第1の発明は、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体内に設けた複数の貯蔵室と、前記貯蔵室の開口部を開閉する扉とを備え、前記扉はその一つに照度センサを設け、この照度センサは、下端面に向けて設置した光センサと、前記光センサに外部からの光を案内する導光部材とを備え、かつ、前記導光部材の先端は前記扉の下部に位置させて前方から光を導入可能とし、前記扉の扉枠はその下部適所に透孔を設けて前記導光部材の先端を臨ませるとともに、その先端面は前記扉枠の端面と面一状態としてある。
これにより、照度センサを設けた扉下方の扉上部に傾斜部を設ける必要がなくなり、当該扉上部のデザインを制限するようなことがなくなるとともに、把手部を設けることもできる。しかも照度センサは導光部材を設けた分だけ扉端面より奥まった部分に位置させることができるので、扉表面等に掛かる水等が侵入するようなこともなくなり、高い信頼性を維持することもでき、また導光部材を目立たせることなく扉下部に設けることができる。また第2の発明は、冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体内に設けた複数の貯蔵室と、前記貯蔵室の開口部を開閉する扉とを備え、前記扉はその一つに照度センサを設け、この照度センサは、下端面に向けて設置した光センサと、前記光センサに外部からの光を案内する導光部材とを備え、かつ、前記導光部材の先端は前記扉の下部に位置させて前方から光を導入可能とし、前記導光部材は略L字状に形成してその先端を前記扉の扉枠部分から前方に臨ませるとともに、他端側を上向きにしてその端面を前記照度センサに対向配置している。これにより、さらに扉表面に付着する水等が導光部材を伝って照度センサ部分へと侵入するのを確実に防止でき、信頼性をより高いものとすることができる。また第3の発明は、第2の発明において、前記導光部材のL字状に屈曲する角部には面取り部を設けた構成としてある。これにより、導光部材の先端から導入した光は面取り部によって効率よく照度センサへと向かわせることができ、照度検知性能を向上させることができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれか1項の発明において、前記導光部材は扉前方とともに扉下方からも光が導入できるように設置した構成としてある。
これにより、より広い範囲から光を導光することができ、照度検知精度を高めることができる。
第5の発明は、第1から第4いずれか1項の発明において、前記導光部材はその先端を扉の扉枠部分から前方及び下方に臨ませて設けた構成としてある。
これにより、導光部材は目立ちにくい状態とすることができるとともに、広範囲から光を導光することができ、照度検知を高めると同時に高い意匠性を保持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態では扉前面部材にガラス板等の透明板を用いて意匠性を高めた冷蔵庫を例にして説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の全体構成を説明するための図である。図4〜図7は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の扉構成を示す図である。図8〜図10は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の扉に設けられた照度センサを示す図である。図11〜図20は、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の扉に設けられた操作表示部を示す図である。
(1−1.冷蔵庫の全体構成)
まず、図1〜図3を用いて、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫の全体構成を説明する。
図1〜図3に示すように、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫80は、冷蔵庫本体1を有する。冷蔵庫本体1は、前方に開口する金属製(例えば鉄板)の外箱2と、硬質樹脂製(例えばABS)の内箱3と、外箱2と内箱3との間に充填されて発泡させた硬質ウレタン等の発泡断熱材4とからなる。
