以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15と、前面枠体14の右側に回動可能に軸支されたサイド表示ユニット600とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
内枠12の右側の上部及び下部には、サイド表示ユニット600を回動可能に軸支するための上部軸部610aと下部軸部610bがそれぞれ設けられている。サイド表示ユニット600は、内枠12の右側に回動可能に固定され、タッチパネル式の液晶表示装置で構成されたサイド表示装置901を有している。このサイド表示装置901は、縦長の表示領域を有しており、遊技者が画面をタッチ操作することで、入力操作が可能に構成されている。詳細については、後述するが、このサイド表示ユニット901には、パチンコ機10の大当たり確率等のスペック情報や、表示する言語を切り替えるための設定画面等が表示される。
遊技者は、後述する遊技盤13の第3図柄表示装置81に表示される表示情報とサイド表示装置901に表示される情報とをそれぞれ認識することで、遊技に関する多種多様な情報を得ることができ、パチンコ機10から多くの情報を得ながら遊技を行うことができる。
なお、サイド表示ユニット600は、前後方向に回動可能に軸支されているので、遊技店でパチンコ機10を島設備に並べて設置した場合にも、隣接するパチンコ機10の前面枠14や内枠12の開放を行う時に、サイド表示ユニット600がその開放動作を妨げるのを防止できるように構成されている。
なお、本実施形態では、サイド表示ユニット600は、回動可能に構成したが、前面枠14に固定されるように構成してもよい。この場合には、前面枠14の外形よりサイド表示ユニット600がはみ出さないように前面枠14に固定される。具体的には、窓部14cの外周に設けられた電飾部33の位置にサイド表示ユニット600が配置される。また、電飾部33の形状を前面側にせり出すように突出させて、その突出させた突出部の内側にサイド表示ユニット600(サイド表示装置901)を固定させるようにすることで、サイド表示ユニット600を配置するスペースを大きくでき、大型な表示領域で構成されたサイド表示装置901を配置することができる。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が4回または16回(4ラウンドまたは16ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりC」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)に移行する。「大当たりA」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次の大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態)へ移行する。一方、「大当たりC」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の変動が100回するまでの期間で「普通図柄の時短状態」へ移行する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態(通常遊技状態)」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間を確変遊技状態と称す。一方、特別図柄の低確率状態になっている期間を通常遊技状態と称す。さらに、通常遊技状態中の普通図柄の時短状態である期間を時短遊技状態と称す。なお、上記した「普通図柄の時短状態」は、確変状態である場合に必ず設定され、低確率状態である場合には、時短遊技状態である場合にのみ設定される。
「大当たりB」、「大当たりD」になるといずれも、ラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4R大当たり)に移行する。「大当たりB」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から次の大当たりまでの期間、確変遊技状態に移行する。一方、「大当たりD」である場合には、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄が100回変動するまでの期間、時短遊技状態が付与される。
また、本実施形態では、特別図柄の大当たりとなった場合に、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄(特別図柄)からは大当たりの種別を判別することが困難となっている。よって、遊技者は、16Rの大当たりであるか、4ラウンドの大当たりであるかの識別が困難となっており、4ラウンド以降も大当たり遊技が継続するか否かについて、大当たり遊技中も興味を持って遊技を行うことができる。また、大当たり遊技の大当たり種別には、4ラウンド大当たりと16ラウンド大当たりが設定されており、4ラウンド目に大当たり遊技の継続がされるか否かの分岐点があることを示す報知態様がサイド表示装置901に表示されるように構成されている。このように構成することで、第3図柄表示装置81において、大当たり時(第3図柄をぞろ目で停止表示させた時)に大当たり種別の報知をせずに、大当たり遊技を開始して、4ラウンド目に大当たり遊技が継続するか否かの演出が第3図柄表示装置81で表示されても、遊技者が何を意味する演出であるかが分からずに困惑する不具合を抑制できる。従って、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、4ラウンドと16ラウンドとの大当たり種別を設定したが、それに限らず、3ラウンドや7ラウンド等の大当たり種別を適宜設定して、遊技者が大当たり遊技におけるラウンドが継続する否かに興味を持つ機会を増やすことができる。なお、本実施形態では、最大のラウンド数は16ラウンドとしたがそれに限らず、16ラウンドより多いラウンド数としてもよい。さらに、本実施形態では、1ラウンド毎に、特定入賞口65aを1度開放する構成としたが、それに限らず、1ラウンドのうちに、複数回開放するように構成して、遊技者にラウンドの切り替わりタイミングが分かり難く構成してもよい。この場合には、第3図柄表示装置81では、現在のラウンド数の報知は行わず、遊技者は大当たり遊技(特定入賞口65aを開放した遊技)がより長く続くことを期待して遊技を行うように仕向けることができる。このような構成にした場合には、サイド表示装置901により1ラウンドに複数回の開放が行われていることを示す説明を行うことで、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA〜D」であれば、「0〜9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
ここで、小領域Ds2で表示されるキャラクタの服の色や模様により、変動中の特別図柄の抽選結果が大当たりとなる期待度が報知される構成となっている。通常は、服の色は白色であり、青色、赤色、迷彩柄(黒と白の迷彩柄)の順で大当たりの期待度が高くなるように設定されている。また、迷彩柄である場合には、特別図柄の変動パターンとしてスーパーリーチかスペシャルリーチ(図12(b)〜(d)参照)のどちらかの変動パターンが選択されていることが遊技者に報知される図柄として設定されている。さらに、言語設定で日本語以外が設定されている場合には、迷彩柄に替えてその言語に対応する国の国旗柄の模様が設定される。これにより、外国人であっても、大当たりの期待度が高い事が容易に認識できる。さらに、キャラクタが表示された場合に、サイド表示装置901で服の色、模様による大当たりの期待度をパーセント表示して解説する表示態様を表示することで、さらに分かり易く遊技者に報知することができる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図5(a)を参照して、サイド表示装置901で表示される言語設定表示態様(言語設定画面)について説明する。サイド表示装置901は、タッチパネル式の液晶表示装置で構成されており、後述するパチンコ機10に設けられたサブ表示制御装置900により表示制御されるように構成されている。サイド表示装置901で表示される表示態様の一つには、パチンコ機10で使用される言語を設定するための言語設定表示態様(図5(a)参照)が設定されている。
この言語設定表示態様は、通常時に常にサイド表示装置901に表示されている言語切替のアイコン901e(図5(b)参照)を遊技者が押下した場合と、電源投入時の初期設定において、デフォルトの言語設定(本実施形態では、日本語)に設定された場合に表示されるように設定されている。図5(a)に示すように、言語設定表示態様では、上部に、言語設定の方法についての説明が日本語と英語の併記で表示され、その説明表示の下方に各言語に対応する代表的な国の国旗が表示され、その横にその国の言語で言語名が表示され、続いて、括弧書きで、英語標記の言語名が表示される。各言語が縦方向に並列して列記されて表示される。言語設定表示態様は、複数のページで構成されており、遊技者の操作によりページを切り替えて表示することで、設定できる言語の種別一覧を替えて表示することができる。
ここで、言語設定表示態様が表示された状態では、タッチ操作により選択されていることを示す選択領域t(図5(a)で示す四角の表示)は表示されておらず、遊技者がいずれかの言語表示領域(国旗とその国名(日本語、英語表示部))をタッチ操作することで、そのタッチされた言語に対して選択領域tが表示される。選択領域tが表示されていない状態で言語設定アイコン901kをタッチ操作すると、言語設定の変更は行われず、遊技状態に合わせた表示に切り替えられる。
サイド表示装置901の表示領域の下端部には、言語設定表示態様の表示ページを戻る方向に切り替える戻るアイコン901nが左端に表示され、表示ページを次方向に進める次アイコン901mが右端に表示される。戻るアイコン901nと次アイコン901mとの間には、選択した言語を設定指示するための言語設定アイコン901kが表示されている。
遊技者が行う言語切替の操作としては、遊技者が希望する言語に対応する表示部分(例えば、英語を選択するのであれば、図5(a)に示す四角領域であるt領域内)をタッチ操作することで、その言語が選択された状態となる。選択された状態となると、図5(a)に示すように、選択されている言語の領域に四角形状の線で表示された選択表示態様(t領域で示した線)が表示される。選択された言語での切替を決定する場合には、下端部に表示されている言語設定アイコン901kをタッチ操作することで、その選択されている言語(図5(a)の例では、英語)が設定される。
言語設定アイコンが押下されると、通常の表示態様(待ち受け状態であれば、パチンコ機10のスペック情報(図5(b)参照)、大当たり遊技中であれば、大当たり時に対応した表示態様等)に切り替えられる。
図5(b)を参照して、サイド表示装置901で表示されるパチンコ機10のスペック情報を示すスペック表示態様について説明する。図5(b)は、サイド表示装置901で表示されるスペック表示態様の一例である。このスペック表示態様は、パチンコ機10が待ち受け状態(所定期間(本実施形態では、30秒間)の間、特別図柄の変動表示が開始されない状態)である場合にサイド表示制御装置900により設定され表示される。
図5(b)に示すように、スペック表示態様は、パチンコ機10の機種名(本実施形態では、パチンコ物語)が機種名表示領域901aに表示される。その下方には、パチンコ機10の大当たり確率(本実施形態では、通常遊技状態時(通常)に1/400、確変遊技状態時に1/40)が大当たり確率表示領域901bに表示される。その大当たり確率表示領域901bの下方には、大当たり時の出玉数(本実施形態では、16R大当たりの場合2400個、4R大当たりの場合600個)が出玉数表示領域901cに表示される。出玉数表示領域901cの下方には、大当たり種別の選択割合(本実施形態では、大当たりA:25%、大当たりB:25%、大当たりC:25%、大当たりD:25%)が大当たり割合表示領域901dに表示される。大当たり割合表示領域901dの下方には、言語切替アイコン901eが表示される言語切り替えアイコン表示領域が設定されている。
このように、本実施形態では、パチンコ機10の待機状態(デモ状態)では、サイド表示装置901にパチンコ機10の詳細なスペック情報が表示される。よって、遊技者は、遊技する機種を選別するにあたり、サイド表示装置901に表示されるスペック情報を参考にして選択することができる。
なお、本実施形態では、スペック情報として図5(b)に表示された内容を例として示したが、それに限らず、演出の内容であったり、シリーズ機種であれば、前作の内容からの変更点等を表示してもよいし、前日遊技の成績(差球数や大当たり回数等)を表示するように構成してもよい。
次に、図6(a)を参照して、通常遊技状態(低確率遊技状態)において、サイド表示装置901で表示される通常時表示態様について説明する。図6(a)は、言語設定で英語が選択されている場合の通常時表示態様の一例を示したものである。通常時表示態様では、通常遊技状態中に遊技者が遊技球を発射させて、遊技を行う方法を示す遊技盤13の概略図が表示領域901fに表示される。そして、通常遊技状態中に第1入球口64に入賞した場合の大当たり確率(本実施形態では、probability(日本語設定では、大当たり確率):1/400)が表示される。また、通常時表示態様で表示される遊技盤13の概略図には、遊技者が遊技球を発射させて到達させる位置を示す「shoot point!(日本語設定では、発射位置!)」の文字が表示され、遊技球を通過させることにより遊技者に有利となる位置を示す「here!(日本語設定では、ここを狙え!)」の文字が表示される。また、遊技盤13の概略図の上部の表示領域901gには、「Normal mode」の文字が表示され、遊技状態が通常遊技状態であることが報知される。これにより、遊技者は、通常遊技状態中にも分かり易く遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、遊技球を発射する位置を報知するように構成したが、それに限らず、発射ハンドル51の回動操作量を報知するように構成してもよい。ここでは、本実施形態の構成に加えて回動操作量を報知してもよいし、回動操作量のみを報知するように構成してもよい。
なお、本実施形態では、遊技盤13の概略図を単に表示するように構成したが、それに限らず、例えば、概略図を遊技者がタッチ操作すると、そのタッチ操作した位置に対応する部位の説明を表示するように構成してもよい。例えば、第1入球口64をタッチ操作した場合には、第1入球口64に入球することで、特別図柄の抽選が行われることや、特別図柄の変動中に入球した場合には、最大4個まで保留球として記憶されること等が表示されるように構成してもよい。また、概略図の第3図柄表示装置81に該当する部分には、実際の第3図柄表示装置81で表示される内容と同様の演出を表示したり、第3図柄のみを表示するように構成して、サイド表示装置901を見ている間も、特別図柄の抽選結果が判別できるように構成してもよい。このように構成することで、サイド表示装置901を見ることで、特別図柄の抽選結果を見逃したり、選択率の低い演出(大当たり期待度の高い遊技者にとって価値が高い演出)を見逃してしまったりする不具合を抑制できる。さらには、第3図柄表示装置81で表示された変動パターンの大当たり期待度や、予告演出の大当たり期待度等を通常時表示態様で表示するように構成してもよい。
次に、図6(b)を参照して、確変遊技状態中にサイド表示装置901で表示される確変時表示態様について説明する。図6(b)は、この確変時表示態様の一例について示した図である。確変時表示態様では、確変遊技状態中に、遊技者が遊技球を発射して行う遊技方法を示す遊技盤13の概略図が表示領域901fに表示される。その概略図には、遊技球を発射する位置が「shoot point!」として表示されている。また、普通図柄の高確率状態(時短状態)であることを示す図として、スルーゲート67に遊技球を通過させることを示す「1st step」として表示され、第1入球口64に付随する電動役物が開放することを示す「2nd step」の文字が表示される。このように概略図に図示することで、確変遊技中は、スルーゲート67に遊技球を通過させることで、電動役物が開放することを遊技者が分かり易く認識できる。概略図には、確変遊技中に第1入球口64に入賞した場合の大当たり確率(本実施形態では、1/40)が「probability:1/40」として表示される。また、表示領域901gには、現在の遊技状態(確変遊技状態)を示す「Special mode」の文字が表示される。このように構成することで、確変遊技中における遊技方法や、大当たり確率等を遊技者が分かり易く認識できる。
また、従来のパチンコ機では、所定期間(例えば、30秒間)新たな変動が開始されないような遊技がされていない状態となると、第3図柄表示装置81に遊技の説明等のデモ画面を表示するように構成されていた。このデモ画面は、遊技者が遊技を開始して、新たな変動が開始されると、第3図柄表示装置81には表示されず、遊技を行う遊技者には遊技方法が報知されない。また、遊技中に遊技方法を解説した表示態様を表示しようとしても、第3図柄表示装置81には、第3図柄や演出態様が表示されており、表示するスペースがなかった。しかしながら、本実施形態の構成では、第3図柄表示装置81とは別に、サイド表示装置901を設け、そのサイド表示装置901に遊技者が遊技している状態で、その遊技状態にあった遊技方法(現在の遊技状態で遊技者に最も有利となる遊技方法)が表示される。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81で表示される内容を楽しみながら、正しい遊技方法をサイド表示装置901で確認することができる。
なお、本実施形態では、確変遊技中における遊技方法等をサイド表示装置901で表示するように構成したが、それに限らず、確変遊技の継続回数や、確変遊技で獲得できる出玉数や、確変遊技の継続率を表示するように構成してもよい。また、概略図に示す第3図柄表示装置81に該当する部分に、実際に確変遊技中に第3図柄表示装置81で表示される変動パターン(演出)を表示させてもよいし、第3図柄の変動のみを表示するように構成してもよい。また、時短遊技中においても確変遊技状態、通常遊技状態と同様に遊技方法や現在の遊技状態、大当たり確率をサイド表示装置901により表示するように構成しても当然よい。
次に、図7(a)を参照して、大当たり遊技中にサイド表示装置901で表示される大当たり表示態様について説明する。図7(a)は、言語設定として日本語設定がされている場合における大当たり表示態様の一例を示した図である。大当たり表示態様では、表示領域901gに、現在の遊技状態である大当たりであることと、大当たり遊技における現在のラウンド数とを示す「大当たり3R目」が表示される。表示領域901fには、遊技盤13の概略図が表示され、大当たり遊技中の遊技方法が示されている。表示領域901hには、第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技中の演出についての解説が表示される。
表示領域901fで表示される遊技盤13の概略図では、推奨する遊技球の発射位置が報知される(「発射位置」の文字を付して表示)。また、特定入賞口65aに遊技球を入賞させるように遊技を行うことを報知する報知がされる(特定入賞口65aを模した図を表示して「ここを狙え」の文字を付して表示)。
このように構成することで、初めて遊技をする遊技者であっても、サイド表示装置901に表示される大当たり表示態様により、大当たりにおける遊技の仕方を分かり易く認識することができる。
表示領域901hで表示される大当たり解説では、大当たり中に第3図柄表示装置81で表示される大当たり演出についての説明が表示される。本実施形態では、特別図柄の大当たりを示す第3図柄がぞろ目で表示された場合に、その図柄や演出からは、大当たり種別が判別することが困難な構成となっている。第1図柄表示装置37には、大当たり種別を表示する構成となっているが、LEDの点灯で報知されるため、大当たり種別の判別が難しく構成されている。そして、大当たり遊技における4ラウンド目には、第3図柄表示装置81に財宝の絵柄が表示されることで、遊技者に大当たり遊技が5ラウンド以降も継続することが報知される。これにより、遊技者は大当たり種別が16ラウンド大当たりであったことを判別することができる。また、1ラウンド目から3ラウンド目には、4ラウンド目に財宝が表示されるか否かを示唆する演出が表示される。
ここで、初めて遊技を行った遊技者等にとっては、大当たり遊技中に第3図柄表示装置81に表示される財宝に関する表示態様の意味が分かり難い。また、大当たり種別を大当たり時に報知しない意味も分かり難くなっている。しかしながら、本実施形態では、サイド表示装置901に大当たり解説として、4ラウンド目にメイン液晶(第3図柄表示装置81に該当)に財宝が表示されるとラウンドが5ラウンド以降も継続することが文字によって示される。よって、遊技者は、サイド表示装置901で表示される大当たり表示態様によって、大当たり種別が4ラウンド大当たりであるか、16ラウンド大当たりであるかは、大当たり遊技の進行(具体的には、4ラウンド目)と共に判別することができるのだと認識できる。また、第3図柄表示装置81で表示される大当たり演出についても、その内容を分かり易く理解することができる。
なお、本実施形態の構成に加えて、大当たり表示態様で確変遊技の継続割合(本実施形態では、50%)を表示したり、スクロール表示することで、他の情報を多く表示するように構成してもよい。また、各情報を簡易に表示しておいて、その表示領域を遊技者がタッチ操作することで詳細な情報が簡易な情報が表示されていた表示領域よりも大きい表示領域で表示されるように構成してもよい。
次に、図7(b)〜(c)を参照して、第3図柄表示装置81における表示領域Ds2(図4(b)参照)で表示される予告図柄について説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81で特別図柄(第3図柄)の変動表示(動的表示)が実行されている期間に、特別図柄により抽選結果が報知するよりも前に、表示領域Ds2に予告図柄(本実施形態では、少年のキャラクタ図柄)を表示させて抽選結果を示唆する演出が実行される。具体的には、図7(b)〜(c)に示すようなキャラクタが表示され、そのキャラクタの服の色や模様によって大当たりの期待度を報知するように構成されている。
図7(b)は、言語設定で日本語が設定されている場合に、大当たり期待度が最も高い模様である迷彩柄の服である場合の予告キャラクタを示した図である。本実施形態では、図示は省略したが、青色、赤色の服のキャラクタが設定されており、青色、赤色の順に大当たりの期待度が高く設定されている。図7(b)に示した迷彩柄は、赤色の服が設定されたキャラクタよりも期待度が高く設定されている。
図7(c)は、言語設定でデンマーク語が設定されている場合に、最も期待度の高いキャラクタの服の柄として表示されるキャラクタを示した図である。図7(c)に示すように、デンマーク語が設定されている場合には、キャラクタの服にデンマークの国旗の柄が表示される。この国旗柄のキャラクタは、日本語が設定されている場合の迷彩柄に替えて表示されるものであり、迷彩柄のキャラクタは日本語以外が設定されている場合には表示されないように構成されている。なお、日本語以外の言語が設定されている場合には、その国の国旗柄のキャラクタが最も期待度の高い服の柄として設定される。
このように構成することで、迷彩柄等の意味が分からない外国人であっても、分かり易く大当たり期待度を報知することができる。服の色で大当たり期待度を報知する構成で、服の柄が異なる表示態様(本実施形態では、国旗柄)を服の色を変えたキャラクタよりも大当たり期待度を高く設定したので、より大当たり期待度が高いことを遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、日本語が設定されている場合に、最も期待度が高い図柄を迷彩柄としたが、それに限らず、ヒョウ柄等の他の柄であってもよいし、「激熱」や「チャンス」の文字を表示するように構成してもよい。また、外国語が設定されている場合にも、国旗柄に限らず、他の柄や文字を表示するように構成してもよい。
また、サイド表示装置901に各予告図柄に対応する大当たり期待度について解説を表示するように構成してもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、5回(5ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図30参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)によって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)は、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)と、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図11(b)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図11(b)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり乱数テーブル202aには、低確率時(通常遊技状態時)の大当たり判定値と、高確率時(確変遊技状態時)の大当たり判定値とがそれぞれ設定されている。低確率時の判定値としては、「0」が設定されており、高確率時の判定値としては、「0〜29」が設定されている。ここで、高確率時の判定値には、低確率時の判定値である「0」も含まれており、低確率時でも高確率時でも大当たりとなる判定値として設定されている。これにより、先読み処理(第1入球口に入賞した時点で大当たりとなるかを判別する処理)が容易となるように構成されている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/40」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)に格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図11(b)参照)に格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値としたが、それに限らず、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定してもよい。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図11(c)に示すように、第1当たり種別選択テーブル202bにより各大当たり種別に対応して判定値が設定されている。この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜24」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「25〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となり、値が「50〜74」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となり、値が「75〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄以外で停止する「外れリーチ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
尚、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図30参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図12(b)〜(d)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図12(b)〜(d)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図12(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図12(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図12(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図12(d)参照)とが少なくとも設定されている。なお、図示は省略したが、このほかにも、時短遊技状態における変動パターンテーブル等が設定されている。
