JP6856221B2 - 創傷治癒促進シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、創傷治癒促進シート及びその製造方に関する。
創傷の治療法として、従来より乾燥療法と湿潤療法が知られている。乾燥療法は創傷部位を乾燥させるものであり、一方、湿潤療法は創傷部位を湿潤状態に維持する。一般に湿潤療法の方が、乾燥療法よりも治療が早いとされている。
また医療用の創傷被覆材としては、フィルム型、フォーム型、ハイドロコロイド型、ハイドロゲル型等が知られている。この内、湿潤療法にはハイドロコロイド型とハイドロゲル型が適している(商品名キズパワーパッド等)。しかしながら従来のハイドロゲル型では、湿潤環境を保持することは可能であるものの、それ自体に治癒促進効果は備えていない。
一方、キチンやその誘導体は創傷治癒効果を有するため、創傷被覆材として使用されている(例えば特許文献1〜3)。本願発明者らは、表面脱アセチル化キチンナノファイバー(SDACNF)で皮膚の上皮化ならびに真皮層の膠原繊維増殖を効果的に誘導し、創傷の治癒を促進する効果を確認した(特許文献4)。
しかしながら、キチンやその誘導体は、生体pH域では難水溶性であるため、その利用は乾燥製材に限られ(商品名ベスキチン等)、湿潤療法では利用されていなかった。また治癒過程において細胞との癒着を起こすため、創傷被覆材の交換時に癒着した細胞を剥離せねばならず、疼痛が生じると共に、組織に損傷を生じる課題もあった。すなわち、折角創傷治癒効果によって再生された生体組織が、乾燥製材と癒着してしまう結果、再生された生体組織が乾燥製材の交換時に破損されてしまい、却って損傷を生じるという問題があった。
特開2002−219143号公報 特許4263871号公報 特許3409971号公報 特開2016−117679号公報
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、剥離の際に生じる生体組織の癒着を抑制して細胞を損傷することを低減した創傷治癒促進シート及びその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、シート状の不織布を含む担持層と、前記担持層に担持された、キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーと、該キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの凝集を阻止する凝集阻止材とを含むーティング層とを備え、前記凝集阻止材がグリセロールであり、前記コーティング層が、ゲル状であり、前記不織布を用いて前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを湿潤状態に保持しつつ、創傷部位にこれらを適用できるよう構成することができる。上記構成により、創傷治癒材として有用なキチン又はキチン誘導体のナノファイバーを、凝集しないナノファイバーの状態に維持して比表面積を増し、創傷治癒効果を高めて創傷部位に適用できる。特に不織布を用いてナノファイバーを湿潤状態に保持しつつ、創傷部位にこれらを適用できるため、ハンドリングが向上し創傷の治癒に好適となる。
また、本発明の第2の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記構成に加えて、前記担持層が、レーヨン、キュプラ又は合成繊維を含むことができる。
さらに、本発明の第3の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、前記担持層が、ポリオレフィン系合成繊維を含むことができる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの数平均繊維径が2nm〜300nmとすることができる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを、物理解繊されたものを利用できる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、前記凝集阻止材にグリセロールを含むことができる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、さらに前記担持層の、前記コーティング層を担持した面を被覆する基材を備えることができる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートによれば、上記何れかの構成に加えて、前記基材を、合成繊維紙、剥離紙、剥離フィルムのいずれかとすることができる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、溶媒にキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させた分散液と、該分散液中のキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーの凝集を阻止する集阻止材とを混合したコーティング液を、シート状の基材の上に塗布する工程と、前記基材に塗布した前記コーティング液から、前記溶媒の全部又は一部を除去して湿潤状態としたゲル状のコーティング層を形成する工程とを含み、前記溶媒は水であり、前記凝集阻止材はグリセロールである。