JP6847361B2 - 手洗装置 - Google Patents

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Description

本発明は、便器装置に用いられる手洗装置に関する。
従来より、大便器の利用後に使用者が手洗いできるように、大便器と手洗器を組み合わせて用いる場合がある。この手洗器には、通常、便器洗浄タンクに給水するタンク給水路を給水源とする吐水装置が取り付けられ、吐水装置からは手洗器の鉢部に向けて吐水される。
この例として、特許文献1には、幅広な範囲を通る滝状の幅広水流を吐水する吐水部を備えた手洗装置が開示されている。同文献の図1には、手洗器に一体成形により吐水部を備え付けた手洗装置が開示されている。また、同文献の図4には、手洗器から上側に延びる部位の先端部に滝状の幅広水流を吐水する部位を設けた手洗装置が開示されている。
実登2552776号公報
本発明者は、特許文献1の構造に関して検討した。吐水部から幅広水流を吐水する場合、吐水孔に連なる水室等の内部形状が複雑になる。この点を考慮すると、同文献の図1の構造は、製造性の面で改善の余地があった。また、吐水部から幅広水流を吐水する場合、手の広い範囲に水が当たるため、水はねにより飛沫が飛び散り易い。この点を考慮すると、同文献の図4の構造は改善の余地があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、吐水部から幅広水流を吐水する場合に、良好な製造性を得られ、手洗器の周囲への飛沫の飛び散りを抑えられる手洗装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のある態様は手洗装置である。
第1態様の手洗装置は、鉢部を有する手洗器と、便器洗浄タンクに給水するタンク給水路を給水源とする吐水装置と、を備え、前記吐水装置は、幅広な範囲を通る水流を吐水孔から吐水するための吐水部を有し、前記鉢部の内周壁部の一部は前記内周壁部の他部より背高な背高壁部を構成し、前記吐水装置は、前記内周壁部の他部より前記背高壁部の背高な箇所に取り付けられることを特徴とする。
第1態様の手洗装置は、幅広水流を吐水するための吐水部を手洗器ではなく、手洗器とは別体の吐水装置が有している。よって、手洗器に一体成形により吐水部を備え付けるよりも、吐水部の吐水孔に連なる水室等の内部形状を容易に成形でき、良好な製造性を得られる。また、吐水装置は、手洗器の背高壁部の他部より背高な箇所に取り付けられる。よって、手洗いにより手からの水はねが生じた場合でも、その一部を手洗器の背高壁部により受けたうえで排水でき、手洗器の周囲への飛沫の飛び散りを抑えられる。
本態様によれば、吐水部から幅広水流を吐水する場合に、良好な製造性を得られ、手洗器の周囲への飛沫の飛び散りを抑えられる手洗装置を提供できる。
第1実施形態の手洗装置が用いられる便器装置を示す斜視図である。 第1実施形態の便器装置を示す平面図である。 第1実施形態の便器装置の給水系の一部を模式的に示す構成図である。 第1実施形態の手洗装置の側面断面図である。 第1実施形態の手洗装置の正面図である。 第1実施形態の手洗装置の一部を拡大した側面断面図である。 図6のA−A線に沿った切断面の一部とともに他の部位の外観を示す部分断面図である。 図6のB−B線断面図である。 図6の矢視Cから吐水装置を見た図である。 図10(a)は、参考例の吐水装置から吐水される水流を上側から見た図であり、図10(b)は、第1実施形態の吐水装置から吐水される水流を上側から見た図である。 第2実施形態の吐水装置を示す図である。 第2実施形態の吐水装置から吐水される水流を上側から見た図である。 図13(a)は、第3実施形態の吐水装置の吐水孔を示す図であり、図13(b)は、第3実施形態の吐水装置から吐水される水流を上側から見た図である。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
[第1の実施の形態]
図1は、第1実施形態の手洗装置10が用いられる便器装置12を示す斜視図である。図2は、便器装置12を示す平面図である。
便器装置12は、主に、便器14と、ケーシング16と、便器洗浄タンク18(以下、単にタンク18ともいう)と、手洗装置10とを備える。ケーシング16は、タンク18等を収めるための外装体である。ケーシング16は、タンク18とともに便器14に搭載され、その上端部には上端開口部16aが形成される。タンク18は、便器14の便鉢(不図示)内に供給される洗浄水を貯溜するためのものである。手洗装置10は、ケーシング16の上端開口部16aに蓋として取り付けられる。手洗装置10は、便器14の後部の上方に配置される。
図3は、便器装置12の給水系の一部を模式的に示す構成図である。
便器装置12は、タンク給水路20と、分岐給水路22とを備える。タンク給水路20は、タンク18に給水するための水路である。タンク給水路20には第1定流量弁23やボールタップ24が設置される。第1定流量弁23は、水源から供給される水を所定の第1流量以下の流量に制限する。第1定流量弁23は、第1定流量弁23より水源側の水路部分の圧力変動の影響を抑え、タンク18内に安定した流量の水を給水するためのものである。ボールタップ24は、タンク18内の水位に連動してタンク給水路20を開閉する。これにより、タンク給水路20は、タンク18に対して給水する給水状態と、タンク18に対する給水を停止する給水停止状態との間で切り替わる。タンク18内の洗浄水が所定水位を下回るとボールタップ24が開弁し、タンク給水路20の下流端部20aからタンク18内に給水される。タンク18内の洗浄水が所定水位以上になるとボールタップ24が閉弁し、タンク給水路20からタンク18内への給水が停止する。
