JP2021120052A - 遊技機 - Google Patents

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【課題】好適な制御処理を実行できる遊技機を提供すること。【解決手段】第1生成手段より取得された第1判定値が特定の第1判定値であるか第1判別手段によって判別され、その第1判別手段によって特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段により第1制御が実行される。第2条件が成立した場合に、第2生成手段により取得された第2判定値が特定の第2判定値であるかが第2判別手段によって判別され、その第2判別手段により特定の第2判定値であると判別された場合に第2制御手段により第2制御が実行される。第1条件と第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが取得手段によって取得される。これにより、好適な制御処理を実行できるという効果がある。【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の当たり抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の当たり抽選を行う遊技機がある。かかる遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当たり抽選を行うための判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の当たり抽選を行うための判定値を取得するものがある。
特開2012−010910号公報
しかしながら、かかる遊技機では、制御処理が複雑化してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、好適な制御処理を実行できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と、第1条件が成立した場合に、前記第1生成手段より取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であるかを判別する第1判別手段と、その第1判別手段により前記特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と、第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と、前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、前記第2生成手段より取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であるかを判別する第2判別手段と、その第2判別手段により前記特定の第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と、前記第1条件と前記第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する取得手段と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とを所定条件が成立するまで記憶する記憶手段を備える。
請求項3記載の遊技機は、請求項2に記載の遊技機において、前記所定条件は、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行された場合に、成立するものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり、前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御である。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、遊技球が入球可能な入球手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、を備え、前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり、前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1範囲内の値で第1判定値が第1生成手段により更新して生成される。第1条件が成立した場合に、第1生成手段より取得された第1判定値が特定の第1判定値であるか第1判別手段によって判別され、その第1判別手段によって特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段により第1制御が実行される。第2範囲内の値で第2判定値が第2生成手段によって更新して生成される。第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、第2生成手段により取得された第2判定値が特定の第2判定値であるかが第2判別手段によって判別される。第2判別手段により特定の第2判定値であると判別された場合に第2制御手段により第1制御とは異なる第2制御が実行される。第1条件と第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが取得手段によって取得される。
これにより、好適な制御処理を実行できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とが記憶手段により所定条件が成立するまで記憶されるので、第1判別手段による判別や、第2判別手段による判別を、記憶手段に記憶された各判定値に基づいて実行させることができる。即ち、取得手段によって取得された各判定値を用いて即座に判別する必要が無いので、制御処理における処理順序等の自由度を高めることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定条件は、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段または第2判別手段の判別が実行された場合に成立するので、取得手段によって取得された第1判定値、または第2判定値が判別に用いられる前に破棄されてしまうことを抑制できる。よって、異常な判定値に基づいて判別が実行されることを抑制できるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御により遊技者に有利な第1特典を付与するための制御が行われ、第2制御により、第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御が行われる。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件は、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立し、第2条件は、遊技球が入球可能な入球手段に入球することに基づいて成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、予告演出テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用予告演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用予告演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Cを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告演出選択処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告再選択処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される予告演出コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第2実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第2実施形態における大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2実施形態における外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される主再選択処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるウエイト経過演出処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における演出カウンタ初期値テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告演出選択処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される再取得処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第4実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 第4実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理4を示すフローチャートである。 第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理4を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 (a)は、第5実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5実施形態における変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態におけるスーパーリーチ選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5実施形態における大当たり用スーパーリーチ選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、第5実施形態における外れ用スーパーリーチ選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5実施形態における疑似変動補完演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態における大当たり用補完演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5実施形態における外れ用補完演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理6を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理6を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動再選択処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(第2入球口ともいう)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値が付与される。より具体的には、「大当たりA」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するとともに、普通図柄の時短状態へと移行する。一方、「大当たりB」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、パチンコ機10が普通図柄の時短状態へと移行する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。これに対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合(即ち、「大当たりA」の終了後)は、その特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数を限ってもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は特別図柄の低確率状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数は10回に限られず、任意に定めてもよい。同様に、本実施形態では「大当たりB」が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、12.1インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図7(a)を参照して説明する。図7(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターンテーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「0〜9」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図8(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜63」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「64〜127」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図8(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜20」が規定されている(図8(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜212」が規定されている(図8(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図9(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図19参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図27参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜255)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜255の値を取り得るカウンタの場合は255)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜255の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜255の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図19参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図8(a))によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜127)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜127の値を取り得るカウンタの場合は127)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜255の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図8(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/256」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図8(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/256」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜128の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図8(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜63」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「64〜127」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば125〜127)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば116〜124の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜115の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が「0〜115」と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が125〜127と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も116〜124と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜101と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が102〜124と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は125〜127に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜256の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり256)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図27参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図9(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図9(a)〜(c)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図9(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図9(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図9(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図9(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図9(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図9(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜63」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「64〜223」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「224〜255」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図9(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜101」の範囲にあれば完全外れを設定し、「102〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜127」が、長外れ(10秒)に対しては、「128〜255」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜191」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「192〜254」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「255」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図9(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜115」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「116〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり255)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図8(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図8(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜20」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が16なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/16」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜212」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が208なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜212」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜255)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図27参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203には、各種のフラグやカウンタ等が記憶される。ここで、RAM203の詳細について、図7(b)を参照して説明する。RAM203は、図7(b)に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、大当たりフラグ203gと、カウンタ用バッファ203yと、その他メモリエリア203zとを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測する。なお、この予測(先読み)は、当該始動入賞に対応する変動が開始される時点での、遊技状態(通常遊技状態または確変遊技状態)に応じた大当たり判定値を参照するように構成している。これにより、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選結果を正確に予測することができる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図22のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図20のS206、図22のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図24のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図24のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図24のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、大当たり制御処理において、大当たりA(16R確変大当たり)の終了タイミングであると判別された場合に、オンに設定される(図28のS1015参照)。そして、特別図柄変動開始処理(図21参照)において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照され(図21のS302参照)、次の大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される(図20のS214参照)。
具体的には、特別図柄変動開始処理(図21、S208)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図21、S208)では、確変フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの値がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が0より大きい場合は、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、大当たりB(16R時短大当たり)の終了時に100に設定される(図28のS1014参照)。そして、普通図柄変動処理で時短中であるか否かを判別するために参照され(図23のS508,S514,S519参照)、特別図柄変動処理において、変動時間が経過する毎に1ずつ減算されるものである(図20のS217参照)。なお、普通図柄変動処理では、時短中カウンタ203fの値が0であっても、上述した確変フラグ203eがオンの場合は、パチンコ機10が普通図柄の時短状態と判別される(図23のS508,S514,S519参照)。これにより、大当たりAの終了後は、次に大当たりとなるまで特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態を保つことができるので、遊技者にとって極めて有利とすることができる。よって、大当たりAとなることを一つの目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
大当たりフラグ203gは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203gの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図28のS1003参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図28のS1016参照)。特別図柄変動処理(図20参照)では、この大当たりフラグ203gが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図20のS201参照)。
カウンタ用バッファ203yは、上述した各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第1初期値乱数カウンタCINI1、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4、第2初期値乱数カウンタCINI2)の値を格納するための記憶領域である。このカウンタ用バッファ203yに格納されたカウンタ値が、特別図柄保留球格納エリア203aや普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
その他メモリエリアは203z、は上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域や、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図27参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図26参照)で実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、演出用乱数生成IC800等がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、図10(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、予告演出選択テーブル222bとが少なくとも格納されている。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
予告演出選択テーブル222b2は、変動表示中に実行される予告演出の態様を選択するためのテーブルである。ここで、本実施形態における予告演出とは、具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面における小領域Ds2(図4参照)に表示されるキャラクタの種別に応じて、期待度を示唆するための演出を示す。キャラクタとしては、3種類のいずれかが選択される可能性がある。具体的には、少年のキャラクタ(図4のDs2参照)と、老人のキャラクタ(図示なし)と、少女のキャラクタ(図示なし)とが選択される。
少年のキャラクタは、特別図柄の抽選が外れの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して高い一方、大当たりの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して低くなる。よって、変動表示中に小領域Ds2に他のキャラクタが表示された場合に比較して、大当たりとなる期待度が低いことを遊技者に対して認識させることができる。
これに対して少女のキャラクタは、特別図柄の抽選が外れの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して低くなる一方、大当たりの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して高くなる。このため、変動表示中に小領域Ds2に少女のキャラクタが表示されることにより、遊技者に対して大当たりとなることを期待させることができる。
また、老人のキャラクタは、外れの場合に少女のキャラクタよりも選択される割合が高く、且つ、少年のキャラクタよりも選択される割合が低くなるように構成されている。加えて、大当たりの場合には、少年のキャラクタよりも選択される割合が高く、且つ、少女のキャラクタよりも選択される割合が低くなるように構成されている。これにより、少年のキャラクタが表示された場合に比較して、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。このように、予告演出の種別(表示されるキャラクタ)を、大当たりとなるか否かに応じて可変させることにより、予告演出から大当たりの期待度を予測させることができる。即ち、第3図柄が停止表示される前に、予告演出の内容から特別図柄の抽選結果を予測させることができるので、変動表示の実行中における遊技者の遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。なお、予告演出の種別としては、小領域Ds2に表示されるキャラクタの種別に限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、背面画像を変更する予告演出を実行してもよいし、変動中の第3図柄の態様(例えば、大きさや色等)を変更する予告演出を実行してもよい。
図11に示した通り、予告演出選択テーブル222bには、大当たり用予告演出選択テーブル222b1と、外れ用予告演出選択テーブル222b2とが少なくとも規定されている。大当たり用予告演出テーブル222b1は、特別図柄の抽選が大当たりの場合に実行される変動表示において実行する予告演出の態様を選択するためのデータテーブルであり、外れ用予告演出選択テーブル222b2は、特別図柄の抽選が外れの場合に実行される変動演出において実行する予告演出の態様を選択するためのデータテーブルである。
まず、図11(b)を参照して、大当たり用予告演出選択テーブル222b1について説明する。図11(b)に示した通り、大当たり用予告演出テーブル222b1は、演出用乱数の値毎に、実行する予告演出の態様が規定されている。なお、詳細については後述するが、演出用乱数は、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続された演出用乱数生成IC800によって生成される乱数である。即ち、演出用乱数生成IC800は、ランダムな8ビットの数値(0〜255)を演出用乱数として生成することができる。
図11(b)に示した通り、演出用乱数の値が「0〜24」の範囲には、予告演出Aが対応付けられている。予告演出Aは、小領域Ds2(図4(b)参照)に少年のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、上述した通り、大当たりに対する変動表示の場合には、少年のキャラクタが選択される割合が低いので、大当たり変動において予告演出Aが選択されることにより、期待度が低い予告演出にも拘らず大当たりになったことに対する意外感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
演出用乱数の値が「25〜99」の範囲には、予告演出Bが対応付けられている。予告演出Bは、老人のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、上述した通り、大当たりに対する変動表示の場合に選択される割合が予告演出Aよりも高く構成されている。このため、予告演出Bが表示された場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、演出用乱数の値が「100〜249」の範囲には、予告演出Cが対応付けられている。この予告演出Cは、少女のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、大当たりの場合に選択される割合が最も高い種別の予告演出である。このため、予告演出Cが表示されることで、遊技者に対して大当たりに対する期待感をより強く抱かせることができる。
一方、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。この「再選択」とは、予告演出の選択を再実行することを意味している。即ち、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲だった場合には、予告演出の種別が決定されずに、再度演出用乱数生成IC800から演出用乱数を取得する(演出用乱数を再取得する)。そして、その再取得した演出用乱数と、大当たり用予告演出選択テーブル222b1とが参照される。この「再選択」は、演出用乱数の値がいずれかの予告演出種別に対応する値(0〜249)となるまで繰り返し実行される。即ち、演出用乱数生成IC800から取得された演出用乱数の値が「250〜255」の場合に繰り返し「再選択」が実行される。
「250〜255」の範囲に再選択を対応付けておくことにより、「0〜249」の250個の演出用乱数値となった場合にのみ予告演出が決定される。このため、予告演出Aは、「0〜249」の250個の値のうち、「0〜24」の25個のいずれかになった場合に選択されるので、その確率は10%(25/250)である。また、予告演出Bは、「0〜249」の250個の値のうち、「25〜99」の75個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は30%(75/250)である。また、予告演出Cは、「0〜249」の250個の値のうち、「100〜249」の150個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は60%(150/250)である。
このように、本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成し得る8ビット(256通り)の値のうち、250個の値を予告演出の選択に用いている。即ち、10進数において区切りがよい個数(即ち、250個)の値を予告演出の決定に用いることができる。よって、各予告演出が選択される確率を区切りが良い値(10%,30%,60%)にする(確率のパーセンテージ(百分率)を整数化する)ことができる。これにより、各予告演出が選択される確率を遊技者がより理解し易くできる。また、予告演出の確率を設計する開発者が、より容易に確率を設定することができる。
次に、図11(c)を参照して、外れ用予告演出選択テーブル222b2について説明する。外れ用予告演出選択テーブル222b2は、上述した当たり用予告演出選択テーブル222b1と同様に、演出用乱数の値毎に、実行する予告演出の態様が規定されているデータテーブルである。
図11(c)に示した通り、演出用乱数の値が「0〜149」の範囲には、予告演出Aが対応付けられ、演出用乱数の値が「150〜224」の範囲には、予告演出Bが対応付けられ、「225〜249」の範囲には、予告演出Cが対応付けられている。また、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲には、大当たり用予告演出選択テーブル222b1と同様に、「再選択」が対応付けられている。
このため、予告演出Aは、「0〜249」の250個の値のうち、「0〜149」の150個のいずれかになった場合に選択されるので、選択される確率が60%(150/250)となる。また、予告演出Bは、「0〜249」の250個の値のうち、「150〜224」の75個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は30%(75/250)である。更に、予告演出Cは、「0〜249」の250個の値のうち、「225〜249」の25個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は10%(25/250)である。よって、外れの場合には、予告演出の種別として予告演出Aが最も選択され易くなり、予告演出Cが最も選択され難くなる。選択される確率に差を設けることにより、予告演出の種別から大当たりとなるか否かを遊技者に予測させることができる。よって、変動表示が実行されている間において、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、本パチンコ機10では、主制御装置110からの変動パターンコマンドに応じて、第3図柄表示装置281に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して他の演出画像(例えば、予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる予告演出の種別を選択するための予告演出選択テーブル222bから選択するように構成されている。予告演出選択テーブル222bを変動パターン選択テーブル222aとは別に規定しておくことで、変動演出に対して追加して表示させる予告演出を容易に選択することができる。仮に、予告演出の種別まで含めた変動演出の態様を変動パターン選択テーブル222aに規定してしまうと、変動パターン選択テーブル222aのデータ量が増大してしまう。例えば、変動演出の種別が32種類あり、それぞれに対して追加して表示可能な予告演出の種別が3種類ある場合、変動パターン選択テーブル222aに対して96種類(32×3)の変動演出の種別を規定しておかなければならない。これに対して、本実施形態のように、変動パターンテーブル222aと、予告演出選択テーブル222bとを別途用意しておけば、35種類(32+3)の変動演出および予告演出の種別を設けておけばよいので、ROM222の容量が増大してしまうことを防止(抑制)できる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800として8ビット(256通り)の値のいずれかを生成するICを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、10ビット(1024通り)の値を生成できるICを採用してもよい。この場合、パーセンテージを整数化するために、1000個の値を予告演出の選択に用い、その1000個の値とは異なる24個の値が取得された場合に再抽選を行うように構成してもよい。そして、各演出に対して、乱数値(判定値)の個数を、10個を最小単位として対応付ければよい。このように構成することで、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。また、例えば、8ビットよりも少ないビット数(例えば、7ビット)のICを採用してもよい。この場合、ICが生成し得る128通りの乱数のうち、100個の値を予告演出の選択に用い、残りの28個の値を再抽選に対応付けておけばよい。この場合も、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。
次に、図10(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、予告再選択フラグ223eと、予告再選択カウンタ223fと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図32のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図32のS1408参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
予告再選択フラグ223eは、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定されたか否かを示すフラグである。この予告再選択フラグ223eがオンであれば、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された(予告演出が決定されていない)ことを意味し、オフであれば、「再選択」が決定されていない(予告演出が決定された)ことを意味する。この予告再選択フラグ223eは初期値がオフに設定されており、予告演出の種別を選択するための予告演出選択処理(図33参照)において、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合にオンに設定される(図33のS1506参照)。また、予告再選択処理(図34参照)において、いずれかの予告演出(予告演出A〜C)が決定されるか、10回以上連続して「再選択」が決定された場合にオフに設定される(図34のS1613参照)。この予告再選択フラグ223eを参照することにより、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合に、予告再選択処理(図34参照)の中で予告演出の再選択(再抽選)を実行することができる。
予告再選択カウンタ223fは、予告演出の種別を再度選択する(再抽選する)処理が連続した回数をカウントするためのカウンタである。ここで、予告演出の再抽選する処理とは、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定されたことに基づいて、演出用乱数生成IC800から新たな乱数値(判定値)を取得して再度予告演出の種別を選択し直す処理のことであり、予告再選択処理(図34参照)の中で実行される。本実施形態では、予告演出の種別を再抽選する処理が所定回数(例えば、10回)以上連続した場合に、再抽選する処理を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(特殊予告演出)を実行するように構成されている。これにより、再抽選が延々と選択され続けてしまい、予告演出の種別が決定されなくなることを防止(抑制)できる。よって、予告演出の表示タイミングにおいていずれかの予告演出を確実に表示させることができる。
予告再選択カウンタ223fは初期値が0に設定されており、予告再選択処理(図34参照)において予告演出の種別を再抽選する処理が実行される毎に1ずつ加算される(図34のS1607)。また、予告再選択処理(図34参照)において、いずれかの予告演出(予告演出A〜C)が決定されるか、10回以上連続して「再選択」が決定され、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定した場合に0に初期化される(図34のS1612参照)。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図30のS1216参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図29)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図29の1108:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図29のS1109参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、計時タイマは、変動演出等の演出が開始されてからの経過時間を計時する。この計時タイマにより計時された経過時間に基づいて、各種制御(各種役物の動作の設定や、演出の発展等)が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して電気的に接続された演出用乱数生成IC800の詳細について説明する。演出用乱数生成IC800は、音声ランプ制御装置113において実行される所定の判定(表示させる予告演出の種別の判定)に用いる判定値(乱数値)を生成するためのICである。この演出用乱数生成IC800は、毎回ランダムに8ビット(0〜255)の範囲の値を生成することができるので、判定結果もランダムにすることができる。よって、表示される予告演出をランダムに決定することができるので、表示される予告演出を予測し難くできる。従って、意外性のある遊技を提供することができる。
演出用乱数生成IC800は、8ビット(0〜255)の範囲内でランダムな値(乱数値)を生成するための乱数生成部と、その乱数生成部によって生成された乱数値を記憶しておくための乱数記憶部とが少なくとも設けられている。乱数生成部には、パルス信号をランダムな時間間隔で生成するランダムパルス生成回路(RPG)が含まれており、そのRPGによって生成されたパルス信号の時間間隔を計測して8ビット(1バイト)の乱数値に変換し、乱数記憶部に記憶する。なお、乱数生成回路は、例えば、1秒あたり200メガバイト分の乱数値(10μsあたり2個の乱数値)を生成することができるスペックである。即ち、予告演出を決定するための処理が実行される時間間隔よりも短い時間間隔で乱数値を更新することができる。より詳述すると、音声ランプ制御装置113は、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合に、メイン処理(図30参照)の予告再選択処理(図34参照)の中で演出用乱数生成IC800から新たな乱数値を取得して予告演出の再抽選を行う。この予告演出の再抽選は、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が選択され続ける限り、1ミリ秒間隔で実行され続けるため、この間は1ミリ秒に1個の乱数値が取得される。これに対して、乱数生成部は10μs当たり2個の乱数値を生成可能なスペックなので、「再選択」が連続して選択されたとしても、予告演出の再抽選時に毎回新たな乱数値を用いて抽選(再選択)を実行することができる。よって、表示される予告演出をランダムに決定することができるので、表示される予告演出を予測し難くできる。従って、意外性のある遊技を提供することができる。
乱数記憶部は、乱数生成回路によって生成された乱数値を、所定数(例えば16)を上限として記憶するFIFO(First In First Out)方式の記憶装置である。音声ランプ制御装置113は、この乱数記憶部に記憶された乱数値を読み出して、予告演出の種別の判定に用いることができる。なお、上述した通り、乱数記憶部はFIFO方式の記憶装置であるため、音声ランプ制御装置113から乱数値の読み出しを指示されると、記憶されたタイミングが時間的に最も古い乱数値を音声ランプ制御装置113に対して出力する。そして、読み出された(出力された)乱数値は、乱数記憶部から破棄される。これにより、音声ランプ制御装置113から乱数値の読み出しを指示される毎に、異なるタイミングで生成された乱数値を乱数記憶部から出力することができるので、乱数値をよりランダムな値とすることができる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図12を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図25参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図5参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図12は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図35のS1701参照)の終了後に実行される初期化処理(図35のS1702参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図16参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図37(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図35のS1703,S1704参照)。
ここで、図13を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図13は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図13(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図13(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図13(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図13(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図13(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図13(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図12に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図14を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図14は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図14(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図14(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。また、図15は、「島ステージ」に対応する背面Cに対して示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図14に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図15に示すように、時間の経過とともに、図15の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図15(a)に示す背面画像が表示される。この図15(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図15(b)に示す背面画像が表示される。図15(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図15(c)に示す背面画像が表示される。図15(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図15(a)に示す背面画像に戻って、再び図15(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図14(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図14(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図15(a)を含み、図15(b)を除く図15(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図13(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図13(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図15(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図15(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図15(a)〜(b)の画像を表示させている間に図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図15(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bおよび背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図12参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図12に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、演出タイミング格納エリア233i、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233k、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図16を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図16は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図16の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図18参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図17を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図17は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図17のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図17のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図17の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図15の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図13(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図35参照)の中でオンに設定される(図35のS1705参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図47(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図37(b)のS2001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図38〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図46参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図47(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図47(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図48参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図16参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図37(b)のS2003参照)の中で、ポインタ更新処理(図44のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図18を参照して、描画リストの詳細について説明する。図18は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図37(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図44のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
演出タイミング格納エリア233iは、変動パターン種別毎に予告演出(予告演出A〜C、大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を表示させるタイミング(ポインタ233fの値)と、特殊予告演出を表示させるタイミング(ポインタ233fの値)とを格納するための領域である。本実施形態では、予告演出または特殊予告演出を設定する場合に、演出タイミング格納エリア233iに規定されたタイミング(ポインタ233fの値)で予告演出または特殊予告演出が表示されるように設定を行う。
ここで、表示制御装置114において予告演出を設定する際の方法について詳しく説明する。本実施形態では、予告演出の種別毎の表示内容を1フレーム毎に規定した予告演出データテーブルが、変動表示データテーブル等とは別にデータテーブル格納エリア233bに格納されている。そして、予告演出の種別を通知するための表示用予告演出コマンドが音声ランプ制御装置113から通知されると、通知されたコマンドに対応する予告演出データテーブルと、その時点で表示データテーブルバッファ233dに対して設定されている変動表示データテーブルとを合成する。合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233iに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加する。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図49のS3502参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図37(b)のS2006参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図43(a)のS2801参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図48のS3509参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図48のS3510参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図43のS2802参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図44参照)において、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図44のS3021参照)、デモ表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図39(a)のS2206、図40のS2405、図41(a)のS2505、図41(b)のS2605、図42のS2705参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図44参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図44のS3014)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図39(a)のS2206、図40のS2405、図41(a)のS2505、図41(b)のS2605、図42のS2705参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図19〜図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図19は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、256,128,128,256)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図20〜図22を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図23および図24を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図20は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図21を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図21を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり種別に基づいて大当たりデータを設定し(S212)、時短中カウンタ203fの値を0に初期化する(S213)。そして、確変フラグ203eをオフに設定し(S214)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S215)、S218の処理へと移行する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図27参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S217)、S218の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、S218の処理へ移行する。S218の処理では、停止コマンドを設定し(S218)、その後、本処理を終了する。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図21は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図19参照)の特別図柄変動処理(図20参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203eの状態を参照して、パチンコ機10が特別図柄の確変中であるか否かを判定する(S302)。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変中である(即ち、確変フラグ203eがオンである)と判別した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が確変中でない(即ち、確変フラグ203eがオフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜63」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し、「64〜127」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図8(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図9(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜115」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「116〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜101」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「102〜127」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図27参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図22は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図23は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、このS508の処理では、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、または確変フラグ203eがオンであれば普通図柄の時短状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜212」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,213〜255」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(c)参照)。
S508の処理において、普通図型の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜20」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,21〜255」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図27参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図27参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図24は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S601:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図26を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図26は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図27のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図27を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図27は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図19参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図19参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図20参照)や始動入賞処理(図22参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図28参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図28を参照して後述する。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図23参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図23参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図23参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図23参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に255)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図25のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図26のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図28は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図27参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図20参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1002)、大当たりフラグ203gをオンに設定して(S1003)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1004)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1004の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1004:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1004の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1004:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1005)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1005:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1006)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1007)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1005の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1005:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1008)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1008の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1008:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1009)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1008:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1010)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1010:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1011)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1010の処理において、エンディングの開始タイミングでないと判定した場合には(S1010:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1012)。S1012の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1012:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1012の処理において、終了タイミングであると判定した場合には(S1012:Yes)、次いで、大当たりAであるかを判定し(S1013)、大当たりAであれば(S1013:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定して(S1015)、S1016の処理へ移行する。一方、S1013の処理において、大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判定した場合には(S1013:No)、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1014)、S1016の処理へと移行する。
S1014の処理、またはS1015の処理が終了した後で実行されるS1016の処理では、大当たりフラグ203gをオフに設定し、その後、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図29〜図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1214参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108の処理へと移行する。
S1102の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1104)、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1105)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1105の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグ223yはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1215参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1211の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1211が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1207の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1210)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理が終了すると、予告演出の決定時に「再選択」が決定されたことにより、新たな乱数値(判定値)を取得して予告演出の再選択を行うための予告再選択処理を実行し(S1211)、S1212の処理へ移行する。なお、この予告再選択処理(S1211)の詳細については、図34を参照して後述する。
S1212の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1213)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図32〜33を参照して後述する。
S1213の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1214:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1215:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図31は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1308)。また、S1308の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1308の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1308の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(S1309:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S1310)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1309の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1309:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1311)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1311:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1312)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1313)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1311の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1311:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1314)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1314:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1315)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1314の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1314:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1316)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図32は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合は(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1407の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1405)。S1405の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、変動パターン(変動表示)に加えて表示させる予告演出の態様を選択するための予告演出選択処理を実行し(S1406)、その後、S1407の処理へ移行する。尚、この予告演出選択処理の詳細については、図33を参照して後述する。
S1407の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S1408)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1409)。次に、S1409の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S1410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出選択処理(S1406)について説明する。図33は、この予告演出選択処理(S1406)を示したフローチャートである。この予告演出選択処理(S1406)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図32参照)の中で実行され、変動表示(変動パターン)に加えて表示させる予告演出の態様を決定し、表示制御装置114に対して通知するための処理である。
