<第1の実施の形態> シフト時の保留アイコンの移動態様
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は板状のフレーム材等を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられた状態では、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤24の構成を図4(a)に基づいて説明する。図4(a)は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33a及び下作動口33bを有する作動口ユニット33,スルーゲート35、可変表示ユニット36等がそれぞれ設けられている。一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33bへの入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側等に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の遊技釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、作動口33a,33b又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33a及び下作動口33bは、上下に並設されてなり、ともに上向きに開放されている。また、作動口ユニット33には、左右一対の可動片34a及びそれら可動片34aを動作させる駆動部を有する電動役物34が設けられている。
電動役物34(詳しくは駆動部)は後述する主制御装置に接続されており、主制御装置からの信号に基づいて、下作動口33bへの入球を許容する開放状態(サポート状態又はガイド状態)と、当該下作動口33bへの入球を不可とする閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)とに切り替る構成となっている。なお、電動役物34については、第1状態と当該第1状態よりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
本パチンコ機10では、電動役物34によるサポートの態様が異なる複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物34が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動口への入賞が発生する確率が高くなる。そして、作動口への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行される。このため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を行うことができる。
ここで、図4(b)を参照して作動口33a,33bが設けられた作動口ユニット33について補足説明する。図4(b)は作動口ユニット33の内部構造を示す概略図である。
作動口ユニット33には、上作動口33aに流入した遊技球を遊技盤24の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路33cが形成されている。案内通路33cはその途中位置にて第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eに分岐している。
案内通路33cにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33d及び第2分岐通路33eへ交互に振り分ける振分手段33gが設けられている。振分手段33gは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路33dへ案内する第1案内状態と第2分岐通路33eへ案内する第2案内状態とに切替可能なっている。この振分手段33gは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。故に、上作動口33aに流入した遊技球は、順次第1分岐通路33d/第2分岐通路33eに振り分けられることとなる。
下作動口33bは連絡通路33fを介して第2分岐通路に繋がっており、当該下作動口33bに流入した遊技球は、第2分岐通路へ直接流入する。つまり、上作動口33aに流入した遊技球については両分岐通路に流入し得る一方、下作動口33bに流入した遊技球は第2分岐通路にのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路33d(以下、第1入球部33dともいう)には遊技球を検知する検知センサ211cが配設され、第2分岐通路33e(以下、第2入球部33eともいう)において連絡通路33fの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ211dが配設されている。これら検知センサ211c,211dは主制御装置に接続されており、主制御装置では検知センサ211c,211dからの検知情報(検知信号)に基づいて分岐通路33d,33eへの入球、すなわち作動口33a,33bへの入賞の有無を把握する。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aと、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bとを備えている。開閉扉32bは、通常は大入賞口32aへの遊技球の入賞が不可となる閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に大入賞口32aへの遊技球の入賞が許容される開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。なお、可変入賞装置32については、第1状態とそれよりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
可変入賞装置32の側方には、主表示ユニット39が配されている。主表示ユニット39は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤24の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット39の前面は、遊技盤24を遊技機前方から視認可能とすべく前扉枠14に設けられたガラスパネル62と対向しており、さらにガラスパネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット39の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
主表示ユニット39においてガラスパネル62と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。図4(c)に示すように、主表示部Dは、第1入球部33dへの入賞に基づいた抽選結果を表示する第1入球部用表示部43と、第2入球部33eへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2入球部用表示部44とを有してなる。
第1入球部用表示部43では、第1入球部33dへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1入球部33dへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1入球部33dへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1入球部用表示部43にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
第2入球部用表示部44では、第2入球部33eへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2入球部33eへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2入球部33eへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、第2入球部用表示部44にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの入球部33d,33eへの入賞に基づいて、対応する入球部用表示部43,44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止(確定表示)されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの入球部33d,33eへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止(確定表示)されるまでを遊技回の1回としてもよい。
本実施の形態においては遊技球が第1入球部33d及び第2入球部33eを通過した回数は各々4回まで(合計で8個まで)保留される構成が採用されており、主表示ユニット39の主表示部Dにはそれら入球部33d,33eの保留個数を個々に表示する第1保留数表示部45及び第2保留数表示部46が設けられている。
また、主表示ユニット39の主表示部Dには入球部用表示部43,44以外に、スルーゲート35への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部47が併設されている。スルーゲート用表示部47では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部47にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、作動口ユニット33に設けられた上記電動役物34が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット39の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部48が設けられている。
可変表示ユニット36には、表示画面41aを有し同表示画面41aにて図柄を変動表示(可変表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41(詳しくは表示画面41a)を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、表示画面41aの前方を遊技球が落下していくことを抑制しており、遊技球の落下により表示画面41a(例えば上記図柄や後述する保留アイコン)の視認性が低下するといった不都合が生じにくい構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、作動口33a,33b(詳しくは入球部33d,33e)への入賞に基づいて開始される。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が16回行われることとなる16ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
前扉枠14は内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられており、当該前扉枠14には遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている(図1又は図2参照)。図1に示すように、窓部61は、略楕円形状をなし、上述したガラスパネル62が嵌め込まれている。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73(図2参照)を通じて排出される。
また、上側膨出部65においてパチンコ機10前方を向く領域には、遊技者により手動操作される演出用操作部75(詳しくは操作ボタン)が設けられている。例えば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示された示唆等に従って同演出用操作部75が手動操作されることにより、図柄表示装置41の表示画面41a等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び報知・演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や報知・演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97及び電源・発射制御装置98は、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202は、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33a,33b(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33e)及びスルーゲート35などの各種入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた検知センサがそれぞれ接続されており、これら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて主制御装置81のMPU202により各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、作動口33a,33bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び報知・演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上述した作動口33a,33b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1入球部33dへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され第2入球部33eへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置82には、主制御装置81から変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンド、保留コマンド、シフトコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア224が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、電動役物34の可動片34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及び主表示ユニット39が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34のサポート抽選に当選した場合には、電動役物34が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、MPU202によって主表示ユニット39の表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子板99が接続されており、この外部出力端子板99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継しており、同停電監視基板205には電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64等を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、報知・演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)の概要を特定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。なお、以下の説明においては適宜図6及び図7を参照する。図6及び図7は図柄表示装置41の表示画面41aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置212には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図6(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図6(j)参照)とが予め記憶されている。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面41aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面41aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図7(b)に示すように、表示画面41aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面41aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
表示画面41aにおいて、上図柄列の変動表示領域、中図柄の変動表示領域、下図柄の変動表示領域を有してなる変動表示領域MEの下方となる部分には、保留表示領域NEが設定されている。保留表示領域NEには、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合(詳しくは入球部33d,33eに入球した場合)の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Da1〜Da8が左右方向に並ぶようにして区画された保留数表示領域Daが設けられている。
具体的には、遊技球が第1入球部33dに入球した場合の最大保留個数は4個であり、第2入球部33eに入球した場合の最大保留個数は4個である。詳細については後述するが、本実施の形態では第1入球部33d及び第2入球部33eへの入賞順となるようにして合計で8個の保留情報が記憶される構成となっている。これに対応させて保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域Da1、第2単位保留表示領域Da2、第3単位保留表示領域Da3、第4単位保留表示領域Da4、第5単位保留表示領域Da5、第6単位保留表示領域Da6、第7単位保留表示領域Da7、第8単位保留表示領域Da8が設定されている。これら単位保留表示領域に所定の保留表示用画像として保留アイコンMPが表示される。
例えば、遊技球が作動口33a,33bに入賞した時点で保留数が0の場合、すなわち今回の入賞によって保留個数(総保留数)が1個となる場合には、第1単位保留表示領域Da1のみにて保留アイコンMPが表示される。遊技球が作動口33a,33bに入賞することで保留個数が4個となる場合には、第1単位保留表示領域Da1〜第4単位保留表示領域Da4にて保留アイコンMPが表示される構成となっている。なお、図6(b)では保留個数が3個である場合について例示している。
また、保留表示領域NEには、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)と横並びとなるようにして、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留アイコンMPが表示される実行対象表示領域Dbが設けられている。本実施の形態においては、実行対象表示領域Dbを保留数表示領域Daの左側に配しているが、これらの位置関係等については任意である。例えば、実行対象表示領域Dbを保留数表示領域Daの右側に配してもよい。
遊技回が終了して次の遊技回に移行する場合には、保留数表示領域Da(詳しくは第1単位保留表示領域Da1)に表示されている保留アイコンMPが実行対象表示領域Dbにシフト(移動)することとなる。保留数表示領域Daに表示中の他の保留アイコンMPが存在している場合には、当該シフトに併せてそれら保留アイコンMPが実行対象表示領域Dbに近い側の(隣の)単位保留表示領域へシフトする。なお、以降は説明の便宜上、実行対象表示領域Dbに近い側を「下流側」、実行対象表示領域Dbとは反対側を「上流側」と表現する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット39の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の概要設定などを行うこととしており、具体的には、図8の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット39の入球部用表示部43,44及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口33bの電動役物34を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球)が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、作動口用の保留エリアREと実行エリアAEとを備えている。保留エリアREは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3、第4エリアRa4、第5エリアRa5、第6エリアRa6、第7エリアRa7、第8エリアRa8を備えており、作動口33a,33bへの入賞履歴(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球履歴)に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1〜Ra8に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第8エリアRa8には、作動口33a,33bへの入賞(詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eへの入球)が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4→第5エリアRa5→第6エリアRa6→第7エリアRa7→第8エリアRa8の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように8つのエリアRa1〜Ra8が設けられていることにより、第1入球部33d及び第2入球部33eへの遊技球の入球履歴がそれぞれ4個、すなわち作動口33a,33bへの入賞履歴が計8個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1入球部33d又は第2入球部33eへの入球に基づいて取得及び記憶された保留情報の記憶数を特定するための情報が格納される。
例えば、第1入球部33d及び第2入球部33eの何れか一方にのみ入球が発生し、その数が4以上となる場合には作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数は4つに制限されるが、既に説明した振分手段33gによって遊技球が第1入球部33d及び第2入球部33eへ交互に入球する限りは、作動口33a,33bへの入賞に係る最大記憶数が8つに引き上げられることとなる。つまり、本実施の形態においては、下作動口33bへの入賞が発生しにくい状況下においても、記憶される保留情報の数が4つで頭打ちになることを抑制することが可能となっている。
実行エリアAEは、主表示ユニット39の入球部用表示部43,44の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
なお、振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。
本実施の形態においては、第2入球部33eへの入球に基づく振り分けが第1入球部33dへの入球に基づく振り分けよりも遊技者にとって有利となるように差違が設けられている。具体的には、確変大当たり結果が有利度の異なる2つの結果、詳しくはラウンド数が「16」となる第1確変大当たり結果とラウンド数が「4」となる第2確変大当たり結果とに大別され、第2入球部33eへの入球に基づく振り分けにより確変大当たり結果となる場合には、第1入球部33dへの入球に基づく振り分けにより確変大当たり結果となる場合と比較して第1確変大当たり結果となりやすい構成とすることにより、第1入球部33dへの入球に基づく振分態様と第2入球部33eへの入球に基づく振分態様とに、上述した有利度の差を生じさせている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口33a,33bに入賞した場合に、詳しくは入球部33d,33eへ流入した遊技球が上記検知センサ211c,211dにより検知されたタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面41a内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7を参照して上記リーチ表示となる場合の表示態様について例示する。リーチ表示となる場合には、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され(停止表示され)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された(停止表示された)状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット39における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
図柄表示装置41や主表示ユニット39(詳しくは入球部用表示部43,44)における変動表示時間を決定する場合にはリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSのバッファ値、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が参照される。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上記作動口用の結果表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34を開放状態に制御しない。
(主制御装置81にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図9のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33a,33bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、図10及び図11のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が第1入球部33dに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第1入球部33dに入球したと判定した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、第1入球部33dに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第1入球部33dへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が第1入球部33dに入賞していないと判定した場合にはステップS205に進む。ステップS205では、遊技球が第2入球部33eに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が第2入球部33eに入球したと判定した場合には、ステップS205に進み、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S205にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
続くステップS207では、第2入球部33eに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第2入球部33eへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS201,S205の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち第1入球部33d及び第2入球部33eのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図11を参照して、ステップS204の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS301にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに格納された始動保留記憶数N、詳しくは第1入球部33d及び第2入球部33eのうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用の保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。格納処理を実行した後は、ステップS305に進む。
ステップS305では、主表示ユニット39(主表示部D)の保留数表示部45,46の表示更新処理を実行する。表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1入球部33dの場合には第1保留数表示部45の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2入球部33eの場合には第2保留数表示部46の表示を更新する。
第1保留数表示部45は4つのLEDによって構成されており、点灯しているLEDの数と第1入球部33dに係る保留数とが一致する構成となっている。今回の入賞によって第1入球部33dに係る保留数が増加した場合にはそれに応じて点灯しているLEDの数を増やす処理を行う。第2保留数表示部46についても同様に4つのLEDによって構成されており、点灯しているLEDの数と第2入球部33eに係る保留数とが一致する構成となっている。今回の入賞によって第2入球部33eに係る保留数が増加した場合にはそれに応じて点灯しているLEDの数を増やす処理を行う。
続くステップS306及びステップS307では、作動口33a,33bへの入賞(入球部33d,33eへの入球)が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには第1入球部33d及び第2入球部33eのうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS307の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に送信されることとなる。表示制御装置212においては当該保留コマンドを受信することにより上述した保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、表示制御装置212は、報知・演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信した場合には、保留数表示領域Daに上記保留アイコンMPを表示(例えば追加)させるための処理を実行する。保留数表示領域Daにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば共通保留数CRNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Da1に保留画像が表示され、共通保留数CRNが8であれば左から8個目の第8単位保留表示領域Da8に保留画像が表示されるようになっている。なお、ステップS306,S307の各処理についての詳細な説明は後述する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフトコマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット39の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、作動口ユニット33に併設された電動役物34を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、スルーゲート用表示部47の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物34によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定のインターバル期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から1周期(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図13〜図16のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図13のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット39の入球部用表示部43,44が変動表示中又は確定表示中であるか否かを判定する。遊技回中ではない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて主表示ユニット39における入球部用表示部43,44の変動表示及び図柄表示装置41の変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
(データ設定処理)