冷蔵庫本体1は、図2に示すように、その内部が仕切られて複数の貯蔵室が形成されている。複数の貯蔵室は、冷蔵庫本体1の上部から、冷蔵室5、冷蔵室5の下に位置する切替室6および切替室6に並設された製氷室77、切替室6および製氷室77の下に位置する冷凍室8、並びに、冷凍室8の下に位置する野菜室9を有する。
また、複数の貯蔵室は、それぞれの前面が扉によって開閉自在となるよう構成されている。すなわち、冷蔵室5の前面は、観音開き式の扉10,10(以下、観音開き式扉10と称す)により開閉自在に閉塞されている。切替室6および製氷室77、冷凍室8並びに野菜室9の前面は、引き出し式の扉11,12,13,14(以下、引き出し式扉11,12,13,14と称す)によって開閉自在に閉塞されている。
また、冷蔵庫本体1の背面側には、冷却室16が設けられている。冷却室16には、冷気を生成する冷却器17と、冷気を各貯蔵室に供給する送風ファン18とが設けられている。また、冷蔵庫本体1の天面奥部には、圧縮機819が設けられている。圧縮機819では、コンデンサ(図示せず)と、放熱用の放熱パイプ820と、キャピラリーチューブ21と、冷却器17とが、順次環状に接続されて、冷凍サイクルを構成している。冷蔵庫80は、この冷凍サイクルに冷媒が封入され、冷却運転が行われるように構成されている。
また、扉10〜14それぞれは、冷蔵庫本体1と同様、硬質ウレタン等の発泡断熱材を充填発泡させて断熱性を有するよう構成されている。また、扉10〜14それぞれは、更に意匠性を向上させるべく、扉前面部材は、ガラス板等の透明板で構成されている。
以下、扉10〜14の構成を、観音開き式扉10を例にして、図4〜図7を用いて説明する。なお、観音開き式扉10以外の扉11〜14も同様に構成されている。
図4〜図7に示すように、観音開き式扉10は、内側に位置する内フレーム22を有し、内フレーム22は、例えばABS樹脂で形成されている。内フレーム22の周端面には、扉枠23が固定されている。扉枠23は、例えばABS樹脂で形成されている。内フレーム22を覆うように、扉前面部材24が扉枠23に積層配置されている。扉前面部材は、本実施の形態では、光沢のある強化ガラス板等の透明板で形成されている(以下、扉前面部材24をガラス板24と称する)。
ガラス板24は、図7に示すように、その内面に接着剤25を介して樹脂フィルム26が貼り付けられている。樹脂フィルム26に、絵模様、例えばヘアーラインのような金属調模様からなる着色層27が形成されている。これによって、ガラス板24は、あたかも着色層付きのガラス板となる。
本実施の形態では、樹脂フィルム26には、透明性が高く、機械的強度の高いポリエチレンテレフタレートが用いられている。着色層27は、着色がホワイト系ではガラス板24とは反対側の面に形成され、グレー系ではガラス板24側に形成されている。図7は、着色層27が、ガラス板24とは反対側の面に形成された場合を示している。
図7に示すように、ガラス板24の樹脂フィルム26側の面と、内フレーム22と、扉枠23との間の空間に、硬質ウレタン等の発泡断熱材28が充填発泡されている。発泡断熱材28は、発泡によって、内フレーム22、扉枠23、および、ガラス板24内面の樹脂フィルム26に接着し、樹脂フィルム26を介して、ガラス板24を接着保持している。ガラス板24の外周縁部は、そのまま露出状態となっている。ガラス板24は、その外周縁部が、扉枠23の端縁より若干内側、本実施の形態では、約2mm程度内側に位置するように構成されている。
また、観音開き式扉10は、図3および図6に示すように、観音開き式扉10の下辺を形成する扉枠23の下辺に、上向きの凹部が形成されて、把手部10aが形成されている。観音開き式扉10は、観音開き式扉10を開閉自在に軸支するヒンジ15(図1参照)を有する。ヒンジ15の自由端側に、把手部10aが形成されている。また、観音開き式扉10直下の引き出し式扉11,12、および、さらにその下方の冷凍室8および野菜室9の引き出し式扉13,14には、それぞれの扉枠23の上端面に、下向きの凹部が形成されて、把手部11a,12a,13a,14aが設けられている。把手部10a,11a,12a,13a,14aが形成された扉枠23は、上述したように、着色ガラス板挿入部を有しておらず、把手部10a〜14aそれぞれが扉端面に凹設されていることから、扉群(扉10〜14)の表面は、フラット感のある平坦面となっている。
また、観音開き式扉10は、図1および図4に示すように、その一方の観音開き式扉10に、照度を検知して節電運転をする照度センサ30と、冷蔵庫80の運転を操作するとともにその運転状態を表示する操作表示装置31とが設けられている。照度センサ30および操作表示装置31の構成については後述する。
