JP6853626B2 - 撹拌装置 - Google Patents

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Description

ここに開示する技術は、特に縦軸型の撹拌装置に関する。
特許文献1には、縦軸型の撹拌装置を備えたシステムが記載されている。具体的に、特許文献1に係る撹拌装置(撹拌機構)は、水槽(反応槽)に貯留している処理流体(汚水)を撹拌するように構成されており、詳しくは、モータ(電動機)と、モータの出力軸に接続されかつ、鉛直方向に垂下されたシャフト(回転軸)と、シャフトの先端に接続されたインペラ(羽根車)と、を備えている。このインペラは、処理流体(汚水)中に浸漬しており、モータが作動することにより、シャフトと一体的に回転するようになっている。特許文献1に係る撹拌装置は、インペラを回転させることによって、処理流体の循環流を発生させるようになっている。
特開2010−284610号公報
ところで、前記特許文献1に記載のシステムを、例えば排水処理場に設置された貯水槽に適用する場合がある。その場合、システムを使用していくうちに、槽内の水面全体にわたって、有機物由来の浮遊物(いわゆるスカム)が発生することがある。スカムの発生は、異臭等の悪影響を招く虞があるため望ましくない。
そこで、水面全体からスカムを除去するための方策として、スカムの後処理工程を行ったり、水に薬品を添加したりすることが考えられるものの、そのような方策は、システムの運用コストを抑制する上で不都合である。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、縦軸型の撹拌装置において、運用コストを抑制しつつ、水面全体からスカムを除去することにある。
ここに開示する技術は、貯留槽の槽内の水を撹拌するように構成された縦軸型の撹拌装置に係る。この撹拌装置は、モータと、前記モータに駆動連結されかつ、水面から露出した露出部と、水面下に浸漬した浸漬部とを有するように上下に延設されたシャフトと、前記浸漬部に取り付けられた第1インペラと、を備える。
そして、前記第1インペラは、前記シャフトの先端に固定されたボス部と、該ボス部の外周面に取り付けられた複数枚のハネと、を有する軸流タイプのインペラとして構成され、前記シャフトは、前記貯留槽の底壁に向かって延びる中心軸まわりに回転し、前記第1インペラは、前記シャフトと一体的に回転することで下向きの水流を発生させることにより、前記第1インペラ付近の水面から前記シャフトに沿って下方へ流れる下降流と、該下降流が前記底壁に衝突することで発生しかつ該底壁に沿って放射状に流れる外向流と、該外向流が、前記底壁から連続して延びる前記貯留槽の側壁に衝突することで発生しかつ該側壁に沿って上方へ流れる上昇流と、該上昇流が水面付近で流れ方向を変更することで発生しかつ該水面に沿って前記シャフトに向かって内向きに流れる内向流と、を含んだ循環流を発生させるよう構成されており、前記シャフトのうち前記露出部と前記浸漬部との間の境界付近の部分には、前記シャフトと一体的に回転する第2インペラが設けられ、前記第2インペラは、前記水面に対して傾斜した姿勢で取り付けられる半円板状のハネを有する。
ここで、「スカム」とは、有機物由来の浮遊物を示す。
この構成によると、インペラ(第1インペラ)が回転すれば、槽内の水面上には、シャフトの周囲からシャフトへ向かって流れる水流が発生する。槽内の水面全体にわたって浮かぶスカムは、そうした水流に従って、シャフト付近の水面に集められる。
ここで、シャフトのうち露出部と浸漬部との間の境界付近に位置する部分、つまり、水面付近の部分には、シャフト付近のスカムを水面から除去するように構成された除去具(第2インペラ)が設けられている。すなわち、前述の水流に従って集められたスカムは、除去具により水面から除去される。ここで、インペラ(第1インペラ)は、シャフトに沿って水面から下方へ向かって流れる水流も発生させるように構成されているから、水面から除去されたスカムを、そうした水流に従って、水中に引き込むことができる。このように、前記撹拌装置は、シャフト付近の水面にスカムを集めると共に、集めたスカムを水面から除去することができる。
しかも、スカムを除去する上で、後処理工程を行ったり、水に薬品を添加したりする必要が無くなるため、運用コストを抑制することもできる。