データ設定処理では、先ずステップS601にて、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留記憶数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続くステップS602にて、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留エリアREの各エリアRa1〜Ra8に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1〜第8エリアRa8に格納されているデータを下位側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3、第5エリアRa5→第4エリアRa4、第6エリアRa6→第5エリアRa5、第7エリアRa7→第6エリアRa6、第8エリアRa8→第7エリアRa7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアREのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS604にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82を経由し、表示制御装置212に送信される。表示制御装置212では、シフトコマンドを受信することで、作動口用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
(変動開始処理)
次に、ステップS505の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM203の当否テーブル記憶エリア221に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS702では、ステップS701における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブル記憶エリア222に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が確変大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が第1入球部33dへの入球に対応している場合には第1入球部33d用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が第2入球部33eへの入球に対応している場合には第2入球部33e用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果(16R確変大当たり結果、4R確変大当たり結果)であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS705にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS706にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。なお、確変大当たり結果は、16R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果に大別される。確変大当たり結果となる場合には、上記振分によって16R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果の何れであるかが決まる。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、主表示ユニット39に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS705では確変大当たりフラグを格納し、ステップS706では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
(変動表示時間の設定処理)
変動表示時間の設定処理では、図16のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS802に進む。ステップS802では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア225に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS801及びステップS802の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS804にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
なお、より詳細には、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS806にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタCSの値等をパラメータとして決定される。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS708にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS709にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、報知・演出制御装置82は、上記変動開始コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS710にて主表示ユニット39の入球部用表示部43,44のうち該当する一方にて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、主表示ユニット39が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図16)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット39の入球部用表示部43,44のうち該当する一方における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が入球部用表示部にて停止表示されるように当該入球部用表示部を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図17のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS901にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の主表示ユニット39(詳しくは入球部用表示部)における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS904にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には「16」又は「4」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS905に進む。ステップS905では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS906では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS907にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS908にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
(報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に係る電気的構成について)
次に、図18のブロック図を参照して、報知・演出制御装置82及び表示制御装置212に係る電気的構成について補足説明する。
報知・演出制御装置82に設けられた報知・演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されており、当該主制御装置81から既に説明した、変動開始コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられた表示ランプ部63及びスピーカ部64、表示制御装置212が接続されている。主制御装置81から報知・演出制御装置82に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
表示制御装置212のMPU252は、報知・演出制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPU252では、報知・演出制御装置82から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置41における各遊技回の変動表示パターンを特定する処理を実行するとともに後述する保留予告に係る処理を実行し、その処理結果に対応してVDP255に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置41の表示画面41aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
また、キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の保留表示領域NEに表示させるための画像データ(保留アイコンMP)や実行対象表示領域Dbに表示させる区画枠用の画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア271と、後述する予告演出が実行される場合に表示される画像データが格納された予告演出用画像データ記憶エリア272が設けられている。なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域NEに対応した保留用表示エリア281及び実行用表示エリア282が設けられている。
保留用表示エリア281には、作動口用の保留エリアREにおける第1エリアRa1〜第8エリアRa8と1対1で対応するように、第1単位エリア〜第8単位エリアが設定されている。表示画面41aにおける保留数表示領域Daの各単位保留表示領域Da1〜Da8では、各単位エリアに書き込まれた保留表示用情報(データ)に応じて上記保留アイコンMPが表示される。なお、データが設定されていない単位エリアに対応した単位保留表示領域Da1〜Da8では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面41aにおける背景画像が表示される。
実行用表示エリア282は実行エリアAEと対応している。表示画面41aにおける実行対象表示領域Dbでは、実行用表示エリア282に書き込まれたデータに応じて上記保留アイコンMPが表示される。なお、データが設定されていない場合には図柄表示装置41の表示画面41aにおける背景画像が表示される。
既に説明したように本実施の形態では、表示画面41aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置81からのコマンドを参照して報知・演出制御装置82により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置212によって決定される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置82のMPU242では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図19のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS1001にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示又は確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1002に進み、主制御装置81から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1002にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて後述の変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1004にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS1004にて肯定判定をした場合にはステップS1006に進み、当該ステップS1006にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。かかる処理では、スピーカ部64やランプ部63を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置212に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置212のMPU252では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置41にて図柄を確定停止させるよう制御する。
(変動開始用処理)
ここで、図20のフローチャートを参照して、ステップS1003の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動開始コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示や後述する保留予告演出等の設定を行う。ここでは、リーチ表示の設定に関する処理を説明し、保留予告演出の設定に関する処理については後述する。
変動開始処理においては、先ずステップS1101にて今回受信した変動開始コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81から変動開始コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1101では、今回受信した変動開始コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1101では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。
続くステップS1102では、ステップS1101にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS1103にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、確変大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、通常大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM243の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM244に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM244の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM243の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動開始コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM243の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM244のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
ステップS1102にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1104に進む。ステップS1104では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1105に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1103の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1104にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1106に進む。ステップS1106では、完全外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1107に進む。ステップS1107では、ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置212へ出力する処理を実行する。表示制御装置212のMPU252では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置41の表示制御を行う。
ステップS1107の処理を実行した後は、続くステップS1108にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部64やランプ部63の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図21に基づき図柄表示装置41(表示画面41a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図21(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図21(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
(変動表示態様)
図21(a)に示すように、表示画面41aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置81からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」、スーパーリーチCの変動表示時間については他のスーパーリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「18sec」となっている。例えば、主制御装置81からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置82にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
なお、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB > スーパーリーチC の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなる設定となっている。
ここで、図21(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列Z1において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図6参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列Z2の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,B,Cの変動表示態様について説明する。図21(b2)〜(b4)に示すように、スーパーリーチA,B,Cについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に男の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチCにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
(保留予告について)
本実施の形態では、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告に係る演出が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に所定の確率で実行される構成となっている。未だ抽選対象となっていない保留情報に対応した演出が、当該保留情報に係る遊技回となるよりも前のタイミングにおいて実行されることにより、遊技者にとっては、現在進行中の遊技回に対応した保留情報の抽選結果を確認する遊技だけでなく、後に抽選対象となる保留情報が抽選対象となった場合の結果を上記演出の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技への注目度を高めることができる。
この保留予告については、表示画面41aの変動表示領域MEにて上述した図柄の変動表示に併せて実行されるものと、表示画面41aの保留表示領域NEにて保留表示の態様の変化に併せて実行されるものとに大別される。このうち保留表示領域NEにて実行される保留予告については、表示画面41aにおける保留表示を利用としている。以下、図22(a)のフローチャート及び図22(b)の概略図を参照して、保留予告の前提となる構成、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留表示制御用の処理(保留表示制御用コマンド対応処理)について説明する。保留表示制御用コマンド対応処理は、所定の周期(本実施の形態では2msec)で起動される定期処理の一環として実行される処理である。
(保留表示制御用コマンド対応処理)
図22(a)に示すように、保留表示制御用コマンド対応処理では、先ずステップS1201にて、主制御装置81から報知・演出制御装置82を経由して保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202にて、ワークRAM254の各種カウンタエリアに設けられた保留数カウンタの値(保留記憶数SN)を1加算する。
ステップS1202の更新処理を実行した後は、ステップS1203に進み保留表示追加処理を実行し、本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。上述した保留記憶数SNはビデオRAM257の保留用表示エリア281に対応している。保留表示追加処理にて保留アイコンMPの表示設定を行う場合には、保留用表示エリア281において保留記憶数SNに対応した単位エリアに保留表示情報(詳しくは保留用画像データ記憶エリア271に記憶された保留用画像のアドレス)がセットされる。表示画面41aにおける保留数表示領域Daの各単位保留表示領域Da1〜Da8では、各単位エリアに書き込まれたデータに応じて上記保留アイコンMPが追加表示される。
例えば、図22(b1)に示すように、第1単位保留表示領域Da1及び第2単位保留表示領域Da2に保留アイコンMPが表示されている状況下にて、すなわち保留記憶数SN=「2」となっている状況下にて、保留コマンドを受信した場合には、保留記憶数SNが「2」→「3」となり、保留用表示エリア281の第3単位エリアに保留表示情報がセットされる。これにより、図22(b2)に示すように、第3単位保留表示領域Da3に保留アイコンMPが表示されることとなる。
ステップS1201の説明に戻り、当該ステップS1201にて否定判定をした場合にはステップS1204に進む。ステップS1204では、主制御装置81から報知・演出制御装置82を経由してシフトコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1204にて否定判定をした場合にはそのまま本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。
ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、ワークRAM254の保留カウンタエリアに設けられた保留数カウンタの値(保留記憶数SN)を1減算する。
続くステップS1206にてシフト処理を実行し、本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。シフト処理では、保留用表示エリア281の第1単位エリアにセットされている保留表示情報を実行用表示エリア282に移すとともに、保留用表示エリア281の第1単位エリア〜第8単位エリアにセットされている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせる。
具体的には、第1単位エリアの保留表示情報を実行用表示エリア282に移すとともに、第2単位エリア→第1単位エリア、第3単位エリア→第2単位エリア、第4単位エリア→第3単位エリア、第5単位エリア→第4単位エリア、第6単位エリア→第5単位エリア、第7単位エリア→第6単位エリア、第8単位エリア→第7単位エリアといった具合に各単位エリア内の保留表示情報をシフトさせる。
例えば、図22(b1)に示すように、第1単位保留表示領域Da1及び第2単位保留表示領域Da2に保留アイコンMPが表示されている状況下にて、すなわち保留記憶数SN=「2」となっている状況下にて、シフトコマンドを受信した場合には、保留記憶数SNが「2」から「1」になる。これに伴い、実行用表示エリア282の保留表示情報が消去され、第1単位エリアの保留表示情報が実行用表示エリア282に、第2単位エリアの保留表示情報が第1単位エリアに、第3単位エリアの保留表示情報が第2単位エリアにシフトされる。この結果、図22(b3)に示すように、実行対象表示領域Db及び第1単位保留表示領域Da1に保留アイコンMPが表示されることとなる。
ここで、保留用画像データ記憶エリア271には、保留用画像群として色の異なる複数種(詳しくは白、青、黄、赤の4種)の保留アイコンMPが記憶されており、各色によって上記アドレスが異なっている。保留表示情報の設定に際しては、上述した保留予告の有無等に応じてどの色による表示を行うかは報知・演出制御装置82にて決定されており、この情報は保留コマンドが報知・演出制御装置82を経由する際に当該報知・演出制御装置82により同保留コマンドに組み込まれる。つまり、表示制御装置212では受信した保留コマンドから色に関する情報を読み取ることにより、どの色に対応するアドレスを上記保留表示用情報として設定するかを把握する。
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告にかかる処理について説明する。保留予告にかかる処理としては、上記保留予告用の確認処理(図11のステップS306)と保留コマンドの設定処理(図11のステップS307)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図9参照)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図10参照)、詳しくはステップS204の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動口33a,33b(入球部33d,33e)への入賞に基づいて実行される構成となっている。
以下、図23のフローチャートを参照し保留予告用の確認処理について説明する。
(保留予告用の確認処理)
保留予告用の確認処理では、ステップS1301にて、保留球格納エリア232の保留数記憶領域FEに記憶された始動保留記憶数Nと共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1302〜S1306にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1302にて、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1303では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1304に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1305に進み、図10(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1304又はステップS1305の後はステップS1306に進み、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1307にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留予告用の確認処理を終了する。
なお、ステップS1307の処理においては、今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり種別判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり種別カウンタC2の値を把握し、振分テーブルを参照して大当たりの種別を判定する。ステップS1307にてMPU202のレジスタに記憶される情報には大当たりの種別に係る情報が含まれることとなる。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、作動口33a,33bへの今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1309では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)225に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1309の処理を実行した後はステップS1310に進み、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1311にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
(保留コマンドの設定処理)
次に、図24のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS1401にて、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図23)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS1302に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM204に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。ばお、大当たり対応保留コマンドには、大当たりの種別に関する情報が含まれる。
一方、ステップS1401にて否定判定をした場合、すなわちMPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS1403に進み、MPU202のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留予告用の確認処理(図23)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1404にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1405にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS1402,S1404,S1405にて保留コマンドの設定を行う場合には、変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに格納する。変動表示時間の決定に際しては、上記ステップS708に示した変動表示時間の設定処理と同じように、変動表示時間テーブルが参照される。このようにして設定された保留コマンドが表示制御装置212に送信され、同表示制御装置212においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。なお、既に説明したように完全外れの場合には、当該保留情報にかかる遊技回を開始する際に記憶されている保留情報の数に応じて変動表示時間が変化し得る。そこで、完全外れ対応保留コマンドを設定する場合には、変動表示時間の仮設定が行われる。
ステップS1402、ステップS1404、ステップS1405のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS1406にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。
ステップS1406では、先ず直前の保留予告用の確認処理(図23)におけるステップS1301にてMPU202のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1402、ステップS1404、ステップS1405のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS1406の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
ステップS1406にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図12)におけるステップS401の外部出力処理により、報知・演出制御装置82に送信される。報知・演出制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、報知・演出制御装置82では、保留コマンドに後述する保留予告用の情報を追加して表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留表示や保留予告用の処理等を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置212において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,外れリーチ対応保留コマンド,完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留予告用の確認処理(図19)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。
次に、報知・演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に係る処理について説明する。保留予告に係る処理としては、大別して主制御装置81からのコマンドを判定するコマンド対応処理と保留予告の態様を決定する保留予告演出設定処理とが設定されている。