分岐給水路22は、手洗装置10の吐水装置30に給水するための水路であり、タンク給水路20から分岐して設けられる。吐水装置30はタンク給水路20を給水源としていることになる。分岐給水路22は、タンク給水路20のボールタップ24より下流側の水路部分から分岐している。分岐給水路22は、タンク給水路20と同様、タンク18の水位に連動して、吐水装置30に対して給水する給水状態と、吐水装置30に対する給水を停止する給水停止状態との間で切り替わる。分岐給水路22には第2定流量弁25が設置される。第2定流量弁25は、タンク給水路20の下流端部20aからの吐水動作に伴う第1定流量弁23と第2定流量弁25との間の水路部分の圧力変動の影響を抑え、吐水装置30に安定した流量の水を給水するためのものである。
図4は、手洗装置10の側面断面図である。
手洗装置10は、手洗器26と、給水管28と、吐水装置30と、を備える。手洗器26は、手洗器26の取付相手となるベースとしてのケーシング16に取り付けられる。詳しくは、手洗器26は、ケーシング16の上端開口部16aに取り付けられる。手洗器26は、トイレ室の側壁面100(図1も参照)の正面側に配置される。
図5は、手洗装置10の正面図である。
図4、図5に示すように、手洗器26は、合成樹脂、セラミックス等を素材として一体成形される。手洗器26は、鉢部26aと、外周壁部26bとを有する。外周壁部26bは、鉢部26aの上端縁部から下方に延びて形成され、鉢部26aを外周側から囲むように設けられる。
鉢部26aの底面部には排水孔26cが形成され、鉢部26aで受けた水は排水孔26c等を通してタンク18内に排水される。鉢部26aの内周壁部は、後壁部26dと、後壁部26dの正面側に対向する前壁部26eと、後壁部26dと前壁部26eとを接続する左右の側壁部26fと、を有する。鉢部26aの内周壁部の一部をなす後壁部26dは、正面側に対向する他部をなす前壁部26eより背高な第1背高壁部26gを構成する。ここでの「背高な」とは内周壁部の一部の上端縁部が内周壁部の他部の上端縁部より上方にあることをいう。第1背高壁部26gは、第1背高壁部26gの正面側(トイレ室の側壁面100の正面側)から見て、左右の全長に亘り前壁部26eより背高に設けられる。また、鉢部26aの内周壁部の一部をなす左右の側壁部26fは、他部をなす前壁部26eより背高な第2背高壁部26hを構成する。第2背高壁部26hは、前壁部26eから後壁部26dに向かって徐々に背高となるように設けられる。第1背高壁部26gには、鉢部26aの前壁部26eより背高な箇所に吐水装置30が取り付けられる装置取付部26iが設けられる。
図6は、手洗装置10の一部を拡大した側面断面図である。図7は、図6のA−A線に沿った切断面の一部とともに他の部位の外観を示す部分断面図である。
給水管28は、合成樹脂等の硬質な素材を用いて一体成形される。給水管28の内部には、前述の分岐給水路22の一部が形成される。給水管28は、手洗器26の第1背高壁部26gの裏面側(外周側)に配置される。給水管28の上流端部には中継管29(図4参照)が接続され、中継管29を介してタンク給水路20と連通される。給水管28の下流端部には雄側接続筒部28aが設けられる。手洗器26の装置取付部26iには挿通孔26jが形成され、給水管28の雄側接続筒部28aは挿通孔26jに挿通される。給水管28は、手洗器26にビス等の取付具32により取り付けられる。
吐水装置30は、ハウジング34と、カバー36と、を備える。ハウジング34は、クリップ等の留め具38により給水管28に接続され、給水管28を介して手洗器26に取り付けられる。ハウジング34は、水路が内部に形成される水路形成体であり、給水管28から給水される水を吐水部48から吐水するためのものである。ハウジング34は、給水管28の雄側接続筒部28aが差し込まれる有底筒状の雌側接続筒部34aを有する。カバー36は、ハウジング34の外側に配置され、ハウジング34にビス等の固定具40により固定される。カバー36は、後述のように、ハウジング34の大部分を覆うためのものである。
ハウジング34は、さらに、通水路44と、水室46と、吐水部48と、を有する。通水路44は、上流側水路となる給水管28の分岐給水路22から給水される水を流すための水路である。通水路44は、分岐給水路22の水流出口22aから流出した水が流入する流入室44aと、流入室44aと水室46とを連通する連通水路44bと、を有する。流入室44aは、分岐給水路22の水流出口22aより、水流出口22aの中心軸線に直交する断面での断面積が大きくなるように形成される。流入室44aは、分岐給水路22の水流出口22aに対して、水流出口22aからの水の流出方向に設けられる衝突面51を有する。通水路44は、分岐給水路22の水流出口22aから流入する水を衝突面51で衝突させた後、その衝突により流れ方向を変更した水を水室46に導くように構成される。通水路44は水室46に開口する流出口44cを有し、水室46には通水路44の流出口44cから横向きに水が流出する。
水室46は、通水路44の連通水路44bから流出する水を一時的に溜めるためのものである。水室46内を水で満たした状態にすることにより、水室46内の水に水圧をかけた状態で吐水部48の吐水孔50から吐水し易くなる。これにより、給水管28から低流量の水が通水路44に給水される場合でも、水室46内が水で満たされた状態になれば、水室46内での位置によって流速差の少ない水流を吐水部48から吐水し易くなる。
図8は、図6のB−B線断面図である。
図6、図8に示すように、水室46は、通水路44の水が流出する流出口44cより左右に幅広かつ扁平な形状である。水室46は、通水路44の流出口44cに近い側に設けられる後側部分46cと、その流出口44cから遠い側に設けられる前側部分46dと、を有する。前側部分46dの下側壁部の一部は吐水部48を構成する。
図6に示すように、ハウジング34は、水室46を画定する壁部の一部分となる上壁部分34bと、水室46を画定する他の壁部分34cとが別体である。ハウジング34の他の壁部分34cには上壁部分34bに対応する位置に開口部34dが形成され、ハウジング34の上壁部分34bは開口部34dを塞ぐように取り付けられる。本実施形態のハウジング34の上壁部分34bは溶着により形成される溶着部を介してハウジング34の他の壁部分34cに固定される。
