブルが選択されるように構成されている。
遊技結果設定テーブル202eは、(図7(b)参照)は、大当たりに当選した場合に、大当たりを示す停止図柄の設定や、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの動作パターン等の設定値が大当たり種別毎に規定されているデータテーブルである。この遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)は、ROM202のアドレス「19D1H」〜「19EEH」の範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)には、各大当たり種別となる判定値(乱数値)の個数(判定値個数)と、複数のLED37aの点灯パターン(表示図柄数)と、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄情報)と、特定入賞口(大開放口)65aの作動パターン(大開放口パターン)と、当たり時の変動パターンとして当たり時用選択テーブル202d1〜202d3のいずれを用いるのかを示す情報(テーブル選択情報)と、大当たりが終了した後の遊技状態を決定するための情報(オフセット)とが規定されている。なお、図7(b)には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
本パチンコ機10では、大当たりに当選することに基づいて、遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)から、当選した大当たり種別に応じた上記各設定値を、RAM203の各種設定値格納エリア203e(図10参照)に格納する。この各種設定値格納エリア203eの詳細については後述する。そして、各種設定値格納エリア203eに格納された設定値に基づいて、MPU201により大当たりとなる変動パターン演出や大当たりに関する各種制御が行われる。また、各種設定値格納エリア203e(図10参照)には、遊技に関する設定値を格納する記憶領域に加えて、遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)に規定されているオフセットに基づいて算出されるオフセット値を格納するためのオフセット値格納エリアが設けられている。このオフセット値は、大当たり終了後の遊技状態を設定するために用いられる値であり、詳細については後述するが、遊技結果設定値取得処理(図33参照)においてオフセットを参照して算出される値である。
具体的には、大当たりの終了タイミングと判別された場合に実行される大当たり終了処理(図42参照)において、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を状態設定テーブル202f(図8(a)参照)から選択して各種設定値格納エリア203eに設定するために用いられる。即ち、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)そのものを大当たりの終了時点まで保持し続け、その乱数値(カウンタ値)に基づいて大当たり終了後の遊技状態を決定しているわけではなく、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)に基づいて選択されるオフセット値のみを大当たり中に保持する構成としている。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態に関する各種設定値(特別図柄の高確率状態とするか否かを示す設定値や、普通図柄の時短期間等)を、大当たり当選の際の変動パターン演出中や、その後の大当たり状態中に保持しておくのではなく、状態設定テーブル202fにおける各種設定値の格納位置を示す値であるオフセット値のみを保持しておく構成としている。RAM203に各種設定値の全てを一時的に記憶しておく記憶エリアを設けておくのではなく、オフセット値を保持する領域を設けておくだけで足りるので、RAM203の記憶領域を効率良く使用することができる。
次いで、図8(a)を参照して、ROM202の状態設定テーブル202fについて説明する。この状態設定テーブル202f(図8(a)参照)は、大当たりの終了後に移行し得る遊技状態がオフセット値毎に規定されているテーブルであり、大当たりの終了タイミングであると判別された場合(S1309:Yes)に実行される大当たり終了処理(S1310)の中で、大当たり終了後の遊技状態を設定するために参照されるデータテーブルである。
この状態設定テーブル202f(図8(a)参照)は、ROM202のアドレス1AD4H〜1AF3Hの範囲に格納されており、各アドレスに1バイトのデータが格納されている。この状態設定テーブル202f(図8(a)参照)には、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態に移行させるか否かを示す情報(特別図柄の抽選状態)と、大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)と、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短期間と(時短回数)、変動パターンの態様を選択するための変動パターン選択テーブル202dを大当たり終了後用のテーブルから、状態に応じたテーブルに切り替えるまでに要する特別図柄の抽選回数(変動パターン選択テーブル切替回数)とが規定されている。また、図8には、各データが規定されているROM202のアドレスを括弧書きで記載しているが、ROM202のアドレスの上位バイトを省略し、下位バイトのみを記載している。
なお、普通図柄の時短状態に移行させるか否かを示す情報(普通図柄の状態)には、時短状態1、および、時短状態2の2種類の状態が設けられている。いずれの状態が設定されている場合も、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。これらの2つの状態の相違点は、変動パターン選択テーブル切替回数を経過後に、変動パターンを決定するために用いられるテーブルが互いに異なっている点である。即ち、外れ用の変動パターン演出を行う場合に、時短状態1では時短状態1用選択テーブル202d4から変動パターンを選択し、時短状態2では、時短状態2用選択テーブル202d5から変動パターンを選択するように構成されている。
次に、図8(b)を参照して、大当たり終了時クリアテーブル202gについて説明する。大当たり終了時クリアテーブル202gは、ROM202のアドレス「1205H」〜「1212H」の範囲に記憶されたテーブルであり、各アドレスには各種設定値格納エリア203e(図10参照)のアドレスがそれぞれ規定されている。詳細については後述するが、大当たり終了処理の中の1処理であるゼロ設定処理(図43参照)において、主制御装置110のMPU201によって大当たり終了時クリアテーブル202gからROM202のアドレスの並び順に格納データが読み出され、読み出された格納データ(アドレスデータ)の示すアドレスに設定値として「00H」(初期値データ)を設定する。また、大当たり終了時クリアテーブル202gから読み出されたデータが「00H」であった場合は、ゼロ設定処理を終了する。大当たり終了時クリアテーブル202gには設定先アドレスのみを規定し、その設定先アドレスに「00H」を設定するという処理を、MPU201の制御プログラムの中で規定しているので、大当たり終了時クリアテーブル202gのデータ量を減らすことができる。
次に、図9、図10を参照して、主制御装置110のRAM203について説明する。RAM203には、主制御装置110の処理を制御するための各種カウンタやフラグ、および設定値を格納する記憶領域等が設けられている。ここで、主制御装置110の処理とは、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理である。
まず、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図29参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図40参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図29参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「107」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その値である「4,83,168,249,285」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/60」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が出現するタイミングが解析され、その解析されたタイミングに基づいて不正に大当たりを引き当てられやすくなる虞がある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜199の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図6(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜39」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となり、値が「40〜69」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となり、値が「70〜129」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となる。また、値が「130〜139」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となり、値が「140〜169」であった場合の大当たり種別は、「大当たりE」となり、値が「170〜199」であった場合の大当たり種別は、「大当たりF」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、3種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当りD、大当りE、大当りF)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり時用選択テーブル202d1、202d2、202d3のいずれが選択される場合も同等の選択比率で選択される変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり時用選択テーブル202d1の場合に選択されにくい変動パターンとして、「特殊スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり時用選択テーブル202d1、当たり時用選択テーブル202d2の場合に選択されにくい変動パターンとして、「レアスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
このように、当たり時用選択テーブル202d1が選択される場合(即ち、大当たりA、大当たりB、または、大当たりCの場合)に選択されにくい「特殊スペシャルリーチ」各種を設けることで、「特殊スペシャルリーチ」が発生したことを認識した遊技者に対して、時短回数50回以上の大当たり(即ち、大当たりD、大当たりE、および、大当たりF)に当選していることへの期待感を持たせることができる。また、当たり時用選択テーブル202d1、当たり時用選択テーブル202d2が選択される場合(即ち、大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、または、大当たりFの場合)に選択されにくい「レアスペシャルリーチ」各種を設けることで、「レアスペシャルリーチ」が発生したことを認識した遊技者に対して、時短回数100回の大当たり(即ち、大当たりF)に当選していることへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、変動パターンの種別によって大当たりの種別を予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選結果が外れであった場合も、普通図柄の状態が通常状態、および時短状態1〜3のいずれであるかに応じて、変動パターンを選択するために用いられるテーブルは異なるように構成されている(時短状態1用選択テーブル202d4、202d5、および、当たり後用選択テーブル202d6)。このように構成することで、実行される変動パターンの種別を多種多様にすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図6(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図6(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図29参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図40参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図40参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図39参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図5に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変中カウンタ203eを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本実施形態のパチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図35のS704参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図30のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図30のS206、図35のS705参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図37のS904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図36のS805参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図37のS905)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図37のS903:No)。
各種設定値格納エリア203eは、パチンコ機10の主要な処理を実行するための様々な設定値やフラグ、カウンタ等が格納されている記憶領域である。MPU201は、各種設定値格納エリア203eに格納されたデータに基づいて制御を行う。この各種設定値格納エリア203eについて、図10を参照して説明する。
図10は、RAM203の各種設定値格納エリア203eを模式的に示した模式図である。図10に示す通り、各種設定値格納エリア203e(図10参照)は、RAM203のアドレス「F000H」〜「F0FFH」の範囲に該当する。この各種設定値格納エリア203e(図10参照)において、RAM203のアドレス「F000H」に割り当てられている発射制御信号設定値格納エリアは、球の発射を制御するための設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて遊技領域への球の発射が制御される。
RAM203のアドレス「F009H」に割り当てられている表示LED設定エリアは、表示LEDを点灯させるための点灯パターンの設定値が格納されている記憶領域であり、この領域に格納されている設定値に基づいて表示LEDを点灯させる。
アドレス「F01DH」,「F01EH」にそれぞれ割り当てられているテスト信号設定エリア1、および、テスト信号設定エリア2は、各種テスト信号を出力するための設定値を格納する記憶領域である。テスト信号としては、例えば、特定入賞口(大開放口)65aの動作テストを行うための信号や、大当たり時の動作テストを行うための信号などがある。テスト信号なので、遊技者がパチンコ機10で遊技を行っている間は信号が出力されない設定(即ち、テスト信号設定エリア1,2共に「00H」が設定値として設定された状態)とされる。
アドレス「F030H」に割り当てられている最大ラウンド数設定エリアは、大当たりのラウンド数を設定するエリアである。例えば、確変大当たりE等の、大当たりのラウンド数が2ラウンドの大当たり種別に当選した場合は、設定値として「02H」が設定され、特別大当たりAや特別大当たりBのように、大当たりのラウンド数が8ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「08H」が設定され、通常大当たりや時短大当たりA等の、大当たりのラウンド数が16ラウンドの大当たりに当選した場合は、設定値として「10H」が設定される。
アドレス「F031H」に割り当てられている入賞回数カウンタは、特定入賞口(大開放口)65aに入賞した回数をカウントするためのカウンタである。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中に特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖する条件の1つとして、10球が入賞した場合に特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖するように構成している。入賞回数カウンタは、特定入賞口(大開放口)65aへ入賞した球が10球となったか否かを判別するために用いられる。
RAM203のアドレス「F035H」に割り当てられている遊技状態設定エリアは、現在の遊技状態を示す設定値が格納されている記憶領域であり、例えば、格納されている設定値が「01H」であれば、特別図柄の変動中を示し、「02H」であれば、特別図柄の確定表示中を示し、「03H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖中の状態であることを示し、「04H」であれば、大当たり中、且つ、特定入賞口(大開放口)65aが開放中の状態であることを示す。また、「00H」であれば、上記以外の状態であること(即ち、大当たり終了後から特別図柄の変動が開始されるまでの間の状態や、保留球が無い状態で特別図柄が停止表示されてから一定時間経過した状態)を示している。
アドレス「F090H」に割り当てられている大当たりフラグは、現在が大当たり状態(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば(即ち、格納されているデータが「01H」であれば)、特別図柄の大当たり中であることを示し、オフであれば(即ち、格納されているデータが「00H」であれば)、特別図柄の大当たり中以外の状態(即ち、特別図柄の変動状態や、デモ状態等の状態)を示すものである。また、続くアドレス「F091H」〜「F094H」に割り当てられている記憶領域は、ROM202の状態設定テーブル202fから読み出したデータを設定するための領域である。
まず、アドレス「F091H」に割り当てられている確変状態カウンタは、特別図柄の高確率状態の残り回数を示すカウンタである。この確変状態カウンタは、大当たりの終了時に100がセットされ、特別図柄の抽選が行われる度に1ずつ減算される(図30のS214,S216参照)。この確変状態カウンタの値が0以上(即ち、1〜100)であれば、特別図柄の確変中であることを示し、値が0であれば、特別図柄の低確率状態であることを示す。
また、アドレス「F092H」に割り当てられている時短状態フラグは、普通図柄の時短中であるか否かを示すと共に、外れ時の変動パターンの態様を選択するためのテーブルを指定するための設定値が格納されている。なお、フラグが「00H」であれば、普通図柄の時短状態1であることを示し、フラグが「01H」であれば、普通図柄の時短状態2であることを示す。上述した通り、普通図柄の時短状態1,3は、変動パターン選択テーブル切替回数が経過後に、外れ時の変動パターンを選択するために用いられるテーブルが、互いに異なっているという点が相違している。なお、上述の通り、テーブルは全て変動パターン選択テーブル202dに規定されている。
アドレス「F093H」に割り当てられている時短状態カウンタは、普通図柄の時短回数が何回分残っているのかを表すカウンタである。この時短状態カウンタは、大当たり終了時に大当たり種別に応じた値が設定され、特別図柄の抽選が行われる度に1ずつ減算される(図30のS214参照)。この時短状態カウンタの値が0以上(即ち、1〜100)であれば、普通図柄の時短中であることを示し、値が0であれば、普通図柄の通常状態であることを示す。
アドレス「F094H」に割り当てられている変動選択状態カウンタは、外れ時の変動パターン演出を選択するためのテーブルを、当たり後専用選択テーブル202d6から、時短状態1用選択テーブル202d4、または、時短状態2用選択テーブル202d5へと切り替えるまでの、残りの特別図柄の抽選回数を示すカウンタである。このカウンタが1以上であれば、外れ時の変動パターンを選択するためのテーブルとして、当たり後専用選択テーブル202d6が選択される。一方、変動選択状態カウンタの値が0の場合は、時短状態フラグが示す遊技状態に応じたテーブル(時短状態1用選択テーブル202d4、または、時短状態2用選択テーブル202d5)から変動パターンを選択する。
アドレス「F095H」に割り当てられているオフセット値格納エリアは、オフセット値を格納するための記憶領域であり、格納されたオフセット値に基づいて状態設定テーブル202fから大当たり終了後の設定値が読み出され、RAM203のアドレス「F091H」〜「F094H」にそれぞれ設定される。このオフセット値は、特別図柄の抽選において大当たりと判別された場合に、遊技結果テーブル202eから読み出されて、オフセット値格納エリアに記憶される。また、状態設定テーブル202fからの設定値の読み出し、および設定が完了した後で実行されるゼロ設定処理(図43参照)の中で、初期値である「00H」に上書きされる。
アドレス「F096H」に割り当てられている大開放口設定エリアは、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開放パターンを示す設定値が格納される記憶領域であり、大当たり中に(即ち、大当たりフラグがオンの場合に)参照される。本実施形態のパチンコ機10では、全ての大当たり種別が8ラウンドの大当たりであり、特定入賞口(大開放口)65aの開放パターンは共通であるので、共通の設定値が設定される。
アドレス「F097H」に割り当てられている停止図柄コード情報格納エリアは、特別図柄の抽選結果に基づいて特別図柄の停止図柄の情報を設定するための領域である。特別図柄の抽選結果が外れの場合は、外れに対応した停止図柄を示す停止図柄コードが設定され、抽選結果が当たりの場合は、大当たり種別に応じた停止図柄コードが遊技結果設定テーブル202eから読み出されて設定される。そして、特別図柄の変動終了時に、この停止図柄コード情報格納エリアに設定された設定値に応じた停止図柄が、第1図柄表示装置37に確定表示される。
アドレス「F09FH」〜「F0FFH」までは未使用の領域であり、これらの領域に格納されているデータは「00H」固定とされている。なお、各種設定値格納エリア203eには、上述した以外のアドレスにも様々な設定値が割り当てられている。説明は省略するが、例えば、特定入賞口(大開放口)65aへ入賞した球の個数をカウントする入賞カウンタ等の各種カウンタや、普通図柄の変動演出において、普通図柄の表示を切り替える時間を計測する普通図柄表示切替タイマ等の各種タイマなどが割り当てられている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、RAM203のアドレスの上位バイトがF0Hである各種設定値格納エリア203eに、集中的に各種設定値やカウンタ、タイマ等を格納するように構成し、音声ランプ制御装置113等へ出力するコマンド(例えば、変動パターンコマンドや停止種別コマンド等)を格納するためのリングバッファや、特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球数格納エリア203b、スタックエリア等についてはRAM203のアドレスの上位バイトが「F0H」以外のアドレス(例えば、上位バイトが「F1H」であるアドレス)に格納するように構成している。
次いで、図11を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているレジスタ210について説明する。レジスタ210は、ROM202やRAM203からデータを読み出したり、RAM203に設定値を書き込む場合に、アドレスデータや設定値データを一時的に格納したり、格納した設定値に演算処理を行ったりするためのものである。図11に示すように、レジスタ210は、格納したデータに対して演算処理を実行可能なアキュームレータ210aと、アドレスデータや設定値データを格納可能な汎用レジスタ210b1,210b2,210c1,210c2,210d1,210d2と、各種フラグを格納するフラグレジスタ210eと、各種設定値格納エリア203eのアドレスの上位バイト(F0H)を固定値として記憶させておくためのアドレス保持レジスタ210fとが設けられている。なお、アキュームレータ210aは、汎用レジスタ210b1〜210d2と同様に、データを一時的に格納するために用いることもできる。
レジスタ210に設けられている各レジスタは、それぞれ1バイトのデータを保持可能に構成されている。また、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2、汎用レジスタ210c1と汎用レジスタ210c2、および汎用レジスタ210d1と汎用レジスタ210d2は、それぞれペアで用いることもできる。即ち、それぞれのペアのレジスタに合計2バイト分のデータを格納することができるように構成されている。2バイト分のデータとしては、例えば、ROM202のアドレスデータや、RAM203のアドレスデータ等が該当する。
フラグレジスタ210eは、1バイトの各ビットに異なるフラグが設けられている。設けられているフラグは、例えば、命令を実行した後の演算結果がゼロ以外の値であればオフ、ゼロであればオンとなるゼロフラグや、各種汎用レジスタ210b1〜210d2のいずれかに格納したデータが「00H」以外のデータであればオフ、「00H」であればオンとなるロードフラグ等が設けられている。
以下、データの読み書きを行う際の制御について説明する。ここで、本実施形態のパチンコ機10には、主制御装置110の種々の制御を実行させるための様々な命令が設けられており、データの読み書きも、種々の命令の中の一つの命令を用いて実行される。具体的には、例えば、読み出し元と設定先を指定し、転送元に格納されているデータを設定先に転送する転送命令が用意されている。
なお、この転送命令では、読み出し元と設定先とのうち、少なくとも一方はレジスタ210に設けられているアキュームレータ210a、または、いずれかの汎用レジスタ(汎用レジスタ210b1〜汎用レジスタ210d2)を指定する必要がある。よって、例えば、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されたデータを読み出して、読み出したデータをRAM203のアドレス「F093H」に格納する場合、例えば、汎用レジスタ210b1を介してデータ転送を行う必要がある。具体的には、まず、アドレス「1ADAH」を読み出し元、汎用レジスタ210b1を設定先とし、転送命令を用いてアドレス「1ADAH」に規定されたデータを汎用レジスタ210b1に格納しておく。そして、次に、汎用レジスタ210b1を読み出し元、アドレス「F093H」を設定先とし、再度転送命令を行って、汎用レジスタ210b1に格納されたデータをアドレス「F093H」に設定する。このように制御することで、ROM202のアドレス「1ADAH」に規定されているデータを、汎用レジスタ210b1を介してRAM203のアドレス「F093H」に転送することができる。
図5に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図38参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、特別図柄の抽選結果を報知するために第3図柄表示装置81に表示する変動パターン演出の態様を複数規定した変動パターンテーブル222aと、大当たり中に普通図柄の時短期間を段階的に報知するために実行する変動パターン演出(擬似変動演出)の態様を1又は複数の変動パターン単位(ブロック単位)で規定した疑似変動選択テーブル222bとが格納されている。主制御装置110から出力される変動パターンコマンドを受信した場合は、対応する変動パターンの態様が、変動パターンテーブル222aから選択される。また、大当たり中に変動パターン演出を設定する場合は、変動パターンの態様が疑似変動選択テーブル222bから選択される。大当たり状態は、遊技者の遊技方法や、釘の調整具合等の条件に応じて、その期間が変化するものであるが、本実施形態のパチンコ機10では、この擬似変動選択テーブル222bに基づいて変動パターン演出(擬似変動演出)の態様を設定することにより、大当たり状態の継続期間によらずに15回の変動パターン演出を大当たり状態中に確実に完了させることができる。この擬似変動選択テーブル222bの詳細について、図12(a)を参照して説明する。
図12(a)は、大当たり中に実行する変動パターン演出(擬似変動演出)の態様を選択するための擬似変動選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。図12(a)に示すように、擬似変動選択テーブル222bは、大当たり中に実行する15回の変動パターン演出のうち、1回目〜4回目(ブロック1)の態様を規定したブロック1用テーブル222b1と、5回目〜8回目(ブロック2)の態様を規定したブロック2用テーブル222b2と、9回目〜12回目(ブロック3)の態様を規定したブロック3用テーブルA222b3、および、ブロック3用テーブルB222b4と、13回目、14回目(ブロック4)の態様を規定したブロック4用テーブルA222b5、ブロック4用テーブルA222b6、ブロック4用テーブルA222b7、ブロック4用テーブルA222b8と、15回目(ブロック5)の態様を規定した最終変動用選択テーブル222b9とが規定されている。
また、これらに加えて、変動パターン演出によって報知された上乗せ回数の合計値を、遊技者に対して報知する報知演出の態様を選択するための報知演出選択テーブル222b10が規定されている。報知演出選択テーブル222b10以外の各テーブルには、各ブロックに対応する回数分の変動パターン演出の態様(変動パターン演出の変動期間や停止図柄、予告演出等)がまとめて規定されている。例えば、ブロック1用テーブル222b1には、1回目〜4回目の変動パターン演出の態様の組合せが複数規定されているので、ブロック1用テーブル222b1から1の組合せを選択するだけで、1回目〜4回目までの4回分の変動パターン演出の態様を設定することができる。よって、ブロック単位で変動パターン演出を設定することで、ブロックに割り当てられた回数分の変動パターン演出の態様をそれぞれ選択して設定する場合に比べて処理負荷を軽減することができる。
各ブロックにおいて実行される変動パターン演出の変動期間は、2000ms、2500ms、3500ms、4500ms、7500msの5種類が用意されており、基本的には後半に実行される変動パターン演出(8回目以降)の方が長い変動期間が選ばれやすく構成されている。また、変動パターン演出において、同一図柄が揃う場合には、変動期間の長い変動パターン演出が選択されやすく構成されている。つまり、後半(8回目以降)に実行される変動パターン演出の方が同一図柄が揃う期待度が高くなるように構成されている。これにより、前半で実行される変動パターン演出において同一図柄が揃う回数が少なかったとしても、遊技者に対して後半に実行される変動パターン演出に期待感を抱かせることができるので、より長く期待感を持続させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、この擬似変動選択テーブル222bを用いることにより、1回目〜15回目までの全ての変動パターン演出が、大当たり状態中に完了するように構成されている。なお、各ラウンドの終了条件は、ラウンド開始から30秒の経過、或いは、特定入賞口(大開放口)65aに10個の球が入賞することである。球は1分間に最大100発まで打ち出すことができるように構成されているため、ラウンドが終了する最短の時間としては、打ち出した10発の球が全て入賞する場合である。そして、100発の球を打ち出すのに最低1分(=60秒間)を要するので、10発の球を打ち出すには、最低で6秒を要する。よって、各ラウンドが終了する最短の時間は6秒間である。また、各ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの間には、1秒間のインターバル期間が設けられている。したがって、大当たりの開始から8ラウンド目が終了するまでの最短の期間は、55秒(6秒×8ラウンド+1秒×7ラウンド)と算出できる。本実施形態のパチンコ機10では、この55秒(55000ms)を超えない範囲で変動を終了させることができる変動期間の組合せを設けることにより、大当たり中に確実に15回の変動パターン演出を完了させることができるように構成している。具体的には、4500msの変動期間、および、7500msの変動期間の変動パターン演出が選択される回数に制限を設ける構成とすることで、変動パターン演出15回の合計の変動期間が長くなりすぎないようにしている。
