以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板31(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。保留表示エリアでは、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する保留表示エリアが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板31(遊技制御基板)および演出制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御基板80に搭載されたROM102には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、ROM102には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、など)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図11のS1217,S1228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU101が、演出モードを設定する演出モード設定処理(S400)を行なう。次に、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み予告演出処理(S500)を実行し、その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み予告演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図15は、演出モード設定処理を示すフローチャートである。本実施の形態では、複数の演出モードが設定されている。そして、演出モードによって演出表示装置9において実行される演出の内容が異なっている。演出モードおよび演出モードの移行条件については、後述する。演出モード設定処理(S400)は、図14に示す演出制御プロセス処理において実行される。まず、演出制御用CPU101は、現在の演出モードを確認し(S401)、S402へ移行する。
S402にて、演出制御用CPU101は、演出モード移行条件が成立しているか否かを判定する。演出制御用CPU101は、演出モード移行条件が成立している場合には(S402でY)、現在の演出モードを終了し、次の演出モードに対応するフラグを設定する(S403)。その後、演出モード設定処理を終了する。一方、演出制御用CPU101は、演出モード移行条件が成立していない場合には(S402でN)、現在の演出モードを維持するように設定し(S404)、その後、演出モード設定処理を終了する。
[各種領域について]
次に、演出表示装置9の表示画面の各種表示領域について説明する。演出表示装置9の表示画面において複数の表示領域が設けられている。画面中央において変動表示される演出図柄の下方には、保留表示を表示する保留表示領域が設けられる。また、保留表示領域の左側には、アクティブ保留を表示するアクティブ表示領域が設けられる。さらに、アクティブ表示領域の上には縦方向に特殊表示を表示する特殊表示領域が設けられている。
[保留表示およびアクティブ保留の説明]
ここで、保留表示Hおよびアクティブ保留AHについて、簡単に説明する。既に説明したとおり、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、保留記憶情報に基づいて第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留表示領域(保留記憶表示部、合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。演出図柄の変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示(画面において最も左側に表示されている保留表示)がアクティブ表示領域に移動する。また、残りの保留表示は、左側に1つずつシフトされる。移動された(シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示すアクティブ保留(アクティブ表示、アクティブ画像)を表示するアクティブ表示領域が画面の左下に表示される。アクティブ表示領域においては、変動表示の開始に伴い消去された保留表示が、たとえば、アクティブ表示領域に移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留表示に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ保留が表示される。
[特殊表示および特殊アクティブ保留の説明]
また、始動入賞が発生したことに基づいて保留表示が保留表示領域に表示されるときに、当該保留表示に応じた特殊表示が特殊表示領域に表示されることがある。特殊表示は、保留記憶情報に基づいて表示される保留表示の個数と同数表示される。そして、演出図柄の変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている特殊表示(特殊表示領域において最も下側に表示されている特殊表示)がアクティブ表示領域に移動する。残りの特殊表示は、下側に1つずつシフトされる。移動された(シフトされた)特殊表示は、移動された(シフトされた)保留表示と合体する組合せ演出を実行する。組合せ演出により演出結果として表示される画像が特殊アクティブ保留として、アクティブ表示領域に表示される。このような、保留表示、アクティブ保留、特殊表示、特殊アクティブ保留は、いずれも保留記憶情報に基づいて表示される表示である。なお、組合せ演出の演出結果として、特殊アクティブ保留ではなく通常のアクティブ保留のままとなる場合もある。
[演出モードについて]
ここで、本実施の形態では、第1〜第4の演出モードが設けられている。演出モードによって演出表示装置9の画面上で実行される演出が異なる。各演出モードでは、共通して保留表示とアクティブ保留とが表示される。それに対し、特殊表示は、第1の演出モード(第1モード)のみ表示される。また、第2,第3の演出モードでは、特殊表示領域において、特殊表示が表示される代わりに様々な演出が実行される。特殊表示領域において何らかの演出が実行されるステージを特殊ステージと称する。また、第4の演出モードでは、特殊表示領域には、何も表示されない。このような特殊表示領域に何も表示されない第4モードが通常ステージである。電源投入時には、デフォルトである第4モードから遊技が開始されることになる。
[移行条件について]
各演出モードは、所定の移行条件の成立により移行する。たとえば、変動表示が30回実行されたことが演出モードの移行条件である。なお、演出モードにより移行条件が成立するための変動表示の回数が異なってもよい。たとえば、第4モードである通常ステージが他の演出モードよりも長期間に亘り滞在されるようすればよい。また、遊技者がプッシュボタン120等の操作手段を操作することにより移行条件が成立し、演出モードが切替るようにしてもよい。また、毎変動毎に移行抽選を実行してもよい。毎変動毎に移行抽選を実行する場合には、変動回数が多くなるにつれて移行抽選に当選しやすくしてもよい。
また、演出モードを変更するときには、所定期間かかるため短縮変動パターンのときには、モード変更を制限し、モード変更が可能な変動パターンを受信したことを条件にモード変更が実行されるようにしてもよい。また、所定の変動回数になるとともにモード変更が可能な変動パターンを受信したことの2つを条件にモード移行条件が成立するようにしてもよい。また、特殊ステージから通常ステージに戻る回数間際にモード変更が可能な変動パターンを受信したときは、規定の変動回数に達していなくても通常ステージに移行するようにしてもよい。
図16は、特殊表示態様による演出を示す図である。図16(a)は、通常ステージである第1モードにおける演出表示装置9の表示画面を示す図である。図16(a)に示すように、はずれ図柄で表示されている演出図柄の下方に設けられた保留表示領域HBに4個の保留表示Hが表示される。また、保留表示領域HBの左側には、アクティブ表示領域AHAにおいて、アクティブ保留AHが表示される。また、アクティブ表示領域AHAの上側には、特殊表示領域HCが設けられている。各領域を示す点線は、各領域が明確になるように便宜上示したものであり、実際に表示される画像ではない。なお、各画像の表示領域は、画像で表示されるようにしてもよい。また、各表示領域の表示位置は、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置であってもよい。
図16(a)の状態から、移行条件が成立し特殊ステージである第1モードに演出モードが変更された場合を図16(b)に示す。第1モードでは、保留表示領域HBに表示される2個の保留表示Hと同数の特殊表示Xが特殊表示領域HCに表示される。特殊表示には、複数の種類が設けられており、1個目の保留表示Hに対応する特殊表示Xが星で表示される。また、2個目の保留表示に対応する特殊表示Xが四角で表示される。なお、図16(a)の状態から演出モードを変更するためのフラグがセットされた後の1回目の変動表示においては、特殊表示Xが表示されないような設定となっている。これは、特殊表示Xを表示するための時間を考慮しているためである。しかしながら、図16(a)の状態から次の変動表示が開始されるときに特殊表Xを表示するようにしてもよい。また、特殊表示Xは表示せずに背景のみ変化させるようにしてもよい。
図16(b)の状態から始動入賞が発生すると、図16(c)のように始動入賞に対応する新たな保留表示Hが保留表示領域HBにおいて、画面右側からフェードインして一番右側の保留表示Hの横に表示される。次いで、図16(c)状態から始動入賞に対応する新たな保留表示に応じた三角の特殊表示Xが特殊表示領域HCにおいて、画面上側からフェードインして一番上側にある四角の特殊表示Xの上方に表示される。図16(c),(d)に示すような保留表示Hと特殊表示Xとは表示されるタイミングに時差がある。これは、保留表示Hと特殊表示Xとが同時に表示されるといずれの表示に目線を移すかが定まらなくなってしまう虞があるからである。
次いで、図16(e)のように、変動停止時には、はずれ図柄が確定停止され、今回実行された変動表示に対応するアクティブ保留AHがアクティブ表示領域AHAから消去される。図16(e)の状態から次の変動表示が開始されることに伴って、図16(f)に示す組合せ演出が実行される。組合せ演出では、保留表示領域HBにおける最も左側の丸の保留表示Hおよび特殊表示領域HCにおける最も下側の星の特殊表示Xが、アクティブ表示領域AHAに向けて同時に移動する。そして、図16(g)に示すように、丸の保留表示Hと星の特殊表示Xとがぶつかる演出(合体する演出)が実行される。その後、図16(h)に示すように、組合せ演出の演出結果として、組合せ演出の終了時に丸の保留表示Hと星の特殊表示Xとが組合わさって形成されたイチゴの特殊アクティブ保留XAHが表示される。このような組合せ演出の演出結果として表示される特殊アクティブ保留XAHの表示態様により、大当りに遊技状態に制御される期待度が異なっている。
なお、保留表示Hと特殊表示Xとがアクティブ表示領域AXAに移動するタイミングは、必ずしも同時でなくいずれかの表示がズレたタイミングで移動するようにしてもよい。また、移動するタイミングの違いで大当り期待度が高い態様に変化させる割合を異ならせてもよい。たとえば、保留表示Hが先に移動し特殊表示Xが後に移動した方が大当り期待度が高い態様に変化する割合が高くなるようにしてもよいし、特殊表示Xが先に移動し保留表示Hが後に移動した方が大当り期待度が高い態様に変化する割合が高くなるようにしてもよい。また、保留表示Hが先に移動し特殊表示Xが後に移動することは固定だが(特殊表示Xが先に移動し保留表示Hが後に移動してもよい)、特殊表示X(あるいは保留表示H)が移動するタイミングにより大当り期待度が高い態様に変化する割合が異なるようにしてもよい。
図16(d)に示すように、第1ステージでは、保留表示Hと同数の特殊表示Xが表示される。このようにすれば、保留表示Hと特殊表示Xとが組合さる組合せ演出が保留表示Hの数だけ実行されることとなる。よって、保留記憶情報に基づく表示を変化させる演出が多彩となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図16(c),(d)に示すように、始動入賞が発生したときには、保留表示Hが表示された後に特殊表示Xが表示されるようになっている。このようにすれば、遊技者に保留表示Hと特殊表示Xとを順番に示すことで、遊技者の目線を好適に誘導することができる。なお、特殊表示Xが表示された後に保留表示Hが表示されるようにしてもよい。また、保留表示Hがフェードインして表示されるタイミングの途中で特殊表示Xが表示されるようにしてもよい。
