JP6850267B2 - 回転電機の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の駆動装置に関するものである。
従来、回転電機における回転速度域の拡張を可能とするモータ駆動装置として、Y結線されてなる各相の相巻線を、複数の巻線部が直列に接続された巻線群にて構成し、その巻線群において中性点とは反対側の巻線端部に第1インバータを接続するとともに、各巻線群において巻線部同士の間の中間端子に第2インバータを接続したものが提案されている(例えば特許文献1)。その駆動装置では、回転電機の動作状態に応じて、第1インバータ及び第2インバータのいずれかにより回転電機が駆動されるようになっており、低回転時には、第1インバータにより回転電機が駆動され、高回転時には、第2インバータにより回転電機が駆動される。
また、高回転時において第2インバータにより回転電機が駆動される場合には、動作が停止されている第1インバータ側の巻線端部に誘起電圧が印加されることが考えられる。そして、その誘起電圧が所定電圧以上になると、第1インバータに内蔵されている還流ダイオードを介して回生電流が流れ、それに起因して回転電機の動作が不安定になることが懸念される。そこで、特許文献1に記載の技術では、上述した電力回生を防止すべく、第1インバータの通電経路に遮断スイッチを設けておき、電力回生が生じる前に、遮断スイッチを開放することにより第1インバータの通電経路を遮断する構成としている。具体的には、第1インバータの高電位側経路、低電位側経路、巻線接続経路のいずれかにスイッチ回路を設ける構成としている。
特開2013−121222号公報
しかしながら、上記従来の構成では、低回転時において第1インバータにより回転電機が駆動される場合に、遮断スイッチをオン状態で保持しておく必要がある。そのため、導通経路上における直列素子数が増えることになり、経路抵抗の増加に伴う導通損失の増加が生じる。例えば電動車両用のインバータでは、低回転時である低速登坂時に熱的に厳しい状態になることが考えられる。そのため、遮断スイッチの追加により低回転時の損失(発熱)が増加すると、冷却性能の見直しが強いられるといった不都合が懸念される。
なお、巻線群の巻線始端部に第1インバータを接続するとともに、各巻線群の中間端子に第2インバータを接続した構成以外に、大ターン数の多相巻線に第1インバータを接続するとともに、小ターン数の多相巻線に第2インバータを接続し、第1インバータによる駆動と第2インバータによる駆動とを切り替える構成であっても、同様の不都合が生じ得ると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる回転電機の駆動装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
第1の手段は、
相ごとに、複数の巻線部が直列に接続された巻線群を有し、前記各巻線群の一端が中性点にて互いに接続されている多相の回転電機に適用され、その回転電機を駆動する駆動装置であって、
前記各巻線群において前記中性点とは反対側の巻線端部である始点端子に接続され、相ごとに上アームスイッチ及び下アームスイッチを有する第1インバータと、
前記各巻線群において前記巻線部同士の間に位置する中間端子に接続され、相ごとに上アームスイッチ及び下アームスイッチを有する第2インバータと、
前記第1インバータによる前記巻線群の通電と、前記第2インバータによる前記巻線群の通電とを選択的に実施する通電制御部と、
を備え、
前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが、双方向での導通及び遮断の機能を有する。
上記構成では、各巻線群の始点端子(すなわち中性点とは反対側の巻線端部)に第1インバータが接続され、各巻線群の中間端子(すなわち巻線部同士の間となる中間位置する端子)に第2インバータが接続されている。そして、第1インバータにより各相の巻線群の全てに通電が行われる状態と、第2インバータにより各相の巻線群の一部に通電が行われる状態とが切り替えられる。
ここで、第2インバータにより各巻線群への通電が行われる場合、すなわち各巻線群の一部に対して通電が行われる場合には、停止状態の第1インバータにおいて誘起電圧の印加に伴い回生電流が流れるおそれがあるため、第1インバータの通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることが考えられる。しかしながら、第1インバータの通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることで、第1インバータによる駆動時において導通経路上の経路抵抗が増え、導通損失の増加が生じる。
この点、第1インバータにおける上アームスイッチ及び下アームスイッチを、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとしたため、第1インバータにおいて、上下アームの各スイッチ以外に回生電流遮断用のスイッチを設けなくても、回生電流の抑制が可能となる。そのため、第1インバータによる駆動時において導通経路上の経路抵抗の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。
第2の手段では、前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチは、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBTを有する双方向スイッチである。