この変動期間の選択方法について、図12(b)、図13〜図15を参照して詳しく説明する。なお、説明の便宜上、先に図13の説明を行い、その後に図12(b)、図14、図15について説明を行う。
図13は、擬似変動選択テーブル222bの各テーブルで選択され得る変動期間の組合せを示した図である。図13に示したように、ブロック1用テーブル222b1には、2000msの変動パターン演出が4回分規定されている。即ち、大当たり状態において、1回目〜4回目の変動パターン演出の変動期間は、全て2000msとなる。なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの開始後に実行される遊技説明の終了に基づいて、ブロック1用テーブル222b1から1回目〜4回目(ブロック1)の変動パターンの態様を選択するように構成されている。ここで、遊技説明とは、大当たり中に実行される変動パターン演出で図柄が揃った場合にどのような特典があるのかの説明や、特典を得るチャンスが何回与えられるのか(即ち、変動パターン演出が何回実行されるのか)についての説明を行う期間であり、3秒間継続する。
また、ブロック2用テーブル222b2で設定される変動パターン演出の組合せは、2000msの変動期間が4回設定されるものと、2000msの変動期間が3回、4500msの変動期間が1回設定されるものとが用意されている。ブロック2の変動パターン演出の態様は、ブロック1の終了(即ち、4回目の変動パターン演出の終了)に基づいて、ブロック2用テーブル222b2から選択される。なお、いずれの変動期間の組合せが選択されるかについては、ランダムに決定される。
ブロック3用テーブルA222b3で設定される変動パターン演出の組合せは、図13に示すように、3500msの変動期間が4回設定されるものと、3500msの変動期間が3回、4500msの変動期間が1回設定されるものと、3500msの変動期間が2回、4500msの変動期間が2回設定されるものと、3500msの変動期間が1回、4500msの変動期間が2回、7500msの変動期間が1回設定されるものとが設けられている。このブロック3用テーブルA222b3は、ブロック2において、4500msの変動期間の変動パターン演出が選択されなかった場合(即ち、4回の変動全てが2000msの変動期間であった場合)に用いられるテーブルであり、ブロック2の最後の変動パターン演出(即ち、8回目の変動パターン演出)の終了に基づいてブロック3の変動パターン演出の態様を一括して設定するために用いられる。
一方、ブロック3用テーブルB222b4で設定される変動パターン演出の組合せとしては、3500msの変動期間が4回設定されるものと、3500msの変動期間が3回、4500msの変動期間が1回設定されるものと、3500msの変動期間が2回、4500msの変動期間が1回、7500msの変動期間が1回設定するものとが設けられている。即ち、4500msの変動期間の選択回数は1回以下に限られる。このブロック3用テーブルB222b4は、ブロック2において4500msの変動期間の変動パターン演出が1回行われた場合に、ブロック3の態様を選択するために用いられるテーブルであり、ブロック2の最後の変動パターン演出(即ち、8回目の変動パターン演出)の終了に基づいてブロック3の変動パターン演出の態様を一括して設定するために用いられる。4500msという比較的長い期間の変動パターン演出の回数を、15回の変動パターン演出の中で2回以下に限ることにより、大当たり状態が最短時間(即ち、55秒)で終了したとしても、15回の変動パターン演出を全て実行できる。
ブロック4の変動パターン演出の態様を選択するためのテーブルは、上述の通り、ブロック4用テーブルA222b5、ブロック4用テーブルB222b6、ブロック4用テーブルC222b7、ブロック4用テーブルD222b8の4種類が設けられており、いずれのテーブルも13回目、14回目の変動パターン演出の態様を選択するために用いられる。また、ブロック3の終了(即ち、12回目の変動パターン演出の終了)に基づいて、これらのテーブルのいずれかが参照され、ブロック4の態様が設定される。これらのテーブルは、1〜3ブロックにおいて、4500msの変動期間の変動パターン演出、および、7500msの変動期間の変動パターン演出が選択された回数に応じて使い分けられる。
具体的には、ブロック1〜3において、4500ms、および、7500msの変動期間が1度も選択されていない場合は、ブロック4用テーブルA222b5を用いて変動パターン演出が設定される。このブロック4用テーブルA222b5を用いた場合に選択され得る変動期間の組合せは、3500msの変動期間が2回設定されるものと、3500msの変動期間が1回、4500msの変動期間が1回設定されるものと、4500msの変動期間が2回設定されるものとが設けられている。
また、ブロック1〜3において、4500msの変動が1回選択され、7500msの変動が1回も選択されていない場合には、ブロック4用テーブルB222b6を用いて変動パターン演出が設定される。このブロック4用テーブルB222b6を用いた場合に選択され得る変動期間の組合せは、3500msの変動期間が2回設定されるものと、3500msの変動期間が1回、4500msの変動期間が1回設定されるものと、4500msの変動期間が1回、7500msの変動期間が1回設定されるものとが設けられている。
また、ブロック1〜3において、4500msの変動が2回選択され、7500msの変動が1回も選択されていない場合には、ブロック4用テーブルC222b7を用いて変動パターン演出が設定される。このブロック4用テーブルC222b7を用いた場合に選択され得る変動期間の組合せは、3500msの変動期間が2回設定されるものと、3500msの変動期間が1回、7500msの変動期間が1回設定されるものとが設けられている。
更に、ブロック1〜3において、4500msの変動が2回、7500msの変動が1回選択された場合には、ブロック4用テーブルD222b8を用いて変動パターン演出が設定される。このブロック4用テーブルD222b8を用いた場合に選択され得る変動期間の組合せは、3500msの変動期間が2回設定されるもののみとなっている。
このように、ブロック1〜3の間に選択された変動期間に応じて、ブロック4で選択され得る変動期間を変更することにより、比較的長い変動期間の変動パターンである、4500msの変動パターン演出や、7500msの変動期間の変動パターン演出が選択される回数を制限し、1回目〜14回目の変動パターン演出の合計期間が長くなってしまうことを抑制している。
これにより、長い変動期間の変動パターン演出が多く設定されることを抑制することができる。よって、変動パターン演出が長引いてしまうことによって、15回の変動パターン演出が終了する前に、大当たり状態が終了してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の擬似変動選択テーブル222bでは、ブロック1やブロック2に比較して、ブロック3やブロック4の方が長い変動期間が選択されやすく構成されている(即ち、ブロック3やブロック4の方が、変動パターン演出において同一の図柄が揃う期待度が高くなるように構成されている)が、これに限られるものではない。1回の大当たり状態において、4500msの変動期間の変動パターン演出の選択回数が2回以内であって、且つ、7500msの変動パターン演出の選択回数が1回以内であれば、任意に定めてよく、例えば、ブロック1では、同一の図柄が揃う期待度が高い4500msの変動パターン演出や、7500msの変動パターン演出が選択されやすく構成し、ブロック3では、2000msの変動パターン演出しか選択されないように構成してもよい。
また、例えば、変動期間の長い変動パターン演出が選択されやすいブロックと、変動期間の短い変動パターン演出が選択されやすいブロックの順番を、特定の条件に基づいて組み替えるように構成してもよい。特定の条件としては、例えば、大当たり種別や、遊技者の操作、または、ブロック1の態様が設定される前に行われる抽選結果等が挙げられる。また、ブロックを組み替える場合の例としては、例えば、ブロック1の変動パターン演出の態様を設定する場合に、ブロック3用テーブルA222b3から態様を選択するように構成する。そして、ブロック2の変動パターン演出の態様を設定する場合には、例えば、ブロック1において4500msや7500msの変動パターン演出が選択された回数に応じて、ブロック4用テーブルA222b5、ブロック4用テーブルB222b6、ブロック4用テーブルC222b7、ブロック4用テーブルD222b8の中から、いずれか1つのテーブルを選択し、ブロック2の変動パターン演出の態様を設定する。更に、ブロック3の変動パターン演出の態様を設定する場合には、例えば、ブロック1用テーブル222b1を用いて変動パターン演出の態様を設定し、ブロック4の変動パターン演出の態様を設定する場合には、例えば、ブロック2用テーブル222b2から変動パターン演出の態様を設定すればよい。
上述の通り、ブロック1〜ブロック4は、大当たりが最短時間(即ち、各ラウンドの消化時間が6秒間)で終了する場合にも、15回全ての変動パターン演出が実行完了できるように構成されている。よって、ブロックの順番を組み替えたとしても、15回の変動パターン演出を確実に実行することができるので、変動パターン演出の途中で大当たり状態が終了してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができる。
ブロックを組み替える否かを判断するための特定の条件について、より具体的に説明する。大当たり種別に基づいてブロックを組み替える場合は、例えば、大当たりA〜大当たりCではブロックの順番の組み替えは行わない(即ち、本実施形態のパチンコ機10の擬似変動選択テーブル222b(図12(a)参照)に規定されている通りに変動パターン演出の設定を行う)ように構成し、大当たりD〜大当たりFではブロックの順番を組み替えるように構成してもよい。
また、遊技者の操作に応じてブロックを組み替える場合は、例えば、大当たり開始から1回目の変動パターン演出が実行されるまでの間に、枠ボタン22を押下することによって大当たり遊技の遊技性が可変する旨を第3図柄表示装置81に表示する。そして、枠ボタン22が押下された場合にはブロックの組み替えを行い、枠ボタン22が押下されなかった場合は、ブロックを組み替えず、擬似変動選択テーブル222b(図12(a)参照)に規定されている通りに変動パターン演出の設定を行うように構成すればよい。
更に、抽選結果に基づいて、ブロックを組み替えるか組み替えないかを判断する場合は、例えば、大当たりの開始時にランダムな抽選を行い、その抽選結果に応じてブロックを組み替えるか否かを判断してもよいし、大当たりか否かを判定するタイミングで抽選を行ってもよいし、大当たりが開始されてからブロック1の態様が設定される前に抽選を行うように構成してもよい。
このように、ブロックの組み替えを可能に構成することで、期待度が高い変動演出が行われるタイミング(即ち、ブロック3やブロック4が設定されるタイミング)を変更することができるので、大当たりの前半に期待度の高い変動パターン演出を集中させるパターンや、大当たりの終盤に向けて期待度が高まっていくパターン等、様々な期待度のパターンを設けることができる。大当たりの前半に期待度の高い変動パターン演出を集中させることで、早い段階で大当たり終了後に付与される普通図柄の時短期間を大まかに把握できるので、時短回数が多く報知されれば、残りの大当たり遊技を安心感と満足感とを抱きながら行うことができる。一方、大当たりの終盤に向けて期待度が高まっていく場合には、最後の変動パターン演出まで期待感を持続させることができる。このように、大当たり遊技において異なる遊技性を提供することができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図12(b)を参照して、最終変動用選択テーブル222b9について説明する。図12(b)は、最終変動用選択テーブル222b9に規定されている変動パターン演出の変動期間を示した図である。図12(b)に示す通り、最終変動用選択テーブル222b9には、2000msの変動パターン演出と、2500msの変動パターン演出と、7500msの変動パターン演出の態様とがそれぞれ規定されている。詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、15回目の変動パターン演出を設定する際に、大当たり遊技の進行状況(ラウンド数)に基づいて、いずれの変動期間を選択するのか判断するように構成している。これにより、大当たりの残りのラウンド数が少ない場合は、短い変動期間の変動パターン演出(2000ms、または、2500msの変動パターン)を選択し、大当たりの残りのラウンド数が2ラウンド以上残っている場合は、7500msの変動パターン演出を選択することができる。よって、大当たり状態の残りの期間が短い場合であっても、確実に大当たり状態の間に15回の変動パターン演出を終了させることができる。
次に、図14、図15を参照して、最終変動用選択テーブル222b9から変動期間を選択する方法について詳細に説明する。図14、図15は、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出を設定するタイミング毎の、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出の変動期間を示す図である。図14(a)に示したように、1回目〜14回目の変動パターン演出の終了に基づいて、15回目の変動パターン演出を設定するタイミングが6ラウンド目であった場合は、15回目の変動パターン演出として、7500msの変動パターン演出が実行される。このように、大当たり遊技が2ラウンド以上残っている場合は、比較的長い変動期間を選択することにより、変動演出が終了した後の期間が長く余ってしまい、遊技者が退屈してしまうことを抑制することができる。更に、15回目の変動パターン演出が終了し、報知演出によって合計の時短期間の回数が報知された後で、更なる時短期間の上乗せの可能性があることを示唆する演出である押しボタン演出が行われる。詳細については後述するが、大当たり中の変動パターン演出が早期に終了してしまった場合に、押しボタン演出を実行することによって遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。
また、図14(b)は、7ラウンド目の途中で15回目の変動パターン演出を設定するタイミングとなった場合を示している。この場合は、15回目の変動パターン演出の変動期間として、2500msが選択され、その後に報知演出が行われる。
更に、図15は、8ラウンド目に突入した後で15回目の変動パターン演出の態様を設定するタイミングが訪れた場合を示している。この場合は、15回目の変動パターン演出の変動期間として2000msが選択され、その後に報知演出が行われる。なお、1回目〜14回目の変動期間の合計は、最大で44500ms(2000ms×7回、3500ms×4回、4500ms×2回、7500ms×1回)となる。よって、遊技説明の3秒(3000ms)を加味しても、15回目の変動パターン演出(2000ms)が終了するのは大当たり開始から49500ms後であり、大当たりの8ラウンドの終了までの最短期間である55秒(55000ms)に対して5秒以上の余裕がある。したがって、大当たりが最短の消化時間で進行したとしても、5秒以上の報知演出を実行することができるので、変動パターン演出の結果を遊技者が見逃してしまうことを抑制することができる。
図5に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、擬似変動フラグ223eと、当たり開始フラグ223fと、遊技説明フラグ223gと、ブロックカウンタ223hと、ラウンド開始フラグ223iと、押しボタンフラグ223jと、ミドルフラグ223kと、ロングフラグ223lとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図47のS1808参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図47のS1802参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図47のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図47のS1805参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図48のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別を設定する。
擬似変動フラグ223eは、普通図柄の時短期間を報知するために大当たり中に行われる変動パターン演出の実行期間であるか否かを示すフラグである。この擬似変動フラグ223eは、大当たりが開始される場合にオンされ、計15回の変動パターン演出後に行われる報知演出が設定された後でオフされる。
当たり開始フラグ223fは、大当たりの開始タイミングであるか否かを示すフラグである。この当たり開始フラグ223fは、大当たりの開始タイミング(即ち、オープニングコマンドを受信したタイミング)でオンされ(図47のS1813参照)、大当たり開始後に表示する遊技説明の表示設定を行うタイミングでオフされる(図49のS2003参照)。
遊技説明フラグ223gは、上述した遊技説明を表示する期間であるか否かを示すフラグである。この遊技説明フラグ223gは、遊技説明を設定するタイミングでオンにされ(図49のS2003参照)、遊技説明の表示期間である3秒間を経過した場合にオフにされる(図49のS2008参照)。
ブロックカウンタ223hは、当たり中の変動パターン演出や報知演出等を設定する際にその値を参照されるカウンタである。このブロックカウンタ223hは、各ブロックの変動パターン演出の態様を一括して設定した場合や、15回の変動パターン演出が終了し、報知演出を設定した場合にその値が1ずつ加算される(図49のS2009,S2013、および、図50のS2105,S2111,S2120参照)。また、大当たりの開始時に、その値が1にリセットされる(図49のS2005参照)。
なお、ブロックカウンタ223hの値が1であれば、次に変動パターン演出の態様を設定するブロックがブロック1であることを示し、値が2であれば、次に変動パターン演出の態様を設定するブロックがブロック2であることを示し、値が3であれば、次に変動パターン演出の態様を設定するブロックがブロック3であることを示し、値が4であれば、次に変動パターン演出の態様を設定するブロックがブロック4であることを示し、値が5であれば、次に変動パターン演出の態様を設定するブロックがブロック5であることを示す。また、ブロックカウンタ223hの値が6であれば、次に設定するのが報知演出であることを示しており、値が7であれば、報知演出の設定が終了していることを示す。
ラウンド開始フラグ223iは、大当たりの各ラウンドの開始タイミングか否かを示すフラグであり、このラウンド開始フラグ223iがオンであれば、大当たりのいずれかのラウンドの開始タイミングであることを示す。
押しボタンフラグ223jは、大当たりにおいて、押しボタン演出を実行するか否かを示すフラグである。この押しボタンフラグ223jは、報知演出の設定期間を経過した時点が7ラウンド以前であった場合にオンとされ(図49のS2017参照)、押しボタン演出の実行を設定する際にオフとされる(図52のS2304参照)。
ミドルカウンタ223kは、1回の大当たりにおいて4500msの変動パターン演出が選択された回数をカウントするカウンタである。このミドルカウンタ223kは、ブロック2、および、ブロック3の変動パターン演出の態様を設定する際に、4500msの変動パターン演出が選択された回数に応じて加算され(図50のS2104,S2110参照)、大当たりの開始時に0に初期化される。
ロングカウンタ223lは、1回の大当たりにおいて7500msの変動パターン演出が選択された回数をカウントするカウンタである。このロングカウンタ223lは、ブロック3の変動パターン演出の態様を設定する際に、7500msの変動パターン演出が選択されると加算され(図50のS2110参照)、大当たりの開始時に0に初期化される。
ミドルカウンタ223k、および、ロングカウンタ223lによって、4500msの変動パターン演出と、7500msの変動パターン演出との選択回数をカウントし、これらの変動パターン演出が規定回数以下の選択回数となるように制御している。つまり、1回目〜14回目の変動パターン演出の間に、4500msの変動パターン演出が2回以下、7500msの変動パターン演出が1回以下となるように変動パターン演出が選択される。これらの比較的長い変動期間の変動パターン演出が選択される回数に制限を設けることにより、大当たりの消化期間がどれだけ短くなったとしても、大当たり状態中に、15回の変動パターン演出の全てを確実に実行することができる。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図47参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図38参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図10は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図53のS2401参照)の終了後に実行される初期化処理(図53のS2402参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図28参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図55(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わなくなることを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図53のS2403,S2404参照)。
ここで、図17を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図17は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図17(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図17(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図17(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図17(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図17(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図17(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図12及び図13を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図18及び図19は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図18(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図18(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図19は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図18に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図19に示すように、時間の経過とともに、図19の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図19(a)に示す背面画像が表示される。この図19(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図19(b)に示す背面画像が表示される。図19(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図19(c)に示す背面画像が表示される。図19(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図19(a)に示す背面画像に戻って、再び図19(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図18(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図18(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図19(a)を含み、図19(b)を除く図19(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図19(a)〜(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図19(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図19(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図19(a)〜(b)の画像を表示させている間に図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図19(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図19(b)〜(c)および図19(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図16参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図16に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶したりするためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、デモ演出、大当たり状態中演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別がいずれかの大当たりであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。
ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出であり、また、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
大当たり状態中演出とは、大当たり中に行われる15回の変動パターン演出、その変動パターン演出により報知された普通図柄の時短回数の合計を報知する報知演出、および、報知演出の終了後に行われる押しボタン演出のことを指す。本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの度に行われる大当たり状態中演出によって、遊技者に対して大当たり終了後に付与される普通図柄の時短期間を段階的に報知するように構成されている。
ここで、図20〜図25を参照して、この大当たり状態中演出について説明する。図20、図21は、大当たり状態中演出のうちの変動パターン演出を示す図である。図20(a)に示すように、第3図柄表示装置81の下側約2/3の領域において図柄が変動表示される。また、第3図柄表示装置81の上部左側、上部中央、上部右側にはそれぞれ文字を表示するための四角形の領域が形成される。
第3図柄表示装置81の上部左側の領域(「ROUND1」と表示されている領域)には、現在が大当たりの何ラウンド目かを示す文字情報が表示される。この領域に表示されるラウンド数は、大当たりのラウンドが進む毎に、そのラウンドに応じた表示に切り替わるように構成されている。そして、第3図柄表示装置81の上部中央の領域(「total0回」と表示された領域)には、各変動パターン演出によって報知された普通図柄の時短期間の累計値が表示され、普通図柄の時短期間が上乗せされる毎に数値が更新される。また、第3図柄表示装置81の上部左側の領域(「上乗せチャンス残り14回」と表示された領域)には、大当たり中に実行される変動パターン演出の残りの実行回数が表示される。この領域に表示される実行回数は、大当たり開始時には「15回」が表示され、変動パターン演出が新たに実行される毎に1ずつ減算表示されるように構成されている。
上述の通り、大当たり中に実行される変動パターン演出では、第3図柄表示装置81の下側約2/3の領域において、図柄が変動表示される。図柄は、左図柄列、中央図柄列、右図柄列の3列で構成されている。そして、変動を停止する際には、左右の図柄列が先に停止表示され(図20(a)参照)、その後に中央の図柄列が停止表示される。上述の通り、変動パターン演出の態様は、擬似変動選択テーブル222bより複数回の変動分を一括して選択し、設定される。
図20(b)に例示するように、図柄が停止した場合に同一図柄が揃わなかった場合は、その変動パターン演出の結果が外れであったことを意味し、普通図柄の時短回数は上乗せされない。即ち、第3図柄表示装置の上部中央の領域に表示された普通図柄の時短回数の累計値は変化しない。
一方、変動パターン演出において、停止した全ての図柄が同一図柄であった場合は(図20(b)参照)、図20(c)に示すように、「+10回」という表示がなされると共に、普通図柄の時短回数が10回分だけ上乗せされる。即ち、第3図柄表示装置の上部中央の領域に表示された普通図柄の時短回数の累計値に10が加算される。なお、上述の通り、基本的に1回の変動パターン演出によって上乗せされる回数は10回である。一方、15回目の変動パターン演出で同一図柄が揃った場合には、大当たり種別に対応する普通図柄の時短回数と、1回目〜14回目の変動パターン演出で報知された上乗せ回数との差分が上乗せ回数として報知される。例えば、大当たりF(時短100回大当たり)に当選した場合であって、1回目〜14回目の変動パターン演出で報知された上乗せ回数の累計が50回であった場合、15回目の変動パターン演出では50回が報知され、普通図柄の時短回数の累計値が100回とされる。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、変動パターン演出が15回繰り返される。そして、15回の変動パターン演出が終了すると、図22(a)、または、図23(a)に示すような報知演出が実行される。報知演出では、普通図柄の時短回数の累計値を遊技者が容易に認識できるように、第3図柄表示装置81の下側2/3の領域に強調表示するように構成されている。また、報知演出を実行したタイミングが、最終ラウンド(8ラウンド)以外のラウンド(例えば、7ラウンド等)であった場合は、報知演出の終了後、次ラウンドの開始前に、男の子が扉を発見する演出が実行される(図22(b)参照)。詳細については後述するが、この扉を用いて、次のラウンドで押しボタン演出が実行される。扉を発見する演出を表示することによって、遊技者に対して、普通図柄の時短回数の上乗せのチャンスが残っていることを示唆することができる。
一方、報知演出によって遊技者に対して普通図柄の時短回数の合計回数を報知したタイミングが最終ラウンド(8ラウンド)であった場合は(図23(a))、その後、第3図柄表示装置81に、「上乗せチャンスEND」と表示することで、遊技者に対して上乗せの機会が終了したことを報知する。
次いで、押しボタン演出の詳細について説明する。上述の通り、押しボタン演出は、最終ラウンド以前に報知演出による普通図柄の時短回数の報知を行った場合に、次のラウンドで実行される演出である。この押しボタン演出は、第3図柄表示装置81に表示された扉が開いた場合に、普通図柄の時短回数が上乗せされるという演出である。
押しボタン演出では、まず、報知演出の終了時に男の子が発見した扉が、次のラウンド開始時まで表示される(図24(a)参照)。そして、次のラウンドが開始すると、第3図柄表示装置81の上部右側の領域に、「ボタン連打で扉を開け!」との文字が表示される(図24(b)参照)。また、扉の画像の右側に設けられた領域には、ボタンと、そのボタンを押す手と、「連打!!」の文字とが表示される。この表示により、遊技者に対して枠ボタン22を連続的に押下するように促すことができる。
この演出において、普通図柄の時短回数が上乗せされる場合は、扉が開き、開いた扉から上乗せ回数(例えば、50回)の表示が出現する(図25(a)参照)。また、これにあわせて、第3図柄表示装置81の上部中央の領域に表示された累計回数に、扉から出現した上乗せ回数が加算されて表示される。更に、第3図柄表示装置81の上部右側に設けられた領域には、「大成功」の文字が表示される。これにより、普通図柄の時短回数が増加したことを、遊技者に対して確実に認識させることができる。
一方、押しボタン演出によって上乗せが報知されない場合は、扉が閉ざされたままの状態となり、扉の両脇に泣き顔の男の子が出現し、第3図柄表示装置81の上部右側に設けられた領域には、「残念・・」との文字が表示される(図25(b)参照)。これにより、押しボタン演出によって上乗せが行われなかったことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりのラウンドが1ラウンド以上残っている状態で設定されていた演出が終了する場合には、押しボタン演出を実行するように構成している。これにより、大当たり遊技において遊技者が退屈さを感じてしまうことを抑制することができる。また、枠ボタン22を押すように遊技者に促すことで、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図16に戻って説明を続ける。データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、および、デモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。同様に、大当たり状態中演出用の表示データテーブルである擬似変動データテーブルにも、設定される変動演出パターンに応じた数のテーブルが用意される。
