JP6846258B2 - 有機電界発光素子用材料及びこれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
また、本発明の有機電界発光素子用材料は、良好なアモルファス特性と高い熱安定性を示すと同時に励起状態で極めて安定であることから、これを用いた有機EL素子は駆動寿命が長く実用レベルの耐久性を有する。
インドロカルバゾール環は、コラニュレン環を構成する6員環の1つに結合するが、bが2である場合は2つのインドロカルバゾール環はそれぞれ別の6員環に結合する。
本発明の有機EL素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については、特に制限はなく、従来から有機EL素子に慣用されているものであればよく、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英などからなるものを用いることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
発光層は、陽極及び陰極のそれぞれから注入された正孔及び電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層であり、発光層には有機発光材料とホスト材料を含む。
発光層が蛍光発光層である場合、蛍光発光材料は少なくとも1種の蛍光発光材料を単独で使用しても構わないが、蛍光発光材料を蛍光発光ドーパントとして使用し、ホスト材料を含むことが好ましい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層又は正孔輸送層の間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
電子阻止層とは、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料から成り、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は発光層に隣接して陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
膜厚110nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10-5Paで積層した。まず、ITO上に正孔注入層としてHAT-CNを25nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPDを45nmの厚さに形成した。次に、電子阻止層としてHT-1を10nmの厚さに形成した。そして、ホスト材料としての化合物2とドーパントとしてのIr(piq)2acacとを異なる蒸着源から、共蒸着し、40 nmの厚さに発光層を形成した。
この時、Ir(piq)2acacの濃度が6.0wt%であった。更に、正孔阻止層としてET-1を10nmの厚さに形成した。次に電子輸送層としてET-2を27.5nmの厚さに形成した。そして電子輸送層上に電子注入層としてLiFを1nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてAlを70nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
実施例2における発光層のホスト材料として、化合物1に代えて、化合物5、14、15、16、25、74、75及び76を用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
実施例2における発光層のホスト材料としてH-1、H-2、r1を用いた以外は実施例2と同様にして有機EL素子を作成した。
Claims (10)
- 一般式(1)で表されるコラニュレン化合物からなることを特徴とする有機電界発光素子用材料。
- 一般式(1)において、bが1である請求項1に記載の有機電界発光素子用材料。
- 一般式(2)〜(7)中のaが、0である請求項3に記載の有機電界発光素子用材料。
- 一般式(3)〜(5)のいずれかで表される請求項3に記載の有機電界発光素子用材料。
- 一般式(2)〜(7)中のArが、置換若しくは未置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、又は該芳香族炭化水素基及び該芳香族複素環基から選ばれる芳香族環が2〜6つ連結して構成されている連結芳香族基である請求項3〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。
- 基板上に、陽極、有機層及び陰極が積層されてなる有機電界発光素子において、請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料を含む有機層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 有機電界発光素子用材料を含む有機層が、発光層、電子輸送層、および正孔阻止層からなる群れから選ばれる少なくとも一つの層である請求項7に記載の有機電界発光素子。
- 有機電界発光素子用材料を含む有機層が、燐光発光ドーパントを含有する発光層である請求項7に記載の有機電界発光素子。
- 燐光発光ドーパントの発光波長が550nm以上に発光極大波長を有する請求項9に記載の有機電界発光素子。
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