JP6844742B2 - ライトガイド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像情報を虚像として使用者の眼前に表示する画像表示装置において光束(射出瞳)を拡大するためのライトガイド、及びその製造方法に関する。本発明に係るライトガイドを用いた画像表示装置は、ヘルメットマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、眼鏡型ディスプレイ(いわゆるスマートグラス)などの画像表示装置に好適である。
自動車や電車では、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示素子に表示された画像をフロントガラスやコンバイナに投影して運転者側に反射させることにより、運転者の眼前に虚像による表示画像を形成するヘッドアップディスプレイが使用されている。また、航空機では、同様の仕組みにより、操縦者が頭部に着用するヘルメットに設けられたコンバイナに画像を投影し、操縦者の眼前に虚像による表示画像を形成するヘルメットマウントディスプレイが使用されている。また最近では、スマートグラス等と呼ばれる眼鏡型、或いは頭部装着型のヘッドマウントディスプレイも普及し始めている。
こうした画像表示装置には観察者の眼前に虚像を表示する光学系として様々な方式のものが知られているが、その一つとして、ライトガイド(導光板)を用いた方式がある。
図8は特許文献1等に開示されている、ライトガイドを用いた従来の画像表示装置の一例における光路構成を示す概略図である。説明の便宜上、図中に示すように互いに直交するx、y、z軸を定めている。
画像表示装置2は、光源部21、表示素子22、コリメート光学系23、及びライトガイド20を備える。ここでは表示素子22は透過型液晶表示素子であり、光源部21はいわゆる透過型液晶表示素子に対するバックライト光源である。光源部21から出射した光は表示素子22を背面側から照明し、表示素子22の表示面上に形成された画像を情報として含む光(以下「画像光」という)が該表示素子22から射出される。コリメート光学系23は、表示素子22の表示面の各点(画素)から射出された画像光をそれぞれ略平行な光束としてライトガイド20に導入する。したがって、コリメート光学系23からライトガイド20に導入される光は、それぞれが表示素子22の表示面上に形成される画像の異なる部位の情報を含み、異なる角度でライトガイド20に入射する平行光束の集合である。
ライトガイド20は、共にy−z平面に平行で対向している第一面200a及び第二面200bと、共にx−y平面に平行である図示しない第三面及び第四面と、を有する偏平立方体形状である透明な基板200を備える。基板200の内部に一つの入射側反射面201と複数(この例では3枚)の射出側反射面202a〜202cとが形成されている。入射側反射面201は第三面及び第四面に垂直であり、第一面200a及び第二面200bに対して傾斜している。複数の射出側反射面202a〜202cは同様に第三面及び第四面に垂直であり、第一面200a及び第二面200bに対して傾斜しており、且つそれらは互いに平行である。ここでは、入射側反射面201はミラー等による反射面であり、射出側反射面202a〜202cは所定の反射率(つまりは透過率)を有する部分反射面つまりはビームスプリッタ又はハーフミラーである。
上述したように表示素子22の表示面上に形成される画像の異なる部位の情報を含む画像光は平行光束として異なる角度でライトガイド20に入射し、入射側反射面201で反射される。この光束が第一面200aと第二面200bとで繰り返し反射されつつ基板200の内部を透過し射出側反射面202aに達する。射出側反射面202aは到達した画像光の一部を反射させ、残りを透過させる。透過した画像光は次の射出側反射面202bに到達し、その光の一部は反射され、残りは透過する。射出側反射面202cも同様である。したがって、ライトガイド20の基板200の内部を透過してきた画像光の一部は複数の射出側反射面202a〜202cでそれぞれ反射され、基板200の第一面200aを透過して外部に射出する。そして、各射出側反射面202a〜202cで反射された画像光はそれぞれ所定の角度で観察者の眼Eに入射する。
このようにしてこの画像表示装置2では、表示素子22の表示面に形成された画像が虚像として観察者の眼前に表示される。また、ライトガイド20の基板200は透明であり、射出側反射面202a〜202cは部分反射面であるため、観察者はライトガイド20を通して前方の風景を視認することもできる。
