以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<電子部品装着装置の構成>図1に、電子部品装着装置(以下、「装着装置」と略す場合がある)10を示す。装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に隣接された2台の電子部品装着機(以下、「装着機」と略す場合がある)14とを有している。なお、装着機14の並ぶ方向をX軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。
各装着機14は、主に、装着機本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28、ノズルステーション30を備えている。装着機本体20は、フレーム部32と、そのフレーム部32に上架されたビーム部34とによって構成されている。
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにフレーム部32に配設されている。2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図示省略)によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図示省略)によって固定的に保持される。
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図示省略)とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータ52,54の作動によって、フレーム部32上の任意の位置に移動させられる。
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、図2に示すように、棒状の装着ユニット60を複数有しており、それら複数の装着ユニット60の各々の下端部には、吸着ノズル62が装着されている。吸着ノズル62は、図3に示すように、胴体筒64とフランジ部66と吸着管68と掛止ピン70とによって構成されている。胴体筒64は、円筒状をなし、フランジ部66は、胴体筒64の外周面に張り出すようにして固定されている。吸着管68は、細いパイプ状をなし、胴体筒64の下端部から下方に向かって延び出した状態で、胴体筒64に軸線方向に移動可能に保持されている。なお、吸着ノズル62には、吸着管68に弾性力が付与されているものと、付与されていないものがある。
詳しくは、吸着管68に弾性力が付与されている吸着ノズル62には、吸着管68と胴体筒64との間に、バネ(図示省略)が圧縮された状態で配設されており、吸着管68は、バネの弾性力によって、胴体筒64の下端部から下方に延び出す方向に付勢されている。つまり、吸着管68の先端に、バネの弾性力に抗した力が加えられることで、吸着管68は、胴体筒64の内部に向かって後退する。一方、吸着管68に弾性力が付与されない吸着ノズル62には、吸着管68と胴体筒64との間に、バネが配設されていない。ただし、吸着管68と胴体筒64との間にバネが配設されていない吸着ノズル62は、バネ(図示省略)が内蔵されている装着ユニット60の先端部に装着される。装着ユニット60に内蔵されているバネは、装着ユニット60に装着される吸着ノズル62の吸着管68に、弾性力を付与する。これにより、その吸着管68は、装着ユニット60のバネの弾性力によって、胴体筒64の下端部から下方に延び出す方向に付勢されている。つまり、吸着管68と胴体筒64との間にバネが配設されていない吸着ノズル62においても、バネが内蔵された装着ユニット60に装着されることで、吸着管68の先端に、バネの弾性力に抗した力が加えられることで、吸着管68は、胴体筒64の内部に向かって後退する。
また、吸着ノズル62の掛止ピン70は、胴体筒64の径方向に延びるように、胴体筒64の上端部に設けられている。吸着ノズル62は、掛止ピン70を利用して、装着ユニット60の下端部にワンタッチで着脱可能に取り付けられる。掛止ピン70を利用した吸着ノズル62の装着ユニット60への取り付けは、公知の手法であることから、説明は省略する。また、フランジ部66の外縁には、切欠部72が形成されており、フランジ部66の上面には、2Dコード74が記されている。
吸着ノズル62の吸着管68は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図示省略)に通じている。このため、吸着ノズル62の吸着管68は、先端部において、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。棒状の装着ユニット60は、図2に示すように、ユニット保持体76の外周部に、等角度ピッチで、軸方向が垂直となる状態に保持されている。そして、各吸着ノズル62が、ユニット保持体76の下面から下方に向かって延び出している。
また、ユニット保持体76は、保持体回転装置78によって、装着ユニット60の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられる。これにより、装着ユニット60の1つの停止位置である昇降ステーションに、複数の装着ユニット60が、順次停止する。昇降ステーションに停止した装着ユニット60は、ユニット昇降装置80によって昇降する。また、昇降ステーションに停止した装着ユニット60は、ユニット自転装置82によって自転する。
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、図1に示すように、フレーム部32の前方側の端部に配設されている。供給装置28は、テープフィーダ86を有している。テープフィーダ86は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ86は、送出装置(図示省略)によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
ノズルステーション30は、複数の吸着ノズル62を収容するものであり、ノズルトレイ88を有している。ノズルトレイ88は、図4に示すように、ベースプレート90とカバープレート92とを有しており、カバープレート92は、ベースプレート90の上にスライド可能に配設されている。なお、ベースプレート90とカバープレート92とは、略同じ寸法とされており、カバープレート92がベースプレート90に対してスライドした状態において、ベースプレート90の端部に記された2Dコード94は露出する。一方、図5に示すように、ベースプレート90とカバープレート92とが全体的に重なっている状態では、2Dコード94は、カバープレート92によって覆われる。
ベースプレート90には、図4および、ノズルトレイ88の断面図である図6に示すように、複数の載置穴96が形成されている。載置穴96は、段付形状の貫通穴であり、吸着ノズル62を載置することが可能である。詳しくは、段付形状の載置穴96の段差面98の内径は、吸着ノズル62のフランジ部66の外径より僅かに大きく、その段差面98に、図7に示すように、吸着ノズル62のフランジ部66が載置される。また、段差面98には、ピン(図5参照)100が立設されており、そのピン100に、フランジ部66の切欠部72が係合する。これにより、載置穴96に載置された吸着ノズル62の軸回りの回転が禁止される。なお、載置穴96には、小さな径の載置穴96aと大きな径の載置穴96bとがあり、小さな径の載置穴96aには、小さなサイズの吸着ノズル62が載置され、大きな径の載置穴96bには、大きなサイズの吸着ノズル62が載置される。
また、カバープレート92にも、ベースプレート90の複数の載置穴96に対応して、抜穴102が形成されている。抜穴102は、円穴部104とスロット部106とによって構成されている。円穴部104は、円形をなし、対応する載置穴96の段差面98より僅かに大きな内径である。また、スロット部106は、円穴部104の縁に切り欠かれた部分であり、吸着ノズル62の胴体筒64の外径より僅かに大きな切欠部である。
上記構造のノズルトレイ88では、カバープレート92をベースプレート90に対してスライドさせることで、図4に示すように、抜穴102を介して載置穴96の一部が露出する状態(以下、「一部露出状態」という場合がある)と、図5に示すように、抜穴102を介して載置穴96の全体が露出する状態(以下、「全露出状態」という場合がある)とで切換可能である。
詳しくは、全露出状態では、図5に示すように、載置穴96の中心と抜穴102の円穴部104の中心とが一致しており、載置穴96の段差面98が完全に露出する。このため、全露出状態において、載置穴96に吸着ノズル62を載置すること、若しくは、載置穴96から吸着ノズル62を取り出すことが可能である。つまり、全露出状態において、ノズルトレイ88に吸着ノズル62を収容すること、若しくは、ノズルトレイ88から吸着ノズル62を取り出すことが可能である。
一方、一部露出状態では、図4に示すように、載置穴96の中心と抜穴102の円穴部104の中心とは一致しておらず、載置穴96の段差面98の一部は、カバープレート92によって覆われている。このため、一部露出状態では、載置穴96に吸着ノズル62を載置すること、若しくは、載置穴96から吸着ノズル62を取り出すことができない。つまり、一部露出状態では、ノズルトレイ88に吸着ノズル62を収容すること、若しくは、ノズルトレイ88から吸着ノズル62を取り出すことができない。ただし、一部露出状態では、載置穴96の中心と抜穴102のスロット部106の中心とは一致しており、図7に示すように、載置穴96に載置された吸着ノズル62の胴体筒64は、スロット部106からカバープレート92の上方に延び出している。
また、カバープレート92は、ベースプレート90に対して、全露出状態と一部露出状態との間でスライド可能であり、スプリング(図示省略)によって、一部露出状態となる方向に付勢されている。つまり、通常は、ノズルトレイ88への吸着ノズル62の収容、若しくは、ノズルトレイ88からの吸着ノズル62の取出しが禁止されている。ただし、ノズルステーション30は、カバープレート92を、スプリングの弾性力に抗して、全露出状態となる方向にスライドさせるプレート移動機構(図示省略)を有しており、そのプレート移動機構の作動によりカバープレート92がスライドすることで、ノズルトレイ88への吸着ノズル62の収容、若しくは、ノズルトレイ88からの吸着ノズル62の取出しが可能となる。なお、ノズルトレイ88は、ノズルステーション30に着脱可能であり、ノズルステーション30に収容された吸着ノズル62の回収,ノズルステーション30への吸着ノズル62の補給等を装着機14の外部において行うことが可能である。
<装着機による装着作業>装着機14では、上述した構成によって、搬送装置22に保持された回路基板に対して、装着ヘッド26によって装着作業を行うことが可能である。具体的には、装着機14の制御装置(図示省略)の指令により、回路基板が作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置によって固定的に保持される。また、テープフィーダ86は、制御装置の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル62によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、回路基板の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。