ここで、図26を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図26は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図26の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図28参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図27を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図27は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図27のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図27のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図27の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図28参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図27の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図17(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図53参照)の中でオンに設定される(図53のS2405参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図63(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図55(b)のS2701参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS2708参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS2709参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図56〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図63(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図63(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図64参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図28参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図28参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図28参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図55(b)のS2703参照)の中で、ポインタ更新処理(図60のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図28参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図28を参照して、描画リストの詳細について説明する。図28は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図28に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図55(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図60のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図34のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図46参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図64のS3513参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図64のS3514参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図65のS3602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図55(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図65のS3602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図29から図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図29は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および、始動入賞処理の詳細は、図30〜図35を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図36および図37を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図30は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図29参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアにシフトしたデータに基づいて特別図柄の大当たりか否かの抽選を行う大当たり判定処理を実行する(S208)。なお、大当たり判定処理については、図30を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図32を参照して後述する大当たり時設定処理(S308)、または、図34を参照して後述するはずれ時設定処理(S309)によって予め行われる。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当り種別に応じた大当たりの開始を設定する(S212)。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短状態カウンタの値が1以上であるかを判定し(S213)、時短状態カウンタの値が1以上であれば(S213:Yes)、時短状態カウンタ、確変状態カウンタの値をそれぞれ1減算し(S214)、本処理を終了する。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了後に付与される普通図柄の時短回数が10回〜100回であるのに対し、特別図柄の確変期間は、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。即ち、普通図柄の時短期間中は、必ず特別図柄の確変状態である。よって、時短状態カウンタの値が1以上であれば(S213:Yes)、確変状態カウンタの値も1以上であるので、S214の処理によって両カウンタ値をまとめて1ずつ減算している。
一方、S213の処理において、時短状態カウンタの値が0であると判定した場合は(S213:No)、次に、確変状態カウンタの値が1以上であるか否かを判別する(S215)。S215の処理において、確変状態カウンタが1以上であると判別した場合は(S215:Yes)、確変状態カウンタの値を1減算して本処理を終了する。これに対して、確変状態カウンタが0であると判断した場合は(S215:No)、S216の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図31を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり判定処理(S208)について説明する。図31は、大当たり判定処理(S208)を示したフローチャートである。この大当たり判定処理(S208)は、タイマ割込処理(図29参照)の特別図柄変動処理(図30参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
大当たり判定処理では、まず、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)を選択し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして設定する(S301)。その後、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを読み出し(S302)、確変状態フラグが特別図柄の高確率状態を示す状態であるか否かを判別する(S303)。
S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S303:Yes)、ROM202に格納されている第1当たり乱数テーブル202aから、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)を読み出し、特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブルとして、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に代えて新たに設定し(S304)、S305の処理に移行する。一方、S303の処理の結果、特別図柄の高確率状態でない(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S303:No)、S304の処理をスキップしてS305の処理に移行する。
S305の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出し(S305)、読み出した第1当たり乱数カウンタC1の値と、S
301、または、S304の処理で設定した特別図柄の大当たりか否かを判断するためのテーブル(比較元のテーブル)とを比較する(S306)。
上述したように、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)には、特別図柄の大当たりとなる乱数値として、「7,107,282」の3個が設定されている。S306の処理では、これらのテーブルのうち、比較元のテーブルとして設定されているテーブルに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とを1つ1つ比較する。
この比較を行うことに基づいて、第1当たり乱数カウンタC1の値が、比較元のテーブルに規定されているいずれかの乱数値と一致するか否かを判別し(S307)、一致する乱数値があった場合(即ち、特別図柄の大当たりの場合)は、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための大当たり時設定処理を実行し(S308)、S310の処理へと移行する。一方、S307の処理において一致する乱数値がなかった場合(即ち、特別図柄の外れの場合)は、外れ時の変動パターンの態様等を設定するためのはずれ時設定処理を実行し(S309)、S310の処理へと移行する。なお、大当たり時設定処理(S308)、および、はずれ時設定処理(S309)の詳細については、図32〜図34を参照して後述する。
次いで、S310の処理では、カウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアし(S310)、本処理を終了する。S310の処理で各種カウンタ値をクリアするので、大当たりとなる場合であっても、大当たり状態が開始される前に、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)をクリアしておくことができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができるので、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングを解析し、その解析したタイミングに基づいて大当たりを引き当てる不正行為を抑制することができる。具体的には、解析したタイミングを、所謂ぶらさげ基板に設定して、大当たりとなる乱数値が出現するタイミングで乱数を取得し、大当たりの当否を判定させるように制御を行う不正行為を抑制することができる。なお、本実施形態では、大当たり判定処理(図31参照)の中でカウンタバッファに格納した各種カウンタ値をクリアするように構成しているが、これに限られるものではなく、遊技者に大当たり状態となることを認識される前にクリアしておけばよい。よって、例えば、変動演出中や、図柄の停止前等にカウンタバッファをクリアする処理を実行してもよい。
本実施形態において、特別図柄の高確率状態であるか否かによらずに、S301の処理で低確率時用の第1当たり乱数テーブルを一旦設定するように構成しているのは、早期に比較用のテーブルを設定しておくためである。即ち、いずれの第1当たり乱数テーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1、または、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2)も設定されていない状態とした場合、ノイズ等の影響によって途中の処理であるS303やS304の処理がスキップされてしまう不具合が生じたとしても、大当たり判定処理の最初に設定しておいた低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に基づいて大当たりの当否を判別することができる。
次いで、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり時設定処理(S308)について説明する。この大当たり時設定処理は、上述の通り、大当たり時の変動パターンの態様や大当たり中の制御を設定するための処理である。
本処理では、まず、各種設定値格納エリア203eの大当たりフラグをオンに設定し(S401)、その後、第1当たり種別カウンタC2の値をRAM203のカウンタ用バッファから読み出して、今回当選した大当たりの大当たり種別を特定する(S402)。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1大当たり種別選択テーブル202b(図6(b)参照)に基づいて特定する。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、カウンタ値が「70」〜「129」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は大当たりCと特定される。また、例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「145」であれば、カウンタ値が「140」〜「169」の範囲内にあるので、今回の大当たり種別は大当たりEと特定される。
次に、特定した大当たり種別に対応する設定値を、ROM202の遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)から読み出して、RAM203の各種設定値格納エリア203eの対応する記憶領域に読み出した設定値を設定し(S403)、S404の処理へと移行する。ここで、遊技結果設定テーブル202eから読み出して各種設定値格納エリア203eへ設定する設定値としては、LED37aの点灯パターン(表示図柄数)や、特別図柄の停止図柄を示す情報(停止図柄コード)や、変動パターンの態様を選択するためのテーブルを変動パターン選択テーブル202dの中から特定するための情報(テーブル選択情報)や、特定入賞口(大開放口)65aの制御パターン(大開放口パターン)等が挙げられる。
なお、上述の通り、ROM202から設定値データを読み出して、RAM203に設定する場合には、まず、レジスタ210の各汎用レジスタのいずれかに、転送元アドレスのデータと、設定先アドレスのデータとを一時的に格納する。そして、格納した転送元アドレスのデータに基づいてROM202から読み出した設定値データを、各汎用レジスタのうちアドレスデータが格納されていないいずれかの汎用レジスタに一時的に格納した上で、設定先アドレスのデータにより示されるRAM203のアドレスに設定値を転送(設定)する。S403の処理では、このレジスタ210を介した転送制御を、転送する設定値データの個数分だけ繰り返す。
S402の処理において、乱数値(カウンタ値)から大当たり種別を特定し、S403の処理において、特定した大当たり種別に基づいて各種の設定値を決定する構成としているが、乱数値(カウンタ値)の範囲と、各種の設定値とを直接対応付けて規定しておいてもよい。つまり、乱数値(カウンタ値)の範囲と、対応する各種の設定値とを規定したテーブルをROM202に設けておき、このテーブルを参照して、乱数値から直接設定値を特定する構成としてもよい。
S404の処理では、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出して、テーブル選択情報に基づいて特定されるテーブルと比較することにより、変動パターンの態様を選択する(S404)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S405)。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
変動パターンの設定後は、大当たりの終了時に大当たり終了後の遊技状態を設定するための情報であるオフセット情報を取得して設定するための処理である遊技結果設定取得処理を実行し(S406)、本処理を終了する。
続けて、この遊技結果設定取得処理(S406)について、図33を参照して説明を行う。遊技結果設定取得処理(S406)は、主制御装置110内のMPU201により実行される処理であり、特別図柄の抽選結果に基づくオフセット値を、RAM203に保持させておくための処理である。
遊技結果設定取得処理(S406)では、まず、遊技結果設定テーブル202e(図7(b)参照)から、今回の大当たり種別に基づくオフセット値を読み出す(S501)。例えば、今回の大当たり種別が大当たりCであれば、オフセット値として「02H」が読み出される。そして、読み出したオフセット値をオフセット値格納エリア203eに格納して(S504)、本処理を終了する。
S504の処理で各種設定値格納エリア203eのオフセット値格納エリアに記憶されたオフセット値は、大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の状態を設定するための処理である大当たり終了処理(図42参照)において、状態設定テーブル202f(図8(a)参照)から読み出すデータを決定するために用いられる。このように、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って取得される乱数値(カウンタ値)を、オフセット値に変換してオフセット値格納エリアに格納しておき、そのオフセット値に基づいて大当たり終了後の遊技状態を設定するように構成しているので、特別図柄の大当たりとなる乱数値自体が保持されている期間を短期間に限ることができる。よって、特別図柄の大当たりとなる乱数値を外部から不正に取得され難くすることができる。
次に、図34を参照して、大当たり判定処理(S208)において、今回の抽選結果が特別図柄の外れと判断された場合に実行されるはずれ時設定処理(S309)について説明する。
はずれ時設定処理では、まず、変動パターンの決定に用いるためのテーブルを特定する(S501)。具体的には、各種設定値格納エリア203eの時短状態フラグの状態と、変動選択状態カウンタのカウンタ値とを参照して、変動パターン選択テーブル202d(図7(a)参照)に規定されている複数のテーブル(時短状態1用選択テーブル202d4、時短状態2用選択テーブル202d5、当たり後用選択テーブル202d6)からいずれかを特定する。上述の通り、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0でなければ、大当たり後用選択テーブル202d6が選択される。一方、変動選択状態カウンタのカウンタ値が0であれば、時短状態フラグの状態に対応したテーブルが選択される。
S501の処理の終了後は、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出し(S502)、読み出した変動種別カウンタCS1の値と、S501の処理で選択したテーブルとに基づいて、変動パターンの態様を選択する(S503)。そして、選択した変動パターンの態様に基づく変動パターンコマンドを、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S504)、本処理を終了する。ここで設定された変動パターンコマンドは、MPU201により実行される後述のメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図35は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図29参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S701)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S702)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了してタイマ割込処理に戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S701:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S703:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S704)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S705)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S705の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S706の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S707)。ここで、特別図柄の大当たりか否かは、S606の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に格納されている、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個であり、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に格納されている、「7,107,282」の3個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、各種設定値格納エリア203eに格納されている確変状態フラグを参照することにより判断される。具体的には、確変状態フラグがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変状態フラグがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S707の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変状態フラグの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S706の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、6種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、大当たりF)のうち、いずれの大当たり種別であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して特定する(図6(b)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S706の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、確変状態フラグがオンであれば、S706の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。一方、確変フラグ203eがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターン選択テーブル(図示せず)の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S707の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S708)、タイマ割込処理(図29参照)へ戻る。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図22は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図29参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S801:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S802)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S802:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S803)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S804)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S805)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S806)。S806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判別する(S808)。具体的には、RAM203の各種設定値格納エリア203eに格納されている時短状態カウンタの値が1以上であるか、または、確変状態フラグがオンであれば普通図柄の時短状態であると判断する。
S808の処理において、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S808:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S809)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S809:Yes)、S811の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S809の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S809:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S807の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S810)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
S808の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S808:No)、S811の処理へ移行する。S811の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S807の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S811)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図6(c)参照)。
次に、S810またはS811の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S812)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S812:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S813)。このS813の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S814)、普通図柄の時短状態と判別された場合は(S814:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S815)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S815:Yes)、S817の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S815の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S815:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S816)、S819の処理へ移行する。S814の処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別された場合は(S814:No)、S817の処理へ移行する。S817の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S817)、S819の処理へ移行する。
S812の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S812:No)、外れ時の表示態様を設定する(S818)。このS818の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S819の処理へ移行する。
S819の処理では、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S819)、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S819:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S820)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S819:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S821)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S802の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S802:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S822)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S820の処理またはS821の処理によって予め設定された時間である。
S822の処理において、変動時間が経過していなければ(S822:No)、本処理を終了する。一方、S822の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S822:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S823)。S823の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S813の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S818の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S823の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の第2図柄表示更新処理(S1207参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S813の処理またはS818の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S824)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S824:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S825)、本処理を終了する。S825の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図40参照)の電動役物開閉処理(S1205参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S816の処理、または、S817の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S824の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S824:No)、S825の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図37は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図29参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S901:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S902)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S903)。