(保留コマンド対応処理)
保留コマンド対応処理においては、主制御装置81が送信した保留コマンドを受信している場合に、その受信している保留コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。なお、保留コマンド対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される。
保留コマンド対応処理においては先ず、保留コマンドを受信しているか否かを判定する。報知・演出制御装置82のMPU242にて受信したコマンドはRAM244のコマンド格納エリア261に一旦格納される。当該コマンド格納エリア261は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。対応保留コマンドを受信しているか否かの判定に際しては、コマンド格納エリア261における今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、変動開始用コマンド等の他のコマンドの読み出しにおいても同様である。
保留コマンドを受信している場合には、当該保留コマンドに含まれる各種情報を保留情報格納エリア267に記憶する。保留情報格納エリア267は、第1エリアRc1〜第8エリアRc8を有しており、各エリアにつき1の保留情報を格納可能な構成となっている。各エリアRc1〜Rc8に格納された保留情報は、主制御装置81からシフトコマンドを受信することにより、すなわち遊技回が開始された場合に、下位エリア側に順にシフトされることとなる。具体的には、第1エリアRc1のデータをクリアするとともに、第2エリアRc2→第1エリアRc1、第3エリアRc3→第2エリアRc2、第4エリアRc4→第3エリアRc3 ・・・ 第8エリアRc8→第7エリアRc7といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。報知・演出制御装置82の保留情報格納エリア267においても、主制御装置81の保留球格納エリア232(詳しくは保留エリアRE)と同様に入球先に関係なく保留情報が時系列的にまとめて記憶される構成となっている。詳しくは今回受信したコマンドに含まれる保留数の情報を特定し、第1エリアRc1〜第8エリアRc8のうちその特定した保留数の情報に対応するエリアに上記各種情報を記憶する。
なお、上述した保留コマンドを受信した場合にはRAM244の各種フラグ格納エリア266に保留コマンド受信フラグがセットされ、シフトコマンドを受信した場合には各種フラグ格納エリア266にシフトコマンド受信フラグがセットされる。これら各フラグは、以下に説明する保留予告演出用の設定処理の契機となり、当該保留予告演出用設定処理が終了した際に消去される。
報知・演出制御装置82のMPU242においては、保留情報格納エリア267に記憶された情報に基づいて保留予告演出用の設定処理を行う。ここで、図25のフローチャートを参照して保留予告演出用設定処理について説明する。なお、保留予告演出用設定処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される定期処理の一環として実行される処理である。
(保留予告演出用設定処理)
保留予告演出用設定処理においては先ず、ステップS1501にて主制御装置81から保留コマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア266に保留コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502にて保留コマンド受信時抽選処理を実行する。
保留コマンドに係る抽選処理では、保留予告の抽選対象が今回新たに追加された保留情報に限定される。つまり、RAM244の保留情報格納エリア267に設けられた第1エリアRc1〜第8エリアRc8のうち、今回受信した保留コマンドに対応するエリアに記憶された情報に基づいて保留予告の可否抽選が行われる。この抽選は、記憶されている情報から当該保留情報に係る遊技回が大当たりであるか否か、リーチ表示が行われるか否か、リーチ表示が行われる場合にはそのパターンを把握し、それに応じた抽選テーブルと抽選用カウンタエリア263の値とに基づいて行われる。
ROM243の抽選用テーブル記憶エリアには、保留コマンド受信時用の抽選テーブルとして、大当たり用の抽選テーブル、外れノーマルリーチA用の抽選テーブル、外れノーマルリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチA用の抽選テーブル、外れスーパーリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチC用の抽選テーブル、完全外れ用の抽選テーブルが記憶されている。
これら各種テーブルについては、大当たり > スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA > 完全外れの順に当選確率が高くなるように設定されている。
ステップS1501の説明に戻り、当該ステップS1501にて否定判定をした場合、すなわち保留コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では主制御装置81からシフトコマンドを受信したか否かを判定する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア266にシフトコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1503にて否定判定をした場合、すなわち、保留コマンド及びシフトコマンドの何れも受信していない場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。ステップS1503にて肯定判定をした場合には、ステップS1504にてシフトコマンド受信時抽選処理を実行する。
シフトコマンドに係る抽選処理では、保留予告の抽選対象がシフト後に残存する全ての保留情報となる。つまり、RAM244の保留情報格納エリア267に設けられた第1エリアRc1〜第8エリアRc8に記憶されている全ての情報に基づいて保留予告の可否抽選が行われる。この抽選は記憶されている各情報について個別に行われる。そして、その抽選順序(優先順序)は新しい順(第8エリアRc8 → 第7エリアRc7 →・・・→ 第1エリアRc1)となるように規定されている。例えば、共通保留数CRNが「2」の場合に、先ず第2エリアRc2に記憶された情報に基づいて抽選が行われ、この抽選に当選しなかった場合に第1エリアRc1に記憶された情報に基づいて抽選が行われることとなる。
本実施の形態においては特に、共通保留数CRNの値が多くなることにより、完全外れに対応する遊技回における変動表示時間が短縮される。そこで、上述の如く新しい保留情報を優先的に抽選対象とすることにより、保留予告を実行する場合の予告演出の期間を好適に確保することができる。
抽選方法については、保留コマンド受信時と同様に、記憶されている情報から当該保留情報に係る遊技回が大当たりであるか否か、リーチ表示が行われるか否か、またリーチ表示が行われる場合にはそのパターンを把握し、それに応じた抽選テーブルと抽選用カウンタエリア263の値とに基づいて行われる。
ROM243の抽選用テーブル記憶エリアには、シフトコマンド受信時用の抽選テーブルとして、大当たり用の抽選テーブル、外れノーマルリーチA用の抽選テーブル、外れノーマルリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチA用の抽選テーブル、外れスーパーリーチB用の抽選テーブル、外れスーパーリーチC用の抽選テーブル、完全外れ用の抽選テーブルが記憶されている。
これら各種テーブルについては、大当たり > スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA > 完全外れの順に当選確率が高くなるように設定されている。但し、これらシフトコマンド受信時用の抽選テーブル群は、上記保留コマンド受信時用の抽選テーブル群と比較した場合に、保留予告当選となる確率が低くなるように設定されている。例えば大当たり用の抽選テーブル同士を比較した場合、シフトコマンド受信時用の抽選テーブル参照時の当選確率は、保留コマンド受信時用の抽選テーブル参照時の当選確率よりも低く設定されている。
但し、共通保留数CRNの値(保留数)が所定数(本実施の形態においては「4」)よりも少ない場合には、全体での当選期待度が保留コマンド受信時を下回るものの、共通保留数CRNの値(保留数)が所定数以上となっている場合には全体での当選期待度が保留コマンド受信時を上回るように設定されている。
本実施の形態においては特に、共通保留数CRNの値が上記所定数(「4」)を超えることで、完全外れに対応する遊技回における変動表示時間の短縮度合いが共通保留数CRNの値が上記所定数(「4」)以下の場合と比較して大きくなる。これでは、遊技進行の迅速化を実現できる反面、遊技進行の単調さが目立ってしまうと懸念される。この点、上記構成とすれば、保留数の数が多くなって変動表示時間の短縮が顕著になると、保留予告が発生しやすくなる。これは、遊技進行の迅速化を図りつつ遊技への注目度の低下を抑える上で好ましい。
ステップS1502又はステップS1504の抽選処理を実行した後は、ステップS1505に進む。ステップS1505ではそれらの抽選処理にて保留予告演出の実行条件が成立したか否かを判定する。ステップS1505にて否定判定をした場合、すなわちステップS1502,S1504にて非当選となった場合には、そのまま本保留予告演出用設定処理を終了する。一方、ステップS1505にて肯定判定をした場合には、続くステップS1506に保留予告演出パターンの決定処理を実行し、続くステップS1507にて決定された保留予告演出パターンを記憶した後、本保留予告演出用設定処理を終了する。
保留予告演出が行われる旨が決定された場合には、ステップS1507にて記憶されている情報に基づき、該当する保留情報に係る遊技回が実行されるまで当該保留情報が保留予告演出の抽選対象から外れる。そして、記憶されている情報は該当保留情報が実行エリアに移った際に消去される。
ここで、図26及び図27の概略図を参照して、保留予告演出(詳しくは保留表示領域NEにて実行される予告演出)の種類について説明する。
(保留予告演出の種類)
各保留予告演出についてはいずれも、保留表示領域NEに表示される保留アイコンMPの表示態様を変化させることにより大当たり結果となる期待度を示唆する構成となっている点では共通している。保留アイコンMPの表示態様(色)については、白、青、黄、赤の4色が設定されている。これらの色のうち白が基準となっており、保留予告演出が実行される場合には保留アイコンMPが他の色(青、黄、赤)となる。
保留アイコンMPの色については、白 < 青 < 黄 <赤の順に大当たり結果となる期待度が高くなるように設定されている。具体的には、大当たり結果となる遊技回に対応した保留アイコンMPにて保留予告が実行される場合には、白 < 青 < 黄 <赤の順に選択される可能性が高くなっているのに対して、外れ結果となる遊技回に対応した保留アイコンMPにて保留予告が実行される場合には、赤 < 黄 < 青 < 白の順に選択される可能性が高くなっている。
この保留予告演出は、保留アイコンMPの表示態様(色の変化)によって第1種予告演出と第2種予告演出とに大別される。図27(a)に示すように、第1種予告演出では保留アイコンMPの色が変化した後は、当該保留アイコンの色が該当遊技回となるまで(実行対象表示領域Dbに移るまで)維持される。これに対して第2種予告演出では、図27(b)に示すように、保留アイコンMPの色が遊技進行に伴って複数回変化する。例えば、最終的に変化する色が赤の場合であっても、先ずはそれよりも期待度の低い低位の色(青又は黄)に変化させて、保留アイコンMPがシフトするタイミングにてより期待度の高い上位の色へステップアップ(昇格)させる。これら2種の保留予告演出を併用することにより、期待度の低い色となった場合であっても、該当遊技回となるまでにより期待度の高い色へ変化する可能性が生じる。これにより、保留予告演出への注目度が早期に低下することを抑制している。
なお、保留アイコンMPの色は、保留表示エリアRaにおいてのみ変化するのではなく、実行対象表示領域Dbへ移る際に変化させてもよい。例えば、保留表示エリアRaにて黄となっていた保留アイコンMPが実行対象表示領域Dbに移った際に当該保留アイコンMPを赤に変化させたり、保留表示エリアRaにて白となっていた保留アイコンMPが実行表示領域Dbに移った際に当該保留アイコンMPを他の色(青、黄、赤)に変化させたりすることも可能である。
第2種予告演出については特に、シフトが発生する場合に、保留アイコンMPの移動態様(シフト態様)が特殊態様となる場合がある。移動態様が特殊態様となった場合には、より上位の色へ変化する可能性が高くなるため、遊技者にとってチャンスとなる。保留アイコンMPの移動態様についての詳細については後述する。
次に、図26のフローチャートを参照して保留予告演出パターン決定処理について説明する。
(保留予告演出パターン決定処理)
図26(a)に示すように、保留予告演出パターン決定処理においては先ず、ステップS1601にて第1種予告演出及び第2種予告演出の何れを実行するかを決定する処理を行う。この決定処理においては先ず、保留アイコンMPの最終的な色を決定する。そして、保留予告演出の対象となった保留情報に対して先行している保留情報の数に基づき実行エリアに移るまでのシフト回数を特定する。これら最終的な色及びシフト回数に基づいて、上記保留アイコンMPの色についてステップアップを行う余地があるか否かを判定する。ステップアップを行う余地がある場合には抽選によって第1種予告演出及び第2種予告演出の何れとするかを決定し、ステップアップを行う余地がない場合には第1種予告演出に決定する。
ステップS1601の振分処理を実行した後はステップS1602に進む。ステップS1602ではステップS1601の振分処理にて第2種予告演出を行う旨の決定がなされたか否かを判定する。ステップS1602にて否定判定をした場合には、そのまま本保留予告演出パターン決定処理を終了する。ステップS1602にて肯定判定をした場合には、ステップS1603に進む。
ステップS1603では上述した特殊移動が制限されている最中であるか否かを判定する。既に、特殊移動が実行される旨が決定されている場合には、当該特殊移動が実行されるシフトタイミングでは他の特殊移動が制限される構成となっている。
ステップS1603にて否定判定をした場合、すなわち特殊移動について制限が発生していない場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604では実行エリア以外(保留エリア)に他の保留情報が記憶されているか否かを判定する。つまり、実行エリア外に複数の保留情報が記憶されているか否かを判定する。
ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1605にて第1決定処理を実行した後、本保留予告演出パターン決定処理を終了する。第1決定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリアに記憶されている特殊移動抽選用テーブルを参照し、抽選によって特殊移動を発生させるか否かを決定する。特殊移動抽選用テーブルについては、ステップS1601にて決定された色及び保留情報の種類によって特殊移動の発生確率が異なっている。具体的には、完全外れ < ノーマルリーチA < ノーマルリーチB < スーパーリーチA < スーパーリーチB < スーパーリーチCの順に当選確率が高くなるように、更には、青 < 黄 < 赤の順に当選確率が高くなるように設定されている。
また、第1決定処理には図28(b)に示す詳細決定処理が含まれている。詳細決定処理においては先ず、ステップS1701にて色変化の順序の設定処理を行う。例えば、最終的に赤色に変化する場合には、(1)青 → 黄 → 赤、(2)青 → 赤、(3)黄 → 赤の3つのパターンとなり得るが、これらの何れの態様とするかを決定する。続くステップS1702では色変化のタイミングを設定する。具体的には、何れのシフトタイミングにて色を変化させるかを決定する。例えば、色変化を発生させることができるシフトが3回確保できる状況下にて色変化を2ステップで行う場合、どのシフトタイミングで最初のステップアップを行い、どのシフトタイミングで次のステップアップを行うかを決定する。
ステップS1701及びステップS1702にて保留予告演出(第2種予告演出)の主たる流れが決まった後は、ステップS1703にて当該保留予告演出が特殊移動を伴うものであるか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合には、そのまま本詳細決定処理を終了する。ステップS1703にて肯定判定をした場合には、ステップS1704に進む。
ステップS1704では特殊移動態様の設定処理を行う。具体的には、ステップS1701及びステップS1702の各処理にて決まった保留アイコンの色変化の流れに基づいて、移動態様を特殊態様とするシフトタイミングを決定する。特殊移動態様の設定処理ではROM243の各種テーブル記憶エリアに記憶されている特殊移動態様設定用テーブルを参照して、移動態様を特殊態様とするシフトタイミングを決める。
この設定処理においては、より期待度の高い上位の色へ変化するシフトタイミングほど特殊態様となる確率が高くなるように設定されてはいるものの、ステップアップが発生しないシフトタイミングを含む何れのシフトタイミングについても特殊態様となる可能性がある。例えば、保留アイコンMPの色が青 → 黄 → 黄→ 赤の順に変化する場合、すなわち間にステップアップを伴わないシフトタイミングが介在する場合には、黄 → 赤のシフトタイミングが最も特殊態様となる可能性が高いものの、黄 → 黄のシフトタイミングにおいても特殊態様となる可能性がある。
ステップS1704にて移動態様の設定処理を行った後は、ステップS1705にて特殊移動を一時的に制限する処理を実行して、本詳細決定処理を終了する。特殊移動が発生させる場合には、当該特殊移動が発生するタイミングにおけ他の特殊移動の発生が制限される。この制限については、特殊移動に係る保留情報が実行エリアに移る際に解除される。
図28(a)の説明に戻り、ステップS1603にて肯定判定をした場合(特殊移動の制限中である場合)又はステップS1604にて否定判定をした場合(保留エリアに複数の保留情報が記憶されていない場合)には、ステップS1605に進み、第2決定処理を実行する。第2決定処理においては、特殊移動に係る処理が実行されないものの、その他の処理については第1決定処理と共通であるため説明を援用する。このように、特殊移動が制限されている場合、又は特殊移動が制限されてはいないものの保留情報が不足している場合には、特殊移動が回避されることとなる。
本実施の形態においては、上記特殊移動として、対象となっている保留アイコンMPの移動を他の保留アイコンMPの移動よりも遅らせる第1特殊移動と、対象となっている保留アイコンMPの移動を他の保留アイコンの移動よりも先行させる第2特殊移動とが設けられている。ここで、図29を参照して、特殊移動が発生しない場合の保留アイコンのシフト表示の様子について補足説明する。図29は保留数が「3」から「2」に減少する際のシフト表示の様子を示す概略図である。
図29(a)→図29(b)に示すように、実行対象表示領域Dbに保留アイコンMP0が表示され、保留数表示領域Daに保留アイコンMP1〜MP3が表示されている状況下にて、実行中の遊技回が終了すると、当該遊技回の終了を契機として実行対象表示領域Dbに表示されている保留アイコンMP0が消去される(非表示となる)。これに併せて、第1単位保留表示領域Da1に表示されていた保留アイコンMP1が実行対象表示領域Dbへ向けた移動を開始し、第2単位保留表示領域Da2に表示されていた保留アイコンMP2が第1単位保留表示領域Da1へ向けた移動を開始し、第3単位保留表示領域Da3に表示されていた保留アイコンMP3が第2単位保留表示領域Da2へ向けた移動を開始する。
これら保留アイコンMP1〜MP3の移動開始タイミングは同時となっており、各保留アイコンMP1〜MP3の移動速度についても同一となるように、動きが統一されている(図29(b)参照)。なお、このような保留アイコンMPの動きについては、記憶されている保留情報の数やシフト表示が発生する遊技状態等の影響を受けず、上述した特殊移動が発生しない限りは同じ態様となるように設定されている。また、各保留アイコンMPの移動が完了するタイミングについても統一されており、隣の領域への各保留アイコンMPの移動は同時に終了する(図29(c)参照)
保留アイコンのシフト表示が終了した後は、当該遊技回が終了するまで各保留アイコンMPが各表示領域に留まることとなる。
基本的には、上述したような規則的な保留アイコンMPの動きが遊技の進行に応じて繰り返されることとなるが、特定の条件を満たした場合にのみ、このような動きから外れた動き(上記特殊移動)が発生することとなる。ここで、図30のフローチャート及び図31の概略図を参照して、表示制御装置212のMPU252にて実行される定期処理の一部を構成する第1特殊移動処理と、第1特殊移動の概要とについて説明する。第1特殊移動処理については、先の決定処理(図28参照)にて第1特殊移動を行う旨の決定がなされたことに基づいて実行される処理である。
(第1特殊移動処理)
第1特殊移動処理においては先ず、ステップS1901にて保留アイコンの移動について移動遅延が行われている最中であるか否かを判定する。ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1902に進む。ステップS1902では他の保留アイコンをシフトさせるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1902にて肯定判定をした場合には、ステップS1903に進む。ステップS1903では移動遅延処理を実行する。具体的には、第1特殊移動の対象となった保留アイコン(以下、該当保留アイコンともいう)については、他の保留アイコンよりも移動の開始タイミングが遅れるように設定され、他の保留アイコンよりも移動速度が遅くなるよう設定される。そして、該当保留アイコンの表示領域と移動先となる隣の表示領域との間にて一時的に停留するように移動態様が設定される。
その後、ステップS1904にて色変更一時規制処理を実行し、本第1特殊移動処理を終了する。ステップS1904の色変更一時規制処理においては、該当保留アイコン以外の保留アイコンについて色変更を規制する。既に説明したように、本実施の形態に示す遊技機においてはシフト表示に併せて保留アイコンの色を変化させることにより予告演出が行う機能を有している。但し、上記第1特殊移動が発生する場合には、当該第1特殊移動が完了するまで他の保留アイコンについての色の変化が一時的に規制されることとなる。
ステップS1901の説明に戻り、当該ステップS1901にて肯定判定をした場合、すなわち移動遅延中であると判定した場合には、ステップS1905に進む。ステップS1905では、他の保留アイコンの移動が完了しているか否かを判定する。ステップS1905にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特殊移動処理を終了する。ステップS1905にて肯定判定をした場合には、ステップS1906に進む。ステップS1906では該当保留アイコンのシフトを遅らせる遅延期間を経過したか否かを判定する。ステップS1906にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特殊移動処理を終了する。
ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907に進む。ステップS1907では遅延が生じている保留アイコンについて隣の表示領域への移動を再開させる移動再開処理を行う。このようにして移動遅延を解除することにより、それまで隣の表示領域への移動が遅れていた、該当保留アイコンが当該隣の表示領域へ向けて移動を再開する。そして、移動遅延が解除されることにより、以降はステップS1901にて否定判定されることとなる。
ステップS1902の説明に戻り、当該ステップS1902にて否定判定をした場合、すなわち他の保留アイコンのシフトタイミングではないと判定した場合には、ステップS1908に進む。ステップS1908では第1特殊移動の態様となった保留アイコンのシフト(隣の表示領域への移動)が完了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1908にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特殊移動処理を終了する。ステップS1908にて肯定判定をした場合には、ステップS1909に進む。
ステップS1909では該当保留アイコンが色変更(表示態様の変更)に対応しているか否かを判定する。ステップS1909にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特殊移動処理を終了する。ステップS1909にて肯定判定をした場合には、ステップS1910に進む。ステップS1910では色変更処理を行う。
既に説明したように、第1特殊移動については、保留アイコンの表示態様の変化を伴う場合がある。このような表示態様の変化については、第1特殊移動の最中ではなく、当該第1特殊移動が終了した際に発生する。第1特殊移動が発生した場合には、通常移動と比較して保留アイコンの表示態様(色)がより期待度の高いものへ変化する可能性が高くなる。
ステップS1910の処理を実行した後は、ステップS1911にて他の保留アイコンについての色変更一時規制を解除して本第1特殊移動処理を終了する。色変更の一時規制が解除されることにより、他の保留アイコンの色を変化させるべき状況である場合には、当初のタイミングよりも僅かに遅れて色が変化することとなる。
ここで、図31を参照して、保留アイコンをシフトさせる際に第1特殊移動が発生する場合の流れについて説明する。なお、図31においては第3単位保留表示領域Da3に表示されている保留アイコンMP3が第1特殊移動の対象となっている。
図31(a)に示すように実行対象表示領域Db、第1単位保留表示領域Da1〜第3単位保留表示領域Da3に保留アイコンMPが表示されている状況下にて、実行対象表示領域Dbの保留アイコンMPに対応した遊技回が終了すると、実行対象表示領域Dbにおける保留アイコンMP0の表示が終了し、第1単位保留表示領域Da1に表示されていた保留アイコンMP1が実行対象表示領域Dbへ向けた移動を開始し、第2単位保留表示領域Da2に表示されていた保留アイコンMP2が第1単位保留表示領域Da1へ向けた移動を開始し、第3単位保留表示領域Da3に表示されていた保留アイコンMP3が第2単位保留表示領域Da2に向けた移動を開始する。
この際、図31(a)→図31(b)に示すように、保留アイコンMP1及び保留アイコンMP2の移動開始タイミングに対して、保留アイコンMP3の移動開始タイミングが僅かに遅れることとなる。また保留アイコンMP1,MP2の移動速度に対して、保留アイコンMP3の移動速度が遅くなっている。これらを組み合わせて、保留アイコンMP1,MP2の動きと保留アイコンMP3の動きとの差が明確化されている。
図31(b)→図31(c)に示すように、保留アイコンMP1が実行対象表示領域Dbの中央に配置され且つ保留アイコンMP2が第1単位保留表示領域Da1の中央に配置された時点では、保留アイコンMP3は第3単位保留表示領域Da3と第2単位保留表示領域Da2との間に停留した状態、すなわち第2単位保留表示領域Da2への移動が未完となっている。
第1特殊移動の対象となった該当保留アイコンMP3については、今回のシフトを契機とした色(表示態様)変化に対応している。このため、図31(d)に示すように、保留アイコンMP1,MP2に遅れて保留アイコンMP3が第2単位保留表示領域Da2に到達したタイミングにて、該当保留アイコンMP3の色が変化することとなる。仮に、他の保留アイコンについても今回のシフトを契機とした色(表示態様)変化に対応している場合には、保留アイコンMP3の色変化に併せて色(表示態様)が変化することとなる。
次に、図32のフローチャート及び図31の概略図を参照して、表示制御装置212のMPU252にて実行される定期処理の一部を構成する第2特殊移動処理と、第2特殊移動の概要とについて説明する。第2特殊移動処理については、先の決定処理(図28参照)にて第2特殊移動を行う旨の決定がなされたことに基づいて実行される処理である。
(第2特殊移動処理)
第2特殊移動処理においては先ず、ステップS2001にて、第2特殊移動の対象となっている該当保留アイコンが表示領域間の中間位置(待機位置)に待機している最中であるか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合には、ステップS2002に進む。ステップS2002では該当保留アイコンについて他の保留アイコンよりも移動を先行して開始すベきタイミングであるか否かを判定する。本実施の形態においては、実行されている遊技回にて図柄の確定表示が開始されたタイミングを先行移動を開始させるタイミングとして設定している。
ステップS2002にて肯定判定をした場合には、ステップS2003に進む。ステップS2003では上記中間位置へ向けた該当保留アイコンの移動を開始させる。すなわち、他の保留アイコンのシフトが開始されるのに先駆けて該当保留アイコンが隣の表示領域へ向けた移動を開始することとなる。
ステップS2001の説明に戻り、当該ステップS2001にて肯定判定をした場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004では該当保留アイコン以外の他の保留アイコンの移動開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2004にて否定判定をした場合には、そのまま第2特殊移動処理を終了する。これに対して、ステップS2004にて肯定判定をした場合には、ステップS2005にて隣の表示領域へ向けた該当保留アイコンの移動を再開させる処理を実行した後、本第2特殊移動処理を終了する。
詳細については後述するが、本実施の形態に示す第2特殊移動については、該当保留アイコンの移動を他の保留アイコンの移動よりも先行させるものの、先行している保留アイコンが移動先の表示領域中央に待機しているため、該当保留アイコンの当該中央への到達が回避され、該当保留アイコンが表示領域間(2つの表示領域にまたがる位置)に停留することとなる。上記ステップS2005の処理ではこの停留中の該当保留アイコンの移動を再開させる。
ステップS2002の説明に戻り、当該ステップS2002にて否定判定をした場合、すなわち先行移動の開始タイミングではないと判定した場合には、ステップS2006に進む。ステップS2006では第2特殊移動の対象となった該当保留アイコンのシフトが完了したか否かを判定する。ステップS2006にて否定判定をした場合にはそのまま本第2特殊移動処理を終了する。ステップS2066にて肯定判定をした場合には、ステップS2007に進む。
ステップS2007では、該当保留アイコンが色変更(表示態様の変更)に対応しているか否かを判定する。ステップS2007にて否定判定をした場合には、そのまま本第1特殊移動処理を終了する。ステップS2007にて肯定判定をした場合には、ステップS2008に進む。ステップS2008では色変更処理を行う。
既に説明したように、第2特殊移動については、保留アイコンの表示態様の変化を伴う場合がある。このような表示態様の変化については、第2特殊移動の最中ではなく、当該第2特殊移動が終了した際に発生する。第2特殊移動が発生した場合には、通常移動と比較して保留アイコンの表示態様(色)がより期待度の高いものへ変化する可能性が高くなる。
ここで、図33を参照して、保留アイコンをシフトさせる際に第2特殊移動が発生する場合の流れについて説明する。なお、図33においては第3単位保留表示領域Da3に表示されている保留アイコンMP3が第2特殊移動の対象となっている。
図33(a)に示すように実行対象表示領域Db、第1単位保留表示領域Da1〜第3単位保留表示領域Da3に保留アイコンMPが表示されている状況下にて、実行対象表示領域Dbの保留アイコンMP0に対応した遊技回の遊技結果を表示する確定表示に移行すると、図33(a)→図33(b)に示すように、第3単位保留表示領域Da3に表示されている該当保留アイコンMP3が確定表示期間を利用して他の保留アイコンMPに先駆けて隣の第2単位保留表示領域Da2に向けた移動を開始する。
既に説明したように、基本的には遊技回が終了(確定表示が終了)したことを契機として各保留アイコンが移動を開始する構成となっているが、第2特殊移動においてはこのような動きに先んじて該当保留アイコンの移動を開始することにより、保留アイコンの動きが差別化されている。
図33(b)に示すように、保留アイコンMP3が先行移動しているタイミングでは、第2単位保留表示領域Da2の中央に保留アイコンMP2が待機したままとなっている。この保留アイコンMP2との重なりを回避すべく保留アイコンMP3の第2単位保留表示領域Da2への移動が途中で制限されることとなる。具体的には、保留アイコンMP3は第3単位保留表示領域Da3と第2単位保留表示領域Da2とに跨る中間位置まで移動した後は当該中間位置にて一時停留することとなる。
図33(b)→図33(c)に示すように、確定表示が終了して次の遊技回へ移る際には、実行対象表示領域Dbにおける保留アイコンMP0の表示が終了し、第1単位保留表示領域Da1に表示されていた保留アイコンMP1が実行対象表示領域Dbへ向けた移動を開始し、第2単位保留表示領域Da2に表示されていた保留アイコンMP2が第1単位保留表示領域Da1へ向けた移動を開始する。これを契機として、中間位置にて停留中であった保留アイコンMP3は、それら保留アイコンMP1,MP2に追従して第2単位保留表示領域Da2へ移動する。
