JP6856370B2 - ケーシング結合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ケーシング結合構造に関する。さらに詳しくは、土木工事や建築基礎工事において地盤を掘削する際に用いられるケーシングであって、複数本のケーシング単体を互いに結合する結合構造に関する。
土木工事や建築基礎工事で地中に縦孔を形成するために金属製の円筒体であるケーシングが用いられている。ケーシングはその内部にオーガスクリューやハンマグラブなどの掘削装置を挿入し、掘削装置で内部の土砂を上方に掻き出して地中に縦孔を形成する。この工法では、地中に形成すべき縦孔の深さに応じた長さのケーシングが必要であり、ケーシングの長さが足りない場合は、複数本のケーシング単体を結合して長尺のケーシングとして用いる。
一方、上記のようなケーシングとは形状は似ているが用途の異なるものに杭がある。杭は地中に埋設され、そのまま地中に残置するものである。杭が長尺であることを要する場合は、短尺の杭単体を複数本用いてつなぎ合わす。つなぎ目の接合構造は、特許文献1、2に示すように、インロー状に嵌め合わす外側筒材と内側筒材との間にキーの役割を果すリング状部材を嵌め合わすもの等がある。
上記の構造であると、杭の内面に向けてリング状部材や内側筒材が膨出するが、その膨出自体は杭の役割に何らの支障を及ぼさない。杭は地中に挿入された後そのまま地中に残された状態で使用されるので、内部空間における膨出は何らの問題とならないからである。
一方、前述した地中に縦孔を形成するためのケーシングは、地中に挿入していきながらケーシングの内部空間に掘削装置を挿入して土砂を掻き出す。その際は、できるだけケーシング内面積に近い断面積で掘削しないとケーシング自体の地中貫入に大きな抵抗となるので、掘削装置の外径はケーシングの内径にできるだけ近いものとしている。このため、ケーシング単体を結合する部分の内部に向けた膨出部分の形成は避けなければならない。それゆえ、内部への膨出部分の存在が許容される杭の先行技術は、ケーシングの結合構造には不適である。
ところで、縦孔形成用のケーシングは、掘削が終ると地中から引き抜かなければならないが、地中の土砂との摩擦抵抗が大きいので、多大な引き抜き力を必要とする。縦孔の深さが深い場合、用いるケーシングも1本ではなく複数本のケーシング単体を結合したものとなるが、大きな引き抜き力に耐えるには、結合部分の結合強度も高いものでなければならない。また、作業性を考慮すると、分解組付けも容易なものでなければならない。
特許文献3は、ケーシングの結合構造を開示するものであって、以下、この従来技術を図9および図10に基づき説明する。
同図には、2本のケーシング単体の結合部のみを示しており、図9は結合前の状態、図10は結合後の状態を示している。一方のケーシング単体の端部には内側インロー部105が形成され、他方のケーシング単体の端部には外側インロー部106が形成されている。そして、締結金具の挿入結合のため、内側インロー部105と外側インロー部106とには貫通孔123、110が形成されている。この貫通孔123、110の内面には、テーパが付与されており、このテーパ面は内側インロー部105のテーパ面124と外側インロー部106のテーパ面111とがつながったものである。内側インロー部105の貫通孔の底部には鍔付きナット125が溶接付けされている。この鍔付きナット125に外側から締結ボルト113をねじ込むが、締結ボルト113の外周部には環状の外輪112が嵌められる。この外輪部112の外周面はテーパ面114に形成されている。そして、図10に示すように、締結ボルト113を締め込んだ状態では貫通孔123、110のテーパ面124、111に密着し、内側インロー部105と外側インロー部106を強固に結合することとなる。
しかるに、上記従来技術には、つぎの問題点がある。
(1)鍔付きナット125の取付けはケーシング内側からの溶接による溶接止め131になるので、ケーシング内径の大小を問わず溶接作業が困難となる。なお、ケーシングが小径の場合、困難さはより大きくなる。