よって、前記の構成によれば、運用コストを抑制しつつ、水面全体からスカムを集めて除去することが可能となる。
前記ハネは、回転方向における前端部及び後端部のうちの一方が前記水面から露出するとともに、他方が前記水面下に浸漬するように配置される、としてもよい。
この構成によれば、除去具(第2インペラ)は、水中と気中との間の境界をまたぐように配置されているから、水面に浮かぶスカムに対して、より確実に接触させることが可能になる。そのことで、水面からスカムを除去する上で有利になる。
また、前記第2インペラは、上下方向の取付位置を変更可能に構成されている、としてもよい。
通常、槽の仕様や用途に応じて、水面の高さは変動する。
この構成によれば、水面の高さに応じて、除去具(第2インペラ)の取付位置を変更することが可能になるから、槽の仕様や用途に拘わらず、スカムを除去具に接触させて、水面から除去することが可能となる。
また、前記除去具は、前記スカムを水面下に押し込むように動作する、としてもよい。
本願発明者等が様々な形状の除去具について検討した結果、得られた知見によると、こうした構成は、水面からスカムを除去する上で有効であることが判った。
すなわち、前記の構成によると、スカムを水面下に押し込むことで、例えばスカムを水中に拡散させることが可能になる。そのことで、水面からスカムを除去する上で有利になる。
また、前記除去具は、前記スカムに対して繰り返し衝突するように動作する、としてもよい。
本願発明者等が様々な形状の除去具について検討した結果、得られた知見によると、こうした構成もまた、水面からスカムを除去する上で有効でることが判った。
すなわち、前記の構成によると、除去具をスカムに衝突させることで、例えばスカムを破砕することが可能になる。そのことで、水面からスカムを除去する上で有利になる。
また、前記除去具は、前記スカムを掬い上げた後、該スカムと水面とを衝突させるように動作する、としてもよい。
本願発明者等が様々な形状の除去具について検討した結果、得られた知見によると、こうした構成もまた、水面からスカムを除去する上で有効であるあることが判った。
すなわち、前記の構成によると、水面をスカムに衝突させることで、例えばスカムを破砕することが可能になる。そのことで、水面からスカムを除去する上で有利になる。
また、前記シャフト付近の水面に浮かぶスカムと前記第2インペラとが一体的に動作するのを抑制するよう構成された固定具を備え、前記固定具は、シャフトに沿って下方に向かって延びる棒状の部材からなる、としてもよい
た、前記ハネは、該ハネを板厚方向に貫く貫通孔を有する、としてもよい。
以上説明したように、前記撹拌装置は、運用コストを抑制しつつ、水面全体からスカムを除去することができる。
図1は、撹拌装置が適用された貯留槽の縦断面図である。 図2は、第2インペラ周辺の構成を拡大して示す正面図である。 図3は、第2インペラ周辺の構成を拡大して示す斜視図である。 図4は、ハネの平面図である。 図5は、ハネの取付構造を示す図である。 図6は、除去具の第1変形例を示す図である。 図7は、除去具の第2変形例を示す図である。 図8は、固定具を例示する図である。
以下、撹拌装置を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明は例示である。
図1は、撹拌装置1が適用された貯留槽100を示す。貯留槽100は、側壁101と、底部を構成する底壁102とで区画されており、槽内には水が貯留している。貯留槽100の天井は開口しており、その開口を塞いでいる蓋103の上に、撹拌装置1が支持されている。
本実施形態では、貯留槽100は、内部に水(汚水)が流入して貯留される合併浄化槽や排水処理槽であるが、これに限らず、水が貯留されかつ、貯留した水が所定の水位に保たれる槽であれば、どのようなものであってもよい。すなわち、本実施形態に係る貯留槽100は、水面Wsの高さ位置を一定に保つように構成されている。
図1に示すように、撹拌装置1は、鉛直方向(上下方向)に延びるシャフト2を備えて構成された、縦軸型の撹拌装置である。撹拌装置1は、貯留槽100内の水を撹拌するように構成されている。
