JP6848816B2 - 熱伝導性グリース - Google Patents
熱伝導性グリース Download PDFInfo
- Publication number
- JP6848816B2 JP6848816B2 JP2017209749A JP2017209749A JP6848816B2 JP 6848816 B2 JP6848816 B2 JP 6848816B2 JP 2017209749 A JP2017209749 A JP 2017209749A JP 2017209749 A JP2017209749 A JP 2017209749A JP 6848816 B2 JP6848816 B2 JP 6848816B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- conductive grease
- base oil
- based antioxidant
- thermally conductive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
本実施の形態に係る熱伝導性グリースは、無機粉末充填剤85〜97質量%及び基油組成物3〜15質量%を含有する。このうち基油組成物は、基油と、分散剤と、酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤とを含む。また、酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を含む。アミン系酸化防止剤の含有量は、基油組成物100質量%に対し、0.5〜15質量%であり、リン系酸化防止剤の含有量は、前記基油組成物100質量%に対し、0.5〜5.5質量%であり、ホウ素含有極圧剤の含有量は、前記基油組成物100質量%に対し、0.1〜5質量%である。
本実施の形態に係る熱伝導性グリースは、熱伝導性グリース100質量%に対し、無機粉末充填剤を85〜97質量%含有する。
本実施の形態に係る熱伝導性グリースは、熱伝導性グリース100質量%に対し、基油組成物を3〜15質量%含有する。この基油組成物は、基油と、分散剤と、酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤とを含む。
基油は、基油組成物の主成分をなすものである。基油としては、特に限定されず、例えば鉱油、合成炭化水素油、ジエステル、ポリオールエステル、フェニルエーテル等を用いることができる。
ポリオールエステルは、ポリオール成分とカルボン酸がエステル結合により結合した化合物である。
芳香族系エステルは、アルコール成分と芳香族カルボン酸がエステル結合により結合した化合物である。
基油組成物は、分散剤を含有する。分散剤としては、無機充填剤粉末を基油組成物中に分散させることが可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば高分子系分散剤が挙げられる。このような高分子系分散剤としては、塩基性高分子系分散剤、酸性高分子系分散剤、中性高分子系分散剤等が挙げられる。また、高分子系分散剤を構成する高分子化合物の主骨格として、アクリル系、ポリリン酸エステル系、ポリエステル系(但し、ポリリン酸エステル系を除く。以下同じ。)、ポリエーテル系、ウレタン系、シリコーン系等の構造を有するものを使用することができる。具体的には、商品名で、Disperbyk(登録商標)−101、102、103、107、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190(以上、ビックケミー社製);EFKA(登録商標)4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4330、4340、4015、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554(以上、チバスペシャリティー社製);SOLSPERSE(登録商標)−3000、9000、13000、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、32000、32500、32550、33500、35100、35200、36000、36600、38500、41000、41090、20000(以上、ルーブリゾール社製);アジスパー(登録商標)PA−111、PB711、PB821、PB822、PB824(味の素ファインテクノ社製)等を用いることができる。
基油組成物は、酸化防止剤を含有する。酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を含有する。このように、アミン系酸化防止剤とリン系酸化防止材とを組み合わせて用いることにより、基油組成物の酸化を効果的に抑制するとともに、熱伝導性及びちょう度を低下させることなく高く維持しながらも、熱安定性を高めることができる。また、グリースは通常、高湿環境において劣化し得るものであるが、耐湿性を高め、高湿環境における劣化を抑制することもできる。
アミン系酸化防止剤の含有量は、基油組成物100質量%に対し、0.5〜15質量%である。アミン系酸化防止剤の含有量が0.5質量%以上であることにより、熱伝導性及びちょう度を高く維持しながら、熱安定性を高めることができる。また、耐湿性を高め、高湿環境における劣化を抑制することもできる。
リン系酸化防止剤の含有量は、基油組成物100質量%に対し、0.5〜5.5質量%である。リン系酸化防止剤の含有量が0.5〜5.5質量%であることにより、熱伝導性及びちょう度を高く維持しながら、熱安定性を高めることができる。また、耐湿性を高め、高湿環境における劣化を抑制することもできる。
ホウ素含有極圧剤は、ホウ素元素を含有してなる。ホウ素含有極圧剤の含有量は、基油組成物100質量%に対し、0.1〜5.5質量%である。酸化防止剤と併用し、且つホウ素含有極圧剤の含有量を0.1〜5.5質量%とすることにより、熱伝導性及びちょう度を高く維持しながら、熱安定性を高めることができる。また、耐湿性を高め、高湿環境における劣化を抑制することもできる。
その他の添加剤としては、さび止め剤、腐食防止剤、増粘剤・増ちょう剤等を用いることができる。さび止め剤としては例えばスルホン酸塩、カルボン酸、カルボン酸塩等の化合物を用いることができる。腐食防止剤としては例えばベンゾトリアゾール及びその誘導体等の化合物、チアジアゾール系化合物を用いることができる。増粘剤・増ちょう剤としては例えばポリブテン、ポリメタクリレート、脂肪酸塩、ウレア化合物、石油ワックス、ポリエチレンワックス、有機処理ベントナイト、シリカ等を用いることができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の効果が得られる範囲内において適宜調整することができる。