<ノズルステーションでの吸着ノズルの交換>装着機14では、上述したように、テープフィーダ86によって供給された電子部品を、吸着ノズル62によって吸着保持し、その電子部品が回路基板上に装着される。このように構成された装着機14では、電子部品の大きさ,種類等に応じて、吸着ノズル62が変更される。つまり、例えば、大きな電子部品を吸着保持する際には、径の大きな吸着ノズル62が用いられ、小さな電子部品を吸着保持する際には、径の小さな吸着ノズル62が用いられる。このため、製造される回路基板の種類に応じて、種々の吸着ノズル62を用いる必要が有り、ノズルステーション30には、製造される回路基板の種類に応じて、種々の吸着ノズル62が収容されている。そして、装着ヘッド26の装着ユニット60に取り付けられている吸着ノズル62と、ノズルステーション30の収容されている吸着ノズル62との交換等が、必要に応じて行われる。なお、装着ユニット60に取り付けられている吸着ノズル62と、ノズルステーション30の収容されている吸着ノズル62との交換等は、公知の手法であることから、説明は省略する。
上述したように、ノズルステーション30には、製造される回路基板の種類に応じて、種々の吸着ノズル62が収容されている。このため、例えば、製造対象の回路基板の種類が変更される場合には、ノズルステーション30からノズルトレイ88が取り外され、ノズル管理装置を用いて、ノズルトレイ88に収容されている吸着ノズル62が交換される。以下に、ノズル管理装置について、詳しく説明する。
<ノズル管理装置の構成>ノズル管理装置110は、図8に示すように、概して直方体形状をなしており、正面に、ノズルトレイ88をノズル管理装置110内に収納、若しくは、ノズル管理装置110からノズルトレイ88を取り出すための引出118が設けられている。その引出118の上方には、各種情報を表示するパネル120、情報等の入力を行うための操作スイッチ122等が配設されている。
各ノズル管理装置110は、図9および図10に示すように、パレット収容装置130、トレイ収容装置132、ノズル移載装置134、第1ノズル検査装置136、第2ノズル検査装置138、ノズル洗浄装置140を有している。なお、図9は、ノズル管理装置110の右前方からの視点におけるノズル管理装置110の内部構造を示す斜視図であり、図10は、ノズル管理装置110の左前方からの視点におけるノズル管理装置110の内部構造を示す斜視図である。
(a)パレット収容装置パレット収容装置130は、図11に示すノズルパレット152を収容するものである。ノズルパレット152は、ノズルトレイ88と同様に、ベースプレート154とカバープレート156とを有しており、カバープレート156は、ベースプレート154の上にスライド可能に配設されている。ベースプレート154とカバープレート156とは、略同じ寸法とされており、カバープレート156がベースプレート154に対してスライドした状態において、ベースプレート154の端部に記された2Dコード157は露出する。一方、図12に示すように、ベースプレート154とカバープレート156とが全体的に重なっている状態では、2Dコード157は、カバープレート156によって覆われる。
また、ベースプレート154の角部には、基準ノズル172と基準パイプ174とが配置されている。基準ノズル172と基準パイプ174とは、ベースプレート154を貫通しており、基準ノズル172と基準パイプ174との下端部は、ベースプレート154の下方に延び出している。なお、カバープレート156の角部には、切欠部176が形成されており、ベースプレート154とカバープレート156とが全体的に重なっている状態であっても、基準ノズル172と基準パイプ174とは、露出する。
ベースプレート154には、複数の載置穴158が形成されており、それら複数の載置穴158には、小さな径の載置穴158aと大きな径の載置穴158bとがある。小さな径の載置穴158aは、ノズルトレイ88の小さな径の載置穴96aと同じ形状であり、載置穴96aに載置可能な吸着ノズル62が載置される。一方、大きな径の載置穴158bは、ノズルトレイ88の大きな径の載置穴96bと略同じ形状であるが、図11および、ノズルパレット152の断面図である図13に示すように、2つの段差面160,162を有する段付形状の穴である。第1の段差面160の内径は、ノズルトレイ88の大きな径の載置穴96bの内径と同じであり、図13に示すように、載置穴96bに載置可能な吸着ノズル62が載置される。第2の段差面162の内径は、第1の段差面160の内径より小さくなっており、図14に示すように、第1の段差面160に載置可能な吸着ノズル62より小さなサイズの吸着ノズル62が載置される。なお、各段差面160,162にも、ピン(図12参照)164が立設されており、吸着ノズル62のフランジ部66の切欠部72と係合する。
また、カバープレート156にも、ベースプレート154の複数の載置穴158に対応して、抜穴166が形成されている。抜穴166は、ノズルトレイ88の抜穴102と同形状であり、円穴部168とスロット部170とによって構成されている。このため、ノズルパレット152でも、ノズルトレイ88と同様に、一部露出状態と、全露出状態とで切換可能である。
詳しくは、全露出状態では、図12に示すように、載置穴158の段差面160等が完全に露出し、載置穴158に吸着ノズル62を載置すること、若しくは、載置穴158から吸着ノズル62を取り出すことが可能である。一方、一部露出状態では、図11に示すように、載置穴158の段差面160等の一部は、カバープレート156によって覆われており、載置穴158に吸着ノズル62を載置すること、若しくは、載置穴158から吸着ノズル62を取り出すことができない。ただし、一部露出状態では、図13および、図14に示すように、載置穴158に載置された吸着ノズル62の胴体筒64は、スロット部170からカバープレート156の上方に延び出している。
また、カバープレート156は、ベースプレート154に対して、全露出状態と一部露出状態との間でスライド可能であり、スプリング(図示省略)によって、一部露出状態となる方向に付勢されている。このため、通常は、ノズルパレット152への吸着ノズル62の収容、若しくは、ノズルパレット152からの吸着ノズル62の取出しが禁止されている。ただし、ノズルトレイ88と同様に、カバープレート156を、スプリングの弾性力に抗して、全露出状態となる方向にスライドさせることで、ノズルパレット152への吸着ノズル62の収容、若しくは、ノズルパレット152からの吸着ノズル62の取出しが可能となる。
パレット収容装置130は、上記構造のノズルパレット152を収容する装置である。パレット収容装置130は、図9および図10に示すように、複数のパレットキャリア180とキャリア循環機構182とを有している。パレットキャリア180は、チャンネル形状、つまり、断面がコの字型をなす形状であり、チャンネル形状の開口が下方を向いた状態で配設されている。パレットキャリア180の内側の側面には、レール183が形成されており、そのレール183によって、ノズルパレット152が保持される。なお、ノズルパレット152は、パレットキャリア180の前方から挿入されることで、パレットキャリア180に保持され、ノズルパレット152を前方に引き出すことで、パレットキャリア180から取り出される。
キャリア循環機構182は、1対のスプロケット軸184を有しており、1対のスプロケット軸184は、前後方向に延びた状態で上下に配設されている。各スプロケット軸184の両端には、スプロケット186が取り付けられている。1対のスプロケット軸184の前端のスプロケット186同士が、チェーン188によって連結され、1対のスプロケット軸184の後端のスプロケット186同士が、チェーン190によって連結されている。
チェーン188,190には、複数のブラケット192が取り付けられており、各ブラケット192は、チェーン188,190と直角な状態で外側に向かって延び出している。チェーン188に取り付けられたブラケット192と、チェーン190に取り付けられたブラケット192とは、それぞれの先端部において、パレットキャリア180を揺動可能に支持している。そして、電磁モータ(図示省略)の駆動により、スプロケット軸184が制御可能に回転する。このような構造により、複数のパレットキャリア180、つまり、パレットキャリア180に保持されたノズルパレット152は、キャリア循環機構182によって、ノズル管理装置110の内部において上下方向に循環する。なお、パレットキャリア180は、循環時において、常に、チャンネル形状の開口が下方を向いた状態が維持されることから、パレットキャリア180に保持されたノズルパレット152は、常に、水平な状態で循環する。
(b)トレイ収容装置トレイ収容装置132は、ノズルトレイ88を収容する装置であり、パレット収容装置130の前方に配設されている。トレイ収容装置132は、複数のトレイキャリア200とキャリア循環機構202とを有している。トレイキャリア200は、パレットキャリア180と同様に、チャンネル形状をなし、チャンネル形状の開口が下方を向いた状態で配設されている。また、トレイキャリア200は、内側の側面に形成されたレール204によって、ノズルトレイ88を保持する。なお、ノズルトレイ88は、トレイキャリア200の前方から挿入されることで、トレイキャリア200に保持され、ノズルトレイ88を前方に引き出すことで、トレイキャリア200から取り出される。
キャリア循環機構202は、キャリア循環機構182と同様にスプロケット軸,スプロケット,チェーン,ブラケット(符号省略)等を有しており、キャリア循環機構182と同様に作動する。このため、複数のトレイキャリア200、つまり、トレイキャリア200に保持されたノズルトレイ88は、キャリア循環機構202によって、ノズル管理装置110の内部において上下方向に循環する。なお、トレイキャリア200は、循環時において、常に、チャンネル形状の開口が下方を向いた状態が維持されることから、トレイキャリア200に保持されたノズルトレイ88は、常に、水平な状態で循環する。
(c)ノズル移載装置ノズル移載装置134は、ノズルトレイ88とノズルパレット152との間で吸着ノズル62を移載するための装置であり、図15に示すように、引出118内のテーブル205上に配設されている。ノズル移載装置134は、移載ヘッド206とヘッド移動装置207とを有している。移載ヘッド206の下端面には、下方を向いた状態のカメラ208と、吸着ノズル62を保持するための保持チャック(図9、図10参照)209とが取り付けられている。また、ヘッド移動装置207は、移載ヘッド206をテーブル205の上において前後方向、左右方向、上下方向に移動させるXYZ型の移動装置である。さらに、ヘッド移動装置207は、保持チャック209をそれの軸線周りに自転させるための自転機構(図示省略)を備えており、保持チャック209によって保持された吸着ノズル62を自転させることが可能である。
