JP6855045B2 - 脳活動計測用電極、その電極を使用した頭部装着装置及び脳活動計測システム - Google Patents

脳活動計測用電極、その電極を使用した頭部装着装置及び脳活動計測システム Download PDF

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Description

本発明は脳活動を計測するために使用される脳活動計測用電極、その電極を使用した頭部装着装置及び脳活動計測システムに関するものである。
脳波(脳電図)、脳磁図、脳血流等の脳活動の計測は医療診断や認知科学等の研究で広く行われており、近年では産業分野における製品評価やマーケティング等の産業応用が進められている。産業応用する上で脳活動検出システム(例えば脳波計)を簡便に被験者に取り付けて、確実に計測できることが重要である。脳波を計測するためには、電極を被験者の頭皮に接地させる必要がある。電極の取り付け方法として大別するとウェット式とドライ式がある。
ウェット式の電極(以下、ウェット電極とする)は、使用時に電極上に導電性のペーストやジェル、生理食塩水等を塗布するタイプである。ウェット電極のセット方法として、例えば銀/塩化銀の皿電極を例に取れば電極の設置箇所の頭髪を掻き分け頭皮を露出させてから、アルコール等で頭皮上の皮脂を取り除き、導電性のあるペーストを塗布し、ペーストにより電極を頭皮に設置させる。しかし、このような態様では1)ペースト等を塗布する必要があり電極取り付けが面倒である、2)計測後に被験者の頭部にペーストが残り汚れてしまう、3)アルコールやペーストによりかぶれや発疹のリスクがある、等の問題があるため産業応用上、現実的ではない。
一方、ドライ式の電極(以下、ドライ電極とする)では導電性のペーストやジェル、生理食塩水等を塗布せずに計測することができため、産業応用に向いていると考えられる。ドライ電極としてはいくつかの形状のものが提案されている。このようなドライ電極の一例として特許文献1を挙げる。
特開2006−94979号公報
しかし、ウェット電極の場合では頭髪が電極と頭皮の間に挟まっても塗布した導電性のあるペースト等が頭髪の裏に回り込み、頭皮に接触することで計測することができる。つまり、ウェット電極では電極と頭皮の間に頭髪が挟まっていてもある程度計測できる可能性がある(もちろん、頭皮に接するに越したことはない)。一方、ドライ電極では、ペースト等を使用しないため電極先端のいずれかが頭皮に必ず接触する必要がある。もっとも電極の形状によっては電極と頭皮の間に頭髪が挟まることはあるが、それでも一部分でも電極が頭皮に接触していればドライ電極での計測は可能である。しかし、実際にドライ電極を様々な被験者に装着してみると一部分でも電極が頭皮に接触していれば計測が可能なはずのドライ電極であっても、なかなか安定して計測が難しい場合がある。それは以下の理由による。
例えば電極が頭部に正対せず微妙に傾いている場合等に、例えば図26に示すように、ドライ電極100を頭皮に当接(接地)させた後に微妙に側方に位置をずらすことがある。すると図26のようにドライ電極100の進行方向には頭髪が屹立しているため、わずかにずらすだけでもこの頭髪群が一種の抵抗となってずらしにくくなっていた。そのため、この頭髪の抵抗に抗して無理に移動させることで電極が頭皮から離間してしまうという不具合が生じることがあった。また、電極は頭髪をかき分けながらその先端を頭皮に当接させるため、ドライ電極100によって押しのけられた頭髪の圧力が増してかき分けにくくなるという課題もあった。そして、かき分けにくさはドライ電極100がしっかりと頭皮に当接しない原因ともなる。
このようなことから、脳活動計測において、頭部装着時に周囲の頭髪の圧力を避けながら頭皮に確実に当接させる電極(脳活動計測のためのセンサ)の形状が求められていた。
本発明はこのような従来技術の問題に着目してなされたものである。その目的は、周囲の頭髪の圧力を避けて頭皮に当接させることが容易な脳活動計測用電極、そのような電極を使用した頭部装着装置及び脳活動計測システムを提供することである。
上記課題を解決するために第1の手段では、脳活動計測用電極において、頭皮に当接する頭皮接地部を備えた先端部を備え、前記先端部を挟んで前記頭皮と反対側の領域に頭髪を収容するための頭髪収容領域を構成するようにした。
このように構成することで、脳活動計測用電極の使用時において、先端部周囲の頭髪が先端部を挟んで頭皮と反対側の領域に形成される頭髪収容領域に収容されることとなって、電極に負荷される頭髪による反発圧力が軽減され、電極を頭皮へ当接させた後にずらす際や頭髪をかき分けながらその先端を頭皮に当接させる際の作業がしやすくなり、結果として脳活動計測用電極を頭皮に確実かつ容易に当接させることができる。
ここに、「脳活動」は一般に外部から電流が流れることで発生する磁場や異なる位置での電位差(電圧差)、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化へもグロビン等の吸光による近赤外線の光量差として計測でき、そのため本発明の「脳活動計測用電極」としては、例えば、脳の神経活動に伴う電流変化(電位差の変化)を計測する脳波計測用の電極や、脳活動に伴う電流の変化を磁場の変化として計測する脳磁界(脳磁場)計測用の電極や、脳活動に伴う脳の血流(酸素カヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン量等)の変化を近赤外線の受光量の変化として計測する近赤外分光計測用のプローブに使用することがよい。特に、脳活動を電位差(電圧差)として記録する場合(脳波計測)においては、ドライ電極であることが被験者への計測負担を減らすことができるため好ましい。
ここに、「頭皮に当接」とは、脳活動計測用電極を用いて脳活動を計測する際に、脳活動が電位差、磁場変化、近赤外線の受光量等のデータとして取得できるように脳活動計測用電極が頭皮に近接していることである。脳活動計測用電極は頭皮に密着していることが好ましいが、必ずしも密着している必要は無く、脳活動がデータとして取得できれば、多少頭皮から離れていたり、間に頭髪が挟まれていても構わない。
また、第2の手段として、前記先端部を支持し前記先端部の横断面積よりも小さな横断面積となる支持部を有するようにした。
このような構成とすることで支持部で先端部を支持する場合であっても頭髪収容領域を設けることができる。また、支持部で先端部を支持することで先端部の位置を支持部の長さに応じた任意の位置とすることができ頭髪収容領域のふところ(高さ)を調整することができる。
また、第3の手段として、前記支持部は電極固定部を備えるようにした。
このような構成とすることで脳活動計測用電極を他の被固定部材に容易に固定することができる。被固定部材として例えば後述する頭部装着用のベースに電極固定部によって電極を固定するようにすれば、電極装着の作業が簡略化される。電極固定部は支持部の先端部とは逆方向の基部(後方)に配置することが、先端部付近の空間を広くするためによい。
また、第4の手段として前記電極固定部は硬い材料から構成されているようにした。
電極固定部が硬い材料で構成されていれば、例えば後述する頭部装着用のベースにしっかりと安定して固定することができ、例えば後述する増幅装置に装着させる際にも着脱が容易となる。電極固定部が硬い材料で構成されていることは、例えば支持部や先端部も硬い素材で構成されていてもよく、例えば先端部だけを硬くなくて柔軟性のある素材で構成するようにしてもよい。「硬い材料」は可撓性がなく、外部からの圧力を受けて曲げようとしたり押したりしても容易に変形しない素材である。いいかえれば柔軟ではない材料である。また、外部からの圧力を受けて変形しないとは、使用目的からして頭皮にこの電極を当接させた際の押圧力では変形しないという意味である。
また、第5の手段として、前記支持部と前記先端部との接続部分は連続的な面形状で構成されているようにした。
これによって、支持部と前記先端部との凹となった接続部分が不連続にならないため、脳活動計測用電極を頭皮に先端部側から当接させた際に周囲の頭髪が逃げやすくなる。また角隅とならないため、この接続部分に汚れが溜まりにくくなり、使用後の清掃が容易になる。また前記先端部側の支持部は大きな横断面積となるため、電極の材料に例えば柔らかい材料を用いる場合であっても、電極の強度を確保できる。
また、第6の手段として、前記支持部は同支持部の平均太さよりも長い全長を有する部材であるようにした。
このように構成すれば、頭髪収容領域のふところ(高さ)を十分確保することができ、多くの頭髪を確実に収容することができる。
ここに「支持部の平均太さ」とは、支持部が全長に渡って均一の直径や幅方向長さとなっていない場合に全長から平均的な太さを算出することを意味する。また、ここで「太さ」とは周回りの長さではなく直径又は幅方向長さをいう。
また、第7の手段として、前記支持部は同支持部の平均太さの3倍以上の全長となるようにした。
支持部の縦横比をこのように構成すると、頭髪収容領域のふところ(高さ)を十分確保することができ、多くの頭髪を確実に収容することができる。
また第8の手段として、前記収容領域を前記支持部の全周囲に形成されるようにした。 このように構成すれば先端部の周囲の頭髪は支持部のどの方向からでも収容されるため、脳活動計測用電極を頭皮に当接させた後で少しずらす場合においてどの方向においても頭髪による反発圧力が軽減されることとなり、どの方向へも動かしやすくなる。
また第9の手段として、前記頭皮接地部から増幅装置を装着するための前記支持部領域内の位置にかけて導電体を配設した。
これによって、電極素材は必ずしも導電性の素材を使用する必要がなくなり、(もちろん、導電するに越したことはない)、電極素材として入手しやすい、また加工のしやすい素材の選択の幅が増える。また、頭皮接地部から増幅装置を装着するための支持部領域内の位置にかけて導電体を配設したので、取得した脳電位や脳磁等の電気的な情報を伝達することも確保される。ここに「支持部領域」とは支持部の内部あるいは外面の支持部に含まれる部分を広くいう。
増幅装置を装着するための支持部領域内の位置を例えば、電極固定部とすることがよい。また、電極固定部とは別個の位置であってもよい。
また第10の手段として、前記導電体は前記先端部及び前記支持部の外面に形成された導電層であるようにした。
電気的な情報を外面の層状の薄い導電体で伝達することで、電極全体を導体として伝達させる場合に比べて表面だけに電流が流れるため、電圧の降下が少なく情報の劣化を少なくすることができる。導電層を形成させる手段はめっきや蒸着やディップ法がよい。
また第11の手段として、前記導電体は前記先端部及び前記支持部の内部に埋設された導電層又は導電線であるようにした。
このように内部に埋設させることで、外からの影響を受けにくくなるため情報の劣化を少なくすることができる。また導電層又は導電線を内部に埋設しているため、脳活動計測による先端部と頭皮の接触により導電層又は導電線が摩耗することがなく、導電性の低下を防ぐことができる。電極「内部に埋設」する場合に導電層又は導電線は一部が外部に露出してもよい。導電層又は導電線電気的な情報を外部に伝達するための露出した部分を有することがよい。
また第12の手段として前記頭皮接地部は柔軟な材料で構成されているようにした。
頭皮接地部が柔軟な素材で構成されていれば、頭皮に密着しやすく脳電位や脳磁等の電気的な情報をなるべく多く得ることが可能である。また、頭部の形状に合わせて頭皮接地部が撓むこととなるため、頭皮接地部が複数ある場合に接触していない頭皮接地部、あるいはしっかりと接触していない頭皮接地部の発生する可能性が低くなる。
