JP6850592B2 - 油圧ホース用多連リール - Google Patents
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Description
図1は油圧駆動の掘削機(水平多軸掘削機)を示したものである。掘削の進行に伴って掘削機1は地中に降下していくのでそれに伴って油圧ホース3がリール2から繰り出されて掘削機1と油圧源(図示しない)の間の距離の変化に対応させている。
また、油圧ホース3a〜3fを最初に個々のリール2a〜2fに取り付ける際、油圧ホース3a〜3fのリールの軸の周方向の取り付け位置がリール2a〜2fによってそれぞれ異なっているのでリール2a〜2fの各取り付け位置と対応する油圧駆動装置の間の距離が異なっており、油圧ホース3a〜3fの長さの調整が必要となるが、リール2a〜2fがリール軸21に固定されているので長さの調整が困難であった。
この装置では、摩擦力の調整は、伝達摩擦板51に押圧力を与える皿バネ40をナット41の回転によって皿バネの弾発力を調整することによっておこなわれている。しかし、引き出された油圧ホース3cに作用する引張力が解消すると、油圧ホース3cが引き出された状態でリール2cと伝達摩擦板51間の摩擦力がバランスした状態となるので、リール2cのみを巻き戻して油圧ホース3cを巻き取ることはできず、巻戻すにはこの多連リールの構造上、油圧ホースリール全体をリセットする必要があった。したがって、油圧駆動装置が水平多軸地中連続壁掘削機の場合は、リセット作業のために掘削作業を中断しなければならないので掘削作業に遅延をもたらし、掘削効率を低下させるので好ましいものではなかった。
また、油圧モータ4の回転駆動力をリール軸に伝達する摩擦板50が滑ると多連リール20全体が滑り、リール単体を巻き戻すことができないという欠点を有している。
油圧モータと摩擦板の間に設けたバネは、皿バネであり、弾発力調整用の調整ナットが設けてある油圧ホース用多連リールである。
更に、各リールには制動用ブレーキが設けてあり、任意のリールを独立して制動可能としてある油圧ホース用多連リールである。
更に、各リールの外周部にはブレーキパッドが設けてあってリールを独立して制動可能である油圧ホース用多連リールである。
図6〜図8の断面図に示すように、リール軸21は、固定軸25とこれに回転可能に嵌装されているスリーブ26で構成されており、両端部の摩擦板50及びリール2a〜2fの間に設けた伝達摩擦板51の摩擦力によってリール2a〜2fは、スリーブ26と共に回転したり、または、回転せずに空転してその位置に留まったりするものである。
摩擦板50、及び伝達摩擦板51はクロムモリブデン鋼(SCM440)等の合金鋼を用いており、軟窒化処理等の表面硬化処理をおこなって耐摩耗性を高めている。
図7に示すように、固定軸25には、その軸端面から対応するリールの取り付け位置まで油圧作動油の流路5a〜5f(5c、5e、5fは図示していない)が形成してあり、リール2の取り付け位置の全周に形成した溝6a〜6fに連通しており、溝6a〜6fの上部は嵌装されるスリーブ26の内面で塞がれており、そして、この溝6a〜6fの両側にはパッキング61、61が固定軸の全周に渡って設けてあって溝6a〜6fからの作動油の漏洩を防止している。
固定軸25の左右両端部には嵌装されるスリーブ26の回転を支持する軸受8、8が設けてあり、駆動モータ4が取り付けられる反対側の端部には固定用の固定板9が設けてある。
以上の構成によって作動油は流路5a〜5fを通ってリール2a〜2fに連結された油圧ホース3a〜3fを通じて各油圧機器に供給される。
リール2a〜2fの側面には図9に示す伝達摩擦板51がスリーブ26に軸方向に移動可能に設けてある。伝達摩擦板51は、リング状の部材であり、リングの内側には頭部が四角形のストップピン51bの頭部が嵌合する凹部51aが形成してある。ストップピン51bはスリーブ26に設けたピン穴51cに挿入され、ストップピン5bの頭部がスリーブ26の表面から突出した状態に取り付けられる。ピン穴51cはリール2の取り付け位置の間に位置するように設けてある。伝達摩擦板51の凹部51aはストップピン51bの四角形にほぼ合致しているので、スリーブ26の回転は伝達摩擦板51に伝達されて一緒に回転する。皿バネ40の弾発力による伝達摩擦板への押圧力を変化させると、伝達摩擦板51は、スリーブ26の軸方向にスライドしてリール2の側面への押圧力を変化させて摩擦力が調整される。