また、引出118内のテーブル205には、ノズルトレイ88をセットするための固定ステージ210および、可動ステージ212が設けられている。固定ステージ210は、テーブル205に固定されている。一方、可動ステージ212は、ステージ移動機構214によって前後方向にスライドする。ステージ移動機構214は、前後方向に延びるようにテーブル205に配設されたレール216を有しており、可動ステージ212を、レール216に沿って制御可能にスライドさせる。レール216の後端部は、キャリア循環機構202によって所定の位置に循環したトレイキャリア200のレール204と連結する。このため、可動ステージ212のスライドにより、可動ステージ212にセットされたノズルトレイ88をトレイキャリア200に収納すること、および、トレイキャリア200に収容されているノズルトレイ88を可動ステージ212上にセットすることが可能である。
また、固定ステージ210および、可動ステージ212には、セットされたノズルトレイ88に対して、カバープレート92を全露出状態となる方向に移動させるためのプレート移動機構(図示省略)が設けられている。なお、図には、固定ステージ210にセットされたノズルトレイ88が図示されている。
また、引出118内のテーブル205には、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、ノズル移載装置134による吸着ノズル62の移載が可能な位置(以下、「ノズル移載位置」と略す場合がある)との間で、ノズルパレット152を移動させる第1パレット移動機構218が配設されている。第1パレット移動機構218は、前後方向に延びるようにテーブル205に配設されたレール219を有しており、ノズルパレット152を、レール219に沿って制御可能にスライドさせる。レール219の後端部は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環したパレットキャリア180のレール183と連結する。このため、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、ノズル移載位置との間で、ノズルパレット152を移動させることが可能である。なお、図には、ノズル移載位置に移動したノズルパレット152が図示されている。
ノズル移載位置に移動したノズルパレット152の前方側には、載置プレート220が配設されている。載置プレート220には、ノズルパレット152のベースプレート154に形成された載置穴158と同形状の載置穴221が複数形成されている。複数の載置穴221には、載置穴158と同様に、大きな径の載置穴221と小さな径の載置穴221とが有り、種々のサイズの吸着ノズル62を載置することが可能である。
また、引出118内のテーブル205の前端部には、廃棄ボックス222が配設されている。廃棄ボックス222は、4つの空間に仕切られており、正常でないと判断された吸着ノズル62、つまり、不良ノズルが、それら4つの空間に区別して廃棄される。なお、各廃棄ボックス222の底面には、図16に示すように、緩衝シート223が配設されている。緩衝シート223は、クッション材により成形されており、廃棄ボックス222の底面全体を覆っている。緩衝シート223は、第1傾斜部224と平面部225と第2傾斜部226とによって構成されている。第1傾斜部224は、図15に示すように、廃棄ボックス222内の引出118の内側の端部に位置しており、引出118の外側に向かって下降する斜面である。また、第2傾斜部226は、図16に示すように、第1傾斜部224の反対側の端部に位置しており、第1傾斜部224に向かって下降する斜面である。そして、平面部225は、第1傾斜部224の下降側の端部と第2傾斜部226の下降側の端部とに連続する平面である。
また、図15に示すように、ノズル移載位置に移動したノズルパレット152の隣には、ブロー装置227が配設されている。ブロー装置227は、吸着ノズル62の乾燥を行うものであり、図17に示すように、筒状の本体部228と、本体部228の側面に形成されたエア噴出孔229と、エア噴出孔229に接続されるエア噴出装置(図示省略)とによって構成されている。
(d)第1ノズル検査装置第1ノズル検査装置136は、吸着ノズル62の先端部、つまり、吸着管68の状態の検査(以下、「先端部検査」と略す場合がある)と、吸着ノズル62の先端部を後退させるために必要な力、つまり、吸着管68を胴体筒64の内部に向かって後退させるために必要な力の検査(以下、「後退力検査」と略す場合がある)とを実行する装置であり、ノズル移載装置134の下方に配設されている。
第1ノズル検査装置136は、図18に示すように、検査ユニット230とユニット移動装置232とを有している。検査ユニット230は、基台234とカメラ装置236と荷重測定装置238とを有している。カメラ装置236は、上方を向いた状態で基台234の上に配設されている。荷重測定装置238は、ロードセル240および押当金具242を有しており、ロードセル240および押当金具242は、基台234の上に露出した状態で配設されている。
ユニット移動装置232は、固定ビーム250と可動ビーム252と第1スライダ254と第2スライダ256を有している。固定ビーム250は、ノズル管理装置110の躯体に、前後方向に延びるように配設されている。可動ビーム252は、左右方向に延びるように固定ビーム250に支持されており、前後方向にスライド可能である。その可動ビーム252は、第1移動機構258の作動により、前後方向の任意の位置に移動する。第1スライダ254は、可動ビーム252に左右方向にスライド可能に支持されており、第2移動機構260の作動により、左右方向の任意の位置に移動する。第2スライダ256は、第1スライダ254に上下方向にスライド可能に支持されており、第3移動機構262の作動により、上下方向の任意の位置に移動する。その第2スライダ256の上端に、検査ユニット230の基台234が固定されている。これにより、ユニット移動装置232は、検査ユニット230を、上下、左右、前後方向の任意の位置に移動させるXYZ型移動装置として機能する。
また、第1ノズル検査装置136の上方には、第2パレット移動機構266が配設されている。第2パレット移動機構266は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、第1ノズル検査装置136による先端部検査および後退力検査を行うことが可能な位置(以下、「第1検査位置」と略す場合がある)との間で、ノズルパレット152を移動させる機構である。詳しくは、第2パレット移動機構266は、前後方向に延びるように配設されたレール268を有しており、ノズルパレット152を、レール268に沿って制御可能にスライドさせる。レール268の後端部は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環したパレットキャリア180のレール183と連結する。このため、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、第1検査位置との間で、ノズルパレット152を移動させることが可能である。なお、図には、第1検査位置に移動したノズルパレット152が図示されている。
(e)第2ノズル検査装置第2ノズル検査装置138は、吸着ノズル62内を流れるエアの流量の検査(以下、「エア流量検査」と略す場合がある)と、吸着ノズル62のフランジ部66に記された2Dコード74の読み取り検査(以下、「コード読取検査」と略す場合がある)とを実行する装置であり、第1ノズル検査装置136の下方に配設されている。
第2ノズル検査装置138は、図19に示すように、検査ヘッド270とヘッド移動装置272とを有している。検査ヘッド270は、カメラ274とエア供給装置276とを有している。カメラ274は、下方を向いた状態で検査ヘッド270の下端部に取り付けられている。エア供給装置276は、エアジョイント278と空気圧センサ280とジョイント昇降機構282とを有している。エアジョイント278は、エア流量検査実行時に吸着ノズル62の胴体筒64に接続されるものであり、エアジョイント278を介して、エア流量検査実行時に吸着ノズル62にエアが供給される。空気圧センサ280は、エアジョイント278の上端部に設けられており、吸着ノズル62に供給されるエア圧を測定する。ジョイント昇降機構282は、エアジョイント278を、空気圧センサ280とともに昇降させる。
ヘッド移動装置272は、可動ビーム284とスライダ286とを有している。可動ビーム284は、上述した第1ノズル検査装置136の固定ビーム250によって、左右方向に延びるように支持されており、前後方向にスライド可能である。その可動ビーム284は、第1移動機構288の作動により、前後方向の任意の位置に移動する。スライダ286は、可動ビーム284に左右方向にスライド可能に支持されており、第2移動機構290の作動により、左右方向の任意の位置に移動する。そのスライダ286の側面に、検査ヘッド270が固定されている。これにより、ヘッド移動装置272は、検査ヘッド270を、上下、左右方向の任意の位置に移動させるXY型移動装置として機能する。
また、第2ノズル検査装置138の下方には、第3パレット移動機構296が配設されている。第3パレット移動機構296は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、第2ノズル検査装置138によるエア流量検査およびコード読取検査を行うことが可能な位置(以下、「第2検査位置」と略す場合がある)との間で、ノズルパレット152を移動させる機構である。詳しくは、第3パレット移動機構296は、前後方向に延びるように配設されたレール298を有しており、ノズルパレット152を、レール298に沿って制御可能にスライドさせる。レール298の後端部は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環したパレットキャリア180のレール183と連結する。このため、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、第2検査位置との間で、ノズルパレット152を移動させることが可能である。なお、図には、第2検査位置に移動したノズルパレット152が図示されている。
(f)ノズル洗浄装置ノズル洗浄装置140は、吸着ノズル62の洗浄および乾燥を行う装置であり、第2ノズル検査装置138の下方に配設されている。ノズル洗浄装置140は、図20に示すように、ハウジング300を有しており、ハウジング300内で、吸着ノズル62の洗浄および乾燥が行われる。ノズル洗浄装置140の構造を説明するべく、ハウジング300を除いたノズル洗浄装置140を、図21に示す。
ノズル洗浄装置140は、図21に示すように、ノズル洗浄機構302とノズル乾燥機構304とを有している。ノズル洗浄機構302は、上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308とによって構成されている。上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308とは、略同じ構造であり、上下方向において、互いに向かい合うように配置されている。各ユニット306,308は、支持フレーム310と噴射ノズル312と噴射ノズル移動機構314とを有している。