また、図16(f)〜(h)に示すように、組合せ演出として、保留表示Hと特殊表示Xとを変動表示の開始時にアクティブ表示領域AHAに移動するようにしている。このようにすれば、保留記憶情報に基づく表示を変化させる演出が多彩となり遊技の興趣を向上させることができる。特に、保留記憶数が多いとき(たとえば2以上のとき)には、保留表示Hと特殊表示Xとがともに表示されることで、2つの表示による演出期間を担保でき、遊技の興趣が向上する。
また、図16(a),(b)に示すように、演出モードが変化したときでも、保留表示Hの表示位置は、保留表示領域HBの中で同じである。このようにすれば、演出モードが変化したときに保留表示Hの位置を変更させる必要がないので、制御の負担を軽減することができる。なお、演出モードは、通常ステージから特殊ステージに変化したときも特殊ステージから通常ステージに変化したときでも表示位置が同じになるようにすればよい。
次に、第2モードおよび第3モードが実行される特殊ステージについて説明する。図17は、第2モードおよび第3モードによる演出を示す図である。図17(a)は特殊ステージに移行した場合の演出表示装置9の画面を示す図である。特殊ステージは、4つの演出モードのうち第1〜第3の演出モードにおいて実行される。また、特殊ステージにおいて、各種の演出が実行されるのは、特殊表示領域HCにおいてである。つまり、特殊表示領域HCが演出モードに応じて変化することになる。図17(b)〜(g)は、特殊表示領域HCで実行される各種の演出を拡大して表示した図である。なお、演出モードに応じて特殊表示領域HC以外の表示領域の背景も変化するようにすればよい。また、演出モードに応じて特殊表示領域HCにおいて実行される演出として、一部共通の演出パターンを備えてもよい。
図17(b)に示すように、第2モードでは、キャラクタがボールをゴールに向かって蹴るサッカー演出が実行される。図17(b)の状態からキャラクタがボールをゴールに向かって蹴るときに、図17(c)に示すような成功パターンでは、ボールがゴールに入る。また、図17(b)の状態からキャラクタがボールをゴールに向かって蹴るときに、図17(d)に示すような失敗パターンでは、ボールがゴールからはずれた場所へと飛んで行く。
図17(c)に示すように、成功パターンでは、現在実行されている変動表示において、大当り期待度が高い変動表示であることが示される。逆に、失敗パターンでは、現在実行されている変動表示がはずれとなる変動表示であることが示される。なお、プレミアムキャラクタが登場して大当り表示結果となる大当り確定の成功パターンがあってもよい。また、失敗パターンであったとしても最終的な結果が大当り表示結果となるパターンがあてもよい。
次に、第3モードについて説明する。図17(e)に示すように、第3モードでは、キャラクタが的に向かって矢を投げるダーツ演出が実行される。的には、「×」、「チャンス」、「変」の文字が記載されている。このような的の態様において、「×」ははずれ表示結果となることを示し、「チャンス」は実行されている変動表示が期待度が高いものであることを示し、「変」は保留表示が変化することを示している。図17(e)の状態からキャラクタが矢を的に投げて図17(f)に示すように、「チャンス」に矢が刺さることにより成功パターンとなる。また、図17(e)の状態からキャラクタが矢を的に投げて図17(g)に示すように、「×」に矢が刺さることにより失敗パターンとなる。
図17に示すように、演出モードによって異なる種類の演出を実行することが可能である。このようにすれば、保留表示領域HBやアクティブ表示領域AHA以外の領域である特殊表示領域HCにおいても演出モードによって異なる演出が実行されるので、表示領域における演出の興趣を向上させることができる。より具体的には、第2モードと第3モードとでは、実行される演出で示唆される対象が異なるようになっている。第2モードでは、当該変動の期待度が示唆され、第3モードでは、当該変動の期待度の示唆と保留変化の示唆とがされるようになる。なお、各モードにおいて実行される演出はどのような演出であってもよく、各モードによって、示唆される対象が異なるようにすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
図18は、特殊表示態様決定テーブルおよび的態様決定テーブルを示す図である。図18(A),(B)は、図16で示した特殊表示態様による演出において使用される特殊表示態様を決定するためのテーブルを示し、図18(C),(D)は、図17で示した第3モードにおけるダーツ演出において使用される的態様を決定するためのテーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図18(A),(B)に示すように、図16で示した特殊表示態様による演出において使用される特殊表示態様には、三角(△)、四角(□)、星(☆)の3種類が設定されており、テーブルに記載の割合に従って、いずれにするかが決定される。図18(A)の大当り時特殊表示態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報が大当りのときに用いられ、図18(B)のはずれ時特殊表示態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報がはずれのときに用いられる。
図18(A)の大当り時特殊表示態様決定テーブルでは、特殊表示態様の決定割合が、三角(△)の場合には30%、四角(□)の場合には50%、星(☆)の場合には20%となるように設定されている。つまり、大当り時には、特殊表示態様が四角(□)に決定される割合が最も高く、星(☆)に決定される割合が最も低くなるように設定されている。
図18(B)のはずれ時特殊表示態様決定テーブルでは、特殊表示態様の決定割合が、三角(△)の場合には60%、四角(□)の場合には30%、星(☆)の場合には10%となるように設定されている。つまり、はずれ時には、特殊表示態様が三角(△)に決定される割合が最も高く、星(☆)に決定される割合が最も低くなるように設定されている。
図18(A),(B)の設定により、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときには、はずれ表示結果となるときと比べ、特殊表示態様が四角(□)に決定される割合が高くなる。よって、特殊表示態様が四角(□)の場合には、特殊表示態様が三角(△)や星(☆)の場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
なお、三角(△)<四角(□)<星(☆)の割合で大当り期待度が高くなるように決定されるようにしてもよい。また、特殊表示態様は、大当り表示結果となる場合とはずれ表示結果となる場合とで、決定される特殊表示態様の割合が同じであるようにしてもよい。つまり、始動入賞毎に表示結果に関係なくランダムにいずれかの特殊表示態様に決定されるようにしてもよい。
図18(C),(D)に示すように、図17で示した第3モードにおける演出において使用される的態様には、「実行なし」、「×」、「チャンス」、「変」の4種類が設定されており、テーブルに記載の割合に従って、いずれにするかが決定される。ここで、「実行なし」は、ダーツ演出が実行されないことを示している。また、「×」は失敗パターンを、「チャンス」は当該変動の期待度を、「変」は保留変化を示す。また、保留合計数が1以下で「変」が選択された場合には、「実行なし」に書き換えられる設定となっている。図18(C)の大当り時的態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報が大当りのときに用いられ、図18(D)のはずれ時的態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報がはずれのときに用いられる。
図18(C)の大当り時的態様決定テーブルでは、的態様の決定割合が、「実行なし」の場合には40%、「×」の場合には0%、「チャンス」の場合には35%、「変」の場合には25%となるように設定されている。このように、大当り時には、的態様が失敗パターンである「×」に決定されることがないように設定されている。
図18(D)のはずれ時的態様決定テーブルでは、特殊表示態様の決定割合が、「実行なし」の場合には50%、「×」の場合には30%、「チャンス」の場合には15%、「変」の場合には5%となるように設定されている。このように、はずれ時には、的態様が保留変化を示す「変」に決定される割合が最も低くなるように設定されている。
[特定演出の説明]
次に、本実施の形態で実行される特定演出を説明する。特定演出は、変動表示に対応する所定表示の表示態様を変化させる演出である。変動表示に対応する所定表示とは、たとえば、保留表示またはアクティブ保留のことである。したがって、特定演出は、たとえば、保留表示またはアクティブ保留の表示態様を変化させる演出である。保留表示またはアクティブ保留の表示態様を変化させることによって、その保留表示またはアクティブ保留が遊技者によって有利となることを示唆する。遊技者にとって有利とは、たとえば、その保留表示またはアクティブ保留に対応する変動表示の結果が大当りになることであり、その他、その保留表示またはアクティブ保留の変動表示が大当りの期待の高いリーチとなることである。このような特定演出は、第4の演出モード(通常ステージ)において実行される。なお、特定演出が第1〜第4の演出モードとは別の第5演出モード中に実行されるようにしてもよい。
また、特定演出が実行される変動表示では、特定演出が変動表示中に実行される各種の演出と被らないように、特定演出中は変動表示の表示領域を縮小するようにしてもよい。また、画面の表示領域を分割して、変動表示に関する演出が実行される領域と、特定演出が実行される領域との区別が付くようにしてもよい。また、別の画像表示装置を設け、その表示領域において特定演出が実行されるようにしてもよい。また、所定表示にボールや剣あるいは矢などが衝突あるいは刺さる如く、所定表示に作用表示が作用することによって、所定の操作手段の操作を促す操作促進表示を完成するものとしてもよい。
保留表示の表示態様を変化させる特定演出の具体例を図19に示す。また、アクティブ保留の表示態様を変化させる特定演出の具体例を図29、図37のそれぞれに示す。はじめに、保留表示の表示態様を変化させる特定演出の具体例を説明する。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)]
図19は、保留変化演出を示す図である。保留変化演出は、保留表示に関する特定演出の一例である。また、保留変化演出は、ターゲットとなる保留表示の態様を変化させることによって、その保留表示に対応する変動表示に関する動作を予告する演出であるから、先読み演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介する保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示にぶつかって割れることで、対象の保留表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示が大当りである期待度が高い(図21参照)。保留表示の色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
本実施の形態の保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる(図22参照)。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
以下、図19に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像THまたはHが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示は、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下には、アクティブ表示領域AHAが表示されている。アクティブ表示領域AHAの上にはアクティブ保留AHが表示されている。
