JP6854725B2 - 床変位監視システム、及び床変位監視方法 - Google Patents
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Description
このような地盤改良構造では、例えば特許文献1に示されるように、ロッドの先端に掘削翼を備えた地盤改良装置を使用し、地盤をブロック状あるいは壁状に掘削し、ほぐされた状態の地盤に地盤改良材を混合して攪拌することにより地盤改良壁を施工し、建物を下方から支持する方法が知られており、平面視で建物の外周部に沿った形状、或いは建物の外周部を囲繞する形状で設けられているのが一般的となっている。
すなわち、例えば工場や倉庫などの敷地面積が大きい場合等には、その敷地の全域にわたってコンクリートを打設した土間コンクリートを設けたり、表層地盤を改良することにより板状固化体を形成している。板状固化体が土間コンクリートの場合には、打設するコンクリートの荷重が増加し、総重量が大きくなることから、不等沈下が生じ易くなっていた。また、板状固化体が表層地盤改良体の場合も、セメント等を掘削地盤に混合して置換することによる改良となるので、上記土間コンクリートの場合と同様に表層地盤改良体自体の総重量が増えて不等沈下を助長するおそれがあった。
さらに、その出力された画像に基づいて区画領域毎の床又は枠型改良壁の健全性を評価することができる。例えば、補修対象となる枠型改良壁を絞り込むことができる等、優れた補修計画を立案することが可能となるうえ、補修にかかる作業効率を向上させることができる。
さらに、複数の区画領域の画像同士を対比させることで、床面全体の変位を評価することができる。例えば、沈下速度が速い区画領域を特定した補修計画を立てることが可能となる。また、床面全体を評価することで、沈下の原因を推定することも可能である。
本第1の実施の形態による床変位監視システムは、図1に示す型枠改良壁2によって支持された建物1の床3の変位を監視するためのシステムである。
なお、図1及び図2に示す符号Pは、枠型改良壁2同士の間の位置における土間荷重を示している。
床変位監視システム10は、枠型改良壁2毎に対応する床3をブロック化した6つの区画領域K(K1〜K6)において、平面視で外周側から区画領域K1〜K6の床面3aに向けて光を照射する光源部11と、平面視で光源部11から照射される光の光軸C方向で、光源部11の出射面11aに対向する側から区画領域K1〜K6の床面3aを撮影する撮影部12と、撮影部12によって撮影された画像データDを区画領域K1〜K6毎に出力する画像出力部13と、画像出力部13で出力された画像を解析する画像解析部14と、画像解析部14で解析された解析結果に基づいて区画領域K1〜K6毎の床3又は枠型改良壁2の沈下変位状態の健全性を評価する評価部15と、を備えている。
また、画像解析部14では、6箇所の区画領域K1〜K6のそれぞれの画像データDを組み合わせて建物全体の床3の変状を可視化することも可能である。
床3の変位監視方法は、縦横に等間隔で配列された複数の独立した枠型改良壁2、2、…によって支持された床3の沈下・変位による変状を監視するものである。
このとき撮影部12では、光源部11で照射された光が床面3aに反射した反射光を撮影する。つまり、撮影部12が光源部11の出射側に対向する側の位置から床面3aを撮影するため、床面3aに凹凸があると、その凹凸部に照射された光の反射率が異なることにより凹凸の影が鮮明に映った画像データDを得ることができる。
そして、ステップS6で評価した結果、区画領域K1〜K6のいずれかが評価基準を外れた場合には、適宜な補修方法により枠型改良壁2が補修される(ステップS7)、あるいは補修の計画が行われる。なお、ステップS6で評価した結果、補修が不要と判定された場合には、補修の必要はない。
図3に示すように、本実施の形態では、建物1の床面3の領域を複数の枠型改良壁2が配置される領域毎にブロック化した複数(6つ)の区画領域K(K1〜K6)を設定した後、図4及び図5に示すように、それら区画領域K毎に床面3aに向けて光源部11により光を照射し、その光の光軸C方向に対向する側の位置から撮影部12によって区画領域Kの床面3aを撮影し、撮影された画像データDを画像出力部13で区画領域K毎に出力し、床3の沈下・変位の状態を確認することができる。
つまり、区画領域Kにおける床面3aに沈下・変位に伴う凹凸、段差、ひび割れ等の変状が生じている場合には、床面3aに対して照射された光軸C方向に対向する側から見て変状部分で反射率が異なることに伴う影が生じることで、その変状部分の高低差や傾き、床面3aに沿う長さ寸法等の変状状態が明確になる。そのため、床面3aを撮影した画像データは前述の変状状態が映った画像となる。