「柔軟な材料」は、例えば可撓性があって、外部からの圧力を受けて曲げたり押したりすることで変形するものの圧力がなくなることで元の形状に復帰する素材であり、例えばシリコーン、合成ゴム、発泡性ポリエステル、軟質ウレタン、発砲ウレタン、ポリエチレン等がよい。
「柔軟な材料」で構成されるのは頭皮接地部だけではなく、先端部全体を柔軟な材料で構成するようにしてもよい。また電極全体を柔軟な材料で構成するようにしてもよい。
「硬い材料」は例えば可撓性がなく、外部からの圧力を受けて曲げたり押したりしても変形しない素材である。
また第13の手段として、電極素材として繊維状、粉状、粒状の少なくとも1種の形態からなる微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用した。ここに、「繊維状」とは例えば髪の毛のように径方向に対して軸方向を十分長く構成した微細形態であって、まっすぐであっても縮れていてもよい。「繊維状」であると繊維同士の接触する確率が上がるため微細導電性物質群として好適である。「粉状」とは繊維状ではない微細形態である。「粒状」とは粉状よりも粒子径の大きな微細物質であって、粉状よりも1単位の外周面積の大きな形態である。どの大きさから粉状から粒状となるかは実際には明確に決まっていないため両者を判然と分類することは実際はできない。概ね目視で1単位を判別できるようであれば粒状である。
このような素材で電極全体を構成すれば、合成樹脂素材をベースにしていても十分な導電性を得られることとなり、成形性がよく低コストのプラスチック素材を使用することが可能となる。微細導電性物質群はこれを含有(混入)させることで合成樹脂の性質を有しながら、例えば非導電性の合成樹脂であっても導電性を与えることができる。
また第14の手段として、電極素材として繊維状の微細導電性物質群と、粉状、粒状の少なくとも1種の形態からなる微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用した。
形態が異なる微細導電性物質群を混入することで、密度を増やすことができるため、脳から取得した非常に小さな脳電位を効率的に(すなわち劣化させずに)伝えることができる。
また第15の手段として、電極素材として繊維状の微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用した。
電気を通す道を作るためにアスペクト比が大きい繊維状の微細導電性物質群を含有させることで、効果的に導電性を上げることができる。
上記において「微細導電性物質群」としては、例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、アルミ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノブラシ、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系、PEDOT/PSS等である。特に金、銀、PEDOT/PSS等は生体への負荷が小さいため望ましい。また微細導電性物質群は、導電性を有していれば直接基材に含有させてよく、導電性を有していない場合でも基材繊維に微細導電性物質群をコーティングすることで導電性繊維を含有させても良い。
「微細導電性物質群」は多数のごく微細な導電性物質であって、その径方向大きさは、例えば、10nm〜100μm程度がよく、電気を通すための道を作るためにアスペクト比が大きい方がよい。導電性繊維を含有する場合、繊維同士が絡まらないように例えば1.0〜3.0mmがよい。
ここに「合成樹脂」とは、熱可塑性のプラスチック、例えばナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート等、やあるいは熱硬化性の樹脂、例えばメラミン樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂、合成ゴムやあるいはエラストマー等をいう。
また第16の手段として、前記微細導電性物質群は基材物質に導電性材料をコートして構成されるようにした。導電性材料は材料コストが大きいため、好適な導電性を発現させる導電性材料を微細導電性物質群として使用したい場合に、その導電性材料を大量に使用しなくとも微細導電性物質群にその導電性材料の導電性を持たせることができる。
「基材物質」として、例えば繊維であれば、例えば、ナイロン、ポリエステル、綿糸、絹糸等がよい。これらは粉状・粒状のベースとすることもよい。導電性繊維を含有させることで、電極基材が柔軟な素材で、外部から圧力を受けて変形した場合にも、容易に追随することが可能である。また導電性繊維はかさ増しの効果があり、微細導電性物質群の使用量を減らして、コストを低減できる。
また第17の手段として、電極素材として導電性合成樹脂を使用した。
このような素材で電極全体を構成すれば、必ずしも微細導電性物質群を含有させなくとも導電性を得られることとなる。「導電性合成樹脂」は、例えば、プラスチックであるポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系がよい。
また第18の手段として、電極素材として金属材料を使用した。
これによって、非常に良好な導電性を得られることとなる。「金属材」としては、例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、アルミ等があり、特に金、銀は生体への負荷が小さいため望ましい。
また第19の手段として、電極素材として硬い材料を使用し、前記先端部及び前記支持部の外面に導電層を形成した。
これによって、電気的な情報を導電層から伝達させる際に、電極素材は外圧によって容易に変形しないため、先端部及び支持部の外面に形成した導電層が剥がれることがなくなり、当初の導電性の性能を維持しやすくなる。
「硬い材料」は非導電性の材料だけでなく、導電性の材料であってもよい。導電性の材料であっても外面に別個に導電層を設けることで、電気的な情報は外側の導電層からより劣化無く伝達されるからである。導電層を形成させる手段は上記と同様にめっきや蒸着やディップ法がよい。
また第20の手段として、前記支持部側を硬い材料で構成し、前記先端部側を前記支持部側よりも柔軟な材料で構成するようにした。
これによって、頭皮に当接する側だけの密着性を向上させて支持部側は硬く変形しないためしっかりと電極を支持できることとなる。「硬い材料」、「柔軟な材料」は上記と同義である。支持部側をすべて硬い材料で構成しなければならないわけではなく、先端部側をすべて柔軟な材料で構成しなければならないわけではない。
また第21の手段として、前記頭皮接地部の外面は粗面となるように形成されているようにした。
「粗面」は例えば0.5mm以下の凹凸である。粗面で構成されるのは頭皮接地部だけではなく、先端部全体を構成するようにしてもよい。また電極全体粗面で構成するようにしてもよい。
これによって、頭皮への当接面積が増え、脳からの電気的な情報を得やすくなる。また、頭皮接地部にディップ法で導電層を形成した際に導電層を構成するコート剤が粗面を構成する溝に停留しやすく、そのため導電性能が維持されることとなる。粗面の凹凸は0.5mm以下にすることで、容易に汚れを拭くことができるため、清掃しやすい。粗面は、例えば細かな凹凸を設けたり、細かな筋彫りをしたり、縦横の細かな溝を形成したりすることがよい。
また、第22の手段として前記先端部の幅は5.0〜20.0mmであるようにした。
一般に頭髪の太さは0.08mm〜0.1mm程度である。そのため、先端部の幅があまりに狭いと「頭髪収容領域」も小さくなって十分な頭髪の逃がしを期待できない。一方であまり先端部の幅が広いと測定位置が不定になってしまう。このようなことから先端部の幅は5.0〜20.0mmとすることがよい。ここに「幅」とは先端部の先端から後端に延びる頭皮と直交する直線方向に対して直交する方向で最も長くなる方向の先端部長さで定義されるものとする。例えば、先端部が楕円形状であれば、長手方向の長さを幅とし、先端部が長方形であれば、対角線の長さを幅とするものである。
また、第23の手段として、前記収容領域の高さは3.0〜20.0mmであるようにした。
収容領域の高さがあまり浅いと周囲の頭髪が収容領域に収容されにくくなってしまう。また、逆にあまり高いと脳活動計測用電極の全長が長くなってしまうこととなり、電極がぐらつきやすくなってよくない。また、電極を含む頭部装着装置全体の大型化につながってしまう。そのため、収容領域の高さは3.0〜20.0mmが最適である。また、5.0〜10.0mmであると計測者が電極の取り扱いをしやすいサイズとできるためより好ましい。
また、第24の手段として、前記頭皮接地部は1又は複数の突起部から構成されているようにした。
このような構成であれば、頭髪が多い被験者でも極力頭髪を挟まずに電極を頭皮に接触させることができることとなる。突起部が複数ある場合には隣接する返し部の間隔が均等になるように配置し、平面視において対称(線対称や回転対称)となるように配置することがよい。
また、第25の手段として、前記突起部は球冠状を呈しているようにした。
球冠状、つまり頂点を通る断面の外形が上に凸となる二次曲線状の頂点付近を切り取ったような形状となる浅い丘形状の立体である。このような形状であると頭髪を避けて頭皮に頂点部分を当接させやすくなる。また、特に球冠状は1つの電極の頭皮接地部に1つであるとよい。
また、第26の手段として、前記突起部の長さは3.0mm以下であるようにした。
突起部があまり長いと当接作業時の安定性に欠け、また、このように短く構成することで被験者において突起部に対する恐怖感が抑えられ安静な状態で計測が可能となる。この突起部の長さは短いと頭髪と干渉してしまうことになるが、被験者の恐怖感を押さえられるということに繋がる。前記頭収容領域を設けることにより、前記突起部を短くすることができるため1.0mm以下とすることがより好ましい。
また、第27の手段として、前記突起部の高さは5.0mm以下であるようにした。
突起部があまり長いと当接作業時の安定性に欠け、また、このように短く構成することで被験者において突起部に対する恐怖感が抑えられ安静な状態で計測が可能となる。
また、第28の手段として、前記先端部と前記突起部との接続部分は連続的な面形状で構成されるようにした。
突起部と先端部の凹となった接続部分が不連続にならないためこの接続部分に汚れが溜まりにくくなる。また、例え汚れても掃除しやすくなる。このようなことは何度も繰り返し使用する電極として清潔さが保たれることにつながり被験者に不快な感じを与える可能性が少なくなる。また、掃除しやすくなることで掃除にかかる時間が短縮できるため、複数の被験者を同時に測る時間を短縮することができる。尚、先端部より先はなるべく不連続な部分が少ない方が清潔であることから突起部全体(特に突起部の最先端付近)も連続的な滑らかな面で構成されることがよい。
また、第29の手段として、前記支持部は頭部装着用のベース保持部を備えるようにした。
これによって、先端部と頭部装着用のベース保持の間を頭髪収容領域として設定することができる。これにより、頭部装着用のベース保持部により電極固定部の固定方法に関わらず、頭髪収容領域を確保できる事となる。ベース保持部は先端部と前記電極固定部の間であって前記電極固定部に隣接した位置に配置させるとよい。ここで、電極固定部の固定方法とは、例えば、電極位置に穴の開いたヘッドキャップ、電極を頭部に装着するためのヘッドセット等のことである。
また、第30の手段として、前記先端部の背面側には前記先端部方向に突起する1又は複数の返し部を形成した。
ここで、前記返し部は、例えば、前記電極固定部や前記頭部装着用のベース保持部より前記先端部方向に向けて突起していること、すなわち頭皮に近づく方向に形成されていることが好ましい。
また、第31の手段として、前記先端部の背面側に突起する1又は複数の返し部を形成した。