上記画像表示装置を構成する部品の一つであるライトガイド20は、基板200の内部に複数の部分反射面を有する。特許文献2、3には、こうしたライトガイドを製造する方法が開示されている。
図9は特許文献2の図32に記載されたライトガイドの製造方法の説明図、図10は特許文献3の図1に記載されたライトガイドの製造方法の説明図である。これら製造方法ではいずれも、ガラス等の透明である複数の基材を接合することによりライトガイドを製造する。
図9に示した製造方法では、ガラスである各基材210の両側の接合面の一方にのみ部分反射の作用を有する光学膜層211を形成する。そして、 一つの基材210の光学膜層211の形成面と他の基材210のガラス面とを接合するように複数の基材210を積層させることで、複数の部分反射面が基板の内部に形成されたライトガイドを製造する。
図10に示した製造方法では、両面がガラス面である第1基材221と、両面に部分反射の作用を有する光学膜層を形成した第2基材222とを用意し、第1基材221と第2基材222とを交互に配置して第1基材221のガラス面と第2基材222の光学膜層形成面とを接合することで、複数の部分反射面が基板の内部に形成されたライトガイドを製造する。
いずれの製造方法でも、一つの基材のガラス面と他の基材の光学膜層形成面とを接合する必要がある。しかしながら、多くの場合、光学ガラスには屈折率調整用の成分が添加されており、こうした成分のために接合性が悪い。特に、画像表示装置用のライトガイドでは視野を拡大するために高い屈折率が必要とされるが、屈折率を高くするためにガラスに添加される成分は接合性を低下させ易い。ガラス面と光学膜層形成面との接合性が悪いと、製品(ライトガイド)の歩留まりが低下し製品自体のコストが増加するおそれがある。また、こうしたライトガイドを組み込んだ画像表示装置自体の信頼性が低下するおそれもある。
また、基材として使用する硝材を変更するとその接合性が変化するため、新たな硝材に対応した適切な接合条件(温度、圧力など)を調べ直す作業が必要になる。そのため、硝材の変更は製造効率を下げることになり、硝材の変更による性能の改善や軽量化、コスト削減などが行いにくいという問題もある。
特許第4508655号公報 特許第5698297号公報 米国特許出願公開第2013/0163089号明細書
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、複数の基材の接合面に部分反射面を形成する際の接合性を改善することでライトガイドの製造効率や信頼性を向上させることをその主たる目的としている。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るライトガイドの製造方法は、互いに平行に対向する第一面及び第二面を有する透明な基板の内部に、前記第一面及び第二面に対して所定角度で以て傾斜している複数の部分反射面を有するライトガイドを製造する方法であって、
それぞれが前記基板の構成部材である複数の透明な基材同士を接合し、二つの基材の間の接合面に前記部分反射面を形成するものであり、接合前に、接合される一方の基材の面に、網目形成酸化物膜層、又は最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層のいずれかを形成するとともに、接合される他方の基材の面に少なくとも光学膜層を形成しておき、接合によりそれら一又は二の光学膜層と網目形成酸化物膜層とが積層された状態において前記部分反射面としての所定の光学特性となるように各膜層の構造が定められることを特徴としている。
本発明に係るライトガイドの製造方法の第1の態様では、接合される一方の基材の面に網目形成酸化物膜を形成するとともに、接合される他方の基材の面に光学膜層を形成しておくものとすることができる。
また本発明に係るライトガイドの製造方法の第2の態様では、接合される一方の基材の面に網目形成酸化物膜を形成するとともに、接合される他方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成しておくものとすることができる。
また本発明に係るライトガイドの製造方法の第3の態様では、接合される一方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成するとともに、接合される他方の基材の面に光学膜層を形成しておくものとすることができる。