図9は、図6の矢視Cから吐水装置30を見た図である。矢視Cは吐水部48の吐水方向C(吐水孔50の中心軸線CL1に沿った一方向)とは反対方向でもある。
図6、図9に示すように、吐水部48は、水室46に溜められる水を吐水孔50から吐水するためのものである。吐水部48は、ハウジング34の外内を隔てる壁部の一部を構成する。吐水部48は、手洗器26の鉢部26aの底側に臨むように配置され、吐水孔50から下向きに吐水する。吐水部48は、ハウジング34の周囲に連なる他の壁部34cより外側に突き出るように形成される。カバー36は吐水部48の外周形状に対応する内周形状の嵌込部36aを有し、ハウジング34の吐水部48はカバー36の嵌込部36aに嵌め込まれる。
ここで、手洗器26の第1背高壁部26gを正面側から見て左右となる水平方向を左右方向Aとし、左右方向Aと直交する水平方向を前後方向Bとする。横方向Aは便器14の左右方向でもある。以下、これら左右方向A、前後方向Bを基準として、吐水部48の吐水孔50の位置関係を説明する。前後方向Bは第1背高壁部26gの正面側が前側F、正面側とは反対側が後側Rであるとする。
吐水部48には吐水孔50が形成される。吐水孔50は複数の孔列54A、54Bにより構成される。孔列54A、54Bのそれぞれは複数の孔52を線状に並べて構成される。孔列54A、54Bには前後に並ぶ前側Fの第1孔列54Aと後側Rの第2孔列54Bとが含まれる。孔列54A、54Bの各孔52からは鉢部26aの底側に向けてシャワー状の水流が吐水される。以下、第1孔列54Aと第2孔列54Bとを総称するときは単に「孔列54A、54B」という。
吐水孔50は、幅広な範囲Saを通る幅広水流を吐水するように設けられる。このような条件を満たすため、吐水孔50の複数の孔列54A、54Bは、吐水部48の吐水方向とは反対方向(矢視C)から吐水部48の外面をみたとき、幅広な矩形線(範囲Saの境界線)の四辺に内接するように設けられる。この幅広な矩形線は吐水方向と直交する二方向のうちの一方向Dを長手方向とし、他方向Eを短手方向とする。本実施形態では長手方向Dは左右方向Aと平行であり、短手方向Eは前後方向Bと平行である。
孔列54A、54Bは、左右方向Aの両側が後側Rに向けて延び、左右方向Aの中央側が前側Fに凸の形状をなすように設けられる。これは、孔列54A、54Bの孔52は、左右方向Aの両側が後側Rに向けて延び、その中央側が前側Fに凸状の形状をなすように線状に並んで設けられることを意味する。本図では、説明の便宜のため、孔列54A、54Bの孔52が仮想線Laに沿って線状に並んでいるものとし、その仮想線Laを図示する。本実施形態の孔列54A、54Bは、全体としてU字状をなすように設けられる。つまり、全体としてU字状をなすように線状に並んで設けられる。また、孔列54A、54Bのそれぞれは、左右方向Aの中央側から両側に向かって延びる一本の線状をなす位置にあるように設けられる。また、孔列54A、54Bの孔52は略同一のピッチで線状に並んで設けられる。
吐水部48は、孔列54A、54Bの左右方向A両側において前後に線状に並ぶ孔52に挟まれた中間領域Sbに吐水孔50が形成されないように構成される。吐水部48は、この中間領域Sbを左右両側及び前側Fから囲むように孔列54A、54Bが設けられることになる。これにより、この中間領域Sbに吐水孔50を形成するよりも、吐水装置30に給水すべき水の流量を抑えられ、少ない流量での手洗いを実現し易くなる。
また、吐水部48は、この中間領域Sbに対して後側Rには吐水孔50が形成されないように構成される。吐水部48は、この中間領域Sbに対して左右方向A両側に孔列54A、54Bの両末端側の孔52が設けられることになる。これにより、この中間領域Sbの後側に吐水孔50を形成するよりも、吐水装置30に給水すべき水の流量を抑えられ、少ない流量での手洗いをより実現し易くなる。
孔列54A、54Bは、横方向Aの中央側の第1列56Aと、横方向Aの両側の二つの第2列56Bとを有する。孔列54A、54Bは、第1列56Aと第2列56Bとにより、U字状をなすように線状に並んで設けられる。第1列56Aは横方向に孔52が直線状に並んで設けられ、第2列56Bは斜め前側に向かって凸となるように湾曲する曲線状に並んでいる。
前後に隣り合う第1孔列54Aと第2孔列54Bとの一部の孔52は、別々の孔列54A、54Bの孔52が左右方向Aに向かって交互に位置するように千鳥状に配置される。第1孔列54Aと第2孔列54Bとの一部の孔52は、前後方向Bに沿った方向の前方側から見て、別々の孔列54A、54Bの一部の孔52が左右に交互に位置するように配置されるともいえる。ここでの一部の孔52とは、第1孔列54Aの第1列56Aの孔52と、第2孔列54Bの第1列56Aの孔52である。また、後側の第2孔列54Bの第2列56Bの孔52は、斜め前側(図の方向F)から見て、前側の第1孔列54Aの第2列56Bの孔52の間に位置するように千鳥状に配置される。ここでいう斜め前側から見てとは、第1孔列54A、第2孔列54Bを含む範囲の左右中心線CLに対して45°をなす方向Fから見たときをいう。
本実施形態の孔列54A、54Bはすべての孔52の中心軸線が略平行となるように設けられる。これにより、孔列54A、54Bのすべての孔52からの吐水方向がほぼ同方向となり、孔52から吐水される各水流の広がりを抑えられる。
以上の手洗装置10の作用効果を説明する。
手洗装置10は、幅広水流を吐水するための吐水部48を手洗器26ではなく、手洗器26とは別体の吐水装置30が有している。よって、手洗器26に一体成形により吐水部48を備え付けるよりも、吐水部48の吐水孔50に連なる水室46等の複雑な内部形状を容易に成形でき、良好な製造性を得られる。特に、本実施形態の手洗装置10は、水室46を画定する上壁部分34bと他の壁部分34cとが別体であるため、水室46を更に容易に成形できる利点がある。