上アームスイッチ及び下アームスイッチとして、一対のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が互いに逆向きで並列接続されてなる双方向スイッチを用いることにより、第1インバータによる駆動時において、導通状態となる直列素子数が各相で2個ずつとなる。そのため、導通経路上の直列素子数の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。また、双方向スイッチにおいて、還流ダイオードとしての機能を付与することも可能となる。
第1インバータによる巻線群の通電時には、双方向スイッチにおいて一対のIGBTのうち一方のIGBTをスイッチング動作させ、他方のIGBTを閉状態のままとするとよい(第3の手段)。この場合、閉状態(常時オン)となる側のIGBTによりインバータの還流ダイオード機能が適正に実現される。また、スイッチング回数が必要最小限となるため、スイッチング損失を低減できる。
第4の手段では、前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチとして前記双方向スイッチを設け、前記第2インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチとして還流ダイオード付きの半導体スイッチング素子を設けている。
上記構成によれば、上下アームの各スイッチとして還流ダイオード付きの半導体スイッチング素子を用いた既存のインバータ構成を用いつつ、逆阻止型のIGBTを適所に配置することができる。
第5の手段では、前記巻線群は、3以上の前記巻線部が直列接続されており、前記各巻線群における2以上の前記中間端子に接続された前記第2インバータのうち、前記始点端子に近い側の前記中間端子に接続された前記第2インバータでは、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが、双方向での導通及び遮断の機能を有する。
各相において3以上の巻線部が直列接続された巻線群を有する回転電機では、2以上の中間端子にそれぞれ第2インバータが接続され、駆動状態が3つ以上に切り替えられることが考えられる。かかる構成において、始点端子に近い側の中間端子に接続された第2インバータでは、上アームスイッチ及び下アームスイッチが、双方向での導通及び遮断の機能を有するものであるとよい。これにより、導通経路上の経路抵抗の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、駆動状態を3つ以上に好適に切り替えることができる。
第6の手段は、
各相の巻線部の一端が中性点にて共通に接続された第1多相巻線及び第2多相巻線を備えた回転電機に適用され、
相ごとに上アームスイッチ及び下アームスイッチを有し、前記第1多相巻線の他端に接続された第1インバータと、
相ごとに上アームスイッチ及び下アームスイッチを有し、前記第2多相巻線の他端に接続された第2インバータと、
前記第1インバータによる前記第1多相巻線の通電と、前記第2インバータによる前記第2多相巻線の通電とを選択的に実施する通電制御部と、
を備え、
前記第1多相巻線は、前記第2多相巻線よりもターン数が多い巻線であり、
前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの少なくともいずれかが、双方向での導通及び遮断の機能を有する。
上記構成では、第1インバータにより大ターン数の巻線である第1多相巻線の通電が行われる状態と、第2インバータにより小ターン数の巻線である第2多相巻線の通電が行われる状態とが切り替えられる。
ここで、第2インバータにより第2多相巻線(小ターン数の巻線)への通電が行われる場合には、停止状態の第1インバータにおいて、第1多相巻線(大ターン数の巻線)にて生じる誘起電圧の印加に伴い回生電流が流れるおそれがあるため、第1インバータの通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることが考えられる。しかしながら、第1インバータの通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることで、第1インバータによる駆動時に導通経路上の直列素子数が増え、導通損失の増加が生じる。
この点、第1インバータにおける上アームスイッチ及び下アームスイッチの少なくともいずれかを、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとしたため、第1インバータにおいて、上下アームの各スイッチ以外に回生電流遮断用のスイッチを設けることが不要となる。そのため、第1インバータによる駆動時において導通経路上の経路抵抗の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。
