<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aについて説明する。電動役物34aは、下作動口34に遊技球が入賞しにくい閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、閉鎖状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組合せの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
表示画面Gにおける上記各図柄列Z1〜Z3及び保留表示領域Ga,Gbと重ならない領域、より具体的には表示画面Gにおける右上部には、メイン表示領域Pが設定されている。メイン表示領域Pは、複数(2個)の表示部からなり、これら各表示部における表示色の切換により変動表示が可能となっている。また、メイン表示領域Pは各図柄列Z1〜Z3における変動表示領域よりも小さく、また、メイン表示領域Pにおける各表示部は各図柄(主図柄及び副図柄)よりも小さい。
メイン表示領域Pは、メイン表示部43に対応するものであり、メイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにて変動表示が行われる場合には当該メイン表示領域Pにおいても変動表示が行われる。このように、メイン表示部43に対応する変動表示は、表示画面Gにおいて各図柄列Z1〜Z3による変動表示の他、メイン表示領域Pにおいても行われる。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における図柄列Z1〜Z3及びメイン表示領域Pの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。図8に示すように、当否テーブルとしては、図8(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図8(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、振分テーブルとしては、図9(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図9(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図9(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、図8(a)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、図8(b)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、図柄表示装置41におけるメイン表示領域Pにおける変動表示時間と、をMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口33への入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に上作動口用の入賞検知フラグを格納し、下作動口34への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア235に下作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図10及び図11のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図12のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした上作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて演出制御装置82に送信されることとなるが、保留コマンドには上作動口33及び下作動口34への入賞のうちいずれの作動口への入賞に基づくものであるかの情報が含まれており、演出制御装置82においては当該保留コマンドを受信することにより保留表示領域Ga,Gbにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが上作動口33への入賞に対応している場合には、上作動口用の保留表示領域Gaに上記保留用画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gaにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば上作動口用の始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Ga1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RaNが4であれば全ての保留表示領域Ga1〜Ga4に保留画像が表示されるようになっている。また、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが下作動口34への入賞に対応している場合には、下作動口用の保留表示領域Gbに保留画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gbにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば下作動口用の始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Gb1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RbNが4であれば全ての保留表示領域Gb1〜Gb4に保留画像が表示されるようになっている。なお、ステップS305,S306の各処理についての詳細な説明は後述する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物34aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図14〜図17のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704〜ステップS712にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
具体的には、先ずステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS711において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図9(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図9(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。またステップS709では、今回の遊技回の当否判定結果が、いずれの確変大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS709では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグのいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS710に進む。ステップS710では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS711にて、今回の遊技回の当否判定結果が、通常大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS711では、通常フラグを格納する。その後、ステップS713に進む。
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS712に進む。ステップS712では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。またステップS712では、今回の遊技回の当否判定結果が、外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS712では、通常外れフラグ、特別外れフラグのいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
ステップS709、ステップS711、ステップS712のいずれかの処理を実行した後は、ステップS713にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、今回の遊技結果が各大当たり結果及び特別外れ結果のうちのいずれかであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常フラグ及び特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技結果が通常外れ結果である場合には、ステップS802に進む。ステップS802では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS801及びステップS802の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS804にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が開閉実行モードへ移行する結果(いずれかの大当たり結果及び特別外れ結果)である場合又は同当否抽選の結果が通常外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチとスーパーリーチとが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ及びスーパーリーチそれぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。なお、リーチ発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組合せを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組合せを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS806にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。リーチ非発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
なお、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS713の後は、ステップS714にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS714にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS715にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709、ステップS710及びステップS712のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図18〜図21のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS901では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS904にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS905では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS906では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS907にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS908にて、ラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。
ステップS907又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり及び特別外れ信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS911に進む。ステップS911では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS912にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1001にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1002にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1003にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられたタイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合又はタイマエリアTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でなく且つタイマエリアTの値が「0」である場合には、ステップS1004に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS1005では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101では、高頻度入賞モードであるか否かを判定する。高頻度入賞モードである場合には、ステップS1102にて、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、タイマエリアTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS1103では、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1104にてタイマエリアTに、「100」(すなわち0.2sec)をセットし、続くステップS1105にて入賞カウンタエリアPCに、「6」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図19)において各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1006にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1001にて大入賞口が開放中である場合にはステップS1007に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。タイマエリアTの値が「0」でない場合、ステップS1008にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1009にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントした後にステップS1010にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1007にてタイマエリアTの値が「0」の場合、又はステップS1010にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1011にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS1012ではラウンドカウンタエリアRCの値を1ディクリメントし、ステップS1013にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合にはステップS1014にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS1017にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1013にて、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1018にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS1019にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図18)の説明に戻り、ステップS912にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS913にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS914にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS915にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(以下、当該遊技状態を特別有利状態ともいう)に移行する。ステップS1204の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1206にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1207にて、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。ステップS1207の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1209にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1210にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1211にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS1211の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、そのまま本移行処理を終了する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持される。
遊技状態移行処理(図18)の説明に戻り、ステップS915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。つまり、ラウンド表示部RSにおけるラウンド表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了される場合に終了される。この場合に、開閉実行モードが低頻度入賞モードである場合には高頻度入賞モードに比べ、大入賞口32aの開閉回数が少なく且つ大入賞口32aの開放時間及び閉鎖時間が短く設定されている。したがって、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示されている期間は、高頻度入賞モードよりも短い。さらに言うと、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示される結果表示は、遊技回が終了する場合に開始され、次の遊技回が開始されるまで継続される。したがって、開閉実行モードに移行する場合には、上記結果表示は、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示される前から表示が開始され、当該ラウンド回数の内容の表示が終了された後まで継続される。つまり、結果表示は、ラウンド回数の内容の表示よりも長期間に亘って維持される。
その後、ステップS917にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容に対応する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始するよりも前のタイミングにおいて所定の確率で実行される構成となっている。そこで、この保留予告の概要について図22を参照して説明する。
保留予告は、その保留予告の対象となっている保留情報の遊技回が開始されるよりも前の遊技回における停止結果(停止図柄の組合せ)を利用して行われる。具体的には、その対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回の停止結果として、有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せを形成させずに、且つ、同一の図柄を全ての図柄列Z1〜Z3において停止表示させることで、保留予告の対象となっている保留情報の内容を示唆する構成となっている。
例えば保留予告の対象となっている保留情報が確変大当たり結果であれば、図22(a)に示すように、当該保留予告の対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回において、特定図柄の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の特定図柄を全ての図柄列Z1〜Z3に停止表示させて遊技回を終了させる。なお、以下の説明においては、この停止態様を保留予告の停止態様ともいう。
この保留予告は、対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回において、複数回の遊技回に亘って実行される。すなわち、図22(a)に示す遊技回の次の遊技回として、図22(b)に示すように、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回において、特定図柄による保留予告の停止態様にて遊技回を終了させる。そして、図22(c)に示すように、保留予告の対象となっている遊技回において、特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させて遊技回を終了させ、15R確変大当たり結果の発生が明示される。
図による説明は省略するが、保留予告の対象となっている保留情報が通常大当たり結果であれば、当該保留予告の対象となっている遊技回よりも前の遊技回において、非特定図柄による保留予告の停止態様にて遊技回を終了させる。その後、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において、非特定図柄の組合せを有効ライン上に停止表示させ遊技回を終了させ、通常大当たり結果の発生が明示される。このようにすることで、遊技者は、保留予告の内容(停止結果)から、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回においていずれの大当たり結果となるかを把握することが可能となる。
この保留予告は、いずれかの大当たり結果となる保留情報において所定の確率で実行されるとともに、通常外れ結果となる保留情報においても所定の確率で実行される。この場合、保留予告の対象となっている保留情報が通常外れ結果であるため、保留予告の対象となっている遊技回となると、特定図柄(非特定図柄)の組合せを有効ライン上に停止させずに、且つ、同一の特定図柄(非特定図柄)を全ての図柄列Z1〜Z3に停止表示させずに遊技回を終了させる。この場合、図22(d)に示すように、図柄列Z1〜Z3のうちの所定数(2つ)の図柄列においては対象となっている図柄を停止させ、残りの図柄列において、当該対象となっている図柄を全有効ラインから1図柄分、変動先側又は変動基側にずらして停止させる。すなわち、当該対象となっている図柄を枠外に停止させる。なお、以下の説明においては、この停止態様を外れ保留予告の停止態様ともいう。
次に保留予告に関する電気的構成及び制御処理について説明する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図23のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<保留予告に関する処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に係る処理について説明する。保留予告に係る処理としては、上記保留用の確認処理(図12のステップS305)と保留コマンドの設定処理(図12のステップS306)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図11)、詳しくはステップS205の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動口33,34への入賞が発生したタイミングで実行される構成となっている。
以下に、図25のフローチャートを参照し保留用の確認処理について説明する。
<保留用の確認処理>
保留用の確認処理では、ステップS1301にて、保留球格納エリア232の各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア232の総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1302〜S1306にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1302にて、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1303では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1304に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1305に進み、図8(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1304又はステップS1305の後はステップS1306に進み、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選又は特別外れ結果に対応しているか否かを判定する。大当たり当選又は特別外れ結果に対応している場合には、ステップS1307にてMPU202のレジスタに大当たり情報又は特別外れ情報を記憶し、そのまま本保留用の確認処理を終了する。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1309では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1309の処理を実行した後はステップS1310に進み、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1311にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、保留情報の当否判定結果と変動表示時間とを演出制御装置82側へ把握させるための処理である。
ここで先ず、各遊技回の変動表示時間について再度説明する。
既に説明したとおり、遊技回における変動表示時間は、変動開始処理(図16)の変動時間の設定処理(ステップS713、図17)にて設定される。かかる処理において、リーチ表示が発生する場合にはリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照し、リーチ表示が発生しない場合にはリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間が設定される。
本パチンコ機10では、リーチ表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されている。ここで、スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり当選の期待度が高く設定されたリーチ表示である。さらにスーパーリーチには、スーパーリーチAとスーパーリーチBとが設定されている。スーパーリーチAとスーパーリーチBとは、スーパーリーチAのほうがスーパーリーチBよりも大当たり当選の期待度が高く設定されており、演出内容も相違している。具体的には、スーパーリーチAでは、実写のムービーが再生されるように設定されており、スーパーリーチBでは、アニメーションムービーが再生されるように設定されている。