ここで、前記返し部は、例えば、前記先端部の背面側より前記電極固定部方向、すなわち、頭皮から離れる方向に向かって形成されていることが好ましい。
これらのような返し部を形成することによって、一旦頭髪収容領域に収容された頭髪が外に飛び出すことが防止できる。
また、第32の手段として、前記返し部を前記先端部の周縁又は周縁寄りに形成されるようにした。
これによって頭髪収容領域となる空間を維持しつつ収容領域に収容した頭髪が再び収容領域の外へ飛び出すことも防止することができる。また、返し部が複数ある場合には隣接する返し部の間隔が均等になるように配置し、平面視において対称(線対称や回転対称)となるように配置することがよい。また、頭髪の頭髪収容領域への進入を阻害しないため返し部よりも返し部以外の空間(隙間)が多い方がよい。
このように構成すれば先端部の周囲の頭髪は支持部のどの方向からでも収容されるため、脳活動計測用電極を頭皮に当接させた後で少しずらす場合においてどの方向においても頭髪による反発圧力が軽減されることとなり、どの方向へも動かしやすくなる。
また、第33の手段として、手段1〜32のいずれかに記載の脳活動計測用電極を被験者の装用時において前記先端部が頭部側を向くように頭部装着用のベースに取り付けて頭部装着装置を構成するようにした。
このような上記の脳活動計測用電極を備えた具体的な頭部装着装置であれば、特にドライ電極において周囲の頭髪の圧力を避けて頭皮に当接させることが容易となる。特に電極固定部を介して取り付けることがよい。
ここに「頭部装着装置」とは電極位置に穴の開いたヘッドキャップ、電極を頭部に装着するためのヘッドセット等のことである。
また、第34の手段として、前記脳活動計測用電極に脳活動信号を増幅する増幅装置が固定されているようにした。
これによって増幅装置が頭髪のあるベースの内側に配置されないため、増幅装置が頭髪収容領域を浸食することがなく、また、増幅装置のチェックをベースの外側から行うことができる。増幅装置は電極固定部よりも外側位置に配置することが頭髪収容領域の空間確保の点からよい。
また、第35の手段として、前記増幅装置は前記ベース側に固定され、前記脳活動計測用電極が前記増幅装置のキャッチ部に支持されているようにした。
これによって、増幅装置をベース側の部材として前もって取り付け、そのような増幅装置に脳活動計測用電極を取り付けるようにできるため、脳活動計測用電極のみを単独でベース側に取り付けることができ、作業性が向上する。
また、第36の手段として、前記脳活動計測用電極は前記増幅装置のキャッチ部に対して着脱可能とされているようにした。
これによって脳活動計測用電極のベース側への固定作業を簡単に行うことができる。
また、第37の手段として、前記先端部を支持する支持部に備えられた電極固定部と、頭部装着用のベース保持部と、によって前記ベースを挟んでいるようにした。
これによって脳活動計測用電極はベースに対してしっかりと所定の位置で固定されることとなる。このようにしっかり固定された脳活動計測用電極を備える頭部装着装置をかぶるだけで被験者の脳活動の計測が可能となる。
また、第38の手段として、前記先端部を支持する支持部に装着された電極固定板と、前記脳活動計測用電極に脳活動信号を増幅する増幅装置と、によって前記ベースを挟んでいるようにした。
これによって脳活動計測用電極はベースに対してしっかりと所定の位置で固定されることとなる。このようにしっかり固定された脳活動計測用電極を備える頭部装着装置をかぶるだけで被験者の脳活動の計測が可能となる。また、電極固定板は電極とは別体で構成されているため、電極の形状が複雑化せず樹脂成形において有利である。
また、第39の手段として前記ベースは前記ベース保持部によって支持され、前記ベースの頭髪への荷重が軽減されているようにした。これにより、頭部装着用のベース保持部により電極固定部の固定方法に関わらず、頭髪収容領域を確保できる事となり、これによって頭髪の移動の自由度が増すため、先端部の周囲の頭髪が頭髪収容領域に移動しやすくなる。
また、第40の手段として、前記脳活動計測用電極は前記ベースに対して被験者の装用時において頭皮方向に弾性をもって進退可能に支持されるようにした。
これによって電極は被験者の頭部形状に容易に追随して当接できることとなる。
また、第41の手段として、第1〜第32のいずれかの手段の脳活動計測用電極によって得られた脳活動信号に基づいて脳活動を計測するようにした。
このようにすることで、被験者に電極を装着する手間を低減することができ、計測準備時間を短縮した脳活動計測システムを提供することができる。
また、第42の手段として、第33〜第40のいずれかの手段の頭部装着装置によって得られた脳活動信号に基づいて脳活動を計測するようにした。
このようにすることで、被験者に頭部装着装置を装着する手間を低減することができ、計測準備時間を短縮した脳活動計測システムを提供することができる。
上述した第1〜第42の手段の各発明は、任意に組み合わせることができる。特に、第1の手段の構成を備えて、第2〜第42の手段の各発明の少なくともいずれか1つの構成と組み合わせを備えると良い。第1〜第42の手段の各発明の任意の構成要素を抽出し、他の構成要素と組み合わせてもよい。
上記発明では、脳活動計測において、電極の頭部装着時に電極周囲の頭髪の圧力を避けて電極を頭皮に確実に当接させることができることとなる。
第1の実施の形態において脳活動計測システムを使用している状態の模式的な説明図。 第1の実施の形態において使用する電極の(a)は正面図、(b)は斜視図。 第1の実施の形態においてキャップ本体に電極を取り付けた状態の部分拡大説明図。 第1の実施の形態の電気的構成を説明するブロック図。 (a)は第2の実施の形態においてキャップ本体に電極を取り付けた状態の部分拡大説明図、(b)は電極の底面図。 (a)は第3の実施の形態における電極の斜視図、(b)は電極の正面図。 (a)は第4の実施の形態における電極の正面図、(b)は電極の底面図。 (a)は第5の実施の形態における電極の正面図、(b)は電極の斜視図。 (a)は第6の実施の形態における電極の正面図、(b)は電極の斜視図。 (a)は第7の実施の形態における電極の正面図、(b)は電極の底面図。 第8の実施の形態において使用する電極の正面図。 第8の実施の形態においてキャップ本体に電極を取り付けた状態の部分拡大説明図。 第8の実施の形態において脳活動計測システムを使用している状態の模式的な説明図。 他の実施の形態における電極の平面図。 第9の実施の形態において使用する電極に対して円盤とプリアンプを取り付ける状態を説明する説明図。 第9の実施の形態において使用する電極に対して円盤とプリアンプを取り付けた状態の斜視図。 第9の実施の形態においてキャップ本体に対して円盤とプリアンプを介して電極を取り付けた状態の断面図。 第9の実施の形態において使用するプリアンプの(a)は平面図(b)は斜視図。 第10の実施の形態において使用する電極の縦断面図。 第11の実施の形態において電極の成形工程を説明する図であって(a)は基部(第1の成形品)を成形した際の層構造を分解して説明した説明図、(b)は第2の成形品を成形した状態の正面図、(c)は第2の成形品の平面図。 (a)は第12の実施の形態における電極の正面図、(b)は縦断面図。 (a)は第13の実施の形態における電極の層構造を分解して説明した説明図、(b)は縦断面図。 (a)は第14の実施の形態においてキャップ本体に配設されたプリアンプに対して電極を装着する前の状態を説明する説明図、(b)は同じく装着後の状態を説明する説明図。 第14の実施の形態において使用するプリアンプの(a)は斜視図(b)は正面図。 他の実施の形態における電極と電極の一部を拡大して示す説明図。 従来のドライ電極の頭皮上での動きを説明する説明図。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の脳活動計測システムとしての脳波計測システムは頭部装着装置としてのヘッドキャップセット1と、第1の増幅装置としての差動アンプ2と、コンピュータ3から構成されている。ヘッドキャップセット1は伸縮性のある肉厚の布製の半球形状のベースとしてのキャップ本体4を備えており、計測者はキャップ本体4を脳波を反映した脳電位(電圧)を計測するための決められた向きとなるように被験者の頭部に装着する。キャップ本体4には多数の脳電位(電圧)計測用の電極5が装着されている(図1は模式的に脳波計測システムを示しているため、一部の電極5だけを表示している)。
図2及び図3に示すように、第1の実施の形態の電極5は3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた外観形態に構成されている。電極5は真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。電極5を構成する支持部としての断面円形の支柱6の基部側の端部(図2(a)における上方)には電極固定部としての第1の円板7が形成されている。本実施の形態では支柱6の直径は1.5mmとされ第1の円板7の径は10.0mmとされている。第1の円板7に隣接した位置には中間部としての第2の円板8が形成されている。第2の円板8から間隔を空けて支柱6の先端側の端部には先端部としての第3の円板9が形成されている。第3の円板9の下面は球冠状(浅いドーム状)の外面を有する頭皮接地部としての曲面部9aとされている。曲面部9aは頭皮への当接面(接地面)とされている。
このような構成の電極5では第3の円板9の後面9bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱6の全周囲とによって区画される空間が第3の円板9を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S1とされる。
本実施の形態では第2の円板8の径は15.0mmとされ第3の円板9の径は5.0mmとされている。各円板7〜9の厚みはいずれも1.0mmとされている。また、第1の円板7と第2の円板8の間隔(長さ)は2.0mm、第2の円板8と第3の円板9の間隔(長さ)は10.0mmとされている。
図3に示すように、電極5はキャップ本体4に形成された取り付け孔10位置に着脱可能に装着されている。電極5はキャップ本体4の取り付け孔10周囲の布地をキャップ本体4の外側に配置された第1の円板7と、内側に配置された第2の円板8とによって挟むことで固定されている。電極5の装着は第1の実施の形態ではキャップ本体4の内側から行われる。素材の伸縮性を利用して取り付け孔10を押し広げ、この取り付け孔10に対して取り付け孔10よりも若干大きめに構成された第1の円板7をキャップ本体4の内側から外側に通過させる。第2の円板8は第1の円板7よりも大径であるため取り付け孔10から外方に抜けてしまうことはない。これによって取り付け孔10の周囲のキャップ本体4の布地を第1の円板7と第2の円板8とで挟持することとなり、電極5はキャップ本体4に固定される。このような固定状態で第1の円板7はキャップ本体4の外側に配置され、第2の円板8より下方側となる支柱6と第3の円板9はキャップ本体4の内側に配置されることとなる。第1の円板7の上面には第2の増幅装置としてのプリアンプ11が配設されている。プリアンプ11は導電性両面テープ12によって固着されている。プリアンプ11は電極5によって取得された電圧を増幅する。各電極5のプリアンプ11はケーブル13を介して差動アンプ2に接続され、差動アンプ2はケーブル14を介してコンピュータ3に接続されている。
次に図4に基づいて第1の実施の形態に使用する脳波計測システムの電気的構成について説明する。
上記各電極5はプリアンプ11と差動アンプ2を介して差動アンプ2内に配設されたインターフェース20に接続され、インターフェース20を介してコンピュータ3に取得した脳波として電位データ(電圧データ)が出力される。