回転電機の縦断面図。 回転子と固定子とを示す横断面図。 回転電機の制御システムを示す電気回路図。 第1インバータによる駆動時の動作を説明するためのタイムチャート。 第2インバータによる駆動時の動作を説明するためのタイムチャート。 各インバータによる駆動時の回転電機出力を示す図。 第1インバータの駆動を行わせる第1動作域と第2インバータの駆動を行わせる第2動作域とを示す図。 インバータ切替処理を示すフローチャート。 第2実施形態における回転電機の制御システムを示す電気回路図。 第2実施形態において各インバータによる駆動時の回転電機出力を示す図。 第3実施形態における回転電機の制御システムを示す電気回路図。 第3実施形態において各インバータによる駆動時の回転電機出力を示す図。 第4実施形態における回転電機の制御システムを示す電気回路図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における回転電機は、例えば車両動力源として用いられるものとなっている。ただし、回転電機は、産業用、車両用、船舶用、航空機用、家電用、OA機器用、遊技機用などとして広く用いられることが可能となっている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
本実施形態に係る回転電機10は、インナロータ式(内転式)の多相交流モータであり、その概要を図1及び図2に示す。図1は、回転電機10の回転軸11に沿う方向での縦断面図であり、図2は、回転軸11に直交する方向での回転子12及び固定子13の横断面図である。以下の記載では、回転軸11が延びる方向を軸方向とし、回転軸11を中心として放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸11を中心として円周状に延びる方向を周方向としている。
回転電機10は、回転軸11に固定された回転子12と、回転子12を包囲する位置に設けられる固定子13と、これら回転子12及び固定子13を収容するハウジング14とを備えている。回転子12及び固定子13は同軸に配置されている。ハウジング14は、筒状をなす一対のハウジング部材14a,14bを有し、ハウジング部材14a,14bが開口部同士で接合された状態でボルト15の締結により一体化されている。ハウジング14には軸受け16,17が設けられ、この軸受け16,17により回転軸11及び回転子12が回転自在に支持されている。
回転子12は回転子コア21を有し、その回転子コア21の外周部(すなわち固定子13の内周部に対して径方向に対向する側)には、周方向に複数の永久磁石22が並べて設けられている。回転子コア21は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ等により固定することで構成されている。
回転子コア21の外周面には、周方向に磁極が交互となるようにして複数の永久磁石22が設けられている。本実施形態では、回転子構造として、4極の表面磁石型構造が用いられている。ただし、回転子12が埋め込み磁石型であってもよい。永久磁石は、希土類磁石でもフェライト磁石でもよい。
固定子13は、円環状の固定子コア31と、固定子コア31の複数のスロット32に巻装された3相(U相、V相、W相)の固定子巻線33とを備えている。固定子コア31は、円環状の複数の電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ等により固定することで構成されている。固定子コア31は、円環状のヨーク34と、ヨーク34から径方向内側に延び周方向に等間隔で配列された複数のティース35とを有し、隣り合うティース35の間にスロット32が形成されている。
図3に示すように、固定子巻線33は、相ごとに、複数の巻線部が直列に接続された巻線群41〜43を有しており、各巻線群41〜43の一端が中性点N1にて互いに接続されている。より具体的には、固定子巻線33は、U相巻線群41とV相巻線群42とW相巻線群43とを有しており、これら各巻線群41〜43は、それぞれ2つの巻線部が直列に接続されて構成されている。各巻線群41〜43において2つの巻線部のターン数は同じである。なお、固定子コア31では、同一スロットに同じ巻線群41〜43の各巻線部が収容されているとよい。極数や相数、スロット数、直列巻線数は任意である。
次に、回転電機10を制御する制御システムの構成を、図3を用いて説明する。本制御システムは、第1インバータ50と第2インバータ60と制御装置70とを備えている。第1インバータ50は、固定子巻線33の各巻線群41〜43において中性点N1とは反対側の巻線端部である始点端子に接続され、第2インバータ60は、各巻線群41〜43において巻線部同士の間に位置する中間端子に接続されている。本実施形態では、各巻線群41〜43において2つの巻線部のターン数が同じであるため、第1インバータ50の通電ターン数と第2インバータ60の通電ターン数との比は2:1となっている。
各インバータ50,60は、固定子巻線33の相数と同数の上下アームを有するフルブリッジ回路により構成されており、各アームに設けられたスイッチ(半導体スイッチング素子)のオンオフにより、各相における通電電流が調整される。
具体的には、第1インバータ50は、U相、V相及びW相の各相において上アームスイッチ51と下アームスイッチ52との直列接続体をそれぞれ備えている。各相の上アームスイッチ51の高電位側端子は直流電源75の正極端子に接続され、各相の下アームスイッチ52の低電位側端子は直流電源75の負極端子(グランド)に接続されている。
上アームスイッチ51は、半導体スイッチング素子により構成されており、具体的には、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT51a,51bを備えている。この一対のIGBT51a,51bは、逆並列に接続された逆阻止型IGBTであり、双方向での通電及び遮断が可能な双方向スイッチとして機能する。より具体的には、一方のIGBT51aではコレクタを高電位側、エミッタを低電位側とし、他方のIGBT51bではエミッタを高電位側、コレクタを低電位側として、これら一対のIGBT51a,51bが互いに逆並列に接続されている。
また、下アームスイッチ52は、上アームスイッチ51と同様の構成を有しており、互いに逆向きに並列接続された一対のIGBT52a,52bを備えている。この一対のIGBT52a,52bは、双方向での通電及び遮断を可能にする双方向スイッチとして機能する。より具体的には、一方のIGBT52aではコレクタを高電位側、エミッタを低電位側とし、他方のIGBT52bではエミッタを高電位側、コレクタを低電位側として、これら一対のIGBT52a,52bが互いに逆並列に接続されている。
第2インバータ60は、U相、V相及びW相の各相において上アームスイッチ61と下アームスイッチ62との直列接続体をそれぞれ備えている。各相の上アームスイッチ61の高電位側端子は直流電源75の正極端子に接続され、各相の下アームスイッチ62の低電位側端子は直流電源75の負極端子(グランド)に接続されている。上アームスイッチ61及び下アームスイッチ62は、それぞれ還流ダイオード付きの半導体スイッチング素子であり、より具体的には、逆並列となる向きで接続された還流ダイオード63,64を有するIGBTである。還流ダイオード63,64は、それぞれカソードが高電位側、アノードが低電位側となる向きで設けられている。
制御装置70は、CPUや各種メモリからなるマイコンを備えており、回転電機10における各種の検出情報や、力行駆動及び発電の要求に基づいて、インバータ50,60における各スイッチの開閉(オンオフ)により通電制御を実施する。回転電機10の検出情報には、例えば、レゾルバ等の角度検出器により検出される回転子12の回転角度(電気角情報)や、電圧センサにより検出される電源電圧(インバータ入力電圧)、電流センサにより検出される各相の通電電流が含まれる。なお、電流センサは、インバータ50,60ごとに設けられていてもよいし、インバータ50,60で共通に設けられていてもよい。制御装置70は、インバータ50,60の各スイッチを操作する操作信号を生成して出力する。
本実施形態では、回転電機10における固定子巻線33の通電が第1インバータ50、第2インバータ60によりそれぞれ制御される。この場合、第1インバータ50により回転電機10が駆動される状態(すなわち、各相の巻線群の全てに通電が行われる状態)と、第2インバータ60により回転電機10が駆動される状態(すなわち、各相の巻線群の一部に通電が行われる状態)との切り替えが行われる。この切り替えにより、通電ターン数が可変となっている。図4には、第1インバータ50による駆動時の各スイッチの制御態様を示し、図5には、第2インバータ60による駆動時の各スイッチの制御態様を示す。なお、図4及び図5には、3相の固定子巻線33のうちU相の動作のみを示すが、他相においても電気角で120度異なる位相で同様の動作が行われる。
図4に示すように、第1インバータ50の駆動時には、第1インバータ50において上アームスイッチ51と下アームスイッチ52とが相補的にオンオフされることにより、相ごとの巻線群41〜43において通電が行われる。詳しくは、上下アームの各スイッチ51,52において、それぞれ一方のIGBT51a,52a(すなわちコレクタが高電位側となる各IGBT)が相補的にオンオフされ、他方のIGBT51b,52bがオン状態で保持される。このとき、常時オンとなる側のIGBT51b,52bにより、第1インバータ50の還流ダイオードの役割が担われることとなっている。第1インバータ50によれば、各巻線群41〜43では、直列接続された全ての巻線部での通電が行われる。また、第2インバータ60では、上下アームの各スイッチ61,62がオフのまま保持される。
一方で、図5に示すように、第2インバータ60の駆動時には、第2インバータ60において上アームスイッチ61と下アームスイッチ62とが相補的にオンオフされることにより、相ごとの巻線群41〜43において通電が行われる。このとき、各巻線群41〜43では、直列接続された2連の巻線部のうち中性点N1側の巻線部において通電が行われる。また、第1インバータ50では、上アームスイッチ51(すなわちIGBT51a,51b)、下アームスイッチ52(すなわちIGBT52a,52b)がオフのまま保持される。
ここで、第2インバータ60による駆動が行われる場合、すなわち各巻線群41〜43において中性点N1側となる一方の巻線部のみが通電される場合には、停止状態の第1インバータ50において誘起電圧の印加に伴い回生電流が流れ、回転電機の動作に支障を及ぼすことが懸念される。そのため、従来技術では、回生電流対策として、第1インバータ50の通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることが考えられている。しかしながら、第1インバータ50の通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることで、第1インバータ50による駆動時において導通経路上の直列素子数が増え、導通損失の増加が生じる。
この点、本実施形態では、第1インバータ50の上下アームの各スイッチ51,52を、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとしたため、第1インバータ50において、上下アームの各スイッチ51,52以外に回生電流遮断用のスイッチを設けなくても、回生電流の抑制が可能となる。またその上で、第1インバータ50の駆動時には、第2インバータ60の駆動時と同様に、各相の巻線群41〜43の通電に際して導通経路上の直列素子数が2個となる。そのため、直列素子数の増加による導通損失の増加が抑制されるようになっている。