これにより、創傷治癒材として有用なキチン又はキチン誘導体のナノファイバーを、凝集しないナノファイバーの状態に維持して比表面積を増し、創傷治癒効果を高めて創傷部位に適用できる。
さらにまた、本発明のの形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記何れかの構成に加えて、前記コーティング層を形成する工程が、前記基材に塗布した前記コーティング液を乾燥させて、前記溶媒の全部又は一部を揮発させる工程を含むことができる。
さらにまた、本発明のの形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、前記基材に前記コーティング液を塗布した後、乾燥させる前に、前記基材の前記コーティング液の塗布した面に、シート状の不織布を含む担持層を配置する工程を含むことができる。これにより、安価な不織布を用いて凝集阻止材とナノファイバーの混合液を湿潤状態に保持しつつ、創傷部位にこれらを適用できるため、ハンドリングが向上し創傷の治癒に好適となる。
さらにまた、本発明の第の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに前記コーティング液を前記基材に塗布する工程の前に、物理解繊した前記キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを準備する工程を含むことができる。
さらにまた、本発明の第10の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに前記コーティング層を形成する工程に続いて、前記基材を剥離する工程を含むことができる。
さらにまた、本発明の第11の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させた溶媒と、該溶媒中のキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーの凝集を阻止する集阻止材とを混合したコーティング液を、シート状の不織布を含む担持層に塗布する工程と、前記コーティング液を乾燥させ、湿潤状態とすると共に、前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護する工程とを含み、前記溶媒は水であり、前記凝集阻止材はグリセロールである
さらにまた、本発明の第12の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記において、前記コーティング液を乾燥させた後に、前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護する
さらにまた、本発明の第13の形態に係る創傷治癒促進シートの製造方法によれば、上記において、前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護した後に、前記コーティング液を乾燥させる。
本発明の一実施形態に係る創傷治癒促進シートを示す模式断面図である。 本発明の他の実施形態に係る創傷治癒促進シートを示す模式断面図及び要部拡大断面図である。 図3A〜図3Dは本発明の一実施形態に係る創傷治癒促進シートの製造工程を示す模式図である。 図4A〜図4Cは本発明の一実施形態に係る創傷治癒促進シートの各製造工程を具体的に示す斜視図、底面図である。 変形例に係る創傷治癒促進シートを示す底面図である。 図6Aはマウスの切開創を示す写真、図6Bは図6Aの切開創に創傷治癒促進シートを配置した状態を示す写真、図6Cは図6Bの創傷治癒促進シートをラップとテープで固定した状態を示す写真、図6Dは動物実験のスケジュールを示すタイムラインである。 修復率の評価方法を示す模式図である。 実施例1〜3に係る創傷治癒促進シートを用いたマウス試験の創傷面積を示すグラフである。 比較例1、実施例3〜4に係る創傷治癒促進シートを用いたマウス試験の創傷面積を示すグラフである。 図10Aは実施例4、比較例2〜4に係る切開創の3日目の修復率、図10Bは6日目の修復率を、それぞれ示すグラフである。 