また本発明に係るライトガイドの製造方法の第4の態様では、接合される一方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成するとともに、接合される他方の基材の面にも最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成しておくものとすることができる。
即ち、本発明に係るライトガイドの製造方法では、接合される二つの基材の表面の少なくとも一方は網目形成酸化物膜層であり、他方は網目形成酸化物膜層か或いは光学膜層である。一般に知られているように網目形成酸化物(Network former)は単独で3次元網目構造を形成し得る物質であり、SiO2、B23、Al23などがある。
上述したように、ライトガイドの基板に使用されるガラスには接合性を低下させる成分が含まれていることが多いが、本発明に係るライトガイド製造方法では、基材そのもののが露出している面が接合に供されることはなく、少なくとも一方の面は接合性が比較的良好である網目形成酸化物膜層である。そのため、二つの基材を良好に接合して、その接合面に部分反射面を形成することができる。また、基材の硝材が変更された場合でも、接合条件はその硝材の変更の影響を受けない。そのため、一旦、適切な接合条件を見いだせば、硝材が変更されても同じ接合条件で以て基材の接合を行うことができる。
なお、本発明に係るライトガイド製造方法の第1乃至第4の態様において、好ましくは、複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、少なくともその両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材は、その部分反射面に対応する両側の面に互いに異なる膜層を有するものとしてもよい。
また、上記製造方法では、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あり、該複数の基材同士で各基材の両側の面にそれぞれ形成される膜層は同一の膜構造であるものとするとよい。
これによれば、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される複数の基材として、膜構造が同一の基材を用いることができる。そのため、膜構造が相違する複数種類の基材を用意する必要がなく、製造工程を簡略化して製造効率を向上させることができる。また、複数の基材を接合する際にその順番を問わないので、誤った接合による不具合品の発生を防止することができる。なお、接合後に同一の膜構造となる部分反射面は、同一の反射率となる。
また本発明に係るライトガイド製造方法の第1乃至第4の態様において、複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あって、該複数の基材はそれぞれ、その両側の面に形成される膜層が同一の膜構造であるものとしてもよい。
これによれば、複数の基材を接合する際に基材の接合面の表裏を問わないので、表裏の間違いによる不具合品の発生を防止することができる。
さらにまた本発明に係るライトガイド製造方法の第4の態様において、複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あって、該複数の基材は両側の面にそれぞれ形成される膜層が全て同一の膜構造であるものとしてもよい。
これによれば、光学膜層を形成する工程を簡略化することができ、ライトガイドの製造効率を向上させることができる。また、複数の基材を接合する際にその順番を問わず、さらにまた基材の接合面の表裏も問わないので、誤った接合による不具合品の発生を防止することができる。なお、接合後に同一の膜構造となる部分反射面は、同一の反射率となる。
また本発明に係るライトガイドは、上記本発明に係るライトガイド製造方法により製造されたライトガイドであり、互いに平行に対向する第一面及び第二面を有する透明な基板の内部に、前記第一面及び第二面に対して所定角度で以て傾斜している複数の部分反射面を有するライトガイドであって、
前記基板は複数の透明な基材から成り、その複数の基材の中の二つの基材の間の接合面に前記部分反射面が形成され、該部分反射面は接合面を挟んだ一方又は両方の基材の面に形成された光学膜層と少なくとも一つの網目形成酸化物膜層とを含んで所定の光学特性となるように形成されていることを特徴としている。
本発明に係るライトガイドは、網目形成酸化物膜層を挟んで二つの基材が接合されているので接合性が良好であり、高い信頼性を確保することができる。