制御装置70は、回転電機10の回転速度とトルクとに基づいて、第1インバータ50により回転電機10が駆動される状態と、第2インバータ60により回転電機10が駆動される状態との切り替えを実施する。具体的には、制御装置70は、回転電機10の低回転側の動作域では、第1インバータ50の通電制御を実施し、回転電機10の高回転側の動作域では、第2インバータ60の通電制御を実施する。
図6には、第1インバータ50の駆動時における回転電機出力を実線で示すとともに、第2インバータ60の駆動時における回転電機出力を破線で示す。この場合、各インバータ50,60の出力特性が一部重複している。そのため本実施形態では、第1インバータ50による駆動を行わせる第1動作域と、第2インバータ60による駆動を行わせる第2動作域とを図7のように定め、それら各動作域に応じてインバータ50,60の切替を実施することとしている。第1動作域は、回転電機10の低回転側の領域に定められ、第2動作域は、回転電機10の高回転側の領域に定められている。なお、図7では、第1動作域にハッチングが付されている。
第1動作域(すなわち回転電機10の低回転域)では、第1インバータ50により回転電機10が駆動されることにより、各巻線群41〜43の全巻線部に対して通電が行われる。これにより、回転電機10の低回転域において固定子巻線33のアンペア・ターンに応じた高トルクを得ることができる。また、第2動作域(すなわち回転電機10の高回転域)では、第2インバータ60により回転電機10が駆動されることにより、各巻線群41〜43の一部の巻線部に対して通電が行われる。この場合、第2インバータ60にかかる回転電機10の誘起電圧は第1インバータ50の1/2になるため、同じ電源電圧でもより高回転域まで回転電機10を駆動させることができる。
図8は、制御装置70により実施されるインバータ切替処理を示すフローチャートであり、本処理は所定周期で繰り返し実施される。
ステップS11では、回転電機10の運転状態が第1動作域に入っているか否かを判定し、ステップS12では、回転電機10の運転状態が第2動作域に入っているか否かを判定する。ステップS11,S12では、例えば、回転子12の回転情報に基づいて算出される回転速度と、回転電機10に対する要求トルクとに基づいて、動作域の判定が行われるとよい。
回転電機10の運転状態が第1動作域に入っている場合、ステップS13に進み、第1インバータ50の駆動を行わせ、かつ第2インバータ60の駆動を停止させる旨を決定する。この場合、第1インバータ50において上アームスイッチ51と下アームスイッチ52とを相補的にオンオフする。詳しくは、上アームの一対のIGBT51a,51bのうち一方のIGBT51aをオンオフさせ、かつ他方のIGBT51bをオン状態で保持する。また、下アームの一対のIGBT52a,52bのうち一方のIGBT52aをオンオフさせ、かつ他方のIGBT52bをオン状態で保持する。
また、回転電機10の運転状態が第2動作域に入っている場合、ステップS14に進み、第1インバータ50の駆動を停止させ、かつ第2インバータ60の駆動を行わせる旨を決定する。この場合、第2インバータ60において上アームスイッチ61と下アームスイッチ62とを相補的にオンオフする。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
第2インバータ60により各巻線群41〜43への通電が行われる場合、すなわち各巻線群41〜43の一部に対して通電が行われる場合には、停止状態の第1インバータ50において誘起電圧の印加に伴い回生電流が流れるおそれがあるが、第1インバータ50における上アームスイッチ51及び下アームスイッチ52を、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとしたため、回生電流を好適に遮断できる。この場合、第1インバータ50において、上下アームの各スイッチ以外に回生電流遮断用のスイッチを設けることが不要となるため、第1インバータ50による駆動時において導通経路上の経路抵抗の増加による導通損失の増加を抑制できる。これにより、適正な通電制御を実施することができる。
第1インバータ50における上アームスイッチ51及び下アームスイッチ52を、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT51a,51bを有する双方向スイッチとしたため、第1インバータ50による駆動時において、導通状態となる直列素子数は各相で2個ずつとなる。そのため、導通経路上の直列素子数の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。また、双方向スイッチにおいて、還流ダイオードとしての機能を付与することも可能となる。
第1インバータ50による巻線群41〜43の通電時に、上下アームの各スイッチ51,52において一方のIGBT51a,52aをスイッチング動作させ、他方のIGBT51b,52bを常時オン(閉状態のまま)とするようにした。この場合、常時オンとなる側のIGBT51b,52bによりインバータの還流ダイオード機能が適正に実現される。また、スイッチング回数が必要最小限となるため、スイッチング損失を低減できる。