(2)縦孔の形成作業中は掘削された土砂がケーシング内部を上方に向けて押し出されていくが、このときの土砂との接触やオーガスクリューやハンマーグラブといった金属同士の接触で溶接止め131が摩耗すると、締結ボルト113と鍔付きナット125からなる締結金具が外へ抜け落ちる。
(3)ケーシングを地中から抜くときにはケーシング軸方向の力(スラスト力)が働くが、締結ボルト113では外周面にテーパ114が形成されているので、前記スラスト力は締結ボルト113と鍔付きナット125を互いに引き離す力として作用する。そして、このときのスラスト力で締結ボルト113のねじ込みが緩んだり、スラスト力に耐えきれなくなると鍔付きナット125および締結ボルト113が施行中に外れたり、さらに鍔付きナット125のメスネジ穴を通しての土砂の押し出しによりさらに緩み、抜け落ちることがある。
(4)鍔付きナット125および締結ボルト113からなる締結金具が抜け落ちると、ケーシング内の土砂が貫通孔123、110内に洩れ出すので、再び締結金具を装着するには土砂を洗い流す作業が必要となり、手間がかかる。
特開平11−36285号公報 特開2014−205952号公報 実公昭49−23605号公報
本発明は上記事情に鑑み、耐摩耗寿命が長く、結合強度が高く、取付け取外し作業が容易なケーシング結合構造を提供することを目的とする。
第1発明のケーシング結合構造は、地盤を掘削する際に用いられ、円筒形のケーシング単体を複数本連結して構成されるケーシングにおいて、一方のケーシング単体の端部に形成された内側インロー部と他方のケーシング単体の端部に形成された外側インロー部とを互いに嵌合させ、かつ嵌合された内側インロー部と外側インロー部を締結金具により結合するケーシング結合構造であって、嵌合された状態の前記内側インロー部および前記外側インロー部には、内側インロー部の内側面に底部材が残るよう形成された底付き穴と、外側インロー部に形成された貫通孔とからなる締結用の嵌合凹部が形成されており、前記締結金具は、前記嵌合凹部に挿入される弾性を有する環状の締結リングと、該締結リングを弾性に抗して拡径させる拡径部材とからなることを特徴とする。
第2発明のケーシング結合構造は、第1発明において、前記拡径部材は、互いに螺合し合うボルトとナットを含み、前記ナットは、前記ボルトと対向する端縁に向かうほど小径になる円錐台状の第1テーパ面を、その外周に有し、前記締結リングは、前記第1テーパ面に対面する第2テーパ面を、その内周面に有することを特徴とする。
第3発明のケーシング結合構造は、第2発明において、前記ボルトは、雄ネジが形成された軸部に向かうほど小径になる円錐台状の第3テーパ面を、その頭部の外周に有し、前記締結リングは、前記第3テーパ面に対面する第4テーパ面を、その内周面に有することを特徴とする。
第4発明のケーシング結合構造は、第2または第3発明において、前記締結リングは、その外周面が前記嵌合凹部の中心軸に対し平行な面をもつ非テーパ面であり、前記嵌合凹部の内周面も前記嵌合凹部の中心軸に対し平行な面をもつ非テーパ面であることを特徴とする。
第5発明のケーシング結合構造は、第2、第3または第4発明において、前記ボルトは、前記内側インロー部の底付き穴に設置される部材であって、その軸部先端に被係止部が形成されており、前記ナットは、前記外側インロー部の貫通孔に挿入される部材であって、その本体部に被係合部が形成されていることを特徴とする。
第6発明のケーシング結合構造は、第2、第3、第4または第5発明において、前記嵌合凹部の開口端には、内側に向けて突出した係合突起が形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、縦孔掘削中にケーシング内を流動する土砂やオーガスクリューやハンマーグラブといった金属同士の接触による摩擦が生じるが、ケーシングの内面側には嵌合凹部の底付き穴の底部材が位置しているので、摩耗しにくく、また摩耗しきるまでは長時間かかるので耐摩耗寿命が長くなる。また、底付き穴に挿入した締結金具を、挿入後に拡径部材で締結リングを拡径すれば、内側インロー部と外側インロー部を締結リングで強固に結合することができる。さらに、底付き穴の底部材によって掘削された土砂が嵌合凹部内に進入することもないので、締結金具の取り替え時においても嵌合凹部内を洗浄する手間が省ける。よって、取付け取外し作業が容易となる。
第2発明によれば、ボルトとナットとが螺合した状態で、ナットの第1テーパ面が締結リングの第2テーパ面を外向きに押すというテーパ面の作用で、締結リングが拡径し嵌合凹部内に密着する。これにより、内側インロー部と外側インロー部とが強固に締結される。この作業は容易なので取付け作業を短時間で行える。
第3発明によれば、ナットによる締結リングの拡径作用に加え、ボルトの第3テーパ面が締結リングの第4テーパ面を外向きに押すので、締結リングの上側部分と下側部分に均等な力をかけて拡径できる。このため、内側インロー部と外側インロー部とを均等な力で締結することができ、結合強度を高くすることができる。
第4発明によれば、締結リングの外周面と嵌合凹部の内周面は嵌合凹部の中心軸に対し平行であるので、ケーシング引抜き時のスラスト力が作用しても締結リングを含めた締結体を外向きに動かそうとする分力は発生しない。そのため、締結金具の自然なゆるみや抜け落ちが発生しない。
第5発明によれば、嵌合凹部の底付き穴に設置されたボルトと貫通孔に挿入されたナットとを螺合させるにあたり、回り止め工具を被係止部に係止させてボルトが回転しないように拘束しておけ、その状態で回転工具をナットの被係合部に係合させて回転させると、容易にナットをボルトにねじ込むことができ、このねじ込みにより、締結リングをテーパ面の作用で確実に拡径できる。これにより、内側インロー部と外側インロー部とが強固に締結される。
第6発明によれば、嵌合凹部の開口端に形成した係合突起により、締結リングが嵌合凹部から外方に抜け出すことが物理的に不能に拘束されるので、ケーシング単体同士の結合の緩みが生じず、結合の信頼性が高くなる。
本発明のケーシング結合構造における第1実施形態に係る締結金具Cの斜視図である。 図1に示す締結金具Cの分解状態における縦断面図である。 図1に示す締結金具Cの組立作業中における縦断面図である。 図1に示す締結金具Cの組立完了状態の説明図であって、(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。 スナップリングを取付けた締結金具Cの説明図であって、(A)は平面図、(B)は断面図である。 本発明に係る第2実施形態の締結金具Cの断面図である。 本発明が適用されるオーガケーシングの説明図である。 図7のオーガケーシングにおける結合部と嵌合凹部4の説明図である。 従来技術の締結金具における組立て前の状態の説明図である。 従来技術の締結金具における組立て状態の説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
一般に、砂礫や岩盤などの硬質地盤に杭等を立て込む際には、縦向きに配置したオーガケーシングの内部にオーガスクリューを挿入した状態でオーガスクリューを回転させ、先端のオーガヘッドで地盤を掘削し、掘削された縦孔内に、矢板等の杭材を建て込む。掘削中はオーガスクリューの進行に伴って、オーガヘッドで掘削された土砂はスクリュー羽根によってオーガケーシングの中で上方に移動し、開口部から地上に排出されるようになっている。
上記のオーガスクリューを用いた掘削作業には、オーガケーシング等からなる掘削装置Aと、これを支える圧入機Bとが用いられることがある。図7に示すように、圧入機Bは、サドル51と、サドル51に対し前後方向(図中左右方向であり、圧入施工の進行方向の前方と後方をいう)にスライドするリーダマスト53とを備えている。また、リーダマスト53の前方にはチャックフレーム54が適宜のガイドで案内されて昇降可能に取付けられ、かつチャックフレーム54の下端には、チャック55が旋回自在に取付けられている。そして、リーダマスト53とチャックフレーム54との間にはメインシリンダ56が取付けられており、チャックフレーム54およびチャック55を昇降させるようになっている。
一方、サドル51の下方には圧入済みの反力杭Pを掴むクランプ57が複数本設けられており、圧入機本体Bを安定的に支持できるようになっている。
また、図7に示すように、掘削装置Aは、オーガケーシング1と、オーガケーシング1内の中空部をその軸方向に連通するように配置されるオーガスクリュー11と、オーガスクリュー11を正方向と逆方向に回転させる駆動部12と、オーガスクリュー11の下端である先端部に設けられているオーガヘッド13とを備えている。
オーガケーシング1は前記圧力機Bのチャック55で保持されて、地中への圧入力を受けることができる。そして、駆動部12でオーガスクリュー11を介してオーガヘッド13を正方向に回転させることで、地中に縦孔を掘削することが可能になっている。
上記のオーガケーシング1は長さが足りる場合は1本物を用いるが、掘削深さが深い場合は、複数本のケーシング単体(図7では2本のケーシング単体1A、1Bを示しているが、3本以上の場合もある)を結合して長尺のオーガケーシング1として用いる。
その場合の結合構造は、図8(A)、(B)に示すように、一方のケーシング単体1Aの端部に形成された内側インロー部2と他方のケーシング単体1Bの端部に形成された外側インロー部3とを互いに嵌合させ、かつ嵌合された内側インロー部2と外側インロー部3に共に形成されている嵌合凹部4に図示しない締結金具を挿入して結合するケーシング結合構造を用いる。
本発明のケーシング結合構造においては、図8(C)に示すように、嵌合凹部4は、内側インロー部2に形成された底付き穴6と外側インロー部3に形成された貫通孔5とからなる。嵌合凹部4を構成する貫通孔5および底付き穴6の側壁、つまり内周面は、嵌合凹部4の中心を通る中心軸(符号Lで示す)に対し平行な面をもっている。つまり、側壁は非テーパ面である。
前記底付き穴6は底部材2aを有する。つまり、内側インロー部2aの肉厚部分の一部が底部材2aとなっており、この底部材2aの存在によって耐寿命性を向上させているが、その詳細は後述する。
貫通孔5の開口端側には、その内周面に、内側に突出する係合突起7が形成されている。この係合突起7は、締結金具Cの抜け止めとして機能するが、その詳細は後述する。
(第1実施形態)
上記ケーシング結合構造の第1実施形態を、図1〜図4に基づき説明する。
まず、図1および図2に基づき、締結金具Cの構成を説明する。
締結金具Cは、ボルト20とナット30と締結リング40とからなる。なお、ボルト20とナット30は特許請求の範囲にいう拡径部材を構成している。
図1および図2に示すように、ナット30は、環状の本体部31を有し、その中心部内周に雌ネジ部33を形成したものである。この雌ネジ部33は後述するボルト20の雄ネジ部23に螺合する。ナット30の本体部31は、全体として円錐台状の部材であり、その外周面には前記ボルト20と対向する端縁(図1および図2では下方)に向かうほど小径になるテーパ面31tが形成されている。このテーパ面31tは第1テーパ面と称し、後述する締結リング40の第2テーパ面と接触する。
前記本体部31では、図1および図2における下面が座面であり、その反対側に位置するのが上面側である。座面と反対側に位置する上面側には、回転工具T1を差し込むための2個の孔34、34が形成されている。この孔34は、特許請求の範囲にいう「被係合部」に相当する。なお、被係合部としては、回転工具T1を挿入して係合し、ナット30を回せるなら、どのような形状の孔でもよく、また孔でなく回り止め工具T2を係合させる凸形状をもつ部材であってもよい。
前記ボルト20は、頭部21を有し、その頭部21の上面中心部に軸部22を形成し、その軸部22の外周面に雄ネジ部23を形成したものである。頭部21は、円錐台状に形成されており、その外周面には、軸部22に向かう(図1および図2では上方)ほど小径になるテーパ面21tが形成されている。このテーパ面21tは第3テーパ面と称し、後述する締結リング40の第4テーパ面と接触する。
前記軸部22の中心部には後述する回り止め工具T2を挿入する多角形孔24が形成されている。この多角形孔24は、特許請求の範囲にいう「被係止部」に相当する。なお、被係止部としては、回り止め工具T2を挿入して係止し、ボルト20の回り止め機能を果せるなら、どのような形状の孔でもよく、また孔でなく回り止め工具T2を係止させる凸形状をもつ部材であってもよい。
前記締結リング40は、環状の部材である。但し、一部が切断され、それ自体が有する弾性により直径が拡縮可能となっている。
