JP6859245B2 - 積層造形部品の製造方法、積層造形部品の接合方法、積層造形部品、及び構造体 - Google Patents

積層造形部品の製造方法、積層造形部品の接合方法、積層造形部品、及び構造体 Download PDF

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Description

本発明は、積層造形部品の製造方法、積層造形部品の接合方法、積層造形部品、及び構造体に関する。
近年、生産手段としての3Dプリンタのニーズが高まっており、特に金属材料への適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料を用いた3Dプリンタは、レーザやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
このような造形物を造形する技術として、溶加材を供給する溶接トーチを移動させることで、溶融金属を積層させて造形物を造形する溶接技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、被溶接部材の継手の少なくとも一方の開先面を凹凸形状面に形成して溶接を行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−15363号公報 特開2001−246486号公報
ところで、特許文献1の技術によって造形された各種形状の積層造形物からなる部品を溶接して接合する場合、一般的な突き合わせ接合による溶接では、接合部分の断面の残留応力等によって接合部が脆弱となることがある。また、特許文献2に記載のように、単に、互いに接合させる部品の少なくとも一方の開先面を凹凸形状面に形成しただけでは、十分な強度を確保することが困難であり、しかも、切削等の後加工によって凹凸形状面を形成するために加工工数が増え、コストアップを招いてしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、積層造形部品を十分な接合強度で互いに接合させることができ、しかも、低コスト化が図れる積層造形部品の製造方法、積層造形部品の接合方法、積層造形部品、及び構造体を提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
(1) アークを用いて溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードにより形成された溶着ビード層を、繰り返し積層して積層造形部品の本体部を造形する工程と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部を、前記溶着ビード層を積層して造形する工程と、
を有し、
前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部であり、
前記棒状部に、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を造形する、
積層造形部品の製造方法。
(2) アークを用いて溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードにより形成された溶着ビード層を、繰り返し積層して積層造形部品の本体部を造形する工程と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部を、前記溶着ビード層を積層して造形する工程と、
を有し、
前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部である、
積層造形部品の製造方法により作製された、一対の前記積層造形部品を互いに接合する接合方法であって、
一対の前記積層造形部品の一方に造形された前記継手部と、他方に造形された前記継手部とを突き合わせ、隣接する前記継手部同士を前記継手部の長手方向に沿って溶接する積層造形部品の接合方法。
(3) 溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードから形成された溶着ビード層が積層されてなり、互いに接合される積層造形部品であって、
本体部と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部と、
を有し、
前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部であり、
前記棒状部は、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を有する、
積層造形部品。
(4) 溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードから形成された溶着ビード層が積層されてなり、互いに接合される積層造形部品は、
本体部と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部と、
を有し、
一対の前記積層造形部品の前記継手部同士が突き合わされて溶接されている、
構造体。
