JP6850148B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

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立軸ポンプに関する。
ポンプはインペラをモータなどの駆動機で回転させて揚水する。そのため、ポンプ運転中に駆動機は継続的に発熱するので、冷却することが必要になる。陸上に設置されるポンプに用いられる駆動機の冷却方法には、大きく分けて、駆動回転軸の回転を利用したファンによる空冷と冷却器を使用した水冷の2つのタイプがある。しかし、通常陸上に設置される駆動機は水没してしまうと駆動できなくなってしまう。
そのため津波、高潮や局地豪雨等による河川氾濫等によりポンプ建屋に水が侵入してきても駆動機が冠水しないように高所設置が検討される。具体的手段としてはポンプと駆動機を設置するフロアレベルを高くしたり、ポンプの上方に駆動機用架台などで駆動機を高いレベルに配置できるようにポンプを設置するフロアの天井を高くしたり、ポンプを設置するフロアより上方に新たに駆動機設置のためのフロアを設けるなどで対応してきた。しかしそれらの手段は建屋が大きくなるため、建設コストが大きくなってしまっていた。
特開2001−304163号公報 特許第5552402号
上記背景技術を解決するため、特許文献1ではポンプ設備廻りでモータへの浸水防止対策を図ったものである。しかしながら、実際にモータが水没するとモータ機付の空冷ファンなどが機能しなくなるし、たとえ、そういった事態には水没したモータ廻りの水でモータを冷却できるような構造になっていても、一旦ポンプ据付部屋へ流入した水は流動性がない上、ポンプ据付部屋へ侵入した水の体積は限られているため、モータの連続発熱によりモータ廻りの水は徐々に温まり、モータとの温度勾配が小さくなっていくため、やがて伝熱量が減りモータが停止してしまう恐れがある。
一方、特許文献2では、モータフレーム廻りを冷却液で囲み、内蔵の冷却水循環用羽根車により冷却液を循環させ、モータの下方に揚水で冷却水を冷却する熱交換器を設置した熱交換器付のモータをポンプの上方に直接取付けたポンプ技術が開示されている。しかし本開示技術では、耐水モータはポンプへ水密状態で取り付けられているため、熱交換器の下面(揚水の接水面)はポンプの主流路の上方にあり主流路から離れた位置にあるため、揚水が淀み、空気や水より比重の小さい異物等が付着しやすく熱交換器の性能が低下する問題があった。さらに、熱交換器の伝熱面積を増やすために熱交換器下面をコルゲート状にした場合、コルゲートの溝に溜まった空気や異物等は吐出口側へ排出されにくい上、たとえインペラに裏羽根を付けて熱交換器下方に周方向の流れを発生させても水よりも比重の小さい空気や異物は軸心に集まるため、うまく排出されない可能性が高い。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は熱交換器の性能を向上させ、モータを十分に冷却できるポンプを提供することである。
本発明の一態様によれば、下方を向いた吸込口から側方を向いた吐出口に水を導くポンプケーシングであって、前記吸込口の上方に開口を画定する第1フランジが設けられた副流路管部を有するポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内にほぼ鉛直方向に延びる主軸と、前記ポンプケーシング内の下部において前記主軸に固定されたインペラと、
前記第1フランジ上に配置されるモータハウジングと、モータハウジングから前記第1フランジを通って前記主軸に連結される出力軸と、前記モータハウジング内に設けられて前記主軸を回転させるモータと、を有するモータ部と、前記開口の近傍に設けられた熱交換器と、前記モータハウジング及び/または前記熱交換器に設けられ、第1フランジと締結される第2フランジと、を備え、前記第1フランジと前記第2フランジとの間から外部に水が流出可能である、立軸ポンプが提供される。
立軸ポンプ停止時には、ポンプケーシング内には空気が存在している。ポンプ起動時には、ポンプケーシング内の空気のほとんどは吐出口近くに設置している空気抜き弁から外部へ抜けるが、一部はポンプケーシングの副流路管部へ向かい、熱交換器下面に溜まってしまう。さらに、インペラにより汲み上げた水には微細な気泡が含まれている。微細な気泡は汲み上げた水とともにほとんどが吐出口へ向かうが、一部は副流路管部に流入し、熱交換器下面に蓄積されてしまう。
ここで、水、空気及び一般的な熱交換器に用いる銅の常温常圧における熱伝導率は、それぞれ0.61[W/(m・K)]、0.026[W/(m・K)]、370[W/(m・K)]程度と大きく異なる。さらに熱交換器下面に空気溜り(空気層)が介在すると、水と空気層との間の熱伝達、空気層の熱伝導及び空気と熱交換器との間の熱伝達と、熱抵抗要素が増え、かつ水と熱交換器間の熱伝達率に対し、空気と熱交換器間の熱伝達率は小さいので、熱交換器伝熱面での熱通過率が大きく低下する。結果、熱交換効率が大幅に低下してしまう。
また、特に熱交換器付近が水密構造である場合、揚水は淀んでしまい、吸込口から吐出口に向かう主流速に比べ熱交換器下方の流速は遅くなる。そのため熱交換器下面での熱伝達率は小さいため、熱交換器の熱通過率を低下させる要因となり、さらに熱交換効率を低下させてしまう。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、ポンプケーシングの第1フランジとモータ部の第2フランジとの間から、揚水の一部を外部に流出させることにより、熱交換器下面近傍で積極的に水流を生じさせ、空気や異物等を排除して熱通過率を向上させることにより熱交換器の熱交換性能を高め、熱交換器のモータ冷却性能を高めてモータを十分冷却することができる構造を備えた立軸ポンプを提供することを目的とする。本明細書において、揚水及び水とは、H2Oに限られず、ポンプが汲み上げる対象である液体を意味する。
外部に水が流出可能な溝が前記第1フランジに設けられてもよい。