また、吐水装置30は、手洗器26の第1背高壁部26gの前壁部26eより背高な箇所に取り付けられる。よって、手洗器26の底部と吐水装置30の吐水部48との間に高さ寸法の大きい手洗空間を確保し易くなり、手洗いをし易くなる。また、手洗いにより手からの水はねが生じた場合でも、その一部を手洗器26の第1背高壁部26gにより受けたうえで手洗器26の排水孔26cから排水でき、手洗器26の周囲への飛沫の飛び散りを抑えられる。
第1実施形態の手洗装置10は次の点でも利点がある。手洗いをするとき、使用者は、通常、両手全体を水で濡らしてから、両手の手の平同士をこすり合わせたり、両手の組んだ指同士をこすり合わせる動作をする。ここで、両手全体を水で濡らすため、両手の手先や手首の位置を大まかに合わせた状態で、吐水装置30から吐水される水流に両手を当てることがある。この状態のもと、両手それぞれに手の長手方向で同じような位置に水流が当たる場合、両手を同じ長手方向に動かすだけで両手全体を水で濡らすことができ、それだけ手洗いをし易くなる。
ここで、図2に示すように、使用者102は、手洗いをし易くするため、便器14の側方に少なくとも片足を置いた状態で、手洗器26の第1背高壁部26gに対して斜め前側から両手を近づける場合がある。
図10(a)は、参考例の吐水装置から吐水される水流列58を上側から見た図である。
参考例の吐水装置は、孔列54の孔52が手洗器26の第1背高壁部26gの正面側で左右方向に沿って直線状に並んでいる。このような孔列54からは左右方向に沿って線状に並ぶ水流からなる水流列58が吐水される。手洗器26の斜め前側から両手を近づけて、手先や手首の位置を大まかに合わせた両手104にこのような水流列58の水流を当てる場合、両手104それぞれに手の長手方向Paで偏りのある位置に水流が当たり易くなる。よって、両手全体を水で濡らすために、一方の手(図では左手)を他方の手より手先側に大きく動かす等する必要が生じ、それだけ手洗いをし難くなる。
図10(b)は、第1実施形態の吐水装置30から吐水される水流60A、60Bを上側から見た図である。
第1実施形態の吐水装置30の孔列54A、54Bは、左右方向Aの両側が後側Rに向けて延び、左右方向Aの中央側が前側Fに凸状の形状をなすように設けられる。このような孔列54からは、孔列54の配列態様と同様の配列態様で線状に並ぶ水流からなる複数の水流列60が吐水される。これら水流列60に斜め前側から両手104を近づけるように配置した場合、両手104それぞれで手の長手方向Paで同じような位置に水流列60の水流を当て易くなる。よって、手先や手首の位置を大まかに合わせた両手104を同じ長手方向Paに動かすだけで、両手104全体を水で濡らすことができ、それだけ手洗いをし易くなる。
仮に、孔列54A、54Bのそれぞれが枝分かれする線状をなすように設けられる場合を考える。この場合、孔列54A、54Bの枝分かれ箇所に斜め前側から両手104を近づけるように配置した場合、一方の手104の手首側に多くの水が当たり易くなる。よって、裾の長い上着を着ているとき、注意しなければ上着の裾が濡れてしまう。
この点、本実施形態によれば、孔列54A、54Bのそれぞれは、左右方向Aの中央側から両側に向かって延びる一本の線状をなす位置にあるように設けられる。よって、孔列54A、54Bから吐水される水流列60に斜め前側から両手104を近づけるように配置した場合、一方の手には手首側に多くの水が当たる事態を防止でき、更に手洗いをし易くなる。
また、孔列54A、54Bは前後に複数並んでいるため、それだけ広い範囲に吐水でき、水が手に当たる範囲を広げることで手洗し易くなる。
また、吐水孔50はシャワー状の水流を吐水する孔列54A、54Bであるため、吐水孔50をスリットとするよりも、吐水孔50の孔断面積を小さくできる。よって、吐水装置30に小流量の水しか給水されなくとも、きれいなシャワー状の水流を吐水孔50から吐水し易くなる。特に、タンク給水路20には第1定流量弁23(図3参照)が設置されるため、タンク給水路20から吐水装置30に大流量の水を給水し難いという前提がある。この前提のもとで、きれいなシャワー状の水流を吐水するため、分岐給水路22を第1定流量弁23より上流側から分岐させる手段もあるが、その場合、分岐給水路22を開閉するための弁機構がボールタップ24とは別に必要になる。この点、本実施形態によれば、別の弁機構を用いることなく、きれいなシャワー状の水流を吐水孔50から吐水できる点で利点がある。
また、前後に隣り合う第1孔列54A及び第2孔列54Bの一部の孔52は千鳥状に配置される。よって、吐水部48から吐水される水流を前側から見たとき、第1孔列54Aの孔52から吐水される水流の間を第2孔列54Bの孔52から吐水される水流が通るような状況を実現できる。このため、吐水部48から吐水される水流により奥側を見え難くすることで、比較的に流量の少ないシャワー状の水流であっても、さながら滝状の水流が吐水されているかのような状況を実現し易くなり、良好な意匠性を得られる。
特に、滝状の水流を視覚的に実現するため、単一の孔列54Aの孔52間のピッチを狭くすると、それぞれの孔52から吐水される水流が合流してしまい、かえって意匠性を損なう可能性がある。この点、本実施形態によれば、各孔列54の孔52間のピッチを広くできるため、各孔52から吐水される水流の合流を防止しつつ、滝状の水流を視覚的に実現できる点で大きな利点がある。
手洗装置10の他の特徴を説明する。
図6を参照する。吐水装置30の吐水孔50の水導出口50aは、手洗器26の第1背高壁部26gの正面側において、第1背高壁部26gの上端26gaより鉛直方向の下側に設けられる。吐水孔50の水導出口50aは、手洗器26の鉢部26aの上端縁部のなかで最も高位置にある第1背高壁部26gの上端26gaより鉛直方向の下側に設けられることになる。この条件は吐水孔50を構成する孔列54A、54Bの全ての孔52が満たしている。なお、この吐水孔50は手洗器26の鉢部26aの上端縁部のなかで最も低位置にある前壁部26eの上端26ea(図4参照)より鉛直方向の上側に設けられる。この利点を説明する。