リーチ発生用変動表示時間テーブル及びリーチ非発生用変動表示時間テーブルについて詳細に、図26を参照して説明する。
リーチ発生用変動表示時間テーブルでは、図26(a)に示すように、保留球格納エリア232に格納された変動種別カウンタCSの数値情報によって、リーチ表示の種類と変動表示時間が一義的に定められている。具体的には、遊技結果がいずれかの大当たり結果又は特別はずれ結果である場合、すなわち開閉実行モードへ移行する遊技結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3によらずにリーチ表示が発生する。この場合、変動種別カウンタCSによって、リーチ表示の種類と変動表示時間が定められている。具体的には、両スーパーリーチA,Bの方がノーマルリーチよりも選択される確率が高く、また、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が選択される確率が高く設定されている。そして、各リーチ表示の変動表示時間は、両スーパーリーチA,Bのほうがノーマルリーチよりも長い。より具体的に説明すると、変動種別カウンタCSが「0〜49」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「50〜179」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「180〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合の変動表示時間はいずれも「60sec」であり、ノーマルリーチが選択された場合の変動表示時間は「30sec」である。
遊技結果が通常外れ結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ表示が発生するか否かが決定され、リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にリーチ表示が発生する。リーチ表示の種類としては、両スーパーリーチA,Bよりもノーマルリーチが選択される確率が高く設定されており、変動種別カウンタCSが「0〜9」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「10〜39」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「40〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合、変動表示時間はいずれも「60sec」に設定されている。ノーマルリーチが選択された場合、変動表示時間は「30sec」に設定されている。
リーチ非発生用変動表示時間テーブルでは、図26(b)に示すように、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。具体的には、共通保留数CRNが「1」の場合の変動表示時間は「21sec」であり、「2」又は「3」の場合の変動表示時間は「9sec」であり、「4」以上の場合の変動表示時間は「3sec」となっている。したがって、保留球格納エリア232に保留情報が多数記憶されている場合には変動表示時間が短くなり、遊技の進行がスムーズになる。また、保留情報が記憶されていない又は記憶されている場合であっても記憶されている数が少ない場合には変動表示時間が長くなり、遊技回が実行されていない期間ができるだけ短くなるようになっている。
さて、図27のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
先ずステップS1401では、上記ステップS1307において記憶された情報として、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が記憶されているか否かを判定する。いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が記憶されている場合には、ステップS1402及びステップS1403にて、大当たり結果の種類の情報又は特別外れ結果の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82に把握させるための処理を実行する。具体的には、ステップS1402では、いずれかの大当たり結果である場合には、保留情報の大当たり種別カウンタC2を把握するとともに振分テーブルとを取得して、明示2R確変大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれに対応する保留情報かを把握し、さらに保留情報の変動種別カウンタCSを確認して変動表示時間を把握する。またステップS1402では、特別外れ結果である場合には、保留情報の変動種別カウンタCSを確認して変動表示時間を把握する。既に説明したとおり、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果である場合には、必ずリーチ表示が発生するため、変動種別カウンタCSに基づいて変動表示時間を把握することができる。
そしてステップS1403にて、保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該保留コマンドには、今回の保留情報の遊技結果の情報に加え、変動表示時間の情報が含まれている。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45,46の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Ga,Gbにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
なお、保留コマンドに遊技結果の情報が含まれる構成としたが、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の当否テーブル及び振分テーブルを記憶しておき、上記大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2に基づいて演出制御装置82にて遊技結果を把握してもよい。また、保留コマンドに変動表示時間の情報が含まれる構成としたが、変動種別カウンタCSの情報が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の変動表示時間テーブルと同様のテーブルを記憶しておき、上記変動種別カウンタCSに基づいて演出制御装置82にて変動表示時間を把握してもよい。これらは、他の保留コマンドについても同様である。
ステップS1401にて大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が判定結果記憶エリアに記憶されていない場合、ステップS1404に進む。ステップS1404ではリーチ表示が発生する保留情報であるか否かを判定する。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の数値情報を取得し、当該リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にはリーチ表示が発生する保留情報であると判定する。
リーチ表示が発生する保留情報である場合、ステップS1405にて、保留情報の変動表示時間を把握する。この処理では、保留情報の変動種別カウンタCSと、リーチ発生用の変動表示時間テーブル(図26(a))と、を取得して、変動表示時間を把握する。
ステップS1404にてリーチ表示が発生しない保留情報である場合、ステップS1406にて、保留情報の変動表示時間を変動種別カウンタCSの情報に基づかず、一律で21secとして設定する。
ここで、当該保留コマンドの設定処理が実行されるタイミングは、いずれかの作動口33,34へ遊技球の入賞が発生したタイミングであり、遊技回制御処理(図14)に含まれる一処理である変動開始処理(図16)において変動表示時間が設定されるタイミングとは異なっている。したがって、保留コマンドの設定処理(図27)で把握する保留情報の変動表示時間と、変動開始処理(図16)にて設定される変動表示時間とは互いに相違する可能性を有するものとなっている。
つまり、リーチ発生時の変動表示時間は変動種別カウンタCSの情報に基づいて定められるため(図26(a)参照)、変動種別カウンタCSが同一値であれば、これら両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違は生じない。これに対して、リーチ非発生時の変動表示時間は共通保留数CRNに基づいて定められるため(図26(b)参照)、保留コマンドの設定処理後の入賞状況によっては両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違が生じ得る。そこで、ステップS1406では、仮の変動表示時間(21sec)を保留情報の変動表示時間として設定し、実際の変動表示時間と相違することになればその都度修正することとしている。
ステップS1405又はステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1403に進む。既に説明したとおり、ステップS1403では、保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該保留コマンドには、今回の遊技結果の情報に加え、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報と、ステップS1405又はステップS1406の処理にて把握した変動表示時間の情報と、が含まれている。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45,46の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
<演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に関する処理について>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に関する処理について説明する。演出制御装置82のMPU242により実行される処理としては、大別して、保留制御用コマンド対応処理と、変動表示制御処理とが設定されている。
<保留制御用コマンド対応処理>
先ず、図28のフローチャートを参照して、保留制御用コマンド対応処理について説明する。保留制御用コマンド対応処理においては、主制御装置81が送信した保留コマンドを受信している場合に、その受信している保留コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。なお、保留コマンド対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される。
保留制御用コマンド対応処理では、先ずステップS1501にて保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置81から受信する保留コマンドは、演出制御装置82のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。ステップS1501の判定に際しては、コマンド格納エリア248における今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドを受信しているか否かを判定する。
保留コマンドを受信している場合には、ステップS1502にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた副側保留記憶数SNを1加算する処理を実行する。副側保留記憶数SNは主制御装置81側の共通保留数CRNに対応するものであり、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づく全保留数を反映するものである。続くステップS1503では、保留予告フラグがRAM244の各種フラグ格納エリア247に設けられた保留予告フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。保留予告フラグは、保留予告を実行する条件が成立している状況であることをMPU242が把握するためのフラグである。
保留予告フラグが格納されていない場合には、ステップS1504に進み、保留予告抽選処理を実行する。保留予告抽選処理は、今回受信した保留情報に基づいて保留予告を実行するか否かを抽選する処理である。MPU242は、ROM243における各種テーブル記憶エリア245から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244における各種カウンタエリア249から抽選用のカウンタを取得し、これら抽選用のテーブルとカウンタを用いて、保留予告を実行するか否かの抽選を行う。本実施形態では、今回取得した保留情報がいずれかの大当たり結果である場合には外れ結果である場合よりも当該抽選に当選し易く、また、今回取得した保留情報がリーチ発生に対応する保留情報である場合はリーチ非発生に対応する保留情報である場合よりも当該抽選に当選し易くなっている。
続くステップS1505では、ステップS1504の抽選処理にて当選したか否かを判定する。当選した場合には、ステップS1506に進み、保留予告フラグを格納する処理を実行する。そして続くステップS1507にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた保留予告カウンタに、今回受信した保留情報に係る遊技回までに実行される遊技回の回数に相当する数値を入力する。この保留予告カウンタは、保留予告を実行すべき状況において、当該保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回までの遊技回回数をMPU242が把握するためのカウンタである。
例えば、今回受信した保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回が「3」回である場合、保留予告カウンタには、今回受信した保留情報に係る遊技回を含めて「4」が入力される。この場合、本実施形態では、上作動口33への入賞に基づく保留情報よりも下作動口34への入賞に基づく保留情報のほうが優先的に(先に)消化される構成としており、保留予告カウンタへ入力される数値は、この優先消化の構成が加味される。すなわち、例えば今回受信した保留情報が下作動口34への入賞に基づく保留情報であって、既に記憶されている保留情報が上作動口33への入賞に基づくものが3個で下作動口34への入賞に基づくものが1個である場合、今回受信した保留情報に係る遊技回までに実行される遊技回の回数は、今回受信した保留情報に係る遊技回を含めて「2」回となる。この場合、副側保留記憶数SNは上記ステップS1502の処理により「5」となるが、ステップS1507では保留予告カウンタに「2」を入力する。このようにすることで、保留予告が行われる状況における遊技回の回数を正確に把握することができる。
ステップS1503にて保留予告フラグが格納されている場合、ステップS1505にて保留予告抽選に当選しなかった場合、又はステップS1507の処理を実行した後は、ステップS1508に進む。ステップS1508では、保留表示決定処理を実行する。この処理では、受信した保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間の情報とに基づいて、保留表示領域Ga,Gbに表示する保留画像の種類を決定する。例えば、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合には、所定の確率で通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したり、遊技結果が通常外れ結果であっても変動表示時間が長い(例えばスーパーリーチに対応する変動表示時間である場合)には上記の通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したりする。
続くステップS1509では、保留増加用処理を実行する。この処理では、保留情報の増加に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の増加に対応するコマンドを出力する。このコマンドには、上記ステップS1508にて決定した保留画像の情報と副側保留記憶数SNの情報とが含まれている。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、キャラクタROM256に記憶されている保留用画像データ記憶エリアからステップS1508にて決定した保留画像に対応するデータを読み出し、副側保留記憶数SNに対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。またステップS1509では、受信した保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間に対応する数値情報とをRAM244に設けられた保留用記憶エリア260に記憶させる。
ここで、図24に示すように、保留用記憶エリア260は、主制御装置81側の保留球格納エリア232に対応させて、第1副側保留エリア261と第2副側保留エリア262とを備えている。そして、第1副側保留エリア261と第2副側保留エリア262とは、それぞれ第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。各エリアは、各保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間の情報とをそれぞれ記憶可能に設定されている。そしてステップS1509では、受信した保留コマンドが上作動口33及び下作動口34のいずれに入賞したことに基づくものであるかを判定し、対応する副側保留エリア261,262における空きエリアのうち先に当否判定が実行されるエリアに遊技結果の情報と変動表示時間とを記憶する。ステップS1509の処理を実行した後は、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
一方、ステップS1501にて保留コマンドを受信していない場合は、ステップS1510にてシフトコマンドを受信しているか否かを判定する。シフトコマンドを受信していない場合には、そのまま保留制御用コマンド対応処理を終了し、シフトコマンドを受信している場合は、ステップS1511にて副側保留記憶数SNを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1512にて、シフト処理を実行する。シフト処理では、保留用記憶エリア260における各記憶エリアのデータをシフトさせる。
すなわちシフト処理では、今回受信したシフトコマンドが、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、それとも第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、を判定する。そして、副側実行エリア263に記憶されていた情報を消去し、対応する副側保留エリア261,262の第1エリアに記憶されていた情報を副側実行エリア263へシフトし、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリアに記憶されている各種情報をシフトさせる。さらにシフト処理では、保留情報の減少に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の減少に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、対応する単位保留表示領域Ga1〜Gs4,Gb1〜Gb4の表示を変更させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1512の処理を実行した後は、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
<変動表示制御処理>
次に、変動表示制御処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。変動表示制御処理は、保留表示制御用コマンド対応処理が実行された後に起動される処理である。
変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示及びメイン表示領域Pの変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示及びメイン表示領域Pの変動表示を最終停止表示(確定停止表示)させる処理を実行する。
すなわち、図29のフローチャートに示すように、ステップS1601にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中ではない場合にはステップS1602にて、変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1603にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。一方、1遊技回の実行中である場合には、ステップS1604にて、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS1605にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。また、変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1606にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、変動開始用処理、変動中用処理、変動終了用処理について詳細に説明する。
図30のフローチャートに示すように、変動開始用処理では、ステップS1701にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1701では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、15R確変大当たり結果の情報、2R非明示確変大当たり結果の情報、2R明示確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報、通常外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1701では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。
続くステップS1702では、RAM244に保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されていない場合、ステップS1703に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア247に特定遊技回フラグが格納されているか否かを判定する。本実施形態では、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回が外れ保留予告の停止態様として終了した場合において、その次の遊技回が特定遊技回として設定されており、この特定遊技回フラグとは、MPU242が今回開始する遊技回が特定遊技回であることを特定するためのフラグである。特定遊技回フラグが格納されていない場合には、ステップS1704に進み、通常の停止結果決定処理を実行する。
ステップS1704の停止結果設定処理では、例えば、停止ラインの決定処理、図柄の組合せの決定処理及び停止情報のアドレス情報の記憶処理等を実行する。ここで、本パチンコ機10では既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されており、いずれかの大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示される。また、いずれの大当たり結果ではない場合であってもリーチ表示となる場合には、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組合せが停止表示される。この場合に、停止ラインの決定処理では、上記各種図柄の組合せを停止表示させるための有効ラインを決定するための処理を実行する。図柄の組合せの決定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた組合せ情報テーブルを参照し、ステップS1701にて把握した情報に対応した図柄の組合せの情報を特定する。また、ROM243の各種テーブル記憶エリア245には停止情報テーブルが設けられている。当該停止情報テーブルには、各有効ラインの情報に対する各停止図柄の組合せの情報がアドレス情報と1対1で対応させて設定されている。停止情報のアドレスの記憶処理では、特定した停止ラインの情報及び図柄の組合せの情報に対応したアドレス情報を停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、RAM244の停止情報アドレスの記憶エリアに格納する。
ステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて通常の演出パターンの設定処理を実行する。ステップS1705の演出パターンの設定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた演出パターンテーブルを参照して、ステップS1701にてMPU242のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1704にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した演出パターンの情報を特定する。
ステップS1703にて特定遊技回フラグが格納されている場合、ステップS1706〜ステップS1711にて特定遊技回用の処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。
ステップS1702にて保留予告フラグが格納されている場合、ステップS1712に進む。ステップS1712では、保留予告カウンタから1減算する処理を実行する。そして、続くステップS1713にて、ステップS1712の処理結果に基づいて、保留予告カウンタが「0」であるか否かを判定する。保留予告カウンタが「0」ではない場合、すなわち、今回開始する遊技回が保留予告の対象となっている保留情報の遊技回ではない場合は、ステップS1714に進み、保留予告用の停止結果決定処理を実行する。
ステップS1714の保留予告用の停止結果決定処理は、上記ステップS1704の処理と概ね同様であり、保留予告用の停止態様となるように各図柄列Z1〜Z3の停止結果を決定する。具体的には、いずれの有効ライン上にも大当たり図柄の組合せが停止表示されないように、且つ全ての有効ライン上に同一の保留予告用の図柄が停止するように停止結果を決定する。この場合に、保留予告用の停止態様となる停止結果は、所定のライン(中ラインL2)を基準として図柄の組合せが定められている。すなわち、例えば、保留予告の対象となっている図柄を「7」が付された主図柄とし、上図柄列Z1は左ラインL1、中図柄列Z2は中ラインL2、下図柄列Z3は中ラインL2にそれぞれ保留予告の対象となっている図柄が停止する場合を例として説明すると、中ラインL2の図柄の組合せは、上から「7」が付された主図柄と「6」が付された主図柄との間の副図柄、「7」が付された主図柄、「7」が付された主図柄、といった具合に、各種保留予告用の停止態様は中ラインL2の図柄の組合せによって定められている。ステップS1714では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた保留予告用の組合せ情報テーブルを参照し、ステップS1701にて把握した情報に対応した保留予告用の中ラインL2における図柄の組合せの情報を特定する。そしてその特定した図柄の組合せのアドレス情報を、ROM243の停止情報テーブルから読み出し、そのアドレス情報を、RAM244の停止情報アドレスの記憶エリアに格納する。