具体的に、撹拌装置1は、電動機3と、電動機3に駆動連結された前記シャフト2と、シャフト2に取り付けられた2個のインペラ4、5とを備えて構成されている。2枚のインペラ4、5は、撹拌用のインペラ(以下、「第1インペラ」という)4と、スカム除去用のインペラ(以下、「第2インペラ」という)5とを有している。
貯留槽100の蓋103の上面には、台座として機能するベースプレート104が設けられており、ベースプレート104上には、電動機3とシャフト2との間のカップリング等が内蔵されたケーシング6が固定されている。ケーシング6の下面にはシャフト2の基端部(上端部)が挿入されている一方、ケーシング6の上面には電動機3が据え付けられている。電動機3は、モータ31と、モータ31の出力軸に接続された減速機構32とを有しており、減速機構32の出力軸を下方に向けた姿勢で据え付けられている。シャフト2の基端部は、ケーシング6内において、減速機構32の出力軸を介して、モータ31に駆動連結されている。
シャフト2は、前述の如く、鉛直方向に延設されており、貯留槽100内において、水面Wsの上方から水面Ws下へ垂下されている。すなわち、シャフト2は、水面Wsから露出した露出部21と、水面Ws下に浸漬した浸漬部22とを有している。電動機3が作動をすると、シャフト2は、その延設方向に延びる中心軸Cまわりに回転する(図1の矢印Aを参照)。
第1インペラ4は、シャフト2の先端、つまり、浸漬部22の下端に取り付けられている。この第1インペラ4は、シャフト2の先端に固定されたボス部41と、ボス部41の外周面に取り付けられた複数枚のハネ42とを備えている(図2を参照)。第1インペラ4は、シャフト2と一体的に回転することにより、貯留槽100内の水面Wsから下方に向かって、シャフト2に沿って流れる下降流(水流)F1と、貯留槽100内の水面Ws上に、シャフト2の周囲からシャフト2へ向かって流れる内向流(水流)F4とを含んだ循環流Fを発生させるようになっている。なお、第1インペラ4は、“インペラ”の一例である。
具体的に、第1インペラ4が回転をすると、第1インペラ4付近の水には下降流F1が発生する。下降流F1は、循環流Fのうち、シャフト2に沿って上方から下方へ流れる成分である。下降流F1は、貯留槽100の底壁102付近で外向流F2となる。外向流F2は、循環流Fのうち、底壁102に沿ってシャフト2から側壁101へ向かって流れる成分である。外向流F2は、側壁101付近で上昇流F3となる。上昇流F3は、循環流Fのうち、側壁101に沿って下方から上方へ流れる成分である。上昇流F3は、水の水面W付近で内向流F4となる。内向流F4は、循環流Fのうち、水面Wに沿って側壁101からシャフト2へ向かって流れる成分である。内向流F4は、シャフト2付近で下降流F1と合流するようになっている。これにより、シャフト2付近には、シャフトに沿って水面Wsから下方へ流れる水流が発生することになる。本実施形態では、第1インペラ4は、下向きの水流(下降流F1)を発生させることで、前述の循環流Fを発生させるように構成されているが、この構成には限られない。例えば、第1インペラ4が回転したときに、下向きの水流ではなく、外向きの水流を発生させることで、第1インペラ4と水面Wsとの間で循環流Fを発生させてもよい。その場合、前述の外向流F3に対応する成分は、第1インペラ4付近で発生することになる。
図2は、第2インペラ5周辺の構成を拡大して示す正面図である。図2に示すように、第2インペラ5は、シャフト2のうち露出部21と浸漬部22との間の境界付近の部分(具体的には、当該境界を含んだ部分)に取り付けられており、シャフト2が回転したときに、その回転に伴い動作(本実施形態では回転)するように構成されている。第2インペラ5は、“除去具”の一例である。
図3は、第2インペラ5周辺の構成を拡大して示す斜視図である。具体的に、第2インペラ5は、2枚のハネ51と、各ハネ51に設けられた上下一対のフランジ52と、各フランジ52をシャフト2に固定するように構成された上下一対のバンド53と、を備えて構成されている。
