JP6847315B2 - 回転電機の回転子およびその製造方法 - Google Patents

回転電機の回転子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石が磁石挿入穴に挿入された回転電機の回転子およびその製造方法に関するものである。
従来、複数の磁石挿入穴が形成された回転子鉄心と、複数の磁石挿入穴のそれぞれに1つずつ挿入された複数の永久磁石とを備えた回転電機の回転子が知られている(例えば特許文献1)。
特開2010−063283号公報
しかしながら、永久磁石は、焼結磁石から構成されている。したがって、複数の永久磁石におけるそれぞれの厚み方向の寸法には、ばらつきが発生する。これにより、複数の永久磁石のそれぞれが磁石挿入穴に挿入可能となるように、磁石挿入穴の寸法が大きくなる。したがって、磁石挿入穴の壁面と永久磁石との間の隙間が大きくなってしまう。その結果、回転電機の効率が低下するという課題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転電機の効率を向上させることができる回転電機の回転子およびその製造方法を提供するものである。
この発明に係る回転電機の回転子は、複数の磁石挿入穴が周方向に並べて形成された回転子鉄心と、複数の磁石挿入穴のそれぞれに挿入された複数の永久磁石とを備え、複数の永久磁石は、厚み方向の寸法が設計寸法から設定公差の範囲内であって設定値よりも小さい第1永久磁石と、厚み方向の寸法が設計寸法から設定公差の範囲内であって設定値よりも大きい第2永久磁石と、を有し、複数の磁石挿入穴は、第1永久磁石が挿入される第1磁石挿入穴と、第1磁石挿入穴の幅方向寸法よりも幅方向寸法が大きく、第2永久磁石が挿入される第2磁石挿入穴と、を有している。
また、この発明に係る回転電機の回転子は、複数の永久磁石を周方向に並べて形成された鉄心が回転する回転電機の回転子であって、複数の永久磁石に含まれる第1永久磁石と、複数の永久磁石に含まれ、第1永久磁石よりも径方向の厚みが大きい第2永久磁石と、第1永久磁石が挿入される、第1永久磁石の厚みよりも径方向の幅寸法が大きい第1磁石挿入穴と、第2永久磁石が挿入される、第2永久磁石の厚みよりも径方向の幅寸法が大きい第2磁石挿入穴と、を備え、第1磁石挿入穴の幅寸法と第1永久磁石の厚みの平均値との差は、第2磁石挿入穴の幅寸法と第2永久磁石の厚みの平均値との差よりも小さい。
この発明に係る回転電機の回転子の製造方法は、複数の永久磁石のそれぞれの厚み方向の寸法を測定する厚み寸法測定工程と、厚み寸法測定工程の後、厚み方向の寸法が設定公差の範囲内であって設定値よりも小さい永久磁石を第1永久磁石とし、厚み方向の寸法が設定公差の範囲内であって設定値よりも大きい永久磁石を第2永久磁石とする永久磁石選別工程と、永久磁石選別工程の後、回転子鉄心に形成された第1磁石挿入穴に第1永久磁石を挿入し、回転子鉄心に形成され、第1磁石挿入穴の幅方向寸法よりも幅方向寸法が大きい第2磁石挿入穴に第2永久磁石を挿入する永久磁石挿入工程とを備えている。
この発明に係る回転電機の回転子およびその製造方法によれば、回転電機の効率を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を示す断面図である。 比較例の回転電機の回転子を示す断面図である。 図2の永久磁石の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。 図1の永久磁石の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。 永久磁石の動作点を算出するための磁気回路を示す図である。 永久磁石の動作点を示すグラフである。 磁石挿入穴の壁面と永久磁石との間の平均隙間が小さくなった場合の永久磁石の動作点を示すグラフである。 図1の回転子の製造方法を示すフローチャートである。 図4の永久磁石の厚み方向の寸法の頻度の変形例を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子を示す断面図である。 図10の磁石挿入穴に挿入された永久磁石の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。 実施の形態2に係る回転電機の回転子における永久磁石の動作点を示すグラフである。 図10の回転子を通る磁束の流れを示す図である。 図11の永久磁石の厚み方向の寸法の頻度の変形例を示すグラフである。 実施の形態2に係る回転電機の回転子の変形例における永久磁石の動作点を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す断面図である。 図16の磁石挿入穴に挿入された永久磁石の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。 実施の形態3に係る回転電機の回転子における永久磁石の動作点を示すグラフである。 図17の永久磁石の厚み方向の寸法の頻度の変形例を示すグラフである。 実施の形態3に係る回転電機の回転子の変形例における永久磁石の動作点を示すグラフである。 この発明の実施の形態4に係る回転電機の回転子を示す断面図である。 図1の永久磁石の変形例を示す断面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を示す断面図である。回転電機の回転子1は、円柱形状の回転子鉄心2と、回転子鉄心2に設けられ、直方体形状に形成された複数の永久磁石3とを備えている。回転子鉄心2には、周方向に並べて配置された複数の磁石挿入穴21が形成されている。この例では、周方向とは、回転子鉄心2についての周方向とする。永久磁石3は、磁石挿入穴21の壁面であって、径方向外側に配置された壁面に面接触している。磁石挿入穴21の壁面であって径方向内側に配置された壁面と永久磁石3との間には、隙間が形成されている。磁石挿入穴21の壁面と永久磁石3との間の隙間とは、磁石挿入穴21の壁面であって径方向内側に配置された壁面と永久磁石3との間に形成された隙間とする。