揚水の一部が溝から外部に流出することにより、熱交換器下面近傍で積極的に水流を生じさせ、熱交換器による熱交換効率を上げることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高めてモータを十分冷却することができる。溝は、1つまたは複数設けることができる。溝の形状は、適宜設定することができる。熱交換器下面に溜まった空気を排除しやすくするため、溝の上面は、熱交換器の下面と同レベルあるいは熱交換器の下面より高い位置にあることが好ましい。
外部に水が流出可能な溝が前記第2フランジに設けられてもよい。
揚水の一部が溝から外部に流出することにより、熱交換器下面近傍で積極的に水流を生じさせ、熱交換器による熱交換効率を上げることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高め、モータを十分冷却することができる。溝は、1つまたは複数設けることができる。溝の形状は、適宜設定することができる。溝の上面は、熱交換器の下面と同レベルあるいは熱交換器の下面より高い位置にあることが好ましい。
前記溝の上面は、前記熱交換器の下面と同レベルあるいは前記熱交換器の下面より高い位置にあってもよい。
溝の上面が、熱交換器下面と同レベルあるいは熱交換器の下面より高い位置にあることにより、浮力により熱交換器下面に蓄積している空気、揚水より比重の小さい異物等は熱交換器下面に生じる溝へ向かう流れと一緒に外部へ通じている溝へと移動しやすくなり、一旦溝に入れば浮力により溝の上面より低い位置にある熱交換器の下面へ戻ることなく溝から外部排出されるため、熱交換器下面付近に留まることを防止し、空気や異物等が熱交換器下面に留まることにより熱交換器の熱交換効率が下がることを防止することができる。溝は、大気開放されることが好ましい。
前記溝に接続されており、下方に向かって開放された排水管を備えてもよい。
揚水の一部が溝及び排水管から外部に通過することにより、熱交換器下面近傍で積極的に水流を生じさせ、熱交換器による熱交換効率を高めることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高め、モータを十分冷却することができる。排水管のもう一方の端は、吸込水槽内の液面より十分に上方に設けられることが好ましい。排水管のもう一方の端は、ポンプの運転可能内水位で最も高い水位よりも上方に位置していることが好ましい。また排水管の途中の曲り部は当該部で直線状の異物が引っ掛からないように極力大きな曲率であることが好ましい。
前記排水管に流量センサが設けられてもよい。
流量センサによって排水管内の流量を測定することにより、溝、排水管の詰まり及びポンプの運転状況を監視することができる。ポンプ据付床上の浸水により、流量センサが機能喪失することを防止するために、浸水が想定される水位以下に流量センサを設置する場合は、防水型を選択することが好ましい。
前記排水管から分岐した流路と、前記排水管における前記流路との分岐箇所より下流側に設けられた第1バルブと、前記流路に設けられた第2バルブと、前記流路に設けられたフラッシング用ポンプと、を有し、前記排水管における前記溝の近傍に溜まった異物を前記ポンプケーシング内に流し込んでもよい。前記排水管内や前記溝内や前記排水管における前記溝の近傍に溜まった異物を除去することができる。
ポンプ機場のポンプ設置フロアは無人である場合が多く、ポンプ操作室や遠隔から操作または制御することによりバルブの開閉ができるように、バルブは電動式とすることが好ましい。また、ポンプ据付床上の浸水により電動バルブが機能喪失することを防止するために、浸水が想定される水位以下にバルブやフラッシング用ポンプを設置する場合は、防水型を選択することが好ましい。
また、第2バルブは、ポンプ運転時には常時異物等を含む揚水が通過するため、バルブ開時の弁開度断面が大きい弁、例えば、仕切弁、ボール弁、ロート弁などとすることが好ましい。
異物等によって排水管が詰まった場合には、第1バルブを閉め、第2バルブを開き、フラッシング用ポンプによって流路を通じて水を排水管側に送り出し、排水管から溝に水を逆流させる。この水流によって異物等をポンプケーシングに流し込むことによって、排水管、溝等の詰まりを解消する。立軸ポンプが運転中の場合でも逆流させることができるように、フラッシング用ポンプは、副流路管部までの管路損失を考慮の上、副流路管部の圧力より十分高い圧力を吐出しできるポンプを選定することが好ましい。排水管の内径は、溝を通過してきた異物等が排水管内で詰まらないように溝を通過し得る粒径よりも大であることが好ましい。多くのポンプ機場の場合、吸込水槽へ水が流入してくる前に除塵設備があり、除塵機で大きな異物は除去される。よってポンプで汲み上げる水に含まれる異物等の粒径は除塵機のスクリーン目幅を一つの基準にできる。
前記熱交換器の下面が、前記溝に向かうにつれ鉛直方向に高くなる傾斜状であってもよい。
空気及び水より比重の小さい異物等は、浮力の作用も加わり、傾斜状となった熱交換器の下面に沿って高い位置にある溝の方向に進みやすくなることから、これらを揚水の一部と共に溝から排出しやすくなる。これによって、より効果的に空気や異物等が熱交換器下面に溜まることを防止することができる。
前記主軸と共に回転する破砕カッターと、溝近傍に設けられた固定刃と、を有してもよい。
破砕カッターは主軸の回転に伴って回転し、破砕カッターの刃と固定刃とによって、溝付近の異物等を破砕、または除去し、溝及び排水管の詰まりを防止、解消する。破砕カッターの刃の先は上側から下側に向かって傾斜していることが望ましい。異物の破砕をすることができない場合であっても、溝から異物を除去できる。固定刃は溝近傍に設けられる。好ましくは、固定刃は溝の辺縁部に設けられる。好ましくは、固定刃は溝に密接する部分に設けられる。固定刃の形状は、適宜選択することができる。
前記副流路管部内において前記熱交換器の下方に設けられた仕切部材を備え、前記仕切部材から前記熱交換器側に水が通過可能であってもよい。