球が第2入球口67を通過していないか(S901:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S903:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S901:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S904)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S905)、本処理を終了する。なお、S905の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。図38は、このNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1001)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図39を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図39は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1104)、オンされていれば(S1104:Yes)、処理をS1112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1105)、記憶されていなければ(S1105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1112へと移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1105:Yes)、RAM判定値を算出し(S1106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1112へと移行する。なお、図39のS1214の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1112)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1113,S1114)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1113,S1114)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1113,S1114)を実行する。RAMの初期化処理(S1113,S1114)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1113)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1114)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1109)、S1110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1110の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1111)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図40を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1201〜S1207の各処理が実行され、その残余時間でS1210,S1211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図29参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1201)。具体的には、タイマ割込処理(図29参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図30参照)や始動入賞処理(図35参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図35参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図41参照)で設定されたラウンド数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1203)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1204)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1204)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1205)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS825の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS816の処理またはS817の処理で設定された開放時間、および、開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1206)。第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図32参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図34参照)のS604の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、大当たり時設定処理(図32参照)のS405の処理、または、はずれ時設定処理(図34参照)のS604の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、大当たり時設定処理(図32参照)のS404の処理、または、はずれ時設定処理(図34参照)のS603の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1207)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS820の処理またはS821の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図36参照)のS823の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図36参照)のS813の処理またはS818の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1208)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1208:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1209)、既に所定時間が経過していれば(S1209:Yes)、処理をS1201へ移行し、上述したS1201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1210,S1211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1210)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1202の処理と同一の方法によって実行する(S1211)。
ここで、S1201〜S1207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1208の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1208:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S1212以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1212)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1213)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1214)、RAM203のアクセスを禁止して(S1215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1208の処理は、S1201〜S1207で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、または、残余時間内に行われるS1210とS1211の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、立ち上げ処理(図39参照)の初期設定の処理(S1101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1204)を説明する。図41は、この大当たり制御処理(S1204)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1204)は、メイン割込処理(図40参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1301)。具体的には、特別図柄変動処理(図30参照)のS212の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1301の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1301:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1302)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
一方、S1301の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1301:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1303)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1303の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1303:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1303:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1304)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1304:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1305)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1306)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図40参照)の外部出力処理(S1201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1304の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1304:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1307)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が10個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1307の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1307:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1308)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1307:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判定する(S1309)。
S1309の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定された場合には(S1309:Yes)、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための大当たり終了処理を実行し(S1310)、大当たりの終了後の遊技状態を設定して、本処理を終了する。なお、詳細については後述するが、大当たり終了処理(図42参照)では、他の設定値とあわせて、大当たりフラグが初期化される(「00H」が設定される)。よって、停電等の発生により、遊技機の電源が突然落とされた場合でも、大当たりフラグのみオフとなり、その他の設定値は大当たり中の設定のままとなってしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した後に、大当たりの終了を遊技者に報知するためのエンディング演出が設定される。S1309の処理では、設定したエンディング演出の終了タイミング(エンディング演出を実行するために設定した演出時間を経過した)と判別された場合に、大当たりの終了タイミングであると判別する。
なお、大当たりの終了タイミングは、必ずしもエンディング演出の終了タイミングに限られるものではない。例えば、大当たりの最終ラウンドにおいて、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合に、大当たりの終了タイミングであるとして大当たり終了処理(S1210)へと移行するように構成してもよい。
次に、図42、図43を参照して、主制御装置110のMPU201によって大当たり制御処理(図41参照)の中で実行される、大当たり終了処理(S1310)について説明する。上述の通り、この大当たり終了処理(S1310)は、大当たりの終了後の遊技状態に対応する設定値をセットすると共に、大当たり用の設定値をリセットするための処理である。
この大当たり終了処理(S1310)では、まず、ROM202から状態設定テーブル202fを読み出す(S1401)。ここで言う、「読み出し」とは、状態設定テーブル202fの先頭アドレス(1AD8H)の上位バイト(1AH)と下位バイト(D8H)とを、アドレスデータとしていずれかのペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に格納することを指す。
次いで、今回の大当たりが開始される前に実行された遊技結果設定値取得処理(図33参照)において、各種設定値格納エリア203e(図10参照)のオフセット値格納エリアに予め格納しておいたオフセット値をアキュームレータ210aに格納する。
次いで、アキュームレータ210aに格納したオフセット値に4を掛ける演算処理を行う(S1403)。この4という値は、大当たり終了後の設定値として状態設定テーブル202f(図8(a)参照)に規定されているデータの種類の数である。即ち、特別図柄の抽選状態と、普通図柄の状態と、時短回数と、変動パターン選択モード切替回数の4種類の設定値が状態設定テーブル202f(図8(a)参照)に規定されている。
図8(a)の括弧書きに示した通り、状態設定テーブル202fには、アドレス値が小さい側から、オフセット値00Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、オフセット01Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、・・・、オフセット07Hに対応した特別図柄の抽選状態、普通図柄の状態、時短回数、変動パターン選択モード切替回数、という順番にデータが格納されている。つまり、アドレス値が4つ増える毎に、1だけ大きいオフセット値に対応する設定値が格納されている構成となっている。よって、オフセット値に4を掛けた値が、状態設定テーブル202fの先頭アドレスと、今回のオフセット値に対応するデータの格納アドレスとの差分(オフセット)となる。S1403の処理では、この状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対するアドレスの差分(オフセット)を求めている。
S1403の処理が終了すると、S1401の処理でペアの汎用レジスタ(例えば、汎用レジスタ210b1と汎用レジスタ210b2)に設定したアドレス値に対して、S1402の処理で算出した状態設定テーブル202fの先頭アドレスに対する差分(オフセット)を加算し、加算後のアドレスを、データの転送元(読み出し元)のアドレスとして設定する(S1404)。
次いで、各種設定値格納エリア203eの確変状態フラグが格納されているアドレスを設定先アドレスとして設定し(S1405)、その設定先アドレスに、S1404の処理で設定した転送元のアドレスに格納されたデータを転送する(S1406)。
その後、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別し(S1407)、転送し終わっていない(即ち、未転送のデータ種別が存在する)と判別した場合は(S1407:No)、転送元(読み出し元)アドレスに1加算して、加算後のアドレスに規定されているデータを読み出し(S1408)、更に、設定先アドレスに1加算して、加算後のアドレスに、S1308の処理で読み出したデータを格納する(S1409)。そして、S1407の処理に戻り、再度状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったか否かを判別する(S1407)。つまり、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータが全て各種設定値格納エリア203eに転送されるまで、S1407〜S1409の処理が繰り返し行われるのである。
一方、S1407の処理において、状態設定テーブル202fに規定された4種類のデータを全て各種設定値格納エリア203eに転送し終わったと判別した場合は(S1407:Yes)、各種設定値格納エリア203eへ設定した状態を音声ランプ制御装置113へ通知する状態コマンドを設定し(S1410)、大当たりの設定値をクリアするための処理(S1411,S1412)を実行し、本処理を終了する。
なお、大当たりの設定値をクリアする処理では、ROM202の大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)の先頭アドレスの1つ前のアドレスをデータの転送元(読み出し元)アドレスとして設定し(S1411)、各種設定値格納エリア203eにおける大当たり中の設定値が設定されているアドレスに0を設定して初期化するゼロ設定処理を実行する(S1412)。
続いて、図43を参照して、主制御装置110のMPU201によって実行されるゼロ設定処理(図43参照)について説明する。このゼロ設定処理(図43参照)は、各種設定値格納エリア203eに大当たり中の制御を行うために設定された各種設定値に対して0を上書きすることによって初期化する処理である。
ゼロ設定処理(図43参照)では、まず、転送元(読み出し元)アドレスに1を加算して新たな転送元(読み出し元)アドレスに設定する(S1501)。
次いで、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)のうち、転送元(読み出し元)アドレスに設定されているアドレスに格納されているアドレスデータを読み出して、読み出したアドレスデータにより示されるRAM203のアドレスを、設定先アドレスとして設定する(S1502)。
S1502の処理の後は、S1502の処理において、転送元(読み出し元)アドレスから読み出したデータが「00H」であるか否かを判別し(S1503)、読み出したデータが「00H」であると判別した場合は(S1503:Yes)、本処理を終了する。一方、読み出したデータが「00H」でないと判別した場合は(S1503:No)、設定先アドレスとして設定したRAM203のアドレスに「00H」を上書きし(S1504)、S1501の処理に戻る。
その後、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)から「00H」が読み出されるまで、S1501〜S1504の処理が繰り返される。なお、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)は、末尾のアドレスのみに「00H」が格納されており、末尾以外のアドレスには「00H」が格納されていないので、末尾以外に規定されているアドレスデータに対応する全てのアドレスに「00H」を格納するまではS1501〜S1504の処理が繰り返される。
本実施形態のパチンコ機10では、ゼロ設定処理(図43参照)を終了させる条件として、RAM203の各種設定値格納エリア203eへデータとして「00H」を設定する設定回数を制御プログラムの中に記述し、設定回数分のデータ設定が終了したと判別した場合に処理を終了させる構成とはせずに、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)から「00H」がデータとして読み出されたと判別した場合に処理を終了させるように構成している。
設定回数を制御プログラム中に記述する構成とした場合、他の機種にプログラムを転用する等の事情によって設定値の個数が変わる度に、制御プログラムの設計者が設定値の個数を新たに数え、その数えた個数に合わせて制御プログラムを書き換える必要が生じてしまう。よって、設定値を数える手間がかかる上に、設計者が数え間違いをしてしまった場合には、制御プログラムに誤った繰り返し回数が規定されてしまうので、大当たり終了時の設定を正常に完了させることができず、パチンコ機10に誤作動を起こさせてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)の末尾に「00H」をデータとして規定しておくだけでよいので、制御プログラムの設計時に設計者がミスを犯してしまう可能性を低減できる。よって、大当たり終了時のデータの設定を、制御プログラムに基づいてより確実に実行することができるので、パチンコ機10の誤作動を抑制することができる。
なお、ゼロ設定処理(図43参照)の終了条件を、「00H」がデータとして読み出された場合としたのは、各種設定値格納エリア203e(図10参照)の中で、アドレスの下位バイトが「00H」であるアドレス(即ち、アドレス「F000H」)は、球の発射に関する設定値を格納する領域であり、大当りの終了前後で設定値が変更されないアドレス(大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレス)だからである。大当たりの終了時に初期化を必要としないアドレスなので、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)の、初期化対象のアドレスとして規定しておく必要がなく、大当たり終了時クリアテーブル202g(図8(b)参照)の末尾以外に出現する虞がない。よって、全ての設定値の初期化が完了する前に、データとして「00H」が読み出されてしまい、処理が終了してしまうことを抑制することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図44から図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図44は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1718の電源断処理(図45参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1602)。図45を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図45のS1715参照)、S1718の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1718の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1602:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1718の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1603)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1603:Yes)、S1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1603:No)、S1608へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1603:Yes)、S1604へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1718の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1603:No)、S1608へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1602:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1718の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1604へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1604の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1604)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1605:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1606)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1605:No)、RAM223の異常を報知して(S1607)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1608の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1608)。電源断フラグはS1718の電源断処理の実行時にオンされる(図45のS1717参照)。つまり、電源断フラグは、S1718の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1718の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1608:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1609)、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1608の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1608:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1609をスキップして、処理をS1610へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1610)、割込み許可を設定して(S1611)、メイン処理へ移行する。
なお、S1609のクリア処理をスキップするのは、S1604からS1606の処理を経由してS1608の処理へ至った場合には、S1604の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図45は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1701の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1701)、1m秒以上経過していなければ(S1701:No)、S1702〜S1710の処理を行わずにS1711の処理へ移行する。S1701の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1702〜S1710が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1711のコマンド判定処理や、S1712の変動表示設定処理や、S1713の擬似変動設定処理や、S1714の押しボタン演出設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1711の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1712の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1701の処理で1m秒以上経過していれば(S1701:Yes)、まず、S1703〜S1714の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1702)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1708の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1703)、その後電源投入報知処理を実行する(S1704)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1705の処理へ移行する。
S1705の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1706)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1707)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1708)、その後音編集・出力処理を実行する(S1709)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1709の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1710)、S1711の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1708のランプ編集処理が実行される。なお、S1709の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1711の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1711)。このコマンド判定処理の詳細については、図47を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1712)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。そして、変動表示設定処理の後、大当たり中に実行される変動パターン演出等の興趣演出の態様を設定する擬似変動設定処理が実行され(S1713)、S1713の処理が終わると、大当たり中に実行される押しボタン演出を設定する押しボタン演出設定処理が実行される(S1714)。