複数の永久磁石3のそれぞれは、磁石挿入穴21に1個ずつ挿入されている。この例では、回転子1の極数が6となっている。なお、回転子1の極数は、これに限らず、その他の数であってもよい。また、この例では、回転子1の1個の磁極に1個の永久磁石3が配置されている。言い換えれば、1個の永久磁石3は、回転子1の1個の磁極を構成する。周方向に隣り合う一対の永久磁石3は、径方向外側部分の磁極が互いに異なるように配置されている。言い換えれば、複数の永久磁石3におけるそれぞれについての径方向外側部分の磁極は、周方向についてN極とS極とが交互に並べられるように、配置されている。この例では、径方向とは、回転子鉄心2についての径方向とする。
複数の永久磁石3は、第1永久磁石31と、第2永久磁石32とに分けられている。第1永久磁石31の厚み方向の寸法は、第2永久磁石32の厚み方向の寸法よりも小さい。この例では、厚み方向とは、径方向と一致する。第1永久磁石31の厚み方向の寸法をm1とする。第2永久磁石32の厚み方向の寸法をm2とする。この場合に、m1<m2が満たされる。複数の永久磁石3は、第1永久磁石31と第2永久磁石32とが周方向に交互に並べて配置されている。
第1永久磁石31における径方向外側部分にN極が配置され、第2永久磁石32における径方向外側部分にS極が配置されている。第1永久磁石31のN極から回転子鉄心2を通って第2永久磁石32のS極に戻る磁束の流れYが形成されている。
複数の磁石挿入穴21は、第1磁石挿入穴211と、第2磁石挿入穴212とに分けられている。第1磁石挿入穴211の幅方向寸法は、第2磁石挿入穴212の幅方向寸法よりも小さい。磁石挿入穴21における幅方向は、磁石挿入穴21に挿入された永久磁石3の厚み方向と一致する。第1磁石挿入穴211には、第1永久磁石31が挿入されている。第2磁石挿入穴212には、第2永久磁石32が挿入されている。第1磁石挿入穴211の幅方向寸法をd1とする。第2磁石挿入穴212の幅方向寸法をd2とする。この場合に、d1<d2が満たされる。複数の磁石挿入穴21は、第1磁石挿入穴211と第2磁石挿入穴212とが周方向に交互に並べて配置されている。
次に、永久磁石3の厚み方向の寸法について説明する。永久磁石3としては、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石などの焼結磁石が用いられている。永久磁石3は、ブロック形状の焼結体から設定された寸法に切り出されて製造される。複数の永久磁石3のそれぞれの厚み方向の寸法には、製造上の誤差が発生する。永久磁石3の厚み方向の寸法の誤差の範囲は、設定値に対して±0.1mm程度の範囲となる。設定値に対して±0.1mmの範囲を永久磁石3の厚み方向の寸法の設定公差とする。なお、設定公差は、これに限らず、その他の値であってもよい。この例では、複数の永久磁石3の厚み方向の寸法の平均値を設定値とする。なお、設定値は、これに限らず、その他の値であってもよい。
磁石挿入穴21は、一般的に、金型等の刃物を用いて回転子鉄心2を打ち抜くことによって形成される。したがって、複数の磁石挿入穴21のそれぞれの幅方向寸法には、製造上の誤差が発生する。磁石挿入穴21の幅方向寸法の誤差の範囲は、設定値に対して数μm〜10数μm程度の範囲となる。永久磁石3の厚み方向の寸法の誤差の範囲は、磁石挿入穴21の幅方向寸法の誤差の範囲と比較して、十分に大きい。したがって、この例では、磁石挿入穴21の幅方向寸法に誤差が発生せず、永久磁石3の厚み方向の寸法に誤差が発生する場合について説明する。
図2は、比較例の回転電機の回転子1Aを示す断面図である。回転子1Aは、回転子1と同様に、回転子鉄心2Aと、回転子鉄心2Aに設けられ、直方体形状に形成された複数の永久磁石3Aとを備えている。回転子鉄心2Aには、周方向に並べて配置された複数の磁石挿入穴21Aが形成されている。複数の永久磁石3Aのそれぞれは、磁石挿入穴21Aに1個ずつ挿入されている。
複数の磁石挿入穴21Aのそれぞれの幅方向寸法は、互いに同一となっている。複数の磁石挿入穴21Aのそれぞれは、永久磁石3Aの厚み方向の寸法に誤差が発生した場合であっても永久磁石3Aが磁石挿入穴21Aに挿入できるように、永久磁石3の厚み方向の寸法についての設定公差に対して裕度をもって形成されている。