本発明に係るライトガイド製造方法によれば、複数の基材の接合面に部分反射面を形成する際の、基材同士の接合性を改善することができる。それにより、ライトガイドの製造効率を向上させ、製造コストを低減することができる。また、ライトガイド自体の信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施例であるライトガイドを用いた画像表示装置における光学系の概略構成図。 図1に示した画像表示装置におけるライトガイドをy軸方向に見たときの平面図。 本発明の一実施例であるライトガイド製造方法の説明図。 本発明の他の実施例であるライトガイド製造方法の説明図。 本発明の他の実施例であるライトガイド製造方法の説明図。 本発明の他の実施例であるライトガイド製造方法の説明図。 本発明の他の実施例であるライトガイド製造方法の説明図。 従来の画像表示装置における光学系の概略構成図。 従来のライトガイドの製造方法の一例の説明図。 従来のライトガイドの製造方法の他の例の説明図。
本発明の一実施例であるライトガイド及びその製造方法について、添付図面を参照して説明する。まず、本実施例によるライトガイドを用いた画像表示装置の一例について説明する。
図1は本例の画像表示装置における光学系の概略構成図、図2は図1中のライトガイドをy軸方向に見たときの平面図である。
この画像表示装置1は、図8に示した従来の画像表示装置2と同じく、光源部11、表示素子12、コリメート光学系13、及びライトガイド10を備える。光源部11、表示素子12及びコリメート光学系13は、従来の画像表示装置2における光源部21、表示素子22、コリメート光学系23と同じものを用いることができるが、これに限るものではない。
ライトガイド10は、共にy−z平面に平行であって対向する第一面100a及び第二面100bと、共にx−y平面に平行であって対向する第三面100c及び第四面100dとを有する偏平立方体形状である基板100を備える。基板100は例えばポリカーボネート樹脂や石英ガラスなどの透明体である。この基板100の内部に一つの入射側反射面101と複数(本例では3枚)の射出側反射面102a〜102cとが形成されている。
入射側反射面101は第三面100c及び第四面100dに垂直であり、第一面100aに対し傾斜している。また、複数の射出側反射面102a〜102cも同様に、それぞれ第三面100c及び第四面100dに垂直であり、第一面100aに対して傾斜している。また、複数の射出側反射面102a〜102cは互いに平行である。
本実施例の画像表示装置1において、光源部11からの照明光を受けて表示素子12の表示画面から発せられた画像光は、コリメート光学系13によって略平行光化され第一面100aを通過してライトガイド10の基板100の内部に導入される。コリメート光学系13からライトガイド10に導入される画像光は、それぞれが表示素子12の表示面上に形成される二次元的な画像の異なる部位の情報を含み、異なる角度でライトガイド10に入射する平行光束の集合である。
この画像光は入射側反射面101で反射されたあと第一面100aと第二面100bとで一又は複数回反射されながら基板100の内部を透過し、入射側反射面101に最も近い位置にある射出側反射面102aに達する。射出側反射面102aは到達した光束の一部を反射させ、残りを透過させる。透過した光は次の射出側反射面102bに到達し、その光束の一部は反射され、残りは透過する。射出側反射面102cも同様である。したがって、ライトガイド10の基板100の内部を透過してきた光束は複数の射出側反射面102a〜102cでそれぞれ反射され、基板100の第二面100bを透過して外部に射出される。これにより、ライトガイド10の基板100に導入された光束は拡大されて該基板100から射出され、観察者の眼Eの前には表示素子12の表示面上に形成された画像が虚像として表示される。なお、一般的に複数の射出側反射面102a〜102cの反射率は同一であるが、必ずしも同一である必要はない。
次に、上記ライトガイド10の製造方法について説明する。図3は本発明の一実施例であるライトガイド製造方法の説明図である。
従来技術である図9と同様に、基板100は複数の透明な基材110(110A、110B)を単列状に接合することにより形成される。そして、隣接する二つの基材110A、110Bの間の接合面が入射側反射面101や射出側反射面102a〜102cとなる。その両側に部分反射面が形成される基材110、具体的に図1で言えば、射出側反射面102bと射出側反射面102cとの間の基板100を構成する基材、射出側反射面102aと射出側反射面102bとの間の基板100を構成する基材、は図3に示すようにx−y平面上の断面が菱形形状であり、z軸方向に延伸する棒状の部材である。
