本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機としては、例えば、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技者が大量の出球を獲得できる大当たり状態となるものがある。具体的には、始動口への遊技球の入球を検出し、この検出タイミングに応じて当否抽選を行っており、当たりであれば遊技者が大量の出球を獲得できる大当たり状態となる。このようなパチンコ機では、例えば、始動入賞により、遊技盤中の識別情報変動表示装置に表示される識別情報が変動を開始し、それが段階的に停止表示し、最終的に停止した識別情報(図柄)の組合せによって抽選結果を遊技者に示唆している。
また、識別情報変動表示装置に変動表示されて最終的に停止した識別情報(図柄)の組合せが時短大当たりを示すものであった場合には、例えば、始動口に遊技球が入球し易くなり、次々と識別情報の変動表示がされるという時短状態となり、かつ、その時短大当たり発生から識別情報の変動表示が所定回数行われるまでは時短状態を継続するという「回数切りの時短状態」とするものがある(文献1:特開2002−95812号公報(第7頁,第10図))。ちなみに、このような時短状態となれば、識別情報の変動表示演出の保留数が貯まり易くなり、識別情報の変動表示演出が連続して表示されることが多くなるため、通常状態(時短状態以外の状態という意味)の場合と比べて、次の大当たりとなるまでの時間が短くなる可能性が高く、次の大当たりを引き当てるまでの遊技者の持ち球の減り具合を抑えることができるという利益を享受できる。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、回数切りの時短大当たり(時短大当たり後から識別情報の変動表示が例えば100回行われるまでは時短状態を継続するという特典付与)に当選し、その時短状態中に再び時短大当たりに当選すると、時短大当たり演出後に新たな時短状態期間となる。つまり、最初の時短状態は2回目の時短大当たりが発生したことで終了し、この終了時点からは2回目の時短大当たりによる新たな時短状態期間が開始することになる。このように、時短状態中に再び時短大当たりに当選すると、その当選についての時短大当たり演出が行われ、当該時短大当たりから所定回数切りの新たな時短状態が開始されることになり、遊技者は、時短大当たり演出後から識別情報の変動表示回数をカウントすることで時短状態の終期を知ることが可能であるため、時短状態が単調で面白味に欠けるものとなるという問題がある。
次の(0)に記載の発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、付加価値遊技状態(例えば、所定回数切りの時短状態や所定回数切りの確変状態等)の面白味を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
(0) 遊技球が転動する遊技領域面を有する遊技盤を備えた遊技機において、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への入球に基づいて、遊技者にとって有利な第1特別遊技状態の発生の当否と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者にとって有利な度合いの少ない第2特別遊技状態の発生の当否とを判定する判定手段と、
前記判定手段での第1特別遊技状態当選との判定結果に基づいて、第1特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、前記第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する動作を実行する第1可変入球手段と、
前記第1可変入球手段とは別の入球手段であって、第2特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、前記第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する第2可変入球手段と、
第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とのうちで少なくとも第2特別遊技状態の終了後に付加される遊技状態であって、遊技者にとって所定の付加価値を有する、終了期限付きの付加価値遊技状態を発生させる付加価値遊技状態発生手段と、
付加価値遊技状態中であるか否かを判定する付加価値遊技状態判定手段と、
付加価値遊技状態中において前記判定手段で第2特別遊技状態当選と判定された場合に、前記第2可変入球手段を第2状態に変移させるよう制御する変移制御手段と、
を備え、
前記第2可変入球手段は、当該第2可変入球手段が第2特別遊技状態であることを前記第1可変入球手段の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしたものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、判定手段は、遊技球が入球可能な入球手段への入球に基づいて、遊技者にとって有利な第1特別遊技状態の発生の当否と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者にとって有利な度合いの少ない第2特別遊技状態の発生の当否とを判定する。第1可変入球手段は、判定手段での第1特別遊技状態当選との判定結果に基づいて、第1特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、前記第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する動作を実行する。第2可変入球手段は、第1可変入球手段とは別の入球手段であって、第2特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、この第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する。付加価値遊技状態発生手段は、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とのうちで少なくとも第2特別遊技状態の終了後に付加される遊技状態であって、遊技者にとって所定の付加価値を有する、終了期限付きの付加価値遊技状態を発生させる。付加価値遊技状態判定手段は、付加価値遊技状態中であるか否かを判定する。変移制御手段は、付加価値遊技状態中において判定手段で第2特別遊技状態当選と判定された場合に、第2可変入球手段を第2状態に変移させるよう制御する。さらに、第2可変入球手段は、当該第2可変入球手段が第2特別遊技状態であることを第1可変入球手段の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしたものとしている。
したがって、終了期限付きの付加価値遊技状態(例えば、回数切りの時短大当たりや回数切りの確変大当たりの状態)中において、判定手段で第2特別遊技状態当選と判定された場合、つまり、付加価値遊技状態中に付加価値遊技状態に当選した場合(再当選した場合)には、第1可変入球手段ではなく第2可変入球手段が第1状態から第2状態に変移し、第2可変入球手段が第2特別遊技状態であることを第1可変入球手段の第1特別遊技状態よりも認識し辛くなっているので、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。さらに、第1可変入球手段は、第1特別遊技状態期間において遊技球の入球を受けることを専らの目的とするものであることから、遊技者にとって見れば関心度の高い遊技部品の一つであり、この第1可変入球手段とは別の第2可変入球手段についてはそれほど注目視されていないことから、第2可変入球手段の変移動作があったとしてもそれに気付き難いと言える。さらに、第2可変入球手段の変移動作が終了期限付きの付加価値遊技状態の始期に関係するという事実関係も遊技者は知らない。このように、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
なお、本明細書中の「識別情報」とは、数字図柄、絵図柄またはそれらを組み合わせた図柄などであって、特別遊技状態への移行の成立・不成立を、遊技者に視覚を通じて認識させるための表示情報のことである。
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
付加価値遊技状態以外の遊技状態において付加価値遊技状態の発生があった場合にのみ終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行う付加価値遊技状態発生表示手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、付加価値遊技状態発生表示手段は、付加価値遊技状態以外の遊技状態において付加価値遊技状態の発生があった場合にのみ終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行うので、付加価値遊技状態以外の状態において、終了期限付きの付加価値遊技状態(例えば、回数切りの時短大当たりや回数切りの確変大当たりの状態)に当選すると、付加価値遊技状態発生表示手段は、終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行うが、付加価値遊技状態中に新たな付加価値遊技状態の当選があった場合、つまり、付加価値遊技状態の更新があった場合には、終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行わず、第2可変入球手段が第2状態に変移するのみを行うことにしているので、付加価値遊技状態中に新たな付加価値遊技状態の当選があったとしても、付加価値遊技状態の発生を示す表示がされないため、付加価値遊技状態の更新があったことを遊技者が知り難くすることができる。すなわち、付加価値遊技状態の更新時を知り難くすることができることから、付加価値遊技状態中に再び付加価値遊技状態に当選したとしても、遊技者は付加価値遊技状態の更新があったこと自体知らないし、仮に最初の付加価値遊技状態の発生時からその終期をカウントしていたとすると、既に付加価値遊技状態の終期が到来している筈なのに未だに付加価値遊技状態が継続しているため、付加価値遊技状態の終期が分からないようにでき、付加価値遊技状態の単調感を排することができる。また、このように更新後の付加価値遊技情報を用いて面白味のある種々の演出を行うこともできる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(2) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段は、当該第2可変入球手段が第2状態となった場合の開口面積を、前記第1可変入球手段が第2状態となった場合の開口面積よりも小さくすることで、当該第2可変入球手段が第2特別遊技状態であることを前記第1可変入球手段の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしている
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、第2可変入球手段は、当該第2可変入球手段が第2状態となった場合の開口面積を、第1可変入球手段が第2状態となった場合の開口面積よりも小さくすることで、第2可変入球手段が第2特別遊技状態であることを第1可変入球手段の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしているので、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。このように、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(3) 前記(2)に記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段は、その開口部内の色と、前記開口部を閉塞する閉塞部材の色とを同一色または同系色としていることを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、第2可変入球手段は、その開口部内の色と、この開口部を閉塞する閉塞部材の色とを同一色または同系色としているので、閉塞部材で開口部が閉塞された状態と、閉塞部材での閉塞状態が解除された開口部との色目が変わらないので、その変化に気付き難くでき、第2可変入球手段の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。
(4) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記入球手段への入球と前記判定手段での判定結果とに基づいて、特別遊技状態発生の当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出を行う識別情報変動表示手段と、
前記識別情報変動表示手段の表示画面の周囲の少なくとも一部を覆うように配置された装飾部材と
を備え、
前記第2可変入球手段は、前記装飾部材の所定箇所に設けられ、かつ、前記装飾部材に設けられた可動部が動作することで、当該第2可変入球手段の第1状態および第2状態を実現している
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、識別情報変動表示手段は、入球手段への入球と判定手段での判定結果とに基づいて、特別遊技状態発生の当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出を行う。装飾部材は、識別情報変動表示手段の表示画面の周囲の少なくとも一部を覆うように配置されたものである。第2可変入球手段は、装飾部材の所定箇所に設けられ、かつ、装飾部材に設けられた可動部が動作することで第1状態および第2状態を実現している。したがって、第2可変入球手段が装飾部材に設けられ、かつ、装飾部材の可動部の動作で第2可変入球手段の第1状態および第2状態を実現するという構成においても、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。