熱伝導性グリースのちょう度としては特に限定されないが、通常の環境における使用の観点から、200以上であることが好ましく、塗布性、拡がり性、付着性、離油防止性等の観点から250〜400であることがより好ましく、300〜400であることがさらに好ましく、330〜400であることが特に好ましい。
本実施の形態に係る熱伝導性グリースは、各成分を混合することにより製造する。製造方法としては、均一に成分を混合できれば特に限定されず、一般的なグリースの製造方法を採用することができる。
[試薬]
実施例及び比較例に用いた各成分について以下に示す。
酸化亜鉛:平均粒径 0.6μm
酸化亜鉛:平均粒径 11μm
(基油)
ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)のエステル
(分散剤)
高級脂肪酸エステル
(芳香族アミン系酸化防止剤)
オクチルジフェニルアミン
(芳香族アミン系酸化防止剤)
N−オクチルフェニル−α−ナフチルアミン
(ホスファイト系酸化防止剤)
ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン−トリホスファイト
(ホウ素含有極圧剤)
ホウ酸カリウム
(増ちょう剤)
有機処理ベントナイト
(消泡剤)
シリコーンオイル
以上に示した基油、芳香族アミン系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、ホウ素含有極圧剤、腐食防止剤、増ちょう剤、分散剤及び消泡剤の各成分を下記表1に示す割合となるようにそれぞれ混合した。具体的に、芳香族アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン及びアルキル化フェニルナフチルアミンともに粉体であるので、基油に予め90〜100℃で加熱溶解させてから、それ以外の成分を加えて混合し、撹拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌して基油組成物を得た。
得られた熱伝導性グリースを用いて、グリースのちょう度、熱伝導率、熱安定性及び耐湿性を評価した。
ちょう度は、JIS−K2220に準拠して不混和ちょう度を測定した。結果を下記表1に示す。なお、ちょう度の値が大きいほど熱伝導性グリースが軟らかくなり、逆に小さいほど硬くなる。具体的に、ちょう度としては、塗布性、拡がり性、付着性などの点から250〜300であることが好ましい。
熱伝導率は、京都電子工業(株)製迅速熱伝導率計QTM−500により室温にて測定した。結果を下記表1に示す。なお、熱伝導率が高いほど熱伝導性グリースとして好ましい。具体的には、4.0W/mK以上であることが好ましく、4.5W/mK以上であることがより好ましい。
熱安定性の評価は、以下の手順にて行った。先ず、熱伝導性グリースをフィルムアプリケーターで200μmに塗布した熱伝導性グリースを150℃で500時間加熱した後、ちょう度測定に必要な量を回収し、上記と同様にしてちょう度を測定し、加熱後のちょう度とした。加熱後のちょう度と加熱前のちょう度の差を下記表1に示す。
耐湿性の評価は、フィルムアプリケーターを用いて200μmに薄膜化した熱伝導性グリースを温度60度、相対湿度90%の環境下に72時間放置した後、上記と同様にして不混和ちょう度を測定し、加湿後のちょう度とした。加湿後の不混和ちょう度と加熱前の不混和ちょう度の差を下記表1に示す。
Claims (10)
- 無機粉末充填剤85〜97質量%及び基油組成物3〜15質量%を含有する熱伝導性グリースであって、
前記基油組成物は、基油と、分散剤と、酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤とを含み、
前記酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を含み、
前記アミン系酸化防止剤の含有量は、前記基油組成物100質量%に対し、0.5〜15質量%であり、
前記リン系酸化防止剤の含有量は、前記基油組成物100質量%に対し、0.5〜5.5質量%であり、
前記ホウ素含有極圧剤の含有量は、前記基油組成物100質量%に対し、0.1〜5.5質量%である
熱伝導性グリース。 - 前記アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン及びアルキル化フェニルナフチルアミンを含む
請求項1に記載の熱伝導性グリース。 - 前記アミン系酸化防止剤は、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン及びN−オクチルフェニル−α−ナフチルアミンを含む
請求項2に記載の熱伝導性グリース。 - 前記アミン系酸化防止剤は、前記アルキル化ジフェニルアミン:前記アルキル化フェニルナフチルアミンの質量比が1:1〜5:1である
請求項2又は3に記載の熱伝導性グリース。 - 前記リン系酸化防止剤は、アルキル化フェニルホスファイトである
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース。 - 前記リン系酸化防止剤は、[ヘキサアルキル(炭素数8〜18)トリス(アルキル(炭素数8〜9)フェニル)]1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト、又は[トリアルキル(炭素数8〜18)トリス(アルキル(炭素数8〜9)フェニル)]1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイトである
請求項5に記載の熱伝導性グリース。 - 前記ホウ素含有極圧剤は、ホウ素含有アミン、4ホウ酸カリウム、アルカリ金属のホウ酸塩、アルカリ土類金属のホウ酸塩、遷移金属の安定ホウ酸塩及びホウ酸からなる群から選択される少なくとも1種である
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース。 - 前記無機粉末充填剤は、銅、アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム及び炭化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種以上である
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース。 - 前記分散剤の含有量は、前記熱伝導性グリース100質量%に対し0.001〜1質量%である