図4は、ハネ51の平面図である。また、図5は、ハネ51の取付構造を示す図である。図2〜図5に示すように、ハネ51は、径方向の中央部が切り欠けられた、半円状の金属板として構成されており、水面Wsに対して傾斜した姿勢で取り付けられている。詳しくは、図5に示すように、ハネ51は、水面Wsに対して傾斜角θ(尚、傾斜角θは鋭角)だけ傾斜しており、下面51aを水面Wsに向けてかつ、上面51bを水面Wsとは反対側方向(斜め上方)に向けた姿勢で取り付けられている。また、図5に示すように、ハネ51において、矢印Aに沿う方向の前端部(上端部)51cは水面Wsから露出している一方、後端部(下端部)51dは水中に浸漬している。2枚のハネ51は、シャフト2を両側から挟み込むように、中心軸Cのまわりに180°位置をずらして配設されている。
このような構成によって、第2インペラ5が図5等に示す矢印Aに沿って回転したとき、各ハネ51は、それぞれの下面51aを回転方向の前側にして回転する。その際、ハネ51の下面51aは、傾斜角θの大きさに応じて、水を斜め下方(下面51aに沿う方向)に押し退けつつ回転するようになっている。
なお、第2インペラ5の寸法のうち、特に、中心軸Cに対して垂直な方向の寸法R2は、第1インペラ4における同方向の寸法R1よりも短い(R2<R1)。そうすることで、第2インペラ5が動作することにより、水流は、ほとんど発生せず、第2インペラ5を取り付けても、電動機3の動力は、大きくならない。
フランジ52は、各ハネ51の上面51bに設けられた上向フランジ52aと、各ハネ51の下面51aに設けられた下向フランジ52bと、を有している。具体的に、上向フランジ52aは、外向きL字状に曲成された薄板として形成されており(図2〜図3参照)、そのL字の短辺に相当する部分が、ハネ51の上面51bに接合されている(図2〜図4参照)と共に、そのL字の長辺に相当する部分(以下、「長辺部」という)が、シャフト2の外面に沿わせるように配置されている。下向フランジ52bは、ハネ51の下面51aに対して、上向フランジ52aを上下反転した姿勢で配設されている。
バンド53は帯状に形成されており、図3に示すように、フランジ52をシャフト2の外面に締め付け固定している。これにより、第2インペラ5は、シャフト2が回転したときに、シャフト2と一体的に回転することになる。
なお、バンド53の締め付けを緩めると、上向フランジ52aと、下向フランジ52bとは、双方とも、シャフト2の外面に沿って移動させることが可能である。そのことで、第2インペラ5は、シャフト2に対して、中心軸Cに沿った方向(上下方向)の取付位置を変更することができる。なお、本実施形態では、第2インペラ5は、第1インペラ4に対して上下方向に間隔Sを空けて配設されている。
前述の如く、シャフト2が矢印A方向に回転すると、第2インペラ5もまた、同方向に回転する。そのとき、ハネ51の下面51aは、接触した浮遊物を、水と共に、斜め下方に押し退けるように動作する。これにより、例えば水面Ws上に浮かぶスカムのうち、特に、シャフト2付近において、ハネ51の下面51aに接触したスカムは、水面Ws下に押し込まれることになる。このように、第2インペラ5は、シャフト2付近の水面Wsに浮かぶスカムを水面Ws下に押し込むことで、そのスカムを水面Wsから除去するように構成されている。
撹拌装置1が起動をすると、第1インペラ4が回転して、水中に循環流Fが発生する。循環流Fが発生すれば、貯留槽100内の水面Ws上には、貯留槽100の側壁101からシャフト2へ向かって流れる内向流F4が発生する。貯留槽100内の水面Ws全体にわたって浮かぶスカムは、そうした内向流F4に従って、シャフト2付近の水面Wsに集められる。
ここで、シャフト2のうち水面Ws付近に位置する部分には、第2インペラ5が配設されている。よって、シャフト2付近に集められたスカムは、前述の如く、第2インペラ5によって水面Wsから除去される。水面Wsから除去されたスカム、つまり、水面Ws下に押し込まれたスカムは、水中に拡散したり、下降流F1に従って水中に引き込まれたりする。このように、撹拌装置1は、シャフト2付近の水面Wsにスカムを集めると共に、集めたスカムを水面Wsから除去することができる。
しかも、スカムを除去する上で、後処理工程を行ったり、水に薬品を添加したりする必要が無くなるため、運用コストを抑制することもできる。
よって、前記の構成によれば、運用コストを抑制しつつ、水面Ws全体からスカムを集めて除去することが可能となる。