(5) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段の近傍箇所に、前記第2可変入球手段とは別に動作する動作部材を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、動作部材は、第2可変入球手段の近傍箇所に設けられ、この第2可変入球手段とは別に動作する。したがって、動作部材が動作することによって第2可変入球手段の第2状態への変移動作が紛れてしまい、動作部材の動作によって第2可変入球手段の第2状態への変移がわかり難くでき、さらに第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。
(6) 前記(5)に記載の遊技機において、
前記動作部材は、動作する期間の長さが異なる複数種類の動作期間で動作するか、動作しない期間である無動作期間の長さが異なる複数種類の無動作期間で無動作となるかの少なくとも一方を備えたものであることを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、動作部材は、動作する期間の長さが異なる複数種類の動作期間で動作するか、動作しない期間である無動作期間の長さが異なる複数種類の無動作期間で無動作となるかの少なくとも一方を備えたものとしているので、動作部材を不規則に動作させることができ、この動作部材の不規則な動作によって第2可変入球手段の第2状態への変移動作が紛れてしまい、第2可変入球手段の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記動作部材は、前記識別情報変動表示手段で所定の外れの識別情報変動表示演出が表示されている間に動作するものであることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、動作部材は、識別情報変動表示手段で所定の外れの識別情報変動表示演出が表示されている間に動作する。つまり、動作部材は、所定の外れの識別情報変動表示演出以外の変動表示演出が表示されている期間や変動表示演出がされていない期間には動作しないので、動作部材を不規則に動作させることができ、動作部材が不規則に動作することによって第2可変入球手段の第2状態への変移動作が紛れてしまい、第2可変入球手段の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができる。
(8) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段は、前記第1可変入球手段よりも遊技球の入球数が少なくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、第2可変入球手段は、第1可変入球手段よりも遊技球の入球数が少なくなるように構成されているので、第2可変入球手段への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入球手段の第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(9) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記識別情報変動表示手段は、前記遊技盤の遊技領域面の略中央箇所に配設され、
前記第1可変入球手段は、前記遊技盤の遊技領域面上でかつ前記装飾部材の下方位置に配設され、
前記遊技盤は、正面視した状態でその遊技領域を左右に二分割した分割領域を備え、その一方の分割領域は遊技球が遊技領域に入力される入力口に近いものであり、他方の分割領域はその一方の分割領域よりも前記入力口から遠いものであり、
前記第2可変入球手段は、他方の分割領域の所定箇所に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、識別情報変動表示手段は、遊技盤の遊技領域面の略中央箇所に配設されている。第1可変入球手段は、遊技盤の遊技領域面上でかつ装飾部材の下方位置に配設されている。遊技盤は、正面視した状態でその遊技領域を左右に二分割した分割領域を備え、その一方の分割領域は遊技球が遊技領域に入力される入力口に近いものであり、他方の分割領域はその一方の分割領域よりも前記入力口から遠いものである。第2可変入球手段は、他方の分割領域の所定箇所に設けられている。したがって、遊技者は入力口に近い分割領域(一方の分割領域)に遊技球を流下させるようにして遊技する場合が多く、一方の分割領域に遊技球が多く流下することになり、遊技球が入球手段に入球するか否かが重要な関心事の一つであることから、遊技者は一方の分割領域に注視しており、遊技盤での遊技球の流下の少ないまたは流下の無い等の他方の分割領域にはあまり注意しないので、第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(10) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段は、第2状態である期間が、前記第1可変入球手段が第2状態である期間よりも短くしている
ことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、第2可変入球手段は、第2状態である期間が、第1可変入球手段が第2状態である期間よりも短くしているので、第2可変入球手段への入球を少なくでき、第2可変入球手段への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入球手段の第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(11) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2可変入球手段は、第1状態から第2状態になり再び第1状態に戻るまでを1ラウンドとして所定ラウンド数行うものであり、かつ、前記第1可変入球手段のラウンド数よりも少なくしていることを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、第2可変入球手段は、第1状態から第2状態になり再び第1状態に戻るまでを1ラウンドとして所定ラウンド数行うものであり、かつ、第1可変入球手段のラウンド数よりも少なくしているので、第2可変入球手段のラウンド動作(第1状態と第2状態との変移動作)が第1可変入球手段のラウンド数よりも目立たなくなり、第2可変入球手段の第2特別遊技状態に気付き難くできる。さらに、第2可変入球手段への入球を少なくでき、第2可変入球手段への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入球手段の第2特別遊技状態に気付き難くできる。したがって、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(12) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第1可変入球手段は、1回の第1特別遊技状態において複数回第2状態となるものであり、
前記第2可変入球手段は、1回の第2特別遊技状態において複数回第2状態となるものであり、1回の第2特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間が、前記第1可変入球手段が1回の第1特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間よりも短くしている
ことを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、第1可変入球手段は、1回の第1特別遊技状態において複数回第2状態となる。第2可変入球手段は、1回の第2特別遊技状態において複数回第2状態となるものであり、1回の第2特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間が、第1可変入球手段が1回の第1特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間よりも短くしているので、第2可変入球手段への入球を少なくでき、第2可変入球手段への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入球手段の第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(13) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(12)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記付加価値遊技状態発生手段は、前記第1可変入球手段による第1特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させ、前記第2可変入球手段による第2特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させるものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、付加価値遊技状態発生手段は、第1可変入球手段による第1特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させ、第2可変入球手段による第2特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させる。したがって、第1特別遊技状態および第2特別遊技状態のいずれの終了後にも付加価値遊技状態を発生させるという遊技機においても、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができ、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(14) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記付加価値遊技状態発生手段は、前記第1可変入球手段による第1特別遊技状態の終了後に発生させる付加価値遊技状態を、当該付加価値遊技状態以外の遊技状態と比べて第1特別遊技状態になり易いという高確率当選遊技状態としている
ことを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、付加価値遊技状態発生手段は、第1可変入球手段による第1特別遊技状態の終了後に発生させる付加価値遊技状態を、当該付加価値遊技状態以外の遊技状態と比べて第1特別遊技状態になり易いという高確率当選遊技状態(例えば確変状態が挙げられる)としている。したがって、第1特別遊技状態の終了後に高確率当選遊技状態を発生させるという遊技機においても、第2可変入球手段の変移動作に気付き難くすることができ、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(15) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の遊技機によれば、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(16)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の遊技機によれば、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける枠ボタン20(演出ボタン)を備えている。図4に示すように、枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、当該枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第2の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、遊技球の第1の始動口33aへの入球または遊技球の第2の始動口33bへの入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。ている。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、後述する図8の通常処理を最後までを実行、つまり、ステップS216のRAMアクセス禁止が終了するまでを遂行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図13の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理(図13参照)と払出制御処理の後半部分のステップS1015,S1016(図15参照)とによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイドの制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図13のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供するその他の乱数とを用いて、第1図柄表示装置40の抽選(大当たり抽選:第1図柄の大当たり抽選)や図柄表示の設定や、第2図柄表示装置41の抽選(第2図柄の当たり抽選)や図柄表示の設定や、第3図柄表示装置42の装飾図柄(第3図柄)の変動表示に関する抽選やその設定を行うこととしている。
具体的には、本実施例のパチンコ機10では、役物作動に係る乱数として、図6に示すように、第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、第2図柄表示装置41の当たりの抽選に使用する第2図柄乱数カウンタC4と、第2図柄乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値第2図柄乱数カウンタCINI2と、を用いている。