図12(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図12(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ設定されている。各変動パターンに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が判定値として設定されている。
具体的には、ノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンについては、「0〜50」が、スーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンについては、「51〜179」が、スペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンについては、「180〜198」がそれぞれ変動種別カウンタCS1の判定値として設定される。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する時には、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図12(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が設定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間の比較的に短い短外れ(7秒)と変動時間の長い長外れ(10秒)が設定されている。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、外れのノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜149」が、外れのスーパーリーチ各種(60秒)に対して「150〜197」が、外れのスペシャルリーチ各種(90秒)に対して「198」が、変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より取得している変動種別選択カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2より変動パターンを選択する。
図12(c)は、外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3は、遊技状態が確変遊技状態である場合に、外れとなる特別図柄の変動パターンを選択するためのデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターン選択テーブル202d3では、設定されている変動種別選択カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターン選択テーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチが決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
なお、変動パターンの種類については、上記したもの以外に複数の種別を設定するように構成してもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
ここで、図11(d)を参照して、第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。図11(d)は、この第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。第2当たり乱数テーブル202cは、図11(d)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)に格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、図11(d)に示すように、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図30参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図25参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
次に、図10を参照して、主制御装置110のMPU201におけるRAM203について説明する。図10に示すように、RAM203には、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、先読み確変中カウンタ203gと、カウンタ用バッファ203hとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図25のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図23のS206、図25のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図27のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS505参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図27のS605)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図27のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。大当たり遊技が終了するタイミングで、実行した大当たりの種別が大当たりAまたは大当たりBであれば(図31のS1011:Yes)、図31のS1012の処理においてオンに設定される。なお、パチンコ機10が初期化された状態では、オフに設定されるフラグである。また、電源断が発生した場合には、バックアップされ、電源が再投入されると、電源断前の状態に復帰される。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たり種別が「大当たりC」または「大当たりD」であると判定されると、時短中カウンタ203fは100に設定される(図31のS1014)。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図23のS215)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル(図11(d)参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS510,S511参照)。
先読み確変中フラグ203gは、始動入賞に応じて取得される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、特別図柄の抽選結果を先読みする場合に、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのか、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのかを示すフラグである。
先読み確変中フラグ203gがオンの場合には、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。一方、先読み確変中フラグ203gがオフの場合には、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。
カウンタ用バッファ203hは、主制御装置110のMPU201が制御処理を実行する上で使用されるバッファである。
その他メモリエリア203zは、パチンコ機10を制御する上で必要な各種フラグやカウンタ等が記憶されるエリアである。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
図13(a)に示すように、音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222a、音声言語記憶エリア222bが格納されている。また、図13(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、電源断処理中フラグ223e、音声言語格納エリア223f、選択言語フラグ223gとが少なくとも設けられている。
変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、更に詳細な変動パターンの内容を選択するためのデータテーブルである。具体的には、ノーマルリーチ等の大まかな種別に対して、それぞれ複数種類の変動パターンが設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する所定の選択抽選に基づいて、1の変動パターンの内容が決定される。
音声言語記憶エリア222bは、音声出力装置226より出力される音声データが格納されている。この音声言語記憶エリア222bには、パチンコ機10で設定可能な各言語に対応したそれぞれの音声が設定されている。具体的には、連続したアドレスに同一の言語の音声が記憶されている。1の言語に対応するすべての音声データが連続するアドレス領域に記憶されており、その最終アドレスの後に、次の言語に対応する音声データが設定されている。音声データが記憶される順序は、各言語で同一となっている。即ち、各言語の音声が記憶されている先頭アドレスから同じアドレス分加算したアドレスには、言語が違うのみで同じ内容を示す音声データ記憶されている。
例えば、変動パターンに対応して設定される各音声データについては、各変動パターンにそれぞれ出力する音声データの差分アドレスデータとその出力タイミングとが設定されている。音声ランプ制御装置113のMPU221は、選択言語フラグ223fが示す言語に対応する音声言語記憶エリア222b内の先頭アドレスから差分アドレスデータが示すアドレス分加算したアドレスに記憶されている音声データを出力データとして設定する。これにより、複数の言語が切り替えられる構成であっても、先頭アドレスの変更のみで容易に対応する言語の音声を出力することができる。
また、本実施形態では、上記したような音声データの選択方法としたがそれに限らず、各言語に対応したコマンドを設定しておき、そのコマンドに基づいて対応する言語の音声データを選択するようにしてもよい。また、音声データは、専用のROMに記憶して設定するように構成してもよい。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図34のS1309参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図34のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図33のS1702参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図33参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図34のS1306参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図35のS1407参照)。この停止種別選択フラグ223dがオンに設定されることで、特別図柄を停止する処理が実行される。
電源断処理中フラグ223eは、電源断が発生した場合にオンに設定されるフラグであり、電源断処理(図33のS1216)が実行された後に、S1217の処理においてオフに設定されるフラグである。即ち、電源断処理中フラグは、電源断が発生した場合に実行される電源断処理(図33のS1216)の実行中であることを示すフラグである。次回の電源投入時に、電源断処理中フラグ223eがオンであるかを判別することにより(図32のS1102)、電源断処理(図33のS1216)が完了する前に電源が完全に断してしまったか否かを判別できる。
選択言語フラグ223fは、パチンコ機10で使用する言語を示すフラグである。この選択言語フラグ223fは、パチンコ機10で使用するそれぞれの言語に対応して専用のフラグが設定されており、選択言語フラグ223fによりどの言語がパチンコ機10で設定されているかを判別できる。この選択言語フラグ223fは、サブ表示制御装置900より言語設定コマンドを受信した場合に、その受信したコマンドが示す言語に対応するフラグがオンに設定される(図34のS1319)。音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動パターンや各種処理を実行する場合に音声出力装置226から出力される音声の言語について、選択言語フラグ223fに基づいて選択されている言語を判別して、出力する音声言語を音声ランプ制御装置113のMPU221におけるROM222に格納されている音声言語記憶エリア222bより対応する言語の音声を選択して出力するように音声データを設定する。
その他メモリエリア223zは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する各制御に必要なカウンタやフラグ、データ等が記憶されるエリアである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図34参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図14を参照して後述する。
サブ表示制御装置900は、音声ランプ制御装置113及びサイド表示装置901が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンド、サイド表示装置901より入力される情報、設定スイッチ301、GPS302、カメラ303、人感センサ304より入力される情報に基づいて、サイド表示装置901の表示制御を実行するものである。さらに、音声ランプ制御装置113に対して、設定された言語の情報等を示すコマンドを出力する処理も実行する。このサブ表示制御装置900の詳細については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図28参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図14を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図14は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233a(図15参照)に転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図36(b)のS1901参照)の終了後に実行される初期化処理(図36(b)のS1902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、キャラクタROM234のNOR型ROM234dに表示言語データ記憶エリア234d2と、表示予告データ記憶エリア234d3とがそれぞれ設定されている。表示言語データ記憶エリア234d2には、第3図柄表示装置81で表示される文字データ(コメント表示、遊技説明、文字の予告等)として、設定可能な言語でそれぞれ記憶されている。詳細には、1言語について連続するアドレスで順に各文字データがアドレス毎に設定されており、全ての1言語に対する文字データの後に、次の言語に対応する文字データが連続するアドレスでアドレス毎に設定されている。なお、言語毎に設定されている文字データの内容は同一となっている。
具体的には、日本語の文字データが記憶されている先頭アドレスに「おはよう」という文字データが記憶されており、次のアドレスに「さようなら」という文字データ記憶されているとする。このように、表示する文字データ群毎に1または複数のアドレスが指定されて記憶されている。そして、英語の文字データが記憶されている先頭アドレスには、「Good moorning」という文字データが記憶されており、次のアドレスに「Good bye」の文字データが記憶されている。このように構成することで、言語が切り替えられたとしても、その言語の先頭アドレスを変更して、他の言語と同様の差分アドレス(アドレス加算データ)を元に文字データを選択することで正しい文字データを選択することができる。よって、言語切替をする場合の制御処理負荷を軽減することができる。
この表示言語データ記憶エリア234d2に記憶されているすべての文字データは、後述する表示制御装置114のMPU231により実行される転送設定処理(図48(a)、S2205)内の常駐画像転送設定処理(図48(b)、S3402)のS3505の処理により常駐用ビデオRAM235の表示言語データ格納エリア235fに転送される。なお、転送される場合にも、同様のアドレスが指定されて表示言語データ格納エリア235fに転送される。これにより、電源投入後に設定された言語により素早く文字表示を行うことが可能であり、遊技者に分かり易く遊技を行わせることが出来る。
なお、本実施形態では、表示言語データ記憶エリア234d2の文字データをNOR型ROM234dに格納したが、それに限らず、NAND型フラッシュメモリ234aに格納するように構成してもよい。このように構成することで、初期立ち上げ時の制御負荷を軽減することができる。また、本実施形態では、すべての言語データを転送するように構成したが、代表的な言語(格納されている一部の言語)のみを転送するように構成し、転送していない言語に切替が設定された場合に、転送するように構成して、転送時間を短縮するように構成してもよい。また、各言語のうち、初期段階(言語切替の設定等)に最低限必要な文字データ部分のみを転送するように設定して、言語切替が実行された場合に、その言語のすべての文字データを転送するように構成してもよい。
表示予告データ記憶エリア234d3には、図7(b)〜(c)で示すようなキャラクタ予告について、各言語に対応したキャラクタ予告データが記憶されている。この表示予告データ記憶エリア234d3に記憶されている各予告データについても、後述する表示制御装置114のMPU231により実行される転送設定処理(図48(a)、S2205)内の常駐画像転送設定処理(図48(b)、S3402)のS3506の処理により常駐用ビデオRAM235の表示予告データ格納エリア235gに転送される。
なお、表示言語データ記憶エリア234d2に記憶された文字データと同様に、NAND型フラッシュメモリ234aに格納してもよい。また、予告データの一部のみを転送して、言語切替に基づいて、その予告データを転送するように構成してもよい。また、初期設定時には転送せずに、言語切替が実行された場合に転送するように構成してもよい。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図21参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図38(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図36(b)のS1903,S1904参照)。
ここで、電源投入時変動画像(図示せず)について説明する。表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は、「○」画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」画像と「×」画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。
第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
表示言語データ格納エリア235fは、第3図柄表示装置81で表示される各言語に対応した文字データが記憶される記憶エリアである。上述したように、この表示言語データ格納エリア235fには、各言語毎にアドレス領域が設定されており、そのアドレス領域に各言語毎に同じ順序で同様の内容を示す文字データが記憶される。よって、表示制御装置114のMPU231は、言語切替が実行された場合にも、その言語に対応する先頭アドレスを設定するのみで、他の言語と同様の差分アドレスデータ(加算アドレスデータ)を用いて同様の内容を示す文字データを選択することができる。
表示予告データ格納エリア235gは、表示予告データ記憶エリア234d3に記憶されている図7(b)〜(c)に示すようなキャラクタ予告図柄の表示データが各言語分転送されて格納される格納エリアである。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233k、言語設定フラグ233mを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりDのいずれかであれば、大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識できない。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図19を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図19は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図14の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図20を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図20は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図20のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図20のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図20の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、上述した電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図36(b)参照)の中でオンに設定される(図36(b)のS1905参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図48(b)のS3807参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図38(b)のS2201参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図38(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図38(b)のS2209参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図39〜図44参照)および表示設定処理(図45〜図46参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図48(a)のS3401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図48(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図49参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図38(b)のS2203参照)の中で、ポインタ更新処理(図47のS3305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図21を参照して、描画リストの詳細について説明する。図21は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図21に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図45のS3107参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図36(b)のS1902参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図46参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図49のS3613参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図49のS3614参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図50のS3702参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図50のS3702参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
言語設定フラグ233mは、サブ表示制御装置900より出力される言語設定コマンドが示す言語を記憶するためのフラグである。サブ表示制御装置900は、言語設定画面により言語設定がされた場合や、初期設定によりパチンコ機10で使用する言語を設定したことに基づいて、その言語を示す言語設定コマンドを表示制御装置114に対して出力する。この言語設定コマンドを受信する表示制御装置114のMPU231は、第3図柄表示装置81で表示される言語や、予告表示態様等をその言語に合わせた表示態様に切り替えて表示する。上述したように、この言語設定フラグ233mに設定された言語に基づいて、表示言語データ格納エリア235fの先頭アドレスを設定して、表示データテーブルに設定されている差分アドレスに従って表示する文字データを選択する。よって、表示制御装置114は、先頭アドレスの変更のみで言語の表示を切り替えることができ、表示処理を簡略化できる。
<サブ表示制御装置900の電気的構成について>
次に、図16〜図18を参照して、本実施形態におけるサブ表示制御装置900の電気的構成について説明する。図16は、このサブ表示制御装置900の電気的構成を示すブロック図である。サブ表示制御装置900は、MPU261と、ワークRAM263と、キャラクタROM264と、常駐用ビデオRAM265と、通常用ビデオRAM266と、画像コントローラ267と、入出力ポート268と、入出力ポート269と、バスライン270,271とを有している。
入出力ポート268の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入出力ポート268の出力側には、MPU261、ワークRAM263、キャラクタROM264、画像コントローラ267がバスライン270を介して接続されている。画像コントローラ267には、常駐用ビデオRAM265及び通常用ビデオRAM266が接続されると共に、バスライン271を介して入出力ポート269が接続されている。また、入出力ポート269の出力側には、サイド表示装置901が接続されている。また、入出力ポート268には、GPS302の位置情報に基づいて言語設定を実行するか否かを設定するための設定スイッチ301と、パチンコ機10が設置される場所の位置データを判別するためのGPS302と、遊技者の画像データを取得するためのカメラ303と、パチンコ機10の前に遊技者が居るか否かを判別するための人感センサ304と、遊技球の発射を検知するための発射センサ305とがそれぞれ接続されている。
ここで、サブ表示制御装置900のMPU261と、ワークRAM263と、キャラクタROM264と、常駐用ビデオRAM265と、通常用ビデオRAM266と、画像コントローラ267と、入出力ポート268と、入出力ポート269と、バスライン270,271は、表示制御装置114で既に説明したものと同様のものであり、それぞれ設定されているデータや、格納されるデータ等が異なるので、その相違点について説明する。