S1714の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1715)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1715の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1715:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1717)、電源断処理を実行する(S1718)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1719)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1715の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1715:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1716)、RAM223が破壊されていなければ(S1716:No)、S1701の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1716:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S1707)について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1707)は、上述の押しボタン演出において、遊技者の枠ボタン22の入力状況に応じて演出を設定する処理である。図46は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S1707)を示したフローチャートである。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1707)では、まず、SW有効時間が0であるか否かを判別する(S4301)。このSW有効期間は、押しボタン演出の開始時に、枠ボタン22の操作を受け付け可能な期間として設定された期間であり、S4301の処理は、枠ボタン22が操作を受け付ける期間が終了したか否かを判別する処理である。そして、S4301の処理において、SW有効時間が0である(即ち、枠ボタン22が操作を受け付ける期間外である)と判別した場合は(S4301:Yes)、本処理を終了する。一方、SW有効期間が0でない(即ち、枠ボタン22が操作を受け付ける期間内である)と判別した場合は(S4301:No)、SW有効期間を減算する(S4302)。
次いで、枠ボタン22が押下されたか否かを判別し(S4303)、押下されていないと判別された場合は(S4303:No)、本処理を終了する。一方、枠ボタン22が押下されたと判別された場合は、SW押下回数カウンタ(図視せず)を1加算し(S4304)、処理をS4305に移行する。このSW押下回数カウンタは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられており、押しボタン演出の開始時に、このSW押下回数カウンタの上限値として所定の回数(例えば、10回)がセットされる。
S4305の処理では、SW押下回数カウンタの値が上限値であるか否かを判別し(S4305)、上限値でない(即ち、SW押下回数カウンタの値が上限値未満である)と判別した場合は(S4305:No)、本処理を終了する。一方、SW押下回数カウンタの値が上限値であると判別した場合は(S4305:Yes)、押しボタン演出の結果を報知するための結果報知演出を設定する(S4306)。ここで、結果報知演出とは、扉が開いて普通図柄の時短回数が上乗せされる演出(図25(a)参照)、または、扉が閉ざされたままのとなり、普通図柄の時短回数が変化しない演出(図25(b)参照)のことを示す。
結果報知演出の設定後は、SW有効時間を0に設定することにより、枠ボタン22が操作を受け付けない状態に設定したうえで、SW押下回数カウンタの値を0に設定して(S4307)、本処理を終了する。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1711)について説明する。図47は、このコマンド判定処理(S1711)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1711)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1801)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1801:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1802)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1803)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1801:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1804)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1804:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1805)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1806)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図48参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1804:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1807)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1807:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1808)。また、S1808の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1808の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1808の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1808の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1807の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1807:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1809)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1809:Yes)、受信した入賞情報コマンドから、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として抽出する(S1810)。S1810の処理が終了したら、次に、S1810の処理で抽出した入賞情報(当否、停止種別、変動パターン)を、入賞情報格納エリア223aの空きエリア(第1エリア〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1811)、メイン処理に戻る。
S1809の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1809:No)、次いで、主制御装置110より大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1812)。そして、オープニングコマンドを受信した場合には(S1812:Yes)、疑似変動フラグ223e、および、当たり開始フラグ223fをそれぞれオンに設定し(S1813)、本処理を終了する。なお、疑似変動フラグ223eがオンであれば、普通図柄の時短回数を段階的に報知するための変動パターン演出の実行期間中であることを示す。また、当たり開始フラグ223fがオンであれば、後述する疑似変動設定処理(図49参照)において、大当たり開始時の初期設定が実行される。
S1812の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定された場合は(S1812:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1814)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1814:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであることを示すために、ラウンド開始フラグ223iをオンとし(S1815)、更に、ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1816)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S1702)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1814の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1814:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1819)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1712)について説明する。図48は、この変動表示設定処理(S1712)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1712)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1803の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1905)。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1906の処理へ移行する。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1806の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1909)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S1910)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次いで、図49〜図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動設定処理(S1713)について説明する。図49は、この疑似変動設定処理(S1713)を示したフローチャートである。この疑似変動設定処理(S1713)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、大当たり中に実行する変動パターン演出等の興趣演出の実行を制御する処理である。
この疑似変動設定処理では、まず、疑似変動フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S2001)、疑似変動フラグ223eがオフであれば(S2001:No)、本処理を終了する。一方、疑似変動フラグ223eがオンであれば(S2001:Yes)、変動パターン演出等の大当たり中の興趣演出を実行する期間であることを示すので、続いて、当たり開始フラグ223fがオンであるか否かを判別する(S2002)。
当たり開始フラグ223fがオンであると判別した場合は(S2002:Yes)、当たり開始フラグ223fをオフし、遊技説明フラグ223gをオンとすることで、遊技説明の表示期間であることを示す(S2003)。そして、遊技説明の表示を設定し(S2004)、大当たり中の演出に関する各カウンタを初期化して(S2005)、本処理を終了する。ここで、大当たり中の演出に関する各カウンタとは、大当たり中のいずれの演出を実行中であるかを示すブロックカウンタ223hと、大当たり中の変動パターン演出において、4500msの変動パターン演出が何回選択されたかを示すミドルカウンタ223kと、7500msの変動パターン演出が何回選択されたかを示すロングカウンタ223lとを意味する。
S2002の処理において、当たり開始フラグ223fがオンでない(即ち、オフである)と判別された場合は(S2002:No)、遊技説明フラグ223gがオンであるか否かを判別する(S2006)。そして、遊技説明フラグ223gがオンであると判別した場合は、遊技説明の表示中であることを意味するので、遊技説明の設定期間である3秒を経過したか(即ち、遊技説明の表示を終了するタイミングであるか否か)を判別し(S2007)、設定期間を経過していない(即ち、遊技説明の表示開始から3秒未満である)と判別した場合は(S2007:No)、本処理を終了する。一方、設定期間を経過したと判別した場合は(S2007:Yes)、遊技説明の表示を終了するタイミングであることを意味するので、遊技説明の表示を終了して遊技説明フラグをオフし、ブロック1(即ち、1回目〜4回目)の変動パターン演出の態様を設定し(S2008)、ブロックカウンタ223hに1を加算して(S2009)、本処理を終了する。上述した通り、ブロック1の変動パターン演出は、疑似変動選択テーブル222b(図12(a)参照)に規定されている、ブロック1用テーブル222b1から選択して設定する。ブロック1用テーブル222b1には、1回目〜4回目の変動パターン演出についての複数の態様の組み合わせが規定されているが、いずれの組み合わせが選択されたとしても、4回の変動パターン演出の変動期間が全て2000msとなるように規定されている。
S2006の処理において、遊技説明フラグ223gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2006:No)、前回設定した演出期間を経過したか否かを判別する(S2010)。ここで、演出期間とは、ブロック単位の変動パターン演出や、15回の変動パターン演出が終了した後に実行される報知演出の演出期間を指す。例えば、前回設定したのがブロック1であり、2000msの変動期間の変動パターン演出を4回分一括して設定していた場合は、ブロック1を設定してから8秒(2000ms×4)が経過したか否か判別する。
S2010の処理において、設定した演出期間を経過していないと判別した場合は(S2010:No)、そのまま本処理を終了する。一方、設定した演出期間を経過したと判別した場合は(S2010:Yes)、ブロックカウンタ223hの値が6であるか否かを判別する(S2011)。ブロックカウンタ223hの値が6であれば(S2011:Yes)、次に設定する演出が報知演出であることを意味するので、報知演出の態様を疑似変動選択テーブル222b(図12(a)参照)に規定された、報知演出選択テーブル222b10から選択して設定し(S2012)、ブロックカウンタ223hに1を加算して(S2013)、本処理を終了する。
S2011の処理において、ブロックカウンタ223hの値が6以外の値であると判別した場合は(S2011:No)、続いて、ブロックカウンタ223hの値が7であるか否かを判別する(S2014)。ブロックカウンタ223hの値が7であれば、設定された報知演出の演出期間を経過したことを示すので、現在が大当たり遊技の8ラウンド目であるか否かを判別する(S2015)。そして、現在が8ラウンド目でない(即ち、1〜7ラウンドのいずれかである)と判別した場合は(S2015:No)、次のラウンドで押しボタン演出を実行するために、押しボタンフラグ223jをオンとし(S2017)、疑似変動フラグ223eをオフとして(S2016)、本処理を終了する。一方、現在が8ラウンド目であると判別した場合は(S2015:Yes)、S2017の処理をスキップし、疑似変動フラグ223eをオフとして(S2016)、本処理を終了する。
S2014の処理において、ブロックカウンタの値が7でないと判別された場合は(S2014:No)、ブロック2〜ブロック5(最終変動)のうち、いずれかのブロックの変動パターン演出を設定するタイミングであることを意味するので、実行する変動パターン演出を一括して設定するためのブロック設定処理を実行して(S2018)、本処理を終了する。
続けて、このブロック設定処理(S2018)について、図49を参照して説明する。ブロック設定処理(S2018)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45)の疑似変動処理(図49)の中で実行され、上述したように、大当たり中に実行する変動パターン演出を一括して(ブロック単位で)設定するための処理である。
このブロック設定処理(S2018)では、まず、ブロックカウンタ223hの値が2であるか否かを判別する(S2101)。判別の結果、ブロックカウンタ223hの値が2であれば、次に設定するのはブロック2(5回目〜8回目の変動パターン演出の態様)であることを意味するので、ブロック2の態様を設定する(S2102)。上述した通り、ブロック2の変動パターン演出は、疑似変動選択テーブル222b(図12(a)参照)に規定されている、ブロック2用テーブル222b2から選択して設定する。なお、ブロック2用テーブル222b2には、2000msの変動期間の変動パターン演出が4つ設定されるものと、2000msの変動期間の変動パターン演出が3回、4500msの変動期間の変動パターン演出が1回設定されるものとが規定されている。
次いで、ブロック2の変動パターン演出において、4500msの変動期間の変動パターン演出が選択されたか否かを判別し(S2103)、4500msの変動パターン演出が選択されたと判別した場合は(S2103:Yes)、ミドルカウンタ223kに1を加算して(S2104)、処理をS2105へと移行する。一方、S2103の処理において、4500msの変動パターン演出が選択されていないと判別した場合は(S2103:No)、S2104の処理をスキップして、処理をS2105へと移行する。そして、S2105の処理によって、ブロックカウンタ223hの値に1を加算して(S2105)、本処理を終了する。
S2101の処理において、ブロックカウンタ223hの値が2ではない(即ち、3〜5のいずれかである)と判別した場合は(S2101:No)、ブロックカウンタ223hの値が3であるか否かを判別し(S2106)、その値が3であると判別した場合は(S2106:Yes)、ブロック3(9回目〜12回目)の変動パターン演出の設定タイミングであることを意味するので、まず、ミドルカウンタ223kの値が1であるか否かを判別する(S2107)。
S2106の処理において、ミドルカウンタ223kの値が1でない(即ち、0である)と判別した場合は(S2107:No)、ブロック2において4500msの変動期間の変動パターン演出が1回も選択されていないことを示すので、ブロック3の変動パターン演出の態様を選択するテーブルとして、ブロック3用テーブルA222b3を選択し、このブロック3用テーブルA222b3に規定された態様の中から1の態様を選択し、一括して設定する(S2108)。一方、S2106の処理において、ミドルカウンタ223kの値が1であると判別した場合は(S2107:Yes)、ブロック2において4500msの変動期間の変動パターン演出が1回選択されていることを示すので、ブロック3の変動パターン演出の態様を選択するテーブルとして、ブロック3用テーブルB223b4を選択し、このブロック3用テーブルB222b4に規定された態様の中から1の態様を選択し、一括して設定する(S2109)。ブロック3用テーブルB222b4からブロック3の態様を選択することで、ブロック3の中で4500msの変動期間の変動パターン演出が設定される回数を最大で1回に限ることができる。
S2108の処理、または、S2109の処理によりブロック3の態様を設定した後は、設定内容に応じてミドルカウンタ223k、および、ロングカウンタ223lの値を更新する(S2110)。例えば、ブロック3の態様として、2000msの変動期間の変動パターン演出を3回、4500msの変動パターン演出を1回設定した場合は、ミドルカウンタ223kの値に1を加算し、ロングカウンタ223lの値は0のままとする。S2110の処理の後は、ブロックカウンタ223hに1を加算して(S2111)、本処理を終了する。
S2106の処理において、ブロックカウンタ223hの値が3ではない(即ち、4、または、5である)と判別した場合は(S2106:No)、続いて、ブロックカウンタ223hの値が4であるか否かを判別する(S2112)。判別の結果、ブロックカウンタ223hの値が4でない(即ち、5である)と判別した場合は、15回目(ブロック5)の変動パターン演出の態様を設定するための処理である、最終変動処理を実行して(S2121)、本処理を終了する。この最終変動処理(S2121)の詳細については、図51を参照して後述する。
S2112の処理において、ブロックカウンタ223hの値が4であると判別した場合は(S2112:Yes)、ブロック4(13回目、および、14回目)の変動パターン演出の態様を設定するタイミングであることを意味するので、続いて、ミドルカウンタ223kの値が2であるか否かを判別する(S2113)。
S2113の処理の結果、ミドルカウンタ223kが2であると判別した場合は(S2113)、次いで、ロングカウンタ223lの値が1であるか否かを判別する(S2114)。そして、ロングカウンタ223lの値が1であると判別した場合は(S2114:Yes)、ブロック4の変動パターン演出の態様を選択するテーブルとして、ブロック4用テーブルD222b8を選択し、このブロック4用テーブルD222b8に規定された態様の中から1の態様を選択し、一括して設定し(S2115)、処理をS2120へと移行する。なお、ブロック4用テーブルD222b8からブロック4の変動パターン演出の態様を選択する場合は、14回目、および、15回目の変動パターン演出の変動期間として、共に3500msが設定される。ブロック1〜ブロック3において、4500msの変動パターン演出が2回と、7500msの変動パターン演出が1回とが既に実行済みであるため、ブロック4においては、これらの比較的長い変動期間の変動パターン演出が設定されないように制御される。
一方、S2114の処理において、ロングカウンタlの値が0であると判別した場合は(S2114:No)、ブロック4の変動パターン演出の態様を選択するテーブルとして、ブロック4用テーブルC222b7を選択し、このブロック4用テーブルC222b7に規定された態様の中から1の態様を選択して一括して設定し(S2116)し、処理をS2120へと移行する。なお、ブロック4用テーブルC222b7から態様を選択する場合は、3500msの変動パターン演出が2回設定されるか、または、3500msの変動パターン演出と、7500msの変動パターン演出とが1回ずつ設定される。S2116の処理に移行する場合は、ブロック1〜ブロック3において、4500msの変動パターン演出が2回実行済みだが、7500msの変動パターン演出は1回も実行されていないため、7500msの変動パターン演出は選択可能に構成されている。
また、S2113の処理において、ミドルカウンタ223kの値が2ではない(即ち、0、または1である)と判別した場合は(S2113:No)、続いて、ミドルカウンタ223kの値が1であるか否かを判別し(S2117)、判別の結果が1であれば(S2117:Yes)、ブロック4用テーブルB222b6に規定された態様の中から1の態様を選択して一括して設定し(S2118)し、処理をS2120へと移行する。なお、ブロック4用テーブルB222b6から態様を選択する場合は、4500msの変動パターン演出と、7500msの変動パターン演出とが、それぞれ最大で1回ずつ選択可能に構成されている。
S2117の処理において、ミドルカウンタ223kの値が1でない(即ち、0である)と判別された場合は、ブロック4用テーブルA222b5に規定された態様の中から1の態様を選択して一括して設定し(S2119)し、処理をS2120へと移行する。なお、ブロック4用テーブルA222b6から態様を選択する場合は、4500msの変動パターン演出と、7500msの変動パターン演出とが、それぞれ最大で1回ずつ選択可能に構成されている。
S2115,S2116,S2118,S2119のいずれかの処理の後で実行されるS2120の処理では、ブロックカウンタ223hの値に1を加算して、本処理を終了する。
このように、ブロック3やブロック4の態様を選択する場合は、ミドルカウンタ223kの値や、ロングカウンタ223lの値に応じて、態様を選択するためのテーブルを使い分けることにより、比較的長い変動期間である4500msや7500msの変動パターン演出が選択される回数に制限を設けている。よって、長い変動パターン演出が多く選択され、15回の変動パターン演出が終了する前に大当たりが終了してしまうことを抑制することができる。また、15回の変動パターン演出を5つのブロックに分け、ブロック毎に態様を設定するように構成しているので、変動パターン演出の態様を選択するための処理も5回に分けて実行される。よって、一括して全ての変動パターン演出の態様を設定する場合に比べて、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
次いで、図51を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される最終変動処理(S2121)について説明する。この最終変動処理(S2121)は、上述した通り、15回目(ブロック5)の変動パターン演出の態様を設定するための処理である。
この最終変動処理(S2121)では、まず、現在が大当たりの8ラウンド目(最終ラウンド)であるか否かを判別し(S2201)、8ラウンド目(最終ラウンド)であれば、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出として、最終変動用選択テーブル222b9に複数規定されている2000msの変動期間の変動パターン演出から1つを選択して設定し(S2202)、処理をS2209へと移行する。なお、ここでの「8ラウンド目」とは、7ラウンドの終了から8ラウンドの開始までを指す。即ち、7ラウンドの終了から8ラウンドの開始までに設けられている1秒間のインターバル期間も含まれる。他のラウンドについても同様に、前のラウンドの終了後から当該ラウンドの終了までの期間を指す。
S2201の処理によって、8ラウンド目でない(即ち、1〜7ラウンド目である)と判別された場合は(S2201:No)、7ラウンド目であるか否かを判別し(S2204)、7ラウンド目であると判別した場合は(S2203:Yes)、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出として、最終変動用選択テーブル222b9に複数規定されている2500msの変動期間の変動パターン演出から1つを選択して設定し(S2204)、処理をS2209へと移行する。このように、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出の変動期間を、変動設定時の大当たりのラウンド数に応じて可変可能に構成している。即ち、大当たり状態の進行状況に応じて異なった変動期間の変動パターン演出を選択可能に構成しているので、大当たりの期間が残り少ない場合は短い変動期間の変動パターン演出を選択することによって、大当たりの8ラウンド終了までに確実に、規定回数である15回の変動パターン演出を終了させることができる。よって、遊技者に、大当たり毎に同じ回数の上乗せのチャンスを与えられていると感じさせることができるので、遊技者に対して公平感を与えることができる。
S2203の処理によって、7ラウンド目でない(即ち、1〜6ラウンド目である)と判別された場合は(S2203:No)、6ラウンド目であるか否かを判別し(S2205)、6ラウンド目であると判別した場合は(S2205:Yes)、15回目(5ブロック目)の変動パターン演出として、最終変動用選択テーブル222b9に複数規定されている7500msの変動期間の変動パターン演出から1つを選択して設定し(S2206)、処理をS2209へと移行する。比較的長い変動期間である7500msの変動パターン演出を選択することにより、15回の変動パターン演出が早期に終了してしまい、遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。
S2205の処理において、6ラウンド目でない(即ち、1〜5ラウンド目である)と判別した場合は(S2205:No)、最終変動用選択テーブル222b9に複数規定されている7500msの変動期間の変動パターン演出から、最終的に外れとなる態様を1つ選択して設定し(S2206)、押しボタンフラグ223jをオンとして(S2208)、処理をS2209へと移行する。
1〜5ラウンド目に15回目(5ブロック目)の変動パターン演出が実行された場合、たとえ長い変動期間の変動パターン演出を選択したとしても、1ラウンド以上大当たりの期間が余ってしまう。そこで、本実施形態のパチンコ機10では、1〜5ラウンド目に15回目の変動パターン演出の設定タイミングとなった場合は、押しボタン演出を実行するために、押しボタンフラグ223jをオンとするように構成している。15回の変動パターン演出が早期に終了してしまったとしても、押しボタン演出が実行されることにより、大当たり遊技中に遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。また、1〜5ラウンド目に15回目(5ブロック目)の変動パターン演出を設定する場合は、第3図柄表示装置81に表示されている普通図柄の時短回数が、大当たり種別に対応する時短回数に達しているか否かに関わらず、外れの変動パターン演出を設定する。これにより、時短回数が大当たり種別に対応した時短回数に達していなければ、押しボタン演出で残りの時短回数を報知することができるので、押しボタン演出が実行されることにより、遊技者に対して期待感を抱かせることができる。
S2202,S2204,S2206,S2208のいずれかの処理が終了した後に実行される、S2209の処理では、ブロックカウンタ223hの値に1を加算して(S2209)、本処理を終了する。
次に、図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される押しボタン演出処理(S1714)について説明する。図52は、この押しボタン演出処理(S1714)を示したフローチャートである。この押しボタン演出処理(S1714)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、大当たり中に第3図柄表示装置81において押しボタン演出を実行させるための処理である。
押しボタン演出設定処理(S1714)では、まず、ラウンド開始フラグ223iがオンであるか否かを判別し(S2301)、オンでないと判別した場合は(S2301:No)、本処理を終了する。一方、S2301の処理において、ラウンド開始フラグ223iがオンであると判別した場合は(S2301:Yes)、ラウンド開始フラグ223iをオフにして(S2302)、押しボタンフラグ223jがオンであるか否かを判別する(S2303)。
S2303の処理において、押しボタンフラグ223jがオフであると判別された場合は(S2303:No)、本処理を終了する。一方、押しボタンフラグ223jがオンであると判別された場合は(S2303:Yes)、押しボタンフラグ223jをオフとし(S2304)、押しボタン演出の開始を設定して(S2305)、本処理を終了する。