(1−2.照度センサとその設置構成)
まず、図8〜図10を用いて、照度センサ30とその設置構成について説明する。
照度センサ30は、図6に示すように、観音開き式扉10の一方の下辺の扉枠23に設けられている。また、照度センサ30は、観音開き式扉10の一方の把手部10aの横に形成されたユニット枠32内に収納される。
詳述すると、照度センサ30は、扉枠23を構成するユニット枠32にユニット枠体33が組み込まれ、ユニット枠体33にセンサ基板34がネジ35で固定されて、構成されている。また、図8および図9に示すように、照度センサ30には、センサ基板34にスペーサ36を介して、光センサ37が下向きに取り付けられている。光センサ37の下方に、これと対向させて略L字状の光透過性樹脂成形品からなる導光部材38が設置されている。
導光部材38は、センサ基板34とともにユニット枠体33に保持させて設けられている。導光部材38は、その上端が、上述したように、光センサ37に対向し、反対側の先端部40が、ユニット枠体33に設けられた透孔部(透孔)39内に挿入されている。先端部40は、図8に示すように、透孔部39を貫通して配置されている。透孔部39に対面する扉枠23には、図10に示すように、切欠き部23aが形成されている。先端部40は、切欠き部23aから扉前面および下方に臨むように配設されている。
更に、導光部材38は、図8に示すように、先端部40の先端面が、扉枠23の前面と略同一面となるように、配設されている。また、先端部40には、観音開き式扉10の前方および下方に向かって傾斜する傾斜面が形成されている。
また、先端部40は、図8に示すように、外側に膨らんだ略円弧状の形状を有する。更に、導光部材38は、略L字状に屈曲する角部に、面取り部41が設けられている。導光部材38は、面取り部41により、先端部40から導入した光を効率よく光センサ37に向けて屈曲させるように構成されている。
(1−3.操作表示構成)
次に、図11〜図20を用いて、冷蔵庫80の扉に設けられる操作表示装置31の構成について説明する。
操作表示装置31は、本実施の形態では、複数の扉10〜14のうち、観音開き式扉10の一方、すなわち照度センサ30が設けられた側の観音開き式扉10に設けられている。また、操作表示装置31は、本実施の形態では、静電容量の変化を検出して作動するタイプのものが用いられている。
操作表示装置31は、図11に示すように、観音開き式扉10の側辺の扉枠23に開口した開口部23bから挿入され、観音開き式扉10の内部に形成された収納部材44に収納される。操作表示装置31は、扉前面部材となるガラス板24の内面に密接して、ガラス板24の表面側からタッチ操作可能となるよう配設されている。
詳述すると、図19に示すように、観音開き式扉10の内部に断熱材が充填される前に、観音開き式扉10を構成する4辺の扉枠23に、ガラス板24が接着材で接着固定される。操作表示装置31が挿入される観音開き式扉10側辺の扉枠23の開口部23bを形成する扉枠フランジ23cには、左右移動を規制する左右規制突起部23eが扉枠フランジ23cと一体形成されている。また、図20に示すように、扉枠23には、前後移動を規制する前後規制突起部23dが扉枠23と一体形成されている。収納部材44は、扉枠フランジ23cに係合する。具体的には、図19および図20に示すように、収納部材44には、扉枠フランジ23cの前後規制突起部23dと左右規制突起部23eとにそれぞれ係合する、第1係合部44aおよび第2係合部44bが形成されている。また、収納部材44の開口フランジ部44c(図18参照)には、段差部44dが形成されている。段差部44dと、ガラス板24との間には、ウレタンフォームなどの軟質フォーム部材63が配置されている。
上述したように、収納部材44は、扉枠フランジ23cの左右規制突起部23eに、第2係合部44bを係合させ、これを基点に、収納部材44を回転させながら、ガラス板24の裏面に、開口フランジ部44cを接着させる。この時、前後規制突起部23dに、収納部材44の第1係合部44aが係合し、収納部材44は、ガラス板24に位置決め固定される。
これによって、収納部材44の前面は、ガラス板24で構成されることになり、操作表示装置31は、ガラス板24の裏面に接しながら、観音開き式扉10内に収納配置される。本実施の形態の冷蔵庫80においては、段差部44dに軟質フォーム部材63が設けられているので、収納部材44をガラス板24に対して回転させて位置決めした時に、ガラス板24の裏面と、収納部材44とを密着固定させることができる。