第2特殊移動の対象となった該当保留アイコンMP3については、今回のシフトを契機とした色(表示態様)変化に対応している。このため、図33(d)に示すように、保留アイコンMP3が第2単位保留表示領域Da2に到達したタイミングにて、保留アイコンMP3の色が変化することとなる。仮に、他の保留アイコンについても今回のシフトを契機とした色(表示態様)変化に対応している場合には、保留アイコンMP3の色変化に併せて色(表示態様)が変化することとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留アイコンを表示する構成においては、その主たる機能は記憶されている保留情報の数(すなわち残りの保留数)を遊技者に明示する点にある。ここで、それら保留アイコンについては、例えば遊技回が進む度に同じような態様で移動することが常識となっており、その移動態様(動作態様又はシフト態様)については極めて単調である。そこで、本実施の形態に示したように、保留アイコンの移動態様として通常移動態様と特殊移動態様とを設定すれば、保留アイコンの移動態様の多様化によって、今までにない斬新な表示演出が可能となり、遊技への注目度の更なる向上に寄与できる。
上述した通常移動態様と特殊移動態様とで保留アイコンの動きを大きく相違させて、特殊移動態様での保留アイコンの動きを誇張すれば、その動きの特殊性を好適にアピールすることができる。しかしながら、動きを誇張する上では特殊移動用の領域が嵩む等の新たな課題が生じ得る。この点、本実施の形態においては、通常移動態様となる保留アイコンが他に存在していることを前提として特殊移動が発生するように規制されている。このように、比較対象となる他の保留アイコンがあれば、特殊移動態様となった保留アイコンの動きを過度に誇張しなくても、移動態様に違いが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。
また、特殊移動態様がそれほど際立っていないことを前提とした場合、保留表示領域Daに1の保留アイコンが表示され、この保留アイコンの移動態様が特殊移動態様となると、それが見逃される可能性が高くなる。この点、比較対象となる通常移動態様の保留アイコンが存在すれば、上述した動きの差が小さいとしても、特殊移動が見逃される機会を減らすことができる。
図柄表示装置41の表示画面41aにて図柄の変動表示領域ME及び保留表示領域NEを併存させようとした場合には、保留アイコンの移動を誇張しようとすることが変動表示領域MEを圧迫する要因になり得る。この点、他の保留アイコンの動きとの差によって特殊移動態様の識別が可能となれば、上述したような誇張の必要性を低下させて保留アイコンの移動領域の拡がりを回避できる。故に、変動表示領域MEと保留表示領域NEとの共存を好適に実現できる。
なお、上述したように、特殊移動態様となる保留アイコンと通常移動態様となる保留アイコンとが合わせて表示される場合であっても、それらの数が同数となっていると、どちらが特殊移動態様であるかの見極めが困難になり、遊技者を困惑させる可能性が高くなる。このような事情に配慮すれば、保留数表示領域Daに表示されている保留アイコンの数が3以上である場合に、1の保留アイコンが特殊移動態様の対象となるように数を制限すれば、どの保留アイコンの移動態様が特殊であるかを容易に見極めることが可能となる。
因みに、複数の保留アイコンについて特殊移動態様が適用される場合には、少なくと特殊移動態様となる保留アイコンの数が通常移動態様となる保留アイコンの数よりも少なくなるように規制するとよい。
第1特殊移動態様が設定された保留アイコン(該当保留アイコン)の移動については他の保留アイコンの移動よりも遅れることとなる。このような構成とすれば、保留画像の動きが過度に複雑になることを抑制しつつ、移動態様の多様化を好適に実現できる。
通常移動態様となっている保留アイコンについては次の遊技回の開始(図柄の変動表示の開始)に合せて隣の単位保留表示領域へ移る。これに対して、特殊移動態様となっている保留アイコンの移動については次の遊技回の開始後(次の図柄の変動表示の開始後)に完了する。このように、遊技者が主として注目する図柄の動きに関連づけて通常移動態様と特殊移動態様との差を設けることにより、通常移動態様が適用された保留アイコンと特殊移動態様が適用された保留アイコンとを直接見比べなくても、特殊移動態様が適用された保留アイコンの移動に遅れが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。
保留アイコンの動きを意図的に遅らせることは、保留アイコンの移動態様の多様化を実現する上で好ましい。しかしながら、該当保留アイコンの動きが遅れた場合にはそれに後続となる保留アイコンの動きに影響が及ぶことが懸念される。つまり、仮に該当保留アイコンと後続の保留アイコンとが重なる等した場合には、保留アイコンによって保留数を明示するという本来の機能が上手く発揮されなくなる可能性が生じる。この点、本実施の形態に示したように、特殊移動態様となった該当保留アイコンについては、その場に留まり続けるのではなく、隣の保留表示領域側へ少しずれた位置(詳しくは、それまで表示されていた保留表示領域とその隣(下流側)の保留表示領域とに跨る位置)にて停留することにより、該当保留アイコンの移動の遅れが後続の保留アイコンの邪魔になることを回避しつつ上記遅延を好適に発生させることができる。これにより、保留アイコンの動きの多様化によって上記本来の機能が損なわれるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
保留アイコンによって残りの保留数を報知する構成においては、上述した遅延が過度になることで、当該報知の機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、少なくとも次の遊技回に移る前までには該当保留アイコンの移動が完了するように、遅延度合いを制限する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
第2特殊移動態様が適用された保留アイコン(該当保留アイコン)の移動については通常移動態様が適用された他の保留アイコンの移動よりも移動開始タイミングが早まることとなる。このような構成とすれば、保留アイコンの動きが過度に複雑になることを抑制しつつ、移動態様の多様化を好適に実現できる。
通常移動態様が適用された保留アイコンについては次の遊技回の開始(図柄の変動表示の開始)に合せて移動する。これに対して、第2特殊移動態様となっている保留アイコンの移動については次の遊技回の開始前、具体的には図柄が停止表示(確定表示)されている最中に開始される。このように、遊技者が主として注目する図柄の動きに関連づけて通常移動態様と第2特殊移動態様との差を設けることにより、通常移動態様が適用された保留アイコンの動きと第2特殊移動態様が適用された保留アイコンの動きとを見比べなくても、第2特殊移動態様が適用された保留アイコンが先んじて移動を開始していることを遊技者に好適に伝えることができる。
該当保留アイコンについてその動きを意図的に早めることは、保留アイコンの移動態様の多様化を実現する上で好ましい。しかしながら、該当保留アイコンの動きを早める場合にはそれに先行している他の保留アイコンの動きに影響が及ぶことが懸念される。つまり、仮に該当保留アイコンとそれに先行する保留アイコンとが重なる等した場合には、保留アイコンによって保留数を明示するという本来の機能が上手く発揮されなくなる可能性が生じる。この点、本実施の形態に示すように、第2特殊移動態様となった該当保留アイコンについては、隣の保留表示領域へ即時移動するのではなく、隣の保留表示領域側へ到達する前に減速し、両保留領域に跨る位置にて停留する。これにより、通常移動態様となっている保留アイコンの動きを待つことが可能となり、先行する保留アイコンが該当保留アイコンの邪魔になることを回避できる。故に、保留アイコンの動きの多様化によって上記本来の機能が損なわれるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
通常移動態様が適用された他の保留アイコンに先んじて移動を開始した該当保留アイコンについては、最終的に他の保留アイコンとともに移動を完了する。このように、該当保留アイコンの移動完了タイミングを他の保留アイコンの移動完了タイミングと揃えることにより、該当保留アイコンの動きが間延びして、その見栄えが低下することを抑制している。
なお、単位保留表示領域は一定間隔となるように左右に並べて配列されている。これにより、上述した第1特殊移動態様/第2特殊移動態様が適用された該当保留アイコンの動きと通常移動態様が適用された保留アイコンの動きの差を分かりやすくなっている。
保留アイコンについては、その表示態様(詳しくは色)が変化することにより大当たり結果となっている期待度が高まる構成となっている。ここで、表示態様を変更させない場合と比較して、表示態様を変更させる場合の方が保留アイコンの移動態様が特殊態様となりやすい。保留アイコンの表示態様については、保留アイコンが特殊移動態様にて隣の保留表示領域に移った後に変化する。保留アイコンの表示態様の変化が保留アイコンの特殊移動を契機として発生することにより、当該特殊移動を表示態様の変化の予兆として機能させることができる。このように、表示態様の変更と特殊移動との関連性を強化することにより、上述した注目度向上効果を一層好適に発揮させることができる。
また、遊技者が常に保留アイコンに注目しているわけではない点に着目した場合、特殊な移動態様となったことが見逃す可能性が高くなるだけでなく、仮に目に留まったとしてもそれが見間違いである認識される可能性を否定できない。この点、特殊な移動態様を契機として表示態様が変化する構成とすれば、保留アイコンの表示態様の変化から遡って特殊な移動態様となったことが見間違えではなく実際に発生したものであることを好適に示唆できる。
保留アイコンの移動態様が特殊なものとなった場合には、遊技者の注目が当該保留アイコンに向きやすい。保留アイコンが複数表示される構成においては、そのような状況下にて他の保留アイコンの表示態様が変化しても、当該表示態様の変化による注目度向上効果が上手く発揮されなくなると想定される。この点、特殊移動態様が適用された保留アイコン、すなわち遊技者の注目が向いている保留アイコンについて表示態様を変更する構成とすれば、当該表示態様の変更による演出効果を好適に発揮させることができる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態においては、該当保留アイコンの移動を他の保留アイコンの移動よりも先行させることにより該当保留アイコンが先走っているように見せる構成としたが、これを以下のようにしてよい。すなわち、該当保留アイコン以外の他の保留アイコンの動きを遅らせることにより、結果として該当保留アイコンが先走っているように見せる構成としてもよい。
同様に、上記第1の実施の形態においては、該当保留アイコンの移動を他の保留アイコンにより遅らせることにより該当保留アイコンが取り残されているように見せる構成としたが、これを以下のようにしてもよい。すなわち、該当保留アイコン以外の他の保留アイコンの動きを先行させることにより、結果として該当保留アイコンが取り残されているように見せる構成としてもよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態に示した第1特殊移動及び第2特殊移動では、保留アイコン同士の接触や重なりを回避する構成としたが、これに限定されるものではない。
例えば、該当保留アイコンが第1特殊移動を行う場合には、後続の保留アイコンが該当保留アイコンに当たる構成とし、該当保留アイコンが後続の保留アイコンによって押し出されるように表示する構成とすることも可能である。
また、該当保留アイコンが第2特殊移動を行う場合には、先行の保留アイコンに該当保留アイコンが当たる構成とし、該当保留アイコンによって先行の保留アイコンが押し出されるように移動する構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第1の実施の形態では、保留数表示領域Da内の移動にて第1特殊移動及び第2特殊移動を発生させる構成について例示したが、同様の移動態様を保留数表示領域Daから実行対象表示領域Dbへ移動する保留アイコンの移動態様に適用することも可能である。
<変形例4>
実行対象表示領域Db外(保留数表示領域Da)に該当保留アイコン以外に少なくとも2の保留アイコンが表示されている場合に、上記第1特殊移動及び第2特殊移動が可能となるように制限することも可能である。該当保留アイコンしかない場合や他の保留アイコンが1つしかない場合には、比較する対象が無いことで第1特殊移動や第2特殊移動を遊技者が把握しづらくなる可能性が生じる。この点、比較対象が少なくとも2つ存在している場合に特殊移動が可能となる構成によれば、このような不都合の発生を好適に抑制できる。
<変形例5>
上記第1の実施の形態では、特殊移動が完了した場合(アクション終了後)に保留アイコンの表示態様(色)が変化する構成とした。ここで、特殊移動の開始に伴って保留アイコンの表示態様が変化し、特殊移動の完了後に保留アイコンの表示態様がもう一度変化する構成とすれば、1回のシフト中に複数化のステップアップを発生させることが可能となる。
<変形例6>
上記第1の実施の形態では、保留アイコンが右側から左側へ水平移動する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、保留表示領域(単位表示領域)が縦に並んでいる場合には、保留アイコンが縦に移動する構成とすることも可能である。
<変形例7>
上記第1の実施の形態では、通常移動と特殊移動とで保留アイコンの移動速度や移動開始タイミング/移動終了タイミングを相違させる構成をしたが、保留アイコンの動きについては任意である。例えば、通常移動にて保留アイコンが移動する移動経路から特殊移動にて保留アイコンが移動する移動経路が外れる構成とすることも可能である。例えば、上記第1の実施の形態では通常移動態様及び特殊移動態様の何れにおいても保留アイコンの軌道が直線状となるように構成としたが、通常移動態様では保留アイコンの軌道が直線状となるのに対して特殊移動態様では保留アイコンの軌道が曲線状となるように構成してもよい。
<変形例8>
上記第1の実施の形態では、該当保留アイコンの移動態様が特殊移動態様となるように設定される構成としたが、これに限定されるものではない。保留予告演出の契機となった保留アイコン以外の保留アイコンについて移動態様が特殊移動態様となるように設定することも可能である。
<変形例9>
上記第1の実施の形態では、第1特殊移動が発生する場合には遊技回における変動表示が終了するまでに当該第1特殊移動が完了する構成としたが、どのタイミングで第1特殊移動を完了させるかについては任意である。例えば、遊技回の確定表示が終了するまでに当該第1特殊移動が完了する構成とすることも可能である。
<変形例10>
上記第1の実施の形態では、第2特殊移動が発生する場合には次の遊技回の開始に合せて当該第2特殊移動が完了する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2特殊移動が次の遊技回中に完了する構成とすることも可能である。
<変形例11>
上記第1の実施の形態に示した第1及び第2特殊移動が発生するタイミングについては任意である。例えば、図柄表示装置41の表示画面41aにおける図柄の変動表示前又は後に当該図柄が有効ライン上等にて揺動等している停留状態(所謂煽り状態)となっている場合に、保留アイコンの移動が開始される構成とすることも可能である。この場合、停留状態となっている間に保留アイコンの特殊移動が完了する構成としてもよい。
<第2の実施の形態> 再変動表示に連動する保留アイコンのアクション
本実施の形態においては、図柄の変動表示に連動するようにして保留アイコンの先行移動が発生し得る構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面41aにおいては、表示演出の一環として、ノーマルリーチA〜BやスーパーリーチA〜Cが実行される(図21参照)。これら各種リーチ表示について、最終的に大当たり等の遊技結果(抽選結果)に対応する図柄組み合わせを停止させることにより遊技結果を報知する構成となっている。ここで、本実施の形態においては、大当たり結果に対応する遊技回にて実行される表示演出の一種として、再変動表示が実行される構成が併用されている。再変動表示についてはノーマルリーチA〜B、スーパーリーチA〜Cの各々に対応している。
例えば大当たり結果に対応したリーチ表示が実行される場合には、図34の概略図に示すように、再変動非対応のリーチ表示になる場合と再変動対応のリーチ表示になる場合とに分かれる。再変動非対応のリーチ表示においては、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によってリーチラインが形成されている状況下にて、中図柄列Z2のみが変動表示し、当該中図柄列Z2が大当たり結果に対応する図柄組み合わせを形成するようにして上記リーチライン上に停止する。これに対して、再変動対応のリーチ表示においては、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によってリーチラインが形成されている状況下にて、中図柄列Z2のみが変動し、当該中図柄列Z2が外れ結果に対応する図柄組み合わせを形成するようにして上記リーチライン上に一旦停止(停留)する。その後、中図柄列Z2が再度変動し、最終的には大当たり結果に対応する図柄組み合わせを形成するようにして、上記リーチライン上に停止する。このように再変動非対応のリーチ表示及び再変動対応のリーチ表示を併用することにより、リーチ表示を経て外れ結果に対応する図柄組み合わせが表示された場合であっても、その後に再変動が発生することへ遊技者の期待を向けさせることができる。なお、図34においてはスーパーリーチCについて例示しているが、他のリーチ表示についても再変動に関する主たる流れは同様である。
ここで、図35のフローチャートを参照して、再変動非対応のリーチ表示と再変動対応のリーチ表示との分岐が発生し得るタイミングにて上記第2特殊移動又はそれに類似する第3特殊移動を発生させる為の処理(リーチ演出連動特殊移動用処理)について説明する。リーチ演出連動特殊移動用処理は、報知・演出制御装置82のMPU242にて定期処理の一環として実行される処理である。
(リーチ演出連動特殊移動用処理)
リーチ演出連動特殊移動用処理においては先ず、ステップS2101にて遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2101にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊移動用処理を終了する。ステップS2101にて肯定判定をした場合には、ステップS2102に進む。ステップS2102では、後続の保留アイコン、すなわち実行対象表示領域Dbに続く第1単位保留表示領域Da1に表示されている保留アイコンの表示態様(色)が変化しているか否かを判定する。後続の保留アイコンが存在しない場合、又は後続の保留アイコンが存在しているもののその色が変化していない場合には、ステップS2102にてひてい判定をし、そのまま本特殊移動用処理を終了する。
ステップS2102にて肯定判定をした場合、すなわち後続の保留アイコンが存在し且つその保留アイコンの色が変化している場合には、ステップS2103に進む。ステップS2103では再変動対応のリーチ表示に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS2103にて肯定判定をした場合には、ステップS2104に進む。
ステップS2104では第1抽選処理を行う。具体的には、後続の保留アイコン(第1単位保留表示領域Da1に待機している保留アイコン)について、再変動対応の特殊移動である第3特殊移動を発生させるか否かを抽選により決定する。ステップS2104の抽選処理を実行した後は、ステップS2015に進む。ステップS2105ではステップS2104の抽選に当選となったか否かを判定する。ステップS2105にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊移動用処理を終了する。ステップS2105にて肯定判定をした場合には、ステップS2106に進む。ステップS2106では、第3特殊移動設定処理を行う。第3特殊移動設定処理では、RAM244の各種フラグ格納エリア266に第3特殊移動フラグを設定する。報知・演出制御装置82のMPU242では、第3特殊移動を行うタイミングとなった際に、この第3特殊移動フラグに基づいて第3特殊移動に対応した効果音を出力する処理を行う。また、第3特殊移動設定処理では表示制御装置212に第3特殊移動コマンドを出力する。表示制御装置212では第3特殊移動コマンドに基づいて第3特殊移動を行う。
ステップS2103の説明に戻り、当該ステップS2103にて否定判定をした場合には、ステップS2107に進む。ステップS2107では、外れ結果対応のリーチ表示に係る遊技回であるか否かを判定する。ステップS2107にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊移動用処理を終了する。ステップS2107にて肯定判定をした場合には、ステップS2108に進む。
ステップS2018では第2抽選処理を行う。具体的には、後続の保留アイコン(第1単位保留表示領域Da1に待機している保留アイコン)について、再変動非対応の特殊移動である第2特殊移動を発生させるか否かを抽選により決定する。ステップS2108の抽選処理を実行した後は、ステップS2109に進む。ステップS2109ではステップS2108の抽選に当選となったか否かを判定する。ステップS2109にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊移動用処理を終了する。ステップS2109にて肯定判定をした場合には、ステップS2110に進む。ステップS2110では、第2特殊移動設定処理を行う。第2特殊移動設定処理では、RAM244の各種フラグ格納エリア266に第2特殊移動フラグを設定する。報知・演出制御装置82のMPU242では、第2特殊移動を行うタイミングとなった際に、この第2特殊移動フラグに基づいて第2特殊移動に対応した効果音を出力する処理を行う。また、第2特殊移動設定処理では表示制御装置212に第2特殊移動コマンドを出力する。表示制御装置212では第2特殊移動コマンドに基づいて第2特殊移動を行う。なお、第2特殊移動及び第3特殊移動にて出力される効果音については共通となっている。
ここで、図36の概略図を参照して、第2特殊移動及び第3特殊移動の流れについて説明する。図36(a)〜(e)は第3特殊移動に対応し且つ図36(a)〜(c),(f)〜(g)は第2特殊移動に対応しており、図36(c)にて分岐している。
図36(a)→図36(b)に示すように上図柄列Z1及び下図柄列Z3が停止してリーチラインが形成されている状況下にて、中図柄列Z2が変動し、外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止すると、これを契機として第2特殊移動及び第3特殊移動が開始されることとなる。具体的には、図36(c)に示すように、第1単位保留表示領域Da1に表示されている保留アイコンMP1が実行対象表示領域Dbへ向けた移動を開始する。第3特殊移動については実際には未だ確定表示に至っていない状況下にて実行されるのに対して、第2特殊移動については確定表示中に行われることとなる。
ここで、保留アイコンMP1については、実行対象表示領域Dbに待機中の保留アイコンMP0が妨げとなって、実行対象表示領域Dbと第1単位保留表示領域Da1との間に一時的に停留する。
保留アイコンMP1の移動が第3特殊移動に対応している場合には、図36(c)→図36(d)に示すように、保留アイコンMP1の実行対象表示領域Dbへの移動が叶わず、当該保留アイコンMP1が第1単位保留表示領域Da1に逆戻り(復帰)することとなる。この逆戻りに併せて停留表示(一旦停止表示)されていた中図柄列Z2が再変動を開始する。そして、図36(e)に示すように、リーチライン上に大当たり結果に対応する図柄組み合わせが停止表示される。
これに対して、保留アイコンMP1の移動が第2特殊移動に対応している場合には、図36(c)→図36(f)→図36(g)に示すように、それまで実行対象表示領域Dbに表示されていた保留アイコンMP0の表示が終了して保留アイコンのシフトが発生すること、すなわち次の遊技回への移行に応じて保留アイコンMP1の実行対象表示領域Dbへの移動が完了する。
このように、外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示された場合であって、それがあくまで一旦停止であり、最終的に大当たり結果に対応する図柄組み合わせに変わる可能性がある。このような事象には図柄の再変動を伴うことになるが、保留アイコンの特殊移動(第2特殊移動及び第3特殊移動)については、この再変動が発生する予兆表示として機能する。
なお、第2特殊移動及び第3特殊移動にて保留アイコンMP1が特殊移動を継続する期間については、第2特殊移動が可能な確定表示期間の長さに合わせて設定されている。このため、保留アイコンの動きに注目している遊技者が特殊移動の継続期間から今回の特殊移動が第2特殊移動及び第3特殊移動の何れであるかを特定することは困難となっている。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施の形態においては、大当たり結果に対応する図柄組み合わせが停止表示される前に外れ結果に対応する図柄組み合わせが一旦停止表示される場合がある。つまり、一見すると外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示されて外れ結果が確定したように見せかけて、大当たり結果に対応する図柄組み合わせに変わる可能性がある。このような構成によれば、外れ結果に対応する図柄組み合わせが停止表示された場合であっても、遊技への注目度が急激に低下することを抑制できる。
ここで、一旦停止された図柄について再変動が行われる場合には、その前に少なくとも第1単位保留表示領域Da1に表示されている保留アイコンが判定表示領域に向けて移動しようとする。このような保留アイコンの動きを再変動が発生する可能性がある旨を示す示唆する示唆手段として機能させることができる。外れ結果に対応する図柄が停止表示されて保留アイコンのシフト→次の遊技回に移る場合であっても、再変動が発生する余地があるように見せることが可能となり、上述した注目度向上効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、本実施の形態においては、第1単位保留表示領域Da1に待機している保留アイコンを特殊移動の対象として設定したが、保留数表示領域Daに表示されている全ての保留アイコンを特殊移動の対象とし、それら保留アイコンの全てが同時に煽りを開始する構成とすることも可能である。
上記再変動が発生する場合に保留アイコンがそのまま実行対象表示領域Dbに移ってしまっては、今回の変動表示が再変動に対応しているか、それとも次の遊技回に対応しているかが分かりにくくなる。そこで、本実施の形態に示すように、保留アイコンを移動前の保留表示領域へ復帰させる構成とすれば、そのような誤解を好適に回避できる。
また、保留アイコンが移動を開始した場合には、そのまま実行対象表示領域Dbに移動するか、それとも第1単位保留表示領域Da1に戻るかの分岐が生じる。このように、保留アイコンの動きによってその後の展開が異なる構成とすることにより、保留アイコンの動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
特に、図柄の変動表示期間と保留アイコンの移動期間とが重なると、遊技者が注目すべき箇所が多くなる。主たる注目が図柄に向く点に鑑みれば、復帰の動き自体をアピールする上で上記重なりが妨げになると懸念される。そこで、本実施の形態に示すように、保留アイコンの復帰の後に図柄の再変動が実行される構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に回避できる。
保留アイコンの動きによって変動表示が再開される可能性を示唆する場合には、保留アイコンの動きから直ちに再変動の有無が特定されてしまうことは好ましくない。そこで、判定結果(遊技結果)の確定表示期間内に収まるように、保留アイコンの移動期間を制限することにより、保留アイコンの動きが再変動に繋がるか否かを特定することを難しくすることができる。このように、既存の構成との関係性を工夫することで、演出の多様化を実現することは、遊技機の構成の複雑化を抑えつつ遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
<変形例1>
上記第2の実施の形態では、実行対象表示領域Dbに続く第1単位保留表示領域Da1に待機中の保留アイコンについてのみ第2/第3特殊移動が発生し得る構成としたが、他の保留アイコン(例えば他の全ての保留アイコン)について同様の特殊移動を行う構成としてもよい。
<変形例2>
上記第2の実施の形態では、後続の保留アイコンの色が変化していることを前提として、再変動表示に連動する特殊移動を実行する構成とし、当該特殊移動を目立ちやすくした。つまり、保留アイコンの色が段階的に変化する構成においては、実行エリアへ到達した際に更なる色の変化が発生し得るため、外れ結果に対応した図柄組み合わせが停止表示された場合には、遊技者の注目が当該後続の保留アイコンに向きやすい。このような事情から、既に色が変化している(表示態様が変化している)ことを前提とすることには技術的意義がある。但し、このような構成に限定されるものではなく、保留アイコンの色が変化していない場合であっても、図柄の変動表示に連動するようにして上記特殊移動を発生させることも可能である。
<変形例3>
上記第2の実施の形態では、大当たり結果となる遊技回においてのみ第3特殊移動→再変動が発生し得る構成としたが、これに限定されるものではない。第3特殊移動→再変動となった場合に大当たり結果となる期待度が当該挙動が発生しなかった場合と比較して高くなるのであれば足り、このような挙動が発生した場合であっても外れ結果となることを否定するものではない。
<第3の実施の形態> 位置指定のカスタム機能
本実施の形態においては、保留アイコンの移動態様が変化した際に大当たり結果となる期待度が高くなる単位表示領域を遊技者が指定可能なカスタマイズ機能を有している点で上記第1及び第2の実施の形態と構成が相違している。このカスタマイズ機能を発揮すべく、報知・演出制御装置82のMPU242では定期処理の一環としてカスタマイズ用処理が実行される。以下、図37を参照してカスタマイズ用処理について説明する。図37(a)はカスタマイズ用処理を示すフローチャート、図37(b)は図柄表示装置41の表示画面41aに表示されるカスタマイズウインドウを示す概略図である。
(カスタマイズ処理)
図37(a)に示すように、カスタマイズ用処理においては先ず、ステップS2201にて図柄表示装置41の表示画面41aにカスタマイズウインドウ(図37(b)参照)が表示されている状況であるか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合には、ステップS2202に進む。
ステップS2202では、パチンコ機10にて遊技回が終了してから遊技が進行されないまま所定の待機期間を経過したか否かを判定する。ステップS2202にて否定判定をした場合には、そのまま本カスタマイズ用処理を終了する。ステップS2202にて肯定判定をした場合には、ステップS2203に進む。パチンコ機10の前扉枠14には、遊技者によって操作される操作ボタンが設けられており、この操作ボタンは報知・演出制御装置82に接続されている。ステップS2203では、操作ボタンが操作されたか否かを判定する。
ステップS2203にて否定判定をした場合には、そのまま本カスタマイズ用処理を終了する。ステップS2203にて肯定判定をした場合には、ステップS2204に進む。ステップS2204ではカスタマイズウインドウの表示処理を行う。具体的には、表示制御装置212にカスタマイズウインドウの表示コマンドを出力する。表示制御装置212では当該表示コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面41aに上記カスタマイズウインドウ(図37(b)参照)を表示する。
ステップS2201の説明に戻り、当該ステップS2201にて肯定判定をした場合、すなわちカスタマイズウインドウを表示中であると判定した場合には、ステップS2205に進む。ステップS2205では上記操作ボタンにて選択操作が行われたか否かを判定する。
本実施の形態においては、保留アイコンの特殊移動を発生した場合に大当たり結果となる期待度が高くなる箇所(単位表示領域)を遊技者が選択可能となっている。具体的には、上記操作ボタンの操作によって第1単位保留表示領域Da1〜第8単位保留表示領域Da8の中から遊技者が所望とする単位保留表示領域を選ぶことができる構成となっている。詳しくは、図37(b)に示すように、カスタマイズウインドウには実行対象表示領域Db及び第1単位保留表示領域Da1〜第8単位保留表示領域Da8を模した選択対象画像と、選択用カーソルとが表示され、操作ボタンの操作によって選択用カーソルによって指定されている箇所が変更される構成となっている。
ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2206に進み、選択操作に基づいて特殊移動用の抽選にて参照するテーブル(特殊移動用の抽選テーブル)を切り替える処理を行う。具体的には、ROM243の抽選用テーブル記憶エリア251には、特殊移動用の抽選テーブルとして抽選テーブルA0〜A8が設けられており、遊技者に選択操作に基づいてこれら抽選テーブルA0〜A8の中から参照するテーブルを切り替える。
ここで、図38の概略図を参照して、抽選テーブルA0〜A8の違いについて補足説明する。
抽選テーブルA0は、遊技者によるカスタマイズがなされていない非カスタマイズ状態に対応しており、第1単位保留表示領域Da1〜第8単位保留表示領域Da8の何れにおいても特殊移動の発生確率が同一となるように設定されている。これに対して、抽選テーブルA1〜抽選テーブルA8は遊技者によってカスタマイズがなされている場合に参照されるテーブルとなっている。
抽選テーブルA1は、上記カスタマイズ操作によって第1単位保留表示領域Da1が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第1単位保留表示領域Da1から実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域に移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第1単位保留表示領域Da1から実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域に移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第1単位保留表示領域Da1が選択されている状況下にて当該第1単位保留表示領域Da1から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA2は、上記カスタマイズ操作によって第2単位保留表示領域Da2が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第2単位保留表示領域Da2から第1単位保留表示領域Da1に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第2単位保留表示領域Da2から第1単位保留表示領域Da1に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第2単位保留表示領域Da2が選択されている状況下にて当該第2単位保留表示領域Da2から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA3は、上記カスタマイズ操作によって第3単位保留表示領域Da3が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第3単位保留表示領域Da3から第2単位保留表示領域Da2に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第3単位保留表示領域Da3から第2単位保留表示領域Da2に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第3単位保留表示領域Da3が選択されている状況下にて当該第3単位保留表示領域Da3から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA4は、上記カスタマイズ操作によって第4単位保留表示領域Da4が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第4単位保留表示領域Da4から第3単位保留表示領域Da3に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第4単位保留表示領域Da4から第3単位保留表示領域Da3に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第4単位保留表示領域Da4が選択されている状況下にて当該第4単位保留表示領域Da4から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA5は、上記カスタマイズ操作によって第5単位保留表示領域Da5が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第5単位保留表示領域Da5から第4単位保留表示領域Da4に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第5単位保留表示領域Da5から第4単位保留表示領域Da4に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第5単位保留表示領域Da5が選択されている状況下にて当該第5単位保留表示領域Da5から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA6は、上記カスタマイズ操作によって第6単位保留表示領域Da6が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第6単位保留表示領域Da6から第5単位保留表示領域Da5に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第6単位保留表示領域Da6から第5単位保留表示領域Da5に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第6単位保留表示領域Da6が選択されている状況下にて当該第6単位保留表示領域Da6から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA7は、上記カスタマイズ操作によって第7単位保留表示領域Da7が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第7単位保留表示領域Da7から第6単位保留表示領域Da6に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第7単位保留表示領域Da7から第6単位保留表示領域Da6に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第7単位保留表示領域Da7が選択されている状況下にて当該第7単位保留表示領域Da7から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
抽選テーブルA8は、上記カスタマイズ操作によって第8単位保留表示領域Da8が選択されている場合に参照されるテーブルである。大当たり結果に対応している該当保留アイコンが第8単位保留表示領域Da8から第7単位保留表示領域Da7に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも高くなるように構成され、外れ結果に対応している該当保留アイコンが第8単位保留表示領域Da8から第7単位保留表示領域Da7に移る際に上記特殊移動が発生する確率は該当保留アイコンが他の単位表示領域や実行対象表示領域Dbに移る際に上記特殊移動が発生する確率よりも低くなるように構成されている。つまり、カスタマイズ操作により第8単位保留表示領域Da8が選択されている状況下にて当該第8単位保留表示領域Da8から保留アイコンが移動する際に特殊移動が発生した場合に、該当保留にて大当たり結果となる期待度が高くなる。
このように、保留アイコンがシフトする際に注目すべき箇所を遊技者の選択によって絞る構成とすることにより、多数の保留アイコンが併せて表示される構成にて特殊移動を発生させたとして当該特殊移動が見逃される機会を好適に減らすことができる。
カスタマイズ操作によって注目すべき単位表示領域が絞り込まれた場合には、どの単位表示領域を選択しているかが分かりにくくなることで遊技者が困惑する可能性がある。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つしている。以下、この工夫に係る構成、具体的には報知・演出制御装置82のMPU242にて定期処理の一環として実行される選択対象報知用処理を図39のフローチャートを参照して説明する。
(選択対象報知用処理)
選択対象報知用処理においては先ず、ステップS2301にて選択対象の報知を行っている否かを判定する。ステップS2301にて否定判定をした場合には、ステップS2302に進む。ステップS2302ではカスタマイズ状態、すなわち抽選テーブルA1〜A8の何れかが参照される状況となっているか否かを判定する。ステップS2302にて否定判定をした場合には、そのまま本選択対象報知用処理を終了する。ステップS2302にて肯定判定をした場合には、ステップS2303に進む。
ステップS2303では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS2303にて肯定判定をした場合には、そのまま本選択対象報知用処理を終了する。ステップS2303にて否定判定をした場合には、ステップS2304に進む。ステップS2304では現時点で記憶されている保留数が設定数、すなわち選択された単位保留表示領域に対応した保留数の数以上となっているか否かを判定する。例えば、第3単位保留表示領域Da3が選択されている場合には、設定数=「3」となる。ステップS2304にて否定判定をした場合には、そのまま本選択対象報知用処理を終了する。ステップS2304にて肯定判定をした場合にはステップS2305にて選択対象報知処理を実行した後、本選択対象報知用処理を終了する。
ステップS2305の選択対象報知処理においては、表示制御装置212に選択対象報知用コマンドを出力する。表示制御装置212では選択対象報知用コマンドを受信したことに基づいて、選択対象報知用画像である選択カーソルIGを表示する(図39(b2)参照)。つまり、遊技者によりカスタマイズされている状況下にて通常遊技状態且つ保留数が設定数以上となっている場合に選択カーソルIGが表示されることとなる。
ステップS2301の説明に戻り、当該ステップS2301にて肯定判定をした場合には、ステップS2306に進む。ステップS2306ではカスタマイズ状態となっているか否かを判定する。ステップS2306にて肯定判定をした場合には、ステップS2307に進み、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS2307にて否定判定をした場合には、ステップS2308に進む。ステップS2308では現時点で記憶されている保留数が設定数、すなわち選択された単位表示領域に対応した保留数の数以上となっているか否かを判定する。ステップS2308にて肯定判定をした場合には、そのまま本選択対象報知用処理を終了する。
ステップS2308にて否定判定をした場合、ステップS2306にて否定判定をした場合、ステップS2307にて肯定判定をした場合にはステップS2309にて報知解除処理を実行した後、本選択対象報知用処理を終了する。ステップS2309の報知解除処理においては、表示制御装置212に報知解除用コマンドを出力する。表示制御装置212では報知解除用コマンドを受信したことに基づいて、選択対象報知用画像である選択カーソルIGを非表示とする(図39(b1)参照)。つまり、遊技者によりカスタマイズされていない場合だけでなく、特別遊技状態となっている場合や保留数が設定数を下回っている場合には選択カーソルIGが非表示となる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態においては、遊技者により選択された単位表示領域から保留アイコンが移る際に特殊移動が発生することで、該当保留アイコンにて大当たり結果となる期待度が高くなるように構成したが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、遊技者により選択された単位表示領域においては他の単位表示領域と比べて保留アイコンが移る際に特殊移動が発生する確率が高くなる構成としてもよい。
<変形例2>
上記第3の実施の形態においては、移動態様が変化する可能性が高い表示領域を第1単位保留表示領域Da1〜第8単位保留表示領域Da8の何れかに設定する構成とした。ここで、作動口33a,33bへの入球確率等に鑑みた場合には、第1単位保留表示領域Da1 > 第2単位保留表示領域Da2 > ・・・ > 第8単位保留表示領域Da8の順に保留アイコンが表示される機会が少なくなる。このような差が生じるため、例えば第8単位保留表示領域Da8等が選択された場合には、当該選択された単位表示領域にて移動態様の変化の確率を高くする機能が上手く発揮されなくなる。そこで、例えば選択された単位保留表示領域よりも下流側と上流側とでカスタマイズの内容を変える構成とすることも可能である。例えば、第8単位保留表示領域Da8を選択する遊技者については、特定の単位保留表示領域が優遇されることを好まない嗜好である可能性が高い。そこで、選択された単位保留表示領域よりも下流側に保留アイコンが追加表示される場合には、移動態様が変化する機会を平準化し且つ上流側ほど移動態様が変化する機会が多くなるように設定確率に差を設けてもよい。
<変形例3>
上記第3の実施の形態では、特殊移動が発生した場合に期待度が高くなる位置を遊技者が指定(選択)し得る構成としたが、これに限定されるものではない。保留アイコンの色が変化した場合に期待度が高くなる位置を遊技者が指定可能な構成としてもよい。
<第4の実施の形態> 遊技状況に応じてカスタマイズによる偏りを補正
本実施の形態においては、遊技者の趣向に応じて上記第1種予告演出(ステップアップ非対応)及び第2種予告演出(ステップアップ対応)の出現率、詳しくは出現割合いを調整可能なカスタマイズ機能を有している点で上記第1の実施の形態等と構成が異なっている。以下、図40を参照して、このカスタマイズ機能について説明する。図40(a)は図柄表示装置41の表示画面41aに表示されるカスタマイズウインドウを示す概略図、図40(b)は演出振分テーブルの違いを示す概略図である。
遊技が進行することなく上記所定の待機期間を経過した場合には、遊技者によるカスタマイズ操作が可能となる。具体的には、上記操作ボタンを操作することにより、カスタマイズウインドウが表示され予告演出用のカスタムメニューが表示される(図40(a)参照)。カスタムメニューでは、保留アイコンの表示態様の変化についてステップアップが発生しない第1種予告演出と、ステップアップが発生する第2種予告演出の出現率を変更可能となっている。
具体的には、保留予告演出の態様を決定する予告モードとして、第1予告モードLV1と、当該第1予告モードよりも第2種予告演出の発生確率が高く且つ第1種予告演出の発生確率が低い第2予告モードLV2と、当該第2予告モードよりも第2種予告演出の発生確率が高く且つ第1種予告演出の発生確率が低い第3予告モードとが設けられており、カスタムメニューからこれら第1予告モード〜第3予告モードの切り替えが可能となっている。なお、本実施の形態では、特にカスタマイズがなされていない場合には予告モードとして第2予告モードLV2が選択される構成となっている。
第1予告モードLV1〜第3予告モードLV3については保留予告演出の総発生頻度については統一されているものの、図40(b)に示すように第1種予告演出及び第2種予告演出の振分率が相違している。詳しくは、第1予告モードにおいては保留予告演出を発生させる場合に、第1種予告演出の方が第2種予告演出よりも発生しやすくなっており、第2予告モードにおいては第1種予告演出への振分確率と第2種予告演出への振分確率とが同一となっており、第3予告モードにおいては保留予告演出を発生させる場合に、第2種予告演出の方が第1種予告演出よりも発生しやすくなっている。
ここで、高頻度サポートモード中は電動役物34によって下作動口33bへの入球が補助され、記憶されている保留情報の数が上限(本実施の形態においては計8個)に達しやすくなる。保留情報の数が上限に達している場合に、新たに下作動口33bへの入賞や上作動口33aへの入賞が発生した場合には、当該入賞に基づく保留情報の取得が行われない。そして、作動口33a,33bへの入賞に基づく当否抽選の機会を得ることができない入球については、投資が嵩む要因になり得る。このような事情から、記憶されている保留情報の数が上限に達している場合には、投資を抑えるべく遊技球の発射が控えられる可能性がある。特に、最後に記憶された保留情報についてそれに対応した保留アイコンの表示態様が大当たり結果となる期待度が高いもの(例えば「赤」)に変化した場合には、それが遊技球の発射を止める要因になりやすい。このような発射控え(所謂、変則打ち)は遊技機の稼働率を高める上で妨げになる。
また、上作動口33a及び下作動口33bを比較した場合、上作動口33aに入った遊技球よりも下作動口33bに入った遊技球の方が遊技者に有利な第2入球部33eに振り分けられる確率が高い。このため、上述したような発射操作を行った場合には、遊技者が本来得られるはずの恩恵を逃す可能性が高くなるため好ましくない。特に、遊技機の仕様を熟知してない遊技者については、上記事情から下手に発射操作を止めてしまうことで損をする可能性が高くなる。
特に、上記カスタマイズ機能によって第1種予告演出の発生頻度が高くなるように設定されている場合には、カスタマイズ機能によって遊技者の遊技意欲の向上を図ることが、上記不都合の発生を助長する要因になると懸念される。そこで、本実施の形態においては、このような事情に鑑みて上記不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図41(a)を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図41(a)は、報知・演出制御装置82のMPU242にて定期処理の一環として実行されるモード切替用の処理(参照テーブル切替処理)を示すフローチャートである。
(参照テーブル切替処理)
参照テーブル切替処理においては先ず、ステップS2401にて第2予告モードLV2に対応する抽選テーブルに一時的に切り替わっている最中であるか否かを判定する。具体的には、遊技者によって第1予告モードLV1が選択されている状況下にて参照される抽選テーブルが他テーブルとなるように切り替えられている状況であるか否かを判定する。ステップS2401にて否定判定をした場合にはステップS2402に進む。
ステップS2402では、サポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。ステップS2402にて否定判定をした場合には、そのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2402にて肯定判定をした場合には、ステップS2403に進む。ステップS2403では新たに保留情報が記憶されたタイミングであるか否かを判定する。ステップS2403にて否定判定をした場合にはそのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2403にて肯定判定をした場合には、ステップS2404に進む。なお、本実施の形態に示す参照テーブル切替処理については、上記保留予告演出パターン決定処理の前処理として実行される処理である。
ステップS2404では、記憶されている保留情報の数(保留数)が上限数に達っしたか否かを判定する。ステップS2404にて否定判定をした場合には、そのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2404にて肯定判定をした場合には、ステップS2405に進む。ステップS2405では遊技者のカスタマイズ操作によって予告モードが第1予告モードLV1となっているか否かを判定する。ステップS2405にて否定判定をした場合には、そのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2405にて肯定判定をした場合には、ステップS2406にて参照対象となる抽選テーブルを第2予告モードLV2に対応する抽選テーブルへ一時的に切り替える一時切替処理を実行した後、本参照テーブル切替処理を終了する。一時切替処理を実行することにより、遊技者によるカスタマイズが一時的に無効化される。
ステップS2401の説明に戻り、当該ステップS2401にて肯定判定をした場合には、ステップS2407に進む。ステップS2407では、サポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。ステップS2407にて肯定判定をした場合には、ステップS2408に進む。ステップS2408では、現在記憶されている保留情報の数(保留数)が上記上限数よりも少ない所定数、詳しくは上限数よりも4少ない数(詳しくは「4」)となっているか否かを判定する。ステップS2408にて否定判定をした場合には、そのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2408にて肯定判定をした場合、又はステップS2407にて否定判定をした場合には、ステップS2409に進む。
ステップS2408では、上述した抽選テーブルの一時切替を終了すべく、第1予告モードLV1に対応の抽選テーブルへの切り替えを行う。これにより、遊技者によって選択されていた第1予告モードへ復帰することとなる。
このように、遊技者によって第1予告モードLV1が選択されている場合であっても、遊技進行に伴って所定の条件が成立した場合には、初期設定モードである第2予告モードLV2に強制的に切り替えられていることとなる。
図41(b)の概略図に示すように、保留数が上限に達した時点で第2予告モードLV2→第1予告モードLV1に切り替わり、それ以降は保留数が上記所定数(「4」)に達するまで第1予告モードLV1が維持されることとなる。つまり、この間に新たに追加された保留情報に対応する保留アイコンについても予告演出の振り分けがなされる際に第1種予告演出の優遇が回避され、シフト発生によって保留アイコンが移動する場合にも第1種予告演出の優遇が回避される。総じて、第1種予告演出の発生頻度が初期レベル(基準レベル)まで押し下げられ、第1種予告演出の発生が抑制されることとなる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
記憶されている保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら保留情報について大当たり結果となる期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。例えば保留アイコンの外観(色)が期待度が高い表示態様である「赤」となる流れとして、最初から「赤」となる場合(第1種予告演出)と、遊技進行に伴って「青」→「黄」→「赤」へ切り替えられる場合(第2種予告演出)とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、保留アイコンの色が「赤」になった場合には、当該保留アイコンに係る遊技回にて大当たり結果となる期待が膨らむ。また、記憶されている保留情報の数が記憶上限数に達している場合には、新たに作動口33a,33bへの入賞が発生しても大当たりの抽選権が得られない。これらの事情が相まって、少なくとも何れかの保留アイコン(特に8個目の保留アイコン)の表示態様がいきなり「赤」になることは、遊技球の発射操作が中断されやすくなる。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、該当保留アイコンにて大当たり結果になった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。詳しくは、相対的に不利な上作動口33aへの入賞が割込みやすくなることで、相対的に有利な下作動口33bへの入賞に基づく抽選の機会が減ったり損なわれたりすると懸念される。
ここで、本実施の形態に示す構成においては、記憶されている保留情報の数が上限数に達している場合には、第1種予告演出が実行される機会、具体的にはステップアップを飛ばしていきなり最終的な表示態様となる機会が減る。このように、第1種予告演出の実行機会を減らすことにより、上述した発射操作の中断を抑制できる。故に、演出の多様化を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、第1種予告演出の発生機会が減った分は第2種予告演出によって補完されるため、予告演出全体の発生機会が減ることが回避される。
また、電動役物34によるサポートモードが高頻度サポートモードとなっている場合には、低頻度サポートモードと比べて下作動口33bへの入球が容易となる。このため、高頻度サポートモードとなっている場合には記憶されている保留情報の数が上記上限数に達する機会が増える。高頻度サポートモードにおいては持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる等の理由から遊技球の発射操作が継続して行われやすい。このような遊技機においては、最新の保留情報が記憶された際に第1種予告演出が実行されると、当該演出が遊技球の発射操作を中断する契機になると想定される。そこで、本実施の形態に示すように、保留数が上限数に達している場合に第1種予告演出の発生確率を下げる構成とすれば、報知態様の多様化を図りつつ、それに起因した稼働率の低下等の課題を好適に解消できる。
本実施の形態に示す構成においては、遊技者の操作に応じて第1種予告演出/第2種予告演出の発生頻度を変更することが可能となっている。遊技者の好みに合わせて予告演出を行うことにより満足度の向上が期待できる。しかしながら、このような機能を備えている場合には、第1種予告演出が多発することにより、上述した不都合が顕著になると懸念される。
ここで、本特徴においては、遊技者の操作によって第1予告モードが設定されて第1種予告演出の発生確率が引き上げられている状況下にて、保留数が上限数に達している場合には、予告モードが標準である第2予告モードに切り替わり、第1種予告演出の発生確率が強制的に引き下げられる。つまり、第1予告モードとなって第1種予告演出の発生確率が上昇している場合であっても、保留数が上限数に達していることを条件として、当該発生確率が引き下げられる。故に、ステップアップを経由することなくいきなり期待度の高い表示態様(色)に変化する機会が減る。このように、早期に期待度の高い表示態様になる機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化や遊技者の満足度の向上を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態では、記憶可能な保留数の上限数を計「8」とし、保留数が「8」に達している場合に第1種予告演出の発生確率が補正される構成としたが、これに限定されるものではない。高頻度サポートモード中には主たる入球先が第2入球部33eとなる構成においては、実質的な上記上限数は第2入球部33eに係る保留数の上限数と同程度となるように少なくなる。このような事情に鑑みた場合、第2入球部33eに係る保留数が上限数「4」となった場合に上記補正を行うことにより実用上好ましい構成を実現できる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、各予告モードLV1〜LV3にて、第1種予告演出の発生確率が高くなることで第2種予告演出の発生確率が下がり、第1種予告演出の発生確率が低くなることで第2種予告演出の発生確率が上がる構成とし、予告演出の総発生確率が何れの予告モードにおいても同一となるように構成したが、これに限定されるものではない。少なくとも第1種予告演出の発生確率が第1予告モードLV1 > 第2予告モードLV2 > 第3予告モードLV3の順に低くなっているのであれば足り、第2種予告演出の発生確率については任意である。
<変形例3>
上記第4の実施の形態では、所定の一時切替条件が成立した場合に第1予告モードLV1から第2予告モードLV2に切り替える構成としたが、これを変更し、所定の一時切替条件が成立した場合に第1予告モードLV1から第3予告モードLV3に切り替える構成とすることも可能である。
<変形例4>
上記第4の実施の形態では、所定の一時切替条件が成立した場合に、第1種予告演出の発生頻度を下げる構成としたが、これに限定されるものではない。所定の一時切替条件が成立した場合に第1種予告演出の発生が回避される構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記第4の実施の形態では、記憶されている保留情報の数が上限数に達した場合に、予告モードが強制的に第1予告モードLV1から標準モードである第2予告モードLV2に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。予告モードの強制切替を発動する契機となる保留情報の数については任意である。例えば、上限数の半分に達した場合に予告モードの強制切替を行う構成としてもよい。
<変形例6>
上記第4の実施の形態では、遊技者の操作に基づいて予告モードが変更される構成としたが、例えば遊技機側で遊技者の嗜好を判断する等し予告モードを変更する構成としてもよい。
<変形例7>
上記第4の実施の形態では、予告モードを3段階で変更可能とした。少なくとも演出比率の異なる2つの予告モードが設けられているのであれば足り、予告モードの具体的な数については任意である。
<第5の実施の形態> 遊技状況に応じて特殊移動の発生確率変化
上記第1の実施の形態においては、保留アイコンの移動態様を工夫することにより遊技への注目度の向上を図った。本実施の形態においては特殊移動の発生に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、先ず図42(a),(b)の概略図を参照して、上記相違点の前提となる構成について補足説明する。
既に説明したように、完全外れ結果に係る遊技回、すなわちリーチ表示を経由することなく外れ結果となる遊技回においては、当該遊技回の開始タイミングにて記憶されている保留情報の数によって変動表示時間が変化する構成となっている。具体的には、図42(a)に示すように、遊技回の開始時(変動表示時間を決定する際に)記憶されている保留情報の数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように構成されている。
より詳しくは、低頻度サポートモードにおいては、記憶されている保留情報の数が「0」の場合には変動表示時間の平均が12sec、記憶されている保留情報の数が「1」又は「2」の場合には変動表示時間の平均が10sec、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」の場合には変動表示時間の平均が4sec、記憶されている保留情報の数が「5」〜「8」の場合には変動表示時間の平均が3secとなるように設定されている。また、高頻度サポートモードにおいては、記憶されている保留情報の数が「0」の場合には変動表示時間の平均が8sec、記憶されている保留情報の数が「1」又は「2」の場合には変動表示時間の平均が6sec、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」の場合には変動表示時間の平均が2sec、記憶されている保留情報の数が「5」〜「8」の場合には変動表示時間の平均が1secとなるように設定されている。
このように、低頻度サポートモードと比較して高頻度サポートモードの方が同じ保留情報の数で比較した場合の変動表示時間が短くなっているだけでなく、保留情報の数が多くなることで変動表示時間の短縮度合いが大きくなっている。これにより、高頻度サポートモードにおける遊技進行の迅速化が実現され、サポートモードによって遊技進行のメリハリを変化させることで遊技の単調化の抑制が図られている。
また、各遊技回においては、変動表示を経て遊技結果に対応する図柄組み合わせが表示され、この図柄組み合わせの表示(確定表示)がある程度の期間(確定表示時間)に亘って継続される。図42(b)に示すように、高頻度サポートモードにおける確定表示時間(1.2sec)についても低頻度サポートモードにおける確定表示時間(0.6sec)よりも短くなるように短縮される。これにより、高頻度サポートモードにおける遊技進行の更なる迅速化が図られている。
このようにして変動表示時間及び確定表示時間の短縮により低頻度サポートモードと高頻度サポートモードと遊技の進行速度に差を設けた場合には、遊技進行のメリハリを強調することができる反面、低頻度サポートモードと比べて高頻度サポートモードにて上記特殊移動を実行する為の猶予は短くなり、特殊移動の実行期間を確保することが困難になると想定される。例えば、保留アイコンの動きを機敏にすることにより、このような時間差に対応することは可能である。しかしながら、保留アイコンの動きを速くした場合にはその動きが見づらくなり、特殊移動によって遊技者の注目度の向上を図るという効果が上手く発揮されなくなると懸念される。特に、第2特殊移動については確定表示時間を利用して該当保留アイコンの先行移動を行う構成となっているが、確定表示時間は変動表示時間と比べて短いため、先行移動を実現する為の時間の確保が困難になる。本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、特殊移動に係る構成が工夫されていることを特徴の1つとしている。
具体的には、図42(c)の概略図に示すように、高頻度サポートモードにて記憶されている保留数が「5」以上の場合、すなわち記憶されている保留情報の数(総数)が第2入球部33eに係る保留情報の数の上限数「4」を超えている場合には、特殊移動の候補から第2特殊移動が外れ、当該第2特殊移動の発生が回避される。また、高頻度サポートモードにて記憶されている保留数の数が「5」よりも少ない場合、すなわち記憶されている保留情報の数(総数)が第2入球部33eに係る保留情報の数の上限数「4」以下の場合には、特殊移動の候補として第1特殊移動及び第2特殊移動の両方を含むものの、第2特殊移動についてはその開始タイミングが変更される。詳しくは、上記第1の実施の形態では図柄の変動表示が終了して確定表示となったことに基づいて第2特殊移動が開始される構成としたが、本実施の形態においては図柄の変動表示中に第2特殊移動が開始されるように、その開始タイミングが変更される。
既に説明したように、記憶されている保留情報の数が「5」以上の場合には、変動表示時間の平均が1secとなるように短縮され、確定表示時間は0.6secとなるように短縮される。このような状況下にておいては、該当保留アイコンの移動態様を第2特殊移動とする上では十分な時間を確保することが困難になる。そこで、このような状況下においては、第2特殊移動を規制することにより、上記各種不都合の発生を抑制できる。
記憶されている保留情報の数が「4」以下の場合には、変動表示時間の平均が2sec以上となる。そこで、上述したように変動表示時間の一部を利用して該当保留アイコンの先行移動を行うための実行時間を確保することにより、第2特殊移動の実行機会を確保することが可能となる。
<変形例1>
上記第5の実施の形態では、高頻度サポートモードとなっている場合に第2特殊移動の発生確率を下げる構成としたが、これに限定されるものではない。高頻度サポートモードについては、低頻度サポートモードと比較して特殊移動を行う為の時間的猶予が短くなる点に鑑みれば、高頻度サポートモードにおいては特殊移動が規制される構成としてもよい。この場合、例えば移動態様の変化の代わりに表示態様を変化させる構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第5の実施の形態では、高頻度サポートモード中は変動表示時間〜確定表示時間を跨ぐように第2特殊移動を発生させることにより当該第2特殊移動の実行時間を確保する構成としたが、低頻度サポートモードにおいても変動表示時間〜確定表示時間とを跨ぐように第2特殊移動が実行され得る構成とすることも可能である。
<第6の実施の形態> 連チャン数に応じて特殊演出の発生率低下
上記第2の実施の形態に示した再変動表示(再変動演出)については、比較的遊技者に不利な状況(例えば低確率モード中)に発生させることにより遊技への注目度の向上に貢献できる。しかしながらその反面、比較的遊技者に有利な状況が続いている場合(例えば高頻度サポートモードによって遊技の進行速度が速くなっている場合)に多発すると、遊技者に当該再変動表示が煩わしいとの印象を与えやすくなると懸念される。つまり、一旦外れ結果であるように見せて、その後に大当たり結果であることを報知する場合、その過程が回りくどいとの印象を与えやすくなると懸念される。
本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、再変動表示を行うか否かについては演出振分テーブルに基づいて決定される。報知・演出制御装置82のMPU242では、この演出振分テーブルのうち参照するテーブルを状況に応じて切り替える参照テーブル切替処理が実行される。以下、図43(a)のフローチャートに基づき、参照テーブル切替処理について説明する。参照テーブル切替処理は報知・演出制御装置82のMPU242にて定期処理の一環として実行される処理である。
(参照テーブル切替処理)
参照テーブル切替処理については先ず、ステップS2501にて低頻度サポートモード対応の通常遊技状態への移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS2501にて肯定判定をした場合には、ステップS2502に進む。ステップS2502にて参照する演出振分テーブルをテーブルX0に切り替えた後は、続くステップS2503にてRAM244の各種カウンタエリア265に設けられた連続回数カウンタCCをクリアして、本参照テーブル切替処理を終了する。連続回数カウンタCCは、所定の継続条件下にて大当たり結果となった回数を数える為のカウンタである。低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態を経由することなく、大当たり結果が連続した回数(所謂連チャン回数)を特定する際に参照される。
本実施の形態においては、演出振分テーブルとしてテーブルX0〜X5が設けられている。ここで、図43(b)の概略図を参照して、これら各テーブルX0〜X5の違いについて説明する。演出振分テーブルX0は、大当たりの連続回数が「0」である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が50%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が50%となるように設定されている。演出振分テーブルX1は、大当たりの連続回数が「1」である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が40%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が60%となるように設定されている。演出振分テーブルX2は、大当たりの連続回数が「2」である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が30%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が70%となるように設定されている。演出振分テーブルX3は、大当たりの連続回数が「3」である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が20%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が80%となるように設定されている。演出振分テーブルX4は、大当たりの連続回数が「4」である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が10%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が90%となるように設定されている。そして、演出振分テーブルX5は、大当たりの連続回数が「5」以上である場合に参照されるテーブルであり、大当たり結果に係る遊技回にて再変動表示対応の変動表示となる確率が0%、再変動表示非対応の変動表示となる確率が100%となるように設定されている。つまり、大当たり結果の連続回数が増える程、再変動表示の発生確率が下がる構成となっている。
図43(a)のステップS2501の説明に戻り、当該ステップS2501にて否定判定をした場合には、ステップS2504に進む。ステップS2504では高頻度サポートモード対応の通常遊技状態への移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS2504にて肯定判定をした場合には、ステップS2505に進む。ステップS2505では、今回の大当たり結果に対応の開閉実行モードの終了を契機として上記連続回数カウンタCCの更新処理(詳しくは加算処理)を行う。ステップS2505の更新処理を実行した後は、ステップS2506に進む。ステップS2506ではステップS2505にて更新された遊技回数カウンタCCの値を参照して、参照するテーブルの切り替え処理を行う。
具体的には、遊技回数カウンタCCの値が「1」である場合には演出振分テーブルX1を参照対象として設定し、遊技回数カウンタCCの値が「2」である場合には演出振分テーブルX2を参照対象として設定し、遊技回数カウンタCCの値が「3」である場合には演出振分テーブルX3を参照対象として設定し、遊技回数カウンタCCの値が「4」である場合には演出振分テーブルX4を参照対象として設定し、遊技回数カウンタCCの値が「5」以上である場合には演出振分テーブルX5を参照対象として設定する(図43(b)参照)。
ステップS2504の説明に戻り、当該ステップS2504にて否定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモード対応の通常遊技状態への移行タイミングではないと判定した場合には、ステップS2507に進む。ステップS2507では高頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS2507にて肯定判定をした場合には、ステップS2508に進む。ステップS2508では高頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態にて実行された遊技回数が切替基準回数に達したか否かを判定する。本実施の形態においては、切替基準回数として第1切替基準回数(80回)と第2切替基準回数(90回)とが設定されている。
ステップS2508及びステップS2507の何れかにて否定判定をした場合には、そのまま本参照テーブル切替処理を終了する。ステップS2508にて肯定判定をした場合には、ステップS2509に進み、基準回数到達時のテーブル切替処理を実行する。具体的には、遊技回数が第1切替基準回数又は第2切替基準回数に達した場合には、可能であれば参照している演出振分テーブルを1つ若い番号の演出振分テーブルに切り替える。例えば、演出振分テーブルX3が参照されている状況下にて第1切替基準回数に達した場合には、演出振分テーブルX2への切り替えがなされ、演出振分テーブルX2が参照されている状況下にて第2切替基準回数に達した場合には、演出振分テーブルX1への切り替えがなされる。なお、1つ若い番号の演出振分テーブルが無い場合には、参照中の演出振分テーブルを継続する。
ここで、図44の概略図を参照して、遊技進行に伴った演出振分テーブルの切り替えの流れについて説明する。
確変大当たり結果に対応する開閉実行モードが終了すると、高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の通常遊技状態に移行する。この遊技状態は少なくとも次に大当たり結果となるまで継続される。図44(a)に示すように、このような場合にて開閉実行モードが終了する際に設定された演出振分テーブルが少なくとも次の開閉実行モードに移行するまで参照対象となる。例えば、演出振分テーブルX3が設定された場合には、高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の通常遊技状態が終了するまで、当該演出振分テーブルX3が参照されることとなる。
これに対して、通常大当たり結果に対応する開閉実行モードが終了すると、高頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態に移行する。この遊技状態は、当該遊技状態にて実行された遊技回数が規定回数(本実施の形態においては「100」回)に達するまで継続され、規定回数到達後に低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態に移行する。
図44(b)に示すように、このような場合にて開閉実行モードが終了する際に設定された演出振分テーブルは、当該遊技状態にて実行された遊技回数が第1切替基準回数(80回)に達することで1つ若い演出振分テーブルに切り替わる。これにより、再変動表示対応の演出が実行される確率が増すこととなる。その後も、大当たり結果となることなく遊技が進み、当該遊技状態にて実行された遊技回数が第2切替基準回数(90回)に達することで1つ若い演出振分テーブルに切り替わる。これにより、再変動表示対応の演出が実行される確率が増すこととなる。
実行された遊技回数が、大当たり結果となることなく、上記規定回数に達すると低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態へ移行する。これに併せて、参照対象となる演出振分テーブルが演出確率に関する補正の無い演出振分テーブルX0に切り替わることとなる。これにより、再変動表示対応の演出が実行される確率が大当たりが連続する前の初期設定に戻ることとなる。
外れ結果に対応した図柄組み合わせを一旦停止表示(仮停止表示)した後に大当たり結果に対応した図柄組み合わせを停止表示する構成(復活演出、再変動演出)、すなわち外れ結果であるかのように見せかけた後に大当たり結果である旨を報知する構成によれば、外れ結果となった旨が報知された場合であっても大当たり結果となることへの期待感が急速に低下することを抑制し、遊技への注目度の向上を実現できる。大当たりが連続していない状況下においては、遊技者の目先の目標が大当たりに当選することに向きやすい。このため、上述した再変動表示を織り交ぜて大当たり結果の報知を行うことは、遊技者に心理的高揚を与える上で効果的である。これに対して、大当たりが連続している場合には、遊技者の注目は速やかに大当たりが連続するか否かに向きやすい。このような事情から、一旦外れ結果に見せかけるという再変動表示が煩わしいとの印象を与える可能性が高くなる。そこで、本実施の形態に示したように、大当たりの連続回数(連荘数)が多くなることにより上記再変動表示が実行される確率が下がる構成とすれば、良い流れを途切れさすことなく遊技を流れに乗って進めたい遊技者の遊技意欲を低下させることを好適に抑制できる。すなわち、大当たりが連続して遊技者の高揚感が高まっている状況下においては、敢えて上記再変動表示を減らしすことにより高揚感の低下を好適に抑制できる。
上述したように開閉実行モードに高頻度サポートモード対応の通常遊技状態(以下、高確遊技状態という)に移行する場合には、高確遊技状態→開閉実行モード→高確遊技状態の繰り返しが多くの出球を獲得できるチャンスとなり、遊技者の心理的高揚を与えることができる。ここで、上述した再変動表示については、一旦外れ結果に見せかけた後に大当たり結果である旨を報知するという特性上、低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態(以下、低確遊技状態という)においては遊技への注目度の向上を図ることができるものの、高確遊技状態においては遊技者に煩わしいとの印象を与えやすくなる。言い換えれば、遊技の流れ上は高揚感を煽っているものの、再変動表示が介在することが高揚感を一時的であっても低下させるように作用する可能性がある。そこで、高確遊技状態においては連続回数に応じて再変動表示の発生確率が低下させることには、技術的意義がある。
開閉実行モード終了後に移行する遊技状態としては、高頻度サポートモード且つ低確率モード対応の第1高確遊技状態と、高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の第2高確遊技状態とが設けられている。第1高確遊技状態及び第2高確遊技状態は、低確遊技状態と比べて遊技を有利に進めることができる点では同様であるが、後者が継続回数に制限が設けられていないのに対して、前者は「100」回という回数制限が設けられている。言い換えれば、第2高確遊技状態は次の大当たりが約束されているのに対して、第1高確遊技状態は連チャン終了のピンチとなる。このような事情から、第1高確遊技状態においては制限回数に至る前に大当たり結果となることを期待して遊技が行われ、第2高確遊技状態においては少しでも早く大当たり結果となることを期待して遊技が行われるものと想定される。つまり、第2高確遊技状態においてはスピード感が重要になるのに対して、第1高確遊技状態においてはスピードよりも大当たり結果になること自体が重要になる。
そこで、スピード感が重要となる第2種高確遊技状態においては、体感的な変動表示時間が長くなりやすい再変動表示の発生確率を下げて速やかに遊技が進行しているように見せ、結果が重要となる第1種高確遊技状態においては、制限回数に近づくにつれて上述した確率補正が緩和されるように構成することにより、状況毎の遊技者の心情を好適に遊技演出に反映することが可能となっている。つまり、第1高確遊技状態においては再変動表示となる確率を極端に引き下げるのではなく、当該第1高確遊技状態の終盤にてその発生確率の下方修正が緩和されることにより、再変動表示によって遊技者の期待感を高めるという効果を好適に発揮させることができる。
主制御装置81からの変動表示時間によって表示演出の態様が決まる構成においては、再変動対応のリーチ表示用の変動表示時間と再変動非対応のリーチ表示用の変動表示時間とを分けることも可能である。しかしながら、このような構成においては、大当たりの連続回数によって再変動対応のリーチ表示の発生確率を変化させる上で、主制御装置81に係る制御負荷が増大すると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、再変動対応のリーチ表示の変動表示時間と再変動非対応のリーチ表示の変動表示時間とを統一し、その決定権を、報知・演出制御装置82のMPU242に委ねる構成とすることにより、上述した制御負荷に関する課題を好適に解消することができる。
<変形例1>
所定の条件下にて大当たりが連続している場合に特殊演出としての再変動表示の発生確率を下げる構成とした。例えば、低頻度サポートモード且つ高確率モード対応の遊技状態が回数制限付きで発生する場合には、この遊技状態にて大当たり結果となった場合についても大当たりが連続しているものとしてもよい。また、遊技状態とは関係なく単に大当たり終了後に実行された遊技回が所定回数(例えば100回)となるまでに再び大当たり結果となった場合には、これを大当たりが連続しているものとしてもよい。
<変形例2>
上記第6の実施の形態では、特殊演出として再変動表示を設定したが、これに限定されるものではない。例えば、上記第1の実施の形態に示した特殊移動の発生確率が大当たりの連続回数に応じて下がる構成とすることも可能である。
<変形例3>
上記第6の実施の形態では、連続大当たりが終了に近づくにつれて再変動表示の規制が緩和される構成としたが、このような構成については任意である。例えば、規制が緩和されるのではなく、再変動表示の発生確率が初期状態を超えて上昇する構成をしてもよい。
<変形例4>
記憶されている保留情報の数に応じて参照されるテーブルが変更される構成とすることも可能である。例えば、記憶されている保留情報の数が上限数に達している場合には、連続回数に関係なく、再変動対応のリーチ表示が最も選択されにくいテーブル(例えば演出振分テーブルX5)が設定される構成とすることも可能である。
また、記憶されている保留情報の数が所定数を下回っている場合(所定数に達していない場合)には、記憶されている保留情報の数が所定数に達している場合と比べて再変動対応のリーチ表示についての規制が緩和されるように演出振分テーブルの選択がなされる構成としてもよい。
所謂時短機能が付与されているタイプの遊技機においては、記憶されている保留情報の数が多い場合には遊技の進行スピードが速くなる。上述したように開閉実行モードへ移行する際に絵柄を一旦停止表示させる場合には、一旦停止表示を挟むことで体感上の可変表示期間が長くなり得る。これは、遊技者に対して演出が無駄に延長されているかのような印象を与える要因になると想定される。そこで、記憶されている保留数が多くなっている(例えば上限に達している)場合には、特別態様となる可能性が低くなる構成とすることにより、上述したような不都合の発生を抑制し、遊技が円滑に進んでいるように印象付けることが可能となる。
なお、後続の保留情報が存在している場合には、後続の保留情報が存在していない場合と比較して、遊技者が遊技を積極的に進めようとしている可能性が高い。これに対して、後続の保留情報が存在していない場合には、マイペースで遊技が行われている可能性が高くなる。そこで、後続の保留情報が存在している場合には、後続の保留情報が存在していない場合よりも上記再変動表示の発生確率の下げ幅を小さくし、後続の保留情報が存在している場合には上記特別態様となる可能性の下げ幅を大きくすることで、遊技者のスタイルに合わせた演出を提供できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、シフトコマンド受信時又は保留コマンド受信時に保留予告の発生抽選を行う構成としたが、保留予告の発生抽選の契機についてはそれらコマンドの受信時に限定されない。例えば、定期的(周期的)に保留予告の可否判定を行う構成とすることも可能である。
(2)上記各実施の形態では、表示画面41aの変動表示領域MEにて、上図柄列,中図柄列,下図柄列が横方向に変動表示する構成としたが、これを変更し、上図柄,中図柄,下図柄が個別に設定された表示領域にて切替表示される構成としてもよい。つまり、表示領域に表示されている図柄が昇順又は降順に順次入れ替わる構成としてもよい。
(3)上作動口33aへの入球に基づく遊技回と、下作動口33bへの入球に基づく遊技回とを並行して行う構成としてもよい。例えば、上作動口33aへの入球に基づく保留情報と下作動口33bへの入球に基づく保留情報とが併存している場合には、上作動口33aにかかる保留情報に対応した図柄の変動表示領域と、下作動口33bにかかる保留情報に対応した図柄の変動表示領域とを表示画面41a中にそれぞれ形成し、それら各変動表示領域にて両変動表示を並行して行う構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、変動表示時間に応じて図柄の停止結果の詳細が決定される構成としたが、変動表示時間と関係なく図柄の停止結果の詳細を決定する構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、上作動口33a(「入球部」に相当)に係る保留情報と下作動口33b(「入球部」に相当)に係る保留情報とを順番に(交互に)消化する構成とした、詳しくは入球が発生した順番で消化する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、上作動口33aに係る保留情報と下作動口33bに係る保留情報とのうち何れかを優先的に消化する構成とすることも可能である。例えば、上作動口33a(保留情報)に係る抽選と下作動口33bに係る抽選とに有利度の差が設定されている場合には、遊技者にとって有利となるように設定された作動口に係る保留情報を優先的に消化する構成とすることも可能である。
また、上記各実施の形態では、「入球部」として上作動口33a及び下作動口33bを有する構成としたが、作動口の数については必ずしも複数である必要はなく、1つであってもよい。
(6)主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告演出(所謂先読み演出)に係る処理と、遊技回制御処理にて実行される処理とを統一する(同一とする)ことも可能である。例えば、ステップS306に示した保留予告用の確認処理及びステップS307に示した保留コマンドの設定処理については、コマンドの設定処理以外の各種処理をステップS701〜ステップS708に示した各種処理と共通化してもよい。処理内容及び一連の処理の流れを共通にすれば、制御プログラム等を個別に記憶する必要がなくなり、保留予告演出を実行する機能を搭載することがROM203の記憶容量を圧迫する要因になることを好適に抑制できる。
(7)上記実施の形態では、報知・演出制御装置82と表示制御装置212とを別々に設けたが、これら各制御装置82,212の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(8)上記第3の実施の形態等では、デモ画面中(最後の遊技回が終了してから所定の待機期間が経過した後)に遊技者によるカスタマイズ操作がなされることで、演出の発生頻度等のカスタマイズが可能となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、開閉実行モードへ移行する場合には先ず抽選にて大当たり結果となったことを契機として移行準備状態となり、この移行準備状態にて条件作動入球部(条件作動装置)への入球が発生したことを契機として開閉実行モードが開始されるタイプの遊技機においては、上記移行準備状態中に上記カスタマイズ操作が可能となる構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群> シフト時の保留アイコンの動作態様
特徴A1.所定の条件が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像(保留アイコンMP)を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し、前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記保留画像を1の表示領域から隣の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(例えば第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、
前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記通常移動態様及び前記特殊移動態様の何れかを設定する手段を有していることを特徴とする遊技機。
保留画像を表示する構成においては、その主たる機能は記憶されている特別情報数、すなわち残りの保留数を遊技者に明示する点にある。近年では、保留画像の外観(色や模様等)を変化させることにより特典付与の期待度を示唆する技術が提案されている。これにより、保留画像(例えば後に実行される遊技回)への注目度の向上を図られている。
ここで、それら保留画像については、例えば遊技回が進む度に同じような態様で移動することが常識となっており、その移動態様(動作態様又はシフト態様)については極めて単調である。そこで、本特徴に示すように、保留画像の移動態様として通常移動態様/特殊移動態様を設定すれば、保留画像の外観だけでなく、その動きが特徴的なものとなる。故に、保留画像の移動態様の多様化によって、今までにない斬新な表示演出が可能となり、遊技への注目度の更なる向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す「前記保留画像を1の表示領域から他の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(例えば第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記通常移動態様及び前記特殊移動態様の何れかを設定する手段を有している」との記載を、「前記保留画像を1の表示領域から他の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、第1移動態様及び当該第1移動態様とは異なる第2移動態様が設けられており、前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記第1移動態様及び前記第2移動態様を設定する手段を有している」とすることも可能である。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像(保留アイコンMP)を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し、前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記保留画像を1の表示領域から隣の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、
前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記通常移動態様及び前記特殊移動態様の何れかを設定する手段を有していることを特徴とする遊技機。
保留画像を表示する構成においては、その主たる機能は記憶されている特別情報数、すなわち残りの保留数を遊技者に明示する点にある。近年では、保留画像の外観(色や模様等)を変化させることにより特典付与の期待度を示唆する技術が提案されている。これにより、保留画像(例えば後に実行される遊技回)への注目度の向上を図られている。
ここで、それら保留画像については、例えば遊技回が進む度に同じような態様で移動することが常識となっており、その移動態様(動作態様又はシフト態様)については極めて単調である。そこで、本特徴に示すように、保留画像の移動態様として通常移動態様と特殊移動態様とを設定すれば、保留画像の外観だけでなく、その動きが特徴的なものとなる。故に、保留画像の移動態様の多様化によって、今までにない斬新な表示演出が可能となり、遊技への注目度の更なる向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す「前記保留画像を1の表示領域から他の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(例えば第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記通常移動態様及び前記特殊移動態様の何れかを設定する手段を有している」との記載を、「前記保留画像を1の表示領域から他の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、第1移動態様及び当該第1移動態様とは異なる第2移動態様が設けられており、前記保留表示制御手段は、前記保留画像を移動させる場合の移動態様として前記第1移動態様及び前記第2移動態様を設定する手段を有している」とすることも可能である。
特徴A3.前記保留表示制御手段は、前記保留表示領域に複数の前記保留画像が表示されている状況下にてそれら保留画像が隣の保留表示領域に各々移動する場合に、それら保留画像の何れかの移動態様を前記特殊移動態様とし、他の保留画像の移動態様を前記通常移動態様とする手段を有していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように、比較対象となる他の保留画像(通常移動態様に対応)があれば、各保留画像の動きを見比べが可能である。このため、特殊移動態様となった保留画像の動きを過度に誇張しなくても、移動態様に違いが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。これにより、特殊移動が単独で発生する場合と比較して当該特殊移動が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、例えば絵柄表示手段の表示部に絵柄の可変表示領域及び保留画像用の表示領域を併存させようとした場合には、保留画像の移動を誇張しようとすることが可変表示領域を圧迫する要因になり得る。この点、他の保留画像の動きとの差によって特殊移動態様の識別が可能となれば、上述したような誇張の必要性を低下させて保留画像の移動領域の拡張を回避できる。故に、絵柄の可変表示領域及び保留画像用の表示領域との共存を好適に実現できる。
特徴A4.前記保留表示制御手段は、前記保留表示領域に3以上の前記保留画像が表示されている状況下にてそれら保留画像が隣の保留表示領域に各々移動する場合に、それら保留画像の何れかの移動態様を前記特殊移動態様とし、他の保留画像の移動態様を前記通常移動態様とする手段を有していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A4に示すように、比較対象となる他の保留画像(通常移動態様に対応)があれば、各保留画像の動きを見比べが可能である。このため、特殊移動態様における動きを過度に誇張しなくても、移動態様に違いが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。これにより、特殊移動が単独で発生する場合と比較して当該特殊移動が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。また、通常移動態様となる保留画像の数が特殊移動態様となる保留画像の数を上回っていることにより、どの保留画像の移動態様が「特殊」であるかの識別が容易となる。
なお、例えば絵柄表示手段の表示部に絵柄の可変表示領域及び保留画像用の表示領域を併存させようとした場合には、保留画像の移動を誇張しようとすることが可変表示領域を圧迫する要因になり得る。この点、他の保留画像の動きとの差によって特殊移動態様の識別が可能となれば、上述したような誇張の必要性を低下させて保留画像の移動領域の拡張を回避できる。故に、絵柄の可変表示領域及び保留画像用の表示領域との共存を好適に実現できる。
特徴A5.前記保留表示制御手段は、前記保留表示領域に複数の保留画像が表示されている場合の方が、複数の保留画像が表示されていない場合よりもそれら保留画像の一部の移動態様として前記特殊移動態様を設定する可能性が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
比較対象となる他の保留画像(通常移動態様に対応)があれば、特殊移動態様における動きを過度に誇張しなくても、移動態様に違いが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。そこで、本特徴に示すように複数の保留画像が表示されている場合には複数の保留画像が表示されていない場合と比較して特殊移動が発生する可能性が高くなるように構成すれば、特殊移動が単独で発生する機会を減らして当該特殊移動が見逃されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A6.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当否情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し、前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記保留画像を1の表示領域から他の表示領域へ移動させる場合の当該保留画像の移動態様として、複数種の移動態様(例えば通常移動態様、第1特殊移動態様、第2特殊移動態様)が設けられており、
前記保留表示制御手段は、前記保留表示領域に複数の保留画像が表示されている状況下にて、それら保留画像を1の保留表示領域から隣の表示領域へ各々移動させる場合に、それら保留画像のうち所定の保留画像の移動態様を他の保留画像の移動態様とは異なる移動態様となるように設定する手段を有していることを特徴とする遊技機。
保留画像を表示する構成においては、その主たる機能は記憶されている特別情報数、すなわち残りの保留数を遊技者に明示する点にある。近年では、保留画像の外観(色や模様等)を変化させることにより特典付与の期待度を示唆する技術が提案されている。これにより、保留画像(例えば後に実行される遊技回)への注目度の向上を図られている。
ここで、それら保留画像については、例えば遊技回が進む度に同じような態様で移動することが常識となっており、その移動態様(動作態様又はシフト態様)については極めて単調である。そこで、本特徴に示すように、保留画像の移動態様として通常移動態様と特殊移動態様とを設定すれば、保留画像の外観だけでなく、その動きが特徴的なものとなる。故に、保留画像の移動態様の多様化によって、今までにない斬新な表示演出が可能となり、遊技への注目度の更なる向上に寄与できる。
特徴A7.前記保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、
前記保留画像の移動態様として前記特殊移動態様(例えば第1特殊移動態様)が設定されている場合には、前記保留画像の移動態様として通常移動態様が設定されている場合と比較して、隣の表示領域への移動が遅延される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、特殊移動態様が適用された保留画像(以下、該当保留画像という)の移動については他の保留画像の移動よりも遅れることとなる。このような構成とすれば、保留画像の動きが過度に複雑になることを抑制しつつ、移動態様の多様化を好適に実現できる。
特徴A8.前記通常移動態様では、次の遊技回の開始に合せて前記保留画像が隣の表示領域に移る構成となっており、
前記特殊移動態様では、当該特殊移動態様となった保留画像の移動が次の遊技回の開始よりも遅れて完了する構成となっていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