さらに、その出力された画像に基づいて区画領域K毎の床3又は枠型改良壁2の健全性を評価することができる。例えば、補修対象となる枠型改良壁2を絞り込むことができる等、優れた補修計画を立案することが可能となるうえ、補修にかかる作業効率を向上させることができる。
さらに、複数の区画領域K1〜K6の画像同士を対比させることで、床面全体の沈下・変位を評価することができる。例えば、沈下速度が速い区画領域Kを特定した補修計画を立てることが可能となる。また、床面全体を評価することで、沈下の原因を推定することも可能である。
次に、第2の実施の形態による床変位監視システム、及び床変位監視方法について図面を用いて説明する。
図7及び図8に示すように、本第2の実施の形態による床変位監視システム10Aでは、レーザー光を照射するレーザー照射装置を光源部16としている。すなわち、上記の第1の実施の形態におけるサーチライトからなる光源部11(図4参照)に代えて、レーザー照射装置からなる光源部16を採用したものである。
つまり、区画領域Kにおける床面3aに沈下・変位に伴う凹凸、段差、ひび割れ等の変状が生じている場合には、床面3aに対して照射された光軸C方向に対向する側から見て変状部分で反射率が異なることに伴う影が生じることで、その変状部分の高低差や傾き、床面3aに沿う長さ寸法等の変状状態が明確になる。そのため、床面3aを撮影した画像データは前述の変状状態が映った画像となる。
第1実施例は、上述の第1の実施の形態におけるサーチライトによる光源部を使用して枠型改良壁と床面を模擬した試験体を作成し、その床面に相当する表面に光を照射し、カメラによる撮影部12の画像データを取得し、その画像データを目視により確認、評価した。
図9(a)〜(c)は、第1実施例で用いた試験体30A〜30Cを示している。試験体30A〜30Cは、矩形状に囲われた外枠31と、外枠31の内側に間隔をあけて配置された内枠32と、外枠32の上面を覆う布材33(図10(a)〜(c)、図11(a)、(b)参照)と、を備えている。内枠32は、上述した枠型改良壁に相当している。
このような試験体30A、30B、30Cに対して、角部の上方から、光軸が布材33の上面33aに対して略30度の照射角度となるように設定された光源部をなすサーチライト34(図10(a)、(c)参照)の光を布材33の上面33aに向けて照射し、上面視でサーチライトに対向する位置からカメラ(撮影部)で光が照射された布材33の上面33aを撮影した。図10及び図11は、第1実施例の試験結果であって、カメラで撮影した画像データである。
試験の結果、図10(a)に示す第1画像データN1は、第1試験体30Aにおいて光を照射したものであり、布材33の上面33aの全体にわたって均一で凹凸や影になるような部分は確認されなかった。
図10(b)に示す第2画像データN2は、第2試験体30Bにおいて光を照射する前の状態のものであり、僅かに内枠32の跡が見えるものの、布材33の上面33aの変状状態は不明確であった。
図10(c)に示す第3画像データN3は、第2試験体30Bにおいて光を照射した状態のものであり、内枠32の外周縁に明確な影(図中の符号W1)が生じていることが確認できる。さらに、第2試験体30Bでは内枠32の全体が外枠31に対して下がっているので、外枠31と内枠32との間にも影(図中の符号W2)が生じていることから、変状状態が明らかになっている。
図11(b)に示す第5画像データN5は、第3試験体30Cにおいて光を照射した状態のものであり、内枠32の外周縁に明確な影(図中の符号W3)が生じていることが確認できる。さらに、第3試験体30Cでは内枠32の縦ラインの一方が外枠31に対して下がって傾斜しているので、外枠31と内枠32との間にも影(図中の符号W4)が生じていることから、変状状態が明らかになっている。
このように、第2試験体30B、第3試験体30Cのように内枠32に高低差や傾き等の変状が生じている場合には、少なくとも内枠32の周縁部に影(符号W1〜W4)が生じることが確認できた。
第2実施例は、上述の第1実施例で使用した光源部のサーチライト34をレーザー照射装置35に代えてレーザー光を布材33の上面33aに照射し、カメラによる撮影部12の画像データを取得し、その画像データを目視により確認、評価した。第2実施例では、図9(a)に示す第1試験体30Aと、図9(b)に示す第2試験体30Bとを採用している。
試験の結果、図12(a)に示す第6画像データN6は、第1試験体30Aにおいてレーザー光を照射する前の状態のものであり、布材33の上面33aの変状状態は不明確であった。