吐水孔50には水導出口50a周りに水垢等の異物が付着する場合がある。この場合、吐水部48から吐水される水が異物と当たることで、吐水孔50の水導出口50a周りに飛沫が飛び散る恐れがある。また、吐水装置30の吐水部48をブラシで清掃する場合も、吐水孔50の水導出口50a周りにブラシから飛沫が飛び散る恐れがある。
この点、本実施形態によれば、吐水孔50の水導出口50aが手洗器26の第1背高壁部26gの上端26gaより下側に設けられている。よって、吐水孔50の水導出口50a周りに飛沫が飛び散った場合でも、手洗器26の第1背高壁部26gにより飛沫を受け易くなり、手洗器26の鉢部26a外への飛沫の飛び散りを抑えられる。特に、手洗器26の第1背高壁部26gの背面側にあるトイレ室の側壁面100への飛沫の飛び散りを抑えられる点で利点がある。
吐水装置30の上面部は、手洗器26の第1背高壁部26gの正面側において、第1背高壁部26gの上端26gaより鉛直方向の下側に設けられる。吐水装置30の上面部は、手洗器26の鉢部26aの上端縁部のなかで最も高位置にある第1背高壁部26gの上端26gaより鉛直方向の下側に設けられることになる。この利点を説明する。
手洗装置10を運搬するとき、施工現場での作業性を高める観点から、手洗器26に吐水装置30を組み付けたものを梱包した状態で運搬する場合がある。この場合、手洗器26の第1背高壁部26gの上端26gaより上側に吐水装置30の一部が設けられていると、段ボール、緩衝材等の梱包資材と吐水装置30が干渉し易くなる。
この点、本実施形態によれば、手洗器26の第1背高壁部26gの上端26gaより吐水装置30が下側に設けられている。よって、手洗器26に吐水装置30を組み付けたものを梱包した状態で運搬する場合に、梱包資材と吐水装置30との干渉を抑え易くなり、梱包作業での作業性が良好になる。また、梱包物に上側から荷重が加えられた場合に、吐水装置30ではなく手洗器26に荷重が伝わり易くなるため、外部荷重から吐水装置30を保護し易くもなる。
吐水装置30の吐水部48の外面は平坦に形成されている。これは、吐水部48の外面は吐水孔50の周縁部に凹凸がなく平坦に形成されていることを意味する。これにより、吐水部48の外面を布等でぬぐうとき、吐水孔50の周縁部に布等をひっかけずに作業でき、良好な清掃性を得られる。
カバー36は、ハウジング34の吐水部48以外の範囲を覆っている。カバー36は、第1背高壁部26gの正面側、横方向両側(後述する)、更には上側から見て、ハウジング34が外部に露出しないように覆う。カバー36は、ハウジング34の水室46を形成する前側壁部分34eと、ハウジング34の通水路44を形成する後側壁部分34fとの両方を覆う。ハウジング34は、前側壁部分34eと後側壁部分34fとの間で寸法が変化する。本実施形態によれば、このような寸法が変化する箇所をカバー36により覆い隠すことができるため、ハウジング34の内形や外形によらない外装を得られ、良好な意匠性を得やすくなる。
前述のように、通水路44は、上流側水路22の水流出口22aから流入する水を衝突面51と衝突させた後、その衝突により流れ方向を変更した水を連通水路44bに導くように構成される。通水路44に流入する水を衝突面51と衝突させることにより、その水の流速を減少させることができる。また、通水路44の流入室44aは、分岐給水路22の水流出口22aより断面積が大きくなるように形成されるため、衝突面51と衝突した水を流入室44a内の広い範囲に大きく拡散させることで、更に流速を減少させることができる。水室46には、衝突面51との衝突により、分岐給水路22の水流出口22aから流出した時点より流速の減少した水が通水路44の流出口44cから流出される。つまり、通水路44は、衝突面51に水を衝突させることにより、上流側水路22から流入する水の流速を減少させた状態で水室46に流出させるように構成されているといえる。
このように構成するうえで、通水路44の衝突面51に衝突してから通水路44の流出口44cから流出するまでの間に水が流れる水路の長さが長すぎると、その内部を水が流れる過程で流速減少効果が低減してしまう恐れがある。このため、この長さは、分岐給水路22の水流出口22aから流出した時点の流速より、通水路44の流出口44cから流出する時点での流速が小さくなるような所定長さに設定される。この長さは実験、解析等により求めればよい。
本実施形態の吐水装置30によれば、通水路44内を流れる水を衝突面51に衝突させることにより、その水の流速を減少させてから水室46に流出させることができる。よって、給水管28から通水路44に過度に流速の速い水が流入した場合でも、通水路44から水室46内に過度に流速の速い水が流出するのを防止できる。これにより、水室46内での位置による流速分布の偏りを抑えられ、吐水部48から吐水される水流の流量分布を均一化し易くでき、全体としてきれいな吐水流を得やすくなる。この効果は、水室46内に水が溜まりきっていない増水段階において、特に効果的に得られる。また、この効果は、吐水装置30に給水される水の流量が少なく、増水段階が長く続くような場合でも、吐水部48から吐水される水流の流速分布を長期に亘り均一化できる点で、特に有効な効果として得られる。
[第2の実施の形態]
図11は第2実施形態の吐水装置30を示す図である。図11は第1実施形態と同じ矢視Cから第2実施形態の吐水装置30を見た図である。
第1実施形態の吐水孔50は、シャワー状の水流を吐水するための複数の孔列54A、54Bにより構成される例を説明した。第2実施形態の吐水孔50は、膜状の水流を吐水するための複数のスリット62A、62Bにより構成される。スリット62A、62Bには前後に並ぶ前側Fの第1スリット62Aと後側Rの第2スリット62Bとが含まれる。以下、第1スリット62Aと第2スリット62Bを総称するときは単に「スリット62A、62B」という。
