JP6850615B2 - 耐震補強設計支援装置、耐震補強設計手法、及びプログラム - Google Patents

耐震補強設計支援装置、耐震補強設計手法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、耐震補強設計支援装置、耐震補強設計手法、及びプログラムに関する。
既存の建物や橋梁等の構造物の耐震性能を向上させるために耐震補強が実施されることがある。耐震補強設計を実施する際に、対象となる構造物敷地の地震動は得られていないことが多く、従来は耐震補強設計の設計用入力地震動として標準的な地震動特性を持つものを用いることが多い。上記の設計用入力地震動として、例えば代表的な観測地震波(エルセントロ波等の既往観測波)及びいわゆる告示波等(以下、両者を合わせて既往観測波等という。)が一般に知られている。これらの既往観測波等を利用して、対象の構造物が上記の既往観測波等の設計用入力地震動の全てに対して耐震性能が確保できるように耐震補強の案を検証する、という設計手法が一般にとられている。
関連する技術として、構造物の揺れの検出結果に基づいて、地震等により構造物に生じた損傷度を推定する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1の技術は、加速度センサから得られた加速度データから構造物の振動等を検出し、その構造物が利用可能か否かを簡易に判定することができるものである。
特開2014−134436号公報
しかしながら、特許文献1には、構造物の揺れの検出結果に基づいて、地震が到来した後に構造物等の健全性を判定することが記載されているが、地震が到来する前に構造物等の構造物の耐震補強をすることまでは記載されていない。従来の耐震補強設計の手法では、既往観測波等の設計用入力地震動全てに対して、構造物の耐震性能が確保できるように設計することが多い。しかし、特に既往観測波の地震動特性は、実際の構造物の敷地地盤(建物敷地地盤)のそれとは大きく異なっている可能性が高い。
また、構造物の耐震補強設計を実施する際、対象の構造物の新築設計時に作成された解析モデルを利用することがある。しかし、その解析モデルは構造物が実際に施工され使用されている現況の振動特性を正確に表現できるとは限らない。その結果、耐震補強設計の結果が過大な補強を要求することがある。
本発明が解決しようとする課題は、合理的な耐震補強設計を実施することができる耐震補強設計支援装置、耐震補強設計手法、及びプログラムを提供することである。
(1)本発明の一態様は、地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得する取得部と、前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価する評価部と地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出する固有周期導出部と、前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整する調整部と、前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出する推定部と、を備え、前記調整部は、前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整する耐震補強設計支援装置である。
(2)また、上記の耐震補強設計支援装置における前記取得部は、前記構造物の立地点又は前記立地点近傍の地点を含む第1地点の地震動の第1検出データと、前記第1検出データとの類似度が高い地震動が観測される第2地点の地震動の履歴データとを取得し、上記の耐震補強設計支援装置は、前記第1地点の地震動の第1検出データ又は前記第2地点の地震動の履歴データを、前記構造物が将来到来し得る地震動に対する耐震性能評価の解析に用いられる地震動のデータに加えるか否かを検証する検証部をさらに備える。
(3)また、上記の耐震補強設計支援装置における前記評価部は、前記構造物の揺れの検出結果に基づいて前記構造物に将来到来し得る地震動を推定し、前記推定された地震動に基づいて前記構造物の耐震性能を評価する。
)また、上記の耐震補強設計支援装置における前記構造物は、建物である。
)また、本発明の一態様の耐震補強設計手法は、地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得するステップと、前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価するステップと、地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出するステップと、前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと、前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出するステップと、前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップとを含む。
)また、本発明の一態様のプログラムは、地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得するステップと、前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価するステップと、地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出するステップと、前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと、前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出するステップと、前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の一態様によれば、合理的な耐震補強設計を実施することができる。