NAND型フラッシュメモリ264aは、キャラクタROM264におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU261によって実行される制御プログラムの大部分やサイド表示装置901を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア264a1と、GPS302の位置データに基づいて、言語設定を実行する場合に、その位置データと対応する言語とが設定されている言語選択テーブル264a2とを少なくとも有している。
常駐用ビデオRAM265は、キャラクタROM264より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時画像エリア265a、エラーメッセージ画像エリア265b、表示言語データ格納エリア265cが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア265aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間にサイド表示装置901に表示する電源投入時画像(「Loading Now」の文字)に対応するデータを格納する領域である。
エラーメッセージ画象エリア265bは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。
表示言語データ格納エリア265cは、サイド表示装置901で表示される各言語に対応した文字データが記憶される記憶エリアである。上述したように、この表示言語データ格納エリア265cには、各言語毎にアドレス領域が設定されており、そのアドレス領域に各言語毎に同じ順序で同様の内容を示す文字データが記憶される。よって、サブ表示制御装置900のMPU261は、言語切替が実行された場合にも、その言語に対応する先頭アドレスを設定するのみで、他の言語と同様の加算データ(差分データ)を用いて同様の内容を示す文字データを選択することができる。
ワークRAM263は、キャラクタROM264に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU261による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM263は、図17に示すように、プログラム格納エリア263a、データテーブル格納エリア263b、簡易画像表示フラグ263c、表示データテーブルバッファ263d、転送データテーブルバッファ263e、ポインタ263f、描画リストエリア263g、計時カウンタ263h、格納画像データ判別フラグ263i、描画対象バッファフラグ263jを有しており、この内容については、表示制御装置114と同等の内容であるのでその詳細な説明は省略する。ワークRAM263(図17参照)には、さらに、スペック情報格納エリア263k、状態記憶エリア263m、状態フラグ263n、表示言語設定フラグ263p、言語設定フラグ263r、表示言語設定値格納エリア263sが設定されている。
スペック情報格納エリア263kは、音声ランプ制御装置113から出力されるサブ表示用スペック情報コマンドが示すパチンコ機10のスペック情報が記憶される。スペック情報については、大当たり確率や、賞球数等、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して通知される情報が設定されている。
状態記憶エリア263mは、遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、大当たり開始、大当たり終了、デモ中)が記憶される記憶エリアである。この状態記憶エリア263mには、音声ランプ制御装置113より通知される各コマンドを判別して遊技状態が設定される。
状態フラグ263nは、遊技状態に対応した表示態様をサイド表示装置900に表示させるタイミングであることを示すフラグである。この状態フラグ263nは、遊技状態が移行した場合や、言語設定画面(図5(a)参照)より遊技状態に対応した表示態様に切り替える場合等にオンに設定される。なお、電源投入時等の初期設定では、オフに設定されるフラグである。
表示言語設定フラグ263pは、設定されている言語を示すフラグである。この表示言語設定フラグ263pは、16ビットで構成されており、各言語に対応して、設定値(値)が予め設定されている。言語が切り替えられるとその言語に対応した設定値に表示言語設定フラグ263pが設定される。なお、サブ表示制御装置900のMPU261は、この表示言語設定フラグ263pに設定されている言語に対応して、表示言語データ格納エリア265cの先頭アドレスを設定するように構成されている。その設定された先頭アドレスから設定されるサブ表示データテーブルに設定されている文字データの差分アドレスを加算して文字データを設定する。このように構成することで、言語の切替が実行されても同一のサブ表示データテーブルを用いて対応する言語を表示することができる。
言語設定フラグ263rは、言語設定画面を表示して言語設定を実行するように設定されていることを示すフラグである。この言語設定フラグ263rがオンに設定されると、言語設定画面(図5(a)参照)をサイド表示装置901に表示設定して、言語切替が実行可能に処理される。
表示言語設定値格納エリア263sは、言語設定画面(図5(a)参照)が表示されている場合に、遊技者のタッチ操作により選択されている言語(切替確定される前の状態)の情報が格納されるエリアである。これにより、遊技者が言語設定画面(図5(a))で選択した言語を判別することができる。なお、電源投入時の初期状態では、言語情報は設定されていない。これにより、言語設定画面(図5(a))が表示されて、どの言語も選択せずに言語設定アイコン901k(図5(a)参照)が押下された場合には、設定中の言語が切り替えられることがないように設定されている。よって、遊技者が誤って言語切替アイコン901eを押下した場合にも、言語を切り替えることなく言語設定画面(図5(a)参照)より復帰することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、サブ表示データテーブルは、図18に示すように、各遊技状態に対応してそれぞれサブ表示データテーブルA〜Fの6種類と、言語設定画面(図5(a)参照)に対応したサブ表示データテーブル設定されている。遊技状態が通常遊技状態である場合には、サブ表示データテーブルAが設定されており、図5(a)に示す表示態様がサイド表示装置901に表示される。なお、表示言語は、MPU261がサブ表示データテーブルAを設定する場合に、サブ表示データテーブル(図19と同等)に設定されている文字データの差分アドレスを表示言語設定フラグ263pで設定される先頭アドレスに加算した文字データが設定されることにより対応する言語の文字が表示される。
ここで、通常遊技状態で設定されるサブ表示データテーブルAでは、通常遊技状態中のスペック情報(抽選確率、狙うべき入球口、現在の遊技状態等)が表示され、通常遊技状態中の遊技方法が解説される。さらに、遊技盤13を模した表示がされ、第3図柄表示装置81を模した位置に第3図柄表示装置81で表示されている演出と同様または第3図柄のみが表示される。
確変遊技状態に対応して、サブ表示データテーブルBが設定されている。このサブ表示データテーブルBでは、図6(b)に示すような確変遊技状態におけるスペック情報、遊技方法、現在の遊技状態等が表示される。
時短遊技状態に対応して、サブ表示データテーブルCが設定されている。このサブ表示データテーブルCでは、時短遊技状態におけるスペック情報、遊技方法、現在の遊技状態が表示される。
大当たり中(大当たりの開始)の遊技状態に対応して、サブ表示データテーブルDが設定されている。サブ表示データテーブルDでは、図7(b)に示すような大当たり遊技の方法や、第3図柄表示装置81で表示される大当たり演出の説明、現在のラウンド数等が表示される。
大当たり終了時の遊技状態に対応して、サブ表示データテーブルEが設定されている。サブ表示データテーブルEでは、大当たりの終了を示す表示態様が表示される。ここでは、具体的には、遊技球の発射を停止させてしばらく待つような報知が表示される。なお、この大当たり終了時には、獲得出玉数や、大当たり遊技後の遊技状態等を報知するように構成してもよい。
デモ状態に対応して、サブ表示データテーブルFが設定されている。サブ表示データテーブルFでは、図5(b)に示すようなパチンコ機10のスペック情報やパチンコ機10の内容を紹介するデモ表示等が表示される。
言語設定画面(図5(a))に対応するサブ表示データテーブルは、複数のページに対応してそれぞれサブ表示データテーブルが設定されている。このサブ表示データテーブルでは、図5(a)に示すような言語設定の表示態様がサイド表示装置901に表示される。
なお、このサブ表示データテーブルの内容は、表示制御装置114の表示データテーブル(図19参照)と同一である。各サブ表示データテーブルは、データテーブル格納エリア263bに格納されている。
また、サブ表示制御装置900で使用される転送データテーブル、描画リストについても表示制御装置114のものと同一であるので、その詳細な説明は省略する。
サイド表示装置901は、タッチパネルを有した液晶表示装置である。タッチパネルがタッチ操作されるとその座標データがサブ表示制御装置900に対して通知される。
設定スイッチ301は、パチンコ機10の背面側(図3参照)に設けられているスライド式のスイッチである。この設定スイッチ301にはオン、オフが設定されており、オンに設定されるとGPS302による言語設定が実行されず、電源が投入されると常に日本語で設定された後、言語設定画面が自動的にサイド表示装置901に表示設定される。
GPS302は、位置情報(緯度、経度)を取得することが可能なセンサである。このGPS302は、主にカーナビ等に使用されるものと同一であり、公知なものである。このGPS302から取得した位置データにより設置場所を判別して対応する言語に設定する処理が実行される。
カメラ303は、前面枠14に設置されている(図1参照)。カメラ303は、パチンコ機10の正面に居る遊技者の上半身を撮影することが可能に配置されている。また、このカメラ303は、CCDカメラで構成されており、撮影した画像データをサブ表示制御装置900に対して出力することが可能に接続されている。
人感センサ304は、前面枠14に設置されている(図1参照)。この人感センサ304は、パチンコ機10の前面側に遊技者が居るかを判別する為のセンサであり、赤外線により人の動きを判別している。人の動きを判別した場合に人が居ると検知している。
発射センサ305は、遊技球の発射を検知するものであり、ゲート型の磁気式のセンサで構成されている。発射レールの出口部分(図2参照)に設けられており、遊技球が通過することでオンに設定される。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図22から図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図23〜図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図26および図27を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図23は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図24を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を更新し(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図24を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるか、大当たりCとなるか、大当たりDとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、大当たりDになる場合には赤色のLEDと青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S213)、本処理を終了する。S213の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図30参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S214)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S214:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S215)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図24は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図22参照)の特別図柄変動処理(図23、S104参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203eがオンであるかを判定する(S302)。確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。
確変フラグ203eがオンである場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜29」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、確変フラグ203eがオフである場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の次回大当たりまで確変)であると判定し、「25〜49」の範囲にあれば、大当たりB(4R大当たり、特別図柄の次回大当たりまで確変)であると判定し、「50〜74」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、特別図柄の100回変動まで時短)であると判定し、「74〜99」の範囲にあれば、大当たりD(4R大当たり、特別図柄の100回変動まで時短)と判定する(図11(c)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、図12の大当たり用変動パターンテーブル202d1(図12(b)参照)、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図12(c)参照)、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図12(d)参照)により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC・大当たりD共用の変動パターンとしては、共用の「ノーマルリーチ」各種、共用の「スーパーリーチ」各種、共用の「スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、外れリーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図30)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図25は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、S406の処理で特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリアに格納した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選の当否(当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。
ここで、先読み確変中フラグ203gがオンであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている30の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜29」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する(図11(b)参照)。
一方、先読み確変中フラグ203gがオフであれば、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている3の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜2」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する(図11(b)参照)。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S406の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲にあれば、大当たりA(16R大当たり、特別図柄の次回大当たりまで確変)であると判定し、「25〜49」の範囲にあれば、大当たりB(4R大当たり、特別図柄の次回大当たりまで確変)であると判定し、「50〜74」の範囲にあれば、大当たりC(16R大当たり、特別図柄の100回変動まで時短)であると判定し、「74〜99」の範囲にあれば、大当たりD(4R大当たり、特別図柄の100回変動まで時短)と判定する(図11(c)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、外れリーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、先読み確変中フラグ203gがオンあれば、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチであると判定する。一方、先読み確変中フラグ203gがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターンテーブルの中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC・大当たりD共用の変動パターンとしては、共用の「ノーマルリーチ」各種、共用の「スーパーリーチ」各種、共用の「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、共用の「ノーマルリーチ」各種、共用の「スーパーリーチ」各種、共用の「スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定する(S408)。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納すると共に、連続予告演出の表示を開始するか否かを判定する。
S408の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S407の処理で予測した抽選の当否が特別図柄の確変大当たりであるかを判定する(S409)。S407の処理で予測した抽選結果が特別図柄の確変大当たりである場合には(S409:Yes)、先読み確変中フラグ203gをオンに設定して(S410)、本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、S407の処理で予測した抽選結果が特別図柄の確変大当たりでない場合には(S409:No)、S407の処理で予測した抽選結果が特別図柄の時短大当たりであるかを判定し(S411)、S407の処理で予測した抽選結果が特別図柄の時短大当たりであれば(S411:Yes)、先読み確変中フラグ203gをオフに設定して(S412)、本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、S407の処理で予測した抽選結果が特別図柄の時短大当たりでなければ(S411:No)、S412の処理をスキップして、タイマ割込処理へ戻る。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図26は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S508)。尚、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つが、第1入球口64に付随する電動役物が開放されることにより、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(d)参照)。
S508の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図11(d)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S514)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図27は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第2入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球が第2入球口67を通過していないか(S601:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図29を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図29は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS810へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS810へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS810へ移行する。なお、図30のS915の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S810の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S810)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S811,S812)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S811,S812)を実行する。RAMの初期化処理(S811,S812)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S811)、その後、RAM203の初期値を設定する(S812)。RAM203の初期化処理の実行後は、S813の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S8907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S813の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S813の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S814)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図30を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S908の各処理が実行され、その残余時間でS911,S912のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図23参照)や始動入賞処理(図25参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図25参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、スペック情報コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図31参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS210の処理またはS211の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
次に、スペック情報コマンドを設定する(S908)。このスペック情報コマンドは、主制御装置110のMPU201のROM202に設定されているパチンコ機10の大当たり確率や、賞球数等のスペック情報を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドである。このように、メイン処理(図30)により4ms毎にスペック情報が音声ランプ制御装置113に対して通知されるので、音声ランプ制御装置113では、スペック情報を定期的に確認できる。よって、音声ランプ制御装置113や、表示制御装置114、サブ表示制御装置900のみで電断が発生した場合には、スペック情報を復帰後に速やかに確認することができ、ノイズにより保持していたスペック情報のデータに異常が発生した場合にも正しいスペック情報に対応したデータに変更することができる。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S909)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S909:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S910)、既に所定時間が経過していれば(S910:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S910:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S911,S912)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S911)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S912)。