プリアンプ11は各電極5ごとに装着され、取得したその位置での脳波電圧を増幅する。差動アンプ2は差動増幅回路を備え、図示しないリファレンス電極から得られた脳波電圧と電位差を算出し増幅する。更に差動アンプ2は内蔵されたフィルター回路によってノイズを低減する機能を有する。差動アンプ2で増幅された電位データは検出対象データとしてケーブル14を介してコンピュータ3に出力される。
コンピュータ3はCPU(中央処理装置)21や記憶装置22及びその周辺装置によって構成されている。CPU21は記憶装置に保存されているプログラムに基づいて演算処理を行う。記憶装置22にはCPU21の動作を制御するためのプログラム、複数のプログラムに共通して適用できる機能を管理するOA処理プログラム(例えば、日本語入力機能や印刷機能等)等の基本プログラムが格納されている。更に、電位データを取り込むプログラム、電位差を算出するプログラム、電流方向を推定するプログラム、計測データの信頼度を算出するプログラム等が格納されている。CPU21には入力装置23(マウス、キーボード等)、及びモニター24が接続されている。モニター24に得られた脳波や差分等の計測結果を表示させることができる。
上記のように構成することで、第1の実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)ヘッドキャップセット1はキャップ本体4に厚手の布地で構成されていることから十分な重さがあるため、被験者がかぶるだけで電極5が頭皮に当接して脳波電位を計測できることとなっており、電極を保持するためにウェット電極のようにペースト等を使用しなくともよく、簡便で使いやすい脳波計測システムを提供することができる。
(2)通常のドライ電極では頭髪が多い被験者の脳波を計測する場合には電極周囲の頭髪が挟まりやすくなったり、電極をずらすことで頭皮から電極が離間してしまうことが多かった。しかし、第1の実施の形態では電極5は頭皮に当接する第3の円板9が幅方向に拡がっており、その後方に収容領域S1を形成させるようにしたため、頭皮に電極5を当接させる際に電極5の周囲の頭髪を収容領域S1に逃避させることができるようになり、電極5を頭皮に当接させたり、当接後に電極5をわずかにずらしたりしても第3の円板9の曲面部9aが頭皮に当接しなくなるという不具合が生じにくい。
(3)電極5は第1の円板7と第2の円板8で構成されるキャップ保持部を有し、これら第1及び第2の円板7,8によってキャップ本体4をしっかり保持し、かつ第2の円板8によってキャップ本体4を下方から支えて浮かせた状態で保持することができる。そのため、キャップ本体4の布地が頭髪を押さえてしまうことなく、頭髪を逃がす機能を維持することができるため、よりドライ電極での電極の接触不良が起きにくい。
(4)頭皮に当接する第3の円板9の曲面部9aは当接面全体が曲面で構成されているため、電極5が多少傾いて頭皮に当接したとしても常に「点」で頭皮に当接することとなり、頭髪を挟みにくくなる。
(5)以下の実施の形態と異なり明確な突起部がないため、被験者に対して突起部に対する恐怖感がなくなり、安静な状態で計測を始めることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は第1の実施の形態の電極5のバリエーションである。そのため第1の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第1の実施の形態の電極5とは異なる点を主として説明する。図面において第1の実施の形態の電極5と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図5(a)及び(b)に示すように、第2の実施の形態の電極25は第1の実施の形態の電極5と同様に3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた外観形態に構成されている。電極5は真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。第2の実施の形態の電極25は先端部として実施の形態1の電極5の第3の円板26よりも大きさの第3の円板26を備えている。第3の円板26の径は15.0mm、厚みは1.0mmとされている。第2の実施の形態の支柱27は第1の実施の形態の支柱6と長さは同じでその直径のみが大径(3.0mm)とされている。第3の円板26の平面に形成された前面26aには円柱状の頭皮接地部としての複数の(第2の実施の形態では一例として5本の)当接ピン28が一体形成されている。各当接ピン28は同形状に構成され、第2の実施の形態では高さ及び直径とも1.5mmに構成されている。図5(b)に示すように各当接ピン28は第3の円板26の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として第3の円板26の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。
このような構成の電極25では第3の円板26の後面26bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱27の全周囲とによって区画される空間が第3の円板26の当接ピン28を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S2とされる。
上記のように構成することで、第2の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)第3の円板26は幅広に構成されているため安定がよく、電極25が頭皮に当接した際にぐらつきにくくそのため当接ピン28がしっかりと頭皮に接地することとなる。
(2)当接ピン28を設けたことで、頭髪が多い被験者でも電極を頭皮に接触させることができる。そして、頭髪が当接ピン28の先端部と頭皮の間に挟まった場合でも、電極をその場でずらす(動かす)ことで電極と頭皮の間に挟まった頭髪を収容領域S2に逃がすことができるため、当接ピン28のわずかな突起でも頭皮に接触させることができることとなる。
(3)当接ピン28が複数バランスよく配置されているため、電極25が多少ずれたり浮いたりしてもどれかの当接ピン28が常に頭皮に接地することとなり、電極の接触不良が起きにくい。また、数も複数(ここでは5本)あるため圧力が分散され当接ピン28が頭皮に食い込んで被験者が痛く感じることもない。
(4)第3の円板26は幅広に構成されているため収容領域S2が大きくなり、多くの頭髪を収容することができる。
(5)当接ピン28の長さがごく短いため、被験者に対して突起部に対する恐怖感を抑えて、安静な状態で計測を始めることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は第2の実施の形態の電極25のバリエーションである。そのため第1及び第2の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第2の実施の形態の電極25とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態の電極25と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図6(a)及び(b)に示すように、第3の実施の形態の電極31は第2の実施の形態の電極25と同様に3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた基本的な外観形態を有している。電極31は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。
第3の実施の形態の電極31は先端部として第2の実施の形態の電極25と同じ大きさの第3の円板32を備えている。第3の円板32の平面に形成された前面32aには円柱状の頭皮接地部としての5本の当接ピン33が一体形成されている。各当接ピン33は同形状に構成され、第3の実施の形態では高さ3.0mm、直径1.5mmに構成されている。当接ピン33は第3の円板32の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として第3の円板32の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。第3の円板32の平面に形成された後面32bには断面がわずかにアーチ状となる略直方体形状をなす板状の複数の(第3の実施の形態では一例として6本の)返し部34が一体形成されている。各返し部34は同形状に構成され、第3の実施の形態では高さ3.0mm、最外部の幅2.0mmに構成されている。図6(a)に示すように各返し部34は第3の円板32の外周に沿って均等な間隔で周縁に沿って配置されている。
このような構成の電極31では第3の円板32の後面32bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱27の全周囲とによって区画される空間が第3の円板32の当接ピン33を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S3とされる。
上記のように構成することで、第3の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)及び上記第2の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)第3の円板32後方に返し部34を設けるようにしたため、一旦収容領域S3に収容された頭髪が返し部34に引っかかって収容領域S3から脱落しにくくなる。そのため、一旦収容領域S3に逃がした頭髪が抜け出なくなって電極31をより頭皮に接触させやすくなる。
(2)返し部34は外に凸となるような断面アーチ状(あるいは断面扇状)の形状に構成されているため、周囲の頭髪は外面側を向いた曲面に導かれ収容領域S3内に進入しやすくなり、逆に一旦進入すると収容領域S3からは返し部34の内側の角部に干渉して脱落しにくくなっている。また、第3の円板32の全周においては返し部34のある部分は返し部34のない部分よりも面積が小さいため、収容領域S3内に進入頭髪の進入は極力妨げられない。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は第2の実施の形態の電極25のバリエーションである。そのため第1及び第2の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第2の実施の形態の電極25とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態の電極25と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図7(a)及び(b)に示すように、第4の実施の形態の電極36は上記各実施の形態の電極25、31とは異なり第3の円板37のみが真円ではなく長楕円形状に構成されている。つまり、第2の円板8とは異なる形状とされている。電極36は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。第4の実施の形態では第3の円板37は長径15.0mm、短径5.5mm厚み1.0mmに構成されている。第3の円板37の平面に形成された前面37aには円柱状の頭皮接地部としての3本の当接ピン38が一体形成されている。3本の当接ピン38は長楕円形の第3の円板37の長径方向に沿って直列に均等な間隔で配置されている。各当接ピン38は同形状に構成され、第3の実施の形態では高さ2.0mm、直径3.0mmに構成されている。