図3は、図2の永久磁石3Aの厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。図3では、横軸が永久磁石3Aの厚み方向の寸法を示し、縦軸が頻度を示している。図3では、磁石挿入穴21Aの幅方向寸法も示されている。図3では、永久磁石3Aの厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合を示している。永久磁石3Aの厚み方向の寸法の平均値をmcenterとする。永久磁石3Aの厚み方向の寸法がmcenterとなる頻度が最も大きい。永久磁石3Aの厚み方向の寸法の最大値をmmaxとする。磁石挿入穴21Aには、永久磁石3Aの厚み方向の寸法にばらつきが発生しても、永久磁石3Aが挿入可能となっている。磁石挿入穴21Aの幅方向寸法をdとする。dは、mmaxに対して設定寸法αだけ大きくなっている。したがって、d=mmax+αが満たされる。磁石挿入穴21Aの壁面と永久磁石3Aとの間の平均隙間の寸法は、d−mcenterとなる。
図4は、図1の永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。図4では、横軸が永久磁石3の厚み方向の寸法を示し、縦軸が頻度を示している。図4では、磁石挿入穴21の幅方向寸法も示されている。図4では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合を示している。永久磁石3の厚み方向の寸法の平均値をmcenterとする。永久磁石3の厚み方向の寸法の最大値をmmaxとする。
複数の永久磁石3のそれぞれは、厚み方向の寸法がmcenterよりも小さい永久磁石3と、厚み方向の寸法がmcenterよりも大きい永久磁石3とに分けられる。複数の永久磁石3のうちで、厚み方向の寸法がmcenterよりも小さい永久磁石3を第1永久磁石31とし、厚み方向の寸法がmcenterよりも大きい永久磁石3を第2永久磁石32とする。第1永久磁石31の厚み方向の寸法の平均値をm1とし、第2永久磁石32の厚み方向の寸法の平均値をm2とする。この場合、m1<mcenter<m2が満たされる。
第1永久磁石31の厚み方向の寸法の最大値は、mcenterとなる。したがって、d1=mcenter+αが満たされることによって、第1永久磁石31を第1磁石挿入穴211に挿入することができる。
第2永久磁石32の厚み方向の寸法の最大値は、mmaxとなる。したがって、d2=mmax+αが満たされることによって、第2永久磁石32を第2磁石挿入穴212に挿入することができる。
次に、磁石挿入穴21の壁面と永久磁石3との間の隙間の寸法について説明する。第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の平均隙間の寸法は、d1−m1となる。第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の平均隙間の寸法は、d2−m2となる。
一方、磁石挿入穴21Aの壁面と永久磁石3Aとの間の平均隙間の寸法は、d−mcenterとなる。ここで、mcenter<m2であり、d=d2である。したがって、d2−m2<d−mcenterが満たされる。
永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合には、複数の永久磁石3のうちで厚み方向の寸法がmcenterとなる頻度が他の寸法となる頻度よりも大きい。したがって、mcenter−m1<mmax−m2が満たされる。これにより、mcenter−m1+α<mmax−m2+αが満たされる。また、mcenter+α=d1であり、mmax+α=d2である。したがって、d1−m1<d2−m2が満たされる。これにより、d1−m1<d2−m2<d−mcenterが満たされる。言い換えれば、第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の平均隙間の寸法および第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の平均隙間の寸法は、磁石挿入穴21Aの壁面と永久磁石3Aとの間の平均隙間の寸法よりも小さくなる。
次に、永久磁石3の動作点について説明する。図5は、永久磁石3の動作点を算出するための磁気回路を示す図である。図6は、永久磁石3の動作点を示すグラフである。図7は、磁石挿入穴21の壁面と永久磁石3との間の平均隙間が小さくなった場合の永久磁石3の動作点を示すグラフである。図5では、C型に形成された鉄心部101の長手方向一端部に永久磁石3が設けられており、鉄心部101の長手方向他端部と永久磁石3との間に空隙部102が形成されている。永久磁石3の厚さ方向の寸法をTmとし、空隙部102の寸法をTgとし、鉄心部101の磁路長をTcとする。永久磁石3の断面積、空隙部102の断面積、および鉄心部101の断面積のそれぞれをSとし、互いに同一とする。この場合に、アンペールの法則によって、下記の式(1)が成立する。
ΦH・dl=0 (1)
したがって、永久磁石3の磁界をHmとし、空隙部102の磁界をHgとし、鉄心部101の磁界をHcとすると、下記の式(2)が導出される。
m・Tm+Hg・Tg+Hc・Tc=0 (2)
また、磁束は、どの部位であっても一定であるため、断面積Sが一定であれば磁束密度も一定となる。したがって、永久磁石3の内部の磁束密度をBmとし、空隙部102の磁束密度をBgとし、鉄心部101の内部の磁束密度をBcとすると、それぞれの値は、互いに同一となる。一方、磁界と磁束密度との関係は、下記の式(3)、式(4)および式(5)を満たす。
m=μ0μrmm (3)
g=μ0g (4)
c=μ0μrcc (5)
なお、μ0は、真空の透磁率を表し、μrmは永久磁石3の比透磁率を表し、μrcは、鉄の比透磁率を表している。永久磁石3がネオジム磁石である場合には、μrmは、約1.05となる。上記の式(3)、式(4)および式(5)から、空隙部102の磁界Hgおよび鉄心部101の磁界Hcは、下記の式(6)および式(7)を満たす。