図19(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、変動表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール931の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図19(b)に示す。このような減速制御の演出は、たとえば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボールの931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図19(c)は成功パターンを示し、図19(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120が振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン120が振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン120に代えて、あるいは、プッシュボタン120に加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン120が振動する場合の方が、プッシュボタン120が振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン120の振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン120の強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン120が強振動する場合の方が、プッシュボタン120が弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色から複数の色のいずれかに変化する。たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示に衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示に衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示に衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
図20は、保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。特に、図20(A)は、大当り時保留変化演出実行決定テーブルを示し、図20(B)は、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留変化演出を実行するか否かが乱数SR2によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、大当り時保留変化演出実行決定テーブルの方がはずれ時保留変化演出実行決定テーブルよりも「あり」が選択される割合が高くなっており、特には、保留変化演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当りとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。図20に示す保留変化演出実行決定テーブルを用いることによって、保留変化演出に対して遊技者に興味を抱かせることができる。
図21は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出において保留表示の色の変化を決定するために用いられる。特に、図21(A)は、大当り時保留変化態様決定テーブルを示し、図21(B)は、はずれ時保留変化態様決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留表示の色の変化が乱数SR3によって振り分けて抽選される。
保留変化演出には、成功パターンと失敗パターンとがある(図19参照)。成功パターンは、カラーボールが割れて保留表示の色が変化するパターンであり、その際に保留表示の色は、青、緑、赤のいずれかに変化する。失敗パターンは、カラーボールが割れないパターンであり、そのために、保留表示の色は変化しない。変化した保留表示の色は、その保留表示が大当りに対応することの期待度を示唆しており、たとえば、赤が最も大当り期待度が高く、次が緑、その次が青である。また、色が変化しない場合の大当り期待度は、色が変化するいずれの場合よりも低い。このように、色に応じて大当り期待度を示唆できるようにするため、保留変化態様決定テーブルでは、各色に対応する乱数SR3が図21に示すように割り振られている。なお、色が変化する前の保留表示の色は、青、緑、赤以外のいずれでもよく、たとえば、白である。
図21に示す保留変化態様決定テーブルを用いることによって、保留表示の色が変化するか否かという点のみならず、変化する色にも遊技者を注目させることできる。
図22は、減速期間決定テーブルを示す図である。減速期間決定テーブルは、保留変化演出においてカラーボールの減速制御を実行するときの減速期間を決定するために用いられる。減速期間とは、キャラクタによって放たれたカラーボールの速度が初速とは異なる速度に減速し始めてから、その減速を終えるまでの期間である。特に、図22(A)は、成功パターン用減速期間決定テーブルを示し、図22(B)は、失敗パターン用減速期間決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。成功パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を成功パターンとするときに用いられるテーブルである。失敗パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を失敗パターンとするときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、減速期間を3秒および5秒のうちのいずれにするかが乱数SR4によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、成功パターン用減速期間決定テーブルの方が失敗パターン用減速期間決定テーブルよりも減速期間5秒が選択される割合が高くなっており、特には、減速期間が長い場合の方が短い場合よりも、その保留変化演出が成功パターンとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。なお、ここでは、複数の減速期間として、3秒と5秒とを例示したが、それ以外の減速期間を採用してもよく、3つ以上の減速期間を採用してもよい。なお、大当りか否かにより減速期間が異なるようにしてもよい。
このように、減速期間の違いによって成功パターンとなる期待度が異なるため、遊技者に対して、減速期間に注目させることができる。特に、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタがボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通としているため、ボールが減速を開始した段階で遊技者に減速期間の長短を悟らせることがなく、遊技者の期待感を維持することができる。
図23は、演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。演出実行タイミング決定テーブルは、複数の保留表示が存在する場合に、保留表示が何回シフトした段階で保留変化演出を実行するかを決定するために用いられる。複数の保留表示が存在する場合には、保留変化演出の対象となる保留表示は、それらの複数の保留表示のうちの最後に消化される保留表示としている。たとえば、保留表示が3つであれば、左から3つ目の保留表示が保留変化演出の対象となり、保留表示が8つであれば、左から8つ目の保留表示が保留変化演出の対象となる。演出実行タイミング決定テーブルを用いて、対象の保留表示が何回右側シフトした段階(いくつの保留記憶を消化した段階)で、保留変化演出を実行するかが乱数抽選によって決定される。
演出実行タイミング決定テーブルには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数別に、保留変化演出の各実行タイミングに対して割り当てられた乱数の割合(パーセント表示)が示されている。たとえば、合算保留記憶数が2の場合には、左から2つ目の保留表示が保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)に決定される。つまり、2つの保留表示のうちの左側の保留表示がアクティブ保留に変化し、右側の保留表示が左にシフトした段階で、保留変化演出が開始されることになる。
合算保留記憶数が4の場合には、左から4つ目の保留表示が保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)、2回シフトが発生したとき(シフト回数=2)、および3回シフトが発生したとき(シフト回数=3)のいずれかに乱数抽選によって決定される。その決定割合は、シフト回数=1が45%、シフト回=2が30%、シフト回数=3が25%である。
演出実行タイミング決定テーブルから理解されるとおり、合算保留記憶数がいずれの場合であっても、シフト回数が少ない段階で保留変化演出が実行される割合の方が、シフト回数が多い段階で保留変化演出が実行される割合よりも高い。これにより、保留変化演出の実行機会を極力多くすることができる。
図24および図25は、先読み予告処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、図14のS500のサブルーチンである。はじめに、合算保留記憶数指定コマンドおよび変動種別コマンドの受信時であるか否かが判断される(S450)。それらのコマンドの受信時でなければ(S450でN)、処理を終了する。一方、それらのコマンドの受信時であれば(S450でY)、特殊表示態様決定テーブルに基づいて、特殊表示の表示態様を決定し(S451)、S452移行する。このように、特殊表示の表示態様は、始動入賞が発生する毎に特殊ステージに移行しているか否かに関わらず抽選で決定される。そして、常に抽選しているが通常ステージの場合には、特殊表示を表示していない。なお、特殊ステージにいることを条件として特殊表示の表示態様の抽選が実行されるようにしてもよい。
S452では、第1モードフラグがセットされているか否かを判定する。第1モードフラグがセットされている場合には(S452でY)、第1モードの表示設定(特殊態様で表示することに設定)をし(S453)、S514へ移行する。S453の表示設定により、特殊表示領域HCにおいて特殊表示Xが表示されるように設定される。一方、第1モードフラグがセットされていない場合には(S452でN)、S454へ移行する。
S454では、第2モードフラグがセットされているか否かを判定する。第2モードフラグがセットされている場合には(S454でY)、第2モードの表示設定をし(S455)、S514へ移行する。S455の表示設定により、特殊表示領域HCにおいてサッカー演出が実行される背景へと切替わる設定がされる。一方、第2モードフラグがセットされていない場合には(S454でN)、S456へ移行する。
S456では、第3モードフラグがセットされているか否かを判定する。第3モードフラグがセットされている場合には(S456でY)、第3モードの表示設定をする(S458)。S458の表示設定により、特殊表示領域HCにおいてダーツ演出が実行される背景へと切替わる設定がされる。次いで、的態様決定テーブルに基づいて、的を表示するか否かおよび的の態様を決定し(S459)、S514へ移行する。一方、第3モードフラグがセットされていない場合には(S456でN)、S502へ移行する。
S502では、変化演出制限フラグがすでにセットされているか否かが判断される。変化演出制限フラグは、保留変化演出の実行有が決定されてからその演出を終えるまでにセット状態が保持されるフラグである。変化演出制限フラグは、保留変化演出を終えていないにも関わらず、新たに保留変化演出の実行が決定されることを防ぐためのフラグである。
したがって、変化演出制限フラグがセットされているときには処理が終了するが、セットされていないときには、保留合計数が2以上か否かが判断される(S503)。保留合計数が2以上でなければ、保留変化演出を行なわないので処理が終了するが、保留合計数が2以上であれば、新たな保留記憶は、リーチの変動パターン種別であるか否かが判断される(S504)。ここで、“新たな保留記憶”とは、複数ある保留記憶(S503)のうちで最新の保留記憶のことであり、換言すると、最も右側に表示されている保留表示に対応する保留記憶のことである。既に、図25を用いて説明したとおり、そのような保留記憶が保留変化演出の対象として選定され得る。したがって、S505では、保留変化演出の対象として選定され得る保留記憶が大当りか否かが判断されている。
S505において、新たな保留記憶が大当りであると判断されたときには、大当り時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S506)、S507において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いて大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S508)。保留変化態様は、成功パターンと失敗パターンとに大別される。成功パターンは、保留表示にぶつかったカラーボールが割れて保留表示の色が変わるパターンであり、失敗パターンは、保留表示にぶつかったカラーボールが割れずに跳ね返り、その結果、保留表示の色が変わらないパターンである。成功パターンは、さらに、変化する保留表示の色が青、緑、赤の3つのパターンに分かれる。S508では、失敗パターンまたは3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S507において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、図20(A)に示したとおりであり、大当り時保留変化態様決定テーブルは、図21(A)に示したとおりである。
S505において、新たな保留記憶がはずれであると判断されたときには、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S515)、S515において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いてはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S517)。なお、S517では、失敗パターンまたは変化する保留表示の色が青、緑、赤の3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S516において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、図20(B)に示したとおりであり、はずれ時保留変化態様決定テーブルは、図21(B)に示したとおりである。
S508またはS517の処理において、保留変化態様が成功パターンに決定されたときには(S509でYES)、成功パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。一方、S508またはS517の処理において、保留変化態様が失敗パターンに決定されたときには(S509でNO)、失敗パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S518)。成功パターン用減速期間決定テーブルは、図22(A)に示したとおりであり、失敗パターン用減速期間決定テーブルは、図22(B)に示したとおりである。減速制御される期間(減速期間)は、図22に示すとおり、3秒および5秒のいずれかに決定される。
S510において、成功パターンとするときの減速期間が決定された後、ボタン報知演出を実行することが決定される(S511)。ボタン報知演出は、図19を用いて説明したとおり、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120を振動させることによって、成功パターンを遊技者に予告する演出である。
S511またはS518の後、変化演出制限フラグがセットされる(S512)。次に、演出実行タイミング決定テーブルにより、保留変化演出の実行タイミングが決定される(S513)。演出実行タイミング決定テーブルは、図23に示したとおりである。この処理によって、保留変化演出の対象となる保留表示がいくつシフトした段階で保留変化演出を実行するかが決定される。次に、本先読み予告処理において決定された内容が記憶領域に保存され(S514)、処理が終了する。
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理については、後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)の変形例]
図19に示したキャラクタ930は、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するよう、予め定めた複数の速度(たとえば、低速、中速、高速の3種類)のいずれかをマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合、単にランダムにその速度を選択するのではなく、たとえば、選択された速度に応じて、成功パターンになるか失敗パターンになるかの割合が異なるようにしてもよい。
さらに、キャラクタ930が投球する位置を複数設定してもよい。たとえば、対象の保留表示からの距離が遠い遠距離位置と、その距離が当該遠距離位置に比較して近い近距離位置とからマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合には、遠距離位置のときのカラーボール931の初速が早いほど成功パターンになりやすく、近距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いほど成功パターンになりやすくしてもよい。遠距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いと、カラーボール931が対象の保留表示に衝突するまでに長い時間がかかるため、演出が間延びしてしまうが、初速を早くすることで演出が間延びするとことを防止できる。一方、近距離位置のときのカラーボール931の初速が早いと、カラーボール931が短い時間で対象の保留表示に衝突するため、十分に演出を遊技者が楽しめない可能性があるが、初速を遅くすることで遊技者が十分に演出を楽しむ時間を確保することができる。
キャラクタ930が、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するようにした場合であっても、減速期間に入ったときのその減速時の速度は、いずれも共通とすることが考えられる。減速時の速度を共通化することによって、減速時の速度を複数の中から選択的に設定する場合と比較して減速制御を単純化できる。
保留変化演出において、必ず減速制御を伴うのではなく、減速制御を伴わない場合があるようにしてもよい。この場合、減速制御を伴った方が、それを伴わなかった場合に比較して成功結果が得られる期待度が高くなるように設計すれば、減速制御の実行に対する遊技者の期待感を高めることができる。
カラーボールの減速期間は様々に設定できる。たとえば、保留表示にカラーボールが衝突する前に元の速度にもどしてもよい。また、成功パターンであっても、プッシュボタン120が振動しない場合があるようにしてもよい。また、失敗パターンであっても、成功パターンのときよりも低い割合であるものの、プッシュボタン120が振動する場合があるようにしてもよい。
演出結果が失敗となるパターンを実行するときには、減速制御が継続している状態でカラーボールが対象の保留表示に衝突するのではなく、衝突前にカラーボールの速度が元の速度に戻り、保留表示に衝突して跳ね返った後に落下、あるいは、保留表示に衝突することなく、通過するようにしてもよい。
所定表示に対して作用表示が作用する例として、ここでは、カラーボールが作用する例を挙げた。しかしながら、このような作用表示に代えて、たとえば、対象の保留表示の周辺が他の保留表示の周辺とは異なる色に変化するようなエフェクトを与えることを以て、作用表示としてもよい。
また、減速制御を行なう際に、減速したタイミングに合わせて、背景画像における変化対象(所定表示としての保留表示やアクティブ保留等)および作用物(作用表示としてのカラーボール)とを含む領域と、それ以外の領域とで画面の明るさを変えるようにしてもよい。具体的には、減速タイミングにおいて変化対象および作用物以外の背景画像を暗くすることで特定演出(保留変化演出や後述するアクティブ保留変化演出)に注目させることができる。逆に、変化対象および作用物を明るくすること、または、変化対象および作用物に所定のエフェクト画像を付加することで強調表示するようにしてもよい。なお、明るさの設定等は、変化対象と作用物とのうちいずれか一方のみにおいて実行されるようにしてもよい。
図19に示した保留変化演出は、保留表示の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出をアクティブ保留の変化に関わるアクティブ保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図19を参照して、キャラクタ930は保留表示Hに向けてボールを投げるのではなく、アクティブ保留AHに向けてボールを投げる演出とする。演出の内容としては、図19を用いて説明したものに準じて、成功パターンと失敗パターンとに変化するものとする。また、その制御も図20〜図22に示した各テーブルを用いて実行するとよい。
保留変化演出やアクティブ保留変化演出以外で減速制御が行なわれるようにしてもよい。たとえば、変動中に画面の中央に所定の画像を表示し、当該所定の画像に作用表示が作用する際に、減速制御を行なうようにしてもよい。所定の画像は、保留表示やアクティブ保留とは関連のない画像である。そして、所定の画像に作用表示が作用することにより、成功するパターンと、失敗するパターンとを設けてもよい。成功するパターンでは、所定の画像に作用表示が作用することで、プッシュボタン120等の操作手段の操作を促す操作促進表示が完成するようにしてもよい。このような演出は、通常の遊技状態で行なわれてもよいし、高確率中や時短中で行なわれてもよい。より具体的には、高確率中に画面中央に手の画像を表示し、そこにボタンを示す画像が飛んできて、当る手前で減速制御を開始し、手の画像がボタン画像をキャッチすれば、ボタン操作を促す操作促進表示の演出へと発展し、手の画像がボタンが画像をキャッチできなければ、演出が終了するものとしてもよい。そして、操作促進表示の演出の実行中にプッシュボタンを操作することで、大当りとなったことやハズレとなったことを示す画像が表示される演出が実行されるようにすればよい。
保留表示は、画像以外のもので表されるようにしてもよい。たとえば、保留表示は、LED等の点灯で示されるようにしてもよい。そして、作用表示としてしめされる画像の減速制御を保留表示に対応するLEDの手前で行なえばよい。失敗パターンでは、LEDの点灯色は変更せず、成功パターンでは、LEDの点灯色を変更すればよい。
図27は、組合せ演出決定テーブルを示す図である。図27(A)は、大当り時組合せ演出決定テーブルを示し、図27(B)は、はずれ時組合せ演出決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図27(A),(B)に示すように、図16で示した特殊表示態様による演出において使用される特殊アクティブ保留の態様には、丸(○:通常態様)、バナナ、スイカ、イチゴの4種類が設定されており、特殊表示態様別に、テーブルに記載の割合に従って、いずれにするかが決定される。図27(A)の大当り時組合せ演出決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられ、図27(B)のはずれ時組合せ演出決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられる。
図27(A)の大当り時組合せ演出決定テーブルでは、特殊表示態様が三角(△)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が80%、バナナが10%、スイカが10%、イチゴが0%となるように設定されている。また、特殊表示態様が四角(□)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が70%、バナナが15%、スイカが10%、イチゴが5%となるように設定されている。また、特殊表示態様が星(☆)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が0%、バナナが20%、スイカが30%、イチゴが50%となるように設定されている。
図27(B)のはずれ時組合せ演出決定テーブルでは、特殊表示態様が三角(△)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が90%、バナナが5%、スイカが5%、イチゴが0%となるように設定されている。また、特殊表示態様が四角(□)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が85%、バナナが10%、スイカが5%、イチゴが0%となるように設定されている。また、特殊表示態様が星(☆)の場合には、特殊アクティブ保留態様の決定割合が、丸(○)が0%、バナナが60%、スイカが30%、イチゴが10%となるように設定されている。
図27(A),(B)の設定により、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、特殊アクティブ保留態様が丸(○)以外の態様に変化する割合が高くなっている。特に、大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、イチゴに決定される割合が高くなるようになっている。よって、特殊アクティブ保留態様がイチゴの場合には、特殊アクティブ保留態様がイチゴ以外の場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
また、図27(A)と上記で説明した図18(A)の設定により、特殊表示態様が星(☆)の場合には、特殊表示態様が四角(□)や三角(△)の場合よりも、先読み予告演出において決定される割合は低いが、特殊表示態様として星(☆)が選択された場合には、特殊アクティブ保留態様が期待度の高いイチゴに決定される割合が高く、星(☆)が表示されると大当りに対する期待度が高くなる。また、星(☆)は必ず通常態様である丸(○)以外の特殊アクティブ態様へと変化するため、その後の展開に期待を持たせることができる。
なお、図27の選択割合は適宜変更可能である。たとえば、大当りの場合であっても特殊表示態様が三角(△)である場合には、イチゴが0%となるように設定されているが、イチゴが選択される場合があってもよい。また、はずれの場合に、三角(△)や四角(□)の特殊表示態様のときにイチゴが選択されるようにしてもよい。また、特殊表示態様が星(☆)の場合に、丸(○)の特殊アクティブ保留態様が選択されるようにしてもよい。
図27に示すように、アクティブ保留AHの表示態様が特殊アクティブ保留XAHとしてのバナナ、スイカ、イチゴに変化する場合と、丸型の保留表示Hの態様を引継いで丸型のアクティブ保留AHとして表示される場合とがある。このようにすれば、保留記憶情報に基づく表示を変化させる演出が多彩となり遊技の興趣を向上させることができる。
また、図27に示すように、保留表示Hと特殊表示Xとの組合せが同じであっても、特殊アクティブ保留XAHの表示態様が異なることがある。たとえば、保留表示Hが丸(○)であり、特殊表示が四角(□)であっても、特殊アクティブ保留XAHは、バナナ、スイカ、イチゴになることがある。このようにすれば、保留記憶情報に基づく表示を変化させる演出が多彩となり遊技の興趣を向上させることができる。
図28は、サッカー演出決定テーブルを示す図である。図28(A)は、大当り時サッカー演出決定テーブルを示し、図28(B)は、はずれ時サッカー演出決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図28(A),(B)に示すように、図17で示した第2モードにおけるサッカー演出の内容には、「実行なし」、「ゴールはずす」、「ゴール決める」の3種類が設定されており、テーブルに記載の割合に従って、いずれにするかが決定される。図28(A)の大当り時サッカー演出決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられ、図28(B)のはずれ時サッカー演出決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられる。
図28(A)の大当り時サッカー演出決定テーブルでは、サッカー演出内容の決定割合が、「実行なし」が50%、「ゴールはずす」が10%、「ゴール決める」が40%となるように設定されている。一方、図28(B)のはずれ時サッカー演出決定テーブルでは、サッカー演出内容の決定割合が、「実行なし」が70%、「ゴールはずす」が20%、「ゴール決める」が10%となるように設定されている。
図28(A),(B)の設定により、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶情報が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、サッカー演出内容が「ゴール決める」に決定される割合が高くなる。よって、サッカー演出内容が「ゴール決める」であった場合には、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
[アクティブ保留に関する特定演出(アクティブ保留変化演出)]
図29は、アクティブ保留変化演出を説明するための図である。アクティブ保留変化演出は、アクティブ保留に関する特定演出の一例である。また、アクティブ保留変化演出は、アクティブ保留の態様を変化させることによって、進行中の変動表示に関する動作を予告する演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介するアクティブ保留変化演出は、アクティブ保留に向けて投げ放たれたカラーボールがそのアクティブ保留にぶつかって割れることで、アクティブ保留の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。見事にボールが割れてアクティブ保留の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずにアクティブ保留の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、進行中の変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、かつ、その期待度は、変化する色によっても異なる(図31参照)。
たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、進行中の変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。対象がアクティブ保留であるという点や減速期間が存在しない点などを除けば、図29に示すアクティブ保留変化演出は、図19を用いて説明した保留変化演出と演出内容が共通している。
特に、図29に示すアクティブ保留変化演出が図19に示す保留変化演出と大きく異なる点は、カラーボール931を投げるキャラクタ930の位置によって、成功パターン(アクティブ保留の色が変わる)となる成功率と、成功パターンのときに最も大当り期待度の段階の高い色(赤)となる率が異なる点である。なお、キャラクタ930の種類は、その位置の違いに関わらず同じである。このように、キャラクタ930が共通であるので、位置を変更したときにキャラクタ930がその場所を移動したように遊技者に感じさせることができる。ただし、位置によって異なるキャラクタを表示するようにしてもよい。
以下、図29に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、アクティブ表示領域AHA、アクティブ保留AH、および保留表示Hが表示されている。
図29(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を携えたキャラクタ930が位置Aに登場する。キャラクタ930が登場した段階で画面には、プッシュボタンの操作が有効である旨が表示される(図示省略)。このとき、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Aから位置Bに移動し、さらに、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Bから位置Cに移動し、さらにプッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Cから位置Aに移動する。このように、プッシュボタン120の操作に応じて、キャラクタ930の位置がA→B→C→A→B…と繰り返して変化する。したがって、演出の開始位置を変更する面白みを遊技者に提供できる。アクティブ保留AHからは、位置Aが最も近く、位置Cが最も遠い。図29(b)には、キャラクタ930の位置として位置Cが選択されている状態が示されている。なお、操作が有効な期間は予め定めらており、その操作有効期間を画面上でカウントダウンしてもよい。
図29(c)には、アクティブ保留AHに最も近い位置Aからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ保留AHにぶつかる。続いて、図29(d)には、そのカラーボール931が見事に割れてアクティブ保留AHの色が変わった様子が示されている。
一方、図29(e)には、アクティブ保留AHから最も遠い位置Cからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ保留AHにぶつかる。続いて、図29(f)には、そのカラーボール931が割れることなく跳ね返っている様子が示されている。したがって、この時は、アクティブ保留AHの色は変化しない。
このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ保留AHに近い程、演出が成功パターンとなる割合が高く、したがって、アクティブ保留AHの色が成り上がる割合も高い。したがって、その観点のみからすると、遊技者としては、プッシュボタン120を操作してキャラクタ930の位置を位置Aに設定することを望むことになる。しかしながら、このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ保留AHに近い程、3種類の色のうち、最も大当り期待度の低い赤にしかアクティブ保留AHの色が成り上がらない割合が高くなっている。
つまり、アクティブ保留が大当りであるならば、本来的には成功パターンにおいて最も大当り期待度の高い赤にアクティブ保留AHの色を成り上げるべきなのであるが、そのときのキャラクタ930の位置が位置Aに設定されていると、成功パターンが選択される割合が高いものの、その際の成り上がりの色が、赤ではなく最も期待度の低い青に設定されてしまう訳である。言いかえると、位置Aは、成り上がりの演出を見易いものの、その演出が示す成り上がりの色が、本来の大当り期待度に対応した色に到達せずに、それよりも大当り期待度の観点において段階の低い色に制限されてしまう可能性が高くなるということである。この場合、遊技者は、大当り期待度に応じた本来の成り上がり色は、それよりも段階の高い色であるかもしれないという不安な気持ちを抱かざるを得ない。
一方で、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ保留AHから遠い程、演出が成功パターンとなる割合が低いために、成り上がりの演出を見ることのできる機会が減るのであるが、運よく、成功パターンを見ることができたときには、そのときの成り上がりの色は、本来の大当り期待度に対応した色である可能性が高くなるということである。たとえば、大当りが決定されているときにアクティブ保留AHから最も遠い位置Cで演出を実行すると、成功パターンは発生し難いものの、もし、成功パターンが発生したときには、その時の色が実際の期待度を示すものとなる。その結果、遊技者は本来の大当り期待度をその成り上がった色から察することができる。
このように、このアクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。このような演出を実現するために、本パチンコ遊技機1においては、成功パターンのときのアクティブ保留AHの成り上がりの色を2段階で決定している。
第1段階として、キャラクタ930の位置を考慮せずに、アクティブ保留が大当りであるか否かの観点から成り上がりの色を決定する。このときに決定した色を“最終色”と称する。最終色は、アクティブ保留が大当りであるか否かの観点から決定された色であるので、その色はアクティブ保留が大当りとなる期待度を忠実に反映している。ただし、決定された“最終色”が実際に演出に用いられるか、あるいは、それよりも大当り期待度の低い色が演出に用いられるかは、次の第2段階での決定によって決まる。
第2段階として、キャラクタの投球位置を考慮して、第1段階で決定した“最終色”を実際に演出に用いるか、あるいは、それに制限をかけることによって、大当り期待度を表す指標が“最終色“以下の色にするかを決定する。たとえば、“最終色”が赤である場合でも、制限をかけた場合には、実際の成り上がり色として採用する色は青とする。これら第1段階、および第2段階の決定の詳細は図31〜図36の説明によってより明らかとなる。
このアクティブ保留変化演出では、アクティブ保留AHから近い位置の方が成功パターンの期待度が高いため、近い位置の方が変化し易いのではないかという遊技者の想定に合致した演出を提供できる。なお、このアクティブ保留変化演出において、図19を用いて説明した減速制御の演出を加えてもよいし、また、失敗パターンとしては、投げ放たれたボールがアクティブ保留にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。
図30は、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、アクティブ保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。アクティブ保留変化演出を実行するか否かが乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、演出ありと演出なしとの比率が2:3となるように設定されている。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図31は、アクティブ保留最終色決定テーブルを示す図である。アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出においてアクティブ保留の色を変えるときの色(成り上がりの色)の種類を決定するために用いられる。すでに説明したとおり、実際に演出に用いられる成り上がり色は、ここで決定される“最終色”とは異なる場合がある。特に、図31(A)は、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルを示し、図20(B)は、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ保留が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ保留がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、“最終色”が乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、変化なしについては、はずれのときの方が大当りのときよりも選択率が高く、青、緑、赤については、その順に大当り期待度が高くなるような態様とされている。なお、“最終色”は、投球するキャラクタの位置に関わりなく、アクティブ保留最終色決定テーブルに基づいて選択される、いわば、仮決めされた成り上がり色である。
図32および図33は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、図26のS616にて実行されるサブルーチンである。まず、演出処理では、第1モードフラグがセットされているか否かを判定する(S480)。第1モードフラグがセットされている場合には(S480でY)、S481へ移行する。一方、第1モードフラグがセットされていない場合には(S480でN)、S483へ移行する。
S481では、第1モードフラグがセットされて1回目の変動であるか否かを判定する。第1モードフラグがセットされて1回目の変動である場合には(S481でY)、S907へ移行する。一方、第1モードフラグがセットされて2回目以降の変動である場合には(S481でN)、組合せ演出決定テーブルにより特殊アクティブ保留の表示態様を決定し(S482)、S907へ移行する。ここで、第1モードフラグがセットされた後の1回目の変動表示においては、特殊表示が表示されず、特殊アクティブ保留も表示されないような設定となっている。これは、特殊表示や特殊アクティブ保留を表示するための時間を考慮しているためである。
S483では、第2モードフラグがセットされているか否かを判定する。第2モードフラグがセットされている場合には(S483でY)、サッカー演出決定テーブルによりサッカー演出の態様を決定し(S484)、S907へ移行する。一方、第2モードフラグがセットされていない場合には(S483でN)、S485へ移行する。
S486では、第3モードフラグがセットされているか否かを判定する。第3モードフラグがセットされている場合には(S485でY)、決定された的態様によるダーツ演出を実行することを設定し(S486)、S907へ移行する。一方、第3モードフラグがセットされていない場合には(S485でN)、S901へ移行する。S486の処理においては、先読み予告演出において決定された内容が設定される。たとえば、「変」に対応する的態様に決定している場合には、保留表示を変化する演出が設定される。
S901では、変化演出制限フラグがセットされているか否かが判断される(S901)。変化演出制限フラグがセットされているときには、S907へ移行する。一方、変化演出制限フラグがセットされていないときには、今回実行される変動がリーチであるか否かが判断され(S902)、リーチでないときにはS907へ移行し、リーチのときには、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルにより、アクティブ保留変化演出の実行の有無が決定される(S903)。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、図30に示したとおりである。
S904において、アクティブ保留変化演出の実行有と判断されたときには、今回実行されている変動表示が大当りであるか、すなわち、アクティブ保留が大当りに対応するものであるかが判断される(S905)。大当りである場合には、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定され(S906)、大当りでなくはずれの場合には、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定される(S908)。大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルおよびはずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、図31に示したとおりである。これらの決定処理によって、アクティブ保留変化演出が成功したときの成り上がり色が仮決めされる。
S906またはS908の後、決定された内容が記憶領域に保存され(S907)、処理が終了する。
図34は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理は、図14のS802にて実行されるサブルーチンである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
次に、プッシュボタン120の操作に応じて、操作演出処理が行なわれる(S846)。操作演出処理の詳細は図36を用いて後述する。
次に、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S848でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848N)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848Y)、S849に移行する。このように、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847N)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図35は、演出の開始位置と成功率および変化割合との関係を示す図である。図示する対応関係のデータは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図29を用いてアクティブ保留変化演出を説明した際に併せて説明したとおり、アクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。図35示す位置A,B,Cは、図29に示した画面の各位置に対応している。
アクティブ保留から最も近い位置Aでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Aでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率、期待度)は100%である。つまり、各位置のうち、最もアクティブ保留に近い位置Aでアクティブ保留変化演出を開始させると、遊技者は、必ず、成功パターンの演出を見ることができる。ただし、そのときに、アクティブ保留の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は20%に過ぎず、80%の割合で大当り期待度の最も低い1段階目の色、すなわち、青に決定されてしまう。
アクティブ保留から最も遠い位置Cでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Cでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率)は20%に過ぎない。つまり、各位置のうち、最もアクティブ保留から遠い位置Cでアクティブ保留変化演出を開始させると、その他の位置で演出を開始させた場合に比較して、遊技者が成功パターンの演出を見ることのできる可能性は低くなる。しかしながら、アクティブ保留の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は100%であり、もし、成功パターンを見ることができた場合には、そのときの成り上がり色が示す大当り期待度に対して遊技者は信頼を抱くことができる。
したがって、遊技者は、極力、成功パターンを見たいのか、あるいは、成功パターンによって示される成り上がりの色の信頼度を高めたいのか、という観点から、アクティブ保留変化演出を開始させる位置を自身の操作で選択できる。このため、演出に遊技者の意思を反映させることができ、より、面白みのある遊技者参加型の演出を提供できる。
なお、図35に示す成功率と色の変化割合とは、上述した効果を発揮し得る範囲において、様々に調整可能である。たとえば、位置Aのとき、最終色まで変化することがなく、1段階目の色にしか変化しないようにしてもよく、また、位置Cのとき、ごくわずかな割合で1段階目の色に変化する場合があるようにしてもよい。また、位置Cで変化した場合には、位置Cでしか見ることのできない特殊な態様(特殊な色)に変化するようにしてもよい。特殊な態様とは、たとえば、大当りに決定されているときにレインボーに変化する色でアクティブ保留を表示するような態様である。
図36は、操作演出処理を示すフローチャートである。操作演出処理は、図34のS846で実行されるサブルーチンである。はじめに、アクティブ保留変化演出を実行するか否かが判断される(S860)。アクティブ保留変化演出を実行しない場合には処理が終了するが、実行する場合には、プッシュボタン120の操作有効期間中であるか否かが判断される(S861)。プッシュボタン120の操作有効期間中でなければ、S865に進む。プッシュボタン120の操作有効期間中であれば、プッシュボタン120の操作が検出されたか否かが判断される(S862)。操作が検出されなければS864に進むが、操作が検出された場合には、そのボタン操作に応じて、アクティブ保留変化演出の開始位置が変更される(S863)。具体的には、操作が検出される毎に、図29に示したキャラクタ930の位置が位置A→B→C→A→B…と変更される。
次に、操作有効期間の終了時であるか否かが判断され(S864)、終了時でなければ一旦処理が終了するが、終了時の場合には、現時点で選択されている演出の開始位置から、図35に示した「演出の開始位置と成功率および変化割合との関係」に従って、アクティブ保留変化演出の内容が決定される(S865)。その結果、このステップでは、演出のパターンをアクティブ保留の色の成り上がりが生じる成功パターンとするか、アクティブ保留の色の成り上がりが生じない失敗パターンとするか、および、成功パターンとするときには、その成り上がり色を先に図33のS906またはS908で仮決めした“最終色”とするか、あるいは1段階の色(赤)とするか、が決定される。次に、決定された内容が記憶領域に保存され(S866)、処理が終了する。
[変形例]
前述した実施の形態では、保留表示の数と特殊表示の数とが同数の場合について説明した。しかしながら、1つの保留表示に対して複数の画像からなる特殊表示が表示されるようにしてもよい。たとえば、1つの保留表示に対して7つの画像からなる特殊表示が表示されるようにしてもよい。このような場合であっても、7つの画像からなる特殊表示は、1つの保留表示に対する表示であるので、1つの保留表示に対応する同じ1つのものとして扱われることになる。また、特殊表示が複数の画像からなる場合には、保留表示が移動する場合等の所定のタイミングで、特殊表示の画像の数の増減があってもよい。また、特殊表示の画像の数により大当り期待度が異なるようにしてもよいし、特殊表示の画像の数により特殊アクティブ保留への変化期待度が異なるようにしてもよいし、特殊表示の画像の数により特殊アクティブ保留の表示態様の期待度が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、保留表示と特殊表示との両方がフェードインによる移動アクションにより表示される場合について説明した。しかしながら、保留表示と特殊表示とのうちいずれか一方のみが移動アクションをするようにしてもよい。また、移動ではなく、表示位置で所定の表示アニメーションを実行してもよい。たとえば、表示アニメーションとして、徐々に表示位置に浮かびあがってくる(じわっと表示されてくるように見える)表示アニメーションを実行してもよい。このような場合に、保留表示と特殊表示とのうちいずれか一方が移動アクションを行ない、他方が所定の表示アニメーションを行なうようにしてもよい。また、保留表示と特殊表示との両方が所定の表示アニメーションを行なうが、通常の表示状態としてくっきり表示されるまでの表示時間が異なるようなものでもよい。
前述した実施の形態では、保留表示と特殊表示とが変動開始時に同時にアクティブ表示領域に移動する場合について説明した。しかしながら、変動開始時に保留表示と特殊表示とは同時に移動せず、いずれか一方のみが先にアクティブ表示領域に移動するようにしてもよい。このようにすれば、保留表示と特殊表示とを順番に移動させることで、遊技者の目線を好適に誘導することができる。