上部洗浄ユニット306の支持フレーム310aは、ハウジング300の上面に固定されており、下部洗浄ユニット308の支持フレーム310bは、ハウジング300内の下面に固定されている。上部洗浄ユニット306の噴射ノズル312aは、左右方向に延びるようにハウジング300内の上端部に配設されており、支持フレーム310aによって、ハウジング300の上面を介して、前後方向にスライド可能に支持されている。その噴射ノズル312aは、上部洗浄ユニット306の噴射ノズル移動機構314aにより、前後方向に制御可能にスライドする。下部洗浄ユニット308の噴射ノズル312bは、左右方向に延びるようにハウジング300内の下端部に配設されており、支持フレーム310bによって、ハウジング300の下面を介して、前後方向にスライド可能に支持されている。その噴射ノズル312bは、下部洗浄ユニット308の噴射ノズル移動機構314bにより、前後方向に制御可能にスライドする。なお、噴射ノズル312aの下面には、複数の噴射穴(図示省略)が形成されており、噴射ノズル312bの上面には、複数の噴射穴316が形成されている。
ノズル乾燥機構304は、ノズル洗浄機構302の後方に配設されており、複数の送風管320を有している。複数の送風管320は、ハウジング300の上面および下面に、左右方向に延びるように配設されている。送風管320は、送風装置(図示省略)に加温器(図示省略)を介して接続されており、送風管320には、温風が吹き込まれる。また、送風管320には、ハウジング300への取付部に複数の送風穴(図示省略)が形成されており、送風穴に対応して、ハウジング300の上面および下面には、貫通穴が形成されている。これにより、ハウジング300には、ノズル乾燥機構304によって、温風が吹き込まれる。
また、ハウジング300内には、第4パレット移動機構330が配設されている。第4パレット移動機構330は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、ノズル洗浄機構302による吸着ノズル62の洗浄を行うことが可能な位置(以下、「洗浄位置」と略す場合がある)との間で、ノズルパレット152を移動させる機構である。詳しくは、第4パレット移動機構330は、前後方向に延びるようにハウジング300の内壁面に配設されたレール332を有しており、ノズルパレット152を、レール332に沿って制御可能にスライドさせる。レール332の前端部は、上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308との間に位置している。一方、レール332の後端部は、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環したパレットキャリア180のレール183と連結する。このため、キャリア循環機構182によって所定の位置に循環されたパレットキャリア180と、洗浄位置との間で、ノズルパレット152を移動させることが可能である。なお、図には、洗浄位置に移動したノズルパレット152が図示されている。
さらに、ハウジング300の底面は、貯水タンクとして機能しており、ハウジング300の底面に貯留された洗浄水が、循環され、上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308の噴射ノズル312に供給される。詳しくは、図22に示すように、ハウジング300の底面には、洗浄水338が貯留されており、その底面には、排水路340の一端が開口している。排水路340は、下方に向かって延設されており、排水路340には、不純物を取り除くためのフィルタ342が配設されている。これにより、ハウジング300の底面に貯留されている洗浄水338が、排水路340に流れ込み、フィルタ342によって、不純物が取り除かれる。この際、洗浄水338は、重力によって、流れることから、ハウジング300の底面から洗浄水を流すためのポンプ等を設ける必要がない。
不純物の取り除かれた洗浄水338は、加圧ポンプ344に送り込まれ、加圧ポンプ344によって、給水路346に送り出される。その給水路346は、上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308の噴射ノズル312に接続されており、噴射ノズル312から洗浄水338が噴出される。また、下部洗浄ユニット308とハウジング300の底面に貯留されている洗浄水338との間には、仕切板348が配設されている。仕切板348は、傾斜した状態で配設されており、その仕切板348の上面には、シート状のスポンジ350が固着されている。このため、噴射ノズル312から噴出された洗浄水338は、仕切板348上に落ちる。この際、仕切板348上面に配設されたスポンジ350によって、洗浄水338の跳ね返りが防止される。そして、洗浄水338は、傾斜した状態で配設された仕切板348上を流れ、ハウジング300の底面に再貯留される。このように、ノズル洗浄装置140では、洗浄水338の循環が行われている。なお、下部洗浄ユニット308の下方に配設されている仕切板348は、ノズル乾燥機構304の下方にまで延び出している。
<ノズル管理装置による吸着ノズルの管理>上記構成のノズル管理装置110では、ノズルトレイ88に搭載された吸着ノズル62のノズル管理装置110への収納作業、第1ノズル検査装置136による吸着ノズル62の検査作業、第2ノズル検査装置138による吸着ノズル62の検査作業、吸着ノズル62の洗浄・乾燥作業、検査作業および洗浄・乾燥作業の完了した吸着ノズル62のノズルトレイ88への搭載作業、不良ノズルの廃棄作業が行われる。以下に、各作業実行時におけるノズル管理装置110の作動態様について説明する。
(a)吸着ノズルのノズル管理装置への収納作業吸着ノズル62のノズル管理装置110への収納作業時において、図15に示すように、作業者は、吸着ノズル62が搭載されたノズルトレイ88を、ノズル管理装置110の引出118内の固定ステージ210、若しくは、可動ステージ212にセットする。なお、可動ステージ212にノズルトレイ88がセットされる際には、作業者が、ノズルトレイ88を可動ステージ212にセットしてもよく、トレイキャリア200に収容されているノズルトレイ88を、ステージ移動機構214によって、可動ステージ212にセットしてもよい。また、ノズル管理装置110では、キャリア循環機構182の作動により、吸着ノズル62を搭載可能なノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、第1パレット移動機構218に対応する位置に移動する。
続いて、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第1パレット移動機構218の作動により、ノズル移載位置に移動する。次に、ノズル移載位置に移動したノズルパレット152および、固定ステージ210若しくは、可動ステージ212にセットされたノズルトレイ88が、プレート移動機構により、全露出状態とされる。続いて、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、ノズルトレイ88および、ノズルパレット152の上方に移動し、ノズルトレイ88,ノズルパレット152の各々の2Dコード94,157が、カメラ208によって撮像される。これにより、ノズルトレイ88および、ノズルパレット152のIDナンバー等の固有情報が得られる。
続いて、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、ノズルトレイ88の上方に移動し、移載対象の吸着ノズル62の2Dコード74が、カメラ208によって撮像される。これにより、移載対象の吸着ノズル62のIDナンバー等の固有情報が得られる。そして、移載対象の吸着ノズル62が、保持チャック209によって保持される。
移載対象の吸着ノズル62が保持チャック209に保持されると、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、吸着ノズル62の移載先となるノズルパレット152の上方に移動し、保持された吸着ノズル62が、ノズルパレット152の載置穴158に載置される。これにより、吸着ノズル62が、ノズルトレイ88からノズルパレット152に移載される。なお、吸着ノズル62移載時には、移載先のノズルパレット152のIDナンバーと、移載された吸着ノズル62のIDナンバーと、移載先のノズルパレット152の移載位置とが関連付けて記憶される。
また、吸着ノズル62が移載される際に、移載先のノズルパレット152の載置穴158に空きが無い場合、つまり、全ての載置穴158に吸着ノズル62が載置されている場合には、吸着ノズル62を保持した保持チャック209が、ヘッド移動装置207の作動により、載置プレート220の上方に移動し、吸着ノズル62は、載置プレート220の載置穴221に仮載置される。
そして、ノズルパレット152への吸着ノズル62の移載が完了すると、そのノズルパレット152は、第1パレット移動機構218の作動により、パレットキャリア180に収容される。これにより、吸着ノズル62のノズル管理装置110への収納作業が終了する。
なお、ノズルパレット152への吸着ノズル62の移載により、空となったノズルトレイ88は、固定ステージ210または可動ステージ212から、作業者により回収される。若しくは、ノズルトレイ88が可動ステージ212にセットされている場合には、ノズルパレット152への吸着ノズル62の移載により、空となったノズルトレイ88を、ステージ移動機構214の作動により、トレイキャリア200に収容することも可能である。
(b)第1ノズル検査装置による吸着ノズルの検査作業吸着ノズル62の検査作業において、第1ノズル検査装置136によって、先端部検査が行われる際には、キャリア循環機構182の作動により、所定のノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、図18に示すように、第2パレット移動機構266に対応する位置に移動する。その所定のノズルパレット152には、検査対象の吸着ノズル62が収容されている。
続いて、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第2パレット移動機構266の作動により、第1検査位置に移動する。そして、検査ユニット230のカメラ装置236が、ユニット移動装置232によって、検査対象の吸着ノズル62の下方に移動し、検査対象の吸着ノズル62の吸着管68が、カメラ装置236によって撮像される。これにより、吸着ノズル62の吸着管68の撮像データが得られ、その撮像データに基づいて、吸着管68の状態が検査される。撮像データに基づく検査により、吸着管68の曲がり,先端欠け,先端潰れ等の異常が発見された場合には、第1ノズル検査装置136の検定が行われる。