本実施形態の耐震補強設計支援装置1を適用する建物の一例を示す図である。 本実施形態における耐震補強設計支援装置1の構成を示す図である。 本実施形態に係る耐震補強設計支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る耐震補強設計支援装置1の機能構成を示す図である。 本実施形態の耐震補強設計手法の手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の耐震補強設計支援の処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の現況分析部30による現況分析処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の設計用入力地震動の絞り込み処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態で対象例とした建物2における主な地震観測記録を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2における主な地震観測記録における1階の記録の加速度応答スペクトルを示す図である。 建物2の地震観測記録と強震観測網の地震観測記録の加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。 強震観測網の地震観測記録と既往観測波との加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。 強震観測網の地震観測記録とサイト波との加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2における選定結果である設計用入力地震動の一覧を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2における地震観測記録の計測震度と固有周期との関係を示す図である。 建物2の解析モデルを調整した前後の比較結果の一例を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2の耐震補強の案を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2における設計用入力地震動(7)および解析モデルを用いた解析結果の一例を示す図である。 本実施形態で対象例とした建物2における設計用入力地震動(3)および解析モデルを用いた解析結果の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る耐震補強設計支援装置1の機能構成を示す図である。
本発明の実施形態の耐震補強設計支援装置は、地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得し、構造物の揺れの検出結果に基づいて構造物の耐震性能を評価する。なお、以下の実施形態に示す建物は、構造物の一例である。
<第1の実施形態>
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の耐震補強設計支援装置の説明を行う。図1は、本実施形態の耐震補強設計支援装置1を適用する建物の一例を示す図であり、建物2とする。耐震補強設計支援装置1は、本実施形態の評価対象例とした建物2(構造物)の耐震補強設計を支援する。
図1に示す建物2は、地上4階・地下1階・塔屋1階の低層建物である。建物2の構造種別は、地上階が鉄骨造、地下階が鉄筋コンクリート造等である。構造形式は、X・Y両方向とも、地上階が純ラーメン構造、地下階2Bが耐震壁付ラーメン構造である。図1(a)に建物2の伏図、図1(b)に軸組図を示す。
例えば、建物2には、所定数のダンパーが設置される。P1,P2,P3とP1k,P2k、P3k,P4kのそれぞれは、ダンパー設置場所の例である(kは、建物の階数を示す。)。例えば、新築設計時に、建物1階のX方向(P11(不図示)とP31)と、3階のY方向(P23とP43(不図示))とに2基ずつ設置する。
図2は、本実施形態における耐震補強設計支援装置1の構成を示す図である。図2において、耐震補強設計支援装置1は、通信回線を介して、建物2に設けられている加速度センサSからS(0は基礎、1からnまでは建物2の階数(k)を示し、屋上を含む。)の各々から地震等による振動データとして加速度データが供給される。なお、地震等による振動データには、地震や風などの自然現象に起因する振動の他、加振機を用いて発生させる振動等の人為的な振動に基づくものであってもよい。
加速度センサSは、建物2の基礎部分における加速度を計測するために設けられており、地震等により計測した振動データは、加速度データとして情報通信網を介して耐震補強設計支援装置1に対して出力する。例えば、地下階2Bが無い場合には、加速度センサSは、建物2の基礎や1階に設けられる。
また、加速度センサSからSの各々は、それぞれ1階からn階における計測した振動データは、加速度データとして情報通信網を介して耐震補強設計支援装置1に対して出力する。
ここで、加速度センサは、図2に示すように、建物2のそれぞれの階に設置されている。図2の建物2の場合、1階(Z1)に加速度センサSが設置され、2階(Z2)に加速度センサSが設置され、3階(Z3)に加速度センサSが設置され、4階(Z4)に加速度センサSが設置され、屋上(Z5)に加速度センサSが設置されている。また、建物2の地下階2B(基礎部)には加速度センサSが設置されている。なお、加速度センサの設置場所は、それぞれの階でなくてもよい。以下の説明で、加速度センサSから加速度センサSを総称して示す場合には、単に加速度センサSという。
耐震補強設計支援装置1は、例えば、コンピュータを含んで構成される。図3Aは、本実施形態に係る耐震補強設計支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。耐震補強設計支援装置1は、例えば、CPU1Aと、RAM(Random Access Memory)1Bと、不揮発性記憶装置1Cと、可搬型記憶媒体ドライブ装置1Dと、入出力装置1Eと、通信インターフェース1Fとを備える。耐震補強設計支援装置1は、CPU1Aに代えて、任意の形態のプロセッサを備えてもよいし、図3Aに示した各構成要素のうち一部を省略してもよい。
CPU1Aは、不揮発性記憶装置1Cに格納されたプログラム、又は可搬型記憶媒体ドライブ装置1Dに装着された可搬型記憶媒体に格納されたプログラムをRAM1Bに展開して実行することで、以下に説明する種々の処理を行う。RAM1Bは、CPU1Aによってワーキングエリアとして使用される。不揮発性記憶装置1Cは、例えば、HDDやフラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)等である。可搬型記憶媒体ドライブ装置1Dには、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)、SDカード等の可搬型記憶媒体が装着される。入出力装置1Eは、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、表示装置等を含む。通信インターフェース1Fは、ネットワークNWに接続され、耐震補強設計支援装置1における通信を制御する。
