JP6850947B2 - 波状磁束型磁界センサ - Google Patents

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Description

本発明は磁界センサに属し,特に,簡易な構造と高い耐環境性とを兼ね備えて格段に高感度なもので,磁気変調方式に分類される.
磁界センサには,ホール効果や磁気抵抗効果を利用した個体素子のものから,光ポンピング磁力計や超伝導量子干渉素子(SQUID)などの高感度なものまで様々ある.しかし,前者は小型安価にはできるが,熱耐性や放射線耐性などの環境耐性が低く,かつ感度も低い.一方後者は,極めて高感度ではあるが駆動系まで入れると大掛りな装置になり,消費電力も大きく,製造コストも運用維持コストも高額である.
比較的簡易な構造で感度の良いものとしては,フラックスゲート方式の磁界センサがよく知られており,これは大分類では磁気変調方式に属する.同じ磁気変調方式で高感度なものとしては,「基本波型直交フラックスゲート磁界センサ」(特許文献1参照)や,「磁気インピーダンス磁界センサ」(特許文献2参照)などがある.この両者はともに高感度であり用途によっては十分な性能を有している.しかし,さらに高性能を求めるニーズは当然にあり,より高性能な磁界センサは,製造業,医療,福祉,宇宙開発などの分野で,新たな技術の実用化を支えることができる.また新たな産業の発生にも寄与する.
さらに,磁界センサは電流センサにもなり,小型堅牢で高性能な磁界センサは高性能な電流センサの基礎となる.特に直流電流センサは,太陽光発電設備や電気自動車などでは必需品で,高性能で安価なものは安全や安心の技術を支えるとともに,効率の向上にも大きく寄与する.このように高性能な磁界センサ技術のニーズは電流センサ市場にもある.
磁界センサの,小型・軽量・堅牢・安価・安定・信頼・高感度の要素は,用途によって要求の度合が異なり,すでに提案されている様々な磁界センサは用途によって使い分けられているが,より高性能なものはユーザの選択肢を広げ,より付加価値の高い応用製品を実現させることができる.
以上のように,高性能な磁界センサは安全安心の供与や医療福祉の向上など国民生活に密着した事柄から,自然災害の予測と監視,さらには宇宙科学探査に至る広範囲の分野で役立っている.従って少なくとも一点でも優れた特質を持った磁界センサは社会の発展におおいに寄与する.
特開2002ー277522号公報 特開平7ー181239号公報 特開2016ー217946号公報 特開2006ー296829号公報
解決しようとする課題は,磁気現象の産業的応用が高度化する中で,特に小型・軽量・堅牢・安価・安定・信頼・高感度の要素をバランスよく兼ね備えた磁界センサの選択肢が限られている点である.
本発明は,面に沿って整然と屈曲したつづら折れ状の励磁電路1を磁性材薄帯2で,前記励磁電路1と前記磁性材薄帯2とが電気的に絶縁される状態で挟装し,これを巻回する検出コイル3を有し,前記励磁電路1に直流電流と交流電流とを重畳した励磁電流 Ie を流す手段と,前記検出コイル3の出力を検波する手段とを有し,前記検出コイル3の出力の大きさから,前記磁性材薄帯2内の磁束変化の大きさを知ることにより,周辺の磁界の強さを計測する.
小型・軽量・堅牢・高感度の要素において,本発明と比較できる程度の性能を持つ磁界センサとしては,前記段落0003に挙げた,「基本波型直交フラックスゲート磁界センサ」や,「磁気インピーダンス磁界センサ」があり,この両者はアモルファスワイヤを磁気コアとして使用し,且つこの磁気コアに電流を流す必要がある.ところがこのアモルファスワイヤは半田付けやろう付けなどの付きが悪く,様々な工夫がなされてはいるものの,安定性や信頼性を高くできない.また,この困難な作業のために製造コストがかかっている.この点において本発明は磁性材に電流を流す必要がないために,仮にアモルファス材料を使う場合であっても,安定性や信頼性を低下させる要因にならないという効果がある.そして困難な通電接続を必要としないために,そのための製造コストがかからない効果がある.
さらに,磁性材として利用できるアモルファスワイヤは専らセンサ用として僅かに生産されていて高価であり,製造もある企業で独占的に行われており産業的に安心して使用できる材料ではない.その点において,本発明が使用可能なアモルファスリボンは変圧トランス用コア材や磁気シールド材として大量に製造され安価であり,製造も複数の企業で行われており,産業的に安定供給が期待できる効果がある.ちなみに本発明の磁性材薄帯2の材料としては,パーマロイ箔や極薄珪素鋼帯などを使うこともできる.どの材料を使うかは製品に求められる性能と価格によって決める.