また、このパチンコ機10では、遊技の用に供するその他の乱数として、図6に示すように、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に際して大まかにその変動パターンの種類を特定するための停止パターンの選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3と、第2図柄表示装置41の外れ図柄選択に使用する第2図柄外れ図柄カウンタC5と、を用いている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
例えば、「停止パターン0」は複数種類の完全外れ変動パターンからなる完全外れ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン1」は複数種類の前後外れリーチ変動パターンからなる前後外れリーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン2」は複数種類の前後外れ以外リーチ変動パターンからなる前後外れ以外リーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン3」は複数種類の通常大当たり変動パターンからなる通常大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン4」は複数種類の確変大当たり変動パターンからなる確変大当たり変動パターン群を示すものである。
これら全てのカウンタC1〜C5,CINI1〜CINI2,CS1〜CS3は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値が図6に示すRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜それぞれ格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
上述した各カウンタについて図6を用いて以下に詳細に説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「738」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜738)、後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
大当たり乱数カウンタC1の当り値、つまり、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2個で、その値は「350,700」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は14個で、その値は 「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」である。なお、高確率時とは、例えば予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際における、第1図柄表示装置40(2個のLED40a,40bからなる)の変動停止時の図柄(本実施例では2個のLED40a,40bの変動表示後の最終発光状態)を決定するものである。本実施例では、大当たり図柄カウンタC2は、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「4」)に達した後「0」に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は、前述の大当たり乱数カウンタC1の場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。なお、前述の大当たり乱数カウンタC1が当りで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」,「4」の場合には、第1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止し、低確率時大当たり、いわゆる通常大当り(非特定当り)を示す。また、前述の大当たり乱数カウンタC1が当りで、かつ、大当たり図柄カウンタC2の値が「1」〜「3」の場合には、第1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止し、高確率時大当たり、いわゆる確変大当り(特定当り)を示す。なお、大当たり乱数カウンタC1が外れの場合には、大当たり図柄カウンタC2の値に関わらず、第1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止し、外れを示す。
また、停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後「0」に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、C3=0〜201が完全外れに該当し、C3=202〜208が前後外れリーチに該当し、C3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。なお、停止パターン選択カウンタC3の抽選(リーチの抽通)内容は、パチンコ機10が低確率時であるか高確率であるか、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能が未作動であるか作動であるか、第1図柄の変動開始時の作動保留球数が何個であるか等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。停止パターン選択カウンタC3は、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS2は、例えば「0〜240」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS3は、例えば「0〜162」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後「0」に戻る構成となっている。以下の説明では、変動種別カウンタCS1を「第1変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS2を「第2変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS3を「第3変動種別カウンタ」とも適宜に呼ぶこととする。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別や、完全外れの種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群が決定される。ここでは、例えば、停止パターン選択カウンタC3が「停止パターン1」を示す値(つまり、前後外れリーチ変動パターン群を示す値)のものであったとし、前後外れリーチ変動パターン群の中でも第1変動種別カウンタCS1によってノーマルリーチ群(種類の異なる複数個のノーマルリーチからなる)の変動パターンが決定されたとする。
続いて、このように第1変動種別カウンタCS1で決定された変動パターン群の中からさらに一の変動パターンが、第2変動種別カウンタCS2によって決定される。ここでは、例えばノーマルリーチ群の中から一の種類のノーマルリーチが第2変動種別カウンタCS2によって決定されたとする。なお、種類の異なる複数個のノーマルリーチとしては、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では例えば中装飾図柄)が停止するまでの経過時間が異なる等の違いを持たせることで実現することが挙げられる。
さらに続いて、このように第2変動種別カウンタCS2で決定された一の変動パターンにおいて変動時間加算を何れの時間とするかが、第3変動種別カウンタCS3によって決定される。例えば、この加算時間としては、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどの場合には、当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りその後に停止表示されるまでの時間である附加時間が挙げられる。このように、変動種別カウンタCS1〜CS3によって、より細かな装飾図柄変動態様を決定することができる。つまり、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。
なお、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。したがって、図6に示すように、変動種別カウンタCS1〜CS3は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時に取得することとしているので、保留球格納エリアに保存しておく必要はなく、カウンタ用バッファに逐次更新記憶しておくだけでよい。
なお、上述した各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、図6に示すように、第2図柄表示装置41の第2図柄の抽選には、第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は、定期的に(後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」である。
特に、第2図柄乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の値が当該第2図柄乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2は、第2図柄乱数カウンタC4と同様のループカウンタであり(値=0〜250)、後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図8参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図11参照)毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の第2図柄保留格納エリアに格納される。
つまり、RAM503には、保留球格納エリアとは別のエリアたる第2図柄保留格納エリアも有しており、1つの第2図柄用の実行エリアと4つの第2図柄用の保留エリア(第2図柄用保留第1〜第4エリア)とからなる第2図柄保留格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2図柄乱数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、第2図柄外れ図柄カウンタC5は、後述する図8での通常処理の第2図柄制御処理が1回実行される毎に1回更新され、その値がカウンタ用バッファの第2図柄外れ図柄バッファに更新取得され、第2図柄乱数カウンタC4の第2図柄保留球格納エリアへの記憶の際に、この第2図柄外れ図柄バッファに更新取得された第2図柄外れ図柄カウンタC5も第2図柄保留球格納エリアに記憶される。したがって、図6に示すように、第2図柄乱数カウンタC4の値が落選の場合には、第2図柄保留球格納エリアの第2図柄外れ図柄カウンタC5の値に基づいて、「×」が描かれた表示部41bの点灯表示される。なお、第2図柄外れ図柄カウンタC5を備えず、第2図柄乱数カウンタC4のみに基づいて第2図柄変動表示結果を行うようにしてもよい。つまり、第2図柄乱数カウンタC4が当選なら「○」が描かれた表示部41aを点灯表示し、落選なら「×」が描かれた表示部41bの点灯表示するごとくである。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図7〜図17のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、初期値乱数カウンタCINI1と初期値第2図柄乱数カウンタCINI2との更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した際「0」にクリアし、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
また、図11に示すように、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、「738」,「4」,「250」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図6参照)。
その後、図11に示すように、ステップS604では、第1の始動口33a,33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図12のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33a,33bへの入賞があり、かつ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、図6に示したRAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。
また、図11に示すように、続くステップS605では、発射制御処理を実行する。具体的には、発射制御処理では、主制御装置261のCPU501は、図4に示すように、発射制御装置312からの発射許可信号S7がONである場合に、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力し、発射装置229による遊技球発射制御が行われる。このように発射制御処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図13は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリアに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。図13のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図13のNMI割込み処理において、ステップS801では、電源断の発生情報をバックアップエリアに設定する。本実施例では、電源断の発生情報のフラグを立ててバックアップエリアに記憶させる。
次に、メイン処理について説明する。