詳しくは、撮像データに基づく検査により吸着管68の異常が発見された場合には、カメラ装置236が、ユニット移動装置232によって、ノズルパレット152の基準パイプ174の下方に移動し、基準パイプ174が、カメラ装置236によって撮像される。そして、その撮像データに基づいて、基準パイプ174の状態が検査される。基準パイプ174の下端部には、正常な吸着管68が取り付けられており、第1ノズル検査装置136が正常であれば、当然、基準パイプ174の撮像データに基づく検査において、基準パイプ174の吸着管68は、正常であると判断される。このため、検査対象の吸着ノズル62の撮像データに基づく検査により吸着管68の異常が発見され、さらに、基準パイプ174の撮像データに基づく検査により吸着管68が正常であると判断された場合に、検査対象の吸着ノズル62の吸着管68の異常発生が確定し、検査対象の吸着ノズル62が不良ノズルと認定される。一方、検査対象の吸着ノズル62の撮像データに基づく検査により吸着管68の異常が発見され、さらに、基準パイプ174の撮像データに基づく検査により吸着管68が異常であると判断された場合には、第1ノズル検査装置136が正常な検査を行うことができないとみなされ、検査対象の吸着ノズル62は不良ノズルと認定されない。
また、第1ノズル検査装置136によって、後退力検査が行われる際には、吸着ノズル62の吸着管68の先端部をロードセル240に接触させ、吸着ノズル62の吸着管68が、胴体筒64の内部に向かって後退するように、ロードセル240が移動させられる。この際、ロードセル240によって検出される荷重は、胴体筒64と吸着管68との相対移動時に生じる荷重であり、吸着管68の胴体筒64内への後退力である。この荷重は、比較的小さいため、ロードセル240は高感度のものが採用されているが、胴体筒64と吸着管68とが相対移動しない場合には、ロードセル240が破損する虞がある。
詳しくは、例えば、吸着ノズル62内に不純物等が侵入し、胴体筒64と吸着管68との固着により、胴体筒64と吸着管68とが殆ど相対移動しない場合がある。このような吸着ノズル62が、例えば、測定範囲が0〜100gfのロードセル240に押し当てられると、胴体筒64と吸着管68とが殆ど相対移動しないため、ロードセル240を移動させる荷重が100gf以上である場合には、100gf以上の荷重が、ロードセル240にかかり、ロードセル240が破損する虞がある。このため、ロードセル240を100gfより小さな荷重で移動させる必要がある。しかしながら、ロードセル240が配設されている検査ユニット230は、比較的大きく、高重量であるため、検査ユニット230を移動させる際の慣性力が大きく、検査ユニット230を100gfより小さな荷重で移動させることが困難である。
このようなことに鑑みて、第1ノズル検査装置136では、押当金具242を用いて、吸着ノズル62の胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態が確認され、胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態が良好な吸着ノズル62に対して、ロードセル240を用いた後退力検査が行われる。具体的には、検査ユニット230上に配設された押当金具242が、ユニット移動装置232によって、検査対象の吸着ノズル62の下方に移動し、吸着ノズル62の吸着管68の下端部に当接するように、検査ユニット230が上方に移動する。この際、吸着ノズル62の吸着管68が、胴体筒64の内部に向かって後退するように、検査ユニット230は上方に移動する。
検査ユニット230の上方への移動により、吸着管68が押当金具242によって上方に押され、吸着管68が、胴体筒64の内部に第1設定量、後退した場合には、胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態は良好であると判断される。一方、吸着管68が押当金具242によって上方に押されても、吸着管68が、胴体筒64の内部に第1設定量、後退しない場合には、胴体筒64と吸着管68とが固着しており、それらの相対移動の状態は良好でないと判断される。
なお、吸着ノズル62の吸着管68に押し付けられる押当金具242は剛体であり、破損し難いため、ある程度大きな荷重で、検査ユニット230を上方に移動させることが可能である。ただし、胴体筒64と吸着管68とが固着しており、それらが相対移動しない場合の吸着ノズル62の破損を防止するべく、検査ユニット230を上方に移動させる際の荷重は、吸着ノズル62を軸線方向に押しつけた際に吸着ノズル62が破損する荷重より小さな値に設定されている。
押当金具242を用いて、胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態は良好であると判断された吸着ノズル62は、ロードセル240を用いて後退力が測定される。一方、胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態は良好でないと判断された吸着ノズル62は、ロードセル240を用いた後退力の測定が実行されない。これにより、ロードセル240に測定範囲を超える荷重がかかる虞のある吸着ノズル62の測定を回避することが可能となり、ロードセル240の破損を防止することが可能となる。また、胴体筒64と吸着管68とを相対移動させる方向に、吸着ノズル62に比較的大きな荷重がかけられることから、不純物等により胴体筒64と吸着管68とが固着していても、荷重の負荷により不純物が取り除かれる場合がある。つまり、胴体筒64と吸着管68とが殆ど相対移動しない吸着ノズル62が、荷重の負荷により、相対移動可能となり、修復される場合がある。
次に、胴体筒64と吸着管68との相対移動の状態は良好であると判断された場合には、その吸着ノズル62の下方に、検査ユニット230上に配設されたロードセル240が、ユニット移動装置232によって移動し、吸着ノズル62の吸着管68の下端部に当接するように、検査ユニット230が上方に移動する。この際、吸着ノズル62の吸着管68が、胴体筒64の内部に向かって後退する際に、吸着管68の後退力がロードセル240によって測定される。ただし、吸着ノズル62には、上述したように、バネが内蔵された吸着ノズル(以下、「バネ内蔵ノズル」と記載する場合がある)と、バネが内蔵されていない吸着ノズル(以下、「バネ無しノズル」と記載する場合がある)とがあり、バネ内蔵ノズルとバネ無しノズルとは、異なる手法により後退力が測定される。
具体的には、例えば、バネ内蔵ノズルの吸着管68の下端部にロードセル240を当接させて、検査ユニット230を上方に移動させることで、吸着管68が胴体筒64の内部に第1設定量、後退する際のロードセル240の測定値、つまり、荷重の変化を図23に示す。図中の実線で示されるグラフは、異物の混入、破損等により、吸着管68が胴体筒64の内部に向かって後退し難くなっている吸着ノズル(以下、「不良ノズル」と記載する場合がある)に対するロードセル240の測定値の時間的変化を示している。一方、点線で示されるグラフは、吸着管68が胴体筒64の内部に向かって正常に後退する吸着ノズル(以下、「正常ノズル」と記載する場合がある)に対するロードセル240の測定値の時間的変化を示している。
図から解るように、検査ユニット230の上方への移動により、バネ内蔵ノズルの吸着管68の先端に、ロードセル240が接触した際に、ロードセル240の測定値は急激に大きくなる。この際のロードセル240の測定値は、大幅に上昇した後に減少し、概ね一定の値に収束する。これは、バネ内蔵ノズルの吸着管68には、弾性力が付与されているため、ロードセル240が、吸着管68に衝突した際に、ロードセル240に大きな荷重がかかるためである。このような衝突時の荷重は、吸着管68が実際に後退する際に生じる荷重より大幅に大きくなるため、判定対象の測定値に含めることは好ましくない。このようなことに鑑みて、バネ内蔵ノズルの吸着管68の後退力を検査する際には、ロードセル240の測定値から吸着管68のロードセル240への衝突時の測定値を除いた値が抽出される。
詳しくは、ロードセル240の測定値が、予め設定された設定値を超えるタイミングがモニタリングされる。この設定値は、正常ノズルの吸着管68を胴体筒64内に後退させるために必要な荷重より小さな値に設定されている。そして、ロードセル240の測定値が設定値を超えたタイミング(t1)から所定時間T経過したタイミング(t2=t1+T)において、測定値の抽出を開始する。具体的には、所定時間継続して測定値の抽出を行う。そして、抽出された荷重から最大荷重と最小荷重とを除いて、平均値を演算する。なお、所定時間継続した測定値の抽出は、吸着管68が胴体筒64の内部に第1設定量、後退する迄に、N回実行される。つまり、抽出された荷重の平均値がN個、演算される。そして、N個の演算値のうちの最大の演算値が、許容値を超えているか否かが判定される。判定の結果、最大の演算値が許容値を超えている場合には、検査対象のバネ内蔵ノズルが不良ノズルであると判定され、最大の演算値が許容値以下である場合には、検査対象のバネ内蔵ノズルが正常ノズルであると判定される。このように、ロードセル240の測定値から吸着管68のロードセル240への衝突時の測定値を除いた値を用いることで、バネ内蔵ノズルの吸着管68の後退力の検査を適切に行うことが可能となる。
一方、バネ無しノズルの吸着管68の下端部にロードセル240を当接させて、検査ユニット230を上方に移動させることで、吸着管68が胴体筒64の内部に第1設定量、後退する際のロードセル240の測定値、つまり、荷重の変化を図24に示す。図中の実線で示されるグラフは、不良ノズルに対するロードセル240の測定値の時間的変化を示しており、点線で示されるグラフは、正常ノズルに対するロードセル240の測定値の時間的変化を示している。
図から解るように、検査ユニット230の上方への移動により、バネ無しノズルの吸着管68の先端に、ロードセル240が接触した際に、ロードセル240の測定値は急激に大きくなる。ただし、バネ無しノズルの吸着管68には、弾性力が付与されていないため、ロードセル240が吸着管68に衝突した際の荷重と、吸着管68が後退する際の荷重とは、殆ど同じである。このため、バネ無しノズルの吸着管68の後退力を検査する際には、ロードセル240の測定値が設定値を超えたタイミングにおいて、測定値の抽出を開始する。なお、バネ無しノズルにおける測定値の抽出手法は、バネ内蔵ノズルにおける測定値の抽出手法と同じである。そして、抽出された測定値に基づいて、バネ内蔵ノズルと同様に、N個の荷重の平均値が演算され、N個の演算値のうちの最大の演算値が、許容値を超えているか否かが判定される。これにより、バネ無しノズルにおいても、適切に吸着管68の後退力の検査を適切に行うことが可能となる。
上述した吸着管68の先端部検査と後退力検査の作業が完了すると、ノズルパレット152は、第2パレット移動機構266の作動により、パレットキャリア180に収容される。なお、検査作業の結果は、検査対象の吸着ノズル62のIDナンバーと関連付けて記憶される。
(c)第2ノズル検査装置による吸着ノズルの検査作業吸着ノズル62の検査作業において、第2ノズル検査装置138によって、エア流量検査が行われる際には、キャリア循環機構182の作動により、所定のノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、図19に示すように、第3パレット移動機構296に対応する位置に移動する。その所定のノズルパレット152には、検査対象の吸着ノズル62が収容されている。