図12(b)に示す第7画像データN7は、第1試験体30Aにおいてレーザー光C1を照射した状態のものであり、少なくともレーザー光C1が途切れることなく布材33の上面33aを照射していることが確認できる。つまり、この場合は、凹凸等の変状が殆ど無いと評価することができる。
図12(c)に示す画像データN8は、第2試験体30Bにおいてレーザー光C1を照射した状態のものであり、内枠32の外周縁や外枠31近傍においてレーザー光C1の照射部分が途切れる部分(図中の符号W5、W6)が生じていることが確認できるため、変状状態が明らかになっている。
この場合には、各区画領域Kの床面3aに対して複数の箇所から光を照射して複数箇所による画像を撮影することで、床面3aの変状状態の監視精度を高めることができる。例えば、区画領域Kが本実施の形態のように平面視で矩形な場合において、辺毎、あるいは角毎に4方向の照射方向で照射することができる。
さらに、床3をブロック化した区画領域Kの数量も、本実施の形態のように6つであることに限定されることはなく、個々の枠型改良壁2に対応して設けられていればよい。さらんまた、区画領域Kの平面形状も正方形であることに限定されず、枠型改良壁2を有していれば長方形状であってもよい。
2 枠型改良壁
3 床
3a 床面
10 床変位監視システム
11 光源部
12 撮影部
13 画像出力部
14 画像解析部
15 評価部
16 光源部
θ 照射角度
C 光軸
D 画像データ
K、K1〜K6 区画領域
Claims (8)
- 掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより平面視で矩形状に形成され、縦横に等間隔で配列された複数の独立した枠型改良壁によって支持された床変位監視システムであって、
前記枠型改良壁毎に対応する前記床をブロック化した区画領域において、平面視で外周側から前記区画領域の床面に向けて光を照射する光源部と、
前記光が照射された前記区画領域の床面を撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された画像データを前記区画領域毎に出力する画像出力部と、
を備えていることを特徴とする床変位監視システム。 - 前記撮影部は、平面視で前記光源部から照射される光の光軸方向で、前記光源部の出射面に対向する側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の床変位監視システム。
- 前記光源部は、前記床面に対して90度よりも小さい照射角度に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の床変位監視システム。
- 前記画像出力部で出力された画像を解析する画像解析部と、
前記画像解析部で解析された解析結果に基づいて前記区画領域毎の前記床又は前記枠型改良壁の沈下変位状態の健全性を評価する評価部と、
を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床変位監視システム。 - 掘削した地盤に地盤改良材を混合させて攪拌することにより平面視で矩形状に形成され、縦横に等間隔で配列された複数の独立した枠型改良壁によって支持された床変位監視方法であって、
前記枠型改良壁毎に対応する前記床をブロック化して区画領域を設定する床区画工程と、
前記床区画工程で設定された前記区画領域における平面視で外周側から前記区画領域の床面に向けて光を照射する光照射工程と、
前記光照射工程によって前記光が照射された前記区画領域の床面を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程によって撮影された画像データを前記区画領域毎に出力する画像出力工程と、
を有することを特徴とする床変位監視方法。 - 前記光照射工程において、前記区画領域毎に複数の照射方向から光を照射し、
前記撮影工程で、前記光が照射された前記区画領域の床面を撮影し、
前記画像出力工程において、前記複数の照射方向に対応する複数の画像データを出力することを特徴とする請求項5に記載の床変位監視方法。 - 前記画像出力工程で出力された画像を解析する画像解析工程と、
前記画像解析工程で解析された解析結果に基づいて前記区画領域毎の前記床又は前記枠型改良壁の沈下変位状態の健全性を評価する評価工程と、
を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の床変位監視方法。 - 前記評価工程では、予め設定されている評価基準と前記解析結果とを比較し、前記評価基準を外れた前記区画領域の前記床又は前記枠型改良壁を補修するように評価されることを特徴とする請求項7に記載の床変位監視方法。
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