図7は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置(サブ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS103では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、主制御装置261のCPU501は、電源監視基板261bに設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、オフであればステップS105に進み、オンであればステップS113に進む。続くステップS105では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。また、ステップS106では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、続くステップS107では、主制御装置261のCPU501は、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、使用RAM領域をクリアおよびRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113では、主制御装置261のCPU501は、RAM503の使用領域を「0」にクリアし、RAM503の初期化処理を実行する。
続くステップS114では、主制御装置261のCPU501は、払出初期化コマンドを送信する。このように、払出初期化コマンドは、主制御装置261が初期化された時に払出制御装置311に出力される。
また、ステップS115では、主制御装置261のCPU501は、電源投入時のコマンドをサブ制御基板262aに送信する。この電源投入時のコマンドは、パチンコ機の機種を判別するためのコマンドを含むものであり、サブ制御基板262aや表示制御装置45などのサブ側で当該コマンド内容に基づいて機種を判別することができるようになっている。
また、ステップS116では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。ステップS117では、主制御装置261のCPU501は、割込み許可を設定し、後述する通常処理(図8参照)に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、主制御装置261のCPU501は、払出復帰コマンドを払出制御装置311に送信し、払出制御開始を払出制御装置311に指示する。詳細は後述するが、払出制御装置311は、主制御装置261から払出復帰コマンドを受信すると、復帰し、払出制御を開始する。
ステップS110では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。さらに、ステップS112では、割込み許可を設定し、それから後述する通常処理(図8参照)に移行する。例えば、通常処理の途中で電源断が発生したとしても、当該通常処理の最後のステップ(図8に示す「RAMアクセス禁止」のステップ)まで実行してから電源断状態となるので、復電後は通常処理の最初のステップたるステップS201から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図8において、先ずステップS201では、主制御装置261のCPU501は、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するという外部出力処理を行う。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置40の第1図柄変動表示(2個のLED40a,40bの変動表示)に連動して第3図柄表示装置42による装飾図柄(第3図柄)の変動表示も行われるのであるが、第1図柄表示装置40の第1図柄の変動表示に際して変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、全停止コマンド(確定コマンド)等を外部出力処理においてサブ制御装置262に送信する。
なお、このパチンコ機10では、第1図柄の変動開始時において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようになっている。また、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようにしてもよい。
変動パターン指定コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを表示実行するように第3図柄表示装置42を制御する。
装飾図柄指定コマンドは、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動表示演出が、確変大当り(特定当り)、通常大当り(非特定当り)、外れの何れとなるかを指定するためのコマンドである。装飾図柄指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、装飾図柄の変動パターンの表示結果を、送信されてきた装飾図柄指定コマンドに応じた結果(確変大当り(特定当り)、通常大当り(非特定当り)あるいは外れ)となるように第3図柄表示装置42を表示制御する。
全停止コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するためのコマンドである。全停止コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた全停止コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを停止表示するように第3図柄表示装置42を制御する。
また、主制御装置261のCPU501は、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて、変動パターン指定コマンドと演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)とをサブ制御装置262に送信することがある。つまり、変動種別カウンタCS3の値に基づいて変動時間加算(前述した装飾図柄の滑り演出による附加時間)を何れの時間とするかが決定され、このような加算時間を適切にサブ制御装置262に指示するために、演出コマンドが用いられるのである。したがって、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されることがある。
次に、ステップS202では、主制御装置261のCPU501は、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当する図6に示すバッファ領域に格納する。
続く図8のステップS203では、主制御装置261のCPU501は、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込む。その後、ステップS204では、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口32aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口32aを開放し、そのラウンド毎に、大入賞口32aの最大開放時間が経過したか、又は大入賞口32aに遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立するとそのラウンドにおける大入賞口32aの開放を止めて閉鎖し、残りのラウンドがある場合には、大入賞口32aの開放を残りラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS206では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部41a,41bにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、主制御装置261のCPU501は、ステップS207に示すように、下部側の第1の始動口33bを所定時間開放するという第1の始動口33bの開放処理を行う。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3と同様に、図11に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
また、ステップS208では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。電源断の発生情報が設定されていない場合には、ステップS209に進み、電源断の発生情報が設定されている場合には、ステップS212に進む。
その後、ステップS209では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(ステップS210,S211)。つまり、ステップS210では、初期値乱数カウンタCINI1及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を実行する。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。これと同様に、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211では、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「198」,「240」,「162」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1,初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2(すなわち、第2図柄乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
また、ステップS208において、電源断の発生情報が設定されていて、ステップS212に進んだ場合には、主制御装置261のCPU501は、割込み禁止を設定する。続いて、ステップS213では、主制御装置261のCPU501は、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。続いて、ステップS214では、主制御装置261のCPU501は、制御信号の出力を停止する。続いて、ステップS215では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。続いて、ステップS216では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図9のフローチャートを参照して説明する。
図9において、ステップS401では、主制御装置261のCPU501は、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第3図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40の作動保留球数Nが「0」よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが「0」である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、主制御装置261のCPU501は、作動保留球数Nを「1」減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、主制御装置261のCPU501は、変動開始処理を実行する。ここで、図10のフローチャートを用いて変動開始処理を詳細に説明すると、ステップS501では、主制御装置261のCPU501は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモード(確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値「0」〜「738」のうち「350,700」が当たり値(2個)であり、高確率時には「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」が当たり値(14個)である。
主制御装置261のCPU501は、大当たりであると判別した場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bで表示される、確変大当り(特定当り)としての両LED40a,40bを赤色点灯表示または通常大当り(非特定当り)としての両LED40a,40bを青色点灯表示の何れかとする停止図柄(停止表示)を求める。つまり、大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、大当たり図柄カウンタC2の値に対応する大当たり図柄(「特定当り図柄」または「非特定当り図柄」)を求める。
次に、ステップS503では、主制御装置261のCPU501は、大当たり時における変動パターン(大当たり演出パターン)を決定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、停止パターン選択カウンタC3を用いることなく、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄を通常大当り(非特定当り)の「停止パターン3」で表示するのか、又は第3図柄表示装置42での装飾図柄を確変大当り(特定当り)の「停止パターン4」で表示するのかを決定する。このように決定した「停止パターン3」または「停止パターン4」の種別をさらに第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄の変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、大当たりの場合における次の各関係、つまり、大当たり図柄カウンタC2の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに大当たり用のテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504において、主制御装置261のCPU501は、外れ図柄、すなわち第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bにて色違いで停止表示させるという停止図柄に設定する。
