JP6841477B1 - ズボンの製造方法 - Google Patents

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【課題】ユーザの好みに応じたデザインの履き心地のよいズボンを製造する手段を提供する。【解決手段】予め、様々なスタイルとサイズの組み合わせに応じたジーンズの実物サンプルであるゲージジーンズを準備しておく。ユーザはゲージジーンズを実際に着用して、履き心地を確かめることで、自分に適したジーンズのスタイルとサイズを選択する。ユーザが選択したスタイルとサイズのゲージジーンズがユーザに着用された状態で、ユーザに適した裾の高さに応じた股下の長さが採寸される。ユーザにより選択されたゲージジーンズのスタイル及びサイズと、採寸された股下の長さはフォームに記入される。ジーンズの製造者は、フォームに記入された情報に従い、ユーザにより選択されたスタイル及びサイズのジーンズの裾の高さを調整する。【選択図】図1A

Description

本発明はズボンの製造方法に関する。
衣服を着用するユーザの好みに応じてパーツのデザイン等を変更したカスタムメイドと呼ばれる衣服がある。カスタムメイドの衣服を製造する方法として、古くから、職人がユーザから好みのパーツのデザイン等を聞き取り、聞き取った情報に基づき衣服を製造する方法が知られている。
上記の方法による場合、職人がユーザ毎に好みのパーツのデザイン等を聞き取る必要があるため、一般的に高額となる。そこで、カスタムメイドの衣服を安価に製造する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、インターネット上で提示される衣服の様々なパーツの選択肢の中からユーザが好みのものを選択し、店舗がユーザにより選択されたパーツを組み合わせた衣服を製造することで、低コストでカスタムメイドの衣服を製造する仕組みが提案されている。
特開2003−316977号公報
一般的にジーンズ又はジーパンと呼ばれる、あや織りの綿布で作られたズボン(以下、「ジーンズ」という)のユーザには、カスタムメイドにより自分好みのデザインのジーンズを作って着用したいと思う人が多くいる。
例えば、新しくズボンを買いたいと思うユーザが、特許文献1に記載の仕組みを用いて自分好みのデザインのズボンを注文する場合、ユーザにはそのズボンの履き心地を確認する方法がない。また、ズボン全体の形状(以下、「スタイル」という)によって、履き心地のよい裾の高さは異なる。従って、特許文献1に記載の仕組みにおいて、ユーザが採寸し入力した股下の長さを用いて製造されたズボンの裾の高さが履き心地のよい高さとならない場合がある。
上記の背景に鑑み、本発明は、ユーザの好みに応じたデザインの履き心地のよいズボンを製造する手段を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の全体形状と複数のサイズの組み合わせに応じた複数のズボンであるゲージズボンをユーザが着用し、前記ユーザが自分に適したズボンの全体形状とサイズの組み合わせを選択する第1の選択工程と、前記第1の選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、店員又は前記ユーザが、前記ユーザに適した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する採寸工程と、前記ユーザが、ボタン及びリベットの少なくとも1つを含むパーツ種別の各々に関し、当該パーツ種別の複数の選択肢に応じた実物のパーツの中から選択したパーツを、ズボンのうち腰回りの領域のみの外観を模したシートであり本物のズボンに用いられる生地と糸で作られたシートである雛形シートに対しあてがって、当該パーツが取り付けられた状態のズボンの外観を確認しながら、自分に適したパーツを選択する第2の選択工程と、前記調整工程と並行して、店員が、前記第1の選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたズボンの裾の高さを、前記採寸工程において採寸された股下の長さに応じて調整する調整工程と、前記調整工程において裾の高さが調整されたズボンに対し、前記ユーザが、前記第2の選択工程において選択したパーツを取り付ける取付工程とを備えるズボンの製造方法を第1の態様として提案する。
第1の態様のズボンの製造方法によれば、ユーザにとって履き心地のよい全体形状、サイズ及び裾の高さのズボンが、ユーザが来店した日に製造される。