この予告演出設定処理(S1406)では、まず、予告演出の決定に用いるための演出用乱数値(判定値)を演出用乱数生成IC800より取得する(S1501)。取得した演出用乱数値は、例えば、その他メモリエリア223zに設けられたバッファ領域(演出用乱数バッファ)に対して一時的に記憶される。次に、今回の抽選結果が大当たりであるか否かを判定し(S1502)、大当たりでないと判定した場合は(S1502:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、演出用乱数バッファに格納された演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出を選択(決定)して(S1504)、処理をS1505へと移行する。
なお、図11(c)を参照して上述した通り、演出用乱数(演出カウンタ)の値が「0〜149」であった場合には予告演出の種別として「予告演出A」が決定され、値が「150〜224」であった場合には「予告演出B」が決定され、値が「225〜249」であった場合には「予告演出C」が決定される。一方、値が「250〜255」であった場合には、「再選択」が決定される。上述した通り、「再選択」が決定された場合には、後述する予告再選択処理(図34参照)の中で演出用乱数生成IC800から新たな乱数値を取得して予告演出の種別を再決定(再選択)する。
このように、本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成し得る8ビット(256通り)の演出用乱数値のうち、250個の値を予告演出の選択に用いている。即ち、10進数において区切りがよい個数(即ち、250個)の値を予告演出の決定に用いることができる。よって、各予告演出が選択される確率を区切りが良い値(10%,30%,60%)にする(確率のパーセンテージを整数化する)ことができる。これにより、各予告演出が選択される確率を遊技者がより理解し易くできる。また、予告演出の確率を設計する開発者が、より容易に確率を設定することができる。
一方、S1502の処理において、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S1502:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、演出用乱数バッファに格納された演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出を選択(決定)し(S1503)、その後、S1505の処理へと移行する。具体的には、図11(b)を参照して上述したように、演出用乱数値(演出カウンタ値)が「0〜24」であった場合には予告演出の種別として「予告演出A」が決定され、値が「25〜99」であった場合には予告演出の種別として「予告演出B」が決定され、値が「100〜249」であった場合には予告演出の種別として「予告演出C」が決定される。一方、値が「250〜255」であった場合は、「再選択」が決定される。
S1505の処理では、予告演出の選択結果が「再選択」であるか否かを判定し(S1505)、選択結果が「再選択」でなければ(S1505:No)、選択(決定)した予告演出の種別を表示制御装置114に対して通知するための表示用予告演出コマンドを設定して(S1507)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用予告演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用予告演出コマンドを受信することによって、この表示用予告演出コマンドによって示される予告演出の表示を設定する。即ち、通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成する。合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233jに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加する。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、表示データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
一方、S1505の処理において、「再選択」が決定(選択)されたと判別した場合は(S1505:Yes)、予告再選択フラグ223eをオンに設定し(S1506)、本処理を終了する。予告再選択フラグ223eをオンに設定しておくことにより、後述する予告再選択処理(図34参照)において、演出用乱数値を新たに取得して予告演出の種別を再度決定することができる。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告再選択処理(S1211)について説明する。図34は、この予告再選択処理(S1211)を示したフローチャートである。この予告再選択処理(S1211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)で実行される。
予告再選択処理(S1211)では、まず、RAM223に設けられた予告再選択フラグ223eがオンであるかを判定する(S1601)。上述した通り、この予告再選択フラグ223eは、予告演出の種別を決定する際に「再選択」が決定されるとオンに設定されるフラグであり、新たに演出用乱数値を取得して予告演出の再選択を行う必要があるか否かを示すフラグである。
S1601の処理において、予告再選択フラグ223eがオフであると判別した場合は(S1601:No)、予告演出の再選択を行う必要が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S1601の処理において、予告再選択フラグ223eがオンであると判別した場合は(S1601:Yes)、予告演出の再選択を行う必要がある(前回予告演出の種別を決定する際に、「再選択」が決定され、予告演出の種別が決定されていない)ことを意味する。よって、この場合は、演出用乱数生成IC800より演出用乱数値を取得し(S1602)、次いで、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか(予告演出を設定する変動表示が大当たりを報知するための変動表示であるか否か)を判定する(S1603)。
S1603の処理において、大当たりを報知する変動表示でないと判別した場合は(S1603:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、演出用乱数値(演出カウンタの値)とに基づいて予告演出を選択(決定)し(S1605)、S1606の処理へと移行する。
一方、S1603の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S1603:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出の種別を選択し(S1604)、S1606の処理へ移行する。
S1606の処理では、予告演出の選択結果が再選択であるかを判定する(S1606)。予告演出の選択結果が再選択でなければ(S1606:No)、予告演出の選択結果に基づいて予告演出コマンドを設定し(S1614)、S1612の処理へ移行する。
予告演出の種別を決定(選択)する際に、「再選択」が決定された場合は(S1606:Yes)、予告再選択カウンタ223fの値に1を加算し(S1607)、次いで、再選択カウンタの値が10以上であるかを判定する(S1608)。S1608の処理において、予告再選択カウンタ223fの値が10未満であると判別した場合は(S1608:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1608の処理において、予告再選択カウンタ223fの値が10以上であれば(S1608:Yes)、予告演出の再選択を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するための処理(S1609〜S1611)を実行する。再選択の連続回数が10回以上となった場合に再選択を打ち切ることにより、「再選択」が延々と選択(決定)され続けてしまい、予告演出の種別が決定されないことを防止(抑制)できる。よって、予告演出の表示タイミングにおいていずれかの予告演出を確実に表示させることができる。
この予告演出の再選択を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するための処理(S1609〜S1611)では、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか(予告演出を設定する変動表示が大当たりを報知する変動表示であるか)を判別する(S1609)。S1609の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S1609:Yes)、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)として、大当たりの確定を示唆する予告演出を通知するための表示用予告演出コマンドを設定し(S1610)、S1612の処理へ移行する。一方、S1609の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりでない(外れである)と判別した場合は(S1609:No)、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)として、大当たり期待度が高いことを示唆する予告演出を通知するための表示用予告演出コマンド設定し(S1611)、S1612の処理へ移行する。
このように、「再選択」が所定回数(10回)以上連続して決定された場合に、予告演出選択テーブル222bには規定されていない特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定することにより、遊技者に対して、珍しい予告演出が表示されたと思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、「再選択」が10回連続して決定される確率は、6/256の10乗(約1/2京)と、非常に低確率になる。このため、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)が表示されることによって、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。
S1610,S1611、またはS1614の処理後に実行されるS1612の処理では、予告再選択カウンタ223fの値を0に初期化し(S1612)、予告再選択フラグ223eをオフに設定して(S1613)、本処理を終了する。この予告再選択処理(図34参照)により、メイン処理(図30参照)の中で1ミリ秒毎に予告演出の再選択を行うことにより、他の処理を止めることなく予告演出の種別を決定することができる。
なお、本実施形態では、予告演出の再選択を打ち切る契機を「再選択」が10回連続した場合としたが、これに限られるものではない。例えば、「再選択」が選択される所定回数の回数を多く(例えば、20回に)設定してもよいし、少なく(例えば、5回に)設定してもよい。また、所定時間の経過を契機(例えば、最初の「再選択」が選択されてから3秒)としても当然よい。
本実施形態では、予告演出の再選択を打ち切った場合に、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するようにしたが、これに限られず、予告演出を行わないように設定しても当然よい。
本実施形態では、予告演出の選択において再選択を行うように構成したが、これに限られるものではない。例えば、ボタンを押下した際に表示される演出(所謂、ボタン押下演出)の演出態様の選択において再選択を行うように構成しても当然良い。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図35〜図49を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図35を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1701)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図36を参照して、ブート処理(S1701)について説明する。図36は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1701)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1801)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1802)。これにより、MPU231は、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1802の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1802の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1803)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1804)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図35のS1701参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図35のS1702参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1805)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1701)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図36に示すブート処理では、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1802の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1803〜S1805の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1801の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1801及びS1802の処理を含めて複数回繰り返した後、S1803〜S1805の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1801及びS1802の処理を行わずに、S1803〜S1805の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図35の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1702)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1703)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1703の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1704)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1704の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1705)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図47(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図47(a)のS3302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図37(b)参照)において、図13に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図13(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1705の処理の後、割込許可を設定し(S1706)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1706の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図37(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図37(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1901)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図37(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図37(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図18参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図37(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2001)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図13に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2002)を実行し、次いで、表示設定処理(S2003)を実行する。
コマンド判定処理(S2002)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図38〜図43を参照して後述する。
表示設定処理(S2003)では、コマンド判定処理(S2002)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図44〜図46を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2004)。このタスク処理では、表示設定処理(S2003)もしくは簡易表示設定処理(S2009)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2005)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図47および図48を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2006)。この描画処理では、タスク処理(S2004)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2005)により設定された転送指示とから、図18に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図49を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2007)。そして、V割込処理を終了する。S2007の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2001の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図13に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2008)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2009)を実行して、S2004の処理へ移行する。
次いで、図38〜図43を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2002)の詳細について説明する。まず、図38は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図38に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2101)、未処理の新規コマンドがなければ(S2101:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2003)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2104)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2104:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2105)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図39(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2105)の詳細について説明する。図39(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2201)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2201の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2201で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2202)。
次いで、S2201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2203)、ポインタ233fを0に初期化して(S2204)、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2205)。S2205の処理が終了すると、表示データテーブルバッファ233dに設定した変動表示データテーブルに対応する予告演出の実行開始タイミングを示すポインタ値(ポインタ233fの値)と、特殊予告演出の実行開始タイミングを示すポインタ値(ポインタ233fの値)とを読み出して、演出タイミング格納エリア233iに格納して(S2206)、本処理を終了する。
予告演出および特殊予告演出の実行開始タイミングを演出タイミング格納エリア233iに格納しておくことにより、その格納したタイミング(ポインタ233fの値)以降のアドレスに対して予告演出データテーブル、または特殊予告演出データテーブルの規定内容を追加するだけで、容易に予告演出を設定することができる。
変動パターンコマンド処理(図39参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2204の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2202の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2203の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図38の説明に戻る。S2104の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2106)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2106:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2107)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図39(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2107)の詳細について説明する。図39(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2301)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図37(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2302)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2302の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2303)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2302の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2004)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2303によって設定された停止図柄判別フラグからS2302の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2302の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図38に戻り、説明を続ける。S2106の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2106:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用予告演出コマンドがあるか否かを判別し(S2108)、表示用予告演出コマンドがあれば(S2108:Yes)、予告演出を設定するための予告演出コマンド処理を実行して(S2109)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図40を参照して、予告演出コマンド処理(S2109)の詳細について説明する。図40は、予告演出コマンド処理を示すフローチャートである。この予告演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用予告演出コマンドにより通知された種別の予告演出を設定するための処理である。
予告演出コマンド処理では、まず、予告演出が設定可能なタイミングか否か判別する(S2401)。ここで、予告演出が設定可能なタイミングとは、具体的には、ポインタ233fの値が、予告演出の開始タイミングとして演出タイミング格納エリア233iに格納されているポインタ値未満の場合を意味する。即ち、今回の変動パターンにおいて予告演出を開始するタイミングよりも時間的に前であれば、S2401の処理において予告演出が設定可能と判別される。なお、予告演出を設定する処理時間を確保するために、予告演出を開始するタイミングの所定時間前を基準時刻として、その基準時刻よりも時間的に前であるかを判別するようにしてもよい。これにより、予告演出を設定する処理時間が長い場合であっても、上述した基準時刻までに予告演出の設定処理が開始されるので、予告演出を開始するタイミングまでに予告演出の設定処理を完了させることができる。
S2401の処理において、予告演出を設定可能なタイミングであると判別した場合は(S2401:Yes)、表示用予告演出コマンドにより通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dの予告演出タイミングに対応するポインタ位置以降にデータを追加し(S2402)、S2405の処理へ移行する。一方、予告演出が設定可能なタイミングではないと判別した場合は(S2401:No)、音声ランプ制御装置113の予告演出選択処理(S1406)において、再選択が連続して決定され続けたなどにより、表示用予告演出コマンドが通知されたタイミングが予告演出の開始タイミングを超過した場合である。この場合には、予告演出を特殊な表示態様で実行する特殊予告演出が設定可能なタイミングが否かを判別する(S2403)。
ここで、特殊予告演出が設定可能なタイミングとは、具体的には、ポインタ233fの値が、特殊予告演出の開始タイミングとして演出タイミング格納エリア233iに格納されているポインタ値未満の場合を意味する。即ち、今回の変動パターンにおいて特殊予告演出を開始するタイミングよりも時間的に前であれば、S2403の処理において特殊予告演出が設定可能と判別される。
S2403の処理において、特殊予告演出が設定可能なタイミングであると判別した場合は(S2403:Yes)、表示用予告演出コマンドに対応した特殊演出データテーブルを決定して、表示データテーブルの特殊予告演出タイミングに対応するポインタ位置に設定し(S2404)、S2405の処理へ移行する。特殊予告演出とは、予告演出を特殊な表示態様で実行する演出であり、通知された表示用予告演出コマンドに基づいて、予告演出の開始タイミングから実行される演出(例えば、画面中央部に男の子が表示される演出)とは異なる特殊な表示態様で実行される演出(例えば、画面左下部に男の子が縮小表示される演出)である。
S2403およびS2404の処理により、表示用予告演出コマンドが通知されたタイミングが予告演出の開始タイミングを超過した場合であっても、予告演出(予告演出A〜C、特定の予告演出)とは異なる特殊な表示態様で特殊予告演出を表示することができる。その結果、表示用予告演出コマンドの通知タイミングが遅れた場合においても、他の演出との重複表示を避けつつ、通知された表示用予告演出コマンドに基づいて特殊予告演出を表示することができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S2403の処理において、特殊予告演出を設定可能なタイミングではないと判別した場合は(S2403:No)、そのままS2405の処理へ移行する。S2405の処理では、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2405)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この予告演出コマンド処理により、通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成することで、容易に予告演出を設定することができる。なお、合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233jに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加するように構成されている。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、表示データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
図38に戻り、説明を続ける。S2108の処理において、表示用予告演出コマンドがないと判別されると(S2108:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2110)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2110:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2111)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図41(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2111)の詳細について説明する。図41(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2502)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2503)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図38に戻り、説明を続ける。S2110の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2110:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2112)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2112:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2113)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図41(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2113)の詳細について説明する。図41(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2602)。
そして、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2603)、ポインタ233fを0に初期化する(S2604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図38の説明に戻る。S2112の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2112:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2114)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2114:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2115)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図42を参照して、エンディングコマンド処理(S2115)の詳細について説明する。図42は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2702)。
次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図38の説明に戻る。S2114の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2114:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2116)、背面画像変更コマンドがあれば(S2116:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2117)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図43(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2117)の詳細について説明する。図43(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2004)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図38の説明に戻る。S2116の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2116:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2118)、エラーコマンドがあれば(S2118:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2119)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図43(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2119)の詳細について説明する。図43(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図38の説明に戻る。S2118の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2118:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2120)、S2101の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2101の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、再びS2102〜S2120の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2101〜S2120の処理が繰り返し実行され、S2101の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図37(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2008)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図13に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)および停止種別コマンド処理(図39(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)では、S2201の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2202の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図44〜図46を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2003)の詳細について説明する。図42は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図44に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図45を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図45は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理(S2004)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図44の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図46を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図46は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図44に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2004)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S3009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図37(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2009)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図13(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図47及び図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2005)の詳細について説明する。まず、図47(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図47(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。
次いで、図47(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2005)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図47(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図37(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)ではなく、コマンド判定処理(図38〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図46参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図48参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図47(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2005)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図48は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2003)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3509)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3512)、S3513の処理へ移行する。
S3509の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3513)。このS3513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3513:No)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3513:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図49を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2006)の詳細について説明する。図49は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2004)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2005)により設定された転送指示から、図18に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2004)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2005)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図37(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、第1実施形態におけるパチンコ機10では、所定の判定(表示させる予告演出の種別の判定)を実行する場合において、所定の割合(6/256)で再度判定が行われる(予告演出が再選択される)ように構成されている。また、再選択に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(250個)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(予告演出A〜C)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりか否かの抽選や、表示演出の態様の抽選等、各種の抽選を実行するものがある。これらの抽選では、抽選された乱数値に応じて異なる抽選結果となるため、抽選結果にランダム性を付与することができる。
しかしながら、各種抽選に用いられる乱数は専用のIC等によって生成するため、ICの仕様上、抽選の母数がビット単位(2のべき乗)となることが一般的であった。このため、各抽選結果となる確率をパーセンテージに直した場合に、端数(小数点以下)が発生してしまうのが通常であった。即ち、パーセンテージを整数化できなかった。このため、抽選結果毎の抽選確率が直感的に理解し難くなる場合があった。また、遊技機の設計時においても、一旦整数のパーセンテージを確率のターゲットに設定し、その設定したターゲットに最も近くなる乱数の個数を算出するという工程を経る場合があったため、設計が非効率的になってしまう虞があった。
これに対して本実施形態では、所定の抽選における確率の母数が、50の倍数である250となるように再選択が決定される乱数値を振り分けたので、最小2%(母数の1/50)刻みのパーセンテージで、各抽選結果となる確率を振り分けることができる。即ち、各抽選結果となる確率のパーセンテージを容易に整数化することができるので、抽選結果が直感的に分かり易い遊技機を提供することができる。また、各抽選結果となる確率のパーセンテージを整数化することにより、設計時において各抽選結果となる確率の設計を効率的に行うことができる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800として8ビット(256通り)の値のいずれかを生成するICを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、10ビット(1024通り)の値を生成できるICを採用してもよい。この場合、パーセンテージを整数化するために、例えば100の倍数である1000個の値を予告演出の選択に用い、その1000個の値とは異なる24個の値が取得された場合に再抽選を行うように構成してもよい。そして、各演出に対して、乱数値(判定値)の個数を、10個(母数の1/100)を最小単位として対応付ければよい。このように構成することで、各抽選結果となる確率のパーセンテージを1%刻みの整数値で設定することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。また、例えば、8ビットよりも少ないビット数(例えば、5ビット)のICを採用してもよい。この場合、ICが生成し得る128通りの乱数のうち、100個の値を予告演出の選択に用い、残りの28個の値を再抽選に対応付けておけばよい。この場合も、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供できる。なお、パーセンテージは整数化するだけに限られず、0.1%単位となるようにしても当然よい。
本実施形態では、演出用乱数値として乱数生成ICの生成する乱数(所謂、ハードウェア乱数)の値を用いるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、ソフトウェアの処理で生成する乱数(所謂、ソフトウェア乱数)の値を用いるように構成しても当然よい。
本実施形態では、予告演出の抽選を実行する際に、所定の割合(6/256)で再選択が決定されるように構成しているが、再選択を決定可能な抽選は予告演出の抽選に限られるものではない。例えば、変動パターン選択テーブル222aから変動パターン種別を選択する際の抽選においても所定の割合で再選択が決定されるように構成してもよい。また、再選択を決定可能な抽選は音声ランプ制御装置113において実行される抽選に限られるものではない。例えば、特別図柄の大当たりか否かの抽選や、大当たり種別等を抽選する際に、所定の割合で再選択が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、大当たりとなる確率や、各大当たり種別となる確率等をパーセンテージで表した場合に、整数値で表現することができる。よって、スペックがより分かり易い遊技機を提供することができる。
本実施形態では、予告演出を決定するための抽選において、「再選択」が10回以上決定された場合に、予告演出を決定するための抽選を打ち切って、通常とは異なる特定の予告演出(特殊予告演出)を実行するように構成していたが、抽選を打ち切ると判別する回数は10回に限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、10回よりも多くすることによって、より確実にいずれかの予告演出の種別(予告演出A〜C)を決定できる。また、例えば、10回よりも少なくすることによって、「再選択」が連続して決定された場合にもより少ない決定回数で予告演出の態様の抽選を打ち切ることができるので、予告演出を決定するまでにかかる時間を短縮することができる。
本実施形態では、予め音声ランプ制御装置113から通知されていた予告演出を、演出タイミング格納エリア233iに規定されたタイミング(ポインタ233fの値)で開始するように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113において、予告演出の開始タイミングとなったと判別された場合に予告演出を決定するための処理を実行してもよい。そして、表示制御装置114では、通知された予告演出を即座に表示開始させるように構成してもよい。このように構成することで、予告演出を選択する処理において「再選択」が決定された回数に応じて予告演出の種別を通知するタイミングが変わるので、予告演出を開始するタイミングを可変させることができる。即ち、予告演出の種別だけでなく、開始タイミングにもバリエーションを持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。さらに、予告演出を開始するタイミングにバリエーションを持たせるために、「再選択」が決定された場合には、所定時間(例えば0.5秒)の経過後に再度予告演出を選択する処理が実行されるようにしてもよい。
<第2実施形態>
次いで、図50〜図63を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、音声ランプ制御装置113において予告演出の種別を抽選する際に、所定の割合(6/256)で「再選択」が決定されるように構成されていた。また、「再選択」に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(例えば、50の倍数)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(予告演出A〜C)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。
これに対して本実施形態では、主制御装置110のMPU201により実行される一部の抽選(変動パターンの抽選)において、所定の割合(6/256)で「再選択」が決定されるように構成している。これにより、主制御装置110における抽選(変動パターンの抽選)において、各判定結果(各変動パターン)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となる。
また、連続して「再選択」に対応する抽選結果となり、音声ランプ制御装置113へ変動パターンを通知するタイミングが遅れた場合には、音声ランプ制御装置113にて特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。「再選択」が連続している間は、抽選結果が不定の状態となるため、変動時間が決定されない。即ち、変動パターンの表示を開始させることができない状態となってしまう。この場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行することにより、抽選結果が不定の状態が長く継続した(「再選択」が多くの回数連続した)としても、遊技機が正常に動作していると遊技者に認識させることができる。よって、安心して遊技を行わせることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とが主制御装置110の入出力ポート205に対して電気的に接続されている点、主制御装置110に設けられたROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成>
まず、図50を参照して、第2実施形態における電気的構成について説明する。図50は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図50に示した通り、本実施形態では、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成に加え、主制御装置110の入出力ポート205に対して特図用乱数生成IC900と、普図乱数生成IC901とが電気的に接続されている。特図用乱数生成IC900は、始動入賞に基づいて取得される各種カウンタ値(乱数値)を生成するために用いられる。また、普図用乱数生成IC901は、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて取得されるカウンタ値(乱数値)を生成するために用いられる。即ち、第1実施形態においてRAM203に格納されていた各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4)に代えて、主制御装置110において実行される各種抽選(判定)に用いるカウンタ値(乱数値)を外部のICより取得するように構成されている。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。なお、第2実施形態では、第1実施形態における演出用乱数生成IC800が廃止されている。
次に、図51を参照して、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される乱数値(レジスタ値)について説明する。図51に示した通り、特図用乱数生成IC900には、4種類のレジスタ(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1)が設けられている。これらのレジスタは、それぞれ第1実施形態における演出用乱数生成IC800の乱数記憶部と同様の役割を担っている。つまり、各レジスタには、各レジスタに対応する乱数生成部によって生成された乱数値が格納され、乱数値の読み出し指示があった場合には、乱数値を外部へと出力する。
第1当たり乱数レジスタR1において更新される乱数値(レジスタ値)は、特別図柄の大当たりであるか否かを判定するために用いられる。つまり、この第1当たり乱数レジスタR1のレジスタ値は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1に相当し、第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較される。この第1当たり乱数レジスタR1には、0〜255の範囲のランダムな値が格納される。また、格納された値は、例えば10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で更新される。なお、他のレジスタについても、格納される値の更新頻度は第1当たり乱数レジスタR1と同一であり、格納される値の範囲のみが異なっている。
第1当たり種別レジスタR2において更新されるレジスタ値は、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用される。つまり、この第1当たり種別レジスタR2の値は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2に相当し、第1当たり種別選択テーブル202b(図8(b)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較される。この第1当たり種別レジスタR2は、0〜127の範囲のランダムな値が格納される。
停止種別選択レジスタR3において更新されるレジスタ値は、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用される。つまり、この停止種別選択レジスタR3の値は、第1実施形態における停止種別選択カウンタC3に相当し、停止種別選択テーブル(図示なし)に規定された乱数値(判定値)と比較されて特別図柄の停止種別が判定(選択)される。この停止種別選択レジスタR3には、0〜127の範囲のランダムな値が格納される。
変動種別レジスタRS1において更新されるレジスタ値は、変動パターン(変動時間)を選択するために使用される。つまり、この変動種別レジスタRS1の値は、第1実施形態における変動種別カウンタCS1の値に相当し、変動パターンテーブル202d(図53(a)〜(c)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較され、変動パターンの種別(変動時間)が判定される。この変動種別選択レジスタRS1には0〜255の範囲のランダムな値が格納される。なお、特図用乱数生成IC900の各レジスタ(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1)から取得された乱数値(レジスタ値)は、特図用カウンタ一時記憶エリア203jに一時的に格納されたのち、特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送される。即ち、特図用カウンタ一時記憶エリア203jは、第1実施形態におけるカウンタ用バッファ203yのうち第1当たり乱数カウンタバッファ、第1当たり種別カウンタバッファ、停止種別選択カウンタバッファ、変動種別カウンタバッファ(図6参照)に相当する記憶領域である。
また、普図用乱数生成IC901には、1種類のレジスタ(第2当たり乱数レジスタR4)が設けられている。この第2当たり乱数レジスタR4において更新されるレジスタ値は、普通図柄の当たりか否かを判定するため使用される。つまり、この第2当たり乱数レジスタR4に格納された値は、第1実施形態における第2当たり乱数カウンタC4に相当し、第2当たり乱数テーブル202c(図8(c)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較され、普通図柄の当たりか否かが判定される。この第2当たり乱数レジスタR4には、0〜255の範囲のランダムな値が格納される。
なお、普図用乱数生成IC901の第2当たり乱数レジスタR4から取得された乱数値(レジスタ値)は、普図用カウンタ一時記憶エリア203kに一時的に格納されたのち、普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに転送される。即ち、普図用カウンタ一時記憶エリア203kは、第1実施形態におけるカウンタ用バッファ203yのうち第2当たり乱数カウンタバッファに相当する記憶領域である。
このように、本実施形態では、主制御装置110において実行される各種判定を、主制御装置110の外部に設けられた特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される乱数(ハードウェア乱数)に基づいて実行するように構成している。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で乱数値が更新(生成)される乱数生成IC(特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901)を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、各乱数生成ICから値を取得する際に乱数値を更新(生成)することが可能な乱数生成ICを用いるようにしてもよい。これにより、乱数生成ICにおいて乱数値を更新(生成)される回数を必要最小限とすることができるため、消費電力の低減を図ることができる。
本実施形態では、更新(生成)する毎にランダムな値である乱数値が取得可能な乱数生成IC(特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901)を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、短時間間隔(例えば、1μs)で値を1ずつ更新する乱数生成ICを用いることで、その乱数生成ICから値を取得するタイミングが不規則となるために、実質的にランダムな値が取得されるようにしても当然よい。
次に、図52(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203について説明する。図52(a)に示した通り、本実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加えて、主再選択カウンタ203hと、主再選択フラグ203iとが追加されている。また、カウンタ用バッファ203yに代えて、特図用カウンタ一時記憶エリア203jと、普図用カウンタ一時記憶エリア203kとが設けられている。
主再選択カウンタ203hは、主制御装置110のMPU201によって実行される所定の判定(変動パターンの決定)において、「再選択」が連続して選択された回数を示すカウンタである。詳細については後述するが、本実施形態では、変動種別レジスタRS1の値と、変動種別選択テーブル202d(図53(a)〜(c)参照)とに基づいて変動パターンを決定する際に、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成されている。この「再選択」が選択されると、第1実施形態における予告演出の選択時に「再選択」が選択された場合と同様に、変動パターンの決定に用いる乱数値(変動種別カウンタRS1の値)を新たに取得し、その新たな乱数値に基づいて再度変動パターン(変動時間)の判定を行う。ここで、変動パターン(変動時間)を選択する処理が完了しなければ、変動パターンを開始させることができないため、変動パターン(変動時間)は迅速に決定する必要がある。このため、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に、他の処理を実行せずに即座に変動種別レジスタRS1の値を再取得して変動パターン(変動時間)の判別を実行する。しかしながら、あまりにも多くの回数「再選択」が連続し続けると、他の処理(例えば、始動入賞処理やスルーゲート通過処理等)が実行されない期間が長くなってしまい、例えば、始動入賞を検知できなかったり、スルーゲート67の通過を検知できなかったりする虞がある。そこで、本実施形態では、「再選択」が連続して決定された回数を、主再選択カウンタ203hによりカウントしておき、所定回数(例えば、4回)以上「再選択」が連続した場合には、一旦MPU201により実行される他の処理を実行した後、再度変動種別レジスタRS1の値を取得し直して変動パターン(変動時間)を判別する処理を実行するように構成している。このように構成することで、他の処理に影響が出ない範囲で迅速に変動パターンを決定するための処理を実行することができる。
主再選択カウンタ203hは、初期値が0に設定されており、特別図柄変動開始処理2(図56参照)の変動パターン(変動時間)を選択(決定)する処理において、「再選択」が決定される毎にその値に1が加算される(図56のS333参照)。また、「再選択」が4回以上連続して決定され、一旦変動パターン(変動時間)を選択(決定)するための処理を中断する場合に0に初期化される(図56のS336参照)。
ここで、図53を参照して、乱数値(判定値)の一部に「再選択」が対応付けられたデータテーブルである変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、第1実施形態における変動パターンテーブル202dと同様に、変動パターンを選択するために用いられるデータテーブルであるが、その規定内容が第1実施形態から変更となっている。まず、図53(a)は、第2実施形態における大当たり用変動パターンテーブル202d1の規定内容を示した図である。図53(a)に示した通り、本実施形態の大当たり用変動パターンテーブル202d1には、一部の判定値(乱数値)に対して「再選択」が対応付けられている。また、「再選択」に判定値(乱数値)を振り分けたことにより、他の判定結果に対する判定値(乱数値)の配分が変更されている。
具体的には、判定値として「0〜24」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「25〜174」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「175〜249」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。そして、残りの「250〜255」の判定値に対しては、「再選択」が対応付けられている。「再選択」が決定される判定値(乱数値)の個数を「250〜255」の6個とすることにより、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、およびスペシャルリーチ各種(90秒)を決定するための乱数値の総数を250個(0〜249)とすることができる。1%が乱数値(判定値)2.5個分(250/100)に相当するので、5個(2%分)を最小単位として乱数値(判定値)を割り振れば、確率のパーセンテージを整数値にすることができる。
本実施形態では、ノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜24」の25個(5個×5)の判定値を割り振り、スーパーリーチ各種(60秒)に対して「25〜174」の150個(5個×30)の判定値を割り振り、スペシャルリーチ各種(90秒)に対して「175〜249」の75個(5個×15)の判定値を割り振っている。よって、ノーマルリーチ各種が選択される確率を10%(2%×5)とし、スーパーリーチ各種(60秒)が選択される確率を60%(2%×30)とし、スペシャルリーチ各種(90秒)が選択される確率を30%(2%×15)となる。即ち、各変動パターンが選択される割合のパーセンテージが整数値となるように乱数値(判定値)が割り振られている。これにより、パーセンテージに端数(小数点以下)が生じることを防止(抑制)できるので、より判り易いスペックの遊技機を提供することができる。また、設計時においても、各判定結果となる確率の割り振りを効率的に行うことができる。
なお、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図53(b)参照)や、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図53(c)参照)についても同様に、乱数値(判定値)が「250〜255」の範囲に「再選択」が対応付けられている。即ち、256通りの乱数値(判定値)のうち、250通り(0〜249)の値となった場合にのみ変動パターン(変動時間)が決定されるように構成している。また、各変動パターンに対応付けられた乱数の個数は全て5の倍数となるように設定することにより、各変動パターン(変動時間)が選択される確率のパーセンテージを整数化している。これにより、大当たりであるか、外れであるかに拘わらず、確率をより判り易い値とすることができる。
図52(a)に戻って説明を続ける。主再選択フラグ203iは、変動パターン(変動時間)を選択(決定)する処理において「再選択」が所定回数(4回)以上連続して決定されたか否かを示すフラグである。この主再選択フラグ203iがオンであれば、「再選択」が4回以上連続して決定されたことを意味し、オフであれば「再選択」の連続回数が4回未満であることを意味する。本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)の中で実行される主再選択処理(図59参照)では、この主再選択フラグ203iが参照され(図59のS4101参照)、主再選択フラグ203iがオンであれば変動種別レジスタRS1から乱数値を新たに取得して変動パターン(変動時間)を決定するための処理(図59のS4102〜S4107参照)が実行される。
特図用カウンタ一時記憶エリア203j、および普図用カウンタ一時記憶エリア203kは、上述した通り、カウンタ用バッファ203yに代えて各レジスタ値を一時的に格納するための一時記憶領域である(図51参照)。特図用乱数生成IC900から取得された各乱数値(レジスタ値)は、特図用カウンタ一時記憶エリア203jに格納された後、特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送される。また、普図用乱数生成IC901から取得された乱数値(レジスタ値)は、普図用カウンタ一時記憶エリア203kに格納された後、普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに転送される。
次に、図52(b)を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図52に示した通り、第2実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成に対して、ウエイト計測カウンタ223gと、ウエイト計測フラグ223hとが追加されている。
ウエイト計測カウンタ223gは、少なくとも1の変動が保留されている状態(特別図柄保留球数カウンタ223bの値が1以上の状態)で、変動表示(変動パターン)が終了した場合に、変動表示が終了してからの経過時間を計時するためのカウンタである。このウエイト計測カウンタ223gは、保留球数が1以上の状態で停止コマンドを受信してから、次の変動表示が開始されるまでウエイト経過演出処理(図63参照)の中で1ずつ加算される。ウエイト経過演出処理(図63参照)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理2(図61参照)の中で1ミリ秒経過毎に実行されるので、ウエイト計測カウンタ223gは1ミリ秒毎に1ずつ加算される。本実施形態では、ウエイト経過演出処理(図63参照)において、このウエイト計測カウンタ223gの値が参照され(図63のS4205参照)、前回の変動が終了してから所定期間(1050ミリ秒)が経過しても保留されている次の変動が開始されない(主制御装置110から変動パターンコマンドが出力されない)場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成されている(図63のS4206参照)。
ここで、所定期間が経過しても主制御装置110から変動パターンコマンドが出力されない場合とは、主制御装置110において変動パターン(変動時間)を決定するための処理に時間を要している場合等である。即ち、変動パターンテーブル202dから変動パターンを決定する処理において、連続して「再選択」が決定され、変動種別レジスタRS1から新たに乱数値(判定値)を取得して変動パターンテーブル202dに規定された判定値と比較する処理が延々と繰り返された場合等である。変動パターン(変動時間)が決定されなければ、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して変動パターンコマンドを設定することもできないので、「再選択」が繰り返される程に前回の変動が終了してから次の変動が開始されるまでの期間が長くなる。この場合において、音声ランプ制御装置113において変動パターンコマンドを受信するまで待機する構成としてしまうと、第3図柄が停止表示され、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留図柄が表示されているにも拘わらず第3図柄表示装置81の表示内容が変化しないため、遊技者に違和感を抱かせてしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、次の変動が開始されることなく所定期間(1050ミリ秒)が経過した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示内容が可変されるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
ウエイト計測フラグ223hは、保留球数が1以上の状態において前回の変動が終了しており、且つ、変動パターンコマンドが通知されていない状態であるか否かを示すフラグである。即ち、ウエイト計測カウンタ223gによる計時(カウント)を実行する期間であるか否かを示す。このウエイト計測フラグ223hがオンであれば、前回の変動演出が終了し、次の変動パターンコマンドが通知されていない状態であることを意味するので、この間はメイン処理2(図61参照)が実行される毎にウエイト計測カウンタ223gの値が更新される(図63のS4202参照)。一方、ウエイト計測フラグ223hがオフであれば、主制御装置110から変動パターンコマンドが通知されることを待機している期間ではないので、ウエイト計測カウンタ223gは更新されない。このウエイト計測フラグ223hは、主制御装置110より停止コマンドを受信し、且つ、保留球が存在する場合にオンに設定される(図62のS1335)。また、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する毎にオフに設定される(図62のS1332参照)。このウエイト計測フラグ223hにより、ウエイト計測カウンタ223gを正確に更新することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図54〜図60のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2について説明する。この第2実施形態におけるタイマ割込処理2は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図19参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行されるもので、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
この第2実施形態におけるタイマ割込処理2のうち、S101,S106,S108、およびS109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図19参照)のS101,S104,S106,S108、およびS109の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)では、第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)、始動入賞処理(図22参照)、スルーゲート通過処理(図24参照)に代えて、特別図柄変動処理2(S104)、始動入賞処理2(S105)、スルーゲート通過処理2(S107)がそれぞれ実行される。これらの各処理の詳細については、図55〜図58を参照して後述する。更に、本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)では、S108の処理が終了すると、変動パターン(変動時間)を決定する処理(特別図柄変動開始処理2)において所定回数以上(4回以上)再選択が決定された場合に、変動パターン(変動時間)を決定するための処理である主再選択処理を実行して(S131)、処理をS109へと移行する。この主再選択処理(S131)の詳細については、図59を参照して後述する。
次に、第2実施形態における特別図柄変動処理2(S104)について説明する。この特別図柄変動処理2(S104)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)と同様に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動処理2(S104)のうち、S201〜S207,S209〜S218の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)のS201〜S207,S209〜S218の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における特別図柄変動処理2(図55参照)では、S202の処理において変動中では無いと判別された場合に(S202:No)、前回の第3図柄の停止表示から所定時間(1秒間)が経過したか否かを判別し(S231)、所定時間が経過していないと判別した場合には(S231:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S231の処理において、所定時間が経過したと判別した場合には(S231:Yes)、S203〜S208の各処理を実行する。なお、本実施形態におけるS208の処理では、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)に代えて、特別図柄変動開始処理2(S208)を実行する。この特別図柄変動処理2(S208)の詳細については、図56を参照して後述する。
次に、図56を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理2(S208)について説明する。図56は、第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S208)を示すフローチャートである。この特別図柄変動開始処理2(S208)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)と同様に、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S208)のうち、S301〜S311の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)のS301〜S311の各処理と同一の処理が実行される。また、特別図柄変動開始処理2(図56参照)では、S307、またはS309の処理が終了すると、S307、またはS309の処理において変動パターンテーブル202d(図53(a)〜(c)参照)と、変動種別レジスタRS1の値とに基づいて「再選択」が決定(選択)されたか否かを判別する(S331)。そして、S331の処理において「再選択」が決定されたと判別された場合は(S331:Yes)、変動種別レジスタRS1の値を特図用乱数生成IC900から新たに取得して(S332)、主再選択カウンタ203hの値に1を加算する(S333)。次いで、主再選択カウンタ203hの値が4以上であるか否かを判別して(S334)、値が4未満であれば(S334:No)、変動パターンを選択するためのS305〜S309の各処理を再度実行する。
一方、S334の処理において、主再選択カウンタ203hの値が4以上であると判別した場合は(S334:Yes)、変動パターンの再選択を繰り返す処理をいったん終了して、主再選択フラグ203iをオンに設定する(S335)。そして、主再選択カウンタ203hを0に初期化して(S336)、本処理を終了する。
一方、S331の処理において、S307、またはS309の処理において「再選択」が決定されたと判別した場合には(S331:No)、処理をS310へと移行する。特別図柄変動開始処理2(図56参照)により、変動パターンを決定するとともに、「再選択」が決定された場合に、変動パターンの再選択を繰り返すことができる。ここで、変動パターン(変動時間)を選択する処理が完了しなければ、変動パターンを開始させることができないため、変動パターン(変動時間)は迅速に決定する必要がある。このため、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に、他の処理を実行せずに即座に変動種別レジスタRS1の値を再取得して変動パターン(変動時間)の判別を実行する。しかしながら、あまりにも多くの回数「再選択」が連続し続けると、他の処理(例えば、始動入賞処理やスルーゲート通過処理等)が実行されない期間が長くなってしまい、例えば、始動入賞を検知できなかったり、スルーゲート67の通過を検知できなかったりする虞がある。そこで、本実施形態では、「再選択」が連続して決定された回数を、主再選択カウンタ203hによりカウントしておき、所定回数(例えば、4回)以上「再選択」が連続した場合には、一旦MPU201により実行される他の処理を実行した後、再度変動種別レジスタRS1の値を取得し直して変動パターン(変動時間)を判別する処理を実行するように構成している。このように構成することで、他の処理に影響が出ない範囲で迅速に変動パターンを決定するための処理を実行することができる。