続いて、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第3パレット移動機構296の作動により、第2検査位置に移動する。そして、検査ヘッド270のエア供給装置276が、ヘッド移動装置272によって、検査対象の吸着ノズル62の上方に移動する。エア供給装置276は、ジョイント昇降機構282によって、エアジョイント278を下降させ、検査対象の吸着ノズル62の胴体筒64と接続させる。エアジョイント278が胴体筒64と接続すると、エア供給装置276は、接続された胴体筒64にエアを供給する。そして、エア供給時のエア圧が、空気圧センサ280によって測定され、そのエア圧が、第1閾圧より大きいか否かが判断される。正常な吸着ノズル62にエアが供給される際には、吸着ノズル62内をエアが通り抜けていくため、空気圧センサ280によって測定されるエア圧は、比較的低い。一方、詰まり等の生じた吸着ノズル62にエアが供給される際には、吸着ノズル62内をエアが通り抜け難いため、空気圧センサ280によって測定されるエア圧は、比較的高くなる。このため、空気圧センサ280によって測定されたエア圧が第1閾圧より大きい吸着ノズル62は、不良ノズルと認定される。
なお、エア流量検査では、不良ノズルの認定だけでなく、不良ノズルとなる可能性の高い吸着ノズル62、つまり、劣化の進んだ吸着ノズル(以下、「劣化ノズル」と略す場合がある)の認定も行われる。詳しくは、第1閾圧より低い圧力の第2閾圧が設定されている。そして、空気圧センサ280によって測定されるエア圧が、第2閾圧より大きいか否かが判断され、そのエア圧が第2閾圧より大きい吸着ノズル62が、劣化ノズルと認定される。つまり、不良ノズルほどではないが、ある程度、吸着ノズル62内をエアが通り抜け難い吸着ノズル62が、劣化ノズルと認定される。
ちなみに、エア流量検査時には、コンプレッサ(図示省略)からエア供給装置276に送り出されたエアが吸着ノズル62に供給されるが、コンプレッサの作動状況に応じて、空気圧センサ280によって測定されるエア圧は変化する。このため、エア流量検査が行われる前には、基準パイプ174にエアを供給し、その際に空気圧センサ280によって測定されるエア圧に基づいて、第1閾圧および第2閾圧の設定が行われる。
また、コード読取検査が行われる際には、検査ヘッド270のカメラ274が、ヘッド移動装置272によって、検査対象の吸着ノズル62の上方に移動し、検査対象の吸着ノズル62のフランジ部66に記された2Dコード74が、カメラ274によって撮像される。これにより、検査対象の吸着ノズル62の2Dコード74の撮像データが得られ、通常は、その撮像データに基づいて、吸着ノズル62のIDナンバー等の固有情報が得られる。しかし、2Dコード74に汚れ等が付着していると、撮像データに基づいて、吸着ノズル62の固有情報が得られない場合がある。このため、撮像データに基づいて、吸着ノズル62の固有情報を取得できない吸着ノズル62は、不良ノズルと認定されることが好ましい。
ただし、2Dコード74に汚れ等が付着していなくても、カメラ274等に異常が発生している場合にも、撮像データに基づいて、吸着ノズル62の固有情報を取得できない虞がある。このため、撮像データに基づいて、吸着ノズル62の固有情報を取得できない場合には、カメラ274等の検定が行われる。
詳しくは、カメラ274により基準ノズル172のフランジ部66に記された2Dコード74を撮像し、その撮像データに基づいて、基準ノズル172の固有情報が取得されるか否かを判定する。基準ノズル172の2Dコード74には、汚れ等は付着しておらず、カメラ274等に異常が発生していない限り、基準ノズル172の2Dコード74の撮像データに基づいて、基準ノズル172の固有情報は取得される。このため、検査対象の吸着ノズル62の2Dコード74の撮像データに基づいて、固有情報を取得できず、さらに、基準ノズル172の2Dコード74の撮像データに基づいて、固有情報が取得された場合に、検査対象の吸着ノズル62が不良ノズルと認定される。一方、検査対象の吸着ノズル62の2Dコード74の撮像データに基づいて、固有情報を取得できず、さらに、基準ノズル172の2Dコード74の撮像データに基づいて、固有情報が取得されない場合には、カメラ274等に異常が発生しているとみなされ、検査対象の吸着ノズル62が不良ノズルと認定されない。
(d)吸着ノズルの洗浄・乾燥作業吸着ノズル62の洗浄・乾燥作業時には、キャリア循環機構182の作動により、所定のノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、図20及び図21に示すように、第4パレット移動機構330に対応する位置に移動する。その所定のノズルパレット152には、洗浄対象の吸着ノズル62が収容されている。
続いて、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第4パレット移動機構330の作動により、洗浄位置に移動する。そして、上部洗浄ユニット306と下部洗浄ユニット308との各々の噴射ノズル312に高圧水が供給され、その高圧水が、噴射ノズル312の噴射穴316から、ノズルパレット152に向かって、吹きつけられる。この際、噴射ノズル312は、噴射ノズル移動機構314によって前後方向、つまり、ノズルパレット152に収納されている吸着ノズル62の軸線に交わる方向に移動する。これにより、ノズルパレット152に収容されている全ての吸着ノズル62に、高圧水が吹きつけられ、吸着ノズル62の洗浄が行われる。
ただし、吸着ノズル62の吸着管68の先端部にはんだ等の粘性流体が付着している場合には、単に高圧水を吸着管68に向かって噴出するだけでは、粘性流体等の付着物を吸着管68から除去できない虞がある。特に、吸着管68の径が先端部に向かうほど大きくなる吸着ノズル62では、粘性流体等の付着物を吸着管68から除去し難い。詳しくは、吸着管68の径が先端部に向かうほど大きくなる吸着ノズル62では、図25に示すように、高圧水が、下部洗浄ユニット308の噴射ノズル312から、ノズルパレット152に収納されている吸着ノズル62の吸着管68に向かって吹きつけられると、高圧水は、吸着管68の下端面に直接、当たる。このため、吸着管68の下端面に付着している付着物360は、高圧水により、除去され易い。しかしながら、吸着管68の先端部の外側の側面の付着物360には、高圧水は、直接、当たらない。これは、吸着管68の径が先端部に向かうほど大きいため、吸着管68の下端面と外側の側面とのなす角度が鋭角となり、下方から噴射される高圧水が、吸着管68の先端部の外側の側面に届かないためである。このため、単に高圧水を吸着管68に向かって噴出するだけでは、吸着管68の外側の側面の付着物360を適切に除去できない虞がある。
このようなことに鑑みて、ノズルパレット152の下面には、図26に示すように、吸着ノズル62の吸着管洗浄用のソケット370が固定されている。詳しくは、ソケット370は、概して直方体形状とされており、ソケット370には、上下方向に貫通する貫通穴371が形成されている。貫通穴371の内径は、吸着ノズル62の吸着管68の外径より大きくされており、貫通穴371内に吸着管68の先端部が挿入されるように、ソケット370がノズルパレット152の下面に固定されている。貫通穴371の内周面は、第1内周面372と第2内周面374とによって構成されている。第1内周面372は、上下方向において内径の変化しない内周面であり、貫通穴371の内周面の下方側に位置している。一方、第2内周面374は、上方に向かうほど内径の小さくなるテーパ状の内周面であり、第1内周面372の上端から連続している。なお、貫通穴371内に挿入されている吸着管68の先端の側方には、第2内周面374が位置している。また、第2内周面374の上方には、ソケット370の外壁面に延び出す排水路376が形成されている。
このような構造のソケット370の貫通穴371内に挿入された吸着管68に向かって、下部洗浄ユニット308の噴射ノズル312から高圧水が噴射されると、図27に示すように、噴射ノズル312から噴出された高圧水は、当然、吸着管68の下端面に、直接当たる。また、噴射ノズル312から噴出された高圧水は、第2内周面374に衝突し、吸着ノズル62の外側の側面に当たる。つまり、噴射ノズル312から噴出される高圧水の噴出方向が、第2内周面374によって変更され、高圧水が、吸着ノズル62の外側の側面に当たる。これにより、吸着管68の下端面だけでなく、外側の側面に付着した付着物360を適切に除去することが可能となる。なお、ソケット370の貫通穴371内に向かって噴射された高圧水は、吸着管68を洗浄した後に、排水路376を経由して、ソケット370の外壁面から排出される。
また、吸着ノズル62の洗浄時には、上述したように、噴射ノズル312は、噴射ノズル移動機構314によって前後方向に移動する。これにより、吸着管68の先端部の全域に高圧水を当てることが可能となり、吸着管68の先端部から付着物360を確実に除去することが可能となる。詳しくは、噴射ノズル312の複数の噴射穴316は、直線状に配設されており、それら複数の噴射穴316から高圧水が、面状に噴射される。そして、面状に噴射される高圧水が、ソケット370の貫通穴371を径方向に向かって縦断するように、噴射ノズル312が噴射ノズル移動機構314によって移動する。面状に噴射される高圧水が、ソケット370の貫通穴371を径方向に向かって縦断する際に、高圧水が、ソケット370若しくは吸着ノズル62の吸着管68に当たる箇所が変化する様子を、図28〜図31に示す。なお、図28〜図31は、貫通穴371内に吸着管68を挿入させた状態のソケット370を下方からの視点において示す図である。また、図中の実線で示された記号377は、噴射ノズル312から噴出された高圧水が直接、ソケット370、若しくは、吸着管68に当たる箇所を示す記号であり、点線で示された記号378は、第2内周面374によって噴出方向が変更した高圧水、つまり、第2内周面374によって反射した高圧水が、吸着管68に当たる箇所を示す記号である。
まず、高圧水が貫通穴371の径方向における一端部に向かって噴射されている際には、図28に示すように、第2内周面374によって反射した高圧水は、吸着管68の径方向における一端部側の外側の側面に当たる。そして、噴射ノズル312が、貫通穴371の径方向における他端部に向かって移動すると、図29に示すように、第2内周面374によって反射した高圧水は、吸着管68の図28とは異なる箇所の外側の側面に当たる。さらに、噴射ノズル312が、貫通穴371の径方向における他端部に向かって移動すると、図30に示すように、第2内周面374によって反射した高圧水は、吸着管68の図29とは異なる箇所の外側の側面に当たる。また、噴射ノズル312から噴射された高圧水は、吸着管68の下端面に当たる。さらに、噴射ノズル312が、貫通穴371の径方向における他端部に向かって移動すると、図31に示すように、第2内周面374によって反射した高圧水は、吸着管68の図30とは異なる箇所の外側の側面に当たる。また、噴射ノズル312から噴射された高圧水は、吸着管68の図30とは異なる箇所の下端面に当たる。このように、面状に噴射される高圧水が、ソケット370の貫通穴371を径方向に向かって縦断するように、噴射ノズル312を移動させることで、吸着管68の下端面の全域および、外側の側面の全域に高圧水を当てることが可能となり、吸着管68の先端部から付着物360を確実に除去することが可能となる。