続くステップS1715では、保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS1715の処理は、上記ステップS1705の処理と概ね同様であり、ROM243の演出パターンテーブルを参照して、ステップS1701にてMPU242のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1714にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した演出パターンの情報を特定する。
ステップS1713にて保留予告カウンタが「0」である場合、すなわち、今回開始する遊技回が保留予告の対象となっている保留情報の遊技回である場合は、ステップS1716に進み、保留予告フラグをクリアする処理を実行する。この処理にて、以降の保留取得時のステップS1503にて否定判定し、保留予告抽選処理等が行われることになる。
続くステップS1717では、今回の遊技回がリーチ発生に対応する遊技回であるか否かを判定する。既に説明したとおり、上記ステップS1504における保留予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応する保留情報である場合、リーチ発生に対応する保留情報である場合、の他、リーチ非発生に対応する保留情報である場合も保留予告に当選するように設定されている。ステップS1717では、今回の遊技回として、保留予告の契機となった保留情報がリーチ発生に対応する遊技回のものであるか否かを判定する。
リーチ発生に対応する場合、ステップS1718に進み、リーチ発生に対応する停止結果決定処理を実行する。この処理は、上記ステップS1704の処理と概ね同様であり、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組合せが停止表示され、ステップS1701にて把握した情報に対応した図柄の組合せの情報を特定する。より具体的には、いずれかの大当たり結果である場合には、当該リーチ図柄の組合せが停止表示される有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示されるように図柄の組合せ情報を特定する。また、いずれかの大当たり結果ではない場合には、当該リーチ図柄の組合せが停止表示される有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示されないように図柄の組合せ情報を特定する。そして、ROM243の停止情報テーブルを参照して特定した図柄の組合せ情報のアドレス情報を把握し、その把握したアドレス情報をRAM244の停止アドレスの記憶エリアに格納する。
続くステップS1719では、リーチ発生用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS1719の演出パターン決定処理は、ステップS1705の処理と概ね同様であり、ROM243の演出パターンテーブルを参照して、ステップS1701にてMPU242のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1718にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した演出パターンの情報を特定する。
ステップS1717にてリーチ非発生の遊技回である場合は、ステップS1720に進む。ステップS1720では、外れ予告用の停止結果決定処理を実行する。ステップS1720の停止結果決定処理は、上記ステップS1714の処理と概ね同様であり、外れ保留予告用の停止態様となるように各図柄列Z1〜Z3の停止結果を決定する。より具体的には、図柄列Z1〜Z3のうちの所定数(2つ)の図柄列においては対象となっている図柄を停止させ、残りの図柄列において、当該対象となっている図柄を全有効ラインから1図柄分、変動先側又は変動基側にずらして停止させる。すなわち、対象となっている図柄を枠外にずらして停止させる。なお、以下の説明では、当該ずらして停止させる図柄列を特別図柄列ともいう。この場合、上記保留予告用の停止結果決定処理と同様に、外れ保留予告用の停止態様となる停止結果は、所定のライン(中ラインL2)を基準として図柄の組合せが定められている。すなわち、例えば、外れ保留予告の対象となっている図柄を「7」が付された主図柄とし、上図柄列Z1は左ラインL1、中図柄列Z2は中ラインL2にそれぞれ保留予告の対象となっている図柄が停止し、下図柄列Z3が特別図柄列として保留予告の対象となっている図柄が左ラインL1から変動先側に1図柄分ずれた位置に停止する場合を例として説明すると、中ラインL2の図柄の組合せは、上から「7」が付された主図柄と「6」が付された主図柄との間の副図柄、「7」が付された主図柄、「8」が付された主図柄、といった具合に、各種外れ保留予告用の停止態様は中ラインL2の図柄の組合せによって定められている。ステップS1720では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた外れ保留予告用の組合せ情報テーブルを参照し、ステップS1701にて把握した情報に対応した外れ保留予告用の中ラインL2における図柄の組合せの情報を特定する。そしてその特定した図柄の組合せのアドレス情報を、ROM243の停止情報テーブルから読み出し、そのアドレス情報を、RAM244の停止情報アドレスの記憶エリアに格納する。
続くステップS1721では、外れ保留予告用の演出パターン決定処理を実行する。ステップS1721の演出パターン決定処理は、上記ステップS1715の処理と概ね同様であり、ROM243の演出パターンテーブルを参照して、ステップS1701にてMPU242のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1720にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した演出パターンの情報を特定する。
そして、続くステップS1722にて、特定遊技回フラグをRAM244に格納する処理を実行する。この処理を行うことで、次回の遊技回の変動開始用処理において、前回の遊技回が外れ保留予告の停止態様にて終了したことを把握することが可能となる。そこで、以下、ステップS1703にて肯定判定した場合の処理、すなわち、特定遊技回フラグが格納されている場合の処理を説明する。
先ず、特定遊技回において発生し得る特別変動について、概要を説明する。
本実施形態では、既に説明したとおり、複数の図柄の変動表示の態様として変動速度が相対的に高低となるように高速変動表示と低速変動表示とが設定されており、通常の遊技回においては、複数の図柄を高速変動表示させてから当否判定結果に対応した図柄の組合せを停止表示させる。そして、特別変動とは、前回の遊技回において停止表示されている複数の図柄のうちの少なくとも一部の図柄について高速変動表示態様による変動表示を伴わずに所定の図柄の組合せとなるように停止表示させる変動表示の態様である。この場合、特別変動を実行する遊技回においては、特別変動による停止表示後に、通常の遊技回と同様に全図柄の高速変動表示態様による変動表示後に当否判定結果に対応した図柄の組合せを停止表示させる。特別変動では、上記の外れ保留予告の停止態様において保留予告の対象となっている図柄のうち、全有効ラインから1図柄分変動先側又は変動基側にずれて停止している図柄列、すなわち特別図柄列を変動させて保留予告の停止態様となるように停止させる。このようにすることで、保留予告において外れ保留予告の停止態様が表示されて遊技回が終了した場合であっても、次の遊技回の開始時に特別変動が行われれば保留予告の停止態様が表示されるため、期待感を持続させることが可能となる。この場合、特別変動が行われる遊技回では、その後、当否判定処理の結果に対応した停止結果が表示される。これにより、前回の遊技回における結果を変化させるような演出を行いつつも、一遊技回において当否判定処理の結果を報知する、という機能を担保することができる。
ステップS1703にて特定遊技回フラグが格納されている場合、ステップS1706では、連続遊技回か否かを判定する。ここでいう連続遊技回とは、前回の遊技回が終了してから取得された保留情報に係る遊技回ではなく、保留球格納エリア232におけるいずれかの第1エリアに記憶されていた保留情報が実行エリアAEに移動されて開始される遊技回である。連続遊技回ではない場合には、ステップS1707にて特定遊技回フラグを消去した後、ステップS1704側へ進み、通常の停止結果、及び通常の演出パターンの決定処理を実行する。
連続遊技回である場合には、ステップS1708に進み、今回の遊技回の変動表示時間が所定時間(例えば9sec)以上であるか否かを判定する。ステップS1708にて判定する所定時間とは、今回の遊技回において特別変動を実行し、且つその後に通常の遊技回を実行するために必要な時間である。所定時間未満である場合には、ステップS1704側に進み、通常の停止結果及び演出パターンを決定する。
ステップS1708にて所定時間以上である場合、ステップS1709に進む。ステップS1709では、特別変動抽選処理を実行する。特別変動抽選処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から特別変動用の抽選テーブルと、RAM144の各種カウンタエリア249から特別変動用の抽選カウンタと、を取得して、今回の遊技回において特別変動を発生させるか否かを抽選する。
上記特別変動用の抽選テーブルについて、図31を参照して具体的に説明する。
既に説明したとおり、外れ保留予告の停止態様は、図柄列Z1〜Z3のうちの2つの図柄列においては保留予告の対象となっている図柄を有効ライン上に停止させ、残りの図柄列において、当該対象となっている図柄を全有効ラインから1図柄分、変動先側又は変動基側にずらして停止させる停止態様である。特別変動用の抽選テーブルでは、この全有効ラインから1図柄分、変動先側又は変動基側にずらして停止させた特別図柄列によって、特別変動の発生率、すなわち特別変動抽選処理の当選確率が異なるように設定されている。具体的には、特別図柄列が中図柄列Z2である場合の当選確率が最も高くなり、中図柄列Z2、下図柄列Z3、上図柄列Z1の順で当選確率が高くなるように設定されている。
すなわち、図31では保留予告の対象となっている図柄を「7」が付された主図柄として例示しており、特別変動の発生率は、図31(c)に示す中図柄列Z2が特別図柄列である場合が最も高く、続いて図31(b)に示す下図柄列Z3が特別図柄列である場合が高く、図31(a)に示す上図柄列Z1が特別図柄列である場合が最も低くなるように、特別変動用の抽選テーブルが設定されている。
既に説明したとおり、通常の遊技回では各図柄列Z1〜Z3は予め定められた順で停止するものであり、具体的には上図柄列Z1、下図柄列Z3、中図柄列Z2の順で停止する。つまり、特別変動用の抽選テーブルでは、各図柄列Z1〜Z3の変動表示において、その停止順が遅い図柄列においてずれが発生するほど、特別変動の発生率が高くなるように設定されている。このようにすることで、前回の遊技回における変動停止からの時間が短い図柄列ほど特別変動が行われ易くなり、遊技者にとっては変動し易い図柄列と特別図柄列との関係を理解し易くなる。
また、中図柄列Z2よりも下図柄列Z3のほうが先に停止する関係上、中図柄列Z2が特別図柄列となるよりも下図柄列Z3が特別図柄列となるほうが、遊技者にとってはその遊技回において保留予告の停止態様とならないことを早く認識することができる。具体的には、図31(c)の場合には、上下の図柄列Z1,Z3が停止した時点では、上下の図柄列Z1,Z3において対象図柄(「7」が付された主図柄)が停止しているため、その後の中図柄列Z2が停止するまでは保留予告の停止態様となることを期待することができる。そして、中図柄列Z2において対象図柄がずれて停止することによって、今回の遊技回の停止態様が保留予告の停止態様とならないことを把握する。これに対して、図31(b)の場合には、上下の図柄列Z1,Z3が停止した時点で、対象図柄が下図柄列Z3には停止しておらず、その時点で、その後の中図柄列Z2の停止図柄を見るまでもなく保留予告の停止態様とならないことが把握される。
すなわち、下図柄列Z3において上記のように対象図柄がずれて停止するよりも、中図柄列Z2においてずれて停止するほうが、保留予告の停止態様となることを期待して遊技回演出を見ていた期間が長くなるため、その遊技回において外れ保留予告の停止態様となった場合の落胆度合いは下図柄列Z3よりも中図柄列Z2のほうが大きくなり得る。そこで、上記のように下図柄列Z3よりも中図柄列Z2の特別変動の当選確率を高めることで、落胆してしまった遊技者を再度遊技に望ませる効果を高めることが可能となる。
一方、上図柄列Z1において対象図柄がずれて停止された場合、これが外れ保留予告の停止態様の要因であることをこの段階では認識しにくい。つまり、上図柄列Z1が停止した時点では、図31(a)に示すように、対象図柄がずれて停止しているものの、「6」が付された主図柄が中ラインL2に停止しており、この時点では、遊技者は、この中ラインL2に停止している図柄が対象図柄と認識する。その後に、下図柄列Z3と中図柄列Z2において「7」が付された主図柄が停止することで、今回の遊技回において対象図柄が「7」が付された主図柄であったこと、及び今回の遊技回の停止態様は保留予告の停止態様ではなく外れ保留予告の停止態様であったことを把握する。すなわち、上図柄列Z1が特別図柄列である場合には、全図柄列Z1〜Z3が停止した段階で上図柄列Z1のずれを把握して外れ保留予告の停止態様であることを認識するものと考えられる。したがって、上図柄列Z1が特別図柄列である状況で特別変動に当選しなかったとしても、遊技者の落胆度合いは、中・下図柄列Z2,Z3よりも低い。
さらに特別変動用の抽選テーブルでは、今回の遊技回の結果がいずれかの大当たり結果である場合のほうが外れ結果である場合よりも当選確率が高く、また、リーチ発生に対応する遊技回である場合のほうがリーチ非発生に対応する遊技回である場合よりも当選確率が高く設定されている。すなわち、今回の遊技回の遊技結果の情報と変動表示時間の情報(リーチ発生の有無の情報)とが参照されて、特別変動用の抽選が行われる。
さらに、特別変動が発生した場合におけるその後に大当たり結果となる期待度は、上図柄列Z1においてずらして停止された場合が最も高く、上図柄列Z1、下図柄列Z3,中図柄列Z2の順で高くなるように設定されている。すなわち、保留用記憶エリア260における第1副側保留エリア261及び第2副側保留エリア262に記憶されている今回の遊技回以降に実行される遊技回に係る各保留情報の情報も参照されて、特別変動用の抽選が行われる。
このようにすることで、前回の遊技回における遊技者の注目度の高低と、その後の大当たり期待度と、特別変動の発生頻度と、の関係を良好に保ちつつ、特別変動による演出を好適に実行することができる。
変動開始用処理の説明に戻り、ステップS1709にて特別変動抽選処理を実行した後は、ステップS1710にて、上記ステップS1709の処理結果に基づいて、特別変動に当選したか否かを判定する。特別変動に当選していない場合には、ステップS1704側に進み、通常用の停止結果及び演出パターンの決定処理を実行する。特別変動に当選している場合には、ステップS1711にて特別変動用処理を実行する。
ここで、特別変動用処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1801では、前回の遊技回の停止結果を把握する処理を実行する。この処理では、外れ保留予告の停止態様において、いずれの図柄が保留予告の対象となっている図柄か、いずれの図柄列が特別図柄列として全有効ラインからずらして停止させているか、そのずれは変動先側か変動基側か、といった情報を把握する。
既に説明したとおり、外れ保留予告の停止態様は、ステップS1720の停止結果決定処理において、所定のライン(中ラインL2)を基準として図柄の組合せが定められている。そして、ステップS1801では、この中ラインL2の図柄の組合せの情報を読み出して、前回の停止結果を把握する処理を実行する。
具体的には、RAM244には、前回の遊技回における停止結果の情報が、中ラインL2の停止図柄の組合せに対して1対1に対応させた停止情報アドレスとして記憶されている。また、ROM243には、この停止情報アドレスに1対1で対応させて、保留予告の対象となっている図柄、特別図柄列及びずれの方向についての情報が記憶された外れ保留予告用の停止情報テーブルが記憶されている。そして、ステップS1801では、この前回の遊技回における停止情報アドレスと外れ保留予告用の停止結果テーブルに基づいて、前回の遊技回において保留予告の対象となっていた図柄を把握するとともに、いずれの図柄列が特別図柄列であるかを把握し、さらにずれの方向(変動先側か変動基側か)を把握する。
なお、本実施形態では、外れ保留予告用の停止情報テーブルに、保留予告の対象となっている図柄、特別図柄列及びずれの方向を対応付けることで、これらの情報を把握可能としたが、これに限定されず、前回の遊技回の停止情報アドレスに基づいてこれらの情報をその都度算出する構成としてもよい。この場合、例えば、先ず、前回の遊技回の停止情報のアドレスに基づいて、全ラインL1〜L3の停止図柄を算出する。そして、全ラインL1〜L5に停止している主図柄のうち、所定の数(2つ)停止している主図柄を把握し、その主図柄を前回の遊技回において保留予告の対象となっていた図柄とする。その後、全ラインL1〜L5の停止図柄に基づいて、左ラインL1よりも1ライン分変動先側に停止している図柄と、右ラインL3よりも1ライン分変動基側に停止している図柄と、を把握する。そして、これら変動先側又は変動基側に停止している図柄のうちの対象図柄を把握して、その対象図柄が停止している図柄列を特別図柄列とするとともに、ずれの方向を把握する。このようにすることで、外れ保留予告用の停止情報テーブルを予め記憶しておく必要が生じず、記憶容量の削減を図ることが可能となるとともに、仮に外れ保留予告用の停止態様を変更する場合に停止情報テーブル自体を変更する必要が生じず設計の自由度の向上も図ることが可能となる。但し、特別変動用処理の処理負荷の極端な増加を抑制する、という観点からすると、本実施形態のように予め停止情報テーブルを記憶しておく構成のほうが好ましい。特別変動用処理は変動開始用処理において実行される処理であり、この処理が遅れると変動表示の開始タイミングに遅れが生じる可能性があり、遊技者に与える違和感が多大なものとなり得るためである。
続くステップS1802では、特別変動において変動させる図柄列と停止状態を保持する図柄列とをそれぞれ決定する。具体的には、上記ステップS1801にて把握した情報に基づいて、保留予告の対象となっている図柄を全有効ラインからずらして停止させている特別図柄列を変動の対象とし、それ以外の図柄列を停止状態を保持する対象とする。
続くステップS1803では、特別変動用の演出パターン決定処理を実行する。この処理では、ROM243の特別変動用の演出パターンテーブルを参照して、上記ステップS1802において決定した変動の対象となっている図柄列の情報と、停止状態を保持する図柄列の情報と、に対応した演出パターンの情報を特定する。
続くステップS1804では、第2変動用の停止結果決定処理を実行する。第2変動とは、一の遊技回において特別変動が実行された後の通常の遊技回用の変動を示し、この第2変動との関係で言うと特別変動は第1変動とも言うことができる。この停止結果決定処理は、上記ステップS1704の処理と概ね同様であり、ステップS1701にて把握した情報に基づいて、停止ライン、図柄の組合せの決定、及び停止情報のアドレス情報の記憶の各処理を実行する。そしてステップS1805にて、第2変動用の演出パターン決定処理を実行する。
第2変動用の演出パターン決定処理では、ステップS1705の処理と概ね同様であるが、ステップS1701にて把握した変動表示時間から上記特別変動に必要な時間を差し引いた時間で演出パターンを決定する点が相違している。すなわち、ステップS1701にて把握した変動表示時間から、特別変動に必要な時間として、特別変動において変動の対象となった図柄列を変動表示させる時間と、当該変動させた図柄列を停止させた後、各図柄列を停止表示させる時間と、を差し引いた時間の情報と、上記ステップS1804にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報と、に対応する演出パターンの情報を特定する。
例えば、今回の遊技回の変動表示時間が9secの場合、通常の遊技回において全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示にて変動表示される期間が6sec、上図柄列Z1が低速変動表示に切り替えられて停止するまでの期間が1sec、下図柄列Z3が低速変動表示に切り替えられてから停止するまでの期間が1sec、中図柄列Z2が低速変動表示に切り替えられてから停止するまでの期間が1secとする。この変動表示時間において特別変動が行われる場合、特別図柄列の変動表示に2sec、その停止態様を保持する期間を1sec、全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示にて変動表示される期間を2secとし、各図柄列Z1〜Z3が低速変動表示から停止するまでの期間をそれぞれ1secとする。このように、特別変動は遊技回におけるトータルの変動表示時間を変更せずに行われる。ステップS1805の処理を実行した後は、特別変動用処理を終了する。
変動開始用処理の説明に戻り、ステップS1705、S1711、S1715、S1719、S1722のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1723へ進む。ステップS1723では、上記の処理結果に対応した停止結果コマンドと演出パターンコマンドとを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した停止結果コマンド及び演出パターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出及びメイン表示領域Pの変動表示の態様を図柄表示装置41にて行うためのデータテーブルをプログラムROM253から読み出し、そのデータテーブルと後述する変動中用処理において演出制御装置82から出力される各種コマンドとに従って予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、VDP255に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置41では演出制御装置82のMPU242にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出及びメイン表示領域Pの変動表示が実行されるとともに、当該MPU242にて決定された停止結果が最終的に停止表示される。ステップS1723の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
次に、変動表示制御処理におけるステップS1605の変動中用処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1901では、実行中の遊技回において特別変動を実行するか否かを判定する。特別変動を実行する遊技回ではない場合には、ステップS1902にて通常変動中用処理を実行する。また、特別変動を実行する遊技回である場合には、ステップS1903にて特別変動中用処理を実行した後、ステップS1902にて通常変動中用処理を実行する。ステップS1902の処理を実行した後は、変動中用処理を終了する。
以下、ステップS1902の通常変動中用処理、ステップS1903の特別変動中用処理についてそれぞれ説明する。
図34のフローチャートに示すように、通常変動中用処理では、先ずステップS20001にて、全図柄列の変動開始タイミングか否かを把握する。ちなみに、RAM244の各種カウンタエリア249には、遊技回の開始からの経過時間を把握するための経過時間カウンタが設けられており、遊技回の開始に際して(より詳しくは変動開始用処理の起動時に)、当該経過時間カウンタの更新が開始される。そして、上記変動開始用処理にて決定する演出パターンは、当該経過時間カウンタの情報と対応付けられており、MPU242は当該経過時間カウンタを参照することで、各種演出の実行タイミングを特定することができる。ステップS2001では、この経過時間カウンタと実行中の遊技回における演出パターンから、変動開始タイミングか否かを判定する。なお、以下の説明において、各演出の実行タイミングか否かの判定処理では、当該ステップS2001の処理と同様に、経過時間カウンタと演出パターンとを参照する。
全図柄列の変動開始タイミングである場合には、ステップS2002にて全図柄列の高速変動開始処理を実行する。この処理では、高速変動表示の開始に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて全図柄列の高速変動表示を開始させる。
ステップS2002の処理を実行した後は、続くステップS2003にて、メイン表示領域Pの変動開始処理を実行する。この処理では、表示制御装置212へコマンド出力して、図柄表示装置41においてメイン表示領域Pの変動表示を開始させる。このタイミングにおいて、主制御装置81側のメイン表示部43における変動表示も開始され、メイン表示部43とメイン表示領域Pとは同時に変動表示が開始する。ステップS2003の処理を実行した後は、通常変動中用処理を終了する。
ステップS2001にて全図柄列の変動開始タイミングではない場合、ステップS2004にて上図柄列Z1の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2005にて上図柄列Z1の減速処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該減速処理では、上図柄列Z1の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2004にて上図柄列Z1の減速タイミングではない場合、ステップS2006にて下図柄列Z3の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2007にて下図柄列Z3の減速処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該減速処理では、下図柄列Z3の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2006にて下図柄列Z3の減速タイミングではない場合、ステップS2008にて中図柄列Z2の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2009にて中図柄列Z2の減速処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該減速処理では、中図柄列Z2の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2008にて中図柄列Z2の減速タイミングではない場合、ステップS2010にて上図柄列Z1の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2011にて上図柄列Z1の停止処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該停止処理では、上図柄列Z1の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を停止させる。
ステップS2010にて上図柄列Z1の停止タイミングではない場合、ステップS2012にて下図柄列Z3の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2013にて下図柄列Z3の停止処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該停止処理では、下図柄列Z3の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を停止させる。
ステップS2012にて下図柄列Z3の停止タイミングではない場合、ステップS2014にて中図柄列Z2の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2015にて中図柄列Z2の停止処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。当該停止処理では、中図柄列Z2の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を停止させる。
ステップS2014にて中図柄列Z2の停止タイミングではない場合、ステップS2016にて、変動中の各種演出用の処理を実行してから、通常変動中用処理を終了する。
次にステップS1903の特別変動中用処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2101では、メイン表示領域Pの変動開始処理を実行する。この処理は、上記ステップS2003の処理と同様である。ちなみに、この特別変動中用処理におけるステップS2101にてメイン表示領域Pの変動開始処理を行った場合、続けて起動される通常変動中用処理のステップS2003では、メイン表示領域Pの変動表示を続行させる。
続くステップS2102では、特別図柄列の変動開始タイミングであるか否かを判定する。変動開始タイミングである場合には、ステップS2103にて特別図柄列の低速変動開始処理を実行する。この処理では、特別図柄列の低速変動の開始に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて特別図柄列の低速変動を開始させる。ステップS2103の処理を実行した後は、特別変動中用処理を終了する。
ステップS2102にて特別図柄列の変動開始タイミングではない場合は、ステップS2104にて特別図柄列の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2105にて特別図柄列の停止処理を実行する。この処理では、特別図柄列の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて特別図柄列の変動を停止させる。
続くステップS2106では、待機時間(待機期間)の設定処理を実行する。この待機時間の設定処理は、特別変動を実行する遊技回において特別変動(第1変動)と第2変動との間の時間を設定する処理であり、より詳しくは、特別変動において特別図柄列を停止させてから全図柄列の高速変動表示を開始するまで全図柄列を停止表示させている時間を設定する処理である。
本実施形態では、遊技回において全図柄列Z1〜Z3の変動表示を終了してから所定期間に亘って停止状態を保持する確定停止表示がなされる確定停止時間が設定されている。本実施形態ではこの確定表示時間を一律で1.0secとしており、ステップS2106では、この遊技回における確定停止時間と同じ時間(1.0sec)を特別変動と第2変動との間の待機時間として設定する。これにより、遊技者としては、全図柄列が停止している状況が上記確定停止時間のものなのか待機時間のものなのを判別しにくくなり、特別変動を前回の遊技回の続きである印象を強く持たせることが可能となる。
なお、この待機時間を確定停止時間よりも短く(例えば0.8sec)としてもよく、長く(例えば1.2sec)としてもよい。短く設定すると一遊技回中の演出をよりスムーズに実行することが可能となり、また、長く設定すると第1変動と第2変動とが別々の遊技回である印象をより強く抱かせることが可能となる。
本特別変動中用処理後に起動される通常変動中用処理におけるステップS2001では、このステップS2106にて設定した待機時間の経過タイミングにおいて全図柄列Z1〜Z3の高速変動開始タイミングとして判定する。そして、ステップS2001にて全図柄列Z1〜Z3の高速変動表示が開始され、第2変動としての通常の遊技回用の変動が、特別変動に続けて実行される。またこの場合、ステップS2003にてメイン表示領域Pの変動表示が継続される点については、既に説明したとおりである。ステップS2106の処理を実行した後は、特別変動中用処理を終了する。
なお、本実施形態では待機時間の設定を変動中用処理にて行う構成としたが、遊技回の開始に際して変動開始用処理にて行う構成としてもよい。但し、変動開始用処理自体の処理負荷を減らす、という観点からすると、上記構成のように処理の分散化を図ることが好ましい。
ステップS2104にて特別図柄列の停止タイミングではない場合は、ステップS2107にて変動中の各種演出用の処理を実行してから、特別変動中用処理を終了する。
次に、変動表示制御処理におけるステップS1606の変動終了用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2201では、各図柄列Z1〜Z3の確定停止用処理を実行する。上記のとおり、変動中用処理では、中図柄列の停止処理において中図柄列Z2を停止させることで、当否判定処理の結果に対応した図柄の組合せを停止表示する。ステップS2201の処理は、この当否判定処理の結果に対応した図柄の組合せの停止表示を確定停止表示へ移行させるための処理である。
すなわち、遊技回において各図柄列Z1〜Z3は、高速変動表示、低速変動表示と切り換えられてから停止表示され、その後、確定停止表示がなされる。この確定停止表示では各図柄列Z1〜Z3の再変動等の演出は発生しないように設定されており、一方、確定停止表示前の停止表示(以下の説明では、確定停止表示との区別のため停留表示ともいう)においては再変動等の演出が発生し得るものとして設定されている。このように、停留表示の段階では図柄の組合せが異なる組合せに変更される余地を残し、最後まで遊技者の期待感を持続させるようにしている。一方、確定停止表示においては、一遊技回における当否判定処理の結果を確実に報知し、遊技の明確化が図られている。停留表示と確定停止表示とは、例えば、いずれも主図柄は停止しているものの、停留表示では副図柄が動作している一方、確定停止表示では当該副図柄の動作が停止しているなど、遊技者がこれらを明確に区別して把握可能となっている。なお、この停留表示と確定停止表示の違いはこれに限定されず、例えば、停留表示では主図柄は揺動している一方、確定停止表示では主図柄が停止している構成としてもよく、また、各図柄ではなく他の背景画像等によって区別可能な構成としてもよい。
ステップS2201では、上記確定停止表示に対応させて表示発光部63及びスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上記確定停止表示が行わせる。
続くステップS2202では、メイン表示領域Pの変動停止処理を実行する。この処理では、メイン表示領域Pの変動表示を終了させ、遊技結果に対応した表示色の組合せを表示するように、表示制御装置212へコマンド出力する。この場合、主制御装置81側のメイン表示部43における変動表示も終了するため、メイン表示部43とメイン表示領域Pとは同時に変動表示が終了することになる。
そしてステップS2203にて、遊技回にて使用した各種フラグを消去する処理を実行してから、変動終了用処理を終了する。なおこの処理では、今回終了する遊技回が、特別変動を実施した特定遊技回に相当する場合には、特定遊技回フラグを消去する。
次に、通常の遊技回の変動表示の流れを、図37のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図37においてt1のタイミングで遊技回が開始されると、各図柄列Z1〜Z3、メイン表示領域P及びメイン表示部43の変動表示が開始される。この場合、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の態様は高速変動表示である。t2のタイミングで上図柄列Z1の減速タイミングとなると、上図柄列Z1の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。続いてt3のタイミングで上図柄列Z1の停止タイミングとなると、上図柄列Z1は停止する。この場合、t3のタイミングは下図柄列Z3の減速タイミングでもあり、下図柄列Z3の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。その後、t4のタイミングで下図柄列Z3の停止タイミングとなると、下図柄列Z3は停止する。この場合、t4のタイミングは中図柄列Z2の減速タイミングでもあり、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。この場合、上下の図柄列Z1,Z3によってリーチラインが形成されているとリーチ表示に移行する。t5のタイミングで中図柄列Z2の停止タイミングとなると、中図柄列Z2は停止する。この場合、当否判定の結果に対応する図柄の組合せが停止表示される。
t5のタイミングから停留表示時間であるD1の期間が経過するt6のタイミングとなると、当該停留表示は確定停止表示に移行する。このタイミングでメイン表示領域Pの変動表示が終了し、遊技回が終了する。またこのタイミングで、主制御装置81側のメイン表示部43の変動表示も終了する。
t6のタイミングから確定停止時間であるD2の期間が経過するt7のタイミングとなると、次の遊技回が開始される。具体的には、各図柄列Z1〜Z3の変動表示、メイン表示領域P及びメイン表示部43の変動表示が開始される。
次に特別変動を伴う遊技回の変動表示の流れについて、図38のタイミングチャート及び図39の概要図を参照しながら説明する。なお、ここでは特別変動の一例として、中図柄列Z2が特別図柄列として設定された場合について説明する。
図39(a)に示すように外れ保留予告用の停止態様にて終了した遊技回の次の遊技回において、t8のタイミングで遊技回が開始される場合、図39(b)に示すように、特別図柄列である中図柄列Z2のみの変動表示が開始される。この場合の変動表示の態様は低速変動表示であり、また、他の図柄列Z1,Z3は停止したまま待機する。t9のタイミングで特別変動の終了タイミング、すなわち中図柄列Z2の停止タイミングとなると、図39(c)に示すように、中図柄列Z2が停止し、上下の図柄列Z1,Z3の停止図柄とあわせて保留予告の停止態様となるような図柄の組合せが停止表示される。この停止表示は、待機時間D3の期間に亘って保持される。上記のとおり、本実施形態では、待機時間D3の長さを確定停止時間D2の期間と同じ長さとしているため、待機時間と確定停止時間との区別がつきにくく、待機時間D3の前後を別々の遊技回である印象を遊技者に強く持たせることが可能となる。
待機時間D3が経過するt10のタイミングで、図39(d)に示すように、全図柄列Z1〜Z3の変動表示が開始される。この場合の変動表示の態様は、高速変動表示である。t11のタイミングで上図柄列Z1の減速が、t12のタイミングで上図柄列Z1の停止及び下図柄列Z3の減速が、t13のタイミングで下図柄列Z3の停止及び中図柄列Z2の減速が、t14のタイミングで中図柄列Z2の停止が、それぞれ行われる。t15のタイミングで停留表示時間D1が終了すると、メイン表示領域P及びメイン表示部43の変動表示が終了するとともに、確定停止表示に移行する。t16のタイミングで確定停止時間が経過すると、次の遊技回が開始されて、図柄の変動表示が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各遊技回における図柄の停止態様を利用して保留予告を行う遊技機において、その保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回の停止態様が外れ保留予告の停止態様となった場合、その次の遊技回の開始時に特別変動を実行して、当該外れ保留予告の停止態様を保留予告の停止態様に変更し得る構成とした。これにより、遊技回の停止態様が外れ保留予告の停止態様となったとしても、遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
この場合、特別変動は、外れ保留予告の停止態様となっている各図柄列のうち、枠外(全有効ラインから1図柄分変動先側又は変動基側にずれた位置)に停止した保留予告の対象となっている図柄の図柄列を低速変動にて動作させて、当該対象となっている図柄を枠内に移動させる。また、他の図柄列は停止したまま保持させる。そして、所定期間に亘って保留予告の停止態様を保持させた後(待機時間の経過後)、全図柄列を高速変動にて動作させて、その後、当否判定結果に対応する停止態様にて停止表示させる。このように、今回の遊技回において通常の遊技回と同様の演出(第2変動)を特別変動と待機時間を挟んで行うことで、特別変動を、今回の遊技回ではなく、前の遊技回に付随する演出である印象を強くさせることができる。その結果、単に、今回の遊技回の演出の一部として行われているのではなく、前回の遊技回において所謂再変動演出が行われたかのように思わせることが可能となる。これにより、演出の多様化が図られ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
前回の遊技回の遊技状況として、当否判定結果がいずれかの大当たり結果ではないことを一条件として特別変動を実行する(特定遊技回フラグをセットする)構成とした。換言すると、前回の遊技回の遊技結果が外れ結果であることを、特別変動の実行条件の一つとして設定した。これにより、遊技回において外れ結果であり、遊技者の期待度が低下し得るものであったとしても、その後に特別変動が行われる構成とすることで、その期待度の低下を抑制することが可能となる。
また、前回の遊技回の遊技状況として、リーチ非発生であることを一条件として特別変動を実行する(特定遊技回フラグをセットする)構成とした。換言すると、前回の遊技回の変動表示時間が短いことを、特別変動の実行条件の一つとして設定した。これにより、前回の遊技回に続いて特別変動が行われたとしても、これらのトータルの時間が長くなることを抑制し、一遊技回内での演出である印象を強めることが可能となる。
さらに、前回の遊技回の遊技状況として、外れ保留予告の停止態様のうち停止順序が遅い図柄列ほど、特別変動が発生し易い(特別変動抽選処理に当選し易い)構成とした。これにより、停止からの時間が短いほど特別変動が発生し易くなり、前回の遊技回からの続きの演出である印象を強めることが可能となる。
特別変動(第1変動)と第2変動との間に、各図柄の停止表示が保持される所定の待機時間を設けた。これにより、第1変動と第2変動とが別々の遊技回である印象を強めることができる。またこの待機時間を、前回の遊技回における確定停止時間と同じ長さの時間とした。これにより、第1変動と第2変動とが別々の遊技回である印象をより強めることが可能となる。
上記のように、今回の遊技回において、前回の遊技回の続きの演出としての特別変動と、今回の遊技回における当否判定結果を報知する演出(第2変動)と、を共存させる構成としつつも、各遊技回の開始と終了は、メイン表示部43及びメイン表示領域Pにおいて明示する構成とした。これにより、遊技ホールの管理者等は、これらメイン表示部43、メイン表示領域Pを確認することで、各遊技回の開始と終了を確認することができる。よって、例えば、遊技回が終了していないのにもかかわらず不正に利益を得ようとする不正行為を発見し易くなり、不正対策を好適に講じることができる。
メイン表示部43は遊技領域PEの外に設け、メイン表示領域Pは表示画面Gの表示領域内に設けた。すなわち、複数個所にて各遊技回の開始と終了とが明示され、不正行為への対策をより強化することができる。一方、いずれの部位43,Pも各図柄列Z1〜Z3の図柄よりも小さく表示するものであり、演出上、邪魔にならないように表示される。これにより、図柄列Z1〜Z3等による各遊技回の演出への注目度の低下を抑制しつつ、上記のように不正対策を講じることが可能となる。
特別変動を行うことによって、保留予告の実行タイミングを異ならせることが可能となる。すなわち、各図柄列Z1〜Z3の停止態様を利用した保留予告を行う構成においては、図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了時(停止時)に保留予告が発生(成立)するものであり、その発生タイミングは予め定められたタイミングといえる。一方で、特別変動は、遊技回の開始時に発生するものであり、保留予告の発生タイミングが変更されている。このようにすることで、上記予め定められたタイミングで保留予告が発生しなかった場合であっても、それとは異なるタイミングで保留予告が発生するのでは、という期待感を抱かせることが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
この場合、外れ保留予告の停止態様を停止させて保留予告を終了する状況において、次の遊技回の開始時に当該外れ保留予告の停止態様から特別変動を行い保留予告の停止態様に変更する構成とした。つまり、保留予告の実行を前回の遊技回から今回の遊技回の開始時に変更する構成としている。そのため、遊技回を跨いで保留予告の実行タイミングの変更がなされ、一遊技回中に保留予告が行われなかったとしても、次の遊技回まで期待感を持続させることが可能となる。
特に、通常であれば保留予告は遊技回の終了時(各図柄列Z1〜Z3の停止時)に行われ、実行タイミングの変更先は今回の遊技回の開始時としたため、実行タイミングの変更が行われるとしてもその変更前と後との間隔を短くすることができる。それであって、遊技回を跨いで変更が行われる。このようにすることで、変更されたことに違和感を低減しつつ、且つ変更されたことを気付かせ易くすることが可能となる。
さらに、外れ保留予告の停止態様が表示される遊技回においては遊技結果が外れ結果であり、当該外れ保留予告の停止態様の次の遊技回において特別変動が行われる遊技結果としてはいずれかの大当たり結果である可能性があるため、この特別変動が行われることによって、遊技者は、遊技結果がいずれかの大当たり結果であることを期待する。このようにすることで、特別変動に対する注目度を高めることができる。
また、本実施形態では、保留予告が外れ保留予告の停止態様として終了した次の遊技回において特別変動を実行する構成としたため、保留予告において最終的にリーチ表示に発展せず、外れ保留予告の停止態様となってしまった場合であっても、期待感を次の遊技回に持続させることが可能となる。このようにすることで、遊技への注目度を好適に高めることができる。
保留予告について、各図柄列Z1〜Z3の停止順との関係で、変動開始から上下の図柄列Z1,Z3の停止までを第1演出とすると、当該第1演出の終了から中図柄列Z2の停止を第2演出と、することができ、保留予告はこれら第1演出と第2演出とにより構成されている。そのため、外れ保留予告の停止態様を停止させる遊技回においては、保留予告のうち第1演出のみが実行されているとも言うことができ、特別変動は保留予告のうち第2演出のみを実行するものということができる。つまり、特別変動を実行する遊技回とその前の遊技回とで、保留予告を分担して実行している。このようにすることで、各遊技回の関連性を高めるだけでなく、特別変動を実行することによって比較的スムーズに保留予告を成立させることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、特別変動を実施する遊技回の前の遊技回において、当該特別変動のための所定の処理が実行される。以下、本実施形態における保留制御用コマンド対応処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における保留制御用コマンド対応処理では、上記第1の実施形態におけるステップS1501〜ステップS1507の処理と同様に、ステップS2301〜2307にて、保留コマンドを受信し、保留予告の抽選処理等を実行する。続くステップS2308では、副側保留記憶数SNが「1」であるか否かを判定し、「1」である場合には、続くステップS2309にて、特定遊技回フラグがセットされているか否かを判定する。
既に説明したとおり、特定遊技回フラグとは、外れ保留予告の停止態様が停止表示される次の遊技回を特定するためのフラグであり、当該次の遊技回の終了時、又は遊技回が連続しなかった場合に消去されるフラグである。ステップS2309にて肯定判定する場合とは、先ずステップS2303にて保留予告フラグがセットされておらず、ステップS2305にて保留予告抽選に当選し、ステップS2308にて副側保留記憶数SNが「1」である場合であって、特定遊技回フラグがセットされている場合である。具体的には、現在実行中の遊技回において外れ保留予告の停止態様が停止表示される予定であって、且つ今回起動されている保留制御用コマンド対応処理が、当該実行中の遊技回に取得した保留情報に対応するものであり、そしてその保留情報に対応する遊技回が当該実行中の遊技回の次の遊技回となる場合である。
ステップS2309にて肯定判定した場合、続くステップS2310にて、実行中の遊技回の確定停止時間の変更処理を実行する。この確定停止時間の変更処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2401にて、中図柄列Z2が高速変動中であるか否かを判定する。高速変動中である場合には、ステップS2402にて中図柄列Z2の減速タイミング変更処理を実行する。この場合、上記変動開始処理(図30)において決定された演出パターンを変更し、中図柄列Z2の減速タイミングを一律で0.5sec(低速変動表示にて1ライン分移動するのに要する時間に相当する)遅く変更する。そして、続くステップS2403にて、確定停止時間を短縮する処理を実行する。この処理では、確定停止時間を上記1.0secから0.5sec短くなるように変更する。これらの処理により、中図柄列Z2が低速変動表示される期間を変更せずに、確定停止時間を短くすることができる。但し、この処理は、各図柄列Z1〜Z3における確定停止時間を変更するものであり、メイン表示部43及びメイン表示領域Pの停止時間を変更するものではない。ステップS2403の処理を実行した後は、本変更処理を終了する。
ステップS2401にて中図柄列Z2が高速変動中ではない場合には、ステップS2404にて現在実行中の遊技回における停止図柄(停止予定の図柄)を把握し、続くステップS2405にて、特別図柄列と停止図柄列とを決定する処理を実行する。これらの処理は、上記特別変動用処理(図32)におけるステップS1801及びステップS1802の処理と同様である。
続くステップS2406では、仮変動開始設定処理を実行する。この処理では、現在実行中の遊技回における確定停止時間において、上記ステップS2405にて決定した特別図柄列の変動を開始させるように設定する。そして、ステップS2403にて、各図柄列の確定停止時間の短縮処理を実行してから、本変更処理を終了する。
保留制御用コマンド対応処理の説明に戻り、ステップS2303にて肯定判定した場合、ステップS2305にて否定判定した場合、ステップS2308にて否定判定した場合、ステップS2309にて否定判定した場合、ステップS2310の処理を実行した場合、のいずれかの後は、ステップS2311にて保留表示決定処理を実行する。ステップS2311〜S2315の処理は上記ステップS1508〜S1512の処理と同様である。
次に、確定停止時間が変更される様子を、図42の概要図を参照しながら説明する。なお、図42においては、中図柄列Z2の変動の様子、停留表示時間(D1)及び確定停止時間(D2)、メイン表示部43及びメイン表示領域Pの変動の様子について、(a)は変更前を、(b)及び(c)は変更後を示している。
すなわち、図42(a)においては、t1のタイミングで中図柄列Z2が停止した場合、t2のタイミングまで停留表示する。また、同タイミングにてメイン表示部43及びメイン表示領域Pも停止し、その後、t3のタイミングまで確定停止表示される。確定停止時間の変更処理が行われると、変更処理のタイミングが中図柄列Z2の高速変動時、すなわち、中図柄列Z2の減速タイミングを変更可能なタイミングである場合には、図42(b)に示すように、中図柄列Z2の減速タイミングを遅くした結果、停止タイミングも遅くなり、図42(a)におけるt1よりも遅いt4のタイミングで停止する。その後、上記図42(a)と同様に、t3のタイミングで次の遊技回が開始される。なお、この場合、次の遊技回の開始時に特別変動が実行される。このように、変更処理のタイミングが中図柄列Z2の高速変動時である場合には、確定停止時間D2の終了タイミングは変更されず、開始タイミング(停留表示から確定停止表示への移行タイミング)が遅延されて、確定停止時間D2の短縮が行われる。
確定停止時間の変更処理のタイミングが、中図柄列Z2の減速タイミング以降である場合には、図42(c)に示すように、図42(a)と同様にt1のタイミングで中図柄列Z2は停止する。その後、図42(a)におけるt3よりも早いt5のタイミングで、次の遊技回が開始される。上記と同様に、次の遊技回の開始時には特別変動が実行される。このように、変更処理のタイミングが、中図柄列Z2の減速タイミング以降である場合には、確定停止時間D2の開始タイミングは変更されず、終了タイミング(次の遊技回用の変動開始タイミング)が早められ、確定停止時間D2の短縮が行われる。
また、これらの場合、メイン表示部43及びメイン表示領域Pの停止期間は変更されない。そのため、遊技ホールの管理者等が遊技回の開始及び終了を確認する、という機能は担保されている。
このように、特別変動の開始と前回の遊技回の変動停止との間の期間を短くすることで、特別変動が前回の遊技回に付随する演出である印象を、より強めることが可能となる。
特に、本実施形態では、停留表示時間D1と確定停止時間D2とのうち、確定停止時間D2が短くなる構成とした。既に説明したとおり、停留表示時間D1においては再変動等の演出が行われる可能性がある期間として設定されており、確定停止時間においては再変動等の演出は行われない。すなわち、停留表示時間D1を短くしてしまうと、遊技者が再変動等を望む期間が短くなることになってしまう。そこで、本実施形態のように確定停止時間D2を短くする構成とすれば、再変動等への期待感を抱かせつつ、次の遊技回の開始までの期間を短くし、特別変動を前回の遊技回の続きである印象をより強めることが可能となる。
また、中図柄列Z2の変動状況に応じて、確定停止時間D2の短縮態様を変更した。これにより、中図柄列Z2が低速変動表示される期間の長短によってその後の特別変動の有無が察知されてしまうことを防止することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、保留予告を、停止図柄の組合せではなく図柄変動の開始時の予告音によって実現する。先ず、本実施形態における保留予告の態様について、図43(a)を参照しながら説明する。
本実施形態では、保留予告カウンタの値によって、保留予告を実行する場合の態様が異なっている。既に説明したとおり、保留予告カウンタは、保留情報の取得時(保留制御用コマンド対応処理)において保留予告に当選した場合に変動数(保留数)に応じて設定され、保留予告が行われる度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、保留予告の実行の契機となる保留情報の遊技回においては、当該保留予告カウンタは「0」となる。本実施形態では、保留予告の態様が、保留予告パターンテーブルとして、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶されている。
図43(a)に示すように、本実施形態における保留予告パターンテーブルでは、保留予告カウンタが「3」以上である場合には、図柄変動の開始時に「キュ」という予告音が発生する。保留予告カウンタが「2」である場合には、図柄変動の開始時に「キュイン」という予告音が発生する。保留予告カウンタが「1」である場合には、図柄変動の開始時に「キュキュイン」という予告音が発生する。保留予告カウンタが「0」である場合、すなわち、保留予告の実行の契機となる保留情報の遊技回では、図柄変動の開始時に最終段階の保留予告として「キュイーーン」という予告音が発生する。このように、保留予告における予告音が段階的に変化することで、保留情報の消化につれて遊技者は保留予告の実行の契機となった保留情報に近付くことを実感することができる。
なお、上記のように保留予告カウンタと予告音とを1対1で対応付けるのではなく、保留予告カウンタが「0」であっても「1」や「2」、「3」以上の場合の予告音が発生する場合があってもよく、他の値においても同様に、当該他の値に対応する予告音とは異なる予告音が発生する構成であってもよい。少なくとも、保留予告カウンタの値が小さくなればなるほど(保留予告の契機となった保留情報の遊技回に近付くほど)、遊技者がそれを把握可能であればよい。