このような構成の電極36では第3の円板37の後面37bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱27の全周囲とによって区画される空間が第3の円板37の当接ピン28を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S4とされる。
上記のように構成することで、第4の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)及び上記第2の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)頭皮への当接部分となる第3の円板37が楕円形状をしていることにより、被験者の頭髪の向きに合わせて、電極を設置することができるため、電極を頭皮により接触しやすくできる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は第3の実施の形態の電極31のバリエーションである。そのため第1〜第3の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第3の実施の形態の電極31とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態の電極25と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図8(a)及び(b)に示すように、第5の実施の形態の電極41は第3の実施の形態の電極31と同様に3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた基本的な外観形態を有している。電極41は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。
第5の実施の形態の電極41は先端部として第3の実施の形態の電極25と同じ大きさの第3の円板42を備えている。第3の円板42の平面に形成された前面42aには円柱状の頭皮接地部としての5本の当接ピン43が一体形成されている。各当接ピン43は同形状に構成され、第5の実施の形態では高さ3.0mm、直径1.5mmに構成されている。当接ピン43は第3の円板42の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として第3の円板42の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。第3の円板42の平面に形成された後面42bには円錐台形状をなす複数の(第5の実施の形態では一例として5本の)返し部44が一体形成されている。各返し部44は同形状に構成され、第5実施の形態では高さ4.0mm、下底の径3.0mmに上底の径1.5mmに構成されている。各返し部44は第3の円板42の外周に沿って均等な間隔で周縁に沿って配置されている。
このような構成の電極41では第3の円板42の後面42bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱27の全周囲とによって区画される空間が第3の円板42の当接ピン43を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S5とされる。
上記のように構成することで、第5の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)及び上記第2の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)第3の円板42後方に返し部44を設けるようにしたため、一旦収容領域S5に収容された頭髪が返し部44に引っかかって収容領域S5から脱落しにくくなる。そのため、一旦収容領域S5に逃がした頭髪が抜け出なくなって電極41をより頭皮に接触させやすくなる。
(2)返し部44は外に凸となるような曲面形状に構成されているため、周囲の頭髪は外面側を向いた曲面に導かれ収容領域S5内に進入しやすくなる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は第3の実施の形態の電極31のバリエーションである。そのため第1〜第3の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第3の実施の形態の電極31とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態の電極25と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図9(a)及び(b)に示すように、第6の実施の形態の電極46は第3の実施の形態の電極31と同様に3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた基本的な外観形態を有している。電極46は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。
第6の実施の形態の電極46は先端部として実施の形態3の電極31と同じ大きさの第3の円板47を備えている。第3の円板47の平面に形成された前面47aには円柱状の頭皮接地部としての5本の当接ピン48が一体形成されている。各当接ピン48は同形状に構成され、第6の実施の形態では高さ3.0mm、直径1.5mmに構成されている。当接ピン48は第3の円板47の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として、第3の円板47の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。
第2の円板8の前面8aには断面がわずかにアーチ状となる略直方体形状をなす複数の(第6の実施の形態では一例として6本の)返し部49が一体形成されている。各返し部49は同形状に構成され、第6の実施の形態では高さ4.0mm、最外部の幅2.0mmに構成されている。図9(b)に示すように返し部49は第2の円板8の外周に沿って均等な間隔で周縁に沿って配置されている。
このような構成の電極46では第3の円板47の後面47bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱27の全周囲とによって区画される空間が第3の円板47の当接ピン48を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S6とされる。
上記のように構成することで、第6の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)及び上記第2の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)第2の円板8前方に返し部49を設けるようにしたため、一旦収容領域S3に収容された頭髪が返し部49に引っかかって収容領域S6から脱落しにくくなる。そのため、一旦収容領域S6に逃がした頭髪が抜け出なくなって電極46をより頭皮に接触させやすくなる。
(2)返し部49は外に凸となるような断面アーチ状(あるいは断面扇状)の形状に構成されているため、周囲の頭髪は外面側を向いた曲面に導かれ収容領域S6内に進入しやすくなり、逆に一旦進入すると収容領域S6からは返し部49の内側の角部に干渉して脱落しにくくなっている。また、第3の円板47の全周においては返し部49のある部分は返し部49のない部分よりも面積が小さいため、収容領域S6内に進入頭髪の進入は極力妨げられない。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態は第2の実施の形態の電極25のバリエーションである。そのため第2の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第2の実施の形態の電極25とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態の電極25と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図10(a)及び(b)に示すように、第7の実施の形態の電極51は第3の実施の形態の電極25と同様に3枚の真円形状の円板を円柱によって同軸線上で所定間隔に平行に離間配置させた基本的な外観形態を有している。電極51は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。
第7の実施の形態の電極51の支柱52は横断面円形に形成され、上記支柱6とは異なり太さが均等ではなく上方から下方にかけて徐々に大径となるようないわゆるラッパ型に構成されている。第7の実施の形態の電極51は先端部として第2の実施の形態の電極25と同じ大きさの第3の円板53を備えている。第2の円板8と第3の円板53の間隔(長さ)は8.0mmとされている。第3の円板53の平面に形成された前面53aには球冠状(浅いドーム状)の外面を有する頭皮接地部としての5つの当接体54が一体形成されている。各当接体54は同形状に構成され、第7の実施の形態では前面53aから頂点までの高さ1.0mm、基部位置での直径4.0mmに構成されている。当接体54は第3の円板53の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として第3の円板53の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。各当接体54の基部(山の麓の部分)と前面53aとの接続面はなだらかな連続的な曲面で構成されており、接続面に不連続となる段差はない。
このような構成の電極51では第3の円板53の後面53bよりも上方側と第2の円板8の前面8aと支柱52の全周囲とによって区画される空間が第3の円板53の当接体54を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S7とされる。
上記のように構成することで、第7の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)及び上記第2の実施の形態の(1)〜(4)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)当接体54は球体であるため頭皮へ面ではなく点で接することとなり、第3の円板53の下側に頭髪を挟んでしまっても当接体54の接地部分自体は頭髪を挟むことが少なくなる。
(2)円板53の前面53aと当接体54との接続部分は連続的な面形状に構成されているため、先端部が拭きやすくなり、容易に清掃することが可能となる。
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態は第1の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションである。そのため第1の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第1の実施の形態の電極5とは異なる点を主として説明する。図面において第1の実施の形態と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