ここで、S901〜S908の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S909の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S909:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということなので、S913以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S913)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S914)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S915)、RAM203のアクセスを禁止して(S916)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S909の処理は、S901〜S908で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS911とSの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図31は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図23参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定して(S1002)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1003)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1003の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1003:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1003の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1003:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1004)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1004:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1005)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1006)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1004の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1004:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1007)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1007の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1007:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1008)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1007:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1009)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1009の処理において、エンディング演出の開始タイミングである場合には(S1009:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1010)、その後、大当たりの種類が大当たりAもしくは大当たりBであるかを判定する(S1011)。大当たりの種類が大当たりAもしくは大当たりBであると判定された場合には(S1011:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定し(S1012)、S1015の処理へ移行する。S1011の処理において、大当たりの種類が大当たりAもしくは大当たりBでない、つまり大当たりCもしくは大当たりDであると判定された場合には(S1011:No)、確変フラグ203eをオフに設定し(S1013)、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1014)、S1015の処理へ移行する。S1015の処理では、大当たりの終了を設定し、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S1009の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1009:No)、本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理>
次に、図32〜図36(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図32は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1216の電源断処理(図33参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図33を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図33のS1213参照)、S1216の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1216の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1216の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1216の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1216の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1104)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグはS1216の電源断処理の実行時にオンされる(図33のS1215参照)。つまり、電源断フラグは、S1216の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1216の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1210の処理を行わずにS1211の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1210が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1211のコマンド判定処理や、S1212の変動表示設定処理や、S1212の処理の後に実行される図示を省略したカウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1211処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1212の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1m秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1212の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理(S1209)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて設定されている各言語に対応する音声出力装置226から音が出力される。なお、この音編集・出力処理(S1209)については、図36(a)を参照して詳細について後述する。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1210)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1211の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1211)。このコマンド判定処理の詳細については、図34を参照して後述する。
S1212の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1212)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図45を参照して後述する。
S1212の処理の後には、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1213)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1213の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1213:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1215)、電源断処理を実行する(S1216)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1217)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1213の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1213:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1214)、RAM223が破壊されていなければ(S1214:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1214:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1211)について説明する。図34は、このコマンド判定処理(S1211)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理(S1211)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図35参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。次いで、サブ表示制御装置114に対して特別図柄の変動開始を通知するサブ表示用変動開始コマンドを設定する(S1304)。このサブ表示用変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示した情報が判別可能に構成されている。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1305)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1305:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1306)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1307)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図35参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1305:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1308)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1308:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1309)。また、S1309の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1309の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1309の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
また、S1309の処理を実行した後に、サブ表示表示装置900に対して、保留球数通知するサブ表示用保留球数コマンドを設定するように構成してもよい。このように構成することで、サブ表示装置901に保留球数に関する情報を表示できる。具体的には、保留球が増加、減少した場合にその理由の解説や、保留球によりあと何回抽選が実行されるか等の解説を表示できる。
S1308の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1308:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1310)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1310:Yes)、受信した入賞情報コマンドから入賞情報(保留球の当否判定や変動パターン種別等)を抽出して、入賞情報格納エリア223aに格納する(S1311)。その後、この処理を終了する。
S1310の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1310:No)、主制御装置110より大当たり遊技に関するコマンドを受信したか判別する(S1312)。大当たり遊技に関するコマンドとは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、エンディングコマンド等が該当する。大当たり遊技に関連するコマンドを受信したと判別した場合には(S1312:Yes)、受信したコマンドに対応する大当たりに関する処理を実行し(S1313)、サブ表示制御装置900に対して、受信したコマンドが示す大当たりの情報を通知するためのサブ表示用大当たりコマンドを設定する(S1316)。このサブ表示用大当たりコマンドには、ラウンド数であったり、大当たり種別等が通知される。その後、この処理を終了する。
一方、S1312の処理において、大当たり遊技に関するコマンドを受信していないと判別した場合には(S1312:No)、主制御装置110よりパチンコ機10のスペック情報を示すコマンドを受信したか判別する(S1315)。このスペック情報を示すコマンドとは、大当たり遊技確率(通常時、確変時)や、賞球、大当たり時の払出賞球数、機種名情報、確変割合、大当たり種別の割合等が含まれている。スペック情報を示すコマンドを受信していると判別した場合には(S1315:Yes)、受信したスペック情報の内容をサブ表示制御装置900に対して通知するための、サブ表示用スペック情報コマンドを設定する(S1316)。その後、この処理を終了する。このように、主制御装置110は、メイン処理(図30参照)におけるS908の処理(4ms毎に実行される)でパチンコ機10のスペック情報を音声ランプ制御装置113に通知するためのスペック情報コマンドを設定する。よって、スペック情報は所定周期毎に主制御装置110から受信することができる。よって、音声ランプ制御装置113のみで電断が発生した場合や、サブ表示制御装置900のみで電断が発生したことにより、記憶していたスペック情報が消去されてしまった場合や、ノイズ等でスペック情報に誤りが生じた場合にも、正しいスペック情報を記憶することができる。
一方、S1315の処理において、スペック情報コマンドを受信していないと判別した場合には(S1315:No)、サブ表示制御装置900より言語設定コマンドを受信したか判別する(S1317)。言語設定コマンドを受信していると判別した場合には(S1317:Yes)、受信したコマンドが示す言語に対応する選択言語フラグ223fをオンに設定する(S1318)。表示制御装置114に設定された言語を通知するための表示用言語設定コマンドを設定する(S1319)。その後、この処理を終了する。
一方、S1317の処理において、言語設定コマンドを受信していないと判別した場合には(S1317:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1320)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1212)について説明する。図35は、この変動表示設定処理(S1212)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図33参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1406の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図34参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1405)。S1405の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1406の処理へ移行する。
S1406の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1406)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1406:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1406:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1407)、次いで、コマンド判定処理(図34参照)のS1307の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1408)。次いで、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1409)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
次に、図36(a)を参照して、音声ランプ制御装置113により実行されるメイン処理(図33参照)内の一処理である音編集・出力処理(S1209)について説明する。図36(a)は、この音編集・出力処理(S1209)の内容を示したフローチャートである。
音編集・出力処理(S1209)では、まず、音声の出力設定がされているか判別する(S1501)。音声の出力の設定については、変動パターンが設定された場合や、エラー、デモの設定等がされる場合に設定される。ここで、音声の出力設定は、出力タイミングと出力する音声データの差分アドレス(加算アドレス)が設定されている。S1501の処理において、音声の出力設定がされていないと判別した場合には(S1501:No)、この処理を終了する。一方、音声の出力設定がされていると判別した場合には(S1501:Yes)、言語選択フラグ223fに基づいて、設定されている言語に対応する先頭アドレスを設定する(S1502)。出力設定されている音声データに対応する差分アドレスを設定する(S1503)。S1502の処理により設定されている先頭アドレスからS1503で設定した差分アドレスを加算したアドレスに格納されている音声データを音声言語記憶エリア222bより選択する(S1504)。選択した音声データを音声出力装置226に対して設定する。なお、音声出力装置226には、設定されている音声の出力タイミングを指定して設定する。これにより、音声出力装置226は、指定されたタイミングに基づいて、設定された音声データを出力することができる。
<表示制御装置114により実行される制御処理>
次に、図36(b)から図50を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図36(b)を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図36(b)は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1901)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図37を参照して、ブート処理(S1901)について説明する。図37は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1901)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2001)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2002)。これにより、MPU231は、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2002の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2002の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2003)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2004)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図36(b)のS1901参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図36(b)のS1902参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2005)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1901)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図37に示すブート処理では、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2001の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2002の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2001の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2001及びS2002の処理を含めて複数回繰り返した後、S2003〜S2005の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2001及びS2002の処理を行わずに、S2003〜S2005の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図36(b)の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1902)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1903)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1903の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1904)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1904の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1905)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図48(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図48(a)のS3402参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図38(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図38(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図38(b)のS2209参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像(「○」「×」の画像)をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1905の処理の後、割込許可を設定し(S1906)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1906の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図38(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図38(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図38(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図38(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図21参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図38(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2201)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2201:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2202)を実行し、次いで、表示設定処理(S2203)を実行する。
コマンド判定処理(S2202)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図39〜図44を参照して後述する。
表示設定処理(S2203)では、コマンド判定処理(S2202)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図45〜図47を参照して後述する。
表示設定処理(S2203)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2204)。このタスク処理では、表示設定処理(S2203)もしくは簡易表示設定処理(S2209)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2205)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図48および図49を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2206)。この描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2205)により設定された転送指示とから、図21に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図50を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2207)。そして、V割込処理を終了する。S2207の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜大当たりD、外れリーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2201の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2201:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2208)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2209)を実行して、S2204の処理へ移行する。