また本実施形態では、上記の予告音は、遊技回における図柄変動の開始時に発生する。すなわち、保留予告が予め定められたタイミングで行われる。そのため、遊技者としては当該タイミングで予告音が発生することを期待し、そのタイミングにおいて注目度が最も高くなる。
次に、本実施形態における変動開始用処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS1701と同様に、ステップS2501にて主制御装置81からのコマンドに基づいて遊技回用の各情報の把握処理を実行する。続くステップS2502では、上記ステップS1702と同様に、保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されている場合には、ステップS1712、ステップS1713と同様に、ステップS2510、ステップS2511にて保留予告カウンタの減算処理、及び、当該処理に基づいて保留予告カウンタが「0」となったか否か、すなわち、保留予告の契機となった保留情報の遊技回であるか否かを判定する。
保留予告の契機となった保留情報の遊技回ではない場合、すなわち、ステップS2511にて否定判定した場合には、ステップS2512にてRAM244の各種フラグ格納エリア247に待機フラグが格納されているか否かを判定する。待機フラグは、保留予告の持ち越し状態であることをMPU242が把握するためのフラグである。このフラグについては、後に詳細に説明するとして、先ずは待機フラグが格納されていない場合の処理について説明する。
すなわち、ステップS2512にて待機フラグが格納されていない場合には、ステップS2513にて、保留予告カウンタの値に対応する保留予告(予告音)を保留予告パターンテーブルから読み出して設定する。演出制御装置82では、設定した保留予告の予告音と実行タイミングに基づいて、スピーカ部64を制御する。なお、他の処理で保留予告が設定された場合についても、これは同様である。
ステップS2511にて保留予告カウンタが「0」である場合には、ステップS2514にて保留予告フラグを消去してから、ステップS2515にて、リーチ発生の遊技回であるか否かを判定する。リーチ発生の遊技回である場合には、ステップS2516にて保留予告カウンタの値に対応する保留予告(予告音)を保留予告パターンテーブルから読み出して設定する。この場合に設定される保留予告は、既に説明したとおり、最終段階の予告音(キュイーーン)である。
ステップS2515にてリーチ発生の遊技回ではない場合には、予告音の設定は行わない。すなわち、保留予告の契機となった保留情報の遊技回がリーチ発生ではない場合には、本実施形態では保留予告を行わない構成としている。但し、ステップS2517にて特定遊技回フラグを格納して、上記第1の実施形態と同様に、保留予告の契機となった保留情報の遊技回において保留予告を行わなかったことを記憶する。
ステップS2502にて保留予告フラグが格納されていない場合、ステップS2503にて、上記の特定遊技回フラグが格納されているか否かを判定する。特定遊技回フラグが格納されている場合には、ステップS2504にて、上記ステップS1706と同様に連続遊技回か否かの判定を行う。連続遊技回ではない場合には、ステップS2505にて特定遊技回フラグを消去する。
連続遊技回である場合には、ステップS2506にて、遅延予告抽選処理を実行する。ここで、本実施形態では、上記のように保留予告の契機となった保留情報の遊技回にて保留予告を行わなかった場合には、その次の遊技回において、当該契機となった保留情報の遊技回にて実行するはずであった保留予告を実行する可能性がある。さらに、この場合、保留予告は上記の予め定められたタイミング(図柄変動の開始時)ではなく、それよりも後のタイミング(より具体的には、本実施形態では、リーチ表示の発生の有無が把握可能となる下図柄列Z3の高速変動表示が低速変動表示に切り換わるタイミング)に保留予告(予告音)が発生するように設定する。すなわち、ステップS2506では、保留予告を予め定められたタイミングよりも遅いタイミングに変更して発生させるか否かの抽選を行う。
この遅延予告抽選処理では、当該遊技回においてリーチ表示が発生する場合にのみ所定の確率(例えば80%の確率)で当選するように設定されている。すなわち、リーチ表示が発生しない場合には当選しない。さらに、リーチ表示の種類として、ノーマルリーチが発生する場合よりもスーパーリーチが発生する場合のほうが当選確率が高くなるように設定されている。そして、遊技結果が大当たり結果であるほうが、外れ結果である場合よりも当選確率が高くなるように設定されている。
すなわち、遅延予告抽選処理では、リーチ表示が発生することを条件に当選し、その当選確率は、大当たり期待度に対応するように設定されている。より具体的には、リーチ表示が発生する遊技回のうち、大当たり期待度が高いほど当選し易くなるように設定されている。
なお、保留予告の発生タイミングを、上記の図柄変動の開始時以外に複数設定し、大当たり期待度が高いほど、保留予告の発生タイミングを遅くするように設定してもよい。このようにすることで、保留予告が発生しない状況が継続すればするほど注目度が高まることが期待できる。
ステップS2506にて遅延予告抽選処理を実行した後は、ステップS2507にて、当該遅延予告抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2508にて、遅延予告用処理として、上記変更後のタイミングにて保留予告を発生させるように設定する。この場合の保留予告は、最終段階の保留予告(予告音「キュイーーン」)である。
ステップS2507にて遅延予告抽選に当選していないと判定した場合には、ステップS2509にて、特別遊技回フラグを消去するとともに、上記の待機フラグを格納する処理を実行する。既に説明したとおり、待機フラグは、保留予告の持ち越し状態である状況をMPU242が把握するためのフラグであり、より詳しくは、保留予告の契機となった保留情報の遊技回の次の遊技回において保留予告を発生させなかったことをMPU242が把握するためのフラグである。この待機フラグは、保留予告の設定時(ステップS2508又はステップS2516)や、連続遊技回が途切れる場合に消去される。連続遊技回の継続の判定は、変動終了用処理において、変動終了時に保留用記憶エリア260に保留情報が記憶されているか否かによって判定される。
ステップS2503にて特定遊技回フラグが格納されていない場合、又は、ステップS2508、ステップS2509、ステップS2513、ステップS2516及びステップS2517のうちのいずれかの処理を実行した後、は、ステップS2518に進む。ステップS2518では上記ステップS1704と同様に停止結果決定処理を実行し、続くステップS2519では上記ステップS1705と同様に演出パターン決定処理を実行する。そしてステップS2520にて、これら停止結果決定処理及び演出パターン決定処理にて決定した停止結果コマンドと演出パターンコマンドを表示制御装置212に送信してから、変動開始用処理を終了する。演出パターンコマンドには、上記各処理にて設定した保留予告の態様と実行タイミングとの情報が含まれており、これらの情報に基づいて、表示制御装置212は、保留予告の告知音に対応する表示演出(例えばエフェクトなど)を図柄表示装置41にて実行する。
図による説明は省略するが、本実施形態における変動中用処理では、上記演出パターン決定処理にて決定された演出パターンに基づいて、スピーカ部64及び表示発光部63を制御するとともに、表示制御装置212を制御する。
このように、本実施形態では、保留予告の実行タイミングが、予め定められたタイミングから、それよりも後のタイミングに変更される場合がある。このようにすることで、仮に、保留予告が発生しなかった場合であっても、その後に保留予告が発生するのでは、と期待感を持続させることが可能となる。そしてこの場合、遊技回を跨いで次の遊技回に変更されるため、このような期待感の持続効果をより長く継続させることが可能となっている。
そして、この持ち越された保留予告は、段階的に発展する形態の保留予告においてその発展後の保留予告が持ち越されて実行される。このようにすることで、上記次の遊技回にて発展前の保留予告が実行される構成と比較して、新たに保留予告が設定されたのではなく、先の保留予告が持ち越されて実行された、という印象をより強く持たせることが可能となる。
ここで本実施形態では、上記のように次の遊技回で保留予告が発生しなかった場合には、更にその後の遊技回で保留予告が発生する可能性がある。すなわち、保留予告の契機となった保留情報の遊技回が開始されることで、保留予告フラグは消去され(ステップS2514)、保留制御用コマンド対応処理(図28)では、その後に受信する保留コマンドに基づいて保留予告抽選が行われる(ステップS1504)。そして、この保留予告に当選すると、保留予告カウンタに変動数(保留数)に対応する数値が入力され(ステップS1507)、その保留予告カウンタに基づいて対応する保留予告が実行される(ステップS2513)。
但し、上記のように、保留予告の契機となった保留情報の遊技回の次の遊技回にて遅延予告抽選に当選しなかった場合には、待機フラグが格納される(ステップS2509)。そのため、その後に取得した保留情報に基づいて保留予告が設定された場合であっても、当該その後の保留予告の設定の契機となった保留情報の遊技回までは、ステップS2512の待機フラグの有無の確認処理にて肯定判定して、保留予告カウンタの値に対応する保留予告が設定されず保留予告が行われない。そして、当該その後の保留予告の設定の契機となった保留情報の遊技回にて、保留予告カウンタが「0」となり、リーチ発生を条件に(ステップS2515:YES)、最終段階の保留予告(予告音「キュイーーン」)が実行される。
例えば、図43(b)に示すように、第1結果表示部用保留エリアRaの第4エリアに記憶された保留情報(第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に表示される保留情報)に基づいて保留予告が設定された場合について説明する。この場合、当該保留情報よりも前に消化される保留情報(第1単位保留表示領域Ga1〜第3単位保留表示領域Ga3に表示される保留情報)の遊技回では、保留予告カウンタに対応する保留予告が行われる。そして、この保留予告の契機となった保留情報がリーチ表示を行わない保留情報に対応している場合、当該保留情報の遊技回では保留予告が行われない。
その次の遊技回において遅延予告が発生しない場合、遅延フラグが格納されることにより、その後に取得した保留情報(図43(c)では、第3単位保留表示領域Ga3に表示される保留情報)において保留予告に当選しても、当該当選した保留情報の遊技回までは保留予告が行われない。そして、当該当選した保留情報の遊技回において、最終段階の保留予告が行われる。
以上のように、本実施形態では、遊技回における予め定められた所定タイミングで実行される保留予告を、当該所定タイミングよりも後のタイミングで実行するように変更することで、保留予告が行われなかった場合であっても、その後に保留予告が行われるのでは、という期待感を抱かせることが可能となる。
この場合、保留予告の契機となった保留情報の遊技回の次の遊技回に実行タイミングが変更される場合(遅延予告に当選した場合)と、それ以降の遊技回に実行タイミングが変更される場合(待機フラグが格納されている状況で保留予告に当選した場合)と、がある。このようにすることで、保留予告の実行タイミングが変更される先を、より多様なものとすることができる。
上記保留予告の契機となった保留情報の次の遊技回の開始時には、遅延予告抽選処理を実行する構成としているため、当該契機となった保留情報の次に取得した保留情報が保留予告抽選処理にて非当選であっても、保留予告が行われる可能性がある。そのため、常時行われ得る保留予告抽選処理の当選確率を高く設定しなくても、上記保留予告の契機となった保留情報の次の遊技回において、保留予告が行われる可能性を比較的高くすることが可能となる。このようにすることで、せっかく用意した遅延予告がなかなか実行されない、といった不都合を回避することができる。
一方、待機フラグが格納されている状況では、その後に取得された保留情報に基づいて保留予告抽選処理を行い、それに当選した場合に保留予告を行う構成としたため、通常時(待機フラグが格納されていない状況)の処理に対して特別な処理を行う必要がなく、処理負荷の低減が図られている。
さらに、待機フラグが格納されている状況で、保留予告抽選に当選した場合であっても、当該当選の契機となった保留情報がリーチ表示に対応しない保留情報である場合には、更に特定遊技回フラグが格納され(ステップS2517)、その次の遊技回にて遅延予告が発生し得る。そして、この遅延予告は、リーチ発生の遊技回においてのみ当選するように設定されている。そのため、待機フラグが格納された状態で、保留予告が発生したのにもかかわらず、すなわち、最終段階の保留予告が発生したのにもかかわらず、リーチ表示が発生しないといった事象を回避することが可能となる。上記の遅延予告が発生しなければ、更に待機フラグが格納された状態が維持されるため、更に次の保留予告抽選の当選を待つことも可能となる。
このように、保留予告の実行タイミングが変更された後、当該保留予告をいつ実行するかは、その後の遊技状況によって変化する。これにより、保留予告の実行タイミングの変更先を、変更時の遊技状況に限定されることなく、より多様なものとすることが可能となる。
なお、待機フラグが格納されている状況を、遊技者が把握可能な態様で報知する構成としてよい。例えば、背景画像を変化させたり、保留画像を変化させたりする構成が考えられる。このようにすることで、次に保留予告に当選した場合には、その保留予告が段階を経ずに最終段階から実行されることを遊技者は認識し、より遊技に没頭することが考えられるし、待機フラグが消去されないように、すなわち、連続遊技回を継続させるよう遊技球の発射を継続し、総発射球数の増加を見込むことも可能となる。なお、この効果をより際立たせるために、保留予告パターンテーブルにおいて、大当たり期待度に応じて、段階を経ずに最終段階から実行される保留予告の態様を設定するとよい。
また、遅延予告をリーチ表示が発生する場合にのみ当選する構成としたが、リーチ表示が発生しない場合にも当選し得る構成としてもよい。このようにすることで、遅延予告の全体的な当選確率を高めること、すなわち遅延予告が発生し得る確率を高めることが可能となる。
保留予告パターンテーブルにおいて、最終段階の保留予告の前の遊技回において保留予告を実行しない態様を設定してもよい。すなわち、例えば、保留予告カウンタが「1」の場合に保留予告なしが選択される構成とすると、次の遊技回において保留予告カウンタが「0」となり、リーチ表示が行われることを条件に最終段階の保留予告が行われる。このように、遊技回を跨いで保留予告が持ち越される演出パターンを予め設定しておくことで、このような演出が行われる頻度を高めることが可能となる。この場合、大当たり当選の期待度に対応させて、期待度が高いほど、上記の遊技回を跨いで保留予告が持ち越される演出パターンに当選する確率を高めることで、上記実施形態のように保留予告の契機となった保留情報がリーチ表示に対応していない保留情報であることに基づいて発生し得る遅延予告に対する注目度も高めることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、保留予告を、可動役物の動作によって実現する。先ず、本実施形態における遊技盤の構成と保留予告の態様について、図45を参照しながら説明する。
本実施形態における遊技盤240には、可変表示ユニット360が設けられており、この可変表示ユニット360において図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム420が設けられている。このセンターフレーム420に、保留予告を実行するための可動役物300が配設されている。
可動役物300は、可動部としての役物本体301と、当該役物本体301の駆動制御を実行する役物駆動部302と、を備えている。役物駆動部302は、演出制御装置82に接続されており、演出制御装置82の指示により役物本体301を動作させる。
役物本体301の動作について説明する。図45に示すように、役物本体301は、通常時において、図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重ならない初期位置に配置される。保留予告が行われる場合、役物駆動部302が駆動制御されることにより、役物本体301は、上記初期位置から、表示画面Gと前後方向に重なる成立位置まで切替動作する。
役物本体301は、剣の装飾が施されており、その柄部分に役物駆動部302が設けられており、役物本体301は役物駆動部302により回動可能に設けられている。そして、役物駆動部302により駆動制御されることによって、初期位置にて起立状態となっている剣が、成立位置にて略水平状態となるように剣が振り下ろされるように動作する。これにより、保留予告を、剣によって表示画面Gが切り裂かれるかのような演出とすることができる。
また、保留予告が行われる場合、この保留予告が成立するか否かの煽り演出を行う位置として、初期位置と成立位置との中間位置に煽り位置が設定されている。保留予告が行われる場合、役物本体301は、初期位置から煽り位置に動作し、そしてその位置において煽り演出が行われ、保留予告が成立する場合には成立位置まで動作し、保留予告が成立しない場合には当該煽り位置から初期位置に戻る。
この場合の可動役物の動作用の処理では、例えば第3の実施形態における変動開始用処理(図44)のように、保留予告フラグが格納された状況で行われる遊技回(ステップS2502:YES)にて、保留予告カウンタに応じた保留予告を実行する。この場合、例えば、保留予告パターンテーブルにて、保留予告カウンタの値が大きいほど上記の煽り演出から初期位置に戻る演出の発生確率を高くする。具体的には、保留予告の契機となった保留情報の遊技回に近付くほど、すなわち保留予告カウンタの値が小さくなるほど、保留予告が成立する確率を高くする。
そして、本実施形態におけるステップS2515では、上記第3の実施形態とは異なり、保留予告の契機となった保留情報がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定し、いずれかの大当たり結果である場合には(ステップS2515:YES)、保留予告が成立する(煽り演出から成立位置に動作する)ように保留予告を設定し(ステップS2516)、外れ結果である場合には(ステップS2515:NO)、煽り演出から初期位置に戻る演出を発生させるともに、特定遊技回フラグを格納する(ステップS2517)。
また、特定遊技回フラグが格納されている場合(ステップS2503:YES)には、連続遊技回であることを条件(ステップS2504:YES)に、上記第3の実施形態とは異なり、所定の抽選処理を実行して当該抽選処理にて当選した場合に、特別な保留予告(以下、特別予告という)を実行する構成とする。
この特別予告とは、遊技回の開始時に役物本体301を成立位置まで動作させる演出であり、成立位置まで動作させた後、初期位置に戻す動作を伴うものである。この特別予告の動作については、後に詳細に説明する。
そして、停止結果決定処理(ステップS2518)、演出パターン決定処理(ステップS2519)を実行して、役物動作に合わせた遊技回中の演出態様を決定し、ステップS2520にてその情報を表示制御装置212へ出力する。
すなわち、本実施形態でも、保留予告の契機となった保留情報の遊技回にて保留予告が成立しなかった場合(役物本体301が、煽り演出後に初期位置に戻った場合)は、その次の遊技回にて保留予告(特別予告)が行われる可能性がある。
なお、本実施形態では、この特別予告は、上記保留予告の契機となった保留情報の遊技回の次の遊技回、すなわち、煽り演出後に初期位置に戻る演出が行われた次の遊技回において発生するものとし、上記第3の実施形態のように、複数回の遊技回を跨いで保留予告の持ち越しは行われない。そのため、待機フラグに関係する処理(ステップS2509やステップS2512)は実行されない。
可動役物300の動作の詳細について、図46(a)のタイミングチャートと、図46(b)の説明図を参照しながら説明する。
t1のタイミングで開始された遊技回にて保留予告が行われる場合、先ずt2のタイミングで可動役物300の役物駆動部302の駆動制御が開始され、図46(b1)に示す初期位置から、図46(b2)に示すように煽り位置へ向けた動作が開始する。t3のタイミングで煽り位置に到達すると、当該位置において煽り演出が行われる。煽り演出では、役物本体301が煽り位置にてガタガタ振動するとともに、表示画面Gにおいてエフェクト演出が行われる。
t4のタイミングで、この煽り演出が終了して、図46(b3)に示すように成立位置へ向けた動作が開始する。t5のタイミングで成立位置に到達すると、当該位置においてt6のタイミングまで役物本体301が保持されるとともに、保留予告の成立を示す確定演出が表示画面Gにおいて行われる。このt6のタイミングは、遊技回における図柄変動の終了タイミングに設定されている。すなわち、保留予告が成立する場合には、遊技回の終了時まで役物本体301が成立位置に保持される。
そして、t6のタイミングから、図46(b4)に示すように、役物本体301は初期位置に向けた移動を開始する。この場合、役物本体301が初期位置に戻るt8のタイミングよりも前のタイミングであるt7のタイミングで、次の遊技回が開始する。
この次の遊技回が、例えば保留予告の契機となった遊技回であれば、t9のタイミングで再度役物動作が開始し、t10のタイミングで煽り位置に到達し、t11のタイミングで煽り位置から成立位置へ向けた動作が開始し、t12のタイミングで成立位置に到達して保留予告が成立する。t13のタイミングで遊技回が終了すると、役物本体301は初期位置に向けて動作を開始し、t15のタイミングで初期位置に戻る。
この場合、本実施形態では、保留予告の契機となった保留情報の遊技回においては、当該契機となった保留情報が大当たり結果である場合に当該遊技回において保留予告が成立するため、t15のタイミングよりも前のt14のタイミングで、次の遊技回ではなく、開閉実行モード(より詳しくはオープニング演出)が開始されている。
また、保留予告の契機となった保留情報が外れ結果である場合には、当該保留情報の遊技回においてt16のタイミングで役物動作が開始して、t17のタイミングで煽り位置まで到達する。そしてt18の遊技回が終了するタイミングまで煽り演出が行われ、遊技回の終了に伴い、役物本体301は初期位置へ向けて動作開始する。この場合も、初期位置に戻るt20のタイミングよりも前のタイミングであるt19のタイミングで次の遊技回が開始される。
上記のように、煽り演出によって演出の成立の有無が明示される構成においては、煽り演出が行われる煽り期間が長ければ長いほど、遊技者としてはその期間、注目することになるため、注目度が高められた期間を長くすることが可能となる。そして、このような煽り期間を遊技回の終了タイミング近くまで延ばすほど、当該遊技回の注目度は必然的に終了タイミングまで高められる。換言すると、遊技回の途中に注目度が最も高くなるポイントを設定すると、当該遊技回のその後の展開(演出など)が予測されてしまい、当該その後の展開に中だるみ感が生じて好ましくない。
さらに、上記のように注目度が高まるポイントを遊技回の終了時付近に設定している構成において、その注目度を高める構成を本実施形態のように役物動作によって実現すると、例えば役物の戻り動作を次の遊技回に含ませる構成とするなど、次の遊技回においても前の遊技回において注目度を高めた余韻を残すことが可能となる。特に、上記の注目度を高めた演出として、保留予告といった複数回の遊技回に亘って発生し得る連続演出に適用しているため、次の遊技回まで期待感を持続させるという、連続演出の効果をより高めることが可能となる。
このような構成においては、大当たり結果であった場合や、保留予告が成立した場合であれば、上記のように次の遊技回における注目度を好適に高めることが可能となるが、そうではなく、外れ結果であった場合や、保留予告が成立しなかった場合には、次の遊技回においてこの成立しなかった演出の余韻を引きずることになり、逆に注目度を低下させてしまう可能性が生じる。
そこで、本実施形態では、この保留予告が成立しなかった次の遊技回において、特別予告を発生し得る構成としている。特別予告とは、保留予告が成立しなかった次の遊技回の開始時において、役物本体301が初期位置に戻るよりも前のタイミングで成立位置へ動作方向を切り替えて、保留予告を成立させる演出である。当該特別予告が行われる様子について、図47(a)のタイミングチャートと、図47(b)の説明図と、を参照しながら説明する。
t1のタイミングで開始された遊技回において、t2のタイミングで役物動作が開始され、t3のタイミングで煽り位置に到達し、t4のタイミングまで煽り演出が行われる。その後、t5のタイミングで成立位置まで役物本体301が移動して保留予告が成立する。t6のタイミングで遊技回が終了すると、役物本体301は初期位置に向けて移動を開始する。そして、t7のタイミングで次の遊技回が開始した後のt8のタイミングで、役物本体301は初期位置に到達する。
t7のタイミングで開始された遊技回が、保留予告の契機となった保留情報の遊技回である場合、t9のタイミングで役物動作が開始され、t10のタイミングで煽り演出が開始される。そして、t11のタイミングで遊技回が終了するまで、当該煽り演出が継続される。この場合、今回の遊技回は外れ結果であり、保留予告も成立しない。但し、上記のように、変動開始用処理では、特定遊技回フラグが格納される。
t12のタイミングで開始された遊技回の変動開始用処理において、特定予告の抽選処理に当選した場合、t11のタイミングで初期位置に向けた動作が開始されたものの、初期位置には到達していないt13のタイミングで、役物本体301の動作方向の切替が行われる。そして、t14のタイミングで成立位置に到達して、保留予告(特別予告)が成立する。そして、t15のタイミングで初期位置へ向けて動作を開始して、t16のタイミングで初期位置に到達する。
このように、前回の遊技回において成立しなかった保留予告を、次の遊技回において成立し得る構成とすることで、上記のように遊技回を跨いで成立しなかった演出の余韻を残す構成において、その残した余韻による注目度の低下を抑制するだけでなく、今度こそ保留予告が成立するかもしれない、といったように、注目度を高める構成とすることが可能となる。
この場合、役物本体301が初期位置に到達するよりも前のタイミングで、保留予告の成立位置に向けた動作方向の切替が行われる構成としたため、初期位置に到達してから新たに成立位置に向けて動作する構成と比較して、前回の遊技回の保留予告の続きの演出である印象を強め、保留予告が新たに設定された印象を弱めることが可能となる。
そのため、上記のように遊技回の開始時に設定された保留予告(特別予告)を、あたかも先の保留予告の開始時から設定されていた演出として思わせることが可能となり、当該特別予告が行われる遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。
ここで、特別予告が行われた遊技回においては、当該遊技回の遊技結果がいずれかの大当たり結果であることを条件に設定される演出パターンの一形態として、当該遊技回において保留予告が成立する形態が設定されている。この場合、特別予告において、役物本体301が初期位置に戻るt16のタイミングとは、遊技回中において、通常の保留予告が開始されるタイミングよりも前のタイミングに設定されている。つまり、t16のタイミングよりも後のタイミングであるt17のタイミングにおいて、保留予告が開始されることがある。
この場合、t17のタイミングで役物本体301の動作が開始され、t18のタイミングで煽り位置に到達し、t19のタイミングまで煽り演出が行われる。t20のタイミングで成立位置へ移動し、t21のタイミングにおいて遊技回が終了するまでその状態が保持される。
このように、一遊技回において開始時と終了時に保留予告が行われる場合がある。そのため、保留予告の実行に所定の演出時間が必要な構成において、それぞれが重複することを抑制し、別々の演出として好適に実行することが可能となる。つまり、遊技回において開始時と終了時とに保留予告を行う構成とすることで、一遊技回中に複数回の保留予告を行う構成において、保留予告と保留予告との間の時間を最も長く設定することができる。このようにすることで、各保留予告をそれぞれ独立した演出である印象を強めることができる。