次に、吸着ノズル62の洗浄が終了すると、ノズルパレット152は、第4パレット移動機構330によって、ノズル乾燥機構304の配設位置(以下、「乾燥位置」と略す場合がある)に移動する。そして、送風管320に温風が供給され、ノズルパレット152に収容されている吸着ノズル62に温風が吹きつけられる。これにより、高圧水により洗浄された吸着ノズル62の乾燥が行われる。なお、温風の吹き付けによる吸着ノズル62の乾燥は、ハウジング300内で行われるが、ハウジング300の底面は、上述したように、貯留タンクとして機能しており、ノズル洗浄機構302で用いられる洗浄水が貯留されている。このため、温風の吹き付けにより、ハウジング300の底面に貯留されている洗浄水が巻き上がり、吸着ノズル62に洗浄水が、再付着する虞がある。しかしながら、乾燥位置に位置しているノズルパレット152と、ハウジング300の底面に貯留されている洗浄水との間には、上述したように、仕切板348が配設されており、洗浄水の巻き上げが防止されている。これにより、吸着ノズル62乾燥時における洗浄水の吸着ノズル62への再付着を防止することが可能となる。
そして、吸着ノズル62の乾燥作業が完了すると、ノズルパレット152は、第4パレット移動機構330の作動により、パレットキャリア180に収容される。なお、洗浄・乾燥作業の終了した吸着ノズル62に関しては、その吸着ノズル62のIDナンバーと、洗浄・乾燥作業が完了している旨の情報とが関連付けて記憶される。
(e)ノズル管理装置によるノズルトレイへの搭載作業ノズル管理装置110に収納されている吸着ノズル62のノズルトレイ88への搭載作業時には、図15に示すように、作業者が、吸着ノズル62を搭載可能なノズルトレイ88を、固定ステージ210または可動ステージ212にセットする。若しくは、吸着ノズル62を搭載可能なノズルトレイ88が、ステージ移動機構214の作動により、可動ステージ212にセットされる。また、ノズル管理装置110では、キャリア循環機構182の作動により、所定のノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、第1パレット移動機構218に対応する位置に移動する。その所定のノズルパレット152には、ノズルトレイ88への搭載予定の吸着ノズル62が収容されている。
続いて、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第1パレット移動機構218の作動により、ノズル移載位置に移動する。そして、ノズルパレット152に搭載されている吸着ノズル62が、ノズル移載装置134によって、ノズルトレイ88に移載される。なお、ノズルパレット152に搭載されている吸着ノズル62のノズルトレイ88への移載作業は、ノズルトレイ88に搭載されている吸着ノズル62のノズルパレット152への移載作業と同じである。ただし、ノズルパレット152に搭載されている吸着ノズル62が、ノズルトレイ88に移載される前に、吸着ノズル62はブロー装置227によって、乾燥される。
詳しくは、吸着ノズル62は、上述したように、ノズル洗浄装置140によって、ノズルパレット152に収納された状態で洗浄され、洗浄後に乾燥されるが、ノズルパレット152の構造により、ノズル洗浄装置140では、吸着ノズル62を確実に乾燥させることができない虞がある。具体的には、ノズルパレット152に収納された吸着ノズル62では、図13および、図14に示すように、フランジ部66が、ベースプレート154とカバープレート156とによって挟まれている。一方、胴体筒64や吸着管68は、ノズルパレット152から突出している。このため、吸着ノズル62が、ノズルパレット152に収納された状態で洗浄されると、ベースプレート154とカバープレート156との間に洗浄水が浸入し、フランジ部66に洗浄水が付着する。そして、ノズル洗浄装置140では、吸着ノズル62の洗浄後に、吸着ノズル62が、ノズルパレット152に収納された状態で温風の吹き付けにより乾燥されるが、ベースプレート154とカバープレート156との間に入り込んだ洗浄水は、吹き飛ばされない。このため、吸着ノズル62のフランジ部66に洗浄水が付着している虞がある。一方、胴体筒64と吸着管68に付着した洗浄水は、温風の吹き付けにより吹き飛ばされ、胴体筒64と吸着管68とは乾燥する。
このようなことに鑑みて、吸着ノズル62が、ノズルパレット152からノズルトレイ88に移載される場合には、移載対象の吸着ノズル62が保持チャック209に保持されると、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、ブロー装置227の上方に移動する。なお、保持チャック209は、吸着ノズル62の胴体筒64の上部を保持するが、胴体筒64の上部は、上述したように乾燥しているため、保持チャック209は、吸着ノズル62の乾燥した箇所を保持することが可能となり、吸着ノズル62の適切な保持を担保することが可能となる。
移載ヘッド206がブロー装置227の上方に移動すると、ヘッド移動装置207は、移載ヘッド206を下降させ、図17に示すように、保持チャック209によって保持された吸着ノズル62をブロー装置227の本体部228内部に挿入する。この際、吸着ノズル62のフランジ部66の側方に、エア噴出孔229が位置するように、移載ヘッド206が下降する。そして、ブロー装置227は、エア噴出装置の作動により、エア噴出孔229からエアを噴出する。エア噴出孔229からエアが噴出されると、保持チャック209は、自転機構の作動により、吸着ノズル62を保持した状態で自転し、吸着ノズル62のフランジ部66の全周に、エアが噴出される。これにより、フランジ部66に付着している洗浄水が吹き飛ばされ、フランジ部66が適切に乾燥される。そして、フランジ部66の乾燥が完了すると、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、ノズルトレイ88の上方に移動し、保持された吸着ノズル62が、ノズルトレイ88の載置穴96に収納される。このように、ノズル管理装置110では、確実に乾燥させた吸着ノズル62が、ノズルトレイ88に収納される。なお、ノズルトレイ88への吸着ノズル62の移載が完了したノズルパレット152は、第1パレット移動機構218の作動により、パレットキャリア180に収容される。
(f)不良ノズルの廃棄作業不良ノズルの廃棄作業時には、図15に示すように、キャリア循環機構182の作動により、所定のノズルパレット152を収容するパレットキャリア180が、第1パレット移動機構218に対応する位置に移動する。その所定のノズルパレット152には、不良ノズルが収容されている。次に、そのパレットキャリア180に収容されているノズルパレット152が、第1パレット移動機構218の作動により、ノズル移載位置に移動する。そして、ノズルパレット152に搭載されている不良ノズルが、ノズル移載装置134によって、廃棄ボックス222内に投入される。なお、ノズルパレット152に搭載されている不良ノズルの廃棄ボックス222への廃棄作業は、ノズルトレイ88に搭載されている吸着ノズル62のノズルパレット152への移載作業と略同じである。ただし、不良ノズルは、できる限り破損しないように、廃棄ボックス222内に投入される。
詳しくは、不良ノズルの中には、補修等により、正常ノズルに復元することが可能なものがある。このため、不良ノズルが廃棄ボックス222内に投入される際に、乱雑に投入されると、ノズル同士の衝突,ノズルの廃棄ボックス222内への投入時の衝撃等により、不良ノズルが補修不可能な状態になる虞がある。このようなことに鑑みて、不良ノズルが廃棄ボックス222内に投入される際には、保持チャック209によって把持された不良ノズルが、廃棄ボックス222の第1傾斜部224の上方で離脱される。
具体的には、廃棄対象の不良ノズルが保持チャック209に保持されると、移載ヘッド206が、ヘッド移動装置207の作動により、図16に示すように、廃棄ボックス222の第1傾斜部224の上方に移動する。そして、その位置において、保持チャック209による不良ノズルの把持が解除される。つまり、不良ノズルが、第1傾斜部224の上方において、離脱される。これにより、不良ノズルは、第1傾斜部224に落下する。第1傾斜部224は、上述したように、傾斜面であるため、第1傾斜部224に落下した不良ノズルは、平面部225に転がり落ちる。そして、不良ノズルは、平面部225に留まる。また、不良ノズルが第1傾斜部224を勢いよく転がり落ちて、平面部225を縦断した場合であっても、不良ノズルは、第2傾斜部226まで転がり、再度、平面部225に戻される。このように、廃棄ボックス222内に投入された不良ノズルは、平面部225に留まる。
このため、不良ノズルが、順次、廃棄ボックス222内に投入された場合であっても、不良ノズルは、第1傾斜部224の上方で離脱されるため、落下した不良ノズルが、廃棄ボックス222内の不良ノズルに勢いよく衝突することを防止できる。これにより、ノズル同士の衝突によるノズルの破損を好適に防止することが可能となる。また、第1傾斜部224と平面部225と第2傾斜部226とは、クッション材により成形されているため、不良ノズルが落下した際、不良ノズルが第1傾斜部224を転がり落ちた際等の衝撃は、比較的小さいため、不良ノズルの破損を好適に防止することが可能となる。
ちなみに、上記実施例において、吸着ノズル62は、吸着ノズルの一例である。胴体筒64は、ノズル本体部の一例である。フランジ部66は、フランジ部の一例である。ノズルトレイ88は、載置台の一例である。ノズル洗浄装置140は、ノズル洗浄装置の一例である。ノズルパレット152は、ノズル支持具の一例である。ベースプレート154は、支持プレートの一例である。カバープレート156は、カバープレートの一例である。ヘッド移動装置207は、移動装置の一例である。保持チャック209は、保持具の一例である。ブロー装置227は、ノズル乾燥装置の一例である。本体部228は、本体部の一例である。エア噴出孔229は、エア噴出孔の一例である。ハウジング300は、洗浄ボックスの一例である。噴射ノズル312は、水噴出器の一例である。噴射ノズル移動機構314は、水噴出器移動装置の一例である。送風管320は、エア噴出器の一例である。排水路340は、排水路の一例である。フィルタ342は、濾過装置の一例である。加圧ポンプ344は、ポンプの一例である。仕切板348は、仕切板の一例である。ソケット370は、噴出方向変更機構および、突出部の一例である。第2内周面374は、テーパ面の一例である。排水路376は、排水路の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、噴射ノズル312から噴射された高圧水の噴射方向が、ソケット370の第2内周面374によって変更されているが、噴射ノズル312自体の配設角度を変更することで、高圧水の噴射方向を変更することが可能である。また、吸着ノズル62の洗浄に用いる水として、ミスト等の水と圧縮空気とを混合してなる二流体を採用することが可能である。