g=Bm/μ0 (6)
c=Bm/(μ0μrc) (7)
上記の式(6)および式(7)を上記の式(2)に代入することによって、下記の式(8)が導出される。
m・Tm+Bm/μ0・Tg+Bm/(μ0μrc)・Tc=0 (8)
ここで、鉄心部101の磁束が飽和していない場合には、μ0は、1000以上となる。この場合に、上記の式(8)において、第3項が示す値は、第1項が示す値および第2項が示す値と比較して、十分小さい。したがって、この場合に、上記の式(8)は、下記の式(9)とすることができる。
m・Tm+Bm/μ0・Tg=0 (9)
上記の式(9)から下記の式(10)が導出される。
p=Bm/Hm=−μ0・Tm/Tg (10)
ここで、pは、パーミアンス係数と呼ばれる値である。永久磁石3の磁束密度は、下記の式(11)で表すことができる。
m=μ0μrmm+M (11)
永久磁石3の磁束密度と磁界との関係は、図6に示す通りである。上記の式(10)を図6に示すと、第2象限において傾き−pで表される直線となる。このとき、永久磁石3の動作点は、上記の式(10)および式(11)の両方を満たすZ点となる。
実施の形態1では、比較例と比べて、空隙部102が小さくなる構成となっている。したがって、上記の式(10)において、Tgが小さくなる。これにより、パーミアンス係数pが大きくなる。この場合のパーミアンス係数をp1とする。図7に示すように、パーミアンス係数がp1である場合に、永久磁石3の動作点は、Z点よりも磁束密度が高いZ1が交点となる。なお、平均隙間を小さくした場合の永久磁石3の動作点の向上を図4のC型の磁気回路を用いて説明したが、回転電機においても、同様の原理によって、永久磁石3の動作点を向上させることができる。
次に、回転電機の回転子1の製造方法について説明する。図8は、図1の回転子1の製造方法を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、厚み寸法測定工程が行われる。厚み寸法測定工程では、複数の永久磁石3のそれぞれの厚み方向の寸法を測定する。また、厚み寸法測定工程では、複数の永久磁石3の厚み方向の寸法の平均値を算出する。
その後、ステップS2において、永久磁石選別工程が行われる。永久磁石選別工程では、厚み方向の寸法が設定公差の範囲内であって設定値よりも小さい永久磁石3を第1永久磁石31とする。また、永久磁石選別工程では、厚み方向の寸法が設定公差の範囲内であって設定値よりも大きい永久磁石3を第2永久磁石32とする。永久磁石選別工程では、平均値が設定値として用いられる。
その後、ステップS3において、永久磁石挿入工程が行われる。永久磁石挿入工程では、第1磁石挿入穴211に第1永久磁石31を挿入し、第2磁石挿入穴212に第2永久磁石32を挿入する。
その後、ステップS4において、着磁工程が行われる。着磁工程では、第1永久磁石31および第2永久磁石32が着磁される。
その後、ステップS5において、軸受組立工程が行われる。軸受組立工程では、回転子1の図示しないシャフトに図示しない軸受を取り付ける。以上により、回転電機の回転子1の製造が終了する。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子1によれば、複数の永久磁石3は、第1永久磁石31と第2永久磁石32とに分けられている。複数の磁石挿入穴21は、第1磁石挿入穴211と第2磁石挿入穴212とに分けられている。第1永久磁石31は、第1磁石挿入穴211に挿入され、第2永久磁石32は、第2磁石挿入穴212に挿入されている。これにより、第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の平均隙間の寸法および第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の平均隙間の寸法を小さくすることができる。したがって、永久磁石3の動作点を向上させることができる。その結果、回転電機の効率を向上させることができる。
また、第1永久磁石31および第2永久磁石32は、回転子1における互いに異なる磁極を構成する。これにより、回転子1における周方向についての重量のバランスを向上させることができる。したがって、回転子1における極対数毎の磁気特性が安定する。その結果、回転電機における音および振動の発生を抑制することができる。
また、この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子1の製造方法によれば、第1磁石挿入穴211に第1永久磁石31を挿入し、第2磁石挿入穴212に第2永久磁石32を挿入する。これにより、第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の平均隙間の寸法および第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の平均隙間の寸法を小さくすることができる。したがって、永久磁石3の動作点を向上させることができる。その結果、回転電機の効率を向上させることができる。
また、永久磁石3の厚み方向の寸法の平均値が永久磁石3の厚み方向の寸法の設定値として用いられる。これにより、複数の永久磁石3を第1永久磁石31および第2永久磁石32に均等に分けることができる。