また、図11に示すように、操作表示装置31を構成する基板45の背面に位置する収納部材44の背面側は、開口部23bから操作表示装置31が挿入される方向に向かって徐々に、前面にあるガラス板24に近づくように傾斜した傾斜面を有する。収納部材44は、その背面側の、ホルダ基板46の突出部55に対応する部分が、段差形状を有し、ガラス板24との前後方向の隙間が、他の部分と比べて狭くなるよう構成されている。
また、収納部材44の裏面(内フレーム22側の面)の少なくとも一部には、ポリエチレンフォームなどの軟質フォーム64が貼付される。図18に示すような状態で、所定冶具内で発泡ウレタンが充填され、内フレーム22に貼付された真空断熱材65(図11参照)を上から被せて扉10を成型する。図11に示すように、収納部材44の裏面側には、ウレタンは充填されず、軟質フォーム64、真空断熱材65、および、内フレーム22で構成されている。このような構成により、冷蔵庫80内の内容積を確保することができる。
操作表示装置31は、図13に示すように、基板45と、基板45の前方を覆って保持するホルダ基板46と、ホルダ基板46の前面に配置されたフィルム基板47と、更にその前面に配置されたフィルム部材48とからなる。
基板45には、表示文字等を照らす複数のLED49が実装されている。基板45の端部には、フィルム基板47を接続する接続端子50が設けられている。ホルダ基板46は、LED49からの光を前方へと照射可能な開口部51が設けられている。フィルム基板47は、光透過性を有し、静電容量の変化を検出する電極52と、配線パターンとが配置されている。フィルム部材48は、LED49に照射される表示文字53が付されている。
操作表示装置31には、ホルダ基板46の裏面に、基板45が取り付けられ、ホルダ基板46の前面に、フィルム基板47およびフィルム部材48が重ね合わされて取り付けられている。フィルム基板47のリード線部54は、ホルダ基板46の端部を跨ぐ形で折り返されている。また、フィルム基板47のリード線部54は、ホルダ基板46の裏面側に配置された基板45の接続端子50に接続されている。操作表示装置31は、図12、図14および図15に示すように、基板45と、ホルダ基板46と、フィルム基板47と、フィルム部材48とが、ユニット化されている。操作表示装置31は、ユニット化された状態で、観音開き式扉10の収納部材44に収納され組み込まれている。
ここで、ホルダ基板46には、図12〜図14に示すように、フィルム基板47のリード線部54の折り返された部分の端部に、リード線部54の折返し部分より外方まで突出する突出部55が設けられている。
また、ホルダ基板46は、突出部55の裏面側に、弾性変形可能な屈曲突起からなる第一押圧部56が設けられている。第一押圧部56は、操作表示装置31が収納部材44に収納されたとき、収納部材44の背面に圧接され、ホルダ基板46を前方のガラス板24に向けて押圧している。
更に、ホルダ基板46の上辺および下辺には、前後方向に弾性変形可能な屈曲突起からなる第二押圧部57が設けられている(図13〜図15および図17参照)。操作表示装置31が収納部材44に収納されたとき、第二押圧部57が、第一押圧部56と同様、ホルダ基板46を前方へ向けて押圧している。
すなわち、ホルダ基板46は、第一押圧部56および第二押圧部57の弾性力によって、ホルダ基板46の前面側に設けられたフィルム基板47が、フィルム部材48を介して、観音開き式扉10のガラス板24内面に圧接固定されるよう構成されている。
また、ホルダ基板46は、その上端縁部および下端縁部の少なくともいずれか一方、本実施の形態では、下端縁部に、突起58が設けられている(図14参照)。突起58は、収納部材44の下部内面に当接し、ホルダ基板46の上下動を規制している。
更に、ホルダ基板46は、突出部55とは反対側の端部に、係止突起59を有する抜け防止片60が設けられている。抜け防止片60は、上下方向に弾性変形可能に構成されている。抜け防止片60は、収納部材44の上部内面に形成された係止爪部係止される。また、開口部23bは、蓋板61で塞がれる。
なお、フィルム基板47のリード線部54が接続される基板45は、リード線部54が接続される接続端子50とは反対側の部分に、電源用コネクタ62を有する(図13および図14参照)。冷蔵庫80全体を制御する制御基板(図示しない)に接続された接続配線が、電源用コネクタ62に接続される。電源用コネクタ62と対向するホルダ基板46の一部には、切欠き部46aが設けられている。