次に、ステップS505では、主制御装置261のCPU501は、外れ時における変動パターン(外れ演出パターン)を決定し、当該外れ変動パターンを変動パターン指定コマンドに設定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、RAM503の保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」である「停止パターン1」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」である「停止パターン2」と、リーチ発生しない「完全外れ」である「停止パターン0」との何れの停止パターンにするかを決定する。例えば、この決定した停止パターンが例えば前後外れリーチとなる「停止パターン1」である場合には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、前後外れリーチ変動パターン群の中からノーマルリーチ、スーパーリーチ等のような装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別が特定された変動パターンが決定されるなど、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。なおここではノーマルリーチが決定されたとする。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄のノーマルリーチ変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、さらに一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、外れの場合における次の各関係、つまり、停止パターン選択カウンタC3の数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに外れ用のテーブル等により予め規定されている。
本実施の形態では、上述の外れ用のテーブルのうちの一つとしては、例えば、低確率時で、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能の状態で、第1図柄の変動開始時の当該第1図柄の作動保留数が「0」の場合に採用されるものがあり、停止パターン選択カウンタC3の値が「0〜201」の場合にはリーチなし(完全外れ)に該当し、「202〜208」が前後外れリーチに該当し、「209〜238」が前後外れ以外リーチに該当するものが挙げられる。
続いて、ステップS506では、主制御装置261のCPU501は、演出時間加算の決定、つまり、ステップS503で決定された大当たり変動パターンまたはステップS505で決定された外れ変動パターンの演出時間の加算の決定を行う。より具体的には、変動種別カウンタCS3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどによる演出時間の増加(当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りそれが停止表示されるまでの時間の増加)を含む変動パターンが決定される。
また、ステップS507では、主制御装置261のCPU501は、ステップS503で決定された大当たり変動パターンに対応する変動パターン指定コマンド、または、ステップS505で決定された外れ変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS508では、主制御装置261のCPU501は、ステップS502,S503を経てきた場合には、ステップS502で決定された第1図柄表示装置40の大当たり図柄(「特定当り図柄」または「非特定当り図柄」)に対応する装飾図柄指定コマンドを設定し、ステップS504,S505を経てきた場合には、ステップS504で決定された第1図柄表示装置40の外れ図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS509では、主制御装置261のCPU501は、ステップS506で決定された演出時間加算に対応する演出時間加算指定コマンドを設定し、本処理を終了する。
図9の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動時間が経過したか否かを判別する。この第1図柄の変動時間は、図10を用いて前述したように決定された変動パターン及び演出時間加算に基づいて決められており、つまり、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。変動時間が経過していなければステップS408に進み、変動時間が経過していればステップS409に進む。
そして、ステップS408では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40での第1図柄の変動表示を更新する。つまり、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示を継続し、本処理を終了する。
一方、ステップS409では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動表示を停止し、第1図柄の停止図柄を表示図柄へ設定する。つまり、図10のステップS502で大当たり図柄(確変大当り)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを赤色点灯表示し、確変大当り(特定当り)を示し、図10のステップS502で大当たり図柄(通常大当り)に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを青色点灯表示し、通常大当り(非特定当り)を示し、図10のステップS504で外れ図柄に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、この両LED40a,40bを色違いで点灯表示し、外れを示す。
続いて、ステップS410では、主制御装置261のCPU501は、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するための全停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図14は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、払出制御装置311のCPU511は、スタックアドレスと割込みモードを設定する。また、ステップS902では、払出制御装置311のCPU511はRAMアクセスを許可し、ステップS903では、払出制御装置311のCPU511は外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS904では、払出制御装置311のCPU511は、RAM513のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS905では、払出制御装置311のCPU511は、RAM判定値を算出し、続くステップS906では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
続いて、ステップS907では、払出制御装置311のCPU511は、復電時のRAM513の初期設定を行う。具体的には、主制御装置261が初期化されるとこの主制御装置261から払出初期化コマンドが払出制御装置311に送信され、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドを受けると、このステップS907で復電時のRAM513の初期設定を行う。つまり、RAM領域の初期化を行い、遊技球の払出しの制御を開始する。
したがって、電源投入時にRAM消去スイッチ323が押下(ON)されている場合には、主制御装置261が初期化されるとともに、この主制御装置261から払出制御装置311に払出初期化コマンドが送信されることになり、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドに基づいて、RAM513の初期化処理が行われる。
続いて、ステップS908では、払出制御装置311のCPU511は、当該CPU511の周辺デバイスの初期設定を行う。具体的には、CPU周辺デバイスとは、CTC(Counter/Timer Circuit)と呼ばれるタイマ制御デバイスであり、このCTCを所定値に設定してタイマ割込みを2ミリ秒(ms)毎に発生させる。
続いて、ステップS909では、払出制御装置311のCPU511は、割込み許可設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、ステップS904にて電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS906にてRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、払出制御装置311のCPU511はRAM513の全領域を「0」にクリア(ステップS910)し、初期化処理を行う(ステップS911)。
次に、払出制御処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。
図15において、ステップS1001では、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からのコマンドを取得し記憶する。ここで、この記憶するコマンドとしては、15種類の賞球コマンド(1個〜15個の払出しを指示するための15種類の賞球コマンド)や、払出制御装置311への払出制御開始を指示するための払出復帰コマンドや、払出制御装置311への払出初期化を指示するための払出初期化コマンドの合わせて17種類のコマンドが挙げられる。
ステップS1002では、払出制御装置311のCPU511は、払出許可を受信済みか否かを判別する。つまり、払出復帰コマンドや賞球コマンドを受けたか否かを判別する。また、ステップS1003では、払出制御装置311のCPU511は、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、払出制御装置311のCPU511は、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。
また、ステップS1005では、払出制御装置311のCPU511は、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、払出制御装置311のCPU511は、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が「0」でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図16)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図17)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続のバイブモータ制御(ステップS1013)を実行する。
ステップS1013では、払出制御装置311のCPU511は、バイブレータ360(図3参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、ステップS1014では、払出制御装置311のCPU511は、停電発生か否かを判別する。停電発生であればステップS1015に進み、そうでなければステップS1001に戻る。ステップS1015では、払出制御装置311のCPU511は、電源断の発生情報を設定し、ステップS1016では、RAM判定値を作成する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ここで、図16に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、図17に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図15の払出制御処理に戻る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリアに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図13のNMI割込み処理を開始する。その内容は図13で説明した通りである。
次に、サブ制御装置262のメイン処理と通常処理とについて図18及び図19を用いて説明する。図18は、サブ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。図19は、サブ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1301では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
また、ステップS1302では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断処理が未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10の前面枠セット14の各種ランプ(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカが消音状態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS1304に進み、そうでなければステップS1303に進む。
続いて、ステップS1303では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS1304に進み、そうでなければステップS1307に進む。ステップS1304では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行う。そして、ステップS1305では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMは正常か否かを判別する。サブ制御装置262のRAMが正常であればステップS1306に進み、異常であればステップS1311に進む。ステップS1306では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するためのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