この締結リング40の内周面には、図1および図2で上側となる部分に上向き斜面の第2テーパ面41taが形成され、下側となる部分に下向き斜面の第4テーパ面41tbが形成されている。
既述のごとく、第2テーパ面41taはナット30の第1テーパ面31tと接触し、第4テーパ面41tbはボルト20の第3テーパ面21tと接触する。
締結リング40の外周面41は、締結金具Cの中心軸(図2に符号Lで示す仮想線)に対し平行な面に仕上げられている。つまり、非テーパ面となっている。このため、締結リング40の断面形状は、外側が直線で内側が内側に凸となる略三角形状となっている。
前述したボルト20、ナット30および締結リング40の外径は、図8(C)に示す嵌合凹部4(貫通孔5でもある)の開口端に形成された係合突起7の内径よりも小さい寸法に仕上げられている。ただし、締結リング40は拡径すると抜止め突起7の内径よりも、その外径が大きくなるものである。換言すれば、締結リング40はそれ自体が有する弾性によって、外力を加えてない状態では外径が環状の係合突起7の内径よりも小さくなるように寸法が設定されている。
なお、締結リング40は、外力を加えていない状態で係合突起7の内径より大きく、外力を加えた状態で係合突起7の内径より小さくなるように寸法が設定されたものであってもよい。
図1に示すT1はナット30の回転用工具を示し、T2はボルト20の回転止め用の工具を示している。回転工具Tはナット30の孔34に挿入される2個の突起36が形成されている。回転止め工具T2は、断面形状がボルト20の多角形孔24に嵌る形の棒状工具である。なお、工具T1、T2は本発明において本質的なものではなく、同様の機能を果せるなら、他のどのような構造、形状のものを用いてもよい。
つぎに、図3および図4に基づき、締結金具Cの使用方法を説明する。
締結金具Cの使用方法には、(a)ボルト20とナット30と締結リング40をいったん組付けておいて嵌合凹部4に挿入する方法と、(b)ボルト20、締結リング40、そしてナット30を個別にその順に挿入していく方法とがあり、いずれの方法も任意に採用できる。
まず、締結金具Cを組付けた後に挿入する方法(a)を説明する。
図3の想像線で示すように、まずボルト20とナット30との間に締結リング40を入れ、ナット30をボルト20に対し少しねじ込んだ状態に組み付ける。この状態で、締結リング40は拡径しておらず、その外径は嵌合凹部4の係合突起7の内径よりも小さくなっていなければならない。
この組付け状態で、図3の実線で示すように、ボルト20の頭部21を底付き穴6に設置すると、ナット30が貫通孔5内に挿入される。ついで、ナット30をボルト20に対し更にねじ込む。このとき、ボルト20は回転止め工具T2で回転を止めておき、ナット30は回転工具T1で回転させる。ナット30のボルト20に対するねじ込みが進むと、ナット30の第1テーパ面31tが締結リング40の第2テーパ面41taを外向きに押し、かつボルトの第3テーパ面21tが締結リング40の第4テーパ面41tbを外向きに押して、締結リング40を拡径する。
上記のようにナット30をねじ込むと、テーパ面の作用によって締結リング40を拡径することができる。この作業は容易なので、取付け作業を短時間で行える。
つぎに、ボルト20とナット30と締結リング40を個別に嵌合凹部4に挿入する方法(b)を説明する。
図3に実線で示すように、内側インロー部2に形成された底付き穴6に、ボルト20を頭部21を奥にして差し込み、設置する。この場合、差し込むだけで位置決めが行える。ついで、締結リング40を嵌合凹部4に挿入する。そして、ナット30を貫通孔5に挿入し、ボルト20に対しねじ込む。このとき、ボルト20は回転止め工具T2で回転を止めておき、ナット30は回転工具T1で回転させる。ナット30のボルト20に対するねじ込みが進むと、ナット30の第1テーパ面31tが締結リング40の第2テーパ面41taを外向きに押し、かつボルトの第3テーパ面21tが締結リング40の第4テーパ面41tbを外向きに押して、締結リング40を拡径する。
上記のようにナット30をねじ込むと、テーパ面の作用によって締結リング40を拡径することができる。この作業も容易なので、取付け作業を短時間で行える。