また、本発明は、複数の全体形状と複数のサイズの組み合わせに応じた複数のズボンであるゲージズボンをユーザが着用し、前記ユーザが自分に適したズボンの全体形状とサイズの組み合わせを選択する選択工程と、前記選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、店員又は前記ユーザが、前記ユーザに適した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する第1の採寸工程と、ウェスト、ワタリ、ヒザ巾、裾巾及び股上のうちの少なくとも1つを含む採寸対象の各々に関し、前記選択工程において選択されたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、前記ユーザが、当該ゲージズボンの当該採寸対象の長さと前記ユーザに適した当該採寸対象の長さとの差分の長さを採寸し、前記ユーザが、採寸した差分の長さをフォームに記入する第2の採寸工程と、前記採寸対象の各々に関し前記第2の採寸工程において採寸され前記フォームに記入された差分の長さに基づき、職人が、前記選択工程において選択されたゲージズボンに応じたパターンを修正する修正工程と、職人が、前記修正工程において修正されたパターンに従い生地を裁断する裁断工程と、職人が、前記裁断工程において裁断された生地を縫製する縫製工程と、過去に実行された前記修正工程において用いられた全体形状とサイズと前記採寸対象の各々に関する差分の長さとを説明変数とし、当該修正工程において修正されたパターンの形状を目的変数とする教師データを蓄積する蓄積工程と、前記蓄積工程において蓄積された教師データを用いて学習モデルを構築する構築工程とを備え、前記修正工程において、前記学習モデルに対し、前記選択工程において選択された全体形状とサイズと、前記採寸対象の各々に関し前記第2の採寸工程において採寸された差分の長さとを説明変数として入力し、前記学習モデルから目的変数として出力されるパターンの形状を修正されたパターンとして取得するズボンの製造方法を第2の態様として提案する。
第2の態様のズボンの製造方法によれば、ユーザの好みにあったデザインであり、履き心地がよいズボンが店員の手間をあまり要さずに製造される。また、パターンを修正する人の手間が軽減される。
第1実施形態に係るジーンズ製造方法のフローを示した図。 第1実施形態に係るジーンズ製造方法のフローを示した図。 第1実施形態に係るフォームを例示した図。 第2実施形態に係るジーンズ製造方法のフローを示した図。 第2実施形態に係る雛形シートの写真。 一変形例に係るフォームを例示した図。 一変形例に係る革パッチのサンプル帳の写真。 一変形例に係るボタン及びリベットのサンプル帳の写真。
[第1実施形態]
以下に本発明の第1実施形態に係るジーンズ製造方法Mを説明する。ジーンズ製造方法Mは、ユーザの好みに応じたデザインのジーンズ(ズボンの一例)を製造する方法である。図1A及び図1B(以下、これらを「図1」と総称する)はジーンズ製造方法Mのフローを示した図である。以下、図1のフローに従いジーンズ製造方法Mを説明する。
ジーンズ製造方法Mにおいては、様々な全体形状(以下、「スタイル」という)と様々なサイズとの組み合わせに応じたサンプルのジーンズ(ゲージズボンの一例。以下、「ゲージジーンズ」という)がユーザの来店前に予め準備されている。ユーザは、店舗に訪れると、まず、多数準備されているゲージジーンズの中から、自分の体型及び好みに適合すると思われるゲージジーンズを選択し、実際に着用しながら、履き心地がよく自分好みのデザインのゲージジーンズを1つ、選択する(ステップS101)。
続いて、店員は、ステップS101において選択され、ユーザに着用されているゲージジーンズの裾を折り返して、ユーザに適する裾の高さを決定し、決定した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する(ステップS102)。
続いて、店員は、ステップS101においてユーザにより選択されたゲージジーンズのスタイル及びサイズと、ステップS102において採寸した股下の長さを専用のフォームFに記入する(ステップS103)。図2はフォームFを例示した図である。
続いて、店員はユーザに、パターン修正を伴うカスタムを希望するか否かを訊ねる。ユーザがパターン修正を伴うカスタムを希望する場合(ステップS104;Yes)、店員は、ステップS101において選択され、ユーザに着用されているゲージジーンズの、ウェスト、ワタリ、ヒザ巾、裾巾及び股上(採寸対象の一例)の各々に関し、ゲージジーンズの長さとユーザに適する長さとの差分の長さを採寸する(ステップS105)。例えば、ウェストに関して、店員はユーザが着用しているゲージジーンズの状態を観察し、また、ユーザからウェスト周りの履き心地を聞き取って、ユーザに適するウェストの長さが、ゲージジーンズのウェストよりどれだけ長いか、もしくは短いか、を特定する。他の採寸対象に関しても同様に、ユーザに適する長さが、ゲージジーンズよりどれだけ長いか、もしくは短いか、を特定する。
店員は、ステップS105において採寸した各採寸対象に関する差分の長さをフォームFに記入する(ステップS106)。