第1インバータ50において、上アームスイッチ51及び下アームスイッチ52として逆阻止型IGBTからなる双方向スイッチを設けるとともに、第2インバータ60において、上アームスイッチ61及び下アームスイッチ62として還流ダイオード付きIGBTを設ける構成とした。この場合、上下アームの各スイッチとして還流ダイオード付きIGBTを用いた既存のインバータ構成を用いつつ、適所に逆阻止型のIGBTを配置することができる。
回転電機10の低回転域で第1インバータ50による駆動を行わせ、高回転域で第2インバータ60による駆動を行わせるようにしたため、車両要求に応じた広い回転速度範囲で回転電機10を好適に駆動させることができる。これにより、電動車両の動力性能を向上させることが可能となる。
また、第1インバータ50による駆動と第2インバータ60による駆動とが半導体スイッチング素子による電子制御で切り替えられるため、例えば車両加速時においても切り替えが滑らかに行われる。したがって、電動車両の電費向上や乗り心地の改善を実現できる。
また、複数のインバータ50,60を備えることで、駆動系を冗長化でき、システム信頼性を向上できる。
以下に、上記第1実施形態の構成の一部を変更した第2〜第4実施形態について説明する。なお、制御システムの構成として上記第1実施形態と同様のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、第1インバータ50及び第2インバータ60の通電ターン数の比を2:1としたが、第2実施形態では、各通電ターン数の比を変更し、これにより第2インバータ60による駆動範囲を変更している。
図9では、固定子巻線33の巻線群41〜43が、それぞれ3つの巻線部が直列に接続されて構成されている。そして、第1インバータ50が、各巻線群41〜43の始点端子に接続され、第2インバータ60が、各巻線群41〜43において2つの中間端子のうち始点端子側の中間端子に接続されている。この場合、各巻線部のターン数が同じであれば、第1インバータ50の通電ターン数と第2インバータ60の通電ターン数との比は3:2となる。
上記のとおり各インバータ50,60の通電ターン数の比を変更することにより、各インバータ50,60の駆動時における回転電機10の出力特性が変わる。図10には、第1インバータ50及び第2インバータ60の通電ターン数の比を3:2とした場合における回転電機10の出力特性を示す。通電ターン数の比を2:1とした場合の出力特性を示す図6と、通電ターン数の比を3:2とした場合の出力特性を示す図10とを比べると、第2インバータ60の駆動時における出力特性が低回転側にシフトしていることが確認できる。
なお、第2インバータ60が、各巻線群41〜43において2つの中間端子のうち中性点側の中間端子に接続される構成であってもよい。この場合には、各インバータ50,60の通電ターン数の比は3:1となる。各巻線群41〜43が、4以上の巻線部が直列接続されている構成であってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、固定子巻線33の各巻線群41〜43において、3以上の巻線部が直列接続されており、その固定子巻線33に3以上のインバータが接続されている。図11は、第3実施形態における回転電機の制御システムを示す電気回路図である。
図11では、固定子巻線33の巻線群41〜43が、それぞれ3つの巻線部が直列に接続されて構成されている。そして、第1インバータ50が各巻線群41〜43の始点端子に接続されている。また、各巻線群41〜43において2つの中間端子のうち始点端子側の中間端子にインバータ60Aが接続され、中性点側の中間端子にインバータ60Bが接続されている。本実施形態では、インバータ60A,60Bがそれぞれ第2インバータに相当する。
各インバータ50,60A,60Bのうち、各巻線群41〜43の始点端子に接続されている第1インバータ50と、各巻線群41〜43の始点端子側の中間端子に接続されているインバータ60Aとは、上アームスイッチ及び下アームスイッチとして、双方向での導通及び遮断が可能な双方向スイッチを有している。その構成は、図3に示す第1インバータ50と同じものである。インバータ60Aでは、上アームスイッチ65として、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT65a,65bが設けられている。また、下アームスイッチ66として、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT66a,66bが設けられている。なお、インバータ60Bは、図3に示す第2インバータ60と同じ構成を有する。
図12には、各インバータ50,60A,60Bによる駆動時の出力特性の違いを示す。各インバータ50,60A,60Bでは、通電対象となる巻線のターン数が相違していることから、50→60A→60Bの順に出力特性が高回転側にシフトする。
制御装置70は、回転電機10の回転速度とトルクとに基づいて、第1インバータ50により回転電機10が駆動される状態と、インバータ60Aにより回転電機10が駆動される状態と、インバータ60Bにより回転電機10が駆動される状態との切り替えを実施する。各インバータ50,60A,60Bの動作域は、図12の関係に基づいて定められているとよい。