次に、図57を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理2(S105)について説明する。図57は、第2実施形態における始動入賞処理2(S105)を示すフローチャートである。
この第2実施形態における始動入賞処理(図57参照)のうち、S401〜S405の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)のS401〜S405の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における始動入賞処理2(S105)では、S401の処理において球が第1入球口64へ入球したと判別された場合に(S401:Yes)、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値を特図用乱数生成IC900より取得し、特図用カウンタ一時記憶エリア203jへ格納して(S431)、S402の処理へと移行する。
また、始動入賞処理2(図57参照)では、S405の処理が終了すると、RAM203に設けられた特図用カウンタ一時記憶エリア203jの各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに格納し(S432)、本処理を終了する。この始動入賞処理2(図57参照)により、特図用乱数生成IC900の生成する各種乱数値(各種レジスタ値)を取得して特別図柄の抽選に用いることができる。ハード的に生成された乱数を抽選に用いることによって、抽選結果をよりランダムにすることができる。
次に、図58を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理2(S107)について説明する。図58は、第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理2(S107)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)と同様に、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通図柄の当たり抽選に用いる乱数値を取得して保留するための処理である。
このスルーゲート通過処理2(S107)のうち、S601〜S604の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)のS601〜S604の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)では、S601の処理において、球がスルーゲート67を通過したと判別された場合に(S601:Yes)、第2当たり乱数レジスタR4の値を普図用乱数生成IC901より取得し、普図用カウンタ一時記憶エリア203kへ格納し(S631)、S602の処理へ移行する。
また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)では、S604の処理が終了すると、RAM203に設けられた普図用カウンタ一時記憶エリア203kの値を普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに格納し(S632)、本処理を終了する。このスルーゲート通過処理2(図58参照)により、普図用乱数生成IC901の生成する各種乱数値(各種レジスタ値)を取得して普通図柄の抽選に用いることができる。ハード的に生成された乱数を抽選に用いることによって、抽選結果をよりランダムにすることができる。
次に、図59のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される主再選択処理(S131)について説明する。この主再選択処理(S131)は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2(図54参照)の中の一処理であり、特別図柄変動開始処理2(図56参照)の変動パターンを決定するための処理において、4回以上連続して「再選択」が決定された場合に、4回目以降の「再選択」の決定に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
この主再選択処理(S131)では、まず、主再選択フラグ203iがオンであるかを判定する(S4101)。主再選択フラグ203iがオフであれば(S4101:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理2へ戻る。主再選択フラグ203iがオンであれば(S4101:Yes)、次に、特図用乱数生成IC900より変動種別レジスタRS1の値を取得し(S4102)、大当たりの抽選結果と変動種別レジスタRS1の値とに基づいて変動パターンを決定する(S4103)。そして、決定した変動パターンが「再選択」であるかを判定する(S4104)。決定した変動パターンが再選択であれば(S4104:Yes)、そのまま本処理を終了する。このように、変動パターンテーブル202dから「再選択」が決定されると、主再選択フラグ203iをオンの状態に保ったまま処理を終了することで、次回のタイマ割込処理2(図54参照)において実行される主再選択処理(S131)において、変動パターンを再選択する処理を再度行うことができる。
一方、S4104の処理において、決定した変動パターンが再選択でないと判別した場合は(S4104:No)、S4103の処理において決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドを設定し(S4105)、設定されている表示態様に基づいて、停止種別コマンドを設定する(S4106)。次いで、主再選択フラグ203iをオフに設定し(S4107)、本処理を終了する。
次に、図60を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理2について説明する。図60は、第2実施形態におけるメイン処理2を示すフローチャートである。この第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)は、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)のうち、S901,S903〜S909、およびS912〜S915の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるS901,S903〜S909、およびS912〜S915の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)では、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)のS902,S910、およびS911の各処理が廃止(削除)されている。本実施形態では、特図用乱数生成IC900によって生成された乱数値(レジスタ値)を各種抽選に用いており、ソフト的に乱数値を発生させる必要が無いため、各種カウンタ値を更新するS902,S910、およびS911の各処理を廃止している。これらの各処理が廃止されている点以外、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)と同一である。このように、第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)では、乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)を用いることで、ソフト的に乱数値を発生させるための処理(S902,S910、およびS911)を不要とすることができ、処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61〜図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図61を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理2(図61参照)について説明する。図61は、第2実施形態におけるメイン処理2を示すフローチャートである。このメイン処理2(図61参照)のうち、S1201〜S1210、およびS1213〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態におけるメイン処理2(図61参照)では、S1201〜S1210の処理を実行後、後述するウエイト経過演出処理を実行する(S1231)。詳細については後述するが、このウエイト経過演出処理(S1231)は、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、次の変動が開始されることなく所定期間(1050ミリ秒)が経過した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を設定するための処理である。
ウエイト経過演出(S1231)の実行後は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)に代えてコマンド判定処理2(S1212)を実行し、S1213以降の処理を実行する。このコマンド判定処理2(S1212)の詳細について、図62を参照して説明する。
図62は、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)を示すフローチャートである。この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定し、コマンドの種別に応じた制御を実行する処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)のうち、S1301〜S1308、およびS1316の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)のS1301〜S1308、およびS1316の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図62参照)では、S1303の処理が終了すると、ウエイト計測カウンタ223gの値を0に初期化し(S1331)、ウエイト計測フラグ223hをオフに設定して(S1332)、本処理を終了する。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理2では、S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合に(S1307:No)、次いで、停止コマンドを受信したかを判定する(S1333)。停止コマンドを受信していれば(S1333:Yes)、次いで、特別図柄保留球数カウンタ203cの値に基づいて保留球があるかを判定し(S1334)、保留球がある(即ち、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が1以上である)と判定された場合は(S1334:Yes)、ウエイト計測フラグ223hをオフに設定して(S1335)、本処理を終了する。また、S1334の処理において、保留球がないと判定された場合にも(S1334:No)、そのまま本処理を終了する。
保留球がウエイト計測フラグ223hをオンに設定しておくことにより、前回の変動が終了し、且つ、保留球が存在するにも拘らず変動パターンコマンドを受信していない状態をカウント(計時)することができる。本実施形態では、この状態が1050ミリ秒継続した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、変動パターンコマンドを受信していなくても第3図柄表示装置81の表示内容を可変させることができるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。
なお、S1333の処理において、停止コマンドを受信していないと判定した場合は(S1333:No)、S1316の処理を実行し、その後、コマンド判定処理2を終了する。
次に、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるウエイト経過演出処理(S1231)について説明する。図63は、このウエイト経過演出処理(S1231)を示すフローチャートである。このウエイト経過演出処理(S1231)は、上述した通り、特定の演出(ウエイト経過演出)を設定するための処理である。
このウエイト経過演出処理(S1231)では、まず、ウエイト計測フラグ223hがオンであるか否かを判別する(S4201)。S4201の処理において、ウエイト計測フラグ223hがオフであると判別した場合は(S4201:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4201の処理において、ウエイト計測フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4201:Yes)、ウエイト計測カウンタ223gの値に1加算し(S4202)、次いで、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000より大きいかを判定する(S4203)。S4202の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000より大きいと判定された場合は(S4203:Yes)、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、3秒以上が経過したことを意味する。即ち、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信するのに十分な時間が経過しているにもかかわらず、変動パターンコマンドを受信できていないことを意味するため、何らかの異常(例えば、主制御装置110の故障や、ハーネス等の不具合異常(断線等)によって主制御装置110より出力された変動パターンコマンドを正常に受信することができなかった等)が発生している可能性が高い。よって、この場合には、遊技者やホールにエラーの発生を報知するための表示を設定する表示用エラーコマンドを設定し(S4204)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000以下であると判定された場合は(S4203:No)、次いで、ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より大きいかを判定する(S4205)。ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より大きいと判定された場合は(S4205:Yes)、1秒間の図柄の停止期間が経過してから50ミリ秒が経過しているにも拘わらず、変動パターンコマンドを受信していないことを意味する。即ち、主制御装置110において変動パターン(変動時間)を選択する際に、連続して「再選択」が決定され続け、変動パターン(変動時間)の決定が遅れている可能性が高い。よって、この場合には、特定の演出(ウエイト経過演出)の表示を設定するための表示用ウエイト経過演出コマンドを設定し(S4206)、本処理を終了する。一方、S4205の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より小さいと判定された場合は(S4205:No)、そのまま、本処理を終了する。
S4206の処理で設定された表示用ウエイト経過演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理2(図61参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用予告コマンドを受信すると、特定の演出(ウエイト経過演出)を第3図柄表示装置81に表示する。
なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
本実施形態では、保留球数が1以上であるにも拘らず、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、ウエイト経過演出を実行するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、所定条件が成立した場合には、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合であっても、ウエイト経過演出を実行しないようにしてもよい。より具体的には、大当たりの判定結果の先読みを行うなどで、次の変動が大当たりとなる変動であることが予め判っている場合には、ウエイト経過演出を実行しないようにしてもよい。これにより、遊技者は保留球数が1以上であるにも拘らず、変動表示が開始されないことに一旦は違和感を抱くこととなるが、その後、大当たりが付与されることによって、変動表示の開始が遅れたことが大当たりとなる前兆であったかのように印象付けることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技に関する主な制御を実行する主制御装置110の所定の判定(変動パターンを決定するための判定)において、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成している。また、再選択に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(250個)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(変動パターン種別)が決定される確率をパーセンテージで表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。これにより、各判定結果となる確率をパーセンテージで表記した場合に、より分かり易い値となるため、スペック等をより理解し易い遊技機を提供することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて変動演出が開始される。この変動演出は、入賞が保留されない場合は、入賞後速やかに(例えば、1秒以内)に開始され、入賞が保留される場合は、その保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後速やかに(例えば、1秒以内)に開始されるのが通常である。
しかしながら、入賞後または保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後に速やかに変動演出が開始されない場合、通常であれば遊技が開始されるタイミングであるにも関わらず、遊技が開始されないために、遊技者に対して不信感を与えてしまう虞がある。
例えば、本実施形態では、主制御装置110の変動パターンを決定する処理において所定の割合(6/256)で再選択が選択されるように構成している。このため、連続して「再選択」が決定され続けた場合には、その間変動パターンが決定されないため、1の変動表示が終了してから、次の変動表示が開始されるまでの期間が長くなってしまい、上述した不具合が発生してしまう。
これに対し、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数が1以上であるにも拘らず、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、変動パターンコマンドを受信していなくても第3図柄表示装置81の表示内容を可変させることができるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
本実施形態では、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成したが、これに限られるものではない。変動パターンの抽選結果として「再選択」が所定回数(例えば10回)連続した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成しても当然よい。
本実施形態では、前回の変動停止から1050ミリ秒が経過した場合にウエイト経過演出(図柄が輝く演出)が実行されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、変動パターンコマンドを受信していなくても、図柄の変動を開始させてもよい。これにより、前回の図柄停止から遅くとも1050ミリ秒後には次の変動が開始されるので、図柄停止の状態が長く続くことを防止(抑制)できる。よって、遊技者が違和感を抱くことなく安心して遊技を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、図64〜図70を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、予告演出の種別を抽選(決定)するために用いられる乱数値を、抽選の実行時に演出用乱数生成IC800から1個ずつ取得するように構成されていた。
これに対して第3実施形態では、演出用乱数生成IC800から予め所定個数(100個)の乱数値を取得してRAM223に記憶しておき、その記憶しておいた乱数値を用いて予告演出の抽選(決定)を実行するように構成されている。また、予め乱数値を取得する際には、抽選結果が「再抽選」となる乱数値(即ち、「250〜255」の範囲の乱数値)であるか否かを判別し、「再抽選」が決定されない乱数値(即ち、「0〜249」の範囲の乱数値)のみをRAM223に記憶するように構成されている。即ち、「再抽選」に相当する値はRAM223に記憶せずに破棄するように構成されている。これにより、実際に予告演出の抽選(決定)処理を実行する際には、「再抽選」が決定されることが無くなるため、「再抽選」が連続することで予告演出の決定が遅れてしまうことを防止(抑制)することができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に現在時刻を計時するRTC292が設けられている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図64〜図66を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図64は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。図64に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対してRTC292が電気的に接続されている点で第1実施形態と相違する。このRTC292は、現在時刻を計時することができる。音声ランプ制御装置113は、このRTC292の計時する時刻を取得することができる。詳細については後述するが、本実施形態では、電源投入時(RAM223に対して所定個数(100個)の乱数値が格納されていない場合)に、RAM223に対して予め定められた乱数値を演出カウンタ初期値テーブル222cから読み出して記憶するように構成されている。この演出カウンタ初期値テーブル222cには、RAM223に格納する100個の乱数値の初期値として、複数のパターン組み合わせが規定されている。本実施形態では、RTC292から取得した現在時刻に応じて、異なる組み合わせの乱数値を初期値として設定するように構成している。これにより、乱数の初期値を迅速に決定しつつ、初期値として設定される乱数値をよりランダムな値とすることができる。
次に、図65(a)を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222について説明する。図65(a)に示した通り、本実施形態のROM222には、第1実施形態におけるROM222の構成に加え、演出カウンタ初期値テーブル222cが設けられている。この演出カウンタ初期値テーブル222cは、予告演出を選択する際に参照される乱数値の初期値を選択するために用いられるデータテーブルである。この演出カウンタ初期値テーブル222cには、初期値として選択可能な所定個数(100個)の乱数値の組み合わせが複数(10パターン)規定されている。また、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定された全ての乱数値は、「0〜249」の範囲の値である。即ち、初期値として設定される乱数値は、「再選択」が決定される乱数値の範囲(即ち、「250〜255」)以外の乱数値である。これにより、予告演出の種別を選択する場合に、「再選択」が選択されることなく種別を選択することができるので、予告演出の決定(選択)に係る処理時間を短くすることができる。
パチンコ機10に対して電源が投入されると、この演出カウンタ初期値テーブル222cが参照されて初期値が選択される。選択された初期値は、後述する演出カウンタ格納エリア223iに格納される。
演出カウンタ初期値テーブル222cの詳細について、図66を参照して説明する。図66は、演出カウンタ初期値テーブル222cの規定内容の一例を示した図である。図66に示した通り、演出カウンタ初期値テーブル222cには、100個の乱数値の組み合わせ(配列No.1〜100)が10パターン(テーブルNo.1〜10)規定されている。本実施形態では、電源投入に基づいて実行される立ち上げ処理3(図67参照)において、No.1〜10のいずれかのテーブルが選択され、演出カウンタ格納エリア223iに格納される。
なお、No.1〜10のいずれかのテーブルを取得するにあたり、RTC292が計時する現在時刻に応じたテーブルが選択される。より具体的には、電源投入時刻のうち、秒数の下一桁が1であれば、No.1のテーブルが取得され、下一桁2であればNo.2のテーブルが取得される。以降も同様に下一桁が3であればNo.3のテーブル、下一桁が4であればNo.4のテーブル、・・・、下一桁が0であればNo.10のテーブルが選択される。これにより、電源を投入したタイミングに応じて毎回異なる乱数値の組み合わせを初期値として設定することができるので、予告演出を決定(選択)する際に、よりランダムに種別を決定することができる。
なお、テーブル数や各テーブルの配列数は上述したものに限られない。例えば、テーブル数は、15パターンとしてもよいし、5パターンとしても当然よい。配列数は150個としてもよいし、50個としても当然よい。
また、現在時刻に応じたテーブルを選択する方法は、上述したものに限られない。例えば、電源投入時刻のミリ秒の下一桁に応じてテーブルを選択するようにしてもよい。これにより、複数の遊技機に対して同時に電源を投入した場合においても、それぞれの遊技機で選択されるテーブルを相違させる(それぞれの遊技機においてランダムな値を設定する)ことができる。
本実施形態では、RTC292の計時する現在時刻に応じてテーブルを選択するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、その他の計測手段の計測結果(温度、湿度、光量、音量など)に応じて選択するようにしてもよいし、それらの計測結果を組み合わせて選択するようにしても当然よい。さらに、ハードウェア乱数生成ICの生成した乱数値に基づいて選択するようにしてもよいし、ソフトウェアの処理で乱数値を生成し、その乱数値に基づいて選択するようにしても当然よい。
次に、図65(b)を参照して、第3実施形態におけるRAM223の構成について説明する。図65(b)に示した通り、本実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成に加えて、演出カウンタ格納エリア223iと、取得ポインタ223jと、再取得フラグ223kとが設けられている。
演出カウンタ格納エリア223iは、予告演出選択テーブル222bから予告演出を決定(選択)する際に用いる演出カウンタ値(演出用乱数値)を格納するための記憶領域であり、後述する取得ポインタ223jの取り得る値に対応付けられた100個の記憶領域から構成されている。各記憶領域には、予告演出の種別を決定するために用いる乱数値(演出用乱数値)が1個ずつ格納される。この演出カウンタ格納エリア223iに格納される乱数値は、1個の乱数値が予告演出の選択に用いられる度に、新たな乱数値が演出用乱数生成IC800から取得される。取得された乱数値は、予告演出の選択に用いられた乱数値が格納されている記憶領域に対して上書きされる(図69のS4305参照)。これにより、演出カウンタ格納エリア223iには、異なるタイミングで生成された100個の乱数値が格納された状態を保つことができる。
取得ポインタ223jは、演出カウンタ格納エリア223iに記憶された100個の乱数値のうち、何れを選択するかを示すポインタである。予告演出の種別を選択する場合は、この取得ポインタ223jの値が参照され、取得ポインタ223jの値に対応する記憶領域から演出用乱数値が選択され、予告演出選択テーブル222bに規定された判定値(乱数値)に基づいて予告演出の種別が決定される。この取得ポインタ223jの値は、予告演出の種別を決定するために演出カウンタ格納エリア223iから1の乱数値が取得される毎に1ずつ更新される。これにより、演出用乱数をよりランダムな値とすることができる。
再取得フラグ223kは、演出用乱数生成IC800から取得された演出用乱数値が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」の範囲)であったか否かを示すフラグである。この再取得フラグ223kがオンであれば、取得された演出用乱数値が「再選択」に対応する値であり、再度演出用乱数値を演出用乱数生成IC800から取得する必要があることを意味する。一方、オフであれば、演出用乱数値の再取得を行う必要が無いことを意味する。この再取得フラグ223kは、演出用乱数生成IC800から取得した演出用乱数値が「再選択」に対応する値であると判別された場合にオンに設定される(図69のS4304)。また、演出用乱数値の再取得により、「0〜249」の範囲内の値が取得された場合にオフに設定される(図70のS4405参照)。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図67〜図70を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明を行う。まず、図67を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置での立ち上げ処理3について説明する。
この第3実施形態における立ち上げ処理3のうち、S1101〜S1111の各処理では、第1実施形態の立ち上げ処理(図26参照)のS1101〜S1111の各処理と同一の処理が実行される。また、第3実施形態における立ち上げ処理3(図67参照)では、S1110の処理が終了すると、次に、RTC292から現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S1131)、取得した時刻情報に基づいて、演出カウンタ初期値テーブル222cから演出カウンタ格納エリア223iに格納する演出用乱数値100個分の初期値の組み合わせを選択し、演出カウンタ初期値テーブル222cに格納(初期値を設定)する(S1132)。S1132の処理が終了すると、S1111の処理へ移行する。
この立ち上げ処理3において、予めROM222に規定された初期値の組み合わせを選択して演出カウンタ格納エリア223iに設定する構成とすることにより、演出等乱数生成IC800から演出用乱数の初期値を1つ1つ取得する場合に比較して、演出用乱数の初期値を迅速に決定することができる。よって、より早く遊技者による遊技を実行可能な状態へと移行させることができる。
次に、図68のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113におけるメイン処理3(図68参照)について説明する。この第3実施形態におけるメイン処理3(図68参照)のうち、S1201〜S1210、およびS1212〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1201〜S1210、およびS1212〜S1218の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態におけるメイン処理3(図68参照)では、S1210の処理が終了すると、前回演出カウンタ格納エリア223iに格納された演出用乱数値を更新する際に、「再選択」に対応する演出用乱数値が取得された場合に、再度演出用乱数値を取得して演出カウンタ格納エリア223iを更新するための再取得処理を行い(S1261)、S1212以降の処理へ移行する。なお、再取得処理(S1261)の詳細については、図70を用いて後述する。
次に、図69を参照して、第2実施形態における予告演出選択処理3(S1406)について説明する。この予告演出選択処理3(S1406)は、第1実施形態における予告演出選択処理(図33参照)に代えて変動表示設定処理(図32参照)の中で実行される処理であり、第1実施形態における予告演出選択処理(図33参照)と同様に、演出用乱数生成IC800によって生成された演出用乱数値から予告演出の種別を選択して表示制御装置114に通知するための処理である。
この予告演出選択処理3(S1406)ではまず、演出カウンタ格納エリア223iに格納された100個の演出用乱数値のうち、取得ポインタ223jの値が示す記憶領域(アドレス)に格納された演出用乱数値を取得する(S4301)。次いで、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を新たな演出用乱数値として取得し(S4302)、取得したレジスタ値が「再選択」に相当する値(即ち、「250〜255」の範囲内)であるか否かを判別する(S4303)。
S4303の処理において、取得したレジスタ値(演出用乱数値)が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」の範囲内)であると判別した場合は(S4303:Yes)、再取得フラグ223kをオンに設定することで演出用乱数値の再取得を設定して(S4304)、S4306の処理へ移行する。一方で、S4303の処理において、演出用乱数生成IC800から取得したレジスタ値が「再選択」の範囲外(即ち、「0〜249」の範囲内)であると判別した場合は(S4303:No)、取得したレジスタ値を、演出カウンタ格納エリア223iのうち、取得ポインタ223jの値に対応する記憶領域(アドレス)に対して新たな演出用乱数値として格納し(S4305)、S4306の処理へと移行する。
S4306の処理では、取得ポインタ223jを1加算することにより更新し(S4306)、更新後の取得ポインタ223jの値が100より大きい値となったか否かを判別する(S4307)。S4307の処理において、更新後の取得ポインタ223jの値が100より大きいと判別した場合は(S4307:Yes)、取得ポインタ223jを0に初期化して(S4308)、S4309の処理へ移行する。一方で、S4307の処理において、更新後の取得ポインタ223jの値が100以下であると判別した場合は(S4307:No)、S4308の処理をスキップして、S4309の処理へ移行する。
S4309の処理では、予告演出を設定する変動演出が、大当たりを報知するための変動演出であるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を判別し(S4309)、大当たりであると判別した場合は(S4309:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、S4301の処理において取得された演出用乱数(演出カウンタ)とに基づいて予告演出の種別を選択し(S4310)、処理をS4312へと移行する。
一方で、S4309の処理において、大当たりで無いと判別した場合は(S4309:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、S4301の処理において取得した演出用乱数値(演出カウンタ)とに基づいて予告演出を選択し(S4311)、処理をS4312へと移行する。S4312の処理では、予告演出の選択結果に基づいて予告演出コマンドを設定し(S4312)、この処理を終了する。
次に、図70のフローチャートを参照して、再取得処理(S1261)について説明する。この再取得処理(S1261)は、上述した通り、前回演出カウンタ格納エリア223iに格納された演出用乱数値を更新する際に、「再選択」に対応する演出用乱数値が取得された場合に、再度演出用乱数値を取得して演出カウンタ格納エリア223iを更新するための処理である。
この再取得処理(S1261)では、まず、再取得フラグが223kオンであるか否かを判別し(S4401)、オンでない(オフである)と判別した場合は(S4401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4401の処理において、再取得フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4401:Yes)、演出用乱数生成IC800からレジスタ値(演出用乱数値)を取得する(S4402)。次に、S4402の処理において取得されたレジスタ値が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」)であるか否かを判別し(S4403)、「再選択」に対応する値であれば(S4403:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4403の処理において、取得したレジスタ値が「再選択」の範囲外(即ち、「0〜249」)であると判別した場合は(S4403:No)、取得ポインタ223jの値を読み出して、その読み出した値から1を減算した値に対応する演出カウンタ格納エリア223iの記憶領域(アドレス)に対して、S4402の処理で取得したレジスタ値(演出用乱数値)を格納する(S4404)。次いで、再取得フラグ223kをオフに設定して(S4405)、本処理を終了する。
この再取得処理(S1261)により、演出用乱数生成IC800から「再選択」の範囲外となる演出用乱数値のみを演出カウンタ格納エリア223iに格納することができるので、予告演出の選択時において演出カウンタ格納エリア223iから読み出された演出用乱数値が「再選択」に対応する値となることを防止(抑制)することができる。よって、一回の予告演出を選択する処理によって必ずいずれかの予告演出の種別(予告演出A〜C)を選択(決定)することができるので、処理時間を短縮することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、RAM223に設けられた演出カウンタ格納エリア223iに対して、予め所定個数(100個)の演出用乱数値を格納しておき、その予め格納された演出用乱数値を用いて予告演出の抽選(決定)を実行するように構成している。複数(100個)の乱数値を予め格納しておくことにより、演出カウンタ格納エリア223iに乱数値が格納されていない状況が発生することを防止(抑制)できるので、毎回の予告演出を決定するための処理において正常に決定(判定)を行うことができる。また、格納された乱数値が予告演出の決定に使用される毎に、使用した乱数値を破棄して新たな乱数値を演出用乱数生成IC800から取得し、演出カウンタ格納エリア223iに上書きするように構成されている。内容を順次上書き(更新)していくことにより、同じ乱数値が判定に繰り返し使用されることを防止(抑制)できるので、演出用乱数値のランダム性を確保することができる。
また、演出カウンタ格納エリア223iに対しては、「再選択」が決定される乱数値の範囲外の値(即ち、「0〜249」の範囲の乱数値)のみを格納するように制御される。このように構成することで、演出カウンタ格納エリア223iに格納された所定個数の乱数値のうち、1の乱数値を取得すれば、1回の予告演出の判定を実行するだけで予告演出の種別を決定することができる(即ち、「再選択」が決定されることなく、予告演出A〜Cの何れかを決定することができる)。よって、予告演出の種別を決定するための処理に要する時間を短縮することができるので、確実に予告演出の開始タイミングまでに予告演出の種別を表示制御装置114に対して通知することができる。
また、本実施形態では、電源投入時に演出カウンタ格納エリア223iに格納する演出用乱数値の初期値を、ROM222の演出カウンタ初期値テーブル222cに規定しておき、立ち上げ処理3(図67参照)の中で、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定されたいずれかの初期値の組み合わせを演出カウンタ格納エリア223iへと転送するように構成されている。また、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定された全ての演出用乱数値は、いずれかの判定結果(予告演出A〜Cのいずれかが決定される)範囲内の値(「0〜249」の範囲内の値)となるように規定されている。このように構成することで、演出用乱数生成IC800から初期値を1つ1つ取得する場合に比較して、演出カウンタ格納エリア223iに初期値を格納するまでに要する時間を短縮できる。演出用乱数生成IC800から初期値を1つ1つ取得する構成とした場合は、乱数値を1つ取得する毎に、「再選択」に相当する値か否かを判別して、「再選択」に相当する値の場合はいずれかの判定結果となる範囲内(「0〜249」の範囲内)の乱数値となるまで新たに乱数値を取得し直さなければならないためである。演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(100個)分の演出用乱数値の初期値を格納する時間を短縮することにより、パチンコ機10による遊技が可能となるまでの期間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、100個の乱数値を演出カウンタ格納エリア223iに格納するように構成していたが、個数は100個に限られず任意に定めることができる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成する乱数値(所謂、ハード乱数の値)を演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(100個)格納するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、ソフトウェアの処理で生成される乱数値(所謂、ソフトウェア乱数の値)を演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(例えば、100個)格納するように構成してもよい。ソフトウェアの乱数値はソフトウェアの処理において1ずつ加算されるものが一般的である。そのため、抽選結果を再抽選するために再度ソフトウェア乱数の値を取得した場合、その乱数値は更新が十分にされていない値となっている可能性が高い。即ち、ランダムな値となる乱数値を取得することができない。そこで、本実施形態のように、予め乱数値を演出カウンタ格納エリア223iに格納しておくことで、抽選結果を再抽選する場合においてもランダムな値となる乱数値を取得することができる。
<第4実施形態>
次いで、図71〜図77を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に、特別図柄の抽選に用いる各種情報(各種カウンタ値)を取得し、球がスルーゲート67を通過したことが検出された場合に、普通図柄の抽選に用いる情報(第2当たり乱数カウンタC4の値)を取得するように構成されていた。即ち、始動入賞が検出されたか、スルーゲート67の通過が検出されたかに応じて異なる取得動作を実行するように構成されていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合にも、スルーゲート67の通過が検出された場合にも、一括して全ての乱数値を取得し、検出内容に応じて必要な乱数値を抽選(判定)に用いるように構成されている。始動入賞であるか、スルーゲート67の通過であるかによらず一括して乱数値を読み込む構成とすることにより、パチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、乱数値の取得動作をまとめて確認することができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とが主制御装置110の入出力ポート205に対して電気的に接続されている点、主制御装置110に設けられたRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態における電気的構成>
まず、図71を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図71は、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図71に示した通り、本実施形態では、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成に加え、主制御装置110の入出力ポート205に対して特図用乱数生成IC900と、普図乱数生成IC901とが電気的に接続されている。特図用乱数生成IC900、および普図乱数生成IC901は、第2実施形態におけるパチンコ機10に設けられていた同一名称のICと同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図72を参照して、本実施形態における各種カウンタ値について説明する。図72に示した通り、本実施形態では、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901に設けられた各レジスタの値(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1、第2当たり乱数レジスタR4の値)を、各種抽選に用いる乱数値(第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4)として取得し、カウンタ一時記憶エリア203pに格納するように構成している。また、これらのカウンタ値は同じタイミングで一括して各ICから取得され、カウンタ一時記憶エリア203pに格納される。
始動入賞を検出したことにより各レジスタの値がカウンタ一時記憶エリア203pに一括して格納された場合には、格納された各レジスタ値(乱数値)のうち、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値が特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに格納される。一方、スルーゲート67への入球を検出したことにより各レジスタの値が一括してカウンタ一時記憶エリア203pに格納された場合は、第2当たり乱数レジスタR4の値が普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに格納される。
レジスタの値を取得する契機に関係なく、全てのレジスタの値(乱数値)を一括してカウンタ一時記憶エリア203pへと格納するように構成することで、レジスタの値を取得する際にどのレジスタを指定して値(乱数値)を取得すればよいか判別する処理を省略することができるので、迅速にレジスタ値(乱数値)をカウンタ一時記憶エリア203pへと格納することができる。またパチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、乱数値(レジスタ値)の取得動作をまとめて確認することができる。
次に、図73のブロック図を参照して、第4実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の構成について説明する。図73に示した通り、第4実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加えて、特図連続クリアカウンタ203nが設けられている。また、第1実施形態におけるRAM203に設けられていたカウンタ用バッファ203yに代えて、カウンタ一時記憶エリア203pが設けられている。
特図連続クリアカウンタ203nは、スルーゲート67の通過に基づく各種レジスタ値の一括取得が実行された連続回数(即ち、特別図柄の抽選が実行されずに、連続して普通図柄の抽選が実行された回数)をカウントするためのカウンタである。上述した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選や普通図柄の抽選に用いるカウンタ値(レジスタ値)を、取得契機によらずに一括して取得するように構成されている。このため、カウンタ値(レジスタ値)の取得条件が比較的成立し易いスルーゲート67の通過を意図的に発生させ、取得された乱数値(レジスタ値)のうち、大当たりの抽選に用いる第1当たり乱数レジスタR1の値を外部から解析する不正が行われる可能性がある。この不正行為が実行されると、特図用乱数生成IC900におけるレジスタ値の更新の傾向から、大当たりに対応するレジスタ値になるタイミングまで解析されてしまい、不正に大当たりを引き当てられてしまう虞がある。この不正行為を防止するために、本実施形態では、特図連続クリアカウンタ203nによってスルーゲート67を球が連続して通過した回数をカウントし、カウント値が所定回数以上となった場合には不正行為の可能性があると判別してエラー表示を設定するように構成されている。これにより、大当たりに対応する乱数値が取得されるタイミングを解析し、大当たりを引き当てるという不正行為を防止(抑制)することができる。
この特図連続クリアカウンタ203nは、初期値が0に設定されており、スルーゲート通過処理4(図75参照)において、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された各カウンタ値(レジスタ値)のうち、第2当たり乱数レジスタR4の値が普通図柄保留球格納エリア203bへと格納される毎に値が1ずつ加算される(図75のS664参照)。一方、始動入賞処理4(図74参照)において、特別図柄の抽選に用いる各種カウンタ値(レジスタ値)が特別図柄保留球格納エリア203aに格納される毎に0に初期化される(図74のS463参照)。
カウンタ一時記憶エリア203pは、上述した通り、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901より取得されたレジスタ値(乱数値)を一時的に格納するための記憶領域である。このカウンタ一時記憶エリア203pに格納された各種レジスタ値(乱数値)は、値を取得した契機に応じて対応する記憶領域(特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203bのいずれか)に転送される。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、第4実施形態における主制御装置110の制御処理について、図74および図75を用いて説明する。まず、図74を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理4(S105)について説明する。図74は、この第4実施形態における始動入賞処理4を示すフローチャートである。この始動入賞処理4(S105)は、第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)に代えてタイマ割込処理(図19参照)の中で実行される処理である。
この第4実施形態における始動入賞処理4(図74参照)のうち、S401〜S405の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)のS401〜S405の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における始動入賞処理4(図74参照)では、S401の処理を実行した後、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を特図用乱数生成IC900、普図用乱数生成IC901よりそれぞれ取得し、RAM203に設けられたカウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S461)。
また、本実施形態における始動入賞処理4(図74参照)では、S405の処理が終了すると、S461の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送する(S462)。次いで、特図連続クリアカウンタ203nの値を0に初期化した後(S463)、カウンタ一時記憶エリア203pをクリアし(S464)、本処理を終了する。
次に、図75を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理4(S107)について説明する。図75は、第4実施形態におけるスルーゲート通過処理4を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理4(図75参照)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)に代えてタイマ割込処理(図19参照)の中で実行される処理である。
このスルーゲート通過処理4(S107)のうち、S601〜S604の各処理では、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)のS601〜S604の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理4(図75参照)では、S601の処理において球がスルーゲート67を通過したと判別された場合に(S601:Yes)、次いで、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を、それぞれ特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901より取得し、カウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S661)。
また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理4(図75参照)では、S604の処理が終了すると、S661の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された各種レジスタ値のうち、第2当たり乱数レジスタR4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S662)。そして、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された各レジスタ値をクリアし(S663)、特図連続クリアカウンタ203nの値に1を加算する(S664)。
次に、特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上であるかを判定する(S665)。特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上でなければ(S665:No)、そのまま本処理を終了する。特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上であれば(S665:Yes)、エラーコマンドを設定し(S666)、本処理を終了する。
このように、普通図柄の抽選が連続して10回以上実行された場合にエラーを報知するように構成することで、スルーゲート67の通過を契機に一括して取得される各レジスタ値のうち、第1当たり乱数レジスタR1の値を解析する不正行為を防止(抑制)することができる。より詳述すると、上述した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選や普通図柄の抽選に用いるカウンタ値(レジスタ値)を、取得契機によらずに一括して取得するように構成されている。このため、カウンタ値(レジスタ値)の取得条件が比較的成立し易いスルーゲート67の通過を意図的に発生させ、取得された乱数値(レジスタ値)のうち、大当たりの抽選に用いる第1当たり乱数レジスタR1の値を外部から解析する不正が行われる可能性がある。この不正行為が実行されると、特図用乱数生成IC900におけるレジスタ値の更新の傾向から、大当たりに対応するレジスタ値になるタイミングまで解析されてしまい、不正に大当たりを引き当てられてしまう虞がある。この不正行為を防止するために、本実施形態では、特図連続クリアカウンタ203nによってスルーゲート67を球が連続して通過した回数をカウントし、カウント値が所定回数以上となった場合には不正行為の可能性があると判別してエラー表示を設定するように構成されている。これにより、大当たりに対応する乱数値が取得されるタイミングを解析し、大当たりを引き当てるという不正行為を防止(抑制)することができる。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合にも、スルーゲート67の通過が検出された場合にも、一括して全てのレジスタ値(乱数値)を取得してカウンタ一時記憶エリア203pに格納しておき、検出内容に応じた記憶領域(特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203bのいずれか)に転送するように構成されている。レジスタ値(乱数値)を取得する契機に関係なく、全てのレジスタ値(乱数値)を一括してカウンタ一時記憶エリア203pへと格納するように構成することで、レジスタ値を取得する際にどのレジスタを指定して値(乱数値)を取得すればよいか判別する処理を省略することができるので、迅速にレジスタ値(乱数値)をカウンタ一時記憶エリア203pへと格納することができる。また、パチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、レジスタ値(乱数値)の取得動作をまとめて確認することができる。
第4実施形態におけるパチンコ機10では、タイマ割込処理(図19参照)の特定の契機に実行されるスイッチ読み込み処理(図19のS101)において、遊技球の始動入賞およびスルーゲート67の通過を検出している。そして、始動入賞が検出された場合には始動入賞処理4(図74参照)において各乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)のレジスタ値を取得し、スルーゲート67の通過が検出された場合にはスルーゲート通過処理4(図75参照)において各乱数生成ICのレジスタ値を取得する。ここで、各乱数生成ICにおける各レジスタ値は、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で格納されている乱数値が更新される。この更新間隔(時間)は、始動入賞処理4(図74参照)において各乱数生成ICのレジスタ値(乱数値)が取得されてから、スルーゲート通過処理4(図75参照)において各乱数生成ICのレジスタ値(乱数値)が取得されるまでの処理時間よりも短いものである。これにより、同一のタイマ割込処理(図19参照)において、遊技球の始動入賞とスルーゲート67の通過とが検出される場合であっても、それぞれ始動入賞に基づいて取得されるレジスタ値(乱数値)と、スルーゲート67の通過に基づいて取得されるレジスタ値(乱数値)とを異ならせることができる。
なお、本実施形態では、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で格納されている乱数値が更新される乱数生成ICを用いるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110から乱数値を取得するタイミングに乱数値を更新可能な乱数生成ICを用いても良い。即ち、任意のタイミングで乱数値を更新して生成可能な乱数生成ICを用いても良い。これにより、乱数値を更新し生成する頻度を最小限とすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とは更新タイミングが異なる乱数生成ICを用いるようにしても当然よい。例えば、特図用乱数生成IC900は1μsに1回の頻度(1MHzの周期)で更新されるものとし、普図用乱数生成IC901は2μsに1回の頻度(500kHzの周期)で更新されるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、乱数生成ICとして、特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901を用いて、それぞれの生成する乱数値を一括で取得可能に構成したが、用いる乱数生成ICは2種類に限られるものではない。乱数生成ICは3種類よりも多くしてもよいし、1種類としてもよい。例えば、乱数生成ICを1種類とする、即ち、乱数生成ICを一つにまとめる。これにより、乱数生成ICより各乱数値を一括で取得する処理において、複数の乱数生成ICより各乱数値をそれぞれ取得するのに比べて、一の乱数生成ICにアクセスするのみで各乱数値を一括で取得することができ、処理負荷を軽減することができる。
<第4実施形態の変形例>
次に、図76、および図77を参照して、第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、始動入賞処理4(図74参照)、およびスルーゲート通過処理4(図75参照)において、乱数値(レジスタ値)の取得条件が成立した場合に、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される全ての乱数値(レジスタ値)を一括して取得するように構成されていた。
これに加えて本変形例では、乱数値の取得条件が成立した場合に、同一の1の処理(入賞処理)の中で乱数値(レジスタ値)の取得と、乱数値の格納とを実行するように構成されている。これにより、設計者がデバッグ等を行う場合に、1の処理(入賞処理)のみを確認すれば足りるので、開発時における設計者の負担を軽減することができる。また、スイッチ読み込み処理(S101)において、第1入球口64への入球およびスルーゲート67の通過があったと判別された場合に、1の処理(入賞処理)の中で取得した乱数値(レジスタ値)を用いて、それぞれに対応した乱数値を格納することができるので、処理負荷を軽減することができる。
<第4実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
まず、図76を参照して、第4実施形態の変形例における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5について説明する。図76は、第4実施形態の変形例におけるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。なお、第1実施形態におけるタイマ割込処理処理(図19参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このタイマ割込処理5では、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図19参照)と同様に、まず、S101のスイッチ読み込み処理を実行した後、入賞処理を実行する(SS161)。次に、特別図柄変動処理を実行し(S104)、普通図柄変動処理を実行し(S106)、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理5を終了する。
次に、図77を参照して、第4実施形態の変形例における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5の中の一処理である入賞処理(161)について説明する。図77は、第4実施形態の変形例における入賞処理(S161)を示すフローチャートである。
この入賞処理(S161)は、タイマ割込処理5(図76参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)、または、スルーゲート67への通過の有無を判断し、入賞または通過があった場合に、各乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)より各種乱数値を一括で取得し、その各種乱数値を用いて第1入球口64への入賞(始動入賞)と、スルーゲート67への通過とに対応する処理を実行するための処理である。この入賞処理(S161)により、同一のタイマ割込処理(図76参照)において、遊技球の始動入賞とスルーゲート67の通過とが検出される場合に、始動入賞とスルーゲート67の通過とに基づいてそれぞれ各乱数生成ICより各レジスタ値(乱数値)を取得する場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S4501)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過していないと判別されると(S4501:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理5へ戻る。
一方、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過したと判別されると(S4501:Yes)、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901より取得し、RAM203に設けられたカウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S4502)。次に、球が第1入球口へ入賞したか否かを判別する(S4503)。球が第1入球口へ入賞していなければ(S4503:No)、S4504〜S4508の処理を実行せず、S4509の処理へ移行する。一方、球が第1入賞口へ入賞したと判別されると(S4503:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S4504)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S4505)。
そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S4505:No)、S4509の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S4503:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S4505:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S4506)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定し(S4507)、S4501の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別レジスタR3の各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S4508)、S4509の処理へ移行する。尚、S4508の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S4509の処理では、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S4509)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S4509:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S4510)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S4511)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S4509:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S4511:No)、S4514の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S4509:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S4511:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S4512)。そして、S4502の処理において、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された第2当たり乱数レジスタR4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S4513)、S4514の処理へ移行する。尚、S4513の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S4514の処理では、カウンタ一時記憶エリア203pの値をクリアし(S4514)、その後、本処理を終了する。
以上説明した通り、第4実施形態の変形例では、乱数値の取得条件が成立した場合に、同一の1の処理(入賞処理)の中で乱数値(レジスタ値)の取得と、乱数値の格納とを実行するように構成されている。これにより、設計者がデバッグ等を行う場合に、1の処理(入賞処理)のみを確認すれば足りるので、開発時における設計者の負担を軽減することができる。また、スイッチ読み込み処理(S101)において、第1入球口64への入球およびスルーゲート67の通過があったと判別された場合に、1の処理(入賞処理)の中で取得した乱数値(レジスタ値)を用いて、それぞれに対応した乱数値を格納することができるので、処理負荷を軽減することができる。
<第5実施形態>
次に、図78〜図84を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、予告演出選択テーブル222bから予告演出を選択する場合に、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成されていた。
これに対して第5実施形態では、変動パターン選択テーブル222aから変動パターンの態様を決定する際に、「再選択」が決定され得るように構成されている。より具体的には、主制御装置110から通知された変動パターン(変動時間)がスーパーリーチ(60秒)であった場合に、所定の割合で「再選択」が決定される。加えて、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか外れであるかに応じて、「再選択」が決定される割合を異ならせている。そして、スーパーリーチの演出態様を決定する際に、「再選択」が連続して決定された回数に応じて異なる態様の演出を実行するように構成されている。これにより、スーパーリーチ時の演出態様に応じて大当たりであるか、外れであるかを予測させることができるので、遊技者を演出により注目させることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図78(a)を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成について説明する。図78(a)に示した通り、本実施形態のROM222には、第1実施形態におけるROM222の構成に加えて、疑似変動補完演出選択テーブル222dが設けられている。この疑似変動補完演出選択テーブル222dは、変動パターンコマンドにより変動時間が60秒のスーパーリーチが通知された場合において、第3図柄表示装置81において表示させる疑似的な変動表示の態様を規定したデータテーブルである。また、第1実施形態におけるROM222に設けられていた予告演出選択テーブル222bが廃止されている。
次に、図78(b)を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図78(b)に示した通り、本実施形態のRAM223には、第1実施形態におけるRAM223の構成に対して変動再選択フラグ223mと、変動再選択カウンタ223nとが追加され、予告再選択フラグ223eと、予告再選択カウンタ223fとが削除されている。
変動再選択フラグ223mは、スーパーリーチ選択テーブル222a3から「再選択」が決定されたか否かを示すフラグである。この変動再選択フラグ223mがオンであれば、スーパーリーチ選択テーブル222a3から「再選択」が決定された(スーパーリーチの種別(態様)が決定されていない)ことを意味し、オフであれば、「再選択」が決定されていない(スーパーリーチの種別(態様)が決定された)ことを意味する。この変動再選択フラグ223mは初期値がオフに設定されており、スーパーリーチの種別を選択するための変動パターン選択処理(図83参照)において、スーパーリーチ演出選択テーブル222a3から「再選択」が決定された場合にオンに設定される(図83のS5007参照)。そして、変動再選択処理(図84参照)において、いずれかのスーパーリーチの種別(スーパーリーチ種別A〜C)が決定された場合にオフに設定される(図84のS5110参照)。この変動再選択フラグ223mを参照することにより、スーパーリーチ演出選択テーブル222a3から「再選択」が決定された場合に、変動再選択処理(図84参照)の中でスーパーリーチ種別の再選択(再抽選)を実行することができる。
変動再選択カウンタ223nは、変動演出の種別を再度選択する(再抽選する)処理が連続した回数をカウントするためのカウンタである。即ち、変動パターンコマンドを受信してから変動パターンの種別を決定するまでの間に、スーパーリーチ選択テーブル222a3より「再選択」が決定された回数をカウントするためのカウンタである。上述した通り、本実施形態では、「再選択」が決定された回数に応じて異なる態様の変動パターンが設定されるように構成している。「再選択」が決定された回数は、この変動再選択カウンタ223nの値によって判別される(図84のS5106参照)。変動再選択カウンタ223nは、変動再選択処理が実行される毎に1ずつ加算される(図84のS5103参照)。一方、変動再選択処理においていずれかの変動パターンの態様が選択された場合に0に初期化される(図84のS5109参照)。
次に、図79(a)〜(d)を参照して、第5実施形態における変動パターン選択テーブル222aについて説明する。まず、図79(a)は、第5実施形態における変動パターン選択テーブル222aの構成を示したブロック図である。図79(a)に示した通り、本実施形態における変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から通知された変動パターンコマンドが完全外れを示すコマンドであった場合に、変動パターンの表示態様を選択するための通常変動パターン選択テーブル222a1と、変動パターンコマンドによりノーマルリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのノーマルリーチ選択テーブル222a2と、変動パターンコマンドによりスーパーリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのスーパーリーチ選択テーブル222a3と、変動パターンコマンドによりスペシャルリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのスペシャルリーチ選択テーブル222a4とで構成されている。
次に、図79(b)〜(d)を参照して、変動パターン選択テーブル222aを構成する各データテーブルのうち、スーパーリーチ選択テーブル222a3の詳細について説明する。図79(b)に示した通り、スーパーリーチ選択テーブル222a3として、当たりスーパーリーチが通知された場合に参照される大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと、外れスーパーリーチが通知された場合に参照される外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bとで構成されている。各テーブルは、演出用乱数の値に対応付けて変動パターン種別(スーパーリーチ種別A〜C)が規定されている。
図79(c)に示した通り、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aでは、演出用乱数値が「0〜60」の範囲にスーパーリーチ種別Aが対応付けられており、「61〜120」の範囲にスーパーリーチ種別Bが対応付けられており、「121〜180」の範囲にはスーパーリーチ種別Cが対応付けられている。また、残りの「181〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。仮に、演出用乱数値「0〜255」の全範囲に対していずれかのスーパーリーチ種別を振り分ける構成にすると、演出用乱数値の個数の制約により、各スーパーリーチ種別の比率を、例えば、3種類の種別に対し均等に振り分ける(1:1:1にする)ことができない。即ち、各スーパーリーチ種別の比率を自由に設定することができない。
これに対して本実施形態では、スーパーリーチ種別A〜Cが決定される乱数値を60個ずつ設定し、残りの乱数値を「再選択」に振り分けることにより、スーパーリーチ種別A〜Cのそれぞれが決定される確率を等しくする(スーパーリーチ種別A〜Cの選択比率を1:1:1)ことができる。
なお、各スーパーリーチ種別の選択比率は1:1:1に限られない。所定の基数を決定し、その倍数の個数の演出用乱数値を各スーパーリーチ種別に振り分けることにより、任意の選択比率とすることができる。例えば、所定の基数として30個を、選択比率としてスーパーリーチ種別A:スーパーリーチ種別B:スーパーリーチ種別C=1:2:4を設定すると仮定する。この場合には、スーパーリーチ種別Aに対して30個(30×1)の演出用乱数値を割り当て、スーパーリーチ種別Bに対して60個(30×2)の演出用乱数値を割り当て、スーパーリーチ種別Cに対して120個(30×4)の演出用乱数値を割り当てればよい。また、余った46個(256−30−60−120)の演出用乱数値を「再選択」に割り当てればよい。このように構成することにより、端数を発生させることなく設定通りの選択比率(即ち、1:2:4)を実現することができる。
図79(d)に示した通り、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bでは、演出用乱数値が「0〜80」の範囲にスーパーリーチ種別Aが対応付けられており、「81〜160」の範囲にスーパーリーチ種別Bが対応付けられており、「161〜240」の範囲にはスーパーリーチ種別Cが対応付けられている。また、残りの「241〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。即ち、各スーパーリーチ種別に対して演出用乱数値80個ずつ割り当てている。これにより、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと同様に、各スーパーリーチ種別の選択比率を厳密に1:1:1にすることができる。
なお、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bの方が、「再選択」が決定される確率が低くなる(大当たり時:76/256、外れ時:16/256)ように構成している。詳細については後述するが、本実施形態では「再選択」が連続して決定される程大当たりの期待度が高い演出を実行するように構成されている。よって、外れにも拘らず「再選択」が選択され易くなると、期待度が高い演出が実行されたにも拘わらず最終的に外れが報知される状況となり易くなるため、遊技者に不満感を抱かせてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、大当たりとなる場合に比較して、外れの場合に「再選択」が決定される確率を低くし、外れの場合に遊技者に過剰な期待感を抱かせてしまうことを防止(抑制)する構成としている。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図80(a)〜(c)を参照して、上述した疑似変動補完演出選択テーブル222dの詳細について説明する。図80(a)に示した通り、疑似変動補完演出選択テーブル222dは、大当たり用補完演出選択テーブル222d1と、外れ用補完演出選択テーブル222d2とで少なくとも構成されている。この疑似変動補完演出選択テーブル222dは、スーパーリーチに対応する変動パターンの変動開始後15秒〜40秒の表示態様を決定するためのデータテーブルである。
本実施形態では、スーパーリーチに対応する60秒の変動演出の態様を選択する場合に「再選択」が決定されると、15秒間の疑似的な変動演出(図柄が変動表示した後、「3」、「4」、「1」の数字が付された主図柄の組み合わせ(所謂チャンス目)で停止表示される表示演出)が設定される。疑似変動補完演出選択テーブル222dは、この15秒間の疑似的な変動表示が終了した後の表示態様を選択するためのデータテーブルである。
大当たり用補完演出選択テーブル222d1は、当たりスーパーリーチの変動開始後15秒〜40秒の期間において表示される疑似的な変動表示の回数を、「再選択」の決定回数に対応付けて規定したデータテーブルである。図80(b)に示した通り、当たりスーパーリーチの態様を大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aから決定するまでに、「再選択」が連続して決定された回数が「0〜3」の範囲内であれば、補完演出Aがスーパーリーチ時の表示態様として設定される。この補完演出Aは、変動開始後15秒〜40秒の間で疑似的な変動表示(疑似停止)が1回も行われず、最終的に大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示が実行される態様である。即ち、変動開始後の最初の15秒間に実行され、チャンス目が停止表示される疑似的な変動表示と、大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示との合計2回の変動表示が実行される。
また、「再選択」の決定回数が「4〜6」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が1回行われる補完演出Bが選択され、「再選択」の決定回数が「7〜9」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が2回行われる補完演出Cが選択され、「再選択」の決定回数が「10以上」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が3回行われる補完演出Dが選択される。
上述した通り、当たりスーパーリーチの方が、スーパーリーチの種別を決定する際に「再選択」となる確率が高い。そして、図80(b)に示した通り、「再選択」が連続して決定される程、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数が多くなる。よって、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数が多くなる程、遊技者の大当たりに対する期待度を高めることができるので、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数に注目させることができる。従って、遊技が単調となることを防止(抑制)することができる。
外れ用補完演出選択テーブル222d2は、外れスーパーリーチの変動開始後15秒〜40秒の期間において表示される疑似的な変動表示の回数を、「再選択」の決定回数に対応付けて規定したデータテーブルである。図80(c)に示した通り、外れスーパーリーチの態様を外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定するまでに、「再選択」が連続して決定された回数が「0〜3」の範囲であれば、変動開始後15秒〜40秒の間で疑似的な変動表示(疑似停止)が1回も行われず、最終的に大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示が実行される補完演出Aが選択される。即ち、変動開始後の最初の15秒間に実行され、チャンス目が停止表示される疑似的な変動表示と、外れを示す図柄が停止表示される変動表示との合計2回の変動表示が実行される。
また、「再選択」の決定回数が「4〜6」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が1回行われる補完演出Bが選択され、「再選択」の決定回数が「7以上」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が2回行われる補完演出Cが選択される。即ち、外れスーパーリーチにおいては、変動開始後の15秒間に実行される疑似的な変動表示と、15秒〜40秒の期間において実行される疑似的な変動表示との合計(チャンス目の表示回数)が最大3回となるように構成されている(当たりスーパーリーチの上限回数よりも1回少ない)。よって、1のスーパーリーチにおいて、チャンス目が4回表示された段階で、大当たりとなることが確定するので、遊技者に対して疑似的な変動表示の回数(チャンス目の表示回数)に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図81〜図84を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図81を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理6(図81参照)について説明する。
この第5実施形態におけるメイン処理6(図81参照)のS1201〜S1210,S1212、およびS1214〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1201〜S1210,S1212、およびS1214〜S1218の各処理と同一の処理が実行される。また、第5実施形態におけるメイン処理6(図81参照)では、S1210の処理が終了すると、次いで、前回のスーパーリーチの態様の選択処理において「再選択」が決定された場合に、演出用乱数値を新たに取得して再度スーパーリーチの態様を選択するための変動再選択処理を実行し(S1291)、処理をS1212へと移行する。変動再選択処理(S1291)の詳細については、図84を参照して後述する。
また、本実施形態におけるメイン処理6(図84参照)では、コマンド判定処理(S1212)を実行した後で、変動表示設定処理6を実行し(S1213)、処理をS1214以降へと移行する。この変動表示設定処理6(S1213)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)に代えて実行される。この変動表示設定処理6(S1213)の詳細について、図82、および図83を参照して説明する。
図82は、上述した変動表示設定処理6(S1213)を示すフローチャートである。この変動表示設定処理6(S1213)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定する処理である。
この第5実施形態における変動表示設定処理6(S1213)のうち、S1401〜S1405、およびS1407〜S1410の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)のS1401〜S1405、およびS1407〜S1410の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における変動表示設定処理6(S1213)では、S1403の処理が終了すると、次いで、S1403の処理で抽出した変動パターン(変動時間)に基づいて変動パターンの詳細な態様を決定するための変動パターン選択処理を実行し(S1431)、S1404以降へと処理を移行する。この変動パターン選択処理(S1431)の詳細について、図83を参照して説明する。
図83は、上述した変動パターン選択処理(S1431)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1431)により、主制御装置110からの変動パターンコマンドに応じた変動パターンの詳細な表示態様が決定(選択)される。この変動パターン選択処理(S1431)では、まず、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を演出用乱数値として取得する(S5001)。次に、変動表示設定処理6(図82参照)のS1403の処理において抽出した変動パターンは、スーパーリーチの変動パターンか否かを判別する(S5002)。
S5002の処理において、S5002の処理において、今回の変動パターンコマンドにより通知された変動パターンがスーパーリーチでないと判別した場合は(S5002:No)、抽出した変動種別に対応するテーブルを変動パターンテーブル222aの各テーブルから選択し、その選択したテーブルとS5001の処理において取得された演出用乱数値とに基づいて変動パターンの表示態様を決定(選択)して(S5004)、本処理を終了する。
一方、S5002の処理において、スーパーリーチの変動パターンであると判別した場合は(S5002:Yes)、S5001の処理によって取得した演出用乱数値と、スーパーリーチ選択テーブル222a3とを比較して、演出用乱数値の値に対応する変動パターンの態様を決定(選択)する(S5003)。なお、上述した通り、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが当たりスーパーリーチであれば、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと演出用乱数値とが比較される。一方、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが外れスーパーリーチであれば、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bと演出用乱数値とが比較される。
S5003の処理が終了すると、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3a、または外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定(選択)されたのが「再選択」であるか否か判別し(S5005)、「再選択」であると判別した場合は(S5005:Yes)、変動開始から15秒間に実行され疑似変動パターン(チャンス目で停止表示される15秒間の疑似的な変動表示)を選択し(S5006)、変動再選択フラグ223mをオンに設定して(S5007)、本処理を終了する。
これに対して、S5005の処理において、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3a、または外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定(選択)されたのが「再選択」でないと判別した場合は(S5005:No)、疑似的な変動表示が実行されず、60秒間の変動表示を実行する態様(長スーパーリーチの態様)を今回の変動パターンの表示態様として選択(決定)し(S5008)、本処理を終了する。
このように、変動パターン選択処理(S1431)では、変動パターンコマンドを受信後、最初の変動パターンの態様の選択時に「再選択」が決定されたか否かに応じて、選択する変動パターンを異ならせている(15秒間の疑似変動パターンの態様、または、60秒の長スーパーリーチの態様)。「再選択」が選択された場合に、15秒間の短い疑似的な変動パターンを設定しておくことにより、その15秒間の間に確実に変動パターンの態様を決定(選択)することができる。「再選択」が選択された場合に、変動パターンの態様が選択されるまで繰り返される変動再選択処理(S1291)は、メイン処理6(図81参照)の中で1ミリ秒毎に実行されるため、15秒間で最大15000回まで再選択を繰り返されたとしても、変動パターンを選択することができる。そして、「再選択」が決定される確率は、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aの場合に76/256、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bの場合に16/256である。このため、5000回連続して「再選択」が決定される確率は、確率が高い大当たりの場合でも約1/2.5×10の7911乗となり、統計学的に無視できるほど低確率である。よって、「再選択」が決定された場合に5秒間の疑似変動パターンの態様を設定することにより、変動パターンの態様を再選択する処理を実行する時間を確保することができる。また、15秒間の疑似的な変動演出を、変動開始後15秒〜40秒において実行される可能性がある疑似的な変動演出と同じ態様(チャンス目が停止表示される態様)にしておくことにより、チャンス目が連続して表示される演出の開始を設定することができる。
次に、図84のフローチャートを参照して、変動再選択処理(S1291)の詳細について説明する。この変動再選択処理(S1291)は、上述した通り、前回のスーパーリーチの態様を選択する処理において「再選択」が決定された場合に、演出用乱数値を新たに取得して再度スーパーリーチの態様を選択するための処理である。
この変動再選択処理(S1291)では、まず、変動再選択フラグ223mがオンであるか否かを判別し(S5101)、オフであると判別した場合は(S5101)、変動パターンの態様を再選択する必要が無いことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S5101の処理において、変動再選択フラグ223mがオンであると判別した場合は(S5101)、前回の変動パターン選択処理(図83参照)、または変動再選択処理(図84参照)において変動パターンの態様を選択する際に「再選択」が決定(選択)され、変動パターンの態様が未決定であることを意味するので、まず、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を演出用乱数値として新たに取得し(S5102)、次いで、変動再選択カウンタ223nの値に1を加算することにより(S5103)、「再選択」が連続して決定(選択)された回数を更新する。
S5103の処理が終了すると、次いで、S5103の処理により新たに取得された演出用乱数値と、スーパーリーチ選択テーブル222a3(図79(b)〜(d)参照)とを比較して、演出用乱数値に対応する変動パターンを決定(選択)する(S5104)。次いで、S5104の処理による決定(選択)結果が「再選択」であったか否かを判別して(S5105)、「再選択」であれば(S5105:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5105の処理において、決定(選択)されたのが「再選択」でない(即ち、スーパーリーチ種別A〜Cのいずれかが決定(選択)された)と判別した場合は(S5105:No)、変動再選択カウンタ223nの値と、疑似変動補完演出選択テーブル222d(図80(a)〜(c)参照)とを比較して、変動開始後15秒〜40秒の期間に実行する、疑似的な変動表示によりチャンス目が0〜3回停止表示される演出(疑似変動補完演出)の態様を選択する(S5106)。
S5106の処理が終了すると、次に、選択した疑似変動補完演出の種別に対応する20秒間のスーパーリーチの態様(短スーパーリーチの態様)を選択する(S5107)。この短スーパーリーチは、外れスーパーリーチの場合、最終的に外れを示す停止図柄の組み合わせが停止表示され、当たりスーパーリーチの場合、最終的に大当たりを示す停止図柄が停止表示される。なお、この短スーパーリーチの態様は、図柄変動中の状態から開始される。これに合わせて、各疑似変動補完演出(補完演出A〜D)は、実行期間の終了時点(変動開始後40秒時点)において、図柄が変動中の状態が表示される。これにより、疑似変動補完演出から短スーパーリーチの態様への切り替わりを遊技者が認識し難くすることができる。よって、スーパーリーチ時の表示態様に遊技者が違和感を抱くことを防止(抑制)し、安心して遊技を行わせることができる。
S5107の処理後は、S5106の処理で選択した疑似変動補完演出の態様、およびS5107の処理で選択した短スーパーリーチの態様を表示制御装置114に対して通知するための表示用変動パターン追加コマンドを設定して(S5108)、変動再選択カウンタ223nを0に初期化し(S5109)、変動再選択フラグ223mをオフに設定して(S5110)、本処理を終了する。
この変動再選択処理(S1291)により、「再選択」の決定回数に応じて異なる態様の変動パターンを表示させることができるので、多様な演出態様を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、変動パターンコマンドによりスーパーリーチに対応する変動パターン(変動時間)が通知され、変動パターンの態様を音声ランプ制御装置113において選択する場合に、所定の確率で「再選択」が決定されるように構成されている。より具体的には、主制御装置110から通知された変動パターン(変動時間)がスーパーリーチ(60秒)であった場合に、所定の割合で「再選択」が決定される。加えて、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか外れであるかに応じて、「再選択」が決定される割合を異ならせている。そして、スーパーリーチの演出態様を決定する際に、「再選択」が連続して決定された回数に応じて異なる態様の演出を実行するように構成されている。これにより、スーパーリーチ時の演出態様に応じて大当たりであるか、外れであるかを予測させることができるので、遊技者を演出により注目させることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
また、本実施形態では、変動パターン選択処理において「再選択」が決定(選択)された場合に、15秒間の短い疑似的な変動パターンを設定するように構成している。これにより、その15秒間の間に確実に変動パターンの態様を決定(選択)することができる。更に、この15秒間の演出は、その期間の経過後に設定される疑似変動補完演出と同系統の演出が設定されるため、15秒間の演出と、その後の疑似変動補完演出とで互いに関連し合った演出を表示させることができる。よって、演出の内容に遊技者の興味を引き付けることができるので、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
なお、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に変動開始後の最初の15秒で1回の疑似的な変動表示が実行されるように構成したが、疑似的な変動表示は1回に限られるものではなく、2回以上実行してもよい。
また、本実施形態では、疑似的な変動演出(チャンス目の表示回数)を最大4回としたが、表示回数は任意の回数を定めることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態、各制御例のそれぞれ、またはその一部を組み合わせて構成しても当然良い。さらに、複数の制御装置で構成したが、一つの統合した制御装置またはいくつかを統合した制御装置で構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(整数割合となるように再抽選)
所定範囲で判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段により生成された前記判定値を取得する取得手段とその取得手段により取得された前記判定値が予め定められた設定値と一致するかを判別する判別手段とその判別手段により前記設定値と一致すると判別された場合に、その設定値に対応して設定された処理を実行する制御手段と、を有した遊技機において前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合には、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御する取得制御手段を有し前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、例えば、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりか否かの抽選や、表示演出の態様の抽選等、各種の抽選を実行する遊技機が知られている。このような抽選では、判定値(例えば、乱数カウンタなど)の値が予め定められた設定値と一致するか否かによって判別され、判定値が設定値と一致する場合に、その設定値に対応して設定された処理(演出の態様の決定など)が実行されるものがある(例えば、特開2002−331078)。この場合、判定値の取り得る値の個数に対する、予め定められた設定値の個数の割合(即ち、各種抽選結果となる確率)が分数や小数となり、パーセンテージに直した場合に、端数(小数点以下)が発生してしまうのが通常であった。即ち、各種抽選結果となる確率(パーセンテージ)を整数化できなかった。しかしながら、遊技機の開発段階においては、各抽選結果となる割合をパーセンテージ(百分率)で設計することが一般的である。このため、遊技機の開発段階において各種抽選結果となる設定値の個数を設計者が振り分ける場合に、パーセンテージ(百分率)で設計した各抽選結果となる確率と、そのパーセンテージに応じた各判定値の個数との対応関係を設計者が直感的に理解し難くなる虞があった。即ち、設計が非効率的になってしまう場合があった。
また、各抽選結果となる確率(割合)を公表する際は、多くの場合、パーセンテージに換算した数値が公表されるのが一般的であるが、パーセンテージに端数(小数点以下)が発生した場合、小数点以下の切り捨て方によっては割合の合計が100%にならない等、遊技者にとって分かり難い表記になってしまう場合があった。
これに対して遊技機A1では、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別された場合に、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得制御手段によって取得手段が制御される。ここで、特定の判定値に設定されている個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されている。
これにより、設定値に設定されている個数の割合を直感的に理解し易い値とすることができるので、遊技機の開発段階において設計を効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。即ち、好適に設定値を設定することができるという効果がある。
遊技機A1において前記生成手段は、前記取得手段が前記判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に前記判定値を更新するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、取得手段が判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に判定値が生成手段によって更新されるので、生成手段によって判定値が更新されるよりも前に取得手段によって複数回同一の判定値が取得されてしまうことを抑制することができる。よって、判別手段による判別結果が偏った結果になってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において前記制御手段により実行される制御処理には、複数の異なる制御処理が設定されており前記制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれには、1または複数の設定値がそれぞれ割り付けられており前記制御手段は、前記判別手段により判別された前記設定値に対応する前記制御処理を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制御手段により実行されている制御処理には、複数の異なる制御処理が設定されている。制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれには、1又は複数の設定値がそれぞれ割り付けられている。そして、判別手段により判別された設定値に対応する制御処理が制御手段によって実行される。
これにより、判別手段の判別結果に応じて異なる制御処理を実行することができるので、多種多様な制御処理を実行できるという効果がある。
遊技機A3において前記制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれに割り付けられた前記設定値の個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれに割り付けられた設定値の個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において設計をより効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて前記判別手段によって前記予め定められた設定値に一致すると判別されることなく連続して前記判定値が前記特定の判定値であると判別された場合の連続回数を計数する回数計数手段とその回数計数手段により計数された連続回数が特定回数となったことに基づいて前記判別手段による判別を終了させる判別終了手段とを備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段によって予め定められた設定値に一致すると判別されることなく連続して判定値が特定の判定値であると判別された場合の連続回数が回数計数手段によって計数され、その回数計数手段により計数された連続回数が特定回数となったことに基づいて判別手段による判別が判別終了手段によって終了される。
これにより、連続して特定の判定値と判定され続けてしまい、その間他の制御処理が実行できなくなる等の不具合が生じてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5において前記判別終了手段により前記判別手段による判別が終了された場合に、前記制御手段に対して特定の制御を実行させる実行制御手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、判別終了手段により判別手段による判別が終了された場合に、実行制御手段により制御手段に対して特定の制御が実行させられるので、予め定めた設定値に判別値が一致しないまま判別が終了した場合にも、正常に制御を行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定の判定値に設定されている個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数殿差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において設計をより効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて表示演出を表示する表示手段とその表示手段において前記表示演出を実行する演出実行手段とを備え前記制御手段は、前記演出実行手段により実行される前記表示演出の種別として、前記設定値に対応して設定された種別を選択するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の何れかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示演出を表示する表示手段に対して、演出実行手段により表示演出が実行される。演出実行手段により実行される表示演出の種別として、制御手段によって設定値に対応して設定された種別が選択される。
これにより、表示演出が選択される割合を遊技者が理解し易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて前記判別手段による判別を含む複数の制御処理を所定の制御手順に従って繰り返し実行する複数制御手段を備え前記取得制御手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる前記特定の判定値であると判別した場合には、前記所定の制御手順に基づく他の制御処理を実行してから、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別を含む複数の制御処理が複数制御手段によって所定の制御手順に従って繰り返し実行される。取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別された場合には、所定の制御手順に基づく他の制御処理を実行してから、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得制御手段によって取得手段が制御される。
これにより、取得された判定値が特定の判定値であった場合に、他の制御処理を実行せずに新たな判定値を取得してしまうことを抑制できるので、他の制御処理を遅延させることなく正常に実行することができるという効果がある。
<特徴B群>(サブ側で一定間隔経過に基づいて疑似変動開始)
遊技の制御を実行する主制御手段とその主制御手段から出力される制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する周辺制御手段と、を有し前記主制御手段は所定の範囲で判定値を更新して生成する生成手段とその生成手段より取得条件の成立に基づいて、前記判定値を取得する取得手段とその取得手段より取得された前記判定値に基づく判定値情報が記憶される記憶手段とその記憶手段に前記判定値情報が記憶された場合に、記憶されている前記判定値情報の個数を示す個数情報信号を生成する個数情報信号生成手段と前記取得手段より取得した前記判定値情報を始動条件の成立に基づいて判別する判別手段とその判別手段の判別結果を示す識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段とその動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間を示す期間情報信号を生成する期間情報信号生成手段と前記表示手段に特定の判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において前記周辺制御手段は受信した前記期間情報信号が示す前記動的表示期間、前記識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示実行手段と前記識別情報の動的表示が終了した後に、予め定められた所定期間が経過した場合に、前記記憶手段に前記判定値情報が記憶されていることを条件として、前記表示手段に演出図柄の動的表示を開始させる演出図柄動的表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて変動演出が開始される遊技機がある。変動演出は、入賞が保留されない場合は、入賞後速やかに(例えば、1秒以内)に開始され、入賞が保留される場合は、その保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後速やかに(例えば、1秒以内)に開始されるのが通常である(例えば、特開2009−050734)。このような遊技機では、変動演出を開始する指示が遅れ、変動演出が速やかに開始されないと、遊技機が正常に動作していないとの印象を遊技者に与えることとなり、遊技者に対して不信感を与えてしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、周辺制御手段において、受信した期間情報信号が示す動的表示期間、識別情報が動的表示実行手段によって動的表示される。識別情報の動的表示が終了した後に、予め定められた所定期間が経過した場合に、記憶手段に判定値情報が記憶されていることを条件として、演出図柄動的表示手段によって表示手段に演出図柄の動的表示が開始される。
これにより、期間情報信号を受信しないまま所定期間が経過した場合に、演出図柄の動的表示によって正常に動作していると認識させることができる。よって、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記動的表示期間決定手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が予め定められた設定値と一致すると前記判別手段により判別された場合に、前記設定値に対応する前記動的表示期間を決定するものであり前記主制御手段は前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合に、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御する取得制御手段を備え前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定の範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得手段により取得された判定値が予め定められた設定値に一致すると判別手段によって判別された場合に、設定値に対応する動的表示期間が動的表示期間決定手段によって決定される。ここで、主制御手段において、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合に、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得手段が取得制御手段によって制御される。そして、特定の判定値に設定されている個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されている。
これにより、動的表示期間が決定される割合を整数にすることができるので、遊技機の開発段階において動的表示期間の割合を設計する場合に、効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として、複数の前記動的表示期間が設定されており前記動的表示期間決定手段が決定可能な前記動的表示期間のそれぞれには、1または複数の設定値がそれぞれ割り付けられており前記動的表示期間決定手段は、前記判別手段により判別された前記設定値に対応する前記動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として、複数の動的表示期間が設定されている。そして、動的表示期間決定手段が決定可能な動的表示期間のそれぞれには、1または複数の設定値が割り付けられている。判別手段により判別された設定値に対応する動的表示期間が動的表示期間決定手段によって決定される。
これにより、判別手段によって判別された設定値に応じて異なる動的表示期間を決定することができるので、決定される動的表示期間を多様にすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記動的表示期間決定手段が決定可能な前記動的表示期間のそれぞれに割り付けられた前記設定値の個数は、前記所定の範囲の前記判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段が決定可能な動的表示期間のそれぞれに割り付けられた設定値の個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているので、各動的表示期間が決定される割合をそれぞれ整数にすることができる。よって、遊技機の開発段階において各動的表示期間が決定される割合を設計する場合に、効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、各動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記周辺制御手段は前記演出図柄動的表示手段により前記演出図柄の動的表示が開始されてから特定期間が経過しても前記期間情報信号を受信しなかった場合に、特定の報知態様を設定する報知態様設定手段を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4の奏する効果に加え、周辺制御手段において、演出図柄動的表示手段により演出図柄の動的表示が開始されてから特定期間が経過しても期間情報信号を受信しなかった場合に、特定の報知態様が報知態様設定手段によって設定されるので、特定の報知態様によって、期間情報信号を特定期間受信していないことを遊技者やホールの店員に認識させることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記特定期間は、前記期間情報信号が示す前記動的表示期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、特定期間は、期間情報信号が示す動的表示期間よりも短い期間に設定されるので、期間情報信号を受信できない状態が複数の動的表示に渡って継続してしまうことを抑制できる。よって、期間情報信号の不具合をより早期に報知することができるという効果がある。
遊技機B2からB6のいずれかにおいて、前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定の範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B2からB6のいずれかが奏する効果に加え、特定の判定値に設定されている個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において動的表示期間の割合を設計する場合に、より効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると前記判別手段により判別された場合に、前記判定値がいずれかの前記設定値に一致したと判別されるまで、前記取得制御手段による新たな前記判定値の取得と、前記判別手段によるその新たな判定値の判別とを繰り返すものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2からB7のいずれかが奏する効果に加え、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別手段により判別された場合に、判定値がいずれかの設定値に一致したと判別されるまで、取得制御手段による新たな判定値の取得と、判別手段によるその新たな判定値の判別とが主制御手段によって繰り返されるので、確実に動的表示時間を決定することができる。よって、周辺制御手段において動的表示が実行されない不具合が生じることを抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(予め演出カウンタを判別して確保)
所定の範囲内の値で構成された判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段より第1条件の成立に基づいて、前記判定値を取得する取得手段とその取得手段に取得された前記判定値が記憶される記憶手段と前記取得手段に取得された判定値を判別する判別手段とその判別手段により前記取得手段により取得された前記判定値が特定の判定値であると判別された場合に、その特定の判定値を前記記憶手段に記憶させずに、新たに生成された前記判定値を前記取得手段に取得させる取得制御手段と第2条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶された判定値に基づいて、実行する制御処理を決定する制御処理決定手段と、を有し前記特定の判定値の個数は、前記制御処理の実行割合が整数の割合となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1において前記記憶手段は、予め定められた上限個数の前記判定値が記憶可能に構成され、その上限個数を超える場合には、既に記憶されている判定値の一つを上書きして記憶されるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C1またはC2において前記第1条件は、前記第2条件よりも成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて所定個数の前記判定値を予め規定した判定値規定手段とその判定値規定手段に規定されている前記判定値を電源の投入に基づいて前記記憶手段に対して記憶するように制御する記憶制御手段とを備え前記所定個数の判定値は、前記特定の判定値以外で構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて遊技機前記制御処理決定手段には、複数の前記制御処理から1の前記制御処理を決定するものであり前記複数の制御処理のそれぞれに対して1又は複数の前記判定値が割り付けられているものであり前記複数の制御処理のそれぞれに対して割り付けられた前記判定値の個数は、前記所定の範囲内の値となる判定値の個数と前記特定の判定値の個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて前記生成手段は、前記取得手段が前記判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に前記判定値を更新するものであることを特徴とする遊技機C6。
<特徴D群>(リプレイを引いたら疑似連)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球情報を取得する入球情報取得手段とその入球情報取得手段により取得された前記入球情報に基づいて、判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段とその表示手段に特定の前記判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、有した遊技機において所定の範囲で判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段により生成された前記判定値を取得する取得手段と前記識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段とその動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を前記取得手段により取得された前記判定値と前記判別結果とに基づいて決定する動的表示態様決定手段と前記動的表示態様決定手段により前記動的表示態様が決定される場合に、前記取得手段により取得された前記判定値が特定の判定値であると、新たに前記生成手段により生成された前記判定値を前記取得手段に取得させる取得制御手段と1の前記動的表示態様を決定する場合に、前記特定の判定値が前記取得手段に取得されると、その後に新たに取得された前記判定値に基づいて決定された前記動的表示態様の実行中に、前記識別情報を少なくとも1度仮停止させて表示させる仮停止表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1において前記仮停止表示手段は、1の前記動的表示態様が決定される場合に、前記特定の判定値が取得された回数に基づいて、前記仮停止させる回数を決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D1またはD2において前記特定の判定値は、前記判別手段に前記特定の判別結果と判定された場合には、多く設定されるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて前記動的表示態様決定手段により決定される前記動的表示態様には前記特定の判別結果と前記判別手段により判別された場合に決定される特定動的表示態様と、前記特定の判別結果以外である場合に決定される通常動的表示態様とが少なくともそれぞれ複数設定されており前記特定動的表示態様と前記通常動的表示態様に対して、それぞれ前記判定値が割り付けて予め設定されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4において前記特定の判定値の個数は、それぞれの前記特定動的表示態様または前記通常動的表示態様が決定される割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機D5。
<特徴E群>(乱数取得を共通化)
第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と第1条件が成立した場合に、前記第1生成手段より取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であるかを判別する第1判別手段とその第1判別手段により前記特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、前記第2生成手段より取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であるかを判別する第2判別手段とその第2判別手段により前記特定の第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と前記第1条件と前記第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する取得手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行う遊技機がある。このような遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の抽選を行うための特別図柄用判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行うための普通図柄用判定値を取得するものがある。(例えば、特開2012−010910)。この場合、始動口へ遊技球が入賞した場合と、スルーゲートを遊技球が通過した場合とで、制御処理を異ならせる必要があり、制御処理が複雑化してしまうとの不具合があった。
これに対して遊技機E1によれば、第1範囲内の値で第1判定値が第1生成手段により更新して生成される。第1条件が成立した場合に、第1生成手段より取得された第1判定値が特定の第1判定値であるか第1判別手段によって判別され、その第1判別手段によって特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段により第1制御が実行される。第2範囲内の値で第2判定値が第2生成手段によって更新して生成される。第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、第2生成手段により取得された第2判定値が特定の第2判定値であるかが第2判別手段によって判別される。第2判別手段により特定の第2判定値であると判別された場合に第2制御手段により第1制御とは異なる第2制御が実行される。第1条件と第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが取得手段によって取得される。
これにより、第1条件が成立した場合と、第2条件が成立した場合とで取得手段の動作を共通化することができるので、制御処理が複雑化してしまうことを抑制できるという効果がある。即ち、好適な制御処理を実行することができるという効果がある。
遊技機E1において前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とを所定条件が成立するまで記憶する記憶手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とが記憶手段により所定条件が成立するまで記憶されるので、第1判別手段による判別や、第2判別手段による判別を、記憶手段に記憶された各判定値に基づいて実行させることができる。即ち、取得手段によって取得された各判定値を用いて即座に判別する必要が無いので、制御処理における処理順序等の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機E2において前記所定条件は、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行された場合に、成立するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、所定条件は、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段または第2判別手段の判別が実行された場合に成立するので、取得手段によって取得された第1判定値、または第2判定値が判定に用いられる前に破棄されてしまうことを抑制できる。よって、異常な判定値に基づいて判別が実行されることを抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する為の制御であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御により遊技者に有利な第1特典を付与するための制御が行われ、第2制御により、第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御が行われる。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて遊技球が入球可能な入球手段と遊技球が通過可能な通過手段と、を備え前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件は、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立し、第2条件は、遊技球が入球可能な入球手段に入球することに基づいて成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて前記第1条件の成立を検知する第1検知手段と前記第2条件の成立を検知する第2検知手段と前記第1検知手段と前記第2検知手段との検知結果に基づいて、所定条件の成立を判別する所定条件判別手段とその所定条件判別手段により前記所定条件の成立が判別された場合に、その成立した前記所定条件に応じた制御を実行する所定制御実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件の成立が第1検知手段によって検知され、第2条件の成立が第2検知手段によって検知される。第1検知手段と第2検知手段との検知結果に基づいて、所定条件の成立が所定条件判別手段によって判別され、その所定条件判別手段により所定条件の成立が判別された場合に、その成立した所定条件に応じた制御が所定制御実行手段によって実行される。
これにより、所定制御実行手段の制御内容に応じて、所定条件の成立が判別されたか否かを容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E6において前記第1検知手段により前記第1条件の成立を検知した回数を計数する計数手段と前記第2検知手段により前記第2条件の成立を検知したことに基づいて前記計数手段の計数結果を初期化する初期化手段と、を備え前記所定条件判別手段は、前記計数手段による前記計数結果が所定回数以上である場合に、前記所定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検知手段により第1条件の成立を検知した回数が計数手段によって計数される。そして、第2検知手段によって第2条件の成立が検知されたことに基づいて計数手段の計数結果が初期化手段によって初期化される。計数手段による計数結果が所定回数以上である場合に、所定条件が成立したと所定条件判別手段によって判別される。
これにより、第2条件が成立せずに第1条件が所定回数以上連続して検知されたかを、所定制御実行手段の制御内容に応じて容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とに基づいて、第3判定値を生成する第3生成手段とその第3生成手段により生成された前記第3判定値を、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行されるまで前記記憶手段へ記憶させる記憶制御手段と前記記憶手段に記憶された前記第1判定値と、前記第2判定値と、前記第3判定値とに基づいて、特定条件の成立を判別する特定条件判別手段とその特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別された場合に、その成立した前記特定条件に基づく制御を実行する特定制御実行手段とを備えることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とに基づいて、第3生成手段により第3判定値が生成され、その第3生成手段により生成された第3判定値が、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段又は第2判別手段による判別が実行されるまで記憶制御手段によって記憶手段に記憶される。記憶手段に記憶された第1判定値と、第2判定値と、第3判定値とに基づいて、特定条件の成立が特定条件判別手段によって判別され、その特定条件判別手段によって特定条件の成立が判別された場合に、その成立した特定条件に基づく制御が特定制御実行手段によって出力される。
これにより、特定制御実行手段により実行される制御の内容に応じて、特定条件が成立したか否かを容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E8において前記特定条件判別手段は、前記記憶手段に記憶された前記第3判定値と、前記第1判定値と前記第2判定値とに基づいて新たに前記第3生成手段により生成された前記第3判定値とが異なる場合に、前記特定条件が成立したと判別することを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された第3判定値と、第1判定値と第2判定値とに基づいて新たに第3生成手段により生成された第3判定値とが異なる場合に、前記特定条件判別手段によって特定条件が成立したと判別されるので、特定制御手段により実行される制御の内容に応じて、第1生成手段および第2生成手段によって正常に各判定値の更新が行われているかを判別することができるという効果がある。
遊技機E1からE9のいずれかにおいて前記第1条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記第2判定値に基づいて所定の判定を行う所定判定手段とその所定判定手段の判定結果に基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E1からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件が成立した場合に、記憶手段に記憶された第2判定値に基づいて所定判定手段によって所定の判定が行われる。そして、所定判定手段による判定結果に基づいて報知手段により報知が行われる。
これにより、報知手段による報知の内容に応じて遊技者が容易に所定の判定の判定結果を知ることができるという効果がある。
遊技機E10において識別情報を表示することが可能な表示手段とその表示手段に前記第2条件の成立に基づいて前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、を備え前記報知手段は、前記動的表示手段による前記動的表示の実行中に、前記所定判定手段の判定結果に基づく演出を表示するものであることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報を表示可能な表示手段に対して、第2条件の成立に基づいて動的表示手段によって識別情報が動的表示される。そして、動的表示手段による動的表示の実行中に、所定判定手段の判定結果に基づく演出が報知手段によって表示される。
これにより、動的表示の実行中における表示態様を多様化することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴F群>(一の割り込み処理内で2回一括取得可能)
第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と遊技の制御処理を繰り返し実行可能な制御手段と所定契機に基づいて、前記遊技の制御処理に割り込んで割込処理を実行することが可能な割込手段と、を有する遊技機において前記割込手段は第1条件が成立したことに基づいて、前記割込処理の一処理として、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する第1取得手段とその第1取得手段により取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記第1取得手段よりも後に実行される前記割込処理の一処理として、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ新たに更新された前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する第2取得手段とその第2取得手段により取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機F1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行う遊技機がある。このような遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の抽選を行うための特別図柄用判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行うための普通図柄用判定値を取得するものがある。(例えば、特開2012−010910)。この場合、始動口へ遊技球が入賞した場合と、スルーゲートを遊技球が通過した場合とで、制御処理を異ならせる必要があり、制御処理が複雑化してしまうとの不具合があった。
これに対して遊技機F1では、割込手段において、第1条件が成立したことに基づいて、割込処理の一処理として、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが第1取得手段によって取得される。そして、第1取得手段により取得された第1判定値が特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段によって第1制御が実行される。また、第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、第1取得手段よりも後に取得される割込処理の一処理として、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ新たに更新された第1判定値と第2判定値とが第2取得手段によって取得される。第2取得手段によって取得された第2判定値が特定の第2判定値であると判別された場合に第1制御とは異なる第2制御が第2制御手段によって実行される。
これにより、第2取得手段では新たに更新された第1判定値および第2判定値を取得するので、第1取得手段により取得される第1判定値および第2判定値とは異なる独立した判定値を取得することができる。よって、第2制御手段において第2判定値が特定の第2判定値であるかを判別される際の公平性を担保することができるとの効果がある。即ち、好適な制御処理を実行することができるという効果がある。
遊技機F1において前記第2生成手段は、少なくとも前記第1取得手段による取得と前記第2取得手段による取得の間において、前記第2判定値を更新して生成するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、少なくとも第1取得手段による取得と第2取得手段による取得の間において、第2生成手段によって第2判定値が更新されて生成されるので、第2条件の成立に基づいて取得される第2判定値は、第1取得手段により第2判定値が取得された後に、新たに更新して生成された判定値となる。よって、一の割込処理において第1取得手段と第2取得手段とによりそれぞれ第1判定値と第2判定値とを取得する場合であっても、第2取得手段により取得される第2判定値は、第1取得手段により取得される第2判定値とは異なる独立した判定値となる。その結果、第2制御手段において第2判定値が特定の第2判定値であるかを判別される際の公平性を担保することができるとの効果がある。
遊技機F1またはF2において前記割込手段は、一の前記割込処理において前記第1条件および前記第2条件が成立していた場合に、前記第1取得手段による取得と前記第2取得手段による取得とを前記一の割込処理において実行するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、一の割込処理において第1条件および第2条件が成立していた場合に、割込手段によって第1取得手段による取得と第2取得手段による取得とが一の割込処理において実行されるので、一の割込処理において第1条件と第2条件とが成立しているかを判断することができ、その一の割込処理において、第1条件と第2条件との成立に基づいて、それぞれ第1判定値および第2判定値を取得することができるので、第1判定値と第2判定値との取得を効率よく行うことができるとの効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する為の制御であることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御によって遊技者に有利な第1特典が付与される。また、第2制御によって第1特典よりも遊技者に有利な第2特典が付与される。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて遊技球が入球可能な入球手段と遊技球が通過可能な通過手段と、を備え前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することに基づいて第1条件が成立する。また、入球手段に遊技球が入球することに基づいて第2条件が成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
64 第1入球口(入球手段)
67 スルーゲート(通過手段)
203a 特別図柄保留球格納エリア(記憶手段の一部)
203b 普通図柄保留球格納エリア(記憶手段の一部)
900 特図用乱数生成IC(第1生成手段)
901 普図用乱数生成IC(第2生成手段)
S215 第2制御手段の一部
S305 第2判別手段
S461 取得手段の一部
S512,S524 第1判別手段
S516,S517,S525 第1制御手段
S661 取得手段の一部
S1006 第2制御手段の一部
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、始動口への遊技球の入賞に基づいて変動演出が開始される遊技機がある。変動演出は、入賞が保留されない場合は、入賞後速やかに(例えば、1秒以内)に開始され、入賞が保留される場合は、その保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後速やかに(例えば、1秒以内)に開始されるのが通常である。
特開2009−050734号公報
しかしながら、かかる遊技機では、変動演出を開始する指示が遅れ、変動演出が速やかに開始されないと、遊技者に対して不信感を抱かせてしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に不信感を抱かせてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別を実行可能な判別手段と、所定の範囲でカウンタ値を更新することが可能な更新手段と、取得条件の成立に基づいて、前記カウンタ値を取得することが可能な取得手段と、その取得手段より取得された前記カウンタ値に基づくカウンタ値情報が記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記カウンタ値情報に基づいて、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、前記取得手段により取得された前記カウンタ値が特定の前記カウンタ値である場合に、前記取得手段によりカウンタ値を取得させる制御を実行する手段と、前記記憶手段にカウンタ値が記憶されている状態で前記識別情報が停止表示され、次に前記識別情報の動的表示が開始されるまでの期間で所定期間が経過したことに基づいて特定の演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定の演出は、前記識別情報を所定の態様に可変させる演出を実行させることが可能にされている。
請求項1記載の遊技機によれば、判別を実行可能な判別手段と、所定の範囲でカウンタ値を更新することが可能な更新手段と、取得条件の成立に基づいて、前記カウンタ値を取得することが可能な取得手段と、その取得手段より取得された前記カウンタ値に基づくカウンタ値情報が記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記カウンタ値情報に基づいて、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、前記取得手段により取得された前記カウンタ値が特定の前記カウンタ値である場合に、前記取得手段によりカウンタ値を取得させる制御を実行する手段と、前記記憶手段にカウンタ値が記憶されている状態で前記識別情報が停止表示され、次に前記識別情報の動的表示が開始されるまでの期間で所定期間が経過したことに基づいて特定の演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定の演出は、前記識別情報を所定の態様に可変させる演出を実行させることが可能にされている。
よって、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1と特別図柄における大当たり判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 (a)は、変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、予告演出テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たり用予告演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、外れ用予告演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Cを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告演出選択処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告再選択処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される予告演出コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第2実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第2実施形態における大当たり用変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における外れ用(通常)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2実施形態における外れ用(確変)変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される主再選択処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるウエイト経過演出処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における演出カウンタ初期値テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される予告演出選択処理3を示すフローチャートである。 第3実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される再取得処理を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第4実施形態における各種カウンタの概要を示す図である。 第4実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理4を示すフローチャートである。 第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理4を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。 (a)は、第5実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5実施形態における変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態におけるスーパーリーチ選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5実施形態における大当たり用スーパーリーチ選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(d)は、第5実施形態における外れ用スーパーリーチ選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、第5実施形態における疑似変動補完演出選択テーブルの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第5実施形態における大当たり用補完演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第5実施形態における外れ用補完演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理6を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理6を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 第5実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動再選択処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(第2入球口ともいう)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となり、その後、大当たり終了後の付加価値が付与される。より具体的には、「大当たりA」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するとともに、普通図柄の時短状態へと移行する。一方、「大当たりB」では、大当たり終了後の付加価値として、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、パチンコ機10が普通図柄の時短状態へと移行する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。これに対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合(即ち、「大当たりA」の終了後)は、その特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数を限ってもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は特別図柄の低確率状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数は10回に限られず、任意に定めてもよい。同様に、本実施形態では「大当たりB」が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、12.1インチの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図7(a)を参照して説明する。図7(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターンテーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態における大当たり判定値として、「0」のみが規定され、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり判定値として、「0〜9」の10個の判定値が規定されている。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)に規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図8(b))は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜63」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「64〜127」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
第2当たり乱数テーブル202c(図8(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜20」が規定されている(図8(c)参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜212」が規定されている(図8(c)参照)。本実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図9(a)〜(d)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図19参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図27参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜255)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜255の値を取り得るカウンタの場合は255)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜255の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜255の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図19参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図8(a))によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜127)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜127の値を取り得るカウンタの場合は127)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜255の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図8(a)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/256」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図8(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/256」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜128の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図8(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜63」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「64〜127」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜127の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり127)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば125〜127)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば116〜124の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜115の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が「0〜115」と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が125〜127と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も116〜124と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜101と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が102〜124と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は125〜127に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜256の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり256)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図27参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図9(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図9(a)〜(c)を参照して変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図9(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図9(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図9(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図9(d)参照)とが少なくとも設定されている。
まず、図9(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図9(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜63」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「64〜223」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「224〜255」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図9(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜101」の範囲にあれば完全外れを設定し、「102〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜127」が、長外れ(10秒)に対しては、「128〜255」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜191」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「192〜254」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「255」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図9(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なる点で相違する。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜115」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「116〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり255)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル(図8(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図8(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜20」となっている。これら乱数値は、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が16なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/16」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜212」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が256ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が208なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜212」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜255)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図27参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203には、各種のフラグやカウンタ等が記憶される。ここで、RAM203の詳細について、図7(b)を参照して説明する。RAM203は、図7(b)に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変フラグ203eと、時短中カウンタ203fと、大当たりフラグ203gと、カウンタ用バッファ203yと、その他メモリエリア203zとを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の特別図柄1または特別図柄2のうち該当する特別図柄の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測する。なお、この予測(先読み)は、当該始動入賞に対応する変動が開始される時点での、遊技状態(通常遊技状態または確変遊技状態)に応じた大当たり判定値を参照するように構成している。これにより、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選結果を正確に予測することができる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図22のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図20のS206、図22のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図24のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS505参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図24のS605)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図24のS603:No)。
確変フラグ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203eの値がオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203eの値がオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変フラグ203eは、初期値がオフに設定されており、大当たり制御処理において、大当たりA(16R確変大当たり)の終了タイミングであると判別された場合に、オンに設定される(図28のS1015参照)。そして、特別図柄変動開始処理(図21参照)において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照され(図21のS302参照)、次の大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される(図20のS214参照)。
具体的には、特別図柄変動開始処理(図21、S208)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図21、S208)では、確変フラグ203eの値が参照され、その値がオンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203eの値がオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が0より大きい場合は、パチンコ機10が特別図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、大当たりB(16R時短大当たり)の終了時に100に設定される(図28のS1014参照)。そして、普通図柄変動処理で時短中であるか否かを判別するために参照され(図23のS508,S514,S519参照)、特別図柄変動処理において、変動時間が経過する毎に1ずつ減算されるものである(図20のS217参照)。なお、普通図柄変動処理では、時短中カウンタ203fの値が0であっても、上述した確変フラグ203eがオンの場合は、パチンコ機10が普通図柄の時短状態と判別される(図23のS508,S514,S519参照)。これにより、大当たりAの終了後は、次に大当たりとなるまで特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態を保つことができるので、遊技者にとって極めて有利とすることができる。よって、大当たりAとなることを一つの目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
大当たりフラグ203gは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たりフラグ203gの値がオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たりフラグ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図28のS1003参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図28のS1016参照)。特別図柄変動処理(図20参照)では、この大当たりフラグ203gが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図20のS201参照)。
カウンタ用バッファ203yは、上述した各カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第1初期値乱数カウンタCINI1、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4、第2初期値乱数カウンタCINI2)の値を格納するための記憶領域である。このカウンタ用バッファ203yに格納されたカウンタ値が、特別図柄保留球格納エリア203aや普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
その他メモリエリアは203z、は上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域や、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図27参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図26参照)で実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図25参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、演出用乱数生成IC800等がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、図10(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222について説明を行う。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、予告演出選択テーブル222bとが少なくとも格納されている。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
予告演出選択テーブル222b2は、変動表示中に実行される予告演出の態様を選択するためのテーブルである。ここで、本実施形態における予告演出とは、具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面における小領域Ds2(図4参照)に表示されるキャラクタの種別に応じて、期待度を示唆するための演出を示す。キャラクタとしては、3種類のいずれかが選択される可能性がある。具体的には、少年のキャラクタ(図4のDs2参照)と、老人のキャラクタ(図示なし)と、少女のキャラクタ(図示なし)とが選択される。
少年のキャラクタは、特別図柄の抽選が外れの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して高い一方、大当たりの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して低くなる。よって、変動表示中に小領域Ds2に他のキャラクタが表示された場合に比較して、大当たりとなる期待度が低いことを遊技者に対して認識させることができる。
これに対して少女のキャラクタは、特別図柄の抽選が外れの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して低くなる一方、大当たりの場合に選択される割合が他のキャラクタに比較して高くなる。このため、変動表示中に小領域Ds2に少女のキャラクタが表示されることにより、遊技者に対して大当たりとなることを期待させることができる。
また、老人のキャラクタは、外れの場合に少女のキャラクタよりも選択される割合が高く、且つ、少年のキャラクタよりも選択される割合が低くなるように構成されている。加えて、大当たりの場合には、少年のキャラクタよりも選択される割合が高く、且つ、少女のキャラクタよりも選択される割合が低くなるように構成されている。これにより、少年のキャラクタが表示された場合に比較して、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。このように、予告演出の種別(表示されるキャラクタ)を、大当たりとなるか否かに応じて可変させることにより、予告演出から大当たりの期待度を予測させることができる。即ち、第3図柄が停止表示される前に、予告演出の内容から特別図柄の抽選結果を予測させることができるので、変動表示の実行中における遊技者の遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。なお、予告演出の種別としては、小領域Ds2に表示されるキャラクタの種別に限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、背面画像を変更する予告演出を実行してもよいし、変動中の第3図柄の態様(例えば、大きさや色等)を変更する予告演出を実行してもよい。
図11に示した通り、予告演出選択テーブル222bには、大当たり用予告演出選択テーブル222b1と、外れ用予告演出選択テーブル222b2とが少なくとも規定されている。大当たり用予告演出テーブル222b1は、特別図柄の抽選が大当たりの場合に実行される変動表示において実行する予告演出の態様を選択するためのデータテーブルであり、外れ用予告演出選択テーブル222b2は、特別図柄の抽選が外れの場合に実行される変動演出において実行する予告演出の態様を選択するためのデータテーブルである。
まず、図11(b)を参照して、大当たり用予告演出選択テーブル222b1について説明する。図11(b)に示した通り、大当たり用予告演出テーブル222b1は、演出用乱数の値毎に、実行する予告演出の態様が規定されている。なお、詳細については後述するが、演出用乱数は、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続された演出用乱数生成IC800によって生成される乱数である。即ち、演出用乱数生成IC800は、ランダムな8ビットの数値(0〜255)を演出用乱数として生成することができる。
図11(b)に示した通り、演出用乱数の値が「0〜24」の範囲には、予告演出Aが対応付けられている。予告演出Aは、小領域Ds2(図4(b)参照)に少年のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、上述した通り、大当たりに対する変動表示の場合には、少年のキャラクタが選択される割合が低いので、大当たり変動において予告演出Aが選択されることにより、期待度が低い予告演出にも拘らず大当たりになったことに対する意外感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
演出用乱数の値が「25〜99」の範囲には、予告演出Bが対応付けられている。予告演出Bは、老人のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、上述した通り、大当たりに対する変動表示の場合に選択される割合が予告演出Aよりも高く構成されている。このため、予告演出Bが表示された場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、演出用乱数の値が「100〜249」の範囲には、予告演出Cが対応付けられている。この予告演出Cは、少女のキャラクタが表示される態様の予告演出であり、大当たりの場合に選択される割合が最も高い種別の予告演出である。このため、予告演出Cが表示されることで、遊技者に対して大当たりに対する期待感をより強く抱かせることができる。
一方、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。この「再選択」とは、予告演出の選択を再実行することを意味している。即ち、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲だった場合には、予告演出の種別が決定されずに、再度演出用乱数生成IC800から演出用乱数を取得する(演出用乱数を再取得する)。そして、その再取得した演出用乱数と、大当たり用予告演出選択テーブル222b1とが参照される。この「再選択」は、演出用乱数の値がいずれかの予告演出種別に対応する値(0〜249)となるまで繰り返し実行される。即ち、演出用乱数生成IC800から取得された演出用乱数の値が「250〜255」の場合に繰り返し「再選択」が実行される。
「250〜255」の範囲に再選択を対応付けておくことにより、「0〜249」の250個の演出用乱数値となった場合にのみ予告演出が決定される。このため、予告演出Aは、「0〜249」の250個の値のうち、「0〜24」の25個のいずれかになった場合に選択されるので、その確率は10%(25/250)である。また、予告演出Bは、「0〜249」の250個の値のうち、「25〜99」の75個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は30%(75/250)である。また、予告演出Cは、「0〜249」の250個の値のうち、「100〜249」の150個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は60%(150/250)である。
このように、本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成し得る8ビット(256通り)の値のうち、250個の値を予告演出の選択に用いている。即ち、10進数において区切りがよい個数(即ち、250個)の値を予告演出の決定に用いることができる。よって、各予告演出が選択される確率を区切りが良い値(10%,30%,60%)にする(確率のパーセンテージ(百分率)を整数化する)ことができる。これにより、各予告演出が選択される確率を遊技者がより理解し易くできる。また、予告演出の確率を設計する開発者が、より容易に確率を設定することができる。
次に、図11(c)を参照して、外れ用予告演出選択テーブル222b2について説明する。外れ用予告演出選択テーブル222b2は、上述した当たり用予告演出選択テーブル222b1と同様に、演出用乱数の値毎に、実行する予告演出の態様が規定されているデータテーブルである。
図11(c)に示した通り、演出用乱数の値が「0〜149」の範囲には、予告演出Aが対応付けられ、演出用乱数の値が「150〜224」の範囲には、予告演出Bが対応付けられ、「225〜249」の範囲には、予告演出Cが対応付けられている。また、演出用乱数の値が「250〜255」の範囲には、大当たり用予告演出選択テーブル222b1と同様に、「再選択」が対応付けられている。
このため、予告演出Aは、「0〜249」の250個の値のうち、「0〜149」の150個のいずれかになった場合に選択されるので、選択される確率が60%(150/250)となる。また、予告演出Bは、「0〜249」の250個の値のうち、「150〜224」の75個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は30%(75/250)である。更に、予告演出Cは、「0〜249」の250個の値のうち、「225〜249」の25個のいずれかの値になった場合に選択されるので、その確率は10%(25/250)である。よって、外れの場合には、予告演出の種別として予告演出Aが最も選択され易くなり、予告演出Cが最も選択され難くなる。選択される確率に差を設けることにより、予告演出の種別から大当たりとなるか否かを遊技者に予測させることができる。よって、変動表示が実行されている間において、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、本パチンコ機10では、主制御装置110からの変動パターンコマンドに応じて、第3図柄表示装置281に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して他の演出画像(例えば、予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる予告演出の種別を選択するための予告演出選択テーブル222bから選択するように構成されている。予告演出選択テーブル222bを変動パターン選択テーブル222aとは別に規定しておくことで、変動演出に対して追加して表示させる予告演出を容易に選択することができる。仮に、予告演出の種別まで含めた変動演出の態様を変動パターン選択テーブル222aに規定してしまうと、変動パターン選択テーブル222aのデータ量が増大してしまう。例えば、変動演出の種別が32種類あり、それぞれに対して追加して表示可能な予告演出の種別が3種類ある場合、変動パターン選択テーブル222aに対して96種類(32×3)の変動演出の種別を規定しておかなければならない。これに対して、本実施形態のように、変動パターンテーブル222aと、予告演出選択テーブル222bとを別途用意しておけば、35種類(32+3)の変動演出および予告演出の種別を設けておけばよいので、ROM222の容量が増大してしまうことを防止(抑制)できる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800として8ビット(256通り)の値のいずれかを生成するICを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、10ビット(1024通り)の値を生成できるICを採用してもよい。この場合、パーセンテージを整数化するために、1000個の値を予告演出の選択に用い、その1000個の値とは異なる24個の値が取得された場合に再抽選を行うように構成してもよい。そして、各演出に対して、乱数値(判定値)の個数を、10個を最小単位として対応付ければよい。このように構成することで、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。また、例えば、8ビットよりも少ないビット数(例えば、7ビット)のICを採用してもよい。この場合、ICが生成し得る128通りの乱数のうち、100個の値を予告演出の選択に用い、残りの28個の値を再抽選に対応付けておけばよい。この場合も、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。
次に、図10(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、予告再選択フラグ223eと、予告再選択カウンタ223fと、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図32のS1402参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図32のS1408参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
予告再選択フラグ223eは、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定されたか否かを示すフラグである。この予告再選択フラグ223eがオンであれば、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された(予告演出が決定されていない)ことを意味し、オフであれば、「再選択」が決定されていない(予告演出が決定された)ことを意味する。この予告再選択フラグ223eは初期値がオフに設定されており、予告演出の種別を選択するための予告演出選択処理(図33参照)において、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合にオンに設定される(図33のS1506参照)。また、予告再選択処理(図34参照)において、いずれかの予告演出(予告演出A〜C)が決定されるか、10回以上連続して「再選択」が決定された場合にオフに設定される(図34のS1613参照)。この予告再選択フラグ223eを参照することにより、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合に、予告再選択処理(図34参照)の中で予告演出の再選択(再抽選)を実行することができる。
予告再選択カウンタ223fは、予告演出の種別を再度選択する(再抽選する)処理が連続した回数をカウントするためのカウンタである。ここで、予告演出の再抽選する処理とは、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定されたことに基づいて、演出用乱数生成IC800から新たな乱数値(判定値)を取得して再度予告演出の種別を選択し直す処理のことであり、予告再選択処理(図34参照)の中で実行される。本実施形態では、予告演出の種別を再抽選する処理が所定回数(例えば、10回)以上連続した場合に、再抽選する処理を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(特殊予告演出)を実行するように構成されている。これにより、再抽選が延々と選択され続けてしまい、予告演出の種別が決定されなくなることを防止(抑制)できる。よって、予告演出の表示タイミングにおいていずれかの予告演出を確実に表示させることができる。
予告再選択カウンタ223fは初期値が0に設定されており、予告再選択処理(図34参照)において予告演出の種別を再抽選する処理が実行される毎に1ずつ加算される(図34のS1607)。また、予告再選択処理(図34参照)において、いずれかの予告演出(予告演出A〜C)が決定されるか、10回以上連続して「再選択」が決定され、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定した場合に0に初期化される(図34のS1612参照)。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図30のS1216参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図29)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図29の1108:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図29のS1109参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、計時タイマは、変動演出等の演出が開始されてからの経過時間を計時する。この計時タイマにより計時された経過時間に基づいて、各種制御(各種役物の動作の設定や、演出の発展等)が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して電気的に接続された演出用乱数生成IC800の詳細について説明する。演出用乱数生成IC800は、音声ランプ制御装置113において実行される所定の判定(表示させる予告演出の種別の判定)に用いる判定値(乱数値)を生成するためのICである。この演出用乱数生成IC800は、毎回ランダムに8ビット(0〜255)の範囲の値を生成することができるので、判定結果もランダムにすることができる。よって、表示される予告演出をランダムに決定することができるので、表示される予告演出を予測し難くできる。従って、意外性のある遊技を提供することができる。
演出用乱数生成IC800は、8ビット(0〜255)の範囲内でランダムな値(乱数値)を生成するための乱数生成部と、その乱数生成部によって生成された乱数値を記憶しておくための乱数記憶部とが少なくとも設けられている。乱数生成部には、パルス信号をランダムな時間間隔で生成するランダムパルス生成回路(RPG)が含まれており、そのRPGによって生成されたパルス信号の時間間隔を計測して8ビット(1バイト)の乱数値に変換し、乱数記憶部に記憶する。なお、乱数生成回路は、例えば、1秒あたり200メガバイト分の乱数値(10μsあたり2個の乱数値)を生成することができるスペックである。即ち、予告演出を決定するための処理が実行される時間間隔よりも短い時間間隔で乱数値を更新することができる。より詳述すると、音声ランプ制御装置113は、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が決定された場合に、メイン処理(図30参照)の予告再選択処理(図34参照)の中で演出用乱数生成IC800から新たな乱数値を取得して予告演出の再抽選を行う。この予告演出の再抽選は、予告演出選択テーブル222bから「再選択」が選択され続ける限り、1ミリ秒間隔で実行され続けるため、この間は1ミリ秒に1個の乱数値が取得される。これに対して、乱数生成部は10μs当たり2個の乱数値を生成可能なスペックなので、「再選択」が連続して選択されたとしても、予告演出の再抽選時に毎回新たな乱数値を用いて抽選(再選択)を実行することができる。よって、表示される予告演出をランダムに決定することができるので、表示される予告演出を予測し難くできる。従って、意外性のある遊技を提供することができる。
乱数記憶部は、乱数生成回路によって生成された乱数値を、所定数(例えば16)を上限として記憶するFIFO(First In First Out)方式の記憶装置である。音声ランプ制御装置113は、この乱数記憶部に記憶された乱数値を読み出して、予告演出の種別の判定に用いることができる。なお、上述した通り、乱数記憶部はFIFO方式の記憶装置であるため、音声ランプ制御装置113から乱数値の読み出しを指示されると、記憶されたタイミングが時間的に最も古い乱数値を音声ランプ制御装置113に対して出力する。そして、読み出された(出力された)乱数値は、乱数記憶部から破棄される。これにより、音声ランプ制御装置113から乱数値の読み出しを指示される毎に、異なるタイミングで生成された乱数値を乱数記憶部から出力することができるので、乱数値をよりランダムな値とすることができる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図12を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図5参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図25参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図5参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図12は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図35のS1701参照)の終了後に実行される初期化処理(図35のS1702参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図16参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図37(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図35のS1703,S1704参照)。
ここで、図13を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図13は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図13(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図13(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図13(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図13(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図13(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図13(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図12に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図14を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図14は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図14(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図14(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。また、図15は、「島ステージ」に対応する背面Cに対して示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図14に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図15に示すように、時間の経過とともに、図15の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図15(a)に示す背面画像が表示される。この図15(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図15(b)に示す背面画像が表示される。図15(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図15(c)に示す背面画像が表示される。図15(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図15(a)に示す背面画像に戻って、再び図15(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図14(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図14(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図15(a)を含み、図15(b)を除く図15(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図13(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図13(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図15(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図15(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図15(a)〜(b)の画像を表示させている間に図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図15(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図15(b)〜(c)および図15(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bおよび背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図12参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図12に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、演出タイミング格納エリア233i、格納画像データ判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233k、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図16を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図16は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図16の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図18参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図17を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図17は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図17のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図17のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図17の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図15の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図13(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図35参照)の中でオンに設定される(図35のS1705参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図47(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図37(b)のS2001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図38〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図46参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図47(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図47(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図48参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図18参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図16参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図37(b)のS2003参照)の中で、ポインタ更新処理(図44のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図18参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図18を参照して、描画リストの詳細について説明する。図18は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図37(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図44のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
演出タイミング格納エリア233iは、変動パターン種別毎に予告演出(予告演出A〜C、大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を表示させるタイミング(ポインタ233fの値)と、特殊予告演出を表示させるタイミング(ポインタ233fの値)とを格納するための領域である。本実施形態では、予告演出または特殊予告演出を設定する場合に、演出タイミング格納エリア233iに規定されたタイミング(ポインタ233fの値)で予告演出または特殊予告演出が表示されるように設定を行う。
ここで、表示制御装置114において予告演出を設定する際の方法について詳しく説明する。本実施形態では、予告演出の種別毎の表示内容を1フレーム毎に規定した予告演出データテーブルが、変動表示データテーブル等とは別にデータテーブル格納エリア233bに格納されている。そして、予告演出の種別を通知するための表示用予告演出コマンドが音声ランプ制御装置113から通知されると、通知されたコマンドに対応する予告演出データテーブルと、その時点で表示データテーブルバッファ233dに対して設定されている変動表示データテーブルとを合成する。合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233iに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加する。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図49のS3502参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図37(b)のS2006参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図43(a)のS2801参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図48のS3509参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図48のS3510参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図43のS2802参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図44参照)において、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図44のS3021参照)、デモ表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図39(a)のS2206、図40のS2405、図41(a)のS2505、図41(b)のS2605、図42のS2705参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図44参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図44のS3014)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図39(a)のS2206、図40のS2405、図41(a)のS2505、図41(b)のS2605、図42のS2705参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図19〜図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図19は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、256,128,128,256)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、図20〜図22を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図23および図24を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図20は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図21を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図21を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり種別に基づいて大当たりデータを設定し(S212)、時短中カウンタ203fの値を0に初期化する(S213)。そして、確変フラグ203eをオフに設定し(S214)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S215)、S218の処理へと移行する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図27参照)の大当たり制御処理(S904)が実行された場合に、S1001:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S217)、S218の処理へ移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、S218の処理へ移行する。S218の処理では、停止コマンドを設定し(S218)、その後、本処理を終了する。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図21は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図19参照)の特別図柄変動処理(図20参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203eの状態を参照して、パチンコ機10が特別図柄の確変中であるか否かを判定する(S302)。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変中である(即ち、確変フラグ203eがオンである)と判別した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が確変中でない(即ち、確変フラグ203eがオフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値「0」と比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜63」の範囲にあれば、大当たりA(16R確変大当たり)であると判定し、「64〜127」の範囲にあれば、大当たりB(16R時短大当たり)であると判定する(図8(b)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図9(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜115」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「116〜127」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜101」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「102〜127」の範囲にあれば外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図27参照)のS901の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図22のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図22は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、本処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図23は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S501)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S501:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S502)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S502:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S503)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S504)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S504:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S505)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S506)。S506の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S507)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S508)。なお、このS508の処理では、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるか、または確変フラグ203eがオンであれば普通図柄の時短状態であると判定する。
S508の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S508:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S509)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S509:Yes)、S511の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S509の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S509:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S510)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜212」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,213〜255」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(c)参照)。
S508の処理において、普通図型の時短状態でないと判定した場合は(S508:No)、S511の処理へ移行する。S511の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S507の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S511)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜20」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,21〜255」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(c)参照)。
次に、S510またはS511の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S512)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S512:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S513)。このS513の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるかを判定し(S514)、普通図柄の時短状態であれば(S514:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S515)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S515:Yes)、S517の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S515の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S515:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S516)、S519の処理へ移行する。S514の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S514:No)、S517の処理へ移行する。S517の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S517)、S519の処理へ移行する。
S512の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S512:No)、外れ時の表示態様を設定する(S518)。このS518の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S519の処理へ移行する。
S519の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S519)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S519:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S520)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S519:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S521)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S502の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S502:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S522)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S520の処理またはS521の処理によって予め設定された時間である。
S522の処理において、変動時間が経過していなければ(S522:No)、本処理を終了する。一方、S522の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S522:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S523)。S523の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S513の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S518の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S523の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図27参照)の第2図柄表示更新処理(S907参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S513の処理またはS518の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S524)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S524:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S525)、本処理を終了する。S525の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図27参照)の電動役物開閉処理(S905参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S524の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S524:No)、S525の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図24は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図19参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S601)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S601:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S602)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S603)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S601:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S601:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S603:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S604)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S605)、本処理を終了する。尚、S605の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図26を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図26は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S802)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S803)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S804)、オンされていれば(S804:Yes)、処理をS812へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S804:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S805)、記憶されていなければ(S805:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS812へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S805:Yes)、RAM判定値を算出し(S806)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S807:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS812へ移行する。なお、図27のS914の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S812の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S812)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S813,S814)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S813,S814)を実行する。RAMの初期化処理(S813,S814)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S813)、その後、RAM203の初期値を設定する(S814)。RAM203の初期化処理の実行後は、S810の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S804:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S805:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S807:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S808)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S809)、S810の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S810の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S811)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図27を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図27は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS901〜S907の各処理が実行され、その残余時間でS910,S911のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図19参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S901)。具体的には、タイマ割込処理(図19参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図20参照)や始動入賞処理(図22参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図28参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S902)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では256)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S903)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S904)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S904)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S904)の詳細については、図28を参照して後述する。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S905)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図23参照)のS525の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS516の処理またはS517の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S906)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図21参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S907)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図23参照)のS520の処理またはS521の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図23参照)のS523の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図23参照)のS513の処理またはS518の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S908)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S908:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S909)、既に所定時間が経過していれば(S909:Yes)、処理をS901へ移行し、上述したS901以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S909:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S910,S911)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S910)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に255)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S902の処理と同一の方法によって実行する(S911)。
ここで、S901〜S907の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S908の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S908:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図25のNMI割込処理が実行されたということなので、S912以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S912)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S913)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S914)、RAM203のアクセスを禁止して(S915)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S908の処理は、S901〜S907で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS910とS911の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図26のS801参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S901の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S904)を説明する。図28は、この大当たり制御処理(S904)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S904)は、メイン処理(図27参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1001)。具体的には、特別図柄変動処理(図20参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1001:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1002)、大当たりフラグ203gをオンに設定して(S1003)、本処理を終了する。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1001:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1004)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1004の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1004:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1004の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1004:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1005)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1005:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1006)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1007)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1005の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1005:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1008)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1008の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1008:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1009)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1008:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1010)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(16ラウンド全て)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1010の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1010:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1011)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図27参照)の外部出力処理(S901)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1010の処理において、エンディングの開始タイミングでないと判定した場合には(S1010:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1012)。S1012の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1012:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1012の処理において、終了タイミングであると判定した場合には(S1012:Yes)、次いで、大当たりAであるかを判定し(S1013)、大当たりAであれば(S1013:Yes)、確変フラグ203eをオンに設定して(S1015)、S1016の処理へ移行する。一方、S1013の処理において、大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判定した場合には(S1013:No)、時短中カウンタ203fの値に100を設定し(S1014)、S1016の処理へと移行する。
S1014の処理、またはS1015の処理が終了した後で実行されるS1016の処理では、大当たりフラグ203gをオフに設定し、その後、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図29〜図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1217の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1102)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1214参照)、S1217の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1217の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1102:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1103)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1106の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1103:Yes)、S1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1103:No)、S1108へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1103:Yes)、S1104へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1103:No)、S1108の処理へと移行する。
S1102の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S1102:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1217の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1104へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1104の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S1104)、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S1105)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S1105の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1105:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1106)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1105:No)、RAM223の異常を報知して(S1107)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1108の処理では、電源断フラグ223yがオンされているか否かを判別する(S1108)。電源断フラグ223yはS1217の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1215参照)。つまり、電源断フラグ223yは、S1217の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグ223yがオンされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1217の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1108:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1109)、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグ223yがオフされた状態でS1108の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1108:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1109をスキップして、処理をS1110へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1110)、割込み許可を設定して(S1111)、メイン処理へ移行する。
なお、S1109のクリア処理をスキップするのは、S1104からS1106の処理を経由してS1108の処理へ至った場合には、S1104の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1201の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1201)、1m秒以上経過していなければ(S1201:No)、S1202〜S1211の処理を行わずにS1212の処理へ移行する。S1201の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1202〜S1211が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1212のコマンド判定処理や、S1213の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1212の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1213の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1201の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1201:Yes)、まず、S1203〜S1213の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1202)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1208の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1203)、その後電源投入報知処理を実行する(S1204)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1205の処理へ移行する。
S1205の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1206)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1207)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1207の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1208)、その後音編集・出力処理を実行する(S1209)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1209の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1210)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1208のランプ編集処理が実行される。なお、S1209の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1210の処理が終了すると、予告演出の決定時に「再選択」が決定されたことにより、新たな乱数値(判定値)を取得して予告演出の再選択を行うための予告再選択処理を実行し(S1211)、S1212の処理へ移行する。なお、この予告再選択処理(S1211)の詳細については、図34を参照して後述する。
S1212の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1212)。このコマンド判定処理の詳細については、図31を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1213)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図32〜33を参照して後述する。
S1213の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1214)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1214の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S1214:Yes)、電源断フラグ223y、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S1216)、電源断処理を実行する(S1217)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1218)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1214の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1214:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1215)、RAM223が破壊されていなければ(S1215:No)、S1201の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1215:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1212)について説明する。図31は、このコマンド判定処理(S1212)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1301)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S1302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1303)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1306)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図32参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S1307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1308)。また、S1308の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1308の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1308の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1307:No)、次いで、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S1309)。そして、オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(S1309:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定して(S1310)、メイン処理に戻る。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出を開始する。
一方、S1309の処理において、オープニングコマンドを受信していない場合には(S1309:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1311)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S1311:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1312)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1313)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1311の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1311:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S1314)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S1314:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1315)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始する。
一方、S1314の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1314:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1316)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1213)について説明する。図32は、この変動表示設定処理(S1213)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1213)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合は(S1401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1407の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1402)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1403)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1404)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1405)。S1405の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、変動パターン(変動表示)に加えて表示させる予告演出の態様を選択するための予告演出選択処理を実行し(S1406)、その後、S1407の処理へ移行する。尚、この予告演出選択処理の詳細については、図33を参照して後述する。
S1407の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S1408)、次いで、コマンド判定処理(図31参照)のS1306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1409)。次に、S1409の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S1410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告演出選択処理(S1406)について説明する。図33は、この予告演出選択処理(S1406)を示したフローチャートである。この予告演出選択処理(S1406)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図32参照)の中で実行され、変動表示(変動パターン)に加えて表示させる予告演出の態様を決定し、表示制御装置114に対して通知するための処理である。
この予告演出設定処理(S1406)では、まず、予告演出の決定に用いるための演出用乱数値(判定値)を演出用乱数生成IC800より取得する(S1501)。取得した演出用乱数値は、例えば、その他メモリエリア223zに設けられたバッファ領域(演出用乱数バッファ)に対して一時的に記憶される。次に、今回の抽選結果が大当たりであるか否かを判定し(S1502)、大当たりでないと判定した場合は(S1502:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、演出用乱数バッファに格納された演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出を選択(決定)して(S1504)、処理をS1505へと移行する。
なお、図11(c)を参照して上述した通り、演出用乱数(演出カウンタ)の値が「0〜149」であった場合には予告演出の種別として「予告演出A」が決定され、値が「150〜224」であった場合には「予告演出B」が決定され、値が「225〜249」であった場合には「予告演出C」が決定される。一方、値が「250〜255」であった場合には、「再選択」が決定される。上述した通り、「再選択」が決定された場合には、後述する予告再選択処理(図34参照)の中で演出用乱数生成IC800から新たな乱数値を取得して予告演出の種別を再決定(再選択)する。
このように、本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成し得る8ビット(256通り)の演出用乱数値のうち、250個の値を予告演出の選択に用いている。即ち、10進数において区切りがよい個数(即ち、250個)の値を予告演出の決定に用いることができる。よって、各予告演出が選択される確率を区切りが良い値(10%,30%,60%)にする(確率のパーセンテージを整数化する)ことができる。これにより、各予告演出が選択される確率を遊技者がより理解し易くできる。また、予告演出の確率を設計する開発者が、より容易に確率を設定することができる。
一方、S1502の処理において、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S1502:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、演出用乱数バッファに格納された演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出を選択(決定)し(S1503)、その後、S1505の処理へと移行する。具体的には、図11(b)を参照して上述したように、演出用乱数値(演出カウンタ値)が「0〜24」であった場合には予告演出の種別として「予告演出A」が決定され、値が「25〜99」であった場合には予告演出の種別として「予告演出B」が決定され、値が「100〜249」であった場合には予告演出の種別として「予告演出C」が決定される。一方、値が「250〜255」であった場合は、「再選択」が決定される。
S1505の処理では、予告演出の選択結果が「再選択」であるか否かを判定し(S1505)、選択結果が「再選択」でなければ(S1505:No)、選択(決定)した予告演出の種別を表示制御装置114に対して通知するための表示用予告演出コマンドを設定して(S1507)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用予告演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図30参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用予告演出コマンドを受信することによって、この表示用予告演出コマンドによって示される予告演出の表示を設定する。即ち、通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成する。合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233jに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加する。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、表示データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
一方、S1505の処理において、「再選択」が決定(選択)されたと判別した場合は(S1505:Yes)、予告再選択フラグ223eをオンに設定し(S1506)、本処理を終了する。予告再選択フラグ223eをオンに設定しておくことにより、後述する予告再選択処理(図34参照)において、演出用乱数値を新たに取得して予告演出の種別を再度決定することができる。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される予告再選択処理(S1211)について説明する。図34は、この予告再選択処理(S1211)を示したフローチャートである。この予告再選択処理(S1211)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)で実行される。
予告再選択処理(S1211)では、まず、RAM223に設けられた予告再選択フラグ223eがオンであるかを判定する(S1601)。上述した通り、この予告再選択フラグ223eは、予告演出の種別を決定する際に「再選択」が決定されるとオンに設定されるフラグであり、新たに演出用乱数値を取得して予告演出の再選択を行う必要があるか否かを示すフラグである。
S1601の処理において、予告再選択フラグ223eがオフであると判別した場合は(S1601:No)、予告演出の再選択を行う必要が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S1601の処理において、予告再選択フラグ223eがオンであると判別した場合は(S1601:Yes)、予告演出の再選択を行う必要がある(前回予告演出の種別を決定する際に、「再選択」が決定され、予告演出の種別が決定されていない)ことを意味する。よって、この場合は、演出用乱数生成IC800より演出用乱数値を取得し(S1602)、次いで、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか(予告演出を設定する変動表示が大当たりを報知するための変動表示であるか否か)を判定する(S1603)。
S1603の処理において、大当たりを報知する変動表示でないと判別した場合は(S1603:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、演出用乱数値(演出カウンタの値)とに基づいて予告演出を選択(決定)し(S1605)、S1606の処理へと移行する。
一方、S1603の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S1603:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、演出用乱数値(演出カウンタ値)とに基づいて予告演出の種別を選択し(S1604)、S1606の処理へ移行する。
S1606の処理では、予告演出の選択結果が再選択であるかを判定する(S1606)。予告演出の選択結果が再選択でなければ(S1606:No)、予告演出の選択結果に基づいて予告演出コマンドを設定し(S1614)、S1612の処理へ移行する。
予告演出の種別を決定(選択)する際に、「再選択」が決定された場合は(S1606:Yes)、予告再選択カウンタ223fの値に1を加算し(S1607)、次いで、再選択カウンタの値が10以上であるかを判定する(S1608)。S1608の処理において、予告再選択カウンタ223fの値が10未満であると判別した場合は(S1608:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1608の処理において、予告再選択カウンタ223fの値が10以上であれば(S1608:Yes)、予告演出の再選択を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するための処理(S1609〜S1611)を実行する。再選択の連続回数が10回以上となった場合に再選択を打ち切ることにより、「再選択」が延々と選択(決定)され続けてしまい、予告演出の種別が決定されないことを防止(抑制)できる。よって、予告演出の表示タイミングにおいていずれかの予告演出を確実に表示させることができる。
この予告演出の再選択を打ち切って、通常の予告演出(予告演出A〜C)とは異なる特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するための処理(S1609〜S1611)では、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか(予告演出を設定する変動表示が大当たりを報知する変動表示であるか)を判別する(S1609)。S1609の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S1609:Yes)、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)として、大当たりの確定を示唆する予告演出を通知するための表示用予告演出コマンドを設定し(S1610)、S1612の処理へ移行する。一方、S1609の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりでない(外れである)と判別した場合は(S1609:No)、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)として、大当たり期待度が高いことを示唆する予告演出を通知するための表示用予告演出コマンド設定し(S1611)、S1612の処理へ移行する。
このように、「再選択」が所定回数(10回)以上連続して決定された場合に、予告演出選択テーブル222bには規定されていない特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定することにより、遊技者に対して、珍しい予告演出が表示されたと思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、「再選択」が10回連続して決定される確率は、6/256の10乗(約1/2京)と、非常に低確率になる。このため、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)が表示されることによって、遊技者に対してより大きな喜びを抱かせることができる。
S1610,S1611、またはS1614の処理後に実行されるS1612の処理では、予告再選択カウンタ223fの値を0に初期化し(S1612)、予告再選択フラグ223eをオフに設定して(S1613)、本処理を終了する。この予告再選択処理(図34参照)により、メイン処理(図30参照)の中で1ミリ秒毎に予告演出の再選択を行うことにより、他の処理を止めることなく予告演出の種別を決定することができる。
なお、本実施形態では、予告演出の再選択を打ち切る契機を「再選択」が10回連続した場合としたが、これに限られるものではない。例えば、「再選択」が選択される所定回数の回数を多く(例えば、20回に)設定してもよいし、少なく(例えば、5回に)設定してもよい。また、所定時間の経過を契機(例えば、最初の「再選択」が選択されてから3秒)としても当然よい。
本実施形態では、予告演出の再選択を打ち切った場合に、特定の予告演出(大当たり確定予告演出、大当たり期待度大予告演出)を設定するようにしたが、これに限られず、予告演出を行わないように設定しても当然よい。
本実施形態では、予告演出の選択において再選択を行うように構成したが、これに限られるものではない。例えば、ボタンを押下した際に表示される演出(所謂、ボタン押下演出)の演出態様の選択において再選択を行うように構成しても当然良い。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図35〜図49を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図35を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1701)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図36を参照して、ブート処理(S1701)について説明する。図36は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1701)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1801)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1802)。これにより、MPU231は、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1802の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1802の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1803)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1804)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図35のS1701参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図35のS1702参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1805)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1701)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図36に示すブート処理では、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1801の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1802の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1803〜S1805の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1801の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1801及びS1802の処理を含めて複数回繰り返した後、S1803〜S1805の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1801及びS1802の処理を行わずに、S1803〜S1805の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図35の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1702)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1703)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1703の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1704)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1704の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1705)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図47(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図47(a)のS3302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図37(b)参照)において、図13に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図13(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1705の処理の後、割込許可を設定し(S1706)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1706の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図37(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図37(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1901)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図37(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図37(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図18参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図37(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2001)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図13に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2002)を実行し、次いで、表示設定処理(S2003)を実行する。
コマンド判定処理(S2002)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図38〜図43を参照して後述する。
表示設定処理(S2003)では、コマンド判定処理(S2002)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図44〜図46を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2004)。このタスク処理では、表示設定処理(S2003)もしくは簡易表示設定処理(S2009)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2005)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図47および図48を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2006)。この描画処理では、タスク処理(S2004)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2005)により設定された転送指示とから、図18に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図49を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2007)。そして、V割込処理を終了する。S2007の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2001の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図13に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2008)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2009)を実行して、S2004の処理へ移行する。
次いで、図38〜図43を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2002)の詳細について説明する。まず、図38は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図38に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2101)、未処理の新規コマンドがなければ(S2101:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2003)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2104)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2104:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2105)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図39(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2105)の詳細について説明する。図39(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2201)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2201の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2201で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2202)。
次いで、S2201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2203)、ポインタ233fを0に初期化して(S2204)、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定する(S2205)。S2205の処理が終了すると、表示データテーブルバッファ233dに設定した変動表示データテーブルに対応する予告演出の実行開始タイミングを示すポインタ値(ポインタ233fの値)と、特殊予告演出の実行開始タイミングを示すポインタ値(ポインタ233fの値)とを読み出して、演出タイミング格納エリア233iに格納して(S2206)、本処理を終了する。
予告演出および特殊予告演出の実行開始タイミングを演出タイミング格納エリア233iに格納しておくことにより、その格納したタイミング(ポインタ233fの値)以降のアドレスに対して予告演出データテーブル、または特殊予告演出データテーブルの規定内容を追加するだけで、容易に予告演出を設定することができる。
変動パターンコマンド処理(図39参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S2204の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2201の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2202の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2203の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図38の説明に戻る。S2104の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2106)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2106:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2107)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図39(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2107)の詳細について説明する。図39(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2301)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図37(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2302)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2302の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2303)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2302の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2004)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2303によって設定された停止図柄判別フラグからS2302の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2302の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図38に戻り、説明を続ける。S2106の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2106:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用予告演出コマンドがあるか否かを判別し(S2108)、表示用予告演出コマンドがあれば(S2108:Yes)、予告演出を設定するための予告演出コマンド処理を実行して(S2109)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図40を参照して、予告演出コマンド処理(S2109)の詳細について説明する。図40は、予告演出コマンド処理を示すフローチャートである。この予告演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用予告演出コマンドにより通知された種別の予告演出を設定するための処理である。
予告演出コマンド処理では、まず、予告演出が設定可能なタイミングか否か判別する(S2401)。ここで、予告演出が設定可能なタイミングとは、具体的には、ポインタ233fの値が、予告演出の開始タイミングとして演出タイミング格納エリア233iに格納されているポインタ値未満の場合を意味する。即ち、今回の変動パターンにおいて予告演出を開始するタイミングよりも時間的に前であれば、S2401の処理において予告演出が設定可能と判別される。なお、予告演出を設定する処理時間を確保するために、予告演出を開始するタイミングの所定時間前を基準時刻として、その基準時刻よりも時間的に前であるかを判別するようにしてもよい。これにより、予告演出を設定する処理時間が長い場合であっても、上述した基準時刻までに予告演出の設定処理が開始されるので、予告演出を開始するタイミングまでに予告演出の設定処理を完了させることができる。
S2401の処理において、予告演出を設定可能なタイミングであると判別した場合は(S2401:Yes)、表示用予告演出コマンドにより通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dの予告演出タイミングに対応するポインタ位置以降にデータを追加し(S2402)、S2405の処理へ移行する。一方、予告演出が設定可能なタイミングではないと判別した場合は(S2401:No)、音声ランプ制御装置113の予告演出選択処理(S1406)において、再選択が連続して決定され続けたなどにより、表示用予告演出コマンドが通知されたタイミングが予告演出の開始タイミングを超過した場合である。この場合には、予告演出を特殊な表示態様で実行する特殊予告演出が設定可能なタイミングが否かを判別する(S2403)。
ここで、特殊予告演出が設定可能なタイミングとは、具体的には、ポインタ233fの値が、特殊予告演出の開始タイミングとして演出タイミング格納エリア233iに格納されているポインタ値未満の場合を意味する。即ち、今回の変動パターンにおいて特殊予告演出を開始するタイミングよりも時間的に前であれば、S2403の処理において特殊予告演出が設定可能と判別される。
S2403の処理において、特殊予告演出が設定可能なタイミングであると判別した場合は(S2403:Yes)、表示用予告演出コマンドに対応した特殊演出データテーブルを決定して、表示データテーブルの特殊予告演出タイミングに対応するポインタ位置に設定し(S2404)、S2405の処理へ移行する。特殊予告演出とは、予告演出を特殊な表示態様で実行する演出であり、通知された表示用予告演出コマンドに基づいて、予告演出の開始タイミングから実行される演出(例えば、画面中央部に男の子が表示される演出)とは異なる特殊な表示態様で実行される演出(例えば、画面左下部に男の子が縮小表示される演出)である。
S2403およびS2404の処理により、表示用予告演出コマンドが通知されたタイミングが予告演出の開始タイミングを超過した場合であっても、予告演出(予告演出A〜C、特定の予告演出)とは異なる特殊な表示態様で特殊予告演出を表示することができる。その結果、表示用予告演出コマンドの通知タイミングが遅れた場合においても、他の演出との重複表示を避けつつ、通知された表示用予告演出コマンドに基づいて特殊予告演出を表示することができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S2403の処理において、特殊予告演出を設定可能なタイミングではないと判別した場合は(S2403:No)、そのままS2405の処理へ移行する。S2405の処理では、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2405)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この予告演出コマンド処理により、通知された予告演出の種別に対応する予告演出データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成することで、容易に予告演出を設定することができる。なお、合成を行う際には、演出タイミング格納エリア233jに規定された予告演出の開始タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、予告演出データテーブルに規定された表示内容を追加するように構成されている。即ち、予告演出データテーブルには、予告演出の開始タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、予告演出データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、表示データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
図38に戻り、説明を続ける。S2108の処理において、表示用予告演出コマンドがないと判別されると(S2108:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2110)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2110:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2111)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図41(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2111)の詳細について説明する。図41(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S2502)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S2503)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S2504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図38に戻り、説明を続ける。S2110の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2110:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2112)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2112:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2113)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図41(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2113)の詳細について説明する。図41(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2602)。
そして、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2603)、ポインタ233fを0に初期化する(S2604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2605)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図38の説明に戻る。S2112の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2112:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2114)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2114:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2115)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図42を参照して、エンディングコマンド処理(S2115)の詳細について説明する。図42は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2702)。
次いで、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図38の説明に戻る。S2114の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2114:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2116)、背面画像変更コマンドがあれば(S2116:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2117)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図43(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2117)の詳細について説明する。図43(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理(S2004)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図38の説明に戻る。S2116の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2116:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2118)、エラーコマンドがあれば(S2118:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2119)、S2101の処理へ戻る。
ここで、図43(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2119)の詳細について説明する。図43(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図38の説明に戻る。S2118の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2118:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2120)、S2101の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2101の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、再びS2102〜S2120の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2101〜S2120の処理が繰り返し実行され、S2101の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図37(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2008)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図13に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)および停止種別コマンド処理(図39(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図39(a)参照)では、S2201の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2202の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図44〜図46を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2003)の詳細について説明する。図42は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図44に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図45を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図45は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理(S2004)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図44の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図46を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図46は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図44に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2004)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S3009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図37(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2009)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図13(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図47及び図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2005)の詳細について説明する。まず、図47(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図47(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。
次いで、図47(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2005)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図47(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図37(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図37(b)のS2008参照)および簡易表示設定処理(図37(b)のS2009参照)ではなく、コマンド判定処理(図38〜図43参照)および表示設定処理(図44〜図46参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図48参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図47(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2005)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図48は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2003)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S3509)。
そして、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S3509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S3510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3512)、S3513の処理へ移行する。
S3509の処理において、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3515の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3513)。このS3513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3513:No)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3513:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233jを更新し(S3515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図49を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2006)の詳細について説明する。図49は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2004)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2005)により設定された転送指示から、図18に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2004)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2005)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図37(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、第1実施形態におけるパチンコ機10では、所定の判定(表示させる予告演出の種別の判定)を実行する場合において、所定の割合(6/256)で再度判定が行われる(予告演出が再選択される)ように構成されている。また、再選択に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(250個)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(予告演出A〜C)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりか否かの抽選や、表示演出の態様の抽選等、各種の抽選を実行するものがある。これらの抽選では、抽選された乱数値に応じて異なる抽選結果となるため、抽選結果にランダム性を付与することができる。
しかしながら、各種抽選に用いられる乱数は専用のIC等によって生成するため、ICの仕様上、抽選の母数がビット単位(2のべき乗)となることが一般的であった。このため、各抽選結果となる確率をパーセンテージに直した場合に、端数(小数点以下)が発生してしまうのが通常であった。即ち、パーセンテージを整数化できなかった。このため、抽選結果毎の抽選確率が直感的に理解し難くなる場合があった。また、遊技機の設計時においても、一旦整数のパーセンテージを確率のターゲットに設定し、その設定したターゲットに最も近くなる乱数の個数を算出するという工程を経る場合があったため、設計が非効率的になってしまう虞があった。
これに対して本実施形態では、所定の抽選における確率の母数が、50の倍数である250となるように再選択が決定される乱数値を振り分けたので、最小2%(母数の1/50)刻みのパーセンテージで、各抽選結果となる確率を振り分けることができる。即ち、各抽選結果となる確率のパーセンテージを容易に整数化することができるので、抽選結果が直感的に分かり易い遊技機を提供することができる。また、各抽選結果となる確率のパーセンテージを整数化することにより、設計時において各抽選結果となる確率の設計を効率的に行うことができる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800として8ビット(256通り)の値のいずれかを生成するICを採用しているが、これに限られるものではない。例えば、10ビット(1024通り)の値を生成できるICを採用してもよい。この場合、パーセンテージを整数化するために、例えば100の倍数である1000個の値を予告演出の選択に用い、その1000個の値とは異なる24個の値が取得された場合に再抽選を行うように構成してもよい。そして、各演出に対して、乱数値(判定値)の個数を、10個(母数の1/100)を最小単位として対応付ければよい。このように構成することで、各抽選結果となる確率のパーセンテージを1%刻みの整数値で設定することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供することができる。また、例えば、8ビットよりも少ないビット数(例えば、5ビット)のICを採用してもよい。この場合、ICが生成し得る128通りの乱数のうち、100個の値を予告演出の選択に用い、残りの28個の値を再抽選に対応付けておけばよい。この場合も、パーセンテージを整数化することができるので、確率が分かり易く、且つ、設計を行い易い遊技機を提供できる。なお、パーセンテージは整数化するだけに限られず、0.1%単位となるようにしても当然よい。
本実施形態では、演出用乱数値として乱数生成ICの生成する乱数(所謂、ハードウェア乱数)の値を用いるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、ソフトウェアの処理で生成する乱数(所謂、ソフトウェア乱数)の値を用いるように構成しても当然よい。
本実施形態では、予告演出の抽選を実行する際に、所定の割合(6/256)で再選択が決定されるように構成しているが、再選択を決定可能な抽選は予告演出の抽選に限られるものではない。例えば、変動パターン選択テーブル222aから変動パターン種別を選択する際の抽選においても所定の割合で再選択が決定されるように構成してもよい。また、再選択を決定可能な抽選は音声ランプ制御装置113において実行される抽選に限られるものではない。例えば、特別図柄の大当たりか否かの抽選や、大当たり種別等を抽選する際に、所定の割合で再選択が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、大当たりとなる確率や、各大当たり種別となる確率等をパーセンテージで表した場合に、整数値で表現することができる。よって、スペックがより分かり易い遊技機を提供することができる。
本実施形態では、予告演出を決定するための抽選において、「再選択」が10回以上決定された場合に、予告演出を決定するための抽選を打ち切って、通常とは異なる特定の予告演出(特殊予告演出)を実行するように構成していたが、抽選を打ち切ると判別する回数は10回に限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、10回よりも多くすることによって、より確実にいずれかの予告演出の種別(予告演出A〜C)を決定できる。また、例えば、10回よりも少なくすることによって、「再選択」が連続して決定された場合にもより少ない決定回数で予告演出の態様の抽選を打ち切ることができるので、予告演出を決定するまでにかかる時間を短縮することができる。
本実施形態では、予め音声ランプ制御装置113から通知されていた予告演出を、演出タイミング格納エリア233iに規定されたタイミング(ポインタ233fの値)で開始するように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113において、予告演出の開始タイミングとなったと判別された場合に予告演出を決定するための処理を実行してもよい。そして、表示制御装置114では、通知された予告演出を即座に表示開始させるように構成してもよい。このように構成することで、予告演出を選択する処理において「再選択」が決定された回数に応じて予告演出の種別を通知するタイミングが変わるので、予告演出を開始するタイミングを可変させることができる。即ち、予告演出の種別だけでなく、開始タイミングにもバリエーションを持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。さらに、予告演出を開始するタイミングにバリエーションを持たせるために、「再選択」が決定された場合には、所定時間(例えば0.5秒)の経過後に再度予告演出を選択する処理が実行されるようにしてもよい。
<第2実施形態>
次いで、図50〜図63を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、音声ランプ制御装置113において予告演出の種別を抽選する際に、所定の割合(6/256)で「再選択」が決定されるように構成されていた。また、「再選択」に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(例えば、50の倍数)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(予告演出A〜C)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。
これに対して本実施形態では、主制御装置110のMPU201により実行される一部の抽選(変動パターンの抽選)において、所定の割合(6/256)で「再選択」が決定されるように構成している。これにより、主制御装置110における抽選(変動パターンの抽選)において、各判定結果(各変動パターン)が決定される確率をパーセンテージ(百分率)で表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となる。
また、連続して「再選択」に対応する抽選結果となり、音声ランプ制御装置113へ変動パターンを通知するタイミングが遅れた場合には、音声ランプ制御装置113にて特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。「再選択」が連続している間は、抽選結果が不定の状態となるため、変動時間が決定されない。即ち、変動パターンの表示を開始させることができない状態となってしまう。この場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行することにより、抽選結果が不定の状態が長く継続した(「再選択」が多くの回数連続した)としても、遊技機が正常に動作していると遊技者に認識させることができる。よって、安心して遊技を行わせることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とが主制御装置110の入出力ポート205に対して電気的に接続されている点、主制御装置110に設けられたROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成>
まず、図50を参照して、第2実施形態における電気的構成について説明する。図50は、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図50に示した通り、本実施形態では、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成に加え、主制御装置110の入出力ポート205に対して特図用乱数生成IC900と、普図乱数生成IC901とが電気的に接続されている。特図用乱数生成IC900は、始動入賞に基づいて取得される各種カウンタ値(乱数値)を生成するために用いられる。また、普図用乱数生成IC901は、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて取得されるカウンタ値(乱数値)を生成するために用いられる。即ち、第1実施形態においてRAM203に格納されていた各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4)に代えて、主制御装置110において実行される各種抽選(判定)に用いるカウンタ値(乱数値)を外部のICより取得するように構成されている。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。なお、第2実施形態では、第1実施形態における演出用乱数生成IC800が廃止されている。
次に、図51を参照して、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される乱数値(レジスタ値)について説明する。図51に示した通り、特図用乱数生成IC900には、4種類のレジスタ(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1)が設けられている。これらのレジスタは、それぞれ第1実施形態における演出用乱数生成IC800の乱数記憶部と同様の役割を担っている。つまり、各レジスタには、各レジスタに対応する乱数生成部によって生成された乱数値が格納され、乱数値の読み出し指示があった場合には、乱数値を外部へと出力する。
第1当たり乱数レジスタR1において更新される乱数値(レジスタ値)は、特別図柄の大当たりであるか否かを判定するために用いられる。つまり、この第1当たり乱数レジスタR1のレジスタ値は、第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1に相当し、第1当たり乱数テーブル202a(図8(a)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較される。この第1当たり乱数レジスタR1には、0〜255の範囲のランダムな値が格納される。また、格納された値は、例えば10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で更新される。なお、他のレジスタについても、格納される値の更新頻度は第1当たり乱数レジスタR1と同一であり、格納される値の範囲のみが異なっている。
第1当たり種別レジスタR2において更新されるレジスタ値は、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用される。つまり、この第1当たり種別レジスタR2の値は、第1実施形態における第1当たり種別カウンタC2に相当し、第1当たり種別選択テーブル202b(図8(b)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較される。この第1当たり種別レジスタR2は、0〜127の範囲のランダムな値が格納される。
停止種別選択レジスタR3において更新されるレジスタ値は、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用される。つまり、この停止種別選択レジスタR3の値は、第1実施形態における停止種別選択カウンタC3に相当し、停止種別選択テーブル(図示なし)に規定された乱数値(判定値)と比較されて特別図柄の停止種別が判定(選択)される。この停止種別選択レジスタR3には、0〜127の範囲のランダムな値が格納される。
変動種別レジスタRS1において更新されるレジスタ値は、変動パターン(変動時間)を選択するために使用される。つまり、この変動種別レジスタRS1の値は、第1実施形態における変動種別カウンタCS1の値に相当し、変動パターンテーブル202d(図53(a)〜(c)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較され、変動パターンの種別(変動時間)が判定される。この変動種別選択レジスタRS1には0〜255の範囲のランダムな値が格納される。なお、特図用乱数生成IC900の各レジスタ(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1)から取得された乱数値(レジスタ値)は、特図用カウンタ一時記憶エリア203jに一時的に格納されたのち、特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送される。即ち、特図用カウンタ一時記憶エリア203jは、第1実施形態におけるカウンタ用バッファ203yのうち第1当たり乱数カウンタバッファ、第1当たり種別カウンタバッファ、停止種別選択カウンタバッファ、変動種別カウンタバッファ(図6参照)に相当する記憶領域である。
また、普図用乱数生成IC901には、1種類のレジスタ(第2当たり乱数レジスタR4)が設けられている。この第2当たり乱数レジスタR4において更新されるレジスタ値は、普通図柄の当たりか否かを判定するため使用される。つまり、この第2当たり乱数レジスタR4に格納された値は、第1実施形態における第2当たり乱数カウンタC4に相当し、第2当たり乱数テーブル202c(図8(c)参照)に規定された乱数値(判定値)と比較され、普通図柄の当たりか否かが判定される。この第2当たり乱数レジスタR4には、0〜255の範囲のランダムな値が格納される。
なお、普図用乱数生成IC901の第2当たり乱数レジスタR4から取得された乱数値(レジスタ値)は、普図用カウンタ一時記憶エリア203kに一時的に格納されたのち、普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに転送される。即ち、普図用カウンタ一時記憶エリア203kは、第1実施形態におけるカウンタ用バッファ203yのうち第2当たり乱数カウンタバッファに相当する記憶領域である。
このように、本実施形態では、主制御装置110において実行される各種判定を、主制御装置110の外部に設けられた特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される乱数(ハードウェア乱数)に基づいて実行するように構成している。このように構成することで、RAM203において各種カウンタ値を格納しておく記憶領域を削減できるので、RAM203の容量を節約することができる。また、各種カウンタ値を更新する処理を省略することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で乱数値が更新(生成)される乱数生成IC(特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901)を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、各乱数生成ICから値を取得する際に乱数値を更新(生成)することが可能な乱数生成ICを用いるようにしてもよい。これにより、乱数生成ICにおいて乱数値を更新(生成)される回数を必要最小限とすることができるため、消費電力の低減を図ることができる。
本実施形態では、更新(生成)する毎にランダムな値である乱数値が取得可能な乱数生成IC(特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901)を用いるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、短時間間隔(例えば、1μs)で値を1ずつ更新する乱数生成ICを用いることで、その乱数生成ICから値を取得するタイミングが不規則となるために、実質的にランダムな値が取得されるようにしても当然よい。
次に、図52(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203について説明する。図52(a)に示した通り、本実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加えて、主再選択カウンタ203hと、主再選択フラグ203iとが追加されている。また、カウンタ用バッファ203yに代えて、特図用カウンタ一時記憶エリア203jと、普図用カウンタ一時記憶エリア203kとが設けられている。
主再選択カウンタ203hは、主制御装置110のMPU201によって実行される所定の判定(変動パターンの決定)において、「再選択」が連続して選択された回数を示すカウンタである。詳細については後述するが、本実施形態では、変動種別レジスタRS1の値と、変動種別選択テーブル202d(図53(a)〜(c)参照)とに基づいて変動パターンを決定する際に、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成されている。この「再選択」が選択されると、第1実施形態における予告演出の選択時に「再選択」が選択された場合と同様に、変動パターンの決定に用いる乱数値(変動種別カウンタRS1の値)を新たに取得し、その新たな乱数値に基づいて再度変動パターン(変動時間)の判定を行う。ここで、変動パターン(変動時間)を選択する処理が完了しなければ、変動パターンを開始させることができないため、変動パターン(変動時間)は迅速に決定する必要がある。このため、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に、他の処理を実行せずに即座に変動種別レジスタRS1の値を再取得して変動パターン(変動時間)の判別を実行する。しかしながら、あまりにも多くの回数「再選択」が連続し続けると、他の処理(例えば、始動入賞処理やスルーゲート通過処理等)が実行されない期間が長くなってしまい、例えば、始動入賞を検知できなかったり、スルーゲート67の通過を検知できなかったりする虞がある。そこで、本実施形態では、「再選択」が連続して決定された回数を、主再選択カウンタ203hによりカウントしておき、所定回数(例えば、4回)以上「再選択」が連続した場合には、一旦MPU201により実行される他の処理を実行した後、再度変動種別レジスタRS1の値を取得し直して変動パターン(変動時間)を判別する処理を実行するように構成している。このように構成することで、他の処理に影響が出ない範囲で迅速に変動パターンを決定するための処理を実行することができる。
主再選択カウンタ203hは、初期値が0に設定されており、特別図柄変動開始処理2(図56参照)の変動パターン(変動時間)を選択(決定)する処理において、「再選択」が決定される毎にその値に1が加算される(図56のS333参照)。また、「再選択」が4回以上連続して決定され、一旦変動パターン(変動時間)を選択(決定)するための処理を中断する場合に0に初期化される(図56のS336参照)。
ここで、図53を参照して、乱数値(判定値)の一部に「再選択」が対応付けられたデータテーブルである変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、第1実施形態における変動パターンテーブル202dと同様に、変動パターンを選択するために用いられるデータテーブルであるが、その規定内容が第1実施形態から変更となっている。まず、図53(a)は、第2実施形態における大当たり用変動パターンテーブル202d1の規定内容を示した図である。図53(a)に示した通り、本実施形態の大当たり用変動パターンテーブル202d1には、一部の判定値(乱数値)に対して「再選択」が対応付けられている。また、「再選択」に判定値(乱数値)を振り分けたことにより、他の判定結果に対する判定値(乱数値)の配分が変更されている。
具体的には、判定値として「0〜24」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「25〜174」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「175〜249」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。そして、残りの「250〜255」の判定値に対しては、「再選択」が対応付けられている。「再選択」が決定される判定値(乱数値)の個数を「250〜255」の6個とすることにより、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、およびスペシャルリーチ各種(90秒)を決定するための乱数値の総数を250個(0〜249)とすることができる。1%が乱数値(判定値)2.5個分(250/100)に相当するので、5個(2%分)を最小単位として乱数値(判定値)を割り振れば、確率のパーセンテージを整数値にすることができる。
本実施形態では、ノーマルリーチ各種(30秒)に対して「0〜24」の25個(5個×5)の判定値を割り振り、スーパーリーチ各種(60秒)に対して「25〜174」の150個(5個×30)の判定値を割り振り、スペシャルリーチ各種(90秒)に対して「175〜249」の75個(5個×15)の判定値を割り振っている。よって、ノーマルリーチ各種が選択される確率を10%(2%×5)とし、スーパーリーチ各種(60秒)が選択される確率を60%(2%×30)とし、スペシャルリーチ各種(90秒)が選択される確率を30%(2%×15)となる。即ち、各変動パターンが選択される割合のパーセンテージが整数値となるように乱数値(判定値)が割り振られている。これにより、パーセンテージに端数(小数点以下)が生じることを防止(抑制)できるので、より判り易いスペックの遊技機を提供することができる。また、設計時においても、各判定結果となる確率の割り振りを効率的に行うことができる。
なお、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図53(b)参照)や、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図53(c)参照)についても同様に、乱数値(判定値)が「250〜255」の範囲に「再選択」が対応付けられている。即ち、256通りの乱数値(判定値)のうち、250通り(0〜249)の値となった場合にのみ変動パターン(変動時間)が決定されるように構成している。また、各変動パターンに対応付けられた乱数の個数は全て5の倍数となるように設定することにより、各変動パターン(変動時間)が選択される確率のパーセンテージを整数化している。これにより、大当たりであるか、外れであるかに拘わらず、確率をより判り易い値とすることができる。
図52(a)に戻って説明を続ける。主再選択フラグ203iは、変動パターン(変動時間)を選択(決定)する処理において「再選択」が所定回数(4回)以上連続して決定されたか否かを示すフラグである。この主再選択フラグ203iがオンであれば、「再選択」が4回以上連続して決定されたことを意味し、オフであれば「再選択」の連続回数が4回未満であることを意味する。本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)の中で実行される主再選択処理(図59参照)では、この主再選択フラグ203iが参照され(図59のS4101参照)、主再選択フラグ203iがオンであれば変動種別レジスタRS1から乱数値を新たに取得して変動パターン(変動時間)を決定するための処理(図59のS4102〜S4107参照)が実行される。
特図用カウンタ一時記憶エリア203j、および普図用カウンタ一時記憶エリア203kは、上述した通り、カウンタ用バッファ203yに代えて各レジスタ値を一時的に格納するための一時記憶領域である(図51参照)。特図用乱数生成IC900から取得された各乱数値(レジスタ値)は、特図用カウンタ一時記憶エリア203jに格納された後、特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送される。また、普図用乱数生成IC901から取得された乱数値(レジスタ値)は、普図用カウンタ一時記憶エリア203kに格納された後、普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに転送される。
次に、図52(b)を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図52に示した通り、第2実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成に対して、ウエイト計測カウンタ223gと、ウエイト計測フラグ223hとが追加されている。
ウエイト計測カウンタ223gは、少なくとも1の変動が保留されている状態(特別図柄保留球数カウンタ223bの値が1以上の状態)で、変動表示(変動パターン)が終了した場合に、変動表示が終了してからの経過時間を計時するためのカウンタである。このウエイト計測カウンタ223gは、保留球数が1以上の状態で停止コマンドを受信してから、次の変動表示が開始されるまでウエイト経過演出処理(図63参照)の中で1ずつ加算される。ウエイト経過演出処理(図63参照)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理2(図61参照)の中で1ミリ秒経過毎に実行されるので、ウエイト計測カウンタ223gは1ミリ秒毎に1ずつ加算される。本実施形態では、ウエイト経過演出処理(図63参照)において、このウエイト計測カウンタ223gの値が参照され(図63のS4205参照)、前回の変動が終了してから所定期間(1050ミリ秒)が経過しても保留されている次の変動が開始されない(主制御装置110から変動パターンコマンドが出力されない)場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成されている(図63のS4206参照)。