また,前記のアモルファスワイヤを用いた磁界センサの動作原理は,いずれも直交励磁方式であり,アモルファスワイヤ内の磁化ベクトルの傾きの変化を利用した検出原理であるのに対して,本発明は平行励磁方式であって,透磁率の変化を利用しており,励磁電流の利用効率が良く高感度にできる効果がある.前記の磁化ベクトルの傾きを利用した検出原理では,そのアモルファスワイヤの磁気異方性の不均一性が性能に大きく影響してノイズの発生要因にもなる.つまりアモルファスワイヤは製造時の急激な冷却により,中央部では引張り応力,表皮部では圧縮応力,の相互に異なる強い応力が生じて,磁気異方性は中央部から表皮部にかけて複雑に変化しており,さらにその磁気異方性はワイヤの場所によって向きや程度も画一的ではなく,被計測磁界と励磁磁界とのなす角度が場所や時刻によって様々な値になり,その結果検出コイルに発生する起電力も経時的に様々な値を現し,これによってノイズが生じる.また量産した時の性能のばらつきも大きくなる.一方で磁性材薄帯を用いて平行励磁を行なっている本発明では,局所的な磁気異方性があっても被計測磁界と励磁磁界とが平行であるために,両磁界のなす角度は常に零で,当該要因のノイズは出ない効果がある.
本発明は,半導体素子を用いた磁界センサと比較した場合,寸法が大きくなる傾向があるが,温度衝撃耐性や放射線耐性などで比較すると,本発明の方がはるかに強靭で,宇宙環境や量子加速器周辺,あるいは原子炉周辺などの極限環境で高い信頼性を発揮できる効果がある.
以上のように,本発明は小型・軽量・堅牢・安価・安定・信頼・高感度の全ての点で,従来の全てのセンサに勝るもというものではないが,これらの要素をバランスよく兼ね備えた磁界センサであり,使用目的に応じた選択肢を広げる効果が大いに期待できる.
励磁電路1の形状,および励磁電路1と磁性材薄帯2との位置関係を示す図. 励磁電路1を,二枚の磁性材薄帯2で挟装した外観図. 実施例1の検出部の一部を切開して,内部構造が解るようにした外観図. 励磁電路1aおよび1bとして励磁電路1を二回路設けた場合の,励磁電路と磁性材薄帯2との位置関係を示す図. 励磁電路1aおよび1bとして励磁電路1を二回路設け,二枚の磁性材薄帯2で挟装し,励磁電路1aと1bの一端を通電するように接続して,励磁電流 Ie が回帰するようにした状態を示す図. 励磁電路1を二回路設けて励磁電流 Ie を回帰させるようにした,図5のユニットを,複数枚積層した実施例2の検出部の外観図. 検出部の長手方向の断面であって,励磁電路1と磁性材薄帯2と検出コイル3との電磁気的関係を示し,被計測磁界 Hx が存在しない場合の説明図. 検出部の長手方向の断面であって,励磁電路1と磁性材薄帯2と検出コイル3との電磁気的関係を示し,被計測磁界 Hx が存在する場合の説明図. 磁性材薄帯2を相互に接近または接触させる場合の模式図と,その時の磁気抵抗を説明するための説明図. 絶縁導線を用いて複数の励磁電路1を設けた場合の長手方向の断面図. 磁性材薄帯2に用いることができる磁性材の一例であるアモルファスリボンの,比透磁率対磁界特性グラフによる,本発明の動作および特性の説明図. 本発明の駆動回路のブロック図の一例. 実施例1において,励磁電流 Ie の交流成分を一定に保ち,直流成分だけを変化させた時の特性例のグラフ. 実施例1において,励磁電流 Ie の直流成分を一定に保ち,交流成分だけを変化させた時の特性例のグラフ.
本発明は磁性材薄帯2を励磁することによりその透磁率を変化させて,この透磁率の変化が被計測磁界 Hx によって磁性材薄帯2内に生じる被計測磁束 Φx を変化させ,さらにこの被計測磁束 Φx の変化が磁性材薄帯2に巻回した検出コイル3にもたらす起電力を得ることにより,被計測磁界 Hx を計測するものである.
具体的には,整然としたつづら折れ状になった励磁電路1を磁性材薄帯2で,励磁電路1と磁性材薄帯2とが電気的に絶縁される状態で挟装して,これを導線で巻回するか,あるいは空芯コイルに貫通することで検出コイル3を設け,励磁電路1に直流と交流とを重畳した励磁電流 Ie を流すことを特徴とする.
この形態の長所は次の通りである.
磁性材を励磁する方法は,磁性材に励磁コイルを巻く方法や,磁性材に直接電流を流す方法がよく知られている.しかし,前者の励磁コイルを巻く方法は,励磁コイルを巻く手間や組立の手間でコスト高になり,さらに励磁コイルが占める容積により小型化や軽量化の障害になるという短所がある.後者の磁性材に直接電流を流す方法は,優良な特性の磁性材には半田付けやろう付けが付きにくい性質の物が多く,電路の接続の手間や,完成後の剥離による信頼性の低下が問題になっている.さらに,半田付けなどの際に温度が高くなるために,磁性材の特性が局所的に変化して磁性材の特性を劣化させて,センサの性能を悪化させる短所がある.その優良な特性の磁性材の一例としては,アモルファスワイヤがある.また,磁性材に直接電流を流す方法では直交励磁しかできず,高感度が期待できる平行励磁型磁界センサを作ることはできない.
前記の励磁の課題を解決するために本発明では励磁コイルを設けず,導電体薄帯や,例えばフレキシブル基板などの様にごく薄いプリント基板で励磁電路1を作り,これを磁性材薄帯2で挟装することにより励磁を実現している.磁性材薄帯2は細長い形状にして,この磁性材薄帯2と励磁電路1が繰り返し交差するように配置して,磁性材薄帯2を長手方向に励磁するようにしている.細長い磁性材が磁界に曝されると,磁性材の形状磁気異方性により,磁束は磁性材の長手方向に生ずる.従って本発明の検出部の周辺の被計測磁界 Hx による磁性材薄帯2内の被計測磁束 Φx は,前記の励磁が磁性材薄帯2内に起こす励磁磁束 Φe と,同じ向きかあるいは全く反対向きになり,その結果平行励磁が実現する.
本発明の励磁電流 Ie は直流と交流とを重畳していることを特徴としており,これが感度の向上に寄与している.この励磁電流 Ie と前記の構造との相補を含む動作原理を次に説明する.
図7は,図3においては長手方向と垂直方向が成す平面によって幅方向の中央で切断した場合の断面を示している.図7において符号11,符号12,符号13は,励磁電路1の一部であり,励磁電路1が磁性材薄帯2を横断している部分である.これをそれぞれ励磁電路横断部11,励磁電路横断部12,励磁電路横断部13と呼ぶことにする.この励磁電路1が磁性材薄帯2を横断する励磁電路横断部は図7では三つしか図示していないが,実施する場合に数の限定はない.この横断部の数は多い方が感度を向上させやすい.しかし,実用的には大きさやコストにより制限されるため,実施品が必要とする性能との妥協点で決定する.励磁電路横断部11,励磁電路横断部12,励磁電路横断部13の中央に示した丸い印は励磁電流の方向を示しており,励磁電路横断部11と励磁電路横断部13では図の裏から表に向かう方向を示している.そして励磁電路横断部12では図の表から裏に向かう方向を示している.励磁電路1は図1でも分かる通り,つづら折れ状になっているために,励磁電路1が磁性材薄帯2を横断している部分では,配列の順に反対向きに励磁電流 Ie が流れる.従って励磁磁束 Φe は図に示す通り,配列の順に反対向きに周回する磁束になる.その結果,励磁電路横断部11と励磁電路横断部12との間,および励磁電路横断部12と励磁電路横断部13との間では,その両側の各励磁電路横断部により発生する磁束の向きは同じになる.
図7は本発明の検出部が無磁界の中に置かれた時の状態である.つまり,被計測磁界 Hx がない場合である.ここで,検出コイル3ではこのコイルの軸方向に貫通する磁束の変化で起電力を生じるが,図7の場合,ここに存在する磁束は励磁磁束 Φe だけである.励磁磁束 Φe は直流成分と交流成分を持っており,検出コイル3に起電力を生じさせうるのは励磁磁束 Φe の交流成分だけである.しかし,励磁電路横断部の電流が発生する励磁磁束 Φe は,検出コイル3の内部でコイルの軸方向の成分が相殺されるために,検出コイルを軸方向に貫通する磁束は発生せず存在しない.従って,被計測磁界 Hx がない場合には,検出コイル3に起電力は生じず,検出コイル3の出力はゼロである.ちなみに励磁電路横断部を繋ぐ縦の部分の励磁電路の磁束も検出コイルを軸方向に貫通する磁界は発生しない.
次に図8は,被計測磁界 Hx が存在する場合の図である.図8において符号 Φx が被計測磁界 Hx によって検出部内部に生じる被計測磁束 Φx である.図8では被計測磁界 Hx の磁位が図の左側の方が高い場合を仮定しており,よって被計測磁束 Φx は左から右の方向に矢印をつけている.
一般的な磁性材では,磁性材に印加される磁界の強さとその磁性材の内部に生じる磁束大きさとは線形な比例関係を示さず,その比例係数である透磁率は磁界の強さによって変化する.図11はその一例である.ちなみに磁界の強さによって透磁率が変わるということは,磁束の大きさによって透磁率が変わるとも言える.古くから知られているフラックスゲート方式の磁界センサや,これに類する磁気変調方式の磁界センサの発明は,全てこのような磁性材の性質を利用しているという共通点がある.本発明も磁性材のこの性質を利用したものである.
本発明の励磁電流 Ie は交流成分を含んでいるために,励磁磁束 Φe も交流成分を含むことになる.よって励磁磁束 Φe は時間的に変化し,その結果磁性材薄帯2の透磁率は変化する.つまり,被計測磁界 Hx が一定であっても,磁性材薄帯2の透磁率が励磁磁束 Φe とともに変化することによって,被計測磁束 Φx の大きさも変化する.その結果,検出コイル3を貫通している磁束が変化することになり,検出コイル3に起電力が生じ出力が得られる.以上が基本的な動作原理であるが,本発明では励磁電流 Ie に直流成分を含んでおり,これが重要な働きをするため,その作用を次に説明する.
励磁電流 Ie に交流成分が含まれていなければ磁気変調方式ではなく,前記のような基本的な動作もしない.一方直流成分は必ずしも必要なものではなく,一般的なフラックスゲート方式では直流成分は利用していない.ところが磁束密度対磁界特性(BーH特性)が急峻に立ち上がる磁性材では,励磁電流 Ie に直流成分を重畳して交流成分の動作点を移動することで,センサの感度を向上させることができる.この作用を活かすためには,より小さな磁界で急峻な立ち上がりをする材料が適しており,例えばアモルファス磁性材は適している.ちなみに,一般的なフラックスゲート方式では交流成分を大きくして,磁束密度対磁界特性の急峻な変化部分を超えて磁気飽和するところまで励磁している.
次に,アモルファス磁性材の特性の一例を挙げ,直流を重畳する効果を図11によって説明する.図11は一般的なアモルファス材料の比透磁率対磁界特性(μsーH特性)である.先にも述べた通り透磁率は磁界により大きく変化するもので,磁界がゼロ付近では透磁率は小さな値を示しこれを初透磁率と呼ぶ.そして磁界が強くなるにつれて透磁率も大きくなり最大透磁率と呼ぶ値まで大きくなる.磁界がさらに強くなると透磁率は下がり始め,真空中の透磁率に漸近していく.この時磁性材は最大透磁率の磁界より少し強い磁界で磁気飽和する.
図11の励磁1と励磁2は交流成分の大きさは同じで,直流成分の大きさだけが異なる.直流成分がない場合は交流励磁は磁界ゼロを中心に振れる.励磁1は1 A/m の磁界が発生する直流電流を流し,これと振幅が約0.8 A/m の磁界を発生する交流電流を重畳している.この時の透磁率の変化の幅をΔμ1とする.励磁2は直流成分の大きさを,磁界が約2.7 A/m になるようにしている.この時の透磁率の変化の幅をΔμ2とする.図で分かる通り,交流成分の大きさが同じであるにもかかわらず,透磁率の変化の幅には大きな差が生じる.透磁率の変化は言い換えれば磁気抵抗の変化であるが,磁気抵抗は透磁率の逆数に比例する.次の説明では動作を理解しやすい磁気抵抗を使う.
前記の通り磁気抵抗と透磁率とは逆数の関係にあるため,図11では励磁2の場合の方が励磁1の場合よりも磁気抵抗が小さい.交流成分による磁気抵抗の変化は,直流成分が特定の値の時に最も大きく,その値より大きくても小さくても磁気抵抗の変化は小さくなる.その交流成分による磁気抵抗の変化が最も大きくなる直流成分の値は,図11の場合では励磁2の値の約2.7 A/m である.
図8に戻って励磁電路横断部12を代表にしてその周辺の磁束と本発明の挙動について,図11の励磁2の条件で動作している場合について説明する.励磁電路横断部12には図の表から裏に向かう励磁電流 Ie が流れている.この励磁電流 Ie の直流成分を交流成分の振幅の半分よりも大きくしておけば,電流の向きが反転することはなく,励磁磁束 Φe も時計回りの一方向だけになる.ただし,交流成分を大きくすると出力が増すために,場合によっては磁束が反転するところまで交流成分を大きくすることもあり得るが,その場合も本発明の有効な動作原理は同じであり,本発明ではそれも許容する.ここでは,本発明の基本的な動作原理とその優位性を説明する趣旨から,複雑な条件は避けて本発明の特徴が最も分かりやすい単純な条件のもとの磁気挙動をもって説明する.
図8の励磁電路横断部12の励磁磁束 Φe は常に時計回り方向に生じている.そして交流成分の周期に合わせて磁性材薄帯2の磁気抵抗は増減を繰り返している.ここに被計測磁束 Φx が入ってきた場合,励磁電路横断部12の上側の磁性材薄帯2では励磁磁束 Φe の向きと被計測磁束 Φx の向きが同じになり,両者を合成した合成磁束が大きくなることにより磁気抵抗が減少する.一方で,励磁電路横断部12の下側の磁性材薄帯2では励磁磁束 Φe と被計測磁束 Φx の向きが反対になり合成磁束は小さくなり磁気抵抗が増大する.その結果被計測磁束 Φx は磁気抵抗の小さい方を多く通ることになり,励磁電路横断部12ではその上側の磁性材薄帯2を通る.他方,励磁電路横断部11と励磁電路横断部12では励磁電流 Ie が励磁電路横断部12とは反対向きのために,被計測磁束 Φx が通るのは下側の磁性材薄帯2になる.その様子は図8に示した通りである.
この状態で,励磁磁束 Φe は交流成分により増減している.そして磁性材薄帯2の磁気抵抗も増減する.その結果,その磁気抵抗の増減によって被計測磁束 Φx も増減する.この被計測磁束 Φx の増減は検出コイル3に起電力を起こし,その出力には被計測磁束 Φx ,すなわち被計測磁界 Hx の強さに比例した出力電圧を現す.このようにして,本発明はその検出部が置かれた環境の磁界を計測することができる.
この際,励磁磁束 Φe の変化が大きいほど検出コイル3の出力は大きくなり,検出感度が上がる.励磁磁束 Φe の変化を大きくするには励磁電流 Ie の交流成分を大きくしても良いが,交流成分を一定にしておいても,直流成分を最適な値にすることで大きな効果が得られる.図11の場合では,励磁1よりも励磁2の方が磁気抵抗の変化が大きく,磁束の変化も大きくなるために,検出感度が上がることがわかる.また,励磁1よりも直流成分を小さくして 0 A/m にした場合は,励磁1よりも検出感度が下がることが図11からも容易にわかる.つまり,本発明で直流成分を重畳する意義はここにある.
次に磁性材薄帯2による挟装の仕方について述べる.励磁磁束 Φe は励磁電流 Ie によって生じるが,励磁磁束 Φe の磁路の磁気抵抗が小さいほど励磁電流 Ie が小さくて良い.そして検出に寄与する部分は磁性材薄帯2であることから,励磁電路1を挟装している磁性材薄帯2の隙間80は検出機能には不要であるばかりでなく,磁路の磁気抵抗を大きくする作用があり弊害になる.そこで不要な隙間80を狭くするかまたは無くするために.両側の磁性材薄帯2を,隙間80の部分で接近させるかまたは接触させることは意義がある.
両側の磁性材薄帯2を,隙間80の部分で接近させるかまたは接触させた状態の説明図を図9に示す.図9の中の(A)の図は磁性材薄帯2を真っ直ぐに張り間隙80が大きい場合である.次に図9の中の(B)の図は両側の磁性材薄帯2を接近させた場合である.さらに図9の中の(C)の図は両側の磁性材薄帯2を接触させた場合である.また,図9の中の(D)の図は,一つの励磁電路横断部12による励磁磁束 Φe の磁路の磁気抵抗の等価回路である.この等価回路の RmM は磁性材薄帯2の磁気抵抗であり ,RmG は隙間80の磁気抵抗である.
後に述べる実施例1についてこれらの磁気抵抗を概略で計算すると,図9の中の(A)の場合は,RmM が 1.47 × 10^6 A/Wb で,RmG が 10.9 × 10^6 A/Wb である.一周では 24.7 × 10^6 A/Wb になる.次に図9の中の(B)のように隙間80を接近させた場合で,間隙80の距離が3μmの場合は,隙間80の磁気抵抗 RmG は 79.6 × 10^3 A/Wb になる.この RmG の値は RmM に比べて桁違いに小さくなり,励磁磁路一周の磁気抵抗は RmM が支配的になる.隙間80の距離が3μm と言うのは,実施例1で厚さ3μm の両面テープで両側の磁性材薄帯2を貼り付けた実績に基づいたものである.さらに図9の中の(C)の場合では,両側の磁性材薄帯2が接触しているので隙間80はなくなりその磁気抵抗 RmG は 0 A/Wb になる.従って励磁磁路一周の磁気抵抗は RmM だけになり,2.94 × 10^6 A/Wb になる.つまり,実施例1の寸法と材料の場合,隙間80がある場合に比べて,両側の磁性材薄帯2の隙間80部分を接近させるか,あるいは接触させることで励磁磁路一周の磁気抵抗を8分の1程度に小さくすることができる.これは励磁電流 Ie がそれだけ小さくても良いと言うことであり,省電力になる.両側の磁性材薄帯2を接近または接触させる方法としては,補強板4に突起部を作って抑えるなどの方法もある.