なお、上記実施の形態1では、第1永久磁石31における径方向外側部分にN極が配置され、第2永久磁石32における径方向外側部分にS極が配置される構成について説明した。しかしながら、第1永久磁石31における径方向外側部分にS極が配置され、第2永久磁石32における径方向外側部分にN極が配置される構成であってもよい。この場合であっても、第2永久磁石32のN極から回転子鉄心を通って第1永久磁石31のS極に戻る磁束の流れYが形成される。
また、上記実施の形態1では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合について説明した。しかしながら、図9に示すように、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が一定の場合であってもよい。この場合、d1−m1=d2−m2<d−mcenterが満たされる。したがって、第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の平均隙間の寸法および第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の平均隙間の寸法は、磁石挿入穴21Aの壁面と永久磁石3Aとの間の平均隙間の寸法よりも小さくなる。
また、永久磁石挿入工程の後に、着磁工程が行われる回転電機の回転子1の製造方法について説明した。しかしながら、永久磁石挿入工程の前に着磁工程が行われる回転電機の回転子1の製造方法であってもよい。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子を示す断面図である。この例では、回転子1の極数が4となっている。一対の永久磁石3が回転子1の1個の磁極を構成する。回転子1の1個の磁極を構成する一対の永久磁石3は、V字型に配置されている。一対の永久磁石3は、径方向外側に向かうにつれて互いに離れるように配置されている。一対の永久磁石3は、実施の形態1と同様に、第1永久磁石31と、第2永久磁石32とに分けられる。
回転子鉄心2には、一対の永久磁石3が挿入される一対の磁石挿入穴21が形成されている。一対の磁石挿入穴21は、実施の形態1と同様に、第1磁石挿入穴211と、第2磁石挿入穴212とに分けられている。一対の磁石挿入穴21のうちで、回転子1のトルク発生方向に対して遅れ側に配置された磁石挿入穴21が第1磁石挿入穴211となり、トルク発生方向に対して進み側に配置された磁石挿入穴21が第2磁石挿入穴212となっている。
図11は、図10の磁石挿入穴21に挿入された永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。図11では、横軸が永久磁石3の厚み方向の寸法を示し、縦軸が頻度を示している。図11では、磁石挿入穴21の幅方向寸法も示されている。図11では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合を示している。
永久磁石3の厚み方向の寸法の設定値は、5mmとなっている。永久磁石3の厚み方向の寸法の設定公差は±0.1mmとなっている。磁石挿入穴21の幅方向寸法は、永久磁石3の最大値に対して0.1mmを加えた値となっている。永久磁石3としては、代表的なネオジム焼結磁石が用いられている。残留磁束密度は、1.3Tとなっている。比透磁率は、1.05となっている。回転子1と固定子との間の隙間は、1mmとなっている。
図12は、実施の形態2に係る回転電機の回転子1における永久磁石3の動作点を示すグラフである。図12では、永久磁石3から回転子1の内部に漏れる磁束がないものとし、また、回転子鉄心2に磁気飽和が生じないものとした。また、図12では、比較例における永久磁石3の動作点も示している。図に示すように、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点は、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点よりも高くなる。これは、第1磁石挿入穴211の壁面と第1永久磁石31との間の隙間寸法が、第2磁石挿入穴212の壁面と第2永久磁石32との間の隙間寸法よりも小さいからである。また、図に示すように、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点は、比較例の場合の磁石挿入穴に挿入された永久磁石の動作点よりも高くなる。
図13は、図10の回転子1を通る磁束の流れYを示す図である。図13では、回転子1を囲む固定子4も示されている。回転子1にトルクが発生するためには、回転子1の磁極に対して、固定子4の磁極がトルク発生方向Dに対してずれる必要がある。言い換えれば、回転子1のS極と固定子4のN極とが引き付けられ、回転子1のN極と固定子4のS極とが引き付けられるように、回転子1の磁極に対応して固定子4の磁極を配置する必要がある。図に示すように、回転子1の磁極に対して、固定子4の磁極が90度だけトルク発生方向Dについてシフトされている。これにより、図において、回転子1には、反時計回りにトルクが発生する。回転子1の回転方向と同方向に回転子1にトルクが発生する場合が力行動作であり、回転子1の回転方向と反対方向に回転子1にトルクが発生する場合が回生動作である。