そして、ステップS1307では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断後の電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1308に進み、そうでなければステップS1309に進む。
ステップS1308では、サブ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアするとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙げられる。主制御装置261が電源断して、サブ制御装置262がリセットした場合(主制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。
ステップS1309では、サブ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定する。ステップS1310では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMの初期値設定を行い、図19に示す通常処理に移行する。
なお、ステップS1311では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM異常報知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を行うことが挙げられる。
図19に示すように、ステップS1401では、サブ制御装置262のCPU551は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS1402に進み、経過していなければステップS1410に進む。
ステップS1402では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動パターン演出に合わせたランプ出力を行う。
ステップS1403では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
ステップS1404では、サブ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う。
ステップS1405では、サブ制御装置262のCPU551は、第1図柄変動の保留個数表示更新処理を行う。具体的には、この保留個数表示更新処理は、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cに対応した表示を第3図柄表示装置42でも行うための処理であるため、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cのみで表示するパチンコ機の場合には本処理は不要となる。
ステップS1406では、サブ制御装置262のCPU551は、枠ボタン入力監視・演出処理を行う。具体的には、この枠ボタン入力監視・演出処理は、遊技者が押下可能な枠ボタン20を備えたパチンコ機において、枠ボタン20の押下による機種別の演出を行うためのものである。したがって、このような枠ボタン20を備えないパチンコ機においては、本処理は不要である。
ステップS1407では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)したランプ点灯パターンを編集するという処理を行う。
ステップS1408では、サブ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)した音を鳴動させるという処理を行う。
ステップS1409では、サブ制御装置262のCPU551は、液晶演出実行管理処理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
ステップS1410では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」〜「32767」の値をとるものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
ステップS1411では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
具体的には、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドをコマンド変換して表示制御装置45に送信する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力するようにしてもよい。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの装飾特別図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾特別図柄指定コマンドと予告演出コマンドとを表示制御装置45に送信する。この予告コマンドとしては、予告としての例えば魚群の出現の有無が挙げられる。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。
ステップS1412では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別する。RAM破壊されていなければステップS1401に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
なお、表示制御装置45では、サブ制御装置262からの各コマンド(変動パターン指定コマンド、装飾特別図柄指定コマンド、予告演出コマンド、全停止コマンド)に基づいて、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンの画像生成制御を行う。具体的には、表示制御装置45は、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動パターンについての画像生成処理を実行し、例えばフレームレート30(1秒間に30枚の画像)で画像生成し、それらの生成画像をビデオRAM524(例えばフレームバッファ)に記憶し、それを適宜に第3図柄表示装置42に表示するようにすることで、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動表示が実現されている。
次に、本発明のパチンコ機10のさらなる特徴部分の構成について図20〜図24を用いて説明する。図20は、図2とは別種類の遊技盤30の正面図である。図21は、センターフレーム47Aの正面図である。図22は、パチンコ機10の本特徴部分についての要部構成を示すブロック図である。図23は、第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が揃った状態が示された場合の図である。図24は、第3図柄表示装置42の表示画面に副装飾図柄FZが揃った状態が示された場合の図である。
これまでの説明では、パチンコ機10の遊技盤30は、図2に示すように、可変表示装置ユニット35にセンターフレーム47を備えているものとして説明してきたが、以下においては、パチンコ機10の遊技盤30は、前述のセンターフレーム47に替えて、可変表示装置ユニット35に図20に示すセンターフレーム47Aを備えたものとして説明する。
遊技盤30は、図20に示すように、遊技球発射装置38(図1参照)から発射されてきた遊技球が転動する遊技領域30a面を有するものであり、その遊技領域30a面の所定箇所(例えば、正面視で、横方向の中央からやや右側寄りで縦方向の中央箇所)に可変表示装置ユニット35が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、図21に示すように、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の表示画面の周囲を覆うようにセンターフレーム47Aとを備えている。図20に示すように、第3図柄表示装置42は、遊技盤30の遊技領域30a面の略中央箇所に配設されている。可変表示装置ユニット35は、正面視で右側が大きく拡張された拡張領域部410を備えており、左右非対象形状となっている。
遊技盤30は、図20に示すように、その遊技領域30a面上でかつセンターフレーム47Aの下方位置(第3図柄表示装置42の下方位置)に、遊技球が入球可能な2個の始動口(第1の始動口33a,33b)を備えている。なお、このように、2個の始動口(第1の始動口33a,33b)とするのではなく、1個の始動口(例えば第1の始動口33aまたは第1の始動口33bの1個)のみを採用する構成としたり、3個以上の始動口を採用したりしてもよい。
主制御装置261は、図22に示すように、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球に基づいて、遊技者にとって有利な第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)の発生の当否と、大当たり状態よりも遊技者にとって有利な度合いの少ない第2特別遊技状態(例えば、小当たり状態)の発生の当否とを判定する判定部400を備えている。
判定部400は、以下に示す第1判定部406を備えており、この第1判定部406により第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)の発生の当否を判定している。以下に、第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)の発生の当否判定について説明する。
前述したように、主制御装置261は、図22に示すように、第1図柄表示装置40での第1図柄の変動表示結果が予め設定した特定の図柄の組合せ(大当り図柄)となったことを必要条件に特別遊技状態を発生させる機能を有するものである。要するに、主制御装置261は、「0」〜「738」までの値をとり得る大当たり乱数カウンタC1(特別遊技状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)に基づいて第1特別遊技状態(大当たり状態)を発生させているのである。
具体的には、主制御装置261のCPU501は、図22に示すように、大当たり乱数カウンタC1を発生させる第1乱数発生部402(第1乱数群発生機能)を有している。また、主制御装置261は、第1の始動口33a,33bに遊技球が入賞する毎に、RAM503の保留球格納エリアのうちの大当たり乱数カウンタC1の値を記憶するエリア(第1乱数記憶部404)を備えている。さらに、主制御装置261のCPU501は、この保留球格納エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であるか否かを判定する第1判定部406(判定機能)も有している。
なお、第1の始動口33a,33bに設けられた各作動口スイッチでの遊技球の入賞検出のタイミングで、第1乱数発生部402での大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)がRAM503の保留球格納エリア(第1乱数記憶部404)に記憶されるようになっている。また、低確率時においては、第1判定部406は、第1乱数記憶部404に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が2個の値「350,700」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時においては、第1判定部は、第1乱数記憶部に記憶された大当り乱数カウンタC1の値(第1乱数)が14個の値「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」であれば大当りと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第1乱数発生部402,第1判定部406は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
そして、CPU501で大当たり乱数カウンタC1の値が当り値であると判定した場合には、主制御装置261から可変入賞装置32に特別遊技状態とするための信号が出力される。可変入賞装置32は、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動するという大当たり動作を実行する。
前述したように、パチンコ機10は、図2に示すように、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入賞を始動条件成立とし、当該始動条件成立に起因して第1図柄を変動表示し、その変動表示結果を表示する第1図柄表示装置40を備えている。
また、判定部400は、第2特別遊技状態(例えば、小当たり状態)の発生の当否とを判定する機能も具備しているが、例えば、大当たり乱数カウンタC1とは別のカウンタを用いて小当り発生の当否を判定するようにしている。
ところで、図20に戻って、可変入賞装置32は、遊技盤30の遊技領域30a面上でかつセンターフレーム47Aの下方位置(第3図柄表示装置42の下方位置)に配設されている。可変入賞装置32は、開閉自在な大入賞口32aを備えており、大入賞口32aが閉鎖状態(本願発明の第1状態)であれば遊技球が入球不可能な状態になり、大入賞口32aが開放状態(本願発明の第2状態)となると遊技球が入球可能な状態になる。つまり、判定部400で第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)の当選と判定された場合には、第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)期間において、可変入賞装置32の大入賞口32aが開放状態(本願発明の第2状態)となる。なお、第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)とは、可変入賞装置32の大入賞口32aが開放状態となる状態を少なくとも含むものである。例えば、大入賞口32aが閉鎖状態から開放状態となりその後閉鎖状態となるまでを1回の動作とし、これを複数回繰り返す場合には、この複数回の動作状態が第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)であると言える。