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース。 - 前記基油は、鉱油、合成炭化水素油、ジエステル、ポリオールエステル及びフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種以上である
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017209749A JP6848816B2 (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 熱伝導性グリース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017209749A JP6848816B2 (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 熱伝導性グリース |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019081842A JP2019081842A (ja) | 2019-05-30 |
JP6848816B2 true JP6848816B2 (ja) | 2021-03-24 |
Family
ID=66670185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017209749A Active JP6848816B2 (ja) | 2017-10-30 | 2017-10-30 | 熱伝導性グリース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6848816B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023145070A (ja) * | 2022-03-28 | 2023-10-11 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 熱伝導性グリース組成物 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6610635B2 (en) * | 2000-09-14 | 2003-08-26 | Aos Thermal Compounds | Dry thermal interface material |
JP4841341B2 (ja) * | 2006-07-11 | 2011-12-21 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 高熱伝導性コンパウンド |
JP5944306B2 (ja) * | 2012-12-21 | 2016-07-05 | コスモ石油ルブリカンツ株式会社 | 高熱伝導性グリース |
-
2017
- 2017-10-30 JP JP2017209749A patent/JP6848816B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019081842A (ja) | 2019-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5944306B2 (ja) | 高熱伝導性グリース | |
TWI433917B (zh) | 高熱傳導性化合物 | |
JP5687167B2 (ja) | 耐熱型熱伝導性グリース | |
JP6263042B2 (ja) | 基油拡散防止性能を有する熱伝導性グリース | |
JP5318733B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP5269366B2 (ja) | 耐熱型熱伝導性グリース | |
JP5577553B2 (ja) | 放熱コンパウンド組成物 | |
JP4652085B2 (ja) | 高熱伝導性コンパウンド | |
JP4667882B2 (ja) | 高熱伝導性コンパウンド | |
JP7155661B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP5781407B2 (ja) | 熱伝導性コンパウンド | |
JP6848816B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP4841341B2 (ja) | 高熱伝導性コンパウンド | |
JP2021031642A (ja) | 熱伝導性組成物 | |
JP2022030766A (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP6870576B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP7379939B2 (ja) | 熱伝導性組成物 | |
JP7073939B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP7110759B2 (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP2021130772A (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP2022115689A (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP2021084921A (ja) | 熱伝導性グリース | |
JP2022119422A (ja) | 熱伝導性グリース | |
WO2021182548A1 (ja) | 熱伝導性組成物 | |
JP2022183767A (ja) | 熱伝導性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200708 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201221 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210215 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6848816 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |