(A)第1の実施形態
以下、本発明によるリソース割当装置、リソース割当プログラム、リソース割当方法、及び局側装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の局側装置をOLTに適用した例について説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、PONシステム1の全体構成の例について示したブロック図である。なお、図1において、括弧内の符号は、後述する第2の実施形態で用いられる符号である。
図1に示すPONシステム1は、図1に示すように、局側(例えば、通信事業者の局舎内等)に設置されるOLT20と、加入者側(例えば、加入者宅内等)に設置されるn台(nは2以上の整数)のONU40−1〜40−nとの間が、光スプリッタ50により分岐された光ファイバ60により接続されている。なお、PON区間(光ファイバ60により構成される光伝送路)の構成は図1の構成に限定されないものである。例えば、図1では、1つの光スプリッタ50により、光ファイバ60がn台のONU40−1〜40−nに向けて分岐(n分岐)されているが、複数の光スプリッタを用いて複数段階に分けて分岐する構成としてもよい。
この実施形態では、各ONU40には、ID(以下、「ONU_ID」と表す)が付与されているものとする。ここでは、ONU40−1〜40−nには、それぞれ1〜nのONU_IDが付与されているものとして説明する。また、以下では、ONU40−1〜40−nを、ONU#1〜ONU#nと表記する場合があるものとする。
また、この実施形態のPONシステム1では、OLT20及び各ONU40の制御(vPONに関する制御等)を行うvPON管理装置10が配置されている。
vPON管理装置10は、vPON要求部11を備え、OLT20に対して、vPON単位でのリソースの割当を要求する。例えば、vPON管理装置10は、図示しないネットワークを介して、あるMVNO(Mobile Virtual Networn Operator)事業者から、サービスを提供するエンドユーザ(ONU40)分の帯域割当要求を受けると、OLT20に対して、vPONを構築するめのリソースの割当を要求する。具体的には、vPON要求部11は、OLT20(リソース割当部21)に、少なくとも各ONU40がサービスを受けるvPONの種類と、vPONごとの要求割当帯域の情報を通知する。
vPONは、各事業者が提供するサービス単位で構築される。ある事業者が、複数のサービスを提供している場合には、1つの事業者で複数のvPONが構築されることもあり得る。言い換えれば、複数のサービスの提供を同時に受けるONU40は、サービスごとに構築される複数のvPONに同時に属することになる。
なお、この実施形態では、各vPONには、ID(以下、「vPON_ID」と表す)が付与されているものとする。ここでは、vPON_IDが1のvPONを「vPON#1」、vPON_IDが2のvPONを「vPON#2」、vPON_IDが3のvPONを「vPON#3」、…、とそれぞれ表記する場合があるものとする。
次に、OLT20の内部構成について説明する。
図1において、OLT20は、リソース割当部21、4つのOSU22(OSU22−1〜OSU22−4)、及び要求帯域収集部25を備えている。
なお、OLT20において、備えるOSU22の数は限定されないものである。
この実施形態では、各OSU22に対してそれぞれID(以下、「OSU_ID」と表す)が付与されているものとする。ここでは、OSU22−1〜OSU22−4には、それぞれ1〜4のOSU_IDが付与されているものとして説明する。また、OSU22−1〜OSU22−4は、それぞれ異なる波長(λ)の光信号を送受信(光送受信器24を用いたPON区間における光信号の送受信)を行う。以下では、OSU22−1〜OSU22−4が対応する波長をそれぞれλ1〜λ4と表すものとする。すなわち、OLT20はTWDM−PONの構成となっている。
要求帯域収集部25は各OSU22(DBA23)から各ONU40の要求帯域(vPONごとの要求帯域)の情報を取得する機能を担っている。そして、要求帯域収集部25は、取得した各ONUの要求帯域の情報をリソース割当部21に供給する。
リソース割当部21は、vPONに関するリソース割当を決定し、その割当結果の情報を、その情報を各OSUのDBA23へ通知する機能を担っている。具体的には、リソース割当部21は、各vPONに割当てる波長(各ONU40がvPON上の通信に用いる波長;各ONU40がvPON上の通信に用いるOSU22;以下「割当波長」又は「割当OSU」とも呼ぶ)と割当帯域(vPONごとの割当帯域)を決定し、その情報を各OSUのDBA23へ通知する。
リソース割当部21は、vPON要求部11からvPONのリソース割当要求(vPONの構築要求)を受ける。vPON要求部11からのvPONのリソース割当要求には、各ONU40がサービスを受けるvPONの種類(vPON_ID)と、vPONごとの要求割当帯域の情報が含まれる。また、リソース割当部21は、要求帯域収集部25から、ONU40ごとの要求帯域(vPONごとの要求帯域)の情報を受けて保持する。そして、リソース割当部21は、要求帯域収集部25からの情報とvPON要求部11からの情報とに基づき、各ONU40に対する割当波長(割当OSU)と割当帯域を決定する。
OSU22(OSU22−1〜OSU22−4)は、それぞれ、DBA23(DBA23−1〜23−4)及び光送受信器24(24−1〜24−4)を備える。
DBA23(23−1〜DBA23−4)は、vPONごとに収容された帯域内で、所定のDBAアルゴリズムに従って、各ONU40への動的な帯域を割り当てする処理(DBA計算に基づく帯域割当処理)を行い、その結果を光送受信器24(24−1〜24−4)に通知する。この実施形態では、DBA23(23−1〜DBA23−4)は、それぞれリソース割当部21からの通知に基づいて、各ONU40に対する帯域を割当てる処理を行うものとする。
光送受信器24−1〜24−4は、PON側(波長合分波器30側)とのインタフェースの機能を担っている。光送受信器24−1〜24−4は、上位側からの下り信号(下りデータの電気信号)を光信号に変換してPON側(波長合分波器30側)に供給する。また、光送受信器24−1〜24−4は、下位側からの上り信号(光信号)を電気信号に変換して上位側に供給する。
なお、OLT20では、ハードウェア的なネットワークインタフェース(光送受信器24等)以外のデータ処理や信号処理を行う要素(例えば、リソース割当部21、DBA23、要求帯域収集部25等)については、コンピュータにプログラム(実施形態に係るリソース割当プログラムを含む)をインストールすることでソフトウェア的に実現するようにしてもよい。また、この実施形態では、本発明のリソース割当装置をリソース割当部21に適用した例について示している。すなわち、この実施形態では、OLT20は、本発明のリソース割当装置を内蔵している例となっている。
また、この実施形態では、リソース割当部21と要求帯域収集部25を別個の要素として示しているが、1つの要素として構成するようにしてもよい。例えば、コンピュータに、リソース割当部21に対応するプログラム(この実施形態に係るリソース割当プログラム)と要求帯域収集部25に対応するプログラムをインストールすることにより構成するようにしてもよい。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のPONシステム1(リソース割当部21)の動作(実施形態に係るリソース割当方法)を説明する。
リソース割当部21は、vPON要求部11からの情報に基づき各vPONに割当てる帯域(最大割当帯域)を決定する。そして、リソース割当部21は、要求帯域収集部25からの情報(各ONU40の帯域割当要求)に基づき、各ONU40に対して、各vPONの帯域を割当てる処理を行う。
このとき、リソース割当部21は、各vPONの合計帯域(各ONU40に割当てられる帯域の合計)が最大割当帯域を超えない範囲となるように、各ONUに対するvPONの帯域割当を行う。例えば、あるvPONについて、各ONU40からの要求帯域の合計が当該vPONの最大割当帯域以下だった場合には、リソース割当部21は、当該vPONについて各ONU40からの要求帯域をそのまま割当てるようにしてもよい。一方、あるvPONについて、各ONU40からの要求帯域の合計が当該vPONの最大割当帯域を超える場合には、所定のアルゴリズムに従って、当該vPONについて最大割当帯域を超えない範囲で各ONU40への割当帯域を調整する処理を行うようにしてもよい。なお、このときリソース割当部21に適用される上記の所定のアルゴリズムについては限定されないものであり、各ONU40に対して均等に割当てるアルゴリズムや、各ONU40の要求帯域の比や優先度(予め定められた優先度)に基づくアルゴリズムを適用するようにしてもよい。
そして、リソース割当部21は、各ONU40にいずれかの波長(OSU22)を割当てる処理を行う。なお、この実施形態では、各ONU40はPON区間において任意の1つの波長でのみ通信を行うことが可能であるものとする。そうすると、各ONU40は、複数のOSU22と同時に通信することができないため、この実施形態では、複数のvPONに所属するONU40であっても1つの割り当てられた波長でのみPON区間の通信を行うことになる。そして、リソース割当部21は、各OSU22の容量(最大帯域)を超えない範囲で、各ONU40に波長(OSU22)を割当てる処理を行う。例えば、あるOSU22の容量(最大帯域)が8Gbpsであれば、リソース割当部21は、当該OSU22が対応する波長に割当てるONU40の割当帯域(複数のvPONが割り当てられている場合には全てのvPONの割当帯域の合計値)の合計値が8Gbpsを超えないように調整する必要がある。
また、リソース割当部21は、vPON要求部11からの通知(情報)の更新がない場合でも、要求帯域収集部25からの情報が更新された場合にも、上述のような以上のようなリソース割当処理(リソースの再割当処理)を行うようにしてもよい。
以上のようにリソース割当部21は、リソース割当処理を行う。そして、リソース割当部21は、上述のリソース割当処理の結果(各vPONの最大割当帯域、及び各ONU40に割当てる波長等を含む情報)を、各OSU22(DBA23)に通知する。
そして、各DBA23はリソース割当部21から供給されたvPONの最大割当帯域内でDBA計算を行い、その結果を対応する光送受信器24に送信する。
そして、各光送受信器24は、その情報(下り信号)を光信号に変換し波長合分波器30側へ送信する。
そして、波長合分波器30は、供給された光信号を合分波し、各ONU40(40−1〜40−n)側へ送信する。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態のOLT20を構成するリソース割当部21は、要求帯域収集部25が収集した情報(各ONU40からの帯域の割当要求を含む情報)を保持して、リソース割当要求を行っている。また、リソース割当部21は、要求帯域収集部25が収集した情報が更新される際にもリソース割当処理(リソースの再割当処理)を行う。これにより第1の実施形態のOLT20(リソース割当部21)では、例えば、各ONU40の通信状態(帯域の割当要求)により早く適応して効率的なvPONの通信を実現することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明によるリソース割当装置、リソース割当プログラム、リソース割当方法、及び局側装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の局側装置をOLTに適用した例について説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態のPONシステム1Aの全体構成についても、上述の図1を用いて説明することができる。なお、図1において、括弧内の符号は、第2の実施形態で用いられる符号を示している。以下では、第2の実施形態のPONシステム1A(OLT20A)について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図1に示すように、第2の実施形態では、OLT20がOLT20Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。そして、第2の実施形態のOLT20Aでは、リソース割当部21がリソース割当部21Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
リソース割当部21Aでは、各ONU40にvPON上で用いる波長(OSU22)を割当てる処理(以下、「波長割当処理」と呼ぶ)を行う際に以下のポリシー(以下、「波長割当ポリシー」と呼ぶ)を適用する点で第1の実施形態と異なっている。具体的には、第2の実施形態において、リソース割当部21Aは、以下のような波長割当ポリシーを適用するものとする。
以下の波長割当ポリシー(第1〜第3のサブポリシーにより構成されるポリシー)は、リソース割当部21Aが任意のタイミングT=T1において波長割当処理を行う際に適用されるものである。以下の説明において、タイミングT=T1の直前に波長割当処理が行われたタイミングをタイミングT=T0と表すものとする。
[第1のサブポリシー]タイミングT=T1において、要求帯域の大きいONU40から順に選択(以下、この選択したONU40を「選択ONU」と呼ぶものとする)して波長(OSU22)を割当てる。ただし、タイミングT=T1において、要求帯域が同じONU40が複数ある場合は、所定の第1の所定のルール(例えば、ID番号やランダム値を用いたルール)に基づく優先順位でONU40を選択する。なお、この実施形態では、第1の所定のルールとして、ID番号が小さいONU40を優先的に選択するというルールを適用するものとする。
[第2のサブポリシー]T1のタイミングにおいて、選択ONUに対して、タイミングT=T0の時点(前回の割当時)と同じOSU22(現状と同じOSU22;以下、「前回割当OSU」と呼ぶ)の波長(以下、「前回割当波長」と呼ぶ)を優先的に割当てる。ただし、前回割当波長の余剰帯域が、当該選択ONUの要求帯域未満の場合、選択ONUについては前回割当波長とは異なる波長(OSU22)へ切り替えると判断する。
[第3のサブポリシー]T1のタイミングにおいて、選択ONUについては前回割当OSUとは異なる波長(OSU22)へ切り替えると判断された場合、余剰帯域が当該選択ONUの要求帯域以上のOSU22のうち、既に他のONU40が割り当てられているOSU22(以下、「既割当OSU」と呼ぶ)を優先的に選択して当該選択ONUを割当てる。ただし、余剰帯域が当該選択ONUの要求帯域以上の既割当OSUが複数ある場合、第2の所定のルール(例えば、余剰帯域の大きさを用いたルール)に基づいて選択ONUに割り当てるOSU22を選択する。この実施形態では、第2の所定のルールとして、余剰帯域がより小さいOSU22を優先的に選択するルールを適用するものとする。ただし、第2の所定のルールにおいて、余剰帯域が同じOSU22が複数ある場合は、所定の第3の所定のルール(例えば、ID番号やランダム値を用いたルール)に基づく優先順位でOSU22を選択するものとする。この実施形態では、第3の所定のルールとして、ID番号が小さいOSU22を優先的に選択するというルールを適用するものとする。
なお、リソース割当部21Aが、最初に波長割当処理を行う際(以下、このタイミングを「初期波長割当タイミング」とも呼ぶ)の波長割当ポリシーとしては任意の内容を適用することができる。例えば、リソース割当部21Aでは、初期波長割当タイミングに適用する波長割当ポリシーとして、要求帯域の大きいONU40から順に選択して、選択ONUの要求帯域以上の余剰帯域のある波長(OSU22)を優先的に割当てるというポリシーを適用するようにしてもよい。初期波長割当タイミングにおいて、要求帯域が同じONU40が複数ある場合、リソース割当部21Aは、上記所定の第1の所定のルールに基づく優先順位でONU40を選択するようにしてもよい。また、初期波長割当タイミングにおいて、選択ONUの要求帯域以上の余剰帯域のある波長(OSU22)が複数ある場合、リソース割当部21Aは、既割当OSUを優先的に割り当てるようにしてもよい。さらに、初期波長割当タイミングにおいて、選択ONUの要求帯域以上の余剰帯域のある既割当OSUが複数ある場合、リソース割当部21Aは、上記の第2の所定のルール及び上記の第3の所定のルールに基づく優先順位で、選択ONUを割当てるOSU22を選択するようにしてもよい。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のPONシステム1A(リソース割当部21A)の動作(実施形態に係るリソース割当方法)を説明する。
以下では、第2の実施形態のPONシステム1Aの動作のうち、第1の実施形態との差異について説明する。第2の実施形態では、リソース割当部21Aの動作が第1の実施形態と異なっているので、リソース割当部21Aの動作のうち第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
上述の通り、第2の実施形態では、リソース割当部21Aで、2つのシナリオに対して、上述の波長割当ポリシー(上述の第1〜第3のサブポリシーに基づく前回割当波長を考慮した波長割当ポリシー)を適用した場合における波長割当処理の結果(シミュレーション結果)について説明する。
[第1のシナリオ]
図2は、第1のシナリオ内容、及びリソース割当部21Aに第1のシナリオを適用した場合における波長割当処理の結果について示した図である。
図2(a)、図2(c)は、それぞれ第1のシナリオのタイミングT=T0、T=T1における波長割当処理の条件(各ONU40における各vPONの要求帯域)について表形式で示した図である。また、図2(b)、図2(d)は、それぞれ、第1のシナリオのタイミングT=T0、T=T1における波長割当処理の結果について表形式で示した図である。なお、第1及び第2のシナリオでは、各ONU40の要求帯域は、そのまま各ONU40に対して割り当て可能であったものとして説明する。
また、第1のシナリオにおいて、PONの構成は駆動するOSU数が2台(OSU22−1、OSU22−2のみが起動)であり、PONに接続するONU40の数は6台(ONU40−1〜30−6)とする。さらに、第1のシナリオにおいて、1台のOSU22で割当可能な帯域の上限(容量)は8Gbpsとする。なお、PONシステム1AにおいてPONの構成(OSU22の数及びONU40の数)は上記の例に限定されないものである。
図2(a)に示すように、第1のシナリオでは、タイミングT=T0において、ONU#1に「vPON#1の2Gbps及びvPON#3の2Gbps」、ONU#2に「vPON#1の1Gbps」、ONU#3に「vPON#1の1Gbps」、ONU#4に「vPON#1の3Gbps、vPON#2の1Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#5に「vPON#2の2Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#6に「vPON#3の2Gbps」がそれぞれ割り当てられたものとする。
図2(c)に示すように、第1のシナリオでは、タイミングT=T1において、ONU#1に「vPON#1の4Gbps及びvPON#3の2Gbps」、ONU#2に「vPON#1の1Gbps」、ONU#3に「vPON#1の1Gbps」、ONU#4に「vPON#1の1Gbps、vPON#2の1Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#5に「vPON#2の2Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#6に「vPON#3の2Gbps」がそれぞれ割り当てられたものとする。
まず、タイミングT=T0における波長割当処理について説明する。
ここでタイミングT=T0では、リソース割当部21Aにおいて、上述の初期波長割当タイミングにおける波長割当ポリシーが適用されるものとする。
そうすると、タイミングT=T0において、リソース割当部21Aによる波長割当処理の結果は図2(b)のようになる。この場合、図2(b)に示すように、各ONU40の要求帯域合計は「ONU#1:4Gbps、ONU#2:1Gbps、ONU#3:1Gbps、ONU#4:5Gbps、ONU#5:3Gbps、ONU#6:2Gbps」となるため、割当順序は「ONU#4、ONU#1、ONU#5、ONU#6、ONU#2、ONU#3」となる。
その結果、リソース割当部21Aは、1番目の割当順序のONU#4にλ1を割当て、2番目の割当順序のONU#1についてはλ1の余剰帯域が足りないためλ2に割当て、3番目の割当順序のONU#5にλ1を割当て、それ以後の割当順序のONU#6、ONU#2、ONU#3についてλ2を割当てることになる。
以上のように、タイミングT=T0における各ONU40に対するvPON及び波長(ONU22)の割当状態をグラフ(横棒グラフ)の形式で表すと図3のような内容となる。
次に、タイミングT=T1における波長割当処理について説明する。
上述の通り、タイミングT=T1では、リソース割当部21Aにおいて、上述のタイミングT=T1における波長割当ポリシー(上述の第1〜第3のサブポリシーに基づく前回割当波長を考慮した波長割当ポリシー)が適用されるものとする。
そうすると、タイミングT=T1において、リソース割当部21Aによる波長割当処理の結果は図2(d)のようになる。この場合、図2(d)に示すように、各ONU40の要求帯域合計は「ONU#1:6Gbps、ONU#2:1Gbps、ONU#3:1Gbps、ONU#4:3Gbps、ONU#5:3Gbps、ONU#6:2Gbps」となるため、割当順序は「ONU#1、ONU#4、ONU#5、ONU#6、ONU#2、ONU#3」となる。
その結果、リソース割当部21Aは、1番目の割当順序のONU#1については前回割当波長であるλ2(OSU#2)を割当て、2番目の割当順序のONU#4については前回割当波長であるλ1を割当て、3番目の割当順序のONU#5については前回割当波長であるλ1を割当て、4番目の割当順序のONU#6については前回割当波長であるλ2を割当てる。そして、リソース割当部21Aは、5番目、6番目の割当順序であるONU#2、ONU#3については、前回割当波長であるλ2の余剰帯域が足りないためλ1に割り当てることになる。
以上のように、タイミングT=T1における各ONU40に対するvPON及び波長(ONU22)の割当状態をグラフ(横棒グラフ)の形式で表すと図4のような内容となる。
[第2のシナリオ]
図5は、第2のシナリオ内容、及びリソース割当部21Aに第2のシナリオを適用した場合における波長割当処理の結果について示した図である。
図5(a)、図5(c)は、それぞれ第2のシナリオのタイミングT=T0、T=T1における波長割当処理の条件について表形式で示した図である。また、図5(b)、図5(d)は、それぞれ、第2のシナリオのタイミングT=T0、T=T1における波長割当処理の結果について表形式で示した図である。
なお、第2のシナリオにおいてもPONの構成(OSU22の数及びONU40の数)は第1のシナリオと同じであるものとする。
図5(a)に示すように、第2のシナリオのタイミングT=T0における各ONU40(ONU#1〜ONU#6)に対する波長割当処理の条件は第1のシナリオと同様の内容であるものとする。
図5(c)に示すように、第2のシナリオでは、タイミングT=T1において、ONU#1に「vPON#1の2Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#2に「vPON#1の3Gbps」、ONU#3に「vPON#1の1Gbps」、ONU#4に「vPON#1の1Gbps、vPON#2の2Gbps及びvPON#3の1Gbps」、ONU#5に「vPON#2の1Gbps及びvPON#3の2Gbps」、ONU#6に「vPON#3の2Gbps」がそれぞれ割り当てられたものとする。
まず、タイミングT=T0における波長割当処理について説明する。
まず、上述の通り、第2のシナリオのタイミングT=T0における各ONU40(ONU#1〜ONU#6)に対する波長割当処理の条件は第1のシナリオと同様の内容であるため、図5(b)に示すように、第2のシナリオのタイミングT=T0における各ONU40(ONU#1〜ONU#6)に対する波長割当処理の結果も第1のシナリオと同様の内容となる。従って、第2のシナリオでタイミングT=T0における各ONU40に対するvPON及び波長(ONU22)の割当状態をグラフ(横棒グラフ)の形式で表すと、第1のシナリオと同様に図3のような内容となる。
次に、タイミングT=T1における波長割当処理について説明する。
上述の通り、タイミングT=T1において、リソース割当部21Aでは、上述の第1〜第3のサブポリシーにより構成される波長割当ポリシーを割当てるものとする。
そうすると、タイミングT=T1において、リソース割当部21Aによる波長割当処理の結果は図5(d)のようになる。この場合、図5(d)に示すように、各ONU40の要求帯域合計は「ONU#1:3Gbps、ONU#2:3Gbps、ONU#3:1Gbps、ONU#4:4Gbps、ONU#5:3Gbps、ONU#6:2Gbps」となるため、割当順序は「ONU#4、ONU#1、ONU#2、ONU#5、ONU#6、ONU#3」となる。
その結果、リソース割当部21Aは、1番目の割当順序のONU#4については、前回割当波長であるλ1(OSU#1)を割当て、2番目の割当順序のONU#1については前回割当波長であるλ2を割当て、3番目の割当順序のONU#2については前回割当波長であるλ2を割当て、4番目の割当順序のONU#5については前回割当波長であるλ1を割当て、5番目の割当順序のONU#6については前回割当波長であるλ2を割当てる。そして、リソース割当部21Aは、6番目の割当順序であるONU#3については前回割当波長であるλ2の余剰帯域が足りないため、λ1に割り当てることになる。
以上のように、タイミングT=T1における各ONU40に対するvPON及び波長(ONU22)の割当状態をグラフ(横棒グラフ)の形式で表すと図6のような内容となる。
次に、第1のシナリオ及び第2のシナリオで、タイミングT=T1において、この実施形態の波長割当ポリシーを適用した場合と、他の波長割当ポリシー(上記の第1〜第3のサブポリシー以外の波長割当ポリシー)を適用した場合との結果の比較について説明する。
ここでは、第1のシナリオ及び第2のシナリオで、タイミングT=T1において、上述の第1〜第3のサブポリシーに基づく前回割当波長を考慮した波長割当ポリシーではなく、初期波長割当タイミングと同様の波長割当ポリシーを適用する場合の例について説明する。すなわち、以下の例では、タイミングT=T1において、前回割当波長を考慮したこの実施形態の波長割当ポリシー(上記の第1〜第3のサブポリシー)ではなく、前回割当波長を考慮しない他の波長割当ポリシー(初期波長割当タイミングと同様の波長割当ポリシー)を適用する例との比較について説明する。
図7は、第1のシナリオでタイミングT=T1において、他の波長割当ポリシーとの結果の比較について示した図である。
図7(a)は、第1のシナリオでタイミングT=T0だけでなく、タイミングT=T1において他の波長割当ポリシー(初期波長割当タイミングと同様の波長割当ポリシー)を適用した場合における波長割当処理結果について示した図である。
図7(a)に示すように、第1のシナリオでタイミングT=T1において他の波長割当ポリシーを適用した場合、ONU#1、ONU#6に対してλ1が割り当てられ、ONU#2〜ONU#5に対してλ2が割り当てられる結果となる。この場合、タイミングT=T1において、4つのONU40(ONU#1、ONU#4〜ONU#6)で、波長切替(前回割当波長と異なる波長の割当が行われた状態)が発生している。
図7(b)は、第1のシナリオでタイミングT=T1において、この実施形態の波長割当ポリシーを適用した場合と他の波長割当ポリシーを適用した場合との波長割当処理結果の比較について示した図である。
図7(b)に示すように、第1のシナリオでタイミングT=T1において、この実施形態の波長割当ポリシーを適用した場合2つのONU40(ONU#2、ONU#3)で波長切替が発生し、他の波長割当ポリシーを適用した場合4つのONU40(ONU#1、ONU#4〜ONU#6)で波長切替が発生する状態となっている。
図8は、第2のシナリオでタイミングT=T1において、他の波長割当ポリシーとの結果の比較について示した図である。
図8(a)は、第2のシナリオでタイミングT=T0だけでなく、タイミングT=T1において他の波長割当ポリシー(初期波長割当タイミングと同様の波長割当ポリシー)を適用した場合における波長割当処理結果について示した図である。
図8(a)に示すように、第2のシナリオでタイミングT=T1において他の波長割当ポリシーを適用した場合、ONU#1、ONU#3、ONU#4に対してλ1が割り当てられ、ONU#2、ONU#5、ONU#6に対してλ2が割り当てられる結果となる。この場合、タイミングT=T1において、3つのONU40(ONU#1、ONU#3、ONU#5)で、波長切替が発生している。
図8(b)は、第2のシナリオでタイミングT=T1において、この実施形態の波長割当ポリシーを適用した場合と他の波長割当ポリシーを適用した場合との波長割当処理結果の比較について示した図である。
図8(b)に示すように、第2のシナリオでタイミングT=T1において、この実施形態の波長割当ポリシーを適用した場合1つのONU40(ONU#3)で波長切替が発生し、他の波長割当ポリシーを適用した場合3つのONU40(ONU#1、ONU#3、ONU#5)で波長切替が発生する状態となっている。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
以上のように第1の実施例を用いた場合、各ONUのトラヒックが変更した場合、そのONUが属するvPON内で波長切替することにより、他のvPONに影響を与えないでONUの割り当てが可能である。また、従来よりも波長切替数を少なくすることが可能となる。
上述の通り、第2の実施形態では、第1及び第2のシナリオでタイミングT=T1において、他の波長割当ポリシーを適用した場合、要求帯域の大きいONU40から順にOSU22に割当てていくことによって、効率的に各OSU22を割当てることができるため、駆動するOSU22の数を低減し、より省電力でOLT20を動作させることが可能となる。しかしながら、上述の図7、図8に示すように、リソース割当部21AでタイミングT=T1において、前回割当波長を考慮した波長割当ポリシー(上述の第1〜第3のサブポリシーにより構成される波長割当ポリシー)を適用する方が、波長切替の発生するONU40を低減することが可能となるため、より効率的にPONシステム1A(OLT20A)を動作させることができる。
ONU40で波長切替が発生する場合、その切替時間中は通信断が起きる。したがって、あるONU40で要求帯域の変更が発生して波長切替が発生する場合、要求帯域の変更が変更していない他のONU40のスループットも低下する場合がある。さらに、DBA23は各OSU22で割り当てられた各vPONの最大割当帯域内でDBA計算を行うため、リソース割当部21Aは、各vPONの最大割当帯域の変更が発生すると、その結果をDBA23に通知しなければならない。その場合、OLT20Aでは、その通知時間分のスループットが低下するという課題がある。さらに、ONU40で波長切替が発生すると、リソース割当部21A及びDBA23は再計算を行うので、ONU40の数増加にともない計算時間も増加する課題がある。したがって、PONシステム1A(OLT20A)では、ONU40の波長切替はより少ないことが望ましい。
(C)第3の実施形態
以下、本発明によるリソース割当装置、リソース割当プログラム、リソース割当方法、及び局側装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の局側装置をOLTに適用した例について説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
図9は、第3の実施形態のPONシステム1Bの全体構成を示すブロック図である。図9では、上述の図1と同一部分又は対応部分に同一符号又は対応符号を付している。なお、図9において、括弧内の符号は、後述する第4の実施形態でのみ用いられる符号を示している。
以下では、第3の実施形態について、第2の実施形態との差異を中心に説明する。
第3の実施形態のPONシステム1Bでは、1つのOLT20Aが、複数のOLT20Aを搭載したOLT管理装置2に置き換わっている点で第2の実施形態と異なっている。なお、OLT20Aが搭載するOLT20Aの数は限定されないものである。また、第3の実施形態において、OLT20Aを第1の実施形態のOLT20に置き換えるようにしてもよい。
この実施形態の例において、OLT管理装置2には、2つのOLT20A(20A−1、20A−2)が搭載されているものとして説明する。そして、図9に示すように、OLT20A(20A−1、20A−2)には、それぞれ波長合分波器30(30−1、30−2)を介して、光ファイバ60(60−1、60−2)が接続されている。そして、光ファイバ60(60−1、60−2)は、それぞれ光スプリッタ50(50−1、50−2)により複数に分岐され複数のONU40が接続されている。この実施形態では、図9に示すように、OLT20A−1の配下にはn台のONU40(40−1−1〜40−1−n)が接続されており、OLT20A−2の配下にはm台(mは2以上の任意の整数)のONU40(40−2−1〜40−2−m)が接続されているものとする。
また、第3の実施形態のOLT管理装置2では、全体リソース割当部26により、各OLT21Aのリソース割当部21Aに対するリソース割り当ての指示が行われる。すなわち、第2の実施形態では、全体リソース割当部26はその配下にある各OLT20Aのリソースを管理し、使用するOLT20Aとその帯域を決定する。
全体リソース割当部26は、vPON要求部11からの指示に応じて、各OLT21Aに対するリソース割り当てを判断し、その判断結果を各OLT21Aのリソース割当部21Aに通知する。一方、各OLT20Aのリソース割当部21Aは、全体リソース割当部26に使用可能なリソース(vPONパラメータ等のvPONに関するリソース)の情報を送る。
なお、全体リソース割当部26については、コンピュータにプログラム(実施形態に係る全体リソース割当プログラムを含む)をインストールすることによりソフトウェア的に実現するようにしてもよい。また、vPON管理装置10を構成する全体リソース割当部26とOLT20Aは1つの筐体で構成するようにしてもよいし複数筐体で構成するようにしてもよい。すなわち、vPON管理装置10を構成する具体的なハードウェア構成(例えば、筐体の構成等)は限定されないものである。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態のPONシステム1B(リソース割当部21A及び全体リソース割当部26)の動作(実施形態に係るリソース割当方法及び全体リソース割当方法)を説明する。
以下では、第3の実施形態のPONシステム1Bの動作のうち、第2の実施形態との差異について説明する。第3の実施形態では、全体リソース割当部26の動作が加わっている点で第2の実施形態と異なっているので、全体リソース割当部26の動作を中心に説明する。
全体リソース割当部26はvPON要求部11からvPON構築の情報とそれぞれのOLTのリソース割当部21からの使用可能なリソースの情報やトラヒック情報を受け取るとその配下にいるOLT20A(20A−1、20A−2)に割当てる帯域を決定し、その決定結果に応じた制御を行う。
第3の実施形態では、各OLT20A(リソース割当部21A)は、全体リソース割当部26と連携して各リソースの割当処理を行う。例えば、リソース割当部21Aは全体リソース割当部26から割当てられた帯域をvPONの最大割当帯域として計算する。
なお、全体リソース割当部26は、いずれかのONU40に対して割り当てられるvPONの種類(vPON_ID)の情報が、vPON要求部11から供給されると当該情報については当該ONU40が所属するOLT20A(リソース割当部21A)に転送する処理を行う。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と比較して以下のような効果を奏することができる。
第3の実施形態では、全体リソース割当部26が複数のOLT20Aに対するリソース(各vPONの最大割当帯域)の振分を行うことで、複数のOLT20AにまたがるvPONであっても効率的な動作を実現することができる。
(D)第4の実施形態
以下、本発明によるリソース割当装置、リソース割当プログラム、リソース割当方法、及び局側装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の局側装置をOLTに適用した例について説明する。
(D−1)第4の実施形態の構成
第4の実施形態のPONシステム1Cの全体構成についても、上述の図9を用いて説明することができる。なお、図9において、括弧内の符号は、第4の実施形態で用いられる符号を示している。
以下では、第4の実施形態のPONシステム1Cについて、第3の実施形態との差異を中心に説明する。
図9に示すように、第4の実施形態では、OLT管理装置2がOLT管理装置2Cに置き換わっている点で第3の実施形態と異なっている。そして、第4の実施形態のOLT管理装置2Cでは、全体リソース割当部26が全体リソース割当部26Cに置き換わっている点で第3の実施形態と異なっている。
第4の実施形態の全体リソース割当部26Cでは、配下のOLT20A(リソース割当部21A)に対する制御の内容(詳細については後述する)が第3の実施形態と異なっている。
(D−2)第4の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第4の実施形態のPONシステム1C(リソース割当部21A及び全体リソース割当部26C)の動作(実施形態に係るリソース割当方法及び全体リソース割当方法)を説明する。
以下では、第4の実施形態のPONシステム1Cの動作のうち、第3の実施形態との差異について説明する。第3の実施形態では、全体リソース割当部26Cの動作が第3の実施形態と異なっているので、全体リソース割当部26Cの動作を中心に説明する。
図10は、全体リソース割当部26Cの動作について示したフローチャートである。
以下では、例として、全体リソース割当部26Cが任意のvPON_IDのvPON(以下、このvPONを「対象vPON」と呼ぶものとする)のリソース(帯域)を各OLT20Aに割当てる例を用いて説明するが、他のvPONも同様に処理されるものとする。
ここでは、まず、全体リソース割当部26Cにおいて、vPON要求部11から、対象vPONの制御に関する情報(vPON構築の情報)が通知されたものとする(S101)。このとき、vPON要求部11からの通知には、対象vPONの最大要求帯域B_maxが含まれるものとする。vPON要求部11からの情報が通知されると、全体リソース割当部26Cは、通知された情報に基づいて対象vPONに関するリソース割当処理(配下のOLT20A−1、20A−2に対するリソース割当処理)を開始する。
リソース割当処理を開始すると、全体リソース割当部26Cは、まず、配下のOLT20A(20A−1、20A−2)の合計余剰帯域(以下、「AMolt」と表す)を算出する(S102)。
次に、全体リソース割当部26Cは、vPON要求部11からの対象vPONの最大要求帯域B_maxと合計余剰帯域AMoltを比較し(S103)、B_max≦AMoltが成立する場合は後述するステップS104に移行し、そうでない場合には後述するステップS105に移行する。
上述のステップS103でB_max≦AMoltが成立すると判断された場合、全体リソース割当部26Cは、最大要求帯域B_maxを用いて、配下の各OLT20Aのそれぞれに割当てる対象vPONの帯域を計算する(S104)。
一方、上述のステップS103でB_max≦AMoltが成立しないと判断された場合、全体リソース割当部26Cは、合計余剰帯域AMoltを用いて、配下の各OLT20Aへ割当てる対象vPONの帯域を計算するものとする(S105)。
なお、ステップS104、S105において、全体リソース割当部26Cは、例えば、配下のOLT20A間での公平性を保つように対象vPONの帯域を割当てる計算を行う(各OLT20Aの割当帯域が均等となるように計算する)ようにしてもよいし、配下の各OLT20Aの消費電力を考慮して対象vPONの帯域を割当てる(例えば、各OLT20Aの消費電力(負荷)が均等となるように計算する)ようにしてもよい。
ステップS104又はステップS105により、各OLT20Aへ割当てる対象vPONの帯域の計算が完了すると、全体リソース割当部26Cは、各OLT20A(20A−1、20A−2)のリソース割当部21に、計算結果に従った対象vPONの帯域を通知する(S106)。
次に、全体リソース割当部26Cが図10のフローチャートに従って動作する場合の具体例について説明する。ここでは、後述する第3のシナリオ及び第4のシナリオの条件において、全体リソース割当部26Cが動作する場合の例について説明する。
なお、以下では、OLT20A−1、20A−2を、それぞれOLT#1、OLT#2とも表すものとする。
まず、第3のシナリオの条件における全体リソース割当部26Cの動作について説明する。
第3のシナリオでは、vPON#1(対象vPON)の最大要求帯域B_maxが4Gbps、OLT#1の余剰帯域が2Gbps、OLT#2の余剰帯域が6Gbps、OLT#1でvPON#1のサービスを受けるONU40が2台、OLT#2でvPON#1のサービスを受けるONU40が2台であるものとする。
第3のシナリオでは、全体リソース割当部26Cは、ステップS101で、合計余剰帯域AMoltとして6Gbpsを算出する。
したがって、第3のシナリオでは、vPON#1の最大要求帯域B_max=4Gbps、合計余剰帯域AMolt=6Gbpsとなるので、全体リソース割当部26Cは、ステップS103の処理からステップS104の処理に移行することになる。
ここで、第3のシナリオでは、上述のステップS104で全体リソース割当部26Cが、配下の各OLT20Aに割り当てるvPON#1の帯域を計算する際に、vPON#1の最大要求帯域B_max=4Gbpsを配下のOLT20Aの数(2台)で均等に割当てる方法を適用するものとする。そうすると、第3のシナリオでは、ステップS104で、OLT#1に対するvPON#1の割当帯域が2Gbps、OLT#2に対するvPON#1の割当帯域が2Gbpsとなる。そして、全体リソース割当部26Cは、ステップS106に移行し、OLT#1、OLT#2にそれぞれvPON1について割当てた帯域を通知する。
次に、第4のシナリオの条件における全体リソース割当部26Cの動作について説明する。
第4のシナリオでは、vPON#1の最大要求帯域B_maxが7Gbps、OLT#1の余剰帯域が2Gbps、OLT#2の余剰帯域が4Gbps、OLT#1でvPON#1のサービスを受けるONUが2台、OLT#2でvPON#1のサービスを受けるONU40が4台であるものとする。
第4のシナリオでは、全体リソース割当部26Cは、ステップS101で、合計余剰帯域AMoltとして6Gbpsを算出することになる。
したがって、第4のシナリオでは、vPON#1の最大要求帯域B_max=7Gbps、合計余剰帯域AMolt=6Gbpsとなるので、全体リソース割当部26Cは、ステップS103の処理からステップS105の処理に移行することになる。
このとき、第4のシナリオでは、上述のステップS105で全体リソース割当部26Cが、配下の各OLT20Aへ割当てるvPON#1の帯域を計算する際に、合計余剰帯域AMoltを配下のONU40の台数の比に応じて割当てる方法を適用するものとする。そうすると、第4のシナリオでは、OLT#1でvPON#1のサービスを受けるONUが2台、OLT#2でvPON#1のサービスを受けるONUが4台であるため、OLT#1とOLT#2の配下のONU40の台数の比は2:4(OLT#1の配下のONU40の台数:OLT#2の配下のONU40の台数)となる。そして、合計余剰帯域AMolt=6Gbpsであるため、ここでは、全体リソース割当部26Cは、OLT#1に対するvPON#1の割当帯域を2Gbps、OLT#2に対するvPON#1の割当帯域を4Gbpsとすることになる。
(D−3)第4の実施形態の効果
第4の実施形態によれば、第3の実施形態と比較して以下のような効果を奏することができる。
第4の実施形態では、全体リソース割当部26Cが、合計余剰帯域AMolt又は対象vPONの最大要求帯域B_maxうち小さい方に基づいて、各OLT20Aに割当てる対象vPONの帯域を計算する。これにより、第4の実施形態では、各OLT20Aに対して、許容可能な範囲で最大となる対象vPONの帯域を割当てることができる。
(E)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(E−1)第1及び第2の実施形態において、リソース割当部21、21Aは、OLT20、20Aに搭載される例について示したが、リソース割当部21、21A(本発明のリソース割当装置)が搭載される装置は限定されないものであり、OLT20、20Aの外部に配置するようにしてもよい。具体的には、例えば、図11に示すように、リソース割当部21、21AをvPON管理装置10側に配置するようにしてもよいし、単独の装置として構築するようにしてもよい。
(E−2)第3及び第4の実施形態において、全体リソース割当部26、26Cは、OLT管理装置2、2Cに搭載される例について示したが、全体リソース割当部26、26Cが搭載される装置は限定されないものであり、OLT管理装置2、2Cの外部に配置するようにしてもよい。具体的には、例えば、図12に示すように、全体リソース割当部26、26CをvPON管理装置10側に配置するようにしてもよいし、単独の装置として構築するようにしてもよい。
(E−3)上記各実施形態では、PONシステムを複数の異なる波長のOSUとONU40で構成した例を示したが、同じ波長のOLTを複数用いたPONの構成でも良い。また、上記各実施形態において、モバイルフロントホールにPONシステムを配置した構成でも良い。
(E−4)第3及び第4の実施形態において、OLT管理装置2、2Cに搭載されるOLT20AはいずれもTWDM−PONシステムを採用したOLTであるものとして説明したが、採用されるOLTの方式(PONの方式)は限定されないものである。例えば、OLT管理装置2、2Cにおいて、TWDM−PONシステム以外の方式(例えば、GE−PONシステムのOLT)のOLTを適用するようにしてもよいし、複数の方式のOLT(複数の方式のPONシステム)が混在する構成としてもよい。