本発明は検出部を駆動する電子回路が必要である.検出コイル3の出力は励磁電流 Ie の交流成分に同期した交流電圧であり,その大きさが被計測磁界 Hx に比例している.そこで検出コイル3の出力は検波回路によって励磁電流 Ie の交流成分を除去して被計測磁界 Hx に完全に比例した信号を取り出す.このように,本発明は励磁電流 Ie の発生や出力の検波を必要とする.そこで,これらを駆動回路と呼び図12に示す.
図12は駆動回路のブロック図の一例である.駆動回路では直流電源71の出力と,交流電源72の出力とを,直流成分と交流成分とを重畳する電子回路73で重畳して,本発明の検出部70を励磁する.検出部70の検出コイル3の出力は,信号処理しやすい大きさまで増幅回路74で増幅して,検波回路75に送り検波する.検波された信号は実施の用途に合わせた信号形態にするための出力回路76を経て出力する.
図12において,点線で示した同期信号77と負帰還信号78は必須ではなく,実施の用途に合わせて,必要であれば設けることができる.同期信号77は励磁電流 Ie の交流成分を検波回路に送り,同期検波をする時に用いる.負帰還信号78は被計測磁界 Hx が大きい場合や,より高性能を実現する場合に,磁気平衡式と呼ばれる,センサにかかる磁界を常にほぼゼロにする手法を実現するために用いる.
励磁電路1の形状および励磁電路1と磁性材薄帯2との位置関係を図1および図2で説明する. 図1は上側の磁性材薄帯2を除いた図である.励磁電路1は整然としたつづら折れ状になっており,磁性材薄帯2の直近を順次交互に反対向きに電流が流れる.図1に示した励磁電路1は直角に折れ曲がった矩形をしているが,必ずしもこのように矩形である必要はなく,ジグザグであったり,正弦波状であったり,あるいは折り返し部分が円弧ような形状であってもよい.その形状の選択は実施品の大きさや励磁周波数 fe などによって決まる.本実施例1では図1の通り直角に折れ曲がった励磁電路1を用いた.
磁性材薄帯2にはアモルファスリボン用いた.用いたアモルファスリボンの厚さは18μm,幅は3mm,長さは32mm である.また,励磁電路1には銅箔を用いて,その厚さは35μm,幅(励磁電路横断部の長さ)は7mm,長さは28mm である.励磁電路1は磁性材薄帯2で挟装した際に密着させることが望ましが,励磁電路1と磁性材薄帯2が通電してはならない.そこで厚さ3μm の両面粘着テープを挟んで絶縁した.これらを厚さが300μm,幅が8mm,長さが34mmのガラスエポキシの補強板4で挟装した.さらに,これらに400ターンの検出コイル3を巻回した.完成した実施例の寸法は,厚さが約2mm,幅が8mm,長さが34mm になった.この実施例1の外観図を図3に示す.ただしこの外観図は,内部構造がわかるように一部を切開した図にしている.また,検出コイル3は切開した部分も巻いているが図では省略している.
この実施例1は,図12の駆動回路を用い,同期信号77を使って同期検波を行ない,さらに負帰還信号78も使って磁気平衡式として動作させた.そして励磁条件の違いによる出力の変化を調べた.この際の被計測磁界 Hx には地磁気を用い,地磁気が最も大きくなる方向と仰角に設置した.この実験は福岡県内で行い,この時の地磁気の強さは国土地理院の資料では約47μT である.この実験の結果を図13と図14に示す.
図13は,励磁電流 Ie の交流成分を50mAに一定に保ち,直流成分だけを変化させた時の特性である.この実験において,励磁電流 Ie の直流成分が0 mA の時は交流成分の負極性の部分で励磁磁束 Φe が反転している.その他のデータではこの反転は起っていない.この実験結果では直流成分が200mA を超えたあたりから出力が急激に大きくなり,350 mA を超えると増加が少なくなっている.
図14は,励磁電流 Ie の直流成分を350 mA に一定に保ち,交流成分だけを変化させた時の特性である.実験結果では出力は交流成分の大きさに直線的に比例している.この実験の設定ではどの場合でも励磁磁束 Φe の反転は起こっていない.
次に,厚さ5mm のパーマロイで作った内径70mm ,内側の長さ140mm で二重構造の磁気シールドカプセル内で,ノイズの大きさを測定した.その結果,この条件で測定したノイズの大きさは30 pT 以下であることがわかった.しかしこのノイズがセンサ自体から生じているものか,それとも環境磁界が磁気シールドを通過して侵入し,それを感知しているものなのかは,この実験ではわからない.何れにしてもこの実験結果から,実施例1のノイズが30 pT を超えていないことは確認できた.磁気変調式の磁界センサでノイズが30 pT 以下であることは高性能である.