図13に示すように、本発明の第8の実施の形態の脳波計測システムは頭部装着装置としてのヘッドキャップセット61とコンピュータ62から構成されている。ヘッドキャップセット61はプラスチック製の軽量硬質のフレームからなるベースとしてのキャップ本体63を備えている。キャップ本体63内面には第1の増幅装置としての差動アンプ64が収納されている。第1の実施の形態と同様差動アンプ62で増幅された電位データは検出対象データとしてケーブル60を介してコンピュータ62に出力される。被験者はキャップ本体63を脳波を反映した脳電位(電圧)を計測するための決められた向きとなるように被験者の自身の頭部に装着する。キャップ本体63の内面には多数の脳電位(電圧)計測用の電極65が配設されている(図13は模式的に脳波計測システムを示しているため一部の電極65だけを表示している)。
図11及び図12に示すように、第8の実施の形態の電極65は全体として上部が窄んで下部が幅広に構成されたタワー形状の外観形態に構成されている。電極65は上記各実施の形態と同様真鍮を削り出した一体造形品の部材に金めっきを施して構成されている。電極65は上部(基部)に締結部としての雄ネジ部66が形成されている。雄ネジ部66に隣接した下部位置には中間部としての上部円板67が形成されている。上部円板67から間隔を空けて支柱68の先端側の端部には先端部としての下部円板69が形成されている。支柱68は第7の実施の形態の支柱52と同様に横断面円形に形成され、上方から下方にかけて徐々に大径となるようないわゆるラッパ型に構成されている。
下部円板69の平面に形成された前面69aには球冠状(浅いドーム状)の外面を有する頭皮接地部としての5つの当接体70が一体形成されている。各当接体70は同形状に構成され、第8の実施の形態では前面69aから頂点までの高さ1.5mm、基部位置での直径3.0mmに構成されている。当接体70は下部円板69の中心から5mm外方となる位置を軸心位置として下部円板69の周縁から若干内側に寄った位置に均等な間隔で周縁に沿って配置されている。各当接体70の基部(山の麓の部分)と前面69aとの接続面はなだらかな連続的な曲面で構成されており、接続面に不連続となる段差はない。
上部円板67の径は5.0mmとされ下部円板69の径は10.0mmとされている。両円板67,69の厚みはいずれも1.0mmとされている。上部円板67と下部円板69の間隔(長さ)は6.0mmとされている。
このような構成の電極5では下部円板69の後面69bよりも上方側と上部円板67の前面67aと支柱68の全周囲とによって区画される空間が下部円板69の当接体70を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S8とされる。
図12に示すように、電極65はキャップ本体63内においてホルダー71によって保持されている。ホルダー71は真鍮を削り出して構成された柱状部材であり、先端に電極65の雄ネジ部66を螺合させるための締結部としての雌ネジ部72が形成されている。ホルダー71はキャップ本体63に内周面に形成された収容室72内に収納されている。ホルダー71は収容室72の底部73に対してコイルばね74によって保持されている。ホルダー71の基部には導電性両面テープ75を介して第2の増幅装置としてのプリアンプ76が配設されている。各電極65のプリアンプ76はケーブル77を介して差動アンプ64に接続され、差動アンプ64はケーブル78を介してコンピュータ62に接続されている。コンピュータ62の構成は第1の実施の形態のコンピュータ3と同様である。
上記のように構成することで、第8の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(3)、上記第2の実施の形態の(1)〜(4)及び上記第7の実施の形態の(1)及び(2)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)電極65はホルダー71に保持されており、ホルダー71はコイルばね74によって保持されているため、被験者がヘッドキャップセット61をかぶった際に電極65が収容室72内を弾性を持って進退できるようになっている。このように電極65に伸縮性を持たせることができることで個人の頭部の形状の特異性を吸収することができ、電極を確実に頭皮に接触させ、脳波を計測することができる。
(2)電極65はキャップ本体63のホルダー71に装着するようにしているため、着脱作業が簡単で、かつ正確に電極65位置を決めることができる。
(3)従来の電極では頭髪を逃がす機構がないため、電極が頭皮に接地するように計測者が被験者にヘッドキャップセットを装着させる必要がある。しかし電極65には収容領域S8を備えるため、キャップ本体63を装着後に、わずかにずらすことで、電極を頭皮に接地することができ、被験者一人で脳波計を装着することが可能である。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態は第1の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションとなる。そのため第1の実施の形態と共通する構成の詳しい説明は省略し、第1実施の形態の電極5とは異なる点を主として説明する。図面において第2の実施の形態と共通する構成については共通する番号を付して説明は省略する。第9の実施の形態の電極85は上記の各実施の形態の電極とは異なり、合成樹脂からなる一体成形品である。
第9の実施の形態の電極85は、非導電性の硬質の熱硬化性の合成樹脂(例えば、ABS樹脂)から構成されている。合成樹脂中には導電性繊維であるカーボン繊維が分散状に混入されている。合成樹脂中に長さ約2.0mmのカーボン繊維を重量比で30%加えている。
図15及び図16に示すように、電極85は回転対称となる周方向が円形なコマ状の立体形状を有し、先端部86が大径に形成され、支持部となる基部87(図では上方側)が相対的に小径に形成されている。外周形状として、基部87から先端部86に向かって徐々に大径となるように(つまり裾拡がりとなるように)外に凹状に構成されている。そして、鏡餅形の円盤形状をなす先端部86の外に凸となる外周形状に段差なく外周面が連続するように接続されている。
先端部86の基部87とは逆方向となる面(図では下方側)は中央が最も盛り上がって外に凸となるような緩やかな湾曲面で構成された球冠状を呈した頭皮接地部88とされている。先端部86の最大径は15mmとされ、最大径位置から頭皮接地部88の頂点までが3mmとされている。
基部87は複数の異なる径となる複数の領域で構成されている。基部87の端部側から順に第1の円盤部89、第2の円盤部90、第3の円盤部91、連接部92とする。第1の円盤部89と第3の円盤部91は同径とされ(φ5mm)、それらの間に挟まれた第2の円盤部90はそれらより小径(φ4mm)で上下幅もより小さい。第3の円盤部91との隣接する連接部92の最も小径となる位置の径は第3の円盤部91の径よりも大きく(φ6mm)、そのため連接部92上面には棚部92aが形成される。
このような構成の電極85では先端部86に隣接する連接部92の凹状に湾曲した全周囲が頭皮接地部88を頭皮に当接させた際にその当接位置の周囲の頭髪が収容される(逃避する)収容領域S9とされる。
このような構成の電極85は実施の形態1と同様にキャップ本体4に形成された取り付け孔10位置に着脱可能に装着されている。第9の実施の形態では図15〜図17に示すように円板93と増幅装置としてのプリアンプ95によってキャップ本体4を挟むことで電極85はキャップ本体4に取り付けられる。円板93は中央に透孔94が形成されたリング状の非導電性のプラスチック製の板体である。透孔9の径は第3の円盤部91の径より僅かに大きく棚部92aの径よりも小さい。図16及び図18(a)(b)に示すように、プリアンプ95は2本の脚96を有する馬蹄形状、あるいは環状の一部が開口した略U字状の外観を呈する。プリアンプ95の内周面には端子98が形成されている。プリアンプ95は電極85によって取得された電圧を増幅する。各電極85のプリアンプ95はケーブル97を介して上記差動アンプ2に接続され、差動アンプ2はケーブル14を介してコンピュータ3に接続されている。
電極85をキャップ本体4に装着する際には、図15のように、まず(1)のように円板93を棚部92aの上に載置し、この状態でキャップ本体4の一方から取り付け孔10に基部87側を挿通させ、キャップ本体4の反対側に露出した基部87に対して(2)のように第2の円盤部90に対してプリアンプ95を装着する(図17の状態)。装着の際にはプリアンプ95の脚96が外側に一旦拡開されるように移動し、無理嵌め状にプリアンプ95を押し込んでプリアンプ95の内周面が第2の円盤部90外周に沿って配置されるように装着する。その状態でプリアンプ95の脚96は原位置に復帰する。プリアンプ95の脚96は電極85に対するキャッチ部としての作用を行う。装着状態で上下の第1の円盤部89と第3の円盤部91によってプリアンプ95は上下方向の移動が規制される。このようにプリアンプ95と円板93によってキャップ本体4を挟み込んだ状態で電極85のキャップ本体4への取り付けが完了する。電極85のキャップ本体4への取り付けと同時に各電極85のプリアンプ95への装着も完了する。
共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
上記のように構成することで、第9の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)電極85はカーボン繊維が含有されて非導電性合成樹脂でありながら全体として導電性を有する素材となるため、軽く、安価で成形性もよく、量産性と言う点で有利である。また、カーボン繊維は導電性の補助資材として繊維状であるため接触面積が大きく非導電性合成樹脂に導電性を付与する資材として好適である。
(2)プリアンプ95は電極85に対して側方から挿し込むだけで取り付けられるため、脱着作業が容易である。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態は第9の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションであり、第9の実施の形態における電極85のみ異なる例である。そのため、第10の実施の形態では図19に基づいて異なる電極100の説明のみを行う。また、第10の実施の形態の電極100の形状は第9の実施の形態の電極85と同形状であるため、電極8と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
電極100は電極85において非導電性の硬質の熱可塑性のプラスチック(例えば、ポリカーボネート)から構成されており、第9の実施の形態と異なりプラスチック中には導電性繊維であるカーボン繊維、すなわち、微細導電性物質群は混入されていない。その代わりにディップ法によって電極100の最上面を除く外面全域に導電性コート層101が形成されている。導電性コート層101は、約30マイクロメートルの厚みのPEDOT/PSSをコーティングしている。
上記のように構成することで、第10の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(5)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)電極100は導電性コート層101が外面に薄く形成されているため、材質が非導電性プラスチックでありながら全体として導電性を有することとなるため、プラスチックの材質を比較的自由に選定できる。また、軽く、安価で成形性もよく、量産性と言う点で有利である。
(2)電極100は硬質のプラスチックから構成されているため、使用に際して電極100が撓むことがないため、外面に薄く形成した導電性コート層101は容易に剥がれることがない。
(3)電極100は材質が非導電性プラスチックであるため、頭皮に接地させた時に金属よりも熱伝導性が低く、ひんやりしないため装着感が良い。
(4)電極100は材質が非導電性プラスチックであるため、金属よりも危険な印象がせず、非装用者に対する心理的弊害を下げることができる。