本発明によれば、積層造形部品を十分な接合強度で互いに接合させることができ、しかも、低コスト化が図れる。
積層造形部品の作製に用いる製造装置の構成図である。 構造体の一構成例を示す積層造形部品の分解斜視図である。 構造体の一構成例を示す全体斜視図である。 積層造形部品の接合強度を説明する継手部の模式図である。 積層造形部品の作製手順を説明するためのベースプレートと積層造形部品の斜視図である。 積層造形部品の継手部同士を開先接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 積層造形部品の継手部同士を開先接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 積層造形部品の継手部同士を開先接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 積層造形部品の継手部同士を裏当て金接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 積層造形部品の継手部同士を裏当て金接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 積層造形部品の継手部同士を裏当て金接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。 構造体の他の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の構造体を製造する製造システムの模式的な概略構成図である。
本構成の製造システム100は、積層造形装置11と、積層造形装置11を統括制御するコントローラ15と、を備える。
積層造形装置11は、先端軸にトーチ17を有する溶接ロボット19と、トーチ17に溶加材(溶接ワイヤ)Mを供給する溶加材供給部21とを有する。
コントローラ15は、CAD/CAM部31と、軌道演算部33と、記憶部35と、これらが接続される制御部37と、を有する。
溶接ロボット19は、多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ17には、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ17の位置や姿勢は、ロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。
トーチ17は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。アーク溶接法としては、被覆アーク溶接や炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG溶接やプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、作製する積層造形部品Wに応じて適宜選定される。
例えば、消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、溶融電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ17は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。溶加材Mは、ロボットアーム等に取り付けた不図示の繰り出し機構により、溶加材供給部21からトーチ17に送給される。そして、トーチ17を移動しつつ、連続送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、ベースプレート41上に溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶着ビード25が形成される。
CAD/CAM部31は、作製しようとする積層造形部品Wの形状データを作成した後、複数の層に分割して各層の形状を表す層形状データを生成する。軌道演算部33は、生成された層形状データに基づいてトーチ17の移動軌跡を求める。記憶部35は、生成された層形状データやトーチ17の移動軌跡等のデータを記憶する。
制御部37は、記憶部35に記憶された層形状データやトーチ17の移動軌跡に基づく駆動プログラムを実行して、溶接ロボット19を駆動する。
制御部37は、記憶部35に記憶された層形状データやトーチ17の移動軌跡に基づく駆動プログラムを実行して、溶接ロボット19を駆動する。つまり、溶接ロボット19は、コントローラ15からの指令により、軌道演算部33で生成したトーチ17の移動軌跡に基づき、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ17を移動する。なお、図1においては、鋼板からなるベースプレート41上に複数の溶着ビード25からなる溶着ビード層43を積層して円筒状の積層造形部品Wを造形する様子を示している。
次に、上記した積層造形部品Wからなる構造体について説明する。