2個の永久磁石3が配置された回転子鉄心2の部分を同一磁極構成部分22とする。同一磁極構成部分22のうちでトルク発生方向Dについて遅れ側の部分を同一磁極遅れ側部分23とする。同一磁極構成部分22のうちでトルク発生方向Dについて進み側の部分を同一磁極進み側部分24とする。固定子4と回転子1との間を通る磁束は、N極からS極に向かって流れる。したがって、同一磁極遅れ側部分23において、固定子4から回転子1に磁束が入り、同一磁極進み側部分24において、回転子1から固定子4に磁束が出る流れが形成される。
同一磁極遅れ側部分23では、永久磁石3によって発生する磁束と、固定子4から回転子1に入る磁束とが互いに打ち消す方向に流れる。一方、同一磁極進み側部分24では、永久磁石3によって発生する磁束と回転子1から固定子4へ出る磁束とが同じ方向に流れる。したがって、同一磁極遅れ側部分23に配置された永久磁石3は、同一磁極進み側部分24に配置された永久磁石3と比較して、減磁しやすい。
動作点の高い第1永久磁石31がトルク発生方向Dについて遅れ側に配置され、動作点の低い第2永久磁石32がトルク発生方向Dについて進み側に配置されている。これにより、永久磁石3の耐減磁性が向上する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子1によれば、第1永久磁石31および第2永久磁石32は、回転子1において互いに同一の磁極を構成している。これにより、磁極毎の重量のバランスを向上させることができる。これにより、回転子1の磁気特性が安定する。その結果、回転電機における音および振動の発生を抑制することができる。
また、第1永久磁石31および第2永久磁石32のそれぞれは、トルク発生方向Dに対して遅れ側に配置された永久磁石3の動作点が、トルク発生方向Dに対して進み側に配置された永久磁石3の動作点よりも高くなるように、配置されている。これにより、永久磁石3の耐減磁性を向上させることができる。その結果、回転電機の効率を向上させることができる。
なお、上記実施の形態2では、トルク発生方向Dについて第1永久磁石31が第2永久磁石32よりも遅れ側に配置された構成について説明した。しかしながら、トルク発生方向Dが入れ替わる場合には、トルク発生方向Dについて第1永久磁石31が第2永久磁石32よりも進み側に配置されてもよい。
また、上記実施の形態2では、1つの磁極の中で第1永久磁石31と第2永久磁石32が配置される構成について説明した。しかしながら、1つの磁極に第1永久磁石31および第2永久磁石32の一方が配置され、この磁極に隣り合う1つの磁極に第1永久磁石31および第2永久磁石32の他方が配置される構成であってもよい。
また、上記実施の形態2では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合について説明した。しかしながら、図14に示すように、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が一定であってもよい。この場合、磁石挿入穴21の壁面と永久磁石3との間の平均隙間は、一定となる。この場合に、図15に示すように、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点は、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点よりも高くなる。したがって、第2永久磁石32は、回転子1のトルク発生方向Dについて、第1永久磁石31よりも遅れ側に配置される。これにより、トルク発生方向Dに対して遅れ側に配置された永久磁石3の動作点が、トルク発生方向Dに対して進み側に配置された永久磁石3の動作点よりも高くなるように、配置されている。したがって、永久磁石3の耐減磁性を向上させることができる。その結果、回転電機の効率を向上させることができる。
実施の形態3.
図16は、この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す断面図である。この例では、3個の永久磁石3が回転子1の1個の磁極を構成する。言い換えれば、回転子1の1つの磁極について、3個の永久磁石3が用いられている。3個の永久磁石3は、U字型に並べて配置されている。言い換えれば、3個の永久磁石3は、バスタブ型に並べて配置されている。3個の永久磁石3のうちで、トルク発生方向Dについて最も進み側に配置された永久磁石3を第1永久磁石31とし、トルク発生方向Dについて最も遅れ側に配置された永久磁石3を第2永久磁石32とし、残りの1個の永久磁石3を第3永久磁石33とする。
回転子鉄心2には、第1永久磁石31が挿入される第1磁石挿入穴211と、第2永久磁石32が挿入される第2磁石挿入穴212と、第3永久磁石33が挿入される第3磁石挿入穴213とが形成されている。第1磁石挿入穴211、第2磁石挿入穴212および第3磁石挿入穴213は、U字型に並べて配置されている。
図17は、図16の磁石挿入穴21に挿入された永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度を示すグラフである。図17では、横軸が永久磁石3の厚み方向の寸法を示し、縦軸が頻度を示している。図17では、磁石挿入穴21の幅方向寸法も示されている。図17では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合を示している。第1永久磁石31の厚み方向の寸法の平均値をm1とする。第2永久磁石32の厚み方向の寸法の平均値をm2とする。第3永久磁石33の厚み方向の寸法の平均値をm3とする。この場合、m1<m2<m3が満たされる。また、m2=mcenterとなっている。