(5)導電性コート層101は外面に薄く形成されているため、脳から取得した非常に小さな脳電位を、電極全体を導電性とした場合に比べて効率的に導電性コート層101からプリアンプ95に伝達することができる。
(第11の実施の形態)
第11の実施の形態は第9の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションであり、第9の実施の形態の電極85のみ異なる。そのため、第10の実施の形態では異なる電極105の説明のみを行う。また、第11の実施の形態の電極105の形状は第9の実施の形態の電極85と同形状であるため、電極85と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
電極105は第9の実施の形態の電極85と同様合成樹脂の成形品である。外形的な形状は両者は同じである。つまり、電極105の先端部106の外形形状は上記第9の実施の形態の電極85の先端部86と、同じく支持部となる基部107の外形形状は基部87と同じである。電極105は、非導電性の軟質の(柔軟な)熱硬化性の合成樹脂(例えば、シリコーン樹脂)から構成されている。電極105は次のように二段階に成形される。
(A)基部107の成形
第1の成形型を使用し、中央に導電性のたとえば銀めっきされた繊維(以下、銀めっき繊維)で織られた布108を配置し、布108と一緒に溶融状態の合成樹脂を型内に充填して、布108を内部に埋設した第1の成形品109、つまり基部107を成形する。
図20(a)は第1の成形品109(基部107)を分解して示している。布108はサンドイッチ状に第1の成形品109の中央位置に端面が露出するように埋設されている。実際には布108の繊維の隙間には合成樹脂が染みこんでいるため、このようにきれいに分割はできず布108は合成樹脂部分と一体化している。
(B)先端部106の成形
第2の成形型に第1の成形品109(基部107)を前もってセットする。そして、長さ約1.0mmの銀めっき繊維を重量比で5.0%混入した非導電性の軟質の熱硬化性の合成樹脂(例えば、シリコーン樹脂)を第2の型内に充填して第1の成形品109と一体化した第2の成形品110(電極105)を得る(図20(b)(c)の状態)。
このようにして得られた電極105は、布108の下端寄りが二段階目の成形によって銀めっき繊維によって導電性を有することとなった先端部106側の合成樹脂と接して一体化されている。
上記のように構成することで、第11の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(5)や第9の実施の形態の(1)〜(2)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)布108を電極105内に埋設することで、被験者の脳波を取得した際にその脳電位が効率的に、布108を伝わって伝達されることとなる。
(2)電極105は柔軟なシリコーン樹脂を素材とするため、頭皮に密着させやすく、被験者の心理的負担も少ない。
(3)柔軟なシリコーン樹脂を素材として、先端部106から基部107を一体成形しており、鏡餅形の円盤形状をなす先端部106と基部107とは基部87から先端部86に向かって徐々に大径となるように外に凹状に構成されている。このように段差なく徐々に接続するようにしているため電極105の使用によって先端部106が様々に変形しても接続部に裂け目が生じにくくなっている。
(4)電極105の基部107と先端部106のすべてに導電性繊維(銀めっきした繊維)を分散させるのではなく、布108を電極105内に埋設することで、脳から取得した非常に小さな脳電位を効率的に(すなわち劣化させずに)伝えることができる。
(5)布108(導電体)は内部に埋設し頭皮と接触せず、頭皮と接触する先端部106は基材に導電性繊維が混ざった材質であるため、頭皮と接触する部分のメンテナンス性が良い。
(6)脳活動計測による先端部と頭皮の接触により布108(導電体)が摩耗することがなく、長期間使用による導電性の低下を防ぐことができる。
(第12の実施の形態)
第12の実施の形態は第11の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションであるまた、第11の実施の形態と同様に第9の実施の形態の脳波計測システムでは電極85のみ異なる。そのため、実施の形態12では異なる電極111の説明のみを行う。また、実施の形態12の電極111の形状は第9の実施の形態の電極85及び第11の実施の形態の電極105と同形状であるため、電極85、105と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
電極111は第11の実施の形態の(A)と(B)のように二段階で成形している。但し、(A)基部107の成形においては、非導電性の硬質の熱硬化性の樹脂(例えば、ABS樹脂)を素材して使用し、(B)先端部106の成形においては非導電性の軟質の(柔軟な)熱硬化性の樹脂(例えば、シリコーン樹脂)を使用している。先端部106の成形には、ここでは長さ約2.0mmの銀めっき繊維を重量比で5.0%と粉状の銀粉末を重量比で5.0%を混入した非導電性の軟質の熱硬化性の合成樹脂(例えば、シリコーン樹脂)で成型している。
第11の実施の形態の電極105において導電体を布108としたのに対して図21(a)(b)に示すように銅合金製の導線112を使用した。導線112は先端部106から基部107にかけて埋設され、基部側は第1の円盤部89の上面から延出されている。この外に延出された部分は第2の円盤部90外周に巻回し、その上からプリアンプ95を装着するようにする。導線112の先端側は先端部106内に深く埋設されている。
上記のように構成することで、第12の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(5)や第9の実施の形態の(1)〜(2)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)導線112は電極111内に埋設されるため、外部からのノイズ信号の混入が少なくなる。また、被験者の脳波を取得した際にその脳電位が周囲に逃げることがなく、導線112を伝わって伝達されることとなる。
(2)電極111は柔軟なシリコーン樹脂を素材とするため、頭皮に密着させやすい。
(3)電極111の基部107と先端部106のすべてに導電性繊維(銀めっきした繊維)を分散させるのではなく、導線112を電極107内に埋設することで、脳から取得した非常に小さな脳電位を効率的に(すなわち劣化させずに)伝えることができる。
(4)銀めっき繊維と銀粉末のように、形態が異なる微細導電性物質群を混入することで、密度を増やすことができるため、脳から取得した非常に小さな脳電位を効率的に(すなわち劣化させずに)伝えることができる。
(第13の実施の形態)
第13の実施の形態は第11の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションである。また、第11の実施の形態と同様に第9の実施の形態の脳波計測システムでは電極85のみ異なる。そのため、実施の形態13では異なる電極115の説明のみを行う。また、実施の形態13の電極115の形状は第9の実施の形態の電極85及び第11の実施の形態の電極105と同形状であるため、電極85、105と共通する部材については共通する番号を付して説明は省略する。
第13の実施の形態の電極115は第11の実施の形態の電極105と同様に非導電性の軟質の(柔軟な)熱硬化性の合成樹脂(例えば、シリコーン樹脂)から構成されている。但し、電極115は電極105と異なり二段階の成形はせず、次のように一回で成形している。
図22(a)(b)に示すように、第1の成形型を使用し、中央にナイロンにPEDOT/PSSをコーティングした導電性の布116を配置し、布116と一緒に溶融状態の合成樹脂を型内に充填して、布116を内部に埋設した電極115を成形する。
上記のように構成することで、第13の実施の形態では上記第1の実施の形態の(1)〜(5)や第9の実施の形態の(1)〜(2)と同様の効果に加えて次のような効果が奏される。
(1)布116は電極115内に埋設されるため、被験者の脳波を取得した際にその脳電位が周囲に逃げることがなく、布116を伝わって伝達されることとなる。
(2)電極115は柔軟なシリコーン樹脂を素材とするため、頭皮に密着させやすい。布116の端部も頭皮接地部88に露出し、しかも露出位置が頂点部分であるため脳電位を確実に取得できる。
(3)電極115は布116のみで脳波を取得できるため、非導電性の軟質の合成樹脂材料を自由に選定することができる。また、非導電性の軟質の合成樹脂を形状の補助として用いることで、布116単独よりも、電極の形状を安定させることができる。
(第14の実施の形態)
第14の実施の形態は第8の実施の形態の脳波計測システムのバリエーションである。但し、第13の実施の形態では例えば実施の形態9の電極85を使用するが他の実施の形態10〜13の電極を使用することもよい。第14の実施の形態は特に実施の形態9〜13のプリアンプ95の形状と配置位置の異なる例を説明するものである。第14の実施の形態のプリアンプ119は実施の形態9〜13のプリアンプ95のバリエーションである。プリアンプ119はプリアンプ95と共通する構成について共通する番号を付して説明は省略する。
図24(a)(b)に示すように、第14の実施の形態で使用するプリアンプ119は内周面119aが下面側を向くように角度が設けられている。プリアンプ119は図13に示すヘッドキャップセット61のキャップ本体63の内周面63aに配設されている。図23(a)(b)に示すように、内周面63aには凹部120が形成されている。プリアンプ119は凹部120内を横断するように片持ち梁状にキャップ本体63に固定されている。このような構成において、図23(a)のようにプリアンプ119に対して下側から電極85を接近させた際に、第1の円盤部89がプリアンプ119の内周面119aに当接し、これを押動することでプリアンプ119の脚96を外方に拡開させ第1の円盤部89を脚96の間を通過させて図23(b)のように第2の円盤部90を脚96に挟ませる(キャッチする)ようにする。これによって電極85は円板93が不要となり、プリアンプ119にワンタッチで着脱することが可能となる。
尚、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、以下のような態様である。
・各電極5,25,31,36,41,46,51,65,85,100,105,111,115において頭皮接地部に粗面を形成するようにしてもよい。例えば図25に示すように、電極125を3Dプリンターを使用して成形する場合には積層面を頭皮接地部126と交差する方向で成形する場合には一般に平行な微細な凹凸模様が形成されることとなる。このような粗面を形成することで頭皮へ電極125の頭皮接地部126を当接させた際に当接面積が増えることとなるため、より脳波の電気的情報を取得しやすくなる。また、このような粗面であると外面に導電性のコート層を形成した際にしっかりと頭皮接地部126に固定されることとなってよい。
・上記実施の形態9〜13の電極85,100,105,111,115の形状は一例であって、他の形状で構成するようにしてもよい。
・上記実施の形態9〜13の電極85,100,105,111,115の合成樹脂素材は一例であって、他の合成樹脂素材に変更することも自由である。
・上記の電極105,111では異なる素材によって成形する場合に二段階に成形したが、三段階以上の工程で成形するようにしてもよい。