図2Aに構造体の一構成例を示した。ここでは、上記した積層構造部品W(ここでは区別するためW1とする)とは別に、他の積層造形部品W2が用意される。これら積層造形部品W1,W2を互いに接合することにより、図2Bに示す構造体61が構成される。なお、積層造形部品W1,W2は、いずれも上記した製造システム100により造形されたものである。
積層造形部品W1,W2は、筒状の本体部51と、本体部51に形成された継手部53とを有する。継手部53は、複数の棒状部55を有しており、これらの棒状部55は、本体部51の縁部である軸方向一端部に、周方向に等間隔で間隔をあけて設けられ、本体部51の軸方向一端部から軸方向に突出して形成されている。積層造形部品W1の棒状部55と積層造形部品W2の棒状部55とは、互いに噛み合わされた状態にされ、溶接により接合される。
つまり、図2Bに示すように、2つの積層造形部品W1,W2は、互いに継手部53を対向させた状態から接近させることで、継手部53の棒状部55同士が噛み合わされた状態にされる。具体的には、積層造形部品W1の継手部53における棒状部55同士の間に、積層造形部品W2の継手部53の棒状部55が挿し込まれる。これにより、積層造形部品W2の継手部53における棒状部55同士の間に、積層造形部品W1の継手部53の棒状部55が挿し込まれた状態となる。そして、これら積層造形部品W1,W2の継手部53の互いに隣接する棒状部55同士が溶接される。これにより、積層造形部品W1と積層造形部品W2とは、互いの継手部53が接合されることで一体の構造体61となる。
ここで、上記構成の構造体61の積層造形部品W1,W2同士の接合強度について説明する。
図3に示すように、積層造形部品W1,W2同士の引張力をP、積層造形部品W1,W2の棒状部55の軸方向長さをL1(図示例では直線部を示す)、棒状部55の板厚をa(不図示)とする。積層造形部品W1,W2の継手部53の棒状部55同士を軸方向に沿って溶接した場合、引張荷重Pに対する溶接個所のせん断応力τは、次式(1)で表される。
Figure 0006859245
また、一般に引張応力σとせん断応力τとは、次式(2)の関係を有する。
Figure 0006859245
これに対して、例えば、円筒形状の積層造形部品W1,W2同士の端面を突き合わせ、端面同士を溶接する場合では、周方向の接合長さをL2(不図示)とすると、接合箇所での引張応力σは、次式(3)となる。
Figure 0006859245
このことから、積層造形部品W1,W2の周長は同じ径であれば略一定であり、端面同士を溶接する場合は、負荷した引張荷重Pに相当する引張応力が発生する。一方、棒状部55を軸方向に沿って溶接する構成であれば、積層造形部品W1,W2の径によらずに、棒状部55の本数や軸方向長さL1を増加させることができる。そのため、溶接線に発生するせん断応力τを容易に低減でき、端面同士を溶接する場合よりも接合強度を簡単に高めることができる。
このように、本実施形態に係る積層造形部品によれば、溶着ビード25からなる溶着ビード層43を積層させて、接合相手との継手部53を本体部51に設けている。この継手部53を溶接することで、高強度に接合相手と接合できる。したがって、切削等の後加工によって継手部を形成する場合と比較して、より少ない加工工数で継手部53を形成でき、低コストで積層造形部品を作製できる。
そして、積層造形部品の棒状部55同士を互いに噛み合わせて溶接することで、単に突き合わせて端面同士を溶接するものと比べ、接合面積を容易に増加できる。このため、より高い接合強度での接合が可能となる。
また、上記の積層造形部品の継手部53同士が溶接された構造体61によれば、継手部53で溶接されて接合される部品が、切削等の後加工によって継手部を形成する場合よりも少ない加工工数で製造できる。よって、低コストでありながら、積層造形部品同士が高強度に接合された構造体61が得られる。なお、棒状部55同士の溶接は、軸方向に沿って行うことに加えて、周方向に沿って行ってもよい。その場合、より接合強度が向上し、接合部の密閉性も高められる。
次に、上記した積層造形部品W1,W2を造形する手順について説明する。
なお、積層造形部品W1,W2は、いずれも同一の製造方法で製造されるので、ここでは、積層造形部品W1を製造する場合について説明する。図4は積層造形部品W1の作製手順を説明するためのベースプレート41と積層造形部品W1の斜視図である。
図1に示すCAD/CAM部31は、図4に示す積層造形部品W1の形状データを有し、この形状データに基づいて、互いに平行に分割された各層P(1),P(2),…,P(n)の層形状データを生成する。
次に、軌道演算部33が、各層形状データに基づいて、各層P(1),P(2),…,P(n)におけるトーチ17(図1参照)の移動軌跡を生成し、溶接ロボット19の駆動プログラムを生成する。そして、制御部37は、生成された駆動プログラムに基づいて溶接ロボット19を駆動する。
ベースプレート41上に第1層目の移動軌跡に沿ってトーチ17を移動させ、第1層目の溶着ビード層43を形成する。この場合、溶加材Mとベースプレート41がアークにより溶融して、溶加材Mがベースプレート41上に隆起して盛り付けられる。ベースプレート41上の第1層目は、軌道演算部33により求めた適宜な順序で形成される。