図11Aは3日目に創傷治癒促進シートを交換した際の、実施例1の切開創、図11Bは比較例2の切開創の切開創を、それぞれ示す写真である。 図12A〜図12Dは実施例4、比較例2〜4の切開創を低倍率でそれぞれ表示させた光学顕微鏡画像である。 図13A〜図13Dは実施例4、比較例2〜4の切開創を高倍率でそれぞれ表示させた光学顕微鏡画像である。 治癒のメカニズムを示す表である。 図15Aは実施例5〜7に係る創傷治癒促進シートを用いたマウス試験の3日目の修復率、図15Bは6日目の修復率を、それぞれ示すグラフである。 実施例5〜7に係る不織布の吸水率の測定結果を示すグラフである。 図17Aは比較例5に係る担持層のレーヨン不織布の光学顕微鏡写真、図17Bは実施例7に係るコーティング層を塗布した担持層のレーヨン不織布の光学顕微鏡写真である。 図18Aは比較例5に係るレーヨン不織布のSEM写真、図18Bは実施例7に係るレーヨン不織布のSEM写真、図18Cは図18Bの枠で囲んだ領域の拡大写真である。 図19Aは実施例7、比較例5〜6の、3日目の修復率、図19Bは6日目の修復率を、それぞれ示すグラフである。 図20Aは正常な皮膚細胞、図20Bは比較例5、図20Cは比較例6、図20Dは実施例7の、14日目に採取した創傷部の皮膚細胞を、それぞれHE染色した光学顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための創傷治癒促進シート及びその製造方法を例示するものであって、本発明は創傷治癒促進シート及びその製造方法を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本実施形態に係る創傷治癒促進シートは、従来、乾燥療法でしか利用されていなかったキチンやその誘導体を、湿潤化させることで治癒促進効果を高め、かつ癒着による細胞の剥離を回避させたものである。すなわち、キチンやその誘導体をナノファイバー化し、さらにキチンナノファイバーやキチン誘導体ナノファイバーの凝集を阻止するよう凝集阻止材を混合することで、ナノファイバーの状態を維持してキチンやその誘導体の比表面積を高めて創傷治癒効果を発揮させつつ、さらにこれを担持する担持層にシート状の不織布を利用することで、湿潤状態を維持しつつ創傷部位への適用を容易にしてハンドリング性を高め、実用的な創傷治癒促進シートを得ることに成功したものである。
創傷治癒促進シートの模式断面図を図1に示す。この図に示す創傷治癒促進シート100は、担持層20と、担持層20で担持されるゲル状のコーティング層10を備える。担持層20は、シート状の不織布を含む。コーティング層10は、キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーと、凝集阻止材とを含む。
(担持層20)
担持層20を構成する不織布は、天然繊維や合成繊維が利用できる。天然繊維としては、セルロース系の繊維、例えばレーヨンやキュプラが利用できる。一方合成繊維は、例えばポリオレフィン系合成繊維が好適に利用できる。本発明者らが行ったマウスによる動物実験によれば、レーヨンが最も好適な治癒効果を発揮した。
また担持層20を構成する不織布の繊維の繊維径は、担持するキチンナノファイバーの繊維径等を考慮して、例えば0.3μm〜88μmとする。特に13〜17μmとすることが好ましい。これにより、キチンナノファイバー等を効果的に担持することができる。
(キチン誘導体)
キチン誘導体は、キトサン又は表面キトサン化キチンが好適に利用できる。さらにキチンナノファイバーやキチン誘導体ナノファイバーの数平均繊維径を、2nm〜300nmとすることが好ましい。
(凝集阻止材)
凝集阻止材は、生体pH域では難水溶性のキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーが溶媒中で凝集することを阻止するため、これらを分散させた状態に維持するための部材である。一般にキチンナノファイバー等は水との馴染みが非常によく、またキチンナノファイバー同士の馴染みもよい。このためキチンナノファイバー等をそのまま乾燥させると、凝集してナノファイバーの状態を維持できない。そこで、凝集阻止材を混合して、乾燥時にもナノファイバーの状態が維持されるようにしている。このような凝集阻止材としては、分散剤や湿潤化剤が利用できる。また凝集阻止材は、後述するようにキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させる溶媒を揮発させる際に残存するよう、この溶媒よりも沸点の高い材質とする。例えば溶媒として水を用いる場合は、凝集阻止材を水よりも沸点の高い液体とする。このような凝集阻止材としては、多価アルコール類、軟膏類等が利用できる。中でもグリセロールを含むことが好ましい。