図3Bは、本実施形態に係る耐震補強設計支援装置1の機能構成を示す図である。
耐震補強設計支援装置1は、要求耐震性能設定部10と、建物地震観測部20と、現況分析部30(取得部)と、設計用入力地震動選定部40(検証部)と、解析モデル調整部50(調整部)と、設計部60(評価部)と、記憶部70とを備える。
要求耐震性能設定部10は、例えば、ユーザの操作等により指定される要求耐震性能を設計の条件として取得し、記憶部70の設計条件DB71に追加する。
記憶部70は、設計条件DB71と、既往観測波等DB72と、サイト波DB73と、強震観測網地震観測記録DB74と、敷地地震観測記録DB75、敷地地盤特性DB76と、建物振動特性DB77と、解析モデルDB78等を格納する。設計条件DB71には、設計の条件とされる要求耐震性能を示すデータが含まれる。既往観測波等DB72には、既往観測波等の波形を示すデータが含まれる。サイト波DB73には、サイト波の波形を示すデータが含まれる。強震観測網地震観測記録DB74には、強震観測網(気象庁(JMA)、K-NETやKiK−net(いずれも国立研究開発法人防災科学技術研究所)等による強震観測網。)で公開された地震観測記録のデータが含まれる。敷地地震観測記録DB75には、建物2の加速度センサSによる地震観測結果のデータが含まれる。敷地地盤特性DB76には、建物2敷地の地震動特性を示すデータが含まれる。建物振動特性DB77には、建物2の振動特性を示すデータ(建物振動特性データ)が含まれる。解析モデルDB78には、建物2の解析モデルを構成するデータが含まれる。
建物地震観測部20は、加速度センサSによって検出された振動データ(加速度データ)に基づき、地震等により生じる建物2(構造物)の揺れを観測する。
現況分析部30は、建物地震観測部20等から加速度センサSによって検出された振動データ(加速度データ)を取得し、取得した加速度データに基づいて、建物2の現況を分析する。例えば、現況分析部30は、固有周期導出部31と、敷地地震動特性分析部32と、建物振動特性推定部33(推定部)とを備える。
固有周期導出部31は、建物2の屋上又は屋上近傍の層に設けられた加速度センサSにより、地震時に検出された加速度データに基づいた周波数解析を行う。そして、固有周期導出部31は、その周波数解析により得られたピーク(例えば、最も高い加速度応答スペクトル値)となる周波数を固有周波数(固有振動数)として選定し、この固有周波数の周期を固有周期として出力する。なお、固有周期を求める方法は、本実施形態に記載されているもの以外の他の方法を用いても良い。
敷地地震動特性分析部32は、建物2敷地における敷地地盤環境を分析する。敷地地震動特性を分析する処理の詳細については後述する。
建物振動特性推定部33は、建物2の振動特性を推定する。建物2の振動特性を推定する処理の詳細については後述する。
設計用入力地震動選定部40と、解析モデル調整部50と、設計部60の詳細については後述する。
図4は、本実施形態の耐震補強設計手法の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、建物2に要求される耐震性能(以下、要求耐震性能という。)が決定される。耐震補強設計支援装置1は、決定された要求耐震性能を設計条件として取得する(S10、要求耐震性能設定部10)。
次に、地震動による建物2の揺れの検出結果を取得し、検出結果に基づいて、建物2敷地の地震動特性(地盤条件)の実際や建物振動特性の現況を分析する(以下、単に現況分析という。)(S20、現況分析部30)。
次に、現況分析の結果に基づいて、建物2敷地に将来到来し得る地震動の候補をあげ、候補のうちから対象の地震動を絞り込む。例えば、建物2敷地における敷地地震動特性の分析結果により、解析に用いる設計用入力地震動を決定する(S30、設計用入力地震動選定部40)。例えば、設計用入力地震動選定部40は、建物2の立地点又は立地点近傍の地点を含む第1地点の地震動の第1検出データ、又は、第1検出データとの類似度が高い地震動が観測される第2地点の地震動の履歴データを、建物2の耐震性能評価の条件に加えるか否かを検証して、解析に用いる設計用入力地震動を決定する。なお、設計用入力地震動は、建物の耐震性能評価の条件の一例である。
次に、現況分析の結果に基づいて、建物2の解析モデルの精度を向上させた解析モデル(以下、周期調整モデルという。)を作成する。例えば、複数回到来した地震における計測震度と建物2の固有周期との関係に基づいて、建物2の解析モデルのパラメータを調整する(S40、解析モデル調整部50)。なお、上記の解析モデルの調整方法は、解析モデルに現況の建物振動特性を表現させるための方法の一例であり、これに限らない。
次に、設計部現況分析の結果に基づいて、建物2の耐震補強設計の案を検証する。ここで、設計部前述のS20における現況分析の結果に基づいてS30において絞り込まれた設計用入力地震動と、建物2の揺れの検出結果に基づいてS40において作成された周期調整モデルとに基づいて、前記建物2の耐震性能を評価する。耐震補強設計支援装置1は、上記評価の結果から決定される建物2の補強案の妥当性を検証する(S50、設計部60)。
例えば、上記の手順は、耐震補強設計支援装置1の各部が、それぞれ処理することにより実施される。
図5を参照して、本実施形態の耐震補強設計支援の処理の一例について説明する。図5は、本実施形態の耐震補強設計支援の処理の一例を示すフローチャートである。
[要求耐震性能の設定]
耐震補強設計支援装置1は、要求耐震性能を、耐震補強設計の条件として前述のS10において取得する。要求耐震性能には、所定の設計用入力地震動における建物2の許容限界変形量、固有周期等が含まれる。例えば、許容限界変形量は、最大層間変形角、最大層間変位等により規定される。例えば、設計用入力地震動に対する最大層間変形角を1/150以内とすることを耐震補強設計の条件にする。
[地震観測記録に基づく現況分析]
図6は、本実施形態の現況分析部30による現況分析処理の一例を示すフローチャートである。現況分析部30は、地震動による建物2の揺れを下記の2種類のデータに基づいて分析する。第1のデータは、建物2の立地点又はその立地点近傍の地点を含む第1地点の地震動の第1検出データである。第2のデータは、上記の第1検出データとの類似度(相関性)が高い地震動が観測される第2地点の地震動の履歴データである。以下、類似度が高いデータの組を、相関性が高いという。
現況分析部30は、敷地地震動特性と建物振動特性とを分析する。例えば、現況分析部30は、敷地地震動特性の分析処理(S21)と建物振動特性の分析処理(S22)を並列に処理してもよい。