水が通過可能とする手段として、仕切部材に穴状または間隙状の通水部を設けることが好ましい。通水部は、1つまたは複数設けることができる。通水部の形状及びサイズは、適宜設計することができるが、揚水に含まれる異物等により閉塞しないよう設計することが好ましい。揚水の一部は、通水部を通じて熱交換器下面と仕切部材上面で形成される間隙に流れ込み、最終的に溝から外部に排出される。仕切部材と熱交換器との間の間隙を好適な寸法にすることにより、仕切部材が無い場合より熱交換器下面近傍の流れを増速させることができるため、より熱交換器下面に空気溜りや異物等が溜まりにくくなり、かつ熱交換器下面における熱伝達率が向上するため、熱交換器の熱交換効率を高めることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高めることができる。仕切部材上面と熱交換器下面との間隙寸法は、好ましくは50、40、30、20、10、5センチメートル以内、最も好ましくは3センチメートル以内である。揚水に含まれる異物等が引っ掛からないように適宜設計することができる。好ましくは、仕切部材の、主軸に対して溝の反対側の半円内に、通水部を設ける。最も好ましくは、主軸に対して溝の反対側に通水部を設ける。揚水の一部は、熱交換器下面と仕切部材上面で形成される間隙を流れて溝から外部に排出される。熱交換器下方において、水が流れる距離を長くすることができ、熱交換器の伝熱面積を有効的に活用できるため、熱交換器の熱交換効率を高めることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高めることができる。
前記主軸に対して前記溝の反対側において前記仕切部材から前記熱交換器側に水が通過可能であってもよい。
熱交換器下方において、水が流れる距離を長くすることができ、熱交換器の伝熱面積を有効的に活用できるため、熱交換器の熱交換効率を高めることにより、熱交換器のモータ冷却性能を高めることができる。
前記ポンプは、効率的にモータを冷却することができる。
本発明の第1実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第1実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプの熱交換器周辺の概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第3実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第4実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第5実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第5実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第5実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第5実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第5実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第6実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第7実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第8実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第8実施形態に係るポンプを示す水平断面図である。 本発明の第8実施形態に係るポンプの回転刃及び固定刃を示す拡大図である。 本発明の第9実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第10実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第11実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第12実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。 本発明の第13実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。
このポンプは例えば排水機場に配置された立軸ポンプであり、インペラ6を回転させることにより吸込水槽16の水を汲み上げて吐出水槽に排水する。ポンプは、ポンプケーシング3と、主軸5と、インペラ6と、モータ部11と、熱交換器12と、排水管17とを備えている。
ポンプケーシング3は、下方を向いた吸込口1と、ポンプ上方の側方(同図の例では水平方向)を向いた吐出口2とを有し、かつ、吸込口1の上方にベンド管部4bから分岐して鉛直方向に延びる副流路管部4aがあり、副流路管部4aの上面には開口4を画定する第1フランジ13を有する。
ポンプは、インペラ6を回転させることにより吸込水槽16内の水を吸込口1から汲み上げてベンド管部4bを介して吐出口2に導き、吐出水槽に排水する。吸込水槽16内の水を吸込口1から汲み上げて汲み上げられた水の一部は、ベンド管部4bから分岐した副流路管部4aへ流入し開口4まで達し、後述するようにしてモータ部11を冷却する。
回転軸(モータ10の出力軸9及び出力軸9の下端側を水中軸継手40で連結された主軸5)の軸心はポンプケーシング3の中心線とほぼ一致し、鉛直方向に延びている。そして、主軸5にはポンプケーシング3の下部においてインペラ6が固定されている。主軸5が回転することで、吸込口1から水が汲み上げられる。
モータ部11は、モータハウジング8、出力軸9及びモータ10などを有する。
モータハウジング8は、内部に出力軸9及びモータ10を収容する。モータハウジング8及び/または熱交換器12は、ポンプの副流路管部4aの上面の第1フランジ13に取り付けるための第2フランジ15を有する。
図1Aでは、第2フランジ15は、モータハウジング8に設けられているが、図1Bのように熱交換器12に設けられてもよい。また、図1Cのようにモータハウジング8及び熱交換器12の両方に設けられても良い。
ポンプケーシング3における開口4上に位置するよう、モータハウジング8が配置される。モータハウジング8の側面には円筒状のウォータージャケットなどの冷却部材が設けられてもよい。
出力軸9はモータハウジング8内部から鉛直方向に延びており、熱交換器12を貫通し、ポンプケーシング3にまで達している。そして、出力軸9の下端は水中軸継手40で主軸5の上端に連結されている。よって、出力軸9及び主軸5は一体となって回転可能である。