一つの基材110Aの対向する二つの面110a、110bは基板100の第一面100a、第二面100bの一部となる面である。また、この基材110Aにあって隣接する別の基材110Bと接合される面にはそれぞれ、最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層111が形成されている。一方、隣接する基材110Bにあって上記基材110Aと接合される面には網目形成酸化物膜層112が形成されている。
基材110Aに形成されている光学膜層111の主体は誘電体多層膜であり、各膜層の材料、厚さ(光学厚さ)、膜層の構成(枚数など)によって、その光学特性が決まる。ただし、ここでは、図3(b)に示すように二つの基材110A、110Bを接合したとき、光学膜層111の最表層にある網目形成酸化物膜層にさらに所定厚さの網目形成酸化物膜層112が積層される構造となるため、これら全体で所定の光学特性、つまりは部分反射面としての所望の反射特性(又は透過特性)が得られるように光学膜層111及び網目形成酸化物膜層112が設計される。
一般に知られているように網目形成酸化物はそれのみで3次元網目構造を形成し得る物質であり、典型的にはSiO2であるが、B23、Al23などでもよい。基材110A、110Bはガラス製であるが、ガラスの主成分のほかに屈折率を高くするために様々な成分が添加されており、そのために接合性が低くなっている。これに対し、この実施例の製造方法では、いずれの基材110A、110Bも接合面にはガラスでなく網目形成酸化物膜層が露出している。そのため、基材110A、110B同士を良好に接合して、その接合面に最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層111と網目形成酸化物膜層112とから成る部分反射面を形成することができる。また、虚像の拡大率や軽量化等のために基材110A、110Bの硝材の種類を変更した場合でも、接合条件を見直す必要がない。また、両側に部分反射面が形成される基材の両面の光学膜層の膜構造は同一であるので、基材を接合する際に基材の接合面の表裏を問わず、表裏の間違いによる不具合品の発生を防止することができる。
図4〜図7はいずれも本発明の他の実施例であるライトガイド製造方法の説明図である。図3に示した例では、基材110Bの接合面には光学膜層がなく網目形成酸化物膜層112のみが形成されていたが、図4、図5に示す例では、基材110Bの接合面にも最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層113、111が形成されている。
図4と図5の相違は、図4では基材110Bの接合面に形成されている光学膜層113と基材Aの接合面に形成されている光学膜層111とは膜層の構造が異なるのに対し、図5では基材110Bと基材110Aとで膜層の構造が同一の光学膜層111が接合面に形成されている点である。
いずれの場合にも図4(b)、図5(b)に示すように二つの基材110A、110Bを接合したとき、間に網目形成酸化物膜層を挟んで二つの光学膜層が積層される構造となるため、これら全体で部分反射面としての所望の反射特性(又は透過特性)が得られるように、最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層111、113がそれぞれ設計される。
図4、図5に示した例のいずれにおいても、図3に示した例と同様に、良好に二つの基材110A、110Bを接合することができる。また、図3に示した例と同様に、両側に部分反射面が形成される基材の両面の光学膜層の膜構造は同一であるので、基材を接合する際に基材の接合面の表裏を問わず、表裏の間違いによる不具合品の発生を防止することができる。また特に、図5に示した例では、各基材において他の基材と接合される面には全て同じ膜構造の光学膜層111が形成されるので、両側に部分反射面(つまりは射出側反射面)が形成される基材は全て同じものを使用することができる。そのため、複数の基材を単列状に接合して基板100を製作する際に基材の配列順序を入れ替えても何ら問題がなく、さらに一層製造性が向上する。
図3〜図5に示した例では、接合対象である相対する面の表面層はいずれも網目形成酸化物膜層であるが、基材のガラス面自体が露出していなければ網目形成酸化物膜層はいずれか一方の面にのみ形成されていればよい。図6、図7はこうした場合の実施例であり、図6に示した例では、最表層に網目形成酸化物膜層を有さない光学膜層114が基材110Aの一方の側の接合面に形成され、該基材110Aの他方の側の接合面には網目形成酸化物膜層112が形成されている。隣接する基材110Bも同様である。したがって、図6(b)に示すように接合された状態でその接合面に形成される部分反射面の膜層構造は図3に示した例とほぼ同様である。