例えば、敷地地震動特性分析部32は、S21において基礎部の加速度センサSにより検出された加速度データから、建物2敷地の敷地地震動特性を分析する。その際に、敷地地震動特性分析部32は、加速度センサSにより検出された加速度値の加速度応答スペクトルを敷地地震動特性データとして導出し、記憶部70の敷地地震動特性DB75に追加してもよい。
また、建物振動特性推定部33は、S22において加速度センサSにより検出された加速度データから、建物2の振動特性を分析する。その際に、建物振動特性推定部33は、加速度センサSにより検出された加速度値の加速度応答スペクトルを建物振動特性データとして導出し、記憶部70の建物振動特性DB76に追加してもよい。例えば、上記の加速度センサSは、建物2の屋上又は屋上近傍の層に設けられたものとする。現況分析部30は、例えば上記の加速度応答スペクトルから、建物2の振動特性として固有周期を導出する。
以上の処理により、現況分析部30は、建物2における現況を分析する。なお、上記の手順は一例を示すものである。敷地地震動特性の分析処理(S21)と建物振動特性の分析処理(S22)は独立して実施することができ、その実施の順序に制限はなく、予め定められた順に従って処理を実施してもよい。
[設計用入力地震動の絞り込み処理]
次に、設計用入力地震動の絞り込み処理について説明する。前述の図5に示すように、設計用入力地震動の絞り込み処理は、次の2つの処理を順に実現してもよい。
設計用入力地震動選定部40は、一般に知られている地震動(既往地震波等)のデータを設計用入力地震動の候補として設定する(S31)。例えば、設計用入力地震動選定部40は、既往地震波等のデータを取得して、記憶部70の既往観測波DB72に追加する。
次に、設計用入力地震動選定部40は、現況分析の結果に基づいて、建物2敷地に到来し得る地震動の候補をあげて、その候補を含む地震動のうちから、解析に用いる設計用入力地震動を選定する(S32)。
図7を参照して、本実施形態の設計用入力地震動の絞り込み処理のより具体的な一例について説明する。図7は、本実施形態の設計用入力地震動の絞り込み処理の一例を示すフローチャートである。
まず、設計用入力地震動選定部40は、強震観測網の地震動の履歴データを取得し(S321)、取得したデータに基づいて、強震観測網の地震毎の地震動特性データ(観測地点、観測方向、観測日時、最大値、計測震度、応答スペクトル等。)を導出し、強震観測網地震観測記録DB74に追加する。また、設計用入力地震動選定部40は、建物2敷地(以下、単に建物敷地ということがある。)の地震動の履歴データを取得し、取得したデータに基づいて、建物敷地の地震毎の地震動特性データ(観測方向、観測日時、最大値、計測震度、応答スペクトル等。)を導出し、敷地地震観測記録DB75に追加する。
次に、設計用入力地震動選定部40は、強震観測網の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データとを比較する(S322)。例えば、上記の類似性の比較は、地震毎の加速度応答スペクトルに基づいて実施する。
次に、設計用入力地震動選定部40は、上記の強震観測網の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データに類似性があるか否かを判断する(S323)。
強震観測網の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データに類似性があると判断した場合には、設計用入力地震動選定部40は、強震観測網の地震動の履歴データを設計用入力地震動に追加する(S324)。
なお、S323において強震観測網の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データに類似性があると判断した場合には、設計用入力地震動選定部40は、強震観測網の地震動の履歴データから過去の大地震の履歴データを参照し、そのデータを設計用入力地震動に追加してもよい。これにより、建物2敷地に到来したであろう過去の大地震の地震動を観測していなかった場合でも、上記の類似性の比較の結果から、強震観測網に到来した地震動と同程度の地震動が建物2敷地にも到来していたと推定することができ、強震観測網の過去の大地震の履歴データを設計用入力地震動に追加できる理由となる。
強震観測網の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データに類似性がないと判断した場合には、設計用入力地震動選定部40は、強震観測網の地震動の履歴データを設計用入力地震動に追加しなくてもよい。なお、地震動特性データの類似性を判断することは、設計用入力地震動を選定する有力な材料となり、上記の処理により、建物敷地周辺において公開された地震観測記録を利用して、耐震補強設計を実施することが可能となる。
設計用入力地震動選定部40は、建物敷地の地震動特性(地盤条件)を考慮して理論的に作成した地震動(いわゆるサイト波)のデータがある場合(S325)、設計用入力地震動選定部40は、サイト波の地震動特性データと建物敷地の地震動特性データとを比較する(S326)。例えば、上記の類似性の比較は、地震毎の加速度応答スペクトルに基づいて実施する。
設計用入力地震動選定部40は、上記のサイト波のデータと建物敷地の地震動特性データに類似性があるか否かを判断する(S327)。
サイト波のデータと建物敷地の地震動特性データに類似性があると判断した場合には、設計用入力地震動選定部40は、サイト波のデータを設計用入力地震動に追加する(S328)。
S325における判定により、建物敷地の地震動特性(地盤条件)を考慮し理論的に作成した地震動(いわゆるサイト波)のデータがない場合、S327における判定により、上記のサイト波のデータと建物敷地の地震動特性データに類似性が無い場合、又は、S328の処理を終えた場合、又は、S328の処理を終えた後に、設計用入力地震動選定部40は、建物敷地の地震動の履歴データを、設計用入力地震動に追加するか否かを判定する(S329)。設計用入力地震動選定部40は、上記の追加の必要性により、その建物敷地の地震動の履歴データを、設計用入力地震動に追加してもよい(S330)。設計用入力地震動選定部40は、本図に示す一連の処理を終える。
以下、具体的な例を挙げ、地震観測記録の分析結果の一例について説明する。評価の対象例とした建物2において、建物2の竣工時から加速度センサSにより地震観測が行われていると仮定する。
図8は、本実施形態で対象例とした建物2における主な地震観測記録を示す図である。図8に示す建物地震観測記録には、ARS1からARS7までの各地震における観測日時、震央中央位置、深さ、マグニチュード、計測震度等の記録が残されている。なお、計測震度は、各地震において、加速度センサSによって検出された加速度に基づいて導出されたものである。