モータ10はモータハウジング8内部にあって、出力軸9を回転させる。出力軸9の回転により主軸5も回転する。モータ10は出力軸9を回転させる際に発熱するが、本実施形態によれば熱交換器12の熱交換効率が上昇し、熱交換器12のモータ冷却性能が向上するため、モータ10を効率よく冷却できる。この点については後に詳しく説明する。
熱交換器12はモータ部11の下部に設けられる。熱交換器12は中央が開口した円筒状であり、その開口を出力軸9が回転可能に貫通している。また、熱交換器12の出力軸9の貫通部には適宜の防水措置、例えばメカニカルシールが設けられていて、副流路管部4aからの水はモータ部11内に侵入しないようになっている。
熱交換器12の上面はモータ10の熱を受ける。一方、熱交換器12の下面には吸込水槽16から汲み上げられた水が接する。そのため、熱交換器12は、モータ10と、吸込水槽16から汲み上げられた水との間で熱交換を行い、モータ10を冷却できる。モータ10は熱交換器12により直接冷却する構造でも良いし、モータ廻りに冷却水をモータ部11に内蔵された冷却水循環用羽根車等の適宜の方法で循環させることにより、間接的に冷却する構造でも良い。
本実施形態の特徴の1つとして、副流路管部4a上面の第1フランジ13と、相対する、モータ部11及び/または熱交換器12に設けられた第2フランジ15との間は一部が水密状態となっておらず、副流路管部4a内の水が外部へ流出可能となっている。より具体的には、第1フランジ13に水が通過可能な溝14を設け、その先端に排水管17を接続する。排水管17は、途中湾曲し、先端は吸込水槽16内で大気開放されている。以下、熱交換器12の配置と溝14との関係について詳しく説明する。
図2A〜図2Cは、熱交換器12周辺の概略断面図である。第1フランジ13に溝14を設ける場合、熱交換器12の下面が第2フランジ15の下面と同レベルまたは下方にあるようにするのが望ましい。つまり、溝14の上面は、熱交換器12の下面と同レベル(図2A)か、高い位置(図2B)にあるのが望ましい。溝14の上面が熱交換器12の下面より低い位置にあると(図2C)、熱交換器12の下面にポンプ起動時のポンプケーシング3内の空気やポンプ運転中の揚水に含まれる気泡や水より比重が小さい異物等が溜まりやすく、特に溝14近傍の破線で囲んだ位置に滞留しやすくなってしまうためである。
また、図3Aはポンプの第1フランジ13を鉛直上方向から見た図であり、図3Bはモータ部11の第2フランジ15を鉛直下方向から見た図である。図3Aに示すように、溝14は副流路管部4aの内面から第1フランジ13の外周端にまで延びており、溝14の先端に排水管17が接続されている。これにより、副流路管部4aからの水が第1フランジ13の外側すなわちポンプの外側に通過可能である。
なお、図3A及び図3Bに示すように、第1フランジ13及び第2フランジ15にはそれぞれボルト穴が設けられ、第1フランジ13と第2フランジ15とがボルトにより締結される。第1フランジ13及び第2フランジ15の間は、当業者にとって適宜の方法によって止水される。図3Aにおいては、第1フランジ13のボルト穴より径方向内側にゴムひも溝が設けられ、ゴムひも41を嵌め込み、配管フランジ34にはOリング溝が設けられ、Oリング42を嵌め込み、ゴムひも41の両先端をOリング42に突き合せて止水されている。ゴムひも41は、第2フランジ15に設けられてもよい。または、ゴムひも溝やOリング溝を設けずに、それぞれシートガスケットの組合せで止水しても良い。または、第1フランジ13または第2フランジ15のどちらかに、上記と同様にゴムひも溝を設け、ゴムひもを嵌め込み、配管フランジ34にはOリング溝を設けず、シートガスケットを用いて、ゴムひも両先端をシートガスケットに突き合せることにより止水しても良い。または第1フランジ13と第2フランジ15にはゴムひも溝を設けずシートガスケットを用い、配管フランジ34にOリング溝を設け、Oリングを嵌め込み、シートガスケットとOリングの組合せを止水しても良い。排水管17は配管フランジ34に接続されている。
図1において、溝14及び排水管17は、吐出口2と逆方向、すなわち180度反対の位置に設けられているが、溝14の位置に特に制限はなく、例えば吐出口2と90度の位置などの適宜の位置に設けることができるし、2以上の溝14及び排水管17を設けてもよい。熱交換器12の下面がコルゲート型であって互いに平行に延びる複数の溝が形成されている場合、空気や水より比重の小さい異物等は浮力により溝に滞留してしまう。熱交換器12の下面に発生させる水流によりそれらを溝14へ導き排出できるように熱交換器12の下面の溝の一端側又は両端側に溝14及び排水管17を設けるのが望ましい。
以上説明したポンプは次のように動作する。出力軸9が回転することによって、出力軸9に水中軸継手40で連結された主軸5が回転し、主軸5に固定されたインペラ6が回転する。これにより吸込口1から水が汲み上げられる。汲み上げられた水のほとんどはベンド管部4bを通って吐出口2から排水される。汲み上げられた水の残り一部は副流路管部4aを通って開口4の下方に達する。この水は熱交換器12によってモータ10の熱を冷却する。副流路管部4a内の水はインペラ6により加圧されているので熱交換器12の下面近傍の水はその後、熱交換器12の下面近傍にある溝14へ押し出される形で排水管17から排水される。したがって汲み上げられた水に気泡が混ざっている場合でも、水より比重の小さい異物等が混じっている場合でも、熱交換器12の下面近傍に発生する水流によって気泡及び水より比重の小さい異物等は溝14へ運ばれ、排水管17から排気、排出される。好適に排気、排出させるため、溝14及び排水管17の管内流速が1m/s以上となるように溝断面積と配管径を決定することが望ましい。
仮にポンプケーシング3の副流路管部4a上面の取付面(第1フランジ13)とモータ部11の取付面(第2フランジ15)とが水密状態であると、熱交換器12の下方の水が淀み、熱伝達率が低下するため、熱交換器12の熱通過率を低下させる。また、熱交換器12の下面に、ポンプ起動時のポンプケーシング3内の空気やポンプ運転中の汲み上げられた水に混じっている気泡が蓄積し空気溜りが付着したり、水より比重の小さい異物等が付着すると、熱交換器12の下面の一部または全面において熱通過率の低い層が形成されることになり、熱交換器12の熱交換効率を著しく低下させる。それらの両方の悪影響によりモータ10を十分冷却することができなくなってしまう。
これに対し、本実施形態ではポンプケーシング3の副流路管部4a上面の取付面(第1フランジ13)とモータ部11の取付面(第2フランジ15)とを水密状態にせず、具体的には第1フランジ13に溝14を設け、この溝14及び溝14に接続された排水管17から、揚水の一部を積極的に排出させる。これにより、熱交換器12の下面近傍に水流が生じ、熱交換器12の下面への空気溜りの形成や水より比重の小さい異物の付着を防ぐとともに、熱交換下面近傍の流れが増速されるため、熱交換が促進され、モータ10を十分冷却できる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態は、ポンプケーシング3の副流路管部4aの第1フランジ13に溝14を設けるものであった。これに対し、次に説明する第2の実施形態は、モータ部11の下方の第2フランジ15に溝14を設けるものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。図6A〜図6Cは、熱交換器周辺の概略断面図である。第2フランジ15に溝14を設ける場合、溝14の上面は、熱交換器12の下面と同レベル(図6A)か、高い位置(図6B)にあるのが望ましい。溝14の上面が熱交換器12の下面より低い位置にあると(図6C)、熱交換器12の下面に空気や水より比重が小さい異物等が溜まりやすく、特に溝14近傍の破線で囲んだ位置に空気が滞留してしまうためである。また、図5Aはポンプの第1フランジ13を鉛直上方向から見た図であり、図5Bはモータ部11の第2フランジ15を鉛直下方向から見た図である。図5Bに示すように、溝14は第2フランジ15の内径から外周端にまで延びており、溝14の先端に排水管17が接続されている。これにより、副流路管部4aの水が第2フランジ15の外側すなわちポンプの外側に流出可能である。
このように、本実施形態では、第2フランジ15に溝14を設けるため、熱交換器12下面近傍に水流が生じ、熱交換器12の下面への空気溜りの形成や水より比重の小さい異物の付着を防ぐとともに、熱交換下面近傍の流れが増速されるため、熱交換が促進され、モータ10を十分冷却できる。
(第3の実施形態)
次に説明する第3の実施形態は、ポンプケーシング3の副流路管部4aの第1フランジ13及びモータハウジング8の第2フランジ15に跨る溝14を設けるものである。
図7は、本発明の第3実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。図8A〜図8Cは、熱交換器周辺の概略断面図である。第1フランジ13及び第2フランジ15に溝14を設ける場合、溝14の上面は、熱交換器12の下面と同レベル(図8A)か、高い位置(図8B)にあるのが望ましい。溝14の上面が熱交換器12の下面より低い位置にあると(図8C)、熱交換器12の下面に空気や水より比重が小さい異物等が溜まりやすく、特に溝14近傍の破線で囲んだ位置に空気が滞留してしまうためである。また、図9Aはポンプの第1フランジ13を鉛直上方向から見た図であり、図9Bはモータ部11の第2フランジ15を鉛直下方向から見た図である。図9A及び図9Bに示すように、溝14は第1フランジ13及び第2フランジ15の両方に跨って設けられている。
このように、本実施形態では、第1フランジ13及び第2フランジ15に跨る溝14を設けるため、熱交換器12下面近傍に水流が生じ、熱交換が促進され、モータ10を十分冷却できる。
(第4の実施形態)
次に説明する第4の実施形態は、熱交換器12の形状に関する。
図10は、本発明の第4実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。
熱交換器12の下面18が溝14に向かうにつれ鉛直方向に高くなる傾斜状となっている。このポンプは次のように動作する。モータ10の作動及びインペラ6の回転によって吸込口1から汲み上げられた水はポンプケーシング3内を上方に向かい、その一部はベンド管部4bから分岐した副流路管部4aへ流入し、熱交換器12の下面18に達する。熱交換器12の下面18が傾斜状に形成されていることによって、熱交換器12の下面18にぶつかった揚水の一部は、溝14に誘導される。また、揚水に含まれる気泡や水より比重の小さい異物等は、熱交換器12の下面18の下方に生じている溝14へ向かう水流の勢いに加え、浮力も加わって、熱交換器12の下面18の傾斜に沿って溝14に向かって移動しやすくなり、揚水と共に溝14からより排出されやすくなる。
このように、本実施形態では、熱交換器12の下面18を溝14に向かって高くなるように傾斜させるため、熱交換器12の下面18に空気溜りや異物等の付着をより防止することができ、熱交換器12の熱交換効率を維持できる。
なお、溝14が一箇所に設けられる場合、その溝14から離れるほど熱交換器12の下面が低くなるようにすればよい。一方、2つの溝14が主軸5に対して180度反対側に設けられる場合、熱交換器12の下面は、主軸5の近傍が最も低く、2つの溝14に向かって半径方向外側ほど高くなるようにするのが望ましい。
(第5の実施形態)
次に説明する第5の実施形態は、熱交換器12の下方に仕切部材を設けるものである。
図11Aは、本発明の第5実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。本ポンプは、ポンプケーシング3の副流路管部4a内の熱交換器12下方に設けられた仕切部材19を備えており、その水平方向断面図を図12に示す。仕切部材19の中心は開口しており、出力軸9が貫通している。また、本実施形態においては、仕切部材19の外郭は円の一部を切り取った形状であり、この場合、副流路管部4aと仕切部材19との間の間隙が通水部20に該当する。仕切部材19の任意の一部に通水部20を設け、これにより、水が通過可能な通水部20が仕切部材19に設けられる。一方、仕切部材19の他の部分はポンプケーシング3の副流路管部4aの内面と接しており、ポンプケーシング3の副流路管部4aを遮蔽している。通水部20は、出力軸9を基準として溝14と逆側の半円内に設けられているのが望ましい。本実施形態において、図11Aでは、仕切部材19の下面は水平であるが、前記通水部20に向かうにつれ鉛直方向に高くなる傾斜状であってもよい。図11Bのように、インペラ6により汲み上げられた揚水を円滑に吐出口2へ誘導するためにベンド管部4bの曲率に合わせた形状としても良い。そうすることでポンプ効率も改善できる。