スリット62A、62Bは、左右両側が後側Rに向けて延び、左右中央側が前側Fに凸状の形状をなすように設けられる。これは、スリット62A、62Bは、左右方向Aの両側が後側に向けて延び、その中央側が前側に凸状をなすように延在することを意味する。本実施形態のスリット62A、62Bは、全体としてU字状をなす位置にあるように設けられる。つまり、全体としてU字状をなすように延在する。また、スリット62A、62Bのそれぞれは、左右方向Aの中央側から両側に向かって延びる一本の線状をなす位置にあるように設けられる。
吐水部48は、スリット62A、62Bの左右方向A両側において前後に延在する側部に挟まれた中間領域Sbに吐水孔50が形成されないように構成される。吐水部48は、この中間領域Sbを左右両側及び前側Fから囲むようにスリット62A、62Bが設けられることになる。また、吐水部48は、この中間領域Sbに対して後側Rには吐水孔50が形成されないように構成される。吐水部48は、この中間領域Sbに対して左右方向A両側にスリット62A、62Bの両端が位置するように設けられることになる。
スリット62A、62Bは、左右に延在する第1延在部64Aと、前後に延在する二つの第2延在部64Bと、を有する。スリット62A、62Bは、第1延在部64Aと二つの第2延在部64BとによりU字状をなす。第1延在部64Aは左右に直線状に延在しており、第2延在部64Bは斜め前側に向かって凸となるように湾曲するよう曲線状に延在している。
図12は第2実施形態の吐水装置30から吐水される膜状水流66を上側から見た図である。
第2実施形態の吐水装置30のスリット62A、62Bは、左右方向Aの両側が後側Rに向けて延び、左右方向Aの中央側が前側Fに凸状の形状をなすように設けられる。このようなスリット62A、62Bからは、スリット62A、62Bの断面形状と同様の断面形状をもつ複数の膜状水流66が吐水される。この膜状水流66に斜め前側から両手104を近づけるように配置した場合、両手104それぞれで手の長手方向Paで同じような位置に膜状水流66を当て易くなる。よって、手先や手首の位置を大まかに合わせた両手104を同じ長手方向Paに動かすだけで、両手104全体を水で濡らすことができ、それだけ手洗いをし易くなる。
[第3の実施の形態]
図13(a)は、第3実施形態の吐水装置30の吐水孔50を示す図である。図13(a)は第1実施形態と同じ矢視Cから第3実施形態の吐水孔50を見た図である。
第1実施形態の吐水孔50の孔列54A、54BはU字状をなす位置にあるように設けられる例を説明した。第2実施形態の吐水孔50の孔列54A、54Bは、全体としてV字状をなす位置にあるように設けられる。この場合でも、孔列54A、54Bは、左右方向Aの両側が後側に向けて延び、左右方向Aの中央側が前側に凸状の形状をなすように設けられる。
図13(b)は、第3実施形態の吐水装置30から吐水される水流59を上側から見た図である。
第3実施形態の吐水装置30の孔列54A、54Bからも、第1実施形態と同様、孔列54A、54Bの配列態様と同様の配列態様で線状に並ぶ複数の水流からなる水流列58が吐水される。これら水流列58に斜め前側から両手104を近づけるように配置した場合、両手104それぞれで手の長手方向Paで同じような位置に水流を当て易くなる。よって、手先や手首の位置を大まかに合わせた両手104を同じ長手方向Paに動かすだけで、両手104全体を水で濡らすことができ、それだけ手洗いをし易くなる。
以上のように、孔列54A,54Bは、手洗いをし易くする観点からは、左右方向Aの両側が後側Rに向けて延び、左右方向Aの中央側が前側Fに凸状の形状をなすように設けられていればよい。これを実現するため、孔列54A、54Bは、たとえば、全体として、U字状、V字状、半円状、環状をなすように設けられていてもよい。スリット62A、62Bも同様である。
また、前述のように、少ない流量での手洗いを実現する観点からは、吐水部48は前述の中間領域Sbの後側に吐水孔50が形成されないように構成されると好ましい。これを実現するため、孔列54A、54Bは、たとえば、全体として、U字状、V字状、半円状をなす位置にあるように設けられてもよい。スリット62A、62Bも同様である。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
手洗器26は、ケーシング16の上端開口部16aに取り付けられる例を説明したが、その取付位置は特に限定されない。手洗器26は、たとえば、タンク18の上端開口部に蓋として取り付けられてもよいし、キャビネットのカウンター上に取り付けられてもよい。この場合、手洗器26の取付相手となるベースはタンク18やカウンターになる。また、手洗器26は、ケーシング16と一体成形により設けられていてもよい。
また、手洗器26がケーシング16やタンク18の上端開口部に蓋として取り付けられる場合、手洗装置10は便器14の後部の上方に配置されることになる。このとき、手洗装置10は、平面視において、便器14の左右中心線CL2上に位置するように配置される。手洗器26がキャビネットのカウンター上に取り付けられる場合、手洗装置10は便器14の後方に配置されることになる。このとき、手洗装置10は、平面視において、便器14の左右中心線CL2上に位置するように配置されてもよいし、左右中心線CL2から左右にずれた便器14の斜め後側に配置されてもよい。いずれにしても、手洗装置10は、便器14の後部の上方又は便器14の後方に配置されてもよい。
吐水装置30は、手洗器26の第1背高壁部26gの正面側に面する箇所に取り付けられる例を説明した。この他にも、手洗器26の第1背高壁部26gに上側に面する平坦な座面を設け、その座面上に取り付けてもよい。いずれにしても、鉢部26aの内周壁部の他部より第1背高壁部26gの背高な箇所に取り付けられていればよい。