また、ホルダ基板46の上辺および下辺には、第二押圧部57に対して、開口部23bよりも内部側に、第一リブ66が設けられ、第二押圧部57よりも開口部23b側には、第二リブ67が設けられている。上述したように、収納部材44の背面側が傾斜面を有しているので、第一リブ66は、第二リブ67よりもリブ高さが低くなるように形成されている。このような構成により、操作表示装置31は、収納部材44内に収納された時、ガラス板24の裏面にガタツキなく密接して配置される。
以上のように構成された冷蔵庫80について、以下、その作用効果について説明する。
まず、冷蔵庫80全体の構成ついて、その作用効果を簡単に説明する。
本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫80は、複数の扉10〜14を備えている。複数の扉10〜14それぞれの前面は、ガラス板24によって構成されている。このような構成により、冷蔵庫80は、高級感があって見栄えが良くなる。しかも、本開示の実施の形態の一例による冷蔵庫80は、ガラス板24の表面には、ガラス板挿入部および把手部10a〜14aによる出っ張りがないので、複数の扉10〜14の表面は、ガラス板24のみの平坦な面となっている。このような構成により、冷蔵庫80は、扉が複数枚、設けられていても、複数の扉10〜14の表面が、全体としてフラット感のあるスッキリとしたものとなる。
また、本実施の形態の冷蔵庫80によれば、観音開き式扉10,10の左右扉間の隙間も、把手部10a,10aを観音開き式扉10の下端面に凹設したことによって、左右扉間に把手部を設ける必要がなくなって狭くすることができる。よって、本実施の形態によれば、観音開き式扉10,10の左右扉の一体感およびフラット感も良好に維持することができる。
更に、本実施の形態の冷蔵庫80によれば、ガラス板24は、その内面側に着色層27を施すことによって着色の色に深みが加わって質感が増す。また、着色層27は、樹脂フィルム26に形成されているので、ローラ等によって形成することができる。よって、本実施の形態の冷蔵庫80によれば、ガラス板24に直接着色層をシルク印刷するものでは不良率が高くて実質的には得られなかったようなヘァーライン等の精細な模様も形成することができて、更に意匠性の高い冷蔵庫を得ることができる。なお、樹脂フィルム26は、必ずしも必要とするものではなく、着色および絵模様は、ガラス板24に直接を施してもよいものであり、これによってコストダウンを図ることができる。
次に、照度センサ30の作用効果について説明する。
照度センサ30は、光センサ37が観音開き式扉10の一方の下部に、観音開き式扉10の下端面に向けて設置されている。また、観音開き式扉10の下端面に対向させて設けられた導光部材38の先端部40を、観音開き式扉10下部の扉枠23の下辺部分から前方に向けて臨ませている。このような構成により、照度センサ30は、照度センサ30が設けられた扉(本実施の形態では、観音開き式扉10)の前方からの光を良好に検知することができる。
また、このような構成により、照度センサ30が設けられた扉(本実施の形態では、観音開き式扉10)の下方の扉(本実施の形態では、引き出し式扉11)の上部に、光センサ37に光を反射させる傾斜部を設ける必要がなくなり、照度センサ30が設けられた扉の下方の扉(引き出し式扉11)上部のデザインの自由度が向上するとともに、引き出し式扉11上部に凹部を形成して把手部11aを設けることも可能となる。
また、導光部材38は、その先端部40が、観音開き式扉10の特に扉枠23部分から前方に臨むように配設されている。このような構成により、導光部材を、観音開き式扉10の前面のガラス板24の表面から前方に臨むような形で設ける場合に比べ、導光部材38が目立ちにくく、意匠も良好な冷蔵庫を得ることができる。
また、導光部材38は、ユニット枠体33に設けられた透孔部39内に挿入され、導光部材38の先端部40は、透孔部39から貫通させて配置されている。また、先端部40は、扉枠23下辺に形成された切欠き部23aに臨ませて配設されている。また、先端部40は、扉枠23の端面と略面一状態となるよう構成されている(図8参照)。このような構成により、導光部材38と扉枠23とは、一体化するような形となり、高い意匠性を確保することができる。