以降、同様にして、複数の層P(1),P(2),…,P(n)の溶着ビード層43を形成する移動軌跡に沿ってトーチ17を移動させ、複数の層P(1),P(2),…,P(n)の溶着ビード層43を順次積層する。そして、最終的に第n層目の溶着ビード層43を形成する。なお、継手部53を造形する際は、各溶着ビード層43において、移動軌跡に沿って移動させるトーチ17によって溶着ビード層43を間欠的に形成する。これにより、本体部51の上端から、周方向へ間欠的に形成された溶着ビード層43が積層された複数の棒状部55が形成される。これにより、棒状部55は、溶着ビード層43を接合方向に積層させることで造形される。
上記した積層造形工程によって、円筒状の本体部51の軸方向一端部に、複数の棒状部55を有する継手部53が形成された積層造形部品W1が造形される。なお、ベースプレート41は、必要に応じて、ワイヤーソーやダイヤモンドカッター等による切断機で切断し、所望の形状の積層造形部品W1とする。
なお、棒状部55は、積層造形部品W1の軸方向一端部のみに限らず、必要に応じて適宜な位置に設けてもよい。
次に、積層造形部品W1,W2の各種接合形態について説明する。
(開先接合)
図5A〜図5Cは、積層造形部品の継手部53同士を開先接合で接合する手順を模式的に示す工程説明図である。同図は、円筒状に配置される継手部53を平面上に展開した状態で示している。本構成の場合、継手部53は径方向に関しても複数層の溶着ビード層を有して形成される。
図5Aに示すように、積層造形部品を互いに接合させる際に、継手部53となる棒状部55の周方向両脇部に、それぞれ棒状部55の長手方向(積層造形部品の軸方向)に沿ってテーパ部57を形成しておく。テーパ部57は、軸方向断面が径方向外側へ向かって次第に広がる形状となっている。
次に、図5Bに示すように、棒状部55にテーパ部57が形成された継手部53を有する積層造形部品を、それぞれの棒状部55が噛み合うように互いに突き合わせる。このようにすると、隣接する棒状部55の間に、テーパ部57によってV型開先(両側開先)63が形成される。
そして、図5Cに示すように、隣接する棒状部55の間のV型開先63を溶接し、溶接部65によって棒状部55同士を接合させる。これにより、一対の積層造形部品は、それぞれの継手部53の棒状部55が互いに溶接されて、棒状部55同士が堅固に接合された構造体61となる。
なお、棒状部55同士の間にレ型開先(片側開先)を形成してもよい。例えば、一方の積層造形部品の継手部53における棒状部55だけにテーパ部57を形成すれば、一対の積層造形部品の棒状部55同士を噛み合わせた際に、隣接する棒状部55の間にレ型開先が形成される。この場合でも、隣接する棒状部55の間に形成されたレ型開先を溶接して、棒状部55同士を接合させることで、積層造形部品が堅固に接合された構造体61が得られる。
このように、開先接合では、棒状部55を相互に噛み合わせた際に、溶接のためのV型開先63となるテーパ部57を棒状部55に形成する。そして、棒状部55を相互に噛み合わせてV型開先63を形成し、このV型開先63を溶接する。これにより、棒状部55同士の溶接強度を更に高めた、より高強度な構造体61が得られる。
(裏当て金接合)
図6A〜図6Cは、積層造形部品の継手部53同士を裏当て金接合で接合する手順を示す工程説明図である。同図は、円筒状に配置される継手部53を平面上に展開した状態で示している。
図6Aに示すように、例えば、互いに接合させる一対の積層造形部品の一方である積層造形部品を造形する際に、継手部53の棒状部55の長手方向に沿って裏当て金部67を形成しておく。この裏当て金部67は、棒状部55の内周側において、棒状部55の周方向両脇部から張り出させる。他方の積層造形部品の継手部53における棒状部55は、棒状又は板状に形成しておく。
次に、図6Bに示すように、一対の積層造形部品を、それぞれの棒状部55が噛み合うように互いに突き合わせる。すると、互いに隣接する棒状部55の間に、I型開先69が形成される。これとともに、一方の積層造形部品の棒状部55に形成された裏当て金部67が、他方の積層造形部品における棒状部55の裏面側(図中下側)に配置される。これにより、I型開先69の裏側が裏当て金部67で覆われる。
そして、図6Cに示すように、隣接する棒状部55の間のI型開先69を溶接する。これにより、棒状部55同士が溶接部65によって接合される。一対の積層造形部品は、継手部53の棒状部55同士が溶接されることで、互いに堅固に接合された構造体61となる。
このように、相互に噛み合わせた棒状部55同士を溶接する際に、溶接側と反対側に配置される裏当て金部67を棒状部55に造形しておく。これにより、裏当て金となる部材を別途に用意する必要がなく、また、裏当て金を固定する必要もないため、接合工程を簡略化できる。
以上、説明したように、本実施形態に係る積層造形部品の製造方法によれば、継手部53同士を溶接することで堅固な接合強度が得られる積層造形部品を簡単に製造できる。しかも、継手部53が複雑な形状であっても、溶着ビード層43を積層させる積層造形によって、継手部53を任意形状に容易に造形できる。これにより、切削等の後加工によって継手部を形成する場合よりも加工工数を削減でき、低コスト化が図れる。