図9は、本実施形態で対象例とした建物2における主な地震観測記録における1階の記録の加速度応答スペクトルを示す図である。この図9は、建物固有周期(横軸)に対し、各周期に対する加速度応答スペクトルの大きさ(縦軸)を示す。図9に示された加速度応答スペクトルは、建物2の軸を基準に定めたX方向(図9(a))とY方向(図9(b))の成分をそれぞれXY方向別に示す。なお、減衰定数は5%である。加速度応答スペクトルが比較的大きかった建物地震観測記録は、ARS2とARS6とARS7であった。
上述したとおり、設計用入力地震動選定部40は、敷地地震動特性に基づいて、候補として抽出した設計用入力地震動のうちから対象の設計用入力地震動を選定する。建物2の設計用入力地震動の候補として考えられるものは、建物地震観測記録(1)を始め、既往観測波(2)、告示波(3)、サイト波(4)、強震観測網(建物敷地周辺)地震観測記録(5)、である。そこで、これらの地震動特性データを比較する。
図10は、建物2の地震観測記録と強震観測網地震観測記録の加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。この図10は、固有周期(横軸)に対し、各固有周期に対する加速度応答スペクトルの大きさ(縦軸)を示す。図10に示す比較結果は、建物2の地震観測記録ARS7(実線)と、当該建物2周辺の地震観測網地点Aの地震観測記録(破線)とによるものである。建物2の軸を基準に定めたX方向(図10(a))とY方向(図10(b))別に示す。図10に示すように、両者の波形はほぼ一致しており、その他の地震においても建物敷地には、上記の地点Aとほぼ同じ揺れが発生したものと想定できる。
ここで、強震観測網地点Aにおける地震観測記録(5)と、既往観測波(2)、サイト波(4)の加速度応答スペクトルの比較の結果を示す。
図11は、強震観測網地点A地震観測記録(5)と既往観測波(2)との加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。この図11は、固有周期(横軸)に対し、各固有周期に対する加速度応答スペクトルの大きさ(縦軸)を示す。図11には、強震観測網地点A地震観測記録(5)として建物2のX方向成分G1と建物2のY方向成分G2の2波の他に、既往観測波(2)として、1940年エルセントロNS成分G3(EL Centro-NS)、1952年タフトEW成分G4(Taft-EW)、1968年八戸港湾NS成分G5(Hachinohe-NS)の3波が示されている。
図12は、強震観測網地点A地震観測記録(5)とサイト波(4)との加速度応答スペクトルの比較結果の一例を示す図である。この図12は、固有周期(横軸)に対し、各固有周期に対する加速度応答スペクトルの大きさ(縦軸)を示す。図12には、強震観測網地点A地震観測記録(5)としての建物2のX方向成分G1とY方向成分G2の2波の他に、サイト波(4)としてG6からG10の5波が示されている。
上記の図11と図12とを参照すると、図11に示す既往観測波(2)は、強震観測網地点A地震観測記録(5)に対して相関性が低いと判断できるものである。これに対し、図12に示すサイト波(4)は、強震観測網地点A地震観測記録(5)に対して相関性が高いと判断できるものである。
設計用入力地震動選定部40は、上記の図11と図12とに示す地震波から、相関性が高いと判断されたサイト波(4)と、強震観測網地点A地震観測記録(5)とを選定し、相関性が低いと判断された既往観測波(2)は、設計用入力地震動の対象として選定しないことを検証する。
なお、設計用入力地震動選定部40は、上記の選定の基準として、例えば、第1の例として各サイト波の加速度応答スペクトルの最大値より大きな値に閾値を決定する。設計用入力地震動選定部40は、地震動の加速度応答スペクトルが、設定された閾値を超えるものを設計用入力地震動から除外する。或いは、第2の例として、設計用入力地震動選定部40は、地震動の加速度応答スペクトルの固有周期(X軸)の全範囲に含まれる一部の範囲において、第1の例と同様に各サイト波の加速度応答スペクトルの最大値より大きな値に閾値を決定する。選定の基準はこれに限らない。
図13は、本実施形態で対象例とした建物2における選定結果である設計用入力地震動の一覧を示す図である。複数の設計用入力地震動の例が示されており、それらは、サイト波G6からG10と、強震観測網地点A地震観測記録(5)としての建物2のX方向成分G1とY方向成分G2の2波である。
なお、比較例として、これらの地震動を利用しない従来の耐震保補強設計手法では、それに用いられている既往観測波等を用いるのが一般的である。上記に示した通り、特に既往観測波の地震動特性は、実際の建物敷地地盤のそれとは大きく異なっている可能性が高く、また、建物2の現況の振動特性を考慮せずに、既往観測波等により耐震補強設計を行うと結果的に過大な補強案を要求することがあり得る。
これに対し、本実施形態に示す耐震補強設計手法によれば、適切な設計用入力地震動を選定し、建物2の現況を考慮することにより、合理的な耐震補強設計を行うことができる。
[解析モデルの調整]
前述の図5に戻り、解析モデルの調整処理について説明する。
解析モデル調整部50は、建物2の新築設計時のデータ等に基づいて、建物2の解析モデルを作成し(S41)、解析モデルDB78に追加する。
解析モデル調整部50は、S41において作成した解析モデルを、現況分析情報から作成された建物振動特性データ(建物振動特性DB76)に基づいて調整する(S42)。
例えば、前述のS20において、地震による建物2の揺れの検出結果に基づいて、地震時の建物2の固有周期が導出される。
解析モデル調整部50は、複数の地震に基づいて、建物2に過去に到来した複数の地震における計測震度と建物2の固有周期との関係に基づいて、建物2の解析モデルのパラメータを調整する。
以下、具体的な例を挙げ、建物2の解析モデルのパラメータを調整する処理の一例について説明する。
図14を参照し、上記の地震観測記録から導出された建物2の固有周期を比較する。図14は、本実施形態で対象例とした建物2における地震観測記録の計測震度と固有周期との関係を示す図である。図14に、各地震観測記録の計測震度(横軸)と固有周期(縦軸)を、点として示す。図14に示す固有周期のグラフは、X方向のものとY方向のものとを明示する。図14に示す点の分布から、建物2のX方向とY方向のそれぞれにおいて、計測震度が大きくなるにつれて固有周期が長くなるという傾向が見られる。
例えば、点群の分布の傾向を示す線を、図14に示す。図14に示す線は、X方向とY方向のそれぞれに分けた点群の分布を直線近似したものである。この結果からも、直線が右肩上がりになり、計測震度が大きくなるにつれて固有周期が長くなるという傾向が見られる。
建物振動特性推定部33は、図14に示すような地震観測記録の計測震度と固有周期との関係に基づいて、これまでに観測されていない計測震度の固有周期を推定する。例えば、建物振動特性推定部33は、図14に示すような地震観測記録の計測震度と固有周期との関係に基づいて補間処理をすることにより、過去に検出されていない計測震度の固有周期を推定する。上記の補間処理は、地震観測記録の計測震度と固有周期とを組にしたデータ群に対する統計的な処理であってもよい。建物振動特性推定部33は、その統計的な処理により、過去に検出されている震度同士の間の検出されていない震度領域に対する固有周期を内挿してもよく、過去に検出されている最大震度よりも大きな震度領域に対する固有周期を外挿してもよい。なお、上記の統計的な処理には、線形近似処理、非線形近似処理等を適用してもよく、これに限らない。
上記の建物振動特性推定部33は、複数の地震における計測震度と建物2の固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中における建物2の固有周期を導出する。例えば、建物振動特性推定部33は、震度6強から7の大地震時における建物2の固有周期は、図14に示す点の分布に基づいて、X方向が0.65 秒、Y方向が0.70 秒付近であると推定する。
図15は、建物2の解析モデルを調整した前後の比較結果の一例を示す図である。この図15には、時間の経過に応じたX方向の建物2の変形量(cm)が示されている。図15(a)に解析モデル調整前の解析結果を、図15(b)に解析モデル調整後の解析結果を、地震観測記録の分析結果とそれぞれ比較して示す。解析モデル調整部50が解析モデルを調整したことにより、解析結果が地震観測記録に近い値を示すようになり、解析モデルが建物2の現況を精度良く表現できていることが分かる。
例えば、上記のとおり、震度6強から7の大地震時における建物2の固有周期は、X方向が0.65 秒、Y方向が0.70 秒付近であると推定された。そこで、解析モデル調整部50は、解析モデルの1次固有周期を上記の値に近づけた周期調整モデルを作成する。解析モデル調整部50は、上記の耐震補強設計において、例えば、解析モデルの部材剛性を調整することで、上記の周期調整モデルを作成し、解析モデルを周期調整モデルに調整する。なお、調整するパラメータはこの限りでない。
[耐震補強設計(耐震補強設計支援)]
次に、耐震補強設計処理(耐震補強設計支援処理)について説明する。前述の図5に示すように、耐震補強設計処理は、下記の手順により実現してもよい。
まず、建物2の現況分析の結果と、S31において選定された設計用入力地震動と、S41において作成された周期調整モデルとに基づいて、建物2の耐震補強方針(以下、単に補強方針という。)が決定される。設計部60は、決定された建物2の補強方針を受け付ける(S51)。例えば、補強方針には、建物2に対するダンパーの増設、建物2の構造部材の補強等が含まれる。
次に、設計部60は、S51において受け付けた補強方針に基づいて、建物2の耐震補強の具体案を作成する(S52)。例えば、設計部60は、S51において受け付けた補強方針に基づいてダンパーの増設案を複数作成する。
次に、設計部60は、前述のS20における現況分析の結果と、建物2の揺れの検出結果に基づいてS30において絞り込まれた地震動と、建物の揺れの検出結果に基づいてS40において作成された周期調整モデル)とに基づいて、建物2の補強案の耐震性能を評価する(S53)。
S53における評価により、周期調整モデルにより建物2の補強案の耐震性能が要求耐震性能を満足すると判定された場合、耐震補強設計支援装置1は、この図に示された一連の処理を終える(S54)。
S54における判定により、周期調整モデルにより建物2の補強案の耐震性能が要求耐震性能を満足していないと判定された場合、設計部60は、補強案を見直す等により、S52からの処理を繰り返し実施する。
耐震補強設計支援装置1は、S54における判定により、要求耐震性能を満足すると判定された具体案を、建物2の耐震補強の推奨案とする。
上記の処理により耐震補強設計処理が実施させる。
以下、評価対象例とした建物2に上記の耐震補強設計支援装置1を適用して耐震補強設計を行った結果の一例を示して説明する。選定した設計用入力地震動と周期調整モデルとを用いて、図16に示す複数の補強案を検証する。図16は、本実施形態で対象例とした建物2の耐震補強の4つの案を示す図である。この4つの案は、減衰特性が互いに異なる2種類のダンパー(ダンパーAとダンパ−B)を利用した際の効果を利用して設置基数を替えた際の効果を比較するためのものである。
図17と図18は、本実施形態で対象例とした建物2における設計用入力地震動および周期調整モデルを用いた解析結果の一例を示す図である。図17に示す解析結果は、設計用入力地震動として、例えば、前述のARS7を利用した場合のものである。図18に示す解析結果は、設計用入力地震動として、前述のARS3を利用した場合のものである。図17(a)と図18(a)とに、各階(縦軸)の最大応答層間変形角(rad)(横軸)を示し、図17(b)と図18(b)とに、各階(縦軸)の最大応答加速度(gal)(横軸)を示す。
図17と図18に示すように、補強案の一例として、前述の図16に示したダンパーAとダンパーBの設置基数を変えた4つの補強案を対象にする。ここで用いる解析モデルは、上述した通り固有周期を調整した周期調整モデルである。上記のように定めた設計用入力地震動と周期調整モデルとに基づいて、4つの補強案のそれぞれについて解析する。以下に示す解析結果は、最大応答の大きいY方向成分のものである。
上記の図17と図18のそれぞれに示す解析結果から、下記する共通の傾向が読み取れる。例えば、ダンパーの設置基数が多くなるほど、最大応答層間変形角と最大応答加速度がともに小さくなる。ダンパーを設置していない補強案1では、最大応答層間変形角が要求耐震性能(1/150以下)を満たさない。補強案2の場合でも、最大応答層間変形角が要求耐震性能を満たさない。補強案3と補強案4の何れの場合の解析結果は、ともに最大応答層間変形角が要求耐震性能を満たす。補強案3の場合の解析結果は、補強案4の場合の解析結果と近い最大応答を示しており補強案4の設置基数ほどダンパーを設置しない補強案3であっても、十分な耐震補強効果があると判断できる。
以上に示した実施形態によれば、現況分析部30が、地震等により建物2の揺れの検出結果を取得し、設計部60が、建物2の揺れの検出結果から得られたデータに基づいて、建物2の耐震性能を評価することにより、合理的な耐震補強設計を実施することができる。また、設計部60は、建物2の一部又は全体についての層間変位δ、層間変形角Δ等を導出し、それに基づいて建物2の変形の程度を評価してもよい。