第1磁石挿入穴211の幅方向寸法をd1とする。第2磁石挿入穴212の幅方向寸法をd2とする。第3磁石挿入穴213の幅方向寸法をd3とする。この場合、d1<d2<d3が満たされる。d1は、第1永久磁石31の厚み方向の寸法の最大値にαを加えた値となっている。d2は、第2永久磁石32の厚み方向の寸法の最大値にαを加えた値となっている。d3は、第3永久磁石33の厚み方向の寸法の最大値にαを加えた値となっている。
永久磁石3の厚み方向の寸法の設定値は、5mmとなっている。永久磁石3の厚み方向の寸法の設定公差は±0.1mmとなっている。磁石挿入穴21の幅方向寸法は、永久磁石3の最大値に対して0.1mmを加えた値となっている。永久磁石3としては、代表的なネオジム焼結磁石が用いられている。残留磁束密度は、1.3Tとなっている。比透磁率は、1.05となっている。回転子1と固定子との間の隙間は、1mmとなっている。
図18は、実施の形態3に係る回転電機の回転子における永久磁石3の動作点を示すグラフである。図18では、永久磁石3から回転子1内部に漏れる磁束がないものとし、また、回転子鉄心2に磁気飽和が生じないものとした。また、図18では、比較例における永久磁石の動作点も示している。図に示すように、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点は、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点よりも高い。また、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点は、第3磁石挿入穴213に挿入された第3永久磁石33の動作点よりも高い。言い換えれば、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点、第3磁石挿入穴213に挿入された第3永久磁石33の動作点の順に低くなる。また、第3磁石挿入穴213に挿入された第3永久磁石33の動作点は、比較例の場合の磁石挿入穴に挿入された永久磁石の動作点よりも高い。
図16に示すように、3個の永久磁石3が配置された回転子鉄心2の部分を同一磁極構成部分22とする。同一磁極構成部分22のうちでトルク発生方向Dについて遅れ側の部分を同一磁極遅れ側部分23とする。同一磁極構成部分22のうちで同一磁極遅れ側部分23が最も減磁しやすい。第2永久磁石32は、同一磁極遅れ側部分23に配置されている。
同一磁極構成部分22のうちでトルク発生方向Dについて進み側の部分を同一磁極進み側部分24とする。同一磁極構成部分22のうちで同一磁極進み側部分24が、同一磁極遅れ側部分23の次に減磁しやすい。同一磁極遅れ側部分23に固定子4のティースが隣り合うか否かに対応して、同一磁極遅れ側部分23には、高次成分の磁束変動が発生する。これにより、同一磁極遅れ側部分23には、磁束の変化が発生する。第1永久磁石31は、同一磁極進み側部分24に配置されている。
同一磁極構成部分22のうちで径方向内側の部分を同一磁極径方向内側部分25とする。同一磁極径方向内側部分25は、同一磁極遅れ側部分23および同一磁極進み側部分24よりも固定子4から離れて配置される。したがって、同一磁極径方向内側部分25には、固定子4のティースが隣り合うことがない。したがって、同一磁極径方向内側部分25は、同一磁極構成部分22のうちで最も減磁し難い。同一磁極径方向内側部分25には、第3永久磁石33が配置されている。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子1によれば、第1永久磁石31、第2永久磁石32および第3永久磁石33は、回転子1において互いに同一の磁極を構成している。これにより、磁極毎の重量のバランスを向上させることができる。これにより、回転子1の磁気特性が安定する。その結果、回転電機における音および振動の発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態3では、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が正規分布に従う場合について説明した。しかしながら、図19に示すように、永久磁石3の厚み方向の寸法の頻度が一定であってもよい。この場合、磁石挿入穴21の壁面と永久磁石3との間の平均隙間は、一定となる。この場合に、図20に示すように、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点は、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点よりも高くなる。第3磁石挿入穴213に挿入された第3永久磁石33の動作点は、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点よりも高くなる。言い換えれば、第3磁石挿入穴213に挿入された第3永久磁石33の動作点、第2磁石挿入穴212に挿入された第2永久磁石32の動作点、第1磁石挿入穴211に挿入された第1永久磁石31の動作点の順に低くなる。したがって、第3永久磁石33は、同一磁極遅れ側部分23に配置され、第2永久磁石32は、同一磁極進み側部分24に配置され、第1永久磁石31は、同一磁極径方向内側部分25に配置される。
実施の形態4.