また、ハネ51の前端部51cは、水面Wsから露出している一方、ハネ51の後端部51dは、水面Ws下に浸漬しているから、第2インペラ5は、水中と気中との間の境界をまたぐように配置されることになる。よって、水面Ws上のスカムに対して、第2インペラ5をより確実に接触させることが可能になる。そのことで、水面Wsからスカムを除去する上で有利になる。
また、第2インペラ5と第1インペラ4との間には、上下に間隔Sが空いており、シャフト2以外の部材が介在しないようになっているから、第2インペラ5によって水面Ws下に押し込まれたスカムは、他の部材によって阻害されることなく、下降流F1に従ってスムースに下降するようになる。このことは、水面Wsからスムースにスカムを除去する上で有効である。
また、水面Wsの高さに応じて、第2インペラ5の取付位置を変更することができるから、貯留槽100の仕様や用途に拘わらず、スカムを第2インペラ5に接触させて、水面Wsから除去することが可能になる。
〈除去具の変形例〉
前記実施形態では、除去具は、2枚のハネ51を備えた第2インペラ5として構成されていたが、これに限られるものではない。可能な範囲において、ハネの配置や形状を変更したり、インペラ以外の部品によって除去具を構成したりすることが可能である。
図6は、除去具の第1変形例M1を示している。この第1変形例M1は、第2インペラ5と同様に、2枚のハネを備えたインペラとして構成されているものの、各ハネには、複数の貫通孔が設けられている。すなわち、第1変形例M1に係るハネは、貫通孔が設けられているという点以外は、前述のハネ51と同様に構成されている。第1変形例M1が図6の矢印Aに沿って回転したとき、各ハネは、それぞれの下面を回転方向の前側にして回転する。その際、ハネの下面に接触した水は、貫通孔を介して流通することになる。よって、シャフト2が矢印A方向に回転すると、第1変形例M1もまた、同方向に回転することになり、そのとき、ハネの貫通孔は、接触した浮遊物を、水と共に流通させるように動作する。よって、例えば水面Ws上に浮かぶスカムのうち、ハネの下面に衝突したスカムは、貫通孔を介して流通することにより、また、別のハネに衝突することになる、
このように除去具の第1変形例M1によると、スカムに対して繰り返し衝突することで、例えばスカムを破砕することが可能になる。そのことで、水面Wsからスカムを除去する上で有利になる。
図7は、除去具の第2変形例M2を示している。この第2変形例M2は、第2インペラ5と同様に、2枚のハネを備えたインペラとして構成されているものの、各ハネの傾斜角が反対になっている。すなわち、第2変形例M2に係るハネは、水面Wsに対して傾斜角180°−θ(傾斜角θは鋭角)だけ傾斜しており、矢印Aに沿う方向の前端部は水面Ws下に浸漬している一方、後端部は水面Wsから露出している。第2変形例M2が図7の矢印Aに沿って回転したとき、各ハネは、それぞれの上面を回転方向の前側にして回転する。その際、ハネの上面は、水を斜め上方(上面に沿う方向)に掬い上げつつ回転するようになっている。よって、シャフト2が矢印A方向に回転すると、第2変形例M2もまた、同方向に回転することになり、そのとき、ハネの上面は、接触した浮遊物を、水と共に掬い上げるように動作する。これにより、例えば水面Ws上に浮かぶスカムのうち、ハネの上面に接触したスカムは、掬い上げられた後、ハネの後端部から落下して水面Wsに衝突することになる。
このように除去具の第2変形例M2によると、スカムを掬い上げて搬送した後、そのスカムを水面Wsに衝突させることで、例えばスカムを破砕することが可能になる。そのことで、水面Wsからスカムを除去する上で有利になる。
〈その他の実施形態〉
前記実施形態では、蓋103の上に設置されたモータ31からシャフト2を垂下した構成について説明したが、この構成には限られない。例えば、貯留槽100の底壁102の上に設置したモータと、そのモータから上方へ延設したシャフトとを組み合わせて構成してもよい。そのように構成した場合、第1インペラは、シャフトの先端ではなく、第2インペラと同様に、シャフトのうち、水面下に浸漬している部分のいずれかに取り付けられることになる。
また、前記実施形態では、シャフト2と、第2インペラ5をはじめとした除去具とが一体的に動作する構成について説明したが、この構成には限られない。例えば、シャフト2と、除去具とをカム機構を介して連結させることによって、シャフト2が回転をすると、除去具が例えば上下に変位することで、スカムに対して繰り返し衝突するように構成してもよい。