この図6の例では、両側に部分反射面が形成される基材110A、110Bとして同じ種類の基材を使用することができる。そのため、各基材の表裏の入れ替えはできないものの、図5に示した例と同様に、複数の基材を単列状に接合して基板100を製作する際に基材の配列順序を入れ替えても何ら問題がなく、製造性が向上する。
一方、図7に示した例では、基材110Aの両方の面に最表層に網目形成酸化物膜層を有さない光学膜層114が形成され、該基材110Aに隣接する基材110Bの相対する面には網目形成酸化物膜層112が形成されている。したがって、図7(b)に示すように接合された状態でその接合面に形成される部分反射面の膜層構造は図6に示した例と同様である。ただし、この場合には、両側に部分反射面が形成される基材110A、110Bは接合面となる面の膜構造が異なる。そのため、この場合には基材の配列順序の入れ替えはできないものの、各基材の表裏の入れ替えは可能であり、表裏の間違いによる不具合品の発生を防止することができる。
なお、上記説明では、部分反射面である射出側反射面102a〜102cを基板100の内部に形成する際の構造について述べたが、ミラー等による反射面である入射側反射面101を基板100の内部に形成する際にも同様の方法を採ることができることは明らかである。また、図1に示した例では射出側反射面は3枚のみであるが、任意の枚数の射出側反射面を同様の方法で形成できることは当然である。
また、上記実施例におけるライトガイドでは、基板100の第三面100cと第四面100dとが互いに平行となっているが、第三面100c及び第四面100dはx−y平面に平行である必要はない。即ち、第一面100a、第二面100b、入射側反射面101、及び、射出側反射面102a〜102cと第三面100c及び第四面100dとは垂直である必要はなく、それらの間の角度や第三面100c及び第四面100dの面の形状は任意に定めることができる。
また上記実施例におけるライトガイドの製造方法では、二種類の基材110A、110Bを用いているが、基材の種類は二種類に限定されるものではなく、一つのライトガイドを構成する全ての基材が異なる種類であってもよい。
また上記実施例では、ライトガイドにおける複数の部分反射面の反射率が同一であることを前提としていたが、反射率が同一でない場合もあり得る。複数の部分反射面の反射率が互いに異なる場合であっても、基材を接合したときに所望の反射特性が得られるように接合される二つの基材の面上の光学膜を設計すればよい。ただし、その場合には、例えば一つの基材の両面にそれぞれ最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層111を形成する場合でも、その膜構造は同一であるとは限らず、基材の表裏の入れ替えができない場合もあり得る。また同様に、基材の配列順序の入れ替えができない場合もあり得る。
また上記実施例におけるライトガイドの製造方法では、基材110を断面菱形形状とし、その第一面110a及び第二面110bがそれぞれライトガイド100の第一面100a及び第二面100bの一部を形成する構成としているが、例えば複数の板状である基材を接合した後に、該基材を研削したり研磨したりする等の外形加工を施して、ライトガイド100の第一面100a及び第二面100bを形成してもよい。その場合、基材の断面形状は菱形形状に限らず、平板形状など、接合面以外の形状は任意で構わない。
また、上記の製造方法により製造された本発明に係るライトガイドは上述したような画像表示装置への使用に限らず、入射光束幅を変化させることが必要な様々な用途に使用することができる。また、ライドガイドの使用の態様は特に問わないから、光を射出側反射面102a〜102c(つまりは部分反射面)側から基板100の内部に入射し、入射側反射面101側から外部へ取り出すようにしてもよい。
さらにまた、上記実施例はあくまでも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
1…画像表示装置
10…ライトガイド
100…基板
100a…第一面
100b…第二面
100c…第三面
100d…第四面
101…入射側反射面
102a〜102c…射出側反射面
11…光源部
12…表示素子
13…コリメート光学系
110、110A、110B…基材
110a…第一面
110b…第二面
111、113…最表層が網目形成酸化物膜層である光学膜層
112…網目形成酸化物膜層