図21は、この発明の実施の形態4に係る回転電機の回転子を示す断面図である。この例では、6個の永久磁石3が回転子鉄心2に設けられている。それぞれの永久磁石3は、回転子鉄心2の周方向に着磁されている。回転子鉄心2の表面には、永久磁石3によって形成された磁束の流れYによって、N極およびS極が形成されている。なお、永久磁石3と回転子鉄心2との間には、実施の形態1で示したように隙間が発生しているが、図21では、この隙間が省略されている。
この構成において、実施の形態4における永久磁石3の厚み方向は、図21に示すように、回転子鉄心2の周方向となる。言い換えれば、第1永久磁石31の寸法d1は、第1永久磁石31の周方向の寸法となり、第2永久磁石32の寸法d2は、第2永久磁石32の周方向の寸法となる。したがって、永久磁石3の厚み方向は、永久磁石3における磁束の流れYの方向と同じ方向となる。実施の形態1と同様に、周方向について、第1磁石挿入穴211および第2磁石挿入穴212が1個ずつ交互に配置され、第1磁石挿入穴211に第1永久磁石31が挿入され、第2磁石挿入穴212に第2永久磁石32が挿入されている。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態3までと同様である。
以上説明したように、実施の形態4に係る回転電機の回転子1によれば、実施の形態1と同様に、それぞれの永久磁石3と磁石挿入穴21との間に発生する隙間を小さくすることができる。これにより、永久磁石3の動作点を向上させることができ、回転電機のトルクの向上を図ることができる。
なお、上記実施の形態1〜3では、永久磁石3の形状を直方体形状である構成について説明した。しかしながら、例えば、図22に示すように、永久磁石3における径方向外側面が湾曲する形状であってもよい。言い換えれば、永久磁石3の形状は、かまぼこ形状であってもよい。この場合、永久磁石3の厚み方向の寸法は、永久磁石3の最大厚み部分の寸法とする。
1、1A 回転子、2、2A 回転子鉄心、3、3A 永久磁石、4 固定子、21、21A 磁石挿入穴、22 同一磁極構成部分、23 同一磁極遅れ側部分、24 同一磁極進み側部分、25 同一磁極径方向内側部分、31 第1永久磁石、32 第2永久磁石、101 鉄心部、102 空隙部、211 第1磁石挿入穴、212 第2磁石挿入穴、213 第3磁石挿入穴。

Claims (8)

  1. 複数の磁石挿入穴が周方向に並べて形成された回転子鉄心と、
    複数の前記磁石挿入穴のそれぞれに挿入された複数の永久磁石と
    を備え、
    複数の前記永久磁石は、厚み方向の寸法が設計寸法から設定公差の範囲内であって設定値よりも小さい第1永久磁石と、前記厚み方向の寸法が設計寸法から前記設定公差の範囲内であって前記設定値よりも大きい第2永久磁石と、を有し、
    複数の前記磁石挿入穴は、前記第1永久磁石が挿入される第1磁石挿入穴と、前記第1磁石挿入穴の幅方向寸法よりも幅方向寸法が大きく、前記第2永久磁石が挿入される第2磁石挿入穴と、を有している回転電機の回転子。
  2. 複数の永久磁石を周方向に並べて形成された鉄心が回転する回転電機の回転子であって、
    前記複数の永久磁石に含まれる第1永久磁石と、
    前記複数の永久磁石に含まれ、前記第1永久磁石よりも径方向の厚みが大きい第2永久磁石と、
    前記第1永久磁石が挿入される、前記第1永久磁石の厚みよりも径方向の幅寸法が大きい第1磁石挿入穴と、
    前記第2永久磁石が挿入される、前記第2永久磁石の厚みよりも径方向の幅寸法が大きい第2磁石挿入穴と、
    を備え、
    前記第1磁石挿入穴の幅寸法と前記第1永久磁石の厚みの平均値との差は、前記第2磁石挿入穴の幅寸法と前記第2永久磁石の厚みの平均値との差よりも小さい回転電機の回転子。
  3. 前記第1永久磁石の厚みは、前記複数の永久磁石の厚みの平均値であり、または、前記平均値よりも小さく、
    前記第2永久磁石の厚みは、前記複数の永久磁石の厚みの前記平均値よりも大きい請求項に記載の回転電機の回転子。
  4. 前記第1永久磁石および前記第2永久磁石は、互いに異なる磁極を構成する請求項1から請求項までの何れか一項に記載の回転電機の回転子。
  5. 前記第1永久磁石および前記第2永久磁石は、互いに同一の磁極を構成する請求項1から請求項までの何れか一項に記載の回転電機の回転子。
  6. 前記第1永久磁石および前記第2永久磁石のそれぞれは、トルク発生方向に対して遅れ側に配置された前記永久磁石の動作点が、前記トルク発生方向に対して進み側に配置された前記永久磁石の動作点よりも高くなるように、配置されている請求項に記載の回転電機の回転子。
  7. 複数の永久磁石のそれぞれの厚み方向の寸法を測定する厚み寸法測定工程と、
    前記厚み寸法測定工程の後、前記厚み方向の寸法が設定公差の範囲内であって設定値よりも小さい前記永久磁石を第1永久磁石とし、前記厚み方向の寸法が前記設定公差の範囲内であって前記設定値よりも大きい前記永久磁石を第2永久磁石とする永久磁石選別工程と、
    前記永久磁石選別工程の後、回転子鉄心に形成された第1磁石挿入穴に前記第1永久磁石を挿入し、前記回転子鉄心に形成され、前記第1磁石挿入穴の幅方向寸法よりも幅方向寸法が大きい第2磁石挿入穴に前記第2永久磁石を挿入する永久磁石挿入工程と
    を備えた回転電機の回転子の製造方法。
  8. 前記厚み寸法測定工程では、複数の前記永久磁石のそれぞれの前記厚み方向の寸法から複数の前記永久磁石の前記厚み方向の寸法の平均値を算出し、
    前記永久磁石選別工程では、前記平均値を前記設定値として用いる請求項に記載の回転電機の回転子の製造方法。
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