よって、このような構成により、照度センサ30を意識させることなく観音開き式扉10に組み込むことができる冷蔵庫が得られる。また、このような構成により、フラット感があって、高い意匠性を持った冷蔵庫を提供できる。また、このような構成により、照度センサ30による節電運転が可能で、省エネルギ性の高い冷蔵庫を得ることができる。
また、導光部材38は、その先端部40が、扉枠23の下辺部分から、前方とともに下方にも臨ませている、すなわち、扉枠23の下面の先端部に、切欠き部23aを設けて、導光部材38の先端部40を下方にも一部露出させている。しかも、先端部40には、導光部材38が設けられている扉(本実施の形態では、観音開き式扉10)の前方および下方に向かって傾斜する傾斜面が設けられている。このような構成により、光センサ37は、導光部材38が設けられている扉の前方とともに下方からも光を導入することができる。したがって、光センサ37は、下方も含めた広い範囲から光を検出可能となり、照度検知性能を大きく高めることができる。つまり、このような構成により、導光部材38を目立ちにくいものとしつつ、照度検知性能を高めることができ、高い意匠性と省エネルギ性を併せ持つ、冷蔵庫を得ることができる。
加えて、導光部材38は、そのL字状に屈曲する角部に、面取り部41が施されている。このような構成により、導光部材38の先端から導入した光を、面取り部41によって効率よく光センサ37へと向かわせることができる。したがって、照度センサ30による照度検知性能を更に向上させることができる。
また、本実施の形態の冷蔵庫80は、導光部材38を介して、光を検知するように構成されている。このような構成により、光センサ37は、照度センサ30が設けられた扉(観音開き式扉10)の端面より奥まった部分に位置させることができ、照度センサ30が設けられた扉の表面等に掛かる水等が光センサ37に侵入するようなこともなくなり、高い信頼性を維持することもできる。
特に、導光部材38は、略L字状に形成されている。また、導光部材38は、その先端部40が、扉枠23の下辺部分から前方に臨むように配設されている。また、導光部材38は、先端部40とは反対側の端部の端面が上向き、すなわち水平面を有するように形成されており、その端面は、光センサ37と対向するよう配置されている。このような構成により、照度センサ30が設けられた扉(本実施の形態では、観音開き式扉10)の開閉時に、使用者の手が水等で濡れていて観音開き式扉10の表面等に水等が掛かり、観音開き式扉10表面に付着した水等が、導光部材38の先端を伝って入り込むようなことがあったとしても、光センサ37は、導光部材38のL字状に屈曲した他端部側、すなわち導光部材38の先端部40よりも上方に位置しているので、光センサ37設置部分まで水等が侵入することを確実に防止できる。よって、このような構成により、故障等のない信頼性の高い冷蔵庫を得ることができる。
また、導光部材38は、センサ基板34とともにユニット枠体33に保持させて、照度センサ30が設けられた扉の下部に設けられている。このような構成により、光センサ37と導光部材38との相互の位置関係精度が高まり、照度検知性能をより一層高めることができる。
しかも、照度センサ30は、センサ基板34がユニット枠体33に取り付けられてユニット化されている。このような構成により、ユニット枠体33を扉枠23に形成されたユニット枠32に収納するだけで、照度センサ30を容易に取り付けることができ、生産性を向上させることができる。
次に、操作表示装置31の作用効果について説明する。
操作表示装置31は、静電容量の変化を検出する電極52を備えており、ガラス板24の前面からタッチ操作することによって冷却能力等を変更することができるとともに、ガラス板24を介して変更内容を確認することができるよう構成されている。
ここで、操作表示装置31のホルダ基板46は、第一押圧部56と第二押圧部57によって、ホルダ基板46の前面側に配置されたフィルム基板47表面のフィルム部材48を、観音開き式扉10のガラス板24内面に強く圧接固定するよう、構成されている。このような構成により、タッチ操作時の静電容量の検出精度が高まり、操作品質を向上させることができる。
また、ホルダ基板46は、その下端縁部に、突起58が設けられている。このような構成により、観音開き式扉10が収納部材44に挿入される際のスライド抵抗を低減することができる。したがって、ホルダ基板46の収納部材44への挿入作業を容易なものとすることができる。