ここで、所定期間が経過しても主制御装置110から変動パターンコマンドが出力されない場合とは、主制御装置110において変動パターン(変動時間)を決定するための処理に時間を要している場合等である。即ち、変動パターンテーブル202dから変動パターンを決定する処理において、連続して「再選択」が決定され、変動種別レジスタRS1から新たに乱数値(判定値)を取得して変動パターンテーブル202dに規定された判定値と比較する処理が延々と繰り返された場合等である。変動パターン(変動時間)が決定されなければ、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して変動パターンコマンドを設定することもできないので、「再選択」が繰り返される程に前回の変動が終了してから次の変動が開始されるまでの期間が長くなる。この場合において、音声ランプ制御装置113において変動パターンコマンドを受信するまで待機する構成としてしまうと、第3図柄が停止表示され、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留図柄が表示されているにも拘わらず第3図柄表示装置81の表示内容が変化しないため、遊技者に違和感を抱かせてしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、次の変動が開始されることなく所定期間(1050ミリ秒)が経過した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示内容が可変されるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
ウエイト計測フラグ223hは、保留球数が1以上の状態において前回の変動が終了しており、且つ、変動パターンコマンドが通知されていない状態であるか否かを示すフラグである。即ち、ウエイト計測カウンタ223gによる計時(カウント)を実行する期間であるか否かを示す。このウエイト計測フラグ223hがオンであれば、前回の変動演出が終了し、次の変動パターンコマンドが通知されていない状態であることを意味するので、この間はメイン処理2(図61参照)が実行される毎にウエイト計測カウンタ223gの値が更新される(図63のS4202参照)。一方、ウエイト計測フラグ223hがオフであれば、主制御装置110から変動パターンコマンドが通知されることを待機している期間ではないので、ウエイト計測カウンタ223gは更新されない。このウエイト計測フラグ223hは、主制御装置110より停止コマンドを受信し、且つ、保留球が存在する場合にオンに設定される(図62のS1335)。また、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信する毎にオフに設定される(図62のS1332参照)。このウエイト計測フラグ223hにより、ウエイト計測カウンタ223gを正確に更新することができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図54〜図60のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2について説明する。この第2実施形態におけるタイマ割込処理2は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図19参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行されるもので、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
この第2実施形態におけるタイマ割込処理2のうち、S101,S106,S108、およびS109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図19参照)のS101,S104,S106,S108、およびS109の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)では、第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)、始動入賞処理(図22参照)、スルーゲート通過処理(図24参照)に代えて、特別図柄変動処理2(S104)、始動入賞処理2(S105)、スルーゲート通過処理2(S107)がそれぞれ実行される。これらの各処理の詳細については、図55〜図58を参照して後述する。更に、本実施形態におけるタイマ割込処理2(図54参照)では、S108の処理が終了すると、変動パターン(変動時間)を決定する処理(特別図柄変動開始処理2)において所定回数以上(4回以上)再選択が決定された場合に、変動パターン(変動時間)を決定するための処理である主再選択処理を実行して(S131)、処理をS109へと移行する。この主再選択処理(S131)の詳細については、図59を参照して後述する。
次に、第2実施形態における特別図柄変動処理2(S104)について説明する。この特別図柄変動処理2(S104)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)と同様に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動処理2(S104)のうち、S201〜S207,S209〜S218の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図20参照)のS201〜S207,S209〜S218の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における特別図柄変動処理2(図55参照)では、S202の処理において変動中では無いと判別された場合に(S202:No)、前回の第3図柄の停止表示から所定時間(1秒間)が経過したか否かを判別し(S231)、所定時間が経過していないと判別した場合には(S231:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S231の処理において、所定時間が経過したと判別した場合には(S231:Yes)、S203〜S208の各処理を実行する。なお、本実施形態におけるS208の処理では、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)に代えて、特別図柄変動開始処理2(S208)を実行する。この特別図柄変動処理2(S208)の詳細については、図56を参照して後述する。
次に、図56を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理2(S208)について説明する。図56は、第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S208)を示すフローチャートである。この特別図柄変動開始処理2(S208)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)と同様に、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S208)のうち、S301〜S311の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図21参照)のS301〜S311の各処理と同一の処理が実行される。また、特別図柄変動開始処理2(図56参照)では、S307、またはS309の処理が終了すると、S307、またはS309の処理において変動パターンテーブル202d(図53(a)〜(c)参照)と、変動種別レジスタRS1の値とに基づいて「再選択」が決定(選択)されたか否かを判別する(S331)。そして、S331の処理において「再選択」が決定されたと判別された場合は(S331:Yes)、変動種別レジスタRS1の値を特図用乱数生成IC900から新たに取得して(S332)、主再選択カウンタ203hの値に1を加算する(S333)。次いで、主再選択カウンタ203hの値が4以上であるか否かを判別して(S334)、値が4未満であれば(S334:No)、変動パターンを選択するためのS305〜S309の各処理を再度実行する。
一方、S334の処理において、主再選択カウンタ203hの値が4以上であると判別した場合は(S334:Yes)、変動パターンの再選択を繰り返す処理をいったん終了して、主再選択フラグ203iをオンに設定する(S335)。そして、主再選択カウンタ203hを0に初期化して(S336)、本処理を終了する。
一方、S331の処理において、S307、またはS309の処理において「再選択」が決定されたと判別した場合には(S331:No)、処理をS310へと移行する。特別図柄変動開始処理2(図56参照)により、変動パターンを決定するとともに、「再選択」が決定された場合に、変動パターンの再選択を繰り返すことができる。ここで、変動パターン(変動時間)を選択する処理が完了しなければ、変動パターンを開始させることができないため、変動パターン(変動時間)は迅速に決定する必要がある。このため、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に、他の処理を実行せずに即座に変動種別レジスタRS1の値を再取得して変動パターン(変動時間)の判別を実行する。しかしながら、あまりにも多くの回数「再選択」が連続し続けると、他の処理(例えば、始動入賞処理やスルーゲート通過処理等)が実行されない期間が長くなってしまい、例えば、始動入賞を検知できなかったり、スルーゲート67の通過を検知できなかったりする虞がある。そこで、本実施形態では、「再選択」が連続して決定された回数を、主再選択カウンタ203hによりカウントしておき、所定回数(例えば、4回)以上「再選択」が連続した場合には、一旦MPU201により実行される他の処理を実行した後、再度変動種別レジスタRS1の値を取得し直して変動パターン(変動時間)を判別する処理を実行するように構成している。このように構成することで、他の処理に影響が出ない範囲で迅速に変動パターンを決定するための処理を実行することができる。
次に、図57を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理2(S105)について説明する。図57は、第2実施形態における始動入賞処理2(S105)を示すフローチャートである。
この第2実施形態における始動入賞処理(図57参照)のうち、S401〜S405の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)のS401〜S405の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における始動入賞処理2(S105)では、S401の処理において球が第1入球口64へ入球したと判別された場合に(S401:Yes)、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値を特図用乱数生成IC900より取得し、特図用カウンタ一時記憶エリア203jへ格納して(S431)、S402の処理へと移行する。
また、始動入賞処理2(図57参照)では、S405の処理が終了すると、RAM203に設けられた特図用カウンタ一時記憶エリア203jの各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに格納し(S432)、本処理を終了する。この始動入賞処理2(図57参照)により、特図用乱数生成IC900の生成する各種乱数値(各種レジスタ値)を取得して特別図柄の抽選に用いることができる。ハード的に生成された乱数を抽選に用いることによって、抽選結果をよりランダムにすることができる。
次に、図58を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理2(S107)について説明する。図58は、第2実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理2(S107)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)と同様に、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通図柄の当たり抽選に用いる乱数値を取得して保留するための処理である。
このスルーゲート通過処理2(S107)のうち、S601〜S604の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)のS601〜S604の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)では、S601の処理において、球がスルーゲート67を通過したと判別された場合に(S601:Yes)、第2当たり乱数レジスタR4の値を普図用乱数生成IC901より取得し、普図用カウンタ一時記憶エリア203kへ格納し(S631)、S602の処理へ移行する。
また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理2(S107)では、S604の処理が終了すると、RAM203に設けられた普図用カウンタ一時記憶エリア203kの値を普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに格納し(S632)、本処理を終了する。このスルーゲート通過処理2(図58参照)により、普図用乱数生成IC901の生成する各種乱数値(各種レジスタ値)を取得して普通図柄の抽選に用いることができる。ハード的に生成された乱数を抽選に用いることによって、抽選結果をよりランダムにすることができる。
次に、図59のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される主再選択処理(S131)について説明する。この主再選択処理(S131)は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2(図54参照)の中の一処理であり、特別図柄変動開始処理2(図56参照)の変動パターンを決定するための処理において、4回以上連続して「再選択」が決定された場合に、4回目以降の「再選択」の決定に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
この主再選択処理(S131)では、まず、主再選択フラグ203iがオンであるかを判定する(S4101)。主再選択フラグ203iがオフであれば(S4101:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理2へ戻る。主再選択フラグ203iがオンであれば(S4101:Yes)、次に、特図用乱数生成IC900より変動種別レジスタRS1の値を取得し(S4102)、大当たりの抽選結果と変動種別レジスタRS1の値とに基づいて変動パターンを決定する(S4103)。そして、決定した変動パターンが「再選択」であるかを判定する(S4104)。決定した変動パターンが再選択であれば(S4104:Yes)、そのまま本処理を終了する。このように、変動パターンテーブル202dから「再選択」が決定されると、主再選択フラグ203iをオンの状態に保ったまま処理を終了することで、次回のタイマ割込処理2(図54参照)において実行される主再選択処理(S131)において、変動パターンを再選択する処理を再度行うことができる。
一方、S4104の処理において、決定した変動パターンが再選択でないと判別した場合は(S4104:No)、S4103の処理において決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドを設定し(S4105)、設定されている表示態様に基づいて、停止種別コマンドを設定する(S4106)。次いで、主再選択フラグ203iをオフに設定し(S4107)、本処理を終了する。
次に、図60を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理2について説明する。図60は、第2実施形態におけるメイン処理2を示すフローチャートである。この第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)は、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)のうち、S901,S903〜S909、およびS912〜S915の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるS901,S903〜S909、およびS912〜S915の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)では、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)のS902,S910、およびS911の各処理が廃止(削除)されている。本実施形態では、特図用乱数生成IC900によって生成された乱数値(レジスタ値)を各種抽選に用いており、ソフト的に乱数値を発生させる必要が無いため、各種カウンタ値を更新するS902,S910、およびS911の各処理を廃止している。これらの各処理が廃止されている点以外、第1実施形態におけるメイン処理(図27参照)と同一である。このように、第2実施形態におけるメイン処理2(図60参照)では、乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)を用いることで、ソフト的に乱数値を発生させるための処理(S902,S910、およびS911)を不要とすることができ、処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61〜図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図61を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理2(図61参照)について説明する。図61は、第2実施形態におけるメイン処理2を示すフローチャートである。このメイン処理2(図61参照)のうち、S1201〜S1210、およびS1213〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態におけるメイン処理2(図61参照)では、S1201〜S1210の処理を実行後、後述するウエイト経過演出処理を実行する(S1231)。詳細については後述するが、このウエイト経過演出処理(S1231)は、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、次の変動が開始されることなく所定期間(1050ミリ秒)が経過した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を設定するための処理である。
ウエイト経過演出(S1231)の実行後は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)に代えてコマンド判定処理2(S1212)を実行し、S1213以降の処理を実行する。このコマンド判定処理2(S1212)の詳細について、図62を参照して説明する。
図62は、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)を示すフローチャートである。この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドを判定し、コマンドの種別に応じた制御を実行する処理である。
この第2実施形態におけるコマンド判定処理2(S1212)のうち、S1301〜S1308、およびS1316の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図31参照)のS1301〜S1308、およびS1316の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図62参照)では、S1303の処理が終了すると、ウエイト計測カウンタ223gの値を0に初期化し(S1331)、ウエイト計測フラグ223hをオフに設定して(S1332)、本処理を終了する。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理2では、S1307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合に(S1307:No)、次いで、停止コマンドを受信したかを判定する(S1333)。停止コマンドを受信していれば(S1333:Yes)、次いで、特別図柄保留球数カウンタ203cの値に基づいて保留球があるかを判定し(S1334)、保留球がある(即ち、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が1以上である)と判定された場合は(S1334:Yes)、ウエイト計測フラグ223hをオフに設定して(S1335)、本処理を終了する。また、S1334の処理において、保留球がないと判定された場合にも(S1334:No)、そのまま本処理を終了する。
保留球がウエイト計測フラグ223hをオンに設定しておくことにより、前回の変動が終了し、且つ、保留球が存在するにも拘らず変動パターンコマンドを受信していない状態をカウント(計時)することができる。本実施形態では、この状態が1050ミリ秒継続した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、変動パターンコマンドを受信していなくても第3図柄表示装置81の表示内容を可変させることができるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。
なお、S1333の処理において、停止コマンドを受信していないと判定した場合は(S1333:No)、S1316の処理を実行し、その後、コマンド判定処理2を終了する。
次に、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるウエイト経過演出処理(S1231)について説明する。図63は、このウエイト経過演出処理(S1231)を示すフローチャートである。このウエイト経過演出処理(S1231)は、上述した通り、特定の演出(ウエイト経過演出)を設定するための処理である。
このウエイト経過演出処理(S1231)では、まず、ウエイト計測フラグ223hがオンであるか否かを判別する(S4201)。S4201の処理において、ウエイト計測フラグ223hがオフであると判別した場合は(S4201:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4201の処理において、ウエイト計測フラグ223hがオンであると判別した場合は(S4201:Yes)、ウエイト計測カウンタ223gの値に1加算し(S4202)、次いで、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000より大きいかを判定する(S4203)。S4202の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000より大きいと判定された場合は(S4203:Yes)、前回の変動パターン(変動表示)が終了してから、3秒以上が経過したことを意味する。即ち、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信するのに十分な時間が経過しているにもかかわらず、変動パターンコマンドを受信できていないことを意味するため、何らかの異常(例えば、主制御装置110の故障や、ハーネス等の不具合異常(断線等)によって主制御装置110より出力された変動パターンコマンドを正常に受信することができなかった等)が発生している可能性が高い。よって、この場合には、遊技者やホールにエラーの発生を報知するための表示を設定する表示用エラーコマンドを設定し(S4204)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が3000以下であると判定された場合は(S4203:No)、次いで、ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より大きいかを判定する(S4205)。ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より大きいと判定された場合は(S4205:Yes)、1秒間の図柄の停止期間が経過してから50ミリ秒が経過しているにも拘わらず、変動パターンコマンドを受信していないことを意味する。即ち、主制御装置110において変動パターン(変動時間)を選択する際に、連続して「再選択」が決定され続け、変動パターン(変動時間)の決定が遅れている可能性が高い。よって、この場合には、特定の演出(ウエイト経過演出)の表示を設定するための表示用ウエイト経過演出コマンドを設定し(S4206)、本処理を終了する。一方、S4205の処理において、ウエイト計測カウンタ223gの値が1050より小さいと判定された場合は(S4205:No)、そのまま、本処理を終了する。
S4206の処理で設定された表示用ウエイト経過演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理2(図61参照)のコマンド出力処理(S1202)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用予告コマンドを受信すると、特定の演出(ウエイト経過演出)を第3図柄表示装置81に表示する。
なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
本実施形態では、保留球数が1以上であるにも拘らず、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、ウエイト経過演出を実行するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、所定条件が成立した場合には、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合であっても、ウエイト経過演出を実行しないようにしてもよい。より具体的には、大当たりの判定結果の先読みを行うなどで、次の変動が大当たりとなる変動であることが予め判っている場合には、ウエイト経過演出を実行しないようにしてもよい。これにより、遊技者は保留球数が1以上であるにも拘らず、変動表示が開始されないことに一旦は違和感を抱くこととなるが、その後、大当たりが付与されることによって、変動表示の開始が遅れたことが大当たりとなる前兆であったかのように印象付けることができる。その結果、遊技者の興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技に関する主な制御を実行する主制御装置110の所定の判定(変動パターンを決定するための判定)において、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成している。また、再選択に対応する判定値の個数は、再選択されずに判定結果が導出される判定値の個数がきりのよい個数(250個)となるように設定されている。即ち、所定の判定において各判定結果(変動パターン種別)が決定される確率をパーセンテージで表記した場合に、整数のパーセンテージ(小数点以下がゼロ)となるように設定されている。これにより、各判定結果となる確率をパーセンテージで表記した場合に、より分かり易い値となるため、スペック等をより理解し易い遊技機を提供することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて変動演出が開始される。この変動演出は、入賞が保留されない場合は、入賞後速やかに(例えば、1秒以内)に開始され、入賞が保留される場合は、その保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後速やかに(例えば、1秒以内)に開始されるのが通常である。
しかしながら、入賞後または保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後に速やかに変動演出が開始されない場合、通常であれば遊技が開始されるタイミングであるにも関わらず、遊技が開始されないために、遊技者に対して不信感を与えてしまう虞がある。
例えば、本実施形態では、主制御装置110の変動パターンを決定する処理において所定の割合(6/256)で再選択が選択されるように構成している。このため、連続して「再選択」が決定され続けた場合には、その間変動パターンが決定されないため、1の変動表示が終了してから、次の変動表示が開始されるまでの期間が長くなってしまい、上述した不具合が発生してしまう。
これに対し、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数が1以上であるにも拘らず、前回の変動表示が終了後、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成している。これにより、変動パターンコマンドを受信していなくても第3図柄表示装置81の表示内容を可変させることができるので、次の変動演出が開始されなくても、パチンコ機10が正常に動作していることを遊技者に対して認識させることができる。なお、ウエイト経過演出としては、演出が開始された直後に変動パターンコマンドが通知されたとしても、その変動パターンコマンドにより通知された変動時間に対する影響が少ない演出(即座に終了することができる演出)が実行される。より具体的には、例えば、変動パターンコマンドが通知されるまでの間、1又は複数の停止図柄が輝く演出を実行する。ストーリー性等の無い単純な演出(図柄が輝く演出)を実行することにより、演出中に変動パターンコマンドを受信し、変動を開始させたとしても、遊技者が違和感を抱き難くすることができる。また、変動開始の予兆であったかのように認識させることができる。
本実施形態では、変動パターンコマンドが所定期間(1050ミリ秒)以上通知されなかった場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成したが、これに限られるものではない。変動パターンの抽選結果として「再選択」が所定回数(例えば10回)連続した場合に、特定の演出(ウエイト経過演出)を実行するように構成しても当然よい。
本実施形態では、前回の変動停止から1050ミリ秒が経過した場合にウエイト経過演出(図柄が輝く演出)が実行されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、変動パターンコマンドを受信していなくても、図柄の変動を開始させてもよい。これにより、前回の図柄停止から遅くとも1050ミリ秒後には次の変動が開始されるので、図柄停止の状態が長く続くことを防止(抑制)できる。よって、遊技者が違和感を抱くことなく安心して遊技を行うことができる。
<第3実施形態>
次に、図64〜図70を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、予告演出の種別を抽選(決定)するために用いられる乱数値を、抽選の実行時に演出用乱数生成IC800から1個ずつ取得するように構成されていた。
これに対して第3実施形態では、演出用乱数生成IC800から予め所定個数(100個)の乱数値を取得してRAM223に記憶しておき、その記憶しておいた乱数値を用いて予告演出の抽選(決定)を実行するように構成されている。また、予め乱数値を取得する際には、抽選結果が「再抽選」となる乱数値(即ち、「250〜255」の範囲の乱数値)であるか否かを判別し、「再抽選」が決定されない乱数値(即ち、「0〜249」の範囲の乱数値)のみをRAM223に記憶するように構成されている。即ち、「再抽選」に相当する値はRAM223に記憶せずに破棄するように構成されている。これにより、実際に予告演出の抽選(決定)処理を実行する際には、「再抽選」が決定されることが無くなるため、「再抽選」が連続することで予告演出の決定が遅れてしまうことを防止(抑制)することができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に現在時刻を計時するRTC292が設けられている点、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図64〜図66を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図64は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。図64に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対してRTC292が電気的に接続されている点で第1実施形態と相違する。このRTC292は、現在時刻を計時することができる。音声ランプ制御装置113は、このRTC292の計時する時刻を取得することができる。詳細については後述するが、本実施形態では、電源投入時(RAM223に対して所定個数(100個)の乱数値が格納されていない場合)に、RAM223に対して予め定められた乱数値を演出カウンタ初期値テーブル222cから読み出して記憶するように構成されている。この演出カウンタ初期値テーブル222cには、RAM223に格納する100個の乱数値の初期値として、複数のパターン組み合わせが規定されている。本実施形態では、RTC292から取得した現在時刻に応じて、異なる組み合わせの乱数値を初期値として設定するように構成している。これにより、乱数の初期値を迅速に決定しつつ、初期値として設定される乱数値をよりランダムな値とすることができる。
次に、図65(a)を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222について説明する。図65(a)に示した通り、本実施形態のROM222には、第1実施形態におけるROM222の構成に加え、演出カウンタ初期値テーブル222cが設けられている。この演出カウンタ初期値テーブル222cは、予告演出を選択する際に参照される乱数値の初期値を選択するために用いられるデータテーブルである。この演出カウンタ初期値テーブル222cには、初期値として選択可能な所定個数(100個)の乱数値の組み合わせが複数(10パターン)規定されている。また、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定された全ての乱数値は、「0〜249」の範囲の値である。即ち、初期値として設定される乱数値は、「再選択」が決定される乱数値の範囲(即ち、「250〜255」)以外の乱数値である。これにより、予告演出の種別を選択する場合に、「再選択」が選択されることなく種別を選択することができるので、予告演出の決定(選択)に係る処理時間を短くすることができる。
パチンコ機10に対して電源が投入されると、この演出カウンタ初期値テーブル222cが参照されて初期値が選択される。選択された初期値は、後述する演出カウンタ格納エリア223iに格納される。
演出カウンタ初期値テーブル222cの詳細について、図66を参照して説明する。図66は、演出カウンタ初期値テーブル222cの規定内容の一例を示した図である。図66に示した通り、演出カウンタ初期値テーブル222cには、100個の乱数値の組み合わせ(配列No.1〜100)が10パターン(テーブルNo.1〜10)規定されている。本実施形態では、電源投入に基づいて実行される立ち上げ処理3(図67参照)において、No.1〜10のいずれかのテーブルが選択され、演出カウンタ格納エリア223iに格納される。
なお、No.1〜10のいずれかのテーブルを取得するにあたり、RTC292が計時する現在時刻に応じたテーブルが選択される。より具体的には、電源投入時刻のうち、秒数の下一桁が1であれば、No.1のテーブルが取得され、下一桁2であればNo.2のテーブルが取得される。以降も同様に下一桁が3であればNo.3のテーブル、下一桁が4であればNo.4のテーブル、・・・、下一桁が0であればNo.10のテーブルが選択される。これにより、電源を投入したタイミングに応じて毎回異なる乱数値の組み合わせを初期値として設定することができるので、予告演出を決定(選択)する際に、よりランダムに種別を決定することができる。
なお、テーブル数や各テーブルの配列数は上述したものに限られない。例えば、テーブル数は、15パターンとしてもよいし、5パターンとしても当然よい。配列数は150個としてもよいし、50個としても当然よい。
また、現在時刻に応じたテーブルを選択する方法は、上述したものに限られない。例えば、電源投入時刻のミリ秒の下一桁に応じてテーブルを選択するようにしてもよい。これにより、複数の遊技機に対して同時に電源を投入した場合においても、それぞれの遊技機で選択されるテーブルを相違させる(それぞれの遊技機においてランダムな値を設定する)ことができる。
本実施形態では、RTC292の計時する現在時刻に応じてテーブルを選択するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、その他の計測手段の計測結果(温度、湿度、光量、音量など)に応じて選択するようにしてもよいし、それらの計測結果を組み合わせて選択するようにしても当然よい。さらに、ハードウェア乱数生成ICの生成した乱数値に基づいて選択するようにしてもよいし、ソフトウェアの処理で乱数値を生成し、その乱数値に基づいて選択するようにしても当然よい。
次に、図65(b)を参照して、第3実施形態におけるRAM223の構成について説明する。図65(b)に示した通り、本実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成に加えて、演出カウンタ格納エリア223iと、取得ポインタ223jと、再取得フラグ223kとが設けられている。
演出カウンタ格納エリア223iは、予告演出選択テーブル222bから予告演出を決定(選択)する際に用いる演出カウンタ値(演出用乱数値)を格納するための記憶領域であり、後述する取得ポインタ223jの取り得る値に対応付けられた100個の記憶領域から構成されている。各記憶領域には、予告演出の種別を決定するために用いる乱数値(演出用乱数値)が1個ずつ格納される。この演出カウンタ格納エリア223iに格納される乱数値は、1個の乱数値が予告演出の選択に用いられる度に、新たな乱数値が演出用乱数生成IC800から取得される。取得された乱数値は、予告演出の選択に用いられた乱数値が格納されている記憶領域に対して上書きされる(図69のS4305参照)。これにより、演出カウンタ格納エリア223iには、異なるタイミングで生成された100個の乱数値が格納された状態を保つことができる。
取得ポインタ223jは、演出カウンタ格納エリア223iに記憶された100個の乱数値のうち、何れを選択するかを示すポインタである。予告演出の種別を選択する場合は、この取得ポインタ223jの値が参照され、取得ポインタ223jの値に対応する記憶領域から演出用乱数値が選択され、予告演出選択テーブル222bに規定された判定値(乱数値)に基づいて予告演出の種別が決定される。この取得ポインタ223jの値は、予告演出の種別を決定するために演出カウンタ格納エリア223iから1の乱数値が取得される毎に1ずつ更新される。これにより、演出用乱数をよりランダムな値とすることができる。
再取得フラグ223kは、演出用乱数生成IC800から取得された演出用乱数値が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」の範囲)であったか否かを示すフラグである。この再取得フラグ223kがオンであれば、取得された演出用乱数値が「再選択」に対応する値であり、再度演出用乱数値を演出用乱数生成IC800から取得する必要があることを意味する。一方、オフであれば、演出用乱数値の再取得を行う必要が無いことを意味する。この再取得フラグ223kは、演出用乱数生成IC800から取得した演出用乱数値が「再選択」に対応する値であると判別された場合にオンに設定される(図69のS4304)。また、演出用乱数値の再取得により、「0〜249」の範囲内の値が取得された場合にオフに設定される(図70のS4405参照)。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図67〜図70を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明を行う。まず、図67を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置での立ち上げ処理3について説明する。
この第3実施形態における立ち上げ処理3のうち、S1101〜S1111の各処理では、第1実施形態の立ち上げ処理(図26参照)のS1101〜S1111の各処理と同一の処理が実行される。また、第3実施形態における立ち上げ処理3(図67参照)では、S1110の処理が終了すると、次に、RTC292から現在時刻に対応する時刻情報を取得し(S1131)、取得した時刻情報に基づいて、演出カウンタ初期値テーブル222cから演出カウンタ格納エリア223iに格納する演出用乱数値100個分の初期値の組み合わせを選択し、演出カウンタ初期値テーブル222cに格納(初期値を設定)する(S1132)。S1132の処理が終了すると、S1111の処理へ移行する。
この立ち上げ処理3において、予めROM222に規定された初期値の組み合わせを選択して演出カウンタ格納エリア223iに設定する構成とすることにより、演出等乱数生成IC800から演出用乱数の初期値を1つ1つ取得する場合に比較して、演出用乱数の初期値を迅速に決定することができる。よって、より早く遊技者による遊技を実行可能な状態へと移行させることができる。
次に、図68のフローチャートを参照して、音声ランプ制御装置113におけるメイン処理3(図68参照)について説明する。この第3実施形態におけるメイン処理3(図68参照)のうち、S1201〜S1210、およびS1212〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1201〜S1210、およびS1212〜S1218の各処理と同一の処理が実行される。
また、本実施形態におけるメイン処理3(図68参照)では、S1210の処理が終了すると、前回演出カウンタ格納エリア223iに格納された演出用乱数値を更新する際に、「再選択」に対応する演出用乱数値が取得された場合に、再度演出用乱数値を取得して演出カウンタ格納エリア223iを更新するための再取得処理を行い(S1261)、S1212以降の処理へ移行する。なお、再取得処理(S1261)の詳細については、図70を用いて後述する。
次に、図69を参照して、第2実施形態における予告演出選択処理3(S1406)について説明する。この予告演出選択処理3(S1406)は、第1実施形態における予告演出選択処理(図33参照)に代えて変動表示設定処理(図32参照)の中で実行される処理であり、第1実施形態における予告演出選択処理(図33参照)と同様に、演出用乱数生成IC800によって生成された演出用乱数値から予告演出の種別を選択して表示制御装置114に通知するための処理である。
この予告演出選択処理3(S1406)ではまず、演出カウンタ格納エリア223iに格納された100個の演出用乱数値のうち、取得ポインタ223jの値が示す記憶領域(アドレス)に格納された演出用乱数値を取得する(S4301)。次いで、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を新たな演出用乱数値として取得し(S4302)、取得したレジスタ値が「再選択」に相当する値(即ち、「250〜255」の範囲内)であるか否かを判別する(S4303)。
S4303の処理において、取得したレジスタ値(演出用乱数値)が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」の範囲内)であると判別した場合は(S4303:Yes)、再取得フラグ223kをオンに設定することで演出用乱数値の再取得を設定して(S4304)、S4306の処理へ移行する。一方で、S4303の処理において、演出用乱数生成IC800から取得したレジスタ値が「再選択」の範囲外(即ち、「0〜249」の範囲内)であると判別した場合は(S4303:No)、取得したレジスタ値を、演出カウンタ格納エリア223iのうち、取得ポインタ223jの値に対応する記憶領域(アドレス)に対して新たな演出用乱数値として格納し(S4305)、S4306の処理へと移行する。
S4306の処理では、取得ポインタ223jを1加算することにより更新し(S4306)、更新後の取得ポインタ223jの値が100より大きい値となったか否かを判別する(S4307)。S4307の処理において、更新後の取得ポインタ223jの値が100より大きいと判別した場合は(S4307:Yes)、取得ポインタ223jを0に初期化して(S4308)、S4309の処理へ移行する。一方で、S4307の処理において、更新後の取得ポインタ223jの値が100以下であると判別した場合は(S4307:No)、S4308の処理をスキップして、S4309の処理へ移行する。
S4309の処理では、予告演出を設定する変動演出が、大当たりを報知するための変動演出であるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を判別し(S4309)、大当たりであると判別した場合は(S4309:Yes)、大当たり用予告演出選択テーブル222b1(図11(b)参照)と、S4301の処理において取得された演出用乱数(演出カウンタ)とに基づいて予告演出の種別を選択し(S4310)、処理をS4312へと移行する。
一方で、S4309の処理において、大当たりで無いと判別した場合は(S4309:No)、外れ用予告演出選択テーブル222b2(図11(c)参照)と、S4301の処理において取得した演出用乱数値(演出カウンタ)とに基づいて予告演出を選択し(S4311)、処理をS4312へと移行する。S4312の処理では、予告演出の選択結果に基づいて予告演出コマンドを設定し(S4312)、この処理を終了する。
次に、図70のフローチャートを参照して、再取得処理(S1261)について説明する。この再取得処理(S1261)は、上述した通り、前回演出カウンタ格納エリア223iに格納された演出用乱数値を更新する際に、「再選択」に対応する演出用乱数値が取得された場合に、再度演出用乱数値を取得して演出カウンタ格納エリア223iを更新するための処理である。
この再取得処理(S1261)では、まず、再取得フラグが223kオンであるか否かを判別し(S4401)、オンでない(オフである)と判別した場合は(S4401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4401の処理において、再取得フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4401:Yes)、演出用乱数生成IC800からレジスタ値(演出用乱数値)を取得する(S4402)。次に、S4402の処理において取得されたレジスタ値が「再選択」に対応する値(即ち、「250〜255」)であるか否かを判別し(S4403)、「再選択」に対応する値であれば(S4403:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4403の処理において、取得したレジスタ値が「再選択」の範囲外(即ち、「0〜249」)であると判別した場合は(S4403:No)、取得ポインタ223jの値を読み出して、その読み出した値から1を減算した値に対応する演出カウンタ格納エリア223iの記憶領域(アドレス)に対して、S4402の処理で取得したレジスタ値(演出用乱数値)を格納する(S4404)。次いで、再取得フラグ223kをオフに設定して(S4405)、本処理を終了する。
この再取得処理(S1261)により、演出用乱数生成IC800から「再選択」の範囲外となる演出用乱数値のみを演出カウンタ格納エリア223iに格納することができるので、予告演出の選択時において演出カウンタ格納エリア223iから読み出された演出用乱数値が「再選択」に対応する値となることを防止(抑制)することができる。よって、一回の予告演出を選択する処理によって必ずいずれかの予告演出の種別(予告演出A〜C)を選択(決定)することができるので、処理時間を短縮することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、RAM223に設けられた演出カウンタ格納エリア223iに対して、予め所定個数(100個)の演出用乱数値を格納しておき、その予め格納された演出用乱数値を用いて予告演出の抽選(決定)を実行するように構成している。複数(100個)の乱数値を予め格納しておくことにより、演出カウンタ格納エリア223iに乱数値が格納されていない状況が発生することを防止(抑制)できるので、毎回の予告演出を決定するための処理において正常に決定(判定)を行うことができる。また、格納された乱数値が予告演出の決定に使用される毎に、使用した乱数値を破棄して新たな乱数値を演出用乱数生成IC800から取得し、演出カウンタ格納エリア223iに上書きするように構成されている。内容を順次上書き(更新)していくことにより、同じ乱数値が判定に繰り返し使用されることを防止(抑制)できるので、演出用乱数値のランダム性を確保することができる。
また、演出カウンタ格納エリア223iに対しては、「再選択」が決定される乱数値の範囲外の値(即ち、「0〜249」の範囲の乱数値)のみを格納するように制御される。このように構成することで、演出カウンタ格納エリア223iに格納された所定個数の乱数値のうち、1の乱数値を取得すれば、1回の予告演出の判定を実行するだけで予告演出の種別を決定することができる(即ち、「再選択」が決定されることなく、予告演出A〜Cの何れかを決定することができる)。よって、予告演出の種別を決定するための処理に要する時間を短縮することができるので、確実に予告演出の開始タイミングまでに予告演出の種別を表示制御装置114に対して通知することができる。
また、本実施形態では、電源投入時に演出カウンタ格納エリア223iに格納する演出用乱数値の初期値を、ROM222の演出カウンタ初期値テーブル222cに規定しておき、立ち上げ処理3(図67参照)の中で、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定されたいずれかの初期値の組み合わせを演出カウンタ格納エリア223iへと転送するように構成されている。また、演出カウンタ初期値テーブル222cに規定された全ての演出用乱数値は、いずれかの判定結果(予告演出A〜Cのいずれかが決定される)範囲内の値(「0〜249」の範囲内の値)となるように規定されている。このように構成することで、演出用乱数生成IC800から初期値を1つ1つ取得する場合に比較して、演出カウンタ格納エリア223iに初期値を格納するまでに要する時間を短縮できる。演出用乱数生成IC800から初期値を1つ1つ取得する構成とした場合は、乱数値を1つ取得する毎に、「再選択」に相当する値か否かを判別して、「再選択」に相当する値の場合はいずれかの判定結果となる範囲内(「0〜249」の範囲内)の乱数値となるまで新たに乱数値を取得し直さなければならないためである。演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(100個)分の演出用乱数値の初期値を格納する時間を短縮することにより、パチンコ機10による遊技が可能となるまでの期間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、100個の乱数値を演出カウンタ格納エリア223iに格納するように構成していたが、個数は100個に限られず任意に定めることができる。
本実施形態では、演出用乱数生成IC800が生成する乱数値(所謂、ハード乱数の値)を演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(100個)格納するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、ソフトウェアの処理で生成される乱数値(所謂、ソフトウェア乱数の値)を演出カウンタ格納エリア223iに所定個数(例えば、100個)格納するように構成してもよい。ソフトウェアの乱数値はソフトウェアの処理において1ずつ加算されるものが一般的である。そのため、抽選結果を再抽選するために再度ソフトウェア乱数の値を取得した場合、その乱数値は更新が十分にされていない値となっている可能性が高い。即ち、ランダムな値となる乱数値を取得することができない。そこで、本実施形態のように、予め乱数値を演出カウンタ格納エリア223iに格納しておくことで、抽選結果を再抽選する場合においてもランダムな値となる乱数値を取得することができる。
<第4実施形態>
次いで、図71〜図77を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1〜第3実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合に、特別図柄の抽選に用いる各種情報(各種カウンタ値)を取得し、球がスルーゲート67を通過したことが検出された場合に、普通図柄の抽選に用いる情報(第2当たり乱数カウンタC4の値)を取得するように構成されていた。即ち、始動入賞が検出されたか、スルーゲート67の通過が検出されたかに応じて異なる取得動作を実行するように構成されていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合にも、スルーゲート67の通過が検出された場合にも、一括して全ての乱数値を取得し、検出内容に応じて必要な乱数値を抽選(判定)に用いるように構成されている。始動入賞であるか、スルーゲート67の通過であるかによらず一括して乱数値を読み込む構成とすることにより、パチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、乱数値の取得動作をまとめて確認することができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とが主制御装置110の入出力ポート205に対して電気的に接続されている点、主制御装置110に設けられたRAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態における電気的構成>
まず、図71を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図71は、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図71に示した通り、本実施形態では、第1実施形態におけるパチンコ機10の構成に加え、主制御装置110の入出力ポート205に対して特図用乱数生成IC900と、普図乱数生成IC901とが電気的に接続されている。特図用乱数生成IC900、および普図乱数生成IC901は、第2実施形態におけるパチンコ機10に設けられていた同一名称のICと同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図72を参照して、本実施形態における各種カウンタ値について説明する。図72に示した通り、本実施形態では、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901に設けられた各レジスタの値(第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、変動種別レジスタRS1、第2当たり乱数レジスタR4の値)を、各種抽選に用いる乱数値(第1実施形態における第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4)として取得し、カウンタ一時記憶エリア203pに格納するように構成している。また、これらのカウンタ値は同じタイミングで一括して各ICから取得され、カウンタ一時記憶エリア203pに格納される。
始動入賞を検出したことにより各レジスタの値がカウンタ一時記憶エリア203pに一括して格納された場合には、格納された各レジスタ値(乱数値)のうち、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値が特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに格納される。一方、スルーゲート67への入球を検出したことにより各レジスタの値が一括してカウンタ一時記憶エリア203pに格納された場合は、第2当たり乱数レジスタR4の値が普通図柄保留球格納エリア203bの空きエリアに格納される。
レジスタの値を取得する契機に関係なく、全てのレジスタの値(乱数値)を一括してカウンタ一時記憶エリア203pへと格納するように構成することで、レジスタの値を取得する際にどのレジスタを指定して値(乱数値)を取得すればよいか判別する処理を省略することができるので、迅速にレジスタ値(乱数値)をカウンタ一時記憶エリア203pへと格納することができる。またパチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、乱数値(レジスタ値)の取得動作をまとめて確認することができる。
次に、図73のブロック図を参照して、第4実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の構成について説明する。図73に示した通り、第4実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に加えて、特図連続クリアカウンタ203nが設けられている。また、第1実施形態におけるRAM203に設けられていたカウンタ用バッファ203yに代えて、カウンタ一時記憶エリア203pが設けられている。
特図連続クリアカウンタ203nは、スルーゲート67の通過に基づく各種レジスタ値の一括取得が実行された連続回数(即ち、特別図柄の抽選が実行されずに、連続して普通図柄の抽選が実行された回数)をカウントするためのカウンタである。上述した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選や普通図柄の抽選に用いるカウンタ値(レジスタ値)を、取得契機によらずに一括して取得するように構成されている。このため、カウンタ値(レジスタ値)の取得条件が比較的成立し易いスルーゲート67の通過を意図的に発生させ、取得された乱数値(レジスタ値)のうち、大当たりの抽選に用いる第1当たり乱数レジスタR1の値を外部から解析する不正が行われる可能性がある。この不正行為が実行されると、特図用乱数生成IC900におけるレジスタ値の更新の傾向から、大当たりに対応するレジスタ値になるタイミングまで解析されてしまい、不正に大当たりを引き当てられてしまう虞がある。この不正行為を防止するために、本実施形態では、特図連続クリアカウンタ203nによってスルーゲート67を球が連続して通過した回数をカウントし、カウント値が所定回数以上となった場合には不正行為の可能性があると判別してエラー表示を設定するように構成されている。これにより、大当たりに対応する乱数値が取得されるタイミングを解析し、大当たりを引き当てるという不正行為を防止(抑制)することができる。
この特図連続クリアカウンタ203nは、初期値が0に設定されており、スルーゲート通過処理4(図75参照)において、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された各カウンタ値(レジスタ値)のうち、第2当たり乱数レジスタR4の値が普通図柄保留球格納エリア203bへと格納される毎に値が1ずつ加算される(図75のS664参照)。一方、始動入賞処理4(図74参照)において、特別図柄の抽選に用いる各種カウンタ値(レジスタ値)が特別図柄保留球格納エリア203aに格納される毎に0に初期化される(図74のS463参照)。
カウンタ一時記憶エリア203pは、上述した通り、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901より取得されたレジスタ値(乱数値)を一時的に格納するための記憶領域である。このカウンタ一時記憶エリア203pに格納された各種レジスタ値(乱数値)は、値を取得した契機に応じて対応する記憶領域(特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203bのいずれか)に転送される。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、第4実施形態における主制御装置110の制御処理について、図74および図75を用いて説明する。まず、図74を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理4(S105)について説明する。図74は、この第4実施形態における始動入賞処理4を示すフローチャートである。この始動入賞処理4(S105)は、第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)に代えてタイマ割込処理(図19参照)の中で実行される処理である。
この第4実施形態における始動入賞処理4(図74参照)のうち、S401〜S405の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図22参照)のS401〜S405の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における始動入賞処理4(図74参照)では、S401の処理を実行した後、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を特図用乱数生成IC900、普図用乱数生成IC901よりそれぞれ取得し、RAM203に設けられたカウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S461)。
また、本実施形態における始動入賞処理4(図74参照)では、S405の処理が終了すると、S461の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3の各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空きエリアに転送する(S462)。次いで、特図連続クリアカウンタ203nの値を0に初期化した後(S463)、カウンタ一時記憶エリア203pをクリアし(S464)、本処理を終了する。
次に、図75を参照して、第4実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理4(S107)について説明する。図75は、第4実施形態におけるスルーゲート通過処理4を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理4(図75参照)は、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)に代えてタイマ割込処理(図19参照)の中で実行される処理である。
このスルーゲート通過処理4(S107)のうち、S601〜S604の各処理では、第1実施形態におけるスルーゲート通過処理(図24参照)のS601〜S604の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理4(図75参照)では、S601の処理において球がスルーゲート67を通過したと判別された場合に(S601:Yes)、次いで、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を、それぞれ特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901より取得し、カウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S661)。
また、本実施形態におけるスルーゲート通過処理4(図75参照)では、S604の処理が終了すると、S661の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された各種レジスタ値のうち、第2当たり乱数レジスタR4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S662)。そして、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された各レジスタ値をクリアし(S663)、特図連続クリアカウンタ203nの値に1を加算する(S664)。
次に、特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上であるかを判定する(S665)。特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上でなければ(S665:No)、そのまま本処理を終了する。特図連続クリアカウンタ203nの値が10以上であれば(S665:Yes)、エラーコマンドを設定し(S666)、本処理を終了する。
このように、普通図柄の抽選が連続して10回以上実行された場合にエラーを報知するように構成することで、スルーゲート67の通過を契機に一括して取得される各レジスタ値のうち、第1当たり乱数レジスタR1の値を解析する不正行為を防止(抑制)することができる。より詳述すると、上述した通り、本実施形態では、特別図柄の抽選や普通図柄の抽選に用いるカウンタ値(レジスタ値)を、取得契機によらずに一括して取得するように構成されている。このため、カウンタ値(レジスタ値)の取得条件が比較的成立し易いスルーゲート67の通過を意図的に発生させ、取得された乱数値(レジスタ値)のうち、大当たりの抽選に用いる第1当たり乱数レジスタR1の値を外部から解析する不正が行われる可能性がある。この不正行為が実行されると、特図用乱数生成IC900におけるレジスタ値の更新の傾向から、大当たりに対応するレジスタ値になるタイミングまで解析されてしまい、不正に大当たりを引き当てられてしまう虞がある。この不正行為を防止するために、本実施形態では、特図連続クリアカウンタ203nによってスルーゲート67を球が連続して通過した回数をカウントし、カウント値が所定回数以上となった場合には不正行為の可能性があると判別してエラー表示を設定するように構成されている。これにより、大当たりに対応する乱数値が取得されるタイミングを解析し、大当たりを引き当てるという不正行為を防止(抑制)することができる。
以上説明した通り、第4実施形態におけるパチンコ機10では、始動入賞が検出された場合にも、スルーゲート67の通過が検出された場合にも、一括して全てのレジスタ値(乱数値)を取得してカウンタ一時記憶エリア203pに格納しておき、検出内容に応じた記憶領域(特別図柄保留球格納エリア203a、普通図柄保留球格納エリア203bのいずれか)に転送するように構成されている。レジスタ値(乱数値)を取得する契機に関係なく、全てのレジスタ値(乱数値)を一括してカウンタ一時記憶エリア203pへと格納するように構成することで、レジスタ値を取得する際にどのレジスタを指定して値(乱数値)を取得すればよいか判別する処理を省略することができるので、迅速にレジスタ値(乱数値)をカウンタ一時記憶エリア203pへと格納することができる。また、パチンコ機10の開発段階におけるデバック(動作検証)等において、レジスタ値(乱数値)の取得動作をまとめて確認することができる。
第4実施形態におけるパチンコ機10では、タイマ割込処理(図19参照)の特定の契機に実行されるスイッチ読み込み処理(図19のS101)において、遊技球の始動入賞およびスルーゲート67の通過を検出している。そして、始動入賞が検出された場合には始動入賞処理4(図74参照)において各乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)のレジスタ値を取得し、スルーゲート67の通過が検出された場合にはスルーゲート通過処理4(図75参照)において各乱数生成ICのレジスタ値を取得する。ここで、各乱数生成ICにおける各レジスタ値は、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で格納されている乱数値が更新される。この更新間隔(時間)は、始動入賞処理4(図74参照)において各乱数生成ICのレジスタ値(乱数値)が取得されてから、スルーゲート通過処理4(図75参照)において各乱数生成ICのレジスタ値(乱数値)が取得されるまでの処理時間よりも短いものである。これにより、同一のタイマ割込処理(図19参照)において、遊技球の始動入賞とスルーゲート67の通過とが検出される場合であっても、それぞれ始動入賞に基づいて取得されるレジスタ値(乱数値)と、スルーゲート67の通過に基づいて取得されるレジスタ値(乱数値)とを異ならせることができる。
なお、本実施形態では、10μsに2回の頻度(200kHzの周期)で格納されている乱数値が更新される乱数生成ICを用いるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110から乱数値を取得するタイミングに乱数値を更新可能な乱数生成ICを用いても良い。即ち、任意のタイミングで乱数値を更新して生成可能な乱数生成ICを用いても良い。これにより、乱数値を更新し生成する頻度を最小限とすることができ、消費電力の低減を図ることができる。また、特図用乱数生成IC900と、普図用乱数生成IC901とは更新タイミングが異なる乱数生成ICを用いるようにしても当然よい。例えば、特図用乱数生成IC900は1μsに1回の頻度(1MHzの周期)で更新されるものとし、普図用乱数生成IC901は2μsに1回の頻度(500kHzの周期)で更新されるものとしてもよい。
なお、本実施形態では、乱数生成ICとして、特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901を用いて、それぞれの生成する乱数値を一括で取得可能に構成したが、用いる乱数生成ICは2種類に限られるものではない。乱数生成ICは3種類よりも多くしてもよいし、1種類としてもよい。例えば、乱数生成ICを1種類とする、即ち、乱数生成ICを一つにまとめる。これにより、乱数生成ICより各乱数値を一括で取得する処理において、複数の乱数生成ICより各乱数値をそれぞれ取得するのに比べて、一の乱数生成ICにアクセスするのみで各乱数値を一括で取得することができ、処理負荷を軽減することができる。
<第4実施形態の変形例>
次に、図76、および図77を参照して、第4実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4実施形態では、始動入賞処理4(図74参照)、およびスルーゲート通過処理4(図75参照)において、乱数値(レジスタ値)の取得条件が成立した場合に、特図用乱数生成IC900、および普図用乱数生成IC901によって生成される全ての乱数値(レジスタ値)を一括して取得するように構成されていた。
これに加えて本変形例では、乱数値の取得条件が成立した場合に、同一の1の処理(入賞処理)の中で乱数値(レジスタ値)の取得と、乱数値の格納とを実行するように構成されている。これにより、設計者がデバッグ等を行う場合に、1の処理(入賞処理)のみを確認すれば足りるので、開発時における設計者の負担を軽減することができる。また、スイッチ読み込み処理(S101)において、第1入球口64への入球およびスルーゲート67の通過があったと判別された場合に、1の処理(入賞処理)の中で取得した乱数値(レジスタ値)を用いて、それぞれに対応した乱数値を格納することができるので、処理負荷を軽減することができる。
<第4実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
まず、図76を参照して、第4実施形態の変形例における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5について説明する。図76は、第4実施形態の変形例におけるタイマ割込処理5を示すフローチャートである。なお、第1実施形態におけるタイマ割込処理処理(図19参照)と同一部分については、同一の符号を付しその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
このタイマ割込処理5では、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図19参照)と同様に、まず、S101のスイッチ読み込み処理を実行した後、入賞処理を実行する(SS161)。次に、特別図柄変動処理を実行し(S104)、普通図柄変動処理を実行し(S106)、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理5を終了する。
次に、図77を参照して、第4実施形態の変形例における主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理5の中の一処理である入賞処理(161)について説明する。図77は、第4実施形態の変形例における入賞処理(S161)を示すフローチャートである。
この入賞処理(S161)は、タイマ割込処理5(図76参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)、または、スルーゲート67への通過の有無を判断し、入賞または通過があった場合に、各乱数生成IC(特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901)より各種乱数値を一括で取得し、その各種乱数値を用いて第1入球口64への入賞(始動入賞)と、スルーゲート67への通過とに対応する処理を実行するための処理である。この入賞処理(S161)により、同一のタイマ割込処理(図76参照)において、遊技球の始動入賞とスルーゲート67の通過とが検出される場合に、始動入賞とスルーゲート67の通過とに基づいてそれぞれ各乱数生成ICより各レジスタ値(乱数値)を取得する場合に比べて、処理負荷を軽減することができる。
入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S4501)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過していないと判別されると(S4501:No)、そのまま本処理を終了し、タイマ割込処理5へ戻る。
一方、球が第1入球口64に入賞、またはスルーゲート67を通過したと判別されると(S4501:Yes)、第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別選択レジスタR3、第2当たり乱数レジスタR4の各値を特図用乱数生成IC900および普図用乱数生成IC901より取得し、RAM203に設けられたカウンタ一時記憶エリア203pへ格納する(S4502)。次に、球が第1入球口へ入賞したか否かを判別する(S4503)。球が第1入球口へ入賞していなければ(S4503:No)、S4504〜S4508の処理を実行せず、S4509の処理へ移行する。一方、球が第1入賞口へ入賞したと判別されると(S4503:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S4504)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S4505)。
そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S4505:No)、S4509の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S4503:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S4505:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S4506)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定し(S4507)、S4501の処理においてカウンタ一時記憶エリア203pに格納された第1当たり乱数レジスタR1、第1当たり種別レジスタR2、停止種別レジスタR3の各値を特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S4508)、S4509の処理へ移行する。尚、S4508の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S4509の処理では、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S4509)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S4509:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S4510)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S4511)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S4509:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S4511:No)、S4514の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S4509:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S4511:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S4512)。そして、S4502の処理において、カウンタ一時記憶エリア203pに格納された第2当たり乱数レジスタR4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S4513)、S4514の処理へ移行する。尚、S4513の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S4514の処理では、カウンタ一時記憶エリア203pの値をクリアし(S4514)、その後、本処理を終了する。
以上説明した通り、第4実施形態の変形例では、乱数値の取得条件が成立した場合に、同一の1の処理(入賞処理)の中で乱数値(レジスタ値)の取得と、乱数値の格納とを実行するように構成されている。これにより、設計者がデバッグ等を行う場合に、1の処理(入賞処理)のみを確認すれば足りるので、開発時における設計者の負担を軽減することができる。また、スイッチ読み込み処理(S101)において、第1入球口64への入球およびスルーゲート67の通過があったと判別された場合に、1の処理(入賞処理)の中で取得した乱数値(レジスタ値)を用いて、それぞれに対応した乱数値を格納することができるので、処理負荷を軽減することができる。
<第5実施形態>
次に、図78〜図84を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、予告演出選択テーブル222bから予告演出を選択する場合に、所定の割合(6/256)で「再選択」が選択されるように構成されていた。