このような創傷治癒促進シートとすることで、創傷治癒材として有用なキチン又はキチン誘導体のナノファイバーを、凝集しないナノファイバーの状態に維持して比表面積を高めることで創傷治癒効果を発揮させることができる。また不織布を担持層に用いることで、凝集阻止材と混合されたキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーの湿潤状態を保持でき、創傷治癒効果と生体組織癒着防止効果を発揮できる。さらにシート状の不織布としたことで創傷部位に適用し易くなり、ハンドリングを向上した創傷被覆材として好適に利用できる。
なお図1の例では説明のため、担持層20の一面にコーティング層10を塗布した二層構造の創傷治癒促進シート100を示しているが、これら担持層とコーティング層とは必ずしも明確な層状に分かれていることは要せず、担持層にコーティング層が担持された状態であれば足りる。すなわち後述するように、担持層を構成する不織布の繊維に、コーティング液を塗布してコーティング層を形成する場合は、図2の要部拡大断面図に示すように、担持層20の不織布繊維21の表面にコーティング層10Bが形成されているような態様となる。このような、微視的に担持層を構成する繊維の表面にコーティング層が形成されている態様も、本発明でいう担持層に担持されたコーティング層に含むものとする。
(創傷治癒促進シート100の製造方法)
次に創傷治癒促進シート100の製造方法を、図3A〜図3D及び図4A〜図4Cに基づいて説明する。まず図3Aに示すように、シート状の基材30を用意する。基材30には、後述するコーティング液10’を含浸しない疎水性の材質、例えばPET、PP、PE、PMP、PTFE、PVDF等の樹脂製のシート、或いは紙やフィルムにシリコーンやフッ素コートしたシートが好適に利用できる。また基材30は、後述するように工程紙として必要に応じて破棄される。
次に図3Bに示すように、基材30の上面にコーティング液10’を塗布する。コーティング液10’は、キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させた溶媒と、この溶媒中のキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーの凝集を阻止する凝集阻止材とを混合した複合スラリーである。溶媒には、水や有機溶媒等、キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させ易い液体が利用できる。
キチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーは、溶媒に分散させる前に予め物理解繊しておく。例えばキチン粉末を水等の溶媒に混ぜて、グラインダ等により粉砕処理する。
また、コーティング液10’におけるキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーを分散させた溶媒と、凝集阻止材との比率は、ナノファイバーの濃度を1wt%とする分散液の場合、100:99〜900:1とする。好ましくは、50:15とする。これによってキチン又は誘導体のナノファイバーをほぼ均一に分散させることができる。またゲル状としたキチンナノファイバー等は加工性が容易で、様々な材質に均一に塗布、配合し易くできる。なお乾燥後に得られるキチンナノファイバー又はキチン誘導体ナノファイバーと凝集阻止材との比率は、1:99〜90:10とすることが好ましい。
さらに、コーティング液10’の塗布量は、担持層20に対して1m2あたり0.5g以上、好ましくは1〜30g塗布する。
コーティング液10’の塗布には、例えば図4Aに示すようにバーコータBTが利用できる。バーコータBTは、棒状体の表面にワイヤを巻き付けており、このワイヤ間に塗布液を保持することで、塗布量をコントロールできる。その他の塗布方式としてはロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、カーテンコーター、ファウンテンコーター、キスコーター、スクリーンコーター、押出コーター等にて塗布することができる。
次に図3Cに示すように、基材30のコーティング液10’を塗布した面に、担持層20を配置して、担持層20にコーティング液10’を担持させる。担持層20は、図4Bに示すように、基材30とほぼ等しい大きさとする。基材30と担持層20とでコーティング液10’を挟み込むようにして、担持層20の不織布にコーティング液10’を含浸させる。
そしてこの状態でコーティング液10’から、溶媒の全部又は一部を除去してコーティング層10を形成する。ここでは、コーティング液10’を脱水させて、溶媒の全部又は一部を揮発させる。例えば加熱によって溶媒の水を蒸発させて乾燥させる。これにより、キチンや誘導体のナノファイバーと、凝集阻止材とを残し、ナノファイバーを凝集しない状態に維持したまま担持層20に担持することが可能となる。これにより、図4Cの底面図に示すような創傷治癒促進シート100が得られる。