この押しボタン演出設定処理(S1714)によって、押しボタン演出の開始が設定されることにより、変動パターン演出が終了しても、遊技者に対して退屈感を感じさせることを抑制することができる。また、押しボタン演出を実行することにより、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させ、遊技に参加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図53から図65を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図53を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2401)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図54を参照して、ブート処理(S2401)について説明する。図54は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2401)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2501)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2502)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2502の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2502の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2503)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2504)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図53のS2401参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図53のS2402参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2505)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2401)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図54に示すブート処理では、S2501の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2501の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2502の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2503〜S2505の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2501の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2501、および、S2502の処理を含めて複数回繰り返した後、S2503〜S2505の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2501、および、S2502の処理を行わずに、S2503〜S2505の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図53の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2402)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2403)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2403の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2404)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2404の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2405)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図63(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図63(a)のS3302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図55(b)参照)において、図17に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS2708参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS2709参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図17(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2405の処理の後、割込許可を設定し(S2406)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2406の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図55(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図55(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S3701)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図55(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図55(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図28参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図55(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2701)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2701:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図17に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2702)を実行し、次いで、表示設定処理(S2703)を実行する。
コマンド判定処理(S2702)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド割込処理の詳細については、図56〜図59を参照して後述する。
表示設定処理(S2703)では、コマンド判定処理(S2702)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図60〜図62を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2704)。このタスク処理では、表示設定処理(S2703)もしくは簡易表示設定処理(S2709)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2705)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図63および図64を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2706)。この描画処理では、タスク処理(S2704)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2705)により設定された転送指示とから、図16に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図65を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2707)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、大当たりF、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2701の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2701:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図17に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2708)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2709)を実行して、S2704の処理へ移行する。
次いで、図56〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2702)の詳細について説明する。まず、図56は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図56に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S3801)、未処理の新規コマンドがなければ(S3801:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(3801:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S3803)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S3802)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S3803)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S3804)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S3804:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S3805)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図57(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S3805)の詳細について説明する。図57(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3901)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S3901で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S3902)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3903)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3904)、ポインタ233fを0に初期化する(S3905)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3906)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S3905の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S3901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S3902の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S3904の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図56の説明に戻る。S3804の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S3804:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S3806)、表示用変動種別コマンドがあれば(S3806:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S3807)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図57(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S3807)の詳細について説明する。図57(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、大当たりE、大当たりF、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4001)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図55(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4002)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4002の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4003)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4002の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2704)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4003によって設定された停止図柄判別フラグからS4002の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
図56に戻り、説明を続ける。S3806の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S3806:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S3808)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S3808:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S3809)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図58(a)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S3809)の詳細について説明する。図58(a)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4101)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4102)。
そして、S4101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4103)、ポインタ233fを0に初期化する(S4104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4105)、ラウンド数コマンド処理(S3809)を終了し、コマンド判定処理(図56参照)に戻る。
ここで、図56の説明に戻る。S3808の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S3808:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用疑似変動コマンドがあるか否かを判別し(S3810)、表示用疑似変動コマンドがあれば(S3810:Yes)、疑似変動コマンド処理を実行して(S3811)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図58(b)を参照して、疑似変動コマンド処理(S3811)の詳細について説明する。図58(b)は、疑似変動コマンド処理を示すフローチャートである。この疑似変動コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用疑似変動コマンドに対応する処理を実行するものである。
疑似変動コマンド処理では、まず、表示用疑似変動コマンドによって示される大当たり中の演出の表示態様に対応した疑似変動表示データテーブルを決定し、その決定した疑似変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4201)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4202)。
そして、S4201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された疑似変動表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4203)、ポインタ233fを0に初期化する(S4204)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4205)、疑似変動コマンド処理(S3811)を終了し、コマンド判定処理(図56参照)に戻る。
ここで、図56の説明に戻る。S3810の処理において、表示用疑似変動コマンドがないと判別されると(S3810:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S3812)、背面画像変更コマンドがあれば(S3812:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S3813)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図59(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S3813)の詳細について説明する。図59(a)は、背面画像変更コマンド処理(S3813)を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理(S3813)では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図56の説明に戻る。S3812の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S3812:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S3814)、エラーコマンドがあれば(S3814:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S3815)、S3801の処理へ戻る。
ここで、図59(b)を参照して、エラーコマンド処理(S3815)の詳細について説明する。図59(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図56の説明に戻る。S2216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S3814:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S3819)、S3801の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS3801の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S3801:Yes)、再びS3802〜S3819の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S3801〜S3819の処理が繰り返し実行され、S3801の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図55(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2708)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図17に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図57(a)参照)および停止種別コマンド処理(図57(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図57(a)参照)では、S3901の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S3902の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図60〜図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2703)の詳細について説明する。図60は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図60に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図61を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図61は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図60の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図62を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図62は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図60に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2704)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、ファンファーレコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図55(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2709)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図17(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図63及び図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2705)の詳細について説明する。まず、図63(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別すれば(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図63(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであると判別すれば(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図64を参照して後述する。
次いで、図63(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2705)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図63(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図55(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS2708参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図56〜図59参照)および表示設定処理(図60〜図62参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図64参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図63(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2705)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図64は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2703)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503、および、S3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3512)、S3513の処理へ移行する。
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3511の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3513)。このS3513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3513:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2706)の詳細について説明する。図65は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2704)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2705)により設定された転送指示から、図28に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2704)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2705)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図55(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、大当たり後に付与される普通図柄の時短回数を、大当たり状態中に第3図柄表示装置81によって実行する変動パターン演出や、押しボタン演出によって段階的に報知するように構成されている。また、変動パターン演出は、大当たり中に15回行われ、各変動演出において同一の図柄が揃った場合に、普通図柄の時短回数の表示値が加算されていく。この変動パターン演出の態様は、複数の変動パターン演出単位(ブロック単位)で一括して設定される。そして、各ブロックの変動パターン演出の態様を設定する場合は、前のブロックの設定内容に応じて今回設定するブロックの態様を選択する。具体的には、変動期間の比較的長い変動パターン演出である、4500msの変動パターン演出や、7500msの変動パターン演出の設定回数に上限値を設け、前のブロックでのこれらの変動パターン演出の選択回数に応じて、今回設定するブロックにおける、これら比較的長い変動期間の変動パターン演出の選択回数を制御している。
ここで、大当たり状態の継続期間は、遊技者が球を打ち出すタイミングや、釘の調整具合によって変化するので、一定ではない。よって、変動期間に制限を設けずに、各ブロックの変動パターン演出の態様を自由に設定する構成としてしまうと、規定回数である15回の変動パターン演出が完了しないうちに、大当たり状態が終了してしまう虞がある。変動パターン演出が、規定回数よりも少ない回数で終了してしまった場合、遊技者に不満や違和感を抱かせてしまう虞がある。
これに対して本実施形態のパチンコ機10では、上述の通り、比較的長い変動期間の変動パターン演出に対しては、選択回数に制限を設けているため、大当たりが最短期間で終了したとしても、規定回数の変動パターン演出を確実に終了させることができる。よって、変動回数が規定回数よりも少ない回数で終了することにより、遊技者に対して不満を抱かせてしまったり、違和感を抱かせてしまったりすることを抑制できる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、15回目の変動パターン演出(即ち、大当たり中に実行される最後の変動パターン演出)を設定する場合に、大当たりの進行状況を判断して、変動パターン演出の変動期間を設定できるように構成している。これにより、例えば、大当たり状態が2ラウンド以上残っている状態等の、比較的早い段階で15回目の変動パターン演出の態様を設定する場合は、変動期間の長い変動パターン演出を設定することができるので、全ての変動パターン演出が早期に終了してしまい、その後の大当たり遊技が単に出球を得るための作業となってしまうことを抑制することができる。よって、大当たり状態において、遊技者をより長く楽しませることができる。
一方、例えば、7ラウンド終了後のインターバル期間中等の、比較的遅い段階で15回目の変動パターン演出を設定する場合は、変動期間の短い変動パターン演出を設定することができる。これにより、大当たり遊技中に確実に規定回数(15回)の変動パターン演出を終了させることができる。よって、変動回数が規定回数よりも少ない回数で終了することにより、遊技者に対して不満を抱かせてしまったり、違和感を抱かせてしまったりすることを抑制できる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、15回の変動パターン演出を5つのブロックに分け、ブロック毎に態様を設定するように構成しているので、変動パターン演出の態様を選択するための処理も5回に分けて実行することができる。よって、一括して全ての変動パターン演出の態様を設定する場合に比べて、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの進行状況を判断し、押しボタン演出を追加で発生させるか否かを判断している。これにより、15回の変動パターン演出が早期に終了してしまっても、押しボタン演出により遊技者の興味を引くことができるので、遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、1の大当たり状態において、前のブロックの態様や、大当たり遊技の進行状況に基づいて各ブロックの変動パターン演出の変動期間を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの開始から終了までの期間を計測し、前の大当たりの期間に基づいて変動パターン演出の変動期間を設定するように構成してもよい。また、大当たりの期間を複数回分記憶しておき、これらの平均値に基づいて変動パターン演出の変動期間を設定するように構成してもよい。大当たりの期間は、遊技者の球の打ち出し方や、パチンコ機10の釘等の調整状況によって変動するので、同一の遊技者が同一のパチンコ機10で遊技を行っていれば、大当たりが終了するまでの期間は互いに近い値となる。よって、大当たりの期間に合わせて変動パターン演出を実行することができるので、大当たりの期間が足りなくなり、規定回数の変動パターン演出を実行することができなくなってしまい、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制できる。また、逆に、大当たりの期間が長くなりすぎて、早期に規定回数の変動パターン演出が終了してしまい、遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中に実行される変動パターン演出を15回としているが、これに限られるものではない。例えば、5回や20回としてもよい。また、大当たりの進行状況に応じて、規定回数に対して変動パターン演出の回数を上乗せするように構成してもよい。例えば、規定回数の最後の変動パターン演出を設定するタイミングが、最終ラウンドに対して2ラウンド以上前であると判別した場合に、変動パターン演出を2回上乗せするように構成してもよい。また、上乗せを行うか否かの判断を行うタイミングは、最後の変動パターン演出を設定するタイミングに限られるものではなく、各ブロックで大当たりの進行状況を判断し、変動回数を上乗せするか否かを判断してもよい。これにより、早期に規定回数の変動パターン演出が終了してしまい、遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。また、変動パターン演出の回数を上乗せすることにより、遊技者に対して、抽選の機会が増加したと感じさせることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、ブロックの態様を設定する場合に、大当たりの進行状況を判断し、規定回数の変動パターン演出が早い段階で終了してしまうことが見込まれる場合は、変動期間の長い変動パターン演出が選択されやすくなるように構成してもよい。また、例えば、規定回数の変動パターン演出が早い段階で終了してしまうことが見込まれる場合に、ミドルカウンタ223kや、ロングカウンタ223lの値をリセットし、4500msの変動パターン演出や7500msの変動パターン演出を、上限回数を超えて選択できるように構成してもよい。これにより、早期に規定回数の変動パターン演出が終了してしまい、遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、設定され得る変動期間として、2000ms,2500ms,3500ms,4500ms、7500msの5種類が設けられているが、これに限られるものではない。また、ブロック毎の変動パターン演出の個数についても、本実施形態の個数に限られるものではない。これらの値は、大当たりが最短期間で終了したとしても規定回数を終了させることができるように設定できる範囲で任意に定めることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、大当たり状態中に実行される変動パターン演出の結果、同一図柄が揃った場合に、普通図柄の時短回数が上乗せされて表示されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別として、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行する大当たりと、特別図柄の低確率状態へと移行する大当たりとを設けておき、変動パターン演出によって同一図柄が揃った場合には特別図柄の高確率状態(確変状態)へと移行することを報知するように構成してもよい。また、例えば、8ラウンドの大当たりと、16ラウンドの大当たりとを設けておく。そして、いずれの大当たりであっても、8ラウンドの終了までの間に規定回数の変動パターン演出が終了するように構成し、変動パターン演出によって同一図柄が揃った場合には、16ラウンドの大当たりであることを報知するように構成してもよい。これにより、あたかも8ラウンドの大当たりが16ラウンドの大当たりに昇格したかのように思わせることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、これらを組み合わせて報知してもよい。つまり、変動パターン演出によって1回目に同一図柄が揃った場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行することを報知し、2回目に同一図柄が揃った場合は、今回の大当たりが16ラウンドの大当たりとなることを報知するように構成してもよい。
また、大当たり中に開閉される入賞口として、特定入賞口(大開放口)65aの他に、球が入賞すれば大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行する確変入賞口を設けておいてもよい。即ち、当選した大当たり種別ではなく、確変入賞口へ球が入賞するか否かに基づいて、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行させるように構成してもよい。また、特定入賞口(大開放口)65aを、例えば、遊技盤の右側に設け、確変入賞口を遊技盤の左側に設けておき、大当たり状態中は、ラウンド毎にいずれか一方の入賞口のみが開放状態となるように構成してもよい。そして、変動パターン演出によって同一図柄が揃った場合には、次のラウンドで確変入賞口が開放されることを報知するように構成してもよい。これにより、遊技者は、確変入賞口を狙うべきラウンドを容易に知ることができる。