通常移動態様となっている保留画像については次の遊技回の開始に合せて隣の表示領域へ移る。これに対して、特殊移動態様となっている保留画像については移動の完了タイミングが次の遊技回の開始よりも遅れることとなる。このように、実際に移動が完了するタイミングの方が遅くなるようにして該当保留画像の移動を遅らせる構成とすることにより、該当保留画像の動きが遅れていることを明示できる。
特徴A9.次の遊技回への移行に伴って前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示が開始される構成となっており、
前記通常移動態様では、当該通常移動態様となった保留画像の隣の表示領域への移動が前記絵柄の変動表示の開始に合せて完了する構成となっており、
前記特殊移動態様では、当該特殊移動態様となった保留画像の隣の表示領域への移動が前記絵柄の変動表示の開始よりも遅れて完了する構成となっていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
通常移動態様となっている保留画像の移動については次の絵柄の変動表示の開始に合せて完了する。これに対して、特殊移動態様となっている保留画像の移動については次の絵柄の変動表示が開始した後に完了する。このように、遊技者が主として注目する絵柄の動きに関連づけて通常移動態様と特殊移動態様との差を設けることにより、通常移動態様の保留画像と特殊移動態様の保留画像とを見比べなくても、特殊移動態様にて保留画像の移動の遅れが生じていることを遊技者に好適に伝えることができる。
特徴A10.前記特殊移動態様では、当該特殊移動態様にて移動する保留画像を当該保留画像がそれまで表示されていた保留表示領域と移動先となる隣の表示領域とに跨る位置にて停留させる構成となっていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
保留画像の動きを意図的に遅らせることは、保留画像の移動態様の多様化を実現する上で好ましい。しかしながら、該当保留画像の動きが遅れた場合にはそれに後続となる保留画像の動きに影響が及ぶことが懸念される。つまり、仮に該当保留画像と後続の保留画像とが重なる等した場合には、保留画像によって保留数を明示するという本来の機能が上手く発揮されなくなる可能性が生じる。この点、本特徴に示すように、特殊移動態様となった該当保留画像については、その場に留まり続けるのではなく、少し隣の表示領域側へずれた位置にて停留することにより、後続の保留画像の邪魔になることを回避しつつ上記遅延を好適に発生させることができる。これにより、保留画像の動きの多様化によって上記本来の機能が損なわれるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A11.次の遊技回への移行に伴って前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示が開始された後、前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を所定期間に亘って停止表示する構成となっており、
前記特殊移動態様は、当該特殊移動態様が設定され移動が遅れている保留画像の隣の表示領域への移動が少なくとも後の遊技回の開始までに完了するように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
保留画像によって残りの保留数を報知する構成においては、上述した遅延が過度になることで、当該報知の機能が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、少なくとも次の遊技回に移る前までには該当保留画像の移動が完了するように、遅延度合いを制限する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A12.前記保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、
前記保留画像の移動態様として前記特殊移動態様(例えば第2特殊移動態様)が設定されている場合には、前記保留画像の移動態様として通常移動態様が設定されている場合と比較して、隣の表示領域へ向けた移動が先行して開始される構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、特殊移動態様が設定された保留画像(以下、該当保留画像という)の移動については他の保留画像の移動よりも移動開始が早まることとなる。このような構成とすれば、保留画像の動きが過度に複雑になることを抑制しつつ、移動態様の多様化を好適に実現できる。
特徴A13.次の遊技回への移行に伴って前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示が開始された後、前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を所定期間に亘って停止表示する構成となっており、
前記通常移動態様では、当該通常移動態様となった保留画像の隣の表示領域への移動が前記絵柄の変動表示の開始に合せて開始される構成となっており、
前記特殊移動態様では、当該特殊移動態様となった保留画像の隣の表示領域への移動が前記停止表示が行われている間に開始する構成となっていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
通常移動態様となっている保留画像の移動については次の絵柄の変動表示の開始に合せて開始される。これに対して、特殊移動態様となっている保留画像の移動については次の絵柄の変動表示が開始される前、具体的には絵柄が停止表示(確定表示)されている最中に開始される。このように、遊技者が主として注目する絵柄の動きに関連づけて通常移動態様と特殊移動態様との差を設けることにより、通常移動態様の保留画像と特殊移動態様の保留画像とを見比べなくても、特殊移動態様にて保留画像の移動が先行していることを遊技者に好適に伝えることができる。
特徴A14.前記特殊移動態様では、当該特殊移動態様にて移動する保留画像を当該保留画像がそれまで表示されていた保留表示領域と移動先となる隣の表示領域とに跨る位置にて減速させる構成となっていることを特徴とする特徴A12又は特徴A13に記載の遊技機。
保留画像の動きを意図的に早めることは、保留画像の移動態様の多様化を実現する上で好ましい。しかしながら、該当保留画像の動きを早める場合にはそれに先行となる保留画像の動きに影響が及ぶことが懸念される。つまり、仮に該当保留画像と先行する保留画像とが重なる等した場合には、保留画像によって保留数を明示するという本来の機能が上手く発揮されなくなる可能性が生じる。この点、本特徴に示すように、特殊移動態様となった該当保留画像については、隣の表示領域へ即時移動するのではなく、隣の表示領域側へ到達する前に減速する。これにより、通常移動態様となっている保留画像の動きを待つことが可能となり、該当保留画像が先行する保留画像の邪魔になることを回避できる。故に、保留画像の動きの多様化によって上記本来の機能が損なわれるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A15.前記特殊移動態様では、前記通常移動態様となっている他の保留画像の移動が完了することに合わせて、当該特殊移動態様となっている保留画像の移動が完了する構成となっていることを特徴とする特徴A12乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
他の保留画像に先んじて移動を開始した保留画像については、最終的に他の保留画像とともに移動を完了する。このように、該当保留画像の先走り(移動完了)を回避する構成とすることにより、先行する保留画像と該当保留画像との干渉を好適に抑制できる。
特徴A16.前記保留画像の移動態様として、通常移動態様及び当該通常移動態様とは異なる特殊移動態様(第1特殊移動態様や第2特殊移動態様)が設けられており、
前記特殊移動態様となっている保留画像と前記通常移動態様となっている保留画像とは、隣の保留表示領域へ移動する移動速度及び当該移動に要する移動期間の少なくとも一方が相違していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16に示すように保留画像の移動速度及び移動期間の少なくとも一方を相違させることにより、保留画像の動きに差を設けることができる。従来周知の遊技機においては、複数の保留画像について移動態様が統一され動き単調になっていたが、本特徴に示すように保留画像の移動態様を相違させることにより、このような単調さを好適に解消できる。
特徴A17.前記保留表示領域が一定間隔となるように所定の方向に並べて設けられていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7、特徴A12、特徴A16等に示したように、特殊移動態様となった保留画像の動きと通常移動態様となった保留画像の動きとを差別化する上では、本特徴に示すように保留表示領が一定間隔となるように配列することで、保留画像の動き(動き出し)の差を分かりやすくすることができる。
特徴A18.前記保留画像の表示態様(例えば色や模様)として第1表示態様(例えば白色)及び第2表示態様(例えば青色〜赤色)が設けられており、
前記保留画像の表示態様を前記第1表示態様から前記第2表示態様に変更する表示態様変更手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出や第2種予告演出を実行する機能)を備え、
前記表示制御手段は、前記表示態様変更手段によって前記表示態様を変更させない場合と比較して、前記表示態様を変更させる場合の方が前記保留画像の移動態様が前記特殊移動態様となりやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A18に示すように、表示態様変更手段によって表示態様を変更させない場合と比較して、表示態様を変更させる場合の方が保留画像の移動態様が特殊態様となりやすい構成とすれば、移動態様の変化を表示態様の変化の予兆として利用したり、表示態様の変化を移動態様の変化の予兆として利用したりすることができ、保留画像の表示及び移動の連携を強化できる。これにより、保留画像を用いた表示演出による遊技への注目度の向上効果を一層好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記保留画像の表示態様(例えば色や模様)として第1表示態様(例えば白色)及び第2表示態様(例えば青色〜赤色)が設けられており、前記保留画像の表示態様を前記第1表示態様から前記第2表示態様に変更する表示態様変更手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出や第2種予告演出を実行する機能)を備え、前記変更手段は、前記保留画像の移動態様として前記特殊態様が設定されている場合には、当該保留画像の移動態様として前記通常移動態様が設定されている場合よりも前記保留画像の表示態様が前記第2表示態様となりやすい構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A17のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A19.前記保留画像の表示態様(例えば色や模様)として第1表示態様(例えば白色)及び第2表示態様(例えば青色〜赤色)が設けられており、
前記保留画像の表示態様を前記第1表示態様から前記第2表示態様に変更する表示態様変更手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出や第2種予告演出を実行する機能)を備え、
前記表示態様変更手段は、前記保留表示制御手段によって前記保留画像の移動が完了した場合に、前記保留画像の表示態様を変更する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A19によれば、保留画像が特殊移動態様にて隣の表示領域に移った後に保留画像の表示態様が変化することとなる。保留画像の表示態様の変化が保留画像の特殊移動を契機として発生することにより、当該特殊移動を表示態様の変化の予兆として機能させることができる。このように、表示態様の変更と特殊移動との関連性を強化することにより、上述した注目度向上効果を一層好適に発揮させることができる。
また、遊技者が常に保留画像に注目しているわけではない点に着目した場合、特殊な移動態様となったことが見逃す可能性が高くなるだけでなく、仮に目に留まったとしてもそれが見間違いである認識される可能性を否定できない。この点、特殊な移動態様を契機として表示態様が変化する構成とすれば、保留画像の表示態様の変化から遡って特殊な移動態様となったことが見間違えではなく、実際に発生したものであることを好適に示唆できる。
特徴A20.前記表示態様変更手段は、前記保留表示制御手段によって前記特殊移動態様にて移動を完了した保留画像について表示態様を変更する手段を有していることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
保留画像の移動態様が特殊なものとなった場合には、遊技者の注目が当該保留画像に向きやすい。保留画像が複数表示される構成においては、そのような状況下にて他の保留画像の表示態様が変化しても、当該表示態様の変化による注目度向上効果が上手く発揮されなくなると想定される。この点、特殊移動態様となった保留画像、すなわち遊技者の注目が向いている保留画像について表示態様を変更する構成とすれば、当該表示態様の変更による演出効果を好適に発揮させることができる。
<特徴B群> 保留画像の挙動による復活演出の煽り
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて複数の絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記複数の絵柄を可変表示させた後に、前記判定手段による判定結果に対応した絵柄組み合わせを停止表示させる可変表示制御手段(報知・演出制御装置82や表示制御装置212にて図柄表示用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変表示制御手段は、
前記絵柄を可変表示させた後に所定の絵柄組み合わせを停止表示させる第1可変表示手段(再変動非対応のリーチ表示を実行する機能)と、
前記絵柄を可変表示させた後に前記所定の絵柄組み合わせを停止表示する過程にて当該所定の絵柄組み合わせと同一又は異なる絵柄組み合わせを一旦停止表示させる第2可変表示手段(再変動対応のリーチ表示を実行する機能)と
を有し、
前記保留表示制御手段は、前記第2可変表示手段によって前記所定の絵柄組み合わせが一旦停止表示された場合に、前記保留表示領域に表示されている所定の保留画像を前記判定表示領域に到達し得ると遊技者に認識されるように当該判定表示領域に向けて移動させる特別移動手段を有し、
前記第2可変表示手段は、前記保留表示制御手段によって前記保留画像の移動が開始された後に、前記一旦停止表示されている前記異なる絵柄組み合わせを前記所定の絵柄組み合わせとなるように変更する手段を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、例えば外れ結果に対応する絵柄が停止表示されたとしても、例えば絵柄の可変表示が再開されて、当たり結果に対応する絵柄に変わる可能性がある。このような構成によれば、外れ結果に対応する絵柄が停止表示された場合であっても、遊技への注目度が急激に低下することを抑制できる。
ここで、一旦停止された絵柄の変更(例えば再可変表示)が行われる場合には、その前に保留画像が判定表示領域に向けて移動しようとする。このような保留画像の動きを絵柄組み合わせの変更(例えば再可変表示)が発生する可能性がある旨を示唆する示唆手段として機能させることができる。外れ結果に対応する絵柄が停止表示されて保留画像のシフト→次の遊技回に移る場合であっても、絵柄組み合わせの変更(例えば再可変表示)が発生する余地があるように見せることが可能となり、上述した注目度向上効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B2.前記特別移動手段は、前記判定表示領域に向けて移動している保留画像を当該保留画像が移動前に表示されていた表示領域へ復帰させる復帰手段を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示した絵柄組み合わせの変更(例えば再可変表示)が発生する場合に保留画像がそのまま判定表示領域に移ってしまっては、当該絵柄組み合わせの表示(可変表示)が再可変表示であるか、それとも次の遊技回に対応した可変表示であるかが分かりにくくなる。そこで、本特徴に示すように、保留画像を移動前の位置へ復帰させる構成とすれば、そのような誤解を好適に回避できる。
また、保留画像が移動を開始した場合には、そのまま判定表示領域に移動するか、それとも元の表示領域に戻るかの分岐が生じる。このように、保留画像の動きによってその後の展開が異なる構成とすることにより、保留画像の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
特徴B3.前記特別移動手段は、前記一旦停止表示されている絵柄組み合わせを変更する前に前記判定表示領域に向けた前記保留画像の移動を終了し、当該保留画像を移動前の表示領域へ復帰させる復帰手段を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B1に示した絵柄組み合わせの変更(再可変表示)が発生する場合に保留画像がそのまま判定表示領域に移ってしまっては、当該変更が該当遊技回に含まれるか(再可変表示であるか)、それとも次の遊技回に対応しているか(次遊技回に対応した可変表示であるか)が分かりにくくなる。そこで、本特徴に示すように、保留画像を移動前の位置へ復帰させる構成とすれば、そのような誤解を好適に回避できる。
また、保留画像が移動を開始した場合には、そのまま判定表示領域に移動するか、それとも元の表示領域に戻るかの分岐が生じる。このように、保留画像の動きによってその後の展開が異なる構成とすることにより、保留画像の動きに対する注目度を好適に向上させることができる。
特に、絵柄の可変表示と保留画像の動きとが重なると、遊技者が注目すべき箇所が多くなる。主たる注目が絵柄に向く点に鑑みれば、復帰の動き自体をアピールする上で上記重なりが妨げになると懸念される。そこで、本特徴に示すように、保留画像の復帰の後に絵柄の変更(再可変表示)が実行される構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に回避できる。
特徴B4.前記特別移動手段によって前記保留画像の移動を開始させてから元の表示領域へ復帰させるまでの期間は、前記判定結果に対応した絵柄組み合わせを停止させたままとして当該判定結果を確定表示する確定表示期間よりも短くなっていることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
特徴B1等に示したように保留画像の動きによって可変表示が再開される可能性を示唆する場合には、その動きから絵柄組み合わせの変更(例えば再可変表示)の有無が特定されてしまうことは好ましくない。そこで、判定結果(遊技結果)の確定表示期間内に収まるように、保留画像の移動期間を制限することにより、保留画像の動きが絵柄組み合わせの変更(再可変表示)に繋がるか否かを特定することを難しくすることができる。このように、既存の構成との関係性を工夫することで、演出の多様化を実現することは、遊技機の構成の複雑化を抑えつつ遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
なお、以上詳述した特徴B群に特徴A群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群> 演出偏重が保留上限到達で解除
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出の処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知として、第1特別報知(例えば青色表示)と当該第1特別報知よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別報知(例えば赤色表示)とが設けられており、
前記特別報知手段は、
前記第1特別報知を実行し、遊技進行に応じて当該第1特別報知から前記第2特別報知に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知を経由することなく前記第2特別報知を実行する第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知を設定する報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記報知設定手段は、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が所定数(例えば8つ)に達している場合には、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が前記所定数に達していない場合と比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知が行われた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避される可能性が高くなる。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になり得る。
ここで、本特徴に示す構成においては、記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、第1特別報知を経由することなくいきなり第2特別報知が実行される機会が減る。このように、早期に第2特別報知が実行される機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出の処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記特定対象となった特別情報に対応する前記保留画像の表示態様(例えば色や模様)を、第1特別表示態様(例えば青色)及び当該第1特別表示態様よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別表示態様(例えば赤色)とすることにより前記特別報知を行うものであり、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様とし、遊技進行に応じて前記第2特別表示態様に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様を経由することなく前記第2特別表示態様とする第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知の設定を行う報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記報知設定手段は、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が所定数(例えば8つ)に達している場合には、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が前記所定数に達していない場合と比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C2に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知がなされた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避されるといった事象が発生する。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。
ここで、本特徴に示す構成においては、記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、第1特別報知を経由することなくいきなり第2特別報知が実行される機会が減る。このように、早期に第2特別報知が実行される機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C3.前記報知設定手段は、前記所定数に達している場合には、当該所定数への到達契機となった特別情報及びそれよりも後に追加された特別情報について、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が前記所定数に達していない場合と比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように、所定数以上の特別情報を対象にした第2特別報知の発生を減らす構成とすれば、特徴C1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C4.前記始動入球部へ遊技球を案内する案内状態(サポート状態)及び当該案内を行わない非案内状態(非サポート状態)に切替可能な案内手段(電動役物34)と、
前記案内手段を前記案内状態及び前記非案内状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にてサポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による切替モード(サポートモード)として第1切替モード(低頻度サポートモード)及び当該第1切替モードよりも前記始動入球部への入球頻度が高くなるように設定された第2切替モード(高頻度サポートモード)が設けられており、
前記所定数は、前記取得情報記憶手段によって記憶可能な上限数であり、
前記報知設定手段は、前記切替制御手段による切替モードが前記第2切替モードとなっている状況下にて前記取得情報記憶手段により記憶されている特別情報の数が上限数に達している場合には、記憶されている特別情報の数が上限数に達していない場合と比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4に示す第2切替モードにおいては、第1切替モードと比べて始動入球部への入球が容易となる。このため、第2切替モードとなっている場合には記憶されている特別情報の数が上限数に達する機会が増える。例えば記憶可能な特別情報の上限数よりも少ない数を上記所定数として設定することも可能ではあるが、このような構成では第1特別報知及び第2特別報知を併用することにより報知態様の多様化を図るという効果が上手く発揮されなくなる。また、一般的には第1切替モードにおいては持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる等の理由から遊技球の発射操作が継続して行われる。このような遊技機においては、最新の特別情報が記憶された際に第2特別報知が実行されると、当該報知が遊技球の発射操作を中断する契機になると想定される。そこで、本特徴に示すように所定数=上限数とし、上限数に達している場合に第2特別報知の発生確率を下げる構成とすれば、報知態様の多様化を図りつつ、それに起因した稼働率の低下等の課題を好適に解消できる。
特徴C5.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82における保留予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記特定対象となった特別情報に対応する前記保留画像の表示態様を、第1特別表示態様(例えば青色)及び当該第1特別表示態様よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別表示態様(例えば赤色)とすることにより前記特別報知を行うものであり、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様とし、遊技進行に応じて前記第2特別表示態様に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様を経由することなく前記第2表示態様とする第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知の設定を行う報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記始動入球部へ遊技球を案内する案内状態(サポート状態)及び当該案内を行わない非案内状態(非サポート状態)に切り替え可能な案内手段(電動役物34)と、
前記案内手段を前記案内状態及び前記非案内状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にてサポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による切替モード(サポートモード)として第1切替モード(低頻度サポートモード)及び当該第1態様よりも前記始動入球部への入球頻度が高くなるように設定された第2切替モード(高頻度サポートモード)が設けられており、
前記報知設定手段は、前記切替制御手段による切替モードが前記第2切替モードとなっている状況下においては、前記記憶されている特別情報のうち後続の特別情報の存在していない特別情報については、後続の特別情報が記憶されているものと比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C5に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知がなされた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避されるといった事象が発生する。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。
特に、第2切替モードにおいては、第1切替モードと比べて始動入球部への入球が容易となり、記憶されている特別情報の数が上限数に達する機会が増える。このような遊技機においては、最新の特別情報が記憶された際に第2特別報知が実行されると、当該報知が遊技球の発射操作を中断する契機になると想定される。そこで、本特徴に示すように記憶されている特別情報のうち後続の特別情報の存在していない特別情報については、後続の特別情報が記憶されているものと比べて第2特別報知が実行される確率が低くなる構成とすれば、遊技球の発射操作が中断される契機を減らすことができる。故に、演出の多様化を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C6.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82における保留予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記特定対象となった特別情報に対応する前記保留画像の表示態様を、第1特別表示態様(例えば青色)及び当該第1特別表示態様よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別表示態様(例えば赤色)とすることにより前記特別報知を行うものであり、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様とし、遊技進行に応じて前記第2特別表示態様に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様を経由することなく前記第2特別表示態様とする第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知の設定を行う報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記報知設定手段による設定態様として、第1設定態様と当該第1設定態様よりも前記第2特別報知手段による特別報知が発生しやすい第2設定態様とが設けられており、
遊技者の操作に基づいて前記第2設定態様となっている場合には、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が所定数に達していることに基づいて、前記第2特別報知の発生確率を下げる手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C6に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知がなされた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避されるといった事象が発生する。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。
本特徴に示す構成においては、遊技者の操作に応じて第2特別報知の発生頻度を変更することが可能となっている。遊技者の好みに応じた特別報知を行うことにより満足度の向上が期待できる。しかしながら、このような機能を備えている場合には、第2特別報知が多発することにより、上述した不都合が顕著になると懸念される。