そして創傷治癒促進シート100の使用時には、図3Dに示すように基材30を剥離して、コーティング層10側が創傷の部位を被覆するように適用する。この基材30は、最終的には剥離して破棄される剥離シートとして機能する。必要に応じて、テープやガーゼを用いて創傷治癒促進シート100を、創傷部位を覆う状態に固定する。また、図5の底面図に示す変形例に係る創傷治癒促進シート200のように、予め担持層20のコーティング層10を設けた面側の周囲に、粘着層22を設けておき、基材30を剥離して粘着層22でもって創傷部位の周囲に貼付するように構成してもよい。この構成であれば、別途テーピングを行う手間を省力化できる。なお、創傷部位に貼付する際、粘着層が創傷部位に触れないように留意し、創傷部位を避けてその周囲に貼付するようにすることで、創傷治癒促進シートの剥離時に細胞を傷付ける事態を回避できる。
以上は、剥離する基材に対してコーティング液を塗布する方法について説明した。ただ本発明はこの方法に限らず、他の方法で、キチンナノファイバーやキチン誘導体ナノファイバーを分散させた溶媒と凝集阻止材を混合したコーティング液を創傷治癒促進シートに塗布することもできる。例えば、コーティング液を担持層に直接塗布し、乾燥させた後に、剥離シートや剥離紙で保護することもできる。あるいは、コーティング液を担持層に塗布し、剥離シート等を被覆した上で乾燥させてもよい。また剥離シートは、合成繊維紙、剥離紙、剥離フィルム等が使用できる。例えばPET紙が、剥離シートとして好適に利用できる。
このように、生体に有害な添加剤を使用せず、創傷治癒材として有用なキチン又はキチン誘導体をナノファイバーの状態に維持して比表面積を増し、創傷治癒効果を高めて創傷部位に適用できる。またゲル状として湿潤状態を維持することで上皮化された細胞との癒着を回避し、創傷治癒促進シートの交換時に表皮の細胞が剥離されて破損される事態を回避できる。
なお、本明細書でいう創傷治癒促進シートとは、大きめに予めカットされたシート状の創傷治癒促進材を、使用時おいて利用者が創傷の大きさに応じて適宜カットして使用する態様の他、絆創膏のように予め所定の大きさに形成され、使用時には基材を剥離して使用する態様のものも包含する。すなわち、絆創膏状に切り出す前の中間製品乃至半完成品である大きめのシート、及びこのシートを切り出した小さめのシートのいずれも、本明細書でいう創傷治癒促進シートに包含する。
(実施例1)
次に、本発明の有用性を確認すべく、創傷治癒促進シートを試作し、マウスに対して動物実験を行った結果を、以下図6A〜図6Dに基づいて説明する。ここでは、図6Aに示すようにマウスの背中に3cm×2cmの切開創を作製し、この上に図6Bに示すように創傷治癒促進シート100を置き、さらに図6Cに示すように創傷治癒促進シート100の上からテガダーム(ラップ)RPで覆ってテープTPで固定した。この状態で図6Dに示す試験スケジュールにて、3日おきに創傷治癒促進シートを交換して創傷部の面積を測定し、14日目に切開創を採取した。n数は3とした。
まず、実施例1に係る創傷治癒促進シートを作製した。ここではキチンナノファイバーを水溶媒中に分散させ、凝集阻止材であるグリセロールと50:15で混合してコーティング液を調整し、基材としてPET紙に、水分を除去した状態で1m2あたり3.0gとなるように塗布して、担持層としてレーヨンの不織布に担持させ、30分間、105℃の恒温槽中で乾燥させて創傷治癒促進シートを得た。なお、用いたキチンナノファイバーの繊維径は10nm〜20nmの分布を有し、不織布の繊維径は13μm〜17μmの分布を有し、シートのサイズはA4である。また創傷の修復率の評価に際しては、図7に示すように、切開創の作製時(0日目)の創傷面積と、日数(X日目)経過後の創傷面積との比率から、次式の修復率を計算し、比較の指標とした。
[数1]
修復率[%]={1−((X日目の創傷面積)/(0日目の創傷面積))}×100
(実施例2〜3)
次に実施例1〜3に係る創傷治癒促進シートにおいて、コーティング液の塗布量を変化させて創傷面積を調べた結果を、図8のグラフに示す。ここでは実施例2としてコーティング液の塗布量を、水分を除去した状態でそれぞれ担持層1m2あたり1.2g、実施例3として25gとなるよう、創傷治癒促進シートを作製して、上記実施例1等と同様にマウスの動物実験を行い、切開創の創傷部の面積変化を調べた。この結果、実施例1の塗布量3gが9日目まで創傷面積の減少が速く、良好な結果を示した。
(比較例1、実施例4)