<第2実施形態>
次に、図66〜図77を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり中に、複数の変動パターン演出によって構成されているブロック単位で変動パターン演出の態様を設定し、設定した態様の変動パターン演出をそのまま実行するように構成していた。また、変動パターン演出の当否は、大当たり種別に対応した普通図柄の時短回数と、それまでに実行された変動パターン演出により報知された時短回数とに基づいて設定するように構成していた。
これに対して第2実施形態では、大当たりの進行状況に基づいて、ブロック単位で設定した変動パターン演出の変動期間を結合し、1の連続予告演出に演出を書き換えることができるように構成している。また、最終的に実行される変動パターン演出の回数を規定回数である15回とするために、連続予告演出への書き換えにより消滅した回数分の変動パターン演出を、連続予告演出後に新たに設定するように構成している。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のROM222に、当否判定テーブル222c、連続予告乱数テーブル222d、最短期間テーブル222e、変動パターン結合テーブル222fが設けられている点、および、音声ランプ制御装置113のRAM223に、計時カウンタ223m、剰余期間格納エリア223n、連続予告カウンタ223oが設けられている点である。また、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図45)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図66、図67を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図66は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図であり、図67は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113の有するROM222の構成を示すブロック図である。本実施形態の音声ランプ制御装置113の有するROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成に加えて、当否判定テーブル222c、連続予告乱数テーブル222d、最短期間テーブル222e、変動パターン結合テーブル222fが設けられている(図67参照)。また、本実施形態の音声ランプ制御装置113の有するRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成に加えて、計時カウンタ223m、剰余期間格納エリア223n、連続予告カウンタ223oが設けられている(図66参照)。その他の構成については、第1実施形態のパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
まず、ROM222における構成の相違点について、図67を参照して説明する。当否判定テーブル222cは、変動パターン演出の回数毎の当否を規定したテーブルであり、大当たり種別毎に複数の異なるパターンが規定されている。第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり状態となる場合に、この当否判定テーブル222cから1のパターンを選択して、何回目の変動パターン演出により同一の図柄を揃えるのかを予め設定する。図柄が揃う変動パターン演出を予め設定しておくことにより、当否の結果に基づいて演出を選択することができる。この当否判定テーブルの詳細について、図68を参照して説明する。
図68は、当否判定用テーブル222cを示す図である。この当否判定用テーブル222cには、大当たりの種別毎に選択され得るパターンと、パターン毎の変動回数と変動パターンの当否との関係が規定されている。
例えば、大当たりA(時短10回大当たり)に当選した場合には、当否判定用テーブル222cから選択され得る当否のパターンが3種類規定されている。このうち、例えば、パターン1が選択された場合は、1回目の変動パターン演出において同一図柄が揃い、普通図柄の時短回数として10回が上乗せされて表示される(第3図柄表示装置81の上部中央の領域に「total10回」と表示される)。一方、2回目〜15回目の変動パターン演出では、図柄が揃うことはなく、普通図柄の時短回数の表示値も変化しない。
また、例えば、大当たりE(時短70回大当たり)に当選し、パターン3が選択された場合は、1回目〜12回目の変動パターン演出では図柄が揃わず、普通図柄の時短回数が0と表示されたままとなる。つまり、第3図柄表示装置81の上部中央に設けられた領域に「total0回」と表示され続ける。そして、13回目〜15回目の変動パターン演出では、同一図柄が揃い、それぞれ、10回、10回、50回の時短回数が上乗せされて表示される。
このように、変動パターン演出の結果を規定した当否判定用テーブル222cをROM222に規定しておき、大当たりに当選した際に大当たり種別に対応した当否のパターンを選択するように構成することで、各ブロックの変動パターン演出を設定する場合に、それぞれの変動パターン演出の当否まで抽選して設定する必要がなくなる。よって、各ブロックの変動パターン演出の態様を設定する処理の負荷を軽減することができる。
なお、当否判定用テーブル222cの態様は、本実施形態のパターンに限られるものではない。報知される時短回数の合計値が、大当たり種別に対応する時短回数と一致する範囲で任意に定めてよい。
図67に戻って説明を続ける。連続予告乱数テーブル222dは、ブロック単位で設定した変動パターン演出の態様を変更し、変動期間の範囲内で連続予告演出を実行させるか否かを抽選するためのテーブルであり、RAM223に設けられた連続予告カウンタ223oの値と、連続予告の実行可否とが対応付けられて規定されている。なお、連続予告カウンタ223oは、0〜199の範囲で更新されるループカウンタとして構成され、メイン処理の中で更新される。連続予告乱数テーブル222dの詳細について、図69(a)を参照して説明する。
図69(a)は、連続予告乱数テーブル222dの規定内容を示す図である。図69(a)に示す通り連続予告乱数テーブル222dには、連続予告カウンタ223oの値の範囲が規定されている。連続予告カウンタ223oの値が、連続予告乱数テーブル222dに規定された範囲内となる場合に、連続予告演出の実行が決定される。
また、連続予告乱数テーブル222dには、変動パターン演出の結果、同一図柄が揃わない(即ち、回数が上乗せされない)場合のテーブルと、同一図柄が揃う(即ち、回数が上乗せされる)場合のテーブルとの2種類が設けられており、それぞれに含まれる連続予告演出の実行が決定される乱数の個数が異なって設定されている。また、同一図柄が揃う場合の方が、乱数値の個数が多くなるように設定されている。このように構成することで、連続予告演出が発生するだけで、同一図柄が揃う期待度が高いことを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、連続予告演出の実行が決定された場合であっても、大当たりの進行状況を勘案し、連続予告演出を設定せずに、元々設定されていた変動パターン演出をそのまま実行する場合もある。連続予告演出を実行する場合は、通常の変動パターン演出の変動期間よりも長い期間を演出期間として設定するので、大当たりの進行状況によっては、連続予告演出を実行してしまうと、規定回数(15回)の変動パターン演出を大当たり状態中に実行完了できなくなってしまう虞があるためである。
図67に戻って説明を続ける。最短期間テーブル222eは、大当たり開始から各ラウンドが開始されるまでの最短の期間を規定したテーブルである。本実施形態のパチンコ機10では、この最短期間テーブル222eと、実際の大当たり開始からの経過時間とを比較することにより、大当たりの進行状況を判断し、連続予告演出を実行するか否かを決定するように構成している。この最短期間テーブル222eの詳細について、図69(b)を参照して説明する。
図69(b)は、最短期間テーブル222eの規定内容を示す図である。図69(b)に示した通り、この最短期間テーブル222eには、ラウンド数と、それぞれのラウンドが開始される時点での最短の経過時間とが規定されている。上述の通り、球を10発打ち出すのに要する時間は最低6秒かかるため、ラウンドを消化する(即ち、特定入賞口(大開放口)65aに球を10発入賞させる)最短の期間は6秒間である。また、ラウンド感には1秒間のインターバル期間が設けられている。更に、大当たりの開始から1ラウンド目の開始までの間には、遊技説明を表示させる3秒間の期間が設定されている。最短期間テーブル222eは、これらの条件に基づいて、各ラウンド開始時点での最短の経過期間が設定されている。
本実施形態のパチンコ機10では、最短期間テーブル222eに規定されている最短の期間と、大当たり開始からの実際の経過期間とを比較し、最短の期間に対しての時間的なマージンがどの程度あるかを判別し、連続予告演出の態様を設定するように構成している。例えば、4ラウンド目の開始時点において、大当たりの開始から30秒間が経過している場合は、最短の期間である24000ms(24秒)に対してマージンが6秒あると判別される。よって、連続予告演出を設定する場合は、この6秒間を超過しない範囲で演出が設定される。
連続予告演出を設定後の大当たりの消化期間がどれだけ短くなったとしても、連続予告演出を設定する前に確保したマージンの期間分を上限として連続予告演出の態様が設定されるので、大当たり状態中に確実に規定回数(15回)の変動パターン演出を実行完了することができる。
図67に戻って説明を続ける。変動パターン結合テーブル222fは、ブロック単位で設定されている複数の変動パターン演出の変動期間を結合し、連続予告演出を上書きして設定する場合に用いられるテーブルである。具体的には、変動パターン演出に割り当てられている変動期間を最大でいくつ結合できるかを規定しているテーブルである。この変動パターン結合テーブル222fの詳細について、図69(c)を参照して説明する。
図69(c)は、この変動パターン結合テーブル222fの規定内容を示した図である。図69(c)に示す通り、変動パターン結合テーブル222fには、最短期間テーブル222eに規定されている最短期間と、大当たりの開始からの実際の経過期間との差分を示す剰余期間T毎に、変動パターン演出に割り当てられている変動期間を最大でいくつ結合できるかが規定されている。例えば、剰余期間Tが2000msであれば、T<3500msに該当するので、変動期間を結合することができない。一方、例えば、剰余期間Tが8000msであれば、7000ms≦T<10500msの範囲内であるので、最大で3個分の変動パターン演出に対応した変動期間を結合し、連続予告演出を上書きすることができる。
上述の通り、連続予告演出を設定した場合、上書きにより減少した変動パターン演出の回数をカバーすべく、連続予告演出後に追加で変動パターン演出が設定されるように構成されている。本実施形態のパチンコ機10では、変動パターン結合テーブル222fにより、この新たに設定される変動パターン演出が増えすぎてしまうことを抑制することができる。よって、15回の変動パターン演出の実行が完了する前に大当たり状態が終了してしまうことを抑制できる。
次いで、RAM223における構成の相違点について、図66を参照して説明する。計時カウンタ223mは、大当たり開始からの経過時間をカウントするカウンタである。上述の剰余期間Tは、この経過時間カウンタ223mのカウント値と、最短期間テーブル222eに規定されている最短期間との差分を取ることによって算出される。この計時カウンタ223mの値は、新たなラウンドの開始タイミングとなる度にその値が参照され、剰余期間Tが算出される。
剰余期間格納エリア223nは、上述した剰余期間Tを格納するための記憶領域であり、新たなラウンドの開始タイミングとなる度に、その値が更新される。本実施形態のパチンコ機10では、連続予告演出を実行すると判断された場合に、剰余期間格納エリア223nに格納された剰余期間Tと、上述の変動パターン結合テーブル222fとに基づいて、連続予告演出の態様を設定する。
連続予告カウンタ223oは、連続予告演出を実行するか否かを判別するために用いられるカウンタである。上述の通り、この連続予告カウンタ223oは、0〜199の範囲で更新されるループカウンタとして構成され、メイン処理の中で更新される。この連続予告カウンタ223oのカウンタ値と、連続予告乱数テーブル222dとを比較することにより、連続予告演出を設定するか否かが決定される。
次いで、図70〜図73を参照して、本実施形態のパチンコ機10によって実行される連続予告演出について詳しく説明する。
図70は、大当たり中に連続予告演出が設定される前後の、演出実行期間の推移を示すタイムチャートである。図70(a)は、ブロック3の3回目の変動パターン演出を設定するタイミングで連続予告演出の設定が決定された場合の例であり、図70(b)は、ブロック3の2回目の変動パターン演出を設定するタイミングで連続予告演出の設定が決定された場合の例である。図70(a),(b)共に、「変更前」が連続予告演出を設定する前の変動パターン演出の設定状況を示しており、「変更後」が、元々設定されていた変動パターン演出の設定を変更し、連続予告演出を設定した場合の設定状況を示している。
図70(a)に示した通り、ブロック3の3回目の変動パターン演出を設定するタイミングで連続予告演出が設定される場合は、「変更前」における3回目の変動パターン演出と、4回目の変動パターン演出とに割り当てられた変動期間が結合され、8000msの演出期間の連続予告演出として新たに設定される(図70(a)の「変更後」参照)。また、2回分の変動パターン演出(ブロック3の3回目の変動パターン演出と、4回目の変動パターン演出)に割り当てられた演出期間が結合され、1の連続予告演出となることにより、実質的に変動パターン演出が1つ減ってしまう。この1回分の変動パターン演出を保障するために、連続予告演出後に3500msの変動期間の変動パターン演出が新たに設定される。そして、この新たに設定された3500msの変動パターン演出が終了した後で、ブロック4に突入する。即ち、「変更前」と比較して、ブロック4の変動パターン演出が開始されるタイミングが3500msだけ遅れる。
同様に、図70(b)を参照して、ブロック3の2回目の変動パターン演出を設定するタイミングで連続予告演出が設定される場合について説明する。かかる場合は、「変更前」における2回目の変動パターン演出と、3回目の変動パターン演出と、4回目の変動パターン演出とに割り当てられた変動期間が結合され、11500msの演出期間の連続予告演出として新たに設定される(図70(b)の「変更後」参照)。また、3回分の変動パターン演出(ブロック3の2回目の変動パターン演出と、3回目の変動パターン演出と、4回目の変動パターン演出)に割り当てられた演出期間が結合され、1の連続予告演出となることにより、実質的に変動パターン演出が2つ減ってしまう。この2回分の変動パターン演出を保障するために、連続予告演出後に2回の3500msの変動期間の変動パターン演出が新たに設定される。そして、この新たに設定された2回の3500msの変動パターン演出が終了した後で、ブロック4に突入する。即ち、「変更前」と比較して、ブロック4の変動パターン演出が開始されるタイミングが7000msだけ遅れる。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、最短期間テーブル222eと、計時カウンタ223mのカウント値とから剰余期間Tを算出し、その剰余期間Tに基づいて、結合可能な変動期間(演出期間)の最大値を判断している。よって、図70(a)のケースのように、ブロック4の変動パターン演出が開始されるタイミングを「変更前」に比べて3500ms遅らせたり、図70(b)のケースのように、ブロック4の変動パターン演出が開始されるタイミングを「変更前」に比べて7000ms遅らせたりしたとしても、大当たりの期間内に確実に15回の変動パターン演出を完了させることができる。
次いで、図71〜図73を参照して、連続予告演出が実行される場合に第3図柄表示装置81に表示される演出について、具体的に説明を行う。なお、この具体例では、図70(b)に示した、3回分の変動パターン演出に割り当てられた変動期間を結合し、その結合した期間に新たに連続予告演出を設定する場合を例にとって説明する。
まず、図71(a)は、連続予告演出の開始時の表示態様を表す図である。図71(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の上部に設けられた3つの領域の表示内容に関しては、大当たり中に実行される通常の変動パターン演出と同一である。通常の変動パターン演出と異なる点は、左、中、左の各図柄列がそれぞれ変動表示されている間に、2枚の葉っぱが風に飛ばされて横切る点である。この葉っぱが表示されることにより、普段とは異なる状態であることを遊技者に認識させ、図柄が揃うことへの期待感を高めることができる。
この変動表示されている各図柄列は、連続予告演出を実行するために設定された演出期間の途中で一旦停止表示される。具体的には、連続予告演出を設定する前に、本来設定されていた変動パターン演出の変動終了のタイミングで停止表示される。例えば、図70(b)の例の場合、「変更前」に設定されていた変動パターン演出の変動期間が3500msであったので、連続予告演出の1回目の変動演出も、3500ms経過後に停止表示される。また、停止図柄は、図71(b)に示すように、左図柄が「3」、中央図柄が「4」、右図柄が「1」となる停止形(チャンス目)で停止表示される。更に、左図柄の左側には、「継続」との文字が表示される。これらによって、遊技者に対して、連続予告演出の実行中であることを認識させることができる。
チャンス目が停止した後は、再び各図柄列の変動表示が開始される(図72(a)参照)。また、各図柄列が変動表示されている間に、本や傘やヤシの葉っぱ等が風によって飛ばされてくる演出が実行される。即ち、1回目の変動演出よりも強い風の演出を実行することによって、図柄が揃う期待度が高いことを遊技者に対して示唆することができる。よって、遊技者の期待感を高め、遊技に対する興趣を向上することができる。
また、左図柄列の左側には、「2回目」と表示される。これにより、連続予告演出の2回目であることを遊技者に対して容易に認識させることができる。なお、第3図柄表示装置81の上部右側の領域に表示される、変動パターン演出の残り回数は変化しない。連続予告演出によって、チャンス目が停止する度に変動パターン演出の残り回数が減っていく構成としてしまうと、遊技者に対して上乗せの機会が減ってしまったと感じさせてしまう場合がある。よって、連続予告演出が長く続くほどに、遊技者に対して損をしたと感じさせてしまう虞がある。このため、本実施形態のパチンコ機10では、連続予告演出でチャンス目が停止表示され、再度変動が開始したとしても、変動パターン演出の残り回数を減らさない構成とし、遊技者に対して損をしたと感じさせてしまうことを抑制している。
連続予告演出の2回目の図柄の変動表示(図72(a)参照)も、連続予告演出の1回目の変動表示と同様に、「変更前」に設定されていた変動パターン演出の変動期間と同一の変動期間だけ継続し(図70(b)の例の場合は3500ms)、変動期間の終了時には、チャンス目の停止形で停止表示される(図72(b)参照)。
チャンス目が停止表示された後は、再び各図柄列の変動表示が開始される(図73(a)参照)。また、各図柄列が変動表示されている間に、図柄列の左右に竜巻が発生する演出が実行される。即ち、1回目や2回目の変動演出よりも強力な竜巻の演出を実行することによって、図柄が揃う期待度が高いことを遊技者に対して示唆することができる。よって、遊技者の期待感を高め、遊技に対する興趣を向上することができる。
連続予告演出の3回目の図柄の変動表示(図73(a)参照)では、左図柄列、および、右図柄列が先に同一図柄で停止表示され(図73(b)参照)、その後に中央の図柄列が停止表示される。そして、3つの図柄が同一図柄で揃えば普通図柄の時短回数が上乗せされ、同一図柄で揃わなければ(外れであれば)普通図柄の時短回数は変化しない。なお、連続予告演出の3回目の変動表示も、1回目や2回目と同様に、「変更前」に設定されていた変動パターン演出の変動期間と同一の変動期間の変動演出が実行される(図70(b)の例では4500ms)。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図74〜図77を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図74は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるコマンド判定処理(S1711)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S1711)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図45参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する処理である。
このコマンド判定処理(S1711)のうち、S1801〜S1816、およびS1819の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図45)のS1801〜S1816、およびS1819の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態におけるコマンド判定処理では、S1814の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S1814:Yes)、次に、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する(S1821)。そして、最短期間テーブル222e(図69(b)参照)のうち、抽出したラウンド数に対応する最低経過期間と、計時カウンタ223mによりカウントされている大当たり開始からの経過期間とに基づいて、剰余期間Tを算出し、剰余期間格納エリア223nへ格納し(S1822)、処理をS1815へと移行する。
S1821,S1822の処理によって剰余期間Tを算出して剰余期間格納エリア223nに格納しておくことにより、後述の予告演出設定処理(図77参照)の中で、大当たりの期間内に15回の変動パターン演出を完了させられる範囲内で連続予告演出の態様を決定することができる。
次いで、図75を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるメイン処理について説明する。図75は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。
この音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、S1701〜S1712、およびS1714〜S1719の各処理では、それぞれ第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図45参照)のS1701〜S1712、およびS1714〜S1719の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1712の処理が完了すると、擬似変動設定処理2(S1721)を実行する。図76を用いて後述するが、擬似変動設定処理2(S1721)は、大当たり中に実行される変動パターン演出等の興趣演出の態様を設定するための処理である。この擬似変動設定処理2(S1721)が終了すると、S1714の処理へ移行する。
次に、図76を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される擬似変動設定処理2(S1721)について説明する。図76は、この擬似変動設定処理2(S1721)を示すフローチャートである。
この擬似変動設定処理2のうち、S2001〜S2018の各処理では、第1実施形態における擬似変動設定処理(図49参照)のS2001〜S2018の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における擬似変動設定処理2では、S2006の処理において、遊技説明フラグ223gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合に(S2006:No)、予告演出設定処理(S2021)が実行される。
この予告演出設定処理(S2021)は、大当たり中にブロック単位で設定されている複数の変動パターン演出に割り当てられている変動期間を結合して、連続予告演出を設定する処理である。この予告演出設定処理(S2021)が終了すると、S2010の処理に移行する。
次いで、予告演出設定処理(S2021)の詳細について、図77を参照して説明する。図77は、この予告演出設定処理(S2021)を示すフローチャートである。
予告演出設定処理(S2021)では、まず、連続予告演出が設定されているか否かを判別する(S4401)。そして、既に連続予告演出が設定されていると判別した場合は、本処理を終了する。一方、S4401の処理において、連続予告演出が設定されていないと判別された場合は、続いて、変動パターン演出の変動時間が経過したか否かを判別する(S4402)。
S4402の処理の結果、変動パターン演出の変動時間が経過していない(即ち、変動パターン演出中である)と判別した場合は(S4402:No)、本処理を終了する。これに対して、変動時間が経過したと判別した場合は(S4402:Yes)、連続予告演出を設定するか否かを判別するために、当否判定用テーブル222cに基づいて次に実行される変動パターン演出での上乗せの有無を判別した上で、連続予告カウンタ223oの値と、連続予告乱数テーブル222dに規定されている乱数値とを比較する(S4403)。
次いで、連続予告カウンタ223oの値が、連続予告演出を実行する乱数値の範囲内であるか否かを判別し(S4404)、連続予告演出を実行する乱数値の範囲外であれば(S4404:No)、本処理を終了する。一方、連続予告演出を実行する乱数値の範囲内であると判別した場合は(S4404:Yes)、現在のブロックにおいて、未だ実行されていない変動パターン演出が2回以上残っているか否かを判別し(S4405)、2回以上残っていない(即ち、1回以下である)と判別した場合は(S4405:No)、連続予告演出を設定するための十分な期間が残っていないので、本処理を終了する。
一方、S4405の処理において、未実行の変動パターン演出が2回以上残っていると判別した場合は(S4405:Yes)、剰余期間格納エリア223nに格納されている剰余期間Tと、変動パターン結合テーブル222fとに基づいて、変動期間を結合する場合の結合数の最大値を抽出する。そして、抽出した最大値を上限として、未実行の変動パターン演出の変動期間を結合する(S4406)。例えば、ブロック3の1回目の変動パターン演出の変動期間が終了し、未実行の変動パターン演出が3回分残っている状態で、且つ、変動パターン結合テーブル222fから結合数の最大値として2が抽出された場合は、2回分の変動パターン演出に割り当てられた変動期間が結合される。
S4406の処理の後は、結合した期間を変動期間とする連続予告演出を設定し(S4407)、変動期間の結合によって減少した変動パターン演出の回数分だけ、新たに変動期間が3500msの変動パターン演出を設定し(S4408)、本処理を終了する。
本処理を実行することにより、大当たり中に実行される変動パターン演出の回数を減らすことなく、通常の変動パターン演出よりも演出期間の長く、同一図柄が揃う(即ち、普通図柄の時短回数が上乗せされて表示される)期待度が高い連続予告演出を実行することができる。よって、大当たり遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たりの進行状況に基づいて、ブロック単位で設定した変動パターン演出の変動期間を結合し、1の連続予告演出に演出を書き換えることができるように構成している。また、15回の変動パターン演出の当否を、大当たり開始時に設定しておき、変動パターン演出において同一図柄が揃う場合に、連続予告演出の実行が決定されやすく構成されている。これにより、連続予告演出が実行することで、遊技者に対して上乗せを強く期待させることができる。よって、遊技者の、大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、最終的に実行される変動パターン演出の回数を規定回数である15回とするために、連続予告演出への書き換えにより消滅した回数分の変動パターン演出を、連続予告演出後に新たに設定するように構成している。これにより、規定回数の変動パターン演出が実行されずに大当たりが終了してしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
更に、連続予告演出を行う場合は、元々ブロック単位で設定されていた変動パターン演出の演出期間の合計よりも長い演出期間となるため、大当たり中に変動パターン演出が早期に終了し、遊技者が退屈感を感じてしまうことを抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施形態のパチンコ機10では、連続予告演出を、変動パターン演出を設定するブロックの範囲内で設定可能に構成しているが、ブロックをまたいで変動期間を結合し、連続予告演出を設定するように構成しても良い。例えば、2ブロックの4回目の変動パターン演出の変動期間と、3ブロックの1回目〜3回目の変動パターン演出の変動期間とを結合して、これら4つの変動パターン演出の変動期間の合計を演出期間とする連続予告演出を新たに設定しても良い。この場合、3ブロックの1回目〜4回目の変動パターン演出の変動期間は、連続予告演出の実行を決定するタイミングである、2ブロックの3回目の変動パターン演出の変動期間経過時に選択すればよい。そして、選択した3ブロックの各変動パターン演出の変動期間と、元々設定されていた2ブロックの4回目の変動パターン演出の変動期間とに基づいて、連続予告演出の演出期間を設定すればよい。
また、ブロックをまたいで連続予告演出を設定する場合は、3ブロックにまたがって連続予告演出を設定してもよい。この場合は、連続予告演出を設定する前に、次のブロック、および2つ後のブロックの態様を選択しておき、選択したブロックの態様に基づいて連続予告演出を設定するように構成すればよい。
本実施形態のパチンコ機10では、連続予告演出の演出態様として、連続予告の回数が進むごとに風がだんだん強くなっていく演出を実行するように構成しているが、演出態様はこれに限られるものではなく、回数を追うごとに上乗せの期待度が高まる態様であれば任意に定めてよい。例えば、連続予告演出において、人が横切る演出を実行し、連続予告の回数が進むごとに通過する人数を増やしていってもよい。
本実施形態のパチンコ機10では、連続予告演出の態様を一括して設定しているが、これに限られるものではない。例えば、チャンス目が停止する度に、継続抽選を行い、継続抽選に漏れた場合は連続予告演出を終了し、元々ブロック単位で設定されていた変動パターン演出を実行するように構成しても良い。
本実施形態のパチンコ機10では、複数の変動パターン演出の変動期間を結合して連続予告演出を設定し、結合により減少した回数分の変動パターン演出を追加で設定しているが、これに限られるものではない。例えば、連続予告演出を設定した場合は、新たにブロックを追加するように構成してもよい。また、例えば、次に設定されるブロックの構成(ブロックを構成する変動パターン演出の数)を組み替えるように構成してもよい。
第1実施形態、および、第2実施形態のパチンコ機10では、複数回の変動パターン演出を大当たり中に実行する場合に、ブロック単位で変動パターン演出の態様を設定するように構成しているが、大当たり状態に限られるものではなく、開始から終了までの期間が条件によって変化する状態において変動パターン演出を規定回数実行する場合であれば適用できる。
第1実施形態、および、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり中の変動パターン演出の態様をブロック単位で設定する場合に、前のブロックが終了することに基づいて次のブロックの設定を行っていたが、全ブロックの設定を一括して設定するように構成してもよい。一括して設定するタイミングとしては、大当たりの開始時でもよいし、遊技説明の終了時でもよい。一括して設定を行うことにより、15回分の変動パターン演出に対して、ストーリー性のある演出を行ったり、メリハリをつけた演出を行ったりすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1実施形態、および、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり中の変動パターン演出等の興趣演出の設定を、音声ランプ制御装置113の制御に基づいて設定していたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110や、表示制御装置114によって設定を行うように構成してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(大当たり遊技の進行状況に応じて擬似STの期間を調節)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、その表示制御手段によって前記表示手段に表示する前記識別情報の動的表示の期間を1又は複数回分特定可能な期間特定手段とを備え、その期間特定手段は、特定の条件が成立した場合に、前記特典遊技状態の進行状況に基づいて、前記識別情報の動的表示の回数とそれぞれの前記識別情報の動的表示の期間とを特定するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。その特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段により表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御される。その表示制御手段によって表示手段に表示する識別情報の動的表示の期間が期間特定手段により1又は複数回分特定される。特定の条件が成立した場合に、前記特典遊技状態の進行状況に基づいて、識別情報の動的表示の回数とそれぞれの識別情報の動的表示の期間とが期間特定手段により特定される。