図20,図21に示すように、遊技盤30は、可変入賞装置32とは別の入球手段であって、第2特別遊技状態(例えば、小当たり状態)期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、この第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する第2可変入賞装置412を備えている。具体的には、第2可変入賞装置412は、図21に示すように、センターフレーム47Aを正面視した状態で、その右側の箇所に備えられている。なお、第2可変入賞装置412の詳細な構成については後述する。
さらに、主制御装置261は、図22に示すように、第1特別遊技状態(例えば、大当たり状態)と第2特別遊技状態(例えば、小当たり状態)とのうちで少なくとも小当たり状態の終了後に付加される遊技状態であって、遊技者にとって所定の付加価値を有する、終了期限付きの付加価値遊技状態(例えば、時短状態)を発生させる付加価値遊技状態発生部420と、付加価値遊技状態(時短状態)中であるか否かを判定する付加価値遊技状態判定部422と、付加価値遊技状態(時短状態)中において判定部400で第2特別遊技状態(小当たり状態)当選と判定された場合に、第2可変入賞装置412を第2状態に変移させるよう制御する変移制御部424とを備えている。
この時短状態としては、例えば、第3図柄表示装置42に変動表示されて最終的に停止した識別情報(第3図柄)の組合せが時短大当たりを示すものであった場合には、第1の始動口33bに遊技球が入球し易くなるという状態が挙げられる。このような時短状態となると、第2図柄(普通図柄)の変動表示時間が短く、かつ、第2図柄(普通図柄)の変動表示が当りであると通常状態よりも長く第1の始動口33bが開放状態となること等から、第1の始動口33bに遊技球が入球し易くなり、識別情報(第3図柄)の変動表示の保留がされ易くなり、次々と識別情報(第3図柄)の変動表示がされるという状態となり、かつ、その時短大当たり発生から識別情報(第3図柄)の変動表示が所定回数行われるまでは当該時短状態を継続するという「回数切りの時短状態」が挙げられる。
付加価値遊技状態発生部420は、可変入賞装置32による第1特別遊技状態(大当たり状態)の終了後に付加価値遊技状態(時短状態)を発生させる。また、付加価値遊技状態発生部420は、第2可変入賞装置412による第2特別遊技状態(小当たり状態)の終了後にも付加価値遊技状態(時短状態)を発生させるものである。
なお、第3図柄表示装置42は、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球と、主制御装置261の判定部400での判定結果とに基づいて、第1特別遊技状態(大当たり状態)の当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出(第3図柄の変動表示演出)を行うようになっている。図23に示すように、第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が揃った状態(図23ではラインL5で「1」の主装飾図柄SZが揃っている)の確定表示をすることで、第1特別遊技状態(大当たり状態)の当選を遊技者に示すようにしている。また、図24に示すように、第3図柄表示装置42の表示画面に副装飾図柄FZが揃った状態(図24ではラインL2で「●」の副装飾図柄FZが揃っている)の確定表示をすることで、第2特別遊技状態(例えば、小当たり状態)の当選を遊技者に示すようにしている。
第3図柄表示装置42は、図23に示すように、「0」〜「9」の数字の主装飾図柄SZの10個と、複数種類(例えば、●、▲、■など)の図形の副装飾図柄FZとを、変動方向(回転方向)に交互に所定の順に整列させて組み合わせた表示をするようになっている。
さらに、図22に示すように、第3図柄表示装置42は、付加価値遊技状態(時短状態)以外の遊技状態において付加価値遊技状態(時短状態)の発生があった場合にのみ終了期限付きの付加価値遊技状態(時短状態)の発生を示す表示を行う付加価値遊技状態発生表示部426を備えている。例えば、付加価値遊技状態発生表示部426は、時短状態以外の遊技状態で時短状態の当選があった場合に、時短状態の発生を示す表示あるいは表示演出を行うようにしている。
遊技盤30は、図20に示すように、正面視した状態でその遊技領域30aを左右に二分割した分割領域を備えている。その一方の分割領域としての正面視で左側の分割領域は、遊技球が遊技領域30aに入力される入力口30bに近いものである。また、他方の分割領域としての正面視で右側の分割領域は、その一方の分割領域(左側の分割領域)よりも入力口30bから遠いものである。
ここで、第2可変入賞装置412の構成について、図25〜図27を用いて詳細に説明する。図25は、第2可変入賞装置412が第1状態となっていることを示す図である。図26は、第2可変入賞装置412が第2状態となっていることを示す図である。図27は、第2可変入賞装置412での可動部430とその周辺部分についての部分断面図である。
第2可変入賞装置412は、図21に示すように、センターフレーム47Aの拡張領域部410の所定箇所に設けられている。言い換えれば、第2可変入賞装置412は、図20に示すように、他方の分割領域(正面視で右側の分割領域)の所定箇所に設けられているとも言える。また、第2可変入賞装置412は、図21に示すように、大入賞口32aよりも小さい小入賞口414を備えており、センターフレーム47Aに設けられた可動部430(例えば、猫の腕部分をモチーフとした形状の可動部材)が動作することで、当該第2可変入賞装置412の第1状態および第2状態を実現している。
具体的には、センターフレーム47Aの拡張領域部410は、その正面側に、遊技球が流下可能な通路空間である遊技球通路空間440が形成されている。この遊技球通路空間440は、ガラス137(図1参照)と拡張領域部410の溝部442とにより形成された、遊技球Bを通過させるための空間である。つまり、拡張領域部410の表面側に形成された溝部442とガラス137の裏面側との間を遊技球Bが通過できるようになっている。
また、遊技球通路空間440は、例えば、遊技球Bが入力される2箇所の入口I1,I2と遊技球Bが出力される3箇所の出口O1,O2,O3とを結ぶようにした二入力三出力の通路に形成されている。つまり、遊技球通路空間440は、入口I1,I2と出口O1,O2,O3とを結ぶようにした二入力三出力の溝部442が形成されている。遊技球通路空間440の溝部442の断面形状は、「V」字状となっており、遊技球通路空間440の入口I1,I2から入力された遊技球Bは、溝部442に沿いながら出口O1,O2,O3のいずれかへ案内されて出力されるようになっている。なお、遊技球通路空間440の溝部442の断面形状は、「U」字状、凹型の溝など種々の形状としてもよい。
3箇所の出口O1,O2,O3のうちの1箇所の出口O1には、1個の遊技球Bが入賞(入球)可能な程度の大きさの小入賞口414が設けられている。また、小入賞口414の近傍箇所には、可動部430が設けられており、図24に示すようにラインL1〜L5のいずれかで同一種類の副装飾図柄FZが揃った確定表示が第3図柄表示装置42にされたときに、可動部430が図25の状態(第1状態)から図26の状態(第2状態)に変化する動作を少なくとも1回行い、小入賞口414に遊技球Bが入球(入賞)可能な状態となり、その後に図25の状態(第1状態)に戻るようになっている。なお、図25では、可動部430が第1位置P1に位置する状態となっており、遊技球Bが小入賞口414に入球不可能な状態である第1状態となっている。また、図26では、可動部430が第2位置P2に位置する状態となっており、遊技球Bが小入賞口414に入球可能な状態である第2状態となっている。なお、可動部430が第1位置P1から第2位置P2に変化しその後第1位置P1に戻るという動作を複数回繰り返すようにしてもよい。
可動部430は、図27に示すように、その肩に相当する部分の軸部432を基端として軸支され、当該軸部432にモータ434などの駆動機構からの動力が伝達され、その手に相当する他端部436が左右に搖動するように構成されている。また、その他端部436の裏面には、遊技盤30の面に向かって板状の閉塞部材438が立設されている。つまり、可動部430は、その他端部436が図25に示す第1位置P1に位置することで、小入賞口414に向かう通路を閉塞しており、小入賞口414に遊技球Bが入球不可能な第1状態を実現している。また、可動部430は、その他端部436が図26に示す第2位置P2に位置することで、小入賞口414に向かう通路を開放しており、小入賞口414に遊技球Bが入球可能な第2状態を実現している。可動部430は、第1位置P1と第2位置P2とに揺動可能となっている。
第2可変入賞装置412は、図20に示すように、小入賞口414の開口面積を可変入賞装置32の大入賞口32aの開口面積よりも小さくすることで、当該第2可変入賞装置412が第2特別遊技状態(小当たり状態)であることを可変入賞装置32の第1特別遊技状態(大当たり状態)よりも認識し辛くしている。また、第2可変入賞装置412は、可変入賞装置32よりも遊技球の入球数が少なくなるように構成されている。
なお、上述した第1の始動口33a,33bは本発明の入球手段に相当し、上述した判定部400は本発明の判定手段に相当し、上述した可変入賞装置32は本発明の第1可変入球手段に相当し、上述した第2可変入賞装置412は本発明の第2可変入球手段に相当し、上述した付加価値遊技状態発生部420は本発明の付加価値遊技状態発生手段に相当し、上述した付加価値遊技状態判定部422は本発明の付加価値遊技状態判定手段に相当し、上述した変移制御部424は本発明の変移制御手段に相当し、上述した付加価値遊技状態発生表示部426は本発明の付加価値遊技状態発生表示手段に相当し、上述した第3図柄表示装置42は本発明の識別情報変動表示手段に相当する。
ここで、本実施例のパチンコ機10が第2特別遊技状態(小当たり状態)となり、その後に付加価値遊技状態(時短状態)となり、この付加価値遊技状態(時短状態)中に再び第2特別遊技状態(小当たり状態)に当選するという場合の動作について、以下に説明する。
図20に示すように、主制御装置261の判定部400は、始動入賞により得られたカウンタに基づいて、第2特別遊技状態(小当たり状態)の発生の当否を判定する。たとえば、判定部400で第2特別遊技状態(小当たり状態)の発生当選と判定されると、小当り当選を示すコマンドが主制御装置261からサブ制御装置262を介して表示制御装置45に送信される。第3図柄表示装置42は、表示制御装置45の制御に従って第3図柄の変動表示を行い、例えば図24に示すようにあるライン(図24ではラインL2)で副装飾図柄FZが揃った状態で確定という表示(小当たり表示)を行う。
そして、主制御装置261の変移制御部424は、判定部400での小当り当選に基づいて、第1可変入賞装置の小入賞口414を所定ラウンド数(例えば、2ラウンド)にわたって開放させるように、この第2可変入賞装置412を駆動制御(小入賞口414の開閉制御)する。
主制御装置261の付加価値遊技状態発生部420は、第2可変入賞装置412による第2特別遊技状態(小当たり状態)の終了後に付加価値遊技状態(時短状態)を発生させる。なお、この発生時に、付加価値遊技状態発生表示部426は、時短状態の発生を示す表示あるいは表示演出を行う。
その後、付加価値遊技状態(時短状態)中に再び第2特別遊技状態(小当たり状態)に当選する、つまり、付加価値遊技状態判定部422で付加価値遊技状態(時短状態)中であると判定している間に、判定部400で第2特別遊技状態(小当たり状態)の発生当選と判定されると、小当り当選を示すコマンドが主制御装置261からサブ制御装置262を介して表示制御装置45に送信される。第3図柄表示装置42は、表示制御装置45の制御に従って第3図柄の変動表示を行い、例えば図24に示すようにあるライン(図24ではラインL2)で副装飾図柄FZが揃った状態で確定という表示(小当たり表示)を行う。
そして、主制御装置261の変移制御部424は、判定部400での小当り当選に基づいて、第2可変入賞装置412の小入賞口414を所定ラウンド数(例えば、2ラウンド)にわたって開放させるように、この第2可変入賞装置412を駆動制御(小入賞口414の開閉制御)する。
主制御装置261の付加価値遊技状態発生部420は、第2可変入賞装置412による第2特別遊技状態(小当たり状態)の終了後に付加価値遊技状態(時短状態)を発生させる。なお、この発生時には、付加価値遊技状態発生表示部426は、時短状態の発生を示す表示あるいは表示演出を行わない。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球が入球可能な第1の始動口33a,33bと、この第1の始動口33a,33bへの入球に基づいて、遊技者にとって有利な第1特別遊技状態(大当たり状態)の発生の当否と、大当り状態よりも遊技者にとって有利な度合いの少ない第2特別遊技状態(小当たり状態)の発生の当否とを判定する判定部400と、この判定部400での第1特別遊技状態当選との判定結果に基づいて、第1特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、前記第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する動作を実行する可変入賞装置32と、可変入賞装置32とは別の入球手段であって、第2特別遊技状態期間において、遊技球の入球が困難あるいは入球し難い第1状態から、前記第1状態よりも入球し易い第2状態に変移する第2可変入賞装置412と、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とのうちで少なくとも第2特別遊技状態の終了後に付加される遊技状態であって、遊技者にとって所定の付加価値を有する、終了期限付きの付加価値遊技状態を発生させる付加価値遊技状態発生部420と、付加価値遊技状態中であるか否かを判定する付加価値遊技状態判定部422と、付加価値遊技状態中において判定部400で第2特別遊技状態当選と判定された場合に、第2可変入賞装置412を第2状態に変移させるよう制御する変移制御部424とを備え、第2可変入賞装置412は、当該第2可変入賞装置412が第2特別遊技状態であることを可変入賞装置32の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしたものとしている。