さらに、凝集阻止材の有無によってキチンナノファイバー等の創傷治癒効果に違いが生じるかを確認する試験を行った。ここでは比較例1として、凝集阻止材を用いずにキチンナノファイバーを水溶媒に分散させてコーティング液を調整し、25gを合成繊維であるポリオレフィン系の不織布に担持して創傷治癒促進シートを作製した。一方、実施例4として、表面をキトサン化したナノファイバーである表面キトサン化キチンナノファイバーを水溶媒に分散させ、凝集阻止材としてグリセロールと50:15で混合してコーティング液を調整した。このコーティング液は、水分を除去した状態で1m2あたり3gとなるよう塗布している。また担持層は、レーヨンの不織布を用いた。担持層にコーティング液を塗布し、30分間、105℃恒温槽中で乾燥させて創傷治癒促進シートを得た。これら比較例1、実施例3、4の創傷治癒促進シートを用いてマウスの動物実験を行った結果を図9のグラフに示す。この図に示すとおり、凝集阻止材を使用しなかった比較例1に対して、実施例3〜4はいずれも良好な治癒効果を示した。
(比較例2〜4)
一方で比較例2〜4として、既存の創傷被覆材として市販品を3種類用意して、実施例4と創傷治癒効果を比較した。ここでは比較例2として、キチンを不織布に加工した乾燥式の創傷被覆保護材であるニプロ株式会社製ベスキチン(商品名)W、比較例3としてアルギン酸カルシウムをゲル化して不織布に塗布したアルケア株式会社製ソーブサン(商品名)、比較例4としてコンバテックジャパン株式会社製アクアセルフォーム(商品名)を、それぞれ用いた。なお、比較例1はキチンを含むもののキチンナノファイバーでなく、また湿潤療法とは異なる。また比較例3、4はいずれも創傷を湿潤状態(ドレッシングと呼ばれる)に被覆するのみで、それ自体にキチンのような創傷の治癒効果は備えていない。
得られた3日目の修復率を図10Aに、6日目の修復率を図10Bに、それぞれ示す。これらのグラフに示すように、実施例4は比較例のいずれに対しても高い修復率を示しており、創傷治癒効果に優れることが確認された。また、3日目に創傷治癒促進シートを交換した際の、実施例1、比較例2の切開創の写真を、図11A、図11Bに、それぞれ示す。各写真から明らかなとおり、実施例1では創傷治癒促進シートを剥がしても創傷治癒促進シート側には殆ど細胞の剥離が確認されず、シート交換時の損傷が少ないことが確認された。これに対して比較例2では、シートが創傷部に癒着しており、剥離によって創傷部に損傷が生じていることが確認された。このように実施例1によれば既存品に比べ疼痛の緩和効果に優れていることが裏付けられた。
次に14日目に切開創を採取して、皮膚断面の細胞のHE染色を行い、治癒効果の組織学的評価を行った結果を図12A〜図13Dに示す。図12A〜図12Dは実施例4、比較例2〜4の切開創を低倍率(スケールバー400μm)で表示させた光学顕微鏡画像を、図13A〜図13Dは実施例4、比較例2〜4の切開創を高倍率(スケールバー200μm)で表示させた光学顕微鏡画像を、それぞれ示している。なお参考のため、治癒のメカニズムを図14の表に示す。この図に示すとおり、受傷後の治癒の過程は、主に炎症期(0〜4日)、増殖期(4日〜2週間)、再構築期(2〜数ヶ月)に分けられる。また、肉芽形成、血管、上皮形成のそれぞれについて、特徴的な所見が認められる。ここでは14日目に切開創を採取することから、主に増殖期での上皮形成と肉芽形成に注目する。
まず図12A〜図12Dに示す低倍率の光学顕微鏡画像から、主に表皮について検討すると、実施例4では比較的厚い表皮の形成が確認された。一方で比較例3では組織に多くの残留物が確認された。また比較例4では殆ど表皮形成がなされていなかった。次に図13A〜図13Dの高倍率の光学顕微鏡画像から、主に肉芽組織について検討すると、まず実施例4では比較的表皮細胞が遊走されており、また肉芽組織に関しても良好であった。一方、比較例2では炎症細胞の浸潤が強かった。また比較例3では残留物の影響からか、肉芽組織の形成が良好ではなかった。なお比較例3では、肉芽組織についてはまずまずと認められた。
(実施例5〜7)
次に、担持層の材質を変化させた場合の創傷治癒効果を確認する試験を行った。ここでは実施例5として、担持層に合成繊維の不織布を用いた。その他の条件は上記実施例と同様、キチンナノファイバーを水溶媒に分散させて凝集阻止材であるグリセロールと50:15で混合してコーティング液を調整し、基材としてPET紙に、水分を除去した状態で1m2あたり3gとなるよう塗布し、合成繊維の不織布に担持させ、30分間、105℃恒温槽中で乾燥させて創傷治癒促進シートを得た。また実施例6として、担持層にキュプラの不織布を用いた以外は実施例5と同じ条件にて創傷治癒促進シートを得た。さらに実施例7として、担持層にレーヨンの不織布を用いた以外は実施例5と同じ条件にて創傷治癒促進シートを得た。これら実施例5〜7の創傷治癒促進シートを用いてマウスの動物実験を行い、修復率を測定した結果を図15A、図15Bのグラフに示す。これらの図において、図15Aは3日目の修復率を、図15Bは6日目の修復率を、それぞれ示している。これらの図に示すとおり、レーヨンの不織布を担持層に用いた方が、合成繊維やキュプラの不織布と比べ、修復率が高いことが確認された。