仕切部材19の上面と熱交換器12の下面との間隙が狭い程、間隙を流れる水の流速を速くすることができ、熱伝達率の向上に寄与するとともに、揚水に含まれる気泡や異物等を溝14へ移動させやすくなる。仕切部材19の上面と熱交換器12の下面との間隙寸法は、好ましくは50、40、30、20、10、5センチメートル以内、最も好ましくは3センチメートル以内である。揚水に含まれる異物等が引っ掛からないように適宜設計することができる。以上説明したポンプは次のように動作する。モータ10の作動及びインペラ6の回転によって吸込口1から汲み上げられた揚水はポンプケーシング3内を上方に向かう。揚水の一部は、仕切部材19の通水部20を通じて仕切部材19上方に流れ、溝14を通じて外部へ流れる。仕切部材19の上面と熱交換器12の下面との間隙は狭いため、熱交換器12の下方に、通水部20から溝14へ、流速が増し、熱伝達率が向上するため熱交換がより促進され、モータ10を十分に冷却する。
なお、通水部20の位置、形状、数等は、図12で示されたものに限られない。例えば、図13に示すように、通水部20は、出力軸9を基準として溝14の逆側すなわち180度反対側に設けられてもよい。また、取扱液に含まれる異物の形状、サイズを考慮の上図14に示すように、通水部20は、仕切部材19に穴を設けることによって形成されてもよい。いずれにしても、仕切部材19から熱交換器12へ水の通り道が確保できればよい。
(第6の実施形態)
次に説明する第6の実施形態は、排水管17に流量センサを設けるものである。
図15は、本発明の第6実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。本ポンプは排水管17の任意の位置に設置された流量センサ21を備えている。流量センサ21は、排水管17内を流れる水の流量を測定する。ポンプ機場のポンプ設置フロアは無人であることが多く、流量をポンプ操作室や遠隔で監視できた方がよく、流量センサ21は伝送器を搭載している方が望ましい。流量センサ21は可動部がなく、測定部の流路断面形状及び断面積が円管に近い電磁式あるいは超音波式のものが望ましい。浸水が想定される水位以下に流量センサ21を設置する場合は、防水型を選択することが好ましい。
溝14や排水管17に異物などが詰った場合や、ポンプの運転点が変わると、排水管17から排出される水の流量が変化する。したがって、排水管17の流量を測定することによって、溝14や排水管17の詰まり、ポンプの運転状況を監視することができる。
(第7の実施形態)
次に説明する第7の実施形態は、フラッシング機能を設けたポンプに関する。
図16は、本発明の第7実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。本ポンプは排水管17から分岐した流路24と、第1バルブ22と、第2バルブ23と、フラッシング用ポンプ25と貯水タンク43とを備えている。第1バルブ22はごみの通過を考慮し、弁開の時の開口面積が、前後の配管断面積相当になる仕切弁やボール弁が望ましい。貯水タンク43には清水が貯水されていることが好ましく、また、貯水タンク43内の清水が減少すれば適宜補給する設備を備えていることが好ましい。
第2バルブ23は流路24に設けられ、第2バルブ23を閉じると、流路24の流路が遮断される。流路24上の貯水タンク43とフラッシング用ポンプ25との間に第3バルブ44を設けてもよい。第3バルブ44は通常は開かれているが、フラッシング用ポンプ25の保守や取替時に閉にして作業を行うことができる。
第1バルブ22は排水管17における流路24との分岐箇所より下流側に設けられる。第1バルブ22を閉じると、排水管17の流路が遮断される。
フラッシング用ポンプ25は流路24に設けられる。図16ではその吸込側は第3バルブ44を介し貯水タンク43に接続されている。
通常時のポンプは、第1バルブ22を開き、第2バルブ23を閉じた状態で運転する。溝14の入口(副流路管部4a)が異物等により閉塞した場合や溝14内に異物等が詰まった場合、第1バルブ22を閉じ、フラッシング用ポンプ25を作動させ、第2バルブ23を開く。フラッシング用ポンプ25は、貯水タンク43など適宜の供給源から、フラッシングに用いる水の供給を受け、排水管17を通じて水を溝14に送り込む。溝14の入口(副流路管部4a)に引っ掛かっている異物等や溝14内に詰まった異物等は、このフラッシング用ポンプ25からの水流により、ポンプケーシング3の中に戻される。ポンプ運転中でもフラッシングができるように、フラッシング用ポンプ25は、副流路管部4aまでの管路損失を考慮の上、副流路管部4aの圧力より十分高い圧力を吐出しできるポンプを選定することが好ましい。ポンプケーシング3の中に戻った異物等は、吐出口2に向かう水流に乗って吐出口2から徐々に排出される。
フラッシングはポンプ運転一定時間毎に間欠的に実施されるように第1バルブ22、第2バルブ23及びフラッシング用ポンプ25を自動制御するプログラムを組むことで実施しても良いし、第6の実施形態と合わせて流量センサによる流量値に閾値を設け、溝14付近での閉塞が疑われる場合や、予防措置として流量の傾向管理分析により今後閉塞が予想されると判断される場合に第1バルブ22、第2バルブ23及びフラッシング用ポンプ25を自動制御するプログラムを組むことで実施しても良い。
なお、フラッシング用ポンプ25として、陸上ポンプを選択する場合はいかなる場合も水没しないよう高い位置に設置することが好ましい。図示はしないが、フラッシング用ポンプ25として、水中ポンプを選択し、吸込水槽16の中に設置してもよい。この場合、吸込水槽16中の水をフラッシング用の水として用いることができるため、第3バルブ44と貯水タンク43を設ける必要はなくなる。この場合、異物吸込みによる水中ポンプのトラブルやフラッシング用ポンプ25から排水管17に異物等が送り込まれないよう、フラッシング用ポンプ25にストレーナを設けてもよい。
また、排水管17の内径は、溝14を通過し得る粒径よりも大であることが好ましい。そうすることにより異物等による閉塞が発生するとしても溝14の入口近傍または溝14内に限定されるため、フラッシング用ポンプ25によって除去しやすいためである。