そして、上記の製造方法によって製造した一対の積層造形部品を接合する際、互いに噛み合わされた継手部53の隣接する棒状部55を長手方向に沿って溶接することで、接合強度を大きく向上させることができる。
なお、上記実施形態では、図2A,図2Bに示す円筒状の本体部51に複数の棒状部55からなる継手部53を有する一対の積層造形部品W1,W2を互いに接合させて構造体61とする場合を例示したが、積層造形部品W1,W2及び構造体61の形状は、上記実施形態に限定されず、任意の形状であってよい。また、組み合わせる積層造形部品の数も任意であり、3個以上の積層造形部品が接合された構造体であってもよい。
例えば、図7に示す他の構造体であってもよい。
この構造体61Aは、前述同様に溶着ビード層43を積層することで造形された積層造形部品W3,W4を備える。積層造形部品W3,W4は、板状の本体部71と、複数の棒状部75を有する継手部73とを備える。棒状部75は、本体部71の縁部に沿って所定の間隔をあけて形成される。
積層造形部品W3,W4は、継手部73が互いに交差する方向に噛み合わせ、棒状部75同士の間に開先を形成して、この開先を溶接する。具体的には、積層造形部品W3の棒状部75同士の間に、積層造形部品W4の棒状部75が挿し込まれ、積層造形部品W4の棒状部75同士の間に、積層造形部品W3の棒状部75が挿し込まれた状態にする。そして、これらの積層造形部品W3,W4の棒状部75同士の間に形成された開先を溶接して溶接部77を形成する。これにより、一対の積層造形部品W3,W4が、互いに継手部73において接合された一体の構造体61Aとなる。
上記の構造体61Aによれば、継手部73で溶接される部品が、切削等の後加工によって継手部を形成する場合よりも少ない加工工数で製造できるため、低コストで積層造形部品W3,W4、及び構造体61Aが得られる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) アークを用いて溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードにより形成された溶着ビード層を、繰り返し積層して本体部を造形する工程と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部を、前記溶着ビード層を積層して造形する工程と、
を有する積層造形部品の製造方法。
この積層造形部品の製造方法によれば、継手部同士を溶接することで強固な接合強度を得られる。しかも、継手部が複雑な形状であっても、溶着ビード層を積層させる積層造形によって継手部を容易に造形できる。これにより、切削等の後加工によって継手部を形成する場合と比較して、加工工数を削減でき、低コスト化が図れる。
(2) 前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部である(1)に記載の積層造形部品の製造方法。
この積層造形部品の製造方法によれば、棒状部同士を互いに噛み合わせて溶接することで、単に突き合わせて溶接する場合と比較して、より高い接合強度で接合できる。
(3)前記棒状部を、前記接合方向に直交する前記溶着ビード層を前記接合方向に積層させて造形する(2)に記載の積層造形部品の製造方法。
この積層造形部品の製造方法によれば、高い接合強度で接合させるための棒状部を有する積層造形部品を容易に製造することができる。
(4)前記棒状部に、前記接合相手と溶接する際に開先となるテーパ部を形成する(2)又は(3)に記載の積層造形部品の製造方法。
この積層造形部品の製造方法によれば、テーパ部を有する開先が形成された棒状部を溶接することで、棒状部同士の溶接強度が高められる。
(5) 前記棒状部に、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を造形する(2)〜(4)のいずれか一つに記載の積層造形部品の製造方法。
この積層造形部品の製造方法によれば、裏当て金部を棒状部に造形するので、裏当て金となる部材を別途に用意する必要がなく、また、裏当て金を固定する必要もなくなる。
(6) (2)〜(5)のいずれか一つに記載される一対の前記積層造形部品を互いに接合する接合方法であって、
一対の前記積層造形部品の一方に造形された前記継手部と、他方に造形された前記継手部とを突き合わせ、隣接する前記継手部同士を前記継手部の長手方向に沿って溶接する積層造形部品の接合方法。
この積層造形部品の接合方法によれば、互いに噛み合わされた継手部の棒状部を溶接することで、棒状部同士の溶接個所のせん断強さが積層造形部品を引き離す方向の引張強さとなり、単に突き合わせて溶接した場合と比較して、引張強度を大幅が向上する。
(7) 溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードから形成された溶着ビード層が積層されてなり、互いに接合される積層造形部品であって、
本体部と、
前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部と、
を有する積層造形部品。