・上記ではコート層101は硬いプラスチックの表面に形成させるようにしていたが、柔軟な素材の表面に使用することもよい。
・コート層101を形成する際にコート剤に導電性の繊維状、粉状、粒状等の微細導電性物質群を混ぜるようにしてもよい。
・電極全体が導電性の繊維状、粉状、粒状等の微細導電性物質群を混ぜたプラスチックから構成されていてもよく、導電体としての布108,116や導線112を内部に埋設するようにしてもよい。
・コート層101を布108,116や導線112を内部に埋設した電極に適用するようにしてもよい。例えば頭皮接地部にコート層101を形成するようにすれば、より脳波の電気的情報を取得しやすくなる。例えば第12の実施の形態や第13の実施の形態において、図21や図22の状態から頭皮接地部88にコート層101を設けるようにしてもよい。
・微細導電性物質群として上記実施の形態では、カーボン繊維や銀めっき繊維を使用したが、他の微細導電性物質群を使用してもよい。
・第13の実施の形態において内部に布116を埋設するように電極115を成形していたが、導電体として第12の実施の形態の導線112を代わりに埋設するようにしてもよい。その場合には頭皮接地部88外面に導線112を露出させ、頭皮接地部88外面にコート層101を形成させることがよい。
・コート層101は塗布やディップ法以外の手段で形成してもよい。
・上記各実施の形態における電極5,25,31,36,41,46,51,65の素材は、上記の真鍮以外に導電性のよい素材であれば例えば金、銀、プラチナ等の金属(あるいはめっきとして)使用するようにしてもよい。金属以外であってもよい。
・上記では第1〜第8実施の形態では導電性の金属で頭皮接地部を構成するようにしたが、導電性のフェルト材を電極の頭皮接地部に配設するようにしてもよい。上記では例えば導電性のフェルト材を表面積の大きな曲面部9a表面に配置するとよい。
・上記では電極5をキャップ本体4に固定する際に、取り付け孔10を押し広げて内側から第1の円板7を取り付けるようにしたが、これは一例であって、他の手法を採用してもよい。
・キャップ本体4,63の素材として上記のような布地やプラスチックは一例であるため他の素材を使用してもよい。
・上記の返し部34,44では外周の角度をそれぞれ第3の円板32,44の外周カーブに対応させていたが、例えば図14のように第3の実施の形態のバリエーションである、電極81のように返し部82を外側を向いた曲面のカーブの曲率を大きくする(カーブをきつくする)ようにしてもよい。このようにカーブの曲率が大きいと頭髪がより収容領域内に導かれやすくなる。
・返し部34,44の数は上記に限定されることはない。
・第8の実施の形態の締結部は他の手段で構成してもよい。また、電極65に弾性を与える手段はコイルばね74以外の他の弾性手段であってもよい。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
5,25,31,36,41,46,51,65,85,100,105,111,115…電極、9a…頭皮接地部としての曲面部、28,33,38,43,48…頭皮接地部としての当接ピン、9,26,32,37,42,47,53…先端部としての第3の円板、54,70…頭皮接地部としての当接体、69…先端部としての下部円板、88,126…頭皮接地部、S1〜S9…頭髪収容領域。

Claims (42)

  1. 1本のみからなる支持部を備えた脳活動計測用電極において、前記支持部には、その前端に頭皮に当接する頭皮接地部を備えた先端部が形成されており、前記支持部の横断面面積は前記先端部の横断面面積よりも小さく構成され、
    前記先端部を挟んで前記頭皮と反対側の領域に頭髪を収容するための頭髪収容領域を構成する際に、前記先端部を円板形状もしくは楕円板形状とし、幅方向に拡がる円板もしくは楕円板の後面と前記支持部との間の空間を前記頭髪収容領域とするようにしたことを特徴とする脳活動計測用電極。
  2. 前記先端部の幅は5.0〜20.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の脳活動計測用電極。
  3. 前記支持部は電極固定部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の脳活動計測用電極。
  4. 前記電極固定部は硬い材料から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の脳活動計測用電極。
  5. 前記支持部と前記先端部との接続部分は連続的な面形状で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  6. 前記支持部と前記先端部との接続部分は上方から下方にかけて徐々に大径となるようなラッパ型に構成されていることを特徴とする請求項5記載の脳活動計測用電極。
  7. 前記支持部は同支持部の平均太さよりも長い全長を有する部材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  8. 前記支持部は同支持部の平均太さの3倍以上の全長を有することを特徴とする請求項1〜7に記載の脳活動計測用電極。
  9. 前記収容領域は前記支持部の全周囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  10. 前記頭皮接地部から増幅装置を装着するための前記支持部領域内の位置にかけて導電体を配設したことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  11. 前記導電体は前記先端部及び前記支持部の外面に形成された導電層であることを特徴とする請求項10に記載の脳活動計測用電極。
  12. 前記導電体は前記先端部及び前記支持部の内部に埋設された導電層又は導電線であることを特徴とする請求項10に記載の脳活動計測用電極。
  13. 前記頭皮接地部は柔軟な材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  14. 電極素材として繊維状、粉状、粒状の少なくとも1種の形態からなる微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  15. 電極素材として繊維状の微細導電性物質群と、粉状、粒状の少なくとも1種の形態からなる微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  16. 電極素材として繊維状の微細導電性物質群を含有させた合成樹脂を使用したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  17. 前記微細導電性物質群は基材物質に導電性材料をコートして構成されていること特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  18. 電極素材として導電性合成樹脂を使用したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  19. 電極素材として金属材料を使用したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  20. 電極素材として硬い材料を使用し、前記先端部及び前記支持部の外面に導電層を形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  21. 前記支持部側を硬い材料で構成し、前記先端部側を前記支持部側よりも柔軟な材料で構成するようにしたことを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  22. 前記頭皮接地部の外表面は粗面となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  23. 前記収容領域の高さは3.0〜20.0mmであることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  24. 前記頭皮接地部は1又は複数の突起部から構成されていることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  25. 前記突起部は球冠状を呈していることを特徴とする請求項24に記載の脳活動計測用電極。
  26. 前記突起部の長さは3.0mm以下であることを特徴とする請求項24又は25に記載の脳活動計測用電極。
  27. 前記突起部の高さは5.0mm以下であることを特徴とする請求項24〜26のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  28. 前記先端部と前記突起部との接続部分は連続的な面形状で構成されていることを特徴とする請求項24〜27のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  29. 前記支持部は頭部装着用のベース保持部を備えることを特徴とする請求項2〜28のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  30. 前記先端部の背面側には前記先端部方向に突起する1又は複数の返し部を形成したことを特徴とする請求項1〜29のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  31. 前記先端部の背面側に突起する1又は複数の返し部を形成したことを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の脳活動計測用電極。
  32. 前記返し部は前記先端部の周縁又は周縁寄りに形成されていることを特徴とする請求項29又は30に記載の脳活動計測用電極。
  33. 請求項1〜32のいずれかに記載の脳活動計測用電極を被験者の装用時において前記先端部が頭部側を向くように頭部装着用のベースに取り付けた頭部装着装置。
  34. 前記脳活動計測用電極に脳活動信号を増幅する増幅装置が固定されていることを特徴とする請求項33に記載の頭部装着装置。
  35. 前記増幅装置は前記ベース側に固定され、前記脳活動計測用電極は前記増幅装置のキャッチ部に支持されていることを特徴とする請求項34に記載の頭部装着装置。
  36. 前記脳活動計測用電極は前記増幅装置のキャッチ部に対して着脱可能とされていることを特徴とする請求項35に記載の頭部装着装置。
  37. 前記先端部を支持する支持部に備えられた電極固定部と、頭部装着用のベース保持部と、によって前記ベースを挟んでいることを特徴とする請求項33〜36のいずれかに記載の頭部装着装置。
  38. 前記先端部を支持する支持部に装着された電極固定板と、前記脳活動計測用電極に脳活動信号を増幅する増幅装置と、によって前記ベースを挟んでいることを特徴とする請求項34に記載の頭部装着装置。
  39. 前記ベースは頭部装着用のベース保持部によって支持され、前記ベースの頭髪への荷重が軽減されていることを特徴とする請求項31〜35のいずれかに記載の頭部装着装置。
  40. 前記脳活動計測用電極は前記ベースに対して被験者の装用時において頭皮方向に弾性をもって進退可能に支持されることを特徴とする請求項33〜39のいずれかに記載の頭部装着装置。
  41. 請求項1〜32のいずれかに記載の脳活動計測用電極によって得られた脳活動信号に基づいて脳活動を計測する脳活動計測システム。
  42. 請求項33〜40のいずれかに記載の頭部装着装置によって得られた脳活動信号に基づいて脳活動を計測する脳活動計測システム。
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