また、ホルダ基板46は、第一押圧部56および第二押圧部57の弾性力により、ガラス板24の裏面に圧接される。また、ホルダ基板46の上辺および下辺には、操作表示装置31の挿入性を高めるために収納部材44の背面側に設けられた傾斜面に対して、操作表示装置31の前面がガタツキなく保持されるように、互いに高さの異なる第一リブ66および第二リブ67が設けられている。このような構成により、操作表示装置31をガラス板24の裏面に圧接配置させることができ、静電容量の検知バラツキを低減することができる。
また、ホルダ基板46の前面に設けられたフィルム基板47は、リード線部54が、ホルダ基板46の裏面側に設けられている基板45に接続されるよう構成されている。すなわち、フィルム基板47は、リード線部54が、ホルダ基板46の端部を跨ぐ形で折り返されて基板45に接続されるよう構成されている。このような構成により、フィルム基板47のリード線部54が伸縮できなく、かつ、ホルダ基板46の裏面側の基板45との間に多少の寸法バラツキがあっても、リード線部54を折り返す曲率を大小変化させることによって、そのバラツキを吸収することができる。よって、このような構成により、リード線部54の接続作業が容易になって作業性を大きく向上させることができる。
すなわち、フィルム基板47は、リード線部54を基板45に接続する前に、ホルダ基板46の前面に貼り付けられる。このため、リード線部54を折り返すことなくそのまま直線上に接続するように構成されている場合は、ホルダ基板46の裏面側の基板45との間に寸法バラツキがあると、リード線部54の接続ができなくなる。このような場合、フィルム基板47を貼り直してフィルム基板47の位置の微修正を行う必要が出てくる。
しかしながら、本実施の形態で示したような構成、すなわち、リード線部54を折り返して接続する構成とすれば、上述したように、折り返しの曲率を大小変化させるだけで寸法バラツキを吸収することができ、リード線部54の接続作業が容易になって作業性を大きく向上させることができる。
また、ホルダ基板46には、リード線部54の折り返し部分より外方まで突出する突出部55が設けられている。このような構成により、操作表示装置31を観音開き式扉10に組み込む際、ホルダ基板46の突出部55が、フィルム基板47のリード線部54を保護する形となる。したがって、観音開き式扉10への組み込みも気を使うことなく容易に行え、作業性を向上させることができるとともに、フィルム基板47のリード線部54の傷つき等も抑制することができ、信頼性を大きく向上させることができる。
加えて、ホルダ基板46は、突出部55とは反対側の端縁に設けられた抜け防止片60によって、観音開き式扉10の収納部材44に形成された係止爪部に係止される。このような構成により、操作表示装置31が不用意に抜け出ることを防止でき、信頼性を更に高めることができる。また、蓋板61で開口部23bが塞がれるので、操作表示装置31に埃および水が入ることを防止することができる。
また、ホルダ基板46の前面に設けられたフィルム基板47のリード線部54が接続される基板45は、フィルム基板47のリード線部54が接続される接続端子50とは反対側の部分に、電源用コネクタ62が設けられている。このような構成により、収納部材44の入口側部分で、電源用コネクタ62を、冷蔵庫本体1からの電源線と接続させることができる。しかも、その接続は、ホルダ基板46に設けられた切欠き部46aを介して、ホルダ基板46の前面側から行うことができる。よって、このような構成により、作業性を向上させることができる。
なお、操作表示装置31は、本実施の形態では、観音開き式扉10の照度センサ30が設けられた扉に配設された場合を例にして説明したが、この構成に限られない。操作表示装置31は、照度センサ30が設けられていない側の扉に設けられていてもよいし、場合によっては、他の扉、例えば引き出し式扉に設けられていてもよい。
また、操作表示装置31は、LED49による照射機能を備えたものを例にして説明したが、照射機能がない、例えば電極等の操作表面部分に表示文字が付されているだけのものであってもよい。
以上、本開示について、実施の形態を用いて説明したが、本開示は、これに限定されるものではない。すなわち、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。つまり、本開示の範囲は、上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。