これにより、特典遊技状態の期間に合わせて識別情報の動的表示を好適に行わせることができる。即ち、識別情報の動的表示が実行中であるにも関わらず、特典遊技状態が終了してしまったり、全ての識別情報の動的表示が終了してから特典遊技状態の終了までに長時間のずれが生じてしまったりすることを抑制することができる。よって、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記期間特定手段は、前記特定の条件が成立した場合に、1の前記特典遊技状態の中で、前に設定した前記識別情報の動的表示のそれぞれの期間に基づいて、前記識別情報の動的表示の期間を1又は複数回分特定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の条件が成立した場合に、1の前記特典遊技状態の中で、前に設定した識別情報の動的表示のそれぞれの期間に基づいて、期間特定手段により識別情報の動的表示の期間が1又は複数回分特定される。
これにより、前に設定した識別情報の動的表示のそれぞれの期間を参照することができるので、長い変動パターン演出ばかりが設定され続けてしまい、設定した変動パターン演出が終了する前に、特典遊技状態が終了してしまうことを抑制できる。よって、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、前記特典遊技状態の進行状況を判別する進行状況判別手段を備え、前記期間特定手段は、1の前記特典遊技状態の中で、予め定められた回数の前記識別情報の動的表示の期間を特定するものであり、前記進行状況判別手段による判別結果に基づいて、前記特典遊技状態の中で最後に実行される前記識別情報の動的表示の期間を特定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態の進行状況が進行状況判別手段により判別される。1の特典遊技状態の中で、予め定められた回数の識別情報の動的表示の期間が期間特定手段によって特定され、進行状況判別手段による判別結果に基づいて、特典遊技状態の中で最後に実行される識別情報の動的表示の期間が特定される。
これにより、予め定められた回数の識別情報の動的表示を1の特典遊技状態の中で確実に実行することができるので、予め定められた回数に満たない回数で識別情報の動的表示が終了してしまうことを抑制できる。よって、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A3において、前記進行状況判別手段による判別結果に基づいて、前記予め定められた回数の前記識別情報の動的表示の終了後に、前記識別情報の動的表示とは異なる演出を前記表示手段に表示させるか否かを判断する表示判断手段を備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、進行状況判別手段による判別結果に基づいて、予め定められた回数の識別情報の動的表示の終了後に、識別情報の動的表示とは異なる演出を表示手段に表示させるか否かが表示判断手段により判断されるので、予め定められた回数の識別情報の動的表示が早期に終了したとしても、残りの特典遊技状態において遊技者を退屈させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球した場合に所定の数量の有価物体を払い出す払出手段と、前記特典遊技状態中に前記入球口の状態を予め定められた回数だけ遊技球の入球が許可された状態に設定する入球許可手段とを備え、前記期間特定手段は、1の前記特典遊技状態の中で予め定められた回数の前記識別情報の動的表示の期間を特定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球口に遊技球が入球した場合に、払出手段により所定の数量の有価物体が払い出される。特典遊技状態中に入球許可手段により入球口の状態が、予め定められた回数だけ遊技球の入球が許可された状態に設定される。1の特典遊技状態の中で予め定められた回数の識別情報の動的表示の期間が特定される。
これにより、特典遊技状態中の識別情報の動的表示の回数が遊技者の遊技球の打ち出し方等によって変わってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5において、前記期間特定手段は、前記予め定められた回数の前記識別情報の動的表示の期間の合計を、前記入球許可手段が遊技球の入球が許可された状態とする期間の最低値よりも短い期間として特定可能なものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、予め定められた回数の識別情報の動的表示の期間の合計が、入球許可手段が遊技球の入球が許可された状態とする期間の最低値よりも短い期間として期間特定手段により特定可能なので、入球口への入球が許可された状態のうちに予め定められた回数の識別情報の動的表示を完了させることができるという効果がある。
遊技機A5又はA6において、前記期間特定手段は、前記予め定められた回数の前記識別情報の動的表示のうち、最後に実行される前記識別情報の動的表示の期間を特定する場合は、前記特典遊技状態の進行状況に基づいて期間を特定するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、予め定められた回数の識別情報の動的表示のうち、最後に実行される識別情報の動的表示の期間が期間特定手段により特定される場合は、特典遊技状態の進行状況に基づいて期間が特定されるので、最後に実行される識別情報の動的表示を特典遊技状態の期間内に確実に終了させることができるという効果がある。
<特徴B群>(ブロック組み替え)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、1又は複数の前記識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示期間群を前記特典遊技状態が実行される期間内に複数設定する期間群設定手段と、その期間群設定手段により設定される複数の前記動的表示期間群の設定順序を決定する順序決定手段と、前記期間群設定手段により設定された前記動的表示期間群に基づいて、前記識別情報の動的表示の期間をそれぞれ特定する期間特定手段とを備えるものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。1又は複数の識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示期間群が期間群設定手段により特典遊技状態が実行される期間内に複数設定される。期間群設定手段により設定される複数の動的表示期間群の設定順序が順序決定手段により決定される。期間群設定手段により設定された動的表示期間群に基づいて、識別情報の動的表示の期間がそれぞれ期間特定手段により特定される。
これにより、特典遊技状態において実行される複数の識別情報の動的表示の期間の合計をバラつきにくくすることができるので、識別情報の動的表示が終了する前に特典遊技状態が終了してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記期間群設定手段は、実行される1又は複数の前記識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されやすい第1動的表示期間群と、その第1動的表示期間群よりも、実行される1又は複数の前記識別情報の動的表示において前記予め定められた情報を示す識別情報が表示されにくい第2動的表示期間群とを少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される1又は複数の識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されやすい第1動的表示期間群と、その第1動的表示期間群よりも、実行される1又は複数の識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されにくい第2動的表示期間群とが期間群設定手段によって設定されるので、1の特典遊技状態の中で予め定められた情報を示す識別情報が表示される期待度に差を付けることができる。よって、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第1動的表示期間群では、前記第2動的表示期間群に比べて、前記期間特定手段によって期間の長い前記識別情報の動的表示が特定され易いものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1動的表示期間群では、第2動的表示群に比べて、期間特定手段によって期間の長い識別情報の動的表示が特定され易いので、予め定められた情報を示す識別情報が表示される期待度の高い期間をより長くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB3において、前記順序決定手段は、特定の条件に基づいて複数の前記動的表示期間群の設定順序を決定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、特定の条件に基づいて複数の動的表示期間群の設定順序が順序決定手段により決定されるので、特定の条件に応じて、特典遊技状態の遊技性を変えることができるという効果がある。
遊技機B4において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記順序決定手段は、前記操作手段への遊技者の入力操作があった場合に前記特定の条件が成立していると判断するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段への遊技者の入力操作があった場合に順序決定手段により特定の条件が成立していると判断されるので、遊技者が操作手段を操作するだけで、各遊技者の趣向に合う遊技性の特別遊技状態を提供できるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記動的表示期間群は、構成する前記識別情報の動的表示の回数が異なる動的表示群種別毎に規定されており、前記期間群設定手段は、1の特典遊技状態において、前記動的表示群種別毎に予め定められた回数ずつ前記動的表示期間群を設定するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、構成する識別情報の動的表示の回数が異なる動的表示群種別毎に動的表示期間群が規定されている。1の特典遊技状態において、動的表示群種別毎に予め定められた回数ずつ期間群設定手段により動的表示期間群が設定される。
これにより、特典遊技状態において毎回同じ回数の識別情報の動的表示を設定することができる。よって、識別情報の動的表示の回数が異なることにより、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B6において、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に遊技球が入球した場合に所定の数量の有価物体を払い出す払出手段と、前記特典遊技状態中に前記入球口の状態を予め定められた回数だけ遊技球の入球が許可された状態に設定する入球許可手段とを備え、前記期間特定手段は、前記期間群設定手段により設定された前記動的表示期間群に基づいて、特定した前記識別情報の動的表示の期間の合計を、前記入球許可手段が遊技球の入球が許可された状態とする期間の最低値よりも短い期間として特定可能なものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な入球口に遊技球が入球した場合に払出手段により所定の数量の有価物体が払い出される。特典遊技状態中に、入球許可手段により入球口の状態を予め定められた回数だけ遊技球の入球が許可された状態に設定される。期間群設定手段により設定された動的表示期間群に基づいて特定した前記識別情報の動的表示の期間の合計を、入球許可手段により遊技球の入球が許可された状態とされる期間の最低値よりも短い期間として期間特定手段により特定される。
これにより、設定された全ての識別情報の動的表示が終了する前に、入球許可手段によって遊技球の入球が許可された状態とされる期間が終了してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特典遊技状態の進行状況を判別する進行状況判別手段を備え、前記期間特定手段は、前記特典遊技状態において最後に実行する前記識別情報の動的表示の期間を前記進行状況判別手段による判別結果に基づいて特定するものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態の進行状況が進行状況判別手段によって判別される。特典遊技状態において最後に実行する識別情報の動的表示の期間が、期間特定手段により進行状況判断手段による判別結果に基づいて特定される。
これにより、特典遊技状態が終了する前に、最後に実行する識別情報の動的表示を確実に終了させることができるので、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記期間特定手段は、前記動的表示期間群に基づいて特定した前記識別情報の動的表示の期間の全てが終了する毎に、次に設定されている前記動的表示期間群に基づいて、前記識別情報の動的表示の期間をそれぞれ特定するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、動的表示期間群に基づいて特定された識別情報の動的表示の期間の全てが終了する毎に、次に設定されている動的表示期間群に基づいて、期間特定手段により識別情報の動的表示の期間がそれぞれ特定されるので、動的表示の期間を特定するための処理による処理付加を分散することができるという効果がある。
<特徴C群>(演出期間を結合)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、その表示制御手段によって前記表示手段に表示する前記識別情報の動的表示の表示期間を複数回分一括して設定可能な第1期間設定手段と、その第1期間設定手段により設定された前記複数回分の動的表示のうち、全部または一部についての回数分をまとめた表示期間で前記識別情報の動的表示の表示期間を設定する第2期間設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行された場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。表示制御手段によって表示手段に表示する識別情報の動的表示の表示期間が第1期間設定手段により複数回分一括して設定される。設定された複数回分の動的表示のうち、全部または一部についての回数分をまとめた表示期間で、第1期間設定手段により識別情報の動的表示の表示期間が設定される。
これにより、複数回分の識別情報の動的表示期間という比較的長期な表示期間の演出を実行することができるので、演出の多様化させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記特典遊技状態の進行状況を判断する判断手段を有し、前記第2期間設定手段は、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記第1期間設定手段によって設定された複数の前記識別情報の動的表示のうち、未実行のものについて、全部または一部についての回数分をまとめた表示期間で前記識別情報の動的表示の表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態の進行状況が判断手段により判断され、その判断手段による判断結果に基づいて、第1期間設定手段によって設定された複数の識別情報の動的表示のうち、未実行のものについて、全部または一部についての回数分をまとめた表示期間で、第2期間設定手段により識別情報の動的表示の表示期間が設定される。
これにより、演出を実行する期間の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記第1期間設定手段は、1の前記特典遊技状態の中で予め定められた回数の前記識別情報の動的表示の期間を特定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、1の特典遊技状態の中で予め定められた回数の識別情報の動的表示の期間が第1期間設定手段により特定されるので、識別情報の動的表示が実行される回数を一定にすることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記第1期間設定手段は、前記第2期間設定手段により動的表示の表示期間が設定されると、まとめられることにより減った回数分について、前記識別情報の動的表示の表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第2期間設定手段により動的表示の表示期間が設定されると、まとめられることにより減った回数分について、第1期間設定手段により識別情報の動的表示の表示期間が設定されるので、第2期間設定手段による表示期間の設定の有無によらず識別情報の動的表示が実行される回数を一定とすることができるという効果がある。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記第2期間設定手段は、前記判断手段の判断結果が所定の判断結果である場合には、前記識別情報の動的表示の設定を実行しないものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C2からC4のいずれかの奏する効果に加え、判断手段の判断結果が所定の判断結果である場合には、第2期間設定手段により識別情報の動的表示の設定を実行されないので、互いに異なる遊技性を有する複数の特典遊技状態を設けることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記特典遊技状態の期間を複数の期間に分けて判別する期間判別手段を有し、前記第1期間設定手段は、前記期間判別手段により判別された期間毎に前記識別情報の動的表示の期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態の期間を複数の期間に分けて期間判別手段により判別される。判別手段により判別された期間毎に第1期間設定手段により識別情報の動的表示の期間が設定される。
これにより、特典遊技状態の進行状況に合わせた期間で識別情報の動的表示の期間を設定できるので、特典遊技状態の期間と、識別情報の動的表示が実行される期間との関係を好適にすることができるという効果がある。
遊技機C6において、前記第2期間設定手段は、前記期間判別手段により判別された複数の期間に跨って前記動的表示の表示期間を設定することが可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、期間判別手段により判別された複数の期間に跨って第2期間設定手段により動的表示の表示期間が設定されるので、表示手段に表示させる演出選択の自由度をより高めることができるという効果がある。
遊技機C6またはC7において、前記期間判別手段は、前記第2期間設定手段により前記動的表示の表示期間が設定されたことに基づいて、残りの前記特典遊技状態の期間を新たな1または複数の期間に分けて設定するものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C6またはC7の奏する効果に加え、第2期間設定手段により動的表示の表示期間が設定されたことに基づいて、残りの特典遊技状態の期間が判別手段により新たな1または複数の期間に分けて設定されるので、特典遊技状態の期間と、識別情報の動的表示が実行される期間との関係を好適にすることができるという効果がある。
遊技機C6またはC7において、前記期間判別手段は、前記第2期間設定手段により前記動的表示の表示期間が設定されたことに基づいて、前記判別した複数の期間のうち、少なくとも1の期間について長さを可変して新たに判別するものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C6またはC7の奏する効果に加え、第2期間設定手段により動的表示の表示期間が設定されたことに基づいて、判別した複数の期間のうち、少なくとも1の期間について長さを可変して新たに判別されるので、特典遊技状態の期間と、識別情報の動的表示が実行される期間との関係を好適にすることができるという効果がある。
<特徴D群>(大当たり遊技の進行状況に応じて擬似変動の回数を可変)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記特典遊技状態において実行する前記識別情報の動的表示の回数を決定する回数決定手段と、その回数決定手段により決定された前記識別情報の動的表示の回数を、所定の契機に基づいて変更する回数変更手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示制御手段により表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御される。特典遊技状態において実行する識別情報の動的表示の回数が回数決定手段により決定される。回数決定手段により決定された識別情報の動的表示の回数が、所定の契機に基づいて回数変更手段により変更される。
これにより、特典遊技状態の期間と、識別情報の動的表示が実行される期間との関係を好適にすることができるという効果がある。
<特徴E群>(前の大当たりの時間に基づいて変動時間を調節)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、情報を記憶する記憶手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記特典遊技状態の開始から終了までの期間を計測する期間計測手段と、その期間計測手段が計測した期間を前記記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段と、前記画像表示手段に表示する前記識別情報の動的表示の表示期間を複数回分一括して特定可能な表示期間特定手段とを備え、その表示期間特定手段は、前記記憶手段に記憶された期間に基づいて、前記複数の識別情報の動的表示の表示期間を特定するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。特典遊技状態の開始から終了までの期間が期間計測手段により計測される。期間計測手段により計測された期間が記憶手段に記憶されるように記憶制御手段により制御される。画像表示手段に表示する識別情報の動的表示の表示期間が表示期間特定手段により複数回分一括して特定され、記憶手段に記憶された期間に基づいて、複数の識別情報の動的表示の表示期間が特定される。
これにより、前に移行した特典遊技状態の継続期間を加味して、識別情報の動的表示が実行される期間を好適にすることができるという効果がある。
<特徴F群>(所定のラウンドで変動回数の上乗せをするか否か判断)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記画像表示手段に表示する前記識別情報の動的表示を予め定められた回数分だけ一括して設定する設定手段と、前記特典遊技状態が開始されてからの遊技の進行状況を判断する判断手段と、その判断手段による判断結果に基づいて、前記設定手段によって設定された回数に加えて1又は複数回の前記識別情報の動的表示を設定させるか否かを判断する実行判断手段とを備えることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行された場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。画像表示手段に表示する識別情報の動的表示が設定手段により予め定められた回数分だけ一括して設定される。特典遊技状態が開始されてからの遊技の進行状況が判断手段により判断される。判断手段による判断結果に基づいて、設定手段によって設定された回数に加えて1又は複数回の識別情報の動的表示を設定するか否かが実行判断手段により判断される。
これにより、予め定められた回数よりも多い回数の識別情報の動的表示が実行されることにより、遊技者に対して抽選の機会が増えたと感じさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴G群>(擬似変動複数回分単位の態様をテーブルに記憶)
所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、前記画像表示手段に表示する前記識別情報の動的表示を1又は複数回分一括して設定する設定手段と、前記識別情報の動的表示の複数回分を1単位として複数単位の前記識別情報の動的表示の態様を規定している態様規定手段とを備え、前記設定手段は、前記識別情報の動的表示を複数回分一括して設定する場合に、前記態様規定手段に規定された複数単位の前記識別情報の動的表示の態様の中から1単位を選択して設定するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。画像表示手段に表示する識別情報の動的表示が設定手段により1又は複数回分一括して設定される。識別情報の動的表示の複数回分を1単位として複数単位の識別情報の動的表示の態様が態様規定手段に規定されている。設定手段により識別情報の動的表示を複数回分一括して設定する場合に、態様規定手段に規定された複数単位の識別情報の動的表示の態様の中から1単位が選択されて設定される。
これにより、識別情報の動的表示の態様を1回毎に判断して設定する場合に比べて、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、液晶ディスプレイ等の表示装置に複数の図柄を変動表示させる演出(変動パターン演出)を行い、その変動演出後の停止図柄が予め定められた組合せであった場合に当たりとなるものがある。かかる遊技機では、1回の始動入賞に基づいて取得した乱数値に応じて1の変動演出の態様が決定される。また、始動入賞の際に、当たり状態、または、変動演出中だった場合には、その始動入賞に基づいて取得した乱数値を、所定の上限個数(例えば、4つ)まで記憶するように構成されている。
ここで、かかる遊技機においては、記憶されているデータを基に、変動パターンの態様を予め予測することが可能であり、記憶されているデータを利用して、連続予告演出を行うことができる。この連続予告演出は、抽選結果に応じた変動パターンが特定の変動パターンである場合に、その変動パターンが実行されるまでの複数回の変動にわたって、特定の演出態様になることを連続的に予告演出するものである。これにより、複数回の変動にわたって遊技者の期待感を段階的に高めることができる(例えば、特許文献1:特開2005−334273号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、期間が可変の状態(例えば、当たり状態等)において複数回の変動を実行する場合に、可変の期間に合わせた期間で、複数回の変動を決定することが困難であった。このため、変動演出の実行中に可変の期間の終了タイミングとなってしまう等の不具合により、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に違和感を与えることを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行させる特典遊技移行手段と、その特典遊技移行手段により前記特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、1又は複数の前記識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示期間群を前記特典遊技状態が実行される期間内に複数設定する期間群設定手段と、その期間群設定手段により設定される複数の前記動的表示期間群の設定順序を決定する順序決定手段と、前記期間群設定手段により設定された前記動的表示期間群に基づいて、前記識別情報の動的表示の期間をそれぞれ特定する期間特定手段とを備えるものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記期間群設定手段は、実行される1又は複数の前記識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されやすい第1動的表示期間群と、その第1動的表示期間群よりも、実行される1又は複数の前記識別情報の動的表示において前記予め定められた情報を示す識別情報が表示されにくい第2動的表示期間群とを少なくとも設定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第1動的表示期間群では、前記第2動的表示期間群に比べて、前記期間特定手段によって期間の長い前記識別情報の動的表示が特定され易いものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、所定条件の成立に基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。特典遊技移行手段により特典遊技状態へと移行した場合に、表示手段に識別情報の動的表示を行わせるように表示制御手段により制御される。1又は複数の識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示期間群が期間群設定手段により特典遊技状態が実行される期間内に複数設定される。期間群設定手段により設定される複数の動的表示期間群の設定順序が順序決定手段により決定される。期間群設定手段により設定された動的表示期間群に基づいて、識別情報の動的表示の期間がそれぞれ期間特定手段により特定される。
これにより、特典遊技状態において実行される複数の識別情報の動的表示の期間の合計をバラつきにくくすることができるので、識別情報の動的表示が終了する前に特典遊技状態が終了してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される1又は複数の識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されやすい第1動的表示期間群と、その第1動的表示期間群よりも、実行される1又は複数の識別情報の動的表示において予め定められた情報を示す識別情報が表示されにくい第2動的表示期間群とが期間群設定手段によって設定されるので、1の特典遊技状態の中で予め定められた情報を示す識別情報が表示される期待度に差を付けることができる。よって、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、第1動的表示期間群では、第2動的表示群に比べて、期間特定手段によって期間の長い識別情報の動的表示が特定され易いので、予め定められた情報を示す識別情報が表示される期待度の高い期間をより長くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
81 第3図柄表示装置(表示手段)
114 表示制御装置(表示制御手段)
222b1 ブロック1用テーブル(第1動的表示期間群の一部)
222b2 ブロック2用テーブル(第1動的表示期間群の一部)
222b3 ブロック3用テーブルA(第2動的表示期間群の一部)
222b4 ブロック3用テーブルB(第2動的表示期間群の一部)
222b5 ブロック4用テーブルA(第2動的表示期間群の一部)
222b6 ブロック4用テーブルB(第2動的表示期間群の一部)
222b7 ブロック4用テーブルC(第2動的表示期間群の一部)
222b8 ブロック4用テーブルD(第2動的表示期間群の一部)
S212 第1遊技状態設定手段
S2008,S2018 実行期間設定手段、態様特定手段

Claims (2)

  1. 識別情報を表示可能な表示手段と、
    所定条件の成立に基づいて遊技者にとって有利な第1遊技状態設定する第1遊技状態設定手段と、
    その第1遊技状態設定手段により前記第1遊技状態設定されたことに基づいて前記表示手段に前記識別情報の動的表示を行わせるように制御する表示制御手段と、
    前記第1遊技状態の間に複数回成立し得る予め定められた特定の設定条件が成立する毎に、少なくとも1の前記識別情報の動的表示を実行可能な期間である動的表示実行期間を定する実行期間設定手段と、
    その実行期間設定手段により設定された前記動的表示実行期間応じて、当該設定された動的表示実行期間の間に実行される記識別情報の動的表示における動的表示態様を特定する態様特定手段と、を備え
    前記実行期間設定手段は、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において予め定められた特定の識別情報が表示され易い第1実行期間と、その第1実行期間よりも、前記動的表示実行期間の間に実行される前記識別情報の動的表示において前記特定の識別情報が表示され難い第2実行期間と、を少なくとも含む複数の前記動的表示実行期間の中から、前記特定の設定条件の成立に基づいて1の前記動的表示実行期間を設定するものであり、
    前記第1実行期間は、前記第2実行期間よりも長い期間で構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記表示手段は、遊技者に視認可能な位置に設けられているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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