また、吐水装置30の吐水部48は吐水孔50から下向きに吐水する例を説明したが、これに限定されず、たとえば、吐水孔50から横向きに吐水してもよい。また、吐水装置30は手洗器26の第1背高壁部26gの上端26gaより下側に設けられる例を説明したが、これより上側に設けられてもよい。同様に、吐水装置30の吐水孔50の水導出口50aは、手洗器26の第1背高壁部26gの上端26gaより下側に設けられる例を説明したが、これより上側に設けられてもよい。
また、吐水部48は幅広な範囲を通る幅広水流を吐水できればよく、吐水部48の吐水孔50は孔列54A、54Bやスリット62A、62Bに限られない。また、この条件を満たすのであれば、孔列54A、54Bは、U字状、V字状、半円状、環状の他に、T字状、L字状、直線状等をなす位置にあるように設けられていてもよい。スリット62A、62Bも同様である。
また、第1実施形態の吐水孔50は、前後に並ぶ孔列54A、54Bを有する例を説明したが、単一列の孔列54Aのみを有してもよいし、三列以上の孔列を有してもよい。同様に、第2実施形態の吐水孔50は、前後に並ぶスリット62A、62Bを有する例を説明したが、単一列のスリット62Aのみを有してもよいし、三列以上のスリットを有してもよい。
ハウジング34は、通水路44、水室46及び吐水部48を有する水路形成体として説明した。この水路形成体は、水路形成体の外側に配置されるカバー36により、吐水部48以外の範囲が覆われる例を説明した。この他にも、この水路形成体は、手洗器26の第1背高壁部26g等により、吐水部48以外の範囲が覆われてもよい。たとえば、手洗器26の第1背高壁部26gに水路形成体の吐水部48のみが露出する開口部を形成し、その開口部内に吐水部48を配置し、他の部位が外部に露出しないようにすることで、吐水部48以外の範囲を覆ってもよい。また、この他にも、水路形成体は、カバー36と手洗器26との両方により覆われていてもよい。
通水路44は、上流側水路22から流入する水を衝突面51と衝突させることにより、その水を減速させた状態で水室46に流出させるように構成される例を説明した。このように構成するうえで、上流側水路22から流入する水を減速させるための手段は特に限定されない。たとえば、通水路44の流入室44aに衝突面51を形成せず、通水路44の流入室44aが上流側水路22の水流出口22aより断面積が大きくなるように形成するのみでもよい。この場合でも、上流側水路22から通水路44の流入室44a内に流入した時点で、断面積の変化により、上流側水路22から流入する水を減速させることができる。
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
第2態様の手洗装置は、第1の態様において、前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列、又は、スリットであり、前記孔列又は前記スリットは、左右両側が前記背高壁部の正面側とは反対側となる後側に向けて延び、左右中央側が前記背高壁部の正面側となる前側に凸状の形状をなすように設けられてもよい。
この態様によれば、吐水装置の孔列又はスリットからは、孔列の配列態様と同様の配列態様の水流列、又は、スリットの断面形状と同様の断面形状の膜状水流が吐水される。この水流列又は膜状水流に斜め前側から両手を近づけるように配置した場合、両手それぞれで手の長手方向で同じような位置に水流を当て易くなる。よって、手先や手首の位置を大まかに合わせた両手を同じ長手方向に動かすだけで、両手全体を水で濡らすことができ、それだけ手洗いをし易くなる。
第3態様の手洗装置は、第2態様において、前記吐水部は、前記孔列の左右両側の孔又は前記スリットの左右両側部に挟まれた中間領域に吐水孔が形成されないように構成されてもよい。
この態様によれば、この中間領域に吐水孔を形成するよりも、吐水装置に給水すべき水の流量を抑えられ、少ない流量での手洗いを実現し易くなる。
第4態様の手洗装置は、第3態様において、前記吐水部は、前記中間領域に対して後側に前記吐水孔が形成されないように構成されてもよい。
この態様によれば、この中間領域の後側に吐水孔を形成するよりも、吐水装置に給水すべき水の流量を抑えられ、少ない流量での手洗いをより実現し易くなる。
第5態様の手洗装置は、第1態様から第4態様のいずれかにおいて、前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列、又は、スリットであり、前記孔列又は前記スリットは複数並んでいてもよい。
この態様によれば、孔列又はスリットは複数並んでいるため、それだけ広い範囲に吐水でき、水が手に当たる範囲を広げることで手洗し易くなる。
第6態様の手洗装置は、第1態様から第5態様のいずれかにおいて、前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列であり、前記孔列は、前記背高壁部の正面側となる前側から見て前後に複数並んでおり、前記複数の孔列のうち前後に隣り合う孔列それぞれの少なくとも一部の孔は、別々の孔列の孔が左右方向に向かって交互に位置するように千鳥状に配置されてもよい。
この態様によれば、比較的に流量の少ないシャワー状の水流であっても、さながら滝状の水流が吐水されているかのような状況を実現し易くなり、良好な意匠性を得られる。
第7態様の手洗装置は、第1態様から第6態様のいずれかにおいて、前記吐水孔の水導出口は、前記背高壁部の上端より下側に設けられてもよい。
この態様によれば、吐水孔の水導出口周りに飛沫が飛び散った場合でも、手洗器の背高壁部により飛沫を受けやすくなり、手洗器の鉢部外への飛沫の飛び散りを抑えられる。
第8態様の手洗装置は、第1態様から第7態様のいずれかにおいて、前記吐水装置は、前記背高壁部の上端より下側に設けられてもよい。
この態様によれば、手洗器に吐水装置を組み付けたものを梱包した状態で運搬する場合に、梱包資材と吐水装置との干渉を抑え易くなり、梱包作業での作業性が良好になる。