さらに、側壁101及び蓋103などに対して、スカムと除去具とが一体的に回転するのを抑制するよう構成された固定具を配設してもよい。そうした固定具を設けることで、除去具によるスカムの除去性能を高めることが可能になる。
図8は、固定具を例示する図である。図8に示すように、固定具は、側壁101から貯留槽100の内方へ向かって延設された板状の部材P1としてもよいし、蓋103の下面から下方へ延設された棒状の部材P2としてもよい。固定具P1、P2は、双方とも、水中と気中との間の境界をまたぐよう配設されている。図8に示すように、固定具P1、P2を、除去具(図例では、第2インペラ5)付近の境界部(具体的には、水中と気中との間の境界部)まで延設してもよい。このような構成にすることで、循環流Fに従って第2インペラ5付近まで流されたスカムは、第2インペラ5と一体的に回転することなく、第2インペラ5と固定具P1、P2との間に挟まることになり、せん断力によって、スカムを破壊することが可能になる。そのことで、除去具によるスカムの除去性能を高めることが可能になる。なお、固定具の構成としては、前述の如く、板状にしてもよいし、棒状にしてもよい。また、除去具と逆向きの傾斜を持たせた構成としてもよい。
100 貯留槽(槽)
1 撹拌装置
2 シャフト
21 露出部
22 浸漬部
3 電動機
31 モータ
4 第1インペラ(インペラ)
5 第2インペラ(除去具)
M1 第1変形例(除去具)
M2 第2変形例(除去具)
F 循環流
F1 下降流
F4 内向流
Ws 水面
P1 固定具
P2 固定具

Claims (5)

  1. 貯留槽の槽内の水を撹拌するように構成された縦軸型の撹拌装置であって、
    モータと、
    前記モータに駆動連結されかつ、水面から露出した露出部と、水面下に浸漬した浸漬部とを有するように上下に延設されたシャフトと、
    前記浸漬部に取り付けられた第1インペラと、を備え、
    前記第1インペラは、前記シャフトの先端に固定されたボス部と、該ボス部の外周面に取り付けられた複数枚のハネと、を有する軸流タイプのインペラとして構成され、
    前記シャフトは、前記貯留槽の底壁に向かって延びる中心軸まわりに回転し、
    前記第1インペラは、前記シャフトと一体的に回転することで下向きの水流を発生させることにより、前記第1インペラ付近の水面から前記シャフトに沿って下方へ流れる下降流と、該下降流が前記底壁に衝突することで発生しかつ該底壁に沿って放射状に流れる外向流と、該外向流が、前記底壁から連続して延びる前記貯留槽の側壁に衝突することで発生しかつ該側壁に沿って上方へ流れる上昇流と、該上昇流が水面付近で流れ方向を変更することで発生しかつ該水面に沿って前記シャフトに向かって内向きに流れる内向流と、を含んだ循環流を発生させるよう構成されており、
    前記シャフトのうち前記露出部と前記浸漬部との間の境界付近の部分には、前記シャフトと一体的に回転する第2インペラが設けられ、
    前記第2インペラは、前記水面に対して傾斜した姿勢で取り付けられる半円板状のハネを有する撹拌装置。
  2. 請求項1に記載の撹拌装置において、
    前記ハネは、回転方向における前端部及び後端部のうちの一方が前記水面から露出するとともに、他方が前記水面下に浸漬するように配置される撹拌装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の撹拌装置において、
    前記第2インペラは、上下方向の取付位置を変更可能に構成されている撹拌装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の撹拌装置において、
    前記シャフト付近の水面に浮かぶスカムと前記第2インペラとが一体的に動作するのを抑制するよう構成された固定具を備え、
    前記固定具は、シャフトに沿って下方に向かって延びる棒状の部材からなる撹拌装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1つに記載の撹拌装置において、
    前記ハネは、該ハネを板厚方向に貫く貫通孔を有する撹拌装置。
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