ここで、本特徴においては、第2設定態様となっている状況下にて、記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、第2特別報知の発生確率が強制的に引き下げられる。つまり、第2設定態様となって第2特別報知の発生確率が上昇している場合であっても、特別情報の数が所定数に達していることを条件として、当該発生確率が引き下げられる。故に、第1特別報知を経由することなくいきなり第2特別報知が実行される機会が減る。このように、早期に第2特別報知が実行される機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化や遊技者の満足度の向上を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C7.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82における保留予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記特定対象となった特別情報に対応する前記保留画像の表示態様を、第1特別表示態様(例えば青色)及び当該第1特別表示態様よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別表示態様(例えば赤色)とすることにより前記特別報知を行うものであり、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様とし、遊技進行に応じて前記第2特別表示態様に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様を経由することなく前記第2表示態様とする第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知の設定を行う報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記報知設定手段により前記設定を行う設定モードとして、第1設定モードと、当該第1設定モードよりも前記第2特別報知手段による前記第2特別表示態様の発生確率が高い第2設定モードとが設けられており、
遊技者の操作に基づいて前記設定モードを切り替えるモード切替手段と、
前記設定モードが前記第2設定モードとなっている状況下にて、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合に前記設定モードを前記第1設定モードに切り替える手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C7に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知がなされた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避されるといった事象が発生する。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。
本特徴に示す構成においては、遊技者の操作に応じて第2特別報知の発生頻度を変更することが可能となっている。遊技者の好みに応じた特別報知を行うことにより満足度の向上が期待できる。しかしながら、このような機能を備えている場合には、第2特別報知が多発することにより、上述した不都合が顕著になると懸念される。
ここで、本特徴においては、第2設定モードとなっている状況下にて、記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、設定モードが第1設定モードに切り替わり、第2特別報知の発生確率が強制的に引き下げられる。つまり、第2設定モードとなって第2特別報知の発生確率が上昇している場合であっても、特別情報の数が所定数に達していることを条件として、当該発生確率が引き下げられる。故に、第1特別報知を経由することなくいきなり第2特別報知が実行される機会が減る。このように、早期に第2特別報知が実行される機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化や遊技者の満足度の向上を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C8.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口33a,33b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に現在記憶されている前記特別情報の数に対応する数の保留画像を保留表示領域(保留数表示領域Da)に表示し、前記保留画像を前記保留表示領域から判定表示領域(実行対象表示領域Db)に順次移動させる保留表示制御手段(例えば報知・演出制御装置82や表示制御装置212における保留表示機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(表示画面41a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202にて遊技回制御処理を実行する機能等)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202にて保留予告用の処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置82における保留予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記特別報知手段は、
前記特定対象となった特別情報に対応する前記保留画像の表示態様を、第1特別表示態様(例えば青色)及び当該第1特別表示態様よりも前記特別遊技状態へ移行する期待度が高くなるように設定された第2特別表示態様(例えば赤色)とすることにより前記特別報知を行うものであり、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様とし、遊技進行に応じて前記第2特別表示態様に切り替える第1特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第2種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記保留画像の表示態様を前記第1特別表示態様を経由することなく前記第2表示態様とする第2特別報知手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて第1種予告演出用の処理を実行する機能)と、
前記第1特別報知手段及び前記第2特別報知手段による特別報知の設定を行う報知設定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて保留予告演出用の設定処理を実行する機能)と
を有してなり、
前記報知設定手段は、前記第2特別報知の発生確率が異なるように構成された複数の報知設定テーブルの何れかを参照して前記設定を行うものであり、
遊技者の操作に基づいて参照対象となる前記報知設定テーブルを切り替える第1切替手段と、
前記第1切替手段によって所定確率よりも前記第2特別報知の発生確率が高い報知設定テーブルへの切り替えがなされている状況下にて、前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合に、当該報知設定テーブルよりも前記第2特別報知の発生確率の低い報知設定テーブルが参照対象となるように切り替える第2切替手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C8に示すように、記憶されている特別情報に係る遊技回が開始されるよりも前に、それら特別情報について特別遊技状態への移行に対応している期待度を報知する構成とすれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。ここで、本特徴に示す構成においては比較的期待度が高い第2特別報知が実行される流れとして、最初から第2特別報知が実行される場合と、遊技進行に伴って第1特別報知から第2特別報知への切り替えがなされる場合とがある。このように、報知態様の多様化を図ることで上記注目度の向上効果を一層好適に発揮させることが可能となる。
但し、期待度の高い第2特別報知がなされた場合には、その時点で記憶されている特別情報の中に特別遊技状態への移行に対応しているものが含まれていることへの期待が増す。この結果、記憶されている特別情報が消化されるまで、遊技球の発射操作が回避されるといった事象が発生する。遊技球の発射操作が中断されることは、遊技機の稼働率を低下させる要因になるため好ましくない。また、第2特別報知が特別遊技状態に繋がった場合には遊技球の発射を中断したことがその後の遊技進行を遊技者にとって不利にする要因になる場合もある。
本特徴に示す構成においては、遊技者の操作に応じて第2特別報知の発生頻度を変更することが可能となっている。遊技者の好みに応じた特別報知を行うことにより満足度の向上が期待できる。しかしながら、このような機能を備えている場合には、第2特別報知が多発することにより、上述した不都合が顕著になると懸念される。
ここで、本特徴においては、遊技者により第2特別報知の発生確率が所定確率よりも高くなるように調整されている状況下にて、記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、参照対象となる報知設定テーブルが、現状よりも第2特別報知の発生確率の低いものに切り替わり、第2特別報知の発生確率が強制的に引き下げられる。つまり、遊技者の操作によって第2特別報知の発生確率が上昇している場合であっても、特別情報の数が所定数に達していることを条件として、当該発生確率が引き下げられる。故に、第1特別報知を経由することなくいきなり第2特別報知が実行される機会が減る。このように、早期に第2特別報知が実行される機会を減らすことにより、遊技球の発射操作が中断される機会を減らすことができる。故に、演出の多様化や遊技者の満足度の向上を図りつつ、それに起因した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C9.前記第2切替手段は、前記第2特別報知の発生確率が前記所定確率と同等又は当該所定確率よりも低い報知設定テーブルへ切り替えるように構成されていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9に示すように、遊技者によって第2特別報知の発生確率が引き上げられている場合には、少なくとも第2特別報知の発生確率が所定確率以下となるように引き下げられることとなる。これにより、特徴C8に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴C10.前記始動入球部へ遊技球を案内する案内状態(サポート状態)及び当該案内を行わない非案内状態(非サポート状態)に切替可能な案内手段(電動役物34)と、
前記案内手段を前記案内状態及び前記非案内状態に切り替える切替制御手段(主制御装置81のMPU202にてサポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による切替モード(サポートモード)として第1切替モード(低頻度サポートモード)及び当該第1態様よりも前記始動入球部への入球頻度が高くなるように設定された第2切替モード(高頻度サポートモード)が設けられており、
前記報知設定手段は、前記切替制御手段による切替モードが前記第2切替モードとなっている状況下にて前記取得情報記憶手段により記憶されている特別情報の数が上限数に達している場合には、記憶されている特別情報の数が上限数に達していない場合と比べて前記第2特別報知手段による特別報知が実行される確率を下げる構成となっていることを特徴とする特徴C6乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10に示す第2切替モードにおいては、第1切替モードと比べて始動入球部への入球が容易となる。このため、第2切替モードとなっている場合には記憶されている特別情報の数が上限数に達する機会が増える。例えば記憶可能な特別情報の上限数よりも少ない数を上記所定数として設定することも可能ではあるが、このような構成では第1特別報知及び第2特別報知を併用することにより報知態様の多様化を図るという効果が上手く発揮されなくなる。また、一般的には第1切替モードにおいては持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる等の理由から遊技球の発射操作が継続して行われる。このような遊技機においては、最新の特別情報が記憶された際に第2特別報知が実行されると、当該報知が遊技球の発射操作を中断する契機になると想定される。そこで、本特徴に示すように所定数=上限数とし、上限数に達している場合に第2特別報知の発生確率を下げる構成とすれば、報知態様の多様化を図りつつ、それに起因した稼働率の低下等の課題を好適に解消できる。
なお、以上詳述した特徴C群に特徴A群〜特徴B群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴D群> 連荘数に応じて再変動表示の発生確率低下
特徴D1.所定の取得条件が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定の終了条件が成立するまでに前記特別遊技状態に移行した連続回数を記憶する連続回数記憶手段(主制御装置81のMPU202にて連続回数を記憶する機能)と、
特別演出(再変動対応のリーチ表示)を実行する特別演出実行手段(報知・演出制御装置82及び表示制御装置212にて再変動対応のリーチ表示を実行する機能)と、
前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数に応じて前記特別演出を実行するか否かを決定する決定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて演出態様を決定する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特別遊技状態への移行が連続して発生している場合には、その連続回数に応じて特別演出の発生確率を変更させることができる。このように、連続回数に応じて演出の発生態様が変わる構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴D2.所定の取得条件が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置81のMPU202にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置81のMPU202にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段にって前記判定がなされた場合に、当該判定手段による判定結果を報知する報知手段(報知・演出制御装置82や表示制御装置212にて遊技回演出を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果(例えば当選結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81のMPU202にて遊技状態移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記報知手段は、
前記特別遊技状態への移行契機となる遊技回にて、当該特別遊技状態への移行に対応した特別演出(再変動対応のリーチ表示や再変動非対応のリーチ表示)を実行する特別演出実行手段(報知・演出制御装置82や表示制御装置212にてリーチ表示を実行する機能)と、
連続終了条件が成立するまでに前記特別遊技状態に移行した連続回数を記憶する連続回数記憶手段(主制御装置81のMPU202にて連続回数を記憶する機能)と、
前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数に応じて前記特別演出の態様を決定する特別演出態様決定手段(報知・演出制御装置82のMPU242にて演出態様を決定する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、特別遊技状態への移行が連続して発生している場合には、その連続回数に応じて特別演出の発生確率を変更させることができる。このように、連続回数に応じて演出の発生態様が変わる構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴D3.前記報知手段は、絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し且つ前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を可変表示を経て前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記特別演出の態様として、前記特別遊技状態への移行に対応した絵柄を停止表示する過程にて、前記特別遊技状態への移行に対応しない絵柄を一旦停止表示する特別態様を有し、
前記特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数が多くなることにより、前記特別演出の態様として前記特別態様を設定する可能性が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特別遊技状態への移行に対応しない絵柄を一旦停止表示した後に特別遊技状態への移行に対応した絵柄を停止表示する構成、すなわち一旦外れ結果に見せかけた後に当たり結果である旨を報知する構成(例えば復活演出や再変動演出)を用いることにより、他の遊技回にて外れ結果となった場合であっても当たり結果への期待が急速に低下することを抑制し、遊技への注目度の向上を実現できる。特別遊技状態への移行が連続していない状況下においては、遊技者の目先の目標は特別遊技状態への移行となり得る。このため、上述した上記特別態様での報知を織り交ぜて遊技回毎の表示演出を行うことが遊技者に心理的高揚を与える上で効果的である。これに対して、特別遊技状態への移行が連続している場合には、遊技者の注目は速やかに次の特別遊技状態へ移行するか否かに向きやすい。つまり、スピード感が重要視されやすい。上述した特別態様での演出は、外れ絵柄を一旦停止させることから実際の可変表示期間がそれほど長くなくても演出が無駄に延長されているかのように見え、一旦外れ見せかけるという演出の流れが遊技者に煩わしいとの印象を与える可能性が高くなる。
そこで、本特徴に示すように、連続回数が多くなることにより特別演出の態様として特別態様が設定される可能性が下がる構成とすれば、当該特別態様が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを好適に回避できる。また、特別遊技状態への移行が連続することで遊技者の高揚感が高まっている状況下においては、一時的にではあっても高揚感を下げるように作用する一旦停止を避ける構成とし、ストレートに開閉実行モードへの移行に対応する絵柄を停止表示させることにより、高揚感を好適に維持させることができる。
なお、「1回の遊技回として、複数の変動表示領域において絵柄の変動表示が開始されたのち各変動表示領域の絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が複数行われるようにする遊技回制御手段」を備えている構成においては、「仮停止表示」が上記「一旦停止表示」に相当する。因みに、本特徴に示す「一旦停止」については絵柄が切り替わるような動きが止まることを表しており、絵柄が静止するか否かについては任意である。このような事情に鑑みて、最終的な停止表示と区別すべく「一旦停止」を「停留」としてもよい。
特徴D4.前記報知手段は、絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し且つ前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を可変表示を経て前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)を備え、
前記特別演出の態様として、前記特別遊技状態への移行に対応した絵柄を停止表示する過程にて、前記特別遊技状態への移行に対応しない絵柄を一旦停止表示する特別態様を有し、
前記特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数が所定回数に達するまでよりも前記所定回数に達した後の方が前記特別演出の態様として前記特別態様を設定する可能性が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特別遊技状態への移行に対応しない絵柄を一旦停止表示した後に特別遊技状態への移行に対応した絵柄を停止表示する構成、すなわち一旦外れ結果に見せかけた後に当たり結果である旨を報知する構成(例えば復活演出や再変動演出)を用いることにより、他の遊技回にて外れ結果となった場合であっても当たり結果への期待が急速に低下することを抑制し、遊技への注目度の向上を実現できる。特別遊技状態への移行が連続していない状況下においては、遊技者の目先の目標は特別遊技状態への移行となり得る。このため、上述した上記特別態様での報知を織り交ぜて遊技回毎の表示演出を行うことが遊技者に心理的高揚を与える上で効果的である。これに対して、特別遊技状態への移行が連続している場合には、遊技者の注目は速やかに次の特別遊技状態へ移行するか否かに向きやすい。つまり、スピード感が重要視されやすい。上述した特別態様での演出は、外れ絵柄を一旦停止させることから実際の可変表示期間がそれほど長くなくても演出が無駄に延長されているかのように見え、一旦外れ見せかけるという演出の流れが遊技者に煩わしいとの印象を与える可能性が高くなる。
そこで、本特徴に示すように、連続回数が所定回数を上回った場合に特別演出の態様として特別態様が設定される可能性が下がる構成とすれば、当該特別態様が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になることを好適に回避できる。また、特別遊技状態への移行が連続することで遊技者の高揚感が高まっている状況下においては、一時的にではあっても高揚感を下げるように作用する一旦停止を避ける構成とし、ストレートに開閉実行モードへの移行に対応する絵柄を停止表示させることにより、高揚感を好適に維持させることができる。
なお、「1回の遊技回として、複数の変動表示領域において絵柄の変動表示が開始されたのち各変動表示領域の絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が複数行われるようにする遊技回制御手段」を備えている構成においては、「仮停止表示」が上記「一旦停止表示」に相当する。因みに、本特徴に示す「一旦停止」については絵柄が切り替わるような動きが止まることを表しており、絵柄が静止するか否かについては任意である。このような事情に鑑みて、最終的な停止表示と区別すべく「一旦停止」を「停留」としてもよい。
因みに、本特徴に示す構成を「前記報知手段は、絵柄を可変表示可能な表示部(表示画面41a)を有し且つ前記判定手段による判定結果に対応する絵柄を可変表示を経て前記表示部にて停止表示させる絵柄表示手段(図柄表示装置41)を備え、前記特別演出の態様として、前記特別遊技状態への移行に対応する絵柄を停止表示する過程にて、前記特別遊技状態への移行に対応しない絵柄を一旦停止表示する特別態様を有し、前記特別演出態様決定手段は、第1選択手段(例えば演出振分テーブルX0)及び当該第1選択手段よりも前記特別態様となる確率が低くなるように設定された第2選択手段(例えば演出振分テーブルX1)を有し、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数が所定回数に達するまでは前記第1選択手段によって前記特別演出の態様を決定し、前記連続回数が前記所定回数に達した場合には前記第2選択手段によって前記特別演出の態様を決定するように構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴D5.前記遊技状態移行手段は、前記判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応した判定結果である場合に遊技状態を通常遊技状態から当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な前記特別遊技状態に移行させる第1遊技状態移行手段であり、
前記特別遊技状態が終了した場合に、遊技状態を前記特別遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる第2遊技状態移行手段を備え、
前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態)及び当該第1通常遊技状態よりも遊技者に有利な第2通常遊技状態(例えば高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の通常遊技状態)を有し、
前記連続回数記憶手段は、前記第1通常遊技状態に移行することなく前記特別遊技状態となった回数を記憶する構成となっていることを特徴とする特徴D3又は特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5に示すように、第1通常遊技状態(不利側)/第2通常遊技状態(有利側)が設けられている場合には、第2通常遊技状態→特別遊技状態→第2通常遊技状態の繰り返しが発生することで、多くの特典を獲得できるチャンスとなり、遊技者の心理的高揚を与えることができる。
上述した特別態様については、一旦外れ結果に見せかけた後に当たり結果である旨を報知するという特性上、第1通常遊技状態(不利側)においては遊技への注目度の向上を図ることができるものの、第2通常遊技状態(有利側)においては遊技者に煩わしいとの印象を与えやすくなる。言い換えれば、遊技の流れ上は高揚感を煽っているものの、特別態様が介在することが高揚感を一時的であっても低下させるように作用する可能性がある。このような構成に対して特徴D1等に示した技術的思想を適用すれば、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば「前記判定手段による判定モードとして、第1判定モード及び当該第1判定モードよりも前記所定の判定情報に対応する結果となりやすい第2判定モードを有し、前記始動入球部へ遊技球を案内する案内状態と、前記案内を行わない非案内状態とに切り替え可能な案内手段と、前記案内手段を前記案内状態及び前記非案内状態に切り替える切替手段とを備え、前記切替手段による切替モードとして、第1切替モード及び当該第1切替モードよりも前記案内状態となりやすい第2切替モードが設けられている」構成においては、判定モードが第1判定モード且つ切替モードが第1切替モードとなっている場合が「第1通常遊技状態」に相当し、それ以外が「第2通常遊技状態」に相当する。
特徴D6.前記第2通常遊技状態にて前記判定が実行された回数が規定回数に達した場合に遊技状態を前記第1通常遊技状態に移行させる第3遊技状態移行手段を備え、
前記特別演出態様決定手段は、前記第2通常遊技状態となっている状況下にて前記判定が実行された回数が前記規定回数に近づくことにより、前記特別態様となる確率の低下が軽減されるように構成されていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6に示すように、第2通常遊技状態(有利側)に回数制限が設定され、当該第2通常遊技状態にて規定回数経過前に特別遊技状態に移行しない場合に第1通常遊技状態(不利側)に移行する構成にて、規定回数に近づくことで特別態様の規制が緩和される構成とすれば、第2通常遊技状態の終了間際では特別態様となる機会が増える。規定回数に近づくことにより、遊技者は爽快感よりも継続を期待することになると想定されるため、第2通常遊技状態が終了して連荘が止まりそうな場合に、特別態様となりやすくすることで遊技者の心情に即した演出を提供することができる。故に、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
特徴D7.前記第2通常遊技状態として、
前記第2通常遊技状態にて前記判定が実行された回数が規定回数に達した場合に前記第1通常遊技状態に移行するように構成された第1種遊技状態と、
前記第2通常遊技状態となった場合には、前記第1遊技状態移行手段によって前記特別遊技状態に移行するまで当該第2通常遊技状態が維持されるように構成された第2種遊技状態と
が設けられており、
前記特別演出態様決定手段は、前記第1種遊技状態よりも前記第2種遊技状態の方が前記特別態様となる確率が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、回数制限のない第2種遊技状態(有利側)では回数制限のある第1種遊技状態(不利側)よりも特別態様となる確率が低くなる。回数制限が無い場合には連続が途切れることが無い。このため、第2種遊技状態においては遊技者は少しでも早く特別遊技状態へ移行することを期待して遊技を行うものと想定される。そこで、第2種遊技状態においては特に、特別態様となる確率を下げることにより、そのような遊技者の心情を好適に演出に反映することができる。これに対して、回数制限がある場合には、特別遊技状態への移行そのものに遊技者の注目が向き、遊技のスピード感等が重視されにくくなる。そこで、第1種遊技状態においては特別態様となる可能性を極端に引き下げるのではなく、特別態様となる余地を残すことにより以下の効果が期待できる。すなわち、第1種遊技状態が終了して連荘が止まりそうな場合に、特別態様となりやすくすることで遊技者の心情に即した演出を提供することができる。故に、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
特徴D8.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数及び前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数に応じて前記特別演出の態様を決定するものであり、前記特別情報の数が多くなることで前記特別態様となる可能性が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
所謂時短機能が付与されているタイプの遊技機においては、記憶されている特別情報の数が多い場合には遊技の進行スピードが速くなる。上述したように特別遊技状態へ移行する際に絵柄を一旦停止表示させる場合には、このような表示が行われない場合として実際の可変表示期間が長くなるとは限らないものの、一旦停止表示を挟むことで体感上の可変表示期間が長くなり得る。これは、遊技者に対して演出が無駄に延長されているかのような印象を与える要因になると想定される。そこで、記憶されている保留数が多くなっている場合には、特別態様となる可能性が低くなる構成とすることにより、上述したような不都合の発生を抑制し、遊技が円滑に進んでいるように印象付けることが可能となる。
なお、本特徴に示す構成を「前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数及び前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数に応じて前記特別演出の態様を決定するように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。また、「前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数及び前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数に応じて前記特別演出の態様を決定するものであり、前記特別情報の数が所定数を下回っている場合には前記特別態様とする確率の低下が軽減される構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴D9.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
特別演出態様決定手段は、前記連続回数記憶手段によって記憶されている連続回数及び前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数に応じて前記特別演出の態様を決定するものであり、後続の特別情報が記憶されている場合には後続の特別情報が記憶されていない場合と比較して前記特別態様となる可能性が低くなるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように特別遊技状態へ移行する際に絵柄を一旦停止表示させる場合には、このような表示が行われない場合として実際の可変表示期間が長くなるとは限らないものの、一旦停止表示を挟むことで体感上の可変表示期間が長くなり得る。これは、遊技者に対して演出が無駄に延長されているかのような印象を与える要因になると想定される。ここで、後続の特別情報が存在している場合には、後続の特別情報が存在していない場合と比較して、遊技者が遊技を積極的に進めようとしている可能性が高い。これに対して、後続の特別情報が存在していない場合には、マイペースで遊技が行われている可能性が高くなる。そこで、後続の特別情報が存在している場合には、後続の特別情報が存在していない場合よりも上記特別態様となる可能性の下げ幅を大きくし、後続の特別情報が存在している場合には上記特別態様となる可能性の下げ幅を小さくすることで、遊技者のスタイルに合わせた演出を提供できる。
特徴D10.前記特別情報に基づき前記絵柄表示手段にて前記絵柄の可変表示を実行する可変表示期間を設定する可変表示期間設定手段を備え、
前記特別演出態様決定手段は、前記可変表示期間設定手段によって設定された前記可変表示期間に基づいて前記特別演出の態様を決定するものであり、
前記特別態様は、リーチ表示外れを経由して前記判定結果に対応する絵柄を停止表示する第1特別態様であり、
前記リーチ表示外れを経由することなく前記判定結果に対応する絵柄を停止表示する第2特別態様を有し、
前記第1特別態様に対応付けられている前記可変表示期間と、前記第2特別態様に対応付けられている前記可変表示期間とが一致していることを特徴とする特徴D3乃至特徴D9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D10によれば、第1特別態様と第2特別態様とは可変表示期間が統一されている。このため、特徴D2等に示したように連続回数に応じて何れの態様とするかを変える場合、第1特別態様(特別態様)を回避する場合であっても、そのような多様性が制御負荷等を極端に増大させる要因になることを好適に抑制できる。
なお、特徴D2〜特徴D10に記載された各技術的思想を特徴D1に適用してもよい。
因みに、以上詳述した特徴D群に特徴A群〜特徴C群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(遊技釘38等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。