次いで、図39〜図44を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2202)の詳細について説明する。まず、図39は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S2202)では、図39に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2301)、未処理の新規コマンドがなければ(S2301:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2203)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2302)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2303)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2304)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2304:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2305)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図40(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2305)の詳細について説明する。図40(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S2305)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(S2305)では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2401)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2401で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2402)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2403)。表示設定処理では、S2403の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2404)、ポインタ233fを0に初期化する(S2405)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2406)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2405の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2401の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2402の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2404の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図39の説明に戻る。S2304の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2304:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2306)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2306:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2307)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図40(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2307)の詳細について説明する。図40(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜大当たりD、外れリーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2501)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図38(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2502)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2502の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2503)。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2502の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2503によって設定された停止図柄判別フラグからS2502の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
図39に戻り、説明を続ける。S2306の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2306:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか判別する(S2308)。オープニングコマンドがあると判別した場合には(S2308:Yes)、オープニングコマンド処理を実行する(S2309)。その後、S2301の処理に戻る。
ここで、図41(a)を参照して、オープニングコマンド処理について説明する。図41(a)は、オープニングコマンド処理(S2309)の内容を示したフローチャートである。このオープニングコマンド処理(S2309)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理(S2309)では、まず、オープニングコマンドによって示されるオープニングパターンに対応したオープニング表示データテーブルを決定し、その決定したオープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。
次いで、S2601で設定されたオープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2602)。次いで、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルに対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2603)、ポインタ233fを0に初期化する(S2604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図39の説明に戻る。S2308の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2308:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2310)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2310:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2311)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図41(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理について説明する。図41(b)は、ラウンド数コマンド処理(S2311)の内容を示したフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S2311)は、音声ランプ制御装置114より受信したラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理(S2311)では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数と大当たり種別とに対応した表示データテーブルを決定し、その決定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。ここで、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりC、即ち16ラウンド大当たりであれば、4ラウンド目に財宝が表示される表示データテーブルが設定される。一方、大当たりBまたは大当たりDであれば、4ラウンド目に財宝が表示されない表示データテーブルが設定される。
次いで、S2701で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2702)。次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図39の説明に戻る。S2310の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2310:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2312)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2312:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2313)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図42を参照して、エンディングコマンド処理(S2313)について説明する。図42は、エンディングコマンド処理(S2313)の内容を示したフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S2313)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理(S2313)では、まず、大当たり種別に対応したエンディング画像表示データテーブルを決定し、その決定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。ここで、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりB、即ち、確変大当たりであれば、確変遊技状態に移行することを示す「確変突入!!」の文字が表示されたエンディング表示態様である表示データテーブルが設定される。一方、大当たりCまたは大当たりDであれば、時短遊技状態に移行することを示す「時短100回」の文字が表示されるエンディング表示態様の表示データテーブルが設定される。
次いで、S2801で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2802)。次いで、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2805)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図39の説明に戻る。S2312の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2312:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用言語設定コマンドがあるか否かを判別し(S2314)、表示用言語設定コマンドがあれば(S2314:Yes)、言語設定コマンド処理を実行して(S2315)、S2301の処理へ戻る。ここで、この表示用言語設定コマンドは、サブ表示制御装置900で言語設定が実行された場合に、その設定された言語を示すコマンドがサブ表示制御装置900より出力される。
ここで、図43を参照して、この言語設定コマンド処理(S2315)について説明する。図43は、この言語設定コマンド処理(S2315)の内容を示したフローチャートである。言語設定コマンド処理(S2315)では、サブ表示制御装置900により通知された言語に、第3図柄表示装置81で表示される言語が切り替えるように設定する処理を実行する。
言語設定コマンド処理(図43のS2315)では、まず、受信した表示用言語設定コマンドが示す言語に対応する言語設定フラグ233mをオンに設定する(S2901)。
S2901の処理で設定した言語に対応する表示言語データ格納エリア235fの先頭アドレスを設定する(S2902)。S2901の処理で設定した言語に対応する表示予告データ格納エリア235gの先頭アドレスを設定する(S2903)。
ここで、各表示データテーブルにおいて、文字データが設定されている場合には、その文字データ種別の差分アドレスが設定されている。その差分アドレスに基づいて、S2902の処理で設定されている先頭アドレスから差分アドレス分を加算したアドレスに格納されている文字データを表示用言語データ格納エリア235fより選択して表示データテーブルバッファ233dに設定する。このように構成することで、言語が切り替えられても同一の表示データテーブルを用いて表示する言語を切り替えることができる。よって、容易な構成で表示言語を切り替えることができる。
また、第3図柄表示装置81に表示される予告図柄であるキャラクタ(図7(b)〜(c)参照)についても、表示データテーブルに差分アドレスが設定されており、そのアドレスをS2903の処理で設定されている先頭アドレスに加算して、キャラクタ情報を表示用予告データ格納エリア235gより選択することで、言語に対応した予告キャラクタを選択することができる。よって、言語切替がされても、同一の表示データテーブルを用いてキャラクタを言語に対応させて切り替えることができる。
なお、本実施形態では、差分アドレスを用いて、文字データと予告キャラクタとを選択するように構成したが、それに限らず、各言語の文字データ毎に専用の選択コマンドや選択テーブル等を用いて選択するように構成してもよい。
ここで、図39の説明に戻る。S2314の処理において、表示用言語設定コマンドがないと判別されると(S2314:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2316)、エラーコマンドがあれば(S2316:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2317)、S2301の処理へ戻る。
ここで、図44を参照して、エラーコマンド処理(S2317)の詳細について説明する。図44は、エラーコマンド処理(S2317)を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3001)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3002)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3001の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3002の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3002に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図39の説明に戻る。S2216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2318)、S2301の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2301の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2301:Yes)、再びS2302〜S2318の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2301〜S2318の処理が繰り返し実行され、S2301の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図38(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2209)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図40(a)参照)および停止種別コマンド処理(図40(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図40(a)参照)では、S2401の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2402の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図45〜図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2203)の詳細について説明する。図45は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理(S2203)では、図45に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3101)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3101:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3102〜S3104の処理をスキップし、S3105の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3101:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3102)、S3103〜S3104の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3103の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3103)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3103:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3104)。
ここで、図46を参照して、警告画像設定処理(S3104)の詳細について説明する。図46は、警告画像設定処理(S3104)を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3201)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。そして、警告画像設定処理では、S3201の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3202)、表示設定処理に戻る。
ここで、図45の説明に戻る。警告画像設定処理(S3104)の後、又は、S3103の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3103:No)、次いで、S3105の処理へ移行する。
S3105では、ポインタ更新処理を実行する(S3105)。ここで、図47を参照して、ポインタ更新処理(S3105)の詳細について説明する。図47は、ポインタ更新処理(S3105)を示すフローチャートである。このポインタ更新処理(S3105)は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理(S3105)では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3301)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3301の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3302)。その結果、End情報であれば(S3302:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3303)、デモ用表示データテーブルであれば(S3303:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3304)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3305)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3303の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3303:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3306)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3302:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図45に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理(S3105)の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3106)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3106の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3107)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3108)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3108:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3108:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3109)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3109:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3110)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3111)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3112)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3113)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3114)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3115)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3115の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2204)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3115によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3109の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3109:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3116)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3116:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3117)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3118)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3119)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3120)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3121)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
S3116の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3116:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図38(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2209)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(「○」画像または「×」画像)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図48及び図49を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(図38(b)参照)の一処理である上述の転送設定処理(S2205)の詳細について説明する。まず、図48(a)は、この転送設定処理(S2205)を示すフローチャートである。
この転送設定処理(S2205)では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3401)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3402)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図48(b)を参照して後述する。
一方、S3401の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3403)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図49を参照して後述する。
次いで、図48(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3402)について説明する。図48(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3402)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理(S3402)では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3501)、転送指示を送信していれば(S3501:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3502)。このS3502の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3502の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3502:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3502:Yes)、S3503の処理へ移行する。また、S3501の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3501:No)、S3503の処理へ移行する。
S3503の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3503)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3503:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定する(S3504)。未転送の表示言語データ記憶エリア234d2の文字データを表示言語データ格納エリア235fへ転送する転送指示を設定する(S3505)。次いで、未転送の表示予告データ記憶エリア234d3の予告キャラタデータを表示予告データ格納エリア235gに転送する転送指示を設定する(S3506)。その後、常駐画像転送設定処理(S3402)を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3503の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3503:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3507)、常駐画像転送設定処理(S3402)を終了する。これにより、V割込処理(図38(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図38(b)のS2208参照)および簡易表示設定処理(図38(b)のS2209参照)ではなく、コマンド判定処理(図39〜図44参照)および表示設定処理(図45〜図47参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図49参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図48(a)のS3401:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図49を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2205)の一処理である通常画像転送設定処理(S3403)について説明する。図49は、この通常画像転送設定処理(S3403)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2203)のポインタ更新処理(S3105)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3601)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3602)、転送データ情報であれば(S3602:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3603)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3604)、S3605の処理へ移行する。