前述した実施の形態では、組合せ演出の結果として、図27に示すような特殊アクティブ保留で表示される場合について説明した。しかしながら、組合せ演出の結果として期待度が低い「×」のような表示態様で表示されるものがあってもよい。このように、変化したときにはずれ表示結果となることが示唆される表示があってもよい。また、はずれ表示結果となるときには、組合せ演出の結果として何も表示されないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、保留表示Hと特殊表示Xとを順番に表示する場合について説明した。しかしながら、保留表示Hと特殊表示Xとを順番に表示するのではなく、保留表示Hと特殊表示Xとで表示開始タイミングを同じにしてもよい。このような場合、保留表示Hは右から左に出現し、特殊表示Xは上から下に出現するようにするのが好ましい。このようにすれば、表示開始タイミングが同じであっても保留表示Hと特殊表示Xとで出現する際の動きが異なることとなる。よって、保留表示Hと特殊表示Xとが表示位置に移動するまでの動きに遊技者を注目させることができる。
前述した実施の形態では、保留表示Hと特殊表示Xとの移動アクションのパターンを複数設けてもよい。また、その移動アクションのパターンにより大当り期待度や変化期待度が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、保留表示Hと特殊表示Xとの組合せ演出の実行される実行期間により、大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、組合せ演出の実行期間が短いときに比べ実行期間が長いときには、大当り遊技状態に制御される期待度の高い特殊アクティブ保留XAHとなりやすいようにしてもよい。このようにすれば、組合せ演出の実行期間に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、組合せ演出の演出結果として期待度の低い態様の特殊アクティブ保留XAHとなった場合であっても、組合せ演出の演出期間が長いときには、大当り期待度が高くなるように設定してもよい。
前述した実施の形態では、保留表示Hと特殊表示Xとの組合せ演出の実行される実行期間は同じであるが、保留表示と特殊表示とが組合さるときのエフェクト画像の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、保留表示と特殊表示とがぶつかる演出の際に煙の画像が表示されるようにしてもよい。このような場合に、煙の画像の色により変化期待度や大当り期待度が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、特殊表示が表示されている第1モードから特殊表示が表示されない第4モードに演出モードが変化するときは、保留表示Hのみがアクティブ表示領域AHAに移動するようにしてもよい、このようにすれば、演出モードが特殊ステージから通常ステージに変化したことを分かり易くすることができる。
前述した実施の形態では、電断復旧時に保留表示のみが表示される通常ステージから実行されるようにすればよい。しかし、電断復旧時に通常ステージの背景とは異なる背景が表示されるようにしてもよい。そして、新たな変動パターンコマンドを受信したことを条件に通常ステージの背景に変化してもよい。いずれにしても、電断復旧時は、処理負担の軽減のために特殊表示を表示させないようにすることが望ましい。
前述した実施の形態では、期待度の高い特殊表示が表示されている場合には、特殊ステージから通常ステージへの移行を禁止してもよい。このような場合には、期待度の高い特殊表示による組合せ演出が終了した後に通常ステージに移行するようにすればよい。また、保留表示が期待度に応じて変化するようにしてもよい。このような場合に、期待度の高い保留表示がある場合には、特殊ステージから通常ステージへの移行を禁止してもよい。
前述した実施の形態では、保留表示と特殊表示とが始動入賞時に表示された態様から変化するようにしてもよい。そして、変化するときには所定の変化演出(作用演出)が実行される(たとえば、ボールが当たって変化等)ようにしてもよい。このような場合に、変化演出は、保留表示と特殊表示とで同じでしてもよいし、異なるようにしてもよい。同じ変化演出の場合には、どちらの表示に作用するかに着目させることができる。また、異なる変化演出の場合には、いずれの表示が変化するのかを分かり易く示すことができる。なお、異なる変化演出を実行する場合には、保留表示の変化演出と特殊表示の変化演出とを同じタイミングで実行すると視点が定まり難く煩雑になってしまうため、実行されるタイミングが異なるタイミングとなるように規制することが望ましい。
前述した実施の形態では、保留表示と特殊表示とのいずれもが変化する場合に、変化の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、保留表示は色が変化し、特殊表示は形が変化するものでもよい。また、保留表示や特殊表示が変化している場合には、変化していない場合よりも組合せ演出として表示態様が変化しやすくなるようにしてもよい。また、保留表示と特殊表示とに何らかの共通性を持たせるようにしてもよい。そして、共通性が高い組合せの場合には、共通性が低い組合せよりも組合せ演出の演出結果として通常態様とは異なる態様に変化する割合が高くなるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、組合せ演出の演出結果として、バナナ、スイカ、イチゴという全く異なる表示態様に変化する場合について説明した。しかしながら、単順に保留表示と特殊表示との両方がアクティブ表示領域に表示されるようにしてもよい。また、保留表示と特殊表示とが同じ組合せであっても、単純に両方表示されるものと、別の態様に変化するものとで大当り期待度が異なるようにしてもよい。
[アクティブ保留変化演出の第1変形例(一発告知)]
図37は、アクティブ保留変化演出の第1変形例を示す図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する第1変形例の演出パターンを追加することが考えられる。第1変形例は、アクティブ保留変化演出の失敗パターンを経た後に、バトル演出が開始し、そのバトル演出の結果が出る前にボール等の作用演出を伴うことなくアクティブ保留の色がいきなり成り上がる例である。バトル演出は、その勝敗の結果によって今回の変動表示が大当りになるか否かを示す演出である。バトル演出の結果が出る前にアクティブ保留の色が成り上がるため、成り上がった色は、バトル演出の結果を予告するものとなる。
第1変形例は、図29に示したアクティブ保留変化演出の失敗パターンと同様に進行する(図37(a)〜(c))。特に、図37の例では、アクティブ保留から最も遠い位置Cから演出が開始されている例が示されている。既に説明したとおり、アクティブ保留から最も遠い位置Cから演出が開始された場合には、失敗パターンが選択される割合が高い(図35参照)。このため、位置Cを敢えて演出の開始位置として選択した遊技者は、成功パターンをみることができず、落胆してしまうかもしれない。
しかしながら、第1変形例のようなパターンも発生し得るようにすることで、一旦、落胆した遊技者を再び継続する演出の面白さに引込むことができる。すなわち、図37(c)のごとく、失敗パターンが表示された後、画面上でリーチが発生すると(図37(d))、やがて、画面上で敵味方でのバトル演出が開始する。遊技者はその結果を待つ訳であるが、そのバトル演出の途中で、いきなり何の前触れもなく、アクティブ保留の色が成り上がるのである(図37(e))。このときの成り上がりの色は、図31などを用いて説明した“最終色”とすることが望ましい。そうすれば、遊技者は、大当り期待度が反映された本来の成り上がり色を以て、大当りの可能性を推測できるからである。
あるいは、このような第1変形例のパターンでは、失敗パターン(図37(c))を経ていることを理由として、遊技者にとっては望ましい“最終色”ではなく、“最終色”よりも大当り期待度の指標が低い色にしか成り上がらないようにしてもよい。
あるいは、このような第1変形例のパターンは、表示結果が大当りである場合にのみ、実施するようにしてもよい。その場合、成り上がりの色は、大当りが確定していることを示す特殊な色(たとえば、レインボーカラー)としてもよい。
このような変形例1を加えることによって、演出の幅を広げることができる。特に、失敗パターンとなってしまったときの遊技者の失望感を軽減させることができる。なお、変形例1のパターンは、図35に示す成功率に従い、失敗パターンが選択されたときに、さらに乱数抽選することによって、選択するように制御してもよい。また、ここでは、バトル演出後に何の前触れもなくアクティブ保留の色が成り上がるものとして説明したが、その兆候となる演出を先に加えてもよい。
[アクティブ保留変化演出のその他の変形例]
図29に示したアクティブ保留変化演出は、演出開始位置を予め定めた位置A〜Cの中から遊技者が選択可能なものとした。しかし、操作手段の操作によって、遊技者が自由にその位置を選択可能な構成としてもよい。
図29に示したアクティブ保留変化演出は、アクティブ保留の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図29を参照して、キャラクタ930はアクティブ保留AHに向けてボールを投げるのではなく、いずれかの保留表示Hに向けてボールを投げる演出とする。いずれの保留表示Hを対象とし、どのタイミングで演出を開始するかは任意であるが、たとえば、保留変化演出の制御に用いる演出実行タイミング決定テーブル(図23)を用いて、それらを決定してもよい。ただし、保留表示Hの場所に応じて、位置A〜Cとの距離が異なってしまう。いずれの保留表示Hが対象とされた場合であっても保留表示と位置A〜Cとの距離関係を共通にするためには、対象とされた保留表示Hの位置に応じて、位置A〜Cの位置をずらすようにしてもよい。
図29に示したアクティブ保留変化演出は、成功パターンとなったときにはアクティブ保留の色が“最終色”に成り上がるか、若しくは大当り期待度が成り上がりの色の中で最も低い1段階目の色(青)に成り上がるかのいずれかである。しかし、そのような1段階目の色に代えて、2段階目の色(緑)に成り上がるようにしてもよく、1段階目または2段階目のいずれかの色に成り上がるようにしてもよい。ただし、“最終色”が元々、1段階目の色に決定されているときには、2段階目の色に成り上がらないように規制する必要がある。
[特定演出(保留変化演出およびアクティブ保留変化演出)のパターンの採用]
本実施の形態においては、保留表示あるいはアクティブ保留に向かって投げられたボールは、必ず対象の保留表示あるいはアクティブ保留にぶつかる演出とした。しかし、投げ放たれたボールが対象の保留表示あるいはアクティブ保留にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。たとえば、途中で横風に煽られて、ボールが上手く対象の保留表示あるいはアクティブ保留にあたらずに通過していくような失敗パターンに代えること、あるいは、そのような失敗パターンをさらに追加することが考えられる。
パチンコ遊技機1は、特定演出として、これまでに説明した保留変化演出およびアクティブ保留変化演出のうちの一方のみを採用したものとしてもよいし、双方を採用したものとしてもよい。また、保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。同様に、アクティブ保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)の第1変形例]
図38は、保留変化演出の第1変形例を示す図である。既に説明した保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する第1変形例の演出パターンを追加することが考えられる。第1変形例は、カラーボール931の速度が減速する減速期間において、対象となる保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931以外の表示態様を減速期間前の表示態様と異なり薄暗く表示する例である。
第1変形例は、図19に示した保留変化演出と同様に進行する(図38(a))。そして、カラーボール931が投球されてから一定期間が経過すると、減速期間に突入する。減速制御の演出として、スローモーション再生による演出が実行される。第1変形例では、減速期間中に対象となる保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931以外の表示態様を減速期間前の表示態様と異なり薄暗く表示する(図38(b))。図38(b)では、減速期間の開始時に保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931以外の表示に対し、薄暗いフィルター画像を背景のレイヤーに重ねることで、薄暗い表示としている。なお、薄暗いフィルター画像を背景のレイヤーに重ねる以外の演出(たとえば、集中線を表示する等)により、作用演出の動きに注目させるような演出効果を持つ画像を重ねることで、作用演出とその変化対象とに注目させるようにしてもよい。また、保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931の表示の明るさを減速期間前よりも明るくし、これら以外の表示の明るさを減速期間前よりも暗くすることで、明るさを調整してもよい。