実施例2の外観図を図6に示す.この実施例2の励磁電路1は図4に1aと1bの符号で示したように二回路になっている.この二つの励磁電路の一端を図5のように電気的に接続することで励磁電流 Ie が往復することになり,励磁電流 Ie が二倍になった効果が起こる.この図5の要素を1組として,補強板4と交互に4組積層して,全体を検出コイル3で巻回し,さらに全ての励磁電路1を直列に接続したのが実施例2であり,その外観図が図6である.実施例2は,励磁電流 Ie は外部から供給した2倍の効果があるので,駆動回路から供給する励磁電流 Ie は実施例1の半分で良い.そして検出要素が4組あり,全ての磁束の変化を一つの検出コイルで捉えるので,感度がおおよそ4倍になる.本発明の検出部は厚さが薄いために,このように複数を積層して感度を上げることもできる.
図4および図5に示した励磁電路1は二回路であるが,これはさらに増やしてもよく,図10のように励磁電路1を絶縁導線で作ることもできる,しかしこれには長所と短所があって,長所としては励磁電流 Ie をより小さくできることで消費電力を小さくできる点がある.一方短所は,励磁電路1が複雑になり製造コストが上がることなどが挙げられる.
磁界センサの用途は多いが,本発明が適した利用可能な用途例を,製造業,医療,福祉,宇宙開発の4点について挙げる.
まず製造業における利用可能性については異物検査装置について述べる.近年,鉄成分を含む異物混入の検査装置に磁界センサが使われるようになった(特許文献3参照).現在の装置の性能は,磁界センサが対象物から50mm 程度離れた位置で,直径 0.5 mm の鉄球を検出する程度が限度である.これに対して,実施例1を用いた様々な実験データで確認できた本発明の性能であれば,同じ条件で直径 0.3 mm の鉄球が検出できる程度であることが確認できた.
感度だけの比較であればアモルファスワイヤを直交励磁した「基本波型直交フラックスゲート磁界センサ」などでも達成しているが,これらは強いノイズを突発的に発生することが確認されており,一回の計測だけで判断しなければならない異物検査装置では,出力された信号が異物によるものかノイズによるものか判らず,装置の信頼性を下げている問題がある.この問題は磁性材容量の小さなアモルファスワイヤを,狭い領域で直交励磁して磁気異方性を利用しているためだろうと考えられているが,まだその確認はされていない.しかしこの点において,本発明は十分な磁性材容積をもった平行励磁であって動作原理も異なることから,仮に前記の理由が原因である場合には同じ現象は起らない.実際に,実施例1を用いた実験ではそのようなノイズの発生はまだ見つかっておらず,本発明はこのような検査装置の性能向上にも利用可能である.
次に医療分野では,例えば心磁界の計測で利用できる.従来からよく知られているものに心電図があるが,これは心臓の筋肉の動きに伴って生じる電流の一部が,身体の表面を流れることによって生じる電位差を計測している.一方,心磁界の計測では,心臓の筋肉の動きによって生じる,心臓の電流の磁界を磁界センサによって直接計測するものである.このようにして得た心磁界をグラフにしたものを心磁図と呼ぶ.心電図と心磁図を比較すると,心電図が身体の表面の電圧情報しか得られないのに対して,心磁図では心臓が発生する磁界を直接計測することができる,という違いがある.心磁図の場合は多数の磁界センサを配列して計測することが可能で,空間分解能が高くなり,心臓のどの部分がどのように動いているのかを知ることができる.
心磁界計測には高感度な磁界センサが必要で,従来はもっぱらSQUIDが用いられていたが,近年では汎用の磁界センサを用いて装置の普及を図ろうとする研究がなされている(特許文献4参照).しかし,この用途に使うことができる磁界センサは高感度で低ノイズでなくてはならず,その条件を十分に満たした磁界センサはまだない.現在は磁界センサの性能を補うために長時間の心磁界を平均化する手法によりノイズを除去する手法も試みられているが,この方法がうまく機能するには,平均化している間,心磁界が同じ周期で安定していることが条件になり,不健康な動きをする心臓の診断に適しているか疑問が残る.
本発明は高感度,低ノイズという点で従来の磁界センサよりも優れているために,医療分野においても利用可能である.