これに対して第5実施形態では、変動パターン選択テーブル222aから変動パターンの態様を決定する際に、「再選択」が決定され得るように構成されている。より具体的には、主制御装置110から通知された変動パターン(変動時間)がスーパーリーチ(60秒)であった場合に、所定の割合で「再選択」が決定される。加えて、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか外れであるかに応じて、「再選択」が決定される割合を異ならせている。そして、スーパーリーチの演出態様を決定する際に、「再選択」が連続して決定された回数に応じて異なる態様の演出を実行するように構成されている。これにより、スーパーリーチ時の演出態様に応じて大当たりであるか、外れであるかを予測させることができるので、遊技者を演出により注目させることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113に設けられたROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図78(a)を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたROM222の構成について説明する。図78(a)に示した通り、本実施形態のROM222には、第1実施形態におけるROM222の構成に加えて、疑似変動補完演出選択テーブル222dが設けられている。この疑似変動補完演出選択テーブル222dは、変動パターンコマンドにより変動時間が60秒のスーパーリーチが通知された場合において、第3図柄表示装置81において表示させる疑似的な変動表示の態様を規定したデータテーブルである。また、第1実施形態におけるROM222に設けられていた予告演出選択テーブル222bが廃止されている。
次に、図78(b)を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられたRAM223の構成について説明する。図78(b)に示した通り、本実施形態のRAM223には、第1実施形態におけるRAM223の構成に対して変動再選択フラグ223mと、変動再選択カウンタ223nとが追加され、予告再選択フラグ223eと、予告再選択カウンタ223fとが削除されている。
変動再選択フラグ223mは、スーパーリーチ選択テーブル222a3から「再選択」が決定されたか否かを示すフラグである。この変動再選択フラグ223mがオンであれば、スーパーリーチ選択テーブル222a3から「再選択」が決定された(スーパーリーチの種別(態様)が決定されていない)ことを意味し、オフであれば、「再選択」が決定されていない(スーパーリーチの種別(態様)が決定された)ことを意味する。この変動再選択フラグ223mは初期値がオフに設定されており、スーパーリーチの種別を選択するための変動パターン選択処理(図83参照)において、スーパーリーチ演出選択テーブル222a3から「再選択」が決定された場合にオンに設定される(図83のS5007参照)。そして、変動再選択処理(図84参照)において、いずれかのスーパーリーチの種別(スーパーリーチ種別A〜C)が決定された場合にオフに設定される(図84のS5110参照)。この変動再選択フラグ223mを参照することにより、スーパーリーチ演出選択テーブル222a3から「再選択」が決定された場合に、変動再選択処理(図84参照)の中でスーパーリーチ種別の再選択(再抽選)を実行することができる。
変動再選択カウンタ223nは、変動演出の種別を再度選択する(再抽選する)処理が連続した回数をカウントするためのカウンタである。即ち、変動パターンコマンドを受信してから変動パターンの種別を決定するまでの間に、スーパーリーチ選択テーブル222a3より「再選択」が決定された回数をカウントするためのカウンタである。上述した通り、本実施形態では、「再選択」が決定された回数に応じて異なる態様の変動パターンが設定されるように構成している。「再選択」が決定された回数は、この変動再選択カウンタ223nの値によって判別される(図84のS5106参照)。変動再選択カウンタ223nは、変動再選択処理が実行される毎に1ずつ加算される(図84のS5103参照)。一方、変動再選択処理においていずれかの変動パターンの態様が選択された場合に0に初期化される(図84のS5109参照)。
次に、図79(a)〜(d)を参照して、第5実施形態における変動パターン選択テーブル222aについて説明する。まず、図79(a)は、第5実施形態における変動パターン選択テーブル222aの構成を示したブロック図である。図79(a)に示した通り、本実施形態における変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から通知された変動パターンコマンドが完全外れを示すコマンドであった場合に、変動パターンの表示態様を選択するための通常変動パターン選択テーブル222a1と、変動パターンコマンドによりノーマルリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのノーマルリーチ選択テーブル222a2と、変動パターンコマンドによりスーパーリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのスーパーリーチ選択テーブル222a3と、変動パターンコマンドによりスペシャルリーチが通知された場合に、変動パターンの表示態様を選択するためのスペシャルリーチ選択テーブル222a4とで構成されている。
次に、図79(b)〜(d)を参照して、変動パターン選択テーブル222aを構成する各データテーブルのうち、スーパーリーチ選択テーブル222a3の詳細について説明する。図79(b)に示した通り、スーパーリーチ選択テーブル222a3として、当たりスーパーリーチが通知された場合に参照される大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと、外れスーパーリーチが通知された場合に参照される外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bとで構成されている。各テーブルは、演出用乱数の値に対応付けて変動パターン種別(スーパーリーチ種別A〜C)が規定されている。
図79(c)に示した通り、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aでは、演出用乱数値が「0〜60」の範囲にスーパーリーチ種別Aが対応付けられており、「61〜120」の範囲にスーパーリーチ種別Bが対応付けられており、「121〜180」の範囲にはスーパーリーチ種別Cが対応付けられている。また、残りの「181〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。仮に、演出用乱数値「0〜255」の全範囲に対していずれかのスーパーリーチ種別を振り分ける構成にすると、演出用乱数値の個数の制約により、各スーパーリーチ種別の比率を、例えば、3種類の種別に対し均等に振り分ける(1:1:1にする)ことができない。即ち、各スーパーリーチ種別の比率を自由に設定することができない。
これに対して本実施形態では、スーパーリーチ種別A〜Cが決定される乱数値を60個ずつ設定し、残りの乱数値を「再選択」に振り分けることにより、スーパーリーチ種別A〜Cのそれぞれが決定される確率を等しくする(スーパーリーチ種別A〜Cの選択比率を1:1:1)ことができる。
なお、各スーパーリーチ種別の選択比率は1:1:1に限られない。所定の基数を決定し、その倍数の個数の演出用乱数値を各スーパーリーチ種別に振り分けることにより、任意の選択比率とすることができる。例えば、所定の基数として30個を、選択比率としてスーパーリーチ種別A:スーパーリーチ種別B:スーパーリーチ種別C=1:2:4を設定すると仮定する。この場合には、スーパーリーチ種別Aに対して30個(30×1)の演出用乱数値を割り当て、スーパーリーチ種別Bに対して60個(30×2)の演出用乱数値を割り当て、スーパーリーチ種別Cに対して120個(30×4)の演出用乱数値を割り当てればよい。また、余った46個(256−30−60−120)の演出用乱数値を「再選択」に割り当てればよい。このように構成することにより、端数を発生させることなく設定通りの選択比率(即ち、1:2:4)を実現することができる。
図79(d)に示した通り、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bでは、演出用乱数値が「0〜80」の範囲にスーパーリーチ種別Aが対応付けられており、「81〜160」の範囲にスーパーリーチ種別Bが対応付けられており、「161〜240」の範囲にはスーパーリーチ種別Cが対応付けられている。また、残りの「241〜255」の範囲には、「再選択」が対応付けられている。即ち、各スーパーリーチ種別に対して演出用乱数値80個ずつ割り当てている。これにより、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと同様に、各スーパーリーチ種別の選択比率を厳密に1:1:1にすることができる。
なお、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bの方が、「再選択」が決定される確率が低くなる(大当たり時:76/256、外れ時:16/256)ように構成している。詳細については後述するが、本実施形態では「再選択」が連続して決定される程大当たりの期待度が高い演出を実行するように構成されている。よって、外れにも拘らず「再選択」が選択され易くなると、期待度が高い演出が実行されたにも拘わらず最終的に外れが報知される状況となり易くなるため、遊技者に不満感を抱かせてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、大当たりとなる場合に比較して、外れの場合に「再選択」が決定される確率を低くし、外れの場合に遊技者に過剰な期待感を抱かせてしまうことを防止(抑制)する構成としている。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図80(a)〜(c)を参照して、上述した疑似変動補完演出選択テーブル222dの詳細について説明する。図80(a)に示した通り、疑似変動補完演出選択テーブル222dは、大当たり用補完演出選択テーブル222d1と、外れ用補完演出選択テーブル222d2とで少なくとも構成されている。この疑似変動補完演出選択テーブル222dは、スーパーリーチに対応する変動パターンの変動開始後15秒〜40秒の表示態様を決定するためのデータテーブルである。
本実施形態では、スーパーリーチに対応する60秒の変動演出の態様を選択する場合に「再選択」が決定されると、15秒間の疑似的な変動演出(図柄が変動表示した後、「3」、「4」、「1」の数字が付された主図柄の組み合わせ(所謂チャンス目)で停止表示される表示演出)が設定される。疑似変動補完演出選択テーブル222dは、この15秒間の疑似的な変動表示が終了した後の表示態様を選択するためのデータテーブルである。
大当たり用補完演出選択テーブル222d1は、当たりスーパーリーチの変動開始後15秒〜40秒の期間において表示される疑似的な変動表示の回数を、「再選択」の決定回数に対応付けて規定したデータテーブルである。図80(b)に示した通り、当たりスーパーリーチの態様を大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aから決定するまでに、「再選択」が連続して決定された回数が「0〜3」の範囲内であれば、補完演出Aがスーパーリーチ時の表示態様として設定される。この補完演出Aは、変動開始後15秒〜40秒の間で疑似的な変動表示(疑似停止)が1回も行われず、最終的に大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示が実行される態様である。即ち、変動開始後の最初の15秒間に実行され、チャンス目が停止表示される疑似的な変動表示と、大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示との合計2回の変動表示が実行される。
また、「再選択」の決定回数が「4〜6」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が1回行われる補完演出Bが選択され、「再選択」の決定回数が「7〜9」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が2回行われる補完演出Cが選択され、「再選択」の決定回数が「10以上」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が3回行われる補完演出Dが選択される。
上述した通り、当たりスーパーリーチの方が、スーパーリーチの種別を決定する際に「再選択」となる確率が高い。そして、図80(b)に示した通り、「再選択」が連続して決定される程、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数が多くなる。よって、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数が多くなる程、遊技者の大当たりに対する期待度を高めることができるので、疑似的な変動表示(疑似停止)の実行回数に注目させることができる。従って、遊技が単調となることを防止(抑制)することができる。
外れ用補完演出選択テーブル222d2は、外れスーパーリーチの変動開始後15秒〜40秒の期間において表示される疑似的な変動表示の回数を、「再選択」の決定回数に対応付けて規定したデータテーブルである。図80(c)に示した通り、外れスーパーリーチの態様を外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定するまでに、「再選択」が連続して決定された回数が「0〜3」の範囲であれば、変動開始後15秒〜40秒の間で疑似的な変動表示(疑似停止)が1回も行われず、最終的に大当たりを示す図柄が停止表示される変動表示が実行される補完演出Aが選択される。即ち、変動開始後の最初の15秒間に実行され、チャンス目が停止表示される疑似的な変動表示と、外れを示す図柄が停止表示される変動表示との合計2回の変動表示が実行される。
また、「再選択」の決定回数が「4〜6」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が1回行われる補完演出Bが選択され、「再選択」の決定回数が「7以上」の範囲には、変動開始後15秒〜40秒の間に疑似的な変動表示(疑似停止)が2回行われる補完演出Cが選択される。即ち、外れスーパーリーチにおいては、変動開始後の15秒間に実行される疑似的な変動表示と、15秒〜40秒の期間において実行される疑似的な変動表示との合計(チャンス目の表示回数)が最大3回となるように構成されている(当たりスーパーリーチの上限回数よりも1回少ない)。よって、1のスーパーリーチにおいて、チャンス目が4回表示された段階で、大当たりとなることが確定するので、遊技者に対して疑似的な変動表示の回数(チャンス目の表示回数)に注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図81〜図84を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図81を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理6(図81参照)について説明する。
この第5実施形態におけるメイン処理6(図81参照)のS1201〜S1210,S1212、およびS1214〜S1218の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1201〜S1210,S1212、およびS1214〜S1218の各処理と同一の処理が実行される。また、第5実施形態におけるメイン処理6(図81参照)では、S1210の処理が終了すると、次いで、前回のスーパーリーチの態様の選択処理において「再選択」が決定された場合に、演出用乱数値を新たに取得して再度スーパーリーチの態様を選択するための変動再選択処理を実行し(S1291)、処理をS1212へと移行する。変動再選択処理(S1291)の詳細については、図84を参照して後述する。
また、本実施形態におけるメイン処理6(図84参照)では、コマンド判定処理(S1212)を実行した後で、変動表示設定処理6を実行し(S1213)、処理をS1214以降へと移行する。この変動表示設定処理6(S1213)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)に代えて実行される。この変動表示設定処理6(S1213)の詳細について、図82、および図83を参照して説明する。
図82は、上述した変動表示設定処理6(S1213)を示すフローチャートである。この変動表示設定処理6(S1213)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを設定する処理である。
この第5実施形態における変動表示設定処理6(S1213)のうち、S1401〜S1405、およびS1407〜S1410の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図32参照)のS1401〜S1405、およびS1407〜S1410の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における変動表示設定処理6(S1213)では、S1403の処理が終了すると、次いで、S1403の処理で抽出した変動パターン(変動時間)に基づいて変動パターンの詳細な態様を決定するための変動パターン選択処理を実行し(S1431)、S1404以降へと処理を移行する。この変動パターン選択処理(S1431)の詳細について、図83を参照して説明する。
図83は、上述した変動パターン選択処理(S1431)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1431)により、主制御装置110からの変動パターンコマンドに応じた変動パターンの詳細な表示態様が決定(選択)される。この変動パターン選択処理(S1431)では、まず、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を演出用乱数値として取得する(S5001)。次に、変動表示設定処理6(図82参照)のS1403の処理において抽出した変動パターンは、スーパーリーチの変動パターンか否かを判別する(S5002)。
S5002の処理において、S5002の処理において、今回の変動パターンコマンドにより通知された変動パターンがスーパーリーチでないと判別した場合は(S5002:No)、抽出した変動種別に対応するテーブルを変動パターンテーブル222aの各テーブルから選択し、その選択したテーブルとS5001の処理において取得された演出用乱数値とに基づいて変動パターンの表示態様を決定(選択)して(S5004)、本処理を終了する。
一方、S5002の処理において、スーパーリーチの変動パターンであると判別した場合は(S5002:Yes)、S5001の処理によって取得した演出用乱数値と、スーパーリーチ選択テーブル222a3とを比較して、演出用乱数値の値に対応する変動パターンの態様を決定(選択)する(S5003)。なお、上述した通り、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが当たりスーパーリーチであれば、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aと演出用乱数値とが比較される。一方、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが外れスーパーリーチであれば、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bと演出用乱数値とが比較される。
S5003の処理が終了すると、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3a、または外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定(選択)されたのが「再選択」であるか否か判別し(S5005)、「再選択」であると判別した場合は(S5005:Yes)、変動開始から15秒間に実行され疑似変動パターン(チャンス目で停止表示される15秒間の疑似的な変動表示)を選択し(S5006)、変動再選択フラグ223mをオンに設定して(S5007)、本処理を終了する。
これに対して、S5005の処理において、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3a、または外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bから決定(選択)されたのが「再選択」でないと判別した場合は(S5005:No)、疑似的な変動表示が実行されず、60秒間の変動表示を実行する態様(長スーパーリーチの態様)を今回の変動パターンの表示態様として選択(決定)し(S5008)、本処理を終了する。
このように、変動パターン選択処理(S1431)では、変動パターンコマンドを受信後、最初の変動パターンの態様の選択時に「再選択」が決定されたか否かに応じて、選択する変動パターンを異ならせている(15秒間の疑似変動パターンの態様、または、60秒の長スーパーリーチの態様)。「再選択」が選択された場合に、15秒間の短い疑似的な変動パターンを設定しておくことにより、その15秒間の間に確実に変動パターンの態様を決定(選択)することができる。「再選択」が選択された場合に、変動パターンの態様が選択されるまで繰り返される変動再選択処理(S1291)は、メイン処理6(図81参照)の中で1ミリ秒毎に実行されるため、15秒間で最大15000回まで再選択を繰り返されたとしても、変動パターンを選択することができる。そして、「再選択」が決定される確率は、大当たり用スーパーリーチ選択テーブル222a3aの場合に76/256、外れ用スーパーリーチ選択テーブル222a3bの場合に16/256である。このため、5000回連続して「再選択」が決定される確率は、確率が高い大当たりの場合でも約1/2.5×10の7911乗となり、統計学的に無視できるほど低確率である。よって、「再選択」が決定された場合に5秒間の疑似変動パターンの態様を設定することにより、変動パターンの態様を再選択する処理を実行する時間を確保することができる。また、15秒間の疑似的な変動演出を、変動開始後15秒〜40秒において実行される可能性がある疑似的な変動演出と同じ態様(チャンス目が停止表示される態様)にしておくことにより、チャンス目が連続して表示される演出の開始を設定することができる。
次に、図84のフローチャートを参照して、変動再選択処理(S1291)の詳細について説明する。この変動再選択処理(S1291)は、上述した通り、前回のスーパーリーチの態様を選択する処理において「再選択」が決定された場合に、演出用乱数値を新たに取得して再度スーパーリーチの態様を選択するための処理である。
この変動再選択処理(S1291)では、まず、変動再選択フラグ223mがオンであるか否かを判別し(S5101)、オフであると判別した場合は(S5101)、変動パターンの態様を再選択する必要が無いことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S5101の処理において、変動再選択フラグ223mがオンであると判別した場合は(S5101)、前回の変動パターン選択処理(図83参照)、または変動再選択処理(図84参照)において変動パターンの態様を選択する際に「再選択」が決定(選択)され、変動パターンの態様が未決定であることを意味するので、まず、演出用乱数生成IC800のレジスタ値を演出用乱数値として新たに取得し(S5102)、次いで、変動再選択カウンタ223nの値に1を加算することにより(S5103)、「再選択」が連続して決定(選択)された回数を更新する。
S5103の処理が終了すると、次いで、S5103の処理により新たに取得された演出用乱数値と、スーパーリーチ選択テーブル222a3(図79(b)〜(d)参照)とを比較して、演出用乱数値に対応する変動パターンを決定(選択)する(S5104)。次いで、S5104の処理による決定(選択)結果が「再選択」であったか否かを判別して(S5105)、「再選択」であれば(S5105:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5105の処理において、決定(選択)されたのが「再選択」でない(即ち、スーパーリーチ種別A〜Cのいずれかが決定(選択)された)と判別した場合は(S5105:No)、変動再選択カウンタ223nの値と、疑似変動補完演出選択テーブル222d(図80(a)〜(c)参照)とを比較して、変動開始後15秒〜40秒の期間に実行する、疑似的な変動表示によりチャンス目が0〜3回停止表示される演出(疑似変動補完演出)の態様を選択する(S5106)。
S5106の処理が終了すると、次に、選択した疑似変動補完演出の種別に対応する20秒間のスーパーリーチの態様(短スーパーリーチの態様)を選択する(S5107)。この短スーパーリーチは、外れスーパーリーチの場合、最終的に外れを示す停止図柄の組み合わせが停止表示され、当たりスーパーリーチの場合、最終的に大当たりを示す停止図柄が停止表示される。なお、この短スーパーリーチの態様は、図柄変動中の状態から開始される。これに合わせて、各疑似変動補完演出(補完演出A〜D)は、実行期間の終了時点(変動開始後40秒時点)において、図柄が変動中の状態が表示される。これにより、疑似変動補完演出から短スーパーリーチの態様への切り替わりを遊技者が認識し難くすることができる。よって、スーパーリーチ時の表示態様に遊技者が違和感を抱くことを防止(抑制)し、安心して遊技を行わせることができる。
S5107の処理後は、S5106の処理で選択した疑似変動補完演出の態様、およびS5107の処理で選択した短スーパーリーチの態様を表示制御装置114に対して通知するための表示用変動パターン追加コマンドを設定して(S5108)、変動再選択カウンタ223nを0に初期化し(S5109)、変動再選択フラグ223mをオフに設定して(S5110)、本処理を終了する。
この変動再選択処理(S1291)により、「再選択」の決定回数に応じて異なる態様の変動パターンを表示させることができるので、多様な演出態様を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、変動パターンコマンドによりスーパーリーチに対応する変動パターン(変動時間)が通知され、変動パターンの態様を音声ランプ制御装置113において選択する場合に、所定の確率で「再選択」が決定されるように構成されている。より具体的には、主制御装置110から通知された変動パターン(変動時間)がスーパーリーチ(60秒)であった場合に、所定の割合で「再選択」が決定される。加えて、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか外れであるかに応じて、「再選択」が決定される割合を異ならせている。そして、スーパーリーチの演出態様を決定する際に、「再選択」が連続して決定された回数に応じて異なる態様の演出を実行するように構成されている。これにより、スーパーリーチ時の演出態様に応じて大当たりであるか、外れであるかを予測させることができるので、遊技者を演出により注目させることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
また、本実施形態では、変動パターン選択処理において「再選択」が決定(選択)された場合に、15秒間の短い疑似的な変動パターンを設定するように構成している。これにより、その15秒間の間に確実に変動パターンの態様を決定(選択)することができる。更に、この15秒間の演出は、その期間の経過後に設定される疑似変動補完演出と同系統の演出が設定されるため、15秒間の演出と、その後の疑似変動補完演出とで互いに関連し合った演出を表示させることができる。よって、演出の内容に遊技者の興味を引き付けることができるので、遊技者の参加意欲を向上させることができる。
なお、本実施形態では、「再選択」が決定された場合に変動開始後の最初の15秒で1回の疑似的な変動表示が実行されるように構成したが、疑似的な変動表示は1回に限られるものではなく、2回以上実行してもよい。
また、本実施形態では、疑似的な変動演出(チャンス目の表示回数)を最大4回としたが、表示回数は任意の回数を定めることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態、各制御例のそれぞれ、またはその一部を組み合わせて構成しても当然良い。さらに、複数の制御装置で構成したが、一つの統合した制御装置またはいくつかを統合した制御装置で構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(整数割合となるように再抽選)
所定範囲で判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段により生成された前記判定値を取得する取得手段とその取得手段により取得された前記判定値が予め定められた設定値と一致するかを判別する判別手段とその判別手段により前記設定値と一致すると判別された場合に、その設定値に対応して設定された処理を実行する制御手段と、を有した遊技機において前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合には、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御する取得制御手段を有し前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A1。
ここで、例えば、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりか否かの抽選や、表示演出の態様の抽選等、各種の抽選を実行する遊技機が知られている。このような抽選では、判定値(例えば、乱数カウンタなど)の値が予め定められた設定値と一致するか否かによって判別され、判定値が設定値と一致する場合に、その設定値に対応して設定された処理(演出の態様の決定など)が実行されるものがある(例えば、特開2002−331078)。この場合、判定値の取り得る値の個数に対する、予め定められた設定値の個数の割合(即ち、各種抽選結果となる確率)が分数や小数となり、パーセンテージに直した場合に、端数(小数点以下)が発生してしまうのが通常であった。即ち、各種抽選結果となる確率(パーセンテージ)を整数化できなかった。しかしながら、遊技機の開発段階においては、各抽選結果となる割合をパーセンテージ(百分率)で設計することが一般的である。このため、遊技機の開発段階において各種抽選結果となる設定値の個数を設計者が振り分ける場合に、パーセンテージ(百分率)で設計した各抽選結果となる確率と、そのパーセンテージに応じた各判定値の個数との対応関係を設計者が直感的に理解し難くなる虞があった。即ち、設計が非効率的になってしまう場合があった。
また、各抽選結果となる確率(割合)を公表する際は、多くの場合、パーセンテージに換算した数値が公表されるのが一般的であるが、パーセンテージに端数(小数点以下)が発生した場合、小数点以下の切り捨て方によっては割合の合計が100%にならない等、遊技者にとって分かり難い表記になってしまう場合があった。
これに対して遊技機A1では、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別された場合に、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得制御手段によって取得手段が制御される。ここで、特定の判定値に設定されている個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されている。
これにより、設定値に設定されている個数の割合を直感的に理解し易い値とすることができるので、遊技機の開発段階において設計を効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。即ち、好適に設定値を設定することができるという効果がある。
遊技機A1において前記生成手段は、前記取得手段が前記判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に前記判定値を更新するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、取得手段が判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に判定値が生成手段によって更新されるので、生成手段によって判定値が更新されるよりも前に取得手段によって複数回同一の判定値が取得されてしまうことを抑制することができる。よって、判別手段による判別結果が偏った結果になってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において前記制御手段により実行される制御処理には、複数の異なる制御処理が設定されており前記制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれには、1または複数の設定値がそれぞれ割り付けられており前記制御手段は、前記判別手段により判別された前記設定値に対応する前記制御処理を実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、制御手段により実行されている制御処理には、複数の異なる制御処理が設定されている。制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれには、1又は複数の設定値がそれぞれ割り付けられている。そして、判別手段により判別された設定値に対応する制御処理が制御手段によって実行される。
これにより、判別手段の判別結果に応じて異なる制御処理を実行することができるので、多種多様な制御処理を実行できるという効果がある。
遊技機A3において前記制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれに割り付けられた前記設定値の個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、制御手段が実行可能な制御処理のそれぞれに割り付けられた設定値の個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において設計をより効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて前記判別手段によって前記予め定められた設定値に一致すると判別されることなく連続して前記判定値が前記特定の判定値であると判別された場合の連続回数を計数する回数計数手段とその回数計数手段により計数された連続回数が特定回数となったことに基づいて前記判別手段による判別を終了させる判別終了手段とを備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段によって予め定められた設定値に一致すると判別されることなく連続して判定値が特定の判定値であると判別された場合の連続回数が回数計数手段によって計数され、その回数計数手段により計数された連続回数が特定回数となったことに基づいて判別手段による判別が判別終了手段によって終了される。
これにより、連続して特定の判定値と判定され続けてしまい、その間他の制御処理が実行できなくなる等の不具合が生じてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A5において前記判別終了手段により前記判別手段による判別が終了された場合に、前記制御手段に対して特定の制御を実行させる実行制御手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、判別終了手段により判別手段による判別が終了された場合に、実行制御手段により制御手段に対して特定の制御が実行させられるので、予め定めた設定値に判別値が一致しないまま判別が終了した場合にも、正常に制御を行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定の判定値に設定されている個数は、所定範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数殿差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において設計をより効率的に行うことができるという効果がある。また、設定値に設定されている個数の割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて表示演出を表示する表示手段とその表示手段において前記表示演出を実行する演出実行手段とを備え前記制御手段は、前記演出実行手段により実行される前記表示演出の種別として、前記設定値に対応して設定された種別を選択するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の何れかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示演出を表示する表示手段に対して、演出実行手段により表示演出が実行される。演出実行手段により実行される表示演出の種別として、制御手段によって設定値に対応して設定された種別が選択される。
これにより、表示演出が選択される割合を遊技者が理解し易い値とすることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて前記判別手段による判別を含む複数の制御処理を所定の制御手順に従って繰り返し実行する複数制御手段を備え前記取得制御手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる前記特定の判定値であると判別した場合には、前記所定の制御手順に基づく他の制御処理を実行してから、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別を含む複数の制御処理が複数制御手段によって所定の制御手順に従って繰り返し実行される。取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別された場合には、所定の制御手順に基づく他の制御処理を実行してから、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得制御手段によって取得手段が制御される。
これにより、取得された判定値が特定の判定値であった場合に、他の制御処理を実行せずに新たな判定値を取得してしまうことを抑制できるので、他の制御処理を遅延させることなく正常に実行することができるという効果がある。
<特徴B群>(サブ側で一定間隔経過に基づいて疑似変動開始)
遊技の制御を実行する主制御手段とその主制御手段から出力される制御信号に基づいて、遊技の制御を実行する周辺制御手段と、を有し前記主制御手段は所定の範囲で判定値を更新して生成する生成手段とその生成手段より取得条件の成立に基づいて、前記判定値を取得する取得手段とその取得手段より取得された前記判定値に基づく判定値情報が記憶される記憶手段とその記憶手段に前記判定値情報が記憶された場合に、記憶されている前記判定値情報の個数を示す個数情報信号を生成する個数情報信号生成手段と前記取得手段より取得した前記判定値情報を始動条件の成立に基づいて判別する判別手段とその判別手段の判別結果を示す識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段とその動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間を示す期間情報信号を生成する期間情報信号生成手段と前記表示手段に特定の判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において前記周辺制御手段は受信した前記期間情報信号が示す前記動的表示期間、前記識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示実行手段と前記識別情報の動的表示が終了した後に、予め定められた所定期間が経過した場合に、前記記憶手段に前記判定値情報が記憶されていることを条件として、前記表示手段に演出図柄の動的表示を開始させる演出図柄動的表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて変動演出が開始される遊技機がある。変動演出は、入賞が保留されない場合は、入賞後速やかに(例えば、1秒以内)に開始され、入賞が保留される場合は、その保留の直前の入賞に基づく変動演出の終了後速やかに(例えば、1秒以内)に開始されるのが通常である(例えば、特開2009−050734)。このような遊技機では、変動演出を開始する指示が遅れ、変動演出が速やかに開始されないと、遊技機が正常に動作していないとの印象を遊技者に与えることとなり、遊技者に対して不信感を与えてしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、周辺制御手段において、受信した期間情報信号が示す動的表示期間、識別情報が動的表示実行手段によって動的表示される。識別情報の動的表示が終了した後に、予め定められた所定期間が経過した場合に、記憶手段に判定値情報が記憶されていることを条件として、演出図柄動的表示手段によって表示手段に演出図柄の動的表示が開始される。
これにより、期間情報信号を受信しないまま所定期間が経過した場合に、演出図柄の動的表示によって正常に動作していると認識させることができる。よって、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記動的表示期間決定手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が予め定められた設定値と一致すると前記判別手段により判別された場合に、前記設定値に対応する前記動的表示期間を決定するものであり前記主制御手段は前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合に、前記生成手段により新たに生成された前記判定値を取得するように前記取得手段を制御する取得制御手段を備え前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定の範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得手段により取得された判定値が予め定められた設定値に一致すると判別手段によって判別された場合に、設定値に対応する動的表示期間が動的表示期間決定手段によって決定される。ここで、主制御手段において、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別した場合に、生成手段により新たに生成された判定値を取得するように取得手段が取得制御手段によって制御される。そして、特定の判定値に設定されている個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が整数となるように設定されている。
これにより、動的表示期間が決定される割合を整数にすることができるので、遊技機の開発段階において動的表示期間の割合を設計する場合に、効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記動的表示期間決定手段により決定される前記動的表示期間として、複数の前記動的表示期間が設定されており前記動的表示期間決定手段が決定可能な前記動的表示期間のそれぞれには、1または複数の設定値がそれぞれ割り付けられており前記動的表示期間決定手段は、前記判別手段により判別された前記設定値に対応する前記動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として、複数の動的表示期間が設定されている。そして、動的表示期間決定手段が決定可能な動的表示期間のそれぞれには、1または複数の設定値が割り付けられている。判別手段により判別された設定値に対応する動的表示期間が動的表示期間決定手段によって決定される。
これにより、判別手段によって判別された設定値に応じて異なる動的表示期間を決定することができるので、決定される動的表示期間を多様にすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記動的表示期間決定手段が決定可能な前記動的表示期間のそれぞれに割り付けられた前記設定値の個数は、前記所定の範囲の前記判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段が決定可能な動的表示期間のそれぞれに割り付けられた設定値の個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているので、各動的表示期間が決定される割合をそれぞれ整数にすることができる。よって、遊技機の開発段階において各動的表示期間が決定される割合を設計する場合に、効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、各動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記周辺制御手段は前記演出図柄動的表示手段により前記演出図柄の動的表示が開始されてから特定期間が経過しても前記期間情報信号を受信しなかった場合に、特定の報知態様を設定する報知態様設定手段を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4の奏する効果に加え、周辺制御手段において、演出図柄動的表示手段により演出図柄の動的表示が開始されてから特定期間が経過しても期間情報信号を受信しなかった場合に、特定の報知態様が報知態様設定手段によって設定されるので、特定の報知態様によって、期間情報信号を特定期間受信していないことを遊技者やホールの店員に認識させることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記特定期間は、前記期間情報信号が示す前記動的表示期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、特定期間は、期間情報信号が示す動的表示期間よりも短い期間に設定されるので、期間情報信号を受信できない状態が複数の動的表示に渡って継続してしまうことを抑制できる。よって、期間情報信号の不具合をより早期に報知することができるという効果がある。
遊技機B2からB6のいずれかにおいて、前記特定の判定値に設定されている個数は、前記所定の範囲の判定値の個数と前記特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、前記設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B2からB6のいずれかが奏する効果に加え、特定の判定値に設定されている個数は、所定の範囲の判定値の個数と特定の判定値に設定されている個数との差分に対して、設定値に設定されている個数の割合が百分率表記で整数となるように設定されているので、遊技機の開発段階において動的表示期間の割合を設計する場合に、より効率的に設計を行うことができるという効果がある。また、動的表示期間が決定される割合を遊技者にとってより判り易い値とすることができるという効果がある。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記取得手段により取得された前記判定値が前記設定値とは異なる特定の判定値であると前記判別手段により判別された場合に、前記判定値がいずれかの前記設定値に一致したと判別されるまで、前記取得制御手段による新たな前記判定値の取得と、前記判別手段によるその新たな判定値の判別とを繰り返すものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2からB7のいずれかが奏する効果に加え、取得手段により取得された判定値が設定値とは異なる特定の判定値であると判別手段により判別された場合に、判定値がいずれかの設定値に一致したと判別されるまで、取得制御手段による新たな判定値の取得と、判別手段によるその新たな判定値の判別とが主制御手段によって繰り返されるので、確実に動的表示時間を決定することができる。よって、周辺制御手段において動的表示が実行されない不具合が生じることを抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(予め演出カウンタを判別して確保)
所定の範囲内の値で構成された判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段より第1条件の成立に基づいて、前記判定値を取得する取得手段とその取得手段に取得された前記判定値が記憶される記憶手段と前記取得手段に取得された判定値を判別する判別手段とその判別手段により前記取得手段により取得された前記判定値が特定の判定値であると判別された場合に、その特定の判定値を前記記憶手段に記憶させずに、新たに生成された前記判定値を前記取得手段に取得させる取得制御手段と第2条件の成立に基づいて、前記記憶手段に記憶された判定値に基づいて、実行する制御処理を決定する制御処理決定手段と、を有し前記特定の判定値の個数は、前記制御処理の実行割合が整数の割合となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1において前記記憶手段は、予め定められた上限個数の前記判定値が記憶可能に構成され、その上限個数を超える場合には、既に記憶されている判定値の一つを上書きして記憶されるものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C1またはC2において前記第1条件は、前記第2条件よりも成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて所定個数の前記判定値を予め規定した判定値規定手段とその判定値規定手段に規定されている前記判定値を電源の投入に基づいて前記記憶手段に対して記憶するように制御する記憶制御手段とを備え前記所定個数の判定値は、前記特定の判定値以外で構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて遊技機前記制御処理決定手段には、複数の前記制御処理から1の前記制御処理を決定するものであり前記複数の制御処理のそれぞれに対して1又は複数の前記判定値が割り付けられているものであり前記複数の制御処理のそれぞれに対して割り付けられた前記判定値の個数は、前記所定の範囲内の値となる判定値の個数と前記特定の判定値の個数との差分に対する割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて前記生成手段は、前記取得手段が前記判定値を取得する最短の間隔よりも短期間に前記判定値を更新するものであることを特徴とする遊技機C6。
<特徴D群>(リプレイを引いたら疑似連)
遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、入球情報を取得する入球情報取得手段とその入球情報取得手段により取得された前記入球情報に基づいて、判別を実行する判別手段とその判別手段による判別結果を示す識別情報が表示される表示手段とその表示手段に特定の前記判別結果を示す前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段と、有した遊技機において所定の範囲で判定値を更新して生成することが可能な生成手段とその生成手段により生成された前記判定値を取得する取得手段と前記識別情報を前記表示手段に動的表示させる動的表示手段とその動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示態様を前記取得手段により取得された前記判定値と前記判別結果とに基づいて決定する動的表示態様決定手段と前記動的表示態様決定手段により前記動的表示態様が決定される場合に、前記取得手段により取得された前記判定値が特定の判定値であると、新たに前記生成手段により生成された前記判定値を前記取得手段に取得させる取得制御手段と1の前記動的表示態様を決定する場合に、前記特定の判定値が前記取得手段に取得されると、その後に新たに取得された前記判定値に基づいて決定された前記動的表示態様の実行中に、前記識別情報を少なくとも1度仮停止させて表示させる仮停止表示手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1において前記仮停止表示手段は、1の前記動的表示態様が決定される場合に、前記特定の判定値が取得された回数に基づいて、前記仮停止させる回数を決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D1またはD2において前記特定の判定値は、前記判別手段に前記特定の判別結果と判定された場合には、多く設定されるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて前記動的表示態様決定手段により決定される前記動的表示態様には前記特定の判別結果と前記判別手段により判別された場合に決定される特定動的表示態様と、前記特定の判別結果以外である場合に決定される通常動的表示態様とが少なくともそれぞれ複数設定されており前記特定動的表示態様と前記通常動的表示態様に対して、それぞれ前記判定値が割り付けて予め設定されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4において前記特定の判定値の個数は、それぞれの前記特定動的表示態様または前記通常動的表示態様が決定される割合が整数となるように設定されているものであることを特徴とする遊技機D5。
<特徴E群>(乱数取得を共通化)
第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と第1条件が成立した場合に、前記第1生成手段より取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であるかを判別する第1判別手段とその第1判別手段により前記特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、前記第2生成手段より取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であるかを判別する第2判別手段とその第2判別手段により前記特定の第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と前記第1条件と前記第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する取得手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行う遊技機がある。このような遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の抽選を行うための特別図柄用判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行うための普通図柄用判定値を取得するものがある。(例えば、特開2012−010910)。この場合、始動口へ遊技球が入賞した場合と、スルーゲートを遊技球が通過した場合とで、制御処理を異ならせる必要があり、制御処理が複雑化してしまうとの不具合があった。
これに対して遊技機E1によれば、第1範囲内の値で第1判定値が第1生成手段により更新して生成される。第1条件が成立した場合に、第1生成手段より取得された第1判定値が特定の第1判定値であるか第1判別手段によって判別され、その第1判別手段によって特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段により第1制御が実行される。第2範囲内の値で第2判定値が第2生成手段によって更新して生成される。第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、第2生成手段により取得された第2判定値が特定の第2判定値であるかが第2判別手段によって判別される。第2判別手段により特定の第2判定値であると判別された場合に第2制御手段により第1制御とは異なる第2制御が実行される。第1条件と第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが取得手段によって取得される。
これにより、第1条件が成立した場合と、第2条件が成立した場合とで取得手段の動作を共通化することができるので、制御処理が複雑化してしまうことを抑制できるという効果がある。即ち、好適な制御処理を実行することができるという効果がある。
遊技機E1において前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とを所定条件が成立するまで記憶する記憶手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とが記憶手段により所定条件が成立するまで記憶されるので、第1判別手段による判別や、第2判別手段による判別を、記憶手段に記憶された各判定値に基づいて実行させることができる。即ち、取得手段によって取得された各判定値を用いて即座に判別する必要が無いので、制御処理における処理順序等の自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機E2において前記所定条件は、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行された場合に、成立するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、所定条件は、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段または第2判別手段の判別が実行された場合に成立するので、取得手段によって取得された第1判定値、または第2判定値が判定に用いられる前に破棄されてしまうことを抑制できる。よって、異常な判定値に基づいて判別が実行されることを抑制できるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する為の制御であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御により遊技者に有利な第1特典を付与するための制御が行われ、第2制御により、第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御が行われる。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて遊技球が入球可能な入球手段と遊技球が通過可能な通過手段と、を備え前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件は、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立し、第2条件は、遊技球が入球可能な入球手段に入球することに基づいて成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて前記第1条件の成立を検知する第1検知手段と前記第2条件の成立を検知する第2検知手段と前記第1検知手段と前記第2検知手段との検知結果に基づいて、所定条件の成立を判別する所定条件判別手段とその所定条件判別手段により前記所定条件の成立が判別された場合に、その成立した前記所定条件に応じた制御を実行する所定制御実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件の成立が第1検知手段によって検知され、第2条件の成立が第2検知手段によって検知される。第1検知手段と第2検知手段との検知結果に基づいて、所定条件の成立が所定条件判別手段によって判別され、その所定条件判別手段により所定条件の成立が判別された場合に、その成立した所定条件に応じた制御が所定制御実行手段によって実行される。
これにより、所定制御実行手段の制御内容に応じて、所定条件の成立が判別されたか否かを容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E6において前記第1検知手段により前記第1条件の成立を検知した回数を計数する計数手段と前記第2検知手段により前記第2条件の成立を検知したことに基づいて前記計数手段の計数結果を初期化する初期化手段と、を備え前記所定条件判別手段は、前記計数手段による前記計数結果が所定回数以上である場合に、前記所定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1検知手段により第1条件の成立を検知した回数が計数手段によって計数される。そして、第2検知手段によって第2条件の成立が検知されたことに基づいて計数手段の計数結果が初期化手段によって初期化される。計数手段による計数結果が所定回数以上である場合に、所定条件が成立したと所定条件判別手段によって判別される。
これにより、第2条件が成立せずに第1条件が所定回数以上連続して検知されたかを、所定制御実行手段の制御内容に応じて容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とに基づいて、第3判定値を生成する第3生成手段とその第3生成手段により生成された前記第3判定値を、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行されるまで前記記憶手段へ記憶させる記憶制御手段と前記記憶手段に記憶された前記第1判定値と、前記第2判定値と、前記第3判定値とに基づいて、特定条件の成立を判別する特定条件判別手段とその特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別された場合に、その成立した前記特定条件に基づく制御を実行する特定制御実行手段とを備えることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とに基づいて、第3生成手段により第3判定値が生成され、その第3生成手段により生成された第3判定値が、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段又は第2判別手段による判別が実行されるまで記憶制御手段によって記憶手段に記憶される。記憶手段に記憶された第1判定値と、第2判定値と、第3判定値とに基づいて、特定条件の成立が特定条件判別手段によって判別され、その特定条件判別手段によって特定条件の成立が判別された場合に、その成立した特定条件に基づく制御が特定制御実行手段によって出力される。
これにより、特定制御実行手段により実行される制御の内容に応じて、特定条件が成立したか否かを容易に判別することができるという効果がある。
遊技機E8において前記特定条件判別手段は、前記記憶手段に記憶された前記第3判定値と、前記第1判定値と前記第2判定値とに基づいて新たに前記第3生成手段により生成された前記第3判定値とが異なる場合に、前記特定条件が成立したと判別することを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された第3判定値と、第1判定値と第2判定値とに基づいて新たに第3生成手段により生成された第3判定値とが異なる場合に、前記特定条件判別手段によって特定条件が成立したと判別されるので、特定制御手段により実行される制御の内容に応じて、第1生成手段および第2生成手段によって正常に各判定値の更新が行われているかを判別することができるという効果がある。
遊技機E1からE9のいずれかにおいて前記第1条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記第2判定値に基づいて所定の判定を行う所定判定手段とその所定判定手段の判定結果に基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E1からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件が成立した場合に、記憶手段に記憶された第2判定値に基づいて所定判定手段によって所定の判定が行われる。そして、所定判定手段による判定結果に基づいて報知手段により報知が行われる。
これにより、報知手段による報知の内容に応じて遊技者が容易に所定の判定の判定結果を知ることができるという効果がある。
遊技機E10において識別情報を表示することが可能な表示手段とその表示手段に前記第2条件の成立に基づいて前記識別情報を動的表示することが可能な動的表示手段と、を備え前記報知手段は、前記動的表示手段による前記動的表示の実行中に、前記所定判定手段の判定結果に基づく演出を表示するものであることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報を表示可能な表示手段に対して、第2条件の成立に基づいて動的表示手段によって識別情報が動的表示される。そして、動的表示手段による動的表示の実行中に、所定判定手段の判定結果に基づく演出が報知手段によって表示される。
これにより、動的表示の実行中における表示態様を多様化することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴F群>(一の割り込み処理内で2回一括取得可能)
第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と遊技の制御処理を繰り返し実行可能な制御手段と所定契機に基づいて、前記遊技の制御処理に割り込んで割込処理を実行することが可能な割込手段と、を有する遊技機において前記割込手段は第1条件が成立したことに基づいて、前記割込処理の一処理として、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する第1取得手段とその第1取得手段により取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記第1取得手段よりも後に実行される前記割込処理の一処理として、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ新たに更新された前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する第2取得手段とその第2取得手段により取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機F1。
ここで、例えば、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行う遊技機がある。このような遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の抽選を行うための特別図柄用判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の抽選を行うための普通図柄用判定値を取得するものがある。(例えば、特開2012−010910)。この場合、始動口へ遊技球が入賞した場合と、スルーゲートを遊技球が通過した場合とで、制御処理を異ならせる必要があり、制御処理が複雑化してしまうとの不具合があった。
これに対して遊技機F1では、割込手段において、第1条件が成立したことに基づいて、割込処理の一処理として、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが第1取得手段によって取得される。そして、第1取得手段により取得された第1判定値が特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段によって第1制御が実行される。また、第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、第1取得手段よりも後に取得される割込処理の一処理として、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ新たに更新された第1判定値と第2判定値とが第2取得手段によって取得される。第2取得手段によって取得された第2判定値が特定の第2判定値であると判別された場合に第1制御とは異なる第2制御が第2制御手段によって実行される。
これにより、第2取得手段では新たに更新された第1判定値および第2判定値を取得するので、第1取得手段により取得される第1判定値および第2判定値とは異なる独立した判定値を取得することができる。よって、第2制御手段において第2判定値が特定の第2判定値であるかを判別される際の公平性を担保することができるとの効果がある。即ち、好適な制御処理を実行することができるという効果がある。
遊技機F1において前記第2生成手段は、少なくとも前記第1取得手段による取得と前記第2取得手段による取得の間において、前記第2判定値を更新して生成するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、少なくとも第1取得手段による取得と第2取得手段による取得の間において、第2生成手段によって第2判定値が更新されて生成されるので、第2条件の成立に基づいて取得される第2判定値は、第1取得手段により第2判定値が取得された後に、新たに更新して生成された判定値となる。よって、一の割込処理において第1取得手段と第2取得手段とによりそれぞれ第1判定値と第2判定値とを取得する場合であっても、第2取得手段により取得される第2判定値は、第1取得手段により取得される第2判定値とは異なる独立した判定値となる。その結果、第2制御手段において第2判定値が特定の第2判定値であるかを判別される際の公平性を担保することができるとの効果がある。
遊技機F1またはF2において前記割込手段は、一の前記割込処理において前記第1条件および前記第2条件が成立していた場合に、前記第1取得手段による取得と前記第2取得手段による取得とを前記一の割込処理において実行するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、一の割込処理において第1条件および第2条件が成立していた場合に、割込手段によって第1取得手段による取得と第2取得手段による取得とが一の割込処理において実行されるので、一の割込処理において第1条件と第2条件とが成立しているかを判断することができ、その一の割込処理において、第1条件と第2条件との成立に基づいて、それぞれ第1判定値および第2判定値を取得することができるので、第1判定値と第2判定値との取得を効率よく行うことができるとの効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与する為の制御であることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御によって遊技者に有利な第1特典が付与される。また、第2制御によって第1特典よりも遊技者に有利な第2特典が付与される。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて遊技球が入球可能な入球手段と遊技球が通過可能な通過手段と、を備え前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過手段を遊技球が通過することに基づいて第1条件が成立する。また、入球手段に遊技球が入球することに基づいて第2条件が成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC6,D1からD5,E1からE11,F1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、始動口への遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の当たり抽選を行い、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の当たり抽選を行う遊技機がある。かかる遊技機では、始動口への遊技球の入賞に基づいて特別図柄の当たり抽選を行うための判定値を取得し、スルーゲートを遊技球が通過することに基づいて普通図柄の当たり抽選を行うための判定値を取得するものがある(例えば、特許文献1:特開2012−010910号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御処理が複雑化してしまう虞があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、好適な制御処理を実行できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と、第1条件が成立した場合に、前記第1生成手段より取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であるかを判別する第1判別手段と、その第1判別手段により前記特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と、第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と、前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、前記第2生成手段より取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であるかを判別する第2判別手段と、その第2判別手段により前記特定の第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と、前記第1条件と前記第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する取得手段と、を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とを所定条件が成立するまで記憶する記憶手段を備える。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2に記載の遊技機において、前記所定条件は、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行された場合に、成立するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり、前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御である。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、遊技球が入球可能な入球手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、を備え、前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり、前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1範囲内の値で第1判定値が第1生成手段により更新して生成される。第1条件が成立した場合に、第1生成手段より取得された第1判定値が特定の第1判定値であるか第1判別手段によって判別され、その第1判別手段によって特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御手段により第1制御が実行される。第2範囲内の値で第2判定値が第2生成手段によって更新して生成される。第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、第2生成手段により取得された第2判定値が特定の第2判定値であるかが第2判別手段によって判別される。第2判別手段により特定の第2判定値であると判別された場合に第2制御手段により第1制御とは異なる第2制御が実行される。第1条件と第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、第1生成手段と第2生成手段とよりそれぞれ第1判定値と第2判定値とが取得手段によって取得される。
これにより、好適な制御処理を実行できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、取得手段により取得された第1判定値と第2判定値とが記憶手段により所定条件が成立するまで記憶されるので、第1判別手段による判別や、第2判別手段による判別を、記憶手段に記憶された各判定値に基づいて実行させることができる。即ち、取得手段によって取得された各判定値を用いて即座に判別する必要が無いので、制御処理における処理順序等の自由度を高めることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2に記載の遊技機の奏する効果に加え、所定条件は、成立した第1条件または第2条件に対応する第1判別手段または第2判別手段の判別が実行された場合に成立するので、取得手段によって取得された第1判定値、または第2判定値が判別に用いられる前に破棄されてしまうことを抑制できる。よって、異常な判定値に基づいて判別が実行されることを抑制できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御により遊技者に有利な第1特典を付与するための制御が行われ、第2制御により、第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御が行われる。
これにより、第1制御または第2制御が実行されることを期待して遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1条件は、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立し、第2条件は、遊技球が入球可能な入球手段に入球することに基づいて成立する。
これにより、第1条件、および第2条件が成立する契機を遊技者に対して認識させることができる。よって、第1条件、又は第2条件が成立したことを認識する毎に、第1制御、または第2制御が実行されることを遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機
203a 特図保留球格納エリア(記憶手段
900 特図用乱数生成IC(更新手段)
S215 特典付与手段
S305,S331 判別手段の一部
S307,S309 動的表示態様決定手段の一部
S431 取得手段
S4206 特定演出実行手段の一部

Claims (5)

  1. 第1範囲内の値で第1判定値を更新して生成する第1生成手段と、
    第1条件が成立した場合に、前記第1生成手段より取得された前記第1判定値が特定の前記第1判定値であるかを判別する第1判別手段と、
    その第1判別手段により前記特定の第1判定値であると判別された場合に第1制御を実行する第1制御手段と、
    第2範囲内の値で第2判定値を更新して生成する第2生成手段と、
    前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合に、前記第2生成手段より取得された前記第2判定値が特定の前記第2判定値であるかを判別する第2判別手段と、
    その第2判別手段により前記特定の第2判定値であると判別された場合に前記第1制御とは異なる第2制御を実行する第2制御手段と、
    前記第1条件と前記第2条件とのどちらか一方が成立することに基づいて、前記第1生成手段と前記第2生成手段とよりそれぞれ前記第1判定値と前記第2判定値とを取得する取得手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記取得手段により取得された前記第1判定値と前記第2判定値とを所定条件が成立するまで記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記所定条件は、前記成立した第1条件または第2条件に対応する前記第1判別手段または前記第2判別手段の判別が実行された場合に、成立するものであることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記第1制御は、遊技者に有利な第1特典を付与する為の制御であり、
    前記第2制御は、前記第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典を付与するための制御であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 遊技球が入球可能な入球手段と、
    遊技球が通過可能な通過手段と、を備え、
    前記第1条件は、前記通過手段を遊技球が通過することに基づいて成立するものであり、
    前記第2条件は、前記入球手段に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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