また、現況分析部30の敷地地震動特性分析部32は、建物2の立地点又は立地点近傍の地点を含む第1地点の地震動の第1検出データと、第1検出データとの類似度が高い地震動が観測される第2地点の地震動の履歴データとを取得する。設計用入力地震動選定部40は、耐震補強設計支援装置1は、その第1地点の地震動の第1検出データ又はその第2地点の地震動の履歴データを、建物2の耐震性能評価の条件に加えるか否かを検証してもよい。
また、設計部60は、建物2の揺れの検出結果に基づいて建物2に将来到来し得る地震動を推定し、推定された地震動に基づいて建物2の耐震性能を評価してもよい。
また、現況分析部30の固有周期導出部31は、地震による建物2の揺れの検出結果に基づいて、当該建物2の固有周期を導出する。解析モデル調整部50は、建物2の現況の振動特性に基づいて、建物2の解析モデルのパラメータを調整してもよい。
また、現況分析部30の建物振動特性推定部33は、建物2に過去に到来した複数の地震における計測震度と建物2の固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の建物2の固有周期を導出する。さらに、解析モデル調整部50は、導出された固有周期に基づいて、建物2の解析モデルのパラメータを調整してもよい。
上記の実施形態の比較例として挙げる耐震補強設計手法によれば、建物2における地震観測記録を利用せずに、既往観測波等と新築設計時の解析モデルを利用して進められるのが一般的である。
これに対し、本実施形態による地震観測記録を活用した耐震補強設計手法は、建物2において検出された地震観測記録を耐震補強設計に活用することで、少なくとも下記する3つの効果を奏する。
1つ目の効果は、「設計用入力地震動の選定」に関するものである。耐震補強設計支援装置1は、設計用入力地震動として、実際の建物敷地の地震動特性に合わない地震動を除き、建物敷地の地震動特性に即した地震動を合理的に選定する。耐震補強設計支援装置1は、建物敷地における地震観測記録を分析することは、設計用入力地震動を選定するための有力な材料となる。
続いて、2つ目の効果は、「解析モデルの調整」に関するものである。
比較例の解析モデルは、新築設計時に作成されたものである。このような解析モデルは、建物2の現況を正確に表現できるとは限らず、建物2の新築設計用としては有効であっても、実際の建物2の揺れを表現できるほど精度が高くないことが多い。そのため、地震観測記録から得られる建物2の固有周期は、新築設計時の解析モデルから得られる固有周期とは異なる値をとることがある。固有周期の値が異なることにより、実際の建物2の応答(地震観測記録を分析した結果)が、解析モデルに基づいて導出された応答(解析結果)に対して乖離することがある。
地震観測記録を分析した結果と解析結果とが乖離することにより、耐震性能評価に影響を与える。
本実施形態では、解析モデルを調整することにより、解析結果の精度を高め、実際の建物の応答を精度よく推定できるようになると期待できる。
3つ目の効果は、「補強方針」への影響に関するものである。想定される設計用入力地震動の地震動特性(例えば加速度応答スペクトル)と建物現況の固有周期の関係から、建物2の応答を所望の減衰で低減するという対策に限らず、建物2に剛性を付与する、あるいは耐震耐力を付与する、等の高い効果を奏する耐震補強の案を作成することが可能となる。
このように、建物敷地の地震動特性の実際および建物2の振動特性の現況を把握し、それらを反映した解析により高精度に耐震性能を評価することで実状に即した合理的な耐震補強を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、耐震補強設計支援装置1が建物2に設けられた加速度センサSを専用に利用することについて説明した。本実施形態では、建物2に設けられた加速度センサSを、建物2の健全性を評価する用途に兼用する構成について説明する。
図19は、本実施形態に係る耐震補強設計支援装置1の機能構成を示す図である。
図19に示す耐震補強設計支援装置1は、要求耐震性能設定部10と、建物地震観測部20と、現況分析部30と、設計用入力地震動選定部40と、解析モデル調整部50と、設計部60と、記憶部70と、建物健全性評価部80とを備える。前述の耐震補強設計支援装置1との相違点を中心に説明する。
建物健全性評価部80は、設計部60が導出した建物2の変形(層間変位、層間変形角等)と、固有周期導出部31が求めた固有周期とにより、建物2の健全性を評価する。例えば、建物健全性評価部80は、設計部60が導出した建物2の変形と、固有周期導出部31が求めた固有周期とによる判定を、層ごとにそれぞれ実施し、各層ごとの判定結果から定まる緊急性が高いと判定される層より上の層の対応を予め定められたルールに従って決定し、建物2の健全性を評価する。例えば、判定の詳細については、特開2014−134436号公報等を参照する。なお、建物2の固有周期の導出は、上記の手法に限られず、一般的な手法を適用してもよい。
上記の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することの他、建物2の現況を検出する過程で、地震動を受けた後の建物2の健全性を判定することができる。建物2に設けられた加速度センサSを、建物2の耐震補強設計と健全性の評価に兼用したことにより、耐震補強設計時と健全性評価時の測定環境を同一のものにすることができる。これにより、構成を簡素化することができることの他、測定環境が異なることにより生じる測定誤差を低減することができる。
なお、上記の構成例では、耐震補強設計支援装置1が建物健全性評価部80を備えるものとして説明したが、建物健全性評価部80は、耐震補強設計支援装置1とは異なるハードウェアのCPU等により実施されてもよい。この場合、耐震補強設計支援装置1は、加速度センサSにより検出した結果を、通信回線等を介して、建物健全性評価装置等における建物健全性評価部80に通知するものとする。
なお、耐震補強設計支援装置1を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより建物2等の構造物の耐震性能の評価(地震等による損傷度の推定等)の処理動作を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、ネットワークや通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、図1等に示す加速度センサSは、一例を示すものである。これに代えて、少なくとも1対以上の加速度センサが、建物2又は建物2の全高さに対する特定の範囲の変形を検出できるように設けられていてもよい。例えば、加速度センサSと、加速度センサSと対を成す1つの加速度センサとが設けられていてもよい。加速度センサSから加速度センサSは、加速度センサSと対を成す1つの加速度センサSの一例である。上記の場合、加速度センサSから加速度センサSのうち、加速度センサSと対にして処理しない加速度センサは、建物2に設けていなくてもよい。