上記(a)、(b)いずれの方法であっても、回り止め工具T2を多角形孔24に係止させてボルト20が回転しないように拘束しておき、その状態で回転工具T1をナット30の孔34に係合させて回転させると、容易にナット30をボルト20にねじ込むことができる。このねじ込みにより、締結リング40をテーパ面の作用で確実に拡径できる。
図4は、嵌合凹部4に締結金具Cを設置した状態の説明図であって、図4の(A)図は図8(B)におけるIVa−IVa線に沿った断面図であり、図4の(B)図は図8(B)におけるIVb−IVb線に沿った断面図である。なお、図8は締結金具Cを設置する前の嵌合凹部4の説明図であるので締結金具Cは図示していない。
図4(A)、(B)に示すように、ナット30のボルト20へのねじ込みが完了すると、締結リング40は拡径されて嵌合凹部4を構成する底付き穴6の側壁と貫通孔5の側壁に密着する。
また、上記のように拡径した状態で、締結リング40の外端縁は嵌合凹部4(貫通孔5でもある)の開口端に形成された係合突起7よりも内側に入っている。これにより、締結リング40は外方への抜け出しが阻止される。
上記の状態で、締結金具Cによる2本のケーシング単体1A、1Bの結合が完了する。
なお、各ケーシング単体1A、1Bの結合部位において、嵌合凹部4は円周方向に4カ所以上設けられるが、それぞれの嵌合凹部4に締結金具Cを挿入して結合することはもちろんである。
また、3本以上のケーシング単体を結合する場合は、それぞれの結合部位で締結金具Cを用いて締結すればよい。
なお、本実施形態の締結金具Cには緩み止めを施したナットを使用することも可能である。つまり、図5(A)(B)に示すように、ボルト20の雄ネジ部22の長さをナット30の雌ネジ部32の長さより長くしておくと、ナット30をねじ込んだ状態で、雄ネジ部22の先端部に公知の緩み止め金具であるUリング8を嵌めることができる。この場合、ナット30の緩み止め効果が高くなる。
つぎに、本実施形態のケーシング結合構造の利点を説明する。
(1)本発明のケーシングがオーガケーシングの場合、ケーシング1内を流動する土砂、あるいはオーガスクリューやハンマーグラブといった金属同士の接触による摩擦が生じる。しかし図4(B)に示すように、ケーシング1の内面に向けて嵌合凹部4の底付き穴6の底部材2aが位置しているので、摩耗しにくく、かつ摩耗しきるまでは長時間の寿命を保てる。
(2)嵌合凹部4に挿入した締結金具Cの締結リング40を拡径すれば、内側インロー部2と外側インロー部3を締結リング40で強固に結合することができる。さらに、底付き穴6の底部材2aによって掘削された土砂が嵌合凹部4内に進入することもないので、締結金具Cの取り替え時においても嵌合凹部4内を洗浄する手間が省ける。よって、取付け取外し作業が容易となる、
(3)ボルト20にナット30をねじ込むとき、ナット30の第1テーパ面31tが締結リング40の第2テーパ面41taを外向きに押し、ボルト20の第3テーパ面21tが締結リング40の第4テーパ面41tbを外向きに押すので、締結リング40の上側部分と下側部分に均等な力をかけて拡径できる。このため、内側インロー部2と外側インロー部3とを均等な力で締結することができ、ケーシング単体同士の結合強度を高くすることができる。
(4)締結リング40の外周面と嵌合凹部4の内周面(つまり、貫通孔5の側壁と底付き穴6の側壁)は嵌合凹部4の中心軸Lに対し平行であるので、ケーシング引抜き時のスラスト力が作用しても締結リング40を含めた締結金具Cを外向きに動かそうとする分力は発生しない。そのため、締結金具Cの自然なゆるみや向け落ちが発生しない。このため、ケーシング単体1A、1B同士の結合の信頼性が高くなる。
(5)締結リング40は、ナット30をねじ戻すとテーパ面により付加していた外力が無くなっていくので、締結リング40自体の弾性により縮径する。縮径の結果、締結リング40は環状に形成されている係合突起7の内径より小さくなるので、簡単に抜き取ることが可能である。このため締結金具Cの取外しによるケーシング単体1A、1B同士の分解が容易に行える。
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態を説明する。