この積層造形部品によれば、溶着ビードからなる溶着ビード層を積層させることで、接合相手と溶接される継手部が本体部に設けられている。したがって、切削等の後加工によって継手部を形成する場合よりも少ない加工工数で製造でき、低コストで積層造形部品を提供できる。
(8) 前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部である(7)に記載の積層造形部品。
この積層造形部品によれば、棒状部同士を互いに噛み合わせて溶接することで、単に突き合わせて溶接する場合と比較して、より高い接合強度で接合できる。
(9) 前記棒状部は、前記接合相手と溶接する際に開先となるテーパ部を有する(8)に記載の積層造形部品。
この積層造形部品によれば、棒状部に形成される開先を溶接することで、棒状部同士の溶接強度を高め、より高い接合強度が得られる。
(10) 前記棒状部は、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を有する(8)又は(9)に記載の積層造形部品。
この積層造形部品によれば、溶接側と反対側に配置される裏当て金部を有するので、裏当て金となる部材を別途に用意する必要がなく、また、裏当て金を固定する必要もない。
(11) (7)〜(10)のいずれか一つに記載される一対の前記積層造形部品の前記継手部同士が突き合わされて溶接されている構造体。
この構造体によれば、継手部で溶接された積層造形部品は、切削等の後加工によって継手部を形成する場合よりも少ない加工工数で製造できる部品であるので、低コストに構造体が得られる。
25 溶着ビード
43 溶着ビード層
51,71 本体部
53,73 継手部
55,75 棒状部
57 テーパ部
61,61A 構造体
63 V型開先(開先)
67 裏当て金部
M 溶加材
W,W1,W2,W3,W4 積層造形部品

Claims (7)

  1. アークを用いて溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードにより形成された溶着ビード層を、繰り返し積層して積層造形部品の本体部を造形する工程と、
    前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部を、前記溶着ビード層を積層して造形する工程と、
    を有し、
    前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部であり、
    前記棒状部に、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を造形する、
    積層造形部品の製造方法。
  2. 前記棒状部を、前記接合方向に直交する前記溶着ビード層を前記接合方向に積層させて造形する請求項に記載の積層造形部品の製造方法。
  3. 前記棒状部に、前記接合相手と溶接する際に開先となるテーパ部を形成する請求項に記載の積層造形部品の製造方法。
  4. アークを用いて溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードにより形成された溶着ビード層を、繰り返し積層して積層造形部品の本体部を造形する工程と、
    前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部を、前記溶着ビード層を積層して造形する工程と、
    を有し、
    前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部である、
    積層造形部品の製造方法により作製された、一対の前記積層造形部品を互いに接合する接合方法であって、
    一対の前記積層造形部品の一方に造形された前記継手部と、他方に造形された前記継手部とを突き合わせ、隣接する前記継手部同士を前記継手部の長手方向に沿って溶接する積層造形部品の接合方法。
  5. 溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードから形成された溶着ビード層が積層されてなり、互いに接合される積層造形部品であって、
    本体部と、
    前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部と、
    を有し、
    前記継手部は、前記本体部の縁部から、前記接合相手との接合方向に突出して造形された複数の棒状部であり、
    前記棒状部は、溶接側の反対側に配置される裏当て金部を有する、
    積層造形部品。
  6. 前記棒状部は、前記接合相手と溶接する際に開先となるテーパ部を有する請求項に記載の積層造形部品。
  7. 溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードから形成された溶着ビード層が積層されてなり、互いに接合される積層造形部品
    本体部と、
    前記本体部の縁部に、接合相手と溶接するための継手部と、
    を有し、
    一対の前記積層造形部品の前記継手部同士が突き合わされて溶接されている、
    構造体。
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