また、S3602の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3602:No)、S3603及びS3604の処理をスキップして、S3605の処理へ移行する。S3605の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3605)、転送指示を設定していれば(S3605:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3606)。
このS3606の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3606の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3606:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3606:Yes)、S3607の処理へ移行する。また、S3605の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3605:No)、S3607の処理へ移行する。
S3607の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3607)、転送開始フラグがオンであれば(S3607:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3608)、S3603の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3613の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3607:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3609)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3609:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3609:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3610)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3611)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3612)、S3613の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3609の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3613の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3613)。このS3613の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3613の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3613:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3613の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3613:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3614)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3614の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3615)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2206)の詳細について説明する。図50は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2205)により設定された転送指示から、図21に示す描画リストを生成する(S3701)。即ち、S3701の処理では、タスク処理(S2204)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2205)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3702)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3702の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3703)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図38(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<サブ表示制御装置900により実行される制御処理>
次に、図51〜図65を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261により実行される制御処理について説明する。サブ表示制御装置900は、主にサイド表示装置901の表示制御とサイド表示装置901に対するタッチ操作に基づく処理を実行する。
図51を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261により実行されるメイン処理(S4000)について説明する。図51は、このメイン処理(S4000)の内容を示したフローチャートである。
メイン処理(S4000)では、まず、ブート処理を実行する(S4001)。なお、このブート処理(S4001)では、図52に示した処理が実行される。このブート処理(図52、S4001)は、表示制御装置114のMPU231により実行されるブート処理(図37、S1901)で実行されるS2001〜S2005までの処理を同一の処理が実行される。よって、その詳細な説明は省略する。
図51に戻って説明を続ける。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM263のプログラム格納エリア263aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S4002)。具体的には、表示制御装置114のMPU231により実行される初期設定処理(図36(b)、S1902)と同一であるので詳細な説明は省略する。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM265の電源投入時主画像エリア265aへ転送するように、画像コントローラ267に対して転送指示を送信する(S4003)。S4003の処理も、表示制御装置114のMPU231が実行するS1903の処理と同一であるが、電源投入時画像の内容が「Loading Now」という文字が表示される。これにより、遊技者が外国人であっても広く初期設定中の画面であることを認識させることができる。なお、この電源投入時画像についても、電源断前の言語設定を記憶可能な記憶手段を設けておき、その言語設定に対応した言語で初期設定であることを示す画像を表示するように構成してもよい。
S4003の処理が実行された後には、簡易画像表示フラグ263cをオンする(S4004)。これにより、簡易画像表示フラグ263cがオンの間は、後述する転送設定処理(図54(b)、S4505)において、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265へ転送するように画像コントローラ267へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図60(a)、S5502参照)。
また、簡易画像表示フラグ263cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ267への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図54(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS4512参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS4513参照)が実行される。
S4004の処理が実行された後には、言語初期設定処理を実行する(S4005)。この言語初期設定処理(S4005)については、図53を参照して、詳細を説明するが、パチンコ機10で電源投入時に設定する言語を決定する処理が実行される。
ここで、図53を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261により実行される言語初期設定処理(S4005)について説明する。図53は、この言語初期設定処理(S4005)の内容を示したフローチャートである。言語初期設定処理(S4005)では、まず、設定スイッチ301はオンに設定されているか判別する(S4301)。この設定スイッチ301は、パチンコ機10の背面側に設けられているスライド式のスイッチであり、電源投入時にGPS302による情報に基づいて言語設定を実行するか否かを遊技店側が設定する為のスイッチである。
設定スイッチ301がオンに設定されていると判別した場合には(S4301:Yes)、GPS302より現在地の位置データ(GPSデータ)を読み込む(S4302)。読み込んだデータは、正常な値であるか判別する(S4303)。この正常であるか否かの判断は、実際にない位置データ(設定可能として設定されている位置データ外)でないか判別する。また、位置データが読み込めなかった場合にも異常として判別される。
S4303の処理において、読み込んだ位置データが正常であると判別した場合には(S4303:Yes)、GPS302から読み込んだ位置データに基づいて言語選択テーブル264a2より設定する言語に対応する表示言語設定フラグ263pを設定する(S4304)。ここで、言語選択テーブル264a2には、GPS302の位置データに対応させてそれぞれ言語が設定されている。そして、表示言語設定フラグ263pを対応する言語を示す値(フラグ)で記憶させることで、初期設定で設定される言語を判別できる。
S4304の処理が実行された後には、表示言語設定フラグ263pが示す言語を音声ランプ制御装置113に対して通知するための言語設定コマンドを設定する(S4305)。その後、この処理を終了する。
このように、GPS302により自動的にパチンコ機10が設置された位置(緯度、経度)を判別することによりその場所で使用する言語に設定することができる。よって、遊技店側が、毎回言語設定をする手間を省くことができる。
一方、S4301の処理で設定スイッチ301がオフであると判別した場合(S4301)またはS4301の処理においてGPS302の位置データが異常であると判別した場合には(S4303:No)、S4307の処理を実行する。S4307の処理では、パチンコ機10に予め設定されているデフォルト言語(本実施形態では、日本語)に対応する表示言語設定フラグ263pをオンに設定する(S4307)。言語設定フラグ263rをオンに設定する(S4308)。その後、S4305の処理を実行する。ここで、言語設定フラグ263rがオンに設定されていると、遊技者または遊技店に対して、言語を設定するように言語設定画面(図5(a)参照)が表示される。よって、遊技店や遊技者が希望する言語に設定して遊技を始めることができる。
このように、設定スイッチ301がGPSによる言語設定を実行しないと設定されている場合には言語がデフォルト設定され、言語切替の設定をするようにサイド表示装置901に表示される。よって、遊技店の状況(遊技客の客層等)に合わせて初期言語を設定するようにできる。また、GPS302のデータが正常でない場合にもデフォルト設定され、設定画面が表示されるので、遊技店側がGPS302のデータに異常があったことを判別することができる。
次に、図54(a)を参照してサブ表示制御装置900のMPU261で実行されるコマンド割込処理について説明する。図54(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU261によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM263に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図54(b)を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理について説明する。図54(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理(図54(b)参照)は、上述した表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理(図38(b)参照)に対して、S4504,S4506〜S4507,S4512〜S4513の処理は、S2204,S2206〜S2207,S2208〜S2209の処理と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
このV割込処理では、図54(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ263cがオンであるか否かを判別し(S4501)、簡易画像表示フラグ263cがオンではない、即ち、オフであれば(S4501:No)、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像をサイド表示装置901に表示させるべく、コマンド判定処理(S4502)を実行し、次いで、表示設定処理(S4503)を実行する。
コマンド判定処理(S4502)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、サブ表示用デモコマンドやサブ表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ時に表示するスペック情報をサイド表示装置901に表示するためのサブ表示データテーブルまたは遊技方法を表示するためのサブ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ263dに設定すると共に、設定されたサブ表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ263eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。このコマンド判定処理(S4502)については、図55〜図58を参照して後述する。
表示設定処理(S4503)では、コマンド判定処理(S4502)などによって表示データテーブルバッファ263dに設定されたサブ表示データテーブルの内容に基づき、サイド表示装置901において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、サイド表示装置901に表示すべき表示態様を決定し、その決定した演出態様に対応するサブ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ263dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図59を参照して後述する。
表示設定処理(S4503)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4504)。このタスク処理では、表示設定処理(S4503)もしくは簡易表示設定処理(S4513)によって特定された、サイド表示装置901に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4505)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ263cがオンである間は、画像コントローラ267に対して、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ263cがオフである間は、転送データテーブルバッファ263eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ267に対して、所定の画像データをキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266の画像格納エリア266aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図60および図61を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4506)。この描画処理では、タスク処理(S4504)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4505)により設定された転送指示とから、描画リスト(図21と同様)を生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ267に対して送信する。これにより、画像コントローラ267では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。
次いで、サブ表示制御装置900に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4507)。次いで、言語設定処理を実行する(S4508)。この言語設定処理(S4508)では、言語設定画面(図5(a)参照)を表示してタッチ操作に基づいて言語を設定する処理を実行する。この言語設定処理(S4508)については、図62を参照して後述する。
次いで、入力検出処理を実行する(S4509)。この入力検出処理(S4509)では、サブ表示制御装置900に接続されたサイド表示装置901のタッチ操作を判別してそのタッチ操作に基づく処理を実行する。この入力検出処理(S4509)については、図63を参照して後述する。
次いで、カメラ設定処理を実行する(S4510)。このカメラ設定処理(S4510)では、サブ表示制御装置900に接続されたカメラ303で撮影した画像データを読み込んでその画像データに基づいて、顔認識を実行して、その認識結果に基づく言語設定を実行する処理を実行する。このカメラ設定処理(S4510)については、図64を参照して後述する。
次いで、発射検出処理を実行する(S4511)。この発射検出処理(S4511)では、遊技球の発射を判別して、デモ状態から通常の遊技方法の解説等にサイド表示装置901の表示を切り替える処理を実行する。この発射検出処理(S4511)の詳細については、図65を参照して後述する。そして、V割込処理を終了する。
一方、S4501の処理において、簡易画像表示フラグ263cがオンであると判別されると(S4501:Yes)、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像をサイド表示装置901に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4512)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4513)を実行して、S4504の処理へ移行する。
次いで、図55〜図58を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4502)の詳細について説明する。まず、図55は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S4502)では、図55に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4601)、未処理の新規コマンドがなければ(S4601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4601:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4603)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4602)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、サブ表示用スペック情報コマンドがあるか否かを判別し(S4604)、サブ表示用スペック情報コマンドがあれば(S4604:Yes)、スペック情報コマンド処理を実行して(S4605)、S4601の処理へ戻る。
ここで、図56を参照して、スペック情報コマンド処理(S4605)の詳細について説明する。図56は、このスペック情報コマンド処理(S4605)を示すフローチャートである。このスペック情報コマンド処理(S4605)は、音声ランプ制御装置114より受信したサブ表示用スペック情報コマンドに対応する処理を実行するものである。
スペック情報コマンド処理(S4605)では、まず、受信したサブ表示用スペック情報コマンドによって示されるスペック情報とスペック情報格納エリア263kに設定されているスペック情報とを比較してスペック情報に変更があるか判別する(S4701)。スペック情報に変更があると判別した場合には(S4701:Yes)、受信したスペック情報が正常であるか判別する(S4702)。ここで、正常であるかの判別は、設定されている正常なスペック情報の範囲内であるか判別する。例えば、大当たり確率が遊技規則の範囲であるか等が判別される。
受信したスペック情報が正常であると判別した場合には(S4702:Yes)、受信したスペック情報をスペック情報格納エリア263kに格納する(S4703)。その後、この処理を終了する。一方、S4701でスペック情報に変更がないと判別した場合(S4701:No)、またはS4702で受信したスペック情報が異常であると判別した場合には(S4702:No)、この処理を終了する。
このように、音声ランプ制御装置113から一定周期毎にスペック情報を受信することができるので、サブ表示制御装置900で電源断が発生した場合や、ノイズ等により記憶しているスペック情報のデータに異常が発生した場合にも正しいスペック情報を設定し直すことができる。
ここで、図55の説明に戻る。S4604の処理において、サブ表示用スペック情報コマンドがないと判別されると(S4604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、サブ表示用変動開始コマンドがあるか否かを判別し(S4606)、サブ表示用変動開始コマンドがあれば(S4606:Yes)、変動開始コマンド処理を実行して(S4607)、S4601の処理へ戻る。
ここで、図57を参照して、変動開始コマンド処理(S4607)の詳細について説明する。図57は、変動開始コマンド処理(S4607)を示すフローチャートである。この変動開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したサブ表示用変動開始コマンドに対応する処理を実行するものである。
変動開始コマンド処理(S4607)では、まず、サブ表示用変動開始コマンドによって示される遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態のいずれか)と状態記憶エリア263mに記憶されている遊技状態とに変更があるか(一致していないか)判別する(S4801)。遊技状態に変更があると判別した場合には、状態フラグ263nをオンに設定する(S4802)。受信したサブ表示用変動開始コマンドが示す遊技状態を状態記憶エリア263に記憶する(S4803)。その後、この処理を終了する。一方、遊技状態に変更がないと判別した場合には(S4801:No)、この処理を終了する。
このように、音声ランプ制御装置114から特別図柄の変動開始毎に出力されるサブ表示用変動開始コマンドで遊技状態を判別することができるので、変動開始に基づいて、遊技状態を切り替えて記憶することができる。よって、サイド表示装置901で表示される表示態様も遊技状態の移行に合わせて可変させることができる。
図55に戻り、説明を続ける。S4606の処理において、サブ表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4606:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、サブ表示用大当たり情報コマンドがあるか判別する(S4608)。サブ表示用大当たり情報コマンドがあると判別した場合には(S4608:Yes)、大当たり情報コマンド処理を実行する(S4609)。その後、S4601の処理に戻る。
ここで、図58を参照して、大当たり情報コマンド処理について説明する。図58は、大当たり情報コマンド処理(S4609)の内容を示したフローチャートである。この大当たり情報コマンド処理(S4609)は、音声ランプ制御装置114より受信したサブ表示用大当たり情報コマンドに対応する処理を実行するものである。
大当たり情報コマンド処理(S4609)では、まず、サブ表示用大当たり情報コマンドによって示される大当たり情報が大当たりのエンディングを示す情報であるか判別する(S4901)。大当たりのエンディングを示す情報であると判別した場合には(S4901:Yes)、状態フラグ263nをオンに設定して(S4902)、大当たりの終了を示す情報を状態記憶エリア263mに設定する(S4903)。その後、この処理を終了する。一方、受信しサブ表示用大当たり情報コマンドが大当たりのエンディングを示す情報でないと判別した場合には(S4901:No)、受信したコマンドが大当たりのオープニング(開始)を示すコマンドであるか判別する(S4904)。オープニングを示すコマンドであると判別した場合には(S4904:Yes)、状態フラグ263nをオンに設定して(S4905)、状態記憶エリア263mに大当たりの開始を示す情報を設定する(S4906)。一方、S4904の処理で、受信したコマンドがオープニングを示した情報でないと判別した場合には(S4904:No)、この処理を終了する。
このように、大当たりの開始となると状態フラグ263nがオンにされることによりサイド表示装置901の内容が状態記憶エリア263mに設定されている大当たり開始の内容に切り替えて表示することができる。また、大当たりの終了タイミングでも表示を切り替えることができるので、遊技者に大当たりの開始と終了を分かり易く認識させることができる。また、本実施形態では、大当たり遊技中には、図7(a)に示すような大当たりの解説をサイド表示装置901に表示するが、その表示の切り替えを大当たりの開始に基づいて切り替えることができるので、遊技者に分かり易く大当たり遊技を説明できる。