114…最表層に網目形成酸化物膜層を有さない光学膜層

Claims (10)

  1. 互いに平行に対向する第一面及び第二面を有する透明な基板の内部に、前記第一面及び第二面に対して所定角度で以て傾斜している複数の部分反射面を有するライトガイドを製造する方法であって、
    それぞれが前記基板の構成部材である複数の透明な基材同士を接合し、二つの基材の間の接合面に前記部分反射面を形成するものであり、接合前に、接合される一方の基材の面に、網目形成酸化物膜層、又は最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層のいずれかを形成するとともに、接合される他方の基材の面に少なくとも光学膜層を形成しておき、接合によりそれら一又は二の光学膜層と網目形成酸化物膜層とが積層された状態において前記部分反射面としての所定の光学特性となるように各膜層の構造が定められることを特徴とするライトガイドの製造方法。
  2. 請求項1に記載のライトガイドの製造方法であって、
    接合される一方の基材の面に網目形成酸化物膜を形成するとともに、接合される他方の基材の面に光学膜層を形成しておくことを特徴とするライトガイドの製造方法。
  3. 請求項1に記載のライトガイドの製造方法であって、
    接合される一方の基材の面に網目形成酸化物膜を形成するとともに、接合される他方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成しておくことを特徴とするライトガイドの製造方法。
  4. 請求項1に記載のライトガイドの製造方法であって、
    接合される一方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成するとともに、接合される他方の基材の面に光学膜層を形成しておくことを特徴とするライトガイドの製造方法。
  5. 請求項1に記載のライトガイドの製造方法であって、
    接合される一方の基材の面に最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成するとともに、接合される他方の基材の面にも最表面が網目形成酸化物膜層である光学膜層を形成しておくことを特徴とするライトガイドの製造方法。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載のライトガイドの製造方法であって、
    複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、少なくともその両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材は、その部分反射面に対応する両側の面に互いに異なる膜層を有することを特徴とするライトガイドの製造方法。
  7. 請求項6に記載のライトガイドの製造方法であって、
    その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あり、該複数の基材同士で各基材の両側の面にそれぞれ形成される膜層は同一の膜構造であることを特徴とするライトガイドの製造方法。
  8. 請求項2〜5のいずれか1項に記載のライトガイドの製造方法であって、
    複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あって、該複数の基材はそれぞれ、その両側の面に形成される膜層が同一の膜構造であることを特徴とするライトガイドの製造方法。
  9. 請求項5に記載のライトガイドの製造方法であって、
    複数の基材を単列状に接合することで基板を形成するとともに隣接する複数の部分反射面を形成するものであり、その両側に部分反射面がそれぞれ形成される基材が複数あって、該複数の基材は両側の面にそれぞれ形成される膜層が全て同一の膜構造であることを特徴とするライトガイドの製造方法。
  10. 互いに平行に対向する第一面及び第二面を有する透明な基板の内部に、前記第一面及び第二面に対して所定角度で以て傾斜している複数の部分反射面を有するライトガイドであって、
    前記基板は複数の透明な基材から成り、その複数の基材の中の二つの基材の間の接合面に前記部分反射面が形成され、該部分反射面は接合面を挟んだ一方又は両方の基材の面に形成された光学膜層と少なくとも一つの網目形成酸化物膜層とを含んで所定の光学特性となるように形成されていることを特徴とするライトガイド。
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