本実施形態では、各相の巻線群41〜43の各中間端子に接続された2つの第2インバータ60A,60Bのうち始点端子側の中間端子に接続されたインバータ60Aにおいて、第1インバータ50と同様に、上下アームの各スイッチ65,66を、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとした。これにより、導通経路上の経路抵抗の増加(すなわち直列素子数の増加)による導通損失の増加を抑制しつつ、回転電機10における3つの駆動状態を好適に切り替えることができる。
なお、各巻線群41〜43が、4以上の巻線部が直列接続されている構成であってもよい。各巻線群41〜43が、4つの巻線部が直列接続されている構成である場合には、3つの中間端子にそれぞれ第2インバータが接続される。この場合、3つの第2インバータのうち、始点端子に1番目に近い側の中間端子に接続された第2インバータ、又は始点端子に1番目及び2番目に近い側の各中間端子に接続された第2インバータにおいて、上アームスイッチ及び下アームスイッチを、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとするとよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、図13に示すように、回転電機10の固定子巻線33として第1多相巻線33Aと第2多相巻線33Bとを有している。これら各多相巻線33A,33Bは3相巻線であり、各相の巻線部の一端がそれぞれの中性点にて共通に接続されている。第1多相巻線33Aは、第2多相巻線33Bよりもターン数が多い巻線となっている。つまり、第1多相巻線33Aのターン数をN1、第2多相巻線33Bのターン数をN2とする場合、N1>N2である。なお、各多相巻線33A,33Bは、それぞれ固定子コア31のスロット32に収容された状態で巻装されている。
そして、第1多相巻線33Aに第1インバータ80が接続され、第2多相巻線33Bに第2インバータ90が接続されている。第1インバータ80は、相ごとに上アームスイッチ81及び下アームスイッチ82を有しており、第2インバータ90は、相ごとに上アームスイッチ91及び下アームスイッチ92を有している。
詳しくは、第1インバータ80は、上アームスイッチ81として、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT81a,81bを備えている。この一対のIGBT81a,81bは、逆並列に接続された逆阻止型IGBTであり、双方向での通電及び遮断が可能な双方向スイッチとして機能する。
また、第1インバータの80の下アームスイッチ82と、第2インバータ90の上アームスイッチ91及び下アームスイッチ92とは、それぞれ還流ダイオード付きの半導体スイッチング素子であり、より具体的には、逆並列となる向きで接続された還流ダイオードを有するIGBTである。
制御装置70は、第1インバータ80による第1多相巻線33Aの通電と、第2インバータ90による第2多相巻線33Bの通電とを選択的に実施する。この場合、各インバータ80,90における通電制御は、基本的に図4及び図5で説明したものと同じである。ただし、第1インバータ80では、下アームスイッチ82が還流ダイオード付きのIGBTにより構成されており、第1インバータの80の駆動時には、上アーム側のIGBT81aと下アームスイッチ82とが互いに相補的にスイッチングされるとよい。
本実施形態では、第1インバータ80による第1多相巻線33Aの通電と、第2インバータ90による第2多相巻線33Bの通電とのいずれか一方が択一的に実施される。これにより、第1インバータ80により大ターン数の巻線である第1多相巻線33Aの通電が行われる状態と、第2インバータにより90小ターン数の巻線である第2多相巻線33Bの通電が行われる状態とが切り替えられる。
ここで、第2インバータ90により第2多相巻線33B(小ターン数の巻線)への通電が行われる場合には、停止状態の第1インバータ80において、第1多相巻線33A(大ターン数の巻線)にて生じる誘起電圧の印加に伴い回生電流が流れるおそれがあるため、第1インバータ80の通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることが考えられる。しかしながら、第1インバータ80の通電経路に回生電流遮断用のスイッチを設けることで、第1インバータ80による駆動時に導通経路上の直列素子数が増え、導通損失の増加が生じる。
この点、第1インバータ80の上アームスイッチ81を、双方向での導通及び遮断の機能を有するものとしたため、第1インバータ80において、上下アームの各スイッチ以外に回生電流遮断用のスイッチを設けることが不要となる。そのため、第1インバータ80による駆動時において導通経路上の直列素子数の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。
なお、制御装置70が、両インバータ80,90による各多相巻線33A,33Bの通電を同時に実施してもよい。この場合、各多相巻線33A,33Bにおいて同相の巻線部が同時通電されることにより、回転電機10の高トルク運転が可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・図13に示す第1インバータ80において、上アームスイッチ81として逆阻止型IGBTからなる双方向スイッチを設け、かつ下アームスイッチ82として還流ダイオード付きIGBTを設ける構成に代えて、上アームスイッチ81として還流ダイオード付きIGBTを設け、かつ下アームスイッチ82として逆阻止型IGBTからなる双方向スイッチを設ける構成としてもよい。又は、上アームスイッチ81及び下アームスイッチ82として逆阻止型IGBTからなる双方向スイッチを設ける構成としてもよい。