第9態様の手洗装置は、第1態様から第8態様のいずれかにおいて、前記吐水装置は、水路が内部に形成される水路形成体を備え、前記水路形成体は、上流側水路から水が流入する通水路と、前記通水路から流出する水を一時的に溜めて前記吐水孔から吐水するための水室と、前記吐水部と、を有し、前記水路形成体は、前記水路形成体の外側に配置されるカバー又は前記手洗器の何れか一方又は両方により、前記吐水部以外の範囲が覆われてもよい。
水路形成体は、通水路を形成する壁部分と水室を形成する壁部分との間で寸法が変化する。この態様によれば、そのような寸法が変化する箇所を覆い隠すことができるため、水路形成体の外形によらない外装を得られ、良好な意匠性を得やすくなる。
第10態様の手洗装置は、第1態様から第9態様のいずれかにおいて、前記吐水装置は、上流側水路から水が流入する通水路と、前記通水路から流出する水を一時的に溜めて前記吐水孔から吐水するための水室と、を有し、前記通水路は、前記上流側水路から流入する水を減速させた状態で前記水室に流出させるように構成されてもよい。
この態様によれば、上流側水路から通水路に過度に流速の速い水が流入した場合でも、通水路から水室内に過度に流速の速い水が流出するのを防止できる。これにより、水室内での位置による流速分布の偏りを抑えられ、吐水部から吐水される水流の流量分布を均一化し易くできる。
なお、上述の実施形態、変形例により具体化される発明には、以下の項目に記載の発明が含まれているともいえる。
(項目1)
鉢部を有する手洗器と、
便器洗浄タンクに給水するタンク給水路を給水源とする吐水装置と、を備え、
前記吐水装置は、吐水孔から吐水するための吐水部を有し、
前記吐水孔の水導出口は、前記鉢部の上端より下側に設けられることを特徴とする手洗装置。
(項目2)
鉢部を有する手洗器と、
便器洗浄タンクに給水するタンク給水路を給水源とする吐水装置と、を備え、
前記吐水装置は、前記鉢部の上端より下側に設けられることを特徴とする手洗装置。
10…手洗装置、14…便器、18…タンク、18…便器洗浄タンク、20…タンク給水路、26…手洗器、26a…鉢部、26g…背高壁部、26ga…上端、30…吐水装置、34…ハウジング(水路形成体)、48…吐水部、50…吐水孔、50a…水導出口、52…孔、54A,54B…孔列、56A…第1列、56B…第2列、62A,62B…スリット、64A…第1延在部、64B…第2延在部。

Claims (9)

  1. 鉢部を有する手洗器と、
    便器洗浄タンクに給水するタンク給水路を給水源とする吐水装置と、を備え、
    前記吐水装置は、幅広な範囲を通る水流を吐水孔から吐水するための吐水部を有し、
    前記鉢部の内周壁部の一部は前記内周壁部の他部より背高な背高壁部を構成し、
    前記吐水装置は、前記内周壁部の他部より前記背高壁部の背高な箇所に取り付けられ、前記背高壁部から前方に突き出るように設けられ、前記背高壁部から突き出る箇所に前記鉢部に臨むように前記吐水部を有し、
    前記吐水装置の前記背高壁部から突き出る前記箇所は、平面視及び側面視において外部に露出する位置に配置され
    記吐水装置は、水路が内部に形成される水路形成体を備え、
    前記水路形成体は、
    上流側水路から水が流入する通水路と、
    前記通水路から流出する水を一時的に溜めて前記吐水孔から吐水するための水室と、
    前記吐水部と、を有し、
    前記水室は、前記通水路の流出口より幅広に形成され、
    前記水路形成体は、前記水路形成体の外側に配置されるカバーにより、又は、前記カバー及び前記手洗器の両方により、前記吐水部以外の範囲が覆われており、
    前記手洗器は、前記便器洗浄タンクの上方に配置され、
    前記カバーは、前記背高壁部から前方に突き出るように設けられることを特徴とする手洗装置。
  2. 前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列、又は、スリットであり、
    前記孔列又は前記スリットは、左右両側が前記背高壁部の正面側とは反対側となる後側に向けて延び、左右中央側が前記背高壁部の正面側となる前側に凸状の形状をなすように設けられる請求項1に記載の手洗装置。
  3. 前記吐水部は、前記孔列の左右両側の孔又は前記スリットの左右両側部に挟まれた中間領域に吐水孔が形成されないように構成される請求項2に記載の手洗装置。
  4. 前記吐水部は、前記中間領域に対して後側に前記吐水孔が形成されないように構成される請求項3に記載の手洗装置。
  5. 前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列、又は、スリットであり、
    前記孔列又は前記スリットは複数並んでいる請求項1〜4のいずれかに記載の手洗装置。
  6. 前記吐水孔は、複数の孔が線状に並べられた孔列であり、
    前記孔列は、前記背高壁部の正面側となる前側から見て前後に複数並んでおり、
    前記複数の孔列のうち前後に隣り合う孔列それぞれの少なくとも一部の孔は、別々の孔列の孔が左右方向に向かって交互に位置するように千鳥状に配置される請求項1から5のいずれかに記載の手洗装置。
  7. 前記吐水孔の水導出口は、前記背高壁部の上端より下側に設けられる請求項1から6のいずれかに記載の手洗装置。
  8. 前記吐水装置は、前記背高壁部の上端より下側に設けられる請求項1から7のいずれかに記載の手洗装置。
  9. 前記吐水装置は、
    上流側水路から水が流入する通水路と、
    前記通水路から流出する水を一時的に溜めて前記吐水孔から吐水するための水室と、を有し、
    前記通水路は、前記上流側水路から流入する水を減速させた状態で前記水室に流出させるように構成される請求項1からのいずれかに記載の手洗装置。
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