また、通常時は保留予告を遊技回の終了時において実行する構成としているため、上記のように保留予告に対する注目度を高めれば、当該遊技回の最後まで注目度を保つことが可能となる、といった効果を奏することが可能となっている。このような構成において、一遊技回中の開始時と終了時とに保留予告を行う構成とすれば、遊技回の開始時から終了時までの注目度を好適に高めることが可能となる。
この場合、遊技回の変動表示時間が長くなればなるほど、開始時と終了時に実行される保留予告と保留予告との実行間隔は長くなる。逆に、遊技回の変動表示時間が短くなれば当該実行間隔は短くなる。そして、上記のように保留予告と保留予告との実行間隔を長く設定してそれぞれ独立した演出である印象を強めたければ変動表示時間を長くすればよいし、逆に実行間隔を短く設定して連続演出である印象を強めたければ変動表示時間を短くすればよい。このように、変動表示時間を調節するだけで保留予告の与える印象を変化させることができ、簡易な構成の変更で保留予告の多様化を図ることが可能となる。
この場合の具体的な構成としては、保留予告及び特別予告の設定時に変動表示時間の長さを把握して、その長さによってこれら両予告を設定するか否かを決定する構成としてもよいし、一方の予告(例えば保留予告)が設定されている遊技回において他方の予告(例えば特別予告)を実行するか否かを決定する場合に、上記のように変動表示時間の長さに応じて決定する構成としてもよい。逆に、これらの予告を実行するか否かを先に決定し、その後に変動表示時間を決定する構成としてもよい。この場合、変動表示時間の決定は主制御装置81側で行う構成であるため、両予告の実行の有無に関する処理も主制御装置81側で行う構成としてもよいし、変動表示時間にかんしても演出制御装置82側で決定する構成としてもよい。
さらにこの場合、例えば、開始時と終了時とに保留予告を実行する遊技回を連続させることで、一遊技回における保留予告の実行間隔だけでなく、複数遊技回に亘っての保留予告の実行間隔を調整することも可能となる。すなわち、一の遊技回の終了時と次の遊技回の開始時とにおいて実行される保留予告の実行間隔を、一遊技回中の開始時と終了時とで実行される保留予告の実行間隔よりも短く設定すれば、上記のように開始時と終了時とで実行される遊技回を連続させると、一の遊技回の終了時と次の遊技回の開始時とでは連続して実行され、当該次の遊技回の開始時と終了時とでは間隔をおいて実行される、といった構成とすることもできる。逆に、一の遊技回の終了時と次の遊技回の開始時とにおいて実行される保留予告の実行間隔を、一遊技回中の開始時と終了時とで実行される保留予告の実行間隔よりも長く設定すれば、上記のように開始時と終了時とで実行される遊技回を連続させると、一の遊技回の終了時と次の遊技回の開始時とでは間隔をおいて実行され、当該次の遊技回の開始時と終了時とでは連続して実行される、といった構成とすることもできる。これらの調節も、変動表示時間の変更を行うことにより可能であり、簡易な構成で各保留予告の実行間隔を調節し、演出の多様化に寄与することが可能となる。
特別予告が行われた遊技回において、さらに保留予告が成立する演出パターンが選択される条件を、遊技結果がいずれかの大当たり結果であることとしたが、これを変更してもよい。例えば、この特別予告にかかる変動開始用処理の実行時点において、保留数が少ない場合(例えば、保留数が0である場合)に、その後に保留予告が成立し得る構成としてもよい。このようにすることで、保留数が少ない場合に一遊技回中に複数回の保留予告が成立し易い構成となる。特に、上記第3の実施形態のように、保留予告の実行数に応じてその実行態様を変更する構成に適用すると、保留数が少ない場合であっても実行数を多くすることができる。
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組合せて上記各実施形態に対して適用してもよい。
(1)外れ保留予告の停止態様から保留予告の停止態様に変更されるように特別変動を実行する構成としたが、特別変動前の停止態様及び特別変動後の停止態様はこれらに限定されない。例えば、保留予告において、対象となっている保留情報の遊技結果と保留予告用の図柄を対応付け、一の保留予告用の図柄にて保留予告用の停止態様が形成された遊技回の次の遊技回において、特別変動として他の保留予告用の図柄にて保留予告用の停止態様を形成させる構成としてもよい。具体的には、非特定図柄(通常大当たり結果に対応)による保留予告用の停止態様が、特定図柄(15R確変大当たり結果に対応)へ変更される構成や、その逆の構成が考えられる。より具体的には、例えば、非特定図柄による保留予告用の停止態様として、上図柄列Z1では右ラインL3、中図柄列Z2では左ラインL1、下図柄列Z3では中ラインL2に、それぞれ「6」が付された主図柄が停止したとする。この場合、上図柄列Z1の左ラインL1、中図柄列Z2の右ラインL2、下図柄列Z3の右ラインL3から変動基側に1図柄分ずれた位置、にそれぞれ「7」が付された主図柄(特定図柄)が停止している。そして、特別変動において、下図柄列Z3を変動させて「7」が付された主図柄を中ラインL2や左ラインL1に停止させることで、特定図柄による保留予告用の停止態様に変更される。
また、特別変動の前の遊技回の結果は外れ結果に限定されない。すなわち、特別変動前の遊技回として、いずれかの大当たり結果であり、その後に開閉実行モードへ移行し、その開閉実行モード後の1回転目において、特別変動を実行してもよい。この場合、例えば特別変動前の遊技回、すなわち開閉実行モードの契機となった遊技回において、15R確変大当たり結果であったとしても非特定図柄の組合せにて大当たり結果を報知し、開閉実行モード後の遊技回において、当該非特定図柄の組合せを特定図柄の組合せとなるように変更してもよい。この場合、開閉実行モードが挟まれるため、特別変動が前回の遊技回の続きの演出である印象が薄れる可能性も生じる。そこで、開閉実行モード用の演出を行わず、又は行うとしても通常よりも短時間にて行う構成とし、次の遊技回が開始されるまでの期間を短く設定するとよい。この観点からすると、例えば、2R非明示確変大当たり結果、2R明示確変大当たり結果及び特別外れ結果のように、開閉実行モードの期間が短く、開閉実行モード中に大入賞口32aへの遊技球の入賞が期待できない遊技結果について、その次の遊技回において特別変動を実行する構成とするとよい。また、特別変動後の停止結果が変動前の停止結果よりも遊技者にとって好ましいものに変更する、という観点からすると、例えば2R確変大当たり結果であっても、先の遊技回において特別外れ結果又は2R非明示確変大当たり結果を報知しておき、開閉実行モード後の特別変動にて2R明示確変大当たり結果を報知する構成としてもよい。これらの場合、特別変動において全図柄列Z1〜Z3を変動させる必要が生じ得るが、特別変動を独立した遊技回ではなく前回の遊技回に付随する遊技回である印象を強めるべく、これら全図柄列Z1〜Z3の変動は高速変動表示ではなく低速変動表示にて行うことが好ましい。
(2)今回の遊技回の遊技結果を、所定の事象が発生したことに基づいて次の遊技回における特別変動において報知する構成としてもよい。すなわち、例えば、所定の事象として、球詰まりなどの遊技機のエラーが発生した場合には、今回の遊技回の演出だけでなく当該エラーの報知を行う必要がある。そのため例えば、今回の遊技回が保留予告用の停止態様を停止させる遊技回である場合には、せっかく用意した停止態様を遊技者が見逃してしまう可能性が生じる。そこで、今回の遊技回においては、外れ保留予告用の停止態様を停止させるとともに、上記のエラー報知を行い、今回の遊技回の実行中は遊技者に対してエラーを報知することを優先し、次の遊技回の開始時において特別変動によって保留予告の停止態様を表示させる構成とすると、保留予告及びエラーの報知に時間差を設けることが可能となり、それぞれを好適に報知することができる。所定の事象とは、上記のエラーの発生の他、遊技球の発射態様の報知や、不正行為の報知などが考えられる。
(3)特別変動を規制する手段を、連続遊技回でなくても規制するものとしてもよい。すなわち、例えば、外れ保留予告用の停止態様後の遊技回であっても、次の保留予告の対象となっている保留情報よりも前に実行される遊技回が存在する場合には、当該外れ保留予告用の停止態様を保留予告用の停止態様に変更しなくても、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前に保留予告用の停止態様を停止させることが可能である。そこで、上記のように保留予告の対象となっている保留情報よりも前に当否判定の対象となる保留情報が存在する場合には特別変動を制限する(実行しない)構成とすることで、特別変動の実行頻度を低くすることが可能となり、当該特別変動が実行された場合の驚きや期待感を高めることができる。
(4)連続遊技回ではない遊技回では特別変動を規制する構成としたが、連続遊技回ではない遊技回において特別変動を実行する構成としてもよい。この場合、特別変動を行う前の遊技回とは遊技を終了する際の最後の遊技回であり、その次の遊技回(特別変動を行う遊技回)とは開始1回目の遊技回を示す。連続遊技回ではない遊技回において特別変動を実行することで、前回の遊技回の続きの演出である印象は弱くなるものの、外れ保留予告用の停止態様で連続遊技回が終了している場合において特別変動を実行することで、開始1回転目に特別変動が行われる可能性を生じさせることができ、遊技ホールに複数台設置された遊技機から1台を選択する動機となり得るし、逆に外れ保留予告用の停止態様で遊技を終了しにくくなり、遊技の継続を促すことも可能となる。なお、特別変動は所定の抽選に当選することで発生する構成であるため、いずれかの大当たり結果である場合であっても発生し得ることは言うまでもない。
(5)遊技回の開始時に特別変動を実行する構成としたが、この特別変動と同様の動作が遊技回の終了時、すなわち、図柄の再変動として発生する構成としてもよい。このようにすることで、特別変動が前回の遊技回の続きである印象をより高めることが可能となる。
(6)特別変動は、特別変動抽選処理において大当たり結果である場合のほうが外れ結果である場合よりも当選確率が高い構成としたが、大当たり結果の種類によって当選確率が変化する構成としてもよい。例えば、大当たり結果となってから遊技者が得られる特典が高いほど、当選確率が高い構成としてもよい。
(7)外れ保留予告用の停止態様は、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回において停止されるものとしたが、他の遊技回においても停止し得るものとしてもよい。このようにすることで、特別変動が発生するのでは、という期待感を常時遊技者に持たせることが可能となる。また、この場合、特別変動の実行は、保留予告の対処となっている保留情報に係る遊技回の次の遊技回に限らず、外れ保留予告用の停止態様となった遊技回の次の遊技回において所定の確率で実行する構成とするとよい。
(8)特別変動において、遊技回の停止順が遅い図柄列ほど変動し易い構成としたが、その逆であってもよい。このようにすることで、特別変動が実行された場合の意外性を高めることが可能となる。
(9)外れ保留予告用の停止態様は、いずれかの図柄列Z1〜Z3において保留予告の対象となっている図柄を、全有効ラインから変動先側又は変動基側に1図柄分(1ライン分)ずらして停止させる構成としたが、このずらす量は1図柄分に限定されない。例えば、全有効ラインから2図柄分ずらしてもよく、それ以上ずらしてもよい。この場合、特別変動抽選処理において、このずれ量が小さいほど特別変動が発生し易い構成とすると、前回の遊技回の停止結果と特別変動の発生とが関連付けられるため、一遊技回における演出である印象を強めることが可能となる。また、この場合、全有効ラインからのずれ量を把握して、そのずれ量に基づいて特別変動における変動方向を決定する構成としてもよい。このようにすることで、前回の遊技回の停止結果との関連性をより強めることが可能となるし、例えばずれ量が少ない方向に変動させる構成とすると、特別変動の実行時間を短くすることが可能となり、前回の遊技回とのトータルの時間を短くすることによる一体感を高めることができる。
(10)第2の実施形態において、各図柄列Z1〜Z3の確定停止時間を変更する一方、メイン表示部43及びメイン表示領域Pにおいては変更しない構成としたが、このいずれか一方又は両方の停止時間も変更する構成としてもよい。但し、遊技ホールの管理者等が遊技回の開始と終了を確認する手段を確保する観点からすると、いずれか一方は変更しない構成とすることが好ましい。この場合、各図柄列Z1〜Z3との演出との視点を変えるという観点からすると、メイン表示部43側を変更しない構成が好ましい。
(11)第2の実施形態において、確定停止時間の変更にあわせて、メイン表示領域Pの変動表示を停止させずに当該変動表示が停止しているように見える演出を行う構成としてもよい。例えば、メイン表示領域Pの周りの色を、メイン表示領域Pの変動表示に対応させて同色又は近い色に変動させることで、メイン表示領域Pは変動表示が継続していても、あたかもその変動表示が停止しているように見せることができる。また逆にメイン表示領域Pの変動を停止している期間において周りの色を変動させることで、あたかも変動表示が継続しているように見せることができる。
(12)保留個数は、第1結果表示部用保留エリアRaが4個であり、第2結果表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
(13)第1結果表示部用保留エリアRaの保留情報よりも第2結果表示部用保留エリアRbの保留情報を優先的に当否判定する構成としたが、その逆であってもよく、入賞順(取得順)に当否判定する構成としてもよい。但し、第2結果表示部用の振分テーブルの優位性を鑑みると、第2結果表示部用の振分テーブルの保留情報を優先的に消化する構成が好ましい。
(14)保留予告用の各種処理を演出制御装置82において実行する構成としたが、主制御装置81において実行してもよく、演出制御装置82において当否判定処理等の主制御装置81側の処理を実行する構成としてもよい。特に、メイン表示部43における変動態様(停止期間や変動期間)を変更するためには、主制御装置81側にて保留予告用の各種処理を実行する構成とするとよい。
(15)特別変動を実行する遊技回において、変動表示時間を変更する構成としてもよい。変動表示時間を長くすることで、特別変動(第1変動)と第2変動とを一遊技回において実行するうえで、猶予が生じるため好ましい。この場合、変動表示時間の決定は主制御装置81側で行う構成としている関係上、上記(14)のように主制御装置81側にて保留予告用の各種処理を実行する構成とするとよい。またこの場合、ステップS1708において、今回の遊技回の変動表示時間が所定時間以上であるか否かを判定する処理を行う必要がなくなり、処理構成の簡素化を図ることができる。
(16)特別変動を実行する遊技回の前の遊技回において、変動表示時間を変更する構成としてもよい。当該前の遊技回において変動表示時間を短くすれば、次の遊技回における特別変動とのトータルの時間を短くすることができ好ましい。この場合も、上記(15)と同様に、主制御装置81側にて保留予告用の各種処理を実行する構成とするとよい。
(17)図柄の変動表示の態様を、全図柄列Z1〜Z3での図柄の変動表示を開始→全図柄列Z1〜Z3での高速変動表示→低速変動表示を経由した各図柄列Z1〜Z3の順次停止という表示の流れとしたが、高速変動表示と低速変動表示との間に中速変動表示が含まれていてもよい。また、全図柄列Z1〜Z3の高速変動表示の前に低速変動表示が含まれる構成としてもよい。
また、通常の図柄の変動表示において、変動速度を高低とすることで、全図柄列Z1〜Z3の変動表示と特別変動とを区別可能としたが、これらを区別可能であれば、変動表示の識別性の高低による区別であってもよい。すなわち、相対的に高識別態様での変動表示と低識別態様での変動表示という状態を含む構成としてもよい。この場合の識別性とは、例えばいずれの態様であっても変動速度は同一であるが、低識別態様での変動表示では図柄が透明、半透明、中抜き又は一部を除いた状態で表示され、高識別態様での変動表示では図柄の全体が表示される構成などが考えられる。
(18)メイン表示領域Pを設けたが、少なくともメイン表示部43を有していれば、遊技回の開始と終了とを遊技ホールの管理者等は確認することができる。また、メイン表示領域Pを表示画面G内に設けたが、表示画面Gの近傍(例えば、センターフレーム42)においてランプ部を設け、当該ランプ部の点灯/消灯や色によって変動表示させる構成としてもよい。
(19)保留予告の対象となっている遊技回がリーチ表示を伴わない場合には外れ保留予告の停止態様となるようにしたが、保留予告の停止態様ではなく且つ外れ保留予告の停止態様でもないように完全外れの停止態様となる場合が含まれてもよい。この場合、外れ保留予告の停止態様とするか否かの抽選を行う構成とするとよい。
(20)外れ保留予告の停止態様において、特定図柄による特別変動と非特定図柄による特別変動とが可能である場合には、いずれによる特別変動を実行するかを抽選等によって決定する構成としてもよい。具体的には、図22(d)では、特定図柄による外れ保留予告の停止態様を示しているが、さらに上図柄列Z1の左ラインL1、中図柄列Z2の中ラインL2には「8」が付された主図柄が停止している。そして、図示はしていないが、下図柄列Z3において右ラインL3よりも1図柄分変動基側には「8」が付された主図柄が停止している。そのため、図22(d)の停止態様は、特定図柄(「7」が付された主図柄)による外れ保留予告の停止態様であると同時に、非特定図柄(「6」が付された主図柄)による外れ保留予告の停止態様であるといえる。そこでこの場合、いずれの図柄列(中図柄列Z2か下図柄列Z3)を特別図柄列として特別変動を実行するかを抽選等により決定する構成とするとよい。さらに、特定図柄による保留予告を行うべき状況であっても、所定の確率で非特定図柄による保留予告を行い、上記のように特定図柄と非特定図柄による外れ保留予告の停止態様にて停止させ、その後、特定図柄にて特別変動を実行する構成とすると、保留予告の対象となっている図柄が非特定図柄から特定図柄に変更された(昇格された)演出とすることができる。
(21)特別変動後の停止態様は、保留予告の停止態様に限定されない。例えば、特別変動を行うものの、前回の停止態様と同じ停止態様となるようにしても良いし、完全外れとなる停止態様としてもよい。また、いずれかの大当たり結果となる停止態様としてもよい。
(22)変動開始用処理(図30)において、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回がリーチ非発生である場合に特定遊技回フラグを格納する(ステップS1717:NO、ステップS1722)構成としたが、リーチ発生である場合に特定遊技回フラグを格納する構成としてもよい。すなわち、変動表示時間が長い場合に次の遊技回において特別変動を実行する構成としてもよい。この場合、リーチ表示が外れ結果であった場合に特別変動を行う構成とし、その特別変動を、当たり結果となるような特別変動としてもよく、再度外れ結果となる特別変動としてもよい。変動表示時間が長くリーチ表示が行われる遊技回においては注目度が高まる一方、そのリーチ表示が外れ結果であった場合には、注目度が極端に低下し得る。そこで、その後に特別変動が行われる余地を残すことで、注目度の極端な低下を抑制することが可能となる。
この場合、外れリーチの停止態様が外れ保留予告の停止態様となるため、その後に特別変動が行われるかもしれないという期待感を抱かせることが可能となる。
リーチ表示では、上記のとおり、上下の図柄列Z1,Z3において同一の主図柄によりリーチラインが形成され、中図柄列Z2において当該リーチラインを形成している主図柄と同一の主図柄をリーチライン上に停止させるか否かの演出を行うため、外れリーチの停止態様としては、同一の主図柄が全ての図柄列Z1〜Z3に停止表示される可能性が高く保留予告の停止態様となる可能性も高くなる。また、同様の理由から外れ保留予告の停止態様となる可能性も高くなる。そこで、これら外れリーチの停止態様を保留予告の停止態様又は外れ保留予告の停止態様として取り扱う構成とすれば、これらの停止態様となる保留予告を行う頻度を高めることが可能となるとともに、上記のようにリーチが外れてしまっても、更に次回以降の遊技回に期待感を持続させることも可能となる。一方で、これら外れリーチの停止態様を保留予告の停止態様又は外れ保留予告の停止態様として取り扱わない構成とすることで、これらの停止態様となる希少性を高め、保留予告及びリーチ自体の注目度を局所的に高めることが可能となる。
(23)特別変動後の待機時間D3を確定停止時間D2と同じ長さ時間としたが、ほぼ同じ程度の長さであればよく、その違いを遊技者が把握できない程度の差異であればよい。
(24)変動開始用処理(図30)において、変動表示時間が所定時間以上であることを条件(ステップS1703:YES)に特別変動を実行する構成としたが、変動表示時間の長さによらず特別変動が発生し得る構成としてもよい。この場合、変動表示時間の長さに応じて、特別変動の長さ、その後の通常の遊技回用の変動(第2変動)の長さを調節する構成とするとよい。
(25)特別変動の動作態様は上記のものに限定されない。例えば、特別変動において一の図柄列のみが変動するのではなく、複数の図柄列が変動してもよいし、全図柄列が変動してもよい。また、変動時の変動態様は低速変動表示に限定されず、高速変動表示であってもよい。これらの場合、特別変動と通常の遊技回用の変動(第2変動)との差異が認識可能であればよい。この場合、例えば、特別変動として対象の図柄列を高速変動表示させる構成においては、停止予定の図柄を半透明で停止位置に表示させたり、変動中の図柄列を囲う枠を表示させたり、また、変動中の図柄を拡大し、図柄の識別性を高くしてもよい。
(26)第3の実施形態において、保留予告の実行タイミングは図柄変動の開始時に限定されず、他のタイミングであってもよい。例えば、いずれかの図柄列Z1〜Z3の減速タイミングであってもよいし、いずれかの図柄列Z1〜Z3の停止タイミングであってもよい。また、変動開始前のタイミングであってもよいし、変動停止後のタイミングであってもよい。少なくとも、そのタイミングを、遊技者が予め定められたタイミングであると認識可能であればよい。このタイミングが遊技回において比較的初期の段階に設定されている構成とするほど、保留予告が行われた場合のその後の展開に注目させる効果を高めることができるし、この実行タイミングを当該遊技回中で変更する場合には、その変更先の幅が広がることになる。
(27)第3の実施形態において、保留予告の実行を、予め定められた所定のタイミングから後のタイミングに変更する構成としたが、それよりも前のタイミングに変更する構成としてもよい。上記第3の実施形態では、例えば、図柄変動の開始前のタイミングに所定の確率で保留予告を実行する構成としてもよい。また、遊技回を跨いで先の遊技回に変更する構成としてもよい。例えば、保留予告の契機となった保留情報の遊技回の前の遊技回において最終段階の保留予告を実行する構成が考えられる。この場合、所定のタイミングに行われるものとして遊技者が身構える前に実行する構成となり、遊技者にとって意外性の高い演出とすることができる。この場合、上記の予め定められた所定のタイミングを、遊技回における終期の段階に設定すると、変更先の幅が広がり好ましい。
(28)第4の実施形態において、保留予告の契機となった保留情報の遊技回、及び特別遊技回フラグが格納された状態で開始される遊技回において、いずれかの大当たり結果である場合に保留予告が成立する構成としたが、いずれの場合であっても、外れ結果であっても保留予告が成立する構成としてもよい。
(29)第1、第2、第4の実施形態において、遊技回の開始時と終了時とに保留予告を実行し得る構成としたが、当該遊技回中の他のタイミングでも保留予告を実行可能としてもよい。例えば第1、第2の実施形態であれば、特別変動後の通常変動(第2変動)時に一旦各図柄列Z1〜Z3を停止させて保留予告の停止態様を表示させてもよく、第4の実施形態では、特別予告と通常予告との間に役物本体301を初期位置から成立位置まで動作させ、その後、初期位置まで動作させる演出を設定してもよい。
(30)第4の実施形態において、煽り演出後に特別予告を実行する構成としたが、保留予告後に特別予告を実行する構成としてもよい。すなわち、煽り位置から初期位置への戻り動作中に成立位置への動作を開始する構成としたが、成立位置から初期位置への戻り動作中に成立位置への動作を開始する構成としてもよい。この場合、遊技回の終了時に保留予告が発生し、その次の遊技回の開始時にも保留予告(特別予告)が発生する構成となる。
(31)第4の実施形態において、可動役物300の構成は一例に過ぎず、他の構成であってもよい。例えば、複数の可動役物の動作(例えば複数の可動役物が所定位置で合体するなど)によって保留予告が成立する構成としてもよいし、可動役物の動作方向で保留予告の成立の有無が報知される構成としてもよい。
(32)各遊技回の当否判定結果を報知するための演出は図柄の変動表示によるものに限定されず、役物の動作によって行われる構成であってもよいし、単に当否判定結果のみが報知される構成であってもよい。
(33)保留予告(特別報知)として、第1、第2の実施形態では、図柄の停止態様を利用した演出とし、第3の実施形態ではスピーカ部64からの予告音による演出とし、第4の実施形態では可動役物300による演出としたが、これらに限定されず、他の形態で報知される構成としてもよい。例えば、表示画面Gとは別の報知手段として、他の表示画面を有する構成として、この他の表示画面による演出で保留予告が行われる構成としてもよいし、表示発光部63を用いて保留予告が行われる構成であってもよいし、表示画面Gにおける他のキャラクタ等によって保留予告が行われる構成であってもよい。また、保留予告用のコマンドやコードが表示画面Gにおいて表示され、それを遊技者の有する携帯端末等で読み込むことで当該携帯端末にて保留予告が実行可能となる構成としてもよい。
(34)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴群に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技機に設けられた表示装置では、絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A0.所定の発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53、発射ハンドル54)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示画面(表示画面G)にて所定の絵柄を変動表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記所定の絵柄を変動表示させて遊技回用動作を開始し、該所定の絵柄を前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した停止結果として停止表示させて前記遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記表示手段を制御する遊技回制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、
前記遊技回における前記遊技回用動作として、前記所定の絵柄を変動表示させてから前記移行判定の結果に対応した停止結果として停止表示させる通常動作を実行する第1制御手段(演出制御装置82による通常変動中用処理を実行する機能)と、
当該第1制御手段による所定の遊技回の次回以降の遊技回(特定遊技回)における前記遊技回用動作として、所定の特別動作を実行し、それ以降に、前記移行判定の結果に対応した停止結果として停止表示させる第2制御手段(演出制御装置82による特別変動中用処理及び通常変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段では、絵柄の変動表示が行われた後、絵柄が停止表示され、その停止結果により移行判定手段による移行判定の結果が報知される。また、第2制御手段では、所定の特別動作を実行し、その後、第1制御手段による動作と同様の動作が行われて移行判定手段による移行判定の結果が報知される。つまり、第2制御手段による遊技回には、所定の特別動作と、第1制御手段による遊技回の動作(通常動作)と、が含まれており、この所定の特別動作を、続いて実行される通常動作と関連付けることも可能であるし、それよりも前に実行されている第1制御手段による遊技回の通常動作と関連付けることも可能となる。そのため、この所定の特別動作を利用して演出を多用なものとすることが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、「所定の特別動作」としては、例えば「前記所定の絵柄による動作」が一例として挙げられる。