続いて、店員は、パターン修正を伴うその他の項目の各々に関するカスタムの要否と、カスタムを要する場合はその内容をユーザから聞き取る(ステップS107)。ステップS107において聞き取りの対象となる項目は、ファスナー、ボタンフライ及び尾錠である。店員は、ステップS107において聞き取った内容をフォームFに記入する(ステップS108)。
ユーザがパターン修正を伴うカスタムを希望しない場合(ステップS104;No)、または、ステップS108が完了した場合、店員は続いて、パターン修正を伴わない項目の各々に関するカスタムの要否と、カスタムを要する場合はその内容をユーザから聞き取る(ステップS109)。ステップS109において聞き取りの対象となる項目には、生地、ボタン、リベット、ステッチ、革パッチ、ポケット布、ポケットステッチ、洗い加工、イニシャル刺繍が含まれる。これらの項目のうち、ボタン、リベット、革パッチはジーンズに取り付けられるパーツ種別の例である。ユーザは、例えば店舗に陳列されているパーツ等のサンプルを手にとってそれらのデザインを確認しながら、自分が好むデザインのパーツ等を選択する。店員は、そのように選択されたパーツ等をユーザから聞き取る。店員は、ステップS109において聞き取った内容をフォームFに記入する(ステップS110)。
ステップS110までの工程は店舗において行われる。一方、以下に説明するステップS111以降の工程は工場において行われる。工場でジーンズの製造を行う職人は、店舗で店員により各種情報が記入されたフォームFを受け取り、フォームFに記入されている情報に従い、ジーンズの製造を行う。
パターン修正を伴うカスタムが必要な場合(ステップS111;Yes)、職人はフォームFに記入されている情報を用いて、ユーザにより選択されたゲージジーンズに応じたパターンを修正する(ステップS112)。以下、ステップS112において修正された後のパターンを修正パターンという。
続いて、職人は、ステップS111において作成された修正パターンに従い、生地を裁断する(ステップS113)。
パターン修正を伴うカスタムが必要でない場合(ステップS111;No)、職人はフォームFに記入されている情報を用いて、ユーザにより選択されたゲージジーンズに応じたパターンに従い、生地を裁断する(ステップS114)。
ステップS113またはステップS114が完了すると、続いて職人は、フォームFに記入されている情報を用いて、裁断された生地を縫製する(ステップS115)。なお、股下の長さに応じた裾の高さ調整もステップS115において行われる。続いて、職人は、ステップS115における縫製により完成したジーンズの本体に対し、フォームFに記入されている情報を用いて、各種パーツを取り付ける(ステップS116)。洗い加工が不要な場合(ステップS117;No)、ステップS116の完了によりジーンズが完成する。
フォームFの「Washed」欄にチェックが付いている場合、洗い加工が必要なため(ステップS117;Yes)、職人はチェックが付いている選択肢に応じた洗い加工を行う(ステップS118)。これにより、ジーンズが完成する。
上記のように製造されるカスタムジーンズは、実際にユーザが着用して選択したゲージジーンズのスタイルとサイズであり、また、そのゲージジーンズをユーザが着用した状態で採寸された股下の長さであるため、ユーザの好みにあったデザインであり、履き心地がよい。
[第2実施形態]
以下に本発明の第2実施形態に係るジーンズ製造方法Nを説明する。ジーンズ製造方法Nは、第1実施形態に係るジーンズ製造方法Mと同様に、ユーザの好みに応じたデザインのジーンズを製造する方法である。ただし、ジーンズ製造方法Mはカスタムの項目が多岐にわたるため、通常、ユーザが来店した日にカスタムジーンズの製造を完了し、ユーザにカスタムジーンズを手渡しすることは困難である。これに対し、ジーンズ製造方法Nによれば、ユーザは来店した日にカスタムジーンズを持ち帰ることができる。図3はジーンズ製造方法Nのフローを示した図である。以下、図3のフローに従いジーンズ製造方法Nを説明する。
ユーザは、店舗に訪れると、ジーンズ製造方法Mにおける場合と同様に、多数のゲージジーンズの中から、実際に着用しながら、履き心地がよく自分好みのデザインのゲージジーンズを1つ、選択する(ステップS201)。
続いて、店員は、ステップS201において選択され、ユーザに着用されているゲージジーンズの裾を折り返して、ユーザに適する裾の高さを決定し、決定した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する(ステップS202)。