・上記各実施形態では、上下アームの各スイッチにおいて半導体スイッチング素子としてIGBTを用いる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、半導体スイッチング素子としてMOSFETを用いてもよい。この場合、基本的には、上下アームの各スイッチとして還流ダイオード付きMOSFETを用いる。また、双方向スイッチを用いる箇所においては、ワイドギャップ半導体で構成されたMOSFETを逆向きに直列接続して、双方向での導通及び遮断の機能を付与したものを用いるとよい。ワイドギャップ半導体で構成されたMOSFETとして、SiC(シリコンカーバイド)系材料や、GaN(窒化ガリウム)系材料などによって構成されたワイドギャップ半導体素子を使用することが好ましい。ワイドギャップ半導体素子を用いることにより、オン抵抗の低減を図ることができる。そのため、上下アームの各スイッチ以外に回生電流遮断用のスイッチを設ける構成に比べて、第1インバータによる駆動時において導通経路上の経路抵抗の増加による導通損失の増加を抑制しつつ、適正な通電制御を実施することができる。
・回転電機10は、3相交流モータに限られず、例えば5相交流モータであってもよい。
・回転電機10は、磁石ロータ構造以外であってもよく、例えば誘導ロータ構造のものであってもよい。また、インナロータ構造に代えて、アウタロータ構造であってもよい。
10…回転電機、41〜43…巻線群、50…第1インバータ、51…上アームスイッチ、52…下アームスイッチ、60…第2インバータ、61…上アームスイッチ、62…下アームスイッチ、70…制御装置(通電制御部)。

Claims (6)

  1. 相ごとに、複数の巻線部が直列に接続された巻線群(41〜43)を有し、前記各巻線群の一端が中性点(N1)にて互いに接続されている多相の回転電機(10)に適用され、その回転電機を駆動する駆動装置であって、
    前記各巻線群において前記中性点とは反対側の巻線端部である始点端子に接続され、相ごとに上アームスイッチ(51)及び下アームスイッチ(52)を有する第1インバータ(50)と、
    前記各巻線群において前記巻線部同士の間に位置する中間端子に接続され、相ごとに上アームスイッチ(61)及び下アームスイッチ(62)を有する第2インバータ(60)と、
    前記第1インバータによる前記巻線群の通電と、前記第2インバータによる前記巻線群の通電とを選択的に実施する通電制御部(70)と、
    を備え、
    前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが、双方向での導通及び遮断の機能を有する回転電機の駆動装置。
  2. 前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチは、互いに逆向きで並列接続された一対のIGBT(51a,51b)を有する双方向スイッチである請求項1に記載の回転電機の駆動装置。
  3. 前記第1インバータによる前記巻線群の通電時に、前記一対のIGBTのうち一方のIGBTをスイッチング動作させ、他方のIGBTを閉状態のままとする請求項2に記載の回転電機の駆動装置。
  4. 前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチとして前記双方向スイッチを設け、
    前記第2インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチとして還流ダイオード付きの半導体スイッチング素子を設けた請求項2又は3に記載の回転電機の駆動装置。
  5. 前記巻線群は、3以上の前記巻線部が直列接続されており、
    前記各巻線群における2以上の前記中間端子に接続された前記第2インバータのうち、前記始点端子に近い側の前記中間端子に接続された前記第2インバータ(60A)では、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチが、双方向での導通及び遮断の機能を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機の駆動装置。
  6. 各相の巻線部の一端が中性点にて共通に接続された第1多相巻線(33A)及び第2多相巻線(33B)を備えた回転電機(10)に適用され、
    相ごとに上アームスイッチ(81)及び下アームスイッチ(82)を有し、前記第1多相巻線の他端に接続された第1インバータ(80)と、
    相ごとに上アームスイッチ(91)及び下アームスイッチ(92)を有し、前記第2多相巻線の他端に接続された第2インバータ(90)と、
    前記第1インバータによる前記第1多相巻線の通電と、前記第2インバータによる前記第2多相巻線の通電とを選択的に実施する通電制御部(70)と、
    を備え、
    前記第1多相巻線は、前記第2多相巻線よりもターン数が多い巻線であり、
    前記第1インバータにおける前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチの少なくともいずれかが、双方向での導通及び遮断の機能を有する回転電機の駆動装置。
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