(第8の実施形態)
次に説明する第8の実施形態は、破砕手段を設けるものである。
図17は、本発明の第8実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。図18Aは、破砕手段28を示す水平断面図である。本ポンプは破砕カッター26、回転刃45及び固定刃27を有する破砕手段28を備えている。また、図18Aは、同ポンプの破砕カッター26周辺の水平断面図である。
破砕カッター26は、一端が出力軸9(あるいは主軸5)に固定され、他端がポンプケーシング3の副流路管部4a内において副流路管部4aの内面近傍まで延びている。破砕カッター26が出力軸9の回転に伴って回転可能である。なお、破砕カッター26の数に特に制限はない。
回転刃45は、破砕カッター26の先端に固定されている。固定刃27は、溝14近傍、例えば溝14の辺縁部、望ましくは溝14に密接する部分に固定される。
この破砕手段28は、次のように動作する。破砕カッター26は出力軸9の回転に伴って回転する。破砕カッター26と固定刃27とによって、溝14付近の異物等を破砕する。図18Bは、破砕カッター26の回転刃45及び固定刃27の配置関係を軸心から半径方向外側へ見た拡大図である。破砕カッター26に取り付けてある回転刃45の周方向前縁は、下側に向かって細くなるように上側から下側に傾斜していることが好ましい。回転刃45は、破砕手段28の回転に伴って、図18Bの矢印方向(左側から右側)に移動する。回転刃45を傾斜形状とすることにより、溝14付近に引っ掛かった異物等を回転刃45と固定刃27とにより破砕することができなくても、その異物等を溝14の下方へ除去できるため、ポンプが過トルクで停止することを防止できる。小さく破砕された異物等は、溝14から排出されるか、または吐出口2に向かう水流に乗って吐出口2から徐々に排出される。これにより、溝14付近のゴミ等を破砕または除去し、溝14及び排水管17の詰まりを防止できる。排水管17の内径は、溝14を通過し得る粒径よりも大であることが好ましい。
(第9の実施形態)
次に説明する第9の実施形態は、温度センサを設けるものである。
図19は、本発明の第9実施形態に係るモータ部11を拡大した垂直断面図である。本モータ部11は、ハウジング8の周りにモータ10を冷却する循環冷却液29を封入するためのウォータージャケット46を取り付け、モータ部11と熱交換器12との間で冷却液29を循環させるための羽根車を備えている構造の熱交換器付モータ10である。そして、モータ部11は、熱交換器12で冷却された直後の循環冷却液29の流路部分に設けられた温度センサ30aを備えている。温度センサ30aは、例えば熱電対や測温抵抗体であり、ジャケット表面に取り付けてもよいし、熱交換器12の冷却液側の表面に取り付けてもよいが、循環冷却液29の温度を直接計測できるのが望ましい。ポンプ据付床上の浸水により、温度センサ30aが機能喪失することを防止するために、浸水が想定される水位以下に温度センサ30aを設置する場合は、防水型を選択することが好ましい。
熱交換器付モータ10においては、循環冷却液29が熱交換器12において揚水と熱交換することにより冷却される。熱交換器12において冷却された循環冷却液29は、モータ部11内を循環し、モータ10と熱交換することによりモータ10を冷却し、循環冷却液29は加熱される。循環冷却液29は、この冷却サイクルを繰り返す。
温度センサ30aが冷却された循環冷却液29の温度を計測することにより、循環冷却液29による冷却サイクルが正常に働いているかを監視することができる。例えば、計測される温度が所定値を超えている場合、冷却サイクルに何らかの異常が発生していることが分かる。
(第10の実施形態)
次に説明する第10の実施形態は第9の実施形態の変形例であり、温度センサを用いて循環冷却液29の温度と揚水の温度とを比較するものである。
図20は、本発明の第10実施形態に係るモータ部11を拡大した垂直断面図である。本ポンプは熱交換器12のモータ部側に設けられた温度センサ30bと、ポンプケーシング3の副流路管部4a内に設けられた温度センサ30cとを備えている。温度センサ30bは熱交換器12により冷却された直後の循環冷却液29の温度を測定する。一方、温度センサ30cは揚水の温度を測定する。
熱交換器12付きモータ10においては、循環冷却液29がモータ10を冷却して加熱され、熱交換器12において揚水と熱交換することにより冷却される。熱交換器12の下面18に空気や異物等が付着する等の原因によって熱交換器12による循環冷却液29の冷却効率が落ちている場合には、循環冷却液29と揚水との温度差が大きくなる。よって、両者の水温を測定して比較することにより、その温度差から、熱交換器12において熱交換が正常に行われているかどうかを監視することができる。
(第11の実施形態)
次に説明する第11の実施形態は、水位センサを設けるものである。
図21は、本発明の第11実施形態に係るモータ部11を拡大した垂直断面図である。本ポンプは、循環冷却液29の水位を計測できる位置に設置された水位センサ31を備えている。水位センサ31は、例えば電極式水位センサであり、ハウジング8の上部から差し込んだ方が規定必要水位に合わせて電極棒の長さを調整できるので好ましい。ポンプ据付床上の浸水により、水位センサ31が機能喪失することを防止するために、浸水が想定される水位以下に水位センサ31を設置する場合は、防水型を選択することが好ましい。
熱交換器12付きモータ10においては、循環冷却液29がモータ10による発熱を冷却するためにモータ部11内を循環する。正常であれば、循環冷却液29は、外部に漏出しないため、その水位は一定である。水位センサ31によってモータ10内を循環する循環冷却液29の水位を計測することにより、循環冷却液29の漏れ等を監視することができる。例えば、計測される水位が所定値を下回っている場合、循環冷却液29が減少して熱交換の効率が低下していることを検出できる。
(第12の実施形態)
次に説明する第12の実施形態は、点検窓を設けるものである。