さらに不織布の吸水率を調べた。ここでは不織布として合成繊維、キュプラ、レーヨンをそれぞれ2cm×3cmの大きさにカットし、蒸留水に24時間含浸し、吸収前の重量Wと吸収後の重量W’から、吸水率を次式で求めた。
[数2]
吸水率[%]=(W’−W)/W×100
この結果を図16のグラフに示す。なお、n数は5とし、また合成繊維不織布との比較でp<0.01であった。このグラフから、レーヨンの不織布について吸水率が高いことが判明した。よって創傷部から滲み出す過剰な滲出液を吸収する能力が高く、この点においてもレーヨン製不織布を用いた担持層が好適であることが確認された。
(比較例5〜6)
最後に、キチンナノファイバーとグリセロールの組み合わせによる創傷治癒効果を検証すべく、キチンナノファイバーの水溶媒に分散させてグリセロールの凝集阻止材と混合して、レーヨン不織布に担持させた上記実施例7と、レーヨン不織布のみを用いた比較例5、及びレーヨン不織布にグリセロールのみを配合した比較例6を作成し、修復率を調べた。ここでは、実施例7ではグリセロールを10g/m2、キチンナノファイバー分散液を0.4g/m2、レーヨン不織布の担持層に塗工した。なおグリセロール10gと1重量%のキチンナノファイバー分散液を40g混合したので、比率は1:4とした。また比較例6では、グリセロールのみを10g/m2、レーヨン不織布の担持層に塗工した。ここで、比較例5に係る担持層のレーヨン不織布と、実施例7に係る、コーティング層を塗布した担持層のレーヨン不織布の光学顕微鏡写真を、それぞれ図17A、図17Bに示す。これらの対比から明らかなとおり、実施例6に係るレーヨン不織布では、レーヨン繊維の表面に繊維状のものが付着されている様子が確認できた。さらに比較例5に係るレーヨン不織布のSEM写真を図18Aに、実施例7に係るレーヨン不織布のSEM写真を図18Bに、図18Bの枠で囲んだ領域の拡大写真を図18Cに、それぞれ示す。これらの図から明らかなとおり、実施例7では担持層のレーヨン不織布の表面に付着されたキチンが、ナノファイバーの形状を維持していることが確認された。
さらに、これら実施例7、比較例5〜6の、3日目の修復率を図19A、6日目の修復率を図19Bのグラフに、それぞれ示す。これらの図から明らかなとおり、キチンナノファイバーとグリセロールの組み合わせによって高い修復率を得ていることが確認できた。さらに創傷治癒の組織学的評価を行うため、14日目に採取した創傷部の皮膚細胞をHE染色した光学顕微鏡写真を図20A〜図20Dに示す。これらの図において、図20Aは正常な皮膚細胞、図20Bは比較例5、図20Cは比較例6、図20Dは実施例7の、14日目に採取した創傷部の皮膚細胞の、HE染色した光学顕微鏡写真をそれぞれ示している。図20Aに示すように正常な皮膚では表皮と真皮が形成されているところ、比較例5では表皮が確認されず、また比較例6では表皮がわずかに止まっている。これに対し図20Dの実施例7では明確な表皮の再生が確認され、創傷治癒効果が発現しているといえる。
以上から、レーヨン不織布が担持層として好適であり、またキチンナノファイバーを配合した創傷被覆材とすることで創傷治癒促進シートとして利用できることが確認された。また、表皮の組織を再生でき、創傷部を速やかに閉塞できる早期の細胞再生に優れること、さらに癒着を低減することで創傷治癒促進シートの交換に伴う損傷を抑制し、疼痛の緩和も得られることが確認された。さらにこの創傷治癒促進シートであれば、人体に有害な成分もなく、長期保存も可能で、シート状としたことでハンドリングが向上され、低コストとできるなどの利点も得られる。
本発明の創傷治癒促進シート及びその製造方法は、キチンナノファイバーやキチン誘導体ナノファイバーを用いた湿潤療法として創傷の治癒を促進するシートとして好適に利用できる。
100、200…創傷治癒促進シート
10、10B…コーティング層;10’…コーティング液
20…担持層
21…不織布繊維
22…粘着層
30…基材
BT…バーコータ
RP…テガダーム(ラップ)
TP…テープ

Claims (13)

  1. シート状の不織布を含む担持層と、
    前記担持層に担持された、キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーと、該キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの凝集を阻止する凝集阻止材とを含むーティング層と、を備え、