なお、上記の実施形態では、評価対象例とする構造物として、建物2を例に用いて説明したが、他の構成の構造物に対しても適用可能である。例えば、地上高さを有する構造物や、地上高さを有する構造物に他の構造物を組み合わせて構成された対象物に対して適用することができる。地上高さを有する構造物としては、鉄塔、鉄柱、橋梁、高架橋等の構造物が挙げられる。地上高さを有する構造物に他の構造物を組み合わせて構成された対象物としては、建物2と建物2の屋上に鉄塔を設けた構造物等が挙げられる。また、対象の建物2は、免震構造を備えて構成されたものであってもよい。
なお、上記の実施形態では、耐震補強設計支援装置1が各種処理を実施するものとして説明したが、これに限られず、実施する処理を複数の装置が連携して実施するように構成してもよい。例えば、上記の設計支援手法に従って耐震補強設計支援装置1が実施するものとして説明した処理の一部を、連系する他の装置が実施したり、又は、耐震補強設計支援装置1が処理の結果として、検証可能な複数の補強案を提示して、その内から適したものを設計者が検証することで、次の処理の条件を決定したりしてもよい。
例えば、耐震補強設計支援装置1の現況分析部30が、地震動による建物2の揺れの検出結果を取得する。設計部60が、建物2の揺れの検出結果から得られたデータを解析して、耐震補強設計支援装置1が、設計者に検証させる複数の解析結果を提示する。設計者は、次に実施する建物2の耐震性能の評価処理において、選定の結果を検証することにより、合理的な耐震補強設計を実施することができる。
1…耐震補強設計支援装置、2…建物(構造物)、6…ダンパー、10…要求耐震性能設定部、20…建物地震観測部、30…現況分析部(取得部)、31…固有周期導出部、32…敷地地震動特性分析部、33…建物振動特性推定部(推定部)、40…設計用入力地震動選定部(検証部)、50…解析モデル調整部(調整部)、60…設計部(評価部)、70…記憶部、80…建物健全性評価部、S,S,S,S,S,S,S…加速度センサ、Z1…1階、Z2…2階、Z3…3階、Z4…4階、Z0…基礎、Z5…屋上

Claims (6)

  1. 地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得する取得部と、
    前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価する評価部と、
    地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出する固有周期導出部と、
    前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整する調整部と、
    前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出する推定部と、
    を備え、
    前記調整部は、
    前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整する、
    耐震補強設計支援装置。
  2. 前記取得部は、
    前記構造物の立地点又は前記立地点近傍の地点を含む第1地点の地震動の第1検出データと、前記第1検出データとの類似度が高い地震動が観測される第2地点の地震動の履歴データとを取得し、
    前記第1地点の地震動の第1検出データ又は前記第2地点の地震動の履歴データを、前記構造物が将来到来し得る地震動に対する耐震性能評価の解析に用いられる地震動のデータに加えるか否かを検証する検証部
    をさらに備える請求項1に記載の耐震補強設計支援装置。
  3. 前記評価部は、
    前記構造物の揺れの検出結果に基づいて前記構造物に将来到来し得る地震動を推定し、
    前記推定された地震動に基づいて前記構造物の耐震性能を評価する、
    請求項1又は請求項2の何れか1項に記載の耐震補強設計支援装置。
  4. 前記構造物は、建物である
    請求項1から請求項の何れか1項に記載の耐震補強設計支援装置。
  5. 地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得するステップと、
    前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価するステップと
    地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出するステップと、
    前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと、
    前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出するステップと、
    前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと
    を含む耐震補強設計手法。
  6. 地震等により生じる構造物の揺れの検出結果を取得するステップと、
    前記構造物の揺れの検出結果に基づいて、前記構造物の耐震性能を評価するステップと
    地震による構造物の揺れの検出結果に基づいて、当該構造物の第1固有周期を導出するステップと、
    前記導出された第1固有周期を前記構造物の現況の振動特性として用いて、前記構造物の現況の振動特性に基づいて、前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと、
    前記構造物に過去に到来した複数の地震における計測震度と前記構造物の第1固有周期の関係に基づいて、到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の地震動到来中の前記構造物の第2固有周期を導出するステップと、
    前記第2固有周期に基づいて、前記到来回数が比較的少ない所定の計測震度領域の前記構造物の解析モデルのパラメータを調整するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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