図6に示す第2実施形態の締結金具Cは、前記第1実施形態におけるボルト20をナット30で代替し、ナット30をボルト20で代替したものである。
つまり、嵌合凹部4の底付き穴6にナット30を設置して貫通孔5から入れたボルト20を螺合すると締結リング40の拡径方向に押されて嵌合凹部4内に密着する。これにより、内側インロー部2と外側インロー部3とが強固に締結される。なお、底付き穴6の底面とナット30との間には、突起などの回り止めを設けておくことが好ましい。
この実施形態においても、前記した(1)〜(5)の効果を奏することができる。
(他の実施形態)
さらに、他の実施形態を説明する。
(1)本発明において、ボルト20の第3テーパ面21tと締結リング40の第4テーパ面41tbは設けることが好ましいが、必ずしも必須ではなく、これを欠くものも本発明に含まれる。
(2)本発明において、嵌合凹部4の開口端に形成された係合突起7は設けることが好ましいが、必ずしも必須ではなく、これを欠くものも本発明に含まれる。
本発明のケーシング締結構造は、オーガケーシングに最適なものであり、圧入機や三点式杭打機等のケーシングに使用可能であるが、これ以外に杭基礎の掘削などのケーシングにも適用することができる。
1A ケーシング単体
2B ケーシング単体
2 内側インロー部
3 外側インロー部
4 嵌合凹部
5 貫通孔
6 底付き穴
20 ボルト
21 頭部
22 雄ネジ部
21t 第3テーパ面
30 ナット
31 本体部
31t 第1テーパ面
40 締結リング
41ta 第2テーパ面
41tb 第4テーパ面

Claims (6)

  1. 地盤を掘削する際に用いられ、円筒形のケーシング単体を複数本連結して構成されるケーシングにおいて、
    一方のケーシング単体の端部に形成された内側インロー部と他方のケーシング単体の端部に形成された外側インロー部とを互いに嵌合させ、かつ嵌合された内側インロー部と外側インロー部を締結金具により結合するケーシング結合構造であって、
    嵌合された状態の前記内側インロー部および前記外側インロー部には、内側インロー部の内側面に底部材が残るよう形成された底付き穴と、外側インロー部に形成された貫通孔とからなる締結用の嵌合凹部が形成されており、
    前記締結金具は、前記嵌合凹部に挿入される弾性を有する環状の締結リングと、該締結リングを弾性に抗して拡径させる拡径部材とからなる
    ことを特徴とするケーシング結合構造。
  2. 前記拡径部材は、互いに螺合し合うボルトとナットを含み、
    前記ナットは、前記ボルトと対向する端縁に向かうほど小径になる円錐台状の第1テーパ面を、その外周に有し、
    前記締結リングは、前記第1テーパ面に対面する第2テーパ面を、その内周面に有する
    ことを特徴とする請求項1記載のケーシング結合構造。
  3. 前記ボルトは、
    雄ネジが形成された軸部に向かうほど小径になる円錐台状の第3テーパ面を、その頭部の外周に有し、
    前記締結リングは、前記第3テーパ面に対面する第4テーパ面を、その内周面に有する
    ことを特徴とする請求項2記載のケーシング結合構造。
  4. 前記締結リングは、その外周面が前記嵌合凹部の中心軸に対し平行な面をもつ非テーパ面であり、前記嵌合凹部の内周面も前記嵌合凹部の中心軸に対し平行な面をもつ非テーパ面である
    ことを特徴とする請求項2または3記載のケーシング結合構造。
  5. 前記ボルトは、前記内側インロー部の底付き穴に設置される部材であって、その軸部先端に被係止部が形成されており、
    前記ナットは、前記外側インロー部の貫通孔に挿入される部材であって、その座面と反対側に位置する上面側に被係合部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2、3または4記載のケーシング結合構造。
  6. 前記嵌合凹部の開口端には、内側に向けて突出した係合突起が形成されている
    ことを特徴とする請求項2、3、4または5記載のケーシング結合構造
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