皿バネ40によって設定した伝達摩擦板51に生ずる摩擦力を超える引張力がいずれかの油圧ホースに生じた場合、その油圧ホースが巻きつけてあるリールが回転を始め、油圧ホースが引張方向に繰り出されるので油圧ホースに作用する引張力が緩和される。
油圧駆動装置に供給している作動油の圧力変動により設定した適正引張力を超過する引張力が、例えば油圧ホース3dに作用すると、伝達摩擦板51とリール2dとの摩擦係合がはずれて滑りだすので、リール2dが回転して油圧ホース3dがリール2dから繰り出される。
油圧ホース3dがリール2dから繰り出されたことによって油圧ホース3dに作用する引張力は減少緩和されて油圧ホース3dの設定引張力に等しいか、または僅かに小さくなると、両者間の摩擦係合が回復してリール2dの回転が停止する。更に引張力が設定引張力以下に下がると、リール2dと伝達摩擦板51の間の摩擦力が引張力より大きくなると、リール2dは駆動モータ4の回転駆動力によって油圧ホースの巻取り方向に回転し、油圧ホース3dはリール2dに適正引張力に等しくなるまで自動的に巻き取られる。
ブレーキ7の具体例の一つを挙げると、図10に示すように、リール2のリムに押し当てる形式のものであり、各リール2a〜2fを独立して個別に制動できるものとしてある。油圧シリンダー7bを作動させてブレーキ7のパッド7aをリール2のリムに押圧し、ブレーキ7を作動させて回転させるべきリール以外のリールが回転しないように固定し、油圧モータ4の回転駆動力を目的の巻き戻すべきリールに集中させることによって油圧ホース3をリール2に巻き取る。
このブレーキ7を作動させる操作を適宜おこなうことによって、油圧機器である掘削機の掘削負荷の増大によって油圧ホース3に作用する引張力が増大するのを緩和させ、掘削負荷が低下して油圧ホースに作用する引張力が小さくなると自動的に油圧ホース3が巻き戻される。
2 リール
20 多連リール
21 リール軸
25 固定軸
26 スリーブ
3 油圧ホース
4 油圧モータ
40 バネ
41 バネ調整用ナット
50 摩擦板
51 伝達摩擦板
51a 凹部
51b ピン
51c ピン穴
6 軸受
6a パッキング
7 ブレーキ
70 ブレーキパッド
8 軸受
9 固定板
Claims (3)
- 複数のリールを独立して回転可能に単一のリール軸に並列させ、摩擦板を介してリールに回転駆動力を伝達して油圧ホースを巻き取るものであって、ある油圧ホースに設定値を超えた引張力が作用すると油圧ホースがリールから繰り出され、引張力が設定値を下回ると繰り出されたホースが巻き戻される油圧ホース用多連リールであって、作動油の通路を軸方向に設けたリールの固定軸に油圧モータの回転駆動力が摩擦板を介して伝達されるスリーブが回転可能に嵌装してあり、このスリーブに複数のリールがスリーブに設けた伝達摩擦板を介してスリーブに対して回転可能に取り付けてあり、伝達摩擦板はスリーブに伝達ピンで固定してあり、油圧モータと摩擦板の間にはバネが設置されており摩擦板への押圧力が調整可能としてある油圧ホース用多連リール。
- 請求項1において、油圧モータと摩擦板の間に設けたバネは皿バネであり、弾発力調整用の調整ナットが設けてある油圧ホース用多連リール。
- 請求項1または2において、各リールには制動用ブレーキが設けてあり、任意のリールを独立して制動可能としてある油圧ホース用多連リール。
Priority Applications (1)
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JP2016229723A JP6850592B2 (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | 油圧ホース用多連リール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016229723A JP6850592B2 (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | 油圧ホース用多連リール |
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