また、「通常動作」と「特別動作」とは、それぞれ「第1動作」と「第2動作」と言い換えることも可能である。
特徴A1.所定の発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53、発射ハンドル54)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示画面(表示画面G)にて複数の絵柄を変動表示する表示手段(図柄表示装置41)と、
前記複数の絵柄を変動表示させて遊技回用動作を開始し、該複数の絵柄を前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した絵柄組合せとして停止表示させて前記遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記表示手段を制御する遊技回制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変動表示の態様には、前記絵柄の変動速度が相対的に高低となるように、高速変動表示態様と低速変動表示態様とが設定されており、
前記遊技回制御手段は、
前記遊技回における前記遊技回用動作として、前記複数の絵柄を前記高速変動表示態様にて変動表示させてから前記移行判定の結果に対応した絵柄組合せとして停止表示させる通常動作を実行する第1制御手段(演出制御装置82による通常変動中用処理を実行する機能)と、
当該第1制御手段による所定の遊技回の次の遊技回(特定遊技回)における前記遊技回用動作として、前記複数の絵柄のうちの少なくとも一部の絵柄について前記高速変動表示態様による変動表示を伴わずに所定の絵柄組合せとして一旦停止表示させる特別動作を実行し、その後、前記通常動作を実行する第2制御手段(演出制御装置82による特別変動中用処理及び通常変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段では、高速変動表示態様で絵柄の変動表示が行われた後、各絵柄が停止表示され、その絵柄組合せにより移行判定手段による移行判定の結果が報知される。また、第2制御手段では、少なくとも一部の絵柄について高速変動表示態様を伴わずに絵柄が停止表示され、その後、第1制御手段による動作と同様の動作が行われて移行判定手段による移行判定の結果が報知される。そのため、第1制御手段による遊技回後に、第2制御手段により遊技回を実行することにより、特別動作を前の遊技回の続き、より具体的には所謂絵柄の再変動のように遊技者に対して思わせることが可能となる。一方でそれぞれの遊技回においては、最終的に移行判定手段の移行判定の結果に対応した絵柄組合せが停止表示されるため、各遊技回においてこの移行判定の結果を報知するという機能は担保されている。これにより遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A2.前回の遊技回の遊技状況を把握する把握手段(演出制御装置82によるステップS1717の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記把握手段による把握結果に基づいて前記特別動作を実行する手段(演出制御装置82によるステップS1703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A0又はA1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の遊技回における遊技状況に基づいて今回の遊技回において特別動作が実行される。そのため、特別動作を前回の遊技回と関連付けることができ、前回の遊技回からの続きのように思わせる効果を高めることができる。
特徴A3.前記把握手段は、前回の遊技回における前記移行判定手段による移行判定の結果を把握する判定結果把握手段(演出制御装置82によるステップS1717の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の遊技回における移行判定の結果に基づいて次の遊技回において特別動作が実行される。そのため、先に報知される移行判定の結果を、次の遊技回における特別動作と関連付けることができる。これにより、特別動作について注目度を高めるだけでなく、先に報知される移行判定の結果に対する注目度も高めることが可能となる。
なお、「前記第2制御手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行対応結果ではないことを前記判定結果把握手段が把握した場合に、前記特別動作を実行する手段」を有している構成とすると、特徴A1に記載したとおり、特別動作について前回の遊技回の続きの演出である印象を持たせているため、前回の遊技回が移行対応結果ではなく所謂外れ結果であっても、その外れ結果が変化するかのように遊技者に対して期待させることができ、特別動作の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A4.前記把握手段は、前回の遊技回において停止表示された各絵柄を把握する停止結果把握手段(演出制御装置82によるステップS1801の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の遊技回において停止表示された絵柄と、今回の遊技回において特別動作される絵柄と、が関連付けられるため、特別動作を前回の遊技回の続きである印象をより強く遊技者に持たせることができる。また、前回の遊技回において移行判定の結果は絵柄組合せの停止結果として報知されており、その絵柄組合せにおける各絵柄に基づいて特別動作を行うため、特徴2に記載したとおり、移行判定の結果に基づいて特別動作を行うことによる効果をも奏することが可能となる。
特徴A5.前記表示画面には、前記移行判定の結果に対応した絵柄の停止位置が設定されており、
前記停止結果把握手段は、前記複数の絵柄のうち、前記停止位置に停止している絵柄に隣接する絵柄についても把握するものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止位置に停止されなかった絵柄も含めて、特別動作に反映させることができる。これにより、特別動作の多様性を高め、注目度をより高めることが可能となる。
特徴A6.前記把握手段は、前回の遊技回における前記遊技回用動作の変動表示期間(変動表示時間)を把握する表示期間把握手段(演出制御装置82によるステップS1717の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の遊技回の変動表示期間に基づいて、例えば変動表示期間の長短に応じて特別動作が実行される。変動表示期間が短い遊技回の次の遊技回において特別動作を行う構成とすると、前回の遊技回と特別動作とのトータル期間が比較的短くなり、これらが一の遊技回において実行されている印象をより強く持たせることが可能となる。一方、変動表示期間が長い遊技回では、リーチ表示のように移行判定結果となる期待度が他の演出よりも比較的高い演出が行われる傾向があり、このような遊技回の次の遊技回において特別動作を行うことで、特別動作を前回の演出との一連の演出である印象を持たせやすい。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A7.前記特別動作は、前記複数の絵柄のうちの所定の絵柄について変動表示させ、且つ他の絵柄については停止状態を保持した後、前記所定の絵柄組合せとして停止表示させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別動作は全ての絵柄の変動表示により行われるのではなく、一部の絵柄の変動表示により行われる。これにより、第1制御手段による通常の遊技回の動作(通常動作)のように全ての絵柄が高速変動表示される態様との区別が明確となり、よりこの通常動作に付随する動作である印象を強く持たせることができる。
特徴A8.前記第2制御手段は、前記所定の絵柄を選択する選択手段(演出制御装置82によるステップS1802を実施する機能)を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別動作において変動表示する所定の絵柄をランダムにすることができるし、逆に偏りを持たせることもできる。これにより、いずれの絵柄が変動表示するかに注目させることができる。
特徴A9.前記第1制御手段は、前記複数の絵柄を予め定められた順序で停止させて前記移行判定の結果に対応した絵柄組合せとして停止表示させるものであり、
前記選択手段は、前記複数の絵柄の停止順序が遅いほど選択し易くなるように設定されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止順序が遅いほどその後の特別動作において変動表示がなされ易くなる。つまり、停止からの期間が短いものほど変動表示され易くなるため、前回の遊技回からの続きの演出であることをより強く印象付けることが可能となる。
特徴A10.前記第2制御手段は、前記特別動作において前記一部の絵柄について前記低速変動表示態様による変動表示を行った後に停止させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別動作では、低速変動表示態様にて一部の絵柄が変動表示される。これにより、全絵柄が高速変動表示態様にて変動表示される通常動作と、明確に区別することができ、特別動作が通常動作に付随する演出であることを、より強く認識させることができる。
特徴A11.前記特別動作において、前記所定の絵柄組合せとして停止表示された状態を所定期間に亘って保持する第1保持手段(演出制御装置82によるステップS2106の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段による特別動作と通常動作との間には、所定期間に亘って所定の絵柄組合せが停止表示される期間が設けられる。そのため、当該第2制御手段による一遊技回における特別動作と通常動作とが、別々の遊技回である印象を与えることが可能となる。これにより、特別動作が前回の遊技回の続きの演出である印象をより強くさせることができる。
特徴A12.前記通常動作において前記移行判定の結果に対応する絵柄組合せが停止表示された状態を特定期間に亘って保持する第2保持手段(演出制御装置82によるステップS2201の処理を実行する機能)を備え、
前記第1保持手段により前記停止表示が保持される前記所定期間と、前記第2保持手段により前記停止表示が保持される前記特定期間と、がほぼ同じ長さになるように設定されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の最終段階での特定期間と、一遊技回の中での特別動作と通常動作との間の所定期間と、がほぼ同じ長さとなり、第2制御手段による一遊技回における特別動作と通常動作とが、別々の遊技回である印象をより強くさせることが可能となる。
特徴A13.前記移行判定手段による前記移行判定が行われることに基づいて、前記表示手段における所定領域(メイン表示領域P)、又は当該表示手段とは別に設けられた別表示手段(メイン表示部43)による変動表示を開始し、前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した停止結果として前記変動表示を終了させるよう前記表示手段又は前記別表示手段を制御する変動表示制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記変動表示制御手段は、前記第2制御手段による前記所定期間においても前記変動表示を継続させるものであることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
上記構成によれば、変動表示制御手段による変動表示は、遊技回制御手段における遊技回の開始と終了とにリンクするものであり、特別変動と通常変動との間に所定期間に亘って停止表示が保持される期間が設けられていても、遊技ホールの管理者等は、変動表示手段による変動表示を確認することで、遊技回の終了の有無を確認することが可能となる。これにより、例えば遊技回が終了していないのにもかかわらず不正な特典を得ようとするなどの不正行為を発見し易くなる。
特徴A14.前記表示画面における前記所定領域、又は前記別表示手段による変動表示が行われる領域は、前記表示画面において前記複数の絵柄の変動表示が行われる領域よりも小さいものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面において複数の絵柄の変動表示が行われる領域のほうが、所定領域、又は別表示手段における変動表示の領域よりも大きくなるため、遊技者は複数の絵柄による変動表示側に注目するものと考えられる。そのため、特徴14の効果を奏しつつも、遊技者が所定領域等へ注目してしまうことによる遊技への注目度の低下を抑制することが可能となる。
特徴A15.前記取得情報記憶手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶するものであり、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を順次移行判定するものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1制御手段は、前記先特定手段による特定結果が前記第2制御手段による遊技回を実行する遊技回に対応する所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記第2制御手段による遊技回の前の遊技回において、前記特別動作のための特別制御を実行する第3制御手段(第2の実施形態における演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2制御手段による遊技回の開始前に、先特定手段によってその第2制御手段による遊技回を実行すべきことを特定することができ、第3制御手段によってその特別動作を実行するための特別制御(準備動作)が行われる。
特別制御の具体的構成としては、例えば、「特別制御のための絵柄組合せとして停止表示させる」構成や、「第1制御手段による変動表示時間を変更する」構成などが考えられ、特別動作を当該前回の遊技回の続きの演出である印象を持たせるための工夫を施すことが可能となる。
特徴A16.前記通常動作において、前記移行判定の結果に対応する絵柄組合せが停止表示された状態を特定期間に亘って保持する第2保持手段(演出制御装置82によるステップS2201の処理を実行する機能)を備え、
前記第3制御手段は、前記第2保持手段による前記特定期間を、次の遊技回において前記第2制御手段による遊技回が実行されない場合よりも、短くする手段(主制御装置81における実行中の遊技回の確定停止時間の変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御手段による遊技回と第2制御手段による遊技回との間において、複数の絵柄が停止表示される特定期間が短くなる。そのため、特別動作を前回の遊技回の続きの演出である印象をより強く抱かせることが可能となる。
なお、「前記特別動作において、前記所定の絵柄組合せとして停止表示された状態を所定期間に亘って保持する第1保持手段」を備えたうえで、
「前記第3制御手段は、前記第1保持手段により停止表示が保持される前記所定期間よりも前記第2保持手段により停止表示が保持される前記特定期間を短くする手段」を備える構成としてもよい。
このようにすることで、特別動作と通常動作との間の所定期間よりも、当該特別動作よりも前の通常動作との間の特定期間のほうが短くなり、通常動作、特別動作、通常動作といった順序で特別動作の前後に通常動作が存在する状況で、特別動作を後側の通常動作ではなく先側の通常動作に付随するものという印象をより強く抱かせることが可能となる。
特徴A17.前記取得情報記憶手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶するものであり、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を順次移行判定するものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する特別報知を、前記表示手段にて実行可能な実行状態に設定する実行状態設定手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行状態設定手段により前記実行状態に設定されている場合、前記特別報知は、前記通常動作における前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した絵柄組合せが特定の絵柄組合せ(保留予告の停止態様)となるようにして実行されるものであり、
前記第2制御手段は、前記所定の絵柄組合せが前記特定の絵柄組合せとなるように前記特別動作を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回において特定の絵柄組合せが停止表示されることで特別報知が行われ、それにより、以降の遊技回における移行判定の結果を予測する、という遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
このような遊技機において、特別動作によっても特別報知と同様に特定の絵柄組合せが停止表示される。そのため、遊技者は、一遊技回において特別動作によって停止表示された特定の絵柄組合せからその後の通常動作によって報知される移行判定の結果を予測する、という遊技が追加され、遊技がより多様なものとなる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A18.前記第2制御手段は、前記実行状態設定手段により前記実行状態に設定されている状況であって且つ前回の遊技回において前記特定の絵柄組合せが停止表示されていない場合に、前記特別動作にて前記特定の絵柄組合せを停止表示させる手段(演出制御装置82における特別変動用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
上記構成によれば、前回の遊技回においては実行状態に設定されておらず特定の絵柄組合せが停止表示されていないものの、今回の遊技回にて実行状態に設定された場合に、先ず、特別動作により特定の絵柄組合せが停止表示される。遊技者としては、遊技回において特定の絵柄組合せが停止表示されること、すなわち先特定手段による特定結果が所定の結果であることを期待しているものと考えられる。そのため、前回の遊技回において特定の絵柄組合せが停止しなかった場合には、その結果によって落胆してしまう可能性がある。これに対して、次の遊技回の開始時に特別動作によって特定の絵柄組合せを停止表示させることで、あたかも前回の遊技回(の続き)において特定の絵柄組合せが停止表示した、と思わせることが可能となり、期待感を維持させることができる。
また、当該特別動作を行った遊技回では実行状態に設定されているため、その後の通常動作では、さらに特定の絵柄組合せが停止表示される。そのため、一の遊技回において複数回、特定の絵柄組合せを停止表示させることが可能となる。ここで、例えば一の遊技回において複数の変動表示を行わせる所謂擬似連においては、せっかく複数の遊技回が行われているように演出を行っても、特別情報(保留情報)の数と遊技回数との矛盾から、単なる一の遊技回における演出であることが比較的早期に把握されてしまう傾向がある。そのため、せっかく用意した演出であっても、遊技者がしらけてしまう可能性がある。これに対して上記構成のように、前回の遊技回からの続きの演出としての特定の絵柄組合せと、今回の遊技回における特定の絵柄組合せと、をそれぞれ出現させることで、特定の絵柄組合せの出現数と、特別情報の数とを整合させることができ、遊技者をしらけさせずに遊技へ没頭させることができる。
特徴A19.前記第1制御手段は、前記通常動作において、前記移行判定手段による移行判定の結果に対応する絵柄組合せとして、前記特定の絵柄組合せを構成する前記複数の絵柄のうちの一部の絵柄を変更することで当該特定の絵柄組合せとは異なる外れ絵柄組合せを停止表示させる外れ組合せ手段(演出制御装置82によるステップS1720の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記外れ組合せ手段により前記外れ絵柄組合せが停止表示された次の遊技回において前記特別動作を実行する第4制御手段(演出制御装置82によるステップS1703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A17又はA18に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが停止表示されることを期待している遊技者にとっては、外れ絵柄組合せが停止表示されることは好ましくないものの、その次の遊技回において第4制御手段によって特定の絵柄組合せが停止表示されるため、第1制御手段による遊技回における注目度の極端な低下を抑制することが可能となる。そればかりか、一旦、外れ絵柄組合せが停止したとしても、その後の特定の絵柄組合せが停止表示される余地を残すことで、外れ絵柄組合せにすら期待させることも可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A20.前記第4制御手段は、前記変更された一部の絵柄を変動表示させ、且つ他の絵柄を停止表示を保持して、前記特定の絵柄組合せを停止表示させるものであることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、外れ絵柄組合せは一部の絵柄が特定の絵柄組合せと異なるものであり、特別動作においてその一部の絵柄が変動表示されることで外れ絵柄組合せから特定の絵柄組合せに変更されるため、前回の遊技回からの続きの演出である印象を、より強く持たせることが可能となる。
なお、上記特徴A群の各発明に対して、特徴B群、特徴C群、特徴D群、特徴E群、特徴F群の各発明を個別に適用してもよい。
<特徴B群>
特徴B1.所定の発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53、発射ハンドル54)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の報知手段にて遊技回用動作を開始し、前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特別結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行可能な実行状態に設定する実行状態設定手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記実行状態設定手段にて前記実行状態に設定されている状況で、前記遊技回における予め定められた所定のタイミングで前記特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82によるステップS1713〜S1715、S2511〜S2513の処理を実行する機能)と、
前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行タイミングを異ならせる手段(演出制御装置82による特別変動用処理、ステップS2509、ステップS2517を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、実行状態設定手段により実行状態に設定されると、特別報知実行手段による特別報知が予め定められたタイミングで実行される場合がある。そのため、この特別報知が行われることにより、遊技回の結果が当該特別報知に対応した所定の特別結果であることを予測することができ、遊技の多様化が図られる。このような遊技機においては、この特別報知が行われるタイミングで特別報知が行われれば、それを遊技者は楽しむことが可能となるが、そのタイミングで特別報知が行われなければ、その時点で遊技への関心が薄れてしまう可能性がある。そこで、上記構成のように、特別報知の実行タイミングを異ならせる手段を備えることで、仮に予め定められたタイミングで特別報知が行われなくても、特別報知が行われることへの期待度を持続させることが可能となり、遊技への注目を好適に高めることができる。
特に、特別報知が、実行状態に設定されている状況で行う構成としているため、この実行状態が複数回の遊技回に亘って継続するものであれば、特別報知も複数回の遊技回に亘って連続して発生し得るものとなっている。そのため、遊技者としては、例えば、特別報知が複数回の遊技回に亘って行われている状況においては、その次の遊技回でも当然のように特別報知が行われるものと期待すると考えられる。つまり、特別報知が連続する分、特別報知の実行タイミングも遊技者にとっては把握し易くなる。そこで、上記のように特別報知の実行タイミングを異ならせる手段を設けることで、仮に所定のタイミングで特別報知が行われなかったとしても、他のタイミングで特別報知が行われるのでは、と遊技回全体を通して注視することになるし、当該他のタイミングで特別報知が行われれば意外性が高まる分、注目度をより好適に高めることが可能となる。
特徴B2.前記異ならせる手段は、変更前の遊技回とは異なる遊技回において前記特別報知を実行するよう前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一遊技回の中で演出が完結しがちな遊技機において、特別報知については遊技回を跨いで異なる遊技回にて実行される可能性を生じさせることができる。そのため、例えば後の遊技回に変更する場合は、仮に一の遊技回において特別報知が実行されなくても、その次の遊技回で実行されるかもしれない、という期待を遊技者に持たせることが可能となる。逆に、例えば連続演出中であったり保留画像などによって特別報知が行われるかもしれないと予測している遊技回が存在する場合には、それよりも前の遊技回については単なる消化待ち遊技回として注目度が比較的低くなる。そのため、先の遊技回に変更すれば、意外性ある特別報知とすることができるだけでなく、このような注目度の低下が懸念される遊技回の注目度を好適に高めることができる。
特徴B3.前記異ならせる手段は、変更前の遊技回の次の遊技回において前記特別報知を実行するよう前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技回において特別報知が実行されなくても、その次の遊技回で実行されるかもしれない、という期待を遊技者に持たせることが可能となる。
特に、特別報知の実行タイミングを次の遊技回に変更することから、複数回の遊技回を跨いで変更する構成と比較して、実行タイミングが変更されたものであることを認識させやすい。仮に複数回後の遊技回に特別報知を変更する構成とすると、変更前の遊技回においては単に特別報知が行われなかった(実行状態が解除された)とし、当該複数回後の遊技回においては新たに実行状態に設定された、と勘違いされる可能性が高いためである。
特徴B4.前記異ならせる手段は、変更前の遊技回の次の遊技回における開始時に前記特別報知を実行するよう前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回における所定のタイミングで特別報知が行われなかった次の遊技回の開始時に特別報知が行われる。そのため、特別報知の実行タイミングの変更がなされても、異なる遊技回に変更されたという印象を弱めることができる。すなわち、一遊技回のなかで特別報知の実行タイミングの変更がなされたものという印象を持たせることが可能となる。これにより、特別報知による演出の多様化を図ることが可能となる。