したがって、終了期限付きの付加価値遊技状態(例えば、回数切りの時短状態)中において、判定部400で第2特別遊技状態当選と判定された場合、つまり、付加価値遊技状態中に付加価値遊技状態に当選した場合(再当選した場合)には、可変入賞装置32ではなく第2可変入賞装置412が第1状態から第2状態に変移し、第2可変入賞装置412が第2特別遊技状態であることを可変入賞装置32の第1特別遊技状態よりも認識し辛くなっており、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。さらに、可変入賞装置32は、第1特別遊技状態期間において遊技球の入球を受けることを専らの目的とするものであることから、遊技者にとって見れば関心度の高い遊技部品の一つであり、この可変入賞装置32とは別の第2可変入賞装置412についてはそれほど注目視されていないことから、第2可変入賞装置412の変移動作があったとしてもそれに気付き難いと言える。さらに、第2可変入賞装置412の変移動作が終了期限付きの付加価値遊技状態の始期に関係するという事実関係も遊技者は知らない。このように、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができるパチンコ機を提供することができる。
また、付加価値遊技状態以外の遊技状態において付加価値遊技状態の発生があった場合にのみ終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行う付加価値遊技状態発生表示部426を備えているので、付加価値遊技状態以外の状態において、終了期限付きの付加価値遊技状態(例えば、回数切りの時短状態)に当選すると、付加価値遊技状態発生表示部426は、終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行うが、付加価値遊技状態中に新たな付加価値遊技状態の当選があった場合、つまり、付加価値遊技状態の更新があった場合には、終了期限付きの付加価値遊技状態の発生を示す表示を行わず、第2可変入賞装置412が第2状態に変移するのみを行うことにしているので、付加価値遊技状態中に新たな付加価値遊技状態の当選があったとしても、付加価値遊技状態の発生を示す表示がされないため、付加価値遊技状態の更新があったことを遊技者が知り難くすることができる。すなわち、付加価値遊技状態の更新時を知り難くすることができることから、付加価値遊技状態中に再び付加価値遊技状態に当選したとしても、遊技者は付加価値遊技状態の更新があったこと自体知らないし、仮に最初の付加価値遊技状態の発生時からその終期をカウントしていたとすると、既に付加価値遊技状態の終期が到来している筈なのに未だに付加価値遊技状態が継続しているため、付加価値遊技状態の終期が分からないようにでき、付加価値遊技状態の単調感を排することができる。また、このように更新後の付加価値遊技情報を用いて面白味のある種々の演出を行うこともできる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができるパチンコ機を提供することができる。
また、第2可変入賞装置412は、当該第2可変入賞装置412が第2状態となった場合の開口面積を、可変入賞装置32が第2状態となった場合の開口面積よりも小さくすることで、第2可変入賞装置412が第2特別遊技状態であることを可変入賞装置32の第1特別遊技状態よりも認識し辛くしているので、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
また、第1の始動口33a,33bへの入球と判定部400での判定結果とに基づいて、特別遊技状態発生の当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出を行う第3図柄表示装置42と、この第3図柄表示装置42の表示画面の周囲の少なくとも一部を覆うように配置されたセンターフレーム47Aとを備え、第2可変入賞装置412は、センターフレーム47Aの所定箇所に設けられ、かつ、センターフレーム47Aに設けられた可動部430が動作することで、当該第2可変入賞装置412の第1状態および第2状態を実現しているので、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
また、第2可変入賞装置412は、可変入賞装置32よりも遊技球の入球数が少なくなるように構成されているので、第2可変入賞装置412への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入賞装置412の第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。
また、第3図柄表示装置42は、遊技盤30の遊技領域30a面の略中央箇所に配設され、可変入賞装置32は、遊技盤30の遊技領域30a面上でかつセンターフレーム47Aの下方位置に配設され、遊技盤30は、正面視した状態でその遊技領域30aを左右に二分割した分割領域を備え、その一方の分割領域は遊技球が遊技領域30aに入力される入力口30bに近いものであり、他方の分割領域はその一方の分割領域よりも入力口30bから遠いものであり、第2可変入賞装置412は、他方の分割領域の所定箇所に設けられているので、遊技者は入力口30bに近い分割領域(一方の分割領域)に遊技球を流下させるようにして遊技する場合が多く、一方の分割領域に遊技球が多く流下することになり、遊技球が第1の始動口33a,33bに入球するか否かが重要な関心事の一つであることから、遊技者は一方の分割領域に注視しており、遊技盤での遊技球の流下の少ないまたは流下の無い等の他方の分割領域にはあまり注意しないので、第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。
また、付加価値遊技状態発生部420は、可変入賞装置32による第1特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させ、第2可変入賞装置412による第2特別遊技状態の終了後に付加価値遊技状態を発生させるので、第1特別遊技状態および第2特別遊技状態のいずれの終了後にも付加価値遊技状態を発生させるという遊技機においても、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができ、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。つまり、付加価値遊技状態がいつ終わるかが分からないという緊張感を持って付加価値遊技状態を楽しむことができ、緊張感のある付加価値遊技状態を実現できる。その結果、付加価値遊技状態の面白味を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、第2可変入賞装置412は、第1状態から第2状態になり再び第1状態に戻るまでを1ラウンドとして所定ラウンド数(実施例では2ラウンド)行うものであり、かつ、可変入賞装置32のラウンド数(16ラウンド)よりも少なくしているので、第2可変入賞装置412のラウンド動作(第1状態と第2状態との変移動作)が可変入賞装置32のラウンド数よりも目立たなくなり、第2可変入賞装置412の第2特別遊技状態に気付き難くできる。
次に、実施例2のパチンコ機10について図28を用いて説明する。図28は実施例2のセンターフレーム47Aの拡張領域部410を示す図である。
本実施例2でのセンターフレーム47Aの拡張領域部410は、第2可変入賞装置412とは別に動作する動作部材450を備えている点が、前述の実施例1とは異なっている。なお、前述の実施例1と同様の内容については説明を省略し、以下に、動作部材450について詳細に説明することとする。
センターフレーム47Aの拡張領域部410は、図28に示すように、第2可変入賞装置412の近傍箇所に、第2可変入賞装置412とは別に動作する動作部材450を備えている。この動作部材450は、動物の頭部(例えば猫の頭部)の形をしたもので、左右に揺動するようになっている。なお、動作部材450としては、前述した動物の頭部(例えば猫の頭部)の形に限定されるものではなく、種々の形状のものを採用してもよい。
この実施例2では、動作部材450は、動作する期間の長さが異なる複数種類の動作期間で動作するようになっている。例えば、3秒間動作し、一定の休止期間後に7秒間動作し、一定の休止期間後に1秒間動作する等、動作期間が複数種類となっている。なお、動作部材450の動作しない期間である無動作期間の長さが異なる複数種類の無動作期間で無動作となるような構成を採用してもよい。例えば、一定期間動作し、3秒の休止期間後に前記と同一期間動作し、7秒の休止期間後に前記と同一期間動作する等、無動作期間が複数種類となっている。また、これらの組み合わせを採用してもよい。ここで言う「無動作」とは、動作部材450を見た場合に動作が停止しているように見えるという意味であり、内部的に動作していたり、視認できない程度に微振動していたりしても、外観視した場合に動いているとは認められないのであれば「無動作」に属する。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、第2可変入賞装置412の近傍箇所に、第2可変入賞装置412とは別に動作する動作部材450を備えているので、動作部材450が動作することによって第2可変入賞装置412の第2状態への変移動作が紛れてしまい、動作部材450の動作によって第2可変入賞装置412の第2状態への変移がわかり難くでき、さらに第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
また、動作部材450は、動作する期間の長さが異なる複数種類の動作期間で動作するか、動作しない期間である無動作期間の長さが異なる複数種類の無動作期間で無動作となるかの少なくとも一方を備えたものであるとしているので、動作部材450を不規則に動作させることができ、この動作部材450の不規則な動作によって第2可変入賞装置412の第2状態への変移動作が紛れてしまい、第2可変入賞装置412の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
なお、動作部材450は、第3図柄表示装置42で所定の外れの識別情報変動表示演出(例えば、所定の外れの変動パターン演出など)が表示されている間に動作するものとしてもよい。つまり、動作部材450は、所定の外れの識別情報変動表示演出(例えば、所定の外れの変動パターン演出など)以外の変動表示演出が表示されている期間や変動表示演出がされていない期間には動作しないので、動作部材450を不規則に動作させることができ、動作部材450が不規則に動作することによって第2可変入賞装置412の第2状態への変移動作が紛れてしまい、第2可変入賞装置412の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、第2可変入賞装置412の開口部内の色とこの開口部を閉塞する閉塞部材の色とについては言及していなかったが、第2可変入賞装置412は、その開口部内の色と、前記開口部を閉塞する閉塞部材の色とを同一色または同系色としてもよい。この場合には、閉塞部材で開口部が閉塞された状態と、閉塞部材での閉塞状態が解除された開口部との色目が変わらないので、その変化に気付き難くでき、第2可変入賞装置412の第2状態への変移がさらにわかり難くでき、さらに第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができる。
(2)上述した各実施例では、第2可変入賞装置412は、可変入賞装置32よりも小さくしているが、第2可変入賞装置412は、第2状態である期間が、可変入賞装置32が第2状態である期間よりも短くしてもよい。この場合には、第2可変入賞装置412への入球を少なくでき、第2可変入賞装置412への入球に対する賞球の払い出しを少なくでき、第2可変入賞装置412の第2特別遊技状態に気付き難くでき、付加価値遊技状態の更新時、つまり更新された付加価値遊技状態の始期を特定し難くできることから、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。
(3)上述した各実施例では、第2可変入賞装置412は、可変入賞装置32よりも小さくしているが、可変入賞装置32は、1回の第1特別遊技状態において複数回第2状態となるものであり、第2可変入賞装置412は、1回の第2特別遊技状態において複数回第2状態となるものであり、1回の第2特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間が、可変入賞装置32が1回の第1特別遊技状態において第2状態である期間を合算した全期間よりも短くしてもよい。
(4)上述した各実施例では、付加価値遊技状態としては時短状態を例に挙げて説明しているが、付加価値遊技状態発生部420は、可変入賞装置32による第1特別遊技状態の終了後に発生させる付加価値遊技状態を、当該付加価値遊技状態以外の遊技状態と比べて第1特別遊技状態になり易いという高確率当選遊技状態とするものとしてもよい。つまり、第1特別遊技状態の終了後に高確率当選遊技状態を発生させるという遊技機においても、第2可変入賞装置412の変移動作に気付き難くすることができ、付加価値遊技状態の終期がいつになるのかを遊技者は知ることを困難にでき、付加価値遊技状態の終期が明確であることに起因して付加価値遊技状態が単調となるという問題を解消できる。
(5)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。