また、本実施形態では、サイド表示装置901の表示態様をオープニングのタイミングで切り替えたが、それに限らず、特別図柄が大当たりを示す図柄で停止表示したことを音声ランプ制御装置113より通知するように構成し、そのタイミングに基づいて、大当たり中の表示に切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、大当たりの開始前に大当たりについて説明することができ、遊技者に大当たりの開始から分かり易く遊技を行わせることができる。
ここで、図55の説明に戻る。S4608の処理において、サブ表示用大当たり情報コマンドがないと判別されると(S4608:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4610)、エラーコマンドがあれば(S4610:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4611)、S4601の処理へ戻る。このエラーコマンド処理では、表示制御装置114で実行されるエラーコマンド処理(図44、S2317)と同様の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
S4610の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4610:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4612)、S4601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4601:Yes)、再びS4602〜S4612の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4601〜S4612の処理が繰り返し実行され、S4601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図59を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4503)の詳細について説明する。図59は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理(S4503)では、図59に示すように、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S5001)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S5001:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S5002)。この警告画像設定処理(S5002)は、上述した表示制御装置114のMPU231により実行される警告画像設定処理(図46、S3104)と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
警告画像設定処理(S5002)の後、又は、S5001の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S5001:No)、次いで、S5003の処理へ移行する。
S5003では、ポインタ更新処理を実行する(S5003)。このポインタ更新処理(S5003)は、上述した表示制御装置114のMPU231により実行されるポインタ更新処理(図47、S3105)と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
ポインタ更新処理(S5003)の後、表示データテーブルバッファ263dに設定されているサブ表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ263fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S5004)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S5004の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ263hの値を1だけ減算する(S5005)。なお、本実施形態では、新たなサブ表示データテーブルが設定されるまで、計時カウンタ263hの値が0となると初めに設定された初期値に設定される。即ち、同じ表示が繰り返し実行される。
次いで、言語設定フラグ263rがオンであるか判別する(S5006)。ここで、言語設定フラグ263rがオンである場合には、図5(a)に示す言語設定画面が表示されている状態であるので、表示の切り替えは行わないよう設定される。S5006の処理で、言語設定フラグ263rがオンであると判別した場合には、この処理を終了する。
一方、S5006の処理において、言語設定フラグ263rがオフであると判別した場合には(S5006:No)、状態フラグ263nがオンであるか判別する(S5007)。S5007の処理において、状態フラグ263nがオフであると判別した場合には(S5007:No)、この処理を終了する。一方、状態フラグ263nがオンである場合には(S5007:Yes)、遊技状態や大当たり状態の移行(切替)が行われたタイミングであることを示している。S5007の処理において、状態フラグ263nがオンであると判別した場合には(S5007:Yes)、状態記憶エリア263mに設定されている遊技状態と表示言語設定フラグ263pが示す言語とに基づいて対応するサブ表示データテーブルをデータテーブル格納エリア263bより選択して、表示データテーブルバッファ263dに設定する(S5008)。なお、データテーブル格納エリア263bには、図18に示すサブ表示データテーブルA〜Fが設定されており、各サブ表示データテーブルには、選択される場合の遊技状態(大当たり状態含む)が設定されている。
次いで、転送データテーブルバッファ263eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5009)。そして、サブ表示データテーブルの設定時間に対応する時間データを計時カウンタ263hに設定し(S5010)、更に、ポインタ263fの値を0に初期化する(S5011)。状態フラグ263nをオフに設定し(S5012)、その後、この処理を終了する。
このように、状態フラグ263nがオンに設定されると新たな対応するサブ表示データテーブルが設定されるので、サイド表示装置901の表示態様を遊技状態(大当たり状態含む)に対応した内容に切り替えることができる。なお、本実施形態では、サブ表示データテーブルの種類は、図18に示す種類としたがそれに限らず、多種の遊技の状態に対応した種類を設定してもよいし、一つの遊技状態に対して、複数のサブ表示データテーブルの中より選択して設定するように構成してもよい。
次いで、図60及び図61を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理(図54(b)参照)の一処理である上述の転送設定処理(S4505)の詳細について説明する。まず、図60(a)は、この転送設定処理(S4505)を示すフローチャートである。
この転送設定処理(S4505)では、まず、簡易画像表示フラグ263cがオンか否かを判別する(S5501)。そして、簡易画像表示フラグ263cがオンであれば、(S5501:Yes)、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S5502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ267に対して、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図60(b)を参照して後述する。
一方、S5501の処理の結果、簡易画像表示フラグ263cがオンではない、即ち、オフであれば、(S5501:No)、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S5503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM264からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM266に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、図60(b)を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行される転送設定処理(S4505)の一処理である常駐画像転送設定処理(S5502)について説明する。図60(b)は、この常駐画像転送設定処理(S5502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理(S5502)では、まず、画像コントローラ267に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S5601)、転送指示を送信していれば(S5601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ267により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S5602)。このS5602の処理では、画像コントローラ267に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ267から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5602:No)、画像コントローラ267において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5602:Yes)、S5603の処理へ移行する。また、S5601の処理の結果、画像コントローラ267に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S5601:No)、S5603の処理へ移行する。
S5603の処理では、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S5603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S5603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265へ転送するように、画像コントローラ267に対する転送指示を設定する(S5604)。未転送の表示言語データ記憶エリア264d2の文字データを表示言語データ格納エリア265cへ転送する転送指示を設定する(S5605)。
これにより、描画処理において画像コントローラ267に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ267は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM266へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM264の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM265)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM265に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ267は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM264から読み出して一旦バッファRAM267aに格納した後、常駐用ビデオRAM266の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM266の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU261に対して、転送終了信号を送信する。
S5603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S5603:Yes)、簡易画像表示フラグ263cをオフに設定して(S5606)、常駐画像転送設定処理(S5502)を終了する。これにより、V割込処理(図54(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図54(b)のS4512参照)および簡易表示設定処理(図54(b)のS4513参照)ではなく、コマンド判定処理(図55〜図58参照)および表示設定処理(図59参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、サイド表示装置901には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM264からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図61参照)により、通常用ビデオRAM266に対して行われる(図60(a)のS5501:No参照)。
MPU261は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM264から常駐用ビデオRAM265に対して転送することができる。そして、MPU261は、常駐用ビデオRAM265に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM265に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM265に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM265に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM265に転送された後、サブ表示制御装置900は、この常駐用ビデオRAM265に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ267にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM265に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ264aで構成されたキャラクタROM264から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行ってサイド表示装置901に描画した画像を表示することができる。
次いで、図61を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行される転送設定処理(S4505)の一処理である通常画像転送設定処理(S5503)について説明する。図61は、この通常画像転送設定処理(S5503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ263eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4503)のポインタ更新処理(S5003)によって更新されたポインタ263fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S5701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S5702)、転送データ情報であれば(S5702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM264の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM266)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM263に設けられた転送データバッファに格納し(S5703)、更に、ワークRAM263に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S5704)、S5705の処理へ移行する。
また、S5702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S5702:No)、S5703及びS5704の処理をスキップして、S5705の処理へ移行する。S5705の処理では、画像コントローラ267に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S5705)、転送指示を設定していれば(S5705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ267により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S5706)。
このS5706の処理では、画像コントローラ267に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ267から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5706:No)、画像コントローラ267において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5706:Yes)、S5707の処理へ移行する。また、S5705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ267に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S5705:No)、S5707の処理へ移行する。
S5707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S5707)、転送開始フラグがオンであれば(S5707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S5708)、S5703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S5709の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S5707:No)、この処理を終了する。
S5709の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM266に既に格納されているか否かを判別する(S5709)。このS5709の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ263iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ263iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM266に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM266に格納されていないと判断する。
そして、S5709の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM266に格納されていれば(S5709:Yes)、キャラクタROM264から通常用ビデオRAM266に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266に対して転送されるのを抑制することができ、サブ表示制御装置900の各部における処理負担の軽減や、バスライン260におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S5709の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM266に格納されていなければ(S5709:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S5710)。これにより、描画処理において画像コントローラ267に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ267は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM264の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM266)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM266の画像格納エリア266aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ267は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM264から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM266)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU261に対して、転送終了信号を送信する。
S5710の処理の後、格納画像データ判別フラグ263iを更新し(S5711)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ263iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア266aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、サブ表示用スペック情報コマンド)等に応じて、サブ表示データテーブルが表示データテーブルバッファ263dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ263eに設定される。そして、MPU261は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ263eに設定された転送データテーブルのポインタ263fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ267に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ263dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266へ転送することができる。
ここで、サブ表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア266aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM264から画像格納エリア266aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM265に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア266aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ264aによってキャラクタROM264を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM264から読み出し、通常用ビデオRAM266へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する表示態様をサイド表示装置901に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM265に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM264から通常用ビデオRAM266への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図62を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述の言語設定処理(S4508)の詳細について説明する。図62は、この言語設定処理(S4508)を示すフローチャートである。この言語設定処理(S4508)では、言語設定画面の表示設定やタッチ操作による言語の選択処理等を実行する。
言語設定処理(図62、S4508)では、まず、言語設定フラグ263rがオンに設定されているか判別する(S5101)。言語設定フラグ263rは、言語設定画面を表示する状態であるか否かを示すフラグである。言語設定フラグ263rがオフであると判別した場合には(S5101:No)、言語設定を実行する状態ではないため、この処理を終了する。一方、S5101の処理において、言語設定フラグ263rがオンであると判別した場合には(S5101:Yes)、言語設定画面(図5(a)参照)がサイド表示装置901に表示されている状態であるか判別する。ここで、言語設定画面(図5(a)参照)が表示されているか否かの判別は、表示データテーブルバッファ263dに言語設定のサブ表示データテーブルが設定されているか判別することにより実行される。
S5102の処理において、言語設定画面(図5(a)参照)がサイド表示装置901に表示されていると判別した場合には(S5102:Yes)、サイド表示装置901の表示画面における言語表示領域がタッチ操作されたか判別する(S5103)。なお、この判別は、タッチ操作された座標に表示されている表示情報を設定されているサブ表示データテーブルより判別して、言語を示す領域(図5(a)のt領域内)であるか判別する。言語表示領域がタッチ操作されていないと判別した場合には(S5103:No)、この処理を終了する。一方、言語を示す領域がタッチ操作されたと判別した場合には(S5103:Yes)、表示言語設定値格納エリアにタッチ操作に対応する言語を示す設定値(情報)を格納し、その対応する言語に対して表示言語ポインタを設定されているサブ表示データテーブルに設定する(S5104)。その後、この処理を終了する。ここで、S5104の処理で表示言語ポインタは、言語設定画面(図5(a)参照)に選択している言語を示す表示(t領域)を設定するものである。
一方、S5102の処理において、言語設定画面(図5(a)参照)が設定されていないと判別した場合には(S5102:No)、言語設定画面(図5(a)参照)をサイド表示装置901に表示設定するためのサブ表示データテーブルを設定する。その後、この処理を終了する。
次いで、図63を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述の入力検出処理(S4509)の詳細について説明する。図63は、この入力検出処理(S4509)を示すフローチャートである。この入力検出処理(S4509)では、サイド表示装置901のタッチパネルがタッチ操作されたか判別して、その判別結果に基づいて各処理や設定を実行する。
入力検出処理(図63、S4509)では、まず、言語切替アイコン901e(図5(b)参照)が押下されたか判別する(S5201)。ここでは、タッチ操作された座標に基づいて、その座標が設定されているサブ表示データテーブルにおける言語切替アイコン901eの設定座標であるかが判別される。言語切替アイコン901eを押下したと判別した場合には(S5201:Yes)、言語設定フラグ263rをオンに設定する(S5202)。その後、S5203の処理を実行する。言語切替アイコン901eをオンに設定することで、図5(a)に示す言語設定画面が上述した言語設定処理(図62のS4508)のS5105によりサイド表示装置901に表示されるように設定される。一方、S5201の処理で言語切替アイコン901eが押下されていないと判別した場合には(S5201:No)、S5203の処理を実行する。
S5203の処理では、言語設定アイコン901k(図5(a)参照)が押下された判別する。言語設定アイコン901kは、図5(a)に示す言語設定画面がサイド表示装置901に表示されている場合に表示されるアイコンである。
言語設定アイコン901kが押下されていないと判別した場合には(S5203:No)、S5208の処理に移行する。一方、言語設定アイコン901kが押下されたと判別した場合には(S5203:Yes)、言語設定フラグ263rをオフに設定する(S5204)。表示言語設定値格納エリア263sに格納されている言語に対応する表示言語設定フラグ263pを設定する(S5206)。状態フラグ263nをオンに設定する(S5207)。その後、S5208の処理を実行する。ここで、状態フラグ263nがオンに設定されることで、言語設定画面(図5(a)参照)から現在の遊技状態に基づいた表示態様に上述した表示設定処理(図59、S4503)のS5008によりサイド表示装置901の表示内容が切り替えられる。
S5208の処理では、言語設定画面(図5(a)参照)における次アイコン901mが押下されたか判別する(S5208)。次アイコン901mが押下されていないと判別した場合には(S5208:No)、S5210の処理を実行する。一方、次アイコン901mが押下されたと判別した場合には(S5208:Yes)、設定されている言語設定画面のサブ表示データテーブルの次画面(次ページ)に対応するサブ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ263dに設定する(S5209)。その後、S5210の処理を実行する。
S5210の処理では、言語設定画面(図5(a)参照)における戻るアイコン901nが押下されたか判別する(S5210)。戻るアイコン901nが押下されていないと判別した場合には(S5210:No)、この処理を終了する。一方、S5210の処理において、戻るアイコン901nを押下したと判別した場合には(S5210:Yes)、現在、表示データテーブルバッファ263dに設定されている言語設定画面のサブ表示データテーブルの一つまえのページに対応する言語設定画面のサブ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ263dに設定する(S5211)。その後、この処理を終了する。
このように、サイド表示装置900のタッチ操作により、言語設定や、言語設定画面の切替を行うことができる。よって、遊技者の希望する言語に容易な操作で切り替えることができる。
次いで、図64を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述のカメラ設定処理(S4510)の詳細について説明する。図64は、このカメラ設定処理(S4510)を示すフローチャートである。このカメラ設定処理(S4510)では、サブ表示制御装置900に接続されたカメラ303から取り込んだ画像データを判別して、その判別結果に基づいて言語設定を実行する処理が行われる。
カメラ設定処理(図64、S4510)では、まず、状態記憶エリア263mにデモ状態が設定されているか判別する(S5301)。ここで、状態記憶エリア263mにデモ状態が記憶されている場合には、第3図柄表示装置81にデモ画面が表示されることが可能な期間(デモとデモの間含む)であることを示している。
S5301の処理において、状態記憶エリア263mにデモ状態が記憶されている場合には(S5301:Yes)、人感センサ304がオンであるか判別する(S5302)。ここで、人感センサ304がオンである場合には、パチンコ機10の前に遊技者(人)が居る状態である。人が居るとは、遊技可能な距離(発射ハンドル)を握れる距離に居ることである。S5302の処理において、人感センサ304がオンであると判別した場合には(S5302:Yes)、カメラ303から画像データ(遊技者の顔の画像データ)を読み込む(S5303)。読み込んだ画像データに基づいて顔認識の処理を実行する(S5304)。その後、S5305の処理を実行する。ここで、この顔認識は、既に公知のものであり、肌の色や、髪の毛の色等を判別する。一方、状態記憶エリア263mに記憶されている状態がデモ状態でない場合(S5301:No)、また、人感センサ304がオフである場合には(S5302:No)、この処理を終了する。
S5305の処理では、S5304で実行した顔認識の結果が日本人であるか判別する(S5306)。ここで、日本人であるか否かの判別は、髪の色が金髪でないか、黒目の色が黒であるか等によって実行される。S5305の処理において、日本人であると判別した場合には(S5305:Yes)、日本語に対応する表示言語設定フラグ263pを設定する(S5306)。その後、この処理を終了する。一方、S5305の処理において、顔認識の結果が日本人でないと判別した場合には(S5305:No)、英語に対応する表示言語設定フラグ263pを設定する(S5307)。その後、この処理を終了する。
なお、このカメラ設定処理(図64、S4510)を実行しないまたは、顔認識の処理をしないように設定する切替スイッチをパチンコ機10に設けて設定するように構成してもよい。さらに、パチンコ機10にマイクを設けて、マイクに向けて遊技者が話した言語に基づいて、その言語に対応する切替をサブ表示制御装置900等が実行するように構成してもよい。
なお、本実施形態では、顔認識をして、その判別結果に基づいて言語設定を行うように構成したが、それに限らず、顔認識の判別結果により言語設定画面で表示される言語種別の並び順を変更し表示するように構成してもよい。ここでは、顔認識の判別結果から遊技者の国籍を判別して、アジア系であれば、日本語や、中国語、韓国語等が1ページ目の上位に表示され、白人の遊技者であれば、英語、フランス語、イギリス語、ロシア語等が1ページ目の上位に表示される。よって、遊技者によって表示される順序が変更されるので、複数の言語候補から遊技者に対応する言語を容易に見つけ出して選択することができる。また、音声認識等により遊技者が言語をパチンコ機10に向かって話すことで、その対応する言語を言語設定画面の上位順序(最上位)に表示するように構成してもよい。また、言語設定画面が表示されている場合に、遊技者が言語をパチンコ機10に向かって話すことで、表示されている言語の順序が対応する言語が上位となるように並び変えられるように構成してもよい。
次いで、図65を参照して、サブ表示制御装置900のMPU261で実行されるV割込処理の一処理である上述の発射検出処理(S4511)の詳細について説明する。図65は、この発射検出処理(S4511)を示すフローチャートである。この発射検出処理(S4511)では、デモ状態中に遊技球が発射されたことを検出すると設定されている遊技状態に対応する表示態様にサイド表示装置901の表示態様を切り替える処理を実行する。
発射検出処理(図65、S4511)では、まず、状態記憶エリア263mにデモ状態が記憶されているか判別する(S5401)。ここで、状態記憶エリア263mにデモ状態が記憶される場合には、すでに記憶されている遊技状態に加えてデモ状態であることが記憶されている。
状態記憶エリア263mにデモ状態が設定されていない場合には、この処理を終了する。一方、状態記憶エリア263mにデモ状態であることが記憶されている場合には(S5401:Yes)、発射センサ305がオンに設定されているか判別する(S5402)。発射センサ305は、図2に示すように遊技盤13の発射レール出口にゲート型(磁気検知式)のセンサとして取り付けされている。
S5402の処理において、発射センサ305がオフである場合には(S5402:No)、この処理を終了する。一方、S5402の処理において、発射センサ305がオンであると判別した場合には(S5402:Yes)、状態記憶エリア263mに設定されているデモ状態から遊技状態のみの情報に切り替えて設定する(S5403)。状態フラグ263nをオンに設定する(S5404)。その後、この処理を終了する。
このように、デモ状態時に発射が検知されると、遊技状態に合わせた表示態様がサイド表示装置901に表示されるように状態フラグ263nがオンに設定される。上述したように、表示設定処理(図59、S4503)のS5008の処理により状態フラグ263nがオンに設定される設定されている遊技状態(大当たり状態含む)によりサイド表示装置901に表示される表示態様が切り替えられる。よって、遊技者が遊技を開始したのに合わせて、サイド表示装置901に遊技の説明等を表示することができ、分かり易く遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、発射センサ305を別に設けたがそれに限らず、発射ハンドル51のタッチセンサ51aを検知して、ハンドルがデモ中に握られたらサイド表示装置901の表示態様を切り替えるように設定してもよい。また、デモ状態中に遊技者がサイド表示装置901をタッチ操作したことに基づいて、表示態様を切り替えるように設定してもよい。
本実施形態の構成では、パチンコ機10の右側に回動可能にサイド表示装置901を第3図柄表示装置81とは別に設けたので、第3図柄表示装置81の演出に加えて、遊技者に対する表示演出を多種多様にすることができる。さらに、回動可能としたことで、遊技者の見やすい角度に回動させたり、隣のパチンコ機の邪魔にならない位置に回動させることができる。さらに、サイド表示装置901はタッチパネル式としたので、直接画面をタッチ操作することができ、遊技者に分かり易く操作させることができる。
また、サイド表示装置901を使用して、言語設定をすることができるように構成したので、言語が異なる遊技者にも分かり易く遊技を行わせることができる。さらに、大当たり期待度を告知するキャラクタについても言語に対応して切り替えられるように設定したので、遊技者の国籍に対応して大当たり期待度を分かり易く報知できる。
また、遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、大当たり開始、大当たり終了)に基づいて、サイド表示装置901で表示される表示態様を切り替えるように構成したので、遊技状態が移行したことをサイド表示装置901で認識できる。また、各遊技状態での遊技方法を分かり易くサイド表示装置901で表示したので、遊技状態が移行しても戸惑う不具合を抑制できる。
また、パチンコ機10の設置場所をGPS302により識別して、その場所に合わせた言語で設定するように構成したので、電源投入の度に、毎回言語設定をする手間を抑制できる。
なお、本実施形態では、サブ表示制御装置900には、電断時に設定言語がバックアップされない構成としたが、それに限らず、フラッシュメモリや、バックアップ電源等により設定言語を保持できる構成として、電源投入時に音声ランプ制御装置113に対して設定言語について通知するように構成してもよい。
また、遊技者の操作によりサイド表示装置901に表示される表示態様を切り替えることが可能に設定してもよい。具体的には、熟練した遊技者には、遊技説明等は必要ないので、第3図柄表示装置81で表示される内容と同期させてもよいし、サイド表示装置901で専用の抽選演出(特別図柄の変動と同期)を実行するように構成してもよい。
さらには、遊技の統計(選択された変動パターン種別の履歴回数や、大当たり回数、総出玉数)等を表示できるように構成してもよい。また、本実施形態では、サイド表示装置901は、タッチパネルとしたが、それに限らず、通常の液晶表示装置としてもよい。また、音声認識によりサイド表示装置901の表示内容や言語設定を行うように設定してもよい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
また、本実施形態では、電気的構成として、主制御装置110、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114、サブ表示制御装置900等で分担してパチンコ機10の制御を実行するように構成したがそれに限らず、統合した一つの制御装置で制御を実行するように構成してもよい。また、主制御装置110以外の制御装置のすべてまたは一部を統合した制御装置としてもよい。
なお、上記した各構成、変形例のすべてまた一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(言語を切替)
少なくとも遊技の内容を示す文字情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示する複数種類の言語種別に対応した前記文字情報が記憶された記憶手段と、前記表示手段に表示される前記文字情報の言語種別を所定条件の成立に基づいて決定する決定手段と、その決定手段により決定された言語種別に対応する前記文字情報を前記記憶手段より取得して前記表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする遊技機A1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、文字を表示して遊技者に遊技の内容や遊技の状態等の報知が行われている。このようなパチンコ機において、液晶表示上に多種多様なコメント等を文字で表示することにより遊技者により分かり易く遊技を行わせるものが提案されている(例えば、特開2007−105333号公報)。この場合、表示される言語については、予め定められた言語の文字で表示されるのみであり、異なる言語に切り替えられないことにより遊技が単調なものとなり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合があった。
遊技機A1によれば、所定条件が成立することに基づいて、表示手段に表示される言語種別が切り替えられることが可能であるので、多様な言語で遊技の内容を表示して遊技者に多様な演出を行うことができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、遊技者が複数の言語種別より1の言語種別を選択することが可能な選択手段と、その選択手段により選択された言語種別を判別する判別手段と、を有し、前記決定手段は、判別手段により判別された言語種別を決定するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技者が言語種別を選択することができるので、遊技者の希望する言語に合わせた文字情報で表示することができ、遊技者が分かり易く遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A2において、前記選択手段により選択可能な言語種別を示す言語情報が表示される言語情報表示手段を有することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、選択手段により分かり易く言語種別を選択することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記言語情報表示手段は、前記表示手段とは別に設けられており、前記選択手段は、前記言語情報表示手段に表示された前記言語情報を遊技者がタッチ操作することで1の言語を選択可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、表示手段とは別に設けられた言語情報表示手段をタッチ操作することで言語種別が選択できるので、表示手段で表示される情報を妨げることを抑制して言語種別の選択ができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を前記表示手段に所定期間、動的表示した後に停止表示する動的表示手段と、その動的表示手段により特定の抽選結果を示す前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、表示手段には、抽選結果を示す識別情報が表示されるので、特定の抽選結果が表示されることを期待して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A5において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示されている期間に、前記抽選結果が特定の抽選結果である期待度を示す予告表示態様を前記表示手段に表示する予告表示手段と、その予告表示手段により表示される予告表示態様の種別を前記抽選手段による抽選結果に基づいて選択する予告選択手段と、前記決定手段により決定された言語種別に基づいて前記予告選択手段により選択される前記予告表示態様を決定された言語種別に対応した前記予告表示態様に切り替える切替手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、期待度を示す予告表示態様を決定された言語種別に対応して切り替えることができるので、遊技者の国籍等に合わせた表示態様で期待度の報知を行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、少なくとも遊技の内容を示す音声を出力可能な音声出力手段と、その音声出力手段により出力される前記複数の言語種別に対応した音声データが記憶された音声記憶手段と、その音声記憶手段から前記決定手段により決定された言語種別に対応する音声データを選択する音声選択手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、出力される音声を決定手段により決定される言語に合わせることができるので、遊技者により分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、現在地情報を識別可能な位置識別手段を有し、前記決定手段は、前記位置識別手段により識別された現在地情報に対応する言語種別を決定するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかに奏する効果に加え、遊技機が設置された位置情報に対応した言語を決定することができるので、設置する国に合わせた言語で表示することができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技者の画像情報を取得可能な画像情報取得手段と、その画像情報取得手段により取得された画像情報から遊技者の国籍を判別する国籍判別手段とを有し、前記決定手段は、前記国籍判別手段により判別された国籍に基づいて言語種別を決定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の国籍に合わせた言語を決定して表示することができるので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A5からA9のいずれかにおいて、複数の遊技状態から1の遊技状態を所定の契機に基づいて設定する設定手段と、その設定手段により設定された遊技状態に基づいた遊技情報を前記表示手段に表示させる遊技情報表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A5からA9のいずれかの奏する効果に加え、遊技状態の変化に基づいて遊技情報が表示手段に表示されるので、遊技者に遊技状態の変化を分かり易く報知できるという効果がある。
遊技機A10において、前記遊技情報は、設定されている遊技状態における遊技方法を示す表示態様が含まれるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、遊技状態に基づく遊技方法が遊技情報として表示されるので、遊技方法が変更されても遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A10またはA11において、前記遊技状態に基づいて、前記抽選手段の抽選確率を設定する抽選確率設定手段を有し、前記遊技情報には、前記抽選確率設定手段により設定されている抽選確率を示す情報が含まれるものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A10またはA11の奏する効果に加え、遊技状態に基づいて設定される抽選確率を表示される遊技情報により識別できるので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(サイド表示で遊技方法解説)
抽選条件の成立に基づいて、抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に特定の抽選結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技の遊技状態として、第1遊技状態とその第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態とを切り替えて設定可能な遊技状態設定手段と、前記第1表示手段とは異なる第2表示手段と、その第2表示手段に前記識別情報とは異なる遊技情報を表示させる第2表示制御手段と、その第2表示制御手段により表示される前記遊技情報の内容を前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態に基づいて切り替える切替手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、例えば、パチンコ機等の遊技機では、始動口等への遊技球の入賞に伴って成立する抽選条件の成立を契機に、所定の抽選確率により遊技の当否判定が実行される。遊技の当否判定で当たりと判定されると、抽選確率を遊技者に有利となる高確率に移行させるか否かの判定が実行され、移行させると判定された場合には、抽選確率が高確率に設定される遊技状態に移行される遊技機が知られている。このように、複数の遊技状態に移行させることで、遊技を多様にした遊技機が提案されている(例えば、特開2011−125820号公報)。
これに対して、複数の遊技状態が切り替えられて設定されることで、遊技内容が複雑となり、遊技者が設定されている遊技状態の内容等を認識することが難しくなっていた。
遊技機B1によれば、識別情報とは異なる遊技情報が遊技状態に基づいて切り替えられて第2表示手段に表示されるので、遊技者に遊技状態の切り替わりを分かり易く識別させることができる。よって、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1において、遊技球が入球可能な入球口と、その入球口に入球したことに基づいて前記抽選条件の成立を判別する判別手段と、前記抽選手段により前記特定の抽選結果と抽選される抽選確率を前記遊技状態に基づいて可変させる確率設定手段とを有し、前記第2表示手段による表示される前記遊技情報として、前記確率設定手段により設定された抽選確率を示す確率情報が少なくとも含まれるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技状態により可変される抽選確率が遊技情報として第2表示手段に表示されるので、抽選確率を正しく認識して遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別を決定する特典遊技決定手段を有し、前記第2表示手段に表示される遊技情報には、前記特典遊技決定手段により決定された特典遊技の種別に関する情報が含まれるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、実行されている特典遊技の種別を第2表示手段に表示される遊技情報で確認することができ、遊技者が特典遊技を分かり易く行うことができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、遊技領域に遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により遊技球が発射されたことを検知する検知手段と、前記抽選条件が所定期間の間、成立しない場合に、前記第2表示手段に予め定められた待ち受け表示態様を表示する待ち受け表示手段と、を有し、前記切替手段は、前記第2表示手段に前記待ち受け表示態様が表示されている場合に、前記検知手段により遊技球の発射が検知されることに基づいて、前記待ち受け表示態様から前記設定されている遊技状態に基づいた遊技情報に切り替えて表示するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、遊技者が遊技を開始したことを検知手段により検知して第2表示手段の表示態様を遊技の開始に合わせた表示態様に切り替えることができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第2表示手段で表示される前記遊技情報には、前記入球口の位置を遊技者に報知する報知態様が含まれるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加え、第2表示手段に入球口の位置が表示されるので、遊技者は遊技の方法を遊技情報から認識できるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記第1表示手段と前記第2表示手段とに表示される言語種別を可変する言語可変手段と、その言語可変手段により可変される言語種別を遊技者が指定することが可能な言語指定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が指定する言語種別に可変させることができるので、遊技者に分かり易く遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第2表示手段は、遊技者が表示領域をタッチ操作したことを判別可能な操作判別手段を有し、前記第2表示制御手段は、前記操作判別手段による判別結果に基づいて、表示する遊技情報の内容を可変させるものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、第2表示手段をタッチ操作することで遊技情報の内容を可変できるので、遊技者に合わせた遊技情報を表示して、遊技を多種多様にできるという効果がある。
遊技機B4からB7のいずれかにおいて、前記入球口として、第1入球口とその第1入球口とは異なる第2入球口とが設けられており、前記遊技状態設定手段により設定される遊技状態に基づいて、遊技者に有利となる入球口の種別を設定する入球設定手段とを有し、前記第2表示手段により表示される前記遊技情報には、前記遊技者に有利となる入球口を示す入球情報が含まれるものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B4からB7のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に有利となる入球口について報知できるので、遊技者に有利な遊技方法を分かり易く報知できるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、文字を表示して遊技者に遊技の内容や遊技の状態等の報知が行われている。このようなパチンコ機において、液晶表示上に多種多様なコメント等を文字で表示することにより遊技者により分かり易く遊技を行わせるものが提案されている(例えば、特許文献1:特開2007−105333号公報)。
この種のパチンコ機において、表示される言語については、予め定められた言語の文字で表示されるのみであり、異なる言語に切り替えられないことにより遊技が単調なものとなり、遊技者が早期に飽きてしまう不具合があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に飽きてしまうことを防止できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、少なくとも遊技の内容を示す文字情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示する複数種類の言語種別に対応した前記文字情報が記憶された記憶手段と、前記表示手段に表示される前記文字情報の言語種別を所定条件の成立に基づいて決定する決定手段と、その決定手段により決定された言語種別に対応する前記文字情報を前記記憶手段より取得して前記表示手段に表示する表示制御手段とを有している。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、少なくとも遊技の内容を示す文字情報が表示手段に表示される。その表示手段に表示する複数種類の言語種別に対応した文字情報が記憶手段に記憶される。表示手段に表示される文字情報の言語種別が所定条件の成立に基づいて決定手段により決定される。その決定手段により決定された言語種別に対応する文字情報が憶手段より取得され表示制御手段により表示手段に表示される。
これにより、所定条件が成立することに基づいて、表示手段に表示される言語種別が切り替えられることが可能であるので、多様な言語で遊技の内容を表示して遊技者に多様な演出を行うことができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。