図22は、本発明の第12実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。本ポンプはポンプケーシング3の副流路管部4aに設けられた内圧に耐えうる強度を有したアクリル板など透明な点検窓32を備えている。点検者は、点検窓32を通して、ポンプの内部の状態、特に熱交換器12の下面18の状態を目視する。例えば、熱交換器12の下面18に異物や汚れ等が付着している場合、熱交換器12による熱交換効率が下がる。点検者は、点検窓32から熱交換器12の下面18の状態を目視し、熱交換器12の下面18に異物や汚れ等が付着することによってモータ冷却が妨げられていないかどうかを確認することができる。
点検窓32を設ける位置に特に制限はないが、例えば溝14の副流路管部4a側近傍など、異物等が溜まりやすい箇所を視認できる位置に設けてもよい。また図22では点検窓32は1箇所のみ図示しているが、数箇所設けても良い。複数個所設けることにより、副流路管部4a内へ採光できるため、副流路管部4a内の照度が上がり、視認しやすくなる。
(第13の実施形態)
次に説明する第13の実施形態は、ハンドホールを設けるものである。
図23は、本発明の第13実施形態に係るポンプを示す垂直断面図である。本ポンプはポンプケーシング3に設けられ、開閉可能なハンドホール33を備えている。
ポンプを通常運転させる際には、ハンドホール33は閉じた状態である。先に述べた各温度のモニタリングにより熱交換器12の下面18に異物や汚れ等が付着していると推定される場合や、先に述べた点検窓32からの視認によりそれらが確認された場合や、先に述べた排水管17の流量のモリタリングにより異物等による溝14の入口(副流路管部4a側)の閉塞や溝14内に異物が詰まっていることが推定される場合には、ハンドホール33を開き、ハンドホール33から、異物や汚れ等を除去することができる。
以上説明した実施形態は任意に組み合わせてもよい。
第6実施形態に係る流量センサ21、第9実施形態に係る温度センサ30a、第10実施形態に係る温度センサ30b及び30c、第11実施形態に係る水位センサ31の内の一部または全部をポンプおよびモータ部11に設置し、いわゆるIOT(Internet of Things)を形成してもよい。例えば、ポンプの運転状態を捉えるためのモータ電流値や圧力センサなどと共に、これらセンサの一部または全部がインターネットに接続され、各センサの計測結果を、インターネットを経由して監視できるようにしてもよい。また、計測結果を、サーバへ継続的に記録することができる。監視者は、記録データから、自ら、または人工知能の技術などを活用し、傾向管理分析を行い、メンテナンス時期を推定したり予防保全に役立てることができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
1 吸込口
2 吐出口
3 ポンプケーシング
4 開口
4a 副流路管部
4b ベンド管部
5 主軸
6 インペラ
8 モータハウジング
9 出力軸
10 モータ
11 モータ部
12 熱交換器
13 第1フランジ
14 溝
15 第2フランジ
16 吸込水槽
17 排水管
18 熱交換器の下面
19 仕切部材
20 通水部
21 流量センサ
22 第1バルブ
23 第2バルブ
24 流路
25 フラッシング用ポンプ
26 破砕カッター
27 固定刃
28 破砕手段
29 循環冷却液
30a、30b、30c 温度センサ
31 水位センサ
32 点検窓
33 ハンドホール
34 配管フランジ
40 水中軸継手
41 ゴムひも
42 Oリング
43 貯水タンク
44 第3バルブ
45 回転刃
46 ウォータージャケット

Claims (10)

  1. 下方を向いた吸込口から側方を向いた吐出口に水を導くポンプケーシングであって、前記吸込口の上方に開口を画定する第1フランジが設けられた副流路管部を有するポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内にほぼ鉛直方向に延びる主軸と、
    前記ポンプケーシング内の下部において前記主軸に固定されたインペラと、
    前記第1フランジ上に配置されるモータハウジングと、モータハウジングから前記第1フランジを通って前記主軸に連結される出力軸と、前記モータハウジング内に設けられて前記主軸を回転させるモータと、を有するモータ部と、
    前記開口の近傍に設けられた熱交換器と、
    前記モータハウジング及び/または前記熱交換器に設けられ、第1フランジと締結される第2フランジと、
    前記副流路管部内において前記熱交換器の下方に設けられた仕切部材と、
    を備え、
    前記第1フランジと前記第2フランジとの間から外部に水が流出可能であり、かつ、前記仕切部材から前記熱交換器側に水が通過可能である、立軸ポンプ。
  2. 外部に水が流出可能な溝が前記第1フランジに設けられる、請求項1に記載の立軸ポンプ。
  3. 外部に水が流出可能な溝が前記第2フランジに設けられる、請求項1または2に記載の立軸ポンプ。
  4. 前記溝の上面は、前記熱交換器の下面と同レベルあるいは前記熱交換器の下面より高い位置にある、請求項2または3に記載の立軸ポンプ。
  5. 前記溝に接続されており、下方に向かって開放された排水管を備える、請求項2乃至4のいずれかに記載の立軸ポンプ。
  6. 前記排水管に流量センサが設けられる、請求項5に記載の立軸ポンプ。
  7. 前記排水管から分岐した流路と、
    前記排水管における前記流路との分岐箇所より下流側に設けられた第1バルブと、
    前記流路に設けられた第2バルブと、
    前記流路に設けられたフラッシング用ポンプと、を有し、
    前記排水管における前記溝の近傍に溜まった異物を前記ポンプケーシング内に流し込む、請求項5または6に記載の立軸ポンプ。
  8. 前記熱交換器の下面が、前記溝に向かうにつれ鉛直方向に高くなる傾斜状である、請求項2乃至7のいずれかに記載の立軸ポンプ。
  9. 前記主軸と共に回転する破砕カッターと、
    溝近傍に設けられた固定刃と、を有する、請求項2乃至8のいずれかに記載の立軸ポンプ。
  10. 前記主軸に対して前記溝の反対側において前記仕切部材から前記熱交換器側に水が通過可能である、請求項1乃至9のいずれかに記載の立軸ポンプ。
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