    前記凝集阻止材がグリセロールであり、
    前記コーティング層が、ゲル状であり、前記不織布を用いて前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを湿潤状態に保持しつつ、創傷部位にこれらを適用できるよう構成されている創傷治癒促進シート。
  2. 請求項1に記載の創傷治癒促進シートであって、
    前記担持層が、レーヨン、キュプラ又は合成繊維を含む創傷治癒促進シート。
  3. 請求項1又は2に記載の創傷治癒促進シートであって、
    前記担持層が、ポリオレフィン系合成繊維を含む創傷治癒促進シート。
  4. 請求項1〜の何れか一項に記載の創傷治癒促進シートであって、
    前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの数平均繊維径が2nm〜300nmである創傷治癒促進シート。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の創傷治癒促進シートであって、
    前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーが、物理解繊されてなる創傷治癒促進シート。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の創傷治癒促進シートであって、さらに、
    前記担持層の、前記コーティング層を担持した面を被覆する基材を備えてなる創傷治癒促進シート。
  7. 請求項に記載の創傷治癒促進シートであって、
    前記基材が、合成繊維紙、剥離紙、剥離フィルムの何れかである創傷治癒促進シート。
  8. 創傷治癒促進シートの製造方法であって、
    媒にキチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを分散させた分散液と、該分散液中のキチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの凝集を阻止する集阻止材とを混合したコーティング液を、シート状の基材の上に塗布する工程と、
    前記基材に前記コーティング液を塗布した後、前記溶媒の全部又は一部を除去する前に、前記基材の前記コーティング液の塗布した面に、シート状の不織布を含む担持層を配置する工程と、
    前記基材に塗布した前記コーティング液から、前記溶媒の全部又は一部を除去して、残存する凝集阻止材で湿潤状態としたゲル状のコーティング層を形成する工程と、
    を含み、
    前記溶媒は、水であり、
    前記凝集阻止材は、グリセロールである創傷治癒促進シートの製造方法。
  9. 請求項に記載の創傷治癒促進シートの製造方法であって、さらに、
    前記コーティング液を前記基材に塗布する工程の前に、物理解繊した前記キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを準備する工程を含む創傷治癒促進シートの製造方法。
  10. 請求項又はに記載の創傷治癒促進シートの製造方法であって、さらに、
    前記コーティング層を形成する工程に続いて、前記基材を剥離する工程を含む創傷治癒促進シートの製造方法。
  11. 創傷治癒促進シートの製造方法であって、
    キチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーを分散させた媒と、該溶媒中のキチンナノファイバー又は表面キトサン化キチンナノファイバーの凝集を阻止する集阻止材とを混合したコーティング液を、シート状の不織布を含む担持層に塗布する工程と、
    前記コーティング液から、前記溶媒の全部又は一部を除去して、残存する凝集阻止材で湿潤状態とし、前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護する工程と
    を含み、
    前記溶媒は、水であり、
    前記凝集阻止材は、グリセロールである創傷治癒促進シートの製造方法。
  12. 請求項11に記載の創傷治癒促進シートの製造方法であって、
    前記コーティング液を乾燥させた後に、前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護する創傷治癒促進シートの製造方法。
  13. 請求項11に記載の創傷治癒促進シートの製造方法であって、
    前記担持層の表面を、剥離可能な剥離シートで保護した後に、前記コーティング液を乾燥させる創傷治癒促進シートの製造方法。
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