図38(b)の状態から、減速期間の終了時に、表示態様を減速期間前の表示態様と同じ状態に戻す。なお、表示態様を元に戻すタイミングを、保留変化演出の終了時としてもよい。このような場合には、図38(c),(d)に示すように、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとによる保留変化演出が終了したタイミングで表示態様を元に戻せばよい。
また、表示態様を変更するときに、保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931の表示態様を明るくし、周りの背景画像は、明るさを変更しないようにしてもよい。また、背景を暗くする場合に、保留表示THおよびカラーボール931以外のアクティブ保留AHや保留表示Hを暗く表示するようにしてもよい。また、保留表示TH、保留表示H、およびカラーボール931以外を暗く表示するようにしてもよい。このように、明るさを変更する対象は適宜変更可能である。また、保留表示THおよびカラーボール931を含む領域を明るくし、それ以外の領域を暗く表示するようにしてもよい。このような場合には、カラーボール931が保留表示THに近づくにつて、明るい領域が小さくなるようにすればよい。
また、背景全体を暗くするのではなく、保留表示THおよびカラーボール931の周囲の領域のみを暗く表示するようにしてもよい。また、保留表示THおよびカラーボール931の周囲にエフェクト画像を付加してもよい。エフェクト画像としては、保留表示THおよびカラーボール931にスポットライトが当てられ光輝くような画像等であればよい。また、減速期間では、カラーボール931の速度を減速させて表示するとともに、背景で動作している映像(画像)の速度も合わせて減速してもよい。
なお、表示態様の変更の開始時期は、カラーボール931が投球されて減速期間が開始されるときではなく、キャラクタ930が表示されたとき、あるいは、カラーボール931が投球されたときからでもよい。
保留変化演出の第1変形例によれば、減速期間において、保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931以外の表示態様を減速させて表示する前の表示態様と異なり薄暗く表示するので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931および、これら以外の表示の明るさを変更可能であるので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、対象となる保留表示TH以外の保留表示Hについても対象となる保留表示THと同様の表示態様で表示可能であるので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。また、保留表示の視認性が悪くなることで、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、減速期間の開始時に、保留表示TH,保留表示H,アクティブ保留AH,カラーボール931以外の表示態様を薄暗く表示するので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、減速期間の終了時に、表示態様を以前の状態に戻すので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。また、保留変化演出の終了時に、表示態様を以前の状態に戻すようにしてもよいので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)の第2変形例]
図39は、保留変化演出の第2変形例を示す図である。既に説明した保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する第2変形例の演出パターンを追加することが考えられる。第2変形例は、カラーボール931の速度が減速する減速期間の途中において、対象となる保留表示THおよびカラーボール931が拡大されて表示される例である。
第2変形例は、図19に示した保留変化演出と同様に進行する(図39(a))。そして、カラーボール931が投球されてから一定期間が経過すると、減速期間に突入する。減速制御の演出として、スローモーション再生による演出が実行される。第2変形例では、減速期間中に対象となる保留表示THおよびカラーボール931の表示態様が拡大されて表示される(図39(b’))。図39(b’)では、減速期間の途中において、保留表示THおよびカラーボール931が拡大表示される。
図39(b’)の状態から、図39(c)に示すように、拡大して表示されている保留表示THに対して、拡大して表示されたカラーボール931が衝突した場合には、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンとなる。また、図39(c)に示すように、拡大して表示されている保留表示THに対して、拡大して表示されたカラーボール931が衝突したが、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返った場合には、保留表示の色が変化しない失敗パターンとなる。そして、このような保留変化演出の終了後に、表示態様を減速期間前の表示態様と同じ状態となる。なお、成功パターンの場合には、保留表示THの表示態様を当該変動表示が開始されるまで拡大表示したまま表示してもよいが、失敗パターンのときには、拡大表示から元の表示サイズに戻すことが望ましい。
また、図39(b’)に示すように、対象となる保留表示THを拡大して表示するときに、対象となる保留表示TH以外の保留表示Hの表示位置をずらして表示するようにしている。なお、対象となる保留表示THを拡大して表示するときに生じた、新たな保留表示Hについても、通常の表示位置から表示位置をずらして表示するようにしている。
保留変化演出の第2変形例によれば、減速期間において、対象となる保留表示THおよびカラーボール931を減速させて表示する前の表示態様と異なり拡大して表示するので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、図39(b’)に示すように、対象となる保留表示THを拡大して表示するので、対象となる所定表示が変化するか否かを効果的に煽ることができる。なお、拡大される対象となるのは、保留表示THまたはカラーボール931のいずれか一方でもよいし、両方でもよい。また、拡大表示されるのではなく、カメラのレンズがズームアップし、対象となる保留表示THやカラーボール931が大きく表示されるような演出としてもよい。いずれにしても、画面全体の領域に対し、保留表示THやカラーボール931の占める領域の割合が減速期間前と減速期間中とで異なる(占める領域が大きくなる)ようにすればよい。
図39(b’)に示すように、対象となる保留表示THを拡大して表示するときに、対象となる保留表示TH以外の保留表示Hの表示位置をずらして表示するので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。また、保留表示同士が重なってしまう現象を防止することができる。さらに、対象となる保留表示THを拡大して表示するときに生じた、新たな保留表示Hの表示位置をずらして表示するので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができるとともに、保留表示同士が重なってしまう現象を防止することができる。
また、成功パターンにより、カラーボール931が保留表示THに衝突する演出の終了後に、対象となる保留表示THの色を変化させるので、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、対象となる保留表示THやカラーボール931を拡大して表示するのではなく、変化対象となる保留表示TH以外の保留表示Hの表示の大きさを縮小させることで、対象となる保留表示THやカラーボール931が拡大して見えるようにしてもよい。このようにすることで、対象となる保留表示THやカラーボール931を拡大した場合と同様の効果を得ることが可能となる。
[保留表示に関する特定演出(保留変化演出)の第3変形例]
図40は、保留変化演出の第3変形例を示す図である。既に説明した保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する第3変形例の演出パターンを追加することが考えられる。第3変形例は、カラーボール931の速度が減速する減速期間において、対象となる保留表示THが保留変化演出の開始前の動作より遅い動きとなる例である。
第3変形例は、図19に示した保留変化演出と同様に進行する(図40(a))が、保留表示THおよび保留表示Hが常に右方向に一定の速度で回転している点で異なっている。そして、カラーボール931が投球されてから一定期間が経過すると、減速期間に突入する。減速制御の演出として、スローモーション再生による演出が実行される。第3変形例では、減速期間中に対象となる保留表示THが保留変化演出の開始前の動作よりも遅い動きとなる(図40(b))。より具体的には、通常状態で一定の速さで右回転していた保留表示THおよび保留表示Hのうち、保留表示THのみが、減速期間中は右回転の速度が遅くなる。
図40(b)の状態から、減速期間の終了時に、保留表示THの速さを通常状態と同じ速さに戻す。なお、保留表示THの速さを戻すタイミングは、減速期間の終了時ではなく、保留変化演出の終了時としてもよい。このような場合には、図40(c),(d)に示すように、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとによる保留変化演出が終了したタイミングで保留表示THの速さを戻せばよい。
なお、保留表示THおよび保留表示Hは、通常状態では、動作をしないようにしてもよい。このような場合には、減速期間中に対象となる保留表示THが回転動作を実行するようにすればよい。また、通常状態で動作していない場合には、保留変化演出が開始されるタイミングで、保留表示THおよび保留表示Hが動き出すようにしてもよい。このような場合には、減速期間中に、保留表示THの回転速度が遅くなる動作を実行すればよい。そして、減速期間の終了手前で回転速度を早くし、その後通常態様で動作をしないようにすればよい。また、減速期間中は、保留表示THのみではなく、保留表示Hの動作も遅くなってもよい。
また、動作として回転を示したが、保留表示THや保留表示Hが上下や左右に揺れる動作を実行してもよく、動作としてはどのような動作であってもよい。また、アクティブ保留AHが動作するようにしてもよい。また、減速期間中の保留表示THの動作は、減速する動作ではなく、対象となる保留表示THのみが他の保留表示Hと逆方向に回転する動作であってもよい。このように、減速期間の開始前と開始後とで動作が異なるようにすればよい。
保留変化演出の第3変形例によれば、減速期間中に、対象となる保留表示THが保留変化演出の開始前の動作より遅い動きとなるので、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、減速期間中に、通常時に動作していなかった対象となる保留表示THが回転するようにしてもよいので、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、減速期間中では、対象となる保留表示THの動作を遅くし、その他の保留表示Hの動作は通常の動作とするので、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、減速期間の開始後は、減速期間の開始前よりも保留表示THの動作が遅くなるので、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
また、保留変化演出の開始後は、保留変化演出の開始前よりも保留表示THの動作が遅くなるようにしてもよい。このようにすれば、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。また、保留変化演出が開始されたときに通常停止している保留表示THが動き出し、減速期間が開始されたときに、その動作が遅くなるようにしてもよい。このように、2段階の変化が行なわれるようにしてもよい。
また、通常停止している保留表示THが動作したときに、対象となる保留表示THの色が変化した後も対象となる保留表示THを回転させるようにしてもよい。そのときの保留表示THの動きは、減速期間と同じであってもよいし、異なるようにしてもよい。また、通常一定の速度で動作している保留表示THが減速期間中に遅い動きとなったときに、対象となる保留表示THの色が変化した後も対象となる保留表示THを遅い速度で動作するようにしてもよい。このように、保留表示THの色が変化後も減速期間中の動作とすることで、変化対象を分かり易くすることができるとともに、対象となる保留表示THが変化するか否かを効果的に煽ることができる。
[その他の変形例]
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。