また、上記実施例では、高圧水の噴射方向を変更するためのテーパ面、つまり、第2内周面374が、吸着管68を囲む筒状の本体部228に形成されているが、テーパ面を、吸着管68の側方に延び出す壁面等に形成することも可能である。
また、上記実施例では、フランジ部66がベースプレート154とカバープレート156とによって挟まれた状態で、吸着ノズル62が洗浄されているが、フランジ部66を挟むことなく、載置プレート等に載置された吸着ノズル62を洗浄することが可能である。
また、上記実施例では、吸着ノズル62の検査後に、吸着ノズル62の洗浄が行われているが、吸着ノズル62の洗浄後に吸着ノズル62の検査を行うことが可能である。これにより、洗浄後の吸着ノズルを検査することが可能となり、適切な状態の吸着ノズル62を検査することが可能となる。
以下、本発明の諸態様について列記する。
(0)洗浄ボックス内において、吸着ノズルの先端部を露出させた状態で前記吸着ノズルを固定的に支持するノズル支持具と、前記ノズル支持具によって支持された前記吸着ノズルに向かって水を噴出する水噴出器とを備え、前記水噴出器から噴出された水により前記吸着ノズルを洗浄するノズル洗浄装置。
本項に記載の態様は、本発明の基本的な構成を列挙した態様である。
(1)前記水噴出器が、前記吸着ノズルの先端部に向かって水を噴出し、前記ノズル洗浄装置が、前記水噴出器から噴出される水の噴出方向を変更する噴出方向変更機構を備えることを特徴とする(0)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、様々な角度で洗浄水を吸着ノズルの先端部に向かって噴出することが可能となり、吸着ノズルの先端部を適切に洗浄することが可能となる。
(2)前記噴出方向変更機構が、前記ノズル支持具に支持された前記吸着ノズルの先端部の側方に向かって突出する突出部を有し、前記突出部が、前記吸着ノズルの先端部の側方に位置する箇所に形成されたテーパ面を有し、前記水噴出器から噴出された水が前記テーパ面に当たることで、前記水噴出器から噴出される水の噴出方向を変更することを特徴とする(1)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、簡素な構造の機構により、洗浄水の噴出方向を変更することが可能となる。
(3)前記突出部が、筒状をなし、前記吸着ノズルの先端部を囲むようにして配設されることを特徴とする(2)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、吸着ノズルの全周に渡って洗浄水を噴出することが可能となる。
(4)前記突出部が、前記吸着ノズルの先端より基端側の部分の側方に位置する箇所に形成された排水路を有することを特徴とする(2)項または(3)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、突出部内に噴出された洗浄水を突出部の外に排出することが可能となる。
(5)前記水噴出器が、面状に水を噴出し、前記ノズル洗浄装置が、前記ノズル支持具に支持された前記吸着ノズルの軸線に交わる方向に、前記水噴出器を移動させる水噴出器移動装置を備えることを特徴とする(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、吸着ノズルの先端部の全域に高圧水を噴出することが可能となる。
(6)前記洗浄ボックスの底部が、前記水噴出器から噴出された水を貯水するための貯水タンクとして機能することを特徴とする(0)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、洗浄ボックス外に貯水タンクを設ける必要がないため、構造を簡素にするとともに、コストダウンを図ることが可能となる。
(7)前記ノズル洗浄装置が、前記貯水タンクの下端部に開口するとともに、下方に向かって延び出す排水路と、前記排水路に設けられ、前記排水路を流れる水から不純物を取り除くための濾過装置とを備えることを特徴とする(6)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、貯水タンクに貯留された洗浄水を濾過する際に、洗浄水を、重力によって、濾過することが可能となり、洗浄水を濾過装置に送水するポンプ等を採用する必要がなくなる。
(8)前記ノズル洗浄装置が、前記濾過装置によって不純物が取り除かれた水を前記水噴出器に向かって送り出すポンプを備えることを特徴とする(7)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、洗浄後の洗浄水を再利用することが可能となり、経済的である。
(9)前記ノズル洗浄装置が、前記ノズル洗浄装置による洗浄が終了した前記吸着ノズルにエアを噴出するエア噴出器と、貯水タンクとして機能する前記洗浄ボックスの底部と前記ノズル支持具との間に配設された仕切り板とを備えることを特徴とする(6)項ないし(8)項のいずれか1つに記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、吸着ノズルをエアの噴出により乾燥する際に、洗浄ボックスの底部に貯留されている洗浄水の巻き上げを防止することが可能となる。
(10)前記仕切り板が、傾斜した状態で配設されることを特徴とする(9) 項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、仕切板上に落下した洗浄水を効果的に、洗浄ボックスに流すことが可能となる。
(11)前記仕切り板の上面が、クッション材により成形されていることを特徴とする(9)項または(10)項に記載のノズル洗浄装置。
本項に記載の態様によれば、仕切板上に落下した洗浄水の吸着ノズルへの跳ね返りを防止することが可能となる。
(12)前記ノズル支持具によって支持された状態の前記吸着ノズルが、(0)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の前記ノズル洗浄装置によって洗浄された後に、その吸着ノズルを乾燥させるノズル乾燥方法において、前記ノズル乾燥方法が、前記ノズル支持具によって支持された状態の前記吸着ノズルを、保持具によって保持する保持工程と、前記保持具によって保持された前記吸着ノズルを、移動装置によってノズル乾燥装置まで移動させる移動工程と、前記保持具によって保持された前記吸着ノズルを、前記ノズル乾燥装置によって乾燥させる第1乾燥工程とを含むことを特徴とするノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、吸着ノズルに付着している水分を確実に除去することが可能となる。
(13)前記ノズル支持具が、筒状のノズル本体部と、前記ノズル本体部の外周部から延び出すフランジ部とによって構成される前記吸着ノズルの前記フランジ部を下方から支持する支持プレートと、前記支持プレートによって支持された前記吸着ノズルの前記フランジ部を、前記支持プレートと挟み込むカバープレートと、前記支持プレートと前記カバープレートとを相対移動させる相対移動機構とを有し、前記支持プレートと前記カバープレートとの相対移動により、前記支持プレートによって支持された前記吸着ノズルの前記フランジ部が、前記支持プレートと前記カバープレートとによって挟み込まれた状態と、前記支持プレートと前記カバープレートとによる挟み込みが解除された状態とで切り替え可能であり、前記ノズル乾燥方法が、前記フランジ部が前記支持プレートと前記カバープレートとによって挟み込まれた状態の前記吸着ノズルが、前記ノズル洗浄装置によって洗浄された後に、その吸着ノズルを乾燥させる方法であり、前記保持工程が、前記フランジ部の前記支持プレートと前記カバープレートとによる挟み込みが解除された状態の前記吸着ノズルを、保持具によって保持する工程であることを特徴とする(12)項に記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、支持プレートとカバープレートとの間に入り込んだ水分が、吸着ノズルのフランジ部に付着している際に、フランジ部の水分を適切に除去することが可能となる。
(14)前記ノズル乾燥方法が、前記保持工程において前記吸着ノズルが前記保持具によって保持される前に、前記ノズル支持具によって支持された状態の前記吸着ノズルを、前記ノズル支持具とともに乾燥させる第2乾燥工程を含むことを特徴とする(12)項または(13)項に記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、吸着ノズルとともに、ノズル支持具を乾燥させることが可能となり、吸着ノズルを支持するノズル支持具を、乾燥させた状態で移動させることが可能となる。
(15)前記ノズル乾燥方法が、前記第1乾燥工程において乾燥の終了した前記吸着ノズルを保持する前記保持具を、前記移動装置によって、前記吸着ノズルを載置するための載置台に移載する移載工程を含むことを特徴とする(12)項ないし(14)項のいずれか1つに記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、確実に乾燥させた吸着ノズルを載置台に収納することが可能となる。
(16)前記ノズル乾燥装置が、前記吸着ノズルを囲う本体部と、本体部の内部に向かって開口し、エアを噴出するためのエア噴出孔とを有し、前記移動工程が、前記保持具によって保持された前記吸着ノズルを、前記移動装置によって前記本体部の内部まで移動させ、前記第1乾燥工程が、前記保持具によって保持された前記吸着ノズルを、前記エア噴出孔から噴出するエアにより乾燥させることを特徴とする(12)項ないし(15)項のいずれか1つに記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、簡便な構造のノズル乾燥装置によって、吸着ノズルを乾燥することが可能となる。
(17)前記保持具が、保持する前記吸着ノズルをそれの軸線周りに自転させる自転機構を有し、前記ノズル乾燥装置が、所定の間隔をおいて配設された1以上の前記エア噴出孔を有し、前記第1乾燥工程が、前記保持具が保持した前記吸着ノズルを、前記自転機構によって自転させた状態で、前記1以上のエア噴出孔から噴出するエアにより乾燥させることを特徴とする(16)項に記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、少ない数のエア噴出孔が形成されたノズル乾燥装置によって、吸着ノズルを全周に渡って乾燥させることが可能となり、ノズル洗浄装置の構造を簡便にすることが可能となる。
(18)前記移動工程が、前記保持具によって保持された前記吸着ノズルを、その吸着ノズルの前記フランジ部が前記エア噴出孔の側方に位置するように、前記移動装置によって前記本体部の内部まで移動させることを特徴とする(16)項または(17)項に記載のノズル乾燥方法。
本項に記載の態様によれば、フランジ部の水分を確実に除去することが可能となる。