さらに福祉分野では,独居者の見守りサポートシステムに使える.従来の見守りサポートシステムでは,モニターカメラや赤外線センサなど,あるいは電力やガスの使用量のモニタなどを活用したものがあるが,前者にはプライバシー保護の難しさや視野の狭さなどの短所があり,後者には,不確定要因が多く異変が判断できるまでに数日以上の長い時間が必要であるなどの短所がある.これに対して,プライバシーの侵害がなく広範囲を監視できて,異変を数時間以内の短時間で判断できるシステムが求められている.このようなニーズを高性能な磁界センサで解決することができる.つまり,鉄やステンレスなどの磁性金属製品を動かした時や,ドアやのれん,あるいはトイレの貯水タンク内の可動部分などに,積極的に磁性材を取り付けて,それらが動いたことを検出することにより,生活活動が行われていることを確認する方法が考えられる.このように磁界を利用すれば壁を貫通して検出することもできるために,少ないセンサで広範囲を監視できる.さらに,磁界センサは物陰においても機能するために,被監視者の監視されている認識を極めて低く抑えることができる.この方法を実用化するには,小型・安価・堅牢で,高感度な磁界センサが必要である.実施例1でこの用途における可能性を試した結果,本発明はこの用途でも利用可能であることが判った.
最後に惑星科学探査用磁力計へ利用可能性について述べる.従来の惑星科学探査用磁力計の磁界センサはフラックスゲート方式だけであるが,それには次の理由がある.第一に,この磁力計の磁界センサは探査機の伸展部の先につけられるため,宇宙空間では強い放射線に曝される.従って放射線によって変質する材料を使ったセンサは使うことができない.例えばホール素子や磁気抵抗素子などがそうである.第二に,動作温度がマイナス数十度からプラス百数十度の広範囲の温度で動作しなければならない.従って半導体のように極限環境に弱いものは使えない.また熱膨張と収縮が大きいために緻密な構造のものは故障しやすい.第三に,地磁気の100万分の1程度の分解能がある極めて高感度でなければならない.このような条件を満たすものは現在のところ,フラックスゲート方式しかない.しかし,宇宙用に重要な,軽量,低消費電力,という面でフラックスゲート方式にはまだ課題がある.また,方式の選択肢が一つであることも問題である.つまり異なる設計の磁界センサであっても,同じ方式である場合その方式に起因する誤計測が生じる可能性がある.これを回避するためには異なる方式のものも取り付ける必要がある.しかし今の所選択肢は一つしかない.このような要求に対して,本発明は次の長所がある.まず,磁気変調ではあるが,従来のフラックスゲート方式のように大振幅で飽和領域まで励磁する方式では無く,飽和しない領域で小さく励磁している点が異なる.次に,構成材料は磁性材と巻線,および,絶縁材や補強材だけであり,動作温度領域や放射線に対しては,実績のあるフラックスゲート方式と同じである.また緻密な構造でも無く膨張や収縮にも強い.そして最も重要な感度はフラックスゲート方式と同程度かそれに勝る.さらに,小さな励磁であることから消費電力も小さく,軽量でもある.このような特徴から,惑星科学探査用磁力計の磁界センサとして,フラックスゲート方式と並べて新たな選択肢を提供できる点で利用可能性が高い.
1 励磁電路
11 磁性材薄帯2と交差している部分の励磁電路
12 磁性材薄帯2と交差している部分の励磁電路
13 磁性材薄帯2と交差している部分の励磁電路
1a 励磁電路1を多重化する場合の励磁電路
1b 励磁電路1を多重化する場合の励磁電路
2 磁性材薄帯
3 検出コイル
4 補強板
5 検出コイル3の出力引出し線
6 励磁電流供給線
70 本発明の検出部
71 励磁電流の直流成分を発生する直流電源
72 励磁電流の交流成分を発生する交流電源
73 直流成分と交流成分とを重畳する電子回路
74 増幅回路
75 検波回路
76 電圧や周波数などを,要求仕様に合わせた信号にするための出力回路
77 位相検波する場合に用いる同期信号
78 磁気平衡型のセンサにする場合に用いる負帰還信号
80 励磁電路1の両側の磁性材薄帯2の間の間隙

Claims (3)

  1. 面に沿って整然と屈曲したつづら折れ状の励磁電路を磁性材薄帯で,前記励磁電路と前記磁性材薄帯とが電気的に絶縁される状態で挟装し,これを巻回する検出コイルを有し,前記励磁電路に直流電流と交流電流とを重畳した励磁電流を流す手段と,前記検出コイルの出力を検波する手段と,を有することを特徴とする波状磁束型磁界センサ.
  2. 励磁電路が沿う面が,平面であることを特徴とする,請求項1の波状磁束型磁界センサ.
  3. 磁性材薄帯の材料に,アモルファスリボンを用いたことを特徴とする,請求項1と請求項2の波状磁束型磁界センサ.
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