続いて、ユーザは、ジーンズの外観を模したシートである雛形シートSを用いて、様々なデザインの革パッチの中から好みのものを選択する(ステップS203)。図4は、雛形シートSの写真である。なお、図4の写真の奥側に写っているものは、ステップS204においてユーザが選択するリベットである。雛形シートSは、ジーンズのうち、ボタン、リベット及び革パッチが取り付けられる部分を含む領域、すなわち、腰周りの領域の外観を模したシートであり、本物のジーンズに用いられる生地と糸で作られている。なお、図4には雛形シートSの表面が写っているが、雛形シートSの裏面にも本物のジーンズの外観を模したステッチ等が施されている。ユーザは雛形シートSの裏面に革パッチをあてがって、その革パッチが取り付けられた状態のジーンズの外観を確認しながら、革パッチの選択を行う。
続いて、ユーザは、雛形シートSを用いて、ボタン及びリベットに関し、様々なデザインのものから好みのものを選択する(ステップS204)。すなわち、ユーザは雛形シートSの表面にボタン及びリベットをあてがって、それらのボタン及びリベットが取り付けられた状態のジーンズの外観を確認しながら、ボタン及びリベットの選択を行う。
ステップS204と並行して、店員はステップS201においてユーザにより選択されたゲージジーンズのスタイル及びサイズのジーンズに対し、ステップS202において採寸された股下の長さに応じた裾の高さの調整と、ステップS203において選択された革パッチの取り付けを行う(ステップS205)。
ステップS204及びステップS205が完了すると、ユーザは、ステップS205において裾の高さが調整され、革パッチが取り付けられたジーンズに、ステップS204において選択したボタンとリベットを取り付ける(ステップS206)。このように、ジーンズ製造方法Nにおいては、ユーザがジーンズに対するボタンとリベットの取り付けを体験することで、そのジーンズに対する愛着を高めることができる。
ステップS206の完了によって、カスタムジーンズが完成する。ユーザは、そのように完成したカスタムジーンズを持ち帰ることができる。
[変形例]
上述した実施形態は様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態および以下に示す変形例は適宜組み合わされてもよい。
(1)上述の第1実施形態において、フォームFへの情報の記入は店員が行うものとしたが、フォームFへの情報の記入の一部または全てをユーザが行ってもよい。また、上述の第1実施形態において、股下の採寸と、ウェスト等の採寸対象のゲージジーンズの長さとユーザに合う長さとの差分の長さの採寸は店員が行うものとしたが、これらの採寸の一部または全てをユーザが行ってもよい。
(2)上述の第1実施形態において、ゲージジーンズのパターンに修正を行い、修正パターンを作成する作業は職人が行うものとしたが、修正パターンの生成が人手によらず装置により実行されてもよい。その場合、学習モデルが用いられてもよい。
学習モデルを用いてコンピュータが修正パターンを生成する手順の例を以下に説明する。まず、過去に実行されたステップS112において職人により作成された多数の修正パターンの各々に関し、スタイル、サイズ、股下の長さ、ウェストの差分の長さ、ワタリの差分の長さ、ヒザ巾の差分の長さ、裾巾の差分の長さ、股上の差分の長さ、ファスナーの情報、ボタンフライの情報、及び、尾錠の情報を説明変数とし、職人が作成した修正パターンの形状を目的変数とする教師データを蓄積する。
学習モデルの構築に必要となる数以上の教師データが蓄積されると、蓄積した教師データを用いて、既知の手法によって、学習モデルを構築する。
続いて、新たに実行されるジーンズ製造方法MのステップS112において、コンピュータはフォームFに記入されているスタイル、サイズ、股下の長さ、ウェストの差分の長さ、ワタリの差分の長さ、ヒザ巾の差分の長さ、裾巾の差分の長さ、股上の差分の長さ、ファスナーの情報、ボタンフライの情報、及び、尾錠の情報を読み取り、読み取ったそれらの情報を説明変数として学習モデルに入力し、学習モデルから出力される目的変数が示す修正パターンの形状を示す線図をプリンタに出力する。職人は、プリンタにより印刷される修正パターンに従い、ステップS113の裁断を行う。
(3)上述の第1実施形態において、パターン(または修正パターン)に従い生地を裁断する作業(ステップS113及びステップS114)は職人が行うものとしたが、これらの作業をコンピュータにより制御される裁断装置が人手を借りずに行ってもよい。上述した学習モデルにより修正パターンの生成が行われる場合、コンピュータが修正パターンの形状を示す線図をプリンタに出力する代わりに、修正パターンの形状を示すデータを裁断装置に出力し、そのデータが示す形状に生地を裁断するように裁断装置に指示を行ってもよい。
(4)上述の第1実施形態において用いられるフォームFは紙媒体に印刷されたものが想定されている。フォームFの媒体は紙に限られない。例えば、タブレット型のパーソナルコンピュータが備えるタッチスクリーンがフォームFの媒体として用いられてもよい。その場合、図2に示すような画像がタッチスクリーンに表示され、店員等はタッチスクリーンにタッチ操作を行うことで、フォームFへの各種情報の入力を行う。