なお、「遊技回における開始時」とは、遊技回の開始タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の先側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。また、遊技回の演出を初期演出、中期演出、終期演出と分けた場合の、初期演出に特別報知の実行タイミングを変更する構成としてもよい。
特徴B5.前記特別報知実行手段により前記特別報知が実行される前記所定のタイミングとは、前記遊技回制御手段による前記遊技回における終了時であることを特徴とする特徴B3又はB4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が行われなかった次の遊技回の開始時に特別報知が行われる構成において、通常であれば特別報知が行われるはずの所定タイミングが前回の遊技回の終了時であるため、特別報知の実行タイミングの変更がなされても、異なる遊技回に変更されたという印象を弱めることができる。すなわち、一遊技回のなかで特別報知の実行タイミングの変更がなされたものという印象が強くなる。
なお、「遊技回における終了時」とは、遊技回の終了タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の後側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。また、遊技回の演出を初期演出、中期演出、終期演出と分けた場合の、終期演出に特別報知の所定タイミングが設定されていてもよい。
特徴B6.前記異ならせる手段は、前記先特定手段による特定結果が予め定められた変更結果であったことに基づいて前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定結果が所定の特別結果となったことに基づいて実行状態に設定されて各遊技回において特別報知が行われる。さらに、先特定手段による特定結果が変更結果であったことに基づいてこの特別報知の実行タイミングの変更が行われる。仮に、いずれか一方を他の手段によって実現しようとすると、それぞれの手段間の通信(例えばコマンドのやりとり)が必要となる。これに対して上記構成のようにすることで、特別報知に関する制御を先特定手段に集約することができ、制御設計の簡素化を図ることが可能となる。
特徴B7.前記特別報知実行手段は、前記実行状態中に実行した前記特別報知の数に応じて当該特別報知の態様を変更する態様変更手段(演出制御装置82によるステップS2513の処理を実行する機能)を備え、
前記異ならせる手段は、前記態様変更手段により変更された前記特別報知の態様で変更後の特別報知が実行されるように前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行回数に応じて特別報知の態様が変更される所謂ステップアップ演出において、そのステップアップされた状態でタイミング変更後の特別報知が行われる。このようにすることで、演出が引き継がれている印象を強め実行タイミングのみが変更されたと思わせることが可能となる。
特徴B8.前記異ならせる手段、前記実行状態設定手段により前記実行状態に設定されている状況で前記特別報知の実行タイミングを異ならせるものであり、
前記異ならせる手段により前記特別報知の実行タイミングを異ならせる遊技回の前の遊技回において、前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行を制限する制限手段(演出制御装置82によるステップS1720〜S1722、S2512、S2517の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行タイミングが異ならせる前の遊技回においては、特別報知の実行状態であっても特別報知の実行が制限される。そのため、その次の遊技回において特別報知が実行されれば、先の遊技回の特別報知の実行が後の遊技回に先延ばしされたものという印象を与えることができる。
特徴B9.前記報知手段は、複数の絵柄を変動表示可能に設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した絵柄組合せを停止結果として表示して前記遊技回を終了させるものであり、
前記特別報知とは、前記実行状態中の遊技回における停止結果を所定の絵柄組合せとするものであり、
前記異ならせる手段は、前記遊技回制御手段による前記遊技回において前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した停止結果を表示するよりも前のタイミングで前記所定の絵柄組合せを停止表示させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用の変動絵柄の停止結果を用いて特別報知が行われる構成において、遊技回の終了時だけでなく、それよりも以前に変動絵柄が停止結果として表示されて特別報知が行われる可能性がある。このようにすることで、遊技回における絵柄の変動表示がいつ停止するか、すなわち、いつ特別報知が行われるかに注目させることができ、遊技回全体の注目を高めることが可能となる。
なお、上記特徴B群の各発明に対して、特徴A群、特徴C群、特徴D群、特徴E群、特徴F群の各発明を個別に適用してもよい。
<特徴C群>
特徴C1.所定の発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53、発射ハンドル54)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始し、前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特別結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行可能な実行状態に設定する実行状態設定手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記実行状態設定手段にて前記実行状態に設定されている状況で、前記遊技回にて前記特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82によるステップS1713〜S1715の処理を実行する機能)と、
前記特別報知実行手段による前記特別報知が行われなかった遊技回の次回以降の遊技回において、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて予め定められた所定報知を実行する所定報知実行手段(演出制御装置82による特別変動用処理、ステップS2509、S2517の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、実行状態設定手段により実行状態に設定されると、特別報知実行手段による特別報知が実行される場合がある。そのため、この特別報知が行われることにより、遊技回の結果が当該特別報知に対応した所定の特別結果であることを予測することができ、遊技の多様化が図られる。このような遊技機においては、この特別報知が行われることで注目度の向上が図れるが、逆に特別報知が行われなければ、その分、注目度が低下してしまうことが懸念される。その点、上記構成では、特別報知が行われなかった遊技回の次回以降の遊技回において所定報知が行われる可能性がある。そのため、仮に特別報知が行われなかったとしても、その次の遊技回に期待させることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C2.前記所定報知実行手段は、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が予め定められた所定結果となったことに基づいて、前記所定報知を実行するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行判定手段による移行判定の結果と所定報知とを関連付けることができる。そして、特別報知が行われなかった遊技回の次回以降の遊技回において、所定報知が行われるか否かに特に関心を寄せさせることが可能となる。このようにすることで、所定報知の注目度を好適に高めることができる。
なお、所定結果を、例えば、「遊技者に特典を付与することに対応する結果」とすると、より遊技者の得られる特典との関連性を高めることができ、好ましい。
特徴C3.前記所定報知実行手段は、前記特別報知実行手段による前記特別報知が行われなかった次の遊技回における開始時に前記所定報知を実行するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知実行手段による特別報知が行われなかったとしても、その次の遊技回の開始時に所定報知が行われるため、次の遊技回の最後まで待たせる構成と比較して、次の遊技回自体の注目度を好適に高めることできる。仮に次の遊技回の最後に所定報知を行う構成とすると、当該次の遊技回中は所定報知が行われるか否かに関心を寄せすぎて当該遊技回中の他の演出への関心が薄れかねないからである。
なお、「遊技回における開始時」とは、遊技回の開始タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の先側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。また、遊技回の演出を初期演出、中期演出、終期演出と分けた場合の、初期演出にて所定報知を実行する構成としてもよい。
特徴C4.前記所定報知実行手段は、前記特別報知実行手段による前記特別報知が行われなかった遊技回から複数回後の遊技回において前記所定報知を実行するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数回に亘って所定報知が行われるか否かに関して関心を寄せさせることが可能となる。また、所定報知と遊技結果とを関連付ける構成において、特別報知を行わなかった次の遊技回に実行遊技回が限定されないため、遊技結果との関連付けをし易くなる。
特徴C5.前記所定報知実行手段は、前記特別報知が実行されなかった遊技回の次回以降の遊技回において、予め定められた条件が成立したことに基づいて前記所定報知を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が実行されなかった遊技回の時点で所定報知の実行回を決定する構成と比較して、所定報知の実行回の自由度を高めることが可能となる。
特徴C6.前記所定報知実行手段は、前記特別報知が実行されなかった遊技回の次回以降の遊技回に係る前記特別情報が、予め定められた所定情報に対応するものであることに基づいて前記所定報知を実行するものであることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれは、特別報知が実行されなかった遊技回の時点で所定報知の実行回を決定する構成と比較して、所定報知の実行回の自由度を高めることが可能となる。
このような構成において、特別報知が実行されなかった遊技回の次回以降の遊技回に係る特別情報が予め定められた所定情報に対応するものである場合に、所定報知を行う構成とすることで、遊技結果と所定報知との関連性を高めることができ、特別報知が実行されなかった遊技回の次回以降の遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C7.前記特別報知が実行されなかった遊技回を記憶する記憶手段(例えば演出制御装置82によるステップS2517の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が実行されなかった遊技回の次回以降の遊技回であることを、記憶手段に記憶された情報により把握することができる。これにより、例えば、予め特別報知を実行しない遊技回と、その後に所定報知を実行する遊技回と、を決定する構成と比較して、事後的に所定報知の実行を決定可能となるため、所定報知の実行回の自由度が高まるだけでなく、これら各報知内容を記憶するための記憶容量の削減を図ることが可能となる。
特徴C8.前記所定報知は、少なくとも第1演出(第1、第2の実施形態では上下の図柄列Z1,Z3の停止であり、第4の実施形態では初期位置から煽り位置までの役物動作)と当該第1演出後に実行される第2演出(第1、第2の実施形態では中図柄列Z2の停止であり、第4の実施形態では煽り位置から成立位置までの役物動作)とを含むように構成されており、
前記特別報知実行手段は、前記実行状態中の遊技回において前記特別報知を実行しない場合は、当該遊技回において前記第1演出を行う第1実行手段(演出制御装置82によるステップS1720〜S1722、第4の実施形態におけるステップS2517の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知のうちの第1演出が、当該所定報知の前の遊技回において実行されているため、それ以降の遊技回においては所定報知のうちの第2演出を行えばよく、演出時間が限られている場合であっても所定報知を実行することができる。また遊技者としては、所定報知のうちの第1演出が行われて遊技回が終了すると、それ以降の遊技回において第2演出が行われるのでは、と期待し、遊技への注目度向上に貢献することが可能となる。
この場合、第1演出と第2演出との間隔を短くするほうが演出の関連性を持たせ易く、例えば特徴C3の遊技機に本構成を適用するとよい。
特徴C9.前記特別報知は、少なくとも前記第1演出と前記第2演出とを含むように構成されていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出と第2演出という所定報知にも用いられている演出を特別報知に適用することで、両者の関連性が強まり、演出の一体感が高まる。そして、実行状態中の特別報知を実行しない遊技回においては、第1演出と第2演出のうち第1演出のみが実行され、次回以降の遊技回に第2演出が行われる。このようにすることで、所定報知を特別報知の続きである印象を強め、特徴C6に記載した効果をより好適に高めることが可能となる。
特徴C10.前記特別報知実行手段は、前記特別報知の実行態様の種類を記憶する実行態様記憶手段(ROM243)と、当該実行態様記憶手段から前記特別報知の実行態様を決定する実行態様決定手段(演出制御装置82によるステップS1714及びS1715、S2513及びS2516の処理を実行する機能)と、を備え、当該実行態様決定手段により決定された種類の実行態様で前記特別報知を実行するものであり、
前記所定報知実行手段は、前記実行態様記憶手段に記憶された前記特別報知の実行態様から前記所定報知の実行態様を決定するものであることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知と所定報知はいずれも実行態様記憶手段に記憶された実行態様の種類から報知態様が決定される。そのため、記憶容量の削減が図られる。さらに、特別報知と所定報知とが関連付けられることにより、遊技者としてはそれぞれの関連性を容易に理解することができ、遊技へ没頭させることができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記特徴C群の各発明に対して、特徴A群、特徴B群、特徴D群、特徴E群、特徴F群の各発明を個別に適用してもよい。
<特徴D群>
特徴D1.所定の発射操作に基づいて遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53、発射ハンドル54)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が、判定対象の特別情報が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始し、前記移行判定手段の移行判定の結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記移行判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特別結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記移行判定の対象となった場合の当該移行判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行可能な実行状態に設定する実行状態設定手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記実行状態設定手段にて前記実行状態に設定されている状況で、前記遊技回にて前記特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82によるステップS1714及びS1715の処理を実行する機能)と、
一の遊技回中に前記特別報知を複数回実行する複数実行手段(演出制御装置82による特別変動用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、実行状態設定手段により実行状態に設定されると、特別報知実行手段による特別報知が実行される場合がある。そのため、この特別報知が行われることにより、遊技回の結果が当該特別報知に対応した所定の特別結果であることを予測することができ、遊技の多様化が図られる。このような遊技機においては、実行状態に設定されている状況で行われる遊技回が複数回連続すれば特別報知も複数回発生し得る。この場合、例えば連続数に応じて演出を発展させるなど、演出の多様化を図ることも可能である。しかし、上記のように実行状態に設定されている状況で行われる遊技回が複数回分存在すればよいが、仮に実行状態に設定されても遊技回が少ない場合には、上記のような特別報知を連続させる良さを活かすことが困難となる。そこで、複数実行手段によって、一の遊技回において複数回の特別報知を実行することで、実行状態下における遊技回の数が少なくても特別報知をそれよりも多く実行することが可能となり、よって遊技への注目度を高めることができる。
特徴D2.前記複数実行手段は、前記遊技回制御手段における前記遊技回の開始時と終了時に前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の最初と最後に特別報知が行われるため、一遊技回における特別報知と特別報知との間隔を長くすることができる。そのため、一の遊技回中に特別報知を複数回実行する構成としても、特別報知ばかりが連続してしまってそれに飽きてしまう、といった事象を抑制することが可能となる。
またこの場合、遊技回の継続時間(変動表示時間)の長さに応じて特別報知を実行する構成とすれば、遊技回の開始時と終了時とに行われる特別報知の実行間隔を、遊技回の継続時間との関係で調節することが可能となる。すなわち、遊技回の継続時間が長くすれば、上記実行間隔は長くなり、継続時間を短くすれば実行間隔も短くなる。このように、遊技回の継続時間の長さを調節するといった簡易な構成で、実行間隔を調節することが可能となるため、より簡易な構成で演出の多様化を図ることができる。
なお、「遊技回における開始時」とは、遊技回の開始タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の先側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。
また、「遊技回における終了時」とは、遊技回の終了タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の後側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。
さらに、遊技回の演出を初期演出、中期演出、終期演出と分けた場合においては、初期演出と終期演出にて特別報知を実行する構成としてもよい。
特徴D3.前記特別報知実行手段は、前記遊技回制御手段における前記遊技回の終了時に前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知実行手段による特別報知は遊技回の終了時に実行されるため、複数実行手段はそれ以前に特別報知を実行すればよく、複数実行手段による特別報知の実行タイミングの自由度が向上する。
なお、「遊技回における終了時」とは、遊技回の終了タイミングのみに限定されず、例えば所定の長さの遊技回を均等割りした場合の後側部分という所定の幅を有しているものであってもよい。また、遊技回の演出を初期演出、中期演出、終期演出と分けた場合においては、終期演出にて特別報知を実行する構成としてもよい。
特徴D4.前記実行状態に設定されている場合であっても、前記複数実行手段による特別報知の実行を制限する制限手段(演出制御装置82によるステップS1703、S1706、S1708、S1710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数実行手段による特別報知の実行が制限される場合がある。これにより、一の遊技回において複数の特別報知が行われることの予測を困難とすることができ、当該複数の特別報知が行われた場合の意外性を高めて、特別報知への関心を寄り高めることが可能となる。
特徴D5.前記制限手段は、前記複数実行手段による特別報知の実行を制限する場合であっても、前記特別報知実行手段による特別報知の実行は制限しない構成であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数実行手段による複数の特別報知の実行は制限されるものの、特別報知実行手段による単数の特別報知については実行可能となる。そのため、特別報知が過度に制限されずに、演出をバランスよく実現することが可能となる。
特徴D6.前記制限手段は、前記複数実行手段の対象となる遊技回の前の遊技回における前記移行判定手段による移行判定の結果が、予め定められた所定の結果であることに基づいて、前記特別報知の実行を制限する手段(演出制御装置82によるステップS1703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、前の遊技回の遊技結果が所定の結果である場合には複数実行手段による特別報知の実行が制限される。移行判定の結果によっては、次の遊技回で複数回の特別報知を行うことに不都合が生じることもある。そこで、上記のように制限可能とすることで、生じ得る不都合を回避することができる。この所定の結果とは、例えば所謂当たり結果であったり、所謂リーチ表示を行う結果などが考えられる。
特徴D7.前記遊技回制御手段は、各遊技回の継続期間(変動表示時間)を決定する期間決定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該期間決定手段により決定された継続期間で前記遊技回用の変動表示を実行するものであり、
前記制限手段は、前記複数実行手段の対象となる遊技回について前記期間決定手段が決定した前記継続期間が予め定められた所定期間よりも短いことに基づいて、当該対象となる遊技回における前記複数回の特別報知を制限する手段(演出制御装置82によるステップS1708の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続期間が短い場合には、その遊技回では複数回の特別報知の実行が制限される。例えば、継続期間が短い場合でも行う構成としてしまうと、特別報知同士が連続してしまったり、重なってしまったりする不都合が生じ得る。そこで上記のようにすることで、これらの不都合の発生を回避し、余裕をもって特別報知を実行し、遊技者にはそれを楽しませることが可能となる。
特徴D8.前記取得情報記憶手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶するものであり、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を順次移行判定するものであり、
前記複数実行手段は、前記先特定手段による特定対象となった特別情報よりも先に前記移行判定手段による移行判定が行われる特別情報の数が、前記所定数よりも少ない特定数以下であることに基づいて、一の遊技回中に前記特別報知を複数回実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が少ない(特定数以下)である場合に、複数実行手段によって一遊技回中に複数回の特別報知が行われる。すなわち、記憶されている特別情報の数が多い場合には、一の遊技回中に複数回の特別報知を行わなくても各遊技回毎に特別報知を行えばよく、上記構成のようにすることで、一遊技回中に複数回の特別報知が行われる特別感を提供することが可能となる。
なお、上記特徴D群の各発明に対して、特徴A群、特徴B群、特徴C群、特徴E群、特徴F群の各発明を個別に適用してもよい。
<特徴E群>
特徴E1.複数の変動領域(図柄列Z1〜Z3)が設定され、各変動領域毎に複数の絵柄の変動表示が可能な表示画面(表示画面G)と、
当該表示画面における前記変動表示を開始してその後当該変動表示を終了させることを1回の遊技回として、前記表示画面の表示制御を実行する変動表示制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示制御手段は、
所定条件成立(例えば上作動口33への入球)に基づいて、前記複数の変動領域における変動表示を開始させる変動開始手段(演出制御装置82による変動開始用処理を実行する機能)と、
予め定められた停止順序で前記複数の変動領域における変動表示を停止させる変動終了手段(演出制御装置82による変動終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変動開始手段は、前記変動終了手段による前記停止順序が遅い変動領域を先に変動開始させる特別変動開始手段(演出制御装置82による特別変動用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、変動表示の停止順序が遅い変動領域ほど、先に変動が開始され得る。そのため、変動停止と変動開始との時間差を短くすることができる。すなわち、変動開始から変動終了までが一遊技回であり、先の遊技回の変動停止と後の遊技回の変動開始との時間差が短くなれば、遊技回と遊技回との時間差も短くなる。このようにすることで、連続する遊技回の関連性を強めることもでき、演出の多様化を図ることが可能となる。
なお、上記特徴E群の各発明に対して、特徴A群、特徴B群、特徴C群、特徴D群、特徴F群の各発明を個別に適用してもよい。
<特徴F群>
特徴F1.所定条件成立に基づいて遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果であったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
複数の変動領域(図柄列Z1〜Z3)が設定され、各変動領域毎に複数の絵柄の変動表示が可能な表示画面(表示画面G)と、
前記抽選手段による抽選が行われることに基づいて、前記表示画面において前記変動表示を開始して、前記抽選手段の抽選結果に対応する絵柄組合せを停止表示させて前記変動表示を終了させるよう前記表示画面の表示制御を実行する変動表示制御手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記変動表示制御手段は、
前記複数の変動領域のうちの所定の変動領域の変動表示を開始させ、その後、他の変動領域の変動表示を開始させる変動開始手段(演出制御装置82による特別変動用処理を実行する機能)と、
前記変動開始手段により前記所定の変動領域の変動表示の開始後であって、前記他の変動領域の変動表示の開始前に、前記所定の変動領域の変動表示を停止させる停止手段(演出制御装置82による特別変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、複数の変動領域によって変動表示が行われる遊技機において、所定の変動領域だけが先に変動表示が開始され、その後、他の変動領域の変動表示が開始される場合がある。そしてこの場合、先に変動表示が開始された所定の変動領域については、他の変動領域の変動表示が開始されるよりも前に停止する。そのため、抽選手段の抽選結果に対応する絵柄組合せの停止表示とは異なる停止表示を、変動表示の初期の段階で表示させることが可能となる。これにより、演出の多様化が図られ、もって、注目度を好適に高めることができる。
なお、上記特徴F群の各発明に対して、特徴A群、特徴B群、特徴C群、特徴D群、特徴E群の各発明を個別に適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。