(5)上述の第2実施形態においては、ユーザが選択したボタンとリベットをユーザが取り付けるものとしたが、ボタンとリベットの取付作業を工場等にいる職人が行ってもよい。その場合、ユーザが選択したボタン、リベット等の情報を正確に職人に伝達するために、専用のフォームへの情報の記入が行われることが望ましい。図5は、この変形例において用いられるフォームGの例である。
この変形例において、職人の手元には、例えば図6に示す写真に写っている革パッチのサンプル帳や、図7に示す写真に写っているボタン及びリベットのサンプル帳が準備されていてもよい。職人は、フォームGに記入されているボタン、リベット、革パッチの情報に応じたサンプルをサンプル帳から探して、ジーンズに取り付けるべきパーツの識別を行う。
(6)第1実施形態及び第2実施形態において、製造対象のズボンはジーンズであるものとしたが、本発明が適用されるズボンの種別はジーンズに限られない。例えば、たて糸がインディゴで染色されていない綿布で製造されたズボンは狭義のジーンズには分類されないが、本発明はそのような狭義のジーンズではないズボンの製造に適用されてもよい。

Claims (2)

  1. 複数の全体形状と複数のサイズの組み合わせに応じた複数のズボンであるゲージズボンをユーザが着用し、前記ユーザが自分に適したズボンの全体形状とサイズの組み合わせを選択する第1の選択工程と、
    前記第1の選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、店員又は前記ユーザが、前記ユーザに適した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する採寸工程と、
    前記ユーザが、ボタン及びリベットの少なくとも1つを含むパーツ種別の各々に関し、当該パーツ種別の複数の選択肢に応じた実物のパーツの中から選択したパーツを、ズボンのうち腰回りの領域のみの外観を模したシートであり本物のズボンに用いられる生地と糸で作られたシートである雛形シートに対しあてがって、当該パーツが取り付けられた状態のズボンの外観を確認しながら、自分に適したパーツを選択する第2の選択工程と、
    前記第2の選択工程と並行して、店員が、前記第1の選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたズボンの裾の高さを、前記採寸工程において採寸された股下の長さに応じて調整する調整工程と、
    前記調整工程において裾の高さが調整されたズボンに対し、前記ユーザが、前記第2の選択工程において選択したパーツを取り付ける取付工程と
    を備えるズボンの製造方法。
  2. 複数の全体形状と複数のサイズの組み合わせに応じた複数のズボンであるゲージズボンをユーザが着用し、前記ユーザが自分に適したズボンの全体形状とサイズの組み合わせを選択する選択工程と、
    前記選択工程において選択された全体形状とサイズの組み合わせに応じたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、店員又は前記ユーザが、前記ユーザに適した裾の高さに応じた股下の長さを採寸する第1の採寸工程と、
    ウェスト、ワタリ、ヒザ巾、裾巾及び股上のうちの少なくとも1つを含む採寸対象の各々に関し、前記選択工程において選択されたゲージズボンを前記ユーザが着用した状態で、前記ユーザが、当該ゲージズボンの当該採寸対象の長さと前記ユーザに適した当該採寸対象の長さとの差分の長さを採寸し、前記ユーザが、採寸した差分の長さをフォームに記入する第2の採寸工程と、
    前記採寸対象の各々に関し前記第2の採寸工程において採寸され前記フォームに記入された差分の長さに基づき、職人が、前記選択工程において選択されたゲージズボンに応じたパターンを修正する修正工程と、
    職人が、前記修正工程において修正されたパターンに従い生地を裁断する裁断工程と、
    職人が、前記裁断工程において裁断された生地を縫製する縫製工程と
    過去に実行された前記修正工程において用いられた全体形状とサイズと前記採寸対象の各々に関する差分の長さとを説明変数とし、当該修正工程において修正されたパターンの形状を目的変数とする教師データを蓄積する蓄積工程と、
    前記蓄積工程において蓄積された教師データを用いて学習モデルを構築する構築工程と
    を備え、
    前記修正工程において、前記学習モデルに対し、前記選択工程において選択された全体形状とサイズと、前記採寸対象の各々に関し前記第2の採寸工程において採寸された差分の長さとを説明変数として入力し、前記学習モデルから目的変数として出力されるパターンの形状を修正されたパターンとして取得する
    ズボンの製造方法。
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